(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】ジオール糖アルコールに基づくポリアリールエーテルコポリマー
(51)【国際特許分類】
C08G 65/40 20060101AFI20241210BHJP
C08G 65/34 20060101ALI20241210BHJP
B01D 71/52 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
C08G65/40
C08G65/34
B01D71/52
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024528573
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 EP2022081685
(87)【国際公開番号】W WO2023084062
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ヴェーバー
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ガオ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ブライ
(72)【発明者】
【氏名】インドレ ティール
(72)【発明者】
【氏名】ジェシカ ナディーネ ハーマン
(72)【発明者】
【氏名】フラウケ トルン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン シュッツ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン マレツコ
【テーマコード(参考)】
4D006
4J005
【Fターム(参考)】
4D006GA06
4D006GA07
4D006MA03
4D006MA06
4D006MC46X
4D006NA05
4D006NA10
4D006NA16
4D006PA01
4D006PB02
4J005AA21
4J005AA24
4J005BA00
4J005BB01
4J005BB02
(57)【要約】
本発明は、ポリアリールエーテルコポリマー(P)の製造方法、前記方法により得られたポリアリールエーテルコポリマー(P)、およびポリアリールエーテルコポリマー(P)を含むメンブレンの製造方法、およびメンブレン自体に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアリールエーテルコポリマー(P)の製造方法であって、
成分として、
(A1) 成分(A1)中の少なくとも1つのジハロジフェニルスルホン成分の総質量に対して少なくとも99.65質量%の含有率の4,4’-ジハロジフェニルスルホンを有する、少なくとも1つのジハロジフェニルスルホン成分、
(B1) イソソルビド、イソマンニドおよびイソイジドからなる群から選択される少なくとも1つの糖アルコール、
(B2) 少なくとも1つの芳香族ジヒドロキシル成分、
(B3) 任意に、少なくとも1つのジヒドロキシルポリアルキレンオキシド、
を含む反応混合物(R
G)を変換する段階を少なくとも含み、
前記反応混合物(R
G)は、前記反応混合物(R
G)中に含有される成分(B1)、(B2)および任意に(B3)の総量に対して35~70モル%の成分(B1)、および30~65モル%の成分(B2)、および任意に0.0~5モル%の成分(B3)を含む、
前記方法。
【請求項2】
前記反応混合物(R
G)が、前記反応混合物(R
G)中に含有される成分(B1)、(B2)、および任意に(B3)の総量に対して、35~69モル%の成分(B1)、および31~65モル%の成分(B2)、および任意に0.0~4モル%の成分(B3)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応混合物(R
G)が、前記反応混合物(R
G)中に含有される成分(B1)、(B2)、および任意に(B3)の総量に対して、37~67モル%の成分(B1)、および33~63モル%の成分(B2)、および任意に0.0~3モル%の成分(B3)を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記反応混合物(R
G)がさらに、成分
(C) 少なくとも1つの非プロトン性極性溶媒、および
(D) 少なくとも1つの炭酸塩成分
を含む、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ジヒドロキシル成分(B2)が、前記反応混合物(R
G)中に含有される成分(B2)の総質量に対して少なくとも50質量%の4,4’-ジヒドロキシビフェニルを含む、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
成分(A1)が、
成分(A1)中のジクロロジフェニルスルホンの総質量に対して少なくとも99.65質量%の含有率の4,4’-ジクロロジフェニルスルホンを有するジクロロジフェニルスルホン、および
成分(A1)中のジフルオロジフェニルスルホンの総質量に対して少なくとも99.65質量%の含有率の4,4’-ジフルオロジフェニルスルホンを有するジフルオロジフェニルスルホン
からなる群から選択される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
成分(C)が、アニソール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンおよびN-エチル-2-ピロリドンからなる群から選択される少なくとも1つの溶媒である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法により得られるポリアリールエーテルコポリマー(P)。
【請求項9】
請求項8に記載のポリアリールエーテルコポリマー(P)のメンブレン(M)における使用。
【請求項10】
請求項8に記載のポリアリールエーテルコポリマー(P)を含むメンブレン(M)。
【請求項11】
前記メンブレン(M)が、緻密なメンブレンまたは多孔質のメンブレンである、請求項10に記載のメンブレン(M)。
【請求項12】
前記メンブレン(M)が非対称である、請求項10または11に記載のメンブレン。
【請求項13】
請求項10から12までのいずれか1項に記載のメンブレン(M)の製造方法であって、
i) 前記ポリアリールエーテルコポリマー(P)と少なくとも1つの溶媒とを含む溶液(S)を準備する段階、
ii) 前記少なくとも1つの溶媒を溶液(S)から分離して、メンブレン(M)を得る段階
を含む、前記方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの溶媒が、N-メチルピロリドン、N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルラクトアミドおよびスルホランからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
段階i)において準備される溶液(S)が、前記溶液(S)の総質量に対して0.1~30質量%の範囲のポリアリールエーテルポリマー(P)を含む、請求項13または14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアリールエーテルコポリマー(P)の製造方法、前記方法により得られるポリアリールエーテルコポリマー(P)、およびポリアリールエーテルコポリマー(P)を含むメンブレンの製造方法、およびメンブレン自体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアリールエーテルポリマーは、ポリアリールエーテルスルホンポリマーおよびポリアリールエーテルケトンポリマーを含む。ポリアリールエーテルポリマーは、高性能熱可塑性樹脂の群に属し、高い耐熱変形性、良好な機械的特性、および固有の難燃性を特徴とする(E.M.Koch, H.-M.Walter Kunststoffe 80(1990)1146; E.Doering, Kunststoffe 80(1990)1146; N.Inchaurohdo-Nehm, Kunsstoffe 98(2008)190)。
【0003】
ポリアリールエーテルの製造は、いわゆる水酸化物法によって、またはいわゆる炭酸塩法によってのいずれかで行なうことができる。水酸化物法によるポリアリールエーテルポリマーの製造においては、第1の段階において相応のジフェノラートが芳香族ジヒドロキシ化合物から製造される。このために、芳香族ジヒドロキシ化合物は、強塩基、例えば水酸化ナトリウムによって脱プロトン化される。脱プロトン化は、非プロトン性極性溶媒、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)中で行われる。芳香族ジヒドロキシ化合物の脱プロトン化により、水が放出される。水酸化物法については、形成された水を可能な限り完全にジフェノラートから除去することが必要である。形成された無水のジフェノラートを引き続き、第2の段階において芳香族ジハロゲン化合物と反応させる。第2の段階において、ポリアリールエーテルポリマーが形成される。水酸化物法によるポリアリールエーテルポリマーの製造の第1の段階において、芳香族ジヒドロキシ化合物の脱プロトン化のためには、芳香族ジヒドロキシ化合物と脱プロトン化のために使用される水酸化ナトリウムとの化学量論組成比ができる限り正確に維持されなければならない。化学量論組成比におけるわずかなずれでも、反応において形成されるポリマーの分子量の劇的な減少をもたらすことがある。
【0004】
水酸化物法において使用される強塩基はさらに、重縮合において形成されるエーテル結合を開裂させることがあり、そのことが反応において形成されるポリマーの分子量のさらなる低下をもたらす。従って、水酸化物法によるポリアリールエーテルポリマーの製造は誤りが生じやすく、且つ化学量論組成比を正確に維持するための測定の複雑性および2段階の合成に起因して非常に複雑且つ高価である。
【0005】
炭酸塩法については、芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族ジハロゲン化合物とが、炭酸塩、好ましくは炭酸カリウムの存在下で共に反応する。ここで一般に、N,N-ジメチルアセトアミド、DMF、N-エチルピロリドンまたはNMPが溶媒として使用され、トルエンまたはクロロベンゼンが水を除去するための共沸剤として添加される。
【0006】
炭酸塩法においては、実際の重縮合反応の前に、トルエンと水との共沸混合物が反応混合物から留去されて、その反応混合物中で芳香族ジヒドロキシ化合物からジフェノラートジアニオンが形成される。炭酸塩法は、水酸化物法に比して、形成されるポリマーの分子量を低下させることなく、炭酸カリウムの過剰量が比較的広い範囲で過剰で変化し得るという利点を有する。それによって、反応の制御が水酸化物法に比して簡素化される。
【0007】
水酸化物法による、および炭酸塩法によるポリアリールエーテルスルホンポリマーの製造についての概要は、例えばJ.E.McGrath et al., POLYMER 25, 1984, 1827~1836ページに示されている。さらに、ポリアリールエーテルスルホンポリマーの製造は、米国特許第4870153号明細書(US4870153)、欧州特許第113112号明細書(EP113112)、欧州特許出願公開第297363号明細書(EP297363)、および欧州特許出願公開第135130号明細書(EP135130)の特許出願に記載されており、それらは参照をもって本願内に含まれるものとする。それらの特許出願において、適した出発物質、触媒、溶媒、および使用される成分の比、並びに反応時間および反応温度を見出すことができる。
【0008】
ポリアリールエーテルポリマーは、精密ろ過または限外ろ過による水の精製のためのメンブレンおよびフィルターシステムを製造するための材料としても使用される。従来技術においては、メンブレン用途におけるポリアリールエーテルポリマーの適合性を改善するために、バイオベースのジオール、例えば糖アルコールがポリアリールエーテルポリマー中に組み込まれている。
【0009】
いくつかの科学刊行物において、バイオベースのジオールから誘導されるポリアリールエーテルスルホンおよびポリアリーレンエーテルケトンの製造および特性が開示されている(Kricheldorf et al. J Polym. Sci. Part A: Polymer Chemistry, Vol 33, 2667~2671(1995); Chatti et al. High Performance Polymers, 21: 105~118, 2009; Abderrazak et al. Macromol. Chem. Phys. 2013, 214, 1423~1433; Belgacem et al. Designed Monomers and Polymers, 2016, Vol 19, No.3, 248~255)。1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールから誘導されるポリアリーレンエーテルスルホンも国際公開第2014/072473号(WO2014/072473)および国際公開第2016/032179号(WO2016/032179)号に開示されている。
【0010】
糖アルコール、例えばイソソルビド、イソマンニドおよびイソイジドは、グルコースを水素化してソルビトールを得ることによって製造される。イソソルビドはD-ソルビトールの酸触媒による脱水により得られ、それは単環式フラノイドソルビタンをもたらし、それがさらなる脱水によって二環式フロフラン誘導体イソソルビドが形成する。
【0011】
【0012】
イソソルビド、イソマンニドおよびイソイジドは産業規模で生産される工業用モノマーである。
【0013】
イソソルビドを含有するポリアリールエーテルポリマーのメンブレンのための使用は文献から既知である(欧州特許第3430076号明細書(EP3430076)、欧州特許第3850032号明細書(EP3850032))。
【0014】
ポリアリールエーテルポリマーの親水性を改善するために、特にメンブレン用途について、通常は脂肪族ポリエーテルブロック、例えばポリエチレンオキシドの組み込みが使用される(Hancock, Macromolecules 1996, 29, 7619、および欧州特許2739668号明細書(EP2739668))。欧州特許第3850031号明細書(EP3850031)は、イソソルビドおよびポリアルキレンオキシドを含有するポリアリールエーテルポリマーの製造および使用を記載している。そのコポリマーは比較的低い分子量を有し、且つメンブレン配合物において親水性添加剤として使用され得るに過ぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】欧州特許第113112号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第297363号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第135130号明細書
【特許文献4】国際公開第2014/072473号
【特許文献5】国際公開第2016/032179号
【特許文献6】欧州特許第3430076号明細書
【特許文献7】欧州特許第3850032号明細書
【特許文献8】欧州特許2739668号明細書
【特許文献9】欧州特許第3850031号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】E.M.Koch, H.-M.Walter Kunststoffe 80(1990)1146
【非特許文献2】E.Doering, Kunststoffe 80(1990)1146
【非特許文献3】N.Inchaurohdo-Nehm, Kunsstoffe 98(2008)190
【非特許文献4】J.E.McGrath et al., POLYMER 25, 1984, 1827~1836ページ
【非特許文献5】Kricheldorf et al. J Polym. Sci. Part A: Polymer Chemistry, Vol 33, 2667~2671(1995)
【非特許文献6】Chatti et al. High Performance Polymers, 21: 105~118, 2009
【非特許文献7】Abderrazak et al. Macromol. Chem. Phys. 2013, 214, 1423~1433
【非特許文献8】Belgacem et al. Designed Monomers and Polymers, 2016, Vol 19, No.3, 248~255
【非特許文献9】Hancock, Macromolecules 1996, 29, 7619
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、本発明の課題は、従来技術において記載される方法の欠点を有さないか、または少ない程度でしか有さない、ポリアリールエーテルコポリマー(P)の製造方法を提供することである。前記方法は実施が単純であり、できるだけ誤りが生じ易くなく、且つ安価であるべきである。前記方法によって得られるポリアリールエーテルコポリマー(P)は、メンブレンの製造のために、高い分子量、改善された色を有し且つ均質な溶液を形成すべきである。さらに、ポリアリールエーテルコポリマー(P)から製造されたメンブレンは、良好な水透過性および良好な分子量カットオフ、および低いファウリング傾向を示すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記の課題は、本発明によれば、ポリアリールエーテルコポリマー(P)の製造方法であって、成分として、
(A1) 成分(A1)中の少なくとも1つのジハロジフェニルスルホン成分の総質量に対して少なくとも99.65質量%の含有率の4,4’-ジハロジフェニルスルホンを有する、少なくとも1つのジハロジフェニルスルホン成分、
(B1) イソソルビド、イソマンニドおよびイソイジドからなる群から選択される少なくとも1つの糖アルコール、
(B2) 少なくとも1つの芳香族ジヒドロキシル成分、
(B3) 任意に、少なくとも1つのジヒドロキシルポリアルキレンオキシド、
を含む反応混合物(RG)を変換する段階を少なくとも含み、
前記反応混合物(RG)は、前記反応混合物(RG)中に含有される成分(B1)、(B2)および任意に(B3)の総量に対して35~70モル%の成分(B1)、および30~65モル%の成分(B2)、および任意に0.0~5モル%の成分(B3)を含む、
前記方法によって解決される。
【0019】
意外なことに、本発明の方法により得られるポリアリールエーテルコポリマー(P)は、短い縮合時間で製造されることができ、且つ得られる生成混合物(PG)は、低減されたろ過時間でろ過されることができ、塩化物含有率が低減されたポリアリールエーテルコポリマー(P)をみちびくことが判明した。さらに、ポリアリールエーテルコポリマー(P)から製造されたメンブレンは、良好な水透過性、良好な分子量カットオフ、および改善された引張特性、特に引張伸びを示す。
【0020】
反応混合物(RG)
本発明によるポリアリールエーテルコポリマー(P)を製造するために、成分(A1)、(B1)、(B2)および任意に(B3)を含む反応混合物(RG)を以下に記載されるとおり反応させる。さらに、好ましい実施態様において、反応混合物(RG)は成分(C)として少なくとも1つの非プロトン性極性溶媒および成分(D)として少なくとも1つの炭酸塩成分を含む。
【0021】
従って、本発明の他の対象は、反応混合物(RG)がさらに成分
(C) 少なくとも1つの非プロトン性極性溶媒、および
(D) 少なくとも1つの炭酸塩成分
を含む方法である。
【0022】
成分(A1)、(B1)、(B2)、および任意に(B3)は重縮合反応に入る。
【0023】
成分(D)は、存在する場合、縮合反応の間に成分(B1)、(B2)、および任意に(B3)を脱プロトン化するための塩基として作用する。成分(C)は、存在する場合、溶媒として作用する。
【0024】
反応混合物(RG)は、本発明による方法においてポリアリールエーテルコポリマー(P)を製造するために使用される混合物を意味すると理解される。従って、この場合、反応混合物(RG)に関して与えられる全ての詳細は重縮合前に存在する混合物に関する。重縮合は本発明による方法の間に生じ、そこで反応混合物(RG)は成分(A1)、(B1)、(B2)、および任意に(B3)の重縮合によって反応して、目標生成物のポリアリールエーテルコポリマー(P)が得られる。重縮合の後に得られ、ポリアリールエーテルコポリマー(P)目標生成物を含む混合物は、生成混合物(PG)とも称される。
【0025】
反応混合物(RG)の成分は一般に同時に反応する。個々の成分を上流の段階で混合し、引き続き反応させることができる。個々の成分を反応器に供給して、そこで混合し、次いで反応させることも可能である。
【0026】
本発明による方法において、反応混合物(RG)の個々の成分は一般に同時に反応する。該反応は好ましくは一段階で実施される。これは、成分(B1)、(B2)、および任意に(B3)の脱プロトン化、および成分(A1)、(B1)、(B2)、および任意に(B3)の間の縮合反応も、好ましくは、中間生成物、例えば成分(B1)、(B2)、および任意に(B3)の脱プロトン化種の単離をすることなく、単独の段階で行われることを意味する。
【0027】
本発明による方法は好ましくは、いわゆる炭酸塩法によって行われる。本発明による方法は好ましくは、いわゆる水酸化物法によって行われない。これは、本発明による方法が好ましくは、フェノラートアニオンの単離を有する2段階では行われないことを意味する。
【0028】
成分(A1)
反応混合物(RG)は少なくとも1つのジハロジフェニルスルホン成分を成分(A1)として含む。この場合、「少なくとも1つのジハロジフェニルスルホン成分」との用語は、正確に1つのジハロジフェニルスルホン成分、および2つ以上のジハロジフェニルスルホン成分の混合物も意味すると理解される。
【0029】
反応混合物(RG)中に含有される少なくとも1つのジハロジフェニルスルホン成分は、成分(A1)中の少なくとも1つのジハロジフェニルスルホン成分の総質量に対して、より好ましくは成分(A1)の総質量に対して、少なくとも99.65質量%の含有率の4,4’-ジハロジフェニルスルホンを有する。
【0030】
好ましい実施態様において、少なくとも1つのジハロジフェニルスルホン成分は、各々成分(A1)中の少なくとも1つのジハロジフェニルスルホン成分の総質量に対して、少なくとも99.7質量%、より好ましくは少なくとも99.75質量%、およびより好ましくは少なくとも99.80質量%の含有率の4,4’-ジハロジフェニルスルホンを有する。
【0031】
成分(A1)は好ましくはモノマーとして使用される。これは、反応混合物(RG)が成分(A1)をモノマーとして含み、プレポリマーとして含むのではないことを意味する。
【0032】
好ましい実施態様において、少なくとも1つのジハロジフェニルスルホン成分(成分(A1))は、それぞれ成分(A1)中の成分におけるジクロロジフェニルスルホンの、ジフルオロジフェニルスルホンの、およびジブロモジフェニルスルホンの総質量に対して少なくとも99.65質量%の含有率の4,4’-ジクロロジフェニルスルホン、4,4’-ジブロモジフェニルスルホン、および4,4’-ジフルオロジフェニルスルホンを有する、ジクロロジフェニルスルホン、ジフルオロジフェニルスルホン、およびジブロモジフェニルスルホンからなる群から選択される。
【0033】
従って、本発明の他の対象は、反応混合物(RG)がさらに成分
(C) 少なくとも1つの非プロトン性極性溶媒、および
(D) 少なくとも1つの炭酸塩成分
を含む方法を提供することである。
【0034】
最も好ましい成分(A1)は、成分(A)中のジクロロジフェニルスルホンの総質量に対して少なくとも99.65質量%の含有率の4,4’-ジクロロジフェニルスルホンを有するジクロロジフェニルスルホンである。
【0035】
好ましくは成分(A1)中のジハロジフェニルスルホンにおける4,4’-ジハロジフェニルスルホンの含有率はGCによって特定され、適用された方法の詳細は実験の節に記載される。
【0036】
さらに特に好ましい実施態様において、成分(A1)は、成分(A1)中のジクロロジフェニルスルホンの総質量に対して99.65質量%を上回る含有率の4,4’-ジクロロジフェニルスルホンを有するジクロロジフェニルスルホンからなり、ここで含有率はGCによって特定される。
【0037】
好ましい実施態様において、成分(A1)は、
(a) 少なくとも99.65質量%、好ましくは少なくとも99.7質量%、より好ましくは少なくとも99.75質量%、および特に好ましくは少なくとも99.80質量%の4,4’-ジハロジフェニルスルホン、
(b) 0~0.35質量%、好ましくは0~0.3質量%、より好ましくは0~0.25質量%、および特に好ましくは0~0.2質量%の不純物、および
(c) 0~0.35質量%、好ましくは0~3.0質量%、より好ましくは0~0.25質量%、および特に好ましくは0~0.2質量%の少なくとも1つの溶媒
からなる。
【0038】
好ましい実施態様における成分(A1)中に含まれる成分(a)、(b)および(c)は合計で100質量%になる。成分(A1)が不純物(b)および溶媒(c)を含まない場合、成分(A1)は100%の4,4’-ジハロジフェニルスルホンからなる。
【0039】
好ましい実施態様における不純物(b)は、各々成分(A1)に含有される不純物(b)の総質量に対して、少なくとも90質量%、好ましくは少なくとも95質量%、より好ましくは少なくとも98質量%、および特に好ましくは少なくとも99質量%の、2,4’-ジクロロジフェニルスルホン、3,4’-ジクロロジフェニルスルホン、4,4’-ジクロロジフェニルスルホキシド、2,4’-ジクロロジフェニルスルホキシドおよび1つ以上のカルボン酸化合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含む。
【0040】
成分(A1)中に不純物(b)として任意に含有されるカルボン酸化合物は、1つのみのカルボン酸、または少なくとも2つの異なるカルボン酸の混合物であってよい。好ましくは、カルボン酸は少なくとも1つの脂肪族カルボン酸である。
【0041】
成分(A1)中での異性体2,4’-ジクロロジフェニルスルホン、3,4’-ジクロロジフェニルスルホンの全体の含有率は、各々成分(A1)の総質量に対して好ましくは0~3500質量ppmの範囲、より好ましくは0~2500質量ppmの範囲、および最も好ましくは0~2000質量ppmの範囲である。上述の異性体の含有率は、下記で実施例の節において記載されるように特定される。
【0042】
成分(A1)中での4,4’-ジクロロジフェニルスルホキシドおよび2,4’-ジクロロジフェニルスルホキシドの全体の含有率は、各々成分(A1)の総質量に対して好ましくは0~3500質量ppmの範囲、より好ましくは0~2500質量ppmの範囲、および最も好ましくは0~2000質量ppmの範囲である。
【0043】
成分(A1)は任意に少なくとも1つの溶媒(c)を含む。本発明に関し、「少なくとも1つの溶媒(a)」との用語は、正確に1つの溶媒(c)、並びに2つ以上の溶媒(c)の混合物を意味する。
【0044】
少なくとも1つの溶媒(c)は、例えば水、対称または非対称、分枝または直鎖のエーテル、例えばジエチルエーテルまたはメチル tert-ブチルエーテル、置換または非置換の芳香族溶媒、例えばトルエン、モノクロロベンゼンまたはベンゼン、低分子カルボン酸、特にC1~C3-カルボン酸、または低分子アルコール、特にC1~C3-アルコールであってよい。好ましくは、前記有機溶媒はメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチル tert-ブチルエーテル、酢酸、トルエン、酢酸エチル、またはモノクロロベンゼンである。特に好ましくは、前記有機溶媒はC1~C3-アルコール、特にメタノール、エタノールまたはイソプロパノールである。最も好ましくは前記有機溶媒はメタノールである。
【0045】
成分(B1)
反応混合物(RG)は、イソソルビド、イソマンニドおよびイソイジドからなる群から選択される少なくとも1つの糖アルコールを成分(B1)として含む。この場合、「イソソルビド、イソマンニドおよびイソイジドからなる群から選択される少なくとも1つの糖アルコール」との用語は、イソソルビド、イソマンニドおよびイソイジドからなる群から選択される、正確に1つの糖アルコール、および2つ以上の糖アルコールの混合物も意味すると理解される。
【0046】
反応混合物(RG)中に含有される成分(B1)は、イソソルビド、イソマンニド、イソイジドからなる群から選択される少なくとも1つの糖アルコールである。
【0047】
成分(B1)は当業者に公知である。イソソルビド、イソマンニドおよびイソイジドは1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの系統に属し、且つ式Iのものである:
【化2】
【0048】
既に上記で議論したとおり、従来技術において使用されるイソソルビド、イソマンニドおよびイソイジドは98質量%より高い、好ましくは98.5質量%より高い純度を有する工業用モノマーである。
【0049】
反応混合物(RG)は好ましくは、反応混合物(RG)中に含有される成分(B1)、(B2)、および任意に(B3)の総量に対して、0.0~5モル%、より好ましくは0.0~4モル%、特に好ましくは0.0~3モル%、および最も好ましくは0.0~2モル%の成分(B3)を含む。
【0050】
本発明による方法において、イソソルビド、イソマンニドおよび/またはイソイジドは、各々、少なくとも99質量%の純度を有して使用される。
【0051】
反応混合物(RG)は好ましくは、反応混合物(RG)中に含有される成分(B1)、(B2)、および任意に(B3)の総量に対して、35~69モル%の成分(B1)、31~65モル%の(B2)、および0.0~4モル%の成分(B3)を含む。
【0052】
より好ましい実施態様において、反応混合物(RG)は、反応混合物(RG)中に含有される成分(B1)、(B2)、および任意に(B3)の総量に対して、37~67モル%の成分(B1)、33~63モル%の成分(B2)、および0.0~3モル%の成分(B3)を含む。
【0053】
さらにより好ましい実施態様において、反応混合物(RG)は、反応混合物(RG)中に含有される成分(B1)、(B2)、および任意に(B3)の総量に対して、40~65モル%の成分(B1)、35~60モル%の成分(B2)、および0.0~2モル%の成分(B3)を含む。
【0054】
成分(B1)としてイソソルビドが特に好ましい。換言すれば、成分(B1)がイソソルビドからなる特に好ましい実施態様において、前記イソソルビドは好ましくは上述の純度より上の純度を有し、且つ上述の不純物は依然として含有し得る。
【0055】
成分(B2)
反応混合物(RG)は少なくとも1つの芳香族ジヒドロキシル化合物を成分(B2)として含む。この場合、「少なくとも1つの芳香族ジヒドロキシル化合物」との用語は、正確に1つの芳香族ジヒドロキシル化合物、および2つ以上の芳香族ジヒドロキシル化合物の混合物も意味すると理解される。使用される芳香族ジヒドロキシル化合物は、典型的には、2つのフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物である。好ましい実施態様における反応混合物(RG)は金属炭酸塩を含むので、反応混合物(RG)中の成分(B2)のヒドロキシル基は少なくとも部分的に脱プロトン化された形態で存在し得る。
【0056】
成分(B2)は好ましくはモノマーとして使用される。これは、反応混合物(RG)が好ましくは成分(B2)をモノマーとして含み、プレポリマーとして含むのではないことを意味する。
【0057】
適した芳香族ジヒドロキシル化合物(成分(B2))は、例えば、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンおよびビスフェノールA(IUPAC名: 4,4’-(プロパン-2,2-ジイル)ジフェノール))からなる群から選択される。
【0058】
本発明の1つの実施態様において、反応混合物(RG)はビスフェノールAを含まない。他の実施態様において、反応混合物(RG)は4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンを含まない。なおも他の実施態様において、反応混合物(RG)は三官能性以上の化合物、例えば1,1,1-トリヒドロキシフェニルエタンを含まない。
【0059】
成分(B2)は好ましくは、反応混合物(RG)中の成分(B2)の総質量に対して少なくとも50質量%、より好ましくは少なくとも80質量%、特に好ましくは少なくとも90質量%、および特に少なくとも98質量%の、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンおよびビスフェノールAからなる群から選択される芳香族ジヒドロキシル化合物を含む。4,4’-ジヒドロキシビフェニルおよび4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンが芳香族ジヒドロキシル化合物として好ましく、4,4’-ジヒドロキシビフェニルが芳香族ジヒドロキシル化合物として特に好ましい。
【0060】
従って、本発明のさらなる対象は、ジヒドロキシ成分(B2)が、反応混合物(RG)中に含有される成分(B2)の総質量に対して少なくとも50質量%の4,4’-ジヒドロキシビフェニルを含む方法である。
【0061】
従って、本発明は、成分(B2)が、反応混合物(RG)中の成分(B2)の総質量に対して少なくとも50質量%の、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンおよびビスフェノールAからなる群から選択される芳香族ジヒドロキシル化合物を含む方法にも関する。好ましい実施態様において、成分(B2)は、反応混合物(RG)中の成分(B2)の総質量に対して少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも80質量%、特に好ましくは少なくとも90質量%、および特に少なくとも98質量%の、4,4’-ジヒドロキシビフェニルを含む。
【0062】
特に好ましい実施態様において、成分(B2)は本質的に4,4’-ジヒドロキシビフェニルからなる。この場合、「本質的に~からなる」とは、成分(B2)が、各々反応混合物(RG)中の成分(B2)の総質量に対して99質量%を上回る、好ましくは99.5質量%を上回る、特に好ましくは99.9質量%を上回る4,4’-ジヒドロキシビフェニルを含むことを意味すると理解される。
【0063】
特に好ましい実施態様において、成分(B2)は4,4’-ジヒドロキシビフェニルからなる。
【0064】
成分(B3)
反応混合物(RG)は任意に少なくとも1つのジヒドロキシポリアルキレンオキシドを成分(B3)として含む。この場合、「少なくとも1つのジヒドロキシポリアルキレンオキシド」との用語は、正確に1つのジヒドロキシポリアルキレンオキシド、および2つ以上のジヒドロキシポリアルキレンオキシドの混合物も意味すると理解される。使用される場合、ジヒドロキシポリアルキレンオキシドは、典型的には、2つのヒドロキシル基を有する化合物である。好ましい実施態様における反応混合物(RG)は金属炭酸塩を含むので、反応混合物(RG)中の成分(B3)のヒドロキシル基は少なくとも部分的に脱プロトン化された形態で存在し得る。
【0065】
反応混合物(RG)は、反応混合物(RG)中に含有される成分(B1)、(B2)、および(B3)の総量に対して、0.0~5モル%の成分(B3)を含む。
【0066】
成分(B3)は一般に、ジオールであることができる。成分(B3)は一般に、実質的にオキシアルキレン単位からなることができる。オキシアルキレン単位は以下でアルキレンオキシド単位と称されることもある。オキシアルキレン単位は、原理的に知られているように、一般式-R1-O-の単位である。この式において、R1は二価の脂肪族炭化水素基であり、それは任意に少なくとも1つのさらなる置換基も有し得る。R1基上の前記少なくとも1つの置換基は特に、1つ以上のO含有基、例えば1つ以上のOH基を含み得る。もちろん、成分(B3)は2つ以上の異なるオキシアルキレン単位も含み得る。
【0067】
オキシアルキレン単位は特に、-(CH2)2-O-、-(CH2)3-O-、-(CH2)4-O-、-CH2-CH(R2)-O-、-CH2-CHOR3-CH2-O-であってよく、ここでR2はアルキル基、特にC1~C24-アルキル、またはアリール基、特にフェニルであり、R3は水素またはC1~C24-アルキルからなる群から選択される基である。
【0068】
成分(B3)はさらなる構造単位、例えばエステル基、カーボネート基またはアミノ基なども含み得る。それらはさらに、ポリアルキレンオキシドまたはその断片の重合の開始時に使用される単数または複数のスターター分子を含み得る。例は末端基R2-O-を含み、ここでR2は上記で定義されたとおりである。
【0069】
成分(B3)がエチレンオキシド単位-(CH2)2-O-および/またはプロピレンオキシド単位-CH2-CH(CH3)-O-を主成分として含む一方で、より高級のアルキレンオキシド単位、つまり3つより多い炭素原子を有するものが少量でのみ存在して、特性を微調整することが好ましいことがある。成分(B3)は、エチレンオキシド単位およびプロピレンオキシド単位を含むランダムコポリマー、グラジエントコポリマー、交互コポリマーまたはブロックコポリマーであってよい。より高級のアルキレンオキシド単位の量は一般に、成分(B3)の分子量(Mn)に対して10質量%、好ましくは5質量%を超えない。成分(B3)は好ましくは、成分(B3)の分子量(Mn)に対して少なくとも50質量%のエチレンオキシド単位、好ましくは成分(B3)の分子量(Mn)に対して75質量%、およびより好ましくは少なくとも90質量%のエチレンオキシド単位を含み得る。成分(B3)が純粋なポリオキシエチレンであることが非常に特に好ましいことがある。
【0070】
成分(B3)は原理的に公知のとおり、または原理的に公知の方法を使用して、例えば少なくとも1つのアルキレンオキシドおよび/または環状エーテルであって少なくとも3つの炭素原子を有するもの、およびさらに任意に少なくとも1つのさらなる成分を重合することによって得ることができる。それらはさらに、少なくとも1つのジアルコールおよび/またはポリアルコール、適したスターター、およびさらに任意に少なくとも1つのさらなるモノマー成分を重縮合することによって製造され得る。少なくとも1つの適したアルキレンオキシドの例は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシド、1-ブテンオキシド、2,3-ブテンオキシド、2-メチル-1,2-プロペンオキシド(イソブテンオキシド)、1-ペンテンオキシド、2,3-ペンテンオキシド、2-メチル-1,2-ブテンオキシド、3-メチル-1,2-ブテンオキシド、2,3-ヘキセンオキシド、3,4-ヘキセンオキシド、2-メチル-1,2-ペンテンオキシド、2-エチル-1,2-ブテンオキシド、3-メチル-1,2-ペンテンオキシド、デセンオキシド、4-メチル-1,2-ペンテンオキシド、スチレンオキシドを含むか、または工業的に入手可能なラフィネートストリームのオキシド混合物から形成される。少なくとも1つの環状エーテルの例はテトラヒドロフランを含む。当業者は、成分(B3)の、従ってブロックii)およびポリアリーレンエーテルコポリマーの所望の特性に従ってそれぞれ、前記モノマーおよびさらなる成分の中から適切な選択を行う。それに関して、成分(B3)の所望の特性の1つは典型的にはその親水性である。
【0071】
成分(B3)は分枝または星形であってもよい。この種の成分(B3)は、少なくとも3つのアームを有する少なくとも1つのスターター分子を使用することによって得ることができる。適したスターターの例は、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールまたはエチレンジアミンを含む。
【0072】
成分(B3)は、低い数平均のアルキレンオキシド単位を有するポリアルキレンオキシドであってよい。所望の特性によっては、アルキレンオキシド単位の数平均は高くてもよい。ポリアルキレンオキシドが数平均質量200~20000g/モルを有することが好ましいことがある。
【0073】
反応混合物(RG)は成分(B3’)として、1つだけのヒドロキシ基(-OH)を有するポリアルキレンオキシドを含有してもよく、ここで第2のヒドロキシ基は好ましくは1~32個の炭素原子を有するアルキル基で末端キャップされている。成分(B3’)について、成分(B3)について行われた上記の説明および選好が相応して該当する。
【0074】
成分(C)
反応混合物(RG)は、好ましい実施態様において、少なくとも1つの非プロトン性極性溶媒を成分(C)として含む。本発明によれば、「少なくとも1つの非プロトン性極性溶媒」とは、正確に1つの非プロトン性極性溶媒、および2つ以上の非プロトン性極性溶媒の混合物も意味すると理解される。
【0075】
適した非プロトン性極性溶媒は例えば、アニソール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、およびさらにそれらの溶媒の混合物である。
【0076】
従って、本発明の他の対象は、成分(C)がアニソール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンおよびN-エチル-2-ピロリドンからなる群から選択される少なくとも1つの溶媒である方法である。
【0077】
好ましい非プロトン性極性溶媒は、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、およびさらにそれらの溶媒の混合物である。N-メチル-2-ピロリドンが非プロトン性極性溶媒として特に好ましい。
【0078】
従って、本発明は反応混合物(RG)がN-メチル-2-ピロリドンを成分(C)として含む方法にも関する。
【0079】
好ましい実施態様において、成分(C)は、反応混合物(RG)中の成分(C)の総質量に対して少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも80質量%、特に好ましくは少なくとも90質量%、および特に少なくとも98質量%の、N-メチル-2-ピロリドンおよびN-エチル-2-ピロリドンからなる群から選択される少なくとも1つの溶媒を含む。N-メチル-2-ピロリドンが成分(C)として特に好ましい。
【0080】
さらなる実施態様において、成分(C)は本質的にN-メチル-2-ピロリドンからなる。この場合、「本質的に~からなる」とは、成分(C)が99質量%を上回る、特に好ましくは99.5質量%を上回る、特に好ましくは99.9質量%を上回る、N-メチル-2-ピロリドンおよびN-エチル-2-ピロリドンからなる群から選択される少なくとも1つの非プロトン性極性溶媒を含むことを意味すると理解され、N-メチル-2-ピロリドンが好ましい。
【0081】
非プロトン性極性溶媒(成分(C))は、産業規模で製造される工業用溶媒であり、その非プロトン性極性溶媒は、結果的に、一般に不純物を含有する。
【0082】
好ましい実施態様において、成分(C)はN-メチル-2-ピロリドンからなる。N-メチル-2-ピロリドンはNMPまたはN-メチルピロリドンとも称される。
【0083】
本発明によれば、好ましい実施態様において、反応混合物(RG)は水との共沸混合物を形成する物質を含まない。反応水は本発明による方法において、成分(A1)、(B1)、(B2)および任意に(B3)の間の重縮合反応において形成される。従来技術に記載される方法においては、共沸剤を添加して、縮合反応において共沸混合物として形成される反応水を除去することが必要であることが多い。
【0084】
「共沸混合物」とは、本発明によれば、蒸留によって分離され得ない、水と1つ以上のさらなる物質との混合物を意味すると理解される。従って、「共沸混合物」とは、本発明によれば、液体から気体への相転移において純粋な物質であるかのように挙動する、水と1つ以上の物質との混合物を意味すると理解される。好ましい実施態様において、反応混合物(RG)はトルエンまたはクロロベンゼンを含まない。
【0085】
成分(D)
反応混合物(RG)は、好ましい実施態様において、少なくとも1つの金属炭酸塩を成分(D)として含む。本発明によれば、「少なくとも1つの金属炭酸塩」とは、正確に1つの金属炭酸塩、および2つ以上の金属炭酸塩の混合物も意味すると理解される。金属炭酸塩は好ましくは無水である。アルカリ金属炭酸塩および/またはアルカリ土類金属炭酸塩が金属炭酸塩として好ましい。炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1つの金属炭酸塩が、金属炭酸塩として特に好ましい。炭酸カリウムが最も好ましい。
【0086】
好ましい実施態様において、成分(D)は本質的に炭酸カリウムからなる。この場合、「本質的に~からなる」とは、成分(D)が、各々反応混合物(RG)中の成分(D)の総質量に対して99質量%を上回る、好ましくは99.5質量%を上回る、特に好ましくは99.9質量%を上回る炭酸カリウムを含むことを意味すると理解される。
【0087】
特に好ましい実施態様において、成分(D)は炭酸カリウムからなる。
【0088】
体積加重平均粒子サイズ200μm未満を有する炭酸カリウムが、炭酸カリウムとして特に好ましい。炭酸カリウムの体積加重平均粒子サイズは、粒子サイズ分析装置を使用して、N-メチル-2-ピロリドン中の炭酸カリウムの懸濁液において特定される。
【0089】
好ましい実施態様において、反応混合物(RG)は水との共沸混合物を形成する物質を含まない。
【0090】
好ましい実施態様において、反応混合物(RG)中に含有される成分(A1)、(B1)、(B2)、任意に(B3)、(C)および(D)の総質量の合計は、各々、反応混合物(RG)の総質量に対して少なくとも80質量%、より好ましくは少なくとも90質量%、さらにより好ましくは少なくとも95質量%、特に好ましくは少なくとも98質量%である。
【0091】
従って、さらに特に好ましい実施態様において、本発明は、成分(A1)が少なくとも99.65質量%の含有率の4,4’-ジクロロジフェニルスルホンを有するジクロロジフェニルスルホンであり、成分(B1)がイソソルビド、イソマンニドおよびイソイジドからなる群から選択される少なくとも1つの糖アルコールであり、イソソルビド、イソマンニドおよびイソイジドは、使用される場合、各々少なくとも99質量%の純度を有し、且つ成分(B2)が4,4’-ジヒドロキシビフェニルであり、且つ(B3)が、存在する場合、数平均分子量500~9000g/モルのポリエチレンオキシドである方法にも関する。
【0092】
反応混合物(RG)中での成分(A1)、(B1)、(B2)および(B3)の比は広い範囲で変化し得る。反応混合物(RG)は一般に、1モルの成分(A1)あたり、0.1~0.7モルの成分(B1)、0.3~0.65モルの成分(B2)および0~0.05モルの成分(B3)を含む。
【0093】
ポリアリールエーテルコポリマー(P)
本発明によるポリアリールエーテルコポリマー(P)を製造するために、反応混合物(RG)を好ましくはいわゆる炭酸塩法の条件下で反応させる。反応(重縮合反応)は一般に、80~250℃の範囲、好ましくは100~220℃の範囲の温度で実施され、前記温度の上限は標準圧力(1013.25mbar)での溶媒の沸点によって特定される。反応は一般に、標準圧力で行われる。反応は好ましくは0.5~12時間の時間間隔、特に1~10時間の範囲にわたって行われる。
【0094】
縮合後、形成された塩は、ろ過または他の分離技術によって、得られたポリマー懸濁液から分離される。
【0095】
本発明により得られるポリアリールエーテルコポリマー(P)の単離を、例えば水、または水と他の溶媒との混合物中でのポリマー溶液の析出によって行うことができる。析出したポリアリールエーテルコポリマー(P)を引き続き水で抽出し、次いで乾燥させることができる。本発明の1つの実施態様において、析出物を酸性媒体中に取り込むこともできる。適した酸は、例えば有機酸または無機酸、例えばカルボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、コハク酸またはクエン酸、および鉱酸、例えば塩酸、硫酸またはリン酸である。
【0096】
低い多分散度(Q)および高いガラス転移温度(Tg)を有するポリアリールエーテルコポリマー(P)が本発明による方法によって得られる。ポリアリールエーテルコポリマー(P)はさらに、非常に少量の不純物、例えば共沸剤、例えばトルエンまたはクロロベンゼンを有する。本発明によって製造された生成物中の塩化物イオンの含有率も低減される。
【0097】
ポリアリールエーテルコポリマー中の塩化物イオンの含有率は、好ましくは50ppm未満、より好ましくは30ppm未満、および最も好ましくは20ppm未満であり、ここで塩化物イオンの含有率は元素分析によって特定される。
【0098】
従って本発明は、本発明による方法によって得られるポリアリールエーテルコポリマー(P)も提供する。ポリアリールエーテルコポリマー(P)は一般に、多分散度(Q)≦4、好ましくは≦3.5を有する。
【0099】
多分散度(Q)は、質量平均分子量(MW)と数平均分子量(Mn)との商として定義される。好ましい実施態様において、コポリアリールエーテルポリマー(P)の多分散度(Q)は2.0~≦4の範囲、好ましくは2.0~≦3.5の範囲である。
【0100】
質量平均分子量(MW)および数平均分子量(Mn)はゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される。
【0101】
ポリアリールエーテルコポリマー(P)の多分散度(Q)および平均分子量は、ジメチルアセトアミド(DMAc)中でのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定された。使用された移動相(溶離液)は、0.5質量%の臭化リチウムを含むDMAcであった。ポリアリールエーテルコポリマー(P)(P溶液)の濃度は溶液1mlあたり4mgであった。ろ過後(孔径0.2μm)、この溶液100μlをGPCシステムに注入した。4つの異なるカラム(80℃に加熱)を使用して分離した(GRAMプレカラム、GRAM 30A、GRAM 1000A、GRAM 1000A; 分離材料: ポリエステルコポリマー、PSS社製)。GPCシステムは1分あたり1mlの流量で稼働された。DRI-Agilent 1100が検出システムとして使用された。800~1820000g/モルの範囲の分子量Mnを有する、PSS社製のPMMA標準を校正のために使用した。
【0102】
本発明による方法によって得られるポリアリールエーテルコポリマー(P)は一般に、質量平均分子量(MW)10000~150000g/モル、好ましくは15000~120000g/モルの範囲、特に好ましくは20000~90000g/モルの範囲を有する。質量平均分子量(MW)はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される。測定は上述のとおり行われる。
【0103】
本発明による方法によって得られるポリアリールエーテルポリマー(P)は一般に、ガラス転移温度100~250℃、好ましくは130~245℃の範囲、特に好ましくは140~230℃の範囲を有する。ガラス転移温度(Tg)の測定はDSC 2000(TA Instruments)において、加熱速度20K/分で行われた。測定のために、約5mgの物質をアルミニウム容器内に封入した。1回目の昇温において、試料を290℃に加熱し、次いで-100℃へと急冷し、次いで2回目の昇温において、20K/分で290℃に加熱する。それぞれのTg値は2回目の昇温から特定される。
【0104】
従って、本発明の他の対象は、本発明による方法によって得られるポリアリールエーテルコポリマー(P)である。
【0105】
メンブレンの製造
メンブレン(M)は、本発明によるポリアリールエーテルコポリマー(P)から、当業者に公知の任意の方法によって製造され得る。
【0106】
従って、本発明の他の対象は、メンブレン(M)におけるポリアリールエーテルコポリマー(P)の使用である。
【0107】
従って、本発明の他の対象は、緻密なメンブレンまたは多孔質のメンブレンであるメンブレン(M)である。
【0108】
好ましくは、本発明の方法によって得られるポリアリールエーテルコポリマー(P)を含むメンブレン(M)は、
i) ポリアリールエーテルコポリマー(P)と少なくとも1つの溶媒とを含む溶液(S)を準備する段階、
ii) 前記少なくとも1つの溶媒を溶液(S)から分離して、メンブレン(M)を得る段階
を含む方法によって製造される。
【0109】
従って、本発明の他の対象は、本発明のメンブレン(M)の製造方法であって、
i) ポリアリールエーテルコポリマー(P)と少なくとも1つの溶媒とを含む溶液(S)を準備する段階、
ii) 前記少なくとも1つの溶媒を溶液(S)から分離して、メンブレン(M)を得る段階
を含む前記方法である。
【0110】
段階i)
段階i)において、ポリアリールエーテルコポリマー(P)と少なくとも1つの溶媒とを含む溶液(S)が準備される。
【0111】
本発明に関して、「少なくとも1つの溶媒」は、正確に1つの溶媒も、2つ以上の溶媒の混合物も意味する。
【0112】
溶液(S)は段階i)において当業者に公知の任意の方法によって準備され得る。例えば、溶液(S)は、段階i)において、攪拌装置および好ましくは温度制御装置を含み得る慣例的な容器内で準備され得る。好ましくは、溶液(S)は、ポリアリールエーテルコポリマー(P)を少なくとも1つの溶媒中で溶解することによって準備される。
【0113】
ポリアリールエーテルコポリマー(P)を少なくとも1つの溶媒中で溶解して溶液(S)を準備することは、好ましくは攪拌しながら行われる。
【0114】
段階i)は好ましくは高められた温度、特に20~120℃の範囲、より好ましくは40~100℃の範囲で行われる。当業者は少なくとも1つの溶媒に従って温度を選択する。
【0115】
溶液(S)は好ましくは少なくとも1つの溶媒中に完全に溶解されたポリアリールエーテルコポリマー(P)を含む。これは、溶液(S)が好ましくはポリアリールエーテルコポリマー(P)の固体粒子を含まないことを意味する。従って、ポリアリールエーテルコポリマー(P)は好ましくはろ過によって少なくとも1つの溶媒から分離され得ない。
【0116】
溶液(S)は好ましくは、溶液(S)の総質量に対して0.001~50質量%のポリアリールエーテルコポリマー(P)を含む。より好ましくは、段階i)における溶液(S)は、溶液(S)の総質量に対して0.1~30質量%のポリアリールエーテルコポリマー(P)を含み、且つ最も好ましくは、溶液(S)は、溶液(S)の総質量に対して0.5~25質量%のポリアリールエーテルコポリマー(P)を含む。
【0117】
従って、本発明の他の対象は、段階i)における溶液(S)が、溶液(S)の総質量に対して0.1~30質量%のポリアリールエーテルコポリマー(P)を含む、メンブレン(M)の製造方法でもある。
【0118】
少なくとも1つの溶媒として、ポリアリールエーテルコポリマー(P)について当業者に公知の任意の溶媒が適している。好ましくは、少なくとも1つの溶媒は水溶性である。従って、少なくとも1つの溶媒は、好ましくはN-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルラクトアミド、ジメチルホルムアミドおよびスルホランからなる群から選択される。N-メチルピロリドンおよびジメチルラクトアミドが特に好ましい。ジメチルラクトアミドが少なくとも1つの溶媒として最も好ましい。
【0119】
従って、本発明の他の対象は、少なくとも1つの溶媒がN-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルラクトアミドおよびスルホランからなる群から選択される、メンブレン(M)の製造方法でもある。
【0120】
溶液(S)は好ましくは、溶液(S)の総質量に対して50~99.999質量%の範囲の少なくとも1つの溶媒、より好ましくは70~99.9質量%の範囲、および最も好ましくは75~99.5質量%の範囲の少なくとも1つの溶媒を含む。
【0121】
段階i)において準備される溶液(S)はさらに、メンブレンを製造するための添加剤を含み得る。
【0122】
メンブレンを製造するための適した添加剤は当業者に公知であり、且つ例えばポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレンオキシド-ポリプロピレンオキシドコポリマー(PEO-PPO)およびポリ(テトラヒドロフラン)(ポリ-THF)である。ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリエチレンオキシド(PEO)が、メンブレンを製造するための添加剤として特に好ましい。
【0123】
メンブレンを製造するための添加剤は例えば、溶液(S)の総質量に対して0.01~20質量%の量、好ましくは0.1~15質量%の範囲、およびより好ましくは1~10質量%の範囲の量で溶液(S)中に含まれ得る。
【0124】
溶液(S)中に含まれる、ポリアリールエーテルコポリマー(P)、少なくとも1つの溶媒、および任意に含まれるメンブレンを製造するための添加剤の質量パーセンテージが典型的には合計で100質量%になることは当業者には明らかである。
【0125】
段階i)の継続時間は広い制限内で変化できる。段階i)の継続時間は好ましくは10分~48時間の範囲、特に10分~24時間の範囲、および最も好ましくは15分~12時間の範囲である。当業者は、ポリアリールエーテルコポリマー(P)の少なくとも1つの溶媒中での均質な溶液が得られるように、段階i)の継続時間を選択する。
【0126】
溶液(S)中に含まれるポリアリールエーテルコポリマー(P)について、本発明による方法において得られるポリアリールエーテルコポリマー(P)について与えられた実施態様および選好が該当する。
【0127】
段階ii)
段階ii)において、少なくとも1つの溶媒を少なくとも1つの溶液(S)から分離してメンブレン(M)が得られる。段階i)において準備された溶液(S)をろ過した後、段階ii)において少なくとも1つの溶媒を溶液(S)から分離して、ろ過溶液(fS)を得ることが可能である。少なくとも1つの溶媒を溶液(S)から分離することについての以下の実施態様および選好は、少なくとも1つの溶媒を本発明のこの実施態様において使用されるろ過溶液(fS)から分離することについても同様に該当する。
【0128】
さらに、溶液(S)またはろ過溶液(fS)に脱気段階が適用されることがある。
【0129】
少なくとも1つの溶媒の溶液(S)からの分離を、溶媒をポリマーから分離するために適した当業者に公知の任意の方法によって実施できる。
【0130】
好ましくは、少なくとも1つの溶媒の溶液(S)からの分離は、転相法を介して行われる。
【0131】
従って、本発明の他の対象は、段階ii)における少なくとも1つの溶媒の分離が、転相法を介して行われる、メンブレン(M)の製造方法でもある。
【0132】
少なくとも1つの溶媒の分離が転相法を介して行われる場合、得られるメンブレン(M)は典型的には多孔質のメンブレンである。
【0133】
本発明に関する転相法は、溶解されたポリアリールエーテルコポリマー(P)が固相に転移される方法を意味する。従って、転相法は析出法としても示され得る。段階ii)によれば、転移は、少なくとも1つの溶媒をポリアリールエーテルコポリマー(P)から分離することによって実施される。適した転相法は当業者に公知である。
【0134】
転相法は例えば、溶液(S)を冷却することによって実施され得る。この冷却の間、この溶液(S)中に含まれるポリアリールエーテルコポリマー(P)が析出する。転相法を実施するための他の可能性は、溶液(S)を、ポリアリールエーテルコポリマー(P)にとって非溶媒であるガス状流体と接触させることである。その場合もポリアリールエーテルコポリマー(P)が析出する。ポリアリールエーテルポリマー(P)にとって非溶媒である適したガス状流体は、例えば以下に記載されるガス状態のプロトン性極性溶媒である。
【0135】
本発明に関して好ましい他の転相法は、溶液(S)を少なくとも1つのプロトン性極性溶媒中に浸漬することによる転相である。
【0136】
従って、本発明の1つの実施態様において、段階ii)において、溶液(S)を少なくとも1つのプロトン性極性溶媒中に浸漬することによって、溶液(S)中に含まれる少なくとも1つの溶媒を、溶液(S)中に含まれるポリアリールエーテルコポリマー(P)から分離する。
【0137】
これは、メンブレン(M)が、溶液(S)を少なくとも1つのプロトン性極性溶媒中に浸漬することによって形成されることを意味する。
【0138】
適した少なくとも1つのプロトン性極性溶媒は当業者に公知である。少なくとも1つのプロトン性極性溶媒は好ましくは、ポリアリールエーテルコポリマー(P)にとって非溶媒である。
【0139】
好ましい少なくとも1つのプロトン性極性溶媒は、水、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、エチレングリコールおよびそれらの混合物である。
【0140】
段階ii)は通常、段階ii)において得られるメンブレン(M)の形態に相応する形態で溶液(S)を準備することを含む。
【0141】
従って、本発明の1つの実施態様において、段階ii)は、溶液(S)をキャスティングして、溶液(S)のフィルムを得ること、または溶液(S)を少なくとも1つの紡糸口金に通して、溶液(S)の少なくとも1つの中空繊維を得ることを含む。
【0142】
従って、本発明の1つの好ましい実施態様において、段階ii)は以下の段階:
ii-1) 段階i)において準備された溶液(S)をキャスティングして溶液(S)のフィルムを得る段階、
ii-2) 段階ii-1)において得られた溶液(S)のフィルムから、少なくとも1つの溶媒を蒸発させてフィルムの形態でのメンブレン(M)を得る段階
を含む。
【0143】
これは、メンブレン(M)が、少なくとも1つの溶媒を溶液(S)のフィルムから蒸発させることによって形成されることを意味する。
【0144】
段階ii-1)において、溶液(S)は当業者に公知の任意の方法によってキャストされ得る。通常、溶液(S)は20~150℃の範囲、好ましくは40~100℃の範囲の温度に加熱されたキャスティングナイフを用いてキャストされる。
【0145】
溶液(S)は通常、溶液(S)に含まれるポリアリールエーテルコポリマー(P)または少なくとも1つの溶媒と反応しない基材上にキャストされる。
【0146】
適した基材は当業者に公知であり、例えばガラス板およびポリマーの布、例えば不織布材料から選択される。
【0147】
緻密なメンブレンを得るためには、段階ii)の分離は典型的には、溶液(S)中に含まれる少なくとも1つの溶媒を蒸発させることによって行われる。
【0148】
従って、本発明の他の対象は、緻密なメンブレンまたは多孔質のメンブレンであるメンブレン(M)である。
【0149】
従って、本発明の他の対象は、非対称であるメンブレン(M)である。
【実施例】
【0150】
本発明を以下の実施例によってさらに説明するが、それに限定されない。
【0151】
使用される成分:
DCDPS 1: 4,4’-ジクロロジフェニルスルホン、4,4’-異性体含有率99.6質量%
DCDPS 2: 4,4’-ジクロロジフェニルスルホン、4,4’-異性体含有率99.8質量%
DCDPS 3: 4,4’-ジクロロジフェニルスルホン、4,4’-異性体含有率99.95質量%
BP: 4,4’-ジヒドロキシビフェニル、純度99.5質量%
イソソルビド: Roquetteから商品名POLYSORB(登録商標)の下で得られる、PAイソソルビド含有率>99質量%
K2CO3 A: 炭酸カリウム、無水、平均粒子サイズ9.5μm
K2CO3 B: 炭酸カリウム、無水、平均粒子サイズ32.6μm
NMP: N-メチルピロリドン、無水
PEO 1 ポリエチレンオキシド6000、Mn=5906g/モル(OH基滴定により特定)
PVP: ポリビニルピロリドン;(Luvitec(登録商標)K40)
【0152】
DCDPSおよびBPの純度はHPLCによって分析された一方で、イソソルビドの純度はGCによって測定された。
【0153】
ポリアリールエーテルコポリマー(P)の粘度数VNは、DIN ISO 1628-1に準拠して1質量%のNMP溶液中で測定された。
【0154】
糖アルコール、例えばイソソルビド、およびさらなる成分、例えばポリエチレンオキシドの組み込み率(組み込み割合)は、1H-NMRによってCDCl3において特定された。
【0155】
得られるポリマー懸濁液を、温度60℃且つN2圧力3barで稼働する加熱圧力式ろ過装置を使用して、孔径5μmを有するろ過板を使用してろ過する。各々のバッチのろ過時間を測定する。
【0156】
ポリアリールエーテルコポリマー(P)の単離は、特段示されない限り、ポリマーのNMP溶液を脱塩水中に室温で滴下することによって行われる。滴下高さは0.5mである。スループットは1時間あたり約2.5lである。得られるビーズを次いで85℃で20時間、水で抽出する(水のスループット160l/時間)。次いで、ビーズを、ガラス転移温度Tgより低い温度で、残留湿分含有率0.2質量%未満まで乾燥させる。
【0157】
得られるポリマー試料の塩化物含有率を元素分析によって特定した。
【0158】
比較例1:
温度計、ガス入口管およびディーン・スターク・トラップを備えた4リットルのガラス反応器内で、580.063g(2.02モル)のDCDPS 1、211.90g(1.45モル)のイソソルビド、102.41g(0.55モル)の4,4’-ジヒドロキシビフェニル、および304.052g(2.20モル)の、体積平均粒子サイズ9.5μmを有する炭酸カリウムAを、1050mlのNMP中に窒素雰囲気下で懸濁させた。
【0159】
その混合物を1時間以内で190℃に加熱した。以下において、反応時間は、その時間の間、反応混合物が190℃で保持されたと理解されるべきである。反応において形成された水を、蒸留により連続的に除去した。
【0160】
10時間の反応時間後、1950mlのNMPを添加することによって反応を停止し、室温に冷却した(1時間以内で)。反応において形成された塩化カリウムをろ過によって除去した。得られるポリマー溶液を次いで水中で析出させ、生じるポリマービーズを分離し、次いで熱水(85℃)で20時間抽出した。次いで、ビーズを120℃で24時間、減圧(<100mbar)下で乾燥させた。
【0161】
例2:
温度計、ガス入口管およびディーン・スターク・トラップを備えた4リットルのガラス反応器内で、580.063g(2.02モル)のDCDPS 2、211.90g(1.45モル)のイソソルビド、102.41g(0.55モル)の4,4’-ジヒドロキシビフェニル、および304.052g(2.20モル)の、体積平均粒子サイズ9.5μmを有する炭酸カリウムAを、1050mlのNMP中に窒素雰囲気下で懸濁させた。
【0162】
その混合物を1時間以内で190℃に加熱した。以下において、反応時間は、その時間の間、反応混合物が190℃で保持されたと理解されるべきである。反応において形成された水を、蒸留により連続的に除去した。
【0163】
10時間の反応時間後、1950mlのNMPを添加することによって反応を停止し、室温に冷却した(1時間以内で)。反応において形成された塩化カリウムをろ過によって除去した。得られるポリマー溶液を次いで水中で析出させ、生じるポリマービーズを分離し、次いで熱水(85℃)で20時間抽出した。次いで、ビーズを120℃で24時間、減圧(<100mbar)下で乾燥させた。
【0164】
比較例3
温度計、ガス入口管およびディーン・スターク・トラップを備えた4リットルのガラス反応器内で、580.063g(2.02モル)のDCDPS 1、204.83g(1.1モル)の4,4’-ジヒドロキシビフェニル、131.53g(0.90モル)のイソソルビド、および304.052g(2.20モル)の、体積平均粒子サイズ9.5μmを有する炭酸カリウムAを、1050mlのNMP中に窒素雰囲気下で懸濁させた。
【0165】
その混合物を1時間以内で190℃に加熱した。以下において、反応時間は、その時間の間、反応混合物が190℃で保持されたと理解されるべきである。反応において形成された水を、蒸留により連続的に除去した。
【0166】
5.5時間の反応時間後、1950mlのNMPを添加することによって反応を停止し、室温に冷却した(1時間以内で)。反応において形成された塩化カリウムをろ過によって除去した。得られるポリマー溶液を次いで水中で析出させ、生じるポリマービーズを分離し、次いで熱水(85℃)で20時間抽出した。次いで、ビーズを120℃で24時間、減圧(<100mbar)下で乾燥させた。
【0167】
例4:
温度計、ガス入口管およびディーン・スターク・トラップを備えた4リットルのガラス反応器内で、580.063g(2.02モル)のDCDPS 2、204.83g(1.1モル)の4,4’-ジヒドロキシビフェニル、131.526g(0.90モル)のイソソルビド、および304.052g(2.20モル)の、体積平均粒子サイズ9.5μmを有する炭酸カリウムAを、1050mlのNMP中に窒素雰囲気下で懸濁させた。
【0168】
その混合物を1時間以内で190℃に加熱した。以下において、反応時間は、その時間の間、反応混合物が190℃で保持されたと理解されるべきである。反応において形成された水を、蒸留により連続的に除去した。
【0169】
5時間の反応時間後、1950mlのNMPを添加することによって反応を停止し、室温に冷却した(1時間以内で)。反応において形成された塩化カリウムをろ過によって除去した。得られるポリマー溶液を次いで水中で析出させ、生じるポリマービーズを分離し、次いで熱水(85℃)で20時間抽出した。次いで、ビーズを120℃で24時間、減圧(<100mbar)下で乾燥させた。
【0170】
例5:
温度計、ガス入口管およびディーン・スターク・トラップを備えた4リットルのガラス反応器内で、580.063g(2.02モル)のDCDPS 3、204.83g(1.10モル)の4,4’-ジヒドロキシビフェニル、131.53g(0.9モル)のイソソルビド、および304.052g(2.20モル)の、体積平均粒子サイズ9.5μmを有する炭酸カリウムAを、1050mlのNMP中に窒素雰囲気下で懸濁させた。
【0171】
その混合物を1時間以内で190℃に加熱した。以下において、反応時間は、その時間の間、反応混合物が190℃で保持されたと理解されるべきである。反応において形成された水を、蒸留により連続的に除去した。
【0172】
5時間の反応時間後、1950mlのNMPを添加することによって反応を停止し、室温に冷却した(1時間以内で)。反応において形成された塩化カリウムをろ過によって除去した。得られるポリマー溶液を次いで水中で析出させ、生じるポリマービーズを分離し、次いで熱水(85℃)で20時間抽出した。次いで、ビーズを120℃で24時間、減圧(<100mbar)下で乾燥させた。
【0173】
例6:
温度計、ガス入口管およびディーン・スターク・トラップを備えた4リットルのガラス反応器内で、580.063g(2.02モル)のDCDPS 3、204.83g(1.10モル)の4,4’-ジヒドロキシビフェニル、131.53g(0.9モル)のイソソルビド、および304.052g(2.20モル)の、体積平均粒子サイズ32.5μmを有する炭酸カリウムBを、1050mlのNMP中に窒素雰囲気下で懸濁させた。
【0174】
その混合物を1時間以内で190℃に加熱した。以下において、反応時間は、その時間の間、反応混合物が190℃で保持されたと理解されるべきである。反応において形成された水を、蒸留により連続的に除去した。
【0175】
6時間の反応時間後、1950mlのNMPを添加することによって反応を停止し、室温に冷却した(1時間以内で)。反応において形成された塩化カリウムをろ過によって除去した。得られるポリマー溶液を次いで水中で析出させ、生じるポリマービーズを分離し、次いで熱水(85℃)で20時間抽出した。次いで、ビーズを120℃で24時間、減圧(<100mbar)下で乾燥させた。
【0176】
比較例7:
温度計、ガス入口管およびディーン・スターク・トラップを備えた4リットルのガラス反応器内で、580.063g(2.02モル)のDCDPS 1、197.383g(1.06モル)の4,4’-ジヒドロキシビフェニル、131.526g(0.90モル)のイソソルビド、236.24g(0.04モル)のPEO 1、および345.52g(2.50モル)の、体積平均粒子サイズ9.5μmを有する炭酸カリウムAを、1050mlのNMP中に窒素雰囲気下で懸濁させた。
【0177】
その混合物を1時間以内で190℃に加熱した。以下において、反応時間は、その時間の間、反応混合物が190℃で保持されたと理解されるべきである。反応において形成された水を、蒸留により連続的に除去した。
【0178】
5時間の反応時間後、1950mlのNMPを添加することによって反応を停止し、室温に冷却した(1時間以内で)。反応において形成された塩化カリウムをろ過によって除去した。得られるポリマー溶液を次いで水中で析出させ、生じるポリマービーズを分離し、次いで熱水(85℃)で20時間抽出した。次いで、ビーズを120℃で24時間、減圧(<100mbar)下で乾燥させた。
【0179】
例8:
温度計、ガス入口管およびディーン・スターク・トラップを備えた4リットルのガラス反応器内で、580.063g(2.02モル)のDCDPS 3、197.383g(1.06モル)の4,4’-ジヒドロキシビフェニル、131.526g(0.90モル)のイソソルビド、236.24g(0.04モル)のPEO 1、および345.52g(2.50モル)の、体積平均粒子サイズ9.5μmを有する炭酸カリウムAを、1050mlのNMP中に窒素雰囲気下で懸濁させた。
【0180】
その混合物を1時間以内で190℃に加熱した。以下において、反応時間は、その時間の間、反応混合物が190℃で保持されたと理解されるべきである。反応において形成された水を、蒸留により連続的に除去した。
【0181】
4.5時間の反応時間後、1950mlのNMPを添加することによって反応を停止し、室温に冷却した(1時間以内で)。反応において形成された塩化カリウムをろ過によって除去した。得られるポリマー溶液を次いで水中で析出させ、生じるポリマービーズを分離し、次いで熱水(85℃)で20時間抽出した。次いで、ビーズを120℃で24時間、減圧(<100mbar)下で乾燥させた。
【0182】
粘度数およびろ過時間を以下の表1に示す。
【0183】
【0184】
本発明の方法により得られるポリアリールエーテルコポリマー(P)は、粘度数によって示されるとおりの高い分子量、および低い塩化物含有率を示す。
【0185】
メンブレンを以下のように製造した:
磁気攪拌機を備えた三ツ口フラスコ内に、78mlのメチルピロリドン(NMP)、5gのポリビニルピロリドン(PVP、Luvitec(登録商標)K40)、および17gのポリアリールエーテルコポリマー(P)を添加する。
【0186】
その混合物を穏やかに攪拌しながら60℃で加熱し、均質で透明な粘性溶液が得られる。その溶液を室温で終夜、脱気する。メンブレン溶液を60℃で2時間再加熱した後、キャスティングナイフ(300ミクロン)を用いて60℃で、Erichsenコーティング機を使用して速度5mm/分で稼働させてガラス板上にキャスティングする。メンブレンフィルムを30秒間休ませた後、25℃で10分間、水浴中に浸漬する。
【0187】
メンブレンをガラス板から取り外した後、メンブレンを注意深く、12時間、水浴中に移す。その後、メンブレンを、50℃で4.5時間、2500ppmのNaOClを含有する浴に移してPVPを除去する。そのプロセスの後、メンブレンを60℃の水で、および0.5質量%の亜硫酸水素ナトリウム溶液で一回洗浄して、活性塩素を除去する。水で数回の洗浄段階後、評価を開始するまで、メンブレンを湿った状態で保管した。
【0188】
ほとんどの場合、少なくとも10×15cmのサイズの寸法を有する限外ろ過(UF)メンブレンの微細な構造の特徴を有する平坦なシートの連続フィルムが得られる。そのメンブレンは上部の薄いスキン層(1~3ミクロン)およびその下の多孔質層(厚さ: 100~150ミクロン)を示す。
【0189】
比較例C3、例4および5、比較例C7、および例8において得られたポリアリールエーテルコポリマー(P)を使用して、メンブレンを製造した。
【0190】
【0191】
PWP: 純水透過性
MWCO: 分子量カットオフ
メンブレン配合物のために製造された溶液の濁度は、Hach TL2360濁度計を使用して、波長860±30nmで稼働させて測定した。
【0192】
メンブレンの評価:
直径60mmを有する圧力セルを使用して、メンブレンの純水透過性を超純水(無塩水、Millipore UFシステムによってろ過)を使用して試験した。引き続く試験において、異なるPEG標準の溶液を圧力0.15barでろ過した。供給物および透過物のGPC測定によって、分子量カットオフを特定した。
【0193】
本発明によるポリアリールエーテルコポリマー(P)のドープ溶液の濁度は、意外にも、比較例から製造された溶液に比して低い。
【0194】
破断伸びはISO 527に準拠する引張試験において測定された。膜を水中に保管し、引張試料をメンブレンシートから打ち抜いた。湿った試料を直ちに引張機に固定して試験した。通常、各々のメンブレンについて5つの試料を試験した。
【0195】
本発明によるポリアリールエーテルポリマー(P)を用いて製造されたメンブレンは、高い透過性および良好な分子量カットオフおよび改善された引張伸びを示す。
【国際調査報告】