(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】アルキルホスフィナートの除草活性
(51)【国際特許分類】
C07F 9/32 20060101AFI20241128BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20241128BHJP
A01N 57/20 20060101ALI20241128BHJP
A01N 57/24 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
C07F9/32 CSP
A01P13/00
A01N57/20 L
A01N57/24 103A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534174
(86)(22)【出願日】2022-12-12
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2022085312
(87)【国際公開番号】W WO2023105078
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディートリッヒ,クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ブロイアー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ポット,モリッツ ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ツィマーマン,グンター
【テーマコード(参考)】
4H011
4H050
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BB17
4H011DA15
4H011DA16
4H050AA01
4H050AB04
(57)【要約】
本発明は、式(I)の化合物及びそれを含む組成物に関する。本発明はまた、式(I)の化合物の、若しくはそれを含む組成物の、又は式(II)の化合物の、望ましくない植生を防除するための使用に関する。さらに、本発明は、式(I)の化合物の、若しくはそれを含む組成物の、又は式(II)の化合物の植物、それらの種子及び/又はそれらの生息場所への適用方法に関する。最後に、本発明は、式(I)の化合物経由での式(III)の化合物の製造方法に関する。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
(式中、
R
1は、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルである)
の化合物(その農学的に許容される塩、アミド、エステル又はチオエステルを含む)。
【請求項2】
R
1は、水素、(C
1~C
8)-アルキル、又は(C
1~C
8)-ハロアルキル、好ましくは水素、(C
1~C
6)-アルキル、又は(C
1~C
6)-ハロアルキル、より好ましくは水素、(C
2~C
4)-アルキル、又は(C
2~C
4)-ハロアルキル、特に水素、エチル、又はブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(I)は、式(Ia)
【化2】
を有するか
又は式(Ib)
【化3】
を有する立体異性体である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物と、作物保護化合物を配合するために慣用される、少なくとも1種の補助剤とを含む組成物。
【請求項5】
式(II)
【化4】
(式中、
R
1は、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニル、好ましくは水素、(C
1~C
6)-アルキル、又は(C
1~C
6)-ハロアルキル、より好ましくは水素、(C
2~C
4)-アルキル、又は(C
2~C
4)-ハロアルキル、特に水素、エチル、又はブチルであり;
R
2は、水素、(C
1~C
3)-アルキル、又は(C
1~C
3)-ハロアルキル、好ましくは水素又は(C
1~C
3)-アルキル、より好ましくは水素又はメチル、特に水素であり;
R
3は、水素、(C
1~C
3)-アルキル、又は(C
1~C
3)-ハロアルキル、好ましくは水素又は(C
1~C
3)-アルキル、より好ましくは水素又はメチル、特に水素である)
を有する化合物(その農学的に許容される塩を含む)を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
さらなる除草剤を含む、請求項4又は5に記載の組成物。
【請求項7】
式(II)
【化5】
(式中、
R
1は、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルであり;
R
2は、水素、C
1~C
3-アルキル、又はC
1~C
3-ハロアルキルであり;
R
3は、水素、(C
1~C
3)-アルキル、又は(C
1~C
3)-ハロアルキルである)
の化合物(その農学的に許容される塩を含む)、
若しくは請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項4~6のいずれか一項に記載の組成物の、望ましくない植生を防除するための使用。
【請求項8】
式(II)の化合物の置換基は、さらに、以下の通り:
R
1は、水素、(C
1~C
6)-アルキル、又は(C
1~C
6)-ハロアルキル、好ましくは水素、(C
2~C
4)-アルキル、又は(C
2~C
4)-ハロアルキル、特に水素、エチル、又はブチルであり;
R
2は、水素又は(C
1~C
3)-アルキル、好ましくは水素又はメチル、特に水素であり;
R
3は、水素又は(C
1~C
3)アルキル、好ましくは水素又はメチル、特に水素である
と規定される、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記式(II)は、式(IIa)
【化6】
を有するか
又は式(IIb)
【化7】
を有する立体異性体である、請求項7又は8に記載の使用。
【請求項10】
望ましくない植生は、スズメノテッポウ(Alopercurus myosuroides)(ALOMY)、カラスムギ(Avena fatua)(AVEFA)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)(APESV)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはアオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)(APESV)、及びそれらの混合物からなる又はアオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項7~9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
式(Ib)の前記化合物の前記置換基は、さらに、以下の通り:
R
1は、水素、(C
1~C
8)-アルキル又は(C
1~C
8)-ハロアルキル、好ましくは水素、(C
1~C
6)-アルキル又は(C
1~C
6)-ハロアルキル、より好ましくは水素、(C
2~C
4)-アルキル又は(C
2~C
4)-ハロアルキル、特に水素、エチル、又はブチルであると規定され、前記望ましくない植生は、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)(APESV)、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項7~10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
式(II)の前記化合物の前記置換基は、さらに、以下の通り:
R
1は水素であり;
R
2は、水素又はメチルであり;
R
3は、水素又はメチルである
とさらに規定され、前記望ましくない植生は、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項7~10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
望ましくない植生の防除方法であって、除草有効量の式(II)
【化8】
(式中、
R
1は、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルであり;
R
2は、水素、(C
1~C
3)-アルキル、又は(C
1~C
3)-ハロアルキルであり;
R
3は、水素、(C
1~C
3)-アルキル、又は(C
1~C
3)-ハロアルキルである)
の少なくとも1種の化合物(その農学的に許容される塩を含む)
若しくは請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項4~6のいずれか一項に記載の組成物を、植物、それらの種子及び/又はそれらの生息場所に作用させることを含む方法。
【請求項14】
前記望ましくない植生は、スズメノテッポウ(Alopercurus myosuroides)(ALOMY)、カラスムギ(Avena fatua)(AVEFA)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)(APESV)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
式(III)
【化9】
(式中、Rは、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルである)
を有するグルホシネート、そのアルキルエステル又はそれの塩の製造方法であって、式(I)
【化10】
(式中、Rは、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルである)
の化合物のカルバモイル部分を化学的に開裂する工程を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)の化合物及びそれを含む組成物に関する。本発明はまた、式(I)の化合物の、若しくはそれを含む組成物の、又は式(II)の化合物の、望ましくない植生を防除するための使用に関する。さらに、本発明は、式(I)の化合物の、若しくはそれを含む組成物の、又は式(II)の化合物の植物、それらの種子及び/又はそれらの生息場所への適用方法に関する。最後に、本発明は、式(I)の化合物経由での式(III)の化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特に作物中の、望ましくない植生を防除する目的のために、新活性除草剤が継続して必要とされている。
【0003】
スキーム1に描かれるようなヒダントインはラセミのグルホシネート(ホスフィノトリシン又は(S)-2-アミノ-4-(ヒドロキシ(メチル)ホスホノイル)ブタン酸としても知られる)の合成の中間体であり得ることが知られている。それらは、ブヘラ・ベルクス反応によってそれぞれのアルデヒドからアクセスされ得る(スキーム1)。さらなる合成ルートは、例えば中国特許第111662325号明細書に記載されている。しかしながら、除草活性は、まだ、研究されていない。
【化1】
スキーム1.それぞれのアルデヒド経由でのヒダントインの合成(式中、Rは、例えばH又はアルキルである)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の背景にもかかわらず、除草活性を有する新化合物を提供することが本発明の目的である。
【0005】
さらに、望ましくない植生を防除するための化合物を見いだすことが本発明の目的である。
【0006】
さらに、雑草の選択的防除方法を提供することが本発明の目的である。
【0007】
さらに、グルホシネートの新合成アクセスを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
意外にも、本発明の発明者らによって、上記の目的の少なくとも1つは本明細書に記載される化合物によって達成されることが見いだされた。さらに、本発明の発明者らによって、特許請求される方法は除草剤として使用するための組成物を提供することが見いだされた。
【0009】
第1の態様では、本発明は、それ故に、式(I)
【化2】
(式中、
R
1は、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルである)
の化合物(その農学的に許容される塩、アミド、エステル又はチオエステルを含む)
に関する。
【0010】
以下では、式(I)の化合物の置換基、組成物、式(II)の化合物の使用、雑草の選択的防除方法、及び式(I)の化合物経由での式(III)の化合物の製造方法の好ましい実施形態がさらに詳細に記載される。それぞれの好ましい実施形態は、それだけで並びに他の好ましい実施形態との組合せで適切であることが理解されるべきである。
【0011】
第1の態様の好ましい実施形態A1では、R1は、水素、(C1~C8)-アルキル、又は(C1~C8)-ハロアルキル、好ましくは水素、(C1~C6)-アルキル、又は(C1~C6)-ハロアルキル、より好ましくは水素、(C2~C4)-アルキル、又は(C2~C4)-ハロアルキル、特に水素、エチル、又はブチルである。
【0012】
第1の態様の好ましい実施形態A2では、式(I)は、式(Ia)
【化3】
を有するか
又は式(Ib)
【化4】
を有する立体異性体である。
【0013】
第2の態様では、本発明は、第1の態様による少なくとも1種の化合物と、作物保護化合物を配合するために慣用される、少なくとも1種の補助剤とを含む組成物に関する。
【0014】
第2の態様の好ましい実施形態B1では、組成物は、さらに、式(II)
【化5】
(式中、
R
1は、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニル、好ましくは水素、(C
1~C
6)-アルキル、又は(C
1~C
6)-ハロアルキル、より好ましくは水素、(C
2~C
4)-アルキル、又は(C
2~C
4)-ハロアルキル、特に水素、エチル、又はブチルであり;
R
2は、水素、(C
1~C
3)-アルキル、又は(C
1~C
3)-ハロアルキル、好ましくは水素又は(C
1~C
3)-アルキル、より好ましくは水素又はメチル、特に水素であり;
R
3は、水素、(C
1~C
3)-アルキル、又は(C
1~C
3)-ハロアルキル、好ましくは水素又は(C
1~C
3)-アルキル、より好ましくは水素又はメチル、特に水素である)
の化合物(その農学的に許容される塩を含む)を含む。
【0015】
第2の態様の好ましい実施形態B2では、組成物は、さらなる除草剤を含む。
【0016】
第3の態様では、本発明は、式(II)
【化6】
(式中、
R
1は、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルであり;
R
2は、水素、(C
1~C
3)-アルキル、又は(C
1~C
3)-ハロアルキルであり;
R
3は、水素、(C
1~C
3)-アルキル、又は(C
1~C
3)-ハロアルキルである)
の化合物(その農学的に許容される塩を含む)
若しくは第1の態様による化合物、又は第2の態様による組成物の、望ましくない植生を防除するための使用に関する。
【0017】
第3の態様の好ましい実施形態C1では、式(II)の化合物の置換基は、以下の通り:
R1は、水素、(C1~C6)-アルキル、又は(C1~C6)-ハロアルキル、好ましくは水素、(C2~C4)-アルキル、又は(C2~C4)-ハロアルキル、特に水素、エチル、又はブチルであり;
R2は、水素又は(C1~C3)-アルキル、好ましくは水素又はメチル、特に水素であり;
R3は、水素又は(C1~C3)-アルキル、好ましくは水素又はメチル、特に水素である
と規定される。
【0018】
第3の態様の好ましい実施形態C2では、式(II)は、式(IIa)
【化7】
を有するか
又は式(IIb)
【化8】
を有する立体異性体である。
【0019】
第3の態様の好ましい実施形態C3では、望ましくない植生は、スズメノテッポウ(Alopercurus myosuroides)(ALOMY)、カラスムギ(Avena fatua)(AVEFA)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)(APESV)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはアオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)(APESV)、及びそれらの混合物から又はアオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0020】
第3の態様の好ましい実施形態C4では、式(Ib)の化合物の置換基は、さらに、以下の通り:
R1は、水素、(C1~C8)-アルキル又は(C1~C8)-ハロアルキル、好ましくは水素、(C1~C6)-アルキル又は(C1~C6)-ハロアルキル、より好ましくは水素、(C2~C4)-アルキル、又は(C2~C4)-ハロアルキル、特に水素、エチル、又はブチルであると規定され、望ましくない植生は、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)(APESV)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0021】
第3の態様の好ましい実施形態C5では、式(II)の化合物の置換基は、さらに、以下の通り:
R1は水素であり;
R2は、水素又はメチルであり;
R3は、水素又はメチルである
と規定され、望ましくない植生は、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0022】
第4の態様では、本発明は、望ましくない植生の防除方法であって、除草有効量の式(II)
【化9】
(式中、
R
1は、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルであり;
R
2は、水素、(C
1~C
3)-アルキル、又は(C
1~C
3)-ハロアルキルであり;
R
3は、水素、(C
1~C
3)-アルキル、又は(C
1~C
3)-ハロアルキルである)
の少なくとも1種の化合物(その農学的に許容される塩を含む)、
若しくは第1の態様による化合物、又は第2の態様による組成物を、植物、それらの種子及び/又はそれらの生息場所に作用させることを含む方法に関する。
【0023】
第4の態様の好ましい実施形態D1では、望ましくない植生は、スズメノテッポウ(Alopercurus myosuroides)(ALOMY)、カラスムギ(Avena fatua)(AVEFA)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)(APESV)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0024】
第5の態様では、本発明は、式(III)
【化10】
(式中、Rは、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルである)
を有するグルホシネート、そのアルキルエステル又はそれの塩の製造方法であって、式(I)
【化11】
(式中、Rは、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルである)
の化合物のカルバモイル部分を化学的に開裂する工程を含む方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の例示的な実施形態を詳細に記載する前に、本発明を理解するために重要な定義が示される。
【0026】
本明細書で及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「1つの(a)」及び「1つの(an)」の単数形は、文脈が特に明確に指示しない限り、それぞれの複数形も包含する。本発明に関連して、「約」及び「およそ」という用語は、当該特徴の技術的効果を依然として確保すると当業者が理解するであろう精度の間隔を示す。本用語は、典型的には、示された数値からの±15%、好ましくは±10%、さらにより好ましくは±5%、さらにより好ましくは±2%のずれを示す。「含む(comprising)」という用語は、非限定的であることが理解されるべきである。本発明の目的のためには「からなる(consisting of)」という用語は、「含む(comprising of)」という用語の好ましい実施形態であると見なされる。本明細書では以下、ある群が少なくともある決まった数の実施形態を含むと定義されている場合、これは、これらの実施形態のみから好ましくはなる群も包含することを意味する。さらに、本明細書で及び特許請求の範囲での「第1」、「第2」、「第3」又は「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」等及びこれに類する用語は、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも順々に起こる順番又は時系列順を説明するものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であること及び本明細書に記載される本発明の実施形態は、本明細書に記載される又は例示される以外の順序で実施可能であることが理解されるべきである。「第1」、「第2」、「第3」又は「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」、「i」、「ii」等という用語が方法又は使用又はアッセイの工程に関する場合、本明細書で前述又は後述されるように、本出願で別段の指定がない限り、工程間に時間を置かないか又は時間間隔の一貫性がない、すなわち、工程は、同時に実施され得るか、又はそのような工程間に数秒間、数分間、数時間、数日間、数週間、数ヶ月間若しくはさらに数年間の時間間隔があり得る。本明細書に記載される特定の方法論、手順、試薬等は変わり得るので、本発明は、それらに限定されないことが理解されるべきである。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を記載する目的のみのために使用され、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるだろう本発明の範囲を限定することを意図しないことも理解されるべきである。他に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0027】
本明細書で全体にわたって使用されるような「重量%」という用語は、「重量パーセント」を表す。
【0028】
本発明の意味内で、配合物及び組成物は、同じものを示す。
【0029】
Cx~Cyという接頭辞は、特定のケースにおける可能な炭素原子の数を示す。全ての炭素鎖は直鎖又は分岐であることができる。
【0030】
本明細書で使用されるような「アルキル」という用語は、各場合に、通常1~8個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子、頻繁には1~5個の炭素原子、より好ましくは1~4個の炭素原子、例えば2又は4個の炭素原子を有する、直鎖又は分岐のアルキル基を示す。アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、2-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、及びn-ヘキシルである。
【0031】
本明細書で使用されるような「ハロアルキル」という用語は、各場合に、この基の水素原子がハロゲン原子で部分的に又は完全に置換されている、1~8個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子、特に2又は4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキル基を示す。好ましいハロアルキル部分は、C1~C4-ハロアルキル、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル等などのC1~C2-フルオロアルキルなどから選択される。
【0032】
本明細書で使用されるような「アルケニル」という用語は、各場合に少なくとも単不飽和の炭化水素基、すなわち、通常、2~8個の炭素原子、好ましくは2~4個の炭素原子を有する、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する不飽和炭化水素基、例えばビニル、アリル(2-プロペン-1-イル)、1-プロペン-1-イル、2-プロペン-2-イル、メタリル(2-メチルプロパ-2-エン-1-イル)、2-ブテン-1-イル、3-ブテン-1-イル、2-ペンテン-1-イル、3-ペンテン-1-イル、4-ペンテン-1-イル、1-メチルブタ-2-エン-1-イル、2-エチルプロパ-2-エン-1-イル等を示す。
【0033】
本明細書で使用されるような「ハロアルケニル」という用語は、各場合に、この基の水素原子がハロゲン原子で部分的に又は完全に置換されている、通常1~8個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子、特に2又は4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルケニル基を示す。
【0034】
本明細書で使用されるような「アルキニル」という用語は、各場合に、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する及び通常2~8個、好ましくは2若しくは3個の炭素原子又は3若しくは4個の炭素原子を有する炭化水素基、例えばエチニル、プロパルギル(2-プロピン-1-イル、プロパ-2-イン-1-イルとも言われる)、1-プロピン-1-イル(プロパ-1-イン-1-イルとも言われる)、1-メチルプロパ-2-イン-1-イル)、2-ブチン-1-イル、3-ブチン-1-イル、1-ペンチン-1-イル、3-ペンチン-1-イル、4-ペンチン-1-イル、1-メチルブタ-2-イン-1-イル、1-エチルプロパ-2-イン-1-イル等を示す。本発明による好ましいアルキニル基はプロパルギルである。
【0035】
置換パターンに応じて、本発明による化合物は、1つ以上の立体中心を有し得る。特に(例えば化学式によって)明確に示さない限り、本発明は、好ましくは、全ての立体異性体、すなわち、本発明による化合物の、純鏡像異性体、純ジアステレオマー、及びラセミ混合物を含む、それらの混合物を包含する。
【0036】
本明細書に記載されるような式(I)及び(II)の化合物がイオン化可能な官能基を有する場合、それらは、それらの農業的に許容される塩の形態でも用いることができる。一般に、それらのカチオン及びアニオンが、それぞれ、活性化合物の活性に悪影響を及ぼさない、それらのカチオンの塩及びそれらの酸の酸付加塩が好適である。
【0037】
好ましいカチオンは、アルカリ金属の、好ましくはリチウム、ナトリウム及びカリウムの、アルカリ土類金属の、好ましくはカルシウム及びマグネシウムの、並びに遷移金属の、好ましくは、マンガン、銅、亜鉛及び鉄のイオン、さらには、アンモニウム、及び1~4個の水素原子がC1~C4-アルキル、ヒドロキシ-C1~C4-アルキル、C1~C4-アルコキシ-C1~C4-アルキル、ヒドロキシ-C1~C4-アルコキシ-C1~C4-アルキル、フェニル又はベンジルで置き換えられている置換アンモニウム、好ましくはアンモニウム、メチルアンモニウム、イソプロピルアンモニム、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリス(イソプロピル)アンモニウム、ヘプチルアンモニウム、ドデシルアンモニウム、テトラデシルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、2-ヒドロキシエチルアンモニウム(オラミン塩)、2-(2-ヒドロキシエタ-1-オキシ)エタ-1-イルアンモニウム(ジグリコールアミン塩)、ジ(2-ヒドロキシエタ-1-イル)アンモニウム(ジオラミン塩)、トリス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム(トロラミン塩)、トリス(2-ヒドロキシプロピル)アンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、N,N,N-トリメチルエタノールアンモニウム(コリン塩)、さらには、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、好ましくは、トリ(C1~C4-アルキル)スルホニウム、例えばトリメチルスルホニウムなど、及びスルホキソニウムイオン、好ましくは、トリ(C1~C4-アルキル)スルホキソニウム、並びに最後に、N,N-ビス-(3-アミノプロピル)メチルアミン及びジエチレントリアミンなどの多塩基アミンの塩である。
【0038】
有用な酸付加塩のアニオンは、主に塩化物、臭化物、フッ化物、ヨウ化物、硫酸水素、メチル硫酸、硫酸、リン酸二水素、リン酸水素、硝酸、重炭酸、炭酸、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロリン酸、安息香酸アニオンであり、C1~C4-アルカン酸のアニオン、好ましくはギ酸、酢酸、プロピオン酸、及び酪酸アニオンでもある。
【0039】
カルボキシル基を有する本明細書に記載されるような、式(I)の化合物は、酸の形態で、上述のような農学的に好適な塩の形態で、或いは農学的に許容される誘導体の形態で、例えばアミドとして、例えばモノ-及びジ-C1~C6-アルキルアミド又はアリールアミドとして、エステルとして、例えばアリルエステル、プロパルギルエステル、C1~C10-アルキルエステル、アルコキシアルキルエステル、テフリル((テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)エステルとして、及びまたチオエステルとして、例えばC1~C10-アルキルチオエステルとして用いることができる。好ましいモノ-及びジ-C1~C6-アルキルアミドは、メチルアミド及びジメチルアミドである。好ましいアリールアミドは、例えば、アニリド及び2-クロロアニリドである。好ましいアルキルエステルは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、メキシル(1-メチルヘキシル)、メプチル(1-メチルヘプチル)、ヘプチル、オクチル又はイソオクチル(2-エチルヘキシル)エステルである。好ましいC1~C4-アルコキシ-C1~C4-アルキルエステルは、直鎖又は分岐C1~C4-アルコキシエチルエステル、例えば、2-メトキシエチル、2-エトキシエチル、2-ブトキシエチル(ブトチル)、2-ブトキシプロピル又は3-ブトキシプロピルエステルである。直鎖又は分岐C1~C10-アルキルチオエステルの例は、エチルチオエステルである。
【0040】
上で示されたように、本発明は、一態様では、式(I)
【化12】
(式中、
R
1は、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルである)
の化合物(その農学的に許容される塩、アミド、エステル又はチオエステルを含む)に関する。
【0041】
式(I)の化合物は、全ての立体異性体、農学的に許容される塩、アミド、エステル又はチオエステルを包含することが理解されるべきである。さらに、それぞれの双性イオンが式(I)によって包含される。これに関連して、式(I)の化合物は、特に、1つの立体中心がリン原子にあり、1つの立体中心がアルファ炭素原子にある、2つの立体中心を包含する。式(I)の化合物は、特に、リン原子での立体中心に由来する全ての立体異性体を包含する。
【0042】
式(I)の化合物、それを含む組成物、前記化合物の、前記組成物の、式(II)の化合物の、望ましくない植生を防除するための使用、及び雑草の選択的防除方法に関する好ましい実施形態は、本明細書で以下詳細に記載される。本発明の好ましい実施形態は、単独で又は互いに組み合わせて好ましいことが理解されるべきである。
【0043】
好ましい実施形態では、式(I)の化合物におけるR1は、水素、(C1~C8)-アルキル、又は(C1~C8)-ハロアルキル、好ましくは水素、(C1~C6)-アルキル、又は(C1~C6)-ハロアルキル、より好ましくは水素、(C2~C4)-アルキル、又は(C2~C4)-ハロアルキル、特に水素、エチル、又はブチルである。
【0044】
好ましい実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)
【化13】
を有するか
又は式(Ib)
【化14】
を有する立体異性体であり、
式中、R
1は、好ましくは水素、(C
1~C
8)-アルキル、又は(C
1~C
8)-ハロアルキル、より好ましくは水素、(C
1~C
6)-アルキル、又は(C
1~C
6)-ハロアルキル、さらにより好ましくは水素、(C
2~C
4)-アルキル、又は(C
2~C
4)-ハロアルキル、特に水素、エチル、又はブチルである。
【0045】
式(I)の化合物は、式(Ib)(式中、R1は、好ましくは、水素、(C1~C8)-アルキル、又は(C1~C8)-ハロアルキル、より好ましくは水素、(C1~C6)-アルキル、又は(C1~C6)-ハロアルキル、さらにより好ましくは水素、(C2~C4)-アルキル、又は(C2~C4)-ハロアルキル、特に水素又はブチルである)を有する立体異性体であることが特に好ましい。
【0046】
式(I)の化合物は、模範的に、それぞれのヒダントインをヒダントイナーゼ酵素で処理することによってアクセスできる。これに関連して、ヒダントイナーゼ酵素A0A159Z531_9RHOBが指定され得る。
【0047】
式(I)の化合物は、除草剤として好適である。それらは、適切な組成物として又はさらなる除草剤と組み合わせて、そのようなものとして好適である。
【0048】
上で示されたように、本発明は、さらに、第2の態様では、式(I)
【化15】
(式中、
R
1は、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルである)
の少なくとも1種の化合物(その農学的に許容される塩、アミド、エステル又はチオエステルを含む)と、作物保護化合物を配合するために慣用される、少なくとも1種の補助剤とを含む組成物に関する。
【0049】
式(I)の化合物の好ましい実施形態は、既に、さらに詳細に上で記載されており、同様にうまく、第2の態様に適用される。
【0050】
好ましい実施形態では、組成物は、さらに、式(II)
【化16】
(式中、
R
1は、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニル、好ましくは水素、(C
1~C
6)-アルキル、又は(C
1~C
6)-ハロアルキル、より好ましくは水素、(C
2~C
4)-アルキル、又は(C
2~C
4)-ハロアルキル、特に水素、エチル、又はブチルであり;
R
2は、水素、(C
1~C
3)-アルキル、又は(C
1~C
3)-ハロアルキル、好ましくは水素又は(C
1~C
3)-アルキル、より好ましくは水素又はメチル、特に水素であり;
R
3は、水素、(C
1~C
3)-アルキル、又は(C
1~C
3)-ハロアルキル、好ましくは水素又は(C
1~C
3)-アルキル、より好ましくは水素又はメチル、特に水素である)
の化合物(その農学的に許容される塩を含む)を含む。
【0051】
式(II)の化合物は、模範的に、中国特許第111662325号明細書に従って合成され得る。
【0052】
好ましい実施形態では、組成物は、さらなる除草剤を含む。好適なさらなる除草剤は、アセトアミド、アミド、アリールオキシフェノキシプロピオネート、ベンズアミド、ベンゾフラン、安息香酸、ベンゾチアジアジノン、ビピリジウム、カルバメート、クロロアセトアミド、クロロカルボン酸、シクロヘキサンジオン、ジニトロアニリン、ジニトロフェノール、ジフェニルエーテル、グリシン、イミダゾリノン、イソオキサゾール、イソオキサゾリジノン、ニトリル、N-フェニルフタルイミド、オキサジアゾール、オキサゾリジンジオン、オキシアセトアミド、フェノキシカルボン酸、フェニルカルバメート、フェニルピラゾール、フェニルピラゾリン、フェニルピリダジン、ホスフィン酸、ホスホロアミデート、ホスホロジチオエート、フタラメート、ピラゾール、ピリダジノン、ピリジン、ピリジンカルボン酸、ピリジンカルボキサミド、ピリミジンジオン、ピリミジニル(チオ)ベンゾエート、キノリンカルボン酸、セミカルバゾン、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン、スルホニルウレア、テトラゾリノン、チアジアゾール、チオカルバメート、トリアジン、トリアジノン、トリアゾール、トリアゾリノン、トリアゾロカルボキサミド、トリアゾロピリミジン、トリケトン、ウラシル、ウレアのクラスから選択され得る。
【0053】
好ましい実施形態では、さらなる除草剤は、好ましくはビラナホス(ビアラホス)、ビラナホス-ナトリウム、グルホシネート、グルホシネート-P及びグルホシネート-アンモニウムからなる群から選択される、グルタミン合成酵素阻害剤である。
【0054】
組成物が、例えば有害生物又は植物病原菌若しくは細菌を防除するための、追加の作物保護剤を含むことはさらに有益であり得る。また、栄養及び微量元素の欠乏を処置するために用いられる、ミネラル塩溶液との混和性も興味深い。植物毒性がない油及び油濃縮物などの他の添加剤も、添加され得る。
【0055】
好ましくは、組成物は、除草有効量の式(I)の化合物及び任意選択的に式(II)の化合物を含む。「除草有効量」という用語は、望ましくない植生を防除するのに、特に作物(すなわち栽培植物)中の望ましくない植生を防除するのに十分である、且つ処理された作物植物に実質的な損傷をもたらさない、式(I)の化合物及び任意選択的に式(II)の化合物の量を示す。そのような量は、広い範囲で変わることができ、防除されるべき望ましくない植生、処理される作物植物又は材料、気候条件及び使用される式(I)の具体的な化合物及び任意選択的に式(II)の化合物などの、様々な要因に依存する。
【0056】
式(I)の化合物、それらの塩、アミド、エステル又はチオエステルは、慣用のタイプの配合物、例えば、溶液、エマルジョン、懸濁液、ダスト、粉剤、ペースト、顆粒、プレス加工品、カプセル、及びそれらの混合物へと変換することができる。配合物タイプについての例は、懸濁液(例えば、SC、OD、FS)、乳化性濃縮物(例えば、EC)、エマルジョン(例えば、EW、EO、ES、ME)、カプセル(例えばCS、ZC)、ペースト、トローチ、湿潤性粉末又はダスト(例えば、WP、SP、WS、DP、DS)、プレス加工品(例えば、BR、TB、DT)、顆粒(例えば、WG、SG、GR、FG、GG、MG)、殺虫剤(例えば、LN)、並びに種子などの植物繁殖材料の処理のためのゲル製剤(例えば、GF)である。これらの製剤及びさらなる製剤タイプは、“Catalogue of pesticide formulation types and international coding system”,Technical Monograph No.2,6th Ed.May 2008,CropLife Internationalにおいて定義されている。
【0057】
製剤は、Mollet and Grubemann,Formulation technology,Wiley VCH,Weinheim,2001;又はKnowles,New developments in crop protection product formulation,Agrow Reports DS243,T&F Informa,London,2005によって記載されているなどの、公知の方法で調製される。
【0058】
好適な補助剤は、溶媒、液体担体、固体担体又は増量剤、界面活性剤、分散剤、乳化剤、湿潤剤、アジュバント、可溶化剤、浸透促進剤、保護コロイド、接着剤、増粘剤、加湿剤、忌避剤、誘引剤、摂餌刺激物質、相溶化剤、殺菌剤、凍結防止剤、消泡剤、着色剤、粘着性付与剤及び結合剤である。
【0059】
好適な溶媒及び液体担体は、水及び有機溶媒、例えば、鉱油の中~高沸点の留分、例えば、灯油、ディーゼル油;植物又は動物起源の油;脂肪族、環状及び芳香族の炭化水素、例えば、トルエン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン;アルコール類、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール;グリコール類;DMSO;ケトン類、例えば、シクロヘキサノン;エステル類、例えば、乳酸エステル、炭酸エステル、脂肪酸エステル、ガンマ-ブチロラクトン;脂肪酸;ホスホン酸エステル;アミン類;アミド類、例えば、N-メチルピロリドン、脂肪酸ジメチルアミド;並びにそれらの混合物である。
【0060】
好適な固体担体又は増量剤は、鉱物質土類(mineral earth)、例えば、シリケート、シリカゲル、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、粘土、ドロマイト、珪藻土、ベントナイト、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム;多糖類、例えば、セルロース、デンプン;肥料、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素;植物起源の製品、例えば、穀粉、樹皮粉、木粉、堅果殻粉、及びそれらの混合物である。
【0061】
好適な界面活性剤は、界面活性化合物、例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の界面活性剤、ブロックポリマー、高分子電解質、並びにそれらの混合物である。そのような界面活性剤は、乳化剤、分散剤、可溶化剤、湿潤剤、浸透促進剤、保護コロイド、又はアジュバントとして使用することができる。界面活性剤の例は、McCutcheon’s,Vol.1:Emulsifiers & Detergents,McCutcheon’s Directories,Glen Rock,USA,2008(International Ed.or North American Ed.)に列挙されている。
【0062】
好適なアニオン性界面活性剤は、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、カルボキシレート、及びそれらの混合物のアルカリ塩、アルカリ土類塩又はアンモニウム塩である。スルホネートの例は、アルキルアリールスルホネート、ジフェニルスルホネート、アルファ-オレフィンスルホネート、リグニンスルホネート、脂肪酸及び油のスルホネート、エトキシル化アルキルフェノールのスルホネート、アルコキシル化アリールフェノールのスルホネート、縮合ナフタレンのスルホネート、ドデシル-及びトリデシルベンゼンのスルホネート、ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホネート、スルホスクシネート又はスルホスクシナメートである。スルフェートの例は、脂肪酸及び油の、エトキシル化アルキルフェノールの、アルコールの、エトキシル化アルコールの、又は脂肪酸エステルのスルフェートである。ホスフェートの例は、ホスフェートエステルである。カルボキシレートの例は、アルキルカルボキシレート、及びカルボキシル化アルコール又はアルキルフェノールエトキシレートである。
【0063】
好適な非イオン性界面活性剤は、アルコキシレート、N-置換脂肪酸アミド、アミンオキシド、エステル、糖系界面活性剤、高分子界面活性剤、及びそれらの混合物である。アルコキシレートの例は、1~50当量でアルコキシル化された、アルコール、アルキルフェノール、アミン、アミド、アリールフェノール、脂肪酸又は脂肪酸エステルなどの化合物である。エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドが、アルコキシル化のために用いられ得る。N-置換脂肪酸アミドの例は、脂肪酸グルカミド又は脂肪酸アルカノールアミドである。エステルの例は、脂肪酸エステル、グリセロールエステル又はモノグリセリドである。糖系界面活性剤の例は、ソルビタン、エトキシル化ソルビタン、スクロース及びグルコースエステル又はアルキルポリグルコシドである。高分子界面活性剤の例は、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、又は酢酸ビニルのホモポリマー又はコポリマーである。
【0064】
好適なカチオン性界面活性剤は、第四級界面活性剤、例えば、1つ若しくは2つの疎水性基を持った第四級アンモニウム化合物、又は長鎖第一級アミンの塩である。好適な両性界面活性剤は、アルキルベタイン及びイミダゾリンである。好適なブロックポリマーは、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドのブロックを含むA-B若しくはA-B-A型の、又はアルカノール、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドを含むA-B-C型のブロックポリマーである。好適な高分子電解質は、多価酸又は多価塩基である。多価酸の例は、ポリアクリル酸のアルカリ塩、又は多価酸櫛型ポリマーである。多価塩基の例は、ポリビニルアミン又はポリエチレンアミンである。
【0065】
好適なアジュバントは、それ自体、無視できる又ゼロさえの殺虫活性を有する、及び標的上で式(I)の化合物の生物学的性能を向上させる、化合物である。例は、界面活性剤、鉱油又は植物油、及び他の補助剤である。さらなる例は、Knowles,Adjuvants and additives,Agrow Reports DS256,T&F Informa UK,2006,chapter 5によって列挙されている。
【0066】
好適な増粘剤は、多糖類(例えば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース)、無機粘土(有機変性又は未変性)、ポリカルボキシレート、及びシリケートである。
【0067】
好適な殺菌剤は、ブロノポール及びイソチアゾリノン誘導体、例えばアルキルイソチアゾリノン及びベンズイソチアゾリノンである。
【0068】
好適な凍結防止剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素及びグリセリンである。
【0069】
好適な消泡剤は、シリコーン、長鎖アルコール、及び脂肪酸の塩である。
【0070】
好適な着色剤(例えば、赤色、青色、又は緑色の)は、低水溶性の顔料及び水溶性染料である。例は、無機着色剤(例えば、酸化鉄、酸化チタン、ヘキサシアノ鉄酸塩)及び有機着色剤(例えば、アリザリン-、アゾ-及びフタロシアニン着色剤)である。
【0071】
好適な粘着性付与剤又は結合剤は、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、バイオワックス又は合成ワックス、及びセルロースエーテルである。
【0072】
組成物は、補助剤、例えば、0.1~1重量%の殺菌剤、5~15重量%の凍結防止剤、0.1~1重量%の消泡剤、及び0.1~1重量%の着色剤などを含み得る。
【0073】
製剤タイプ及びそれらの調製の例は、以下の通りである:
i)水溶性濃縮物(SL、LS)
10~60重量%の本発明による式(I)の化合物又は式(I)の少なくとも1種の化合物及び式(II)の少なくとも1種の化合物を含む組合せと、5~15重量%の湿潤剤(例えば、アルコールアルコキシレート)とが、全体が100重量%になる水中に及び/又は水溶性溶媒(例えば、アルコール)中に溶解させられる。活性物質は水で希釈すると溶解する。
【0074】
ii)分散性濃縮物(DC)
5~25重量%の本発明による式(I)の化合物又は式(I)の少なくとも1種の化合物及び式(II)の少なくとも1種の化合物を含む組合せと、1~10重量%の分散剤(例えば、ポリビニルピロリドン)とが、全体が100重量%になる有機溶媒(例えば、シクロヘキサノン)中に溶解させられる。水で希釈すると分散液が得られる。
【0075】
iii)乳剤(EC)
15~70重量%の本発明による式(I)の化合物又は式(I)の少なくとも1種の化合物及び式(II)の少なくとも1種の化合物を含む組合せと、5~10重量%の乳化剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム及びヒマシ油エトキシレート)とが、全体が100重量%になる水不溶性有機溶媒(例えば、芳香族炭化水素)中に溶解させられる。水で希釈すると、エマルジョンが得られる。
【0076】
iv)エマルジョン(EW、EO、ES)
5~40重量%の本発明による式(I)の化合物又は式(I)の少なくとも1種の化合物及び式(II)の少なくとも1種の化合物を含む組合せと、1~10重量%の乳化剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム及びヒマシ油エトキシル化物)とが、20~40重量%の水不溶性有機溶媒(例えば、芳香族炭化水素)に溶解させられる。この混合物は、乳化機によって全体が100重量%になる水中へ導入され、均質なエマルジョンにされる。水で希釈すると、エマルジョンが得られる。
【0077】
v)懸濁液(SC、OD、FS)
撹拌ボールミル中、20~60重量%の本発明による式(I)の化合物又は式(I)の少なくとも1種の化合物及び式(II)の少なくとも1種の化合物を含む組合せが、2~10重量%の分散剤及び湿潤剤(例えば、リグノスルホン酸ナトリウム及びアルコールエトキシレート)、0.1~2重量%の増粘剤(例えば、キサンタンガム)及び全体が100重量%になる水を添加して粉末状にされて微細活性物質懸濁液を得る。水で希釈すると、活性物質の安定した懸濁液が得られる。FS型製剤に関しては、40重量%までの結合剤(例えば、ポリビニルアルコール)が添加される。
【0078】
vi)水分散性顆粒及び水溶性顆粒(WG、SG)
50~80重量%の本発明による式(I)の化合物又は式(I)の少なくとも1種の化合物及び式(II)の少なくとも1種の化合物を含む組合せが、全体が100重量%になる分散剤及び湿潤剤(例えば、リグノスルホン酸ナトリウム及びアルコールエトキシレート)を添加して微粉砕され、技術的設備(例えば、押出、スプレータワー、流動床)によって水分散性又は水溶性顆粒として調製される。水で希釈すると、活性物質の安定した分散液又は溶液が得られる。
【0079】
vii)水和剤(粉末)及び水溶性粉剤(WP、SP、WS)
50~80重量%の本発明による式(I)の化合物又は式(I)の少なくとも1種の化合物及び式(II)の少なくとも1種の化合物を含む組合せが、1~5重量%の分散剤(例えば、リグノスルホン酸ナトリウム)、1~3重量%の湿潤剤(例えば、アルコールエトキシレート)及び全体が100重量%になる固体担体(例えば、シリカゲル)を添加して回転子-固定子ミルにおいて粉砕される。水で希釈すると、活性物質の安定した分散液又は溶液が得られる。
【0080】
viii)ゲル製剤(GW、GF)
撹拌ボールミルにおいて、5~25重量%の本発明による式(I)の化合物又は式(I)の少なくとも1種の化合物及び式(II)の少なくとも1種の化合物を含む組合せが、3~10重量%の分散剤(例えば、リグノスルホン酸ナトリウム)、1~5重量%の増粘剤(例えば、カルボキシメチルセルロース)及び全体が100重量%になる水を添加して粉末状にされて活性物質の微細懸濁液を得る。水で希釈すると、活性物質の安定した懸濁液が得られる。
【0081】
iv)マイクロエマルジョン(ME)
5~20重量%の本発明による式(I)の化合物又は式(I)の少なくとも1種の化合物及び式(II)の少なくとも1種の化合物を含む組合せが、5~30重量%の有機溶媒ブレンド(例えば、脂肪酸ジメチルアミド及びシクロヘキサノン)、10~25重量%の界面活性剤ブレンド物(例えば、アルコールエトキシレート及びアリールフェノールエトキシレート)、及び全体が100重量%になる水に添加される。この混合物は1時間撹拌されて熱力学的に安定したマイクロエマルジョンを自発的に生成する。
【0082】
iv)マイクロカプセル剤(CS)
5~50重量%の本発明による式(I)の化合物又は式(I)の少なくとも1種の化合物及び式(II)の少なくとも1種の化合物を含む組合せ、0~40重量%の水不溶性有機溶媒(例えば、芳香族炭化水素)、2~15重量%のアクリル系モノマー(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸及びジ又はトリアクリレート)を含む油相が、保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)の水溶液中に分散させられる。ラジカル開始剤によって開始されるラジカル重合は、ポリ(メタ)アクリレートマイクロカプセルの形成をもたらす。或いは、5~50重量%の本発明による式(I)の化合物又は式(I)の少なくとも1種の化合物及び式(II)の少なくとも1種の化合物を含む組合せ、0~40重量%の水不溶性有機溶媒(例えば、芳香族炭化水素)、及びイソシアネートモノマー(例えば、ジフェニルメテン-4,4’-ジイソシアネート)を含む油相が、保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)の水溶液中へ分散させられる。ポリアミン(例えばヘキサメチレンジアミン)の添加は、ポリ尿素マイクロカプセルの形成をもたらす。モノマーは、合計1~10重量%になる。重量%は、全CS製剤に関する。
【0083】
ix)ダスタブル粉末(DP、DS)
1~10重量%の本発明による式(I)の化合物又は式(I)の少なくとも1種の化合物及び式(II)の少なくとも1種の化合物を含む組合せが、微粉砕され、全体が100重量%になる固体担体(例えば、微粉カオリン)と密接混合される。
【0084】
x)顆粒(GR、FG)
0.5~30重量%の本発明による式(I)の化合物又は式(I)の少なくとも1種の化合物及び式(II)の少なくとも1種の化合物を含む組合せが、微粉砕され、全体が100重量%になる固体担体(例えば、シリケート)と合わせられる。造粒が、押出、噴霧乾燥、又は流動床によって達成される。
【0085】
xi)超微量液体(UL)
1~50重量%の本発明による式(I)の化合物又は式(I)の少なくとも1種の化合物及び式(II)の少なくとも1種の化合物を含む組合せが、全体が100重量%になる有機溶媒(例えば、芳香族炭化水素)に溶解させられる。
【0086】
製剤タイプi)~xi)は、任意選択的に、さらなる補助剤、例えば、0.1~1重量%の殺菌剤、5~15重量%の凍結防止剤、0.1~1重量%の消泡剤、及び0.1~1重量%の着色剤を含み得る。
【0087】
組成物は、好ましくは、組成物の総重量を規準として、0.01~95重量%、より好ましくは0.1~90重量%、特に0.5~75重量%の式(I)の化合物又は式(I)及び(II)の化合物の組合せを含む。
【0088】
式(I)及び(II)の化合物は、90%から100%、好ましくは95%から100%(NMRスペクトルによる)の純度で用いられる。
【0089】
種子処理用溶液(LS)、サスポエマルジョン(SE)、フロアブル濃縮物(FS)、乾燥処理用粉末(DS)、スラリー処理用水和剤(WS)、水溶性粉末(SS)、エマルジョン(ES)、乳剤(EC)及びゲル製剤(GF)が、通常、植物繁殖材料、特に種子の処理目的のために用いられる。当該製剤は、2~10倍希釈後に、すぐに使える調製物中で、0.01~60重量%、好ましくは0.1~40重量%の活性物質濃度を与える。
【0090】
上述のように、本発明は、第3の態様では、式(II)
【化17】
(式中、
R
1は、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルであり;
R
2は、水素、C
1~C
3-アルキル、又はC
1~C
3-ハロアルキルであり;
R
3は、水素、(C
1~C
3)-アルキル、又は(C
1~C
3)-ハロアルキルである)
の化合物(その農学的に許容される塩を含む)
若しくは式(I)
【化18】
(式中、
R
1は、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルである)
の化合物(その農学的に許容される塩、アミド、エステル又はチオエステルを含む)、又はより詳細に上で要点を述べられたような組成物の、望ましくない植生を防除するための使用に関する。
【0091】
式(I)の化合物又は式(II)の化合物のそれぞれの双性イオンも包含されることが理解されるべきである。
【0092】
式(I)の化合物、式(II)の化合物及び組成物に関する、好ましい実施形態は、既に上で要点を述べられており、同様にうまく、使用についても当てはまる。
【0093】
さらなる好ましい実施形態は、以下に要点を述べられる。
【0094】
好ましい実施形態では、式(II)の化合物の置換基は、さらに、次の通り規定される:
R1は、水素、(C1~C6)-アルキル、又は(C1~C6)-ハロアルキル、好ましくは水素、(C2~C4)-アルキル、又は(C2~C4)-ハロアルキル、特に水素、エチル、又はブチルであり;
R2は、水素又は(C1~C3)-アルキル、好ましくは水素又はメチル、特に水素であり;
R3は、水素又は(C1~C3)-アルキル、好ましくは水素又はメチル、特に水素である。
【0095】
好ましい実施形態では、式(II)は、式(IIa)
【化19】
を有するか
又は式(IIb)
【化20】
を有する立体異性体であり、
式中、好ましくは
R
1は、水素、(C
1~C
6)-アルキル、又は(C
1~C
6)-ハロアルキル、好ましくは水素、(C
2~C
4)-アルキル、又は(C
2~C
4)-ハロアルキル、特に水素、エチル、又はブチルであり;
R
2は、水素又は(C
1~C
3)-アルキル、好ましくは水素又はメチル、特に水素であり;
R
3は、水素又は(C
1~C
3)-アルキル、好ましくは水素又はメチル、特に水素である。
【0096】
好ましい実施形態では、望ましくない植生は、スズメノテッポウ(Alopercurus myosuroides)(ALOMY)、カラスムギ(Avena fatua)(AVEFA)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)(APESV)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはアオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)(APESV)、及びそれらの混合物からなる又はアオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0097】
好ましい実施形態では、式(Ib)の化合物の置換基は、さらに以下の通り:
R1は、水素、(C1~C8)-アルキル又は(C1~C8)-ハロアルキル、好ましくは水素、(C1~C6)-アルキル、又は(C1~C6)-ハロアルキル、より好ましくは水素、(C2~C4)-アルキル、又は(C2~C4)-ハロアルキル、さらにより好ましくは水素、エチル、又はブチル、特に水素又はブチルであると規定され、望ましくない植生は、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)(APESV)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0098】
好ましい実施形態では、式(I)の化合物の置換基は、さらに以下の通り:
R1は、水素又は(C1~C8)-アルキル、好ましくは水素又は(C2~C4)-アルキル、さらにより好ましくは水素、エチル、又はブチル、特に水素又はブチルであると規定され、望ましくない植生は、スズメノテッポウ(Alopercurus myosuroides)(ALOMY)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)(APESV)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0099】
好ましい実施形態では、式(Ia)の化合物の置換基は、さらに以下通り:
R1は水素であると規定され、望ましくない植生は、スズメノテッポウ(Alopercurus myosuroides)(ALOMY)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0100】
好ましい実施形態では、式(Ib)の化合物の置換基は、さらに以下の通り:
R1は水素であると規定され、望ましくない植生は、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)(APESV)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはセイヨウヌカボ(Apera spica-venti)(APESV)である。
【0101】
好ましい実施形態では、式(Ib)の化合物の置換基は、さらに以下の通り:
R1はブチルであると規定される。望ましくない植生は、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)(APESV)、及びそれらの混合物、好ましくはアオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0102】
好ましい実施形態では、式(II)の化合物の置換基は、さらに以下の通り:
R1は水素であり;
R2は、水素又はメチルであり;
R3は、水素又はメチルであると規定され、望ましくない植生は、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0103】
好ましい実施形態では、式(II)の化合物の置換基は、さらに以下の通り:
R1は水素であり;
R2は水素であり;
R3は水素であると規定され、望ましくない植生は、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはエノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、特にエノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)である。これに関連して、式(II)の化合物は、好ましくはラセミ体にある。
【0104】
好ましい実施形態では、式(IIa)の化合物の置換基は、さらに以下の通り:
R1は水素であり;
R2は水素であり;
R3は水素であると規定され、望ましくない植生はエノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)である。
【0105】
好ましい実施形態では、式(IIb)の化合物の置換基は、さらに以下の通り:
R1は水素であり;
R2は水素であり;
R3は水素であると規定され、望ましくない植生は、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはエノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、特にアキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)である。
【0106】
上述のように、本発明は、望ましくない植生の防除方法であって、除草有効量の式(II)
【化21】
(式中、
R
1は、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルであり;
R
2は、水素、(C
1~C
3)-アルキル、又は(C
1~C
3)-ハロアルキルであり;
R
3は、水素、(C
1~C
3)-アルキル、又は(C
1~C
3)-ハロアルキル;である)
の少なくとも1種の化合物(その農学的に許容される塩を含む)
若しくは式(I)(第1の態様)の化合物、又は上で要点を述べられた組成物(第2の態様)を、植物、それらの種子及び/又はそれらの生息場所に作用させることを含む方法に関する。
【0107】
式(I)の化合物、式(II)の化合物及び組成物に関する、好ましい実施形態は、既に上で要点を述べられており、同様にうまく、方法についても当てはまる。
【0108】
植物繁殖材料、特に種子へ、式(I)の化合物、式(II)の化合物、及び/又はそれを含む組成物の適用方法には、繁殖材料のドレッシング、コーティング、ペレット化、散粉、浸漬及び畝間散布方法が含まれる。好ましくは、式(I)及び/若しくは(II)の化合物、並びに/又はそれを含む組成物は、それぞれ、発芽が誘導されないような方法によって、例えば種子ドレッシング、ペレット化、コーティング及び散粉によって植物繁殖材料上へ適用される。
【0109】
様々のタイプの油、湿潤剤、アジュバント、肥料、又は微量栄養素、及びさらなる農薬(例えば、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、成長調節剤、解毒剤)が、式(I)及び/若しくは(II)の化合物、並びに/又はそれを含む組成物に、プレミックスとして添加されてもよいか、又は適切であれば使用直前まで添加されなくてもよい(タンクミックス)。これらの薬剤は、本発明による組成物と、1:100~100:1、好ましくは1:10~10:1の重量比で混ぜることができる。
【0110】
使用者は、式(I)及び/若しくは(II)の化合物、並びに/又はそれを含む組成物を、通常、前投薬装置、ナップザックスプレイヤー、スプレータンク、スプレー飛行機、又は灌水システムから適用する。通常、組成物は、水、緩衝剤、及び/又はさらなる補助剤で所望の適用濃度にされ、すぐに使えるスプレー液又は本発明による組成物はこのようにして得られる。通常、農業有用面積の1ヘクタール当たり20~2000リットル、好ましくは50~400リットルのすぐに使えるスプレー液が適用される。
【0111】
一実施形態によれば、本発明による組成物の個々の成分か、又は部分的にプレミックスされた成分、例えば式(I)及び/若しくは(II)の化合物を含む成分かのいずれかが、スプレータンク内で使用者によって混合され得る、及び適切な場合、さらなる補助剤及び添加剤が添加され得る。
【0112】
さらなる実施形態では、キットの一部又は二成分若しくは三成分混合物の一部などの本発明による組成物の個々の成分は、スプレータンク中で使用者自身によって混合され得、適切であれば、さらなる補助剤が添加され得る。
【0113】
さらなる実施形態では、本発明による組成物の個々の成分か、又は部分的にプレミックスされた成分、例えば式(I)及び/又は(II)の化合物並びに任意選択的にさらなる除草剤を含む成分かのいずれかを、(例えば、タンクミックスの後に)一緒に又は引き続いて適用することができる。
【0114】
式(I)及び/若しくは(II)の化合物、並びに/又はそれを含む組成物は、非作物エリアで望ましくない植生を効率的に、特に高い適用率で防除する。それらは、コムギ、コメ、トウモロコシ、ダイズ及びワタなどの作物における広葉雑草及びイネ科雑草に対して、作物植物にいかなる有意の損傷も引き起こすことなく作用する。
【0115】
式(I)及び/若しくは(II)の化合物、並びに/又はそれを含む組成物は、主に葉にスプレーすることによって植物に適用される。ここで、適用は、例えば水を担体として使用して、約100~1000l/ha(例えば300~400l/ha)のスプレー液量を用いる慣用のスプレー技法によって実施することができる。式(I)及び/若しくは(II)の化合物、並びに/又はそれを含む組成物はまた、低容量法若しくは超低容量法によって、又は微粒子の形態で適用され得る。
【0116】
式(I)及び/若しくは(II)の化合物、並びに/又はそれを含む組成物の適用は、望ましくない植生の発芽前、発芽中及び/又は発芽後、好ましくは発芽中及び/又は発芽後に行うことができる。
【0117】
式(I)及び/若しくは(II)の化合物、並びに/又はそれを含む組成物の適用は、播種前又は播種中に実施することができる。
【0118】
式(I)及び/若しくは(II)の化合物、並びに/又はそれを含む組成物は、発芽前、発芽後若しくは植え付け前、又は作物植物の種子と一緒に適用することができる。式(I)及び/若しくは(II)の化合物、並びに/又はそれを含む組成物で前処理された、作物植物の種子を適用することによって、式(I)及び/若しくは(II)の化合物、並びに/又はそれを含む組成物を適用することも可能である。活性成分が特定の作物植物によってあまり許容されない場合、噴霧装置の助けを借りて、できる限り組合せが敏感な作物植物の葉に接触しないように、組合せは噴霧されるが、活性成分が真下に成長している望ましくない植生の葉又は裸の土壌表面に達する適用技術(ポストディレクト、レイバイ)が使用され得る。
【0119】
さらなる実施形態では、式(I)及び/若しくは(II)の化合物、並びに/又はそれを含む組成物は、種子を処理することによって適用することができる。種子の処理は、式(I)及び/若しくは(II)の化合物、並びに/又はそれを含む組成物に基づいて、当業者によく知られている全ての手順(種子ドレッシング、種子コーティング、種子散粉、種子浸漬、種子フィルムコーティング、種子多層コーティング、種子エンクラスティング、種子ドリッピング及び種子ペレット化)を本質的に含む。ここで、組合せは、希釈して又は希釈せずに適用することができる。
【0120】
「種子」という用語は、例えば、コーン、種子、果実、塊茎、苗及び同様の形態などの、全てのタイプの種子を含む。ここで、好ましくは、種子という用語は、コーン及び種子を記載する。使用される種子は、上述の作物植物の種子であることができるが、トランスジェニック植物又は慣習的な育種方法によって得られた植物の種子でもあることができる。
【0121】
植物保護に用いられる場合、適用される活性物質、すなわち、式(I)及び/又は(II)の化合物の量は、所望の効果の種類に応じて、0.001~10kg/ha、好ましくは0.05~7kg/ha、より好ましくは0.5~6kg/ha、特に1~5kg/haである。
【0122】
本発明による組合せの場合、式(I)及び/又は(II)の化合物が、配合され、一緒に又は別々に適用されるかどうかは重要ではない。
【0123】
別々の適用の場合、適用がどの順序で行われるかはあまり重要ではない。式(I)及び(II)の化合物が、植物への活性成分の同時作用を可能にする時間枠内で、好ましくは最大で14日、特に最大で7日の時間枠内で適用されることのみが必要である。
【0124】
当該適用方法に応じて、式(I)及び/若しくは(II)の化合物、並びに/又はそれを含む組成物は、望ましくない植生を排除するために、さらに多くの作物植物において追加的に用いることができる。好適な作物の例は、以下:
タマネギ(Allium cepa)、パイナップル(Ananas comosus)、ラッカセイ(Arachis hypogaea)、アスパラガス(Asparagus officinalis)、エンバク(Avena sativa)、ビーツ種アルチッシマ(サトウダイコン)(Beta vulgaris spec.altissima)、ビーツ種ラパ(カブ)(Beta vulgaris spec.rapa)、セイヨウアブラナ変種ナパス(ナタネ)(Brassica napus var.napus)、セイヨウアブラナ変種ナポブラシカ(ルタバガ)(Brassica napus var.napobrassica)、アブラナ変種シルバストリス(ウィンターチューニップレイプ)(Brassica rapa var.silvestris)、ヤセイカンラン(Brassica oleracea)、クロガラシ(Brassica nigra)、チャノキ(Camellia sinensis)、ベニバナ(Carthamus tinctorius)、ペカン(Carya illinoinensis)、レモン(Citrus limon)、オレンジ(Citrus sinensis)、アラビカコーヒーノキ(Coffea arabica)(ロブスタコーヒーノキ(Coffea canephora))、リベリカコーヒーノキ(Coffea liberica)、キュウリ(Cucumis sativus)、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、ノラニンジン(Daucus carota)、ギニアアブラヤシ(Elaeis guineensis)、ワイルドストロベリー(Fragaria vesca)、ダイズ(Glycine max)、アプランドワタ(Gossypium hirsutum)、(アオワタ(Gossypium arboreum)、アジアワタ(Gossypium herbaceum)、ゴスシュピウム・ビチホリウム(Gossypium vitifolium)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)、オオムギ(Hordeum vulgare)、ホップ(Humulus lupulus)、サツマイモ(Ipomoea batatas)、カシグルミ(Juglans regia)、レンズマメ(Lens culinaris)、アマ(Linum usitatissimum)、トマト(Lycopersicon lycopersicum)、リンゴ属(Malus spec.)、キャッサバ(Manihot esculenta)、ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa)、バショウ属(Musa spec.)、タバコ(Nicotiana tabacum)(マルバタバコ(N.rustica))、オリーブ(Olea europaea)、イネ(Oryza sativa)、ライマメ(Phaseolus lunatus)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、オウシュウトウヒ(Picea abies)、マツ属(Pinus spec.)、ピスタチオ(Pistacia vera)、エンドウ(Pisum sativum)、セイヨウミザクラ(Prunus avium)、モモ(Prunus persica)、セイヨウナシ(Pyrus communis)、アンズ(Prunus armeniaca)、スミミザクラ(Prunus cerasus)、アーモンド(Prunus dulcis)及びセイヨウスモモ(Prunus domestica)、リベス・シュルウェスツレ(Ribes sylvestre)、トウゴマ(Ricinus communis)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ライムギ(Secale cereale)、シロガラシ(Sinapis alba)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、ソルガム(Sorghum bicolor)(s.ブルガレ(s.vulgare))、カカオ(Theobroma cacao)、ムラサキツメクサ(Trifolium pratense)、パンコムギ(Triticum aestivum)、ライコムギ(Triticale)、デュラムコムギ(Triticum durum)、ソラマメ(Vicia faba)、ヨーロッパブドウ(Vitis vinifera)並びにトウモロコシ(Zea mays)である。好ましい作物は、ラッカセイ(Arachis hypogaea)、ビーツ種アルチッシマ(サトウダイコン)(Beta vulgaris spec.altissima)、セイヨウアブラナ変種ナパス(ナタネ)(Brassica napus var.napus)、ヤセイカンラン(Brassica oleracea)、レモン(Citrus limon)、オレンジ(Citrus sinensis)、アラビカコーヒーノキ(Coffea arabica)(ロブスタコーヒーノキ(Coffea canephora)、リベリカコーヒーノキ(Coffea liberica)、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、ダイズ(Glycine max)、アプランドワタ(Gossypium hirsutum)、(アオワタ(Gossypium arboreum)、アジアワタ(Gossypium herbaceum)、ゴスシュピウム・ビチホリウム(Gossypium vitifolium)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、オオムギ(Hordeum vulgare)、カシグルミ(Juglans regia)、レンズマメ(Lens culinaris)、アマ(Linum usitatissimum)、トマト(Lycopersicon lycopersicum)、リンゴ属(Malus spec.)、ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa)、タバコ(Nicotiana tabacum)(マルバタバコ((N.rustica))、オリーブ(Olea europaea)、イネ(Oryza sativa)、ライマメ(Phaseolus lunatus)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、ピスタチオ(Pistacia vera)、エンドウ(Pisum sativum)、アーモンド(Prunus dulcis)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ライムギ(Secale cereale)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、ソルガム(Sorghum bicolor(s.ブルガレ(s.vulgare))、ライコムギ(Triticale)、パンコムギ(Triticum aestivum)、デュラムコムギ(Triticum durum)、ソラマメ(Vicia faba)、ヨーロッパブドウ(Vitis vinifera)及びトウモロコシ(Zea mays)である。
【0125】
特に好ましい作物は、穀類、トウモロコシ、ダイズ、コメ、ナタネ、ワタ、ジャガイモ、ラッカセイ又は永年作物の作物である。
【0126】
式(I)及び/若しくは式(II)、並びに/又はそれを含む組成物はまた、新しい形質を植物に提供するために又は既に存在する形質を改変するために、突然変異誘発又は遺伝子工学によって改変された作物において使用することができる。
【0127】
本明細書で使用されるような「作物」という用語は、新しい形質を植物に提供するために又は既に存在する形質を改変するために、突然変異誘発又は遺伝子工学によって改変された(作物)植物も含む。
【0128】
突然変異誘発には、X線又は突然変異原性化学物質を用いたランダム突然変異誘発の技術が含まれるが、植物ゲノムの特定の遺伝子座に突然変異を生じさせるための、標的突然変異誘発の技術も含まれる。標的突然変異誘発技術は、オリゴヌクレオチド又はCRISPR/Cas、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、TALEN若しくはメガヌクレアーゼのようなタンパク質を使用して標的効果を実現することが多い。
【0129】
好ましい実施形態では、望ましくない植生は、スズメノテッポウ(Alopercurus myosuroides)(ALOMY)、カラスムギ(Avena fatua)(AVEFA)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)(ECHCG)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)(APESV)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0130】
上述のように、本発明は、さらに、式(III)
【化22】
(式中、Rは、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルである)
を有するグルホシネート、そのアルキルエステル又はそれの塩の製造方法であって、式(I)
【化23】
(式中、Rは、水素、(C
1~C
8)-アルキル、(C
1~C
8)-ハロアルキル、(C
2~C
8)-アルケニル、(C
2~C
8)-ハロアルケニル、又は(C
2~C
8)-アルキニルである)
の化合物のカルバモイル部分を化学的に開裂する工程を含む方法に関する。
【0131】
式(I)及び(III)の化合物は、それぞれの農学的に許容される塩、アミド、エステル又はチオエステル及び全ての可能な立体異性体を包含することが理解されるべきである。
【0132】
好ましくは、式(I)及び(III)のRは、水素、(C1~C8)-アルキル、又は(C1~C8)-ハロアルキル、より好ましくは水素、(C1~C6)-アルキル、又は(C1~C6)-ハロアルキル、さらにより好ましくは水素、(C2~C4)-アルキル、又は(C2~C4)-ハロアルキル、一層より好ましくは水素、エチル、又はブチル、特に水素である。
【0133】
式(I)の化合物は、式(I)を有するN-カルバモイルアミノ酸とも言われ得ることが理解されるべきである。
【0134】
「化学的に開裂する」という用語は、酵素的条件下で行われない開裂工程を指すことが理解されるべきである。任意の好適な化学的アプローチが可能である。
【0135】
好ましくは、化学的開裂は、好ましくは塩化水素、硫酸、及びそれらの混合物、より好ましくは塩化水素、特に濃塩化水素(すなわち、水中34~38%の塩化水素)を使用する、酸性条件下で行われる。
【0136】
好ましくは、化学的開裂は、亜硝酸ナトリウムを添加することによって行われる。
【0137】
好ましくは、化学的開裂は、高温で、より好ましくは50~130℃、さらにより好ましくは70~120℃、特に80~110℃の温度で行われる。
【0138】
好ましくは、反応圧力は周囲圧力である。反応圧力は、好ましくは0.995~1.030mbarの、より好ましくは1.005~1.020mbarの範囲にあり、特に約1.013mbarのものである。
【0139】
本発明の好ましい実施形態では、開裂は、0~5の、好ましくは0~3のpHで行われる。
【0140】
特定の実施形態では、化学的開裂は、i)式(I)を有するN-カルバモイルアミノ酸を、酸性条件下で、好ましくは-15~20℃の、より好ましくは-10~10℃の、特に-5~5℃の温度で溶解させる工程と、ii)亜硝酸ナトリウムの添加、好ましくは引き続き10~35℃の、好ましくは15~30℃の、特に20~25℃の温度又は室温で撹拌する工程と、任意選択的にiii)酸性条件下の反応混合物を50~130℃の、好ましくは70~120℃の、特に80~110℃の温度に加熱する工程とによって行われる。工程iii)は、存在する場合、エステルを開裂することに好適である。
【0141】
反応混合物は、標準手順(すなわち、洗浄及び精製)下でワーク-アップすることができる。
【0142】
本発明は、以下の実施例によってさらに例示される。
【実施例】
【0143】
材料及び方法
酵素遺伝子のクローニング
それぞれの酵素のアミノ酸配列は、公開データベース(UniProt,https://www.uniprot.org)から特定した。それぞれのDNA配列は、大腸菌(Escherichia coli)の標準的コドン使用頻度を用いてそれから誘導した。DNA配列を合成し(BioCat GmbH)、プラスミドpDHE19.2にクローンした(Ress-Loeschke,M.et al.、独国特許第19848129号明細書、1998、(BASF AG))。得られたプラスミドを使用して大腸菌(E.coli)菌株TG10,pAgro,pHSG575(大腸菌(E.coli)TG10(Kesseler,M.et al.,国際公開第2004050877A1号パンフレット,2004,(BASF AG)):rhaA-pHSG575(Takeshita,S.et al.,Gene,1987,61,63)及びpAgro4(Tomoyasu,T.et al.,Mol.Microbiol.,2001,40,397におけるpBB541)で形質転換された大腸菌(E.coli)TG1の誘導体のコンピテント細胞を形質転換した(Chung,C.T.et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,1989,86,2172)。
【0144】
酵素の組み換え製造
酵素の組み換えプラスミドを有する大腸菌(E.coli)TG10を使用して100μg/lのアンピシリン、100μg/lのスペクチノマイシン、20μg/lのクロラムフェニコールで補足された2mlのLB培地(Bertani,G.,J Bacteriol,1951,62,293)に植菌し、得られた前培養物を250rpmの撹拌で、37℃で5h培養した。1mlの前培養物を使用して500mlのバッフル付き三角フラスコ中の100μg/lのアンピシリン、100μg/lのスペクチノマイシン、20μg/lのクロラムフェニコール、1mMのMnCl2、0.1mMのイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド、及び0.5g/lのラムノースで補足された100mlのLB培地に植菌した。培養物を振盪条件下に37℃で18h培養した。その後、バイオマスを、8℃で10分間3220×gでの遠心分離によって収穫した。上澄みを捨て、細胞ペレットを、1mMのMnCl2補足された100mMの濃度及びpH8.2での8mlのHEPES緩衝液に再懸濁させた。全細胞生体内変化が実施される場合、いかなるさらなる合成の準備もなしに細胞懸濁液を使用した。浄化細胞溶解物が代わりに用いられる場合、5mlの細胞懸濁液を、溶解マトリックスB(0.7mlのФ0.1mmでの石英ビーズ、MP Biomedicals)を含有する5つの反応管(管は氷上で冷やされている)中へ分配し、その後細胞を2つの30秒間サイクルでホモジナイザー(Peqlab Precellys24、VWR)において破壊した。サイクル間に、サンプルを氷上で冷やした。得られた細胞を含まない溶解物を8℃で、10分間遠心分離20817×gによって浄化した。上澄みを単離し、同じバッチからの画分を組み合わせた(=浄化細胞溶解物)。
【0145】
N-カルバモイルアミノ酸及びヒダントインの合成
【化24】
メタノール(400mL)中の[2-[ブトキシ(メチル)ホスホリル]-1-シアノ-エチル]アセテート(100g、純度90%、Cas 167004-78-6)の撹拌溶液に、濃硫酸(1g)を添加し、反応混合物を40℃に加熱し、この温度で15h撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、次いでメタノール中のナトリウムメトキシド(30%、3.52g)、引き続き硫酸ナトリウム(2g)を添加し、室温で30分間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した(84.5g)。粗ブチル 3-シアノ-3-ヒドロキシプロピル(メチル)ホスフィナート(84.5g、366mmol)に、水(290mL)中の炭酸二アンモニウム(70.4g、732mmol)の溶液を添加した。反応混合物を70℃に4h加熱し、次いで減圧下で蒸発乾固した。残渣を温かいイソプロパノール(70℃)中に懸濁させ、得られた懸濁液を濾過し、フィルターケーキをイソプロパノール(2×10mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、シリカを通して濾過した(1.5Lのジクロロメタン/メタノール 9:1で溶離)。濾液を減圧下で濃縮して55.5gの生成物をもたらし、得られた固体をイソプロパノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶した(化合物g、収率34%)。
1H NMR(500MHz,重水)δ 4.42-4.37(m,1H),4.08-4.00(m,2H),2.19-1.77(m,4H),1.70-1.64(m,2H),1.61(d,J=13.8Hz,3H),1.46-1.34(m,2H),0.92(td,J=7.4,0.8Hz,3H).
【0146】
【化25】
減圧(200mbar)下のグルホシネートアンモニウムの撹拌溶液(水中50%、50g、126mmol)に、水(50ml)中のシアン酸カリウム(17g、202mmol)の溶液を40分の期間にわたって50℃で添加した。反応混合物を追加の1.5h減圧(200mbar)下に50℃で撹拌し、次いで室温まで放冷した。室温及び周囲圧力で追加の14h撹拌した後、濃HCL(125mL、36%)を添加し、反応混合物を30分間還流に加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を50℃で水(50mL)に溶解させ、濾過した。濾液をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex-50 WX 8 200-400(H)、500mL)に供し、生成物を水(1L)で溶離した。溶離生成物を減圧下で濃縮し、非晶性固体をもたらし、それをエタノールから再結晶して化合物cを得た。
1H NMR(500MHz,重水)δ 4.41-4.36(m,1H),2.15-1.70(m,4H),1.52(d,J=13.9Hz,3H).D-及びL-鏡像異性体(化合物d及びe)を、類似の方法で市販のD-及びL-グルホシネートから出発して合成した。化合物dについての比旋光度[α]=+58.8°(c=1H
2O)及び化合物eについての比旋光度[α]=-49.1°(c=1H
2O)である。
【0147】
【化26】
酢酸(50mL)とオルト酢酸トリエチル(75mL、409mmol)との混合物に、エチル 2-(2,5-ジオキソイミダゾリン-4-イル)エチル(メチル)ホスフィナート(10g、48.5mmol)を室温で添加した。反応混合物を15分間還流に加熱した(110℃、加熱浴温度)。次いで、反応物を減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール 9:1)によって精製し、エチル 2-(2,5-ジオキソイミダゾリン-4-イル)エチル(メチル)ホスフィナート(4.8g、42%)をもたらした。
1H NMR(500MHz,重水)δ 4.41-4.36(m,1H),4.13-4.03(m,2H),2.19-1.74(m,4H),1.60(d,J=13.9Hz,3H),1.35-1.28(m,3H).
【0148】
【化27】
脱気した水性リン酸カリウム緩衝液(12.6mL、0.5M、pH8.0)中の([2-[ブトキシ(メチル)ホスホリル]エチル]イミダゾリジン-2,4-ジオン(1.65g、6.3mmol)の溶液に、KOH(水中3M、150μL)を添加してpHを8.0に調整した。この混合物に、リン酸カリウム緩衝液(47.2mL、0.100M、pH 8.0)及びヒダントイナーゼ酵素(Uniprot Q45515、Seq ID 1:浄化細胞溶解物、3.1mL、22.1mg/mLの全タンパク質濃度)を添加した。反応混合物を37℃で24h撹拌した(250rpm)。NMRは、カルバモイル酸への36%転化を示した。粗物質を濾過して細胞溶解物を除去し、フィルターケーキを水(20mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、THF/湿潤MeOHに再溶解させ、順相クロマトグラフィー(グラジエント 1:1ジクロロメタン:メタノール~純メタノール)によって精製した。得られたD-鏡像異性体(化合物f)は、比旋光度[α]=-20.7°(c=1 H
2O)を有する。
1H NMR(500MHz,重水)δ 4.11-4.07(m,1H),4.06-4.00(m,2H),2.09-1.80(m,4H),1.71-1.63(m,2H),1.59(d,J=13.7Hz,3H),1.46-1.34(m,2H),0.92(t,J=7.4Hz,3H).化合物fのeeを得るために、それをグルホシネートに分解した:
【化28】
ヒダントイナーゼ(Uniprot:Q45515)を使用して合成された、4-[ブトキシ(メチル)ホスホリル]-2-ウレイド-ブタン酸(300mg)を、水性HCl(3.5M、30mL)中に溶解させ、撹拌反応混合物を0℃に冷却した。水(3mL)中の亜硝酸ナトリウム(77mg)の溶液を添加し、反応混合物を室温に温まるに任せた。この反応混合物を、追加の2時間室温で撹拌した。次いで水中の濃HCl(36%、7.5mL)を添加し、反応混合物を100℃に加熱し、この温度で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、塩化メチレン(2×10mL)で2回抽出した。水相を減圧下で濃縮してグルホシネートの塩酸塩を得、キラルHPLC分析に供した。1H NMR(500MHz,重水)δ 3.84-3.78(m,1H),2.17-2.00(m,2H),1.74-1.54(m,2H),1.27(d,J=13.5Hz,3H).キラルHPLC:97%-D-グルホシネート/3%のL-グルホシネート;分析方法:Chirex(D)-Pencillamine 250×4.6mmカラム(Phenomenex製);定組成溶離10mM硫酸銅(II);245nmでのUV検出)。
【0149】
【化29】
減圧(200mbar)下のグルホシネートアンモニウム(水中50%、39.6g、99.9mmol)の撹拌溶液に、水(30mL)中のシアン酸カリウム(11.8g、145mmol)の溶液を30分の期間にわたって50℃で添加した。反応混合物を追加の1h減圧(200mbar)下に50℃で撹拌し、次いで室温まで放冷した。反応混合物をイオン交換クロマトグラフィー(Dowex-50WX8 200-400(H)、220mL)に供し、生成物を水(1L)で溶離した。溶離生成物を減圧下で濃縮し、カルバモイル酸生成物(7.9g)を得た。残存するカルバモイル酸を、カリウム塩としてカラムから単離した。1H NMR(500MHz,重水)δ 4.31-4.25(m,1H),2.19-1.81(m,4H),1.52(d,J=14.1Hz,3H).L-鏡像異性体(化合物a)及びD-鏡像異性体(化合物b)を、類似の方法で市販のL-及びD-グルホシネートから出発して合成した。化合物aについての比旋光度[α]=+27.5°(c=1H
2O、カリウム塩)である。
【0150】
除草試験
式(I)及び(II)の化合物の除草活性を以下の温室実験によって実証した:
使用される培養容器は、基質としておよそ3.0%の腐植質入りのローム砂を含有するプラスチック製植木鉢であった。試験植物の種子を各種について別々に播種した。発芽前処理に関しては、水中に懸濁させるか又は乳化させた、活性成分を、播種直後に微細分配ノズルを用いて適用した。発芽及び成長を促進するために容器に穏やかに潅水し、その後試験植物が発根するまで透明なプラスチックフードで覆った。この覆いは、試験植物の一様な発芽が活性成分によって損なわれない限り、一様な発芽をもたらした。発芽後処理に関しては、試験植物を先ず、植物の習性に応じて、2~15cmの高さまで成長させ、その時ようやく、水中に懸濁させた又は乳化させた活性成分で処理した。この目的のために、試験植物を同じ容器中で直接播種して成長させるか、又はそれらを先ず苗として別々に育て、処理の数日前に試験容器へ移植したかのどちらかであった。種によって、試験植物を、それぞれ、10~25℃又は20~35℃に保った。試験期間は、2週間~4週間に及んだ。この時間中、試験植物の手入れを行い、個々の処理に対するそれらの反応を評価した。
【0151】
評価は、0から100までのスケールを用いて実施した。100は、試験植物の発芽なしか、又は少なくとも地上部の完全な破壊を意味し、0は、損傷なしか、又は正常な生育の進行を意味する。中程度の除草活性は、40~59の値で示され、良好な除草活性は、59超~80の値で示され、非常に良好な除草活性は、80超~100の値で示される。
【0152】
温室実験に使用された植物は、以下の種のものであった:
【0153】
【0154】
【0155】
発芽前法又は発芽後法によって適用された、5kg/haの適用量で:
・化合物cは、SETVI(発芽後)に対して非常に良好な除草活性を示す
・化合物bは、APESV(発芽前)に対して良好な除草活性を示す
・化合物c及びdは、SETFA(発芽前)に対して良好な除草活性を示す
・化合物eは、SETVI(発芽後)に対して良好な除草活性を示す
・化合物fは、AMARE及びECHCG(発芽後)に対して良好な除草活性を示す
・化合物aは、ALOMY(発芽後)に対して中程度の除草活性を示す
・化合物a、c、及びdは、ABUTH(発芽前)に対して中程度の除草活性を示す
・化合物b及びcは、ECHCG(発芽後)に対して中程度の除草活性を示す
・化合物b、d、f、及びgは、SETVI(発芽後)に対して中程度の除草活性を示す
・化合物cは、AMARE(発芽後)に対して中程度の除草活性を示す
・化合物f及びgは、APESV(発芽前)に対して中程度の除草活性を示す
配列ID番号:1
【化30】
【配列表】
【国際調査報告】