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特表2024-546625オーバーレイを判断するための方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】オーバーレイを判断するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532431
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-07-23
(86)【国際出願番号】 EP2022082685
(87)【国際公開番号】W WO2023117250
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/291,759
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ミールロ,ウィレム,ルイス
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197DA02
2H197DA03
2H197HA03
2H197HA05
2H197HA10
2H197JA23
(57)【要約】
本明細書において説明されるのは、リソグラフィプロセスに関連する処理パラメータを判断するためのシステム、方法及び媒体である。いくつかの実施形態では、基板上のフィーチャの画像データが取得され得、画像データはフーリエ空間内で分析され得る。この分析に基づき、振幅及び位相が判断され得、フィーチャのオーバーレイが振幅及び位相に基づき判断され得る。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより実行されると前記コンピュータに、
基板上のフィーチャの画像データを取得すること、
前記画像データをフーリエ空間内で分析すること、
前記分析に基づき振幅及び位相を判断すること、並びに、
前記振幅及び前記位相に基づき前記フィーチャのオーバーレイを判断すること、
を含む操作を行わせるコンピュータプログラム命令
を格納する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項2】
前記フィーチャは、前記基板の第1の層上の第1のフィーチャと、前記基板の第2の層上の第2のフィーチャと、を含み、
前記第2の層は、前記第1の層上に形成される、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項3】
前記画像データは、電子ビームを1つ又は複数の方向に走査することにより形成される前記基板の画像を含む、請求項2に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項4】
前記画像データは、電子顕微鏡検査を介し捕捉される、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項5】
走査電子顕微鏡(SEM)が、SEM画像を捕捉する前記電子顕微鏡検査を行うために使用され、
前記画像データは、前記SEM画像を表すSEM画像データを含む、請求項4に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項6】
フーリエ空間内の前記画像データを分析することは、高速フーリエ変換(FFT)の前記画像データへの適用に応じて振幅画像及び位相画像を生成することを含み、
前記振幅は、前記振幅画像に基づき判断され、
前記位相は、前記位相画像に基づき判断される、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記画像データは、前記基板、前記基板上に形成された第1の層、及び、前記第1の層上に形成された第2の層、の画像を含み、
前記振幅画像は、フーリエ空間内の前記フィーチャの振幅を描写し、
前記フィーチャは、前記第1の層又は前記第2の層のうちの少なくとも1つの層上に形成され、
前記振幅を判断することは、
前記振幅に基づき前記フィーチャから前記第1の層上に位置する第1組のフィーチャを判断すること、及び
前記振幅に基づき前記フィーチャから前記第2の層上に位置する第2組のフィーチャを判断すること、を含み、
前記オーバーレイは、前記第1組のフィーチャ及び前記第2組のフィーチャに基づき判断される、請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記位相を判断することは、一組の位相を取得するために、前記位相画像に基づき前記第1組のフィーチャのフィーチャ毎にフーリエ空間内の前記第1組のフィーチャの対応する第1のフィーチャのそれぞれの位相を判断することを含み、
前記オーバーレイは、前記一組の位相に基づき判断される、請求項7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記画像データは、第1の層上の第1のフィーチャ及び第2の層上の第2のフィーチャを有する前記基板の画像を含み、
前記第2の層は、前記第1の層上に形成され、
前記オーバーレイを判断することは、
入力として前記位相をモデルへ提供すること、及び
前記モデルから前記第1のフィーチャと前記第2のフィーチャとの間の推定オーバーレイを取得すること、
を含む、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記モデルは、積み重ねフィーチャを含む基板の複数の画像を使用することによりトレーニングされ、
前記複数の画像の各画像は、前記積み重ねフィーチャのオーバーレイを指示するメタデータを含み、
前記積み重ねフィーチャの各々は、それぞれの基板の第1の層上の第1組のフィーチャと前記それぞれの基板の第2の層上の第2組のフィーチャとを含む、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記画像データは、第1の層と、前記第1の層上に形成された第2の層と、を含む基板の画像を含み、
前記画像データをフーリエ空間内で分析することは、
高速フーリエ変換(FFT)の前記画像データへの適用に応じて、フーリエ空間内の前記画像を表す振幅画像及び位相画像を生成すること、
前記振幅画像内のピークを前記フィーチャへ割り当てること、を含み、
前記ピークの各々は、前記第1の層に含まれる第1のフィーチャ又は前記第2の層に含まれる第2のフィーチャのうちの1つへ割り当てられ、
前記第1のフィーチャの各フィーチャの位相は、それぞれのピークに基づき補間される、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記画像データは、計測システムを使用することにより前記基板を撮像することにより取得される、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
基板上のフィーチャの画像データを取得すること、
前記画像データをフーリエ空間内で分析すること、
前記分析に基づき振幅及び位相を判断すること、並びに、
前記振幅及び前記位相に基づきオーバーレイを判断すること、
を含む操作を達成するためのコンピュータプログラム命令
を実行するように構成されたコンピューティングシステムを含む、
計測システム。
【請求項14】
前記画像データは、前記基板の画像を含み、
前記基板は、前記基板の第1の層上の第1のフィーチャと前記基板の第2の層上の第2のフィーチャとを含むフィーチャを形成するパターン化プロセスを使用することによりパターン化され、
前記第2の層は、前記第1の層上に形成される、請求項13に記載の計測システム。
【請求項15】
メモリ内に格納されたコンピュータプログラム命令を実行する1つ又は複数のプロセッサにより実装される方法であって、
基板上のフィーチャの画像データを取得すること、
前記画像データをフーリエ空間内で分析すること、
前記分析に基づき振幅及び位相を判断すること、並びに、
前記振幅及び前記位相に基づきオーバーレイを判断すること、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、その全体を参照により本明細書に援用する2021年12月20日に申請された米国特許出願第63/291,759号の優先権を主張する。
【0002】
[0002] 本明細書は、パターン化される基板の画像のフーリエ空間内の解析に基づきパターンを基板上に生成するプロセスのパラメータ(オーバーレイなど)を判断することに関係する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 集積回路(IC)の製造プロセスでは、未完成又は完成した回路コンポーネントは、設計通りに製造され、欠陥がないことを確実にするために検査される。光学顕微鏡又は走査電子顕微鏡(SEM)などの荷電粒子(例えば電子)ビーム顕微鏡を利用した検査システムを採用することができる。ICコンポーネントの物理的なサイズが縮小し続け、その構造が複雑化し続けるにつれて、欠陥検出及び検査における精度及びスループットがより重要になる。全体的な画像品質は、特に二次電子及び後方散乱電子の高い信号検出効率の組み合わせに依存する。後方散乱電子は、サンプルのより深い層から脱出するための放出エネルギーがより高く、そのため、3D NANDデバイスの埋込層、ノード、高アスペクト比のトレンチ又は穴などの複雑な構造の結像には、後方散乱電子の検出が望ましい場合がある。オーバーレイ計測などの用途では、二次電子からの表面情報及び後方散乱電子からの埋込層情報を高品質な結像及び効率的な収集で同時に取得することが望ましい場合があり、SEMにおける複数の電子検出器を使用する必要性が強調される。二次電子及び後方散乱電子の収集及び検出効率を個々に最大化するために、様々な構造的配置の複数の電子検出器が使用され得るが、複合的な検出効率は低いままであり、そのため、達成される画像品質は、2次元及び3次元構造の高精度且つ高スループットの欠陥検査及び計測には不十分な場合がある。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 一実施形態では、基板上のフィーチャの画像データを取得すること、画像データをフーリエ空間内で分析すること、この分析に基づき振幅及び位相を判断すること、並びに、これらの振幅及び位相に基づきオーバーレイを判断すること、を含む方法が提供される。
【0005】
[0005] 一態様では、プロセッサシステムに本明細書において説明される方法の性能を引き出させるための機械可読命令を含む非一時的コンピュータプログラム製品が提供される。一態様では、その上に記録された命令を有するコンピュータ非一時的可読媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供され、命令はコンピュータにより実行されると本明細書において説明される方法又は1つ又は複数の処理工程を実施する。
【0006】
[0006] 一態様では、パターン化プロセスのオブジェクトを測定するための計測装置であって本明細書において説明される方法を行うように構成された計測装置が提供される。
【0007】
[0007] 一態様では、パターン化プロセスのオブジェクトを検査するための検査装置であって本明細書において説明される方法を行うように動作可能な検査装置が提供される。
【0008】
[0008] 一態様では、本明細書において説明される計測装置、及びコンピュータプログラム製品を含むシステムが提供される。一実施形態では、本システムはさらに、放射線ビームを変調するためにパターン化デバイスを保持するように構成された支持構造を含むリソグラフィ装置と変調された放射線ビームを放射線感受性基板上へ投射するように構成された投影光学系とを含み、オブジェクトは基板である。
【0009】
[0009] 一実施形態では、ハードウェアプロセッサシステムと、実行されるとハードウェアプロセッサシステムに本明細書において説明される方法を行わせる機械可読命令を格納するように構成された非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体とを含むシステムが提供される。
【0010】
[0010] 本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、1つ又は複数の実施形態を示し、発明の詳細な説明と共にこれらの実施形態を説明する。実施形態は、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照して、単なる例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0011]一実施形態によるリソグラフィ投影装置の概略図である。
図2】[0012]一実施形態によるリソグラフィックセルの概略図を示す。
図3】[0013]一実施形態による、半導体製造を最適化するための3つの技術間の連携を表す、ホリスティックリソグラフィの概略図を示す。
図4】[0014]一実施形態による、荷電粒子(例えば電子ビーム)検査装置の一実施形態を概略的に示す。
図5】[0015]一実施形態による、検査装置の別の実施形態を概略的に示す。
図6A】[0016]一実施形態による第1の層上に位置するフィーチャと第1の層の上に形成された第2の層上に位置するフィーチャとを有する基板の例示的画像を描写する。
図6B】[0017]一実施形態による図6Aの画像のズームイン部分を描写する。
図7A】[0018]一実施形態によるそれぞれが1つ又は複数のフィーチャを有する積層を有する基板の画像の一部分の略図である。
図7B】[0019]一実施形態による図7Aからの画像の一部分の略図であり、ここでは第1のフィーチャを含む第1の層だけが示される。
図8】[0020]一実施形態によるフーリエ変換を二次元画像へ適用する方法に対応する。
図9】[0021]一実施形態によるフーリエ変換を図6Aの画像へ適用することにより取得された例示的振幅画像を描写する。
図10A】[0022]一実施形態による副画素精度を有するフーリエ空間内のピークの座標を判断するための例示的補間処理を描写する。
図10B】[0022]一実施形態による副画素精度を有するフーリエ空間内のピークの座標を判断するための例示的補間処理を描写する。
図11】[0023]一実施形態によるフーリエ変換を図6Aの画像へ適用することにより取得された例示的位相画像を描写する。
図12】[0024]一実施形態による図9の例示的振幅画像のズームイン部分の略図である。
図13】[0025]一実施形態によるパターン化デバイスの画像のフーリエ変換を使用することによりオーバーレイを判断する方法に対応する。
図14】[0026]一実施形態による校正プロセスの例示的グラフである。
図15】[0027]一実施形態による図14の例示的グラフのトレースを形成するために使用される例示的点を含むパターン化デバイスの位相画像の画像である。
図16】[0028]一実施形態による理想的例示的校正係数を含む校正プロセスの例示的グラフである。
図17】[0029]一実施形態による例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
図18】[0030]一実施形態による別のリソグラフィ投影装置の概略図である。
図19】[0031]一実施形態による、リソグラフィ投影装置(例えば、図1又は図18に示されるリソグラフィ投影装置)のコンポーネントのより詳細な図である。
図20】[0032]一実施形態による、リソグラフィ投影装置のソースコレクタモジュールの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0033] 電子デバイスは、基板又はウェーハと呼ばれるシリコン片上に形成された回路で構築されている。多くの回路は、同じシリコン片上にフィーチャの繰り返しパターンとして一緒に形成される場合があり、集積回路又はICと呼ばれる。これらの回路のサイズは劇的に小さくなっており、従って、基板上により多くの回路を収めることができる。例えば、スマートフォンのICチップは親指の爪ほどの大きさでありながら、20億個を超えるトランジスタを含む場合があり、各トランジスタのサイズは、人間の髪の毛のサイズの1000分の1未満である。
【0013】
[0034] これらの極めて小さなICの製造は、複雑で、時間及びコストのかかるプロセスであり、多くの場合、何百もの個々のステップを伴う。たとえ1つのステップにおける誤差であっても、完成したICに欠陥が生じ、それによって完成したICが使い物にならなくなる可能性がある。従って、製造プロセスの目標の1つは、そのような欠陥を回避して、プロセスで製造される、機能するICの数を最大化すること、つまりプロセスの全体的な歩留まりを向上させることである。
【0014】
[0035] 歩留まりを向上させる1つの要素は、チップ製造プロセスを監視し、十分な数の機能する集積回路が製造されていることを確実にすることである。プロセスを監視する方法の1つは、チップ回路構造をその形成の様々な段階で検査することである。検査は、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて行うことができる。SEMは、これらの非常に小さな構造を結像するため、事実上、構造の「写真」を撮るために使用することができる。この画像を使用して、構造が適切に形成されたかどうか、及びそれが適切な位置に形成されたかどうかを決定することができる。もし構造に欠陥があれば、その欠陥が再び起こりにくいようにプロセスを調節することができる。
【0015】
[0036] 製造プロセス変動を監視するために、同一パターンフィーチャの輪郭が基板パターンのSEM像に基づき判断され得る。輪郭は、所与のフィーチャの変動を判断するために積み重ねられそして統計的に分析され得る。輪郭のいくつかは通常、いくつかの製造プロセス特徴の精度測定/特徴付け(とりわけ、クリティカルディメンジョン、エッジ配置誤差又はオーバーレイ誤差など)の低下を生じ得る外れ値(outliers)であり、そして輪郭の積み重ね及び平均化はこれらの外れ値を「隠す」。本開示は、積み重ねられ統計的に分析される前に外れ値輪郭をフィルタリングすることについて説明する。輪郭は分析され得、そして、いくつかの実施形態では、輪郭が「理想」にどれほど近いかをスコアが評定し、そして閾値未満のスコアを有する輪郭は、フィルタリングされ、そして残りの輪郭が積み重ねられる。フィルタリングは、一組の検査輪郭内の当該輪郭上の個々の点に基づき、又は一組の検査輪郭内の輪郭の幾何学的形状全体に基づき、複数のレベルにおいて、行われ得る。これは、これらの製造プロセス特徴の測定精度/特徴付けを強化し得、これにより、より最適な調節がデバイス歩留りを増加するために製造プロセスに対し行われることを可能にする、又は、他の利点を有し得る。
【0016】
[0037] 当業者が本開示を実施できるように、本開示の理解を助ける実例として提供される本開示の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。特に、以下の図及び例は、本開示の範囲を単一の実施形態に限定することを意図するものではなく、記載又は図示された要素の一部又は全部を置き換えることによって他の実施形態が可能である。さらに、本開示の特定の要素が既知の構成要素を用いて部分的又は完全に実装され得る場合、そのような既知の構成要素のうち、本開示の理解に必要な部分のみを説明し、そのような既知の構成要素の他の部分の詳細な説明は、本開示を不明瞭にしないように省略する。ソフトウェアで実装されるとして記載する実施形態は、これに限定されるものではなく、本明細書において別段の指定がない限り、当業者には明らかであるように、ハードウェア又はソフトウェア及びハードウェアの組み合わせで実装される実施形態、並びにその逆で実装される実施形態を含み得る。本明細書において、単一の構成要素を示す実施形態は、限定的であるとみなされるものではなく、より正確に言えば、本開示は、本明細書において明示的に別段の記載がない限り、複数の同じ構成要素を含む他の実施形態、及びその逆を包含することを意図している。また、出願人は、本明細書又は特許請求の範囲におけるいかなる用語も、一般的でない又は特別な意味を付与されることを、そのように明示的に規定されない限り意図していない。さらに、本開示は、例示のために本明細書で言及される既知の構成要素に対する現在及び未来の既知の均等物を包含する。
【0017】
[0038] 本明細書では、ICの製造について具体的に言及している場合があるが、本明細書の記載には他の多くの可能な用途があることを明確に理解されたい。例えば、それは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、液晶ディスプレイ(LCD)パネル、薄膜磁気ヘッドなどの製造に用いることができる。当業者であれば、そのような代替の用途という文脈において、本明細書での「レチクル」、「ウェーハ」、又は「ダイ」という用語の使用は、それぞれ、「マスク」、「基板」、及び「ターゲット部分」というより一般的な用語と交換可能であるとみなされるべきものであることを理解するであろう。
【0018】
[0039] 本明細書では、「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(例えば、365、248、193、157、又は126nmの波長を有する)及びEUV(極端紫外線、例えば、約5~100nmの範囲内の波長を有する)を含む、あらゆるタイプの電磁放射を包含するように使用される。
【0019】
[0040] 本明細書で使用する「投影光学系」という用語は、例えば、屈折光学系、反射光学系、アパーチャ、及び反射屈折光学系を含む、様々なタイプの光学システムを網羅すると広く解釈されるものとする。「投影光学系」という用語は、まとめて、又は単独で、放射の投影ビームの誘導、整形、又は制御を行うためにこれらのデザインタイプのいずれかに従って動作するコンポーネントも含み得る。「投影光学系」という用語は、光学コンポーネントがリソグラフィ投影装置の光路上のどこに位置するかにかかわらず、リソグラフィ投影装置内のいずれの光学コンポーネントも含み得る。投影光学系は、ソースからの放射がパターニングデバイスを通過する前に、放射を整形、調節、又は投影するための光学コンポーネント、又は放射がパターニングデバイス(例えば、半導体)を通過した後に、放射を整形、調節、又は投影するための光学コンポーネントを含み得る。投影光学系は、一般に、ソース及びパターニングデバイスを除く。
【0020】
[0041] (例えば、半導体)パターニングデバイスは、1つ又は複数のデザインレイアウトを含むか、又は形成し得る。デザインレイアウトは、CAD(computer-aided design)プログラムを利用して生成することができ、このプロセスは、しばしば、EDA(electronic design automation)と呼ばれる。ほとんどのCADプログラムは、機能的デザインレイアウト/パターニングデバイスを作製するために、一組の所定のデザインルールに従う。これらのルールは、処理及びデザイン上の制約によって設定される。例えば、デザインルールは、デバイス又は線が望ましくない態様で互いに相互作用しないことを確実にするように、デバイス間(ゲート、コンデンサ等)又は相互接続線間のスペース許容値を定義する。デザインルールには、特定のパラメータ、パラメータの範囲に関する制限、又は他の情報が含まれるか、又は指定される場合がある。デザインルール制約又はパラメータのうちの1つ又は複数は、「クリティカルディメンジョン」(CD)と呼ばれることがある。デバイスのクリティカルディメンジョンは、線若しくは穴の最小の幅、又は2本の線若しくは2つの穴、又は他の特徴の間の最小のスペースとして定義されることがある。従って、CDは、デザインされたデバイスの全体的なサイズ及び密度を決定する。デバイス製造の目標の1つは、(パターニングデバイスを介して)基板上に元のデザイン意図を忠実に再現することである。
【0021】
[0042] 本明細書で用いられる「マスク」又は「パターニングデバイス」という用語は、入ってくる放射ビームに、基板のターゲット部分に生成されるパターンに対応したパターン付き断面を付与するために使用することができる一般的な半導体パターニングデバイスを指すものと広く解釈することができ、「ライトバルブ」という用語も、この文脈で使用されることがある。従来のマスク(透過型又は反射型、バイナリ、位相シフト、ハイブリッドなど)に加えて、他のこのようなパターニングデバイスの例としては、プログラマブルミラーアレイとプログラマブルLCDアレイが挙げられる。
【0022】
[0043] プログラマブルミラーアレイの一例は、粘弾性制御層及び反射面を有するマトリックスアドレス可能面であり得る。このような装置の背後にある基本原理は、(例えば)反射面のアドレスエリアが、入射放射を回折放射として反射し、一方、非アドレスエリアが、入射放射を非回折放射として反射する、ということである。適切なフィルタを使用して、前述の非回折放射を反射ビームから除去し、回折放射のみを後に残すことができ、このようにして、ビームが、マトリックスアドレス可能面のアドレッシングパターンに従ってパターン付与される。必要とされるマトリックスアドレッシングは、適切な電子手段を使用して実施することができる。プログラマブルLCDアレイの一例が、本明細書に参照により組み込まれる米国特許第5,229,872号によって与えられる。
【0023】
[0044] 本明細書において、「パターニングプロセス」という用語は、一般に、リソグラフィプロセスの一部として指定された光のパターンの付与によってエッチングされた基板を作製するプロセスを意味する。しかしながら、本明細書に記載されるフィーチャの多くが、エッチング(例えば、プラズマ)処理を用いてプリントパターンを形成することに利点を提供し得るため、「パターニングプロセス」は、(例えば、プラズマ)エッチングも含み得る。
【0024】
[0045] 本明細書において、「パターン」という用語は、基板(例えば、ウェーハ)上にエッチングされる理想化されたパターンを意味する。
【0025】
[0046] 本明細書において、「プリントパターン」とは、ターゲットパターンに基づいてエッチングされた基板上の物理的パターンを意味する。プリントパターンは、例えば、谷、チャネル、凹部、エッジ、又はリソグラフィプロセスによって生じる他の2次元及び3次元のフィーチャを含み得る。
【0026】
[0047] 本明細書において、「予測モデル」、「プロセスモデル」、「電子モデル」、又は「シミュレーションモデル」(これらは互換的に使用され得る)という用語は、パターニングプロセスをシミュレートする1つ又は複数のモデルを含むモデルを意味する。例えば、モデルは、(例えば、リソグラフィプロセスにおいて光を供給するために使用されるレンズシステム/投影システムをモデル化し、フォトレジスト上に向かう光の最終的な光学像をモデル化することを含み得る)光学モデル、(例えば、光による化学的効果などの、レジストの物理的効果をモデル化する)レジストモデル、(例えば、ターゲットパターンの作成に使用することができ、サブレゾリューションレジストフィーチャ(SRAF)などを含み得る)光近接効果補正(OPC)モデル、(例えば、プリントされたウェーハパターンに対するエッチングプロセスの物理的効果をシミュレートする)エッチング(若しくはエッチングバイアス)モデル、又は他のモデルを含み得る。
【0027】
[0048] 本明細書において、「較正」という用語は、モデルなどの何かを修正(例えば、改善若しくは調整)したり、又は検証したりすることを意味する。
【0028】
[0049] パターニングシステムは、上記のコンポーネントの何れか又は全てと、これらのコンポーネントに関連する動作の何れか又は全てを実行するように構成された他のコンポーネントとを含むシステムであってもよい。パターニングシステムは、例えば、リソグラフィ投影装置、スキャナ、レジストを塗布若しくは除去するように構成されたシステム、エッチングシステム、又は他のシステムを含み得る。
【0029】
[0050] 導入として、図1は、ある実施形態によるリソグラフィ投影装置の概略図である。リソグラフィ投影装置は、照明システムIL、第1のオブジェクトテーブルT、第2のオブジェクトテーブルWT、及び投影システムPSを含み得る。照明システムILは、放射ビームBを調節することができる。この例では、照明システムは、放射源SOも含む。第1のオブジェクトテーブル(例えば、パターニングデバイステーブル)Tは、パターニングデバイスMA(例えば、レチクル)を保持するためのパターニングデバイスホルダを備え、且つアイテムPSに対してパターニングデバイスを正確に位置決めするための第1のポジショナに接続され得る。第2のオブジェクトテーブル(例えば、基板テーブル)WTは、基板W(例えば、レジストコートシリコンウェーハ)を保持するための基板ホルダを備え、且つアイテムPSに対して基板を正確に位置決めするための第2のポジショナに接続され得る。(例えば、レンズを含む)投影システムPS(例えば、屈折型、反射型、又は反射屈折型光学システム)は、パターニングデバイスMAの照射部分を基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に結像することができる。パターニングデバイスMA及び基板Wは、例えば、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いてアライメントされてもよい。
【0030】
[0051] 描かれているように、本装置は、透過型(すなわち、透過型パターニングデバイスを有する)のものであってもよい。しかし一般に、それは、例えば反射型(反射型パターニングデバイスを有する)のものであってもよい。本装置は、従来のマスク用の異なる種類のパターニングデバイスを用いてもよく、例には、プログラマブルミラーアレイ又はLCDマトリックスが含まれる。
【0031】
[0052] ソースSO(例えば、水銀ランプ又はエキシマレーザ、LPP(レーザ生成プラズマ)EUVソース)は、放射ビームを生成する。このビームは、照明システム(イルミネータ)ILに対して、そのまま、又はビームエキスパンダなどの調節手段若しくはビームデリバリシステム(誘導ミラー、ビームエキスパンダなどを含む)を横断した後に、供給される。例えば、イルミネータILは、ビームの強度分布の外側又は内側半径範囲(一般的に、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を設定するための調節手段ADを含み得る。さらにそれは、一般に、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの様々な他のコンポーネントを含む。このようにして、パターニングデバイスMAに衝突するビームBは、断面に所望の均一性及び強度分布を有する。
【0032】
[0053] 実施形態によっては、ソースSOは、リソグラフィ投影装置のハウジング内に位置してもよいが(大抵の場合、ソースSOが、例えば水銀ランプのとき)、それは、リソグラフィ投影装置から離れた位置にあってもよい。例えば、それが生成する放射ビームは、装置内に導き入れられてもよい(例えば、適宜の誘導ミラーを用いて)。この後者のシナリオは、ソースSOが例えばエキシマレーザ(例えば、KrF、ArF、又はF2レージングに基づく)であるケースであり得る。
【0033】
[0054] 続いて、ビームBは、パターニングデバイステーブルT上に保持されるパターニングデバイスMAと交差し得る。ビームBは、パターニングデバイスMAを横断した後、ビームBの焦点を基板Wのターゲット部分Cに合わせるレンズPLを通過し得る。第2の位置決め手段(及び干渉測定手段IF)を用いて、例えば異なるターゲット部分CをビームBのパス内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、例えば、パターニングデバイスライブラリからのパターニングデバイスMAの機械検索後に、又はスキャン中に、第1の位置決め手段を用いて、ビームBのパスに対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般に、テーブルT、WTの移動は、ロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現することができる。但しステッパの場合は(ステップアンドスキャンツールとは対照的に)、パターニングデバイステーブルTは、ショートストロークアクチュエータに接続されてもよく、又は固定されてもよい。
【0034】
[0055] 描かれたツールは、ステップモード及びスキャンモードの2つの異なるモードで使用され得る。ステップモードでは、パターニングデバイステーブルTは、基本的に静止したままであり、及びパターニングデバイス像全体が、一回の動作(すなわち、単一の「フラッシュ」)でターゲット部分C上に投影される。異なるターゲット部分CがビームBによって照射され得るように、基板テーブルWTが、x又はy方向にシフトされ得る。スキャンモードでは、所与のターゲット部分Cが、単一の「フラッシュ」で露光されないことを除き、基本的に同じシナリオがあてはまる。代わりに、パターニングデバイステーブルTは、投影ビームBがパターニングデバイス像上をスキャンさせられるように、速度vで、所与の方向(例えば、「スキャン方向」、すなわち「y」方向)に移動可能である。並行して、基板テーブルWTが、速度V=Mv(Mは、レンズの倍率である(一般的に、M=1/4又は1/5))で、同じ又は反対方向に同時に移動される。このようにして、解像度を妥協する必要なしに、比較的大きなターゲット部分Cを露光させることができる。
【0035】
[0056] 図2は、リソグラフィックセルLCの概略図を示す。図2に示すように、リソグラフィ装置LAは、リソセル又は(リソ)クラスタとも呼ばれることがあるリソグラフィックセルLCの一部を形成する場合があり、これは、基板W上で露光前及び露光後のプロセスを実行するための装置も含むことが多い。従来、これらには、レジスト層を堆積させるように構成されたスピンコータSC、露光されたレジストを現像するためのデベロッパDE、例えばレジスト層中の溶媒を調節するために、例えば基板Wの温度を調節するための冷却プレートCH及びベークプレートBKが含まれる。基板ハンドラ又はロボットROは、入出力ポートI/O1、I/O2から基板Wをピックアップし、それらを異なるプロセス装置間で移動させ、基板Wをリソグラフィ装置LAのローディングベイLBに搬送する。リソセル内のデバイス(しばしばトラックとも総称される)は、通常、トラック制御ユニットTCUの制御下にあり、トラック制御ユニットTCU自体は、例えばリソグラフィ制御ユニットLACUを介して、リソグラフィ装置LAも制御し得る監視制御システムSCSによって制御され得る。
【0036】
[0057] リソグラフィ装置LAによって露光される基板W(図1)が正確に且つ一貫して露光されるためには、基板を検査して、フィーチャのエッジの配置、後続層間のオーバーレイエラー、ラインの厚さ、クリティカルディメンジョン(CD)などのパターン付与された構造の特性を測定することが望ましい。この目的のために、検査ツール(図示せず)がリソセルLCに含まれてもよい。エラーが検出された場合、特に、検査が、同じバッチ又はロットの他の基板Wがまだ露光又は処理される前に行われる場合、例えば、後続の基板の露光又は基板W上で実行される他の処理ステップに対して調節が行われ得る。
【0037】
[0058] 基板W(図1)の特性、特に、異なる基板Wの特性がどのように変動するか、又は同じ基板Wの異なる層に関連する特性が層ごとにどのように変動するかを決定するために、計測装置とも呼ばれることがある検査装置が使用される。検査装置は、代替的に、基板W上の欠陥を識別するように構築されてもよく、例えば、リソセルLCの一部であってもよく、又はリソグラフィ装置LAに統合されてもよく、又はスタンドアロンデバイスであってもよい。検査装置は、実際の基板(例えば、ウェーハパターンの荷電粒子-SEM-画像)又は実際の基板の画像を用いて、潜像(露光後のレジスト層の像)上で、半潜像(露光後ベークステップPEB後のレジスト層の像)上で、現像されたレジスト像(レジストの露光部分若しくは未露光部分は除去されている)上で、エッチングされた像(エッチングなどのパターン転写ステップ後)上で、又は他の方法で、特性を測定することができる。
【0038】
[0059] 図3は、半導体製造を最適化するための3つの技術間の連携を表す、ホリスティックリソグラフィの概略図を示す。通常、リソグラフィ装置LAにおけるパターニングプロセスは、基板W(図1)上の構造のディメンショニング(dimensioning)及び配置の高い精度を要求する処理において、最も重要なステップの1つである。この高精度を保証するために、図3に概略的に描かれているように、(この例においては)3つのシステムがいわゆる「ホリスティックな」制御環境で組み合わせられてもよい。これらのシステムのうちの1つは、リソグラフィ装置LAであり、これは(仮想的に)計測装置(例えば、計測ツール)MT(第2のシステム)及びコンピュータシステムCL(第3のシステム)に接続されている。「ホリスティックな」環境は、全体的なプロセスウィンドウを向上させるためにこれら3つのシステム間の連携を最適化し、リソグラフィ装置LAによって実行されるパターニングがプロセスウィンドウ内に留まることを保証するための緊密な制御ループを提供するように構成されてもよい。プロセスウィンドウは、特定の製造プロセスが定義された結果(例えば、機能する半導体デバイス)をもたらすプロセスパラメータ(例えば、ドーズ、焦点、オーバーレイ)の範囲を定義し、通常、この範囲内で、リソグラフィプロセス又はパターニングプロセスのプロセスパラメータは、変動が許容される。
【0039】
[0060] コンピュータシステムCLは、パターン付与されるデザインレイアウト(の一部)を使用して、どの解像度向上技術を使用するべきかを予測し、コンピュータによるリソグラフィシミュレーション及び計算を実行して、どのマスクレイアウト及びリソグラフィ装置の設定が、パターニングプロセスの最大の全体的なプロセスウィンドウ(図3では、第1のスケールSC1の二重矢印によって描写される)を達成するかを決定することができる。通常、解像度向上技術は、リソグラフィ装置LAのパターニング可能性に合致するように配置される。コンピュータシステムCLは、リソグラフィ装置LAがプロセスウィンドウ内のどこで現在動作しているかを(例えば、計測ツールMTからの入力を使用して)検出し、例えば準最適処理(図3では、第2のスケールSC2において「0」を指す矢印によって描写される)に起因する欠陥が存在する可能性があるか否かを予測するために使用されることもある。
【0040】
[0061] 計測装置(ツール)MTは、正確なシミュレーション及び予測を可能にするためにコンピュータシステムCLに入力を提供することができ、例えば、(図3では、第3のスケールSC3の複数の矢印によって描写される)リソグラフィ装置LAの較正ステータスにおいて可能性のあるドリフトを識別するためにリソグラフィ装置LAにフィードバックを提供することができる。
【0041】
[0062] リソグラフィプロセスでは、例えばプロセス制御及び検証のために、作製された構造の測定を頻繁に行うことが望ましい。このような測定を行うためのツールには、計測ツール(装置)MTが含まれる。走査電子顕微鏡(SEM)又は様々な形態のスキャトロメータ計測ツールMTを含む、このような測定を行うための異なるタイプの計測ツールMTが知られている。実施形態によっては、計測ツールMTは、SEMであるか、又はSEMを含む。
【0042】
[0063] 実施形態によっては、計測ツールMTは、分光スキャトロメータ、エリプソスキャトロメータ、若しくは他の光ベースのツールであるか、又はそれらを含む。分光スキャトロメータは、放射源によって放出された放射が基板のターゲットフィーチャに誘導され、及びターゲットからの反射又は散乱放射がスペクトロメータ検出器に誘導されるように構成されてもよく、スペクトロメータ検出器は、鏡面反射放射のスペクトル(すなわち、波長の関数としての強度の測定値)を測定する。このデータから、例えば厳密結合波分析及び非線形回帰によって、又はシミュレーションされたスペクトルのライブラリとの比較によって、検出されたスペクトルを生じさせるターゲットの構造又はプロファイルを再構築することができる。エリプソスキャトロメータは、各偏光状態の散乱放射を測定することにより、リソグラフィプロセスのパラメータを決定することを可能にする。このような計測ツール(MT)は、例えば、計測装置の照明部において適切な偏光フィルタを使用することにより、偏光光(直線、円、又は楕円など)を放出する。計測装置に適したソースは、偏光放射も提供し得る。
【0043】
[0064] 上記の通り、製作されたデバイス(例えば、パターン付与された基板)は、製造中の様々な時点で検査され得る。図4は、荷電粒子(電子ビーム)検査装置50の一般化された実施形態を概略的に示している。実施形態によっては、検査装置50は、基板上に露光又は転写された構造(例えば、集積回路などのデバイスの構造の一部又は全部)の画像を生じさせる電子ビーム又は他の荷電粒子検査装置(例えば、走査電子顕微鏡(SEM)と同じ又は類似のもの)であってもよい。電子源54から放出された一次電子ビーム52は、集光レンズ56によって収束され、次いで、ビーム偏向器58、E×B偏向器60、及び対物レンズ62を通過して、基板テーブルST上の基板70を焦点で照射する。
【0044】
[0065] 基板70に電子ビーム52が照射されると、二次電子が基板70から発生する。二次電子は、E×B偏向器60によって偏向され、二次電子検出器72によって検出される。2次元電子ビーム像は、例えば、ビーム偏向器58による電子ビームの2次元スキャン、又はビーム偏向器58による電子ビーム52のX方向若しくはY方向への反復スキャン(基板テーブルSTによる基板70のX方向若しくはY方向の他方への連続移動と共に)と同期して、サンプルから発生した電子を検出することにより、取得することができる。従って、実施形態によっては、電子ビーム検査装置は、電子ビーム検査装置によって電子ビームを提供することができる角度範囲(例えば、偏向器60が電子ビーム52を提供することができる角度範囲)によって定義される電子ビームの視野を有する。従って、視野の空間範囲は、電子ビームの角度範囲が表面に衝突することができる空間範囲である(ここで、表面は、静止していてもよく、又は視野に対して移動してもよい)。
【0045】
[0066] 図4に示すように、二次電子検出器72によって検出された信号は、アナログ/デジタル(A/D)変換器74によってデジタル信号に変換されてもよく、デジタル信号は、画像処理システム76に送信されてもよい。実施形態によっては、画像処理システム76は、処理ユニット80による処理のためにデジタル画像の全部又は一部を記憶するためのメモリ78を有していてもよい。処理ユニット80(例えば、特別に設計されたハードウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ、又はソフトウェアを含むコンピュータ可読媒体)は、デジタル画像を表すデータセットへとデジタル画像を変換又は処理するように構成される。実施形態によっては、処理ユニット80は、本明細書に記載する動作(例えば、SEM検査)の実行を引き起こすように構成又はプログラムされる。さらに、画像処理システム76は、デジタル画像及び対応するデータセットを参照データベースに記憶するように構成された記憶媒体82を有してもよい。オペレータがグラフィカルユーザインターフェースを用いて機器の必要な操作を行うことができるように、表示デバイス84が画像処理システム76と接続されてもよい。
【0046】
[0067] 図5は、荷電粒子検査装置の別の実施形態を概略的に示す。この装置は、サンプルステージ89上のサンプル90(パターン付与された基板など)を検査するために使用され、荷電粒子ビームジェネレータ81、集光レンズモジュール99、プローブ形成対物レンズモジュール83、荷電粒子ビーム偏向モジュール88、二次荷電粒子検出器モジュール85、画像形成モジュール86、又は他のコンポーネントを含む。荷電粒子ビームジェネレータ81は、一次荷電粒子ビーム91を生成する。集光レンズモジュール99は、生成された一次荷電粒子ビーム91を集光する。プローブ形成対物レンズモジュール83は、集光された一次荷電粒子ビームの焦点を荷電粒子ビームプローブ92に合わせる。荷電粒子ビーム偏向モジュール88は、形成された荷電粒子ビームプローブ92を、サンプルステージ89上に固定されたサンプル90上の関心エリアの表面にわたってスキャンする。実施形態によっては、荷電粒子ビームジェネレータ81、集光レンズモジュール83、及びプローブ形成対物レンズモジュール83、又はそれらと同等の設計、代替物、又はそれらの任意の組み合わせは、走査荷電粒子ビームプローブ92を生成する荷電粒子ビームプローブジェネレータを共に形成する。
【0047】
[0068] 二次荷電粒子検出器モジュール85は、荷電粒子ビームプローブ92によって衝撃を与えられた際にサンプル表面から放出された二次荷電粒子93(場合によっては、サンプル表面からの他の反射又は散乱荷電粒子と共に)を検出し、二次荷電粒子検出信号94を生成する。画像形成モジュール86(例えば、コンピューティングデバイス)は、二次荷電粒子検出器モジュール85から二次荷電粒子検出信号94を受信し、それに応じて少なくとも1つのスキャン画像を形成するために、二次荷電粒子検出器モジュール85と結合される。実施形態によっては、二次荷電粒子検出器モジュール85及び画像形成モジュール86、又はそれらと同等の設計、代替物、又はそれらの任意の組み合わせは、荷電粒子ビームプローブ92によって衝撃を与えられたサンプル90から放出された、検出された二次荷電粒子からスキャン画像を形成する画像形成装置を共に形成する。
【0048】
[0069] 実施形態によっては、監視モジュール87は、画像形成モジュール86から受信したサンプル90のスキャン画像を用いて、パターニングプロセスの監視、制御などを行うため、又はパターニングプロセスのデザイン、制御、監視などのためのパラメータを導出するために、画像形成装置の画像形成モジュール86に結合される。実施形態によっては、監視モジュール87は、本明細書に記載される動作の実行を引き起こすように構成又はプログラムされる。実施形態によっては、監視モジュール87は、コンピューティングデバイスを含む。実施形態によっては、監視モジュール87は、本明細書に記載される機能を提供するように構成されたコンピュータプログラムを含む。実施形態によっては、図3のシステムにおける電子ビームのプローブスポットサイズは、検査速度を速くすることができるほどプローブスポットが十分に大きいように、例えばCDと比較して著しく大きい。しかしながら、プローブスポットが大きいため、解像度が低下し得る。
【0049】
[0070] 上記の通り、例えば、パターニングプロセスのデザイン、制御、監視などを行うために使用することができる結果を生じさせるための1つ又は複数のツールを使用することが望ましい場合がある。パターニングデバイスのためのパターンデザイン(例えば、サブレゾリューションアシストフィーチャ又は光近接効果補正の追加を含む)、パターニングデバイスのための照明などのパターニングプロセスの1つ又は複数の態様のコンピュータによる制御、デザインなどを行う際に使用される1つ又は複数のツールが提供され得る。従って、パターニングを伴う製造プロセスのコンピュータによる制御、デザインなどを行うシステムにおいて、製造システムのコンポーネント又はプロセスは、様々な機能モジュール又はモデルによって記述することができる。実施形態によっては、パターニングプロセスの1つ又は複数のステップ又は装置を記述する1つ又は複数の電子(例えば、数学的、パラメータ化など)モデルが提供され得る。実施形態によっては、パターニングプロセスのシミュレーションは、パターニングデバイスによって提供されるデザインパターンを使用してパターニングプロセスがパターン付与された基板をどのように形成するかをシミュレートするために、1つ又は複数の電子モデルを使用して実行することができる。
【0050】
[0071] 例えば図4又は図5のシステムからの画像は、画像内の半導体デバイス構造を表す、オブジェクトのエッジを記述する寸法、形状、コンター、又は他の情報を抽出するために処理され得る。形状、コンター、又は他の情報は、ユーザ定義のカットライン又は他の位置において、エッジ配置誤差(EPE)、CDなどのメトリクスによって定量化されてもよい。これらの形状、コンター、又は他の情報は、例えばパターニングプロセスを最適化するために使用され得る。
【0051】
[0072] 実施形態によっては、パターニングプロセスの最適化は、費用関数として表すことができる。最適化プロセスは、費用関数を最小化するパターニングプロセスの一組のパラメータ(デザイン変数、プロセス変数など)を見つけることを含み得る。費用関数は、最適化の目的に応じて任意の適切な形式を有し得る。例えば、費用関数は、システムの特定の特徴(評価点)の、これらの特徴の意図される値(例えば、理想値)に対する偏差の加重二乗平均平方根(RMS)であり得る。費用関数はまた、これらの偏差の最大値(すなわち、最悪の偏差)であり得る。「評価点」という用語は、システム又は製作方法のあらゆる特徴を含むように広く解釈されるものとする。パターニングプロセスのデザイン変数又はプロセス変数は、有限の範囲に限定されてもよく、又はシステム若しくは方法の実装形態の実用性のために相互依存であってもよい。リソグラフィ投影装置の場合、制約は、調整可能な範囲又はパターニングデバイスの製造可能性デザインルールなどのハードウェアの物理的特性及び特徴に関連することが多い。評価点は、例えば、1つ又は複数のエッチングパラメータ、ドーズ、及び焦点などの非物理的特徴だけでなく、基板の画像内の物理的な点を含み得る。
【0052】
[0073] エッチングシステムでは、一例として、費用関数(CF)は以下のように表すことができる。
【数1】
式中、(z、z、…、z)は、N個のデザイン変数又はその値であり、f(z、z、…、z)は、(z、z、…、z)のデザイン変数の一組の値に対する特徴の実際の値と意図された値との間の差などのデザイン変数(z、z、…、z)の関数であり得る。実施形態によっては、wは、f(z、z、…、z)に関連する重み定数である。例えば、特徴は、パターンのエッジ上の所与のポイントで測定された、エッジ(又は、例えばコンターを形成するエッジ上の複数のポイント)の位置であってもよい。異なるf(z、z、…、z)は、異なる重みwを有し得る。例えば、ある特定のエッジの許容される位置の範囲が狭い場合、そのエッジの実際の位置と意図された位置との間の差を表すf(z、z、…、z)の重みwは、より高い値を与えられ得る。f(z、z、…、z)はまた、層間特徴の関数とすることもでき、これはデザイン変数(z、z、…、z)の関数である。もちろん、CF(z、z、…、z)は、上記の式の形式に限定されず、CF(z、z、…、z)は、任意の他の適切な形式とすることができる。
【0053】
[0074] 費用関数は、パターニングシステム、パターニングプロセス、リソグラフィ装置、リソグラフィプロセス、又は基板の任意の1つ又は複数の適切な特徴、例えば、焦点、CD、像シフト、像歪み、像回転、確率的変動、スループット、局所CD変動、プロセスウィンドウ、層間特徴、又はそれらの組み合わせを表し得る。実施形態によっては、費用関数は、レジスト像の1つ又は複数の特徴を表す関数を含み得る。例えば、f(z、z、…、z)は、単に、レジスト像内のポイントとそのポイントの意図された位置との間の距離(すなわち、例えばエッチング後、又は他のプロセスの後のエッジ配置誤差EPE(z、z、…、z))であってもよい。パラメータ(例えば、デザイン変数)は、エッチングシステム、ソース、パターニングデバイス、投影光学系、ドーズ、焦点のような調節可能なパラメータなどの任意の調節可能なパラメータを含み得る。
【0054】
[0075] パラメータ(例えばデザイン変数)には制約があり、これは、(z、z、…、z)∈Zと表現することができ、式中、Zは、デザイン変数の一組の可能値である。デザイン変数に対するあり得る制約の1つは、リソグラフィ投影装置の所望のスループットによって課され得る。所望のスループットによって課される、そのような制約がなければ、最適化は、一組の非現実的なデザイン変数の値をもたらし得る。制約は、不可欠と解釈されるべきものではない。
【0055】
[0076] パターンフィーチャの輪郭はしばしば基板パターンの画像に基づき判断される。これらの輪郭は、様々なキー作業指数(KPI:key performance indicator)を判断するために使用され、延いては半導体製造プロセス変動を監視するために使用される。一例として、エッジ配置誤差(EPE:edge placement error)が、プロセス変動を監視するために使用される共通KPIとなった。EPEは、撮像からの寄与(例えばクリティカルディメンジョン(CD)及びパターン配置変動)並びにオーバーレイからの寄与を含む。
【0056】
[0077] 輪郭は所与のフィーチャの変動を判断するために積み重ねられ(例えばオーバーレイされ)分析される。しかし、輪郭のうちのいくつかは外れ値であり得、そして輪郭の積み重ね及び平均化はこれらの外れ値を「隠す」。例えば、輪郭は、変動する品質を有し得る(例えば、画像は、輪郭を判断するために使用されるフィーチャのエッジのきれいで明瞭な景観を提供しないかもしれなく、そして代わりに画素化され曖昧化され得る、等々)、又は変動する信頼水準を有し得る(例えば、画像は、正確に輪郭が当該画像内に在る場所におけるより低い品質画像から不明瞭となり得る、又は特定製造プロセスが異常結果を生成し得る)。外れ値は、パターン設計の固有差のために(いくつかのパターンは撮像、分析又は他の抽出タスクのためにより挑戦的である)、又は他の理由のために例えばプロセス変動又はツール状態ドリフトにより引き起こされ得る。これらの外れ値輪郭がスタック内へ入り、そして分析がそれらに基づき行われれば、外れ値輪郭は当該積層から引き出されるいかなる判断にも影響を与え得る。一例としてEPEを使用すると、外れ値輪郭を含むスタックに基づくEPE計算は、誤った(又は少なくとも余り精確でない)EPE判断といくつかの製造パラメータに対する不必要な製造プロセス調節とを、このような調節のための「予算」が他の製造パラメータに対し最も良く使用されたかもしれない場合に、引き起こし得る。
【0057】
[0078] 図6Aは一実施形態による第1の層上に位置するフィーチャと第1の層の上に形成された第2の層上に位置するフィーチャとを有する基板の例示的画像を描写する。図6Aに見られるように、画像600はパターン化された基板を描写する。例えば、基板は図1、18、又は19に関して説明されるようなリソグラフィ装置を使用することによりパターン化され得る。いくつかの実施形態では、画像600により描写される基板は、互いの上に積み重ねられた2つ以上の層を含む積み重ね画像であり得る。各層は、パターン化プロセスを介し形成されるフィーチャを含み得る。いくつかの実施形態では、フィーチャは、サイズ、形状、配向又は他の態様の点で同じ又は同様であり得るが、また、前述の態様の1つ又は複数の態様においてわずかに又は大いに異なり得る。
【0058】
[0079] いくつかの実施形態では、基板の第1の層上に形成されたフィーチャは1つ又は複数の追加層下のかなり深くに埋められ得る。例えば、パターン化された基板は、第1のフィーチャを含む第1の層と第2のフィーチャを含む第2の層とを有し得る。基板上に常在し得る第1の層上に常在し得る第2の層の高さは、100nm以上、200nm以上、300nm以上、400nm以上、500nm以上、又は他の高さであり得る。
【0059】
[0080] いくつかの実施形態では、積層(例えばリソグラフィパターン化プロセスを介し基板上に形成される積層)のフィーチャ間のオーバーレイなどのパターン化パラメータは、積層を含むパターン化デバイスの走査電子顕微鏡(SEM)画像を分析することにより判断され得る。オーバーレイなどのパターン化パラメータを判断するいくつかの技術は、基準フィーチャに対する直接輪郭付け及び相互相関、又は本明細書において説明される計測システム及び計測学技術を使用することにより採用される他の技術を含む。しかし、現在の技術は、積層に含まれるフィーチャが部分的に重なる場合又はフィーチャのうちの1つのフィーチャの強度が別のフィーチャの強度よりはるかに大きい場合不正確な結果を生成し得る。後者の場合、例えば、これは、「下側」層のフィーチャが「上側」層のフィーチャの下に埋め込まれる場合に特に優勢であり得る。このような場合、上側層のフィーチャの強度は下側層のフィーチャの強度よりはるかに強くなる。
【0060】
[0081] 一例として、図6Aを参照すると、画像600は、本明細書において説明されるようなリソグラフィ装置を介しパターン化プロセスを使用することによりパターン化されるデバイスのSEM像を描写し得る。画像600は「上」(例えば、デバイスの頂面を見下す方向)から撮影された画像を描写する。この景観から、第1のフィーチャ602が可視であり得る。第1のフィーチャ602は水平方向格子であり得る。例えば、第1のフィーチャ602の連続インスタンス間の第1のフィーチャ602及び604のパターンは二次元正弦関数を使用することにより表わされ得る。
【0061】
[0082] 画像600では、第1のフィーチャ602はパターン化デバイスの上側層上に形成され得る。パターン化プロセス中、リソグラフィ装置はいくつかの層を基板上に形成し得、ここでは、これらの層のうちのいくつか又はすべてはパターン化プロセスにより形成されるフィーチャを含み得る。別の層の上に形成された1つの層(又は層群)の高さが十分に高ければ(例えば300nmより高い、400nmより高い、500nmより高い、又は他の高さより高い)、上側層上に形成されたフィーチャの画像600内の強度は、下側層上に形成されたフィーチャの強度より大きいかもしれない。いくつかのケースでは、上側層上に形成されたフィーチャの強度に起因して、上側層上のフィーチャに対応する画像信号(例えば画像600を形成する)の一部は下側層上のフィーチャに対応する画像信号の一部に影を投げかけ得る。この結果、上側層上のフィーチャは容易に可視であり得る一方で下側層上のフィーチャは完全に又は部分的に隠され得る。
【0062】
[0083] 部分610は画像600の例示的領域を表わし得る。例えば、いくつかのケースでは、上側層及び下側層上のフィーチャは単位セル内で周期的であり得る(各組のフィーチャは同じ又は異なる期間を有する)。従って、部分610は、上側層のフィーチャ及び/又は下側層上のフィーチャが対称的に配置され得る単位セルを描写し得る。図6Bに見られるように、Y軸に沿った幅w1を有するフィーチャ602を含む部分610のズームインバージョンが描写される。いくつかの対のフィーチャ602間に、幅w2を有するフィーチャ604が存在し得る。いくつかのケースでは、w1=w2であるが、そうでなければにw1≠w2である。さらに、いくつかのケースでは、w1及び/又はw2はX及び/又はY軸に沿って変動し得る。
【0063】
[0084] 図6Bでは、下側層(例えばフィーチャ602が形成された層より基板の上側表面のより近くに形成される層)上に形成されたフィーチャ620のインスタンスが部分的に可視であり得る。フィーチャ620の破線境界から分かるように、フィーチャ620は第1の辺長w3及び第2の辺長w4を有する矩形であり得る、ここで、w3>w4。しかし、当業者は他の形状を認識することになり、そしてそれらの形状のサイズが使用され得るので、前述のものは単に例示的である。異なる形状及びサイズのフィーチャ602であることに加えて、フィーチャ620はまた、異なるやり方で配向され得る。例えば、フィーチャ602の配向(例えば、X軸に沿って一様である)に対して、フィーチャ620は角度θだけ回転され得る。
【0064】
[0085] いくつかの実施形態では、フィーチャ602とフィーチャ620との間の相対的ズレがあり得る。相対的ズレは、オーバーレイの誤差を有するように基板上へのフィーチャの別個の転送に起因するそれらの予想位置からのものであり得る。この例では、フィーチャ602はフィーチャ620(下側層上に位置する)より基板上のより高い(例えば「上側」)層内に位置する。従って、いくつかの実施形態では、フィーチャ620は、パターン化プロセスの第1の実行中に第1の下側層内に生成され得、そしてパターン化プロセスの第2の実行中に第1の下側層より高い第2の層内に生成され得る。しかし、いくつかのケースでは、フィーチャ602及び620は同じ層内に形成され得る。
【0065】
[0086] 重要なことに、単位セルは軸又は点に対し幾何学的対称性を有する、又は有することができる。例えば、図6Bは軸及び/又は点に関して鏡映対照性を有し得、そして点に対し回転対称性を有し得る。いくつかの実施形態では、単位セルは或るフィーチャ(オーバーレイなど)の幾何学的対称性を有する。幾つかのケースでは、単位セルは幾何学的対称性である場合零オーバーレイを有し得る。しかし、その代わりに、単位セルは、ある幾何学的非対称に関して零オーバーレイを有し得る。次に、適切なオフセット及び計算が、単位セルがある幾何学的非対称を有する場合に零オーバーレイを有することを補償するために使用されるだろう。単位セルは、対称性において変化する(例えば、非対称になる)ことができるべきである、又はさらに非対称になるべきである、又はある特徴値に依存して非対称性状況から対称性状況になるべきである。
【0066】
[0087] 一例として、上側層上のフィーチャが下側層上のフィーチャに関してX方向にシフトされる場合の単位セルに関するオーバーレイの誤差はX方向のオーバーレイの誤差(すなわちX方向オーバーレイ誤差)を生じ得る。当然、下側層上のフィーチャは、上側層上のフィーチャに対してシフトされる可能性がある、又は両者は互いに対してシフトされる可能性がある。いかなる場合も、結果はX方向オーバーレイ誤差である。しかし、この単位セル配置から認識されるべきであるように、上側層上のフィーチャと下側層上のフィーチャとの間のY方向の純粋相対的シフトはこの単位セルの幾何学的対称性を変更しないだろう。しかし、適切な幾何学的配置により、単位セルの2つの方向のオーバーレイ又は一部分の様々な組み合わせ間のオーバーレイが、対称性を変更し得る、そしてまた判断される可能性がある。
【0067】
[0088] 図7Aは一実施形態によるそれぞれが1つ又は複数のフィーチャを有する積層を有する基板の画像の一部分の略図である。図7Bは一実施形態による図7Aからの画像の一部分の略図であり、ここでは、第1のフィーチャを含む第1の層だけが示される。図7Aに見られるように、積層を有する基板の一部分の画像700が描写される。基板は図6Aを参照して上に説明された基板と実質的に同様であり得る。画像700は、Y軸に沿った一連の並列線を形成し得る第1のフィーチャ602を含む。第1のフィーチャ602はフィーチャ604により分離され得る。いくつかの実施形態では、フィーチャ604は開放空間であり得るが代替的にフィーチャ604は上側層で形成され得る。
【0068】
[0089] 画像700内にまた見られるのは、積層の下側層上に位置するフィーチャ620であり得る。図6A及び6Bと同様に、フィーチャ620は、形状が矩形であり得、そして積層の上側層上のフィーチャ602に対し角度θだけ回転され得る。
【0069】
[0090] 簡単のために、図7Bの画像750は、図7Aの画像700の一例を描写し、ここでは、上側層上のフィーチャ(例えばフィーチャ602)は存在しない。例えば、これは、下側層上に上側層を形成するパターン化プロセスに先立つ基板の画像を指し得る。画像750では、フィーチャ620が示されおり、ここでは、空間702がフィーチャ620の各インスタンス間に形成される。フィーチャ620が軸(例えば角度θだけ回転された軸)に関して対称であるシナリオでは、フィーチャ620は、それらのフィーチャの連続インスタンスの中心間の距離d2を有し得る。さらに、フィーチャの中心から隣接フィーチャ(例えばY軸に沿ったそのフィーチャの真上の)の中心へ延伸するベクトルはその間の距離d1を有し得る。
【0070】
[0091] 下側層、上側層、任意の中間層、又はそれらの組み合わせ層の高さに依存して、捕捉画像(例えば画像600)内の下側層上に位置するフィーチャの明瞭度は1つ又は複数のプロセスパラメータを精密に測定するには余りに弱過ぎるかもしれない。例えば、入射ビームの粒子は上側層又は上側層群内に散乱され得、これにより、入射ビームが下側層に到達するときの入射ビームの解像度を達成する。従って、信号対雑音比(SNR)は下側層に関して非常に低い可能性がある。計測ビームの入射粒子は下側層を貫通することができないかもしれないということもあり得、従って、入射粒子は画像を再構築するために画像検出器へ反射され戻されないかもしれない。この結果、欠陥及び/又は他の収差が未検出になり得、製品性能に影響を与える。例えば、フィーチャ620は、フィーチャ602及び604を含む層の下に位置する層の上に在り得るので画像600内で検出するのが困難かもしれない。検出困難性が、パターン化されたフィーチャの物理的特徴を識別する(例えば、フィーチャのエッジを表すエッジを検出する、フィーチャの重心を検出する、等々の)ために画像処理技術を使用する際に現れ得る。埋め込まれたフィーチャが存在すると予想される領域の画像信号内の低信号対雑音比(SNR)に起因して、様々なフィーチャ検出器(例えばエッジ検出器、Sobelフィルタなど)は捕捉画像内に存在するそれらのフィーチャを判断することができないかもしれない。
【0071】
[0092] 図8は一実施形態によるフーリエ変換を二次元画像へ適用する方法に対応する。図8では、800において、パターン化された基板の画像を含む画像データが取得され得る。例えば、画像データは、図3-5に関して本明細書において説明されたような計測システムを使用することにより捕捉され得る。いくつかのケースでは、画像データは、パターン化デバイスのSEM像を含むSEM像データであり得る。図6Aの例示的画像600はSEM像であり得る。いくつかの実施形態では、画像データが捕捉されそしてメモリ内に格納され、そして後処理のために検索され得る。
【0072】
[0093] 802において、簡潔性のために2D高速フーリエ変換(FTT)又はFTTとして交換可能に本明細書においても参照され得る二次元(2D)フーリエ変換が画像データへ適用され得る。2D FFTは2D画像面(例えばx-y面)内の関数を2D周波数面内の関数へ変換し得る。例えば、2D関数f(x,y)を考察する。この関数の2D FFT(F(u,v))は式(1)により表わされる:
【数2】
ここで、u及びvは空間周波数である。
【0073】
[0094] フーリエ変換は関数を基本関数の構成へ変換する。特に、本明細書において説明される画像分析(例えば計測プロセス)例に関し、フーリエ変換は、画像空間内で撮影された画像を基本関数の構成へ変換する。例えば、式(2)及び(3)は2つの異なる2D正弦関数のフーリエ変換を表わす:
【数3】
【数4】
【0074】
[0095] 2D画像(例えば画像600)の観点で、フーリエ変換を画像へ適用するプロセスは画像を形成する各画素の画素値を処理することを含む。例えば、画像600はn×m画素画像であり得、従って、各画素(n,m)は、計測プロセスを介し当該画素に入射する光の強さを表す値Inmを有する。2D FFTは次のツーステップで動作する:(1)1D FFTが画像の画素の各列に沿って行われる;そして(2)1D FFTが画像内の画素の各行に沿って行われる。
【0075】
[0096] 結果画像はフーリエ係数の2D画像であり得、ここにはn×mフーリエ係数がある。より低い周波数係数が画像の角の方向に位置する一方で、より高い周波数係数は画像の中心に向かってより近くに位置する。いくつかのケースでは、周波数は、より低い周波数係数が中心方向に位置しそしてより高い周波数係数が角の方向に位置するようにシフトされ得る。
【0076】
[0097] 2D FFTを適用することにより、画像空間内の画像を併せて表わすフーリエ空間内の振幅スペクトル及び位相スペクトラムが生成され得る。振幅スペクトルを表す振幅画像は、画像空間内の関数の周波数毎に振幅を計算することにより計算され得る。
【0077】
[0098] 一例として(簡潔性のために1次元内の)、フーリエ変換を関数f(x)=A×cos(nx+φ)へ適用することで、関数f(u)=A/2exp(-iφ)for u=±n/2πの周波数スペクトルを生成し得る。従って、振幅画像は各周波数の振幅(例えば大きさ)をプロットすることにより計算され得る。こうすることで、空間内のオリジナル信号は一組の周波数と正弦関数との組み合わせにより表わされ得る。位相画像は、様々な周波数を有する信号間の位相シフトを計算することにより生成され得る。
【0078】
[0099] 従って、画像空間内の2D関数f(x,y)関して、2D FFT関数F(u,v)(ここでu及びvは空間周波数である)は式(1)を使用することにより計算される。換言すれば、2D関数f(x,y)は調和関数の線形一次結合として表わされ得る。
【0079】
[0100] 2D FTT関数F(u,v)は実数及び虚数部分を含む復素関数である。振幅スペクトルは各ベクトル
【数5】
の大きさを計算することにより生成され得る。ここで、|k|=|F(u,v)|、F(u,v)=Re(F(u,v))+Im(F(u,v))。位相スペクトラムは各周波数u,vの角度φを計算することにより生成され得る、ここで、角度φは以下の式により表される。
【数6】
【0080】
[0101] 804において、振幅スペクトルの第1のプロット及び位相スペクトラムの第2のプロットが生成され得る。いくつかの実施形態では、第1のプロット及び第2のプロット、又は第1のプロット、第2のプロット、若しくは第1のプロット及び第2のプロットを表すデータが、メモリ(例えばメモリ1706)内に格納され得る。いくつかの実施形態では、第1のプロット及び/又は第2のプロットはディスプレイデバイス上に表示されるユーザーインターフェース内で描画され得る。振幅スペクトルの第1のプロットは本明細書では「振幅画像」として交換可能に参照され得、そして位相スペクトラムの第2のプロットは本明細書では「位相画像」として交換可能に参照され得る。いくつかの実施形態では、位相画像及び振幅画像は並列に生成されるが、代替的に、順次生成され得る。
【0081】
[0102] 図9は一実施形態によるフーリエ変換を図6Aの画像へ適用することにより取得された例示的振幅画像を描写する。振幅画像900は第1組のピーク902及び第2組のピーク904を含む。第1組のピーク902内の各ピークは、「上側」層上のフィーチャに関係する画像の画像信号のフーリエ変換を表わし得る。例えば、ピーク910は、「上側」層上のフィーチャ(例えば水平方向格子)に関係する第1組のピーク902からのピークである。他方で、第2組のピーク904内の各ピークは、「下側」層上のフィーチャに関係する画像の画像信号(の一部分)のフーリエ変換(の一部分)を表わし得る。例えば、ピーク912及び914は、「下側」層上のフィーチャ(例えば矩形フィーチャ)に関係する第2組のピーク904からのピークである。振幅画像900内に表示される各ピークは、フーリエ空間内の特定位置(例えば、u座標及びv座標により定義された)に関連付けられ得る。さらに、フーリエ空間内の各点(例えば{u,v})は画像空間内の正弦波信号に対応し得る。
【0082】
[0103] 画像空間内のパターン化された基板の画像に対しフーリエ変換を行う技術的改善は、「埋め込まれたフィーチャが、最終出力画像全体に寄与する非常に弱い画像信号を生成したとしても、これらの弱い信号は、分離され分析され得るフーリエ空間内の定義された表現を依然として有する」ということである。
【0083】
[0104] 振幅画像に基づき、どのピークがどのフィーチャに関連するかに関する判断がなされ得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の最適化アルゴリズムが、2組のピークを振幅画像内のピークへフィッティングするために使用され得る。いくつかの実施形態では、ピーク位置及び振幅は非線形最小二乗最適化ルーチンを使用することによりフィッティングされ、ここでは、ピーク形状は雑音レベルを表す一定バックグラウンド上でガウス関数を使用することによりフィッティングされるが、ピーク形状はまた、画像空間内の画像に適用される窓関数のフーリエ変換により記述され得る。2組のピークは「上側」層上のフィーチャ(例えばフィーチャ602)に関連するピークと「下側」層上のフィーチャ(例えばフィーチャ620)に関連するピークとに対応し得る。フィッティングされたピークに基づき、フーリエ空間内の各ピークのピーク位置が副画素精度でもって取得され得る。
【0084】
[0105] ピークをフィッティングすることで、副画素精度がピーク毎に取得されることを可能にし得、所与のピークに関連する位相を判断する際の副画素位相分解能を許容する。位相を判断する際の精度が高ければ高いほど、オーバーレイなどのパターン化プロセスメトリックを判断する際により高い精度が得られる。一例として、図10Aを参照すると、振幅画像1000は3×3画素アレイを示す。画素アレイ内の各画素は高さ及び幅Dを有し得るが、高さ及び幅は、異なり得、そして簡潔性のために互いに等しく設定される。
【0085】
[0106] 振幅画像1000では、各円はフーリエ空間内の所与の画素の中心を表わす。例えば、9つの画素はそれらの中心座標を介しラベル付けされ得る(例えばピクセル中心:{u,v}、ここでi=0、1、2、そしてj=0、1、2)。振幅画像内のピークが画素のうちの1つの画素の中心位置のうちの1つに在れば、当該対応画素の位相を判断することは
【数7】
を介し計算され得る。ここで、F(u,v)=Re(F(u,v))+Im(F(u,v))。しかし、ピークが画素の中心に位置しなければ、補間処理が、振幅画像内のピークの副画素位置を補間し、そして対応副画素位置に基づき当該副画素位置の位相φを判断するために使用され得る。例えば、振幅画像1000内の菱形はピーク(ピーク912又は914のうちの1つなど)を表わし得る。図10Aから分かるように、菱形は画素の中心に位置しない。従って、その座標{u,v}は、その位置をその周囲画素の中心に対し補間することにより判断され得る。
【0086】
[0107] 一例として、図10Bを参照すると、振幅画像1050は、図10Aにおいて見られる画素アレイのサブセクションを表わす。振幅画像1050は、例えば画像信号のフーリエ変換を介し生成されたピーク(例えば図9のピーク910、912、914の1つ)を表す菱形を描写する。菱形の座標を判断するために、補間処理が、周囲画素の中心に対する菱形の相対的位置を計算するために行われる。例えば、ベクトルr11、r12、r21及びr22が計算され得る。ベクトルr11は中心{u1,v1}から菱形までの距離を表わし、ベクトルr12は中心{u1,v2}から菱形までの距離を表わし、ベクトルr21は中心{u2,v1}から菱形までの距離を表わし、そしてベクトルr22は中心{u2,v2}から菱形までの距離を表わす。これらのベクトル(例えばベクトルr11-r22)及び各画素の中心は菱形の座標位置{u,v}を判断するために使用され得る。次に、座標位置{u,v}は当該ピークの位相(例えば
【数8】
)を計算するために使用され得る。本明細書において説明される補間処理を使用することで、より精密なオーバーレイ(又は他のクリティカルフィーチャメトリック)判断を可能にし、パターン化デバイスのオーバーレイの広がりをより高い精度で判断することによりリソグラフィプロセスを改善し得る。特に、パターン化デバイスが積層(ここでは、下側層が1つ又は複数の他の層の下に埋め込まれている(例えば、パターン化デバイスの下側層と上側表面との間の距離はdより大きい))を含むと、本明細書において説明される技術は、他の画像処理技術が下側層のフィーチャを検出することすらできないかもしれない場合にオーバーレイなどの様々なパターン化メトリックの精密計算を可能にする。
【0087】
[0108] いくつかの実施形態では、各ピーク及びフーリエ空間内の各ピークの対応ピーク位置は次の2組のピークのうちの1つへ分類され得る:撮像されたデバイス(例えば積層を含む基板)の上側層上で形成されたフィーチャに関連する第1組のピーク(例えば第1組のピーク902)、又は撮像されたデバイスの下側層上で形成されたフィーチャに関連する第2組のピーク(例えば第2組のピーク904)。次に、ピーク位置は位相画像から位相を計算するために使用され得る。
【0088】
[0109] 図11は位相画像1100の略図である。位相画像1100は、振幅画像900からの各ピークに関連する位相を描写する。例えば、点1110はピーク910に対応し、点1112はピーク912に対応し、そして点1114はピーク914に対応する。位相は、フィーチャの中心(例えばフーリエ空間内の原点)から興味ある点まで延伸する伝搬ベクトルkを有する正弦波信号の画像空間内のシフトを表わす。例えば、図12を参照すると、振幅画像1200は、フーリエ空間内の原点からフーリエ空間内の興味ある点まで延伸するベクトルkを描写する。ベクトルkの大きさは式(4)により見られるようにフィーチャの単位セル寸法に関係する:
【数9】
ここで、Pspotは興味ある点に対応するピッチを表わす。
【0089】
[0110] 位相はベクトルkに関連する画像空間内の正弦波信号のシフトである。位相φは
【数10】
により所与のu,v関して計算され得、ここで、F(u,v)=Re(F(u,v))+Im(F(u,v))。従って、各ベクトルkは、当該ピークの位置(例えば振幅画像内のu,v座標)に基づき計算され得る位相を有する。位相φは-π~+πの値の範囲であり得る。従って、位相φの精密な値を判断することは振幅画像内のピークの位置を精密に判断することを必要とする。位相のそれらの値(例えば角度)は位相画像1100により見られ得る。例えば、濃青色(例えば点1114)である点は-πの位相を指す一方で黄色である点は+πの位相を指す。
【0090】
[0111] いくつかのケースでは、オリジナル画像の対称性(例えばフィーチャ602、604、620のパターン内の周期性)に起因して、位相角は互いに相殺し得、従って、データポイントを含む位相画像1100のエリアは、パターン内に非対称性がある部分を表わし得る。この非対称性は、リソグラフィ印刷プロセスから生じるオーバーレイ又は他の非対称性の結果であり得る。
【0091】
[0112] 2D画像信号を処理するという観点で、位相を計算することは、FFTをオリジナル信号(例えば(x,y)画素データ)に対し行うことと、変換された信号の実数成分及び変換された信号の虚数部分を抽出することとを含み得る。次に、ベクトルkの振幅は
【数11】
を計算することにより与えられ得る。ここで、F(u,v)=F(k)。ベクトルkの位相φの値は
【数12】
を介し計算される、
【0092】
[0113] いくつかの実施形態では、位相画像1100を分析することに先立って、1つ又は複数の画像処理工程が行われ得る。例えば、閾値化フィルタが画像信号内の雑音を低減するために適用され得る。
【0093】
[0114] いくつかの実施形態では、ベクトルΔOVにより表わされるオーバーレイ誤差は例えば図12により見られるように振幅画像内の興味ある点上に投影され得る。オーバーレイ誤差は基準オーバーレイ条件に関し投影され得る(オーバーレイ(OVL)=0のように)。オーバーレイ誤差は式(5)に基づき抽出された位相φに関係する:
【数13】
ここで、Δφ(rad)図13に関して以下に説明される方法を使用することにより取得され得、そして
【数14】
はkの方向の単位ベクトルである。
【0094】
[0115] 図13に関して、本方法は1300において開始し得、ここで、パターン化デバイス(例えば、積層のうちの1つ又は複数の層がリソグラフィパターン化プロセスを使用することによりパターン化された積層を有する基板)の画像を表す画像データが取得され得る。いくつかの実施形態では、画像データはSEM像を表すSEM画像データであり得る。例えば、画像データ(例えばSEM画像データ)は、図3-5に関連して上に説明されたような計測システムを使用することにより捕捉され得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の前処理工程(雑音低減、グレースケール、クロッピング(cropping)、スケーリング、ウインドウイング(windowing)など)が画像に対して行われ得る。図6Aはパターン化デバイスの画像の一例を描写する。
【0095】
[0116] 1302において、振幅画像及び位相画像は、FFTがパターン化デバイス(例えば積層を有する基板)の画像データへ適用されることに基づき生成され得る。フーリエ変換は、パターン化デバイスの空間像を正弦関数の集合へ分解する。従って、振幅画像は、特定周波数における各正弦関数の強度の画像を描写し得る。各点における強度は所与の2D周波数における正弦関数の振幅に対応するので、フーリエ空間内の各点の振幅が判断され得る。
【0096】
[0117] 1304において、振幅画像内のピークの位置がフィッティングされ得る。例えば、2D正弦関数がピークへフィッティングされ得る。例えば、雑音を有するガウス関数が使用され得る。このフィッティング関数に基づき、各ピークのフーリエ空間内の位置が抽出され得る。いくつかの実施形態では、ピークはフーリエ空間内の関連位置ベクトルと共に格納され得る。
【0097】
[0118] オーバーレイベクトルは、フーリエ空間内の原点からフーリエ空間内の興味ある点まで延伸するk-ベクトルに基づき計算される。例えば、図12に見られるように、ベクトルkは点p1から発祥しそして点p2まで延伸する。ベクトルはフーリエ空間内の位置の2D周波数値により表わされ得る。従って、ベクトルkは、周波数座標u1,v1(例えばu1=0、v1=0)を有する点p1において発祥し得、そして周波数座標u,2,v2(例えばu2=u,v2=v)を有する点p2まで延伸し得る。次に、各ピークのフーリエ空間内の対応座標が格納され得る(例えば{p1:u1,v1},{p2:u2,v2})。いくつかの実施形態では、複数組のピークが振幅画像900の振幅へフィッティングされ得る。各組のピークはパターン化デバイスの層のフィーチャに対応し得る。例えば、第1組のピークはパターン化デバイスの第1の層上のフィーチャへフィッティングされ得、そして第2組のピークはパターン化デバイスの第2の層上のフィーチャへフィッティングされ得る。ピークが第1組のピーク又は第2組のピークへフィッティングされるかが、どのピークが「上側」層内のフィーチャ又は「下側」層内のフィーチャを指すかを判断するために使用され得る。
【0098】
[0119] 1306において、位相が所与のピークの位相画像(例えば位相画像1100)から抽出され得る。いくつかの実施形態では、位相は、撮像された基板(例えば積層を含むパターン化デバイス)の「下側」層上のフィーチャを表すピークから抽出され得る。いくつかのケースでは、位相は、撮像された基板の「上側」層上のフィーチャを表すピークから抽出され得る。いくつかの実施形態では、各ピーク(又はピークのうちのいくつか)に関連する位相がフーリエ空間内の周波数位置(例えば、{p1:u1,v1,φ1},{p2:u2,v2,φ2})に関連して格納され得る。位相は
【数15】
を介し計算され得、ここで、F(u,v)=Re(F(u,v))+Im(F(u,v))である。
【0099】
[0120] 十分な精度を達成するために、位相抽出は位相画像内の近隣画素の補間を行うことを含み得る。いくつかの実施形態では、u,vは分数座標である。補間された画素は位相ラッピング(phase wrapping)境界(例えば、ここでは位相は+π近くの値から-π近くの値までジャンプする)に近いかもしれない。位相アンラッピング(phase unwrapping)アルゴリズムが位相を正確に補間するために適用され得る。
【0100】
[0121] 1308において、抽出された位相はオーバーレイ値へ翻訳され得る。オーバーレイは、式(5)を介し、抽出された位相に関係付けられ得る。シミュレーションはさらに、較正(又は感度定数)がオーバーレイ計算の精度を改善するために必要とされ得るということを示す。式(6)の較正されたバージョンが次に示される:
【数16】
ここで、α(i,j,x/y)は以下に説明されるように校正操作を使用することにより計算される校正定数である。指標i,jは興味ある指標のスポットを指し、そしてx/y指標はx/yオーバーレイ成分を指す。一例として、図14のグラフ1400は1の校正定数(式(6)を式(5)に帰する)を仮定するΔOVを示す。
【0101】
[0122] 較正を行うために、パターン化デバイスの複数の画像(例えばSEM画像)が取得され得る。画像は特定パターン化デバイスのシミュレーションに基づき得る、又は画像は物理的パターン化デバイスの画像であり得る。一例として、グラフ1400は次の3つの(3)トレースを示す:トレース1402、トレース1404及びトレース1406。各トレースはk-ベクトル配向に関連付けられる。例えば、トレース1402は-21度のk-ベクトル配向に関連付けられ、トレース1404は48度のk-ベクトル配向に関連付けられ、そしてトレース1406は138度のk-ベクトル配向関連付けられる。一例として、図15の画像1500を参照すると、21度のk-ベクトル配向は画像1500内の点1502を指し、48度のk-ベクトル配向は点1504を指し、そしてk-ベクトル配向138は点1506を指す。図14を再度参照すると、オーバーレイのx成分及びy成分はパターン化デバイスの複数の画像の各画像のピーク(例えばk-ベクトル配向-21度、48度、138度)毎に式(5)を使用することにより計算され得る。これらの点がグラフ1400内にプロットされる。所与のk-ベクトル配向に対応する点の各集合に関して、一次関数が、オーバーレイ計算のための校正係数を取得するためにデータ点へフィッティングされ得る。例えば、位相角-21度の校正係数は1.6であるべきである一方で、位相角48度及び138度の校正係数はそれぞれ0.54及び0.86であるべきである。いくつかの実施形態では、高位モデルが位相をオーバーレイへ関係付けるために使用され得る。
【0102】
[0123] いくつかの実施形態では、位相画像から位相を抽出するプロセスは、位相画像グリッド上の位相値を、振幅画像上のピーク位置(群)をフィッティングすることにより取得された(副画素精度)ピーク位置へ補間するための補間技術に関与し得る。いくつかの実施形態は線型最隣接又は双3次(nearest neighbor or bicubic)補間を使用し得る。他の実施形態はまた、位相のより精確な補間値を生じるための1D又は2D位相アンラッピング技術を含み得る。
【0103】
[0124] 較正が有する効果は例えば図16に関して見ることができる。図16において、グラフ1600は、138度の位相に関して計算されたデータ点の一例を描写する。これらのデータ点の傾斜は0.86である。但し、破線は、傾斜が理想的(例えば、傾斜=1.0)であればフィッティングされたデータ点が振る舞うであろうものを描写する。
【0104】
[0125] いくつかの実施形態では、位相とオーバーレイとの関係性は1つ又は複数の機械学習モデルを使用することにより推定され得る。例えば、機械学習モデルは、位相に基づきフィーチャ(例えばスタックの様々な層上のフィーチャ)間のオーバーレイを予測するようにトレーニングされ得る。本明細書において説明されるシステム内で使用され得る機械学習技術は、制限しない(いかなる他のリストも制限されるということを暗示するものではない)が以下のうちの任意のものを含み得る:最小二乗回帰(OLSR:Ordinary Least Squares Regression)、線形回帰、ロジスティック回帰、段階的回帰、多変数適応回帰スプライン(MARS:Multivariate Adaptive Regression Splines)、Locally Estimated Scatterplot Smoothing(LOESS)、インスタンスベースアルゴリズム、k-Nearest Neighbor(KNN)、学習ベクトル量子化(LVQ:Learning Vector Quantization)、自己編成マップ(SOM:Self-Organizing Map)、局所重み付け学習(LWL:Locally Weighted Learning、Regularizationアルゴリズム、Ridge Regression、Least Absolute Shrinkage and Selection Operator(LASSO)、Elastic Net、Least-Angle Regression(LARS)、デシジョンツリーアルゴリズム、分類及び回帰ツリー(CART:Classification and Regression Tree)、Iterative Dichotomizer 3(ID3)、C4.5及びC5.0(powerful approachの異なるバージョン)、Chi-squared Automatic Interaction Detection(CHAID)、Decision Stump、M5、条件付きデシジョンツリー、Naive Bayes、Gaussian Naive Bayes、Causalityネットワーク(CN:Causality Network)、Multinomial Naive Bayes、Averaged One-Dependence Estimators(AODE)、Bayesian Beliefネットワーク(BBN)、Bayesianネットワーク(BN)、k-Means、k-メディアン、K-クラスタ、Expectation Maximization(EM)、階層的クラスタ化、Association Rule Learningアルゴリズム、A-prioriアルゴリズム、Eclatアルゴリズム、人工ニューラルネットワークアルゴリズム、Perceptron、Back-Propagation、Hopfieldネットワーク、Radial Basis Functionネットワーク(RBFN)、深層学習アルゴリズム、深層ボルツマンマシン(DBM:Deep Boltzmann Machine)、Deep Beliefネットワーク(DBN)、Convolutional Neuralネットワーク(CNN)、深層メトリック学習、Stacked Auto-Encoders、Dimensionality Reductionアルゴリズム、Principal Component分析(PCA)、Principal Component Regression(PCR)、Partial Least Squares Regression(PLSR)、Collaborative Filtering(CF)、Latent Affinity Matching(LAM)、Cerebri Value Computation(CVC)、Multidimensional Scaling(MDS)、Projection Pursuit、Linear Discriminant分析(LDA)、Mixture Discriminant分析(MDA)、Quadratic Discriminant分析(QDA)、Flexible Discriminant分析(FDA)、アンサンブルアルゴリズム、Boosting、Bootstrapped Aggregation(Bagging)、AdaBoost、Stacked Generalization(blending)、Gradient Boosting Machines(GBM)、Gradient Boosted Regressionツリー(GBRT)、ランダムフォレスト、Computational intelligence(進化アルゴリズムなど)、コンピュータビジョン(CV:Computer Vision)、自然言語処理(NLP:Natural Language Processing)、Recommender Systems、Reinforcement Learning、グラフィックモデル、又はseparable convolutions(例えばdepth-separabl convolutions、spatial separable convolutions)。
【0105】
[0126] いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、複数のSEM画像で形成されたトレーニングデータに基づきトレーニングされ得る。SEM画像の各々は、第1の下側層及び第2の上側層上のフィーチャを有するパターン化デバイスを描写し得る。様々な画像は類似パターン又は異なるパターンを描写し得、そして、オーバーレイの広がりは様々な画像全体にわたって変動し得る。いくつかの実施形態では、オーバーレイは、既知値(製作プロセス中に予めプログラムされたか又は予め設定されたかのいずれかの)又は測定値(例えば1つ又は複数の計測プロセスを使用することによる)であり得る。
【0106】
[0127] いくつかの実施形態では、FFTがSEM画像へ適用され得る。画像空間内で捕捉されたSEM画像毎に、FFTはフーリエ空間内のSEM画像を表す振幅画像及び位相画像を生成し得る。図12に関連して上に説明された方法を使用することにより、取得された振幅画像は、画像空間内のフィーチャを表わす各ピークのフーリエ空間内のピーク位置を判断するようにフィッティングされ得る。「上側」層上のフィーチャに対応するピーク及び「下側」層上のフィーチャに対応するピークは、識別され得、そしてフィーチャのピークに対応する振幅画像内の所与点を表す位相角(例えば下側層からのフィーチャ)を判断するために使用され得る。次に、位相はオーバーレイ又はオーバーレイ誤差を計算するために使用され得る。
【0107】
[0128] 機械学習モデルは、トレーニング局面中にトレーニングされ得、そして精度を保証するために検証され得る。トレーニング及び検証が完了すると、トレーニングされたモデルは、配備され得、そして入力位相に基づき積層のフィーチャ間のオーバーレイを計算するために使用され得る。
【0108】
[0129] 図17を参照すると、コンピュータシステム1700が示される。コンピュータシステム1700は、情報を通信するためのバス1702又は他の通信機構と、情報を処理するためのバス1702と結合されたプロセッサ1704(又は複数のプロセッサ1704及び1705)とを含む。コンピュータシステム1700はまた、プロセッサ1704により実行される情報及び命令を保存するためのメインメモリ1706(ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他のダイナミックストレージデバイスなど)であってバス1702へ結合されるメインメモリ1706を含む。メインメモリ1706はまた、プロセッサ1704により実行される命令の実行中に一時変数又は他の中間情報を格納するために使用され得る。コンピュータシステム1700はさらに、プロセッサ1704のための静的情報及び命令を格納するための読み取り専用メモリ(ROM)1708又は他のスタティックストレージデバイスであってバス1702へ結合される読み取り専用メモリ(ROM)1708又は他のスタティックストレージデバイスを含む。情報及び命令を格納するための磁気ディスク又は光ディスクなどのストレージデバイス1710が提供され、そしてバス1702へ結合される。
【0109】
[0130] コンピュータシステム1700は、情報をコンピュータユーザに表示するための陰極線管(CRT)、フラットパネル、又はタッチパネルディスプレイなどのディスプレイ1712へバス1702を介し結合され得る。英数字及び他のキーを含む入力デバイス1714が、情報及びコマンド選択をプロセッサ1704に通信するためにバス1702へ結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、プロセッサ1704に方向情報及びコマンド選択を通信するための及びディスプレイ1712上でカーソル運動を制御するためのマウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなどのカーソル制御部1716である。この入力デバイスは、一般的に、2つの軸(第1の軸(例えばx)及び第2の軸(例えばy))において、デバイスがある面内で位置を特定することを可能にする2つの自由度を有する。タッチパネル(スクリーン)ディスプレイが、入力デバイスとして使用され得る。
【0110】
[0131] コンピュータシステム1700は、メインメモリ1706内に含まれる1つ又は複数の系列の1つ又は複数の命令をプロセッサ1704が実行することに応じて本明細書では処理ユニットとして機能するために好適であり得る。このような命令は別のコンピュータ可読媒体(ストレージデバイス1710など)からメインメモリ1706内へ読み込まれ得る。メインメモリ1706内に含まれる幾つかの系列の命令の実行はプロセッサ1704に本明細書に記載のプロセスを行わせる。メインメモリ1706内に含まれる幾つかの系列の命令を実行するために、多重処理構成の1つ又は複数のプロセッサが採用され得る。いくつかの代替実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに又はソフトウェア命令と組み合わせてハードワイヤード回路が使用され得る。従って、いくつかの実施形態はハードウェア回路構成とソフトウェアとのいかなる特別な組み合わせにも限定されない。
【0111】
[0132] 本明細書で使用される用語「コンピュータ可読媒体」は、実行のためにプロセッサ1704に命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。このような媒体は、限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含む多くの形式を取り得る。不揮発性媒体は、例えばストレージデバイス1710などの光又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体はメインメモリ1706などのダイナミックメモリを含む。伝送媒体は、バス1702を含むワイヤを含む同軸ケーブル、銅線及び光ファイバを含む。伝送媒体はまた、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるものなどの音波又は光波の形式も取り得る。コンピュータ可読媒体の一般的形式は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、任意の他の光媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有する任意の他の物理的ストレージ媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップ又はカートリッジ、本明細書において説明した搬送波、又はコンピュータが読み出し得る任意の他の媒体を含む。
【0112】
[0133] コンピュータ可読媒体の様々な形態が、実行のためにプロセッサ1704に1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを運ぶことに関与してもよい。例えば、命令は、最初は、リモートコンピュータの磁気ディスクにある場合がある。リモートコンピュータは、命令をそれの動的メモリにロードし、及びモデムを使用して電話回線上で命令を送ることができる。コンピュータシステム1700にローカルなモデムが、電話回線上のデータを受信し、及び赤外線送信機を用いてデータを赤外線信号に変換することができる。バス1702に結合された赤外線検出器が、赤外線信号で搬送されたデータを受信し、及びそのデータをバス1702にのせることができる。バス1702は、データをメインメモリ1706に搬送し、そこからプロセッサ1704が、命令の読み出し及び実行を行う。メインメモリ1706によって受信された命令は、任意選択的に、プロセッサ1704による実行の前又は後に、ストレージデバイス1710に保存されてもよい。
【0113】
[0134] コンピュータシステム1700は、バス1702に結合された通信インターフェース1718も含み得る。通信インターフェース1718は、ローカルネットワーク1722に接続されたネットワークリンク1720に結合する双方向データ通信も提供する。例えば、通信インターフェース1718は、対応するタイプの電話回線にデータ通信接続を提供するデジタル総合サービス網(ISDN)カード又はモデムでもよい。別の例として、通信インターフェース1718は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードでもよい。ワイヤレスリンクが実施されてもよい。このような実施において、通信インターフェース1718は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気、電磁、又は光信号の送信及び受信を行う。
【0114】
[0135] ネットワークリンク1720は通常、1つ又は複数のネットワークを介し他のデータデバイスにデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク1720は、ローカルネットワーク1722を介した接続をホストコンピュータ1724へ、又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)1726により操作されるデータ機器へ提供し得る。次に、ISP1726は、今や一般的に「インターネット」1728と呼ばれる世界的パケットデータ通信ネットワークを通じてデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク1722及びインターネット1728両方は、デジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号、又は光信号を使用する。様々なネットワークを介した信号、及びネットワークデータリンク1720上にありそして通信インターフェース1718を介した信号(これらは、コンピュータシステム1700との間でデジタルデータを搬送する)は情報を輸送する搬送波の例示的形式である。
【0115】
[0136] コンピュータシステム1700は、ネットワーク(群)、ネットワークデータリンク1720、及び通信インターフェース1718を介し、メッセージを送信し、そしてプログラムコードを含むデータを受信し得る。インターネット例では、サーバ1730が、インターネット1728、ISP1726、ローカルネットワーク1722及び通信インターフェース1718を介しアプリケーションプログラムのための要求コードを送信する可能性がある。1つ又は複数の実施形態によると、1つのこのようなダウンロード型アプリケーションは例えば本明細書において開示される方法を提供する。受信コードは、受信されるとプロセッサ1704により実行され得る、及び/又は後の実行のためにストレージデバイス1710若しくは他の不揮発性ストレージ内に格納され得る。このようにして、コンピュータシステム1700は搬送波の形式でアプリケーションコードを取得し得る。
【0116】
[0137] 図18は、本明細書に記載する動作のうちの1つ若しくは複数に使用され得るか、又はそれ(ら)を容易にし得る別のリソグラフィ投影装置(LPA)の概略図である。図18に示すLPAは、図1に示す装置に類似するか、又は同じである。LPAは、ソースコレクタモジュールSO、放射ビームB(例えばEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)IL、パターニングデバイステーブルT、基板テーブルWT、及び投影システムPSを含み得る。パターニングデバイステーブルTは、パターニングデバイス(例えば、マスク又はレチクル)MAを支持するように構築することができ、パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続され得る。基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTは、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構築されてもよく、基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続され得る。投影システム(例えば反射型投影システム)PSは、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)上に投影するように構成することができる。
【0117】
[0138] この例が示すように、LPAは、反射型(例えば、反射型パターニングデバイスを用いる)であり得る。ほとんどの材料が、EUV波長範囲内で吸収性であるので、パターニングデバイスは、例えば、モリブデン及びシリコンのマルチスタックを含む多層リフレクタを有し得ることに留意されたい。一例では、マルチスタックリフレクタは、各層の厚さが4分の1波長である、モリブデン及びシリコンの40層ペアを有する。さらに小さな波長が、X線リソグラフィを用いて生成され得る。ほとんどの材料が、EUV及びx線波長で吸収性であるので、パターニングデバイストポグラフィ上の薄い一片のパターン付き吸収材料(例えば、多層リフレクタ上のTaNアブゾーバ)は、どこにフィーチャが印刷され(ポジ型レジスト)、又は印刷されないか(ネガ型レジスト)を定義する。
【0118】
[0139] イルミネータILは、ソースコレクタモジュールSOから極端紫外線放射(EUV)ビームを受け得る。EUV放射を生成する方法は、必ずしも限定されないが、EUV範囲において1つ又は複数の輝線を備えた少なくとも1つの元素(例えば、キセノン、リチウム、又はスズ)を有するプラズマ状態に材料を変換することを含む。レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることが多い、そのような1つの方法では、プラズマは、線発光元素を有する材料の小滴、ストリーム、又はクラスタなどの燃料をレーザビームで照射することによって生成され得る。ソースコレクタモジュールSOは、燃料を励起するレーザビームを提供するレーザ(図17では不図示)を含むEUV放射システムの一部でもよい。その結果生じるプラズマが、出力放射(例えば、EUV放射)を放出し、これが、ソースコレクタモジュールに配置される放射コレクタを用いて収集される。レーザ及びソースコレクタモジュールは、例えば、燃料励起用のレーザビームを提供するためにCO2レーザが使用される場合には、別個のエンティティでもよい。このようなケースでは、レーザは、リソグラフィ装置の一部を形成するとはみなされず、及び放射ビームは、例えば、適宜の誘導ミラー又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを用いて、レーザからソースコレクタモジュールへと渡され得る。他の例では、例えばソースが、DPPソースと呼ばれることが多い、放電生成プラズマEUVジェネレータである場合、ソースは、ソースコレクタモジュールの一体化部分でもよい。
【0119】
[0140] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するためのアジャスタを含み得る。一般に、イルミネータの瞳面の強度分布の少なくとも外側又は内側半径範囲(一般的に、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)が、調節され得る。さらに、イルミネータILは、ファセットフィールド及び瞳ミラーデバイスなどの様々な他のコンポーネントを含み得る。イルミネータを使用して、断面に所望の均一性及び強度分布を有するように放射ビームを調整することができる。
【0120】
[0141] 放射ビームBは、パターニングデバイステーブルTに保持されるパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、及びパターニングデバイスによってパターン付けされ得る。放射ビームBは、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射された後、ビームの焦点を基板Wのターゲット部分Cに合わせる投影システムPSを通過する。第2のポジショナPW及び位置センサPS2(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)を用いて、(例えば異なるターゲット部分Cを放射ビームBのパス内に位置決めするように)基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサPS1を用いて、放射ビームBのパスに対してパターニングデバイス(例えば、マスク)MAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いてアライメントされてもよい。
【0121】
[0142] 描かれた装置LPAは、以下のモード:ステップモード、スキャンモード、及び静止モードのうちの少なくとも1つで使用され得る。ステップモードでは、パターニングデバイステーブルT及び基板テーブルWTは、基本的に静止したままであり、放射ビームに付与されたパターン全体が一度にターゲット部分C上に投影される(例えば、単一静的露光)。次いで、異なるターゲット部分Cが露光され得るように、基板テーブルWTが、X又はY方向にシフトされる。スキャンモードでは、放射ビームに付与されたパターンが、ターゲット部分C上に投影される間に、パターニングデバイステーブルT及び基板テーブルWTは、同期してスキャンされる(すなわち、単一動的露光)。パターニングデバイステーブルTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの縮小及び像反転特性によって決定され得る。静止モードでは、放射ビームに付与されたパターンが、ターゲット部分C上に投影される間に、パターニングデバイステーブルTは、プログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止したままであり、且つ基板テーブルWTは、移動又はスキャンされる。このモードでは、一般にパルス放射源が用いられ、及びプログラマブルパターニングデバイスが、基板テーブルWTの各移動後に、又はスキャン中の連続する放射パルスの合間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0122】
[0143] 図19は、図19(又は図1)に示すリソグラフィ投影装置のより詳細な図である。図19に示すように、LPAは、ソースコレクタモジュールSO、照明システムIL、及び投影システムPSを含み得る。ソースコレクタモジュールSOは、ソースコレクタモジュールSOの閉鎖構造220内で真空環境が維持され得るように構成される。EUV放射放出プラズマ210は、放電生成プラズマ源によって形成され得る。EUV放射は、ガス又は蒸気(例えば、電磁スペクトルのEUV範囲内の放射を放出するために、高温プラズマ210が作られるXeガス、Li蒸気、又はSn蒸気)によって生成され得る。高温プラズマ210は、例えば、少なくとも部分的にイオン化されたプラズマを生じさせる放電によって作られる。Xe、Li、Sn蒸気又は任意のその他の適宜のガス若しくは蒸気の例えば10Paの分圧が、放射の効率的生成に必要とされ得る。一部の実施形態では、励起スズ(Sn)のプラズマは、EUV放射を生成するために提供される。
【0123】
[0144] 高温プラズマ210によって放出された放射は、ソースチャンバ211から、ソースチャンバ211の開口内、又はその後ろに位置する任意選択的なガスバリア又は汚染物質トラップ230(場合によっては、汚染物質バリア又はフォイルトラップとも呼ばれる)を介して、コレクタチャンバ212内へと渡される。汚染物質トラップ230は、チャネル構造を含み得る。汚染物質トラップ230は、ガスバリア、又はガスバリア及びチャネル構造の組み合わせも含み得る。汚染物質トラップ又は汚染物質バリアトラップ230(下記に示す)は、チャネル構造をも含む。コレクタチャンバ212は、斜入射型コレクタでもよい放射コレクタCOを含み得る。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側251及び下流放射コレクタ側252を有する。コレクタCOを横断する放射は、格子スペクトルフィルタ240に反射して、線「O」によって示される光軸に沿った仮想光源点IFに焦点を合わせることができる。仮想光源点IFは、一般的に中間焦点と呼ばれ、及びソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが、閉鎖構造220の開口221に、又はその付近に位置するように配置される。仮想光源点IFは、放射放出プラズマ210の像である。
【0124】
[0145] 続いて、放射は、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21の所望の角度分布、及びパターニングデバイスMAにおいて放射強度の所望の均一性を提供するように配置されたファセットフィールドミラーデバイス22及びファセット瞳ミラーデバイス24を包含し得る照明システムILを横断する。パターニングデバイステーブルTによって保持されたパターニングデバイスMAにおける放射ビーム21の反射時に、パターン付きビーム26が形成され、及びパターン付きビーム26は、投影システムPSによって、反射要素28、30を介して、基板テーブルWTによって保持される基板W上に結像される。一般に、図示されるよりも多くの要素が、照明光学系ユニットIL及び投影システムPS内に存在し得る。格子スペクトルフィルタ240が、例えば、リソグラフィ装置のタイプに応じて、任意選択的に存在してもよい。さらに、図面に示されるミラーよりも多くのミラーが存在してもよく、例えば、図19に示されるよりも1~6個の追加の反射要素が、投影システムPSに存在してもよい。
【0125】
[0146] 図19に示されるようなコレクタ系COは、コレクタ(又はコレクタミラー)の単なる一例として、斜入射型リフレクタ253、254、及び255を備えた入れ子式コレクタとして描かれる。斜入射型リフレクタ253、254、及び255は、光軸Oに対して軸対称に配置され、及びこのタイプのコレクタ系COは、DPPソースと呼ばれることが多い、放電生成プラズマ源と組み合わせて使用され得る。
【0126】
[0147] 図20は、リソグラフィ投影装置LPA(前の図に示す)のソースコレクタモジュールSOの詳細図である。ソースコレクタモジュールSOは、LPA放射システムの一部であってもよい。レーザLAは、レーザエネルギーをキセノン(Xe)、スズ(Sn)、又はリチウム(Li)などの燃料に堆積させ、数十eVの電子温度の高イオン化プラズマ210を生成するように配置され得る。脱励起及びこれらのイオンの再結合中に生成されるエネルギー放射は、プラズマから放出され、近法線入射コレクタ系COによって収集され、及び閉鎖構造220の開口221上に焦点が合わせられる。
【0127】
[0148] 本開示の一実施形態は、本明細書において開示されるような方法を記述する1つ又は複数のシーケンスの機械可読命令を含むコンピュータプログラムの形式又はこのようなコンピュータプログラムが格納されたデータストレージ媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形式を取り得る。さらに、機械可読命令は2つ以上のコンピュータプログラム内に具現化され得る。2つ以上のコンピュータプログラムが1つ又は複数の異なるメモリ及び/又はデータストレージ媒体上に格納され得る。
【0128】
[0149] 本明細書において説明される任意のコントローラは各々又は組み合わせて、1つ又は複数のコンピュータプログラムがリソグラフィ装置の少なくとも1つの部品内に配置された1つ又は複数のコンピュータプロセッサにより読み出されると動作可能である。コントローラは、各々又は組み合わせて、信号を受信、処理、及び送信するための任意の好適な構成を有し得る。1つ又は複数のプロセッサはコントローラのうちの少なくとも1つと通信するように構成される。例えば、各コントローラは、上述の方法の機械可読命令を含むコンピュータプログラムを実行するための1つ又は複数のプロセッサを含み得る。コントローラは、このようなコンピュータプログラムを格納するためのデータストレージ媒体、及び/又はこのような媒体を収容するハードウェアを含み得る。従って、コントローラは1つ又は複数のコンピュータプログラムの機械可読命令に従って動作し得る。
【0129】
[0150] 特定参照が本文書ではICの製造における計測装置の使用に対しなされ得るが、本明細書において説明される計測装置及びプロセスは他のアプリケーション(集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造)を有し得るということが理解されるべきである。当業者は、このような代替アプリケーションという文脈において本明細書における用語「ウェーハ」又は「ダイ」のいかなる使用も、それぞれより一般的用語「基板」又は「ターゲット部」と同意であると考えられ得るということを理解することになる。本明細書において参照される基板は、例えばトラック(通常レジスト層を基板へ塗布し、そして露出されたレジストを現像するツール)、計測ツール及び/又は1つ又は複数の様々な他のツールにおいて露光前に又は露光後に処理され得る。適用可能な場合、本明細書において開示されたものはこのような及び他の基板処理ツールへ適用され得る。さらに、基板は、本明細書に使用される用語「基板」がまた、複数の処理層を既に含む基板を指し得るように、例えば多層ICを生成するために2回以上処理され得る。
【0130】
[0151] 特定参照が光リソグラフィの文脈において本開示の実施形態の使用に対しなされ得るが、本開示は他のアプリケーション(例えばナノインプラントリソグラフィ)において使用され得、そして文脈が許せば、光リソグラフィに制限されないということが理解されることになる。ナノインプラントリソグラフィの場合、パターン化デバイスはインプリントテンプレート又は金型である。
【0131】
[0152] 本明細書において開示される概念は、サブ波長フィーチャを撮像するための任意の一般的撮像システムを模擬し得る又は数学的にモデル化し得、そして、ますます短い波長を生成することができる新興撮像技術と共に特に有用であり得る。既に使用されている新興技術は、ArFレーザの使用による193nm波長そしてさらにはフッ素レーザの使用による157nm波長を生成することができるEUV(極紫外線)、DUVリソグラフィを含む。また、EUVリソグラフィは、20~5nmの範囲内の波長を、シンクロトロンを使用することにより、又はこの範囲内の光子を生成するために、物質(固体若しくはプラズマ)に高エネルギー電子を衝突させることにより、生成することができる。
【0132】
[0153] 本明細書において開示される概念はシリコンウェーハなどの基板上の撮像のために使用され得るが、開示される概念は、任意のタイプのリソグラフィ撮像システム(例えば、シリコンウェーハ以外の基板上の撮像のために使用されるもの)に使用され得るということが理解されるべきである。加えて、開示される要素の組み合わせ及び副組み合わせは別個の実施形態を含み得る。例えば、強化されたMRC判断基準を判断することは、本明細書において説明されるように、それ自身の別個の実施形態を含み得る、又は実際の照査を行うことも含む1つ又は複数の他のいくつかの実施形態と共に含まれ得る。
【0133】
[0154] 上記説明は例示的であるように意図されており、制限するようには意図されていない。従って、以下に記載される特許請求の範囲から逸脱することなく、記載される変更がなされ得ることは当業者にとって明らかになる。
【0134】
[0155] 本発明による別の実施形態は以下の番号付けされた条項において説明される:
1.コンピュータにより実行されるとコンピュータに、基板上のフィーチャの画像データを取得すること、画像データをフーリエ空間内で分析すること、この分析に基づき振幅及び位相を判断すること、並びに、これらの振幅及び位相に基づきフィーチャのオーバーレイを判断すること、を含む操作を行わせるコンピュータプログラム命令を格納する、非一時的コンピュータ可読媒体。
2.フィーチャは基板の第1の層上の第1のフィーチャと第1の層上に形成される基板の第2の層上の第2のフィーチャを含む、条項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
3.画像データは電子ビームを1つ又は複数の方向に走査することにより形成される基板の画像を含む、条項2に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
4.画像データは電子顕微鏡検査を介し捕捉される、条項1乃至3のいずれか一条項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
5.走査電子顕微鏡(SEM)が、SEM画像を捕捉する電子顕微鏡検査を行うために使用され、画像データはSEM画像を表すSEM画像データを含む、条項4に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
6.画像データをフーリエ空間内で分析することは、高速フーリエ変換(FFT)の画像データへの適用に応じて振幅画像及び位相画像を生成することを含み、振幅は振幅画像に基づき判断され、位相は位相画像に基づき判断される、条項1乃至5のいずれか一条項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
7.画像データは、基板、基板上に形成された第1の層、及び第1の層上に形成された第2の層の画像を含み、振幅画像はフーリエ空間内のフィーチャの振幅を描写し、フィーチャは第1の層又は第2の層のうちの少なくとも1つの層上に形成され、振幅を判断することは、振幅に基づきフィーチャから第1の層上に位置する第1組のフィーチャを判断すること、及び、振幅に基づきフィーチャから第2の層上に位置する第2組のフィーチャを判断すること、を含み、オーバーレイは第1組のフィーチャ及び第2組のフィーチャに基づき判断される、条項6に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
8.位相を判断することは、一組の位相を取得するために、位相画像に基づき第1組のフィーチャのフィーチャ毎にフーリエ空間内の第1組のフィーチャの対応する第1のフィーチャのそれぞれの位相を判断することを含み、オーバーレイは一組の位相に基づき判断される、条項7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
9.画像データは、第1の層上の第1のフィーチャ及び第2の層上の第2のフィーチャを有する基板の画像を含み、第2の層は第1の層上に形成され、オーバーレイを判断することは、入力として位相をモデルへ提供すること、及び、モデルから第1のフィーチャと第2のフィーチャとの間の推定オーバーレイを取得すること、を含む、条項1乃至8のいずれか一条項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
10.モデルは積み重ねフィーチャを含む基板の複数の画像を使用することによりトレーニングされ、複数の画像の各画像は積み重ねフィーチャのオーバーレイを指示するメタデータを含み、積み重ねフィーチャの各々は、それぞれの基板の第1の層上の第1組のフィーチャとそれぞれの基板の第2の層上の第2組のフィーチャとを含む、条項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
11.画像データは、第1の層と、第1の層上に形成された第2の層とを含む基板の画像を含み、画像データをフーリエ空間内で分析することは、高速フーリエ変換(FFT)の画像データへの適用に応じて、フーリエ空間内の画像データを表す振幅画像及び位相画像を生成すること、振幅画像内のピークをフィーチャへ割り当てることを含み、ピークの各々は、第1の層に含まれる第1のフィーチャ又は第2の層に含まれる第2のフィーチャのうちの1つへ割り当てられ、第1のフィーチャの各フィーチャの位相はそれぞれのピークに基づき補間される、条項1乃至10のいずれか一条項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
12.画像データは、計測システムを使用することにより基板を撮像することにより取得される、条項1乃至11のいずれか一条項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
13.基板上のフィーチャの画像データを取得すること、画像データをフーリエ空間内で分析すること、この分析に基づき振幅及び位相を判断すること、並びに、これらの振幅及び位相に基づきオーバーレイを判断すること、を含む操作を達成するためのコンピュータプログラム命令を実行するように構成されたコンピューティングシステムを含む、計測システム。
14.画像データは基板の画像を含み、基板は、基板の第1の層上の第1のフィーチャと基板の第2の層上の第2のフィーチャとを含むフィーチャを形成するパターン化プロセスを使用することによりパターン化され、第2の層は第1の層上に形成される、条項13に記載の計測システム。
15.画像データは電子ビームを1つ又は複数の方向に走査することにより形成される基板の画像を含む、条項14に記載の計測システム。
16.画像データは電子顕微鏡検査を介し捕捉される、条項13乃至15のいずれか一条項に記載の計測システム。
17.走査電子顕微鏡(SEM)が、SEM画像を捕捉する電子顕微鏡検査を行うために使用され、画像データはSEM画像を表すSEM画像データを含む、条項16に記載の計測システム。
18.画像データをフーリエ空間内で分析することは、高速フーリエ変換(FFT)の画像データへの適用に応じて振幅画像及び位相画像を生成することを含み、振幅は振幅画像に基づき判断され、位相は位相画像に基づき判断される、条項13乃至17のいずれか一条項に記載の計測システム。
19.画像データは、基板、基板上に形成された第1の層、及び第1の層上に形成された第2の層の画像を含み、振幅画像はフィーチャのフーリエ空間内の振幅を描写し、フィーチャは第1の層又は第2の層のうちの少なくとも1つの層上に形成され、振幅を判断することは、振幅に基づきフィーチャから第1の層上に位置する第1組のフィーチャを判断すること、及び、振幅に基づきフィーチャから第2の層上に位置する第2組のフィーチャを判断すること、を含み、オーバーレイは第1組のフィーチャ及び第2組のフィーチャに基づき判断される、条項18に記載の計測システム。
20.位相を判断することは、一組の位相を取得するために、位相画像に基づき第1組のフィーチャのフィーチャ毎にフーリエ空間内の第1組のフィーチャの対応する第1のフィーチャのそれぞれの位相を判断することを含み、オーバーレイは一組の位相に基づき判断される、条項19に記載の計測システム。
21.フィーチャは基板の第1の層上に形成された第1のフィーチャと基板の第2の層上に形成された第2のフィーチャとを含み、第2の層は第1の層上に形成され、オーバーレイを判断することは、入力として位相をモデルへ提供すること、及び、モデルから第1のフィーチャのインスタンスと第2のフィーチャのインスタンスとの間の推定オーバーレイを取得すること、を含む、条項13乃至20のいずれか一条項に記載の計測システム。
22.モデルは積み重ねフィーチャを含む基板の複数の画像を使用することによりトレーニングされ、複数の画像の各画像は積み重ねフィーチャのオーバーレイを指示するメタデータを含み、積み重ねフィーチャの各々は、それぞれの基板の第1の層上の第1組のフィーチャとそれぞれの基板の第2の層上の第2組のフィーチャとを含む、条項21に記載の計測システム。
23.画像データは、第1の層と、第1の層上に形成された第2の層と、を含む基板の画像を含み、画像データをフーリエ空間内で分析することは、高速フーリエ変換(FFT)の画像データへの適用に応じて、フーリエ空間内の画像データを表す振幅画像及び位相画像を生成すること、振幅画像内のピークをフィーチャへ割り当てることを含み、ピークの各々は、第1の層に含まれる第1のフィーチャ又は第2の層に含まれる第2のフィーチャのうちの1つへ割り当てられ、第1のフィーチャの各フィーチャの位相はそれぞれのピークに基づき補間される、条項13乃至22のいずれか一条項に記載の計測システム。
24.メモリ内に格納されたコンピュータプログラム命令を実行する1つ又は複数のプロセッサにより実装される方法であって、基板上のフィーチャの画像データを取得すること、画像データをフーリエ空間内で分析すること、この分析に基づき振幅及び位相を判断すること、並びにこれらの振幅及び位相に基づきオーバーレイを判断することを含む方法。
25.フィーチャは基板の第1の層上の第1のフィーチャと基板の第2の層上の第2のフィーチャとを含み、第2の層は第1の層上に形成される、条項24に記載の方法。
26.画像データは電子ビームを1つ又は複数の方向に走査することにより形成される基板の画像を含む、条項25に記載の方法。
27.画像データは電子顕微鏡検査を介し捕捉される、条項24乃至26のいずれか一条項に記載の方法。
28.走査電子顕微鏡(SEM)が、SEM画像を捕捉する電子顕微鏡検査を行うために使用され、画像データはSEM画像を表すSEM画像データを含む、条項27に記載の方法。
29.画像データをフーリエ空間内で分析することは、高速フーリエ変換(FFT)の画像データへの適用に応じて振幅画像及び位相画像を生成することを含み、振幅は振幅画像に基づき判断され、位相は位相画像に基づき判断される、条項24乃至28のいずれか一条項に記載の方法。
30.画像データは、基板、基板上に形成された第1の層、及び、第1の層上に形成された第2の層の画像を含み、振幅画像はフーリエ空間のフィーチャの振幅を描写し、フィーチャは第1の層又は第2の層のうちの少なくとも1つの層上に形成され、振幅を判断することは、振幅に基づきフィーチャから第1の層上に位置する第1組のフィーチャを判断すること、及び、振幅に基づきフィーチャから第2の層上に位置する第2組のフィーチャを判断すること、を含み、オーバーレイは第1組のフィーチャ及び第2組のフィーチャに基づき判断される、条項29に記載の方法。
31.位相を判断することは、一組の位相を取得するために、位相画像に基づき第1組のフィーチャのフィーチャ毎にフーリエ空間内の第1組のフィーチャの対応する第1のフィーチャのそれぞれの位相を判断することを含み、オーバーレイは一組の位相に基づき判断される、条項30に記載の方法。
32.画像データは、第1の層上の第1のフィーチャ及び第2の層上の第2のフィーチャを有する基板の画像を含み、第2の層は第1の層上に形成され、オーバーレイを判断することは、入力として位相をモデルへ提供すること、及び、モデルから第1のフィーチャと第2のフィーチャとの間の推定オーバーレイを取得すること、を含む、条項24乃至31のいずれか一条項に記載の方法。
33.モデルは積み重ねフィーチャを含む基板の複数の画像を使用することによりトレーニングされ、複数の画像の各画像は積み重ねフィーチャのオーバーレイを指示するメタデータを含み、積み重ねフィーチャの各々は、それぞれの基板の第1の層上の第1組のフィーチャとそれぞれの基板の第2の層上の第2組のフィーチャとを含む、条項32に記載の方法。
34.画像データは、第1の層と、第1の層上に形成された第2の層とを含む基板の画像を含み、画像データをフーリエ空間内で分析することは、高速フーリエ変換(FFT)の画像データへの適用に応じて、フーリエ空間内の画像データを表す振幅画像及び位相画像を生成すること、振幅画像内のピークをフィーチャへ割り当てること、を含み、ピークの各々は、第1の層に含まれる第1のフィーチャ又は第2の層に含まれる第2のフィーチャのうちの1つへ割り当てられ、第1のフィーチャの各フィーチャの位相はそれぞれのピークに基づき補間される、条項24乃至33のいずれか一条項に記載の方法。
35.画像データは、計測システムを使用することにより基板を撮像することにより取得される、条項24乃至34のいずれか一条項に記載の方法。
36.その上に記録された命令を有するコンピュータ非一時的可読媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、命令はコンピュータにより実行されると条項24乃至35のいずれか一条項に記載の方法を実装する、製品。
37.ハードウェアプロセッサシステム、及び機械可読命令を格納するように構成された非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を含むシステムであって、機械可読命令は、実行されると、ハードウェアプロセッサシステムに条項24乃至35のいずれか一条項に記載の方法を行わせる、システム。
38.パターン化プロセスのオブジェクトを測定するための計測装置であって、条項24乃至35のいずれか一条項に記載の方法を行うように構成された計測装置。
39.放射線のビームをオブジェクト表面上へ提供するように及びオブジェクト表面上の構造により方向変更された放射線を検出するように構成された計測装置、及び、条項36に記載のコンピュータプログラム製品、を含むシステム。
40.放射線ビームを変調するためにパターン化デバイスを保持するように構成された支持構造を含むリソグラフィ装置、及び変調された放射線ビームを放射線感受性基板上へ投射するように構成された投影光学系をさらに含む条項39に記載のシステムであって、オブジェクトは基板であり、リソグラフィ装置は、計測装置及びコンピュータプログラム製品を使用することにより取得された情報に基づきリソグラフィ装置の設定を制御するように構成される、システム。
【0135】
[0156] 本明細書における用語「放射」及び「ビーム」は、紫外(UV)線(例えば、365、355、248、193、157、又は126nmの波長を有する)及び極端紫外(EUV)線(例えば、約5~20nmの範囲内の波長を有する)だけでなく、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子線も含むすべてのタイプの電磁放射を包含する。
【0136】
[0157] 用語「レンズ」は、文脈が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気、及び静電気光学部品を含む様々なタイプの光学部品のうちの任意の1つ又は任意の組み合わせを指し得る。
【0137】
[0158] 閾値を横断又は通過することへの本明細書における参照は、特定値未満の値又は特定値以下の値を有するもの、特定値より高い値又は特定値以上の値を有するもの、
例えばパラメータに基づき他のものより高く又は低くランク付けされた(例えばソーティングを介し)もの、等々を含み得る。
【0138】
[0159] 誤差を補正すること又は誤差の補正への本明細書における参照は誤差を無くすこと又は誤差を公差範囲内に低減することを含む。
【0139】
[0160] 本明細書において使用される用語「最適化すること」及び「最適化」は、リソグラフィ又はパターン化処理の結果及び/又はプロセスがより望ましい特徴(基板上の設計レイアウトの投影のより高い精度、より大きなプロセスウィンドウなど)を有するようにリソグラフィ装置、パターン化プロセスなどを調節することを指す又は意味する。従って、本明細書において使用される用語「最適化すること」及び「最適化」は、それらの1つ又は複数の変数の初期組の1つ又は複数の値と比較して少なくとも1つの重要なメトリックにおける改善(例えば局所最適)を提供する1つ又は複数の変数の1つ又は複数の値を識別するプロセスを指す又は意味する。「最適」及び他の類義語はそれに応じて解釈されるべきである。一実施形態では、最適化工程は1つ又は複数のメトリックにおけるさらなる改善を提供するために繰り返し適用され得る。
【0140】
[0161] システムの最適化プロセスでは、システム又はプロセスの性能指数が費用関数として表わされ得る。最適化プロセスは、費用関数を最適化(例えば最少化又は最大化)するシステム又はプロセスの一組のパラメータ(設計変数)を発見するプロセスに帰する。費用関数は最適化の目的に応じて任意の適切な形式を有し得る。例えば、費用関数は、システム又はプロセスのいくつかの特徴(評価ポイント)の、これらの特徴の意図される値(例えば、理想値)に対する偏差の加重二乗平均平方根(RMS)であり得る。費用関数はまた、これらの偏差の最大値(すなわち、最悪偏差)であり得る。本明細書における用語「評価ポイント」はシステム又はプロセスの任意の特徴を含むように広範に解釈されるべきである。システムの設計変数は、システム若しくはプロセスの実装形態の実用性のために、規定範囲に制約され得る及び/又は相互依存し得る。リソグラフィ装置又はパターン化プロセスのケースでは、制約はしばしば、調整可能範囲及び/又はパターニングデバイス製造可能性設計規則などのハードウェアの物理的特性及び特徴に関連し、そして、評価ポイントは、基板上のレジスト像上の物理的点だけでなくドーズ量及び焦点などの非物理的特徴も含み得る。
【0141】
[0162] 本開示の特定実施形態が上に説明されたが、本開示は説明されたものとは別のやり方で実行され得るということが理解されることになる。例えば、本開示は、上に開示されたような方法を記述する1つ又は複数のシーケンスの機械可読命令を含むコンピュータプログラムの形式又はこのようなコンピュータプログラムが格納されたデータストレージ媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形式を取り得る。
【0142】
[0163] ブロック線図では、示された部品は離散的機能ブロックとして描写されるが、いくつかの実施形態は、本明細書において説明された機能性が示されたように編制されるシステムに制限されない。部品の各々により提供される機能性は、現在描写されるものとは異なるやり方で編制されるソフトウェア又はハードウェアモジュールにより提供され得、例えば、このようなソフトウェア又はハードウェアは、相互に混合されてもよいし、結合されてもよいし、複製されてもよいし、分解されてもよいし、分散されてもよいし(例えばデータセンター内に、又は地理的に)、異なるやり方で編制されてもよい。本明細書において説明される機能性は、有形な非一時的機械可読媒体上に格納されたコードを実行する1つ又は複数のコンピュータの1つ又は複数のプロセッサにより提供され得る。いくつかのケースでは、第三者コンテンツ配送ネットワークが、ネットワーク上で運ばれる情報のうちのいくつか又はすべてをホストし得、この場合、情報(例えばコンテンツ)が供給される又はそうでなければ提供されると言われる限りでは、情報はコンテンツ配送ネットワークから当該情報を検索するための命令を送信することにより提供され得る。
【0143】
[0164] 別途具体的に言明しない限り、論述から明らかなように、用語「処理する」、「コンピューティング」、「計算する」、「判断する」などを利用することは特定用途コンピュータ又は同様な専用電子処理/コンピューティングデバイスのような特定装置の行為又はプロセスを指すということが本明細書全体にわたる論述から認識される。
【0144】
[0165] 読者は、本出願がいくつかの発明を説明するということを認識すべきである。それらの発明を複数の分離された特許出願へ分離することよりむしろ、本出願者らは、これらの発明を、それらの関連主題が出願プロセスにおける節約に適するので単一文書内へグループ化した。しかし、このような発明の個別利点及び態様は合成されるべきでない。いくつかのケースでは、いくつかの実施形態は本明細書において指摘した欠陥のすべてに対処するが、「本発明は独立的に有用であり、そして、いくつかの実施形態は、このような問題のサブセットだけに対処する、又は本開示を精査することにより当業者に明らかになる他の言及されない利点を提示する」ということが理解されるべきである。費用制約に起因して、本明細書に開示された発明は、現在は請求されないかもしれなく、そして、継続出願のように、又は本請求項を修正することにより後の申請において請求され得る。同様に、空間制約に起因して、本明細書の要約章も発明の概要章も、このような発明の包括的列記又はこのような発明のすべての態様を含むものとして捉えられるべきではない。
【0145】
[0166] 本明細書及び添付図面は、本発明を開示された特定形式に制限するようには意図されていないということが理解されるべきであるが、それと反対に、本意図は、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の精神及び範囲内に入るすべての修正形態、等価形態及び代替形態をカバーすることである。
【0146】
[0167] 本発明の様々な態様の修正形態及び代替実施形態は本明細書の観点において当業者に明らかになる。従って、本明細書及び添付図面は、単なる一例と解釈されるべきであり、本発明を実行する一般的やり方を当業者に教えるためのものである。本明細書において示され説明された本発明の形式はいくつかの実施形態の一例として捉えられるべきであるということを理解すべきである。本発明の本明細書の恩恵を有した後に当業者に明らかになるだろうように、いくつかの要素及び材料が、本明細書において示されそして説明されるものの代わりに用いられ得、いくつかの部品及びプロセスは反転又は省略され得、いくつかのフィーチャは独立に利用され得、そしていくつかの実施形態又はいくつかの実施形態のフィーチャは組みフィッティングされ得る。以下の特許請求項において説明されるように、いくつかの変更は本発明の精神及び範囲から逸脱すること無く本明細書において説明される要素において行われ得る。本明細書において使用される標題は、編成目的だけのためのものであり、従って本明細書の範囲を制限するために使用されることを意味しない。
【0147】
[0168] 本出願全体にわたって使用されるように、単語は「~し得る(may)」は、強制的意味(すなわち、~しなければならない(must)を意味)よりむしろ許容的意味(すなわち、~する可能性を有するということを意味する)で使用される。単語は「含む」、「含み」、及びその活用形等々は、限定しないが含むことを意味する。本出願全体にわたって使用されるように、単数形式の不定冠詞及び定冠詞は、コンテンツが別途明示的に指示しない限り複数の参照物を含む。従って、例えば、「1」要素への参照は、「1つ又は複数の」などの1つ又は複数の要素の他の用語及び句の使用にもかかわらず,2つ以上の要素の組み合わせを含む。用語「又は」は、別途指示しない限り非排他的である(すなわち、「及び」と「又は」との両方を包含する)。条件付き関係性を記述する用語(例えば、「X、Yに応じて」、「X、Yになると」、「X、Yであれば」「X、Yの場合」等々)は、以下の因果関係を包含する:先行物は必要原因条件である、先行物は十分原因条件である、又は、先行物は結果物の寄与原因条件である:例えば、「状態Xは条件Yを取得すると発生する」は「XはもっぱらYになると発生する」及び「XはY及びZになると発生する」の一般的表現である。このような条件付き関係性は、いくつかの結果が遅延され得るので先行取得に即続く結果に制限されなく、そして条件陳述において、先行物は結果物へ結び付けられる(例えば、先行物は後続発生の尤度に関連する)。「複数の属性又は機能が複数のオブジェクト(例えば、工程A、B、C及びDを行う1つ又は複数のプロセッサ)へマッピングされる」という陳述は、別途指示されない限り、すべてのこのようなオブジェクトへマッピングされるこのような属性又は機能と、属性又は機能のサブセットへマッピングされる属性又は機能のサブセットとの両方(例えば、それぞれが工程A-Dを行うすべてのプロセッサと、プロセッサ1が工程Aを行い、プロセッサ2は工程Bと工程Cの一部を行い、そしてプロセッサ3は工程C及び工程Dの一部を行うケースとの両方)すべてを包含する。さらに、別途指示されない限り、1つの値又は行為が別の条件又は値「に基づく」という陳述は、条件又は値が唯一の要因であるインスタンス及び条件又は値が複数の要因の中の1つの要因であるインスタンスの両方を包含する。別途指示されない限り、或る集合の「各」インスタンスが或る特性を有するという陳述は、より大きな集合のいくつかのそうなければ同一又は同様な部材がこの性質を有しないケースを除外するように読まれるべきではない:すなわち、「各」は「あらゆる」を必ずしも意味しない。
【0148】
[0169] いくつかの米国特許、米国特許出願又は他の資料(例えば記事)が参照により援用される限りでは、このような米国特許、米国特許出願及び他の資料の文は、いかなる矛盾もこのような資料と本明細書に記載された陳述及び図面との間に存在しない限りにおいて、参照により援用されるだけである。このような矛盾の場合、米国特許、米国特許出願及び他の資料により援用されるようなもの内のいかなるこのような矛盾する文も参照により本明細書に特には援用されない。
【0149】
[0170] 上記説明は例示的であるように意図されており、制限するようには意図されていない。従って、以下に記載される特許請求の範囲から逸脱することなく記載される開示に対し修正が行われ得るということは当業者にとって明らかになる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】