(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】高圧NH3改質及び炭化水素/CO2改質の共供給流としてのNH3複合改質
(51)【国際特許分類】
C01B 3/04 20060101AFI20241219BHJP
C01B 3/38 20060101ALI20241219BHJP
B01J 23/755 20060101ALI20241219BHJP
B01J 23/89 20060101ALI20241219BHJP
B01J 23/75 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
C01B3/04 B
C01B3/38
B01J23/755 M
B01J23/89 M
B01J23/75 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535509
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-13
(86)【国際出願番号】 EP2022085849
(87)【国際公開番号】W WO2023111017
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フライ,エリーアス クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】クレーマー,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ランヴェル,ヴィルジニー
(72)【発明者】
【氏名】ボトケ,ニルス
【テーマコード(参考)】
4G140
4G169
【Fターム(参考)】
4G140EA03
4G140EA05
4G140EA06
4G169AA02
4G169BC10A
4G169BC16A
4G169BC42A
4G169BC67A
4G169BC67B
4G169BC68A
4G169BC68B
4G169BC70B
4G169BD02A
(57)【要約】
本発明は、アンモニアを改質するための特定の方法に関し、この方法は、
(i)Ni、Co、又はNiとCoからなる群から選択される金属M1を含む触媒を含む反応器を準備するステップ;
(ii)NH3を含む供給ガス流を調製するステップ;
(iii)(ii)で調製した供給ガス流を(i)で準備した反応器に供給し、供給ガス流を触媒と接触させるステップであって、接触が1~50baraの圧力且つ400~1,100℃の温度で行われるステップ;
(iv)反応器から流出ガス流を抜き出すステップであって、流出ガス流がH2とN2とを含むステップ
を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンモニアを改質するための方法であって、
(i)Ni、Co、又はNiとCoからなる群から選択される金属M1を含む触媒を含む反応器を準備するステップ;
(ii)NH
3を含む供給ガス流を調製するステップ;
(iii)(ii)で調製した前記供給ガス流を(i)で準備した前記反応器に供給し、前記供給ガス流を前記触媒と接触させるステップであって、接触が1~50baraの圧力且つ400~1,100℃の温度で行われるステップ;
(iv)前記反応器から流出ガス流を抜き出すステップであって、前記流出ガス流がH
2とN
2とを含むステップ
を含む方法。
【請求項2】
(ii)で調製される前記供給ガス流が200~20,000ppmvのH
2Oを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(ii)で調製される前記供給ガス流に含まれるNH
3、N
2、及びH
2の合計量が、90~100重量%の範囲である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
アンモニア及び炭化水素の改質のための方法であり、(ii)で調製される前記供給ガス流が、1種以上の炭化水素と、CO
2とH
2Oのうちの1つ以上と、をさらに含み、(iv)で抜き出される前記流出ガス流がCOをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
(ii)で調製された前記供給ガス流が、CO
2、H
2O、及び1種以上の炭化水素をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1種以上の炭化水素が、アルカン及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
接触が10~50baraの範囲の圧力で行われる、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
(ii)で調製される前記供給ガス流が0.1~75体積%のNH
3を含む、請求項4~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
(ii)で調製される前記供給ガス流が、10~70体積%の1種以上の炭化水素を含む、請求項4~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記供給流が500~16,000h
-1の範囲のガス毎時空間速度で前記反応器に供給される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
(iv)で抜き出される前記流出ガス流が、0.1~3の範囲の化学量論係数Rを示し、Rが式(I):
【数1】
(式中、c(H
2)、c(CO
2)、及びc(CO)は、それぞれ前記流出ガス流中のH
2、CO
2、及びCOのモル濃度を表す)
に従って定義される、請求項4~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記化学量論係数Rが0.5~3の範囲である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(i)で準備される前記反応器に含まれる前記触媒が、Al及びOをさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
(i)で準備される前記反応器に含まれる前記触媒が金属M1としてNiを含み、前記触媒がさらにMgを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
(i)で準備される前記反応器に含まれる前記触媒が金属M1としてCoを含み、前記触媒がさらにLaを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニアの改質方法、より具体的には、アンモニア及び炭化水素の改質方法に関する。
【背景技術】
【0002】
NH3は、化学的に多量のH2を貯蔵することができる、将来のエネルギーベクトルと考えられている。そのため、再生可能エネルギー源から持続可能なNH3が大スケールで生成される可能性がある。HH2が必要とされる現場でのNH3の改質(下記式1を参照)は、再生可能電力に基づくH2バリューチェーンを閉じる最後のステップとなる可能性がある。
【0003】
このような中で、例えばTeramotoらのInt.J.of Hydr.and Energ.,2020,45,8965-8974は、固体酸化物型燃料電池のコンセプトの一部として、NH3とCH4とを組み合わせた供給流を利用することに関する。一方、LuらのInt.J.of Hydr.and Energ.,2014,39,35,19990-19999は、プラズマ生成用の電気アーク反応器を用いたCH4又はNH3の乾式改質による水素の生成について報告している。
【0004】
国際公開第2021/175785A1号パンフレットは、改質工程の前にアミン及びNH3を抜き出すための水蒸気精製工程に関する。
【0005】
国際公開第2013/068905A号パンフレット及び国際公開第2013/118078A号パンフレットは、それぞれCO2を含む又は含まない炭化水素の改質のためのNi及びCo触媒に関する。
【0006】
Top.Catal.(2016)59:1438-1457では、NH3改質におけるNi及びCoに基づく触媒の利用について論じられており、そこに記載されているプロセスは、10bara未満の低圧で実施されている。10baraを超える高圧でのNH3改質に関しては、Catal.Sci.Technol.,2020,10,5027-5035に、Ruに基づく触媒の使用が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
高圧(10~50bara)でH2を直接得るためには、NH3改質自体もこれらの圧力で実施する必要がある。したがって、さらなる反応に必要な条件でH2を直接供給することを可能にする、改良されたコスト効率の高いNH3改質プロセスが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かくして、驚くべきことに、高温高圧で平衡転化に近づくNH3改質プロセスのための、高温(>500℃)で活性であり且つ非常に安定な、Ni及びCoに基づく触媒を使用するプロセスが見出された。
【0009】
従来は、改質プロセス(以下の式(1)~(5)を参照:水蒸気改質が式2であり、乾式改質が式3であり、それらの混合が式4である;自己熱改質プロセスについては説明しない)が利用されることで、特定の化学量論係数(R=(H2-CO2)/(CO2+CO))を有する合成ガスが生成する。水蒸気改質ではR値>2が得られ、乾式改質ではR値<2が得られる。一定量のH2Oを水蒸気としてCO2と炭化水素に添加する乾燥条件下での改質(不特定の化学量論;式4を参照)では、R値は水蒸気と乾式改質との間になる(式2及び3を参照)。乾燥条件下での改質は、例えばコークス形成を回避し、プロセス効率を最大化するために、炭素に対する蒸気の比率を低くすることを目的としている。
【0010】
合成ガスを使用する各プロセスには、専用のR値が必要である。メタノール合成では、例えば2.0~2.3のR値が適用されることが多い。例えば、炭素回収及び利用(CCU)のコンセプト内では、乾式改質及び乾燥条件下での改質は、大量のCO2が使用されるプロセスである。CH4(炭化水素の代表)が例えば生物起源のものである場合、持続可能な合成ガスが形成される。
【0011】
予期しなかったことに、式(2)~(4)に記載の改質条件下で非常によく機能するいくつかの触媒が、NH
3改質も可能であることが見出された。NH
3の改質は、R値を特定の値に調整するために必要なH
2を直接供給するため、驚くべきことに、CO
2を含む又は含まない炭化水素の改質への共供給流としてのNH
3の複合改質が見出された。式(5)は、ここでは化学量論的に不特定な形で、理想的には1つの同じ反応器を使用する複合改質プロセスの例示的な利用を示している。
【0012】
したがって、まとめると、吸熱性のNH3改質(式1)は、持続可能なH2バリューチェーンの一部としてH2を得るために、広い圧力範囲(1~50bara)、特に高圧(10~50bara)且つ高温(400~1100℃、特に500~980℃)で行われる。対応するプロセス及び触媒が開発されている。改質プロセス(例えばCH4/CO2/H2O)は、同じ温度及び圧力条件に従っており、Ni及びCoに基づく触媒は同一であるため、NH3の改質プロセスと、例えば炭化水素/CO2/H2Oの改質とを組み合わせたプロセスがさらに提供される(全体的なものとして式5を参照)。
【0013】
したがって、本発明の目的は、NH3を改質してH2を形成することができる、広い圧力範囲(1~50bara)、特に高圧(10~50bara)で実施される改良された触媒プロセスを提供することであった。NH3改質は、単一の反応/供給流として、又は炭化水素の改質と組み合わせて適用される。複合改質が適用される場合、例えば炭化水素、CO2、及びH2Oを含む乾燥条件下での改質のために、NH3がガス混合物への共供給流として供給される。
【0014】
NH3の改質に利用されるNiに基づく触媒は、400℃未満の比較的低い温度で既に活性を示すことが確認されている。450℃を超える高温で活性を示す他の触媒も確認されている。予期しなかったことに、高温活性触媒は、NH3と炭化水素との複合改質アプローチにも適していることが見出された。
【0015】
かくして、炭化水素の改質に利用され、驚くべきことに、NH3改質においても非常によく機能するCo及びNiに基づく触媒が特定された。これは、同じ触媒で、対応する下流用途(例えばMeOH製造、DME製造、又はフィッシャー・トロプシュプロセス)のR値と一致する合成ガスを製造することができる、複合改質アプローチを可能にするものとして機能する。
【0016】
したがって、全く予期しなかったことに、これらの触媒は、NH3改質単独の任意の構成において、又は任意の量のNH3の供給でCO2含む又は含まない炭化水素の改質のための共供給流としてNH3を利用できることが見出された。
【0017】
例えば、炭素回収・利用(CCU)コンセプトにおけるCO2の水素化によるメタノール形成のアイデアは、水素の供給に大きく依存している。一般的に、水素はH2O電気分解によって供給される。持続可能且つ環境に優しいメタノールのコンセプトでは、電気分解のための電気は再生可能な方式で生成される必要がある。再生可能な電力源の欠点は、その非定常性(風力又は太陽光)である。変動する電力源の結果として、電気分解や下流での利用、例えばメタノール合成なども動的に運転されなければならない(特定のオン・オフ・シナリオ)。CO2メタノール化技術と、本出願に記載されているような、例えば乾燥条件下でのNH3と炭化水素(例えばCH4)/CO2の複合改質とを組み合わせたアプローチは、電気分解の供給が少ないときに、より多くのH2を供給する可能性がある。これは、複合改質アプローチでNH3共供給量を増やすことで簡単に実現される。このコンセプトは、原理的には、本出願に記載の複合改質と組み合わされたH2O電気分解を含むあらゆる合成ガス関連のプロセスに適用可能である。
【0018】
したがって、本発明は、アンモニアを改質するための方法であって、
(i)Ni、Co、又はNiとCoからなる群から選択される金属M1を含む触媒を含む反応器を準備するステップ;
(ii)NH3を含む供給ガス流を調製するステップ;
(iii)(ii)で調製した供給ガス流を(i)で準備した反応器に供給し、供給ガス流を触媒と接触させるステップであって、接触が1~50baraの圧力且つ400~1,100℃の温度で行われるステップ;
(iv)反応器から流出ガス流を抜き出すステップであって、流出ガス流がH2とN2とを含むステップ
を含む方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
接触は、5~50bara、より好ましくは10~50bara、より好ましくは15~45bara、より好ましくは15~40bara、より好ましくは18~35bara、より好ましくは20~28bara、より好ましくは20~25baraの範囲の圧力で行われることが好ましい。
【0020】
接触は、450~1000℃、より好ましくは475~975℃、より好ましくは500~900℃、より好ましくは550~800℃、より好ましくは600~750℃、より好ましくは650~700℃の範囲の温度で行われることが好ましい。
【0021】
(ii)で調製される供給ガス流は、1~100体積%、より好ましくは3~99.99体積%、より好ましくは5~99.95体積%、より好ましくは10~99.9体積%、より好ましくは12~99.9体積%、より好ましくは20~99.8体積%、より好ましくは22~99.8体積%、より好ましくは30~99.7体積%、より好ましくは40~99.6体積%、より好ましくは50~99.5体積%のNH3を含むことが好ましい。
【0022】
(ii)で調製される供給ガス流は、0~50体積%、より好ましくは0.01~30体積%、より好ましくは0.02~25体積%、より好ましくは0.03~15体積%、より好ましくは0.04~10体積%、より好ましくは0.05~5体積%、より好ましくは0.1~1体積%、より好ましくは0.12~0.5体積%、より好ましくは0.14~0.16体積%のN2を含むことが好ましい。
【0023】
(ii)で調製される供給ガス流は、0~75体積%、より好ましくは0~60体積%、より好ましくは0~50体積%、より好ましくは0~40体積%、より好ましくは0~35体積%、より好ましくは0~30体積%のH2を含むことが好ましい。
【0024】
(ii)で調製される供給ガス流は、200~20,000ppmv、より好ましくは500~15,000ppmv、より好ましくは800~10,000ppmv、より好ましくは1,000~5,000ppmvのH2Oを含むことが好ましい。
【0025】
(ii)で調製される供給ガス流に含まれるNH3、N2、及びH2の合計量は、90~100重量%、より好ましくは95~99.95体積%、より好ましくは98~99.9体積%、より好ましくは99~99.85体積%、より好ましくは99.7~99.8体積%の範囲であることが好ましい。
【0026】
このプロセスは、アンモニア及び炭化水素の改質のためのものであり、(ii)で調製される供給ガス流が、1種以上の炭化水素と、CO2とH2Oのうちの1つ以上と、をさらに含み、(iv)で抜き出される流出ガス流がCOをさらに含むことが好ましい。
【0027】
プロセスがアンモニア及び炭化水素の改質のためのものであり、(ii)で調製された供給ガス流が、1種以上の炭化水素と、CO2とH2Oのうちの1つ以上と、をさらに含み、且つ(iv)で抜き出される流出ガス流がCOをさらに含む場合、(ii)で調製された供給ガス流がCO2及び1種以上の炭化水素をさらに含み、より好ましくは、供給ガス流が5体積%以下のH2O、より好ましくは3体積%以下、より好ましくは1体積%以下、より好ましくは0.5体積%以下、より好ましくは0.1体積%以下、より好ましくは0.05体積%以下、より好ましくは0.01体積%以下のH2Oを含むことが好ましい。さらに、それとは独立して、(ii)で調製される供給ガス流が、H2Oと1種以上の炭化水素とをさらに含み、より好ましくは、供給ガス流が、5体積%以下のCO2、より好ましくは3体積%以下、より好ましくは1体積%以下、より好ましくは0.5体積%以下、より好ましくは0.1体積%以下、より好ましくは0.05体積%以下、より好ましくは0.01体積%以下のCO2を含むことが好ましい。さらに、それとは独立して、(ii)で調製される供給ガス流が、CO2と、H2Oと、1種以上の炭化水素とをさらに含むことが好ましい。
【0028】
プロセスがアンモニア及び炭化水素の改質のためのものである場合、1種以上の炭化水素が、アルカン及びそれらの混合物、より好ましくはC1~C10アルカン及びそれらの混合物、より好ましくはC3~C9アルカン及びそれらの混合物、より好ましくはC4~C8アルカン及びそれらの混合物、より好ましくはC5~C7アルカン及びそれらの混合物、より好ましくはC6アルカン及びそれらの混合物からなる群から選択されることがさらに好ましい。さらに、それとは独立して、接触が、10~50bara、より好ましくは12~45bara、より好ましくは15~40bara、より好ましくは18~35bara、より好ましくは20~30baraの範囲の圧力で行われることが好ましい。さらに、それとは独立して、(ii)で調製される供給ガス流が、0.1~75体積%、より好ましくは0.3~60体積%、より好ましくは0.5~50体積%、より好ましくは0.8~40体積%、より好ましくは1~30体積%、より好ましくは12~25体積%のNH3を含むことが好ましい。さらに、それとは独立して、(ii)で調製される供給ガス流が、10~70体積%、より好ましくは12~60体積%、より好ましくは15~50体積%、より好ましくは20~40体積%、より好ましくは22~29体積%の1種以上の炭化水素を含むことが好ましい。さらに、それとは独立して、(ii)で調製される供給ガス流が、0~75体積%、より好ましくは0.5~70体積%、より好ましくは1~68体積%、より好ましくは3~66体積%、より好ましくは5~64体積%、より好ましくは8~62体積%、より好ましくは10~60体積%、より好ましくは25~50体積%、より好ましくは33~44体積%のH2Oを含むことが好ましい。さらに、それとは独立して、(ii)で調製される供給ガス流が、0~60体積%、より好ましくは1~58体積%、より好ましくは3~56体積%、より好ましくは5~54体積%、より好ましくは8~52体積%、より好ましくは10~50体積%、より好ましくは12~20体積%のCO2を含むことが好ましい。さらに、それとは独立して、供給流は、0~4、より好ましくは0.1~3、より好ましくは0.1~3、より好ましくは0.3~2.5、より好ましくは0.4~2、より好ましくは0.5~1.6の範囲の、1種以上の炭化水素に含まれる炭素に対するH2OであるH2O:Cモル比を示すことが好ましい。
【0029】
1種以上の炭化水素に含まれる炭素に対するH2OであるH2O:Cモル比が0~4の範囲である場合、触媒がNiを含み、供給流が、0.6~3、より好ましくは0.7~2.5、より好ましくは0.8~2、より好ましくは0.9~1.6の範囲の、1種以上の炭化水素に含まれる炭素に対するH2OであるH2O:Cモル比を示すことが好ましい。さらに、それとは独立して、触媒がCoを含み、供給流が、0.2~2.5、より好ましくは0.3~2、より好ましくは0.4~1.8、より好ましくは0.5~1.5の範囲の、1種以上の炭化水素に含まれる炭素に対するH2OであるH2O:Cモル比を示すことが好ましい。
【0030】
プロセスがアンモニア及び炭化水素の改質のためのものである場合、供給流が、0~4、より好ましくは0.1~3、より好ましくは0.2~2、より好ましくは0.3~1.5、より好ましくは0.4~0.8の範囲の、1種以上の炭化水素に含まれる炭素に対するCO2であるCO2:Cモル比を示すことがさらに好ましい。さらに、それとは独立して、供給流が、0~5、より好ましくは0~4、より好ましくは0.001~3、より好ましくは0.005~2、より好ましくは0.01~1の範囲の、1種以上の炭化水素に含まれる炭素に対するNH3であるNH3:Cモル比を示すことが好ましい。
【0031】
本発明によれば、供給流は、500~16,000h-1、より好ましくは700~14,000h-1、より好ましくは800~12,000h-1、より好ましくは900~10,000h-1、より好ましくは950~8,500h-1、より好ましくは1,000~8,000h-1の範囲のガス毎時空間速度で反応器に供給されることが好ましい。
【0032】
プロセスがアンモニア及び炭化水素の改質のためのものである場合、(iv)で抜き出される流出ガス流がCO2をさらに含むことが好ましい。
【0033】
さらに、それとは独立して、プロセスがアンモニア及び炭化水素の改質のためである場合、(iv)で抜き出される流出ガス流が0.1~3の範囲の化学量論係数Rを示すことがさらに好ましく、Rは式(I)に従って定義される:
【数1】
(式中、c(H
2)、c(CO
2)、及びc(CO)は、それぞれ流出ガス流中のH
2、CO
2、及びCOのモル濃度を表す)。
【0034】
(iv)で抜き出される流出ガス流が化学量論係数Rを示す場合、化学量論係数Rは1~2.5、より好ましくは1.3~2.2の範囲であることが好ましい。
【0035】
さらに、それとは独立して、R>2であることが好ましい。
【0036】
それとは独立して、(iv)で抜き出される流出ガス流は、2より大きいH2:COモル比を示すことが好ましい。
【0037】
(iv)で抜き出される流出ガス流が化学量論係数Rを示す場合、化学量論係数Rが0.5~3、より好ましくは1~2.2、より好ましくは1.3~1.7の範囲であることが好ましい。
【0038】
プロセスがアンモニア及び炭化水素の改質のためである場合、(iv)で抜き出される流出ガス流が、10~90体積%、より好ましくは20~80体積%、より好ましくは30~70体積%、より好ましくは40~65体積%、より好ましくは45~60体積%のH2を含むことがさらに好ましい。さらに、それとは独立して、(iv)で抜き出される流出ガス流が、1~70体積%、より好ましくは3~50体積%、より好ましくは5~40体積%、より好ましくは10~35体積%、より好ましくは15~30体積%のCOを含むことが好ましい。さらに、それとは独立して、(iv)で抜き出される流出ガス流は、1~50体積%、より好ましくは3~45体積%、より好ましくは5~40体積%、より好ましくは8~35体積%、より好ましくは10~30体積%、より好ましくは12~25体積%のCO2を含む。
【0039】
本発明によれば、(iv)で抜き出される流出ガス流は、メタノールの製造プロセス、ジメチルエーテルの製造プロセス、又はメタノールとジメチルエーテルの製造プロセスで使用されることが好ましい。
【0040】
(iv)で抜き出される流出ガス流は、炭化水素の製造プロセスにおいて、より好ましくはフィッシャー・トロプシュプロセスに従って使用されることが好ましい。
【0041】
(iv)で抜き出される流出ガス流は、アルコール、より好ましくはアルカノール、より好ましくはC1~C10アルカノール、より好ましくはC2~C8アルカノール、より好ましくはC2~C6アルカノール、より好ましくはC2~C4アルカノール、より好ましくはC2アルカノール、より好ましくはエタノールの製造のためのプロセスにおいて使用されることが好ましい。
【0042】
(i)の後且つ(iii)の前に、(i)で準備される反応器に含まれる触媒が、水素を含む雰囲気中で還元されることが好ましい。
【0043】
(i)の後且つ(iii)の前に、(i)で準備される反応器に含まれる触媒が水素を含む雰囲気中で還元される場合、還元は、450℃~980℃、より好ましくは500~950℃、より好ましくは600~920℃、より好ましくは700~890℃、より好ましくは750~870℃、より好ましくは800℃~850℃の範囲の温度で行われることが好ましい。さらに、それとは独立して、還元は、1~99体積%、より好ましくは3~90体積%、より好ましくは5~80体積%、より好ましくは6~50体積%、より好ましくは7~30体積%、より好ましくは8~20体積%、より好ましくは9~15体積%のH2を含む雰囲気中で行われることが好ましい。さらに、それとは独立して、雰囲気は、1~99体積%、より好ましくは5~95体積%、より好ましくは10~90体積%、より好ましくは30~70体積%、より好ましくは45~55体積%の不活性ガスを含むことが好ましい。さらに、それとは独立して、不活性ガスが、希ガス及び窒素ガスからなる群から、より好ましくはHe、Ar、Ne、及びN2からなる群から選択される1種以上のガスを含み、より好ましくは不活性ガスが、Ar、N2、又はArとN2を含み、より好ましくは不活性ガスがN2を含み、より好ましくは不活性ガスがN2であることが好ましい。
【0044】
本発明によれば、プロセスの初期段階において、(ii)で調製され、(iii)で反応器に供給される供給ガス流が、触媒を還元するためのH2をさらに含むことが好ましい。
【0045】
プロセスの初期段階において、(ii)で調製され、(iii)で反応器に供給される供給ガス流が、触媒を還元するためのH2をさらに含む場合、供給ガス流が、2~80体積%、より好ましくは5~70体積%、より好ましくは10~60体積%、より好ましくは20~50体積%、より好ましくは30~40体積%のH2をさらに含むことが好ましい。
【0046】
本発明によれば、(i)で準備される反応器に含まれる触媒が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Mo、Fe、及びRuからなる群(それらの2種以上の混合物を含む)から、より好ましくはLi、K、Na、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Mo、Fe、及びRuからなる群(それらの2種以上の混合物を含む)から、より好ましくはK、Na、Cs、Ba、Mo、Fe、及びRuからなる群(それらの2種以上の混合物を含む)から、より好ましくはK、Ba、Mo、Fe、及びRuからなる群(それらの2種以上の混合物を含む)から、より好ましくはFe、Ru、又はFeとFeからなる群から選択される金属M2をさらに含むことが好ましく、好ましくはM2はRuを含み、より好ましくはM2はRuである。
【0047】
(i)で準備される反応器に含まれる触媒は、金属M1又は金属M1とM2が担持される1種以上の担体材料をさらに含むことが好ましく、1種以上の担体材料は、好ましくは、Al2O3、SiO2、ZrO2、CeO2、MgO、CaO、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、Al2O3、SiO2、ZrO2、CeO2、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、Al2O3、SiO2、及びそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、担体材料はAl2O3を含む。さらに、それとは独立して、(i)で準備される反応器に含まれる触媒が、0.1:99.9~80:20、より好ましくは0.5:99.5~75:25、より好ましくは1:99~70:30、より好ましくは5:95~65:35、より好ましくは15:85~60:40、より好ましくは30:70~55:45、より好ましくは40:60~50:50の範囲のM2:M1原子比を示すことが好ましい。
【0048】
(i)で準備される反応器に含まれる触媒が特定のM2:M1原子比を示す場合、M2がFeを含み、好ましくはFeであり、触媒が、1:99~80:より好ましくは5:95~75:25、より好ましくは10:90~70:30、より好ましくは20:80~65:35、より好ましくは30:70~60:40、より好ましくは35:65~55:45、より好ましくは40:60~50:50の範囲のM2:M1原子比を示すことが好ましい。さらに、それとは独立して、M2がRuを含み、好ましくはRuであり、触媒が、0.1:99.9~30:70、より好ましくは0.5:99.5~30:70、より好ましくは1:99~20:80、より好ましくは3:97~10:90、より好ましくは5:95~6:94の範囲のM2:M1原子比を示すことが好ましい。
【0049】
本発明によれば、(i)で準備される反応器に含まれる触媒がAl及びOをさらに含むことが好ましい。
【0050】
(i)で準備される反応器に含まれる触媒がAl及びOをさらに含む場合、触媒は金属M1としてNiを含むことが好ましく、好ましくは金属M1はNiである。
【0051】
(i)で準備される反応器に含まれる触媒が金属M1としてNiを含む場合、触媒はさらにMgを含むことが好ましく、Ni:Mg:Alのモル比は、好ましくは1:(0.1~12):(0.5~20)、より好ましくは1:(0.5~8):(1~12)、より好ましくは1:(1~5):(3~8)、より好ましくは1:(1.5~3):(3.5~5)、より好ましくは1:(2.0~2.4):(4.0~4.4)の範囲である。さらに、それとは独立して、触媒の95~100重量%、より好ましくは97~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%が、Ni、Mg、Al、及びOからなることが好ましい。さらに、それとは独立して、触媒の95~100重量%、より好ましくは97~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%が、M2、Ni、Mg、Al、及びOからなることが好ましい。
【0052】
(i)で準備される反応器に含まれる触媒がAl及びOをさらに含む場合、触媒は金属M1としてCoを含むことが好ましく、より好ましくは金属M1はCoである。
【0053】
(i)で準備される反応器に含まれる触媒が金属M1としてCoを含む場合、触媒はさらにLaを含むことが好ましく、Co:La:Alのモル比は、好ましくは1:(0.1~8):(1~50)、より好ましくは1:(0.5~5):(3~30)、より好ましくは1:(0.8~3):(5~20)、より好ましくは1:(1~2):(8~15)、より好ましくは1:(1.3~1.7):(10~12)の範囲である。さらに、それとは独立して、触媒の95~100重量%、より好ましくは97~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%が、Co、La、Al、及びOからなることが好ましい。さらに、それとは独立して、触媒の95~100重量%、より好ましくは97~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%が、M2、Co、La、Al、及びOからなることが好ましい。
【0054】
(i)で準備される反応器に含まれる触媒は、成形体の形態であることが好ましく、成形体は錠剤形状であることがさらに好ましい。
【0055】
触媒が錠剤形状である場合、第1の選択肢によれば、錠剤形状は、4穴断面、より好ましくは12~19mmの範囲、より好ましくは16~18mmの範囲、より好ましくは16.7~16.8mmの範囲の直径と、7~11mmの範囲、より好ましくは9.5~10.5mmの範囲、より好ましくは9.7~10.0mmの範囲の高さとを有する4穴断面を有することが好ましい。錠剤形状は焼成された錠剤形状であることが好ましく、焼成は、より好ましくは350~450℃の範囲、より好ましくは360~440℃の範囲、より好ましくは375~425℃の範囲、より好ましくは390~410℃の範囲の温度を有するガス雰囲気で行われ、ガス雰囲気は、より好ましくは酸素を含み、より好ましくはこれは酸素、空気、又は希薄空気のうちの1つ以上であり、焼成は、より好ましくは0.5~20時間、より好ましくは1~15時間、より好ましくは2~10時間、より好ましくは3~5時間行われる。錠剤形状は、参考実施例2に記載の通りに決定した場合に、少なくとも70N、より好ましくは70~250Nの範囲、より好ましくは70~130Nの範囲の側面圧壊強度1(SCS1)を有することが好ましく、錠剤形状では、4つの円筒形セグメントが、それぞれ2つの縦溝の間の領域に配置されており、側面圧壊強度1は、縦溝を挟んだ2つの円筒形セグメントで錠剤形状が立つ条件で参考実施例2に従って測定される。錠剤形状は、参考実施例2に記載の通りに決定した場合に、少なくとも60N、好ましく60~200Nの範囲、より好ましくは60~88Nの範囲の側面圧壊強度2(SCS2)を有することが好ましく、錠剤形状では、4つの円筒形セグメントが、それぞれ2つの縦溝の間の領域に配置されており、側面圧壊強度2は、錠剤形状が円筒形セグメントで立つ条件で参考実施例2に従って測定される。錠剤形状は、参考実施例2に記載の通りに決定した場合に、少なくとも190N、好ましくは190~350Nの範囲、より好ましくは190~240Nの範囲の側面圧壊強度3(SCS3)を有することが好ましく、錠剤形状では、4つの円筒形セグメントが、それぞれ2つの縦溝の間の領域に配置されており、側面圧壊強度3は、錠剤形状に加えられる力の方向に対して円筒形セグメントの領域が垂直になる条件で参考実施例2に従って測定される。
【0056】
さらに、触媒が錠剤形状である場合、第2の選択肢によれば、錠剤形状は、4穴断面、より好ましくは10~18mmの範囲、より好ましくは13.5~16.0mmの範囲、より好ましくは14.0~15.5mmの範囲の直径と、5~11mmの範囲、より好ましくは7.5~9.4mmの範囲、より好ましくは8.2~9.0mmの範囲の高さとを有する4穴断面を有することが好ましい。錠剤形状は焼成された錠剤形状であることが好ましく、焼成は、より好ましくは800~1400℃の範囲、より好ましくは875~1275℃の範囲、より好ましくは950~1250℃の範囲、より好ましくは1050~1225℃の範囲の温度を有するガス雰囲気で行われ、ガス雰囲気は、より好ましくは酸素を含み、より好ましくはこれは酸素、空気、又は希薄空気のうちの1つ以上であり、焼成は、より好ましくは0.5~20時間、より好ましくは1~15時間、より好ましくは2~10時間、より好ましくは3~5時間行われる。錠剤形状は、参考実施例1に記載の通りに決定した場合に、少なくとも366N、より好ましくは少なくとも400N、より好ましくは400~800Nの範囲、より好ましくは400~600N、より好ましくは400~570Nの範囲の側面圧壊強度1(SCS1)を有することが好ましく、成形体は、好ましくは、4穴断面と4つの縦溝とを有する錠剤形状であり、錠剤形状では、4つの円筒形セグメントが、それぞれ2つの縦溝の間の領域に配置されており、側面圧壊強度1は、縦溝を挟んだ2つの円筒形セグメントで錠剤形状が立つ条件で参考実施例1に従って測定される。錠剤形状は、参考実施例1に記載の通りに決定した場合に、少なくとも170N、より好ましくは少なくとも190N、より好ましくは190~450Nの範囲、より好ましくは190~300Nの範囲、より好ましくは190~270Nの範囲の側面圧壊強度2(SCS2)を有することが好ましく、錠剤形状では、4つの円筒形セグメントが、それぞれ2つの縦溝の間の領域に配置されており、側面圧壊強度2は、錠剤形状が円筒形セグメントで立つ条件で参考実施例1に従って測定される。錠剤形状は、参考実施例1に記載の通りに決定した場合に、少なくとも345N、より好ましくは少なくとも500N、より好ましくは500~950Nの範囲、より好ましくは500~800Nの範囲、より好ましくは500~770Nの範囲の側面圧壊強度3(SCS3)を有することが好ましく、錠剤形状では、4つの円筒形セグメントが、それぞれ2つの縦溝の間の領域に配置されており、側面圧壊強度3は、好ましくは錠剤形状に加えられる力の方向に対して円筒形セグメントの領域が垂直になる条件で参考実施例1に従って測定される。
【0057】
本発明を、示される従属関係及び後方参照から得られる下記の一連の実施形態及び実施形態の組み合わせによってさらに例示する。特に、例えば「実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。」などの用語に関連して実施形態の範囲が言及される各例において、この範囲中の全ての実施形態が当業者に明示的に開示されていることを意味し、すなわち、この用語の語法は、「実施形態1、2、3及び4のいずれか1つに記載の方法」と同義であると当業者に理解されるべきであることに留意されたい。さらに、下記の一連の実施形態は、保護の範囲を規定する一連の請求項ではなく、本発明の一般的態様及び好ましい態様を対象とする本明細書の好ましい構成がなされた一部を表すことに明示的に留意されたい。
【0058】
1. アンモニアを改質するための方法であって、
(i)Ni、Co、又はNiとCoからなる群から選択される金属M1を含む触媒を含む反応器を準備するステップ;
(ii)NH
3を含む供給ガス流を調製するステップ;
(iii)(ii)で調製した前記供給ガス流を(i)で準備した前記反応器に供給し、前記供給ガス流を前記触媒と接触させるステップであって、接触が1~50baraの圧力且つ400~1,100℃の温度で行われるステップ;
(iv)前記反応器から流出ガス流を抜き出すステップであって、前記流出ガス流がH
2とN
2とを含むステップ
を含む方法。
2. 接触が、5~50bara、好ましくは10~50bara、より好ましくは15~45bara、好ましくは15~40bara、より好ましくは18~35bara、より好ましくは20~28bara、より好ましくは20~25baraの範囲の圧力で行われる、実施形態1に記載の方法。
3.接触が、450~1,000℃、好ましくは475~975℃、より好ましくは500~900℃、より好ましくは550℃~800℃、より好ましくは600~750℃、より好ましくは650~700℃の範囲の温度で行われる、実施形態1又は2に記載の方法。
4. (ii)で調製される前記供給ガス流が、1~100体積%、好ましくは3~99.99体積%、より好ましくは5~99.95体積%、より好ましくは10~99.9体積%、より好ましくは12~99.9体積%、より好ましくは20~99.8体積%、より好ましくは22~99.8体積%、より好ましくは30~99.7体積%、より好ましくは40~99.6体積%、より好ましくは50~99.5体積%のNH
3を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
5. (ii)で調製される前記供給ガス流が、0~50体積%、より好ましくは0.01~30体積%、より好ましくは0.02~25体積%、より好ましくは0.03~15体積%、より好ましくは0.04~10体積%、より好ましくは0.05~5体積%、より好ましくは0.1~1体積%、より好ましくは0.12~0.5体積%、より好ましくは0.14~0.16体積%のN
2を含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
6. (ii)で調製される前記供給ガス流が、0~75体積%、好ましくは0~60体積%、より好ましくは0~50体積%、より好ましくは0~40体積%、より好ましくは0~35体積%、より好ましくは0~30体積%のH
2を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法。
7. (ii)で調製される前記供給ガス流が、200~20,000ppmv、好ましくは500~15,000ppmv、より好ましくは800~10,000ppmv、より好ましくは1,000~5,000ppmvのH
2Oを含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
8. (ii)で調製される前記供給ガス流に含まれるNH
3、N
2、及びH
2の合計量が、90~100重量%、好ましくは95~99.95体積%、より好ましくは98~99.9体積%、より好ましくは99~99.85体積%、より好ましくは99.7~99.8体積%の範囲である、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
9. アンモニア及び炭化水素の改質のための方法であり、(ii)で調製される前記供給ガス流が、1種以上の炭化水素と、CO
2とH
2Oのうちの1つ以上と、をさらに含み、(iv)で抜き出される前記流出ガス流がCOをさらに含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
10. (ii)で調製された前記供給ガス流が、CO2と1種以上の炭化水素をさらに含み、前記供給ガス流が、好ましくは5体積%以下のH
2O、より好ましくは3体積%以下、より好ましくは1体積%以下、より好ましくは0.5体積%以下、より好ましくは0.1体積%以下、より好ましくは0.05体積%以下、より好ましくは0.01体積%以下のH
2Oを含む、実施形態9に記載の方法。
11. (ii)で調製された前記供給ガス流が、H
2Oと1種以上の炭化水素とをさらに含み、前記供給ガス流が、5体積%以下のCO
2、より好ましくは3体積%以下、より好ましくは1体積%以下、より好ましくは0.5体積%以下、より好ましくは0.1体積%以下、より好ましくは0.05体積%以下、より好ましくは0.01体積%以下のCO
2を含む、実施形態9に記載の方法。
12. (ii)で調製された前記供給ガス流が、CO
2、H
2O、及び1種以上の炭化水素をさらに含む、実施形態9に記載の方法。
13. 前記1種以上の炭化水素が、アルカン及びそれらの混合物、好ましくはC1~C10アルカン及びそれらの混合物、より好ましくはC3~C9アルカン及びそれらの混合物、より好ましくはC4~C8アルカン及びそれらの混合物、より好ましくはC5~C7アルカン及びそれらの混合物、より好ましくはC6アルカン及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態9~12のいずれか1つに記載の方法。
14. 接触が、10~50bara、好ましくは12~45bara、より好ましくは15~40bara、より好ましくは18~40bara、より好ましくは18~35bara、より好ましくは20~30baraの範囲の圧力で行われる、実施形態9~13のいずれか1つに記載の方法。
15. (ii)で調製される前記供給ガス流が、0.1~75体積%、好ましくは0.3~60体積%、より好ましくは0.5~50体積%、より好ましくは0.8~40体積%、より好ましくは1~30体積%、より好ましくは12~25体積%のNH
3を含む、実施形態9~14のいずれか1つに記載の方法。
16. (ii)で調製される前記供給ガス流が、10~70体積%、好ましくは12~60体積%、より好ましくは15~50体積%、より好ましくは20~40体積%、より好ましくは22~29体積%の1種以上の炭化水素を含む、実施形態9~15のいずれか1つに記載の方法。
17. (ii)で調製される前記供給ガス流が、0~75体積%、より好ましくは0.5~70体積%、より好ましくは1~68体積%、より好ましくは3~66体積%、より好ましくは5~64体積%、より好ましくは8~62体積%、より好ましくは10~60体積%、より好ましくは25~50体積%、より好ましくは33~44体積%のH
2Oを含む、実施形態9~16のいずれか1つに記載の方法。
18. (ii)で調製される前記供給ガス流が、0~60体積%、好ましくは1~58体積%、より好ましくは3~56体積%、より好ましくは5~54体積%、より好ましくは8~52体積%、より好ましくは10~50体積%、より好ましくは12~20体積%のCO
2を含む、実施形態9~17のいずれか1つに記載の方法。
19. 前記供給流が、0~4、好ましくは0.1~3、より好ましくは0.1~3、より好ましくは0.3~2.5、より好ましくは0.4~2、より好ましくは0.5~1.6の範囲の、1種以上の炭化水素に含まれる炭素に対するH
2OであるH2O:Cモル比を示す、実施形態9~18のいずれか1つに記載の方法。
20. 前記触媒がNiを含み、前記供給流が、0.6~3、より好ましくは0.7~2.5、より好ましくは0.8~2、より好ましくは0.9~1.6の範囲の、1種以上の炭化水素に含まれる炭素に対するH
2OであるH2O:Cモル比を示す、実施形態19に記載の方法。
21. 前記触媒がCoを含み、前記供給流が、0.2~2.5、好ましくは0.3~2、より好ましくは0.4~1.8、より好ましくは0.5~1.5の範囲の、1種以上の炭化水素に含まれる炭素に対するH
2OであるH2O:Cモル比を示す、実施形態19又は20に記載の方法。
22.前記供給流が、0~4、好ましくは0.1~3、より好ましくは0.2~2、より好ましくは0.3~1.5、より好ましくは0.4~0.8の範囲の、1種以上の炭化水素に含まれる炭素に対するCO
2であるCO2:Cモル比を示す、実施形態9~21のいずれか1つに記載の方法。
23. 前記供給流が、0~5、好ましくは0~4、より好ましくは0.001~3、より好ましくは0.005~2、より好ましくは0.01~1の範囲の、1種以上の炭化水素に含まれる炭素に対するNH
3であるNH3:Cモル比を示す、実施形態9~22のいずれか1つに記載の方法。
24. 前記供給流が、500~16,000h
-1、好ましくは700~14,000h
-1、より好ましくは800~12,000h
-1、より好ましくは900~10,000h
-1、より好ましくは950~8,500h
-1、より好ましくは1,000~8,000h
-1の範囲のガス毎時空間速度で前記反応器に供給される、実施形態1~23のいずれか1つに記載の方法。
25. (iv)で抜き出される前記流出ガス流がCO
2をさらに含む、実施形態9~24のいずれか1つに記載の方法。
26. (iv)で抜き出される前記流出ガス流が、0.1~3の範囲の化学量論係数Rを示し、Rが式(I):
【数2】
(式中、c(H
2)、c(CO
2)、及びc(CO)は、それぞれ前記流出ガス流中のH
2、CO
2、及びCOのモル濃度を表す)
に従って定義される、実施形態9~25のいずれか1つに記載の方法。
27. 前記化学量論係数Rが、
1~2.5、好ましくは1.3~2.2の範囲である、実施形態26に記載の方法。
28. R>2である、実施形態26に記載の方法。
29. (iv)で抜き出される前記流出ガス流が、2より大きいH
2:COモル比を示す、実施形態9~25及び28のいずれか1つに記載の方法。
30. 前記化学量論係数Rが、0.5~3、好ましくは1~2.2、より好ましくは1.3~1.7の範囲である、実施形態26に記載の方法。
31. (iv)で抜き出される前記流出ガス流が、10~90体積%、好ましくは20~80体積%、より好ましくは30~70体積%、より好ましくは40~65体積%、より好ましくは45~60体積%のH
2を含む、実施形態9~30のいずれか1つに記載の方法。
32. (iv)で抜き出される前記流出ガス流が、1~70体積%、好ましくは3~50体積%、より好ましくは5~40体積%、より好ましくは10~35体積%、より好ましくは15~30体積%のCOを含む、実施形態9~31のいずれか1つに記載の方法。
33. (iv)で抜き出される前記流出ガス流が、1~50体積%、好ましくは3~45体積%、より好ましくは5~40体積%、より好ましくは8~35体積%、より好ましくは10~30体積%、より好ましくは12~25体積%のCO
2を含む、実施形態9~32のいずれか1つに記載の方法。
34. (iv)で抜き出される前記流出ガス流が、メタノールの製造プロセス、ジメチルエーテルの製造プロセス、又はメタノールとジメチルエーテルの製造プロセスで使用される、実施形態1~33のいずれか1つに記載の方法。
35. (iv)で抜き出される前記流出ガス流が、炭化水素の製造プロセスにおいて、好ましくはフィッシャー・トロプシュプロセスに従って使用される、実施形態1~34のいずれか1つに記載の方法。
36. (iv)で抜き出される前記流出ガス流が、アルコール、好ましくはアルカノール、より好ましくはC1~C10アルカノール、より好ましくはC2~C8アルカノール、より好ましくはC2~C6アルカノール、より好ましくはC2~C4アルカノール、より好ましくはC2アルカノール、より好ましくはエタノールの製造のためのプロセスにおいて使用される、実施形態1~35のいずれか1つに記載の方法。
37. (i)の後且つ(iii)の前に、(i)で準備される前記反応器に含まれる前記触媒が、水素を含む雰囲気中で還元される、実施形態1~36のいずれか1つに記載の方法。
38.前記還元が、450℃~980℃、好ましくは500~950℃、より好ましくは600~920℃、より好ましくは700~890℃、より好ましくは750~870℃、より好ましくは800℃~850℃の範囲の温度で行われる、実施形態37に記載の方法。
39. 前記還元が、1~99体積%、好ましくは3~90体積%、より好ましくは5~80体積%、より好ましくは6~50体積%、より好ましくは7~30体積%、より好ましくは8~20体積%、より好ましくは9~15体積%のH
2を含む雰囲気中で行われる、実施形態37又は38に記載の方法。
40. 前記雰囲気が、1~99体積%、好ましくは5~95体積%、より好ましくは10~90体積%、より好ましくは30~70体積%、より好ましくは45~55体積%の不活性ガスを含む、実施形態37~39のいずれか1つに記載の方法。
41. 前記不活性ガスが、希ガス及び窒素ガスからなる群から、好ましくはHe、Ar、Ne、及びN
2からなる群から選択される1種以上のガスを含み、より好ましくは前記不活性ガスが、Ar、N
2、又はArとN
2を含み、より好ましくは前記不活性ガスがN
2を含み、より好ましくは前記不活性ガスがN
2である、実施形態40に記載の方法。
42. 初期段階において、(ii)で調製され、(iii)で前記反応器に供給される前記供給ガス流が、前記触媒を還元するためのH
2をさらに含む、実施形態1~41のいずれか1つに記載の方法。
43. (ii)で調製され、(iii)で前記反応器に供給される前記供給ガス流が、2~80体積%、好ましくは5~70体積%、より好ましくは10~60体積%、より好ましくは20~50体積%、より好ましくは30~40体積%のH
2をさらに含む、実施形態42に記載の方法。
44. (i)で準備される前記反応器に含まれる前記触媒が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Mo、Fe、及びRuからなる群(それらの2種以上の混合物を含む)から、好ましくはLi、K、Na、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Mo、Fe、及びRuからなる群(それらの2種以上の混合物を含む)から、より好ましくはK、Na、Cs、Ba、Mo、Fe、及びRuからなる群(それらの2種以上の混合物を含む)から、より好ましくはK、Ba、Mo、Fe、及びRuからなる群(それらの2種以上の混合物を含む)から、より好ましくはFe、Ru、又はFeとFeからなる群から選択される金属M2をさらに含み、好ましくはM2がRuを含み、より好ましくはM2がRuである、実施形態1~43のいずれか1つに記載の方法。
45. (i)で準備される前記反応器に含まれる前記触媒が、金属M1又は金属M1とM2が担持される1種以上の担体材料をさらに含み、前記1種以上の担体材料が、好ましくは、Al
2O
3、SiO
2、ZrO
2、CeO
2、MgO、CaO、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、Al
2O
3、SiO
2、ZrO
2、CeO
2、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、Al
2O
3、SiO
2、及びそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、前記担体材料がAl
2O
3を含む、実施形態1~44のいずれか1つに記載の方法。
46. (i)で準備される前記反応器に含まれる前記触媒が、0.1:99.9~80:20、好ましくは0.5:99.5~75:25、より好ましくは1:99~70:30、より好ましくは5:95~65:35、より好ましくは15:85~60:40、より好ましくは30:70~55:45、より好ましくは40:60~50:50の範囲のM2:M1原子比を示す、実施形態44又は45に記載の方法。
47. M2がFeを含み、好ましくはFeであり、前記触媒が、1:99~80:好ましくは5:95~75:25、より好ましくは10:90~70:30、より好ましくは20:80~65:35、より好ましくは30:70~60:40、より好ましくは35:65~55:45、より好ましくは40:60~50:50の範囲のM2:M1原子比を示す、実施形態46に記載の方法。
48. M2がRuを含み、好ましくはRuであり、前記触媒が、0.1:99.9~30:70、好ましくは0.5:99.5~30:70、より好ましくは1:99~20:80、より好ましくは3:97~10:90、より好ましくは5:95~6:94の範囲のM2:M1原子比を示す、実施形態46又は47に記載の方法。
49. (i)で準備される前記反応器に含まれる前記触媒がAl及びOをさらに含む、実施形態1~48のいずれか1つに記載の方法。
50. (i)で準備される前記反応器に含まれる前記触媒が、金属M1としてNiを含み、好ましくは前記金属M1はNiである、実施形態49に記載の方法。
51. 前記触媒がさらにMgを含み、Ni:Mg:Alのモル比が、好ましくは1:(0.1~12):(0.5~20)、より好ましくは1:(0.5~8):(1~12)、より好ましくは1:(1~5):(3~8)、より好ましくは1:(1.5~3):(3.5~5)、より好ましくは1:(2.0~2.4):(4.0~4.4)の範囲である、実施形態50に記載の方法。
52. 前記触媒の95~100重量%、好ましくは97~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%が、Ni、Mg、Al、及びOからなる、実施形態50又は51に記載の方法。
53. 前記触媒の95~100重量%、好ましくは97~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%が、M2、Ni、Mg、Al、及びOからなる、実施形態50又は51に記載の方法。
54. (i)で準備される前記反応器に含まれる前記触媒が金属M1としてCoを含み、好ましくは前記金属M1がCoである、実施形態49に記載の方法。
55. 前記触媒がLaをさらに含み、Co:La:Alのモル比が、好ましくは1:(0.1~8):(1~50)、より好ましくは1:(0.5~5):(3~30)、より好ましくは1:(0.8~3):(5~20)、より好ましくは1:(1~2):(8~15)、より好ましくは1:(1.3~1.7):(10~12)の範囲である、実施形態54に記載の方法。
56. 前記触媒の95~100重量%、好ましくは97~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%が、Co、La、Al、及びOからなる、実施形態54又は55に記載の方法。
57. 前記触媒の95~100重量%、好ましくは97~100重量%、より好ましくは98~100重量%、より好ましくは99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%が、M2、Co、La、Al、及びOからなる、実施形態54又は55に記載の方法。
58. (i)で準備される前記反応器に含まれる前記触媒が成形体の形態である、実施形態1~57のいずれか1つに記載の方法。
59.前記成形体が錠剤形状である、実施形態58に記載の方法。
60. 前記錠剤形状が、4穴断面、好ましくは12~19mmの範囲、より好ましくは16~18mmの範囲、より好ましくは16.7~16.8mmの範囲の直径と、7~11mmの範囲、より好ましくは9.5~10.5mmの範囲、より好ましくは9.7~10.0mmの範囲の高さとを有する4穴断面を有する、実施形態59に記載の方法。
61. 前記錠剤形状が焼成された錠剤形状であり、前記焼成が、好ましくは350~450℃の範囲、より好ましくは360~440℃の範囲、より好ましくは375~425℃の範囲、より好ましくは390~410℃の範囲の温度を有するガス雰囲気で行われ、前記ガス雰囲気が、より好ましくは酸素を含み、より好ましくは酸素、空気、又は希薄空気のうちの1つ以上であり、前記焼成が、より好ましくは0.5~20時間、より好ましくは1~15時間、より好ましくは2~10時間、より好ましくは3~5時間行われる、実施形態60に記載の方法。
62. 前記錠剤形状が、参考実施例2に記載の通りに決定した場合に、少なくとも70N、好ましくは70~250Nの範囲、より好ましくは70~130Nの範囲の側面圧壊強度1(SCS1)を有し、前記錠剤形状では、4つの円筒形セグメントが、それぞれ2つの縦溝の間の領域に配置されており、前記側面圧壊強度1が、縦溝を挟んだ2つの円筒形セグメントで前記錠剤形状が立つ条件で参考実施例2に従って測定される、実施形態60又は61に記載の方法。
63. 前記錠剤形状が、参考実施例2に記載の通りに決定した場合に、少なくとも60N、好ましく60~200Nの範囲、より好ましくは60~88Nの範囲の側面圧壊強度2(SCS2)を有し、前記錠剤形状では、4つの円筒形セグメントが、それぞれ2つの縦溝の間の領域に配置されており、前記側面圧壊強度2が、前記錠剤形状が円筒形セグメントで立つ条件で参考実施例2に従って測定される、実施形態60~62のいずれか1つに記載の方法。
64. 前記錠剤形状が、参考実施例2に記載の通りに決定した場合に、少なくとも190N、好ましくは190~350Nの範囲、より好ましくは190~240Nの範囲の側面圧壊強度3(SCS3)を有し、前記錠剤形状では、4つの円筒形セグメントが、それぞれ2つの縦溝の間の領域に配置されており、前記側面圧壊強度3が、前記錠剤形状に加えられる力の方向に対して前記円筒形セグメントの領域が垂直になる条件で参考実施例2に従って測定される、実施形態60~63のいずれか1つに記載の方法。
65. 前記錠剤形状が4穴断面、より好ましくは10~18mmの範囲、より好ましくは13.5~16.0mmの範囲、より好ましくは14.0~15.5mmの範囲の直径と、5~11mmの範囲、より好ましくは7.5~9.4mmの範囲、より好ましくは8.2~9.0mmの範囲の高さとを有する4穴断面を有する、実施形態59に記載の方法。
66. 前記錠剤形状が焼成された錠剤形状であり、前記焼成が、好ましくは800~1400℃の範囲、より好ましくは875~1275℃の範囲、より好ましくは950~1250℃の範囲、より好ましくは1050~1225℃の範囲の温度を有するガス雰囲気で行われ、前記ガス雰囲気が、より好ましくは酸素を含み、より好ましくは酸素、空気、又は希薄空気のうちの1つ以上であり、前記焼成が、より好ましくは0.5~20時間、より好ましくは1~15時間、より好ましくは2~10時間、より好ましくは3~5時間行われる、実施形態65に記載の方法。
67. 前記錠剤形状が、参考実施例1に記載の通りに決定した場合に、少なくとも366N、好ましくは少なくとも400N、より好ましくは400~800Nの範囲、より好ましくは400~600Nの範囲、より好ましくは400~570Nの範囲の側面圧壊強度1(SCS1)を有し、前記成形体が、より好ましくは、4穴断面と4つの縦溝とを有する錠剤形状であり、前記錠剤形状では、4つの円筒形セグメントが、それぞれ2つの縦溝の間の領域に配置されており、前記側面圧壊強度1が、縦溝を挟んだ2つの円筒形セグメントで前記錠剤形状が立つ条件で参考実施例1に従って測定される、実施形態65又は66に記載の方法。
68. 前記錠剤形状が、参考実施例1に記載の通りに決定した場合に、少なくとも170N、好ましくは少なくとも190N、より好ましくは190~450Nの範囲、より好ましくは190~300N、より好ましくは190~270Nの範囲の側面圧壊強度2(SCS2)を有し、前記錠剤形状では、4つの円筒形セグメントが、それぞれ2つの縦溝の間の領域に配置されており、前記側面圧壊強度2が、前記錠剤形状が円筒形セグメントで立つ条件で参考実施例1に従って測定される、実施形態65~67のいずれか1つに記載の方法。
69. 前記錠剤形状が、参考実施例1に記載の通りに決定した場合に、少なくとも345N、好ましくは少なくとも500N、より好ましくは500~950Nの範囲、より好ましくは500~800Nの範囲、より好ましくは500~770Nの範囲の側面圧壊強度3(SCS3)を有し、前記錠剤形状では、4つの円筒形セグメントが、それぞれ2つの縦溝の間の領域に配置されており、前記側面圧壊強度3が、前記錠剤形状に加えられる力の方向に対して前記円筒形セグメントの領域が垂直になる条件で参考実施例1に従って測定される、実施形態65~68のいずれか1つに記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1】NH
3供給流中に5000ppmvのH
2Oを含む、30bar及び8000h
-1のGHSVでの、実施例1のNiに基づく触媒を使用した実施例4からのNH3改質の結果を示す。この図では、アンモニアの転化率(%)が縦軸に沿ってプロットされており、温度(℃)が横軸に沿ってプロットされている。測定された転化率はミディアムグレーの円で示されており、その温度での平衡転化率はダークグレイの四角で示されている。
【
図2】NH
3供給流中に5000ppmvのH
2Oを含む、30bar及び8000h
-1のGHSVでの、実施例2のCoに基づく触媒を使用した実施例4からのNH3改質の結果を示す。この図では、アンモニアの転化率(%)が縦軸に沿ってプロットされており、温度(℃)が横軸に沿ってプロットされている。測定された転化率はミディアムグレーの円で示されており、その温度での平衡転化率はダークグレイの四角で示されている。
【
図3】2000
-1のGHSV、30bar、及びNH
3供給流中10000ppmvのH
2Oで、PGM及び遷移金属促進剤を含むNiに基づく触媒を用いた実施例4からのNH3改質の結果を示す。
【
図4】左側に側面圧壊強度1(SCS1)を決定するための配置の側面図、中央に側面圧壊強度2(SCS2)を決定するための配置の側面図、右側に側面圧壊強度3(SCS3)を決定するための配置の側面図を示す。
【0060】
本発明を以下の実施例によりさらに例示する。
【実施例】
【0061】
参考実施例1:側面圧壊強度の決定
側面圧壊強度は、半自動錠剤試験システムSotaxST-50WTDHで決定した。側面圧壊強度は0.05mm/sの一定速度で測定した。0~800Nの範囲で試験することが可能である。測定毎に、サンプルの向きを水平回転テーブルで調整し、微調整を手作業で行った。さらに、質量、高さ/厚さ、直径、破壊強度など、サンプルの方向及び特性に応じて、該当する場合はいくつかの測定パラメータを調整した。得られたデータは、科学プログラムq-doc prolab(バージョン4fsp2(4.10))で評価した。4穴断面を有する錠剤形状を試験し、それによって互いに直交する3つの位置を調べて、側面圧壊強度1、側面圧壊強度2、及び側面圧壊強度3を決定した。圧壊強度1、2、3の相対標準偏差は7.48%であった。
【0062】
図1から分かるように、側面圧壊強度1は、半自動錠剤試験システムにおいて、サンプルが縦溝を挟んだ2つの円筒形セグメントで回転テーブル上に立つ錠剤形状の位置を指し、側面圧壊強度2は、サンプルが1つの円筒形セグメントで回転テーブル上に立つ位置を指し、側面圧壊強度3は、試験中にサンプルに加えられる力の方向に対して穴が平行になる位置を指す。
【0063】
参考実施例2:側面圧壊強度の決定
側面圧壊強度は、錠剤試験システム(TypBZ2.5/TS1S,Zwick)で決定した。側面圧壊強度は、穿孔具を用いて測定した。側面圧壊強度は、サンプルが破壊され次第記録した。測定毎に、サンプルの向きを水平テーブル上で手作業で調整した。穿孔具は上から打ち抜くように配置した。さらに、質量、高さ/厚さ、直径、破壊強度など、サンプルの方向及び特性に応じて、該当する場合はいくつかの測定パラメータを調整した。4穴断面を有する錠剤形状を試験し、それによって互いに直交する3つの位置を調べて、側面圧壊強度1、側面圧壊強度2、及び側面圧壊強度3を決定した。
図1から分かるように、側面圧壊強度1は、半自動錠剤試験システムにおいて、サンプルが縦溝を挟んだ2つの円筒形セグメントで回転テーブル上に立つ錠剤形状の位置を指し、側面圧壊強度2は、サンプルが1つの円筒形セグメントで回転テーブル上に立つ位置を指し、側面圧壊強度3は、試験中にサンプルに加えられる力の方向に対して穴が平行になる位置を指す。
【0064】
実施例1:Niを含む触媒の調製
Niを含む触媒は、国際公開第2013/068905A1号パンフレットの実施例E1に記載の方法に従って調製した。
【0065】
粉砕硝酸ニッケル六水和物の代わりに硝酸ニッケル水溶液(Ni濃度14%)を使用した。様々な成分を混合してペーストにし、これを押し出した。押出物を粉砕し、乾燥及び低温焼成を行った後に200~900μmの粒径の目標画分にふるい分けした。
【0066】
次いで、ふるい分けした粉末を、2.8重量%の黒鉛(Asbury Graphite3160)及び5.5重量%のセルロース(Arbocel BWW40)と混合した。得られた混合物を、国際公開第2020/157202A号パンフレットの
図1に示されているような4穴断面を有する成形体に打錠した。焼成のために、成形体を焼鈍炉内で1,030~1,050℃の温度に加熱し、これを4時間保持した。
【0067】
焼成成形体のニッケル含有量は15.5重量%であり、マグネシウム含有量は14.0重量%であり、アルミニウム含有量は29.5重量%であった。
【0068】
実施例2:Coを含む触媒の調製
Coを含む触媒は、国際公開第2020/157202A1号パンフレットの実施例1に従って調製した。
【0069】
実施例3:PGM又は遷移金属促進剤を含むNiに基づく触媒の調製
Niと白金族金属又は遷移金属促進剤とを含む触媒は、国際公開第2013/068905A1号パンフレットの実施例E1に記載の方法に従って調製した。Ni塩の一部はFe塩(ここではFe(NO3)3(H2O)9、Ni含有量に基づいた置換度40原子%)で置換した。或いは、Ni塩(ここでは硝酸Ni)の一部をRu塩(ここではRu(NO)(NO3)3溶液、Ru濃度19.7%、Ni含有量に基づいた置換度5原子%)で置換した。それぞれの金属塩混合物をハイドロタルサイト及び適切な量の水と混合して、押出可能なペーストを調製した。このペーストを次のステップで押し出した。得られた押出物のその後の熱処理は実施例1(国際公開第2013/068905A1号パンフレットの実施例E1)と同じであった。
【0070】
この手順により、それぞれNi+Fe担持触媒及びNi+Ru担持触媒が得られた。
【0071】
実施例4:高圧下でのNH
3改質における触媒試験
実施例1~3に従って得た触媒を、Ni触媒については450~650℃の温度、Co触媒については450~850℃の温度で、不活性ガス(Ar又はN
2)中、H
2の濃度を(温度の増加と共に)5~50体積%で増加させた混合物中で還元した。触媒によるNH
3改質試験は、30barのp(NH
3)下で実施した。NH
3供給流には、5000~10,000ppmvの割合のH
2Oが添加される。さらに、触媒を、2,000及び8,000h
-1のGHSV、及び350~650℃の温度で試験した。30barでの対応するGHSVにおけるNH
3の転化率を、温度の関数として表1に示す。さらに、5,000ppmvのH
2Oを含む8,000h
-1のGHSVにおける実施例1及び2のサンプルの結果を
図1及び2に、そして10,000ppmvのH
2Oを含む2,000h
-1のGHSVにおける実施例1及び3のサンプルの結果を
図3に示す。
【0072】
【0073】
表1及び
図1に示されている触媒試験結果から分かるように、実施例1のNi触媒を用いて行ったアンモニア改質反応では、温度の上昇に伴い転化率の増加が実現し、転化率は650℃ではその温度での平衡転化率にほぼ到達する。
図2には、実施例2のCo触媒を使用したアンモニア改質から得られた結果が示されている。650℃での転化率は、
図1に示したNi触媒を使用した場合に得られる転化率ほどは高くないものの、同様に温度の上昇に伴い増加した転化率が得られる。
【0074】
最後に、より低いGHSV及びより多量の水蒸気で行った実施例1及び3のNi触媒の触媒試験の結果を
図3に示す。この結果から分かるように、これらの条件下では、実施例1のNi触媒は、650℃でほぼ平衡転化率に到達する。さらに、Ru又はFeで促進させると、アンモニア転化率はより急速に増加し、促進された触媒についての転化率は600℃で既にほぼ平衡転化率に到達し、650℃で98%を超える転化率を達成する。
【0075】
実施例5:NH3とCO2を含む又は含まない炭化水素との複合改質のシミュレーション
対応する条件(20bar、高温)での触媒の活性が高いため、滞留時間を適宜選択すると、平衡条件での触媒性能が期待される。これを調べるために、ソフトウェアAspen Plus V11を使用してシミュレーションを行った。表2及び3は、乾燥条件下でのNH3と、例えば炭化水素(ここではCH4)/CO2の複合改質の様々な場合の入口及び出口の濃度を示している。表2及び3の結果から分かるように、共供給流としてのNH3を徐々に増加させると、NH3改質によって形成される追加のH2によってR値が増加する。
【0076】
【0077】
【0078】
表2及び表3に示したシミュレーション結果は、最終的な合成ガス組成のR値を操作及び制御する際の複合改質アプローチ(NH3+HC+CO2+H2O)のコンセプトを示している。R値の増加は、0.1から(非常に乾燥した改質条件、少ないH2O、及び多くのCO2/HCを含む複合改質から)始まり、例えばフィッシャー・トロプシュのような反応又は一段階DMEについてのR値1~1.5に到達すると考えられる。しかし、R値が2を超える合成ガスも可能である。
【0079】
乾燥条件下でのNH3とHC/CO2の複合改質にも同じことが当てはまり、0.5のR値から始まり、NH3量を増やすと最終的にR>2に達する可能性がある。したがって、基本的には0.1~2.5の全てのR値が、HC/CO2/H2Oガス混合物に共供給されるNH3の量によって調整される可能性がある。
【0080】
実施例6:触媒試験
触媒試験は単一の反応器試験ユニットで行った。このユニットは、最大1100℃、20bar(ゲージ)までの幅広い温度と圧力範囲での試験条件が可能であった。ガス供給流として、二酸化炭素(CO2-inと表す)、メタン(CH4-inと表す)、窒素(N2-inと表す)、アンモニア(NH3-inと表す)、アルゴン(Ar-inと表す)を供給し、マスフローコントローラ(MFC)でオンライン制御した。水(H2O-inと表す)は、貯水槽に接続された蒸発器によって供給流に蒸気として添加した。生成ガスの組成の分析は、内部標準としてアルゴンを使用するオンラインガスクロマトグラフィーによって行った。ガスクロマトグラフィー分析により、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、アンモニア、窒素、及びC2成分を定量することができた。触媒試験では、触媒材料を分割し(0.5~1.0mm)、その後分割した15mlを触媒として試験した。触媒として、国際公開第2013/068905A1号パンフレットの実施例E1による、NiとMgとを含む混合金属酸化物を使用した。セラミック器具を使用してサンプルを反応器の恒温領域内に置いた。示される温度はオーブンの温度を表す。
【0081】
触媒試験の結果を以下の表に示す。フェーズ1+2及びフェーズ3+4は、R値調整のためにNH3をそれぞれ共供給しない場合とする場合のバイオガスの異なる種類を示す。
【0082】
【0083】
表4に示される結果から分かるように、Ni及び/又はCoを含有する触媒が使用される本発明によるプロセスは、特にNH3と炭化水素との複合改質アプローチにおいて、合成ガス流を提供するためのアンモニアの改質を可能にする。特に、対応する下流用途(例えばMeOH製造、DME製造、又はフィッシャー・トロプシュプロセス)のR値と一致する合成ガスを製造することができる。
【0084】
引用先行技術文献:
・国際公開第2013/068905A号パンフレット
・国際公開第2013/118078A号パンフレット
・国際公開第2020/157202A1号パンフレット
・Int.J.of Hydr.and Energ.,2020,45,8965-8974
・Int.J.of Hydr.and Energ.,2014,39,35,19990-19999
・Top Catal(2016)59:1438-1457
・国際公開第2021/175785A1号パンフレット
・Catal.Sci.Technol.,2020,10,5027-5035
【国際調査報告】