(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】半導体基板搬送容器内にパージ流体調整要素を設置する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
H01L21/68 T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535197
(86)(22)【出願日】2022-05-27
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 US2022031408
(87)【国際公開番号】W WO2023113861
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フラー, マシュー エー.
(72)【発明者】
【氏名】エグム, ショーン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】スミス, マーク ヴイ.
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131CA12
5F131GA14
5F131GA63
5F131GA73
5F131GA74
5F131GA76
5F131GA83
5F131GA84
5F131GA88
5F131GA92
5F131JA04
5F131JA15
5F131JA16
5F131JA23
5F131JA24
5F131JA25
5F131JA26
5F131JA27
5F131JA32
5F131JA35
(57)【要約】
半導体基板搬送容器の内部空間内にパージ流体調整要素を設置する方法が記載される。パージ流体調整要素は、容器の壁の1つに形成されたポートを通して半導体基板搬送容器の外側から設置され、ポートは、ポートを通してパージ流体調整要素を設置することにより、パージ流体調整要素が容器の内部空間に挿入されることを可能にするような大きさである。壁は、容器の底壁または容器の別の壁であってもよい。記載された方法は、容器の内部環境の人間汚染を引き起こす可能性があるパージ流体調整要素を容器の内側から設置する必要性を排除する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を画定する複数の壁を含み、半導体基板が前記内部空間に挿入され、前記内部空間から取り出されることを可能にするような大きさの開口部を有する半導体基板搬送容器の前記内部空間内にパージ流体調整要素を設置することを含む方法であって、前記パージ流体調整要素を設置することが、前記半導体基板搬送容器の外側から前記壁の1つに形成されたポートを通して前記パージ流体調整要素を設置することを含む、方法。
【請求項2】
前記複数の壁が底壁を含み、前記ポートが前記底壁に形成され、それによって前記パージ流体調整要素が前記半導体基板搬送容器の外側から前記底壁に形成された前記ポートを通して設置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記半導体基板搬送容器が、前面開口一体化ポッドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パージ流体調整要素が、ディフューザ、ゲッタ、またはフィルタを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記内部空間内に半導体基板が存在することなく、前記パージ流体調整要素を前記内部空間内に設置することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの半導体基板が前記内部空間内に存在する間に、前記パージ流体調整要素を前記内部空間内に設置することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記半導体基板がウェハまたはフラットパネルを含み、前記半導体基板搬送容器の前記内部空間が、その中に複数の前記ウェハまたはフラットパネルを受け入れるような大きさである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
半導体基板搬送容器の外側から前記半導体基板搬送容器のシェルの底壁に形成されたパージポートを通してパージ流体調整要素を挿入することにより、前記半導体基板搬送容器の内部空間に前記パージ流体調整要素を設置することを含む、方法。
【請求項9】
前記半導体基板搬送容器の前記内部空間が、その中に複数のウェハまたはフラットパネルを受け入れるような大きさである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記半導体基板搬送容器が、前面開口一体化ポッドを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記パージ流体調整要素が、ディフューザ、ゲッタ、またはフィルタを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記内部空間内に半導体基板が存在することなく、前記パージ流体調整要素を前記内部空間内に設置することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの半導体基板が前記内部空間内に存在する間に、前記パージ流体調整要素を前記内部空間内に設置することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの半導体基板が内部空間内に存在する間に、半導体基板搬送容器の前記内部空間内にパージ流体調整要素を設置することを含む、方法。
【請求項15】
前記半導体基板搬送容器の壁に形成されたポートを通して前記半導体基板搬送容器の外側から前記パージ流体調整要素を設置することを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術開示は、半導体基板搬送容器、例えば半導体製造に使用され、半導体基板搬送容器内にパージ流体調整要素を設置する半導体基板搬送容器に関する。
【背景技術】
【0002】
基板搬送容器は、半導体製造中に基板を搬送するために使用される。基板搬送容器は、通常、基板を保持するための内部空間を提供するシェルと、例えば処理設備の周りを容器が移動することができるように、様々なコンベヤおよび他のデバイスと連動するために使用されるプレートとを含む。
【発明の概要】
【0003】
半導体基板搬送容器の内部空間内にパージ流体調整要素を設置する方法が記載される。パージ流体調整要素は、容器の壁の1つに形成されたポートを通して半導体基板搬送容器の外側から設置される。ポートは、パージポートと呼ばれる場合があり、ポートは、ポートを通してパージ流体調整要素を設置することにより、パージ流体調整要素が容器の内部空間に挿入されることを可能にするような大きさである。壁は容器の任意の壁であってもよい。一実施形態では、壁は容器の底壁であってもよい。本明細書に記載されたようにパージ流体調整要素を設置することにより、容器の内部環境の人間汚染を引き起こす可能性がある従来の半導体基板搬送容器で必要とされる、容器の内側からパージ流体調整要素を設置する必要性が排除される。
【0004】
半導体基板搬送容器は、半導体製造中に半導体基板を保持し搬送するために使用される任意のタイプの容器であり得る。半導体基板搬送容器の一例には、前面開口一体化ポッド(FOUP)が含まれるが、それに限定されない。
【0005】
容器内に保持される半導体基板は、半導体製造に使用される任意の基板であり得る。本明細書に記載された容器内に配置することができる半導体基板の例は、ウェハおよび(フラットパネルなどの)パネル、ならびにそれらの組合せを含むことができるが、それらに限定されない。
【0006】
一実施形態では、本明細書に記載された方法は、内部空間を画定し、半導体基板が内部空間に挿入され、内部空間から取り外されることを可能にする大きさの開口部を有する複数の壁を含む半導体基板搬送容器の内部空間にパージ流体調整要素を設置することを含むことができる。パージ流体調整要素を設置することは、半導体基板搬送容器の外側から壁の1つに形成されたポートを通してパージ流体調整要素を設置することを含む。
【0007】
パージ流体調整要素は、容器の内部空間内の環境を調整する際に使用するために、ポートを通して内部空間に挿入可能な任意のタイプの要素であり得る。パージ流体調整要素の例には、ディフューザ、ゲッタ、フィルタ、これらの機能の1つまたは複数を組み合わせる要素などが含まれるが、それらに限定されない。
【0008】
別の実施形態では、本明細書に記載された方法は、半導体基板搬送容器の外側から半導体基板搬送容器のシェルの底壁、上壁、または側壁などのシェルの壁に形成されたポートを通してパージ流体調整要素を挿入することにより、半導体基板搬送容器の内部空間にパージ流体調整要素を設置することを含むことができる。
【0009】
さらに別の実施形態では、本明細書に記載された方法は、少なくとも1つの半導体基板が内部空間に存在する間に、半導体基板搬送容器の内部空間にパージ流体調整要素を設置することを含むことができる。この実施形態は、容器の外側から容器の壁のポートを通してパージ流体調整要素を設置する能力によって可能になる。しかしながら、別の実施形態では、パージ流体調整要素は、いかなる半導体基板も内部空間に存在することなく、半導体基板搬送容器の内部空間に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態による半導体基板搬送容器の正面斜視図である。
【
図2】
図1の半導体基板搬送容器の背面斜視図である。
【
図3】
図2の線3-3に沿って取られた半導体基板搬送容器の上面断面図である。
【
図4】容器内へのパージ流体調整要素の設置の開始を示す
図1と同様の図である。
【
図5】パージポートを介して容器の外側から
図1の半導体基板搬送容器内に設置されたパージ流体調整要素の一例を描写する図である。
【
図6】底壁を通るパージ流体調整要素の設置を描写する、
図1の半導体基板搬送容器の底面斜視図である。
【
図7】半導体基板搬送容器の別2の実施形態の正面斜視図である。
【
図8】容器内へのパージ流体調整要素の設置の開始を示す
図7と同様の図である。
【
図9】パージポートを介して容器の外側から
図7の半導体基板搬送容器内に設置されたパージ流体調整要素の一例を描写する図である。
【
図10】底壁を通るパージ流体調整要素の設置を描写する、
図7の半導体基板搬送容器の底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1~
図2を参照すると、半導体基板搬送容器10の一例が描写されている。一実施形態では、容器10はFOUPと呼ばれる場合がある。容器10は、第1の側壁14、第1の側壁14の反対側の第2の側壁16、上壁18、上壁18の反対側の底壁20(
図2では見えない)、および後壁22を含む複数の壁を有する容器シェル12を含む。壁は、複数の半導体基板26(1つの半導体基板26が
図3に破線で示されている)をその中に受け入れることができる大きさの内部空間24(
図2では見えない)を画定し、基板26は、基板26が互いに垂直に離間され、各基板26が上壁18および底壁20に実質的に平行に水平に配向される垂直に積み重ねられた配置である。一実施形態では、容器10は、24個の基板26を受け入れ保持するように構成することができるが、容器10は、より多数またはより少数の基板26を保持するように構成することができる。基板26は、任意の適切な方式で容器10内に保持することができる。FOUPなどの半導体基板搬送容器内に基板を保持するための技法は、当技術分野ではよく知られている。
【0012】
引き続き
図1および
図2を参照すると、容器10は、半導体基板26の各々を内部空間24から取り外し、内部空間に挿入することができる前面開口部30(
図1に見える)を有する前面28をさらに含む。加えて、機械インターフェースプレート32(
図2および
図6に最もよく見られる)がシェル12の底壁20に固定される。プレート32は、底壁20の一部と見なされるか、または底壁20から分離している場合がある。
【0013】
半導体基板26は、半導体製造に使用される任意の基板であり得る。本明細書に記載された容器10内に配置することができる半導体基板26の例は、ウェハおよび(フラットパネルなどの)パネル、ならびにそれらの組合せを含むことができるが、それらに限定されない。
図3は、基板26をウェハであるように描写している。
【0014】
基板容器10は、射出成形可能なポリマー材料を含むが、それらに限定されない1つまたは複数のポリマー材料から形成することができる。ポリマー材料は、1つまたは複数のポリオレフィン、1つまたは複数のポリカーボネート、1つまたは複数の熱可塑性ポリマーなどを含むことができるが、それらに限定されない。一実施形態では、基板容器10の一部または全部を射出成形することができる。1つまたは複数のポリマー材料は、炭素充填材を含むマトリクスを形成することができる。一実施形態では、1つまたは複数のポリマー材料は、基板容器10の取り扱いおよび使用中の粒子脱落を最小限に抑えるように選択することができる。
【0015】
図1および
図3を参照すると、少なくとも1つのパージポート40(またはポート40)は、底壁20を通って延在し、内部空間24に完全に開口している。図示された例では、容器10は、パージポート40のうちの2つを含むものとして描写されている。しかしながら、容器10は、単一のパージポート40または3つ以上のパージポート40を含むことができる。プレート32が存在する場合、開口部46(
図6に見える)は、開口部46を介してパージポート40へのアクセスを可能にするためにパージポート40と位置合わせされたプレート32に形成される。パージポート40は、形状が円形であるように描写されている。しかしながら、パージポート40は、長方形、正方形、三角形などを含むがそれらに限定されない任意の形状を有することができる。別の実施形態では、パージポート40のうちの1つまたは複数は、上壁18を通して、例えば、底壁20内のパージポート40の図示された位置の正反対の位置に形成される場合がある。上壁18に形成されたパージポートは、底壁20に形成されたパージポート40と同じ形状を有する場合があるか、または上壁18に形成されたパージポートは、底壁20に形成されたパージポートの形状とは異なる形状を有する場合がある。
【0016】
従来の半導体基板搬送容器では、パージ流体調整要素が手動で設置され、容器の内部空間の内側から従来のパージポート内に取り付けられる。言い換えれば、パージ流体調整要素を設置する人は、容器の内部空間の内側に手が届き、パージポート内に要素を設置する。しかしながら、これは、容器の内部環境の人間汚染を引き起こす可能性がある。
【0017】
対照的に、容器10のパージポート40は、容器10の外側からパージ流体調整要素42を挿入することにより、内部空間24に1つまたは複数のパージ流体調整要素42(
図4~
図6に見える)を設置することを可能にするように構成される。これにより、パージ流体調整要素42を設置するために容器10の内部空間24に人間がアクセスし進入する必要性が排除され、それにより、内部環境の人間汚染の可能性がある原因としてのそのような進入が排除される。別の実施形態では、上壁18のパージポートを通して、1つまたは複数のパージ流体調整要素を設置することができる。上壁18を通して設置されたパージ流体調整要素は、底壁20を通して設置されたパージ流体調整要素42と同じ構造を有することができるか、または上壁18を通して設置されたパージ流体調整要素は、底壁20を通して設置されたパージ流体調整要素42とは異なる構造を有することができる。
【0018】
詳細には、
図1および
図3を参照すると、容器10のパージポート40は、基板26の外周縁部の外側またはそれを越えて容器10の後部に配置され、後壁22の中央部分44の両側に配置される。しかしながら、ポート40は、容器10の壁、例えば底壁20または上壁18のいずれか1つに形成されたポート40を介して容器10の外側からパージ流体調整要素を設置することを可能にする任意の位置を有することができる。
【0019】
パージ流体調整要素42は、内部空間内の環境を調整する際に使用するために容器の内部空間に挿入可能な任意のタイプの要素であり得る。パージ流体調整要素42の例には、ディフューザ、ゲッタ、フィルタ、それらの組合せなどが含まれるが、それらに限定されない。パージ流体調整要素の例は、米国特許第9054144号および米国特許第10,347,517号に開示されている。
【0020】
図4~
図6に示された例では、パージ流体調整要素42は、ベース部分50(またはマウント)と、ベース部分50に取り付けられ、適切に設置されたときに内部空間24内に延在する調整部分52(またはタワー)とを含む。ベース部分50は、基板容器10に要素42を取り外し可能に取り付け、調整部分52は、パージポート40を通って上方に、かつ基板容器10の内部空間内に延在する。ベース部分50は、パージ流体調整要素42を容器10に取り外し可能に固定するために開口部46内に取り外し可能に嵌合するような大きさであり、調整部分52は、パージポート40を通って容器10の内部空間に延在するような大きさである。
図4~
図6は、ベース部分50および調整部分52を互いに分離可能であるように描写している。これにより、調整部分52の取り外しおよび交換が可能になる。
【0021】
ポート40および開口部46は、円形であるように描写されている。開口部46は、ポート40の直径よりも大きい直径を有する。調整部分52は、調整部分52がパージポート40を通って上方に、かつ基板容器10の内部空間内に延在することを可能にするために、ポート40の直径とほぼ等しい直径を有する。ベース部分50は、ベース部分50および要素42を容器10に固定するためにベース部分50が開口部46に嵌合することを可能にするために、開口部46の直径とほぼ等しい直径を有する。ベース部分50は、任意の適切なタイプの機械的接続または他の接続を介してプレート32および開口部46に接続することができる。
【0022】
図4および
図6に最もよく見られるように、ベース部分50は、その上部の流体ポート56と流体連通する流体ポート54をその基部に有するように描写されている。ポート54、56は、ベース部分50を通る流体の流れが、調整部分52を介して容器10の内部空間へのまたは内部空間からの流れを導くことを可能にする。図示された例では、ポート54の軸はベース部分50のほぼ中央に配置され、ポート56の軸はベース部分50の中心から外れ、したがってポート54の軸から外れる。調整部分52は、流体密封式にポート56に取り外し可能に取り付けられる。
【0023】
図5に最もよく見られるように、この実施形態では、ベース部分50の一部たりとも、容器10の内部空間24に露出しない。むしろ、パージポート40は、調整部分52のみがパージポート40内に延在し、底壁20の内面の上方に突出するような大きさである。
【0024】
図4および
図5を参照して、パージ流体調整要素42を設置する一例が記載される。最初に
図4を参照して、パージポート40が空であると仮定すると、流体調整要素52はベース部分50に固定され、パージ流体調整要素42は底壁20の下の位置に持ち込まれ、調整部分52が矢印の方向に底壁20のパージポート40を通って挿入されることを可能にし、ベース部分50が開口部46に挿入されることを可能にする。ポート40が基板26の周縁部の外側に位置するので、パージ流体調整要素42は、流体調整要素52が基板26に接触することなく基板26が存在する間にポート40を通して設置することができる。
【0025】
図5および
図6を参照すると、各要素42が完全に設置されると、ベース部分50は、要素42を定位置に取り外し可能に取り付ける開口部46内に配置され、調整部分52は、パージポート40を通って上方に、かつ内部空間24内に延在する。一実施形態では、要素42がディフューザとして構成されたとき、要素42が設置されると、パージ流体を要素42内に導くことができ、要素42はパージ流体を内部空間24内に分配する。
【0026】
一実施形態では、(
図4~
図6に示された)調整部分52の一部たりとも、ベース部分50の周縁部を越えて突出しない。加えて、ベース部分50および調整部分52を含むパージ流体調整要素42の一部たりとも、パージポート40を通して調整部分52を設置するとき、または容器10の使用中に半導体基板に接触しない。別の実施形態では、調整部分52が依然として半導体基板に接触することなく容器10の外部からパージポート40を通して設置され得る限り、調整部分52の一部はベース部分50の周縁部を越えて突出する場合がある。
【0027】
図7~
図10は、半導体基板搬送容器10、および容器10の外側からパージ流体調整要素42を設置する別の実施形態を描写する。
図1~
図6の要素と同様または同一であるこの実施形態の要素は、同じ参照番号を使用して参照される。
図7~
図10の実施形態は、流体調整要素42およびパージポート40の構造が
図1~
図6の実施形態とは異なる。
【0028】
図8および
図10を参照すると、ベース部分50および調整部分52は互いに一体である(すなわち、調整部分52はベース部分50から取り外し可能であるように意図されておらず、それによって調整部分52の交換はベース部分50の交換も必要とする)。加えて、この実施形態では、流体ポート56は、ポート54、56の軸が互いに同軸になるようにベース部分50の中心に置かれる。さらに、この実施形態におけるパージポート40の直径は、
図9に最もよく見られるように、その中に流体ポート56を受け入れることができるように、
図1~
図6のパージポート40の直径よりも大きい。
【0029】
図7~
図10のパージ流体調整要素42を設置する一例が記載される。最初に
図8および
図10を参照して、パージポート40が空であると仮定すると、パージ流体調整要素42は底壁20の下の位置に持ち込まれ、調整部分52は矢印の方向に底壁20のパージポート40を通って挿入され、ベース部分50は開口部46に挿入される。
図9を参照すると、各要素42が完全に設置されると、ベース部分50は、要素42を定位置に取り外し可能に取り付ける開口部46内に配置され、ベース部分50の流体ポート56は、パージポート40内に配置され、調整部分52は、パージポート40を通って上方に、かつ内部空間24内に延在する。一実施形態では、要素42がディフューザとして構成されたとき、要素42が設置されると、パージ流体を要素42内に導くことができ、要素42はパージ流体を内部空間24内に分配する。
図7~
図10のパージポートは
図1~
図6の実施形態よりも大きいが、パージ流体調整要素42は、調整部分52が容器10内に収容された基板に接触することなく、パージポート40を通して依然として設置することができる。
【0030】
図1~
図6および
図7~
図10のパージ流体調整要素42の調整部分52は、半導体基板搬送容器の外側から、底壁20などの壁の1つに形成されたパージポート40を通って、半導体基板搬送容器の内部空間内に設置される場合がある。別の実施形態では、パージ流体調整要素42の調整部分52は、少なくとも1つの半導体基板26が内部空間に存在する間に、または半導体基板26が内部空間に存在しない間に半導体基板搬送容器の内部空間内に設置することができる。パージ流体調整要素42は、手動で設置されるか、設置中にパージ流体調整要素42を保持する機械装置を使用して機械的に設置されるか、または手動設置と機械的設置の組合せによって設置することができる。
【0031】
本出願に開示された例は、すべての点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本発明の範囲は、前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内にあるすべての変更は、特許請求の範囲に包含されるように意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を画定する複数の壁を含み、半導体基板が前記内部空間に挿入され、前記内部空間から取り出されることを可能にするような大きさの開口部を有する半導体基板搬送容器の前記内部空間内にパージ流体調整要素を設置することを含む方法であって、前記パージ流体調整要素を設置することが、前記半導体基板搬送容器の外側から前記壁の1つに形成されたポートを通して前記パージ流体調整要素を設置することを含む、方法。
【請求項2】
半導体基板搬送容器の外側から前記半導体基板搬送容器のシェルの底壁に形成されたパージポートを通してパージ流体調整要素を挿入することにより、前記半導体基板搬送容器の内部空間に前記パージ流体調整要素を設置することを含む、方法。
【請求項3】
少なくとも1つの半導体基板が
半導体基板搬送容器の内部空間内に存在する間に、前記内部空間内にパージ流体調整要素を設置することを含む、方法。
【請求項4】
前記半導体基板搬送容器の壁に形成されたポートを通して前記半導体基板搬送容器の外側から前記パージ流体調整要素を設置することを含む、請求項
1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記内部空間内に半導体基板が存在することなく、前記パージ流体調整要素を前記内部空間内に設置することを含む、請求項1
から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの半導体基板が前記内部空間内に存在する間に、前記パージ流体調整要素を前記内部空間内に設置することを含む、請求項1
から3のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】