(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】窒化ケイ素の共形堆積
(51)【国際特許分類】
H01L 21/318 20060101AFI20241219BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20241219BHJP
C23C 16/42 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H01L21/318 B
H01L21/31 C
C23C16/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534157
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 US2022080732
(87)【国際公開番号】W WO2023114641
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グプタ・オウニッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン・スクラヴェンディク・バート・ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】オースティン・ダスティン・ザッカリー
(72)【発明者】
【氏名】パスクァーレ・フランク・ローレン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
4K030AA11
4K030AA13
4K030AA16
4K030AA18
4K030BA40
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA03
4K030FA01
4K030FA10
4K030HA01
4K030JA09
4K030JA10
4K030KA41
4K030LA02
4K030LA15
5F045AA08
5F045AA15
5F045AB33
5F045AC07
5F045AC15
5F045AD07
5F045AD08
5F045AD09
5F045AD10
5F045AD11
5F045AE23
5F045AF12
5F045BB04
5F045BB19
5F045DP02
5F045DQ17
5F045EE17
5F045EK07
5F058BA08
5F058BA09
5F058BC08
5F058BD10
5F058BF07
5F058BF27
5F058BF30
5F058BF37
5F058BH16
5F058BJ06
(57)【要約】
【解決手段】高品質窒化ケイ素(希フッ酸中での低いウェットエッチング速度によって特徴付けられる窒化ケイ素)が、高度に共形的に1つまたは複数の凹状フィーチャを有する半導体基板上に堆積される。堆積は、半導体基板をケイ素含有前駆体(例えば、アミノシラン)に曝露し、基板上にケイ素含有前駆体の吸着層を形成することを伴う。次に、吸着層は、300~約750℃の温度および少なくとも約15Torr(例えば、15~30Torr)の圧力で、N
2を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで処理され、前駆体を窒化ケイ素に変換する。前駆体への曝露および窒化ケイ素への変換は、所望の厚さの共形窒化ケイ素が形成されるまで、多くの堆積サイクルにわたって同じプロセスチャンバ内で繰り返される。いくつかの実施形態では、堆積膜は、IRスペクトルによって証明されるように水素フリーである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に窒化ケイ素層を堆積する方法であって、
(a)堆積プロセスチャンバ内で、前記半導体基板をハロゲンフリーのケイ素含有前駆体に曝露することであって、前記ケイ素含有前駆体は、前記半導体基板上に前記ケイ素含有前駆体の吸着層を形成するために、少なくとも1つの窒素(N)原子をさらに含むことと、
(b)同じプロセスチャンバ内で、窒素(N
2)を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで前記半導体基板を処理し、前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層を窒化ケイ素に変換することであって、窒化ケイ素への前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層の前記変換は、約300℃~約750℃の温度および少なくとも約15Torrの圧力で実施されることと
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記半導体基板は、凹状フィーチャを備え、前記窒化ケイ素層は、少なくとも約80%の共形性で前記凹状フィーチャに堆積される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記半導体基板は、凹状フィーチャを備え、前記窒化ケイ素層は、少なくとも約80%の共形性で前記凹状フィーチャに堆積され、前記堆積された窒化ケイ素は、100:1フッ化水素酸中で約3Å/分未満のウェットエッチング速度(WER)を有する、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記半導体基板は、凹状フィーチャを備え、前記窒化ケイ素層は、少なくとも90%の共形性で前記凹状フィーチャに堆積され、前記堆積された窒化ケイ素は、100:1フッ化水素酸中で約2Å/分未満のウェットエッチング速度(WER)を有する、方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
窒化ケイ素への前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層の前記変換は、約400℃~約750℃の温度および約15Torr~約30Torrの圧力で実施される、方法。
【請求項6】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
前記プロセスガスは、貴ガスをさらに含み、前記プロセスガス中のN
2含有量は、約10体積%未満である、方法。
【請求項7】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
前記プロセスガスは、貴ガスをさらに含み、前記プロセスガス中のN
2含有量は、約5体積%未満である、方法。
【請求項8】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
前記堆積された窒化ケイ素は、赤外線(IR)スペクトル上にSi-HおよびN-Hピークがないことによって証明されるように、実質的に水素フリーである、方法。
【請求項9】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
ステップ(a)~(b)を繰り返して少なくとも100回の堆積サイクルを実施することをさらに含む、方法。
【請求項10】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
(a)と(b)との間で前記プロセスチャンバをパージして未吸着の前記ケイ素含有前駆体を除去することをさらに含む、方法。
【請求項11】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
前記半導体基板は、少なくとも5:1のアスペクト比を有する凹状フィーチャを備え、前記窒化ケイ素は、少なくとも100Åの厚さに共形的に凹状フィーチャに堆積される、方法。
【請求項12】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
ステップ(a)~(b)を繰り返して、完成した窒化ケイ素層を形成することと、少なくとも700℃の温度でプラズマの非存在下において前記半導体基板をN
2に曝露することによって、前記完成した窒化ケイ素層をアニールすることであって、前記アニールすることは、窒化ケイ素の応力の絶対値を減少させることを含む、方法。
【請求項13】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
前記ハロゲンフリーのケイ素含有前駆体は、ジ(メチルアミノ)シラン(DMAS)、ジ(エチルアミノ)シラン(DEAS)、ジ(プロピルアミノ)シラン(DPAS)、ジ(イソプロピルアミノ)シラン(DIPAS)、ジ(sec-ブチルアミノ)シラン(DSBAS)、ビス-(t-ブチルアミノ)シラン(BTBAS)、およびトリス(ジメチルアミノ)シラン(TDMAS)からなる群から選択される、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、
フォトレジストを前記半導体基板に塗布するステップと、
前記フォトレジストを光に露光するステップと、
前記フォトレジストをパターニングし、前記パターンを前記半導体基板に転写するステップと、
前記半導体基板から前記フォトレジストを選択的に除去するステップと
をさらに含む、方法。
【請求項15】
半導体基板を処理するための装置であって、
(a)基板を収容するように構成されたプロセスチャンバであって、前記プロセスチャンバは、前記基板を保持するように構成された基板ホルダ、および1つまたは複数の反応剤を前記プロセスチャンバに導入するように構成された入口を含むプロセスチャンバと、
(b)プラズマを生成するための機構と、
(c)コントローラであって、
(i)前記堆積プロセスチャンバ内で、前記半導体基板をハロゲンフリーのケイ素含有前駆体に曝露することであって、前記ケイ素含有前駆体は、前記半導体基板上に前記ケイ素含有前駆体の吸着層を形成するために、少なくとも1つの窒素(N)原子をさらに含むことと、
(ii)同じプロセスチャンバ内で、窒素(N
2)を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで前記半導体基板を処理し、前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層を窒化ケイ素に変換することであって、窒化ケイ素への前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層の前記変換は、約300℃~約750℃の温度および少なくとも約15Torrの圧力で実施されることと
を引き起こすことによって前記半導体基板上に窒化ケイ素層を堆積させるように構成されたプログラム命令を含むコントローラと
を備える、装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、
前記圧力は、約15Torr~約30Torrである、装置。
【請求項17】
請求項15に記載の装置であって、
前記温度は、約400℃~約750℃である、装置。
【請求項18】
請求項15に記載の装置であって、
前記プログラム命令は、ステップ(i)~(ii)を繰り返して少なくとも100回の堆積サイクルを実施するように構成された命令を含む、装置。
【請求項19】
請求項15に記載の装置であって、
前記ハロゲンフリーのケイ素含有前駆体は、ジ(メチルアミノ)シラン(DMAS)、ジ(エチルアミノ)シラン(DEAS)、ジ(プロピルアミノ)シラン(DPAS)、ジ(イソプロピルアミノ)シラン(DIPAS)、ジ(sec-ブチルアミノ)シラン(DSBAS)、ビス-(t-ブチルアミノ)シラン(BTBAS)、およびトリス(ジメチルアミノ)シラン(TDMAS)からなる群から選択される、装置。
【請求項20】
請求項15に記載の装置であって、
前記プログラム命令は、少なくとも約80%の共形性で凹状フィーチャに前記窒化ケイ素の共形堆積を引き起こすように構成される、装置。
【請求項21】
半導体基板処理用に構成された装置を制御するためのプログラム命令を含む非一時的コンピュータ機械可読媒体であって、前記プログラム命令は、
(i)堆積プロセスチャンバ内で、前記半導体基板をハロゲンフリーのケイ素含有前駆体に曝露することであって、前記ケイ素含有前駆体は、前記半導体基板上に前記ケイ素含有前駆体の吸着層を形成するために、少なくとも1つの窒素(N)原子をさらに含むことと、
(ii)同じプロセスチャンバ内で、窒素(N
2)を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで前記半導体基板を処理し、前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層を窒化ケイ素に変換することであって、窒化ケイ素への前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層の前記変換は、約300℃~約750℃の温度および少なくとも約15Torrの圧力で実施されることと
を達成するように構成されたコードを含む、非一時的コンピュータ機械可読媒体。
【請求項22】
半導体基板上に窒化ケイ素層を堆積する方法であって、
(a)堆積プロセスチャンバ内で、前記半導体基板をハロゲンフリーのケイ素含有前駆体に曝露することであって、前記ケイ素含有前駆体は、前記半導体基板上に前記ケイ素含有前駆体の吸着層を形成するために、少なくとも1つの窒素(N)原子をさらに含むことと、
(b)同じプロセスチャンバ内で、窒素(N
2)を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで前記半導体基板を処理し、前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層を窒化ケイ素に変換することであって、窒化ケイ素への前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層の前記変換は、約300℃~約750℃の温度で実施され、前記プロセスガス中のN
2の含有量は、約10%未満であることと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願の一部として、本明細書と同時にPCT出願願書が提出される。この同時出願されたPCT出願願書に明記され、本出願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、半導体デバイス製造のための方法および装置に関する。具体的には、本発明の実施形態は、半導体処理における窒化ケイ素の共形堆積のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイス製作では、誘電体層に埋め込まれた金属線を形成するためなど、材料のパターンを形成するために堆積およびエッチング技法が使用される。堆積技法には、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、および物理気相堆積(PVD)が挙げられる。エッチング技法には、ウェットエッチング法、および反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチング法が挙げられる。
【0004】
ALDは通常、材料の共形堆積が必要な場合に好ましい堆積技法であり、これは、ALDが1つまたは複数の反応剤の吸着に依存し、典型的には、表面限定反応を使用することで堆積された層の厚さの変動が最小限に抑えられるためである。
【0005】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明されている範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【発明の概要】
【0006】
高品質窒化ケイ素(希フッ酸中でウェットエッチング速度(WER)が低い窒化ケイ素)は、共形的に堆積することが困難である。窒化ケイ素を堆積するための方法および装置が提供される。いくつかの実施形態では、提供される方法は、高度に共形的に(例えば、少なくとも約80%、例えば少なくとも約90%、または少なくとも約95%の共形性で)凹状フィーチャ内に窒化ケイ素を堆積することを可能にし、堆積された窒化ケイ素は、100:1(H2O:HF)希フッ酸水溶液中での低いウェットエッチング速度(例えば、約3Å/分未満、例えば約2Å/分未満のWER)によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、提供される方法は、IRスペクトルにSi-HおよびN-Hピークがないことによって証明されるように、実質的に水素フリーの窒化ケイ素の共形堆積を可能にする。提供される方法は、アスペクト比が少なくとも約5:1、少なくとも約10:1、または少なくとも約50:1の凹状フィーチャなど、高アスペクト比の凹状フィーチャに窒化ケイ素ライナを堆積するために使用することができる。
【0007】
一態様では、半導体基板上に窒化ケイ素層を堆積する方法が提供される。方法は、(a)堆積プロセスチャンバ内で、半導体基板をケイ素含有前駆体に曝露することであって、ケイ素含有前駆体は、半導体基板上にケイ素含有前駆体の吸着層を形成するために、少なくとも1つの窒素(N)原子をさらに含むことと、(b)同じプロセスチャンバ内で、窒素(N2)を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで半導体基板を処理し、ケイ素含有前駆体の吸着層を窒化ケイ素に変換することであって、窒化ケイ素へのケイ素含有前駆体の吸着層の変換は、約300~約750℃の温度および少なくとも約15Torrの圧力で実施されることとを伴う。いくつかの実施形態では、ケイ素含有前駆体は、ハロゲンフリーのケイ素含有前駆体である。
【0008】
いくつかの実施形態では、基板は、少なくとも1つの凹状フィーチャを含み、窒化ケイ素層は、少なくとも約80%の共形性で凹状フィーチャに堆積される。加えて、少なくとも約80%の共形性で凹状フィーチャに堆積された窒化ケイ素層は、100:1フッ化水素酸中で約3Å/分未満のウェットエッチング速度(WER)を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、窒化ケイ素層は、少なくとも90%の共形性で凹状フィーチャに堆積され、堆積された窒化ケイ素は、100:1フッ化水素酸中で約2Å/分未満のウェットエッチング速度(WER)を有する。
【0009】
いくつかの実施形態では、窒化ケイ素へのケイ素含有前駆体の吸着層の変換は、約400~約750℃の温度および約15~約30Torrの圧力で実施される。
【0010】
いくつかの実施形態では、変換ステップで使用されるプロセスガスは、貴ガス(例えば、アルゴン)をさらに含み、プロセスガス中のN2含有量は、約10体積%未満、例えば約5体積%未満である。
【0011】
いくつかの実施形態では、窒化ケイ素の堆積は、少なくとも100回の堆積サイクルを含み、各サイクルは、1つのケイ素含有前駆体曝露ステップ(a)と、1つのプラズマ変換ステップ(b)とを含む。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバは、ケイ素含有曝露ステップ(a)の後にパージされ、未吸着のケイ素含有前駆体を除去する。
【0012】
いくつかの実施形態では、半導体基板は、少なくとも5:1のアスペクト比を有する凹状フィーチャを含み、窒化ケイ素は、少なくとも100Åの厚さに共形的に凹状フィーチャに堆積される。
【0013】
いくつかの実施形態では、方法は、曝露および変換ステップ(a)~(b)を繰り返して所望の厚さの完成した窒化ケイ素層を形成することと、少なくとも700℃の温度でプラズマの非存在下において半導体基板をN2に曝露することによって、完成した窒化ケイ素層をアニールすることであって、アニールすることは、窒化ケイ素の応力の絶対値を減少させることとを伴う。
【0014】
窒素を含む適切なケイ素含有ハロゲンフリーの前駆体の例には、限定はしないが、アミノシラン、例えばジ(メチルアミノ)シラン(DMAS)、ジ(エチルアミノ)シラン(DEAS)、ジ(プロピルアミノ)シラン(DPAS)、ジ(イソプロピルアミノ)シラン(DIPAS)、ジ(sec-ブチルアミノ)シラン(DSBAS)、ビス-(t-ブチルアミノ)シラン(BTBAS)、およびトリス(ジメチルアミノ)シラン(TDMAS)が挙げられる。
【0015】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、フォトリソグラフィ処理と統合される。例えば、方法は、フォトレジストを半導体基板に塗布するステップと、フォトレジストを光に露光するステップと、フォトレジストをパターニングし、そのパターンを半導体基板に転写するステップと、半導体基板からフォトレジストを選択的に除去するステップとを含んでもよい。例えば、そのようなフォトリソグラフィパターニングを使用して、窒化ケイ素を堆積する前に基板上に凹状フィーチャを形成することが可能である。
【0016】
別の態様では、半導体基板を処理するための装置が提供される。いくつかの実施形態では、装置は、基板を収容するように構成されたプロセスチャンバであって、プロセスチャンバは、基板を保持するように構成された基板ホルダ、および1つまたは複数の反応剤をプロセスチャンバに導入するように構成された入口を含むプロセスチャンバを含む。装置は、プラズマを生成するための機構と、本明細書で提供される方法のいずれかのステップを実施させるように構成されたプログラム命令を有するコントローラとをさらに含む。例えば、コントローラは、(i)堆積プロセスチャンバ内で、半導体基板をハロゲンフリーのケイ素含有前駆体に曝露することであって、ケイ素含有前駆体は、半導体基板上にケイ素含有前駆体の吸着層を形成するために、少なくとも1つの窒素(N)原子をさらに含むことと、(ii)同じプロセスチャンバ内で、窒素(N2)を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで半導体基板を処理し、ケイ素含有前駆体の吸着層を窒化ケイ素に変換することであって、窒化ケイ素へのケイ素含有前駆体の吸着層の変換は、約300~約750℃(例えば、約400~約750℃)の温度および少なくとも約15Torr(例えば、約15~約30Torr)の圧力で実施されることとを引き起こすことによって半導体基板上に窒化ケイ素層を堆積させるように構成されたプログラム命令を含むことができる。コントローラは、ステップ(i)および(ii)を繰り返して少なくとも100回の堆積サイクルを実施させるためのプログラム命令をさらに含むことができる。プログラム命令は、いくつかの実施形態では、ジ(メチルアミノ)シラン(DMAS)、ジ(エチルアミノ)シラン(DEAS)、ジ(プロピルアミノ)シラン(DPAS)、ジ(イソプロピルアミノ)シラン(DIPAS)、ジ(sec-ブチルアミノ)シラン(DSBAS)、ビス-(t-ブチルアミノ)シラン(BTBAS)、およびトリス(ジメチルアミノ)シラン(TDMAS)からなる群から選択されるアミノシランであるハロゲンフリーのケイ素含有前駆体に対して半導体基板を曝露させるように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態では、プログラム命令は、少なくとも約80%の共形性で凹状フィーチャに窒化ケイ素の共形堆積を引き起こすように構成される。
【0018】
別の態様では、システムが提供され、システムは、本明細書で提供される堆積装置と、ステッパとを含む。
【0019】
別の態様では、非一時的コンピュータ機械可読媒体が提供され、コンピュータ機械可読媒体は、半導体基板処理用に構成された装置を制御するためのプログラム命令を含み、プログラム命令は、(i)堆積プロセスチャンバ内で、半導体基板をハロゲンフリーのケイ素含有前駆体に曝露することであって、ケイ素含有前駆体は、半導体基板上にケイ素含有前駆体の吸着層を形成するために、少なくとも1つの窒素(N)原子をさらに含むことと、(ii)同じプロセスチャンバ内で、窒素(N2)を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで半導体基板を処理し、ケイ素含有前駆体の吸着層を窒化ケイ素に変換することであって、窒化ケイ素へのケイ素含有前駆体の吸着層の変換は、約300~約750℃の温度および少なくとも約15Torrの圧力で実施されることとを達成するように構成されたコードを含む。
【0020】
別の態様では、半導体基板上に窒化ケイ素層を堆積する方法が提供され、方法は、(a)堆積プロセスチャンバ内で、半導体基板をハロゲンフリーのケイ素含有前駆体に曝露することであって、ケイ素含有前駆体は、半導体基板上にケイ素含有前駆体の吸着層を形成するために、窒素(N)をさらに含むことと、(b)同じプロセスチャンバ内で、窒素(N2)を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで半導体基板を処理し、ケイ素含有前駆体の吸着層を窒化ケイ素に変換することであって、窒化ケイ素へのケイ素含有前駆体の吸着層の変換は、約300~約750℃の温度で実施され、プロセスガス中のN2の含有量は、約10%未満であることとを含む。
【0021】
本明細書で説明される主題の実施態様のこれらおよび他の態様は、添付の図面および以下の説明に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】
図1Aは、窒化ケイ素の堆積前の凹状フィーチャを有する基板の概略断面図である。
【0023】
【
図1B】
図1Bは、低い共形性を有する窒化ケイ素の堆積後の凹状フィーチャを有する基板の概略断面図である。
【0024】
【
図1C】
図1Cは、本明細書で提供される一実施形態による、高い共形性を有する窒化ケイ素の堆積後の凹状フィーチャを有する基板の概略断面図である。
【0025】
【
図2】
図2は、本明細書で提供される一実施形態による、窒化ケイ素堆積方法についてのプロセスフロー図である。
【0026】
【
図3】
図3は、本明細書で提供される一実施形態による、窒化ケイ素堆積方法についてのタイミング図である。
【0027】
【
図4】
図4は、本明細書で提供される一実施形態による、窒化ケイ素を堆積するのに適した装置の概略図である。
【0028】
【
図5】
図5は、本明細書で提供される一実施形態による、窒化ケイ素を堆積するのに適したシステムの概略図である。
【0029】
【
図6】
図6は、異なるフィーチャ深さにおける堆積された窒化ケイ素の側壁の厚さを示す実験プロットである。
【0030】
【
図7】
図7は、異なるフィーチャ深さにおける堆積された窒化ケイ素の側壁の厚さおよびWERを示す実験プロットである。
【0031】
【
図8】
図8は、異なる堆積条件についてのフィーチャ深さの関数として窒化ケイ素のステップカバレッジを示す実験プロットである。
【0032】
【
図9】
図9は、アニール後の堆積された窒化ケイ素膜の応力減少を示す実験プロットである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
窒化ケイ素を堆積するための方法および装置が提供される。提供される方法は様々な用途に使用することができるが、アスペクト比が少なくとも約5:1、少なくとも約10:1、少なくとも約50:1、または少なくとも約100:1の凹状フィーチャなど、高アスペクト比の凹状フィーチャを有する半導体基板上に共形的な高品質窒化ケイ素層を堆積するのに特に有用である。窒化ケイ素は、限定はしないが、ケイ素(アモルファスまたは多結晶)、ケイ素ゲルマニウム、酸化ケイ素、炭化ケイ素、金属酸化物などを含む様々な材料上の凹状フィーチャの側壁および底部部分を覆うように共形的に堆積させることができる。一実施態様では、窒化ケイ素がFinFET製作においてケイ素フィンの上に共形的に堆積される。堆積された窒化ケイ素層は、メモリデバイスに対するライナ、エッチストップ層、電荷トラップ層などとして機能することができる。いくつかの実施形態では、堆積された窒化ケイ素は完全なギャップ充填に使用され、例えば、複数回の共形堆積の後、凹状フィーチャが窒化ケイ素で完全に充填される。いくつかの実施形態では、凹状フィーチャの側壁および底部部分を裏打ちする共形的に堆積された窒化ケイ素は、凹状フィーチャのすべての場所において約5Å/分未満、例えば3Å/分未満、または約2Å/分未満のWERによって特徴付けられる。
【0034】
「ウェットエッチング速度」(WER)という用語は、本明細書で使用される場合、100:1(H2O:HF)の希フッ酸におけるエッチング速度を指す。希フッ酸は、49%(重量%)フッ化水素酸水溶液を水で希釈することによって得られる(49%HF1部当たり水100部)。
【0035】
「共形性」という用語は、本明細書で使用される場合、凹状フィーチャの側壁における厚さの変動の尺度を指し、凹状フィーチャの総深さの90%であるフィーチャ深さにおける凹状フィーチャの側壁の膜厚と、凹状フィーチャの総深さの10%であるフィーチャ深さにおける凹状フィーチャの側壁の膜厚の比として決定される(パーセントで表される)。例えば、凹状フィーチャの深さが100nmであり、側壁上の堆積された窒化ケイ素の厚さがフィーチャ深さ10nmで50Åであり、かつフィーチャ深さ90nmで40Åである場合、堆積膜の共形性は、40/50×100%であり、80%に等しい。
【0036】
「高品質窒化ケイ素」という用語は、本明細書で使用される場合、約3Å/分未満のWERを有する窒化ケイ素を指す。いくつかの実施形態では、高品質窒化ケイ素は、それぞれ約2200cm-1および約3300cm-1のIRスペクトルにSi-HおよびN-Hピークがないことによって証明されるように、実質的に水素フリーである。
【0037】
「半導体基板」という用語は、本明細書で使用される場合、その構造内の任意の場所に半導体材料を含む、半導体デバイス製作の任意の段階における基板を指す。半導体基板内の半導体材料は、露出する必要がないことが理解される。半導体材料を覆う他の材料(例えば、誘電体)の複数の層を有する半導体ウエハは、半導体基板の例である。以下の詳細な説明は、開示された実施態様が半導体ウエハ、例えば200mm、300mm、または450mmの半導体ウエハ上で実施されることを想定している。しかし、開示された実施態様はそのように限定されない。半導体ウエハは、様々な形状、サイズ、および材料のものであってもよい。半導体ウエハに加えて、プリント回路基板などの様々な物品を含む他のタイプのワークピースもまた、開示された実施態様を利用することができる。
【0038】
数値に関して使用される「約」という用語は、別段の指定がない限り、列挙された数値の±10%の範囲を含む。
【0039】
「アシル」または「アルカノイル」という用語は、本明細書で交換可能に使用される場合、本明細書で定義されるカルボニル基を介して親分子基に結合した、直鎖、分岐、環状構成、飽和、不飽和、および芳香族、ならびにそれらの組み合わせの1、2、3、4、5、6、7、8個またはそれ以上の炭素原子の基、または水素を表す。この基は、ホルミル(-C(O)H)、アセチル(Acまたは-C(O)Me)、プロピオニル、イソブチリル、ブタノイルなどによって例示される。いくつかの実施形態では、アシル基またはアルカノイル基は、-C(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される水素、脂肪族基、または芳香族基である。
【0040】
「アルカノイルオキシ」とは、本明細書で定義されるオキシ基を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるアルカノイル基を意味する。この基は、アセトキシ(-OAcまたは-OC(O)Me)によって例示される。いくつかの実施形態では、アルカノイルオキシ基は、-OC(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される水素、脂肪族基、または芳香族基である。
【0041】
「脂肪族」とは、少なくとも1個の炭素原子~50個の炭素原子(C1-50)、例えば1~25個の炭素原子(C1-25)、または1~10個の炭素原子(C1-10)を有する炭化水素基を意味し、これはアルカン(またはアルキル)、アルケン(またはアルケニル)、アルキン(またはアルキニル)を含み、それらの環状バージョンを含み、さらに直鎖および分岐鎖配列、ならびにすべての立体異性体および位置異性体も含む。脂肪族基は、非置換であるか、または例えば、本明細書で説明される官能基によって置換される。例えば、脂肪族基は、アルキルについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0042】
「脂肪族-カルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる脂肪族基を意味し、脂肪族基は、カルボニル基(-C(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、脂肪族-カルボニル基は、-C(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された脂肪族基である。
【0043】
「脂肪族-カルボニルオキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる脂肪族基を意味し、脂肪族基は、カルボニルオキシ基(-OC(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、脂肪族-カルボニルオキシ基は、-OC(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された脂肪族基である。
【0044】
「脂肪族-オキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる脂肪族基を意味し、脂肪族基は、オキシ基(-C(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、脂肪族-オキシ基は、-O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された脂肪族基である。
【0045】
「脂肪族-オキシカルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる脂肪族基を意味し、脂肪族基は、オキシカルボニル基(-C(O)O-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、脂肪族-オキシカルボニル基は、-C(O)O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された脂肪族基である。
【0046】
「アルキル-アリール」、「アルケニル-アリール」、および「アルキニル-アリール」とは、本明細書で定義されるアリール基を介して親分子基にカップリング(または結合)されるか、またはカップリング(または結合)することができる、それぞれ本明細書で定義されるアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を意味する。アルキル-アリール基、アルケニル-アリール基、および/またはアルキニル-アリール基は、置換または非置換であり得る。例えば、アルキル-アリール基、アルケニル-アリール基、および/またはアルキニル-アリール基は、アルキルおよび/またはアリールについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。例示的な非置換アルキル-アリール基は、7~16個の炭素(C7-16アルキル-アリール)のもの、ならびに1~6個の炭素を有するアルキル基および4~18個の炭素を有するアリール基(すなわち、C1-6アルキル-C4-18アリール)を有するものである。例示的な非置換アルケニル-アリール基は、7~16個の炭素(C7-16アルケニル-アリール)のもの、ならびに2~6個の炭素を有するアルケニル基および4~18個の炭素を有するアリール基(すなわち、C2-6アルケニル-C4-18アリール)を有するものである。例示的な非置換アルキニル-アリール基は、7~16個の炭素(C7-16アルキニル-アリール)のもの、ならびに2~6個の炭素を有するアルキニル基および4~18個の炭素を有するアリール基(すなわち、C2-6アルキニル-C4-18アリール)を有するものである。いくつかの実施形態では、アルキル-アリール基は、-L-Rであり、Lは、本明細書で定義されるアリール基またはアリーレン基であり、Rは、本明細書で定義されるアルキル基である。いくつかの実施形態では、アルケニル-アリール基は、-L-Rであり、Lは、本明細書で定義されるアリール基またはアリーレン基であり、Rは、本明細書で定義されるアルケニル基である。いくつかの実施形態では、アルキニル-アリール基は、-L-Rであり、Lは、本明細書で定義されるアリール基またはアリーレン基であり、Rは、本明細書で定義されるアルキニル基である。
【0047】
「アルケニル」とは、少なくとも2個の炭素原子~50個の炭素原子(C2-50)、例えば2~25個の炭素原子(C2-25)、または2~10個の炭素原子(C2-10)、および少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有する不飽和一価炭化水素を意味し、不飽和一価炭化水素は、親アルケンの1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することから得ることができる。アルケニル基は、分岐、直鎖、環状(例えば、シクロアルケニル)、シス、またはトランス(例えば、EまたはZ)であり得る。例示的なアルケニルには、1つまたは複数の二重結合を有する任意選択で置換されたC2-24アルキル基が挙げられる。アルケニル基は、親分子基への適切な結合、または親分子基と別の置換基との間に適切な結合を形成するために1つまたは複数の水素を除去することによって、一価または多価(例えば、二価)になり得る。アルケニル基はまた、置換または非置換であり得る。例えば、アルケニル基は、アルキルについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。非限定的なアルケニル基には、アリル(All)、ビニル(VI)、1-ブテニル、2-ブテニルなどが挙げられる。
【0048】
「アルコキシ」とは、-ORを意味し、Rは、本明細書で説明される任意選択で置換された脂肪族基である。例示的なアルコキシ基には、限定はしないが、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、トリハロアルコキシ、例えばトリフルオロメトキシなどが挙げられる。アルコキシ基は、置換または非置換であり得る。例えば、アルコキシ基は、アルキルについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。例示的な非置換アルコキシ基には、C1-3、C1-6、C1-12、C1-16、C1-18、C1-20、またはC1-24アルコキシ基が挙げられる。
【0049】
「アルコキシアルキル」とは、本明細書で定義されるアルコキシ基で置換される、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。例示的な非置換アルコキシアルキル基には、2~12個の炭素(C2-12アルコキシアルキル)、ならびに1~6個の炭素を有するアルキル基および1~6個の炭素を有するアルコキシ基(すなわち、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル)を有するものが挙げられる。いくつかの実施形態では、アルコキシアルキル基は、-L-O-Rであり、LおよびRの各々は、独立して、本明細書で定義されるアルキル基である。
【0050】
「アルコキシカルボニル」とは、-C(O)-ORを意味し、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された脂肪族基である。特定の実施形態では、アルコキシカルボニル基は、-C(O)-OAkであり、Akは、本明細書で定義されるアルキル基である。アルコキシカルボニル基は、置換または非置換であり得る。例えば、アルコキシカルボニル基は、アルキルについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。例示的な非置換アルコキシカルボニル基には、C2-3、C2-6、C2-7、C2-12、C2-16、C2-18、C2-20、またはC2-24アルコキシカルボニル基が挙げられる。
【0051】
「アルキル」とは、少なくとも1個の炭素原子~50個の炭素原子(C1-50)、例えば1~25個の炭素原子(C1-25)、または1~10個の炭素原子(C1-10)を有する飽和一価炭化水素を意味し、飽和一価炭化水素は、親化合物(例えば、アルカン)の1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することから得ることができる。アルキル基は、分岐、直鎖、または環状(例えば、シクロアルキル)であり得る。例示的なアルキルには、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(nPr)、iso-プロピル(iPr)、n-ブチル(nBu)、iso-ブチル(iBu)、sec-ブチル(sBu)、tert-ブチル(tBu)、ペンチル(Pe)、n-ペンチル(nPe)、イソペンチル(iPe)、s-ペンチル(sPe)、ネオペンチル(neoPe)、tert-ペンチル(tPe)、ヘキシル(Hx)、ヘプチル(Hp)、オクチル(Oc)、ノニル(Nn)、デシル(De)、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなど、1~24個の炭素原子の分岐または非分岐の飽和炭化水素基が挙げられる。アルキル基はまた、置換または非置換であり得る。アルキル基は、親分子基への適切な結合、または親分子基と別の置換基との間に適切な結合を形成するために1つまたは複数の水素を除去することによって、一価または多価(例えば、二価)になり得る。例えば、アルキル基は、以下からなる群から独立して選択される1、2、3個、または2個以上の炭素のアルキル基の場合には4個の置換基で置換することができる:(1)C1-6アルコキシ(例えば、-O-R、Rは、C1-6アルキルである)、(2)C1-6アルキルスルフィニル(例えば、-S(O)-R、Rは、C1-6アルキルである)、(3)C1-6アルキルスルホニル(例えば、-SO2-R、Rは、C1-6アルキルである)、(4)アミノ(例えば、-NR1R2、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、ハロ脂肪族、ハロヘテロ脂肪族、芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる)、(5)アリール、(6)アリールアルコキシ(例えば、-O-L-R、Lは、アルキルであり、Rは、アリールである)、(7)アリーロイル(例えば、-C(O)-R、Rは、アリールである)、(8)アジド(例えば、-N3)、(9)シアノ(例えば、-CN)、(10)アルデヒド(例えば、-C(O)H)、(11)C3-8シクロアルキル、(12)ハロ、(13)ヘテロシクリル(例えば、本明細書で定義される、1、2、3、または4個の非炭素ヘテロ原子を含む5、6、または7員環など)、(14)ヘテロシクリルオキシ(例えば、-O-R、Rは、本明細書で定義されるヘテロシクリルである)、(15)ヘテロシクリロイル(例えば、-C(O)-R、Rは、本明細書で定義されるヘテロシクリルである)、(16)ヒドロキシル(例えば、-OH)、(17)N-保護アミノ、(18)ニトロ(例えば、-NO2)、(19)オキソ(例えば、=O)、(20)C1-6チオアルコキシ(例えば、-S-R、Rは、アルキルである)、(21)チオール(例えば、-SH)、(22)-CO2R1、R1は、(a)水素、(b)C1-6アルキル、(c)C4-18アリール、および(d)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)からなる群から選択される、(23)-C(O)NR1R2、R1およびR2の各々は、独立して、(a)水素、(b)C1-6アルキル、(c)C4-18アリール、および(d)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)からなる群から選択される、(24)-SO2R1、R1は、(a)C1-6アルキル、(b)C4-18アリール、および(c)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)からなる群から選択される、(25)-SO2NR1R2、R1およびR2の各々は、独立して、(a)水素、(b)C1-6アルキル、(c)C4-18アリール、および(d)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18である)からなる群から選択される、ならびに(26)-NR1R2、R1およびR2の各々は、独立して、(a)水素、(b)N-保護基、(c)C1-6アルキル、(d)C2-6アルケニル、(e)C2-6アルキニル、(f)C4-18アリール、(g)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18である)、(h)C3-8シクロアルキル、および(i)C3-8シクロアルキル-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C3-8シクロアルキルである)からなる群から選択され、一実施形態では、カルボニル基またはスルホニル基を介して窒素原子に結合する基は2つも存在しない。アルキル基は、1つまたは複数の置換基(例えば、1つまたは複数のハロまたはアルコキシ)で置換された第一級、第二級、または第三級アルキル基であり得る。いくつかの実施形態では、非置換アルキル基は、C1-3、C1-6、C1-12、C1-16、C1-18、C1-20、またはC1-24アルキル基である。
【0052】
「アルキレン」、「アルケニレン」、または「アルキニレン」とは、それぞれ本明細書で説明されるアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基の多価(例えば、二価)形態を意味する。例示的なアルキレン基には、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、アルキレン基は、C1-3、C1-6、C1-12、C1-16、C1-18、C1-20、C1-24、C2-3、C2-6、C2-12、C2-16、C2-18、C2-20、またはC2-24アルキレン基である。他の実施形態では、アルキレン基は、C2-3、C2-6、C2-12、C2-16、C2-18、C2-20、またはC2-24アルケニレン基またはアルキニレン基である。アルキレン基、アルケニレン基、またはアルキニレン基は、分岐または非分岐であり得る。アルキレン基、アルケニレン基、またはアルキニレン基はまた、置換または非置換であり得る。例えば、アルキレン基、アルケニレン基、またはアルキニレン基は、アルキルについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0053】
「アルキルスルフィニル」とは、-S(O)-基を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、非置換アルキルスルフィニル基は、C1-6またはC1-12アルキルスルフィニル基である。他の実施形態では、アルキルスルフィニル基は、-S(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義されるアルキル基である。
【0054】
「アルキルスルフィニルアルキル」とは、アルキルスルフィニル基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、非置換アルキルスルフィニルアルキル基は、C2-12またはC2-24アルキルスルフィニルアルキル基(例えば、C1-6アルキルスルフィニル-C1-6アルキルまたはC1-12アルキルスルフィニル-C1-12アルキル)である。他の実施形態では、アルキルスルフィニルアルキル基は、-L-S(O)-Rであり、LおよびRの各々は、独立して、本明細書で定義されるアルキル基である。
【0055】
「アルキルスルホニル」とは、-SO2-基を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、非置換アルキルスルホニル基は、C1-6またはC1-12アルキルスルホニル基である。他の実施形態では、アルキルスルホニル基は、-SO2-Rであり、Rは、任意選択で置換されたアルキル(例えば、本明細書で説明される、任意選択で置換されたC1-12アルキル、ハロアルキル、またはパーフルオロアルキルを含む)である。
【0056】
「アルキルスルホニルアルキル」とは、アルキルスルホニル基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、非置換アルキルスルホニルアルキル基は、C2-12またはC2-24アルキルスルホニルアルキル基(例えば、C1-6アルキルスルホニル-C1-6アルキルまたはC1-12アルキルスルホニル-C1-12アルキル)である。他の実施形態では、アルキルスルホニルアルキル基は、-L-SO2-Rであり、LおよびRの各々は、独立して、本明細書で定義されるアルキル基である。
【0057】
「アルキニル」とは、少なくとも2個の炭素原子~50個の炭素原子(C2-50)、例えば2~25個の炭素原子(C2-25)、または2~10個の炭素原子(C2-10)、および少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を有する不飽和一価炭化水素を意味し、不飽和一価炭化水素は、親アルキンの1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することから得ることができる。アルキニル基は、分岐、直鎖、または環状(例えば、シクロアルキニル)であり得る。例示的なアルキニルには、1つまたは複数の三重結合を有する任意選択で置換されたC2-24アルキル基が挙げられる。アルキニル基は、環状または非環状とすることができ、エチニル、1-プロピニルなどによって例示される。アルキニル基は、親分子基への適切な結合、または親分子基と別の置換基との間に適切な結合を形成するために1つまたは複数の水素を除去することによって、一価または多価(例えば、二価)になり得る。アルキニル基はまた、置換または非置換であり得る。例えば、アルキニル基は、アルキルについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0058】
「周囲温度」とは、16℃~26℃、例えば19℃~25℃または20℃~25℃の範囲の温度を意味する。
【0059】
「アミド」とは、-C(O)NR1R2または-NHCOR1を意味し、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる。
【0060】
「アミノ」とは、-NR1R2を意味し、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる。特定の実施形態では、R1およびR2の各々は、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアルキル-アリール、任意選択で置換されたアリール-アルキル、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシである。特定の実施形態では、R1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0061】
「アミノアルキル」とは、本明細書で定義されるアミノ基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、アミノアルキル基は、-L-NR1R2であり、Lは、本明細書で定義されるアルキル基であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、または芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる。他の実施形態では、アミノアルキル基は、-L-C(NR1R2)(R3)-R4であり、Lは、本明細書で定義される共有結合またはアルキル基であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、または芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができ、R3およびR4の各々は、独立して、本明細書で定義されるHまたはアルキルである。
【0062】
「アミノオキシ」とは、本明細書で定義されるアミノ基によって置換された、本明細書で定義されるオキシ基を意味する。いくつかの実施形態では、アミノオキシ基は、-O-NR1R2であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる。特定の実施形態では、R1およびR2の各々は、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアルキル-アリール、任意選択で置換されたアリール-アルキル、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシである。
【0063】
「芳香族」とは、別段の指定がない限り、単環(例えば、フェニル)、または少なくとも1つの環が芳香族(例えば、ナフチル、インドリル、またはピラゾロピリジニル)である複数の縮合環を有する環状の共役基または5~15個の環原子の部分を意味し、すなわち、少なくとも1つの環、および任意選択で複数の縮合環は、連続的な非局在化π電子系を有する。典型的には、面外π電子の数は、ヒュッケル則(4n+2)に対応する。親構造への結合点は、典型的には、縮合環系の芳香族部分を介する。芳香族基は、非置換であるか、または例えば、本明細書で説明される官能基によって置換される。例えば、芳香族基は、アルキルおよび/またはアリールについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0064】
「芳香族-カルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる芳香族基を意味し、芳香族基は、カルボニル基(-C(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、芳香族-カルボニル基は、-C(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された芳香族基である。
【0065】
「芳香族-カルボニルオキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる芳香族基を意味し、芳香族基は、カルボニルオキシ基(-OC(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、芳香族-カルボニルオキシ基は、-OC(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された芳香族基である。
【0066】
「芳香族-オキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる芳香族基を意味し、芳香族基は、オキシ基(-O-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、芳香族-オキシ基は、-O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された芳香族基である。
【0067】
「芳香族-オキシカルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる芳香族基を意味し、芳香族基は、オキシカルボニル基(-C(O)O-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、芳香族-カルボニル基は、-C(O)O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された芳香族基である。
【0068】
「アリール」とは、単環または複数の縮合環を有する、少なくとも5個の炭素原子~15個の炭素原子(C5-15)、例えば5~10個の炭素原子(C5-10)を含む芳香族炭素環式基を意味し、その縮合環は、本明細書に開示される化合物の残りの位置への結合点が芳香族炭素環基の原子を介する場合、芳香族であってもなくてもよい。アリール基は、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、他の官能基、またはそれらの任意の組み合わせなど、水素以外の1つまたは複数の基で任意選択で置換されてもよい。例示的なアリール基には、限定はしないが、ベンジル、ナフタレン、フェニル、ビフェニル、フェノキシベンゼンなどが挙げられる。アリールという用語は、芳香族基の環内に組み込まれた少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族基を含む基として定義されるヘテロアリールも含む。ヘテロ原子の例には、限定はしないが、窒素、酸素、硫黄、およびリンが挙げられる。同様に、アリールという用語にも含まれる非ヘテロアリールという用語は、ヘテロ原子を含まない芳香族基を含む基を定義する。アリール基は、置換または非置換であり得る。アリール基は、以下からなる群から独立して選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換することができる:(1)C1-6アルカノイル(例えば、-C(O)-R、Rは、C1-6アルキルである)、(2)C1-6アルキル、(3)C1-6アルコキシ(例えば、-O-R、Rは、C1-6アルキルである)、(4)C1-6アルコキシ-C1-6アルキル(例えば-L-O-R、LおよびRの各々は、独立して、C1-6アルキルである)、(5)C1-6アルキルスルフィニル(例えば、-S(O)-R、Rは、C1-6アルキルである)、(6)C1-6アルキルスルフィニル-C1-6アルキル(例えば-L-S(O)-R、LおよびRの各々は、独立して、C1-6アルキルである)、(7)C1-6アルキルスルホニル(例えば、-SO2-R、Rは、C1-6アルキルである)、(8)C1-6アルキルスルホニル-C1-6アルキル(例えば、-L-SO2-R、LおよびRの各々は、独立して、C1-6アルキルである)、(9)アリール、(10)アミノ(例えば、-NR1R2、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、ハロ脂肪族、ハロヘテロ脂肪族、芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる)、(11)C1-6アミノアルキル(例えば、-L1-NR1R2または-L2-C(NR1R2)(R3)-R4、L1は、C1-6アルキルであり、L2は、共有結合またはC1-6アルキルであり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、ハロ脂肪族、ハロヘテロ脂肪族、芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができ、R3およびR4の各々は、独立して、HまたはC1-6アルキルである)、(12)ヘテロアリール、(13)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)、(14)アリーロイル(例えば、-C(O)-R、Rは、アリールである)、(15)アジド(例えば、-N3)、(16)シアノ(例えば、-CN)、(17)C1-6アジドアルキル(例えば、-L-N3、Lは、C1-6アルキルである)、(18)アルデヒド(例えば、-C(O)H)、(19)アルデヒド-C1-6アルキル(例えば、-L-C(O)H、Lは、C1-6アルキルである)、(20)C3-8シクロアルキル、(21)C3-8シクロアルキル-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C3-8シクロアルキルである)、(22)ハロ、(23)C1-6ハロアルキル(例えば、-L1-Xまたは-L2-C(X)(R1)-R2、L1は、C1-6アルキルであり、L2は、共有結合またはC1-6アルキルであり、Xは、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードであり、R1およびR2の各々は、独立して、HまたはC1-6アルキルである)、(24)ヘテロシクリル(例えば、本明細書で定義される、1、2、3、または4個の非炭素ヘテロ原子を含む5、6、または7員環など)、(25)ヘテロシクリルオキシ(例えば、-O-R、Rは、本明細書で定義されるヘテロシクリルである)、(26)ヘテロシクリロイル(例えば、-C(O)-R、Rは、本明細書で定義されるヘテロシクリルである)、(27)ヒドロキシル(-OH)、(28)C1-6ヒドロキシアルキル(例えば、-L1-OHまたは-L2-C(OH)(R1)-R2、L1は、C1-6アルキルであり、L2は、共有結合またはアルキルであり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義されるHまたはC1-6アルキルである)、(29)ニトロ、(30)C1-6ニトロアルキル(例えば、-L1-NOまたは-L2-C(NO)(R1)-R2、L1は、C1-6アルキルであり、L2は、共有結合またはアルキルであり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義されるHまたはC1-6アルキルである)、(31)N-保護アミノ、(32)N-保護アミノ-C1-6アルキル、(33)オキソ(例えば、=O)、(34)C1-6チオアルコキシ(例えば、-S-R、Rは、C1-6アルキルである)、(35)チオ-C1-6アルコキシ-C1-6アルキル(例えば、-L-S-R、LおよびRの各々は、独立して、C1-6アルキルである)、(36)-(CH2)rCO2R1、rは、0~4の整数であり、R1は、(a)水素、(b)C1-6アルキル、(c)C4-18アリール、および(d)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)からなる群から選択される、(37)-(CH2)rCONR1R2、rは、0~4の整数であり、各R1およびR2は、(a)水素、(b)C1-6アルキル、(c)C4-18アリール、および(d)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)からなる群から独立して選択される、(38)-(CH2)rSO2R1、rは、0~4の整数であり、R1は、(a)C1-6アルキル、(b)C4-18アリール、および(c)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)からなる群から選択される、(39)-(CH2)rSO2NR1R2、rは、0~4の整数であり、R1およびR2の各々は、独立して、(a)水素、(b)C1-6アルキル、(c)C4-18アリール、および(d)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)からなる群から選択され、(40)-(CH2)rNR1R2、rは、0~4の整数であり、R1およびR2の各々は、独立して、(a)水素、(b)N-保護基、(c)C1-6アルキル、(d)C2-6アルケニル、(e)C2-6アルキニル、(f)C4-18アリール、(g)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)、(h)C3-8シクロアルキル、および(i)C3-8シクロアルキル-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C3-8シクロアルキルである)からなる群から選択され、一実施形態では、カルボニル基またはスルホニル基を介して窒素原子に結合する基は2つも存在しない、(41)チオール(例えば、-SH)、(42)パーフルオロアルキル(例えば、-(CF2)nCF3、nは、0~10の整数である)、(43)パーフルオロアルコキシ(例えば、-O-(CF2)nCF3、nは、0~10の整数である)、(44)アリールオキシ(例えば、-O-R、Rは、アリールである)、(45)シクロアルコキシ(例えば、-O-R、Rは、シクロアルキルである)、(46)シクロアルキルアルコキシ(例えば、-O-L-R、Lは、アルキルであり、Rは、シクロアルキルである)、ならびに(47)アリールアルコキシ(例えば、-O-L-R、Lは、アルキルであり、Rは、アリールである)。特定の実施形態では、非置換アリール基は、C4-18、C4-14、C4-12、C4-10、C6-18、C6-14、C6-12、またはC6-10アリール基である。
【0069】
「アリール-アルキル」、「アリール-アルケニル」、および「アリール-アルキニル」とは、それぞれ本明細書で定義されるアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を介して親分子基にカップリング(または結合)されるか、またはカップリング(または結合)することができる、本明細書で定義されるアリール基を意味する。アリール-アルキル基、アリール-アルケニル基、および/またはアリール-アルキニル基は、置換または非置換であり得る。例えば、アリール-アルキル基、アリール-アルケニル基、および/またはアリール-アルキニル基は、アリールおよび/またはアルキルについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。例示的な非置換アリール-アルキル基は、7~16個の炭素(C7-16アリール-アルキル)のもの、ならびに4~18個の炭素を有するアリール基および1~6個の炭素を有するアルキル基(すなわち、C4-18アリール-C1-6アルキル)を有するものである。例示的な非置換アリール-アルケニル基は、7~16個の炭素(C7-16アリール-アルケニル)のもの、ならびに4~18個の炭素を有するアリール基および2~6個の炭素を有するアルケニル基(すなわち、C4-18アリール-C2-6アルケニル)を有するものである。例示的な非置換アリール-アルキニル基は、7~16個の炭素(C7-16アリール-アルキニル)のもの、ならびに4~18個の炭素を有するアリール基および2~6個の炭素を有するアルキニル基(すなわち、C4-18アリール-C2-6アルキニル)を有するものである。いくつかの実施形態では、アリール-アルキル基は、-L-Rであり、Lは、本明細書で定義されるアルキル基またはアルキレン基であり、Rは、本明細書で定義されるアリール基である。いくつかの実施形態では、アリール-アルケニル基は、-L-Rであり、Lは、本明細書で定義されるアルケニル基またはアルケニレン基であり、Rは、本明細書で定義されるアリール基である。いくつかの実施形態では、アリール-アルキニル基は、-L-Rであり、Lは、本明細書で定義されるアルキニル基またはアルキニレン基であり、Rは、本明細書で定義されるアリール基である。
【0070】
「アリーレン」とは、本明細書で説明されるアリール基の多価(例えば、二価)形態を意味する。例示的なアリーレン基には、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、トリフェニレン、ジフェニルエーテル、アセナフテニレン、アントリレン、またはフェナントリレンが挙げられる。いくつかの実施形態では、アリーレン基は、C4-18、C4-14、C4-12、C4-10、C6-18、C6-14、C6-12、またはC6-10アリーレン基である。アリーレン基は、分岐または非分岐であり得る。アリーレン基はまた、置換または非置換であり得る。例えば、アリーレン基は、アリールについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0071】
「アリールアルコキシ」とは、酸素原子を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるアリール-アルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、アリールアルコキシ基は、-O-L-Rであり、Lは、本明細書で定義されるアルキル基であり、Rは、本明細書で定義されるアリール基である。
【0072】
「アリールオキシ」とは、-ORを意味し、Rは、本明細書で説明される任意選択で置換されたアリール基である。いくつかの実施形態では、非置換アリールオキシ基は、C4-18またはC6-18アリールオキシ基である。他の実施形態では、Rは、アルキル、アルカノイル、アミノ、ヒドロキシルなどで任意選択で置換されたアリール基である。
【0073】
「アリールオキシカルボニル」とは、カルボニル基を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるアリールオキシ基を意味する。いくつかの実施形態では、非置換アリールオキシカルボニル基は、C5-19アリールオキシカルボニル基である。他の実施形態では、アリールオキシカルボニル基は、-C(O)O-Rであり、Rは、本明細書で定義されるアリール基である。
【0074】
「アリーロイル」とは、カルボニル基を介して親分子基に結合しているアリール基を意味する。いくつかの実施形態では、非置換アリーロイル基は、C7-11アリーロイルまたはC5-19アリーロイル基である。他の実施形態では、アリーロイル基は、-C(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義されるアリール基である。
【0075】
「アリーロイルオキシ」とは、オキシ基を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるアリーロイル基を意味する。いくつかの実施形態では、非置換アリーロイルオキシ基は、C5-19アリーロイルオキシ基である。他の実施形態では、アリーロイルオキシ基は、-OC(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義されるアリール基である。
【0076】
「アジド」とは、-N3基を意味する。
【0077】
「アジドアルキル」とは、本明細書で定義されるアルキル基を介して親分子基に結合したアジド基を意味する。いくつかの実施形態では、アジドアルキル基は、-L-N3であり、Lは、本明細書で定義されるアルキル基である。
【0078】
「アゾ」とは、-N=N-基を意味する。
【0079】
「カルバモイル」とは、本明細書で定義されるカルボニル基を介して親分子基に結合したアミノ基を意味する。いくつかの実施形態では、カルバモイルは、-C(O)NR1R2基であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる。
【0080】
「カルバモイルオキシ」とは、本明細書で定義されるnオキシ基を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるカルバモイル基を意味する。いくつかの実施形態では、カルバモイルは、-OC(O)NR1R2基であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる。
【0081】
「カルボンイミドイル」とは、-C(NR)-基を意味する。いくつかの実施形態では、Rは、本明細書で定義される水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアルキル-アリール、または任意選択で置換されたアリール-アルキル、任意選択で置換されたシリルオキシ、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0082】
「カルボニル」とは、-C(O)-基を意味し、>C=Oとして表すこともできる。
【0083】
「カルボキシル」とは、-CO2H基またはその陰イオンを意味する。
【0084】
「触媒」とは、当業者によって容易に理解されるように、合成反応を触媒することが可能な、通常は反応剤に対して少量で存在する化合物を意味する。いくつかの実施形態では、触媒は、遷移金属配位錯体を含んでもよい。
【0085】
「シアナト」とは、-OCN基を意味する。
【0086】
「シアノ」とは、-CN基を意味する。
【0087】
「脂環式」とは、環状である、本明細書で定義される脂肪族基を意味する。
【0088】
「シクロアルコキシ」とは、酸素原子を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるシクロアルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、シクロアルコキシ基は、-O-Rであり、Rは、本明細書で定義されるシクロアルキル基である。
【0089】
「シクロアルキルアルコキシ」とは、-O-L-R基を意味し、Lは、本明細書で定義されるアルキル基またはアルキレン基であり、Rは、本明細書で定義されるシクロアルキル基である。
【0090】
「シクロアルキル」とは、特に明記しない限り、3~8個の炭素の一価の飽和または不飽和非芳香族環状炭化水素基を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1.ヘプチル]などによって例示される。シクロアルキル基は、置換または非置換であり得る。例えば、シクロアルキル基は、アルキルについて本明細書で説明されるものを含む1つまたは複数の基で置換することができる。さらに、シクロアルキルは、1つまたは複数の二重結合および/または三重結合を含み得る。
【0091】
「シクロヘテロ脂肪族」とは、環状である、本明細書で定義されるヘテロ脂肪族基を意味する。
【0092】
「ジシラニル」とは、Si-Si結合を含む基を意味する。いくつかの実施形態では、ジシラニル基は、-SiRS1RS2-SiRS3RS4RS5または-SiRS1RS2-SiRS3RS4-基であり、RS1、RS2、RS3、RS4、およびRS5の各々は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、または任意選択で置換されたアミノである。
【0093】
「ジスルフィド」とは、-SSRを意味し、Rは、本明細書で定義される水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、ハロ脂肪族、ハロヘテロ脂肪族、芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0094】
「電子供与基」とは、共鳴などによって、その電子密度の少なくとも一部を電子供与基が直接結合している環に供与することが可能な官能基を意味する。
【0095】
「電子吸引基」とは、誘導電子吸引などによって、電子吸引基が直接結合している環から電子密度を受け取ることが可能な官能基を意味する。
【0096】
「ハロ」とは、F、Cl、Br、またはIを意味する。
【0097】
「ハロ脂肪族」とは、本明細書で定義される脂肪族基を意味し、1~10個の水素原子などの1つまたは複数の水素原子は、独立して、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードなどのハロゲン原子で置き換えられる。
【0098】
「ハロアルキル」とは、本明細書で定義されるアルキル基を意味し、1~10個の水素原子などの1つまたは複数の水素原子は、独立して、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードなどのハロゲン原子で置き換えられる。独立した実施形態では、ハロアルキルは、-CX3基とすることができ、各Xは、独立して、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードから選択することができる。いくつかの実施形態では、ハロアルキル基は、-L-Xであり、Lは、本明細書で定義されるアルキル基であり、Xは、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードである。他の実施形態では、ハロアルキル基は、-L-C(X)(R1)-R2であり、Lは、本明細書で定義される共有結合またはアルキル基であり、Xは、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードであり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義されるHまたはアルキルである。
【0099】
「ハロヘテロ脂肪族」とは、本明細書で定義されるヘテロ脂肪族を意味し、1~10個の水素原子などの1つまたは複数の水素原子は、独立して、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードなどのハロゲン原子で置き換えられる。
【0100】
「ヘテロ脂肪族」とは、本明細書で定義される脂肪族基を意味し、少なくとも1個のヘテロ原子~20個のヘテロ原子、例えば1~15個のヘテロ原子、または1~5個のヘテロ原子を含み、これらは、限定はしないが、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、ホウ素、セレン、リン、および群内のそれらの酸化形態から選択することができる。ヘテロ脂肪族基は、非置換であるか、または例えば、本明細書で説明される官能基によって置換される。例えば、ヘテロ脂肪族基は、アルキルについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0101】
「ヘテロ脂肪族-カルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ脂肪族基を意味し、ヘテロ脂肪族基は、カルボニル基(-C(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族-カルボニル基は、-C(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ脂肪族基である。
【0102】
「ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ脂肪族基を意味し、ヘテロ脂肪族基は、カルボニルオキシ基(-OC(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ基は、-OC(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ脂肪族基である。
【0103】
「ヘテロ脂肪族-オキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ脂肪族基を意味し、ヘテロ脂肪族基は、オキシ基(-C(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族-オキシ基は、-O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ脂肪族基である。
【0104】
「ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ脂肪族基を意味し、ヘテロ脂肪族基は、オキシカルボニル基(-C(O)O-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル基は、-C(O)O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ脂肪族基である。
【0105】
「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、および「ヘテロアルキニル」とは、それぞれ本明細書で定義されるアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基(分岐、直鎖、または環状であり得る)を意味し、少なくとも1個のヘテロ原子~20個のヘテロ原子、例えば1~15個のヘテロ原子、または1~5個のヘテロ原子を含み、これらは、限定はしないが、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、ホウ素、セレン、リン、および群内のそれらの酸化形態から選択することができる。
【0106】
「ヘテロアルキレン」、「ヘテロアルケニレン」、および「ヘテロアルキニレン」とは、それぞれ本明細書で説明されるヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、またはヘテロアルキニル基の多価(例えば、二価)形態を意味する。
【0107】
「ヘテロ芳香族」とは、本明細書で定義される芳香族基を意味し、少なくとも1個のヘテロ原子~20個のヘテロ原子、例えば1~15個のヘテロ原子、または1~5個のヘテロ原子を含み、これらは、限定はしないが、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、ホウ素、セレン、リン、および群内のそれらの酸化形態から選択することができる。ヘテロ芳香族基は、非置換であるか、または例えば、本明細書で説明される官能基によって置換される。例えば、ヘテロ芳香族基は、アルキルおよび/またはアリールについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0108】
「ヘテロ芳香族-カルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ芳香族基を意味し、ヘテロ芳香族基は、カルボニル基(-C(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ芳香族-カルボニル基は、-C(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ芳香族基である。
【0109】
「ヘテロ芳香族-カルボニルオキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ芳香族基を意味し、ヘテロ芳香族基は、カルボニルオキシ基(-OC(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ芳香族-カルボニルオキシ基は、-OC(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ芳香族基である。
【0110】
「ヘテロ芳香族-オキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ芳香族基を意味し、ヘテロ芳香族基は、オキシ基(-O-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ芳香族-オキシ基は、-O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ芳香族基である。
【0111】
「ヘテロ芳香族-オキシカルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ芳香族基を意味し、ヘテロ芳香族基は、オキシカルボニル基(-C(O)O-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ芳香族-カルボニル基は、-C(O)O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ芳香族基である。
【0112】
「ヘテロアリール」とは、少なくとも1個のヘテロ原子~6個のヘテロ原子、例えば1~4個のヘテロ原子を含むアリール基を意味し、これらは、限定はしないが、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、ホウ素、セレン、リン、および環内のそれらの酸化形態から選択することができる。そのようなヘテロアリール基は、単環または複数の縮合環を有することができ、縮合環は、結合点が芳香族ヘテロアリール基の原子を介する場合、芳香族であってもなくてもよく、かつ/またはヘテロ原子を含んでもよい。ヘテロアリール基は、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、他の官能基、またはそれらの任意の組み合わせなど、水素以外の1つまたは複数の基で置換されてもよい。例示的なヘテロアリールには、芳香族である、すなわち、単環式または多環式環系内に4n+2個のπ電子を含む、本明細書で定義されるヘテロシクリル基のサブセットが挙げられる。
【0113】
「ヘテロアリーレン」とは、本明細書で説明されるヘテロアリール基の多価(例えば、二価)形態を意味する。
【0114】
「ヘテロ原子」とは、炭素以外の原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、ホウ素、セレン、またはリンを意味する。原子価の制約が許されない場合などの特定の開示された実施形態では、ヘテロ原子は、ハロゲン原子を含まない。
【0115】
「ヘテロシクリル」とは、別段の指定がない限り、1、2、3、または4個の非炭素ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、リン、硫黄、またはハロからなる群から独立して選択される)を含む5、6、または7員環を意味する。5員環は、0~2個の二重結合を有し、6員環および7員環は、0~3個の二重結合を有する。「ヘテロシクリル」という用語はまた、二環式、三環式、および四環式の基を含み、上記のヘテロ環のいずれかは、アリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環、およびインドリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロキノリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニルなどの別の単環式ヘテロ環からなる群から独立して選択される1つ、2つ、または3つの環に縮合している。ヘテロ環には、チイラニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、チアニル、チエパニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ピロリル、ピロリニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ホモピペリジニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリドニル、イソキサゾリル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、チエニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソインダゾイル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、ウリシル、チアジアゾリル、ピリミジル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロインドリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジチアゾリル、ジオキサニル、ジオキシニル、ジチアニル、トリチアニル、オキサジニル、チアジニル、オキソチオラニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニルなどが挙げられる。
【0116】
「ヘテロシクリルオキシ」とは、酸素原子を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を意味する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリルオキシ基は、-O-Rであり、Rは、本明細書で定義されるヘテロシクリル基である。
【0117】
「ヘテロシクリロイル」とは、カルボニル基を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を意味する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリロイル基は、-C(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義されるヘテロシクリル基である。
【0118】
「ヒドラジノ」とは、-NR1-NR2R3を意味し、R1、R2、およびR3の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1とR2の組み合わせ、またはR2とR3の組み合わせは、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる。いくつかの実施形態では、R1、R2、またはR3の各々は、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアルキル-アリール、または任意選択で置換されたアリール-アルキルである。特定の実施形態では、R2およびR3は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0119】
「ヒドロキシル」とは、-OHを意味する。
【0120】
「ヒドロキシアルキル」とは、1~3個のヒドロキシル基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味するが、1個以下のヒドロキシル基がアルキル基の単一の炭素原子に結合され得るという条件付きであり、この基はヒドロキシメチル、ジヒドロキシプロピルなどによって例示される。いくつかの実施形態では、ヒドロキシアルキル基は、-L-OHであり、Lは、本明細書で定義されるアルキル基である。他の実施形態では、ヒドロキシアルキル基は、-L-C(OH)(R1)-R2であり、Lは、本明細書で定義される共有結合またはアルキル基であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義されるHまたはアルキルである。
【0121】
「イミドイル」とは、カルボンイミドイル基を含む部分を意味する。いくつかの実施形態では、イミドイル基は、C(NR1)R2であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアルキル-アリール、または任意選択で置換されたアリール-アルキル、任意選択で置換されたシリルオキシ、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。他の実施形態では、イミドイル基は、-C(NR1)H、-C(NR1)RAk、または-C(NRN1)RArであり、R1は、水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアルキル-アリール、または任意選択で置換されたアリール-アルキル、または任意選択で置換されたシリルオキシであり、RAkは、任意選択で置換されたアルキルまたは任意選択で置換された脂肪族であり、RArは、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換された芳香族である。
【0122】
「イミノ」とは、-NR-基を意味する。いくつかの実施形態では、Rは、水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族から選択される。特定の実施形態では、Rは、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアルキル-アリール、または任意選択で置換されたアリール-アルキルである。
【0123】
「イソシアナト」とは、-NCO基を意味する。
【0124】
「イソシアノ」とは、-NC基を意味する。
【0125】
「ケトン」とは、-C(O)Rまたはそのような基を含む化合物を意味し、Rは、本明細書で定義される脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。ケトンの一例には、R1C(O)Rが挙げられ、RおよびR1の各々は、独立して、本明細書で定義される脂肪族、ハロ脂肪族、ハロヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、脂肪族-芳香族、ヘテロ脂肪族-芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0126】
「ニトロ」とは、-NO2基を意味する。
【0127】
「ニトロアルキル」とは、1~3個のニトロ基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、ニトロアルキル基は、-L-NOであり、Lは、本明細書で定義されるアルキル基である。他の実施形態では、ニトロアルキル基は、-L-C(NO)(R1)-R2であり、Lは、本明細書で定義される共有結合またはアルキル基であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義されるHまたはアルキルである。
【0128】
「オキソ」とは、=O基を意味する。
【0129】
「オキシ」とは、-O-を意味する。
【0130】
「パーフルオロアルキル」とは、フッ素原子で置換された各水素原子を有する、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。例示的なパーフルオロアルキル基には、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、パーフルオロアルキル基は、-(CF2)nCF3であり、nは、0~10の整数である。
【0131】
「パーフルオロアルコキシ」は、フッ素原子で置換された各水素原子を有する、本明細書で定義されるアルコキシ基を意味する。いくつかの実施形態では、パーフルオロアルコキシ基は、-O-Rであり、Rは、本明細書で定義されるパーフルオロアルキル基である。
【0132】
「塩」とは、電気的に中性の化合物または構造を形成するカチオンまたはアニオン化合物を含む、化合物または構造(例えば、本明細書に記載の任意の式、化合物、または組成)のイオン形態を意味する。塩は、本発明の化合物の最終的な単離および精製中にin situで、または遊離塩基基を適切な有機酸と反応させることによって(それによってアニオン塩を生成する)、または酸基を適切な金属もしくは有機塩と反応させることによって(それによってカチオン塩を生成する)、別々に調製することができる。代表的なアニオン塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、塩化物、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、二塩酸塩、二リン酸塩、ドデシル硫酸塩、エデト酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミスル酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、硫酸ラウリル、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メタンスルホン酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、ムケート(mucate)、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、亜酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオフィリン酸塩、チオシアン酸塩、トリエチオジド、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なカチオン塩には、金属塩、例えばアルカリまたはアルカリ土類塩、例えば、バリウム、カルシウム(例えば、エデト酸カルシウム)、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなど;他の金属塩、例えばアルミニウム、ビスマス、鉄、および亜鉛;ならびに、限定はしないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、ピリジニウムなどを含む、非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミノカチオンが挙げられる。他のカチオン塩には、クロロプロカイン、コリン、ジベンジルエチレンジアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メチルグルカミン、およびプロカインなどの有機塩が挙げられる。さらに他の塩には、アンモニウム、スルホニウム、スルホキソニウム、ホスホニウム、イミニウム、イミダゾリウム、ベンズイミダゾリウム、アミジニウム、グアニジニウム、ホスファジニウム、ホスファゼニウム、ピリジニウムなど、ならびに本明細書に記載の他のカチオン基(例えば、任意選択で置換されたイソキサゾリウム、任意選択で置換されたオキサゾリウム、任意選択で置換されたチアゾリウム、任意選択で置換されたピロリウム、任意選択で置換されたフラニウム、任意選択で置換されたチオフェニウム、任意選択で置換されたイミダゾリウム、任意選択で置換されたピラゾリウム、任意選択で置換されたイソチアゾリウム、任意選択で置換されたトリアゾリウム、任意選択で置換されたテトラゾリウム、任意選択で置換されたフラザニウム、任意選択で置換されたピリジニウム、任意選択で置換されたピリミジニウム、任意選択で置換されたピラジニウム、任意選択で置換されたトリアジニウム、任意選択で置換されたテトラジニウム、任意選択で置換されたピリダジニウム、任意選択で置換されたオキサジニウム、任意選択で置換されたピロリジニウム、任意選択で置換されたピラゾリジニウム、任意選択で置換されたイミダゾリニウム、任意選択で置換されたイソキサゾリジニウム、任意選択で置換されたオキサゾリジニウム、任意選択で置換されたピペラジニウム、任意選択で置換されたピペリジニウム、任意選択で置換されたモルホリニウム、任意選択で置換されたアゼパニウム、任意選択で置換されたアゼピニウム、任意選択で置換されたインドリウム、任意選択で置換されたイソインドリウム、任意選択で置換されたインドリジニウム、任意選択で置換されたインダゾリウム、任意選択で置換されたベンズイミダゾリウム、任意選択で置換されたイソキノリニウム、任意選択で置換されたキノリジニウム、任意選択で置換されたデヒドロキノリジニウム、任意選択で置換されたキノリニウム、任意選択で置換されたイソインドリニウム、任意選択で置換されたベンズイミダゾリニウム、および任意選択で置換されたプリニウム)が挙げられる。
【0133】
「シリル」とは、-SiR1R2R3または-SiR1R2-基を意味する。いくつかの実施形態では、R1、R2、およびR3の各々は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、または任意選択で置換されたアミノである。特定の実施形態では、R1、R2、およびR3の各々は、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアルキル-アリール、任意選択で置換されたアリール-アルキル、または任意選択で置換されたアミノである。他の実施形態では、シリル基は、-Si(R)a(OR)b(NR2)cであり、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a、b、およびcの各々は、≧0であり、a+b+c=3である。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアルキル-アリール、または任意選択で置換されたアリール-アルキルである。
【0134】
「シリルオキシ」とは、-ORを意味し、Rは、本明細書で説明される任意選択で置換されたシリル基である。いくつかの実施形態では、シリルオキシ基は、-O-SiR1R2R3であり、R1、R2、およびR3の各々は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、または任意選択で置換されたアミノである。特定の実施形態では、R1、R2、およびR3の各々は、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアルキル-アリール、任意選択で置換されたアリール-アルキル、または任意選択で置換されたアミノである。他の実施形態では、シリルオキシ基は、-O-Si(R)a(OR)b(NR2)cであり、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a、b、およびcの各々は、≧0であり、a+b+c=3である。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアルキル-アリール、または任意選択で置換されたアリール-アルキルである。
【0135】
「スルフィニル」とは、-S(O)-基を意味する。
【0136】
「スルホ」とは、-S(O)2OH基を意味する。
【0137】
「スルホニル」または「スルホン酸塩」とは、-S(O)2-基または-SO2Rを意味し、Rは、本明細書で定義される水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、ハロ脂肪族、ハロヘテロ脂肪族、芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0138】
「チオアルキル」とは、硫黄原子を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。例示的な非置換チオアルキル基には、C1-6チオアルキルが挙げられる。いくつかの実施形態では、チオアルキル基は、-S-Rであり、Rは、本明細書で定義されるアルキル基である。
【0139】
「チオール」とは、-SH基を意味する。
【0140】
当業者は、上記の定義が許容できない置換パターン(例えば、5つの異なる基で置換されたメチルなど)を含むことを意図していないことを認識するであろう。そのような許容できない置換パターンは、当業者によって容易に認識される。本明細書に開示され、かつ/または上で定義されたあらゆる官能基は、別段の指示がない限り、置換または非置換であり得る。
【0141】
共形的に高品質窒化ケイ素を堆積することは、困難な問題である。この性質の組み合わせを有する窒化ケイ素膜は、炉堆積では850℃を超える非常に高い温度で得ることができるが、プラズマ強化堆積プロセスでは、より低い温度でそのような膜を達成することは不可能であった。具体的には、低温プラズマ強化プロセスを使用して堆積された窒化ケイ素の品質は、共形性と逆相関する。例えば、3Å未満のWERを有する窒化ケイ素膜は、従来のプラズマ強化堆積法を使用して高い共形性で堆積させることができなかった。さらに、少なくとも約80%の高い共形性を有する窒化ケイ素膜は、従来のプラズマ強化法によって堆積された場合、典型的には品質が低く、高いWERによって特徴付けられる。
【0142】
共形性が低い堆積が、
図1Aおよび
図1Bによって示されている。
図1Aおよび
図1Bは、窒化ケイ素の堆積前(
図1A)および低い共形性を有する窒化ケイ素の堆積後(
図1B)の凹状フィーチャ103を有する半導体基板101の概略断面図を示している。
図1Bの窒化ケイ素層105は、厚さの変動が大きくなるように凹状フィーチャ103の側壁を覆っており、凹状フィーチャの開口部付近ではより厚い窒化ケイ素層が堆積され、凹状フィーチャのより深い部分でははるかに薄い被覆が見られる。
【0143】
提供される方法はこの問題に対処し、約800℃未満の温度で共形的に高品質窒化ケイ素を堆積することを可能にする。具体的には、高品質窒化ケイ素は、約300~750℃の温度で、凹状フィーチャを有する半導体基板上に共形的に堆積させることができる。いくつかの実施形態では、提供される方法を使用して、少なくとも約80%、例えば少なくとも約90%、または少なくとも約95%の共形性で凹状フィーチャを有する半導体基板上に窒化ケイ素を堆積することができる。例えば、約3Å/分未満のWERによって特徴付けられる窒化ケイ素膜は、少なくとも約80%の共形性で堆積させることができる。いくつかの実施形態では、約2Å/分未満のWERによって特徴付けられる窒化ケイ素膜は、少なくとも約90%の共形性で堆積される。提供される方法はこれらの利点によって限定されず、例えば、凹状フィーチャのない基板上にブランケット層として窒化ケイ素を堆積するために使用することができることが理解される。さらに、これらの方法は、アスペクト比が少なくとも約5:1、例えば少なくとも約10:1の凹状フィーチャへの堆積に特に有用であるが、これらの方法は、より低いアスペクト比を有するフィーチャにおける窒化ケイ素の堆積にも使用することができることが理解される。
【0144】
提供される方法は、半導体基板をケイ素含有前駆体に曝露してケイ素含有前駆体を半導体基板に吸着させるステップと、続いてプロセスガス中で形成されたプラズマで半導体基板を処理し(プロセスガスは、N
2を含む)、吸着されたケイ素含有前駆体を窒化ケイ素に変換するステップ(変換ステップ)とを伴う。変換は、約300~750℃の温度で実行される。プラズマ変換ステップ中の圧力がより低い圧力と比較して少なくとも約15Torrまで上昇すると、共形性が大幅に増加することが予想外に発見された。圧力が低いとプラズマ中の窒素含有種の平均自由行程が大きくなり、したがって窒素が凹状フィーチャの奥深くまで達することが可能になり、それによって凹状フィーチャの底部付近での堆積が増加して共形性が向上すると予想されていたため、この発見は予想外であった。この予想される結果に反して、少なくとも約15Torrの圧力は、窒化ケイ素の品質を大きく低下させることなく、より低い圧力(例えば、2Torr)と比較して大幅により共形的な堆積を提供することが示された。したがって、いくつかの実施形態では、N
2を含むプロセスガス中で形成されたプラズマによる半導体基板の処理は、少なくとも15Torr、より好ましくは約15~30Torrの圧力で行われる。結果として得られる共形的に堆積された窒化ケイ素層107が、
図1Cに示されている。
【0145】
図2は、提供される方法の一実施形態についてのプロセスフロー図を示している。プロセスは、
図1Aに示される基板など、凹状フィーチャを有する半導体基板をプロセスチャンバに提供することによってステップ201で開始する。次に、ステップ203において、半導体基板をケイ素含有前駆体に曝露して基板上に前駆体の吸着層を形成し、続いてプロセスチャンバをパージして未吸着の前駆体を除去する。いくつかの実施形態では、ケイ素含有前駆体は、窒素含有ハロゲンフリーの前駆体である。好ましくは、前駆体は、アミノシラン、またはケイ素-窒素結合を含む別の化合物である。そのような前駆体の例には、限定はしないが、ジ(メチルアミノ)シラン(DMAS)、ジ(エチルアミノ)シラン(DEAS)、ジ(プロピルアミノ)シラン(DPAS)、ジ(イソプロピルアミノ)シラン(DIPAS)、ジ(sec-ブチルアミノ)シラン(DSBAS)、ビス-(t-ブチルアミノ)シラン(BTBAS)、およびトリス(ジメチルアミノ)シラン(TDMAS)が挙げられる。
【0146】
次に、ステップ205において、基板は、少なくとも約15torrの圧力で、N2を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで処理されて吸着された前駆体を窒化ケイ素に変換し、プロセスチャンバがパージされる。いくつかの実施形態では、この変換ステップは、約15~30torrの圧力で実施される。窒素含有量が比較的低い変換ステップ中にプロセスガスを使用することによって、窒化ケイ素堆積の共形性をさらに改善することができることが予想外に発見された。いくつかの実施形態では、プロセスガスは、約10体積%以下、例えば約5体積%未満のN2含有量を有する。例えば、プロセスガスは、N2および貴ガス(例えば、アルゴン、ヘリウム、またはネオン)を含むことができ、N2含有量は、約10体積%未満、または約5体積%未満である。いくつかの実施態様では、N2含有量は、約1~10%である。N2の含有量が増加すると凹状フィーチャ全体の反応性が高くなり、窒化ケイ素への前駆体のより共形的な変換が起こると予想されていたため、比較的低い含有量のN2の使用による共形性の改善(これはN2のより低い分圧にもつながる)は予想外であった。この予想に反して、プロセスガス中の窒素含有量がプラズマ処理ステップにおいて10%以下に低下すると、共形性が改善されることが観察された。提供される堆積方法は低窒素含有量の実施形態に限定されず、15~100%のN2などのより高い窒素含有量も提供される実施形態の範囲内であることに留意されたい。
【0147】
プロセスガス中で形成されるプラズマは、半導体基板を収容するプロセスチャンバ内で形成されてもよく(直接プラズマ)、または半導体基板を収容するチャンバから離れて形成され(リモートプラズマ)、その後、基板を収容するプロセスチャンバに送給されてもよいいくつかの実施形態では、容量結合プラズマが、13.56MHzまたは27MHzのRF周波数を使用して生成される。プラズマ生成に使用される電力は、いくつかの実施形態では、約500W~約10,000Wの範囲であり得、電力密度は0.177W/cm2~3.54kW/cm2の範囲であり、cm2は基板面積を指す。
【0148】
ステップ203~205は、1つの堆積サイクルを構成する。いくつかの実施形態では、堆積サイクルのすべてのステップについての温度は、約300~750℃、例えば約400~750℃、または約600~700℃に維持され、圧力は、少なくとも約15Torr、例えば約15~30Torrに維持される。いくつかの実施形態では、前駆体吸着ステップ203および変換ステップ205中の温度および圧力は、実質的に同じである。他の実施形態では、ステップ203および205についての圧力および/または温度は、異なっていてもよい。単一のサイクルは、いくつかの実施形態では、平均約0.5~2Åを堆積する。
【0149】
次のステップ207において、ステップ203~205が同じプロセスチャンバ内で繰り返され、窒化ケイ素を所望の厚さに堆積する。様々な実施態様において、少なくとも10回、例えば少なくとも100回、例えば100~2,000回の堆積サイクルが実施されて窒化ケイ素膜を堆積し、得られる膜厚は、例えば約5~約100nmであり得る。堆積は、様々な深さの凹状フィーチャにおいて行うことができ、深さは、いくつかの例では10ミクロン以上に達する。
【0150】
任意選択で、ステップ209における窒化ケイ素膜の堆積後、膜を高温でアニールして窒化ケイ素膜の応力を低減し、かつ/またはWERをさらに低減してもよい。例えば、ステップ203~207自身は、約600~650℃の温度で実行され、アニールは、半導体基板をN2に曝露しながらより高い温度(例えば、700~750℃)で行われてもよい。いくつかの実施形態では、アニールは、ステップ201~207が行われる堆積プロセスチャンバとは異なるプロセスチャンバ内でかなり長時間(例えば、10分以上)にわたって実行される。
【0151】
図3は、本明細書で提供される一実施形態による、窒化ケイ素堆積プロセスの2つの堆積サイクルについての例示的なタイミング図を示す。ケイ素前駆体曝露段階301において、半導体基板は、プラズマの非存在下でケイ素含有前駆体に曝露される(アルゴンプッシュガスと予め混合されたプロセスチャンバに送給される)。他の実施形態では、プッシュガスは、N
2、またはアルゴンとN
2の混合物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ケイ素含有前駆体の流量は約100~2,000sccmであり、プッシュガスの流量は約300~1,500sccmである。図示の例では、ケイ素前駆体曝露段階301中、窒素はプロセスチャンバ内に流されない。他の実施形態では、希釈および/または圧力安定性のために、N
2を500~2,000sccmの流量で流してもよい。このステップ中の圧力は、約1~30Torrに維持される。図示の実施形態におけるケイ素前駆体曝露段階301は、約0.1~10秒間続く。次に、パージ段階303において、ケイ素含有前駆体の流れが停止され、アルゴンの流れが開始(または増加)され、窒素の流れも開始(または増加)される。パージ段階303の一実施態様では、アルゴン流量は約20slm、窒素流量は約20slmであり、圧力は約0.5~30Torrの範囲に維持される。0.1~10秒続くパージ段階303の後、変換段階305が開始する。変換段階中、窒素流量は約1,000~5,000sccmに減少し、アルゴン流量は約10~40slmに調整され、プラズマ生成が上述のプラズマ生成条件を使用してオンになる。変換段階中の圧力は、約15~30Torrの範囲に維持される。吸着された前駆体が窒化ケイ素に変換される変換段階305は、いくつかの実施形態では、約0.1~30秒の持続時間にわたって行われる。次に、プロセスがパージ段階307に続くにつれて、プラズマがオフになり、窒素流量が増加する。パージ段階307についてのプロセス条件は、パージ段階303についてのプロセス条件と同じであり得る。次に、ケイ素含有曝露段階301、パージ段階303、変換段階305、およびパージ段階307が繰り返される。
【0152】
ケイ素含有前駆体
本明細書で提供される窒化ケイ素堆積方法では、様々なケイ素含有前駆体(ケイ素含有反応剤とも呼ばれる)を使用することができる。いくつかの実施形態では、アミノシラン、シリルアミン、およびシラザンなどの窒素含有前駆体が使用される。
【0153】
アミノシラン
いくつかの実施形態におけるケイ素含有前駆体は、1つまたは複数の任意選択で置換されたアミノ基を含むことができ、それによって非限定的なアミノシランが提供される。一実施形態では、前駆体は、(R’)4-xSi(NR’’2)xの式を有し、
xは、1、2、3、または4であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
別の実施形態では、前駆体は、(R’’2N)x(R’)3-xSi-L-Si(R’)3-x(NR’’ 2)xの式を有し、
各xは、独立して、0、1、2、または3であり、
Lは、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリルであり、各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0154】
特定の実施形態では、Lは、-NR-などの任意選択で置換されたイミノであり、Rは、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換された芳香族である。他の実施形態では、Lは、-SiR2-などの任意選択で置換されたシリルであり、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換された芳香族である。
【0155】
一例では、少なくとも1つのxは、0ではない。別の実施形態では、xは、0とすることができる(例えば、Lが炭素原子またはヘテロ原子を含む場合)。さらに別の実施形態では、xは、0であり、および/またはLは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルケニレン、任意選択で置換されたヘテロアルキニレン、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリルを含む。
【0156】
特定の実施形態では、少なくとも1つのR’またはR’’は、Hではない。前駆体は、1つまたは複数のケイ素原子に結合したR’基とアミノ基(NR’’2)の任意の有用な組み合わせを有することができる。
【0157】
いくつかの実施形態では、R’は、H、任意選択で置換されたアミノ(例えば、-NR2)、脂肪族-オキシ(例えば、アルコキシまたは-OR)、脂肪族-カルボニル(例えば、アルカノイルまたは-C(O)R)、脂肪族-カルボニルオキシ(例えば、アルカノイルオキシまたは-OC(O)R)、脂肪族-オキシカルボニル(例えば、アルコキシカルボニルまたは-C(O)OR)、シリル(例えば、-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリル(例えば、アルコキシシリルまたは-Si(R)a(OR)b)、アミノシリル(例えば、-Si(R)a(NR2)b)、シリルオキシ(例えば、-O-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリルオキシ(例えば、アルコキシシリルオキシまたは-O-Si(R)a(OR)b)、アミノシリルオキシ(例えば、-O-Si(R)a(NR2)b)、芳香族(例えば、アリール)、芳香族-オキシ(例えば、アリールオキシまたは-OR)、ヒドロキシル(-OH)、ホルミル(-C(O)H)などである。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、および任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。いくつかの実施形態では、2つのR基は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。他の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換されたアリールである。
【0158】
他の実施形態では、R’’は、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシである。いくつかの実施形態では、R’’は、任意選択で置換されたアルキル(例えば、Me、Et、nPr、iPr、sBu、またはtBu)である。他の実施形態では、R’’は、-SiR’ 3、-SiR3、-Si(R’)a(OR)b、-Si(R)a(OR)b、-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、-Si(R)a(OR)b(NR2)c、-O-SiR’ 3、-O-SiR3、-O-Si(R’)a(OR)b、-O-Si(R)a(OR)b、-O-Si(R’)a(NR2)b、-O-Si(R’a(NR2)b)、-O-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、または-O-Si(R)a(OR)b(NR2)cであり、各R’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a、b、およびcの各々は、≧0であり、a+b+c=3またはa+b=3(cが存在しない場合)である。特定の実施形態では、Rは、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルである。
【0159】
ケイ素含有反応剤は、ケイ素原子に結合した少なくとも1つのR’基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(R’)(H)3-xSi(NR’’2)xの式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、xは、1、2、または3である。別の実施形態では、前駆体は、(R’)(H)2Si(NR’’2)の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。一実施形態では、前駆体は、(R’)(H)Si(NR’’2)2の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、(R’)2(H)Si(NR’’2)の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。さらに別の実施形態では、前駆体は、(R’)2Si(NR’’ 2)2の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。一実施形態では、前駆体は、(R’)3Si(NR’’ 2)の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0160】
ケイ素含有反応剤は、ケイ素原子に結合したR’基を欠いている場合がある。一実施形態では、前駆体は、(H)4-xSi(NR’’ 2)xの式を有し、各R’’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができ、xは、1、2、3、または4である。別の実施形態では、前駆体は、Si(NR’’ 2)xの式を有し、各R’’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができる。特定の実施形態では、各R’’は、独立して、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、またはヘテロ芳香族である。
【0161】
ケイ素含有反応剤は、ケイ素原子に結合した1つまたは複数の水素原子を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(H)3Si(NR’’2)、(H)2Si(NR’’2)2、または(H)Si(NR’’2)3の式を有し、各R’’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができる。特定の実施形態では、各R’’は、独立して、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0162】
ケイ素含有反応剤は、窒素原子を有するヘテロシクリル基を含むことができる。一実施形態では、式は、H
3Si-Hetの式を有し、Hetは、少なくとも1つの窒素原子を含む任意選択で置換されたヘテロシクリルである。特定の実施形態では、前駆体は、
【化1】
の式を有し、ヘテロシクリル基は、任意選択で置換することができ(例えば、アルキルについての置換基として本明細書に記載のいずれかの置換基で)、nは、1、2、3、4、または5である。一実施形態では、式は、R’
3Si-Hetの式を有し、Hetは、少なくとも1つの窒素原子を含む任意選択で置換されたヘテロシクリルであり、各R’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができる。特定の実施形態では、前駆体は、
【化2】
の式を有し、ヘテロシクリル基は、任意選択で置換することができ(例えば、アルキルについての置換基として本明細書に記載のいずれかの置換基で)、各R’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、4、または5である。
【0163】
場合によっては、ケイ素含有反応剤は、2つ以上のケイ素原子を有することができ、前駆体は、Si-Si結合を含むことができる。特定の実施形態では、前駆体は、(R’’2N)x(R’)3-xSi-Si(R’)3-x(NR’’2)xの式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。一実施形態では、ケイ素含有反応剤は、(R’’2N)(R’)2Si-Si(R’)2(NR’’2)の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、ケイ素含有反応剤は、(R’’ 2N)2(R’)Si-Si(R’)(NR’’2)2の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。さらに別の実施形態では、ケイ素含有反応剤は、(R’’2N)3Si-Si(NR’’2)3の式を有し、各R’’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0164】
ケイ素含有反応剤は、ケイ素原子に結合した異なる基を含むことができる。一例では、前駆体は、(R’’2N)x(R’)3-xSi-SiH3の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0165】
リンカーは、2つのケイ素原子の間に存在することができる。一例では、ケイ素含有反応剤は、(R’’ 2N)x(R’)3-xSi-NR-Si(R’)3-x(NR’’ 2)xの式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、Rは、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換された芳香族である。別の例では、ケイ素含有反応剤は、(R’’2N)x(H)3-xSi-NR-Si(H)3-x(NR’’2)xの式を有し、R、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0166】
ケイ素含有反応剤は、R’基とヘテロ原子を有するリンカーの組み合わせを含むことができる。一例では、ケイ素含有反応剤は、(R’)3Si-NR-Si(R’)3の式を有し、RおよびR’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の例では、前駆体は、(R’)3Si-L-Si(R’)3の式を有し、LおよびR’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。特定の実施形態では、Lは、オキシ(-O-)、任意選択で置換されたイミノ(例えば、-NR-)、または任意選択で置換されたシリル(例えば、-SiR2-)である。
【0167】
ケイ素含有反応剤は、2つのケイ素原子と組み合わせたR’基およびNR’’2基の任意の有用な組み合わせを含むことができる。一例では、前駆体は、(R’’2N)(R’)2Si-L-Si(R’)2(NR’’2)xの式を有し、L、R’、およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0168】
ケイ素含有反応剤は、ケイ素原子および窒素原子を含むヘテロ環基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、
【化3】
の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。
【0169】
別の実施形態では、ケイ素含有反応剤は、
【化4】
の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。さらに別の実施形態では、前駆体は、
【化5】
の式を有し、各R’’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。
【0170】
別の実施形態では、ケイ素含有反応剤は、
【化6】
の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。さらに別の実施形態では、ケイ素含有反応剤は、
【化7】
の式を有し、R’’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。
【0171】
本明細書のいずれかのケイ素含有反応剤において、2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0172】
ケイ素含有反応剤は、以下のいずれか、例えば、(RAk)Si(NH2)(NRAk
2)2、(RAk)Si(NRAk
2)3、(RAk)2Si(NHRAk
2)2、(RAk)(H)Si(NHRAk)2、(RAk)3Si(NRAk
2)、(RAk)3Si(NHRAk)、H2Si(NHRAk
2)2、(RAk)(H)Si(NRAk
2)2、HSi(NH2)(NRAk
2)2、HSi(NRAk
2)3、Si(NRAk
2)4、(R’)(H)Si(NR’’2)2、(R’)2Si(NRAk
2)2、(R’)2Si(N[SiH3]2)2、(R’)2Si(N[SiR’’3]2)2、または(R’)3Si(NHRAk)を含むことができる。いくつかの実施形態では、R’およびR’’の各々は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができる(例えば、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニル)。他の実施形態では、各RAkは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルである。特定の実施形態では、RAkは、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(nPr)、iso-プロピル(iPr)、n-ブチル(nBu)、sec-ブチル(sBu)、iso-ブチル(iBu)、tert-ブチル(tBu)などである。
【0173】
ケイ素含有反応剤の非限定的な例には、以下のいずれかが挙げられる:メチルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NHMe])、ジメチルアミノジメチルシラン(SiMe2H[NMe2])、ジメチルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NMe2])、ジメチルアミノジエチルシラン(SiHEt2[NMe2])、ジメチルアミノトリエチルシラン(SiEt3[NMe2])、エチルメチルアミノジメチルシラン(SiHMe2[NMeEt])、エチルメチルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NMeEt])、エチルメチルアミノトリエチルシラン(SiHEt2[NMeEt])、エチルメチルアミノトリエチルシラン(SiEt3[NMeEt])、ジエチルアミノメチルシラン(SiH2Me[NEt2])、ジエチルアミノエチルシラン(SiH2Et[NEt2])、エチルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NHEt])、ジエチルアミノジメチルシラン(SiHMe2[NEt2])、ジエチルアミノジエチルシラン(SiHEt2[NEt2])、ジエチルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NEt2])、ジエチルアミノトリエチルシラン(SiEt3[NEt2])、iso-プロピルアミノジメチルシラン(SiHMe2[NHiPr])、iso-プロピルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NHiPr])、iso-プロピルアミノジエチルシラン(SiHEt2[NHiPr])、iso-プロピルアミノトリエチルシラン(SiEt3[NHiPr])、ジ-イソプロピルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NiPr2])、ジ-iso-プロピルアミノシラン(SiH3[NiPr2]、C6H17NSi、またはDIPAS)、ジ-iso-プロピルアミノメチルシラン(SiH2Me[NiPr2])、ジ-イソプロピルアミノジメチルシラン(SiHMe2[NiPr2])、ジ-イソプロピルアミノトリエチルシラン(SiHEt2[NiPr2])、ジ-イソプロピルアミノトリエチルシラン(SiEt3[NiPr2])、n-プロピルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NHnPr])、ジ-sec-ブチルアミノシラン(SiH3[NsBu2]またはDSBAS)、ジ-sec-ブチルアミノメチルシラン(SiH2Me[NsBu2])、iso-ブチルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NHiBu])、n-ブチルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NHnBu])、tert-ブチルアミノジメチルシラン(SiHMe2[NHtBu])、tert-ブチルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NHtBu])、tert-ブチルアミノジエチルシラン(SiHEt2[NHtBu])、tert-ブチルアミノトリエチルシラン(SiEt3[NHtBu])、ジシクロヘキシルアミノシラン(SiH3[NCy2]、Cyは、シクロヘキシルである)、N-プロピルイソプロピルアミノシラン(SiH3[NiPrnPr])、N-メチルシクロヘキシルアミノシラン(SiH3[NMeCy])、N-エチルシクロヘキシルアミノシラン(SiH3[NEtCy])、アリルフェニルアミノシラン(SiH3[NAllPh])、N-イソプロピルシクロヘキシルアミノシラン(SiH3[NiPrCy])、アリルシクロペンチルアミノシラン(SiH3[NAllCp])、フェニルシクロヘキシルアミノシラン(SiH3[NHCy])、シクロヘキシルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NHCy]、Cyは、シクロヘキシルである)、ピロリルトリメチルシラン(SiMe3[NHPy]、Pyは、ピロリルである)、ピロリジノトリメチルシラン(SiMe3[NHPyr]、Pyrは、ピロリンジルである)、ピペリジノトリメチルシラン(SiMe3[NHPip]、Pipは、ピペリジニルである)、ピペラジノトリメチルシラン(SiMe3[NHPz]、Pzは、ピペラジニルである)、イミダゾリルトリメチルシラン(SiMe3[NHIm]、Imは、イミダゾリルである)、ビス(ジメチルアミノ)シラン(SiH2[NMe2]2またはBDMAS)、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン(SiMeH[NMe2]2)、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン(SiMe2[NMe2]2またはBDMADMS)、ビス(ジメチルアミノ)ジエチルシラン(SiEt2[NMe2]2)、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン(SiMeVi[NMe2]2)、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン(SiMe2[NHEt]2)、ビス(エチルメチルアミノ)シラン(SiH2[NMeEt]2)、ビス(エチルメチルアミノ)ジメチルシラン(SiMe2[NMeEt]2)、ビス(エチルメチルアミノ)ジエチルシラン(SiEt2[NMeEt]2)、ビス(エチルメチルアミノ)メチルビニルシラン(SiMeVi[NMeEt]2)、ビス(ジエチルアミノ)シラン(SiH2[NEt2]2、C8H22N2Si、またはBDEAS)、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン(SiMe2[NEt2]2)、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン(SiMeVi[NEt2]2)、ビス(ジエチルアミノ)ジエチルシラン(SiEt2[NEt2]2)、ビス(iso-プロピルアミノ)ジメチルシラン(SiMe2[NHiPr]2)、ビス(iso-プロピルアミノ)ジエチルシラン(SiEt2[NHiPr]2)、ビス(iso-プロピルアミノ)メチルビニルシラン(SiMeVi[NHiPr]2)、ビス(ジ-iso-プロピルアミノ)シラン(SiH2[NiPr2]2)、ビス(ジ-iso-プロピルアミノ)ジメチルシラン(SiMe2[NiPr2]2)、ビス(ジ-iso-プロピルアミノ)ジエチルシラン(SiEt2[NiPr2]2)、ビス(ジ-iso-プロピルアミノ)メチルビニルシラン(SiMeVi[NiPr2]2)、ビス(メチルアミノ)シラン(SiH2[NHMe]2)、ビス(sec-ブチルアミノ)シラン(SiH2[NHsBu]2)、ビス(sec-ブチルアミノ)メチルシラン(SiHMe[NHsBu]2)、ビス(sec-ブチルアミノ)エチルシラン(SiHEt[NHsBu]2)、ビス(tert-ブチルアミノ)シラン(SiH2[NHtBu]2またはBTBAS)、ビス(tert-ブチルアミノ)ジメチルシラン(SiMe2[NHtBu]2)、ビス(tert-ブチルアミノ)メチルビニルシラン(SiMeVi[NHtBu]2)、ビス(tert-ブチルアミノ)ジエチルシラン(SiEt2[NHtBu]2)、ビス(1-イミダゾリル)ジメチルシラン(SiMe2[Im]2、Imは、イミダゾリルである)、トリス(ジメチルアミノ)シラン(SiH[NMe2]3または3DMAS)、トリス(ジメチルアミノ)フェニルシラン(SiPh[NMe2]3)、トリス(ジメチルアミノ)メチルシラン(SiMe[NMe2]3)、トリス(ジメチルアミノ)エチルシラン(SiEt[NMe2]3)、トリス(エチルメチルアミノ)シラン(SiH[NEtMe]3)、トリス(ジエチルアミノ)シラン(SiH[NEt2]3)、トリス(iso-プロピルアミノ)シラン(SiH[NHiPr]3、C9H25N3Si、またはTIPAS)、トリス(ジメチルアミノ)シリルアミド(Si[NMe2]3[NH2])、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン(Si[NMe2]4)、テトラキス(エチルメチルアミノ)シラン(Si[NEtMe]4)、テトラキス(ジエチルアミノ)シラン(Si[NEt2]4)、1,2-ジエチル-テトラキス(ジエチルアミノ)ジシラン([Et2N]2EtSi-SiEt[NEt2]2)、1,2-ジメチル-テトラキス(ジメチルアミノ)ジシラン([Me2N]2MeSi-SiMe[NMe2]2)、1,2-ジメチル-テトラキス(ジエチルアミノ)ジシラン([Et2N]2MeSi-SiMe[NEt2]2)、ヘキサキス(メチルアミノ)ジシラン([MeHN]3Si-Si[NHMe]3)、ヘキサキス(エチルアミノ)ジシラザン([EtHN]3Si-Si[NHEt]3)、ヘキサキス(ジメチルアミノ)ジシラザン(Me2N-Si[Me2]2-Si[NMe2]2-NMe2)など。
【0174】
シリルアミン
ケイ素含有前駆体は、窒素原子に結合した1つまたは複数の任意選択で置換されたシリル基を含むことができ、それによって非限定的なシリルアミンが提供される。一実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN(SiR’ 3)yの式を有し、
yは、1、2、または3であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
別の実施形態では、ケイ素含有反応剤は、(R’ 3Si)y(R’’)2-yN-L-N(R’’)2-y(SiR’ 3)yの式を有し、
各yは、独立して、0、1、または2であり、Lは、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリルであり、各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができ、
任意選択でN-L-Nは、一緒になって、多価ヘテロシクリル基を形成する。
【0175】
一例では、少なくとも1つのyは、0ではない。別の実施形態では、yは、0とすることができる(例えば、Lが炭素原子またはヘテロ原子を含む場合)。さらに別の実施形態では、yは、0であり、および/またはLは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルケニレン、任意選択で置換されたヘテロアルキニレン、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、オキシ(-O-)、イミノ(例えば、-NR-または-N(SiR3)-)、またはシリル(例えば、-SiR2-)、ならびにそれらの組み合わせ(例えば、-SiR2-NR-、-NR-SiR2-、-SiR2-NR-SiR2-など)を含む。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、および任意選択で置換されたヘテロ芳香族である。
【0176】
いくつかの実施形態では、R’は、H、任意選択で置換されたアミノ(例えば、-NR2)、脂肪族-オキシ(例えば、アルコキシまたは-OR)、脂肪族-カルボニル(例えば、アルカノイルまたは-C(O)R)、脂肪族-カルボニルオキシ(例えば、アルカノイルオキシまたは-OC(O)R)、脂肪族-オキシカルボニル(例えば、アルコキシカルボニルまたは-C(O)OR)、シリル(例えば、-SiR3または-SiR2-L-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリル(例えば、アルコキシシリルまたは-Si(R)a(OR)b)、アミノシリル(例えば、-Si(R)a(NR2)b)、シリルオキシ(例えば、-O-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリルオキシ(例えば、アルコキシシリルオキシまたは-O-Si(R)a(OR)b)、アミノシリルオキシ(例えば、-O-Si(R)a(NR2)b)、芳香族(例えば、アリール)、芳香族-オキシ(例えば、アリールオキシまたは-OR)、ヒドロキシル(-OH)、ホルミル(-C(O)H)などである。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、および任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。いくつかの実施形態では、2つのR基は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。他の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換されたアリールである。Lは、任意の有用なリンカー(例えば、共有結合、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、オキシ、イミノ、シリルなど)とすることができる。
【0177】
他の実施形態では、R’’は、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシである。いくつかの実施形態では、R’’は、任意選択で置換されたアルキル(例えば、Me、Et、nPr、iPr、sBu、またはtBu)である。他の実施形態では、R’’は、-SiR’ 3、-SiR3、-Si(R’)a(OR)b、-Si(R)a(OR)b、-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、-Si(R)a(OR)b(NR2)c、-O-SiR’ 3、-O-SiR3、-O-Si(R’)a(OR)b、-O-Si(R)a(OR)b、-O-Si(R’)a(NR2)b、-O-Si(R’a(NR2)b)、-O-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、または-O-Si(R)a(OR)b(NR2)cであり、各R’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a、b、およびcの各々は、≧0であり、a+b+c=3またはa+b=3(cが存在しない場合)である。特定の実施形態では、Rは、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルである。
【0178】
ケイ素含有反応剤は、窒素原子に結合した少なくとも1つのR’’基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(R’’)N(SiR’ 3)2または(R’’)2N(SiR’ 3)の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、(R’’)2N(SiH3)または(R’’)N(SiH3)2の式を有し、R’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。特定の実施形態では、R’は、任意選択で置換されたアルキル、アミノ、またはアルコキシであり、R’’は、任意選択で置換されたアルキルまたはアミノであり、任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成する。
【0179】
適切なケイ素含有前駆体の例には、ジ(メチルアミノ)シラン(DMAS)、ジ(エチルアミノ)シラン(DEAS)、ジ(プロピルアミノ)シラン(DPAS)、ジ(イソプロピルアミノ)シラン(DIPAS)、ジ(sec-ブチルアミノ)シラン(DSBAS)、ビス-(t-ブチルアミノ)シラン(BTBAS)、およびトリス(ジメチルアミノ)シラン(TDMAS)が挙げられる。
【0180】
ケイ素含有反応剤は、窒素原子に結合した少なくとも1つの水素原子を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(H)N(SiR’ 3)2の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、(H)N(SiRAk
3)2の式を有し、RAkは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルとすることができる。
【0181】
ケイ素含有反応剤は、窒素原子に結合した3つのケイ素原子を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、N(SiR’ 3)3の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、N(SiH3)(SiR’ 3)2の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。さらに別の実施形態では、前駆体は、N(SiH3)(SiRAk
3)2の式を有し、RAkは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルとすることができる。
【0182】
ケイ素含有反応剤は、2つ以上の窒素原子を有することができ、前駆体は、N-N結合を含む。一例では、前駆体は、(R’ 3Si)2N-N(SiR’ 3)2の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0183】
リンカーは、窒素原子の間に存在することができる。一例では、前駆体は、(R’ 3Si)(R’’)N-L-N(R’’)(SiR’ 3)または(R’ 3Si)2N-L-N(SiR’ 3)2の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。いくつかの実施形態では、Lは、共有結合、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、-O-、-SiR2-、または-Si-である。特定の実施形態では、R’’の少なくとも1つは、Hではない。別の例では、前駆体は、(H3Si)(R’’)N-L-N(R’’)(SiH3)の式を有し、R’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0184】
リンカーは、ケイ素原子を含むことができる。一例では、前駆体は、(R’ 3Si)2N-SiR’ 2-N(SiR’ 3)2の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の例では、前駆体は、(R’ 3Si)(R’’)N-SiR’ 2-N(R’’)(SiR’ 3)または(R’ 3Si)2N-SiR’ 2-N(R’’)2の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0185】
リンカーは、SiH2基を含むことができる。一例では、前駆体は、(R’ 3Si)2N-SiH2-N(SiR’ 3)2の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の例では、前駆体は、(R’ 3Si)HN-SiH2-NH(SiR’ 3)または(R’ 3Si)2N-SiH2-N(R’’)2の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0186】
複数の窒素含有部分およびケイ素含有部分が、前駆体内に存在し得る。一実施形態では、前駆体は、(R’ 3Si)(R’’)N-SiR’ 2-N(R’’)-SiR’ 2-N(R’’)(SiR’ 3)の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0187】
非限定的な前駆体には、例えば、1,1,3,3-テトラメチルジシラザン(NH[SiHMe2]2またはTMDS)、1,1,2,3,3-ペンタメチルジシラザン(NMe[SiHMe2]2)、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン(NH[SiMe3]2またはHMDS)、ヘプタメチルジシラザン(NMe[SiMe3]2)、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチル-2-エチルジシラザン(NEt[SiMe3]2)、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチル-2-イソプロピルジシラザン(NiPr[SiMe3]2)、1,1,1,3,3,3-ヘキサエチル-2-イソプロピルジシラザン(NiPr[SiEt3]2)、1,1,3,3-テトラメチル-2-イソプロピルジシラザン(NiPr[SiHMe2]2)、1,1,3,3-テトラエチル-2-イソプロピルジシラザン(NiPr[SiHEt2]2)、1,3-ジエチルテトラメチルジシラザン(NH[SiMe2Et]2)、1,1,3,3-テトラエチルジシラザン(NH[SiHEt2]2)、1,1,3,3-テトラエチル-2-メチルジシラザン(NMe[SiHEt2]2)、1,1,1,3,3,3-ヘキサエチルジシラザン(NH[SiEt3]2)、1,1,1,3,3,3-ヘキサエチル-2-メチルジシラザン(NMe[SiEt3]2)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタエチルジシラザン(NEt[SiEt3]2)、1,2,3-トリメチルトリシラザン(N[SiH2Me]3)、ノナメチルトリシラザン(N[SiMe3]3)、ジ-iso-プロピルシリルアミン(NiPr2[SiH3])、ジエチルシリルアミン(NEt2[SiH3])、ジイソプロピルシリルアミン(NiPr2[SiH3])、ジ-sec-ブチルシリルアミン(NsBu2[SiH3])、ジ-tert-ブチルシリルアミン(NtBu2[SiH3])、ジシリルメチルアミン(NMe[SiH3]2)、ジシリルエチルアミン(NEt[SiH3]2)、ジシリルイソプロピルアミン(NiPr[SiH3]2)、ジシリル-tert-ブチルアミン(NtBu[SiH3]2)、ビス(トリメチルシリル)アミン(NH[SiMe3]2)、ビス(トリエチルシリル)アミン(NH[SiEt3]2)などが挙げられ得る。
【0188】
シラザンおよびその誘導体
ケイ素含有前駆体は、1つまたは複数のアミノ基、シリル基、および/またはイミノ基を含むことができ、それによって1つまたは複数のSi-N、N-Si-N、Si-N-Si、N-Si-Si、またはN-Si-N-Si結合を有するシラザンまたはその誘導体が提供される。一実施形態では、前駆体は、
(R’’)3-yN(SiR’ 2-L-SiR’ 3)y
の式を有し、
yは、1、2、または3であり、
Lは、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリル、ならびにそれらの組み合わせであり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0189】
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0190】
別の実施形態では、ケイ素含有反応剤は、(R’’)3-yN(SiR’ 2-L-SiR’ 2-NR’’2)yの式を有し、yは、1、2、または3であり、L、R’、およびR’’の各々は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0191】
さらに別の実施形態では、ケイ素含有反応剤は、(R’’)3-yN(SiR’ 2-L-NR’’2)yの式を有し、yは、1、2、または3であり、L、R’、およびR’’の各々は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
一実施形態では、ケイ素含有反応剤は、
(R’)4-xSi(NR’’-L-SiR’ 3)x
の式を有し、
xは、1、2、3、または4であり、
Lは、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリル、ならびにそれらの組み合わせであり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0192】
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0193】
別の実施形態では、ケイ素含有反応剤は、(R’’2N)-(SiR’ 2-L)z-SiR’ 3の式を有し、zは、1、2、または3であり、L、R’、およびR’’の各々は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0194】
いくつかの実施形態では、Lは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルケニレン、任意選択で置換されたヘテロアルキニレン、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、オキシ(-O-)、イミノ(例えば、-NR-または-N(SiR3)-)、またはシリル(例えば、-SiR2-)、ならびにそれらの組み合わせ(例えば、-SiR2-NR-、-NR-SiR2-、-SiR2-NR-SiR2-など)を含む。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、および任意選択で置換されたヘテロ芳香族である。
【0195】
いくつかの実施形態では、R’は、H、任意選択で置換されたアミノ(例えば、-NR2)、脂肪族-オキシ(例えば、アルコキシまたは-OR)、脂肪族-カルボニル(例えば、アルカノイルまたは-C(O)R)、脂肪族-カルボニルオキシ(例えば、アルカノイルオキシまたは-OC(O)R)、脂肪族-オキシカルボニル(例えば、アルコキシカルボニルまたは-C(O)OR)、シリル(例えば、-SiR3または-SiR2-L-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリル(例えば、アルコキシシリルまたは-Si(R)a(OR)b)、アミノシリル(例えば、-Si(R)a(NR2)b)、シリルオキシ(例えば、-O-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリルオキシ(例えば、アルコキシシリルオキシまたは-O-Si(R)a(OR)b)、アミノシリルオキシ(例えば、-O-Si(R)a(NR2)b)、芳香族(例えば、アリール)、芳香族-オキシ(例えば、アリールオキシまたは-OR)、ヒドロキシル(-OH)、ホルミル(-C(O)H)などである。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、および任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。いくつかの実施形態では、2つのR基は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。他の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換されたアリールである。Lは、任意の有用なリンカー(例えば、共有結合、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、オキシ、イミノ、シリルなど)とすることができる。
【0196】
他の実施形態では、R’’は、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシである。いくつかの実施形態では、R’’は、任意選択で置換されたアルキル(例えば、Me、Et、nPr、iPr、sBu、またはtBu)である。他の実施形態では、R’’は、-SiR’ 3、-SiR3、-Si(R’)a(OR)b、-Si(R)a(OR)b、-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、-Si(R)a(OR)b(NR2)c、-O-SiR’ 3、-O-SiR3、-O-Si(R’)a(OR)b、-O-Si(R)a(OR)b、-O-Si(R’)a(NR2)b、-O-Si(R’a(NR2)b)、-O-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、または-O-Si(R)a(OR)b(NR2)cであり、各R’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a、b、およびcの各々は、≧0であり、a+b+c=3またはa+b=3(cが存在しない場合)である。特定の実施形態では、Rは、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルである。
【0197】
ケイ素含有反応剤は、1つまたは複数のジシラニル基およびアミノ基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-SiR’ 3の式を有し、L、R’、およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。他の実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiH2-SiH3の式を有し、R’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN-(SiR’ 2-SiR’ 3)yの式を有し、y、R’、およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。さらに別の実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN-(SiH2-SiH3)yの式を有し、yおよびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0198】
ケイ素含有反応剤は、二価ジシラニル基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-SiR’ 2-L-NR’’2の式を有し、L、R’、およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-SiR’ 2-NR’’2の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0199】
リンカーLは、2つのシリル基の間に存在することができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-L-SiR’ 3またはR’’N-(SiR’ 2-L-SiR’ 3)2の式を有し、L、R’、およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-L-SiR’ 2-NR’’2の式を有し、L、R’、およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。さらに別の実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN-(SiR’ 2-L-SiH3)yの式を有し、y、L、R’、およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0200】
ケイ素含有反応剤は、シリル基として-SiH3を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiH2-SiH3の式を有し、R’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、(R’’)N-(SiH2-L-SiH3)2または(R’’)2N-(SiH2-L-SiH3)の式を有し、LおよびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0201】
ケイ素含有反応剤は、例えば、-NR’’-SiR’ 3などのシリル置換アミノ基を含むことができ、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。一実施形態では、前駆体は、
(R’)4-xSi(NR’’-SiR’ 3)xまたは(R’)4-xSi(NH-SiR’ 3)xの式を有し、xは、1、2、3、または4であり、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0202】
別の実施形態では、前駆体は、H2Si(NR’’-SiR’ 3)3の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0203】
ケイ素含有反応剤は、例えば、-N(SiR’ 3)2などのビス-トリシリルアミノ基を含むことができ、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-N(SiR’ 3)2の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiH2-N(SiH3)2の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。さらに別の実施形態では、前駆体は、(R’ 3Si)2N-[SiR’ 2-N(SiR’ 3)]z(SiR’ 3)の式を有し、zは、0、1、2、または3であり、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0204】
ケイ素含有反応剤は、ケイ素原子と窒素原子との間に配置されたリンカーLを含むことができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-L-NR’’2の式を有し、L、R’、およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0205】
ケイ素含有反応剤は、2つの窒素原子の間に配置されたリンカーLを含むことができる。一実施形態では、前駆体は、R’ 3Si-SiR’ 2-NR’’-L-NR’’-SiR’ 2-SiR’ 3の式を有し、L、R’、およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0206】
リンカーは、例えば、-N(SiR’ 3)-などのシリルイミノ基を含むことができ、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-[SiR’ 2-N(SiR’ 3)]z-SiR’ 3またはR’’2N-[N(SiR’ 3)]z-SiR’ 3の式を有し、zは、1、2、3、またはそれ以上であり、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0207】
リンカーは、シリル基とイミノ基の両方を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-[SiR’ 2-NR’’]z-SiR’ 3の式を有し、zは、1、2、3、またはそれ以上であり、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0208】
非限定的なケイ素含有反応剤には、例えば、ジ-iso-プロピルアミノジシラン([iPr2N]-SiH2-SiH3)、ジ-sec-ブチルアミノジシラン([sBu2N]-SiH2-SiH3)、メチルシクロヘキシルアミノジシラン([MeCyN]-SiH2-SiH3)、メチルフェニルアミノジシラン([MePhN]-SiH2-SiH3)、ピペリジノジシラン、3,5-ジメチルピペリジノジシラン、ジ-iso-プロピルアミノトリシリルアミン([iPr2N]-SiH2-N[SiH3]2)、ジエチルアミノトリシリルアミン([Et2N]-SiH2-N[SiH3]2)、iso-プロピルアミノトリシリルアミン([iPrHN]-SiH2-N[SiH3]2)などが挙げられる。
【0209】
ケイ素および酸素を含む混合アミン
ケイ素含有前駆体は、シリル基で置換された1つまたは複数のアミノ基を含むことができ、それによって非限定的な混合アミンが提供される。一実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN[Si(OR’’’)xR’3-x]yの式を有し、
xおよびyの各々は、独立して、1、2、または3であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0210】
各R’’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0211】
R’、R’’、およびR’’’の非限定的な例は、例えば、アミノシラン、シロキサン、シリルアミン、またはそれらの誘導体などについて本明細書に記載されている。
【0212】
ケイ素含有反応剤は、R’’基とケイ素含有基の任意の組み合わせを含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN[Si(ORAk)xRAk
3-x]yまたは(RAk)3-yN[Si(ORAk)xRAk
3-x]yの式を有し、R’’、x、およびyは、本明細書に記載のいずれかとすることができ、RAkは、H、任意選択で置換された脂肪族、または任意選択で置換されたヘテロ脂肪族である。特定の実施形態では、RAkは、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルキレン、または任意選択で置換されたアルキニルである。他の実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN[Si(ORAk)xH3-x]yまたは(R’’)3-yN[Si(ORAk)H(RAk)]yの式を有し、R’’、RAk、x、およびyは、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0213】
ケイ素含有反応剤は、2つのケイ素含有基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(R’’)N[Si(ORAk)xRAk
3-x]2または(RAk)N[Si(ORAk)xRAk
3-x]2の式を有し、R’’、RAk、x、およびyは、本明細書に記載のいずれかである。特定の実施形態では、xは、1または2である。
【0214】
ケイ素含有反応剤は、窒素原子に結合した水素原子を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(H)3-yN[Si(ORAk)xRAk
3-x]yまたは(H)3-yN[Si(ORAk)xH3-x]yまたは(H)3-yN[Si(ORAk)H(RAk)]yの式を有し、RAk、x、およびyは、本明細書に記載のいずれかである。特定の実施形態では、xは、1または2である。
【0215】
非限定的なケイ素含有反応剤には、例えば、ビス(ジメトキシシリル)アミン(NH[Si(OMe)2H]2)、ビス(ジエトキシシリル)アミン(NH[Si(OEt)2H]2)、N-iso-プロピルビス(ジエトキシシリル)アミン(NiPr[Si(OEt)2H]2)、ビス(メトキシメチルシリル)アミン(NH[Si(OMe)MeH]2)、トリス(ジメトキシシリル)アミン(N[Si(OMe)2H]3)、トリス(メトキシメチルシリル)アミン(N[Si(OMe)MeH]3)、トリス(ジエトキシシリル)アミン(N[Si(OEt)2H]3)、トリス(トリメトキシシリル)アミン(N[Si(OMe)3]3)などが挙げられる。
【0216】
環状シラザン
ケイ素含有前駆体は、1つまたは複数の窒素原子を有する環状基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、[NR’’-(SiR’ 2)n]zの式を有し、
zは、1、2、3、4、5、またはそれ以上であり、
nは、1、2、または3であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
一実施形態では、ケイ素含有反応剤は、[NR’’-(SiR’ 2)n-L-(SiR’ 2)n]zの式を有し、
zは、1、2、3、4、5、またはそれ以上であり、
各nは、独立して、1、2、または3であり、
各Lは、独立して、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリル、ならびにそれらの組み合わせであり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0217】
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0218】
別の実施形態では、ケイ素含有反応剤は、[NR’’-L-NR’’-(SiR’ 2)n]zの式を有し、zは、1、2、3、4、5、またはそれ以上であり、各nは、独立して、1、2、または3であり、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
さらに別の実施形態では、前駆体は、[L-(SiR’ 2)n]zの式を有する。
【0219】
zは、1、2、3、4、5、またはそれ以上であり、各nは、独立して、1、2、または3であり、Lは、イミノ(例えば、-NR-)、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、またはそれらの組み合わせであり、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。特定の実施形態では、Lがヘテロ原子を含まない場合、R’は、1つまたは複数のヘテロ原子(例えば、窒素原子)を含む。
【0220】
一実施形態では、ケイ素含有反応剤は、
【化8】
の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。
【0221】
別の実施形態では、ケイ素含有反応剤は、
【化9】
の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。
【0222】
さらに別の実施形態では、ケイ素含有反応剤は、
【化10】
の式を有し、R’’およびR’’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。特定の実施形態では、各R’’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0223】
一実施形態では、ケイ素含有反応剤は、
【化11】
の式を有し、R’は、ヘテロ原子(例えば、任意選択で置換されたアミノ、アジド、イソシアナト、または任意選択で置換されたヒドラジノ中などの窒素原子)を含むことができ、nは、1、2、3、または4である。
【0224】
いくつかの実施形態では、Lは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルケニレン、任意選択で置換されたヘテロアルキニレン、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、オキシ(-O-)、イミノ(例えば、-NR-または-N(SiR3)-)、またはシリル(例えば、-SiR2-)、ならびにそれらの組み合わせ(例えば、-SiR2-NR-、-NR-SiR2-、-SiR2-NR-SiR2-など)を含む。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、および任意選択で置換されたヘテロ芳香族である。
【0225】
他の実施形態では、Lは、任意選択で置換されたアルキレンであり、少なくとも1つのR’は、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換された脂肪族-オキシ、または任意選択で置換されたアルコキシを含む。
【0226】
いくつかの実施形態では、各R’は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたアリールである。他の実施形態では、各R’は、独立して、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアミノ、または任意選択で置換されたアルコキシである。
【0227】
他の実施形態では、各R’’は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたシリル、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、または任意選択で置換されたヘテロアリールである。
【0228】
非限定的なケイ素含有反応剤には、1,3,3-トリメチルシクロジシラザン([NH-SiMe2][NH-SiMeH])、ヘキサメチルシクロトリシラザン([NH-SiMe2]3)、オクタメチルシクロテトラシラザン([NH-SiMe2]4)などが挙げられる。
【0229】
アミノシロキサンおよびその誘導体
ケイ素含有前駆体は、1つまたは複数のアミノ置換基を有するシロキサンまたはその誘導体を含むことができ、それによって1つまたは複数のSi-O、O-Si-O、またはSi-O-Si結合を有し、かつ1つまたは複数の-NR2置換基を有するシロキサンまたはその誘導体が提供される。一実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN[SiR’ 2-(OSiR’ 2)z-R’]yの式を有し、
yは、1、2、または3であり、
zは、1、2、3、またはそれ以上であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0230】
別の実施形態では、ケイ素含有反応剤は、(R’’)3-yN[(SiR’ 2-O)z-SiR’ 3]yの式を有し、R’、R’’、y、およびzは、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0231】
ケイ素含有反応剤は、任意選択で置換されたシリル基を有する任意選択で置換されたアミノ基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-(OSiR’ 2)z-R’またはR’’2N-SiR’ 2-O-SiR’ 3の式を有し、R’、R’’、およびzは、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、R’’2N(SiR’ 2-O)z-SiR’ 3の式を有し、R’、R’’、およびzは、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0232】
ケイ素含有反応剤は、2つの任意選択で置換されたアミノ基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-(OSiR’ 2)z-NR’’2の式を有し、R’、R’’、およびzは、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0233】
いくつかの実施形態では、R’は、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルである。他の実施形態では、R’’は、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルである。特定の実施形態では、zは、1、2、または3である。
非限定的なケイ素含有反応剤には、例えば、1-ジメチルアミノ-ペンタメチルジシロキサン(Me2N-SiMe2-OSiMe3)、1-ジエチルアミノ-ペンタメチルジシロキサン(Et2N-SiMe2-OSiMe3)、1-エチルメチルアミノ-ペンタメチルジシロキサン(EtMeN-SiMe2-OSiMe3)、1,3-ビス(ジメチルアミノ)テトラメチルジシロキサン(Me2N-SiMe2-OSiMe2-NMe2)、1-ジメチルアミノ-ヘプタメチルトリシロキサン(Me2N-SiMe2-[OSiMe2]2-Me)、1,5-ビス(ジメチルアミノ)ヘキサメチルトリシロキサン(Me2N-SiMe2-[OSiMe2]2-NMe2)などが挙げられ得る。
【0234】
装置
本明細書に記載の堆積方法は、様々な装置で実行することができる。適切な装置は、プロセスチャンバと、処理中に所定の位置に基板を保持するように構成されたプロセスチャンバ内の基板ホルダと、1つまたは複数の反応剤を導入するためのプロセスチャンバへの入口と、プロセスガス中にプラズマを(基板に近接して直接、または遠隔で)生成するように構成されたプラズマ生成機構とを含む。
【0235】
適切な装置の例には、容量結合プラズマ(CCP)リアクタおよび誘導結合プラズマ(ICP)リアクタが挙げられる。適切な装置の一例は、カリフォルニア州フリーモントのLam Research社によって製造されたStriker(登録商標)リアクタである。
【0236】
図4は、低圧環境を維持するためのプロセスチャンバ本体402を有するプラズマ強化原子層堆積(PEALD)プロセスステーション400の一実施形態の概略図を図示する。複数のPEALDプロセスステーション400が、共通の低圧プロセスツール環境に含まれてもよい。例えば、
図5は、マルチステーション処理ツール500の一実施形態を図示する。いくつかの実施形態では、PEALDプロセスステーション400の1つまたは複数のハードウェアパラメータ(上で詳細に説明したものを含む)は、1つまたは複数のコンピュータコントローラ450によってプログラム的に調整することができる。
【0237】
PEALDプロセスステーション400は、プロセスガスを分配シャワーヘッド406に送給するための反応剤送給システム401aと流体連通する。反応剤送給システム401aは、シャワーヘッド406に送給するケイ素含有前駆体またはキャリアガス(例えば、アルゴンまたは窒素)などのプロセスガスをブレンドおよび/または調整するための混合容器404を含む。1つまたは複数の混合容器入口弁420は、混合容器404へのプロセスガスの導入を制御することができる。窒素プラズマはまた、シャワーヘッド406に送給されてもよいし、またはPEALDプロセスステーション400内で生成されてもよい。
【0238】
一例として、
図4の実施形態は、混合容器404に供給される液体反応剤を気化させるための気化ポイント403を含む。いくつかの実施形態では、気化ポイント403は、加熱された気化器であり得る。このような気化器から発生された飽和反応剤蒸気は、下流の送給配管で凝縮する可能性がある。凝縮した反応剤に不適合なガスを曝露すると、小さな粒子が生成される場合がある。これらの小さな粒子は、配管を詰まらせたり、弁の動作を妨げたり、基板を汚染したりする可能性がある。これらの問題に対処するいくつかのアプローチは、送給配管をパージおよび/または排気し、残留反応剤を除去することを伴う。しかし、送給配管をパージすると、プロセスステーションのサイクル時間が増加し、プロセスステーションのスループットが低下する可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、気化ポイント403の下流の送給配管は、ヒートトレースされ得る。いくつかの例では、混合容器404もまた、ヒートトレースされ得る。1つの非限定的な例では、気化ポイント403の下流の配管は、混合容器404において約100℃~約150℃に及ぶ上昇温度プロファイルを有する。
【0239】
いくつかの実施形態では、液体前駆体または液体反応剤は、液体注入器で気化され得る。例えば、液体注入器は、液体反応剤のパルスを混合容器の上流のキャリアガス流に注入することができる。一実施形態では、液体注入器は、液体を高圧から低圧にフラッシュすることによって反応剤を気化させることができる。別の例では、液体注入器は、液体を分散微小液滴に霧化し、続いて加熱された送給パイプ内で気化することができる。小さな液滴は大きな液滴よりも速く気化することができ、液体注入と完全気化との間の遅延を減少させる。気化が速いほど、気化ポイント403から下流の配管の長さを短くすることができる。1つのシナリオでは、液体注入器は、混合容器404に直接取り付けられてもよい。別のシナリオでは、液体注入器は、シャワーヘッド406に直接取り付けられてもよい。
【0240】
いくつかの実施形態では、気化されてプロセスステーション400に送給される液体の質量流量を制御するために、液体流コントローラ(LFC)を気化ポイント403の上流に設けることができる。例えば、LFCは、LFCの下流に位置する熱質量流量計(MFM)を含み得る。次に、LFCのプランジャ弁は、MFMと電気的に通信する比例積分微分(PID)コントローラによって提供されるフィードバック制御信号に応答して調整され得る。しかし、フィードバック制御を使用して液体の流れを安定化するには1秒以上かかる場合がある。これは、液体反応剤の投与時間を延長する可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、LFCは、フィードバック制御モードと直接制御モードとの間で動的に切り替えられてもよい。いくつかの実施形態では、これは、LFCの感知管およびPIDコントローラを無効にすることによって実施することができる。
【0241】
シャワーヘッド406は、プロセスガスを基板412に向かって分配する。
図4に示す実施形態では、基板412は、シャワーヘッド406の下に位置し、台座408上に静止した状態で示されている。シャワーヘッド406は、任意の適切な形状を有してもよく、プロセスガスを基板412に分配するための任意の適切な数および配置のポートを有してもよい。
【0242】
いくつかの実施形態では、台座408を上昇または下降させ、基板412を基板412とシャワーヘッド406との間の体積に露出させることができる。いくつかの実施形態では、台座の高さは、適切なコンピュータコントローラ450によってプログラム的に調整することができることが理解されよう。
【0243】
別のシナリオでは、台座408の高さを調整することにより、プラズマが点火される実施形態におけるプロセスのプラズマ活性化サイクル中にプラズマ密度を変化させることが可能になり得る。プロセス段階の終わりに、別の基板の移送段階中に台座408を下降させ、台座408から基板412を取り出し可能にすることができる。
【0244】
いくつかの実施形態では、台座408は、ヒータ410を介して温度制御され得る。いくつかの実施形態では、台座408は、開示された実施形態で説明されるような窒化ケイ素膜の堆積中、約300~750℃の温度、またはいくつかの実施形態では、約400~750℃の温度を維持するように加熱され得る。いくつかの実施形態では、台座は、窒化ケイ素の堆積中に約600℃~約700℃の温度を維持するように設定される。
【0245】
さらに、いくつかの実施形態では、プロセスステーション400についての圧力制御は、バタフライ弁418によって提供され得る。
図4の実施形態に示すように、バタフライ弁418は、下流の真空ポンプ(図示せず)によって提供される真空を絞る。しかし、いくつかの実施形態では、プロセスステーション400の圧力制御はまた、プロセスステーション400に導入される1つまたは複数のガスの流量を変化させることによって調整することができる。いくつかの実施形態では、装置は、吸着されたケイ素含有前駆体のプラズマ処理中に少なくとも約15Torr、例えば約15~30Torrの圧力を維持するように構成される。
【0246】
いくつかの実施形態では、シャワーヘッド406の位置を台座408に対して調整し、基板412とシャワーヘッド406との間の体積を変化させることができる。さらに、台座408および/またはシャワーヘッド406の垂直位置は、本開示の範囲内の任意の適切な機構によって変化させてもよいことが理解されよう。いくつかの実施形態では、台座408は、基板412の配向を回転させるための回転軸を含んでもよい。いくつかの実施形態では、これらの例示的な調整の1つまたは複数は、1つまたは複数の適切なコンピュータコントローラ450によってプログラム的に実施することができることが理解されよう。
【0247】
いくつかの実施形態では、シャワーヘッド406および台座408は、プラズマに電力を供給するために、高周波(RF)電源414および整合ネットワーク416と電気的に通信する。いくつかの実施形態では、プラズマエネルギーは、プロセスステーション圧力、ガス濃度、RF源電力、RF源周波数、およびプラズマ電力パルスタイミングの1つまたは複数を制御することによって制御することができる。例えば、RF電源414および整合ネットワーク416は、任意の適切な電力で動作してラジカル種の所望の組成を有するプラズマを形成することができる。適切な電力の例は、上記に含まれている。同様に、RF電源414は、任意の適切な周波数のRF電力を提供することができる。いくつかの実施形態では、RF電源414は、互いに独立して高周波および低周波のRF電源を制御するように構成され得る。例示的な低周波RF周波数には、限定はしないが、0kHz~500kHzの周波数が挙げられ得る。例示的な高周波RF周波数には、限定はしないが、1.8MHz~2.45GHzの周波数、または約13.56MHzを超える周波数、または27MHzを超える周波数、または40MHzを超える周波数、または60MHzを超える周波数が挙げられ得る。表面反応のためのプラズマエネルギーを提供するために、任意の適切なパラメータを離散的または連続的に調節することができることが理解されよう。
【0248】
いくつかの実施形態では、プラズマは、1つまたは複数のプラズマモニタによってin-situで監視することができる。1つのシナリオでは、プラズマ電力は、1つまたは複数の電圧、電流センサ(例えば、VIプローブ)によって監視され得る。別のシナリオでは、プラズマ密度および/またはプロセスガス濃度は、1つまたは複数の発光分光センサ(OES)によって測定されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプラズマパラメータは、そのようなin-situプラズマモニタからの測定値に基づいてプログラム的に調整することができる。例えば、OESセンサは、プラズマ電力のプログラム制御を提供するためのフィードバックループで使用され得る。いくつかの実施形態では、他のモニタを使用して、プラズマおよび他のプロセス特性を監視することができることが理解されよう。そのようなモニタには、限定はしないが、赤外線(IR)モニタ、音響モニタ、および圧力変換器が挙げられ得る。
【0249】
いくつかの実施形態では、コントローラ450に対する命令は、入出力制御(IOC)シーケンス命令を介して提供され得る。一例では、プロセス段階に対する条件を設定するための命令は、プロセスレシピの対応するレシピ段階に含まれてもよい。場合によっては、プロセスレシピ段階は、プロセス段階に対するすべての命令がそのプロセス段階と同時に実行されるように、順に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のリアクタパラメータを設定するための命令が、レシピ段階に含まれ得る。例えば、コントローラは、本明細書で提供される方法のステップのすべてを引き起こすためのプログラム命令を含むことができる。例えば、コントローラは、第1のレシピ段階においてケイ素含有反応剤をプロセスチャンバに送給させるためのプログラム命令と、第2のレシピ段階においてプロセスチャンバをパージさせるためのプログラム命令と、第3のレシピにおいて約15torr~約30torrの圧力で、N2を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで基板を処理させるためのプログラム命令と、第4のレシピにおいてプロセスチャンバをパージさせるためのプログラム命令とを含んでもよい。
【0250】
上述したように、1つまたは複数のプロセスステーションがマルチステーション処理ツールに含まれてもよい。
図5は、インバウンドロードロック502およびアウトバウンドロードロック504を備え、これらのいずれかまたは両方がリモートプラズマ源を含み得るマルチステーション処理ツール500の一実施形態の概略図を示す。ロボット506は、大気圧において、ポッド508を介してロードされたカセットから、大気圧ポート510を介してインバウンドロードロック502にウエハを移動させるように構成される。ウエハは、ロボット506によって、インバウンドロードロック502の台座512上に載置され、大気圧ポート510が閉じられ、ロードロックがポンプダウンされる。インバウンドロードロック502がリモートプラズマ源を含む場合、ウエハは、処理チャンバ514に導入される前にロードロック内でリモートプラズマ処理を受けてもよい。さらに、ウエハはまた、例えば、水分および吸収したガスを除去するためにインバウンドロードロック502においても加熱されてもよい。次に、処理チャンバ514へのチャンバ搬送ポート516が開かれ、別のロボット(図示せず)が、ウエハをリアクタ内に移動させ、リアクタ内に示す第1のステーションの台座上に処理のために載置する。
図5に図示される実施形態はロードロックを含んでいるが、いくつかの実施形態では、プロセスステーションにウエハを直接進入させてもよいことが理解されよう。
【0251】
図示の処理チャンバ514は、
図5に示す実施形態において1から4まで番号が付けられた4つのプロセスステーションを含む。各ステーションは、加熱台座(ステーション1に対して518で示す)と、ガスライン入口とを有する。いくつかの実施形態では、各プロセスステーションは、異なる目的または複数の目的を有し得ることが理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、プロセスステーションは、ALDプロセスモードとプラズマ強化ALDプロセスモードとの間で切り替え可能であり得る。追加的または代替的に、いくつかの実施形態では、処理チャンバ514は、ALDプロセスステーションとプラズマ強化ALDプロセスステーションの1つまたは複数の適合するペアを含んでもよい。図示の処理チャンバ514は4つのステーションを含むが、本開示による処理チャンバは、任意の適切な数のステーションを有してもよいことが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、処理チャンバは5つ以上のステーションを有してもよく、他の実施形態では、処理チャンバは3つ以下のステーションを有してもよい。
【0252】
図5は、処理チャンバ514内でウエハを移送するためのウエハハンドリングシステム590の一実施形態を図示する。いくつかの実施形態では、ウエハハンドリングシステム590は、様々なプロセスステーション間および/またはプロセスステーションとロードロックとの間でウエハを移送することができる。任意の適切なウエハハンドリングシステムが用いられてもよいことが理解されよう。非限定的な例には、ウエハカルーセルおよびウエハハンドリングロボットが挙げられる。
図5はまた、プロセスツール500のプロセス条件およびハードウェア状態を制御するために用いられるシステムコントローラ550の一実施形態を図示する。システムコントローラ550は、1つまたは複数のメモリデバイス556と、1つまたは複数の大容量記憶デバイス554と、1つまたは複数のプロセッサ552とを含むことができる。プロセッサ552は、CPUまたはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入出力接続、ステッピングモータコントローラボードなどを含み得る。
【0253】
いくつかの実施形態では、システムコントローラ550は、プロセスツール500の活動のすべてを制御する。システムコントローラ550は、大容量記憶デバイス554に記憶され、メモリデバイス556にロードされ、プロセッサ552で実行されるシステム制御ソフトウェア558を実行する。あるいは、制御論理は、コントローラ550にハードコード化されてもよい。特定用途向け集積回路、プログラマブル論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはFPGA)などをこれらの目的のために使用することができる。以下の説明では、「ソフトウェア」または「コード」が使用される場合は常に、機能的に同等のハードコード化された論理をその代わりに使用することができる。システム制御ソフトウェア558は、タイミング、ガスの混合、ガス流量、チャンバ圧力および/またはステーション圧力、チャンバ温度および/またはステーション温度、ウエハ温度、目標電力レベル、RF電力レベル、基板台座、チャック位置および/またはサセプタ位置、ならびにプロセスツール500によって実施される特定のプロセスの他のパラメータを制御するための命令を含み得る。システム制御ソフトウェア558は、任意の適切な方法で構成され得る。例えば、様々なプロセスツール構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトは、様々なプロセスツールプロセスを実行するために使用されるプロセスツール構成要素の動作を制御するために書かれてもよい。システム制御ソフトウェア558は、任意の適切なコンピュータ可読プログラミング言語でコード化され得る。
【0254】
いくつかの実施形態では、システム制御ソフトウェア558は、上述の様々なパラメータを制御するための入出力制御(IOC)シーケンス命令を含み得る。いくつかの実施形態では、システムコントローラ550に関連する大容量記憶デバイス554および/またはメモリデバイス556に記憶された他のコンピュータソフトウェアおよび/またはプログラムが用いられてもよい。この目的のためのプログラムまたはプログラムのセクションの例には、基板位置決めプログラム、プロセスガス制御プログラム、圧力制御プログラム、ヒータ制御プログラム、およびプラズマ制御プログラムが挙げられる。
【0255】
基板位置決めプログラムは、基板を台座518上にロードし、基板とプロセスツール500の他の部分との間隔を制御するために使用されるプロセスツール構成要素のプログラムコードを含むことができる。
【0256】
プロセスガス制御プログラムは、プロセスステーションの圧力を安定化するために、ガス組成(例えば、本明細書に記載のケイ素前駆体ガス、ならびに窒素含有ガス、キャリアガス、およびパージガス)および流量を制御するためのコード、ならびに任意選択で、堆積前にガスを1つまたは複数のプロセスステーションに流すためのコードを含むことができる。圧力制御プログラムは、例えば、プロセスステーションの排気システムのスロットル弁、プロセスステーションへのガス流などを調節することによってプロセスステーションの圧力を制御するためのコードを含み得る。
【0257】
ヒータ制御プログラムは、基板を加熱するために使用される加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを含むことができる。あるいは、ヒータ制御プログラムは、基板への熱伝達ガス(ヘリウムなど)の送給を制御することができる。
【0258】
プラズマ制御プログラムは、本明細書の実施形態に従って1つまたは複数のプロセスステーション内のプロセス電極に適用されるRF電力レベルを設定するためのコードを含むことができる。
【0259】
圧力制御プログラムは、本明細書の実施形態に従って反応チャンバ内の圧力を維持するためのコードを含むことができる。
【0260】
いくつかの実施形態では、システムコントローラ550に関連するユーザインターフェースが存在してもよい。ユーザインターフェースは、ディスプレイ画面、装置および/またはプロセス条件のグラフィカルソフトウェアディスプレイ、ならびにポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのユーザ入力デバイスを含むことができる。
【0261】
いくつかの実施形態では、システムコントローラ550によって調整されたパラメータは、プロセス条件に関係するものであってもよい。非限定的な例として、プロセスガス組成および流量、温度、圧力、プラズマ条件(RFバイアス電力レベルなど)などが挙げられる。これらのパラメータは、レシピの形態でユーザに提供されてもよく、ユーザインターフェースを利用して入力することができる。
【0262】
プロセスを監視するための信号は、様々なプロセスツールセンサからシステムコントローラ550のアナログおよび/またはデジタル入力接続によって提供されてもよい。プロセスを制御するための信号は、プロセスツール500のアナログおよびデジタル出力接続で出力することができる。監視することができるプロセスツールセンサの非限定的な例は、マスフローコントローラ、圧力センサ(圧力計など)、熱電対などを含む。適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムをこれらのセンサからのデータと共に使用して、プロセス条件を維持することができる。
【0263】
システムコントローラ550は、上述の堆積プロセスを実施するためのプログラム命令を提供することができる。プログラム命令は、DC電力レベル、RFバイアス電力レベル、圧力、温度などの様々なプロセスパラメータを制御することが可能である。命令は、本明細書に記載の様々な実施形態に従って膜スタックのin-situ堆積を動作させるパラメータを制御することができる。
【0264】
システムコントローラ550は、典型的には、装置が開示された実施形態に従って方法を実施するように命令を実行するように構成された1つまたは複数のメモリデバイスおよび1つまたは複数のプロセッサを含む。開示された実施形態に従ってプロセス動作を制御するための命令を含む機械可読媒体は、システムコントローラ550に結合され得る。
【0265】
いくつかの実施態様では、システムコントローラ550はシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理機器を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。システムコントローラ550は、処理条件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、特定のシステムに接続または連動するツールおよび他の移送ツールに対するウエハの搬入と搬出、および/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0266】
広義には、システムコントローラ550は、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でシステムコントローラ550に通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0267】
システムコントローラ550は、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、システムコントローラ550は、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、システムコントローラ550は命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびシステムコントローラ550が連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、システムコントローラ550は、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを含むことによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0268】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、ALDチャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0269】
上記のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、システムコントローラ550は、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【0270】
本明細書に記載の装置/プロセスは、例えば、半導体デバイス、ディスプレイ、LED、太陽光パネルなどの製作または製造のために、リソグラフィパターニングツールまたはプロセスと併せて使用されてもよい。典型的には、必須ではないが、そのようなツール/プロセスは、共通の製作施設で共に使用または実施される。膜のリソグラフィパターニングは、典型的には、以下の動作のいくつかまたはすべてを含み、各動作が使用可能な多くのツールを用いて可能にされる:(1)スピンオンツールまたはスプレーオンツールを使用して、ワークピース(すなわち、基板)にフォトレジストを塗布する動作、(2)ホットプレートまたは炉またはUV硬化ツールを使用してフォトレジストを硬化する動作、(3)ウエハステッパなどのツールを用いて可視光またはUV光またはX線光でフォトレジストを露光する動作、(4)ウェットベンチなどのツールを使用して、レジストを現像してレジストを選択的に除去し、それによってレジストをパターニングする動作、(5)ドライエッチングツールまたはプラズマ支援エッチングツールを使用することによって、下層の膜またはワークピースにレジストパターンを転写する動作、および(6)RFまたはマイクロ波プラズマレジストストリッパなどのツールを使用してレジストを除去する動作。
【0271】
実験結果
例1.
窒化ケイ素は、1つのプロセスチャンバ内で複数の堆積サイクルを行うことによって、6:1のアスペクト比を有する複数の凹状フィーチャを伴う露出ケイ素層(ケイ素フィン)を有する基板上に堆積された。堆積は、堆積プロセス全体を通じて650℃および18Torrの圧力で実施された。DIPASが、ケイ素含有前駆体として使用された。各堆積サイクルは、以下のステップを含んでいた:
(1)プラズマの非存在下でのDIPAS(総流量1,500sccmにおけるアルゴンとの混合物中で提供)への基板の曝露、
(2)窒素とアルゴン(各々20slmの流量で提供)の混合物でのプロセスチャンバのパージ、
(3)プロセスガス中で形成されたプラズマ(13.56MHzのRF周波数および1.77W/cm2の電力密度を使用)による基板の処理、プロセスガスは、窒素(2,000sccmの流量で提供)とアルゴン(18slmの流量で提供)の混合物である、
(4)窒素とアルゴン(各々20slmの流量で提供)の混合物でのプロセスチャンバのパージ。
【0272】
堆積された窒化ケイ素の厚さは、異なるフィーチャ深さにおいて凹状フィーチャ側壁上で測定された。
図6は、フィーチャ内の異なる深さで測定された厚さ(Å)を示している。側壁の厚さは、15nmの深さでの32.2Åから105nmの深さでの29Åの範囲の非常に小さな変動を有することが分かる。この堆積について測定された共形性は約90%であり、これは、変換ステップ中に低下したN
2含有量(総流量の10%)の使用と組み合わせた18Torrの比較的高圧での堆積が優れた共形性を提供することを示している。
【0273】
例2
窒化ケイ素は、例2の堆積と同じプロセス条件下で、アスペクト比が30:1の凹状フィーチャを有する基板上に堆積された。堆積された窒化ケイ素の厚さおよびWERは、側壁上の異なる深さで測定された。結果が
図7に示されており、WERが一貫して3Å/分未満であることを示している。最小の厚さは459Åであり、最大の厚さは472Åであった。この堆積についての共形性は、約100%であったこの例は、提供された方法によって、異なるフィーチャ深さ点における高い共形性と低いWERを同時に達成することができることを示している。
【0274】
例3
窒化ケイ素は、以下の変更を加えた例1に開示された方法を使用して、30:1のアスペクト比を有する凹状フィーチャに堆積された:
曲線(a)(比較):変換ステップは2Torrで行われ、変換ステップにおけるプロセスガス中の窒素含有量は50%であった
曲線(b):変換ステップは18Torrで行われ、変換ステップにおけるプロセスガス中の窒素含有量は50%であった
曲線(c):変換ステップは18Torrで行われ、変換ステップにおけるプロセスガス中の窒素含有量は5%であった
【0275】
図8は、異なるプロセス条件についてのフィーチャ深さの関数としてステップカバレッジを示すプロットである。比較例(曲線(a))では、窒化ケイ素がフィーチャの下側部分の側壁上に堆積していないことが分かる。これは、圧力の劇的な影響を示している。曲線(b)は、2Torrから18Torrへの圧力の増加によるステップカバレッジの大幅な改善を示している。曲線(c)は、窒素含有量を50%から5%に低下させることによるステップカバレッジのさらなる改善を示している。
【0276】
例4.
窒化ケイ素膜を、窒素雰囲気中750℃で30分間アニールした。WERにおける大幅な改善が得られた。例えば、堆積時のWERが5Å/分を超える膜はすべて4Å/分未満のWERを示し、アニール後に1つの膜はWERが5倍を超える減少を示した。加えて、アニールにより、堆積膜の応力値が減少することが判明した。
図9は、アニール前後の異なる堆積された窒化ケイ素膜についての応力値を示す。すべての膜について、応力の絶対値が減少したことに留意されたい。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に窒化ケイ素層を堆積する方法であって、
(a)
プロセスチャンバ内で、前記半導体基板をハロゲンフリーのケイ素含有前駆体に曝露することであって、前記ケイ素含有前駆体は、前記半導体基板上に前記ケイ素含有前駆体の吸着層を形成するために、少なくとも1つの窒素(N)原子をさらに含むことと、
(b)同じプロセスチャンバ内で、窒素(N
2)を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで前記半導体基板を処理し、前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層を窒化ケイ素に変換することであって、窒化ケイ素への前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層の前記変換は、約300℃~約750℃の温度および少なくとも約15Torrの圧力で実施されることと
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記半導体基板は、凹状フィーチャを備え、前記窒化ケイ素層は、少なくとも約80%の共形性で前記凹状フィーチャに堆積される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記半導体基板は、凹状フィーチャを備え、前記窒化ケイ素層は、少なくとも約80%の共形性で前記凹状フィーチャに堆積され、前記堆積された窒化ケイ素は、100:1フッ化水素酸中で約3Å/分未満のウェットエッチング速度(WER)を有する、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記半導体基板は、凹状フィーチャを備え、前記窒化ケイ素層は、少なくとも90%の共形性で前記凹状フィーチャに堆積され、前記堆積された窒化ケイ素は、100:1フッ化水素酸中で約2Å/分未満のウェットエッチング速度(WER)を有する、方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
窒化ケイ素への前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層の前記変換は、約400℃~約750℃の温度および約15Torr~約30Torrの圧力で実施される、方法。
【請求項6】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
前記プロセスガスは、貴ガスをさらに含み、前記プロセスガス中のN
2含有量は、約10体積%未満である、方法。
【請求項7】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
前記プロセスガスは、貴ガスをさらに含み、前記プロセスガス中のN
2含有量は、約5体積%未満である、方法。
【請求項8】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
前記堆積された窒化ケイ素は、赤外線(IR)スペクトル上にSi-HおよびN-Hピークがないことによって証明されるように、実質的に水素フリーである、方法。
【請求項9】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
ステップ(a)~(b)を繰り返して少なくとも100回の堆積サイクルを実施することをさらに含む、方法。
【請求項10】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
(a)と(b)との間で前記プロセスチャンバをパージして未吸着の前記ケイ素含有前駆体を除去することをさらに含む、方法。
【請求項11】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
前記半導体基板は、少なくとも5:1のアスペクト比を有する凹状フィーチャを備え、前記窒化ケイ素は、少なくとも100Åの厚さに共形的に凹状フィーチャに堆積される、方法。
【請求項12】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
ステップ(a)~(b)を繰り返して、完成した窒化ケイ素層を形成することと、少なくとも700℃の温度でプラズマの非存在下において前記半導体基板をN
2に曝露することによって、前記完成した窒化ケイ素層をアニールすることであって、前記アニールすることは、窒化ケイ素の応力の絶対値を減少させることを含む、方法。
【請求項13】
請求項1~4のいずれかに記載の方法であって、
前記ハロゲンフリーのケイ素含有前駆体は、ジ(メチルアミノ)シラン(DMAS)、ジ(エチルアミノ)シラン(DEAS)、ジ(プロピルアミノ)シラン(DPAS)、ジ(イソプロピルアミノ)シラン(DIPAS)、ジ(sec-ブチルアミノ)シラン(DSBAS)、ビス-(t-ブチルアミノ)シラン(BTBAS)、およびトリス(ジメチルアミノ)シラン(TDMAS)からなる群から選択される、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、
フォトレジストを前記半導体基板に塗布するステップと、
前記フォトレジストを光に露光するステップと、
前記フォトレジストをパターニングし、前記パターンを前記半導体基板に転写するステップと、
前記半導体基板から前記フォトレジストを選択的に除去するステップと
をさらに含む、方法。
【請求項15】
半導体基板を処理するための装置であって、
(a)基板を収容するように構成されたプロセスチャンバであって、前記プロセスチャンバは、前記基板を保持するように構成された基板ホルダ、および1つまたは複数の反応剤を前記プロセスチャンバに導入するように構成された入口を含むプロセスチャンバと、
(b)プラズマを生成するための機構と、
(c)コントローラであって、
(i)
前記プロセスチャンバ内で、前記半導体基板をハロゲンフリーのケイ素含有前駆体に曝露することであって、前記ケイ素含有前駆体は、前記半導体基板上に前記ケイ素含有前駆体の吸着層を形成するために、少なくとも1つの窒素(N)原子をさらに含むことと、
(ii)同じプロセスチャンバ内で、窒素(N
2)を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで前記半導体基板を処理し、前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層を窒化ケイ素に変換することであって、窒化ケイ素への前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層の前記変換は、約300℃~約750℃の温度および少なくとも約15Torrの圧力で実施されることと
を引き起こすことによって前記半導体基板上に窒化ケイ素層を堆積させるように構成されたプログラム命令を含むコントローラと
を備える、装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、
前記圧力は、約15Torr~約30Torrである、装置。
【請求項17】
請求項15に記載の装置であって、
前記温度は、約400℃~約750℃である、装置。
【請求項18】
請求項15に記載の装置であって、
前記プログラム命令は、ステップ(i)~(ii)を繰り返して少なくとも100回の堆積サイクルを実施するように構成された命令を含む、装置。
【請求項19】
請求項15に記載の装置であって、
前記ハロゲンフリーのケイ素含有前駆体は、ジ(メチルアミノ)シラン(DMAS)、ジ(エチルアミノ)シラン(DEAS)、ジ(プロピルアミノ)シラン(DPAS)、ジ(イソプロピルアミノ)シラン(DIPAS)、ジ(sec-ブチルアミノ)シラン(DSBAS)、ビス-(t-ブチルアミノ)シラン(BTBAS)、およびトリス(ジメチルアミノ)シラン(TDMAS)からなる群から選択される、装置。
【請求項20】
請求項15に記載の装置であって、
前記プログラム命令は、少なくとも約80%の共形性で凹状フィーチャに前記窒化ケイ素の共形堆積を引き起こすように構成される、装置。
【請求項21】
半導体基板処理用に構成された装置を制御するためのプログラム命令を含む非一時的コンピュータ機械可読媒体であって、前記プログラム命令は、
(i)
プロセスチャンバ内で、前記半導体基板をハロゲンフリーのケイ素含有前駆体に曝露することであって、前記ケイ素含有前駆体は、前記半導体基板上に前記ケイ素含有前駆体の吸着層を形成するために、少なくとも1つの窒素(N)原子をさらに含むことと、
(ii)同じプロセスチャンバ内で、窒素(N
2)を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで前記半導体基板を処理し、前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層を窒化ケイ素に変換することであって、窒化ケイ素への前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層の前記変換は、約300℃~約750℃の温度および少なくとも約15Torrの圧力で実施されることと
を達成するように構成されたコードを含む、非一時的コンピュータ機械可読媒体。
【請求項22】
半導体基板上に窒化ケイ素層を堆積する方法であって、
(a)
プロセスチャンバ内で、前記半導体基板をハロゲンフリーのケイ素含有前駆体に曝露することであって、前記ケイ素含有前駆体は、前記半導体基板上に前記ケイ素含有前駆体の吸着層を形成するために、少なくとも1つの窒素(N)原子をさらに含むことと、
(b)同じプロセスチャンバ内で、窒素(N
2)を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで前記半導体基板を処理し、前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層を窒化ケイ素に変換することであって、窒化ケイ素への前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層の前記変換は、約300℃~約750℃の温度で実施され、前記プロセスガス中のN
2の含有量は、約10%未満であることと
を含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
いくつかの実施形態では、窒化ケイ素の堆積は、少なくとも100回の堆積サイクルを含み、各サイクルは、1つのケイ素含有前駆体曝露ステップ(a)と、1つのプラズマ変換ステップ(b)とを含む。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバは、ケイ素含有曝露前駆体ステップ(a)の後にパージされ、未吸着のケイ素含有前駆体を除去する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
「脂肪族-オキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる脂肪族基を意味し、脂肪族基は、オキシ基(-O-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、脂肪族-オキシ基は、-O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された脂肪族基である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
「カルバモイルオキシ」とは、本明細書で定義される一つのオキシ基を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるカルバモイル基を意味する。いくつかの実施形態では、カルバモイルオキシは、-OC(O)NR1R2基であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
「シクロアルキル」とは、特に明記しない限り、3~8個の炭素の一価の飽和または不飽和非芳香族環状炭化水素基を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルなどによって例示される。シクロアルキル基は、置換または非置換であり得る。例えば、シクロアルキル基は、アルキルについて本明細書で説明されるものを含む1つまたは複数の基で置換することができる。さらに、シクロアルキルは、1つまたは複数の二重結合および/または三重結合を含み得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0103】
「ヘテロ脂肪族-オキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ脂肪族基を意味し、ヘテロ脂肪族基は、オキシ基(-O-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族-オキシ基は、-O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ脂肪族基である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0147
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0147】
プロセスガス中で形成されるプラズマは、半導体基板を収容するプロセスチャンバ内で形成されてもよく(直接プラズマ)、または半導体基板を収容するチャンバから離れて形成され(リモートプラズマ)、その後、基板を収容するプロセスチャンバに送給されてもよい。いくつかの実施形態では、容量結合プラズマが、13.56MHzまたは27MHzのRF周波数を使用して生成される。プラズマ生成に使用される電力は、いくつかの実施形態では、約500W~約10,000Wの範囲であり得、電力密度は0.177W/cm2~3.54kW/cm2の範囲であり、cm2は基板面積を指す。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0150
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0150】
任意選択で、ステップ209における窒化ケイ素膜の堆積後、膜を高温でアニールして窒化ケイ素膜の応力を低減し、かつ/またはWERをさらに低減してもよい。例えば、ステップ203~207は、約600~650℃の温度で実行されてもよく、アニールは、半導体基板をN2に曝露しながらより高い温度(例えば、700~750℃)で行われてもよい。いくつかの実施形態では、アニールは、ステップ201~207が行われる堆積プロセスチャンバとは異なるプロセスチャンバ内でかなり長時間(例えば、10分以上)にわたって実行される。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0151
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0151】
図3は、本明細書で提供される一実施形態による、窒化ケイ素堆積プロセスの2つの堆積サイクルについての例示的なタイミング図を示す。ケイ素前駆体曝露段階301において、半導体基板は、プラズマの非存在下でケイ素含有前駆体に曝露される(アルゴンプッシュガスと予め混合されたプロセスチャンバに送給される)。他の実施形態では、プッシュガスは、N
2、またはアルゴンとN
2の混合物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ケイ素含有前駆体の流量は約100~2,000sccmであり、プッシュガスの流量は約300~1,500sccmである。図示の例では、ケイ素前駆体曝露段階301中、窒素はプロセスチャンバ内に流されない。他の実施形態では、希釈および/または圧力安定性のために、N
2を500~2,000sccmの流量で流してもよい。このステップ中の圧力は、約1~30Torrに維持される。図示の実施形態におけるケイ素前駆体曝露段階301は、約0.1~10秒間続く。次に、パージ段階303において、ケイ素含有前駆体の流れが停止され、アルゴンの流れが開始(または増加)され、窒素の流れも開始(または増加)される。パージ段階303の一実施態様では、アルゴン流量は約20slm、窒素流量は約20slmであり、圧力は約0.5~30Torrの範囲に維持される。0.1~10秒続くパージ段階303の後、変換段階305が開始する。変換段階中、窒素流量は約1,000~5,000sccmに減少し、アルゴン流量は約10~40slmに調整され、プラズマ生成が上述のプラズマ生成条件を使用してオンになる。変換段階中の圧力は、約15~30Torrの範囲に維持される。吸着された前駆体が窒化ケイ素に変換される変換段階305は、いくつかの実施形態では、約0.1~30秒の持続時間にわたって行われる。次に、プロセスがパージ段階307に続くにつれて、プラズマがオフになり、窒素流量が増加する。パージ段階307についてのプロセス条件は、パージ段階303についてのプロセス条件と同じであり得る。次に、ケイ素
前駆体曝露段階301、パージ段階303、変換段階305、およびパージ段階307が繰り返される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0273
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0273】
例2
窒化ケイ素は、
例1の堆積と同じプロセス条件下で、アスペクト比が30:1の凹状フィーチャを有する基板上に堆積された。堆積された窒化ケイ素の厚さおよびWERは、側壁上の異なる深さで測定された。結果が
図7に示されており、WERが一貫して3Å/分未満であることを示している。最小の厚さは459Åであり、最大の厚さは472Åであった。この堆積についての共形性は、約100%であっ
た。この例は、提供された方法によって、異なるフィーチャ深さ点における高い共形性と低いWERを同時に達成することができることを示している。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0274
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0274】
例3
窒化ケイ素は、以下の変更を加えた例1に開示された方法を使用して、30:1のアスペクト比を有する凹状フィーチャに堆積された:
曲線(a)(比較):変換ステップは2Torrで行われ、変換ステップにおけるプロセスガス中の窒素含有量は50%であった。
曲線(b):変換ステップは18Torrで行われ、変換ステップにおけるプロセスガス中の窒素含有量は50%であった。
曲線(c):変換ステップは18Torrで行われ、変換ステップにおけるプロセスガス中の窒素含有量は5%であった。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0276
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0276】
例4.
窒化ケイ素膜を、窒素雰囲気中750℃で30分間アニールした。WERにおける大幅な改善が得られた。例えば、堆積時のWERが5Å/分を超える膜はすべて4Å/分未満のWERを示し、アニール後に1つの膜はWERが5倍を超える減少を示した。加えて、アニールにより、堆積膜の応力値が減少することが判明した。
図9は、アニール前後の異なる堆積された窒化ケイ素膜についての応力値を示す。すべての膜について、応力の絶対値が減少したことに留意されたい。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
半導体基板上に窒化ケイ素層を堆積する方法であって、
(a)堆積プロセスチャンバ内で、前記半導体基板をハロゲンフリーのケイ素含有前駆体に曝露することであって、前記ケイ素含有前駆体は、前記半導体基板上に前記ケイ素含有前駆体の吸着層を形成するために、少なくとも1つの窒素(N)原子をさらに含むことと、
(b)同じプロセスチャンバ内で、窒素(N
2
)を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで前記半導体基板を処理し、前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層を窒化ケイ素に変換することであって、窒化ケイ素への前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層の前記変換は、約300℃~約750℃の温度および少なくとも約15Torrの圧力で実施されることと
を含む、方法。
適用例2:
適用例1の方法であって、
前記半導体基板は、凹状フィーチャを備え、前記窒化ケイ素層は、少なくとも約80%の共形性で前記凹状フィーチャに堆積される、方法。
適用例3:
適用例1の方法であって、
前記半導体基板は、凹状フィーチャを備え、前記窒化ケイ素層は、少なくとも約80%の共形性で前記凹状フィーチャに堆積され、前記堆積された窒化ケイ素は、100:1フッ化水素酸中で約3Å/分未満のウェットエッチング速度(WER)を有する、方法。
適用例4:
適用例1の方法であって、
前記半導体基板は、凹状フィーチャを備え、前記窒化ケイ素層は、少なくとも90%の共形性で前記凹状フィーチャに堆積され、前記堆積された窒化ケイ素は、100:1フッ化水素酸中で約2Å/分未満のウェットエッチング速度(WER)を有する、方法。
適用例5:
適用例1~4のいずれかの方法であって、
窒化ケイ素への前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層の前記変換は、約400℃~約750℃の温度および約15Torr~約30Torrの圧力で実施される、方法。
適用例6:
適用例1~4のいずれかの方法であって、
前記プロセスガスは、貴ガスをさらに含み、前記プロセスガス中のN
2
含有量は、約10体積%未満である、方法。
適用例7:
適用例1~4のいずれかの方法であって、
前記プロセスガスは、貴ガスをさらに含み、前記プロセスガス中のN
2
含有量は、約5体積%未満である、方法。
適用例8:
適用例1~4のいずれかの方法であって、
前記堆積された窒化ケイ素は、赤外線(IR)スペクトル上にSi-HおよびN-Hピークがないことによって証明されるように、実質的に水素フリーである、方法。
適用例9:
適用例1~4のいずれかの方法であって、
ステップ(a)~(b)を繰り返して少なくとも100回の堆積サイクルを実施することをさらに含む、方法。
適用例10:
適用例1~4のいずれかの方法であって、
(a)と(b)との間で前記プロセスチャンバをパージして未吸着の前記ケイ素含有前駆体を除去することをさらに含む、方法。
適用例11:
適用例1~4のいずれかの方法であって、
前記半導体基板は、少なくとも5:1のアスペクト比を有する凹状フィーチャを備え、前記窒化ケイ素は、少なくとも100Åの厚さに共形的に凹状フィーチャに堆積される、方法。
適用例12:
適用例1~4のいずれかの方法であって、
ステップ(a)~(b)を繰り返して、完成した窒化ケイ素層を形成することと、少なくとも700℃の温度でプラズマの非存在下において前記半導体基板をN
2
に曝露することによって、前記完成した窒化ケイ素層をアニールすることであって、前記アニールすることは、窒化ケイ素の応力の絶対値を減少させることを含む、方法。
適用例13:
適用例1~4のいずれかの方法であって、
前記ハロゲンフリーのケイ素含有前駆体は、ジ(メチルアミノ)シラン(DMAS)、ジ(エチルアミノ)シラン(DEAS)、ジ(プロピルアミノ)シラン(DPAS)、ジ(イソプロピルアミノ)シラン(DIPAS)、ジ(sec-ブチルアミノ)シラン(DSBAS)、ビス-(t-ブチルアミノ)シラン(BTBAS)、およびトリス(ジメチルアミノ)シラン(TDMAS)からなる群から選択される、方法。
適用例14:
適用例1の方法であって、
フォトレジストを前記半導体基板に塗布するステップと、
前記フォトレジストを光に露光するステップと、
前記フォトレジストをパターニングし、前記パターンを前記半導体基板に転写するステップと、
前記半導体基板から前記フォトレジストを選択的に除去するステップと
をさらに含む、方法。
適用例15:
半導体基板を処理するための装置であって、
(a)基板を収容するように構成されたプロセスチャンバであって、前記プロセスチャンバは、前記基板を保持するように構成された基板ホルダ、および1つまたは複数の反応剤を前記プロセスチャンバに導入するように構成された入口を含むプロセスチャンバと、
(b)プラズマを生成するための機構と、
(c)コントローラであって、
(i)前記堆積プロセスチャンバ内で、前記半導体基板をハロゲンフリーのケイ素含有前駆体に曝露することであって、前記ケイ素含有前駆体は、前記半導体基板上に前記ケイ素含有前駆体の吸着層を形成するために、少なくとも1つの窒素(N)原子をさらに含むことと、
(ii)同じプロセスチャンバ内で、窒素(N
2
)を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで前記半導体基板を処理し、前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層を窒化ケイ素に変換することであって、窒化ケイ素への前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層の前記変換は、約300℃~約750℃の温度および少なくとも約15Torrの圧力で実施されることと
を引き起こすことによって前記半導体基板上に窒化ケイ素層を堆積させるように構成されたプログラム命令を含むコントローラと
を備える、装置。
適用例16:
適用例15の装置であって、
前記圧力は、約15Torr~約30Torrである、装置。
適用例17:
適用例15の装置であって、
前記温度は、約400℃~約750℃である、装置。
適用例18:
適用例15の装置であって、
前記プログラム命令は、ステップ(i)~(ii)を繰り返して少なくとも100回の堆積サイクルを実施するように構成された命令を含む、装置。
適用例19:
適用例15の装置であって、
前記ハロゲンフリーのケイ素含有前駆体は、ジ(メチルアミノ)シラン(DMAS)、ジ(エチルアミノ)シラン(DEAS)、ジ(プロピルアミノ)シラン(DPAS)、ジ(イソプロピルアミノ)シラン(DIPAS)、ジ(sec-ブチルアミノ)シラン(DSBAS)、ビス-(t-ブチルアミノ)シラン(BTBAS)、およびトリス(ジメチルアミノ)シラン(TDMAS)からなる群から選択される、装置。
適用例20:
適用例15の装置であって、
前記プログラム命令は、少なくとも約80%の共形性で凹状フィーチャに前記窒化ケイ素の共形堆積を引き起こすように構成される、装置。
適用例21:
半導体基板処理用に構成された装置を制御するためのプログラム命令を含む非一時的コンピュータ機械可読媒体であって、前記プログラム命令は、
(i)堆積プロセスチャンバ内で、前記半導体基板をハロゲンフリーのケイ素含有前駆体に曝露することであって、前記ケイ素含有前駆体は、前記半導体基板上に前記ケイ素含有前駆体の吸着層を形成するために、少なくとも1つの窒素(N)原子をさらに含むことと、
(ii)同じプロセスチャンバ内で、窒素(N
2
)を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで前記半導体基板を処理し、前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層を窒化ケイ素に変換することであって、窒化ケイ素への前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層の前記変換は、約300℃~約750℃の温度および少なくとも約15Torrの圧力で実施されることと
を達成するように構成されたコードを含む、非一時的コンピュータ機械可読媒体。
適用例22:
半導体基板上に窒化ケイ素層を堆積する方法であって、
(a)堆積プロセスチャンバ内で、前記半導体基板をハロゲンフリーのケイ素含有前駆体に曝露することであって、前記ケイ素含有前駆体は、前記半導体基板上に前記ケイ素含有前駆体の吸着層を形成するために、少なくとも1つの窒素(N)原子をさらに含むことと、
(b)同じプロセスチャンバ内で、窒素(N
2
)を含むプロセスガス中で形成されたプラズマで前記半導体基板を処理し、前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層を窒化ケイ素に変換することであって、窒化ケイ素への前記ケイ素含有前駆体の前記吸着層の前記変換は、約300℃~約750℃の温度で実施され、前記プロセスガス中のN
2
の含有量は、約10%未満であることと
を含む、方法。
【国際調査報告】