(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】テクスチャのある誘電体を使用したウエハからベースプレートへのアーク放電の防止
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20241128BHJP
H02N 13/00 20060101ALI20241128BHJP
H01L 21/3065 20060101ALN20241128BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H02N13/00 D
H01L21/302 101G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534446
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 US2022051728
(87)【国際公開番号】W WO2023114028
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャダ, アービンダー エス.
(72)【発明者】
【氏名】ラーマスワーミ, カーティク
【テーマコード(参考)】
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
5F004AA01
5F004BB22
5F004BB25
5F131CA09
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA03
5F131EB11
5F131EB12
5F131EB15
5F131EB16
5F131EB17
5F131EB18
5F131EB72
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
5F131EB82
5F131EB85
(57)【要約】
基板処理チャンバで使用するための静電チャックが、本明細書において提供される。幾つかの実施形態では、基板処理チャンバで使用するための静電チャックは、その中に配置された電極を有する誘電体プレートであって、誘電体プレートは、中央部及び周辺部を更に含み、周辺部は、少なくとも1つの凹凸を有する外側側壁、誘電体プレートの中央部の多孔率よりも大きい多孔率、又は中央部の材料とは異なる材料でできた1又は複数のコーティングのうちの少なくとも1つを含む、誘電体プレートを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理チャンバで使用するための静電チャックであって、
その中に配置された電極を有する誘電体プレートであって、前記誘電体プレートは、中央部及び周辺部を更に含み、前記周辺部は、
少なくとも1つの凹凸を有する外側側壁、
前記誘電体プレートの中央部の多孔率よりも大きい多孔率、又は
前記中央部の材料とは異なる材料でできた1又は複数のコーティング
のうちの少なくとも1つを含む、誘電体プレート
を備える、静電チャック。
【請求項2】
前記少なくとも1つの凹凸は凹形状又は凸形状を有する、請求項1に記載の静電チャック。
【請求項3】
前記少なくとも1つの凹凸は、前記外側側壁の仮想円筒面に沿って半径方向外側に延在する複数の凹凸を含み、前記仮想円筒面は、前記誘電体プレートの中心軸と同軸であり、かつ前記誘電体プレートの中心軸に対して異なる半径を有する、及び
前記少なくとも1つの凹凸は、周期的に配置された複数の凹凸を含む
ことのうちの少なくとも一方である、請求項1に記載の静電チャック。
【請求項4】
前記周辺部の多孔率は前記中央部の多孔率よりも大きく、前記周辺部の厚さは、前記誘電体プレートの上部から前記誘電体プレートの底部に向かって変化する、請求項1に記載の静電チャック。
【請求項5】
前記少なくとも1つの凹凸は、半球形状、モスアイ形状、長方形形状、楕円体形状、又は切頭楕円体形状を有する複数の凹凸を含む、請求項1に記載の静電チャック。
【請求項6】
前記少なくとも1つの凹凸は、前記複数の凹凸の各々の間に配置された間隙を有する複数の凹凸を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の静電チャック。
【請求項7】
前記周辺部の多孔率は約1%から約10%である、請求項1から5のいずれか一項に記載の静電チャック。
【請求項8】
前記周辺部の幅は約3mmから約10mmである、請求項1から5のいずれか一項に記載の静電チャック。
【請求項9】
前記1又は複数のコーティングは、窒化物層と酸化物層の交互層、又は窒化物層と金属層の交互層を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の静電チャック。
【請求項10】
基板処理チャンバで使用するための基板支持体であって、
ベースプレートと、
誘電体プレートが前記ベースプレート上に配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の静電チャックと、
前記ベースプレート及び前記誘電体プレートを取り囲むプロセスキットと
を備える、基板支持体。
【請求項11】
1又は複数のコーティングは、酸化チタン、窒化チタン、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、又は酸化クロムを含む、請求項10に記載の基板支持体。
【請求項12】
前記プロセスキットは、石英リング、サファイアリング、又は酸化物、炭化物、金属材料のうちの1又は複数を含む複合リングである、請求項10に記載の基板支持体。
【請求項13】
中央部は周辺部と同じ材料でできている、請求項10に記載の基板支持体。
【請求項14】
外側側壁の表面粗さは約0.2から約100ミクロンである、請求項10に記載の基板支持体。
【請求項15】
前記誘電体プレートのアスペクト比は約0.1から約10である、請求項10に記載の基板支持体。
【請求項16】
基板を処理するためのプロセスチャンバであって、
その中に内部領域を画定するチャンバ本体と、
前記内部領域に配置された請求項10に記載の基板支持体と
を備える、プロセスチャンバ。
【請求項17】
周辺部の多孔率は約1%から約10%である、請求項16に記載のプロセスチャンバ。
【請求項18】
少なくとも1つの凹凸は、複数の凹凸の各々の間に配置された間隙を有する複数の凹凸を含む、請求項16に記載のプロセスチャンバ。
【請求項19】
1又は複数のコーティングは、約0.1電子ボルト(eV)よりも大きい活性化エネルギーを有する材料を含む、請求項16に記載のプロセスチャンバ。
【請求項20】
1又は複数のコーティングは、窒化物層と酸化物層の交互層、又は窒化物層と金属層の交互層を含む、請求項16に記載のプロセスチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は概して、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]基板処理システムは、通常、その中に配置された1又は複数の基板にエッチング又は堆積プロセス等の所望のプロセスを実行するためのプロセスチャンバを含む。例えば、コンタクトを形成するための非常に高いアスペクト比の孔、又は電気経路用のインフラを敷設するための深いトレンチを必要とするエッチングプロセスにおいて、無線周波数(RF)電力がしばしば使用される。RF電力は、プラズマ生成のため、及び/又は処理中の基板上にバイアス電圧を生じさせて、バルクプラズマからのイオンを引きつけるために使用され得る。基板支持体は、基板を保持するために誘電体プレート内に埋め込まれた1又は複数の電極を有する静電チャック(ESC)を含み得る。
【0003】
[0003]ESCはベースプレート上に配置され得る。しかし、基板とESCの誘電体との接合部における局所的な電界の増強により、マルチパクタ絶縁破壊及び基板アーク放電が発生し、基板からベースプレートへの電子の経路が形成されることがある。マルチパクタ絶縁破壊は、RF電界によって加速された電子が、二次電子放出の増殖によって引き起こされる電子なだれによって真空中(又は略真空中)で自己維持されることにより発生し、RF部品に損傷を与える。
【0004】
[0004]従って、本発明者らは、マルチパクタ絶縁破壊を低減又は防止するための改良型ESCの実施形態を提供した。
【発明の概要】
【0005】
[0005]基板処理チャンバで使用するための静電チャックが、本明細書において提供される。幾つかの実施形態では、基板処理チャンバで使用するための静電チャックは、その中に配置された電極を有する誘電体プレートであって、誘電体プレートは、中央部及び周辺部を更に含み、周辺部は、少なくとも1つの凹凸を有する外側側壁、誘電体プレートの中央部の多孔率よりも大きい多孔率、又は中央部の材料とは異なる材料でできた1又は複数のコーティングのうちの少なくとも1つを含む、誘電体プレートを含む。
【0006】
[0006]幾つかの実施形態では、基板処理チャンバで使用するための基板支持体は、ベースプレートと、その中に配置された電極を有する誘電体プレートであって、誘電体プレートは、ベースプレート上に配置され、中央部及び周辺部を含み、周辺部は、少なくとも1つの凹凸を有する外側側壁、誘電体プレートの中央部の多孔率よりも大きい多孔率、又は中央部の材料とは異なる材料でできた1又は複数のコーティングのうちの少なくとも1つを含む、誘電体プレートと、ベースプレート及び誘電体プレートを取り囲むプロセスキットとを含む。
【0007】
[0007]幾つかの実施形態では、基板を処理するためのプロセスチャンバは、その中に内部領域を画定するチャンバ本体と、内部領域に配置され、その中に配置された電極を有する誘電体プレートを含む基板支持体であって、誘電体プレートは、ベースプレート上に配置され、中央部及び周辺部を含み、周辺部は、少なくとも1つの凹凸を有する外側側壁、誘電体プレートの中央部の多孔率よりも大きい多孔率、又は中央部の材料とは異なる材料でできた1又は複数のコーティングのうちの少なくとも1つを含む、誘電体プレートと、ベースプレート及び誘電体プレートを取り囲むプロセスキットとを含む。
【0008】
[0008]本開示の他の更なる実施形態を以下に説明する。
【0009】
[0009]添付の図面に示す本開示の例示的な実施形態を参照することにより、上記に要約し、以下により詳細に説明する本開示の実施形態を理解することができる。しかし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態を単に示すものであり、したがって、範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係るプロセスチャンバを示す概略断面側面図である。
【
図2】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る基板支持体を示す概略断面図である。
【
図3】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る基板支持体を示す概略断面図である。
【
図4A】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る誘電体プレートを示す概略断面図である。
【
図4B】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る誘電体プレートを示す概略断面図である。
【
図4C】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る誘電体プレートを示す概略断面図である。
【
図4D】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る誘電体プレートを示す概略断面図である。
【
図4E】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る誘電体プレートを示す概略断面図である。
【
図5A】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る誘電体プレートを示す概略断面図である。
【
図5B】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る誘電体プレートを示す概略断面図である。
【
図6】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る誘電体プレートを示す概略断面図である。
【
図7】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る誘電体プレートを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0022]理解を容易にするために、可能な限り、図面共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。図面は縮尺どおりに描かれておらず、わかりやすくするために簡略化されている場合がある。一実施形態の要素及び特徴は、更に詳述することなく、他の実施形態に有益に組み込むことが可能である。
【0012】
[0023]基板アーク放電を低減又は防止する誘電体プレートの外側側壁に近接する特徴を有する、基板処理チャンバで使用するための誘電体プレートの実施形態が、本明細書において提供される。部品間の公差又は公差による非対称性により、誘電体プレートと誘電体プレートの周りに配置された他のチャンバ部品(例えば、プロセスキット部品)との間に形成された間隙は、誘電体プレート上に配置された基板から誘電体プレートの下方に配置されたベースプレートへ電子が流れ、増殖する経路となる可能性がある。誘電体プレートの外側側壁が平面であることで、電子の経路が乱れず、代わりに、基板とベースプレートとの間の電気伝導のための直線経路が形成される。本明細書に記載の本発明の特徴は、電子の経路を乱すことで、二次電子の発生及びマルチパクタ絶縁破壊を防止するように構成される。この特徴は、例えば、誘電体プレートの外側側壁に近接した、又は外側側壁上の、テクスチャ、コーティング、多孔率の変化等を含み得る。
【0013】
[0024]
図1は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係るプロセスチャンバ100を示す概略断面側面図である。幾つかの実施形態では、プロセスチャンバ100はエッチング処理チャンバである。しかしながら、異なるプロセス用に構成された他の種類のプロセスチャンバも、使用することができる、又は本明細書に記載の基板支持体の実施形態と共に使用するために変更することができる。
【0014】
[0025]プロセスチャンバ100は、基板処理中に内部領域121内に大気圧より低い圧力を維持するように好適に適合された真空チャンバであってよい。プロセスチャンバ100は、内部領域121の上半分に位置する処理領域119を囲むリッド101によってカバーされたチャンバ本体106を含む。プロセスチャンバ100はまた、様々なチャンバ部品を取り囲む1又は複数のシールド(図示せず)を含み、上記部品とイオン化されたプロセス材料との間の不要な反応を防止することができる。チャンバ本体106及びリッド101は、アルミニウム等の金属製であってよい。チャンバ本体106は、グラウンド115への結合を介して接地され得る。
【0015】
[0026]例えば半導体ウエハ、又は他のウエハ等の基板122を支持し保持するために、基板支持体124が内部領域121に配置される。基板支持体124は概して、ベースプレート126上に配置された誘電体プレート152を含み得る。幾つかの実施形態では、ベースプレート126は、例えばアルミニウム(Al)等の金属材料を含む。幾つかの実施形態では、ベースプレート126は、チャンバ本体106の支持プレート102上に配置される。幾つかの実施形態では、ベースプレート126は、その中に配置され、誘電体プレート152を冷却するための冷却剤を循環させるように構成された冷却チャネルを有する冷却プレートであってよい。
【0016】
[0027]基板支持体124の上面(例えば、誘電体プレート152の上面)は、処理領域119に露出している。幾つかの実施形態では、誘電体プレート152は、基板122を誘電体プレート152に静電チャックするように構成された、その中に配置された1又は複数の電極154を含む。1又は複数の電極154は、モノポーラ又はバイポーラであってよい。誘電体プレート152は、中央部132と、中央部132の周りに配置された周辺部138とを含む。誘電体プレート152は、J-R誘電体又はクーロン誘電体を含み得る。
【0017】
[0028]幾つかの実施形態では、支持プレート102は、チャンバ本体106と共に、支持プレート102の下方にプロセスチャンバ100の下部領域180を画定する。幾つかの実施形態では、下部領域180は、使用中は大気圧であってよい。様々な導管が、例えば、裏側ガス、プロセスガス、流体、冷却剤、電力等を基板支持体124に供給するために、下部領域180を介して基板支持体124まで延在していてよい。幾つかの実施形態では、様々な導管は、裏側ガス供給部141、チャッキング電源140、RFプラズマ電源170、及びバイアス電源117用の導管を含み得る。チャッキング電源140は、チャッキング電極ライン143を介して1又は複数の電極154に結合され得る。
【0018】
[0029]RFプラズマ電源170は、代替的に、又は追加的に、リッド101又はチャンバ本体106の上部を介してプロセスチャンバ100に供給され得る。幾つかの実施形態では、バイアス電源117は、1又は複数のRFバイアス電源を含む。幾つかの実施形態では、RFプラズマ電源170によって供給されるRFエネルギーは、約400kHzから40MHz超の周波数を有していてよい。幾つかの実施形態では、RFプラズマ電源170及びバイアス電源117は、それぞれのRF整合ネットワーク(RF整合ネットワーク116のみ図示)を介してペデスタル150に結合される。幾つかの実施形態では、基板支持体124は、代替的にAC、DC、又はRFバイアス電力を含み得る。幾つかの実施形態では、AC、DC、又はRFバイアス電力は、パルス化され得る。
【0019】
[0030]基板支持体124は、基板支持体124を通って延在する複数の基板リフトピン168を含み得る。リフト機構128が複数の基板リフトピン168に結合され、リフトピンを介して基板122を選択的に上昇又は下降させるように構成され得る。幾つかの実施形態では、複数の基板リフトピン168は、基板支持体124の周りに対称に配置された3つのリフトピンを含む。幾つかの実施形態では、基板支持体124は、誘電体プレート152の周りに配置された1又は複数の部品を含むプロセスキット134を含む。幾つかの実施形態では、プロセスキット134は、ベースプレート126及び誘電体プレート152の周りに配置される。
【0020】
[0031]幾つかの実施形態では、基板支持体124は、誘電体プレート152の周りに配置された、又は誘電体プレート152を取り囲むライナ104を含み得る。幾つかの実施形態では、ライナ104及び支持プレート102のうちの1又は複数が、使用中に接地される。幾つかの実施形態では、ライナ104は、環状チャネル112をその間に画定する内壁103及び外壁105を含む。幾つかの実施形態では、内壁103と外壁105はライナ104の下部プレート107に結合されている。プロセスチャンバ100は、処理領域119を排気するために処理領域119に流体的に結合された真空ポンプ114を含む。幾つかの実施形態では、下部プレート107は、処理領域119を排気するために真空ポンプ114に結合された1又は複数のポンプポート158を含む。処理領域119内の圧力は、真空ポンプ114のスロットルバルブを調整することによって調節することができる。
【0021】
[0032]幾つかの実施形態では、プロセスキット134は、誘電体プレート152の周りに配置された第1のリング130を含む。第1のリング130は、誘電体プレート152及びベースプレート126を処理領域119のプラズマ環境から隔離することができる。幾つかの実施形態では、第1のリング130は、基板122の周りに配置されたエッジリング等を支持し得る。第1のリング130は、石英リング、サファイアリング、又は酸化物、炭化物、又は金属材料(例えば、アルミナと炭化ケイ素(SiC)、石英とアルミニウム等)のうちの1又は複数を含む複合リングであってよい。
【0022】
[0033]幾つかの実施形態では、基板支持体124は、ペデスタル150の下面(例えば、ベースプレート126の底面)からペデスタル150の上面の様々な開口部まで延在するガス分配チャネル182を含む。ガス分配チャネル182は、窒素(N)又はヘリウム(He)等の裏側ガスを誘電体プレート152の上面に供給し、熱伝達媒体として機能するように構成される。ガス分配チャネル182は、使用中の基板支持体124の温度及び/又は温度プロファイルを制御するために、ガス導管142を介して裏側ガス供給部141と流体連結している。
【0023】
[0034]処理領域119はまた、その中に配置された基板を処理するためにプロセスチャンバ100に1又は複数のプロセスガスを供給し得るプロセスガス供給部118に結合され、それと流体連結している。幾つかの実施形態では、プロセスガス供給部118は、より均一なガス分配のために、シャワーヘッド(図示せず)を介して1又は複数のプロセスガスを処理領域119に供給することができる。プロセスチャンバ100は、内部領域121内外への基板122の移送を容易にするスリットバルブ144を含む。幾つかの実施形態では、移送ロボット(図示せず)が基板122を移送するように構成される。移送ロボットはまた、交換のために内部領域121の内外へエッジリング185を移送するように有利に構成され得る。スリットバルブ144は、リッド101又はチャンバ本体106に結合されていてよい。
【0024】
[0035]工程において、例えば、1又は複数のプロセスを実行するために、処理領域119にプラズマ192が生成され得る。プラズマ192は、プラズマ電源(例えば、RFプラズマ電源170)からの電力を、処理領域119の近く又は処理領域119内の1又は複数の電極を介してプロセスガスに結合させ、プロセスガスに点火してプラズマ192を生成することによって生成され得る。バイアス電源(例えば、バイアス電源117)からペデスタル150にバイアス電力を供給して、プラズマ192からのイオンを基板122に向けて引きつけることができる。バイアス電源117は、エッジリング185及び誘電体プレート152にバイアス電力を供給し得る。例えば、バイアス電源117は、エッジリング185及び誘電体プレート152の両方によって共有される単一の電源を含み得る。
【0025】
[0036]
図2は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る基板支持体124を示す概略断面図である。誘電体プレート152と、誘電体プレート152の周りに配置されたプロセスキット134との間には、部品の公差に起因する間隙210が配置される場合がある。幾つかの実施形態では、誘電体プレート152のアスペクト比は、約0.001から約1000である。幾つかの実施形態では、誘電体プレート152のアスペクト比は約0.1から約10である。
図3は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る基板支持体を示す概略断面図である。幾つかの実施形態では、誘電体プレート152の外側側壁310は、二次電子放出340の増殖を低減又は防止する少なくとも1つの凹凸320を含み、したがってマルチパクタ絶縁破壊を有利に防止する。
【0026】
[0037]幾つかの実施形態では、
図3に示すように、少なくとも1つの凹凸320は、長方形形状330を有する複数の凹凸を含む。少なくとも1つの凹凸320は、半球形状、モスアイ形状、長方形形状、楕円体形状、又は切頭楕円体形状等を有していてよい。幾つかの実施形態では、外側側壁310の表面粗さは、二次電子放出の増殖を低減するために、約0.2から約100ミクロンである。幾つかの実施形態では、外側側壁310の表面粗さは、誘電体プレートの上面又は下面の表面粗さよりも大きい。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの凹凸320は、周期的に配置された複数の凹凸を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの凹凸320はランダムに配置される。
【0027】
[0038]少なくとも1つの凹凸320は、二次放出からの電子の増殖を低減又は防止するのに適した任意の適切な形状又は形状の配置を含み得る。例えば、
図4A~
図4Eは、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る誘電体プレート152を示す概略断面図である。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの凹凸320は、
図4Aに示すように凸形状402を有する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの凹凸320は、
図4Bに示すように凹形状404を有する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの凹凸320は、
図4Cに示すように、凸形状402を有する複数の凹凸を有する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの凹凸320は、凹形状404を有する複数の凹凸を有する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの凹凸320は、
図4Dに示すように、複数の凹凸の各々の間に配置された間隙420を有する複数の凹凸を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの凹凸320は、外側側壁310の仮想円筒面412A、412Bに沿って半径方向外側に延在する複数の凹凸を含み、仮想円筒面412A、412Bは、誘電体プレート152の中心軸460と同軸であり、誘電体プレート152の中心軸460に対して異なる半径を有する。
【0028】
[0039]
図5Aは、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る誘電体プレート152を示す概略断面図である。幾つかの実施形態では、誘電体プレート152の周辺部138の多孔率は、誘電体プレート152の中央部132の多孔率よりも大きい。周辺部138の多孔率が大きいと、外側側壁310の有効電気長が増加し、それによりマルチパクタ絶縁破壊が低減又は防止される。幾つかの実施形態では、周辺部138の多孔率は、総容積に対するボイドの多孔性が約1容積%から約10容積%である。幾つかの実施形態では、中央部132の多孔率は、総容積に対するボイドの多孔性が約1容量%未満である。幾つかの実施形態では、中央部132は、周辺部138と同じ材料でできている。例えば、誘電体プレート152は、周辺部138の多孔率を増加させるためにエッチングされ得る。幾つかの実施形態では、周辺部138は、中央部132とは異なる材料でできている。幾つかの実施形態では、周辺部138の幅は、約3mmから約10mmである。
【0029】
[0040]
図5Bは、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る誘電体プレートを示す概略断面図である。幾つかの実施形態では、周辺部138の多孔率は、中央部132における多孔率よりも大きく、周辺部138の厚さは、誘電体プレート152の上部502から誘電体プレート152の底部504に向かって変化する。幾つかの実施形態では、周辺部138の厚さは、上部502から底部504に向かって増加する。上記実施形態では、誘電体プレート152の外側側壁310は、直線的に下方及び半径方向外側に延在し得る。幾つかの実施形態では、誘電体プレート152の外側側壁310は、少なくとも1つの凹凸320を含み、中央部132の多孔率よりも大きい多孔率を有する周辺部138を含み得る。
【0030】
[0041]
図6は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る誘電体プレート152を示す概略断面図である。幾つかの実施形態では、誘電体プレート152は、中央部132の材料とは異なる材料でできた1又は複数のコーティング610を含む。1又は複数のコーティング610は概して、約0.1電子ボルト(eV)よりも大きい活性化エネルギーを有する材料でできており、二次放出からの電子の増殖を低減又は防止するために電荷輸送を最小限に抑える。幾つかの実施形態では、1又は複数のコーティング610は、酸化チタン、窒化チタン、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、又は酸化クロムを含む。
【0031】
[0042]
図7は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る誘電体プレート152を示す概略断面図である。幾つかの実施形態では、1又は複数のコーティング610は、第1の層602と第2の層604の交互の層を含む。幾つかの実施形態では、第1の層602は窒化物層であり、第2の層604は酸化物層である。幾つかの実施形態では、第1の層602は酸化物層であり、第2の層604は窒化物層である。幾つかの実施形態では、第1の層602は窒化物層であり、第2の層604は金属層である。幾つかの実施形態では、第1の層602は金属層である。幾つかの実施形態では、酸化物層は、本質的に酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、又は酸化クロムから構成される。幾つかの実施形態では、窒化物層は、本質的に窒化チタンから構成される。幾つかの実施形態では、金属層は、本質的に銀(Ag)又は金(Au)から構成される。
【0032】
[0043]前述の内容は本開示の実施形態を対象としているが、その基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態を考案することが可能である。
【国際調査報告】