(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】チップパッケージ構造、チップパッケージ構造の製造方法、および電子デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 25/10 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
H01L25/14 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539179
(86)(22)【出願日】2022-11-25
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 CN2022134479
(87)【国際公開番号】W WO2024108590
(87)【国際公開日】2024-05-30
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 保▲華▼
(57)【要約】
本開示は、チップパッケージ構造の領域を縮小する目的と、信号伝送の速さを向上させる目的とのために、チップパッケージ構造と、チップパッケージ構造の製造方法と、電子デバイスとを提供し、半導体技術の分野に関する。半導体構造は、パッケージ基材と、第1のチップと、伝導性ピラーと、第2のチップとを備え、パッケージ基材は第1の表面を有し、第1のチップは、パッケージ基材の第1の表面に位置付けられ、パッケージ基材に電気的に接続され、伝導性ピラーは、パッケージ基材の第1の表面に位置付けられ、パッケージ基材に電気的に接続され、第2のチップは、パッケージ基材から離れる方の第1のチップおよび伝導性ピラーの側方に位置付けられ、伝導性ピラーに電気的に接続され、パッケージ基材における伝導性ピラーの正投影が、パッケージ基材における第1のチップまたは第2のチップの正投影の範囲内に位置付けられる。チップパッケージ構造は、電子デバイスにおける回路基板との接続のために構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面を有するパッケージ基材と、
前記パッケージ基材の前記第1の表面に位置付けられ、前記パッケージ基材に電気的に接続される第1のチップと、
前記パッケージ基材の前記第1の表面に位置付けられ、前記パッケージ基材に電気的に接続される伝導性ピラーと、
前記パッケージ基材から離れる方の前記第1のチップおよび前記伝導性ピラーの側方に位置付けられ、前記伝導性ピラーに電気的に接続される第2のチップであって、前記パッケージ基材における前記伝導性ピラーの正投影が、前記パッケージ基材における前記第1のチップまたは前記第2のチップの正投影の範囲内に位置付けられる、第2のチップと
を備えることを特徴とするチップパッケージ構造。
【請求項2】
前記チップパッケージ構造はパッケージ層をさらに備え、
前記パッケージ層は、前記パッケージ基材と前記第2のチップとの間に位置付けられ、前記第1のチップを覆い、前記伝導性ピラーの側方を包囲することを特徴とする、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項3】
前記パッケージ基材における前記第2のチップの正投影が、前記パッケージ基材における前記パッケージ層の正投影の範囲内に位置付けられることを特徴とする、請求項2に記載のチップパッケージ構造。
【請求項4】
前記チップパッケージ構造は第1の充填部分をさらに備え、
前記第1の充填部分の少なくとも一部が前記パッケージ層と前記第2のチップとの間に位置付けられ、前記第1の充填部分は前記第2のチップの各々のピンを包囲することを特徴とする、請求項2に記載のチップパッケージ構造。
【請求項5】
前記チップパッケージ構造は電磁遮蔽層をさらに備え、
前記電磁遮蔽層は、前記第2のチップだけでなく前記パッケージ層の側方も少なくとも覆うことを特徴とする、請求項2に記載のチップパッケージ構造。
【請求項6】
前記パッケージ基材は少なくとも1つの接地線を備え、
前記電磁遮蔽層は、前記パッケージ基材の側方も覆い、前記接地線に電気的に接続されることを特徴とする、請求項5に記載のチップパッケージ構造。
【請求項7】
前記第2のチップは、前記パッケージ基材から垂直に離れる方向において連続的に重ねられる複数のサブチップを備えることを特徴とする、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項8】
2つの隣接するサブチップが互いと電気的に接続されることを特徴とする、請求項7に記載のチップパッケージ構造。
【請求項9】
前記パッケージ基材の近くの前記複数のサブチップのうちの1つが前記伝導性ピラーに電気的に接続され、前記複数のサブチップのうちの他のものが、電線によって前記パッケージ基材に電気的に接続されることを特徴とする、請求項7に記載のチップパッケージ構造。
【請求項10】
前記パッケージ基材に近い方の前記第2のチップの側方における表面が、前記パッケージ基材の前記第1の表面に対して、前記パッケージ基材から離れる方の前記第1のチップの側方における表面より高いことを特徴とする、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項11】
前記パッケージ基材に近い方の前記第2のチップの前記側方における前記表面と、前記パッケージ基材の前記第1の表面との間の距離がh1であり、前記パッケージ基材から離れる方の前記第1のチップの前記側方における前記表面と、前記パッケージ基材の前記第1の表面との間の距離がh2であり、h1とh2とは以下の条件を満たすことを特徴とする、請求項10に記載のチップパッケージ構造。
【数1】
【請求項12】
前記伝導性ピラーの数が1より大きく、前記複数の伝導性ピラーは、前記第1のチップの2つの相対する側方に少なくとも位置付けられることを特徴とする、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項13】
前記チップパッケージ構造は第2の充填部分をさらに備え、
前記第2の充填部分の少なくとも一部が前記パッケージ基材と前記第1のチップとの間に位置付けられ、前記第2の充填部分は前記第1のチップの各々のピンを包囲することを特徴とする、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項14】
前記パッケージ基材は、前記第1の表面の反対に第2の表面を有し、
前記チップパッケージ構造は、前記パッケージ基材の前記第2の表面に位置付けられ、前記パッケージ基材に電気的に接続される半田ボールをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項15】
第1の表面を有するパッケージ基材と、
前記パッケージ基材の前記第1の表面に配置され、前記パッケージ基材に電気的に接続される第1のチップと、
前記パッケージ基材から離れる方の前記第1のチップの側方に位置付けられ、前記パッケージ基材に電気的に接続され、前記パッケージ基材から垂直に離れる方向において連続的に重ねられる複数の第2のチップを備える第2のチップセットと
を備えることを特徴とするチップパッケージ構造。
【請求項16】
2つの隣接する第2のチップが互いと電気的に接続されることを特徴とする、請求項15に記載のチップパッケージ構造。
【請求項17】
前記複数の第2のチップの各々が、電線によって前記パッケージ基材に電気的に接続されることを特徴とする、請求項15に記載のチップパッケージ構造。
【請求項18】
前記チップパッケージ構造はパッケージ層をさらに備え、
前記パッケージ層は、前記パッケージ基材と前記第2のチップセットとの間に位置付けられ、前記第1のチップを覆うことを特徴とする、請求項15に記載のチップパッケージ構造。
【請求項19】
前記パッケージ基材における前記第2のチップセットの正投影が、前記パッケージ基材における前記パッケージ層の正投影の範囲内に位置付けられることを特徴とする、請求項18に記載のチップパッケージ構造。
【請求項20】
前記チップパッケージ構造は第1の充填部分をさらに備え、
前記第1の充填部分の少なくとも一部が前記パッケージ層と前記第2のチップセットとの間に位置付けられ、前記第1の充填部分は、前記パッケージ基材の近くの1つの第2のチップの各々のピンを包囲することを特徴とする、請求項18に記載のチップパッケージ構造。
【請求項21】
前記チップパッケージ構造は電磁遮蔽層をさらに備え、
前記電磁遮蔽層は、前記第2のチップセットだけでなく前記パッケージ層の側方も少なくとも覆うことを特徴とする、請求項18に記載のチップパッケージ構造。
【請求項22】
前記パッケージ基材は少なくとも1つの接地線を備え、
前記電磁遮蔽層は、前記パッケージ基材の側方も覆い、前記接地線に電気的に接続されることを特徴とする、請求項21に記載のチップパッケージ構造。
【請求項23】
前記パッケージ基材に近い方の前記第2のチップセットの側方における表面が、前記パッケージ基材の前記第1の表面に対して、前記パッケージ基材から離れる方の前記第1のチップの側方における表面より高いことを特徴とする、請求項15に記載のチップパッケージ構造。
【請求項24】
前記パッケージ基材に近い方の前記第2のチップセットの前記側方における前記表面と、前記パッケージ基材の前記第1の表面との間の距離がh1であり、前記パッケージ基材から離れる方の前記第1のチップの前記側方における前記表面と、前記パッケージ基材の前記第1の表面との間の距離がh2であり、h1とh2とは以下の条件を満たすことを特徴とする、請求項23に記載のチップパッケージ構造。
【数2】
【請求項25】
前記チップパッケージ構造は第2の充填部分をさらに備え、
前記第2の充填部分の少なくとも一部が前記パッケージ基材と前記第1のチップとの間に位置付けられ、前記第2の充填部分は前記第1のチップの各々のピンを包囲することを特徴とする、請求項15に記載のチップパッケージ構造。
【請求項26】
前記パッケージ基材は、前記第1の表面の反対に第2の表面を有し、
前記チップパッケージ構造は、前記パッケージ基材の前記第2の表面に位置付けられ、前記パッケージ基材に電気的に接続される半田ボールをさらに備えることを特徴とする、請求項15に記載のチップパッケージ構造。
【請求項27】
請求項1から14および請求項15から26のいずれか一項に記載の前記チップパッケージ構造を備えることを特徴とする電子デバイス。
【請求項28】
チップパッケージ構造の製造方法であって、
第1の表面を有するパッケージ基材を提供するステップと、
前記パッケージ基材に電気的に接続される伝導性ピラーを前記パッケージ基材の前記第1の表面に形成するステップと、
前記パッケージ基材に電気的に接続される第1のチップを前記パッケージ基材の前記第1の表面に配置するステップと、
前記伝導性ピラーに電気的に接続される第2のチップを、前記パッケージ基材から離れる方の前記伝導性ピラーおよび前記第1のチップの側方に配置するステップであって、前記パッケージ基材における前記伝導性ピラーの正投影が、前記パッケージ基材における前記第1のチップまたは前記第2のチップの正投影の範囲内に位置付けられる、ステップと
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項29】
前記パッケージ基材から離れる方の前記伝導性ピラーおよび前記第1のチップの前記側方に前記第2のチップを配置する前記ステップの前に、前記製造方法は、
前記第1のチップおよび前記伝導性ピラーを覆うパッケージ膜を、前記第1のチップおよび前記伝導性ピラーに形成するステップと、
前記伝導性ピラーを露出させるために、および、前記第1のチップを覆うパッケージ層を得るために、前記パッケージ膜を薄化するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項28に記載の製造方法。
【請求項30】
前記パッケージ基材の前記第1の表面に前記伝導性ピラーを形成する前記ステップは、
前記第1のチップを覆うパッケージ層を前記第1のチップに形成するステップと、
第2のパッドを露出させるビアを前記パッケージ層に形成するステップと、
前記伝導性ピラーを形成するために前記ビアを伝導性材料で満たすステップと
を含むことを特徴とする、請求項28に記載の製造方法。
【請求項31】
前記製造方法は、
前記第2のチップの各々のピンを包囲する第1の充填部分を形成するために、前記パッケージ層と前記第2のチップとの間に第1の絶縁材料を少なくとも充填するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項29または30に記載の製造方法。
【請求項32】
前記製造方法は、
前記第2のチップだけでなく前記パッケージ層の側方も少なくとも覆う電磁遮蔽層を形成するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項31に記載の製造方法。
【請求項33】
前記第2のチップは複数のサブチップを備え、
前記パッケージ基材から離れる方の前記伝導性ピラーおよび前記第1のチップの前記側方に前記第2のチップを配置する前記ステップは、
前記第2のチップを形成するために、前記複数のサブチップを前記サブチップの厚さ方向に連続的に重ねるステップと、
前記第2のチップが前記伝導性ピラーに電気的に接続されるように、前記第2のチップを、前記パッケージ基材から離れる方の前記伝導性ピラーの端と半田付けするステップと
を含むことを特徴とする、請求項28に記載の製造方法。
【請求項34】
前記第1のチップを配置した後で、前記第2のチップを配置する前に、前記製造方法は、
前記第1のチップの各々のピンを包囲する第2の充填部分を形成するために、前記パッケージ基材と前記第1のチップとの間に第2の絶縁材料を少なくとも充填するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項28に記載の製造方法。
【請求項35】
前記パッケージ基材は、前記第1の表面の反対に第2の表面を有し、
前記パッケージ層を形成する前または後に、前記製造方法は、
前記パッケージ基材に電気的に接続される半田ボールを前記パッケージ基材の前記第2の表面に形成するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項29または30に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体技術の分野に関し、詳細には、チップパッケージ構造、チップパッケージ構造の製造方法、および電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信、自動車電子部品、および他の民生用電子機器の急速な発展に伴い、電子デバイスには、多機能性に向けた開発の動向がある。それ故、これらの電子デバイスを製造するとき、通常は、異なる機能を伴うチップが別々にパッケージされ、次に一体化され、一体化された部品が電子デバイスの内部に配置される。
【0003】
パッケージは、電子デバイスの製造プロセスにおける重要なステップである。しかしながら、先行技術におけるチップは、パッケージされた後の大きいサイズおよび信号伝送の比較的遅い速さが問題になる傾向がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の例は、チップパッケージ構造の領域を縮小する目的と、信号伝送の速さを向上させる目的とのために、チップパッケージ構造と、チップパッケージ構造の製造方法と、電子デバイスとを提供する。
【0005】
上記の目的を成就するために、本開示の例は以下の技術的解決策を有する。
【0006】
態様において、チップパッケージ構造が提供される。チップパッケージ構造は、パッケージ基材と、第1のチップと、伝導性ピラーと、第2のチップとを備え、パッケージ基材は第1の表面を有し、第1のチップは、パッケージ基材の第1の表面に位置付けられ、パッケージ基材に電気的に接続され、伝導性ピラーは、パッケージ基材の第1の表面に位置付けられ、パッケージ基材に電気的に接続され、第2のチップは、パッケージ基材から離れる方の第1のチップおよび伝導性ピラーの側方に位置付けられ、伝導性ピラーに電気的に接続され、パッケージ基材における伝導性ピラーの正投影が、パッケージ基材における第1のチップまたは第2のチップの正投影の範囲内に位置付けられる。
【0007】
本開示の前述の例によるチップパッケージ構造において、第2のチップは、パッケージ基材、第1のチップ、伝導性ピラー、および第2のチップが重ね構造を形成するように、第1のチップの上方に置かれ、これは、チップパッケージ構造のコンパクト性を向上させ、チップパッケージ構造の領域を縮小するのを助ける。さらに、伝導性ピラーは、第2のチップとパッケージ基材との間の電気接続を実現するために提供され、伝導性ピラーは、パッケージ基材における伝導性ピラーの正投影が、パッケージ基材における第1のチップ2または第2のチップの正投影の範囲内に位置付けられるように、第1のチップ2または第2のチップの下に配置される。この方法において、第1のチップ2または第2のチップの周りの空間が占有されないようにでき、これは、チップパッケージ構造をさらに小型化するのを助け、チップパッケージ構造の領域をさらに縮小するのを助ける。
【0008】
いくつかの例において、パッケージ基材における伝導性ピラーの正投影も、パッケージ基材における第1のチップの正投影の範囲内に位置付けられる。
【0009】
いくつかの例において、チップパッケージ構造はパッケージ層をさらに備え、パッケージ層は、パッケージ基材と第2のチップとの間に位置付けられ、第1のチップを覆い、伝導性ピラーの側方を包囲する。
【0010】
いくつかの例において、パッケージ基材における第2のチップの正投影が、パッケージ基材におけるパッケージ層の正投影の範囲内に位置付けられる。
【0011】
いくつかの例において、チップパッケージ構造は第1の充填部分をさらに備え、第1の充填部分の少なくとも一部がパッケージ層と第2のチップとの間に位置付けられ、第1の充填部分は第2のチップの各々のピンを包囲する。
【0012】
いくつかの例において、チップパッケージ構造は電磁遮蔽層をさらに備え、電磁遮蔽層は、第2のチップだけでなくパッケージ層の側方も少なくとも覆う。
【0013】
いくつかの例において、パッケージ基材は少なくとも1つの接地線をさらに備え、電磁遮蔽層は、パッケージ基材の側方も覆い、接地線に電気的に接続される。
【0014】
いくつかの例において、第2のチップは、パッケージ基材から垂直に離れる方向において連続的に重ねられる複数のサブチップを備える。
【0015】
いくつかの例において、2つの隣接するサブチップが互いと電気的に接続される。
【0016】
いくつかの例において、パッケージ基材の近くの複数のサブチップのうちの1つが伝導性ピラーに電気的に接続され、複数のサブチップのうちの他のものが、電線によってパッケージ基材に電気的に接続される。
【0017】
いくつかの例において、パッケージ基材に近い方の第2のチップの側方における表面が、パッケージ基材の第1の表面に対して、パッケージ基材から離れる方の第1のチップの側方における表面より高い。
【0018】
いくつかの例において、パッケージ基材に近い方の第2のチップの側方における表面と、パッケージ基材の第1の表面との間の距離がh1であり、パッケージ基材から離れる方の第1のチップの側方における表面と、パッケージ基材の第1の表面との間の距離がh2であり、h1とh2とは以下の条件を満たす。
【0019】
【0020】
いくつかの例において、伝導性ピラーの数が1より大きく、複数の伝導性ピラーは、第1のチップの2つの相対する側方に少なくとも位置付けられる。
【0021】
いくつかの例において、チップパッケージ構造は第2の充填部分をさらに備え、第2の充填部分の少なくとも一部がパッケージ基材と第1のチップとの間に位置付けられ、第2の充填部分は第1のチップの各々のピンを包囲する。
【0022】
いくつかの例において、パッケージ基材は、第1の表面の反対に第2の表面を有し、チップパッケージ構造は、パッケージ基材の第2の表面に位置付けられ、パッケージ基材に電気的に接続される半田ボールをさらに備える。
【0023】
他の態様において、他のチップパッケージ構造が提供される。チップパッケージ構造は、第1の表面を有するパッケージ基材と、パッケージ基材の第1の表面に配置され、パッケージ基材に電気的に接続される第1のチップと、パッケージ基材から離れる方の第1のチップの側方に位置付けられ、パッケージ基材に電気的に接続され、パッケージ基材から垂直に離れる方向において連続的に重ねられる複数の第2のチップを備える第2のチップセットとを備える。
【0024】
いくつかの例において、2つの隣接する第2のチップが互いと電気的に接続される。
【0025】
いくつかの例において、複数の第2のチップの各々が、電線によってパッケージ基材に電気的に接続される。
【0026】
いくつかの例において、チップパッケージ構造はパッケージ層をさらに備え、パッケージ層は、パッケージ基材と第2のチップセットとの間に位置付けられ、第1のチップを覆う。
【0027】
いくつかの例において、パッケージ基材における第2のチップセットの正投影が、パッケージ基材におけるパッケージ層の正投影の範囲内に位置付けられる。
【0028】
いくつかの例において、チップパッケージ構造は第1の充填部分をさらに備え、第1の充填部分の少なくとも一部がパッケージ層と第2のチップセットとの間に位置付けられ、第1の充填部分は、パッケージ基材の近くの1つの第2のチップの各々のピンを包囲する。
【0029】
いくつかの例において、チップパッケージ構造は電磁遮蔽層をさらに備え、電磁遮蔽層は、第2のチップセットだけでなくパッケージ層の側方も少なくとも覆う。
【0030】
いくつかの例において、パッケージ基材は少なくとも1つの接地線を備え、電磁遮蔽層は、パッケージ基材の側方も覆い、接地線に電気的に接続される。
【0031】
いくつかの例において、パッケージ基材に近い方の第2のチップセットの側方における表面が、パッケージ基材の第1の表面に対して、パッケージ基材から離れる方の第1のチップの側方における表面より高い。
【0032】
いくつかの例において、パッケージ基材に近い方の第2のチップセットの側方における表面と、パッケージ基材の第1の表面との間の距離がh1であり、パッケージ基材から離れる方の第1のチップの側方における表面と、パッケージ基材の第1の表面との間の距離がh2であり、h1とh2とは以下の条件を満たす。
【0033】
【0034】
いくつかの例において、チップパッケージ構造は第2の充填部分をさらに備え、第2の充填部分の少なくとも一部がパッケージ基材と第1のチップとの間に位置付けられ、第2の充填部分は第1のチップの各々のピンを包囲する。
【0035】
いくつかの例において、パッケージ基材は、第1の表面の反対に第2の表面を有し、チップパッケージ構造は、パッケージ基材の第2の表面に位置付けられ、パッケージ基材に電気的に接続される半田ボールをさらに備える。
【0036】
なおも他の態様において、電子デバイスが提供される。電子デバイスは、上記のいくつかの例において記載されているようなチップパッケージ構造を備える。
【0037】
なおも他の態様において、チップパッケージ構造の製造方法が提供される。製造方法は、第1のパッドおよび第2のパッドが間隔を空けて配置される第1の表面を有するパッケージ基材を提供するステップと、第2のパッドに電気的に接続される伝導性ピラーをパッケージ構造の第1の表面に形成するステップと、第1のパッドに電気的に接続される第1のチップをパッケージ基材の第1の表面に配置するステップと、伝導性ピラーに電気的に接続される第2のチップを、パッケージ基材から離れる方の伝導性ピラーおよび第1のチップの側方に配置するステップであって、パッケージ基材における伝導性ピラーの正投影が、パッケージ基材における第2のチップの正投影の範囲内に位置付けられる、ステップとを含む。
【0038】
いくつかの例において、パッケージ基材から離れる方の伝導性ピラーおよび第1のチップの側方に第2のチップを配置するステップの前に、製造方法は、第1のチップおよび伝導性ピラーを覆うパッケージ膜を、第1のチップおよび伝導性ピラーに形成するステップと、伝導性ピラーを露出させるために、および、第1のチップを覆うパッケージ層を得るために、パッケージ膜を薄化するステップとをさらに含む。
【0039】
いくつかの例において、パッケージ基材の第1の表面に伝導性ピラーを形成するステップは、第1のチップを覆うパッケージ層を第1のチップに形成するステップと、第2のパッドを露出させるビアをパッケージ層に形成するステップと、伝導性ピラーを形成するためにビアを伝導性材料で満たすステップとを含む。
【0040】
いくつかの例において、製造方法は、第2のチップの各々のピンを包囲する第1の充填部分を形成するために、パッケージ層と第2のチップとの間に第1の絶縁材料を充填するステップをさらに含む。
【0041】
いくつかの例において、製造方法は、第2のチップだけでなくパッケージ層の側方も少なくとも覆う電磁遮蔽層を形成するステップをさらに含む。
【0042】
いくつかの例において、第2のチップは複数のサブチップを備え、パッケージ基材から離れる方の伝導性ピラーおよび第1のチップの側方に第2のチップを配置するステップは、第2のチップを形成するために、複数のサブチップをサブチップの厚さ方向に連続的に重ねるステップと、第2のチップが伝導性ピラーに電気的に接続されるように、第2のチップを、パッケージ基材から離れる方の伝導性ピラーの端と半田付けするステップとを含む。
【0043】
いくつかの例において、第1のチップを配置した後で、第2のチップを配置する前に、製造方法は、第2の充填部分を形成するために、パッケージ基材と第1のチップとの間に第2の絶縁材料を充填するステップをさらに含み、第2の充填部分は第1のチップの各々のピンを包囲する。
【0044】
いくつかの例において、第3のパッドがパッケージ基材の第2の表面に配置され、第1の表面および第2の表面は互いと反対であり、パッケージ層を形成する前または後に、製造方法は、第3のパッドに電気的に接続される半田ボールをパッケージ基材の第2の表面に形成するステップをさらに含む。
【0045】
本開示の前述の例によって提供されるチップパッケージ構造の電子デバイスおよび製造方法の有益な効果について、ここでは繰り返されない先に記載されたチップパッケージ構造の有益な効果が参照できることは、理解され得る。
【0046】
本開示における技術的解決策のより明確な説明のために、以後において、本開示のいくつかの例において使用され得る添付の図面への手短な紹介が提供され得る。明らかには、以下の記載における図面は、本開示のいくつかの例を図示するだけのためであり、これらの図面に加えて、他の図面が当業者によって得られてもよい。また、以下の説明における図面は、概略的な図として見なされてもよいが、本開示の例に関連する製品の実際の大きさ、方法の実際の流れなどへの限定ではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】いくつかの例によるチップパッケージ構造の概略的な構造図である。
【
図2】いくつかの例によるチップパッケージ構造の上面図である。
【
図3】いくつかの例による他のチップパッケージ構造の上面図である。
【
図4】
図2においてB-B’方向で示されているチップパッケージ構造の断面図である。
【
図5】
図2においてD-D’方向で示されているチップパッケージ構造の断面図である。
【
図6】
図2においてB-B’方向で示されているチップパッケージ構造の他の断面図である。
【
図7】いくつかの例によるさらなる他のチップパッケージ構造の概略的な構造図である。
【
図8】いくつかの例によるなおも他のチップパッケージ構造の概略的な構造図である。
【
図9】いくつかの例による電子デバイスの概略的な構造図である。
【
図10】いくつかの例によるチップパッケージ構造の製造方法の流れ図である。
【
図11A】いくつかの例によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステップに対応する構造図である。
【
図11B】いくつかの例によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステップに対応する構造図である。
【
図11C】いくつかの例によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステップに対応する構造図である。
【
図11D】いくつかの例によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステップに対応する構造図である。
【
図11E】いくつかの例によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステップに対応する構造図である。
【
図12A】いくつかの例による伝導性ピラーの製造方法のステップに対応する構造図である。
【
図12B】いくつかの例による伝導性ピラーの製造方法のステップに対応する構造図である。
【
図12C】いくつかの例による伝導性ピラーの製造方法のステップに対応する構造図である。
【
図13A】いくつかの例による伝導性ピラーの他の製造方法のステップに対応する構造図である。
【
図13B】いくつかの例による伝導性ピラーの他の製造方法のステップに対応する構造図である。
【
図13C】いくつかの例による伝導性ピラーの他の製造方法のステップに対応する構造図である。
【
図14A】いくつかの例による第2のチップの製造方法のステップに対応する構造図である。
【
図14B】いくつかの例による第2のチップの製造方法のステップに対応する構造図である。
【
図14C】いくつかの例による第2のチップの製造方法のステップに対応する構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本開示のいくつかの例における技術的な解決策が、添付の図面を参照して明確かつ完全に説明される。明確には、記載されている例は、本開示の例のすべてではなく、例の一部でしかない。本開示によって提供される例に基づいて当業者によって得られるすべての他の例は、本開示の保護の範囲内にあるものである。
【0049】
本開示の記載において、「中心」、「上方」、「下方」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「上」、「下」、「内側」、および「外側」などの用語によって指示される方向または位置の関係が、本開示の説明における容易性の目的、および本開示の説明の簡素化の目的だけのために、図面において示されているような方向または位置の関係であることは理解されるべきであり、明示された装置または要素が、特定の方向に位置付けられる必要があること、ならびに、特定の方向で構造化および動作させられる必要があることを指示または意味するのではなく、そのため、本開示の限定として理解されるべきではない。
【0050】
文脈が他に必要としない場合、本明細書および請求項を通じて、「~を備える」という用語は、オープンエンドで含むとして、つまり、「~を備えるが、~に限定されない」として解釈される。記載において、「例」、「いくつかの例」、「複数の例」などの用語は、その例、または例に関連する特定の特徴、構造、材料、または特性が、本開示の少なくとも1つの例、または例に含まれることを指示するように意図されている。上記の用語の概略的な描写は、同じ例、または例に必ずしも言及していない。また、記載されている特定の特徴、構造、材料、または特性は、任意の1つもしくは複数の例において、または、任意の適切な手法における例において含まれ得る。
【0051】
以後において、「第1の」および「第2の」という用語は、説明のために意図されているだけであり、相対的な重要性を指示もしくは意味するように、または、指示された技術的特徴の数を意味するように、解釈されるものではない。そのため、「第1の」および「第2の」によって定められる特徴は、1つまたは複数の特徴が含まれていることを指示または意味することができる。本開示の例の記載において、他に述べられていない場合、「複数」は2つ以上を意味する。
【0052】
いくつかの例を説明するとき、「接続」という表現およびその拡張が使用され得る。例えば、いくつかの例が、2つ以上の構成要素が直接的な物理的または電気的な接触にあることを指示するために、「接続」という用語を使用することで説明されてもよい。他の例について、いくつかの例が、2つ以上の構成要素が直接的な物理的接触または電気的接触にあることを指示するために、「連結」という用語を使用することで説明されてもよい。しかしながら、「連結」という用語は、2つ以上の構成要素が直接的な接触にないが、なおも互いと協働または相互作用することを意味してもよい。本明細書に開示されている例は、本明細書における内容に必ずしも限定されない。
【0053】
「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」ならびに「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、およびCの以下の組み合わせ、すなわち、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBの組み合わせ、AおよびCの組み合わせ、BおよびCの組み合わせ、ならびにA、B、およびCの組み合わせを含め、同じ意味を有する。
【0054】
「Aおよび/またはB」は、以下の3つの組み合わせ、すなわち、Aのみ、Bのみ、ならびにAおよびBの組み合わせを含む。
【0055】
また、「~に基づく」の使用は、1つまたは複数の条件または値「に基づく」処理、ステップ、計算、または他の行為が、追加の条件に基づかれ得る、または、実際における値を超え得るため、開放性および包括性を意味する。
【0056】
本開示では、「~の上に」、「~の上方に」、および「~にわたって」の意味は、「~の上に」が、何かの「直接的に上に」を意味するだけでなく、間に中間の特徴または層を伴って何かの「上に」あるという意味も含むように、および、「~の上方に」または「~にわたって」が、何か「の上方に」または「にわたって」の意味を意味するだけでなく、間に中間の特徴または層を伴わずに何か「の上方に」または「にわたって」である(つまり、何かの上に直接的に)という意味も含み得るように、最も広い様態で解釈されるべきである。
【0057】
本開示は、理想的とされた例示の図面としての断面図および/または平面図を参照して例を記載している。図面では、層の厚さおよび領域は明確性のために拡大されている。したがって、例えば製造技術および/または公差のため、図面に対する形の変化が考えられる。そのため、例は、本明細書に示されている領域の形に限定されると解釈されるべきではなく、例えば製造のため、形の逸脱を含むように解釈されるべきである。例えば、矩形として示されているエッチング領域は、概して湾曲した特徴を有することになる。そのため、図面に示されている領域は本質的に概略であり、それらの形は、デバイスの領域の実際の形を示すように意図されておらず、例の範囲を限定するようにも意図されていない。
【0058】
実施において、
図1に示されているように、チップパッケージ構造100’における第1のチップ2’および第2のチップ3’が、タイル張りの様態で、パッケージ基材1’において隣り合って典型的には配置されている。
【0059】
複数のゴールドフィンガが、第1のチップ2’および第2のチップ3’に近い方のパッケージ基材1’の側方に配置されている。第1のチップ2’および第2のチップ3’は、WB(ワイヤボンディング)プロセスを用いて、金線4’によってゴールドフィンガにそれぞれ接続され、そのため、第1のチップ2’および第2のチップ3’は、それぞれ接続された金線4’およびパッケージ基材1’によって電気的に接続でき、それによって、第1のチップ2’と第2のチップ3’との間の通信を実現する。
【0060】
しかしながら、第1のチップ2’と第2のチップ3’とは隣り合って配置され、これによってチップパッケージ構造100’の領域をより大きくしてしまう。さらに、金線4’のワイヤアークおよびゴールドフィンガの存在のため、第1のチップ2’および第2のチップ3’の周りに特定の領域を用意すること必要であり、これはチップパッケージ構造100’の領域をさらに増加させてしまう。概して、第1のチップ2’および第2のチップ3’がパッケージされた後に得られたチップパッケージ構造100’の領域は、第1のチップ2’の領域と第2のチップ3’の領域との合計と比較して少なくとも30%増加させられる。また、金線4’の長い長さおよび高い抵抗のため、信号伝送の速さは、異なる金線4’を通じて第1のチップ2’と第2のチップ3’との間で信号を伝送する処理において、低くなり得る。
【0061】
したがって、本開示のいくつかの例において、チップパッケージ構造100が提供される。組み込みマルチメディアカード(EMMC)、ユニバーサルフラッシュストレージ(UFS)、およびマルチチップパッケージ(MCP)など、様々な種類のチップパッケージ構造100があり得る。
図2、
図3、および
図4に示されているように、チップパッケージ構造100は、第1のチップ2と、伝導性ピラー6と、第2のチップ4とを備える。
【0062】
第1のチップ2と第2のチップ4とは異なる機能を有し得る。例えば、第1のチップ2は制御装置であり得、第2のチップ4はメモリチップであり得る。メモリチップは、保存機能を提供するためのメモリ構造を有する。様々な種類のメモリチップがあり得る。例えば、メモリチップには、限定されることはないが、NANDチップ、抵抗メモリチップ、およびダイナミックランダムアクセスメモリがある。当然ながら、第1のチップ2がメモリチップであってもよく、第2のチップ4が制御装置であってもよく、これは本開示の例では限定されない。
【0063】
いくつかの例において、チップパッケージ構造100はパッケージ基材1をさらに備える。パッケージ基材1は剛性であり、そのため、第1のチップ2、伝導性ピラー6、および第2のチップ4に支持を提供することができる。本明細書では説明されていない伝導性ピラー6について、以下の記載が参照されてもよい。
【0064】
いくつかの例において、
図4に示されているように、パッケージ基材1は、交互に配置される複数の誘電層11および複数の金属配線層12を備える。1つの金属配線層12が2つの隣接する誘電層11の間に配置され、1つの誘電層11が2つの隣接する金属配線層12の間に配置される。各々の金属配線層12は金属線を含み、2つの隣接する金属配線層12における金属線が、2つの金属配線層12の間で誘電層11を通じて延びることができ、必要とされるように接続され得る。
【0065】
いくつかの例において、パッケージ基材1における誘電層11はスピンコーティング法によって形成され、パッケージ基材1における金属配線層12は、電気めっきプロセスと組み合わせた物理蒸着(PVD)プロセスによって形成される。そのため、圧入プロセスによって形成されたパッケージ基材と比較して、誘電層11および金属配線層12によって構成され、本開示の例によって提供されたパッケージ基材1は、より小さい厚さと、隣接する金属配線層12の間のより小さい間隔と、延いては、金属配線層12における金属線のより高い集積率とを有する。
【0066】
任意選択で、金属配線層12の数は4または5であり得る。
図4は、4つの金属配線層12を示している。
【0067】
誘電層11は、例えば、限定されることはないが、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリイミド(PI)などを含む絶縁樹脂材料から作られ得る。
【0068】
金属配線層12は、例えば、限定されることはないが、金、銀、銅、アルミニウムなどを含む伝導性材料から作られ得る。
【0069】
いくつかの例において、
図4に示されているように、パッケージ基材1はソルダレジスト層13をさらに含み得る。例えば、ソルダレジスト層13の数は2つであり得る。複数の誘電層11と複数の金属配線層12とは重ね構造を形成し、2つのソルダレジスト層13は重ね構造の表側と裏側とにそれぞれ位置付けられる。
【0070】
ソルダレジスト層13は、絶縁の役目を果たすだけでなく、パッケージ基材1を保護し、パッケージ基材1における金属線を酸化から守ることもできる。
【0071】
任意選択で、ソルダレジスト層13は、絶縁の役目を果たすことができる限り、例えばソルダレジストインクなどの有機材料から作られてもよく、これは本開示の例では限定されない。
【0072】
いくつかの例において、
図4に示されているように、パッケージ基材1は、互いと反対である第1の表面Aおよび第2の表面Bを有する。第1の表面は、
図4に示されているパッケージ基材の上面であり、第2の表面は、
図4に示されているパッケージ基材の下面である。
【0073】
図4に示されているように、パッケージ基材1の第1の表面Aには、間隔を空けて配置された第1のパッド14および第2のパッド15が設けられている。複数の第1のパッド14および複数の第2のパッド15があり得る。
図4は、9つの第1のパッド14と2つの第2のパッド15とを示している。
【0074】
いくつかの例において、第1のパッド14と第2のパッド15との両方が、パッケージ基材1の最も上の金属配線層12に位置付けられる。ソルダレジスト層13には複数のビアも設けられており、それらビアの各々は、1つの第1のパッド14または1つの第2のパッド15を露出させる。
【0075】
いくつかの例において、
図4に示されているように、第1のチップ2は、パッケージ基材1の第1の表面Aに位置付けられ、パッケージ基材1に電気的に接続される。
【0076】
任意選択で、第1のチップ2は、パッケージ基材1の第1のパッド14に電気的に接続される。
【0077】
いくつかの例において、
図2および
図3に示されている上面図において、第1のチップ2はパッケージ基材1の中央に配置でき、したがって、それぞれの第1のパッド14はパッケージ基材1の中央に配置できる。第1のチップ2と第1のパッド14とは半田付けプロセスによって電気的に接続され得る。例えば、半田付けプロセスは、熱加圧半田付けプロセス、超音波加圧半田付けプロセス、または熱音波半田付けプロセスであり得る。当然ながら、第1のチップ2および第1のパッド14は他の手段によって電気的に接続されてもよく、これは本開示の例では限定されない。
【0078】
いくつかの例において、
図4に示されているように、チップパッケージ構造100は伝導性ピラー6をさらに備える。伝導性ピラー6は、パッケージ基材1の第1の表面Aに位置付けられ、パッケージ基材1に電気的に接続される。
【0079】
任意選択で、伝導性ピラー6は、パッケージ基材1の第2のパッド15に電気的に接続される。
【0080】
いくつかの例において、伝導性ピラー6は、金属の銅、金属のアルミニウム、金属の銀、または錫のうちの少なくとも1つから作られ得る。
【0081】
いくつかの例において、伝導性ピラー6は、円柱および角柱などの柱状であり得る。当然ながら、伝導性ピラー6は、他の不規則な形であってもよく、これは本開示の例では限定されない。
【0082】
いくつかの例において、
図4に示されているように、第2のチップ4は、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方および伝導性ピラー6の側方に位置付けられている。第2のチップ4は、伝導性ピラー6に電気的に接続され、第1のチップ2と直接的な電気接続にない。
【0083】
第2のチップ4と伝導性ピラー6との間の電気接続は、様々な方法で実現され得る。例えば、本開示の例では、第2のチップ4は、フリップチップボンディングを用いて、伝導性ピラー6に電気的に接続され得る。
【0084】
フリップチップボンディングは、チップの接続パッドに隆起を形成し、隆起をPCB基材または金属基材に直接的に接続するプロセスに言及していると理解することができる。明確には、本開示の例では、第2のチップ4と伝導性ピラー6とは、フリップチップボンディングを用いて電気的に接続され、これは、隆起が第2のチップ4の接続パッドに形成され、伝導性ピラー6に直接的に接続されることを意味する。
【0085】
いくつかの例において、
図4に示されているように、第2のチップ4は、本体40と、本体40の下方に位置付けられたピン41とを備える。このとき、チップパッケージ構造100は、ピン41と伝導性ピラー6との間に位置付けられた第1のパッド61をさらに備える。第2のチップ4は、第1のパッド61によって伝導性ピラー6に電気的に接続される。例えば、ピン41は接続パッドに言及しており、第1のパッド61は隆起に言及している。
【0086】
ピン41は、例えば、銅、チタン、ニッケル、タングステン、および銀のうちの少なくとも1つから作られ得る。第1のパッド61は、例えば錫から作られ得る。第2のチップ4は、半田付けプロセスによって伝導性ピラー6に電気的に接続され得る。いくつかの例において、半田付けプロセスは、熱加圧半田付け方法、超音波加圧半田付け方法、または熱音波半田付けプロセスなどであり得る。
【0087】
いくつかの例において、パッケージ基材1における伝導性ピラー6の正投影が、パッケージ基材1における第1のチップ2または第2のチップ4の正投影内に位置付けられる。例えば、第2のチップ4が伝導性ピラー6を完全に覆うことができ、伝導性ピラー6が、パッケージ基材1への第2のチップ4の正投影の境界の中に位置付けられることが、
図2および
図3から見て取れる。
【0088】
パッケージ基材1への伝導性ピラー6の正投影が、パッケージ基材1における第2のチップ4の正投影の中に位置付けられる場合、伝導性ピラー6は、第2のチップ4の安定性を向上させ、チップパッケージ構造100の構造の安定性をさらに向上させるように、第2のチップ4に支持を提供することができる。
【0089】
伝導性ピラー6が、第2のチップ4の下方に位置付けられ、パッケージ基材1に近い方の第2のチップ4の側方における表面に電気的に接続されるため、伝導性ピラー6は、鉛直状態となるように、パッケージ基材1の第1の表面Aに対して垂直な方向において延びることができる。第2のチップ4とパッケージ基材1との間の信号伝送の経路の長さは、伝導性ピラー6の高さに実質的に等しい、または、第1の表面Aと、パッケージ基材1に近い方の第2のチップ4の側方における表面との間の距離に実質的に等しい。この方法では、第1のチップ2と第2のチップ4との間の信号伝送の経路をかなり短くすることができ、信号伝送の速さを大きく向上させることができる。
【0090】
また、伝導性ピラー6の断面積が金線の断面積より大きく、対応して、伝導性ピラー6の抵抗は金線の抵抗より小さく、これは、信号伝送の速さをさらに向上させるのを助ける。
【0091】
パッケージ基材1における伝導性ピラー6の正投影がパッケージ基材1における第1のチップ2の正投影の中に位置付けられる場合、パッケージ基材1における伝導性ピラー6の正投影はパッケージ基材1における第2のチップ4の正投影の中にも位置付けられ得る。このとき、パッケージ基材1における第1のチップ2の正投影の領域は、パッケージ基材1における第2のチップ4の正投影の領域より大きくなることができ、伝導性ピラー6は、第1のチップ2を通過した後に第2のチップ4に電気的に接続され得る。
【0092】
そのため、本開示のいくつかの例によるチップパッケージ構造100において、第2のチップ4は、パッケージ基材1、第1のチップ2、伝導性ピラー6、および第2のチップ4が重ね構造を形成するように、第1のチップ2の上方に置かれ、これは、チップパッケージ構造100のコンパクト性を向上させ、チップパッケージ構造100の領域を縮小するのを助ける。さらに、第2のチップ4とパッケージ基材1との間の電気接続を実現するために伝導性ピラー6を提供することで、および、伝導性ピラー6を第1のチップ2または第2のチップ4の下方に配置することで、パッケージ基材1における伝導性ピラー6の正投影が、パッケージ基材1における第1のチップ2または第2のチップ4の正投影の範囲内に位置付けられる。この方法では、第1のチップ2または第2のチップ4の周りの空間が占有されないようにでき、これは、チップパッケージ構造100をさらに小型化するのを助け、チップパッケージ構造100の領域をさらに縮小するのを助ける。
【0093】
また、伝導性ピラー6の有効長さは、第1の表面Aと、パッケージ基材1に近い方の第2のチップ4の側方における表面との間の距離に実質的に等しい。金線によって実現される第2のチップ4とパッケージ基材1との間の電気接続と比較して、本出願の例における第1のチップ2と第2のチップ4との間の信号伝送の経路は短くされ、これは信号伝送の速さを向上させるのを助ける。さらに、金線と比較して、伝導性ピラー6は、大きさがより大きく、抵抗がより小さく、これは、第1のチップ2と第2のチップ4との間の信号伝送の速さをさらに向上させるのを助ける。したがって、チップパッケージ構造100は、応答速度を向上させることができ、電力消費を低減させることができ、電力を節約することができる。
【0094】
例えば、第2のチップの領域が第1のチップの領域より大きい場合、チップパッケージ構造において、パッケージ平面の大きさが第2のチップの領域の大きさに近いことは、留意されるべきである。
【0095】
いくつかの例において、
図4に示されているように、パッケージ基材1に近い方の第2のチップ4の側方における表面が、パッケージ基材1の第1の表面Aに対して、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方における表面より高い。つまり、パッケージ基材1に近い方の第2のチップ4の側方における表面と、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方における表面との間に、特定の距離がある。つまり、第1のチップ2と第2のチップ4とは、第1の表面Aに対して垂直な方向において、間隔を空けて配置されている。
【0096】
いくつかの例において、パッケージ基材1に近い方の第2のチップ4の側方における表面と、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方における表面との間の距離は、20μm以上である。例えば、距離は、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μmなどであり得る。本明細書における「距離」は、第1の表面に対して垂直な方向における距離に言及している。
【0097】
上記の配置であれば、第2のチップ4と第1のチップ2との間の信号干渉が回避でき、これは、チップパッケージ構造100の信頼性を向上させるのを助ける。
【0098】
任意選択で、パッケージ基材1の第1の表面Aに対して、パッケージ基材1から離れる方の伝導性ピラー6の端が、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方における表面より高い。
【0099】
いくつかの例において、
図4に示されているように、パッケージ基材1に近い方の第2のチップ4の側方における表面と、パッケージ基材1の第1の表面Aとの間の距離がh1であり、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方における表面と、パッケージ基材1の第1の表面Aとの間の距離がh2であり、h1とh2とは以下を満たす。
【0100】
【0101】
いくつかの例において、h2/h1の値は、例えば、5/8、5/7、7/10、3/4、4/5などであり得る。
【0102】
いくつかの例において、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方における表面と、パッケージ基材1の第1の表面Aとの間の距離は、50μmから80μmの範囲である。この点において、パッケージ基材1に近い方の第2のチップ4の側方における表面と、パッケージ基材1の第1の表面Aとの間の距離は、70μmから110μmまでであり得る。例えば、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方における表面と、パッケージ基材1の第1の表面Aとの間の距離が50μmであるとき、パッケージ基材1に近い方の第2のチップ4の側方における表面と、パッケージ基材1の第1の表面Aとの間の距離は70μmであり得る。他の例について、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方における表面と、パッケージ基材1の第1の表面Aとの間の距離が80μmであるとき、パッケージ基材1に近い方の第2のチップ4の側方における表面と、パッケージ基材1の第1の表面Aとの間の距離は110μmであり得る。
【0103】
上記の配置であれば、特定の距離が第1のチップ2と第2のチップ4との間に確保され、それによって、第1のチップ2と第2のチップ4との間の信号干渉を回避することができる。これに基づいて、第1のチップ2と第2のチップ4との間の距離が大きくなりすぎることも防止でき、これは、チップパッケージ構造100の薄くて軽い構造を確保する。
【0104】
いくつかの例において、
図2および
図3に示されているように、伝導性ピラー6の数は1より大きい。複数の伝導性ピラー6は、第1のチップ2の2つの相対する側方に少なくとも位置付けられる。例えば、複数の伝導性ピラー6が、(
図2に示されているように)第1のチップ2の2つの相対する側方に位置付けられる、または、複数の伝導性ピラー6が、(
図3に示されているように)第1のチップ2の3つまたは4つの側方に位置付けられる。
【0105】
いくつかの例において、第1のチップ2の異なる側方に位置付けられる伝導性ピラー6の数は、同じであり得る、または異なり得る。第1のチップ2の同じ側方に位置付けられる複数の伝導性ピラー6は、少なくとも1つの柱で規則的に配置されてもよく、当然ながら、第1のチップ2の同じ側方に位置付けられる複数の伝導性ピラー6は、千鳥状の形で配置されてもよく、これは本開示の例によって限定されない。
【0106】
本例では、複数の伝導性ピラー6は、第1のチップ2の2つの相対する側方に少なくとも配置され、これは、第2のチップ4とパッケージ基材1との間の電気接続を確保するだけでなく、第2のチップ4について比較的バランスの取れた支持力を提供することもでき、第2のチップ4の構造安定性を確保することもできる。
【0107】
いくつかの例において、
図5および
図6に示されているように、チップパッケージ構造100はパッケージ層7をさらに備える。パッケージ層7は、パッケージ基材1と第2のチップ4との間に位置付けられ、第1のチップ2を覆い、伝導性ピラー6の側方を包囲する。
【0108】
いくつかの例において、パッケージ層7は全体で層構造であり、パッケージ基材1から離れる方のパッケージ層7の側方における表面が、例えば平坦な表面であり、この表面は、例えば、パッケージ基材1から離れる方の伝導性ピラーの側方における表面と面一であり、パッケージ層7は、パッケージ基材1から離れる方の伝導性ピラー6の側方における表面を露出させる。
【0109】
いくつかの例において、パッケージ基材1へのパッケージ層7の正投影の領域は、パッケージ基材1の第1の表面Aの領域と基本的に合致し、パッケージ基材1へのパッケージ層7の正投影の境界は、パッケージ基材1の第1の表面Aの境界と基本的に合致する。
【0110】
いくつかの例において、パッケージ層7の材料は成形用複合材料であり得る。この点において、パッケージ層7は成形プロセスによって形成され得る。パッケージ層7の材料は、他の材料であってもよく、これは本開示の例によって限定されない。
【0111】
上記の配置であれば、第1のチップ2がパッケージ層7によってパッケージされ得るだけでなく、パッケージ層7は、第1のチップ2および伝導性ピラー6に物理的保護を提供するために、ならびに、パッケージ基材における第1のチップ2および伝導性ピラー6の位置を固定するために、伝導性ピラー6の側方と接触もし、これは、チップパッケージ構造100の構造の完全性および安定性を確保する。
【0112】
いくつかの例において、
図5および
図6に示されているように、パッケージ基材1における第2のチップ4の正投影は、パッケージ基材1におけるパッケージ層7の正投影の範囲内に位置付けられる。
【0113】
例えば、パッケージ基材1における第2のチップ4の正投影の領域は、パッケージ基材1におけるパッケージ層7の正投影の領域より小さい。パッケージ基材1におけるパッケージ層7の正投影の境界は、パッケージ基材1における第2のチップ4の正投影の境界を包囲し、2つの境界の間に特定の距離がある。
【0114】
上記の配置であれば、パッケージ層7は第2のチップ4に特定の支持を提供することができる。
【0115】
いくつかの例において、
図5および
図6に示されているように、チップパッケージ構造100は第1の充填部分8をさらに備える。第1の充填部分8の少なくとも一部がパッケージ層7と第2のチップ4との間に位置付けられ、第1の充填部分8は第2のチップ4の各々のピンを包囲する。
【0116】
例えば、第1の充填部分8はパッケージ層7と第2のチップ4との間に位置付けられ、第2のチップ4は第1の充填部分8を覆う。代替で、第1の充填部分8は、パッケージ層7と第2のチップ4との間だけでなく、第2のチップ4の両方の側方においても位置付けられ、パッケージ基材1への第2のチップ4の正投影は、パッケージ基材1への第1の充填部分8の正投影の範囲内に位置付けられる。
【0117】
第1の充填部分8は、第2のチップ4のいずれかの2つの隣接するピンの間の短絡を回避するように、2つの隣接するピンの間に充填される。
【0118】
例えば、第1の充填部分8の材料はエポキシ樹脂材料などであり得る。エポキシ樹脂材料などが第1の充填部分8を形成するためにパッケージ層7と第2のチップ4との間に充填されるとき、穴が形成される可能性があり、穴の領域は、例えば15%以下である。
【0119】
本例において、パッケージ層7と第2のチップ4との間に第1の充填部分8を配置することによって、支持が第2のチップ4のために提供され得るだけでなく、第2のチップ4とパッケージ層7との間の結合力も高められ、第2のチップ4の構造安定性が確保され、それによってチップパッケージ構造100の信頼性を向上させる。第2のチップ4の任意の2つの隣接するピンの間の短絡も回避でき、これはチップパッケージ構造100の歩留りを確保する。
【0120】
いくつかの例において、
図5および
図6に示されているように、チップパッケージ構造100は電磁遮蔽層9をさらに備える。電磁遮蔽層9は、第2のチップ4だけでなくパッケージ層7の側方も少なくとも覆う。
【0121】
例えば、電磁遮蔽層9は、第2のチップ4だけでなくパッケージ層7の側方も覆う。代替で、電磁遮蔽層9は、第2のチップ4だけでなくパッケージ層7の側方も覆うだけでなく、他の構成要素も覆い、例えば、電磁遮蔽層9は第1の充填部分8などの側方も覆い、これは本開示の例によって限定されない。
【0122】
例えば、電磁遮蔽層9は、非常に大きい透磁率を伴う強磁性材料(鋼鉄など)から作られ、電磁遮蔽層9は、その覆った領域を電磁的に遮蔽することができる。
【0123】
電磁遮蔽層9を配置することで、第1のチップ2および第2のチップ4は、電磁干渉を受けることから効果的に防止でき、それによって、チップパッケージ構造100の抗電磁干渉能力を向上させることができる。
【0124】
いくつかの例において、
図5および
図6に示されているように、パッケージ基材1は少なくとも1つの接地線16をさらに備える。接地線16は金属配線層12に位置付けられる。
【0125】
いくつかの例において、
図5および
図6に示されているように、電磁遮蔽層9は、パッケージ基材1の側方も覆い、接地線16に電気的に接続される。
【0126】
本例において、電磁遮蔽層9は、チップパッケージ構造100を電磁的に遮蔽し、電磁干渉を効果的に防止するために、第2のチップ4だけでなくパッケージ層7の側方およびパッケージ基材1の側方も覆う。さらに、電磁遮蔽層9は、接地線16にさらに電気的に接続され、電磁放射を地面に通すように導くことができ、これは、2倍の抗電磁干渉を実現し、チップパッケージ構造100の効果的な動作をさらに確保する。この点において、チップパッケージ構造100の抗電磁干渉能力は電磁遮蔽層9によって実現され、これは、プロセスコストが低く、実施するのに単純で都合が良く、大量生産に適している。
【0127】
いくつかの例において、
図6に示されているように、第2のチップ4は複数のサブチップ42を備える。例えば、複数のサブチップ42は、パッケージ基材1から垂直に離れる方向において連続的に重ねられる。例えば、複数のサブチップの種類は同じであり、任意選択で、サブチップはすべてメモリチップである。
【0128】
いくつかの例において、分離構造43が2つの隣接するサブチップ42の間に配置される。分離構造43の材料は接着材料であり得る。2つの隣接するサブチップ42は接着材料によって接続される。
【0129】
いくつかの他の例において、複数のサブチップ42におけるパッケージ基材1の近くの1つのサブチップ42が、伝導性ピラー6に電気的に接続され、それによって、伝導性ピラーを通じたパッケージ基材1との電気接続を実現する。他のサブチップ42は、ワイヤボンディングプロセスによって、電線を通じてパッケージ基材1に電気的に接続される。
【0130】
例えば、各々のサブチップ42は、第1のチップ2とそれぞれ通信するように、パッケージ基材1にそれぞれ電気的に接続される。この点において、各々のサブチップ42は、第1のチップ2の制御の下で異なる情報を保存することができ、これはチップパッケージ構造100の保存の多様性を確保する。
【0131】
いくつかの他の例において、
図6に示されているように、2つの隣接するサブチップ42が電気的に接続される。例えば、2つの隣接するサブチップ42は、金線によって互いに接続されてもよい。他の例について、サブチップ42はサブピン401を備え、チップパッケージ構造100は、2つの隣接するサブチップ42の間に位置付けられる第2のパッド402をさらに備える。
図6に示されているように、2つの隣接するサブチップ42は、ピンおよび第2のパッド402を通じて電気的に接続される。
【0132】
例えば、サブピン401の材料は、金属の銅、チタン、ニッケル、タングステン、および銀のうちの少なくとも1つを含む。第2のパッド402の材料は錫を含み得る。この点において、2つの隣接するサブチップ42は、半田付けプロセスによって電気的に接続される。
【0133】
例えば、半田付けプロセスは、熱加圧半田付け方法、超音波加圧半田付け方法、または熱超音波半田付け方法などであり得る。
【0134】
本例では、第2のチップ4を形成するために複数のサブチップ42を重ねることで、チップパッケージ構造100の集積度を向上させることができ、チップパッケージ構造100の製品性能が、より小さいパッケージ領域を確保することに基づいて向上させることができる。
【0135】
第1のチップ2が複数のサブチップも備える可能性のあることは、留意されるべきである。第1のチップ2が複数のサブチップを備えるとき、複数のサブチップは、パッケージ基材1から離れる方向において連続的に重ねられ得る。
【0136】
いくつかの例において、
図5および
図6に示されているように、チップパッケージ構造100は第2の充填部分10をさらに備える。第2の充填部分10の少なくとも一部がパッケージ基材1と第1のチップ2との間に位置付けられ、第2の充填部分10は第1のチップ2の各々のピンを包囲する。
【0137】
例えば、第2の充填部分10はパッケージ基材1と第1のチップ2との間に位置付けられ、第1のチップ2は第2の充填部分10を覆う。代替で、第2の充填部分10は、パッケージ基材1と第1のチップ2との間だけでなく、第1のチップ2の両方の側方においても位置付けられ、パッケージ基材1への第1のチップ2の正投影は、パッケージ基材1への第2の充填部分10の正投影の範囲内に位置付けられる。
【0138】
第2の充填部分10は、第1のチップ2のいずれかの2つの隣接するピンの間に充填され、2つの隣接するピンの間の短絡を回避するようにする。
【0139】
例えば、第2の充填部分10の材料はエポキシ樹脂材料などである。
【0140】
エポキシ樹脂材料などが第2の充填部分10を形成するためにパッケージ基材1と第1のチップ2との間に充填されるとき、穴が形成される可能性があり、穴の領域は、例えば15%以下である。
【0141】
本例において、パッケージ基材1と第1のチップ2との間に第2の充填部分10を配置することによって、支持が第1のチップ2のために提供され得るだけでなく、第1のチップ2とパッケージ基材1との間の結合力も高められ、第1のチップ2の構造安定性が確保され、それによってチップパッケージ構造100の信頼性を向上させる。第1のチップ2の任意の2つの隣接するピンの間の短絡も回避でき、これはチップパッケージ構造100の歩留りを確保する。
【0142】
いくつかの例において、
図4、
図5、および
図6に示されているように、パッケージ基材1の第2の表面Bには第3のパッド17が設けられている。第3のパッド17は金属配線層12に位置付けられている。例えば、第3のパッド17の数は1より大きい。
【0143】
例えば、ソルダレジスト層13には複数のビアが設けられ、各々のビアは1つの第3のパッド17を露出させる。
【0144】
いくつかの例において、
図4、
図5、および
図6に示されているように、チップパッケージ構造100は半田ボール20をさらに備える。半田ボール20の数は1より大きく、複数の半田ボール20が、パッケージ基材1の第2の表面Bに位置付けられ、パッケージ基材1に電気的に接続される。
【0145】
任意選択で、半田ボール20は、パッケージ基材1における第3のパッド17に電気的に接続される。複数の半田ボール20と複数の第3のパッド17とは、1対1の対応で配置され得る。
【0146】
例えば、半田ボール20は、ボール植付プロセスによって第3のパッド17に半田付けされ得る。
【0147】
半田ボール20は、第3のパッド17を通じて、パッケージ基材1における金属線に電気的に接続される。この点において、半田ボール20は、パッケージ基材1と外部との間の接合部分として供することができ、これは、チップパッケージ構造100と外部モジュールとの間の電気接続を実現し、さらに、チップパッケージ構造100と外部モジュールとの間の通信を実現する。
【0148】
例えば、パッケージ基材1における金属線の集積率が非常に高い場合、半田ボール20とパッケージ基材1における金属線との間の信号伝送路は短くされ、これは信号伝送速度を向上させる。
【0149】
例えば、第1のチップ2のピン(つまり、入力/出力(I/O)端子)は、パッケージ基材1と、パッケージ基材1の第2の表面Bに位置付けられた複数の半田ボール20とを通じて、再分配される。この点において、チップパッケージ構造100はファンアウトチップパッケージ構造であり、ファンアウトチップパッケージ構造は、半田ボール20を通じて、外部モジュール(マザーボードまたは印刷回路基板など)に接続される。
【0150】
本開示の例は、他のチップパッケージ構造100も提供する。
図7および
図8に示されているように、チップパッケージ構造100は第1のチップ2と第2のチップセット44とを備える。第2のチップセット44は、複数の第2のチップ4を備える。複数の第2のチップ4は、例えば、パッケージ基材1から垂直に離れる方向において連続的に重ねられる。
【0151】
第1のチップ2と第2のチップ4とは異なる機能を有し得る。例えば、第1のチップ2は制御装置であり得、第2のチップ4はメモリチップであり得る。メモリチップは、メモリ機能を提供するためのメモリ構造を有する。多くの種類のメモリチップがある。例えば、メモリチップには、限定されることはないが、NANDチップ、抵抗メモリチップ、およびダイナミックランダムアクセスメモリなどがある。当然ながら、第1のチップ2がメモリチップであってもよく、第2のチップ4が制御装置であってもよく、これは本開示の例によって限定されない。
【0152】
いくつかの例において、チップパッケージ構造100はパッケージ基材1をさらに備える。パッケージ基材1は剛性であり、そのため、第1のチップ2および第2のチップ4に支持を提供することができる。
【0153】
例えば、
図7および
図8に示されているように、パッケージ基材1は、交互に配置される複数の誘電層11および複数の金属配線層12を備える。1つの金属配線層12が2つの隣接する誘電層11の間に配置され、1つの誘電層11が2つの隣接する金属配線層12の間に配置される。各々の金属配線層12は金属線を含み、2つの隣接する金属配線層12における金属線が、2つの隣接する金属配線層12の間で誘電層11を通じて延びることができ、必要とされるように接続され得る。
【0154】
いくつかの例において、パッケージ基材1における誘電層11はスピンコーティング法によって形成され、パッケージ基材1における金属配線層12は、電気めっきプロセスと組み合わせた物理蒸着(PVD)プロセスによって形成される。そのため、圧入プロセスによって形成されたパッケージ基材と比較して、誘電層11および金属配線層12によって構成され、本開示の例によって提供されたパッケージ基材1は、より小さい厚さと、隣接する金属配線層12の間のより小さい間隔と、延いては、金属配線層12における金属線のより高い集積率とを有する。
【0155】
任意選択で、金属配線層12の数は4または5であり得る。
図7は、4つの金属配線層12を示している。
【0156】
誘電層11は例えば、限定されることはないが、例えば、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリイミド(PI)などを含む絶縁樹脂材料から作られ得る。
【0157】
金属配線層12は、例えば、限定されることはないが、金、銀、銅、アルミニウムなどを含む伝導性材料から作られ得る。
【0158】
例えば、
図7に示されているように、パッケージ基材1はソルダレジスト層13をさらに含み得る。例えば、ソルダレジスト層13の数は2つであり得る。複数の誘電層11と複数の金属配線層12とは重ね構造を形成し、2つのソルダレジスト層13は重ね構造の表側と裏側とにそれぞれ位置付けられる。
【0159】
ソルダレジスト層13は、絶縁の役目を果たすだけでなく、パッケージ基材1を保護し、パッケージ基材1における金属線を酸化から守ることもできる。
【0160】
任意選択で、ソルダレジスト層13は、絶縁の役目を果たすことができる限り、例えばソルダレジストインクなどの有機材料から作られてもよく、これは本開示の例では限定されない。
【0161】
いくつかの例において、
図7および
図8に示されているように、パッケージ基材1は、互いと反対である第1の表面Aおよび第2の表面Bを有する。第1の表面は、
図7および
図8に示されているパッケージ基材の上面であり、第2の表面は、
図7および
図8に示されているパッケージ基材の下面である。
【0162】
図7および
図8に示されているように、パッケージ基材1の第1の表面Aには、間隔を空けて配置された第1のパッド14および第2のパッド15が設けられている。複数の第1のパッド14および複数の第2のパッド15があり得る。
図8は、9つの第1のパッド14と2つの第2のパッド15とを示している。
【0163】
例えば、第1のパッド14と第2のパッド15との両方が、パッケージ基材1の最も上の金属配線層12に位置付けられる。ソルダレジスト層13には複数のビアも設けられており、それらビアの各々は、1つの第1のパッド14または1つの第2のパッド15を露出させる。
【0164】
いくつかの例において、
図7および
図8に示されているように、第1のチップ2は、パッケージ基材1の第1の表面Aに位置付けられ、パッケージ基材1に電気的に接続される。
【0165】
任意選択で、第1のチップ2は、パッケージ基材1の第1のパッド14に電気的に接続される。
【0166】
例えば、第1のチップ2と第1のパッド14とは半田付けプロセスによって電気的に接続され得る。例えば、半田付けプロセスは、熱加圧半田付けプロセス、超音波加圧半田付けプロセス、または熱音波半田付けプロセスであり得る。当然ながら、第1のチップ2および第1のパッド14は他の手段によって電気的に接続されてもよく、これは本開示の例では限定されない。
【0167】
いくつかの例において、
図7および
図8に示されているように、第2のチップセット44は、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方に位置付けられている。第2のチップセット44は、パッケージ基材1に電気的に接続され、第1のチップ2と直接的な電気接続を有していない。
【0168】
第2のチップセット44とパッケージ基材1とは様々な方法で電気的に接続させることができる。例えば、第2のチップセット44とパッケージ基材1とは伝導性構造30を通じて電気的に接続させることができる。
【0169】
伝導性構造30はパッケージ基材1および第2のチップセット44に電気的に接続される。
【0170】
例えば、
図7に示されているように、伝導性構造30は電線31を備え得る。リード線を電線31に結合することで第2のチップセット44がパッケージ基材1に電気的に接続されるように、電線31の端が第2のチップセット44に電気的に接続され、電線31の他端が、パッケージ基材1における露出された金属配線層12に電気的に接続される。この点において、電線の材料は、金属の金、金属のアルミニウム、金属の銀、または金属の銅のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0171】
さらなる例として、
図8に示されているように、伝導性構造30の形は、例えば円柱、角柱など、柱状であり得る。当然ながら、伝導性構造30の形は、他の不規則な形であってもよく、これは本開示の例によって限定されない。この点において、伝導性構造30の材料は、金属の銅、金属のアルミニウム、金属の銀、または錫のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0172】
そのため、本開示のいくつかの例によるチップパッケージ構造100において、第2のチップセット44は、パッケージ基材1、第1のチップ2、および第2のチップセット44が重ね構造を形成するように、第1のチップ2の上方に置かれ、これは、チップパッケージ構造100のコンパクト性を向上させ、チップパッケージ構造100の領域を縮小するのを助ける。さらに、第2のチップセット44を形成するために複数の第2のチップ4を重ねることで、チップパッケージ構造100の集積度を向上させることができ、チップパッケージ構造100の製品性能が、より小さいパッケージ領域を確保することに基づいて向上させることができる。
【0173】
例えば、分離構造43が2つの隣接する第2のチップ4の間に配置される。分離構造43の材料は接着材料であり得る。2つの隣接する第2のチップ4は接着材料によって接続される。
【0174】
いくつかの例において、2つの隣接する第2のチップ4は電気的に接続される。2つの隣接する第2のチップ4は様々な方法で電気的に接続させることができる。
【0175】
例えば、2つの隣接する第2のチップ4は、電線によって互いに接続されてもよい。電線の材料は、金属の金、金属のアルミニウム、金属の銀、または金属の銅のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0176】
他の例について、第2のチップ4は貫通シリコンビア(TSV)を有し、TSVには伝導性材料が充填される。チップパッケージ構造100は、2つの隣接する第2のチップ4の間に位置付けられる第3のパッド431をさらに備える。
図8に示されているように、TSVにおける伝導性金属と第3のパッド431とは半田付けプロセスによって電気的に接続でき、それによって、2つの連結された第2のチップ4の間に電気的接続を実現する。
【0177】
他の例について、第2のチップ4は、本体と、本体の下方に位置付けられるピンとを備え得る。この点において、チップパッケージ構造100は、ピンに位置付けられるパッドと、他の第2のチップ4とをさらに備える。第2のチップ4は、パッドを通じて他の第2のチップ4に電気的に接続される。
【0178】
上記の配置であれば、より小さいパッケージ領域を確保することに基づいて、複数の第2のチップ4は互いに直接的に接続でき、これは、隣接する第2のチップ4同士の間の信号伝送路を短くし、信号伝送速度を向上させる。
【0179】
いくつかの他の例において、
図7に示されているように、複数の第2のチップ4において、各々の第2のチップ4は電線31を通じてパッケージ基材1に電気的に接続される。
【0180】
例えば、各々の第2のチップ4は、第1のチップ2とそれぞれ通信するように、パッケージ基材1にそれぞれ電気的に接続される。この点において、各々の第2のチップ4は、第1のチップ2の制御の下で異なる情報を保存することができ、これはチップパッケージ構造100の保存の多様性を確保する。
【0181】
複数の第1のチップ2があってもよいことは、留意されるべきである。複数の第1のチップ2があるとき、複数の第1のチップ2は、パッケージ基材1から離れる方向において連続的に重ねられ得る。
【0182】
いくつかの例において、
図7および
図8に示されているように、パッケージ基材1の第1の表面Aに対して、パッケージ基材1に近い方の第2のチップセット44の側方における表面が、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方における表面より高い。つまり、パッケージ基材1に近い方の第2のチップセット44の側方における表面と、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方における表面との間に、特定の距離がある。つまり、第1の表面Aに対して垂直な方向において、第1のチップ2と第2のチップセット44とは間隔を空けて配置される。
【0183】
例えば、パッケージ基材1に近い方の第2のチップセット44の側方における表面と、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方における表面との間の距離は、20μm以上である。例えば、距離は、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μmなどであり得る。ここで、「距離」は、第1の表面に対して垂直な方向における距離に言及している。
【0184】
上記の配置であれば、第2のチップセット44と第1のチップ2との間の信号干渉が回避でき、これは、チップパッケージ構造100の確実性および信頼性を向上させるのに有益である。
【0185】
いくつかの例において、
図8に示されているように、パッケージ基材1に近い方の第2のチップセット44の側方における表面と、パッケージ基材1の第1の表面Aとの間の距離がh1であり、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方における表面と、パッケージ基材1の第1の表面Aとの間の距離がh2であり、h1とh2とは以下を満たす。
【0186】
【0187】
例えば、h2/h1の値は、例えば、5/8、5/7、7/10、3/4、4/5などで有り得る。
【0188】
いくつかの例において、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方における表面と、パッケージ基材1の第1の表面Aとの間の距離は、50μmから80μmの範囲である。この点において、パッケージ基材1に近い方の第2のチップセット44の側方における表面と、パッケージ基材1の第1の表面Aとの間の距離は、70μmから110μmまでであり得る。例えば、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方における表面と、パッケージ基材1の第1の表面Aとの間の距離が50μmであるとき、パッケージ基材1に近い方の第2のチップセット44の側方における表面と、パッケージ基材1の第1の表面Aとの間の距離は70μmであり得る。他の例について、パッケージ基材1から離れる方の第1のチップ2の側方における表面と、パッケージ基材1の第1の表面Aとの間の距離が80μmであるとき、パッケージ基材1に近い方の第2のチップセット44の側方における表面と、パッケージ基材1の第1の表面Aとの間の距離は110μmであり得る。
【0189】
上記の配置であれば、特定の距離が第1のチップ2と第2のチップセット44との間に確保され、それによって、第1のチップ2と第2のチップセット44との間の信号干渉を回避することができる。これに基づいて、第1のチップ2と第2のチップセット44との間の距離が大きくなりすぎることも防止でき、これは、チップパッケージ構造100の薄くて軽い構造を確保する。
【0190】
いくつかの例において、
図7および
図8に示されているように、チップパッケージ構造100はパッケージ層7をさらに備える。パッケージ層7は、パッケージ基材1と第2のチップセット44との間に位置付けられ、パッケージ層7は第1のチップ2を覆う。
【0191】
例えば、パッケージ層7は、全体で層構造であり、パッケージ基材1から離れる方のパッケージ層7の側方における表面が、例えば平坦な表面である。伝導性構造30の形が柱状である場合、パッケージ基材1から離れる方のパッケージ層7の側方における表面が、例えば、パッケージ基材1から離れる方の伝導性構造30の側方における表面と面一であり、パッケージ層7は、パッケージ基材1から離れる方の伝導性構造30の側方における表面を露出させる。
【0192】
例えば、パッケージ基材1へのパッケージ層7の正投影の領域は、パッケージ基材1の第1の表面Aの領域と基本的に一致し、パッケージ基材1へのパッケージ層7の正投影の境界は、パッケージ基材1の第1の表面Aの境界と基本的に合致する。
【0193】
例えば、パッケージ層7の材料は成形用複合材料であり得る。この点において、パッケージ層7は成形プロセスによって形成され得る。パッケージ層7の材料は、他の材料であってもよく、これは本開示の例によって限定されない。
【0194】
上記の配置であれば、第1のチップ2がパッケージ層7によってパッケージされ得るだけでなく、第1のチップ2は、パッケージ層7によって物理的に保護させることができ、パッケージ基材における第1のチップ2の位置は、チップパッケージ構造100の構造の完全性および安定性を確保するために固定され得る。
【0195】
いくつかの例において、
図7および
図8に示されているように、パッケージ基材1における第2のチップセット44の正投影は、パッケージ基材1におけるパッケージ層7の正投影の範囲内に位置付けられる。
【0196】
例えば、パッケージ基材1における第2のチップセット44の正投影の領域は、パッケージ基材1におけるパッケージ層7の正投影の領域より小さい。パッケージ基材1におけるパッケージ層7の正投影の境界は、パッケージ基材1における第2のチップセット44の正投影の境界を包囲し、2つの境界の間に特定の距離がある。
【0197】
上記の配置であれば、パッケージ層7は第2のチップセット44に特定の支持を提供することができる。
【0198】
いくつかの例において、
図7および
図8に示されているように、チップパッケージ構造100は第1の充填部分8をさらに備える。第1の充填部分8の少なくとも一部がパッケージ層7と第2のチップセット44との間に位置付けられ、第1の充填部分8は、パッケージ基材1の近くの1つの第2のチップ4の各々のピンを包囲する。
【0199】
例えば、第1の充填部分8はパッケージ層7と第2のチップセット44との間に位置付けられ、第2のチップセット44は第1の充填部分8を覆う。代替で、第1の充填部分8は、パッケージ層7と第2のチップセット44との間だけでなく、パッケージ基材1の近くの1つの第2のチップ4の両方の側方においても位置付けられ、パッケージ基材1への、パッケージ基材1の近くの1つの第2のチップ4の正投影は、パッケージ基材1への第1の充填部分8の正投影の範囲内に位置付けられる。
【0200】
第1の充填部分8は、パッケージ基材1の近くの1つの第2のチップ4のいずれかの2つの隣接するピンの間の短絡を回避するように、2つの隣接するピンの間に充填される。
【0201】
例えば、第1の充填部分8の材料はエポキシ樹脂材料などであり得る。エポキシ樹脂材料などが第1の充填部分8を形成するためにパッケージ層7と第2のチップセット44との間に充填されるとき、穴が形成される可能性があり、穴の領域は、例えば15%以下である。
【0202】
本例において、パッケージ層7と第2のチップセット44との間に第1の充填部分8を配置することによって、支持が第2のチップセット44のために提供され得るだけでなく、第2のチップセット44とパッケージ層7との間の結合力も高められ、第2のチップセット44の構造安定性が確保され、それによってチップパッケージ構造100の信頼性を向上させる。パッケージ基材1の近くの1つの第2のチップ4の任意の2つの隣接するピンの間の短絡も回避でき、それによってチップパッケージ構造100の歩留りを確保する。
【0203】
いくつかの例において、
図8に示されているように、チップパッケージ構造100は電磁遮蔽層9をさらに備える。電磁遮蔽層9は、第2のチップセット44だけでなくパッケージ層7の側方も少なくとも覆う。
【0204】
例えば、電磁遮蔽層9は、第2のチップセット44だけでなくパッケージ層7の側方も覆う。代替で、電磁遮蔽層9は、第2のチップセット44だけでなくパッケージ層7の側方も覆うだけでなく、他の構成要素も覆い、例えば、電磁遮蔽層9は第1の充填部分8などの側方も覆い、これは本開示の例によって限定されない。
【0205】
例えば、電磁遮蔽層9は、非常に大きい透磁率を伴う強磁性材料(鋼鉄など)から作られ、電磁遮蔽層9は、その覆った領域を電磁的に遮蔽することができる。
【0206】
電磁遮蔽層9を配置することで、第1のチップ2および第2のチップセット44は、電磁干渉を受けることから効果的に防止でき、それによって、チップパッケージ構造100の抗電磁干渉能力を向上させることができる。
【0207】
いくつかの例において、
図8に示されているように、パッケージ基材1は少なくとも1つの接地線16をさらに備える。接地線16は金属配線層12に位置付けられる。
【0208】
いくつかの例において、
図8に示されているように、電磁遮蔽層9は、パッケージ基材1の側方も覆い、接地線16に電気的に接続される。
【0209】
本例において、電磁遮蔽層9は、チップパッケージ構造100を電磁的に遮蔽し、電磁干渉を効果的に防止するために、第2のチップセット44およびパッケージ層7の側方だけでなくパッケージ基材1の側方も覆う。さらに、電磁遮蔽層9は、接地線16に電気的に接続され、電磁放射を地面に通すように導くことができ、これは、2倍の抗電磁干渉を実現し、チップパッケージ構造100の効果的な動作を確保する。この点において、チップパッケージ構造100の抗電磁干渉能力は電磁遮蔽層9によって実現され、これは、プロセスコストが低く、実施するのに単純で都合が良く、大量生産に適している。
【0210】
いくつかの例において、
図7および
図8に示されているように、チップパッケージ構造100は第2の充填部分10をさらに備える。第2の充填部分10の少なくとも一部がパッケージ基材1と第1のチップ2との間に位置付けられ、第2の充填部分10は第1のチップ2の各々のピンを包囲する。
【0211】
例えば、第2の充填部分10はパッケージ基材1と第1のチップ2との間に位置付けられ、第1のチップ2は第2の充填部分10を覆う。代替で、第2の充填部分10は、パッケージ基材1と第1のチップ2との間だけでなく、第1のチップ2の両方の側方においても位置付けられ、パッケージ基材1への第1のチップ2の正投影は、パッケージ基材1への第2の充填部分10の正投影の範囲内に位置付けられる。
【0212】
第2の充填部分10は、第1のチップ2のいずれかの2つの隣接するピンの間の短絡を回避するように、2つの隣接するピンの間に充填される。
【0213】
例えば、第2の充填部分10の材料はエポキシ樹脂材料などである。
【0214】
エポキシ樹脂材料などが第2の充填部分10を形成するためにパッケージ基材1と第1のチップ2との間に充填されるとき、穴が形成される可能性があり、穴の領域は、例えば15%以下である。
【0215】
本例において、パッケージ基材1と第1のチップ2との間に第2の充填部分10を配置することによって、支持が第1のチップ2のために提供され得るだけでなく、第1のチップ2とパッケージ基材1との間の結合力も高められ、第1のチップ2の構造安定性が確保され、それによってチップパッケージ構造100の信頼性を向上させる。第1のチップ2の任意の2つの隣接するピンの間の短絡も回避でき、これはチップパッケージ構造100の歩留りを確保する。
【0216】
いくつかの例において、
図7および
図8に示されているように、第3のパッド17はパッケージ基材1の第2の表面Bに配置される。第3のパッド17は金属配線層12に位置付けられている。例えば、第3のパッド17の数は1より大きい。
【0217】
例えば、ソルダレジスト層13には複数のビアが設けられ、各々のビアは1つの第3のパッド17を露出させる。
【0218】
いくつかの例において、
図7および
図8に示されているように、チップパッケージ構造100は半田ボール20をさらに備える。半田ボール20の数は1より大きく、複数の半田ボール20が、パッケージ基材1の第2の表面Bに位置付けられ、パッケージ基材1に電気的に接続される。
【0219】
任意選択で、半田ボール20は、パッケージ基材1における第3のパッド17に電気的に接続される。複数の半田ボール20と複数の第3のパッド17とは、1対1の対応で配置され得る。
【0220】
例えば、半田ボール20は、ボール植付プロセスによって第3のパッド17に半田付けされ得る。
【0221】
半田ボール20は、第3のパッド17を通じて、パッケージ基材1における金属線に電気的に接続される。この点において、半田ボール20は、パッケージ基材1と外部との間の接合部分として供することができ、これは、チップパッケージ構造100と外部モジュールとの間の電気接続を実現し、さらに、チップパッケージ構造100と外部モジュールとの間の通信を実現する。
【0222】
例えば、パッケージ基材1における金属線の集積率が非常に高い場合、半田ボール20とパッケージ基材1における金属線との間の信号伝送路は短くされ、信号伝送速度が向上させられる。
【0223】
例えば、第1のチップ2のピン(つまり、入力/出力(I/O)端子)は、パッケージ基材1と、パッケージ基材1の第2の表面Bに位置付けられた複数の半田ボール20とを通じて、再分配される。この点において、チップパッケージ構造100はファンアウトチップパッケージ構造であり、ファンアウトチップパッケージ構造は、半田ボール20を通じて、外部モジュール(マザーボードまたは印刷回路基板など)に接続される。
【0224】
本開示の例は、電子デバイス1000も提供する。
図9に示されているように、電子デバイス1000は、いくつかの上記の例によるチップパッケージ構造100を備える。
【0225】
例えば、
図9に示されているように、電子デバイスは、カバー板200と、表示画面300と、中間フレーム400と、裏筐体500とをさらに備え得る。
【0226】
表示画面300は、液晶表示(LCD)画面とでき、有機発光ダイオード(OLED)表示画面、量子ドット発光ダイオード(QLED)表示画面、ミニ発光ダイオード(ミニLED)表示画面、またはマイクロ発光ダイオード(マイクロLED)表示画面などであってもよい。OLED表示画面、QLED表示画面、ミニLED表示画面、およびマイクロLED表示画面は、すべて自発光表示画面である。
【0227】
中間フレーム400は担持板410とフレーム420とを備え得る。電子デバイス1000は、担持板410に配置される回路基板600をさらに備え得る。チップパッケージ構造100は、回路基板600に配置され、回路基板600に電気的に接続される。
【0228】
本開示による電子デバイスによって達成され得る有益な効果は、ここでは繰り返されない半導体構造の上記の有益な効果を参照することができる。
【0229】
上記の電子デバイスは、携帯電話、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ノートコンピュータ、サーバ、車載デバイス、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ、スマートブレスレット、スマートグラスなど)、モバイル電源、ゲーム機、デジタルマルチメディアプレーヤなどのいずれか1つであり得る。
【0230】
本開示の例はチップパッケージ構造の製造方法を提供し、製造方法は、例えば、いくつかの上記の例によるチップパッケージ構造100を準備するために使用される。
図10は、本開示のいくつかの例によるチップパッケージ構造の製造方法の流れ図である。
図11A~
図11E、
図12A~
図12C、
図13A~
図13C、および
図14A~
図14Cはそれぞれ、いくつかの例によるチップパッケージ構造の製造方法におけるステップに対応する構造断面図である。
図10に示されるステップが排他的ではなく、他のステップが、任意の示されたステップの前、後、またはステップ同士の間に実行され得ることは、理解されるべきである。また、これらのステップのうちのいくつかは、同時に実行されてもよい、または、
図10に示されている順番と異なる順番で実行されてもよい。
【0231】
図10に示されているように、上記の製造方法は、以下のステップS1~S4を含む。
【0232】
S1:
図11Aに示されているように、パッケージ基材1が提供される。
【0233】
例えば、パッケージ基材1の構造は、ここでは繰り返されないいくつかの上記の例における図示を参照することができる。
【0234】
S2:
図11Bおよび
図12Aに示されているように、伝導性ピラー6がパッケージ基材1の第1の表面Aに形成され、伝導性ピラー6はパッケージ基材1に電気的に接続される。
【0235】
例えば、伝導性ピラー6は、スパッタリングプロセスまたは電気めっきプロセスによって形成できる。伝導性ピラー6の材料は、銅、アルミニウム、銀、または錫のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0236】
S3:
図11Cに示されているように、第1のチップ2が、パッケージ基材1の第1の表面Aに配置される。第1のチップ2はパッケージ基材1に電気的に接続される。
【0237】
例えば、第1のチップ2とパッケージ基材1との接続方法は、ここでは繰り返されないいくつかの上記の例における図示を参照することができる。
【0238】
S4:
図11Dに示されているように、第2のチップ4が、パッケージ基材1から離れる方の伝導性ピラー6および第1のチップ2の側方に配置される。第2のチップ4は伝導性ピラー6に電気的に接続される。
【0239】
例えば、パッケージ基材1における伝導性ピラー6の正投影が、パッケージ基材1における第1のチップ2または第2のチップ4の正投影内に位置付けられる。
【0240】
本開示の先の例において開示されている製造方法は、ここでは繰り返されないいくつかの上記の例によるチップパッケージ構造100と同じ構造および同じ有益な効果を有する。
【0241】
上記の製造方法のいくつかのステップが、同時に実行されてもよい、または、
図10に示されている順番と異なる順番で実行されてもよいことは、留意されるべきである。例えば、上記のステップS2とS3とは逆にされてもよく、つまり、最初に第1のチップ2がパッケージ基材1の第1の表面Aに配置され、次に伝導性ピラー6がパッケージ基材1の第1の表面Aに形成される。
【0242】
いくつかの例において、上記のステップS2の後、上記の製造方法はS10~S20をさらに含む。
【0243】
S10:
図12Bに示されているように、パッケージ膜07が第1のチップ2および伝導性ピラー6に形成され、パッケージ膜07は第1のチップ2および伝導性ピラー6を覆う。
【0244】
本開示の例は、パッケージ膜07を形成するために、化学蒸着(CVD)または物理蒸着(PVD)を使用することができる。パッケージ膜の厚さは、伝導性ピラーの高さおよび第1のチップの厚さより大きく、つまり、パッケージ基材に対して、パッケージ基材から離れる方のパッケージ膜の側方における表面が、パッケージ基材から離れる方の伝導性ピラーの側方における表面より高く、パッケージ基材から離れる方の第1のチップの側方における表面より高い。
【0245】
S20:
図12Cに示されているように、パッケージ膜07は、伝導性ピラー6を露出させるために薄くさせられ、残りのパッケージ膜07はパッケージ層7を形成し、パッケージ層7は第1のチップ2を覆う。
【0246】
例えば、パッケージ膜07は、機械的な研磨、化学機械的平坦化、ウェットエッチング、および他の薄化プロセスによって薄くさせることができる。上記のステップS20において、パッケージ膜を薄くするプロセスにおいて、伝導性ピラー6の高さは、伝導性ピラー6が露出させられることを確保するために低くさせられてもよく、それによって、伝導性ピラー6と第2のチップ4との間に電気接続を作り出すのを向上させる。
【0247】
明確には、第1のチップ2および伝導性ピラー6を覆うパッケージ膜07は、成形プロセスを通じて、成形材料によって形成され得る。
【0248】
いくつかの例において、上記のステップS2はS21~S23を含む。
【0249】
S21:
図13Aに示されているように、パッケージ層7は第1のチップ2において形成され、パッケージ層7は第1のチップ2を覆う。
【0250】
明確には、覆うパッケージ層7は、成形プロセスを通じて成形材料によって形成されてもよい。
【0251】
S22:
図13Bに示されているように、ビア71がパッケージ層7に形成されており、ビア71は第2のパッド15を露出させる。
【0252】
本開示の例において、ビア71はエッチングプロセスを通じて形成され得る。ビア71の形は、例えば円柱など、柱状であり得る。ビア71の形は、他の不規則な形であってもよく、これは本開示の例によって限定されない。
【0253】
S23:
図13Cに示されているように、伝導性材料が、伝導性ピラー6を形成するためにビアにおいて充填される。
【0254】
一例において、伝導性ピラー6の材料は錫などであり得る。この点において、半田ボールは、ビアにおいて充填されてもよく、上記の伝導性ピラー6である半田ピラーを形成するためにリフローされてもよい。
【0255】
いくつかの例において、
図11Dに示されているように、上記の製造方法は、第1の充填部分8を形成するために、パッケージ層7と第2のチップ4との間に第1の絶縁材料を充填するステップをさらに含み、第1の充填部分8は第2のチップ4の各々のピンを包囲する。
【0256】
一例において、第1の充填部分8はパッケージ層7と第2のチップ4との間に位置付けられ、第2のチップ4は第1の充填部分8を覆う。代替で、第1の充填部分8は、パッケージ層7と第2のチップ4との間だけでなく、第2のチップ4の両方の側方においても位置付けられ、パッケージ基材1への第2のチップ4の正投影は、パッケージ基材1への第1の充填部分8の正投影の範囲内に位置付けられる。
【0257】
第1の充填部分8は、第2のチップ4のいずれかの2つの隣接するピンの間の短絡を回避するように、2つの隣接するピンの間に充填される。
【0258】
一例において、第1の絶縁材料はエポキシ樹脂材料などであり得る。
【0259】
本例において、パッケージ層7と第2のチップ4との間に第1の充填部分8を配置することによって、支持が第2のチップ4のために提供され得るだけでなく、第2のチップ4とパッケージ層7との間の結合力も高められ、これは、第2のチップ4の構造安定性を確保し、第2のチップ4の任意の2つの隣接するピンの間の短絡を回避もし、それによってチップパッケージ構造100の歩留りをさらに確保する。
【0260】
いくつかの例において、上記製造方法は、電磁遮蔽層9を形成するステップをさらに含み、電磁遮蔽層9は、
図11Eに示されているように、第2のチップ4だけでなくパッケージ層7の側方も少なくとも覆う。
【0261】
一例において、電磁遮蔽層9は、非常に大きい透磁率を伴う強磁性材料(鋼鉄など)から作られ、電磁遮蔽層9は、その覆った領域を電磁的に遮蔽することができる。
【0262】
本開示の例では、電磁遮蔽層9は、噴霧、電気めっき、真空スパッタリングなどを用いて、第2のチップ4だけでなくパッケージ層7の側方に形成され得る。例えば、強磁性材料が、電磁遮蔽層9を形成するために、第2のチップ4だけでなくパッケージ層7の側方に噴霧されてもよい。
【0263】
電磁遮蔽層9を配置することで、第1のチップ2および第2のチップ4は、電磁干渉を受けることから効果的に防止でき、それによって、チップパッケージ構造100の抗電磁干渉能力を向上させることができる。
【0264】
いくつかの例において、第2のチップ4は複数のサブチップ42を備える。この点において、上記のステップS4はS41~S42を含む。
【0265】
S41:
図14Aに示されているように、複数のサブチップ42は、第2のチップ4を形成するために、サブチップ42の厚さ方向に沿って連続的に重ねられる。
【0266】
例えば、複数のサブチップ42は、パッケージ基材1から垂直に離れる方向に沿って連続して重ねられる。例えば、複数のサブチップの種類は同じであり、任意選択で、複数のサブチップはすべてメモリチップである。
【0267】
いくつかの例において、分離構造43が2つの隣接するサブチップ42の間に配置される。分離構造43の材料は接着材料であり得る。2つの隣接するサブチップ42は接着材料によって重ねられる。
【0268】
いくつかの例において、複数のサブチップ42の複数の接続関係があってもよく、詳細は、いくつかの先の例における図示を参照でき、ここでは繰り返されない。
【0269】
S42:
図14Bに示されているように、第2のチップ4は、伝導性ピラー6に電気的に接続されるように、パッケージ基材1から離れる方の伝導性ピラー6の端に半田付けされる。
【0270】
いくつかの例において、
図14Cに示されているように、上記のステップS42の後、電磁遮蔽層9が形成されてもよく、電磁遮蔽層9は、複数のサブチップ42と、パッケージ層7の側方とを少なくとも覆う。
【0271】
本例では、第2のチップ4を形成するために複数のサブチップ42を重ねることで、チップパッケージ構造100の集積度を向上させることができ、チップパッケージ構造100の製品性能が、小さいパッケージ体積を確保することに基づいて向上させられることができる。
【0272】
いくつかの例において、第1のチップ2を配置した後で、第2のチップ4を配置する前に、上記の製造方法は、第2の充填部分10を形成するために、パッケージ基材1と第1のチップ2との間に第2の絶縁材料を充填するステップをさらに含み、第2の充填部分10は、
図11Cに示されているように、第1のチップ2の各々のピンを包囲する。
【0273】
第2の充填部分10は、第1のチップ2のいずれかの2つの隣接するピンの間の短絡を回避するように、2つの隣接するピンの間に充填される。
【0274】
いくつかの例において、第2の絶縁材料はエポキシ樹脂材料などであり得る。この点において、本例では、パッケージ基材1と第1のチップ2との間に第2の充填部分10を配置することによって、支持が第1のチップ2のために提供され得るだけでなく、第1のチップ2とパッケージ基材1との間の結合力も向上させられ、第1のチップ2の構造安定性が確保される。第1のチップ2の任意の2つの隣接するピンの間の短絡も回避でき、これはチップパッケージ構造100の歩留りを確保する。
【0275】
いくつかの例において、第3のパッド17はパッケージ基材1の第2の表面Bに配置される。第1の表面Aと第2の表面Bとは互いに反対である。パッケージ層7を形成する前または後、上記の製造方法は、半田ボール20をパッケージ基材1の第2の表面Bに形成することをさらに含み、半田ボール20は、
図11Dに示されているように、第3のパッド17に電気的に接続される。
【0276】
いくつかの例において、半田ボール20は、ボール植付プロセスによって第3のパッド17に半田付けされ得る。
【0277】
いくつかの例において、半田ボール20の数は1より大きく、複数の半田ボール20は、ボール格子配列(BGA)を形成することができ、ボール格子配列は、チップパッケージ構造100と外部との間の接合部分として供することができる。
【0278】
前述のことは本開示の単なる特定の実施であり、本開示の保護の範囲はこれに限定されない。本開示で開示されている技術範囲内の当業者が容易に考えられる変更または代用は、本開示の保護の範囲内で網羅されるべきである。そのため、本開示の保護の範囲は、請求項の保護の範囲に基づかれるべきである。
【符号の説明】
【0279】
1、1’ パッケージ基材
2、2’ 第1のチップ
3’ 第2のチップ
4 第2のチップ
6 伝導性ピラー
7 パッケージ層
07 パッケージ膜
8 第1の充填部分
9 電磁遮蔽層
10 第2の充填部分
11 誘電層
12 金属配線層
13 ソルダレジスト層
14 第1のパッド
15 第2のパッド
16 接地線
17 第3のパッド
20 半田ボール
30 伝導性構造
31 電線
40 本体
41 ピン
42 サブチップ
43 分離構造
44 第2のチップセット
61 第1のパッド
71 ビア
100、100’ チップパッケージ構造
401 サブピン
402 第2のパッド
431 第3のパッド
200 カバー板
300 表示画面
400 中間フレーム
410 担持板
420 フレーム
500 裏筐体
600 回路基板
1000 電子デバイス
A 第1の表面
B 第2の表面
【手続補正書】
【提出日】2023-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面を有するパッケージ基材と、
前記パッケージ基材の前記第1の表面に位置付けられ、前記パッケージ基材に電気的に接続される第1のチップと、
前記パッケージ基材の前記第1の表面に位置付けられ、前記パッケージ基材に電気的に接続される伝導性ピラーと、
前記パッケージ基材から離れる方の前記第1のチップおよび前記伝導性ピラーの側方に位置付けられ、前記伝導性ピラーに電気的に接続される第2のチップであって、前記パッケージ基材における前記伝導性ピラーの正投影が、前記パッケージ基材における前記第1のチップまたは前記第2のチップの正投影の範囲内に位置付けられる、第2のチップと
を備えるチップパッケージ構造。
【請求項2】
前記チップパッケージ構造はパッケージ層をさらに備え、
前記パッケージ層は、前記パッケージ基材と前記第2のチップとの間に位置付けられ、前記第1のチップを覆い、前記伝導性ピラーの側方を包囲す
る、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項3】
前記パッケージ基材における前記第2のチップの正投影が、前記パッケージ基材における前記パッケージ層の正投影の範囲内に位置付けられ
る、請求項2に記載のチップパッケージ構造。
【請求項4】
前記チップパッケージ構造は第1の充填部分をさらに備え、
前記第1の充填部分の少なくとも一部が前記パッケージ層と前記第2のチップとの間に位置付けられ、前記第1の充填部分は前記第2のチップの各々のピンを包囲す
る、請求項2に記載のチップパッケージ構造。
【請求項5】
前記チップパッケージ構造は電磁遮蔽層をさらに備え、
前記電磁遮蔽層は、前記第2のチップだけでなく前記パッケージ層の側方も少なくとも覆
う、請求項2に記載のチップパッケージ構造。
【請求項6】
前記パッケージ基材は少なくとも1つの接地線を備え、
前記電磁遮蔽層は、前記パッケージ基材の側方も覆い、前記接地線に電気的に接続され
る、請求項5に記載のチップパッケージ構造。
【請求項7】
前記第2のチップは、前記パッケージ基材から垂直に離れる方向において連続的に重ねられる複数のサブチップを備え
る、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項8】
2つの隣接するサブチップが互いと電気的に接続され
る、請求項7に記載のチップパッケージ構造。
【請求項9】
前記パッケージ基材の近くの前記複数のサブチップのうちの1つが前記伝導性ピラーに電気的に接続され、前記複数のサブチップのうちの他のものが、電線によって前記パッケージ基材に電気的に接続され
る、請求項7に記載のチップパッケージ構造。
【請求項10】
前記パッケージ基材に近い方の前記第2のチップの側方における表面が、前記パッケージ基材の前記第1の表面に対して、前記パッケージ基材から離れる方の前記第1のチップの側方における表面より高
い、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項11】
前記パッケージ基材に近い方の前記第2のチップの前記側方における前記表面と、前記パッケージ基材の前記第1の表面との間の距離がh1であり、前記パッケージ基材から離れる方の前記第1のチップの前記側方における前記表面と、前記パッケージ基材の前記第1の表面との間の距離がh2であり、h1とh2とは以下の条件を満た
す、請求項10に記載のチップパッケージ構造。
【数1】
【請求項12】
前記伝導性ピラーの数が1より大きく、複数の伝導性ピラーは、前記第1のチップの2つの相対する側方に少なくとも位置付けられ
る、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項13】
前記チップパッケージ構造は第2の充填部分をさらに備え、
前記第2の充填部分の少なくとも一部が前記パッケージ基材と前記第1のチップとの間に位置付けられ、前記第2の充填部分は前記第1のチップの各々のピンを包囲す
る、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項14】
前記パッケージ基材は、前記第1の表面の反対に第2の表面を有し、
前記チップパッケージ構造は、前記パッケージ基材の前記第2の表面に位置付けられ、前記パッケージ基材に電気的に接続される半田ボールをさらに備え
る、請求項1に記載のチップパッケージ構造。
【請求項15】
第1の表面を有するパッケージ基材と、
前記パッケージ基材の前記第1の表面に配置され、前記パッケージ基材に電気的に接続される第1のチップと、
前記パッケージ基材から離れる方の前記第1のチップの側方に位置付けられ、前記パッケージ基材に電気的に接続され、前記パッケージ基材から垂直に離れる方向において連続的に重ねられる複数の第2のチップを備える第2のチップセットと
を備えるチップパッケージ構造。
【請求項16】
2つの隣接する第2のチップが互いと電気的に接続され
る、請求項15に記載のチップパッケージ構造。
【請求項17】
前記チップパッケージ構造はパッケージ層をさらに備え、
前記パッケージ層は、前記パッケージ基材と前記第2のチップセットとの間に位置付けられ、前記第1のチップを覆
う、請求項15に記載のチップパッケージ構造。
【請求項18】
前記チップパッケージ構造は電磁遮蔽層をさらに備え、
前記電磁遮蔽層は、前記第2のチップセットだけでなく前記パッケージ層の側方も少なくとも覆
う、請求項17に記載のチップパッケージ構造。
【請求項19】
前記パッケージ基材に近い方の前記第2のチップセットの側方における表面が、前記パッケージ基材の前記第1の表面に対して、前記パッケージ基材から離れる方の前記第1のチップの側方における表面より高
い、請求項15に記載のチップパッケージ構造。
【請求項20】
チップパッケージ構造の製造方法であって、
第1の表面を有するパッケージ基材を提供するステップと、
前記パッケージ基材に電気的に接続される伝導性ピラーを前記パッケージ基材の前記第1の表面に形成するステップと、
前記パッケージ基材に電気的に接続される第1のチップを前記パッケージ基材の前記第1の表面に配置するステップと、
前記伝導性ピラーに電気的に接続される第2のチップを、前記パッケージ基材から離れる方の前記伝導性ピラーおよび前記第1のチップの側方に配置するステップであって、前記パッケージ基材における前記伝導性ピラーの正投影が、前記パッケージ基材における前記第1のチップまたは前記第2のチップの正投影の範囲内に位置付けられる、ステップと
を含む製造方法。
【国際調査報告】