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特表2024-545850バックエンド用途のためのパッド・イン・ア・ボトル及びシングルプラテン化学機械的平坦化
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  • 特表-バックエンド用途のためのパッド・イン・ア・ボトル及びシングルプラテン化学機械的平坦化 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-13
(54)【発明の名称】バックエンド用途のためのパッド・イン・ア・ボトル及びシングルプラテン化学機械的平坦化
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20241206BHJP
   C09K 3/14 20060101ALI20241206BHJP
   C09G 1/02 20060101ALI20241206BHJP
   B24B 1/00 20060101ALI20241206BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20241206BHJP
   B24B 37/24 20120101ALI20241206BHJP
【FI】
H01L21/304 622D
C09K3/14 550D
C09K3/14 550Z
C09G1/02
B24B1/00 A
B24B37/00 H
B24B37/24 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527473
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-07-08
(86)【国際出願番号】 US2022079271
(87)【国際公開番号】W WO2023086753
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】63/278,049
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517114182
【氏名又は名称】バーサム マテリアルズ ユーエス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】シオアポー シー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジー.ランガン
(72)【発明者】
【氏名】マーク レナード オニール
(72)【発明者】
【氏名】ロバート バカッシー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ エー.シュルーター
(72)【発明者】
【氏名】アラ フィリポッシャン
(72)【発明者】
【氏名】ヤサ サンプルノ
【テーマコード(参考)】
3C049
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C049AA07
3C049AB04
3C049CA01
3C158AA07
3C158CA01
3C158DA12
3C158EB01
3C158ED22
3C158ED23
3C158ED24
3C158ED26
5F057AA24
5F057AA25
5F057AA28
5F057AA44
5F057BA22
5F057BB23
5F057CA12
5F057DA03
5F057EA01
5F057EA06
5F057EA10
5F057EA11
5F057EA21
5F057EA22
5F057EA23
5F057EA24
5F057EA25
5F057EA26
5F057EA28
5F057EA29
5F057EA31
5F057EB02
5F057FA01
(57)【要約】
バックエンドCMP用途のための複数(例えば、3つ)のプラテンの化学機械的平坦化(CMP)プロセスに取って代わる、バックエンドCMP用途のための新規なパッド・イン・ア・ボトル(PIB)技術及びPIBタイプのCMPスラリーを使用するシングルプラテン化学機械的平坦化(CMP)プロセスが記載される。単一の研磨パッドを有するシングルプラテンは、金属バルク、金属ソフトランディング、及び金属バリアCMPを含むバックエンドCMPプロセス全体に使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックエンド銅プロセスのためのシングルプラテン化学機械的平坦化(CMP)研磨方法であって、
単一の研磨パッドを有するシングルプラテンを提供すること、
銅膜、バリア膜、シリコン貫通電極(TSV)銅膜、Low-k膜、超Low-k膜及び/又は他の誘電体膜からなる少なくとも1つの膜を有する半導体パターン化ウェハを提供すること、
PIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物を提供すること、
前記銅膜を制御された厚さまで研磨することであって、前記銅膜の少なくとも一部が前記単一の研磨パッド及び前記PIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物の両方と接触している、研磨すること、
PIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物を提供すること、
最後の前記研磨から残された銅膜を研磨し、バリア膜上で研磨を停止する、研磨することであって、前記最後の研磨から残された銅膜の少なくとも一部が、前記単一の研磨パッド及び前記PIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物の両方と接触している、研磨すること、
PIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物を提供すること、
前記バリア膜、シリコン貫通電極(TSV)銅膜、Low-k膜、超Low-k膜及び/又は他の誘電体膜からなる群から選択される少なくとも1つの膜を研磨することであって、前記少なくとも1つの膜の少なくとも一部が、前記単一の研磨パッド及び前記PIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物の両方と接触している、研磨すること、を含む、シングルプラテン化学機械的平坦化(CMP)研磨方法。
【請求項2】
前記PIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物が、
研磨材と、
2~100μm、10~80μm、20~70μm又は30~50μmの範囲のサイズを有するミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズと、
シリコーン含有分散剤と、
水などの液体キャリアと、
任意選択で、
キレート剤又はデュアルキレート剤又はトリスキレート剤と、
腐食防止剤と、
有機第四級アンモニウム塩と、
殺生物剤と、
pH調節剤と、
使用時に添加される酸化剤と、を含み、
前記組成物のpHが、3.0~12.0、5.5~7.5、又は6.0~7.5である、請求項1に記載のシングルプラテン化学機械的平坦化(CMP)研磨方法。
【請求項3】
前記単一の研磨パッドが、微孔性ポリウレタン材料を含む、請求項1に記載のシングルプラテン化学機械的平坦化(CMP)研磨方法。
【請求項4】
前記PIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物が、
研磨材と、
2~100μm、10~80μm、20~70μm又は30~50μmの範囲のサイズを有するミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズと、
シリコーン含有分散剤と、
Cuディッシング低減添加剤と、
水などの液体キャリアと、
任意選択で、
キレート剤又はデュアルキレート剤又はトリスキレート剤と、
腐食防止剤と、
有機第四級アンモニウム塩と、
殺生物剤と、
pH調節剤と、
使用時に添加される酸化剤と、を含み、
前記組成物のpHが、3.0~12.0、5.5~7.5、又は6.0~7.5である、請求項1に記載のシングルプラテン化学機械的平坦化(CMP)研磨方法。
【請求項5】
前記PIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物が、
研磨材と、
2~100μm、10~80μm、20~70μm又は30~50μmの範囲のサイズを有するミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズと、
シリコーン含有分散剤と、
バリア又は誘電体膜除去速度向上添加剤と、
水などの液体キャリアと、
任意選択で、
Cuディッシング低減添加剤と、
腐食防止剤と、
pH調節剤と、
使用時に添加される酸化剤と、を含み、
前記組成物のpHが、酸性pHについては2.0~6.5であり、アルカリ性pHについては8~11である、請求項1に記載のシングルプラテン化学機械的平坦化(CMP)研磨方法。
【請求項6】
前記ミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズが、30~50μmの範囲のサイズを有する、請求項1に記載のシングルプラテン化学機械的平坦化(CMP)研磨方法。
【請求項7】
バックエンド銅プロセスのためのシングルプラテン化学機械的平坦化(CMP)研磨システムであって、
単一の費用対効果の高い研磨パッドを有するシングルプラテンを提供すること、
銅膜、バリア膜、シリコン貫通電極(TSV)銅膜、Low-k膜、超Low-k膜及び/又は他の誘電体膜からなる少なくとも1つの膜を有する半導体パターン化ウェハを提供すること、
PIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物を提供して、前記銅膜を制御された厚さに研磨することであって、前記銅膜の少なくとも一部が前記研磨パッド及び前記PIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物の両方と接触している、研磨すること、
PIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物を提供して、最後の前記研磨から残された銅膜を研磨し、バリア膜上で研磨を停止する、研磨することであって、前記最後の研磨から残された銅膜の少なくとも一部が、前記研磨パッド及び前記PIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物の両方と接触している、研磨すること、
PIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物を提供して、前記バリア膜、シリコン貫通電極(TSV)銅膜、Low-k膜、超Low-k膜及び/又は他の誘電体膜からなる群から選択される少なくとも1つの膜を研磨することであって、前記少なくとも1つの膜の少なくとも一部が、前記研磨パッド及び前記PIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物の両方と接触している、研磨すること、を含む、シングルプラテン化学機械的平坦化(CMP)研磨システム。
【請求項8】
前記PIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物が、
研磨材と、
2~100μm、10~80μm、20~70μm又は30~50μmの範囲のサイズを有するミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズと、
シリコーン含有分散剤と、
水などの液体キャリアと、
任意選択で、
キレート剤又はデュアルキレート剤又はトリスキレート剤と、
腐食防止剤と、
有機第四級アンモニウム塩と、
殺生物剤と、
pH調節剤と、
使用時に添加される酸化剤と、を含み、
前記組成物のpHが、3.0~12.0、5.5~7.5、又は6.0~7.5である、請求項7に記載のシングルプラテン化学機械的平坦化(CMP)研磨システム。
【請求項9】
前記単一の研磨パッドが、微孔性ポリウレタン材料を含む、請求項7に記載のシングルプラテン化学機械的平坦化(CMP)研磨システム。
【請求項10】
前記PIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物が、
研磨材と、
2~100μm、10~80μm、20~70μm又は30~50μmの範囲のサイズを有するミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズと、
シリコーン含有分散剤と、
Cuディッシング低減添加剤と、
水などの液体キャリアと、
任意選択で、
キレート剤又はデュアルキレート剤又はトリスキレート剤と、
腐食防止剤と、
有機第四級アンモニウム塩と、
殺生物剤と、
pH調節剤と、
使用時に添加される酸化剤と、を含み、
前記組成物のpHが、3.0~12.0、5.5~7.5、又は6.0~7.5である、請求項7に記載のシングルプラテン化学機械的平坦化(CMP)研磨システム。
【請求項11】
前記PIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物が、
研磨材と、
2~100μm、10~80μm、20~70μm又は30~50μmの範囲のサイズを有するミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズと、
シリコーン含有分散剤と、
バリア又は誘電体膜除去速度向上添加剤と、
水などの液体キャリアと、
任意選択で、
Cuディッシング低減添加剤と、
腐食防止剤と、
pH調節剤と、
使用時に添加される酸化剤と、を含み、
前記組成物のpHが、酸性pHについては2.0~6.5であり、アルカリ性pHについては8~11である、請求項7に記載のシングルプラテン化学機械的平坦化(CMP)研磨システム。
【請求項12】
前記単一の研磨パッドが、微孔性ポリウレタン材料を含む、請求項7に記載のシングルプラテン化学機械的平坦化(CMP)研磨システム。
【請求項13】
前記ミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズが、30~50μmの範囲のサイズを有する、請求項7に記載のシングルプラテン化学機械的平坦化(CMP)研磨システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月10日に出願された米国仮特許出願第63/278,049号の優先権を主張するものであり、これは参照により組み込まれる。
【0002】
本開示は、バックエンド用途などの複数の研磨工程を有するシングルプラテンCMPプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
シングルプラテンCMPプロセスは、新規なパッド・イン・ア・ボトル(PIB)技術及びPIBタイプの先端金属(Cu又はCoなど)バルク、PIBタイプの金属(Cu又はCoなど)ソフトランディング、及びPIBタイプの金属(Cu又はCoなど)バリア化学機械的平坦化(CMP)スラリー、システム、並びにバックエンド用途における3つの研磨工程のためのシングルプラテンを用いる方法を使用する。プラテン上の選択された単一の研磨パッド(硬質又は軟質)により、その後の研磨の3つの工程全てが完了する。
【0004】
従来、バックエンドCMP用途では、金属バルク、金属ソフトランディング、及び金属バリアCMPスラリーは、図1の上部に示されるように、研磨プロセス全体のために、CMP研磨ツール上の3つの異なるプラテン上で3つの異なる研磨工程が使用される。通常、3つの異なるプラテンが、3つのCMPスラリーのための少なくとも2つの異なるタイプの研磨パッドと共に使用される。
【0005】
したがって、バックエンドCMPプロセスのための従来の3プラテンCMPプロセスは、(a)研磨ツールを大きくかつ複雑にする3つの異なるプラテンがCMP研磨機において使用される、(b)3プラテンCMPプロセスでは、各プラテンに少なくとも2つの異なるタイプの研磨パッドが必要である、(c)3つの異なるプラテン間のウェハ移送時間がデバイスの製造効率を低下させる、などのいくつかの弱点を有する。
【0006】
高価なポリウレタン研磨パッドの所有コスト及び電子デバイス製造コストも、半導体産業のCMPプロセスにおける重要な懸念事項である。
【0007】
CMPにおいて、ポリウレタン(PU)パッド上の凹凸は、ウェハ接触により不可逆的に変形され、組成物粒子によっても磨耗する。したがって、プロセス安定性を確保するために、パッド表面をダイヤモンドディスクで継続的に更新する必要がある。ダイヤモンドディスクはパッド表面を切削して古い凹凸を除去し、新しいものを作り出す必要があるため、パッドも徐々に薄くなり、その交換を余儀なくされる。
【0008】
パッドの凹凸の役割は、市販の研磨パッドにおける孔及び凹凸のサイズに匹敵するサイズを有する、高品質のミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズによって果たされる。PIBタイプのCMPスラリーは、PUビーズを含有する。
【0009】
バックエンドCMP用途のための新たに発明されたシングルプラテンCMPプロセス(図1の下部に示されるように)において、選択された第1のPIBタイプのCuバルクCMPスラリーを最初に使用してCuキャッピング層膜の過剰の厚さの所望の厚さを除去し、工程1の後、選択された第2のPIBタイプのCuソフトランディングCMPスラリーを工程2で使用して低Cuラインディッシングを得るためにバリア及び誘電体膜上で停止するように残ったCuキャッピング層を除去し、工程3において、選択された第3のPIBタイプのCuバリアを使用して電子デバイス製造歩留まりを向上させる更なる低Cuディッシング及びエロージョンを得るためにCuディッシング及びエロージョン補正を達成するために研磨される異なる膜の間で所望の研磨選択性でバリア、誘電体及びCu膜を除去する。
【発明の概要】
【0010】
このニーズは、本明細書に開示されたシングルプラテンCMPプロセスを使用することによって満たされ、シングルプラテンは、バックエンドCMPプロセスで使用されるPIBタイプのCuバルク、PIBタイプのCuソフトランディング、及びPIBタイプのCuバリアCMPスラリーの3つの異なるPIBタイプのCMPスラリー全てに対して、単一の選択された研磨パッドと共に使用される。
【0011】
バックエンドCMP用途のための本発明のシングルプラテンCMPプロセスは、CMP処理時間を短縮し、半導体デバイス製造のスループットを増加させる。
【0012】
一態様では、PIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物は、シングルプラテンCMPプロセスにおける研磨の第1の工程において提供される。PIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物は、
研磨材と、
2~100μm、10~80μm、20~70μm又は30~50μmの範囲のサイズを有するミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズと、
シリコーン含有分散剤と、
水などの液体キャリアと、
任意選択で、
キレート剤又はデュアルキレート剤又はトリスキレート剤と、
腐食防止剤と、
有機第四級アンモニウム塩と、
殺生物剤と、
pH調節剤と、
使用時に添加される酸化剤と、を含み、
組成物のpHは、3.0~12.0、5.5~7.5、又は6.0~7.5である。
【0013】
別の態様では、PIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物は、シングルプラテンCMPプロセスにおける研磨の第2の工程において提供される。PIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物は、
研磨材と、
2~100μm、10~80μm、20~70μm又は30~50μmの範囲のサイズを有するミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズと、
シリコーン含有分散剤と、
Cuディッシング低減添加剤と、
水などの液体キャリアと、
任意選択で、
キレート剤又はデュアルキレート剤又はトリスキレート剤と、
腐食防止剤と、
有機第四級アンモニウム塩と、
殺生物剤と、
pH調節剤と、
使用時に添加される酸化剤と、を含み、
組成物のpHは、3.0~12.0、5.5~7.5、又は6.0~7.5である。
【0014】
第3の態様では、PIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物は、シングルプラテンCMPプロセスにおける研磨の第3の工程において提供される。PIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物は、
研磨材と、
2~100μm、10~80μm、20~70μm又は30~50μmの範囲のサイズを有するミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズと、
シリコーン含有分散剤と、
バリア又は誘電体膜除去速度向上添加剤と、
水などの液体キャリアと、
任意選択で、
Cuディッシング低減添加剤と、
腐食防止剤と、
pH調節剤と、
使用時に添加される酸化剤と、を含み、
組成物のpHは、酸性又はアルカリ性であり得る。酸性pHについては、pHは2.0~6.5であり、アルカリ性pHのPIBタイプのCMP研磨組成物については、pH範囲は8~11である。
【0015】
別の態様では、シングルプラテンCMP研磨方法が提供される。シングルプラテンCMP研磨方法は、
単一の費用対効果の高い研磨パッドを有するシングルプラテンを提供することと、
銅、バリア、シリコン貫通電極(TSV)銅Low-k、超Low-k及び/又は他の誘電体膜からなる少なくとも1つの膜を有する半導体パターン化ウェハを提供することと、
上記のようなPIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物を提供することと、
銅膜を制御された厚さまで研磨することであって、銅膜の少なくとも一部は研磨パッド及びPIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物の両方と接触している、研磨することと、
上記のようなPIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物を提供することと、
最後の研磨から残された銅膜を研磨し、バリア膜上で停止することであって、最後の研磨から残された銅膜の少なくとも一部は、研磨パッド及びPIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物の両方と接触している、停止することと、
上記のようなPIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物を提供することと、
バリア、シリコン貫通電極(TSV)銅膜、Low-k、超Low-k及び/又は他の誘電体膜からなる群から選択される少なくとも1つの膜を研磨することであって、少なくとも1つの膜の少なくとも一部は、研磨パッド及びPIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物の両方と接触している、研磨することと、の工程を含む。
【0016】
別の態様では、シングルプラテンCMP研磨システムが提供される。シングルプラテンCMP研磨システムは、
単一の費用対効果の高い研磨パッドを有するシングルプラテンを提供することと、
少なくとも銅、バリア、シリコン貫通電極(TSV)銅Low-k、超Low-k及び/又は他の誘電体膜を有する半導体パターン化ウェハを提供することと、
上記のようなPIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物を提供して、銅膜を制御された厚さに研磨することであって、銅膜の少なくとも一部は研磨パッド及びPIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物の両方と接触している、研磨することと、
上記のようなPIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物を提供して、最後の研磨から残された銅膜を研磨し、バリア膜上で停止することであって、最後の研磨から残された銅膜の少なくとも一部は、研磨パッド及びPIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物の両方と接触している、停止することと、
上述のPIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物を提供して、バリア、シリコン貫通電極(TSV)銅膜、Low-k膜、超Low-k膜及び/又は他の誘電体膜からなる群から選択される少なくとも1つの膜を研磨することであって、少なくとも1つの膜の少なくとも一部は、研磨パッド及びPIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物の両方と接触している、研磨することと、を含む。
【0017】
研磨材粒子としては、コロイド状シリカ又は高純度コロイド状シリカ、アルミナドープシリカ粒子などの、コロイド状シリカの格子内で他の金属酸化物によってドープされたコロイド状シリカ粒子;α-型、β-型、及びγ-型の酸化アルミニウムを含むコロイド状酸化アルミニウム;コロイド状で光活性の二酸化チタン、酸化セリウム、コロイド状酸化セリウム、ナノサイズの無機金属酸化物粒子、例えばアルミナ、チタニア、ジルコニア、セリアなど;ナノサイズのダイヤモンド粒子、ナノサイズの窒化ケイ素粒子;モノモーダル、バイモーダル、マルチモーダルのコロイド状研磨材粒子;有機ポリマー系軟質研磨材、表面被覆若しくは改質研磨材、又は他の複合粒子、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
シリコーン含有分散剤としては、水不溶性シリコーン骨格と、いくつかの水溶性ポリエーテルペンダント基との両方を含有するシリコーンポリエーテル;例えば、表面湿潤性を提供するエチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)(EO-PO)官能基の繰り返し単位などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
腐食防止剤としては、1,2,4-トリアゾール、アミトロール(3-アミノ-1,2,4-トリアゾール)、ベンゾトリアゾール及びベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール及びテトラゾール誘導体、イミダゾール及びイミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール及びベンゾイミダゾール誘導体、ピラゾール及びピラゾール誘導体、並びにテトラゾール及びテトラゾール誘導体などの芳香環中に窒素原子を含有するヘテロ芳香族化合物のファミリーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
キレート剤(又はキレート化剤)としては、アミノ酸、アミノ酸誘導体、有機アミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
アミノ酸及びアミノ酸誘導体としては、グリシン、D-アラニン、L-アラニン、DL-アラニン、ベータ-アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアミン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、トリプトファン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、メチオニン、システイン、イミノ二酢酸、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
有機アミンとしては、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン及び2,2-ジメチル-1,4-ブタンジアミン、エチレンジアミン、1,3-ジアミンプロパン、1,4-ジアミンブタンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
2つの第一級アミン部分を有する有機ジアミン化合物は、二元キレート剤として記載することができる。
【0024】
殺生物剤としては、Dow Chemical製のKathon(商標)、Kathon(商標)CG/ICP IIが挙げられるが、これらに限定されない。それらは、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン及び2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンの活性成分を有する。
【0025】
Cuディッシング低減剤としては、非イオン性有機界面活性剤、例えば、アセチレンエトキシレート型の界面活性剤Dynol607(商標)、Dynol604(商標)、若しくはポリグリコールエーテル構造Tergitol(商標)型の非イオン性界面活性剤、例えば、Tergitol(商標)Min Form 1x、Tergitol(商標)L-62、Tergitol(商標)L-64、又は陰イオン性界面活性剤、例えば、有機アルキルスルホネート、有機アルキルホスフェート、若しくは有機カルボキシレートが挙げられるが、これらに限定されない。アニオン性界面活性剤の例としては、ドデシルスルホネートアンモニウム又はカリウム塩、オクチルホスフェートアンモニウム又はカリウム塩、及びオクチルカルボキシレートアンモニウム又はカリウム塩が挙げられる。
【0026】
バリア又は誘電体膜除去速度向上添加剤には、ケイ酸アンモニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム又はケイ酸テトラアルキルなどのケイ酸塩の様々な塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0027】
酸化剤としては、過ヨウ素酸、過酸化水素、ヨウ素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過硫酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、硝酸第二鉄、硝酸、硝酸カリウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
Cu除去速度向上剤及び欠陥低減剤としての有機第四級アンモニウム塩としては、異なる対イオンを有するコリン塩、例えば、重炭酸コリン、水酸化コリン、クエン酸二水素コリン塩、コリンエタノールアミン、重酒石酸コリンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
pH調整剤としては、以下の硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、他の無機又は有機酸、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。pH調整剤としては、pHをよりアルカリ性の方向に調整するために使用することができる、水素化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、有機アミン、及び他の化学試薬などの塩基性pH調整剤も挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】従来の3プラテンCMPプロセスが、本開示のシングルプラテンCMPプロセスと比較される。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示は、3工程Cu CMPプロセスなどのバックエンドCMP用途のための、PIBタイプの金属バルク、PIBタイプの金属ソフトランディング、及びPIBタイプの金属バリアCMPスラリーを使用する単一の同じ研磨パッドを用いたシングルプラテンCMP研磨を教示する。
【0032】
本出願は、パッド凹凸の役割が高品質のミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズによって果たされる、新しい技術を開示する。PUビーズのサイズは、市販の研磨パッドにおける孔及び凹凸のサイズに匹敵する。
【0033】
ビーズは、水性組成物中にポリウレタンビーズを分散させるための分散剤としての湿潤剤(又は界面活性剤)の助けを借りて、か焼セリア、コロイド状シリカ、又は複合粒子などの研磨材粒子を有するCu CMP研磨組成物中に懸濁される。
【0034】
ビーズは、以下に記載する手段によってウェハ表面と接触し、従来の凹凸とほぼ同じ方法で研磨を促進する。
【0035】
ビーズのサイズ、及び組成物中のそれらの濃度の両方を選択することによって、ウェハと接触する「頂点」の高さ、曲率、及び面積密度のはるかに良好な制御が達成され、従来の凸凹接触に伴うプロセスのばらつきが大幅に低減される。
【0036】
ビーズの使用は、研磨を行う第2の表面、又はカウンター面を依然として必要とし、これは、本発明の場合、従来のポリウレタン系パッドであり続けるが、研磨が行われる主要な表面ではないため、最小限のコンディショニングを必要とするものである。あるいは、安価でかつ部分的にコンディショニングされたパッドをカウンター面として使用することができる。
【0037】
研磨機は、通常、2~3つのパッドを有する3プラテンを使用し、バックエンドCMP用途のために3つの異なるCMP研磨組成物を使用する。本開示では、同じ研磨パッド及び3つの異なるCMPスラリーを使用するシングルプラテンプロセスが、バックエンドCMP用途のための3プラテンCMPプロセスを置き換えるために使用される。シングルプラテンプロセスは、半導体デバイス製造プロセスにおける大幅なコスト削減を提供し、半導体デバイス製造効率におけるスループットを増加させる。
【0038】
使用済みパッドを除去し、新しいパッドを設置し適格とするのに数時間かかることがあるため、ツール中断時間及び新しいパッドを適格とするために使用される消耗品による工学的損失及び製品損失も重大である。同じ研磨パッドでシングルプラテンプロセスを使用すると、そのようなパッドの交換時間は、2~3つの異なる研磨パッドを使用する3プラテンプロセスと比較して、大幅に短縮することができる。
【0039】
研磨パッドに関しては、パッドを剥がして廃棄することが必要になる前に、パッド厚さの約3分の2しか使用されない。コンディショナーについては、数万個のダイヤモンドのうちの数百個のみが製品寿命を制御し、その後コンディショナーは廃棄することが必要になる。更に、パッド及びコンディショナーは、再生又は再利用の選択肢が利用可能ではない。本発明者らの研究は、上記のEHS問題に対処し、多数のパッド及びダイヤモンドディスクコンディショナーの使用を排除することによって、現在の標準的なCMPプロセスに対する新規な解決策を提供する。
【0040】
シングルプラテンバックエンドCMP用途のための開示された3つの異なるタイプのCMP研磨組成物において使用されるポリウレタンビーズは、2~100μm、10~80μm、20~70μm、又は30~50μmの範囲のサイズを有する。
【0041】
本発明のいくつかの特定の態様を以下に概説する。
【0042】
一態様では、PIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物は、シングルプラテンCMPプロセスにおける研磨の第1の工程において提供される。PIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物は、
研磨材と、
2~100μm、10~80μm、20~70μm又は30~50μmの範囲のサイズを有するミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズと、
シリコーン含有分散剤と、
水などの液体キャリアと、
任意選択で、
キレート剤又はデュアルキレート剤又はトリスキレート剤と、
腐食防止剤と、
有機第四級アンモニウム塩と、
殺生物剤と、
pH調節剤と、
使用時に添加される酸化剤と、を含み、
組成物のpHは、3.0~12.0、5.5~7.5、又は6.0~7.5である。
【0043】
別の態様では、PIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物は、シングルプラテンCMPプロセスにおける研磨の第2の工程において提供される。PIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物は、
研磨材と、
2~100μm、10~80μm、20~70μm又は30~50μmの範囲のサイズを有するミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズと、
シリコーン含有分散剤と、
Cuディッシング低減添加剤と、
水などの液体キャリアと、
任意選択で、
キレート剤又はデュアルキレート剤又はトリスキレート剤と、
腐食防止剤と、
有機第四級アンモニウム塩と、
殺生物剤と、
pH調節剤と、
使用時に添加される酸化剤と、を含み、
組成物のpHは、3.0~12.0、5.5~7.5、又は6.0~7.5である。
【0044】
第3の態様では、PIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物は、シングルプラテンCMPプロセスにおける研磨の第3の工程において提供される。PIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物は、
研磨材と、
2~100μm、10~80μm、20~70μm又は30~50μmの範囲のサイズを有するミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズと、
シリコーン含有分散剤と、
バリア又は誘電体膜除去速度向上添加剤と、
水などの液体キャリアと、
任意選択で、
Cuディッシング低減添加剤と、
腐食防止剤と、
pH調節剤と、
使用時に添加される酸化剤と、を含み、
組成物のpHは、酸性又はアルカリ性であり得る。酸性pHについては、pHは2.0~6.5であり、アルカリ性pHのPIBタイプのCMP研磨組成物については、pH範囲は8~11である。
【0045】
別の態様では、シングルプラテンCMP研磨方法が提供される。シングルプラテンCMP研磨方法は、
単一の費用対効果の高い研磨パッドを有するシングルプラテンを提供することと、
銅、バリア、シリコン貫通電極(TSV)銅Low-k、超Low-k及び/又は他の誘電体膜からなる群から選択される少なくとも1つの膜を有する半導体パターン化ウェハを提供することと、
上記のようなPIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物を提供することと、
銅膜を制御された厚さまで研磨することであって、銅膜の少なくとも一部は研磨パッド及びPIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物の両方と接触している、研磨することと、
上記のようなPIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物を提供することと、
最後の研磨から残された銅膜を研磨し、バリア膜上で停止することであって、最後の研磨から残された銅膜の少なくとも一部は、研磨パッド及びPIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物の両方と接触している、停止することと、
上記のようなPIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物を提供することと、
バリア、シリコン貫通電極(TSV)銅膜、Low-k、超Low-k及び/又は他の誘電体膜からなる群から選択される少なくとも1つの膜を研磨することであって、少なくとも1つの膜の少なくとも一部は、研磨パッド及びPIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物の両方と接触している、研磨することと、の工程を含む。
【0046】
更に別の態様では、CMP研磨システムが提供される。シングルプラテンCMP研磨システムは、
単一の費用対効果の高い研磨パッドを有するシングルプラテンを提供することと、
少なくとも銅、バリア、シリコン貫通電極(TSV)銅Low-k、超Low-k及び/又は他の誘電体膜を有する半導体パターン化ウェハを提供することと、
上記のようなPIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物を提供して、銅膜を制御された厚さに研磨することであって、銅膜の少なくとも一部は研磨パッド及びPIBタイプのCuバルクCMP研磨組成物の両方と接触している、研磨することと、
上記のようなPIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物を提供して、最後の研磨から残された銅膜を研磨し、バリア膜上で停止することであって、最後の研磨から残された銅膜の少なくとも一部は、研磨パッド及びPIBタイプのCuソフトランディングCMP研磨組成物の両方と接触している、停止することと、
上述のPIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物を提供して、バリア、シリコン貫通電極(TSV)銅膜、Low-k膜、超Low-k膜及び/又は他の誘電体膜からなる群から選択される少なくとも1つの膜を研磨することであって、少なくとも1つの膜の少なくとも一部は、研磨パッド及びPIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物の両方と接触している、研磨することと、を含む。
【0047】
研磨材粒子は、ナノサイズの粒子であり、コロイド状シリカ又は高純度コロイド状シリカ;アルミナドープシリカ粒子などの、コロイド状シリカの格子内で他の金属酸化物によってドープされたコロイド状シリカ粒子;α-型、β-型、及びγ-型の酸化アルミニウムを含むコロイド状酸化アルミニウム;コロイド状で光活性の二酸化チタン、酸化セリウム、コロイド状酸化セリウム、ナノサイズの無機金属酸化物粒子、例えばアルミナ、チタニア、ジルコニア、セリアなど;ナノサイズのダイヤモンド粒子、ナノサイズの窒化ケイ素粒子;モノモーダル、バイモーダル、マルチモーダルのコロイド状研磨材粒子;有機ポリマー系軟質研磨材、表面被覆若しくは改質研磨材、又は他の複合粒子、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
コロイド状シリカは、ケイ酸塩から製造することができ、高純度コロイド状シリカは、TEOS又はTMOSから製造することができる。コロイド状シリカ又は高純度コロイド状シリカは、モノモデル又はマルチモデルの、様々なサイズ、並びに球形、まゆ形、凝集体形、及び他の形状などの様々な形状を有する狭い又は広い粒径分布を有することができる。
【0049】
ナノサイズの粒子はまた、球形、まゆ形、凝集体形などの異なる形状を有することができる。
【0050】
Cu CMPスラリーに使用される研磨材の粒径は、5nm~500nm、10nm~250nm、又は25nm~100nmの範囲である。
【0051】
Cu CMP研磨組成物は、0.0025重量%~25重量%、0.0025重量%~2.5重量%、0.005重量%~0.5重量%の研磨材を含む。
【0052】
CMP研磨組成物は、ポリウレタンビーズを水溶液中に分散させるためのシリコーン含有分散剤を含む。シリコーン含有分散剤は、表面湿潤剤分散剤としても機能する。
【0053】
シリコーン含有分散剤としては、水不溶性シリコーン骨格と、いくつかの水溶性ポリエーテルペンダント基との両方を含有するシリコーンポリエーテル;例えば、表面湿潤特性を提供するEO-PO官能基の繰り返し単位が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
シリコーン含有分散剤の例としては、silsurf(登録商標)E608、silsurf(登録商標)J208-6、silsurf(登録商標)A208、silsurf(登録商標)CR1115、silsurf(登録商標)A204、silsurf(登録商標)A004-UP、silsurf(登録商標)A008-UP、silsurf(登録商標)B608、silsurf(登録商標)C208、silsurf(登録商標)C410、silsurf(登録商標)D208、silsurf(登録商標)D208、silsurf(登録商標)D208-30、silsurf(登録商標)Di-1010、silsurf(登録商標)Di-1510、silsurf(登録商標)Di-15-I、silsurf(登録商標)Di-2012、silsurf(登録商標)Di-5018-F、silsurf(登録商標)G8-I、silsurf(登録商標)J1015-O、silsurf(登録商標)J1015-O-AC、silsurf(登録商標)J208、silsurf(登録商標)J208-6、siltech(登録商標)OP-8、siltech(登録商標)OP-11、siltech(登録商標)OP-12、siltech(登録商標)OP-15、siltech(登録商標)OP-20;Siltech製の製品;225 Wicksteed Avenue,Toronto Ontario,Canada M4H 1G5が挙げられる。
【0055】
シリコーン含有分散剤の濃度範囲は、0.01重量%~2.0重量%、0.025重量%~1.0重量%、又は0.05重量%~0.5重量%である。
【0056】
CMPスラリーは、様々なサイズのポリウレタンビーズを含有する。
【0057】
ポリウレタンビーズの濃度範囲は、0.01重量%~2.0重量%、0.025重量%~1.0重量%、又は0.05重量%~0.5重量%である。
【0058】
Cu除去速度増強剤及び欠陥低減剤としての有機第四級アンモニウム塩としては、コリン重炭酸塩などのコリン塩、又はコリンと他のアニオン性対イオンとの間で形成される全ての他の塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
CMPスラリーは、0.005重量%~0.5重量%、0.001重量%~0.25重量%、又は0.002重量%~0.1重量%の第四級アンモニウム塩を含有する。
【0060】
CMPスラリーは、0.1重量%~18重量%、0.5重量%~15重量%、若しくは1.0重量%~10.0重量%の少なくとも1つのキレート剤、デュアルキレート剤又はトリスキレート剤を含有する。
【0061】
キレート剤(又はキレート化剤)としては、アミノ酸、アミノ酸誘導体、有機アミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
アミノ酸及びアミノ酸誘導体としては、グリシン、D-アラニン、L-アラニン、DL-アラニン、ベータ-アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアミン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、トリプトファン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、メチオニン、システイン、イミノ二酢酸、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
有機アミンとしては、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン及び2,2-ジメチル-1,4-ブタンジアミン、エチレンジアミン、1,3-ジアミンプロパン、1,4-ジアミンブタンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
2つの第一級アミン部分を有する有機ジアミン化合物は、二元キレート剤として記載することができる。
【0065】
腐食防止剤は、任意の既知の報告された腐食防止剤であってよい。
【0066】
腐食防止剤としては、例えば、1,2,4-トリアゾール、アミトロール(3-アミノ-1,2,4-トリアゾール)、ベンゾトリアゾール及びベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール及びテトラゾール誘導体、イミダゾール及びイミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール及びベンゾイミダゾール誘導体、ピラゾール及びピラゾール誘導体、並びにテトラゾール及びテトラゾール誘導体などの芳香環中に窒素原子を含有するヘテロ芳香族化合物のファミリーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
CMPスラリーは、0.005重量%~1.0重量%、0.01重量%~0.5重量%、又は0.025重量%~0.25重量%の腐食防止剤を含有する。
【0068】
Cu化学機械的研磨組成物のより安定した保管寿命を提供するための活性成分を有する殺生物剤を、使用することができる。
【0069】
殺生物剤としては、Dow Chemical製のKathon(商標)、Kathon(商標)CG/ICP IIが挙げられるが、これらに限定されない。それらは、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン及び/又は2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンの活性成分を有する。
【0070】
CMPスラリーは、0.0001重量%~0.05重量%、0.0001重量%~0.025重量%、又は0.0001重量%~0.01重量%の殺生物剤を含有する。
【0071】
酸性若しくは塩基性化合物又はpH調整剤を使用して、CMP研磨組成物のpHを、最適化されたpH値に調整することを可能にすることができる。
【0072】
pH調整剤としては、以下の硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、他の無機又は有機酸、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。pH調整剤としては、pHをよりアルカリ性の方向に調整するために使用することができる、水素化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、有機アミン、及び他の化学試薬などの塩基性pH調整剤も挙げられる。
【0073】
CMPスラリーは、0重量%~1重量%、0.01重量%~0.5重量%、又は0.1重量%~0.25重量%のpH調整剤を含有する。
【0074】
Cuディッシング低減剤としては、非イオン性有機界面活性剤、例えば、アセチレンエトキシレート型の界面活性剤Dynol607(商標)、Dynol604(商標)、若しくはポリグリコールエーテル構造Tergitol(商標)型の非イオン性界面活性剤、例えば、Tergitol(商標)Min Form 1x、Tergitol(商標)L-62、Tergitol(商標)L-64、又は陰イオン性界面活性剤、例えば、有機アルキルスルホネート、有機アルキルホスフェート、若しくは有機カルボキシレートが挙げられるが、これらに限定されない。アニオン性界面活性剤の例としては、ドデシルスルホネートアンモニウム又はカリウム塩、オクチルホスフェートアンモニウム又はカリウム塩、及びオクチルカルボキシレートアンモニウム又はカリウム塩が挙げられる。
【0075】
Cuディッシング低減添加剤の濃度は、0.0005重量%~0.25重量%の範囲であり、好ましい濃度範囲は0.001重量%~0.125重量%である。より好ましい濃度範囲は、0.025重量%~0.10重量%である。
【0076】
バリア又は誘電体膜除去速度向上添加剤には、ケイ酸アンモニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム又はケイ酸テトラアルキルなどのケイ酸塩の様々な塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0077】
CMPスラリーは、0重量%~2重量%、0.1重量%~1.5重量%、又は0.25重量%~1重量%のバリア又は誘電体膜除去速度向上添加剤を含有する。
【0078】
PIBタイプのCuバルク及びCuソフトランディング研磨組成物のpHは約3.0~約12.0であり好ましいpH範囲は5.5~7.5であり、最も好ましいpH範囲は6.0~7.5である。
【0079】
PIBタイプのCuバリアCMP研磨組成物のpHは、酸性又はアルカリ性であってよい。酸性pHについては、pHは2.0~6.5であり、アルカリ性pHのPIBタイプのCMP研磨組成物については、pH範囲は8~11である。
実験セクション
パラメータ:
Å:オングストローム-長さの単位
BP:背圧、psi単位
CMP:化学機械的平坦化=化学機械的研磨
CS:キャリア速度
DF:ダウンフォース:CMP中に加えられる圧力、単位:psi
min:分
ml:ミリリットル
mV:ミリボルト
psi:ポンド/平方インチ
PS:研磨ツールのプラテン回転速度、単位:rpm(毎分回転数)
SF:研磨組成物の流量、ml/分
除去速度(RR):
Cu RR 0.5psi CMPツールの0.5psiのダウン圧力で測定された銅除去速度
Cu RR 1.0psi CMPツールの1.0psiのダウン圧力で測定された銅除去速度
Cu RR 2.0psi CMPツールの2.0psiのダウン圧力で測定された銅除去速度
Cu RR 2.5psi CMPツールの2.5psiのダウン圧力で測定された銅除去速度
TEOS RR 0.5psi CMPツールの0.5psiのダウン圧力で測定されたTEOS除去速度
TEOS RR 1.0psi CMPツールの1.0psiのダウン圧力で測定されたTEOS除去速度
TEOS RR 2.0psi CMPツールの2.0psiのダウン圧力で測定されたTEOS除去速度
TaN RR 0.5psi CMPツールの0.5psiのダウン圧力で測定されたTaN除去速度
TaN RR 1.0psi CMPツールの1.0psiのダウン圧力で測定されたTaN除去速度
TaN RR 2.0psi CMPツールの2.0psiのダウン圧力で測定されたTaN除去速度
BD RR 0.5psi CMPツールの0.5psiのダウン圧力で測定されたBD除去速度
BD RR 1.0psi CMPツールの1.0psiのダウン圧力で測定されたBD除去速度
BD RR 2.0psi CMPツールの2.0psiのダウン圧力で測定されたBD除去速度
TiN RR 1.0psi CMPツールの1.0psiのダウン圧力で測定されたTiN除去速度
TiN RR 2.0psi CMPツールの2.0psiのダウン圧力で測定されたTiN除去速度
【0080】
全般的な実験手順
別段の指示がない限り、組成物中の全ての百分率は、重量百分率である。
【0081】
以下に示す実施例では、以下に示す手順及び実験条件を用いて、CMP実験を行った。実施例で使用されたCMPツールは、Fujikoshi Machinery Corporation(Nagano Japan)によって製造された300mmのAPD-800(登録商標)研磨機である。パッドのブレイクインは、25個のダミー酸化物(TEOS前駆体、PETEOSからプラズマ強化CVDによって堆積された)ウェハを研磨することによって行った。ツール設定及びパッドブレイクインを適格とするために、2つのPETEOSモニタを、Versum Materials,Inc.の平坦化プラットホームによって供給されたSyton(登録商標)OX-Kコロイド状シリカで、ベースライン条件で研磨した。研磨実験は、ブランケットCu、TEOS、TaN、TiN及びBDウェハを使用して行った。これらのブランケットウェハは、Silicon Valley Microelectronics,1150 Campbell Ave,CA,95126から購入した。
研磨パッド、硬質研磨パッド、IC1010は、米国のDuPontによって供給された。軟質フジボウパッドは、日本のFujibo Corporationから供給された。硬質研磨パッドは、硬質の微孔性ポリウレタン材料から作製される。硬質研磨パッドは、約0.5%~4.0%の圧縮率及び約52~62の硬度(ショアD)を有するIC1010であってもよい。硬質及び軟質研磨パッドの両方を、Cuバルク、Cuソフトランディング及びバリアブランケットウェハ実験において、それぞれ、シングルプラテン上で使用した。
【実施例
【0082】
実施例1-シングルプラテンプロセスでの硬質IC1010パッドの使用
シングルプラテン処理では、PIB CuバルクCMP研磨組成物は、5.20重量%のグリシン、2.40重量%のアラニン、0.016重量%のアミトロール、0.0231重量%の重炭酸コリン、0.0016重量%のNeolone M10殺生物剤、0.2705重量%の研磨材としての高純度コロイドシリカ粒子、0.050重量%の分散剤としてのSilsurf E608、及び0.10重量%の35ミクロンサイズのポリウレタンビーズから構成された。
【0083】
EO-PO湿潤官能基を含有するSilsurf E608を、シリコーン含有分散剤として使用した。
【0084】
シングルプラテン処理では、PIB CuソフトランディングCMP研磨組成物は、分散剤として0.050重量%のSilsurf E608及び0.10重量%の35ミクロンサイズのポリウレタンビーズを添加したEMD Electronics Cuソフトランディングスラリー、Cu3086から構成された。
【0085】
シングルプラテン処理では、PIBバリアCMP研磨組成物は、分散剤として0.050重量%のSilsurf E608及び0.25重量%の35ミクロンサイズのポリウレタンビーズを添加した、EMD Electronics、BAR6610Rスラリーから構成された。
【0086】
2.5重量%のH22を、シングルプラテン上での研磨試験のために使用時点でPIB CuバルクCMP組成物に添加した。
【0087】
1.0重量%のH22を、シングルプラテン上での研磨試験のために使用時点でPIB CuソフトランディングCMP組成物に添加した。
【0088】
1.0重量%のH22を、シングルプラテン上での研磨試験のための使用時点で、PIB BAR6610RバリアCMP組成物に添加した。
【0089】
研磨試験は、硬質IC1010パッドをシングルプラテンプロセスで、異なる印加ダウンフォース及び摺動速度で行った。
【0090】
シングルプラテンプロセスで硬質IC1010研磨パッドを使用した研磨結果を、表1~表3に示す。
【表1】
【0091】
研磨結果が表1に列挙されているように、最も高いCu除去速度は、硬質IC1010パッドを使用するシングルプラテンプロセス上で、2.5psiのダウンフォース及び1.5m/秒の摺動速度で、Cu PIBバルクCMPスラリーを用いて達成される。シングルプラテンプロセスでのPIBタイプのCuバルクスラリーは、2.0psiのダウンフォース及び1.5m/秒の摺動速度で、4500:1を上回るCu:TEOS研磨選択性と1200:1を上回るCu:TaN研磨選択性を提供する。
【0092】
シングルプラテン上でのPIBタイプのCuバルクスラリーCMP研磨プロセスを完了した後、CuソフトランディングCMPスラリーは、続いて、シングルプラテンプロセスでの工程2のCMPプロセスのために使用される。結果を表2に列挙する。
【表2】
【0093】
研磨結果が表2に列挙されているように、最も高いCu除去速度は、シングルプラテンプロセス上で、1.0psiのダウンフォース及び1.0m/秒の摺動速度で、Cu PIBバルクCMPスラリーを用いて達成される。シングルプラテンプロセスでのPIBタイプのCuソフトランディングスラリーは、高いCu:TEOS研磨選択性、高いCu:BD研磨選択性、及び良好なCu:TaN研磨選択性を提供する。シングルプラテンプロセスで使用されるPIBタイプのCuソフトランディングCMPスラリーは、硬質IC1010研磨パッドを使用しながら、研磨誘電体膜、TEOS及びBDに対してほぼ完全に停止したCMP研磨性能を提供する。
【0094】
シングルプラテン上でのPIBタイプのCuソフトランディングスラリーCMP研磨プロセスを完了した後、PIBタイプのバリアCMPスラリーは、続いて、シングルプラテンプロセスでの工程3のCMPプロセスのために使用される。結果を表3に列挙する。
【表3】
【0095】
研磨結果が表3に列挙されているように、より高いTiN除去速度は、4つの異なる印加ダウンフォース及び摺動速度の組み合わせ条件で達成される。PIBバリアスラリーはまた、シングルプラテンプロセスで、硬質IC1010研磨パッドを用いて、異なる印加ダウンフォース及び摺動速度の組み合わせ条件で、Cu及びBD膜を研磨する際に完全停止CMP研磨性能を提供する。シングルプラテンプロセスでのPIBタイプのバリアCMPスラリーは、硬質IC1010研磨パッドを使用しながら、妥当なTEOS及びTaN除去速度を提供する。
【0096】
実施例2-シングルプラテンプロセスでの軟質フジボウパッドの使用
シングルプラテン処理では、PIB CuバルクCMP研磨組成物は、5.20重量%のグリシン、2.40重量%のアラニン、0.016重量%のアミトロール、0.0231重量%の重炭酸コリン、0.0016重量%のNeolone M10殺生物剤、0.2705重量%の研磨材としての高純度コロイドシリカ粒子、0.050重量%の分散剤としてのSilsurf E608、及び0.10重量%の35ミクロンサイズのポリウレタンビーズから構成された。
【0097】
EO-PO湿潤官能基を含有するSilsurf E608を、シリコーン含有分散剤として使用した。
【0098】
シングルプラテン処理では、PIB CuソフトランディングCMP研磨組成物は、分散剤として0.050重量%のSilsurf E608及び0.10重量%の35ミクロンサイズのポリウレタンビーズを添加したEMD Electronics Cuソフトランディングスラリー、Cu3086から構成された。
【0099】
シングルプラテン処理では、PIBバリアCMP研磨組成物は、分散剤として0.050重量%のSilsurf E608及び0.25重量%の35ミクロンサイズのポリウレタンビーズを添加した、EMD Electronics、BAR6610Rスラリーから構成された。
【0100】
2.5重量%のH22を、シングルプラテン上での研磨試験のために使用時点でPIB CuバルクCMP組成物に添加した。
【0101】
1.0重量%のH22を、シングルプラテン上での研磨試験のために使用時点でPIB CuソフトランディングCMP組成物に添加した。
【0102】
1.0重量%のH22を、シングルプラテン上での研磨試験のための使用時点で、PIB BAR6610RバリアCMP組成物に添加した。
【0103】
研磨試験は、軟質フジボウパッドをシングルプラテンプロセスで、異なる印加ダウンフォース及び摺動速度で行った。
【0104】
シングルプラテンプロセスで軟質フジボウ研磨パッドを使用した研磨結果を、表4~表6に示す。
【表4】
【0105】
研磨結果が表4に列挙されているように、最も高いCu除去速度は、軟質フジボウパッドを使用するシングルプラテンプロセス上で、2.5psiのダウンフォース及び1.5m/秒の摺動速度で、Cu PIBバルクCMPスラリーを用いて達成される。軟質フジボウパッドを使用して得られたCu除去速度は、同じダウンフォース及び摺動速度で硬質IC1010パッドを使用して得られたCu除去速度よりも更に高い。シングルプラテンプロセスでのPIBタイプのCuバルクスラリーは、軟質フジボウパッドを使用した2.0psiのダウンフォース及び1.5m/秒の摺動速度で、7900:1を上回る非常に高いCu:TEOS研磨選択性、及び約1450:1のCu:TaN研磨選択性を提供する。したがって、同じPIBタイプのCuバルクスラリーを同じ印加ダウンフォース及び摺動速度で使用すると、軟質フジボウパッドは、硬質IC1010パッドで得られた選択性よりも高いCu:TEOS及びCu:TaN選択性を提供する。
【0106】
シングルプラテンでのPIBタイプのCuバルクスラリーCMP研磨プロセスを完了した後、CuソフトランディングCMPスラリーは、続いて、軟質フジボウパッドを使用するシングルプラテンプロセスでの工程2のCMPプロセスのために使用される。結果を表5に列挙する。
【表5】
【0107】
研磨結果が表5に列挙されているように、最も高いCu除去速度は、軟質フジボウパッドを使用するシングルプラテンプロセスで、1.0psiのダウンフォース及び1.0m/秒の摺動速度で、Cu PIBバルクCMPスラリーを用いて達成される。シングルプラテンプロセスでのPIBタイプのCuソフトランディングスラリーは、非常に高いCu:TEOS研磨選択性、非常に高いCu:BD研磨選択性、及び非常に高いCu:TaN研磨選択性を提供する。シングルプラテンプロセスで使用されるPIBタイプのCuソフトランディングCMPスラリーは、軟質フジボウ研磨パッドを使用しながら、研磨誘電体膜、TEOS及びBDに対して完全に停止したCMP研磨性能を提供する。
【0108】
軟質フジボウパッドを使用するシングルプラテン上でのPIBタイプのCuソフトランディングスラリーCMP研磨プロセスを完了した後、PIBタイプのバリアCMPスラリーは、続いて、シングルプラテンプロセスでの工程3のCMPプロセスのために使用される。結果を表6に列挙する。
【表6】
【0109】
研磨結果が表5に列挙されているように、より高いTiN除去速度は、4つの異なる印加ダウンフォース及び摺動速度の組み合わせ条件で達成される。PIBバリアスラリーはまた、望ましいCu除去速度、良好なTEOS、TaN及びBD膜除去速度を提供する。
【0110】
上に列挙した表1~表6の研磨結果は、硬質IC1010パッド又は軟質フジボウパッドのいずれかを、異なる印加ダウンフォース及び摺動速度条件で使用したものであり、これらの異なるCMP研磨組成物、PIB Cuバルク、PIB Cuソフトランディング、及びPIBバリアスラリーは、バックエンドCMP用途のためのシングルプラテンCMPプロセスで首尾よく使用することができる。
【0111】
上に列挙した本発明の実施形態は、本発明から作製することのできる多数の実施形態の例示である。プロセスの多数の他の構成が使用されてもよく、プロセスにおいて使用される材料は、具体的に開示されたもの以外の多数の材料から選択されてもよいことが企図される。
図1
【国際調査報告】