(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】リソグラフィシステムにおける基板アライメントのためのターゲット非対称性測定
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529545
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 EP2022082357
(87)【国際公開番号】W WO2023104469
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ゾンデ,アニルッダ ラマクリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】アイガオンカー,マヘシュ,ウペンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ショーム,クリシャヌ
(72)【発明者】
【氏名】フイスマン,サイモン,レイナルド
(72)【発明者】
【氏名】グーアデン,セバスティアヌス,アドリアヌス
(72)【発明者】
【氏名】ビジネン,フランシスカス,ゴデフリドゥス,キャスパー
(72)【発明者】
【氏名】ワーナール,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ソコロフ,セルゲイ
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197CA06
2H197CA10
2H197DA03
2H197GA01
2H197HA03
2H197JA17
2H197JA22
2H197JA23
(57)【要約】
本開示のいくつかの実施形態は、リソグラフィプロセスに関連して実行される測定における確度を向上させるために、メトロロジ装置におけるターゲットマーク非対称性の測定を向上させることが可能である。例えば、メトロロジシステムは、基板上のターゲットから回折される複数の回折次数を受け取るように構成された投影システムを含むことができる。メトロロジシステムは、ディテクタアレイ、及び、投影システムとディテクタアレイとの間で複数の回折次数を伝送するように構成された導波路デバイス、を更に含むことができる。ディテクタアレイは、複数の回折次数のうちのその他から空間的に分離した複数の回折次数の各々を検出するように構成可能である。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上のターゲットから回折される複数の回折次数を受け取るように構成された投影システム、
ディテクタアレイ、及び、
前記投影システムと前記ディテクタアレイとの間で前記複数の回折次数を伝送するように構成された導波路デバイス、を備え、
前記ディテクタアレイは、前記複数の回折次数のうちのその他から空間的に分離した前記複数の回折次数の各々を検出するように構成される、
メトロロジシステム。
【請求項2】
前記ディテクタアレイは、前記複数の回折次数の各々の強度を個別に測定するように構成される、請求項1に記載のメトロロジシステム。
【請求項3】
前記ディテクタアレイは、前記複数の回折次数の各々が前記ディテクタアレイ上に着地する場所の分布測定を決定するように構成される、請求項2に記載のメトロロジシステム。
【請求項4】
前記ターゲットの特徴を決定するように構成され、
前記複数の回折次数のうちの少なくとも1つについての正の回折次数及び負の回折次数の前記測定された強度間の差、及び、前記複数の回折次数のうちの前記少なくとも1つについての前記分布測定における変化、のうちの少なくとも1つに基づいて補正係数を決定するように構成され、かつ、
前記決定された補正係数に基づいて、前記ターゲットの前記決定された特徴を改訂するように構成された、
プロセッサを更に備える、請求項3に記載のメトロロジシステム。
【請求項5】
前記正の回折次数及び前記負の回折次数の前記測定された強度間の前記差は、前記ターゲットの非対称性に基づく、請求項4に記載のメトロロジシステム。
【請求項6】
前記分布測定における前記変化は、前記ターゲットに関連付けられた層厚み変動に基づく、請求項4に記載のメトロロジシステム。
【請求項7】
前記ディテクタアレイは、前記複数の回折次数の各々が前記ディテクタアレイ上に着地する場所の分布測定を決定するように構成され、
前記メトロロジシステムは、前記複数の回折次数のうちの少なくとも1つについての前記分布測定における変化を決定するように構成されたプロセッサを更に備え、
前記分布測定における前記変化は、前記ターゲットに関連付けられた層厚み変動に基づく、請求項1に記載のメトロロジシステム。
【請求項8】
前記導波路デバイスは、前記ディテクタアレイが前記導波路デバイスへの入力の遠視野放射パターンを検出するように構成されるように配置される、請求項1に記載のメトロロジシステム。
【請求項9】
レンズシステムを更に備え、
前記導波路デバイスの出力が前記レンズシステムの焦点に配置され、
前記ディテクタアレイは前記レンズシステムの共役焦点に配置される、請求項8に記載のメトロロジシステム。
【請求項10】
前記導波路デバイスと前記ディテクタアレイとの間の距離が、前記ディテクタアレイが前記投影システムの瞳面において検出するように配置される、請求項8に記載のメトロロジシステム。
【請求項11】
前記複数の回折次数のうちの1つ以上をブロック又は減衰するように構成されたメカトロニクスアパーチャを更に備え、
前記ディテクタアレイは、単一ピクセルディテクタを備える、請求項8に記載のメトロロジシステム。
【請求項12】
前記導波路デバイスの上流に位置決めされた第1のレンズシステム、
前記第1のレンズシステムの上流に位置決めされた光学要素、及び、
前記光学要素の上流に位置決めされた第2のレンズシステム、
を更に備える、請求項1に記載のメトロロジシステム。
【請求項13】
前記ディテクタアレイは、前記複数の回折次数のうちの第1の回折次数を検出するように構成された第1のディテクタ、及び、前記複数の回折次数のうちの第2の回折次数を検出するように構成された第2のディテクタを備え、
前記光学要素は、調整可能次数スプリッタ、調整可能次数ブロッカ、又は空間光変調器のうちの少なくとも1つを備える、請求項12に記載のメトロロジシステム。
【請求項14】
前記導波路デバイスは、マルチモードファイバを備える、請求項1に記載のメトロロジシステム。
【請求項15】
前記導波路デバイスは、ファイババンドルを備える、請求項1に記載のメトロロジシステム。
【請求項16】
前記導波路デバイスは、1つ以上の導波路デバイスを備え、
前記1つ以上の導波路デバイスのうちの各々は、前記ディテクタアレイが、前記1つ以上の導波路デバイスのうちの対応する導波路デバイスを使用して、前記投影システムの瞳面の異なる部分を検出するように配置される、請求項1に記載のメトロロジシステム。
【請求項17】
前記ターゲットは、第1のピッチを有する第1のセグメントと、前記第1のピッチとは異なる第2のピッチを有する第2のセグメントと、を有するデュアルピッチマークを備える、請求項1に記載のメトロロジシステム。
【請求項18】
前記ディテクタアレイは、前記第2の方向から分離した前記第1の方向に、前記複数の回折次数のうちの他の回折次数から空間的に分離した前記複数の回折次数の各々を検出するように、更に構成される、請求項17に記載のメトロロジシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2021年12月7日出願の米国仮特許出願第63/286,933号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、メトロロジシステム、例えば、リソグラフィプロセスに関連して使用されるメトロロジシステムにおけるターゲットマーク非対称性を測定及び使用するための、方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
【0004】
[0004] リソグラフィ動作中、異なる処理ステップは異なる層が基板上に逐次形成されることを必要とし得る。したがって、高確度で形成された前のパターンに関して基板を位置決めすることが必要な可能性がある。概して、アライメントマークは、第2のオブジェクトに関して位置合わせ及び位置決めされるよう、基板上に配置される。リソグラフィ装置が、アライメントマークの位置を検出するため、及び、マスクからの正確な露光を保証するためにアライメント装置を使用して基板を位置合わせするために、アライメント装置を使用し得る。2つの異なる層におけるアライメントマーク間のミスアライメントは、オーバーレイエラーとして測定される。
【0005】
[0005] リソグラフィプロセスをモニタするために、パターン基板のパラメータが測定される。パラメータには、例えば、パターン基板内又は上に形成された連続する層間のオーバーレイエラーや現像された感光性レジストの臨界線幅が含まれてよい。この測定は、製品基板上及び/又は専用のメトロロジターゲット上で実行することができる。走査電子顕微鏡及び様々な専用ツールの使用を含むリソグラフィプロセスで形成される微細構造を測定する様々な技術がある。専用検査ツールの高速で非侵襲的な形態は、放射ビームを基板表面上のターゲットに誘導し、散乱又は反射したビームの特性を測定するスキャトロメータである。基板により反射又は散乱される前後のビームの特性を比較することによって、基板の特性を決定することができる。これは、例えば既知の基板特性に関連した既知の測定値のライブラリに格納されたデータと反射ビームを比較することによって実行することができる。分光スキャトロメータは広帯域放射ビームを基板上に誘導し、特定の狭い角度範囲に散乱した放射のスペクトル(波長の関数としての強度)を測定する。これに対して、角度分解スキャトロメータは単色放射ビームを使用し、散乱した放射の強度を角度の関数として測定する。
【0006】
[0006] このような光学スキャトロメータは、現像された感光性レジストのクリティカルディメンジョンやパターン基板内又は上に形成された2つの層の間のオーバーレイエラー(OV)などのパラメータを測定するのに使用することができる。基板の特性は、基板により反射又は散乱される前後の照明ビームの特性を比較することによって測定することができる。
【0007】
[0007] 生産の速度及びスループットは、IC及び電子デバイスのリソグラフィ作製において特に重要である。作製において使用されるメトロロジシステムにとって、ウェーハのスループットを即時に向上させるための測定を獲得することが望ましい。測定速度を向上させるために、高確度を維持しながら、測定時間間隔を短縮するように、メトロロジシステムによって検出される放射の量を増加させる(例えばより明るい光源を使用する)ことが可能である。
【発明の概要】
【0008】
[0008] したがって、リソグラフィプロセスに関連して実行される測定における確度を向上させるために、メトロロジ装置におけるターゲットマーク非対称性の測定を向上させることが望ましい。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態において、メトロロジシステムは、基板上のターゲットから回折される複数の回折次数を受け取るように構成された投影システムを含む。メトロロジシステムは、ディテクタアレイ、及び、投影システムとディテクタアレイとの間で複数の回折次数を伝送するように構成された導波路デバイスを、更に含むことができる。ディテクタアレイは、複数の回折次数のうちのその他から空間的に分離した複数の回折次数の各々を検出するように構成可能である。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態において、ディテクタアレイは、複数の回折次数の各々の強度を個別に測定するように構成可能である。ディテクタアレイは、複数の回折次数の各々がディテクタアレイ上に着地する場所の分布測定を決定するようにも構成可能である。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態において、メトロロジシステムは、ターゲットの特徴を決定するように、及び、補正係数を決定するように構成された、プロセッサを更に含むことが可能である。プロセッサは、複数の回折次数のうちの少なくとも1つについての正の回折次数及び負の回折次数の測定された強度間の差、並びに、複数の回折次数のうちの少なくとも1つについての分布測定における変化のうちの、少なくとも1つに基づいて、補正係数を決定することが可能である。プロセッサは、決定された補正係数に基づいて、ターゲットの決定された特徴を更に改訂することができる。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態において、正の回折次数及び負の回折次数の測定された強度間の差は、ターゲットの非対称性に基づくものとすることができる。分布測定における変化も、ターゲットに関連付けられた層厚み変動に基づくものとすることができる。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態において、ディテクタアレイは、複数の回折次数の各々がディテクタアレイ上に着地する場所の分布測定を決定するように構成される。メトロロジシステムは、複数の回折次数のうちの少なくとも1つについての分布測定における変化を決定するように構成された、プロセッサを更に含み、分布測定における変化は、ターゲットに関連付けられた層厚み変動に基づいている。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態において、導波路デバイスは、ディテクタアレイが導波路デバイスへの入力の遠視野放射パターンを検出するように構成されるように、配置される。いくつかの実施形態において、メトロロジシステムは、導波路デバイスの出力がレンズシステムの焦点に配置され、ディテクタアレイはレンズシステムの共役焦点に配置される、レンズシステムを更に含むことができる。いくつかの実施形態において、導波路デバイスとディテクタアレイとの間の距離が、ディテクタアレイが投影システムの瞳面において検出するように配置される。いくつかの実施形態において、メトロロジシステムは、複数の回折次数のうちの1つ以上をブロック又は減衰するように構成された、メカトロニクスアパーチャを更に含むことが可能であり、ディテクタアレイは単一ピクセルディテクタを含む。
【0015】
[0015] いくつかの実施形態において、メトロロジシステムは、導波路デバイスの上流に位置決めされた第1のレンズシステム、第1のレンズシステムの上流に位置決めされた光学要素、及び、光学要素の上流に位置決めされた第2のレンズシステムを、更に含むことができる。いくつかの実施形態において、ディテクタアレイは、複数の回折次数のうちの第1の回折次数を検出するように構成された第1のディテクタ、及び、複数の回折次数のうちの第2の回折次数を検出するように構成された第2のディテクタを含むことができる。いくつかの実施形態において、光学要素は、調整可能次数スプリッタ、調整可能次数ブロッカ、又は空間光変調器のうちの、少なくとも1つを含むことができる。
【0016】
[0016] いくつかの実施形態において、導波路デバイスはマルチモードファイバを含むことができる。いくつかの実施形態において、導波路デバイスはファイババンドルを含むことができる。
【0017】
[0017] いくつかの実施形態において、導波路デバイスは1つ以上の導波路デバイスを含み、1つ以上の導波路デバイスのうちの各々は、ディテクタアレイが、1つ以上の導波路デバイスのうちの対応する導波路デバイスを使用して、投影システムの瞳面の異なる部分を検出するように配置される。
【0018】
[0018] いくつかの実施形態において、ターゲットは、第1のピッチを有する第1のセグメントと、第1のピッチとは異なる第2のピッチを有する第2のセグメントとを含む、デュアルピッチマークを含む。ディテクタアレイは、第2の方向から分離した第1の方向に、複数の回折次数のうちの他の回折次数から空間的に分離した複数の回折次数の各々を検出するように、更に構成可能である。
【0019】
[0019] いくつかの実施形態において、メトロロジシステムは、ディテクタアレイ及び1つ以上の導波路デバイスを含むことができる。1つ以上の導波路デバイスは、基板上のターゲットから回折された複数の回折次数を受け取るように、及び、複数の回折次数をディテクタアレイに伝送するように、構成可能である。1つ以上導波路デバイスは、複数の回折次数のうちの他の回折次数から空間的に分離した複数の回折次数の各々を検出するために、ディテクタアレイが、1つ以上の導波路デバイスへの入力の遠視野放射パターンを検出するように配置可能である。
【0020】
[0020] いくつかの実施形態において、方法は、基板上のターゲットの特徴を決定すること、及び、複数の回折次数のうちの少なくとも1つについて、正の回折次数と負の回折次数との測定された強度間の差を決定することを含む。複数の回折次数はターゲットから回折可能である。正の回折次数と負の回折次数との測定された強度間の差はターゲットの非対称性に基づくことが可能である。方法は、複数の回折次数のうちの少なくとも1つについて、分布測定における変化を決定することを更に含む。分布測定における変化は、ターゲットに関連付けられた層厚み変動に基づくことが可能である。方法は、少なくとも測定された強度間の差及び分布測定における変化に基づいて、補正係数を決定することを更に含むことが可能である。方法は、決定された補正係数に基づいて、ターゲットの決定された特徴を改訂することも含むことができる。
【0021】
[0021] いくつかの実施形態において、メトロロジシステムは、基板上のターゲットから回折された複数の回折次数を受け取るように構成された、投影システムを含む。ターゲットは、第1の方向の第1の格子及び第2の方向の第2の格子を含むことができる。複数の回折次数は、第1の格子からの第1の回折次数、及び第2の格子からの第2の回折次数を含むことができる。メトロロジシステムは、ディテクタアレイ、及び、投影システムとディテクタアレイとの間で複数の回折次数を伝送するように構成された導波路デバイスを更に含むことができる。ディテクタアレイは、第2の回折次数から空間的に分離した第1の回折次数を検出するように構成可能である。
【0022】
[0022] いくつかの実施形態において、メトロロジシステムは、投影システムの瞳面に配置されたレンズを更に含むことができる。
【0023】
[0023] いくつかの実施形態において、メトロロジシステムは、基板上のターゲットから回折された複数の回折次数を受け取るように構成された投影システムを含む。メトロロジシステムは、投影システムとディテクタとの間で複数の回折次数を伝送するように構成された、ディテクタ及び導波路デバイスを更に含むことができる。メトロロジシステムは、ディテクタが、複数の回折次数のうちの他の回折次数の周波数とは異なる周波数において、複数の回折次数の各々を検出するように構成されるように、チョッパーホイールの中心の周りを回転するように構成されたチョッパーホイールを、更に含むことができる。
【0024】
[0024] いくつかの実施形態において、チョッパーホイールは、導波路デバイスとディテクタとの間に配置される。いくつかの実施形態において、メトロロジシステムは、第1の波長帯域を有する回折次数の第1のセット、及び、第2の波長帯域を有する回折次数の第2のセットに対して、複数の回折次数をフィルタリングするように構成された、第1のハイパスフィルタを更に含むことができる。チョッパーホイールは、回折次数の第1のセットの経路内に配置される。メトロロジシステムは、回折次数の第2のセットの経路内に配置された第2のチョッパーホイールと、ディテクタの前で、回折次数の第1のセット及び回折次数の第2のセットを組み合わせるように構成された、第2のハイパスフィルタとを、更に含むことができる。
【0025】
[0025] いくつかの実施形態において、複数の回折次数は正の回折次数を含み、チョッパーホイールは正の回折次数の経路内に配置される。メトロロジシステムは、チョッパーホイール及び第2のチョッパーホイールの後、及びディテクタの前で、正の回折次数及び負の回折次数を組み合わせるように構成された、ハイパスフィルタを更に含むことができる。
【0026】
[0026] いくつかの実施形態において、チョッパーホイールは、複数の回折次数のうちの第1の回折次数に対応する開口の第1のセット、及び、複数の回折次数のうちのより高次の回折次数に対応する開口の第2のセットを、含むことができる。
【0027】
[0027] いくつかの実施形態において、チョッパーホイールは、導波路デバイス及びディテクタの前に配置される。複数の回折次数は正の回折次数を含むことが可能であり、チョッパーホイールは、正の回折次数の経路内に配置される。メトロロジシステムは、第2の導波路デバイス及び第2のディテクタの前、並びに負の回折次数の経路内に配置された、第2のチョッパーホイールを更に含むことができる。
【0028】
[0028] いくつかの実施形態において、チョッパーホイールは、複数の回折次数のうちの第1の回折次数に対応する開口の第1のセットを含む第1のリングと、複数の回折次数のうちのより高次の回折次数に対応する開口の第2のセットを含む第2のリングとを、含む。
【0029】
[0029] 本開示の更なる特徴並びに様々な実施形態の構造及び作用は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。本開示は、本明細書に記載する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、例示のみを目的として本明細書に記載されている。本明細書に含まれる教示に基づいて当業者は更なる実施形態を容易に思いつくであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
[0030] 本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は、本開示を図示し説明とともに、更に本開示の原理を説明し、当業者が実施形態を作成して使用できるようにする働きをする。
【0031】
【
図1A】[0031] 本開示のいくつかの実施形態に従った反射型リソグラフィ装置を示す概略図である。
【
図1B】[0032] 本開示のいくつかの実施形態に従った透過型リソグラフィ装置を示す概略図である。
【
図2】[0033] 本開示のいくつかの実施形態に従った反射型リソグラフィ装置をより詳細に示す概略図である。
【
図3】[0034] 本開示のいくつかの実施形態に従ったリソグラフィセルを示す概略図である。
【
図4A】[0035] 本開示のいくつかの実施形態に従った検査装置を示す概略図である。
【
図4B】[0035] 本開示のいくつかの実施形態に従った検査装置を示す概略図である。
【
図5A】[0036] 本開示のいくつかの実施形態に従った検査装置の強度チャネルを示す概略図である。
【
図5B】[0037] 本開示のいくつかの実施形態に従った複数の回折次数の各々の強度を分離及び個別に測定するための1つの例示的設計を示す図である。
【
図5C】[0038] 本開示のいくつかの実施形態に従ったディテクタ上の強度測定の1つの例示的エネルギー分布を示す図である。
【
図5D】[0039] 本開示のいくつかの実施形態に従った複数の回折次数の各々の強度を分離及び個別に測定するための別の例示的設計を示す図である。
【
図5E】[0039] 本開示のいくつかの実施形態に従った複数の回折次数の各々の強度を分離及び個別に測定するための別の例示的設計を示す図である。
【
図5F】[0040] 本開示のいくつかの実施形態に従った例示のスライド可能高次減衰プレートを示す図である。
【
図5G】[0041] 本開示のいくつかの実施形態に従った例示の瞳ディバイダを示す図である。
【
図5H】[0041] 本開示のいくつかの実施形態に従った例示の瞳ディバイダを示す図である。
【
図6】[0042] 本開示のいくつかの実施形態に従った補正係数を決定するための例示の方法600を示す図である。
【
図7A】[0043] いくつかの実施形態に従った異なるピッチを伴う例示のターゲットを示す図である。
【
図7B】[0043] いくつかの実施形態に従った異なるピッチを伴う例示のターゲットを示す図である。
【
図8A】[0044] いくつかの実施形態に従ったオーバーレイアライメントマークを含む例示のターゲットを示す図である。
【
図8B】[0044] いくつかの実施形態に従ったオーバーレイアライメントマークを含む例示のターゲットを示す図である。
【
図9】[0045] いくつかの実施形態に従った第1の方向の格子についての強度測定を第2の方向の格子についての強度測定から分離するように構成された検査装置を示す概略図である。
【
図10A】[0046] いくつかの実施形態に従ったチョッパーホイールを使用して複数の回折次数の各々の強度を分離するため及び個別に測定するための例示的設計を示す図である。
【
図10B】[0047] いくつかの実施形態に従ったチョッパーホイールを使用して複数の回折次数の各々の強度を分離するため及び個別に測定するための別の例示的設計を示す図である。
【
図10C】[0048] いくつかの実施形態に従ったチョッパーホイールの例示的設計を示す図である。
【
図10D】[0049] いくつかの実施形態に従った時間ドメイン内で検出される例示的強度信号を示す図である。
【
図10E】[0049] いくつかの実施形態に従った周波数ドメイン内で検出される例示的強度信号を示す図である。
【
図11A】[0050] いくつかの実施形態に従った光学システム内のチョッパーホイールを使用して複数の回折次数の各々の強度を分離するため及び個別に測定するための別の例示的設計を示す図である。
【
図11B】[0051] いくつかの実施形態に従った光学システム内で使用されるべきチョッパーホイールの例示的設計を示す図である。
【0032】
[0052] 本開示の特徴は、同様の参照符号は全体を通して対応する要素を識別する図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことで更に明白になるであろう。図面では、一般に、同様の参照番号が同一の、機能が類似した、及び/又は構造が類似する要素を示す。更に、一般に、参照番号の左端の桁は、参照番号が最初に表示される図面を識別する。他に示されない限り、本開示を通じて提供される図面は縮尺通りの図面として解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0033】
[0053] 本明細書は、本開示の特徴を組み込んだ1つ以上の実施形態を開示する。1つ又は複数の開示された実施形態は例として提供される。本開示の範囲は、1つ又は複数の開示された実施形態に限定されない。特許請求された特徴は、本明細書に添付された特許請求の範囲によって定義される。
【0034】
[0054] 記載された1つ又は複数の実施形態、及び本明細書で「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」などに言及した場合、それは記載された1つ又は複数の実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、それぞれの実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含まないことがあることを示す。更に、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。更に、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性について記載している場合、明示的に記載されているか、記載されていないかにかかわらず、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識の範囲内にあることが理解される。
【0035】
[0055] 「下(beneath)」、「下(below)」、「下(lower)」、「上(above)」、「上(on)」、「上(upper)」などのような空間的に相対的な用語は、図に示すように、ある要素又は特徴と別の1つ又は複数の要素又は1つ又は複数の特徴との関係を説明するのを容易にするために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの様々な方向を包含することを意図している。装置は、他の方法で方向付けられてもよく(90度又は他の方向に回転されてもよい)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述語は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0036】
[0056] 本明細書で使用される「約」という語は、特定の技術に基づいて変化し得る所与の量の値を示す。特定の技術に基づいて、「約」という語は、例えばその値の10~30%(例えば、その値の±10%、±20%、又は±30%)の範囲内で変化する所与の量の値を示す可能性がある。
【0037】
[0057] 本開示の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて実施可能である。また、本開示の実施形態は、1つ以上のプロセッサによって読み取り及び実行され得る機械読み取り可能媒体上に記憶された命令としても実施することができる。機械読み取り可能媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)によって読み取り可能な形態の情報を記憶又は送信するためのいずれかの機構を含み得る。例えば、機械読み取り可能媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音、又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)、及び他のものを含むことができる。更に、一定の動作を実行するものとして本明細書ではファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、及び/又は命令を記載することができる。しかしながらそのような記載は単に便宜上のものであり、そういった動作は実際には、コンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行する他のデバイスから得られることは認められよう。
【0038】
[0058] このような実施形態を詳述する前に、本発明の実施形態を実施することができる例示の環境を提示することが有用であろう。
【0039】
[0059] 例示的リソグラフィシステム
[0060]
図1A及び
図1Bは、それぞれ本開示の実施形態が実装され得るリソグラフィ装置100及びリソグラフィ装置100’の概略図である。リソグラフィ装置100及びリソグラフィ装置100’はそれぞれ以下の、放射ビームB(例えば深紫外放射又は極端紫外放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク、レチクル、又は動的パターニングデバイス)MAを支持するように構成されるとともに、パターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成されるとともに、基板Wを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、を備える。リソグラフィ装置100及び100’は、パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つ以上のダイを含む)ターゲット部分Cに投影するように構成された投影システムPSも有する。リソグラフィ装置100では、パターニングデバイスMA及び投影システムPSは反射型である。リソグラフィ装置100’では、パターニングデバイスMA及び投影システムPSは透過型である。
【0040】
[0061] 照明システムILは、放射ビームBを誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0041】
[0062] 支持構造MTは、基準フレームに対するパターニングデバイスMAの方向、リソグラフィ装置100及び100’のうちの少なくとも1つの設計等の条件、及びパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、機械的、真空、静電、又は他のクランプ技術を使用して、パターニングデバイスMAを保持することができる。支持構造MTは、例えば、フレーム又はテーブルでもよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。センサを使用することにより、支持構造MTは、パターニングデバイスMAが、例えば、投影システムPSに対して確実に所望の位置に来るようにできる。
【0042】
[0063] 「パターニングデバイス」MAという用語は、基板Wのターゲット部分Cにパターンを生成する等のために放射ビームBの断面にパターンを付与するのに使用され得る何らかのデバイスを指すものと広義に解釈されるべきである。放射ビームBに付与されたパターンは、集積回路を形成するためにターゲット部分Cに生成されるデバイスにおける特定の機能層に対応する可能性がある。
【0043】
[0064] 本明細書において、「検査装置」、「メトロロジ装置」などの用語は、例えば構造の特性(例えば、オーバーレイ誤差、クリティカルディメンションパラメータ)を測定するために使用されるデバイス又はシステム、あるいはウェーハのアライメント(例えばアライメント装置)を検査するためにリソグラフィ装置内で使用される装置又はシステムを指すために使用される場合がある。
【0044】
[0065] パターニングデバイスMAは、(
図1Bのリソグラフィ装置100’におけるように)透過型であっても、(
図1Aのリソグラフィ装置100におけるように)反射型であってもよい。パターニングデバイスMAの例には、レチクル、マスク、プログラマブルミラーアレイ、又はプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクはリソグラフィにおいて周知であり、バイナリマスク、レベンソン型位相シフトマスク、又はハーフトーン型位相シフトマスク、更には多様なハイブリッドマスクタイプなどのマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの一例は、それぞれが入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾斜され得る小さいミラーのマトリクス配列を採用する。傾斜されたミラーは、小さいミラーのマトリクスにより反射される放射ビームBにパターンを付与する。
【0045】
[0066] 「投影システム」PSという用語は、用いられる露光放射線に、又は、基板W上の液浸液の使用もしくは真空の使用などの他の要素に適切な屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はそれらのあらゆる組み合わせを含むあらゆるタイプの投影システムを含んでいてもよい。その他のガスは放射線又は電子を吸収し過ぎる可能性があるため、極端紫外線(EUV)又は電子ビーム放射線には真空環境を使用することがある。したがって、真空環境は、真空壁及び真空ポンプを用いてビーム経路全体に提供してもよい。
【0046】
[0067] リソグラフィ装置100及び/又はリソグラフィ装置100’は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブルWT(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプであってよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加の基板テーブルWTが並行して使用されるか、あるいは1つ以上の基板テーブルWTが露光に使用されている間に、1つ以上の他のテーブルで準備工程が実行されてよい。ある状況では、追加のテーブルは基板テーブルWTでなくてもよい。
【0047】
[0068] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの数を増加させるために当技術分野でよく知られている。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
【0048】
[0069]
図1A及び
図1Bを参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。例えば放射源SOがエキシマレーザである場合には、放射源SOとリソグラフィ装置100、100’とは別個の物理的実体であってよい。この場合、放射源SOはリソグラフィ装置100又は100’の一部を構成するとは見なされず、放射ビームBは放射源SOから、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを備えたビームデリバリシステムBD(
図1B)を介してイルミネータILへ通過する。他の場合、例えば放射源SOが水銀ランプである場合には、放射源SOはリソグラフィ装置100、100’の一体部分であってよい。放射源SOとイルミネータILとは、またビームデリバリシステムBDが必要とされる場合にはこれも合わせて、放射システムと呼ばれることがある。
【0049】
[0070] イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタAD(
図1B)を備えてよい。一般に、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ「σ-outer」及び「σ-inner」と呼ばれる)を調整することができる。加えてイルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の様々なコンポーネント(
図1B)を備えてもよい。イルミネータILは、ビーム断面における所望の均一性及び強度分布を得るべく放射ビームBを調節するのに使用することができる。
【0050】
[0071]
図1Aを参照すると、放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTに保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターン付与される。リソグラフィ装置100では、放射ビームBはパターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過する。投影システムPSは放射ビームBを基板Wのターゲット部分Cに合焦させる。第2のポジショナPWと位置センサIF2(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)の助けによって、基板テーブルWTを(例えば、放射ビームBの経路に異なるターゲット部分Cを位置決めするように)正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサIF1を使用して、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めすることができる。マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して、パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wを位置合わせすることができる。
【0051】
[0072]
図1Bを参照すると、放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブルMT)に保持されたパターニングデバイス(例えばマスクMA)に入射し、パターニングデバイスによってパターン付与される。マスクMAを横断した後、放射ビームBは投影システムPSを通過する。投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分Cに合焦させる。投影システムは、照明システム瞳IPUと共役な瞳PPUを有する。放射の一部は、照明システム瞳IPUにおける強度分布から生じ、マスクパターンにおいて回折の影響を受けることなくマスクパターンを横切り、照明システム瞳IPUにおいて強度分布の像を作り出す。
【0052】
[0073] 投影システムPSは、マスクパターンMPの像を投影する。像は、強度分布からの放射によりマークパターンMPから生成された回折ビームによって、基板W上に被覆されたフォトレジスト層上に形成される。例えば、マスクパターンMPには、ラインとスペースのアレイが含まれてよい。アレイでの放射回折でゼロ次回折でないものからは、ラインと垂直な方向に方向が変わった誘導回折ビームが生成される。非回折ビーム(すなわち、いわゆるゼロ次回折ビーム)は、伝搬方向が変化することなくパターンを横断する。ゼロ次回折ビームは、投影システムPSの共役な瞳PPUの上流にある投影システムPSの上部レンズ又は上部レンズグループを横断して、共役な瞳PPUに到達する。ゼロ次回折ビームに関連する共役な瞳PPUの面における強度分布の部分が、照明システムILの照明システム瞳IPUの強度分布の像である。開口デバイスPDは、例えば投影システムPSの共役な瞳PPUを含む平面に又は概ね平面に配置される。
【0053】
[0074] 投影システムPSは、レンズ又はレンズグループLによって、ゼロ次回折ビームのみならず、1次又は1次以上の回折ビーム(図示せず)も捉えるように配置される。いくつかの実施形態では、ラインに対して垂直な方向に延びるラインパターンを結像するためのダイポール照明を使用して、ダイポール照明の解像度向上効果を利用することができる。例えば、1次回折ビームは、対応するゼロ次回折ビームにウェーハWのレベルで干渉して、ラインパターンMPの像を可能な限り高い解像度及びプロセスウィンドウ(すなわち、使用可能焦点深度及び許容露光ドーズの変化の組み合わせ)で生成する。いくつかの実施形態では、照明システム瞳IPUの対向する象限に放射極(図示せず)を提供することによって非点収差を低減することができる。更に、いくつかの実施形態では、対向する象限の放射極に関連付けられた投影システムの共役な瞳PPUでゼロ次ビームを遮断することによって非点収差を低減することができる。このことは、参照によりその全体が本明細書に取り込まれる、2009年3月31日発行の米国特許第7,511,799号により詳細に説明されている。
【0054】
[0075] 第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)の助けにより、(例えば放射ビームBの経路に異なるターゲット部分Cを位置決めするように)基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、(例えばマスクライブラリの機械的な取り出し後又はスキャン中に)第1のポジショナPMと別の位置センサ(
図1Bに図示せず)とを使用して、放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めすることができる。
【0055】
[0076] 一般に、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けを借りて実現することができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現することができる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブラインアライメントマークとして周知である)。同様に、マスクMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
【0056】
[0077] マスクテーブルMT及びパターニングデバイスMAは、真空チャンバV内にあってよい。真空内ロボットIVRを用いて、マスクなどのパターニングデバイスを真空チャンバ内及び外に移動させることができる。代替的に、マスクテーブルMT及びパターニングデバイスMAが真空チャンバの外側にある場合、真空内ロボットIVRと同様に、様々な輸送作業のために真空外ロボットを用いることができる。真空内及び真空外ロボットは、共に中継ステーションの固定されたキネマティックマウントへの任意のペイロード(例えばマスク)のスムーズな移動のために較正される必要がある。
【0057】
[0078] 図示のリソグラフィ装置100及び100’は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
【0058】
[0079] 1.ステップモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームBに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。
【0059】
[0080] 2.スキャンモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは、同期的にスキャンされる一方、放射ビームBに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。
【0060】
[0081] 3.別のモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームBに付与されたパターンをターゲット部分Cに投影する。パルス放射源SOを使用することができ、プログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、必要に応じて更新される。この動作モードは、プログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
【0061】
[0082] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
【0062】
[0083] 更なる実施形態では、リソグラフィ装置100は、極端紫外(EUV)放射源を備える。極端紫外放射源は、EUVリソグラフィのためにEUV放射ビームを発生させるように構成される。一般に、EUV放射源は、放射システム内に構成され、対応する照明システムが、EUV放射源のEUV放射ビームを調節するように構成される。
【0063】
[0084]
図2は、ソースコレクタ装置SO、照明システムIL、及び投影システムPSを備えたリソグラフィ装置100をより詳細に示している。ソースコレクタ装置SOは、このソースコレクタ装置SOの閉鎖構造220内に真空環境を維持できるように構築及び配置される。放電生成プラズマ源によってEUV放射放出プラズマ210を形成することができる。EUV放射を生成するには、例えばXeガス、Li蒸気、又はSn蒸気のようなガス又は蒸気によって、極めて高温のプラズマ210を生成して、電磁スペクトルのEUV範囲内の放射を放出させればよい。極めて高温のプラズマ210は、例えば放電によって少なくとも不完全電離プラズマを生じさせることによって生成される。効率的な放射発生のため、例えば分圧が10PaのXe、Li、Snの蒸気又は他のいずれかの適切なガスもしくは蒸気が必要となることがある。いくつかの実施形態では、励起したスズ(Sn)のプラズマを供給してEUV放射を生成する。
【0064】
[0085] 高温プラズマ210が発した放射は、放射源チャンバ211からコレクタチャンバ212内へ、放射源チャンバ211の開口内又は開口の後ろに位置決めされた任意選択のガスバリア又は汚染物質トラップ230(場合によっては汚染物質バリア又はフォイルトラップとも呼ばれる)を介して送出される。汚染物質トラップ230はチャネル構造を含むことができる。汚染物質トラップ230は、ガスバリア又はガスバリアとチャネル構造の組み合わせを含むことができる。本明細書で更に示す汚染物質トラップ又は汚染物質バリア230は、少なくともチャネル構造を含む。
【0065】
[0086] コレクタチャンバ212は、いわゆるかすり入射型コレクタの場合もある放射コレクタCOを含むことができる。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側251及び下流放射コレクタ側252を有する。コレクタCOを横断する放射は、格子スペクトルフィルタ240で反射して、仮想光源点IFに合焦させることができる。仮想光源点IFは一般に中間焦点と呼ばれ、ソースコレクタ装置は、中間焦点IFが閉鎖構造220の開口219に又はその近傍に位置するように配置される。仮想光源点IFは、放射放出プラズマ210の像である。格子スペクトルフィルタ240は、特に赤外線(IR)放射を抑制するために用いられる。
【0066】
[0087] この後、放射は照明システムILを横断する。照明システムILは、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム221の所望の角度分布を与えるとともにパターニングデバイスMAにおいて所望の放射強度均一性を与えるように配置されたファセットフィールドミラーデバイス222及びファセット瞳ミラーデバイス224を備えることができる。支持構造MTにより保持されたパターニングデバイスMAで放射ビーム221が反射されると、パターン付きビーム226が形成され、このパターン付きビーム226は、投影システムPSによって反射要素228、229を介して、ウェーハステージ又は基板テーブルWTにより保持された基板W上に結像される。
【0067】
[0088] 一般に、照明光学ユニットIL及び投影システムPSには、図示するよりも多くの要素が存在することができる。格子スペクトルフィルタ240は、リソグラフィ装置のタイプに応じて任意選択的に存在することができる。更に、
図2に示したものよりも多くのミラーが存在することができ、例えば投影システムPSには、
図2に示したものに比べて1つから6つの追加の反射要素が存在することができる。
【0068】
[0089]
図2に示すようなコレクタ系COは、コレクタ(又はコレクタミラー)の単なる一例として、かすり入射型リフレクタ253、254、及び255を有する入れ子状のコレクタとして示されている。かすり入射型リフレクタ253、254、及び255は、光軸Oを中心として軸方向に対称配置され、このタイプのコレクタ系COは、DPP源と呼ばれることが多い放電生成プラズマ源と組み合わせて好適に用いられる。
【0069】
[0090] 例示的リソグラフィセル
[0091]
図3は、いくつかの実施形態に従った、リソセル又はクラスタと呼ばれることもあるリソグラフィセル300を示している。リソグラフィ装置100又は100’はリソグラフィセル300の一部を構成することができる。また、リソグラフィセル300は、基板に露光前プロセス及び露光後プロセスを実行する1つ以上の装置を含むことができる。従来から、これらにはレジスト層を堆積させるためのスピンコータSC、露光したレジストを現像するためのデベロッパDE、冷却プレートCH、及びベークプレートBKが含まれる。基板ハンドラ、すなわちロボットROが、入出力ポートI/O1、I/O2から基板を取り出し、それらを様々なプロセス装置間で移動させ、リソグラフィ装置100又は100’のローディングベイLBに引き渡す。これらのデバイスは、まとめてトラックと呼ばれることも多く、トラック制御ユニットTCUの制御下にある。TCU自体は監視制御システムSCSによって制御され、SCSはリソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置も制御する。したがって、これらの様々な装置はスループット及び処理効率を最大化するように動作させることができる。
【0070】
[0092] 例示的メトロロジシステム
[0093] デバイスフィーチャを基板上に正確に配置するためのリソグラフィプロセスを制御するために、一般にアライメントマークが基板上に提供され、リソグラフィ装置は、基板上のマークの正確な位置決めのために1つ以上を含む。これらのアライメント装置は、効果的な位置測定装置である。異なるタイプのマーク及び異なるタイプのアライメント装置及び/又はシステムは、異なる時点及び異なる製造業者からわかる。現行のリソグラフィ装置において幅広く使用されるシステムのタイプは、米国特許第6,961,116号(den Boef等)に記載されるような自己参照干渉計に基づく。一般に、マークは、X位置及びY位置を取得するために別々に測定される。しかしながら、組み合わされたX及びY測定は、米国公開第2009/195768A号(BiJnen等)に記載される技法を使用して実行可能である。これらの開示の両方の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
[0094]
図4Aは、いくつかの実施形態に従ったリソグラフィ装置100又は100’の一部として実装可能なメトロロジシステム400の断面ビューを示す概略図である。いくつかの実施形態において、メトロロジシステム400は、パターニングデバイス(例えばパターニングデバイスMA)に関して基板(例えば基板W)を位置合わせするように構成可能である。メトロロジシステム400は、基板上のアライメントマークの位置を検出するように、及び、検出されたアライメントマークの位置を使用して、リソグラフィ装置100又は100’のパターニングデバイス又は他の構成要素に関して、基板を位置合わせするように、更に構成可能である。こうした基板のアライメントは、基板上の1つ以上のパターンの正確な露光を保証することができる。
【0072】
[0095] いくつかの実施形態において、メトロロジシステム400は、照明システム412、ビームスプリッタ414、干渉計426、ディテクタ428、ビーム分析器430、及びオーバーレイ計算プロセッサ432を含むことができる。照明システム412は、1つ以上の通過帯域を有する電磁狭帯域放射ビーム413を提供するように構成可能である。一例において、1つ以上の通過帯域は、約500nmから約900nmの間の波長のスペクトル内とすることができる。別の例において、1つ以上の通過帯域は、約500nmから約900nmの間の波長のスペクトル内の離散的狭通過帯域とすることができる。照明システム412は、長い時間期間にわたって(例えば照明システム412の寿命にわたって)、実質的に一定の中心波長(CWL)値を有する1つ以上の通過帯域を提供するように、更に構成可能である。こうした照明システム412の構成は、現行のアライメントシステムにおいて、上記で考察したように、所望のCWL値からの実際のCWL値のシフトを防ぐために役立つことができる。また結果として、一定のCWL値の使用は、現行のアライメント装置と比較して、アライメントシステム(例えばメトロロジシステム400)の長期安定性及び確度を向上させることができる。
【0073】
[0096] いくつかの実施形態において、ビームスプリッタ414は、放射ビーム413を受け取り、放射ビーム413を少なくとも2つの放射サブビームに分割するように構成可能である。例えば、放射ビーム413は、
図4Aに示されるように、放射サブビーム415及び417に分割可能である。ビームスプリッタ414は、放射サブビーム415を、ステージ422上に配置された基板420上に誘導するように、更に構成可能である。一例において、ステージ422は方向424に沿って移動可能である。放射サブビーム415は、基板420上に配置されたアライメントマーク又はターゲット418を照明するように構成可能である。アライメントマーク又はターゲット418は、放射感応性フィルムでコーティング可能である。いくつかの実施形態において、アライメントマーク又はターゲット418は、180度(すなわち、180°)対称性を有することができる。すなわち、アライメントマーク又はターゲット418がアライメントマーク又はターゲット418の面に対して垂直な対称性の軸の周りを180°回転すると、回転したアライメントマーク又はターゲット418は、回転していないアライメントマーク又はターゲット418と実質的に同一であり得る。基板420上のターゲット418は、(a)実レジストラインから形成されるバーを含むレジスト層格子、又は(b)プロダクトレイヤ格子、又は(c)プロダクトレイヤ格子上にオーバーレイ又はインターリーブされたレジスト格子を備える、オーバーレイターゲット構造における複合格子スタックとすることができる。バーは、代替として基板内にエッチング可能である。このパターンは、リソグラフィ投影装置、特に、投影システムPLにおいて、色収差に対して敏感であり、照明対称性及びこうした収差の存在は、プリント格子における変動においてそれら自体を表すことになる。ライン幅、ピッチ、及びクリティカルディメンションの測定のためのデバイス製造で使用される1つのインライン方法は、「スキャトロメトリ」と呼ばれる技法を利用する。スキャトロメトリの方法は、Raymond等の「Multiparameter Grating Metrology Using Optical Scatterometry」,J.Vac.Sci.Tech.B,Vol.15,no.2,pp。361-368(1997)及び、Niu等の「Specular Spectroscopic Scatterometry in DUV Lithography」,SPIE,Vol.3677(1999)に記載されており、その両方の全体が参照により本明細書に組み込まれる。スキャトロメトリにおいて、光はターゲット内の周期構造によって反射され、所与の角度で結果として生じる反射スペクトルが検出される。反射スペクトルを引き起こす構造は、例えば、Rigorous Coupled-Wave Analysis(RCWA)を使用して、又は、シミュレーションによって導出されるパターンのライブラリと比較することによって、再構築される。したがって、プリント格子のスキャトロメトリデータは、格子を再構築するために使用される。ライン幅及び形状などの格子のパラメータは、プリンティングステップ及び/又は他のスキャトロメトリプロセスの知識から、処理ユニットPUによって実行される再構築プロセスに入力可能である。
【0074】
[0097] いくつかの実施形態において、ビームスプリッタ414は、一実施形態に従って、回折放射ビーム419を受け取り、回折放射ビーム419を少なくとも2つの放射サブビームに分割するように、更に構成可能である。
図4Aに示されるように、回折放射ビーム419は、回折放射サブビーム429及び439に分割可能である。
【0075】
[0098] たとえビームスプリッタ414が、放射サブビーム415をアライメントマーク又はターゲット418に向けて誘導し、回折放射サブビーム429を干渉計426に向けて誘導するように示されている場合であっても、本開示はそのように限定されないことに留意されたい。当業者であれば、他の光学配置を使用して、基板420上のアライメントマーク又はターゲット418を照明し、アライメントマーク又はターゲット418の像を検出することと同様の結果を得ることが可能であることが明らかとなろう。
【0076】
[0099]
図4Aに示されるように、干渉計426は、ビームスプリッタ414を介して、放射サブビーム417及び回折放射サブビーム429を受け取るように構成可能である。例示の実施形態において、回折放射サブビーム429は、アライメントマーク又はターゲット418から反射可能な放射サブビーム415の少なくとも一部とすることができる。本実施形態の一例において、干渉計426は、任意の適切な光学要素のセット、例えば、受け取った回折放射サブビーム429に基づいてアライメントマーク又はターゲット418の2つの像を形成するように構成可能なプリズムの組み合わせを備える。良好な品質の像が形成される必要はないが、アライメントマーク418のフィーチャは解決されるべきであることを理解されたい。干渉計426は、2つの像のうちの一方を2つの像のうちの他方に関して180°回転させ、回転された像及び回転されない像を干渉法的に再組み合わせするように、更に構成可能である。
【0077】
[0100] いくつかの実施形態において、ディテクタ428は、再組み合わせされた像を干渉計信号427を介して受け取るように、及び、メトロロジシステム400のアライメント軸421がアライメントマーク又はターゲット418の対称の中心(図示せず)を通過するとき、再組み合わせされた像の結果として干渉を検出するように、構成可能である。こうした干渉は、例示の実施形態に従い、アライメントマーク又はターゲット418が180°対称であること、及び、再組み合わせされた画像が建設的又は破壊的に干渉することに起因する可能性がある。検出された干渉に基づいて、ディテクタ428は、アライメントマーク又はターゲット418の対称性の中心の位置を決定するように、及びしたがって、基板420の位置を検出するように、更に構成可能である。一例によれば、アライメント軸421は、基板420に垂直であり、像回転干渉計426の中心を通過する、光学ビームと位置合わせ可能である。ディテクタ428は、センサ特徴を実装すること及びウェーハマークプロセス変動と相互作用することによって、アライメントマーク又はターゲット418の位置を推定するように、更に構成可能である。
【0078】
[0101] 更なる実施形態において、ディテクタ428は、下記の測定のうちの1つ以上を実行することによって、アライメントマーク又はターゲット418の対称性の中心の位置を決定する。
1.様々な波長についての位置変動(色間の位置シフト)を測定すること、
2.様々な次数についての位置変動(回折次数間の位置シフト)を測定すること、及び、
3.様々な極性についての位置変動(極性間の位置シフト)を測定すること。
【0079】
[0102] 本データは、任意のタイプのアライメントセンサ、例えば、単一のディテクタ及び4つの異なる波長を備える自己参照干渉計を採用し、ソフトウェア内のアライメント信号を抽出する、米国特許第6,961,116号に記載されるような、SMASH(SMart Alignment Sensor Hybrid)センサ、又は、7つの回折次数の各々を専用ディテクタに誘導する、米国特許第6,297,876号に記載されるような、Athena(Advanced Technology using High order ENhancement of Alignment)を用いて、取得可能であり、その両方の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0080】
[0103] いくつかの実施形態において、ビーム分析器430は、回折放射サブビーム439の光学状態を受け取り、決定するように構成可能である。光学状態は、ビーム波長、極性、又はビームプロファイルの測定とすることができる。ビーム分析器430は、ステージ422の位置を決定し、ステージ422の位置をアライメントマーク又はターゲット418の対称性の中心の位置と相関させるように、更に構成可能である。したがって、アライメントマーク又はターゲット418の位置、及びしたがって、基板420の位置を、ステージ422に関して正確に知ることができる。代替として、ビーム分析器430は、アライメントマーク又はターゲット418の対称性の中心が、メトロロジシステム400又は任意の他の基準要素に関して、知ることができるように、メトロロジシステム400又は任意の他の基準要素の位置を決定するように、構成可能である。ビーム分析器430は、波長帯域選択性の何らかの形を伴う、ポイント又は結像偏光計とすることができる。いくつかの実施形態において、ビーム分析器430は、メトロロジシステム400内に直接統合するか、又は、他の実施形態に従って、単一モード、マルチモード、又は結像を保持する極性という、いくつかのタイプの光ファイバを介して接続可能である。
【0081】
[0104] いくつかの実施形態において、ビーム分析器430は、基板420上の2つのパターン間のオーバーレイデータを決定するように、更に構成可能である。これらのパターンのうちの1つは、基準層上の基準パターンとすることができる。他のパターンは、露光層上の露光パターンとすることができる。基準層は、基板420上に既に存在するエッチング層とすることができる。基準層は、リソグラフィ装置100及び/又は100’によって基板上に露光される基準パターンによって発生可能である。露光層は、基準層に近接して露光されるレジスト層とすることができる。露光層は、リソグラフィ装置100又は100’によって基板420上で露光される露光パターンによって発生可能である。基板420上の露光パターンは、ステージ422による基板420の動きに対応することができる。いくつかの実施形態において、測定されるオーバーレイデータは、基準パターンと露光パターンとの間のオフセットを示すことも可能である。測定されるオーバーレイデータは、較正後、露光層と基準層との間のオフセットを最小化できるように、リソグラフィ装置100又は100’によって露光される露光パターンを較正するために、較正データとして使用可能である。
【0082】
[0105] いくつかの実施形態において、ビーム分析器430は、基板420のプロダクトスタックプロファイルのモデルを決定するように更に構成可能であり、単一測定において、オーバーレイ、クリティカルディメンション、及びターゲット418の焦点を測定するように、構成可能である。プロダクトスタックプロファイルは、アライメントマーク、ターゲット418、又は基板420などのスタックされたプロダクトに関する情報を含み、照明変動の関数である、マークプロセス変動誘導型光学署名メトロロジを含むことができる。プロダクトスタックプロファイルは、プロダクト格子プロファイル、マークスタックプロファイル、及びマーク非対称性上方も含むことができる。ビーム分析器430の一例は、米国特許第8,706,442号に記載されるような、オランダ、フェルドホーフェンのASMLによって製造されるYieldstar(商標)であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。ビーム分析器430は、その層内の露光パターンの特定の特性に関する情報を処理するように、更に構成可能である。例えば、ビーム分析器430は、オーバーレイパラメータ(基板上の前の層に関する層の位置決め確度、又は、基板上のマークに関する第1の層の位置決め確度の、インジケーション)、焦点パラメータ、及び/又は、層内に示された像のクリティカルディメンションパラメータ(例えばライン幅及びその変動)を、処理することができる。他のパラメータは、露光パターンの示された像の品質に関する像パラメータである。
【0083】
[0106] いくつかの実施形態において、ディテクタのアレイ(図示せず)がビーム分析器430に接続可能であり、下記で考察するように、正確なスタックプロファイル検出の可能性を許可する。例えばディテクタ428は、ディテクタのアレイであり得る。ディテクタアレイの場合、マルチモードファイバのバンドル、チャネルごとの離散ピンディテクタ、あるいは、CCD又はCMOS(リニア)アレイという、いくつかのオプションが可能である。マルチモードファイバのバンドルの使用は、安定性のために、任意の消散要素をリモートに配置することができる。離散PINディテクタは、大きなダイナミックレンジを提供する。いくつかの実施形態において、各PINディテクタは、したがって要素の数が制限されるように、別々のプリアンプを有することができる。いくつかの実施形態において、CCDリニアアレイは、位相ステッピング検出が使用される場合、高速で読み出し可能であり、特に注目される、多くの要素を提供する。
【0084】
[0107] いくつかの実施形態において、第2のビーム分析器430’は、
図4Bに示されるように、回折放射サブビーム429の光学状態を受け取り決定するように構成可能である。光学状態は、ビーム波長、極性、又はビームプロファイルの測定であり得る。第2のビーム分析器430’は、ビーム分析器430と同一であり得る。代替として、第2のビーム分析器430’は、ステージ422の位置を決定すること、及び、ステージ422の位置をアライメントマーク又はターゲット418の対称性の中心の位置と相関させることなどの、ビーム分析器430の少なくともすべての機能を実行するように構成可能である。したがって、アライメントマーク又はターゲット418の位置、及びしたがって、基板420の位置は、ステージ422を参照しながら正確に知ることができる。第2のビーム分析器430’は、アライメントマーク又はターゲット418の対称性の中心を、メトロロジシステム400又は任意の他の基準要素に関して知ることができるように、メトロロジシステム400又は任意の他の基準要素の位置を決定するようにも構成可能である。第2のビーム分析器430’は、2つのパターン間のオーバーレイデータ、及び、基板420のプロダクトスタックプロファイルのモデルを決定するように、更に構成可能である。第2のビーム分析器430’は、単一の測定において、ターゲット418のオーバーレイ、クリティカルディメンション、及び焦点を測定するようにも構成可能である。
【0085】
[0108] いくつかの実施形態において、第2のビーム分析器430’は、メトロロジシステム400内に、直接統合するか、又は、他の実施形態に従って、単一モード、マルチモード、又は結像を保持する極性という、いくつかのタイプの光ファイバを介して接続可能である。代替として、第2のビーム分析器430’及びビーム分析器430は、回折放射サブビーム429及び439の両方の光学状態を受け取り、決定するように構成された、単一の分析器(図示せず)を形成するために組み合わせ可能である。
【0086】
[0109] いくつかの実施形態において、プロセッサ432は、ディテクタ428及びビーム分析器430から情報を受信する。例えば、プロセッサ432は、オーバーレイ計算プロセッサとすることができる。情報は、ビーム分析器430によって構築されるプロダクトスタックプロファイルのモデルを含むことができる。代替として、プロセッサ432は、プロダクトマークに関する受信した情報を使用して、プロダクトマークプロファイルのモデルを構築することができる。いずれの場合にも、プロセッサ432は、プロダクトマークプロファイルのモデルを使用するか又は組み込む、スタックされたプロダクト及びオーバーレイマークプロファイルのモデルを構築する。次いで、スタックモデルを使用して、オーバーレイオフセットが決定され、オーバーレイオフセット測定に対するスペクトル効果を最小限にする。プロセッサ432は、照明ビームの光学状態、アライメント信号、関連付けられた位置推定値、並びに瞳、像、及び追加の平面内の光学状態を含むが限定されない、ディテクタ428及びビーム分析器430から受信した情報に基づいて、基本補正アルゴリズムを作成することができる。瞳面は、放射の放射位置が入射の角度を画定し、角度位置が放射のアジマス角を画定する、平面である。プロセッサ432は、ウェーハマーク及び/又はアライメントマーク418に関してメトロロジシステム400を特徴付けるために、基本の補正アルゴリズムを利用することができる。
【0087】
[0110] いくつかの実施形態において、プロセッサ432は、ディテクタ428及びビーム分析器430から受信した情報に基づいて、各マークについてのセンサ推定に関するプリントパターン位置オフセット誤差を決定するように、更に構成可能である。情報は、プロダクトスタックプロファイル、オーバーレイの測定、クリティカルディメンション、及び基板420上の各アライメントマーク又はターゲット418の焦点を含むが、限定されない。プロセッサ432は、クラスタ化アルゴリズムを利用して、マークを同様の一定オフセット誤差のセットにグループ化し、情報に基づいてアライメント誤差オフセット補正表を作成することができる。クラスタ化アルゴリズムは、オフセット誤差の各セットに関連付けられた、オーバーレイ測定、位置推定、及び追加の光学スタックプロセス情報に基づくことが可能である。オーバーレイは、例えば、プログラムされたオーバーレイオフセット周りに正及び負のバイアスを有するオーバーレイターゲットなどの、異なるマークの数について計算される。最小のオーバーレイを測定するターゲットが基準として(最良の確度で測定されるものとして)採用される。この測定された最小のオーバーレイ、及び、それに対応するターゲットの既知のプログラムされたオーバーレイから、オーバーレイ誤差を推測することができる。表1は、これがどのように実行できるかを示す。示された例の最小の測定されたオーバーレイは、-1nmである。しかしながら、これは、-30nmのプログラムされたオーバーレイを伴うターゲットに関する。プロセスは、は、29nmのオーバーレイ誤差を導入し得る。
【0088】
【0089】
最小値は、基準点として採用可能であり、これに関して、測定されたオーバーレイと、プログラムされたオーバーレイに起因して予測されたオーバーレイとの間の、オフセットが計算可能である。このオフセットは、各マーク又は同様のオフセットを伴うマークのセットについてのオーバーレイ誤差を決定する。したがって、表1の例において、30nmのプログラムされたオーバーレイを伴うターゲット位置での、最小の測定されたオーバーレイは-1nmであった。予測されたオーバーレイと他のターゲットで測定されたオーバーレイとの差は、この基準と比較される。表1などの表は、異なる照明設定の下でマーク及びターゲット418から取得することも可能であり、結果として最小オーバーレイ誤差を生じさせる照明設定、及び、それに対応する較正係数が決定及び選択可能である。これに続き、プロセッサ432は、マークを同様のオーバーレイのセットにグループ化することができる。マークをグループ化するための基準は、異なるプロセス制御、例えば異なるプロセスについての異なる誤差許容値に基づいて、調整可能である。
【0090】
[0111] いくつかの実施形態において、プロセッサ432は、グループのすべて又はほとんどのメンバが、同様のオフセット誤差を有し、その追加の光学スタックメトロロジに基づいて、クラスタ化アルゴリズムから各マークに個々のオフセット補正を適用することを確認可能である。プロセッサ432は、各マークについての補正を決定し、オーバーレイにおける誤差を補正するために、例えば、補正をメトロロジシステム400内へとフィードすることによって、補正をリソグラフィ装置100又は100’へとフィードバックすることができる。
【0091】
[0112] ターゲット非対称性測定のための例示的装置
[0113] いくつかの実施形態によれば、干渉計426及びディテクタ428は、アライメントマーク又はターゲット418のアライメント及び/又は位置を決定するように構成可能な、
図4A及び
図4Bのメトロロジシステム400の1つ以上の位相チャネルを含む(又はその一部である)ことができる。いくつかの実施形態において、ビーム分析器430及び/又はビーム分析器430’は、
図4A及び
図4Bのメトロロジシステム400の1つ以上の強度チャネルを含む(又はその一部である)ことができる。
【0092】
[0114] 下記でより詳細に考察するように、
図4A及び
図4Bのメトロロジシステム400の強度チャネルは、アライメントマーク又はターゲット418から回折された異なる回折次数は、例えばビーム分析器430及び/又はビーム分析器430’において分離されるように、設計可能である。言い換えれば合計強度(例えば、I
+total=I
+1+I
+2+I
+3+・・・)を測定する代わりに(又はそれに加えて)、強度チャネルは異なる回折次数の強度を別々に(例えば、I
+1及びI
-1、I
+2及びI
-2など)測定することができる。ここで、Iは測定される強度である。いくつかの実施形態によれば、回折次数を分離すること、及び回折次数を別々に検出することによって、メトロロジシステム400は、例えば、異なる回折次数についての強度不均衡(例えば強度における差)を測定及び決定するように、構成可能である。
【0093】
[0115] いくつかの実施形態によれば、回折次数の強度不均衡は、アライメントマーク又はターゲット418における非対称性に起因するものとすることができる。追加又は代替として、アライメントマーク又はターゲット418のバックグラウンドも、回折次数の強度不均衡に寄与し得る。
【0094】
[0116] いくつかの実施形態において、下記でより詳細に考察するように、回折次数の強度不均衡を決定及び測定することによって、メトロロジシステム400は、メトロロジシステム400によって決定される、アライメントマーク又はターゲット418の特徴(例えば、アライメント、位置、オーバーレイ誤差など)を補正するために使用可能な、補正係数を決定することが可能である。
【0095】
[0117]
図5Aは、いくつかの実施形態に従った検査装置の強度チャネルの概略図を示す。強度チャネル500は、いくつかの実施形態によれば、上記で考察したように
図4A及び
図4Bのメトロロジシステム400の一部とすることができる。
【0096】
[0118]
図5Aに示されるように、強度チャネル500は、ターゲット501、光学システム503、及び検出システム505を含むことができる。いくつかの実施形態において、ターゲット501は、
図4A及び
図4Bのアライメントマーク又はターゲット418とすることができる。光学システム503は、ターゲット501を照射するための放射ビーム515を発生させる(又は、放射源から受け取る)ように、構成可能である。光学システム503は、ターゲット501から回折された回折次数を収集し、回折次数を検出システム505へと案内するようにも構成可能である。いくつかの実施形態によれば、光学システム503は1つ以上の光学デバイスを含む。例えば、光学システム503は、放射ビーム515を受け取り、ターゲット501を照射するために放射ビーム515の方向を変更するように構成された、光学要素509を含むことができる。いくつかの非限定的例において、光学要素509は、ミラー、プリズム、ビームスプリッタなどを含むことができる。
【0097】
[0119] 光学システム503は、投影システム507も含むことができる。投影システム507は、いくつかの実施形態に従い、レンズ又はレンズのシステムを含むことができる。投影システム507は、放射ビーム515をターゲット501に照射し、ターゲット501から回折された回折次数を収集するように構成可能である。
図5Aは、+1回折された放射ビーム517a、-1回折された放射ビーム517b、+3回折された放射ビーム519a、及び-3回折された放射ビーム519bを示す。4つの回折された放射ビームが示されているが、本開示の実施形態は任意数の回折次数を含むことができる。
【0098】
[0120] いくつかの実施形態によれば、光学システム503は、瞳ディバイダ511も含むことができる。瞳ディバイダ511は、正(+)及び負(-)の回折次数チャネルを分離するように構成可能である。例えば、正のチャネル分岐は、回折次数517a及び519aを含むことができる。本例では、負のチャネル分岐は、回折次数517b及び519bを含むチャネルを含むことができる。
図5G及び
図5Hは、いくつかの実施形態に従った例示のディバイダ571a及び571bを示す。
図5Gの瞳ディバイダ571aは、例えば、正(+)の回折次数チャネル内の望ましくない回折次数をブロックするように構成された領域573aを含むことができる。
図5Hの瞳ディバイダ571bは、例えば、負(-)の回折次数チャネル内の望ましくない回折次数をブロックするように構成された領域573bを含むことができる。
【0099】
[0121] 光学システム503は、回折次数517及び519を検出システム505へと案内するように構成された光学要素513a及び513b(本明細書では光学要素513と呼ぶ)も含むことができる。いくつかの実施形態によれば、光学要素513a及び光学要素513bは、レンズ又はレンズのシステムを含むことができる。
【0100】
[0122] いくつかの実施形態によれば、検出システム505は、1つ以上の導波路デバイス523a及び523b並びに1つ以上のディテクタ521a及び521bを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、ディテクタ521a及び521bは、
図4A及び
図4Bのビーム分析器430及び/又は430’(又はその一部)として、使用可能である。いくつかの実施形態において、導波路デバイス523a及び523b(本明細書では、導波路デバイス523と呼ばれる)は、マルチモード導波路デバイスを含むことができる。代替として、導波路デバイス523は、複数の単一モード導波路デバイスのバンドルを含むことができる。例えば、導波路デバイス523は、ファイババンドル(例えば、単一の大コアマルチモードファイバの代わりに、互いに近い複数の小ファイバ)を含むことができる。いくつかの例では、単一モード導波路デバイスは単一モードファイバを含むことができる。いくつかの例では、マルチモード導波路デバイスはマルチモードファイバを含むことができる。「導波路デバイス」などの用語は、本明細書では、キャビティ及び/又は媒体内に放射を閉じ込めることによって、放射を伝搬することが可能なデバイスを指すために使用可能である。導波路デバイスの一例は、光ファイバである。導波路デバイスの別の例は、マイクロ波キャビティである。導波路デバイスの更に別の例は、(例えば、フォトニック回路内に見られるような)基板上に取り付けられた透過型材料のストリップである。
【0101】
[0123] いくつかの実施形態によれば、ディテクタ521aは、正のチャネル分岐に関連付けることが可能であり、導波路デバイス523aを介して回折次数517a及び519aを受け取るように構成可能である。同様に、ディテクタ521bは、負のチャネル分岐に関連付けることが可能であり、導波路デバイス523bを介して回折次数517b及び519bを受け取るように構成可能である。いくつかの実施形態によれば、導波路デバイス523a及びディテクタ521aは、互いに空間的に分離した回折次数517a及び519aの各々を検出するように構成される。言い換えれば、ディテクタ521aは、回折次数517a及び519aの各々の強度を個別に測定するように構成される。同様に、導波路デバイス523b及びディテクタ521bは、互いから空間的に分離した回折次数517b及び519bの各々を検出するように構成される。言い換えれば、ディテクタ521bは、回折次数517b及び519bの各々の強度を個別に測定するように構成される。したがって、導波路デバイス523及びディテクタ521は、複数の回折次数の他方から空間的に分離した複数の回折次数の各々を検出するように構成される。また、ディテクタ521は、複数の回折次数の各々の強度を個別に測定するように構成される。
【0102】
[0124] いくつかの実施形態によれば、強度チャネル500は、1次元ターゲットとすることが可能なターゲット501と共に使用される。例えば、ターゲット501は、X方向にセグメントを伴う格子(しかし例えば、格子ラインに限定されない)、又は、Y方向にセグメントを伴う格子(しかし例えば、格子ラインに限定されない)を含むことができる。いくつかの例では、ターゲット501は、対角であるか又は任意の他の角度下のセグメント(しかし例えば、格子ラインに限定されない)を含むことができる。いくつかの例では、ターゲット501のセグメントは、他の方向に関して一方向に伸長されたチェッカーボードを含むことができる。これらの実施形態において、ディテクタ521は、一方向(例えば、X方向、Y方向など)の複数の回折次数の各々の強度を個別に測定するように構成される。
【0103】
[0125] 追加又は代替として、強度チャネル500は、デュアルピッチマークを含むことが可能なターゲット501と共に使用可能である。これらの実施形態において、ターゲット501は、異なるピッチで、例えばX及びY方向にセグメントを含むことができる。強度チャネル500は、X方向の回折次数をY方向の回折次数から分離するように構成可能である。いくつかの例によれば、強度チャネル500は、ディテクタ521の2つのセットを含むことができる。ディテクタの第1のセットは、第1の方向(例えばX方向)の複数の回折次数の各々の強度を測定することができる。ディテクタの第2のセットは、第2の方向(例えばY方向)の複数の回折次数の各々の強度を測定することができる。
【0104】
[0126]
図7A及び
図7Bは、いくつかの実施形態に従った異なるピッチを伴う例示的ターゲットを示す。例えば
図7Aは、
図5Aのターゲット501として使用可能なターゲット701(例えばアライメントターゲット)を示す。
【0105】
[0127]
図7Aのターゲット701は、セグメント703a及び703b(まとめて、セグメント703と呼ばれる)並びにセグメント705a及び705b(まとめて、セグメント705と呼ばれる)。この例示的ターゲットにおいて、セグメント703は、各ターゲットラインがY軸に対して平行なターゲットラインを有する。また、セグメント705は、各ターゲットラインがX軸に対して平行なターゲットラインを有する。この例示的ターゲットにおいて、セグメント703のピッチはセグメント705のピッチとは異なる。
【0106】
[0128]
図7Bのターゲット711は、セグメント713a及び713b(まとめて、セグメント713と呼ばれる)並びにセグメント715a及び715b(まとめて、セグメント715と呼ばれる)。この例示的ターゲットにおいて、セグメント713は、各ターゲットラインがY軸に対して平行なターゲットラインを有する。また、セグメント715は、各ターゲットラインがX軸に対して平行なターゲットラインを有する。この例示的ターゲットにおいて、セグメント713のピッチはセグメント715のピッチとは異なる。
【0107】
[0129] ターゲット501(又は、ターゲット701及び711)のいくつかの例は、X及びY方向のセグメントを有する格子を用いて考察されているが、本開示の実施形態は、これらの例に限定されず、ターゲット501(又は、ターゲット701及び711)のセグメントは、対角であるか又は任意の他の角度下とすることができる。また、ターゲット501(又は、ターゲット701及び711)のセグメントは、格子ライン、他の方向に関して1つの方向に伸長されたチェッカーボードなどを含むことができるが、限定されない。
【0108】
[0130] デュアルピッチターゲット(例えばターゲット701又は711)を使用することによって、瞳面において、回折次数のロケーションは、第2の方向(例えばY方向)の場合のように、第1の方向(例えばX方向)について異なる放射位置を有することができる。したがって、回折次数は、第2の方向に関して第1の方向を分離することができる。いくつかの例によれば、放射開口数(NA)フィルタは、異なる方向についての回折次数を分離するために使用可能である。いくつかの例では、瞳面は、投影システム507の瞳面とすることが可能であり、放射NAフィルタは、瞳ディバイダ511の代わり、又はこれに加えるものとすることが可能である。したがって前述のように、いくつかの実施形態に従って、
図5Aの強度チャネル500は、ディテクタ521の2つのセットを含むことができる。ディテクタの第1のセットは、第1の方向(例えばX方向)の複数の回折次数の各々の強度を測定することができる。ディテクタの第2のセットは、第2の方向(例えばY方向)の複数の回折次数の各々の強度を測定することができる。代替として、ディテクタの1つのセットを使用して、第1の方向(例えばX方向)の複数の回折次数の各々の強度を第1に測定し、その後、第2の方向(例えばY方向)の複数の回折次数の各々の強度を測定することができる。
【0109】
[0131] 追加又は代替として、強度チャネル500は、オーバーレイアライメントマークを含むことができるターゲット501と共に使用可能である。
図8A及び
図8Bは、いくつかの実施形態に従ったオーバーレイアライメントマークを含む例示のターゲットを示す。
【0110】
[0132] 例えば
図8Aは、
図5Aのターゲット501として使用可能なターゲット801を示す。ターゲット801は、アライメントマーク803及びオーバーレイマーク805を含むことができる。いくつかの例では、オーバーレイマーク805は、アライメントマーク803の上(例えば頂部)に配置することができる。いくつかの例では、オーバーレイマーク805は、アライメントマーク803に比べて小さなピッチを有することができる。いくつかの例では、オーバーレイマーク805は、アライメントマーク803の対応するサブセグメントに直交するサブセグメントを有することができる。例示のターゲット801において、オーバーレイターゲット805は4つのサブセグメントを有し、アライメントマーク803は4つのサブセグメントを有する。この例では、オーバーレイマーク805の各サブセグメントは、アライメントマーク803の対応するサブセグメント(例えば、オーバーレイマーク805のサブセグメントの下のサブセグメント)に直交することができる。
【0111】
[0133]
図8Bは、アライメントマーク813及びオーバーレイマーク815を含むことが可能なターゲット811を示す。いくつかの例では、オーバーレイマーク815はアライメントマーク813の上(例えば頂部)に配置することができる。いくつかの例では、オーバーレイマーク815は、アライメントマーク813に比べて小さなピッチを有することができる。いくつかの例では、オーバーレイマーク815及びアライメントマーク813はサブセグメントとすることができるが、オーバーレイマーク815のセグメント化はアライメントマーク813が如何にしてセグメント化されるかとは異なるものとすることができる。
【0112】
[0134] いくつかの実施形態によれば、
図5Aの強度チャネル500は、NAフィルタを使用して、ターゲット501がターゲット801又は811などのオーバーレイアライメントマークを含むとき、オーバーレイマーク、及び、ターゲット501のアライメントマークからの回折次数をブロック又は分離することができる。例えば、
図5Aの強度チャネル500は、ディテクタ521の2つのセットを含むことができる。ディテクタの第1のセットは、アライメントマークからの複数の回折次数の各々の強度を測定することができる。ディテクタの第2のセットは、オーバーレイマークからの複数の回折次数の各々の強度を測定することができる。代替として、ディテクタの1つのセットを使用して、アライメントマークから複数の回折次数の各々の強度を(例えば、オーバーレイマークからの回折次数をブロックすることによって)第1に測定し、その後、オーバーレイマークから複数の回折次数の各々の強度を(例えば、アライメントマークからの回折次数をブロックすることによって)測定することができる。
【0113】
[0135] 回折次数(例えば回折次数517及び519)を分離して個別に測定することによって、メトロロジシステム400は(例えば強度チャネル500を使用して)、例えば、異なる回折次数についての強度不均衡(例えば強度における差)を測定し、決定することができる。例えば、プロセッサ(例えば
図4A及び
図4Bのプロセッサ432)は、回折次数517及び519についての強度測定値を受け取ることができる。いくつかの例では、プロセッサは、回折次数517a及び517b(例えば+1及び-1回折次数)の測定された強度間の第1の強度不均衡(例えば第1の強度差)を決定することができる。追加又は代替として、プロセッサは、回折次数519a及び519b(例えば+3及び-3回折次数)の測定された強度間の第2の強度不均衡(例えば第2の強度差)を決定することができる。いくつかの実施形態によれば、測定された強度及び/又は決定された強度不均衡は、ターゲット501の非対称性に基づくものとすることができる。
【0114】
[0136] 第1及び/又は第2の強度不均衡は、補正係数を決定するために使用可能である。補正係数は、メトロロジシステム400によって決定されるターゲット501の1つ以上の特徴(例えば、アライメント、位置、オーバーレイ誤差など)を改訂するために使用可能である。いくつかの実施形態によれば、強度不均衡は、1つの方向について測定可能である。追加又は代替として、強度不均衡は、2つ以上の方向について測定可能である。例えば、メトロロジシステム400は(例えば強度チャネル500を使用して)、例えば、第1の方向(例えばX方向)の異なる回折次数について1つ以上の強度不均衡を測定及び決定することが可能であり、例えば、第2の方向(例えばY方向)の異なる回折次数について1つ以上の強度不均衡を測定及び決定することが可能である。
【0115】
[0137] 強度を測定することに加えて、又は代替として、ディテクタ521及び/又はプロセッサは、回折次数(例えば回折次数517及び519)の各々がディテクタ521上に着地する場所の分布測定を決定することができる。非限定的な例において、ディテクタ521は、回折次数の各1つのエネルギーを、円内のエネルギーとして検出することができる。この例では、分布測定は、円の半径又は直径を測定することを含むことができる。追加又は代替として、分布測定は、各縁内の回折次数の強度のエネルギー分布を測定することを含むことができる。しかしながら、本開示の実施形態は、これらの例に限定されず、分布及び分布測定は、他の形状及びパラメータを含むことができる。
【0116】
[0138] いくつかの実施形態によれば、強度不均衡を決定することに加えて、又は代替として、プロセッサは、回折次数(例えば回折次数517及び519)の少なくとも1つについて分布測定における変化を決定することができる。いくつかの例では、分布測定における変化は、ターゲット501に関連付けられた層厚み変動に基づくものとすることができる。例えば、ターゲットに関連付けられた層厚み変動は、ターゲットの層厚み変動、ターゲットの頂部のスタックに起因した層厚み変動、ターゲットの下のスタックに起因した層厚み変動などのうちの、1つ以上を含むことが可能である。追加として、クリティカルディメンション(CD)変動などの他のスタック変動、及び場合によってはセンサ変動(焦点外れなどであるが限定されない)は、分布測定を変更する(及び、アライメント誤差につながる)可能性がある。こうした効果は、本開示の方法及びシステムを用いて補正することも可能である。
【0117】
[0139] いくつかの実施形態によれば、プロセッサは、1つの方向について少なくとも1つの回折次数についての分布測定における変化を決定することができる。追加又は代替として、プロセッサは、2つ以上の方向について少なくとも1つの回折次数についての分布測定における変化を決定することができる。例えばプロセッサは、第1の方向(例えばX方向)の少なくとも1つの回折次数についての分布測定における変化を決定可能であり、第2の方向(例えばY方向)の少なくとも1つの回折次数についての分布測定における変化を決定可能である。
【0118】
[0140]
図5Bは、いくつかの実施形態に従った複数の回折次数の各々の強度を分離し個別に測定するための1つの例示的設計を示す。
図5Bは、いくつかの実施形態に従った導波路デバイス523a及びディテクタ521aを示す。導波路デバイス523aは、回折次数517a及び519aが入る入力ファセット525aを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、導波路デバイス523aは、ディテクタ521aが、導波路デバイス523aの入力ファセット525aの遠視野放射パターンを検出することが可能なように配置される。言い換えれば、導波路デバイス523aとディテクタ521との間の距離527は、ディテクタ521aが導波路デバイス523aの入力ファセット525aの遠視野放射パターンを検出することが可能なように設計可能である。例えば、距離527は、ディテクタ521aが、回折次数(例えば517及び519)が空間的に分離されたフーリエ空間(例えば瞳面)を検出するように構成されるように、設計可能である。例えば、距離527は、ディテクタ521aが、瞳ディバイダ511においてフーリエ空間(例えば瞳面)を検出するように構成されるように、設計可能である。瞳ディバイダ511は、投影システム507の瞳面において配置可能である。
【0119】
[0141] 導波路デバイス523a及びディテクタ521aが示されているが、本開示の実施形態は、導波路デバイス523b及びディテクタ521bにも適用可能である。また、ディテクタ521aに関連付けられた1つの導波路デバイス523aが示されているが、導波路デバイス523a(及び/又は導波路デバイス523b)は、1つ以上の導波路デバイスを含むことができる。この例では、導波路デバイス523aの1つ以上の導波路デバイスの各々が、瞳面の異なる部分をキャプチャすることができる。この例では、システム500は、導波路デバイス523aの1つ以上の導波路デバイスの各々上の分離フィルタリングを実行するための、フィルタを含むことができる。言い換えれば、導波路デバイス523a(及び/又は、導波路デバイス523b)は、1つ以上の導波路デバイスの各々が、ディテクタ521a(及び/又は、ディテクタ521b)が、1つ以上の導波路デバイスの対応する1つを使用して、投影システムの瞳面の異なる部分を検出するように配置された、1つ以上の導波路デバイスを含むことができる。非限定的な例では、導波路デバイス523a(又は、導波路デバイス523b)は、4つの導波路デバイスの各々が瞳面のクアドラントをキャプチャするように構成可能な、4つの導波路デバイスを含むことができる。
【0120】
[0142] いくつかの実施形態によれば、ディテクタ521aはディテクタアレイを含むことができる。追加又は代替として、ディテクタ521は、2次元(2D)ディテクタ又は2Dディテクタアレイを含むことができる。例えば、ディテクタ521はカメラを含むことができる。
【0121】
[0143]
図5Cは、いくつかの実施形態に従ったディテクタ上の強度測定の1つの例示的エネルギー分布を示す。
図5Cのエネルギー分布530は、
図5Bの導波路523a及びディテクタ521aに関連付けることができる。
【0122】
[0144]
図5Cの非限定的な例に示されるように、円531内のエネルギーは、回折次数517a(例えば+1回折次数)の強度のエネルギー分布に対応する。この例では、リング533内のエネルギーは、回折次数519a(例えば+3回折次数)の強度のエネルギー分布に対応する。この例では、
図5Bの設計は、ディテクタ521aが回折次数の強度を別々に測定できるように、回折次数を分離するように構成される。いくつかの実施形態によれば、回折次数は関心領域(ROI)を使用して分離される。各ROI内のエネルギーは、特定の回折次数のエネルギーに対応可能である。この例では、円531は回折次数517a(例えば+1回折次数)についてのROIとすることが可能であり、リング533は回折次数519a(例えば+3回折次数)についてのROIとすることができる。
【0123】
[0145] 追加として、ディテクタ521aは、回折次数(例えば回折次数517及び519)の各々が、ディテクタ521a上に着地する場所の分布測定値を測定するように構成可能である。この非限定的な例では、直径537は回折次数517aについての分布測定値とすることが可能であり、直径535は回折次数519aについての分布測定値とすることができる。いくつかの例では、直径又は半径は、回折次数の重心にリンク可能である。追加又は代替として、円531内の強度のエネルギー分布は、回折次数517aについての分布測定値とすることが可能であり、リング533内の強度のエネルギー分布は、回折次数519aについての分布測定値とすることが可能である。強度のエネルギー分布は、回折次数の角度分布及びスペクトルにリンク可能である。しかしながら、本開示の実施形態は、これらの例に限定されず、分布及び分布測定は、他の形状及びパラメータを含むことができる。
【0124】
[0146]
図5Aから
図5Cのいくつかの例は、メトロロジシステム(例えば
図4A及び
図4Bのメトロロジシステム400)の強度チャネルに関して考察しているが、本開示の実施形態は、これらの例に限定されない。本開示の実施形態は、メトロロジシステムの強度チャネル、メトロロジシステムの位相チャネル、又はその両方にも適用可能である。
【0125】
[0147] いくつかの実施形態において、
図5Cのディテクタ上での強度測定の例示的エネルギー分布及び上記で考察した分布測定は、例えば、マルチ回折次数(+1回折次数及び-1回折次数の両方などであるが、限定されない)が存在する、メトロロジシステムにおいて使用可能である。例えば、マルチ回折次数(+1回折次数及び-1回折次数の両方などであるが、限定されない)は同じ導波路デバイスに結合され、互いに干渉しない。非限定的な例では、
図5Cに示されるような円及びリングは、重複可能なマルチ回折次数と共に存在可能である。これらの実施形態では、上記で考察した実施形態と同様に、分布測定における変化は、ターゲットに関連付けられた層厚み変動に基づくものとすることができる。言い換えれば、マルチ回折次数が、ディテクタ上の同じ円(例えば円531)又は同じリング(例えばリング533)を投影する場合、本開示で考察される分布測定を使用して、ターゲットに関連付けられた層厚み変動について決定及び/又は補正することができる。
【0126】
[0148]
図5Bに示されるような導波路デバイス523a及びディテクタ521aの配置は、追加の光学要素を含むことができる。一例では、レンズ又はレンズシステム(図示せず)が、導波路デバイス523aとディテクタ521aとの間に配置可能である。この例では、導波路デバイス523aの出力528aは、レンズシステムの焦点に配置可能であり、ディテクタ521aは、レンズシステムの共役焦点に配置可能である。いくつかの例では、ディテクタ521aは、エリアディテクタを含むことができる。
【0127】
[0149] 別の例では、メカトロニクスアパーチャ(図示せず)が、導波路デバイス523aとディテクタ521aとの間に配置可能である。この例では、メカトロニクスアパーチャ(例えば機械的シャッターアパーチャ)を使用して、1つ以上の望ましくない回折次数をブロック又は減衰(例えば部分的に減衰)することができる。いくつかの例では、ディテクタ521aは、メカトロニクスアパーチャに関連して単一ピクセルディテクタを含むことができる。非限定的な例では、メカトロニクスアパーチャは、回折次数517a(例えば+1回折次数)を除く回折次数を、ブロック又は減衰(例えば部分的に減衰)するように構成可能である。ディテクタ521a(例えば単一ピクセルディテクタ)は、回折次数517aの強度を検出及び測定可能である。いくつかの例では、メカトロニクスアパーチャ(図示せず)は、ターゲット(例えばターゲット501)上にない他のフィーチャから1つ以上の回折次数をブロック又は減衰するようにも構成可能である。例えば、ターゲットから回折次数をブロック又は減衰することに加えて、又はその代わりに、メカトロニクスアパーチャは、ターゲット上にはないがターゲットに近い基板上の1つ以上のフィーチャから、回折次数をブロック又は減衰することができる。
【0128】
[0150] 別の例では、検出システム505は、空間光変調器、デジタルマイクロミラーデバイス、円形フォトダイオードアレイなどの、追加の光学要素を含むことができるが、限定されない。例えば、1つ以上の空間光変調器(図示せず)を、導波路デバイス523aとディテクタ521aとの間に配置可能である。追加又は代替として、ディテクタ521aは円形フォトダイオードアレイを含むことができる。
【0129】
[0151]
図5D及び
図5Eは、いくつかの実施形態に従った複数の回折次数の各々の強度を分離し個別に測定するための別の例示の設計を示す。
図5Dのシステム540は、
図5Aの検出システム505の一部とすることができる。
図5Dは、導波路523a並びにディテクタ546a及び548aを示す。いくつかの実施形態によれば、ディテクタ546a及び548aは、
図5Aのディテクタ521aの一部とすることができる。
図5Dは、正の回折次数に関連して考察されるが、同じか又は同様の設計を(例えば、
図5Aの導波路デバイス523b及びディテクタ521aを使用して)負の回折次数に対して使用することができる。
【0130】
[0152]
図5Dに示されるように、1つ以上の光学要素は、導波路デバイス523aとディテクタ546a及び548aとの間に構成可能である。いくつかの実施形態によれば、1つ以上の光学要素は、レンズ(又はレンズシステム)541、光学要素543、及びレンズ(又はレンズシステム)545を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、レンズ541は、導波路デバイス523aの上流に位置決めされる。光学要素543は、レンズ541の上流に位置決めされる。また、レンズ545は、光学要素543の上流に位置決めされる。いくつかの実施形態において、光学要素543は、調整可能次数スプリッタ(又は調整可能次数ブロッカ)を含むことができる。
【0131】
[0153] いくつかの実施形態によれば、導波路デバイス523aは、マルチモードファイバを含むことができる。いくつかの例では、
図5Eに示されるように、導波路デバイス523aは、導波路デバイス523aの軸(例えば軸553)に関して導波路デバイス523aに入るビーム(例えばビーム551)の角度を保持するように構成可能である。言い換えれば、導波路デバイス523aの軸(例えば軸553)に関したビーム(例えば、導波路デバイス523aに入るビーム551)の角度は、導波路デバイス523aの軸(例えば軸553)に関したビーム(例えば、導波路デバイス523aを出るビーム555)の角度と、同じ(又はほぼ同じ)である。
【0132】
[0154] この例では、入力ファセット525aにおいて導波路デバイス523aに入る回折次数は、導波路デバイス523aの出力528aで分離可能である。この例では、回折次数547a(例えば、
図5Aの回折次数517aに対応する+1回折次数)は、レンズ541、光学要素543、及びレンズ545を通過することが可能であり、ディテクタ546aによって検出可能である。同様に、回折次数549a(例えば、
図5Aの回折次数519aに対応する+3回折次数)は、レンズ541、光学要素543、及びレンズ545を通過することが可能であり、ディテクタ548aによって検出可能である。
【0133】
[0155] この例では、ディテクタ546aは、回折次数547a(例えば、
図5Aの回折次数517aに対応する+1回折次数)の強度及び/又は分布測定を測定するために使用可能である。同様に、ディテクタ548aは、回折次数549a(例えば、
図5Aの回折次数519aに対応する+3回折次数)の強度及び/又は分布測定を測定するために使用可能である。
図5Dでは2つのディテクタ及び2つの回折次数が考察されるが、本開示の実施形態はこの例に限定されず、任意数のディテクタ及び/又は回折次数を含むことができる。
【0134】
[0156]
図5Dのシステム540は、複数の回折次数のうちの他の回折次数から空間的に分離された複数の回折次数の各々を検出するように構成可能である。例えば、
図5Dのシステム540は、複数の回折次数の各々の強度を個別に測定するように、及び/又は、複数の回折次数の各々についての分布測定を決定するように、構成可能である。
【0135】
[0157] いくつかの実施形態によれば、光学要素543は、回折次数547a及び549aを分離するように構成された調整可能次数スプリッタを含むことができる。いくつかの例によれば、調整可能次数スプリッタは、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を含むことができる。調整可能次数スプリッタに加えて、又はその代わりに、光学要素543は、回折次数(例えば、547a、549a、又は他の回折次数)をブロックするための調整可能次数ブロッカとすることができる。いくつかの例では、調整可能次数スプリッタ及び/又は調整可能次数ブロッカは、リングのセット、リング形くさびなどを含むことができる。一例では、調整可能次数スプリッタ及び/又は調整可能次数ブロッカは、フィルタホイール内に置かれた、リングのセット、リング形くさびなどを含むことができる。
【0136】
[0158] いくつかの実施形態によれば、調整可能次数スプリッタ(例えばDMD)の代わりに、他のタイプの空間光変調器(SLM)を光学要素543として使用可能である。例えば、液晶ベースSLM、連続的に調整可能な角度を伴うデバイスなどを、光学要素543として使用可能である。
【0137】
[0159] ディテクタ546a及び548aは別々のディテクタとして示されているが、ディテクタ546a及び548aは、1つのディテクタ及び/又はディテクタアレイに組み合わせ可能である。追加又は代替として、調整可能次数ブロッカが光学要素543として使用される場合、ディテクタの数は、調整可能次数ブロッカを通過する回折次数の数に依存可能である。
【0138】
[0160] いくつかの例では、調整可能次数スプリッタのバイナリ実装が使用されるが、2つ以上のディテクタ(例えばディテクタ546a及び548a)が使用される場合、調整可能次数スプリッタはシーケンス内に置くことができる(例えば、2つのバイナリスプリッタのシーケンスは、4つの回折次数を4つの別々のディテクタに分割することができる)。
【0139】
[0161] いくつかの実施形態において、システム540は、1つ以上の任意選択のスライド可能固定設計次数減衰プレート561も含むことができる。いくつかの実施形態において、固定設計次数減衰プレート561は、レンズ541と光学要素543との間に位置決め可能である。非限定的な例では、固定設計次数減衰プレート561は、強度チャネルの使用をわずかに小さな色セットに制限することができる。この色範囲制限は、ディテクタに渡す、完全に高次がブロックされた純1次の色範囲を限定することができる。こうしたスライド可能固定設計次数減衰プレートの例が、
図5Fに示されている。
図5Fのスライド可能高次減衰プレート561の場合、2次以上が減衰され、各アパーチャは特定ピッチ用である。波長1から波長2までの色範囲の場合、波長2は波長1の2倍に等しく、2次の波長1の瞳ロケーションは、1次の波長2と同じ瞳ロケーションに対応する。したがって、2次の波長1をブロックすると、1次の波長2もブロックされる。瞳内のビームの物理的伸長により、幾分小さな波長範囲であっても、(完全に高次がブロックされて)ディテクタに向けて渡すことができる。アライメントマークのピッチが変化した場合、スライド可能高次減衰プレート561は、別のロケーションへと変更される。上記ではスライド可能高次減衰プレート561を図示及び考察しているが、他の減衰プレートも使用可能である。減衰プレートは、レンズ541と光学要素543との間に配置可能である。例えば、別の実施形態は、異なるサイズのアパーチャプレートを瞳面内へと回転させるものである。
【0140】
[0162] いくつかの実施形態によれば、(
図5A、
図5B、及び/又は
図5Cの)導波路デバイス523aは、ファイババンドル(例えば、単一の大コアマルチモードファイバの代わりに、互いに近い複数の小ファイバ)を含むことができる。これらの実施形態において、導波路デバイス(例えば導波路デバイス523a)の入力(例えば入力525a)の遠視野放射パターンは、ディテクタ(例えば、
図5Bのディテクタ521a及び/又は
図5Dのディテクタ546a及び548a)に結像可能である。これらの例では、投影システム507のフーリエ空間(例えば瞳面)が、導波路デバイス(例えば導波路デバイス523a)の入力(例えば入力525a)に結像される。導波路デバイス(例えば導波路デバイス523a)の出力(例えば出力528a)は、
図5Bのディテクタ521a及び/又は
図5Dの光学要素543上に結像可能である。
【0141】
[0163] 上記で考察したように、
図5Dのシステム540は、複数の回折次数の各々の強度を個別に測定するように、及び/又は、複数の回折次数の各々についての分布測定を決定するように、構成可能である。例えば、
図5Dの光学要素543は、システム540が、複数の回折次数の各々についての分布測定を決定できるようにするためにも、使用可能である。
【0142】
[0164] 一実施形態において、+1回折次数リングについてのエネルギーのリングが、内部及び外部に分離されるように、光学要素543(例えば調整可能次数スプリッタ)が使用可能である。この例では、内部は第1のディテクタ上に収集可能であり、外部は第2のディテクタ上に収集可能である。いくつかの例では、第1及び第2のディテクタは
図5Dのディテクタ546aの一部とすることができる。この実施形態によれば、子の回折次数についての分布測定は、第1及び第2のディテクタ上のエネルギーの比率とすることができる。プロセッサ(例えば
図4A及び
図4Bのプロセッサ432)は、比率における変化(例えば分布測定における変化)を検出することができる。例えば、ターゲット501の層厚みが変化するとき、第1及び第2のディテクタ上のエネルギーの比率(例えば分布測定)が変化することになる。分布測定において測定された変化は、上記で考察した補正係数の生成に使用可能である。
【0143】
[0165] いくつかの実施形態によれば、導波路デバイス523aから出る放射ビームは複数の色(波長)を含むことができる。いくつかの例では、色は、第1に(例えば、ダイクロイックミラーなどの復調(DMUX)デバイスを使用して)分離可能であり、その後、本開示の実施形態が各色に適用される。例えば、
図5Dの光学要素543(例えば調整可能次数スプリッタ)は、各色ごとに適用可能である。この例では、
図5Dの要素543(例えば調整可能次数スプリッタ)は、各色について最適化可能である。非限定的な例では、より短い波長はビームの(例えば導波路デバイスの光軸に関して)より小さな角度につながることが可能であり、より小さな最適次数スプリッタにつながることが可能である。
【0144】
[0166] いくつかの例がメトロロジシステム(例えば
図4A及び
図4Bのメトロロジシステム400)の強度チャネルに関して考察されているが、本開示の実施形態はこれらの例に限定されない。本開示の実施形態は、メトロロジシステムの強度チャネル又はメトロロジシステムの位相チャネルにも適用可能である。
【0145】
[0167]
図6は、本開示のいくつかの実施形態に従った補正係数を決定するための例示の方法600を示す。便宜上及び非限定的に、
図6は、
図4及び
図5の要素に関して説明され得る。方法600は、補正係数を決定するため、及び、補正係数を使用してターゲットの決定された特徴を改訂するための動作を実装する、システム(例えば、メトロロジシステム400、システム500、及び/又はシステム540)の動作を表し得る。方法600は、プロセッサ(例えば
図4A及び
図4Bのプロセッサ432)によって、又は、コンピュータシステムによっても、実行され得る。しかし方法600は、それらの図に示された特定の実施形態に限定されず、当業者であれば理解されるような方法を実行するために、他のシステムが使用され得る。すべての動作が必要なわけではなく、動作は
図6に示された順序と同じ順序で実行されなくてもよいことを理解されよう。
【0146】
[0168] 602において、基板上のターゲットの1つ以上の特徴が決定される。例えば、
図4A及び
図4Bのメトロロジシステム400は、アライメントマーク又はターゲット418(及び/又は
図5Aのターゲット501)の1つ以上の特徴を決定するように構成可能である。いくつかの実施形態によれば、動作602は、放射ビームを用いてターゲットを照射すること、ターゲットから回折放射ビームを収集すること、放射ビーム及び回折放射ビームを組み合わせるために干渉計を使用すること、組み合わせ放射ビームを検出すること、並びに、1つ以上の特徴を決定するために検出された組み合わせ放射ビームを分析することを、含むことができる。
【0147】
[0169] 1つ以上の特徴は、ターゲットの位置、ターゲットのアライメント、ターゲットのオーバーレイ誤差、ターゲットに関連付けられたCD、などを含むことができるが、限定されない。いくつかの実施形態によれば、ターゲットの決定された特徴は、ターゲット内の非対称性及び/又はターゲットの層厚みにおける差によって、影響される可能性がある。604から608において、ターゲット内の非対称性及び/又はターゲットの層厚みにおける差を補償するために、補正係数を決定することができる。610において、補正係数は、決定された特徴を改訂するために決定された特徴に適用可能である。
【0148】
[0170] 例えば、604において、複数の回折次数のうちの少なくとも1つについて、正の回折次数及び負の回折次数の測定された強度間の差が決定される。いくつかの実施形態によれば、複数の回折次数はターゲットから回折され、正の回折次数及び負の回折次数の測定された強度間の差は、ターゲットの非対称性に基づくものとすることができる。上記で考察したように、複数の回折次数の各々の強度は個別に測定可能である。
【0149】
[0171] 606において、複数の回折次数のうちの少なくとも1つについての分布測定における変化が決定される。分布測定における変化は、ターゲットに関連付けられた層厚み変動に基づくものとすることができる。いくつかの実施形態によれば、分布測定における変化を決定することは、複数の回折次数の各々がディテクタアレイ上に着地する場所の分布測定を決定することを含むことができる。いくつかの例では、分布測定における変化は、同じ回折次数のうちの、正の回折次数の分布測定と負の回折次数の分布測定との間で決定可能である。追加又は代替として、分布測定における変化は、2つ以上の測定にわたって同じ回折次数について決定可能である。
【0150】
[0172] いくつかの実施形態に従った分布測定における変化を決定するための例示の方法が2021年5月6日公開の国際出願WO2021/083704号に開示されており、その全体が参照により組み込まれる。国際出願WO2021/083704号に開示される方法は、分布測定における変化の決定及び/又は決定された変化を使用する補正を、モデル化及びトレーニングするための動作606において使用可能である。この方法は、ディテクタが導波路デバイスの後に配置される本開示の実施形態に、更に適用可能である。しかしながら、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、分布測定における変化を決定するため、及び、補正係数を発生させるために決定された変化を使用するために、他の方法が使用可能である。
【0151】
[0173] 608において、補正係数は、測定された強度と分布測定における変化との間の差のうちの少なくとも1つ以上に基づいて決定される。610において、決定された補正係数は、決定された特徴を改訂するために、ターゲットの決定された特徴に適用される。
【0152】
[0174]
図6の方法600は、本開示のいくつかの実施形態に従って、補正係数を決定するため、及び、決定された特徴を改訂するためにターゲットの決定された特徴に補正係数を適用するために、使用可能である。追加又は代替として、
図4及び
図5のシステムを使用して、(例えば、オーバーレイなどであるが限定されない、ターゲットの対象となる1つ以上のパラメータを決定するために)ターゲットの特徴を決定することができる。いくつかの実施形態において、方法は、瞳面の異なる部分からの1つ以上(例えばバイアスパットごと)の獲得と共に、ターゲット(例えば、
図5Aのアライメントマーク又はターゲット418及び/又はターゲット501)に関する情報を収集することを含むことができる。例えば、マルチ導波路デバイスを導波路デバイス523aとして使用すること、及び/又は、マルチ導波路デバイスを導波路デバイス523bとして使用することによって、瞳面の異なる部分から1つ以上(例えばバイアスパッドごと)の獲得を使用して、ターゲットに関する情報を収集することができる。
【0153】
[0175] 言い換えれば、上記で考察したように、ディテクタ521a(及び/又は、ディテクタ521b)は、導波路523a(及び/又は導波路デバイス523a)の1つ以上の導波路デバイスのうちの対応する1つを使用して、投影システムの瞳面の異なる部分を検出することができる。いくつかの実施形態において、情報を収集することは、放射ビームを用いてターゲットを照射すること、ターゲットから回折された放射ビームを収集すること、マルチ導波路デバイスを使用して投影システムの瞳面の異なる部分において回折された放射ビーム(及び/又は、放射ビームの組み合わせ放射ビーム及び回折された放射ビーム)を検出することを含むことができる。
【0154】
[0176] この方法は、ターゲットの1つ以上の特徴を決定するために瞳面の異なる部分から検出された放射を分析することを、更に含むことができる。一例では、1つ以上の特徴は、ターゲット上の±バイアスからの±1回折次数に基づいて決定可能なオーバーレイなどであるが、限定されない、対象となる1つ以上のパラメータベースの収集された情報を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、上記で考察した方法は、プロセッサ(例えば
図4A及び
図4Bのプロセッサ432)によって、又はコンピュータシステムによって、実行可能である。
【0155】
[0177] 上記で考察した実施形態のうちのいくつかは、複数の回折次数のうちのその他から空間的に分離した複数の回折次数の各々を検出するため、及び、複数の回折次数の各々の強度を個別に測定するための、例示的方法及びシステムを提供する。
図9は、いくつかの実施形態に従った第1の方向の格子についての強度測定を第2の方向の格子についての強度測定から分離するように構成された検査装置の概略を示す。
図9のシステム900は、
図5Aから
図5H及び
図6から
図8の実施形態と共に使用可能である。
図9のシステム900は、いくつかの実施形態によれば、上記で考察するように、
図4A及び
図4Bのメトロロジシステム400の一部とすることができる。
【0156】
[0178] 下記でより詳細に考察するように、
図5Aの強度チャネル500に比べて、システム900は、例えば投影システム907の瞳面内に配置可能な光学要素912を含む。光学要素912を使用することによって、ターゲット901は導波路デバイス923a上に「結像」されないが、導波路デバイス923aに関してフーリエ面内にある。システム900は、いくつかの実施形態に従い、
図7A、
図7B、
図8A、及び
図8Bのターゲットと共に使用可能である。追加又は代替として、システム900は、例えば、中心にX格子、及びその周辺に(例えば、対角スキャンと組み合わされた)Y格子を有する、マーク設計と共に使用可能である。代替として、ターゲット901は、例えば第1のマークセグメント内に+45度線、第2のマークセグメント内に-45度線、及び第3のマークセグメント内に+45度線を有することができる。この例では、システム900はマークの上で「直線」スキャンを使用することができる。追加又は代替として、システム900は、例えば2つの方向(例えばX及びY方向)を有するマーク設計と共に使用可能であり、マーク設計は同じか又はほぼ同じピッチを有することが可能である。例えば、システム900は、ターゲット701及び711と同様であるが、第1及び第2の方向(例えばX及びY方向)について同じ(又はほぼ同じ)ピッチを有する、マーク設計と共に使用可能である。
【0157】
[0179]
図9に示されるように、システム900は、ターゲット901、光学システム903、及び検出システム905を含むことができる。いくつかの実施形態において、ターゲット901は、
図4A及び
図4Bのアライメントマーク又はターゲット418、
図5Aのターゲット501、又は、
図7A、
図7B、
図8A、及び
図8Bのターゲットとすることができる。光学システム903は、ターゲット901を照射するための放射ビーム(図示せず)を発生させる(又は、放射源から受け取る)ように、構成可能である。光学システム903は、ターゲット901から回折された回折次数を収集し、回折次数を検出システム905へと案内するようにも構成可能である。いくつかの実施形態によれば、光学システム903は1つ以上の光学デバイスを含む。例えば、光学システム903は投影システム907を含むことができる。投影システム907は、いくつかの実施形態に従ったレンズ又はレンズのシステムを含むことができる。投影システム907は、放射ビーム(図示せず)をターゲット901に投影し、ターゲット901から回折された回折次数を収集するように、構成可能である。
【0158】
[0180]
図9は、ターゲット901上の第1の方向の格子(例えばX格子)からの、+1回折放射ビーム917a及び-1回折放射ビーム917bを示す。
図9は、ターゲット901上の第2の方向の格子(例えばY格子)からの、+1回折放射ビーム918も示す。3本の回折放射ビームが示されているが、本開示の実施形態は任意数の回折次数を含むことができる。
【0159】
[0181] いくつかの実施形態によれば、システム500は、-1回折放射ビーム(例えば-1回折放射ビーム917b)をブロックするように構成された、ブロッカ906を含むことができる。これらの例では、システム500は、+1回折放射ビームに関して考察される。しかしながら本開示の実施形態は、正及び負の回折次数の両方に、並びに1次又はそれ以上の回折次数に、適用可能である。
【0160】
[0182] 光学システム903は、回折次数917a及び918を検出システム905へと案内するように構成された、光学要素912及び913を含むこともできる。いくつかの実施形態によれば、光学要素912及び光学要素913は、レンズ又はレンズのシステムを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、また上記で考察したように、光学要素912は例えば投影システム907の瞳面内に配置可能である。
【0161】
[0183] いくつかの実施形態によれば、検出システム905は検出システム505と同様であり、1つ以上の導波路デバイス923a及び1つ以上のディテクタ921aを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、導波路デバイス923aは
図5A又は
図5Dの導波路デバイス523a(又は523b)と同様である。いくつかの実施形態によれば、ディテクタ921aは、
図5Aのディテクタ521a(又は、521b)及び/又は
図5Dのディテクタ546a又は548aと同様である。
【0162】
[0184] いくつかの実施形態によれば、第1の方向の格子からの回折次数917a(例えば+1回折次数)及び(第1の方向とは異なる)第2の方向の格子からの回折次数918(例えば+1回折次数)が、導波路デバイス923aによってキャプチャされる。ディテクタ921aは、回折次数917a及び918を受け取るように構成可能である。いくつかの実施形態によれば、導波路デバイス923a及びディテクタ921aは、互いから空間的に分離した回折次数917a及び918の各々を検出するように構成される。言い換えれば、ディテクタ921aは、回折次数917a及び918の各々の強度を個別に測定するように構成される。したがって、導波路デバイス923a及びディテクタ921aは、複数の回折次数のうちのその他から空間的に分離した回折次数を伴う格子から、複数の回折次数の各々を検出するように構成される。また、ディテクタ921aは、複数の回折次数の各々の強度を個別に測定するように構成される。いくつかの実施形態によれば、
図5B及び/又は
図5Dのシステムあるいは方法600を使用して、複数の回折次数の各々の強度を個別に測定することが可能である。
【0163】
[0185] 追加として、システム900は、複数の回折次数の各々がディテクタ921a上に着地する場所の分布測定を決定するように構成される。例えば、
図5B及び/又は
図5Dのシステムあるいは方法600を使用して、複数の回折次数の各々がディテクタ921a上に着地する場所の分布測定を決定することが可能である。
【0164】
[0186] いくつかの実施形態により、また
図5Cを参照すると、システム900についての強度測定及び分布測定を示すために、円531及びリング533も使用可能である。例えば、
図9に関して、円531内のエネルギーは、回折次数917a(例えば、第1の方向の格子からの+1回折次数)の強度のエネルギー分布に対応可能である。この例では、リング533内のエネルギーは、回折次数918(例えば、第2の方向の格子からの+1回折次数)の強度のエネルギー分布に対応可能である。
【0165】
[0187] 上記で考察したように、測定された強度間の差を決定するため、分布測定における変化を決定するため、少なくとも測定された強度と分布測定における変化との間の差に基づいて補正係数を決定するため、及び、決定された補正係数に基づいてターゲットの決定された特徴を改訂するための、方法600が、
図9のシステム900と共に使用可能である。いくつかの実施形態において、方法600がシステム900と共に使用されるとき、測定された強度間の差を決定することは、第1の方向の格子の回折次数と、第1の方向とは異なる第2の方向の格子の回折次数との、測定された強度間の差を決定することを含むことができる。
【0166】
[0188] いくつかの実施形態において、互いから空間的に分離した複数の回折次数の各々を検出するため、及び、各回折次数についての強度及び/又は分布測定を個別に測定するための、上記で考察されたシステム及び方法は、DC信号を使用することを対象とする。下記でより詳細に考察するように、同様のシステム及び方法を周波数弁別信号に使用可能である。例えば、
図10Aから
図10E及び
図11Aから
図11Bに関してより詳細に考察するように、ディテクタの前の1つ以上のチョッパーホイールを使用して、回折次数の間に変調ベース差異を提供するために、選択的に、回折次数が通過できるようにすることができる。いくつかの実施形態において、1つ以上のチョッパーホイールを光学システム(例えば
図5Aの光学システム503)内に配置することができる。追加又は代替として、1つ以上のチョッパーホイールを、光学システム(例えば
図5Aの光学システム503)の外側及びディテクタの前に配置可能である。
【0167】
[0189] いくつかの実施形態において、周波数変調を使用することによって、ディテクタによって検出された信号を周波数ドメイン内のDCから遠くへ移動させ、低ノイズ検出を可能にすることができる。追加又は代替として、上記で考察したように、回折次数を分離し、結果としてより高次の回折次数を除去し、したがって誤差を減少させることができる。いくつかの例では、反復的及び/又はインライン暗電流較正が、より低いドリフトを可能にする。追加又は代替として、マーク間利得ドリフトは、正(+)及び負(-)の回折次数光学信号を同じディテクタ上へと多重化することによって、補償可能である。多重化は、ディテクタボードの数を減少させること、及び、モジュールを多重化することによっても、コストを低下させることが可能である。いくつかの実施形態によれば、
図10Aから
図10E及び
図11Aから
図11Bの例は強度チャネルに使用可能であり、位相チャネル用のディテクタボードは強度チャネル信号を検出するために使用可能であり、したがって、ディテクタボードの数を減少させることができる。また、分布測定は(上記で考察したように)、検出された信号の立ち上がり/立ち下がり時間を使用して、決定可能である。
【0168】
[0190]
図10Aは、本開示のいくつかの実施形態に従ったチョッパーホイールを使用して複数の回折次数の各々の強度を分離及び個別に測定するための例示の設計を示す。
図10Aのシステム1000は、
図5Aの検出システム505の一部とすることができる。
図10Aは、
図5A及び/又は
図5Bの導波路及びディテクタと同様の、導波路523a及びディテクタ521aを示す。
図10Aは正の回折次数に関して考察されているが、負の回折次数にも(例えば、
図5Aの導波路デバイス523b及びディテクタ521aを使用して)同じか又は同様の設計が使用可能である。
【0169】
[0191] いくつかの実施形態によれば、ターゲットから収集した回折次数は、導波路デバイス523aを使用する強度信号のための周波数弁別(FDIS)システム1001を対象とする。いくつかの例では、FDISシステム1001は、導波路デバイス523aから回折次数1002を受け取るように構成された、ハイパスフィルタ1003を含むことができる。ハイパスフィルタ1003は、回折次数1002を2つ以上の波長帯域へとフィルタリングするように構成可能である。この例では、ハイパスフィルタ1003は、回折次数1002を、(約652nmから約900nmなどであるが限定されない)第1の波長帯域の回折次数1004と、(約508nmから約652nmなどであるが限定されない)第2の波長帯域の回折次数1006とに、分割することができる。本開示のいくつかの例は、2つの波長帯域及び例示の波長に関して考察されるが、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、1つ以上の波長帯域及び他の波長値が使用可能である。
【0170】
[0192] いくつかの実施形態によれば、チョッパーホイール1007は回折次数1004の経路内にあり、チョッパーホイール1017は回折次数1006の経路内にある。言い換えれば、回折次数1004はチョッパーホイール1007を通過可能であり、回折次数1006はチョッパーホイール1017を通過可能である。チョッパーホイール1007及び1017を通過した後、回折次数1004及び1006は、高パスフィルタ1011を使用して回折次数1008に組み合わせ可能である。いくつかの実施形態によれば、FDISシステム1001は、回折次数1004及び回折次数1006をハイパスフィルタ1011に向けて送るために、1つ以上のミラー1003、1005、1009、1013、1015、1019、及び1021を含むことができる。異なる波長帯域からの回折次数が回折次数1008内で組み合わされた後、回折次数1008は導波路デバイス1023によって収集され、復調システム1024に向けて送られる。回折次数1008は、復調システム1024の後、ディテクタ521aによって検出される。
【0171】
[0193] いくつかの実施形態によれば、FDISシステム1001は、チョッパーホイール1007及び/又はチョッパーホイール1017を制御するように構成された、コントローラ1025を含むことができる。例えば、コントローラ1025は、チョッパーホイール1007及び/又はチョッパーホイール1017がチョッパーホイール1007及び/又はチョッパーホイール1017の中心の周りを回転する周波数を制御することができる。
【0172】
[0194]
図10Cは、いくつかの実施形態に従ったチョッパーホイール1070の例示の設計を示す。チョッパーホイール1070は、
図10A及び
図10Bのチョッパーホイール1007、1017、1037、及び/又は1047として使用可能である。この例では、チョッパーホイール1070は、円の中心の周りを回転可能な円として示されている。
図10Cに示されるように、チョッパーホイール1070は、複数の開口1071及び1073を伴う不透明な材料を含むことができる。この例示の実施形態において、開口1071は、第1の回折次数(例えば+1及び/又は-1回折次数)のみがチョッパーホイール1070を通過できるようにするために、使用可能である。開口1073は、第1及びより高次の回折次数(例えば+1、+3、及び/又は、-1、-3回折次数)がチョッパーホイール1070を通過できるようにするために、使用可能である。これは、第1次回折1075及びより高次の回折1077が開口1073を通過する、拡大
図1074に示される。いくつかの例によれば、チョッパーホイール1070は、その中心の周りを方向1076に回転可能である。
【0173】
[0195] チョッパーホイール1070の例を続けると、ディテクタにおいて検出される信号は2つの別個の周波数成分を有する。例えば、検出される信号は、第1の周波数において第1の周波数成分を有し、第1の周波数とは異なる第2の周波数において第2の周波数成分を有することになる。いくつかの実施形態によれば、第1及び第2の周波数は、開口の数、開口のサイズ(例えば直径)、開口の設計、又は、チョッパーホイール1070の回転の周波数のうちの、1つ以上に依存可能である。この例では、検出される第1の回折次数(例えば+1回折次数)は、第1の周波数において検出可能であり、第1及びより高次の回折次数(例えば+1及び+3の回折次数)は、第1の周波数とは異なる第2の周波数において検出可能である。したがって、
図10Aから
図10Eのシステムにおいてチョッパーホイールを使用することで、結果として、異なる周波数において複数の回折次数のうちのその他から分離した複数の回折次数の各々を検出することができる。追加又は代替として、ディテクタ521aは、複数の回折次数のその他から空間的に分離した複数の回折次数の各々を検出することが可能である。
【0174】
[0196] 例示のチョッパーホイール1070は、第1の回折次数についての第1の複数の開口1071、及び、第1及びより高次の回折次数についての第2の複数の開口1073を含む。開口の数、開口の設計、開口のサイズ(例えば直径)、及び、チョッパーホイール1070の回転の周波数は、本開示の例に限定されず、任意の他の設計を含むことができる。
【0175】
[0197]
図10D及び
図10Eは、いくつかの実施形態に従った時間ドメイン及び周波数ドメインにおいて検出された例示の強度信号を示す。
図10Dは、第1の回折次数及び第1及びより高次の回折次数について、時間ドメインにおいて測定された強度1080を示す。例えば、
図10Dは、第1の回折次数(例えば+1回折次数)について測定された強度1081、及び、第1及びより高次の回折次数(例えば+1及び+3の回折次数)について測定された強度1083を示す。
図10Eは、周波数ドメインにおける第1の回折次数について、及び時間ドメインにおける第1及びより高次の回折次数について測定された、強度1085を示す。例えば、
図10Eは、周波数ドメインにおいて、第1の回折次数(例えば+1回折次数)について測定された強度1087、及び、第1及びより高次の回折次数(例えば+1及び+3回折次数)について測定された強度1089を示す。一例では、時間ドメインにおいて測定された強度を周波数ドメインにおいて測定された強度に変換するために、高速フーリエ変換(FFT)が使用可能である。
【0176】
[0198] 異なる回折次数の強度を互いに分離して測定することに加えて、
図10Aから
図10Bのシステムは、各回折次数について分布測定を決定するため(及び/又は、分布測定を変更するため)に使用可能である。上記で考察したように、いくつかの例では、分布測定における変更は、ターゲット501に関連付けられた層厚み変動に基づくものとすることができる。例えば、ターゲットに関連付けられた層厚み変動は、ターゲットの層厚み変動、ターゲットの頂部上のスタックに起因する層厚み変動、ターゲットの下のスタックに起因する層厚み変動、などのうちの1つ以上を含むことができる。追加として、クリティカルディメンション(CD)変動などの他のスタック変動及び場合によってはセンサ変動(デフォーカスなどであるが限定されない)も、分布測定を変更する(及び、アライメント誤差につながる)可能性がある。いくつかの実施形態によれば、チョッパーホイールから検出される信号の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を測定することによって、
図10Aから
図10Eのシステムは、各回折次数についての分布測定を決定すること(及び/又は、分布測定を変更すること)が可能である。例えば、
図10Dの第1の回折次数(例えば+1回折次数)について、測定された強度1081の立ち上がり時間及び/又は立ち下がり時間を測定することによって、第1の回折次数についての分布測定を決定すること(及び/又は、分布測定を変更すること)が可能である。同様に、第1及びより高次の回折次数(例えば+1及び+3の回折次数)について測定された強度1083の立ち上がり時間及び/又は立ち下がり時間を測定することによって、より高次の回折次数(例えば+3回折次数)についての分布測定を決定すること(及び/又は、分布測定を変更すること)が可能である。
【0177】
[0199]
図10Aの例示の実施形態において、FDISシステム1001は、正の回折次数(例えば+1、+3、・・・の回折次数)を含む正のチャネル分岐に使用される。いくつかの実施形態によれば、追加のFDISシステムは、負の回折次数(例えば-1、-3、・・・の回折次数)を含む負のチャネル分岐に使用可能である。追加又は代替として、正及び負の回折次数を組み合わせるためにFDISシステムが使用可能である。
【0178】
[0200]
図10Bは、本開示のいくつかの実施形態に従い、チョッパーホイールを使用して複数の回折次数の各々の強度を分離及び個別に測定するための、別の例示の設計を示す。
図10Aのシステム1030は、
図5Aの検出システム505の一部とすることができる。
図10Dは、
図5A及び/又は
図5Bの導波路と同様の導波路523a及び523bを示す。システム1030はディテクタ1052を含むことができる。いくつかの例によれば、ディテクタ1052は、
図5A及び/又は
図5Bのディテクタ521a又は521bと同様であることが可能である。
【0179】
[0201] いくつかの実施形態によれば、
図10Bのシステム1030は
図10Aのシステム1010と同様とすることができる。追加として、システム1030は、正の回折次数(例えば+1、+3、・・・の回折次数)を含む正のチャネル分岐を、負の回折次数(例えば-1、-3、・・・の回折次数)を含む負のチャネル分岐と組み合わせるように、構成可能である。
【0180】
[0202] いくつかの実施形態によれば、ターゲットから収集される正の回折次数は、導波路デバイス523aを使用する強度信号のための周波数弁別(FDIS)システム1031を対象とする。同様に、ターゲットから収集される負の回折次数は、導波路デバイス523bを使用する強度信号のための周波数弁別(FDIS)システム1031を対象とする。
【0181】
[0203] いくつかの例では、FDISシステム1031は、導波路デバイス523aから回折次数1032a(正の回折次数)を受け取るように構成された、ハイパスフィルタ1033aを含むことができる。ハイパスフィルタ1033aは、回折次数1032aを2つ以上の波長帯域へとフィルタリングするように構成可能である。この例では、ハイパスフィルタ1033aは、回折次数1032aを、第1の波長帯域内(約652nmから約900nmなどであるが限定されない)の回折次数1034a、及び、第2の波長帯域内(約508nmから約652nmなどであるが限定されない)の回折次数1036aに、分割することができる。本開示のいくつかの例は、2つの波長帯域及び例示の波長に関して考察しているが、本開示はこれらの例に限定されず、1つ以上の波長帯域及び他の波長値が使用可能である。
【0182】
[0204] 追加として、FDISシステム1031は、導波路デバイス523bから回折次数1032bを受け取るように構成された、ハイパスフィルタ1033bを含むことができる。ハイパスフィルタ1033bは、回折次数1032bを2つ以上の波長帯域へとフィルタリングするように構成可能である。この例では、ハイパスフィルタ1033bは、回折次数1032bを、第1の波長帯域内(約652nmから約900nmなどであるが限定されない)の回折次数1034b及び第2の波長帯域内(約508nmから約652nmなどであるが限定されない)の回折次数1036bに分割することができる。本開示のいくつかの例は、2つの波長帯域及び例示の波長に関して考察しているが、本開示はこれらの例に限定されず、1つ以上の波長帯域及び他の波長値が使用可能である。
【0183】
[0205] いくつかの実施形態によれば、回折次数1036aはチョッパーホイール1037を通過可能であり、回折次数1036bはチョッパーホイール1047を通過可能である。チョッパーホイール1037及び1047を通過した後、回折次数1036a及び1036bは、ハイパスフィルタ1041を使用して回折次数1038に組み合わせ可能である。いくつかの実施形態によれば、FDISシステム1031は、回折次数1036a及び1036b(及び/又は、回折次数1034a及び1034b)をハイパスフィルタ1041に向けて送るために、1つ以上のミラーを含むことができる。異なる波長帯域からの回折次数が回折次数1038に組み合わされた後、回折次数1038は導波路デバイス1053によって収集され、復調システム1054に向けて送られる。回折次数1038は、復調システム1054の後に、ディテクタ1052によって検出される。
【0184】
[0206]
図10Bは、第2の波長帯域の負及び正の回折次数が回折次数1038に組み合わされる旨を示しているが、第1の波長帯域の負及び正の回折次数も組み合わせ可能である(図示せず)。いくつかの例では、第1の波長帯域及び第2の波長帯域の負及び正の回折次数が、回折次数1038に組み合わせ可能である。この例では、例えば、2つのディテクタ(1つは正の回折次数用、及び1つは負の回折次数用)を使用する代わりに、1つのディテクタを使用して、正及び負の両方の回折次数を検出することが可能である。
【0185】
[0207] いくつかの実施形態によれば、FDISシステム1031は、チョッパーホイール1037及び/又はチョッパーホイール1047の動作を制御するように構成されたコントローラ1055を含むことができる。例えば、コントローラ1055は、チョッパーホイール1037及び/又はチョッパーホイール1047がそれぞれの中心の周りを回転する、周波数を制御することができる。いくつかの例では、コントローラ1055は、チョッパーホイール1037及びチョッパーホイール1047の両方を同時に(又はほぼ同時に)制御可能である。いくつかの例では、コントローラ1055は、チョッパーホイール1037をチョッパーホイール1047とは別に制御可能である。
【0186】
[0208] いくつかの実施形態によれば、ディテクタ1052上で検出される信号は、異なる周波数、例えば、+1回折次数についての第1の周波数、-1回折次数についての第2の周波数、+1及びより高次の正の回折次数についての第3の周波数、及び、-1及びより高次の負の回折次数についての第4の周波数を、有することができる。
【0187】
[0209]
図11Aは、本開示のいくつかの実施形態に従った光学システム内のチョッパーホイールを使用して複数の回折次数の各々の強度を分離するため及び個別に測定するための別の例示的設計を示す。
図11Aのシステム1100は、
図5の強度チャネル500と同様である。システム1100は、ターゲット1101、光学システム1103、及び検出システム1105を含むことができる。光学システム1103は、ターゲット1101を照射するための放射ビーム1115を発生させる(又は放射源から受け取る)ように構成可能である。光学システム1103は、ターゲット1101から回折された回折次数を収集し、回折次数を検出システム1105へ案内するようにも、構成可能である。いくつかの実施形態によれば、光学システム1103は1つ以上の光学デバイスを含む。例えば、光学システム1103は、放射ビーム1115を受け取り、ターゲット1101を照射するために放射ビーム1115の方向を変更するように構成された、光学要素1109を含むことができる。
【0188】
[0210] 光学システム1103は、投影システム1107も含むことができる。いくつかの実施形態によれば、投影システム1107はレンズ又はレンズのシステムを含むことができる。投影システム1107は、放射ビーム1115をターゲット1101に投影し、ターゲット1101から回折された回折次数を収集するように、構成可能である。
図11Aは、+1回折放射ビーム1117a、-1回折放射ビーム1117b、+3回折放射ビーム1119a、及び-3回折放射ビーム1119bを示す。4本の回折放射ビームが示されているが、本開示の実施形態は任意数の回折次数を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、光学システム1103は瞳ディバイダ1111も含むことができる。瞳ディバイダ1111は、正(+)及び負(-)の回折次数チャネルを分離するように構成可能である。これらの要素は、
図5A内のそれらの対応する要素と同様であること、及び/又は、同様の様式で動作することが可能である。
【0189】
[0211] いくつかの実施形態によれば、光学システム1103は1つ以上のチョッパーホイールを含むことができる。例えば
図11Aに示されるように、光学システム1103は、正のチャネル分岐内に第1のチョッパーホイール1130a、及び負のチャネル分岐内に第2のチョッパーホイール1130bを含むことができる。別の例(図示せず)では、光学システム1103は、正及び負の両方のチャネル分岐について1つのチョッパーホイールを含むことができる。本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、光学システム1103は任意数のチョッパーホイールを含むことができる。
【0190】
[0212] チョッパーホイール1130a及び/又は1130bを使用することによって、第1の回折次数(正又は負)、並びに、ディテクタ1121a及び/又は1121bにおいて検出されるより高次の回折次数(正又は負)に関連付けられた信号は、異なる周波数を有することになる。
【0191】
[0213]
図11Bは、いくつかの実施形態に従った光学システム内で使用されるべきチョッパーホイール1130の例示の設計を示す。
図11Bの例示の設計では、チョッパーホイール1130は、1つ以上の不透明セクション1132及び1つ以上の開口1131を含む、内側リングを含むことができる。チョッパーホイール1130は、1つ以上の不透明セクション1134及び1つ以上の開口1133を含む、外側リングも含むことができる。この例示の設計では、チョッパーホイール1130の内側リングは第1の回折次数(例えば+1及び/又は-1回折次数)に使用可能であり、チョッパーホイール1130の外側リングはより高次の回折次数に使用可能である。チョッパーホイール1130は、その中心1135の周りを回転するように構成可能である。
【0192】
[0214] 本開示の実施形態は、本例示の設計に限定されず、チョッパーホイール1130は、他の設計(例えば、1つ以上のリング、異なる数の不透明セクション/開口、異なる形状の不透明セクション/開口、異なるパターンなど)を含むことができる。
【0193】
[0215] 上記で考察したように、測定された強度間の差を決定するため、分布測定における変化を決定するため、少なくとも測定された強度と分布測定における変化との間の差に基づいて補正係数を決定するため、及び、決定された補正係数に基づいてターゲットの決定された特徴を改訂するための、方法600は、
図10Aから
図10E及び
図11Aから
図11Bのシステムと共に使用可能である。
【0194】
[0216] 本実施形態は、下記の条項を使用して更に説明され得る。
1.基板上のターゲットから回折される複数の回折次数を受け取るように構成された投影システム、
ディテクタアレイ、及び、
投影システムとディテクタアレイとの間で複数の回折次数を伝送するように構成された導波路デバイス、を備え、
ディテクタアレイは、複数の回折次数のうちのその他から空間的に分離した複数の回折次数の各々を検出するように構成される、
メトロロジシステム。
2.ディテクタアレイは、複数の回折次数の各々の強度を個別に測定するように構成される、条項1に記載のメトロロジシステム。
3.ディテクタアレイは、複数の回折次数の各々がディテクタアレイ上に着地する場所の分布測定を決定するように構成される、条項2に記載のメトロロジシステム。
4.ターゲットの特徴を決定するように構成され、
複数の回折次数のうちの少なくとも1つについての正の回折次数及び負の回折次数の測定された強度間の差、及び、複数の回折次数のうちの少なくとも1つについての分布測定における変化、のうちの少なくとも1つに基づいて、補正係数を決定するように構成され、
決定された補正係数に基づいて、ターゲットの決定された特徴を改訂するように構成された、
プロセッサを更に備える、条項3に記載のメトロロジシステム。
5.正の回折次数及び負の回折次数の測定された強度間の差は、ターゲットの非対称性に基づく、条項4に記載のメトロロジシステム。
6.分布測定における変化は、ターゲットに関連付けられた層厚み変動に基づく、条項4に記載のメトロロジシステム。
7.ディテクタアレイは、複数の回折次数の各々がディテクタアレイ上に着地する場所の分布測定を決定するように構成され、
メトロロジシステムは、複数の回折次数のうちの少なくとも1つについての分布測定における変化を決定するように構成された、プロセッサを更に備え、分布測定における変化は、ターゲットに関連付けられた層厚み変動に基づく、条項1に記載のメトロロジシステム。
8.導波路デバイスは、ディテクタアレイが導波路デバイスへの入力の遠視野放射パターンを検出するように構成されるように、配置される、条項1に記載のメトロロジシステム。
9.レンズシステムを更に備え、
導波路デバイスの出力がレンズシステムの焦点に配置され、
ディテクタアレイはレンズシステムの共役焦点に配置される、条項8に記載のメトロロジシステム。
10.導波路デバイスとディテクタアレイとの間の距離が、ディテクタアレイが投影システムの瞳面において検出するように配置される、条項8に記載のメトロロジシステム。
11.複数の回折次数のうちの1つ以上をブロック又は減衰するように構成された、メカトロニクスアパーチャを更に備え、ディテクタアレイは単一ピクセルディテクタを備える、条項8に記載のメトロロジシステム。
12.導波路デバイスの上流に位置決めされた第1のレンズシステム、
第1のレンズシステムの上流に位置決めされた光学要素、及び、
光学要素の上流に位置決めされた第2のレンズシステム、
を更に備える、条項1に記載のメトロロジシステム。
13.ディテクタアレイは、複数の回折次数のうちの第1の回折次数を検出するように構成された第1のディテクタ、及び、複数の回折次数のうちの第2の回折次数を検出するように構成された第2のディテクタを備え、
光学要素は、調整可能次数スプリッタ、調整可能次数ブロッカ、又は空間光変調器のうちの、少なくとも1つを備える、条項12に記載のメトロロジシステム。
14.導波路デバイスはマルチモードファイバを備える、条項1に記載のメトロロジシステム。
15.導波路デバイスはファイババンドルを備える、条項1に記載のメトロロジシステム。
16.導波路デバイスは1つ以上の導波路デバイスを備え、1つ以上の導波路デバイスのうちの各々は、ディテクタアレイが、1つ以上の導波路デバイスのうちの対応する導波路デバイスを使用して、投影システムの瞳面の異なる部分を検出するように配置される、条項1に記載のメトロロジシステム。
17.ターゲットは、第1のピッチを有する第1のセグメントと、第1のピッチとは異なる第2のピッチを有する第2のセグメントと、を備える、デュアルピッチマークを備える、条項1に記載のメトロロジシステム。
18.ディテクタアレイは、第2の方向から分離した第1の方向に、複数の回折次数のうちの他の回折次数から空間的に分離した複数の回折次数の各々を検出するように、更に構成される、条項17に記載のメトロロジシステム。
19.ディテクタアレイと、
基板上のターゲットから回折された複数の回折次数を受け取るように、及び、複数の回折次数をディテクタアレイに伝送するように、構成された、1つ以上導波路デバイスと、を備え、
複数の回折次数のうちの他の回折次数から空間的に分離した複数の回折次数の各々を検出するために、ディテクタアレイが、1つ以上の導波路デバイスへの入力の遠視野放射パターンを検出するように、1つ以上の導波路デバイスが配置された、
メトロロジシステム。
20.ディテクタアレイが、
複数の回折次数の各々の強度を個別に測定するように、及び、
複数の回折次数の各々が2次元ディテクタ上に着地する場所の分布測定を決定するように、
構成される、条項19に記載のメトロロジシステム。
21.ターゲットの特徴を決定するように構成され、
複数の回折次数のうちの少なくとも1つについての正の回折次数及び負の回折次数の測定された強度間の差であって、正の回折次数及び負の回折次数の測定された強度間の差はターゲットの非対称性に基づく、差、及び、複数の回折次数のうちの少なくとも1つについての分布測定における変化であって、分布測定における変化は、ターゲットに関連付けられた層厚み変動に基づく、変化、のうちの少なくとも1つに基づいて、補正係数を決定するように構成され、
決定された補正係数に基づいて、ターゲットの決定された特徴を改訂するように構成された、
プロセッサを更に備える、条項20に記載のメトロロジシステム。
22.レンズシステム、を更に備え、
1つ以上の導波路デバイスの出力がレンズシステムの焦点に配置され、ディテクタアレイがレンズシステムの共役焦点に配置される、条項19に記載のメトロロジシステム。
23.複数の回折次数のうちの1つ以上をブロック又は減衰させるように構成された、メカトロニクスアパーチャを更に備え、
ディテクタアレイは単一ピクセルディテクタを備える、条項19に記載のメトロロジシステム。
24.基板上のターゲットの特徴を決定すること、
複数の回折次数のうちの少なくとも1つについて、正の回折次数と負の回折次数との測定された強度間の差を決定することであって、複数の回折次数はターゲットから回折され、正の回折次数と負の回折次数との測定された強度間の差はターゲットの非対称性に基づくこと、
複数の回折次数のうちの少なくとも1つについて、分布測定における変化を決定することであって、分布測定における変化は、ターゲットに関連付けられた層厚み変動に基づくこと、
少なくとも測定された強度間の差及び分布測定における変化に基づいて、補正係数を決定すること、及び、
決定された補正係数に基づいて、ターゲットの決定された特徴を改訂すること、
を含む、方法。
25.基板上のターゲットから回折された複数の回折次数を受け取るように構成された、投影システムであって、ターゲットは、第1の方向の第1の格子及び第2の方向の第2の格子を備え、複数の回折次数は、第1の格子からの第1の回折次数、及び第2の格子からの第2の回折次数を備える、投影システムと、
ディテクタアレイと、
投影システムとディテクタアレイとの間で複数の回折次数を伝送するように構成された導波路デバイスと、を備え、
ディテクタアレイは、第2の回折次数から空間的に分離した第1の回折次数を検出するように構成される、
メトロロジシステム。
26.投影システムの瞳面に配置されたレンズを更に備える、条項25に記載のメトロロジシステム。
27.基板上のターゲットから回折された複数の回折次数を受け取るように構成された、投影システムと、
ディテクタと、
投影システムとディテクタとの間で複数の回折次数を伝送するように構成された導波路デバイスと、
ディテクタが、複数の回折次数のうちの他の回折次数の周波数とは異なる周波数において、複数の回折次数の各々を検出するように構成されるように、チョッパーホイールの中心の周りを回転するように構成されたチョッパーホイールと、
を備える、メトロロジシステム。
28.チョッパーホイールが導波路デバイスとディテクタとの間に配置される、条項27に記載のメトロロジシステム。
29.第1の波長帯域を有する回折次数の第1のセット、及び、第2の波長帯域を有する回折次数の第2のセットに対して、複数の回折次数をフィルタリングするように構成された、第1のハイパスフィルタであって、チョッパーホイールは回折次数の第1のセットの経路内に配置される、第1のハイパスフィルタと、
回折次数の第2のセットの経路内に配置された、第2のチョッパーホイールと、
ディテクタの前で、回折次数の第1のセット及び回折次数の第2のセットを組み合わせるように構成された、第2のハイパスフィルタと、
を更に備える、条項28に記載のメトロロジシステム。
30.複数の回折次数は正の回折次数を備え、
チョッパーホイールは正の回折次数の経路内に配置され、
メトロロジシステムは、
投影システムとディテクタとの間で負の回折次数を伝送するように構成された第2の導波路デバイス、
負の回折次数の経路内に無い値された第2のチョッパーホイール、及び、
チョッパーホイール及び第2のチョッパーホイールの後、及びディテクタの前で、正の回折次数及び負の回折次数を組み合わせるように構成されたハイパスフィルタ、を更に含む、条項28に記載のメトロロジシステム。
31.チョッパーホイールは、複数の回折次数のうちの第1の回折次数に対応する開口の第1のセット、及び、複数の回折次数のうちのより高次の回折次数に対応する開口の第2のセットを備える、条項28に記載のメトロロジシステム。
32.チョッパーホイールは、導波路デバイス及びディテクタの前に配置される、条項27に記載のメトロロジシステム。
33.複数の回折次数は正の回折次数を備え、
チョッパーホイールは、正の回折次数の経路内に配置され、
メトロロジシステムは、第2の導波路デバイス及び第2のディテクタの前、並びに負の回折次数の経路内に配置された第2のチョッパーホイールを更に含む、条項32に記載のメトロロジシステム。
34.チョッパーホイールは、複数の回折次数のうちの第1の回折次数に対応する開口の第1のセットを備える第1のリングと、複数の回折次数のうちのより高次の回折次数に対応する開口の第2のセットを備える第2のリングと、を備える、条項32に記載のメトロロジシステム。
35.ディテクタは、複数の回折次数の各々の強度を個別に測定するように構成される、条項27に記載のメトロロジシステム。
36.ディテクタは、複数の回折次数の各々について分布測定を決定するように構成される、条項35に記載のメトロロジシステム。
37.ターゲットの特徴を決定するように、
複数の回折次数のうちの少なくとも1つについての正の回折次数及び負の回折次数の測定された強度間の差、及び、複数の回折次数のうちの少なくとも1つについての分布測定における変化、のうちの少なくとも1つに基づいて補正係数を決定するように、及び、
決定された補正係数に基づいて、ターゲットの決定された特徴を改訂するように、
構成されたプロセッサを更に備える、条項36に記載のメトロロジシステム。
【0195】
[0217] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、LCD、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラックユニット(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジユニット及び/又はインスペクションユニットで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板プロセスツールに適用することができる。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0196】
[0218] 光リソグラフィの分野での本開示の実施形態の使用に特に言及してきたが、本開示は文脈によってはその他の用途、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを適用することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
【0197】
[0219] 本開示の言い回し又は専門用語は説明を目的とするものであって限定を目的とするものではないことが理解されるべきであり、従って、本開示の専門用語又は言い回しは、本開示の教示に照らして当業者によって解釈されるべきである。
【0198】
[0220] 本明細書で使用される用語「放射」、「ビーム」、「光」、「照明」などの用語は、すべてのタイプの電磁放射、例えば、紫外線(UV)放射(例えば、365、248、193、157、又は126nmの波長λを有する)、極端紫外線(EUV又は軟X線)放射(例えば、13.5nmなどの5~20nmの範囲内の波長を有する)、あるいは、5nm未満で動作する硬X線、並びに、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームを包含し得る。一般に、約400から約700nmの間の波長を有する放射は、可視放射と見なされ、約780~3000nm(又はそれ以上)の間の波長を有する放射は、IR放射と見なされる。UVは、およそ100~400nmの波長を伴う放射を指す。リソグラフィ内では、「UV」という用語は、水銀放電ランプ、G線436nm、H線405nm、及び/又は、I線365nmによって生成可能な波長にも適用される。真空UV、又はVUV(すなわち、ガスに吸収されるUV)は、およそ100~200nmの波長を有する放射を指す。深UV(DUV)は、一般に、126nmから428nmの範囲の波長を有する放射を指し、いくつかの実施形態では、エキシマレーザは、リソグラフィ装置内で使用されるDUV放射を発生させることができる。例えば、5~20nmの範囲内の波長を有する放射は、少なくとも一部が5~20nmの範囲内である、特定の波長帯域を伴う放射に関することを理解されたい。
【0199】
[0221] 本明細書で使用される「基板」という用語は、その上に材料層が追加される材料を記述する。いくつかの実施形態では、基板自体にパターンが付与されると共に、その上に追加された材料にもパターンが付与されるか、又はパターン付与されないままである場合がある。
【0200】
[0222] 本文では、ICの製造における本開示による装置及び/又はシステムの使用について特に言及しているが、そのような装置及び/又はシステムは他の多くの可能な用途を有することを明確に理解されるべきである。例えば、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、LCDパネル、薄膜磁気ヘッドなどに使用できる。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「レチクル」、「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ「マスク」、「基板」、及び「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義(置き換えられる)と見なしてよいことが当業者には認識される。
【0201】
[0223] 以上、本開示の特定の実施形態について説明したが、本開示の実施形態は、説明した以外の方法でも実施できることが理解されるであろう。説明は例示を目的とするものであり、限定するものではない。したがって、当業者には、以下に記載する特許請求の範囲から逸脱することなく、説明した開示に修正を加えることができることが明らかであろう。
【0202】
[0224] 特許請求の範囲を解釈するには、「発明の概要」及び「要約書」の項ではなく、「発明を実施するための形態」の項を使用するよう意図されていることを理解されたい。「発明の概要」及び「要約書」の項は、本発明者が想定するような本開示の1つ以上の例示的実施形態について述べることができるが、全部の例示的実施形態を述べることはできず、したがって本開示及び添付の特許請求の範囲をいかなる意味でも限定しないものとする。
【0203】
[0225] 以上では、特定の機能の実施態様を例示する機能的構成要素及びその関係を用いて本開示について説明してきた。これらの機能的構成要素の境界は、本明細書では説明の便宜を図って任意に画定されている。特定の機能及びその関係が適切に実行される限り、代替的境界を画定することができる。
【0204】
[0226] 特定の実施形態の前述の説明は、本開示の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、本開示の全体的な概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に変更及び/又はこれを様々な用途に適応させることができる。したがって、このような適応及び変更は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の均等物の意味及び範囲に入るものとする。
【0205】
[0227] 本開示の幅及び範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されず、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定されるものである。
【国際調査報告】