(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】エッチングチャンバ内の部品間の熱的界面および電気的界面の改善
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20241219BHJP
H01L 21/3065 20060101ALN20241219BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535623
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 US2022052263
(87)【国際公開番号】W WO2023114082
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デ ラ リエラ・アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】マンキディ・プラティク
(72)【発明者】
【氏名】ホーランド・ジョン
【テーマコード(参考)】
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
5F004AA01
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB29
5F004CA04
5F131AA02
5F131BA01
5F131BA04
5F131BA19
5F131BA37
5F131CA01
5F131CA17
5F131CA33
5F131CA42
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB82
5F131EB87
(57)【要約】
【解決手段】基板処理システムの処理チャンバ用のアセンブリは、第1のコンポーネントと、第2のコンポーネントと、第1のコンポーネントと第2のコンポーネントとの間に配置された熱界面材料と、を含む。第1のコンポーネントおよび第2のコンポーネントの少なくとも一方は、処理チャンバ内でプラズマに曝露されるように構成される。熱界面材料は、第1のコンポーネントに面しかつ直接接触する第1の面と、第2のコンポーネントに面しかつ直接接触する第2の面とを有する。熱界面材料は、整列した炭素繊維およびカーボンナノチューブ(CNT)の少なくとも一方を有するシリコンポリマーからなり、炭素繊維およびCNTの少なくとも一方は、第1の面および第2の面に直交する方向に整列している。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムの処理チャンバ用のアセンブリであって、
第1のコンポーネントと、
第2のコンポーネントであって、前記第1のコンポーネントおよび前記第2のコンポーネントの少なくとも一方が、前記処理チャンバ内でプラズマに曝露されるように構成される、第2のコンポーネントと、
前記第1のコンポーネントと前記第2のコンポーネントとの間に配置された熱界面材料と、を含み、
前記熱界面材料は、前記第1のコンポーネントに面しかつ直接接触する第1の面と、前記第2のコンポーネントに面しかつ直接接触する第2の面とを有し、
前記熱界面材料は、整列した炭素繊維およびカーボンナノチューブ(CNT)の少なくとも一方を有するシリコンポリマーで構成され、
前記炭素繊維および前記CNTの少なくとも一方は、前記第1の面および前記第2の面に直交する方向に整列している、
アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記アセンブリは上部電極である、
アセンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載のアセンブリであって、
前記第1のコンポーネントは前記上部電極のバックプレートであり、前記第2のコンポーネントは前記上部電極のフェースプレートである、
アセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のアセンブリであって、
前記熱界面材料は、前記バックプレートと前記フェースプレートとの間に配置される熱界面ガスケットとして構成される、
アセンブリ。
【請求項5】
請求項4に記載のアセンブリであって、
前記熱界面ガスケットは、複数のセグメントを含む、
アセンブリ。
【請求項6】
請求項5に記載のアセンブリであって、
前記熱界面ガスケットは、前記バックプレートおよび前記フェースプレートの少なくとも一方に画定された対応する開口部と整合する複数の開口部を含み、前記複数のセグメント間の境界線は、前記複数の開口部のいずれとも交差しない、
アセンブリ。
【請求項7】
請求項5に記載のアセンブリであって、
前記複数のセグメントは、複数の外側セグメントに囲まれた中央セグメントを含む、
アセンブリ。
【請求項8】
請求項5に記載のアセンブリであって、
前記複数のセグメントのうちの少なくとも1つは、前記複数のセグメントのうちの他のセグメントとは異なる熱伝導率を有する、
アセンブリ。
【請求項9】
請求項4に記載のアセンブリであって、
前記熱界面ガスケットは、前記バックプレートおよび前記フェースプレートの少なくとも一方から延びる複数の位置合わせピンのそれぞれを受けるように構成された複数の位置合わせ穴を含む、
アセンブリ。
【請求項10】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記アセンブリは基板支持台である、
アセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載のアセンブリであって、
前記第1のコンポーネントは前記基板支持台のベースプレートであり、前記第2のコンポーネントはエッジリングである、
アセンブリ。
【請求項12】
請求項11に記載のアセンブリであって、
前記熱界面材料は、前記ベースプレートと前記エッジリングとの間に配置される熱界面リングとして構成される、
アセンブリ。
【請求項13】
請求項12に記載のアセンブリであって、
前記熱界面リングは、複数のセグメントを含む、
アセンブリ。
【請求項14】
請求項13に記載のアセンブリであって、
前記複数のセグメントは、前記熱界面リングの複数の円弧を含む、
アセンブリ。
【請求項15】
請求項13に記載のアセンブリであって、
前記複数のセグメントのうちの少なくとも1つは、前記複数のセグメントのうちの他のセグメントとは異なる熱伝導率を有する、
アセンブリ。
【請求項16】
請求項12に記載のアセンブリであって、
前記熱界面リングは、前記ベースプレートおよび前記エッジリングの少なくとも一方から延びる複数の位置合わせピンのそれぞれを受けるように構成された複数の位置合わせ穴を含む、
アセンブリ。
【請求項17】
請求項12に記載のアセンブリであって、
前記熱界面リングの半径方向外側に配置された第2の熱界面リングをさらに含む、
アセンブリ。
【請求項18】
請求項17に記載のアセンブリであって、
前記熱界面リングと前記第2の熱界面リングの熱伝導率は異なる、
アセンブリ。
【請求項19】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記熱界面材料と、前記第1のコンポーネントおよび前記第2のコンポーネントの少なくとも一方との間に接着剤をさらに含む、
アセンブリ。
【請求項20】
請求項19に記載のアセンブリであって、
前記接着剤は熱伝導性エポキシを含む、
アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年12月15日出願の米国仮特許出願第63/290,007号の利益を主張する。上記の出願は、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板処理システムにおけるコンポーネント間の熱伝導性および電気伝導性を制御することに関する。
【背景技術】
【0003】
ここに提供される背景技術の記載は、本開示の背景を概略的に提示することを目的としている。この背景技術に記載されている範囲内での本発明者らの研究、およびその他の点で出願時に先行技術と認められない可能性がある記載の態様は、明示的にも暗示的にも、本開示に対する先行技術とは認められない。
【0004】
基板処理システムを用いて、半導体ウエハなどの基板を処理する場合がある。基板に対して実行可能な処理としては、特に限定されないが、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)、導体エッチング、誘電体エッチング、および/もしくはその他のエッチング、堆積、または洗浄プロセスなどが挙げられる。基板処理システムの処理チャンバ内に設けられた基板支持台(台座や静電チャック(ESC:Electrostatic Chuck)など)の上に、基板が配置されてもよい。エッチング中、1種類以上のガスを含む混合エッチングガスが処理チャンバ内に導入されてもよく、プラズマを用いて化学反応が開始されてもよい。
【0005】
基板支持台は、基板を支持するように配置されたセラミック層を含んでもよい。例えば、基板は、処理中にセラミック層に固定されてもよい。基板支持台は、セラミック層および基板の外周を囲むように配置されたエッジリングを含んでもよい。
【0006】
処理チャンバは、上部電極および下部電極を含んでもよい。基板支持台(例えば、基板支持台のベースプレート)は、下部電極として機能するように構成されてもよい。いくつかの例では、混合ガスは、シャワーヘッドなどのガス分配装置を用いて処理チャンバ内に導入される。ガス分配装置は、上部電極として機能するように構成されてもよい。
【発明の概要】
【0007】
基板処理システムの処理チャンバ用のアセンブリは、第1のコンポーネントと、第2のコンポーネントと、前記第1のコンポーネントと前記第2のコンポーネントとの間に配置された熱界面材料と、を含む。前記第1のコンポーネントおよび前記第2のコンポーネントの少なくとも一方は、前記処理チャンバ内でプラズマに曝露されるように構成される。前記熱界面材料は、前記第1のコンポーネントに面しかつ直接接触する第1の面と、前記第2のコンポーネントに面しかつ直接接触する第2の面とを有する。前記熱界面材料は、整列した炭素繊維およびカーボンナノチューブ(CNT)の少なくとも一方を有するシリコンポリマーで構成され、前記炭素繊維および前記CNTの少なくとも一方は、前記第1の面および前記第2の面に直交する方向に整列している。
【0008】
他の特徴において、前記アセンブリは上部電極である。前記第1のコンポーネントは前記上部電極のバックプレートであり、前記第2のコンポーネントは前記上部電極のフェースプレートである。前記熱界面材料は、前記バックプレートと前記フェースプレートとの間に配置される熱界面ガスケットとして構成される。前記熱界面ガスケットは、複数のセグメントを含む。前記熱界面ガスケットは、前記バックプレートおよび前記フェースプレートの少なくとも一方に画定された対応する開口部と整合する複数の開口部を含み、前記複数のセグメント間の境界線は、前記複数の開口部のいずれとも交差しない。前記複数のセグメントは、複数の外側セグメントに囲まれた中央セグメントを含む。前記複数のセグメントのうちの少なくとも1つは、前記複数のセグメントのうちの他のセグメントとは異なる熱伝導率を有する。前記熱界面ガスケットは、前記バックプレートおよび前記フェースプレートの少なくとも一方から延びる複数の位置合わせピンのそれぞれを受けるように構成された複数の位置合わせ穴を含む。
【0009】
他の特徴において、前記アセンブリは基板支持台である。前記第1のコンポーネントは前記基板支持台のベースプレートであり、前記第2のコンポーネントはエッジリングである。前記熱界面材料は、前記ベースプレートと前記エッジリングとの間に配置される熱界面リングとして構成される。前記熱界面リングは、複数のセグメントを含む。前記複数のセグメントは、前記熱界面リングの複数の円弧を含む。前記複数のセグメントのうちの少なくとも1つは、前記複数のセグメントのうちの他のセグメントとは異なる熱伝導率を有する。前記熱界面リングは、前記ベースプレートおよび前記エッジリングの少なくとも一方から延びる複数の位置合わせピンのそれぞれを受けるように構成された複数の位置合わせ穴を含む。前記アセンブリは、前記熱界面リングの半径方向外側に配置された第2の熱界面リングをさらに含む。前記熱界面リングと前記第2の熱界面リングの熱伝導率は異なる。前記アセンブリは、前記熱界面材料と、前記第1のコンポーネントおよび前記第2のコンポーネントの少なくとも一方との間に接着剤をさらに含む。前記接着剤は熱伝導性エポキシを含む。
【0010】
本開示のさらなる適用分野は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、および図面から明らかとなる。なお、詳細な説明および具体例は、例示を目的とするに過ぎず、本開示の範囲を限定する意図はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示は、以下の詳細な説明および添付の図面から、より十分に理解されることとなる。
【0012】
【
図1】
図1は、本開示に係る例示的な基板処理システムを示す図である。
【0013】
【
図2A】
図2Aは、本開示に係る熱界面ガスケットを含む例示的な上部電極を示す図である。
【0014】
【
図2B】
図2Bは、本開示に係る例示的な熱界面ガスケットの平面図である。
【0015】
【
図3A】
図3Aは、本開示に係る熱界面リングを含む例示的な基板支持台を示す図である。
【0016】
【0017】
【
図3C】
図3Cは、本開示に係る熱界面リングを含む別の例示的な基板支持台を示す図である。
【0018】
図面において、類似および/または同一の要素を特定するために同じ参照符号を繰り返し用いる場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0019】
基板処理チャンバでは、エッジリングや上部電極などのコンポーネントの温度が、基板の外縁部におけるエッチング速度や均一性などの処理パラメータに影響を与える。例えば、エッジリングや上部電極は処理環境(プラズマを含む)に曝露されて、熱を吸収する。したがって、これらのコンポーネントのそれぞれの温度は処理中に変化する。そして、これらの温度を制御することで、再現可能なプロセス性能(例えば、エッチング速度)および均一性の達成を図ることができる。
【0020】
いくつかの例において、シャワーヘッドなどのガス分配装置は、上部電極として機能するように構成される。例えば、上部電極は、処理チャンバの処理空間内に混合ガスを流すための孔を有する2つ以上のプレート(例えば、フェースプレート、バックプレートなど)を含む。フェースプレートからバックプレートへの熱伝達を促進するために、シリコーン系ゲル、ペースト、パッドなどの熱界面材料が両プレート間に配置されてもよい。例えば、バックプレートは温度制御(例えば、冷却)されてもよく、フェースプレートのヒートシンクとして機能する。
【0021】
逆に、エッジリングは、基板支持台のベースプレートまたは下部リングと熱接触するように配置される。例えば、ベースプレートはエッジリングのヒートシンクとして機能してもよく、熱はエッジリングとベースプレートとの間の界面を介して伝達される。エッジリングからベースプレートへの熱伝達を促進するために、熱界面材料がエッジリングとベースプレートとの間に設けられてもよい。ベースプレートは、冷却剤を流通させてベースプレートの外部へ熱を伝達するように構成された冷却剤流路を含んでもよい。
【0022】
熱界面材料(例えば、シリコーンゲルもしくはペーストまたはシリコンゴムパッド)は設置が難しく、すべてのプロセスチャンバにおいて一貫した特性を有しない場合があり、かつ/または、熱界面材料の特性が時間と共に変化する場合があり、これらによって、コンポーネントの温度ドリフトが生じる場合がある。例えば、熱界面材料はプロセス材料(例えば、プラズマ)に曝露されて、その伝熱特性がさらに低下する場合がある。エッジリングまたは上部電極のコンポーネントを交換および修理するには、(例えば、基板支持台の)全面的な洗浄を行って熱界面材料を除去することが必要となる。
【0023】
さらに、上部電極、エッジリング、およびその他のコンポーネントの温度は、処理チャンバに供給される無線周波数(RF)電力、界面および/または界面材料の熱伝導率、接触面積などに応じて変化する。システム性能および製品要件により処理電力が増加すると、チャンバのコンポーネントはより高温に曝露される。現在の熱界面材料の伝熱特性および信頼性は、RF電力の増加に伴う高温下において十分ではない場合がある。その結果、コンポーネントが過熱し、信頼性および寿命が低下する可能性がある。
【0024】
本開示に係るシステムおよび方法は、シリコーン系ゲルおよびペーストまたはシリコンゴムパッドと比較して、伝熱特性および信頼性、機械的結合、ならびに温度均一性が改善された熱界面材料を実装する。熱界面材料はまた、導電性を向上させるとともに、取り付けおよび交換の容易性を改善する。本開示の熱界面材料は、ポリマー複合炭素繊維シートからなる。より具体的には、熱界面材料は、整列した炭素繊維および/またはナノチューブを有するシリコンポリマーからなる。
【0025】
本明細書では上部電極およびエッジリングについて説明するが、本開示の熱界面材料は、基板処理システムにおけるそれぞれのアセンブリ内の他のコンポーネント間(例えば、基板支持台の隣接する層間、ボトムリング、ミドルリング、トップリングなどの複数のリングで構成されるエッジリングシステムにおける異なるコンポーネント間など)に配置されてもよい。
【0026】
ここで
図1に、例示的な基板処理システム100を示す。あくまでも一例として、基板処理システム100は、RFプラズマによるエッチングおよび/または他の適切な基板処理を実行するために使用されてもよい。基板処理システム100は、基板処理システム100における他のコンポーネントを囲むとともにRFプラズマを収容する処理チャンバ102を含む。基板処理チャンバ102は、上部電極104と、ESCなどの基板支持台106とを含む。動作中、基板108は基板支持台106に配置される。特定の基板処理システム100および処理チャンバ102を一例として示しているが、本開示の原理は、インサイチュでプラズマを生成する基板処理システムや、(例えば、プラズマ管やマイクロ波管を用いた)遠隔プラズマの生成および供給を実施する基板処理システムなど、他の種類の基板処理システムおよび処理チャンバに適用されてもよい。
【0027】
あくまでも一例として、上部電極104は、プロセスガスを導入し分配するシャワーヘッドなどのガス分配装置として実装されてもよい。上部電極104の基板対向面またはフェースプレート110は、プロセスガスまたはパージガスが通過する複数の孔を含む。他の例では、上部電極104は導電板を含んでもよく、プロセスガスは別の方法で導入されてもよい。
【0028】
基板支持台106は、下部電極として機能する導電性ベースプレート112を含む。ベースプレート112は、セラミック層114を支持する。セラミック層114とベースプレート112との間に、接合層(例えば、接着剤および/または熱接合層)116が配置されてもよい。ベースプレート112は、ベースプレート112に冷却剤を流通させるための1つ以上の冷却剤流路118を含んでもよい。基板支持台106は、基板108の外周を囲むように配置されたエッジリング120を含んでもよい。いくつかの例では、エッジリング120は積極的に加熱されてもよい。
【0029】
RF発生システム122は、RF電圧を発生させ、上部電極104および下部電極(例えば、基板支持台106のベースプレート112)の一方にRF電圧を出力する。上部電極104およびベースプレート112の他方は、DC接地されてもよいし、AC接地されてもよいし、浮動状態であってもよい。本例では、RF電圧は上部電極に供給される。あくまでも一例として、RF発生システム122は、整合分配ネットワーク126によって上部電極104またはベースプレート112に供給されるRF電圧を発生させるRF電圧発生器124を含んでもよい。他の例として、プラズマを誘導的に発生させてもよいし、遠隔的に発生させてもよい。なお、ここではRF発生システム122を容量結合プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)システムに対応するものとして例示しているが、本開示の原理は、他の好適なシステム(あくまでも一例として、トランス結合プラズマ(TCP:Transformer Coupled Plasma)システム、CCPカソードシステム、リモートマイクロ波プラズマ発生供給システムなど)において実装されてもよい。
【0030】
ガス供給システム130は、1つ以上のガス源132-1、132-2・・・132-N(ガス源132と総称する)を含む。ここで、Nはゼロより大きい整数である。ガス源は、1種類以上のエッチングガスおよびその混合物を供給する。さらに、ガス源はキャリアガスおよび/またはパージガスを供給してもよい。ガス源132は、バルブ134-1、134-2・・・134-N(バルブ134と総称する)、およびマスフローコントローラ136-1、136-2・・・136-N(マスフローコントローラ136と総称する)によってマニホールド140に接続される。マニホールド140の出力は、処理チャンバ102に供給される。あくまでも一例として、マニホールド140の出力は、シャワーヘッド110に供給される。
【0031】
温度コントローラ142は、冷却剤アセンブリ146と通信して、流路118を流れる冷却剤の流れを制御してもよい。例えば、冷却剤アセンブリ146は、冷却剤ポンプおよびリザーバを含んでもよい。温度コントローラ142は、冷却剤アセンブリ146を動作させて冷却剤を選択的に流路118に流通させることにより、基板支持台106を冷却する。
【0032】
バルブ150およびポンプ152を用いて、処理チャンバ102から反応物を排出してもよい。システムコントローラ160を用いて、基板処理システム100のコンポーネントを制御してもよい。ロボット170を用いて、基板を基板支持台106に載置したり、基板支持台106から取り出したりしてもよい。例えば、ロボット170は、基板支持台106とロードロック172との間で基板を搬送してもよい。なお、温度コントローラ142およびシステムコントローラ160を別々のコントローラとして図示しているが、温度コントローラ142をシステムコントローラ160の内部に実装してもよい。
【0033】
本開示の原理に係る熱界面材料は、処理チャンバ102における各種の隣接するコンポーネント間に配置される。例えば、熱界面材料で構成される熱界面ガスケット180は、上部電極104のフェースプレート110とバックプレート182との間に設けられる。熱界面ガスケット180は、上部電極104の冷却(すなわち、フェースプレート110からバックプレート182への熱伝達)を促進する。同様に、熱界面材料で構成される熱界面シートまたはリング184は、エッジリング120とベースプレート112との間に設けられる。熱界面リング184は、エッジリング120の冷却(すなわち、エッジリング120からベースプレート112への熱伝達)を促進する。
【0034】
熱界面ガスケット180および熱界面リング184の熱界面材料は、以下でさらに詳述するように、ポリマー複合炭素繊維シート(例えば、整列した炭素繊維および/またはナノチューブを有するシリコンポリマー)からなる。
【0035】
次に、
図2Aおよび
図2Bに、2つ以上の隣接するコンポーネントを含む例示的なアセンブリ(例えば、本開示に係る熱界面ガスケット204を含む上部電極200)の断面図、および熱ガスケット204の平面図をそれぞれ示す。上部電極200は、プラズマ対向フェースプレート208と、バックプレート212とを含む。いくつかの例では、バックプレート212は温度制御される。例えば、バックプレート212は、冷却ガスまたは冷却液によって積極的に冷却されてもよく、フェースプレート208のヒートシンクとして機能する。言い換えれば、プラズマ処理によってフェースプレート208の温度が上昇すると、上部電極200は、フェースプレート208からバックプレート212に熱を伝達してフェースプレート208を冷却するように構成される。
【0036】
熱界面ガスケット204は、フェースプレート208とバックプレート212との間に配置される。例えば、熱界面ガスケット204の第1の面(例えば、上面)は、バックプレート212に面し、かつ直接接触している。熱界面ガスケット204の第2の面(例えば、下面)は、フェースプレート208に面し、かつ直接接触している。熱界面ガスケット204は、フェースプレート208とバックプレート212との間の熱伝達および電気伝導を促進するように構成されている。例えば、熱界面ガスケット204は、16~35ワット/メートル・ケルビン(W/m・K)の熱伝導率を有する材料で構成される。熱界面ガスケット204は、整列した炭素繊維および/またはナノチューブを有するシリコンポリマーシートなどの、ポリマー複合炭素繊維シートで構成される。いくつかの例では、熱界面ガスケット204は0.1mm~3.0mmの厚さを有する。一例として、熱界面ガスケット204の厚さは0.2mm~0.3mmである。
【0037】
いくつかの例では、フェースプレート208は、プルダウンロッドまたはクランプ216などの複数の締結具によってバックプレート212に取り付けられる。例えば、各クランプ216は、バックプレート212から熱界面ガスケット204の開口部222を通って、フェースプレートの上面におけるそれぞれの開口部224内へと延びるねじ付き下端220を含んでもよい。同様に、上部電極200がガス分配装置またはシャワーヘッドとして機能するように構成される例において、プロセスガスが、バックプレート内に画定されたマニホールドまたはプレナム228から、熱界面ガスケット204の開口部222を通過する流路232内を通って処理チャンバ102に供給される。流路232はフェースプレート208を通り、プロセスガスを処理チャンバ102に流入させる。
【0038】
いくつかの例では、1つ以上の位置合わせ特徴部(例えば、図示するような位置合わせピン236)が、熱界面ガスケット204内に画定された対応する位置合わせ特徴部(例えば、位置合わせ穴240)内に向けて、フェースプレート208から上方に、かつ/またはバックプレート212から下方に延びる。位置合わせピン236は位置合わせ穴240に挿入され、熱界面ガスケット204をフェースプレート208に対して位置決めする(例えば、中央に配置する)。
【0039】
図2Bの平面図(すなわち、上方から見た図)に示すように、一例において、熱界面ガスケット204は複数の連結セグメント244で構成される。例えば、図示するように、熱界面ガスケット204は、9つのセグメント244(例えば、1つの中央セグメントと、それを囲む8つの外側セグメント)を含む。なお、中央セグメントを略正方形として示しているが、中央セグメントは任意の適切な形状を有してもよい。いくつかの例では、8つの外側セグメントは同じ大きさおよび形状であってもよい。他の例では(図示するように)、外側セグメントは不規則な形状を有する。例えば、セグメント244間の境界線248は、各開口部222がそれぞれのセグメント244内に完全に画定されるように構成されてもよい。図示するように、境界線248は、開口部222の間およびその周囲を縫うように折れ線状に進んでいる。言い換えると、どの開口部222も複数のセグメント244には重ならず、境界線240はどの開口部222とも交差しない。同様に、各セグメント244は、1つ以上の位置合わせ穴240を含んでもよい。他の例では、境界線248は曲線状であってもよい。それぞれのセグメント244の位置合わせ穴240は、同じ大きさであってもよいし、異なる大きさであってもよい。
【0040】
他の例では、熱界面ガスケット204は、複数のセグメント244の代わりに、単一の一体部分で構成される。他の例では、セグメント244は、複数の異なる方位角ゾーンまたは半径方向ゾーンとして構成されてもよく、セグメント244のうちの1つ以上は、セグメント244のうちの他のセグメントと異なる熱界面材料で構成されてもよい。このように、熱界面ガスケット204の異なるセグメントによって、上部電極200の異なる領域に対して異なる伝熱特性を提供してもよい。
【0041】
次に、
図3Aおよび
図3Bに、2つ以上の隣接するコンポーネントを含む別の例示的なアセンブリ(例えば、本開示に係る熱界面リング304を含む基板支持台300)の断面図、および基板支持台300に配置された熱界面リング304の平面図をそれぞれ示す。基板支持台300は、ベースプレート(例えば、下部電極として機能する導電性アルミニウムベースプレート308)と、エッジリング312とを含む。いくつかの例では、エッジリング312は温度制御される。例えば、エッジリング312は、基板314の縁部におけるプロセス性能を調整するために積極的に加熱されてもよい。いくつかの例では、エッジリング312は抵抗加熱によって加熱される。ベースプレート308の上にセラミック層318が配置されてもよい。そして、セラミック層318の上に基板314が配置される。
【0042】
逆に、ベースプレート308は、冷却ガスまたは冷却液によって冷却されてもよく、エッジリング312のヒートシンクとして機能する。言い換えると、エッジリング312の温度が上昇すると、ベースプレート308はエッジリング312から熱を伝達してエッジリングを冷却するように構成される。熱界面リング304は、ベースプレート308とエッジリング312との間に配置され、エッジリング312とベースプレート308との間の熱伝達および電気伝導を促進する。例えば、熱界面リング304は、16~35ワット/メートル・ケルビン(W/m・K)の熱伝導率を有する材料で構成される。熱界面リング304の第1の面(例えば、上面)は、エッジリング312に面し、かつ直接接触している。熱界面リング304の第2の面(例えば、下面)は、ベースプレート208に面し、かつ直接接触している。熱界面リング304は、整列した炭素繊維および/またはナノチューブを有するシリコンポリマーシートなどの、ポリマー複合炭素繊維シートで構成される。いくつかの例では、熱界面リング304は0.1mm~3.0mmの厚さを有する。一例として、熱界面リング304の厚さは0.2mm~0.3mmである。
【0043】
いくつかの例では、1つ以上の位置合わせ特徴部(例えば、図示するような位置合わせピン336)が、熱界面リング304内に画定された対応する位置合わせ特徴部(例えば、位置合わせ穴340)内に向けて、ベースプレート308から上方に延びる。位置合わせピン336は位置合わせ穴340に挿入され、熱界面リング304をベースプレート308に対して位置決めする(例えば、中央に配置する)。
【0044】
図3Bの平面図(すなわち、上方から見た図)に示すように、一例において、熱界面リング304は複数のセグメント344で構成される。例えば、図示するように、熱界面リング304は、6つのセグメント344(例えば、環状の熱界面リング304の6つの円弧、すなわち円弧状セグメント)を含む。いくつかの例では、セグメント344は同じ大きさおよび形状であってもよい。他の例では(図示するように)、セグメント344の大きさは同じではない。各セグメント344は、1つ以上の位置合わせ穴340を含んでもよい。それぞれのセグメント344の位置合わせ穴340は、同じ大きさであってもよいし、異なる大きさであってもよい。
【0045】
他の例では、熱界面リング304は、複数のセグメント344の代わりに、単一の一体部分で構成される。他の例では、セグメント344は、複数の異なる方位角ゾーンまたは半径方向ゾーンとして構成されてもよく、セグメント344のうちの1つ以上は、セグメント344のうちの他のセグメントと異なる熱界面材料で構成されてもよい。このように、熱界面リング304の異なるセグメントによって、エッジリング312の異なる領域に対して異なる伝熱特性を提供してもよい。
【0046】
図3Cに示す別の例では、エッジリング312の外周と基板支持台300との間に、第2の熱界面リング348が設けられている。例えば、基板支持台300はベースプレート308の周囲にボトムリング(例えば、絶縁体リング)352を含み、エッジリング312の外周はボトムリング352に支持される。第2の熱界面リング348は、熱界面リング304と同じ材料で構成されてもよいし、異なる材料で構成されてもよい。例えば、第2の熱界面リング348は、シリコーン系ゲル、ペースト、パッドなどで構成されてもよい。このようにして、熱界面リング304および第2の熱界面リング348は、同じ伝熱特性を有してもよいし、異なる伝熱特性を有してもよい。
【0047】
熱界面ガスケット204および熱界面リング304の熱界面材料は、ポリマー(例えば、シリコンポリマー)と、整列した炭素繊維および/またはカーボンナノチューブ(CNT)との複合体からなる。例えば、CNTはポリマーマトリックス内で整列される。CNTの整列配置により、熱界面材料を通る熱伝導経路および電気伝導経路が形成される。例えば、CNTは熱界面材料の表面に直交する方向に整列され、熱界面材料の表面に垂直な方向に熱伝導性および電気伝導性を提供する。
【0048】
上記のいずれの例においても、熱界面材料の表面(例えば、熱界面リング304の表面)と、エッジリング312、ベースプレート308、および/またはボトムリング352の隣接する表面との間に接着剤が設けられてもよい。接着剤は、熱界面リング304の上面、下面、または上面と下面の両方に設けられてもよい。接着剤は、熱伝導性エポキシなどの熱接着剤で構成されてもよい。接着剤は、層として塗布されてもよいし、ドットまたは別の不連続パターンなどとして塗布されてもよい。接着剤は、位置合わせ穴340の代わりに設けられてもよいし、位置合わせ穴340に加えて設けられてもよい。このように、接着剤によって、熱界面リング304の所望の位置に保持することが容易になる。
【0049】
上述の記載は本質的に例示に過ぎず、本開示、その用途、または使用を限定することを何ら意図していない。本開示の広範な教示内容は、種々の形態で実施可能である。したがって、本開示には特定の例が含まれているが、図面、明細書、および下記の特許請求の範囲を詳しく調べることにより、他の変更形態も明らかになるため、本開示の真の範囲はそれらに限定されるべきではない。また、方法における1つ以上の工程は、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてもよいことを理解されたい。さらに、各実施形態について特定の特徴を有するものとして説明したが、本開示のいずれかの実施形態に関連して説明したこれらの特徴のいずれか1つ以上を、他の実施形態のいずれかの特徴に含めて、かつ/または(明示されてなくとも)組み合わせて実施してもよい。すなわち、上述した実施形態は相互に排他的ではなく、1つ以上の実施形態を互いに置き換えることも本開示の範囲内である。
【0050】
要素間(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間など)の空間的および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「次の」、「の上に」、「の上方に」、「の下方に」、「配置された」などを含む種々の用語を用いて説明される。「直接」と明示されていない限り、上記の開示において第1の要素と第2の要素との関係が説明されている場合、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係とすることもできるし、第1の要素と第2の要素との間に1つ以上の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的な関係とすることもできる。本明細書において使用される場合、「A、B、およびCの少なくとも1つ」という表現は、非排他的論理和を用いて論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうち少なくとも1つ、Bのうち少なくとも1つ、およびCのうち少なくとも1つ」を意味すると解釈すべきでない。
【0051】
いくつかの実装形態において、コントローラはシステムの一部であり、システムは上述した例の一部であってもよい。このようなシステムは、1つ以上の処理ツール、1つ以上のチャンバ、1つ以上の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理用コンポーネント(ウエハ台座やガス流量システムなど)を含む半導体処理装置を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、処理後におけるシステムの動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。電子機器は「コントローラ」と呼ぶこともでき、1つ以上のシステムの様々なコンポーネントまたはサブ部品を制御してもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、本明細書に開示したいずれのプロセスも制御するようにプログラムされてもよい。これらのプロセスには、プロセスガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ツールに対するウエハの搬入出、ならびに、特定のシステムと接続または連携されたその他の移送ツールおよび/またはロードロックに対するウエハの搬入出が含まれる。
【0052】
広義には、コントローラは、様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよく、命令の受信、命令の送出、動作の制御、洗浄動作の有効化、エンドポイント測定の有効化などを行う。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアとしてのチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または1つ以上のマイクロプロセッサ、もしくはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個別の設定(またはプログラムファイル)としてコントローラに通信される命令であってもよく、半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ用に、またはシステムに対して、特定のプロセスを実施するための動作パラメータを定義する。いくつかの実施形態において、動作パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはウエハダイの製造において1つ以上の処理工程を達成するためにプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0053】
いくつかの実装形態において、コントローラは、コンピュータの一部であってもよいし、コンピュータに結合されていてもよい。ここで、コンピュータは、システムと一体化しているか、システムに結合されているか、その他の形でシステムとネットワーク接続されているか、これらを組み合わせた形態をとる。例えば、コントローラは、「クラウド」上に存在してもよいし、工場ホストコンピュータシステムのすべてまたは一部に存在してもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能になる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを有効化して、製造工程の進捗状況の監視、過去の製造工程履歴の調査、または複数の製造工程から傾向もしくは性能指標の調査を行うことができ、現在の処理のパラメータを変更したり、現在の処理に続く処理工程を設定したり、新たなプロセスを開始したりできる。いくつかの例において、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)からシステムに対して、ネットワークを介してプロセスレシピを提供できる。ここで、ネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力やプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでもよい。これらのパラメータおよび/または設定はその後、リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例において、コントローラは、データとして命令を受信する。このデータは、1つ以上の動作において実行される各処理工程のパラメータを指定する。なお、これらのパラメータは、実行するプロセスの種類、およびコントローラが連携または制御するように構成されているツールの種類に対して固有のパラメータであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、1つ以上の個別のコントローラを備えることなどによって分散されてもよい。これらの個別のコントローラはネットワーク化され、本明細書に記載のプロセスおよび制御といった共通の目的に向けて動作する。このような目的のための分散コントローラの一例として、(例えばプラットフォームレベルで、または遠隔コンピュータの一部として)遠隔設置された1つ以上の集積回路と通信するチャンバに搭載された1つ以上の集積回路が挙げられる。これらの集積回路は協働して、チャンバにおけるプロセスを制御する。
【0054】
システムの非限定的な例として、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD:Physical Vapor Deposition)チャンバまたはモジュール、CVDチャンバまたはモジュール、ALDチャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE:Atomic Layer Etch)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製造および/または生産に関連するかもしくは使用可能なその他のあらゆる半導体処理システムが挙げられる。
【0055】
上述した通り、ツールによって実行される1つ以上のプロセス工程に応じて、コントローラは、他のツール回路またはツールモジュール、他のツールコンポーネント、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、付近のツール、工場内の各所に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハコンテナの受け渡しを行う材料輸送で使用されるツールのうち、1つ以上と通信してもよい。
【国際調査報告】