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特表2024-547207半導体プロセス機器及びその載置装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-26
(54)【発明の名称】半導体プロセス機器及びその載置装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241219BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/31 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541079
(86)(22)【出願日】2022-04-12
(85)【翻訳文提出日】2024-07-08
(86)【国際出願番号】 CN2022086320
(87)【国際公開番号】W WO2023134039
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】202210031074.6
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area Daxing District, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティェン シィーチィァン
(72)【発明者】
【氏名】イェ ファ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ヂィーイォン
(72)【発明者】
【氏名】ワン チォン
(72)【発明者】
【氏名】ヂュ レイ
【テーマコード(参考)】
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
5F045DP02
5F045EK22
5F045EM04
5F045EM07
5F045EM09
5F131AA02
5F131BA04
5F131CA06
5F131CA12
5F131CA45
5F131EA05
5F131EA23
5F131EB04
5F131EB78
5F131EB81
5F131EB84
5F131EB85
(57)【要約】
本願の実施例は、半導体プロセス機器の載置装置を提供する。該載置装置は、プロセスチャンバー内に設けられ、ベースと、キャリアと、ストッパリング構造とを含み、ストッパリング構造は、ベースの外周に嵌設され、内周壁とベースの外周壁との間にエアブロー流路及び第1ガス均一化空間が形成され、第1ガス均一化空間はエアブロー流路に連通しており、キャリアとベースは互いに積層されて、キャリアはベースの下方に位置し、且つ、キャリアとベースとの間にガス流路構造が設けられ、ガス流路構造は接続流路を介して第1ガス均一化空間に連通しており、ガス流路構造はパージガスを接続流路を介して第1ガス均一化空間に輸送することに用いられ、第1ガス均一化空間はパージガスを均一化することに用いられ、エアブロー流路は、均一化パージガスを吹き出すことに用いられ、これによりウェハの底面及び側面をパージする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体プロセス機器のプロセスチャンバー内に設けられる前記半導体プロセス機器用の載置装置であって、ベースと、キャリアと、ストッパリング構造と、を含み、
前記ベースの上面はウェハを載置することに用いられ、前記ストッパリング構造は、前記ベースの外周に嵌設され、前記ウェハの位置を規制することに用いられ、且つ、前記ストッパリング構造の内周壁と前記ベースの外周壁との間にエアブロー流路及び第1ガス均一化空間が形成され、前記第1ガス均一化空間は前記エアブロー流路に連通しており、前記キャリアと前記ベースとは互いに積層されて、前記キャリアは前記ベースの下方に位置し、且つ、前記キャリアと前記ベースとの間にガス流路構造が設けられ、前記ベースに接続流路が設けられ、前記ガス流路構造は前記接続流路を介して前記第1ガス均一化空間に連通しており、
前記ガス流路構造は、前記接続流路を介してパージガスを前記第1ガス均一化空間に輸送することに用いられ、前記第1ガス均一化空間は、流れる前記パージガスを均一化することに用いられ、前記エアブロー流路は、前記ウェハの底面及び側面をパージするために、均一化された後の前記パージガスを吹き出すためのものである、ことを特徴とする載置装置。
【請求項2】
前記ガス流路構造は、ガス案内流路構造と、第2ガス均一化空間とを含み、前記ガス案内流路構造は前記第2ガス均一化空間に連通しており、前記第2ガス均一化空間は前記接続流路を介して前記第1ガス均一化空間に連通しており、
前記ガス案内流路構造は、前記パージガスを前記第2ガス均一化空間に輸送することに用いられ、前記第2ガス均一化空間は、流れる前記パージガスを均一化することに用いられることを特徴とする請求項1に記載の載置装置。
【請求項3】
前記第2ガス均一化空間の体積は、前記第1ガス均一化空間の体積よりも大きく、及び/又は、前記接続流路の通気断面は、前記第1ガス均一化空間及び前記第2ガス均一化空間の通気断面よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の載置装置。
【請求項4】
前記接続流路は、複数の前記ベースを貫通するガス制限孔を含み、且つ、複数の前記ガス制限孔は、前記ベースの周方向に沿って均等に配置され、各前記ガス制限孔の両端がそれぞれ前記第1ガス均一化空間と前記第2ガス均一化空間に連通していることを特徴とする請求項2に記載の載置装置。
【請求項5】
各前記ガス制限孔は、垂直方向において順次設けられた第1ストレート貫通孔及び第2ストレート貫通孔を含み、前記第1ストレート貫通孔は前記第2ストレート貫通孔の上方に位置し、且つ、前記第1ストレート貫通孔の直径は前記第2ストレート貫通孔の直径よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の載置装置。
【請求項6】
前記ガス案内流路構造は、少なくとも1つのガス案内流路及び少なくとも1つの前記キャリアを貫通する通気孔を含み、各前記通気孔は少なくとも1つの前記ガス案内流路の吸気端に連通しており、前記通気孔はパージガス源に連通することに用いられ、前記ガス案内流路の排気端は、前記第2ガス均一化空間の周方向に沿って間隔をあけて均等に設けられ、いずれも前記第2ガス均一化空間に連通していることを特徴とする請求項2に記載の載置装置。
【請求項7】
前記キャリアの前記ベースに向かう面と前記ベースの前記キャリアに向かう面のうちの一方には、環状溝と複数の直線溝が開けられ、前記キャリアの前記ベースに向かう面と前記ベースの前記キャリアに向かう面のうちの他方は、前記環状溝に嵌合されて前記第2ガス均一化空間を形成し、各前記直線溝に嵌合されて前記ガス案内流路を形成し、又は、
前記キャリアの前記ベースに向かう面と前記ベースの前記キャリアに向かう面の両方には、環状溝と複数の直線溝が開けられ、前記キャリアが前記ベースにおける前記環状溝に対応して嵌合されることにより、前記第2ガス均一化空間を形成し、前記キャリアが前記ベースにおける複数の前記直線溝に対応して嵌合されることにより、前記ガス案内流路を形成することを特徴とする請求項6に記載の載置装置。
【請求項8】
前記載置装置は、支持軸をさらに含み、前記支持軸は、前記キャリアの下方に位置し、前記キャリアを支持することに用いられ、前記支持軸の前記キャリアに向かう面には、第1ガス均一化流路構造が設けられ、前記第1ガス均一化流路構造は各前記通気孔の吸気端に対応して連通しており、且つ、前記第1ガス均一化流路構造はパージガス源に連通していることを特徴とする請求項6に記載の載置装置。
【請求項9】
前記第1ガス均一化流路構造は、少なくとも1つの第1円弧状流路を含み、且つ、前記第1円弧状流路は前記支持軸の周方向に沿って延在し、各前記第1円弧状流路は、いずれもそのうちの2つの前記通気孔に対応して設けられ、2つの前記通気孔の吸気端は、それぞれ前記第1円弧状流路の両端に連通しており、前記第1円弧状流路は、中点位置において前記パージガス源に連通している吸気口が設けられることを特徴とする請求項8に記載の載置装置。
【請求項10】
前記ベースには、前記ベースを貫通する複数の第1吸着孔がさらに設けられ、且つ、複数の前記第1吸着孔は前記ベースの周方向に沿って均等に分布し、前記キャリアには、前記キャリアを貫通する複数の第2吸着孔がさらに設けられ、前記第2吸着孔と前記第1吸着孔とは、数が同じであり、1対1で対応して設けられ、
前記支持軸の前記キャリアに向かう面には、第2ガス均一化流路構造がさらに設けられ、前記第2ガス均一化流路構造は各前記第2吸着孔の吸気端に対応して連通しており、且つ、前記第2ガス均一化流路構造は真空吸着装置に連通していることを特徴とする請求項8に記載の載置装置。
【請求項11】
前記第2ガス均一化流路構造は、少なくとも1つの第2円弧状流路を含み、且つ、前記第2円弧状流路は前記支持軸の周方向に沿って延在し、各前記第2円弧状流路は、いずれもそのうちの2つの前記第2吸着孔に対応して設けられ、2つの前記第2吸着孔の吸気端は、それぞれ前記第2円弧状流路の両端に連通しており、前記第2円弧状流路は、中点位置において真空吸着装置に連通している吸気口が設けられることを特徴とする請求項10に記載の載置装置。
【請求項12】
前記第2円弧状流路は2つあり、且つ、前記支持軸の軸線に対して対称的に分布し、
前記第2ガス均一化流路構造は、第3円弧状流路をさらに含み、前記第3円弧状流路は前記支持軸の周方向に沿って延在し、且つ、前記第3円弧状流路の両端がそれぞれ2つの前記第2円弧状流路の中点位置において2つの前記第2円弧状流路に連通しており、前記第3円弧状流路は、中点位置において前記真空吸着装置に連通していることを特徴とする請求項11に記載の載置装置。
【請求項13】
前記ストッパリング構造は環状本体を含み、前記環状本体の内周壁には、前記ベースの外周壁へ突出するカバーリングが設けられ、前記カバーリングの内周壁と前記ベースの外周壁との間に隙間を有することによって、前記エアブロー流路を形成することを特徴とする請求項1に記載の載置装置。
【請求項14】
前記カバーリングの上面と内周面との接続箇所にガス案内溝が設けられ、前記ガス案内溝は、環状であり、前記カバーリングの周方向に沿って周設され、前記ガス案内溝の底面は前記ベースの上面よりも低く、且つ、前記ガス案内溝の周方向側面の直径は前記ウェハの直径よりも大きく、
前記ガス案内溝は、前記エアブロー流路から吹き出されたパージガスを前記ウェハの底面及び側面に案内するように、前記エアブロー流路に連通していることを特徴とする請求項13に記載の載置装置。
【請求項15】
前記ベースはベース本体を含み、前記ベース本体の外周壁に前記環状本体の内周壁へ突出する載置リングが設けられ、前記環状本体の内周壁における前記カバーリングの下方に位置する領域には、前記ベース本体へ突出するラップリングがさらに設けられ、
前記ラップリングは前記載置リングに積層され、且つ、前記ラップリングと前記ベース本体の外周壁との間に隙間を有することによって前記第1ガス均一化空間を形成することを特徴とする請求項13に記載の載置装置。
【請求項16】
前記ラップリングと前記載置リングの互いに積層される2つの面の間に位置決め構造が設けられ、前記位置決め構造は位置決め凸部と位置決め凹部を含み、前記位置決め凸部は、前記ラップリングと前記載置リングの相対位置を規制するように、前記位置決め凹部に嵌合されることを特徴とする請求項15に記載の載置装置。
【請求項17】
前記ベース本体の外周壁における前記載置リングと前記カバーリングとの間には、突出したガス制限リングが設けられ、前記ガス制限リングと前記カバーリングとの間に隙間を有することによってガス制限流路を形成し、前記ガス制限流路は前記エアブロー流路と前記第1ガス均一化空間を連通することに用いられることを特徴とする請求項15に記載の載置装置。
【請求項18】
前記ガス制限流路の通気断面は前記エアブロー流路の通気断面よりも小さく、且つ、前記エアブロー流路の通気断面は前記第1ガス均一化空間の通気断面よりも小さく、
前記接続流路の通気断面は前記ガス制限流路の通気断面よりも大きいことを特徴とする請求項17に記載の載置装置。
【請求項19】
前記ベース、前記キャリア及び前記ストッパリング構造は、いずれも窒化アルミニウムセラミック材質で作製されることを特徴とする請求項1に記載の載置装置。
【請求項20】
プロセスチャンバーと、請求項1~請求項19のいずれか1項に記載の載置装置と、を含み、前記載置装置は前記プロセスチャンバー内に設けられる半導体プロセス機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、半導体加工の技術分野に関し、具体的には、半導体プロセス機器及びその載置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)はガス化学反応によってウェハ(Wafer)表面に固体薄膜を生成するプロセスである。ウェハを載置して薄膜堆積プロセスを行うための載置装置は、一般的にエッジパージ(Edge Purge)機能を有し、ウェハの背面及び側面近傍の反応ガスを吹き飛ばすことに用いられ、これによりウェハの背面めっき及び側面めっきが回避される。プロセス温度、金属汚染及び粒子の要求が高くなることに伴い、載置装置においてウェハを載置するための天板の材質は、金属アルミニウム及びステンレス鋼から耐高温、粒子が良好で及び金属汚染が少ないセラミック材質に変更される。
【0003】
しかし、セラミック材質で作製された天板の加工が困難であるため、天板においてエッジパージ用管路構造を加工することに困難をもたらし、それにより、製造コストが高くなり、薄膜堆積プロセスにおいてウェハエッジで均一にエアブローする要求を満たすことができず、それにより、製品品質を保証することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、従来方式の欠点に対し、従来技術に存在している製造コストが高く、ウェハのエッジパージが均一にエアブローする要求を満たすことができないという技術的課題を解決するための半導体プロセス機器及びその載置装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的を達成するために、半導体プロセス機器のプロセスチャンバー内に設けられ、ベースと、キャリアと、ストッパリング構造と、を含み、
前記ベースの上面はウェハを載置することに用いられ、前記ストッパリング構造は、前記ベースの外周に嵌設され、前記ウェハの位置を規制することに用いられ、且つ、前記ストッパリング構造の内周壁と前記ベースの外周壁との間にエアブロー流路及び第1ガス均一化空間が形成され、前記第1ガス均一化空間は前記エアブロー流路に連通しており、前記キャリアと前記ベースとは互いに積層されて、前記キャリアはベースの下方に位置し、且つ、前記キャリアと前記ベースとの間にガス流路構造が設けられ、前記ベースに接続流路が設けられ、前記ガス流路構造は前記接続流路を介して前記第1ガス均一化空間に連通しており、
前記ガス流路構造は、前記接続流路を介してパージガスを前記第1ガス均一化空間に輸送することに用いられ、前記第1ガス均一化空間は、流れる前記パージガスを均一化することに用いられ、前記エアブロー流路は、前記ウェハの底面及び側面をパージするために、均一化された後の前記パージガスを吹き出すためのものである、前記半導体プロセス機器用の載置装置を提供する。
【0006】
任意選択的に、前記ガス流路構造は、ガス案内流路構造と、第2ガス均一化空間とを含み、前記ガス案内流路構造は前記第2ガス均一化空間に連通しており、前記第2ガス均一化空間は前記接続流路を介して前記第1ガス均一化空間に連通しており、
前記ガス案内流路構造は、前記パージガスを前記第2ガス均一化空間に輸送することに用いられ、前記第2ガス均一化空間は、流れる前記パージガスを均一化することに用いられる。
【0007】
任意選択的に、前記第2ガス均一化空間の体積は、前記第1ガス均一化空間の体積よりも大きく、及び/又は、前記接続流路の通気断面は、前記第1ガス均一化空間及び前記第2ガス均一化空間の通気断面よりも小さい。
【0008】
任意選択的に、前記接続流路は、複数の前記ベースを貫通するガス制限孔を含み、且つ、複数の前記ガス制限孔は、前記ベースの周方向に沿って均等に配置され、各前記ガス制限孔の両端がそれぞれ前記第1ガス均一化空間と前記第2ガス均一化空間に連通している。
【0009】
任意選択的に、各前記ガス制限孔は、垂直方向において順次設けられた第1ストレート貫通孔及び第2ストレート貫通孔を含み、前記第1ストレート貫通孔は前記第2ストレート貫通孔の上方に位置し、且つ、前記第1ストレート貫通孔の直径は前記第2ストレート貫通孔の直径よりも小さい。
【0010】
任意選択的に、前記ガス案内流路構造は、少なくとも1つのガス案内流路及び少なくとも1つの前記キャリアを貫通する通気孔を含み、各前記通気孔は少なくとも1つの前記ガス案内流路の吸気端に連通しており、前記通気孔はパージガス源に連通することに用いられ、前記ガス案内流路の排気端は、前記第2ガス均一化空間の周方向に沿って間隔をあけて均等に設けられ、いずれも前記第2ガス均一化空間に連通している。
【0011】
任意選択的に、前記キャリアの前記ベースに向かう面と前記ベースの前記キャリアに向かう面のうちの一方には、環状溝と複数の直線溝が開けられ、前記キャリアの前記ベースに向かう面と前記ベースの前記キャリアに向かう面のうちの他方は、前記環状溝に嵌合されて前記第2ガス均一化空間を形成し、各前記直線溝に嵌合されて前記ガス案内流路を形成し、又は、
前記キャリアの前記ベースに向かう面と前記ベースの前記キャリアに向かう面の両方には、環状溝と複数の直線溝が開けられ、前記キャリアが前記ベースにおける前記環状溝に対応して嵌合されることにより、前記第2ガス均一化空間を形成し、前記キャリアが前記ベースにおける複数の前記直線溝に対応して嵌合されることにより、前記ガス案内流路を形成する。
【0012】
任意選択的に、前記載置装置は、支持軸をさらに含み、前記支持軸は、前記キャリアの下方に位置し、前記キャリアを支持することに用いられ、前記支持軸の前記キャリアに向かう面には、第1ガス均一化流路構造が設けられ、前記第1ガス均一化流路構造は各前記通気孔の吸気端に対応して連通しており、且つ、前記第1ガス均一化流路構造はパージガス源に連通している。
【0013】
任意選択的に、前記第1ガス均一化流路構造は、少なくとも1つの第1円弧状流路を含み、且つ、前記第1円弧状流路は前記支持軸の周方向に沿って延在し、各前記第1円弧状流路は、いずれもそのうちの2つの前記通気孔に対応して設けられ、2つの前記通気孔の吸気端は、それぞれ前記第1円弧状流路の両端に連通しており、前記第1円弧状流路は、中点位置において前記パージガス源に連通している吸気口が設けられる。
【0014】
任意選択的に、前記ベースには、前記ベースを貫通する複数の第1吸着孔がさらに設けられ、且つ、複数の前記第1吸着孔は前記ベースの周方向に沿って均等に分布し、前記キャリアには、前記キャリアを貫通する複数の第2吸着孔がさらに設けられ、前記第2吸着孔と前記第1吸着孔とは、数が同じであり、1対1で対応して設けられ、
前記支持軸の前記キャリアに向かう面には、第2ガス均一化流路構造がさらに設けられ、前記第2ガス均一化流路構造は各前記第2吸着孔の吸気端に対応して連通しており、且つ、前記第2ガス均一化流路構造は真空吸着装置に連通している。
【0015】
任意選択的に、前記第2ガス均一化流路構造は、少なくとも1つの第2円弧状流路を含み、且つ、前記第2円弧状流路は前記支持軸の周方向に沿って延在し、各前記第2円弧状流路は、いずれもそのうちの2つの前記第2吸着孔に対応して設けられ、2つの前記第2吸着孔の吸気端は、それぞれ前記第2円弧状流路の両端に連通しており、前記第2円弧状流路は、中点位置において真空吸着装置に連通している吸気口が設けられる。
【0016】
任意選択的に、前記第2円弧状流路は2つあり、且つ、前記支持軸の軸線に対して対称的に分布し、
前記第2ガス均一化流路構造は、第3円弧状流路をさらに含み、前記第3円弧状流路は前記支持軸の周方向に沿って延在し、且つ、前記第3円弧状流路の両端がそれぞれ2つの前記第2円弧状流路の中点位置において2つの前記第2円弧状流路に連通しており、前記第3円弧状流路は、中点位置において前記真空吸着装置に連通している。
【0017】
任意選択的に、前記ストッパリング構造は環状本体を含み、前記環状本体の内周壁には、前記ベースの外周壁へ突出するカバーリングが設けられ、前記カバーリングの内周壁と前記ベースの外周壁との間に隙間を有することによって、前記エアブロー流路を形成する。
【0018】
任意選択的に、前記カバーリングの上面と内周面との接続箇所にガス案内溝が設けられ、前記ガス案内溝は、環状であり、前記カバーリングの周方向に沿って周設され、前記ガス案内溝の底面は前記ベースの上面よりも低く、且つ、前記ガス案内溝の周方向側面の直径は前記ウェハの直径よりも大きく、
前記ガス案内溝は、前記エアブロー流路から吹き出されたパージガスを前記ウェハの底面及び側面に案内するように、前記エアブロー流路に連通している。
【0019】
任意選択的に、前記ベースはベース本体を含み、前記ベース本体の外周壁に前記環状本体の内周壁へ突出する載置リングが設けられ、前記環状本体の内周壁における前記カバーリングの下方に位置する領域には、前記ベース本体へ突出するラップリングがさらに設けられ、
前記ラップリングは前記載置リングに積層され、且つ、前記ラップリングと前記ベース本体の外周壁との間に隙間を有することによって前記第1ガス均一化空間を形成する。
【0020】
任意選択的に、前記ラップリングと前記載置リングの互いに積層される2つの面の間に位置決め構造が設けられ、前記位置決め構造は位置決め凸部と位置決め凹部を含み、前記位置決め凸部は、前記ラップリングと前記載置リングの相対位置を規制するように、前記位置決め凹部に嵌合される。
【0021】
任意選択的に、前記ベース本体の外周壁における前記載置リングと前記カバーリングとの間には、突出したガス制限リングが設けられ、前記ガス制限リングと前記カバーリングとの間に隙間を有することによってガス制限流路を形成し、前記ガス制限流路は前記エアブロー流路と前記第1ガス均一化空間を連通することに用いられる。
【0022】
任意選択的に、前記ガス制限流路の通気断面は前記エアブロー流路の通気断面よりも小さく、且つ、前記エアブロー流路の通気断面は前記第1ガス均一化空間の通気断面よりも小さく、
前記接続流路の通気断面は前記ガス制限流路の通気断面よりも大きい。
【0023】
任意選択的に、前記ベース、前記キャリア及び前記ストッパリング構造は、いずれも窒化アルミニウムセラミック材質で作製される。
【0024】
別の技術的解決手段として、本願の実施例は、プロセスチャンバーと、本願の実施例に係る上記載置装置と、を含み、前記載置装置は前記プロセスチャンバー内に設けられる半導体プロセス機器をさらに提供する。
【0025】
本願の実施例に係る技術的解決手段の有益な技術的効果は以下のとおりである。
【0026】
本願の実施例に係る載置装置は、ベースの外周にストッパリング構造が嵌設され、該ストッパリング構造の内周壁とベースの外周壁との間にエアブロー流路及び第1ガス均一化空間が形成され、及び、ベースとキャリアとの間にガス流路構造が形成され、該ガス流路構造はベースにおける接続通路を介してパージガスを第1ガス均一化空間に輸送することに用いられ、該第1ガス均一化空間はパージガスを均一化することに用いられ、均一化された後のパージガスがエアブロー流路を介して吹き出され、これによりウェハの底面及び側面をパージする。上記第1ガス均一化空間を利用してパージガスを均一化することにより、ガスがエアブロー流路から均一に吹き出すことができ、それにより、エッジエアブローのウェハの底面と側面の気流場に対する影響が同様であることが確保され得て、さらにプロセス成膜の整合性が大幅に向上し、プロセスの歩留まりが大幅に向上する。また、エアブロー流路及び第1ガス均一化空間は、いずれもベースとストッパリング構造の間に形成され、及び、ガス流路構造はベースとキャリアの間に形成されることにより、構造が簡単であって加工製造しやすく、それにより、応用及び製造コストが大幅に低減される。
【0027】
本願の実施例に係る半導体プロセス機器は、本願の実施例に係る上記載置装置を採用することにより、製造コストを低減することができるだけでなく、プロセス成膜の整合性を向上させることができ、それにより、プロセスの歩留まりを大幅に向上させることができる。
【0028】
本願の付加的な態様及び利点は以下の説明において部分的に与えられ、これらは以下の説明から明らかになり、又は本願の実践によって了解される。
【0029】
本願の上記及び/又は付加的な態様及び利点は以下の図面を参照して実施例に対する説明から明らかになり且つ、理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本願の第1実施例に係る載置装置の1つの断面模式図である。
図2】本願の第1実施例に採用されるベースの底面構造図である。
図3】本願の第1実施例に係る載置装置の別の断面模式図である。
図4A】本願の第1実施例に係る載置装置とプロセスチャンバーの位置関係図である。
図4B】本願の第1実施例に採用される支持軸の上面構造図である。
図5】本願の第1実施例に係る載置装置の別の断面模式図である。
図6】本願の第1実施例に採用されるベースの上面構造図である。
図7】本願の第1実施例に採用されるキャリアの上面構造図である。
図8図1における載置装置の部分断面模式図である。
図9A】本願の第1実施例に係る第2ガス均一化空間の気流場のシミュレーション結果の模式図である。
図9B】本願の第1実施例に係る第1ガス均一化空間の気流場のシミュレーション結果の模式図である。
図9C】本願の第1実施例に係るガス制限流路の気流場のシミュレーション結果の模式図である。
図9D】本願の第1実施例に係るエアブロー流路の気流場のシミュレーション結果の模式図である。
図10】本願の第2実施例に係る載置装置の断面模式図である。
図11】本願の第2実施例に係る載置装置の一部を拡大した断面模式図である。
図12】本願の第2実施例に係る載置装置の一部を拡大した別の断面模式図である。
図13】本願の第2実施例に採用されるベースの底面構造図である。
図14】本願の第2実施例に採用されるキャリアの上面構造図である。
図15】本願の第2実施例に採用されるキャリアの別の上面構造図である。
図16A】本願の第2実施例に係る第2ガス均一化空間の気流場のシミュレーション結果の模式図である。
図16B】本願の第2実施例に係る第1ガス均一化空間の気流場のシミュレーション結果の模式図である。
図16C】本願の第2実施例に係るガス制限流路の気流場のシミュレーション結果の模式図である。
図16D】本願の第2実施例に係るエアブロー流路の気流場のシミュレーション結果の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下は、本願について詳細に説明し、本願の実施例の例は図面に示され、終始同一又は類似の符号は、同一又は類似の部材、又は同一又は類似の機能を有する部材を示す。また、本願の特徴を示すことには従来技術の詳細な説明を必要としない場合、その説明を省略する。以下は、図面を参照して説明された実施例は、例示的なものであり、本願を説明することに用いられるだけであり、本願を限定するものと解釈することはできない。
【0032】
当業者であれば理解されるように、特に定義しない限り、ここで使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本願の属する分野における当業者の一般的な理解と同じ意味を有する。また、一般的な辞書に定義されているような用語は、従来技術の文脈と同じ意味を持つものとして理解されるべき、ここのように特に定義されていない限り、理想的な意味や本格的な意味で解釈されることはない。
【0033】
以下は、特定の実施例で本願の技術的解決手段及び本願の技術的解決手段が上記技術的課題をどのように解決するかについて詳細に説明する。
【0034】
第1実施例
本願の実施例は、半導体プロセス機器の載置装置を提供し、それはプロセスチャンバー(例えば、図4Aに示すプロセスチャンバー7)内に設けられ、該載置装置の構造模式図は、図1に示すように、ベース1と、キャリア2と、ストッパリング構造3とを含み、ベース1の上面はウェハ100を載置することに用いられ、任意選択的に、該ベース1はベース本体14を含み、該ベース本体14の上面はウェハ100を載置することに用いられ、ストッパリング構造3はベース1の外周に嵌設され、ウェハ100の位置を規制することに用いられ、且つ、ストッパリング構造3の内周壁とベース1の外周壁との間にエアブロー流路51及び第1ガス均一化空間52が形成され、該第1ガス均一化空間52はエアブロー流路51に連通しており、キャリア2とベース1は互いに積層されて、キャリア2はベース1の下方に位置し、且つ、キャリア2とベース1との間にガス流路構造4が設けられ、ベース1に接続流路15が設けられ、ガス流路構造4は接続流路15を介して第1ガス均一化空間52に連通しており、ガス流路構造4は、接続流路15を介してパージガスを第1ガス均一化空間52に輸送することに用いられ、第1ガス均一化空間52は、流れるパージガスを均一化することに用いられ、エアブロー流路51は、ウェハ100の底面及び側面(即ち、ウェハ100のエッジにある露出している部分)をパージするために、均一化されたパージガスを吹き出すためのものである。
【0035】
図1に示すように、半導体プロセス機器は、ウェハ100に対して化学気相堆積プロセスを実行することに用いることができるが、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。ベース1は、セラミック材質で円盤状構造として作製することができ、ベース1の上面はウェハ100を載置することに用いることができ、且つ、ベース1の上面の直径がウェハ100の直径よりも小さいことが可能である。任意選択的に、ベース1には、高周波電源と電気的に接続し、又は接地するための高周波接地電極101がさらに設けられる。キャリア2は、セラミック材質で円盤形板状構造として作製することができ、キャリア2は、ベース1の底部に積層して設けられ、支持軸6を介してプロセスチャンバー内に設けられ、該支持軸6は昇降可能であってもよく、且つ、支持軸6の下端がプロセスチャンバーの底部から延出することができ、これにより外部の昇降駆動源に接続することができ、また、支持軸6には、支持軸6とプロセスチャンバーとの間の隙間をシールするためのベローズが嵌設され、それにより、プロセスチャンバーの密封性が確保される。任意選択的に、キャリア2内には、ウェハ100を加熱するための加熱管21が設けられてもよく、しかも、それぞれキャリア2の異なる領域に対応して加熱管21が設けられてもよく、例えば、図1に示すように、該加熱管21は、2つあり、それぞれキャリア2の中央領域とエッジ領域に対応して設けられ、これによりパーティション温度制御が実現される。しかも、キャリア2とベース1との間にガス流路構造4が設けられてもよく、該ガス流路構造4は、ガス源に接続してパージガスを導入し、該パージガスを第1ガス均一化空間52に輸送することに用いられる。ストッパリング構造3は、セラミック材質でスリーブ構造として作製することができ、ストッパリング構造3は、ウェハ100のベース1での位置を規制するために、ベース1の外周に嵌設されてもよいが、本願の実施例はこれに限定されるものではない。ストッパリング構造3の内周壁とベース1の外周壁との間には、エアブロー流路51及び第1ガス均一化空間52が形成されてもよく、例えば、エアブロー流路51と第1ガス均一化空間52は、上から下まで順に設けられ、且つ、第1ガス均一化空間52は、頂部がエアブロー流路51に連通して設けられ、底部が接続流路15を介してガス流路構造4に連通しており、ガス流路構造4によって導入されたパージガスを均一化することに用いられ、エアブロー流路51は、ウェハ100の底面及び側面をパージするために、均一化されたパージガスを吹き出すためのものである。ベース1の上面の直径がウェハ100の直径よりも小さいため、エアブロー流路51から吹き出されたパージガスがウェハ100の底面及び側面の露出領域を流れることができ、それにより、ウェハ100の底面及び側面を均一にパージすることが実現される。
【0036】
本願の実施例に係る載置装置では、ベース1の外周にストッパリング構造3が嵌設され、該ストッパリング構造3の内周壁とベース1の外周壁との間には、エアブロー流路51及び第1ガス均一化空間52が形成され、及び、ベース1の底面とキャリア2の上面との間にはガス流路構造4が形成され、該ガス流路構造4は、パージガスをベース1における接続通路15を介して第1ガス均一化空間52に輸送することに用いられ、該第1ガス均一化空間52によって、入ったパージガスがベース1の周方向に沿ってより速く拡散することができ、それにより、パージガスを均一化する役割を果たし、ウェハ100の底面及び側面をパージするように、均一化されたパージガスがエアブロー流路を介して吹き出される。上記第1ガス均一化空間52を利用してパージガスを均一化することにより、ガスがエアブロー流路51から均一に吹き出すことができ、それにより、エッジエアブローのウェハ100の底面と側面の気流場に対する影響が同様であることを確保することができ、さらにプロセス成膜の整合性が大幅に向上し、プロセスの歩留まりが大幅に向上する。また、エアブロー流路51及び第1ガス均一化空間52は、いずれもベースとストッパリング構造との間に形成され、及び、ガス流路構造はベースとキャリアの間に形成されることにより、構造が簡単であって加工製造しやすく、それにより、応用及び製造コストが大幅に低減される。
【0037】
本願の一実施例では、図1及び図2に示すように、ガス流路構造4は、ガス案内流路構造と、第2ガス均一化空間41とを含み、ガス案内流路構造は第2ガス均一化空間41に連通しており、該第2ガス均一化空間41は上記接続流路15を介して第1ガス均一化空間52に連通しており、任意選択的に、第2ガス均一化空間41は、環状であり、垂直方向において第1ガス均一化空間52と対向して設けられ、しかも、第2ガス均一化空間41の体積は第1ガス均一化空間52の体積よりも大きい。上記ガス案内流路構造は、パージガスを第2ガス均一化空間41に輸送することに用いられ、該第2ガス均一化空間41は、流れるパージガスを均一化することに用いられる。具体的には、ガス案内流路構造から吹き出されたパージガスが、まず第2ガス均一化空間41を介して第1ガス均一化を行い、次に、第1ガス均一化空間52を介して第2ガス均一化を行い、最後にエアブロー流路51を介してウェハ100の底面及び側面へ吹き出される。上記設計を採用し、2級ガス均一化空間を介してパージガスに対してガス均一化を2回行うため、エアブロー流路51から吹き出されたパージガスがより均一になるようにし、それにより、ウェハのエッジパージ均一性がさらに向上し、ウェハのプロセス均一性がさらに向上し及びプロセスの歩留まりが向上する。
【0038】
また、上記第2ガス均一化空間41は第1ガス均一化空間52よりガス源に近く、パージガスが第2ガス均一化空間41に入る時に気流の速度が速く、不均一性が大きく、そのため、第2ガス均一化空間41の体積を第1ガス均一化空間52の体積よりも大きくすることにより、体積が大きい第2ガス均一化空間41を利用して第1ガス均一化を行うことができ、気流をよりよく緩衝することができ、このようにして、パージガスが第2ガス均一化空間41によって緩衝された後に第1ガス均一化空間52に入り、ガスがよりよく均一化され得て、パージガスの均一性が向上する。
【0039】
本願の一実施例では、図1及び図8に示すように、接続流路15の通気断面は、第1ガス均一化空間52及び第2ガス均一化空間41の通気断面よりも小さい。任意選択的に、接続流路15は、複数のベース1を貫通するガス制限孔を含み、複数のガス制限孔は、ベース1の周方向に沿って均等に配置され、各ガス制限孔の両端が、それぞれ第1ガス均一化空間52及び第2ガス均一化空間41に連通している。任意選択的に、各ガス制限孔は垂直方向においてベース1を貫通する。
【0040】
上記接続流路15はガス制限孔を採用することにより、本願の実施例では、加工しやすく、それにより、加工の歩留まりが大幅に向上し、さらに応用及びメンテナンスコストが低減される。さらに、上記接続流路15の通気断面(即ち、各ガス制限孔の通気断面)は第1ガス均一化空間52及び第2ガス均一化空間41の通気断面よりも小さく、即ち、接続流路15の気流方向に接する断面は、第1ガス均一化空間52及び第2ガス均一化空間41の気流方向に接する断面よりも小さい。このように、上記接続流路15は、第2ガス均一化空間41から搬出されたパージガスに対して増圧作用を行うことができ、第1ガス均一化空間52のガス均一化作用と組み合わせて、パージガスの均一性をさらに向上させることができ、それにより、ウェハ100の均一性及びプロセスの歩留まりが向上する。
【0041】
本願の実施例では、図2及び図3に示すように、上記ガス案内流路構造は、少なくとも1つのガス案内流路44及び少なくとも1つのキャリア2を貫通する通気孔22を含み、各通気孔22は、少なくとも1つのガス案内流路44の吸気端44aに連通しており、通気孔22はパージガス源に連通することに用いられ、上記各通気孔22を利用し、パージガスを少なくとも1つのガス案内流路44に導入することができるだけでなく、パージガスを同時に各ガス案内流路44の吸気端44aに輸送することができ、それにより、パージガスの均一性を保証することができる。
【0042】
ガス案内流路44の排気端44bは、第2ガス均一化空間41の周方向に沿って間隔をあけて均等に設けられ、いずれも第2ガス均一化空間41に連通している。例えば、図3に示すように、通気孔22は2つあり、任意選択的に、2つの通気孔22は、ベース1の中心位置に位置し又は近接し、パージガス源に連通することに用いられ、各通気孔22は、4つのガス案内流路44の吸気端44aに連通しており、即ち、4つのガス案内流路44の吸気端44aは、同一の通気孔22に集合してそれに連通している。4つのガス案内流路44は第2ガス均一化空間41の周方向に沿って間隔をあけて設けられ、且つ、4つのガス案内流路44の排気端44bは、いずれも上記第2ガス均一化空間41に連通している。上記構造を採用することにより、ガス案内流路構造は、ベース1に近い中心位置から異なる方向に沿ってベース1のエッジ位置へパージガスを輸送し、第2ガス均一化空間41の周方向における異なる位置に到達させることができ、それにより、パージガスの経路を短縮し、パージガスの流動速度を向上させることができるだけでなく、パージガスの均一性を向上させることができる。
【0043】
好ましい実施例として、図2に示すように、そのうちの1つの通気孔22に連通する4つのガス案内流路44と他の通気孔22に連通する4つのガス案内流路44は、ベース1の軸線に対して対称的に分布することができ、且つ、全てのガス案内流路44(即ち、8つのガス案内流路44)の長さがほぼ同じであり、且つ、全てのガス案内流路44の排気端44b(即ち、8つの排気端44b)が第2ガス均一化空間41の周方向に沿って均等に分布する。このように、吸気端44aから各ガス案内流路44に流入したパージガスが同じ長さの経路に沿って各排気端44bに同時に流すことができ、しかも各排気端44bから第2ガス均一化空間41に均一に流入することができ、それにより、パージガスの均一性をさらに向上させることができる。当然のことながら、実際の応用には、ガス案内流路群は3群又は複数群であってもよく、しかも、本願の実施例は、通気孔22、ガス案内流路44の数及び配置方式を限定せず、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【0044】
本願の実施例では、図2に示すように、ベース1のキャリア2に向かう面(即ち、底面14a)には、環状溝及び複数の直線溝が開けられ、該環状溝がキャリア2のベース1に向かう面(即ち、上面)に嵌合されて上記第2ガス均一化空間41を形成し、且つ、各直線溝がキャリア2のベース1に向かう面(即ち、上面)に嵌合されて上記ガス案内流路44を形成する。しかし、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、キャリア2のベース1に向かう面(即ち、上面)には、環状溝及び複数の直線溝が開けられてもよく、該環状溝がベース1のキャリア2に向かう面(即ち、底面14a)に嵌合されて上記第2ガス均一化空間41を形成し、各直線溝がベース1のキャリア2に向かう面(即ち、底面14a)に嵌合されて上記ガス案内流路44を形成する。又は、ベース1のキャリア2に向かう面と(即ち、底面14a)及びキャリア2のベース1に向かう面(即ち、上面)の両方には、環状溝及び複数の直線溝が開けられてもよく、ベース1のキャリア2に向かう面(即ち、底面14a)における環状溝と、キャリア2のベース1に向かう面における環状溝とが、嵌合して第2ガス均一化空間41を形成し、且つ、ベース1のキャリア2に向かう面(即ち、底面14a)における各直線溝と、キャリア2のベース1に向かう面(即ち、上面)における各直線溝とが、嵌合してガス案内流路44を形成する。
【0045】
本願の一実施例では、図3図4A及び図4Bに示すように、載置装置は、支持軸6をさらに含み、該支持軸6は、キャリア2の下方に位置し、キャリア2を支持することに用いられ、任意選択的に、図4Aに示すように、プロセスチャンバー7の底部に貫通孔71が設けられ、昇降駆動源(図示せず)に接続できるように、支持軸6の下端が貫通孔71を通過してプロセスチャンバー7の外部まで延びる。また、プロセスチャンバー7の外部にベローズ9がさらに設けられ、該ベローズ9は支持軸6に嵌設され、且つ、ベローズ9の下端が下部フランジ8に密封接続され、ベローズ9の上端が上部フランジ10を介してプロセスチャンバー7の底部に密封接続され、上記ベローズ9は、上記貫通孔71の密封に用いられ、それにより、プロセスチャンバー7内部の密封性を保証することができる。
【0046】
また、支持軸6のキャリア2に向かう面(即ち、上面6a)には、第1ガス均一化流路構造が設けられる。該第1ガス均一化流路構造は各通気孔22の吸気端に対応して連通しており、且つ、第1ガス均一化流路構造はパージガス源に連通している。第1ガス均一化流路構造は、流れるパージガスに対してガス均一化効果を果たすことに用いられる。いくつかの実施例では、上記第1ガス均一化流路構造は少なくとも1つの第1円弧状流路61を含み、且つ、該第1円弧状流路61は支持軸6の周方向に沿って延在し、各第1円弧状流路61は、いずれもそのうちの2つの通気孔22に対応して設けられ、2つの通気孔22の吸気端は、それぞれ第1円弧状流路61の両端61aに連通しており、第1円弧状流路61は、中点位置においてパージガス源に連通している吸気口61bが設けられる。パージガス源から供給されたパージガスが、まず第1円弧状流路61の吸気口61bから第1円弧状流路61に入り、次に同時に第1円弧状流路61の両端61aに分流し、さらにそれぞれ対応する2つの通気孔22を介して対応するガス案内流路44に流入する。上記第1円弧状流路61は、流れるパージガスに対してガス均一化効果を果たすことができるだけでなく、パージガスの各通気孔22に流れる経路を同じにすることができ、それにより、パージガスの分配を均一化にすることが実現され、また、支持軸6のキャリア2に向かう面(即ち、上面6a)とキャリア2の底面との間に少なくとも1つの第1円弧状流路61が設けられることにより、構造をさらに簡略化し、加工製造の難易度を低減することができ、それにより、応用及び製造コストが大幅に低下する。
【0047】
なお、本実施例では、通気孔22は合計2つあり、この場合には、2つの通気孔22に対応して1つの第1円弧状流路61が設けられ、しかし、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、実際の応用には、通気孔21の具体的な数に基づき、第1円弧状流路61の数及び配置方式を設定することができ、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【0048】
本願の実施例では、図4図5及び図6に示すように、載置装置の真空吸着機能を実現するために、ベース1(例えばベース本体14)には、複数のベース1を貫通する第1吸着孔16がさらに設けられ、例えば、図6には4つの第1吸着孔16が示され、且つ、複数の第1吸着孔16はベース1の周方向に沿って均等に分布し、しかも、図7に示すように、キャリア2には、キャリア2を貫通する複数の第2吸着孔23が設けられ、第2吸着孔23と第1吸着孔16とは、数が同じであり、1対1に対応して設けられる。また、図4Bに示すように、支持軸6のキャリア2に向かう面(即ち、上面6a)には、第2ガス均一化流路構造がさらに設けられ、該第2ガス均一化流路構造は各第2吸着孔23の吸気端に対応して連通しており、第2ガス均一化流路構造は真空吸着装置に連通している。第2ガス均一化流路構造は、流れるガスに対してガス均一化効果を果たすことに用いられる。いくつかの任意選択的な実施例では、上記第2ガス均一化流路構造は少なくとも1つの第2円弧状流路62を含み、且つ、第2円弧状流路62は支持軸6の周方向に沿って延在し、図5に示すように、各第2円弧状流路62は、いずれもそのうちの2つの第2吸着孔23に対応して設けられ、2つの第2吸着孔23の吸気端は、それぞれ第2円弧状流路62の両端62aに連通しており、第2の円弧状流路62は、中点位置において真空吸着装置に連通している吸気口が設けられる。第2吸着孔23が4つであることを例とし、図4に示すように、2つずつの第2吸着孔23は1つの第2円弧状流路62に対応し、合計2つの第2円弧状流路62を有し、両者はベース1の軸線に対して対称的に分布しており、この場合には、上記第2ガス均一化流路構造は、第3円弧状流路63をさらに含み、該第3円弧状流路63は支持軸6の周方向に沿って延び、且つ、第3円弧状流路63の両端63aがそれぞれ2つの第2円弧状流路62の中点位置において2つの第2円弧状流路62に連通しており、第3円弧状流路63は、中点位置において真空吸着装置に連通している。第3円弧状流路63は、例えば、1本のストレート通路64を介して真空吸着装置に連通することができ、該ストレート通路64の排気端64aが第3円弧状流路63の中点位置に接続され、ストレート通路64の吸気端64bが真空吸着装置に連通している。なお、本実施例では、第2吸着孔23は合計4つあり、この場合には、4つの第2吸着孔23に対応して2つの第2円弧状流路62及び1つの第3円弧状流路63が設けられ、しかし、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、実際の応用には、第2吸着孔23の具体的な数に基づき、第2円弧状流路62及び第3円弧状流路63の数及び配置方式を設定することができ、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。また、第2円弧状流路62が1つであれば、第3円弧状流路63を省略することができる。第1円弧状流路61、第2円弧状流路62及び第3円弧状流路63を併用することにより、真空吸着ガス流路とエッジパージガス流路との間の分離を実現できるだけでなく、パージ気流と真空吸着気流の分配を均一化にすることが実現できる。
【0049】
本願の一実施例では、図1及び図8に示すように、ストッパリング構造3は環状本体33を含み、該環状本体33の内周壁には、ベース1(例えばベース本体14)へ突出するカバーリング31が設けられ、該カバーリング31の内周壁とベース1の外周壁との間に隙間を有することによって、エアブロー流路51を形成する。具体的には、環状本体33は円形スリーブ構造を採用することができ、環状本体33の内周壁の頂部には、カバーリング31が一体に形成されてもよく、該カバーリング31の内周壁は、ベース1の外周壁を取り囲み、且つ、両者の間に隙間を有し、該隙間が環状のエアブロー流路51を形成することに用いられ、ベース1の上面の直径がウェハ100の直径よりも小さいため、エアブロー流路51から吹き出されたパージガスがウェハ100の底面及び側面の露出領域を流れることができ、且つ、エアブロー流路51は環状であってベース1の周方向に沿って周設されるため、パージガスが周方向に同時にエアブロー流路51から吹き出すことができ、それにより、ウェハ100の底面及び側面を均一にパージすることが実現される。上記設計を採用することにより、本願の実施例は構造が簡単であるだけでなく、構造が簡単であるため載置装置の歩留まりを大幅に向上させることができ、それにより、応用及びメンテナンスコストがさらに低減される。なお、本願の実施例は、カバーリング31とストッパリング構造3の具体的な実施形態を限定するものではなく、例えば、両者は、別体構造であり、溶接で固定接続される。したがって、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【0050】
本願の一実施例では、図1図8に示すように、ベース本体14の外周壁には、環状本体33の内周壁へ突出する載置リング11が設けられ、環状本体33の内周壁におけるカバーリング31の下方に位置する領域には、ベース本体14へ突出するラップリング32がさらに設けられ、ラップリング32は載置リング11に積層され、且つ、ラップリング32とベース本体14の外周壁との間に隙間を有することによって、第1ガス均一化空間52を形成する。具体的には、ラップリング32の内径がカバーリング31の内径よりも大きく、即ち、カバーリング31とラップリング32は、いずれも環状本体33の内周壁に一体成形され、段差構造を構成する。さらに、ストッパ構造によってラップリング32と載置リング11との間の相対位置を規制することができ、例えば、両者間は、ピンで固定することができる。上記設計を採用し、本願の実施例は、簡単な構造を用いて第1ガス均一化空間52を形成することができ、加工製造しやすいだけでなく、本願の実施構造を安定させて耐用年数を延長する。なお、本願の実施例は、第1ガス均一化空間52の具体的な実施形態を限定するものではなく、例えば、環状本体33の内周壁に溝が開けられ、又は、ベース本体14の外周壁に溝が開けられ、2つの溝が単独で又は互いに嵌合して第1ガス均一化空間52を形成する。したがって、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【0051】
本願の一実施例では、図1図8に示すように、ベース本体14の外周壁における載置リング11とカバーリング31との間には、突出したガス制限リング12がさらに設けられ、該ガス制限リング12とカバーリング31との間に隙間を有することによってガス制限流路53を形成し、該ガス制限流路53は、エアブロー流路51と第1ガス均一化空間52を連通することに用いられる。具体的には、ベース本体14の外周壁には、ガス制限リング12がさらに一体に形成され、該ガス制限リング12は載置リング11の頂部に位置してもよく、且つ、外径が載置リング11の外径よりも小さく、即ち、ベース本体14の外周壁には上から下へ2段の段差を形成し、ガス制限リング12の上面と載置リング11の上面はそれぞれ2段の段差の段差面であり、これにより本願の実施例の構造が簡単になる。さらに、ラップリング32の内周壁、載置リング11の上面、ガス制限リング12の外周壁及びカバーリング31の底面は、共同で嵌合して第1ガス均一化空間52を形成し、且つ、カバーリング31の底面とガス制限リング12の上面との間には、ガス制限流路53を形成するための隙間を有す。該ガス制限流路53は、一端が第1ガス均一化空間52に連通しており、他端がエアブロー流路51の底部に連通している。ガス制限流路53により、第1ガス均一化空間52から流出したパージガスに対して増圧によるガス制限を行うことができ、これによりパージガスの第1ガス均一化空間52におけるガス均一化時間が増加し、ガス均一化効果が向上し、それにより、エアブロー流路51のパージ均一性がさらに向上し、ウェハの均一性及びプロセスの歩留まりがさらに向上する。なお、本願の実施例はガス制限流路53の具体的な実施形態を限定するものではなく、例えば、第1ガス均一化空間52内の圧力を増加するように、エアブロー流路51と第1ガス均一化空間52との連通箇所に遮断構造が設けられてもよく、それにより、ガス均一化効果が向上する。したがって、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【0052】
本願の一実施例では、図8に示すように、ガス制限流路53の通気断面がエアブロー流路51の通気断面よりも小さく、且つ、エアブロー流路51の通気断面が第1ガス均一化空間52の通気断面よりも小さい。具体的には、ガス制限流路53の通気断面がエアブロー流路51の通気断面よりも小さく、エアブロー流路51の通気断面が第1ガス均一化空間52の通気断面よりも小さく、具体的には、該通気断面は、気流方向に接する断面であり、第1ガス均一化空間52の気流圧力を大きくし、それにより、ガス均一化効率及びガス均一化効果がさらに向上する。また、任意選択的に、接続流路15の通気断面は、第1ガス均一化空間52及び第2ガス均一化空間41の通気断面よりも小さくてガス制限流路53の通気断面よりも大きいようにしてもよい。このように、第2ガス均一化空間41に対して増圧及びガス均一化を行うとともに、気流速度を向上させることができ、それにより、エッジパージ効率が向上する。実際に応用する時に、接続流路15により、第2ガス均一化空間41内のパージガスに対して増圧及びガス均一化を行い、その後、ガスが接続流路15を介して第1ガス均一化空間52内に入り、この時に、ガス制限流路53は第1ガス均一化空間52内のパージガスに対して増圧及びガス均一化を行うことに用いられ、最後に、ガス制限流路53及びエアブロー流路51を介してウェハ100の底面及び側面をパージする。第1ガス均一化空間52、第2ガス均一化空間41、接続流路15及びガス制限流路53を併用することにより、2級増圧及びガス均一化を実現することができ、それにより、パージガスの均一性がさらに向上し、さらにウェハ100の均一性及びプロセスの歩留まりが向上する。
【0053】
本願の第1実施例の有益な効果をさらに説明するために、以下は図9A図9Dを参照して本願の具体的な実施形態に対してシミュレーション試験を行う。具体的には、例として2つの通気孔22及び8つのガス案内流路44を選択して気流場のシミュレーションを行い、具体的なシミュレーション結果は図9Aに示すように、パージガスが各通気孔22を介して各ガス案内流路44内に入る速度が速く、第2ガス均一化空間41に到達した後にガスが均一化されるが、シミュレーション結果から、第2ガス均一化空間41内の気流分布が完全に均一ではなく、即ち、ガス案内流路44の排気口での気流速度が大きく、ガス案内流路44の排気口から離れる箇所での気流速度が小さく、第2ガス均一化空間41の異なる領域の流速の差が大きく、気流が不均一であることがわかる。パージガスが第2ガス均一化空間41を介して均一化された後、接続流路15における各ガス制限孔を介してガス制限されて増圧された後に第1ガス均一化空間52に入り、第1ガス均一化空間52に到達して第2ガス均一化を行い、該第1ガス均一化空間52内の気流場のシミュレーション結果は図9Bに示すように、第1ガス均一化空間52内に気流速度の差が小さくなり、気流が比較的均一になり、これにより第2ガス均一化空間41に比べて第1ガス均一化空間52内の気流均一性が改善され、気流が比較的均一になる。パージガスがガス制限流路53を介して第2ガス制限増圧を行い、該ガス制限流路53の気流場のシミュレーション結果は図9Cに示すように、気流はガス制限流路53内の流速がほぼ一致し、流速の差が小さく、エアブローが均一になり、図9Cの黒色の部分に示される。パージガスがエアブロー流路51に到達した後に、気流場のシミュレーション結果は、図9Dに示すように、エアブロー流路51における気流の流速がほぼ一致し、それにより、エアブロー流路51がウェハのエッジを均一にエアブローするようにする。
【0054】
本願の一実施例では、ベース1、キャリア2及びストッパリング構造3は、いずれも窒化アルミニウムセラミック材質を採用する。具体的には、基板、キャリア2及びストッパリング構造3はいずれも窒化アルミニウムセラミック材質を採用することにより、本願の実施例はウェハ100のエッジを均一にパージすることを実現するとともに、載置装置は、耐高温で、粒子汚染が小さく、金属汚染が大幅に低下するという利点を有し、それにより、ウェハのプロセス歩留まりを向上させることができるだけでなく、ウェハのプロセス均一性を大幅に向上させることができる。しかしながら、本願の実施例は、上記各部材の具体的な材質を限定するものではなく、例えば、上記要件を満たすことができれば、他のタイプのセラミック材質を採用してもよい。したがって、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【0055】
第2実施例
本願の実施例に係る半導体プロセス機器の載置装置は、上記第1実施例に比べ、同様にベース1と、キャリア2と、ストッパリング構造3とを含み、これらの部材の構造及び機能は上記第1実施例と同様であり、以下、本実施例と上記第1実施例との違いのみを詳細に説明する。
【0056】
具体的には、図10に示すように、本実施例では、ベース1内には、ウェハ100を加熱するための加熱管13が設けられ、そして、ベース1の異なる領域に対応してそれぞれ加熱管13が設けられてもよく、例えば、図10に示すように、該加熱管13は2つあり、それぞれベース1の中心領域とエッジ領域に対応して設けられ、それにより、パーティション温度制御を実現する。
【0057】
本願の一実施例では、図11に示すように、カバーリング31の上面と内周面との接続箇所にガス案内溝311が設けられ、該ガス案内溝311は、環状であり、カバーリング31の周方向に沿って周設され、ガス案内溝311の底面はベース1(例えばベース本体14)の上面よりも低く、且つ、ガス案内溝311の周方向側面の直径がウェハ100の直径よりも大きく、ガス案内溝311は、エアブロー流路51から吹き出されたパージガスをウェハ100の底面及び側面に案内するように、エアブロー流路51に連通している。具体的には、カバーリング31の内周壁に近い箇所には、ガス案内溝311が開けられ、例えば、カバーリング31の上面と内周壁との間には、ガス案内溝311を形成するための開放式の溝が開けられる。さらに言えば、カバーリング31の上面はベース1の上面と面一に設けられ、ガス案内溝311の底面はベース1の上面よりも低く、即ち、ベース1の上面にウェハ100が載置される場合、ウェハ100がガス案内溝311によってその内側に規制され得て、且つ、それとウェハ100の底面及び側面との間には、案内隙間を形成する。エアブロー流路51のパージガスがウェハ100の底面にパージされる時に、ガス案内溝311の作用でパージガスがウェハ100の側面に案内され得て、それにより、背面めっき及び側面めっきを形成することを防止することができ、即ち、ウェハ100の底面及び側面に薄膜が堆積することを防止し、さらにウェハ100の歩留まりを向上させる。上記設計を採用することにより、気流場をより均一にすることができるだけでなく、ウェハ100のエッジエアブローをより均一にすることができ、それにより、ウェハ100の均一性がさらに向上し、及びプロセスの歩留まりが向上する。なお、本願の実施例は、ガス案内溝311を含まなければならないことに限定されず、例えば、カバーリング31の上面はベース1の上面よりも低いことにより、カバーリング31とウェハ100の底面との間に隙間を有し、これによりガス案内溝311に類似する機能が実現される。したがって、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【0058】
本願の実施例では、図11に示すように、ラップリング32と載置リング11の互いに積層される2つの面の間に位置決め構造が設けられ、該位置決め構造は位置決め凸部と位置決め凹部を含み、両者は、ラップリング32と載置リング11の相対位置を規制するように嵌合されて、それにより、ストッパリング構造3とベース1の位置決めが実現される。具体的には、上記位置決め凸部は、例えばラップリング32の底面に突設された位置決めバンプ321であり、上記位置決め凹部は、例えば載置リング11の上面に開けられる位置決め溝111であり、位置決めバンプ321は、ストッパリング構造3とベース1との間の相対位置を規制するように、位置決め溝111に嵌合される。
【0059】
任意選択的に、上記位置決め凸部は複数であり、例えば3つであり、且つ、複数の位置決め凸部は、載置リング11の周方向に沿って均等で間隔をあけて分布し、前記位置決め凹部と位置決め凸部とは、数が同じであり、1対1に対応して設けられる。上記設計を採用することにより、ストッパリング構造3とベース1との間の安定性を向上させることができるだけでなく、加工難易度を低減することができ、それにより、耐用年数が延長されるとともに、着脱メンテナンスコストが大幅に低減される。なお、本願の実施例は位置決め構造の具体的な実施形態を限定するものではなく、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【0060】
本願の実施例では、図11及び図13に示すように、接続流路15における各ガス制限孔は、いずれもストレート貫通孔であり、しかし、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、例えば、図12に示すように、接続流路15における各ガス制限孔は、垂直方向において順次設けられた第1ストレート貫通孔151及び第2ストレート貫通孔152を含み、第1ストレート貫通孔151は第2ストレート貫通孔152の上方に位置し、且つ、第1ストレート貫通孔151の直径が第2ストレート貫通孔152の直径よりも小さい。載置リング11の頂部に近い第1ストレート貫通孔151の直径が載置リング11の底部に近い第2ストレート貫通孔152の直径よりも小さく、即ち、接続流路15は異なる径構造を採用するため、直径が小さい第1ストレート貫通孔151はパージガスの流速をさらに低減することができ、パージガスの第2ガス均一化空間41内における圧力及びガス均一化効果をさらに向上させ、それにより、エッジパージの均一性がさらに向上する。
【0061】
なお、本願の実施例は接続流路15における各ガス制限孔の具体的な構造を限定するものではなく、例えばガス制限孔は、第2ガス均一化空間41に対して増圧によるガス制限を行うように、多段の段付き孔であってもよく、又はテーパ孔であってもよく。したがって、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【0062】
本願の一実施例では、図11及び図14に示すように、各通気孔22はキャリア2を貫通して設けられ、例えば、キャリア2の中部位置に2つの通気孔22が開けられてもよく、各通気孔22は3つのガス案内流路44を介して第2ガス均一化空間41に直線的に連通するようにしてもよい。3つのガス案内流路44は、一端が通気孔22に連通して設けられ、他端が第2ガス均一化空間41に連通しており、且つ、ガス案内流路44は、直線連通の形態を採用して通気孔43及び第2ガス均一化空間41に連通するようにしてもよい。上記設計を採用することにより、複数の通気孔22はいずれも複数のガス案内流路44を介して第2ガス均一化空間41に連通するため、パージガスの経路が短く、均一性が相対的に好ましく、それにより、パージガスの流動速度を向上させることができるだけでなく、本願の実施する応用及びメンテナンスコストを大幅に向上させることができる。なお、本願の実施例は、通気孔22及びガス案内流路44の数及び位置を限定するものではなく、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【0063】
本願の一実施例では、図15に示すように、通気孔22は、キャリア2の中央位置の片側に1つ設置されてもよく、3つのガス案内流路44の一端は、いずれも通気孔22に連通しており、及び、3つのガス案内流路44の他端は、いずれも第2ガス均一化空間41に連通しており、周方向に沿って間隔をあけて配置される。キャリア2がセラミック材質で製造されるため、通気孔22の数が減少して、キャリア2の歩留まりをさらに向上させることができ、それにより、本願の実施例の応用及びメンテナンスコストがさらに低減される。
【0064】
本願の実施例では、図14に示すように、キャリア2のベース1に向かう面(即ち、上面)に環状溝及び複数の直線溝が開けられ、該環状溝がベース1のキャリア2に向かう面(即ち、底面)に嵌合されて上記第2ガス均一化空間41を形成し、各直線溝がベース1のキャリア2に向かう面(即ち、底面)に嵌合されて上記ガス案内流路44を形成する。具体的には、キャリア2のベース1に向かう面(即ち、上面)には、環状溝が開けられてもよく、該環状溝はキャリア2と同軸に設けられ、キャリア2のエッジに近接して設けられる。キャリア2がベース1の底部に積層される時、環状溝と、ベース1のキャリア2に向かう面(即ち、底面)とが互いに嵌合して第2ガス均一化空間41を形成し、該設計を採用して本願の実施例の構造が簡単で加工製造しやすく、それにより、応用及びメンテナンスコストを大幅に低減する。さらに、キャリア2のベース1に向かう面(即ち、上面)にさらに複数の直線溝が設けられ、該直線溝は通気孔22及び環状溝の間に位置し、該直線溝はベース1のキャリア2に向かう面(即ち、底面)に嵌合されて複数のガス案内流路44を形成し、通気孔22と第2ガス均一化空間41を連通することに用いられる。該設計を採用することにより、本願の実施例を加工製造しやすく、それにより、応用及びメンテナンスコストが大幅に低減される。しかし、本願の実施例は、第2ガス均一化空間41及びガス案内流路44の具体的な構造を限定するものではなく、例えば、環状溝及び直線溝は、いずれもベース1のキャリア2に向かう面(即ち、底面)に形成され、又はベース1のキャリア2に向かう面(即ち、底面)及びキャリア2のベース1に向かう面(即ち、上面)の両方には、環状溝及び直線溝が形成される。したがって、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【0065】
本願の実施例の有益な効果をさらに説明するために、以下は図16A図16Dを参照して本願の具体的な実施形態に対してシミュレーション試験を行う。具体的には、例として2つの通気孔22及び6つのガス案内流路44を選択して気流場のシミュレーションを行い、具体的なシミュレーション結果は図16Aに示すように、パージガスが通気孔22を介してガス案内流路44内に入る速度が速く、第2ガス均一化空間41に到達した後にガス均一化されるが、シミュレーション結果から、第2ガス均一化空間41内の気流分布が完全に均一ではなく、即ちガス案内流路44の排気口での気流速度が大きく、ガス案内流路44の排気口から離れる箇所での気流速度が小さく、第2ガス均一化空間41の異なる領域の流速の差が大きく、気流が不均一である。パージガスが第2ガス均一化空間41を介して均一化された後、接続流路15における各ガス制限孔を介してガス制限されて増圧された後に第1ガス均一化空間52に入り、第1ガス均一化空間52に到達して第2ガス均一化を行い、該第1ガス均一化空間52内の気流場のシミュレーション結果は図16Bに示すように、第1ガス均一化空間52内に気流速度の差が小さくなり、気流が比較的均一になり、これにより第2ガス均一化空間41に比べて第1ガス均一化空間52内の気流均一性が改善され、気流が比較的均一になる。パージガスがガス制限流路53を介して第2ガス制限増圧を行い、該ガス制限流路53の気流場のシミュレーション結果は図16Cに示すように、気流はガス制限流路53内の流速がほぼ一致し、流速の差が小さく、エアブローが均一になり、図16Cの黒色の部分に示される。パージガスがエアブロー流路51に到達した後に、気流場のシミュレーション結果は、図16Dに示すように、エアブロー流路51における気流の流速がほぼ一致し、それにより、エアブロー流路51がウェハのエッジを均一にエアブローするようにする。
【0066】
以上をまとめると、本願の実施例に係る載置装置は、ベースの外周にストッパリング構造が嵌設され、該ストッパリング構造の内周壁とベースの外周壁との間にエアブロー流路及び第1ガス均一化空間が形成され、及び、ベースとキャリアとの間にガス流路構造が形成され、該ガス流路構造はベースにおける接続通路を介してパージガスを第1ガス均一化空間に輸送することに用いられ、該第1ガス均一化空間はパージガスを均一化することに用いられ、均一化された後のパージガスがエアブロー流路を介して吹き出され、これによりウェハの底面及び側面をパージする。上記第1ガス均一化空間を利用してパージガスを均一化することにより、ガスがエアブロー流路から均一に吹き出すことができ、それにより、エッジエアブローのウェハの底面と側面の気流場に対する影響が同様であることが確保され得て、さらにプロセス成膜の整合性が大幅に向上し、プロセスの歩留まりが大幅に向上する。また、エアブロー流路及び第1ガス均一化空間は、いずれもベースとストッパリング構造の間に形成され、及び、ガス流路構造はベースとキャリアの間に形成されることにより、構造が簡単であって加工製造しやすく、それにより、応用及び製造コストが大幅に低減される。
【0067】
同一の発明思想に基づいて、本願の実施例は半導体プロセス機器を提供し、プロセスチャンバー及び上記各実施例に係る載置装置を含む。例えば、図4Aに示すように、載置装置(ベース1及びキャリア2を含むがこれらに限定されない)はプロセスチャンバー7内に設けられ、ウェハを載置することに用いられる。
【0068】
本願の実施例に係る半導体プロセス機器は、それが本願の実施例に係る上記載置装置を採用することにより、製造コストを低減することができるだけでなく、プロセス成膜の整合性を向上させることができ、それにより、プロセスの歩留まりを大幅に向上させることができる。
【0069】
理解できるように、以上の実施形態は、本発明の原理を説明するために採用された例示的な実施形態にすぎないが、本発明はこれらに限定されない。当業者であれば、本発明の精神及び本質を逸脱せずに様々な変形及び改良を行うことができ、これらの変形及び改良も本発明の保護範囲とみなされる。
【0070】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などで指示される方位又は位置関係は、図示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明を容易にしたり簡略化したりするためのものであり、係る装置又は、素子が特定の方位を有したり、特定の方位で構成及び操作されたりすることを指示又は暗示しないため、本発明を限定するものではないと理解すべきである。
【0071】
用語「第1」、「第2」は、単に説明の目的に使用されるものであり、相対的な重要性を指示又は暗示せず、又は指示された技術的特徴の数を暗示しないと理解すべきである。これにより、「第1」、「第2」が限定された特徴は、明示的又は、暗黙的に1つ又は、複数の該特徴を含んでもよい。本発明の説明において、特に説明しない限り、「複数「の意味は、2つ又は、2つ以上である。
【0072】
なお、本願の説明において、特に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続又は一体的接続であってもよく、直接連結又は中間媒体を介する間接的連結であってもよく、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0073】
本明細書の説明において、具体的な特徴、構造、材料又は特徴は、任意の1つ又は複数の実施例又は例示において適切な方式で組み合わせることができる。
【0074】
以上は、本願の一部の実施形態に過ぎず、説明すべきことは、当業者であれば、本願の原理から逸脱せずに、いくつかの改良及び修飾を行うことができ、これらの改良及び修飾も本願の保護範囲と見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図16D
【手続補正書】
【提出日】2024-07-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
本願の実施例に係る載置装置は、ベースの外周にストッパリング構造が嵌設され、該ストッパリング構造の内周壁とベースの外周壁との間にエアブロー流路及び第1ガス均一化空間が形成され、及び、ベースとキャリアとの間にガス流路構造が形成され、該ガス流路構造はベースにおける接続流路を介してパージガスを第1ガス均一化空間に輸送することに用いられ、該第1ガス均一化空間はパージガスを均一化することに用いられ、均一化された後のパージガスがエアブロー流路を介して吹き出され、これによりウェハの底面及び側面をパージする。上記第1ガス均一化空間を利用してパージガスを均一化することにより、ガスがエアブロー流路から均一に吹き出すことができ、それにより、エッジエアブローのウェハの底面と側面の気流場に対する影響が同様であることが確保され得て、さらにプロセス成膜の整合性が大幅に向上し、プロセスの歩留まりが大幅に向上する。また、エアブロー流路及び第1ガス均一化空間は、いずれもベースとストッパリング構造の間に形成され、及び、ガス流路構造はベースとキャリアの間に形成されることにより、構造が簡単であって加工製造しやすく、それにより、応用及び製造コストが大幅に低減される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
本願の実施例に係る載置装置では、ベース1の外周にストッパリング構造3が嵌設され、該ストッパリング構造3の内周壁とベース1の外周壁との間には、エアブロー流路51及び第1ガス均一化空間52が形成され、及び、ベース1の底面とキャリア2の上面との間にはガス流路構造4が形成され、該ガス流路構造4は、パージガスをベース1における接続流路15を介して第1ガス均一化空間52に輸送することに用いられ、該第1ガス均一化空間52によって、入ったパージガスがベース1の周方向に沿ってより速く拡散することができ、それにより、パージガスを均一化する役割を果たし、ウェハ100の底面及び側面をパージするように、均一化されたパージガスがエアブロー流路を介して吹き出される。上記第1ガス均一化空間52を利用してパージガスを均一化することにより、ガスがエアブロー流路51から均一に吹き出すことができ、それにより、エッジエアブローのウェハ100の底面と側面の気流場に対する影響が同様であることを確保することができ、さらにプロセス成膜の整合性が大幅に向上し、プロセスの歩留まりが大幅に向上する。また、エアブロー流路51及び第1ガス均一化空間52は、いずれもベースとストッパリング構造との間に形成され、及び、ガス流路構造はベースとキャリアの間に形成されることにより、構造が簡単であって加工製造しやすく、それにより、応用及び製造コストが大幅に低減される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
なお、本実施例では、通気孔22は合計2つあり、この場合には、2つの通気孔22に対応して1つの第1円弧状流路61が設けられ、しかし、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、実際の応用には、通気孔22の具体的な数に基づき、第1円弧状流路61の数及び配置方式を設定することができ、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
本願の一実施例では、ベース1、キャリア2及びストッパリング構造3は、いずれも窒化アルミニウムセラミック材質を採用する。具体的には、ベース、キャリア2及びストッパリング構造3はいずれも窒化アルミニウムセラミック材質を採用することにより、本願の実施例はウェハ100のエッジを均一にパージすることを実現するとともに、載置装置は、耐高温で、粒子汚染が小さく、金属汚染が大幅に低下するという利点を有し、それにより、ウェハのプロセス歩留まりを向上させることができるだけでなく、ウェハのプロセス均一性を大幅に向上させることができる。しかしながら、本願の実施例は、上記各部材の具体的な材質を限定するものではなく、例えば、上記要件を満たすことができれば、他のタイプのセラミック材質を採用してもよい。したがって、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
本願の一実施例では、図11及び図14に示すように、各通気孔22はキャリア2を貫通して設けられ、例えば、キャリア2の中部位置に2つの通気孔22が開けられてもよく、各通気孔22は3つのガス案内流路44を介して第2ガス均一化空間41に直線的に連通するようにしてもよい。3つのガス案内流路44は、一端が通気孔22に連通して設けられ、他端が第2ガス均一化空間41に連通しており、且つ、ガス案内流路44は、直線連通の形態を採用して通気孔22及び第2ガス均一化空間41に連通するようにしてもよい。上記設計を採用することにより、複数の通気孔22はいずれも複数のガス案内流路44を介して第2ガス均一化空間41に連通するため、パージガスの経路が短く、均一性が相対的に好ましく、それにより、パージガスの流動速度を向上させることができるだけでなく、本願の実施する応用及びメンテナンスコストを大幅に向上させることができる。なお、本願の実施例は、通気孔22及びガス案内流路44の数及び位置を限定するものではなく、当業者は実際の状況に応じて自ら設定を調整することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
以上をまとめると、本願の実施例に係る載置装置は、ベースの外周にストッパリング構造が嵌設され、該ストッパリング構造の内周壁とベースの外周壁との間にエアブロー流路及び第1ガス均一化空間が形成され、及び、ベースとキャリアとの間にガス流路構造が形成され、該ガス流路構造はベースにおける接続流路を介してパージガスを第1ガス均一化空間に輸送することに用いられ、該第1ガス均一化空間はパージガスを均一化することに用いられ、均一化された後のパージガスがエアブロー流路を介して吹き出され、これによりウェハの底面及び側面をパージする。上記第1ガス均一化空間を利用してパージガスを均一化することにより、ガスがエアブロー流路から均一に吹き出すことができ、それにより、エッジエアブローのウェハの底面と側面の気流場に対する影響が同様であることが確保され得て、さらにプロセス成膜の整合性が大幅に向上し、プロセスの歩留まりが大幅に向上する。また、エアブロー流路及び第1ガス均一化空間は、いずれもベースとストッパリング構造の間に形成され、及び、ガス流路構造はベースとキャリアの間に形成されることにより、構造が簡単であって加工製造しやすく、それにより、応用及び製造コストが大幅に低減される。
【国際調査報告】