(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】膝蓋骨クランプおよび膝蓋骨追跡システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/15 20060101AFI20241210BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20241210BHJP
A61B 17/16 20060101ALI20241210BHJP
A61B 17/17 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
A61B17/15
A61B34/20
A61B17/16
A61B17/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530052
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 US2022051949
(87)【国際公開番号】W WO2023107443
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】510059882
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・オルソペディクス・アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】519295384
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・アジア・パシフィク・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペティス、ティモシー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ディーズ、ジュニア、ロジャー ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ワインバーガー、ランディ シー.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL03
4C160LL07
4C160LL28
(57)【要約】
本明細書で開示するものは、患者の膝蓋骨を把持するように構成された膝蓋骨クランプである。膝蓋骨クランプは、クランプアセンブリと、ラチェットアームアセンブリと、ハンドルアセンブリと、を含む。クランプアセンブリは、互いに対向した関係で取り付けられた、第一膝蓋骨把持部分および第二膝蓋骨把持部分を含む。使用時には、ハンドルアセンブリの駆動により、第二膝蓋骨把持部分が第一膝蓋骨把持部分に向けて駆動されることで、患者の膝蓋骨をクランプするものとされている。ハンドルアセンブリは、クランプアセンブリに対して、移動可能に調整可能(例えば、回転可能)であるように構成されている。追加的に、および/または代替的に、膝蓋骨クランプは、整形外科コンピュータ支援外科手術でおよび/またはロボット外科手術で使用するように配置されて構成された追跡型膝蓋骨クランプとして構成されてもよく、これにより、外科医は、患者上で膝蓋骨準備ステップを実行するよりも前に、コンピュータベースの環境で膝蓋骨準備ステップを視覚化するための仮想膝蓋骨モデルを観察し得るものとされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
追跡型膝蓋骨クランプであって、
膝蓋骨に係合するように動作するクランプアセンブリと、
前記クランプアセンブリに結合されたハンドルアセンブリであり、駆動されると前記クランプアセンブリの内部に前記膝蓋骨を固定するように動作するハンドルアセンブリと、
前記膝蓋骨の追跡情報を決定するように動作する少なくとも一つの追跡部材と、を含む、追跡型膝蓋骨クランプ。
【請求項2】
前記ハンドルアセンブリは、前記クランプアセンブリに対して回転するように動作可能である、請求項1に記載の追跡型膝蓋骨クランプ。
【請求項3】
前記少なくとも一つの追跡部材は、前記クランプアセンブリに結合されている、請求項1または2に記載の追跡型膝蓋骨クランプ。
【請求項4】
前記追跡情報は、前記膝蓋骨の位置情報または配向情報の少なくとも一方を含む、請求項1~3のいずれかに記載の追跡型膝蓋骨クランプ。
【請求項5】
前記追跡情報は、前記膝蓋骨に関連した切断平面を含む、請求項1~4のいずれかに記載の追跡型膝蓋骨クランプ。
【請求項6】
前記少なくとも一つの追跡部材は、前記追跡型膝蓋骨クランプに関連した手術器具の器具情報を決定するように構成されている、請求項1~5のいずれかに記載の追跡型膝蓋骨クランプ。
【請求項7】
前記器具情報は、前記膝蓋骨に対する前記手術器具の位置を含む、請求項6に記載の追跡型膝蓋骨クランプ。
【請求項8】
前記少なくとも一つの追跡部材は、前記手術器具の反射面の検出を介して、前記器具情報を決定するように構成されている、請求項6に記載の追跡型膝蓋骨クランプ。
【請求項9】
前記手術器具は、リーマツールを含む、請求項7に記載の追跡型膝蓋骨クランプ。
【請求項10】
コンピュータ支援手術システムであって、
少なくとも一つのコンピューティングデバイスを含み、前記コンピューティングデバイスは、
ディスプレイデバイスと、
処理回路と、
前記処理回路に結合されたメモリと、を含み、前記メモリは、前記処理回路によって実行された時には、前記処理回路に、
膝蓋骨に関連した追跡情報でありかつ前記膝蓋骨に係合した追跡型膝蓋骨クランプに結合された少なくとも一つの追跡部材によって検出された追跡情報を受領することと、
前記追跡情報に基づいて、前記膝蓋骨の少なくとも一つの特性を示している膝蓋骨情報を決定することと、
前記膝蓋骨の仮想表現として構成された膝蓋骨モデルでありかつ前記膝蓋骨情報に基づいて構成された膝蓋骨モデルを生成することと、
前記ディスプレイデバイスを介して、前記膝蓋骨モデルを視覚的に図示しているグラフィカルユーザインターフェース(GUI)オブジェクトを、GUIスクリーン上に提示することと、を実行させる命令を含む、コンピュータ支援手術システム。
【請求項11】
前記命令は、前記処理回路によって実行された時には、前記処理回路に、前記追跡型膝蓋骨クランプに関連した手術器具に対応した器具追跡情報でありかつ前記少なくとも一つの追跡部材によって検出された器具追跡情報を受領することを、実行させる、請求項10に記載のコンピュータ支援手術システム。
【請求項12】
前記命令は、前記処理回路によって実行された時には、前記処理回路に、前記器具追跡情報に基づいて、前記手術器具の器具情報でありかつ前記手術器具の位置または配向の少なくとも一方を含む器具情報を決定することを、実行させる、請求項11に記載のコンピュータ支援手術システム。
【請求項13】
前記命令は、前記処理回路によって実行された時には、前記処理回路に、前記器具情報に基づいて、前記手術器具のGUIモデルを前記GUIスクリーン上に提示することを、実行させる、請求項10に記載のコンピュータ支援手術システム。
【請求項14】
前記手術器具は、リーマツールを含む、請求項11~13のいずれかに記載のコンピュータ支援手術システム。
【請求項15】
前記追跡情報は、前記膝蓋骨に関連した切断平面を含む、請求項10~14のいずれかに記載のコンピュータ支援手術システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、「Patella Clamp and Patella Tracking System」と題して2021年12月9日付けで出願された米国仮特許出願シリアル番号第63/287,662号明細書の優先権を主張するものであり、この出願の全内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、整形外科的手術器具を対象とし、より具体的には、手術を計画するために、また、手術手順時に膝蓋骨を準備するために、膝蓋骨の特性の決定を容易とするよう、コンピュータ支援手術システムおよび/またはロボット手術システムにおいて使用するための追跡部材を含み得る膝蓋骨クランプを対象とする。
【背景技術】
【0003】
整形外科用の膝蓋骨クランプが知られている。一般的に言えば、膝蓋骨クランプは、ハンドルアセンブリと、クランプまたは把持または切除のためのアセンブリ(本明細書では、限定することを意図することなく、互換的に使用される用語)と、を含む。使用時には、クランプアセンブリは、第一把持部分および第二把持部分を含み得るとともに、これら第一把持部分と第二把持部分との間に位置決めされた患者の膝蓋骨に係合する。一例では、第一把持部分および第二把持部分は、上/下方向において患者の膝蓋骨に係合してもよく、ハンドルアセンブリは、例えば、第一把持部分と第二把持部分とを駆動するために、ネジ山付きシャフトおよびナットを含んでもよい。代替的には、第一把持部分および第二把持部分は、内側/外側方向において患者の膝蓋骨に係合してもよく、ハンドルアセンブリは、例えば、ピストルグリップを含んでもよい。
【0004】
いずれにせよ、公知の膝蓋骨クランプにおける一つの欠点は、クランプアセンブリとハンドルアセンブリとが互いに対して同じ位置に留まっていることである。つまり、ハンドルアセンブリを、クランプアセンブリに対して調節することができない。クランプアセンブリに対してハンドルアセンブリの位置を固定することは、外科医による使用機会を制限することとなる。
【0005】
公知の膝蓋骨クランプおよび公知の膝蓋骨準備プロセスにおける別の欠点は、膝蓋骨クランプを使用して切断を行うよりも前に、外科医が切除結果を観察し得ないことである。その結果、既存の手法を利用する時には、例えば、患者の膝蓋骨をフリーハンドで切断したり、切除用の切断ガイド、リーマ、または同種のものを使用したり、するなどの時には、外科医は、自身が作製することとなる平面に関して、必ずしも自信を持つことができない。
【0006】
患者の膝蓋骨を切除する時に視認性を高め得る軽量で調節可能な膝蓋骨クランプを提供することは、有益である。例えば、クランプアセンブリとハンドルアセンブリが互いに対して移動可能に調節可能であるように膝蓋骨クランプを構成することにより、膝蓋骨クランプは、亜脱臼または外転の程度に関する手術技術の変化に対して、左右の膝の変化に対して、内側アプローチ対外側アプローチの変化に対して、対処することができる。
【0007】
追加的におよび/または代替的に、膝蓋骨に関する、またその結果として生じる膝蓋骨の準備ステップ(例えば、切除、リーマ加工、切断、および/または同種のもの)に関する、モデル化、視覚化、および/または同種のもの、を可能とするよう、コンピュータ支援手術システムおよび/またはロボット手術システムにおいて使用されるように配置されて構成された膝蓋骨クランプを提供することが、有益である。
【0008】
したがって、改良された膝蓋骨クランプが、なおも要望されている。本開示は、上記を念頭において提供される。
【発明の概要】
【0009】
この概要は、発明の詳細な説明で後述する概念の一部を簡略化した形態で紹介するものである。本概要は、特許請求される主題に関する重要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、また、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助をなすことを意図したものでもない。
【0010】
本明細書で開示するものは、クランプアセンブリとハンドルアセンブリを含む膝蓋骨クランプである。使用時には、クランプアセンブリは、患者の膝蓋骨を把持するように配置されて構成されている。本開示の一つまたは複数の特徴によれば、ハンドルアセンブリは、クランプアセンブリに対して移動可能に調節可能であるように配置されて構成されている。例えば、上記のまたは以下の任意の例では、クランプアセンブリは、複数位置ラチェットアセンブリ(例えば、調節可能なラチェットアセンブリ)を介して、ハンドルアセンブリに結合されており、これにより、ハンドルアセンブリは、クランプアセンブリに対して回転し得るものとされている。このように構成されることで、使用時には、膝蓋骨クランプは、例えば視認性を高めるためにおよび/または他の解剖学的構造に対応するために、外科医がハンドルアセンブリを邪魔にならないように再配置(例えば、移動、回転、等)し得るように配置されて構成されている。
【0011】
本明細書で開示するものは、患者の膝蓋骨に関する仮想膝蓋骨モデルを生成するように構成された手術システムである。手術システムは、追跡型膝蓋骨クランプを含んでもよい、あるいは、追跡型膝蓋骨クランプを使用してもよい。手術システムは、追跡型膝蓋骨クランプに結合された少なくとも一つの追跡器に通信可能に結合された追跡システムを含んでもよい。追跡型膝蓋骨クランプは、クランプアセンブリと、ハンドルアセンブリと、を含んでもよい。使用時には、クランプアセンブリは、患者の膝蓋骨を把持するように配置されて構成されている。手術システムは、少なくとも一つの追跡器から受領した追跡情報に基づいて膝蓋骨情報を生成するように動作するコンピュータ支援手術アプリケーションを実行してもよい。膝蓋骨情報は、位置、寸法、切断平面、および/または同種のものなどの、少なくとも一つの膝蓋骨特性に関連付けられてもよい。膝蓋骨モデルは、ディスプレイデバイスを介して提示され得るものであって、患者の膝蓋骨に関する仮想表現であるように構成され得る。上記のまたは以下の任意の例では、少なくとも一つの追跡器は、光学追跡システムと共に使用するために、光学センサからなる追跡アレイを含んでもよい。
【0012】
手術システムに関する上記のまたは以下の任意の例では、ユーザは、膝蓋骨準備ステップを入力してもよい。膝蓋骨準備ステップに関する非限定的な例は、切断、切除、切削、および/または同種のもの、を含んでもよい。コンピュータ支援手術システムは、膝蓋骨準備ステップを含めた膝蓋骨モデルを提示することで、実際の患者の膝蓋骨上で膝蓋骨準備ステップを物理的に実行するよりも前に、ユーザが膝蓋骨準備ステップを視覚化することを容易としてもよい。上記のまたは以下の任意の例では、コンピュータ支援手術システムは、膝蓋骨準備ステップに関連した性能情報を提示してもよい。性能情報に関する非限定的な例は、可動域情報を含んでもよい。
【0013】
上記のまたは以下の任意の例では、追跡型膝蓋骨クランプは、膝蓋骨に係合するように動作するクランプアセンブリと、クランプアセンブリに結合するハンドルアセンブリであり、駆動されることで、クランプアセンブリの内部に膝蓋骨を固定するように駆動するように動作するハンドルアセンブリと、膝蓋骨の追跡情報を決定するように動作する少なくとも一つの追跡部材と、を含んでもよい。
【0014】
上記のまたは以下の任意の例では、ハンドルアセンブリは、クランプアセンブリに対して回転するように動作可能であってもよい。上記のまたは以下の任意の例では、少なくとも一つの追跡部材は、クランプアセンブリに結合されてもよい。
【0015】
上記のまたは以下の任意の例では、追跡情報は、膝蓋骨の位置情報または配向情報の少なくとも一方を含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例では、追跡情報は、膝蓋骨に関連した切断平面を含んでもよい。
【0016】
上記のまたは以下の任意の例では、少なくとも一つの追跡部材は、追跡型膝蓋骨クランプに関連した手術器具の器具情報を決定するように構成されてもよい。上記のまたは以下の任意の例では、器具情報は、膝蓋骨に対する手術器具の位置を含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例では、少なくとも一つの追跡部材は、手術器具の反射面の検出を介して、器具情報を決定するように構成されてもよい。上記のまたは以下の任意の例では、手術器具は、リーマツールを含んでもよい。
【0017】
上記のまたは以下の任意の例では、コンピュータ支援手術システムは、少なくとも一つのコンピューティングデバイスを含んでもよく、コンピューティングデバイスは、ディスプレイデバイスと、処理回路と、処理回路に結合されたメモリと、を含む。メモリは、処理回路によって実行された時には、処理回路に、膝蓋骨に関連した追跡情報でありかつ膝蓋骨に係合した追跡型膝蓋骨クランプに結合された少なくとも一つの追跡部材によって検出された追跡情報を受領することと、追跡情報に基づいて、膝蓋骨の少なくとも一つの特性を示している膝蓋骨情報を決定することと、膝蓋骨の仮想表現として構成された膝蓋骨モデルでありかつ膝蓋骨情報に基づいて構成された膝蓋骨モデルを生成することと、ディスプレイデバイスを介して、膝蓋骨モデルを視覚的に図示しているグラフィカルユーザインターフェース(GUI)オブジェクトを、GUIスクリーン上に提示することと、を実行させる命令を含んでもよい。
【0018】
上記のまたは以下の任意の例では、命令は、処理回路によって実行された時には、処理回路に、追跡型膝蓋骨クランプに関連した手術器具に対応した器具追跡情報でありかつ少なくとも一つの追跡部材によって検出され得る器具追跡情報を受領することを、実行させてもよい。
【0019】
上記のまたは以下の任意の例では、命令は、処理回路によって実行された時には、処理回路に、器具追跡情報に基づいて、手術器具の器具情報でありかつ手術器具の位置または配向の少なくとも一方を含み得る器具情報を決定することを、実行させてもよい。
【0020】
上記のまたは以下の任意の例では、命令は、処理回路によって実行された時には、処理回路に、器具情報に基づいて、手術器具のGUIモデルをGUIスクリーン上に提示することを、実行させてもよい。
【0021】
上記のまたは以下の任意の例では、手術器具は、リーマツールを含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例では、追跡情報は、膝蓋骨に関連した切断平面を含んでもよい。
【0022】
本開示の上記のまたは以下の例は、多数の利点を提供する。利点に関する非限定的な一例では、膝蓋骨クランプのクランプアセンブリ(例えば、第一膝蓋骨把持部分および第二膝蓋骨把持部分)を、ハンドルアセンブリに対して回転させ得る。これにより、膝蓋骨の検査、評価、および/または切除の際に、ハンドルアセンブリを、邪魔にならないように移動させることができる。このように構成されることで、視認性を向上させ得る(例えば、外科医は、膝蓋骨をより明瞭に見ることができる)。加えて、追加的な作業ウィンドウを形成することができ、これにより、外科医は、ハンドルアセンブリによって邪魔されることなく、切除ツールおよび/またはリーマ加工ガイドを利用することができる。さらに、膝蓋骨が、より多様な位置で把持され得る。
【0023】
本開示の上記のまたは以下の例は、従来的なシステムと比較して、多くの技術的利点および技術的特徴を提供する。技術的利点に関する非限定的な一例は、コンピュータ支援手術システムおよび/またはロボット手術システムに関連して使用され得るような本開示の追跡型膝蓋骨クランプを提供することを含んでもよい。技術的利点に関する非限定的な別の例は、実際の患者の膝蓋骨に対していかなる調整を行うよりも前に、膝蓋骨準備ステップを外科医が視覚化することを可能とするように構成されたような、および/または膝蓋骨準備ステップに関連した性能情報を外科医が視覚化することを可能とするように構成されたような、手術システムを提供することを含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例による手術計画プロセスは、とりわけ、従来的なシステムと比較して、複雑さを減少させた態様で、また、効率と有効性とを向上させた態様で、膝蓋骨の準備および/またはインプラントデバイスの位置決めに関する計画を容易としてもよい。例えば、上記のまたは以下の任意の例による手術計画プロセスは、医療従事者が、手術手順の計画時におよび/または実行時に、無効な膝蓋骨準備ステップを回避することを可能とし得るものであり、ならびに/あるいは、誤ったまたは効果のない膝蓋骨準備を回避することを可能とし得るものであり、これにより、時間と労力とを節約するとともに、患者の転帰を改良する。上記のまたは以下の例は、この文脈において限定されるものではない。従来的なシステムに対しての、追加的な技術的利点および技術的特徴は、本開示に基づき、当業者には明瞭であろう。
【0024】
本開示で説明する上記のまたは以下の例は、コンピューティング技術における改良を提供し得る。例えば、膝蓋骨の配置および/または準備を計画することに関する複雑さを管理することは、特に手術手順時の変更を管理することは、従来的なコンピュータ支援ツールを使用している医療専門家にとって、長期にわたって問題点となっていた。膝蓋骨の準備には、複数のパラメータ(例えば、深さ、角度、および/または同種のもの)が含まれるとともに、患者の解剖学的構造における他の部分に対する相互作用も含まれる。これらのパラメータは、例えば膝関節の適正な運動学の保持または回復などの手術目標を達成しようとする際に、外科医(または、他の医療従事者)が探索しなければならない多次元的で複雑な構成空間をもたらす。
【0025】
上記のまたは以下の任意の例によるコンピュータ支援手術計画プロセスは、例えば、限定するものではないが、膝蓋骨準備のより容易でより効率的な評価を容易とし得る膝蓋骨モデルを決定することによって、コンピューティング技術を向上させ得るものであり、これにより、例えば、既存のコンピューティングシステムを使用することでは利用できないような、膝蓋骨において実際に物理的準備を行うよりも前の時点での仮想視覚化を、可能とする。
【0026】
上記のまたは以下の任意の例による手術計画プロセスは、様々な実用的応用に対して適用されてもよい。例えば、膝蓋骨モデルは、外科医および/またはコンピューティングシステムが適用することで、手術計画が作成されてもよい。別の例では、膝蓋骨モデルは、外科医および/またはコンピューティングシステムが適用することで、関節形成術手順を実行することなど、患者に対して手術を実施してもよい。追加的な例では、手術計画プロセス(および、その膝蓋骨モデル)は、手術手順の計画および/または実行のために使用される手術システムハードウェア内へとならびに/あるいはハードウェア内へと組み込まれてもよい。上記のまたは以下の例は、この文脈において限定されるものではない。追加的な実用的応用は、本開示に基づき、当業者には明瞭であろう。
【0027】
本発明の上記のもしくは以下の例における少なくともいくつかに関する更なる特徴と利点とについて、ならびに、本発明の上記のもしくは以下の様々な例における構造と動作とについて、添付図面を参照しつつ、以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
ここで、例示として、開示するデバイスに関する様々な例について、添付図面を参照しながら説明する。
【0029】
【
図1】
図1は、本開示の一つまたは複数の特徴による膝蓋骨クランプの一例に関する側面図を図示しており、膝蓋骨クランプは、ハンドルアセンブリと、クランプアセンブリと、ラチェットアームアセンブリと、を含む。
【0030】
【
図2】
図2は、
図1に示す膝蓋骨クランプに関する分解斜視図を図示している。
【0031】
【
図3】
図3は、患者の膝蓋骨に係合したクランプアセンブリに関する平面図を図示している。
【0032】
【
図4】
図4は、ラチェットアームアセンブリに関する側面図を図示している。
【0033】
【
図5】
図5は、クランプアセンブリを水平方向から90度だけ回転させた状態で、
図1に示す膝蓋骨クランプに関する側面図を図示している。
【0034】
【
図6】
図6は、クランプアセンブリを水平方向から45度だけ回転させた状態で、
図1に示す膝蓋骨クランプに関する端面図を図示している。
【0035】
【
図7】
図7は、本開示の一つまたは複数の特徴による追跡型膝蓋骨クランプの一例に関する斜視図を図示している。
【0036】
【
図8A】
図8A、
図8B、および
図8Cは、本開示の一つまたは複数の特徴による、膝蓋骨に係合した
図7に示す追跡型膝蓋骨クランプに関する様々な図を図示している。
【0037】
【
図9】
図9は、本開示の一つまたは複数の特徴による、関節置換手術を計画して実行するためのシステムを動作させるための環境を図示した図である。
【0038】
【
図10】
図10は、本開示の一つまたは複数の特徴による、コンピュータ支援手術システムおよび/またはロボット手術システムと共に使用するための例示的な追跡アレイを図示している。
【0039】
【
図11】
図11は、本開示の一つまたは複数の特徴による、手術計画プロセスを実行するためのシステムを図示したブロック図である。
【0040】
【
図12】
図12は、本開示の一つまたは複数の特徴による、手術計画プロセスを実行するための例示的なグラフィカルユーザインターフェースを図示している。
【0041】
【
図13A】
図13A、
図13B、および
図13Cは、本開示の一つまたは複数の特徴による、膝蓋骨準備部材を有した追跡型膝蓋骨クランプの一例に関する様々な図を図示している。
【0042】
図面が、必ずしも縮尺通りではないこと、また、開示する例が、時には概略的に部分的な図示として例示されていることは、理解されよう。特定の実例では、開示する方法およびデバイスの理解のために必要ではない細部については、また、他の細部をわかりにくくするような細部については、省略されている場合がある。また、本開示が、本明細書に例示した特定の例に限定されるものではないことは、理解されよう。図面では、別のことが注記されない限り、図面の全体を通して、同様の参照符号は、同様の部材を指している。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下においては、整形外科コンピュータ支援手術システムおよび/またはロボット手術システム内で使用されるように配置されて構成された膝蓋骨クランプに関する様々な特徴について、また同種のものについて、膝蓋骨クランプの一つまたは複数の特徴が図示されて説明されることとなる添付図面を参照して、より詳細に説明する。様々な特徴が互いに独立して使用され得ることは、また、様々な特徴どうしが組み合わせて使用され得ることは、理解されよう。本明細書で開示するような膝蓋骨クランプが、多くの異なる形態で具現され得るとともに、本明細書に記載された例に限定されるものとして解釈されるべきではないことは、理解されよう。むしろ、これらの例は、本開示が当業者に対して膝蓋骨クランプの特定の特徴を伝えることとなるよう、提供されている。
【0044】
本明細書で説明するように、本開示の一つまたは複数の特徴によれば、膝蓋骨クランプは、患者の膝蓋骨を把持するように配置されて構成されたような、クランプまたは把持または切除のためのアセンブリ(本明細書では、限定することを意図することなく、互換的に使用される用語)と、患者の膝蓋骨まわりにおいてクランプアセンブリを調節したり移動したり等々するように配置されて構成されたような、ハンドルアセンブリ、トリガ、アームアセンブリ、ピストルグリップ、等(本明細書では、限定することを意図することなく、互換的に使用される用語)と、を含む。使用時には、クランプアセンブリは、ハンドルアセンブリに対して移動可能に調節可能であるように配置されて構成されている。例えば、上記のまたは以下の任意の例では、クランプアセンブリは、長手方向軸線まわりに回転するように配置されて構成されてもよく、これにより、使用時には、ハンドルアセンブリを回転駆動することで、視界の拡大および/または作業空間の拡大を提供し得るものとされている。
【0045】
追加的に、および/または代替的に、本開示の一つまたは複数の特徴によれば、膝蓋骨クランプは、特に、膝蓋骨に関する、またその結果として生じる膝蓋骨の準備ステップに関する、モデル化、視覚化、および/または同種のもの、を可能とするよう、コンピュータ支援手術システムおよび/またはロボット手術システムと共に膝蓋骨クランプが使用され得るように動作する一つあるいは複数の追跡部材を、含んでもよい。
【0046】
ここで、
図1および
図2を参照して、本開示の一つまたは複数の特徴による膝蓋骨クランプ100の一例について、図示して説明する。図示のように、膝蓋骨クランプ100は、ハンドルアセンブリ110と、クランプアセンブリ130と、を含む。図示のように、上記のまたは以下の任意の例では、ハンドルアセンブリ110は、第一アーム112および第二アーム114を含む。上記のまたは以下の任意の例では、第二アーム114は、移動可能とされ得るものであり、第一アーム112は、静止したものとされ得るものであるけれども、他の構成も想定され、それは、例えば、第一アーム112および第二アーム114の両方が互いに対して移動可能とされているような場合などである。上記のまたは以下の任意の例では、第二アーム114は、ピボットピン116を介して、第一アーム112に結合されてもよい。当業者であれば容易に理解されるように、このように構成されることで、使用時には、ユーザは、第二アーム114を第一アーム112に向けて絞り込むことにより、以下でより詳細に説明するように、クランプアセンブリ130を、患者の膝蓋骨まわりにおいて、移動したり、調節したり、および/またはクランプしたり、する。このように、図示のように、ハンドルアセンブリ110は、ピストルグリップの形態とされ得るものであるけれども、ハンドルアセンブリ110は、現時点で知られているようなまたは今後開発されるような任意の他の適切な機構で提供されてもよい。このように、本開示は、明示的に主張されない限り、いかなる特定のタイプのハンドルアセンブリにも限定されるべきではない。
【0047】
図示のように、上記のまたは以下の任意の例では、クランプアセンブリ130は、第一膝蓋骨把持部分132および第二膝蓋骨把持部分134を含む。上記のまたは以下の任意の例では、第一膝蓋骨把持部分132および第二膝蓋骨把持部分134は、第二膝蓋骨把持部分134が第一膝蓋骨把持部分132に対して移動可能に位置決めされる態様で、対向した係合関係で配置して構成することができる。例えば、第二膝蓋骨把持部分134は、ハンドルアセンブリ110の駆動によって第一膝蓋骨把持部分132に向けて移動するように、配置して構成することができる。そのように配置された状態では、
図3を追加的に参照すると、ユーザは、第二膝蓋骨把持部分134を第一膝蓋骨把持部分132に向けて駆動することで、それら膝蓋骨把持部分どうしの間に位置決めされた患者の膝蓋骨Pを捕捉することができる。加えて、上記のまたは以下の任意の例では、
図3および
図5に最も明瞭に示すように、第一膝蓋骨把持部分132および第二膝蓋骨把持部分134は、歯、スパイク、鋸歯、等136(本明細書では、限定することを意図することなく、互換的に使用される用語)を含んでもよく、これにより、患者の膝蓋骨Pを捕捉または把持する。上記のまたは以下の任意の例では、第一膝蓋骨把持部分132および第二膝蓋骨把持部分134は、様々なサイズの膝蓋骨を把持するために、約60mmの開口(例えば、第一膝蓋骨把持部分132と第二膝蓋骨把持部分134との間の距離)を提供するように配置されて構成され得るけれども、これは、一つの構成であり、他の寸法が使用されてもよい。
【0048】
このように、
図3を参照すると、使用時には、第一膝蓋骨把持部分132は、それに関連した歯136を使用して、患者の膝蓋骨Pを保持することができる。その後、ハンドルアセンブリ110を駆動することにより、第二膝蓋骨把持部分134を、患者の膝蓋骨Pに向けて駆動することで、患者の膝蓋骨Pを、第二膝蓋骨把持部分134に対して関連した対向歯136によって、係合することができる。図示のように、上記のまたは以下の任意の例では、鋸刃142が、第一膝蓋骨把持部分132の側方から挿入されてもよい。例えば、鋸刃142は、専用の切断スロットを通して進入させてもよい、あるいは、第一膝蓋骨把持部分132の面上に載置してもよい。使用時には、鋸刃142を使用することにより、患者の膝蓋骨Pの一部を切断または切除してもよい(例えば、患者の膝蓋骨Pの後面を切断してもよい)。
【0049】
図示のように、上記のまたは以下の任意の例では、ハンドルアセンブリ110は、ラチェットアームアセンブリ150によって、クランプアセンブリ130に結合され得るけれども、ハンドルアセンブリ110が、現時点で知られているようなまたは今後開発されるような他の適切な機構によって、クランプアセンブリ130に結合され得ることが想定される。使用時には、ラチェットアームアセンブリ150は、ハンドルアセンブリ110の駆動をクランプアセンブリ130に対して伝達するように配置されて構成されており、これにより、当業者であれば理解されるように、ハンドルアセンブリ110の駆動により(例えば、ユーザが第一アーム112および第二アーム114を絞り込むことで、第二アーム114が第一アーム112に向けて駆動されることにより)、第二膝蓋骨把持部分134が第一膝蓋骨把持部分132に向けて駆動され、これにより、例えば、第一膝蓋骨把持部分132と第二膝蓋骨把持部分134との間に位置決めされた患者の膝蓋骨Pに係合することとなる。
【0050】
上記のまたは以下の任意の例では、
図4を参照すると、ラチェットアームアセンブリ150は、ラチェットアーム152を含み、このラチェットアーム152は、第一端部154と、第二端部156と、これら第一端部154と第二端部156との間に位置決めされた複数の歯158と、を有している。ラチェットアームアセンブリ150は、また、レバー160(
図1および
図2)と、ブッシング170と、を含んでもよい。使用時には、レバー160は、ラチェットアーム152上に形成された歯158に対して接触した状態で、ラチェットアーム152上へと取り付けられる。使用時には、当業者であれば容易に理解されるように、ハンドルアセンブリ110の駆動により、レバー160の下部が、ラチェットアーム152の第二端部156に向けて、押し込まれる。レバー160は、続いて、ラチェットアーム152上の複数の歯158に係合および/または相互作用することで、ラチェットアーム152を、第二端部156に向けて遠位方向に並進移動させる。
【0051】
図1、
図2、および
図4を参照すると、ラチェットアーム152は、このラチェットアーム152の第二端部156に結合されたまたは関連した係合部材(例えば、第一係合部材)180を含む。使用時には、係合部材180が、ラチェットアーム152に対して回転不可能に結合されているため、係合部材180は、ラチェットアーム152の長手方向軸線C
Lまわりに回転することがない。同様に、図示のように、第二膝蓋骨把持部分134は、係合部材(例えば、第二係合部材)182を含む。使用時には、第一係合部材180および第二係合部材182は、係合特徴を有した係合面を含む。使用時には、第二膝蓋骨把持部分134に関連した第二係合部材182の係合面上における係合特徴は、ラチェットアーム152の第一係合部材180の係合面上における係合特徴に対して、結合するように配置されて構成されている。例えば、上記のまたは以下の任意の例では、係合特徴は、互いに係合するように配置されて構成されたような、複数の対応した隆起特徴および凹所特徴として(例えば、複数のオス型の係合突起および複数のメス型の係合突起、ならびに複数の凹所として)、提供されてもよい。例えば、隆起特徴は、実質的に半球状とされ得るけれども、特徴に関する厳密な形状および厳密な数は、重要ではないため、隆起特徴は、限定するものではないが係合歯または同種のものなどの、代替可能な形態で提供されてもよい。追加的に、係合特徴は、隆起特徴および凹所特徴に限定されるものではなく、例えば、ハース(Hirth)カップリング、ボールプランジャ、スプライン付きカップリング、あるいは、第一係合部材と第二係合部材とに関する選択的な係合および回転を可能とする任意の他のタイプをなす機械的連結や機械的構成を含めて、現時点で知られているようなまたは今後開発されるような任意の他の適切な形態で提供されてもよい。
【0052】
例えば、上記のまたは以下の任意の例では、第一係合部材180の係合面は、径方向パターンで配置された一連の戻り止めを含んでもよい。第二係合部材182の係合面上における係合特徴は、径方向パターンで配置された一連の突起を含んでもよい。代替的には、回り止めが、第二係合部材182上に位置してもよく、突起が、第一係合部材180上に位置してもよい。使用時には、突起が、一連の戻り止めに対して選択的に係合することで、第二係合部材182の位置を、ひいては第二膝蓋骨把持部分134の位置を、第一係合部材180に対して、ひいてはラチェットアーム152およびハンドルアセンブリ110に対して、固定する。
【0053】
上記のまたは以下の任意の例では、ラチェットアーム152に関連した第一係合部材180は、締結部材194(
図1および
図2)に係合するための内部ネジ山付き穴を含んでもよい。第二膝蓋骨把持部分134に関連した第二係合部材182は、内部を通して締結部材194を挿通させ得るように配置されて構成された貫通穴を含み、これにより、締結部材194は、ラチェットアーム152の第一係合部材180のネジ山付き穴192に対して、螺着的に係合され得るものとされる。
【0054】
図示のように、上記のまたは以下の任意の例では、上述したように、ラチェットアームアセンブリ150は、また、ブッシング170を含んでもよい。使用時には、ブッシング170は、ラチェットアーム152上へと取り付けられている(例えば、ブッシング170は、内部を通してラチェットアーム152を挿通させ得るように配置されて構成された開口を含む)。使用時には、ブッシング170は、ラチェットアーム152の長手方向軸線CLまわりに、自由に回転する。追加的に、ブッシング170は、ラチェットアーム152に対して、自由に並進移動する。使用時には、ブッシング170は、第一膝蓋骨把持部分132に結合される、あるいは、第一膝蓋骨把持部分132に関連したものとされる。このように、使用時には、ブッシング170は、第一膝蓋骨把持部分132を、ラチェットアーム152に結合する。このように構成されることで、使用時には、ハンドルアセンブリ110の駆動により、第一係合部材180および第二係合部材182が、ラチェットアーム152の第二端部156に向けて遠位方向に駆動される。加えて、第二膝蓋骨把持部分134が、第二係合部材182に結合されていることにより、第二膝蓋骨把持部分134は、遠位方向に駆動される。しかしながら、第一膝蓋骨把持部分132は、ラチェットアーム152まわりに自由に回転するとともにラチェットアーム152に沿って自由に並進移動するブッシング170を介して、ラチェットアームアセンブリ150に結合されていることにより、第一膝蓋骨把持部分132は、静止したままとされ、ラチェットアーム152に対して移動することがない。
【0055】
図2に最も明瞭に示すように、ラチェットアームアセンブリ150は、また、第一付勢部材198を含んでもよく、この第一付勢部材198は、締結部材194の拡大ヘッド部分と、第二膝蓋骨把持部分134に関連した第二係合部材182と、の間において、締結部材194まわりに位置決めされている。この特定の例では、締結部材194は、ラチェットアーム152の第二端部156上に、第一付勢部材198と第二係合部材182とを保持する。このように構成されることで、コイルスプリングの形態とされ得る第一付勢部材198は、第二膝蓋骨把持部分134に関連した第二係合部材182を、ラチェットアーム152に関連した第一係合部材180に対して当接させるように、付勢する。使用時には、ユーザは、第一係合部材180を、把持したり保持したり等々することで、第一付勢部材198の付勢力に抗して第二係合部材182を引っ張り、これにより、第一係合部材180上の係合特徴と、第二係合部材182上の係合特徴とを、係合解除してもよいまたは分離してもよい(例えば、第二係合部材182を、第一係合部材180およびハンドルアセンブリ110から離間するように、駆動する)。その後、第二係合部材182が第一係合部材180から分離された状態で、ハンドルアセンブリ110を、ラチェットアーム152の長手方向軸線C
Lまわりに、第一膝蓋骨把持部分132および第二膝蓋骨把持部分134に対して(例えば、クランプアセンブリ130に対して)回転駆動することができる。第一膝蓋骨把持部分132および第二膝蓋骨把持部分134が(例えば、クランプアセンブリ130が)所望の向きへと到達した後に、ユーザは、第二係合部材182を解放することで、第一付勢部材198の付勢力により、第二係合部材182を、第一係合部材180に係合させ得る(例えば、第二係合部材182および第一係合部材180は、係合関係へと戻るように、一緒に付勢され得る)。このように構成されることで、
図5を参照すると、本開示の特徴によれば、クランプアセンブリ130(例えば、第一膝蓋骨把持部分132および第二膝蓋骨把持部分134)を、ハンドルアセンブリ110に対して回転駆動することができる。例えば、図示のように、クランプアセンブリ130(例えば、第一膝蓋骨把持部分132および第二膝蓋骨把持部分134)は、水平方向から約90度の向きとすることができる。
【0056】
加えて、
図6を参照すると、第二係合部材182を第一係合部材180から係合解除することにより、クランプアセンブリ130(例えば、第一膝蓋骨把持部分132および第二膝蓋骨把持部分134)を、ラチェットアーム152の長手方向軸線C
Lに対して、回転駆動したり角度配向させたり等々することができる。図示のように、例えば、クランプアセンブリ130(例えば、第一膝蓋骨把持部分132および第二膝蓋骨把持部分134)は、ラチェットアーム152の長手方向軸線C
Lから、約45度の向きとすることができる。
【0057】
図1および
図2を参照すると、上記のまたは以下の任意の例では、第一膝蓋骨把持部分132は、切断スロット140を含んでもよい。図示のように、切断スロット140は、第一膝蓋骨把持部分132まわりにおいて周方向に延びてもよい(例えば、切断スロット140は、第一膝蓋骨把持部分132の周縁まわりに延びてもよい)。例えば、切断スロット140は、約270度にわたって延び得るけれども、これは、一つの例であり、切断スロット140は、これよりも大きい角度にわたってまたはこれよりも小さい角度にわたって延びてもよい。使用時には、切断スロット140は、特許の膝蓋骨の一部を切除するために、鋸刃142(
図4)を受領するように配置されて構成されている。
【0058】
膝蓋骨クランプ100に関する追加的な説明および追加的な特徴は、「Patella Clamp」と題して2021年6月3日付けで出願された米国特許出願公開第2021/0378683号明細書に見出すことができ、この文献の全内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0059】
上記のまたは以下の任意の例では、方法、システム、装置、デバイス、および/またはこれらの組合せは、コンピュータ支援手術システムおよび/またはロボット手術システム(あるいは、コンピュータ支援手術システム(CASS))のための手術計画プロセスを提供してもよい。手術計画プロセスは、インプラント手術の少なくとも一部に関する手術計画を作成することを含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例では、インプラント手術の一部は、膝蓋骨準備プロセスおよび/またはインプラント設置手順とされてもよい、あるいは、そのようなプロセスおよび/または手順を含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例では、膝蓋骨準備プロセスは、膝蓋骨を、コンピュータ支援手術システムおよび/またはロボット手術システム(ならびに/あるいは、コンピュータ支援手術システムおよび/またはロボット手術システムに関連したコンピューティングデバイス)に対して膝蓋骨情報を提供するように構成された一つあるいは複数の追跡部材に対して、関連付けることを含んでもよい。膝蓋骨情報は、限定するものではないが、配向、位置、寸法、および/または同種のもの、を含んでもよい。
【0060】
上記のまたは以下の任意の例では、膝蓋骨準備プロセスは、膝蓋骨情報に基づいて膝蓋骨の視覚的表現を生成することを含んでもよい。視覚的表現に関する非限定的な例は、コンピューティングデバイスのディスプレイを介して表示され得る二次元(2D)および/または三次元(3D)グラフィカルユーザインターフェース(GUI)オブジェクトを含めた、グラフィカルモデルを含んでもよい。
【0061】
一般に、外科医は、現在行っている膝蓋骨準備ステップ(例えば、膝蓋骨の切断平面)の結果を認識しておらず、これらは、典型的には、フリーハンドで、または切除器具を使用して、行われる。しかしながら、外科医は、自身が作製する平面または他の準備に、必ずしも自信を持っているわけではない。したがって、コンピュータ支援機能および/またはロボット機能を使用した膝蓋骨準備プロセスならびに対応したクランプにより、外科医は、切断または他の膝蓋骨の準備を行うよりも前に、結果を確認することが可能とされることとなる。
【0062】
本開示の一つまたは複数の特徴によれば、
図7を参照すると、膝蓋骨クランプ100は、一つまたは複数の追跡フレーム300を含む「追跡型膝蓋骨クランプ」の形態とされてもよい。上記のまたは以下の任意の例では、追跡フレーム300は、コンピュータ支援手術システムおよび/またはロボット手術システム(例えば、
図14を参照されたい)において、患者の一部(例えば、膝蓋骨)に関して、追跡、ナビゲーション、配向の決定、位置の決定、および/または同種のもの、を提供するように動作可能な、デバイス、センサ、および/または同種のもの、からなる複数の追跡部材301または追跡部材アレイを含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例では、追跡部材301は、基準点マーカ、マーカ、追跡器、センサ、および/または同種のもの(本明細書では、限定することを意図することなく、互換的に使用される用語)であってもよい、あるいは、それらを含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例では、追跡フレーム300および/または追跡部材301は、追跡フレーム300および/または追跡部材301によって検出された情報を、例えばコンピューティングデバイスに対して、送信するように構成された一つあるいは複数のトランシーバ(例えば、無線送信デバイス)とされてもよい、そのようなトランシーバを含んでもよい、ならびに/あるいは、そのようなトランシーバに結合されてもよい。
【0063】
上記のまたは以下の任意の例では、追跡フレーム300および/または追跡部材301は、クランプアセンブリ130に結合されてもよく、その結果、膝蓋骨に対して静止したままとされてもよい。上記のまたは以下の任意の例では、追跡フレーム300および/または追跡部材301は、ハンドルアセンブリ110に結合されてもよく、その結果、ハンドルアセンブリ110と共に回転するように構成されてもよい。このような「回転する」例では、追跡部材は、クランプアセンブリ130に対しておよび/または膝蓋骨に対して関連付けられることで、追跡フレーム300および/または追跡部材301に関する基準(または「三角測量」)が提供されてもよく、これにより、追跡情報が、収集され得るとともに、すべての可能な回転方向において正しいものとされることができる。別の「回転する」例では、追跡フレーム300および/または追跡部材301の実際の位置に対応するように追跡情報をフォーマットするために、オフセット(例えば、ハンドルアセンブリ110の位置に基づく)が決定されてもよい。
【0064】
上記のまたは以下の任意の例に従って構成された追跡型膝蓋骨クランプにより、外科医は、コンピュータ支援手術技術および/またはロボット手術技術と組み合わせて、リーマ、鋸刃、および/または他の準備ツールを使用する能力が可能とされてもよい。例えば、追跡型膝蓋骨クランプの切除ジョーに対して追跡器を取り付けることで、外科医は、あらゆる切断または他の準備ステップを行うよりも前に、膝蓋骨上における平面切断(および/または、他の膝蓋骨準備)を、また、大腿骨(ならびに/あるいは、他の解剖学的構造、および/または、インプラント構成要素などの構成要素)に対する相互作用を、視覚化し得るものとされてもよい。
【0065】
上記のまたは以下の任意の例では、マーカ301は、膝蓋骨クランプ100の様々な部分に結合される。例えば、マーカ301は、前顎セクション(例えば、第一膝蓋骨把持部分132)に対して寸法的に連結され得るものであり、それは、前顎セクションが固定されるものであるからであり、また、後顎セクション(例えば、第二膝蓋骨把持部分134)が並進移動するものであるからである。マーカ301(および/または、
図7には示されていない追加的なマーカ)は、限定するものではないが、第一膝蓋骨把持部分132、第二膝蓋骨把持部分134、ハンドルアセンブリ、および/または同種のものを含めた、膝蓋骨クランプの任意の部分に対して取り付けられてもよい。
【0066】
図8A、
図8B、および
図8Cは、膝蓋骨Pに係合した
図7に図示した追跡型膝蓋骨クランプ100の一例に関する様々な図を図示しており、より具体的には、膝蓋骨クランプ100に関する、それぞれ、側面図、正面図、および平面図を図示している。
図8Aを参照すると、高位置ポイント切断平面801と、初期的切断平面または鋸スロット切断平面802と、手動で選択された高位置ポイント(例えば、ロボット手術システムのために)と、を含めた、膝蓋骨クランプ100に関連した膝蓋骨準備プロセスおよび/または膝蓋骨準備構成が提供されている。
図8Bを参照すると、高位置ポイントからの傾斜平面に関する入力のための、または高位置ポイント804からの傾斜平面に関する入力第二ポイントのための、膝蓋骨クランプ100に関連した膝蓋骨準備プロセスおよび/または膝蓋骨準備構成と、傾斜平面805のための手動で選択された第二第二高位置ポイントと、が図示されている。
図8Cを参照すると、例えば膝蓋骨インプラントの中心点をマークするために、貫通穴806のための、膝蓋骨クランプ100に関連した膝蓋骨準備プロセスおよび/または膝蓋骨準備構成が図示されている。上記のまたは以下の任意の例では、例えば切削または他の準備プロセスのために、シースルーテンプレート807を使用することで、膝蓋骨Pを位置決め/サイズ決めして、ロボット手術システムのための中心点をマークしてもよい。
【0067】
上記のまたは以下の任意の例では、追跡型膝蓋骨クランプ100により、膝蓋骨の特性を、決定すること、追跡すること、監視すること、および/または同種のことが可能とされてもよい。膝蓋骨の特性に関する非限定的な例は、位置、配向、寸法(例えば、厚さ)、準備部材(例えば、リーマ加工穴の深さ、周縁、および/または同種のもの)、ならびに/あるいは同種のもの、を含んでもよい。
【0068】
上記のまたは以下の任意の例では、追跡部材301は、患者の、大腿骨などの他の部分に配置されたマーカと比較して、3D追跡などの追跡を可能としてもよい(例えば、
図10を参照されたい)。部材301は、光学追跡ユニットによって追跡されてもよい。コンピューティングデバイス(例えば、
図9を参照されたい)は、膝蓋骨の解剖学的特徴(例えば、幅、高さ、厚さ、内側面の厚さ、外側面の厚さ、等)を調査することによって、シミュレートされた膝蓋骨(「膝蓋骨モデル」)を生成することが可能とされてもよい(例えば、
図12を参照されたい)。このように調査された領域は、患者上における、大腿骨などの、既に調査済みの領域に対して、リンクされてもよい。マーカ301および関連した患者情報を使用することにより、術後の膝蓋大腿追跡に関する情報を、外科医または他のユーザに対して伝えてもよい。
【0069】
図9を参照すると、コンピュータ支援システムおよび/またはロボットシステムを使用して手術手順を実行するためのシステム900の一例示が図示されている。上記のまたは以下の任意の例では、システム900は、無画像(例えば、CTレス)システムであってもよい、あるいは、そのようなシステムを含んでもよい。他の例では、システム900は、診断画像データに基づいた画像ベースのシステムであってもよい、あるいは、そのようなシステムを含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例では、システム900は、無画像プロセスと画像ベースプロセスとの組合せを使用して、動作してもよい。上記のまたは以下の例は、この文脈において限定されるものではない。
【0070】
システム900は、関連した追跡フレーム955(追跡アレイ955とも称される)を有した手術用切断ツール950と、グラフィカルユーザインターフェース930と、追跡システム940と、患者追跡フレーム920(例えば、一つまたは複数の、追跡器、追跡アレイ、および/または同種のもの)と、を含んでもよい。図示は、また、内部を通して例えば膝の再手術が行われ得る切開口910を含む。
【0071】
一例では、図示のロボット手術システム900は、例えば米国テネシー州コルドバ所在のSmith&Nephew,Inc.によるCori(登録商標)および/またはNavio(登録商標)手術システムと同一または同様の、手持ち式のコンピュータ制御手術ロボットシステムを図示している。システム900は、ロボットコントローラに結合された追跡システム940または他のタイプの追跡システムを使用することで、手持ち式手術器具を追跡して制御してもよい。例えば、追跡システム940は、手術器具950に結合された追跡アレイ955を追跡することで、また、患者に結合された追跡アレイ920を追跡することで、標的骨に対する器具の位置を追跡する(例えば、
図9を参照されたい)。
【0072】
図10を参照すると、
図9のコンピュータ支援システムおよび/またはロボットシステム900と共に使用するための例示的な追跡アレイ920が図示されている。
図10に示すように、追跡アレイ920は、膝手順における、例えば大腿骨Fおよび/または脛骨Tなどの標的骨に対する、器具または手術デバイスの位置を追跡するために、ポストまたはマウント405を介して患者の骨に結合された追跡アレイ400を含んでもよい。追加的に、追跡アレイ300は、膝蓋骨クランプ100を介して、膝蓋骨Pに対して関連付けされてもよい。
【0073】
追跡器301および/または401は、コンピュータ支援手術システムおよび/またはロボット手術システムの追跡システム(
図9の追跡システム940など)に対して相互作用することで、コンピュータ支援手術システムおよび/またはロボット手術システムに対して、患者の解剖学的構造に関連した位置、配向、および/または同種のものを提供し得るような、任意のタイプのデバイス、センサ、通信部材、および/または同種のもの、を含んでもよい。追跡器301および/または401に関する例示的なかつ非限定的な例は、赤外線源、無線周波数(RF)源、超音波源、無線送信機、および/または同種のもの、を含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例では、追跡器301は、光学追跡システムと共に使用されるように構成された赤外線追跡器を含んでもよい。上記のまたは以下の例は、この文脈において限定されるものではない。
【0074】
図11は、一例による手術手順を計画および/または実行するための動作環境1100を図示したブロック図である。手術手順に関する非限定的な例は、整形外科的手順または関節形成術を含んでもよい。
【0075】
図11に示すように、動作環境1100は、手術システム1130を含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例では、手術システム1130は、通信インターフェース(例えば、トランシーバ)1160を介してネットワーク1190に対して通信可能に結合されたコンピューティングデバイス1110を含んでもよい。コンピューティングデバイス1110は、限定するものではないが、サーバコンピュータ、クライアントコンピューティングデバイス、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーション、ラップトップ、ノートブックコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピューティングデバイス、および/または同種のものを含めた、一つまたは複数のロジックデバイスであってもよい、あるいは、そのようなロジックデバイスを含んでもよい。
図11には、単一のコンピューティングデバイス1110が図示されているけれども、上記のまたは以下の例は、そのように限定されるものではなく、それは、手術システム1130が、複数のコンピューティングデバイス1110を含み得るからであり、および/または複数のコンピューティングデバイス1110に対して動作可能に通信し得るからであり、また、上記のまたは以下の任意の例による手術計画プロセスが、複数のコンピューティングデバイス1110を使用して実行され得るからである。加えて、
図11に図示したコンピューティングデバイス1110における構成要素は、複数の異なるコンピューティングデバイスの内部に配置されてもよい。上記のまたは以下の任意の例では、手術システム1130は、
図9のシステム900であってもよい、あるいは、その一部であってもよい。上記のまたは以下の例は、この文脈において限定されるものではない。
【0076】
上記のまたは以下の任意の例では、手術システム1130は、制御システム(例えば、システム900)として動作するようなまたはその一部として動作するような、追跡システム940として動作するようなまたはその一部として動作するような、手術器具950として動作するようなまたはその一部として動作するような、ならびに/あるいは同種のものとして動作するようなまたはその一部として動作するような、コンピューティングデバイス1110を含んでもよい。任意選択的に、上記のまたは以下の任意の例では、手術システム1130は、また、ディスプレイデバイス1172および/または一つもしくは複数のデータソース(例えば、データベース)1130a~1130nを含んでもよい、あるいは、それらに対して動作可能に結合されてもよい。上記のまたは以下の任意の例では、ディスプレイデバイス1172および/またはデータベース1130a~1130nは、手術器具1150のナビゲーションおよび制御を提供するために使用されてもよく、この場合、ナビゲーションおよび制御は、整形外科的な(または、同様の)人工インプラント手術などの関節形成手順時に使用され得るような、切断ツール、点状プローブ、切削部材、骨鋸、リーマ、または他のツール/器具、に関するナビゲーションおよび制御を含んでもよい。
【0077】
制御システム1110は、追跡システム930から受領した情報を調整するように構成されているとともに手術器具950に対して制御を提供するように構成されているような、一つまたは複数のコンピューティングデバイスを含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例では、制御システム1110は、計画モジュール1112と、ナビゲーションモジュール1114と、制御モジュール1116と、通信インターフェース1170と、を含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例では、計画モジュール1112は、患者上でのインプラント手順時に膝蓋骨を(および、膝関節の他の部分を)再形成するよりも前に、外科医または他の医療専門家が手順を仮想的に計画することを可能とする術前計画サービスを提供してもよい。
【0078】
一例では、全膝関節形成術(TKA)手順の場合などでは、計画モジュール1112は、膝蓋骨の仮想モデル(「膝蓋骨モデル」)を生成および/または提示するために使用されてもよい。膝蓋骨モデルは、仮想インプラントホストモデル(例えば、「膝関節モデル」)および/または仮想インプラントデバイス(「インプラントモデル」)を参照して、操作されてもよい(例えば、
図12を参照されたい)。
【0079】
上記のまたは以下の任意の例では、インプラントホスト(例えば、膝蓋骨および/またはその構成要素を含めて、修正されるべき関節)に関する仮想モデルは、光学追跡システム940によって追跡される点状プローブまたは同様の器具を使用することにより、作製されてもよい。制御システム1110は、例えば計画モジュール1112を介して、膝蓋骨の面からデータ(膝蓋骨情報)を収集することにより、患者の実際の解剖学的構造に関する仮想モデルの形態で膝蓋骨モデルを作製するために、使用されてもよい。この方法は、とりわけ、患者の実際の膝蓋骨から収集したデータを使用することにより、計画プロセスの精度を向上させ得るものであり、これにより、とりわけ、膝蓋骨の正確なおよび/または反復的な再形成を可能とすることで、新たな人工インプラントの適正な適合を確保するとともに、解剖学的位置合わせの最適化を確保する。膝蓋骨モデルは、限定するものではないが、幅、高さ、最大厚さ、内側面の厚さ、外側面の厚さ、骨の品質、最高位置ポイント、最低位置ポイント、および/または同種のものを含めた膝蓋骨情報に基づいて、生成されてもよい。
【0080】
一例では、ナビゲーションモジュール1114は、インプラント、インプラントホスト(例えば、患者の膝蓋骨、大腿骨、脛骨、および/または同種のもの)、ならびに/あるいは手術器具950に関する、位置と配向との追跡を調整してもよい。特定の例では、ナビゲーションモジュール1114は、また、計画モジュール1112内で術前計画時にまたは術中計画時に使用される仮想モデル(例えば、膝蓋骨モデル)の追跡を調整してもよい。仮想モデルを追跡することは、追跡システム940を介して得られたデータの使用により、インプラントホストに対する仮想モデルの位置合わせ、予測性能情報の生成、などの操作を含んでもよい。これらの例では、ナビゲーションモジュール1114は、手術器具150についてのおよび患者の膝蓋骨についての、物理的位置と配向とに関して、追跡システム940から入力を受領する。インプラントホストの追跡は、追跡アレイ300および/または400などを使用して、複数の個々の骨構造を追跡することを含んでもよい。例えば、TKA手順時には、追跡システム940は、膝蓋骨に係合した追跡デバイス300を使用して、膝蓋骨を追跡してもよい(例えば、
図10に図示するように)。
【0081】
一例では、制御モジュール1116は、ナビゲーションモジュール1114によって提供された情報を処理することで、ディスプレイ1172上に膝蓋骨情報を表示するための、および/または手術器具950を制御するための、制御信号を生成してもよい。特定の例では、制御モジュール1116は、また、ナビゲーションモジュール1114と協働することで、手術手順時に外科医を支援するための視覚的アニメーションを生成してもよい。視覚的アニメーションは、ディスプレイデバイス1172(例えば、
図12を参照されたい)などのディスプレイデバイスを介して、表示してもよい。一例では、視覚的アニメーションは、とりわけ、インプラント、膝蓋骨、大腿骨、脛骨、および/または手術器具950に関しての、リアルタイムでのまたは実質的にリアルタイムでの、3D表現を含んでもよい。
【0082】
図12は、本開示の一つまたは複数の特徴による、手術計画プロセスを実行するための例示的なグラフィカルユーザインターフェースを図示している。
図12に示すように、患者の解剖学的構造1260における膝蓋骨Pに関する仮想(例えば、仮想3D)表現などのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)オブジェクトとして構成された膝蓋骨モデル1250は、(例えば、ディスプレイ1172を介して)GUIインターフェース(ウィンドウまたはスクリーン)1205上に提示されてもよい。大腿骨構成要素1230および脛骨構成要素1231などの膝インプラント構成要素に関する仮想表現は、正面
図1220および側面
図1221などの様々な図示で提示されてもよい。上記のまたは以下の任意の例では、性能情報1210が、GUIインターフェース1205上に表示されてもよい。一般に、性能情報1210は、インプラント構成要素の構成に基づくおよび/または患者の解剖学的構造の準備に基づくインプラント性能の指標を提供するように構成された測定基準を含んでもよい。例えば、外科医は、膝蓋骨モデル1250の切断または他の準備を実装し得るとともに、予測された性能情報1210が提示されてもよい。
【0083】
図8Aおよび
図8Bを参照すると、膝蓋骨を追跡するために、アレイ300の外側に位置した追加的なマーカが使用されてもよい。上記のまたは以下の任意の例では、マーカ、センサ、追跡部材、および/または同種のものが、患者の、膝蓋骨、大腿骨、および/または他の部分における、様々な領域上に配置されてもよい。例えば、内部マーカ850が、例えば大腿骨溝内における膝蓋骨の位置に関する情報を得るために、膝蓋骨の一部に対して取り付けられてもよい。このようにして、膝蓋骨と大腿骨との相互作用が、GUIインターフェース1205上での膝蓋骨モデル1250を使用した視覚化のために、手術システム1130によって追跡されて決定されてもよい。別の例では、前方マーカまたは追跡部材が、膝蓋大腿シミュレーションのための情報を提供するために、例えば膝蓋骨の前方側上に配置されてもよい。
【0084】
上記のまたは以下の任意の例では、マーカ(反射式マーカなど)、センサ、追跡部材(「膝蓋骨追跡部材」)、および/または同種のものが、追跡情報を決定するよう、追跡部材301による使用のために、膝蓋骨上にまたは膝蓋骨の周囲に、配置されてもよい。追跡情報は、膝蓋骨情報を決定するために、コンピュータ支援手術システム(例えば、
図9を参照されたい)によって使用されてもよい。膝蓋骨追跡部材は、既知とされた、位置、場所、配向、および/または同種のもの、を有してもよい。
【0085】
上記のまたは以下の任意の例では、大腿骨および脛骨などの他の解剖学的領域も、また、例えば、矯正が必要であるかどうかを確認するための現状評価を外科医に対して提供するために、可動域シミュレーションの形態とされた性能情報1210を可能とするよう、調査してモデル化されてもよい。
【0086】
上記のまたは以下の任意の例では、膝蓋骨モデル1250は、切断および/または他の膝蓋骨準備ステップを視覚化するために生成されてもよい。例えば、外科医は、手術システム1130内へと、切断のタイプを入力してもよく(例えば、データ入力を介して、またはコンピュータ支援手術アプリケーションによる選択を介して)、切断の結果が、膝蓋骨モデル1250上に提示されてもよい。したがって、外科医は、患者上において実際に膝蓋骨準備ステップを行うよりも前に、GUIインターフェース1205を介して、膝蓋骨準備ステップの結果を視覚化してもよい。
【0087】
一例では、上記のまたは以下の任意の例による追跡型膝蓋骨クランプを使用して膝蓋骨追跡を行うことにより、外科医は、大腿骨と膝蓋骨との相互作用を追跡し得るものとされてもよい。例えば、手術システム1130は、GUIインターフェース1205を介して、膝蓋骨大腿骨溝内への直接的な膝蓋骨の配置を表示し得るとともに、外科医が患者の可動域を通して運動学(性能情報1210)を視覚化することを可能とし得るものとされてもよい。
【0088】
別の例では、外科医は、準備ステップ(例えば、膝蓋骨の一部から所定量を切削すること)の後に、膝蓋骨の特性(例えば、厚さ)を決定し得るものとされてもよい。
【0089】
追加的な例では、手術システム1130は、鋸および鋸ガイドの使用に代えて、切削部材の使用を容易としてもよい。例えば、手術システム1130は、どれだけの骨が除去されているかおよび/またはどれだけの骨が保持されているかについて、連続的に監視してもよい。外科医は、膝蓋骨の高さ位置を調査し得るとともに、どれだけの骨を残すかまたはどれだけの骨を除去するかについて、手術システム1130に対して指示してもよい。一つの実例では、平面的な切除の後に、膝蓋骨に関するペグ穴を、切削部材および/またはリーマによって形成することができ、その結果を、GUIインターフェース1205上で、膝蓋骨モデル1250を介して視覚化することができる。
【0090】
更なる例では、手術システム1130は、外科医に対して、例えば切除ガイドに対して取り付けられたコレットを介して、結果として得られる平面を示してもよい。この例では、適切な深さ係止部材を使用することで、深さが制御されてもよい。追跡器が、リーマに対してまたは他の準備ツールに対して取り付けられている場合には(例えば、
図13Bおよび
図13Cを参照されたい)、深さ制御は、コンピュータ支援手術アプリケーション1160を介して制御することができる。例えば、切除ガイドのマーカとリーマとの間の相違により、リーマ加工の深さを知ることができる。
【0091】
別の例では、外科医が、両凸形状の膝蓋骨インプラントを指定した場合、両凸面と膝蓋骨のペグホールとを、コンピュータ支援手術システムおよび/またはロボット手術システムを介して、自動的に切削することができる。
【0092】
図11に戻って参照すると、上記のまたは以下の任意の例では、通信インターフェース1170は、制御システム1110と外部システムおよびデバイスとの間の通信を容易としてもよい。通信インターフェース1170は、有線および無線のいずれに関する通信インターフェースも含み得るものであり、とりわけ、イーサネット、IEEE 802.11無線、またはブルートゥース、などを含んでもよい。
図11に示すように、この例では、通信インターフェース1170を介して接続された一次外部システムは、追跡システム940(これは、上記のまたは以下の任意の例による膝蓋骨追跡機能であってもよい、あるいは、そのような膝蓋骨追跡機能を含んでもよい)と、手術器具950と、を含んでもよい。図示していないけれども、他のデバイスの中でも、データベース1130a~1130nとディスプレイデバイス130とは、また、通信インターフェース1170を介して制御システム1110に対して接続されてもよい。一例では、通信インターフェース1170は、内部バス上において、制御システム1110内の他のモジュールに対しておよびハードウェアシステムに対して、通信する。
【0093】
上記のまたは以下の任意の例では、追跡システム940は、半能動型ロボット手術デバイスのナビゲーションおよび制御を支援するために、上記のまたは以下の任意の例による手術システム1130内に登録された膝蓋骨を含めて、手術デバイスに関するまたインプラントホストの解剖学的構造の一部に関する、位置情報および配向情報を提供してもよい。一つの例示的なかつ非限定的な例をなす追跡システム940は、本明細書で説明するような、OPTOTRAK(登録商標)3-D移動測定式および位置測定式の追跡システムであり得るけれども、当業者であれば、他の精度および/または他の解像度を有した他の追跡システムが使用され得ることは、理解されよう。
【0094】
一例では、外科医は、手術器具950を使用することで、人工インプラントに適合するように膝蓋骨を形成してもよい。例えば、制御手術システム1130は、膝蓋骨に関しての、正確な、切断、切削、リーマ加工、もしくは他の準備、を行うために、手術用切断器具を追跡して制御してもよい。上記のまたは以下の任意の例では、外科医は、GUIインターフェースを介して準備指示(膝蓋骨の頂部からXmmにわたって切断もしくは切削する、膝蓋骨の位置Z内へと距離Ymmにわたってリーマ加工する、および/または同種の加工を行う、など)を入力してもよく、手術システム1130は、対応したロボット手術ツールに対して制御信号を提供することで、患者の膝蓋骨上で準備指示を実装してもよい。
【0095】
上記のまたは以下の任意の例では、制御システム1110は、患者の仮想モデルもしくは解剖学的モデルを生成するように、および/または、そのようなモデルに対してアクセスするように、動作してもよい。例えば、制御システム1110は、「Systems and Methods for Planning and Performing Image Free Implant Revision Surgery」と題する米国特許出願公開第2019/0365474号明細書に記載されているようなおよび/または「Registration of Intramedullary Canal During Revision Total Knee Arthroplasty」と題するPCT国際出願第PCT/US2020/054231号に記載されているような方法と同一のあるいは同様とされる解剖学的モデル生成プロセスを介して、患者の解剖学的モデルを生成するように動作してもよく、これら両方の文献は、本明細書にそれらの全体が記載されているかのようにして、参照により本開示に援用される。上記のまたは以下の例は、この文脈において限定されるものではない。例えば、上記のまたは以下の任意の例による手術計画プロセスは、本開示で説明する上記のまたは以下の任意の例によって動作し得る様々な他のプロセス(例えば、画像ベースのプロセス)を介して作製される解剖学的モデルを生成してもよい、ならびに/あるいは、そのような解剖学的モデルに対してアクセスしてもよい。
【0096】
解剖学的モデルは、例えば、Cori(登録商標)手術システムおよび/またはNavio(登録商標)手術システムで提供される患者の解剖学的構造に関するコンピュータモデルと同一のあるいは同様であるような、患者の、膝蓋骨などの一部に関しての、仮想表現であってもよい、あるいは、そのような仮想表現を含んでもよい。解剖学的モデルは、ディスプレイデバイス1172を介してグラフィカルに描写され得るとともに、視覚的に操作され得る(例えば、回転され得る、移動され得る、全体的にもしくは部分的に透明または半透明で観察され得る、ワイヤフレームもしくは同様の画像として観察され得る、および/または同種の処理が施され得る)。
【0097】
一つの非限定的な例では、解剖学的モデル生成プロセスは、点状プローブ(例えば、光学的に追跡された点状プローブ)を使用することで、新たなインプラントが必要とされた標的骨(単数または複数)に関する実際の面をマッピングするような、無画像プロセスを含んでもよい。マッピングは、欠陥を有したインプラントまたは磨耗したインプラントを除去した後に、また、病変を有した骨または他の望ましくない骨を除去した後に、行われてもよい。点状プローブの先端を使用して骨残部の全体をブラッシングすることによるまたは削り取ることによる「ペインティング」を介して、骨面上に、ポイントが収集されてもよい。収集されたポイントは、コンピュータ化された計画システム内で骨表面に関する3次元モデルまたは表面マップを作製するために、使用されてもよい。別の非限定的な例では、解剖学的モデルは、例えば、モデルファイル(例えば、限定するものではないが、*.stl、*.obj.、*.fea、*.stp、*.sur、*.igs、*.wrl、*.xyz、および/または同種のもの、というファイル形式)を生成するために、組織面を表す一連のデカルト座標を取り込むことによって数学的に達成されてもよい。追加的な非限定的な例では、解剖学的モデルの生成プロセスは、X線画像、CT画像、および/または同種のものなどの、患者の対象解剖学に関する診断画像に基づくような、画像ベースのプロセスを含んでもよい。画像解析ソフトウェアを使用することで、診断画像を解析して、3Dモデルなどの解剖学的モデルを生成してもよい。上記のまたは以下の任意の例では、解剖学的モデルの生成プロセスは、無画像プロセスと画像ベースのプロセスとの組合せを使用してもよい。上記のまたは以下の任意の例では、膝蓋骨モデルを生成するために使用された情報の少なくとも一部は、外科医が手動で入力した情報(例えば、寸法)を含んでもよい。一般に、上記のまたは以下の任意の例による解剖学的モデルは、限定するものではないが、従来的なプローブペインティング、参照によってマッピングされた3D画像化、視覚的エッジ検出、これらの組合せ、および/または同種のもの、を含めた、様々なプロセスを使用して生成されてもよい。
【0098】
TKA手順などの特定の手術手順に関しては、手順は、またはケアのエピソードは、術前、術中、術後、という三つの段階を含むことができる。各段階時には、ケアのエピソードを分析するために使用され得るデータが収集または生成されてもよい。したがって、ディスプレイデバイス1172は、手術計画の変更(例えば、切断または他の膝蓋骨の準備に関する視覚化)が手順に対してどのように影響することとなるかをまたインプラントの最終性能および/または膝蓋骨の最終性能に対してどのように影響することとなるかを動的に更新したり表示したりし得るような、対話型インターフェースとして動作してもよい。
【0099】
コンピューティングデバイス(または、制御システム)1110は、例えば手術計画プロセスなどの、上記のもしくは以下の任意の例によるプロセスを実行するための様々なロジックを含み得るような、および/またはそのような様々なロジックに対してアクセスし得るような、プロセッサ回路1120を含んでもよい。例えば、プロセッサ回路1120は、コンピュータ支援手術ロジック1122および/または解剖学的モデルロジック1124を含んでもよい、ならびに/あるいは、そのようなロジックに対してアクセスしてもよい。処理回路1120および/またはコンピュータ支援手術ロジック1122は、ならびに/あるいはその一部は、ハードウェアによって、ソフトウェアによって、またはこれらの組合せによって、実装されてもよい。本出願で使用した際には、「ロジック」、「構成要素」、「層」、「システム」、「回路」、「デコーダ」、「エンコーダ」、「制御ループ」、および/または「モジュール」という用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組合せ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェア、のいずれかとされたあるコンピュータ関連エンティティを指すことを意図しており、これらの例は、例示的なコンピューティングアーキテクチャによって提供されてもよい。例えば、ロジック、回路、またはモジュールは、限定するものではないが、プロセッサ上で動作するプロセス、プロセッサ、ハードディスクドライブ、(光ストレージ媒体および/または磁気ストレージ媒体からなる)複数のストレージドライブ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行のスレッド、プログラム、コンピュータ、ハードウェア回路、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、システムオンチップ(SoC)、メモリユニット、ロジックゲート、レジスタ、半導体デバイス、チップ、マイクロチップ、チップセット、ソフトウェア構成要素、プログラム、アプリケーション、ファームウェア、ソフトウェアモジュール、コンピュータコード、制御ループ、計算モデルまたは計算アプリケーション、AIモデルまたはAIアプリケーション、MLモデルまたはMLアプリケーション、比例積分微分(PID)コントローラ、FG回路、これらの変形、上記の任意の組合せ、ならびに/あるいは同種のもの、であってもよい、ならびに/あるいは、それらを含んでもよい。
【0100】
コンピュータ支援手術ロジック1122は、
図1ではプロセッサ回路1120の内部に位置するように図示されているけれども、上記のまたは以下の任意の例は、そのように限定されるものではない。例えば、コンピュータ支援手術ロジック1122、解剖学的モデルロジック1124、および/またはこれらの任意の構成要素は、アクセラレータの内部に、プロセッサコアの内部に、インターフェースの内部に、個々のプロセッサダイの内部に、メモリの内部に、ストレージデバイスの内部に、データストアの内部に、データベースの内部に、ソフトウェアアプリケーション(例えば、コンピュータ支援手術アプリケーション1160)として全体的もしくは部分的に実装されたものの内部に、および/または同種のものの内部に、位置してもよい。
【0101】
メモリユニット1140は、様々なタイプのコンピュータ可読ストレージ媒体を含んでもよい、ならびに/あるいは、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレートDRAM(DDRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、スタティックRAM(SRAM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能なプログラマブルROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、強誘電体ポリマーメモリなどのポリマーメモリ、オボニックメモリ、相変化メモリまたは強誘電体メモリ、シリコン-酸化物-窒化物-酸化物-シリコン(SONOS)メモリ、磁気カードまたは光カード、レイド(RAID)ドライブなどのデバイスアレイ、ソリッドステートメモリデバイス(例えば、USBメモリ、ソリッドステートドライブ(SSD)、および、情報を格納するのに適した任意の他のタイプをなすストレージ媒体、などの、一つまたは複数のより高速のメモリユニットという形態とされた様々なタイプのシステムを含んでもよい。加えて、メモリユニット1140は、内蔵(または、外付け)ハードディスクドライブ(HDD)、磁気フロッピーディスクドライブ(FDD)、着脱可能な光ディスク(例えば、CD-ROMもしくはDVD)から読み出すための、もしくはこれに対して書き込むための、光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、および/または同種のものを含めて、一つまたは複数のより低速のメモリユニットという形態とされた様々なタイプのコンピュータ可読ストレージ媒体を含んでもよい。
【0102】
メモリユニット1140は、例えば上記のもしくは以下の任意の例による手術計画プロセスなどの、上記のもしくは以下の任意の例による特徴およびプロセスを実行するための様々なタイプの情報ならびに/あるいはアプリケーションを格納してもよい。例えば、メモリユニット1140は、患者情報1142、インプラント情報1144、解剖学的モデル1146、手術計画1150、および/またはコンピュータ支援手術アプリケーション1160、を格納してもよい。上記のまたは以下の任意の例では、メモリユニット1140内に格納されたものとして図示した情報の全部または一部は、全体的にまたは部分的に、データソース1130a~1130n内に記憶され得るとともに、コンピューティングデバイス1110に対してアクセス可能とされ得る。
【0103】
上記のまたは以下の任意の例では、患者情報1142は、手術システムを介して実行される手術手順を受けることとなる患者に関する情報を含んでもよい。患者情報1142は、個人情報(例えば、氏名、住所、および/または同種のもの)、身体的特徴(例えば、身長、体重、および/または同種のもの)、医療情報(例えば、健康歴、健康記録識別子、手順情報、および/または同種のもの)、ならびに/あるいは、患者に対して関連付けられ得る任意の他のタイプをなす情報、を含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例では、患者情報1142は、寸法、骨の硬さ、および/または患者の膝蓋骨に関する他の特性、などの患者の解剖学的情報を含んでもよい。
【0104】
上記のまたは以下の任意の例では、患者情報1142は、患者の集団に関連した情報を含んでもよい。例えば、患者の集団は、上記のまたは以下の任意の例に従って、解剖学的モデル、手術計画、性能情報、および/または同種のものを生成するために、手順を受ける患者に対する比較として使用され得るような、個人を含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例では、コンピュータ支援手術アプリケーション1160は、母集団特許情報1142に基づいて特定の性能測定基準(例えば、運動学)を達成するために、準備ステップ(例えば、切断、平坦化、切削、リーマ加工、および/または同種のもの)を提案するように動作してもよい。例えば、例、アルゴリズム、計算モデル(例えば、機械学習(ML)および/または人工知能(AI)モデル)、および/または同種のものが、集団患者情報1142を使用して訓練されることで、同様の患者に関する解剖学的構造および結果に基づく準備推奨が提供されてもよい。
【0105】
上記のまたは以下の任意の例では、インプラント情報1144は、手術システム1130を介して実行される手術手順に関連したインプラントに関する情報を含んでもよい。一般に、インプラント情報1144は、インプラントのモデル化に必要な情報を、および/または、患者の解剖学的構造上におけるもしくは患者の解剖学的構造内におけるインプラントの構成の決定に必要な情報を、含んでもよい。インプラント情報1144は、例えば、膝蓋骨の準備、性能情報、および/または同種のものを決定するために、患者の膝蓋骨とインプラントとの相互作用に関連し得る情報を含んでもよい。
【0106】
上記のまたは以下の任意の例では、解剖学的モデル1146は、手術システム1130を介して実行される手術手順に関連した患者の解剖学的構造に関する仮想モデルを含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例では、仮想モデルは、コンピューティングシステム内で患者の解剖学的構造を仮想的に表現するように構成されたような、数学モデル、グラフィカルモデル、特徴マップ、これらの組合せ、および/または同種のもの、を含んでもよい(例えば、
図4を参照されたい)。上記のまたは以下の任意の例では、解剖学的モデル1146は、本開示に従って患者の膝蓋骨を表すように構成されてもよい。
【0107】
上記のまたは以下の任意の例では、手術計画1150は、手術手順を実行するための、指示、方法、ステップ、ワークフロー、および/または同種のもの、を含んでもよい。上記のまたは以下の任意の例では、手術システム1130は、解剖学的モデル1146に基づいておよび患者に特有の他の情報(例えば、患者情報1142)に基づいて、ならびに/あるいはインプラント情報1144に基づいて、手術計画1150を開発してもよい。手術計画1150は、推奨される膝蓋骨準備ステップおよび準備構成(例えば、切断情報(位置、角度、および/または同種のもの)、切削情報、ならびに/あるいは同種のもの)を提供してもよい。
【0108】
手術計画1150は、術前におよび術中に観察されてもよく、外科医は、手術計画1150を術前にまたは術中に修正することができる。例えば、外科医は、膝蓋骨の「仮想」準備を行ってもよく、これは、
図12のGUIインターフェース1205を介して膝蓋骨上で切断を仮想的に実装することなどである。コンピュータ支援手術ロジック1122は、例えば、コンピュータ支援手術アプリケーション1160を介したものであって、性能測定基準、適合性、および/または同種のものなどの、仮想準備に関する結果を、予測したり、評価したり、または他の態様で決定したり、してもよい。外科医は、仮想準備の結果を提示され得るとともに、それに応じて(例えば、仮想準備を修正または除去したり、第二仮想準備を実行したり、および/または同種のことを実行したり、して)進行してもよい。
【0109】
手術計画1150は、全体的にまたは部分的に、外科医によって手動で実施されてもよい、および/または、コンピュータ制御手術器具150を介して自動で(例えば、コンピュータ支援でまたはロボット支援で)実施されてもよい、および/または、これらの組合せで実施されてもよい。上記のまたは以下の例は、この文脈において限定されるものではない。
【0110】
上記のまたは以下の任意の例では、コンピュータ支援手術ロジック1122は、上記のまたは以下の任意の例による手術システム1130に関するコンピュータ支援手術プロセスを、実行するように、実装するように、または他の態様で提供するように、動作してもよい。例えば、上記のまたは以下の任意の例では、コンピュータ支援手術ロジック1122は、本開示で説明するような、計画モジュール1112、ナビゲーションモジュール1114、制御モジュール1116、追跡システム940、および/または手術器具950、における動作特徴を管理あるいは制御するように、動作してもよい。別の例では、コンピュータ支援手術ロジック1122は、上記のまたは以下の任意の例による手術計画プロセスを、実行したり、実装したり、または他の態様で提供したり、してもよい。
【0111】
上記のまたは以下の任意の例では、コンピュータ支援手術アプリケーション1160は、本開示で説明する手術システム1130の特徴を実行するために、コンピュータ支援手術ロジック1122を含むようなおよび/またはコンピュータ支援手術ロジック1122と組み合わせて動作するような、ソフトウェアアプリケーションであってもよい、あるいは、そのようなソフトウェアアプリケーションを含んでもよい。例えば、コンピュータ支援手術アプリケーション1160は、ディスプレイデバイス1172を介してユーザインターフェース(例えば、
図12を参照されたい)を提示するように動作してもよい。
【0112】
上記のまたは以下の任意の例では、患者情報1142、インプラント情報1144、解剖学的モデル1146、手術計画1150、コンピュータ支援手術ロジック1122、解剖学的モデルロジック1124、および/またはコンピュータ支援手術アプリケーション1160、の一部あるいは全部は、ネットワーク1190を介してコンピューティングデバイス1110に対してアクセス可能とされた一つまたは複数のデータソース1130a~1130n内に格納されてもよい。
【0113】
図13A、
図13B、および
図13Cは、本開示の一つまたは複数の特徴による、膝蓋骨準備部材を有した追跡型膝蓋骨クランプの一例に関する様々な図を図示している。
図13Aに示すように、膝蓋骨追跡クランプ100は、一つまたは複数の膝蓋骨準備部材860に結合されてもよい、あるいは、一つまたは複数の膝蓋骨準備部材860に対して他の態様で関連付けられてもよい。上記のまたは以下の任意の例では、膝蓋骨準備部材860は、膝蓋骨を準備するように構成されたような、例えば、切断ツール、リーマ加工ツール、切削ツール、または他のツールなどの、ツールあるいは他のデバイスを含んでもよい。
【0114】
図13A、
図13Bおよび
図13Cの例では、膝蓋骨準備部材860は、リーマツールとされている。上記のまたは以下の任意の例では、リーマツール860は、例えば追跡システム940を介して、手術システム950によって検出されてもよい。例えば、リーマツール860は、追跡システム940によって検出され得るような、部材または特性を有してもよい。
図13Bを参照すると、リーマツール860は、光学追跡システム940を介した光(例えば、IR光)の反射などにより追跡システム940によって検出され得る反射面861を含んでもよい。
図13Bを参照すると、リーマツール860は、例えば面861上に、追跡器862を含んでもよい。反射面861および/または追跡器862を使用することにより、リーマツール860の動作特性が決定されてもよい。例えば、追跡システム940は、手術手順時に膝蓋骨のリーマ加工深さを決定するために、リーマツール860の位置(例えば、膝蓋骨に対する位置)を検出するように構成されてもよい。
【0115】
上記のまたは以下の任意の例では、リーマツール860の特性(例えば、位置、膝蓋骨内の深さ、配向、および/または同種のもの)、ならびに/あるいは、リーマツール860の視覚的表現(例えば、「ツールモデル」)は、GUIインターフェース1205を介してなどによって、観察者に対して提示されてもよい。このようにして、外科医または他の操作者は、上記のまたは以下の任意の例によるモデル化を介して、様々な角度や配向等からのものを含めたリーマツール860の動作をリアルタイムでまたは実質的にリアルタイムで視覚化し得るものとされてもよく、これは、従来技術では利用し得ないものである。したがって、上記のまたは以下の任意の例によるデバイスを使用することにより、外科医は、コンピュータ支援手術システムおよび/またはロボット手術システムを使用して膝蓋骨をリーマ加工した結果を視覚化し得るものとされ、したがって、そのような結果に関する信頼性を向上させ得るものとされ得る。
【0116】
上記のまたは以下の任意の例では、クランプ100などの膝蓋骨追跡クランプにより、外科医または他のユーザは、平面(例えば、平面801、802)を決定することおよび/または規定することが可能とされ得るとともに、外科医が精度および信頼性を有して切削ツール(例えば、リーマツール860)を適正に配置することを可能としてもよい。例えば、外科医は、クランプ100の追跡部材およびGUIインターフェース1205を介することで、対象をなす切断平面に対してリーマツール860が充分に垂直であるかどうかを決定し得るものとされてもよく、これにより、例えば、リーマツール860が膝蓋骨上におけるどの場所に係合または「着地」しようとしているかを決定することで、適正なリーマ加工が確保されるものとされている。
【0117】
図13A、
図13B、および
図13Cに図示した構成では、リーマツールが、膝蓋骨準備部材の一例として使用されたけれども、上記のまたは以下の任意の例は、そのように限定されるものではない。例えば、切断ツール、鋸、切削ツール、切除ガイド、および/または他のツールが、単独で、あるいは、反射面861および/または追跡器862との組合せで、本開示の特徴に従って使用されてもよく、これにより、そのようなツールの動作特性が決定されてもよい。例えば、切削ツールが、追跡器862に対して関連付けられることで、膝蓋骨モデルが生成されるよう、追跡システム940による使用のために、最終的には手術システム950による使用のために、切削位置と切削深さとが提供されてもよい。
【0118】
一つまたは複数のナビゲーション部材を備えた特徴について、また、それらに対応した使用について、膝蓋骨クランプ100に関連して図示して説明するけれども、本開示は、そのように限定されるべきものではなく、ナビゲーション部材を備えることが、また、それらに対応した使用が、現時点で知られているようなまたは今後開発されるような任意の他の膝蓋骨クランプに関連して使用され得ることは、理解されよう。
【0119】
上記の説明は、幅広い応用を有している。本開示は、特定の例を参照しているけれども、添付の請求項(単数または複数)に規定されているような本開示の領域および範囲から逸脱することなく、説明した例に対しての、多数の改変、変更、および変形が可能である。したがって、本開示が、説明した例に対して限定されるものではないことが、意図されている。むしろ、これらの例は、例示的なものであって、限定的な性質のものではないと考えられるべきである。本発明の精神の範囲内に帰着するすべての変形および改変は、本開示の範囲内と考えられるべきである。本開示には、以下の特許請求の範囲における文言によって規定される全範囲が、およびその均等物が、与えられるものとする。すべての例に関する考察は、説明のみを目的とするものであって、特許請求の範囲を含めた本開示の範囲がこれらの例に対して限定されることを示唆するものではない。換言すれば、本開示の例示的な例について、本明細書で詳細に説明してきたけれども、従来技術によって限定されている場合を除き、本発明の概念が、他の様々な態様で具現されて採用され得ることは、また、添付の特許請求の範囲が、そのような変形を含むように解釈されることが意図されていることは、理解されよう。別のことが定義されない限り、本明細書で使用しているすべての技術用語は、本開示が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有している。
【0120】
本明細書では、頂部、底部、上、下、内側、外側、前方、後方、近位、遠位、上側、下側、上向き、下向き、左、右、長手方向、前、後、上方、下方、鉛直方向、水平方向、径方向、軸線方向、時計まわり、反時計まわり)、および同種のものなどの、配向に関する用語が、使用されている場合がある。このような配向の参照は、本開示の読者の理解を補助するための識別目的にのみ使用されている。例えば、「遠位」という用語は、デバイスを患者内へと導入する時に医療従事者/操作者から最も遠い端部を指す場合があり、他方、「近位」という用語は、デバイスを患者内へと導入する時に医療従事者に対して最も近い端部を指す場合がある。このような配向に対する言及は、特に本開示の位置、配向、または使用に関して、必ずしも制限を生じさせるものではない。このように、配向に対する参照は、特定の座標の向き、距離、またはサイズへと限定されるべきではなく、特定の例を参照して相対的な位置を説明するために使用されるものである。このような用語は、本明細書における特許請求の範囲を一概に限定するものではない。本明細書における同様のセクション、部分、もしくは構成要素に関する様々な例に関連して図示するようなまたは特に説明するような任意のセクション、部分、あるいは任意の他の構成要素に関する、任意の例あるいは特徴は、本明細書で図示するようなもしくは説明するような任意の他の同様とされた例または特徴に対して、互換的に適用されてもよい。
【0121】
本明細書で説明するように、「例」または「実施形態」(添付図面に図示しているものなど)が、開示する概念もしくは特徴が提供され得るまたは具現され得る環境あるいは物品あるいは構成要素に関する例示的表現を指し得ることは、あるいは、概念もしくは特徴が単に提供され得るまたは具現され得る態様に関する表現を指し得ることは、理解されよう。しかしながら、このような図示した例は、実例、構成、標本、実施形態、図示、モデル、例、および/または同種のもの、として理解されるべきであり(別のことが記載されていない限り)、本開示から概念もしくは特徴を学んだ当業者によって理解され得るものなどの、説明した概念または特徴を具現する他の態様は、本開示の範囲内である。さらに、本開示における「一実施形態」、「一例」、「上記のまたは以下の例」に対する言及は、言及された特徴もまた組み込まれているような追加的な実施形態または例の存在を排除するものとして解釈されることを意図するものではない。
【0122】
加えて、図面は、そのような概念もしくは特徴が組み込まれる環境、物品、または構成要素の単一の例において、概念もしくは特徴の一つまたは複数の例を一緒に示し得るけれども、そのような概念または特徴が、(別のことが指定されていない限り)互いに独立した別個のものとして理解されるべきであって、一緒に存在することまたは一緒に使用されることへと限定することを意図することなく、便宜上、一緒に示されていることは、理解されよう。例えば、一例の一部として図示または説明した特徴どうしは、別個に使用することができる、あるいは、別の例と一緒に使用することで、さらに別の例を得ることができる。よって、本発明の主題が、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲に帰着するような改変ならびに変形を包含することが意図されている。
【0123】
本明細書で使用した際には、単数形で記載されている部材またはステップでありかつ「a」または「an」という単語で始まる部材またはステップは、複数の部材または複数のステップを除外することが明示的に記載されていない限り、複数の部材または複数のステップを除外しないものとして、理解されるべきである。また、本明細書で使用した時には、「備える」および/または「備えている」、あるいは、「含む」および/または「含んでいる」、という用語が、記載された特徴、領域、ステップ、部材、および/または構成要素の存在を指定するけれども、一つもしくは複数の他の特徴、領域、整数、ステップ、操作、部材、構成要素、および/またはそれらからなるグループ、の存在あるいは追加を排除するものではないことは、理解されよう。
【0124】
本明細書で使用した際には、「少なくとも一つの」、「一つまたは複数の」、「および/または」という語句は、動作に関して接続的および選言的の両方であるような、オープンエンドの表現である。「一つの(a)」(または「一つの(an)」)、「一つまたは複数の」、「少なくとも一つの」という用語は、本明細書では互換的に使用することができる。
【0125】
接続に関する言及(例えば、係合している、取り付けられている、結合されている、接続されている、および、接合されている)は、広義に解釈されるべきものであって、別のことが指示されない限り、複数の部材からなる集合間における中間部材を、および、部材どうしの間の移動に関連した中間部材を、含んでもよい。このように、接続に関する言及は、二つの部材が直接的に接続されていて互いに固定的な関係とされていることを、必ずしも示唆するものではない。識別に関する参照(一次、二次、第一、第二、第三、第四、等)は、重要性または優先順位を暗示することを意図したものではなく、ある特徴を別の特徴から区別するために使用されている。図面は、例示のみを目的としたものであって、添付図面に反映されている寸法、位置、順序、相対的なサイズは、異なる場合がある。
【0126】
上記の考察は、例示および説明の目的で提示されたものであって、本開示を、本明細書で開示する形態へと限定することを意図したものではない。例えば、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、一つまたは複数の例へと、あるいは一つまたは複数の構成へと、グループ化される。しかしながら、本開示の特定の例におけるもしくは本開示の特定の構成における様々な特徴どうしが、代替可能な例においてまたは代替可能な構成において、組み合わされ得ることは、理解されよう。その上、以下の特許請求の範囲は、この参照によってこの詳細な説明内へと組み込まれ、各請求項は、本開示の別個の例として、独立して存在する。
【国際調査報告】