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特表2024-546133グロー放電と点灯を防止するための基板支持体の間隙ポンピング
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  • 特表-グロー放電と点灯を防止するための基板支持体の間隙ポンピング 図1
  • 特表-グロー放電と点灯を防止するための基板支持体の間隙ポンピング 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】グロー放電と点灯を防止するための基板支持体の間隙ポンピング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241210BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535196
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-08-05
(86)【国際出願番号】 US2022053029
(87)【国際公開番号】W WO2023114410
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】17/553,305
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カルドゥッチ, ジェームズ デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ, ケネス エス.
(72)【発明者】
【氏名】ライス, マイケル アール.
(72)【発明者】
【氏名】ラーマスワーミ, カーティク
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス, シルバースト アントニー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ヤン
【テーマコード(参考)】
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
5F004BA04
5F004BB13
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB29
5F004BC02
5F004BC06
5F004CA06
5F004DA22
5F004DA25
5F004EB01
5F004EB04
5F131AA02
5F131BA19
5F131CA04
5F131CA09
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA03
5F131EB11
5F131EB15
5F131EB16
5F131EB18
5F131EB72
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB82
5F131EB84
5F131JA33
5F131KA23
5F131KA54
(57)【要約】
基板処理チャンバで使用するための基板支持体の実施形態が本明細書で提供される。幾つかの実施形態では、基板処理チャンバで使用するための基板支持体は、基板を支持するように構成された第1の面と、第1の面の反対側の第2の面とを有するペデスタルと、ペデスタルを貫通して延在する複数の基板リフトピンであって、複数の第1の間隙が、複数の基板リフトピンとペデスタルの複数の基板リフトピン開口部のそれぞれ1つとの間に配置される、複数の基板リフトピンと、複数の基板リフトピン開口部から延在し、複数の基板リフトピン開口部をポンプダウンするように構成された真空ラインとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理チャンバで使用するための基板支持体であって、
基板を支持するように構成された第1の面と、前記第1の面の反対側の第2の面とを有するペデスタルと、
前記ペデスタルを貫通して延在する複数の基板リフトピンであって、複数の第1の間隙が、前記複数の基板リフトピンと、前記ペデスタルの複数の基板リフトピン開口部のそれぞれ1つとの間に配置される、複数の基板リフトピンと、
前記複数の基板リフトピン開口部から延在し、前記複数の基板リフトピン開口部をポンプダウンするように構成された真空ラインと
を備える、基板支持体。
【請求項2】
前記ペデスタルは、内部に埋め込まれた電極を有する誘電体プレートと、前記誘電体プレートに結合された冷却プレートとを含み、前記冷却プレートは、冷却剤を循環させるように構成された冷却チャネルを含む、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項3】
前記ペデスタルを貫通して延在し、前記複数の基板リフトピンの半径方向外側に配置された複数のプロセスキットリフトピンを更に備え、複数の第2の間隙が、前記複数のプロセスキットリフトピンと複数のプロセスキットリフトピン開口部のそれぞれ1つとの間に配置され、前記真空ラインは、前記複数の第2の間隙をポンプダウンするように構成されている、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項4】
前記真空ラインは、前記基板支持体に配置され且つ前記真空ラインを前記複数の第1の間隙のうちの1つに延在する第1の排気ラインと、前記複数の第2の間隙のうちの1つに延在する第2の排気ラインとに分割する接合部を含む、請求項3に記載の基板支持体。
【請求項5】
前記ペデスタルの周りに配置され、下部エッジリングと前記ペデスタルとの間に第3の間隙を形成する下部エッジリングと、
前記真空ラインが前記複数の第1の間隙及び前記第3の間隙をポンプダウンするように構成されるように、前記複数の第1の間隙の少なくとも1つから前記第3の間隙まで延在するチャネルと
を更に備える、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項6】
前記ペデスタルは、冷却プレートに結合された絶縁体プレートを含み、前記チャネルは、前記絶縁体プレートに配置される、請求項5に記載の基板支持体。
【請求項7】
前記複数の基板リフトピン開口部をポンプダウンするために、前記真空ラインに結合された真空ポンプを更に備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の基板支持体。
【請求項8】
前記複数の基板リフトピンは、前記複数の基板リフトピンが下降位置にあるときに前記ペデスタルとのシールを提供するために外側にテーパしている上部を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の基板支持体。
【請求項9】
前記真空ラインは、前記複数の基板リフトピン開口部の側壁に延在する、請求項1から6のいずれか一項に記載の基板支持体。
【請求項10】
基板を処理するためのプロセスチャンバであって、
内部に処理領域を画定するチャンバ本体と、
前記チャンバ本体に配置され、前記処理領域に露出した上面を有する請求項1から6のいずれか一項に記載の基板支持体と、
複数の基板リフトピン開口部に延在する真空ラインを介して複数の第1の間隙の各々に結合された真空ポンプと
を備える、プロセスチャンバ。
【請求項11】
前記処理領域に流体的に結合され、前記処理領域をポンプダウンするように構成された第2の真空ポンプを更に備える、請求項10に記載のプロセスチャンバ。
【請求項12】
前記チャンバ本体は、前記基板支持体の下方に配置され且つ前記処理領域に流体的に結合された第2の領域を画定し、前記第2の領域は前記第2の真空ポンプから上流にある、請求項11に記載のプロセスチャンバ。
【請求項13】
前記真空ポンプは前記第2の領域に排気する、請求項12に記載のプロセスチャンバ。
【請求項14】
粗ラインを更に備え、前記真空ポンプは、第1の位置で前記粗ラインに排気し、前記第2の真空ポンプは、前記第1の位置とは異なる第2の位置で前記粗ラインに排気する、請求項11に記載のプロセスチャンバ。
【請求項15】
基板を処理するためのプロセスチャンバであって、
内部に処理領域を画定するチャンバ本体と、
前記チャンバ本体に配置され、前記処理領域に露出した上面を有する請求項1から6のいずれか一項に記載の基板支持体と、
複数の第1の間隙の各々に結合され、前記複数の第1の間隙を第1の圧力までポンプダウンするように構成された第1の真空ポンプと、
前記チャンバ本体に結合され、前記処理領域をプロセス圧力までポンプダウンするように構成された第2の真空ポンプと
を備える、プロセスチャンバ。
【請求項16】
前記第1の真空ポンプは、前記第2の真空ポンプの上流の第2の領域に、又は前記第2の真空ポンプとは独立した粗ラインに排気する、請求項15に記載のプロセスチャンバ。
【請求項17】
ペデスタルを貫通して延在し、複数の基板リフトピンの半径方向外側に配置された複数のプロセスキットリフトピンを更に備え、複数の第2の間隙が、前記複数のプロセスキットリフトピンと複数のプロセスキットリフトピン開口部のそれぞれ1つとの間に配置され、前記第1の真空ポンプは、前記複数の第2の間隙の各々に結合され、前記複数の第2の間隙をポンプダウンするように構成されている、請求項15に記載のプロセスチャンバ。
【請求項18】
ペデスタルが、内部に埋め込まれた電極を有する誘電体プレートと、前記誘電体プレートに結合された冷却プレートとを含み、前記誘電体プレートの周りに配置された下部エッジリングを更に含み、第3の間隙が、前記下部エッジリングと前記誘電体プレートとの間に配置され、前記第1の真空ポンプは、チャネルを介して前記第3の間隙に流体的に結合される、請求項15に記載のプロセスチャンバ。
【請求項19】
前記下部エッジリングと前記ペデスタルとの間に配置された第1のOリング及び第2のOリングであって、前記第3の間隙は、前記第1のOリングと前記第2のOリングとの間に配置されている、第1のOリング及び第2のOリング
を更に備える、請求項18に記載のプロセスチャンバ。
【請求項20】
前記チャンバ本体は、前記基板支持体の下方に配置された下部領域を画定し、前記第1の真空ポンプは、前記下部領域に配置されている、請求項15に記載のプロセスチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は概して、基板処理機器に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]基板処理システムは、通常、その中に配置された1又は複数の基板にエッチングプロセス等の所望のプロセスを実行するためのプロセスチャンバを含む。例えば、コンタクトを形成するための非常に高いアスペクト比の孔又は電気経路用のインフラを敷設するための深いトレンチを必要とするエッチングプロセスにおいて、RF電力は、プラズマ生成のため、及び/又は処理中の基板上にバイアス電圧を生じさせて、バルクプラズマからのイオンを引きつけるために使用され得る。
【0003】
[0003]基板支持体は、基板処理チャンバに配置され、処理中の基板を支持するように構成される。しかしながら、プラズマに曝露された場合、又は間隙/キャビティに十分に高い局所電界が存在する場合、真空圧力下にない基板支持体内の間隙又はキャビティにより、グロー放電及び点灯が生じやすくなり得る。したがって、本発明者らは、改良型基板支持体の実施形態を提供した。
【発明の概要】
【0004】
[0004]基板処理チャンバで使用するための基板支持体の実施形態が本明細書で提供される。幾つかの実施形態では、基板処理チャンバで使用するための基板支持体は、基板を支持するように構成された第1の面と、第1の面の反対側の第2の面とを有するペデスタルと、ペデスタルを貫通して延在する複数の基板リフトピンであって、複数の第1の間隙が、複数の基板リフトピンとペデスタルの複数の基板リフトピン開口部のそれぞれ1つとの間に配置される、複数の基板リフトピンと、複数の基板リフトピン開口部から延在し、複数の基板リフトピン開口部をポンプダウンするように構成された真空ラインとを含む。
【0005】
[0005]幾つかの実施形態では、基板を処理するためのプロセスチャンバは、内部に処理領域を画定するチャンバ本体と、チャンバ本体に配置され、処理領域に露出した上面を有する基板支持体であって、基板を支持するように構成された第1の面と、第1の面の反対側の第2の面とを有するペデスタルと、ペデスタルを貫通して延在する複数の基板リフトピンであって、複数の第1の間隙が、複数の基板リフトピンとペデスタルの複数の基板リフトピン開口部のそれぞれ1つとの間に配置される、複数の基板リフトピンとを含む基板支持体と、複数の基板リフトピン開口部に延在する真空ラインを介して複数の第1の間隙の各々に結合された真空ポンプであって、処理領域をポンプダウンすることなく複数の第1の間隙をポンプダウンするように構成された真空ポンプとを含む。
【0006】
[0006]幾つかの実施形態では、基板を処理するためのプロセスチャンバは、内部に処理領域を画定するチャンバ本体と、チャンバ本体に配置され、処理領域に露出した上面を有する基板支持体であって、電極を含む誘電体プレートと、誘電体プレートに結合された冷却プレートとを有するペデスタルと、誘電体プレートを貫通し、冷却プレートを貫通して延在する複数の基板リフトピンであって、複数の第1の間隙が、複数の基板リフトピンと、誘電体プレート及び冷却プレートの複数の基板リフトピン開口部のそれぞれ1つとの間に配置される、複数の基板リフトピンとを含む、基板支持体と、複数の第1の間隙の各々に結合され、複数の第1の間隙を第1の圧力までポンプダウンするように構成された真空ポンプと、チャンバ本体に結合され、処理領域をプロセス圧力までポンプダウンするように構成された第2の真空ポンプとを含み、第1の圧力はプロセス圧力よりも小さい。
【0007】
[0007]幾つかの実施形態では、基板の処理方法は、プロセスチャンバの処理領域をプロセス圧力までポンプダウンすることと、複数の基板リフトピンの周りに配置された複数の第1の間隙をプロセス圧力未満の第1の圧力までポンプダウンすることとを含む。
【0008】
[0008]本開示の他のさらなる実施形態を以下に説明する。
【0009】
[0009]添付の図面に示す本開示の例示的な実施形態を参照することにより、上記に要約し、以下により詳細に説明する本開示の実施形態を理解することができる。しかし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態を単に示すものであり、したがって、範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係るプロセスチャンバを示す概略断面側面図である。
図2】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る基板支持体を示す概略断面側面図である。
図3】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る基板支持体の一部を示す断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0013]理解を容易にするために、可能な限り、図面共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。図面は縮尺どおりには描かれておらず、わかりやすくするために簡略化されている場合がある。一実施形態の要素及び特徴は、更に詳述することなく、他の実施形態に有益に組み込むことが可能である。
【0012】
[0014]グロー放電及び点灯を防止するための間隙ポンピング用の専用ポンプを有する基板支持体の実施形態が、本明細書において提供される。基板支持体は、一般に、プロセスチャンバに配置され、基板支持体の上面が処理領域に露出する。気体絶縁破壊を有利に防止するために、例えば、プロセスチャンバの処理領域をポンプダウンするように構成されたポンプとは別に、基板支持体に配置され、様々なキャビティをポンプダウンするように構成され得る専用ポンプが、様々なキャビティ又は間隙に結合されていてよい。キャビティは、基板支持体の様々な可動部品間の間隙、基板支持体の様々な部品間の熱膨張に対応するための間隙等であってよい。例えば、キャビティは、リフトピンとリフトピン開口部との間の間隙であってよい。別の例では、キャビティは、電力電極と電力電極を取り囲む絶縁体との間の間隙であってよい。間隙ポンピング専用ポンプは、有利なことに、プロセスチャンバからのプロセス化学物質の排気に使用されるいかなるポンプを使用して達成し得るよりも、キャビティ内の圧力の低下を達成することができる。間隙ポンピング専用ポンプはまた、プロセス化学物質の排気と間隙ポンピング用に単一のポンプを使用する場合と比較して、処理領域からキャビティ内へのプロセス化学物質の逆流を最小限に抑えることができる。
【0013】
[0015]図1は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係るプロセスチャンバを示す概略断面側面図である。幾つかの実施形態では、プラズマ処理チャンバはエッチング処理チャンバである。しかしながら、異なるプロセス用に構成された他の種類の処理チャンバも使用することができる、又は本明細書に記載の基板支持体の実施形態と共に使用するために変更することができる。
【0014】
[0016]プロセスチャンバ、又はチャンバ100は、基板処理中に内部領域121内に大気圧より低い圧力を維持するように好適に適合された真空チャンバであってよい。チャンバ100は、内部領域121の上半分に位置する処理領域119を囲むリッド101によってカバーされたチャンバ本体106を含む。チャンバ100はまた、様々なチャンバ部品を取り囲む1又は複数のシールド(図示せず)を含み、上記部品とイオン化されたプロセス材料との間の不要な反応を防止することができる。チャンバ本体106及びリッド101は、アルミニウム等の金属製であってよい。チャンバ本体106は、グラウンド115への結合を介して接地され得る。
【0015】
[0017]例えば半導体ウエハ、又は他のウエハ等の基板122を支持し保持するために、基板支持体124が内部領域121内に配置される。基板支持体124は概して、ベースプレート102上に配置されたペデスタル150を含み得る。ペデスタル150は、基板を支持するように構成された第1の面146と、第1の面146の反対側の第2の面149とを含む。基板支持体124の上面(例えば、ペデスタル150の第1の面146)は、処理領域119に露出している。幾つかの実施形態では、ペデスタルは、冷却プレート120上に配置され、冷却プレート120に結合された誘電体プレート152を含む。
【0016】
[0018]誘電体プレート152は、基板122を誘電体プレート152に静電チャックするように構成された1又は複数のチャッキング電極(図2の1又は複数のチャッキング電極210を参照)を含み得る。1又は複数のチャッキング電極210は、単極であっても二極であってよい。幾つかの実施形態では、基板支持体124は、エッジリング185等の1又は複数のプロセスキット部品を含む。幾つかの実施形態では、エッジリング185は、ペデスタル150上に配置され、基板122を取り囲むように構成される。幾つかの実施形態では、1又は複数のチャッキング電極は、エッジリング185を誘電体プレート152に静電チャックすることもできる。
【0017】
[0019]冷却プレート120は、誘電体プレート152を冷却するために冷却剤を循環させるように構成された冷却チャネル154を含む。幾つかの実施形態では、冷却チャネル154は、誘電体プレート152及びエッジリング185の下方に配置される。幾つかの実施形態では、冷却プレート120は、例えばアルミニウム(Al)等の導電性材料でできている。幾つかの実施形態では、冷却プレート120は、絶縁体プレート126上に配置され、絶縁体プレート126に結合される。幾つかの実施形態では、絶縁体プレート126はベースプレート102上に配置される。幾つかの実施形態では、絶縁体プレート226は、酸化アルミニウム(Al)又はポリマー、例えば、ポリフェニレンスルファイド(PPS)でできている。
【0018】
[0020]幾つかの実施形態では、ベースプレート102は、チャンバ本体106と共に、ベースプレート102の下方にチャンバ100の下部領域180を画定する。幾つかの実施形態では、下部領域180は、使用中は大気圧であってよい。様々な導管がペデスタル150に延在して、例えば、裏側ガス、プロセスガス、流体、冷却剤、電力等をペデスタル150に供給し得る。幾つかの実施形態では、様々な導管が下部領域180を通って延在していてよい。
【0019】
[0021]幾つかの実施形態では、様々な導管は、裏側ガス供給部141、チャッキング電源140、RFプラズマ電源170、及びバイアス電源117用の導管を含み得る。チャッキング電源140は、チャッキング電極ライン143を介して1又は複数のチャッキング電極210に結合され得る。RFプラズマ電源170は、代替的に、又は追加的に、リッド101又はチャンバ本体106の上部を介してチャンバ100に配設され得る。幾つかの実施形態では、バイアス電源117は、1又は複数のRFバイアス電源を含む。幾つかの実施形態では、RFプラズマ電源170によって供給されるRFエネルギーは、約400kHzから40MHz超の周波数を有し得る。幾つかの実施形態では、RFプラズマ電源170及びバイアス電源117は、それぞれのRF整合ネットワーク(RF整合ネットワーク116のみ図示)を介してペデスタル150に結合される。幾つかの実施形態では、基板支持体124は、代替的にAC、DC、又はRFバイアス電力を含み得る。幾つかの実施形態では、AC、DC、又はRFバイアス電力はパルス化され得る。
【0020】
[0022]基板支持体124は、基板支持体124を貫通して延在し、基板122を選択的に上昇又は下降させるように構成された複数の基板リフトピン168を含む。複数の第1の間隙174が、複数の基板リフトピン168と、基板支持体124の複数の基板リフトピン開口部171のそれぞれ1つとの間に配置される。幾つかの実施形態では、基板リフトピン開口部171は、誘電体プレート152及び冷却プレート120を貫通して延在する。複数の基板リフトアセンブリ128は、複数の基板リフトピン168のそれぞれ1つに結合され、複数の基板リフトピン168を選択的に上昇又は下降させるように構成される。幾つかの実施形態では、複数の基板リフトピン168は、基板支持体124の周りに対称に配置された3つのリフトピンで構成される。
【0021】
[0023]真空ポンプ160は、複数の基板リフトピン開口部171から真空ポンプ160まで延在する真空ライン166を介して、複数の第1の間隙174の各々に結合される。幾つかの実施形態では、真空ポンプ160は、複数の第1の間隙174の各々に結合され、複数の第1の間隙174を第1の圧力までポンプダウンするように構成される。幾つかの実施形態では、第1の圧力は、約10mTorr未満である。幾つかの実施形態では、第1の圧力は約1mTorr未満である。制御バルブ145を真空ライン166に結合して、真空ライン166内の圧力を制御することができる。使用時、真空ポンプ160は、処理領域119をポンプダウンすることなく複数の第1の間隙をポンプダウンするように構成される。真空ライン166は、基板支持体124の外側に配置された導管と、基板支持体124を貫通してポンプダウンされる間隙又はキャビティに形成されたチャネルとの任意の組み合わせを含み得る。
【0022】
[0024]幾つかの実施形態では、基板支持体124は、ペデスタル150の周りに配置された、又はペデスタル150を取り囲むライナ104を含み得る。幾つかの実施形態では、ライナ104及びベースプレート102のうちの1又は複数が、使用中に接地される。幾つかの実施形態では、ライナ104は、環状チャネル112をその間に画定する内壁103と外壁105とを含む。幾つかの実施形態では、内壁103及び外壁105はライナ104の下部プレート107に結合されている。
【0023】
[0025]チャンバ100は、処理領域110を排気するために処理領域119に流体的に結合された第2の真空ポンプ114を含む。幾つかの実施形態では、下部プレート107は、処理領域119を排気するために第2の真空ポンプ114に結合された1又は複数のポンプポート158を含む。処理領域119内の圧力は、第2の真空ポンプ114のスロットルバルブを調整することによって調節することができる。
【0024】
[0026]内部領域121は、処理領域119に流体的に結合された第2の領域148を含み得る。幾つかの実施形態では、1又は複数のポンプポート158は、第2の領域148に延在し得る。幾つかの実施形態では、第2の領域148は、基板支持体124の下方且つ第2の真空ポンプ114の上流に配置される。幾つかの実施形態では、下部領域180は、処理領域119と第2の領域148との間に配置される。幾つかの実施形態では、第2の真空ポンプ114は、第2の領域148に隣接してチャンバ本体106に結合される。
【0025】
[0027]使用時の基板の処理方法は、プロセスチャンバ100の処理領域119をプロセス圧力までポンプダウンすることと、複数の基板リフトピン168の周りに配置された複数の第1の間隙174を第1の圧力までポンプダウンすることとを含み、第1の圧力はプロセス圧力未満である。例えば、第2の真空ポンプ114は、処理領域119をプロセス圧力までポンプダウンするように構成され、真空ポンプ160は、複数の第1の間隙174を第1の圧力までポンプダウンするように構成される。
【0026】
[0028]幾つかの実施形態では、真空ポンプ160は、排気ライン162を介して第2の領域148に排気する。上記実施形態では、第2の真空ポンプ114は、真空ポンプ160の排気の内容物を含む第2の領域148を排気することができる。幾つかの実施形態では、第2の真空ポンプ114は、粗ライン176に排気する。幾つかの実施形態では、真空ポンプ160は、第2の真空ポンプ114とは独立して、排気ライン164を介して粗ライン176に排気する。例えば、真空ポンプ160は、第1の位置184で粗ライン176に排気し、第2の真空ポンプ114は、第1の位置184とは異なる第2の位置186で粗ライン176に排気することができる。別の例では、真空ポンプ160及び第2の真空ポンプ114はT字型接合部に排気することができ、真空ポンプ160及び第2の真空ポンプ114の両方からの排気はT字型接合部から粗ライン176の一箇所に流れ得る。
【0027】
[0029]幾つかの実施形態では、プロセスキットの構成要素は、ペデスタル150の周りに、例えば誘電体プレート152及びエッジリング185の周りに配置された石英リング130を含む。石英リング130は、基板122のプロセス均一性を促進することができる。幾つかの実施形態では、石英リング130は、エッジリング185の外側エッジを支持するように構成されたノッチのある上部内側エッジを含む。幾つかの実施形態では、下部エッジリング134がペデスタル150の周りに配置される。幾つかの実施形態では、下部エッジリング134がペデスタル150とライナ104との間に配置される。幾つかの実施形態では、下部エッジリング134は石英リング130の下方に配置される。幾つかの実施形態では、下部エッジリング134は石英製である。幾つかの実施形態では、第2のエッジリング218が石英リング130上に配置され、ペデスタル150を取り囲んでいてよい。第2のエッジリング218は、エッジリング185と同様の材料でできていてよい。
【0028】
[0030]幾つかの実施形態では、第3の間隙(例えば、図2の第3の間隙224)が、下部エッジリング134とペデスタル150との間に配置される。第3の間隙224は、ペデスタル150の1又は複数の部品の熱膨張を可能にする。幾つかの実施形態では、真空ポンプ160は、第3の間隙224を排気するために第3の間隙224に流体的に結合される。幾つかの実施形態では、第3の間隙224は、複数の第1の間隙174のうちの1又は複数から第3の間隙224まで延在するチャネル178を介して真空ポンプ160に流体的に結合される。幾つかの実施形態では、チャネル178は、絶縁体プレート126に配置される。幾つかの実施形態では、チャネル178は、第1の間隙174から第3の間隙224まで半径方向外側に延在する。第3の間隙224をポンプダウンすることにより、第3の間隙224におけるグローアップ及び点灯が有利に低減又は防止される。第3の間隙224をポンプダウンすることによって、第3の間隙224を広げることができ、ペデスタル150と、ペデスタル150の周りに配置された部品、例えば下部リング134との間のRF結合が有利に低減される。幾つかの実施形態では、下部エッジリング134は、真空ポンプ160が第4の間隙をポンプダウンすることができるように、第3の間隙224からライナ104と下部エッジリング134との間の第4の間隙(例えば、図3に示す第4の間隙304)まで延在するチャネル(図示せず)を含み得る。このように、幾つかの実施形態では、単一のポンプ(例えば、真空ポンプ160)が、基板支持体124に配置された様々な間隙又はキャビティをポンプダウンすることができる。他の実施形態では、複数の真空ポンプを使用して、基板支持体124に配置された様々な間隙又はキャビティをポンプダウンすることができる。
【0029】
[0031]幾つかの実施形態では、ペデスタル150は、ペデスタル150の下面(例えば、絶縁体プレート126の底面)からペデスタル150の上面の様々な開口部まで延在するガス分配チャネル138を含む。ガス分配チャネル138は、窒素(N)又はヘリウム(He)等の熱伝達媒体として作用する裏側ガスをペデスタル150の上面に供給するように構成される。ガス分配チャネル138は、使用中のペデスタル150の温度及び/又は温度プロファイルを制御するために、ガス導管142を介して裏側ガス供給部141と流体連結している。幾つかの実施形態では、ガス分配チャネル138は、誘電体プレート152の温度とは独立して、エッジリング185の熱伝達及び温度制御のためのガス圧力を付与するように構成される。複数の第1の間隙174に進入する裏側ガスは、真空ポンプ160によって汲み出される。
【0030】
[0032]処理領域119はまた、その中に配置された基板を処理するためにチャンバ100に1又は複数のプロセスガスを供給し得るプロセスガス供給部118に結合され、それと流体連結している。幾つかの実施形態では、プロセスガス供給部118は、より均一なガス分配のために、シャワーヘッド(図示せず)を介して1又は複数のプロセスガスを処理領域119に供給することができる。
【0031】
[0033]チャンバ100は、内部領域121の内外への基板122の移送を容易にするためのスリットバルブ144を含む。幾つかの実施形態では、移送ロボット(図示せず)が基板122を移送するように構成される。移送ロボットはまた、交換のためにエッジリング185を内部領域121の内外へ移送するように有利に構成され得る。スリットバルブ144は、リッド101又はチャンバ本体106に結合されていてよい。
【0032】
[0034]工程において、例えば、1又は複数のプロセスを実行するために処理領域119にプラズマ192が生成され得る。プラズマ192は、処理領域119の近く又は処理領域119内の1又は複数の電極を介して、プラズマ電源(例えば、RFプラズマ電源170)からの電力をプロセスガスに結合して、プロセスガスに点火し、プラズマ192を生成することによって生成され得る。バイアス電源(例えば、バイアス電源117)からペデスタル150にバイアス電力を供給して、プラズマ192から基板122に向けてイオンを引きつけることができる。バイアス電源117は、エッジリング185及び誘電体プレート152にバイアス電力を供給し得る。例えば、バイアス電源117は、エッジリング185及び誘電体プレート152の両方によって共有される単一の電源を含み得る。
【0033】
[0035]図2は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る基板支持体を示す概略断面側面図である。幾つかの実施形態では、複数のプロセスキットリフトピン230が基板支持体124を貫通して延在し、プロセスキット部品、例えばエッジリング185を選択的に上昇又は下降させるように構成されている。複数のプロセスキットリフトピン230は、プロセスキット部品を上昇又は下降させるためにプロセスキットリフトアセンブリ204に結合されている。幾つかの実施形態では、複数のプロセスキットリフトピン230は、基板支持体124の周りに対称に配置された3つのリフトピンを含む。基板リフトアセンブリ128は、複数の第1のアクチュエータ208を含む。プロセスキットリフトアセンブリ204は、複数の第2のアクチュエータ222を含む。
【0034】
[0036]複数のプロセスキットリフトピン230は、概して、複数の基板リフトピン168の半径方向外側に配置される。複数の第2の間隙232が、複数のプロセスキットリフトピン230と複数のプロセスキットリフトピン開口部234のそれぞれ1つとの間に配置されている。幾つかの実施形態では、真空ポンプ160は、複数の第2の間隙232の各々に結合され、複数の第2の間隙232を約10mTorr以下の圧力までポンプダウンするように構成される。幾つかの実施形態では、複数の基板リフトピン168及び複数のプロセスキットリフトピン230は、ペデスタル150の共通の半径に沿って位置合わせされる。幾つかの実施形態では、チャネル178は、複数の第2の間隙232のうちの1又は複数から第3の間隙224まで延在する。幾つかの実施形態では、第3の間隙224は、処理領域119から密封される。例えば、幾つかの実施形態では、第1のOリング242及び第2のOリング246が、下部エッジリング134とペデスタル150との間に配置され、第3の間隙224がその間に配置される。
【0035】
[0037]幾つかの実施形態では、真空ポンプ160は、下部領域180に配置される。幾つかの実施形態では、真空ポンプ160はベースプレート102に結合される。幾つかの実施形態では、真空ポンプ160は、基板リフトアセンブリ128のうちの1つとプロセスキットリフトアセンブリ204のうちの1つとの間に配置される。幾つかの実施形態では、真空ライン166は、真空ライン166を、複数の第1の間隙174のうちの1つに延在する第1の真空ライン282と、複数の第2の間隙232のうちの1つに延在する第2の真空ライン284とに分割する、基板支持体124の1又は複数の接合部280を含む。幾つかの実施形態では、1又は複数の接合部280はベースプレート102に形成される。幾つかの実施形態では、真空ライン166は、複数の基板リフトピン開口部171の側壁に延在する。幾つかの実施形態では、真空ライン166は、複数のプロセスキットリフトピン開口部234の側壁に延在する。
【0036】
[0038]エッジリング185は、基板122の直径を超えてプロセス環境を有利に拡張し得る。しかしながら、プラズマ192がエッジリング185と基板122との間の任意の間隙に入り込んで、誘電体プレート152の劣化を引き起こす可能性がある。幾つかの実施形態では、インサートリング216が誘電体プレート152の上面の環状溝に配置され、誘電体プレート152を劣化から保護する。幾つかの実施形態では、インサートリング216は、エッジリング185とは別個である。幾つかの実施形態では、インサートリング216はエッジリング185と一体に形成されている。幾つかの実施形態では、エッジリング185及びインサートリング216は、シリコン(Si)、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)、酸化ケイ素(SiO)、又は石英でできていてよい。幾つかの実施形態では、エッジリング185は、インサートリング216とは異なる材料でできている。
【0037】
[0039]幾つかの実施形態では、基板支持体124に配設される様々な導管の少なくとも幾つかは、設備ケーブル250に配置され得る。例えば、チャッキング電極ライン143が、設備ケーブル250を通って延在していてよい。幾つかの実施形態では、設備ケーブル250は、下部領域180を通って基板支持体124に延在している。幾つかの実施形態では、ペデスタル150は、冷却プレート120と絶縁体プレート126との間に配置されたRFプレート206を含む。幾つかの実施形態では、RFプレート206は、金属材料、例えばアルミニウムでできている。RFプレート206は一般に、RFバイアス電力をペデスタル150に供給するためにバイアス電源117に結合されている。幾つかの実施形態では、基板支持体124は、誘電体プレート152の温度を測定するように構成された温度プローブ220を含む。
【0038】
[0040]図3は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る基板支持体124の一部を示す断面側面図である。幾つかの実施形態では、絶縁体スリーブ308が、複数の基板リフトピン開口部171の各々に配置され、複数の基板リフトピン168の各々を取り囲む。複数の第1の間隙174は、絶縁体スリーブ308の各々と複数の基板リフトピン168のそれぞれ1つとの間に延在している。幾つかの実施形態では、絶縁体スリーブ308は、ポリマー材料でできており、複数の第1の間隙174におけるアーク放電、グロー放電、又は点灯を低減又は防止するように構成される。幾つかの実施形態では、絶縁体スリーブ308は、複数のプロセスキットリフトピン開口部234の各々に配置され、複数のプロセスキットリフトピン230の各々を取り囲み、複数の第2の間隙232がその間に延在する。幾つかの実施形態では、RFプレート206と絶縁体プレート126との間の接合面にシールを提供するために、第3のOリング310が複数のプロセスキットリフトピン230の各々の周りに配置される。幾つかの実施形態では、第4のOリング316が複数の基板リフトピン168の各々の周りに配置され、RFプレート206と絶縁体プレート126との間の接合面にシールを提供する。
【0039】
[0041]使用中、基板122が誘電体プレート152上に配置される、又は誘電体プレート152に静電チャックされると、基板122は、複数の第1の間隙174及び複数の第2の間隙232から処理領域119を分離する、第1のシールを提供する。幾つかの実施形態では、複数の基板リフトピン168及び複数のプロセスキットリフトピン230は、下降位置にあるときにペデスタル150との第2のシールを提供するために外側にテーパしている上部312を有し、プロセス化学物質及び/又は基板の熱伝達又は冷却ガスが基板支持体124の間隙に意図せずに侵入することが更に低減される。
【0040】
[0042]上記は本開示の実施形態を対象としたものであるが、本開示の他の及び更なる実施形態を、その基本的範囲から逸脱することなく考案することが可能である。
図1
図2
図3
【国際調査報告】