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特表2024-546137プラズマチャンバにおける堅牢な発火及び再点火のための補助プラズマ源
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】プラズマチャンバにおける堅牢な発火及び再点火のための補助プラズマ源
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20241210BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20241210BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20241210BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H05H1/46 L
H05H1/46 M
H01L21/205
H01L21/31 C
H01L21/302 101G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535368
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-08-01
(86)【国際出願番号】 US2022051622
(87)【国際公開番号】W WO2023114022
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】17/551,698
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ラーマスワーミ, カーティク
(72)【発明者】
【氏名】アチカソフ, コスティアンティン
(72)【発明者】
【氏名】ブライト, ニコラス ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】シルベイラ, フェルナンド エム.
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ヤン
(72)【発明者】
【氏名】クオ, ユエ
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA05
2G084BB06
2G084CC04
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC14
2G084CC16
2G084DD03
2G084HH26
2G084HH28
2G084HH32
5F004AA01
5F004BA03
5F004BA04
5F004BA20
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB29
5F004BD04
5F004CA02
5F004CA03
5F004DA22
5F004DA23
5F045AA08
5F045AA09
5F045AC16
5F045AC17
5F045BB08
5F045EB03
5F045EC08
5F045EH02
5F045EH11
5F045EH12
5F045EH18
5F045EH20
(57)【要約】
半導体処理システムは、半導体ウエハ上でレシピを実行するように構成された半導体処理チャンバを含み得る。本システムは、半導体処理チャンバにプラズマを供給し、レシピの実行中にデューティサイクルで動作する第1のプラズマ源を含み得る。本システムはまた、第1のプラズマ源がデューティサイクルで動作している間、半導体処理チャンバ内のプラズマを維持するように構成された第2のプラズマ源を含み得る。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理チャンバにプラズマを供給する方法であって、
レシピに従って半導体処理チャンバ内で半導体ウエハを処理することと、
前記レシピに従って第1のプラズマ源を動作させることであって、前記第1のプラズマ源は、前記半導体処理チャンバにプラズマを供給し、前記レシピの実行中にデューティサイクルで動作するように構成される、前記レシピに従って第1のプラズマ源を動作させることと、
第2のプラズマ源を動作させることであって、前記第2のプラズマ源は、前記第1のプラズマ源がデューティサイクルで動作している間、オン状態になるように構成される、第2のプラズマ源を動作させることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のプラズマ源は、前記第1のプラズマ源に、前記半導体処理チャンバ内でプラズマを点火させる第1の電力レベルと、前記プラズマが前記半導体処理チャンバ内で維持される第2の電力レベルとを含む複数の電力レベルの間で、デューティサイクルで動作するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記半導体ウエハを処理することは、複数の電力レベルの間で前記第1のプラズマ源をデューティサイクルで動作させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の電力レベルは、前記第1のプラズマ源に、前記半導体処理チャンバ内でプラズマを点火させる第1の電力レベルと、前記半導体処理チャンバ内のプラズマをクエンチし、気体状態に遷移させる第2の電力レベルと、前記半導体処理チャンバ内でプラズマを再点火し、プラズマを気体状態からプラズマ状態に遷移させる第3の電力レベルとを含み、前記第3の電力レベルは、前記第1の電力レベルよりも少ないエネルギーを使用する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のプラズマ源を動作させることは、前記第1のプラズマ源への電子の供給を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のプラズマ源を動作させることで、前記半導体処理チャンバへの電子の供給が提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記半導体ウエハを処理することは、前記半導体処理チャンバを一定の圧力に保持することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
半導体処理システムであって、
半導体ウエハを処理するためのレシピを実行するように構成された半導体処理チャンバと、
前記半導体処理チャンバにプラズマを供給し、前記レシピの実行中にデューティサイクルで動作するように構成された第1のプラズマ源と、
前記レシピの実行中に前記第1のプラズマ源がデューティサイクルで動作している間、前記半導体処理チャンバ内のプラズマを維持するように構成された第2のプラズマ源と
を備える、半導体処理システム。
【請求項9】
前記半導体ウエハ上で実行されるレシピは、複数の電力レベルの間で前記第1のプラズマ源を循環させるデューティサイクルによって特徴付けられ、前記第2のプラズマ源は、前記第1のプラズマ源が前記半導体処理チャンバ内で最初にプラズマを点火する前にオン状態になるように構成される、請求項8に記載の半導体処理システム。
【請求項10】
前記デューティサイクルは、5Hzから5000Hzの周波数範囲で動作する、請求項9に記載の半導体処理システム。
【請求項11】
前記第2のプラズマ源は、マイクロ波同軸共振器を含む、請求項8に記載の半導体処理システム。
【請求項12】
前記マイクロ波同軸共振器は、電子フラッドガンとして構成される、請求項11に記載の半導体処理システム。
【請求項13】
前記第2のプラズマ源は、電子フラッドガンとして構成されたトロイダルプラズマ源を含む、請求項8に記載の半導体処理システム。
【請求項14】
前記第2のプラズマ源は、表面波プラズマ源を含む、請求項8に記載の半導体処理システム。
【請求項15】
前記表面波プラズマ源は、容量結合を用いてプラズマを生成する、請求項14に記載の半導体処理システム。
【請求項16】
前記表面波プラズマ源は、誘導結合を用いてプラズマを生成する、請求項14に記載の半導体処理システム。
【請求項17】
前記半導体処理チャンバ及び前記第1のプラズマ源は、前記半導体処理システムの一体化された部品であり、前記第2のプラズマ源は、前記半導体処理システムの製造後に取り付けられる、請求項8に記載の半導体処理システム。
【請求項18】
半導体処理システムであって、
半導体ウエハを処理するためのレシピを実行するように構成された半導体処理チャンバと、
前記半導体処理チャンバにプラズマを供給し、前記レシピの実行中にデューティサイクルで動作するように構成されたプラズマ源と、
前記半導体ウエハ上で前記レシピを実行する間中ずっと前記半導体処理チャンバ内のプラズマを維持するように構成された表面波生成プラズマ源と
を備える、半導体処理システム。
【請求項19】
前記プラズマ源は、トロイダルプラズマ源を含む、請求項18に記載の半導体処理システム。
【請求項20】
前記プラズマ源は、同軸共振器を含む、請求項18に記載の半導体処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2021年12月15日出願の「AUXILIARY PLASMA SOURCE FOR ROBUST IGNITION AND RESTRIKES IN A PLASMA CHAMBER」と題する米国非仮出願第17/551,698号の利益及び優先権を主張するものであり、その内容を全て、参照により本明細書に援用する。
【0002】
[0002]本開示は、概して、半導体製造において使用するための補助プラズマ源に関する。より具体的には、本開示は、複数のプラズマ源を使用する複雑なデューティサイクルの間、主プラズマチャンバ内のプラズマのより均一な発火及び再発火を確実にするための技術を記載する。
【背景技術】
【0003】
[0003]半導体製造のプロセスに使用されるプラズマを生成するために、通常、半導体処理チャンバ内の原子をイオン化するレベルのエネルギーが中性ガスに加えられる。例えば、アルゴン(Ar)は、プラズマ状態に到達するために500Wの発火又は「点火」要件を有し、プラズマ状態を維持するために40MHzで15Wのエネルギーを必要し得る。現在の半導体製造技術では、各々がプラズマに供給されるエネルギーによって特徴付けられる複数の電力レベルを含み得る、プラズマ源がオン状態にある期間と、チャンバ内でプラズマがクエンチ(消孤)することができるプラズマ源がオフ状態にある期間とがある、デューティサイクルを使用し得る。デューティサイクルの間、約30Wから8000Wの範囲の電力が、各オンサイクルの開始時に印加され得る。製造技術上、より複雑なデューティサイクル、及び/又は、オン期間の間のオフ期間がより長いデューティサイクルが要求されるため、チャンバ内のプラズマは、オフ期間中の冷却時間が長くなり、プラズマがクエンチされる。そのため、プラズマ生成のばらつきが大きくなり、製造不良の発生率が高くなる。
【発明の概要】
【0004】
[0004]幾つかの実施形態では、半導体処理チャンバにプラズマを供給する方法は、レシピに従って半導体処理チャンバ内で半導体ウエハを処理することを含み得る。半導体ウエハを処理することは、半導体処理チャンバを一定の圧力に保持することを含み得る。本方法はまた、レシピに従って第1のプラズマ源を動作させることを含み得る。第1のプラズマ源は、半導体処理チャンバに結合され、レシピの実行中にデューティサイクルで動作するように構成され得る。第1のプラズマ源は、半導体処理チャンバにプラズマを供給し得る。第1のプラズマ源は、複数の電力レベルの間で、デューティサイクルで動作し得る。複数の電力レベルは、第1のプラズマ源に、半導体処理チャンバ内でプラズマを点火させる第1の電力レベルを含み得る。複数の電力レベルは、半導体処理チャンバ内のプラズマをクエンチし、プラズマ状態から気体状態に遷移させる第2の電力レベルも含み得る。第3の電力レベルは、半導体処理チャンバ内でプラズマを再点火し、プラズマを気体状態からプラズマ状態に遷移させ得る。第3の電力レベルは、第1の電力レベルよりも少ないエネルギーを使用し得る。プラズマはアルゴンを含み得る。本方法は、レシピの実行中に第1のプラズマ源がデューティサイクルで動作している間、プラズマを維持するように構成された第2のプラズマ源を動作させることを含み得る。第2のプラズマ源は、第1のプラズマ源への電子の供給を提供し得る。第2のプラズマ源はまた、あるいは代替的に、半導体処理チャンバへの高エネルギー電子の供給を提供し得る。
【0005】
[0005]幾つかの実施形態では、半導体処理システムは、半導体ウエハを処理するためのレシピを実行するように構成された半導体処理チャンバを含み得る。本システムは、半導体処理チャンバにプラズマを供給するように構成された第1のプラズマ源を含み得る。第1のプラズマ源はまた、レシピの実行中にデューティサイクルで動作するように構成され得る。半導体ウエハ上で実行されるレシピは、複数の電力レベルの間で第1のプラズマ源を循環させることを要するデューティサイクルによって特徴付けられ得る。デューティサイクルは、約5%から95%の範囲で動作し得る。本システムはまた、第1のプラズマ源がデューティサイクルで動作している間、半導体処理チャンバ内のプラズマを維持するように構成された第2のプラズマ源を含み得る。第2のプラズマ源は、マイクロ波同軸共振器であってよい。マイクロ波同軸共振器は、電子フラッドガンとして構成され得る。第2のプラズマ源は、トロイダルプラズマ源であってよい。トロイダルプラズマ源は、電子フラッドガンとして構成され得る。第2のプラズマ源は、表面波プラズマ源であってよい。表面波プラズマ源は、容量結合を用いて、又は誘導結合を用いてプラズマを生成し得る。
【0006】
[0006]幾つかの実施形態では、半導体処理システムは、半導体ウエハを処理するためのレシピを実行するように構成された半導体処理チャンバを含み得る。本システムは、半導体処理チャンバにプラズマを供給するように構成されたプラズマ源を含み得る。プラズマ源はまた、レシピの実行中にデューティサイクルで動作するように構成され得る。プラズマ源は、トロイダルプラズマ源又は同軸共振器を含み得る。本システムは、半導体ウエハ上でレシピを実行中に、半導体処理チャンバ内のプラズマを維持するように構成された表面波プラズマ源を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】幾つかの実施形態に係る半導体製造システムの一例を示す図である。
図2】幾つかの実施形態に係る補助プラズマ源を有する半導体処理システムの一例を示す図である。
図3】幾つかの実施形態に係る、電子フラッドガンとして構成された無線周波数(RF)同軸共振器を使用してプラズマ発火を起こすためのシステムを示す図である。
図4】幾つかの実施形態に係る、トロイダル電子フラッドガンとして構成されたトロイダルプラズマ源を示す図である。
図5】幾つかの実施形態に係る表面波プラズマ源を示す図である。
図6】幾つかの実施形態に係る、補助プラズマ源として表面波プラズマ源を使用する半導体処理システムを示す図である。
図7】幾つかの実施形態に係る、半導体処理チャンバにプラズマを供給する方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0014]上述したように、半導体製造において使用される現在の技術は、しばしば約5Hzから5000Hzの範囲の周波数を有し得る、より複雑なデューティサイクルを必要とする場合がある。他の実施形態では、周波数は0.01Hzから200Hzの範囲であってよい。デューティサイクルは、半導体ウエハ上で実行されるレシピに従ってプラズマのエネルギーレベルを変化させることができる。レシピにより、エネルギーレベルを、チャンバ内の圧力に応じて、例えば300Wから600Wの複数のレベルにおいて変化させることができる。
【0009】
[0015]一般に、プラズマを点火するのに必要な圧力は、所定のエネルギーレベルにおいてチャンバ内にプラズマを維持するのに必要な圧力よりも高い。例えば、25mTorrでアルゴンプラズマを点火するには500Wの誘導結合電力(ICP)が必要な場合があるが、半導体処理チャンバ内の所望の動作圧力は1mTorrから400mTorrの範囲内であり得る。そのため、半導体処理チャンバ内の圧力は、レシピに従って何度も上昇及び下降させられる。
【0010】
[0016]しかし、プラズマの一貫した点火及び再点火を可能にするために半導体処理チャンバの圧力を上昇させることは、製造上の問題を引き起こす可能性がある。例えば、再点火のために半導体処理チャンバ内の圧力を上昇させると、望ましくないポリマー堆積が生じることがある。レシピが複数回の点火と再点火を要求する場合、高圧の期間が更に追加されるため、不要なポリマー堆積及びその他のプロセスのばらつきが発生する機会が増える。
【0011】
[0017]本開示に記載の実施形態は、チャンバに更なる補助プラズマ源を追加することによって、これらの技術的問題及び他の技術的問題を解決する。2つのプラズマ源(「主」プラズマ源及び「補助」プラズマ源、あるいは「第1」のプラズマ源及び「第2」のプラズマ源と呼ばれることがある)は、チャンバ内に一定のプラズマを点火し、維持するために協働する。主プラズマ源は、プラズマを供給し維持するように構成され、半導体ウエハ上のレシピの実行中に動作し得る。主プラズマ源は、プラズマがクエンチされ、主プラズマ源が「オフ」状態にあるレベルを含む、異なる電力レベルの間を循環させることができる。例えば、プラズマを維持するためには、レシピ及び主プラズマ源の設計によっては、プラズマを点火又は再点火するために使用される500W及びGHz範囲の周波数と比較して、40MHzで15Wのエネルギーしか必要としない場合がある。
【0012】
[0018]補助プラズマ源又は第2のプラズマ源は、半導体処理チャンバ内で主プラズマ源によって供給されるプラズマを維持するように構成され得る。第2のプラズマ源は、ウエハレシピの実行の間中ずっと動作し得る。幾つかの構成では、補助プラズマ源は、主プラズマ源によって必要とされる維持電力を低減させることができる。補助プラズマ源は、チャンバ内に拡散される「リーク」プラズマを生成するように構成され得る、又はチャンバ本体に対する電位差を生じさせることによってプラズマを半導体処理チャンバ内に送り込み、チャンバに電子の供給を行うように構成され得る。
【0013】
[0019]第2のプラズマ源は、表面波を使用してプラズマを生成するサーファトロン装置等の表面波プラズマ源を含む、多数の異なる技術的解決策を使用して実装され得る。マイクロ波同軸共振器プラズマ源を使用することができ、電子フラッドガンとして構成することができる。また、トロイダルプラズマ源を使用することもでき、電子フラッドガンとして構成することができる。幾つかの実施形態では、2つ以上の補助プラズマ源を用いることができ、半導体処理チャンバ内により一貫したプラズマ密度を付与することができる。
【0014】
[0020]補助プラズマ源を使用して半導体チャンバに電子源を提供することによって、主プラズマ源を、レシピの実行中に電力レベル間で循環させることができる、及び/又はオフにすることができる。主プラズマ源のデューティサイクル中、補助プラズマ源がチャンバ内のプラズマを維持するため、主プラズマ源のデューティサイクルがオン状態に入るたびにプラズマを再点火する必要がない。再点火を必要とする場合であっても、補助プラズマ源と共働する場合には、主プラズマ源からの電力が低減し得る。更に、補助プラズマ源を用いて再点火を行う場合、チャンバ内の圧力及びその他の環境特性を変更する必要がない。その代わりに、チャンバの環境特性は、再点火の間維持され得、それにより、主プラズマ源のデューティサイクル中のプロセス変動が低減する。本開示の実施形態は、それによって、半導体処理チャンバ内のプラズマを維持するために必要な電力を低減させ、デューティサイクル中に必要とされる再点火のために圧力、電力、及び容量整合ネットワークを調整する必要性を排除し得る。
【0015】
[0021]図1は、幾つかの実施形態に係る半導体製造システムの一例を示す図である。システム100は、半導体処理チャンバ102と、主プラズマ源104とを含み得る。主プラズマ源104は、例えば、第1のコイル110、第2のコイル112、交流(AC)電源114、電力分割器111、コントローラ118、及びガス源116を有する誘導結合プラズマ源を含み得る。主プラズマ源104は、容量結合プラズマ源も含み得る。
【0016】
[0022]半導体処理チャンバ102は、半導体ウエハ108を支持するウエハプラットフォーム106を含み得る。レシピは、半導体製造プロセス中に半導体ウエハ108上で実行され得る。本明細書で使用する「レシピ」は、半導体処理チャンバ102の動作を制御する一連の命令を指す場合がある。例えば、レシピは、圧力、温度、ガス濃度、ガス流量、及び/又は他の条件等の環境条件の時系列設定値を含み得る。レシピはまた、プラズマを生成し、半導体ウエハ108上に膜又は層を堆積させ、半導体ウエハ108上の層を研磨又はエッチングする、及び/又は半導体ウエハ108上で他のプロセスを実行するために、半導体処理チャンバ102の様々な構成要素に印加され得る電圧、電流、電力設定、デューティサイクル、及び他の電子刺激を含み得る。
【0017】
[0023]コントローラ118は、レシピに従って、ガスをガス源116から半導体処理チャンバ102に供給させることができる。コントローラ118はまた、レシピに従って、AC電源114によって電流が出力されるようにすることができる。電力分割器111は、コイル110と112との間で電流を分割することができる。電流は、その結果生じる電磁場によってガスがイオン化されて、半導体処理チャンバ102内にプラズマを点火するのに十分な電力レベル及び周波数で供給され得る。プラズマは、拡散効果によって半導体処理チャンバ102に充満し得る、又はプラズマ源104と半導体処理チャンバ102との間の電位差によって送り込まれ得る。
【0018】
[0024]レシピは、コントローラ118がAC電源114をオン及びオフにさせる、及び/又はAC電源114によって出力される電力レベルを変化させるデューティサイクルを含み得る。したがって、主プラズマ源104は、1又は複数の電力レベルによって特徴付けられるオン状態であってよい、又は主プラズマ源はOFF状態であってよい。幾つかの実施形態では、オン状態は、複数の電力レベルを含み得る。第1の電力レベルは、第1のプラズマ源に、半導体処理チャンバ102内でプラズマを点火することができる。第2の電力レベルは、半導体処理チャンバ102内のプラズマをクエンチさせる、又は気体状態に再び遷移させることを可能にし得る。第3の電力レベルは、半導体処理チャンバ102内でプラズマを再点火し、プラズマを気体状態からプラズマ状態に遷移させることができる。第3の電力レベルは、第1の電力レベルよりも少ないエネルギーを使用し得る。
【0019】
[0025]レシピがレシピの一部において主プラズマ状態をオフ状態にさせる状況では、デューティサイクルで必要とされるときに、プラズマを再発火又は「再点火」する必要があり得る。その場合、主プラズマ源104は、プラズマを維持するために必要とされるよりも高い電力を、プラズマを再点火するために使用する可能性がある。半導体処理チャンバ102内の動作圧力の増加もまた、プラズマを再点火するために必要であり得る。プラズマを再点火するのに必要な圧力の増加は、半導体ウエハ108上のポリマーの不要な堆積又は生成等の製造欠陥につながる可能性がある。
【0020】
[0026]更に、主プラズマ源104だけがプラズマを半導体処理チャンバ102に供給しているため、プラズマが半導体処理チャンバ102に均一に充満しない可能性がある。したがって、半導体ウエハ108が曝露されるプラズマの量にばらつきが出る可能性がある。これは、更なる製造欠陥につながる可能性がある。
【0021】
[0027]図1では、主プラズマ源104を誘導結合プラズマ源として図示したが、容量結合プラズマ源、及び他の種類の供給源を含む、多くの周知の種類の主プラズマ源が使用され得る。このリストは網羅的ではなく、任意のプラズマ源を主プラズマ源104として使用することができる。更に、主プラズマ源104を半導体処理チャンバ102の外部に図示したが、主プラズマ源104が半導体処理チャンバ102の内部にあり、プラズマがチャンバに充満する代わりに半導体処理チャンバ102の内部に形成される場合を含む、他の構成も可能である。
【0022】
[0028]図2は、幾つかの実施形態に係る、補助プラズマ源を有する半導体処理システムの一例を示す図である。システム200は、半導体処理チャンバ202、主プラズマ源204、及び補助プラズマ源220を含み得る。幾つかの実施形態では、半導体処理チャンバ202及び主プラズマ源204は、図1に描かれた主プラズマ源104と同様であってよい。したがって、ラベル付けされた構成要素202~218は、図1の対応する構成要素102~118と同様に機能し得る。図1と同様に、主プラズマ源204を誘導結合電源として図示したが、誘導結合電源の代わりに、又は誘導結合電源に加えて、容量結合電源、又は任意の他の種類のプラズマ源を使用することができる。
【0023】
[0029]補助プラズマ源220は、レシピの実行中、主プラズマ源がデューティサイクルで動作している間、半導体処理チャンバ202内のプラズマを維持するように構成され得る。補助プラズマ源220は、半導体ウエハ208上で実行されるレシピの持続期間中ずっとオン状態であってよい。幾つかの実施形態では、補助プラズマ源は、半導体ウエハ208上で実行されるレシピの持続期間中、単一の電力レベルに保持され得る。補助プラズマ源220は、サーファトロン等の表面波生成プラズマ源、様々な構成のマイクロ波同軸共振器、トロイダルプラズマ発生装置等を含む、任意の種類のプラズマ源を含み得る。補助プラズマ源はまた、石英リアクタを備えた同軸共振器も含み得る。更に、補助プラズマ源を1つのみ図示したが、任意の数の補助プラズマ源を任意の構成で配置することができる。例えば、プラズマの密度をより均一に維持するために、複数の補助プラズマ源を半導体処理チャンバ202の周囲に分散させることができる。更に、補助プラズマ源220は、主プラズマ源204が半導体処理システムの一体部品である半導体製造システムが製造された後に、図1のシステム100等の半導体製造システムに追加することができる。
【0024】
[0030]補助プラズマ源220は、半導体処理チャンバ202に電子の供給を提供することによって、半導体処理チャンバ202内のプラズマを維持することができる。幾つかの実施形態では、電子は、拡散効果によって半導体処理チャンバ202に進入する「リーク」プラズマとして、補助プラズマ源220によって供給され得る。他の実施形態では、補助プラズマ源を電子フラッドガンとして構成することができ、電子は、電子ビームとして半導体処理チャンバ202に進入し得る。以下にそのうちの一部を詳細に説明する任意の種類のプラズマ源を、リークプラズマを提供するように構成することができる、又は電子フラッドガンとして構成することができる。
【0025】
[0031]幾つかの実施形態では、補助プラズマ源220は、マイクロ波周波数(3×10から3×1011Hz)で動作し得る。マイクロ波周波数で動作することによって、補助プラズマ源220は、主プラズマ源204よりも物理的に小さくなり得る。更に、補助プラズマ源220によって使用される電力は、主プラズマ源204によって使用される電力よりも小さくてよい。他の実施形態では、補助プラズマ源は、3×10から3×10Hz等の無線周波数(RF)範囲で動作するように構成され得る。
【0026】
[0032]システム200を使用して、半導体ウエハ208上でレシピを実行することができる。主プラズマ源は、半導体処理チャンバ202にプラズマを供給するように構成され、レシピの実行中、デューティサイクルで動作するように構成され得る。レシピは、主プラズマ源204が複数の電力レベル間で交互の繰り返しを行うことを要求するデューティサイクルを含み得る。幾つかの実施形態では、第1の電力レベルは、第1のプラズマ源に、半導体処理チャンバ202内でプラズマを点火させることができる。第2の電力レベルは、半導体処理チャンバ102内のプラズマをクエンチさせる、又は気体状態に遷移させることができる。第3の電力レベルは、半導体処理チャンバ102内でプラズマを再点火し、プラズマを気体状態からプラズマ状態に遷移させることができる。第3の電力レベルは、第1の電力レベルよりも少ないエネルギーを使用し得る。
【0027】
[0033]幾つかの実施形態では、第1の電力レベルは、半導体処理チャンバ202内でプラズマを点火することができる。第2の電力レベルは、プラズマのエネルギーの減少によって特徴付けられ得る。その場合、補助プラズマ源220が、半導体処理チャンバ202内のプラズマを維持し得る。第3の電力レベルは、主プラズマ源204に、プラズマのエネルギーを上昇させることができる。プラズマは補助プラズマ源220によって維持され得るので、プラズマを再点火する必要がない場合がある。
【0028】
[0034]補助プラズマ源220によって提供される電子の供給は、主プラズマ源204がある電力レベルから別の電力レベルへ直接遷移することを可能にし得る。電子の供給は、シード電子として機能し、プラズマを再点火するために必要とされ得るより高い電力レベルの代わりに、レシピによって示されるエネルギーにプラズマが遷移することを可能にし得る。換言すれば、補助プラズマ源220は、主プラズマ源204用の発火源として機能すると同時に、半導体処理チャンバ202内のプラズマを維持し、再点火なしで主プラズマ源が電力レベルを変更することを可能にする。
【0029】
[0035]更に、半導体処理チャンバ202は一定の圧力に保持され得る。半導体処理チャンバ202内のプラズマは補助プラズマ源220によって維持され得るので、半導体処理チャンバ202内の圧力は、レシピの実行中にプラズマを再点火するために上昇させられる代わりに、所望の動作圧力に保持され得る。半導体処理チャンバ202内の圧力をより高い再点火圧力まで上昇させる必要なく、不要なポリマー堆積等の製造欠陥が緩和され得る。
【0030】
[0036]図3は、幾つかの実施形態に係る、電子フラッドガンとして構成された無線周波数(RF)同軸共振器を使用してプラズマ発火を起こすためのシステムを示す図である。同軸共振器は、狭い帯域のEM波の伝送を可能にする。例えば、同軸共振器の一般的な構成は、波の波長が同軸共振器の長さの1/4(又はその倍数)のEM波のみを伝送するλ/4共振器である。同軸共振器は、同軸共振器の共振周波数によって特徴付けられる電流が同軸共振器の内部本体によって運ばれたときに、強い電磁(EM)場を発生させる。十分な出力レベルでは、同軸共振器の端部にプラズマが形成され得る。
【0031】
[0037]システム300は、主プラズマ源本体302と、外部DC共振器本体304、内部DC共振器本体306、DC接続部308、及びDC源310を含む直流(DC)同軸共振器とを含み得る。システム300はまた、外部RF共振器本体312、内部RF共振器本体314、及びDC絶縁ブロック316を含むRF同軸共振器も含み得る。システム300はまた、絶縁体322及びチャンバ窓320を含み得る。チャンバ窓320は、図1の半導体処理チャンバ102等の半導体処理チャンバに通じていてよい。
【0032】
[0038]DC源310は、DC接続308を介して、内部DC共振器本体306に電流を供給し得る。電流は、その後、外部DC共振器本体304を通って戻ることができる。内部DC共振器本体306と外部DC共振器本体304との間に電磁場が形成され得る。内部DC共振器本体に十分な電力で周波数が印加されると、チャンバ窓320の近傍にプラズマが形成され得る。
【0033】
[0039]内部RF共振器本体は、交流(AC)電源318に接続されていてよい。幾つかの実施形態では、AC電源318は、マイクロ波範囲(3×10から3×1011Hz)の周波数を利用する電流を供給することができる。内部RF共振器本体は、外部DC共振器本体304内に延在していてよく、電子がDC同軸共振器に進入することを可能にする。AC電源318がRF同軸共振器の共振周波数付近の電流を供給すると、内部RF共振器本体314の端部にプラズマが形成され得る。
【0034】
[0040]外部RF共振器本体は、主プラズマ源本体302と電気的に接触していてよい。幾つかの実施形態では、主プラズマ源本体302は、電気的に接地されていてよい。したがって、RF同軸共振器は、DC同軸共振器よりも低い電位にあり、電子は、DC同軸共振器に送り込まれ得る。RF同軸共振器の構成は、電子ビームを供給することから、電子フラッドガンと呼ぶことができる。
【0035】
[0041]RF同軸共振器を変化させる望ましくない電磁影響を防止するために、RF同軸共振器はDC電流から絶縁され得る。DC絶縁ブロックコネクタ316は、DC同軸共振器内のDC電流からAC同軸共振器を絶縁することができる。幾つかの実施形態では、DC絶縁ブロックコネクタ316は、他の適切な材料と共に、セラミックを含み得る。
【0036】
[0042]DC同軸共振器は、図1における主プラズマ源104の代わりに、半導体処理チャンバ用の主プラズマ源として機能し得る。図1と同様に、DC同軸共振器の電力は、1又は複数のプロセッサによって実行されるレシピに従って変化し得る。幾つかの実施形態では、DC同軸共振器は、上述の補助プラズマ源として機能し得る内部RF共振器本体314を介して、RF同軸共振器によって供給される高エネルギー電子の供給を有し得る。高エネルギー電子の供給により、DC同軸共振器はより小さい電力を使用して、プラズマを再点火する又は様々な電力レベルでプラズマを維持することができる。更に、RF同軸共振器をDC同軸共振器の発火源として使用することにより、従来の方法と比較して、プラズマをより安定的に形成することができる。
【0037】
[0043]更に、RF同軸共振器は、DC同軸共振器に電子を供給するものとして示したが、他の構成も可能である。例えば、RF同軸共振器は、主プラズマ源ではなく、処理チャンバに取り付けられた図2の補助プラズマ源220として使用することができる。その場合、RF同軸共振器は、半導体処理チャンバ202に電子の供給を提供することができ、半導体処理チャンバ202の内部で直接プラズマを維持することができる。
【0038】
[0044]システム300は、RF同軸共振器によって発火又は維持されるDC同軸共振器を示しているが、他の実施形態では、代替のプラズマ源を使用することができる。例えば、DC同軸共振器は、サーファトロン等の表面波生成プラズマ源、様々な構成の(例えば、石英リアクタを備えた)同軸共振器、トロイダルプラズマ発生装置、及び/又は他の代替物を含む、任意のプラズマ源に置き換えることができる。他のプラズマ源は、電子フラッドガンとして構成することもできる。
【0039】
[0045]図4は、幾つかの実施形態に係る、トロイダル電子フラッドガンとして構成されたトロイダルプラズマ源を示す図である。トロイダル電子フラッドガン400を別にして図示したが、トロイダル電子フラッドガン400は、本明細書の実施形態のいずれにも適用することができる。例えば、トロイダル電子フラッドガン400は、図2の補助プラズマ源220であってよい。別の実施形態では、トロイダル電子フラッドガンは、図3のRF同軸共振器の代わりに、又はそれに加えて使用することができる。
【0040】
[0046]トロイダル電子フラッドガン400は、フラッドガン本体402を含み得る。トロイダルチャンバ404がフラッドガン本体402内に含まれていてよい。ガスをトロイダルチャンバ404に送達するために、ガス入口406がフラッドガン本体402を通っていてよい。トロイダルチャンバはまた、電気的に接地されていてよい。プラズマ排気口408が、第1の端部においてトロイダルチャンバ404に接続されていてよい。幾つかの実施形態では、プラズマ排気口408は、第2の端部において、図2の半導体処理チャンバ202等の半導体処理チャンバに接続されていてよい。幾つかの実施形態では、第2の端部は、図3のDC同軸共振器等の別のプラズマ源に接続されていてよい。
【0041】
[0047]トロイダルフラッドガン400はまた、AC経路414を介して導体412a及び412bに電気的に接続された交流(AC)電源410も含み得る。幾つかの実施形態では、AC電源は、マイクロ波範囲(3×10から3×1011Hz)の周波数の電流を供給することができる。他の実施形態では、AC電源410は、RF範囲(3×10から3×10Hz)の周波数の電流を供給することができる。電流は、導体412a及び412bを通って流れ、トロイダルチャンバ404に方向づけされることと、トロイダルチャンバ404から離れるように方向づけされることとを交互に繰り返す磁場を形成し得る。電流はまた、導体412a及び412bの周囲にトロイダル電場を形成し得る。変化する磁場とトロイダル電場は、トロイダルチャンバ404の周りにガスを送り込み、プラズマを生成し得る。
【0042】
[0048]幾つかの実施形態では、フラッドガン本体402は、DC経路418を介してDC源416に接続されていてよい。DC源416は、トロイダル電子フラッドガン400と、プラズマ排気口408の第2の端部に取り付けられていてよい半導体処理チャンバ又はプラズマ源との間に電圧を生じさせる電流を供給することができる。この電圧に起因して、電子が、トロイダル電子フラッドガン400から、プラズマ排気口408の第2の端部に取り付けられていてよい半導体処理チャンバ又はプラズマ源に送り込まれ得る。従って、トロイダル電子フラッドガン400は、図2の補助プラズマ源220等の補助プラズマ源として、あるいは図3のRF同軸共振器の代わりに、あるいはそれに加えて使用することが可能である。
【0043】
[0049]図5は、幾つかの実施形態に係る表面波生成プラズマ源500を示す図である。表面波プラズマ源500は、プラズマ源ハウジング502を含み得る。プラズマ源ハウジング502は、内管504及びランチングプレート508を含み得る。内管504とランチングプレート508との間にランチング間隙510があってよい。誘電体管506が内管504の内側にあってよく、無線周波数(RF)電源514が内管504と接触していてよい。
【0044】
[0050]動作中、RF電源514は、内管504に交流電流を供給し得る。幾つかの実施形態では、交流電流は、約10MHzから3GHzの周波数範囲で供給され得る。交流電流は、約1Wから2000Wの電力レベルで供給され得る。交流電流は、内管504を横切って流れ、内管504の周囲に電場を形成する。電場は誘電体管506の軸方向に沿っていてよい。
【0045】
[0051]また、動作中に、アルゴン又はヘリウム等のガスが、ガスポート516を通して誘電体管506に供給され得る。幾つかの実施形態では、内管504への誘導結合を通じて供給される交流電流は、ガスが誘電体管506及び電場を通って移動すると、それによってガスがプラズマになるほど十分なレベルで供給され得る。他の実施形態では、内管504への容量結合を通じて供給される交流電流は、ガスが誘電体管506及び電場を通って移動すると、それによってガスがプラズマになるほど十分なレベルで供給され得る。交流電流は更に、ランチング間隙510からプラズマに伝播される表面波を形成し得る。表面波は、伝播方向に沿って電子をランチング間隙510に向かって送り込み、プラズマを導出するイオン化前線を形成する。
【0046】
[0052]表面波がランチング間隙510から放出されると、プラズマ及びイオン化前線がランチングプレート508に向かって推進され得る。幾つかの実施形態では、ランチングプレート508は、金属から製造され得る。プラズマとランチングプレート508との間の電位差により、イオン化前線及びプラズマが誘電体管506の軸方向に向かって更に送り込まれ得る。
【0047】
[0053]幾つかの実施形態では、ランチングプレート508は、イオン化前線及びプラズマを、図2の半導体処理チャンバ202等の半導体処理チャンバに向かって方向づけするように構成され得る。他の実施形態では、ランチングプレートは、図3のDC同軸共振器等の主プラズマ源と接触していてよい。このように、表面波プラズマ源500は、高エネルギー電子の供給を半導体処理チャンバ及び/又は別のプラズマ源に送達するように構成された補助プラズマ源として使用することができる。表面波プラズマ源500は、電子の供給を送達することができるので、表面波プラズマ源500は、他の供給源から生成されるプラズマを点火する又は維持するために使用することができ、他の供給源をより低い出力で動作させ、レシピに従って変化させることができる。
【0048】
[0054]図6は、特定の実施形態に係る、補助プラズマ源として表面波プラズマ源を使用する半導体処理システムを示す図である。システム600は、半導体処理チャンバ602、主プラズマ源604、及び補助プラズマ源620を含み得る。幾つかの実施形態では、半導体処理チャンバ602及び主プラズマ源604は、図1に描かれているものと同様であってよい。したがって、ラベル付けされた構成要素602~618は、図1の対応する構成要素102~118と同様に機能し得る。図1と同様に、主プラズマ源604は誘導結合プラズマ源として示されているが、主プラズマ源604は、容量結合プラズマ源、又は他の任意のプラズマ源を含む任意の種類のプラズマ源であってよい。
【0049】
[0055]システム600はまた、表面波プラズマ源650を含み得る。表面波プラズマ源650は、外壁620を含み得る。幾つかの実施形態では、外壁620は、金属から製造され得る。外壁620はまた、電気的に接地され得る。外壁620は、誘電体管624を取り囲む内管622を収納し得る。幾つかの実施形態では、内管622はアルミニウムから製造され得る。誘電体管624は、石英から製造され得る。誘電体管624、内管622、及び外壁620は、誘電体管624にガスが入ることを可能にするガスポート630を含み得る。
【0050】
[0056]表面波プラズマ源650はまた、AC経路628を介して内管622に交流電流を送達するRF電源626を含み得る。幾つかの実施形態では、交流電流は、約10MHzから3GHzの周波数範囲で供給され得る。交流電流は更に、約1Wから2000Wの電力レベルで供給され得る。
【0051】
[0057]幾つかの実施形態では、半導体処理チャンバ602は、半導体ウエハ608を処理するためのレシピを実行するように構成され得る。主プラズマ源604は、半導体処理チャンバ602にプラズマを供給し、レシピの実行中にデューティサイクルで動作するように構成され得る。表面波プラズマ源650は、レシピの実行の間中ずっと、半導体処理チャンバ602内のプラズマを維持するように構成され得る。幾つかの実施形態では、表面波プラズマ源650は、図5に記載される表面波プラズマ源500として機能し得る。表面波プラズマ源500と同様に、表面波プラズマ源650は、半導体処理チャンバ602に電子の供給を提供し得る。
【0052】
[0058]図6は、表面波プラズマ源650を1つだけ示しているが、システム600は、任意の数の表面波プラズマ源を含み得る。表面波プラズマ源は、同じ動作周波数を有する異なる種類のプラズマ源より小さくてよい。なぜなら、表面波プラズマ源は、動作周波数に関連する波長によって決定される最小長さを必ずしも有さないからである。したがって、システム600等の単一のシステムに追加の表面波プラズマ源を含めることが実用的であり得る。
【0053】
[0059]図7は、幾つかの実施形態に係る、半導体処理チャンバにプラズマを供給するための方法のフローチャートを示す図である。ブロック702において、本方法は、レシピに従って半導体処理チャンバ内で半導体ウエハを処理することを含み得る。幾つかの実施形態では、半導体処理チャンバは一定の圧力に保持される。
【0054】
[0060]ブロック704において、方法700は、レシピに従って第1のプラズマ源を動作させることを含んでいてよく、プラズマ源は、半導体処理チャンバに結合される。第1のプラズマ源はまた、レシピの実行中にデューティサイクルで動作するように構成され得る。第1のプラズマ源は、半導体処理チャンバにプラズマを供給し得る。幾つかの実施形態では、第1のプラズマ源は、図2の主プラズマ源204等の主プラズマ源であってよい。プラズマは、アルゴン、ヘリウム、又は他の同様のプラズマガスを含み得る。第1のプラズマ源は、誘導結合プラズマ源、容量結合プラズマ源、又は任意の他の種類のプラズマ源であってよい。
【0055】
[0061]ブロック706において、方法700は、半導体処理チャンバ内のプラズマを維持するように構成された第2のプラズマ源を動作させることを含み得る。第2のプラズマ源は、第1のプラズマ源がデューティサイクルで動作している間、レシピの実行中にプラズマを維持し得る。第2のプラズマ源は、他の構成と共に、サーファトロン、様々な構成の同軸共振器、トロイダルプラズマ発生装置等の表面波生成プラズマ源を含み得る。幾つかの実施形態では、第2のプラズマ源は、図2の補助プラズマ源220等の補助プラズマ源であってよい。幾つかの実施形態では、第2のプラズマ源は、ブロック704において第1のプラズマ源を動作させる前にオンにすることができる。第2のプラズマ源は、最初のプラズマ点火において第1のプラズマ源を補助し、その後、第1のプラズマ源がレシピ実行の間中デューティサイクルで動作する間、プラズマを維持するためにオンのままであり得る。
【0056】
[0062]幾つかの実施形態では、第2のプラズマ源は、半導体処理チャンバに電子の供給を提供し得る。第2のプラズマ源は、リークプラズマとしての拡散効果によって、又はプラズマを送り込むことによって、半導体処理チャンバに電子を供給することができる。例えば、第2のプラズマ源は、電子ビーム又は電子フラッドガン等を用いて、電位を使用してプラズマを半導体処理チャンバに送り込むことができる。
【0057】
[0063]幾つかの実施形態では、第1のプラズマ源は、複数の電力レベルの間でデューティサイクルで動作し得る。第1の電力レベルは、第1のプラズマ源に、半導体処理チャンバ内でプラズマを点火させることができる。第2の電力レベルは、半導体処理チャンバ内のプラズマをクエンチし、気体状態に遷移させる。第3の電力レベルは、半導体処理チャンバ内でプラズマを再点火して、プラズマを気体状態からプラズマ状態に遷移させる。第3の電力レベルは、第1の電力レベルよりも少ないエネルギーを使用し得る。デューティサイクルは、約5%から95%の範囲で動作し得る。他の実施形態では、第2の電力レベルは、プラズマのエネルギーの減少によって特徴付けられ得る。その場合、補助プラズマ源は、半導体処理チャンバ内のプラズマを維持し得る。第3の電力レベルは、主プラズマ源に、プラズマのエネルギーを上昇させることができる。プラズマは補助プラズマ源によって維持されるため、プラズマを再点火する必要がない場合がある。
【0058】
[0064]幾つかの実施形態では、第2のプラズマ源は、第1のプラズマ源に高エネルギー電子の供給を提供し得る。第2のプラズマ源は、リークプラズマとしての拡散効果によって、又はプラズマを送り込むことによって、第1のプラズマ源に電子を供給することができる。例えば、第2のプラズマ源は、電子ビーム又は電子フラッドガン等を用いて、電位を使用してプラズマを第1のプラズマ源に送り込むことができる。
【0059】
[0065]図7の特定のステップは、様々な実施形態に係る半導体処理チャンバにプラズマを供給する特定の方法を提供することを理解されたい。他の順序のステップも、代替の実施形態に従って実行され得る。例えば、代替の実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行することができる。更に、図7に図示した個々のステップは、個々のステップに適切なように様々な順序で実行され得る複数のサブステップを含み得る。更に、特定の用途に応じて、更なるステップを追加又は削除することができる。多くの変形、修正、及び代替案も、本開示の範囲内にある。
【0060】
[0066]上記の記述では、説明の目的で、様々な実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を示した。しかしながら、幾つかの実施形態は、これらの具体的な詳細の一部がなくても実施され得ることは明らかであろう。他の例では、周知の構造及び装置がブロック図の形態で示されている。
【0061】
[0067]上記の記述は、例示的な実施形態のみを提供するものであり、本開示の範囲、適用可能性、又は構成を限定することを意図するものではない。むしろ、様々な実施形態に関する上記の記述は、少なくとも1つの実施形態を実施するための実現可能な開示を提供するものである。添付の特許請求の範囲に規定されるような幾つかの実施形態の主旨及び範囲から逸脱することなく、要素の機能及び配置において様々な変更がなされ得ることが理解されるべきである。
【0062】
[0068]また、個々の実施形態は、フローチャート、フロー図、データフロー図、構造図、又はブロック図として描写されるプロセスとして記述されている可能性があることに留意されたい。フローチャートは、工程を順序だったプロセスとして記述しているかもしれないが、工程の多くは、並列又は同時に実行することができる。更に、工程の順序を並べ替えることもできる。プロセスは、その工程が完了した時点で終了するが、図に含まれていない追加のステップを持つ可能性もある。プロセスは、方法、関数、手順、サブルーチン、サブプログラム等に対応し得る。プロセスが関数に対応する場合、その終了は、呼び出し元関数又はメイン関数への関数の戻り値に対応し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】