(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ハイブリッド有機スズ酸化物フォトレジストの現像
(51)【国際特許分類】
G03F 7/38 20060101AFI20241219BHJP
G03F 7/004 20060101ALI20241219BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G03F7/38 511
G03F7/004
G03F7/004 531
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535179
(86)(22)【出願日】2022-12-12
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 US2022081376
(87)【国際公開番号】W WO2023114724
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン・エリック・カルヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ウー・チェンガオ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイドマン・ティモシー・ウィリアム
【テーマコード(参考)】
2H196
2H197
2H225
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196BA01
2H196EA07
2H196FA01
2H196GA08
2H196GA10
2H196GA37
2H197CA06
2H197CA08
2H197CA10
2H197CE01
2H197CE10
2H197HA03
2H225AB03
2H225AN80P
(57)【要約】
【解決手段】本開示は、有機金属前駆体および有機共反応物を用いて形成される膜、ならびにそのような膜を形成および使用する方法に関する。特定の実施形態において、膜は、放射線への露光後にインキュベートすることができ、これにより、露光領域と非露光領域との間の材料差を強化することができる。非限定的な実施形態において、放射線としては、極端紫外線(EUV)放射線または遠紫外線(DUV)放射線を挙げることができる。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジストを用いる方法であって、
有機共反応物の存在下で有機金属前駆体を基板の表面に供給してレジスト膜を準備すること、
パターニングされた放射線への露光によって前記レジスト膜をパターニングし、それによって放射線露光領域および放射線非露光領域を有する露光膜を準備すること、
前記露光膜を約20~300℃の温度でインキュベートし、それによってインキュベート膜を準備すること、
ならびに前記インキュベート膜を現像し、それによって前記放射線露光領域を除去してポジ型レジスト膜内のパターンを設けること、または前記放射線非露光領域を除去してネガ型レジスト内のパターンを設けることを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記レジスト膜が、極端紫外線(EUV)感受性膜を含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記レジスト膜が、有機スズアセチリドオキシド、スズアセチリドオキシド、スズアセチリドテルリド、有機シュウ酸スズ、シュウ酸スズ、有機スズホルメート、スズホルメート、有機スズペルオキシド、またはスズペルオキシドを含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記インキュベート膜の線量対クリアまたは線量対ゲルが、前記露光膜での値よりも低い、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記準備することが、前記レジスト膜を準備するために前記基板の表面に改質前駆体を堆積させることを含み、前記改質前駆体が、前記有機金属前駆体を前記有機共反応物と反応させることによって形成される、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記堆積させることが、前記改質前駆体を蒸気形態で堆積させることを含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記パターニングが、約1~30mJ/cm
2の放射線量を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記インキュベートが、約30~300秒の任意選択の時間、周囲雰囲気中で約100~250℃の温度を含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記インキュベートが、約1~7日間の期間、約20~30℃の温度を含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記インキュベートが、約1~300秒の任意選択の時間、任意選択の湿度を有する不活性雰囲気中で約150~300℃の温度を含む、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記現像することが、湿式現像または乾式現像を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記湿式現像が、15~60秒の任意選択の時間、水、酸、塩基、ケトン、エステル、アルコール、エーテル、またはそれらの組み合わせを含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記湿式現像が、1つまたは複数の界面活性剤をさらに含む、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、
前記乾式現像が、約0.1~1Torrの任意選択の圧力で約30~720秒の任意選択の時間、ガス状水、酸素(O
2)、ガス状酸、ガス状ハロゲン化物、またはそれらの組み合わせを含む、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、
前記インキュベートが、周囲雰囲気中で約100~250℃の温度を含み、前記現像することが、液体または蒸気形態の水を含む、方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、
前記インキュベートが、約1~7日間の期間、約20~30℃の温度を含み、前記現像することが、水、酸素(O
2)、ガス状酸、ガス状ハロゲン化物、またはそれらの組み合わせを含む乾式現像プロセスと併せて、ケトンまたは液状水を含む、方法。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の方法であって、
前記有機金属前駆体が、少なくとも1つの配位子を含み、前記有機共反応物が、前記少なくとも1つの配位子を置き換えて改質前駆体をもたらす、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記改質前駆体が、前記有機金属前駆体と比較して、増加または減少した炭素含有量を含む、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であって、
前記準備することが、約1000:1~約1:4の前記有機金属前駆体と前記有機共反応物とのモル比を提供することをさらに含む、方法。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の方法であって、
前記有機金属前駆体が、式(I):
M
aR
bL
c(I)
(式中、Mは金属であり、
各Rは、独立して、ハロ、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたアルコキシ、またはLであり、
各Lは、独立して、配位子、イオン、または有機共反応物もしくは対応反応物と反応性である他の部分であり、RおよびLは、Mと一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ、またはRおよびLは、一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ、
a≧1、b≧1、およびc≧1である)
を有する構造を含む、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、
各RがLであり、および/またはMがスズ(Sn)である、方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法であって、
各Lが、独立して、H、ハロ、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたビス(トリアルキルシリル)アミノ、任意選択で置換されたトリアルキルシリル、または任意選択で置換されたアルコキシである、方法。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか一項に記載の方法であって、
前記有機共反応物が、1つまたは複数の重合性部分、アルキニル部分、カルボニル部分、ジカルボニル部分、またはハロアルキル部分を含む、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、
前記有機共反応物が、式(II):
X
1-Z-X
2(II)
(式中、X
1およびX
2の各々が、独立して、脱離基であり、
Zは、カルボニル、ジカルボニル、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたハロアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、または任意選択で置換されたアルキニレンである)
を有する構造を含む、方法。
【請求項25】
請求項17に記載の方法であって、
前記有機金属前駆体および前記有機共反応物が蒸気形態で供給される、方法。
【請求項26】
請求項17に記載の方法であって、
前記設けることが、対応反応物を供給することをさらに含む、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、
前記対応反応物が、酸素またはカルコゲニド前駆体を含む、方法。
【請求項28】
請求項1から16のいずれか一項に記載の方法であって、
前記パターニングされた放射線が、真空雰囲気中で約10nm~約20nmの範囲の波長を有するEUV露光を含む、方法。
【請求項29】
請求項1から16のいずれか一項に記載の方法であって、
前記パターニングが、前記露光膜からの二酸化炭素および/または一酸化炭素の放出をさらに含む、方法。
【請求項30】
請求項1から16のいずれか一項に記載の方法であって、
前記パターニングが、前記露光膜内で起こる光重合をさらに含む、方法。
【請求項31】
レジスト膜を形成するための装置であって、
レジスト膜を堆積させるためのチャンバを備える堆積モジュールと、
300nm未満の波長の放射線源を有するフォトリソグラフィツールを備えるパターニングモジュールと、
前記レジスト膜をインキュベートするためのチャンバを備えるインキュベートモジュールと、
前記レジスト膜を現像するためのチャンバを備える現像モジュールと、
1つまたは複数のメモリデバイス、1つまたは複数のプロセッサ、および
前記堆積モジュールにおいて、有機共反応物の存在下で半導体基板の上面に有機金属前駆体の堆積を生じさせ、前記レジスト膜を形成するための機械可読命令、
前記パターニングモジュールにおいて、パターニング放射線露光によって直接300nm未満の解像度で前記レジスト膜をパターニングさせ、それによって放射線露光領域および放射線非露光領域を有する露光膜を形成させるための機械可読命令、
前記インキュベートモジュールにおいて、前記露光膜を約20~300℃の温度でインキュベートし、それによってインキュベート膜を設けるための機械可読命令、
前記現像モジュールにおいて、前記インキュベート膜の現像により前記放射線露光領域または前記放射線非露光領域を除去させ、前記レジスト膜内にパターンを設けさせるための機械可読命令
を含む命令でコード化されたシステム制御ソフトウェアを含むコントローラと、を備える、装置。
【請求項32】
請求項31に記載の装置であって、
前記レジスト膜が、極端紫外線(EUV)感受性膜を含む、装置。
【請求項33】
請求項32に記載の装置であって、前記フォトリソグラフィツールの放射線源が、30nm未満の波長の放射線源である、装置。
【請求項34】
請求項33に記載の装置であって、
機械可読命令を含む前記命令が、前記パターニングモジュールにおいて、EUV露光によって直接30nm未満の解像度で前記レジスト膜をパターニングさせ、それによってEUV露光領域およびEUV非露光領域を有する前記露光膜を形成させるための命令をさらに含む、装置。
【請求項35】
請求項33に記載の装置であって、
機械可読命令を含む前記命令が、前記現像モジュールにおいて、前記インキュベート膜の現像により前記EUV露光領域または前記EUV非露光領域を除去させ、前記レジスト膜内にパターンを設けさせるための命令をさらに含む、装置。
【請求項36】
請求項33に記載の装置であって、
機械可読命令を含む前記命令が、前記堆積モジュールにおいて、前記有機金属前駆体と前記有機共反応物とのモル比の変化を引き起こして、前記レジスト膜を形成するための命令をさらに含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による組み込み
本出願の一部として、本明細書と同時にPCT出願願書が記入される。同時に提出されたPCT出願願書に特定されるように、本出願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によりその全体があらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、有機金属前駆体および有機共反応物を用いて形成される膜、ならびにそのような膜を形成および使用する方法に関する。特定の実施形態において、膜は、放射線への露光後にインキュベートすることができ、これにより、露光領域と非露光領域との間の材料差をより強化することができる。非限定的な実施形態において、放射線としては、極端紫外線(EUV)放射線または遠紫外線(DUV)放射線を挙げることができる。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供される背景技術の記載は、本技術の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで記載される範囲内における、現時点で名前が挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなすことができない記載の態様は、明示または暗示を問わず、本技術に対する先行技術として認められない。
【0004】
半導体処理における薄膜のパターニングは、多くの場合、半導体の製作において重要な工程である。パターニングは、リソグラフィを伴う。193nmフォトリソグラフィなどのフォトリソグラフィでは、パターンは、光子源からマスク上に光子を放出し、そのパターンを感光性フォトレジスト上に印刷することによって印刷され、それによって現像後、フォトレジストの特定の部分を除去してパターンを形成する化学反応がフォトレジスト内で引き起こされる。
【0005】
(半導体のための国際技術ロードマップによって定義されるような)先端技術ノードは、22nm、16nm、およびそれ以降のノードを含む。例えば、16nmノードでは、ダマシン構造におけるビアまたはラインの幅は、約30nm以下であり得る。高度な半導体集積回路(IC)および他のデバイス上におけるフィーチャのスケーリングが、リソグラフィを推進して解像度を向上させている。
【0006】
極端紫外線(EUV)リソグラフィは、フォトリソグラフィ法で達成することができるよりも短いイメージングソース波長に移行することによって、リソグラフィ技術を拡張することが可能である。約10~20nm、または11~14nmの波長、例えば13.5nmの波長のEUV光源は、スキャナとも呼ばれる最先端のリソグラフィツールに使用することができる。EUV放射線は、石英および水蒸気を含む広範囲の固体および流体材料に強く吸収されるため、真空中で操作する。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、パターニング放射線感受性膜を準備するための、有機金属前駆体と有機共反応物の使用に関する。一例では、前駆体は、金属含有フォトレジストを設けるために堆積され得る有機金属化合物であり得、有機共反応物は、堆積中に前駆体と相互作用するために用いられ得る。このような相互作用は、膜内への有機共反応物の堆積をもたらさない可能性があるが、それにもかかわらず、膜の組成または特性に影響を及ぼし得る。
【0008】
別の例では、前駆体は、金属含有フォトレジストを準備するために堆積され得る有機金属化合物であり得、有機共反応物は、堆積中に前駆体と反応するために用いられ得る。このような反応により、膜内に堆積され得る改質前駆体をもたらすことができる。さらに、改質前駆体は、有機共反応物によって供給される放射線応答性有機部分と、前駆体によって供給される放射線感受性金属中心とを有することができる。非限定的な実施形態において、放射線としては、極端紫外線(EUV)または遠紫外線(DUV)放射線を挙げることができる。
【0009】
このような有機金属前駆体を有機共反応物と共に使用することにより膜を準備することができ、次いで、この膜は、露光領域と非露光領域との間の材料差を強化する条件下でインキュベートすることができる。このような露光後のインキュベートにより、特定の放射線量に対する膜の感受性を向上させることができる。例えば、インキュベート膜は、露光膜(インキュベートされていない)と比較して、線量対クリア(DtC)、または線量対ゲル(DtG)、または線量対サイズ(DtS)が低くなり得る。このようにして、インキュベート条件を調整することにより、同じ下にある膜を高線量または低線量の用途に最適化することができる。非限定的なインキュベート条件としては、本明細書に記載されるように、温度、雰囲気、湿度、および/または時間の制御が挙げられる。
【0010】
さらに、このインキュベート工程を導入することにより、リソグラフ露光領域と非露光領域とを区別するために、様々な異なる現像液を選択することができる。非限定的な一例では、特定のインキュベート条件を選択することにより、pH中性の水を使用し、DtGの閾値を下げて現像することができた。本明細書に記載されるように、水溶液、有機溶液、またはガス状酸などの他の現像液を使用してもよい。
【0011】
特定の実施形態において、本方法は、膜の所望の機能を達成するために、特定のインキュベート条件および特定の種類の現像液を選択することを含む。このようにして、インキュベート条件および現像液の条件を調整することによって、同じ膜を異なる用途に用いることができ、これは、異なるリソグラフィ用途(例えば、高線量、低粗さの用途、および低線量、高スループットの用途)に対する材料の大きな柔軟性を意味する。さらに、堆積膜の組成を調整するために、1種または複数の有機金属前駆体と、1種または複数の有機共反応物と、の異なる種類および組み合わせを用いることができる。
【0012】
したがって、第1の態様において、本開示は、レジストを用いる方法であって、有機共反応物の存在下で有機金属前駆体を基板の表面に供給してレジスト膜を準備すること、パターニングされた放射線への露光によってレジスト膜をパターニングし、それによって放射線露光領域および放射線非露光領域を有する露光膜を準備すること、露光膜を約20~300℃の温度でインキュベートし、それによってインキュベート膜を準備すること、ならびにインキュベート膜を現像し、それによって放射線露光領域を除去してポジ型レジスト膜内のパターンを設けるか、または放射線非露光領域を除去してネガ型レジスト内のパターンを設けることを含む、方法を包含する。
【0013】
いくつかの実施形態において、レジスト膜が、極端紫外線(EUV)感受性膜を含む。他の実施形態において、レジスト膜が、有機スズアセチリドオキシド、スズアセチリドオキシド、スズアセチリドテルリド、有機シュウ酸スズ、シュウ酸スズ、有機スズホルメート、スズホルメート、有機スズペルオキシド、またはスズペルオキシドを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、レジスト膜を準備することは、レジスト膜を準備するために基板の表面に改質前駆体を堆積させることを含み得る。特定の実施形態において、改質前駆体は、有機金属前駆体(例えば、本明細書に記載されるいずれか)を有機共反応物(例えば、本明細書に記載されるいずれか)と反応させることによって形成される。他の実施形態において、前駆体は、1つまたは複数の配位子を有する有機金属化合物を含み、有機共反応物は、配位子のうちの少なくとも1つを置き換えて、改質前駆体をもたらす。いくつかの実施形態において、改質前駆体は、有機金属前駆体と比較して、EUV吸収の増加またはEUV吸収断面積の増加を特徴とする。他の実施形態において、改質前駆体は、有機金属前駆体と比較して、増加または減少した炭素含有量を含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、インキュベート膜の線量対クリアまたは線量対ゲルが、露光膜での値よりも低い。他の実施形態において、前記パターニングは、約1~50mJ/cm2、1~40mJ/cm2、1~30mJ/cm2、1~20mJ/cm2、または1~10mJ/cm2の放射線量を含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、有機金属前駆体は、少なくとも1つの配位子を含み、有機共反応物は、少なくとも1つの配位子を置き換えて改質前駆体をもたらす。他の実施形態において、改質前駆体は蒸気形態で堆積される。
【0017】
他の実施形態において、本方法は、約1000:1~約1:4の有機金属前駆体と有機共反応物とのモル比を提供することをさらに含む。特定の実施形態において、このような提供は、蒸気形態の有機金属前駆体および蒸気形態の有機共反応物を、半導体基板を含むチャンバに送達することを含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記パターニングは、真空雰囲気中で約10nm~約20nmの範囲の波長を有するEUV露光を含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記パターニングは、露光膜からの二酸化炭素および/または一酸化炭素の放出をさらに含む。他の実施形態において、前記パターニングは、露光膜内で起こる光重合をさらに含む。特定の実施形態において、有機共反応物および/または膜は、光重合可能部分を含む。さらなる実施形態において、光重合可能部分は、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、または任意選択で置換されたエポキシ(例えば、任意選択で置換されたオキシラニル)を含む。さらに他の実施形態において、有機共反応物および/または膜は、アルキニル部分、カルボニル部分、ジカルボニル部分、またはハロアルキル部分を含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、前記インキュベートが、約30~300秒の任意選択の時間、周囲雰囲気中で約100~200℃の温度を含む。特定の実施形態において、前記インキュベートは、約100~180℃、100~250℃、120~200℃、120~250℃、または120~280℃の温度を含む。
【0021】
他の実施形態において、前記インキュベートが、約1~7日間の期間、約20~30℃の温度を含む。特定の実施形態において、前記インキュベートは、不活性雰囲気または任意選択の湿度(例えば、室湿度(RH)、10%RH、90RH%、およびその中の範囲)を有する周囲雰囲気を含み得る。
【0022】
さらに他の実施形態において、前記インキュベートが、約1~300秒の任意選択の時間、任意選択の湿度を有する不活性雰囲気中で、約100~300℃の温度を含む。いくつかの実施形態において、前記インキュベートは、約150~300℃、180~300℃、100~250℃、または150~250℃の温度を含む。特定の実施形態において、前記インキュベートは、不活性雰囲気または任意選択の程度の湿度(例えば、室湿度(RH)、10%RH、90RH%、およびその中の範囲)を有する周囲雰囲気を含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、前記現像することは、放射線露光領域を除去してポジ型レジスト膜内にパターンを設けることを含む。他の実施形態において、前記現像することは、放射線非露光領域を除去してネガ型レジスト内にパターンを設けることを含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、前記現像することが、湿式現像または乾式現像を含む。非限定的な湿式現像は、約15~60秒の任意選択の時間、水、酸、塩基、ケトン、エステル、アルコール、エーテル、またはそれらの組み合わせを含み得る。さらなる実施形態において、湿式現像は、1つまたは複数の界面活性剤をさらに含む。他の実施形態において、乾式現像が、約0.1~1Torrの任意選択の圧力で約30~720秒の任意選択の時間、ガス状水、酸素(O2)、ガス状酸、ガス状ハロゲン化物、またはそれらの組み合わせを含む。
【0025】
他の実施形態において、前記インキュベートが、周囲雰囲気中で約100~250℃の温度を含み、前記現像することが、液体または蒸気形態の水を含む。
【0026】
さらに他の実施形態において、前記インキュベートが、約1~7日間の期間、約20~30℃の温度を含み、前記現像することが、水、酸素(O2)、ガス状酸、ガス状ハロゲン化物、またはそれらの組み合わせを含む乾式現像プロセスと併せて、ケトンまたは液状水を含む。
【0027】
第2の態様において、本開示は、レジスト膜を形成するための装置であって、堆積モジュールと、パターニングモジュールと、インキュベートモジュールと、現像モジュールと、1つまたは複数のメモリデバイス、1つまたは複数のプロセッサ、および機械可読命令を含む命令でコード化されたシステム制御ソフトウェアを含むコントローラと、を含む、装置を特徴とする。
【0028】
いくつかの実施形態において、堆積モジュールは、レジスト膜(例えば、EUV感受性膜などのパターニング放射線感受性膜)を堆積させるためのチャンバを含み、チャンバは、半導体基板を収容するように構成され得る。他の実施形態において、パターニングモジュールは、300nm未満の波長の放射線源を有するフォトリソグラフィツールを含む(例えば、放射線源は、30nm未満の波長の放射線源であり得る)。さらに他の実施形態において、インキュベートモジュールは、レジスト膜をインキュベートするためのチャンバを含み、このチャンバは、1つまたは複数のインキュベート条件(例えば、温度、雰囲気含有物、湿度、および/または期間など、本明細書中のいずれかの条件)を制御するように構成され得る。いくつかの実施形態において、現像モジュールは、レジスト膜を現像するためのチャンバを含む。
【0029】
さらなる実施形態において、命令は、(例えば、堆積モジュールにおいて)有機共反応物の存在下で半導体基板の上面に有機金属前駆体の堆積を生じさせ、レジスト膜を形成するための機械可読命令を含む。いくつかの実施形態において、このような堆積により、有機スズアセチリドオキシド、スズアセチリドオキシド、スズアセチリドテルリド、有機シュウ酸スズ、シュウ酸スズ、有機スズホルメート、スズホルメート、有機スズペルオキシド、またはスズペルオキシドを含むレジスト膜を形成することができる。他の実施形態において、このような堆積により、レジスト膜としてパターニング放射線感受性膜を形成することができ、前記堆積において、有機金属前駆体は有機共反応物の存在下で供給される。他の実施形態において、このような堆積は、有機金属前駆体と有機共反応物とのモル比の変化を引き起こして、パターニング放射線感受性膜を形成することを含んでもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、堆積を引き起こすことは、半導体基板の上面に改質前駆体を堆積させ、レジスト膜を形成することを含んでもよく、有機金属前駆体は、改質前駆体をもたらすために有機共反応物の存在を供給される。
【0031】
いくつかの実施形態において、命令は、(例えば、パターニングモジュールにおいて)パターニング放射線露光によって(例えば、EUV露光によって)直接300nm未満の解像度で(例えば、または30nm未満の解像度で)レジスト膜をパターニングさせ、それによって放射線露光領域および放射線非露光領域を有する露光膜を形成させるための機械可読命令を含む。他の実施形態において、露光膜は、EUV露光領域およびEUV非露光領域を有する。いくつかの実施形態において、このようなパターニングは、約1~50mJ/cm2、1~40mJ/cm2、1~30mJ/cm2、1~20mJ/cm2、または1~10mJ/cm2の放射線量を含む。
【0032】
いくつかの実施形態において、命令は、(例えば、インキュベートモジュールにおいて)露光膜を約20~300℃の温度でインキュベートすることを含み、それによってインキュベート膜をもたらす。他の実施形態において、そのようなインキュベートは、約30~300秒の任意選択の時間、周囲雰囲気中で約100~250℃の温度、約1~7日間の期間、約20~30℃の温度、または約1~300秒の任意選択の時間、任意選択の湿度を有する不活性雰囲気中で約150~300℃の温度を含んでもよい。
【0033】
さらに他の実施形態において、命令は、(例えば、現像モジュールにおいて)インキュベート膜の現像により放射線露光領域または放射線非露光領域を除去させ、レジスト膜内にパターンを設けさせるための機械可読命令を含む。特定の実施形態において、機械可読命令は、EUV露光領域またはEUV非露光領域を除去させるための命令を含む。いくつかの実施形態において、そのような現像は、以下の、水、酸、塩基、ケトン、エステル、アルコール、エーテル、界面活性剤、またはそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を現像モジュールに送達することを含んでもよい。他の実施形態において、そのような現像は、以下の、ガス状水、酸素(O2)、ガス状酸、ガス状ハロゲン化物、またはそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を現像モジュールに送達することを含んでもよい。
【0034】
本明細書のいずれかの実施形態において、パターニング放射線感受性膜は、極端紫外線(EUV)感受性膜、遠紫外線(DUV)感受性膜、フォトレジスト膜、またはフォトパターニング可能な膜を含む。
【0035】
本明細書のいずれかの実施形態において、パターニング放射線感受性膜は、複数の重合可能部分(例えば、光重合可能部分)、アルケニレン部分、アルキニレン部分、カルボニル部分、またはジカルボニル部分を含む。
【0036】
本明細書のいずれかの実施形態において、パターニング放射線感受性膜は、有機金属材料または有機金属酸化物材料を含む。
【0037】
本明細書のいずれかの実施形態において、有機金属前駆体は、本明細書に記載される式(I)、(Ia)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、または(VIII)を有する構造を含む。
【0038】
本明細書のいずれかの実施形態において、有機金属前駆体は、式(I):
MaRbLc(I)
(式中、Mは、金属または半金属(例えば、本明細書中のいずれか)であり、
各Rは、独立して、ハロ、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたアルコキシ、またはLであり、
各Lは、独立して、配位子、イオン、または有機共反応物もしくは対応反応物(counter-reactant)と反応性である他の部分であり、RおよびLは、Mと一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ、またはRおよびLは、一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ、a≧1(例えば、aは、1、2、または3である)、b≧1(例えば、bは、1、2、3、4、5、または6である)、およびc≧1(例えば、cは、1、2、3、4、5、6である)である)を有する構造を含む。
【0039】
いくつかの実施形態において、各Rは、Lであり、および/またはMは、Sn(IV)またはSn(II)などのスズ(Sn)である。他の実施形態において、各Lは、独立して、H、ハロ、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたビス(トリアルキルシリル)アミノ、任意選択で置換されたトリアルキルシリル、または任意選択で置換されたアルコキシ(例えば、本明細書に記載されるいずれかのL)である。
【0040】
本明細書のいずれかの実施形態において、有機共反応物は、本明細書に記載される式(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、または(IIe)を有する構造を含む。
【0041】
本明細書のいずれかの実施形態において、有機共反応物は、1つまたは複数の重合性部分、アルキニル部分、カルボニル部分、ジカルボニル部分、またはハロアルキル部分を含む。いくつかの実施形態において、有機共反応物は、式(II):
X1-Z-X2(II)
(式中、X1およびX2の各々は、独立して、脱離基(例えば、ハロ、H、ヒドロキシル、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシ、または任意選択で置換されたアリール)であり、Zは、カルボニル、ジカルボニル、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたハロアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、または任意選択で置換されたアルキニレンである)を有する構造を含む。
【0042】
本明細書のいずれかの実施形態において、有機共反応物は、約0.1mTorr~約100mTorr(例えば、0.1mTorr~50mTorrまたは0.5mTorr~100mTorr)の蒸気圧を有する。
【0043】
本明細書のいずれかの実施形態において、有機金属前駆体は、1つまたは複数の配位子(例えば、少なくとも1つの配位子)を有する有機金属化合物を含む。さらなる実施形態において、有機共反応物は、改質前駆体をもたらすために、1つの配位子の少なくとも一定の有意な、検出可能な割合を置き換える。他の実施形態において、有機共反応物は、有機金属前駆体の配位子のうちの少なくとも1つを置き換えて、改質前駆体をもたらす。いくつかの実施形態において、検出可能な割合は、少なくとも約0.1%、0.5%、1%、または3%、および0.1%~5%である。
【0044】
本明細書のいずれかの実施形態において、単一の有機金属前駆体が、1つまたは複数の有機共反応物と共に用いられる。他の実施形態において、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の異なる有機金属前駆体が、1つまたは複数の有機共反応物内で用いられる。
【0045】
本明細書のいずれかの実施形態において、単一の有機金属前駆体が、単一の有機共反応物と共に用いられる。他の実施形態において、単一の有機金属前駆体が、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の異なる有機共反応物と共に用いられる。さらに他の実施形態において、2つ以上の異なる有機金属前駆体が、単一の有機共反応物と共に用いられる。他の実施形態において、2つ以上の異なる有機金属前駆体が、2つ以上の異なる有機共反応物と共に用いられる。
【0046】
本明細書のいずれかの実施形態において、有機金属前駆体と有機共反応物とのモル比は、約1000:1~約1:4(例えば、約1000:1~1:4、100:1~10:1、50:1~1:4など)である。
【0047】
本明細書のいずれかの実施形態において、堆積させることは、改質前駆体を蒸気形態で堆積させることを含む。他の実施形態において、前記堆積させることは、蒸気形態で有機金属前駆体、有機共反応物、および/または対応反応物を供給することを含む。非限定的な堆積プロセスとしては、化学気相堆積(CVD)、ならびに原子層堆積(ALD)、分子層堆積(MLD)、およびそれらのプラズマ強化形態が挙げられる。
【0048】
本明細書のいずれかの実施形態において、改質前駆体は、カルコゲニド前駆体または酸素含有対応反応物の使用を含む。
【0049】
本明細書のいずれかの実施形態において、前記供給することまたは前記堆積させることは、対応反応物を供給することをさらに含む。非限定的な対応反応物としては、酸素またはカルコゲニド前駆体、ならびに本明細書に記載されるいずれか(例えば、酸素(O2)、オゾン(O3)、水、ペルオキシド、過酸化水素、酸素プラズマ、水プラズマ、アルコール、ジヒドロキシアルコール、ポリヒドロキシアルコール、フッ素化ジヒドロキシアルコール、フッ素化ポリヒドロキシアルコール、フッ素化グリコール、ギ酸、およびヒドロキシル部分の他の供給源を含む酸素含有対応反応物、ならびにそれらの組み合わせ)が挙げられる。追加の詳細は、以下の通りである。
【0050】
定義
「アルケニル」とは、1つまたは複数の二重結合を有する任意選択で置換されたC2-24アルキル基を意味する。アルケニル基は、環状(例えば、C3-24シクロアルケニル)または非環状であり得る。アルケニル基はまた、置換または非置換でもあり得る。例えば、アルケニル基は、アルキルについて本明細書に記載される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0051】
「アルケニレン」とは、アルケニル基の多価(例えば、二価)形態を意味し、これは、1つまたは複数の二重結合を有する任意選択で置換されたC2-24アルキル基である。アルケニレン基は、環状(例えば、C3-24シクロアルケニル)または非環状であり得る。アルケニレン基は、置換または非置換であり得る。例えば、アルケニレン基は、アルキルについて本明細書に記載される1つまたは複数の置換基で置換することができる。例示的な、非限定的なアルケニレン基としては、-CH=CH-または-CH=CHCH2-が挙げられる。
【0052】
「アルコキシ」とは、-ORを意味し、Rは、本明細書に記載される任意選択で置換されたアルキル基である。例示的なアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、トリハロアルコキシ、例えばトリフルオロメトキシなどが挙げられる。アルコキシ基は、置換または非置換であり得る。例えば、アルコキシ基は、アルキルについて本明細書に記載される1つまたは複数の置換基で置換することができる。例示的な非置換アルコキシ基としては、C1-3、C1-6、C1-12、C1-16、C1-18、C1-20、またはC1-24アルコキシ基が挙げられる。
【0053】
「アルキル」および接頭辞「アルク」とは、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(n-Pr)、イソプロピル(i-Pr)、シクロプロピル、n-ブチル(n-Bu)、イソブチル(i-Bu)、s-ブチル(s-Bu)、t-ブチル(t-Bu)、シクロブチル、n-ペンチル、イソペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなどの、1~24個の炭素原子の分岐または非分岐飽和炭化水素基を意味する。アルキル基は、環状(例えば、C3-24シクロアルキル)または非環状であり得る。アルキル基は、分岐または非分岐であり得る。アルキル基はまた、置換または非置換でもあり得る。例えば、アルキル基は、ハロアルキルを含んでもよく、ハロアルキルにおいて、アルキル基は本明細書に記載される1つまたは複数のハロ基によって置換されている。別の例では、アルキル基は、以下からなる群から独立して選択される1、2、3個の置換基、または2個以上の炭素を有するアルキル基の場合には4個の置換基で置換され得る:(1)C1-6アルコキシ(例えば、-O-Ak、Akは、任意選択で置換されたC1-6アルキルである)、(2)アミノ(例えば、-NRN1RN2、RN1およびRN2の各々は、独立して、Hもしくは任意選択で置換されたアルキルであり、またはRN1およびRN2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリル基を形成する)、(3)アリール、(4)アリールアルコキシ(例えば、-O-Lk-Ar、Lkは、任意選択で置換されたアルキルの二価形態であり、Arは、任意選択で置換されたアリールである)、(5)アリーロイル(例えば、-C(O)-Ar、Arは、任意選択で置換されたアリールである)、(6)シアノ(例えば、-CN)、(7)カルボキシアルデヒド(例えば、-C(O)H)、(8)カルボキシル(例えば、-CO2H)、(9)C3-8シクロアルキル(例えば、一価の飽和または不飽和非芳香族環状C3-8炭化水素基)、(10)ハロ(例えば、F、Cl、Br、またはI)、(11)ヘテロシクリル(例えば、別段の指定がない限り、窒素、酸素、リン、硫黄、またはハロなどの1、2、3、または4個の非炭素ヘテロ原子を含む5、6、または7員環)、(12)ヘテロシクリルオキシ(例えば、-O-Het、Hetは、本明細書に記載されるヘテロシクリルである)、(13)ヘテロシクリロイル(例えば、-C(O)-Het、Hetは、本明細書に記載されるヘテロシクリルである)、(14)ヒドロキシル(例えば、-OH)、(15)N-保護アミノ、(16)ニトロ(例えば、-NO2)、(17)オキソ(例えば、=O)、(18)-CO2RA、RAは、(a)C1-6アルキル、(b)C4-18アリール、および(c)(C4-18アリール)C1-6アルキル(例えば、-Lk-Ar、Lkは、任意選択で置換されたアルキル基の二価形態であり、Arは、任意選択で置換されたアリールである)からなる群から選択される、(19)-C(O)NRBRC、RBおよびRCの各々は、独立して、(a)水素、(b)C1-6アルキル、(c)C4-18アリール、および(d)(C4-18アリール)C1-6アルキル(例えば、-Lk-Ar、Lkは、任意選択で置換されたアルキル基の二価形態であり、Arは、任意選択で置換されたアリールである)からなる群から選択される、ならびに(20)-NRGRH、RGおよびRHの各々は、独立して、(a)水素、(b)N-保護基、(c)C1-6アルキル、(d)C2-6アルケニル(例えば、1つまたは複数の二重結合を有する任意選択で置換されたアルキル)、(e)C2-6アルキニル(例えば、1つまたは複数の三重結合を有する任意選択で置換されたアルキル)、(f)C4-18アリール、(g)(C4-18アリール)C1-6アルキル(例えば、Lk-Ar、Lkは、任意選択で置換されたアルキル基の二価形態であり、Arは、任意選択で置換されたアリールである)、(h)C3-8シクロアルキル、および(i)(C3-8シクロアルキル)C1-6アルキル(例えば、-Lk-Cy、Lkは、任意選択で置換されたアルキル基の二価形態であり、Cyは、本明細書に記載される任意選択で置換されたシクロアルキルである)からなる群から選択され、一実施形態において、カルボニル基を介して窒素原子に結合する2つの基はない。アルキル基は、1つまたは複数の置換基(例えば、1つまたは複数のハロまたはアルコキシ)で置換された第一級、第二級、または第三級アルキル基であり得る。いくつかの実施形態において、非置換アルキル基は、C1-3、C1-6、C1-12、C1-16、C1-18、C1-20、またはC1-24アルキル基である。
【0054】
「アルキレン」とは、本明細書に記載されるアルキル基の多価(例えば、二価)形態を意味する。例示的なアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、アルキレン基は、C1-3、C1-6、C1-12、C1-16、C1-18、C1-20、C1-24、C2-3、C2-6、C2-12、C2-16、C2-18、C2-20、またはC2-24アルキレン基である。アルキレン基は、分岐または非分岐であり得る。アルキレン基はまた、置換または非置換でもあり得る。例えば、アルキレン基は、アルキルについて本明細書に記載される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0055】
「アルキニル」とは、1つまたは複数の三重結合を有する任意選択で置換されたC2-24アルキル基を意味する。アルキニル基は、環式または非環式であり得、エチニル、1-プロピニルなどによって例示される。アルキニル基はまた、置換または非置換でもあり得る。例えば、アルキニル基は、アルキルについて本明細書に記載される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0056】
「アルキニレン」とは、アルキニル基の多価(例えば、二価)形態を意味し、これは、1つまたは複数の三重結合を有する任意選択で置換されたC2-24アルキル基である。アルキニレン基は、環状または非環状であり得る。アルキニレン基は、置換または非置換であり得る。例えば、アルキニレン基は、アルキルについて本明細書に記載される1つまたは複数の置換基で置換することができる。例示的な、非限定的なアルキニレン基としては、-C≡C-または-C≡CCH2-が挙げられる。
【0057】
「アミノ」とは、-NRN1RN2を意味し、RN1およびRN2の各々は、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、または任意選択で置換されたアリールであり、またはRN1およびRN2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成する。
【0058】
「アミノアルキル」とは、本明細書で定義されるアミノ基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。
【0059】
「アミノアリール」とは、本明細書で定義されるアミノ基によって置換された、本明細書で定義されるアリール基を意味する。
【0060】
「アリール」とは、限定されないが、例えば、インダニル、テトラヒドロナフチル、フルオレニルなどの縮合ベンゾ-C4-8シクロアルキルラジカル(例えば、本明細書で定義される)を含む、フェニル、ベンジル、アントラセニル、アントリル、ベンゾシクロブテニル、ベンゾシクロオクテニル、ビフェニリル、クリセニル、ジヒドロインデニル、フルオランテニル、インダセニル、インデニル、ナフチル、フェナントリル、フェノキシベンジル、ピセニル、ピレニル、テルフェニルなどを含む任意の炭素ベースの芳香族基を含む基を意味する。アリールという用語はまた、芳香族基の環内に組み込まれた少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族基を含む基として定義されるヘテロアリールも含む。ヘテロ原子の例としては、限定されないが、窒素、酸素、硫黄、およびリンが挙げられる。同様に、アリールという用語にも含まれる非ヘテロアリールという用語は、ヘテロ原子を含まない芳香族基を含む基を定義する。アリール基は、置換または非置換であり得る。アリール基は、1、2、3、4、または5個の置換基、例えばアルキルについて本明細書に記載されるいずれかで置換することができる。
【0061】
「カルボニル」とは、-C(O)-基を意味し、>C=Oとして表すこともできる。
【0062】
「シクロアルキル」とは、別段の指定がない限り、3~8個の炭素を有する一価の飽和または不飽和非芳香族または芳香族環式炭化水素基を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1.]ヘプチルなどによって例示される。シクロアルキル基はまた、置換または非置換でもあり得る。例えば、シクロアルキル基は、アルキルについて本明細書に記載されるものを含む1つまたは複数の基で置換することができる。
【0063】
「ジカルボニル」とは、本明細書で定義される2つのカルボニル基を含む任意の部分または化合物を意味する。非限定的なジカルボニル部分としては、1,2-ジカルボニル(例えば、RC1-C(O)-C(O)RC2(RC1およびRC2の各々は、独立して、任意選択で置換されたアルキル、ハロ、任意選択で置換されたアルコキシ、ヒドロキシル、または脱離基である))、1,3-ジカルボニル(例えば、RC1-C(O)-C(R1aR2a)-C(O)RC2(RC1およびRC2の各々は、独立して、任意選択で置換されたアルキル、ハロ、任意選択で置換されたアルコキシ、ヒドロキシル、または脱離基であり、R1aおよびR2aの各々は、独立して、H、または本明細書で定義されるアルキルについて示される任意選択の置換基である))、および1,4-ジカルボニル(例えば、RC1-C(O)-C(R1aR2a)-C(R3aR4a)-C(O)RC2(RC1およびRC2の各々は、独立して、任意選択で置換されたアルキル、ハロ、任意選択で置換されたアルコキシ、ヒドロキシル、または脱離基であり、R1a、R2a、R3a、およびR4aの各々は、独立して、H、または本明細書で定義されるアルキルについて示される任意選択の置換基である))が挙げられる。非限定的なジカルボニル部分としては、例えば、-C(O)-C(O)が挙げられる。
【0064】
「ハロ」とは、F、Cl、Br、またはIを意味する。
【0065】
「ハロアルキル」とは、1つまたは複数のハロで置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。
【0066】
「ハロアルキレン」とは、1つまたは複数のハロで置換された、本明細書で定義されるアルキレン基を意味する。
【0067】
「ヘテロシクリル」とは、別段の指定がない限り、3、4、5、6、または7員環(例えば、5、6、または7員環)を意味し、1、2、3、または4個の非炭素ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、リン、硫黄、セレン、またはハロからなる群から独立して選択される)を含む。3員環は、0~1個の二重結合を有し、4および5員環は、0~2個の二重結合を有し、6および7員環は、0~3個の二重結合を有する。「ヘテロシクリル」という用語はまた、二環式、三環式、および四環式基も含み、上記の複素環のいずれかは、アリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環、およびインドリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロキノリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニルなどの別の単環式複素環からなる群から独立して選択される1つ、2つ、または3つの環に縮合している。複素環としては、アクリジニル、アデニル、アロキサジニル、アザアダマンタニル、アザベンゾイミダゾリル、アザビシクロノニル、アザシクロヘプチル、アザシクロオクチル、アザシクロノニル、アザヒポキサンチニル、アザインダゾリル、アザインドリル、アゼシニル、アゼパニル、アゼピニル、アゼチジニル、アゼチル、アジリジニル、アジリニル、アゾカニル、アゾシニル、アゾナニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾジアゼピニル、ベンゾジアゾシニル、ベンゾジヒドロフリル、ベンゾジオキセピニル、ベンゾジオキシニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソシニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジチエピニル、ベンゾジチイニル、ベンゾジオキソシニル、ベンゾフラニル、ベンゾフェナジニル、ベンゾピラノニル、ベンゾピラニル、ベンゾピレニル、ベンゾピロニル、ベンゾキノリニル、ベンゾキノリジニル、ベンゾチアジアゼピニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゼピニル、ベンゾチアゾシニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアジノニル、ベンゾチアジニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾチオピロニル、ベンゾトリアゼピニル、ベンゾトリアジノニル、ベンゾトリアジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサチイニル、ベンゾトリオキセピニル、ベンゾオキサジアゼピニル、ベンゾオキサチアゼピニル、ベンゾオキサチエピニル、ベンゾオキサチオシニル、ベンゾオキサゼピニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾシニル、ベンゾオキサゾリノニル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンジルスルタミル ベンジルスルチミル、ビピラジニル、ビピリジニル、カルバゾリル(例えば、4H-カルバゾリル)、カルボリニル(例えば、β-カルボリニル)、クロマノニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、クマリニル、シトジニル、シトシニル、デカヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、ジアザビシクロオクチル、ジアゼチル、ジアジリジンチオニル、ジアジリジノニル、ジアジリジニル、ジアジリニル、ジベンゾイソキノリニル、ジベンゾアクリジニル、ジベンゾカルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾフェナジニル、ジベンゾピラノニル、ジベンゾピロニル(キサントニル)、ジベンゾキノキサリニル、ジベンゾチアゼピニル、ジベンゾチエピニル、ジベンゾチオフェニル、ジベンゾオキセピニル、ジヒドロアゼピニル、ジヒドロアゼチル、ジヒドロフラニル、ジヒドロフリル、ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロイピリジル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロインドリル、ジオキサニル、ジオキサジニル、ジオキシンドリル、ジオキシラニル、ジオキセニル、ジオキシニル、ジオキソベンゾフラニル、ジオキソリル、ジオキソテトラヒドロフラニル、ジオキソチオモルホリニル、ジチアニル、ジチアゾリル、ジチエニル、ジチイニル、フラニル、フラザニル、フロイル、フリル、グアニニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、ヒポキサンチニル、ヒダントイニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インダゾリル(例えば、1H-インダゾリル)、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル(例えば、1H-インドリルまたは3H-インドリル)、イサチニル、イサチル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソクロメニル、イソインダゾイル、イソインドリニル、イソインドリル、イソピラゾロニル、イソピラゾリル、イソオキサゾリジニイル、イソオキサゾリル、イソキノリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、モルホリニル、ナフトインダゾリル、ナフトインドリル、ナフチリジニル、ナフトピラニル、ナフトチアゾリル、ナフトチオキソリル、ナフトトリアゾリル、ナフトオキシンドリル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサビシクロヘプチル、オキサウラシル、オキサジアゾリル、オキサジニル、オキサジリジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリドニル、オキサゾリニル、オキサゾロニル、オキサゾリル、オキセパニル、オキセタノニル、オキセタニル、オキセチル、オキステナイル、オキシンドリル、オキシラニル、オキソベンゾイソチアゾリル、オキソクロメニル、オキソイソキノリニル、オキソキノリニル、オキソチオラニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノチエニル(ベンゾチオフラニル)、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、フタラゾニル、フタリジル、フタルイミジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル(例えば、4-ピペリドニル)、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾロピリミジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリドピラジニル、ピリドピリミジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリミジル、ピロニル、ピロリジニル、ピロリドニル(例えば、2-ピロリドニル)、ピロリニル、ピロリジジニル、ピロリル(例えば、2H-ピロリル)、ピリリウム、キナゾリニル、キノリニル、キノリジニル(例えば、4H-キノリジニル)、キノキサリニル、キヌクリジニル、セレナジニル、セレナゾリル、セレノフェニル、スクシンイミジル、スルホラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピロニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラジニル、テトラゾリル、チアジアジニル(例えば、6H-1,2,5-チアジアジニルまたは2H,6H-1,5,2-ジチアジニル)、チアジアゾリル、チアントレニル、チアニル、チアナフテニル、チアゼピニル、チアジニル、チアゾリジンジオニル、チアゾリジニル、チアゾリル、チエニル、チエパニル、チエピニル、チエタニル、チエチル、チイラニル、チオカニル、チオクロマノニル、チオクロマニル、チオクロメニル、チオジアジニル、チオジアゾリル、チオインドキシル、チオモルホリニル、チオフェニル、チオピラニル、チオピロニル、チオトリアゾリル、チオウラゾリル、チオキサニル、チオキソリル、チミジニル、チミニル、トリアジニル、トリアゾリル、トリチアニル、ウラジニル、ウラゾリル、ウレチジニル、ウレチニル、ウリシル、ウリジニル、キサンテニル、キサンチニル、キサンチオニルなど、およびそれらの改質体(例えば、1つまたは複数のオキソおよび/またはアミノを含む)ならびにそれらの塩が挙げられる。ヘテロシクリル基は、置換または非置換であり得る。例えば、ヘテロシクリル基は、アリールについて本明細書に記載される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0068】
「ヒドロキシル」とは、-OHを意味する。
【0069】
「イミノ」とは、-NR-を意味し、Rは、Hまたは任意選択で置換されたアルキルであり得る。
【0070】
「オキソ」とは、=O基を意味する。
【0071】
「オキシ」とは、-O-を意味する。
【0072】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、任意の列挙された値の±10%を意味する。本明細書で使用される場合、この用語は、任意の列挙された値、値の範囲、または1つもしくは複数の範囲の終点を改質する。
【0073】
本明細書で使用される場合、「上部」、「底部」、「上側」、「下側」、「上方」、および「下方」という用語は、構造間の相対的な関係を提供するために使用される。これらの用語の使用は、特定の構造が装置内の特定の場所に位置されなければならないことを示したり要求したりするものではない。
【0074】
本発明の他の特徴および利点は、以下の説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【
図1A】有機金属前駆体と有機共反応物とを用いる非限定的な方法を示す図である。(A)ポジ型レジスト(経路i)またはネガ型レジスト(経路ii)のいずれかを設ける第1の方法100が示されている。
【
図1B】有機金属前駆体と有機共反応物とを用いる非限定的な方法を示す図である。(B)例示的な方法150のブロック図が示されている。
【
図1C】有機金属前駆体と有機共反応物とを用いる非限定的な方法を示す図である。(C)現像液として水を用いた非限定的露光後インキュベート条件(100℃、150℃、または175℃で2分間)の効果を示すグラフが示されている。
【
図1D】有機金属前駆体と有機共反応物とを用いる非限定的な方法を示す図である。(D)現像液として2-ヘプタノンを用いた非限定的露光後インキュベート条件(100℃、150℃、もしくは200℃で2分間、または現像開始まで4日間遅延させて150℃で2分間)の効果を示すグラフが示されている。
【
図1E】有機金属前駆体と有機共反応物とを用いる非限定的な方法を示す図である。(E)水単独、イソプロピルアルコール(IPA)単独、または水とIPAとの1:1混合液を用いた非限定的露光後インキュベート条件(150℃で2分間)の効果を示すグラフが示されている。
【0076】
【
図2A】改質前駆体を堆積させるための例示的な有機金属前駆体と有機共反応物を示す模式図である。(A)第1の有機共反応物(C-1)の存在下でのSn(IV)有機金属前駆体(I-1)が示されている。
【
図2B】改質前駆体を堆積させるための例示的な有機金属前駆体と有機共反応物を示す模式図である。(B)第2の有機共反応物(C-2)の存在下でのSn(IV)有機金属前駆体(I-1)が示されている。
【
図2C】改質前駆体を堆積させるための例示的な有機金属前駆体と有機共反応物を示す模式図である。(C)第1の有機共反応物(C-1)の存在下での異なるSn(IV)有機金属前駆体(I-2)が示されている。
【
図2D】改質前駆体を堆積させるための例示的な有機金属前駆体と有機共反応物を示す模式図である。(D)第2の有機共反応物(C-2)の存在下での異なるSn(IV)有機金属前駆体(I-2)が示されている。
【
図2E】改質前駆体を堆積させるための例示的な有機金属前駆体と有機共反応物を示す模式図である。(E)第1の有機共反応物(C-1)の存在下でのSn(II)有機金属前駆体(I-3)が示されている。
【
図2F】改質前駆体を堆積させるための例示的な有機金属前駆体と有機共反応物を示す模式図である。(F)第1の有機共反応物(C-1)およびテルル含有前駆体(TeR
2)の存在下でのSn(II)有機金属前駆体(I-3)が示されている。
【
図2G】改質前駆体を堆積させるための例示的な有機金属前駆体と有機共反応物を示す模式図である。(G)第2の有機共反応物(C-2)の存在下での別のSn(II)有機金属前駆体(I-4)が示されている。
【
図2H】改質前駆体を堆積させるための例示的な有機金属前駆体と有機共反応物の模式図である。(H)第3の有機共反応物(C-3)の存在下でのSn(II)有機金属前駆体(I-4)が示されている。
【0077】
【
図3A】ハーフピッチ(HP)14nm(HP14)のレジスト膜の非限定的な走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す図である。(A)メチル基を含む第1のスズ含有前駆体、イソプロピル基を含む第2のスズ含有前駆体、および有機共反応物としてのアセトンを使用して堆積されたレジスト膜が示されている。EUVパターニングはスイスのPSIで実施した。
【
図3B】ハーフピッチ(HP)14nm(HP14)のレジスト膜の非限定的な走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す図である。(B)メチル基を含む第1のスズ含有前駆体、および有機共反応物としてのアセトンを使用して堆積されたレジスト膜が示されている。EUVパターニングはスイスのPSIで実施した。
【0078】
【
図4A】例示的なスタックを示す概略図である。(A)改質前駆体で堆積された膜402を含むスタックが示されている。
【
図4B】例示的なスタックを示す概略図である。(B)有機金属前駆体および有機共反応物の量を制御することによって、領域412a、412bにおいて異なる炭素含有量を有する膜412を含む別のスタックが示されている。
【
図4C】例示的なスタックを示す概略図である。(C)改質前駆体で堆積された膜423を含むさらに別のスタックであり、膜423が、フォトレジスト層422の上に配置されたキャッピング層である、スタックが示されている。
【0079】
【
図5】乾式現像のためのプロセスステーション500の一実施形態を示す概略図である。
【0080】
【
図6】マルチステーション処理ツール600の一実施形態を示す概略図である。
【0081】
【
図7】誘導結合プラズマ装置700の一実施形態を示す概略図である。
【0082】
【
図8】半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャ800の一実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
本開示は、一般に、半導体処理の分野に関する。特に、本開示は、1つまたは複数の有機共反応物と組み合わせた1つまたは複数の有機金属前駆体の使用を対象とし、それによって堆積のための改質前駆体をもたらす。このような改質前駆体は、有機金属前駆体の金属中心および有機共反応物の有機部分を含んでもよい。このようにして、有機金属前駆体と有機共反応物との反応の程度を制御することによって、前駆体および共反応物中に存在する部分および配位子の適切な組み合わせを選択することによって、ならびに/または堆積中に導入する前駆体および共反応物の所望の量を決定することによって、堆積膜の化学的、物理的、および/または光学的特性を制御することができる。膜の特性のさらなる向上は、露光後に膜をインキュベートすることによって得ることができる。本明細書に記載されるように、このような改質前駆体は、露光領域と非露光領域との間の材料差をさらに強化するためにインキュベートおよび現像することができる膜を設けることができる。
【0084】
本明細書では、本開示の特定の実施形態を詳細に言及する。特定の実施形態の例は、添付の図面に示されている。本開示は、これらの特定の実施形態と併せて記載されるが、本開示をそのような特定の実施形態に限定することを意図していないことが理解されるであろう。逆に、本開示の精神および範囲内に含まれ得る代替物、修正物、および等価物を包含することを意図している。以下の説明では、本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。本開示は、これらの具体的な詳細の一部または全部がなくても実施することができる。他の例では、本開示を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス操作は詳細に記載されていない。
【0085】
EUVリソグラフィは、下層のエッチングに使用するマスクを形成するようにパターニングされたEUVレジストを利用する。EUVレジストは、液体ベースのスピンオン技法によって生成されるポリマーベースの化学増幅レジスト(CAR)であってもよい。CARに代わるものは、Inpria Corp.(オレゴン州コーバリス)から入手可能であり、例えば、米国特許出願公開第2017/0102612号、米国特許出願公開第2016/0216606号、および米国特許出願公開第2016/0116839号に記載されているものなど、直接フォトパターニング可能な金属酸化物含有膜であり、フォトパターニング可能な金属酸化物含有膜の開示について、少なくとも参照により本明細書に組み込まれる。そのような膜は、スピンオン技法または乾式気相堆積によって生成され得る。金属酸化物含有膜は、例えば2018年6月12日に発行され、EUV PHOTOPATTERNING OF VAPOR-DEPOSITED METAL OXIDE-CONTAINING HARDMASKSと題する米国特許第9,996,004号、および/または2019年5月9日に出願され、国際公開番号WO2019/217749号として公開された、METHODS FOR MAKING EUV PATTERNABLE HARD MASKSと題する国際出願第PCT/US19/31618号に記載されている、30nm未満のパターニング解像度をもたらす真空雰囲気でのEUV露光によって直接(すなわち、別々のフォトレジストを使用せずに)パターニング可能であり、EUVレジストマスクを形成するための直接フォトパターニング可能な金属酸化物膜の組成、堆積、およびパターニングに少なくとも関連する上記の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。一般に、パターニングは、EUV放射線でEUVレジストを露光してレジストにフォトパターンを形成し、続いて現像してフォトパターンに従ってレジストの一部を除去し、マスクを形成することを伴う。
【0086】
直接フォトパターニング可能なEUVまたはDUVレジストは、有機成分内に混合された金属および/または金属酸化物で構成され得るか、またはそれらを含み得る。金属/金属酸化物は、EUVまたはDUV光子吸着を増強し、二次電子を生成し、かつ/または下にある膜スタックおよびデバイス層に対するエッチング選択比の増加を示すことができる。これらのレジストは湿式(溶剤)アプローチを使用して現像することができるが、これはウエハがトラックに移動し、そこで現像溶剤に曝露され、乾燥され、次いでベークされることを必要とする。このようなレジストは、本明細書に記載されるように、乾式アプローチ、または湿式アプローチと乾式アプローチとの組み合わせを使用して現像することもできる。
【0087】
一般に、レジストの化学的性質および/または現像液の溶解度もしくは反応性を制御することによって、レジストはポジ型レジストまたはネガ型レジストとして用いることができる。ネガ型レジストまたはポジ型レジストのいずれかとして機能することができるEUVまたはDUVレジストを有することが、有益であろう。
【0088】
露光後のインキュベートおよび現像条件で膜のDtGまたはDtCまたはDtS特性を調整することができるレジストを有することも有益であろう。特定の実施形態において、DtCは、(例えば、ポジ型レジストの場合)現像時に、露光フォトレジスト領域の除去をもたらす露光量であると考えられる。このような除去は、露光領域の厚さの変化(例えば、一定の厚さの減少)などの、任意の有用な方式で定量化することができる。他の実施形態において、DtGは、(例えば、ネガ型レジストの場合)現像時に、露光フォトレジスト領域の不溶化をもたらす露光量であると考えられる。このような不溶性は、露光領域の厚さの変化(例えば、一定の厚さの増加)などの、任意の有用な方式で定量化することができる。さらに他の実施形態において、DtSは、現像時に、露光フォトレジスト領域に特定の寸法を生じさせる露光量であると考えられる。
【0089】
本開示は、一般に、改質前駆体から形成された膜を用いる任意の有用な方法であって、膜は、露光領域と非露光領域との間の材料差を強化するためにさらにインキュベートされ、次いで、露光領域または非露光領域のいずれかを除去するために現像される、方法を含む。そのような方法は、本明細書に記載されるいずれかの有用なリソグラフィプロセス、堆積プロセス、放射線露光プロセス、現像プロセス、および適用後プロセスを含んでもよい。いくつかの実施形態において、有機共反応物の選択により、ポジ型レジストまたはネガ型レジストのいずれかを設けることができる。したがって、本明細書における方法としてはまた、ポジ型レジストまたはネガ型レジストを用いる方法も挙げられる。ポジ型レジストまたはネガ型レジストの現像は、湿式現像、乾式現像、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0090】
以下ではEUVプロセスに関連する技法を記載することがあるが、そのような技法は、他の次世代リソグラフィ技法にも適用可能である場合がある。EUV(一般に約13.5nm)、DUV(深UV、一般にエキシマレーザ源で248nmまたは193nmの範囲)、X線(X線範囲のより低いエネルギー範囲におけるEUVを含む)、およびe-ビーム(広いエネルギー範囲を含む)を含む、様々な放射線源を用いることが可能である。
【0091】
図1Aは、例示的な方法100を概略図として示し、
図1Bは、例示的な方法150をフローチャートとして示している。
図1Aに目を向けると、例示的な方法100は、有機共反応物12(例えば、本明細書に記載されるいずれか)の存在下で有機金属前駆体10を供給することを含み得る。特に、有機共反応物は、有機金属前駆体中の少なくとも1つの配位子を置き換えて、改質前駆体をもたらす。方法100はさらに、改質前駆体を基板111の上面に膜112として堆積させること101を含み、膜112はEUV感受性材料を含む。堆積は、本明細書に記載されるいずれか(例えば、水蒸気)などの対応反応物の使用を含んでもよい。
【0092】
膜の組成は、堆積中に用いられる有機金属前駆体、有機共反応物、および対応反応物によって決定される。非限定的な膜としては、有機スズアセチリドオキシド(例えば、有機スズ前駆体、アセチレン含有共反応物、および任意選択の酸素含有対応反応物を使用)、スズアセチリドオキシド(例えば、有機スズ前駆体、アセチレン含有共反応物、および任意選択の酸素含有対応反応物を使用)、スズアセチリドテルリド(例えば、有機スズ前駆体、アセチレン含有共反応物、およびテルル含有対応反応物を使用)、有機シュウ酸スズ(例えば、有機スズ前駆体、オキサリル含有共反応物、および任意選択の酸素含有対応反応物を使用)、シュウ酸スズ(例えば、有機スズ前駆体、オキサリル含有共反応物、および任意選択の酸素含有対応反応物を使用)、有機スズホルメート(例えば、有機スズ前駆体、モノカルボン酸含有共反応物、および任意選択の酸素含有対応反応物を使用)、スズホルメート(例えば、有機スズ前駆体、モノカルボン酸含有共反応物、および任意選択の酸素含有対応反応物を使用)、有機スズペルオキシド(例えば、有機スズ前駆体、ペルオキソ含有共反応物、および任意選択の酸素含有対応反応物を使用)、または、スズペルオキシド(例えば、有機スズ前駆体、ペルオキソ含有共反応物、および任意選択の酸素含有対応反応物を使用)、を挙げることができる。
【0093】
本方法は、堆積EUV感受性膜を処理する工程をさらに含んでもよい。このような工程は、膜を形成するために必要ではないが、膜をPRとして使用するのに有用であり得る。したがって、方法100は、EUV露光102によって膜をパターニングし、EUV露光領域112bおよびEUV非露光領域112cを有する露光膜を設けることをさらに含む。パターニングは、EUV透明領域およびEUV不透明領域を有するマスク114の使用を含んでもよく、EUVビーム115が、EUV透明領域を通過して膜112に透過する。EUV露光は、例えば、真空雰囲気中で約10nm~約20nm(例えば、真空雰囲気中で約13.5nm)の範囲の波長を有する露光を含み得る。特定の実施形態において、放射線量は約1~50mJ/cm2である。他の実施形態において、放射線量は、約1~10mJ/cm2、1~20mJ/cm2、1~30mJ/cm2、1~40mJ/cm2、10~20mJ/cm2、10~30mJ/cm2、10~40mJ/cm2、または10~50mJ/cm2である。
【0094】
パターンが設けられると、方法100は、露光領域と非露光領域との間で1つまたは複数の材料特性をさらに区別するために膜をインキュベートすること103を含んでもよく、それによって、インキュベート露光領域112dとインキュベート非露光領域112eとを有するインキュベート膜を設ける。機構によって限定されることを望むものではないが、インキュベートは、露光領域および非露光領域内で特定の化学的または物理的プロセスを促進し、現像液への曝露時に、それらの領域における材料の溶解度にさらに差異を生じさせることができる。非限定的な一例として、インキュベートにより、非露光領域内では架橋のレベルが低く、露光領域内では架橋のレベルが高くなり、それにより露光領域が現像液中の溶解に対して耐性となる可能性がある。架橋の程度は、水分の損失、スズ-有機部分の熱分解、および/または特定の領域における有機配位子の損失の程度の影響を受けることがある。このような架橋は、金属-酸素結合、金属-炭素結合、または炭素-炭素結合(例えば、配位子間)の形成を含み得る。
【0095】
インキュベート条件は、露光膜を約20~300℃の温度でインキュベートすることを含んでもよい。一例では、周囲雰囲気中、約100~250℃の温度で露光膜をインキュベートすることにより、露光領域と非露光領域との間の材料差が増大する。この差は、特定の現像液(例えば、水性現像液、ガス状水、またはハロゲン化物蒸気)で現像したときに、DtGまたはDtCまたはDtSを強化するために使用することができる。膜に対するそのようなインキュベートは、約30~300秒の時間を含んでもよい。
【0096】
別の例では、露光膜を約20~30℃の低い温度で長時間(例えば、1~7日間)インキュベートすることにより、露光領域と非露光領域との間の材料差が増大する。この差は、特定の現像液(例えば、水性現像液、有機現像液、またはそれらの組み合わせ、および本明細書に記載されるいずれか)で現像したときに、DtGまたはDtCまたはDtSを強化するために使用することができる。そのようなインキュベートは、周囲雰囲気(例えば、周囲空気)、または以下の、窒素(N2)、酸素(O2)、水蒸気(H2O)、二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、もしくはそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を有する他の雰囲気中で行うことができる。
【0097】
特定の実施例において、高温(例えば、200℃超、250℃、または以上)への曝露により、膜全体が不溶性になる可能性があり、したがって、放射線露光によって設けられたパターニング解像度が失われる。しかし、制御された雰囲気条件下で高温を用いることができる。したがって、一例では、不活性雰囲気中、約150~300℃の高温で露光膜をインキュベートすることにより、露光領域と非露光領域との間の材料差が増大する。この差は、特定の現像液(例えば、水性現像液、有機現像液、またはそれらの組み合わせ、および本明細書に記載されるいずれか)で現像したときに、DtGまたはDtCまたはDtSを強化するために使用することができる。そのようなインキュベートは、約1~300秒の時間を含んでもよい。任意選択で、ある程度の湿気が存在し得る。そのようなインキュベートは、以下の、窒素(N2)、酸素(O2)、水蒸気(H2O)、二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、またはそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を有する雰囲気中で行うことができる。
【0098】
したがって、一例では、インキュベート膜は、インキュベート露光領域とインキュベート非露光領域との間で疎水性/親水性の差が強化された領域を含んでもよい。このような差は、親水性条件(例えば、水性現像液、アルコール、酸、塩基、ガス状水、酸素(O2)、ガス状酸、ガス状ハロゲン化物、またはそれらの組み合わせ)を用いて、より親水性が高い領域を除去することができ、疎水性条件(例えば、ケトン、エステル、アルコール、エーテル、またはそれらの組み合わせ)を用いて、より疎水性が高い領域を除去することができるという点で、有利であり得る。これらの実施形態のいずれにおいても、湿式または乾式の現像条件を用いることができる。特定の例において、現像することは、乾式現像プロセスと併せて湿式現像プロセスを含む。このようなプロセスには、水、酸素(O2)、ガス状酸、ガス状ハロゲン化物、またはそれらの組み合わせを含む気体と共にケトンまたは液状水の使用が含まれ得る。
【0099】
図1Aに戻ると、方法100は、インキュベート膜を現像すること104を含んでもよく、それによって(i)EUV露光領域を除去してポジ型レジスト膜内にパターンを設けるか、または(ii)EUV非露光領域を除去してネガ型レジスト内にパターンを設けるかのいずれかを行うことができる。
図1Aの経路(i)は、EUV露光およびインキュベート領域112dを選択的に除去する結果をもたらすが、これは、EUV露光後の安定性がより低い(例えば、EUV放射線に露光されるとガス状副生成物を放出する)結合配位子をもたらす有機共反応物を使用することによって、および/または、EUV露光およびインキュベート領域112dが現像液によってより容易に溶解されるようなインキュベート条件を使用することによって、および/または、EUV非露光およびインキュベート領域112eが現像液によってより容易に溶解されないようなインキュベート条件を使用することによって、促進され得る。あるいは、
図1Aの経路(ii)は、EUV露光およびインキュベート領域112dを維持する結果をもたらすが、これは、EUV露光後の安定性がより高い(例えば、EUV露光後に、より現像されにくい)結合配位子をもたらす有機共反応物を使用することによって、および/または、EUV露光およびインキュベート領域112dが現像液によってより容易に溶解されないようなインキュベート条件を使用することによって、および/または、EUV非露光領域およびインキュベート112eが現像液によってより容易に溶解されるようなインキュベート条件を使用することによって、促進され得る。
【0100】
現像工程は、気相での水蒸気またはハロゲン化物化学物質(例えば、HBr化学物質)の使用、または液相での水性もしくは有機溶剤の使用、およびそれらの組み合わせを含んでもよい。特定の例では、水、酸、塩基、ケトン、エステル、アルコール、エーテル、界面活性剤、またはそれらの組み合わせを約15~120秒の任意選択の時間使用するなどの湿式現像が用いられる。他の例では、乾式現像を単独で、または湿式現像と組み合わせて(例えば、連続的な工程として)用いる。乾式現像は、例えば、約0.1~1Torrの任意選択の圧力で約30~720秒の任意選択の時間、ガス状水、酸素(O2)、ガス状酸、ガス状ハロゲン化物、またはそれらの組み合わせ(例えば、酸を含む水、または酸を含むO2)を含んでもよい。
【0101】
現像工程は、低圧条件(例えば、約1~100mTorr)、プラズマ露光(例えば、真空の存在下)、および/または任意の有用な化学物質(例えば、ハロゲン化物化学物質または水性化学物質)と組み合わせることができる熱条件(例えば、約-10~100℃)などの任意の有用な実験条件を含んでもよい。現像は、例えば、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、水素ガス(H2)、塩素ガス(Cl2)、臭素ガス(Br2)、三塩化ホウ素(BCl3)、またはそれらの組み合わせなどの、ハロゲン化物ベースのエッチャント、ならびに本明細書に記載されるいずれかのハロゲン化物ベースの現像プロセス、水性アルカリ現像溶液、または有機現像溶液を含んでもよい。追加の現像プロセス条件が、本明細書に記載される。
【0102】
図1C~
図1Eは、非限定的な膜の結果を示している。膜は、有機スズベースのフォトレジストを含んでおり、フォトレジストを様々な放射線量に露光し、示された温度で2分間インキュベートし、示された現像液で10秒間現像し、次いで10秒間(現像液と同じ溶剤で)リンスした。現像後、露光線量ごとに膜の厚さを測定した。
【0103】
図1Cは、(現像液として)水を用いて現像した膜に対する、異なるインキュベート温度の効果を示している。図に示すように、露光膜を175℃でインキュベートすると、100℃でインキュベートした膜(DtG25~30mJ/cm
2)と比較して、DtGが改善された(3mJ/cm
2)。
【0104】
図1Dは、現像液として2-ヘプタノンを使用した場合を示している。図に示すように、インキュベート温度を上げると、試験した条件下でDtGが増加した。150℃でインキュベートした後、現像を遅延させると(4日間)、DtGが改善された(15mJ/cm
2未満)。
図1Eは、現像液としてイソプロパノール(IPA)、水、またはIPAと水との混合物を使用した場合を示している。機構によって限定されることを望むものではないが、このような溶剤研究は、膜溶解の機構をより完全に解明し、膜の様々な成分の溶解度を制御するために使用することができる。
【0105】
EUV感受性膜、基板、フォトレジスト層、および/または本明細書のいずれかの方法において、さらに調節、修正、または処理を行うために、任意選択の工程を実施することができる。
図1Bは、任意選択の操作を含む、様々な操作を有する例示的な方法150のフローチャートを示す。図に示すように、操作152において、有機金属前駆体が有機共反応物の存在下で供給され、これにより(例えば、チャンバ内で)改質前駆体がもたらされる。操作154では、改質前駆体を用いて膜を堆積させる。次いで、操作156は、有機金属前駆体および有機共反応物の量を変更し、それによってさらなる改質前駆体をもたらす任意選択のプロセスである。このような変更は、有機金属前駆体および/または有機共反応物の量を増加または減少させることを含んでもよい。任意選択の操作158は、さらなる改質前駆体を堆積させることを含む。操作156、158は、所望により繰り返して、改質前駆体を有する膜を形成することができる。
【0106】
操作160において、膜をEUV放射線に露光してパターンを現像する。一般に、EUV露光は、膜の化学組成の変化を引き起こし、膜の一部を除去するために使用することができるエッチング選択比のコントラストを作り出す。そのようなコントラストは、本明細書に記載されるポジ型レジストまたはネガ型レジストを設けることができる。
【0107】
操作162において、露光膜は、露光膜のエッチング選択比におけるコントラストをさらに増加させるためにインキュベートされる。一例では、露光膜を約20~300℃の温度でインキュベートすることができる。例えば、インキュベートとしては、低温で長時間(例えば、約20~30℃または20~35℃で1日超)、中間温度で短時間(例えば、約100~200℃または150~200℃で10分未満)、または高温で短期間(例えば、約100~300℃、150~300℃、または200~300℃で10分未満)が挙げられ得る。そのようなインキュベート(例えば、任意選択で、様々な化学種の存在下)は、剥離剤(例えば、水性現像溶液;ガス状水;酸素(O2);ガス状酸;ガス状ハロゲン化物;ハロゲン化物ベースのエッチャント、例えばHCl、HBr、H2、Cl2、Br2、BCl3、もしくはそれらの組み合わせ、および本明細書に記載されるいずれかのハロゲン化物ベースの現像プロセス;有機現像溶液;または本明細書に記載される他のもの)への曝露時に、レジストのEUV露光部分またはEUV非露光領域内の反応性を促進することができる。いくつかの実施形態において、露光膜を熱処理して、レジストのEUV露光部分内の配位子をさらに架橋し、それによって、剥離剤(例えば、ネガ型現像液)への曝露時に選択的に除去することができるEUV非露光部分を設けることができる。
【0108】
次いで、操作164において、PRパターンが現像される。現像の様々な実施形態において、露光領域が除去されるか(ポジ型)、または非露光領域が除去される(ネガ型)。様々な実施形態において、これらの工程は、乾式プロセスおよび/または湿式プロセスであってもよい。乾式プロセスは、約30~720秒の時間、約0.1~1Torrの圧力でガス(例えば、水、酸素、酸、ハロゲン化物、またはそれらの組み合わせを含む)を含んでもよい。湿式プロセスは、約15~60秒の時間、室温(例えば、約20~30℃または20~25℃)で液体(例えば、水、酸、塩基、ケトン、エステル、アルコール、エーテル、またはそれらの組み合わせ)を含んでもよい。一例では、これらの工程は、任意の順序で湿式プロセスに続いて乾式プロセスを含んでもよい。このようなプロセスは、サイクルで(例えば、湿式プロセスと乾式プロセスを交互にnサイクル(nは1、2、3、4、5、またはそれ以上であり得る))実施することができる。
【0109】
他の任意選択の工程を実行してもよい。任意選択で、方法は、(例えば、堆積後に)基板の裏面もしくはベベルを洗浄すること、または前の工程で堆積された堆積膜のエッジビードを除去することを含んでもよい。そのような洗浄または除去工程は、膜層を堆積した後に存在する可能性がある粒子を除去するのに有用であり得る。除去工程は、湿式金属酸化物(MeOx)エッジビード除去(EBR)工程でウエハを処理することを含んでもよい。
【0110】
別の例では、方法は、堆積膜の適用後ベーク(PAB)を実施し、それによって残留水分を除去するか、または任意の有用な方式で堆積膜を前処理する任意選択の工程を含んでもよい。任意選択のPABは、膜堆積の後、EUV露光の前に行うことができ、PABは、膜のEUV感受性を高めるために熱処理、化学物質への曝露、および水分の組み合わせを伴うことができ、それによって膜にパターンを現像するためのEUV線量を低減する。特定の実施形態において、PAB工程は、約100℃超の温度、または約100~200℃、または約100~250℃の温度で行われる。場合によっては、PABは、方法内で実施されない。
【0111】
さらに別の例では、方法は、露光膜の露光後ベーク(PEB)を実施し、それによって残留水分をさらに除去するか、膜内の化学凝縮を促進するか、または任意の有用な方式で膜を後処理する任意選択の工程を含んでもよい。別の例では、方法は、(例えば、現像後に)パターニングされた膜を硬化させ、それによって基板の上面に配置されたレジストマスクを設けることを含んでもよい。硬化工程は、EUV非露光領域またはEUV露光領域をさらに架橋または反応させる任意の有用なプロセス、例えばプラズマ(例えば、O2、Ar、He、またはCO2プラズマ)への曝露、紫外線放射線への露光、アニーリング(例えば、約180~240℃の温度で)、熱ベーキング、または現像後ベーキング(PDB)工程に有用であり得るそれらの組み合わせなどの工程を含んでもよい。追加の適用後プロセスは本明細書に記載されており、本明細書に記載されるいずれかの方法における任意選択の工程として行うことができる。
【0112】
堆積、パターニング、および/または現像工程中、任意の有用なタイプの化学物質を用いることができる。そのような工程は、気相で化学物質を用いる乾式プロセスまたは液相で化学物質を用いる湿式プロセスに基づくことができる。様々な実施形態は、気相堆積、(EUV)リソグラフィフォトパターニング、乾式剥離、および乾式現像による膜形成の、全ての乾式操作を組み合わせることを含む。湿式処理操作、例えば、Inpria Corp.から入手可能なものなどのスピンオンEUVフォトレジスト(湿式プロセス)と有利に組み合わされた本明細書に記載される乾式処理操作を含む様々な他の実施形態は、乾式現像または本明細書に記載される他の湿式もしくは乾式プロセスと組み合わせることができる。様々な実施形態において、ウエハ洗浄は、本明細書に記載される湿式プロセスであってもよく、他のプロセスは、乾式プロセスである。さらに他の実施形態において、湿式現像プロセスを使用することができる。
【0113】
いくつかの実施形態において、乾式プロセスが用いられる。例えば、本明細書に記載される乾式気相堆積技法を使用して、薄く欠陥のない膜を堆積することができ、堆積膜の正確な厚さは、堆積工程またはシーケンスの長さを増減することによって調節および制御することができる。したがって、乾式プロセスは、調整可能性をもたらし、臨界寸法(CD)制御およびスカム除去を与えることが可能である。乾式現像は、性能を向上させること(例えば、ライン倒壊の防止)、スループットを向上させること、付着の問題に対する感受性を低減すること、ラインエッジ粗さを向上させること、デバイストポグラフィ上の直接パターニングを可能にすること、および/またはハードマスク化学を特定の基板および半導体デバイス設計に調整する能力をもたらすことができる。他の実施形態において、このような利点をもたらすために、湿式プロセスと乾式プロセスの組み合わせ(例えば、堆積、現像、または他の処理操作などのプロセス)が用いられる。さらに他の実施形態において、このような利点をもたらすために、湿式プロセス(例えば、堆積、現像、または他の処理操作などのプロセス)が用いられる。追加の詳細、材料、プロセス、工程、および装置が、本明細書に記載される。
【0114】
改質前駆体
本開示は、改質前駆体を生成するための、有機共反応物の存在下における有機金属前駆体の使用に関し、次にこの改質前駆体を直ちに堆積させてパターニング放射線感受性膜(例えば、EUV感受性膜)を形成する。この膜は、本明細書でさらに記載されるように、次に、EUVレジストとして機能することができる。特定の実施形態において、改質前駆体はin situで生成および堆積され、例えば、生成は堆積のためのチャンバ内で行われる。
【0115】
改質前駆体は、有機金属前駆体と有機共反応物との間に形成される反応生成物であり得、この反応生成物は、次いで、堆積されて膜を形成することができる。このような反応および堆積は、蒸気形態または溶剤(または液体)の形態で実施することができる。特定の実施形態において、膜は、放射線(例えば、EUV放射線またはDUV放射線)によって除去、開裂、または架橋され得る1つまたは複数の配位子(例えば、不安定配位子)を含み得る。
【0116】
いくつかの実施形態において、炭素含有共反応物(または有機共反応物)の使用により、膜組成のライブラリを拡張し、膜の様々な特性(例えば、膜の機械的特性、パターニング放射感受性などの光学的特性、および/またはパターニング性能)についての膜の調整を可能にすることができる。このような有機共反応物は、堆積プロセス中に使用して、膜中の放射線感受性元素の密度と、放射線応答性有機部分の密度と、を分けることができ、これにより、放射線感受性金属と放射線応答性有機部分との比を調整することができ、これは、パターニング放射線感受性の向上および/または結果として得られるパターニング品質の向上をもたらす可能性がある。
【0117】
さらに、有機共反応物は、膜に他の有益な特性を付与するように選択することができる。一例では、選択された有機共反応物は、前駆体の金属中心に配位子を導入することができ、導入された配位子は、パターニング放射線へ露光されると、ポジ型現像液に対して高度に可溶性となる。例示的な配位子としては、金属中心間に位置する二価オキサリル配位子が挙げられ、この配位子は、放射線非露光領域(例えば、EUVまたはDUV非露光領域)では耐性がある(resilient)膜を設けるが、放射線露光領域(例えば、EUVまたはDUV露光領域)では除去可能な膜をもたらす。このようにして、有機共反応物によりポジ型レジストを設けることができる。別の例では、導入された配位子は、金属中心間に位置する重合可能部分(例えば、アルケニレン、アルキニレン、またはエポキシ)を含み、重合可能部分は、放射線露光領域で光重合を受けることができる。このようにして、有機共反応物により、ネガ型レジストを強化する。
【0118】
有機金属前駆体としては、放射線感受性であるパターニング可能な膜(またはパターニング放射線感受性膜またはフォトパターニング可能な膜)を設ける任意の前駆体(例えば、本明細書に記載される)を挙げることができる。このような放射線は、パターニングマスクを介して照射することによってもたらされ、それによってパターニング放射線となるEUV放射線またはDUV放射線を含んでもよい。このような放射線に露光することにより、膜が放射線感受性となるように、膜自体を変化させることができる。特定の実施形態において、有機金属前駆体は、少なくとも1つの金属中心、および有機共反応物と反応可能な少なくとも1つの配位子を含む有機金属化合物である。このようにして、共反応物の有機部分は、金属中心の配位子と反応するか、または配位子を置換し、それによって有機部分を結合配位子として金属中心に付着させる。有機部分は、それ自体、(例えば、EUV/DUV吸収率を高めることによって)膜のEUV/DUV感受性を高める、または(例えば、膜の空隙率を高めることによって)現像中のコントラスト選択比を高めることができる。さらに、有機部分は、例えば金属中心からの除去もしくは脱離を受けることによって、または膜内の他の部分と反応もしくは重合することによって、パターニング放射線の存在下において反応性であり得る。
【0119】
有機金属前駆体は、任意の有用な数およびタイプの配位子を有することができる。本明細書で論じられるように、少なくとも1つの配位子は、有機共反応物と反応する。配位子はまた、対応反応物の存在下またはパターニング放射線の存在下で反応する能力も特徴とすることができる。例えば、有機金属前駆体は、金属中心間の結合(例えば、-O-結合)を導入することができる対応反応物と反応する配位子を含んでもよい。このような配位子(例えば、ジアルキルアミノ基またはアルコキシ基)は、場合によっては、有機共反応物とも反応し得る。別の例では、有機金属前駆体は、パターニング放射線の存在下で脱離する配位子を含んでもよい。このような配位子としては、β-水素を有する分岐または直鎖アルキル基を挙げることができる。
【0120】
有機金属前駆体は、有機金属剤、金属ハロゲン化物、またはキャッピング剤(例えば、本明細書に記載される)などの任意の有用な金属含有前駆体であり得る。非限定的な例では、有機金属前駆体は、式(I):
MaRbLc(I)
(式中、Mは、金属または半金属であり、
各Rは、独立して、ハロ、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたアルコキシ、またはLであり、
各Lは、独立して、配位子、イオン、または有機共反応物もしくは対応反応物と反応性である他の部分であり、RおよびLは、Mと一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ、またはRおよびLは、一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ、
a≧1、b≧1、およびc≧1である)を有する構造を含む。
【0121】
いくつかの実施形態において、有機金属前駆体内の各配位子は、有機共反応物または対応反応物と反応性である配位子であり得る。一例では、有機金属前駆体は、式(I)を有する構造を含み、各Rは、独立して、Lである。別の例では、有機金属前駆体は、式(Ia):
MaLc(Ia)
(式中、Mは、金属または半金属であり、
各Lは、独立して、配位子、イオン、または有機共反応物もしくは対応反応物と反応性である他の部分であり、2つのLは、一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ、
a≧1およびc≧1である。式(Ia)の特定の実施形態において、aは、1である。さらなる実施形態において、cは、2、3、または4である)を有する構造を含む。
【0122】
本明細書のいずれかの式について、Mは、大きいパターニング放射線吸収断面積(例えば、1×107cm2/molと同等、またはそれ超のEUV吸収断面積)を有する金属または半金属であり得る。いくつかの実施形態において、Mは、スズ(Sn)、テルル(Te)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、ハフニウム(Hf)、またはジルコニウム(Zr)である。さらなる実施形態において、式(I)または(Ia)中、Mは、Snであり、aは、1であり、cは、4である。他の実施形態において、式(I)または(Ia)中、Mは、Snであり、aは、1であり、cは、2である。特定の実施形態において、Mは、Sn(II)(例えば、式(I)または(Ia)中)であり、それによってSn(II)ベースの化合物である有機金属前駆体をもたらす。他の実施形態において、Mは、Sn(IV)(例えば、式(I)または(Ia)中)であり、それによってSn(IV)ベースの化合物である有機金属前駆体をもたらす。
【0123】
本明細書のいずれかの式について、各Lは、独立して、H、ハロ、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたビス(トリアルキルシリル)アミノ、任意選択で置換されたトリアルキルシリル、または任意選択で置換されたアルコキシ(例えば、-OR1、R1は、アルキルであり得る)である。いくつかの実施形態において、任意選択で置換されたアミノは、-NR1R2であり、各R1およびR2は、独立して、Hもしくはアルキルであるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成する。他の実施形態において、任意選択で置換されたビス(トリアルキルシリル)アミノは、-N(SiR1R2R3)2であり、各R1、R2、およびR3は、独立して、アルキルである。さらに他の実施形態において、任意選択で置換されたトリアルキルシリルは、-SiR1R2R3であり、各R1、R2、およびR3は、独立して、アルキルである。
【0124】
他の実施形態において、式は、-NR1R2である第1のLおよび-NR1R2である第2のLを含み、各R1およびR2は、独立して、Hまたはアルキルであり、または第1のLからのR1および第2のLからのR1は、各々が結合している窒素原子および金属原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成する。さらに他の実施形態において、式は、-OR1である第1のLおよび-OR1である第2のLを含み、各R1は、独立して、Hまたはアルキルであり、または第1のLからのR1および第2のLからのR1は、各々が結合している酸素原子および金属原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成する。
【0125】
いくつかの実施形態において、LまたはRのうちの少なくとも1つは、任意選択で置換されたアルキル(例えば、式(I)または(Ia)中)である。非限定的なアルキル基としては、例えば、CnH2n+1が挙げられ、nは、1、2、3、またはそれ以上であり、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、またはt-ブチルが挙げられる。様々な実施形態において、LまたはRは、少なくとも1つのβ水素またはβフッ素を有する。特に、有機金属前駆体は、テトラメチルスズ(SnMe4)、テトラエチルスズ(SnEt4)、t-ブチルテルル水素化物(Te(t-Bu)(H))、ジメチルテルル(TeMe2)、ジ(t-ブチル)テルル(Te(t-Bu)2)、またはジ(イソプロピル)テルル(Te(i-Pr)2)であり得る。
【0126】
いくつかの実施形態において、各Lまたは少なくとも1つのLは、ハロ(例えば、式(I)または(Ia)中)である。特に、有機金属前駆体は、金属ハロゲン化物であり得る。非限定的な金属ハロゲン化物としては、SnBr4、SnCl4、SnI4、およびSbCl3が挙げられる。
【0127】
いくつかの実施形態において、各Lまたは少なくとも1つのLは、窒素原子を含んでもよい。特定の実施形態において、1つまたは複数のLは、任意選択で置換されたアミノまたは任意選択で置換されたビス(トリアルキルシリル)アミノ(例えば、式(I)または(Ia)中)であり得る。非限定的なL置換基としては、例えば、-NMe2、-NEt2、-NMeEt、-N(t-Bu)-[CHCH3]2-N(t-Bu)-(tbba)、-N(SiMe3)2、および-N(SiEt3)2を挙げることができる。非限定的な有機金属前駆体としては、例えば、Sn(NMe2)4、Sn(NEt2)4、Sn(i-Pr)(NMe2)3、Sn(n-Bu)(NMe2)3、Sn(s-Bu)(NMe2)3、Sn(i-Bu)(NMe2)3、Sn(t-Bu)(NMe2)3、Sn(t-Bu)2(NMe2)2、Sn(t-Bu)(NEt2)3、Sb(NMe2)3、Sn(tbba)、Sn[N(SiMe3)2]2、またはBi[N(SiMe3)2]3を挙げることができる。
【0128】
いくつかの実施形態において、各Lまたは少なくとも1つのLは、ケイ素原子を含んでもよい。特定の実施形態において、1つまたは複数のLは、任意選択で置換されたトリアルキルシリルまたは任意選択で置換されたビス(トリアルキルシリル)アミノ(例えば、式(I)または(Ia)中)であり得る。非限定的なL置換基としては、例えば、-SiMe3、-SiEt3、-N(SiMe3)2、および-N(SiEt3)2を挙げることができる。非限定的な有機金属前駆体としては、Sn[N(SiMe3)2]2、ビス(トリメチルシリル)テルル(Te(SiMe3)2)、ビス(トリエチルシリル)テルル(Te(SiEt3)2)、またはBi[N(SiMe3)2]3を挙げることができる。
【0129】
いくつかの実施形態において、各Lまたは少なくとも1つのLは、酸素原子を含んでもよい。特定の実施形態において、1つまたは複数のLは、任意選択で置換されたアルコキシ(例えば、式(I)または(Ia)中)であり得る。非限定的なL置換基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ(i-PrO)、t-ブトキシ(t-BuO)、および-O=C(CH3)-CH=C(CH3)-O-(acac)が挙げられる。非限定的な有機金属前駆体としては、例えば、Sn(t-BuO)4、Sn(n-Bu)(t-BuO)3、またはSn(acac)2が挙げられる。
【0130】
さらに他の有機金属前駆体および非限定的置換基が本明細書に記載されている。例えば、有機金属前駆体は、上記の式(I)および(Ia)、または以下に記載される式(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、または(VIII)の構造を有する任意のものであり得る。本明細書に記載される置換基M、R、X、またはLのいずれも、式(I)、(Ia)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、または(VIII)のいずれかにおいて用いることができる。
【0131】
改質前駆体をもたらすため、有機金属前駆体の配位子と反応させるか、または配位子を置き換えるために、有機共反応物が用いられる。任意の有用な有機共反応物を用いることができる。このような有機共反応物は、任意の形態、例えば気相として供給され得る。
【0132】
非限定的な一例では、有機共反応物は、式(II):
X1-Z-X2(II)
(式中、X1およびX2の各々は、独立して、脱離基(例えば、ハロ、H、ヒドロキシル、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシなど)であり、
Zは、カルボニル、ジカルボニル、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたハロアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、または任意選択で置換されたアルキニレンである)を有する化合物である。
【0133】
いくつかの実施形態において、Zは、1つまたは複数のオキソ(=O)基で置換されている。特定の実施形態において、Zは、オキサリル、メソキサリル、マロニル、またはオキサラセチルである。他の実施形態において、Zは、1つまたは複数の飽和結合を含む。特定の実施形態において、Zはエチニレンである。有機共反応物の例としては、塩化オキサリル、アセチレンなど、およびそれらの誘導体が挙げられる。他の実施形態において、Zは、1つまたは複数のハロ基で置換されている。
【0134】
いくつかの実施形態において、有機共反応物は、式(IIa):
X1-C≡C-H(IIa)
(式中、X1は、ハロ、H、または任意選択で置換されたアルキルなどの脱離基である)を有するアセチレン誘導体である。
【0135】
他の実施形態において、有機共反応物は、式(IIb):
X1-C(O)-X2(IIb)
(式中、X1およびX2の各々は、独立して、ハロ、H、ヒドロキシル、任意選択で置換されたアルキル、または任意選択で置換されたアルコキシなどの脱離基である)を有するカルボニル含有誘導体である。
【0136】
他の実施形態において、有機共反応物は、式(IIc):
X1-C(O)-C(O)-X2(IIc)
(式中、X1およびX2の各々は、独立して、ハロ、H、ヒドロキシル、任意選択で置換されたアルキル、または任意選択で置換されたアルコキシなどの脱離基である)を有するオキサリル誘導体である。
【0137】
さらに他の実施形態において、有機共反応物は、式(IId):
X1-Ak-H(IId)
(式中、X1は、ハロ、ヒドロキシル、任意選択で置換されたアルキル、または任意選択で置換されたアルコキシなどの脱離基であり、
Akは、任意選択で置換されたアルキレンまたは任意選択で置換されたハロアルキレンである)を有するアルキル誘導体である。少なくとも1つのハロが存在する場合、その時有機共反応物は、ハロアルキル部分またはハロアルキル誘導体であり得る。特定の実施形態において、有機共反応物は、(例えば、ハロがヨードである)ハロアルキル誘導体であり、有機金属前駆体は、Sn(II)ベースの化合物である。
【0138】
機構によって限定されることを望むものではないが、このような化合物を使用して得られる改質前駆体は、添加された有機共反応物(例えば、気相で供給される)の反応性炭素-ハロゲン結合と交わるように低原子価Sn(II)種または他の電子リッチ金属前駆体の酸化的付加を伴うことができる。ある例では、反応性炭素-ハロゲン結合は、反応性炭素-ヨウ素結合である。非限定的なアルキル誘導体としては、ヨウ化エチル、ヨウ化イソプロピル、ヨウ化t-ブチル、ジヨードメタンなどが挙げられる。
【0139】
場合によっては、電子リッチ金属前駆体は、3価のSbまたはBi前駆体である。非限定的な前駆体としては、SbR3またはBiR3(例えば、Rは、式(I)、(IV)、または(VI)におけるものなど、本明細書に記載されるいずれか)を挙げることができ、これにハロゲン化アルキルが付加して5価の錯体を形成し得る。特に、SbおよびBiは、その大きいEUV吸収断面積のために注目される。
【0140】
方法はまた、対応反応物または有機共反応物として、カルコゲニド前駆体も用いることができる。特定の実施形態において、カルコゲニド前駆体は、式(IIe):
X3-Z-X4(IIe)
(式中、Zは、硫黄、セレン、またはテルルであり、
X3およびX4の各々は、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチルなど)、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたアルコキシ、または任意選択で置換されたトリアルキルシリルである)を有する構造を含む。
【0141】
有機金属前駆体の少なくとも1つの配位子を置き換えるために、有機共反応物を用いることができ、この場合、有機共反応物は改質前駆体に結合配位子をもたらす。一例では、有機共反応物は、式(II)を有する構造を含んでもよく、結合配位子は、有機金属前駆体と、有機共反応物(任意選択で、対応反応物を用いて)との反応から生じる任意の有用な置換基を含むか、またはそのような置換基であることができる。特定の実施形態において、改質前駆体中の結合配位子は、-Xa-Z-Xb-の構造を有し、Zは、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、または任意選択で置換されたアルキニレン(例えば、エチニレン、オキサリル、メソキサリル、マロニル、またはオキサラセチル)であってもよく、XaおよびXbの各々は、独立して、結合(例えば、共有結合)、オキシ、イミノ、またはカルボニルである。他の実施形態において、改質前駆体中の結合配位子は、-Xa-Z-Xcの構造を有し、Zは、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、または任意選択で置換されたアルキニレン(例えば、エチニレン、オキサリル、メソキサリル、マロニル、またはオキサラセチル)であり、Xaは、独立して、結合(例えば、共有結合)、オキシ、イミノ、またはカルボニルであり、Xcは、ハロ、H、ヒドロキシル、任意選択で置換されたアルキル、または任意選択で置換されたアルコキシである。
【0142】
いくつかの実施形態において、有機共反応物は、1つまたは複数の嵩高い置換基を含み、それによって、嵩高い置換基を含む結合配位子を有する改質前駆体をもたらす。一例では、嵩高い有機共反応物は、放射線露光領域と非露光領域との間における空隙率の差の増大により、膜の乾式現像コントラストを増大させる可能性がある。別の例では、嵩高い有機共反応物は、放射線露光領域と非露光領域との間における空隙率の差の増大により、乾式現像速度の増加につながる可能性がある。一般に、より嵩高い置換基は、空隙率が増大した膜をもたらす可能性があり、空隙率が増加することで、エッチャントまたは現像化学物質へのアクセスが増加する。空隙率は、例えば、容量ガス吸着などの任意の有用な方式で特徴付けることができる。
【0143】
図2Aは、有機共反応物の存在下における有機金属前駆体の非限定的な実施形態を示している。図に示すように、非限定的な有機金属前駆体は、非限定的な有機共反応物、例えばアセチレン(C-1)の存在下で供給されるスズベースの化合物(Sn(i-Pr)(NMe
2)
3、I-1)であり得る。図に示すように、有機金属前駆体は、有機共反応物で置き換えられ得る配位子(例えば、-NMe
2)を有し、それによって、膜として堆積され得る式(II-1a)を有する改質前駆体がもたらされる。図に示すように、有機金属前駆体のイソプロピル基は、改質前駆体中に維持することができ、反応性-NMe
2配位子は、任意の有用な化学結合を形成することができる。例えば、反応性配位子は、例えば任意選択の酸素含有対応反応物と反応することにより、末端-OH部分またはSn-O結合をもたらすことができ、反応性配位子は、有機共反応物と反応して、結合配位子をもたらすことができる(本明細書において、式(II-1a)中、結合配位子は-C≡CHである)。
【0144】
図に示すように、改質前駆体は、膜内に任意の有用な化学結合を含んでもよい。非限定的な結合としては、末端-OH部分(例えば、1つまたは複数の対応反応物と反応した結果として)、前駆体の金属中心間で形成され得る1つまたは複数の金属-酸素-金属(M-O-M)結合、金属中心と、有機共反応物によって供給される結合配位子内の原子と、の間の金属-炭素(M-C)結合をもたらす1つまたは複数の結合、および/または金属中心と、有機共反応物によって供給される結合配位子内の原子と、の間の金属-酸素(M-O)結合をもたらす1つまたは複数の結合が挙げられる。
【0145】
本明細書におけるアプローチは、改善された改質前駆体および/または改善された膜をもたらすことができる。例えば、最先端の金属酸化物EUVフォトレジストは、一般に、高EUV感受性元素(例えば、Sn)と、金属中心に直接結合したEUV応答性有機部分(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなど)と、を有する有機金属前駆体から生成される。この前駆体は、任意選択で水などの対応反応物とin situで反応させる。このように、結果として得られるEUV感受性元素およびEUV感受性有機部分の密度は、有機金属前駆体の本質的な性質によって直接的に結合される。対照的に、本開示は、有機金属前駆体の変更を必要とせずに、EUV感受性元素の密度およびEUV応答性有機部分の密度を調節することを可能にする。このようにして、有機金属前駆体と有機共反応物との反応の程度を調節することによって(例えば、有機金属前駆体および/または共反応物の量、これら2つの化合物間の反応時間などを調節することによって)、ならびに膜内のEUV感受性元素の密度と、EUV応答性有機部分の密度と、を分けることによって、異なる化学的性質に容易にアクセスすることができる。
【0146】
例えば、このアプローチにより、金属/炭素比が調整可能なEUV感受性膜を得ることができる。一実施形態において、このような調整により、現在利用可能なフォトレジスト(PR)よりも高いEUV応答性を有する膜をもたらすことができ、したがってウエハパターニングのスループットを向上させることができる。他の実施形態において、本プロセスは、ドーズ対サイズを変更し、パターニング品質を最適化(例えば、ライン幅粗さ(LWR)および/もしくはラインエッジ粗さ(LER)の向上)させ、ならびに/または機械的強度を改善するための調整ノブを提供し得る。このような調整は、2つの膜の堆積の間で行われてもよく(例えば、それにより、異なる金属/炭素比を有する2つの膜を生成する)、または同じ膜内で行われてもよい(例えば、それにより、金属/炭素比の勾配を有する単一の膜を設ける)。例えば、本明細書のアプローチは、膜内のEUV応答性有機部分の勾配密度を可能にし得る。機構によって限定されることを望むものではないが、PRの表面近くではより多くの光子が吸収に利用可能であり、底部に到達する光子はより少ないため、EUV感受性有機部分の勾配密度は、EUV吸収事象のより優れた均質化を可能にし、現像プロセスの信頼性を高め、より容易な最適化を可能にし得る。
【0147】
加えて、有機共反応物の物理的サイズにより、露光されていない領域での空隙率が増大した膜が得られる可能性があるが、これは、非露光領域への乾式現像に関与するガスの拡散を改善することを可能にする一方で、露光領域では乾式現像ガスの拡散が減少する可能性がある。この空隙率の差の結果として、ネガ型スキームにおけるこのような膜の乾式現像により、露光領域と非露光領域との間でより高いコントラストが得られる可能性がある。
【0148】
さらに、このアプローチにより、ネガ型乾式現像戦略またはポジ型湿式現像戦略で加工可能な膜を設けることができ、この場合、有機金属前駆体を維持することができ、有機共反応物を変更することで生成される膜のタイプが変わる。有機共反応物を有機金属前駆体と反応させることによってもたらされる配位子の化学構造に応じて、放射線露光は、膜を安定化または不安定化させる可能性がある。
図2Aに見られるように、改質前駆体を堆積させた後、得られた膜をEUV放射線に露光することができる。一例として、EUV露光は、結合したエチニル配位子間の光重合架橋をもたらし、それによって安定化された架橋膜(II-1a
*)を設けることができる。例えば、アセチレンを使用すると、EUVによる重合に続いて乾式現像が行われる結果、高性能ネガ型パターニングが得られる可能性がある。いくつかの非限定的な例では、このような膜を高温(例えば、100~300℃)でインキュベートすることにより、EUV露光領域内でさらなる架橋を得ることができる。機構によって限定されることを望むものではないが、このような架橋は、Sn-O結合形成の増加および/または有機配位子間の架橋の増加によって促進され得る。他の例では、このような膜を高温(例えば、100~300℃)でインキュベートすることにより、エチニルまたはエテニルの熱分解をもたらすことができる。
【0149】
別の例において、放射線露光によって膜内の領域が劣化することがあり、このような改質前駆体によってポジ型フォトレジストを設けることができる。
図2Bは、(有機共反応物としての)塩化オキサリルの使用を示しており、これにより、湿式現像戦略でEUVを使用した高性能ポジ型パターニングが得られる可能性がある。オキサリルブリッジ基を含むことにより、ポジ型湿式現像液(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)に耐性がある非露光膜が得られ、高コントラストのポジ型PRが得られる可能性がある。
【0150】
図2Bに見られるように、非限定的な有機金属前駆体(Sn(i-Pr)(NMe
2)
3、I-1)を塩化オキサリル(C-2)の存在下で供給して、式(II-1b)を有する改質前駆体をもたらす。この改質前駆体の場合、結合配位子は、有機共反応物によって供給されるオキサリル置換基(-C(O)C(O)-)および酸素含有対応反応物によってもたらされ得るオキシ置換基(-O-)を含む。EUV放射線への露光時、改質前駆体内の結合配位子は分解され、それによって金属水酸化物(II-1b
*)と二酸化炭素が生成し得る。EUV露光領域を酸素でさらに処理すると、さらなる金属酸化物膜が設けられる。
【0151】
場合によっては、有機共反応物を使用して放射線応答性有機部分を含めることにより、金属種を架橋するための露光後処理を必要としない膜が得られることがある。例えば、オキサリル誘導体を用いる場合、結合配位子により、露光後処理を必要としないオキサリル置換基を有する膜が得られることがある。このような膜は、ベークに関連するぼやけ効果を低減する、および/またはウエハパターニングのスループットを向上させることにより、改善されたパターニング品質(例えば、改善されたLWRおよび/またはLER)を有する可能性がある。
【0152】
他の例では、放射線露光膜は、本明細書に記載される現像プロセスを使用してさらに現像することができる。いくつかの実施形態において、膜は、ハロゲン化物化学物質(例えば、HBr、HCl、および/またはBCl3)を含む1つまたは複数の工程で乾式現像することができる。他の実施形態において、膜は湿式化学で現像することができる。例えば、限定するものではないが、有機共反応物として塩化オキサリルを使用すると、ポジ型現像液(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)などの水性アルカリ現像液、または本明細書に記載される他の湿式現像液)に対して耐性があると予想される金属中心間のシュウ酸塩結合から生じる優れたポジ型湿式現像性能を得ることができる。
【0153】
本明細書の方法としては、有機共反応物または対応反応物と反応性である配位子のみを有する有機金属前駆体の使用も含まれる。このようにして、有機部分は、有機共反応物によってのみ堆積膜に導入される。例えば、
図2Cは、反応性配位子(例えば、-NMe
2)のみを有する有機金属前駆体(Sn(NMe
2)
4、I-2)の使用を示し、これらの配位子の各々は、有機共反応物および/または対応反応物と反応性であり得る。有機共反応物としてのアセチレン(C-1)と共に使用する場合、改質前駆体(II-2a)は、結合配位子(例えば、-C≡CH)、ヒドロキシル部分、および他の金属-オキシ結合を含み得る。図に示すように、この膜内の炭素含有量は、完全に有機共反応物によって供給される。
【0154】
パターニング放射線に露光すると、改質前駆体内の結合配位子が架橋され、それによって構造(II-2a
*)を有する膜を設けることができる。別の例では、
図2Dは、塩化オキサリル(C-2)の存在下での有機金属前駆体(Sn(NMe
2)
4、I-2)の使用を示し、結合配位子(例えば、-OC(O)C(O)O-)、ヒドロキシル部分、および他の金属-オキシ結合を含む改質前駆体(II-2b)を示す。EUV露光は、ガス状副生成物(例えば、二酸化炭素および/または一酸化炭素)を放出する膜(II-2b
*)を設けることができる。
【0155】
金属中心および有機部分の供給源を切り離すことにより、様々な有機金属前駆体を用いることができる。例えば、
図2E~
図2Hは、スズ(II)金属中心を有する有機金属前駆体の使用を示す。
図2Eに見られるように、有機金属前駆体は、Sn(II)(tbba)(I-3)をアセチレン(C-1)の存在下で用いて、光重合可能な結合配位子を有する改質前駆体(II-3a)をもたらすことができ、EUV露光によって架橋膜(II-3a
*)を設けることができる。
【0156】
有機金属前駆体および有機共反応物は、カルコゲナイド前駆体(例えば、TeR
2)との酸化的付加によって反応させることができる。
図2Fに見られるように、Sn(II)(tbba)(I-3)の有機金属前駆体をアセチレン(C-1)およびTe含有前駆体の存在下で用いて、光重合可能な結合配位子およびSn-Te結合を有する改質前駆体(II-3b)をもたらすことができ、EUV露光によって架橋膜(II-3b
*)を設けることができる。非限定的なTe含有前駆体としては、本明細書に記載されるいずれか、例えば、TeR
2が挙げられ、ここで、Rは、H、任意選択で置換されたアルキル、または任意選択で置換されたトリアルキルシリルであり得る。
【0157】
図2Gは、塩化オキサリル(C-2)の存在下で使用するための有機金属前駆体(Sn[N(SiMe
3)
2]
2、I-4)を示し、これにより改質前駆体(II-4a)をもたらすことができる。次いで、得られた膜をEUVに露光して、露光膜(II-4a
*)を設けることができる。
【0158】
Sn(II)ベースの前駆体を有機共反応物と反応させて、堆積用のSn(IV)ベースの改質前駆体をもたらすことができる。例えば、
図2Hは、有機金属前駆体(I-4)をハロゲン化アルキル(例えば、ヨウ化イソプロピル、C-3)の存在下で用いて、Sn(IV)金属中心を有する改質前駆体(II-5a)をもたらすことができることを示している。図に示すように、このようにして有機共反応物を電子リッチなSn(II)前駆体と共に使用し、EUV不安定アルキル基(例えば、イソプロピル、t-ブチルなど)およびEUV吸収増強配位子(例えば、ヨウ化物)を改質前駆体に組み込むことができる。次いで、得られた膜を酸素含有対応反応物で処理して、有機金属酸化物膜(II-5b)を設けることができ、次いで、膜をEUVに露光して、露光膜(II-5b
*)を設け、開裂アルキル基(例えば、不安定アルキル基がイソプロピルである場合、プロピレン)を放出することができる。次いで、露光膜をベークして金属酸化物膜(II-5b
**)を設けることができる。
【0159】
そのようなEUV吸収材料およびEUV感受性材料は、本明細書に記載されるいずれかの有用な方式で堆積させることができる。例示的な堆積技術としては、原子層堆積(ALD)(例えば、熱ALDおよびプラズマ強化ALD(PE-ALD))、スピンコート堆積、PVD共スパッタリングを含む物理気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)、プラズマ強化CVD(PE-CVD)、低圧CVD(LP-CVD)、スパッタ堆積、e-ビーム共蒸着を含む電子ビーム(e-ビーム)堆積など、またはそれらの組み合わせが挙げられる。他の堆積プロセスおよび条件が、本明細書に記載される。
【0160】
1つまたは複数の前駆体および1つまたは複数の有機共反応物は、任意の有用な組み合わせでさらに使用することができる。例えば、前駆体および有機共反応物の異なる組み合わせを用いて、堆積レジスト膜の組成および得られる特性を調整することができる。一例として、異なる前駆体を混合することにより、DtSを調節することができる。例えば、第1のアルキル基を含む第1のスズ含有前駆体、第2のアルキル基を含む第2のスズ含有前駆体(第1のアルキル基と第2のアルキル基は異なる)、および有機共反応物としてアセトンを使用すると、
図3Aに見られるように、HP14で51.2mJ/cm
2のDtSを有するレジスト膜(例えば、混合アルキル膜)が得られた。有機共反応物としてのアセトンと共に同じ第1のスズ含有前駆体を用いると(それにより第2のスズ含有前駆体が省略される)、レジスト膜(例えば、単一アルキル膜)におけるHP14でのDtSは100.8mJ/cm
2に増加した(
図3B参照)。両方の膜は、露光後ベークにさらされた。
【0161】
このような改質前駆体(有機共反応物と共に1つまたは複数の有機金属前駆体を含む)を用いて、インキュベートまたはベークを行い、レジスト膜の特性を改質することができる。一例では、堆積膜を高温でインキュベートすることにより、DtSを調節(例えば、減少または増加)することができる。非限定的な一実施例では、異なるPEB条件(例えば、異なるPEB温度)で同じ膜を使用することにより、DtSを調節することができる。
【0162】
そのような前駆体および有機共反応物は、1つまたは複数の対応反応物と組み合わせてさらに使用することが可能である。対応反応物は、好ましくは、化学結合を介して少なくとも2つの金属原子を結合するように、反応性部分、配位子、またはイオン(例えば、本明細書の式中のL)を置き換える能力を有する。例示的な対応反応物としては、酸素含有対応反応物、例えばO2、O3、水、ペルオキシド(例えば、過酸化水素)、酸素プラズマ、水プラズマ、アルコール、ジヒドロキシアルコールまたはポリヒドロキシアルコール、フッ素化ジヒドロキシアルコールまたはポリヒドロキシアルコール、フッ素化グリコール、ギ酸、およびヒドロキシル部分の他の供給源、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。様々な実施形態において、対応反応物は、隣接する金属原子間に酸素ブリッジを形成することによって、有機金属前駆体または改質前駆体と反応する。他の潜在的な対応反応物としては、硫黄ブリッジを介して金属原子を架橋することができる硫化水素および二硫化水素、ならびにテルルブリッジを介して金属原子を架橋することができるビス(トリメチルシリル)テルルが挙げられる。加えて、ヨウ素を膜に組み込むためにヨウ化水素が利用されてもよい。
【0163】
有機共反応物および/または対応反応物中に存在する様々な原子は、勾配膜内に供給することが可能である。本明細書で論じられる技法のいくつかの実施形態において、PR膜におけるEUV感受性をさらに改善することができる非限定的な戦略は、膜組成が垂直方向に勾配を有し、深さに応じたEUV感受性をもたらす膜を形成することである。吸収係数が高い均質なPRでは、膜の深さ全体にわたって光強度が減少するため、底部が十分に露光されることを確実にするためにより高いEUV線量が必要となる。膜の上部に対して膜の底部で高いEUV吸収率を有する原子の密度を増加させることによって(すなわち、EUV吸収の増加に伴う勾配を形成することによって)、利用可能なEUV光子をより効率的に使用することが可能になる一方で、より高度に吸収する膜の底部に向かって、吸収(および二次電子の効果)をより均一に分布させる。1つの非限定的な例では、勾配膜は、膜の底部に向かって(例えば、基板により近い)Te、I、または他の原子を含む。
【0164】
PR膜における垂直組成勾配を設計する戦略は、CVD、およびALDなどの乾式堆積法に特に適用可能であり、堆積中の異なる反応物間の流量比を調整することによって実現することができる。設計可能な組成勾配のタイプとしては、異なる高吸収性金属間の比、EUV開裂可能な有機基を有する金属原子の割合、高吸収元素を含む有機共反応物および/または対応反応物の割合、ならびに上記の組み合わせが挙げられる。
【0165】
EUV PR膜における組成勾配はまた、追加の利点ももたらすことができる。例えば、膜の底部における高密度の高EUV吸収元素は、膜の上部をより良好に露光させることができるより多くの二次電子を効果的に生成することができる。加えて、そのような組成勾配はまた、嵩高い末端置換基に結合していないEUV吸収種のより高い割合とも直接相関することができる。例えば、Snベースのレジストの場合、4つの脱離基を有するスズ前駆体の組み込みが可能であり、それによって界面でのSn-O-基板結合の形成が促進されて接着が改善される。
【0166】
このような勾配膜は、本明細書に記載されるいずれかの有機金属前駆体(例えば、スズまたは非スズ前駆体)、有機共反応物、対応反応物、および/または改質前駆体を使用して形成することができる。さらに他の膜、方法、前駆体、および他の化合物は、各々がSUBSTRATE SURFACE MODIFICATION WITH HIGH EUV ABSORBERS FOR HIGH PERFORMANCE EUV PHOTORESISTSと題する、2019年10月2日に出願された米国仮特許出願第62/909,430号、および2020年10月1日に出願され、WO 2021/067632として公開された国際出願第PCT/US20/53856、ならびに2020年6月24日に出願され、WO 2020/264557として公開された、PHOTORESIST WITH MULTIPLE PATTERNING RADIATION-ABSORBING ELEMENTS AND/OR VERTICAL COMPOSITION GRADIENTと題する国際出願第PCT/US20/70172号に記載されており、EUVレジストマスクを形成するための直接フォトパターニング可能な金属酸化物膜の組成、堆積、およびパターニングに少なくとも関連する上記の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0167】
さらに、2つ以上の異なる前駆体を各層(例えば、膜またはキャッピング層)内で用いることができる。例えば、本明細書におけるいずれかの金属含有前駆体のうちの2つ以上を用いて、合金を形成することができる。1つの非限定的な例では、テルル化スズは、RTeH、RTeD、またはTeR2前駆体と共に-NR2配位子を含むスズ前駆体を用いることによって形成することができ、Rは、アルキル、特にt-ブチルまたはi-プロピルである。別の例では、トリアルキルシリル配位子(例えば、ビス(トリメチルシリル)テルル)を含むテルル含有前駆体と共にアルコキシまたはハロ配位子(例えば、SbCl3)を含む第1の金属前駆体を使用することによって、金属テルル化物を形成することができる。
【0168】
さらに他の例示的なEUV感受性材料、ならびに処理方法および装置は、米国特許第9,996,004号および国際特許公開番号WO2019/217749号に記載されており、上記の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0169】
さらなる前駆体
本明細書に記載されるように、本明細書の膜、層、および方法は、任意の有用な前駆体と共に用いることができる。場合によっては、有機金属前駆体は、以下の式(III):
MXn(III)
(式中、Mは金属であり、Xはハロであり、nはMの選択に応じて2~4である)を有する金属ハロゲン化物を含む。Mの例示的な金属としては、Sn、Te、Bi、またはSbが挙げられる。例示的な金属ハロゲン化物としては、SnBr4、SnCl4、SnI4、およびSbCl3が挙げられる。
【0170】
別の非限定的な金属含有前駆体は、式(IV):
MRn(IV)
(式中、Mは金属であり、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、アミノ(例えば、-NR2(各Rは独立してアルキルである))、任意選択で置換されたビス(トリアルキルシリル)アミノ(例えば、-N(SiR3)2(各Rは独立してアルキルである))、または任意選択で置換されたトリアルキルシリル(例えば、-SiR3(各Rは独立してアルキルである))であり、nは、Mの選択に応じて、2~4である)を有する構造を含む。Mの例示的な金属としては、Sn、Te、Bi、またはSbが挙げられる。アルキル基はCnH2n+1(nは1、2、3またはそれ以上)であってもよい。例示的な有機金属剤としては、SnMe4、SnEt4、TeRn、RTeR、水素化t-ブチルテルル(Te(t-Bu)(H))、ジメチルテルル(TeMe2)、ジ(t-ブチル)テルル(Te(t-Bu)2)、ジ(イソプロピル)テルル(Te(i-Pr)2)、ビス(トリメチルシリル)テルル(Te(SiMe3)2)、ビス(トリエチルシリル)テルル(Te(SiEt3)2)、トリス(ビス(トリメチルシリル)アミド)ビスマス(Bi[N(SiMe3)2]3)、Sb(NMe2)3などが挙げられる。
【0171】
別の非限定的な金属含有前駆体は、以下の式(V):
MLn(V)
(式中、Mは、金属であり、各Lは、独立して、任意選択で置換されたアルキル、アミノ(例えば、-NR1R2(R1およびR2の各々は、Hまたは本明細書中に記載されるいずれかのようなアルキルであり得る))、アルコキシ(例えば、-OR(Rは、本明細書中に記載されるいずれかのようなアルキルである))、ハロ、または他の有機置換基であり、nは、Mの選択に応じて、2~4である)を有するキャッピング剤を含んでもよい。Mの例示的な金属としては、Sn、Te、Bi、またはSbが挙げられる。例示的な配位子としては、ジアルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、およびジエチルアミノ)、アルコキシ(例えば、t-ブトキシ、およびイソプロポキシ)、ハロ(例えば、F、Cl、Br、およびI)、または他の有機置換基(例えば、アセチルアセトンもしくはN2,N3-ジ-tertブチル-ブタン-2,3-ジアミノ)が挙げられる。非限定的なキャッピング剤としては、SnCl4、SnI4、Sn(NR2)4(Rの各々は、独立して、メチルもしくはエチルである)、またはSn(t-BuO)4が挙げられる。いくつかの実施形態において、複数のタイプの配位子が存在する。
【0172】
金属含有前駆体は、以下の式(VI):
RnMXm(VI)
(式中、Mは金属であり、Rは、β-水素を有するC2-10アルキルまたは置換アルキルであり、Xは、露出したヒドロキシル基のうちの1つのヒドロキシル基との反応時に好適な脱離基である)を有するヒドロカルビル置換キャッピング剤を含んでもよい。様々な実施形態において、m>0(またはm≧1)である限り、n=1~3、およびm=4-n、3-n、または2-nである。例えば、Rは、t-ブチル、t-ペンチル、t-ヘキシル、シクロヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、またはβ位にヘテロ原子置換基を有するそれらの誘導体であり得る。好適なヘテロ原子としては、ハロゲン(F、Cl、Br、またはI)、または酸素(-OHまたは-OR)が挙げられる。Xは、ジアルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、またはジエチルアミノ)、アルコキシ(例えば、t-ブトキシ、イソプロポキシ)、ハロ(例えば、F、Cl、Br、またはI)、または別の有機配位子であってもよい。ヒドロカルビル置換キャッピング剤の例としては、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(t-Bu)(NMe2)3)、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(n-Bu)(NMe2)3)、t-ブチルトリス(ジエチルアミノ)スズ(Sn(t-Bu)(NEt2)3)、ジ(t-ブチル)ジ(ジメチルアミノ)スズ(Sn(t-Bu)2(NMe2)2)、sec-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(s-Bu)(NMe2)3)、n-ペンチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(n-ペンチル)(NMe2)3)、i-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(i-Bu)(NMe2)3)、i-プロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(i-Pr)(NMe2)3)、t-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ(Sn(t-Bu)(t-BuO)3)、n-ブチル(トリス(t-ブトキシ)スズ(Sn(n-Bu)(t-BuO)3)、またはイソプロピルトリス(t-ブトキシ)スズ(Sn(i-Pr)(t-BuO)3)が挙げられる。
【0173】
様々な実施形態において、金属含有前駆体は、気相反応に耐えることができる各金属原子上に少なくとも1つのアルキル基を含み、金属原子に配位した他の配位子またはイオンは、対応反応物で置き換えることができる。したがって、別の非限定的な金属含有前駆体は、式(VII):
MaRbLc(VII)
(式中、Mは金属であり、Rは任意選択で置換されたアルキルであり、Lは配位子、イオン、または対応反応物と反応性である他の部分であり、a≧1、b≧1、およびc≧1である。特定の実施形態において、a=1、およびb+c=4である)を有する有機金属剤を含む。いくつかの実施形態において、Mは、Sn、Te、Bi、またはSbである。特定の実施形態において、各Lは、独立して、アミノ(例えば、-NR1R2(R1およびR2の各々は、Hまたは本明細書中に記載されるいずれかのようなアルキルであり得る))、アルコキシ(例えば、-OR(Rは、本明細書中に記載されるいずれかのようなアルキルである))、またはハロ(例えば、F、Cl、Br、またはI)である。例示的な有機金属剤としては、SnMe3Cl、SnMe2Cl2、SnMeCl3、SnMe(NMe2)3、SnMe3(NMe2)などが挙げられる。
【0174】
他の実施形態において、非限定的な金属含有前駆体は、式(VIII):
MaLc(VIII)
(式中、Mは金属であり、Lは配位子、イオン、または対応反応物と反応性である他の部分であり、a≧1、およびc≧1である。特定の実施形態において、c=n-1、およびnは2、3、または4である)を有する有機金属剤を含む。いくつかの実施形態において、Mは、Sn、Te、Bi、またはSbである。対応反応物は、好ましくは、化学結合を介して少なくとも2つの金属原子を結合するように、反応性部分配位子またはイオン(例えば、本明細書の式中のL)を置き換える能力を有する。
【0175】
本明細書のいずれかの実施形態において、Rは、任意選択で置換されたアルキル(例えば、C1-10アルキル)であり得る。一実施形態において、アルキルは、1つまたは複数のハロ(例えば、ハロ置換C1-10アルキルであり、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のハロ、例えば、F、Cl、Br、またはIを含む)で置換される。例示的なR置換基としては、CnH2n+1(好ましくはn≧3)、およびCnFxH(2n+1-x)(2n+1≦x≦1)が挙げられる。様々な実施形態において、Rは、少なくとも1つのβ水素またはβフッ素を有する。例えば、Rは、i-プロピル、n-プロピル、t-ブチル、i-ブチル、n-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、t-ペンチル、sec-ペンチル、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0176】
本明細書中のいずれかの実施形態において、Lは、対応反応物によって容易に置換され、M-OH部分を生成する任意の部分、例えば、アミノ(例えば、-NR1R2(R1およびR2の各々は、Hまたは本明細書中に記載されるいずれかのようなアルキルであり得る))、アルコキシ(例えば、-OR(Rは、本明細書中に記載されるいずれかのようなアルキルである))、カルボキシレート、ハロ(例えば、F、Cl、Br、またはI)、およびそれらの混合物からなる群から選択される部分であってもよい。
【0177】
特定の実施形態において、金属前駆体は、スズを含む。いくつかの実施形態において、スズ前駆体は、SnRまたはSnR2またはSnR4またはR3SnSnR3を含み、各Rは、独立して、H、ハロ、任意選択で置換されたC1-12アルキル、任意選択で置換されたC1-12アルコキシ、任意選択で置換されたアミノ(例えば、-NR1R2)、任意選択で置換されたC2-12アルケニル、任意選択で置換されたC2-12アルキニル、任意選択で置換されたC3-8シクロアルキル、任意選択で置換されたアリール、シクロペンタジエニル、任意選択で置換されたビス(トリアルキルシリル)アミノ(例えば、-N(SiR1R2R3)2)、任意選択で置換されたアルカノイルオキシ(例えば、アセテート)、ジケトネート(例えば、-OC(R1)-Ak-(R2)CO-)、または二座キレート二窒素(例えば、-N(R1)-Ak-N(R1)-)である。特定の実施形態において、各R1、R2、およびR3は、独立して、HまたはC1-12アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、またはネオペンチル)であり、Akは、任意選択で置換されたC1-6アルキレンである。非限定的なスズ前駆体としては、SnF2、SnH4、SnBr4、SnCl4、SnI4、テトラメチルスズ(SnMe4)、テトラエチルスズ(SnEt4)、塩化トリメチルスズ(SnMe3Cl)、二塩化ジメチルスズ(SnMe2Cl2)、三塩化メチルスズ(SnMeCl3)、テトラアリルスズ、テトラビニルスズ、ヘキサフェニルジスズ(IV)(Ph3Sn-SnPh3(Phは、フェニルである))、ジブチルジフェニルスズ(SnBu2Ph2)、トリメチル(フェニル)スズ(SnMe3Ph)、トリメチル(フェニルエチニル)スズ、水素化トリシクロヘキシルスズ、水素化トリブチルスズ(SnBu3H)、ジブチルスズジアセテート(SnBu2(CH3COO)2)、スズ(II)アセチルアセトネート(Sn(acac)2)、SnBu3(OEt)、SnBu2(OMe)2、SnBu3(OMe)、Sn(t-BuO)4、Sn(n-Bu)(t-BuO)3、テトラキス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(NMe2)4)、テトラキス(エチルメチルアミノ)スズ(Sn(NMeEt)4)、テトラキス(ジエチルアミノ)スズ(IV)(Sn(NEt2)4)、(ジメチルアミノ)トリメチルスズ(IV)(Sn(Me)3(NMe2)、Sn(i-Pr)(NMe2)3、Sn(n-Bu)(NMe2)3、Sn(s-Bu)(NMe2)3、Sn(i-Bu)(NMe2)3、Sn(t-Bu)(NMe2)3、Sn(t-Bu)2(NMe2)2、Sn(t-Bu)(NEt2)3、Sn(tbba)、Sn(II)(1,3-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4,5-ジメチル-(4R,5R)-1,3,2-ジアザスタンノリジン-2-イリデン)、またはビス[ビス(トリメチルシリル)アミノ]スズ(Sn[N(SiMe3)2]2)が挙げられる。
【0178】
例示的な有機金属剤としては、SnMeCl3、(N2,N3-ジ-t-ブチル-ブタン-2,3-ジアミド)スズ(II)(Sn(tbba))、ビス(ビス(トリメチルシリル)アミド)スズ(II)、テトラキス(ジメチルアミノ)スズ(IV)(Sn(NMe2)4)、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(t-ブチル)(NMe2)3)、i-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(i-Bu)(NMe2)3)、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(n-Bu)(NMe2)3)、sec-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(s-Bu)(NMe2)3)、i-プロピル(トリス)ジメチルアミノスズ(Sn(i-Pr)(NMe2)3)、n-プロピルトリス(ジエチルアミノ)スズ(Sn(n-Pr)(NEt2)3)、および類似のアルキル(トリス)(t-ブトキシ)スズ化合物、例えばt-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ(Sn(t-Bu)(t-BuO)3)が挙げられる。いくつかの実施形態において、有機金属剤は、部分的にフッ素化される。
【0179】
膜組成
パターニング放射線感受性膜は、1つまたは複数の改質前駆体を、任意選択で1つまたは複数の対応反応物の存在下で使用することによって形成することができる。さらに、改質前駆体は、堆積され(例えば、本明細書に記載されるいずれかの堆積プロセスを使用して)、露光され、インキュベートされ、任意選択でさらに加工されて(例えば、ベーク、処理、アニール、プラズマ露光など)、金属酸化物層(例えば、金属酸化物結合のネットワークを含む層であり、他の非金属基および非酸素基を含んでもよい)を設けることができる。
【0180】
本開示は、上面を有する半導体基板と、半導体基板の上面に配置されたパターニング放射線感受性膜と、を含むスタックを包含する。いくつかの実施形態において、膜は、放射線吸収単位(例えば、放射線感受性元素)と、有機共反応物(例えば、本明細書に記載されるいずれかなどの放射線応答性有機部分)からの放射線感受性炭素含有単位と、を含む。特定の実施形態において、放射線感受性炭素含有単位は、(例えば、有機金属前駆体中の)放射線吸収単位と有機共反応物との間の反応生成物として形成される結合配位子である。放射線吸収単位の非限定的な例としては、金属または半金属(例えば、スズ(Sn)、テルル(Te)、ハフニウム(Hf)、およびジルコニウム(Zr)、またはそれらの組み合わせ)が挙げられる。他の実施形態において、放射線感受性炭素含有単位は、アルケニレン部分、アルキニレン部分、カルボニル部分、およびジカルボニル部分、またはそれらの組み合わせの群から選択される。膜を露光し(露光膜をもたらすために)、次いでインキュベートする(インキュベート膜をもたらすために)ことができる。
【0181】
図4Aは、上面を有する基板401(例えば、半導体基板)と、基板401の上面に配置された膜402と、を含む例示的なスタックを示している。膜は、任意の有用なパターニング放射線感受性材料(例えば、PRとして有用であり得る、本明細書に記載されるいずれかなどのEUV感受性材料)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、パターニング放射線感受性膜は、改質前駆体またはその堆積物を含む。堆積物は、有機金属材料、例えば、有機金属酸化物(例えば、RM(MO)
n(Mは金属であり、Rは、アルキル、アルキルアミノ、またはアルコキシにおけるような、1つまたは複数の炭素原子を有する有機部分である))であり得る。基板は、任意の有用なウエハ、フィーチャ、層、またはデバイスを含み得る。いくつかの実施形態において、基板は、任意の有用なフィーチャ(例えば、不規則な表面トポグラフィ)、層(例えば、フォトレジスト層)、またはデバイスを有するシリコンウエハである。
【0182】
EUV感受性膜は、放射線吸収単位および放射線感受性炭素含有単位を含んでもよい。いくつかの実施形態において、放射線吸収単位は、EUV吸収単位を含むか、またはEUV吸収単位である。これらの非限定的な例としては、例えば、1×107cm2/molと同等またはそれ超など、大きいEUV吸収断面積を有する金属が挙げられる。他の実施形態において、放射線吸収単位は、M(例えば、Mは、Sn、Te、Bi、Sb、Hf、またはZr、またはそれらの組み合わせであり得る)を含むか、またはMである。いくつかの実施形態において、放射線感受性炭素含有単位は、EUV感受性炭素含有単位である。特定の実施形態において、EUV感受性炭素含有単位は、有機共反応物またはその反応生成物を含む。EUV感受性炭素含有単位の非限定的な例としては、例えば、本明細書に記載されるいずれかのような有機部分(例えば、アルケニレン部分、アルキニレン部分、カルボニル部分、ジカルボニル部分、またはそれらの組み合わせ)が挙げられる。
【0183】
いくつかの実施形態において、EUV感受性膜は、金属-炭素結合もしくは酸素-炭素結合の増加、またはアルケニレン、アルキレン、カルボニル、もしくはジカルボニル部分(例えば、2つのカルボニル部分を有する置換アルキレン基)などの様々な有機部分の増加などの、炭素含有量の増加もしくは減少によって特徴付けられ得る。膜内の有機共反応物の存在または使用は、任意の有用な方式で検出され得る。非限定的な方法としては、例えば、フーリエ変換赤外(FTIR)分光法、固体核磁気共鳴(NMR)分光法、および/または紫外可視(UV-Vis)分光法を使用して、有機共反応物中に存在する官能基を検出する方法が挙げられる。有機炭素含有量の増加または減少は、任意選択で、有機共反応物なしで形成された膜と比較して、膜の空隙率を高めることができる。空隙率を測定する非限定的な方法としては、例えば、容量ガス吸着が挙げられる。
【0184】
いくつかの実施形態において、EUV感受性膜は、EUV吸光度の変化によって特徴付けられる垂直勾配を含む。特定の実施形態において、垂直勾配は、基板に近接する膜の底部が膜の上部よりも高いEUV吸光度を有する、EUV吸光度の増加を含む。他の実施形態において、垂直勾配は、基板に近接する膜の底部が、膜の上部よりも低い炭素含有量を有する、炭素含有量の減少を含む。さらに他の実施形態において、垂直勾配は、基板に近接する膜の底部が、膜の上部よりも高い炭素含有量を有する、炭素含有量の増加を含む。
【0185】
膜は、EUV吸光度の垂直変化によって特徴付けられる垂直勾配を有することができる(例えば、勾配膜の非限定的な方法および特性が本明細書に記載されている)。場合によっては、深さに沿った(例えば、膜の上面から基板に向かう)EUV吸光度の増加は、膜層を通した同じ深さに沿った炭素含有量の減少に対応する可能性がある。他の例において、深さに沿ったEUV吸光度の増加は、膜層を通した同じ深さに沿ったテルル、アンチモン、またはヨウ素の含有量の増加に対応することができる。
【0186】
図4Bは、上面を有する基板411(例えば、半導体基板)と、基板411の上面に配置された膜412と、を含む例示的なスタックを示し、膜412は、EUV吸光度および/または炭素含有量の変化によって特徴付けられる垂直勾配を有する。例えば、勾配膜412は、膜の上部412aにおける炭素含有量の第1の濃度と、膜の底部412bにおける炭素含有量の第2の濃度と、を含んでもよく、この場合、第1および第2の濃度値は異なる。一例では、第1の濃度は第2の濃度より大きい。別の例では、第1の濃度は第2の濃度より小さい。非限定的な勾配としては、線形勾配、指数関数的勾配、シグモイド勾配などが挙げられる。特定の実施形態において、EUV反応性有機部分の勾配密度膜は、膜内の全ての深さにおいてEUV露光領域のより均質な膜特性をもたらすことができ、これにより現像プロセスを改善し、EUV感受性を改善し、かつ/またはパターニング品質を改善する可能性がある(例えば、改善されたLWRおよび/またはLERを有する)。
【0187】
いくつかの実施形態において、スタックは、放射線吸収単位と、放射線感受性炭素含有単位と、を有するフォトレジスト層を含む。他の実施形態において、スタックは、キャッピング層(例えば、放射線吸収単位と、放射線感受性炭素含有単位と、を含み得る)を含む。
【0188】
パターニング放射線感受性膜(例えば、EUV感受性膜)は、キャッピング層として用いることができ、このキャッピング層は、次いで、任意の有用な層または構造上に配置される。
図4Cに見られるように、スタックは、上面を有する基板421(例えば、半導体基板)を含んでもよく、基板421は、フォトレジスト層422をさらに含む。EUV感受性膜423は、フォトレジスト層422の上面に配置されたキャッピング層である。このようなキャッピング層は、下層のフォトレジスト層のEUV露光中に発生し得るオフガスを低減する機能を果たし得る。このキャッピング層は、EUVパターニングプロセス中に発生する化学種に対するバリアも設けることができる。特に、フォトレジスト層が金属含有前駆体(例えば、有機金属剤、金属ハロゲン化物、および本明細書に記載されるいずれか)から形成される場合、その時キャッピング層は、EUV露光中に生成される金属または化学種を捕捉することができ、したがって、リソグラフィ装置の汚染を最小限に抑えることができる。キャッピング層は、任意の有用な厚さ(例えば、約0.1nm~約5nm、例えば約0.1nm~0.5nm、0.1nm~1nm、0.1nm~3nm、0.3nm~0.5nm、0.3nm~1nm、0.3nm~3nm、0.3nm~5nm、0.5nm~1nm、0.5nm~3nm、0.5nm~5nm、0.8nm~1nm、0.8nm~3nm、0.8nm~5nm、1nm~3nm、1nm~5nm、または3nm~5nmを含む、本明細書に記載されるいずれかの厚さ)であり得る。
【0189】
キャッピング層は、任意の有用な方式で設けることができる。一例では、本方法は、フォトレジスト層を含む基板を準備すること、次いで、フォトレジスト層の表面に改質前駆体(例えば、有機共反応物の存在下で有機金属前駆体を供給することによってin situで形成される)を堆積させることを含む。このようにして、キャッピング層は、改質前駆体から形成され、フォトレジスト層を保護する機能を果たし、次いでフォトレジスト層は、EUV感受性材料も含んでもよい。キャッピング層およびフォトレジスト層のEUV感受性材料は、異なる金属/炭素比を有することができ、キャッピング層423は、フォトレジスト層422と比較して、増加した炭素含有量を有することができる。キャッピング層は、パターニング中に存在し、場合によっては、EUV露光中にフォトレジスト層からの揮発性化学種および金属種の放出を低減することができる。
【0190】
特定の実施形態において、キャッピング層およびフォトレジスト層の両方で同じ有機金属前駆体および同じ有機共反応物を使用することによって、異なる金属対炭素比を達成することができるが、有機金属前駆体と有機共反応物との比は、堆積中に調節して、異なる金属/炭素比をもたらすことができる。他の実施形態において、2つの層で同じ有機金属前駆体であるが、異なる有機共反応物を使用することにより、異なる金属/炭素比を達成することができる。例えば、キャッピング層は、フォトレジスト層の共反応物の有機置換基(例えば、メチル)よりも嵩高い有機置換基(例えば、エチル、プロピル、またはブチル)を有する共反応物の使用を含んでもよい。
【0191】
フォトレジスト層422は、任意の有用な方式で設けることができる。一例では、フォトレジスト層は、有機金属前駆体(例えば、有機金属剤、金属ハロゲン化物、または本明細書中のいずれか)を、任意選択で対応反応物の存在下において堆積させることによって設けられる。別の例では、フォトレジスト層は、有機共反応物の存在下で有機金属前駆体を堆積させることによって設けられる。フォトレジスト層を作製後、キャッピング層を設けることができる。
【0192】
リソグラフィプロセス
EUVリソグラフィは、液体ベースのスピンオン技法によって生成されるポリマーベースの化学増幅レジスト、または乾式気相堆積技法によって生成される金属酸化物ベースのレジストであり得るEUVレジストを利用する。そのようなEUVレジストは、本明細書に記載されるいずれかのEUV感受性膜または材料を含んでもよい。リソグラフィ法は、例えば、EUV放射線でEUVレジストを露光することによってレジストをパターニングしてフォトパターンを形成すること、続いて、フォトパターンに従ってレジストの一部を除去することによってパターンを現像してマスクを形成することを含んでもよい。
【0193】
本開示は、EUVリソグラフィによって例示されるリソグラフィパターニング技法および材料に関するが、他の次世代リソグラフィ技法にも適用可能であることも理解されたい。現在使用および開発中の標準的な13.5nmEUV波長を含むEUVに加えて、そのようなリソグラフィに最も関連する放射線源は、一般に248nmまたは193nmのエキシマレーザ源の使用を指すDUV(深UV)、X線範囲のより低いエネルギー範囲でEUVを正式に含むX線、および広いエネルギー範囲を包含することができるe-ビームである。そのような方法としては、基板(例えば、任意選択で露出したヒドロキシル基を有する)を金属含有前駆体(例えば、本明細書に記載されるいずれか)と接触させ、基板の表面上におけるイメージング/フォトレジスト(PR)層として金属酸化物(例えば、他の非金属基および非酸素基を含み得る、金属酸化物結合のネットワークを含む層)膜を形成する方法が挙げられる。具体的な方法は、半導体基板および最終的な半導体デバイスで使用される特定の材料および用途に依存し得る。したがって、本出願に記載される方法は、現在の技術で使用することができる方法および材料の単なる例示である。
【0194】
直接フォトパターニング可能なEUVレジストは、有機成分内に混合された金属および/または金属酸化物で構成され得るか、またはそれらを含み得る。金属/金属酸化物は、EUV光子吸着を増強し、二次電子を生成し、かつ/または下にある膜スタックおよびデバイス層に対するエッチング選択比の増加を示すことができる。これらのレジストは、湿式(溶剤)アプローチ、乾式アプローチ、またはそれらの組み合わせを使用して現像することができる。
【0195】
湿式アプローチとしては、ウエハをトラック上で使用し、現像溶剤に曝露し、乾燥させ、ベークすることが挙げられ得る。湿式現像では、基板の剥離や界面欠陥をなくすために、このようなプロセスを最適化することができる。乾式アプローチとしては、所望のPR領域を除去するための蒸気の使用を挙げることができる。乾式現像の場合、このようなプロセスは、非露光レジスト材料とEUV露光レジスト材料との間のエッチング選択比を高め、エッチングガス下での長時間の露光によって生じ得るPRコーナーの丸みを低減し、続く転写エッチング工程におけるラインCDのばらつきを低減するように最適化することができる。リソグラフィ中に用いられる追加のプロセスについて、以下に詳細に記載する。
【0196】
乾式堆積を含む堆積プロセス
上述のように、本開示は、半導体基板上にイメージング層を作製するための方法を提供し、イメージング層は、EUVまたは他の次世代リソグラフィ技法を使用してパターニングされ得る。方法としては、重合有機金属材料が蒸気中で生成され、基板上に堆積される方法が挙げられる。いくつかの実施形態において、乾式堆積は、任意の有用な金属含有前駆体(例えば、金属ハロゲン化物、キャッピング剤、または本明細書に記載される有機金属剤)を用いることができる。他の実施形態において、スピンオン配合物を使用することができる。堆積プロセスは、レジスト膜として、および/またはレジスト膜上のキャッピング層としてEUV感受性材料を適用することを含んでもよい。例示的なEUV感受性材料が、本明細書に記載される。
【0197】
本技術は、EUV感受性膜を基板上に堆積させる方法を含み、そのような膜は、その後のEUVリソグラフィおよび処理のためのレジストとして動作可能である。さらに、二次EUV感受性膜は、下にある一次EUV感受性膜の上に堆積させることができる。一例では、二次膜はキャッピング層を構成し、一次膜はイメージング層を構成する。
【0198】
そのようなEUV感受性膜は、EUVへの露光時、低密度のM-OHリッチ材料中の金属原子に結合した嵩高いペンダント配位子の損失などの変化を受け、架橋してより高密度のM-O-M結合金属酸化物材料となることを可能にする材料を含む。他の実施形態において、EUV露光は、金属原子に結合した配位子間のさらなる架橋をもたらし、それによってより高密度のM-L-M結合有機金属材料(Lは、配位子である)をもたらす。さらに他の実施形態において、EUV露光は配位子の損失をもたらし、ポジ型現像液によって除去することができるM-OH材料をもたらす。
【0199】
EUVパターニングにより、非露光領域と比較して物理的または化学的特性が変化した膜の領域が形成される。これらの特性は、非露光領域もしくは露光領域のいずれかを溶解するか、または露光領域もしくは非露光領域のいずれかに材料を選択的に堆積するなど、その後の処理で利用することができる。いくつかの実施形態において、そのようなその後の処理が実施される条件下で、非露光膜は、疎水性表面を有し、露光膜は、親水性表面を有する(露光領域および非露光領域の親水性特性は互いに相対的であることが認識されている)。例えば、材料の除去は、膜の化学組成、密度、および架橋における違いを活用することによって実施することができる。除去は、本明細書でさらに記載されるように、湿式処理および/または乾式処理によるものであり得る。
【0200】
基板の表面上に形成されたEUVパターニング可能な膜の厚さは、表面特性、使用される材料、および処理条件に従って変化し得る。様々な実施形態において、膜厚は、約0.5~約100nmの範囲であり得る。好ましくは、膜は、EUVパターニングの条件下でEUV光の大部分を吸収するのに十分な厚さを有する。例えば、レジスト膜の全体的な吸収は、レジスト膜の底部におけるレジスト材料が十分に露光されるように、30%以下(例えば、10%以下、または5%以下)であり得る。いくつかの実施形態において、膜厚は、10~20nmである。いくつかの実施形態において、堆積膜は、表面フィーチャに密接に適合し、そのようなフィーチャを「埋める」または他の方法で平坦化することなく、下にあるフィーチャを有する基板などの基板の上にマスクを形成する際に利点をもたらすことができる。
【0201】
膜(例えば、イメージング層)またはキャッピング層は、任意の有用な方式で堆積された金属酸化物層で構成され得る。そのような金属酸化物層は、有機共反応物と組み合わせた金属含有前駆体(例えば、金属ハロゲン化物、キャッピング剤、または有機金属剤)など、本明細書に記載されるいずれかのEUV感受性材料を使用することによって堆積または適用することができる。例示的なプロセスでは、金属酸化物層を設けるために、重合有機金属材料が気相で、または基板の表面上にin situで形成される。金属酸化物層は、膜、接着層、またはキャッピング層として用いることができる。
【0202】
任意選択で、金属酸化物層は、ヒドロキシル末端金属酸化物層を含んでもよく、これは、酸素含有対応反応物と共にキャッピング剤(例えば、本明細書に記載されるいずれか)を用いることによって堆積させることができる。そのようなヒドロキシル末端金属酸化物層は、例えば、基板と膜との間、および/またはフォトレジスト層とキャッピング層との間など、他の2つの層間における接着層として用いることが可能である。
【0203】
例示的な(例えば、膜またはキャッピング層のための)堆積技法としては、本明細書に記載されるいずれか、例えばALD(例えば、熱ALDおよびプラズマ強化ALD)、スピンコート堆積、PVD共スパッタリングを含むPVD、CVD(例えば、PE-CVDまたはLP-CVD)、スパッタ堆積、e-ビーム共蒸着を含むe-ビーム堆積など、またはそれらの組み合わせ、例えばCVD成分を用いたALD、例えば金属含有前駆体、有機共反応物、および対応反応物が時間または空間のいずれかで分けられる不連続なALD様プロセスが挙げられる。
【0204】
本開示に適用可能なEUVフォトレジスト膜としての前駆体、および前駆体を堆積するための方法のさらなる説明は、2019年5月9日に出願された国際公開番号WO2019/217749号として公開された、METHODS FOR MAKING EUV PATTERNABLE HARD MASKSと題する国際出願第PCT/US19/31618号に見出すことができる。薄膜は、EUVに対する膜の感受性を修正する、またはエッチング耐性を増強するなど、膜の化学的または物理的特性を改質するために、有機金属前駆体、有機共反応物、および対応反応物に加えて任意選択の材料を含んでもよい。そのような任意選択の材料は、基板上への堆積前、膜の堆積後、またはその両方の気相形成中のドーピングなどによって導入されてもよい。いくつかの実施形態において、穏やかなリモートH2プラズマを導入することで、例えば、一部のSn-L結合をSn-Hで置き換えることができ、これによりEUV下でのレジストの反応性を増加させることができる。
【0205】
一般に、方法は、有機金属前駆体(例えば、有機金属剤などの金属含有前駆体)の蒸気流を有機共反応物の蒸気流および任意選択の対応反応物の蒸気流と混合して重合有機金属材料を形成することと、有機金属材料を半導体基板の表面上に堆積させることと、を含んでもよい。いくつかの実施形態において、金属含有前駆体を有機共反応物および任意選択の対応反応物と混合することで、重合有機金属材料を形成することができる。当業者であれば理解できるように、プロセスの混合および堆積の態様は、実質的に連続的なプロセスにおいて同時であってもよい。
【0206】
例示的な連続CVDプロセスでは、別々の入口経路において、有機金属前駆体、有機共反応物、および任意選択の対応反応物の源のうちの2つ以上のガス流がCVD装置の堆積チャンバに導入され、チャンバでガス流が混合して気相で反応し、基板上に(例えば、金属-酸素-金属結合形成を介して)凝集ポリマー材料または膜を形成する。ガス流は、例えば、別々の注入口またはデュアルプレナムシャワーヘッドを使用して導入することができる。装置は、有機金属前駆体、有機共反応物、および任意選択の対応反応物の流れがチャンバ内で混合されるように構成され、それにより有機金属前駆体、有機共反応物、および任意選択の対応反応物を反応させ、重合有機金属材料または膜(例えば、金属-酸素-金属結合形成などを介した金属酸化物コーティングまたは凝集ポリマー材料)を形成することを可能にする。
【0207】
金属酸化物を堆積させるために、CVDプロセスは、一般に、0.1~10Torrなどの減圧で行われる。いくつかの実施形態において、プロセスは、1~2Torrの圧力で行われる。基板の温度は、好ましくは、反応物の流れの温度よりも低い。例えば、基板温度は、0~250℃、または周囲温度(例えば、23℃)~150℃であり得る。
【0208】
凝集ポリマー材料を堆積させるために、CVDプロセスは、一般に、10mTorr~10Torrなどの減圧で行われる。いくつかの実施形態において、プロセスは、0.5~2Torrで行われる。基板の温度は、好ましくは、反応物の流れの温度で、またはそれ未満である。例えば、基板温度は、0~250℃、または周囲温度(例えば、23℃)~150℃であり得る。様々なプロセスにおいて、基板上への重合有機金属材料の堆積は、表面温度に反比例する速度で起こる。本技術の機構、機能、または有用性を限定することなく、このような気相反応からの生成物は、金属原子が有機共反応物および/または対応反応物によって架橋されるにつれて分子量が重くなり、次いで凝縮されるか、または別の方法で基板上に堆積されると考えられている。様々な実施形態において、嵩高いアルキル基の立体障害(例えば、有機共反応物によってもたらされる)は、高密度に充填されたネットワークの形成をさらに防止し、増加した空隙率を有する低密度膜を生成する。
【0209】
乾式堆積法を使用する潜在的な利点は、膜が成長する際に膜の組成を容易に調整することができることである。CVDプロセスでは、これは、堆積中の有機金属前駆体と有機共反応物の相対的な流量を変更することによって達成することができる。堆積は、30~200℃で、0.01~100Torr、より一般的には約0.1~10Torrの圧力で行われ得る。
【0210】
膜(例えば、金属-酸素-金属結合形成などを介した金属酸化物コーティングまたは凝集ポリマー材料)はまた、ALDプロセスによっても堆積させることができる。例えば、有機金属前駆体、有機共反応物、および任意選択の対応反応物は別々の時間に導入され、これはALDサイクルを表す。前駆体および有機共反応物は表面上で反応し、各サイクルで一度に材料の単層まで形成する。これにより、表面全体にわたる膜厚の均一性に対する優れた制御が可能になり得る。ALDプロセスは、一般に、0.1~10Torrなどの減圧で行われる。いくつかの実施形態において、プロセスは、1~2Torrで行われる。基板温度は、0~250℃、または周囲温度(例えば、23℃)~150℃であり得る。プロセスは、熱プロセス、または好ましくは、プラズマ支援堆積であってもよい。
【0211】
本明細書の堆積法のいずれかを修正し、2つ以上の異なる有機金属前駆体の使用を可能にすることができる。一実施形態において、前駆体は、同じ金属であるが異なる配位子を含んでもよい。別の実施形態において、前駆体は、異なる金属基を含んでもよい。1つの非限定的な例では、様々な揮発性金属含有前駆体の交互の流れにより、第1の金属(例えば、Sn)を有する金属アルコキシド前駆体と、異なる第2の金属(例えば、Te)を有するシリルベースの前駆体との使用など、混合金属層を設けることができる。
【0212】
また、本明細書の堆積法のいずれかを修正し、2つ以上の異なる有機共反応物の使用を可能にすることができる。一実施形態において、有機共反応物は、異なる結合配位子を金属中心に供給することができる。1つの非限定的な例では、様々な有機共反応物の交互の流れにより、勾配膜などにおいて異なる炭素含有量を有する層を設けることができる。
【0213】
さらに、本明細書の堆積法のいずれかを修正し、膜またはキャッピング層内に1つまたは複数の層を設けることができる。一例では、異なる有機金属前駆体および/または有機共反応物を各層で用いることができる。別の例では、同じ前駆体を各層に対して用いることができるが、最上層は、異なる化学組成(例えば、有機共反応物を調節または変更することによってもたらされるような、異なる密度の金属-配位子結合、異なる金属/炭素比、または異なる結合配位子)を有することができる。
【0214】
本明細書のプロセスは、表面改質を達成するために使用することができる。いくつかの反復では、有機金属前駆体の蒸気をウエハの上に通過させることができる。ウエハは、反応が進行するための熱エネルギーを供給するために加熱され得る。いくつかの反復では、加熱は、約50℃~250℃であり得る。場合によっては、有機共反応物のパルスを、ポンプおよび/またはパージ工程によって分けて使用することができる。例えば、有機共反応物を前駆体のパルス間でパルスすることで、ALDまたはALD様の成長をもたらすことができる。他の場合では、前駆体と有機共反応物の両方を同時に流してもよい。表面改質に有用な元素の例としては、I、F、Sn、Bi、Sb、Te、およびこれらの化合物の酸化物または合金が挙げられる。
【0215】
本明細書のプロセスは、ALDまたはCVDによって薄い金属酸化物または金属を堆積するために使用することができる。例としては、SnOx、BiOx、およびTeが挙げられる。堆積に続いて、膜は、本明細書の他の箇所に記載されているように、MaRbLcの形態のアルキル置換前駆体でキャップされ得る。対応反応物を使用して配位子をより良好に除去することができ、複数のサイクルを繰り返して基板表面の完全な飽和を確実にすることができる。次いで、表面は、EUV感受性膜を堆積させるための準備ができる。1つの可能な方法は、SnOxの薄膜を生成することである。可能な化学物質としては、テトラキス(ジメチルアミノ)スズおよび水またはO2プラズマなどの対応反応物を循環させることによるSnO2の成長が挙げられる。成長後、キャッピング剤を使用することができる。例えば、イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズの蒸気を表面の上に流してもよい。
【0216】
堆積プロセスは、任意の有用な表面上で用いることができる。本明細書で言及される場合、「表面」は、本技術の膜が堆積される表面、または処理中にEUVに露光される表面である。そのような表面は、基板上(例えば、その上に膜が堆積される)、膜上(例えば、その上にキャッピング層が堆積される)、またはキャッピング層上に存在することができる。
【0217】
リソグラフィ処理、特に集積回路および他の半導体デバイスの製造に好適な任意の材料構造を含む、任意の有用な基板を用いることができる。いくつかの実施形態において、基板は、シリコンウエハである。基板は、不規則な表面トポグラフィを有するフィーチャ(「下にあるトポグラフィ的フィーチャ」)が上に形成されたシリコンウエハであってもよい。
【0218】
そのような下にあるトポグラフィ的フィーチャは、この技術の方法を行う前の処理中、材料が除去された領域(例えば、エッチングによって)または材料が追加された領域(例えば、堆積によって)を含み得る。そのような事前処理は、この技術の方法または反復プロセスにおける他の処理方法を含んでもよく、それによってフィーチャの2つ以上の層が基板上に形成される。いくつかの実施形態において、膜は、そのようなフィーチャを「埋める」または他の方法で平坦化することなく、下にあるフィーチャに適合するように構成され、それによって、そのような膜を多種多様な材料表面上に堆積させることができる。
【0219】
いくつかの実施形態において、所望の材料の基板表面を有する次のウエハを準備することができ、最上部の材料は、レジストパターンが転写される層である。材料の選択は統合に応じて変化し得るが、一般に、EUVレジストまたはイメージング層に対して高い選択比で(すなわち、それらよりもはるかに速く)エッチングすることができる材料を選択することが望ましい。好適な基板材料は、様々な炭素ベースの膜(例えば、アッシング可能なハードマスク(AHM))、ケイ素ベースの膜(例えば、ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、または酸炭窒化ケイ素、ならびにSiOx、SiOxNy、SiOxCyNz、a-Si:H、ポリSi、またはSiNを含む、それらのドープされた形態)、またはパターニングプロセスを容易にするために適用される任意の他の膜(一般的には犠牲膜)を含んでもよい。
【0220】
いくつかの実施形態において、基板は、下にある半導体材料のリソグラフィエッチングで使用されるハードマスクである。ハードマスクは、アモルファス炭素(a-C)、酸化スズ(例えば、SnOx)、酸化ケイ素(例えば、SiO2)、酸窒化ケイ素(例えば、SiOxNy)、酸炭化ケイ素(例えば、SiOxCy)、窒化ケイ素(例えば、Si3N4)、酸化チタン(例えば、TiO2)、窒化チタン(例えば、TiN)、タングステン(例えば、W)、ドープ炭素(例えば、WドープC)、酸化タングステン(例えば、WOx)、酸化ハフニウム(例えば、HfO2)、酸化ジルコニウム(例えば、ZrO2)、および酸化アルミニウム(例えば、Al2O3)を含む、様々な材料のいずれかを含み得る。例えば、基板は、好ましくは、SnO2などのSnOxを含んでもよい。様々な実施形態において、層は、1~100nmの厚さ、または2~10nmの厚さであり得る。
【0221】
いくつかの非限定的な実施形態において、基板は、下層を含む。下層はハードマスクまたは他の層の上に堆積させることができ、一般に、本明細書に記載されるイメージング層(または膜)の下にある。下層は、PRの感受性を改善し、EUV吸収率を増加させ、かつ/またはPRのパターニング性能を増加させるために使用され得る。有意なトポグラフィを形成する、パターニングされる基板上に存在するデバイスフィーチャがある場合、下層の別の重要な機能は、既存のトポグラフィをオーバーコートして平坦化することであり得、それによりその後のパターニング工程は、パターンの全ての領域に焦点を合わせて平坦な表面上で実施することができる。そのような用途では、下層(または複数の下層の少なくとも1つ)は、スピンコーティング技術または乾式堆積技術を使用して適用することができる。用いられるPR材料がかなりの無機成分を有する場合、例えば、主に金属酸化物の骨格を示す場合、下層は、有利には、スピンコーティングまたは乾式真空ベースの堆積プロセスのいずれかによって適用される炭素ベースの膜であり得る。層は、炭素ベースおよび水素ベースの組成を有する様々なアッシング可能なハードマスク(AHM)膜を含んでもよく、タングステン、ホウ素、窒素、またはフッ素などの追加の元素でドープすることができる。
【0222】
いくつかの実施形態において、表面活性化操作を使用して、将来の操作のために(例えば、基板および/または膜の)表面を活性化することができる。例えば、SiOx表面の場合、水または酸素/水素プラズマを使用して、表面上にヒドロキシル基を形成することができる。炭素ベースまたは炭化水素ベースの表面の場合、様々な処理(例えば、水、水素/酸素、CO2プラズマ、またはオゾン処理)を使用して、カルボン酸/またはヒドロキシル基を形成することができる。そのようなアプローチは、場合によってはハンドリング中または現像中の溶剤内で剥離またはリフトオフする可能性がある、基板へのレジストフィーチャの接着を改善するのに重要であることを示し得る。
【0223】
接着はまた、相互作用に利用可能な表面積を増加させ、かつ機械的接着を直接改善するために表面に粗さを誘導することによっても強化することができる。例えば、最初にArまたは他の非反応性イオン衝撃を使用するスパッタリングプロセスを使用して、粗い表面を生成することが可能である。次いで、表面は、上述のような所望の表面官能基(例えば、ヒドロキシルおよび/またはカルボン酸基)を末端とすることができる。炭素上では、CO2、O2、またはH2O(またはH2とO2の混合物)などの化学的に反応性の酸素含有プラズマを使用して局所的な不均一性を有する膜の薄層をエッチング除去し、同時に-OH、-OOH、または-COOH基を末端とすることができる組み合わせアプローチを用いることができる。このアプローチは、バイアスがあってもなくても行うことが可能である。上述の表面改質戦略と併せて、このアプローチは、無機金属酸化物ベースのレジストへの直接接着のため、またはさらなる官能化のための中間表面改質としてのいずれかで、基板表面の粗面化および化学的活性化の二重の目的を果たすことができる。
【0224】
様々な実施形態において、表面(例えば、基板および/または膜の)は、その表面上に露出したヒドロキシル基を含む。一般に、表面は、露出したヒドロキシル表面を含む、または生成するように処理された任意の表面であり得る。そのようなヒドロキシル基は、酸素プラズマ、水プラズマ、またはオゾンを使用した基板の表面処理によって表面上に形成され得る。他の実施形態において、膜の表面を処理して露出したヒドロキシル基をもたらすことができ、その上にキャッピング層を適用することができる。様々な実施形態において、ヒドロキシル末端金属酸化物層は、0.1~20nm、または0.2~10nm、または0.5~5nmの厚さを有する。
【0225】
EUV露光プロセス
膜のEUV露光は、EUV媒介性開裂事象によって生成される、金属原子(M)を含む活性化された反応中心を有するEUV露光領域を設けることができる。そのような反応中心は、ダングリング金属結合、M-H基、開裂M-配位子基、二量体化M-M結合、またはM-O-Mブリッジを含み得る。他の実施形態において、EUV露光は、膜内の配位子を光重合させることによって架橋有機部分を設け、またはEUV露光は、配位子内の結合の光分解から生じるガス状副生成物を放出する。
【0226】
EUV露光は、真空雰囲気中で約10~20nmの範囲の波長、例えば10~15nm、例えば13.5nmの波長を有することができる。特に、パターニングは、EUV露光領域およびEUV非露光領域を設け、パターンを形成することができる。
【0227】
本技術は、EUV、ならびにDUVまたはe-ビームを使用するパターニングを含んでもよい。そのようなパターニングでは、放射線は、イメージング層のうちの1つまたは複数の領域に焦点を合わせる。露光は、イメージング層膜が放射線に露光されない1つまたは複数の領域を含むように実施され得る。結果として得られるイメージング層は、複数の露光領域および非露光領域を含んでもよく、その後の基板の処理において基板からの材料を追加するかまたは除去することによって形成される、トランジスタまたは半導体デバイスの他のフィーチャの形成と一致するパターンを形成する。本明細書で有用であるEUV、DUV、ならびにe-ビーム放射方法および機器は、当技術分野で知られている方法および機器を含む。
【0228】
いくつかのEUVリソグラフィ技法では、有機ハードマスク(例えば、PECVDアモルファス水素化炭素のアッシング可能なハードマスク)が、フォトレジストプロセスを使用してパターニングされる。フォトレジスト露光中、EUV放射線はレジストおよびその下の基板に吸収され、高エネルギーの光電子(例えば、約100eV)を発生させ、次いで数ナノメートルだけ横方向に拡散する低エネルギーの二次電子(例えば、約10eV)のカスケードを発生させる。これらの電子は、レジスト内の化学反応の程度を増加させ、それによりレジストのEUV線量感受性を増加させる。しかし、本質的にランダムな二次電子パターンが光学像に重ね合わされる。この望ましくない二次電子露光は、解像度の損失、観察可能なラインエッジ粗さ(LER)、およびパターニングされたレジストにおけるライン幅変動をもたらす。これらの欠陥は、その後のパターン転写エッチング中にパターニングされる材料で複製される。
【0229】
膜形成(堆積/凝縮)と光リソグラフィを組み合わせて、結果としてEUVリソグラフィ(EUVL)性能を大幅に改善する、例えばラインエッジ粗さを低減する、真空統合金属ハードマスクプロセスおよび関連する真空統合ハードウェアが本明細書に開示される。
【0230】
本明細書に記載される様々な実施形態において、堆積(例えば、凝縮)プロセス(例えば、Lam Vector(登録商標)などのPECVDツールで実行されるALDまたはMOCVD)を使用して、EUVにおいて(例えば、10~20nm程度の波長で)、例えばEUVL光源の波長(例えば、13.5nm=91.8eV)で強い吸収を有する、感光性金属塩または金属含有有機化合物(有機金属化合物)などの金属含有膜の薄膜を形成することができる。この膜は、EUV露光時に光分解し、(例えば、Lam2300(登録商標)Kiyo(登録商標)などの導体エッチングツールにおける)その後のエッチング中でパターン転写層である金属マスクを形成する。
【0231】
堆積に続いて、EUVパターニング可能な薄膜は、比較的高真空下で実施可能な、EUV光のビームへの露光によってパターニングされる。EUV露光の場合、金属含有膜は、次いで、露光前に反応しないように、リソグラフィプラットフォーム(例えば、オランダ国ベルドホーフェンのASMLによって供給されるTWINSCAN NXE:3300B(登録商標)プラットフォームなどのウエハステッパ)と統合されたチャンバ内で堆積され、真空下で搬送され得る。リソグラフィツールとの統合は、H2O、O2などの周囲ガスによる入射光子の強い光吸収を考慮して、EUVLが大幅に低減された圧力も必要とするという事実によって促進される。他の実施形態において、感光性金属膜堆積およびEUV露光は、同じチャンバ内で行うことができる。
【0232】
乾式現像および湿式現像を含む現像プロセス
EUV露光領域または非露光領域、ならびにキャッピング層は、任意の有用な現像プロセスによって除去することが可能である。一実施形態において、EUV露光領域は、ダングリング金属結合、M-H基、または二量体化M-M結合などの活性化された反応中心を有することができる。特定の実施形態において、M-H基は、1つまたは複数の乾式現像プロセス(例えば、ハロゲン化物化学物質)を用いることによって選択的に除去することができる。他の実施形態において、M-M結合は、湿式現像プロセスを用いることによって、例えば、熱エタノールおよび水を使用して可溶性M(OH)n基をもたらすことによって選択的に除去することができる。さらに他の実施形態において、EUV露光領域は、湿式現像を使用することによって(例えば、ポジ型現像液を使用することによって)除去される。いくつかの実施形態において、EUV非露光領域は、乾式現像を使用することによって除去される。
【0233】
乾式現像プロセスは、ガス状または蒸気形態の様々な化合物の使用を含んでもよい。例えば、そのようなプロセスは、ガス状水(H2O)、酸素(O2)、ガス状酸、ガス状ハロゲン化物、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。非限定的なガス状酸としては、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、フッ化水素酸(HF)、硫酸(H2SO4)、硝酸(HNO3)、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸無水物などが挙げられる。非限定的なガス状ハロゲン化物としては、テトラフルオロメタン(CF4)、三塩化ホウ素(BCl3)、HCl、HBr、およびそれらの組み合わせが挙げられる。ガス状水とガス状酸との組み合わせ、またはO2とガス状酸との組み合わせなどの組み合わせを用いることができる。
【0234】
乾式現像プロセスはまた、HClベースまたはHBrベースのプロセスなどの、ハロゲン化物の使用も含んでもよい。本開示は任意の特定の操作理論または操作機構に限定されるものではないが、アプローチは、乾式堆積されたEUVフォトレジスト膜とクリーンな化学物質(例えば、HCl、HBr、およびBCl3)の化学反応性を活用し、蒸気またはプラズマを使用して揮発性生成物を形成すると理解される。乾式堆積されたEUVフォトレジスト膜は、最大1nm/秒のエッチング速度で除去することができる。これらの化学物質による乾式堆積されたEUVフォトレジスト膜の迅速な除去は、チャンバ洗浄、裏面洗浄、ベベル洗浄、およびPR現像に適用可能である。膜は様々な温度の蒸気(例えば、-10℃超の温度のHClもしくはHBr、または例えば80℃超の温度のBCl3)を使用して除去することができるが、反応性をさらに促進するまたは高めるためにプラズマを使用することも可能である。
【0235】
プラズマプロセスは、当技術分野で知られている機器および技法を用いる、トランス結合プラズマ(TCP)、誘導結合プラズマ(ICP)、または容量結合プラズマ(CCP)を含む。例えば、プロセスは、0.5mTorr超(例えば、1~100mTorrなど)の圧力で、1000W未満(例えば、500W未満)の電力レベルで実施することができる。100~1000標準立方センチメートル/分(sccm)、例えば、約500sccmの流量で、1~3000秒(例えば、10秒~600秒)間、温度は、30~300℃(例えば、30~120℃)であってもよい。
【0236】
ハロゲン化物反応物の流れが水素ガスおよびハロゲン化物ガスである場合、リモートプラズマ/UV放射を使用して、H2とCl2および/またはBr2からラジカルを生成し、水素ラジカルおよびハロゲン化物ラジカルを反応チャンバに流して、ウエハの基板層上のパターニングEUVフォトレジストに接触させる。好適なプラズマ出力は、バイアスなしで、100~500Wの範囲とすることができる。これらの条件は、一部の処理リアクタ、例えば、カリフォルニア州フリーモントのLam Research社から入手可能なKiyoエッチングツールに好適であるが、処理リアクタの能力に応じて、より広い範囲のプロセス条件を使用することができることを理解されたい。
【0237】
熱現像プロセスでは、基板は真空チャンバ(例えば、オーブン)内で乾式現像化学物質(例えば、ルイス酸)に曝露される。好適なチャンバは、真空ライン、乾式現像ハロゲン化水素化学ガス(例えば、HBr、HCl)ライン、および温度制御用のヒータを含んでもよい。いくつかの実施形態において、チャンバ内部は、有機ポリマーまたは無機コーティングなどの耐腐食性膜でコーティングすることが可能である。そのようなコーティングの1つは、ポリテトラフルオロエチレン((PTFE)、例えば、Teflon(商標))である。そのような材料は、プラズマ露光による除去のリスクなしに本開示の熱プロセスで使用することができる。
【0238】
乾式現像についてのプロセス条件は、フォトレジスト膜およびキャッピング層ならびにそれらの組成および特性に応じて、プラズマなしで約10秒~1分間の時間にわたって、100~500sccmの反応物流量(例えば、500sccmのHBrまたはHCl)、-10~120℃(例えば、-10℃)の温度、1~500mTorr(例えば、300mTorr)の圧力であり得る。
【0239】
様々な実施形態において、本開示の方法は、膜堆積、気相堆積による形成、(EUV)リソグラフィフォトパターニング、および乾式現像の全ての乾式工程を組み合わせる。そのようなプロセスでは、基板は、EUVスキャナにおけるフォトパターニングに続いて乾式現像/エッチングチャンバに直接向かうことができる。そのようなプロセスは、湿式現像に関連する材料および生産コストを回避することができる。乾式プロセスはまた、より多くの調整可能性も提供し、さらなるCD制御および/またはスカム除去も与えることができる。
【0240】
様々な実施形態において、いくらかの量の金属、金属酸化物、および有機成分を含むEUVフォトレジストは、式RxZyの化合物を含む乾式現像ガスを流しながら、熱、プラズマ(例えば、ランプ加熱またはUVランプ加熱などの光活性化プラズマを含み得る)、または熱とプラズマ方法の混合によって乾式現像することができ、R=B、Al、Si、C、S、SOであり、x>0であり、Z=Cl、H、Br、F、CH4であり、y>0である。乾式現像は、RxZy種が露光材料を選択的に除去し、マスクとして非露光対応物を残すポジ型をもたらすことができる。いくつかの実施形態において、有機スズ酸化物ベースのフォトレジスト膜の露光部分は、本開示に従って乾式現像によって除去される。ポジ型乾式現像は、プラズマを当てることなくハロゲン化水素または水素とハロゲン化物(HClおよび/またはHBrを含む)を含む流れ、またはラジカルを生成するためのリモートプラズマもしくはプラズマから生成されたUV放射線と共にH2およびCl2および/またはBr2の流れに曝露されたEUV露光領域の選択的乾式現像(除去)によって達成することができる。
【0241】
湿式現像法もまた、用いることが可能である。特定の実施形態において、そのような湿式現像法を使用してEUV露光領域を除去し、ポジ型フォトレジストまたはネガ型レジストを設ける。いくつかの実施形態において、湿式現像は、中性現像液(例えば、水などのpH中性現像液)またはペルオキシド含有現像液(例えば、過酸化水素、H2O2を含む)を含む。例示的な、非限定的な湿式現像は、アルカリ現像液(例えば、水性アルカリ現像液)中での塩基、例えばアンモニウムを含むもの、例えば、水酸化アンモニウム(NH4OH)、アンモニウムベースのイオン液体、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、または他の第四級アルキルアンモニウム水酸化物、有機アミン、例えばモノ、ジ、およびトリ有機アミン(例えば、ジエチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン)、またはアルカノールアミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、またはジエチレングリコールアミンの使用を含んでもよい。他の実施形態において、アルカリ現像液は、窒素含有塩基、例えば、式RN1NH2、RN1RN2NH、RN1RN2RN3N、またはRN1RN2RN3RN4N+XN1-を有する化合物を含んでもよく、RN1、RN2、RN3、およびRN4の各々は、独立して、有機置換基(例えば、任意選択で置換されたアルキルまたは本明細書に記載されるいずれか)、または一緒に結合することができる2つ以上の有機置換基であり、XN1-は、OH-、F-、Cl-、Br-、I-、または他の当技術分野で知られている第四級アンモニウムカチオン種を含んでもよい。これらの塩基はまた、当技術分野で知られているヘテロシクリル窒素化合物も含んでもよく、そのいくつかは本明細書に記載される。非限定的な組み合わせとしては、水と塩基性現像液が挙げられる。
【0242】
他の現像方法論は、ハロゲン化物(例えば、HClまたはHBr)、有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、またはクエン酸)、もしくは有機フッ素化合物(例えば、トリフルオロ酢酸)を含む酸性現像液(例えば、水性酸性現像液または有機溶剤中の酸現像液)中の酸の使用、または有機現像液、例えばケトン(例えば、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、またはアセトン)、エステル(例えば、γ-ブチロラクトンまたは3-エトキシプロピオン酸エチル(EEP))、アルコール(例えば、イソプロピルアルコール(IPA))、またはエーテル、例えばグリコールエーテル(例えば、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)またはプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA))、ならびにそれらの組み合わせの使用を含んでもよい。非限定的な組み合わせとしては、水と酸性現像液が挙げられる。
【0243】
特定の実施形態において、ポジ型現像液は、水性アルカリ現像液(例えば、NH4OH、TMAH、TEAH、TPAH、またはTBAHを含む)である。他の実施形態において、ネガ型現像液は、水性酸性現像液、有機溶剤中の酸性現像液、または有機現像液(例えば、HCl、HBr、ギ酸、トリフルオロ酢酸、2-ヘプタノン、IPA、PGME、PGMEA、またはそれらの組み合わせ)である。
【0244】
本明細書の現像液のいずれも、1つまたは複数の界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、正、負、または中性の電荷を含んでもよく、フッ素化または非フッ素化界面活性剤からなる群から選択され得る。非限定的な界面活性剤としては、第四級アンモニウム塩、ペルフルオロオクタン酸アンモニウム塩、ペルフルオロノナン酸アンモニウム塩、フッ素系界面活性剤、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸ナトリウム、およびラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0245】
湿式現像としては、浸漬現像、パドル現像、およびスプレー現像を含む任意の有用なプロセスを挙げることができる。これらの任意のプロセスの後またはプロセス中、基板を回転させ、同時に膜を乾燥させながら膜の溶解部分を除去することができる。
【0246】
現像プロセスは、湿式現像プロセスと乾式現像プロセスの両方を含んでもよい。そのようなプロセスは、最初の湿式現像とそれに続く後の乾式現像、またはその逆を含むことが可能である。現像はまた、複数の湿式現像プロセスが使用されるか、複数の乾式現像プロセスが使用されるか、または複数の湿式および乾式現像プロセスが用いられるサイクルで行うこともできる。一実施形態において、プロセスは、ガス状水、酸素(O2)、ガス状酸、ガス状ハロゲン化物、またはそれらの組み合わせを含む乾式現像プロセスと併せて、液状水、水溶液、または有機溶剤(例えば、本明細書中のいずれかのようなケトン)を有する湿式現像プロセスを含んでもよい。
【0247】
適用後プロセス
本明細書の方法は、以下で記載されるように、任意の有用な適用後プロセスを含んでもよい。
【0248】
裏面およびベベル洗浄プロセスでは、蒸気および/またはプラズマをウエハの特定の領域に限定して、ウエハ表面の膜を劣化させることなく裏面およびベベルのみを確実に除去することが可能である。除去される堆積されたEUVフォトレジスト膜は、一般に、Sn、O、およびCで構成されるが、同じ洗浄アプローチを他の金属酸化物レジストおよび材料の膜に拡張することができる。加えて、このアプローチはまた、膜ストリップおよびPRリワークにも使用することができる。
【0249】
乾式ベベルエッジおよび裏面洗浄のための好適なプロセス条件は、フォトレジスト膜ならびに組成および特性に応じて、約10~20秒の時間にわたって、100~500sccmの反応物流量(例えば、500sccmのHCl、HBr、またはH2およびCl2またはBr2、BCl3またはH2)、-10~120℃(例えば、20℃)の温度、20~500mTorr(例えば、300mTorr)の圧力、高周波(例えば、13.56MHz)における0~500Wのプラズマ電力であり得る。これらの条件は、一部の処理リアクタ、例えば、カリフォルニア州フリーモントのLam Research社から入手可能なKiyoエッチングツールに好適であるが、処理リアクタの能力に応じて、より広い範囲のプロセス条件を使用することができることを理解されたい。
【0250】
フォトリソグラフィプロセスは、フォトレジストの露光領域と非露光領域との間の化学的コントラストを作り出すために必要な化学反応を促進するために、1つまたは複数のベーク工程を伴ってもよい。大量製造(HVM)の場合、そのようなベーク工程は、周囲空気または場合によってはN2流の下、ウエハがあらかじめ設定された温度においてホットプレート上でベークされるトラック上で実施されてもよい。これらのベーク工程中におけるベーク雰囲気のより慎重な制御、ならびに雰囲気中への追加の反応性ガス成分の導入は、線量要件をさらに低減し、かつ/またはパターン忠実度を改善するのに役立ち得る。
【0251】
本開示の様々な態様によれば、堆積後(例えば、適用後ベーク(PAB))および/または露光後(例えば、露光後ベーク(PEB))および/または現像後(例えば、現像後ベーク(PDB))の金属および/または金属酸化物ベースのフォトレジストに対する1つまたは複数の後処理は、露光フォトレジストと非露光フォトレジストとの間の材料特性の差を増加させることが可能であり、したがって線量対サイズ(DtS)を減少させ、PRプロファイルを改善し、その後の乾式現像後のラインエッジおよび幅粗さ(LER/LWR)を改善する。そのような処理は、温度、ガス雰囲気、および水分を制御する熱プロセスを伴うことができ、その後の処理における改善された乾式現像性能をもたらす。場合によっては、リモートプラズマが使用される場合がある。
【0252】
適用後処理(例えば、PAB)の場合、温度、ガス雰囲気(例えば、空気、H2O、CO2、CO、O2、O3、CH4、CH3OH、N2、H2、NH3、N2O、NO、Ar、He、もしくはそれらの混合物)または真空下、および水分を制御する熱プロセスを堆積後および露光前に使用して、非露光金属および/または金属酸化物フォトレジストの組成を変化させることができる。この変化により材料のEUV感受性を増加させることができ、したがって露光および乾式現像後、線量対サイズおよびエッジ粗さの低下を達成することができる。
【0253】
露光後処理(例えば、インキュベートまたはPEB)の場合、温度、ガス雰囲気(例えば、空気、H2O、CO2、CO、O2、O3、CH4、CH3OH、N2、H2、NH3、N2O、NO、Ar、He、もしくはそれらの混合物)または真空下、および水分を制御する熱プロセスを使用して、非露光フォトレジストと露光フォトレジストの両方の組成を変化させることができる。この変化により、非露光フォトレジストと露光フォトレジストとの間の組成/材料特性の差、および非露光フォトレジストと露光フォトレジストとの間における乾式現像エッチングガスのエッチング速度の差を増加させることができる。それによって、より高いエッチング選択比を達成することができる。改善された選択比により、改善された表面粗さ、および/またはより少ないフォトレジスト残留物/スカムを有する、より正方形のPRプロファイルを得ることができる。特定の実施形態において、PEBは、空気中ならびに水分およびCO2の任意選択の存在下で実施することができる。
【0254】
現像後処理(例えば、現像後ベークまたはPDB)の場合、温度、ガス雰囲気(例えば、空気、H2O、CO2、CO、O2、O3、CH4、CH3OH、N2、H2、NH3、N2O、NO、Ar、He、もしくはそれらの混合物)または真空下(例えば、UVを使用)、および水分を制御する熱プロセスを使用して、非露光フォトレジストの組成を変化させることができる。特定の実施形態において、条件はまた、プラズマ(例えば、O2、O3、Ar、He、またはそれらの混合物を含む)の使用も含む。この変化により材料の硬度を増加させることができ、これは、下にある基板をエッチングする際に膜がレジストマスクとして使用される場合に有益であり得る。
【0255】
これらの場合、代替の実施において、熱プロセスをリモートプラズマプロセスに置き換え、反応種を増加させて反応に対するエネルギー障壁を低下させ、生産性を増加させることができる。リモートプラズマはより反応性の高いラジカルを生成することができ、したがって処理のための反応温度/時間を低下させ、生産性の増加につながる。
【0256】
したがって、1つまたは複数のプロセスを適用してフォトレジスト自体を改質し、現像の選択比を増加させることができる。この熱またはラジカル改質は、非露光材料と露光材料との間のコントラストを増加させ、したがってその後の乾式現像工程の選択比を増加させることができる。温度、ガス流、水分、圧力、および/またはRF電力を含むプロセス条件を調整することによって、結果として得られる非露光材料と露光材料の材料特性間の差を調整することができる。湿式現像液溶剤中の材料の溶解度によって限定されない、乾式現像によって可能になる大きなプロセス自由度は、より積極的な条件の適用を可能にし、達成可能な材料のコントラストをさらに高める。結果として得られる高い材料コントラストは、乾式現像のためのより広いプロセスウィンドウにフィードバックし、したがって生産性の増加、コストの低下、およびより良好な欠陥率性能を可能にする。
【0257】
湿式現像中、温度ベークの程度および回数を最適化することで、所望の現像選択比を得ることができる。例えば、湿式現像は材料の溶解度に依存する可能性があるため、例えば、220℃以上に加熱すると、金属含有PR膜の露光領域と非露光領域の両方で架橋度を大幅に増加させることができ、それにより両方とも湿式現像溶剤に不溶となり、したがって膜はもはや信頼できる湿式現像が不可能になる。PRの露光領域と非露光領域との間のエッチング速度の差(すなわち、選択比)が、レジストの露光部分または非露光部分のみの除去に依存する乾式現像レジスト膜の場合、PAB、PEB、またはPDBにおける処理温度は、処理プロセスを調整および最適化するためにはるかに広いウィンドウにわたって、例えば、PABの場合は約90~250℃、例えば90~190℃、ならびにPEBおよび/またはPDBの場合は約170~250℃以上、例えば190~240℃にわたって変化させることができる。エッチング速度の減少およびより大きいエッチング選択比は、上記の範囲内のより高い処理温度で生じることが見出された。
【0258】
特定の実施形態において、PAB、PEB、および/またはPDB処理は、100~10000sccmの範囲のガス雰囲気流、数パーセント~最大100%(例えば、20~50%)の量の含水率で、大気圧と真空との間の圧力において、約1~15分、例えば約2分の期間にわたって行うことができる。
【0259】
これらの発見を使用して処理条件を調整し、特定の材料および状況に合わせて処理を調整または最適化することができる。例えば、約2分間、約20%の湿度における空気中で220~250℃のPEB熱処理を用いて所与のEUV線量に対して達成される選択比は、そのような熱処理なしで約30%高いEUV線量の場合と同様にすることができる。したがって、半導体処理操作の選択比要件/制約に応じて、本明細書に記載されるような熱処理を使用して、必要なEUV線量を低下させることができる。または、より高い選択比が必要とされ、かつより高い線量が許容される場合、はるかに高い選択比(露光対非露光で最大100倍)を得ることが可能である。
【0260】
さらに他の工程は、フォトリソグラフィプロセス中に物理的および構造的特性(例えば、限界寸法、膜厚など)を評価することが可能なin situ計測を含んでもよい。In situ計測を実施するモジュールとしては、例えば、散乱測定モジュール、偏光解析モジュール、下流質量分析モジュール、および/またはプラズマ強化下流発光分光分析(plasma enhanced downstream optical emission spectroscopy)モジュールが挙げられる。
【0261】
装置
本開示はまた、本明細書に記載されるいずれかの方法を実施するように構成された任意の装置も含む。一実施形態において、膜を堆積させるための装置は、有機共反応物の存在下で有機金属前駆体を供給することによって膜としてEUV感受性材料を堆積させるためのチャンバを備える堆積モジュールと、30nm未満の波長の放射線源を有するEUVフォトリソグラフィツールを備えるパターニングモジュールと、膜を現像するためのチャンバを備える現像モジュールとを含む。
【0262】
装置は、そのようなモジュールのための命令を有するコントローラをさらに含んでもよい。一実施形態において、コントローラは、1つまたは複数のメモリデバイス、1つまたは複数のプロセッサ、および膜またはキャッピング層の堆積を行うための命令でコード化されたシステム制御ソフトウェアを含む。そのような包含は、堆積モジュールにおいて、基板またはフォトレジスト層の上面に、膜として改質前駆体を堆積させることと、パターニングモジュールにおいて、EUV露光によって直接30nm未満の解像度で膜をパターニングし、それによって膜内にパターンを形成することと、現像モジュールにおいて、膜を現像することと、を含んでもよい。特定の実施形態において、現像モジュールは、EUV露光領域またはEUV非露光領域の除去をもたらし、それによって膜内にパターンを設ける。
【0263】
図5は、記載の乾式剥離および現像の実施形態の実施に好適な低圧環境を維持するためのプロセスチャンバ本体502を有するプロセスステーション500の一実施形態の概略図を示す。複数のプロセスステーション500が、共通の低圧プロセスツール環境に含まれてもよい。例えば、
図6は、カリフォルニア州フリーモントのLam Research社から入手可能なVECTOR(登録商標)処理ツールなどのマルチステーション処理ツール600の一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、プロセスステーション500の1つまたは複数のハードウェアパラメータ(以下で詳細に論じられるものを含む)は、1つまたは複数のコンピュータコントローラ550によってプログラム的に調整することができる。
【0264】
プロセスステーションは、クラスタツール内のモジュールとして構成され得る。
図8は、本明細書に記載される実施形態の実施に好適な真空統合堆積およびパターニングモジュールを有する半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャを示す。そのようなクラスタプロセスツールアーキテクチャは、
図5および
図7を参照して本明細書に記載されるように、レジスト堆積、レジスト露光(EUVスキャナ)、レジスト乾式現像、およびエッチングモジュールを含んでもよい。
【0265】
いくつかの実施形態において、特定の処理機能を同じモジュール内、例えば乾式現像およびエッチングで連続して実施することができる。また、本開示の実施形態は、本明細書に記載されるように、エッチングされる層または層スタック上に配置された、フォトパターニングされたEUVレジスト薄膜層を含むウエハを、EUVスキャナにおけるフォトパターニングに続いて乾式現像/エッチングチャンバに受け取り、フォトパターニングされたEUVレジスト薄膜層を乾式現像し、次いでパターニングされたEUVレジストをマスクとして使用して下層をエッチングするための方法および装置を対象とする。
【0266】
図5に戻ると、プロセスステーション500は、接続505によってプロセスガスを分配シャワーヘッド506に送達するための反応物送達システム501aと流体連通する。反応物送達システム501aは、シャワーヘッド506に送達するプロセスガスをブレンドおよび/または調整するための混合容器504を任意選択で含む。1つまたは複数の混合容器入口弁520は、混合容器504へのプロセスガスの導入を制御することができる。プラズマ露光が使用される場合、プラズマもシャワーヘッド506に送達されてもよく、またはプロセスステーション500で生成されてもよい。プロセスガスは、例えば、有機共反応物、有機金属前駆体、または対応反応物など、本明細書に記載されるいずれかを含んでもよい。
【0267】
図5は、混合容器504に供給される液体反応物を気化するための任意選択の気化ポイント503を含む。液体反応物は、有機共反応物、有機金属前駆体、または対応反応物を含んでもよい。いくつかの実施形態において、気化されてプロセスステーション500に送達される液体の質量流量を制御するために、液体流コントローラ(LFC)を気化ポイント503の上流に設けることができる。例えば、LFCは、LFCの下流に位置する熱質量流量計(MFM)を含み得る。次いで、LFCのプランジャ弁は、MFMと電気的に通信する比例積分微分(PID)コントローラによって提供されるフィードバック制御信号に応答して調整され得る。
【0268】
シャワーヘッド506は、プロセスガスを基板512に向かって分配する。
図5に示す実施形態において、基板512は、シャワーヘッド506の下に位置し、台座508上に静止した状態で示されている。シャワーヘッド506は、任意の好適な形状を有してもよく、プロセスガスを基板512に分配するための任意の好適な数および配置のポートを有してもよい。
【0269】
いくつかの実施形態において、台座508を上昇または下降させ、基板512を基板512とシャワーヘッド506との間の空間に露出させることができる。いくつかの実施形態において、台座の高さは、好適なコンピュータコントローラ550によってプログラム的に調整することができることが理解されよう。
【0270】
いくつかの実施形態において、台座508は、ヒータ510を介して温度制御され得る。いくつかの実施形態において、台座508は、開示された実施形態に記載のように、フォトパターニングされたレジストの、HBr、HCl、またはBCl3などの乾式現像化学物質への非プラズマ熱曝露中、0℃超~最高300℃以上、例えば50~120℃、例えば約65~80℃の温度に加熱されてもよい。
【0271】
さらに、いくつかの実施形態において、プロセスステーション500についての圧力制御は、バタフライ弁518によってもたらされ得る。
図5の実施形態に示されるように、バタフライ弁518により、下流の真空ポンプ(図示せず)によって提供される真空を絞る。しかし、いくつかの実施形態において、プロセスステーション500の圧力制御はまた、プロセスステーション500に導入される1種または複数のガスの流量を変化させることによっても調整することができる。
【0272】
いくつかの実施形態において、シャワーヘッド506の位置を台座508に対して調整し、基板512とシャワーヘッド506との間の体積を変化させることができる。さらに、台座508および/またはシャワーヘッド506の垂直位置は、本開示の範囲内における任意の好適な機構によって変化させてもよいことが理解されよう。いくつかの実施形態において、台座508は、基板512の配向を回転させるための回転軸を含んでもよい。いくつかの実施形態において、これらの例示的な調整のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の好適なコンピュータコントローラ550によってプログラム的に実施され得ることが理解されよう。
【0273】
例えば穏やかなプラズマベースの乾式現像の実施形態および/または同じチャンバ内で行われるエッチング操作において、プラズマが使用され得る場合、シャワーヘッド506および台座508は、プラズマ507に電力を供給するために、高周波(RF)電源514および整合ネットワーク516と電気的に通信する。いくつかの実施形態において、プラズマエネルギーは、プロセスステーション圧力、ガス濃度、RF源電力、RF源周波数、およびプラズマ電力パルスタイミングのうちの1つまたは複数を制御することによって制御することができる。例えば、RF電源514および整合ネットワーク516は、任意の好適な電力で操作してラジカル種の所望の組成を有するプラズマを形成することができる。好適な電力の例は、最大約500Wである。
【0274】
いくつかの実施形態において、コントローラ550に対する命令は、入出力制御(IOC)シーケンス命令を介して提供され得る。一実施例では、プロセス段階に対する条件を設定するための命令は、プロセスレシピの対応するレシピ段階に含まれてもよい。場合によっては、プロセスレシピ段階は、プロセス段階に対する全ての命令がそのプロセス段階と同時に実行されるように、順に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のリアクタパラメータを設定するための命令がレシピ段階に含まれてもよい。例えば、レシピ段階は、HBrまたはHClなどの乾式現像化学物質反応ガスの流量を設定するための命令、およびレシピ段階のための時間遅延命令を含んでもよい。いくつかの実施形態において、コントローラ550は、
図6のシステムコントローラ650に関して以下で記載される特徴のいずれかを含んでもよい。
【0275】
上述のように、1つまたは複数のプロセスステーションが、マルチステーション処理ツールに含まれてもよい。
図6は、インバウンドロードロック602およびアウトバウンドロードロック604を備え、これらのいずれかまたは両方がリモートプラズマ源を含み得るマルチステーション処理ツール600の一実施形態の概略図を示す。ロボット606は、大気圧において、ポッド608を介してロードされたカセットから、大気ポート610を介してインバウンドロードロック602にウエハを移動させるように構成される。ウエハは、ロボット606によって、インバウンドロードロック602の台座612上に配置され、大気ポート610が閉じられ、ロードロックがポンプダウンされる。インバウンドロードロック602がリモートプラズマ源を含む場合、ウエハは、処理チャンバ614に導入される前にロードロック内で窒化ケイ素表面を処理するためにリモートプラズマ処理を受けてもよい。さらに、ウエハはまた、例えば、水分および吸着したガスを除去するためにインバウンドロードロック602においても同様に加熱されてもよい。次いで、処理チャンバ614へのチャンバ搬送ポート616が開かれ、別のロボット(図示せず)が、処理用リアクタ内に示す第1のステーションの台座上におけるリアクタ内にウエハを配置する。
図6に示される実施形態はロードロックを含んでいるが、いくつかの実施形態において、プロセスステーションへのウエハの直接進入が提供されてもよいことが理解されよう。
【0276】
図示の処理チャンバ614は、
図6に示す実施形態において1~4まで番号が付けられた4つのプロセスステーションを含む。各ステーションは、加熱台座(ステーション1に対して618で示す)と、ガスライン入口とを有する。いくつかの実施形態において、各プロセスステーションは、異なる目的または複数の目的を有し得ることが理解されよう。例えば、いくつかの実施形態において、プロセスステーションは乾式現像モードとエッチングプロセスモードとの間で切り替え可能であってもよい。追加または代替として、いくつかの実施形態において、処理チャンバ614は、乾式現像およびエッチングプロセスステーションの1つまたは複数の対応するペアを含んでもよい。図示の処理チャンバ614は4つのステーションを含むが、本開示による処理チャンバは、任意の好適な数のステーションを有してもよいことが理解される。例えば、いくつかの実施形態において、処理チャンバは、5つ以上のステーションを有してもよく、他の実施形態において、処理チャンバは、3つ以下のステーションを有してもよい。
【0277】
図6は、処理チャンバ614内でウエハを搬送するためのウエハハンドリングシステム690の一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、ウエハハンドリングシステム690は、様々なプロセスステーション間および/またはプロセスステーションとロードロックとの間でウエハを搬送することができる。任意の好適なウエハハンドリングシステムが用いられてもよいことが理解されよう。非限定的な例として、ウエハカルーセルおよびウエハハンドリングロボットが挙げられる。
図6はまた、プロセスツール600のプロセス条件およびハードウェア状態を制御するために用いられるシステムコントローラ650の一実施形態も示す。システムコントローラ650は、1つまたは複数のメモリデバイス656と、1つまたは複数の大容量記憶デバイス654と、1つまたは複数のプロセッサ652とを含んでもよい。プロセッサ652は、CPUまたはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入出力接続、ステッピングモータコントローラボードなどを含み得る。
【0278】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ650は、プロセスツール600のアクティビティの全てを制御する。システムコントローラ650は、大容量記憶デバイス654に記憶され、メモリデバイス656にロードされ、プロセッサ652で実行されるシステム制御ソフトウェア658を実行する。あるいは、制御論理は、コントローラ650にハードコード化されてもよい。特定用途向け集積回路、プログラマブル論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはFPGA)などをこれらの目的のために使用することができる。以下の説明では、「ソフトウェア」または「コード」が使用される場合は常に、機能的に同等のハードコード化された論理をその代わりに使用することができる。システム制御ソフトウェア658は、タイミング、ガスの混合、ガス流量、チャンバ圧力および/またはステーション圧力、チャンバ温度および/またはステーション温度、ウエハ温度、目標電力レベル、RF電力レベル、基板台座、チャック位置および/またはサセプタ位置、ならびにプロセスツール600によって実施される特定のプロセスの他のパラメータを制御するための命令を含み得る。システム制御ソフトウェア658は、任意の好適な方法で構成され得る。例えば、様々なプロセスツール構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトは、様々なプロセスツールプロセスを実行するために使用されるプロセスツール構成要素の動作を制御するために書かれてもよい。システム制御ソフトウェア658は、任意の好適なコンピュータ可読プログラミング言語でコード化され得る。
【0279】
いくつかの実施形態において、システム制御ソフトウェア658は、上述の様々なパラメータを制御するための入出力制御(IOC)シーケンス命令を含み得る。いくつかの実施形態において、システムコントローラ650に伴う大容量記憶デバイス654および/またはメモリデバイス656に記憶された他のコンピュータソフトウェアおよび/またはプログラムが用いられてもよい。この目的のためのプログラムまたはプログラムのセクションの例としては、基板位置決めプログラム、プロセスガス制御プログラム、圧力制御プログラム、ヒータ制御プログラム、およびプラズマ制御プログラムが挙げられる。
【0280】
基板位置決めプログラムは、基板を台座618上にロードし、基板とプロセスツール600の他の部分との間隔を制御するために使用されるプロセスツール構成要素のプログラムコードを含んでもよい。
【0281】
プロセスガス制御プログラムは、プロセスステーションの圧力を安定化するために、様々なガス組成(例えば、本明細書に記載されるHBrまたはHClガス)および流量を制御するためのコード、および任意選択で、堆積前にガスを1つまたは複数のプロセスステーションに流すためのコードを含んでもよい。圧力制御プログラムは、例えば、プロセスステーションの排気システムのスロットル弁、プロセスステーションへのガス流などを調節することによってプロセスステーションの圧力を制御するためのコードを含み得る。
【0282】
ヒータ制御プログラムは、基板を加熱するために使用される加熱装置への電流を制御するためのコードを含んでもよい。あるいは、ヒータ制御プログラムは、基板への熱伝達ガス(ヘリウムなど)の送達を制御することができる。
【0283】
プラズマ制御プログラムは、本明細書の実施形態に従って1つまたは複数のプロセスステーション内のプロセス電極に適用されるRF電力レベルを設定するためのコードを含んでもよい。
【0284】
圧力制御プログラムは、本明細書の実施形態に従って反応チャンバ内の圧力を維持するためのコードを含んでもよい。
【0285】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ650に伴うユーザインターフェースが存在してもよい。ユーザインターフェースは、ディスプレイ画面、装置および/またはプロセス条件のグラフィカルソフトウェアディスプレイ、ならびにポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのユーザ入力デバイスを含んでもよい。
【0286】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ650によって調整されたパラメータは、プロセス条件に関係するものであってもよい。非限定的な例としては、プロセスガス組成および流量、温度、圧力、プラズマ条件(RFバイアス電力レベルなど)などが挙げられる。これらのパラメータは、レシピの形態でユーザに提供されてもよく、ユーザインターフェースを利用して入力することができる。
【0287】
プロセスを監視するための信号は、様々なプロセスツールセンサからシステムコントローラ650のアナログおよび/またはデジタル入力接続によって提供されてもよい。プロセスを制御するための信号は、プロセスツール600のアナログおよびデジタル出力接続で出力することができる。監視することができるプロセスツールセンサの非限定的な例は、マスフローコントローラ、圧力センサ(圧力計など)、熱電対などを含む。適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムをこれらのセンサからのデータと共に使用して、プロセス条件を維持することができる。
【0288】
システムコントローラ650は、上述の堆積プロセスを実施するためのプログラム命令を提供することができる。プログラム命令は、DC電力レベル、RFバイアス電力レベル、圧力、温度などの様々なプロセスパラメータを制御することが可能である。命令は、本明細書に記載される様々な実施形態に従って乾式現像および/またはエッチングプロセスを操作するパラメータを制御することができる。
【0289】
システムコントローラ650は、装置が開示された実施形態に従って方法を実施するように命令を実行するように構成された1つまたは複数のメモリデバイスおよび1つまたは複数のプロセッサを含み得る。開示された実施形態に従ってプロセス操作を制御するための命令を含む機械可読媒体は、システムコントローラ650に連結され得る。
【0290】
いくつかの実施において、システムコントローラ650はシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を含んでもよい。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステムの操作を制御するための電子機器と統合されてもよい。そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御することができる。システムコントローラ650は、処理条件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよく、そのようなプロセスとしては、プロセスガスの送達、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送達設定、位置および操作設定、特定のシステムに接続または連動するツールおよび他の搬送ツール、ならびに/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が挙げられる。
【0291】
広義としては、システムコントローラ650は、命令を受信し、命令を発行し、操作を制御し、洗浄操作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハに向けて、またはシステムに対して実行するための操作パラメータを定義する、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でシステムコントローラ650に通信される命令であってもよい。操作パラメータは、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作中における1つまたは複数の処理工程を実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0292】
システムコントローラ650は、いくつかの実施形態において、システムと統合または連結されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに連結されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、システムコントローラ650は、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってもよく、これにより、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にすることができる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作操作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作操作の履歴を検討し、複数の製作操作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理工程を設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの実施例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができ、そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、次いでリモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの実施例では、システムコントローラ650は命令をデータの形式で受信し、そのようなデータは、1つまたは複数の操作中に実施される各処理工程のためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびシステムコントローラ650が連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、システムコントローラ650は、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書に記載されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを含むことによって分散されていてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路が、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されている1つまたは複数の集積回路と通信し、チャンバ上のプロセスを制御するよう組み合わせられるものが挙げられるであろう。
【0293】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、ALDチャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、EUVリソグラフィチャンバ(スキャナ)またはモジュール、乾式現像チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0294】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセス工程に応じて、システムコントローラ650は、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【0295】
特定の実施形態において、いくつかの実施形態の実施に好適なエッチング操作に好適であり得る誘導結合プラズマ(ICP)リアクタが、ここで記載される。ICPリアクタが本明細書では記載されるが、いくつかの実施形態において、容量結合プラズマリアクタも使用することができることを理解されたい。
【0296】
図7は、乾式現像および/またはエッチングなどの特定の実施形態または実施形態の態様を実施するのに適切な誘導結合プラズマ装置700の断面図を概略的に示し、その一例は、カリフォルニア州フリーモントのLam Research社によって製造されるKiyo(登録商標)リアクタである。他の実施形態において、本明細書に記載される乾式現像および/またはエッチングプロセスを行う機能を有する他のツールまたはツールタイプを使用して実施することができる。
【0297】
誘導結合プラズマ装置700は、チャンバ壁701および窓711によって構造的に画定された総合プロセスチャンバを含む。チャンバ壁701は、ステンレス鋼またはアルミニウムから製作することができる。窓711は、石英または他の誘電体材料から製作することができる。任意選択の内部プラズマグリッド750は、総合プロセスチャンバを上部サブチャンバ702および下部サブチャンバ703に分割する。ほとんどの実施形態において、プラズマグリッド750を除去することができ、それによってサブチャンバ702および703からなるチャンバ空間を利用することができる。チャック717が、底部内面近くの下部サブチャンバ703内に位置決めされる。チャック717は、その上にエッチングおよび堆積プロセスが実施される半導体ウエハ719を受け入れて保持するように構成される。チャック717は、存在する場合、ウエハ719を支持するための静電チャックであり得る。いくつかの実施形態において、エッジリング(図示せず)がチャック717を囲み、チャック717の上に存在する場合、ウエハ719の上面とほぼ平面である上面を有する。チャック717はまた、ウエハ719をチャックおよびデチャックするための静電電極も含む。この目的のために、フィルタおよびDCクランプ電源(図示せず)が設けられてもよい。
【0298】
チャック717からウエハ719を持ち上げるための他の制御システムもまた、設けられてもよい。チャック717は、RF電源723を使用して充電させることができる。RF電源723は、接続727を通して整合回路721に接続される。整合回路721は、接続725を通してチャック717に接続される。このようにして、RF電源723はチャック717に接続される。様々な実施形態において、静電チャックのバイアス電力は、約50Vに設定されてもよいし、開示された実施形態に従って実施されるプロセスに応じて異なるバイアス電力に設定されてもよい。例えば、バイアス電力は、約20V~約100V、または約30V~約150Vであってもよい。
【0299】
プラズマ生成のための要素は、窓711の上に位置決めされたコイル733を含む。いくつかの実施形態において、コイルは、開示された実施形態において使用されない。コイル733は、導電性材料から製作され、少なくとも1つの完全なターンを含む。
図7に示すコイル733の例は、3ターンを含む。コイル733の断面は記号で示されており、「X」を有するコイルはページ内に回転して延びるが、「●」を有するコイルはページ外に回転して延びる。プラズマ生成のための元素はまた、RF電力をコイル733に供給するように構成されたRF電源741も含む。一般に、RF電源741は、接続745を通して整合回路739に接続される。整合回路739は、接続743を通してコイル733に接続される。このようにして、RF電源741はコイル733に接続される。任意選択のファラデーシールド749は、コイル733と窓711との間に位置決めされる。ファラデーシールド749は、コイル733に対して間隔を置いて離れた関係に維持され得る。いくつかの実施形態において、ファラデーシールド749は、窓711のすぐ上に配置される。いくつかの実施形態において、ファラデーシールドは、窓711とチャック717との間にある。いくつかの実施形態において、ファラデーシールドは、コイル733に対して間隔を置いて離れた関係に維持されない。例えば、ファラデーシールドは隙間なく窓の真下にあってもよい。コイル733、ファラデーシールド749、および窓711はそれぞれ、互いに実質的に平行になるように構成されている。ファラデーシールド749は、金属または他の種がプロセスチャンバの窓711に堆積するのを防止することができる。
【0300】
プロセスガスは、上部サブチャンバ702に位置決めされた1つまたは複数の主ガス流入口760を介して、および/または1つまたは複数のサイドガス流入口770を介してプロセスチャンバに流入することができる。同様に、明示的に示されていないが、同様のガス流入口を使用して、プロセスガスを容量結合プラズマ処理チャンバに供給することができる。真空ポンプ、例えば、1段または2段機械式乾式ポンプおよび/またはターボ分子ポンプ740を使用して、プロセスチャンバからプロセスガスを吸引し、プロセスチャンバ内の圧力を維持することができる。例えば、真空ポンプを使用して、ALDのパージ操作中に下部サブチャンバ703を排気することができる。真空ポンプによって提供される真空環境の適用を選択的に制御するために、弁制御導管を使用して真空ポンプを処理チャンバに流体接続することができる。これは、プラズマ処理操作中、スロットル弁(図示せず)または振り子弁(図示せず)などの閉ループ制御流量制限デバイスを用いて行うことができる。同様に、容量結合プラズマ処理チャンバへの真空ポンプおよび弁制御流体接続も用いることができる。
【0301】
装置700の操作中、1つまたは複数のプロセスガスは、ガス流入口760および/または770を通して供給され得る。特定の実施形態において、プロセスガスは、主ガス流入口760のみを通して、またはサイドガス流入口770のみを通して供給され得る。場合によっては、図に示すガス流入口は、より複雑なガス流入口、例えば、1つまたは複数のシャワーヘッドに置き換えられてもよい。ファラデーシールド749および/または任意選択のグリッド750は、プロセスチャンバへのプロセスガスの送達を可能にする内部チャネルおよび穴を含み得る。ファラデーシールド749および任意選択のグリッド750のいずれかまたは両方が、プロセスガスを送達するためのシャワーヘッドとして機能してもよい。いくつかの実施形態において、液体気化および送達システムは、プロセスチャンバの上流に配置され得、それにより液体反応物または前駆体が気化されると、気化した反応物または前駆体は、ガス流入口760および/または770を介してプロセスチャンバに導入される。
【0302】
高周波電力は、RF電源741からコイル733に供給され、RF電流がコイル733を通って流れるようにする。コイル733を通って流れるRF電流は、コイル733の周りに電磁場を生成する。電磁場は、上部サブチャンバ702内で誘導電流を生成する。様々な生成されたイオンおよびラジカルとウエハ719の物理的および化学的相互作用により、ウエハ719のフィーチャがエッチングされ、ウエハ719上に層を選択的に堆積させる。
【0303】
プラズマグリッド750が、上部サブチャンバ702と下部サブチャンバ703の両方が存在するように使用される場合、誘導電流は、上部サブチャンバ702に存在するガスに作用し、上部サブチャンバ702に電子-イオンプラズマを生成する。任意選択の内部プラズマグリッド750は、下部サブチャンバ703内の熱電子の数を限定する。いくつかの実施形態において、装置700は、下部サブチャンバ703に存在するプラズマがイオン-イオンプラズマであるように設計および操作される。
【0304】
上部電子-イオンプラズマと下部イオン-イオンプラズマの両方が陽イオンおよび陰イオンを含んでもよいが、イオン-イオンプラズマは、陽イオンに対して陰イオンの比が大きい。揮発性エッチングおよび/または堆積副生成物は、ポート722を通して下部サブチャンバ703から除去され得る。本明細書に開示されるチャック717は、約10~250℃の範囲の高温で操作することができる。温度は、プロセス操作および特定のレシピに依存する。
【0305】
装置700は、クリーンルームまたは製作施設に設置される場合、設備(図示せず)に連結されてもよい。設備は、プロセスガス、真空、温度制御、および環境粒子制御を提供する配管を含む。これらの設備は、目的の製作施設に設置されると、装置700に連結される。加えて、装置700は、ロボットが自動操作を使用して半導体ウエハを装置700に搬入および搬出することを可能にする搬送チャンバに連結され得る。
【0306】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ730(1つまたは複数の物理的または論理的コントローラを含んでもよい)は、プロセスチャンバの操作の一部または全てを制御する。システムコントローラ730は、1つまたは複数のメモリデバイスと、1つまたは複数のプロセッサと、を含んでもよい。いくつかの実施形態において、装置700は、開示された実施形態が実施されるときに流量および期間を制御するための切り替えシステムを含む。いくつかの実施形態において、装置700は、最大約600ms、または最大約750msの切り替え時間を有することができる。切り替え時間は、流れる化学物質、選択されたレシピ、リアクタアーキテクチャ、および他の要因に依存し得る。
【0307】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ730はシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を含んでもよい。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステムの操作を制御するための電子機器と統合されてもよい。電子機器はシステムコントローラ730に統合され、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御することができる。システムコントローラは、処理パラメータおよび/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよく、そのようなプロセスとしては、プロセスガスの送達、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送達設定、位置および操作設定、特定のシステムに接続または連動するツールおよび他の搬送ツール、ならびに/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が挙げられる。
【0308】
広義としては、システムコントローラ730は、命令を受信し、命令を発行し、操作を制御し、洗浄操作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハに向けて、またはシステムに対して実行するための操作パラメータを定義する、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であってもよい。操作パラメータは、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作中または除去中における1つまたは複数の処理工程を実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0309】
システムコントローラ730は、いくつかの実施において、システムと統合または連結されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに連結されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってもよく、これにより、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にすることができる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作操作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作操作の履歴を検討し、複数の製作操作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理工程を設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの実施例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができ、そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、次いでリモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの実施例では、システムコントローラ730は命令をデータの形式で受信し、そのようなデータは、1つまたは複数の操作中に実施される各処理工程のためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、システムコントローラ730は、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書に記載されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを含むことによって分散されていてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路が、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されている1つまたは複数の集積回路と通信し、チャンバ上のプロセスを制御するよう組み合わせられるものが挙げられるであろう。
【0310】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、ALDチャンバまたはモジュール、ALEチャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、EUVリソグラフィチャンバ(スキャナ)またはモジュール、乾式現像チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0311】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセス工程に応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【0312】
EUVLパターニングは、多くの場合スキャナと呼ばれる任意の好適なツール、例えばオランダ国ベルドホーフェンのASMLによって供給されるTWINSCAN NXE:3300B(登録商標)プラットフォームを使用して行うことができる。EUVLパターニングツールは、本明細書に記載される堆積およびエッチングのために基板を出し入れするスタンドアロンデバイスであってもよい。または、以下に記載されるように、EUVLパターニングツールは、より大きなマルチ構成要素ツール上のモジュールであってもよい。
図8は、本明細書に記載されるプロセスの実施に好適な、真空搬送モジュールと連動する真空統合堆積、EUVパターニング、および乾式現像/エッチングモジュールを有する半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャを示す。プロセスはそのような真空統合装置なしで行うことができるが、そのような装置は、いくつかの実施において有利であり得る。
【0313】
図8は、本明細書に記載されるプロセスの実施に好適な、真空搬送モジュールと連動する真空統合堆積およびパターニングモジュールを有する半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャを示す。複数の保管施設および処理モジュールの間でウエハを「搬送」するための搬送モジュールの配置は、「クラスタツールアーキテクチャ」システムと呼ばれることがある。特定のプロセスの要件に従って、堆積およびパターニングモジュールが真空統合される。エッチング用などの他のモジュールもまた、クラスタに含まれてもよい。
【0314】
真空搬送モジュール(VTM)838は、4つの処理モジュール820a~820dと連動し、様々な製作プロセスを実施するために個々に最適化することができる。一例として、処理モジュール820a~820dは、堆積、蒸着、ELD、乾式現像、エッチング、ストリップ、および/または他の半導体プロセスを実施するように実装され得る。例えば、モジュール820aは、カリフォルニア州フリーモントのLam Research社から入手可能なVectorツールなど、本明細書に記載される非プラズマ熱原子層堆積を実施するように操作され得るALDリアクタであってもよい。そしてモジュール820bは、Lam Vector(登録商標)などのPECVDツールであってもよい。図は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないことを理解されたい。
【0315】
ロードロックまたは搬送モジュールとしても知られるエアロック842および846は、VTM838およびパターニングモジュール840と連動する。例えば、上述のように、好適なパターニングモジュールは、オランダ国ベルドホーフェンのASMLによって供給されるTWINSCAN NXE:3300B(登録商標)プラットフォームであり得る。このツールアーキテクチャにより、半導体基板またはウエハなどのワークピースを、露光前に反応させないように真空下で搬送することができる。堆積モジュールとリソグラフィツールの統合は、H2O、O2などの周囲ガスによる入射光子の強い光吸収を考慮して、EUVLも大幅に低減された圧力を必要とするという事実によって促進される。
【0316】
上述のように、この統合されたアーキテクチャは、記載されるプロセスを実施するためのツールの可能な実施形態の1つにすぎない。プロセスはまた、スタンドアロンEUVLスキャナおよび堆積リアクタ、例えばLam Vectorツールを用いて、スタンドアロンか、または他のツール、例えばエッチング、ストリップなど(例えば、LamKiyoまたはGammaツール)とクラスタアーキテクチャに統合されている、モジュールとして、例えば
図8を参照して記載されているが統合されたパターニングモジュールなしで実施することもできる。
【0317】
エアロック842は、堆積モジュール820aを機能させるVTM838からパターニングモジュール840への基板の搬送を指す、「搬出」ロードロックであってもよく、エアロック846は、パターニングモジュール840からVTM838に戻る基板の搬送を指す、「搬入」ロードロックであってもよい。搬入ロードロック846はまた、基板の接近および離脱のための、ツールの外部へのインターフェースも提供することができる。各プロセスモジュールは、モジュールをVTM838に連動させるファセットを有する。例えば、堆積プロセスモジュール820aは、ファセット836を有する。各ファセット内では、センサ、例えば図示のセンサ1~18を使用して、それぞれのステーション間を移動する際にウエハ826の通過を検出する。パターニングモジュール840ならびにエアロック842および846は、図示されていない追加のファセットおよびセンサを同様に備えることができる。
【0318】
主VTMロボット822は、エアロック842および846を含むモジュール間でウエハ826を搬送する。一実施形態において、ロボット822は1つのアームを有し、別の実施形態において、ロボット822は2つのアームを有し、各アームは、搬送のためにウエハ826などのウエハを持ち上げるエンドエフェクタ824を有する。フロントエンドロボット844は、ウエハ826を搬出エアロック842からパターニングモジュール840に、パターニングモジュール840から搬入エアロック846に搬送するために使用される。フロントエンドロボット844はまた、基板の接近および離脱のために、搬入ロードロックとツールの外部との間でウエハ826を搬送することもできる。搬入エアロックモジュール846が大気圧と真空との間の環境を適合させる能力を有するので、ウエハ826は、損傷を受けることなく2つの圧力環境の間を移動することができる。
【0319】
EUVLツールは、堆積ツールよりも高い真空で動作し得ることに留意されたい。この場合、パターニングツールに入る前に基板の脱ガスを可能にするために、堆積ツールとEUVLツールとの間の搬送中に基板の真空環境を高めることが望ましい。搬出エアロック842は、一定期間にわたってパターニングモジュール840内の圧力よりも高くない低圧で搬送されたウエハを保持し、かつオフガスを排出することによってこの機能を提供することができ、それによりパターニングツール840の光学系が基板からのオフガスによって汚染されなくなる。排出オフガスエアロックに対して好適な圧力は、1E-8Torr以下である。
【0320】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ850(1つまたは複数の物理的または論理的コントローラを含んでもよい)は、クラスタツールおよび/またはその別々のモジュールにおける操作の一部または全てを制御する。コントローラは、クラスタアーキテクチャに対してローカルであり得るか、または製造フロアのクラスタアーキテクチャの外部に位置し得るか、または遠隔地に位置し、ネットワークを介してクラスタアーキテクチャに接続され得ることに留意されたい。システムコントローラ850は、1つまたは複数のメモリデバイスと、1つまたは複数のプロセッサと、を含んでもよい。プロセッサは、中央処理装置(CPU)またはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入出力接続、ステッピングモータコントローラボード、および他の同様の構成要素を含み得る。適切な制御操作を実施するための命令が、プロセッサ上で実行される。これらの命令は、コントローラに伴うメモリデバイスに記憶することができ、またはネットワークを介して提供することができる。特定の実施形態において、システムコントローラは、システム制御ソフトウェアを実行する。
【0321】
システム制御ソフトウェアは、適用のタイミングおよび/またはツールもしくはモジュール操作における任意の態様の程度を制御するための命令を含んでもよい。システム制御ソフトウェアは、任意の好適な方法で構成され得る。例えば、様々なプロセスツール構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトは、様々なプロセスツールプロセスを実行するのに必要なプロセスツール構成要素の操作を制御するために書かれてもよい。システム制御ソフトウェアは、任意の好適なコンピュータ可読プログラミング言語でコード化され得る。いくつかの実施形態において、システム制御ソフトウェアは、上述の様々なパラメータを制御するための入出力制御(IOC)シーケンス命令を含む。例えば、半導体製作プロセスの各段階は、システムコントローラによって実行される1つまたは複数の命令を含み得る。例えば、凝縮、堆積、蒸着、パターニング、および/またはエッチング段階に対するプロセス条件を設定するための命令は、対応するレシピ段階に含まれてもよい。
【0322】
様々な実施形態において、ネガパターンマスクを形成するための装置が提供される。装置は、パターニング、堆積、およびエッチングのための処理チャンバと、ネガパターンマスクを形成するための命令を含むコントローラと、を含んでもよい。命令は、処理チャンバにおいて、EUV露光によって半導体基板上の化学増幅(CAR)レジスト内のフィーチャをパターニングして基板の表面を露出させ、フォトパターニングされたレジストを乾式現像し、マスクとしてパターニングされたレジストを使用して下層または層スタックをエッチングするためのコードを含んでもよい。
【0323】
ウエハの移動を制御するコンピュータは、クラスタアーキテクチャに対してローカルであり得るか、または製造フロアのクラスタアーキテクチャの外部に位置し得るか、または遠隔地に位置し、ネットワークを介してクラスタアーキテクチャに接続され得ることに留意されたい。
【0324】
結論
前述の実施形態は、明確な理解のために多少詳しく記載されてきたが、一定の変更および修正が添付の特許請求の範囲の範囲内で実践されてもよいことは明らかであろう。本明細書に開示される実施形態は、これらの具体的な詳細の一部または全部なしで実施することができる。他の例では、開示された実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス操作は詳細に記載されていない。さらに、開示された実施形態は、特定の実施形態と併せて記載されるが、特定の実施形態は、開示された実施形態を限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。本実施形態のプロセス、システム、および装置の実施には多くの別の方法があることに留意されたい。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示とみなされるべきであり、実施形態は本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジストを用いる方法であって、
有機共反応物の存在下で有機金属前駆体を基板の表面に供給してレジスト膜を準備すること、
パターニングされた放射線への露光によって前記レジスト膜をパターニングし、それによって放射線露光領域および放射線非露光領域を有する露光膜を準備すること、
前記露光膜を約20~300℃の温度でインキュベートし、それによってインキュベート膜を準備すること、
ならびに前記インキュベート膜を現像し、それによって前記放射線露光領域を除去してポジ型レジスト膜内のパターンを設けること、または前記放射線非露光領域を除去してネガ型レジスト内のパターンを設けることを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記レジスト膜が、極端紫外線(EUV)感受性膜を含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記レジスト膜が、有機スズアセチリドオキシド、スズアセチリドオキシド、スズアセチリドテルリド、有機シュウ酸スズ、シュウ酸スズ、有機スズホルメート、スズホルメート、有機スズペルオキシド、またはスズペルオキシドを含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記インキュベート膜の線量対クリアまたは線量対ゲルが、前記露光膜での値よりも低い、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記準備することが、前記レジスト膜を準備するために前記基板の表面に改質前駆体を堆積させることを含み、前記改質前駆体が、前記有機金属前駆体を前記有機共反応物と反応させることによって形成される、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記堆積させることが、前記改質前駆体を蒸気形態で堆積させることを含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記パターニングが、約1~30mJ/cm
2の放射線量を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記インキュベートが、約30~300秒の任意選択の時間、周囲雰囲気中で約100~250℃の温度を含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記インキュベートが、約1~7日間の期間、約20~30℃の温度を含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記インキュベートが、約1~300秒の任意選択の時間、任意選択の湿度を有する不活性雰囲気中で約150~300℃の温度を含む、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記現像することが、湿式現像または乾式現像を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記湿式現像が、15~60秒の任意選択の時間、水、酸、塩基、ケトン、エステル、アルコール、エーテル、またはそれらの組み合わせを含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記湿式現像が、1つまたは複数の界面活性剤をさらに含む、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、
前記乾式現像が、約0.1~1Torrの任意選択の圧力で約30~720秒の任意選択の時間、ガス状水、酸素(O
2)、ガス状酸、ガス状ハロゲン化物、またはそれらの組み合わせを含む、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、
前記インキュベートが、周囲雰囲気中で約100~250℃の温度を含み、前記現像することが、液体または蒸気形態の水を含む、方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、
前記インキュベートが、約1~7日間の期間、約20~30℃の温度を含み、前記現像することが、水、酸素(O
2)、ガス状酸、ガス状ハロゲン化物、またはそれらの組み合わせを含む乾式現像プロセスと併せて、ケトンまたは液状水を含む、方法。
【請求項17】
請求項
1に記載の方法であって、
前記有機金属前駆体が、少なくとも1つの配位子を含み、前記有機共反応物が、前記少なくとも1つの配位子を置き換えて改質前駆体をもたらす、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記改質前駆体が、前記有機金属前駆体と比較して、増加または減少した炭素含有量を含む、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であって、
前記準備することが、約1000:1~約1:4の前記有機金属前駆体と前記有機共反応物とのモル比を提供することをさらに含む、方法。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の方法であって、
前記有機金属前駆体が、式(I):
M
aR
bL
c(I)
(式中、Mは金属であり、
各Rは、独立して、ハロ、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたアルコキシ、またはLであり、
各Lは、独立して、配位子、イオン、または有機共反応物もしくは対応反応物と反応性である他の部分であり、RおよびLは、Mと一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ、またはRおよびLは、一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ、
a≧1、b≧1、およびc≧1である)
を有する構造を含む、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、
各RがLであり、および/またはMがスズ(Sn)である、方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法であって、
各Lが、独立して、H、ハロ、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたビス(トリアルキルシリル)アミノ、任意選択で置換されたトリアルキルシリル、または任意選択で置換されたアルコキシである、方法。
【請求項23】
請求項1から
19のいずれか一項に記載の方法であって、
前記有機共反応物が、1つまたは複数の重合性部分、アルキニル部分、カルボニル部分、ジカルボニル部分、またはハロアルキル部分を含む、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、
前記有機共反応物が、式(II):
X
1-Z-X
2(II)
(式中、X
1およびX
2の各々が、独立して、脱離基であり、
Zは、カルボニル、ジカルボニル、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたハロアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、または任意選択で置換されたアルキニレンである)
を有する構造を含む、方法。
【請求項25】
請求項17に記載の方法であって、
前記有機金属前駆体および前記有機共反応物が蒸気形態で供給される、方法。
【請求項26】
請求項17に記載の方法であって、
前記設けることが、対応反応物を供給することをさらに含む、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、
前記対応反応物が、酸素またはカルコゲニド前駆体を含む、方法。
【請求項28】
請求項1から16のいずれか一項に記載の方法であって、
前記パターニングされた放射線が、真空雰囲気中で約10nm~約20nmの範囲の波長を有するEUV露光を含む、方法。
【請求項29】
請求項1から16のいずれか一項に記載の方法であって、
前記パターニングが、前記露光膜からの二酸化炭素および/または一酸化炭素の放出をさらに含む、方法。
【請求項30】
請求項1から16のいずれか一項に記載の方法であって、
前記パターニングが、前記露光膜内で起こる光重合をさらに含む、方法。
【請求項31】
レジスト膜を形成するための装置であって、
レジスト膜を堆積させるためのチャンバを備える堆積モジュールと、
300nm未満の波長の放射線源を有するフォトリソグラフィツールを備えるパターニングモジュールと、
前記レジスト膜をインキュベートするためのチャンバを備えるインキュベートモジュールと、
前記レジスト膜を現像するためのチャンバを備える現像モジュールと、
1つまたは複数のメモリデバイス、1つまたは複数のプロセッサ、および
前記堆積モジュールにおいて、有機共反応物の存在下で半導体基板の上面に有機金属前駆体の堆積を生じさせ、前記レジスト膜を形成するための機械可読命令、
前記パターニングモジュールにおいて、パターニング放射線露光によって直接300nm未満の解像度で前記レジスト膜をパターニングさせ、それによって放射線露光領域および放射線非露光領域を有する露光膜を形成させるための機械可読命令、
前記インキュベートモジュールにおいて、前記露光膜を約20~300℃の温度でインキュベートし、それによってインキュベート膜を設けるための機械可読命令、
前記現像モジュールにおいて、前記インキュベート膜の現像により前記放射線露光領域または前記放射線非露光領域を除去させ、前記レジスト膜内にパターンを設けさせるための機械可読命令
を含む命令でコード化されたシステム制御ソフトウェアを含むコントローラと、を備える、装置。
【請求項32】
請求項31に記載の装置であって、
前記レジスト膜が、極端紫外線(EUV)感受性膜を含む、装置。
【請求項33】
請求項32に記載の装置であって、前記フォトリソグラフィツールの放射線源が、30nm未満の波長の放射線源である、装置。
【請求項34】
請求項33に記載の装置であって、
機械可読命令を含む前記命令が、前記パターニングモジュールにおいて、EUV露光によって直接30nm未満の解像度で前記レジスト膜をパターニングさせ、それによってEUV露光領域およびEUV非露光領域を有する前記露光膜を形成させるための命令をさらに含む、装置。
【請求項35】
請求項33に記載の装置であって、
機械可読命令を含む前記命令が、前記現像モジュールにおいて、前記インキュベート膜の現像により前記EUV露光領域または前記EUV非露光領域を除去させ、前記レジスト膜内にパターンを設けさせるための命令をさらに含む、装置。
【請求項36】
請求項33に記載の装置であって、
機械可読命令を含む前記命令が、前記堆積モジュールにおいて、前記有機金属前駆体と前記有機共反応物とのモル比の変化を引き起こして、前記レジスト膜を形成するための命令をさらに含む、装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
他の実施形態において、前記インキュベートが、約1~7日間の期間、約20~30℃の温度を含む。特定の実施形態において、前記インキュベートは、不活性雰囲気または任意選択の湿度(例えば、相対湿度(RH)、10%RH、90RH%、およびその中の範囲)を有する周囲雰囲気を含み得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
さらに他の実施形態において、前記インキュベートが、約1~300秒の任意選択の時間、任意選択の湿度を有する不活性雰囲気中で、約100~300℃の温度を含む。いくつかの実施形態において、前記インキュベートは、約150~300℃、180~300℃、100~250℃、または150~250℃の温度を含む。特定の実施形態において、前記インキュベートは、不活性雰囲気または任意選択の程度の湿度(例えば、相対度(RH)、10%RH、90RH%、およびその中の範囲)を有する周囲雰囲気を含み得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0275
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0275】
上述のように、1つまたは複数のプロセスステーションが、マルチステーション処理ツールに含まれてもよい。
図6は、インバウンドロードロック602およびアウトバウンドロードロック604を備え、これらのいずれかまたは両方がリモートプラズマ源を含み得るマルチステーション処理ツール600の一実施形態の概略図を示す。ロボット606は、大気圧において、ポッド608を介してロードされたカセットから、大気ポート610を介してインバウンドロードロック602にウエハを移動させるように構成される。ウエハは、ロボット606によって、インバウンドロードロック602の台座612上に配置され、大気ポート610が閉じられ、
インバウンドロードロック
602がポンプダウンされる。インバウンドロードロック602がリモートプラズマ源を含む場合、ウエハは、処理チャンバ614に導入される前にロードロック内で窒化ケイ素表面を処理するためにリモートプラズマ処理を受けてもよい。さらに、ウエハはまた、例えば、水分および吸着したガスを除去するためにインバウンドロードロック602においても同様に加熱されてもよい。次いで、処理チャンバ614へのチャンバ搬送ポート616が開かれ、別のロボット(図示せず)が、処理用リアクタ内に示す第1のステーションの台座上におけるリアクタ内にウエハを配置する。
図6に示される実施形態はロードロックを含んでいるが、いくつかの実施形態において、プロセスステーションへのウエハの直接進入が提供されてもよいことが理解されよう。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0324
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0324】
結論
前述の実施形態は、明確な理解のために多少詳しく記載されてきたが、一定の変更および修正が添付の特許請求の範囲の範囲内で実践されてもよいことは明らかであろう。本明細書に開示される実施形態は、これらの具体的な詳細の一部または全部なしで実施することができる。他の例では、開示された実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス操作は詳細に記載されていない。さらに、開示された実施形態は、特定の実施形態と併せて記載されるが、特定の実施形態は、開示された実施形態を限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。本実施形態のプロセス、システム、および装置の実施には多くの別の方法があることに留意されたい。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示とみなされるべきであり、実施形態は本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではない。また、本開示は以下の形態としても実現できる。
[形態1]
レジストを用いる方法であって、
有機共反応物の存在下で有機金属前駆体を基板の表面に供給してレジスト膜を準備すること、
パターニングされた放射線への露光によって前記レジスト膜をパターニングし、それによって放射線露光領域および放射線非露光領域を有する露光膜を準備すること、
前記露光膜を約20~300℃の温度でインキュベートし、それによってインキュベート膜を準備すること、
ならびに前記インキュベート膜を現像し、それによって前記放射線露光領域を除去してポジ型レジスト膜内のパターンを設けること、または前記放射線非露光領域を除去してネガ型レジスト内のパターンを設けることを含む、方法。
[形態2]
形態1に記載の方法であって、
前記レジスト膜が、極端紫外線(EUV)感受性膜を含む、方法。
[形態3]
形態1に記載の方法であって、
前記レジスト膜が、有機スズアセチリドオキシド、スズアセチリドオキシド、スズアセチリドテルリド、有機シュウ酸スズ、シュウ酸スズ、有機スズホルメート、スズホルメート、有機スズペルオキシド、またはスズペルオキシドを含む、方法。
[形態4]
形態1に記載の方法であって、
前記インキュベート膜の線量対クリアまたは線量対ゲルが、前記露光膜での値よりも低い、方法。
[形態5]
形態1に記載の方法であって、
前記準備することが、前記レジスト膜を準備するために前記基板の表面に改質前駆体を堆積させることを含み、前記改質前駆体が、前記有機金属前駆体を前記有機共反応物と反応させることによって形成される、方法。
[形態6]
形態5に記載の方法であって、
前記堆積させることが、前記改質前駆体を蒸気形態で堆積させることを含む、方法。
[形態7]
形態1に記載の方法であって、
前記パターニングが、約1~30mJ/cm
2
の放射線量を含む、方法。
[形態8]
形態1に記載の方法であって、
前記インキュベートが、約30~300秒の任意選択の時間、周囲雰囲気中で約100~250℃の温度を含む、方法。
[形態9]
形態1に記載の方法であって、
前記インキュベートが、約1~7日間の期間、約20~30℃の温度を含む、方法。
[形態10]
形態1に記載の方法であって、
前記インキュベートが、約1~300秒の任意選択の時間、任意選択の湿度を有する不活性雰囲気中で約150~300℃の温度を含む、方法。
[形態11]
形態1に記載の方法であって、
前記現像することが、湿式現像または乾式現像を含む、方法。
[形態12]
形態11に記載の方法であって、
前記湿式現像が、15~60秒の任意選択の時間、水、酸、塩基、ケトン、エステル、アルコール、エーテル、またはそれらの組み合わせを含む、方法。
[形態13]
形態12に記載の方法であって、
前記湿式現像が、1つまたは複数の界面活性剤をさらに含む、方法。
[形態14]
形態11に記載の方法であって、
前記乾式現像が、約0.1~1Torrの任意選択の圧力で約30~720秒の任意選択の時間、ガス状水、酸素(O
2
)、ガス状酸、ガス状ハロゲン化物、またはそれらの組み合わせを含む、方法。
[形態15]
形態1に記載の方法であって、
前記インキュベートが、周囲雰囲気中で約100~250℃の温度を含み、前記現像することが、液体または蒸気形態の水を含む、方法。
[形態16]
形態1に記載の方法であって、
前記インキュベートが、約1~7日間の期間、約20~30℃の温度を含み、前記現像することが、水、酸素(O
2
)、ガス状酸、ガス状ハロゲン化物、またはそれらの組み合わせを含む乾式現像プロセスと併せて、ケトンまたは液状水を含む、方法。
[形態17]
形態1から16のいずれか一項に記載の方法であって、
前記有機金属前駆体が、少なくとも1つの配位子を含み、前記有機共反応物が、前記少なくとも1つの配位子を置き換えて改質前駆体をもたらす、方法。
[形態18]
形態17に記載の方法であって、
前記改質前駆体が、前記有機金属前駆体と比較して、増加または減少した炭素含有量を含む、方法。
[形態19]
形態17に記載の方法であって、
前記準備することが、約1000:1~約1:4の前記有機金属前駆体と前記有機共反応物とのモル比を提供することをさらに含む、方法。
[形態20]
形態1から19のいずれか一項に記載の方法であって、
前記有機金属前駆体が、式(I):
M
a
R
b
L
c
(I)
(式中、Mは金属であり、
各Rは、独立して、ハロ、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたアルコキシ、またはLであり、
各Lは、独立して、配位子、イオン、または有機共反応物もしくは対応反応物と反応性である他の部分であり、RおよびLは、Mと一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ、またはRおよびLは、一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ、
a≧1、b≧1、およびc≧1である)
を有する構造を含む、方法。
[形態21]
形態20に記載の方法であって、
各RがLであり、および/またはMがスズ(Sn)である、方法。
[形態22]
形態20に記載の方法であって、
各Lが、独立して、H、ハロ、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたビス(トリアルキルシリル)アミノ、任意選択で置換されたトリアルキルシリル、または任意選択で置換されたアルコキシである、方法。
[形態23]
形態1から22のいずれか一項に記載の方法であって、
前記有機共反応物が、1つまたは複数の重合性部分、アルキニル部分、カルボニル部分、ジカルボニル部分、またはハロアルキル部分を含む、方法。
[形態24]
形態23に記載の方法であって、
前記有機共反応物が、式(II):
X
1
-Z-X
2
(II)
(式中、X
1
およびX
2
の各々が、独立して、脱離基であり、
Zは、カルボニル、ジカルボニル、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたハロアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、または任意選択で置換されたアルキニレンである)
を有する構造を含む、方法。
[形態25]
形態17に記載の方法であって、
前記有機金属前駆体および前記有機共反応物が蒸気形態で供給される、方法。
[形態26]
形態17に記載の方法であって、
前記設けることが、対応反応物を供給することをさらに含む、方法。
[形態27]
形態26に記載の方法であって、
前記対応反応物が、酸素またはカルコゲニド前駆体を含む、方法。
[形態28]
形態1から16のいずれか一項に記載の方法であって、
前記パターニングされた放射線が、真空雰囲気中で約10nm~約20nmの範囲の波長を有するEUV露光を含む、方法。
[形態29]
形態1から16のいずれか一項に記載の方法であって、
前記パターニングが、前記露光膜からの二酸化炭素および/または一酸化炭素の放出をさらに含む、方法。
[形態30]
形態1から16のいずれか一項に記載の方法であって、
前記パターニングが、前記露光膜内で起こる光重合をさらに含む、方法。
[形態31]
レジスト膜を形成するための装置であって、
レジスト膜を堆積させるためのチャンバを備える堆積モジュールと、
300nm未満の波長の放射線源を有するフォトリソグラフィツールを備えるパターニングモジュールと、
前記レジスト膜をインキュベートするためのチャンバを備えるインキュベートモジュールと、
前記レジスト膜を現像するためのチャンバを備える現像モジュールと、
1つまたは複数のメモリデバイス、1つまたは複数のプロセッサ、および
前記堆積モジュールにおいて、有機共反応物の存在下で半導体基板の上面に有機金属前駆体の堆積を生じさせ、前記レジスト膜を形成するための機械可読命令、
前記パターニングモジュールにおいて、パターニング放射線露光によって直接300nm未満の解像度で前記レジスト膜をパターニングさせ、それによって放射線露光領域および放射線非露光領域を有する露光膜を形成させるための機械可読命令、
前記インキュベートモジュールにおいて、前記露光膜を約20~300℃の温度でインキュベートし、それによってインキュベート膜を設けるための機械可読命令、
前記現像モジュールにおいて、前記インキュベート膜の現像により前記放射線露光領域または前記放射線非露光領域を除去させ、前記レジスト膜内にパターンを設けさせるための機械可読命令
を含む命令でコード化されたシステム制御ソフトウェアを含むコントローラと、を備える、装置。
[形態32]
形態31に記載の装置であって、
前記レジスト膜が、極端紫外線(EUV)感受性膜を含む、装置。
[形態33]
形態32に記載の装置であって、前記フォトリソグラフィツールの放射線源が、30nm未満の波長の放射線源である、装置。
[形態34]
形態33に記載の装置であって、
機械可読命令を含む前記命令が、前記パターニングモジュールにおいて、EUV露光によって直接30nm未満の解像度で前記レジスト膜をパターニングさせ、それによってEUV露光領域およびEUV非露光領域を有する前記露光膜を形成させるための命令をさらに含む、装置。
[形態35]
形態33に記載の装置であって、
機械可読命令を含む前記命令が、前記現像モジュールにおいて、前記インキュベート膜の現像により前記EUV露光領域または前記EUV非露光領域を除去させ、前記レジスト膜内にパターンを設けさせるための命令をさらに含む、装置。
[形態36]
形態33に記載の装置であって、
機械可読命令を含む前記命令が、前記堆積モジュールにおいて、前記有機金属前駆体と前記有機共反応物とのモル比の変化を引き起こして、前記レジスト膜を形成するための命令をさらに含む、装置。
【国際調査報告】