(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】自己封止ガス導管を有し、かつ/または残留物による目詰まりを低減した静電チャック
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20241212BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20241212BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20241212BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H01L21/205
C23C16/458
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537852
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-08-15
(86)【国際出願番号】 US2022052990
(87)【国際公開番号】W WO2023121945
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナレンドルナス・カドサラ・アール.
(72)【発明者】
【氏名】ベージズ・ベヘナム
(72)【発明者】
【氏名】ウー・ベニー
(72)【発明者】
【氏名】プランデア・モレシュワー・ナラヤン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030FA03
4K030FA04
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5F131EA03
5F131EB11
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB82
5F131EB84
5F131JA33
(57)【要約】
【解決手段】基板用の静電チャックは、第1の面および第1の面上に配置されたキャビティを含むベースプレートを含む。トッププレートが第1プラグを含む。第1ばね部材がキャビティ内に配置される。第2プラグがトッププレートと第1ばね部材との間に配置される。接合材により、トッププレートがベースプレートの第1の面に取り付けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板用の静電チャックであって、
第1の面および前記第1の面上に配置されたキャビティを含むベースプレートと、
第1プラグを含むトッププレートと、
前記キャビティ内に配置された第1ばね部材を含む1つまたは複数のばね部材と、
前記トッププレートと前記第1ばね部材との間に配置された第2プラグと、
前記トッププレートを前記ベースプレートの前記第1の面に取り付ける接合材と、
を含む、静電チャック。
【請求項2】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記第1ばね部材が、前記第2プラグを前記トッププレートの第2の面に直接接触するように付勢し、前記トッププレート、前記第1プラグ、および前記第2プラグがセラミック製である、静電チャック。
【請求項3】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記トッププレートと前記ベースプレートとの間の前記キャビティの周囲に配置されたガスケットをさらに含み、前記接合材が前記ガスケットの半径方向外側に位置する、静電チャック。
【請求項4】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記第1プラグが多孔質セラミック製であり、かつ前記トッププレートにおいてインサイチュ形成される、静電チャック。
【請求項5】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記第2プラグが多孔質セラミック製である、静電チャック。
【請求項6】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記第2プラグが、前記第1プラグの直径よりも大きな直径を有する、静電チャック。
【請求項7】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記第2プラグが、その半径方向外面に形成された、前記接合材を受け入れるための環状外側チャネルを含む、静電チャック。
【請求項8】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつガス通過孔を含まない、静電チャック。
【請求項9】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつ前記第2プラグを部分的に貫通して延びるガス通過孔を含む、静電チャック。
【請求項10】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつ前記第2プラグを貫通して延びるガス通過孔を含む、静電チャック。
【請求項11】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記第2プラグが、非多孔質セラミック製の半径方向外側部分および多孔質セラミック製の半径方向内側部分を有する円筒体を含む、静電チャック。
【請求項12】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記第2プラグと前記キャビティの側面との間に配置されたスリーブをさらに含む、静電チャック。
【請求項13】
請求項12に記載の静電チャックであって、前記キャビティ内に配置されて前記スリーブを前記トッププレートに対して付勢する第2ばね部材をさらに含む、静電チャック。
【請求項14】
請求項12に記載の静電チャックであって、前記第2プラグが多孔質セラミック製である、静電チャック。
【請求項15】
請求項12に記載の静電チャックであって、前記スリーブがセラミック製である、静電チャック。
【請求項16】
基板用の静電チャックを作成する方法であって、
第1の面および前記第1の面上に配置されたキャビティを含むベースプレートを提供することと、
第1プラグを含むトッププレートを提供することと、
前記キャビティ内に第1ばね部材を配置することと、
前記トッププレートと前記第1ばね部材との間に第2プラグを配置することと、
接合材を使用して前記トッププレートを前記ベースプレートの前記第1の面に取り付けることと、
を含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記第1ばね部材を使用して、前記第2プラグを前記トッププレートの第2の面に直接接触するように付勢することをさらに含み、前記トッププレート、前記第1プラグ、および前記第2プラグがセラミック製である、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、前記接合材の使用に先立って前記トッププレートと前記ベースプレートとの間の前記キャビティの周囲にガスケットを配置することをさらに含む、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、前記トッププレートにおいてインサイチュ前記第1プラグを形成することをさらに含み、前記第1プラグが多孔質セラミック製である、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法であって、前記第2プラグが多孔質セラミック製である、方法。
【請求項21】
請求項16に記載の方法であって、前記第2プラグが、前記第1プラグの直径よりも大きな直径を有する、方法。
【請求項22】
請求項16に記載の方法であって、前記第2プラグの半径方向外面上に、接合材を受け入れるための環状チャネルを形成することをさらに含む、方法。
【請求項23】
請求項16に記載の方法であって、前記第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつガス通過孔を含まない、方法。
【請求項24】
請求項16に記載の方法であって、前記第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつ前記第2プラグを部分的に貫通して延びるガス通過孔を含む、方法。
【請求項25】
請求項16に記載の方法であって、前記第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつ前記第2プラグを貫通して延びるガス通過孔を含む、方法。
【請求項26】
請求項16に記載の方法であって、前記第2プラグが、非多孔質セラミック製の半径方向外側部分および多孔質セラミック製の半径方向内側部分を有する円筒体を含む、方法。
【請求項27】
請求項16に記載の方法であって、前記第2プラグと前記キャビティの側面との間にスリーブを配置することをさらに含む、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、第2ばね部材を使用して前記スリーブを前記トッププレートに対して付勢することをさらに含む、方法。
【請求項29】
請求項27に記載の方法であって、前記第2プラグが多孔質セラミック製である、方法。
【請求項30】
請求項27に記載の方法であって、前記スリーブがセラミック製である、方法。
【請求項31】
基板用の静電チャックであって、前記静電チャックが、
第1の面および前記第1の面上に配置されたキャビティを含むベースプレートであって、
前記キャビティが、第1環状面を画定する第1キャビティ部分および第2環状面を画定する第2キャビティ部分を含む、ベースプレートと、
第1プラグを含むトッププレートと、
前記第1キャビティ部分内の前記第1環状面上に配置された第1ばね部材と、
前記トッププレートと前記第2環状面との間の前記第2環状面上に配置された第2プラグと、
前記第2プラグの周囲かつ前記第1ばね部材の上に配置されたスリーブと、
前記トッププレートを前記ベースプレートの前記第1の面に取り付ける接合材と、
を含む、静電チャック。
【請求項32】
請求項31に記載の静電チャックであって、前記第1ばね部材が前記スリーブの上面を前記トッププレートの底面に直接接触するように付勢する、静電チャック。
【請求項33】
請求項31に記載の静電チャックであって、前記トッププレートと前記ベースプレートとの間の前記キャビティの周囲に配置されたガスケットをさらに含み、前記接合材が前記ガスケットの半径方向外側に位置する、静電チャック。
【請求項34】
請求項31に記載の静電チャックであって、前記第1プラグが多孔質セラミック製であり、かつ前記トッププレートにおいてインサイチュ形成される、静電チャック。
【請求項35】
請求項31に記載の静電チャックであって、前記第2プラグが、前記第1プラグの直径よりも大きな直径を有する、静電チャック。
【請求項36】
請求項31に記載の静電チャックであって、前記第2プラグを前記第2キャビティ部分の側壁に接合するための接合材をさらに含む、静電チャック。
【請求項37】
請求項31に記載の静電チャックであって、前記第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつガス通過孔を含まない、静電チャック。
【請求項38】
請求項31に記載の静電チャックであって、前記第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつ前記第2プラグを部分的に貫通して延びるガス通過孔を含む、静電チャック。
【請求項39】
請求項31に記載の静電チャックであって、前記第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつ前記第2プラグを貫通して延びるガス通過孔を含む、静電チャック。
【請求項40】
請求項31に記載の静電チャックであって、前記第2プラグが非多孔質セラミック製であり、かつ前記第2プラグを貫通して延びるガス通過孔を含む、静電チャック。
【請求項41】
基板用の静電チャックを作成する方法であって、前記方法が、
第1の面および前記第1の面上に配置されたキャビティを含むベースプレートを提供することであって、
前記キャビティが、第1環状面を画定する第1キャビティ部分および第2環状面を画定する第2キャビティ部分を含むことと、
第1プラグを含むトッププレートを提供することと、
前記第1キャビティ部分内の前記第1環状面上に第1ばね部材を配置することと、
前記トッププレートと前記第2環状面との間の前記第2環状面上に第2プラグを配置することと、
前記第2プラグの周囲かつ前記第1ばね部材の上にスリーブを配置することと、
前記トッププレートを前記ベースプレートの前記第1の面に接合することと、
を含む、方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法であって、前記第1ばね部材を使用して前記スリーブを前記トッププレートの底面に直接接触するように付勢することをさらに含む、方法。
【請求項43】
請求項42に記載の方法であって、前記トッププレートが前記ベースプレートに接合されるときに、前記第2プラグの上面と前記トッププレートの前記底面との間に隙間が画定される、方法。
【請求項44】
請求項41に記載の方法であって、前記トッププレートと前記ベースプレートとの間の前記キャビティの周囲にガスケットを配置することをさらに含み、接合材が前記ガスケットの半径方向外側に位置する、方法。
【請求項45】
請求項41に記載の方法であって、前記第1プラグが多孔質セラミック製であり、かつ前記トッププレートにおいてインサイチュ形成される、方法。
【請求項46】
請求項41に記載の方法であって、前記第2プラグが、前記第1プラグの直径よりも大きな直径を有する、方法。
【請求項47】
請求項41に記載の方法であって、前記第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつガス通過孔を含まない、方法。
【請求項48】
請求項41に記載の方法であって、前記第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつ前記第2プラグを部分的に貫通するか、または前記第2プラグを貫通して延びる、ガス通過孔を含む、方法。
【請求項49】
請求項41に記載の方法であって、前記第2プラグが非多孔質セラミック製であり、かつ前記第2プラグを貫通して延びるガス通過孔を含む、方法。
【請求項50】
請求項41に記載の方法であって、前記第2プラグを前記第2キャビティ部分の側壁に接合することをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年12月22日に出願された米国仮出願第63/292,743号の利益を主張する。上記出願の開示全体を、参照により本明細書に組み込むものとする。
【0002】
本開示は、概して基板処理システムに関し、より詳細には自己封止ガス導管を有し、かつ/または残留物による目詰まりを低減した静電チャックに関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明される範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
半導体処理システムは、半導体ウエハ等の基板を加工するために使用される。基板加工の例としては、堆積、エッチング、洗浄、および/またはその他の加工が挙げられる。処理中、1つまたは複数のプロセスガスが処理チャンバに供給され、処理チャンバ内でプラズマが点火されて(struck)化学反応を促進する。
【0005】
処理チャンバには、処理中に基板を定位置に保持するための静電チャック(ESC)が含まれる。ESCは、基板をESCのトッププレートに対して保持するために通電され、かつ基板をロードするとき、またはESCから取り外すときに通電が停止されるクランプ電極を含む。ESCはまた、処理中の基板の温度を制御するとともに処理の不均一性を低減するために、トッププレート内に埋め込まれた抵抗加熱器および/またはベースプレート内の冷却チャネルを含み得る。熱均一性を高めるため、ESCは基板の裏側面に不活性ガス(ヘリウム(He)等)を供給する。不活性ガスは、トッププレートと基板の裏側面との間で伝熱媒体として作用する。
【発明の概要】
【0006】
基板用の静電チャックは、第1の面および第1の面上に配置されたキャビティを含むベースプレートを含む。トッププレートが第1プラグを含む。第1ばね部材がキャビティ内に配置される。第2プラグがトッププレートと第1ばね部材との間に配置される。接合材により、トッププレートがベースプレートの第1の面に取り付けられる。
【0007】
他の特徴においては、第1ばね部材が、第2プラグをトッププレートの第2の面に直接接触するように付勢し、トッププレート、第1プラグ、および第2プラグがセラミック製である。ガスケットが、トッププレートとベースプレートとの間のキャビティの周囲に配置される。接合材がガスケットの半径方向外側に位置する。第1プラグが多孔質セラミック製であり、かつトッププレートにおいてインサイチュ形成される。第2プラグが多孔質セラミック製である。第2プラグが第1プラグの直径よりも大きな直径を有する。
【0008】
他の特徴においては、第2プラグが、その半径方向外面に形成された、接合材を受け入れるための環状外側チャネルを含む。第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつガス通過孔を含まない。第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつ第2プラグを部分的に貫通して延びるガス通過孔を含む。第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつ第2プラグを貫通して延びるガス通過孔を含む。
【0009】
他の特徴においては、第2プラグが、非多孔質セラミック製の半径方向外側部分および多孔質セラミック製の半径方向内側部分を有する円筒体を含む。スリーブが、第2プラグとキャビティの側面との間に配置される。第2ばね部材がキャビティ内に配置されてスリーブをトッププレートに対して付勢する。第2プラグが多孔質セラミック製である。スリーブがセラミック製である。
【0010】
基板用の静電チャックを作成する方法は、第1の面および第1の面上に配置されたキャビティを含むベースプレートを提供することと、第1プラグを含むトッププレートを提供することと、キャビティ内に第1ばね部材を配置することと、トッププレートと第1ばね部材との間に第2プラグを配置することと、接合材を使用してトッププレートをベースプレートの第1の面に取り付けることと、を含む。
【0011】
他の特徴においては、方法は、第1ばね部材を使用して第2プラグをトッププレートの第2の面に直接接触するように付勢することを含む。トッププレート、第1プラグ、および第2プラグがセラミック製である。方法は、接合材の使用に先立ってトッププレートとベースプレートとの間のキャビティの周囲にガスケットを配置することを含む。方法は、第1プラグをトッププレートにおいてインサイチュ形成することを含む。第1プラグが多孔質セラミック製である。
【0012】
他の特徴においては、第2プラグが多孔質セラミック製である。第2プラグが第1プラグの直径よりも大きな直径を有する。方法は、第2プラグの半径方向外面上に、接合材を受け入れるための環状チャネルを形成することを含む。第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつガス通過孔を含まない。第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつ第2プラグを部分的に貫通して延びるガス通過孔を含む。第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつ第2プラグを貫通して延びるガス通過孔を含む。第2プラグが、非多孔質セラミック製の半径方向外側部分および多孔質セラミック製の半径方向内側部分を有する円筒体を含む。
【0013】
他の特徴においては、方法は、第2プラグとキャビティの側面との間にスリーブを配置することを含む。方法は、第2ばね部材を使用してスリーブをトッププレートに対して付勢することを含む。第2プラグが多孔質セラミック製である。スリーブがセラミック製である。
【0014】
基板用の静電チャックは、第1の面および第1の面上に配置されたキャビティを含むベースプレートを含む。キャビティが、第1環状面を画定する第1キャビティ部分および第2環状面を画定する第2キャビティ部分を含む。トッププレートが第1プラグを含む。第1ばね部材が、第1キャビティ部分内の第1環状面上に配置される。第2プラグが、トッププレートと第2環状面との間の第2環状面上に配置される。スリーブが、第2プラグの周囲かつ第1ばね部材の上に配置される。接合材により、トッププレートがベースプレートの第1の面に取り付けられる。
【0015】
他の特徴においては、第1ばね部材がスリーブの上面をトッププレートの底面に直接接触するように付勢する。ガスケットがトッププレートとベースプレートとの間のキャビティの周囲に配置され、接合材がガスケットの半径方向外側に位置する。第1プラグが多孔質セラミック製であり、かつトッププレートにおいてインサイチュ形成される。第2プラグが第1プラグの直径よりも大きな直径を有する。
【0016】
他の特徴においては、接合材が第2プラグを第2キャビティ部分の側壁に接合する。第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつガス通過孔を含まない。第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつ第2プラグを部分的に貫通して延びるガス通過孔を含む。第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつ第2プラグを貫通して延びるガス通過孔を含む。第2プラグが非多孔質セラミック製であり、かつ第2プラグを貫通して延びるガス通過孔を含む。
【0017】
基板用の静電チャックを作成する方法は、第1の面および第1の面上に配置されたキャビティを含むベースプレートを提供することであって、キャビティが、第1環状面を画定する第1キャビティ部分および第2環状面を画定する第2キャビティ部分を含むことと、第1プラグを含むトッププレートを提供することと、第1キャビティ部分内の第1環状面上に第1ばね部材を配置することと、トッププレートと第2環状面との間の第2環状面上に第2プラグを配置することと、第2プラグの周囲かつ第1ばね部材の上にスリーブを配置することと、トッププレートをベースプレートの第1の面に接合することと、を含む。
【0018】
他の特徴においては、方法は、第1ばね部材を使用してスリーブをトッププレートの底面に直接接触するように付勢することを含む。トッププレートがベースプレートに接合されるときに、第2プラグの上面とトッププレートの底面との間に隙間が画定される。方法は、トッププレートとベースプレートとの間のキャビティの周囲にガスケットを配置することを含み、接合材はガスケットの半径方向外側に位置する。第1プラグが多孔質セラミック製であり、かつトッププレートにおいてインサイチュ形成される。第2プラグが第1プラグの直径よりも大きな直径を有する。第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつガス通過孔を含まない。第2プラグが多孔質セラミック製であり、かつ第2プラグを部分的に貫通して、または第2プラグを貫通して延びる、ガス通過孔を含む。第2プラグが非多孔質セラミック製であり、かつ第2プラグを貫通して延びるガス通過孔を含む。方法は、第2プラグを第2キャビティ部分の側壁に接合することを含む。
【0019】
本開示の適用可能な他の分野は、詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することは意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示は、詳細な説明および添付の図面から、より完全に理解されるであろう。
【0021】
【
図1】
図1は、本開示による静電チャックを含む基板処理システムの処理チャンバの一例の機能ブロック図である。
【0022】
【
図2】
図2は、静電チャック(ESC)の一例の側断面図である。
【0023】
【
図3】
図3は、本開示による、自己封止ガス導管を有し、かつ/または残留物による目詰まりを低減したESCの一例の側断面図である。
【0024】
【
図4】
図4は、本開示による、自己封止ガス導管を有し、かつ/または残留物による目詰まりを低減したESCの他の例の側断面図である。
【
図5A】
図5Aは、本開示による、自己封止ガス導管を有し、かつ/または残留物による目詰まりを低減したESCの他の例の側断面図である。
【
図5B】
図5Bは、本開示による、自己封止ガス導管を有し、かつ/または残留物による目詰まりを低減したESCの他の例の側断面図である。
【
図5C】
図5Cは、本開示による、自己封止ガス導管を有し、かつ/または残留物による目詰まりを低減したESCの他の例の側断面図である。
【
図5D】
図5Dは、本開示による、自己封止ガス導管を有し、かつ/または残留物による目詰まりを低減したESCの他の例の側断面図である。
【
図6】
図6は、本開示による、自己封止ガス導管を有し、かつ/または残留物による目詰まりを低減したESCの他の例の側断面図である。
【
図7】
図7は、本開示による、自己封止ガス導管を有し、かつ/または残留物による目詰まりを低減したESCの他の例の側断面図である。
【0025】
【
図8】
図8は、本開示による、自己封止ガス導管を有し、かつ/または残留物による目詰まりを低減したESCを作成する方法の一例を示すフローチャートである。
【0026】
【
図9】
図9は、本開示による、自己封止ガス導管を有し、かつ/または残留物による目詰まりを低減したESCの他の例の側断面図である。
【
図10】
図10は、本開示による、自己封止ガス導管を有し、かつ/または残留物による目詰まりを低減したESCの他の例の側断面図である。
【0027】
【
図11】
図11は、本開示による、自己封止ガス導管を有し、かつ/または残留物による目詰まりを低減したESCを作成する別の方法の一例を示すフローチャートである。
【0028】
図面において、参照番号は、類似および/または同一の要素を指すために再度利用される場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示による静電チャック(ESC)は、自己封止ガス導管を含み、かつ/または残留物による目詰まりを低減する。ESCは、第1プラグを含むトッププレートを含む。トッププレートは、接合材または接合材とガスケットを使用して、キャビティを含むベースプレートに取り付けられる。1つまたは複数のばね部材がキャビティ内に配置される。第2プラグが、キャビティにおいて1つまたは複数のばね部材上に配置される。第2プラグは、1つまたは複数のばね部材によってトッププレートの底面に対して付勢される。
【0030】
本開示による、自己封止ガス導管を有し、かつ/または残留物による目詰まりを低減したESCは、トッププレートの底面および/または第1プラグと、第2プラグの上面との間の隙間をなくす。言い換えると、トッププレートおよび/または第1プラグは、第2プラグに直接接触する。本開示によるESCは、反応種がガスケットおよび/または接合材に到達して侵食する能力を低下させ、これにより残留物の生成を低減する。また、ESCの配置により、目詰まりを著しく低減または除去するか、あるいは目詰まりの悪影響を実質的に無効にすることで、ESCが基板とトッププレートとの間に十分な不活性ガス流をESCの耐用期間にわたって供給し続けることが可能になる。より具体的には、目詰まりが発生したとしても、不活性ガス流に悪影響を与えない領域に目詰まりが限定される。
【0031】
ここで
図1を参照すると、本開示による静電チャック(ESC)を含む基板処理システム100の一例が示されている。
図1の基板処理システムは誘導結合プラズマ(ICP)を使用しているが、本開示によるESCは、他の種類の基板処理チャンバ(容量結合プラズマ(CCP)を使用するものなど)と共に使用できる。基板処理システム100は、コイル116に接続された整合ネットワーク114に接続されたRF源112を含む。コイル116は、単一のコイル、一対のコイル、内側コイル対と外側コイル対、および/または他のコイル配置を含んでよい。
【0032】
いくつかの例では、ガスプレナム120がコイル116と誘電体窓124との間に配置されてもよい。誘電体窓124は処理チャンバ128の片側に沿って配置される。処理チャンバ128は、基板134を支持する静電チャック(ESC)132をさらに含む。ESC132は、以下でさらに詳細に説明されるように、自己封止ガス導管を含み、かつ/または残留物による目詰まりを低減する。
【0033】
処理中、処理チャンバ128の内部でプラズマ140が生成される。プラズマ140は、基板134の露出面をエッチングする。RF源150と整合ネットワーク152を使用して、動作中にESC132にバイアスをかけてもよい。ガス送出システム156を使用して、処理チャンバ128にガス混合物を供給してもよい。ガス送出システム156は、プロセスガス源157、バルブおよび質量流量コントローラ(MFC)等の計量システム158、ならびにマニホールド159を含んでもよい。ガス送出システム160を使用して、ガス162をバルブ161を介してガスプレナム120に送ってもよい。ガスは、コイル116および誘電体窓124を冷却するために使用される冷却ガスを含んでもよい。
【0034】
加熱器コントローラ164を使用してESC132内の抵抗加熱器(不図示)に電力を供給し、処理中に基板の温度を所定の温度範囲内に制御してもよい。また、ESC132のベースプレートは、冷却流体(不図示)を受け入れるための1つまたは複数の冷却チャネルも含んでもよい。排気システム165は、パージまたは排出によって処理チャンバ128から反応物を除去するためのバルブ166およびポンプ167を含む。コントローラ154を使用して、エッチングプロセスを制御してもよい。コントローラ154は、システムパラメータを監視するとともに、ガス混合物の送出、プラズマの点火(striking)、維持、および消火、反応剤の除去、冷却ガスの供給などを制御する。
【0035】
ガス送出システム190を使用して、ガス192をバルブ194を介してESC132に送ってもよい。以下でさらに説明するように、ESC132は基板134の裏側面にガスを送る。ガスは、ESC132のトッププレートと基板134の裏側面との間で伝熱媒体として作用する不活性ガスを含んでもよい。
【0036】
ここで
図2を参照すると、自己封止ガス導管を有しないか、または残留物による目詰まりを低減しないESC200が説明のために示されている。ESC200はベースプレート210およびトッププレート216を含む。トッププレート216は円筒形であり、トッププレート216の中心においてその場に位置する第1プラグ218を含む。いくつかの例では、トッププレート216および第1プラグ218はセラミック製であるが、他の材料を使用可能である。いくつかの例では、第1プラグ218も円筒形であるが、他の形状を使用できる。いくつかの例では、トッププレート216は、非多孔質であるか、または第1プラグ218よりも多孔性が低いセラミックで作られた環状外側部分219を含み、第1プラグはガスを流せるように多孔質セラミック製である。処理の間、基板224がトッププレート216上に配置される。
【0037】
第1プラグ218の上面228は、トッププレート216の上面に対して凹んで図示されている。しかし、第1プラグ218はトッププレート216の上面まで延びることができる。トッププレート216の上面は、不活性ガスの流れを基板224の下方に制御するためのガスチャネル(不図示)のパターンを含んでもよい。ベースプレート210は、ベースプレート210の上面から垂直方向下方に延びるキャビティ230を含む。キャビティ230は、トッププレート216および/または第1プラグ218の下方に位置する。いくつかの例では、キャビティ230が円筒形である。ESC200は、キャビティ230内に配置された第2プラグ236を含む。いくつかの例では、ポリマー等の接合材234を使用して、第2プラグ236の外面をキャビティ230の内面に接合してもよい。
【0038】
いくつかの例では、第2プラグ236は固体のセラミック製であり、垂直に延びるガス通過孔242を含む。いくつかの例では、ベースプレート210はアルミニウム製であるが、他の材料を使用可能である。いくつかの例では、ガス通過孔242の入口240と出口244は、図示のようにガス通過孔242の直径に対して広げられ、角度が付けられ、かつ/または面取りされている。いくつかの例では、ベースプレート210内のキャビティ230の底面が、第2プラグ236の入口240の下方に位置するキャビティ235をさらに含んでもよい。不活性ガスは、キャビティ235に流入し、第2プラグ236内のガス通過孔242を通って、第1プラグ218内の孔を通って、かつ基板224の裏側面とトッププレート216の上面との間を通る。
【0039】
組み立て中、第2プラグ236はベースプレート210のキャビティ230に挿入され、接合材234を使用してキャビティ230の内面に取り付けられる。トッププレート216はベースプレート210に向きが合わされ、接合材260を使用してベースプレート210の上面に取り付けられる。いくつかの例では、ガスケット264を使用して、接合材260の硬化に先立って接合材260がベースプレート210のキャビティ230に流入したり、または押し込まれたりするのを防止してもよい。
【0040】
トッププレート216はベースプレート210に対して非常に高い精度で位置決めされる。言い換えると、トッププレート216は、ベースプレート210に対して正確に向きが合わされ、基板224を処理するための水平面を確保し、傾きを防止する。接合材260は可変の高さを有することができるため、第2プラグ236の上面と第1プラグ218の底面250との間に所定の非ゼロ隙間が画定され、第2プラグ236がベースプレート210に対するトッププレート216の位置および向きに影響を与えることを防ぐ。
【0041】
上述したように、ESC200のトッププレート216は、多孔質である第1プラグ218を含む。第1プラグ218の多孔質材料は、見通し線を減らし、電界ラインを分断するのに役立つ。このやり方は、電子が電界から十分なエネルギーを獲得して着火を生じさせることの防止に役立つ。しかし、第1プラグ218および他の裏側ガス通路は、時間とともに詰まる可能性がある。第2プラグ236の上面と第1プラグ218の底面250との間で用いられる所定の非ゼロ隙間により、反応種が接合材234および260ならびに/またはガスケット264に到達するための経路が提供される。時間とともに、ESC200のガス通路が残留物によって塞がれることで、基板の裏側面への不活性ガスの流れが減少するか、または流路が変化して、基板の冷却に悪影響を与える。
【0042】
例えば、接合材234および260ならびに/またはガスケット264は、処理中に反応種に曝されることにより侵食される(矢印265で示す)。接合材234および260ならびに/またはガスケット264の浸食に起因する残留物(矢印267で示す)は、第1プラグ218および/または第2プラグ236の孔に引き込まれ、閉塞を引き起こす。第1プラグ218の目詰まりした孔に起因して減少したガス流は、基板の熱均一性に悪影響を与え、ダイの歩留まりと顧客の生産性を低下させ、コストを増加させる。
【0043】
ここで
図3および
図4を参照すると、ガス流が改善され、目詰まりが低減したESCの例が示されている。
図3において、ESC300は、キャビティ230内に配置された第2プラグ336を含む。第2プラグ336は、第1プラグ218の直径よりも大きな直径の円筒体を有する。
【0044】
1つまたは複数のばね部材360がキャビティ230の底面上に位置している。いくつかの例では、1つまたは複数のばね部材360は環状形状を有し、ポリマー、金属、または他の適切な材料で作られている。この配置により、
図2に示すように、第2プラグ336とトッププレート216との間の隙間がなくなる。いくつかの例では、キャビティ230の内面と第2プラグ336の外面との間で接着剤が使用されず、組み立て中に相対移動ができるようになる。
【0045】
いちど組み立てられると、第2プラグ336の上面は第1プラグ218の底面と直接接触した状態にある。その結果、目詰まりの可能性がある位置が、不活性ガス流路から半径方向外側に遠ざかる。いくつかの例では、第2プラグ336が非多孔質セラミック製であり、部分的または完全なガス通過孔342を含む。いくつかの例では、ガス通過孔342の入口340と出口344は、図示のようにガス通過孔342の直径に対して角度が付けられるか、または面取りされていてもよい。不活性ガスは、第2プラグ336のガス通過孔342を通り、第1プラグ218の孔を通り、基板224の裏側面とトッププレート216の上面との間を通って流れる。トッププレート216の上面は、不活性ガスの流れを基板の下方に導くためのガスチャネル(不図示)のパターンを含んでもよい。
【0046】
組み立て中、1つまたは複数のばね部材360がベースプレート210のキャビティ230内に配置される。第2プラグ336は、その底面が1つまたは複数のばね部材360と接触した状態で、ベースプレート210のキャビティ230内に挿入される。トッププレート216は、接合材260を使用してベースプレート210の上面に取り付けられ、接合材260は硬化される。トッププレート216は、第2プラグ336をばね部材(複数可)360に対して付勢することで、両者を直接接触させる。このやり方により、
図2に示したESCの、非ゼロの所定隙間がなくなる。
【0047】
上述したように、トッププレート216はベースプレート210に対して非常に高い精度で位置決めされて、傾きを防止する。言い換えると、トッププレート216は、ベースプレート210に対して正確に向きが合わされ、基板224を処理するための水平面を確保する。トッププレート216は、組み立て中、第2プラグ336をばね部材(複数可)360に対して垂直方向下方に付勢することで、トッププレート216をベースプレート210に対して正しく向き合わせする。言い換えると、トッププレート216の底面と第2プラグ336との間に直接的な接触が生じる(
図2のやり方とは異なる)。この配置により、
図2に示す所定の隙間をなくすことができ、残留物の発生と目詰まりを低減することができる。
【0048】
第2プラグ336とトッププレート216の底面との間の(372における)直接的な接触は、接合材260および/またはガスケット264が反応種に曝されることを防止するか、または著しく低減させる。さらに、まだいくらかの曝露が生じる程度まで、(仮にある場合は)残留物が他の位置に(例えば、第2プラグの外縁374に沿うなど)蓄積される。この種の目詰まりは自己封止的である。言い換えると、活性種への暴露に応じて発生する残留物は、セラミックの孔に引き込まれ、さらなる残留物の発生および目詰まりを防ぐ封止を引き起こす。事実上、ESC300は自己封止ガス導管を有する。
【0049】
図4において、第2プラグ410が
図3のような非多孔質セラミック製ではなく多孔質セラミック製である点を除いてESC300と同様の、別のESC400が示されている。第2プラグ410とトッププレート216の底面との間の(372における)直接的な接触は、接合材260および/またはガスケット264が反応種に曝されることを防止するか、または著しく低減させる。さらに、まだいくらかの曝露が生じる程度まで、(仮にある場合は)残留物が他の位置に(例えば、第2プラグ410の外縁374に沿うなどして)蓄積され、さらなる残留物の生成および目詰まりを防止することになる目詰まりを引き起こす。事実上、ESC400は自己封止ガス導管を有する。この例では、入口240および/または出口244が、ガス通過孔242に対して面取りされていないか、または広げられていない。
【0050】
ここで
図5A~5Dを参照すると、ESCの他の変形例の使用が可能である。
図5Aにおいて、ESC500が円筒形の第2プラグ510を含むものとして示されている。第2プラグ510は、上述のように、キャビティ230内のばね部材(複数可)360に載っている。第2プラグ510は、ばね部材(複数可)360によってトッププレート216の底面に対して付勢される上面を含む。この例では、第2プラグ510は多孔質セラミック製であり、ガス通過孔を含まない。また、ESC500はガスケットを含まない。図示のように、接合材260は、硬化前に部分的に下方に流れて、第2プラグ510の外面とキャビティ230の垂直面との間の隙間に流入してもよい。
図5Bにおいて、ESC520はガスケット264を含む。ガスケット264は、上述のように接合材260を収容するために使用される。
【0051】
図5Cおよび
図5Dにおいて、第2プラグは、第2プラグの高さに対して変化する長さのガス通過孔を含むことができる。
図5Cにおいて、ESC530は、多孔質セラミック製の第2プラグ532を含み、第2プラグ532の底面536から第2プラグ532の上面538に向かって部分的に延びるガス通過孔534を含む。
図5Dにおいて、ESC540は、多孔質セラミック製の第2プラグ542を含み、第2プラグ542の底面546から第2プラグ542の上面548まで延びるガス通過孔544を含む。
【0052】
第2プラグ510、532、および542とトッププレート216の底面との間の(372における)直接的な接触は、接合材260および/またはガスケット264が反応種に曝されることを防止するか、または著しく低減させる。さらに、まだいくらかの曝露が生じる程度まで、(仮にある場合は)残留物が他の位置に(例えば、第2プラグ510、532、および542の外縁374に沿うなどして)蓄積され、さらなる残留物の生成および目詰まりを防止することになる目詰まりを引き起こす。事実上、ESC500、520、530、および540は、自己封止ガス導管を有する。さらに、
図2の接合材234がなくなるため、残留物が生じる可能性がない。
【0053】
ここで
図6を参照すると、ESC600は第2プラグ610を含む。第2プラグ610は、半径方向外側部分612および半径方向内側部分614を有する円筒体を有する。いくつかの例では、半径方向外側部分612は非多孔質セラミック製であり、半径方向内側部分614は多孔質セラミック製である。いくつかの例では、半径方向内側部分614は、その場の多孔質セラミックを含む。他の例では、半径方向内側部分614は半径方向外側部分612の内部に接合される。第2プラグ610の半径方向外面は、組み立て中に接合材260を受け入れるための環状キャビティ618を含む。特定の位置の環状キャビティ618が図示されているが、環状キャビティ618は、第2プラグ610の上面にすぐ隣接するような他の位置、または他の位置(例えば、ベースプレート210の上面付近など)に配置できる。いくつかの例では、1つまたは複数のばね部材360が、半径方向外側部分612の下に位置している。半径方向内側部分614はガス通過孔を含まないものとすることができ、そこに埋め込まれた孔を通ってガスが流れる。あるいは、部分的なガス通過孔、または第2プラグ610を端から端まで貫通して垂直に延びるガス通過孔を使用することができる。
【0054】
ここで
図7を参照すると、ESC700は、第2プラグ710と、第2プラグ710の外面の周囲に位置するスリーブ714とを含む。いくつかの例では、両者の間に隙間が形成される。スリーブ714と第2プラグ710は別々に支持され、独立して移動できる。いくつかの例では、スリーブ714は非多孔質セラミック製であり、第2プラグ710は多孔質セラミック製である。いくつかの例では、スリーブ714の半径方向外面は、その半径方向外面上に、組み立て中に接合材260を受け入れるための環状キャビティ718を含む。いくつかの例では、ばね部材(複数可)360-1が第2プラグ710の下に位置し、ばね部材(複数可)360-2がスリーブ714の下に位置する。半径方向内側部分614は、ガス通過孔を含まないか、部分的なガス通過孔または完全なガス通過孔を含む。
【0055】
ここで
図8を参照すると、ESCを作成するための方法800は、810において、キャビティを有するベースプレートを提供することを含む。814において、1つまたは複数のばね部材がキャビティの底面に配置される。818では、キャビティにおいて第2プラグが1つまたは複数のばね部材上に配置される。セラミックスリーブを使用する場合は、セラミックスリーブを第2プラグの周囲に配置するか、セラミックスリーブを先に挿入してから第2プラグをセラミックスリーブに挿入する。
【0056】
822において、ベースプレートの上面に接合材が塗布される(または、ベースプレート上にガスケットが配置され、接合材が塗布される)。826においてトッププレートが接合材および/またはガスケット上に配置される。トッププレートの底面は、第2プラグの上面に直接接触している。830において、トッププレートおよびベースプレートの外縁が位置合わせされ、トッププレートおよびベースプレートの半径方向外縁間に所定の垂直方向隙間が設定される。834において、接合材が硬化される。
【0057】
本開示による、自己封止ガス導管を有するESCは、目詰まりを大幅に低減するか、またはなくす。目詰まりは発生したとしても、ガスの流れおよび/またはESCの機能に大きな影響を与えない位置で発生する。本明細書に記載のいくつかの例では、目詰まりによって隙間または孔が封止されるため、さらなる目詰まりがガス流に大きく影響を与えることはない。
【0058】
いくつかの例では、第2プラグの上面が(第1プラグの)トッププレートの底面に直接接触する。本開示によるESCは、従来用いられていた(そして目詰まりが典型的に発生していた)隙間を低減する。本開示によるESCにより、反応種が接合材および/またはガスケットに到達して反応するまでの経路が長くなる。そのため、使用中に生成される、目詰まりを起こす残留物が少ない。
【0059】
いくつかの例では、第2プラグは、(ガス通過孔を有するか、あるいは有しない)多孔質セラミック製であってよい。いくつかの例では、第2プラグおよび/またはスリーブは、ESC接合プロセス中に粘性接合材のオーバーフローを制御するダムとして働く環状キャビティまたは他の特徴を含み、これによりガスケットをなくすことができる。
【0060】
いくつかの例では、第2プラグは多孔質セラミックプラグから作られており、ガス通過孔を含まないか、部分的なガス通過孔、または第2プラグを貫通するガス通過孔を含む。いくつかの例では、第2プラグは第1プラグよりも大きな直径を有する。その結果、目詰まり残留物(発生する場合)の位置が第2プラグの外周に限定され、ガスの流れを妨げない。
【0061】
ここで
図9~10を参照すると、第2プラグは、その上面とトッププレートの底面との間に隙間を有して使用することもできる。ベースプレートは、同心円状の上部キャビティと下部キャビティとを有する。第2プラグの周囲の1つまたは複数のばね部材上にスリーブが配置される。スリーブの上面は、1つまたは複数のばね部材によってトッププレートの底面に対して付勢される。第2プラグは多孔質または非多孔質のセラミック製だが、他の適切な材料を使用できる。
【0062】
図9において、ESC900は、ガス通過孔904を含む第2プラグ902を含む。ガス通過孔904の入口908と出口906は、図示のようにガス通過孔904の直径に対して角度が付けられるか、または面取りされていてもよく、またはまっすぐなガス通過孔を使用できる。この例では、第2プラグ902が非多孔質セラミック等の非多孔質材料から作られている。
【0063】
ベースプレート210は、第1キャビティ部分914と第1キャビティ部分914の半径方向外側に位置する第2キャビティ部分916とを含むキャビティを画定する。第1キャビティ部分914は、基板支持面に概ね平行な第1環状面918を含む。キャビティの第2キャビティ部分916は、基板支持面に概ね平行な第2環状面920を含む。
【0064】
いくつかの例では、第1キャビティ部分914が第2キャビティ部分916よりも浅い。いくつかの例では、第2プラグ902を、接合材922を用いて第2キャビティ部分916の側面に接合できる。
図9の例では、第1キャビティ部分914が上部キャビティに相当し、第2キャビティ部分916が(キャビティ235に加えて)下部キャビティに相当し、キャビティ235、914、および916が同心円状である。いくつかの例では、接合材922がエポキシを含むが、他の種類の接合材を使用できる。他の例では、第2プラグ902は第2キャビティ部分916の側面に接合されていない。
【0065】
スリーブ930は環状の本体を有し、第2プラグ902の外面の周囲に位置する。いくつかの例では、スリーブ930は多孔質セラミック等の多孔質材料から作られている。
図9の例では、第2プラグ902はスリーブ930よりも高さがあり、第2キャビティ部分916の側面に接合されている。第2プラグ902を側面922に接合する必要がない場合、第1キャビティ部分914は第2キャビティ部分916と同じ高さを有することができ(
図7と同様)、第1キャビティ部分914と第2キャビティ部分とが単一のキャビティ(第2プラグ902を接合するための介在面を有しない)を形成する。あるいは、スリーブ930を第2プラグ902よりも高くでき、第1キャビティ部分914を第2キャビティ部分916よりも高くできる。言い換えると、スリーブ930を第2プラグ902よりも垂直方向に高くできるか、同じ高さにできるか、または短くできる。
【0066】
いくつかの例では、1つまたは複数のばね部材932が第1環状面918上に位置する。1つまたは複数のばね部材932は、トッププレート216がベースプレート210に取り付けられる際に、スリーブ930をトッププレート216の下面に対して付勢する。
【0067】
いくつかの例では、第2プラグ902は第2環状面922に直接接触している。しかし、第2プラグ902の上面とトッププレート216の底面との間には隙間940が形成される。隙間940は、組み立て中に第2プラグ902がベースプレート210に対するトッププレート216の位置決めに影響を与えないように、かつ/または第2プラグ902とトッププレート216の底面との相対移動が接触を伴わずに行われるように、設けられる。言い換えると、この配置により、第2プラグ902とトッププレート216の底面との直接的な接触による潜在的な粒子発生が回避される。いくつかの例では、隙間940は、ベースプレート210に対するトッププレート216の位置決めに悪影響を与えず、かつ/または粒子発生を引き起こす接触を可能にすることなく最小化されるとともに可能な限り小さい。
【0068】
活性種がガスケット264および/または接合材260に到達して残留物を生成すると、残留物はスリーブ930の上面とトッププレート216の底面との間の960における環状当接面を目詰まりさせて封止する傾向がある。スリーブ930とトッププレート216の底面は環状の接触面を有するが、(他の例のような第2プラグとトッププレート216の底面との間の円形の接触パッチと比較して)環状の接触パッチの表面積が小さいために、粒子発生の可能性が減少する。
【0069】
図10において、多孔質セラミック等の多孔質材料から作られた第2プラグ1004を使用した同様の配置が示されている。第2プラグ1004は、ガス通過孔を含まないか、部分的なガス通過孔1006(図示のもの)または完全なガス通過孔を含む。
図9のように、スリーブ930は第2プラグ1004の周囲に配置され、1つまたは複数のばね部材932によってトッププレート216の底面内に付勢される。
【0070】
ここで
図11を参照すると、ESCを作成するための方法1100は、1110においてキャビティを有するベースプレートを提供することを含む。キャビティは、第2キャビティ部分の第2環状面の半径方向外側に位置する第1環状面を含む、第1キャビティ部分を含む。1112において、接合材が第2キャビティ部分の側壁および/または第2プラグの側壁に塗布される。あるいは、ステップ1112を1118の後に実施することもでき、接合材を第2プラグの設置後に注入することもできる。
【0071】
1114において、第2プラグは、その底面が第2環状面に置かれた状態で、第2キャビティ部分に挿入される。1116において、1つまたは複数のばね部材が第1キャビティ部分の第1環状面上に配置される。1118において、スリーブが1つまたは複数のばね部材上に配置される。
【0072】
1122において、ベースプレートの上面に接合材が塗布される(または、ベースプレート上にガスケットが配置され、接合材が塗布される)。1126においてトッププレートが接合材および/またはガスケット上に配置される。トッププレートの底面はスリーブと直接接触している。1130において、トッププレートおよびベースプレートの外縁が位置合わせされ、トッププレートおよびベースプレートの半径方向外縁間に所定の垂直方向隙間が設定される。1134において、接合材が硬化される。
【0073】
前述の説明は、本質的に解説のためのものに過ぎず、本開示、その応用、または用途を限定することを意図していない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施可能である。したがって、本開示には特定の例が含まれるが、図面、明細書、および以下の請求項を検討すれば、他の変更点が明らかになるため、本開示の真の範囲をそのように限定すべきではない。方法内の1つまたは複数のステップを、本開示の原理を変更することなく異なる順序で(または同時に)実行してもよいことを理解すべきである。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するものとして上述しているが、本開示の任意の実施形態に関して説明されたそれらの特徴のうちの任意の1つまたは複数は、その組み合わせが明示的に記載されていない場合も、他の任意の実施形態の特徴において実現可能、かつ/または組み合わせ可能である。つまり、説明した実施形態は相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態の相互の順列は、本開示の範囲内に留まる。
【0074】
要素間(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間など)の空間的および機能的関係は、「接続」、「係合」、「結合」、「隣接」、「隣」、「上部に」、「上方」、「下方」、および「設ける」等の様々な用語を用いて説明される。「直接的」であると明示的に記載されていない限り、上記開示において第1および第2要素間の関係が記載される場合、その関係は、第1および第2要素間に他の介在要素が存在しない直接的な関係である可能性があるが、第1および第2要素間に(空間的または機能的に)1つまたは複数の介在要素が存在する間接的な関係である可能性もある。本明細書において使用される場合、A、B、Cのうちの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを用いて、論理(A OR B OR C)を意味すると解釈すべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」という意味に解釈すべきではない。
【0075】
いくつかの実装形態では、コントローラは、上述の例の一部であってもよいシステムの一部である。このようなシステムは、1つもしくは複数の処理ツール、1つもしくは複数のチャンバ、1つもしくは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理部品(ウエハ台座、ガスフローシステム等)などの半導体処理機器を含み得る。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステムの操作を制御するための電子機器と一体化されていてもよい。この電子機器を、1つまたは複数のシステムの各種部品または副部品を制御し得る「コントローラ」と呼んでもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、本明細書に開示された、処理ガスの送出、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および操作設定、ツールならびに特定のシステムに接続またはインターフェース接続する他の搬送ツールおよび/またはロードロック内外へのウエハの搬送等のいずれかのプロセスを制御するようにプログラムされていてもよい。
【0076】
大まかに言えば、コントローラは、例えば、命令を受信し、命令を出し、操作を制御し、クリーニング操作を可能とし、エンドポイント計測等を可能にする各種集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/またはプログラム命令(例えばソフトウェア)を実行する1つもしくは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個別設定(またはプログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であって、半導体ウエハ上もしくは半導体ウエハ用に、またはシステムに対して特定のプロセスを実行する操作パラメータを定めるものであってもよい。操作パラメータは、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハのダイの製造の際の1つまたは複数の処理プロセスを達成するためにプロセスエンジニアによって定められるレシピの一部であってもよい。
【0077】
コントローラは、いくつかの実装形態において、システムに統合されているか、結合されているか、そうでなければシステムにネットワーク接続されているか、それらの組み合わせであるコンピュータの一部であるか、コンピュータに結合されていてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内、または、ウエハ処理のリモートアクセスを可能とする製造工場のホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。このコンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能とすることで、製造操作の現在の進行を監視し、過去の製造操作の履歴を検証し、複数の製造操作からトレンドまたはパフォーマンスメトリクスを検証することで、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定し、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えばサーバ)が、ローカルネットワークまたはインターネットを含み得るネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供できる。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能とするユーザインターフェイスを含んでもよく、パラメータおよび/または設定は次にリモートコンピュータからシステムに伝達される。いくつかの例では、コントローラは、1つまたは複数の操作中に行われる各処理ステップのパラメータを定めたデータの形式で命令を受信する。なお、このパラメータは行われるプロセスの種類や、コントローラがインターフェースまたは制御するように構成されているツールの種類に特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述の通り、コントローラは、互いにネットワーク接続されて、本明細書に記載のプロセスや制御等の共通の目的に向かって働く1つまたは複数の別個のコントローラを含めることなどにより、分散されてもよい。そのような目的のために分散されたコントローラの例としては、チャンバ上のプロセスを制御するために組み合わされて、リモート配置(例えばプラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)された1つまたは複数の集積回路と通信する、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路が挙げられる。
【0078】
限定されないが、例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、クリーンチャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、および半導体ウエハの生産および/または製造に関連づけられるかまたは使用され得る他の任意の半導体処理システムを含んでもよい。
【0079】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路またはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体に配置されたツール、メインコンピュータ、他のコントローラ、またはウエハのコンテナをツール位置および/または半導体製造工場内のロードポート内外に移送する材料搬送に使用されるツールの1つまたは複数と通信してもよい。
【国際調査報告】