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特表2024-546501デジタル周波数ロックループのドループ検出及び制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】デジタル周波数ロックループのドループ検出及び制御
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/30 20060101AFI20241217BHJP
   G06F 1/28 20060101ALI20241217BHJP
   G06F 1/04 20060101ALI20241217BHJP
   G06F 15/78 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
G06F1/30 305
G06F1/28
G06F1/04 571
G06F1/04 510
G06F15/78 517
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537046
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-08-01
(86)【国際出願番号】 US2022052658
(87)【国際公開番号】W WO2023121917
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】17/557,590
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VERILOG
(71)【出願人】
【識別番号】591016172
【氏名又は名称】アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
(71)【出願人】
【識別番号】508301087
【氏名又は名称】エーティーアイ・テクノロジーズ・ユーエルシー
【氏名又は名称原語表記】ATI TECHNOLOGIES ULC
【住所又は居所原語表記】One Commerce Valley Drive East, Markham, Ontario, L3T 7X6 Canada
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100111615
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】コーシク マジュムダール
(72)【発明者】
【氏名】ジョイス チョック ワイ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ナイーム イブラヒム アリー
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ヴィクトル コソノキー
【テーマコード(参考)】
5B011
5B062
【Fターム(参考)】
5B011DA01
5B011DB04
5B011EA01
5B011EA02
5B011EA08
5B011EA10
5B011GG02
5B011JA01
5B062AA05
5B062BB02
5B062HH02
5B062HH04
(57)【要約】
装置は、基準信号発生器と、ドループ検出回路と、デジタル周波数ロックループ(DFLL)と、DFLL制御回路と、を含む。基準信号発生器は、デジタル値を受信し、デジタル値に基づいてパルス密度変調信号を生成する。ドループ検出回路は、パルス密度変調信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号を監視された供給電圧と比較し、アナログ信号に対して指定された値を下回る監視された供給電圧のドループを検出したことに応じてドループ検出信号を生成する。DFLLは、監視された供給電圧のドメイン内の回路を同期させるためのクロック信号を提供する。DFLL制御回路は、ドループ検出信号の受信に応じて、DFLLにクロック信号を減速させる。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
デジタル値を受信し、前記デジタル値に基づいてパルス密度変調信号を生成する基準信号発生器と、
前記パルス密度変調信号をアナログ信号に変換し、前記アナログ信号を、監視された供給電圧と比較し、前記アナログ信号に対して指定された値を下回る前記監視された供給電圧のドループを検出したことに応じてドループ検出信号を生成するドループ検出回路と、
前記監視された供給電圧のドメイン内の回路を同期させるためのクロック信号を提供するデジタル周波数ロックループ(DFLL)と、
前記ドループ検出信号を受信することに応じて、前記DFLLに前記クロック信号を減速させるDFLL制御回路と、を備える、
装置。
【請求項2】
前記クロック信号をゲーティングするために前記DFLLに結合されたクロックゲートと、
前記ドループ検出信号を受信する入力と、前記ドループ検出信号に応じて前記クロック信号をゲーティングするために前記クロックゲートに結合された出力と、を有するラッチと、を備える、
請求項1の装置。
【請求項3】
前記ドループ検出信号を受信する入力と、前記ラッチを制御するように結合された出力と、を有する状態機械を備え、
前記状態機械は、前記ドループ検出回路が前記ドループを検出しなくなった後の指定された期間の間、前記ドループ検出信号を保持し、前記指定された期間の後に前記ドループ検出信号をリセットするように前記ラッチを制御する、
請求項2の装置。
【請求項4】
前記DFLL制御回路は、
前記ドループ検出信号を受信する第1の入力と、
前記集積回路内のそれぞれの追加の回路からクロックストレッチ要求信号を受信する1つ以上の追加の入力と、
前記ドループ検出信号及び前記1つ以上の追加の入力の何れが、前記DFLLをどれだけ減速させるかを決定するのかを選択するための調停ロジックと、を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記DFLL制御回路は、前記クロック信号が減速された後に、前記DFLLが前記クロック信号の速度をどれだけ迅速に増加させるかを制御するために、前記DFLLにおけるDFLL増分量を設定するように動作可能である、
請求項1の装置。
【請求項6】
前記ドループ検出回路は、基準となる前記パルス密度変調信号をクリーン供給電圧に変換するためのレベルシフタを含む、
請求項1の装置。
【請求項7】
前記ドループ検出回路は、前記監視された供給電圧を受信する正の供給端子をそれぞれ含む少なくとも第1の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)インバータ及び第2のCMOSインバータを含む一連のインバータを備える比較器を含み、
前記第1のCMOSインバータは、前記アナログ信号を受信する入力を含み、前記第1のCMOSインバータは、前記監視された供給電圧が指定されたレベルに近い場合にクローバーモードで動作するように構成されている、
請求項1の装置。
【請求項8】
前記比較器から前記ドループ検出信号を受信するカウンタであって、ドループが検出されていることを前記ドループ検出信号が示す間に増分し、ドループが検出されていないことを前記ドループ検出信号が示す間に減分するカウンタ値を含む、カウンタと、
前記カウンタ値を閾値と比較し、前記カウンタ値が前記閾値を超えることに応じて、ピーク電流制約に違反し得る潜在的な電気設計電流(EDC)イベントが存在することを示す信号を提供する制御回路と、を備える、
請求項1の装置。
【請求項9】
前記装置は、プロセッサである、
請求項1の装置。
【請求項10】
前記装置は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、サーバ、ゲームコンソール、及び、マルチメディアデバイスのうち何れかであるデバイスを備える、
請求項1の装置。
【請求項11】
電源を監視する方法であって、
デジタル値を受信することと、
前記デジタル値に基づいて、スケーリングされたパルス密度変調信号を生成することと、
前記パルス密度変調信号をアナログ信号に変換し、前記アナログ信号を、監視された供給電圧と比較することと、
前記アナログ信号に対して指定された値を下回る前記監視された供給電圧のドループを検出したことに応じてドループ検出信号を生成することと、
前記ドループ検出信号に応じて、前記監視された供給電圧のドメイン内の回路を同期させるためのクロック信号を提供するデジタル周波数ロックループ(DFLL)に、前記クロック信号を減速させることと、を含む、
方法。
【請求項12】
前記ドループ検出信号に応じて、指定された期間の間、前記クロック信号をゲーティングすることを含む、
請求項11の方法。
【請求項13】
前記ドループ検出信号に応じて、前記ドループ検出回路が前記ドループを検出しなくなった後の指定された期間の間、前記ドループ検出信号を保持し、前記指定された期間の後に前記ドループ検出信号をリセットするようにラッチを制御することを含む、
請求項11の方法。
【請求項14】
前記クロック信号を減速させた後、前記クロック信号の速度を、経時的に、指定された周期的増分で増加させることを含む、
請求項11の方法。
【請求項15】
前記クロック信号が減速された後に、前記DFLLが前記クロック信号の速度をどれだけ迅速に増加させるかを制御するために、DFLL増分量を設定することを含む、
請求項14の方法。
【請求項16】
DFLL制御回路において、前記ドループ検出信号及び1つ以上の追加のクロックストレッチ要求信号を受信することと、
前記DFLL制御回路において、前記ドループ検出信号及び前記1つ以上の追加のクロックストレッチ要求信号の何れが、前記クロック信号をどれだけ減速させるかを決定するのかを決定することと、を含む、
請求項11の方法。
【請求項17】
ドループが検出されている間にカウンタ値を増分し、ドループが検出されていない間に前記カウンタ値を減分することと、
前記カウンタ値が指定された閾値を超えることに応じて、ピーク電流制約に違反し得る潜在的な電気設計電流(EDC)イベントが存在することを示す信号を提供することと、を含む、
請求項11の方法。
【請求項18】
データ処理システムであって、
デジタル論理と、前記デジタル論理を同期させるためのクロック信号を提供するローカルDFLLと、それぞれの監視されたローカル供給電圧を監視するためのローカル電源モニタと、をそれぞれ備える少なくとも2つのプロセッサタイルを含む集積回路を備え、
各電源モニタは、
デジタル値を受信し、前記デジタル値に基づいてパルス密度変調信号を生成する基準信号発生器と、
前記パルス密度変調信号をアナログ信号に変換し、前記アナログ信号を、前記それぞれの監視されたローカル供給電圧と比較し、前記アナログ信号に対して指定された値を下回る前記それぞれの監視されたローカル供給電圧のドループの検出に応じてドループ検出信号を生成するドループ検出回路と、
前記ドループ検出信号を受信することに応じて、前記ローカルDFLLに前記クロック信号を減速させるDFLL制御回路と、を備える、
データ処理システム。
【請求項19】
各プロセッサタイルは、
前記クロック信号をゲーティングするために前記ローカルDFLLに結合されたクロックゲートと、
前記ドループ検出信号を受信する入力と、前記ドループ検出信号に応じて前記クロック信号をゲーティングするために前記クロックゲートに結合された出力と、を有するラッチと、を備える、
請求項18のデータ処理システム。
【請求項20】
各プロセッサタイルは、前記ドループ検出信号を受信する入力と、前記ラッチを制御するように結合された出力と、を有する状態機械を備え、
前記状態機械は、前記ドループ検出回路が前記ドループを検出しなくなった後の指定された期間の間、前記ドループ検出信号を保持し、前記指定された期間の後に前記ドループ検出信号をリセットするように前記ラッチを制御する、
請求項19のデータ処理システム。
【請求項21】
各DFLL制御回路は、
前記ドループ検出信号を受信する第1の入力と、
前記集積回路内のそれぞれの追加回路からクロックストレッチ要求信号を受信する1つ以上の追加の入力と、
前記ドループ検出信号及び前記1つ以上の追加の入力の何れが、前記ローカルDFLLをどれだけ減速させるかを決定するのかを選択するための調停ロジックと、を備える、
請求項18のデータ処理システム。
【請求項22】
前記DFLL制御回路は、前記クロック信号が減速された後に、前記ローカルDFLLが前記クロック信号の速度をどれだけ迅速に増加させるかを制御するために、前記ローカルDFLLにおけるDFLL増分量を設定するように動作可能である、
請求項18のデータ処理システム。
【請求項23】
前記ドループ検出回路は、基準となる前記パルス密度変調信号をクリーン供給電圧に変換するためのレベルシフタを含む、
請求項18のデータ処理システム。
【請求項24】
前記ドループ検出回路は、前記それぞれの監視されたローカル供給電圧を受信する正の供給端子をそれぞれ含む少なくとも第1の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)インバータ及び第2のCMOSインバータを含む一連のインバータを備える比較器を含み、
前記第1のCMOSインバータは、前記アナログ信号を受信する入力を含み、前記第1のCMOSインバータは、前記それぞれの監視されたローカル供給電圧が指定されたレベルに近い場合にクローバーモードで動作するように構成されている、
請求項18のデータ処理システム。
【請求項25】
前記プロセッサタイルのうち少なくとも1つは、
前記比較器から前記ドループ検出信号を受信するカウンタであって、ドループが検出されていることを前記ドループ検出信号が示す間に増分し、ドループが検出されていないことを前記ドループ検出信号が示す間に減分するカウンタ値を含む、カウンタと、
前記カウンタ値を閾値と比較し、前記カウンタ値が前記閾値を超えたことに応じて、前記集積回路用のピーク電流制約に違反し得る潜在的な電気設計電流(EDC)イベントが存在することを示す信号を提供する制御回路と、を備える、
請求項18のデータ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
集積回路及びディスクリート回路は、電源から電力を受けて、関連する回路に電源電圧を供給するための端子を含む。回路、例えば、インバータは、電源と回路コモン(circuit common)又は接地との間に接続されることが多い。金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide semiconductor field-effect transistor、MOSFET)の場合、ゲート端子における特定の電圧がトランジスタをアクティブ化して、出力端子と電源又は接地との間に接続された回路素子を駆動し、出力端子に接続された後続の回路の動作を駆動する回路経路を生成する。通常、電流及び回路負荷の量は、動作速度及び供給電圧の両方に関連する。多くの回路のアクティブな性質のために、負荷は時々変動し、時には、供給電圧レベルを所望のレベルから降下させ得るか又は低下され得る。
【0002】
電圧ドループは、電源が負荷を駆動する場合の所望の電圧レベルからの電圧の降下を指すために使用される用語である。調整されたシステムでは、負荷が突然急激に増加すると、出力電圧が低下する可能性がある。例えば、過渡負荷状態が発生して、電圧ドループを引き起こし得る。ドループが大きすぎる場合、回路故障が生じる。
【0003】
先行技術のシステムでは、供給調整回路又は「ヘッダ」回路が電源と回路との間に動作可能に配置され、電源のそのような変動を調整又は補償するように調整される。例えば、いくつかの解決策は、過渡応答からの負荷を最小限に抑え、供給電圧を調整するために、電力状態変化等の他の電力管理特徴に対して相対的に高い周波数で絶えず切り替わるヘッダ回路を含む。これらのヘッダ回路は、過渡負荷条件及び他の負荷状態による電圧ドループに非常に迅速に応答するように最適化されることが多い。
【0004】
これらの先行技術のシステムは、典型的には、かなりのカスタマイズされたアナログ設計ブロックを有し、過渡負荷条件に応答するために、相対的に大きい電界効果トランジスタを接続し且つ接続しないように切り替えるので、著しいオーバーヘッドを付加する。このオーバーヘッドは、定常状態モードで動作している場合でも発生する。したがって、そのようなシステムは、貴重な集積回路の面積を消費するだけでなく、電力の観点からも非効率的である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】先行技術による、複数のプロセッサコアへの供給電圧を調整するためのシステムのブロック図である。
図2】先行技術による、ドループを補償するレギュレータシステムの更なる詳細を、部分的にブロック図で部分的に概略的な形態で示す図である。
図3A】いくつかの実施形態による、電圧ドループにより迅速に応答することができる電源モニタのブロック図である。
図3B】追加の実施形態による、電源モニタのブロック図である。
図4】更なる追加の実施形態による、電源モニタのブロック図及び回路図である。
図5】回路のためのシリコンの低減された面積を採用しながら、電圧ドループに対してより迅速に応答することができる、更なる追加の実施形態による、ドループ検出回路のブロック図及び回路図である。
図6図4の電源モニタ回路に関連するそれぞれの信号を示すグラフである。
図7】いくつかの追加の実施形態による、電源モニタのブロック図である。
図8】電力消費の低減を提供するいくつかの実施形態による、電気設計電流緩和プロセスの動作を示すフロー図である。
図9図7の電源モニタ回路に関連するそれぞれの信号を示すいくつかの信号のグラフである。
図10】いくつかの実施形態による、加速処理ユニット(accelerated processing unit、APU)のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の説明において、異なる図面における同一の符号の使用は、同様のアイテム又は同一のアイテムを示す。別段の言及がなければ、「結合される(coupled)」という単語及びその関連する動詞形は、当該技術分野で周知の手段による直接接続及び間接電気接続の両方を含み、また、別段の言及がなければ、直接接続の任意の記述は、好適な形態の間接電気接続を使用する代替の実施形態も同様に意味する。
【0007】
装置は、基準信号発生器と、ドループ検出回路と、デジタル周波数ロックループ(digital frequency-locked loop、DFLL)と、DFLL制御回路と、を含む。基準信号発生器は、デジタル値を受信し、デジタル値に基づいて、パルス密度変調信号を生成する。ドループ検出回路は、パルス密度変調信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号を監視された供給電圧と比較し、アナログ信号に対して指定された値を下回る監視された供給電圧のドループを検出することに応じて、ドループ検出信号を生成する。DFLLは、監視された供給電圧のドメイン内で回路を同期させるためのクロック信号を提供する。DFLL制御回路は、ドループ検出信号の受信に応じて、DFLLにクロック信号を減速させる。
【0008】
方法は、電源を監視する。本方法は、2進数を受信することと、2進数に基づいて、スケーリングされたパルス密度変調信号を作成することと、を含む。パルス密度変調信号は、アナログ信号に変換され、監視された供給電圧と比較される。アナログ信号に対して指定された値を下回る監視された供給電圧におけるドループの検出に応じて、ドループ検出信号が生成される。
【0009】
ドループ検出信号に応じて、本方法は、監視された供給電圧のドメイン内の回路を同期させるためのクロック信号を提供するデジタル周波数ロックループ(DFLL)に、クロック信号を減速させる。
【0010】
データ処理システムは、少なくとも2つのプロセッサタイルを有する集積回路を含む。各プロセッサタイルは、デジタルロジックと、デジタルロジックを同期させるためのクロック信号を提供するローカルDFLLと、それぞれの監視されたローカル供給電圧を監視するためのローカル電源モニタと、を含む。各電源モニタは、基準信号発生器と、ドループ検出回路と、DFLL制御回路と、を含む。基準信号発生器は、デジタル値を受信し、デジタル値に基づいてパルス密度変調信号を生成する。ドループ検出回路は、パルス密度変調信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号をそれぞれの監視されたローカル供給電圧と比較し、アナログ信号に対して指定された値を下回るそれぞれの監視されたローカル供給電圧のドループの検出に応じて、ドループ検出信号を生成する。DFLL制御回路は、ドループ検出信号の受信に応じて、ローカルDFLLにクロック信号を減速させる。
【0011】
図1は、先行技術による、複数のプロセッサコアへの供給電圧を調整するためのシステムのブロック図である。供給電圧VDD12は、複数の供給調整ブロック(supply adjustment block、SAB)14A~14Cに接続される。供給調整ブロック14A~14Cの各々は、プロセッサコア16A~16Cへの調整された供給電圧を生成するように接続される。プロセッサコア16A~16Cの各々は、電源モニタ(power supply monitor、PSM)30A~30Cと、高速ドループ検出器(fast droop detector、FDD)26A~26Cと、デジタル低電圧レギュレータ(digital low voltage regulator、DLVR)22A~22Cと、を含む。DLVR22A~22Cの各々は、プロセッサコア16A~16C内に形成される。プロセッサコア及びそれらの関連する回路は、「プロセッサタイル」と称される場合がある。
【0012】
いくつかのバージョンでは、供給調整ブロック(SAB)60が、供給調整ブロック14に加えて又はその代わりに使用され得る。図から分かるように、供給調整ブロック60は、ヘッダ回路ではなくフッタ回路であり、これは、供給調整ブロックが、プロセッサコアと電源との間に接続される代わりに、プロセッサコアと接地との間に接続されることを意味する。調整ブロック60の供給が含まれる図1のシステムのバージョンでは、特定の離散論理が所望の動作をサポートするように修正され、当業者は、設計においてそのような変換を容易に行うことができる。第1のレギュレータ(22A~22C)及びFDD(26A~26C)は同じままである。したがって、例えば、FDD26A~26Cによって生成された電荷注入信号は、供給調整ブロック60内の抵抗素子をアクティブ化又は選択する働きをする。1つの供給調整ブロック60のみが破線で示されているが、複数の供給調整ブロック60が図1のバージョンに含まれ得ることが理解されるべきである。ヘッダ回路を含む供給調整ブロック14と同様に、第2のレギュレータ、すなわちFDD26A~26Cは、供給調整ブロック14A~14Cにわたる電圧降下を調整し、したがってプロセッサコア16A~16Cに対して生成される電圧を調整するために、選択された抵抗素子をアクティブ化させる電荷注入信号を生成する。
【0013】
図2は、本発明の一実施形態による、ドループを補償するレギュレータシステムの更なる詳細を、部分的にブロック図で部分的に概略的な形態で示している。供給電圧VDD12は、供給調整ブロック14に接続され、供給調整ブロック14は、プロセッサコア16への調整された供給電圧を生成する。調整された供給電圧の大きさは、制御ワード、電荷制御ワード及びFDD26によって生成される電荷注入信号(SAB14への追加の入力として示される)の値に基づく。説明したバージョンでは、PSM30、DLVR22及びFDD26の全ては、図2のバージョンのプロセッサコアブロック16内に形成される。
【0014】
調整された供給電圧はPSM30に提供され、PSM30は、調整された供給電圧の大きさのデジタル表現をDLVR22に生成する。調整された供給電圧は、FDD26にも生成される。DLVR22は「ターゲット」として示されるターゲット調整供給電圧と、外部ソースからのドループ閾値レベルと、を受信するように更に接続される。外部ソースは、一実施形態では電力管理ブロックであり得る。DLVR22は、FDD26へのドループ閾値レベルを生成する。また、DLVR22は、制御ワード「ctrl[(n-1): 0]」及び電荷制御ワード「chg_ctrl[(n-1): 0]」を供給調整ブロック14に生成する。
【0015】
FDD26は、DLVR22からドループ閾値レベルを受信するように接続され、受信したドループ閾値レベルに対応する大きさのアナログ信号を比較器64のプラス(+)入力に生成するように構成されるデジタル-アナログ変換器(digital-to-analog converter、DAC)62を含む。図示したバージョンでは、DAC62は、シグマ-デルタ変換器である。比較器64のマイナス(-)は、供給調整ブロック14によって生成される調整された供給電圧を受信するように接続される。比較器64は、調整された供給電圧がアナログのドループ閾値レベル又は電圧を下回る場合にはいつでも、供給調整ブロック14をアクティブ化する電荷注入信号を生成する。電荷選択ブロックがNAND論理を利用する場合、電荷注入信号に対する論理1は、電荷注入か、より具体的には、選択されたMOSFETに対する供給電圧調整をトリガすることに留意されたい。論理ゼロは、ドループ閾値が調整された供給電圧よりも低い場合にのみ生成される。図2のバージョンは、プロセッサコアブロック16内に形成された第1のレギュレータ(DLVR22)を含むことにも留意されたい。代替バージョンでは、第1のレギュレータ、すなわちDLVR22は、プロセッサコア16の外部に形成され得る。
【0016】
FDD26は、調整された供給電圧とドループ閾値とのアナログ比較を実行することによって、その処理を非常に迅速に実行する。したがって、電荷注入信号は、ほぼ瞬時に生成され、全ての必要なデータを取得し、そのデータを処理するためにいくつかのクロックサイクルを必要とするプロセッサベースのデジタル論理よりもはるかに迅速に生成され得る。したがって、FDD26を含む第2の制御ループは、調整された供給電圧がドループ閾値レベルを下回る場合にはいつでも、調整された供給電圧を直ちに補正又は調整するための高速動作制御ループである。対照的に、第1のレギュレータ(DLVR22)を含む第1の調整ループは、調整された供給電圧をターゲット調整供給電圧値と比較する、より低速で動作するループである。高速動作する第2の制御ループをFDD26と共に利用することによって、より単純且つより遅い第1の調整ループを利用して、ICの面積及び関連する電力消費を低減することができる。更に、第2の制御ループにおける意思決定は、アナログ(リアルタイム)で行われるので、第1の制御ループはより低いレートでクロックされ、それによって電力を節約することができる。
【0017】
図3は、いくつかの実施形態による、300(図3A)及び302(図3B)とラベル付けされた電源モニタの2つの実施形態のブロック図である。電源モニタ300は、基準信号発生器320、高速ドループ検出器340、DFLL制御回路350、デジタル周波数ロックループ(DFLL)360、及び、有限状態機械(finite state machine、FSM)370を含む。この実施形態では、高速ドループ検出器340によって実行されるドループ検出は、その出力クロック信号周波数を増加又は減少させるようにDFLL360を制御するために使用される。
【0018】
基準信号発生器320は、ローカル電力コントローラに接続され、基準電圧を示すデジタル数を受信する入力と、基準電圧を示す変調されたデジタル信号を提供する出力と、を有する。基準電圧は、監視されるべきローカル供給電圧「VDD_CORE」の所望のレベルに関連付けられる。高速ドループ検出器340は、基準信号発生器320の出力に接続された入力と、VDD_CORE供給電圧を受信する入力と、第3の入力と、出力と、を有する。
【0019】
DFLL制御回路350は、高速ドループ検出器340の出力に接続された入力と、DFLL360に接続された出力と、を有する。DFLL360は、多数の制御及びイネーブル入力(図示せず)と、監視された供給電圧のドメイン内で回路を同期させるためのクロック信号を提供する出力と、を有する。
【0020】
FSM370は、高速ドループ検出器340の出力に接続された入力と、高速ドループ検出器340の第2の入力に接続された出力と、を有し、いくつかの他の制御入力(図示せず)を含み得る。
【0021】
動作において、監視された供給電圧、この場合ではVDD_COREの電圧ドメインのためのローカル電力コントローラは、監視された供給電圧を調整し、調整された監視された供給電圧に対応する2進数の新しい値を基準信号発生器320に提供するように動作可能である。基準信号発生器320は、提供された値を搬送するデジタル変調信号を提供する。高速ドループ検出器340は、VDD_CORE供給電圧を、デジタル変調信号に基づくアナログ信号と比較して、VDD_CORE供給電圧におけるドループを検出する。そのようなドループを検出することに基づいて、高速ドループ検出器340は、ドループ検出信号をDFLL制御回路350に送る。この信号に基づいて、DFLL制御回路350は、DFLL360に対して、指定された期間だけクロックを減速するように命令するか、又は、停止してからクロックを減速するように命令する。
【0022】
電源モニタ302は、基準信号発生器320と、高速ドループ検出器340と、DFLL制御回路350と、デジタル周波数ロックループDFLL360と、クロックゲート380と、有限状態機械370と、を含む。この実施形態では、図3BのDFLL制御方式がクロックゲート380と一緒に使用されて、検出されたドループに対してより迅速な応答を提供する。
【0023】
図3Bの基準信号発生器320は、ローカル電力コントローラに接続され、基準電圧を示すデジタル数を受信する入力と、基準電圧を示す変調されるデジタル信号を提供する出力と、を有する。基準電圧は、監視されるべきローカル供給電圧「VDD_CORE」の所望のレベルに関連付けられる。高速ドループ検出器340は、基準信号発生器320の出力に接続された入力と、VDDCORE供給電圧を受信する入力と、第2の入力と、出力と、を有する。
【0024】
DFLL制御回路350は、高速ドループ検出器340の出力に接続された入力と、DFLL360に接続された出力と、を有する。DFLL360は、多数の制御及びイネーブル入力(図示せず)と、監視された供給電圧のドメイン内で回路を同期させるためのクロック信号を提供する出力と、を有する。クロックゲート380は、DFLL360の出力に接続された第1の入力と、高速ドループ検出器340の出力に接続された第2の入力と、DFLL360からのクロック信号を選択的に提供するための出力と、を有する。
【0025】
FSM370は、高速ドループ検出器340の出力に接続された入力と、高速ドループ検出器340の第2の入力に接続された出力と、を有し、いくつかの他の制御入力(図示せず)を含み得る。
【0026】
PSM302の動作において、監視された供給電圧の電圧ドメインのためのローカル電力コントローラは、監視された供給電圧を調整し、調整された監視された供給電圧に対応する2進数の新しい値を基準信号発生器に提供するように動作可能である。基準信号発生器320は、提供された値を搬送するデジタル変調信号を提供する。高速ドループ検出器340は、VDD_CORE供給電圧を、デジタル変調信号に基づくアナログ信号と比較して、VDD_CORE供給電圧におけるドループを検出する。そのようなドループを検出することに基づいて、高速ドループ検出器340は、ドループ検出信号をクロックゲート380及びDFLL制御回路350に送る。この信号に基づいて、クロックゲート380は、クロックをゲートして直ちにクロックをゲートし、一方、DFLL制御回路350は、DFLL360に対して、指定された期間の間、クロックを減速するように命令する。DFLL360は、クロック周波数の変更を実施するためのコマンドに応答するのが相対的に遅いので、高速ドループ検出器340は、ドループ検出信号に応じてクロックゲート380を制御し、指定された期間の間、クロック信号をゲートして、回路によって消費される電力を低減し、VDD_CORE電源上のドループ下電圧を緩和する。FSM370は、ラッチを制御すること等によって、クロックゲート制御信号をリセットすることによって、指定された期間を制御する。
【0027】
図4は、更なる追加の実施形態による、電源モニタ400のブロック図及び回路図である。電源モニタ400は、極電圧最小(extreme voltage minimum、XVMIN)検出回路410と、デジタル周波数ロックループDFLL460と、クロックゲート480と、グラフィックスDFLFSM490(GDFLL FSM)と、を含む。電源モニタ400は、検出されたドループに対してより迅速な応答を提供する、図3Bの電源モニタの例示的な実施形態である。図示した実施形態は、グラフィックスプロセッサの電源監視を実行するが、電源モニタ400は、例えば、中央処理装置(central processing unit、CPU)又は他のデータプロセッサ及び特定用途向けIC(application-specific IC、ASIC)等、電源監視を必要とする多種多様な集積回路(integrated circuit、IC)と共に使用するのに好適である。これらのプロセッサ及び関連する電源モニタは、ラップトップ、デスクトップ、スマートフォン、タブレット、サーバ、ゲーム機、及び、プロセッサを組み込み、電源監視を必要とする多数の他のデバイス等のデバイス内に実装することができる。
【0028】
XVMIN検出回路410は、監視されるべき「VDDGFX」とラベル付けされたグラフィックス供給電圧を受信する第1の入力と、「SMNCLK(VDDGFX)」とラベル付けされたシステム管理ネットワーククロック信号を受信する第2の入力と、「Xvmin_trig」とラベル付けされた信号を提供する第1の出力と、「Xvmin_clk_stop」とラベル付けされた第2の出力と、高速ドループ検出器420と、「Xvmin_trigger」とラベル付けされた極電圧最小トリガ回路470と、ANDゲート472と、ORゲート474と、ANDゲート476と、を含む。
【0029】
高速ドループ検出器420は、この実施形態では、概して、デジタル値を受信し、デジタル値に基づいてパルス密度変調信号を生成する、基準信号発生器と、パルス密度変調信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号を監視された供給電圧と比較し、アナログ信号に対して指定値を下回る監視された供給電圧のドループの検出に応じて、ドループ検出信号を生成する、ドループ検出回路と、を含む。例えば、図5は、高速ドループ検出器420として使用するのに好適な高速ドループ検出器の実施形態を示す。高速ドループ検出器420は、監視されるべき電圧VDDGFXを受信する入力と、クロック信号SMNCLK(VDDGFX)を受信する入力と、「ResetDD_Xvmin」とラベル付けされた信号を受信する入力と、「DDlatched_sync」とラベル付けされた信号を提供する出力と、を有する。
【0030】
Xvmin_trigger470は、FSMのこの実施形態では、制御回路であり、高速ドループ検出器420からDDlatched_sync信号を受信する入力と、ResetDD_Xvmin信号を高速ドループ検出器420に提供する出力と、クロック信号SMNCLK(VDDGFX)を受信する入力と、「clk_gator」とラベル付けされた信号を提供する出力と、を含む。
【0031】
ORゲート474は、高速ドループ検出器420から信号DDlatched syncを受信する第1の入力と、Xvminトリガ470から信号clk_gatorを受信する第2の入力と、出力と、を有する。ANDゲート472は、ORゲート474の出力に接続された第1の入力と、構成レジスタ(図示せず)から「Reg_Xvmin_clkstop_en」とラベル付けされたクロック停止イネーブル信号を受信する第2の入力と、「Xvmin_clk_stop」とラベル付けされた信号を提供する出力と、を有する。
【0032】
ANDゲート476は、高速ドループ検出器420から信号DDlatched_syncを受信する第1の入力と、構成レジスタ(図示せず)から「Reg_Xvmin_en」とラベル付けされたイネーブル信号を受信する第2の入力と、信号Xvmin_trigを提供する出力と、を有する。
【0033】
DFLL460は、「RefCLK」とラベル付けされたクロック信号を受信する第1の入力と、「DFLLConfigC[4:0]」とラベル付けされた信号を受信する第2の入力と、「FcsTrig」とラベル付けされた信号を受信する第3の入力と、監視された供給電圧VDDGFXのドメイン内の回路を同期させるためのクロック信号、この実施形態では「GFXCLK」とラベル付けされたグラフィックス処理コアクロックを提供する出力と、を有する。クロックゲート480は、DFLL460からクロック信号GFXCLKを受信する第1の入力と、XVMIN検出回路410のANDゲート472から信号Xvmin_clk_stopを受信する第2の入力と、クロック信号GFXCLKのゲートされたバージョンを提供する出力と、を有する。
【0034】
GDFLL FSM490は、XVMIN検出回路410から信号Xvmin_trigを受信するように接続された入力と、信号FcsTrigを提供する周波制御ストレッチトリガ出力と、DFLL460の周波数制御ワード(frequency control word、FCW)を含む信号DFLLConfigC[4:0]を提供する第2の出力と、「調停(Arbitration)」とラベル付けされた制御調停回路495と、ピーク電流制御(peak current control、PCC)クライアントストレッチ制御回路491と、「パワーブレーキ(Power Brake)」とラベル付けされたパワーブレーキクライアントストレッチ制御回路492と、「APCC」とラベル付けされた適応PCCクライアントストレッチ制御回路493と、「Xvmin-stretch」とラベル付けされたXVMINクライアントストレッチ制御回路494と、を含む。
【0035】
PCCクライアントストレッチ制御回路491は、IC電源全体に関連するインダクタ電流が最大閾値を超えるリスクがあるかどうかを示す信号(図示せず)をホストICの電圧レギュレータから受信する。この信号に基づいて、PCCクライアントストレッチ制御回路491は、要求された周波数制御ストレッチ(frequency control stretch、FCS)量として制御調停回路495に提供される、要求されたクロックストレッチ(減速)量を示す出力を生成する。パワーブレーキクライアントストレッチ制御回路492は、作業負荷に基づいて回路の電力消費を抑制するためにシステム状態コントローラから信号(図示せず)を受信し、要求されたFCS量を示す制御調停回路495に提供される出力を生成する。APCC493は、ピーク電流制御信号がアクティブである時間量に基づいて生成される適応ピーク電流制御回路からの信号(図示せず)を受信する入力を有する。APCC493は、要求されたFCS量を示す制御調停回路495に提供される出力を生成する。Xvmin-stretch494は、信号Xvmin_trigを受信する入力と、制御調停回路495に接続された出力と、を有する。Xvmin_stretch494は、信号Xvmin_trigがアクティブである時間量に基づいて、要求されたFCS量を示す出力信号を制御調停回路495に生成する。
【0036】
制御調停回路495は、それぞれ、PCC491、パワーブレーキ492、APCC493の出力に接続された4つの入力を有し、Xvmin-stretch494も、それらの機能に関連する信号を受信するためのそれぞれの入力(図示せず)を有する。制御調停回路495は、概して、以下で更に説明するように、4つの接続されたストレッチクライアントのうち何れのストレッチクライアントがDFLL460に必要なクロックストレッチの量を制御するかを選択するように機能する。
【0037】
動作中、図4の高速ドループ検出器420は、供給電圧VDDGFXを監視し、電圧がある所定の閾値レベルを超える場合、内部信号「Droopdetected」をアサートする。この内部信号は、通常動作において、高速ドループ検出器420の出力においてラッチされ、信号DDlatched_syncとして示される。Xvmin_Trig状態マシンは、入力として信号DDlatched_syncを受信し、信号Xvmin_clk_stopを介してクロック信号GFXCLKのゲーティングを開始する。このクロックの周波数がクロックなしまで降下すると、供給電圧VDDGFXから引き出される電流が低減し、VDDGFXレール電圧がドループから外れる。このシーケンスをトリガする信号内部Droopdetectedは、Xvmin_trig470からのResetDD_Xvmin信号によってリセットされない限り、(VDDGFXの電圧に関係なく)ハイのままであるようにラッチされた信号である。このDroopdetected信号は、トリガ信号(Xvmin_Trig)としてGDFLL FSM490にも出力される。
【0038】
GDFLL FSM490は、異なるプログラム可能な持続時間について異なる量のストレッチを要求する異なるクライアント491、492、493、494を有する。これらの特定のクライアントが示されているが、性能制御及び電力制御において採用される他のクライアントが採用されてもよく、当然のことながら、より少ないクライアントが様々な実施形態において使用され得る。Xvmin_stretch494は、ストレッチを要求するクライアントの1つであり、信号Xvmin_Trigによってトリガされる。それに応じて、Xvmin_stretch494は、クロック周波数がその以前の状態にどのように増加して戻るかを制御するために一連の状態を開始する。このシーケンスは、DFLL460におけるDCOクロック周波数を制御する周波数制御ワードがその初期動作状態まで徐々に増加される、DFLL460のフォースストレッチモードを通じて実行される。典型的には、供給電圧VDDGFXを提供する電力供給ネットワーク(power delivery network、PDN)が、上で説明されるトリガによって生成された極端なストレッチのような大きい電流変化イベント(di/dtイベントとして知られる)に応答する場合、供給電圧は、最終的に減衰する前に、PDN共振周波数において数サイクルにわたってドループとオーバシュートとの間で振動する傾向がある。このようにクロック周波数を徐々に増加させることによって、図示した回路は、電源電圧変化の周波数がPDNの固有共振周波数よりもはるかに低くなり、更なる発振を防止することを確実にする。異なるクライアントは、異なる時間に異なるストレッチ量を要求することができ、制御調停回路495は、これら全ての要求の間で調停する。好ましくは、最大のストレッチ量を要求するクライアントは、優先順位を得て、DFLL460を制御する。
【0039】
トリガリングプロセスをより詳細に参照すると、この実施形態では、GDFLL FSM 490の論理は、ストレッチイベントを開始するためのレイテンシを低減するために、典型的には約100Mhzの低速であるシステム基準クロックではなく、図示されるように400Mhzを超えるクロック信号SMNCLK上で動作する。Xvmin_trigger470は、信号DDlatched_syncがハイに切り替わるとすぐにトリガされる。極端な電圧最小イベントの場合、電源モニタ400の目標は、クロック信号GFXCLKを可能な限り高速に降下させ、可能な限り深くストレッチすることである。しかしながら、クロック周波数を変更するためのFCWのDFLL460へのいかなる更新も、GDFLL FSM490を通過する必要があり、その中の調停は、いくつかのクロックサイクルを必要とする。したがって、代わりに、Xvmin_trigger470は、クロックゲート480に進む信号Xvmin_clock_gatorを生成する。しかしながら、この高速経路であっても、電源モニタ400がドループイベントの後に同期するように動作するSMNCLK(VDDGFX)クロックの2~3サイクルを要する。この追加の遅延を回避するために、信号DDlatched_syncは、クロックゲート480を制御するためにXvmin_Trig470によって生成されたclock_gator信号とOR演算される。DDlatched_syncは、一旦トリガされるとハイのままであり、したがって、グリッチがないはずである。更に、クロックゲート480は、グリッチが通過することができないように、その入力を(相対的に高い周波数で2~3GFXCLKサイクル及びGFXCLKランにわたって)内部で同期させる。このようにして、ドループイベントに続く2~3GFXCLKサイクル(+論理及び伝搬遅延)の遅延内で、GFXCLKが停止される。
【0040】
好ましい実施形態では、Xvminトリガ470は、先ず、高速ドループ検出器420のラッチをResetDD_Xvmin信号(図6)でリセットし、プログラム可能なカウントの後に信号DDlatched_sync信号を低くさせ、次いで、追加のプログラム可能なサイクルカウントの後にクロックゲーティングを解放する。このシーケンスにより、次の制限が遵守されることを確実にする。第1に、DDlatched_syncは、適切に同期され、GDFLL FSM490内のXvmin-stretch494を開始するのに十分長く、高く安定したままである。第2に、クロックゲーティングを解放する前にDDlatched_syncをリセットすることによって、回路は、新しいドループイベントがある場合(GFXCLKが突然復元されたとき)、mafddが反応する準備ができていることを確実にする。
【0041】
信号Xvmin_clock_stopのプログラム可能性は、回路が、FCSストレッチ量をGDFLL FSM490(調停及び同期を含む)を通して伝搬し、最終的にDFLL460に伝搬してそのFCWを更新し、ストレッチされたクロック周波数に変更するのにかかるサイクルよりも少なくとも数サイクル多くクロックを停止することができることを確実にする。
【0042】
DFLL460は、出力CLKをストレッチするための外部トリガをサポートするので、ホストシステムの異なる部分は、このストレッチングトリガを使用して、DFLLストレッチ機能を利用する異なる特徴を実装することができる。これらの異なる特徴のうち1つは、オフチップ電圧レギュレータの保護のためにVDDGFXドメインが消費する電流の量を制限するピーク電流制御(peak Current Control、PCC)特徴である。同様の機能が、スロットル性能のためのパワーブレーキ(power brake、PB)特徴に関して存在する。これら2つの特徴に対するストレッチの量は同じであり、クロック速度の3%~97.5%の間でプログラム可能である。GDFLL FSM490は、ストレッチ入力をフィルタリングし、ストレッチをより長く持続させるために使用され得る、両方の入力のためのヒステリシスカウンタをサポートする。
【0043】
適応型PCC(又はAPCC)は、PCC信号がアサートされている期間に応じて、ストレッチ量を動的に変更する特徴である。PCCアサーションが長いほど、ストレッチ量は大きくなる。PCC入力がデアサートされると、ストレッチ量は、突然ゼロに切り替えられるのではなく減少される。この特徴を実装するために、APCC493は、GDFLLブロック内のプログラム可能な状態機械であり、初期ストレッチ、増分ストレッチ、最大ストレッチ、減分ストレッチ、最終ストレッチ、及び、各ステップの時間を制御する。
【0044】
これまでのクロックストレッチ調停方式では、異なる特徴からのトリガがOR演算されており、すなわち、任意の特徴からのトリガは、同様にDFLLストレッチ量をプログラムする。XVMIN410は、指定された最小電圧「Vmin」を超える任意の電圧エクスカーションを保護するために存在するので、Xvmin_stretch494は、他の力ストレッチイベントよりも大きいストレッチ量を要求する。しかしながら、XVMIN410がディープストレッチから出ている場合、GDFLL FSM490は、それ自体のFCS要求を他のクライアントからの他のFCS要求と比較する必要があり、最大ストレッチを要求するクライアントは何れも最終FCWoffsetとして扱われる。これは、全てのクライアントが必要とする保護を得ることを確実にする。この調停プロセスは、GDFLL FSM内に実装される。
【0045】
Xvmin_Trigがアサートされると、Xvmin_stretch494は、最大FCSストレッチ量を生成する。このストレッチ量は、プログラム可能であることが好ましい。Xvmin_Trig入力がデアサートされると、ストレッチ量は、突然ゼロに切り替えられるのではなく、徐々に減少する。これは、GDFLLブロック内のプログラム可能な状態機械を利用して、初期ストレッチ、増分ストレッチ、最大ストレッチ、減分ストレッチ、最終ストレッチ、及び、各ステップの時間を制御する。全ての言及された設定は、好ましくはプログラム可能であり、レジスタインタフェースを介して制御される。
【0046】
図5は、更なる追加の実施形態による、電源モニタ500の一部のブロック図及び回路図である。電源モニタ500の図示した部分は、図3図4及び図5に示される監視及び制御トポロジ、並びに、電源電圧の高速ドループを検出するために電源が監視された他の回路と共に使用するのに好適である。例えば、電源モニタ500の設計は、図1及び図2に示される先行技術のシステム等の電荷注入システムを制御するために、いくつかの実施形態で採用される。電源モニタ500は、概して、基準信号発生器510及び高速ドループ検出回路550を含む。
【0047】
この実施形態では、基準信号発生器510は、2進数を受信する「fddConfigln」とラベル付けされた入力と、パルス密度変調信号を提供する「LSIN」とラベル付けされた出力と、を有する。概して、基準信号発生器510は、2進数に基づいてパルス密度変調信号をスケーリングするように動作する。基準信号発生器510は、制御回路512と、エキスパンダ514と、2次デルタシグマ変調器516と、を含む。制御回路512は、fddConfigln入力で搬送される10ビット2進数を受信する第1の入力と、「resetDD」とラベル付けされたリセット信号を受信する第2の入力と、10ビット2進数を搬送する「ref」とラベル付けされた出力と、を有する。制御回路512は、概して、高速ドループ検出回路550がディセーブル又はリセットされていることをresetDDが示す場合に、10ビット2進数の通過を停止し、高速ドループ検出器が動作可能である場合に、10ビット2進数をその出力に渡すように動作する。エキスパンダ514は、制御回路512の出力に接続された入力と、出力と、を有する。エキスパンダ514は、10ビット数を16ビット数に拡張する。
【0048】
この実施形態では、デルタ-シグマ変調器516は、エキスパンダ514の出力に接続された入力と、パルス密度変調された2値信号LSINを提供する出力と、を有する、2次デルタ-シグマ変調器である。この実施形態ではデルタ-シグマ変調が使用されるが、他の好適な変調方式を採用して、監視された電源の所望の電圧レベルを表す2進数に基づいてパルス密度変調信号を提供することができる。
【0049】
基準信号発生器510は、その平均値が(理想的には)基準信号発生器510が動作する供給電圧VDDに等しく、fddConfigln入力において基準として受信された10ビット2進数によってスケーリングされる、ビットストリームを生成する。ビットストリームLSINの長期平均出力電圧は、以下の式1に対応し、「ref値」は、fddConfigln入力に供給される10ビット数の値である。
(1) <LSIN>avg=ref_value*VDD
【0050】
この特定の変調器設計がこの実施形態で採用されるが、他の実施形態は、他の好適なデルタ-シグマ変調器設計、又は、パルス密度変調信号を生成するための他のタイプの変調器を採用する。パルス密度変調信号LSINは、高速ドループ検出回路550の入力に供給される。
【0051】
高速ドループ検出回路550は、電力スニファ552と、レベルシフタ554と、ローパスフィルタ551と、比較器561と、第2のレベルシフタ574と、ラッチ580と、2対1マルチプレクサ576と、ANDゲート578と、を含む。高速ドループ検出回路550は、図3図4及び図5の電源監視回路、並びに、他の電源監視回路での使用に好適である。
【0052】
レベルシフタ554は、パルス密度変調信号LSINを受信する第1の入力と、電力スニファ552からイネーブル信号を受信する第2の入力と、555とラベル付けされたノードにおける「VDDCR_SOC」とラベル付けされたクリーン供給電圧を基準とするパルス密度変調信号を提供する出力(このノード上の電圧は「電圧555」と称される)と、を有する。また、レベルシフタ554は、レベルシフトにおいて使用するための信号LSINのインバータバージョンを提供するための反転入力553を含み得る。レベルシフタ554には、電圧レベルをVDDからVDDCR_SOCにシフトする2つのドメインに対する2つの電圧が供給される。
【0053】
電力スニファ552は、「PwrOkVDD」とラベル付けされた電力指示信号を受信する第1の入力と、クリーン供給電圧VDDCR_SOCを受信する第2の入力と、レベルシフタ554に接続された出力と、を有する。電力スニファ552は、VDDが指定された範囲内にある場合、その2つの入力に応じてレベルシフタ554をイネーブルにする。
【0054】
ローパスフィルタ551は、レベルシフタ254の出力に結合された入力と、出力と、を有する。多くのローパスフィルタ設計及びコンポーネント値は、様々な実施形態で使用するのに好適である。
【0055】
比較器561は、ローパスフィルタ551の出力に結合された第1の入力と、監視された供給電圧VDDCOREを受信する第2の入力と、出力と、を有する。概して、比較器561は、監視された供給電圧VDDCOREが第1の入力に対して所定のレベルを下回って降下することに応じて、その出力においてドループ検出信号を提供する。この実施形態では、比較器561は、第1の相補型金属酸化膜半導体(complimentary -metal-oxide-semiconductor、CMOS)インバータ562、第2のCMOSインバータ564、第3のCMOSインバータ566、及び、第4のCMOSインバータ568を含む一連の4つのインバータを備える。各インバータ562、564、566、568は、インバータのための供給電圧としてVDDCOREを提供するために、比較器の第2の入力に接続された正の供給端子を含む。CMOSインバータ562は、比較器の第1の入力に接続された入力を有し、インバータ564、566、568は、インバータ562の後に直列に接続される。インバータ568の出力は、レベルシフタ574にドループ検出信号を提供する。
【0056】
この実施形態では、インバータ562、564、566、568は、監視された供給電圧がそれぞれのインバータ入力上の電圧に対してほぼ所定のレベルにある場合にインバータのp型金属酸化膜半導体(p-type metal-oxide semiconductor、PMOS)側とn型金属酸化膜半導体(n-type metal-oxide semiconductor、NMOS)側の両方がオンにされる「クローバー」モード又はクローバー動作領域で動作するように構成されるようにバイアスされる。この実施形態では、所定のレベルは、インバータ入力における電圧のレベルの2倍である。したがって、VDDCOREの2分の1がローパスフィルタ551の出力における電圧まで降下すると、インバータ562、564、566、568はクローバーモードに入り、デジタルローからデジタルハイに切り替わり、ドループをシグナリングする。そのような動作は、インバータ562の入力において提供される閾値電圧に対して指定されたレベルを下回るドループを検出するための高利得及び高速応答を提供する。インバータはクローバー状態でバイアスされるので、入力VDDレール上のあらゆるノイズに非常に敏感である。いくつかの実施形態では、少なくともインバータ562又はインバータ562及び564は、そのようなクローバー状態でバイアスされる。
【0057】
レベルシフタ574は、比較器561の出力に接続された入力と、出力と、を有する。レベルシフタ574には、VDDCORE供給電圧(監視された電圧)及びVDD供給電圧の両方が供給される。また、レベルシフタ574は、レベルシフトにおいて使用するためのドループ比較器出力のインバータバージョンを提供するための反転入力573を含み得る。レベルシフタ574は、VDD電圧を基準とするドループ検出信号をシフトするように動作する。
【0058】
マルチプレクサ576は、ドループ検出信号を受信するためにレベルシフタ574の出力に接続された第1の入力と、第2の入力と、「latchMode」とラベル付けされたセレクタ入力と、ドループ検出信号に応じてクロック信号をゲーティングするためにクロックゲート(すなわち、図3の360、図5の560)に結合された出力と、を有する。
【0059】
ラッチ580は、レベルシフタ574の出力に接続された「S」入力と、「resetDD_X」とラベル付けされたリセット信号を受信する「R」入力と、マルチプレクサ576の第2の入力に接続された「Q」出力と、この実施形態では使用されない「Q-NOT」出力と、を有する、セットリセット(set-reset、SR)フリップフロップである。マルチプレクサ576のlatchMode入力は、2つの入力の間にあるかどうかを選択するために使用される。
【0060】
ANDゲート578は、「FDDEN」とラベル付けされたドループ検出回路のためのイネーブル信号を受信する第1の入力と、マルチプレクサ576の出力からドループ検出信号を受信する第2の入力と、「droopDetected」とラベル付けされた高速ドループ検出回路550の最終出力を提供する出力と、を有する。
【0061】
動作において、高速ドループ検出回路550は、LSINパルス密度変調信号を受信する。VDDの変動性に起因して、この信号は固定電圧に変換される必要があり、これは、VDDCR_SOCから供給されるレベルシフタ554によって達成される。このVDDCR_SOC電圧は、レベルシフタ554のレベルシフトされたパルス密度変調出力に対して固定された振幅を提供する、安定した調整電圧である。この新たな固定された振幅信号は、ローパスフィルタ551に供給され、このローパスフィルタは、パルス密度変調信号の値を平均化して、比較器561と共に使用する安定したアナログ電圧を生成する。この安定したアナログ値は、VDDCORE電圧源におけるドループを検出するための閾値を提供する。この実施形態では、閾値(「fdd閾値」、図7)は、安定したアナログ値の電圧の2倍である。ローパスフィルタ551は、10MHz未満のカットオフ周波数で動作するダブルRCローパスフィルタである。
【0062】
ローパスフィルタ561の出力は、アナログ比較器として機能するVDDCOREから供給される比較器561内の一連のインバータに供給される。それらは「クローバー」領域でバイアスされるので、一連のインバータは、指定された閾値を下回るドループに迅速に応答する。好ましくは、少なくとも2つのインバータが、ドループ検出信号に対する安定性を提供するために使用され、より好ましくは、少なくとも3つ又は4つ(図示されるように)が使用される。比較器561の出力におけるドループ検出信号は、図3図4及び図5に示したクロックゲート及びPLL回路等のような、電源ドループを緩和するための様々な回路を制御するために使用されるように、VDDドメインにレベルシフトされて戻される。ラッチ580は、ドループ検出信号を指定された期間の間、デジタルハイに保持して、1回の電荷注入動作又はPLL調整等の動作の制御のための適切なタイミングを与えるために含まれる。ラッチ580がイネーブルされると、ドループ検出信号は、ローカルFSMによってアクティブにオフにされるまで、トリガされるとオンのままである。
【0063】
図6は、図4の電源モニタ回路400に関連するそれぞれの信号を示すグラフ600である。信号601、602、603、604、605は、監視された供給電圧VDDGFXにおいて2つのドループが検出される場合の経時的な信号のデジタルレベルを示しているが、信号606は、DFLL出力クロックGFXCLKの正規化速度を示す。図示した信号は、時間に関して整列されている。
【0064】
信号601について、監視された供給電圧VDDCOREは、高速ドループ検出器420がドループを検出するXvmin閾値に対して示されている。VDDCOREは、図示したシナリオでは、閾値を2回下回ってドループする。高速ドループ検出器420は、ドループを検出し、グラフ602に示される「Droopdetected」信号を生成する。XVmin_FSM440は、グラフ603において信号「ResetDD_Xvmin」を提供し、これは、Droopdetected信号を保持するラッチを制御して、ドループが検出された後にそれをリセットする。
【0065】
信号604は、ラッチされたドループ検出信号DDlatched_syncであり、ドループ検出信号がラッチ出力をアクティブ化するとアクティブ化されてHIGHになり、リセットされるまでHIGHに保持される。XVmin_FSM440は、DDlatched同期信号の使用に応じて調整することができるプログラム可能な期間を有する。信号605は、信号Xvmin_clk_stopを示し、これは、図4の実施形態では、クロックゲート480を制御するためにXVMIN検出回路410によって生成される。信号606は、ドループ検出イベント前のその最高動作速度に対するDFLL460の正規化クロック速度を示す。グラフから分かるように、DDlatched_sync信号は、最初に、クロックゲート408にクロックをゲートさせて、クロックなし又はゼロの正規化レベルまで下げる。次に、制御調停回路495がその入力に応じて、RefCLKの3サイクルの後に、DFLL460の周波数の制御を開始すると、DFLL460にGFXCLKの速度を徐々に上昇させる。図示したシナリオでは、GFXCLKがその完全な正規化値に達する前に第2のドループが検出されるので、GFXCLKが再びゲート制御され、次いで、ランプアッププロセスが完了する。
【0066】
図7は、潜在的な電気設計電流(electrical design current、EDC)イベントを緩和するための追加の特徴のいくつかの追加の実施形態による、電源モニタ700のブロック図である。電源モニタ700は、基準信号発生器320と、高速ドループ検出器340と、デジタル周波数ロックループ(DFLL)360と、DFLL制御回路745と、有限状態機械370と、を含む。図3Aのものと同様に、高速ドループ検出器340は、その出力クロック信号周波数を増加又は減少させるようにDFLL360を制御するために使用されるドループ検出を実行する。FSM370も、図3Aのものと同様に機能する。
【0067】
この実施形態では、DFLL制御回路745は、例えば、電力がホストICに供給されるソケットに関連する電源のピーク電流制約に違反する可能性がある潜在的なEDCイベントを緩和するための追加の特徴を含む。従来、EDCイベントは、PCCクライアントストレッチ制御回路491(図4)に提供されるようなPCC信号によって管理される。典型的には、そのようなEDCイベントは瞬間的ではなく、500ナノ秒又は1マイクロ秒等の期間をかけて発生する。しかしながら、PCC信号は、典型的にはホストICから離れて生成されるので、それらは、スロットリング及び電力制御機能のために使用されるべきICへの内部回路に到達するために相対的に長い時間がかかる。電源モニタ700は、オンチップで発生するそのようなイベントを測定するための代替方法を提供し、したがって、潜在的なEDCイベントにより迅速に応答し、それらをより効果的に防止することができる。
【0068】
DFLL制御回路745は、高速ドループ検出器340の出力に接続された入力と、DFLL360に接続された出力と、上で説明されるように実装され得る様々なデジタル制御ロジック(図示せず)と、カウンタ747と、を有する。カウンタ値は、ドループが検出されている間は増分し、ドループが検出されていない間はゼロ値に向かって減分する。カウンタ値が指定された閾値を超えたことに応じて、DFLL制御回路745は、ピーク電流制約に違反する可能性がある潜在的なEDCイベントが存在することを示す信号を提供する。
【0069】
図8は、いくつかの実施形態による、電気設計電流緩和プロセスの動作を示すフロー図800である。図示したプロセスは、図7の電源モニタ700又は他の電源モニタ回路と共に使用するのに好適である。
【0070】
プロセスはブロック802で開始し、ここで、定義された負荷線レベルを下回るドループが検出されたかどうかを判定する。その後、プロセスは連続的に実行される。ブロック802においてドループが検出された場合、プロセスはブロック804に進み、カウンタ747等のカウンタを増分する。ドループが検出されない場合、プロセスはブロック808に進み、カウンタを減分する。(カウンタが既にゼロである場合、何の動作も行われない。)
【0071】
ブロック810において、カウンタが潜在的なEDCイベントを検出するための所定の閾値を上回る場合、プロセスはブロック812に進み、ここで、EDCイベントトリガ信号をアクティブ化又は保持する。そのような信号は、潜在的なEDCイベントに対する応答をトリガするために、ホストIC上の様々な場所で使用され得る。例えば、プロセスは、図4に関して説明したようなストレッチクライアントに信号を提供することができ、したがって、他のクライアントを含む調停プロセスを介してDFLLのストレッチをアクティブ化することができる。ブロック810において、カウンタがEDCイベント閾値を上回らない場合、プロセスは、EDCイベントトリガ信号を非アクティブ化するために個別のヒステリシスカウンタを開始する。ヒステリシスカウンタは、ブロック810において、他方が閾値を上回る場合、EDC閾値を再び通過した場合にリセットされる。ヒステリシスカウンタがリセットされることなく指定された値に達すると、ブロック812からのEDCイベントトリガ信号が非アクティブ化される。このプロセスは、ブロック802に戻る矢印によって示されるように、ドループが検出されること又は検出されないことに応じて継続する。
【0072】
図9は、図7の電源モニタ回路700に関連するそれぞれの信号を示すグラフ900である。信号901、902、903、904、905は、監視された供給電圧VDDCOREにおいて3つのドループが検出される場合の経時的な動作を示す。図示した信号は、時間に関して整列されている。
【0073】
信号901において、この例では「RVDD」とラベル付けされた監視された供給電圧は、高速ドループ検出器420がドループを検出するXvmin閾値に対して示されている。この実施形態では、Xvmin閾値は、潜在的なEDCイベントを検出することを可能にするために、負荷線(Load Line、LL)領域の底部に対して設定される。図示したシナリオでは、RVDDは閾値を2回下回ってドループする。高速ドループ検出器420は、ドループを検出し、グラフ902に示される「Droopdetected」信号を生成する。
【0074】
信号903において、カウンタ747(図7)のようなカウンタの値は、Droopdetected信号がアクティブである場合にはいつでも増分する。図5に関して説明したようなラッチされていないドループ検出信号は、この機能のために採用されて、カウンタの正確な値を提供する。カウンタは、ドループがもはや検出されていないことに応じて減分する。信号901における第2の図示したドループの後、カウンタが完全に減分される前に第3のドループが始まり、カウンタを再び増分させる。このドループは、カウンタが「Xvmin_count_threshold」とラベル付けされた指定された閾値を超えさせるのに十分長く続く。
【0075】
信号904は、EDCイベントを示すために図8のプロセスのブロック812で生成されたEDCイベントトリガ信号「Xvmin_trig_filt」を示す。信号Xvmin_trigは、図8のブロック814に示されるように、信号Xvmin_trig_filtがトリガされた後にHIGHに保持される期間を制御するために、DFLL制御回路745(図7)によって提供されたプログラム可能な遅延「Hysteresis_2」を示す。信号905は、信号「Xvmin_trig」を示し、これは、図6に示した信号DDlatched_syncと同様に機能して、ドループ検出回路の機能を安定させるためのDroopdetected信号のラッチされたバージョンを提供する。信号Xvmin_trigは、この実施形態において高速ドループ検出回路340のラッチを制御するためにFSM370(図7)によって提供されたプログラム可能遅延「Hysteresis_1」を示す。信号904及び905を比較することから分かるように、カウンタを使用するプロセスは、指定された数のクロックサイクルの間持続するイベントのみが潜在的なEDCイベントを認識させ、トリガXvmin_trig_filtをアクティブ化させるように、Xvmin_trigイベントに対してフィルタを作用させる。
【0076】
図10は、いくつかの実施形態による、加速処理ユニット(APU)1000のブロック図である。APU1000は、様々な実施形態における様々なホストデータ処理プラットフォームの一部であり得るシステムオンチップ(System-on-Chip、SoC)として実装される。この実施形態ではAPUが示されているが、中央処理装置(CPU)又はグラフィックス処理され得る装置(graphics processing unit、GPU)等の他のデータ処理プラットフォームが使用される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書の細粒度メモリアクセス技術は、グラフィックスカード又は他のグラフィックス処理モジュールにおいて採用されるGPUチップにおいて具現化される。他の実施形態では、インテリジェンス処理ユニット(intelligence processing unit、IPU)等の専用プロセッサコアが採用され得る。この実施形態では、APU1000は、概して、CPUコア複合体1010、グラフィックスコア1020、ディスプレイエンジン1030のセット、メモリ管理ハブ1040、データファブリック1050、周辺コントローラ1060のセット、周辺バスコントローラ1070のセット、システム管理ユニット(system management unit、SMU)1080、フラッシュメモリ205、及び、FG_DRAMメモリコントローラ1090のセットを含む。
【0077】
CPUコア複合体1010は、プロセッサタイル1012及びプロセッサタイル1014を含み、各プロセッサタイルは、CPUコア、電源モニタ(PSM)、高速ドループ検出器(FDD)、及び、デジタル低電圧レギュレータ(DLVR)を含む。この例では、CPUコア複合体1010は2つのプロセッサタイルを含むが、他の実施形態では、プロセッサタイル複合体1010は任意の数のプロセッサタイルを含むことができる。プロセッサタイル1012及び1014の各々は、制御ファブリックを形成するシステム管理ネットワーク(system management network、SMN)1045及びデータファブリック1050に双方向に接続され、データファブリック1050にメモリアクセス要求を提供することができる。プロセッサタイル1012及び1014の各々は、単体のコアであり得るか、又は、更にキャッシュ等の特定のリソースを共有する2つ以上の単体のコアを有するコア複合体であり得る。図3図5及び図7のFDD実施形態の全ては、様々な実施形態におけるプロセッサタイル1012及び1014での使用に好適である。各FDDは、上で説明される技術に従って、そのローカルCPUコアのためのローカルPLL又はDFLLを制御する。
【0078】
グラフィックスコア1020の各々は、頂点処理、フラグメント処理、シェーディング、テクスチャーブレンディング等のグラフィックス動作を、高度に統合化された並列方式で実行することができる高性能グラフィックス処理装置(GPU)である。図3図5及び図7のもの等のFDDを用いた電源監視は、様々な実施形態ではグラフィックスコア1020の各々において実装され得る。各グラフィックスコア1020は、SMN1045及びデータファブリック1050に双方向に接続され、メモリアクセス要求をデータファブリック1050に提供することができる。この点について、APU1000は、CPUコア複合体1010及びグラフィックスコア1020が同じメモリ空間を共有する統合化メモリアーキテクチャか、又は、CPUコア複合体1010及びグラフィックスコア1020がメモリ空間の一部を共有するのに対して、グラフィックスコア1020がCPUコア複合体1010によってアクセス不可能なプライベートグラフィックスメモリも使用するメモリアーキテクチャの何れかをサポートすることができる。
【0079】
ディスプレイエンジン1030は、モニタ上に表示するために、グラフィックスコア1020によって生成されたオブジェクトをレンダリング及びラスタライズする。グラフィックスコア1020及びディスプレイエンジン1030は、メモリ内の適切なアドレスへの均一な変換のために共通のメモリ管理ハブ1040に双方向で接続され、メモリ管理ハブ1040は、そのようなメモリアクセスを生成してメモリシステムから戻される読み取りデータを受信するためにデータファブリック1050に双方向で接続される。
【0080】
データファブリック1050は、任意のメモリアクセスエージェントとメモリコントローラ1090との間でメモリアクセス要求及びメモリ応答をルーティングするためのクロスバースイッチを含む。また、データファブリックは、システム構成に基づいてメモリアクセスの送信先を判定するための、基本入出力システム(basic input/output system、BIOS)によって規定されるシステムメモリマップ、並びに、各仮想接続のためのバッファも含む。
【0081】
周辺コントローラ1060は、USBコントローラ1062及びシリアルアドバンストテクノロジーアタッチメント(serial advanced technology attachment、SATA)インターフェースコントローラ1064を含み、その各々は、システムハブ1066及びSMN1045に双方向に接続される。これら2つのコントローラは、APU1000において使用され得る周辺コントローラの単なる例示である。
【0082】
周辺バスコントローラ1070は、システムコントローラハブ1072及び周辺コントローラハブ1074を含み、その各々は、入力/出力(input/output、I/O)ハブ1076及びSMN1045に双方向に接続される。システムコントローラハブ1072は、好適な通信リンクを介してフラッシュメモリ205に接続する。I/Oハブ1076は、システムハブ1066及びデータファブリック1050に対して双方向で接続される。したがって、例えば、CPUコアは、データファブリック1050がI/Oハブ1076を介してルーティングするアクセスにより、USBコントローラ1062、SATAインターフェースコントローラ1064、システムコントローラハブ1072、又は、周辺コントローラ1074内のレジスタをプログラムすることができる。
【0083】
SMU1080は、APU1000上のリソースの動作を制御してそれらの間の通信を同期させるローカルコントローラである。SMU1080は、APU1000上の様々なプロセッサのパワーアップシーケンシングを管理し、リセット、イネーブル及び他の信号を介して複数のオフチップデバイスを制御する。また、SMU1080は、様々なプロセッサ及び他の機能ブロックの電力を管理する。
【0084】
SoC実施形態が示されているが、これは限定的なものではなく、他のコンピューティングプラットフォームも、本明細書で説明される技術から利益が得られ得る。
【0085】
図3A図3B図4図5図7及び図10の回路、又は、それらの任意の部分は、集積回路を製造するために、プログラムによって読み取られ、直接的又は間接的に使用され得るデータベース又は他のデータ構造の形態のコンピュータアクセス可能データ構造によって記述又は表され得る。例えば、このデータ構造は、Verilog又はVHDL等の高レベル設計言語(high level design language、HDL)におけるハードウェア機能の挙動レベル記述又はレジスタ転送レベル(register-transfer level、RTL)記述であり得る。記述は、合成ライブラリからゲートのリストを含むネットリストを生成するために記述を合成することができる合成ツールによって読み取られ得る。ネットリストは、集積回路を含むハードウェアの機能も表すゲートのセットを含む。ネットリストは、次に、マスクに適用される幾何学的形状を記述するデータセットを生成するために配置され、ルーティングされ得る。次に、マスクを、様々な半導体製造ステップで使用して、集積回路を製造し得る。代替的に、コンピュータアクセス可能記憶媒体上のデータベースは、所望の場合、ネットリスト(合成ライブラリの有無にかかわらず)若しくはデータセット、又は、グラフィックデータシステム(Graphic Data System、GDS)IIデータであり得る。
【0086】
特定の実施形態を説明してきたが、これらの実施形態に対する様々な修正が当業者には明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、開示された実施形態の範囲に含まれる開示された実施形態の全ての変更を網羅することを意図している。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
デジタル値を受信し、前記デジタル値に基づいてパルス密度変調信号を生成する基準信号発生器と、
前記パルス密度変調信号をアナログ信号に変換し、前記アナログ信号を、監視された供給電圧と比較し、前記アナログ信号に対して指定された値を下回る前記監視された供給電圧のドループを検出したことに応じてドループ検出信号を生成するドループ検出回路と、
前記監視された供給電圧のドメイン内の回路を同期させるためのクロック信号を提供するデジタル周波数ロックループ(DFLL)と、
前記ドループ検出信号を受信することに応じて、前記DFLLに前記クロック信号を減速させるDFLL制御回路と、を備える、
装置。
【請求項2】
前記クロック信号をゲーティングするために前記DFLLに結合されたクロックゲートと、
前記ドループ検出信号を受信する入力と、前記ドループ検出信号に応じて前記クロック信号をゲーティングするために前記クロックゲートに結合された出力と、を有するラッチと、を備える、
請求項1の装置。
【請求項3】
前記ドループ検出信号を受信する入力と、前記ラッチを制御するように結合された出力と、を有する状態機械を備え、
前記状態機械は、前記ドループ検出回路が前記ドループを検出しなくなった後の指定された期間の間、前記ドループ検出信号を保持し、前記指定された期間の後に前記ドループ検出信号をリセットするように前記ラッチを制御する、
請求項2の装置。
【請求項4】
前記DFLL制御回路は、
前記ドループ検出信号を受信する第1の入力と、
積回路内のそれぞれの追加の回路からクロックストレッチ要求信号を受信する1つ以上の追加の入力と、
前記ドループ検出信号及び前記1つ以上の追加の入力の何れが、前記DFLLをどれだけ減速させるかを決定するのかを選択するための調停ロジックと、を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記DFLL制御回路は、前記クロック信号が減速された後に、前記DFLLが前記クロック信号の速度をどれだけ迅速に増加させるかを制御するために、前記DFLLにおけるDFLL増分量を設定するように動作可能である、
請求項1の装置。
【請求項6】
前記ドループ検出回路は、基準となる前記パルス密度変調信号をクリーン供給電圧に変換するためのレベルシフタを含む、
請求項1の装置。
【請求項7】
前記ドループ検出回路は、前記監視された供給電圧を受信する正の供給端子をそれぞれ含む少なくとも第1の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)インバータ及び第2のCMOSインバータを含む一連のインバータを備える比較器を含み、
前記第1のCMOSインバータは、前記アナログ信号を受信する入力を含み、前記第1のCMOSインバータは、前記監視された供給電圧が指定されたレベルに近い場合にクローバーモードで動作するように構成されている、
請求項1の装置。
【請求項8】
較器から前記ドループ検出信号を受信するカウンタであって、ドループが検出されていることを前記ドループ検出信号が示す間に増分し、ドループが検出されていないことを前記ドループ検出信号が示す間に減分するカウンタ値を含む、カウンタと、
前記カウンタ値を閾値と比較し、前記カウンタ値が前記閾値を超えることに応じて、ピーク電流制約に違反し得る潜在的な電気設計電流(EDC)イベントが存在することを示す信号を提供する制御回路と、を備える、
請求項1の装置。
【請求項9】
前記装置は、プロセッサである、
請求項1の装置。
【請求項10】
前記装置は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、サーバ、ゲームコンソール、及び、マルチメディアデバイスのうち何れかであるデバイスを備える、
請求項1の装置。
【請求項11】
電源を監視する方法であって、
デジタル値を受信することと、
前記デジタル値に基づいて、スケーリングされたパルス密度変調信号を生成することと、
前記パルス密度変調信号をアナログ信号に変換し、前記アナログ信号を、監視された供給電圧と比較することと、
前記アナログ信号に対して指定された値を下回る前記監視された供給電圧のドループを検出したことに応じてドループ検出信号を生成することと、
前記ドループ検出信号に応じて、前記監視された供給電圧のドメイン内の回路を同期させるためのクロック信号を提供するデジタル周波数ロックループ(DFLL)に、前記クロック信号を減速させることと、を含む、
方法。
【請求項12】
前記ドループ検出信号に応じて、指定された期間の間、前記クロック信号をゲーティングすることを含む、
請求項11の方法。
【請求項13】
前記ドループ検出信号に応じて、ドループ検出回路が前記ドループを検出しなくなった後の指定された期間の間、前記ドループ検出信号を保持し、前記指定された期間の後に前記ドループ検出信号をリセットするようにラッチを制御することを含む、
請求項11の方法。
【請求項14】
前記クロック信号を減速させた後、前記クロック信号の速度を、経時的に、指定された周期的増分で増加させることを含む、
請求項11の方法。
【請求項15】
前記クロック信号が減速された後に、前記DFLLが前記クロック信号の速度をどれだけ迅速に増加させるかを制御するために、DFLL増分量を設定することを含む、
請求項14の方法。
【国際調査報告】