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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】微小環境のためのポリマーブレンド
(51)【国際特許分類】
   C08L 45/00 20060101AFI20241128BHJP
   C08L 23/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
C08L45/00
C08L23/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538247
(86)(22)【出願日】2022-12-19
(85)【翻訳文提出日】2024-08-07
(86)【国際出願番号】 US2022053389
(87)【国際公開番号】W WO2023122029
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/292,886
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ワイルド, アリッサ エー.
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002BB032
4J002BB122
4J002BB152
4J002BB162
4J002BB182
4J002BK001
4J002FD110
4J002GG01
4J002GQ00
(57)【要約】
半導体ウエハを保持するように構成されているシェル構造であって、上記微小環境は、シクロオレフィンコポリマーと1種または複数種のポリオレフィンポリマーとのブレンドを含む、シェル構造を含む、微小環境。上記ブレンドはさらに、ブレンドの導電性を高めるために、導電性材料、例えばカーボンナノチューブを含んでもよい。上記ブレンドは、衝撃剤、離型剤、および可塑剤を含まなくてもよい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小環境を含む物品であって、
半導体ウエハを保持するように構成されているシェル構造であって、
前記微小環境が、シクロオレフィンコポリマーと1種または複数種のポリオレフィンポリマーとのブレンドを含む、シェル構造を含む、物品。
【請求項2】
前記1種または複数種のポリオレフィンポリマーが、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、サーモポリオレフィン(TPO)、ポリオレフィンエラストマー(POE)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記1種または複数種のポリオレフィンポリマーが、シクロオレフィンコポリマーとポリオレフィンポリマーとのブレンドを1重量%から40重量%含有する、請求項1または2に記載の物品。
【請求項4】
前記微小環境が正面開口式カセット一体型搬送/保管箱(FOUP)である、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品。
【請求項5】
前記ブレンドがさらに導電率向上剤を含有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
前記導電率向上剤がカーボンナノチューブを含む、請求項5に記載の物品。
【請求項7】
前記ブレンドがASTM D 638により測定される少なくとも5%の破断伸び率を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
前記ブレンドが1グラムあたり1マイクログラム未満のアウトガスを有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項9】
前記ブレンドが衝撃改質物質を実質上含まない、請求項1から8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項10】
シクロオレフィンコポリマーとポリオレフィンポリマーとのブレンドを含有する正面開口式カセット一体型搬送/保管箱(FOUP)を含む物品であって、
前記ブレンドはポリオレフィンポリマーを1重量%から40重量%含み、前記ブレンドは1グラムあたり1マイクログラム未満のアウトガスを有する、物品。
【請求項11】
前記ブレンドが実質的にシクロオレフィンコポリマー、ポリオレフィンポリマー、およびカーボンナノチューブからなる、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
前記ブレンドがASTM D 638により測定される少なくとも5%の破断伸び率を有する、請求項10または11に記載の物品。
【請求項13】
前記ブレンドがASTM D 257により測定される1E5から1E10オーム/sqの表面抵抗を有する、請求項10から12のいずれか一項に記載の物品。
【請求項14】
シクロオレフィンコポリマーと1種または複数種のポリオレフィンポリマーとのブレンドを射出成形して微小環境のシェルを形成することを含む、方法。
【請求項15】
前記1種または複数種のポリオレフィンポリマーがポリオレフィンエラストマーを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、微小環境を形成するためのポリマーブレンドに関する。具体的には、シクロオレフィンコポリマー(COC)およびポリオレフィンポリマーを含むポリマーブレンドである。上記ポリオレフィンは、ポリオレフィン、環状オレフィンコポリマーエラストマー、または熱可塑性オレフィンエラストマーであってもよい。上記微小環境は、正面開口式カセット一体型搬送/保管箱(FOUP)を含んでもよい。
【0002】
優先権
本開示は、出願日が2021年12月22日である米国仮特許第63/292,886号の優先権を主張するものであり、その開示内容は全ての目的のために本開示において参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
半導体ウェハおよびレクチルを保管するための微小環境は、強度、清潔性、および導電性の組み合わせを要する。これらの容器の例は、正面開口式カセット一体型搬送/保管箱(front opening unified(またはuniversal)pod)(FOUP)を含む。FOUPは、保管中および輸送中に半導体ウエハを保護する。FOUPおよび同様の微小環境は、ウエハまたはその他の繊細なコンポーネントを保管するために用いられる環境を制御することができる。例えば、FOUPは、FOUP内部の環境の酸素または水の濃度(湿度)を低下させるために窒素または別のガスでパージすることができる。さらに、FOUPは、その中に含有する繊細なウエハまたはレクチルを保護することを目的として、静電荷の蓄積量を減らすために導電性であってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられているとおり、単数形「a」、「an」、および「the」は、本内容で明確に言及されない限り、複数の指示対象を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられているとおり、用語「または(or)」は、本内容で明確に言及されない限り、全体において、「および/または」を含むその意味で用いられる。本明細書で用いられているとおり、用語「約(about)」は、全体において、それに付随する値の+/-5%を含むように用いられる。
【0005】
本開示の範囲は、本明細書で与えられる例によってではなく、添付の特許請求の範囲およびその法的同等物によって決定されるべきである。例えば、あらゆる方法クレームに記載されたステップは、任意の順序で実行することができ、請求項に示された順序に限定されない。さらに、本明細書において「critical(臨界的な)」または「essential(必須の)」と明記されない限り、いかなる要素も本開示の実施に必須ではない。
【0006】
シクロオレフィンコポリマー(COC)は、高い透過性を含む優れた光学特性を有し、通常、アウトガス(outgassing)が少ない清潔な材料である。アウトガスとは、清潔なウエハを汚染しうるシェルおよび構造からの材料の放出である。アウトガスは、有機物またはポリマーの低分子量成分でありうる。アウトガスの例は、ポリマーへの添加剤(例えば、可塑剤、離型剤、等)ならびに低分子量成分、例えばポリマー中のオリゴマーを含みうる。
【0007】
しかし、COCは、微小環境に望まれる特性を供するために、改質が要求されうる。さらに、衝撃剤を含むCOCのブレンドのいくつかは、許容できないレベルのアウトガスを示すポリマーブレンドに終止した。COCは、FOUPならびにその他の高度に清潔なシェルおよび部材のための材料の候補である。しかし、衝撃強度の欠如および比較的低い破断伸び率は、これらの用途においてCOCの利用を制限してきた。
【0008】
FOUPおよび同様の微小環境用のCOCによりもたらされる課題に対する出願人の解決方法は、コンパウンド、例えば、ポリオレフィンを有するCOCのメルトブレンドを作ることである。COCは、ポリオレフィンとのマトリックスを形成する相溶性が良好である。COCとポリオレフィンとをブレンドすることは、COC単体と比較して溶融加工性を向上させうる。一部の例では、COCが加熱されてブレンドされた後、ポリオレフィンをCOCに加えてブレンドが形成される。多様なポリオレフィンは、COCとブレンドするのに好適であり、例えば、ポリエチレン(例えば、HDPE)、ポリプロピレン(PP)、サーモポリオレフィン(TPO)、ポリオレフィンエラストマー(POE)、環状ポリオレフィンエラストマー、およびそれらのブレンドである。ある実施形態では、ポリオレフィンの添加はCOCの展延性を上昇させ、硬度を低下させる。一部の実施形態では、上記ポリオレフィンはポリオレフィンエラストマーである。ある実施形態では、上記ポリオレフィンは、シクロオレフィンエラストマーである。ポリオレフィンエラストマーのいくつかの例は、これらに限定されないが、ポリイソブチレン(PIB)、ポリ(a-オレフィン)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、およびエチレンプロピレンジエンモノマー(Mクラス)ゴム(EPDMゴム)を含む。上記ポリオレフィンは、ポリオレフィンとCOCとのブレンドの1重量%から40重量%であってもよい。ある実施形態では、上記ポリオレフィンは、ポリオレフィンとCOCとのブレンドの5重量%から20重量%であってもよい。
【0009】
COCとポリオレフィンとのブレンドからのFOUPの形成は、いくつかの利点を与える。溶融加工が可能である多種多様の好適なポリオレフィンが存在する。好適なポリオレフィンは、様々な特性と共に、多様な分子量分布を有する。例えば、上記ポリオレフィンはポリオレフィンエラストマーであってもよい。ポリオレフィンは、COCと良好な相溶性を有する。これは、特定のブレンドの機能であるそれぞれの特性を有する様々なブレンドを可能とする。得られるブレンドの特性を調節するこの性能は、FOUP用の材料の設計に柔軟性を与える。具体的には、上記ブレンドは、より大きな衝撃強度および柔軟性を与えるために、より多量のポリオレフィンを有してもよい。上記ブレンドは、剛性および引張強度を与え、上記ブレンドのガラス転移温度を調節するために、より多量のCOCを有してもよい。一部の実施形態では、上記ポリオレフィンは複数のポリオレフィンである。例えば、上記ポリオレフィンは、HDPEおよびシクロオレフィンエラストマーの両方を含有してもよい。
【0010】
上記ブレンドは、導電率向上剤、例えばカーボンナノチューブ、カーボンブラック、炭素繊維等を含有してもよい。ある実施形態では、カーボンナノチューブは、ブレンドの5重量%未満を構成する。別の実施形態は、カーボンブラックは、ブレンドの10重量%から20重量%を構成する。使用された場合、炭素繊維は、ブレンドの最大15重量%であってもよい。
【0011】
一部の実施形態では、衝撃改質剤は、例えば、ブレンドの最大15重量%でブレンドに使用してもよい。好適な衝撃改質剤は、ブロックスチレンおよび/またはエチレンブロック衝撃改質剤を含む。一部の実施形態では、衝撃改質剤は、ポリオレフィンマトリックス中でゴム粒子から構成される。
【0012】
その他の一部の実施形態では、上記ブレンドは衝撃改質剤を含まない。例えば、上記ブレンドは、追加の材料を含まない、COC、1種または複数種のポリオレフィン、および導電率向上剤の組合せから作製することができる。上記ブレンドは、可塑剤を含まなくてもよい。上記ブレンドは、離型剤を含まなくてもよい。
【0013】
上記ブレンドは、従来のプロセスを用いて混練し、射出成形してもよい。混練は、二軸混練機を用いて実施することができ、得られるブレンドはペレット化される。ある実施形態では、COCは、投入口で供給され、ポリオレフィンは後でメルトに加えられる。同様に、上記ブレンドの導電性成分、衝撃改質剤、またはそれらの組合せは、混練プロセスの後ろの時点でメルトに加えることができる。その後、単軸成形システムで成形を実施することができる。
【0014】
上記ブレンドは、微小環境の部材(例えば、シェル、ドア)の成形に使用することができる。上記の微小環境は、FOUPまたはレクチルポッドを有していてもよい。一部の実施形態では、上記微小環境は、加工中の半導体ウエハを機械的かつ電気的に保護するように設計される。上記微小環境は、ウエハまたはその他の繊細なコンポーネントの保管および/または輸送に使用することができる。
【0015】
開示されたCOCとポリオレフィンとのブレンドは、成形された微小環境のアウトガスを低減する。一部の実施形態では、上記ブレンドは1グラムあたり1マイクログラム未満のアウトガスを有する。上記ブレンドは低いアウトガス、例えば、1グラムあたり500ナノグラム未満を有し得る。低いアウトガスは、微小環境中で保管される材料の低下した汚染度と関連している。
【0016】
開示されたCOCとポリオレフィンとのブレンドは、得られる微小環境における強度特性を向上させることを可能とする。一部の実施形態では、上記ブレンドは少なくとも1メートルあたり60ジュールのアイゾッドノッチ付き衝撃強度を有する。上記ブレンドのアイゾッドノッチ付き衝撃強度は、少なくとも1メートルあたり90ジュールであってもよい。上記衝撃強度は、ASTM D 256に従って試験することができる。衝撃強度が高い場合、微小環境の機械強度に有利となりうる。
【0017】
一部の実施形態では、上記ブレンドは1E5から1E10オーム/sqの表面抵抗を有する。表面抵抗は、ASTM D 257に従って測定することができる。表面抵抗が低い場合、静電気放電が容易となりうるため、微小環境中のコンポーネントを保護することができる。
【0018】
一部の実施形態では、上記ブレンドは、280℃および6.7kgで10分あたり2から9グラムの間のメルトフローレート(MFR)を有する。メルトフローレートの制御は、微小環境の成形に重要でありうる。
【0019】
一部の実施形態では、上記ブレンドは約1.01の比重を有する。一部の例では、高い比重を有する成形部材の方が、低い比重を有する部材よりも良好に機能した。比重は、ASTM 792を用いて測定することができる。
【0020】
もう1つの有用な試験は、ASTM D 955により評価される成形収縮率である。一部の実施形態では、成形収縮率は1.0%未満、例えば、約0.5%、または0.3%から0.7%の間である。
【0021】
一部の実施形態では、引張強度、引張モジュラス、および破断伸び率は有用なデータであり、引張強度が高く、引張モジュラスが高く、および破断伸び率が高いことが好ましい。多くの場合、高い引張強度は低下した破断伸び率と関連するため、これらの2つの要件が互いに不利に作用する傾向にある。しかし、材料が展延性を有し、耐衝撃性を有するように、破断伸び率のレベルを維持することが望ましくありうる。これらの因子の試験は、ASTM D 638に従がって実施することができる。上記ブレンド中のポリオレフィン材料の包含は、展延性および破断伸び率を上昇させうる。
【0022】
一部の実施形態では、曲げ強さおよび曲げモジュラスは、微小環境を評価する際に測定するための有用なパラメーターでありうる。通常、曲げ強さが大きく、および曲げモジュラスが大きいことが好ましい。
【0023】
ある実施形態では、ブレンドは、シクロオレフィンコポリマーを69から82重量%含んでもよい。上記ブレンドは、ポリオレフィンを15から20重量%含んでもよい。上記ブレンドはさらに、オレフィンブロックコポリマーを2から6重量%、およびカーボンナノチューブを1から5重量%含んでもよい。これらの範囲内のブレンドの試験は、微小環境を構成するのに好適な優れた機械物性、成形性、およびその他の特性を有する組成を与えた。一部の例では、これらは実質上組成の全ての成分であり、すなわち、離型剤も含有せず、衝撃剤も含有しない、等である。一部の実施形態では、上記ブレンドは、追加の成分を含まない上記の組成からなる。
【0024】
ある実施形態では、ブレンドは、約76.75重量%のシクロオレフィンコポリマー、約18重量%のポリオレフィン、約2.5重量%のオレフィンブロックコポリマー、および約2.75重量%のカーボンナノチューブを含む。上記ブレンドは、その他の成分を実質上含まない。一部の実施形態では、上記ブレンドは、上記の成分からなる。上記ブレンドは、微小環境に好適な柔軟性、強度、および清潔性の望ましい組合せを与えうる。
【0025】
態様
態様1から9のいずれも、態様10から13、または14もしくは15と組み合わせることができる。態様10から13のいずれも、態様14または15と組み合わせることができる。
【0026】
態様1:
微小環境を含む物品であって、半導体ウエハを保持するように構成されているシェル構造であって、上記微小環境が、シクロオレフィンコポリマーと1種または複数種のポリオレフィンポリマーとのブレンドを含む、シェル構造を含む、物品。
【0027】
態様2:
1種または複数種のポリオレフィンポリマーが、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、サーモポリオレフィン(TPO)、ポリオレフィンエラストマー(POE)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、態様1の物品。
【0028】
態様3:
1種または複数種のポリオレフィンポリマーが、シクロオレフィンコポリマーとポリオレフィンポリマーとのブレンドを1重量%から40重量%含有する、態様1または2の物品。
【0029】
態様4:
微小環境が正面開口式カセット一体型搬送/保管箱(FOUP)である、態様1から3のいずれか一つの物品。
【0030】
態様5:
ブレンドがさらに導電率向上剤を含有する、態様1から4のいずれか一つの物品。
【0031】
態様6:
導電率向上剤がカーボンナノチューブを含む、態様5の物品。
【0032】
態様7:
ブレンドがASTM D 638により測定される少なくとも5%の破断伸び率を有する、態様1から6のいずれか一つの物品。
【0033】
態様8:
ブレンドが1グラムあたり1マイクログラム未満のアウトガスを有する、態様1から7のいずれか一つの物品。
【0034】
態様9:
ブレンドが衝撃改質物質を実質上含まない、態様1から8のいずれか一つの物品。
【0035】
態様10:
シクロオレフィンコポリマーとポリオレフィンポリマーとのブレンドを含有する正面開口式カセット一体型搬送/保管箱(FOUP)を含む物品であって、
上記ブレンドはポリオレフィンポリマーを1重量%から40重量%含み、上記ブレンドは1グラムあたり1マイクログラム未満のアウトガスを有する、物品。
【0036】
態様11:
ブレンドが実質的にシクロオレフィンコポリマー、ポリオレフィンポリマー、およびカーボンナノチューブからなる、態様10の物品。
【0037】
態様12:
ブレンドがASTM D 638により測定される少なくとも5%の破断伸び率を有する、態様10または11の物品。
【0038】
態様13:
ブレンドがASTM D 257により測定される1E5から1E10オーム/sqの表面抵抗を有する、態様10から12のいずれか一つの物品。
【0039】
態様14:
シクロオレフィンコポリマーと1種または複数種のポリオレフィンポリマーとのブレンドを射出成形して微小環境のシェルを形成することを含む、方法。
【0040】
態様15:
1種または複数種のポリオレフィンポリマーがポリオレフィンエラストマーを含む、態様14の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハを保持するように構成されているシェル構造を含む微小環境を含む物品であって、
前記微小環境が、シクロオレフィンコポリマーと1種または複数種のポリオレフィンポリマーとのブレンドを含む、物品。
【請求項2】
前記1種または複数種のポリオレフィンポリマーが、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、サーモポリオレフィン(TPO)、ポリオレフィンエラストマー(POE)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記ブレンドが1グラムあたり1マイクログラム未満のアウトガスを有する、請求項に記載の物品。
【請求項4】
シクロオレフィンコポリマーとポリオレフィンポリマーとのブレンドを含有する正面開口式カセット一体型搬送/保管箱(FOUP)を含む物品であって、
前記ブレンドはポリオレフィンポリマーを1重量%から40重量%含み、前記ブレンドは1グラムあたり1マイクログラム未満のアウトガスを有する、物品。
【請求項5】
シクロオレフィンコポリマーと1種または複数種のポリオレフィンポリマーとのブレンドを射出成形して微小環境のシェルを形成することを含む、方法。
【国際調査報告】