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特表2025-500549圧電層の移転のためのドナー基板の製造のためのプロセス及び支持基板への圧電層の移転のためのプロセス
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  • 特表-圧電層の移転のためのドナー基板の製造のためのプロセス及び支持基板への圧電層の移転のためのプロセス 図1a
  • 特表-圧電層の移転のためのドナー基板の製造のためのプロセス及び支持基板への圧電層の移転のためのプロセス 図1b
  • 特表-圧電層の移転のためのドナー基板の製造のためのプロセス及び支持基板への圧電層の移転のためのプロセス 図2
  • 特表-圧電層の移転のためのドナー基板の製造のためのプロセス及び支持基板への圧電層の移転のためのプロセス 図3
  • 特表-圧電層の移転のためのドナー基板の製造のためのプロセス及び支持基板への圧電層の移転のためのプロセス 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】圧電層の移転のためのドナー基板の製造のためのプロセス及び支持基板への圧電層の移転のためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20241226BHJP
   H10N 30/857 20230101ALI20241226BHJP
   H10N 30/88 20230101ALI20241226BHJP
   H10N 30/03 20230101ALI20241226BHJP
【FI】
H01L21/02 B
H10N30/857
H10N30/88
H10N30/03
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539002
(86)(22)【出願日】2023-01-11
(85)【翻訳文提出日】2024-08-26
(86)【国際出願番号】 EP2023050571
(87)【国際公開番号】W WO2023135181
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】2200380
(32)【優先日】2022-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598054968
【氏名又は名称】ソイテック
【氏名又は名称原語表記】Soitec
【住所又は居所原語表記】Parc Technologique des fontaines chemin Des Franques 38190 Bernin, France
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ブローカート, マルセル
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ‐アルフレッド, セドリック
(72)【発明者】
【氏名】カペッロ, ルシアナ
(72)【発明者】
【氏名】ロギオウ, モルゲン
(72)【発明者】
【氏名】バルジュ, ティエリー
(57)【要約】
本発明は、支持基板への圧電層の移転のためのドナー基板の製造のためのプロセスに関し、プロセスは、ハンドリング基板、特にシリコンベースの基板を準備する段階と、圧電基板を準備する段階と、ポリマー層を、ハンドリング基板又は圧電基板に堆積する段階と、中間層を、圧電基板の自由表面に形成する段階と、ドナー基板を形成するために、圧電基板に形成された中間層が、ポリマー層と圧電基板との間に挟まれるように、ハンドリング基板に圧電基板を組み立てる段階とを含む。本発明はまた、このようなプロセスによって製造されたドナー基板と、このようなドナー基板を用いた圧電層の移転のためのプロセスとに関する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板への圧電層の移転のためのドナー基板(128、138、144)の製造のためのプロセスであって、
ハンドリング基板(100)、特にシリコンベースの基板を準備する段階と、
圧電基板(106)を準備する段階と、
中間層(108)を、前記圧電基板(106)の自由表面に形成する段階と、
ポリマー層(104)を、前記圧電基板(106)の前記中間層(108)に堆積する段階と、
前記ドナー基板(128、138、144)を形成するために、前記ハンドリング基板(100)に、前記圧電基板(106)を組み立てる段階と、
を含む、プロセス。
【請求項2】
支持基板への圧電層の移転のためのドナー基板(128、138、144)の製造のためのプロセスであって、
ハンドリング基板(100)、特にシリコンベースの基板を準備する段階と、
ポリマー層(154)を、前記ハンドリング基板(100)の自由面に堆積する段階と、
圧電基板(106)を準備する段階と、
中間層(108、112)を、前記圧電基板(106)の自由表面に形成する段階と、
前記ドナー基板(128、138、144)を形成するために、前記圧電基板(106)に形成された前記中間層(108、112)が、前記ハンドリング基板(100)の前記ポリマー層(132、154)と、前記圧電基板(106)との間に挟まれるように、前記ハンドリング基板(100)に前記圧電基板(106)を組み立てる段階と、
を含む、プロセス。
【請求項3】
前記圧電基板(106)への前記中間層(108、112)の前記形成が、特に酸化シリコンに基づく、窒化シリコンに基づく、又はシリコン酸化物と窒化物との組み合わせSiOに基づく、誘電体層の形成を少なくとも含む、請求項1又は2に記載のドナー基板(128、138、144)の製造のためのプロセス。
【請求項4】
前記中間層(108、112)の表面処理、特にプラズマ処理、さらに特にOプラズマ処理の段階(118)をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のドナー基板(128、138、144)の製造のためのプロセス。
【請求項5】
薄厚化された圧電基板(140)、又は圧電層(140)を、特に研削によって得るために、前記ドナー基板(124、138、144)の前記圧電基板(106)を薄厚化する段階をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のドナー基板(128、138、144)の製造のためのプロセス。
【請求項6】
圧電層の移転のためのドナー基板(124、138、144)であって、
ハンドリング基板(100)、特にシリコンベースの基板と、
圧電基板(106、140)と、
前記ハンドリング基板(100)と前記圧電基板(106、140)との間に挟まれたポリマー層(104、154、132)と、
を備え、
前記ドナー基板(124、138、144)は、前記圧電基板(106、140)と前記ポリマー層(104、154、132)との間に挟まれた中間層(108、112)をさらに備える、
ことを特徴とする、ドナー基板(124、138、144)。
【請求項7】
前記中間層(108、112)が、単一の層(108)又はいくつかの副層(114)を備える、請求項6に記載のドナー基板(124、138、144)。
【請求項8】
前記中間層(108、112)が、少なくとも1つの誘電体層(108、116)、特に酸化シリコンに基づく、窒化シリコンに基づく、又はシリコン窒化物と酸化物との組み合わせSiOに基づく層を備える、請求項6又は7に記載のドナー基板(124、138、144)。
【請求項9】
前記中間層(108、112)が、前記ポリマー層(104、154、132)と直接接触する、請求項6~8のいずれか一項に記載のドナー基板(124、138、144)。
【請求項10】
前記圧電基板(106、140)が、タンタル酸リチウム(LTO)、ニオブ酸リチウム(LNO)、窒化アルミニウム(AlN)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ランガサイト又はランガテイト基板である、請求項6~9のいずれか一項に記載のドナー基板(124、138、144)。
【請求項11】
支持基板への圧電層の移転のためのプロセスであって、
薄厚化された(140)、又は請求項5に記載の製造プロセスの実施によって得られた圧電基板を、請求項6~10のいずれか一項に記載のドナー基板(144)に設ける段階と、
前記ドナー基板(144)の前記圧電基板(140)の内部に、脆弱化ゾーン(146)を形成する段階と、
支持基板(156)、特にシリコンベースの基板を準備する段階と、
ドナー基板-支持基板アセンブリ(170)を得るために、前記ドナー基板(144)を前記支持基板(156)に取り付ける段階と、
前記ドナー基板(144)の残りの部分(162)から、圧電層(152)を分離するために、前記脆弱化ゾーン(146)に沿って、破断を実行する段階と、
を含む、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電層の移転のためのドナー基板の製造のためのプロセスと、ドナー基板と、及び支持基板へのこのような圧電層の移転のためのプロセスとに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電体-オン-インシュレータ(POI)基板は、基板に圧電材料の薄層を備える。このようなPOI基板を製造するために、用いられるプロセスは、圧電材料のより厚い基板から開始して、支持基板への薄い圧電層の移転を含む。
【0003】
このために、最初にドナー基板が用いられ、その中に、ポリマー層を用いた接合によって、圧電材料のバルク基板が、ハンドリング基板と組み立てられる。その後、ドナー基板は、支持基板と組み立てられる前に、より薄い圧電層を形成するように、バルク圧電基板の薄厚化の段階を受ける。最後に、支持基板への圧電層の移転が、薄厚化された圧電層内に事前に作り出された破断ゾーンのレベルにおいて、機械的又は熱的に実行される。ドナー基板は、POIの圧電材料と支持基板との間の、熱膨張係数の差の悪影響を制限するために、プロセス内に導入される。これは、異なる基板の間の接合界面、及び薄層の移転を強化するために、熱処理が実行されるからである。このタイプのプロセスの例は、国際公開第2019/186032A1号で述べられている。
【0004】
実際には、ドナー基板は、熱及び/又は機械的処理のいくつかの段階を経なければならないので、圧電基板とポリマー層との間の接合界面の剥離が行われ得る。
【発明の概要】
【0005】
本発明の1つの目的は、前述の不利な点を克服すること、及び特に、より良い機械的強度を呈する支持基板への圧電材料基板の圧電層の移転のためのドナー基板を設計することである。
【0006】
本発明の目的は、支持基板への圧電層の移転のためのドナー基板の製造のためのプロセスによって達成され、プロセスは、ハンドリング基板、特にシリコンベースの基板を準備する段階と、圧電基板を準備する段階と、中間層を、圧電基板の自由表面に形成する段階と、ポリマー層を、圧電基板の中間層に堆積する段階と、ドナー基板を形成するために、ハンドリング基板に、圧電基板を組み立てる段階とを含む。
【0007】
圧電基板とポリマー層との間の中間層の形成は、圧電基板に対する及びまたポリマー層に対する、良好な付着を呈する中間層を選択することによって、圧電材料とポリマー層との間の、より安定な接合を得ることを可能にする。従って、本発明によるプロセスは、従来技術と比較して、圧電基板と、ハンドリング基板のポリマー層との間の改善された機械的安定性を有するドナー基板を得ることを可能にする。
【0008】
本発明の目的はまた、支持基板への圧電層の移転のためのドナー基板の製造のためのプロセスによって達成され、プロセスは、ハンドリング基板、特にシリコンベースの基板を準備する段階と、ポリマー層を、ハンドリング基板の自由面に堆積する段階と、圧電基板を用意する段階と、中間層を、圧電基板の自由表面に形成する段階と、ドナー基板を形成するために、圧電基板に形成された中間層が、ハンドリング基板のポリマー層と、圧電基板との間に挟まれるように、ハンドリング基板に圧電基板を組み立てる段階とを含む。
【0009】
ハンドリング基板の圧電基板とポリマー層との間の中間層の形成は、圧電基板に対する及びまたポリマー層に対する、良好な付着を呈する中間層を選択することによって、圧電材料とポリマー層との間の、より安定な接合を得ることを可能にする。従って、本発明によるプロセスは、従来技術と比較して、圧電基板と、ハンドリング基板のポリマー層との間の改善された機械的安定性を有するドナー基板を得ることを可能にする。
【0010】
一実施形態によれば、中間層の形成は、単一の層又はいくつかの副層の形成を含み得る。
【0011】
一実施形態によれば、中間層の形成は、誘電体層、特に酸化シリコンに基づく、窒化シリコンに基づく、又はシリコン窒化物と酸化物との組み合わせSiOに基づく層の形成を少なくとも含み得る。圧電材料上に形成された誘電体層の使用は、この誘電体層を通じてドナー基板を形成するように、圧電基板を別の基板と組み立てることを可能にする。圧電基板とハンドリング基板との間の接続を生成する誘電体層の存在のおかげで、得られるドナー基板は、ドナー基板がその後に受けることになる異なるプロセス段階に対する、改善された機械的安定性を有する。
【0012】
一実施形態によれば、中間層の表面処理、特にプラズマ処理、さらに特に酸素Oプラズマ処理の段階が実行され得る。プラズマ処理は、表面の機能化及び/又は活性化を可能にする、ドライ方式による処理である。プラズマ表面処理は、材料の表面の非常に強い酸化からなる。表面分子の酸化は、支持体の表面張力を増加させることを可能にする。プラズマ処理は、表面での遊離基を作り出すことを可能にし、これはこれらの遊離基と接触する薄層の連続する付着を促進する。従って、プラズマ表面処理は、コーティング層へのより良い付着のために、材料の化学的特性を改善することを可能にする。従って、本発明によるプロセスのプラズマ処理段階は、圧電基板に形成された誘電体層と、ドナー基板のポリマー層との間の付着を改善することを可能にし、結果として、従来技術と比較して、ドナー基板の改善された機械的安定性を生じる。
【0013】
一実施形態によれば、ドナー基板の圧電基板の薄厚化の段階は、圧電基板の厚さt未満の厚さtを有する、薄厚化された圧電基板、又は圧電基板の厚さt未満の厚さtを有する、圧電層のいずれかを得るように、実行され得る。薄厚化段階は、圧電基板の研削プロセスによって、又は化学エッチングのプロセスによって実行され得る。従って、厚い圧電基板から開始して、より薄い圧電基板、又はより薄い所望の厚さの圧電層が得られ、本発明によるプロセスによってこのように製造されたドナー基板は、このようにして圧電体-オン-インシュレータ(POI)基板を形成するために、圧電材料の上質な層を支持基板に移転するための後の層移転プロセスにおいて、ドナー基板として用いられ得る。より上質な圧電基板の使用は、熱膨張係数の非対称性による、後の問題を低減すること、従って後のプロセス段階の適用の間のアセンブリの変形を最小にすることを可能にする。
【0014】
一実施形態によれば、ドナー基板の製造のためのプロセスの組み立て段階は、ハンドリング基板を圧電基板に接合するように架橋ポリマー層を得るためにポリマー層の処理の段階を含むことができる。ポリマー層の処理の段階による、架橋ポリマー層の形成は、導入することが簡単であり、プロセスの条件を満足する付着を可能にする。
【0015】
本発明の目的はまた、圧電層の移転のためのドナー基板によって達成され、ドナー基板は、ハンドリング基板、特にシリコンベースの基板と、圧電基板と、ハンドリング基板と圧電基板との間に挟まれたポリマー層とを備え、ドナー基板は、圧電基板とポリマー層との間に挟まれた中間層をさらに備えることを特徴とする。圧電基板とポリマー層との間に挟まれた中間層の存在のおかげで、圧電基板とポリマー層との間に、より良い結合が生成され得る。この結合は結果として、改善された機械的安定性を有するドナー基板を生じ、プロセスにおいて事後的に、ポリマー-圧電体界面での剥離の問題に遭遇することなく、このドナー基板を用いることを可能にする。
【0016】
一実施形態によれば、中間層は、単一の層又はいくつかの副層を備え得る。
【0017】
一実施形態によれば、中間層は、少なくとも1つの誘電体層、特に酸化シリコンに、及び/又は窒化シリコンに、又はシリコン窒化物と酸化物との組み合わせSiOに基づく層を備え得る。圧電材料上に形成された誘電体層の使用は、ドナー基板がその後に受けることになる異なるプロセス段階に対して、頑丈で安定した方法で、この誘電体層を通じてドナー基板を形成するように、別の基板と組み立てるために、圧電基板をその後に用いることを可能にする。
【0018】
一実施形態によれば、中間層の誘電体層は、ドナー基板のポリマー層と直接接触することができる。従って、ドナー基板の圧電基板とポリマー層との間の結合は、誘電体層を通じて行われ、これは圧電体-ポリマー接合において劣化を受けることなく、ドナー基板がその後に熱的及び/又は機械的プロセス段階を受けるために、安定な接合を得ることを可能にする。
【0019】
一実施形態によれば、ポリマー層は、圧電基板の中間層を通じて、圧電基板をハンドリング基板に接合するために重合された接着層とすることができる。架橋ポリマー層の存在は、圧電基板の中間層との安定な接合を得ることを可能にする。
【0020】
一実施形態によれば、圧電基板は、タンタル酸リチウム(LTO)、ニオブ酸リチウム(LNO)、窒化アルミニウム(AlN)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ランガサイト又はランガテイト基板とすることができる。本発明によるドナー基板は、これらの材料を備えることができ、これは圧電効果を利用するデバイスにおいて主要な役割を果たす。
【0021】
本発明の目的はまた、支持基板への圧電層の移転のためのプロセスによって達成されることができ、プロセスは、薄厚化された、又は上述のような製造プロセスの実施によって得られた圧電基板を、上述のようなドナー基板に設ける段階と、圧電基板の内部に、脆弱化ゾーンを形成する段階と、支持基板、特にシリコンベースの基板を準備する段階と、ドナー基板-支持基板アセンブリを得るために、ドナー基板を支持基板に取り付ける段階と、ドナー基板の残りの部分から、圧電層を分離するために、脆弱化ゾーンに沿って、破断を実行する段階とを含む。
【0022】
このようなプロセスでは、中間層の存在のおかげでポリマー層を有する圧電材料の結合のレベルにおいてより良い機械的安定性を呈する、先に述べられた製造プロセスによって得られるドナー基板を用いるおかげで、ドナー基板-支持基板アセンブリに事後的に適用される異なるプロセス段階の実施の間の、及び熱膨張係数の違いによる、支持基板-ドナー基板アセンブリ内の圧電材料の剥離のリスクが低減される。従って、本発明によって製造されるドナー基板の使用は、より良い歩留まりを有するPOI基板の製造を可能にする。
【0023】
本発明及びその利点は、好ましい実施形態を用いて、及び特に、その中では参照番号は本発明の特徴を識別する以下の添付の図面にサポートされて、より詳しく後で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1a】本発明の第1の実施形態によるドナー基板の製造のためのプロセス、及びドナー基板を図式的に表す図である。
図1b】本発明の第1の実施形態の第1の代替形態によるドナー基板の製造のためのプロセス、及びドナー基板を図式的に表す図である。
図2】本発明の第1の実施形態の第2の代替形態によるドナー基板の製造のためのプロセス、及びドナー基板を図式的に表す図である。
図3】本発明の第2の実施形態によるドナー基板の製造のためのプロセス、及びドナー基板を図式的に表す図である。
図4】本発明の第3の実施形態による圧電層の移転のためのプロセスを図式的に表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、例示的な方法で、及び図面を参照して、有利な実施形態を用いて、より詳しく述べられる。述べられる実施形態は、単に可能な構成であり、上述のような個々の特徴は、互いに独立にもたらされることができ、又は本発明の実施の間に全く省かれ得ることが留意されるべきでる。
【0026】
図1aは、本発明の第1の実施形態による、支持基板へのドナー基板の圧電層の移転のために用いられる、ドナー基板の製造のためのプロセスを図式的に示す。
【0027】
ドナー基板の製造のためのプロセスは、ハンドリング基板100、特にバルク基板を準備する段階I)で始まる。バルク基板は、通常300μm~800μmの間、特に350μm~800μmの間の厚さを有する、1つだけの材料に基づく基板である。ハンドリング基板100は、その上に圧電層が移転されることが意図される支持基板の材料と熱膨張係数が近い材料から作られる。「近い」という用語は、ハンドリング基板100の材料と支持基板の材料との間の熱膨張係数の差が、5%以下であり、0%に等しい又はその近傍であることが好ましいことを意味すると理解される。
【0028】
ハンドリング基板100は、シリコン、サファイヤ、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、或いはまたガリウム砒素(GaAs)に基づく基板とすることができる。ハンドリング基板100は、結晶質又は多結晶基板とすることができる。
【0029】
段階II)の間、圧電基板106が設けられる。これは、1つだけの圧電材料から形成されたバルク基板であることが好ましく、その厚さは通常少なくとも300μm程度であり、少なくとも350μmであることが好ましい。代替形態によれば、圧電材料の基板106はまた、別の基板に形成された、25μm~50μmの間の圧電材料の厚い層とすることができる。
【0030】
圧電材料は、例えば、タンタル酸リチウム(LTO)、ニオブ酸リチウム(LNO)、窒化アルミニウム(AlN)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ランガサイト又はランガテイトとすることができる。
【0031】
本発明によれば、圧電基板106の自由表面110の、中間層108の形成の段階III)が実行される。圧電基板の自由表面110の、中間層108の形成は、スピンコーティングによる堆積によって、熱成長技法によって、又はPECVD又はPVDなどのプラズマ強化堆積によって実行され得る。
【0032】
中間層108の形成を実行する前に、粒子及び塵埃の存在を除去して、従ってより清浄な自由表面110を得るように、圧電基板106の表面のクリーニング、ブラッシング、又は研磨の1つ又は複数の段階が実行されることができ、これはより良い品質の中間層108を得ることを可能にする。
【0033】
本発明によれば、圧電基板106に形成される中間層108は、誘電体層、例えば酸化シリコンに基づく、又は窒化シリコンSiに基づく層、又はシリコン窒化物と酸化物との組み合わせSiOを備えた層である。
【0034】
本発明の代替形態によれば、圧電基板106に形成された中間層108の表面の活性化の段階118は、中間層108の自由表面120を活性化するために実行され得る。特に、この活性化処理118は、プラズマ処理、さらに特に酸素ベースのプラズマ処理とすることができる。
【0035】
プラズマ処理は、酸化によって、表面の機能化、活性化、又はクリーニング、或いはこれらの効果の組み合わせを可能にする、ドライ方式による処理である。表面分子の酸化は、表面にペンダント接合を作り出す、支持体の表面張力を増加させることを可能にする。プラズマ処理は、表面での遊離基を作り出すことを可能にし、これはこれらの遊離基と接触する薄層の連続的な付着を促進する。従って、プラズマ表面処理は、プロセスの継続の間に、圧電基板106の層108の表面120により形成される、又はそれと接触される層との、より良い付着のために、ペンダント接合部位を作り出すことにより、圧電基板106の誘電層108の表面120の化学的特性を改善することを可能にする。
【0036】
本発明によれば、圧電基板106の中間層108の、ポリマー層104の堆積の段階IV)が実行される。従ってポリマー層104は、界面126において、圧電基板106の中間層108と直接接触する。圧電基板106とポリマー層104との間の中間層108の存在は、結果として、従来技術の、ポリマー層104と圧電基板106との間の直接結合と比較して、ポリマー層104との、及び従って圧電基板106とのより良い付着を生じる。これは、圧電基板106に対して、及びまたポリマー層104に対して良好な付着を呈する、中間層108を選択することが可能であるからである。
【0037】
ポリマー層104の堆積は、スピンコーティングによって実行されることが有利である。この技法は、遠心力によって、圧電基板106の表面全体にわたって、前記ポリマー層104を一様に広げるように、その上にポリマー層104の堆積が行われることが意図される基板を、所与の速度で回転させることにある。この目的を達するために、圧電基板106は通常、回転プレートに真空を適用することによって位置付けされ、保持される。得られるポリマー層104の厚さは、層の堆積の間に用いられるパラメータに依存し、すなわち、例えば、基板の回転の速度及び持続時間と、基板106の表面に堆積されたポリマー溶液の体積とに依存する。ポリマー層104の厚さは、通常1μm~6μmの間であり、3.5μmであることが好ましい。
【0038】
ポリマー層104は、特にチオール-エン樹脂に基づく光重合性層とすることができる。例えば、Norland Productsによって「NOA61」として販売されている層が、本発明においてポリマー層104として用いられ得る。
【0039】
圧電基板106への、ポリマー層104のスピンコーティングによる堆積の後に、圧電基板106の中間層108の活性表面120へのポリマー層104の付着を改善するために熱処理が実行され得る。
【0040】
中間層108の表面120の活性化の段階118が実行される代替形態では、ポリマー層104の堆積の段階は、中間層108の表面120の活性化の段階118の後に実行される。従って、ポリマー層104の堆積は、活性表面120と直接接触して、中間層108の活性表面120に実行される。
【0041】
本発明によれば段階IV)の後に得られる圧電基板106は、その後に、ドナー基板124を形成するために組み立て段階V)の間に、段階I)で得られるハンドリング基板100と組み立てられる。
【0042】
ハンドリング基板100の圧電基板106の組み立ては、ポリマー層104が、圧電基板106の層108と、ハンドリング基板100とに接触するように配置されるように実行される。
【0043】
2つの基板が組み立てられた後、安定なドナー基板128を形成するように、ハンドリング基板100に圧電基板106を接合するために、接合段階VI)が実行される。
【0044】
ポリマー層104は、ポリマー層104の機械的特性を修正するように、架橋処理130を受ける。架橋は、共有結合の、又は2つのポリマー鎖を結合するための比較的短い化学結合の配列の、形成のプロセスを表す一般的な用語である。ポリマー鎖が架橋されたとき、ポリマー層104はより堅くなる。共有結合化学架橋は、機械的及び熱的に安定であり、その結果、一度形成されると壊れにくい。
【0045】
架橋処理130は、熱、圧力の使用により、pHの変化により、又は照射により実行され得る。本発明によれば、架橋処理130は、ポリマー層104の、光束130による照射によって実行され得る。照射130は、ポリマー層104を架橋させ、重合層132とも呼ばれる、架橋ポリマー層132を得るために、圧電基板106又は基板100を通して実行される。
【0046】
照射130は、光源を用いて実行されることができ、レーザが好ましい。光放射130又は光束は、紫外線(UV)放射であることが好ましく、320nm~365nmの間の波長を有することが好ましい。
【0047】
架橋ポリマー層132の厚さは、1μm~6μmの間、特に約3.5μmであることが好ましい。この厚さは、特に接合の前に堆積されるポリマー層104の材料に、前記ポリマー層140の厚さに、及び照射条件に依存する。
【0048】
UV照射130によるポリマー層104の架橋は、基を解放することを可能にし、これはポリマー層104の重合を引き起こすようになる。ポリマー層104の重合は、結果として化学結合を生じ、これは機械的及び熱的に安定であり、それにより、形成された後は壊れにくい。従って重合層132と中間誘電体層108の間の結合は、ドナー基板128を形成する、ハンドリング基板100と圧電基板106とを一緒に接合されたまま保つことによって、ドナー基板128の機械的密着を確実にする。
【0049】
表面活性化処理118が、中間層108の表面120において実行される代替形態では、界面126での、架橋ポリマー層132と、圧電基板106の誘電体層108との間の付着が、中間層108の活性表面により改善される。これは、圧電基板106の中間誘電体層108の活性表面に存在するペンダント接合が、ポリマー層104の表面に存在するペンダント接合と、共有結合を形成するようになるからである。従って、圧電基板106の中間層108と、ポリマー層104との間の接触界面126は、中間層108の表面活性化処理のおかげで、強化/補強され、結果として従来技術と比較してドナー基板124の改善された機械的安定性を生じる。
【0050】
図1bに示される、第1の実施形態の第1の代替形態では、中間層108の形成のプロセスの段階III)は、複数112の副層114の形成によって置き換えられ、複数112の副層114の各副層114は、それらの材料のために、又はそれらの特性により、或いはそれらの厚さにより、同じになり又は異なるようになる。すべての他の段階I)、II)、及びIV)~VI)は、図1aに対して述べられたものと同じである。従って、これらの段階の詳しい説明は、図1aの説明が参照される。
【0051】
複数112の副層の、副層114の少なくとも1つの層116は、誘電体層116、特に酸化シリコン、窒化シリコンSi、又はシリコン窒化物と酸化物との組み合わせSiOに基づく層である。特に、圧電基板106から開始して、複数112の副層114の最後の層に対応する、上層116は、酸化シリコン、窒化シリコンSi、又はシリコン窒化物と酸化物との組み合わせSiOに基づく層である。複数112の副層114は、酸化シリコン層と、窒化シリコンSi層との重ね合わせとすることができる。
【0052】
この代替形態では、ポリマー層104の堆積は、複数112の副層114のうちの、上層116で行われる。従って、上層116は、ポリマー層104と、圧電基板106の複数112の副層114のうちの、副層114の残りの部分との間に挟まれる。
【0053】
この代替形態では、ハンドリング基板100の圧電基板106の組み立ては、ハンドリング基板100の自由表面102と、圧電基板106の上層116に形成されたポリマー層104との間の、界面136において実行される。従って、上層116は、段階VI)の後にドナー基板138となるヘテロ構造134を形成するように、ハンドリング基板のポリマー層104と、圧電基板106の複数112の副層114のうちの、副層114の残りの部分との間に挟まれる。
【0054】
代替形態によれば、表面活性化処理118は、図1aに関して述べられたプロセスのように実行され得る。プラズマ処理118は、複数112の副層114のうちの、上層116の自由表面122で実行される。
【0055】
圧電材料106に形成された誘電体層108、116の使用は、その後に、ドナー基板を形成するために頑丈で安定した方法で、この誘電体層108、116に堆積されたポリマー層104を通じて、圧電基板106を、別のハンドリング基板100と組み立てることを可能にする。誘電体層-ポリマー層接合のおかげで、このようにして得られたドナー基板128、138の機械的安定性は、このドナー基板128、138が、他のプロセスでその後に用いられること、及び圧電材料106の界面での変形を受けることなく、異なる熱的及び機械的プロセス段階を受けることを可能にする。
【0056】
図2は、本発明の第1の実施形態の代替形態による、支持基板への圧電層の移転のためのドナー基板の製造のためのプロセスを図式的に表す。
【0057】
第1の実施形態と共通な特性で、上記と同じ参照番号を用いるものは再び述べられないが、上記の詳しい説明への参照がなされる。
【0058】
図2に示されるプロセスは、図1aに示される段階VI)の後に、第1の実施形態及びその第1の代替形態のプロセスによって得られる、ドナー基板128の圧電基板106の薄厚化の段階VII)を含む。同様にして、ドナー基板138が用いられ得る。
【0059】
薄厚化段階VII)は、t未満の厚さtを有する薄厚化された圧電基板140、或いは20μm程度、又は5μm~25μmの間の厚さtを有する圧電層140を得るために、ドナー基板128の圧電材料の基板106の厚さtを低減するように、圧電基板106の、研削のプロセスによって又は化学エッチングのプロセスによって実行され得る。圧電層140の自由表面142の品質を改善するために、得られた圧電層140の自由表面142の処理は、薄厚化段階VII)が完了した後に実行され得る。
【0060】
図3は、ポリマー層154の堆積段階が、圧電基板106で実行される代わりに、ハンドリング基板100で実行される、本発明の第2の実施形態を示す。すべての他の段階I)、II)、III)、及びV)~VII)は、第1の実施形態及びその代替形態と同じである。第1の実施形態及びその代替形態と共通であり、上記と同じ参照番号を用いる特性は再び述べられないが、上記の詳しい説明への参照がなされる。
【0061】
ポリマー層154の堆積の段階IV)の間、ポリマー層154は、ハンドリング基板100の自由表面102に直接接触して堆積される。ポリマー層154の堆積を実行する前に、最初にハンドリング基板100は、粒子又は塵埃の存在を低減するために、その自由表面102をクリーニング、ブラッシング、又は研磨の1つ又は複数の段階を受け得る。
【0062】
組み立て段階V)の間、ハンドリング基板100のポリマー層154は、圧電基板106の中間層108に直接接触される。従って、ポリマー層154と、圧電基板106の中間層108との間の接触界面126はまた、より良い付着を呈する。これは、上述されたのと同様にして、圧電基板106に対して及びまたポリマー層154に対して、良好な付着を呈する中間層108を選択することが可能であるからである。従って、中間層108を通じて、圧電基板106とポリマー層154との間の接触界面126は、強化/補強され、結果として、従来技術と比較してドナー基板124の改善された機械的安定性を生じる。
【0063】
図4は、ドナー基板144を用いた、本発明の第2の実施形態による圧電層の移転のためのプロセスを図式的に表す。代替形態によれば、プロセスは、図1a、1b、又は2に関して述べられた他の代替形態によって得られる、ドナー基板128、138を用いて実行され得る。
【0064】
段階A)の間に、ドナー基板144及び支持基板156が設けられる。支持基板156は、シリコン、サファイヤ、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、又はガリウム砒素(GaAs)に基づく、バルク基板とすることができる。支持基板156は、結晶質又は多結晶基板とすることができる。ドナー基板144は、機械的安定性を示し、これは支持基板156への圧電層152の移転のためのプロセスで用いられることを可能にする。
【0065】
図4に示されるように、支持基板156は、例えばスピンコーティングによる堆積によって、又はプラズマ堆積又は蒸着堆積などの堆積技法によって、又は熱成長によって、支持基板156の自由表面160に前もって形成された、誘電体層158を備え得る。誘電体層158は、例えば、酸化シリコンの層、窒化シリコンSiの層、又は酸窒化ケイ素SiOとしても知られているシリコン窒化物と酸化物との組み合わせを備える層、又は酸化物の層と窒化物の層との重ね合わせである。代替形態によれば、誘電体層158の形成には、支持基板156への誘電体層158の付着を改善するために、熱処理が続き得る。形成された誘電体層158の表面の品質を改善するために、表面処理も実行され得る。
【0066】
誘電体層158はまた、支持基板156の自由表面160に形成された自然酸化物の層とすることができる。
【0067】
代替形態では、他の層、例えば、ブラッグミラー又はトラッピング層を生成するための層が、支持基板156及び/又は誘電体層158に存在し得る。さらに別の代替形態では、支持基板156は、誘電体層158なしに、及び/又は自然酸化物の層なしにもたらされる。
【0068】
代替形態では、支持基板156に形成された誘電体層158の代わりに、又はそれに加えて、ドナー基板144の圧電層140に、誘電体層がもたらされ得る。
【0069】
代替形態では、支持基板156はまた、他の層を備え得る。例えば、ブラッグミラー又はトラッピング層を生成するための層が、支持基板156に存在し得る。特に500nm~5μmの間のさまざまな厚さを有する、多結晶、非晶質、又は多孔質シリコンタイプのトラッピング層が存在し得る。
【0070】
ドナー基板144の圧電層140内に、脆弱化ゾーン146を形成する段階B)は、圧電層140の残りの部分162から移転されることになる圧電層152の範囲を定めるために実行される。
【0071】
脆弱化ゾーン146を形成するこの段階は、ドナー基板144内の圧電層140内の原子又はイオン要素の注入150によって実行される。原子又はイオン注入150は、脆弱化ゾーン146が圧電層140の内部に位置し、圧電層152を、圧電層140の残りの部分162から分離するように実行される。原子又はイオン要素は、移転されることになる圧電層152の厚さt、及び圧電層140の残りの部分148の厚さtを決定する、圧電層140の予め定められた深さに注入される。厚さtは通常、50nm~1μmの間、特に600nm程度である。限定されずに、誘電体層は、ドナー基板144から得られる圧電層140に形成され得る。この誘電体層は、例えば、酸化シリコンの層、窒化シリコンSiの層、又は、酸窒化ケイ素、SiOとしても知られている窒化シリコンと酸化物の組み合わせを備える層、又は酸化物の層と窒化物の層との重ね合わせである。代替形態によれば、この誘電体層の形成には、圧電層140への誘電体層の付着を改善するために、熱処理が続き得る。この形成された誘電体層の表面の品質を改善するための表面処理も、特に注入150の段階の後、及び後述の段階C)の前に実行され得る。
【0072】
本発明による移転のプロセスの段階C)の間、支持基板-ドナー基板アセンブリ170を得るために、ドナー基板144は支持基板156と組み立てられる。ドナー基板144と支持基板156とのアセンブリ170は、ドナー基板144の圧電層140が、誘電体層158と直接接触するように、誘電体層158のレベルで行われ、及び移転されることになる圧電層152は、支持基板156と、ドナー基板144の残りの部分162との間に挟まれる。代替形態では、前述のように、支持基板156とのドナー基板144のアセンブリ170は、誘電体層158と、ドナー基板144に形成された誘電体層との間で行われる。
【0073】
組み立ては、知られている方法で、圧電-支持基板界面において、2つの基板の間の分子付着によって行われる。
【0074】
その後に、ドナー基板144の残りの部分162から、圧電層152を分離するために、熱的及び/又は機械的エネルギーを付与することによって、ドナー基板144の脆弱化ゾーン146に沿って破断の段階D)が実行される。
【0075】
このようにして、支持基板156と、誘電体層158と、移転された圧電層152とを備えたPOI基板174が得られる。
【0076】
圧電層140とポリマー層120、132との間の中間誘電体層108の存在のおかげで、ドナー基板144の破断の間の、圧電層140と、ドナー基板144のポリマー層120、132との間の剥離のリスクを低減することが可能になる。従って、本発明によって製造されたドナー基板144の使用は、より良い歩留まりを有するPOI基板174の製造を可能にする。
【0077】
述べられる実施形態は、単に可能な構成であり、異なる実施形態の個々の特徴は、互いに結合されることができ、又は互いに独立にもたらされ得ることが留意されるべきである。
図1a
図1b
図2
図3
図4
【国際調査報告】