(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-09
(54)【発明の名称】複素環化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 413/04 20060101AFI20241202BHJP
C07D 487/04 20060101ALI20241202BHJP
A61K 31/423 20060101ALI20241202BHJP
A61K 31/4188 20060101ALI20241202BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20241202BHJP
A61K 31/428 20060101ALI20241202BHJP
A61K 31/427 20060101ALI20241202BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20241202BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20241202BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20241202BHJP
A61P 43/00 20060101ALN20241202BHJP
【FI】
C07D413/04 CSP
C07D487/04 138
A61K31/423
A61K31/4188
C07D519/00 311
A61K31/428
A61K31/427
C07D519/00 301
A61K31/437
C07D487/04 140
A61K31/519
C07D471/04 108X
C07D487/04 136
A61P43/00 111
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534785
(86)(22)【出願日】2023-10-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 IB2023060928
(87)【国際公開番号】W WO2024095133
(87)【国際公開日】2024-05-10
(32)【優先日】2022-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】服部 靖志
(72)【発明者】
【氏名】ピラ マリレナ
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 吉輝
(72)【発明者】
【氏名】竹内 公平
(72)【発明者】
【氏名】木村 英司
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼永 礼仁
(72)【発明者】
【氏名】池田 周平
(72)【発明者】
【氏名】パヴリチェック マーティン アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】手塚 則亨
(72)【発明者】
【氏名】帆足 保孝
(72)【発明者】
【氏名】宮野鼻 悠平
(72)【発明者】
【氏名】梶田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】小池 竜樹
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC68
4C086CB03
4C086CB05
4C086CB22
4C086GA07
4C086GA09
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、オレキシン2型受容体作動活性を有する複素環化合物を提供する。
式(I):
[式中、各記号は明細書記載のとおりである。]
で表される化合物またはその塩は、ナルコレプシーの予防または治療剤として有用である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中、
X
1は、NR
8、またはCR
9であり;
X
2は、O、NR
10、またはSであり;
X
3およびX
4は、共にCであるか、あるいはX
3およびX
4の一方はNかつ他方はCであり;
X
5は、CR
11またはNであり;
X
6は、CR
12であり;
X
7は、CR
13またはNであり;
X
8は、CR
14またはNであり;
X
9は、CR
2またはNであり;
X
10は、CR
15またはNであり;
R
1は、置換されていてもよいC
1-6アルキル基、置換されていてもよいC
3-10シクロアルキル基、または置換されていてもよいモノ-またはジ-C
1-6アルキルアミノ基であり;
R
2およびR
3は、それぞれ独立して、水素原子、または置換されていてもよいC
1-6アルキル基であるか、あるいは
rが0のとき、R
2およびR
3は、互いに一緒になって、結合を形成してもよく、あるいは
X
10がCR
15のとき、R
3は、R
15と一緒になって、結合を形成してもよく;
R
4は、水素原子、置換されていてもよいC
1-6アルキル基、置換されていてもよいC
1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基であり;
R
5は、置換されていてもよい4、5または6員単環基であり;
R
6およびR
7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または置換されていてもよいC
1-6アルキル基であり;
mは、0または1であり;
qは、1または2であり;
rは、0または1であり;
R
9、R
11、R
12、およびR
13は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいC
1-6アルキル基、ハロゲン原子、置換されていてもよいC
3-6シクロアルキル基、置換されていてもよい3ないし7員含窒素複素環基、置換されていてもよいC
1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基であり;
R
8およびR
10は、それぞれ独立して、存在しないか、あるいは水素原子および置換されていてもよいC
1-6アルキル基から選ばれ;および
R
14は、水素原子、ハロゲン原子、または置換されていてもよいC
1-6アルキル基であり;
R
15は、水素原子、ハロゲン原子、または置換されていてもよいC
1-6アルキル基であるか、あるいは
R
15は、R
3と一緒になって、結合を形成してもよい;]
で表される化合物、またはその塩。
【請求項2】
mが0であり;qが1であり;かつrが0である;
請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項3】
mが1であり;qが1であり;かつrが0である;
請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項4】
mが0であり;qが1であり;かつrが1である;
請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項5】
mが0であり;qが2であり;かつrが0である;
請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項6】
X
1が、NR
8(式中、R
8は、存在しない。)であり;
X
2が、Oであり;
X
3およびX
4が、共にCであり;
X
5が、CR
11またはN(式中、R
11は、水素原子である。)であり;
X
6が、CR
12(式中、R
12は、水素原子、C
1-6アルキル基、またはハロゲン原子である。)であり;かつ
X
7が、CR
13(式中、R
13は、水素原子、またはハロゲン原子である。)である;
請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項7】
X
8が、Nであり;
X
9が、CR
2(式中、R
2は、水素原子であるか、あるいはrが0のとき、R
2は、R
3と一緒になって、結合を形成してもよい。)であり;かつ
X
10が、Nである;
請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項8】
R
1が、
(1)(i) ハロゲン原子、
(ii) C
1-6アルコキシ基、および
(iii) C
3-6シクロアルキル基
から独立して選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基、
(2) C
3-10シクロアルキル基、または
(3) モノ-またはジ-C
1-6アルキルアミノ基
であり;
R
2およびR
3が、それぞれ独立して、水素原子、またはC
1-6アルキル基であるか、あるいは
rが0のとき、R
2およびR
3が、互いに一緒になって、結合を形成してもよく、あるいは
X
10がCR
15のとき、R
3が、R
15と一緒になって、結合を形成し;
R
4が、水素原子、C
1-6アルキル基、C
1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基であり;
R
5が、フェニル、ピラゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、ピペリジル、またはシクロブチルであり、それらのいずれも、C
1-6アルキル基、ハロゲン原子、ハロ(C
1-6)アルキル基、およびC
1-6アルコキシ基から独立して選ばれる1個以上の置換基で置換されていてもよく;
R
6およびR
7が、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはC
1-6アルキル基であり;
X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、およびX
7が、以下:
(i) X
1がNR
8でありR
8が存在せず、X
2がOであり;X
3およびX
4が共にCであり、X
5がCR
11であり、X
6がCR
12であり、かつX
7がCR
13である;
(ii) X
1がNR
8でありR
8が存在せず、X
2がOであり、X
3およびX
4が共にCであり、X
5がNであり、X
6がCR
12であり、かつX
7がCR
13である;
(iii) X
1がNR
8でありR
8が存在せず、X
2がOであり、X
3およびX
4が共にCであり、X
5がCR
11であり、X
6がCR
12であり、かつX
7がNである;
(iv) X
1がNR
8でありR
8が存在せず、X
2がSであり、X
3およびX
4が共にCであり、X
5がNであり、X
6がCR
12であり、かつX
7がCR
13である;
(v) X
1がNR
8でありR
8が存在せず、X
2がSであり;X
3およびX
4が共にCであり、X
5がCR
11であり、X
6がCR
12であり、かつX
7がCR
13である;
(vi) X
1がNR
8でありX
2がNR
10であり、かつR
8およびR
10の一方が存在せずR
8およびR
10の他方がC
1-6アルキル基であり、X
3およびX
4が共にCであり、X
5がCR
11であり、X
6がCR
12であり、かつX
7がCR
13である;
(vii) X
1がCR
9であり、X
2がNR
10でありR
10が存在せず、X
3がNであり、X
4がCであり、X
5がCR
11であり、X
6がCR
12であり、かつX
7がCR
13である;および
(viii) X
1がCR
9であり、X
2がNR
10でありR
10が存在せず、X
3がCであり、X
4がNであり、X
5がCR
11であり、X
6がCR
12であり、かつX
7がCR
13である
の1つである環系を形成するように選択され;
X
8、X
9、X
10、m、q、およびrが、以下:
(i) X
8がNであり、X
9がCR
2であり、X
10がNであり、mが0であり、qが1であり、かつrが0である;
(ii) X
8がNであり、X
9がCR
2であり、X
10がNであり、mが1であり、qが1であり、かつrが0である;
(iii) X
8がNであり、X
9がCR
2であり、X
10がNであり、mが0であり、qが1であり、かつrが1である;
(iv) X
8がNであり、X
9がNであり、X
10がCR
15であり、mが0であり、qが1であり、かつrが0である;
(v) X
8がCR
14であり、X
9がCR
2であり、X
10がNであり、mが0であり、qが1であり、かつrが0である;および
(vi) X
8がNであり、X
9がCR
2であり、X
10がNであり、mが0であり、qが2であり、かつrが0である
の1つである環系を形成するように選択され;
R
9、R
11、R
12、およびR
13が、それぞれ独立して、水素原子、C
1-6アルキル基、ハロゲン原子、C
3-6シクロアルキル基、C
3-6シクロアルキル(C
1-6)アルコキシ基、ハロ(C
1-6)アルキル基、ハロ(C
1-6)アルコキシ基、C
1-6アルコキシ(C
1-6)アルキル基、アゼチジニル基、C
1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、およびヒドロキシ(C
1-6)アルキル基から選ばれ;かつ
R
14が、水素原子、ハロゲン原子、またはC
1-6アルキル基であり;かつ
R
15が、R
3と一緒になって、結合を形成する;
請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項9】
下記式:
【化2】
(式中の各記号は、請求項1と同義である。)
で表される部分構造が、下記式:
【化3】
(式中の各記号は、請求項1と同義である。)
で表される部分構造の1つである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
化合物が、式(Ia):
【化4】
[式中、
R
1は、C
1-6アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、またはモノ-C
1-6アルキルアミノ基であり;
rは、0または1であり;
R
2およびR
3は、それぞれ独立して、水素原子であるか、あるいは
rが0のとき、R
2およびR
3は、互いに一緒になって、結合を形成してもよく;
R
4は、水素原子であり;
R
5は、1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基であり;
R
6およびR
7は、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子であり;
X
5は、CHまたはNであり;および
R
12およびR
13は、それぞれ独立して、水素原子、C
1-6アルキル基、またはハロゲン原子である;]
で表される、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項11】
R
1が、C
1-6アルキル基であり;
rが、0または1であり;
R
2およびR
3が、それぞれ、水素原子であるか、あるいは
rが0のとき、R
2およびR
3が、互いに一緒になって、結合を形成してもよく;
R
4が、水素原子であり;
R
5が、1ないし3個のハロゲン原子で置換されたフェニル基であり;
R
6およびR
7が、それぞれ、ハロゲン原子であり;
X
5が、CHであり;かつ
R
12およびR
13が、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子である;
請求項10に記載の化合物、またはその塩。
【請求項12】
化合物が、式(Ib):
【化5】
[式中、
R
1は、置換されていてもよいC
1-6アルキル基、置換されていてもよいC
3-10シクロアルキル基、または置換されていてもよいモノ-またはジ-C
1-6アルキルアミノ基であり;
R
2およびR
3は、それぞれ独立して、水素原子、または置換されていてもよいC
1-6アルキル基であるか、あるいは
R
2およびR
3は、互いに一緒になって、結合を形成し;
R
4は、水素原子、置換されていてもよいC
1-6アルキル基、置換されていてもよいC
1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基であり;
R
5は、置換されていてもよい5または6員単環基であり;
R
6およびR
7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または置換されていてもよいC
1-6アルキル基であり;
mは、0または1であり;
qは、1または2であり;
X
1は、NR
8、またはCR
9であり;
X
2は、O、NR
10、またはSであり;
X
3およびX
4は、共にCであるか、あるいはX
3およびX
4の一方はNかつ他方はCであり;
X
5は、CR
11またはNであり;
X
6は、CR
12であり;
X
7は、CR
13またはNであり;
R
9、R
11、R
12、およびR
13は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいC
1-6アルキル基、ハロゲン原子、置換されていてもよいC
3-6シクロアルキル基、置換されていてもよい3ないし7員含窒素複素環基、置換されていてもよいC
1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基であり;および
R
8およびR
10は、それぞれ独立して、存在しないか、あるいは水素原子および置換されていてもよいC
1-6アルキル基から選ばれる;]
で表される、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項13】
R
1が、
(1)(i) ハロゲン原子、
(ii) C
1-6アルコキシ基、および
(iii) C
3-6シクロアルキル基
から独立して選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル基、
(2) C
3-10シクロアルキル基、または
(3) モノ-またはジ-C
1-6アルキルアミノ基
であり;
R
2およびR
3が、それぞれ独立して、水素原子、またはC
1-6アルキル基であるか、あるいはR
2およびR
3が、互いに一緒になって、結合を形成し;
R
4が、水素原子、C
1-6アルキル基、C
1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基であり;
R
5が、フェニル、ピラゾリル、フリル、チエニルまたはチアゾリルであり、それらのいずれも、C
1-6アルキル基、ハロゲン原子、ハロ(C
1-6)アルキル基、およびC
1-6アルコキシ基から独立して選ばれる1個以上の置換基で置換されていてもよく;
mが、0または1であり;
qが、1または2であり;
R
6およびR
7が、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはC
1-6アルキル基であり;
X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、およびX
7が、以下:
(i) X
1がNR
8でありR
8が存在せず、X
2がOであり;X
3およびX
4が共にCであり、X
5がCR
11であり、X
6がCR
12であり、かつX
7がCR
13である;
(ii) X
1がNR
8でありR
8が存在せず、X
2がOであり、X
3およびX
4が共にCであり、X
5がNであり、X
6がCR
12であり、かつX
7がCR
13である;
(iii) X
1がNR
8でありR
8が存在せず、X
2がOであり、X
3およびX
4が共にCであり、X
5がCR
11であり、X
6がCR
12であり、かつX
7がNである;
(iv) X
1がNR
8でありR
8が存在せず、X
2がSであり、X
3およびX
4が共にCであり、X
5がNであり、X
6がCR
12であり、かつX
7がCR
13である;
(v) X
1がNR
8でありR
8が存在せず、X
2がSであり;X
3およびX
4が共にCであり、X
5がCR
11であり、X
6がCR
12であり、かつX
7がCR
13である;
(vi) X
1がNR
8でありX
2がNR
10であり、かつR
8およびR
10の一方が存在せずR
8およびR
10の他方がC
1-6アルキル基であり、X
3およびX
4が共にCであり、X
5がCR
11であり、X
6がCR
12であり、かつX
7がCR
13である;
(vii) X
1がCR
9であり、X
2がNR
10でありR
10が存在せず、X
3がNであり、X
4がCであり、X
5がCR
11であり、X
6がCR
12であり、かつX
7がCR
13である;および
(viii) X
1がCR
9であり、X
2がNR
10でありR
10が存在せず、X
3がCであり、X
4がNであり、X
5がCR
11であり、X
6がCR
12であり、かつX
7がCR
13である
の1つである環系を形成するように選択され;かつ
R
9、R
11、R
12、およびR
13が、それぞれ独立して、水素原子、C
1-6アルキル基、ハロゲン原子、C
3-6シクロアルキル基、C
3-6シクロアルキル(C
1-6)アルコキシ基、ハロ(C
1-6)アルキル基、ハロ(C
1-6)アルコキシ基、C
1-6アルコキシ(C
1-6)アルキル基、アゼチジニル基、C
1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、およびヒドロキシ(C
1-6)アルキル基から選ばれる;
請求項12に記載の化合物、またはその塩。
【請求項14】
化合物が、式(Ic):
【化6】
[式中、
R
1は、C
1-6アルキル基、またはモノ-C
1-6アルキルアミノ基であり;
R
2およびR
3は、それぞれ、水素原子であるか、あるいはR
2およびR
3は、互いに一緒になって、結合を形成し;
R
4は、水素原子であり;
R
5は、1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基であり;
R
6およびR
7は、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子であり;
X
5は、CHまたはNであり;および
R
12およびR
13は、それぞれ独立して、水素原子、C
1-6アルキル基、またはハロゲン原子である;]
で表される、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項15】
R
1が、C
1-6アルキル基であり;
R
2およびR
3が、それぞれ、水素原子であるか、あるいはR
2およびR
3が、互いに一緒になって、結合を形成し;
R
4が、水素原子であり;
R
5が、1ないし3個のハロゲン原子で置換されたフェニル基であり;
R
6およびR
7が、それぞれ、ハロゲン原子であり;
X
5が、CHであり;かつ
R
12およびR
13が、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子である;
請求項14に記載の化合物、またはその塩。
【請求項16】
化合物が、以下:
N-{(6S,7aS)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド;
N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド;
N-{(6S,7aS)-2-[6-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド;
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-2-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-2-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(4aR,6R)-5,5-ジフルオロ-1-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]オクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(4aR,6R)-2-[5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-5,5-ジフルオロ-1-オキソオクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(4aR,6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-5,5-ジフルオロ-1-オキソオクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミド;および
N-{(6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド;
からなる群から選ばれる、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項17】
請求項1ないし16のいずれか1項に記載の化合物またはその塩を含む、医薬。
【請求項18】
オレキシン2型受容体作動薬である、請求項17に記載の医薬。
【請求項19】
ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー様症状を伴うナルコレプシー症候群、日中の過眠を伴う過眠症症候群、アルツハイマー病、肥満症、インスリン抵抗性症候群、心不全、骨量減少に関わる疾患、敗血症、意識障害、または麻酔による副作用や合併症の予防または治療剤である、請求項17に記載の医薬。
【請求項20】
ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、または睡眠時無呼吸症候群の予防または治療剤である、請求項17に記載の医薬。
【請求項21】
ナルコレプシーの予防または治療剤である、請求項17に記載の医薬。
【請求項22】
治療有効量の請求項1ないし16のいずれか1項に記載の化合物またはその塩を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む、当該哺乳動物におけるオレキシン2型受容体と関連した疾患または障害の予防または治療方法。
【請求項23】
疾患または障害が、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー様症状を伴うナルコレプシー症候群、日中の過眠を伴う過眠症症候群、アルツハイマー病、肥満症、インスリン抵抗性症候群、心不全、骨量減少に関わる疾患、敗血症、意識障害、および麻酔による副作用や合併症から選ばれる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
疾患または障害が、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、および睡眠時無呼吸症候群から選ばれる、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
疾患または障害が、ナルコレプシーである、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
治療法における使用のための、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
【請求項27】
治療法が、オレキシン2型受容体と関連した疾患または障害の治療を含む、請求項26に記載の化合物または塩。
【請求項28】
疾患または障害が、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー様症状を伴うナルコレプシー症候群、日中の過眠を伴う過眠症症候群、アルツハイマー病、肥満症、インスリン抵抗性症候群、心不全、骨量減少に関わる疾患、敗血症、意識障害、および麻酔による副作用や合併症からなる群から選ばれる、請求項27に記載の化合物または塩。
【請求項29】
疾患または障害が、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、および睡眠時無呼吸症候群からなる群から選ばれる、請求項27に記載の化合物または塩。
【請求項30】
疾患または障害が、ナルコレプシーである、請求項27に記載の化合物または塩。
【請求項31】
オレキシン2型受容体と関連した疾患または障害の治療のための医薬の製造における、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の化合物またはその塩の使用。
【請求項32】
疾患または障害が、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー様症状を伴うナルコレプシー症候群、日中の過眠を伴う過眠症症候群、アルツハイマー病、肥満症、インスリン抵抗性症候群、心不全、骨量減少に関わる疾患、敗血症、意識障害、および麻酔による副作用や合併症からなる群から選ばれる、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
疾患または障害が、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、および睡眠時無呼吸症候群からなる群から選ばれる、請求項31に記載の使用。
【請求項34】
疾患または障害が、ナルコレプシーである、請求項31に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複素環化合物、特にオレキシン2型受容体作動活性を有する複素環化合物に関する。
【0002】
(発明の背景)
オレキシンは、脳視床下部外側野およびその周辺領域に散在する特定の神経細胞で特異的に産生される神経ペプチドであり、オレキシンAとオレキシンBの二つのサブタイプからなる。オレキシンAとオレキシンBは、ともに主として脳内に存在するGタンパク質共役受容体であるオレキシン受容体の内在性リガンドで、オレキシン受容体には1型と2型の2種類のサブタイプが知られている(非特許文献1)。
【0003】
オレキシンを産生する神経細胞(オレキシン神経細胞)は摂食中枢近傍に局在し、オレキシンペプチドを脳室内投与すると摂食量の増加が認められることから、発見当初、オレキシンは摂食調節作用を有する神経ペプチドとして注目されたが、その後、イヌ・ナルコレプシーの原因がオレキシン2型受容体の遺伝子変異であることが報告され(非特許文献2)、オレキシンの睡眠・覚醒制御における役割もまた、研究されている。
【0004】
オレキシン神経細胞を変性させたトランスジェニックマウスと、このマウスとオレキシン過剰発現トランスジェニックマウスとを掛け合わせたダブルトランスジェニックマウスを用いた研究等から、オレキシン神経細胞の変性によって出現するナルコレプシー様の症状がオレキシンの持続的な発現により消失することが観察された。同様にオレキシン神経細胞を変性させたトランスジェニックマウスにオレキシンペプチドを脳室内投与した場合にナルコレプシー様の症状の改善が認められた(非特許文献3)。また、オレキシン2型受容体ノックアウトマウスの研究により、オレキシン2型受容体が覚醒を維持するために重要である事が示唆されている(非特許文献4、非特許文献5)。このような背景から、オレキシン2型受容体作動薬は、ナルコレプシー治療薬やその他の過眠を呈する睡眠障害の治療薬になる事が示唆されている(非特許文献6)。
【0005】
また、オレキシン2型受容体に選択的に作用するペプチド性の作動薬はマウスの高脂肪食負荷による肥満を改善する事が示唆されている(非特許文献7)。
また、オレキシンペプチドの脳室内投与が、ラットの全身麻酔時間を短縮させる事が示唆されている(非特許文献8)。
また、睡眠時無呼吸症候群患者は、血漿中のオレキシンA濃度レベルが低い事が示唆されている(非特許文献9)。
また、オレキシンペプチドの脳室内投与が、認知機能障害を持つ老化促進モデルマウス(SAMP8)の記憶保持を改善する事が示唆されている(非特許文献10)。
また、オレキシン2型受容体作動薬は、心不全治療薬になる事が示唆されている(特許文献1、非特許文献11)。
また、パーキンソン病患者の日中の眠気が、オレキシン神経の脱落が原因である事が示唆されている(非特許文献12)。
また、オレキシンが骨形成や骨減少を制御しており、オレキシン2型受容体作動薬は、骨粗鬆症、関節リュウマチなどの骨量減少に関わる疾患の治療薬になる事が示唆されている(特許文献2)。
また、敗血症性ショックモデルマウスにおいてオレキシンを末梢から持続投与するだけで有意に死亡率の改善が認められた事から、オレキシン受容体作動薬は敗血症、重症敗血症、敗血症ショックの予防または治療に有用である事が示唆されている(特許文献3)。
【0006】
したがって、オレキシン2型受容体作動活性を有する化合物は、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、昏睡などの意識障害、ナルコレプシー様症状を伴うナルコレプシー症候群、日中の過眠を伴う過眠症症候群(たとえば、パーキンソン病、ギランバレー症候群やクライネレヴィン症候群)、アルツハイマー、肥満、インスリン抵抗性症候群、心不全、骨量減少に関わる疾患、敗血症などの治療薬として有用であると期待される。さらに、オレキシン2型受容体作動薬は、麻酔拮抗薬、麻酔による副作用や合併症の予防または治療薬として有用であり得る。
【0007】
一方、スルホンアミド誘導体として、
式
【0008】
【0009】
(式中の各記号は文献に記載された通りである。)
で表される化合物(特許文献4)が報告されている。
【0010】
また、オレキシン2型受容体作動活性を有する化合物としては、以下の化合物が報告されている。
式
【0011】
【0012】
(式中の各記号は文献に記載された通りである。)
で表される化合物(特許文献5)。
式
【0013】
【0014】
(式中の各記号は文献に記載された通りである。)
で表される化合物(特許文献6)。
式
【0015】
【0016】
(式中の各記号は文献に記載された通りである。)
で表される化合物(特許文献7)。
式
【0017】
【0018】
(式中の各記号は文献に記載された通りである。)
で表される化合物(特許文献8)。
式
【0019】
【0020】
(式中の各記号は文献に記載された通りである。)
で表される化合物(特許文献9)。
式
【0021】
【0022】
(式中の各記号は文献に記載された通りである。)
で表される化合物(特許文献10)。
式
【0023】
【0024】
(式中の各記号は文献に記載された通りである。)
で表される化合物(特許文献11)。
式
【0025】
【0026】
(式中の各記号は文献に記載された通りである。)
で表される化合物(特許文献12)。
式
【0027】
【0028】
(式中の各記号は文献に記載された通りである。)
で表される化合物(特許文献13)。
式
【0029】
【0030】
(式中の各記号は文献に記載された通りである。)
で表される化合物(特許文献14)。
式
【0031】
【0032】
(式中の各記号は文献に記載された通りである。)
で表される化合物(特許文献15)。
式
【0033】
【0034】
(式中の各記号は文献に記載された通りである。)
で表される化合物(特許文献16)。
式
【0035】
【0036】
(式中の各記号は文献に記載された通りである。)
で表される化合物(特許文献17)。
【0037】
しかし、これらの化合物は活性、薬物動態または安全性の面で十分なものではないと考えられ、オレキシン2型受容体作動活性を有する化合物の開発が依然として望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【特許文献1】WO2015/073707A1
【特許文献2】WO2015/048091A1
【特許文献3】WO2015/147240A1
【特許文献4】WO2012/137982A9
【特許文献5】WO2017/135306A1
【特許文献6】WO2018/164191A1
【特許文献7】WO2018/164192A1
【特許文献8】WO2019/027003A1
【特許文献9】WO2019/027058A1
【特許文献10】WO2020/004536A1
【特許文献11】WO2020/004537A1
【特許文献12】WO2020/122092A1
【特許文献13】WO2020/122093A1
【特許文献14】WO2020/158958A1
【特許文献15】WO2020/167701A1
【特許文献16】WO2020/167706A1
【特許文献17】WO2021/106975A1
【非特許文献】
【0039】
【非特許文献1】Cell, Vol.92, 573-585, 1998)
【非特許文献2】Cell, Vol.98, 365-376, 1999)
【非特許文献3】Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol.101, 4649-4654, 2004)
【非特許文献4】Cell, Vol.98, 437-451, 1999)
【非特許文献5】Neuron, Vol.38, 715-730, 2003)
【非特許文献6】CNS Drugs, Vol.27, 83-90, 2013)
【非特許文献7】Cell Metabolism, Vol.9, 64-76, 2009)
【非特許文献8】Neuroscience, Vol.121, 855-863, 2003)
【非特許文献9】Respiration, Vol.71, 575-579, 2004)
【非特許文献10】Peptides, Vol.23, 1683-1688, 2002)
【非特許文献11】Journal of the American College of Cardiology. Vol. 66, 2015, Pages 2522-2533)
【非特許文献12】Brain. Vol. 130, 2007, Pages 1586-1595)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0040】
本発明は、オレキシン2型受容体作動活性を有する複素環化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0041】
本発明者らは、下記の式(I)で表される化合物またはその塩(本明細書中、化合物(I)ともいう。)が、オレキシン2型受容体作動活性を有することを見出し、更なる研究の結果、本発明を完成するに至った。
【0042】
即ち、本発明は、以下に関する。
【0043】
[1] 式(I):
【0044】
【0045】
[式中、
X1は、NR8、またはCR9であり;
X2は、O、NR10、またはSであり;
X3およびX4は、共にCであるか、あるいはX3およびX4の一方はNかつ他方はCであり;
X5は、CR11またはNであり;
X6は、CR12であり;
X7は、CR13またはNであり;
X8は、CR14またはNであり;
X9は、CR2またはNであり;
X10は、CR15またはNであり;
R1は、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-10シクロアルキル基、または置換されていてもよいモノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ基であり;
R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、または置換されていてもよいC1-6アルキル基であるか、あるいは
rが0のとき、R2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成してもよく、あるいは
X10がCR15のとき、R3は、R15と一緒になって、結合を形成してもよく;
R4は、水素原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基であり;
R5は、置換されていてもよい4、5または6員単環基であり;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または置換されていてもよいC1-6アルキル基であり;
mは、0または1であり;
qは、1または2であり;
rは、0または1であり;
R9、R11、R12、およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、ハロゲン原子、置換されていてもよいC3-6シクロアルキル基、置換されていてもよい3ないし7員含窒素複素環基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基であり;
R8およびR10は、それぞれ独立して、存在しないか、あるいは水素原子および置換されていてもよいC1-6アルキル基から選ばれ;および
R14は、水素原子、ハロゲン原子、または置換されていてもよいC1-6アルキル基であり;
R15は、水素原子、ハロゲン原子、または置換されていてもよいC1-6アルキル基であるか、あるいは
R15は、R3と一緒になって、結合を形成してもよい;]
で表される化合物、またはその塩。
【0046】
[2] mが0であり;qが1であり;かつrが0である;
上記[1]に記載の化合物、またはその塩。
[3] mが1であり;qが1であり;かつrが0である;
上記[1]に記載の化合物、またはその塩。
[4] mが0であり;qが1であり;かつrが1である;
上記[1]に記載の化合物、またはその塩。
[5] mが0であり;qが2であり;かつrが0である;
上記[1]に記載の化合物、またはその塩。
【0047】
[6] X1が、NR8(式中、R8は、存在しない。)であり;
X2が、Oであり;
X3およびX4が、共にCであり;
X5が、CR11またはN(式中、R11は、水素原子である。)であり;
X6が、CR12(式中、R12は、水素原子、C1-6アルキル基、またはハロゲン原子である。)であり;かつ
X7が、CR13(式中、R13は、水素原子、またはハロゲン原子である。)である;
上記[1]に記載の化合物、またはその塩。
【0048】
[7] X8が、Nであり;
X9が、CR2(式中、R2は、水素原子であるか、あるいはrが0のとき、R2は、R3と一緒になって、結合を形成してもよい。)であり;かつ
X10が、Nである;
上記[1]に記載の化合物、またはその塩。
【0049】
[8] R1が、
(1)(i) ハロゲン原子、
(ii) C1-6アルコキシ基、および
(iii) C3-6シクロアルキル基
から独立して選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基、
(2) C3-10シクロアルキル基、または
(3) モノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ基
であり;
R2およびR3が、それぞれ独立して、水素原子、またはC1-6アルキル基であるか、あるいは
rが0のとき、R2およびR3が、互いに一緒になって、結合を形成してもよく、あるいは
X10がCR15のとき、R3が、R15と一緒になって、結合を形成し;
R4が、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基であり;
R5が、フェニル、ピラゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、ピペリジル、またはシクロブチルであり、それらのいずれも、C1-6アルキル基、ハロゲン原子、ハロ(C1-6)アルキル基、およびC1-6アルコキシ基から独立して選ばれる1個以上の置換基で置換されていてもよく;
R6およびR7が、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはC1-6アルキル基であり;
X1、X2、X3、X4、X5、X6、およびX7が、以下:
(i) X1がNR8でありR8が存在せず、X2がOであり;X3およびX4が共にCであり、X5がCR11であり、X6がCR12であり、かつX7がCR13である;
(ii) X1がNR8でありR8が存在せず、X2がOであり、X3およびX4が共にCであり、X5がNであり、X6がCR12であり、かつX7がCR13である;
(iii) X1がNR8でありR8が存在せず、X2がOであり、X3およびX4が共にCであり、X5がCR11であり、X6がCR12であり、かつX7がNである;
(iv) X1がNR8でありR8が存在せず、X2がSであり、X3およびX4が共にCであり、X5がNであり、X6がCR12であり、かつX7がCR13である;
(v) X1がNR8でありR8が存在せず、X2がSであり;X3およびX4が共にCであり、X5がCR11であり、X6がCR12であり、かつX7がCR13である;
(vi) X1がNR8でありX2がNR10であり、かつR8およびR10の一方が存在せずR8およびR10の他方がC1-6アルキル基であり、X3およびX4が共にCであり、X5がCR11であり、X6がCR12であり、かつX7がCR13である;
(vii) X1がCR9であり、X2がNR10でありR10が存在せず、X3がNであり、X4がCであり、X5がCR11であり、X6がCR12であり、かつX7がCR13である;および
(viii) X1がCR9であり、X2がNR10でありR10が存在せず、X3がCであり、X4がNであり、X5がCR11であり、X6がCR12であり、かつX7がCR13である
の1つである環系を形成するように選択され;
X8、X9、X10、m、q、およびrが、以下:
(i) X8がNであり、X9がCR2であり、X10がNであり、mが0であり、qが1であり、かつrが0である;
(ii) X8がNであり、X9がCR2であり、X10がNであり、mが1であり、qが1であり、かつrが0である;
(iii) X8がNであり、X9がCR2であり、X10がNであり、mが0であり、qが1であり、かつrが1である;
(iv) X8がNであり、X9がNであり、X10がCR15であり、mが0であり、qが1であり、かつrが0である;
(v) X8がCR14であり、X9がCR2であり、X10がNであり、mが0であり、qが1であり、かつrが0である;および
(vi) X8がNであり、X9がCR2であり、X10がNであり、mが0であり、qが2であり、かつrが0である
の1つである環系を形成するように選択され;
R9、R11、R12、およびR13が、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、ハロゲン原子、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキル(C1-6)アルコキシ基、ハロ(C1-6)アルキル基、ハロ(C1-6)アルコキシ基、C1-6アルコキシ(C1-6)アルキル基、アゼチジニル基、C1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、およびヒドロキシ(C1-6)アルキル基から選ばれ;かつ
R14が、水素原子、ハロゲン原子、またはC1-6アルキル基であり;かつ
R15が、R3と一緒になって、結合を形成する;
上記[1]に記載の化合物、またはその塩。
【0050】
[9] 下記式:
【0051】
【0052】
(式中の各記号は、上記[1]と同義である。)
で表される部分構造が、下記式:
【0053】
【0054】
(式中の各記号は、上記[1]と同義である。)
で表される部分構造の1つである、上記[1]に記載の化合物。
【0055】
[10] 化合物が、式(Ia):
【0056】
【0057】
[式中、
R1は、C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基、またはモノ-C1-6アルキルアミノ基であり;
rは、0または1であり;
R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子であるか、あるいは
rが0のとき、R2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成してもよく;
R4は、水素原子であり;
R5は、1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基であり;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子であり;
X5は、CHまたはNであり;および
R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、またはハロゲン原子である;]
で表される、上記[1]に記載の化合物、またはその塩。
【0058】
[11] R1が、C1-6アルキル基であり;
rが、0または1であり;
R2およびR3が、それぞれ、水素原子であるか、あるいは
rが0のとき、R2およびR3が、互いに一緒になって、結合を形成してもよく;
R4が、水素原子であり;
R5が、1ないし3個のハロゲン原子で置換されたフェニル基であり;
R6およびR7が、それぞれ、ハロゲン原子であり;
X5が、CHであり;かつ
R12およびR13が、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子である;
上記[10]に記載の化合物、またはその塩。
【0059】
[12] 化合物が、式(Ib):
【0060】
【0061】
[式中、
R1は、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-10シクロアルキル基、または置換されていてもよいモノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ基であり;
R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、または置換されていてもよいC1-6アルキル基であるか、あるいは
R2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成し;
R4は、水素原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基であり;
R5は、置換されていてもよい5または6員単環基であり;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または置換されていてもよいC1-6アルキル基であり;
mは、0または1であり;
qは、1または2であり;
X1は、NR8、またはCR9であり;
X2は、O、NR10、またはSであり;
X3およびX4は、共にCであるか、あるいはX3およびX4の一方はNかつ他方はCであり;
X5は、CR11またはNであり;
X6は、CR12であり;
X7は、CR13またはNであり;
R9、R11、R12、およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、ハロゲン原子、置換されていてもよいC3-6シクロアルキル基、置換されていてもよい3ないし7員含窒素複素環基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基であり;および
R8およびR10は、それぞれ独立して、存在しないか、あるいは水素原子および置換されていてもよいC1-6アルキル基から選ばれる;]
で表される、上記[1]に記載の化合物、またはその塩。
【0062】
[12a] R2およびR3が、それぞれ、水素原子である;上記[12]に記載の化合物、またはその塩。
[12b] R2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成する;上記[12]に記載の化合物、またはその塩。
[12c] mが0であり;かつqが1である;上記[12]に記載の化合物、またはその塩。
[12d] mが1であり;かつqが1である;上記[12]に記載の化合物、またはその塩。
[12e] R1が、C1-6アルキル基である;上記[12]に記載の化合物、またはその塩。
[12f] X1がNR8であり、かつR8が存在せず;
X2が、Oであり;
X3およびX4が、共にCであり;
X5が、CHまたはNであり;
X6が、CR12であり、かつR12が、水素原子、C1-6アルキル、またはハロゲン原子であり;かつ
X7が、CR13であり、かつR13が、水素原子、またはハロゲン原子である;
上記[12]に記載の化合物、またはその塩。
【0063】
[13] R1が、
(1)(i) ハロゲン原子、
(ii) C1-6アルコキシ基、および
(iii) C3-6シクロアルキル基
から独立して選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基、
(2) C3-10シクロアルキル基、または
(3) モノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ基
であり;
R2およびR3が、それぞれ独立して、水素原子、またはC1-6アルキル基であるか、あるいはR2およびR3が、互いに一緒になって、結合を形成し;
R4が、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基であり;
R5が、フェニル、ピラゾリル、フリル、チエニルまたはチアゾリルであり、それらのいずれも、C1-6アルキル基、ハロゲン原子、ハロ(C1-6)アルキル基、およびC1-6アルコキシ基から独立して選ばれる1個以上の置換基で置換されていてもよく;
mが、0または1であり;
qが、1または2であり;
R6およびR7が、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはC1-6アルキル基であり;
X1、X2、X3、X4、X5、X6、およびX7が、以下:
(i) X1がNR8でありR8が存在せず、X2がOであり;X3およびX4が共にCであり、X5がCR11であり、X6がCR12であり、かつX7がCR13である;
(ii) X1がNR8でありR8が存在せず、X2がOであり、X3およびX4が共にCであり、X5がNであり、X6がCR12であり、かつX7がCR13である;
(iii) X1がNR8でありR8が存在せず、X2がOであり、X3およびX4が共にCであり、X5がCR11であり、X6がCR12であり、かつX7がNである;
(iv) X1がNR8でありR8が存在せず、X2がSであり、X3およびX4が共にCであり、X5がNであり、X6がCR12であり、かつX7がCR13である;
(v) X1がNR8でありR8が存在せず、X2がSであり;X3およびX4が共にCであり、X5がCR11であり、X6がCR12であり、かつX7がCR13である;
(vi) X1がNR8でありX2がNR10であり、かつR8およびR10の一方が存在せずR8およびR10の他方がC1-6アルキル基であり、X3およびX4が共にCであり、X5がCR11であり、X6がCR12であり、かつX7がCR13である;
(vii) X1がCR9であり、X2がNR10でありR10が存在せず、X3がNであり、X4がCであり、X5がCR11であり、X6がCR12であり、かつX7がCR13である;および
(viii) X1がCR9であり、X2がNR10でありR10が存在せず、X3がCであり、X4がNであり、X5がCR11であり、X6がCR12であり、かつX7がCR13である
の1つである環系を形成するように選択され;かつ
R9、R11、R12、およびR13が、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、ハロゲン原子、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキル(C1-6)アルコキシ基、ハロ(C1-6)アルキル基、ハロ(C1-6)アルコキシ基、C1-6アルコキシ(C1-6)アルキル基、アゼチジニル基、C1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、およびヒドロキシ(C1-6)アルキル基から選ばれる;
上記[12]に記載の化合物、またはその塩。
【0064】
[14] 化合物が、式(Ic):
【0065】
【0066】
[式中、
R1は、C1-6アルキル基、またはモノ-C1-6アルキルアミノ基であり;
R2およびR3は、それぞれ、水素原子であるか、あるいはR2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成し;
R4は、水素原子であり;
R5は、1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基であり;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子であり;
X5は、CHまたはNであり;および
R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、またはハロゲン原子である;]
で表される、上記[1]に記載の化合物、またはその塩。
【0067】
[15] R1が、C1-6アルキル基であり;
R2およびR3が、それぞれ、水素原子であるか、あるいはR2およびR3が、互いに一緒になって、結合を形成し;
R4が、水素原子であり;
R5が、1ないし3個のハロゲン原子で置換されたフェニル基であり;
R6およびR7が、それぞれ、ハロゲン原子であり;
X5が、CHであり;かつ
R12およびR13が、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子である;
上記[14]に記載の化合物、またはその塩。
【0068】
[16] 化合物が、以下:
N-{(6S,7aS)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド;
N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド;
N-{(6S,7aS)-2-[6-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド;
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-2-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-2-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(4aR,6R)-5,5-ジフルオロ-1-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]オクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(4aR,6R)-2-[5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-5,5-ジフルオロ-1-オキソオクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(4aR,6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-5,5-ジフルオロ-1-オキソオクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミド;および
N-{(6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド;
からなる群から選ばれる、上記[1]に記載の化合物、またはその塩。
【0069】
[17] 上記[1]ないし[16]のいずれか1項に記載の化合物またはその塩を含む、医薬。
[18] オレキシン2型受容体作動薬である、上記[17]に記載の医薬。
[19] ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー様症状を伴うナルコレプシー症候群、日中の過眠を伴う過眠症症候群、アルツハイマー病、肥満症、インスリン抵抗性症候群、心不全、骨量減少に関わる疾患、敗血症、意識障害、または麻酔による副作用や合併症の予防または治療剤である、上記[17]に記載の医薬。
[20] ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、または睡眠時無呼吸症候群の予防または治療剤である、上記[17]に記載の医薬。
[21] ナルコレプシーの予防または治療剤である、上記[17]に記載の医薬。
【0070】
[22] 治療有効量の上記[1]ないし[16]のいずれか1項に記載の化合物またはその塩を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む、当該哺乳動物におけるオレキシン2型受容体と関連した疾患または障害の予防または治療方法。
[23] 疾患または障害が、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー様症状を伴うナルコレプシー症候群、日中の過眠を伴う過眠症症候群、アルツハイマー病、肥満症、インスリン抵抗性症候群、心不全、骨量減少に関わる疾患、敗血症、意識障害、および麻酔による副作用や合併症から選ばれる、上記[22]に記載の方法。
[24] 疾患または障害が、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、および睡眠時無呼吸症候群から選ばれる、上記[22]に記載の方法。
[25] 疾患または障害が、ナルコレプシーである、上記[22]に記載の方法。
【0071】
[26] 治療法における使用のための、上記[1]ないし[16]のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
[27] 治療法が、オレキシン2型受容体と関連した疾患または障害の治療を含む、上記[26]に記載の化合物または塩。
[28] 疾患または障害が、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー様症状を伴うナルコレプシー症候群、日中の過眠を伴う過眠症症候群、アルツハイマー病、肥満症、インスリン抵抗性症候群、心不全、骨量減少に関わる疾患、敗血症、意識障害、および麻酔による副作用や合併症からなる群から選ばれる、上記[27]に記載の化合物または塩。
[29] 疾患または障害が、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、および睡眠時無呼吸症候群からなる群から選ばれる、上記[27]に記載の化合物または塩。
[30] 疾患または障害が、ナルコレプシーである、上記[27]に記載の化合物または塩。
【0072】
[31] オレキシン2型受容体と関連した疾患または障害の治療のための医薬の製造における、上記[1]ないし[16]のいずれか1項に記載の化合物またはその塩の使用。
[32] 疾患または障害が、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー様症状を伴うナルコレプシー症候群、日中の過眠を伴う過眠症症候群、アルツハイマー病、肥満症、インスリン抵抗性症候群、心不全、骨量減少に関わる疾患、敗血症、意識障害、および麻酔による副作用や合併症からなる群から選ばれる、上記[31]に記載の使用。
[33] 疾患または障害が、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、および睡眠時無呼吸症候群からなる群から選ばれる、上記[31]に記載の使用。
[34] 疾患または障害が、ナルコレプシーである、上記[31]に記載の使用。
【発明の効果】
【0073】
本発明化合物は、オレキシン2型受容体作動活性を有し、ナルコレプシー等の特定の疾患の予防または治療剤として有用である。
【0074】
[発明の詳細な説明]
以下、本明細書中で用いられる各置換基の定義について詳述する。特記しない限り各置換基は以下の定義を有する。
本明細書中、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチルおよび2-エチルブチルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個のハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルキル基が挙げられる。具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2-ブロモエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、2,2-ジフルオロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4-トリフルオロブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5-トリフルオロペンチル、ヘキシルおよび6,6,6-トリフルオロヘキシルが挙げられる。
本明細書中、「ハロC1-6アルキル基」としては、例えば、上記の「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基」のうち、「ハロゲン化C1-6アルキル基」が挙げられる。
本明細書中、「C2-6アルケニル基」としては、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-ヘキセニル、3-ヘキセニルおよび5-ヘキセニルが挙げられる。
本明細書中、「C2-6アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、2-メチル-1-プロぺニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-ヘキシニル、3-ヘキシニル、および5-ヘキシニルが挙げられる。
本明細書中、「C2-6アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニルおよび4-メチル-2-ペンチニルが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチルおよびアダマンチルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC3-10シクロアルキル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC3-10シクロアルキル基が挙げられる。具体例としては、シクロプロピル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、2,3-ジフルオロシクロプロピル、シクロブチル、ジフルオロシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルケニル基」としては、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルおよびシクロオクテニルが挙げられる。
本明細書中、「C7-16アラルキル基」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチルおよびフェニルプロピルが挙げられる。
【0075】
本明細書中、「C1-6アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個のハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルコキシ基が挙げられる。具体例としては、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4-トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書中、「ハロC1-6アルコキシ基」としては、例えば、上記の「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ基」のうち、「ハロゲン化C1-6アルコキシ基」が挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルキルオキシ基」としては、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシおよびシクロオクチルオキシが挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルキルチオ基」としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオおよびヘキシルチオが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルキルチオ基が挙げられる。具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4-トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオおよびヘキシルチオが挙げられる。
【0076】
本明細書中、「C1-6アルキル-カルボニル基」としては、例えば、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2-メチルプロパノイル、ペンタノイル、3-メチルブタノイル、2-メチルブタノイル、2,2-ジメチルプロパノイル、ヘキサノイルおよびヘプタノイルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルキル-カルボニル基が挙げられる。具体例としては、アセチル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイルおよびヘキサノイルが挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルコキシ-カルボニル基」としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニルおよびヘキシルオキシカルボニルが挙げられる。
本明細書中、「C6-14アリール-カルボニル基」としては、例えば、ベンゾイル、1-ナフトイルおよび2-ナフトイルが挙げられる。
本明細書中、「C7-16アラルキル-カルボニル基」としては、例えば、フェニルアセチルおよびフェニルプロピオニルが挙げられる。
本明細書中、「5ないし14員芳香族複素環カルボニル基」としては、例えば、ニコチノイル、イソニコチノイル、テノイルおよびフロイルが挙げられる。
本明細書中、「3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基」としては、例えば、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニルおよびピロリジニルカルボニルが挙げられる。
【0077】
本明細書中、「モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基」としては、例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイルおよびN-エチル-N-メチルカルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよいモノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ基」としては、例えば、1個または2個のC1-6アルキル基を有するアミノ基が挙げられる。アミノ基のC1-6アルキル部は、置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、C1-6アルキルスルホニル基およびC6-14アリールスルホニル基から選ばれる1または2個の置換基を有していてもよい。
【0078】
本明細書中、「置換されていてもよいアミノ基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、C1-6アルキルスルホニル基およびC6-14アリールスルホニル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいアミノ基が挙げられる。
置換されていてもよいアミノ基の好適な例としては、アミノ基、モノ-またはジ-(ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル)アミノ基(例、メチルアミノ、トリフルオロメチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、ジブチルアミノ)、モノ-またはジ-C2-6アルケニルアミノ基(例、ジアリルアミノ)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキルアミノ基(例、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、モノ-またはジ-C6-14アリールアミノ基(例、フェニルアミノ)、モノ-またはジ-C7-16アラルキルアミノ基(例、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ)、モノ-またはジ-(ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル)-カルボニルアミノ基(例、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルボニルアミノ基(例、ベンゾイルアミノ)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルボニルアミノ基(例、ベンジルカルボニルアミノ)、モノ-またはジ-5ないし14員芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、ニコチノイルアミノ、イソニコチノイルアミノ)、モノ-またはジ-3ないし14員非芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、ピペリジニルカルボニルアミノ)、モノ-またはジ-C1-6アルコキシ-カルボニルアミノ基(例、tert-ブトキシカルボニルアミノ)、5ないし14員芳香族複素環アミノ基(例、ピリジルアミノ)、カルバモイルアミノ基、(モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル)アミノ基(例、メチルカルバモイルアミノ)、(モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル)アミノ基(例、ベンジルカルバモイルアミノ)、C1-6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ)、C6-14アリールスルホニルアミノ基(例、フェニルスルホニルアミノ)、(C1-6アルキル)(C1-6アルキル-カルボニル)アミノ基(例、N-アセチル-N-メチルアミノ)および(C1-6アルキル)(C6-14アリール-カルボニル)アミノ基(例、N-ベンゾイル-N-メチルアミノ)が挙げられる。
【0079】
本明細書中、「ヒドロキシ基」とは-OHをいう。本明細書中、「ヒドロキシル」および「ヒドロキシ」は同じである。
本明細書中、「4、5または6員単環基」としては、例えば、本明細書に記載の、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C6-14アリール基、および複素環基(例、芳香族複素環基または非芳香族複素環基)のうち、4、5または6員単環基が挙げられる。
本明細書中、「C6-14アリール基」としては、例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、1-アントリル、2-アントリル、および9-アントリルが挙げられる。
【0080】
本明細書中、「複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子、およびそれらの組合せから選ばれる1ないし4個(例、1、2、3または4個)のヘテロ原子をそれぞれ含有する、芳香族複素環および非芳香族複素環が挙げられる。
【0081】
本明細書中、「芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子、およびそれらの組合せから選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし14員(好ましくは5ないし10員、より好ましくは5ないし6員)の芳香族複素環が挙げられる。該「芳香族複素環」の例としては、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジンなどの5または6員単環式芳香族複素環;およびベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾピリジン、チエノピリジン、フロピリジン、ピロロピリジン、ピラゾロピリジン、オキサゾロピリジン、チアゾロピリジン、イミダゾピラジン、イミダゾピリミジン、チエノピリミジン、フロピリミジン、ピロロピリミジン、ピラゾロピリミジン、オキサゾロピリミジン、チアゾロピリミジン、ピラゾロピリミジン、ピラゾロトリアジン、ナフト[2,3-b]チオフェン、フェノキサチイン、インド-ル、イソインドール、1H-インダゾール、プリン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β-カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジンなどの8ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環が挙げられる。
【0082】
本明細書中、「非芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子、およびそれらの組合せから選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する3ないし14員(好ましくは4ないし10員、より好ましくは5ないし6員)の非芳香族複素環が挙げられる。該「非芳香族複素環」の例としては、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、チアゾリン、チアゾリジン、テトラヒドロイソチアゾール、テトラヒドロオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリジン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロピリミジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン、ジアゼパン、アゼピン、アゾカン、ジアゾカン、オキセパンなどの3ないし8員単環式非芳香族複素環;およびジヒドロベンゾフラン、ジヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイソチアゾール、ジヒドロナフト[2,3-b]チオフェン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、4H-キノリジン、インドリン、イソインドリン、テトラヒドロチエノ[2,3-c]ピリジン、テトラヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロキノキサリン、テトラヒドロフェナントリジン、ヘキサヒドロフェノチアジン、ヘキサヒドロフェノキサジン、テトラヒドロフタラジン、テトラヒドロナフチリジン、テトラヒドロキナゾリン、テトラヒドロシンノリン、テトラヒドロカルバゾール、テトラヒドロ-β-カルボリン、テトラヒドロアクリジン、テトラヒドロフェナジン、テトラヒドロチオキサンテン、オクタヒドロイソキノリンなどの9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環が挙げられる。
本明細書中、「3ないし7員含窒素複素環の」としては、例えば、環構成原子として少なくとも1個(例、1個、2個、3個等)の窒素原子を含む、本明細書に記載の3ないし7員「複素環基」が挙げられる。
【0083】
本明細書中、「アシル基」としては、例えば、「ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基およびカルバモイル基から選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、5ないし14員芳香族複素環基および3ないし14員非芳香族複素環基から選ばれる1または2個の置換基」をそれぞれ有していてもよい、ホルミル基、カルボキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルフィノ基、スルホ基、スルファモイル基、およびホスホノ基が挙げられる。
また、「アシル基」としては、炭化水素-スルホニル基、複素環スルホニル基、炭化水素-スルフィニル基、および複素環スルフィニル基も挙げられる。
ここで、炭化水素-スルホニル基とは、炭化水素基が結合したスルホニル基を、複素環スルホニル基とは、複素環基が結合したスルホニル基を、炭化水素-スルフィニル基とは、炭化水素基が結合したスルフィニル基を、そして複素環スルフィニル基とは、複素環基が結合したスルフィニル基を、それぞれ意味する。
「アシル基」の例としては、ホルミル基、カルボキシ基、C1-6アルキル-カルボニル基、C2-6アルケニル-カルボニル基(例、クロトノイル)、C3-10シクロアルキル-カルボニル基(例、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニル)、C3-10シクロアルケニル-カルボニル基(例、2-シクロヘキセンカルボニル)、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C6-14アリールオキシ-カルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル)、C7-16アラルキルオキシ-カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-カルバモイル基(例、ジアリルカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-カルバモイル基(例、シクロプロピルカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル)、チオカルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-チオカルバモイル基(例、メチルチオカルバモイル、N-エチル-N-メチルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-チオカルバモイル基(例、ジアリルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-チオカルバモイル基(例、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-チオカルバモイル基(例、フェニルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-チオカルバモイル基(例、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環チオカルバモイル基(例、ピリジルチオカルバモイル)、スルフィノ基、C1-6アルキルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル)、スルホ基、C1-6アルキルスルホニル基、C6-14アリールスルホニル基、ホスホノ基、およびモノ-またはジ-C1-6アルキルホスホノ基(例、ジメチルホスホノ、ジエチルホスホノ、ジイソプロピルホスホノ、ジブチルホスホノ)が挙げられる。
【0084】
本明細書中、「5ないし14員芳香族複素環カルボニル基」としては、例えば、ニコチノイル、イソニコチノイル、テノイルおよびフロイルが挙げられる。
本明細書中、「3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基」としては、例えば、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニルおよびピロリジニルカルボニルが挙げられる。
【0085】
本明細書中、「置換されていてもよいカルバモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基およびモノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいカルバモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいカルバモイル基の好適な例としては、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-カルバモイル基(例、ジアリルカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-カルバモイル基(例、シクロプロピルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルボニル-カルバモイル基(例、アセチルカルバモイル、プロピオニルカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルボニル-カルバモイル基(例、ベンゾイルカルバモイル)、および5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル)が挙げられる。
【0086】
本明細書中、「置換されていてもよいチオカルバモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基およびモノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいチオカルバモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいチオカルバモイル基の好適な例としては、チオカルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-チオカルバモイル基(例、メチルチオカルバモイル、エチルチオカルバモイル、ジメチルチオカルバモイル、ジエチルチオカルバモイル、N-エチル-N-メチルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-チオカルバモイル基(例、ジアリルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-チオカルバモイル基(例、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-チオカルバモイル基(例、フェニルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-チオカルバモイル基(例、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルボニル-チオカルバモイル基(例、アセチルチオカルバモイル、プロピオニルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルボニル-チオカルバモイル基(例、ベンゾイルチオカルバモイル)、および5ないし14員芳香族複素環チオカルバモイル基(例、ピリジルチオカルバモイル)が挙げられる。
【0087】
本明細書中、「置換されていてもよいスルファモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基およびモノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいスルファモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいスルファモイル基の好適な例としては、スルファモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、N-エチル-N-メチルスルファモイル)、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-スルファモイル基(例、ジアリルスルファモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-スルファモイル基(例、シクロプロピルスルファモイル、シクロヘキシルスルファモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-スルファモイル基(例、フェニルスルファモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-スルファモイル基(例、ベンジルスルファモイル、フェネチルスルファモイル)、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルボニル-スルファモイル基(例、アセチルスルファモイル、プロピオニルスルファモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルボニル-スルファモイル基(例、ベンゾイルスルファモイル)、および5ないし14員芳香族複素環スルファモイル基(例、ピリジルスルファモイル)が挙げられる。
【0088】
本明細書中、「置換されていてもよいヒドロキシ基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、C1-6アルキルスルホニル基およびC6-14アリールスルホニル基から選ばれる置換基」を有していてもよいヒドロキシ基が挙げられる。
置換されていてもよいヒドロキシ基の好適な例としては、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、C2-6アルケニルオキシ基(例、アリルオキシ、2-ブテニルオキシ、2-ペンテニルオキシ、3-ヘキセニルオキシ)、C3-10シクロアルキルオキシ基(例、シクロヘキシルオキシ)、C6-14アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフチルオキシ)、C7-16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ)、C1-6アルキル-カルボニルオキシ基(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、ピバロイルオキシ)、C6-14アリール-カルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ)、C7-16アラルキル-カルボニルオキシ基(例、ベンジルカルボニルオキシ)、5ないし14員芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ニコチノイルオキシ)、3ないし14員非芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ピペリジニルカルボニルオキシ)、C1-6アルコキシ-カルボニルオキシ基(例、tert-ブトキシカルボニルオキシ)、5ないし14員芳香族複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、カルバモイルオキシ基、C1-6アルキル-カルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ)、C7-16アラルキル-カルバモイルオキシ基(例、ベンジルカルバモイルオキシ)、C1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ)、およびC6-14アリールスルホニルオキシ基(例、フェニルスルホニルオキシ)が挙げられる。
【0089】
本明細書中、「置換されていてもよいスルファニル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基および5ないし14員芳香族複素環基から選ばれる置換基」を有していてもよいスルファニル基、およびハロゲン化されたスルファニル基が挙げられる。
置換されていてもよいスルファニル基の好適な例としては、スルファニル(-SH)基、C1-6アルキルチオ基、C2-6アルケニルチオ基(例、アリルチオ、2-ブテニルチオ、2-ペンテニルチオ、3-ヘキセニルチオ)、C3-10シクロアルキルチオ基(例、シクロヘキシルチオ)、C6-14アリールチオ基(例、フェニルチオ、ナフチルチオ)、C7-16アラルキルチオ基(例、ベンジルチオ、フェネチルチオ)、C1-6アルキル-カルボニルチオ基(例、アセチルチオ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチオ、ピバロイルチオ)、C6-14アリール-カルボニルチオ基(例、ベンゾイルチオ)、5ないし14員芳香族複素環チオ基(例、ピリジルチオ)、およびハロゲン化チオ基(例、ペンタフルオロチオ)が挙げられる。
【0090】
本明細書中、「置換されていてもよいシリル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基およびC7-16アラルキル基から選ばれる1ないし3個の置換基」を有していてもよいシリル基が挙げられる。
置換されていてもよいシリル基の好適な例としては、トリ-C1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、tert-ブチル(ジメチル)シリル)が挙げられる。
【0091】
本明細書中、「炭化水素環」としては、例えば、C6-14芳香族炭化水素環、C3-10シクロアルカン、およびC3-10シクロアルケンが挙げられる。
本明細書中、「モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基」としては、例えば、ベンジルカルバモイルおよびフェネチルカルバモイルが挙げられる。
【0092】
本明細書中、「C1-6アルキルスルホニル基」としては、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニルおよびtert-ブチルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルキルスルホニル基が挙げられる。具体例としては、例えば、メチルスルホニル、ジフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、4,4,4-トリフルオロブチルスルホニル、ペンチルスルホニルおよびヘキシルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「C6-14アリールスルホニル基」としては、例えば、フェニルスルホニル、1-ナフチルスルホニルおよび2-ナフチルスルホニルが挙げられる。
【0093】
本明細書中、「炭化水素基」(「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」を含む)としては、例えば、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C6-14アリール基、およびC7-16アラルキル基が挙げられる。
【0094】
本明細書中、「複素環基」(「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、(i)芳香族複素環基、(ii)非芳香族複素環基および(iii)7ないし10員複素架橋環基が挙げられる。
【0095】
本明細書中、「芳香族複素環基」(「5ないし14員芳香族複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環基が挙げられる。
該「芳香族複素環基」の好適な例としては、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニルなどの5または6員単環式芳香族複素環基;およびベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニル、ピラゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イミダゾピラジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、フロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、ピラゾロトリアジニル、ナフト[2,3-b]チエニル、フェノキサチイニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルなどの8ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環基が挙げられる。
【0096】
本明細書中、「非芳香族複素環基」(「3ないし14員非芳香族複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環基が挙げられる。
該「非芳香族複素環基」の好適な例としては、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロイソチアゾリル、テトラヒドロオキサゾリル、テトラヒドロイソオキサゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリダジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼパニル、ジアゼパニル、アゼピニル、オキセパニル、アゾカニル、ジアゾカニルなどの3ないし8員単環式非芳香族複素環基;および
ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、ジヒドロナフト[2,3-b]チエニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、4H-キノリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロチエノ[2,3-c]ピリジニル、テトラヒドロベンゾアゼピニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラヒドロフェナントリジニル、ヘキサヒドロフェノチアジニル、ヘキサヒドロフェノキサジニル、テトラヒドロフタラジニル、テトラヒドロナフチリジニル、テトラヒドロキナゾリニル、テトラヒドロシンノリニル、テトラヒドロカルバゾリル、テトラヒドロ-β-カルボリニル、テトラヒドロアクリジニル、テトラヒドロフェナジニル、テトラヒドロチオキサンテニル、オクタヒドロイソキノリルなどの9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基が挙げられる。
【0097】
本明細書中、「7ないし10員複素架橋環基」の好適な例としては、キヌクリジニルおよび7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが挙げられる。
本明細書中、「含窒素複素環基」としては、環構成原子として少なくとも1個以上の窒素原子を含有する「複素環基」が挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよい複素環基」としては、例えば、前記した置換基群Aから選ばれる置換基を有していてもよい複素環基が挙げられる。
「置換されていてもよい複素環基」における置換基の数は、例えば、1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0098】
本明細書中、「C6-14芳香族炭化水素環」としては、例えば、ベンゼンおよびナフタレンが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルカン」としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンおよびシクロオクタンが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルケン」としては、例えば、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテンおよびシクロオクテンが挙げられる。
本明細書中、「含窒素複素環」としては、「複素環」のうち、環構成原子として少なくとも1個以上の窒素原子を含有するものが挙げられる。
本明細書中、「4ないし6員複素環基」としては、芳香族または非芳香族の4ないし6員複素環基が挙げられる。具体的には、オキセタニル、フリル、ピラゾリル、ピリジルおよびピリミジニルが挙げられる。
本明細書中、「環」としては、例えば、「炭化水素環」および「複素環」が挙げられる。
【0099】
本明細書中、特定の部分は「置換されていてもよい」ことができ、これは、その基が、以下の置換基群Aから選ばれる置換基を有していてもよいことを意味する。
[置換基群A]
(1)ハロゲン原子、
(2)ニトロ基、
(3)シアノ基、
(4)オキソ基、
(5)ヒドロキシ基、
(6)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ基、
(7)C6-14アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフトキシ)、
(8)C7-16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ)、
(9)5ないし14員芳香族複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、
(10)3ないし14員非芳香族複素環オキシ基(例、テトラヒドロピラニルオキシ、モルホリニルオキシ、ピペリジニルオキシ)、
(11)C1-6アルキル-カルボニルオキシ基(例、アセトキシ、プロパノイルオキシ)、
(12)C6-14アリール-カルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ、1-ナフトイルオキシ、2-ナフトイルオキシ)、
(13)C1-6アルコキシ-カルボニルオキシ基(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ)、
(14)モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ)、
(15)C6-14アリール-カルバモイルオキシ基(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシ)、
(16)5ないし14員芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ニコチノイルオキシ)、
(17)3ないし14員非芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、モルホリニルカルボニルオキシ、ピペリジニルカルボニルオキシ)、
(18)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メチルスルホニルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ)、
(19)C1-6アルキル基で置換されていてもよいC6-14アリールスルホニルオキシ基(例、フェニルスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、
(20)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ基、
(21)5ないし14員芳香族複素環基、
(22)3ないし14員非芳香族複素環基、
(23)ホルミル基、
(24)カルボキシ基、
(25)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル基、
(26)C6-14アリール-カルボニル基、
(27)5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、
(28)3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、
(29)C1-6アルコキシ-カルボニル基、
(30)C6-14アリールオキシ-カルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル、1-ナフチルオキシカルボニル、2-ナフチルオキシカルボニル)、
(31)C7-16アラルキルオキシ-カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、
(32)カルバモイル基、
(33)チオカルバモイル基、
(34)モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、
(35)C6-14アリール-カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、
(36)5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル、チエニルカルバモイル)、
(37)3ないし14員非芳香族複素環カルバモイル基(例、モルホリニルカルバモイル、ピペリジニルカルバモイル)、
(38)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基、
(39)C6-14アリールスルホニル基、
(40)5ないし14員芳香族複素環スルホニル基(例、ピリジルスルホニル、チエニルスルホニル)、
(41)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルフィニル基、
(42)C6-14アリールスルフィニル基(例、フェニルスルフィニル、1-ナフチルスルフィニル、2-ナフチルスルフィニル)、
(43)5ないし14員芳香族複素環スルフィニル基(例、ピリジルスルフィニル、チエニルスルフィニル)、
(44)アミノ基、
(45)モノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノ)、
(46)モノ-またはジ-C6-14アリールアミノ基(例、フェニルアミノ)、
(47)5ないし14員芳香族複素環アミノ基(例、ピリジルアミノ)、
(48)C7-16アラルキルアミノ基(例、ベンジルアミノ)、
(49)ホルミルアミノ基、
(50)C1-6アルキル-カルボニルアミノ基(例、アセチルアミノ、プロパノイルアミノ、ブタノイルアミノ)、
(51)(C1-6アルキル)(C1-6アルキル-カルボニル)アミノ基(例、N-アセチル-N-メチルアミノ)、
(52)C6-14アリール-カルボニルアミノ基(例、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ)、
(53)C1-6アルコキシ-カルボニルアミノ基(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ、tert-ブトキシカルボニルアミノ)、
(54)C7-16アラルキルオキシ-カルボニルアミノ基(例、ベンジルオキシカルボニルアミノ)、
(55)C1-6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ)、
(56)C1-6アルキル基で置換されていてもよいC6-14アリールスルホニルアミノ基(例、フェニルスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ)、
(57)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基、
(58)C2-6アルケニル基、
(59)C2-6アルキニル基、
(60)C3-10シクロアルキル基、
(61)C3-10シクロアルケニル基、および
(62)C6-14アリール基。
【0100】
いくつかの態様では、「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換されていてもよいスルファモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいスルファニル(SH)基、および置換されていてもよいシリル基が挙げられる。
上記の置換基の数、例えば、1ないし5個(例、1、2、3、4または5個)、好ましくは、1ないし3個(例、1、2または3個)である。置換基の数が2以上のとき、各置換基は同一または異なっていてもよい。
【0101】
化合物(I)における各記号の定義を詳細に説明する。
R1は、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-10シクロアルキル基、または置換されていてもよいモノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ基である。
いくつかの態様では、R1は、
(1)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(ii) C1-6アルコキシ基(例、メトキシ)、および
(iii) C3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル)
から独立して選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル)、
(2) C3-10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、または
(3) モノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ)
である。
いくつかの態様では、R1は、C1-6アルキル基(例、メチル、エチル)、C3-10シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基、例、シクロプロピル)、またはモノ-C1-6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ)である。
いくつかの態様では、R1は、C1-6アルキル基(例、メチル、エチル)、またはモノ-C1-6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ)である。
いくつかの態様では、R1は、C1-6アルキル基(例、メチル、エチル)である。
【0102】
R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、または置換されていてもよいC1-6アルキル基である。あるいは、rが0のとき、R2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成してもよい。あるいは、X10がR15のとき、R3は、R15と一緒になって、結合を形成してもよい。
いくつかの態様では、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、またはC1-6アルキル基(例、メチル)であるか、あるいは
rが0のとき、R2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成してもよく、あるいは
X10がR15のとき、R3は、R15と一緒になって、結合を形成する。
いくつかの態様では、R2およびR3は、それぞれ、水素原子であるか、あるいは
rが0のとき、R2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成してもよく、あるいは
X10がR15のとき、R3は、R15と一緒になって、結合を形成する。
いくつかの態様では、X10がNの場合、
R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子であるか、あるいは
rが0のとき、R2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成してもよい。
いくつかの態様では、X10がNの場合、
R2およびR3は、それぞれ、水素原子であるか、あるいは
rが0のとき、R2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成してもよい。
R2およびR3が、互いに一緒になって、結合を形成する場合、X8、X9およびX10を含む環は、R2およびR3が結合する炭素間に二重結合を含む。
【0103】
R4は、水素原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基である。
いくつかの態様では、R4は、水素原子、C1-6アルキル基(例、メチル)、C1-6アルコキシ基(例、エトキシ)、またはヒドロキシ基である。
いくつかの態様では、R4は、水素原子である。
【0104】
R5は、置換されていてもよい4、5または6員単環基である。
いくつかの態様では、R5は、フェニル、ピラゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、ピペリジル、またはシクロブチルであり、それらのいずれも、C1-6アルキル基(例、メチル)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、ハロ(C1-6)アルキル基(例、トリフルオロメチル)、およびC1-6アルコキシ基(例、メトキシ)から独立して選ばれる1個以上(例、1、2、3個等)の置換基で置換されていてもよい。
いくつかの態様では、R5は、1ないし3個(例、1、2、3個等)のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいフェニル基である。
いくつかの態様では、R5は、1ないし3個(例、1、2、3個等)のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されたフェニル基である。
いくつかの態様では、R5は、2または3個のフッ素原子で置換された(例、2,6-置換または2,4,6-置換)フェニル基である。
いくつかの態様では、R5は、3個のフッ素原子で置換された(例、2,4,6-置換)フェニル基である。
【0105】
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または置換されていてもよいC1-6アルキル基である。
いくつかの態様では、R6およびR7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ素原子)、またはC1-6アルキル基(例、メチル)である。
いくつかの態様では、R6およびR7は、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子(例、フッ素原子)である。
いくつかの態様では、R6およびR7は、それぞれ水素原子であるか、またはそれぞれハロゲン原子(例、フッ素原子)である。
いくつかの態様では、R6およびR7は、それぞれハロゲン原子(例、フッ素原子)である。
【0106】
下付き文字「m」は、「q」とともに、0(5または6員環を形成する)または1(6または7員環を形成する)のいずれかである。
下付き文字「q」は、「m」とともに、1(5または6員環を形成)または2(6または7員環を形成する)のいずれかである。
いくつかの態様では、mは0;およびqは1であり5員環を形成する。
いくつかの態様では、mは1;およびqは1であり6員環を形成する。
下付き文字「r」は、0(5員環を形成する)または1(6員環を形成する)のいずれかである。
いくつかの態様では、m、qおよびrの組み合わせは、mは0であり;qは1であり;かつrは0である。
いくつかの態様では、m、qおよびrの組み合わせは、mは1であり;qは1であり;かつrは0である。
いくつかの態様では、m、qおよびrの組み合わせは、mは0であり;qは1であり;かつrは1である。
いくつかの態様では、m、qおよびrの組み合わせは、mは0であり;qは2であり;かつrは0である。
【0107】
X1は、NR8またはCR9(式中、R8は存在しない(即ち、=N-)か、あるいは水素原子、および置換されていてもよいC1-6アルキル基から選ばれ、R9は、水素原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、ハロゲン原子、置換されていてもよいC3-6シクロアルキル基、置換されていてもよい3ないし7員含窒素複素環基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基である。)である。
いくつかの態様では、X1は、NR8(式中、R8は存在しない(即ち、=N-)か、あるいはC1-6アルキル基(例、メチル)である)である。
いくつかの態様では、X1は、NR8(式中、R8は存在しない(即ち、=N-)。)である。
いくつかの態様では、X1は、CR9(式中、R9は、水素原子、またはC1-6アルキル基(例、メチル)である。)である。
【0108】
X2は、O、NR10、またはS(式中、R10は存在しない(即ち、=N-)か、あるいは水素原子、および置換されていてもよいC1-6アルキル基から選ばれる。)である。
いくつかの態様では、X2は、Oである。
いくつかの態様では、X2は、NR10(式中、R10は、存在しないか、あるいはC1-6アルキル基(例、メチル)である。)である。
いくつかの態様では、X2は、Sである。
【0109】
X3およびX4は、(i) 共にC、または(ii) X3およびX4の一方がNかつ他方がC、のいずれかである。
いくつかの態様では、X3およびX4は、共にCである。
いくつかの態様では、X3はNであり、かつX4はCである。
いくつかの態様では、X3はCであり、かつX4はNである。
【0110】
X5は、CR11またはN(式中、R11は、水素原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、ハロゲン原子、置換されていてもよいC3-6シクロアルキル基、置換されていてもよい3ないし7員含窒素複素環基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基である。)である。
いくつかの態様では、X5は、Nである。
いくつかの態様では、X5は、CR11(式中、R11は、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ素原子)、またはC1-6アルキル基(例、メチル)である。)である。
いくつかの態様では、X5は、CR11またはN(式中、R11は、水素原子である。)である。
【0111】
X6は、CR12(式中、R12は、水素原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、ハロゲン原子、置換されていてもよいC3-6シクロアルキル基、置換されていてもよい3ないし7員含窒素複素環基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基である。)である。
いくつかの態様では、R12は、水素原子、C1-6アルキル基(例、メチル、エチル)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、C3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、C3-6シクロアルキル(C1-6)アルコキシ基(例、シクロプロピルメトキシ)、ハロ(C1-6)アルキル基(例、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル)、ハロ(C1-6)アルコキシ基(例、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、C1-6アルコキシ(C1-6)アルキル基(例、メトキシメチル)、アゼチジニル基、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシ基、またはヒドロキシ(C1-6)アルキル基(例、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル)である;
いくつかの態様では、R12は、水素原子、C1-6アルキル基(例、メチル)、またはハロゲン原子(例、塩素原子またはフッ素原子)である。
いくつかの態様では、R12は、水素原子、またはハロゲン原子(例、フッ素原子)である。
【0112】
X7は、CR13またはN(式中、R13は、水素原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、ハロゲン原子、置換されていてもよいC3-6シクロアルキル基、置換されていてもよい3ないし7員含窒素複素環基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基である。)である。
いくつかの態様では、X7は、Nである。
いくつかの態様では、X7は、CR13(式中、R13は、水素原子、またはハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)である。)である。
【0113】
いくつかの態様では、X1、X2、X3、X4、X5、X6、およびX7は、ピラゾロピリジン、1,2-ベンゾオキサゾール、インダゾール、イミダゾロピリジン、1,2-ベンゾチアゾール、[1,2]オキサゾロ[4,5-c]ピリジン、イソオキサゾロ[5,4-b]ピリジン、またはイソチアゾロ[5,4-b]ピリジンである環系を形成するように選択される。
これらの態様では、R9、R11、R12、およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基(例、メチル、エチル)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、C3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、C3-6シクロアルキル(C1-6)アルコキシ基(例、シクロプロピルメトキシ)、ハロ(C1-6)アルキル基(例、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル)、ハロ(C1-6)アルコキシ基(例、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、C1-6アルコキシ(C1-6)アルキル基(例、メトキシメチル)、アゼチジニル基、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシ基、およびヒドロキシ(C1-6)アルキル基(例、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル)から選ばれ;かつ
R8およびR10は、それぞれ独立して、存在しない(即ち、=N-)か、あるいは水素原子およびC1-6アルキル基(例、メチル)から選ばれる。
【0114】
いくつかの態様では、
X1は、NR8(式中、R8は存在しない(即ち、=N-)。)であり;
X2は、Oであり;
X3およびX4は、共にCであり;
X5は、CR11またはN(式中、R11は、水素原子である。)であり;
X6は、CR12(式中、R12は、水素原子、C1-6アルキル基(例、メチル)、またはハロゲン原子(例、塩素原子またはフッ素原子)である。)であり;かつ
X7は、CR13(式中、R13は、水素原子、またはハロゲン原子(例、フッ素原子)である。)である。
【0115】
いくつかの態様では、X1、X2、X3、X4、X5、X6、およびX7は、以下:
(i) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はOであり;X3およびX4は共にCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;
(ii) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はOであり、X3およびX4は共にCであり、X5はNであり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;
(iii) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はOであり、X3およびX4は共にCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はNである;
(iv) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はSであり、X3およびX4は共にCであり、X5はNであり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;
(v) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はSであり;X3およびX4は共にCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;
(vi) X1はNR8でありX2はNR10であり、かつR8およびR10の一方は存在せずR8およびR10の他方はC1-6アルキル基(例、メチル)であり、X3およびX4は共にCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;
(vii) X1はCR9であり、X2はNR10でありR10は存在せず、X3はNであり、X4はCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;および
(viii) X1はCR9であり、X2はNR10でありR10は存在せず、X3はCであり、X4はNであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である
の1つである環系を形成するように選択される。
いくつかの態様では、X1、X2、X3、X4、X5、X6、およびX7は、以下:
(i) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はOであり;X3およびX4は共にCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;および
(ii) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はOであり、X3およびX4は共にCであり、X5はNであり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である
の1つである環系を形成するように選択される。
いくつかの態様では、X1、X2、X3、X4、X5、X6、およびX7は、(i) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はOであり;X3およびX4は共にCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である
の環系を形成するように選択される。
いくつかの態様では、X1、X2、X3、X4、X5、X6、およびX7は、(i) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はOであり;X3およびX4は共にCであり、X5は、CH、X6はCR12であり、かつX7はCR13である
の環系を形成するように選択される。
【0116】
これらの態様では、R9、R11、R12、およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基(例、メチル、エチル)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、C3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、C3-6シクロアルキル(C1-6)アルコキシ基(例、シクロプロピルメトキシ)、ハロ(C1-6)アルキル基(例、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル)、ハロ(C1-6)アルコキシ基(例、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、C1-6アルコキシ(C1-6)アルキル基(例、メトキシメチル)、アゼチジニル基、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシ基、およびヒドロキシ(C1-6)アルキル基(例、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル)から選ばれる。
【0117】
X8は、CR14またはN(式中、R14は、水素原子、ハロゲン原子、または置換されていてもよいC1-6アルキル基である。)である。
いくつかの態様では、X8は、Nである。
いくつかの態様では、X8は、CR14(式中、R14は、水素原子である。)である。
【0118】
X9は、CR2またはN(式中、R2は、水素原子、または置換されていてもよいC1-6アルキル基であるか、あるいはrが0のとき、R2は、R3と一緒になって、結合を形成してもよい。)である。
いくつかの態様では、X9は、CR2(式中、R2は、水素原子、またはC1-6アルキル基(例、メチル)であるか、あるいはrが0のとき、R2は、R3と一緒になって、結合を形成してもよい。)である。
いくつかの態様では、X9は、CR2(式中、R2は、水素原子であるか、あるいはrが0のとき、R2は、R3と一緒になって、結合を形成してもよい。)である。
いくつかの態様では、X9は、CR2(式中、R2は、水素原子である。)である。
いくつかの態様では、X9は、CR2であり、rは0であり、かつR2は、R3と一緒になって、結合を形成する。
いくつかの態様では、X9は、Nである。
【0119】
X10は、CR15またはN(式中、R15は、水素原子、ハロゲン原子、または置換されていてもよいC1-6アルキル基であるか、あるいはR15は、R3と一緒になって、結合を形成してもよい。)である。
いくつかの態様では、X10は、Nである。
いくつかの態様では、X10は、CR15(式中、R15は、R3と一緒になって、結合を形成する。)である。
【0120】
いくつかの態様では、
X8は、Nであり;
X9は、CR2(式中、R2は、水素原子であるか、あるいはrが0のとき、R2は、R3と一緒になって、結合を形成してもよい。)であり;かつ
X10は、Nである。
いくつかの態様では、
X8は、Nであり;
X9は、CR2(式中、R2は、水素原子である。)であり;かつ
X10は、Nである。
いくつかの態様では、
X8は、Nであり;
X9は、CR2(式中、rは0であり、かつR2は、R3と一緒になって、結合を形成する。)であり;かつ
X10は、Nである。
【0121】
いくつかの態様では、X8、X9、X10、m、q、およびrは、以下:
(i) X8はNであり、X9はCR2であり、X10はNであり、mは0であり、qは1であり、かつrは0である;
(ii) X8はNであり、X9はCR2であり、X10はNであり、mは1であり、qは1であり、かつrは0である;
(iii) X8はNであり、X9はCR2であり、X10はNであり、mは0であり、qは1であり、かつrは1である;
(iv) X8はNであり、X9はNであり、X10はCR15であり、mは0であり、qは1であり、かつrは0である;
(v) X8はCR14であり、X9はCR2であり、X10はNであり、mは0であり、qは1であり、かつrは0である;および
(vi) X8はNであり、X9はCR2であり、X10はNであり、mは0であり、qは2であり、かつrは0である
の1つである環系を形成するように選択される。
いくつかの態様では、X8、X9、X10、m、q、およびrは、以下:
(i) X8はNであり、X9はCR2であり、X10はNであり、mは0であり、qは1であり、かつrは0である;および
(iii) X8はNであり、X9はCR2であり、X10はNであり、mは0であり、qは1であり、かつrは1である
の1つである環系を形成するように選択される。
【0122】
これらの態様では、
R2は、水素原子、またはC1-6アルキル基(例、メチル)であるか、あるいはrが0のとき、R2は、R3と一緒になって、結合を形成してもよく;
R14は、水素原子、ハロゲン原子、またはC1-6アルキル基であり;かつ
R15は、R3と一緒になって、結合を形成する;
【0123】
いくつかの態様では、下記式:
【0124】
【0125】
(式中の各記号は、前記と同義である。)
で表される部分構造は、下記式:
【0126】
【0127】
(式中の各記号は、前記と同義である。)
で表される部分構造の1つである。
【0128】
化合物(I)のいくつかの態様では、
R1は、
(1)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(ii) C1-6アルコキシ基(例、メトキシ)、および
(iii) C3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル)
から独立して選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル)、
(2) C3-10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、または
(3) モノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ)
であり;
R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、またはC1-6アルキル基(例、メチル)であるか、あるいは、
rが0のとき、R2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成してもよく、または
X10がCR15のとき、R3は、R15と一緒になって、結合を形成し;
R4は、水素原子、C1-6アルキル基(例、メチル)、C1-6アルコキシ基(例、エトキシ)、またはヒドロキシ基であり;
R5は、フェニル、ピラゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、ピペリジル、またはシクロブチルであり、それらのいずれも、C1-6アルキル基(例、メチル)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、ハロ(C1-6)アルキル基(例、トリフルオロメチル)、およびC1-6アルコキシ基(例、メトキシ)から独立して選ばれる1個以上(例、1、2、3個等)の置換基で置換されていてもよく;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ素原子)、またはC1-6アルキル基(例、メチル)であり;
X1、X2、X3、X4、X5、X6、およびX7は、以下:
(i) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はOであり;X3およびX4は共にCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;
(ii) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はOであり、X3およびX4は共にCであり、X5はNであり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;
(iii) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はOであり、X3およびX4は共にCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はNである;
(iv) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はSであり、X3およびX4は共にCであり、X5はNであり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;
(v) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はSであり;X3およびX4は共にCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;
(vi) X1はNR8でありX2はNR10であり、かつR8およびR10の一方は存在せずR8およびR10の他方はC1-6アルキル基(例、メチル)であり、X3およびX4は共にCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;
(vii) X1はCR9であり、X2はNR10でありR10は存在せず、X3はNであり、X4はCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;および
(viii) X1はCR9であり、X2はNR10でありR10は存在せず、X3はCであり、X4はNであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である
の1つである環系を形成するように選択され;
X8、X9、X10、m、q、およびrは、以下:
(i) X8はNであり、X9はCR2であり、X10はNであり、mは0であり、qは1であり、かつrは0である;
(ii) X8はNであり、X9はCR2であり、X10はNであり、mは1であり、qは1であり、かつrは0である;
(iii) X8はNであり、X9はCR2であり、X10はNであり、mは0であり、qは1であり、かつrは1である;
(iv) X8はNであり、X9はNであり、X10はCR15であり、mは0であり、qは1であり、かつrは0である;
(v) X8はCR14であり、X9はCR2であり、X10はNであり、mは0であり、qは1であり、かつrは0である;および
(vi) X8はNであり、X9はCR2であり、X10はNであり、mは0であり、qは2であり、かつrは0である
の1つである環系を形成するように選択され;
R9、R11、R12、およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基(例、メチル、エチル)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、C3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、C3-6シクロアルキル(C1-6)アルコキシ基(例、シクロプロピルメトキシ)、ハロ(C1-6)アルキル基(例、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル)、ハロ(C1-6)アルコキシ基(例、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、C1-6アルコキシ(C1-6)アルキル基(例、メトキシメチル)、アゼチジニル基、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシ基、およびヒドロキシ(C1-6)アルキル基(例、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル)から選ばれ;かつ
R14は、水素原子であり;かつ
R15は、R3と一緒になって、結合を形成する。
【0129】
いくつかの態様では、化合物(I)は、式(Ia):
【0130】
【0131】
[式中、
R1は、C1-6アルキル基(例、メチル、エチル)、C3-10シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基、例、シクロプロピル)、またはモノ-C1-6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ)であり;
rは、0または1であり;
R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子であるか、あるいは
rが0のとき、R2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成してもよく;
R4は、水素原子であり;
R5は、1ないし3個(例、1、2、3個等)のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいフェニル基であり;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子(例、フッ素原子)であり;
X5は、CHまたはNであり;および
R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基(例、メチル)、またはハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)である;]
で表されるか、またはその塩である(化合物(Ia)ともいう。)。
【0132】
化合物(Ia)のいくつかの態様では、
R1は、C1-6アルキル基(例、メチル、エチル)であり;
rは、0または1であり;
R2およびR3は、それぞれ、水素原子であるか、あるいは
rが0のとき、R2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成してもよく;
R4は、水素原子であり;
R5は、1ないし3個(例、1、2、3個等)のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されたフェニル基であり;
R6およびR7は、それぞれ、ハロゲン原子(例、フッ素原子)であり;
X5は、CHであり;かつ
R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子(例、フッ素原子)である。
【0133】
いくつかの態様では、化合物(I)は、式(Ib):
【0134】
【0135】
[式中、
R1は、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-10シクロアルキル基、または置換されていてもよいモノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ基であり;
R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、または置換されていてもよいC1-6アルキル基であるか、あるいは
R2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成し;
R4は、水素原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基であり;
R5は、置換されていてもよい5または6員単環基であり;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または置換されていてもよいC1-6アルキル基であり;
mは、0または1であり;
qは、1または2であり;
X1は、NR8、またはCR9であり;
X2は、O、NR10、またはSであり;
X3およびX4は、共にCであるか、あるいはX3およびX4の一方はNかつ他方はCであり;
X5は、CR11またはNであり;
X6は、CR12であり;
X7は、CR13またはNであり;
R9、R11、R12、およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、ハロゲン原子、置換されていてもよいC3-6シクロアルキル基、置換されていてもよい3ないし7員含窒素複素環基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、またはヒドロキシ基であり;および
R8およびR10は、それぞれ独立して、存在しないか、あるいは水素原子および置換されていてもよいC1-6アルキル基から選ばれる;]
で表されるか、またはその塩である(化合物(Ib)ともいう。)。
【0136】
化合物(Ib)のいくつかの態様では、
R1は、
(1)(i) ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(ii) C1-6アルコキシ基(例、メトキシ)、および
(iii) C3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル)
から独立して選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル)、
(2) C3-10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、または
(3) モノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ)
であり;
R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、またはC1-6アルキル基(例、メチル)であるか、あるいはR2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成し;
R4は、水素原子、C1-6アルキル基(例、メチル)、C1-6アルコキシ基(例、エトキシ)、またはヒドロキシ基であり;
R5は、フェニル、ピラゾリル、フリル、チエニルまたはチアゾリルであり、それらのいずれも、C1-6アルキル基(例、メチル)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、ハロ(C1-6)アルキル基(例、トリフルオロメチル)、およびC1-6アルコキシ基(例、メトキシ)から独立して選ばれる1個以上の置換基で置換されていてもよく;
mは、0または1であり;
qは、1または2であり;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ素原子)、またはC1-6アルキル基(例、メチル)であり;
X1、X2、X3、X4、X5、X6、およびX7は、以下:
(i) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はOであり;X3およびX4は共にCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;
(ii) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はOであり、X3およびX4は共にCであり、X5はNであり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;
(iii) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はOであり、X3およびX4は共にCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はNである;
(iv) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はSであり、X3およびX4は共にCであり、X5はNであり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;
(v) X1はNR8でありR8は存在せず、X2はSであり;X3およびX4は共にCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;
(vi) X1はNR8でありX2はNR10であり、かつR8およびR10の一方は存在せずR8およびR10の他方はC1-6アルキル基(例、メチル)であり、X3およびX4は共にCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;
(vii) X1はCR9であり、X2はNR10でありR10は存在せず、X3はNであり、X4はCであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である;および
(viii) X1はCR9であり、X2はNR10でありR10は存在せず、X3はCであり、X4はNであり、X5はCR11であり、X6はCR12であり、かつX7はCR13である
の1つである環系を形成するように選択され;かつ
R9、R11、R12、およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基(例、メチル、エチル)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、C3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、C3-6シクロアルキル(C1-6)アルコキシ基(例、シクロプロピルメトキシ)、ハロ(C1-6)アルキル基(例、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル)、ハロ(C1-6)アルコキシ基(例、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、C1-6アルコキシ(C1-6)アルキル基(例、メトキシメチル)、アゼチジニル基、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシ基、およびヒドロキシ(C1-6)アルキル基(例、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル)から選ばれる。
【0137】
いくつかの態様では、化合物(I)は、式(Ic):
【0138】
【0139】
[式中、
R1は、C1-6アルキル基(例、メチル、エチル)、またはモノ-C1-6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ)であり;
R2およびR3は、それぞれ、水素原子であるか、あるいはR2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成し;
R4は、水素原子であり;
R5は、1ないし3個(例、1、2、3個等)のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよいフェニル基であり;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子(例、フッ素原子)であり;
X5は、CHまたはNであり;および
R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基(例、メチル)、またはハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)である;]
で表されるか、またはその塩である(化合物(Ic)ともいう。
【0140】
化合物(Ic)のいくつかの態様では、
R1は、C1-6アルキル基(例、メチル、エチル)であり;
R2およびR3は、それぞれ、水素原子であるか、あるいはR2およびR3は、互いに一緒になって、結合を形成し;
R4は、水素原子であり;
R5は、1ないし3個(例、1、2、3個等)のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されたフェニル基であり;
R6およびR7は、それぞれ、ハロゲン原子(例、フッ素原子)であり;
X5は、CHであり;かつ
R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子(例、フッ素原子)である。
【0141】
化合物(Ia)、(Ib)および(Ic)を含む化合物(I)の代表例としては、実施例および表1で示される化合物が挙げられる。
いくつかの態様では、本開示は、以下:
N-{(6S,7aS)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド;
N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド;
N-{(6S,7aS)-2-[6-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド;
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-2-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-2-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(4aR,6R)-5,5-ジフルオロ-1-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]オクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(4aR,6R)-2-[5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-5,5-ジフルオロ-1-オキソオクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(4aR,6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-5,5-ジフルオロ-1-オキソオクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミド;および
N-{(6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド;
からなる群から選ばれる化合物、またはその塩を提供する。
【0142】
いくつかの態様では、本開示は、N-{(6S,7aS)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミドである化合物、またはその塩を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミドである化合物、またはその塩を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミドである化合物、またはその塩を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、N-{(6S,7aS)-2-[6-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミドである化合物、またはその塩を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミドである化合物、またはその塩を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-2-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミドである化合物、またはその塩を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-2-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミドである化合物、またはその塩を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、N-{(4aR,6R)-5,5-ジフルオロ-1-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]オクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミドである化合物、またはその塩を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、N-{(4aR,6R)-2-[5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-5,5-ジフルオロ-1-オキソオクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミドである化合物、またはその塩を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、N-{(4aR,6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-5,5-ジフルオロ-1-オキソオクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミドである化合物、またはその塩を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、N-{(6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミドである化合物、またはその塩を提供する。
【0143】
式(I)で表される化合物の塩としては、薬理学的に許容される塩が好ましく、このような塩としては、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。
無機塩基との塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩等が挙げられる。
有機塩基との塩の例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン]、tert-ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N-ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。
無機酸との塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。
有機酸との塩の例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の例としては、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられる。酸性アミノ酸との塩の例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
【0144】
本発明化合物の製造法について以下に説明する。
【0145】
以下の製造方法における各工程で用いられた原料化合物や試薬、ならびに得られた化合物は、それぞれ塩を形成し得る。このような塩としては、例えば、式(I)で表される化合物の塩と同様のもの等が挙げられる。
【0146】
各工程で得られた化合物が遊離化合物である場合には、公知の方法により、目的とする塩に変換することができる。各工程で得られた化合物が塩である場合には、公知の方法により、目的とする遊離体または他の種類の塩に変換することができる。
【0147】
各工程で得られた化合物は反応液として直接、または粗生成物として、次反応に用いることもできる、あるいは、各工程で得られた化合物を、公知の方法、例えば、濃縮、晶出、再結晶、蒸留、溶媒抽出、分溜、クロマトグラフィーなどの分離手段に従って、反応混合物から単離および/または精製することができる。
【0148】
各工程の原料化合物および/または試薬の化合物が市販されている場合には、市販品をそのまま用いることができる。
【0149】
各工程の反応において、反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なり得る。特に記載の無い場合、通常、反応時間は1分~48時間、好ましくは10分~8時間である。
【0150】
各工程の反応において、反応温度は、用いる試薬や溶媒により異なり得る。特に記載が無い場合、通常、反応温度は-78℃~300℃、好ましくは-78℃~150℃である。
【0151】
各工程の反応において、圧力は、用いる試薬や溶媒により異なり得る。特に記載が無い場合、通常、圧力は1気圧~20気圧、好ましくは1気圧~3気圧である。
【0152】
各工程の反応において、例えば、Biotage社製Initiator+などのMicrowave合成装置を用いることができる。反応温度は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載がない場合、通常室温~300℃、好ましくは50℃~250℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載の無い場合、通常1分~48時間、好ましくは1分~8時間である。
【0153】
各工程の反応において、試薬は、特に記載が無い場合、基質に対して0.5当量~20当量、好ましくは0.8当量~5当量が用いられる。試薬を触媒として使用する場合、試薬は基質に対して0.001当量~1当量、好ましくは0.01当量~0.2当量が用いられる。試薬が反応溶媒として使用する場合、試薬は溶媒量が用いられる。
【0154】
特に記載が無い場合、各工程の反応は、無溶媒、あるいは原料化合物を適当な溶媒に溶解または懸濁して行われる。溶媒の具体例としては、実施例に記載されている溶媒、あるいは以下が挙げられる:
アルコール類:メタノール、エタノール、tert-ブチルアルコール、2-メトキシエタノールなど;
エーテル類:ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタンなど;
芳香族炭化水素類:クロロベンゼン、トルエン、キシレンなど;
飽和炭化水素類:シクロヘキサン、ヘキサンなど;
アミド類:N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドンなど;
ハロゲン化炭化水素類:ジクロロメタン、四塩化炭素など;
ニトリル類:アセトニトリルなど;
スルホキシド類:ジメチルスルホキシドなど;
芳香族有機塩基類:ピリジンなど;
酸無水物類:無水酢酸など;
有機酸類:ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸など;
無機酸類:塩酸、硫酸など;
エステル類:酢酸エチルなど;
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトンなど;および
水。
上記溶媒は、単独で、あるいは二種以上を適宜の割合で混合して用いることができる。
【0155】
各工程の反応において塩基を用いる場合、例えば、以下に示す塩基、あるいは実施例に記載されている塩基が用いられる:
無機塩基類:水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなど;
有機塩基類:トリエチルアミン、ジエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジメチルアニリン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、イミダゾール、ピペリジンなど;
金属アルコキシド類:ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシドなど;
アルカリ金属水素化物類:水素化ナトリウムなど;
金属アミド類:ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドなど;および
有機リチウム類:n-ブチルリチウムなど。
【0156】
各工程の反応において酸または酸性触媒を用いる場合、例えば、以下に示す酸や酸性触媒、あるいは実施例に記載されている酸や酸性触媒が用いられる:
無機酸類:塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸など;
有機酸類:酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、p-トルエンスルホン酸、10-カンファースルホン酸など;
ルイス酸:三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、ヨウ化亜鉛、無水塩化アルミニウム、無水塩化亜鉛、無水塩化鉄など。
【0157】
各工程の反応は、特に記載の無い限り、公知の方法、例えば、第5版実験化学講座、13巻~19巻(日本化学会編);新実験化学講座、14巻~15巻(日本化学会編);精密有機化学 改訂第2版(L. F. Tietze,Th. Eicher、南江堂);改訂 有機人名反応 そのしくみとポイント(東郷秀雄著、講談社);ORGANIC SYNTHESES Collective Volume I~VII(John Wiley & Sons Inc.);Modern Organic Synthesis in the Laboratory A Collection of Standard Experimental Procedures(Jie Jack Li著、OXFORD UNIVERSITY出版);Comprehensive Heterocyclic Chemistry III、Vol.1~Vol.14(エルゼビア・ジャパン株式会社);人名反応に学ぶ有機合成戦略(富岡清監訳、化学同人発行);コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ(VCH Publishers Inc.)1989年刊などに記載された方法、あるいは実施例に記載された方法に準じて行われる。
【0158】
各工程において、官能基の保護または脱保護反応は、公知の方法、例えば、Wiley-Interscience社2007年刊「Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Ed.」(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著);Thieme社2004年刊「Protecting Groups 3rd Ed.」(P.J.Kocienski著)などに記載された方法、あるいは実施例に記載された方法に準じて行われる。
アルコールなどの水酸基やフェノール性水酸基の保護基としては、例えば、メトキシメチルエーテル、ベンジルエーテル、tert-ブチルジメチルシリルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテルなどのエーテル型保護基;酢酸エステルなどのカルボン酸エステル型保護基;メタンスルホン酸エステルなどのスルホン酸エステル型保護基;およびtert-ブチルカルボネートなどの炭酸エステル型保護基が挙げられる。
アルデヒドのカルボニル基の保護基としては、例えば、ジメチルアセタールなどのアセタール型保護基;および1,3-ジオキサンなどの環状アセタール型保護基が挙げられる。
ケトンのカルボニル基の保護基としては、例えば、ジメチルケタールなどのケタール型保護基;1,3-ジオキサンなどの環状ケタール型保護基;O-メチルオキシムなどのオキシム型保護基;およびN,N-ジメチルヒドラゾンなどのヒドラゾン型保護基が挙げられる。
カルボキシル基の保護基としては、例えば、メチルエステルなどのエステル型保護基;およびN,N-ジメチルアミドなどのアミド型保護基が挙げられる。
チオールの保護基としては、例えば、ベンジルチオエーテルなどのエーテル型保護基;およびチオ酢酸エステル、チオカルボネート、チオカルバメートなどのエステル型保護基が挙げられる。
アミノ基や、イミダゾール、ピロール、インドールなどの芳香族ヘテロ環の保護基としては、例えば、ベンジルカルバメートなどのカルバメート型保護基;アセトアミドなどのアミド型保護基;N-トリフェニルメチルアミンなどのアルキルアミン型保護基;およびメタンスルホンアミドなどのスルホンアミド型保護基が挙げられる。
保護基の除去は、公知の方法、例えば、酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N-メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム、トリアルキルシリルハライド(例えば、トリメチルシリルヨージド、トリメチルシリルブロミド)等を使用する方法や還元法などを用いて行うことができる。
【0159】
各工程において、還元反応を行う場合、使用される還元剤としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL-H)、水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリアセトキシホウ素テトラメチルアンモニウムなどの金属水素化物類;ボランテトラヒドロフラン錯体などのボラン類;ラネーニッケル;ラネーコバルト;水素;ギ酸;トリエチルシランなどが挙げられる。炭素-炭素二重結合あるいは三重結合を還元する場合は、パラジウム-カーボンやLindlar触媒などの触媒を用いる方法が採用できる。
【0160】
各工程において、酸化反応を行う場合、使用される酸化剤としては、m-クロロ過安息香酸(mCPBA)、過酸化水素、tert-ブチルヒドロペルオキシドなどの過酸類;過塩素酸テトラブチルアンモニウムなどの過塩素酸塩類;塩素酸ナトリウムなどの塩素酸塩類;亜塩素酸ナトリウムなどの亜塩素酸塩類;過ヨウ素酸ナトリウムなどの過ヨウ素酸塩類;ヨードシルベンゼンなどの高原子価ヨウ素試薬;二酸化マンガン、過マンガン酸カリウムなどのマンガンを有する試薬;四酢酸鉛などの鉛類;クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、二クロム酸ピリジニウム(PDC)、ジョーンズ試薬などのクロムを有する試薬;N-ブロモスクシンイミド(NBS)などのハロゲン化合物類;酸素;オゾン;三酸化硫黄・ピリジン錯体;四酸化オスミウム;二酸化セレン;2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)などが挙げられる。
【0161】
各工程において、ラジカル環化反応を行う場合、使用されるラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)などのアゾ化合物;4-4’-アゾビス-4-シアノペンタン酸(ACPA)などの水溶性ラジカル開始剤;空気あるいは酸素存在下でのトリエチルホウ素;過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。また、使用されるラジカル反応試剤としては、トリブチルスタナン、トリストリメチルシリルシラン、1,1,2,2-テトラフェニルジシラン、ジフェニルシラン、ヨウ化サマリウムなどが挙げられる。
【0162】
各工程において、Wittig反応を行う場合、使用されるWittig試薬としては、アルキリデンホスホラン類などが挙げられる。アルキリデンホスホラン類は、公知の方法、例えば、ホスホニウム塩と強塩基を反応させることで調製することができる。
【0163】
各工程において、Horner-Emmons反応を行う場合、使用される試薬としては、ジメチルホスホノ酢酸メチル、ジエチルホスホノ酢酸エチルなどのホスホノ酢酸エステル類;およびアルカリ金属水素化物類、有機リチウム類などの塩基が挙げられる。
【0164】
各工程において、Friedel-Crafts反応を行う場合、試薬としては、ルイス酸と酸クロリドとの組み合せ、あるいはルイス酸とアルキル化剤(例、ハロゲン化アルキル類、アルコール、オレフィン類など)との組み合わせが用いられる。あるいは、ルイス酸の代わりに、本明細書に記載の有機酸や無機酸を用いることもでき、酸クロリドの代わりに、無水酢酸などの酸無水物を用いることもできる。
【0165】
各工程において、芳香族求核置換反応を行う場合、試薬としては、求核剤(例、アミン類、イミダゾールなど)と塩基(例、有機塩基類など)が用いられる。
【0166】
各工程において、カルボアニオンによる求核付加反応、カルボアニオンによる求核1,4-付加反応(Michael付加反応)、あるいはカルボアニオンによる求核置換反応を行う場合、カルボアニオンを発生するために用いる塩基としては、有機リチウム類、金属アルコキシド類、無機塩基類、有機塩基類などが挙げられる。
【0167】
各工程において、Grignard反応を行う場合、Grignard試薬としては、フェニルマグネシウムブロミドなどのアリールマグネシウムハライド類;およびメチルマグネシウムブロミドなどのアルキルマグネシウムハライド類が挙げられる。Grignard試薬は、自体公知の方法、例えばエーテルあるいはテトラヒドロフランを溶媒として、ハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アリールと、金属マグネシウムとを反応させることにより調製することができる。
【0168】
各工程において、Knoevenagel縮合反応を行う場合、試薬としては、二つの電子求引基に挟まれた活性メチレン基を有する化合物(例、マロン酸、マロン酸ジエチル、マロノニトリルなど)および塩基(例、それぞれ本明細書に記載の、有機塩基類、金属アルコキシド類、無機塩基類)が用いられる。
【0169】
各工程において、Vilsmeier-Haack反応を行う場合、試薬としては、塩化ホスホリルとアミド誘導体(例、N,N-ジメチルホルムアミドなど)が用いられる。
【0170】
各工程において、アルコール類、アルキルハライド類、スルホン酸エステル類のアジド化反応を行う場合、使用されるアジド化剤としては、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、トリメチルシリルアジド、アジ化ナトリウムなどが挙げられる。例えば、アルコール類のアジド化反応には、ジフェニルホスホリルアジドと1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)を用いる方法やトリメチルシリルアジドとルイス酸を用いる方法などが採用される。
【0171】
各工程において、還元的アミノ化反応を行う場合、使用される還元剤としては、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素、ギ酸などが挙げられる。基質がアミン化合物の場合は、使用されるカルボニル化合物としては、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、およびシクロヘキサノンなどのケトン類が挙げられる。基質がカルボニル化合物の場合は、使用されるアミン類としては、アンモニア、メチルアミンなどの1級アミン;ジメチルアミンなどの2級アミンなどが挙げられる。
【0172】
各工程において、光延反応を行う場合、試薬としては、アゾジカルボン酸エステル類(例、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)など)およびトリフェニルホスフィンが用いられる。
【0173】
各工程において、エステル化反応、アミド化反応、あるいはウレア化反応を行う場合、使用される試薬としては、酸クロリド、酸ブロミドなどのハロゲン化アシル類;酸無水物、活性エステル体、硫酸エステル体など活性化されたカルボン酸類が挙げられる。カルボン酸の活性化剤としては、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSCD)などのカルボジイミド系縮合剤;4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロライド-n-ハイドレート(DMT-MM)などのトリアジン系縮合剤;1,1-カルボニルジイミダゾール(CDI)などの炭酸エステル系縮合剤;ジフェニルリン酸アジド(DPPA);ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホニウム塩(BOP試薬);
ヨウ化2-クロロ-1-メチル-ピリジニウム(向山試薬);塩化チオニル;クロロギ酸エチルなどのハロギ酸低級アルキル;O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(HATU);
硫酸;これらの組み合わせなどが挙げられる。カルボジイミド系縮合剤を用いる場合、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N-ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)などの添加剤を反応系に加えることができる。
【0174】
各工程において、カップリング反応を行う場合、使用される金属触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、塩化1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)などのパラジウム化合物;テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)などのニッケル化合物;塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(III)などのロジウム化合物;コバルト化合物;酸化銅、ヨウ化銅(I)などの銅化合物;および白金化合物などが挙げられる。さらに反応に塩基を加えてもよく、このような塩基としては、本明細書に記載の無機塩基類などが挙げられる。
【0175】
各工程において、チオカルボニル化反応を行う場合、チオカルボニル化剤としては、代表的には五硫化二リンが用いられる。あるいは五硫化二リンの他に、1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジスルフィド構造を持つ試薬(例、2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジスルフィド(Lawesson試薬)等)を用いてもよい。
【0176】
各工程において、Wohl-Ziegler反応を行う場合、使用されるハロゲン化剤としては、N-ヨードスクシンイミド、N-ブロモスクシンイミド(NBS)、N-クロロスクシンイミド(NCS)、臭素、塩化スルフリルなどが挙げられる。さらに、熱、光、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル開始剤を反応系に供することで、反応を加速させることができる。
【0177】
各工程において、ヒドロキシ基のハロゲン化反応を行う場合、使用されるハロゲン化剤としては、ハロゲン化水素酸および無機酸の酸ハロゲン化物が挙げられ、具体的には、塩素化では、塩酸、塩化チオニル、オキシ塩化リンなど、臭素化では、48%臭化水素酸などが挙げられる。また、アルコールをトリフェニルホスフィンと四塩化炭素または四臭化炭素など反応させることによりハロゲン化アルキル類を製造する方法を用いてもよい。あるいは、アルコールを対応するスルホン酸エステルに変換した後、臭化リチウム、塩化リチウムまたはヨウ化ナトリウムと反応させることを含む2段階の反応を経てハロゲン化アルキル類を製造する方法を用いてもよい。
【0178】
各工程において、Arbuzov反応を行う場合、使用される試薬としては、ブロモ酢酸エチルなどのハロゲン化アルキル類;およびトリエチルホスファイト、トリ(イソプロピル)ホスファイトなどのホスファイト類が挙げられる。
【0179】
各工程において、スルホン酸エステル化反応を行う場合、使用されるスルホニル化剤としては、メタンスルホニルクロリド、p-トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホン酸無水物、p-トルエンスルホン酸無水物などが挙げられる。
【0180】
各工程において、加水分解反応を行う場合、試薬としては、酸または塩基が用いられる。また、tert-ブチルエステルの酸加水分解反応には、副生するtert-ブチルカチオンを還元的にトラップするために、ギ酸、トリエチルシランなどを加えることができる。
【0181】
各工程において、脱水反応を行う場合、使用される脱水剤としては、硫酸、五酸化二リン、オキシ塩化リン、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド、アルミナ、ポリリン酸などが挙げられる。
【0182】
後述するスキーム2で使用する化合物(7)は、以下のスキーム1で示す方法に従って、化合物(1)から製造することができる。式中、P1およびP2は、それぞれ、保護基または水素原子であり、LG1は、脱離基であり、R16は、置換されていてもよいC1-6アルキル基または置換されていてもよいC6-14アリール基であり、その他の記号は、前記と同義である。
【0183】
【0184】
P1の「保護基」としては、例えば、上記の「アミノ基や、イミダゾール、ピロール、インドールなどの芳香族ヘテロ環の保護基」として例示したものが挙げられる。
P2の「保護基」としては、例えば、上記の「アルコールなどの水酸基の保護基」として例示したものが挙げられる。
LG1の「脱離基」としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ(例、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)、C1-6アルキルで置換されていてもよいC6-14アリールスルホニルオキシ(例、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)等が挙げられる。
化合物(1)は、容易に入手可能な市販品であるか、あるいは自体公知の方法に従って製造することができる。
化合物(3)は、化合物(1)を化合物(2)とのスルホンアミド化反応に供することにより製造することができる。使用される化合物(2)としては、例えば、スルホニルクロリド、スルファモイルクロリド等が挙げられる。化合物(2)は、容易に入手可能な市販品であるか、あるいは自体公知の方法に従って製造することができる。
化合物(7)は、例えば、X8が窒素原子である化合物(5)を、化合物(6)-1または化合物(6)-2との縮合反応に供することにより製造することができる。化合物(6)-1および化合物(6)-2は、容易に入手可能な市販品であるか、あるいは自体公知の方法に従って製造することができる。
【0185】
化合物(I)は、以下のスキーム2で示す方法に従って、化合物(7)から製造することができる。式中、R17は、置換されていてもよいC1-6アルキル基または置換されていてもよいC6-14アリール基であり、その他の記号は、前記と同義である。
【0186】
【0187】
化合物(8)は、化合物(7)をスルホン酸エステル化反応に供することにより製造することができる。使用されるスルホニル化剤としては、例えば、メタンスルホニルクロリド、p-トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホン酸無水物、p-トルエンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物等が挙げられる。
化合物(9)は、例えば、R4が水素原子である化合物(7)を、酸化反応に供することにより製造することができる。
化合物(I)は、例えば、化合物(8)を塩基の存在下で求核置換反応に供することにより製造することができる。使用される塩基としては、例えば、無機塩基、有機塩基、アルカリ金属水素化物等が挙げられる。
X9がCR2、rが0、かつR2およびR3が一緒になって結合を形成する化合物(I)は、例えば、化合物(9)を脱水反応に供することにより製造することができる。
X10がCR15、かつR3およびR15が一緒になって結合を形成する化合物(I)は、例えば、化合物(9)を脱水反応に供することにより製造することができる。
【0188】
化合物(I)において、分子内の官能基は、公知の化学反応を組み合わせることにより目的の官能基に変換することもできる。ここで、化学反応の例としては、酸化反応、還元反応、アルキル化反応、アシル化反応、ウレア化反応、加水分解反応、アミノ化反応、エステル化反応、アリールカップリング反応、脱保護反応等が挙げられる。
【0189】
上記製造法において、原料化合物が置換基としてアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、カルボニル基またはメルカプト基を有する場合、これらの基にペプチド化学等で一般的に用いられるような保護基を導入することができ、反応後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
【0190】
化合物(I)は、公知の手段、例えば、溶媒抽出、液性変換、転溶、晶出、再結晶、クロマトグラフィー等によって単離精製することができる。
化合物(I)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、または回転異性体を含む場合には、これらも化合物(I)に含まれ、合成方法または分離方法によりそれぞれを単品として得ることができる。例えば、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、該化合物から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。
光学異性体は公知の方法により製造することができる。
化合物(I)は、結晶であってもよい。
化合物(I)の結晶(以下、本発明の結晶と略記することがある)は、化合物(I)に公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。
【0191】
本明細書中、融点は、例えば、微量融点測定器(ヤナコ、MP-500D型またはBuchi、B-545型)またはDSC(示差走査熱量分析)装置(METTLER TOLEDO,DSC1)等により測定される融点を意味する。
一般に、融点は、測定機器、測定条件等によって変動し得る。本明細書中の結晶は、通常の誤差範囲内であれば、本明細書に記載の融点と異なる値を有する結晶であり得る。
本発明の結晶は、物理化学的性質(例、融点、溶解度、安定性)および生物学的性質(例、体内動態(吸収性、分布、代謝、排泄)、薬効発現)に優れ、医薬として極めて有用であり得る。
【0192】
化合物(I)はプロドラッグとして用い得る。化合物(I)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)に変換する化合物である。例えば、化合物(I)のプロドラッグは、酵素の存在下で酸化、還元、加水分解等により化合物(I)に変化する化合物、または、胃酸等による加水分解等により化合物(I)に変化する化合物である。
化合物(I)のプロドラッグは:
化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化またはリン酸化された化合物(例、化合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化またはtert-ブチル化された化合物);
化合物(I)のヒドロキシ基がアシル化、アルキル化、リン酸化またはホウ酸化された化合物(例、化合物(I)のヒドロキシ基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化またはジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物);または
化合物(I)のカルボキシル基がエステル化またはアミド化された化合物(例、化合物(I)のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化またはメチルアミド化された化合物)
であり得る。
これらの化合物はいずれも公知の方法によって化合物(I)から製造することができる。
【0193】
化合物(I)のプロドラッグはまた、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物(I)に変化するものであり得る。
本明細書において、プロドラッグは塩を形成し得、かかる塩としては、前述の式(I)で示される化合物の塩として例示したものが挙げられる。
化合物(I)は、同位元素(例、3H、13C、14C、18F、35S、125I)等で標識され得る。
同位元素で標識または置換された化合物(I)は、例えば、陽電子断層法(PET)において使用するトレーサー(PETトレーサー)として用いることができ、医療診断などの分野において有用である。
さらに、化合物(I)は、水和物または非水和物、無溶媒和物(例えば、無水物)、または溶媒和物(例えば、水和物)であり得る。
化合物(I)はまた、1Hを2H(D)に変換した重水素変換体も包含する。
さらに、化合物(I)は、薬学的に許容され得る共結晶または共結晶塩であり得る。ここで、共結晶または共結晶塩とは、各々が異なる物理的特性(例えば、構造、融点、融解熱、吸湿性、溶解性および安定性)を持つ、室温で二種またはそれ以上の独特な固体から構成される結晶性物質を意味する。共結晶または共結晶塩は、公知の共結晶化法に従い製造することができる。
【0194】
化合物(I)またはそのプロドラッグ(以下、単に本発明化合物と略記することがある)は、そのまま、または薬理学的に許容し得る担体等と混合して医薬組成物(医薬とも呼ぶ)とすることにより、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル)に対して、後述する各種疾患の予防または治療剤として用いることができる。
ここにおいて、薬理学的に許容し得る担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられる。これらは、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;または液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等として配合され、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の製剤添加物を用いることもできる。
【0195】
賦形剤の例としては、乳糖、白糖、D-マンニトール、D-ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、およびメタケイ酸アルミン酸マグネシウムが挙げられる。
滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、およびコロイドシリカが挙げられる。
結合剤の例としては、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンが挙げられる。
崩壊剤の例としては、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、および低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
溶剤の例としては、注射用水、生理的食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、および綿実油が挙げられる。
溶解補助剤の例としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、および酢酸ナトリウムが挙げられる。
懸濁化剤の例としては、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;ポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子;ポリソルベート類、およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が挙げられる。
等張化剤の例としては、塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトール、D-ソルビトール、およびブドウ糖が挙げられる。
緩衝剤の例としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液が挙げられる。
無痛化剤の例としては、ベンジルアルコールが挙げられる。
防腐剤の例としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、およびソルビン酸が挙げられる。
抗酸化剤の例としては、亜硫酸塩、およびアスコルビン酸塩が挙げられる。
着色剤の例としては、水溶性食用タール色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号等の食用色素)、水不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩)、天然色素(例、β-カロチン、クロロフィル、ベンガラ)が挙げられる。
甘味剤の例としては、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、およびステビアが挙げられる。
【0196】
前記医薬組成物の剤形としては、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、バッカル錠を含む)、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、エアゾール剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム)等の経口剤;および注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、点滴剤)、外用剤(例、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等の非経口剤が挙げられる。本発明化合物および本発明の医薬は経口的あるいは非経口的(例、直腸内、静脈内、動脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、膣内、腹腔内、腫瘍内、腫瘍近位への投与、および病巣への投与)に安全に投与できる。
これらの製剤は、速放性製剤または徐放性製剤等の放出制御製剤(例、徐放性マイクロカプセル)であり得る。
【0197】
医薬組成物は、医薬製剤分野において慣用の方法、例えば、日本薬局方に記載の方法等により製造することができる。
なお、医薬組成物中の本発明化合物の含量は、剤形、本発明化合物の投与量等により異なるが、例えば、約0.1~100重量%である。
経口剤を製造する際には、必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性を目的として、コーティングを行い得る。
【0198】
コーティングに用いられるコーティング基剤としては、例えば、糖衣基剤、水溶性フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティング基剤、および徐放性フィルムコーティング基剤が挙げられる。
糖衣基剤としては、白糖を使用でき、さらに、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナバロウ等から選ばれる1種または2種以上を併用し得る。
水溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE〔オイドラギットE(商品名)〕、ポリビニルピロリドン等の合成高分子;およびプルラン等の多糖類が挙げられる。
腸溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等のセルロース系高分子;メタアクリル酸コポリマーL〔オイドラギットL(商品名)〕、メタアクリル酸コポリマーLD〔オイドラギットL-30D55(商品名)〕、メタアクリル酸コポリマーS〔オイドラギットS(商品名)〕等のアクリル酸系高分子;およびセラック等の天然物が挙げられる。
徐放性フィルムコーティング基剤としては、例えば、エチルセルロース等のセルロース系高分子;およびアミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS〔オイドラギットRS(商品名)〕、アクリル酸エチル-メタクリル酸メチル共重合体懸濁液〔オイドラギットNE(商品名)〕等のアクリル酸系高分子が挙げられる。
上記したコーティング基剤は、その2種以上を適宜の割合で混合して用い得る。また、コーティングの際に、例えば、酸化チタン、三二酸化鉄等のような遮光剤を用いてもよい。
【0199】
本発明化合物は、毒性(例、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、癌原性)が低く、副作用も少なく、哺乳動物(例えば、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、サル、マウス、ラット)に対し、各種疾患の予防または治療剤、または診断薬として用いることができる。
【0200】
本発明化合物は、優れたオレキシン2型受容体作動活性を有し、オレキシン2型受容体と関連した種々の神経学的及び精神医学的疾患のリスクを治療し、予防し、寛解させ得る。本発明化合物は、例えば、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー様症状を伴うナルコレプシー症候群、日中の過眠を伴う過眠症症候群(たとえば、クライネレヴィン症候群、過眠を伴う大うつ病、レビー小体型認知症、パーキンソン病、進行性核上性麻痺、プラダウィリー症候群、メビウス症候群、低換気症候群、ニーマンピック病C型、脳挫傷、脳梗塞、脳腫瘍、筋ジストロフィー、多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎、ギランバレー症候群、ラスムッセン脳炎、ウェルニッケ脳炎、辺縁系脳炎、橋本脳症)、昏睡、意識の消失、肥満(例えば、悪性肥満細胞、外因性肥満、過インシュリン性肥満症、過血漿性肥満、下垂体性肥満、減血漿性肥満症、甲状腺機能低下肥満症、視床下部性肥満、症候性肥満症、小児肥満、上半身肥満、食事性肥満症、性機能低下性肥満、全身性肥満細胞症、単純性肥満、中心性肥満)、インスリン抵抗性症候群、アルツハイマー病、昏睡などの意識障害、麻酔による副作用や合併症、睡眠撹乱、睡眠問題、不眠症、断続性睡眠、夜間間代性筋痙攣、REM睡眠中断、時差ぼけ、時差ぼけ症候群、交代性勤務者の睡眠障害、睡眠異常、夜驚症、鬱病、大鬱病、夢遊病、遺尿症、睡眠障害、アルツハイマー性夕暮れ症、概日リズムと関連した疾患、線維筋痛症、睡眠の質の低下から生じる状態、過食、強迫性摂食障害、肥満関連疾患、高血圧、糖尿病、血漿インスリン濃度及びインスリン抵抗性の上昇、高脂質血症、高脂血症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、結腸癌、癌、変形性関節症、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆石、心臓病、心臓の異常な鼓動、不整脈、心筋梗塞、鬱血性心不全、心不全、冠動脈性心疾患、心臓血管障害、突然死、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、フローリッヒ症候群、成長ホルモン欠乏者、正常変異型低身長、ターナー症候群、急性リンパ球芽性白血病を罹患している子供、症候群X、生殖系ホルモン異常、受胎能力の低下、不妊、男性の性腺機能低下、女性の男性型多毛症などの性及び生殖機能障害、妊婦肥満と関連した胎児の欠陥、肥満関連胃食道逆流などの胃腸の運動性の疾患、肥満低換気症候群(ピックウィック症候群)、呼吸困難などの呼吸性疾患、脈管系の全身性炎症などの炎症、動脈硬化、高コレステロール血症、高尿酸血症、下背部痛、胆嚢疾患、痛風、腎臓癌、左心室肥大の危険を低下させるなどの肥満の二次的な結果の危険性、片頭痛、頭痛、神経因性疼痛、パーキンソン病、精神病、統合失調症、顔面潮紅、寝汗、性器/泌尿器系の疾患、性機能又は受胎能力に関する疾患、気分変調性障害、双極性障害、双極性I障害、双極性II障害、循環気質障害、急性ストレス障害、広場恐怖症、全般性不安障害、強迫性障害、パニック発作、パニック障害、外傷後ストレス障害、分離不安障害、社交恐怖症、不安障害、心臓バイパス手術及び移植後の脳性欠損症などの急性神経学的及び精神医学的障害、脳卒中、虚血性脳卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖性神経損傷、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、眼損傷、網膜症、認知障害、筋攣縮、振戦、癲癇、筋痙縮と関連する障害、譫妄、健忘障害、加齢関連性認知低下、統合失調感情障害、妄想性障害、薬物依存症、運動異常症、慢性疲労症候群、疲労、投薬誘発性パーキンソン症候群、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、舞踏病、ミオクローヌス、チック、下肢むずむず症候群、ジストニア、ジスキネジア、注意欠陥多動障害(ADHD)、行為障害、尿失禁、離脱症状、三叉神経痛、聴力損失、耳鳴、神経損傷、網膜症、黄斑変性症、嘔吐、脳浮腫、疼痛、骨痛、関節痛、歯痛、カタプレキシー、外傷性脳障害などの各種疾患の予防また治療薬として有用である。
【0201】
特に、本発明化合物は、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー様症状を伴うナルコレプシー症候群、日中の過眠を伴う過眠症症候群(たとえば、パーキンソン病、ギランバレー症候群やクライネレヴィン症候群)、アルツハイマー病、肥満、インスリン抵抗性症候群、心不全、骨量減少に関わる疾患、敗血症、昏睡などの意識障害、麻酔による副作用や合併症などの治療または予防剤、または麻酔拮抗薬として有用である。
【0202】
いくつかの態様では、本発明の化合物は、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー様症状を伴うナルコレプシー症候群、日中の過眠を伴う過眠症症候群、アルツハイマー病、肥満症、インスリン抵抗性症候群、心不全、骨量減少に関わる疾患、敗血症、意識障害、麻酔による副作用や合併症の予防または治療剤として有用である。
いくつかの態様では、本発明の化合物は、ナルコレプシー、特発性過眠症、過眠症、または睡眠時無呼吸症候群の予防または治療剤として有用である。
いくつかの態様では、本発明の化合物は、ナルコレプシーの予防または治療剤として有用である。
【0203】
中枢性過眠症(CDH)は、他の睡眠障害がないにもかかわらず、適切でかつ規則的な睡眠習慣が確立されている場合の日中の過度の眠気を特徴とする。中枢性過眠症(CDH)には、ナルコレプシー1型、ナルコレプシー2型および特発性過眠症が含まれる。クライネ-レビン症候群や、病状、薬物や物質、または精神状態によって引き起こされる睡眠不足症候群や過眠症も、中枢性過眠症と考えられている。中枢性過眠症(CDH)の評価には、睡眠検査室での睡眠検査(睡眠ポリグラフィー、PSG)とその後の多重睡眠潜時検査(MSLT)が含まれる。
ナルコレプシーに関連する症状には、レム睡眠の特徴が覚醒状態に異常に侵入することが含まれる。例えば、睡眠に関連した幻覚、睡眠麻痺、または鮮明な夢と夢と現実の混乱である。このような症状は、睡眠障害のない人にも起こり得る。
ナルコレプシー患者の中には、情動、典型的には笑いや期待によって引き起こされる筋緊張の喪失である脱力発作(ナルコレプシー1型)を経験する人もいる。脱力発作は全身性または部分的であり、意識消失は伴わない。この筋力低下は通常、数秒から数分以内で改善する。
特発性過眠症(IDH)の患者は、日中の過度の眠気、長時間の睡眠(毎晩10~11時間以上の睡眠)、朝起きるのに重度の困難(睡眠慣性)を訴えることが多い。ナルコレプシーとは対照的に、IDHの患者は、長くすっきりしない昼寝をすることが多い。IDHのもう1つの一般的な症状は、日中の認知の曇りの感覚である「ブレインフォグ」である。クライネ-レビン症候群は、周期性過眠症のまれな疾患である。
【0204】
本開示の一態様は、1つ以上の中枢性過眠症(CDH)を有する対象を治療する方法であって、対象に本発明の化合物を投与することを含む方法である。
本開示の別の態様は、対象における1つ以上の中枢性過眠症(CDH)の治療剤の製造のための本発明の化合物の使用である。
本開示の別の態様は、対象における1つ以上の中枢性過眠症(CDH)の治療に使用するための本発明の化合物である。
別の態様は、対象がナルコレプシーである、前述の態様の方法または使用である。一態様では、対象はナルコレプシー1型と診断されている。別の態様では、対象はナルコレプシー2型と診断されている。さらに別の態様では、対象は特発性過眠症と診断されている。
【0205】
別の態様は、本発明の化合物を投与することにより、対象における日中の眠気が減少し、筋肉制御の喪失の例が減少し、および/または睡眠中断の例が減少する、前述の態様の方法または使用である。
別の態様は、本発明の化合物が、ナルコレプシーの成人における日中の過度の眠気を軽減するのに有効な量で投与される、方法または使用である。
別の態様は、本発明の化合物が、平均睡眠潜時を増加させるのに有効な量で投与される、方法または使用である。
別の態様は、本発明の化合物が、カタプレキシー事象を軽減するのに有効な量で投与される、方法または使用である。
別の態様は、本発明の化合物が、対象における夜間睡眠の妨害を減少させるのに有効な量で投与される、方法または使用である。
【0206】
本発明化合物の投与量は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状などによっても異なるが、例えば、成人の患者に経口または非経口投与する場合、その投与量は、例えば、1回当たり、約0.01~100mg/kg体重、好ましくは0.1~50mg/kg体重、さらに好ましくは0.5~20mg/kg体重である。この量を1日1回~3回に分けて投与するのが望ましい。
【0207】
本発明化合物は、他の薬物(以下、併用薬物と略記する)と組み合わせて用いることができる。
本発明化合物と併用薬物とを組み合わせることにより、例えば、
(1)本発明化合物又は併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減することができる、
(2)患者の症状(軽症、重症など)に応じて、本発明化合物と併用する薬物を選択することができる、
(3)本発明化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療期間を長く設定することができる、
(4)本発明化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療効果の持続を図ることができる、
(5)本発明化合物と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られる、
等の優れた効果を得ることができる。
【0208】
以下、本発明化合物と併用薬物を併用して使用することを「本発明の併用剤」と称する。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明化合物又はその医薬組成物と併用薬物又はその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明の併用剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明化合物;併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)などが挙げられる。
併用薬物の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬物の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせ等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における本発明化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01~100重量%、好ましくは約0.1~50重量%、さらに好ましくは約0.5~20重量%程度である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01~100重量%、好ましくは約0.1~50重量%、さらに好ましくは約0.5~20重量%程度である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1~99.99重量%、好ましくは約10~90重量%程度である。
また、本発明化合物及び併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
【0209】
併用薬物としては、たとえば以下が挙げられる。ナルコレプシー治療薬(例、メチルフェニデート、アンフェタミン、ペモリン、フェネルジン、プロトリプチリン、ナトリウムオキシベート、モダフィニル、カフェイン)、抗肥満薬(アンフェタミン、ベンズフェタミン、ブロモクロプチン、ブプロピオン、ジエチルプロピオン、エグゼナチド、フェンフルラミン、リオチロニン、リラグルチド、マジンドール、メタンフェタミン、オクトレオチド、オクトレオチド、オルリスタット、フェンジメトラジン、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェンテルミン、Qnexa(登録商標)、フェニルプロパノールアミン、プラムリンチド、プロピルヘキセドリン、リコンビナント レプチン、シブトラミン、トピラマート、ジメリジン、ゾニサミド、ロルカセリン、メトホルミン)、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、ザナペジル、イデベノン、タクリン)、抗認知症剤(例、メマンチン)、βアミロイド蛋白産生、分泌、蓄積、凝集および/または沈着抑制剤、βセクレターゼ阻害剤(例、6-(4-ビフェニリル)メトキシ-2-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6-(4-ビフェニリル)メトキシ-2-(N,N-ジメチルアミノ)メチルテトラリン、6-(4-ビフェニリル)メトキシ-2-(N,N-ジプロピルアミノ)メチルテトラリン、2-(N,N-ジメチルアミノ)メチル-6-(4’-メトキシビフェニル-4-イル)メトキシテトラリン、6-(4-ビフェニリル)メトキシ-2-[2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル]テトラリン、2-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]-6-(4’-メチルビフェニル-4-イル)メトキシテトラリン、2-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]-6-(4’-メトキシビフェニル-4-イル)メトキシテトラリン、6-(2’,4’-ジメトキシビフェニル-4-イル)メトキシ-2-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6-[4-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)フェニル]メトキシ-2-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、6-(3’,4’-ジメトキシビフェニル-4-イル)メトキシ-2-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]テトラリン、その光学活性体、その塩およびその水和物、OM99-2(国際公開01/00663))、γセクレターゼ阻害作用剤、βアミロイド蛋白凝集阻害作用剤(例、PTI-00703、ALZHEMED(NC-531)、PPI-368(特表平11-514333)、PPI-558(特表2001-500852)、SKF-74652(Biochem.J.(1999),340(1),283-289))、βアミロイドワクチン、βアミロイド分解酵素等、脳機能賦活薬(例、アニラセタム、ニセルゴリン)、パーキンソン病治療薬[(例、ドーパミン受容体作動薬(例、L-ドーパ、ブロモクリプチン、パーゴライド、タリペキソール、プラミペキソール、カベルゴリン、アマンタジン)、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬(例、デプレニル、セルジリン(セレギリン)、レマセミド、リルゾール)、抗コリン剤(例、トリヘキシフェニジル、ビペリデン)、COMT阻害剤(例、エンタカポン)]、筋萎縮性側索硬化症治療薬(例、リルゾール等、神経栄養因子)、認知症の進行に伴う異常行動、徘徊等の治療薬(例、鎮静剤、抗不安剤)、アポトーシス阻害薬(例、CPI-1189、IDN-6556、CEP-1347)、神経分化・再生促進剤(例、レテプリニム、キサリプローデン(Xaliproden;SR-57746-A)、SB-216763、Y-128、VX-853、prosaptide、5,6-ジメトキシ-2-[2,2,4,6,7-ペンタメチル-3-(4-メチルフェニル)-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-5-イル]イソインドリン、5,6-ジメトキシ-2-[3-(4-イソプロピルフェニル)-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-5-イル]イソインドリン、6-[3-(4-イソプロピルフェニル)-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-5-イル]-6,7-ジヒドロ-5H-[1,3]ジオキソロ[4,5-f]イソインドールおよびその光学活性体、塩、水和物)、非ステロイド系抗炎症薬(メロキシカム、テノキシカム、インドメタシン、イブプロフェン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、アスピリン等)、ステロイド薬(デキサメサゾン、ヘキセストロール、酢酸コルチゾン等)、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)、抗サイトカイン薬(例、TNF阻害薬、MAPキナーゼ阻害薬)、尿失禁・頻尿治療剤(例、塩酸フラボキサート、塩酸オキシブチニン、塩酸プロピベリン)、ホスホジエステラーゼ阻害薬(例、(クエン酸)シルデナフィル)、ドーパミン作動薬(例、アポモルフィン)、抗不整脈薬(例、メキシレチン)、性ホルモンまたはその誘導体(例、プロゲステロン、エストラジオール、安息香酸エストラジオール)、骨粗鬆症治療剤(例、アルファカルシドール、カルシトリオール、エルカトニン、サケカルシトニン、エストリオール、イプリフラボン、パミドロン酸二ナトリウム、アレンドロン酸ナトリウム水和物、インカドロン酸二ナトリウム)、副甲状腺ホルモン(PTH)、カルシウム受容体拮抗薬、不眠症治療薬(例、ベンゾジアゼピン系薬剤、非ベンゾジアゼピン系薬剤、メラトニン作動薬、オレキシン受容体拮抗薬)、統合失調症治療薬(例、ハロペリドールなどの定型抗精神病薬;クロザピン、オランザピン、リスペリドン、アリピプラゾールなどの非定型抗精神病薬;代謝型グルタミン酸受容体またはイオンチャネル共役型グルタミン酸受容体に作用する薬剤;ホスホジエステラーゼ阻害薬)、ベンゾジアゼピン系薬剤(クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、クロラゼブ酸カリウム、ロラゼパム、クロナゼパム、アルプラゾラム等)、L-型カルシウムチャネル阻害薬(プレガバリン等)、三環性又は四環性抗うつ薬(塩酸イミプラミン、塩酸アミトリプチリン、塩酸デシプラミン、塩酸クロミプラミン等)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(マレイン酸フルボキサミン、塩酸フロキセチン、臭酸シタロプラム、塩酸セルトラリン、塩酸パロキセチン、シュウ酸エスシタロプラム等)、セロトニン-ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(塩酸ベンラファキシン、塩酸デュロキセチン、塩酸デスベンラファキシン等)、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(メシル酸レボキセチン等)、ミルタザピン、塩酸トラゾドン、塩酸ネファゾドン、塩酸ブプロピオン、マレイン酸セチプチリン、5-HT1A作動薬(塩酸ブスピロン、クエン酸タンドスピロン、塩酸オセモゾタン等)、5-HT2A拮抗薬、5-HT2A逆作動薬、5-HT3拮抗薬(シアメマジン等)、心臓選択的ではないβ阻害薬(塩酸プロプラノロール、塩酸オキシプレノロール等)、ヒスタミンH1拮抗薬(塩酸ヒドロキシジン等)、CRF拮抗薬、その他の抗不安薬(メプロバメート等)、タキキニン拮抗薬(MK-869、サレデュタント等)、代謝型グルタミン酸受容体に作用する薬剤、CCK拮抗薬、β3アドレナリン拮抗薬(塩酸アミベグロン等)、GAT-1阻害薬(塩酸チアガビン等)、N-型カルシウムチャネル阻害薬、2型炭酸脱水素酵素阻害薬、NMDAグリシン部位作動薬、NMDA拮抗薬(メマンチン等)、末梢性ベンゾジアゼピン受容体作動薬、バソプレッシン拮抗薬、バソプレッシンV1b拮抗薬、バソプレッシンV1a拮抗薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、オピオイド拮抗薬、オピオイド作動薬、ウリジン、ニコチン酸受容体作動薬、チロイドホルモン(T3、T4)、TSH、TRH、MAO阻害薬(硫酸フェネルジン、硫酸トラニルシプロミン、モクロベミド等)、双極性障害治療薬(炭酸リチウム、バルプロ酸ナトリウム、ラモトリジン、リルゾール、フェルバメート等)、カンナビノイドCB1拮抗薬(リモナバント等)、FAAH阻害薬、ナトリウムチャネル阻害薬、抗ADHD薬(塩酸メチルフェニデート、塩酸メタンフェタミン等)、アルコール依存症治療薬、自閉症治療薬、慢性疲労症候群治療薬、痙攣治療薬、線維筋痛症治療薬、頭痛治療薬、禁煙のための治療薬、重症筋無力症治療薬、脳梗塞治療薬、躁病治療薬、過眠症治療薬、疼痛治療薬、気分変調症治療薬、自律神経失調症治療薬、男性及び女性の性機能障害治療薬、片頭痛治療薬、病的賭博治療薬、下肢静止不能症候群治療薬、物質依存症治療薬、アルコール関連症の治療薬、過敏性腸症候群治療薬、コレステロール低下薬のような脂質異常症治療薬(スタチンシリーズ(プラバスタチンナトリウム、アトロバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン等)、フィブレート(クロフィブレート等)、スクワレン合成阻害薬)、異常行動治療薬又は認知症による放浪癖の抑制薬(鎮静薬、抗不安薬等)、糖尿病治療薬、糖尿病性合併症治療剤、高血圧治療薬、低血圧治療薬、利尿剤、化学療法剤、免疫療法剤、抗血栓剤、抗癌剤など。
【0210】
上記併用薬物は、2種以上を適宜の割合で組み合わせて用い得る。
さらに、本発明化合物を上記各疾患の治療に使用する場合、生物製剤(例、抗体医薬、核酸又は核酸誘導体、アプタマー薬、ワクチン製剤)と併用することも可能であり、また、遺伝子治療法等と併用すること、薬剤を用いない精神科領域での治療法と併用することも可能である。
抗体医薬およびワクチン製剤としては、例えば、アンジオテンシンIIに対するワクチン製剤、CETPに対するワクチン製剤、CETP抗体、TNFα抗体や他のサイトカインに対する抗体、アミロイドβワクチン製剤、1型糖尿病ワクチン(例、Peptor社のDIAPEP-277)、抗HIV抗体やHIVワクチン製剤等の他、サイトカイン、レニン・アンジオテンシン系酵素およびその産物に対する抗体あるいはワクチン製剤、血中脂質代謝に関与する酵素や蛋白に対する抗体あるいはワクチン製剤、血中の凝固・線溶系に関与する酵素や蛋白に関する抗体あるいはワクチン、糖代謝やインスリン抵抗性に関与する蛋白に対する抗体あるいはワクチン製剤等が挙げられる。その他、GHやIGF等の成長因子に関わる生物製剤との併用も可能である。
遺伝子治療法としては、例えば、サイトカイン、レニン・アンジオテンシン系酵素およびその産物、G蛋白、G蛋白共役型受容体およびそのリン酸化酵素に関連する遺伝子を用いた治療法、NFκBデコイ等のDNAデコイを用いる治療方法、アンチセンスを用いる治療方法、血中脂質代謝に関与する酵素や蛋白に関連する遺伝子(例、コレステロールまたはトリグリセリドまたはHDL-コレステロールまたは血中リン脂質の代謝、排泄、吸収に関連する遺伝子)を用いた治療法、末梢血管閉塞症等を対象とした血管新生療法に関与する酵素や蛋白(例、HGF、VEGF等の増殖因子)に関連する遺伝子を用いた治療法、糖代謝やインスリン抵抗性に関与する蛋白に関連する遺伝子を用いた治療法、TNF等のサイトカインに対するアンチセンス等が挙げられる。
薬剤を用いない精神科領域での治療法としては、修正電気痙攣療法、脳深部刺激療法、反復経頭蓋磁気刺激療法、認知行動療法を含む心理療法等が挙げられる。
また、本発明化合物は、心臓再生、腎再生、膵再生、血管再生等各種臓器再生法や骨髄細胞(骨髄単核細胞、骨髄幹細胞)を利用した細胞移植療法、組織工学を利用した人工臓器(例、人工血管、心筋細胞シート)と併用することも可能である。
【実施例】
【0211】
本発明は、更に以下の実施例、試験例および製剤例によって詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
以下の実施例中の「室温」は通常約10℃ないし約35℃を示す。混合溶媒の比は、特に断らない限り容量比を示す。%は、特に断らない限り重量%を示す。
【0212】
実施例のカラムクロマトグラフィーにおける溶出は、特に言及しない限り、TLC(Thin Layer Chromatography,薄層クロマトグラフィー)による観察下に行った。TLC観察においては、飽和LCプレートとしてメルク(Merck)社製の60 F254を用い、溶離剤として、カラムクロマトグラフィーで溶出溶媒として用いた溶媒を用いた。また、検出にはUV検出器を採用した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにおいて、NHの表示は、アミノプロピルシラン結合シリカゲルの使用を意味し、DIOLの表示は、3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)プロピルシラン結合シリカゲルの使用を意味する。分取HPLC(高速液体クロマトグラフィー)は、以下の条件下で行った;カラム:Boston Prime C18(150mm x 30mm,5μm)、Xtimate C18(100mm x 30mm,3μm)、Gemini NX C18(150mm x 30mm,5μm)、YMC Triart C18(250mm x 50mm,7μm)、Exsil plus C18(150mm x 50mm,5μm)、またはWater Xbridge C18(150mm x 30mm,5μm)、移動相:含水アンモニア/MeCN、水/MeCN(共に、0.1%TFA含む)、水酸化アンモニア含有水/MeCN。C18の表示は、オクタデシル結合シリカゲルの使用を意味する。溶出溶媒の比は、特に断らない限り容量比を示す。
1H NMRの解析にはACD/SpecManager(商品名)ソフトウエアなどを用いた。水酸基やアミノ基などのプロトンピークが非常に緩やかなピークについては記載していないことがある。
MSは、LC/MSにより測定した。イオン化法としては、ESI法、またはAPCI法を用いた。データは実測値(found)を示す。通常、分子イオンピークが観測されるが、フラグメントイオンが観測されることがある。塩の場合は、通常、フリー体の分子イオンピークもしくはフラグメントイオンピークが観測される。
【0213】
以下の実施例においては下記の略号を使用する。
MS:マススペクトル
M:モル濃度
N:規定度
CDCl3:重クロロホルム
DMSO-d6:重ジメチルスルホキシド
1H NMR:プロトン核磁気共鳴
LC/MS:液体クロマトグラフ質量分析計
ESI:エレクトロスプレーイオン化
APCI:大気圧化学イオン化
Boc:tert-ブトキシカルボニル
CPME:シクロペンチルメチルエーテル
DBU:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
デスマーチンペルヨージナン:3-オキソ-1l5-ベンゾ[d][1,2]ヨードキソール-1,1,1(3H)-トリイル トリアセテート
DMA:N,N-ジメチルアセトアミド
DME:1,2-ジメトキシエタン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
EtOAc:酢酸エチル
EtOH:エタノール
IPE:ジイソプロピルエーテル
MeCN:アセトニトリル
MeOH:メタノール
TEA:トリエチルアミン
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
Pd2(dba)3:トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
【0214】
実施例1
N-{(6S,7aS)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド
【0215】
A) 4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン
4-ブロモ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン(7.20 g)、(2,6-ジフルオロフェニル)ボロン酸 ピナコールエステル (24.3 g)およびフッ化カリウム (5.94 g)のDMA (60 mL)および水 (15 mL)中の混合物に、トリ-tert-ブチルホスホニウム テトラフルオロボレート (0.986 g)およびPd2(dba)3 (1.55 g)を加えた。混合物を、アルゴン雰囲気下、120℃で3時間攪拌した。冷却後、混合物を水で希釈し、THF/EtOAcで抽出した。抽出液を水および食塩水で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、粗生成物を得た。粗生成物を冷IPEでトリチュレートし、沈殿物をろ取して、標題化合物 (5.01 g)を得た。
MS: [M+H]+247.0.
【0216】
B) 2,2,2-トリクロロエチル [4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート
4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン (6.92 g)のTHF (130 mL)中の混合物に、0℃で1M リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド THF溶液 (60 mL)を加えた。混合物を0℃で30分間攪拌した。混合物に、0℃で2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル クロリド (6.60 g)を加えた。混合物を0℃で30分間攪拌した。混合物に、塩化アンモニウム水溶液およびEtOAcを加えた。水層を分離し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (8.34 g)を得た。
MS: [M+H]+420.9.
【0217】
C) 1-tert-ブチル 2-メチル (2S,4S)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
エタンスルホニル クロリド (7.54 mL)を、0℃で1-(tert-ブチル) 2-メチル (2S,4S)-4-アミノピロリジン-1,2-ジカルボキシラート 塩酸塩 (15.9 g)およびTEA (39.6 mL)のDME (189 mL)中の混合物に滴下した。混合物を室温で終夜攪拌し、次いでろ過して、不溶物を除去した。ろ液をEtOAcで希釈し、1M 塩化水素水溶液および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (18.4 g)を得た。
MS: [M+H-Boc]+237.1.
【0218】
D) tert-ブチル (2S,4S)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシラート
水素化アルミニウムリチウム (0.36 g)のTHF (30 mL)懸濁液に、アルゴン雰囲気下、0℃で1-tert-ブチル 2-メチル(2S,4S)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート (2.65 g)のTHF (30.0 mL)溶液を滴下した。混合物をアルゴン雰囲気下、0℃で2時間攪拌した。混合物に、0℃で飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液を加えた。混合物をEtOAcで希釈し、有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (2.18 g)を得た。
MS: [M+H-Boc]+209.1.
【0219】
E) N-[(3S,5S)-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]エタンスルホンアミド 塩酸塩
4M 塩化水素 EtOAc溶液 (5 mL)を、室温でtert-ブチル (2S,4S)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシラート (2.18 g)のEtOAc (5 mL)溶液に加えた。混合物を室温で終夜攪拌した。白色固体が形成し、ろ取して、標題化合物 (1.40 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.20 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.58-1.71 (1H, m), 2.23-2.36 (1H, m), 2.88-3.17 (3H, m), 3.29-3.45 (1H, m), 3.51-3.71 (3H, m), 3.91-4.06 (1H, m), 5.39 (1H, br s), 7.56 (1H, d, J = 7.5 Hz), 8.98 (1H, br s), 9.51 (1H, br s)
【0220】
F) (2S,4S)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキサミド
2,2,2-トリクロロエチル [4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (0.7 g)、N-[(3S,5S)-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]エタンスルホンアミド 塩酸塩(0.406 g)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.568 mL)のTHF (8.30 mL)中の混合物を、70℃で44時間攪拌した。冷却後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc)で精製して、標題化合物 (0.39 g)を得た。
MS: [M+H]+481.1.
【0221】
G) N-{(6S,7aS)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド
(2S,4S)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキサミド (260 mg)、TEA (0.302 mL)およびTHF (2.0 mL)の混合物に、0℃でメタンスルホニル クロリド (0.084 mL)を加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をTHF (2.0 mL)に溶解した。混合物に、0℃で60%水素化ナトリウム (23.8 mg)を加えた。混合物を0℃で30分間攪拌した。混合物を0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製した。固体をEtOAc-ヘプタンから結晶化して、標題化合物 (82 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.34 (3H, t, J = 7.4 Hz), 1.45-1.53 (1H, m), 2.37-2.52 (1H, m), 2.95-3.13 (3H, m), 3.18-3.28 (1H, m), 3.77-3.94 (2H, m), 4.04-4.23 (3H, m), 6.95-7.08 (2H, m), 7.30-7.44 (2H, m), 7.58-7.70 (2H, m).
【0222】
実施例16
N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
【0223】
A) 4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン
4-ブロモ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン(10.0 g)、(2,4,6-トリフルオロフェニル)ボロン酸 (33.0 g)、Pd2(dba)3(2.15 g)、トリ-tert-ブチルホスホニウム テトラフルオロボレート (1.36 g)およびフッ化カリウム (8.18 g)のDME (150 mL)および水 (30.0 mL)中の混合物を、アルゴン雰囲気下、80℃で16時間加熱した。固体をろ去し、ろ液を元の体積の半分まで減圧下で濃縮した。混合物に水を加えた。混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC (YMC-Actus Triant C18, 移動相: 水 (10 mM 重炭酸アンモニウム含有)/MeCN)で精製して、標題化合物 (3.23 g)を得た。
MS: [M+H]+265.0.
【0224】
B) 2,2,2-トリクロロエチル [4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート
4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン (5.0 g)のTHF (95 mL)中の混合物に、0℃で1M リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド THF溶液 (47.3 mL)を加えた。混合物を30分間攪拌した。混合物に、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル クロリド (2.79 mL)を加えた。混合物を1時間攪拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製した。残渣をIPE-ヘキサンから再結晶化して、標題化合物 (5.72 g)を得た。
MS: [M+H]+438.9.
【0225】
C) 1-(ベンジルオキシ)-3,3-ジフルオロペンタ-4-エン-2-オール
((2,2-ジエトキシエトキシ)メチル)ベンゼン (31.4 g)のTHF (240 mL)および水 (120 mL)の溶液に、室温で1M 塩化水素水溶液(120 mL)を加えた。混合物を70℃で2時間攪拌した。混合物に、室温でEtOAcおよび水を加えた。水層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣、3-ブロモ-3,3-ジフルオロプロパ-1-エン (20.0 g)およびDMF (240 mL)の混合物に、室温でインジウム粉末 (16.1 g)を加えた。混合物を、アルゴン雰囲気下、室温で終夜撹拌した。混合物に、0℃でEtOAcおよび水を加えた。水層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (27.2 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.62 (1H, d, J = 4.9 Hz), 3.56-3.75 (2H, m), 3.96-4.10 (1H, m), 4.58 (2H, s), 5.50-5.57 (1H, m), 5.68-5.77 (1H, m), 5.91-6.09 (1H, m), 7.28-7.40 (5H, m).
【0226】
D) tert-ブチル [1-(ベンジルオキシ)-3,3-ジフルオロペンタ-4-エン-2-イル]カルバメート
1-(ベンジルオキシ)-3,3-ジフルオロペンタ-4-エン-2-オール (27.1 g)およびピリジン (77 mL)のMeCN (400 mL)中の混合物に、0℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物 (28 mL)を加えた。混合物を、アルゴン雰囲気下、0℃で30分間攪拌した。混合物に、0℃でEtOAcおよび水を加えた。水層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をMeCN (400 mL)で希釈した。混合物に、0℃でテトラ-n-ブチルアンモニウム アジド (66.9 g)を加えた。混合物を、アルゴン雰囲気下、室温で終夜攪拌した。混合物にEtOAc-トルエンおよび水を加えた。水層を分離し、有機相を水および1M 塩化水素水溶液で洗浄し、シリカゲルパッドを通してろ過し、減圧下で濃縮した。この残渣に室温で水 (40 mL)を加えた。混合物に、トリフェニルホスフィン (34.3 g)およびトルエン (40 mL)の混合物をゆっくりと加えた。混合物を70℃で5時間攪拌した。冷却後、混合物に、室温でジ-tert-ブチル ジカーボネート (41.0 mL)および炭酸水素ナトリウム (11.0 g)を加えた。混合物を室温で終夜攪拌した。混合物に、室温で水を加えた。有機層を分離し、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (37.3 g)を得た。
MS: [M+1-Boc]+228.1
【0227】
E) 1-O-ベンジル-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2,3-ジデオキシ-3,3-ジフルオロペンチトール
tert-ブチル [1-(ベンジルオキシ)-3,3-ジフルオロペンタ-4-エン-2-イル]カルバメート (37.3 g)および4-メチルモルホリン 4-オキシド (26.7 g)、アセトン (360 mL)および水 (36 mL)の混合物に、室温で、水 (40 g)中の4%オスミウム(VIII) オキシドを加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、終夜攪拌した。混合物に、0℃でEtOAcおよび10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えた。水層を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を0.1M 塩化水素水溶液および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで、シリカゲルパッドを通してろ過し、減圧下で濃縮して、標題化合物 (42.1 g)を得た。
MS: [M+1-Boc]+262.1
【0228】
F) rac-tert-ブチル (2R,4S)-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシラート
1-O-ベンジル-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2,3-ジデオキシ-3,3-ジフルオロペンチトール (42.0 g)、2,8-ジメチル-10H-ジベンゾ[b,e][1,4]オキサボリニン-10-オール (1.30 g)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (30 mL)のMeCN (300 mL)中の混合物に、室温でトルエンスルホニル クロリド (24.4 g)のMeCN (100 mL)溶液を加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、室温で1時間攪拌した。混合物に、0℃でEtOAc、トルエンおよび水を加えた。有機層を分離し、10%クエン酸水溶液および食塩水で洗浄し、減圧下で濃縮した。この残渣に、0℃でトルエン (300 mL)およびTFA (300 mL)を加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をMeOH (400 mL)で希釈した。混合物に、0℃で炭酸ナトリウム (49.3 g)を加えた。混合物を室温で終夜攪拌した。混合物に、0℃で10%酢酸水溶液 (300 mL)を加えた。混合物を減圧下で濃縮し、次いで、トルエンおよびEtOAcで希釈した。有機層を分離し、20%酢酸水溶液で抽出した。合わせた水層を0℃で炭酸カリウムでクエンチして、pH 10に調整した。水層をTHF-EtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣に、室温でトルエン (300 mL)、水 (300 mL)、炭酸ナトリウム (24.6 g)およびジ-tert-ブチル ジカーボネート (32.0 mL)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。水層を分離し、トルエンで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (11.9 g)を得た。
MS: [M+1-Boc]+244.0
【0229】
G) rac-tert-ブチル (2R,4R)-4-アジド-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート
rac-tert-ブチル (2R,4S)-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシラート (11.9 g)およびピリジン (22.3 mL)のMeCN (120 mL)中の混合物に、0℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物 (11.7 mL)を加えた。混合物を窒素雰囲気下、0℃で30分間攪拌した。混合物に、0℃でEtOAcおよび水を加えた。有機層を分離し、10%クエン酸水溶液、水、および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をDMF (120 mL)で希釈した。混合物に、0℃でテトラ-n-ブチルアンモニウム アジド (21.6 g)を加えた。混合物を、窒素雰囲気下、0℃で30分間、次いで、室温で終夜攪拌した。混合物に、0℃でEtOAcおよび水を加えた。合わせた有機層を水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (5.65 g)を得た。
MS: [M+1-Boc]+269.1
【0230】
H) rac-tert-ブチル (2R,4R)-4-アミノ-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート
rac-tert-ブチル (2R,4R)-4-アジド-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート (5.65 g)およびTHF (50 mL)の混合物に、室温でトリフェニルホスフィン (4.83 g)のTHF (10 mL)溶液をゆっくりと加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。混合物に水 (30 mL)を加え、次いで、混合物を50℃に加熱した。混合物を50℃で終夜攪拌した。混合物に、室温でEtOAcおよび食塩水を加えた。水層を分離し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (4.98 g)を得た。
MS: [M+1-Boc]+243.1
【0231】
I) tert-ブチル (2R,4R)-4-アミノ-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート
rac-tert-ブチル (2R,4R)-4-アミノ-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート (16.0 g)を、SFC (カラム: DAICEL キラルPAK AY, 250 mmx50 mm, 10 μm, 移動相: CO2/EtOH含有0.1%水酸化アンモニウム = 75/25 v/v)で分割して、保持時間の大きい方の標題化合物 (7.12 g)を得た。
MS: [M+1]+343.2
【0232】
J) tert-ブチル (2R,4R)-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-3,3-ジフルオロ-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-4-アミノ-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート (5.37 g)およびTEA (10.9 mL)のDME (52.3 mL)溶液に、0℃でメタンスルホニル クロリド (1.86 mL)を滴下した。混合物を0℃で15分間、次いで、室温で終夜攪拌した。混合物に、室温でEtOAcおよび水を加えた。水層を分離し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (5.84 g)を得た。
MS: [M-H]+419.0.
【0233】
K) tert-ブチル (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-3,3-ジフルオロ-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキシラート (5.84 g)および20%水酸化パラジウム炭素 (1.18 g)のMeOH (120 mL)中の混合物を、風船圧力下、20℃で15時間水素化した。触媒をろ去し、溶液を減圧下で濃縮して、標題化合物 (4.45 g)を得た。
MS: [M-H]+329.0.
【0234】
L) N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]メタンスルホンアミド 塩酸塩
tert-ブチル (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキシラート (4.45 g)およびEtOAc (16 mL)の混合物に、0℃で4M 塩化水素 CPME溶液 (56 mL)を加えた。混合物を、窒素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。揮発成分を減圧下で除去して、標題化合物 (3.40 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.01 (3H, s), 3.04-3.13 (1H, m), 3.68-3.88 (3H, m), 3.96-4.12 (1H, m), 4.49-4.64 (1H, m), 5.44-5.62 (1H, m), 8.07 (1H, d, J = 8.9 Hz), 9.50-10.23 (2H, m).
【0235】
M) (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]-N-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ピロリジン-1-カルボキサミド
N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]メタンスルホンアミド 塩酸塩 (2.50 g)、2,2,2-トリクロロエチル [4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (5.60 g)、TEA (3.93 mL)およびTHF (75 mL)の混合物を、室温で2時間攪拌し、次いで、アルゴン雰囲気下、60℃で終夜加熱した。混合物をろ過し、EtOAcで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (3.47 g)を得た。
MS: [M+H]+521.1.
【0236】
N) N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-1-ヒドロキシ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
(2R,4R)-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]-N-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ピロリジン-1-カルボキサミド (387 mg)、炭酸水素ナトリウム (312 mg)のMeCN (7.5 mL)および水 (7.50 mL)中の混合物を、0℃で5分間攪拌した。混合物に、0℃でテトラ-n-ブチルアンモニウム ブロミド (47.9 mg)、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシル (23.2 mg)およびヨードソベンゼン I,I-ジアセテート (263 mg)を加えた。混合物を0℃で5分間、次いで、室温で15分間勢いよく攪拌した。混合物に、0℃でEtOAcおよび水を加えた。水層を分離し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (279 mg)を得た。
MS: [M+H]+519.1.
【0237】
O) N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-1-ヒドロキシ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド (279 mg)のTFA (7.5 mL)溶液に、室温でトリフルオロ酢酸無水物 (0.152 mL)を加えた。混合物を40℃で16時間、次いで、室温で週末にかけて攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、次いで、残渣をEtOAcで希釈した。混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。溶液をEtOAc/THFで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcから結晶化し、2つの純粋な沈殿物を回収した。残渣の油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製した。純粋なフラクションを、既に得られた沈殿物と合わせた。物質をEtOH/ヘプタンから再結晶化して、標題化合物 (165 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.15 (3H, s), 3.22 (1H, dd, J = 11.1, 8.6 Hz), 4.13 (1H, dd, J = 11.0, 8.7 Hz), 4.63-4.76 (1H, m), 4.95-5.02 (1H, m), 6.64-6.84 (3H, m), 7.37-7.43 (1H, m), 7.71-7.80 (2H, m).
【0238】
実施例24
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド
【0239】
A) tert-ブチル (2R,4R)-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-4-アミノ-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート (2.00 g)およびTEA (4.05 mL)のDME (19.5 mL)中の混合物に、0℃でエタンスルホニル クロリド (0.773 mL)を加えた。混合物を0℃で15分間攪拌し、次いで、室温で終夜攪拌した。混合物に、室温でEtOAcおよび水を加えた。水層を分離し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (2.56 g)を得た。
MS: [M+H-Boc]+335.1.
【0240】
B) N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]エタンスルホンアミド 塩酸塩
tert-ブチル (2R,4R)-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート (2.56 g)および20%水酸化パラジウム炭素 (663 mg)のMeOH (29.5 mL)中の混合物を、風船圧力下、室温で終夜水素化した。触媒をろ去し、ろ液を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣およびEtOAc (4 mL)の混合物に、0℃で4M 塩化水素 EtOAc溶液 (20 mL)を加えた。混合物を室温で5時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcでトリチュレートし、白色固体をろ取し、EtOAcで洗浄して、標題化合物 (1.50 g)を得た。
MS: [M+H]+245.1.
【0241】
C) (2R,4R)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-N-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ピロリジン-1-カルボキサミド
N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]エタンスルホンアミド 塩酸塩 (1.78 g)およびTEA (1.93 g)のTHF (50 mL)中の混合物に、0℃で2,2,2-トリクロロエチル[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (3.34 g)を加えた。混合物を60℃で15時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcで希釈し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (3.14 g)を得た。
MS: [M+H]+535.1.
【0242】
D) N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド
(2R,4R)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-N-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ピロリジン-1-カルボキサミド (3.14 g)およびメタンスルホニル クロリド (1.35 g)のジクロロメタン (30 mL)中の混合物に、0℃でDBU (2.68 g)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。混合物に、室温でDBU (1.34 g)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮した。混合物に、室温で飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)、続いてNH-シリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製した。残渣をEtOAc-ヘプタンから再結晶化して、標題化合物 (1.58 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.20 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2.96-3.14 (3H, m), 3.40-3.53 (1H, m), 3.97-4.10 (1H, m), 4.15-4.26 (1H, m), 4.37-4.71 (2H, m), 7.18-7.28 (1H, m), 7.29-7.38 (1H, m), 7.40-7.48 (1H, m), 7.78-7.86 (1H, m), 7.88-7.94 (1H, m), 7.99 (1H, br s).
【0243】
実施例33
N-{(6R,7aR)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド
【0244】
A) (2R,4R)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキサミド
4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン (200 mg)のTHF (4 mL)中の混合物に、0℃で1M リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド トルエン溶液 (1.63 mL)および2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル クロリド (0.120 mL)を加えた。1時間攪拌した後、混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をTHF (4 mL)に溶解した。混合物に、60℃でN-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]エタンスルホンアミド 塩酸塩 (228 mg)およびDBU (371 mg)を加えた。16時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC (YMC-Actus Triant C18, 移動相: 水 (10 mM 重炭酸アンモニウム含有)/MeCN)で精製して、標題化合物 (252 mg)を得た。
MS: [M+H]+517.1.
【0245】
B) N-{(6R,7aR)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド
(2R,4R)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキサミド(252 mg)のジクロロメタン (2.0 mL)中の混合物に、室温でDBU (0.22 mL)およびメタンスルホニル クロリド (0.057 mL)を加えた。混合物を30分間攪拌した。反応混合物に、DBU (0.22 mL)を加えた。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製した。残渣をEtOH/ヘキサンから結晶化して、標題化合物 (72.2 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.41 (3H, t, J = 7.3 Hz), 3.02-3.15 (3H, m), 3.66-3.79 (1H, m), 4.04-4.21 (2H, m), 4.30-4.42 (2H, m), 4.50 (1H, br d, J = 9.3 Hz), 6.95-7.05 (2H, m), 7.30-7.41 (2H, m), 7.61-7.70 (2H, m).
【0246】
実施例34
N-{(6R,7aR)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
【0247】
A) (2R,4R)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド
N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]メタンスルホンアミド 塩酸塩 (300 mg)、2,2,2-トリクロロエチル [4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (484 mg)、DBU (0.504 mL)およびTHF (10 mL)の混合物を、マイクロウェーブ照射下、70℃で2時間加熱した。混合物にEtOAcおよび水を加えた。水層を分離し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (408 mg)を得た。
MS: [M+H]+503.1.
【0248】
B) N-{(6R,7aR)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
(2R,4R)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド (122 mg)および メタンスルホニル クロリド (0.038 mL)のジクロロメタン (1.0 mL)中の混合物に、室温でDBU (0.109 mL)を加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。混合物に室温でDBU (54 μL)を加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製した。残渣をEtOAc-ヘキサンから結晶化して、標題化合物 (43.6 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.04-3.11 (4H, m), 3.58 (1H, dd, J = 12.2, 8.9 Hz), 4.06-4.24 (2H, m), 4.30-4.48 (2H, m), 4.51-4.60 (1H, m), 6.99 (2H, br d, J = 4.4 Hz), 7.32-7.36 (2H, m), 7.61-7.71 (2H, m)
【0249】
実施例47
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-2-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
【0250】
A) 2-ブロモ-3,6-ジフルオロベンズアルデヒド
1-ブロモ-2,5-ジフルオロベンゼン (50.0 g)およびTHF (250 mL)の混合物に、-70℃で2 M リチウム ジイソプロピルアミド THF溶液 (155 mL)を滴下した。反応混合物を同じ温度で45分間攪拌した後、DMF (38.4 g)を加えた。反応溶液を同じ温度で2時間攪拌した。反応混合物に、0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (46.0 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.16-7.20 (1H, m), 7.24-7.40 (1H, m), 10.33 (1H, s).
【0251】
B) 2-ブロモ-3,6-ジフルオロベンゾニトリル
2-ブロモ-3,6-ジフルオロベンズアルデヒド (46.0 g)、ヨードベンゼン ジアセテート (100 g)、酢酸アンモニウム (80.2 g)およびドデシル硫酸ナトリウム (12.0 g)の水 (200 mL)中の混合物を70℃で0.5時間攪拌した。反応混合物に、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、混合物を25℃で15分間攪拌した。混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (36.6 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.12-7.26 (1H, m), 7.26-7.45 (1H, m).
【0252】
C) 4-ブロモ-5-フルオロベンゾ[d]イソオキサゾール-3-アミン
アセトヒドロキサム酸 (18.6 g)のDMF (300 mL)および水 (60 mL)の溶液に、炭酸カリウム (34.2 g)を加えた。混合物を25℃で2時間攪拌した後、2-ブロモ-3,6-ジフルオロベンゾニトリル (18.0 g)のDMF (60 mL)溶液を加え、生じた混合物を60℃で18時間攪拌した。反応混合物を0℃で水でクエンチし、次いで、沈殿物を回収して、標題化合物 (14.1 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.12 (2H, s), 7.45-7.62 (2H, m).
【0253】
D) 5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン
4-ブロモ-5-フルオロベンゾ[d]イソオキサゾール-3-アミン (12.5 g)のDME (200 mL)および水 (20 mL)の溶液に、2,4,6-トリフルオロフェニルボロン酸 (47.6 g)、フッ化カリウム (9.43 g)、トリ-tert-ブチルホスホニウム テトラフルオロボレート (3.14 g)およびPd2(dba)3 (4.95 g)を加えた。混合物を窒素雰囲気下、110℃で16時間攪拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (9.1 g)を得た。
MS: [M+H]+283.0.
【0254】
E) 2,2,2-トリクロロエチル [5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート
5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン (2.85 g)のTHF (33.7 mL)溶液に、0℃で1M リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド THF溶液 (22.2 mL)を滴下した。混合物を同じ温度で10分間攪拌した。温度を5℃未満に保ちながら、混合物に、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル クロリド (1.53 mL)を滴下した。混合物を0℃で30分間攪拌した。混合物を0℃で飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。生じた固体を10%EtOAc-ヘキサンでトリチュレートした。固体をろ去し、ろ液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (3.64 g)を得た。
MS: [M+H]+456.9.
【0255】
F) (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-N-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド
2,2,2-トリクロロエチル [5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (6.50 g)、N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]メタンスルホンアミド 塩酸塩 (3.79 g)のTHF (142 mL)中の混合物に、室温でTEA (5.91 mL)を加えた。混合物を窒素雰囲気下、60℃で終夜攪拌した。混合物をEtOAcで希釈し、不溶物をろ去し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (6.78 g)を得た。
MS: [M+H]+539.1.
【0256】
G) N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-2-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
(2R,4R)-3,3-ジフルオロ-N-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド (60 mg)のジクロロメタン (1.0 mL)溶液に、室温でDBU (0.05 mL)およびメタンスルホニル クロリド (0.013 mL)を加え、混合物を30分間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製した。残渣を分取HPLC (YMC-Actus Triant C18, 移動相: 水/MeCN (共に、0.1%TFA含む))で精製して、標題化合物 (27.2 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.07 (3H, s), 3.09-3.14 (1H, m), 3.64 (1H, dd, J = 12.2, 9.0 Hz), 4.10-4.22 (2H, m), 4.34-4.54 (2H, m), 4.61 (1H, br d, J = 9.4 Hz), 6.71-6.84 (2H, m), 7.38-7.49 (1H, m), 7.63 (1H, dd, J = 9.2, 3.7 Hz).
【0257】
実施例50
N-{(6S,7aS)-2-[6-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド
【0258】
A) 4-クロロ-2-フルオロ-6-ヨードベンゾニトリル
4-クロロ-2-フルオロベンゾニトリル (10 g)、N-ヨードスクシンイミド (15.9 g)、4-メチルベンゼンスルホン酸 一水和物 (6.11 g)および酢酸パラジウム(II) (1.44 g)のDMF (150 mL)中の混合物を、70℃で6時間攪拌した。室温まで冷却した後、混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (7.78 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.82-7.88 (1H, m), 8.08 (1H, s).
【0259】
B) 6-クロロ-4-ヨード-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン
2-プロパノン オキシム (1.94 g)およびDMF (58.5 mL)の混合物に、室温でカリウム tert-ブトキシド (2.98 g)を加えた。混合物を窒素雰囲気下、室温で20分間攪拌した。混合物を、0℃で4-クロロ-2-フルオロ-6-ヨードベンゾニトリル(7.13 g)およびDMF (19.5 mL)の混合物に加えた。混合物を窒素雰囲気下、0℃で5分間攪拌した。混合物を0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をEtOH (175 mL)および6 M 塩化水素水溶液 (60.8 mL)で希釈した。混合物を窒素雰囲気下、80℃で終夜攪拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣に、0℃で8 M 水酸化ナトリウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。沈殿物をろ取し、固体を水およびIPEで洗浄して、標題化合物 (4.70 g)を得た。
MS: [M+H]+294.9.
【0260】
C) 6-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン
6-クロロ-4-ヨード-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン (5.0 g)、(2,6-ジフルオロフェニル)ボロン酸 ピナコールエステル (12.2 g)および炭酸カリウム (2.96 g)のDMA (34.0 mL)および水 (8.50 mL)中の混合物に、トリ-tert-ブチルホスホニウム テトラフルオロボレート (0.493 g)およびPd2(dba)3(0.777 g)を加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、90℃で30分間攪拌した。冷却後、混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をIPEでトリチュレートし、固体をろ過で回収して、標題化合物 (1.70 g)を得た。
MS: [M+H]+281.0.
【0261】
D) 2,2,2-トリクロロエチル [6-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート
1M リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド THF溶液 (36.2 mL)を、0℃で6-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン (3.91 g)のTHF (69.7 mL)溶液に加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、0℃で30分間攪拌した。混合物に、0℃で2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル クロリド (3.16 mL)を加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、0℃で1時間攪拌した。混合物を、0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (3.80 g)を得た。
MS: [M+H]+454.9.
【0262】
E) (2S,4S)-N-[6-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキサミド
2,2,2-トリクロロエチル [6-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (2.66 g)、N-[(3S,5S)-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]エタンスルホンアミド 塩酸塩 (1.43 g)、ジイソプロピルエチルアミン (2.14 mL)およびTHF (34.3 mL)の混合物を、70℃で終夜攪拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (2.73 g)を得た。
MS: [M+H]+515.0.
【0263】
F) N-{(6S,7aS)-2-[6-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド
(2S,4S)-N-[6-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキサミド (2.73 g)、TEA (2.96 mL)、およびメタンスルホニル クロリド (0.821 mL)のTHF (64 mL)中の混合物を、室温で30分間攪拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をTHF (64 mL)に溶解した。混合物に、0℃で60%水素化ナトリウム (0.254 g)を加えた。混合物を室温まで放置し、1時間攪拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製した。残渣をEtOH/ヘプタンから結晶化して、標題化合物 (0.968 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.33 (3H, t, J = 7.4 Hz), 1.46-1.57 (1H, m), 2.40-2.50 (1H, m), 2.95-3.11 (3H, m), 3.18-3.26 (1H, m), 3.81-3.94 (2H, m), 4.04-4.20 (3H, m), 7.02 (2H, q, J = 9.1 Hz), 7.33 (1H, s), 7.35-7.43 (1H, m), 7.64 (1H, d, J = 1.6 Hz).
【0264】
実施例71
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
(2R,4R)-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]-N-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ピロリジン-1-カルボキサミド (2.71 g)、メタンスルホニル クロリド (0.806 mL)のジクロロメタン (30 mL)中の混合物に、0℃でDBU (2.33 mL)を加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。混合物に、室温でDBU (1.18 mL)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcで希釈し、0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)、続いてNH シリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製した。残渣をEtOH-ヘプタンから結晶化して、標題化合物 (1.21 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 3.07 (3H, s), 3.13 (1H, dd, J = 12.0, 8.3 Hz), 3.64 (1H, dd, J = 11.9, 9.0 Hz), 4.11-4.22 (2H, m), 4.36-4.53 (2H, m), 4.69 (1H, br d, J = 8.9 Hz), 6.72-6.82 (2H, m), 7.31 (1H, d, J = 6.2 Hz), 7.58-7.71 (2H, m).
【0265】
実施例72
N-{(6R,7aR)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
【0266】
A) 2,4-ジフルオロ-6-ヨードベンゾニトリル
2,4-ジフルオロベンゾニトリル (3 g)、N-ヨードスクシンイミド(5.34 g)、4-メチルベンゼンスルホン酸 水和物(2.05 g)および酢酸パラジウム(II) (0.242 g)のDMF (45 mL)中の混合物を、70℃まで6時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (1.62 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.63-7.80 (1H, m), 7.91-7.98 (1H, m).
【0267】
B) 6-フルオロ-4-ヨード-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン
1M カリウム tert-ブトキシド THF溶液(2.66 mL)を、室温でDMF (26 mL)中の2-プロパノン オキシム (195 mg)に加えた。混合物を窒素雰囲気下、室温で30分間攪拌した。次いで、この混合物を、0℃で2,4-ジフルオロ-6-ヨードベンゾニトリル (706 mg)のDMF (8.67 mL)溶液に滴下した。混合物を窒素下0℃で5分間攪拌した。混合物を0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をEtOH (28.9 mL)および6 M 塩化水素水溶液 (14.4 mL)で希釈し、混合物を窒素雰囲気下、80℃で 8時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、次いで、0℃で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をNH シリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (286 mg)を得た。
MS: [M+H]+278.9.
【0268】
C) 4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン
6-フルオロ-4-ヨード-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン (286 mg)、2-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン (741 mg)、フッ化カリウム (179 mg)、トリ-tert-ブチルホスホニウム テトラフルオロボレート (29.8 mg)の水 (0.560 mL)およびDME (2.8 mL)中の混合物に、室温でPd2(dba)3 (47.1 mg)を加えた。混合物を、マイクロウェーブ照射下、120℃で1時間攪拌した。水相を除去し、有機相を減圧下で濃縮した。次いで、混合物をEtOAcで溶出ながらNHシリカゲルパッドに通してろ過した。減圧下で濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (240 mg)を得た。
MS: [M+H]+265.0.
【0269】
D) 2,2,2-トリクロロエチル [4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート
1M リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド THF溶液 (3,47 mL)を、0℃で4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン (417 mg)のTHF (7,89 mL)溶液に加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、0℃で30分間攪拌した。混合物に、0℃で2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル クロリド (282 μl)を加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、1時間攪拌した。混合物を0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (460 mg)を得た。
MS: [M+H]+438.9.
【0270】
E) (2R,4R)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド
N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]メタンスルホンアミド 塩酸塩 (50.0 mg)および2,2,2-トリクロロエチル [4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (82.0 mg)のTHF (1.25 mL) 溶液に、DBU (0.084 mL)を加えた。混合物をマイクロウェーブ照射下、70℃で1.5時間攪拌した。反応混合物を水でクエンチし、次いで、それをEtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (73.6 mg)を得た。
MS: [M+H]+521.1.
【0271】
F) N-{(6R,7aR)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
(2R,4R)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド (73 mg)のジクロロメタン (1.3 mL)溶液に、DBU (0.126 mL)およびメタンスルホニル クロリド (0.022 mL)を加えた。混合物を25℃で1時間攪拌した。反応混合物を水でクエンチし、次いで、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)、続いてNH シリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (18.7 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.98-3.14 (4H, m), 3.58 (1H, dd, J = 12.2, 9.0 Hz), 4.08-4.49 (4H, m), 4.61 (1H, br d, J = 9.2 Hz), 7.01 (2H, q, J = 8.2 Hz), 7.14 (1H, dd, J = 9.4, 1.5 Hz), 7.31-7.44 (2H, m).
【0272】
実施例75
N-{(6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
【0273】
A) 3,6-ジフルオロ-2-ヨードベンズアミド
2,5-ジフルオロベンゾニトリル (20 g)、N-ヨードスクシンイミド(35.6 g)、酢酸パラジウム(II) (1.61 g)、およびp-トルエンスルホン酸 一水和物 (13.7 g)のDMF (500 mL)中の混合物を、80℃で16時間攪拌した。混合物を水でクエンチし、IPEで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC (YMC-Actus Triant C18, 移動相: 水 (10 mM 重炭酸アンモニウム含有)/MeCN)で精製して、標題化合物 (8.76 g)を得た。
MS: [M+H]+283.9.
【0274】
B) 3,6-ジフルオロ-2-ヨードベンゾニトリル
3,6-ジフルオロ-2-ヨードベンズアミド (8.9 g)およびトリフルオロ酢酸無水物 (13.3 mL)のピリジン (100 mL)中の混合物を、80℃で16時間攪拌した。混合物を0℃で1M 塩化水素水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (7.83 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.17-7.34 (2H, m)
【0275】
C) 2',3,6,6'-テトラフルオロ[1,1'-ビフェニル]-2-カルボニトリル
3,6-ジフルオロ-2-ヨードベンゾニトリル (500 mg)、2-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン (4.53 g)、フッ化カリウム (329 mg)、トリ-tert-ブチルホスホニウム テトラフルオロボレート (54.7 mg)、Pd2(dba)3(86 mg)およびDME (0.5 mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下、マイクロウェーブリアクター中で、120℃で1時間攪拌した。同じ反応をさらに4回繰り返し、5バッチの粗物質を得、これらを順次合わせた。混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製した。残渣をヘキサンで洗浄して、標題化合物 (1.98 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.04-7.16 (2H, m), 7.27-7.35 (1H, m), 7.40-7.56 (2H, m).
【0276】
D) 4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン
2',3,6,6'-テトラフルオロ[1,1'-ビフェニル]-2-カルボニトリル (1.98 g)、2-プロパノン オキシム (1.73 g)、およびカリウム 2-メチルプロパン-2-オレート (1.77 g)のDMF (20 mL)中の混合物を、室温で1.5時間攪拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。この粗生成物および6 M 塩化水素水溶液 (2 mL)のEtOH (20 mL)中の混合物を、80℃で16時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (1.56 g)を得た。
MS: [M+H]+265.0.
【0277】
E) (2R,4R)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド
4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン (300 mg)のTHF (2 mL)中の混合物に、0℃で1M リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド THF溶液 (2.27 mL)および2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル クロリド (0.167 mL)を加えた。混合物を1時間攪拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、残渣(500 mg)を得た。残渣 (250 mg)、N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]メタンスルホンアミド 塩酸塩 (151 mg)およびDBU (0.257 mL)のTHF (2 mL)中の混合物を、60℃で16時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を分取HPLC (YMC-Actus Triant C18, 移動相: 水/MeCN (共に、0.1%TFA含む))で精製して、標題化合物 (160 mg)を得た。
MS: [M+H]+521.1.
【0278】
F) N-{(6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
(2R,4R)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド (50 mg)、炭酸水素ナトリウム (40.4 mg)、およびデス-マーチンペルヨージナン (48.9 mg)のMeCN (1.0 mL)中の混合物を、室温で1時間攪拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣、TFA (0.5 mL)、およびトリフルオロ酢酸無水物 (0.5 mL)の混合物を、室温で16時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を分取HPLC (YMC-Actus Triant C18, 移動相: 水/MeCN (共に、0.1%TFA含む))で精製して、標題化合物 (12.9 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.13-3.19 (4H, m), 3.97 (1H, dd, J = 11.3, 8.4 Hz), 4.52-4.68 (1H, m), 4.95-5.05 (1H, m), 6.78 (1H, dd, J = 4.8, 1.8 Hz), 6.95 (2H, tt, J = 8.5, 1.2 Hz), 7.37-7.46 (1H, m), 7.50-7.55 (1H, m), 7.71 (1H, dd, J = 9.2, 3.5 Hz).
【0279】
実施例77
N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-2-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
【0280】
A) N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-2-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-1-ヒドロキシ-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
テトラ-n-ブチルアンモニウム ブロミド (0.812 g)、ヨードソベンゼン I,I-ジアセテート (4.46 g)および2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシル (0.394 g)を、0℃で(2R,4R)-3,3-ジフルオロ-N-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド (6.78 g)および炭酸水素ナトリウム (5.29 g)のMeCN (63 mL)および水 (63 mL)中の混合物に加えた。混合物を0℃で30分間攪拌した。混合物に0℃でEtOAcおよび水を加えた。水層を分離し、EtOAcで抽出した。有機層を水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (6.10 g)を得た。
MS: [M+Na]+559.1.
【0281】
B) N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-2-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
トリフルオロ酢酸無水物 (3.21 mL)を、室温で N-(6R)-7,7-ジフルオロ-2-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-1-ヒドロキシ-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド (6.10 g)のTFA (0.876 mL)溶液に加えた。反応混合物を40℃で終夜攪拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製した。残渣をEtOAc-ヘプタンから結晶化して、標題化合物 (3.36 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.04 (3H, s), 3.22-3.29 (1H, m), 4.08-4.19 (1H, m), 4.62-4.84 (1H, m), 7.18-7.38 (2H, m), 7.41-7.46 (1H, m), 7.91 (1H, t, J = 9.6 Hz), 8.13-8.20 (1H, m), 8.36 (1H, d, J = 9.4 Hz).
【0282】
実施例92
N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-2-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド
【0283】
A) (2R,4R)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-N-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキサミド
2,2,2-トリクロロエチル [5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (196 mg)のTHF (2 mL)中の混合物に、室温でDBU (0.194 mL)およびN-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]エタンスルホンアミド 塩酸塩 (121 mg)を加えた。混合物を60℃で16時間加熱した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC (YMC-Actus Triant C18, 移動相: 水/MeCN (共に、0.1%TFA含む))で精製して、標題化合物 (111 mg)を得た。
MS: [M+H]+553.1.
【0284】
B) N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-2-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド
(2R,4R)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-N-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキサミド (55.2 mg)、デスマーチンペルヨージナン (50.9 mg)、およびTFA (0.5 mL)のMeCN (1.0 mL)中の混合物を、0℃で1時間攪拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。この粗生成物、TFA (0.5 mL)およびトリフルオロ酢酸無水物 (0.5 mL)の混合物を、室温で16時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を分取HPLC (YMC-Actus Triant C18, 移動相: 水/MeCN (共に、0.1%TFA含む))で精製して、標題化合物 (20.9 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.46 (3H, t, J = 7.4 Hz), 3.15-3.27 (3H, m), 4.11 (1H, dd, J = 11.1, 8.3 Hz), 4.54-4.71 (1H, m), 4.91 (1H, br d, J = 10.0 Hz), 6.62-6.92 (3H, m), 7.53 (1H, t, J = 9.1 Hz), 7.72 (1H, dd, J = 9.2, 3.4 Hz).
【0285】
実施例102
N-{(6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
(2R,4R)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド (278 mg)、炭酸水素ナトリウム (232 mg)のMeCN (3 mL)中の混合物に、室温でデス-マーチンペルヨージナン (305 mg)を加えた。混合物を2時間攪拌した。混合物に、室温でEtOAcおよび水を加えた。水層を分離し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製した。残渣に、室温でジクロロメタン (4 mL)およびトリフルオロ酢酸無水物 (2 mL)を加えた。混合物を室温で終夜攪拌した。混合物に、0℃でEtOAcおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。水層を分離し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (77 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.13 (3H, s), 3.17 (1H, dd, J = 11.2, 8.6 Hz), 3.97 (1H, dd, J = 11.2, 8.4 Hz), 4.55-4.67 (1H, m), 5.07-5.15(1H, m), 6.76-6.80 (1H, m), 6.89-6.96 (2H, m), 7.32-7.43 (2H, m), 7.68-7.82 (2H, m).
【0286】
実施例124
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-2-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド
【0287】
A) 6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン
6-フルオロ-4-ヨード-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン (620 mg)、(2,4,6-トリフルオロフェニル)ボロン酸 (1.57 g)、Pd2(dba)3(102 mg)、トリ-tert-ブチルホスホニウム テトラフルオロボレート (64.7 mg)、フッ化カリウム (389 mg)のDME (4 mL)および水 (0.800 mL)中の混合物を、アルゴン雰囲気下、マイクロウェーブリアクター中で120℃で1時間加熱した。
粗混合物を分取HPLC (YMC-Actus Triant C18, 移動相: 水 (10 mM 重炭酸アンモニウム含有)/MeCN)で精製して、標題化合物 (511 mg)を得た。
MS: [M+H]+283.0.
【0288】
B) (2R,4R)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-N-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキサミド
6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン (100 mg)のTHF (2 mL)中の混合物に、0℃で1M リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド トルエン溶液(0.886 mL)を加えた。混合物を30分間攪拌した。混合物に2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル クロリド (0.052 mL)を加えた。混合物を1時間攪拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。この粗生成物、N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]エタンスルホンアミド 塩酸塩 (99 mg)、およびDBU (162 mg)のTHF (2 mL)中の混合物を、60℃で16時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC (YMC-Actus Triant C18, 移動相: 水 (10 mM 重炭酸アンモニウム含有)/MeCN)で精製して、標題化合物 (85.1 mg)を得た。
MS: [M+H]+553.1.
【0289】
C) N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-2-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド
(2R,4R)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-N-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキサミド (60 mg)のジクロロメタン (2.0 mL)中の混合物に、室温でDBU (0.049 mL)およびメタンスルホニル クロリド (0.013 mL)を加えた。混合物を15分間攪拌した。混合物にDBU (0.049 mL)を加えた。混合物を30分間攪拌し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (16.5 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.40 (3H, t, J = 7.5 Hz), 2.99-3.22 (3H, m), 3.57-3.78 (2H, m), 4.15-4.19 (1H, m), 4.35-4.53 (3H, m), 6.71-6.85 (2H, m), 7.11 (1H, d, J = 9.0 Hz), 7.33 (1H, d, J = 7.8 Hz).
【0290】
実施例126
N-{(6R,7aR)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチル-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
【0291】
A) 4-ブロモ-6-メチル-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン
エタンヒドロキサム酸 (5.26 g)のDMF (60 mL)溶液に、カリウム tert-ブトキシド (7.86 g)を加えた。混合物を20℃で30分間攪拌した。混合物に2-ブロモ-6-フルオロ-4-メチルベンゾニトリル (5.00 g)のDMF (20 mL)溶液を加えた。反応混合物を20℃で14時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (4.08 g)を得た。
MS: [M+H]+227.1.
【0292】
B) 4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチル-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン
4-ブロモ-6-メチル-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン (770 mg)、2-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン (1.63 g)、Pd2(dba)3(310 mg)、トリ-tert-ブチルホスホニウム テトラフルオロボレート (197 mg)およびフッ化カリウム (591 mg)のDME (9 mL)および水 (3 mL)中の混合物を、マイクロウェーブ照射下、120℃で1時間加熱した。反応混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (567 mg)を得た。
MS: [M+H]+261.0.
【0293】
C) 2,2,2-トリクロロエチル [4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチル-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート
1M リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド THF溶液 (12.8 mL)を、0℃で4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチル-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン (1.67 g)のTHF (39 mL)溶液に加えた。混合物を0℃で10分間攪拌した。2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル クロリド (0.972 mL)を混合物に加えた。混合物を0℃で30分間攪拌した。混合物を0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、食塩水で洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (1.86 g)を得た。
MS: [M+H]+434.9.
【0294】
D) (2R,4R)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチル-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド
N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]メタンスルホンアミド 塩酸塩 (0.162 mL)のTHF (2.0 mL)中の混合物に、0℃で2,2,2-トリクロロエチル [4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチル-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (187 mg)を加えた。混合物を60℃で15時間攪拌し、次いで、それをろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (190 mg)を得た。
MS: [M+H]+517.1
【0295】
E) N-{(6R,7aR)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチル-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
(2R,4R)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチル-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド (95 mg)のTHF (1.84 mL)および1M 水酸化ナトリウム水溶液 (0.920 mL)中の混合物に、-3℃で4-メチルベンゼンスルホニル クロリド (71.9 mg)を加えた。混合物を-5℃で1時間攪拌した。混合物をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄した。分離した水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (45.0 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.55 (3H, s), 3.01-3.12 (4H, m), 3.51-3.63 (1H, m), 4.02-4.22 (2H, m), 4.24-4.50 (2H, m), 4.54-4.65 (1H, m), 6.92-7.03 (2H m), 7.14-7.18 (1H, m), 7.29-7.40 (1H, m), 7.41-7.44 (1H, m).
【0296】
実施例144
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-2-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}-N'-メチル硫酸ジアミド
【0297】
A) tert-ブチル (2R,4R)-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-3,3-ジフルオロ-4-[(メチルスルファモイル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-4-アミノ-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート (210 mg)、TEA (0.255 mL)、4-ジメチルアミノピリジン (13.1 mg)およびTHF (2 mL)の混合物に、0℃でメチルスルファモイル クロリド (130 mg)のTHF (1 mL)溶液を加えた。混合物を、アルゴン雰囲気下、室温で終夜撹拌した。混合物を直接 シリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (168 mg)を得た。
MS: [M+H-Boc]+336.1.
【0298】
B) 2,2,2-トリクロロエチル [6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート
6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン (8.18 g)のTHF (120 ml)中の混合物に、-22℃で1M リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド THF溶液 (66.7 ml)を加えた。-22℃で10分間攪拌した後、混合物に、同じ温度で2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル クロリド (7.37 g)およびTHF (5.0 ml)の混合物を加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、-22℃で15分間攪拌した。混合物に、0℃で塩化アンモニウム水溶液およびEtOAcを加えた。水層を分離し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (7.03 g)を得た。
MS: [M+H]+ 456.9.
【0299】
C) (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-N-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メチルスルファモイル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド
tert-ブチル (2R,4R)-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-3,3-ジフルオロ-4-[(メチルスルファモイル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキシラート (168 mg)および20%水酸化パラジウム炭素 (27.2 mg)のMeOH (5 mL)中の混合物を、風船圧力下、室温で2時間水素化した。混合物をEtOAcで希釈し、触媒をろ去した。ろ液を減圧下で濃縮した。残渣に、室温でEtOAc (5 mL)および4M 塩化水素 CPME溶液 (3.0 mL)を加えた。混合物を窒素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣に、室温でTHF (3 mL)、TEA (0.160 mL)、および2,2,2-トリクロロエチル [6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (177 mg)を加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、60℃で終夜攪拌した。混合物をEtOAcで希釈し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (178 mg)を得た。
MS: [M+H]+554.1.
【0300】
D) N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-2-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}-N'-メチル硫酸ジアミド
(2R,4R)-3,3-ジフルオロ-N-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メチルスルファモイル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド (80.4 mg)、1M 水酸化ナトリウム水溶液 (0.800 mL)およびTHF (1.6 mL)の混合物に、-20℃で4-メチルベンゼンスルホニル クロリド (56.8 mg)を加えた。混合物を同じ温度で2時間攪拌した。混合物に、室温でEtOAcおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。水層を分離し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)、次いで、NH シリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (28.5 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.72 (3H, d, J = 5.3 Hz), 3.17 (1H, dd, J = 12.0, 8.0 Hz), 3.62 (1H, dd, J = 12.1, 8.7 Hz), 4.07-4.44 (5H, m), 4.65 (1H, br d, J = 8.0 Hz), 6.69-6.86 (2H, m), 7.11 (1H, dd, J = 9.3, 1.4 Hz), 7.33 (1H, dd, J = 7.9, 2.1 Hz).
【0301】
実施例149
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-2-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
【0302】
A) (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-N-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド
N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]メタンスルホンアミド 塩酸塩 (4.20 g)、2,2,2-トリクロロエチル [6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (7.03 g)およびTHF (70 mL)の混合物に、室温でTEA (7.0 mL)を加えた。混合物を窒素雰囲気下、60℃で終夜攪拌した。混合物をEtOAcで希釈し、次いで、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (7.82 g)を得た。
MS: [M+H]+539.1.
【0303】
B) N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-2-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
(2R,4R)-3,3-ジフルオロ-N-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド (7.82 g)、1M 水酸化ナトリウム水溶液 (70 mL)およびTHF (140 mL)の混合物に、室温で4-メチルベンゼンスルホニル クロリド(5.76 g)を加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。混合物に、室温で水およびEtOAcを加えた。水層を分離し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)、続いてNH-シリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製した。残渣を再結晶化(EtOAc/ヘプタン)して、標題化合物(4.37 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.97 (3H, s), 2.99-3.09 (1H, m), 3.51 (1H, t, J = 10.2 Hz), 3.99-4.10 (1H, m), 4.19 (1H, dd, J = 10.2, 4.1 Hz), 4.37-4.75 (2H, m), 7.20-7.41 (2H, m), 7.44-7.53 (1H, m), 7.88-8.00 (2H, m).
【0304】
実施例171
N-{(6R,7aR)-2-[5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
【0305】
A) 2-ブロモ-3,4,6-トリフルオロベンズアルデヒド
2,4,5-トリフルオロベンズアルデヒド (25.0 g)、N-ブロモスクシンイミド (33.4 g)、酢酸パラジウム(II) (3.51 g)、および4-アミノ-3-クロロベンゾトリフルオリド (4.41 mL)のトリフルオロトルエン (650 mL)およびTFA (130 mL)中の混合物を、60℃で16時間攪拌した。同じ反応を2回行って、2バッチの粗物質を得、これらを順次合わせた。混合物を0℃で1M 水酸化ナトリウム水溶液でクエンチし、IPE-ヘキサンで抽出した。有機層を分離し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (32.5 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.08 (1H, td, J = 9.7, 6.0 Hz), 10.27 (1H, s).
【0306】
B) N-[(E)-(2-ブロモ-3,4,6-トリフルオロフェニル)メチリデン]ヒドロキシアミン
2-ブロモ-3,4,6-トリフルオロベンズアルデヒド (32.5 g)、および50%ヒドロキシアミン水溶液 (18.0 g)のEtOH (600 mL)中の混合物を、80℃で2時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮した。生じた固体に、ヘキサンを加え、混合物を30分間攪拌した。固体をろ取して、標題化合物 (28.8 g)を得た。
MS: [M+H]+253.9.
【0307】
C) 2-ブロモ-3,4,6-トリフルオロ-N'-ヒドロキシベンゼン-1-カルボキシイミダミド
N-[(E)-(2-ブロモ-3,4,6-トリフルオロフェニル)メチリデン]ヒドロキシアミン (26.8 g)のDMF (400 mL)中の混合物に、0℃でN-クロロスクシンイミド (15.5 g)を加えた。混合物を60℃に加熱し、1時間攪拌した。混合物を0℃まで冷却した。混合物を15分間攪拌した。混合物に27%アンモニア水溶液 (1.78 g)を加えた。混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (15.9 g)を得た。
MS: [M+H]+268.9.
【0308】
D) 4-ブロモ-5,6-ジフルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン
2-ブロモ-3,4,6-トリフルオロ-N'-ヒドロキシベンゼン-1-カルボキシイミダミド (560 mg)および炭酸セシウム (678 mg)の1-メチル-2-ピロリドン (10 mL)中の混合物を、アルゴン雰囲気下、マイクロウェーブリアクター中で150℃で15分間加熱した。このプロセスをさらに2回繰り返し、3バッチの粗物質を得、これらを順次合わせた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (571 mg)を得た。
MS: [M+H]+248.9.
【0309】
E) 5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン
4-ブロモ-5,6-ジフルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン (500 mg)、(2,4,6-トリフルオロフェニル)ボロン酸 (3.53 g)、フッ化カリウム (350 mg)、トリ-tert-ブチルホスホニウム テトラフルオロボレート (117 mg)およびPd2(dba)3(184 mg)のDME (10 mL)および水 (1.00 mL)中の混合物を、アルゴン雰囲気下、100℃に加熱した。混合物を100℃で2時間攪拌した。反応混合物に、(2,4,6-トリフルオロフェニル)ボロン酸 (1.77 g)、フッ化カリウム (350 mg)、トリ-tert-ブチルホスホニウム テトラフルオロボレート (117 mg)およびPd2(dba)3(184 mg)を加えた。混合物を100℃で16時間攪拌した。混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (379 mg)を得た。
MS: [M+H]+301.0.
【0310】
F) 2,2,2-トリクロロエチル [5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート
5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン (379 mg)のTHF (5 mL)中の混合物に、0℃で1M リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド THF溶液 (2.78 mL)を加えた。混合物を0℃で30分間攪拌した。反応混合物に、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル クロリド (0.191 mL)を加えた。混合物を1時間攪拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (378 mg)を得た。
MS: [M+H]+474.9.
【0311】
G) (2R,4R)-N-[5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド
2,2,2-トリクロロエチル [5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (185 mg)、TEA (0.163 mL)、およびN-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]メタンスルホンアミド 塩酸塩 (104 mg)のTHF (3 mL)中の混合物を、60℃で16時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (186 mg)を得た。
MS: [M+H]+557.0.
【0312】
H) N-{(6R,7aR)-2-[5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
(2R,4R)-N-[5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド (85.0 mg)および4-メチルベンゼンスルホニル クロリド (58.2 mg)のTHF (1 mL)中の混合物に、0℃で1M 水酸化ナトリウム水溶液 (0.764 mL)を加えた。混合物を2時間攪拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製し、次いで、EtOAc-ヘキサンから結晶化して、標題化合物 (25.9 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.07 (3H, s), 3.08-3.14 (1H, m), 3.64 (1H, dd, J = 12.0, 8.7 Hz), 4.11-4.24 (2H, m), 4.34-4.55 (2H, m), 4.59-4.80 (1H, m), 6.80 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.49 (1H, dd, J = 8.5, 5.8 Hz).
【0313】
実施例174
N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-2-[6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2]オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-3-イル]-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
【0314】
A) 2-ヒドロキシ-6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)ピリジン-3-カルボニトリル
2,4,6-トリフルオロベンズアルデヒド (20.0 g)、エチル 2-シアノアセテート (14.1 g)、アセトン (9.18 mL)および酢酸アンモニウム (125 g)のn-ブタノール(400 mL)溶液を、130℃で3時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (11.1 g)を得た。
MS: [M+H]+265.1.
【0315】
B) 2-クロロ-6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)ピリジン-3-カルボニトリル
2-ヒドロキシ-6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)ピリジン-3-カルボニトリル (11.1 g)の塩化ホスホリル (60 mL)中の混合物を、110℃で14時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、次いで、それを、攪拌しながら水に滴下で加え、次いで、それをEtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (3.85 g)を得た。
MS: [M+H]+283.1.
【0316】
C) 6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2]オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-3-アミン
2-プロパノン オキシム (597 mg)のTHF (20 mL)溶液に、25℃でカリウム tert-ブトキシド(785 mg)を加えた。混合物を25℃で1時間攪拌した。THF (10 mL)中の2-クロロ-6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)ピリジン-3-カルボニトリル (2.10 g)を、0℃で混合物に加えた。反応混合物を25℃で14時間攪拌した。混合物に水を加え、次いで、それをEtOAcで抽出した。有機層を分離し、水で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣をEtOH (20 mL)および6 M 塩化水素水溶液 (10 mL)で希釈した。混合物を窒素雰囲気下、70℃で3時間攪拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (1.20 g)を得た。
MS: [M+H]+280.1.
【0317】
D) 2,2,2-トリクロロエチル [6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2]オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-3-イル]カルバメート
6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2]オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-3-アミン (1.28 g)のTHF (20 mL)溶液に、0℃で1M リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド THF溶液 (10.1 mL)を加え、反応混合物を窒素雰囲気下、0℃で0.5時間攪拌した。2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル クロリド (1.46 g)を反応混合物に加えた。混合物を窒素雰囲気下、0℃で1時間攪拌した。混合物を0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、次いで、それをEtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (1.10 g)を得た。
MS: [M+H]+454.0.
【0318】
E) (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]-N-[6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2]オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-3-イル]ピロリジン-1-カルボキサミド
N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]メタンスルホンアミド 塩酸塩 (440 mg)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン (569 mg)のTHF (10 mL) 溶液に、2,2,2-トリクロロエチル [6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2]オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-3-イル]カルバメート (500 mg)を加え、反応混合物を窒素雰囲気下、60℃で3時間攪拌した。反応混合物を水でクエンチし、次いで、それをEtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (310 mg)を得た。
MS: [M+H]+536.1.
【0319】
F) N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-1-ヒドロキシ-2-[6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2]オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
(2R,4R)-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]-N-[6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2]オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-3-イル]ピロリジン-1-カルボキサミド (310 mg)のMeCN (5 mL)および水 (5 mL)の溶液に、ヨードソベンゼン ジアセテート (224 mg)、テトラブチルアンモニウム ブロミド (47 mg)、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシル (23 mg)および炭酸水素ナトリウム (268 mg)を加えた。混合物を0℃で0.5時間攪拌した。反応混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (191 mg)を得た。
MS: [M+H]+534.1.
【0320】
G) N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-2-[6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2]オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-3-イル]-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド
N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-1-ヒドロキシ-2-[6-メチル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2]オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド (190 mg)のTHF (6 mL)溶液に、メチル N-(トリエチルアンモニウムスルホニル)カルバメート (594 mg)を加え、次いで、混合物を50℃で1時間攪拌した。混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC (カラム: Boston Prime C18, 移動相: 水酸化アンモニア含有水/MeCN)で精製して、標題化合物 (78.5 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.80 (3H, s), 3.12 (3H, s), 3.21-3.31 (1H, m), 4.04-4.14 (1H, m), 4.61-4.78 (1H, m), 5.46 (1H, d, J = 9.6 Hz), 6.67-6.82 (2H, m), 6.84-6.91 (1H, m), 7.29 (1H, s).
【0321】
実施例213
N-{(4aR,6R)-5,5-ジフルオロ-1-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]オクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミド
【0322】
A) tert-ブチル (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-{(メタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキシラート (5.00 g)、1-(クロロメチル)-4-メトキシベンゼン (5.13 mL)、およびDMF (101 mL)の混合物に、室温で炭酸カリウム (10.5 g)を加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、60℃で終夜攪拌した。混合物に、0℃でEtOAcおよび水を加えた。水層を分離し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (3.85 g)を得た。
MS: [M+H-Boc]+351.1.
【0323】
B) tert-ブチル (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-4-{(メタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-2-{[(メタンスルホニル)オキシ]メチル}ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-4-{(メタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}ピロリジン-1-カルボキシラート (2.77 g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン (2.15 mL)、およびMeCN (12 mL)の混合物に、0℃でメタンスルホン酸無水物 (1.61 g)を加え、混合物を0℃で0.5時間攪拌した。混合物を攪拌しながらEtOAcおよび水で希釈した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、EtOAcで溶出しながらNHシリカゲルパッドに通してろ過し、減圧下で濃縮して、標題化合物 (3.11 g)を得た。
MS: [M+Na]+551.2.
【0324】
C) tert-ブチル (2R,4R)-2-(シアノメチル)-3,3-ジフルオロ-4-{(メタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-4-{(メタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-2-{[(メタンスルホニル)オキシ]メチル}ピロリジン-1-カルボキシラート(2.94 g)、シアン化ナトリウム (1.78 g)、およびジメチルスルホキシド (36 mL)の混合物を、45-50℃で4.5時間攪拌した。混合物を、0℃で攪拌しながら、EtOAcおよび塩化アンモニウム水溶液で希釈した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルパッドを通してろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (1.91 g)を得た。
MS: [M+Na]+482.2.
【0325】
D) メチル [(2R,4R)-3,3-ジフルオロ-4-{(メタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}ピロリジン-2-イル]アセテート 塩酸塩
tert-ブチル (2R,4R)-2-(シアノメチル)-3,3-ジフルオロ-4-{(メタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}ピロリジン-1-カルボキシラート (1.99 g)、およびMeOH (60 mL)の混合物に、室温でトリメチルシリル クロリド (16.6 mL)を加え、混合物を2.5時間還流した。トリメチルシリル クロリド (8.30 mL)の添加後、混合物を1.5時間還流した。さらにトリメチルシリル クロリド (5.54 mL)の添加後、混合物を1時間還流した。混合物を0℃まで冷却し、白色懸濁液が形成した。IPE (60 mL)を加え、混合物を0℃で10分間攪拌した。沈殿物を回収し、IPEで洗浄し、減圧下で乾燥して、標題化合物 (1.75 g)を得た。
MS: [M+H]+393.1.
【0326】
E) tert-ブチル (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-4-{(メタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-2-(2-メトキシ-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシラート
メチル [(2R,4R)-3,3-ジフルオロ-4-{(メタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}ピロリジン-2-イル]アセテート 塩酸塩(1.64 g)、炭酸水素ナトリウム (0.964 g)、THF (30 mL)、および水 (10 mL)の冷却した混合物に、0℃でジ-tert-ブチル ジカーボネート (1.15 mL)を加え、混合物を室温で終夜攪拌した。混合物に、攪拌しながらEtOAcおよび水を加えた。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルパッドを通してろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (1.75 g)を得た。
MS: [M+Na]+512.2.
【0327】
F) tert-ブチル (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-4-[(メタンスルホニル)アミノ]-2-(2-メトキシ-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-4-{(メタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-2-(2-メトキシ-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシラート (1.71 g)、MeCN (36 mL)、およびpH 6.8 リン酸緩衝液 (24 mL)の冷却した混合物に、硝酸二アンモニウムセリウム(IV) (6.28 g)を加え、混合物を0℃で10分間、次いで、室温で0.5時間攪拌した。混合物をEtOAcで希釈し、反応の黄色が消えるまで0℃で10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、攪拌しながら飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、NHシリカゲルパッドを通してろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (1.20 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.46 (9H, s), 2.76-3.02 (2H, m), 3.06 (3H, s), 3.15-3.32 (1H, m), 3.72 (3H, s), 4.02-4.56 (3H, m), 5.23 (1H, br d, J = 9.6 Hz).
【0328】
G) tert-ブチル (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-4-[(メタンスルホニル)アミノ]-2-(2-メトキシ-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシラート(1.16 g)およびTHF (20 mL)の混合物に、室温で4M 水素化ホウ素リチウム THF溶液 (3.89 mL)を加え、混合物を45-50℃で4.5時間攪拌した。その後、混合物を室温で16時間攪拌した。反応を、0℃で20分間攪拌しながら、EtOAcおよび塩化アンモニウム水溶液で希釈し、次いで、室温で20分間攪拌した。有機層を分離し、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルパッドを通してろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (0.966 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.48 (9H, s), 1.65-1.85 (1H, m), 1.94-2.13 (1H, m), 3.02-3.21 (4H, m), 3.36-3.87 (3H, m), 4.08-4.46 (3H, m), 4.91-5.24 (1H, m).
【0329】
H) N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン-3-イル]メタンスルホンアミド 塩酸塩
tert-ブチル (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキシラート (32.7 mg)および2 M 塩化水素溶液のMeOH (2 mL)中の混合物を、0.5時間還流した。0℃に冷却後、IPEを滴下し、混合物を0℃で0.5時間攪拌した。減圧下で濃縮後、残渣をEtOAc/ヘプタンでトリチュレートして、白色固体を形成し、これを回収し、EtOAcで洗浄し、減圧下で50℃で乾燥して、標題化合物 (23.6 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.85-1.96 (2H, m), 2.99-3.13 (4H, m), 3.51-3.64 (2H, m), 3.68-3.84 (1H, m), 3.99-4.24 (1H, m), 4.52-4.76 (1H, m), 4.83-5.10 (1H, m), 8.12 (1H, d, J = 9.1 Hz), 9.73 (2H, br s).
【0330】
I) (2R,4R)-3,3-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]-N-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ピロリジン-1-カルボキサミド
N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン-3-イル]メタンスルホンアミド 塩酸塩 (170 mg)、2,2,2-トリクロロエチル [4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (280 mg)およびTHF (3.0 mL)の混合物に、室温でTEA (0.252 mL)を加えた。混合物を窒素雰囲気下、60℃で終夜攪拌した。混合物をEtOAcで希釈し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (318 mg)を得た。
MS: [M+H]+535.2.
【0331】
J) N-{(4aR,6R)-5,5-ジフルオロ-1-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]オクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミド
(2R,4R)-3,3-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]-N-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ピロリジン-1-カルボキサミド (318 mg)、トリエチルアミン (0.412 mL)、およびMeCN (3.0 mL)の混合物に、室温でメタンスルホン酸無水物 (187 mg)を加えた。混合物を窒素雰囲気下、室温で10分間攪拌し、次いで、混合物をEtOAcで希釈し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製した。固体をEtOAc-ヘプタンから結晶化して、標題化合物 (198 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.92-2.14 (1H, m), 2.15-2.30 (1H, m), 2.54-2.79 (1H, m), 3.10 (3H, s), 3.35-4.15 (4H, m), 4.17-4.45 (1H, m), 4.56-4.83 (1H, m), 6.60-6.88 (2H, m), 7.27-7.31 (1H, m), 7.60-7.68 (2H, m).
【0332】
実施例242
N-{(4aR,6R)-5,5-ジフルオロ-1-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]オクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}シクロプロパンスルホンアミド
【0333】
A) tert-ブチル (2R,4R)-4-アミノ-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-4-アミノ-2-[(ベンジルオキシ)メチル]-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート (10.2 g)および10%水酸化パラジウム-炭素 (500 mg)のEtOH (200 mL)中の混合物を、風船圧力下、室温で16時間水素化した。触媒をろ去し、ろ液を減圧下で濃縮して、標題化合物 (7.49 g)を得た。
MS: [M+H-Boc]+153.1.
【0334】
B) tert-ブチル (2R,4R)-4-アミノ-2-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-4-アミノ-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシラート (7.52 g)、1H-イミダゾール(6.08 g)、およびtert-ブチルジメチルシリル クロリド (4.94 g)のDMF (50 mL)中の混合物を、アルゴン雰囲気下、室温で40分間攪拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (11.4 g)を得た。
MS: [M+H-Boc]+267.2.
【0335】
C) tert-ブチル (2R,4R)-2-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-4-[(シクロプロパンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-4-アミノ-2-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート (4.10 g)およびTEA (9.34 mL)の無水THF (50 mL)溶液に、20℃でシクロプロパンスルホニル クロリド (7.86 g)および4-ジメチルアミノピリジン (1.37 g)を加え、混合物を窒素雰囲気下、70℃で14時間攪拌した。混合物を水でクエンチし、それをEtOAcで抽出した。合わせた有機層を分離し、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (4.15 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.09-0.20 (6H, m), 0.92 (9H, s), 0.95-1.21 (4H, m), 1.47 (9H, s), 2.35-2.48 (1H, m), 3.36-3.54 (1H, m), 3.77-4.05 (3H, m), 4.09-4.27 (2H, m), 6.31-6.70 (1H, m).
【0336】
D) tert-ブチル (2R,4R)-2-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-4-{(シクロプロパンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-2-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-4-[(シクロプロパンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート (4.15 g)および4-メトキシベンジル クロリド (3.45 g)の無水DMF (60 mL)溶液に、20℃で炭酸カリウム (6.09 g)を加え、混合物を窒素雰囲気下、60℃で7時間攪拌した。混合物を水でクエンチし、それをEtOAcで抽出した。合わせた有機層を分離し、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (4.80 g)を得た。
MS: [M+H-Boc]+491.2.
【0337】
E) tert-ブチル (2R,4R)-4-{(シクロプロパンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-2-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-4-{(シクロプロパンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート (4.80 g)の無水THF (50 mL)溶液に、20℃で1M フッ化テトラブチルアンモニウム THF溶液 (12.2 mL)を加え、混合物を窒素雰囲気下、20℃で1時間攪拌した。混合物を水でクエンチし、それをEtOAcで抽出した。合わせた有機層を分離し、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、標題化合物 (4.10 g)を得た。
MS: [M+Na]+499.3.
【0338】
F) tert-ブチル (2R,4R)-4-{(シクロプロパンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロ-2-{[(メタンスルホニル)オキシ]メチル}ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-4-{(シクロプロパンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシラート (4.10 g)およびTEA (4.52 mL)のジクロロメタン (40 mL)中の混合物に、20℃でメタンスルホン酸無水物 (2.83 g)を加え、混合物を20℃で0.5時間攪拌した。混合物を、攪拌しながらEtOAcと水で希釈した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (4.18 g)を得た。
MS: [M+Na]+577.1.
【0339】
G) tert-ブチル (2R,4R)-2-(シアノメチル)-4-{(シクロプロパンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-4-{(シクロプロパンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロ-2-{[(メタンスルホニル)オキシ]メチル}ピロリジン-1-カルボキシラート(4.18 g)およびジメチルスルホキシド (50 mL) の混合物に、シアン化ナトリウム (1.58 g)を加え、混合物を窒素雰囲気下、50℃で4時間攪拌した。混合物を攪拌しながらEtOAcと水で希釈した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (2.75 g)を得た。
MS: [M+H-Boc]+386.2.
【0340】
H) メチル [(2R,4R)-4-{(シクロプロパンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロピロリジン-2-イル]アセテート 塩酸塩
tert-ブチル (2R,4R)-2-(シアノメチル)-4-{(シクロプロパンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート (2.75 g)およびMeOH (40 mL)の混合物に、25℃でトリメチルシリル クロリド (9.23 g)を加え、混合物を窒素雰囲気下、65℃で14時間攪拌した。トリメチルシリル クロリド (4.62 g)を加え、混合物を窒素雰囲気下、65℃で1時間攪拌した。トリメチルシリル クロリド (4.62 g)を加え、混合物を窒素雰囲気下、65℃で1時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮して、標題化合物 (2.70 g)を得た。
MS: [M+H]+419.0.
【0341】
I) tert-ブチル (2R,4R)-4-{(シクロプロパンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロ-2-(2-メトキシ-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシラート
メチル [(2R,4R)-4-{(シクロプロパンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロピロリジン-2-イル]アセテート 塩酸塩 (2.70 g)、THF (30 mL)および水 (15 mL)の混合物に、25℃でジ-tert-ブチル ジカーボネート (2.47 g)および炭酸水素ナトリウム (2.38 g)を加え、混合物を窒素雰囲気下、25℃で1時間攪拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (2.65 g)を得た。
MS: [M+Na]+541.1.
【0342】
J) tert-ブチル (2R,4R)-4-[(シクロプロパンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(2-メトキシ-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-4-{(シクロプロパンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロ-2-(2-メトキシ-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシラート (2.65 g)、MeCN (50 mL)およびpH 6.8 リン酸緩衝液 (30 mL)の混合物に、0℃で硝酸二アンモニウムセリウム(IV) (8.40 g)を加え、混合物を窒素雰囲気下、20℃で2時間攪拌した。混合物をEtOAcで希釈し、反応の黄色が消えるまで10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、攪拌しながら飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和した。混合物をろ過し、ろ液をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (1.75 g)を得た。
MS: [M+H-Boc]+298.9.
【0343】
K) tert-ブチル (2R,4R)-4-[(シクロプロパンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-4-[(シクロプロパンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(2-メトキシ-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシラート (1.75 g)およびTHF (20 mL)の混合物に、20℃で2 M 水素化ホウ素リチウム THF溶液 (13.2 mL)を滴下した。混合物を60℃で2時間攪拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でゆっくりとクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、標題化合物 (1.60 g)を得た。
MS: [M+H-Boc]+270.9.
【0344】
L) N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン-3-イル]シクロプロパンスルホンアミド 塩酸塩
tert-ブチル (2R,4R)-4-[(シクロプロパンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン-1-カルボキシラート(1.60 g)の塩化水素 EtOAc溶液 (25 mL)の溶液を、20℃で1時間攪拌した。混合物をろ過し、ろ過ケーキを減圧下で乾燥して、標題化合物 (1.15 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.89-1.06 (4H, m), 1.83-2.22 (2H, m), 2.53-2.65 (1H, m), 3.09-3.23 (1H, m), 3.50-3.73 (3H, m), 4.06-4.20 (1H, m), 4.50-4.70 (1H, m), 8.08-8.20 (1H, m), 10.28 (2H, m).
【0345】
M) (2R,4R)-4-[(シクロプロパンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-N-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ピロリジン-1-カルボキサミド
N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン-3-イル]シクロプロパンスルホンアミド 塩酸塩 (50.0 mg)およびTEA (91.0 μL)のTHF (4 mL)中の混合物に、0℃で2,2,2-トリクロロエチル[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (107 mg)を加えた。混合物を窒素雰囲気下、60℃で14時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ、それをEtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を分取 TLC (シリカゲル、EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (45 mg)を得た。
MS: [M+H]+561.0.
【0346】
N) N-{(4aR,6R)-5,5-ジフルオロ-1-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]オクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}シクロプロパンスルホンアミド
(2R,4R)-4-[(シクロプロパンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-N-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ピロリジン-1-カルボキサミド (45.0 mg)およびMeCN (2 mL)の混合物に、0℃でTEA (65.0 mg)およびメタンスルホン酸無水物 (42.0 mg)を加えた。混合物を25℃で10時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ、それをEtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC (カラム: Boston Prime C18, 移動相: 水酸化アンモニア含有水/MeCN)で精製し、続いて凍結乾燥して、標題化合物 (7.2 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.02-1.13 (2H, m), 1.14-1.32 (2H, m), 1.97-2.29 (2H, m), 2.46-2.57 (1H, m), 2.58-2.80 (1H, m), 3.40-4.42 (5H, m), 4.46-4.64 (1H, m), 6.61-6.92 (2H, m), 7.27-7.31 (1H, m, CDCl3のシグナルと重複)、7.60-7.67 (2H, m).
【0347】
実施例243
N-{(4aR,6R)-2-[5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-5,5-ジフルオロ-1-オキソオクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミド
【0348】
A) (2R,4R)-N-[5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3,3-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド
N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン-3-イル]メタンスルホンアミド 塩酸塩(39.5 mg)、2,2,2-トリクロロエチル [5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (67.0 mg)およびTHF (1.0 mL)の混合物に、室温でTEA (0.059 mL)を加えた。混合物を窒素下60℃で終夜攪拌した。混合物をEtOAcで希釈し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、標題化合物 (66 mg)を得た。
MS: [M+H]+571.2.
【0349】
B) N-{(4aR,6R)-2-[5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-5,5-ジフルオロ-1-オキソオクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミド
(2R,4R)-N-[5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3,3-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド (66.0 mg)、TEA (0.080 mL)、およびMeCN (1.0 mL)の混合物に、室温でメタンスルホン酸無水物 (36.3 mg)を加えた。混合物を窒素下室温で10分間攪拌し、次いで、混合物をEtOAcで希釈し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製した。固体をEtOAc-ヘプタンから結晶化して、標題化合物 (53.0 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.92-2.10 (1H, m), 2.16-2.28 (1H, m), 2.49-2.81 (1H, m), 3.10 (3H, s), 3.18-4.18 (4H, m), 4.22-4.43 (1H, m), 4.50-4.67 (1H, m), 6.66-6.93 (2H, m), 7.43-7.55 (1H, m).
【0350】
実施例260
N-{(4aR,6R)-5,5-ジフルオロ-1-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]オクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}エタンスルホンアミド
【0351】
A) tert-ブチル (2R,4R)-2-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-4-アミノ-2-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート (8.90 g)およびTEA (7.37 g)のジクロロメタン (100 mL)溶液に、0℃でエタンスルホニル クロリド (4.68 g)を加え、反応混合物を20℃で1時間攪拌した。混合物を水で希釈し、それをジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (10.7 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.08-0.21 (6H, m), 0.90-0.96 (9H, m), 1.37 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.47 (9H, s), 2.92-3.16 (2H, m), 3.36-3.55 (1H, m), 3.74-4.12 (4H, m), 4.14-4.30 (1H, m), 6.30-6.69 (1H, m).
【0352】
B) tert-ブチル (2R,4R)-2-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-4-{(エタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-2-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート (10.7 g)および1-(クロロメチル)-4-メトキシベンゼン (9.11 g)のDMF (150 mL)中の混合物に、炭酸カリウム (16.1 g)を加えた。混合物を60℃で7時間攪拌した。反応混合物を0℃で水でクエンチし、次いで、それをEtOAcで抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (10.8 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.01-0.07 (6H, m), 0.87 (9H, s), 1.36 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.43 (9H, s), 2.82-3.37 (3H, m), 3.74-4.03 (7H, m), 4.38-4.87 (3H, m), 6.79-6.91 (2H, m), 7.22-7.26 (2H, m).
【0353】
C) tert-ブチル (2R,4R)-4-{(エタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-2-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-4-{(エタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート (10.8 g)のTHF (200 mL)溶液に、20℃で1M フッ化テトラブチルアンモニウム THF溶液 (28.0 mL)を加え、混合物を窒素雰囲気下、20℃で16時間攪拌した。混合物を水でクエンチし、それをEtOAcで抽出した。合わせた有機層を分離し、水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (8.05 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.33 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.43 (9H, s), 2.75-3.08 (2H, m), 3.22-3.41 (1H, m), 3.60-3.74 (1H, m), 3.76-3.85 (4H, m), 3.94-4.08 (2H, m), 4.34-4.54 (2H, m), 4.60-4.77 (2H, m), 6.84-6.92 (2H, m), 7.27-7.36 (2H, m).
【0354】
D) tert-ブチル (2R,4R)-4-{(エタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロ-2-{[(メタンスルホニル)オキシ]メチル}ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-4-{(エタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシラート(400 mg)およびTEA (349 mg)のジクロロメタン(10 mL)中の混合物に、25℃でメタンスルホン酸無水物(300 mg)を加え、混合物を25℃で1時間攪拌した。混合物を攪拌しながらEtOAcと水で希釈した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、標題化合物 (480 mg)を得た。
MS: [M+Na]+565.2.
【0355】
E) tert-ブチル (2R,4R)-2-(シアノメチル)-4-{(エタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-4-{(エタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロ-2-{[(メタンスルホニル)オキシ]メチル}ピロリジン-1-カルボキシラート(8.42 g)およびジメチルスルホキシド (120 mL)の混合物に、シアン化ナトリウム (3.19 g)を加え、混合物を窒素雰囲気下、50℃で2時間攪拌した。混合物を攪拌しながらEtOAcと水で希釈した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (5.18 g)を得た。
MS: [M+Na]+496.2.
【0356】
F) メチル [(2R,4R)-4-{(エタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロピロリジン-2-イル]アセテート 塩酸塩
tert-ブチル (2R,4R)-2-(シアノメチル)-4-{(エタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロピロリジン-1-カルボキシラート (5.18 g)およびMeOH (100 mL)の混合物に、25℃でトリメチルシリル クロリド (17.8 g)を加え、混合物を窒素雰囲気下、65℃で14時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮して、標題化合物 (4.84 g)を得た。
MS: [M+H]+407.1.
【0357】
G) tert-ブチル (2R,4R)-4-{(エタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロ-2-(2-メトキシ-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシラート
メチル [(2R,4R)-4-{(エタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロピロリジン-2-イル]アセテート 塩酸塩(4.84 g)、THF (80 mL)および水 (40 mL)の混合物に、20℃でジ-tert-ブチル ジカーボネート (4.77 g)および炭酸水素ナトリウム (4.59 g)を加え、混合物を窒素雰囲気下、20℃で1時間攪拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (4.53 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.35 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.41 (9H, s), 2.63-3.10 (4H, m), 3.12-3.43 (1H, m), 3.67-3.84 (7H, m), 4.34-4.52 (2H, m), 4.60-4.83 (2H, m), 6.87 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.26-7.37 (2H, m).
【0358】
H) tert-ブチル (2R,4R)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(2-メトキシ-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-4-{(エタンスルホニル)[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}-3,3-ジフルオロ-2-(2-メトキシ-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシラート (180 mg)、MeCN (8 mL)およびpH 6.8 リン酸緩衝液 (4 mL)の混合物に、0℃で硝酸二アンモニウムセリウム(IV) (545 mg)を加え、混合物を窒素雰囲気下、25℃で1時間攪拌した。硝酸二アンモニウムセリウム(IV) (545 mg)を加え、混合物を25℃で1時間攪拌した。混合物をEtOAcで希釈し、反応の黄色が消えるまで10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、攪拌しながら飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (110 mg)を得た。
MS: [M+H-Boc]+286.9.
【0359】
I) tert-ブチル (2R,4R)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (2R,4R)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(2-メトキシ-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシラート (162 mg)およびTHF (5 mL)の混合物に、25℃で4M 水素化ホウ素リチウム THF溶液 (0.53 mL)を滴下した。混合物を60℃で2時間攪拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、それをEtOAcで抽出した。合わせた有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、標題化合物 (146 mg)を得た。
MS: [M+H-Boc]+258.9.
【0360】
J) N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン-3-イル]エタンスルホンアミド 塩酸塩
tert-ブチル (2R,4R)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン-1-カルボキシラート(146 mg)およびEtOAc (2 mL)の混合物に、25℃で4M 塩化水素 ジオキサン溶液 (2 mL)を加えた。混合物を25℃で2時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcで共留去し、標題化合物 (120 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.22 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.84-1.97 (2H, m), 2.99-3.17 (3H, m), 3.51-3.58 (2H, m, ジオキサンのシグナルと重複)、3.63-3.77 (1H, m), 4.06-4.16 (1H, m), 4.49-4.69 (1H, m), 6.53 (1H, brs), 8.15 (1H, d, J = 8.8 Hz), 10.11 (2H, brs).
【0361】
K) (2R,4R)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-N-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ピロリジン-1-カルボキサミド
N-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン-3-イル]エタンスルホンアミド 塩酸塩(20 mg)およびTEA (28 mg)のTHF (2 mL)中の混合物に、0℃で2,2,2-トリクロロエチル[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (45 mg)を加えた。混合物を窒素雰囲気下、60℃で14時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ、それをEtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (22 mg)を得た。
MS: [M+H]+549.1.
【0362】
L) N-{(4aR,6R)-5,5-ジフルオロ-1-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]オクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}エタンスルホンアミド
(2R,4R)-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-N-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ピロリジン-1-カルボキサミド (22 mg)およびMeCN (2 mL)の混合物に、0℃でTEA (16 mg)およびメタンスルホン酸無水物 (21 mg)を加えた。混合物を14時間25℃で攪拌した。反応混合物を水に注ぎ、それをEtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC (カラム: Boston Prime C18, 移動相: 水酸化アンモニア含有水/MeCN)で精製し、続いて凍結乾燥して、標題化合物 (6.2 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.45 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.99-2.30 (2H, m), 2.47-2.90 (1H, m), 3.17 (2H, q, J = 7.6 Hz), 3.38-4.45 (5H, m), 4.48-4.84 (1H, m), 6.60-6.97 (2H, m), 7.27-7.36 (1H, m), 7.61-7.70 (2H, m).
【0363】
実施例265
N-{(4aR,6R)-5,5-ジフルオロ-1-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]オクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}エタンスルホンアミド
【0364】
A) 2,2,2-トリクロロエチル [4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート
1M リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド ヘキサン溶液 (37.9 mL)を、0℃で4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-アミン(4.00 g)のTHF (40 mL)溶液に滴下した。混合物を窒素雰囲気下、0℃で0.5時間攪拌した。2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル クロリド (4.81 g)を加えた。混合物を窒素雰囲気下、0℃で1時間攪拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (4.5 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.40-4.57 (2H, m), 6.85 (1H, brs), 7.04-7.12 (2H, m), 7.42-7.53 (2H, m), 7.61-7.68 (1H, m).
【0365】
B) (2R,4R)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3,3-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド
2,2,2-トリクロロエチル [4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (500 mg)およびN-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]エタンスルホンアミド 塩酸塩 (335 mg)のTHF (8 mL)溶液に、TEA (288 mg)を加え、次いで、混合物を窒素雰囲気下、60℃で14時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (551 mg)を得た。
MS: [M+H]+534.9.
【0366】
C) N-{(4aR,6R)-5,5-ジフルオロ-1-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]オクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}エタンスルホンアミド
(2R,4R)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3,3-ジフルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-4-[(メタンスルホニル)アミノ]ピロリジン-1-カルボキサミド (80 mg)およびMeCN (3 mL)の混合物に、0℃でTEA (121 mg)およびメチルスルホニル メタンスルホナート (71 mg)を加えた。混合物を28℃で2時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ、それをEtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC (カラム: Boston Prime C18, 移動相: 水酸化アンモニア含有水/MeCN)で精製し、続いて凍結乾燥して、標題化合物 (48 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.94-2.25 (2H, m), 2.29-3.05 (1H, m), 3.08 (3H, s), 3.13-4.40 (5H, m), 4.71-4.98 (1H, m), 6.86-7.18 (2H, m), 7.37-7.52 (2H, m), 7.57-7.65 (1H, m).
【0367】
実施例282
N-{(6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド
【0368】
A) (2R,4R)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキサミド
2,2,2-トリクロロエチル [4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]カルバメート (195 mg)およびN-[(3R,5R)-4,4-ジフルオロ-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル]エタンスルホンアミド 塩酸塩 (137 mg)のTHF (7 mL)溶液に、TEA (112 mg)を加え、次いで、混合物を60℃で14時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (234 mg)を得た。
MS: [M+H]+535.0.
【0369】
B) N-{(6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-1-ヒドロキシ-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド
(2R,4R)-N-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-4-[(エタンスルホニル)アミノ]-3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキサミド(234 mg)および炭酸水素ナトリウム (184 mg)のMeCN (4 mL)および水 (2 mL)中の混合物を、0℃で攪拌した。次いで、混合物に、0℃でヨードソベンゼン ジアセテート (170 mg)、テトラ-N-ブチルアンモニウム ブロミド (28 mg)および2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシル (14 mg)を加えた。混合物を0℃で15分間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物 (197 mg)を得た。
MS: [M+H]+533.0.
【0370】
C) N-{(6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド
N-{(6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-1-ヒドロキシ-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド(242 mg)およびTHF (8 mL)の溶液に、メチルN-(トリエチルアンモニウムスルホニル)カルバメート (542 mg)を加えた。混合物を50℃で1時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC (カラム: Welch Xtimate C18, 移動相: 水酸化アンモニア含有水/MeCN)で精製し、続いて凍結乾燥して、標題化合物 (132 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.44 (3H, t, J = 7.2 Hz), 3.03-3.22 (3H, m), 3.88-4.05 (1H, m), 4.41-4.65 (1H, m), 5.38-5.59 (1H, m), 6.72-6.78 (1H, m), 6.88-6.96 (2H, m), 7.16-7.23 (1H, m), 7.32-7.45 (2H, m).
【0371】
実施例化合物を以下の表に示す。表中のMSは実測値を示す。上記の実施例に示した方法またはそれらに準じた方法に従って、以下の表中の実施例2-15、17-23、25-32、35-46、48、49、51-70、73、74、76、78-91、93-101、103-123、125、127-143、145-148、150-170、172、173、175-212、214-241、244-259、261-264、266-281および283-340の化合物を製造した。
【0372】
【0373】
【0374】
【0375】
【0376】
【0377】
【0378】
【0379】
【0380】
【0381】
【0382】
【0383】
【0384】
【0385】
【0386】
【0387】
【0388】
【0389】
【0390】
【0391】
【0392】
【0393】
【0394】
【0395】
【0396】
【0397】
【0398】
【0399】
【0400】
【0401】
【0402】
【0403】
【0404】
【0405】
【0406】
【0407】
【0408】
【0409】
【0410】
【0411】
【0412】
【0413】
【0414】
【0415】
【0416】
【0417】
【0418】
【0419】
【0420】
【0421】
【0422】
試験例1:ヒトオレキシン2型受容体(hOX2R)安定発現細胞の取得
ヒトオレキシン2型受容体を安定発現する細胞クローンを取得するため、ヒトオレキシン2型(残基1~444、NCBI参照配列:AK314279)をpcDNA3.1(+)ベクター(インビトロジェン)内に構築して、哺乳動物細胞で発現させた。このプラスミドDNAをエレクトロポレーションによりCHO-K1細胞にトランスフェクトし、G418耐性を選択マーカーとして用いて限界希釈により安定クローンを取得した。
【0423】
試験例2:オレキシン2型受容体アゴニスト活性の測定
ヒトOX2受容体を強制発現させたCHO細胞を384ウェル黒色透明底プレート(BDファルコン)に10,000細胞/ウェルで播種し、室温で30分間インキュベートした後、37℃、5%CO2で1日間インキュベートした。細胞プレート培地を除去した後、カルシウム指示薬A(HBSS(サーモフィッシャーサイエンティフィック)、20mM HEPES(サーモフィッシャーサイエンティフィック)、0.1%BSA(シグマ-アルドリッチ)、2.5μg/mL Fluo-4AM(同仁化学)、0.08%Pluronic F127(同仁化学)、1.25mMプロベネシド(同仁化学))を含むアッセイバッファーを30μL/ウェルで添加した。5%CO2インキュベーター内で37℃で30分間インキュベートした後、室温でさらに30分間インキュベートした。アッセイバッファーB(HBSS、20mM HEPES、0.1%BSA)で希釈した試験化合物を10μL/wellで加え、FDSS μCELL(浜松ホトニクス)を用いて、1秒毎に1分間、その後2秒毎に1分間に蛍光値を測定した。1分40秒間測定した。試験化合物の代わりにDMSOを添加した場合の蛍光値を0%、終濃度10nMのオレキシンA(ヒト)(ペプチド研究所)を添加した場合の蛍光値を100%とする。試験化合物の活性(%)を算出した。表2は、3μMの濃度における各化合物の活性を示す。この結果から明らかなように、本発明化合物はオレキシン2型受容体作動活性を有することが示された。
【0424】
【0425】
【0426】
【0427】
【0428】
【0429】
【0430】
【0431】
【0432】
【0433】
【0434】
試験例3: カニクイザルにおける覚醒促進効果の評価
覚醒促進効果は、カニクイザルの脳波(EEG)、筋電図(EMG)および自発運動量を測定することによって評価した。イソフルラン麻酔下(0.5~5%、ファイザージャパン株式会社、東京、日本)、雄性カニクイザル(2~3年齢、ハムリ株式会社、茨城、日本)に無線テレメトリー送信機(L03-F3、データサイエンスインターナショナル社、MN、USA)を外科的に埋め込んだ。2つのEEG電極を頭頂部に定位的に配置し、硬膜に接触させてステンレス鋼ネジで頭蓋に固定した。両側EMG電極を頸部後部の筋肉に埋め込んだ。ホームケージ内での少なくとも1か月の回復期間後、実験室内で動物が十分に眠るまでに、防音で電気的に遮蔽された部屋にある記録チャンバー(アクリルケージ、60W×55D×75H(cm))にサルを馴化させた。皮質EEG、EMG、および自発運動量は、テレメトリーシステム(PhysioTel Digital テレメトリープラットフォーム、データサイエンスインターナショナル社)を使用して記録した。睡眠スコアリングシステム(SleepSign、キッセイコムテック株式会社、長野、日本)によって、シグナルを20秒エポックで半自動的にスコア化した。
0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁した試験化合物(1または3mg/kg)またはビヒクル(すなわち、0.5%メチルセルロース水溶液)を、プレテスト-ポストテストデザインで、5mL/kg体重の容量でツァイトゲーバー時間12にサルに経口投与(p.o.)し(n=2~4)、EEG、EMGおよび自発運動量を投与後4時間記録した。SleepSignを使用して、投与後4時間の覚醒時間(ビヒクル処理に対する%)を計算した。結果を表3に示す。
【0435】
【0436】
表3から明らかなように、本発明の試験化合物は、カニクイザルにおいて、ビヒクル処理群と比較して、覚醒時間を増加させた。すなわち、これらの化合物はナルコレプシーの治療薬となる可能性があることが示唆された。
【0437】
製剤例1(カプセルの製造)
1)実施例1の化合物 30mg
2)微粉末セルロース 10mg
3)乳糖 19mg
4)ステアリン酸マグネシウム 1mg
計 60mg
1)、2)、3)および4)を混合して、ゼラチンカプセルに充填する。
【0438】
製剤例2(錠剤の製造)
1)実施例1の化合物 30g
2)乳糖 50g
3)トウモロコシデンプン 15g
4)カルボキシメチルセルロースカルシウム 44g
5)ステアリン酸マグネシウム 1g
1000錠 計 140g
1)、2)、3)の全量および30gの4)を水で練合し、真空乾燥後、整粒を行う。この整粒末に14gの4)および1gの5)を混合し、打錠機により打錠する。このようにして、1錠あたり実施例1の化合物30mgを含有する錠剤1000錠を得る。
【産業上の利用可能性】
【0439】
本発明化合物は、オレキシン2型受容体作動活性を有し、ナルコレプシーの予防または治療剤として有用である。
【0440】
本出願は、米国で2022年10月31日に出願された特許出願第63/381,736号を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含される。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I
a):
【化1】
[式中、
R
1
は、C
1-6
アルキル基、C
3-10
シクロアルキル基、またはモノ-C
1-6
アルキルアミノ基であり;
rは、0または1であり;
R
2
およびR
3
は、それぞれ独立して、水素原子であるか、あるいは
rが0のとき、R
2
およびR
3
は、一緒になって、結合を形成してもよく;
R
4
は、水素原子であり;
R
5
は、1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基であり;
R
6
およびR
7
は、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子であり;
X
5
は、CHまたはNであり;および
R
12
およびR
13
は、それぞれ独立して、水素原子、C
1-6
アルキル基、またはハロゲン原子である;]
で表される化合物、またはその塩。
【請求項2】
R
1が、C
1-6アルキル基であり;
rが、0または1であり;
R
2およびR
3が、それぞれ、水素原子であるか、あるいは
rが0のとき、R
2およびR
3が
、一緒になって、結合を形成してもよく;
R
4が、水素原子であり;
R
5が、1ないし3個のハロゲン原子で置換されたフェニル基であり;
R
6およびR
7が、それぞれ、ハロゲン原子であり;
X
5が、CHであり;かつ
R
12およびR
13が、それぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子である;
請求項
1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項3】
化合物が、以下:
N-{(6S,7aS)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド;
N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド;
N-{(6S,7aS)-2-[6-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド;
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-2-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-2-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(4aR,6R)-5,5-ジフルオロ-1-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]オクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(4aR,6R)-2-[5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-5,5-ジフルオロ-1-オキソオクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミド;
N-{(4aR,6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-5,5-ジフルオロ-1-オキソオクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミド;および
N-{(6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミド;
からなる群から選ばれる、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項4】
化合物が、N-{(6S,7aS)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミドである、請求項3に記載の化合物、またはその塩。
【請求項5】
化合物が、N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミドである、請求項3に記載の化合物、またはその塩。
【請求項6】
化合物が、N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミドである、請求項3に記載の化合物、またはその塩。
【請求項7】
化合物が、N-{(6S,7aS)-2-[6-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミドである、請求項3に記載の化合物、またはその塩。
【請求項8】
化合物が、N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミドである、請求項3に記載の化合物、またはその塩。
【請求項9】
化合物が、N-{(6R)-7,7-ジフルオロ-2-[5-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミドである、請求項3に記載の化合物、またはその塩。
【請求項10】
化合物が、N-{(6R,7aR)-7,7-ジフルオロ-2-[6-フルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-3-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}メタンスルホンアミドである、請求項3に記載の化合物、またはその塩。
【請求項11】
化合物が、N-{(4aR,6R)-5,5-ジフルオロ-1-オキソ-2-[4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]オクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミドである、請求項3に記載の化合物、またはその塩。
【請求項12】
化合物が、N-{(4aR,6R)-2-[5,6-ジフルオロ-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-5,5-ジフルオロ-1-オキソオクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミドである、請求項3に記載の化合物、またはその塩。
【請求項13】
化合物が、N-{(4aR,6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-5,5-ジフルオロ-1-オキソオクタヒドロピロロ[1,2-c]ピリミジン-6-イル}メタンスルホンアミドである、請求項3に記載の化合物、またはその塩。
【請求項14】
化合物が、N-{(6R)-2-[4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-フルオロ-1,2-ベンゾオキサゾール-3-イル]-7,7-ジフルオロ-3-オキソ-2,5,6,7-テトラヒドロ-3H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-6-イル}エタンスルホンアミドである、請求項3に記載の化合物、またはその塩。
【国際調査報告】