(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】リソグラフィにおける熱制御システム、モデル、及び製造プロセス
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529895
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 EP2022083818
(87)【国際公開番号】W WO2023110401
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ドワン-フ,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ゲルイ
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ウェンジェ
(72)【発明者】
【氏名】サン,デジェン
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA09
2H197CA10
2H197CB01
2H197CC05
2H197CC13
2H197CC16
2H197CD12
2H197CD13
2H197CD43
2H197DA02
2H197DA03
2H197DB10
2H197DB17
2H197DB23
2H197DC16
2H197GA06
2H197HA03
2H197HA05
2H197HA10
(57)【要約】
半導体製造プロセスにおける動的収差制御が記載される。実施形態によっては、半導体処理装置の光学投影システムによって提供される波面を表す波面データが受信されてもよい。波面データとターゲット波面データとの比較に基づいて、波面ドリフトが決定されてもよい。波面ドリフトに基づいて、1つ又は複数のプロセスパラメータが決定されてもよい。1つ又は複数のプロセスパラメータは、サーマルデバイスに関連するパラメータを含み、サーマルデバイスは、動作中に光学投影システムに熱エネルギーを供給するように構成される。
【選択図】
図10A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、
半導体処理装置の光学投影システムによって提供される波面を表す波面データを受信することと、
前記波面データとターゲット波面データとの比較に基づいて、波面ドリフトを決定することと、
前記波面ドリフトに基づいて、1つ又は複数のプロセスパラメータを決定することであって、前記1つ又は複数のプロセスパラメータが、サーマルデバイスに関連するパラメータを含み、前記サーマルデバイスが、動作中に前記光学投影システムに熱エネルギーを供給する、決定することと、
を含む動作を生じさせるコンピュータプログラム命令を記憶した、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項2】
前記光学投影システムが、前記光学素子を含む1つ又は複数の光学素子を含み、前記光学投影システムの前記構成が、前記1つ又は複数の光学素子の配向を含み、前記1つ又は複数の光学素子の各々が、1つ又は複数の自由度を有し、1つ又は複数の制御デバイスが、前記1つ又は複数の光学素子のうちの少なくとも1つの前記1つ又は複数の自由度のうちの少なくとも1つに沿って、前記1つ又は複数の光学素子の前記配向を調節し、前記光学素子の各々が、反射型又は透過型光学素子である、請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項3】
前記1つ又は複数のプロセスパラメータが、前記サーマルデバイスの一組の動作設定を含み、前記サーマルデバイスの前記一組の動作設定が、前記サーマルデバイスから出力される照射の量、及び/又は前記サーマルデバイスによって出力された前記照射が印加されるべき前記光学素子上の位置を含む、請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項4】
前記1つ又は複数のプロセスパラメータを決定することが、
前記波面データ、前記ターゲット波面データ、及び1つ又は複数の半導体処理メトリクスに基づいて、前記サーマルデバイスの前記一組の動作設定のうちの1つ又は複数の動作設定に対する調節を決定することを含む、請求項3に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項5】
前記動作が、
前記波面ドリフトに基づいて、前記光学投影システムの構成に対する調節を決定すること
をさらに含む、請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項6】
前記1つ又は複数の半導体処理メトリクスが、照明源から出力される放射及び前記光学投影システムの前記構成に基づいて計算される、請求項5に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記動作が、
前記サーマルデバイスの前記1つ又は複数の動作設定に対して行われるべき前記調節を示す第1の命令と、前記光学投影システムの前記構成に対して行われるべき前記調節を示す第2の命令と、を取得することをさらに含む、請求項6に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記動作が、
前記第1の命令を前記サーマルデバイスに提供することと、
前記第2の命令を1つ又は複数の制御デバイスに提供することであって、前記1つ又は複数の制御デバイスが、前記光学投影システムの前記構成を調節する、提供することと、
をさらに含む、請求項7に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記1つ又は複数のプロセスパラメータが、前記波面ドリフトを補償するように決定される、請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記波面ドリフトを補償することが、
前記サーマルデバイスに関連する前記1つ又は複数のプロセスパラメータに対する調節を決定することと、
前記光学投影システムの構成に対する調節を決定することであって、
前記サーマルデバイスに関連する前記1つ又は複数のプロセスパラメータに対する前記調節及び前記光学投影システムの前記構成に対する前記調節が、前記波面ドリフトの大きさに基づいて決定される、決定することと、
を含む、請求項9に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記波面ドリフトを補償することが、エッジ配置誤差(EPE)又は波面ドリフト費用関数に基づく、請求項9に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記波面データが、前記半導体処理装置の照明源によって出力された光によって前記光学投影システムの1つ又は複数の光学素子に対して誘発される加熱状態と、前記サーマルデバイスによって誘発される加熱状態とに基づいて決定される、請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記サーマルデバイスによって誘発される前記加熱状態が、前記サーマルデバイスに関連する前記1つ又は複数のプロセスパラメータに基づいて決定され、前記1つ又は複数のプロセスパラメータが、前記サーマルデバイスの動作設定を含む、請求項12に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記サーマルデバイスの前記動作設定が、前記光学投影システムの前記1つ又は複数の光学素子に対して前記サーマルデバイスによって提供される規定量の照射を前記サーマルデバイスに出力させるための、前記サーマルデバイスに提供されるパワーレベルと、前記照射が印加されるべき前記1つ又は複数の光学素子のうちの少なくとも1つの1つ又は複数のセクションと、を含む、請求項13に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記半導体処理装置の前記照明源によって出力された前記光によって前記1つ又は複数の光学素子に対して誘発される前記加熱状態が、前記半導体処理装置によって実行される半導体製作プロセスの一部が行われた後に、波面センサを介して検出された波面に基づいて決定される、請求項14に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記動作が、
追加のサーマルデバイスに関連する1つ又は複数の追加のプロセスパラメータを決定することであって、前記追加のサーマルデバイスが、決定された前記1つ又は複数の追加のプロセスパラメータに基づいて照射を出力し、前記追加のサーマルデバイスによって出力された前記照射が、
前記1つ若しくは複数の光学素子のうちの前記少なくとも1つ、又は
前記1つ若しくは複数の光学素子のうちの少なくとも別の光学素子
のうちの少なくとも1つに印加される、決定することをさらに含む、請求項14に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記1つ又は複数のプロセスパラメータが、アプリケーション層に固有である、請求項1に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年12月14日に出願された米国特許出願第63/289,591号の優先権を主張するものであり、この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書の記載は、一般に、半導体製造におけるリソグラフィに関し、特に、計算機リソグラフィに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ投影装置は、例えば、集積回路(IC)の製造において使用することができる。パターニングデバイス(例えば、マスク)は、ICの個々の層に対応するパターン(「デザインレイアウト」)を含むこと、又は提供することができ、このパターンは、パターニングデバイス上のパターンを通してターゲット部分を照射するなどの方法により、放射感応性材料(「レジスト」)の層でコートされた基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に転写され得る。一般に、単一の基板は、パターンがリソグラフィ投影装置によって連続して転写される複数の隣接するターゲット部分(一度に1つのターゲット部分)を含む。あるタイプのリソグラフィ投影装置においては、パターニングデバイス全体上のパターンが、1工程で1つのターゲット部分上に転写される。このような装置は、一般にステッパと呼ばれる。一般にステップアンドスキャン装置と呼ばれる代替装置では、投影ビームが、所与の基準方向(「スキャン」方向)にパターニングデバイスをスキャンすることに同期して、この基準方向に平行又は逆平行に基板を移動させる。パターニングデバイス上のパターンの異なる部分が、1つのターゲット部分に漸進的に転写される。一般に、リソグラフィ投影装置は、縮小率M(例えば、4)を有するので、基板を移動させる速度Fは、投影ビームがパターニングデバイスをスキャンする速度×1/Mとなる。リソグラフィデバイスに関するさらなる情報は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,046,792号に見つけることができる。
【0004】
[0004] パターニングデバイスから基板にパターンを転写する前に、基板は、プライミング、レジストコーティング、及びソフトベークなどの様々なプロシージャを経てもよい。露光後に、基板は、ポストベーク(PEB)、現像、ハードベーク、及び転写されたパターンの測定/検査などの他のプロシージャ(「露光後プロシージャ」)を受けてもよい。この多数のプロシージャは、デバイス、例えばICの個々の層を作るための基礎として使用される。基板は、次に、エッチング、イオン注入(ドーピング)、メタライゼーション、酸化、化学機械研磨など(全て、デバイスの個々の層を仕上げることを意図したもの)の様々なプロセスを経てもよい。デバイスに幾つかの層が必要とされる場合、プロシージャ全体又はそれの異形が、各層に対して繰り返される。最終的に、基板上の各ターゲット部分にデバイスが存在する。これらのデバイスは、次に、ダイシング又はソーイングなどの技術によって互いに分離され、その結果、個々のデバイスがキャリア上に取り付けられること、ピンに接続されることなどが可能である。
【0005】
[0005] 半導体デバイスなどの製造デバイスは、一般的に、デバイスの様々なフィーチャ及び複数の層を形成するための多数の製作プロセスを用いて、基板(例えば、半導体ウェーハ)を処理することを含む。このような層及びフィーチャは、一般的に、例えば、堆積、リソグラフィ、エッチング、化学機械研磨、及びイオン注入を用いて、製造及び処理される。複数のデバイスが、基板上の複数のダイ上で製作され、その後、個々のデバイスに分離されてもよい。このデバイス製造プロセスは、パターニングプロセスとみなすことができる。パターニングプロセスは、パターニングデバイス上のパターンを基板に転写するために、リソグラフィ装置においてパターニングデバイスを用いる光及び/又はナノインプリントリソグラフィなどのパターニングステップを含み、一般的に(但し任意選択的に)、現像装置によるレジスト現像、ベークツールを用いた基板のベーク、エッチング装置を用いたパターンを使用するエッチングなどの1つ又は複数の関連のパターン処理ステップを含む。
【0006】
[0006] リソグラフィは、基板上に形成されたパターンが、マイクロプロセッサ、メモリチップなどのデバイスの機能素子を定義する、ICなどのデバイスの製造における中心的ステップである。フラットパネルディスプレイ、微小電子機械システム(MEMS)、及び他のデバイスの形成においても、類似のリソグラフィ技術が使用される。
【0007】
[0007] 半導体製造プロセスが進歩し続けるにつれて、機能素子の寸法は、継続的に小さくなっている。その一方で、一般に「ムーアの法則」と呼ばれる傾向に従って、1つのデバイス当たりのトランジスタなどの機能素子の数は、着実に増加している。現在の技術状況では、デバイスの層は、深紫外線照明源からの照明を用いて、デザインレイアウトを基板上に投影し、100nmをはるかに下回る寸法(すなわち、照明源(例えば、193nm照明源)からの放射の波長の半分未満)を有する個々の機能素子を作成するリソグラフィ投影装置を用いて製造される。
【0008】
[0008] リソグラフィ投影装置の古典的限界解像度より小さい寸法を持つフィーチャが印刷されるこのプロセスは、一般に、解像度式CD=k1×λ/NAによる低k1リソグラフィとして知られ、式中、λは、用いられた放射の波長(現在、ほとんどの場合、248nm又は193nm)であり、NAは、リソグラフィ投影装置における投影光学系の開口数であり、CDは、「クリティカルディメンジョン」(一般に、印刷される最小のフィーチャサイズ)であり、k1は、経験的解像度係数である。一般に、k1が小さいほど、特定の電気的機能性及び性能を達成するために設計者によって計画された形状及び寸法に似たパターンを基板上に再現することがより難しくなる。これらの困難を克服するために、最新式の微調整ステップが、リソグラフィ投影装置、デザインレイアウト、又はパターニングデバイスに適用される。これらには、例えば、限定されないが、NA及び光学コヒーレンス設定の最適化、カスタマイズされた照明方式、位相シフトパターニングデバイスの使用、デザインレイアウトにおける光近接効果補正(OPC、「光学及びプロセス補正(optical and process correction)」とも呼ばれることがある)、又は一般に「解像度向上技術」(RET)と定義される他の方法が含まれる。
【0009】
[0009] OPC及び他のRETは、リソグラフィプロセスを記述するロバストな電子モデルを利用する。従って、そのようなリソグラフィモデルの較正プロシージャは、プロセスウィンドウ全体にわたって有効で、ロバスト且つ正確なモデルを提供することが望まれる。現在のところ、較正は、ウェーハの測定値を有する一定数の1次元及び/又は2次元ゲージパターンを使用して行われている。より具体的には、1次元ゲージパターンには、可変ピッチ及びクリティカルディメンジョン(CD)を有するライン-スペースパターン、孤立ライン、複数のラインなどが含まれる。2次元ゲージパターンには、一般的に、ライン端部、コンタクト、及びランダムに選択されたSRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)パターンが含まれる。
【発明の概要】
【0010】
[0010] リソグラフィプロセスを使用して半導体デバイスなどのデバイスを製造する際に、欠陥を減少させるために収差ドリフトを低減又は他の方法で制御することが望ましい。収差ドリフトの原因の1つは、光学投影システムの1つ又は複数のコンポーネントに対する望ましくない又は予期しない熱変化である。例えば、光(例えば、EUV光、DUV光)が光学投影システムの様々な光学素子に入射すると、それらの光学素子が「加熱」される場合がある。光学素子の「加熱」によって、光学素子の変形が生じる場合があり、その結果、パターニングデバイスのために光学投影システムによって提供される波面が変化する。
【0011】
[0011] 実施形態によっては、1つ又は複数のプロセスパラメータを決定する方法がある。この方法は、半導体処理装置の光学投影システムによって提供される波面の波面ドリフトを取得することを含む。波面ドリフトは、波面を表す波面データとターゲット波面データとの比較に基づいて決定されてもよい。この方法は、波面ドリフトに基づいて、1つ又は複数のプロセスパラメータを決定することをさらに含んでもよい。1つ又は複数のプロセスパラメータは、サーマルデバイスに関連するパラメータを含んでもよく、サーマルデバイスは、動作中に光学投影システムに熱エネルギーを供給する(例えば、外部加熱又は外部冷却を提供する)ように構成されてもよい。
【0012】
[0012] 実施形態によっては、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、上記の方法のいずれかを含む動作を生じさせるコンピュータプログラム命令を記憶した非一時的なコンピュータ可読媒体がある。
【0013】
[0013] 実施形態によっては、光学投影システム及び1つ又は複数のサーマルデバイスを含む半導体処理装置があり、半導体処理装置を使用して、上記の方法のいずれかが実行されてもよい。
【0014】
[0014] 本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、1つ又は複数の実施形態を示し、発明の詳細な説明と共にこれらの実施形態を説明する。本発明の実施形態は、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照して、単なる例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】[0015]本開示のある実施形態による、リソグラフィ投影装置の様々なサブシステムのブロック図を示す。
【
図2】[0016]本開示のある実施形態による、リソグラフィ投影装置におけるリソグラフィを完全にシミュレートするための例示的なフローチャートを示す。
【
図3】[0017]本開示のある実施形態による、基板ごと(例えば、ウェーハごと、又は層ごと)の半導体処理メトリクスに基づく動的収差補正を示す。
【
図4A】[0018]本開示のある実施形態による、サーマルデバイスに関連するプロセスパラメータを決定するための例示的なフローチャートを示す。
【
図4B】[0019]本開示のある実施形態による、サーマルデバイスに関連するプロセスパラメータを決定するための別の例示的なフローチャートを示す。
【
図5】[0020]本開示のある実施形態による、光学素子を含む光学投影システム例を示す。
【
図6A】[0021]本開示のある実施形態による、光学投影システムの光学素子例の加熱状態例を示す。
【
図6B】[0021]本開示のある実施形態による、光学素子変形マップを示す。
【
図7】[0022]本開示のある実施形態による、光学素子例と、光学素子の構成に対して行うことができる調節とを示す。
【
図8】[0023]本開示のある実施形態による、光学素子と、光学素子に熱エネルギーを供給する一組のサーマルデバイスとを示す。
【
図9】[0024]本開示のある実施形態による、光学素子、光学素子の一部又は全てに熱エネルギーを供給するために使用されるサーマルデバイス、及び光学素子の一部又は全ての配向を制御するための制御デバイスを含む光学投影システム例を示す。
【
図10A】[0025]本開示のある実施形態による、光学投影システムの1つ又は複数の光学素子に対するオフライン温度補正を行うための方法例を示す。
【
図10B】[0025]本開示のある実施形態による、光学投影システムの1つ又は複数の光学素子に対するオンライン温度補正を行うための方法例を示す。
【
図11】[0026]本開示のある実施形態による、リソグラフィ投影装置の概略図である。
【
図12】[0027]本開示のある実施形態による、別のリソグラフィ投影装置の概略図である。
【
図13】[0028]本開示のある実施形態による、リソグラフィ投影装置の詳細図である。
【
図14】[0029]本開示のある実施形態による、リソグラフィ投影装置のソースコレクタモジュールの詳細図である。
【
図15】[0030]本開示のある実施形態による、コンピュータシステム例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0031] 半導体製造プロセスにおいて、光学加熱によって誘発される波面ドリフトを制御又は補正できることは有利である。例えば、波面ドリフトがリソグラフィシステムの光学素子(例えば、ミラー、レンズなど)の加熱によって誘発されるリソグラフィシステムにおける波面ドリフトを補正することによって、半導体製造プロセスのうちの1つ又は複数によって製作されるデバイスの欠陥を大幅に低減することができる。
【0017】
[0032] リソグラフィシステムでは、ミラー加熱、レンズ加熱、及び/又は半導体デバイスなどのパターン付与されたデバイスの生産に対する他の動的に変化する要因が、欠陥(例えば、エッジ配置誤差、オーバーレイエラーなど)を引き起こす可能性がある。これにより、生産製造環境において安定した結像性能を達成するために、高速且つ正確なインシチュ補正能力が求められる。例えば、ミラー加熱は、リソグラフィシステムの光学投影システムによって提供された波面が、光学投影システムによって提供されるべきターゲット波面と異なる場合に、波面ドリフトを引き起こす可能性がある。
【0018】
[0033] この高速インシチュ制御における先行する試みの1つは、スキャナの瞳レベルの特性(例えば、基準状態に対するデルタ波面のRMS)に基づくメリット関数の定義を含んでいたが、基板(例えば、ウェーハ)レベルの結像性能特性については認識していなかった。その結果、瞳レベルにおける収差は最小化されたものの、(基板又はウェーハレベルにおける)結像性能は最適化されなかった。
【0019】
[0034] 結像性能に基づく代替の手法は、膨大な数のクリティカルディメンジョンのゼルニケ感度の計算を含む。この手法を使用した場合、リソグラフィ性能メトリクスは、クリティカルディメンジョンに限定される。この手法は、離散メトリクス(例えば、欠陥数など)を含む他のタイプのカスタムメトリクスをカバーするのに十分な柔軟性がない。別の手法は、ソースマスク最適化エンジンを使用して収差(波面)最適化を行うことにより、異なるスキャナの性能を合致させる方法を含む。しかしながら、この手法は、ミラー加熱を考慮することなくコールドレンズセットアップ用に設計されており、それは、反復ごとにフル結像シミュレーションを必要とする反復最適化を行う。これは計算量が多く、動的なインシチュスキャナ制御には適していない。さらに別の異なる手法は、パターニングシステムの収差データを受信し、受信したパターニングシステムの収差データに対する新たなパターニングプロセスインパクトデータを決定するように構成された較正収差インパクトモデルを使用する。しかしながら、この手法は、ドライバレンズモデル(DLM)の投影光ボックス(POB)における剛体ミラーの移動量が限られているため、高ソースパワーで動作するEUVスキャナに対するミラー加熱のインパクトを軽減するための波面補正を適用するには、もはや十分ではない。
【0020】
[0035] 当業者が本応用を実施できるように、本開示の理解を助ける実例として提供される本開示の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。特に、以下の図及び例は、本開示の範囲を単一の実施形態に限定することを意図するものではなく、記載又は図示された要素の一部又は全部を置き換えることによって他の実施形態が可能である。また、本開示の特定の要素が既知の構成要素を用いて部分的又は完全に実装され得る場合、そのような既知の構成要素のうち、本開示の理解に必要な部分のみを説明し、そのような既知の構成要素の他の部分の詳細な説明は、本開示を不明瞭にしないように省略する。ソフトウェアで実装されるとして記載する実施形態は、これに限定されるものではなく、本明細書において別段の指定がない限り、当業者には明らかであるように、ハードウェア又はソフトウェア及びハードウェアの組み合わせで実装される実施形態、並びにその逆で実装される実施形態を含み得る。本明細書において、単一の構成要素を示す実施形態は、限定的であるとみなされるものではなく、より正確に言えば、本開示は、本明細書において明示的に別段の記載がない限り、複数の同じ構成要素を含む他の実施形態、及びその逆を包含することを意図している。また、出願人は、本明細書又は特許請求の範囲におけるいかなる用語も、一般的でない又は特別な意味を付与されることを、そのように明示的に規定されない限り意図していない。さらに、本開示は、例示のために本明細書で言及される既知の構成要素に対する現在及び未来の既知の均等物を包含する。
【0021】
[0036] 本明細書では、ICの製造について具体的に言及している場合があるが、本明細書の記載には他の多くの可能な用途があることを明確に理解されたい。例えば、それは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、液晶ディスプレイ(LCD)パネル、薄膜磁気ヘッドなどの製造に用いることができる。当業者であれば、そのような代替の用途という文脈において、本明細書での「レチクル」、「ウェーハ」、又は「ダイ」という用語の使用は、それぞれ、「マスク」、「基板」、及び「ターゲット部分」というより一般的な用語と交換可能であるとみなされるべきものであることを理解するであろう。
【0022】
[0037] 本明細書では、「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(例えば、365、248、193、157、又は126nmの波長を有する)及びEUV(極端紫外線、例えば、約5~100nmの範囲内の波長を有する)を含む、あらゆるタイプの電磁放射を包含するように使用される。
【0023】
[0038] 本明細書で使用する「投影光学系」という用語は、例えば、屈折光学系、反射光学系、アパーチャ、及び反射屈折光学系を含む、様々なタイプの光学システム及びサブシステムを網羅すると広く解釈されるものとする。「投影光学系」という用語は、まとめて、又は単独で、放射の投影ビームの誘導、整形、又は制御を行うためにこれらのデザインタイプのいずれかに従って動作するコンポーネントも含み得る。「投影光学系」という用語は、光学コンポーネントがリソグラフィ投影装置の光路上のどこに位置するかにかかわらず、リソグラフィ投影装置内のいずれの光学コンポーネントも含み得る。投影光学系は、ソースからの放射がパターニングデバイスを通過する前に、放射を整形、調節、及び/又は投影するための光学コンポーネント、及び/又は放射がパターニングデバイス(例えば、半導体)を通過した後に、放射を整形、調節、及び/又は投影するための光学コンポーネントを含み得る。投影光学系は、一般に、ソース及びパターニングデバイスを除く。
【0024】
[0039] (例えば、半導体)パターニングデバイスは、1つ又は複数のデザインレイアウトを含むか、又は形成し得る。デザインレイアウトは、CAD(computer-aided design)プログラムを利用して生成することができ、このプロセスは、しばしば、EDA(electronic design automation)と呼ばれる。ほとんどのCADプログラムは、機能的デザインレイアウト/パターニングデバイスを作製するために、一組の所定のデザインルールに従う。これらのルールは、処理及びデザイン上の制約によって設定される。例えば、デザインルールは、デバイス又は線が望ましくない態様で互いに相互作用しないことを確実にするように、デバイス間(ゲート、コンデンサ等)又は相互接続線間のスペース許容値を定義する。デザインルールには、特定のパラメータ、パラメータの範囲に関する制限、及び/又は他の情報が含まれる、及び/又は指定される場合がある。デザインルール制約及び/又はパラメータのうちの1つ又は複数は、「クリティカルディメンジョン」(CD)と呼ばれることがある。デバイスのクリティカルディメンジョンは、線若しくは穴の最小の幅、及び/又は2本の線若しくは2つの穴、又は他の特徴の間の最小のスペースとして定義されることがある。従って、CDは、デザインされたデバイスの全体的なサイズ及び密度を決定する。デバイス製造の目標の1つは、(パターニングデバイスを介して)基板上に元のデザイン意図を忠実に再現することである。
【0025】
[0040] 本明細書で用いられる「マスク」又は「パターニングデバイス」という用語は、入ってくる放射ビームに、基板のターゲット部分に生成されるパターンに対応したパターン付き断面を付与するために使用することができる一般的な半導体パターニングデバイスを指すものと広く解釈することができ、「ライトバルブ」という用語も、この文脈で使用されることがある。従来のマスク(透過型又は反射型、バイナリ、位相シフト、ハイブリッドなど)に加えて、他のこのようなパターニングデバイスの例としては、プログラマブルミラーアレイとプログラマブルLCDアレイが挙げられる。
【0026】
[0041] プログラマブルミラーアレイの一例は、粘弾性制御層及び反射面を有するマトリックスアドレス可能面であり得る。このような装置の背後にある基本原理は、(例えば)反射面のアドレスエリアが、入射放射を回折放射として反射し、一方、非アドレスエリアが、入射放射を非回折放射として反射する、ということである。適切なフィルタを使用して、前述の非回折放射を反射ビームから除去し、回折放射のみを後に残すことができ、このようにして、ビームが、マトリックスアドレス可能面のアドレッシングパターンに従ってパターン付与される。必要とされるマトリックスアドレッシングは、適切な電子手段を使用して実施することができる。プログラマブルLCDアレイの一例が、本明細書に参照により組み込まれる米国特許第5,229,872号によって与えられる。
【0027】
[0042] 本明細書において、「パターニングプロセス」という用語は、一般に、リソグラフィプロセスの一部として指定された光のパターンの付与によってエッチングされた基板を作製するプロセスを意味する。しかしながら、本明細書に記載されるフィーチャの多くが、プラズマエッチング処理を用いてプリントパターンを形成することに利点を提供し得るため、「パターニングプロセス」は、プラズマエッチングも含み得る。
【0028】
[0043] 本明細書において、「ターゲットパターン」という用語は、基板上にエッチングされる理想化されたパターンを意味する。
【0029】
[0044] 本明細書において、「プリントパターン」という用語は、ターゲットパターンに基づいてエッチングされた基板上の物理的パターンを意味する。プリントパターンは、例えば、谷、チャネル、凹部、エッジ、又はリソグラフィプロセスによって生じる他の2次元及び3次元のフィーチャを含み得る。
【0030】
[0045] 本明細書において、「予測モデル」、「プロセスモデル」、及び/又はモデル(これらは互換的に使用され得る)という用語は、パターニングプロセスをシミュレートする1つ又は複数のモデルを含むモデルを意味する。例えば、予測及び/又はプロセスモデルは、(例えば、リソグラフィプロセスにおいて光を供給するために使用されるレンズシステム/投影システムをモデル化し、フォトレジスト上に向かう光の最終的な光学像をモデル化することを含み得る)光学モデル、(例えば、光による化学的効果などの、レジストの物理的効果をモデル化する)レジストモデル、及び/又は(例えば、ターゲットパターンの作成に使用することができ、サブレゾリューションレジストフィーチャ(SRAF)などを含み得る)OPCモデル、及び/又は他のモデルを含み得る。
【0031】
[0046] 本明細書において、「較正」という用語は、プロセスモデルなどの何かを修正(例えば、改善若しくは調整)する、及び/又は検証することを意味する。
【0032】
[0047] パターニングシステムは、上記のコンポーネントのいずれか又は全てと、これらのコンポーネントに関連する動作のいずれか又は全てを実行するように構成された他のコンポーネントとを含むシステムであってもよい。パターニングシステムは、例えば、リソグラフィ投影装置、スキャナ、及び/又は他のシステムを含み得る。
【0033】
[0048] リソグラフィ投影装置は、上記のコンポーネントのいずれか又は全てを含むデバイスであってもよい。実施形態によっては、リソグラフィ投影装置は、本明細書において、互換的に半導体処理装置と呼ばれることがある。
【0034】
[0049] 本明細書に記載されるようなサーマルデバイスとは、物体に熱エネルギーを供給する、又は物体に対する熱エネルギーの供給を促進するデバイスを指す。熱エネルギーは、「加熱」(例えば、温度の上昇)、若しくは「冷却」(例えば、温度の低下)を引き起こす場合があるか、又は温度の変化を引き起こさない場合がある。サーマルデバイスは、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の適切な構成、加熱又は冷却機構、制御機構において実装することができる。
【0035】
[0050] 導入として、
図1は、例示的なリソグラフィ投影装置10Aの様々なサブシステムの図を示している。リソグラフィ投影装置10Aは、深紫外線エキシマレーザ源又は極端紫外線(EUV)源を含む他のタイプのソースであってもよい放射源12A(上述のように、リソグラフィ投影装置自体が放射源を有する必要はない)、例えば部分コヒーレンス(シグマと表記される)を定義し、ソース12Aからの放射を整形する光学系14A、16Aa、及び16Abを含み得る照明光学系、パターニングデバイス18A、並びにパターニングデバイスパターンの像を基板面22A上に投影する透過光学系16Acなどの様々なコンポーネントを含む。投影光学系の瞳面における調整可能フィルタ又はアパーチャ20Aは、基板面22Aに衝突するビーム角の範囲を制限することができ、可能な最大角は、投影光学系の開口数NA=n sin(Θ
max)を定義し、式中、nは、基板と投影光学系の最後の要素との間の媒体の屈折率であり、Θ
maxは、基板面22Aに依然として衝突することができる投影光学系から出射するビームの最大角度である。
【0036】
[0051] リソグラフィ投影装置では、ソースが、パターニングデバイスに照明(すなわち、放射)を供給し、投影光学系が、パターニングデバイスを介して、基板上に照明を誘導し、及び照明を整形する。投影光学系は、コンポーネント14A、16Aa、16Ab、及び16Acの少なくとも幾つかを含み得る。空間像(AI)は、基板レベルにおける放射強度分布である。レジストモデルは、空間像からレジスト像を計算するために使用することができ、その例は、米国特許出願公開第2009-0157630号に見つけることができ、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。レジストモデルは、レジスト層の特性(例えば、露光、ポストベーク(PEB)、及び現像中に生じる化学プロセスの効果)に関連する。リソグラフィ投影装置の光学特性(例えば、照明、パターニングデバイス、及び投影光学系の特性)は、空間像を決定付けるものであり、光学モデルで定義することができる。リソグラフィ投影装置で使用されるパターニングデバイスは変更可能であるため、パターニングデバイスの光学特性を、少なくともソース及び投影光学系を含むリソグラフィ投影装置の残りの部分の光学特性から分離することが望ましい。デザインレイアウトを様々なリソグラフィ像(例えば、空間像、レジスト像など)に変換し、技術及びモデルを使用してOPCを適用し、並びに性能(例えば、プロセスウィンドウの観点から)を評価するために使用される上記技術及びモデルの詳細は、米国特許出願公開第2008-0301620号、同第2007-0050749号、同第2007-0031745号、同第2008-0309897号、同第2010-0162197号、及び同第2010-0180251号に記載されており、それぞれの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0037】
[0052] 例えば、パターニングプロセスのデザイン、制御、監視などを行うために使用することができる結果を生じさせるための1つ又は複数のツールを使用することが望ましい場合がある。パターニングデバイスのためのパターンデザイン(例えば、サブレゾリューションアシストフィーチャ又は光近接効果補正の追加を含む)、パターニングデバイスのための照明などのパターニングプロセスの1つ又は複数の態様のコンピュータによる制御、デザインなどを行う際に使用される1つ又は複数のツールが提供され得る。従って、パターニングを伴う製造プロセスのコンピュータによる制御、デザインなどを行うシステムにおいて、製造システムのコンポーネント及び/又はプロセスは、様々な機能モジュール及び/又はモデルによって記述することができる。実施形態によっては、パターニングプロセスの1つ又は複数のステップ及び/又は装置を記述する1つ又は複数の電子(例えば、数学的、パラメータ化など)モデルが提供され得る。実施形態によっては、パターニングプロセスのシミュレーションは、パターニングデバイスによって提供されるデザインパターンを使用してパターニングプロセスがパターン付与された基板をどのように形成するかをシミュレートするために、1つ又は複数の電子モデルを使用して実行することができる。
【0038】
[0053] リソグラフィ投影装置におけるリソグラフィをシミュレートするための例示的なフローチャートを
図2に示す。これは、例示的なフルリソグラフィシミュレーションであってもよい。照明モデル31は、照明の光学特徴(放射強度分布及び/又は位相分布を含む)を表す。投影光学系モデル32は、投影光学系の光学特徴(投影光学系によって引き起こされる放射強度分布及び/又は位相分布の変化を含む)を表す。デザインレイアウトモデル35は、パターニングデバイス上の、又はパターニングデバイスによって形成されるフィーチャの配置の表現であるデザインレイアウトの光学特徴(所与のデザインレイアウトによって引き起こされる放射強度分布及び/又は位相分布の変化を含む)を表す。空間像36は、照明モデル31、投影光学系モデル32、及びデザインレイアウトモデル35を使用してシミュレートすることができる。レジスト像38は、レジストモデル37を使用して、空間像36からシミュレートすることができる。リソグラフィのシミュレーションは、例えば、レジスト像におけるコンター及び/又はCDを予測することができる。
【0039】
[0054] より具体的には、照明モデル31は、NA-シグマ(σ)設定及び任意の特定の照明形状(例えば、環状、四極、ダイポールなどのオフアクシス照明)を含む(但し、これらに限定されない)照明の光学特徴を表すことができる。投影光学系モデル32は、例えば、収差、ディストーション、屈折率、物理的なサイズ又は寸法などを含む、投影光学系の光学特徴を表すことができる。デザインレイアウトモデル35は、例えば、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第7,587,704号に記載されているように、物理的パターニングデバイスの1つ又は複数の物理的特性を表すこともできる。リソグラフィ投影装置に関連する光学特性(例えば、照明、パターニングデバイス、及び投影光学系の特性)は、空間像を決定付ける。リソグラフィ投影装置で使用されるパターニングデバイスは変更可能であるため、パターニングデバイスの光学特性を、少なくとも照明及び投影光学系(従って、デザインレイアウトモデル35)を含むリソグラフィ投影装置の残りの部分の光学特性から分離することが望ましい。
【0040】
[0055] レジストモデル37は、空間像からレジスト像を計算するために使用することができ、その例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,200,468号に見つけることができる。レジストモデルは、一般的に、レジスト層の特性(例えば、露光、ポストベーク、及び/又は現像中に生じる化学プロセスの効果)に関連する。
【0041】
[0056] フルシミュレーションの目的の1つは、例えば、エッジの配置、空間像の強度勾配、及び/又はCDを正確に予測することであり、これらは、その後、意図されたデザインと比較することができる。意図されたデザインは、一般に、GDS、GDSII、OASIS、又は他のファイル形式などの標準化されたデジタルファイル形式で提供することができるプリOPCデザインレイアウトとして定義される。
【0042】
[0057] デザインレイアウトから、「クリップ」と呼ばれる1つ又は複数の部分を識別することができる。ある実施形態では、一組のクリップが抽出され、これは、デザインレイアウトの複雑なパターンを表す(任意の数のクリップが使用され得るが、一般的に約50~1000個のクリップ)。当業者には理解されるように、これらのパターン又はクリップは、デザインの小さな部分(例えば、回路、セルなど)を表し、特にクリップは、特別な注意及び/又は検証が必要な小さな部分を表す。つまり、クリップは、デザインレイアウトの一部分であるか、又は経験(顧客から提供されたクリップを含む)、試行錯誤、若しくはフルチップシミュレーションの実行のいずれかによってクリティカルフィーチャが識別されたデザインレイアウトの一部分と類似しているか、又はそのような一部分の類似した挙動を有する場合がある。多くの場合、クリップは、1つ又は複数のテストパターン又はゲージパターンを含む。特定の画像最適化を必要とするデザインレイアウトの既知のクリティカルフィーチャエリアに基づいて、初期のより大きな一組のクリップが、顧客によって事前に提供されてもよい。代替的に、別の実施形態では、クリティカルフィーチャエリアを識別する自動(マシンビジョンなど)又は手動のアルゴリズムを使用することによって、初期のより大きな一組のクリップがデザインレイアウト全体から抽出されてもよい。
【0043】
[0058] 例えば、シミュレーション及びモデリングは、パターニングデバイスパターンの1つ若しくは複数のフィーチャ(例えば、光近接効果補正を行う)、照明の1つ若しくは複数のフィーチャ(例えば、形状の変更などの、照明の空間/角度強度分布の1つ若しくは複数の特徴を変更する)、及び/又は投影光学系の1つ若しくは複数のフィーチャ(例えば、開口数など)を構成するために使用することができる。このような構成は、一般に、マスク最適化、ソース最適化、及び投影最適化とそれぞれ呼ぶことができる。このような最適化は、単独で行われてもよいし、又は異なる組み合わせで組み合わせられてもよい。そのような例の1つは、ソース-マスク最適化(SMO)であり、これは、パターニングデバイスパターンの1つ又は複数のフィーチャを、照明の1つ又は複数のフィーチャと共に構成することを含む。最適化技術は、クリップのうちの1つ又は複数に焦点を合わせることができる。最適化は、本明細書に記載する機械学習モデルを使用して、様々なパラメータ(画像などを含む)の値を予測することができる。
【0044】
[0059] 実施形態によっては、システムの最適化プロセスは、費用関数として表され得る。最適化プロセスは、費用関数を最小化するシステムのプロセスパラメータ(例えば、サーマルデバイスの動作設定)を決定することを含み得る。費用関数は、最適化の目的に応じて任意の適切な形式を有し得る。例えば、費用関数は、システムの特定の特徴(評価点)の、これらの特徴の意図される値(例えば、理想値)に対する偏差の加重二乗平均平方根(RMS)であり得る。費用関数はまた、これらの偏差の最大値(すなわち、最悪の偏差)であり得る。「評価点」という用語は、システム又は製作方法のあらゆる特徴を含むように広く解釈されるものとする。システムのデザイン変数及び/又はプロセス変数は、有限の範囲に限定されてもよく、及び/又はシステム若しくは方法の実装形態の実用性のために相互依存であってもよい。リソグラフィ投影装置の場合、制約は、調整可能な範囲及び/又はパターニングデバイスの製造可能性デザインルールなどのハードウェアの物理的特性及び特徴に関連することが多い。評価点は、例えば、ドーズ、及び焦点などの非物理的特徴だけでなく、基板上のレジスト画像の物理的な点を含み得る。
【0045】
[0060] エッチングシステムでは、一例として、費用関数(CF)は以下のように表すことができる。
【数1】
式1
式中、(z
1、z
2、…、z
N)は、N個のデザイン変数又はその値であり、f
p(z
1、z
2、…、z
N)は、(z
1、z
2、…、z
N)のデザイン変数の一組の値に対する特徴の実際の値と意図された値との間の差などのデザイン変数(z
1、z
2、…、z
N)の関数であり得る。実施形態によっては、w
pは、f
p(z
1、z
2、…、z
N)に関連する重み定数である。例えば、特徴は、パターンのエッジ上の所与のポイントで測定されたエッジの位置であってもよい。異なるf
p(z
1、z
2、…、z
N)は、異なる重みw
pを有し得る。例えば、ある特定のエッジの許容される位置の範囲が狭い場合、そのエッジの実際の位置と意図された位置との間の差を表すf
p(z
1、z
2、…、z
N)の重みw
pは、より高い値を与えられ得る。f
p(z
1、z
2、…、z
N)はまた、層間特徴の関数とすることもでき、これはデザイン変数(z
1、z
2、…、z
N)の関数である。もちろん、CF(z
1、z
2、…、z
N)は、上記の式の形式に限定されず、CF(z
1、z
2、…、z
N)は、任意の他の適切な形式とすることができる。
【0046】
[0061] 費用関数は、リソグラフィ投影装置、リソグラフィプロセス、又は基板の任意の1つ又は複数の適切な特徴、例えば、焦点、CD、像シフト、像歪み、像回転、確率的変動、スループット、局所CD変動、プロセスウィンドウ、層間特徴、又はそれらの組み合わせを表し得る。実施形態によっては、費用関数は、レジスト像の1つ又は複数の特徴を表す関数を含み得る。例えば、fp(z1、z2、…、zN)は、単に、レジスト像内のポイントとそのポイントの意図された位置との間の距離(すなわち、エッジ配置誤差EPEp(z1、z2、…、zN)であってもよい。パラメータ(例えば、デザイン変数)は、ソース、パターニングデバイス、投影光学系、ドーズ、焦点のような調節可能なパラメータなどの任意の調節可能なパラメータを含み得る。
【0047】
[0062] パラメータ(例えばデザイン変数)には制約があり、これは、(z1、z2、…、zN)∈Zと表現することができ、式中、Zは、デザイン変数の一組の可能値である。デザイン変数に対するあり得る制約の1つは、リソグラフィ投影装置の所望のスループットによって課され得る。所望のスループットによって課される、そのような制約がなければ、最適化は、一組の非現実的なデザイン変数の値をもたらし得る。制約は、不可欠と解釈されるべきものではない。例えば、スループットは、瞳充填率の影響を受ける場合がある。照明デザインによっては、低い瞳充填率は、放射を廃棄し、スループットの低下につながる場合がある。スループットは、レジストの化学作用によっても影響を受ける場合がある。より遅いレジスト(例えば、適切に露光されるために、より多くの放射量を必要とするレジスト)は、より低いスループットをもたらす。
【0048】
[0063] 実施形態によっては、照明モデル31、投影光学系モデル32、デザインレイアウトモデル35、レジストモデル37、及び/又は集積回路製造プロセスに関連する、及び/又は集積回路製造プロセスに含まれる他のモデルは、本明細書に記載される方法の動作を行う経験的モデルであってもよい。経験的モデルは、様々な入力(例えば、マスク又はウェーハ画像の1つ又は複数の特徴、デザインレイアウトの1つ又は複数の特徴、パターニングデバイスの1つ又は複数の特徴、波長などのリソグラフィプロセスにおいて使用される照明の1つ又は複数の特徴など)間の相関に基づいて出力を予測することができる。
【0049】
[0064] 一例として、経験的モデルは、1つ又は複数のアルゴリズムを含み得る。別の例として、経験的モデルは、機械学習モデル及び/又は任意の他のパラメータ化されたモデルであってもよい。実施形態によっては、機械学習モデル(例えば)は、数式、アルゴリズム、プロット、チャート、ネットワーク(例えば、ニューラルネットワーク)、及び/又は他のツール及び機械学習モデルコンポーネントであってもよく、及び/又はそれらを含んでもよい。例えば、機械学習モデルは、入力層、出力層、及び1つ若しくは複数の中間層若しくは隠れ層を有する1つ若しくは複数のニューラルネットワークであってもよく、及び/又はそれを含んでもよい。実施形態によっては、1つ又は複数のニューラルネットワークは、ディープニューラルネットワーク(例えば、入力層と出力層との間に1つ若しくは複数の中間層若しくは隠れ層を有するニューラルネットワーク)であってもよく、及び/又はそれらを含んでもよい。
【0050】
[0065] 一例として、1つ又は複数のニューラルネットワークは、神経ユニット(又は人工ニューロン)の大規模な集合体に基づき得る。1つ又は複数のニューラルネットワークは、(例えば、軸索によって接続された生物学的ニューロンの大規模なクラスタを介して)生物学的脳が機能する方法を大まかに模倣し得る。ニューラルネットワークの各神経ユニットは、ニューラルネットワークの多くの他の神経ユニットと接続され得る。そのような接続は、接続された神経ユニットの活性化状態に対する影響において、強制的又は抑制的であり得る。実施形態によっては、個々の神経ユニットは、それの全ての入力の値を合計する加算関数を有し得る。実施形態によっては、各接続(又は神経ユニット自体)は、信号が他の神経ユニットに伝搬することを許可される前に閾値を超えなければならないような閾値関数を有し得る。これらのニューラルネットワークシステムは、明示的にプログラムされるのではなく、自己学習及び訓練されてもよく、従来のコンピュータプログラムと比較して、問題解決の特定の分野においてかなり良く機能し得る。実施形態によっては、1つ又は複数のニューラルネットワークは、(例えば、信号パスが前層から後層へと横断する)複数の層を含み得る。実施形態によっては、逆伝搬技術がニューラルネットワークによって利用されてもよく、前方刺激を用いて、「前の」神経ユニットの重みがリセットされる。実施形態によっては、1つ又は複数のニューラルネットワークに対する刺激及び抑制は、接続がより無秩序で複雑な様式で相互作用する、より自由な流れであってもよい。実施形態によっては、1つ又は複数のニューラルネットワークの中間層は、1つ又は複数の畳み込み層、1つ又は複数のリカレント層、及び/又は他の層を含む。
【0051】
[0066] 1つ又は複数のニューラルネットワークは、一組の訓練情報を使用して訓練され得る(すなわち、そのパラメータが決定される)。訓練情報は、一組の訓練サンプルを含み得る。各サンプルは、入力オブジェクト(一般的にベクトルであり、これは、特徴ベクトルと呼ばれることもある)、及び所望の出力値(監視信号とも呼ばれる)を含むペアであってもよい。訓練アルゴリズムは、訓練情報を分析し、訓練情報に基づいてニューラルネットワークのパラメータ(例えば、1つ又は複数の層の重み)を調節することによって、ニューラルネットワークの挙動を調節する。例えば、xiがi番目の例の特徴ベクトルであり、yiがその監視信号であるような形式{(x1、y1)、(x2、y2)、…、(xN、yN)}のN個の訓練サンプルの一組を所与として、訓練アルゴリズムは、ニューラルネットワークg:X→Yを求め、Xは入力空間であり、Yは出力空間である。特徴ベクトルとは、あるオブジェクト(例えば、シミュレートされた空間像、ウェーハデザイン、クリップなど)を表す数値特徴のn次元ベクトルである。これらのベクトルに関連付けられたベクトル空間は、しばしば特徴空間と呼ばれる。訓練後、ニューラルネットワークは、新たなサンプルを使用して予測を行うために使用され得る。
【0052】
[0067] 欠陥を有するパターン付与されたデバイスの量、及び欠陥の大きさ(例えば、サイズ)を減少させることが望ましい。このような欠陥の原因の1つは、リソグラフィシステムの光学投影システムの1つ又は複数のコンポーネントに対する望ましくない又は予期せぬ熱変化である。例えば、光(例えば、EUV光、DUV光)が光学投影システムの様々な光学素子に入射すると、それらの光学素子が「加熱」する場合がある。光学素子の「加熱」は、光学素子の変形を引き起こす場合があり、それによって、波面ドリフトと呼ばれる、パターニングデバイスのために光学投影システムによって提供される波面の予期せぬ変化がもたらされる。従来の解決策の幾つかでは、光学投影システムの構成を調節することによって波面ドリフトを補正していた。しかしながら、各光学素子を調節できる量は限られており、エネルギーレベル(例えば、EUV光)が高くなるにつれて、光学素子の配向の調節だけでは、波面ドリフトを軽減するには十分でない場合がある。
【0053】
[0068] 実施形態によっては、リソグラフィプロセスにおける光学素子からの加熱の影響を軽減するための1つ又は複数のプロセスパラメータを決定する方法が提供される。本開示の実施形態によれば、本システム及び本方法は、結像性能の特徴に基づく1つ又は複数の光学素子の構成に対する調節に加えて、光学投影システムの1つ又は複数の光学素子の1つ又は複数のセクションに供給されるべき熱エネルギーの量を決定する。実施形態によっては、最適化は、波面ドリフトに応答して、任意選択的にリソグラフィシステム(例えば、光学素子)における他の調整可能なパラメータと共に、サーマルデバイス構成を調節することを含む。実施形態によっては、最適化は、波面収差の観点から費用を低減すること、例えば、波面収差を最小化するか、若しくは他の方法で低減すること、又はターゲット波面に収束することを目的とし得る。実施形態によっては、最適化は、エッジ配置誤差(EPE)費用又は他の半導体パターニングプロセスメトリクスを最小化するか、又は他の方法で低減することを目的とする。本開示の実施形態は、費用関数を「最小化」することに言及することにより詳細に説明されるが、費用関数に対する任意の他の最適化機構が、本開示の範囲から逸脱することなく使用され得ることが理解されるだろう。最適化は、モデリング又はシミュレーションプロセスにおいて行うことができる。実施形態によっては、最適化は、EPE費用を最小化することを含み、費用関数を最小化することを含み得る。費用関数は、例えば、以下のように表すことができる。
【数2】
式2
式中、Lは、1つ又は複数の半導体処理メトリクス(例えば、リソグラフィメトリクス、本明細書では互換的に「リソメトリック(lithometric)」とも呼ばれる)を表し、照明源(例えば、EUV光源)によって出力される光、並びにパターニングデバイス、投影光学系(例えば、投影光学系システムの光学素子)、及び又はリソグラフィ装置の他のコンポーネントのレイアウトに基づいて決定され得る。半導体処理メトリクスLは、括弧内の項に対する重みとして機能し得る。半導体処理メトリクスLに関する追加の詳細は、式6及び式7に関して以下に提供される。WFMという用語は、波面モデルを表し、これは、光学投影システムによって提供される波面のシミュレーションを生成するように構成される。実施形態によっては、波面センサが、光学投影システムによって提供される波面を検出するために使用されてもよい。実施形態によっては、複数の波面センサが、光路に沿った様々なポイントにおいて波面を検出するために使用されてもよい。波面モデルWFMは、光学投影システムに含まれる光学素子の一部又は全ての加熱状態に基づいて波面を計算してもよい。幾つかの他の実施形態では、費用関数は、半導体処理メトリクスを計算するように構成されなくてもよいが、波面収差を表す項を含む。このような費用関数を使用することにより、最適化の反復は、波面収差のRMSを低減すること、又はターゲット波面に収束することを目的とし得る。
【0054】
[0069] 実施形態によっては、EUV光源などの照明源が、光学投影システムに含まれる光学素子の一部又は全てに入射し得る。EUV光源の代わりに、例えばDUV光などの任意の他の波長又は一組の波長の光を出力する光源が使用されてもよい。照明により、光学素子の加熱が生じる場合がある。その結果、(例えば、マスク及び続いて光学投影システムの光学素子に入射した後に)ウェーハに入射して特定のパターンを形成する光は、期待されるものとは異なる場合があり、その結果、最終製品に欠陥が生じる。本開示の実施形態によれば、加熱のインパクトを補償するように構成されたサーマルデバイスからの熱的影響を含む光学素子の加熱状態が、考慮され、並びに、照明源によって出力される光の特性、光学投影システムの構成、又は半導体処理装置の他の設定を入力として取り込み、及び時間の関数としてシミュレートされた波面を生成する熱モデルを使用して、シミュレート又はモデル化され得る。このシミュレートされた波面は、光学素子の加熱に基づいている。
【0055】
[0070] 本明細書に記載する技術の技術的効果は、結像性能の向上であり得る。例えば、パターニングプロセス中の収差を低減することにより、結像性能を向上させることができる。収差を低減する、又は収差をより決定論的方法で制御するために、ウェーハパターニングプロセスに対する熱エネルギーの影響(例えば、熱変化による光学素子の変形)を軽減することができる。熱エネルギーの影響を軽減するための技術の1つは、例えば、光学投影システムの構成を調節することによる。実施形態によっては、光学投影システムの構成を調節することは、光学投影システムの1つ又は複数の光学素子の配向を調節することを含み得る。光学素子の配向は、光学素子の加熱状態に影響を与え得る。例えば、光学素子の配向を調節することによって、収差を軽減するように、光学素子によってもたらされる加熱状態を変化させることができる。光学素子の各配向は、1つ又は複数の自由度に沿って調節することができる。例えば、各光学素子(例えば、反射光学素子、透過光学素子など)は、配向を調節することができる6自由度を有し得る。例えば、デカルト座標において、各光学素子は、x軸、y軸、及び/又はz軸に沿って調節されてもよく(例えば、+/-Δx、Δy、Δz)、x軸、y軸、及び/又はz軸に沿って回転されてもよく、又はその両方であってもよい。従って、1つ又は複数の自由度に沿って配向を調節することによって、光学素子の配向によって誘発される波面と組み合わせられた、照明源によって出力された光によって誘発される波面は、波面ドリフトの量(例えば、光学投影システムによって提供される波面と、光学投影システムによって出力されることが期待されるターゲット波面又は理想的な波面との間の差の大きさ)を最小化することができる。
【0056】
[0071] しかしながら、上述の通り、EUVスキャナの光源などの半導体処理装置のパワーレベルが高くなるにつれて、光学素子の配向の調節だけでは、照明源によって出力された光によって誘発される熱を軽減するには十分でない。光学素子が熱くなると、物理的特徴(例えば、形状、反射率など)が変化する可能性があり、それによって、波面ドリフトがもたらされ、及びパターニングプロセスが欠陥を有する製品を生じさせる結果となる。特に、欠陥は、ウェーハの数が増加するにつれて悪化する可能性がある。例えば、
図3を参照して分かるように、基板ごと(例えば、ウェーハごと又は層ごと)の動的収差補正を使用して、欠陥の数及びサイズを減少させることができる。
図3のグラフ300は、一例としてミラー加熱を用いる。グラフ300は、ミラー加熱によって引き起こされる収差(例えば、ゼルニケ
i)の経時的変化(所与の生産ロットにおける)を示す。グラフ300には、ある生産ロットのウェーハ1~8(例えば、w1、w2、…、w8)が示されている。さらに、グラフ300は、補正なしに起こる生の収差ドリフト302(例えば、ミラー加熱によって引き起こされるゼルニケの経時的変化)をプロットしている。対照的に、
図3は、各ウェーハについて、ミラー加熱残差308、投影光学系補正モデル残差304、ミラー加熱残差308に対する最後のフィールド306(最悪のミラー加熱残差に等しい)、及び補正310も示す。補正は、上記のように、投影光学系補正モデルに基づいて決定されてもよい。収差インパクトモデルの動的性質により、補正は、オフライン(例えば、生産製造設定においてではない)でのみ行うことができる静的補正を提供していた先行技術のシステムとは対照的に、ウェーハごとに適用することができる。各ウェーハにおいて、半導体処理メトリック(例えば、リソグラフィメトリック)は、収差インパクトを一定量低減する。
【0057】
[0072] 本開示の実施形態によれば、1つ又は複数の光学素子の1つ又は複数のセクションに熱エネルギーを印加するように構成された1つ又は複数のサーマルデバイスは、加熱によって誘発される結像インパクトを軽減するように制御される。例えば、サーマルデバイスは、所与の光学素子の特定の1つ又は複数のセクションに向けられた照射を出力するように構成されたヒータであってもよい。実施形態によっては、サーマルデバイスは、波面ドリフト(例えば、光学投影システムによって提供される波面と、ターゲット波面との間の差)を低減するように、光学素子の全体的な加熱状態に対する光学素子の特定の部分の寄与を調節するために使用されてもよい。サーマルデバイスによって出力されるべき熱エネルギーの量、及び熱エネルギーが印加されるべき光学素子上の位置は、結像性能の特徴に従って調節されてもよい。例えば、前述のEPE費用関数又は波面費用関数を最小化するように調節が行われる。例えば、式2に関して、特定の光学素子の特定の位置に供給されるべき熱エネルギーの量を決定することができる。調節は、光学素子の構成に基づいて生成される波面と組み合わせられた、サーマルデバイスによって出力された熱エネルギーによって誘発される光学素子の加熱状態と、照明源によって出力された光によって誘発される加熱状態とを入力として取り込む波面モデルによって生成される波面が、ターゲット波面にできるだけ近くなるように選択されてもよい。例えば、サーマルデバイスのパワーレベルの調節、及び光学投影システムの構成の調節は、以下:WFM(HSillumination+HSSH)+WVFDδ-WVFTargetを最小化するように行うことができる。本開示の実施形態は、サーマルデバイスのパワー又はエネルギーレベルを決定することに関して詳細に説明される。しかしながら、この説明は例示的なものにすぎないことが理解されるだろう。調節は、本開示の範囲から逸脱することなく、サーマルデバイスに関連する1つ又は複数の他の異なる変数又はパラメータ(例えば、電流、電圧、位置、配向など)に対して決定又は実施することができ、これは、サーマルデバイス及び制御又はユーザインターフェースの機械的、電気的、及び論理的構成に依存し得る。
【0058】
[0073] 上記のように、フルシミュレーションは、ソース、マスク、ドーズ、焦点、及び/又はリソグラフィプロセスの他の態様のシミュレーションを含み得る(例えば、
図2を参照)。
【0059】
[0074] 有利には、前述の最適化プロセスは、結像性能を意識しており(例えば、ミラー加熱及び/又はパターニング機器及び/又はパターニングプロセスの他の動的態様によって引き起こされる収差の制御のためなど)、EUVスキャナ、DUVスキャナ、又は他の波長の光を使用して動作するスキャナに有効であり、並びにパワーレベルが高くなり得る光学素子の熱状態に対する補助サーマルデバイスの寄与を組み込む、高速且つ動的なスキャナ収差(及び波面)制御を容易にする。
【0060】
[0075]
図4Aは、ある実施形態による、サーマルデバイスに関連するプロセスパラメータを決定するための例示的なフローチャートを示す。実施形態によっては、方法400は、半導体処理装置の光学投影システムによって提供される波面を表す波面データを受信することを含む動作402を含む。方法400は、波面データ及びターゲット波面データの比較に基づいて波面ドリフトを決定することを含む動作404をさらに含む。またさらに、方法400は、波面ドリフトに基づいて、サーマルデバイスに関連する1つ又は複数の変数(例えば、サーマルデバイスのプロセスパラメータ)を決定することを含む動作406を含む。
【0061】
[0076] 実施形態によっては、決定された変数は、パターニングシステム(例えば、半導体処理装置)の動的インシチュ収差制御、及び/又は他の動作に使用することができる。以下に提示する方法400の動作は、例示を意図したものである。実施形態によっては、方法400は、記載されていない1つ若しくは複数の追加の動作、及び/又は説明された動作のうちの1つ若しくは複数の動作なしで達成され得る。さらに、方法400の動作が
図4Aに図示され、及び以下に記載される順序は、限定を意図したものではない。
【0062】
[0077] 動作402において、光学投影システムによって提供される波面データを表す波面データを受信することができる。光学投影システムは、パターン付与されたデバイスを生成するために使用される半導体処理装置(例えば、リソグラフィ装置)の一部であってもよい。実施形態によっては、波面データは、半導体処理装置の光路に沿った様々な位置で波面を測定する物理的センサであってもよい波面センサによって出力されてもよい。実施形態によっては、波面データは、モデル化された半導体処理装置の光路に沿った1つ若しくは複数の位置における波面をシミュレートするシミュレーションセンサ、又は両方から生成される。実施形態によっては、波面は、波面モデルに基づいて生成されてもよい。波面モデルは、入力として、半導体処理装置の照明源から出力された光によって誘発される加熱状態と、半導体処理装置の光学投影システムの光学素子上のサーマルデバイスによって出力された熱エネルギーによって誘発される加熱状態とを取り込んでもよい。出力は、1つ又は複数の熱源からの誘発波面であってもよい(例えば、照明源及びサーマルデバイスが共に光学素子に熱エネルギーを供給して光学素子を加熱する場合)。この誘発波面は、光学投影システムの構成によって誘発される波面を用いて計算されてもよい。例えば、光学投影システムの構成は、光学投影システムの1つ又は複数の光学素子の配向を含み得る。光学素子の配向が異なることにより、異なる波面が誘発される結果となり得る。
【0063】
[0078] 動作404において、波面ドリフトは、波面データ及びターゲット波面データの比較に基づいて決定されてもよい。波面ドリフトは、測定された波面(例えば、光学投影システムによって提供された波面)と、ターゲット波面データによって表されるターゲット波面との間の差の大きさの尺度である。ターゲット波面は、収差関連の影響が生じなかった場合に光学投影システムによって提供されるべき理想的な波面を表す。実施形態によっては、波面ドリフトは、波面とターゲット波面との間の差を縮小するように補償されてもよい。例えば、波面ドリフトは、光学投影システムの構成を調節すること、サーマルデバイスを介して光学投影システムに供給される熱エネルギーの量を調節すること、サーマルデバイスを介して供給される熱エネルギーが印加される光学投影システムに沿った位置を調節すること、又は他の技術によって補償されてもよい。
【0064】
[0079] 動作406において、波面ドリフトに基づいて、1つ又は複数のプロセスパラメータを決定することができる。1つ又は複数のプロセスパラメータは、光学投影システムに熱エネルギーを供給するように構成されたサーマルデバイスに関連するパラメータを含み得る。光学投影システムに供給される熱エネルギーは、波面ドリフトからのインパクトを補償し、それによって欠陥の数及びサイズを減少させることができる。実施形態によっては、プロセスパラメータは、式2によって表される費用関数などの費用関数を最小化することによって決定されてもよい。例えば、費用関数は、異なるプロセスパラメータに関連するEPE費用又は波面費用を決定するために使用されてもよい。追加的又は代替的に、決定されたEPE費用は、光学投影システムの異なる構成に基づいてもよい。
【0065】
[0080]
図4Bは、ある実施形態による、サーマルデバイスに関連するプロセスパラメータを決定するための別の例示的なフローチャートを示す。実施形態によっては、方法450は、半導体処理装置の光学投影システムによって提供される波面の波面ドリフトを取得することを含む動作452を含む。波面ドリフトは、波面を表す波面データ及びターゲット波面を表すターゲット波面データの比較に基づいて決定されてもよい。方法450は、波面ドリフトに基づいて、1つ又は複数のプロセスパラメータを決定することを含む動作454をさらに含み、プロセスパラメータは、動作中に光学投影システムに熱エネルギーを供給するように構成されたサーマルデバイスに関連するパラメータを含む。
【0066】
[0081] 実施形態によっては、決定された1つ又は複数のプロセスパラメータは、パターニングシステム(例えば、半導体処理装置)の動的インシチュ収差制御、及び/又は他の動作に使用することができる。以下に提示される方法450の動作は、例示を意図したものである。実施形態によっては、方法450は、記載されていない1つ若しくは複数の追加の動作、及び/又は説明された動作のうちの1つ若しくは複数の動作なしで達成され得る。さらに、方法450の動作が
図4Bに図示され、及び以下に記載される順序は、限定を意図したものではない。
【0067】
[0082] 動作452において、波面データドリフトが取得されてもよい。実施形態によっては、波面ドリフトは、半導体処理装置の1つ又は複数のコンポーネント(例えば、波面センサ、制御論理、波面センサに結合されたコンピュータシステムなど)によって計算されてもよい。実施形態によっては、波面ドリフトは、半導体処理装置の一部分に通信可能に結合された波面センサによって計算されてもよい。波面ドリフトは、測定された波面(例えば、光学投影システムによって提供された波面)と、ターゲット波面データによって表されるターゲット波面との間の差の大きさの尺度である。ターゲット波面は、収差関連の影響が生じなかった場合に光学投影システムによって提供されるべき理想的な波面を表す。実施形態によっては、波面ドリフトは、波面とターゲット波面との間の差を縮小するように、又は、例えばEPE費用若しくは当業者には知られている任意の他の形態の費用関数を低減することによって、結像性能を最適化するように補償されてもよい。
【0068】
[0083] 実施形態によっては、波面データは、半導体処理装置の光路に沿った1つ又は複数の位置で波面を測定する物理的センサであってもよい波面センサによって検出されてもよい。実施形態によっては、シミュレーションセンサは、モデル化された半導体処理装置の光路に沿った1つ又は複数の位置における波面をシミュレートする。実施形態によっては、波面は、波面モデルに基づいて生成されてもよい。実施形態によっては、波面シミュレーション及び/又は波面検出に関連するステップの一部又は全ては、オフラインで行われてもよいが、他のステップは、リソグラフィ装置の動作中にインラインで行われてもよい。波面モデルは、半導体処理装置の照明源から出力された光によって誘発される加熱と、半導体処理装置の光学投影システムの光学素子上のサーマルデバイスによって出力された熱エネルギーによって誘発される加熱とを入力として取り込んでもよい。出力は、予測された波面であってもよい(例えば、照明源及びサーマルデバイスが共に光学素子に熱エネルギーを供給して光学素子を加熱する場合)。この波面は、光学投影システムの構成によって誘発される波面を用いて計算されてもよい。例えば、光学投影システムの構成は、光学投影システムの1つ又は複数の光学素子の配向を含み得る。光学素子の配向が異なることにより、異なる波面が誘発される結果となり得る。
【0069】
[0084] 動作454において、波面ドリフトに基づいて、1つ又は複数のプロセスパラメータを決定することができる。1つ又は複数のプロセスパラメータは、光学投影システムに熱エネルギーを供給するように構成されたサーマルデバイスに関連するパラメータを含み得る。光学投影システムに供給される熱エネルギーは、波面ドリフトを補償し、それによって欠陥の数及びサイズを減少させることができる。実施形態によっては、プロセスパラメータは、式2によって表される費用関数などの費用関数を最小化することによって決定されてもよい。例えば、費用関数は、異なるプロセスパラメータに関連するEPE費用を決定するために使用されてもよい。追加的又は代替的に、決定されたEPE費用は、光学投影システムの異なる構成に基づいてもよい。
【0070】
[0085]
図5から分かるように、光学投影システムは、一組の光学素子を含んでもよい。
図5の例では、光学投影システム500は、6つの光学素子M1~M6を含んでもよい。ビームB(これは、パターニングデバイスを用いてパターン付与される照明源から出力された光に起因するパターン付与された照明ビームであってもよい)は、光学素子M1~M6に入射してもよい。光学投影システム500は、6つの光学素子を含むが、本出願の範囲から逸脱することなく、より多い又はより少ない光学素子が使用されてもよい。またさらに、光学素子M1~M6は、反射型光学素子であるように描かれているが(例えば、各光学素子は、ビームを通過させる代わりに、入射光ビームBを反射する)、光学素子M1~M6のうちの1つ若しくは複数、又は光学投影システム500の他の光学素子は、透過型光学素子であってもよく、又は部分的に反射し、及び部分的に透過してもよい。
【0071】
[0086] 光学素子M1~M6は、光学素子の構成に基づいて、特定の層又はウェーハにパターンを付与するためのマスクに入射するように構成されたビームB*を形成するようにビームBを調節することができる。例えば、光学素子の構成は、光学素子の形状、光学素子の1つ若しくは複数の自由度(例えば、1つ若しくは複数の軸に沿った回転、並進運動)に沿って光学素子に行われる調節、光学素子の材料組成、又は光学素子の他の特徴、又はそれらの組み合わせを示し得る。光学素子の異なる構成は、単独で又は互いに組み合わせて、結果として得られるパターン付与されたデバイス(又はパターン付与されたデバイスの層)に対して後続の収差がどのように誘発されるかに影響を与え得る。
【0072】
[0087] 光学素子に入射した光は、光学素子の温度変化を引き起こす可能性がある。入射光によって引き起こされる温度変化は、光学素子全体にわたって変動し得る。例えば、光学素子のあるセクションは、温度変化ΔT1を経験する場合があり、光学素子の別のセクションは、異なる温度変化ΔT2を経験する場合がある。温度の差変化は、光学素子を異なる量だけ変形させ得る。例えば、より大きな熱変化を経験するセクション(例えば、「より高温」になるセクション)は、より小さな熱変化を経験するセクションよりも大きく変形し得る。光学素子のセクションに対する変形は、光学素子によって提供される光(例えば、光学素子を透過した光、光学素子に反射する光)がどのように構成されるかに影響を与える場合があり、これはパターニングプロセスの精度に影響を及ぼし得る。従って、入射光によって引き起こされる熱変化の結果、光学素子(又は複数の光学素子)のどのセクションが変形するか、及び生じた変形の程度を識別することによって、光学素子に対して特定の補償動作が行われることを可能にすることができる。
【0073】
[0088] 一例として、
図6A及び
図6Bを参照して、光学素子Mは、照明源(例えば、EUVソース)から出力された光を受けてもよい。光は、光学素子Mから反射(又は光学素子Mを透過)する前及び/又は光学素子Mから反射(又は光学素子Mを透過)した後に、1つ又は複数の他の光学素子に入射してもよく、パターニングデバイスによってパターン付与されてもよく、又は他の方法で調節されてもよい。分かり易くするために、光学投影システムは、単一の光学素子Mを含んで示されている。熱マップ600は、入射光の結果としての光学素子Mの熱応答を示す。この例では、光は連続的であってもよく、光学素子Mは、熱マップ600によって示される特定の熱レベルに到達するために所定の時間、連続的な光を受けてもよい。自然に生じる場合、又は特別にデザインされる場合がある光学素子Mの構成により、光学素子M全体にわたる熱レベルが変動し得る。例えば、領域602は、領域604とは異なる熱レベルを有し得る(例えば、領域602は、領域604よりも「高温」であってもよい)。光学素子M全体にわたる異なる熱レベルは、光学素子Mの変形を引き起こす可能性がある。光学素子Mの所与の領域の変形の程度は、その領域の熱レベルに関連し得る。例えば、
図6Bの変形マップ650から分かるように、領域652は、光学素子Mの領域654とは異なるように変形する場合があり、変形マップ650の領域652及び654は、熱マップ600の領域602及び604にそれぞれ対応する。光学素子Mに対する変形が大きいほど、結果として得られるパターン付与されたデバイスに対する収差(例えば、欠陥の数、欠陥のサイズなど)が大きくなり得る。
【0074】
[0089] 実施形態によっては、光学素子(例えば、半導体処理装置の光学投影システムによって含まれる光学素子)の配向を調節することによって、熱変化に起因する光学素子の変形を補償することができる。一例として、
図7を参照して、光学素子Mの配向は、光学素子Mの1つ又は複数の自由度に沿って調節されてもよい。
図7に示されるように、光学素子Mの配向は、x軸、y軸、又はz軸の各々に沿って調節されてもよい。調節は、横方向(例えば、±Δx、±Δy、±Δz)、回転方向(例えば、θ
x、θ
y、θ
z)、又は横方向及び回転方向の両方であってもよい。さらに、光学素子Mは、その幾何学的中心が座標系(例えば、デカルト座標系)の原点を中心とするように示されているが、座標系の原点に対する光学素子Mのアライメントは、1つ又は複数の軸に沿ってシフトされてもよい。
【0075】
[0090] 実施形態によっては、1つ又は複数の制御デバイスは、1つ又は複数の自由度に沿って光学素子Mの配向に対して行われる調節を制御することができる。例えば、制御デバイス710、720、730は、それぞれx軸、y軸、及びz軸に沿って光学素子Mの配向を調節するように構成されてもよい。しかしながら、実施形態によっては、光学素子Mの移動を制御するために、追加の制御デバイス又はより少ない制御デバイスが含まれてもよい。制御デバイス710、720、730は、光学素子Mの動きを制御するように構成された1つ又は複数のアクチュエータ又は他の機械を含んでもよい。例えば、制御デバイス710、720、730は、1つ又は複数のスキャナ制御ノブを含んでもよい。光学素子Mが調節される量は、δによって表されてもよい(例えば、δは、可変スキャナ制御ノブ設定を表す)。
【0076】
[0091] 実施形態によっては、光学投影システムの構成によって誘発される波面は、スキャナ性能フィンガープリントとスキャナノブチューニングとを相関させる依存行列Dを使用することによって決定することができる。式2においてWVFDδとして定義されるスキャナ性能フィンガープリントは、D*δとして表すことができ、δは、可変スキャナ制御ノブ設定を表す。スキャナ性能フィンガープリントは、光学素子の配向に対して行われるべき補正を示し得る。補正を決定することは、費用関数を最適化すること(例えば、最小EPE又は波面収差費用を達成すること)を含み得る。本開示の実施形態は、EPE費用関数に関して詳細に説明される。しかしながら、この説明は、例示的なものにすぎない。本開示の範囲から逸脱することなく、任意の他の適切な性能特徴又はメトリクスを含む任意の他の形式の費用関数が使用されてもよい。実施形態によっては、収差のインパクトは、式2の項の最適化値を決定するためにモデル化されてもよい。実施形態によっては、オフライン又は研究開発段階時において、収差インパクトモデルが生成され、その後、動作時にリソグラフィ装置で使用されてもよい。収差インパクトモデルは、シミュレートされたパターニングシステム収差較正データ及び/又は対応するパターニングプロセスインパクト較正データに基づいて較正されてもよい。シミュレーションは、異なるマスクデザイン、瞳形状、及び/又は他の情報に基づいて、シミュレーションエンジンを用いて行われてもよい。実施形態によっては、シミュレーションは、フルチップレイアウトで行われてもよく、それによって、結果として得られる費用関数(例えば、式2)、依存行列(例えば、光学素子配向依存行列D)、又はヘシアン行列は、フルチップレイアウトを考慮する。本明細書で説明するように、収差インパクトモデルからの費用関数は、一組のパターニングプロセス制御メトリクスを決定し、及び動的インシチュ収差制御を容易にするために、(スキャナ(パターニングシステム)からの測定された収差データと組み合わせて)投影光学系補正モデルによって使用されるように構成される。一組のパターニングプロセス制御メトリクスは、1つ又は複数のプロセスパラメータを含んでもよく、プロセスパラメータは、熱エネルギーを光学投影システム(例えば、光学投影システムの光学素子)に供給するように構成された1つ又は複数のサーマルデバイスに関連するパラメータを含み得る。収差インパクトモデルは、例えば、ADELaslaファイル、及び/又は任意の他のスキャナフレンドリーな軽量データ形式の形をとり得る。実施形態によっては、単一の較正された収差インパクトモデルが、幾つかの異なる投影光学系補正モデル(幾つかの異なるスキャナに関連する)によって使用されてもよい。
【0077】
[0092] 実施形態によっては、動的インシチュ収差制御は、製造段階の間に、半導体デバイス製造プロセスの1つ又は複数の態様を調節することを含み得る。調節は、投影光学系補正モデルからの出力及び/又は他の情報に基づいて行われてもよい。製造プロセスパラメータ調節を決定することができ(例えば、所与のパラメータが変更されるべき量)、製造プロセスパラメータは、例えば、以前のパラメータ設定値から新たなパラメータ設定値に調節されてもよい。本開示の実施形態によれば、調節は、熱エネルギーを光学素子に印加させるためにサーマルデバイスに提供されるべきパワーレベル、光学素子上で熱エネルギーが印加される場所の位置、及び/又はサーマルデバイスに関連する他のプロセスパラメータに対して行われてもよい。加えて、瞳形状、ドーズ、焦点、パワー設定、材料組成も、モデルの結果として調節することができる。
【0078】
[0093] またさらに、プロセスパラメータは、光学投影システムの構成であってもよく、スキャナは、光学投影システムの1つ又は複数の態様の構成を調節してもよい。例えば、スキャナは、光学素子の1つ又は複数の自由度に沿って、1つ又は複数の光学素子の配向を調節してもよい。配向の調節は、EPE費用を最小化するために使用される波面を誘発するように行われてもよい。実施形態によっては、収差のインパクトを動的に制御するために、調節をインシチュで行うことができる。
【0079】
[0094] プロセスパラメータは、サーマルデバイスによって動作(例えば、スキャナの動作)中に光学投影システムに供給されるべき熱エネルギーの量に関連し得る。実施形態によっては、光学投影システムの熱加熱に起因する波面ドリフトを補償するために、サーマルデバイスのうちの1つ又は複数を使用して、光学投影システムに熱エネルギーが供給されてもよい。より均一な及び/又は所望の熱分布を達成するために、サーマルデバイスによって供給される熱エネルギーは、光学投影システムに関する熱エネルギーを低減又は再分配することができる。例えば、EUV照明源の場合、EUV光の追加のエネルギーにより、光学投影システムのコンポーネントに対する変形が生じ得る(例えば、光学投影システムに含まれる光学素子、例えばミラーは、入射EUV光に起因する加熱によって形状が変形し得る)。結果として生じた変形は、光学投影システムによってターゲットに提供される波面を、ターゲット波面に対してシフトさせる可能性があり、これは波面ドリフトと呼ばれる。光学投影システムの構成を調節することは、波面ドリフトを低減するのに役立ち得るが、光学投影システムに利用可能な限られた調節では、欠陥の数及びサイズを最小限に抑えるために波面ドリフトを十分に補償できない場合がある。例えば、上述の通り、光学投影システムの光学素子は、1つ又は複数の自由度に沿って調節されてもよいが、それらの調節の程度は、光学素子及び半導体処理装置の他のコンポーネントのサイズ及び形状によって制限される。サーマルデバイスは、波面ドリフトを補償するために、特定の波面、又は波面への寄与を誘発するための補助熱エネルギー源として機能し得る。例えば、式2から分かるように、波面モデルWFMによって生成される波面は、2つのコンポーネント:(1)照明源から出力された光によって光学投影システムに対して誘発される加熱状態HSillumination、及び(2)光学投影の特定のセクション(例えば、光学素子のセクション)に熱エネルギーを供給するサーマルデバイスによって誘発される加熱状態HSSHに基づき得る。サーマルデバイスによる加熱状態の正味の効果は、EPE費用関数が最小化されるように、EUVの印加における波面ドリフトを低減するのに有効となり得る。
【0080】
[0095] 実施形態によっては、光学投影システムの構成は、光学投影システムの1つ又は複数の光学素子の一部又は全ての材料組成を含み得る。例えば、光学素子の異なる材料特性は、より多くの欠陥又はより少ない欠陥及び/又は欠陥サイズの減少をもたらし得る。例えば、光学素子の異なる材料組成は、ゼロクロス温度(ZCT)に基づき、異なる性能をもたらし得る。例えば、ZCTが増加するにつれて、欠陥の数及び最大欠陥サイズは共に減少し得る。
【0081】
[0096]
図8は、ある実施形態による、光学素子800と、光学素子800に熱エネルギー804を供給する一組のサーマルデバイス802とを示す。上述のように、光学素子800は、半導体処理装置の光学投影システム内に含まれる一組の光学素子のうちの1つであってもよい。分かり易くするために、単一の光学素子が示されている。
【0082】
[0097] EUV光などの光、又は他の放射は、光学素子800の1つ又は複数のセクションに入射することができる。光が印加される光学素子800のセクションは、光学投影システム、光、又は他の光学コンポーネントの構成に基づいて予め決定されてもよい。例えば、瞳、レチクル、又は半導体処理装置の他のコンポーネントに基づいて、EUV光は、光学素子800の第1の表面上に位置するスポット808に印加されてもよい。代替的又は追加的に、EUV光は、光学素子の別の表面に印加されてもよい。実施形態によっては、入射EUV光の大きさ(例えば、強度)は、特定の処理デザインに応じて変動し得る。EUV光は、光学素子800の一部又は全ての温度を上昇(又は低下)させ得る。光学素子全体にわたる温度分布は、光学素子の「加熱状態」を表す。加熱状態は、1つ又は複数の特定の光学素子の「合計の」又は「全体的な」加熱状態であってもよく、照明源の出力光及びサーマルデバイス802から光学素子に供給される追加の熱エネルギーによる寄与を有してもよい。先述の通り、サーマルデバイス802は、光学素子800の温度分布を修正するように光学素子800の1つ又は複数のセクションに向けられた熱エネルギーを供給することができ、それによって、波面センサによって検出された過渡波面(例えば、光学投影システムによって提供された波面を表す)とターゲット波面との間の差が減少する。例えば、光学素子の1つ又は複数の特定の位置に特定の量の熱エネルギーを加えることは、光学素子全体にわたる温度分布を、ターゲット波面を生成するであろう温度分布に近づけるように修正することによって、波面ドリフトを低減することができる。
【0083】
[0098] 実施形態によっては、光学素子800は、1つ又は複数のサーマルデバイス802を含み得る。サーマルデバイス802は、「セクションヒータ」とも呼ばれることがあり、光学素子800の1つ又は複数の特定の位置に向けられた熱エネルギー804を出力するように構成され得る。実施形態によっては、出力熱エネルギーは、照射の形態であってもよい。熱エネルギー804は、特定の位置806に印加することができる。位置806は、較正データに基づいて決定されてもよい。較正データは、光学素子の様々な温度分布によって誘発される加熱状態によって生じる波面をシミュレートすることによって生成されてもよい。光学素子上の特定の位置に特定の量の熱エネルギーを加えることにより、温度分布が特定の方法で修正され得る。サーマルデバイス802によって出力された照射を伴う熱エネルギー及び位置は、次に、光学素子の温度分布をターゲット波面を生じさせる加熱状態を誘発する温度分布に近づけるように決定され得る。その結果、波面ドリフトを補償するために、所与のサーマルデバイスによって出力される熱エネルギーの量、及び熱エネルギーが印加されるべき光学素子上の位置(例えば、セクション)に対する動的な調節を行うことができ、それによって、光学投影システムによって提供される波面とターゲット波面との間の差が縮小される。波面ドリフトの低減は、波面ドリフトを計算し、波面ドリフトを1つ又は複数の半導体処理メトリクス(例えば、リソグラフィメトリクス)によって重み付けする、式2の費用関数などの費用関数を最小化することによってモデル化されてもよい。別の例では、費用関数は、処理メトリクスを計算することなく、波面ドリフトの費用を計算する。
【0084】
[0099]
図8にはサーマルデバイス802の複数のインスタンスが図示されているが、光学投影システムの各光学素子は、サーマルデバイス802の1つ又は複数のインスタンスを含んでもよい。各サーマルデバイス802は、光学素子の1つ又は複数の異なるセクションに対して、同じ量又は異なる量の熱エネルギーを出力するように構成されてもよい。例えば、光学素子800の第1のセクションは、サーマルデバイス802のインスタンスから第1の量の熱エネルギーを受けてもよく、光学素子800の第2のセクションは、サーマルデバイス802の別のインスタンスから第2の量の熱エネルギーを受けてもよい。実施形態によっては、1つ又は複数の光学素子に熱エネルギーを印加するために、単一のサーマルデバイスが使用されてもよい。
【0085】
[00100] サーマルデバイス(例えば、サーマルデバイス802)によって供給される熱エネルギーに加えて、制御デバイス810などの1つ又は複数の制御デバイスは、光学投影システムの構成を調節するように構成されてもよい。例えば、制御デバイス810は、光学素子800の構成によって特定の波面が生成されるように、1つ又は複数の自由度に沿って光学素子800の配向を調節してもよい。
【0086】
[00101]
図9は、ある実施形態による、光学素子、光学素子の一部又は全てに熱エネルギーを供給するために使用されるサーマルデバイス、及び光学素子の一部又は全ての配向を制御するための制御デバイスを含む光学投影システム例を示す。実施形態によっては、光学投影システム900は、様々な光学素子のセクションを照射するためのサーマルデバイス、及び光学素子のうちの1つ又は複数の配向を調節するための制御デバイスが追加された、
図5の光学投影システムに類似したものであってもよい。一例として、光学投影システム900は、光学素子M1~M6の一部若しくは全ての配向を制御する1つ若しくは複数のアクチュエータを含んでもよく、及び/又はそのような1つ若しくは複数のアクチュエータと通信可能に結合されてもよい制御デバイス810を含み得る。実施形態によっては、光学投影システム900は、光学素子M1~M6のうちの1つ又は複数を制御するように構成された複数の制御デバイス810を含んでもよい。
【0087】
[00102] 光学投影システム900は、サーマルデバイスH1~H4も含み得る。サーマルデバイスH1~H4は、光学素子M1~M6のうちの1つ又は複数の1つ又は複数のセクションに熱エネルギーを出力する(例えば、照射する)ように構成されてもよい。
図9の例では、光学素子M1及びM4は、サーマルデバイスH1~H4から熱エネルギーを受けないかもしれないが、光学投影システム900は、光学素子M1及びM4が熱エネルギーを受けることを可能にするように、1つ若しくは複数の追加のサーマルデバイス又はサーマルデバイスH1~H4のうちの1つ若しくは複数に、それらが熱エネルギーを出力する指向性を動的に調節させることができる。しかしながら、当業者であれば、追加のサーマルデバイス又はより少ないサーマルデバイスが含まれてもよいことを認識するであろう。
【0088】
[00103]
図10Aは、ある実施形態によるオフラインサーマルデバイス最適化プロセスを使用して収差補正を行うための方法例を示す。オフラインモデリングは、所与の露光、又は一連の露光に対するサーマルデバイスのプロセスパラメータ(例えば、動作設定)を決定するために使用され得る。実施形態によっては、オフラインモデリングは、定常状態波面を使用してもよい。実施形態によっては、モデリングは、露光動作中に以前に検出された現在の過渡波面を使用してもよい。実施形態によっては、定常状態波面は、既知の露光情報から導出又はシミュレートされた期待される波面を表し得る。例えば、定常状態波面は、特定の出力光、レチクル、又は半導体処理装置の他のフィーチャに基づいて予測される波面を表し得る。加えて、定常状態波面は、特定の期間中(例えば、個々のウェーハ又は一組のウェーハ(waver)の処理中)は変動しないものとして扱われ、従って、結果として生じる、サーマルデバイス及び光学素子に対する補正は、同じままとなり得る。実施形態によっては、
図10Aの方法1000は、光回折パターンのシミュレーションを含み得る。実施形態によっては、方法1000は、生成された光回折パターンに基づき得るシミュレーション又は経験的に決定された事象を含んでもよい。事象は、半導体処理ステップ中に発生する事象を指す場合がある。例えば、パターニングプロセス中のリソグラフィ露光、遅延、及び残差は、発生し得る事象の形態であり得る。実施形態によっては、定常状態(stet)波面は、(例えば、機器上の一連のウェーハに対する以前の処理から測定された)経験的データであってもよい。実施形態によっては、方法1000は、オフライン熱モデルを実行することを含み得る。オフライン熱モデルは、波面ドリフトを補償するために使用されるべきプロセスパラメータを決定するために、1つ又は複数のリソグラフィメトリクスと組み合わせられてもよい。このモデルは、サーマルデバイスに関連する処理レシピ又は一連のレシピを生成してもよい。例えば、モデルは、例えば、時間的順序における一連のウェーハのロード、露光、遅延、休止などを含む、ウェーハ処理の所与の事象に応じた収差のインパクトを制御するようにリソグラフィプロセスの動作中に使用することができるサーマルデバイスの処理パラメータの一連の値を生成してもよい。実施形態によっては、方法1000は、基板が放射に曝される前に、サーマルデバイスのプロセスパラメータ及び光学投影システムの構成を計算するために使用され得る。
【0089】
[00104] 方法1000は、動作1010から開始されてもよい。動作1010では、波面生成モデルを用いて、波面が生成されてもよい。生成された波面は、シミュレートされた結果、又は測定された結果であってもよい。実施形態によっては、波面生成モデルは、特定の構成について光学投影システムによって提供される定常状態波面によって誘発される加熱状態1002を入力として取り込んでもよい。定常状態波面によって誘発される加熱状態は、定常状態波面データによって表されてもよい。実施形態によっては、波面生成モデルは、追加的又は代替的に、光学投影システムの1つ又は複数の光学素子の1つ又は複数のセクションに熱エネルギーを出力する1つ又は複数のサーマルデバイスによって誘発される加熱状態1004を入力として取り込んでもよい。波面生成モデルは、定常状態波面によって誘発される加熱状態と、サーマルデバイスによって光学素子に出力される熱エネルギーによって誘発される加熱状態とに基づいて、シミュレートされた波面1012を生成してもよい。
【0090】
[00105] 動作1020において、動的インシチュ収差補正に使用するために、最適化プロセスが行われる。最適化プロセスは、「定常状態」波面とも呼ばれることがある、シミュレートされた波面1012を受け取ることができ、半導体処理メトリクス1014も受け取ることができる。動作1020の最適化プロセスは、半導体処理装置(例えば、スキャナ及び/又は他のパターニングシステム)の動的インシチュ収差制御を行うために使用され得る収差制御データ1022を決定するように構成されてもよい。実施形態によっては、スキャナ又は他のコンポーネントの動的インシチュ制御は、一組のリソグラフィ性能メトリクスを最適化するために、所与のスキャナ収差に対して補正されたスキャナ制御パラメータレシピを生成することを含む。実施形態によっては、収差制御データ1022は、スキャナ制御パラメータレシピを生成するために使用されてもよい。スキャナ制御パラメータレシピは、例えば、1つ若しくは複数のサーマルデバイスに関連する決定されたプロセスパラメータ、及び/又は光学投影システムの決定された構成を含み得る。例えば、スキャナ制御パラメータレシピは、サーマルデバイスに関連するプロセスパラメータに対する調節を示す第1の命令と、光学投影システムの構成に対する調節を示す第2の命令とを含み得る。プロセスパラメータに対する調節は、サーマルデバイスによって出力される熱エネルギーのパワーレベルに対する調節、熱エネルギーが光学投影システムの光学素子に印加されるべき位置に対する調節、若しくは調節され得る他の動作設定、又はそれらの組み合わせを含み得る。光学投影システムの構成に対する調節は、光学投影システムの光学素子の配向に対する調節(例えば、並進調節、回転調節)を含み得る。
【0091】
[00106] 実施形態によっては、最適化は、費用関数(例えば、EPE費用)を最小化することによって行われ得る。例えば、式2の費用関数は、特定のプロセスパラメータ及び構成について最小化されてもよい。収差制御データ1022は、費用関数によって生成される費用を最小化するプロセスパラメータ及び構成を示し得る。
【0092】
[00107] 実施形態によっては、方法1000は、露光ごとに繰り返されてもよい。実施形態によっては、例えば、所与の露光について、サーマルデバイスによって光学投影システムの光学素子に供給される熱エネルギーによって誘発される加熱状態1004が更新されてもよい。加熱状態1004の更新バージョンは、収差制御データ1022によって示される、サーマルデバイスによって供給される熱エネルギーに対して行われるべき調節(例えば、量及び/又は位置)に基づいて決定されてもよい。
【0093】
[00108]
図10Bは、本開示の実施形態による、インラインサーマルデバイス最適化プロセスを使用して収差補正を行うための方法例を示す。インラインモデリングは、(例えば、ウェーハごとの)所与の露光についてサーマルデバイスのプロセスパラメータ(例えば、動作設定)を決定するために使用されてもよい。インラインモデリングは、所与の露光後に検出された現在の波面(過渡若しくは定常状態波面であってもよい)、又はそれから導出された波面を使用してもよい。実施形態によっては、
図10Bの方法1050は、光回折パターンのシミュレーションを含み得る。実施形態によっては、方法1050は、生成された光回折パターンに基づき得る事象のシミュレーションを含んでもよい。事象は、半導体処理ステップ中に発生する事象を指し得る。例えば、パターニングプロセス中の遅延及び残差は、発生し得る事象の形態であり得る。実施形態によっては、方法1050は、オフライン熱モデルを実行することを含み得る。オフライン熱モデルは、波面ドリフトを補償するために使用されるべきプロセスパラメータを決定するために、1つ又は複数のリソグラフィメトリクスと組み合わせられてもよい。実施形態によっては、方法1050は、基板が放射に曝される前に、サーマルデバイスのプロセスパラメータ及び光学投影システムの構成を計算するために使用され得る。
【0094】
[00109] 方法1050は、動作1010から開始されてもよい。方法1050の動作1010は、定常状態波面の加熱状態の代わりに、現在の波面の加熱状態1052及び現在の露光(例えば、ウェーハ1、ウェーハ2、…、ウェーハn)に関する現在のプロセスパラメータによって誘発される加熱状態1054が波面生成モデルに入力され得るという点を除いて、方法1000のものと実質的に類似していてもよい。波面生成モデルは、加熱状態1052及び1054に基づいてシミュレートされた波面1056を生成するように構成されてもよい。
【0095】
[00110] 動作1020において、シミュレートされた波面1056及び半導体処理メトリクス1014は、動的インシチュ収差補正において使用するために最適化プロセスを行うために使用されてもよい。最適化プロセスは、「過渡」波面又は「ホット」波面とも呼ばれることがあるシミュレートされた波面1056を受け取ることができ、半導体処理メトリクス1014も受け取ることができる。動作1020の最適化プロセスは、半導体処理装置(例えば、スキャナ及び/又は他のパターニングシステム)の動的インシチュ収差制御を行うために使用され得る収差制御データ1022を決定するように構成されてもよい。実施形態によっては、スキャナ又は他のコンポーネントの動的インシチュ制御は、一組のリソグラフィ性能メトリクスを最適化するために、所与のスキャナ収差に対して補正されたスキャナ制御パラメータレシピを生成することを含む。実施形態によっては、収差制御データ1022は、スキャナ制御パラメータレシピを生成するために使用されてもよい。スキャナ制御パラメータレシピは、例えば、1つ若しくは複数のサーマルデバイスに関連する決定されたプロセスパラメータ、及び/又は光学投影システムの決定された構成を含み得る。例えば、スキャナ制御パラメータレシピは、サーマルデバイスに関連するプロセスパラメータに対する調節を示す第1の命令と、光学投影システムの構成に対する調節を示す第2の命令とを含み得る。プロセスパラメータに対する調節は、サーマルデバイスによって出力される熱エネルギーのパワーレベルに対する調節、熱エネルギーが光学投影システムの光学素子に印加されるべき位置に対する調節、若しくは調節され得る他の動作設定、又はそれらの組み合わせを含み得る。光学投影システムの構成に対する調節は、光学投影システムの光学素子の配向に対する調節(例えば、並進調節、回転調節)を含み得る。
【0096】
[00111] 実施形態によっては、最適化は、費用関数(例えば、EPE費用)を最小化することによって行われ得る。例えば、式2の費用関数は、特定のプロセスパラメータ及び構成について最小化されてもよい。収差制御データ1022は、費用関数によって生成される費用を最小化するプロセスパラメータ及び構成を示し得る。
【0097】
[00112] 実施形態によっては、方法1050は、露光ごとに繰り返されてもよい。例えば、動作1060において、現在のバッチがこれ以上露光を有するか否かの決定が行われてもよい。そうでない場合、方法1050は、1070で終了してもよい。しかしながら、さらなる露光が行われる場合(例えば、ウェーハ2、3など)、方法1050は、更新された過渡波面の加熱状態1082及び更新されたプロセスパラメータの加熱状態1084の生成を含んでもよく、これらは、動作1010において、波面生成モデルに入力されてもよい。更新された過渡波面は、所与の露光が終了した後に光学投影システムによって提供される波面を表してもよく、これは、以前の露光に対してインシチュ収差制御を行うために、入射光(例えば、EUV光)及びサーマルデバイスからの入射照射によって発生した光学投影システムの光学素子への変形の程度に関する情報を含む。更新されたプロセスパラメータの加熱状態1084は、現在の波面ドリフトを補償するためにサーマルデバイスによって光学素子に対して誘発される加熱状態を表してもよい。
【0098】
[00113] 実施形態によっては、動的インシチュ制御は、大量製造中の制御収差を含む。例えば、実施形態によっては、方法1000及び/又は
図10Bの方法1050は、新たなパターニングプロセスインパクトデータ(例えば、収差インパクトモデルによって出力される費用関数)が、製造中にリアルタイム又はほぼリアルタイムで、(例えば、スキャナ収差を低減及び/又は除去するために)パターニングシステムの1つ又は複数のミラー、レンズ、及び/又は他の素子の(例えば、EUV)加熱に対する、改良された補償及び/又は制御を容易にするように構成されるように行われてもよい。スキャナは通常、ミラー加熱によって誘発された収差を動的に補正するために限られた数のノブを使用する必要があるため、EUVミラー加熱制御が有用である。別の例として、方法1000及び/又は
図10Bの方法1050は、新たなパターニングプロセスインパクトデータ(例えば、収差インパクトモデルによって出力される費用関数)が、製造中にリアルタイム又はほぼリアルタイムでパターニングシステム(例えば、スキャナ)に関連する焦点、ドーズ、及び/又はステージ変動(MSD)の改良された制御を容易にするように構成されるように行われてもよい。他の例も企図される。
【0099】
[00114] CD、EPE、及び/又は他のパラメータの制御のために、1つの収差インパクトモデルが異なる投影光学系ボックスに提供され得ることに留意されたい。収差インパクトモデルは、費用(メリット)関数がシミュレーション結果から構築されるように構成することができるため、CD、パターン配置誤差(PPE)、EPE、CD非対称性、最適焦点シフト、欠陥数などの任意の所望のメトリクスを定義(例えば、較正のために使用)することができる。このようにして、本収差インパクトモデルは、所望のメトリクスを自動的に反映するように構成されてもよい。
【0100】
[00115] 実施形態によっては、収差インパクトモデルは、費用関数s(Z)を決定することができる。投影光学系補正モデルは、スキャナ性能フィンガープリント=D*δとなるように(スキャナ)レンズ(例えばレンズ、ミラーなどの素子)依存行列Dを定義し、δは、可変スキャナ制御ノブ設定を表す。実施形態によっては、収差インパクトモデルからの費用関数は、式3によって、以下:
s(Z(δ))=s(ΔZ+Dδ)
式3
のように定義され、式中、ΔZは、スキャナからの収差ドリフトを表し、Dは、依存行列であり、δは、可変スキャナ制御ノブ設定を表し、Dδは、性能フィンガープリント(又は、言い換えれば、必要とされる補正の指示)を表す。δ*=argmin s(δ)となるようにs(δ)を最小化するために、非線形オプティマイザを使用することができ、式中、δ*は、必要とされる動的スキャナノブ補正を表す。費用関数s(Z(δ))は、最小のs=0である。投影光学系補正モデルは、費用s(δ)の最小化を図るべく、ノブ(δ)を調節することができる。
【0101】
[00116] 上記のように、実施形態によっては、収差インパクトモデルからの新たなパターニングプロセスインパクトデータ(例えば、費用関数)が、一組のパターニングプロセス制御メトリクスを決定するために(例えば、投影光学系補正モデルによって)使用されるように構成されてもよい。実施形態によっては、パターニングプロセス制御メトリクスは、リソグラフィ性能メトリクス(若しくは「リソグラフィメトリクス」)、及び/又は他の情報を含む。実施形態によっては、一組のパターニングプロセス制御メトリクスは、線形ソルバによって、及び/又は他の演算によって決定されるように構成される。実施形態によっては、費用関数sは、s=ΔZ
THΔZとして表すことができ、式中、Hは、費用関数ヘシアンである。例えば、(この例の場合)収差インパクトモデル(及び/又は収差インパクトモデルによって出力される費用関数)の形式が、以下:
【数3】
式4
のような正定値二次式であって、式中、総収差Z=ΔZ+Dδであり、ΔZは、収差ドリフト(例えば、ミラー加熱によって誘発される収差)であり、δは、スキャナノブを表し、Dδは、補正を表すと仮定する。そして、式4は、式5に書き換えることができる。
【数4】
式5
【0102】
[00117] 上記の費用関数は、一組のリソグラフィメトリクスに変換することができる。実施形態によっては、モデルからの新たなパターニングプロセスインパクトデータは、費用関数ヘシアン(例えば、上記の1つ又は複数の式のH)を含む。一組のパターニングプロセス制御メトリクスを決定することは、ヘシアンに対して単一値分解(SVD)を行うことを含む。ヘシアン(H)は、正定値行列である。ヘシアンに対してSVDを行うことにより、費用関数を「リソメトリック」の形式に変換する。
【0103】
[00118] 実施形態によっては、単一値分解(SVD)は、(固有値が固有ベクトルに吸収される)式6:
【数5】
式6
に従って、
【数6】
式7
となるように、ヘシアンに対して行われてもよく、式中、SVDは、基本的に、高次元回転によって交差項を除去する。
【0104】
[00119] 実施形態によっては、上記の式7は、サーマルデバイスによって出力される熱エネルギーに関して上記で説明した追加のフィーチャに基づいて修正することができ、これにより、式2を得ることができる。例えば、波面生成モデルは、光学投影システムの光学素子上でサーマルデバイスによって誘発される加熱状態に関連した項を入力として取り込んでもよい。
【0105】
[00120] 実施形態によっては、収差インパクトモデルは、予測モデルであってもよい。較正は、モデル生成、訓練、チューニング、及び/又は他の動作を含み得る。モデルは、パターニングシステム収差較正データ及び対応するパターニングプロセスインパクト較正データを用いて較正されてもよい。パターニングシステムは、スキャナ(
図1及び後の図に示されるリソグラフィ投影装置など)であってもよく、及び/又はそのようなスキャナを含んでもよい。スキャナにおいて、収差は、半導体処理装置(例えば、スキャナ)の光学投影システムの光学素子(例えば、レンズ、ミラー、及び/又は他の素子)の表面が意図された位置にない場合に発生し得る。例えばレンズ素子の加熱により、レンズ素子の表面が意図した位置にない場合があるが、多くの異なる原因を有し得る。パターニングシステム収差データは、特定の収差の特徴、収差の原因、及び/又は他のデータを記述するデータを含む。パターニングシステム収差データは、測定及び/又はシミュレートされた収差、収差に関連するシステム及び/又はプロセスパラメータ、及び/又は他の波面情報を含み得る。波面収差(又は、本明細書で使用される「収差」)は、理想的な波面と実際の波面との間のずれ(不一致の度合い)を指し得る。本明細書に記載されるように、波面収差は、本明細書では互換的に「波面ドリフト」と呼ばれることがある。
【0106】
[00121] 例えば、レンズ素子が加熱されると、(収差を引き起こす)形状変化が、レーザパワーレベル、瞳形状、ターゲットデザイン、露光ドーズ、及び/又は他の要因によって引き起こされる場合がある。これらの要因及び他の要因のいずれか及び/又は全てが、パターニングシステム収差データセットに含まれ得る。パターニングプロセスインパクトデータは、収差が対応するパターニングプロセスに及ぼす影響を記述するデータを含む。例えば、パターニングプロセスインパクトデータは、対応するパターニングシステム収差による、基板上の結像性能、例えば、クリティカルディメンジョン、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンジョン非対称性、最適焦点シフト、パターニングプロセスに関連する欠陥数、及び/又は他のパラメータへのインパクトを示し得る。パターニングプロセスインパクトデータは、様々なパラメータの値、費用関数及び/又はメリット関数(例えば、後に記載されるような)、及び/又は他の情報を含み得る。
【0107】
[00122] パターニングシステム収差較正データ及び対応するパターニングプロセスインパクト較正データは、既知のデータ及び/又は他の方法で以前に決定されたデータを含む。パターニングシステム収差及び/又はプロセスインパクト較正データは、測定されてもよいし、シミュレートされてもよいし、及び/又は他の方法で決定されてもよい。実施形態によっては、較正データは、関連する瞳形状、パターニングデバイスデザイン、及び様々な収差入力に基づいてフルシミュレーションモデルを実行することによって取得される(例えば、フルシミュレーションモデルは、照明モデル31、投影光学系モデル32、デザインレイアウトモデル35、レジストモデル37、及び/又は他のモデルのうちの1つ又は複数を含み得る)。
【0108】
[00123] 実施形態によっては、収差インパクトモデルは、パターニングプロセスインパクト較正データの予測を取得するために、パターニングシステム収差較正データをベース(予測)モデルに提供すること、及びベースモデルの1つ又は複数の構成を更新するためのフィードバックとして、パターニングプロセスインパクト較正データを使用することによって較正される。例えば、収差インパクトの1つ又は複数の構成は、パターニングプロセスインパクト較正データと、パターニングプロセスインパクト較正データの予測との比較に基づいて更新される。収差インパクトモデルを較正するために使用される較正データは、複数のペア又は組の入力(例えば、既知のパターニングシステム収差データ)及び対応する既知の出力(例えば、既知のパターニングプロセスインパクト較正データ)を含み得る。実施形態によっては、収差インパクトモデルは、提供された複数のペアの訓練情報を用いて自己学習することができる。較正された収差インパクトモデルは、その後、上記のような異なるパターニングシステム収差データなどの様々な入力情報に基づいて(例えば、パターニングプロセスインパクトに関する)予測を行うために使用することができる。
【0109】
[00124] 実施形態によっては、収差インパクトモデルは、受信したパターニングシステム収差データとパターニングプロセスインパクトデータとを相関させるように構成された超次元関数を含む。実施形態によっては、モデルを較正することは、関数の1つ又は複数のパラメータをチューニング及び/又は他の方法で調節することによって、ベースモデルの1つ又は複数の構成を更新することを含む。実施形態によっては、チューニングは、予測されたパターニングプロセスインパクトデータが既知のパターニングプロセスインパクト較正データとよりよく合致する、又はよりよく対応するように、1つ又は複数のモデルパラメータを調節することを含む。実施形態によっては、チューニングは、新たな及び/又は追加の入力/出力較正データペアを含む追加の較正情報を使用してモデルを訓練又は再訓練することを含む。
【0110】
[00125] 実施形態によっては、収差インパクトモデル(例えば、超次元関数)は、非線形アルゴリズム、線形アルゴリズム、二次アルゴリズム、又はそれらの組み合わせのうちの1つ又は複数を含むが、どのような適切な任意の数学的関数であってもよく、及び/又はどのような適切な任意の数学的関数を含んでもよい。例えば、超次元関数は、任意の冪多項式形式、区分的多項式形式、指数形式、ガウス形式、シグモイド形式、決定木タイプの形式、畳み込みニューラルネットワークタイプの形式などを有し得る。これらのアルゴリズムは、超次元関数が、フルシミュレーションの代わりに簡略化された形式で、パターニングシステム収差とパターニングプロセスインパクトとを数学的に相関させるように構成されるような任意の組み合わせで、任意の数のパラメータ、重み、及び/又は他のフィーチャを含み得る。本開示の範囲を以下の例に限定することなく、線形アルゴリズム例は、ゼルニケ項の線形形式を含んでもよく、線形係数は、個々のゼルニケ項に対する、CD、PPE、EPE、非対称性、欠陥、及び/又は他のパラメータの依存性の線形回帰によって計算される。二次アルゴリズム例は、ゼルニケ項の線形及び二次形式を含んでもよく、線形及び二次係数は、個々のゼルニケ項に対する、CD、EPE、PPE、及び/又は他のパラメータの依存性の非線形回帰によって計算される。
【0111】
[00126] 実施形態によっては、関数の形式(例えば、非線形、線形、二次など)、関数のパラメータ、アルゴリズムにおける重み、及び/又は関数の他の特徴は、上記の較正に基づいて、ユーザによって提供された精度及び実行時性能仕様に基づいて、本システムに含まれるユーザインターフェースを介したユーザによる情報の手動入力及び/又は選択に基づいて、及び/又は他の方法によって、自動的に決定されてもよい。実施形態によっては、関数の形式(例えば、非線形、線形、二次など)、関数のパラメータ、及び/又は関数の他の特徴は、(例えば、収差を引き起こす可能性及び/又は収差に影響を与える可能性のある処理パラメータ及び/又は他の条件が変化するにつれて)基板の個々の層に応じて、及び/又は他の情報に基づいて変化し得る。例えば、半導体デバイス製造のパターニング動作中に、生産される基板の異なる層に対して、異なるモデルが較正されてもよい。
【0112】
[00127] 動的インシチュ収差制御は、製造段階の間に、半導体デバイス製造プロセスを調節することを含む。調節は、投影光学系補正モデルからの出力及び/又は他の情報に基づいて行われてもよい。製造プロセスパラメータ調節を決定することができ(例えば、所与のパラメータが変更されるべき量)、製造プロセスパラメータは、例えば、以前のパラメータ設定値から新たなパラメータ設定値に調節されてもよい。実施形態によれば、決定及び/又は調節された半導体デバイス製造プロセスパラメータは、瞳形状、ドーズ、焦点、パワー設定、及び/又は他の半導体デバイス製造プロセスパラメータのうちの1つ又は複数を含む。一例として、プロセスパラメータが、(例えば、新たな)瞳形状又は新たなドーズである場合、スキャナは、古い又は以前の瞳形状又はドーズから、決定された(例えば、新たな)瞳形状又はドーズに調節され得る。他の幾つかの類似の例が企図される。
【0113】
[00128] 上記のように、本明細書に記載される1つ又は複数のモデルは、広範な用途を有し得る。(例えば、上記のミラー加熱及び他の例の域を越えた)他の用途例は、収差インパクトモデリングを用いた複数のパターニングシステムの共同最適化(co-optimization)である。パターニングシステムは、スキャナ及び/又は他のパターニングシステムを含み得る。例えば、較正された収差インパクトモデルは、異なるスキャナ上又は異なるスリット位置で、同じデザインレイアウトが同じように印刷されることを確実にするために、(例えば、先行技術のシステムにおけるフル結像シミュレーションの代わりに)波面チューニングに使用することができる。
【0114】
[00129] 覚え書きとして、本明細書に記載されるような収差インパクトモデルは、受信したパターニングシステム収差データと新たなパターニングプロセスインパクトデータとを相関させるように構成された比較的単純な超次元関数を含む。超次元関数は、(空間像の計算なしに)フルシミュレーションの代わりに近似形式で、受信したパターニングシステム収差データと新たなパターニングプロセスインパクトデータとを相関させるように構成される。複数のスキャナの結像性能を記述するために、複数のモデルを使用することができる。
【0115】
[00130] 1つ又は複数の本(収差インパクト)モデルは、先行モデルに比べて範囲が縮小され、実行時性能が向上したコンパクトなモデルである。本モデルは、少なくとも、予測されたインパクトが収差データ(のみ)に基づいており、予測されたインパクトが、クリティカルディメンジョン、欠陥数など)の予め選択されたメトリクスに特に適用され得るので、共同最適化用途に適しており、これにより、モデルは、正確となり、高速となり、及び/又は他の有利な特徴を有する。本モデルは、チューニングが関連のある収差データのみに基づく使用事例専用とすることができる。本モデルの軽量の性質、及び/又は他の有利な特徴により、複数のパターニングシステムの共同最適化が可能である。
【0116】
[00131] 例えば、実施形態によっては、1つ又は複数のプロセッサ(例えば、1つ又は複数のコンピュータ)は、パターニングプロセス空間像表現の計算なしに、パターニングプロセスインパクトデータを決定するための1つ又は複数の電子モデル(例えば、収差インパクトモデル)を実行することができる。パターニングプロセスインパクトデータは、パターニングプロセスで使用される複数のパターニングシステムの共同最適化を容易にするように構成されてもよい。モデルから出力される新たなパターニングプロセスインパクトデータは、パターニングプロセスで使用される複数のスキャナの共同最適化を容易にするように構成されてもよい。共同最適化は、複数のスキャナのアクチュエータ位置を共同決定するために、変数としてレンズアクチュエータと、勾配ベースの非線形オプティマイザとを使用することを含んでもよい。実施形態によっては、モデルからの新たなパターニングプロセスインパクトデータは、一組のパターニングプロセス制御メトリクスを決定するために使用されるように構成され、一組のパターニングプロセス制御メトリクスは、(例えば、下記のような)線形ソルバによって決定されるように構成される。
【0117】
[00132] 1つ又は複数のモデル(例えば、超次元関数)が、受信したパターニングシステム収差データとパターニングプロセスインパクトデータとを相関させるように、パターニングシステム収差データがモデル(又は複数のモデル)に提供されてもよい。異なる(収差インパクト)モデルは、異なるパターニングシステム(スキャナ)に対応することができる。新たなパターニングプロセスインパクトデータは、受信されたパターニングシステム収差データに対して決定されてもよい。非限定例として、受信されたパターニングシステム収差データは、受信された波面データを含んでもよく、新たなパターニングプロセスインパクトデータは、1つ又は複数のパターニングプロセスメトリクスを含んでもよい。波面データは、例えば、ゼルニケリスト若しくはピクセル化ビットマップの形式の測定若しくはシミュレートされた波面データ、及び/又は他の波面データを含んでもよい。この例では、1つ又は複数のパターニングプロセスメトリクスは、クリティカルディメンジョン、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンジョン非対称性、最適焦点シフト、パターニングプロセスに関連する欠陥数、及び/又は他のメトリクスを含み得る。実施形態によっては、新たなパターニングプロセスインパクトデータは、対応するパターニングシステム収差による、クリティカルディメンジョン、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンジョン非対称性、最適焦点シフト、パターニングプロセスに関連する欠陥数、及び/又は他のメトリクスのうちの1つ又は複数に対するインパクトを示す。
【0118】
[00133] 実施形態によっては、所与のモデルは、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャについてスキャナ間の変動をモデル化するように構成された1つ若しくは複数のクリティカルフィーチャコンポーネント(例えば、超次元関数の1つ若しくは複数の次元)、パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャについて複数のスキャナにわたる一般的性能をモデル化するように構成された1つ若しくは複数の規制コンポーネント(例えば、超次元関数の1つ若しくは複数の他の次元)、及び/又は他のコンポーネントを含む。所与のモデルのクリティカルフィーチャコンポーネントは、共同最適化されているパターニングシステムのグループ内のパターニングシステム(例えば、スキャナ)の(全て)に対して定義される。クリティカルフィーチャコンポーネントは、パターン内のクリティカルフィーチャ(例えば、一例としてクリティカルディメンジョン)のパターニングシステム(例えば、スキャナ)対パターニングシステム変動を表すように構成される。モデルの規制コンポーネントは、パターンの非クリティカルフィーチャを表すように構成されてもよい。モデルの規制コンポーネントは、パターンの非クリティカルフィーチャに関する所与のスキャナ(又は他のパターニングシステム)の一般的性能を表し得る。この別個のクリティカルフィーチャコンポーネント/規制コンポーネントの配置により、ユーザが、例えば、所与の製造位置におけるパターニングシステムの性能、又はパターニングプロセスのクリティカルフィーチャに影響を与える他の固有の要因に基づいて、非変動要因又は非クリティカル要因は同じ(又は同様)に保ちながら、モデルのクリティカルフィーチャコンポーネントをカスタマイズすることを可能にすることができる。例えば、ユーザは、パターンのクリティカルフィーチャに対してモデルの1つ又は複数のクリティカルフィーチャコンポーネントによって表すことができる特定のCD感度を提供し得るが、その後、モデリング及び/又は最適化に多大なリソースを費やすことが意味をなさないパターンの非クリティカルフィーチャに対して、モデルの規制コンポーネントが出力を生成することを可能にし得る。
【0119】
[00134] 言い換えれば、クリティカルフィーチャは、任意の適切な基準に従ってユーザによって指定されてもよく、例えば、ユーザが特に関心のあるフィーチャ及び/又は解決される必要がある1つ若しくは複数の課題を有するフィーチャであってもよい。他のフィーチャは、規制フィーチャと見なされ得る。所与のモデルの1つ又は複数のクリティカルフィーチャコンポーネント及び1つ又は複数の規制コンポーネントは、これらの異なるタイプのフィーチャに関連する2つの異なる関数であってもよい。実施形態によっては、ユーザは、(例えば、クリティカルフィーチャコンポーネント/関数に加えて及び/又はクリティカルフィーチャコンポーネント/関数の代わりに)規制フィーチャ/関数を定義することができるが、ユーザが規制フィーチャ/関数を定義する場合、本システムは、ユーザ定義のフィーチャ/関数が(定義により)クリティカルになるように構成されてもよい。有利なことに、ユーザによって指定されないフィーチャ/関数は、規制フィーチャ/関数として知られる統一された方法でモデルによって取り扱われる。
【0120】
[00135] 実施形態によっては、1つ又は複数のモデルからの新たなパターニングプロセスインパクトデータは、個々のパターニングプロセスメトリクスに関連する費用、及び/又は個々のパターニングプロセス変数に関連する費用の決定を容易にするために、費用関数に提供されるように構成される。個々のパターニングプロセスメトリクスに関連する費用及び/又は個々のパターニングプロセス変数に関連する費用は、複数のスキャナの共同最適化を促進するため、及び/又は他の目的のために使用されるように構成される。
【0121】
[00136]
図11は、ある実施形態によるリソグラフィ投影装置の概略図である。リソグラフィ投影装置は、照明システムIL、第1のオブジェクトテーブルMT、第2のオブジェクトテーブルWT、及び投影システムPSを含み得る。照明システムILは、放射ビームBを調節することができる。この例では、照明システムは、放射源SOも含む。第1のオブジェクトテーブル(例えば、パターニングデバイステーブル)MTは、パターニングデバイスMA(例えば、レチクル)を保持するためのパターニングデバイスホルダを備え、アイテムPSに対してパターニングデバイスを正確に位置決めするための第1のポジショナに接続され得る。第2のオブジェクトテーブル(例えば、基板テーブル)WTは、基板W(例えば、レジストコートシリコンウェーハ)を保持するための基板ホルダを備え、アイテムPSに対して基板を正確に位置決めするための第2のポジショナに接続され得る。(例えば、レンズを含む)投影システムPS(例えば、屈折型、反射型、又は反射屈折型光学システム)は、パターニングデバイスMAの照射部分を基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に結像することができる。パターニングデバイスMA及び基板Wは、例えば、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いてアライメントされてもよい。
【0122】
[00137] 描かれているように、本装置は、透過型(すなわち、透過型パターニングデバイスを有する)のものであってもよい。しかし一般に、それは、例えば反射型(反射型パターニングデバイスを有する)のものであってもよい。本装置は、従来のマスク用の異なる種類のパターニングデバイスを用いてもよく、例には、プログラマブルミラーアレイ又はLCDマトリックスが含まれる。
【0123】
[00138] ソースSO(例えば、水銀ランプ又はエキシマレーザ、LPP(レーザ生成プラズマ)EUVソース)は、放射ビームを生成する。このビームは、照明システム(イルミネータ)ILに対して、そのまま、又は例えば、ビームエキスパンダなどの調節手段若しくはビームデリバリシステムBD(誘導ミラー、ビームエキスパンダなどを含む)を横断した後に、供給される。イルミネータILは、ビームの強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般的に、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を設定するための調節手段ADを含み得る。さらにそれは、一般に、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの様々な他のコンポーネントを含む。このようにして、パターニングデバイスMAに衝突するビームBは、断面に所望の均一性及び強度分布を有する。
【0124】
[00139] 実施形態によっては、ソースSOは、リソグラフィ投影装置のハウジング内に位置してもよいが(大抵の場合、ソースSOが、例えば水銀ランプのとき)、それは、リソグラフィ投影装置から離れた位置にあってもよい。例えば、それが生成する放射ビームは、(例えば、適切な誘導ミラーを用いて)装置内に導き入れられてもよい。この後者のシナリオは、ソースSOが例えばエキシマレーザ(例えば、KrF、ArF、又はF2レージングに基づく)であるケースであり得る。
【0125】
[00140] 続いて、ビームBは、パターニングデバイステーブルMT上に保持されるパターニングデバイスMAと交差し得る。ビームBは、パターニングデバイスMAを横断した後、ビームBの焦点を基板Wのターゲット部分Cに合わせるレンズPLを通過し得る。第2の位置決め手段(及び干渉測定手段IF)を用いて、例えば異なるターゲット部分CをビームBのパス内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、例えば、パターニングデバイスライブラリからのパターニングデバイスMAの機械検索後に、又はスキャン中に、第1の位置決め手段を用いて、ビームBのパスに対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般に、オブジェクトテーブルMT、WTの移動は、ロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現することができる。但しステッパの場合は(ステップアンドスキャンツールとは対照的に)、パターニングデバイステーブルMTは、ショートストロークアクチュエータに接続されてもよく、又は固定されてもよい。
【0126】
[00141] 描かれたツールは、ステップモード及びスキャンモードの2つの異なるモードで使用され得る。ステップモードでは、パターニングデバイステーブルMTは、基本的に静止したままであり、及びパターニングデバイス像全体が、一回の動作(すなわち、単一の「フラッシュ」)でターゲット部分C上に投影される。異なるターゲット部分CがビームBによって照射され得るように、基板テーブルWTが、x方向及び/又はy方向にシフトされ得る。スキャンモードでは、所与のターゲット部分Cが、単一の「フラッシュ」で露光されないことを除き、基本的に同じシナリオがあてはまる。代わりに、パターニングデバイステーブルMTは、投影ビームBがパターニングデバイス像上をスキャンさせられるように、速度vで、所与の方向(例えば、「スキャン方向」、又は「y」方向)に移動可能である。並行して、基板テーブルWTが、速度V=Mv(Mは、レンズの倍率である(一般的に、M=1/4又は1/5))で、同じ方向又は反対方向に同時に移動される。このようにして、解像度を妥協する必要なしに、比較的大きなターゲット部分Cを露光させることができる。
【0127】
[00142]
図12は、本明細書に記載される動作のうちの1つ若しくは複数のために使用され得る、及び/又は本明細書に記載される動作のうちの1つ若しくは複数を容易にするために使用され得る別のリソグラフィ投影装置(LPA)の概略図である。LPAは、ソースコレクタモジュールSO、放射ビームB(例えば、EUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)IL、サポート構造MT、基板テーブルWT、及び投影システムPSを含み得る。サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MTは、パターニングデバイス(例えば、マスク又はレチクル)MAを支持するように構築することができ、パターニングデバイス基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTは、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構築されてもよく、基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続され得る。投影システム(例えば反射型投影システム)PSは、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)上に投影するように構成することができる。
【0128】
[00143] この例が示すように、LPAは、反射型(例えば、反射型パターニングデバイスを用いる)であり得る。ほとんどの材料が、EUV波長範囲内で吸収性であるので、パターニングデバイスは、例えば、モリブデン及びシリコンのマルチスタックを含む多層リフレクタを有し得ることに留意されたい。一例では、マルチスタックリフレクタは、各層の厚さが4分の1波長である、モリブデン及びシリコンの40層ペアを有する。さらに小さな波長が、X線リソグラフィを用いて生成され得る。ほとんどの材料が、EUV及びx線波長で吸収性であるので、パターニングデバイストポグラフィ上の薄い一片のパターン付き吸収材料(例えば、多層リフレクタ上のTaNアブゾーバ)は、どこにフィーチャが印刷され(ポジ型レジスト)、又は印刷されないか(ネガ型レジスト)を定義する。
【0129】
[00144] イルミネータILは、ソースコレクタモジュールSOから極端紫外線放射(EUV)ビームを受け得る。EUV放射を生成する方法は、必ずしも限定されないが、EUV範囲において1つ又は複数の輝線を備えた少なくとも1つの元素(例えば、キセノン、リチウム、又はスズ)を有するプラズマ状態に材料を変換することを含む。レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることが多い、そのような1つの方法では、プラズマは、線発光元素を有する材料の小滴、ストリーム、又はクラスタなどの燃料をレーザビームで照射することによって生成され得る。ソースコレクタモジュールSOは、燃料を励起するレーザビームを提供するレーザ(
図12では不図示)を含むEUV放射システムの一部でもよい。その結果生じるプラズマが、出力放射(例えば、EUV放射)を放出し、これが、ソースコレクタモジュールに配置される放射コレクタを用いて収集される。レーザ及びソースコレクタモジュールは、例えば、燃料励起用のレーザビームを提供するためにCO2レーザが使用される場合には、別個のエンティティでもよい。このようなケースでは、レーザは、リソグラフィ装置の一部を形成するとはみなされず、及び放射ビームは、例えば、適宜の誘導ミラー又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを用いて、レーザからソースコレクタモジュールへと渡され得る。他の例では、例えばソースが、DPPソースと呼ばれることが多い、放電生成プラズマEUVジェネレータである場合、ソースは、ソースコレクタモジュールの一体化部分でもよい。
【0130】
[00145] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するためのアジャスタを含み得る。一般に、イルミネータの瞳面の強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般的に、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)が、調節され得る。さらに、イルミネータILは、ファセットフィールド及び瞳ミラーデバイスなどの様々な他のコンポーネントを含み得る。イルミネータを使用して、断面に所望の均一性及び強度分布を有するように放射ビームを調整することができる。
【0131】
[00146] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブルMT)上に保持されるパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、及びパターニングデバイスによってパターン付けされ得る。放射ビームBは、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射された後、ビームの焦点を基板Wのターゲット部分Cに合わせる投影システムPSを通過する。第2のポジショナPW及び位置センサPS2(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)を用いて、(例えば異なるターゲット部分Cを放射ビームBのパス内に位置決めするように)基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサPS1を用いて、放射ビームBのパスに対してパターニングデバイス(例えば、マスク)MAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いてアライメントされてもよい。
【0132】
[00147] 描かれた装置LPAは、以下のモード:ステップモード、スキャンモード、及び静止モードのうちの少なくとも1つで使用され得る。ステップモードでは、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブルMT)及び基板テーブルWTは、基本的に静止したままであり、放射ビームに付与されたパターン全体が一度にターゲット部分C上に投影される(例えば、単一静的露光)。次いで、異なるターゲット部分Cが露光され得るように、基板テーブルWTが、X及び/又はY方向にシフトされる。スキャンモードでは、放射ビームに付与されたパターンが、ターゲット部分C上に投影される間に、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブルMT)及び基板テーブルWTは、同期してスキャンされる(すなわち、単一動的露光)。サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブルMT)に対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの縮小及び像反転特性によって決定され得る。静止モードでは、放射ビームに付与されたパターンが、ターゲット部分C上に投影される間に、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブルMT)は、プログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止したままであり、且つ基板テーブルWTは、移動又はスキャンされる。このモードでは、一般にパルス放射源が用いられ、及びプログラマブルパターニングデバイスが、基板テーブルWTの各移動後に、又はスキャン中の連続する放射パルスの合間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0133】
[00148]
図13は、
図12に示すリソグラフィ投影装置の詳細な図である。
図13に示すように、LPAは、ソースコレクタモジュールSO、照明システムIL、及び投影システムPSを含み得る。ソースコレクタモジュールSOは、ソースコレクタモジュールSOの閉鎖構造220内で真空環境が維持され得るように構成される。EUV放射放出プラズマ210は、放電生成プラズマ源によって形成され得る。EUV放射は、ガス又は蒸気(例えば、電磁スペクトルのEUV範囲内の放射を放出するために、高温プラズマ210が作られるXeガス、Li蒸気、又はSn蒸気)によって生成され得る。高温プラズマ210は、例えば、少なくとも部分的にイオン化されたプラズマを生じさせる放電によって作られる。Xe、Li、Sn蒸気又は任意のその他の適宜のガス若しくは蒸気の例えば10Paの分圧が、放射の効率的生成に必要とされ得る。一部の実施形態では、励起スズ(Sn)のプラズマは、EUV放射を生成するために提供される。
【0134】
[00149] 高温プラズマ210によって放出された放射は、ソースチャンバ211から、ソースチャンバ211の開口内、又はその後ろに位置する任意選択的なガスバリア又は汚染物質トラップ230(実施形態によっては、汚染物質バリア又はフォイルトラップとも呼ばれる)を介して、コレクタチャンバ212内へと渡される。汚染物質トラップ230は、チャネル構造を含み得る。汚染物質トラップ230は、ガスバリア、又はガスバリア及びチャネル構造の組み合わせも含み得る。汚染物質トラップ又は汚染物質バリアトラップ230(下記に示す)は、チャネル構造をも含む。コレクタチャンバ211は、斜入射型コレクタでもよい放射コレクタCOを含み得る。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側251及び下流放射コレクタ側252を有する。コレクタCOを横断する放射は、格子スペクトルフィルタ240に反射して、線「O」によって示される光軸に沿った仮想光源点IFに焦点を合わせることができる。仮想光源点IFは、一般的に中間焦点と呼ばれ、及びソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが、閉鎖構造220の開口221に、又はその付近に位置するように配置される。仮想光源点IFは、放射放出プラズマ210の像である。
【0135】
[00150] 続いて、放射は、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21の所望の角度分布、及びパターニングデバイスMAにおいて放射強度の所望の均一性を提供するように配置されたファセットフィールドミラーデバイス22及びファセット瞳ミラーデバイス24を包含し得る照明システムILを横断する。サポート構造MTによって保持されたパターニングデバイスMAにおける放射ビーム21の反射時に、パターン付きビーム26が形成され、及びパターン付きビーム26は、投影システムPSによって、反射要素28、30を介して、基板テーブルWTによって保持される基板W上に結像される。一般に、図示されるよりも多くの要素が、照明光学系ユニットIL及び投影システムPS内に存在し得る。格子スペクトルフィルタ240が、例えば、リソグラフィ装置のタイプに応じて、任意選択的に存在してもよい。さらに、図面に示されるミラーよりも多くのミラーが存在してもよく、例えば、
図15に示されるよりも1~6個の追加の反射要素が、投影システムPSに存在してもよい。
【0136】
[00151]
図13に示されるようなコレクタ系COは、コレクタ(又はコレクタミラー)の単なる一例として、斜入射型リフレクタ253、254、及び255を備えた入れ子式コレクタとして描かれる。斜入射型リフレクタ253、254、及び255は、光軸Oに対して軸対称に配置され、及びこのタイプのコレクタ系COは、DPPソースと呼ばれることが多い、放電生成プラズマ源と組み合わせて使用され得る。
【0137】
[00152]
図14は、リソグラフィ投影装置LPA(前の図に示す)のソースコレクタモジュールSOの詳細図である。ソースコレクタモジュールSOは、LPA放射システムの一部であってもよい。レーザLAは、レーザエネルギーをキセノン(Xe)、スズ(Sn)、又はリチウム(Li)などの燃料に堆積させ、数十eVの電子温度の高イオン化プラズマ210を生成するように配置され得る。脱励起及びこれらのイオンの再結合中に生成されるエネルギー放射は、プラズマから放出され、近法線入射コレクタ系COによって収集され、及び閉鎖構造220の開口221上に焦点が合わせられる。
【0138】
[00153]
図15を参照すると、コンピュータシステム1500が示されている。コンピュータシステム1500は、情報を通信するためのバス1502又は他の通信機構と、情報を処理するためにバス1502と結合されたプロセッサ1504(又はプロセッサ1504及び別のプロセッサ1505などの複数のプロセッサ)とを含む。コンピュータシステム1500は、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的ストレージデバイスなどの、プロセッサ1504によって実行される情報及び命令を保存するためにバス1502に結合されたメインメモリ1506も含む。メインメモリ1506は、プロセッサ1504によって実行される命令の実行中に、一時変数又は他の中間情報を保存するためにも使用されてもよい。コンピュータシステム1500は、リードオンリーメモリ(ROM)1508、又はプロセッサ1504のための静的情報及び命令を保存するためにバス1502に結合された他の静的ストレージデバイスをさらに含む。情報及び命令を保存するための磁気ディスク又は光ディスクなどのストレージデバイス1510が設けられると共に、バス1502に結合される。
【0139】
[00154] コンピュータシステム1500は、バス1502を介して、情報をコンピュータユーザに表示するための、陰極線管(CRT)、フラットパネル、又はタッチパネルディスプレイなどのディスプレイ1512に結合されてもよい。英数字及び他のキーを含む入力デバイス1514が、情報及びコマンド選択をプロセッサ1504に通信するためにバス1502に結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、プロセッサ1504に方向情報及びコマンド選択を通信するため、並びにディスプレイ1512上でカーソルの移動を制御するための、マウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなどのカーソル制御部1516である。この入力デバイスは、一般的に、2つの軸(第1の軸(例えば、x)及び第2の軸(例えば、y))において、デバイスが、ある面内で位置を特定することを可能にする2つの自由度を有する。タッチパネル(スクリーン)ディスプレイが、入力デバイスとして使用されてもよい。
【0140】
[00155] コンピュータシステム1500は、メインメモリ1506に含まれる1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを実行するプロセッサ1504に応答して、本明細書における処理ユニットとして機能するのに適し得る。このような命令は、ストレージデバイス1510などの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリ1506に読み込まれてもよい。メインメモリ1506に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ1504に本明細書に記載のプロセスを行わせる。メインメモリ1506に含まれる命令のシーケンスを実行するために、多重処理構成の1つ又は複数のプロセッサが用いられてもよい。代替実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令と一緒に、ハードワイヤード回路が用いられてもよい。従って、実施形態は、ハードウェア回路及びソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
【0141】
[00156] 本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ1504に命令を提供することに関与するあらゆる媒体を指す。このような媒体は、限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含む、多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、ストレージデバイス1510などの光又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ1506などの動的メモリを含む。伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバ(バス1502を含むワイヤを含む)を含む。伝送媒体は、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるものなどの、音波又は光波の形態もとり得る。コンピュータ可読媒体の一般的形態には、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、その他の光媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有したその他の物理媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM、その他のメモリチップ若しくはカートリッジ、以下に記載するような搬送波、又はコンピュータが読み取り可能なその他の媒体が含まれる。
【0142】
[00157] コンピュータ可読媒体の様々な形態が、実行のためにプロセッサ1504に1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを運ぶことに関与してもよい。例えば、命令は、最初は、リモートコンピュータの磁気ディスクにある場合がある。リモートコンピュータは、命令をそれの動的メモリにロードし、及びモデムを使用して電話回線上で命令を送ることができる。コンピュータシステム1500にローカルなモデムが、電話回線上のデータを受信し、及び赤外線送信機を用いてデータを赤外線信号に変換することができる。バス1502に結合された赤外線検出器が、赤外線信号で搬送されたデータを受信し、及びそのデータをバス1502にのせることができる。バス1502は、データをメインメモリ1506に搬送し、そこからプロセッサ1504が、命令の読み出し及び実行を行う。メインメモリ1506によって受信された命令は、任意選択的に、プロセッサ1504による実行の前又は後に、ストレージデバイス1510に保存されてもよい。
【0143】
[00158] コンピュータシステム1500は、バス1502に結合された通信インターフェース1518も含み得る。通信インターフェース1518は、ローカルネットワーク1522に接続されたネットワークリンク1520に結合する双方向データ通信を提供する。例えば、通信インターフェース1518は、対応するタイプの電話回線にデータ通信接続を提供するデジタル総合サービス網(ISDN)カード又はモデムでもよい。別の例として、通信インターフェース1518は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードでもよい。ワイヤレスリンクが実装されてもよい。このような実装において、通信インターフェース1518は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号、又は光信号の送信及び受信を行う。
【0144】
[00159] ネットワークリンク1520は通常、1つ又は複数のネットワークを介して他のデータデバイスにデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク1520は、ローカルネットワーク1522を介して、ホストコンピュータ1524へ、又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)1526によって運営されるデータ機器への接続を提供することができる。そしてISP1526は、現在一般に「インターネット」1528と呼ばれる世界的なパケットデータ通信ネットワークを通じてデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク1522及びインターネット1528は共に、デジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号、又は光信号を使用する。様々なネットワークを介した信号、及びネットワークリンク1520上にあり、通信インターフェース1518を介した信号(これらは、コンピュータシステム1500との間でデジタルデータを搬送する)は、情報を伝送する搬送波の例示的な形態である。
【0145】
[00160] コンピュータシステム1500は、1つ又は複数のネットワーク、ネットワークリンク1520、及び通信インターフェース1518を介して、メッセージを送信し、プログラムコードを含むデータを受信することができる。インターネットの例では、サーバ1530は、インターネット1528、ISP1526、ローカルネットワーク1522、及び通信インターフェース1518を介して、アプリケーションプログラムの要求コードを送信し得る。1つ又は複数の実施形態によれば、そのようなダウンロードされたアプリケーションの1つは、例えば、本明細書に開示するような方法を提供する。受信されたコードは、受信された際にプロセッサ1504によって実行されてもよいし、及び/又は後の実行のためにストレージデバイス1510、若しくは他の不揮発性ストレージに保存されてもよい。このようにして、コンピュータシステム1500は、搬送波の形態でアプリケーションコードを取得することができる。
【0146】
[00161] 本開示の実施形態は、本明細書に開示されるような方法を記述する機械可読命令の1つ若しくは複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はそのようなコンピュータプログラムが中に記憶されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気若しくは光ディスク)の形態をとり得る。さらに、機械可読命令は、2つ以上のコンピュータプログラムに具現化されてもよい。2つ以上のコンピュータプログラムは、1つ又は複数の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に記憶されてもよい。
【0147】
[00162] 本明細書に記載されるコントローラは、1つ又は複数のコンピュータプログラムが、リソグラフィ装置の少なくとも1つのコンポーネント内に位置する1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって読み出されるときに、各々又は組み合わせて動作可能であり得る。コントローラは、各々又は組み合わせて、信号を受信し、処理し、及び送信するための任意の適切な構成を有し得る。1つ又は複数のプロセッサは、コントローラのうちの少なくとも1つと通信するように構成される。例えば、各コントローラは、上記の方法のための機械可読命令を含むコンピュータプログラムを実行するための1つ又は複数のプロセッサを含み得る。コントローラは、そのようなコンピュータプログラムを記憶するためのデータ記憶媒体、及び/又はそのような媒体を受け入れるためのハードウェアを含み得る。そのため、1つ又は複数のコントローラは、1つ又は複数のコンピュータプログラムの機械可読命令に従って動作することができる。
【0148】
[00163] 本明細書では、ICの製造における計測装置の使用について具体的に言及している場合があるが、本明細書に記載される計測装置及びプロセスは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造といった他の用途があり得ることを理解されたい。当業者であれば、そのような代替の用途の文脈において、本明細書での「ウェーハ」又は「ダイ」という用語の使用は、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」というより一般的な用語と同義であると見なされ得ることを理解するであろう。本明細書で言及される基板は、例えば、トラック(通常、基板にレジストの層を塗布し、及び露光されたレジストを現像するツール)、計測ツール、及び/又は1つ若しくは複数の様々な他のツールにおいて、露光前又は露光後に処理され得る。適用可能な場合、本明細書の開示は、そのような基板処理ツール及び他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、基板は、例えば多層ICを作成するために2回以上処理されてもよく、従って、本明細書で使用される基板という用語は、既に複数の処理された層を含む基板を指す場合もある。
【0149】
[00164] 上記では、光リソグラフィの文脈における本開示の実施形態の使用について具体的に言及した場合があるが、本開示は、他の用途、例えばナノインプリントリソグラフィに使用することができ、文脈が許す限り、光リソグラフィに限定されないことが理解されるであろう。ナノインプリントリソグラフィの場合、パターニングデバイスは、インプリントテンプレート又はモールドである。
【0150】
[00165] 本明細書で開示される概念は、サブ波長フィーチャを結像するための任意の一般的結像システムをシミュレート又は数学的にモデル化することができ、ますます短い波長を生成できる新たな結像技術に特に有用であり得る。既に使用されている新たな技術には、EUV(極端紫外線)、ArFレーザを使用して193nmの波長、さらにはフッ素レーザを使用して157nmの波長を生成できるDUVリソグラフィが含まれる。また、EUVリソグラフィは、20~5nmの範囲内の波長を、シンクロトロンを用いることによって、又はこの範囲内の光子を生成するために、物質(固体若しくはプラズマ)に高エネルギーの電子を衝突させることにより、生成することができる。
【0151】
[00166] 本明細書に開示される概念は、シリコンウェーハなどの基板上の結像に使用することができるが、開示される概念は、あらゆるタイプのリソグラフィ結像システム、例えば、シリコンウェーハ以外の基板上の結像に使用されるものに使用され得ることを理解されたい。さらに、開示される要素の組み合わせ及びサブコンビネーションは、別々の実施形態を含み得る。例えば、改良されたMRC基準を決定することは、それ自体の別個の実施形態を含んでもよいし、又はそれは、本明細書に記載されるように、実際のチェックを行うことも含む1つ若しくは複数の他の実施形態と共に含まれてもよい。
【0152】
[00167] 本明細書で開示される概念は、サブ波長フィーチャを結像するための任意の一般的結像システムをシミュレート又は数学的にモデル化することができ、ますます短い波長を生成できる新たな結像技術に特に有用であり得る。新たな技術には、EUV(極端紫外線)、ArFレーザを使用して193nmの波長、さらにはフッ素レーザを使用して157nmの波長を生成できるDUVリソグラフィが含まれる。また、EUVリソグラフィは、20~50nmの範囲内の波長を、シンクロトロンを用いることによって、又はこの範囲内の光子を生成するために、物質(固体若しくはプラズマ)に高エネルギーの電子を衝突させることにより、生成することができる。
【0153】
[00168] さらに、開示される要素の組み合わせ及びサブコンビネーションは、別々の実施形態を含み得る。例えば、収差インパクトモデル及び投影光学系モデルは、別々の実施形態に含まれてもよいし、又はそれらは、同じ実施形態に一緒に含まれてもよい。
【0154】
[00169] 上記の記載は、例示を意図したものであり、限定を意図したものではない。従って、当業者には、以下に記載される特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されるような修正がなされ得ることが明らかであろう。
【0155】
[00170] 本出願によるさらなる実施形態は、以下に列挙する条項に記載される。
1.半導体処理装置の光学投影システムによって提供される波面を表す波面データを受信することと、波面データとターゲット波面データとの比較に基づいて波面ドリフトを決定することと、波面ドリフトに基づいて、1つ又は複数のプロセスパラメータを決定することであって、1つ又は複数のプロセスパラメータが、サーマルデバイスに関連するパラメータを含み、サーマルデバイスが、動作中に光学投影システムに熱エネルギーを供給するように構成される、決定することと、を含む、方法。
2.波面データが、(i)照明源によって出力され、光学投影システムの光学素子に入射する放射、及び(ii)光学投影システムの構成に基づいて決定される、条項1に記載の方法。
3.光学投影システムが、光学素子を含む1つ又は複数の光学素子を含み、光学投影システムの構成が、1つ又は複数の光学素子の配向を含む、条項2に記載の方法。
4.1つ又は複数の光学素子の各々が、1つ又は複数の自由度を有し、1つ又は複数の制御デバイスが、1つ又は複数の光学素子のうちの少なくとも1つの1つ又は複数の自由度のうちの少なくとも1つに沿って、1つ又は複数の光学素子の配向を調節するように構成される、条項3に記載の方法。
5.1つ又は複数の自由度が6自由度を含む、条項4に記載の方法。
6.1つ又は複数の光学素子が6つの光学素子を含む、条項3~5のいずれか一項に記載の方法。
7.6つの光学素子の各々が反射型光学素子である、条項6に記載の方法。
8.1つ又は複数の光学素子の各々が透過型光学素子である、条項3~7のいずれか一項に記載の方法。
9.光学投影システムの構成が、1つ又は複数の光学素子の各々の材料組成を含む、条項3~8のいずれか一項に記載の方法。
10.1つ又は複数のプロセスパラメータが、サーマルデバイスの一組の動作設定を含む、条項1~9のいずれか一項に記載の方法。
11.サーマルデバイスの一組の動作設定が、サーマルデバイスから出力される照射の量を含む、条項10に記載の方法。
12.サーマルデバイスの一組の動作設定が、サーマルデバイスによって出力された照射が印加されるべき光学投影システムの1つ又は複数のセクションを含む、条項10~11のいずれか一項に記載の方法。
13.光学投影システムが光学素子を含み、1つ又は複数のプロセスパラメータが、サーマルデバイスから出力された照射が印加されるべき光学素子上の位置を含む、条項12に記載の方法。
14.1つ又は複数のプロセスパラメータを決定することが、波面データ、ターゲット波面データ、及び1つ又は複数の半導体処理メトリクスに基づいて、サーマルデバイスの一組の動作設定のうちの1つ又は複数の動作設定に対する調節を決定することを含む、条項10~13のいずれか一項に記載の方法。
15.動作が、波面ドリフトに基づいて、光学投影システムの構成に対する調節を決定することをさらに含む、条項14に記載の方法。
16.1つ又は複数の半導体処理メトリクスが、照明源から出力される放射及び光学投影システムの構成に基づいて計算される、条項15に記載の方法。
17.動作が、サーマルデバイスの1つ又は複数の動作設定に対して行われるべき調節を示す第1の命令と、光学投影システムの構成に対して行われるべき調節を示す第2の命令と、を取得することをさらに含む、条項15~16のいずれか一項に記載の方法。
18.動作が、第1の命令をサーマルデバイスに提供することと、第2の命令を1つ又は複数の制御デバイスに提供することであって、1つ又は複数の制御デバイスが、光学投影システムの構成を調節するように構成される、提供することと、をさらに含む、条項17に記載の方法。
19.第1の命令及び第2の命令が同時に提供される、条項18に記載の方法。
20.1つ又は複数のプロセスパラメータが、波面ドリフトのインパクトを補償するように決定される、条項1~19のいずれか一項に記載の方法。
21.波面ドリフトのインパクトを補償することが、サーマルデバイスに関連する1つ又は複数のプロセスパラメータに対する調節を決定することと、光学投影システムの構成に対する調節を決定することと、を含み、サーマルデバイスに関連する1つ又は複数のプロセスパラメータに対する調節及び光学投影システムの構成に対する調節が、波面ドリフトの大きさを最小化することによって決定される、条項20に記載の方法。
22.波面ドリフトの大きさを最小化することが、波面ドリフトが条件を満たすまで、サーマルデバイスに関連する1つ又は複数のプロセスパラメータに対する調節と、光学投影システムの構成に対する調節とを修正することを含む、条項21に記載の方法。
23.波面データ及びターゲット波面データに基づいた、波面とターゲット波面との間の差が閾値波面ドリフト値未満であるとの決定に応答して、条件が満たされ、ターゲット波面データが、ターゲット波面を含む、条項22に記載の方法。
24.波面ドリフトのインパクトを補償することが、エッジ配置誤差(EPE)費用を最小化すること、又は波面RMSを最適化することを含む、条項20~23のいずれか一項に記載の方法。
25.EPE費用を最小化することが、最小EPE費用をもたらす、サーマルデバイスに関連する1つ又は複数のプロセスパラメータに対する調節と、光学投影システムの構成に対する調節とを決定することを含む、条項24に記載の方法。
26.動作が、最小EPE費用を決定することをさらに含み、最小EPE費用を決定することが、EPE費用が条件を満たすまで、サーマルデバイスに関連する1つ又は複数のプロセスパラメータに対する調節と、光学投影システムの構成に対する調節とを修正することを含む、条項25に記載の方法。
27.EPE費用が閾値EPE費用未満であるとの決定に応答して、条件が満たされる、条項26に記載の方法。
28.EPE費用を最小化することが、一組の変数に対する費用関数のEPE費用を決定することであって、一組の変数が、サーマルデバイスに関連する複数のプロセスパラメータと、光学投影システムの複数の構成とを含む、決定することと、EPE費用から、最小EPE費用を選択することと、最小EPE費用に基づいて、最小EPE費用を生じさせる、サーマルデバイスに関連する複数のプロセスパラメータからの1つ又は複数のプロセスパラメータと、光学投影システムの1つ又は複数の構成とを抽出することと、を含む、条項24~27のいずれか一項に記載の方法。
29.費用関数が、エッジ配置誤差(EPE)費用を計算する、条項28に記載の方法。
30.波面データが、半導体処理装置の照明源によって出力された光によって光学投影システムの1つ又は複数の光学素子に対して誘発される加熱状態と、サーマルデバイスによって誘発される加熱状態とに基づいて決定される、条項1~29のいずれか一項に記載の方法。
31.サーマルデバイスによって誘発される加熱状態が、サーマルデバイスに関連する1つ又は複数のプロセスパラメータに基づいて決定され、1つ又は複数のプロセスパラメータが、サーマルデバイスの動作設定を含む、条項30に記載の方法。
32.サーマルデバイスの動作設定が、光学投影システムの1つ又は複数の光学素子に対してサーマルデバイスによって提供される規定量の照射をサーマルデバイスに出力させるための、サーマルデバイスに提供されるパワーレベルと、照射が印加されるべき1つ又は複数の光学素子のうちの少なくとも1つの1つ又は複数のセクションと、を含む、条項31に記載の方法。
33.半導体処理装置の照明源によって出力された光によって1つ又は複数の光学素子に対して誘発される加熱状態が、半導体処理装置によって実行される半導体製作プロセスの一部が行われた後に、波面センサを介して検出された波面に基づいて決定される、条項32に記載の方法。
34.光学投影システムが、1つ又は複数の光学素子を含み、サーマルデバイスが、決定された1つ又は複数のプロセスパラメータに基づいて照射を出力するように構成され、サーマルデバイスによって出力された照射が、1つ又は複数の光学素子のうちの少なくとも1つに印加される、条項1~33のいずれか一項に記載の方法。
35.動作が、追加のサーマルデバイスに関連する1つ又は複数の追加のプロセスパラメータを決定することをさらに含み、追加のサーマルデバイスが、決定された1つ又は複数の追加のプロセスパラメータに基づいて照射を出力するように構成され、追加のサーマルデバイスによって出力された照射が、1つ若しくは複数の光学素子のうちの少なくとも1つ、又は1つ若しくは複数の光学素子のうちの少なくとも別の光学素子のうちの少なくとも1つに印加される、条項34に記載の方法。
36.サーマルデバイスが、半導体処理装置又は光学投影システムの補正能力を向上させるように構成される、条項1~35のいずれか一項に記載の方法。
37.1つ又は複数のプロセスパラメータが、アプリケーション層に固有である、条項1~36のいずれか一項に記載の方法。
38.サーマルデバイスが熱エネルギーを供給することが、サーマルデバイスが光学投影システムに加熱又は冷却を提供することを含む、条項1~37のいずれか一項に記載の方法。
39.サーマルデバイスが、加熱デバイス又は冷却デバイスである、条項1~38のいずれか一項に記載の方法。
40.熱エネルギーが照射を含む、条項1~39のいずれか一項に記載の方法。
41.半導体処理装置の光学投影システムによって提供される波面の波面ドリフトを取得することであって、波面ドリフトが、波面を表す波面データとターゲット波面データとの比較に基づいて決定される、取得することと、波面ドリフトに基づいて、1つ又は複数のプロセスパラメータを決定することであって、1つ又は複数のプロセスパラメータが、サーマルデバイスに関連するパラメータを含み、サーマルデバイスが、動作中に光学投影システムに熱エネルギーを供給するように構成される、決定することと、を含む、方法。
41.熱エネルギーが照射を含む、条項40に記載の方法。
42.波面が定常状態波面を含む、条項40に記載の方法。
43.定常状態波面が、(i)半導体処理装置の照明源によって出力された光によって光学投影システムの1つ又は複数の光学素子に対して誘発される加熱状態と、(ii)サーマルデバイスに光学投影システムの1つ又は複数の光学素子に熱エネルギーを供給させるための1つ又は複数の動作設定とに基づいて決定される、条項42に記載の方法。
44.1つ又は複数の動作設定が、サーマルデバイスを介して光学投影システムの1つ又は複数の光学素子に提供する照射の量を示す、サーマルデバイスのパワー設定と、照射が印加されるべき1つ又は複数の光学素子のうちの少なくとも1つの1つ又は複数のセクションとを含む、条項43に記載の方法。
45.定常状態波面が、波面に起因するシミュレートされた波面ドリフトを計算することであって、波面ドリフトが、波面とターゲット波面との間の差に基づいており、ターゲット波面データが、ターゲット波面を含む、計算することと、費用関数を最小化するように、サーマルデバイスの1つ若しくは複数の動作設定、又は光学投影システムの1つ若しくは複数の光学素子の構成のうちの少なくとも1つを調節することであって、費用関数が、サーマルデバイスの所与の一組の動作設定、及び光学投影システムの1つ又は複数の光学素子の所与の構成について、エッジ配置誤差(EPE)費用を推定する、調節することと、によって決定される、条項43~44のいずれか一項に記載の方法。
46.費用関数を最小化することが、費用関数に基づいて、最小のEPE費用をもたらす、サーマルデバイスの第1の動作設定の組、及び光学投影システムの1つ又は複数の光学素子の第1の構成を決定することを含む、条項45に記載の方法。
47.動作が、サーマルデバイスのための第1の動作設定の組を取得するために、サーマルデバイスの1つ又は複数の動作設定を調節することと、光学投影システムの1つ又は複数の光学素子の第1の構成を取得するために、光学投影システムの1つ又は複数の光学素子の構成を調節することと、をさらに含む、条項46に記載の方法。
48.波面が、半導体処理装置の照明源によって誘発される加熱状態と、サーマルデバイスによって光学投影システムに出力された熱エネルギーによって誘発される加熱状態とを入力として取り込む波面生成モデルに基づいて生成され、波面生成モデルが、照明源によって誘発される入力加熱状態と、サーマルデバイスによって出力された熱エネルギーによって誘発される加熱状態とに基づいて、シミュレートされた波面を出力する、条項41~47のいずれか一項に記載の方法。
49.構成に基づく波面が、光学投影システムの1つ又は複数の光学素子の構成によって誘発される加熱状態に基づいて生成され、シミュレートされた波面と、構成に基づく波面とを加算することによって計算される合計波面が、重み付けされた波面を得るために、1つ又は複数の半導体処理メトリクスを使用して重み付けされる、条項48に記載の方法。
50.合計波面を重み付けするために使用される1つ又は複数の半導体処理メトリクスがリソグラフィメトリクスである、条項49に記載の方法。
51.波面ドリフトが、重み付けされた波面とターゲット波面との間の差に基づいて決定され、ターゲット波面データが、ターゲット波面を含む、条項50に記載の方法。
52.1つ又は複数のプロセスパラメータを決定することが、波面ドリフトの大きさを低減する、サーマルデバイスの第1の動作設定及び光学投影システムの1つ又は複数の光学素子の第1の構成を決定することを含む、条項51に記載の方法。
53.波面ドリフトの大きさを低減することが、波面ドリフトによって誘発される誤差を低減することを含む、条項52に記載の方法。
54.光学投影システムが1つ又は複数の光学素子を含み、波面データがさらに、1つ又は複数の光学素子の構成に基づいて決定される、条項41~53のいずれか一項に記載の方法。
55.光学投影システムの1つ又は複数の光学素子の構成が、光学投影システムの1つ又は複数の光学素子の配向を含む、条項54に記載の方法。
56.光学投影システムの構成が、1つ又は複数の光学素子の各々の材料組成を含む、条項54~55のいずれか一項に記載の方法。
57.光学投影システムが、1つ又は複数の光学素子を含み、1つ又は複数の光学素子の各々が、1つ又は複数の自由度を有する、条項41~56のいずれか一項に記載の方法。
58.1つ又は複数の光学素子の配向が、1つ又は複数の制御デバイスを介して1つ又は複数の自由度のうちの少なくとも1つに沿って調節される、条項57に記載の方法。
59.1つ又は複数の自由度が6自由度を含む、条項57~58のいずれか一項に記載の方法。
60.1つ又は複数の光学素子が6つの光学素子を含む、条項54~59のいずれか一項に記載の方法。
61.6つの光学素子の各々が反射型光学素子である、条項60に記載の方法。
62.1つ又は複数の光学素子の各々が透過型光学素子である、条項54~61のいずれか一項に記載の方法。
63.1つ又は複数のプロセスパラメータが、サーマルデバイスの一組の動作設定を含む、条項41~62のいずれか一項に記載の方法。
64.一組の動作設定が、サーマルデバイスから出力される照射の量を含む、条項63に記載の方法。
65.サーマルデバイスの一組の動作設定が、サーマルデバイスによって出力された照射が印加されるべき光学投影システムの1つ又は複数のセクションを含む、条項63~64のいずれか一項に記載の方法。
66.1つ又は複数のプロセスパラメータを決定することが、波面データ、ターゲット波面データ、及び1つ又は複数の半導体処理メトリクスに基づいて、サーマルデバイスの一組の動作設定のうちの1つ又は複数の動作設定に対する調節を決定することを含む、条項63~65のいずれか一項に記載の方法。
67.動作が、波面ドリフトに基づいて、光学投影システムの構成に対する調節を決定することをさらに含む、条項66に記載の方法。
68.1つ又は複数の半導体処理メトリクスが、照明源から出力される放射及び光学投影システムの構成に基づいて計算される、条項67に記載の方法。
69.動作が、サーマルデバイスの1つ又は複数の動作設定に対して行われるべき調節を示す第1の命令と、光学投影システムの構成に対して行われるべき調節を示す第2の命令と、を取得することをさらに含む、条項67~68のいずれか一項に記載の方法。
70.動作が、第1の命令をサーマルデバイスに提供することと、第2の命令を1つ又は複数の制御デバイスに提供することであって、1つ又は複数の制御デバイスが、光学投影システムの構成を調節するように構成される、提供することと、をさらに含む、条項69に記載の方法。
71.第1の命令及び第2の命令が同時に提供される、条項70に記載の方法。
72.1つ又は複数のプロセスパラメータが、波面ドリフトを補償するように決定される、条項41~71のいずれか一項に記載の方法。
73.波面ドリフトを補償することが、サーマルデバイスに関連する1つ又は複数のプロセスパラメータに対する調節を決定することと、光学投影システムの構成に対する調節を決定することと、を含み、サーマルデバイスに関連する1つ又は複数のプロセスパラメータに対する調節及び光学投影システムの構成に対する調節が、波面ドリフトの大きさを最小化することによって決定される、条項72に記載の方法。
74.波面ドリフトの大きさを最小化することが、波面ドリフトが条件を満たすまで、サーマルデバイスに関連する1つ又は複数のプロセスパラメータに対する調節と、光学投影システムの構成に対する調節とを修正することを含む、条項73に記載の方法。
75.波面データ及びターゲット波面データに基づいた、波面とターゲット波面との間の差が閾値波面ドリフト値未満であるとの決定に応答して、条件が満たされ、ターゲット波面データが、ターゲット波面を含む、条項74に記載の方法。
76.波面ドリフトを補償することが、エッジ配置誤差(EPE)費用を最小化することを含む、条項72~75のいずれか一項に記載の方法。
77.EPE費用を最小化することが、最小EPE費用をもたらす、サーマルデバイスに関連する1つ又は複数のプロセスパラメータに対する調節と、光学投影システムの構成に対する調節とを決定することを含む、条項76に記載の方法。
78.動作が、最小EPE費用を決定することをさらに含み、最小EPE費用を決定することが、EPE費用が条件を満たすまで、サーマルデバイスに関連する1つ又は複数のプロセスパラメータに対する調節と、光学投影システムの構成に対する調節とを修正することを含む、条項70に記載の方法。
79.EPE費用が閾値EPE費用未満であるとの決定に応答して、条件が満たされる、条項78に記載の方法。
80.EPE費用を最小化することが、一組の変数に対する費用関数のEPE費用を決定することであって、一組の変数が、サーマルデバイスに関連する複数のプロセスパラメータと、光学投影システムの複数の構成とを含む、決定することと、EPE費用から、最小EPE費用を選択することと、最小EPE費用に基づいて、最小EPE費用を生じさせる、サーマルデバイスに関連する複数のプロセスパラメータからの1つ又は複数のプロセスパラメータと、光学投影システムの1つ又は複数の構成とを抽出することと、を含む、条項76~79のいずれか一項に記載の方法。
81.費用関数が、エッジ配置誤差(EPE)費用を計算する、条項80に記載の方法。
82.光学投影システムが、1つ又は複数の光学素子を含み、サーマルデバイスが、決定された1つ又は複数のプロセスパラメータに基づいて照射を出力するように構成され、サーマルデバイスによって出力された照射が、1つ又は複数の光学素子のうちの少なくとも1つに印加される、条項41~81のいずれか一項に記載の方法。
83.動作が、追加のサーマルデバイスに関連する1つ又は複数の追加のプロセスパラメータを決定することをさらに含み、追加のサーマルデバイスが、決定された1つ又は複数の追加のプロセスパラメータに基づいて照射を出力するように構成され、追加のサーマルデバイスによって出力された照射が、光学投影システムの1つ又は複数の光学素子に印加される、条項41~82のいずれか一項に記載の方法。
84.サーマルデバイスが、半導体処理装置又は光学投影システムの補正能力を向上させるように構成される、条項41~83のいずれか一項に記載の方法。
85.1つ又は複数のプロセスパラメータが、アプリケーション層に固有である、条項41~84のいずれか一項に記載の方法。
86.サーマルデバイスが熱エネルギーを供給することが、サーマルデバイスが光学投影システムに加熱又は冷却を提供することを含む、条項41~85のいずれか一項に記載の方法。
87.サーマルデバイスが、加熱デバイス又は冷却デバイスである、条項41~86のいずれか一項に記載の方法。
88.熱エネルギーが照射を含む、条項41~87のいずれか一項に記載の方法。
89.半導体処理装置であって、波面データによって表される波面を提供するように構成された光学投影システムと、動作中に光学投影システムに熱エネルギーを供給するように構成された1つ又は複数のサーマルデバイスと、を含み、熱エネルギーが、1つ又は複数のサーマルデバイスに関連するパラメータを含む1つ又は複数のプロセスパラメータに基づいて決定され、1つ又は複数のプロセスパラメータが、波面ドリフトに基づいて決定され、波面ドリフトが、波面データとターゲット波面データとの比較に基づいて決定され、半導体処理装置が、条項1~88のいずれか一項に記載の方法を行うように構成される、半導体処理装置。
90.コンピュータプログラム命令を記憶するメモリと、条項1~88のいずれか一項に記載の方法を行うためにコンピュータプログラム命令を実行するように構成された1つ又は複数のコンピュータプロセッサと、を含むシステム。
91.実行されると、条項1~88のいずれか一項に記載の方法を含む動作を生じさせるコンピュータ可読命令を記憶した非一時的なコンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】