(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】フォトリソグラフィ装置用のユーティリティステージ及び方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20241210BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G03F7/20 521
H01L21/30 502D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523850
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2022079327
(87)【国際公開番号】W WO2023083582
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】レヴィー,キーン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ン,エイミー
【テーマコード(参考)】
2H197
5F146
【Fターム(参考)】
2H197BA23
2H197CD50
2H197DB31
2H197FB03
2H197GA01
2H197GA20
2H197HA03
2H197JA03
5F146AA31
(57)【要約】
フォトリソグラフィシステム内のウェーハテーブル及びその他のコンポーネントにサービスの機能を提供するためにシステム内ユーティリティステージを使用する装置及び方法が開示され、ユーティリティステージは、ユーティリティステージ、ウェーハテーブル、及びその他のコンポーネントを収容する筐体を開ける必要なく複数のツールにアクセスすることができるので、スループットが向上し、ダウンタイムが低減される。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に配置され、かつ前記筐体内の複数の位置間を移動するように適合された少なくとも1つのオブジェクトテーブルと、
前記筐体の内部でユーティリティゾーン内に配置されたユーティリティデバイスと、
前記筐体内に配置され、かつ待機位置から前記ユーティリティゾーンまで移動するように適合されたユーティリティステージであって、前記待機位置から前記ユーティリティゾーンまで少なくとも1つのツールを運ぶように適合される、ユーティリティステージと、
を含む、フォトリソグラフィ装置。
【請求項2】
前記待機位置に隣接した前記筐体内に配置されたツール格納部と、前記ツール格納部内に格納された複数のツールと、を更に含み、
前記ユーティリティステージは、第1のツールを前記ツール格納部からアンロードし、前記第1のツールを前記ユーティリティデバイスに運搬し、前記第1のツールを前記ユーティリティデバイスにロードするように適合され、
前記オブジェクトテーブルは、ウェーハテーブルを含み、
前記ユーティリティデバイスは、前記ユーティリティ位置に配置されたオブジェクトテーブル洗浄ツールを含み、
前記第1のツールは、第1の洗浄ストーンを含み、
前記ユーティリティステージは、前記第1のツールを前記ユーティリティデバイスからアンロードし、前記第1のツールを前記ツール格納部に運搬し、前記第1のツールを前記ツール格納部にロードするように更に適合される、請求項1に記載のフォトリソグラフィ装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのオブジェクトテーブルは、第1のウェーハテーブルと、第2のウェーハテーブルと、を含み、及び/又は、
前記ユーティリティステージは、前記ユーティリティステージを位置決めするように配置された伸長可能なロボットアームを含む、請求項1に記載のフォトリソグラフィ装置。
【請求項4】
筐体と、
前記筐体内に配置され、かつ前記筐体内の複数の共面位置間を移動するように適合された第1のウェーハテーブルと、
前記筐体内に配置され、かつ前記筐体内の前記複数の共面位置間を移動するように適合された第2のウェーハテーブルであって、前記第2のウェーハテーブルは、前記第1のウェーハテーブルの動きに干渉することを回避するように移動され、前記第1のウェーハテーブルは、前記第2のウェーハテーブルの動きに干渉することを回避するように移動される、第2のウェーハテーブルと、
前記筐体の内部でユーティリティゾーン内に配置され、かつユーティリティ動作をウェーハに対して行うように適合されたユーティリティデバイスと、
前記筐体内に配置され、かつ待機位置から前記ユーティリティゾーンまで移動するように適合されたユーティリティステージであって、少なくとも1つのツールを前記待機位置から前記ユーティリティゾーンまで運ぶように適合され、かつ前記第1のウェーハテーブル及び前記第2のウェーハテーブルの動きに干渉することを回避するように移動及び位置決めされる、ユーティリティステージと、
を含む、フォトリソグラフィ装置。
【請求項5】
前記筐体内に前記待機位置に隣接して配置されたツール格納部と、前記ツール格納部内に格納された複数のツールと、を更に含み、
前記ユーティリティステージは、第1のツールを前記ツール格納部からアンロードし、前記第1のツールを前記ユーティリティデバイスに運搬し、前記第1のツールを前記ユーティリティデバイスにロードするように適合される、請求項4に記載のフォトリソグラフィ装置。
【請求項6】
前記ユーティリティデバイスは、前記ユーティリティゾーン内に配置されたウェーハテーブル洗浄ツールを含み、
前記第1のツールは、第1の洗浄ストーンを含み、
前記ツール格納部に格納された前記複数のツールは、複数の洗浄ストーンを含み、
前記第1のツールは、粘着性ウェーハを含み、
前記ユーティリティデバイスは、前記粘着性ウェーハをウェーハテーブルのウェーハ受け面に押し付けるように適合されたウェーハテーブル洗浄ツールを含む、請求項5に記載のフォトリソグラフィ装置。
【請求項7】
前記第1のツールは、スパイク付きウェーハを含み、
前記ユーティリティデバイスは、前記スパイク付きウェーハをウェーハテーブルのウェーハ受け面に押し付けるように適合されたウェーハテーブル洗浄ツールを含み、
前記ユーティリティステージは、前記第1のツールを前記ユーティリティデバイスからアンロードし、前記第1のツールを前記ツール格納部に運搬し、前記第1のツールを前記ツール格納部にロードするように更に適合される、請求項5に記載のフォトリソグラフィ装置。
【請求項8】
前記ユーティリティステージは、伸長可能なロボットアームを含む、請求項4に記載のフォトリソグラフィ装置。
【請求項9】
フォトリソグラフィ装置を動作させる方法であって、
前記フォトリソグラフィ装置は、筐体と、前記筐体内に配置され、かつ前記筐体内の複数の共面位置間を移動するように適合された第1のウェーハテーブルと、前記筐体内に配置され、かつ前記筐体内の複数の共面位置間を移動するように適合された第2のウェーハテーブルと、前記筐体の内部でユーティリティゾーン内に配置され、かつユーティリティ動作をウェーハに対して行うように適合されたユーティリティデバイスと、前記筐体内に配置され、かつ待機位置から前記ユーティリティゾーンまで移動するように適合されたユーティリティステージであって、少なくとも1つのツールを前記待機位置から前記ユーティリティゾーンに運ぶように適合される、ユーティリティステージと、を含み、
前記方法は、
前記第1のウェーハテーブルを、前記第1のウェーハテーブルが前記待機位置から前記ユーティリティゾーンへの前記ユーティリティステージの動きに干渉しない第1の中立位置に配置することと、
前記第2のウェーハテーブルを、前記第2のウェーハテーブルが前記待機位置から前記ユーティリティゾーンへの前記ユーティリティステージの動きに干渉しない第2の中立位置に配置することと、
前記ユーティリティステージを前記待機位置から前記ユーティリティゾーンに移動させることと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記ユーティリティステージが前記待機位置にあるときに、前記ユーティリティステージは、ツールをツール格納部からアンロードする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のツールは、前記ツール格納部に格納されている複数のツールのうちの1つであり、
前記ユーティリティステージが前記ユーティリティゾーン内にあるときに、前記ユーティリティステージは、ツールをユーティリティデバイスにロードし、
前記ユーティリティステージが前記待機位置にあるときに、前記ユーティリティステージは、ツールをツール格納部からアンロードし、前記ユーティリティゾーンに移動し、前記ツールを前記ユーティリティゾーン内のユーティリティデバイスにロードする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ユーティリティステージを使用して、第1のツールを前記ユーティリティゾーン内の前記ユーティリティステージからアンロードすることと、
前記ユーティリティステージを前記待機位置に移動させることと、
前記第1のツールを前記ユーティリティステージからアンロードし、前記第1のツールをツール格納部にロードすることと、
第2のツールを前記ツール格納部からアンロードし、前記第2のツールを前記ユーティリティステージにロードすることと、
前記ユーティリティステージを前記ユーティリティゾーンに移動させることと、
前記ユーティリティステージを使用して、前記第2のツールを前記ユーティリティデバイスにロードすることと、
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーティリティデバイスは、前記ユーティリティゾーン内に配置されたウェーハテーブル洗浄ツールを含み、
前記第1のツールは、第1の洗浄ストーンを含み、
前記第1のツールは、粘着性ウェーハを含み、
前記ユーティリティデバイスは、前記粘着性ウェーハをウェーハテーブルのウェーハ受け面に押し付けるように適合されたウェーハテーブル洗浄ツールを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のツールは、スパイク付きウェーハを含み、
前記ユーティリティデバイスは、前記スパイク付きウェーハをウェーハテーブルのウェーハ受け面に押し付けるように適合されたウェーハテーブル洗浄ツールを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記フォトリソグラフィ装置は、レンズを含み、
前記第1のツールは、レンズ洗浄デバイスを含み、
前記ユーティリティステージは、前記レンズまで移動し、かつ前記レンズ洗浄デバイスを配設して前記レンズを洗浄するように適合される、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
[0001] この出願は、2021年11月10日に出願された米国仮出願第63/277,689の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示の主題は、集積回路のフォトリソグラフィ製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用することができる。そのような場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスク又はレチクルであり得るパターニングデバイスを使用することができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、1つ以上のダイの一部を含む)に転写することができる。
【0004】
[0004] 通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって達成される。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置としては、ターゲット部分上にパターン全体を一度に露光することにより各ターゲット部分を照射するいわゆるステッパ、及び放射ビームによってある特定の方向(「スキャン」方向)にパターンをスキャンすると同時に、この方向に平行又は逆平行に基板をスキャンすることにより各ターゲット部分を照射する、いわゆるスキャナが含まれる。パターンを基板上にインプリントすることにより、パターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
【0005】
[0005] 一般には、基板は、照射されている間、ウェーハテーブルと呼ばれる基板ホルダによって支持されることになる。基板は、静電チャックを有するウェーハテーブルに保持され得る。基板ホルダには、基板と基板ホルダとの間の接触領域を最小化するサポート要素を設けることができる。基板ホルダの表面上のサポート要素は、バール又は突起と呼ばれ得る。サポート要素は、通常、(例えば均一なアレイ内に)規則的に間隔をおいて設けられ、均一の高さを有し、基板を位置決めすることができる全体的に非常に平坦な支持面を画定する。
【0006】
[0006] サポート要素は、通常、基板ホルダの表面から実質的に垂直に延在する。動作中、基板の裏面が、投影ビームの伝播方向に実質的に垂直な位置において、基板ホルダの本体表面から近いところで、サポート要素上に支持される。したがって、基板ホルダの本体表面ではなく、サポート要素(すなわち、支持面)の上部が、基板に対する効果的な支持面を画定する。
【0007】
[0007] パターン形成された放射ビームを基板上に投影している間のオーバーレイエラーを回避するために、基板の上面が平坦であることが望ましい。基板サポートの支持面の凹凸は、基板の上面の凹凸につながることがある。したがって、基板サポートの凹凸を回避することが望ましい。
【0008】
[0008] 支持面の凹凸は、サポート要素自体を構成する材料の高さの差によって引き起こされる場合がある。これは、通常、新しい基板ホルダが製造された場合である。凹凸は、サポート要素の高さ間の差、又は基板ホルダの裏面における差の結果であり得る。したがって、これらの要素は、慎重に平坦に形成される。それにも関わらず、基板テーブル(及び他の任意の要素)が組み立てられたり設置されたりするときにも凹凸が生じ得ることが分かっている。同様の問題が、反射型パターニングデバイス又は透過パターニングデバイスなどの、ビーム光路を横切って明確に画定された面で支持される必要がある他の物品に対するホルダについても生じる可能性がある。
【0009】
[0009] ウェーハを支持する表面の凹凸が生じる別の原因は、「ホットスポット」を引き起こすことがあるリソグラフィツールウェーハテーブル上の粒子の形態の汚染物質であり、「ホットスポット」は、ウェーハとウェーハテーブルとの間で捕捉された粒子に起因する、ウェーハ上の、ウェーハテーブルのチャックに対して平坦でない領域である。上述のとおり、ステッパを介して処理されたウェーハは、ウェーハテーブルに対して静電的にクランプされる。このため、ウェーハの裏面上の粒子の存在は、ウェーハの前面を局所的に変形させることになり、上述のような(局所的に焦点から外れる前面の一部の)凹凸を招く。ウェーハテーブルの汚染物質は、数日間の機械のダウンタイムにつながる可能性がある。
【0010】
[0010] 凹凸を除去する通常の手順は、ツールをオフラインにし、そのツールを開けてウェーハテーブルを洗浄する、若しくはツールでウェーハテーブルを「研いで(stone)」粒子を粉砕又は除去する、又はウェーハ支持面に対して平面性を復元することである。どちらの手順も、何時間にもわたって重要なツールの利用可能性を妨げるおそれがある。これらの凹凸のある領域は、従来、ウェーハテーブルの表面を、研磨剤からなるディスクで研削して、表面を平坦にすること、又は汚染物質を取り除くことによって除去されてきた。研磨剤は、例えば、花崗岩又はセラミックとすることができる。花崗岩などの材料を使用することで、研磨剤からなるこれらのディスクは「ストーン」と呼ばれ、この手順は「ストーン処理」と呼ばれる。
【0011】
[0011] 一部のリソグラフィ機械は、2つのウェーハをそれぞれが同時に移動させるデュアルチャックを有している。一方のウェーハが露光されている間、他方のウェーハの位置が、機械のメトロロジセンサによって測定される。一部のリソグラフィツールは、ホットスポットを特定し、ホットスポットの原因が対処されるまでツールの電源を落とす自動測定機能を有している。
【0012】
[0012] また、一部のツールは、スキャナフレームの下のホルダ内の洗浄ストーンがこのストーンの下を移動しながらチャックを洗浄する自動チャッククリーナという任意選択機能を有している。このような技術を使用することで、1箇所の洗浄にかかる時間を約1分、チャック全体の洗浄にかかる時間を約20分に短縮できる。比較すると、ツールを下げてから上げるまでホットスポットを手動で洗浄するには、1~3時間かかる。
【0013】
[0013] これらの技術によってスループットは大幅に向上したが、依然として、現在設置されているストーン以外のストーンを使用したい場合には、ウェーハテーブルを格納している筐体を開ける必要がある。その結果、ダウンタイムが長くなる。ウェーハテーブルを格納している筐体を開けずにストーンを交換できれば、更に大きなスループットの利点が得られる可能性がある。これは、通常は筐体を開く必要があるその他の操作にも適用される。このような状況において、現在開示されている主題の必要性が生じている。
【発明の概要】
【0014】
[0014] 以下では、本発明の基本的な理解を提供するために、1つ以上の実施形態の簡潔な概要を示す。この概要は、検討されている全ての実施形態の広範な概要ではなく、全ての実施形態の主要な又は重要な要素を特定したり、いずれか又は全ての実施形態の範囲を詳述したりすることを意図したものではない。その唯一の目的は、後ほど提示されるより詳細な説明の前置きとして、1つ以上の実施形態に関連するいくつかの概念を簡潔な形式で提示することである。
【0015】
[0015] 実施形態の1つの態様によれば、処理のためにウェーハに加えて物体を搬送するように設計された「システム内」ユーティリティステージを有することによって、所与の配置によりストーンなどのツールをその場で交換することが可能となる。ここでも他の箇所でも、「システム内」という用語は、言及されているデバイス又は機能が、ウェーハテーブルを収容する筐体を開ける必要なく動作するものであることを意味するために使用される。実施形態の別の態様によれば、様々なツールがシステム内のツール格納部に格納され、ユーティリティステージは、ツールをツール格納部から取り出し、ツールをシステム内のクリーナなどのユーティリティデバイスにロードすることができる。
【0016】
[0016] 実施形態の別の態様によれば、筐体と、筐体内に配置され、かつ筐体内の複数の位置間を移動するように適合された少なくとも1つのオブジェクトテーブルと、を含むフォトリソグラフィ装置が開示される。また、このフォトリソグラフィ装置は、筐体の内部でユーティリティゾーン内に配置されたユーティリティデバイスと、筐体内に配置され、かつ待機位置からユーティリティゾーンまで移動するように適合されたユーティリティステージであって、待機位置からユーティリティゾーンまで少なくとも1つのツールを運ぶように適合される、ユーティリティステージと、を含む。
【0017】
[0017] このフォトリソグラフィ装置は、待機位置に隣接した筐体内に配置されたツール格納部と、ツール格納部内に格納された複数のツールと、を更に含んでよく、ユーティリティステージは、第1のツールをツール格納部からアンロードし、第1のツールをユーティリティデバイスに運搬し、第1のツールをユーティリティデバイスにロードするように適合される。オブジェクトテーブルはウェーハテーブルを含んでよく、ユーティリティデバイスはユーティリティ位置に配置されたウェーハテーブル洗浄ツールを含んでよく、第1のツールは第1の洗浄ストーンを含んでよい。
【0018】
[0018] ユーティリティステージは、第1のツールをユーティリティデバイスからアンロードし、第1のツールをツール格納部に運搬し、第1のツールをツール格納部にロードするように更に適合されてよい。少なくとも1つのオブジェクトテーブルは、第1のウェーハテーブルと、第2のウェーハテーブルとを含み得る。ユーティリティステージは、ユーティリティステージを位置決めするように配置された伸長可能なロボットアームを含み得る。
【0019】
[0019] 実施形態の別の態様によれば、筐体と、筐体内に配置され、かつ筐体内の複数の共面位置間を移動するように適合された第1のウェーハテーブルと、を含む、フォトリソグラフィ装置が開示され、これらの複数の共面位置は、第1のウェーハハンドラが半導体材料のウェーハを第1のウェーハテーブルにロードするロード位置と、第1のウェーハテーブル上のウェーハを測定することができる測定位置と、第1のウェーハテーブル上のウェーハをパターン形成放射に露光することができる露光位置と、第1のウェーハテーブル上のウェーハが第2のウェーハハンドラによってアンロードされるアンロード位置と、を含む。筐体は、更に、筐体内の複数の共面位置間を移動するように適合された第2のウェーハテーブルを収容し、これらの複数の共面位置は、第1のウェーハハンドラが半導体材料のウェーハを第2のウェーハテーブルにロードするロード位置と、第2のウェーハテーブル上のウェーハを測定することができる測定位置と、第2のウェーハテーブル上のウェーハをパターン形成放射に露光することができる露光位置と、第2のウェーハテーブル上のウェーハが第2のウェーハハンドラによってアンロードされるアンロード位置と、を含み、第2のウェーハテーブルは、第1のウェーハテーブルの動きに干渉することを回避するように移動され、第1のウェーハテーブルは、第2のウェーハテーブルの動きに干渉することを回避するように移動される。
【0020】
[0020] 筐体は、更に、ユーティリティゾーン内に位置決めされ、かつユーティリティ動作をウェーハに対して行うように適合されたユーティリティデバイスと、待機位置からユーティリティゾーンまで移動するように適合されたユーティリティステージであって、少なくとも1つのツールを待機位置からユーティリティゾーンまで運ぶように適合され、かつ第1のウェーハテーブル及び第2のウェーハテーブルの動きに干渉することを回避するように移動及び位置決めされる、ユーティリティステージと、を収容する。
【0021】
[0021] このフォトリソグラフィ装置は、筐体内に待機位置に隣接して配置されたツール格納部と、ツール格納部内に格納された複数のツールと、を更に含んでよく、ユーティリティステージは、第1のツールをツール格納部からアンロードし、第1のツールをユーティリティデバイスに運搬し、第1のツールをユーティリティデバイスにロードするように適合される。ユーティリティデバイスは、ユーティリティゾーン内に配置されたウェーハテーブル洗浄ツールを含んでよく、第1のツールは、第1の洗浄ストーンを含む。ツール格納部に格納された複数のツールは、複数の洗浄ストーンを含み得る。
【0022】
[0022] 第1のツールは、粘着性ウェーハを含んでよく、ユーティリティデバイスは、粘着性ウェーハをウェーハテーブルのウェーハ受け面に押し付けるように適合されたウェーハテーブル洗浄ツールを含んでよい。第1のツールは、スパイク付きウェーハを含んでよく、ユーティリティデバイスは、スパイク付きウェーハをウェーハテーブルのウェーハ受け面に押し付けるように適合されたウェーハテーブル洗浄ツールを含む。
【0023】
[0023] ユーティリティステージは、第1のツールをユーティリティデバイスからアンロードし、第1のツールをツール格納部に運搬し、第1のツールをツール格納部にロードするように更に適合され得る。ユーティリティステージは、伸長可能なロボットアームを含み得る。
【0024】
[0024] 実施形態の別の態様によれば、フォトリソグラフィ装置を動作させる方法であって、フォトリソグラフィ装置は、筐体と、筐体内に配置され、かつ筐体内の複数の共面位置間を移動するように適合された第1のウェーハテーブルと、筐体内に配置され、かつ筐体内の複数の共面位置間を移動するように適合された第2のウェーハテーブルと、筐体の内部でユーティリティゾーン内に配置され、かつユーティリティ動作をウェーハに対して行うように適合されたユーティリティデバイスと、筐体内に配置され、かつ待機位置からユーティリティゾーンまで移動するように適合されたユーティリティステージであって、少なくとも1つのツールを待機位置からユーティリティゾーンに運ぶように適合される、ユーティリティステージと、を含み、第1のウェーハテーブルを、第1のウェーハテーブルが待機位置からユーティリティゾーンへのユーティリティステージの動きに干渉しない第1の中立位置に配置することと、第2のウェーハテーブルを、第2のウェーハテーブルが待機位置からユーティリティゾーンへのユーティリティステージの動きに干渉しない第2の中立位置に配置することと、ユーティリティステージを待機位置からユーティリティゾーンに移動させることと、を含む、方法が開示される。
【0025】
[0025] ユーティリティステージが待機位置にあるときに、ユーティリティステージは、ツールをツール格納部からアンロードし得る。第1のツールは、ツール格納部に格納されている複数のツールのうちの1つであり得る。ユーティリティステージがユーティリティゾーン内にあるときに、ユーティリティステージは、ツールをユーティリティデバイスにロードし得る。ユーティリティステージが待機位置にあるときに、ユーティリティステージは、ツールをツール格納部からアンロードし、ユーティリティゾーンに移動し、ツールをユーティリティゾーン内のユーティリティデバイスにロードし得る。
【0026】
[0026] この方法は、ユーティリティステージを使用して、第1のツールをユーティリティゾーン内のユーティリティステージからアンロードすることと、ユーティリティステージを待機位置に移動させることと、第1のツールをユーティリティステージからアンロードし、第1のツールをツール格納部にロードすることと、第2のツールをツール格納部からアンロードし、第2のツールをユーティリティステージにロードすることと、ユーティリティステージをユーティリティゾーンに移動させることと、ユーティリティステージを使用して、第2のツールをユーティリティデバイスにロードすることと、を更に含み得る。
【0027】
[0027] ユーティリティデバイスは、ユーティリティゾーン内に配置されたウェーハテーブル洗浄ツールを含んでよく、第1のツールは、第1の洗浄ストーンを含んでよい。第1のツールは、粘着性ウェーハを含んでよく、ユーティリティデバイスは、粘着性ウェーハをウェーハテーブルのウェーハ受け面に押し付けるように適合されたウェーハテーブル洗浄ツールを含んでよい。
【0028】
[0028] 第1のツールは、スパイク付きウェーハを含んでよく、ユーティリティデバイスは、スパイク付きウェーハをウェーハテーブルのウェーハ受け面に押し付けるように適合されたウェーハテーブル洗浄ツールを含んでよい。
【0029】
[0029] フォトリソグラフィ装置はレンズを含んでよく、第1のツールはレンズ洗浄デバイスを含んでよく、ユーティリティステージは、レンズまで移動し、かつレンズ洗浄デバイスを配設してレンズを洗浄するように適合されてよい。
【0030】
[0030] 本開示の主題の更なる実施形態、特徴、及び利点、並びに様々な実施形態の構造及び動作を、添付の図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】[0031] フォトリソグラフィシステムの全体的な広義の概念の原寸に比例していない概略図である。
【
図2】[0032] フォトリソグラフィシステム用のウェーハ搬送システムの全体的な広義の概念の原寸に比例していない概略図である。
【
図3A】[0033] 第1の構成におけるフォトリソグラフィシステム用のウェーハ搬送システムの原寸に比例していない概略平面図である。
【
図3B】[0034] 第2の構成におけるフォトリソグラフィシステム用のウェーハ搬送システムの原寸に比例していない概略平面図である。
【
図4A】[0035] 第1の構成における開示された主題の態様に係るウェーハ搬送システムの原寸に比例していない概略平面図である。
【
図4B】[0036] 第2の構成における開示された主題の態様に係るウェーハ搬送システムの原寸に比例していない概略平面図である。
【
図4C】[0037] 第3の構成における開示された主題の態様に係るウェーハ搬送システムの原寸に比例していない概略平面図である。
【
図5A】[0038] 開示された主題の態様に係るユーティリティデバイスとして使用される洗浄ツールの斜視図である。
【
図5B】[0039] 開示された主題の態様に係るユーティリティデバイスとして使用される洗浄ツールの断面図である。
【
図5C】[0040] 開示された主題の態様に係るツール格納部の部分斜視図である。
【
図6A】[0041] 開示された主題の態様に係るウェーハ搬送システムにおいてユーティリティステージを使用する方法の特定の態様を説明するフローチャートである。
【
図6B】[0042] 開示された主題の態様に係るウェーハ搬送システムにおいてユーティリティステージを使用する方法の特定の態様を説明するフローチャートである。
【
図7】[0043] 開示された主題の実施形態の態様に係るウェーハ搬送システム用の制御システムの機能ブロック図である。
【0032】
[0044] 開示された主題の更なる特徴及び利点、並びに、開示された主題の様々な実施形態の構造及び動作を、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。なお、開示された主題の利用可能性は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されない。そのような実施形態は、例示のためにのみ本明細書で示される。本明細書の教示に基づいて、追加の実施形態が当業者には明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0033】
[0045] 次に、図面を参照して様々な実施形態を説明する。以下の記載においては、説明の目的で、1つ以上の実施形態の完全な理解を促すために、多くの具体的詳細を述べる。もっとも、いくつかの又は全ての場合において、後述するいずれの実施形態も、後述する具体的な設計詳細を採用することなく実施可能又は実行可能であることは明らかであろう。その他の場合においては、1つ以上の実施形態の記載を容易にするために、周知の構造及びデバイスがブロック図の形で示される。この概要は、考えられる全ての実施形態の広範な概観ではなく、また、全ての実施形態の鍵となる要素又は重大な要素を特定することや、いずれか又は全ての実施形態の範囲を詳述することを意図するものではない。
【0034】
[0046] 本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらのあらゆる組合せにおいて実施され得る。また、本発明の実施形態は、機械可読媒体に記憶され、1つ以上のプロセッサにより読み出され実行され得る命令として実施されてもよい。機械可読媒体は、機械(例えばコンピュータデバイス)によって読取り可能な形態で情報を記憶又は送信するためのあらゆるメカニズムを含み得る。例えば、機械可読媒体は、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、又は電気、光、音、若しくはその他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)などを含み得る。更に、本明細書において、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令が、何らかの動作を行う、又は何らかの動作を行わせると説明され得る。しかし、そのような説明は単に便宜上のものであり、そのような動作は、実際には、コンピュータデバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行する他のデバイスによるものであることが理解されるべきである。
【0035】
[0047] 導入として、
図1は、本システム及び/又は方法に含まれ得る、及び/又は本システム及び/又は方法に関連付けられ得る、リソグラフィ装置LAの実施形態を概略的に示している。リソグラフィ装置LAは、放射ビームBを調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILを含む。本明細書で使用される「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)又は深紫外線(DUV)(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm、又は126nmの波長を有する)、及び極端紫外線(EUV)(例えば、5~20nmの範囲の波長を有する)、並びにイオンビームや電子ビームなどの微粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射を包含している。
【0036】
[0048] リソグラフィ装置LAは、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築され、かつ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに連結されているサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構成された1つ以上の基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WT(一例において、2つのウェーハテーブル、WTa及びWTb)と、を更に備える。各ウェーハテーブルは、特定のパラメータに従って基板をウェーハ支持面WSS上に正確に位置決めするように構成されたそれぞれのポジショナPWに機械的に連結される。本明細書で使用されるとおり、マスクテーブル又はウェーハテーブルのいずれかは、オブジェクトテーブルとみなされ得る。
【0037】
[0049] リソグラフィ装置LAは、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを、基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含み、フィールドと呼ばれることが多い)上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSを更に備える。投影システムは、基準フレームRF上に支持される。
【0038】
[0050] 示されているとおり、リソグラフィ装置は、透過型のもの(例えば、透過型マスクを採用しているもの)である。また、リソグラフィ装置は、反射型のもの(例えば、上述のプログラマブルミラーアレイを採用しているもの、又は反射型マスクを採用しているもの)であってもよい。
【0039】
[0051] イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。例えば、放射源がエキシマレーザである場合、放射源とリソグラフィ装置は、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、放射源SOからイルミネータILへ、例えば、適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射源が水銀ランプである場合、放射源は、リソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。放射源SO及びイルミネータILは、必要ならばビームデリバリシステムBDと供に、放射システムと呼んでもよい。放射源がEUV放射を生成するタイプのものである場合、通常、反射型光学系が使用されることになる。
【0040】
[0052] イルミネータILは、ビームの(角/空間)強度分布を調節するように構成されたアジャスタADを含み得る。更に、イルミネータILは、通常、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの様々な他のコンポーネントを含む。照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するために、様々なタイプの光学コンポーネントを含み得る。したがって、イルミネータILは、調整された放射ビームBを提供し、放射ビームBの断面に所望の均一性及び強度分布を持たせる。
【0041】
[0053] サポート構造MTは、機械式、真空式、静電式又はその他のクランプ技術を使用してパターニングデバイスMAを支持して、パターニングデバイスを保持する。本明細書において使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。上述のとおり、パターニングデバイスMAは、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルが含まれる。
【0042】
[0054] リソグラフィ装置は、2つ以上のテーブル(例えば、2つ以上の基板テーブルWTa、WTb、2つの以上のパターニングデバイステーブル、基板テーブルWTa並びに測定、及び/又は洗浄などを容易にすることなどのみに使用される基板無しの、投影システムの下方のテーブルWTb)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルは並行して使うことができ、又は予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。例えば、アライメントセンサASを用いるアライメント測定及び/又はレベルセンサLSを用いるレベル(高さ、傾きなど)測定が行われてよい。
【0043】
[0055] また、リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を満たすように、比較的高屈折率を有する液体(例えば、水)によって基板の少なくとも一部を覆うことができるタイプのものであってもよい。
【0044】
[0056] リソグラフィ装置の動作において、放射ビームが、照明システムILによって調整かつ提供される。放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイスMAを通り抜けた後、パターン形成された放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点を合わせる。それぞれのポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、2Dエンコーダ、又は静電容量センサ)を使って、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように、基板テーブルWTa又はWTbを正確に動かすことができる。同様に、別のポジショナ305及び別の位置センサ(
図1には明示的に示されていない)を使い、例えば、マスクライブラリから機械的に取り出した後又はスキャン中に、パターニングデバイスMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることもできる。
【0045】
[0057] パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1及びM2と、基板アライメントマークP1及びP2とを使って、位置合わせされてもよい。例示では基板アライメントマークが専用ターゲット部分を占めているが、基板アライメントマークをターゲット部分とターゲット部分との間の空間内に置くこともできる(これらは、スクライブラインアライメントマークとして公知である)。同様に、複数のダイがパターニングデバイスMA上に設けられている場合、パターニングデバイスアライメントマークは、ダイとダイの間に置かれてもよい。
【0046】
[0058] 本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、又はインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツール及びその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。更に基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、既に1つ以上の処理層を含んでいる基板を表すものとしてもよい。
【0047】
[0059]
図2は、デュアルウェーハテーブルスキャナ200のより詳細な概念図である。レーザー210は、放射線ビームを生成する。1つ以上のビームコレクタ(correctors)220(
図2の例では3つ)は、ビームの入射方向を補正する。エネルギーコントローラ230は、最終的にシリコンウェーハ320、340に到達するエネルギーを制御する。
【0048】
[0060] ビームは、筐体240の内部を隔離して外部の振動による干渉を減らすショックアブソーバー380によって支持された筐体240に入る。筐体240内では、ビームはビームを円、リングなどの様々な形状に設定するビームシェイパー250の作用を受ける。次に、ビームは、露光が不要な場合にビームがウェーハ320、340に照射されるのを防ぐシャッターデバイス260に入る。次に、ビームは、ビームの一部をエネルギー検出器280に誘導するビームスプリッタ270によって分割され、エネルギー検出器280は、ビームの最終的な入射エネルギーが現在のプロセスレシピの露光要件を満たしているかどうかを検出し、調整のためにフィードバックをエネルギーコントローラに提供する。
【0049】
[0061] ビームの他の部分は、マスク290の位置と動きを制御するレチクルステージ300上に位置決めされたマスク290に誘導される。マスク290は、ビームにパターンを形成し、次に、パターン形成されたビームは、光学誤差を補正し、パターンを比例して縮小する対物レンズ310を通過する。次に、ビームは、ビーム内のパターンをシリコンウェーハ320の表面に転写するフォトレジストで覆われたシリコンウェーハ320に到達する。シリコンウェーハ320は、ウェーハ320を基板支持面335上で位置決め及び移動させる第1のウェーハテーブル330の上に位置決めされる。ウェーハテーブル330、350は、基板支持面335と物理的に接触する場合と接触しない場合がある。
【0050】
[0062] スキャナ200が、この例のように、デュアルウェーハテーブルを有するタイプである場合、第2ウェーハ340は、第2ウェーハテーブル350上に位置決めされ得る。
図2に示す動作の部分において、第2のウェーハ340は、測定デバイス360、370によって測定されるように位置決めされる。
【0051】
[0063]
図3Aは、基板支持面335の概略平面図であり、2つのウェーハテーブル330及び350と、ウェーハ320などのウェーハをロード及びアンロードするためのウェーハハンドラ400及び410とが示されている。水平矢印及び垂直矢印が示すように、各ウェーハテーブルは、図の平面内で水平方向と垂直方向に移動できる。より具体的には、各ウェーハテーブルはアームに接続されており、ウェーハテーブル330はアーム337に接続され、ウェーハテーブル350はアーム357に接続されている。各ウェーハテーブルは、そのアームの長さに沿って水平に移動して、基板支持面335の幅全体にわたる位置にアクセスできる。各アームはそれぞれのレールに接続されており、アーム337はレール339に接続され、アーム357はレール359に接続されている。レールにより、それぞれのアーム/ウェーハテーブルは、図の平面内で、基板支持面335の長さに沿って様々な位置に垂直に移動できる。
図3Aの構成では、ウェーハテーブル330は、ウェーハをパターン形成放射に露光することができる露光位置EPに位置決めされる。ウェーハテーブル350は、ウェーハの位置合わせ等が確認され得る測定位置MPに配置される。
【0052】
[0064] また、
図3Aは、ウェーハローダとして構成され、ウェーハをウェーハテーブルにロードするように配置したウェーハハンドラ400と、ウェーハエクストラクタとして構成され、ウェーハをウェーハテーブルから取り出すように配置したウェーハハンドラ410と、を示している。図示のとおり、斜めの矢印が示すように、ウェーハハンドラ400は、ウェーハローディング位置LPに到達するまで延長することができ、ウェーハハンドラ410は、ウェーハアンローディング位置UPに到達するまで延長することができる。
【0053】
[0065]
図3Bは、ウェーハハンドラ400がウェーハ320をウェーハテーブル350にロードすることができるロード位置LPにウェーハテーブル350を移動させる構成を示している。ウェーハテーブル330もこの位置に到達できる。ロード位置LPの横に隣接してアンロード位置UPがあり、この位置もウェーハテーブル330及び350のどちらからも到達可能であり、ここで、ウェーハハンドラ410は、ウェーハテーブル330及び340のいずれかからウェーハをアンロードできる。
【0054】
[0066] 要約すると、ウェーハハンドラ400及び410は伸長可能であり、ウェーハテーブル330、350の1つに新しいウェーハを配置したり、ウェーハテーブル330、350の1つから処理済みのウェーハを取り除いたりするように作動させることができる。各ウェーハテーブル330、350は、ロード位置LP、アンロード位置UP、測定位置MP、及び露光位置EPに到達することができる。
【0055】
[0067] 上述のとおり、ウェーハの上面が平坦でないと、製造上の欠陥が発生する可能性がある。ウェーハの表面が平坦でなくなる原因の1つは、ウェーハサポートテーブルの表面に蓄積した粒子状の汚染物質である。したがって、これらの汚染物質を定期的に除去する能力を持つことが望ましい。また、このウェーハテーブル表面洗浄手順は、ウェーハテーブルを収容する筐体を開けることなく実行できることが望ましい。スキャナを開ける必要がある場合、数時間又は数日程度のダウンタイムという不利益が発生する可能性がある。したがって、ウェーハテーブルをシステム内で洗浄可能な現場ウェーハテーブル洗浄を提供するシステムが存在する。
【0056】
[0068] そのようなシステムは機械のダウンタイムを短縮するのに効果的であるが、筐体を開けずに、特定の洗浄やその他の研磨用途に必要なストーンを交換できることが望ましい場合もある。言い換えれば、ウェーハテーブル洗浄ツールに現在入っているストーンとは等級などの特性が異なるストーンを使用することが望ましい場合がある。したがって、実施形態の一態様によれば、ロボットユーティリティステージは、ウェーハテーブル支持面の一部に沿って移動できるように配置される。このロボットユーティリティステージは、ウェーハテーブル洗浄デバイスのある位置にアクセスして、現在のストーンを、所望のウェーハテーブル保守動作に適したストーンと交換することができる。
【0057】
[0069] 以下の例では、このユーティリティステージの使用は、デュアルステージスキャンシステムの第3ステージとして説明されるが、本発明の利点はシングルステージスキャンシステムでも得られることが理解されるであろう。また、本明細書ではウェーハ処理システムに関して説明しているが、これは、単に説明の明確化を促進するための具体的な例を示すためである。これは限定されない例であり、当業者であれば、本明細書で説明される原理は、マスク又はレチクルをレチクルステージ300に対して与える2本のアームを現在備えるシステム内ロボットなどのユーティリティステージを組み込むことでメリットが得られるフォトリソグラフィシステムの他の部分にも当てはまることは容易に理解するであろう。
【0058】
[0070] 例えば、デュアルスキャンステージシステムでは、ユーティリティステージ500は、
図4Aに示すように、2つのウェーハハンドラ400、410の間に待機位置PPを有し得る。その後、ウェーハテーブル330、350がユーティリティステージ500の動きを妨げない位置にある間に、ユーティリティステージ500は、クリーナなどの1つ以上のユーティリティデバイス450を有するユーティリティゾーンUZまで、基板支持面335の垂直方向の中央部分に移動することができる。例えば、
図4Bに示すように、ウェーハテーブル330が露光位置にあり、ウェーハテーブル350がローディング位置にあるときに、ユーティリティステージ500は基板支持面335の右側の位置を取り得る。ユーティリティステージ500は、ウェーハステージが
図4Cに示す構成である場合、基板支持面335の左側の垂直方向の中央位置を占めてもよい。ユーティリティステージ500は、図示のとおり伸長可能なロボットアーム525によって様々な位置に移動してよく、他の手段によって移動してもよい。
【0059】
[0071] 図示のとおり、ウェーハハンドラ400、410間の待機位置PPにあるユーティリティステージ500は、様々なツールを保持するカルーセル又はカセットなどのツール格納部520にアクセスし得る。実施形態の一態様によれば、ツールは、粒度や組成などの変化する特性を持つストーンであり得る。ユーティリティステージ500は、ツール格納部520とストーンを交換してよく、又はユーティリティステージ500上にまだストーンがロードされていない場合にはツール格納部520からストーンを取得し、次に、ユーティリティステージ500が運んでいるストーンを現在ユーティリティゾーンUZ内の洗浄ステーションにあるストーンと交換し得る位置に移動する。このようにして、筐体を開けることを回避しながら、最も適切なストーンを使用することができる。ストーンは、洗浄用、バールトップの修復用、平坦性の向上用、フォトレジストの洗浄用、炭素汚染物質の除去用、構造のインプリント用など、種々のタイプや種類のうちのいずれであってもよい。例えば、ストーンには、2つの粗さ測定ストーン、4つの平坦度ストーン、及び1つのフォトレジスト洗浄ストーンが含まれる場合がある。これは、SiOエッチング処理ツール及び/又はバール間洗浄ワンドなどの他の洗浄ツールとともにツール格納部520に格納できる。
【0060】
[0072] 一般に、ここでの説明は、例として大型ツール(つまり、クランプ又はウェーハ全体と相互作用するように設計されている)に関するものであるが、ここで説明されている概念はより小型のツールにも同様に当てはまることは理解されるであろう。例えば、
図4Bには、レンズなどの光学コンポーネント540も示されている。これは、ウェーハアライメント計測ユニットの対物レンズであり得る。時間が経つと、そのようなレンズは、ウェーハ上のフォトレジストから放出されたガス物質によって汚染される可能性がある。ユーティリティステージ500がツール格納部520から取得することができるツールの1つは、ユーティリティステージがレンズに運搬してレンズを洗浄するために使用し得るレンズ洗浄デバイスであり得る。
【0061】
[0073] 実施形態の一態様によれば、
図5Aに示すように、ユーティリティデバイス450は、ストーン610とウェーハテーブル620の上面(チャック)との間の相対運動(回転、往復、又はそれらの組み合わせ)を引き起こすように配置された要素600を含む洗浄ステーションであり得る。
図5Bに示すように、上面620には、上述のように突起又はバール630が設けられ、その上面は、ウェーハテーブル620上に置かれたウェーハ610との接触面を規定する。要素600は、ユーティリティゾーンUZ内に配置され得る。ユーティリティステージ500は、要素600まで移動してストーン610を降ろし、次にそのストーン610をツール格納部520内の別のストーンと交換することができ、ユーティリティステージ500は、次にそのストーンを要素600まで輸送して、要素600にロードすることができる。
【0062】
[0074] ツール格納部520は、ユーティリティステージ500とのウェーハの交換に役立ついくつかの形式のいずれかを取り得る。
図5Cは、例示のストーン材におけるツール610がカセットフレーム640内で互いに隣接して配置される1つの可能な構成を示している。ツール650は、平坦度ストーン、フォトレジスト洗浄ストーン、SiOエッチング処理ツール、バール間洗浄ワンド、レンズクリーナなど、上記の他のタイプのツールのいずれかであり得る。当業者には、他のツール、及びツール格納部の他の構成も可能であることは明らかであろう。
【0063】
[0075] 実施形態の別の態様によれば、システム内ユーティリティステージを使用する方法が開示される。
図6Aを参照すると、工程S10において、ユーティリティステージは、筐体内の待機位置に配置される。筐体には1つ以上のウェーハテーブルも含まれている。工程S20において、ユーティリティステージは、筐体内に配置されたツール格納部からツールをロードする。ユーティリティステージが既にツールを有している場合には、そのツールをシステム内のツール格納部と交換する。工程S30において、ユーティリティステージは、例えばウェーハテーブル洗浄ツールなどのユーティリティデバイスも配置されているユーティリティ位置に配置される。工程S40において、ユーティリティステージは、ツールをユーティリティデバイスにロードする。工程S50において、ユーティリティステージが待機位置に戻される。
【0064】
[0076] もちろん、ユーティリティデバイス上に既にツールがロードされている場合には、ここで説明した手順の前に、ユーティリティステージがユーティリティデバイスに移動し、ツールを取り外し、ツール格納部に配置するという一連の工程が行われる。このような手順は
図6Bに示されている。工程S60において、ユーティリティステージは、ユーティリティゾーン内に配置される。工程S70において、ユーティリティステージは、現在のツールをユーティリティデバイスからアンロードする。工程S80において、ユーティリティステージは、待機位置に移動される。工程S90において、ユーティリティステージは、ユーティリティステージが運んでいるツールをアンロードするか、アンロードしており、そのツールをツール格納部に格納する。工程S100において、ユーティリティステージは、新しいツールをツール格納部からロードする。工程S110において、ユーティリティステージは、ユーティリティゾーン内に配置される。工程S120において、ユーティリティステージは、新しいツールをユーティリティデバイスにロードする。次に、工程S130において、ユーティリティステージは、待機位置に再配置される。
【0065】
[0077] そのような「第3のチャック」を追加すると、システムにシステム内性能/較正/保守機能を追加することもできる。したがって、実施形態の一態様によれば、ユーティリティステージ500は、ツール格納部520からロードされた較正サンプルをツールとして運ぶこともできる。ユーティリティステージ500は、損傷したバールについてウェーハテーブル330、350を検査するための器具をツールとして運ぶこともできる。したがって、ツール650は、これらのツールのうちの1つであり得る。
【0066】
[0078] ツール格納部520には、筐体が開いているときに、レチクルテーブル洗浄剤(RTC)接着剤やポリイミド材料などの粘着性物質で少なくとも部分的にコーティングされた側面を持つ特殊なダミーウェーハが供給され得る。そのようなウェーハは粘着性ウェーハとして知られ、ユーティリティステージ500は、粘着性ウェーハの粘着面をウェーハテーブルのうちの1つに押し付けてバールの上部から粒子状汚染物質を収集するユーティリティデバイスに、このウェーハをロードし、移送し、そして運搬することができる。したがって、ツール650はこれらのツールのうちの1つであり得る。
【0067】
[0079] ツール格納部520には、筐体が開いているときに、スパイク付きウェーハとして知られる、スパイクを有する裏面を備えた別の種類の特殊なダミーウェーハが供給され得る。ユーティリティステージ500は、この特殊なダミーウェーハをロードし、搬送し、ユーティリティデバイスに移送し、ユーティリティデバイスは、スパイク付きウェーハをウェーハテーブルの1つに押し付けて、ウェーハテーブルの表面の粗さを増大し得る。したがって、ツール650は、これらのツールの1つであり得る。
【0068】
[0080] ツール格納部520は、筐体が開いているときに、X線電荷除去ツールと共に供給され得る。ユーティリティステージ500は、X線電荷除去ツールをロードし、搬送し、このX線電荷除去ツールをユーティリティデバイスに移送し、ユーティリティデバイスは、X線電荷除去ツールを使用してEUVクランプ表面を放電させて、周期誘起荷電を軽減する。他の実施形態の態様に係る、ツール格納部520において利用可能となり得る他のツールであって、ユーティリティステージ500が移送し、デバイスにロードして使用し得る他のツールには、大きい粒子汚染物質をエッチングして除去するレーザー洗浄剤、失われたウェーハの位置を特定するためのカメラ、システム内バール検査、ウェーハアライメント、追加のアライメントセンサ、ファイバーカーボン汚染物質に由来するカーボン汚染物質などを洗浄するUVオゾン洗浄剤、大きい粒子汚染物質がオーバーレイに影響を及ぼすのを防ぐ「粘着性スティック」粒子除去剤、及び局所的なバール間粒子除去用の粘着性ストーンなどがある。したがって、ツール650はこれらのツールの1つであり得る。
【0069】
[0081] ユーティリティステージ500は、システム内でのウェーハの反転も可能にし、ウェーハ搬送システムのどの表面も、チャック自体以外のウェーハのチャック側の面と接触しないようにされ得る。これにより、例えば、ウェーハがチャックにあるときのみウェーハを反転させてウェーハチャックのみを洗浄し、他のウェーハ接触点からの相互汚染を軽減することが可能になる。
【0070】
[0082] ユーティリティステージ500は、フラッシュ中にレンズなどの重要なハードウェアを保護するためのカバーなどのバーンインツールにもアクセスし得る。ユーティリティステージ500は、粒子を収集するための高電圧電極を含み、かつシステム内で交換可能なため欠陥が減少する粒子トラップなどの長期保守ツールにアクセスし得る。したがって、ツール650は、これらのツールの1つであり得る。
【0071】
[0083] 前述のユーティリティステージを組み込むと、ツールの寿命を延ばすことも容易になり得る。例えば、利用可能なストーンが1つのみであり、ストーンを交換することができない場合、一般に、そのストーンは洗浄機能を実行するように適合された洗浄ストーンとなる。平坦化などの寿命を延ばす動作を行うには、マシンをオフラインにしてダウンタイムのペナルティを受ける必要があるが、オペレータはこれを最小限に留める傾向がある。ただし、ユーティリティステージの別の潜在的な用途としては、平坦度の再調整を行うこと、具体的には、洗浄ストーンよりもその機能(バールを磨耗させるのに十分な硬さ)に適した再調整ストーンを使用してチャックの周縁を平坦化して平坦性を回復することであり得る。オペレータは、このようなツールが都合よく利用できるようになれば、それを使用する可能性が高くなる。したがって、機械のダウンタイムのペナルティを発生させずに(筐体を開けずに)システム内に再調整ストーンを配置できれば、部品の寿命を延ばすことができる。同様に、レンズ洗浄ツールは、ユーティリティステージがロードして使用できるツールの1つであり得るので、ステージは、ウェーハ上のガス放出するフォトレジストによって時間と共に汚染されるレンズにアクセスして洗浄することができ、これもまた、マシンの寿命の延長を促す。
【0072】
[0084] 実施形態の別の態様によれば、
図7は、ユーティリティステージを含むリソグラフィ装置の制御システムを示す機能ブロック図である。コントローラ700は、ユーザインターフェイス710又は総合システムコントローラ720から信号を受信する。ユーザインターフェイス710を介して、ユーザは、ユーティリティデバイスが使用される手順、又はユーティリティステージがツールをユーティリティデバイスにロードする、若しくはツールをユーティリティデバイスからアンロードする手順を開始することができる。総合システムコントローラ720は、例えば、設定されたタイミングで、又は、例えば、過剰なホットスポットがウェーハ上で検出された場合に、そのような手順が必要であるという指示に応答して、その手順を開始することもできる。コントローラ700は、第1のウェーハテーブルポジショナ730、第2のウェーハテーブルポジショナ740、ユーティリティステージポジショナ750、ユーティリティデバイスアクチュエータ760、及びツール格納部アクチュエータ770に制御信号を提供する。コントローラ700は、ウェーハテーブル及びユーティリティステージが互いに干渉することなく移動することを確実にする。コントローラ700は、ユーティリティステージのロード機能及びアンロード機能を作動させる信号を供給することもできる。同様に、コントローラ700は、ユーティリティデバイス及びツール格納部のロードとアンロードを制御する信号を供給することができる。当業者であれば、コンポーネント間のこれらの機能分割は任意であり、他の分割も可能であることを理解するであろう。
【0073】
[0085] 上記の説明は、複数の実施形態の例を含む。もちろん、前述の実施形態を説明するために、コンポーネント又は方法論の考え得るあらゆる組み合わせを説明することは不可能であるが、当業者であれば、様々な実施形態の多くの更なる組み合わせ及び並べ替えが可能であることを理解されよう。したがって、説明した実施形態は、添付の特許請求の趣旨及び範囲内に入る全てのそのような変更、修正、及び変形を包含することが意図される。更に、「含む」という用語が詳細な説明又は特許請求の範囲内で使用される範囲内において、この用語は、「備える」という用語が請求項内で遷移語として採用される場合に解釈されるような「備える」と同様に包括的であるものと意図される。また、説明した態様及び/又は実施形態の要素は、単数形で記述又は請求され得るが、単数への限定が明示的に示されていない限り複数も企図される。加えて、任意の態様及び/又は実施形態の全て又は一部は、特段の記載がない限り、任意の他の態様及び/又は実施形態の全て又は一部と共に利用可能である。
【0074】
[0086] 概要及び要約のセクションではなく、詳細な説明のセクションは、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されることを理解されたい。概要及び要約のセクションは、発明者によって企図される本発明の例示的な実施形態の全てではなく、1つ以上を説明する場合があり、したがって、決して本発明及び添付の特許請求の範囲を限定することを意図しない。
【0075】
[0087] 本発明は、具体的な機能及びそれらの関係の実施を示す機能ビルディングブロックを用いて上述してきた。これらの機能ビルディングブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書で任意に定義されている。具体的な機能及びそれらの関係が適切に実行される限り、代替の境界を定義することができる。
【0076】
[0088] 実施形態は、以下の条項を使用して更に説明することができる。
1.筐体と、
筐体内に配置され、かつ筐体内の複数の位置間を移動するように適合された少なくとも1つのオブジェクトテーブルと、
筐体の内部でユーティリティゾーン内に配置されたユーティリティデバイスと、
筐体内に配置され、かつ待機位置からユーティリティゾーンまで移動するように適合されたユーティリティステージであって、待機位置からユーティリティゾーンまで少なくとも1つのツールを運ぶように適合される、ユーティリティステージと、
を含む、フォトリソグラフィ装置。
2.待機位置に隣接した筐体内に配置されたツール格納部と、ツール格納部内に格納された複数のツールと、を更に含み、ユーティリティステージは、第1のツールをツール格納部からアンロードし、第1のツールをユーティリティデバイスに運搬し、第1のツールをユーティリティデバイスにロードするように適合される、条項1に記載のフォトリソグラフィ装置。
3.オブジェクトテーブルはウェーハテーブルを含み、ユーティリティデバイスはユーティリティ位置に配置されたオブジェクトテーブル洗浄ツールを含み、第1のツールは第1の洗浄ストーンを含む、条項2に記載のフォトリソグラフィ装置。
4.ユーティリティステージは、第1のツールをユーティリティデバイスからアンロードし、第1のツールをツール格納部に運搬し、第1のツールをツール格納部にロードするように更に適合される、条項2に記載のフォトリソグラフィ装置。
5.少なくとも1つのオブジェクトテーブルは、第1のウェーハテーブルと、第2のウェーハテーブルとを含む、条項1に記載のフォトリソグラフィ装置。
6.ユーティリティステージは、ユーティリティステージを位置決めするように配置された伸長可能なロボットアームを含む、条項1に記載のフォトリソグラフィ装置。
7.筐体と、
筐体内に配置され、かつ筐体内の複数の共面位置間を移動するように適合された第1のウェーハテーブルと、
筐体内に配置され、かつ筐体内の複数の共面位置間を移動するように適合された第2のウェーハテーブルであって、第2のウェーハテーブルは、第1のウェーハテーブルの動きに干渉することを回避するように移動され、第1のウェーハテーブルは、第2のウェーハテーブルの動きに干渉することを回避するように移動される、第2のウェーハテーブルと、
筐体の内部でユーティリティゾーン内に配置され、かつユーティリティ動作をウェーハに対して行うように適合されたユーティリティデバイスと、
筐体内に配置され、かつ待機位置からユーティリティゾーンまで移動するように適合されたユーティリティステージであって、少なくとも1つのツールを待機位置からユーティリティゾーンまで運ぶように適合され、かつ第1のウェーハテーブル及び第2のウェーハテーブルの動きに干渉することを回避するように移動及び位置決めされる、ユーティリティステージと、
を含む、フォトリソグラフィ装置。
8.筐体内に待機位置に隣接して配置されたツール格納部と、ツール格納部内に格納された複数のツールと、を更に備え、ユーティリティステージは、第1のツールをツール格納部からアンロードし、第1のツールをユーティリティデバイスに運搬し、第1のツールをユーティリティデバイスにロードするように適合される、条項7に記載のフォトリソグラフィ装置。
9.ユーティリティデバイスは、ユーティリティゾーン内に配置されたウェーハテーブル洗浄ツールを含み、第1のツールは、第1の洗浄ストーンを含む、条項8に記載のフォトリソグラフィ装置。
10.ツール格納部に格納された複数のツールは、複数の洗浄ストーンを含む、条項8に記載のフォトリソグラフィ装置。
11.第1のツールは、粘着性ウェーハを含み、ユーティリティデバイスは、粘着性ウェーハをウェーハテーブルのウェーハ受け面に押し付けるように適合されたウェーハテーブル洗浄ツールを含む、条項8に記載のフォトリソグラフィ装置。
12.第1のツールは、スパイク付きウェーハを含み、ユーティリティデバイスは、スパイク付きウェーハをウェーハテーブルのウェーハ受け面に押し付けるように適合されたウェーハテーブル洗浄ツールを含む、条項8に記載のフォトリソグラフィ装置。
13.ユーティリティステージは、第1のツールをユーティリティデバイスからアンロードし、第1のツールをツール格納部に運搬し、第1のツールをツール格納部にロードするように更に適合される、条項8に記載のフォトリソグラフィ装置。
14.ユーティリティステージは、伸長可能なロボットアームを含む、条項7に記載のフォトリソグラフィ装置。
15.フォトリソグラフィ装置を動作させる方法であって、フォトリソグラフィ装置は、筐体と、筐体内に配置され、かつ筐体内の複数の共面位置間を移動するように適合された第1のウェーハテーブルと、筐体内に配置され、かつ筐体内の複数の共面位置間を移動するように適合された第2のウェーハテーブルと、筐体の内部でユーティリティゾーン内に配置され、かつユーティリティ動作をウェーハに対して行うように適合されたユーティリティデバイスと、筐体内に配置され、かつ待機位置からユーティリティゾーンまで移動するように適合されたユーティリティステージであって、少なくとも1つのツールを待機位置からユーティリティゾーンに運ぶように適合される、ユーティリティステージ、と、を含み、
第1のウェーハテーブルを、第1のウェーハテーブルが待機位置からユーティリティゾーンへのユーティリティステージの動きに干渉しない第1の中立位置に配置することと、
第2のウェーハテーブルを、第2のウェーハテーブルが待機位置からユーティリティゾーンへのユーティリティステージの動きに干渉しない第2の中立位置に配置することと、
ユーティリティステージを待機位置からユーティリティゾーンに移動させることと、
を含む、方法。
16.ユーティリティステージが待機位置にあるときに、ユーティリティステージは、ツールをツール格納部からアンロードする、条項15に記載の方法。
17.第1のツールは、ツール格納部に格納されている複数のツールのうちの1つである、条項16に記載の方法。
18.ユーティリティステージがユーティリティゾーン内にあるときに、ユーティリティステージは、ツールをユーティリティデバイスにロードする、条項16に記載の方法。
19.ユーティリティステージが待機位置にあるときに、ユーティリティステージは、ツールをツール格納部からアンロードし、ユーティリティゾーンに移動し、ツールをユーティリティゾーン内のユーティリティデバイスにロードする、条項18に記載の方法。
20.ユーティリティステージを使用して、第1のツールをユーティリティゾーン内のユーティリティステージからアンロードすることと、
ユーティリティステージを待機位置に移動させることと、
第1のツールをユーティリティステージからアンロードし、第1のツールをツール格納部にロードすることと、
第2のツールをツール格納部からアンロードし、第2のツールをユーティリティステージにロードすることと、
ユーティリティステージをユーティリティゾーンに移動させることと、
ユーティリティステージを使用して、第2のツールをユーティリティデバイスにロードすることと、
を更に含む、条項16に記載の方法。
21.ユーティリティデバイスは、ユーティリティゾーン内に配置されたウェーハテーブル洗浄ツールを含み、第1のツールは、第1の洗浄ストーンを含む、条項16に記載の方法。
22.第1のツールは、粘着性ウェーハを含み、ユーティリティデバイスは、粘着性ウェーハをウェーハテーブルのウェーハ受け面に押し付けるように適合されたウェーハテーブル洗浄ツールを含む、条項16に記載の方法。
23.第1のツールは、スパイク付きウェーハを含み、ユーティリティデバイスは、スパイク付きウェーハをウェーハテーブルのウェーハ受け面に押し付けるように適合されたウェーハテーブル洗浄ツールを含む、条項16に記載の方法。
24.フォトリソグラフィ装置はレンズを含み、第1のツールはレンズ洗浄デバイスを含み、ユーティリティステージは、レンズまで移動し、かつレンズ洗浄デバイスを配設してレンズを洗浄するように適合される、条項16に記載の方法。
【国際調査報告】