IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.の特許一覧

特表2025-500951リソグラフィイメージングのための方法および装置
<>
  • 特表-リソグラフィイメージングのための方法および装置 図1
  • 特表-リソグラフィイメージングのための方法および装置 図2
  • 特表-リソグラフィイメージングのための方法および装置 図3
  • 特表-リソグラフィイメージングのための方法および装置 図4
  • 特表-リソグラフィイメージングのための方法および装置 図5
  • 特表-リソグラフィイメージングのための方法および装置 図6
  • 特表-リソグラフィイメージングのための方法および装置 図7
  • 特表-リソグラフィイメージングのための方法および装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-15
(54)【発明の名称】リソグラフィイメージングのための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/207 20060101AFI20250107BHJP
【FI】
G03F7/207 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537135
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-07-31
(86)【国際出願番号】 EP2022082811
(87)【国際公開番号】W WO2023117263
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/291,634
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】シュミット-ウィーバー、エミル、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】バタチャリア、カウスチュヴ
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ドン、ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ファン・レースト、アドリアン、ヨハン
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA05
2H197DA03
2H197DA09
2H197DB12
2H197DC06
2H197EA04
2H197EA11
2H197EB23
2H197HA03
2H197HA04
2H197HA05
2H197HA08
2H197HA10
2H197JA21
2H197JA23
(57)【要約】
【解決手段】その上に存在する複数の層を有する基板上のフォーカス偏差を補償する方法は、基板についてのフォーカス予測マップを生成することを含む。一つのアプローチでは、アライメントセンサを使用して、基板上でKPI(Key Performance Indicator)データを取得することと、KPIデータおよび基板上の位置についてのフォーカスオフセットデータの間の相関を判定することと、相関およびKPIデータを使用して、基板についてのフォーカス予測マップを生成することによって、フォーカス予測マップが生成される。他のアプローチでは、第1層についての第1層高さマップを取得することと、第1層の上にある第2層についての第2層高さマップをレベルセンサで測定することと、基板についてのデルタ高さマップを取得するために第1高さマップを第2高さマップから減算することによって、予測マップが生成される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その上に存在する複数の層を有する基板上のフォーカス偏差を補償する方法であって、
フォトリソグラフィ装置のアライメントセンサを使用して、前記基板上の複数のアライメントマークのそれぞれについてのKPI(Key Performance Indicator)データを取得することと、
前記KPIデータおよび前記基板上の位置についてのフォーカスオフセットデータの間の相関を判定することと、
前記相関および前記KPIデータを使用して、前記基板についてのフォーカス予測マップを生成することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記基板上の位置は、前記複数のアライメントマークの位置に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板上の位置は、前記基板についてのフォーカスモデルによって定められる位置に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記KPIデータは、信号強度データである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記相関は、プロセスおよび層に依存する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記相関は、数学的関数として表現される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記相関は、1次2D多項式関数として表現される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記相関を判定することの前に、滑らかなフィールド間フォーカスデータを生成するために、前記KPIデータからフィールド内フォーカスデータの少なくとも一部を除去することを更に備え、
前記相関および前記KPIデータを使用することは、前記滑らかなフィールド間フォーカスデータを使用することを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記KPIデータは、前記複数のアライメントマークのそれぞれについて、アライメントセンサ放射の複数の波長を使用して取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記生成することは、前記基板から測定されるレベルセンサデータを使用することを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基板の後続の層のイメージングプロセスについてフォーカスを調整するために、前記フォーカス予測マップを使用することを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
その上に存在する複数の層を有する基板上のフォーカス偏差を補償する方法であって、
前記複数の層の第1層についての第1層高さマップを取得することと、
前記複数の層の前記第1層の上にある第2層についての第2層高さマップを、レベルセンサを使用して測定することと、
前記基板についてのデルタ高さマップを取得するために、前記第1層高さマップを前記第2層高さマップから減算することと、
前記基板についてのフォーカス予測マップを生成するために、前記デルタ高さマップを使用することと、
を備える方法。
【請求項13】
前記第1層高さマップを取得することは、前記第1層について記憶された高さマップデータを読み出すことを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1層高さマップは、レベルセンサを使用して取得される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1層は、アライメントまたはオーバーレイ計測マークを含む最上層であり、
前記第2層は、後続の露光オペレーションにおいて露光される層である、
請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記基板の後続の層のイメージングプロセスについてフォーカスを調整するために、前記フォーカス予測マップを使用することを更に備える、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、2021年12月20日に出願された仮特許出願US63/291,634の優先権を主張し、その全体が参照によって本書に援用される。
【0002】
[技術分野]
本開示は、概して、リソグラフィ装置における使用のための計測方法およびツールに関し、より具体的には、フォーカス補正機能を提供する方法およびツールに関する。
【背景技術】
【0003】
リソグラフィ装置は、基板上(通常は、基板のターゲット部分上)に所望のパターンを適用する装置である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造において使用されうる。この場合、マスクまたはレチクルとも表されるパターニングデバイスが、ICの個々の層上に形成されるべき回路パターンを生成するために使用されてもよい。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、一つのダイ、または複数のダイを含む)上に転写されうる。パターンの転写は、典型的には、基板上に設けられる放射感応性材料(レジスト)の層上へのイメージングを介する。概して、単一の基板は、連続的にパターン形成される、近接するターゲット部分のネットワークを含む。既知のリソグラフィ装置は、ターゲット部分上に全体パターンを一度に露光することによって各ターゲット部分が照明されるいわゆるステッパ、および、放射ビームを通じて所与の方向(「スキャニング」方向)にパターンをスキャンすると同時に、この方向に平行または非平行に基板をスキャンすることによって各ターゲット部分が照明されるいわゆるスキャナを含む。基板上にパターンをインプリントすることによって、パターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くのパターニングされた層が基板上に配置されるようにするために、放射ビームおよびパターニングデバイスに対する基板の位置を正確に設定するのが望ましい。これは、基板テーブル上に基板を正確に配置し、放射ビームおよびパターニングデバイスに対して基板テーブルを正確に配置することによって、実行されてもよい。
【0005】
基板のアライメントが実行されてもよい。一つのアライメントシステムでは、基板上のフィーチャの位置を得るために、モデル化されたグリッドと比較される座標系を得るために、基板上の多くのアライメントマークが測定される。基板テーブルへの基板のクランピング、または非リソグラフィ処理ステップにおいて発生するウェーハ歪は、測定結果をグリッドと比較することによってモニタされうる基板の歪をもたらしうる。歪を補償するためにウェーハを露光する際に使用されるウェーハグリッドを記述するモデルが生成されてもよい。
【0006】
特に興味がある一つの特性は、オーバーレイ(すなわち、基板上に形成される連続的な層のアライメント)である。オーバーレイの測定は、前述されたようなモデル化されたグリッドを使用して行われてもよい。先の層に対する基板に亘るオーバーレイエラーを記述するグリッドモデルは、ロット間の一貫性を担保するために、制御ループにおいて生成および使用されてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本記述は、その上に存在する複数の層を有する基板上のフォーカス偏差を補償するための方法および装置であって、フォトリソグラフィ装置のアライメントセンサを使用して、基板上の複数のアライメントマークのそれぞれについてのKPI(Key Performance Indicator)データを取得することと、KPIデータおよび基板上の複数のアライメントマークの位置に対応する位置についてのフォーカスオフセットデータの間の相関を判定することと、相関およびKPIデータを使用して、基板についてのフォーカス予測マップを生成することと、を含む方法および装置に関する。一実施形態では、フォーカスグリッドモデル上の位置が、アライメントマーク自体の位置の代わりに使用されてもよい。
【0008】
一側面では、その上に存在する複数の層を有する基板上のフォーカス偏差を補償する方法であって、複数の層の第1層についての第1層高さマップを取得することと、複数の層の第1層の上にある第2層についての第2層高さマップを、レベルセンサを使用して測定することと、基板についてのデルタ高さマップを取得するために、第1層高さマップを第2層高さマップから減算することと、基板についてのフォーカス予測マップを生成するために、デルタ高さマップを使用することと、を含む方法が提供される。
【0009】
一側面では、リソグラフィプロセスを使用してデバイスパターンが一連の基板に適用されるデバイスの製造方法であって、ここで記述される方法を使用してデバイスパターンを基板上に露光し、後続の層についてのフォーカスを補正することを含む方法が提供される。
【0010】
一側面では、ここで記述される方法をプロセッサに実行させるように構成される機械可読命令を備える非一時的コンピュータプログラム製品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下では、実施形態が、以下の付随する図面を参照して、例示のみによって記述される。
【0012】
図1は、リソグラフィ装置の一実施形態を模式的に示す。
【0013】
図2は、リソグラフィセルまたはクラスタの一実施形態を模式的に示す。
【0014】
図3は、計測デバイスとしての使用のためのスキャトロメータの一実施形態を模式的に示す。
【0015】
図4は、計測デバイスとしての使用のためのスキャトロメータの他の実施形態を模式的に示す。
【0016】
図5は、基板上に形成される複合計測ターゲットを示す。
【0017】
図6は、測定されたウェーハ品質およびμDBO(マイクロ回折に基づくオーバーレイ)測定結果の間の相関を示す。
【0018】
図7は、一実施形態に係るワークフローを例示する。
【0019】
図8は、一実施形態に係るワークフローを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施形態を詳細に記述する前に、実施形態が実装されてもよい環境の一例を参考のために提示する。
【0021】
図1は、リソグラフィ装置LAを模式的に示す。装置は、放射ビームB(例えば、DUV放射またはEUV放射)を調整するように構成される照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに応じてパターニングデバイスを正確に配置するように構成される第1ポジショナPMに接続される支持構造(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストでコーティングされたウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに応じて基板を正確に配置するように構成される第2ポジショナPWに接続される基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTaと、基板Wのターゲット部分C(例えば、一または複数のダイを備える)上に、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに形成されたパターンを投影するように構成される投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSと、を備える。
【0022】
照明システムは、放射の方向付け、整形、または制御のために、屈折型、反射型、磁気型、電磁気型、静電気型または他のタイプの光学コンポーネント、またはそれらの任意の組合せ等の、様々なタイプの光学コンポーネントを含んでもよい。
【0023】
パターニングデバイス支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置のデザイン、およびパターニングデバイスが真空環境において保持されるか否か等の他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスを保持する。パターニングデバイス支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械型、真空型、静電気型または他のクランプ技術を使用できる。パターニングデバイス支持構造は、例えば、必要に応じて固定されてもよいし移動可能でもよい、フレームまたはテーブルでもよい。パターニングデバイス支持構造は、パターニングデバイスが、投影システム等に対する所望の位置にあることを担保してもよい。ここでの用語「レチクル」または「マスク」の使用は、より一般的な用語「パターニングデバイス」と同義と解釈されてもよい。
【0024】
ここで使用される用語「パターニングデバイス」は、例えば、基板のターゲット部分においてパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを形成するために使用されうる任意のデバイスを表すものと広義に解釈されるべきである。なお、放射ビームに形成されるパターンは、例えば、パターンが位相シフトフィーチャや、いわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンと正確に対応しなくてもよい。概して、放射ビームに形成されるパターンは、集積回路等のターゲット部分において生成されるデバイスにおける特定の機能層に対応する。
【0025】
パターニングデバイスは、透過型または反射型でもよい。パターニングデバイスの例は、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルを含む。マスクはリソグラフィにおいて周知であり、バイナリ型、レベンソン型位相シフト、およびハーフトーン型位相シフト、および様々なハイブリッドマスクタイプ等のマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの一例は、入射ビームを異なる方向に反射するために個別に傾けられうる小ミラーのマトリックス配置を利用する。傾けられたミラーは、放射ビームにパターン(ミラーのマトリックスによって反射されたもの)を形成する。
【0026】
ここで使用される用語「投影システム」は、使用される露光放射、または液浸液の使用または真空の使用等の他のファクタにとって適切な、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁気型および静電気型の光学システム、またはそれらの任意の組合せを含む、任意のタイプの投影システムを包含するものと広義に解釈されるべきである。ここでの用語「投影レンズ」の使用は、より一般的な用語「投影システム」と同義と解釈されてもよい。
【0027】
ここで示されるように、装置は透過型(例えば、透過型マスクを使用するもの)である。あるいは、装置は反射型(例えば、前述されたようなタイプのプログラマブルミラーアレイ、または反射型マスクを使用するもの)でもよい。
【0028】
リソグラフィ装置は、2(デュアルステージ)またはそれより多いテーブル(例えば、二以上の基板テーブル、二以上のパターニングデバイス支持構造、または基板テーブルおよび計測テーブル)を有するタイプでもよい。このような「複数ステージ」装置では、追加的なテーブルが並列に使用されてもよいし、一または複数の他のテーブルが露光のために使用されている間に、準備ステップが一または複数のテーブル上で実行されてもよい。
【0029】
リソグラフィ装置は、投影システムおよび基板の間の空間を満たすために、基板の少なくとも一部が水等の比較的高い屈折率を有する液体によって覆われてもよいタイプでもよい。液浸液は、リソグラフィ装置における他の空間(例えば、マスクおよび投影システムの間)に適用されてもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるための周知技術である。ここで使用される用語「液浸」は、基板等の構造が液体中に沈まなくてはならないことを意味するのではなく、露光中に液体が投影システムおよび基板の間に位置することのみを意味する。
【0030】
図1を参照して、イルミネータILは、放射ソースSOから放射ビームを受け取る。例えばソースがエキシマレーザの場合、ソースおよびリソグラフィ装置は別体でもよい。このような場合、ソースはリソグラフィ装置の一部を構成するものと解釈されず、例えば、適切な方向付けミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDによって、放射ビームはソースSOからイルミネータILに渡される。例えばソースが水銀ランプの他の場合では、ソースはリソグラフィ装置の一部でもよい。ソースSOおよびイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDと共に、放射システムと表されてもよい。
【0031】
イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタADを含んでもよい。概して、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも外側半径範囲および/または内側半径範囲(一般的に、「σ-outer」および「σ-inner」とそれぞれ表される)が調整されうる。加えて、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCO等の様々な他のコンポーネントを含んでもよい。イルミネータは、放射ビームが断面における所望の均一性および強度分布を有するように調整するために使用されてもよい。
【0032】
放射ビームBは、パターニングデバイスサポート(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを通過した放射ビームBは、基板Wのターゲット部分C上にビームを集める投影システムPSを通過する。第2ポジショナPWおよび位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、二次元エンコーダまたは容量センサ)によって、基板テーブルWTaは正確に駆動されうる(例えば、放射ビームBの経路上に異なるターゲット部分Cを配置するように)。同様に、第1ポジショナPMおよび他の位置センサ(図1においては明示されない)は、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを放射ビームBの経路に対して正確に配置するために使用されうる(例えば、マスクライブラリからの機械的な取り出し後、またはスキャン中)。概して、パターニングデバイスサポート(例えば、マスクテーブル)MTの移動は、第1ポジショナPMの一部を構成する長ストロークモジュール(粗動位置決め)および短ストロークモジュール(微動位置決め)によって実現されてもよい。同様に、基板テーブルWTaの移動は、第2ポジショナPWの一部を構成する長ストロークモジュールおよび短ストロークモジュールを使用して実現されてもよい。(スキャナではない)ステッパの場合、パターニングデバイスサポート(例えば、マスクテーブル)MTは短ストロークアクチュエータのみに接続されてもよいし、固定されてもよい。
【0033】
パターニングデバイス(例えば、マスク)MAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を使用してアライメントされてもよい。図示の例における基板アライメントマークは専用のターゲット部分を占めるが、これらはターゲット部分の間のスペースに配置されてもよい(スクライブラインアライメントマークとして知られている)。同様に、複数のダイがパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に設けられている状況では、マスクアライメントマークがダイの間に配置されてもよい。ダイ内のデバイスフィーチャの中に小さいアライメントマーカが含まれてもよい。この場合、マーカはできるだけ小さく、近接するフィーチャと異なるイメージングまたはプロセス条件を要求しないものであるのが望ましい。アライメントマーカを検出するアライメントシステムは、以下で更に記述される。
【0034】
示される装置は、以下のモードの少なくとも一つにおいて使用されうる。
ステップモードでは、パターニングデバイスサポート(例えば、マスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTaが、放射ビームに形成された全体パターンがターゲット部分C上に一度に投影される(すなわち、単一静的露光)間、実質的に静止状態に保たれる。そして、異なるターゲット部分Cが露光されうるように、基板テーブルWTaがXおよび/またはY方向にシフトされる。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズが、単一静的露光においてイメージングされるターゲット部分Cのサイズを制限する。
スキャンモードでは、パターニングデバイスサポート(例えば、マスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTaが、放射ビームに形成されたパターンがターゲット部分C上に投影される(すなわち、単一動的露光)間、同時にスキャンされる。パターニングデバイスサポート(例えば、マスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTaの速度および方向は、投影システムPSの倍率および像反転特性によって決定されてもよい。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズが、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅を制限する一方で、スキャン動作の長さが、ターゲット部分の(スキャン方向における)高さを決定する。
他のモードでは、パターニングデバイスサポート(例えば、マスクテーブル)MTが、プログラマブルパターニングデバイスを保持しながら実質的に静止状態に保たれ、放射ビームに形成されたパターンがターゲット部分C上に投影される間に、基板テーブルWTaが駆動またはスキャンされる。このモードでは、一般的に、パルス放射ソースが利用され、プログラマブルパターニングデバイスは、必要に応じて、基板テーブルWTaの各移動後またはスキャン中の連続する放射パルスの間に更新される。この動作モードは、前述されたようなタイプのプログラマブルミラーアレイ等のプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用されうる。
【0035】
前述された使用モードに関する組合せおよび/または変形または全く異なる使用モードが利用されてもよい。
【0036】
リソグラフィ装置LAは、二つのテーブルWTa、WTb(例えば、二つの基板テーブル)および二つのステーション(すなわち、その間でテーブルが交換されうる露光ステーションおよび測定ステーション)を有する、いわゆるデュアルステージタイプである。例えば、露光ステーションにおいて一のテーブル上の一の基板が露光されている間、測定ステーションにおいて他の基板が他の基板テーブル上に搭載され、様々な準備ステップが実行されうる。準備ステップは、レベルセンサLSを使用した基板の表面制御のマッピングや、アライメントセンサASを使用した基板上のアライメントマーカの位置の測定を含んでもよい。これらの両センサは、リファレンスフレームRFによって支持されている。測定ステーションや露光ステーションにいる間にテーブルの位置を位置センサIFが測定できない場合、両ステーションにおいてテーブルの位置を追跡可能にするための第2位置センサが提供されてもよい。他の例として、一つのテーブル上の基板が露光ステーションで露光されている間、基板のない他のテーブルが測定ステーションで待つ(ここで、オプションで測定活動が起こってもよい)。この他のテーブルは、一または複数の測定デバイスを有し、オプションで他のツール(例えば、クリーニング装置)を有してもよい。基板が露光を完了した時、基板のないテーブルは、例えば、測定を実行するために露光ステーションに移動し、基板のあるテーブルは、当該基板が外されて他の基板が搭載される場所(例えば、測定ステーション)に移動する。これらの複数テーブル構成は、装置のスループットを実質的に高められる。
【0037】
図2に示されるように、リソグラフィ装置LAは、リソセルまたはリソクラスタと表されることもある、基板に対して一または複数の露光前および露光後のプロセスを実行するための装置も含むリソグラフィセルLCの一部を構成してもよい。従来、これらは、レジスト層を形成するための一または複数のスピンコータSC、露光されたレジストを現像するための一または複数のディベロッパDE、一または複数の冷却プレートCH、および一または複数のベークプレートBKを含む。基板ハンドラまたはロボットROは、入力/出力ポートI/O1、I/O2から基板をピックアップし、それらを異なる処理デバイスの間で移動させ、リソグラフィ装置のローディングベイLBに基板を搬送する。しばしばトラックとも総称されるこれらのデバイスは、それ自体が監視制御システムSCSによって制御されてもよいトラック制御ユニットTCUの制御下にある。監視制御システムSCSは、リソグラフィ制御ユニットLACUを介して、リソグラフィ装置も制御する。このように、スループットおよび処理効率を最大化するために、異なる装置が稼働されてもよい。
【0038】
リソグラフィ装置によって露光される基板が一貫して正しく露光されるために、後続の層との間のオーバーレイエラー、線厚、臨界寸法(CD)等の一または複数の特性を測定するために、露光された基板を検査するのが望ましい。エラーが検出された場合、一または複数の後続の基板の露光に調整が加えられてもよい。これは、例えば、同じバッチの他の基板が未だ露光されない間に検査が迅速に行われうる場合、特に有用でありうる。また、既に露光された基板は、歩留まりを向上させるために取り外されて再処理されてもよいし、欠陥のあることが分かった基板に対して露光が実行されるのを避けるために廃棄されてもよい。基板の一部のターゲット部分のみに欠陥がある場合、更なる露光は欠陥のない良好なターゲット部分のみに対して実行されてもよい。他の可能性は、エラーを補償するために、後続の処理ステップの設定を調整することである。例えば、トリムエッチングステップの時間が、リソグラフィ処理ステップに起因する基板間のCD変動を補償するために調整されうる。
【0039】
一実施形態では、パターニングデバイスMAに、機能パターン(すなわち、動作デバイスの一部を構成するパターン)が提供されてもよい。代えてまたは加えて、パターニングデバイスには、機能パターンの一部を構成しない測定パターンが提供されてもよい。測定パターンは、例えば、機能パターンの一方側に配置されてもよい。測定パターンは、例えば、リソグラフィ装置の基板テーブルWT(図1参照)に対するパターニングデバイスのアライメントを測定するために使用されてもよいし、いくつかの他のパラメータ(例えば、オーバーレイ)を測定するために使用されてもよい。ここで記述される技術は、このような測定パターンに適用されてもよい。
【0040】
本発明の様々な実施形態によれば、測定またはシミュレーションされるウェーハのフィーチャおよびリソグラフィ装置の属性が、パフォーマンスを向上させるためにレチクルについてのデザインをアップデートするために使用されてもよい。一つの例では、計測ターゲット(測定パターン)の場所が、ウェーハのフィーチャおよび装置の属性の影響が低減されるように、測定および/またはシミュレーションされるウェーハのフィーチャに応じて配置されてもよい。あるいは、ウェーハおよび/またはリソグラフィシステムの同様のフィーチャが、機能パターンについての位置および/または方向をアップデートするために使用されてもよい。
【0041】
導入として、計測ターゲットを利用する検査装置のオペレーションが記述される。検査装置は、基板の一または複数の特性(特に、異なる基板または同じ基板の異なる層の一または複数の特性が、層間および/または基板全体でどのように変動するか)を判定するために使用される。検査装置は、リソグラフィ装置LAまたはリソセルLCに一体化されてもよいし、スタンドアロンデバイスでもよい。最速の測定を可能にするために、検査装置は、露光されたレジスト層における一または複数の特性を、露光直後に測定するのが望ましい。しかし、レジストにおける潜像は、非常に低いコントラストを有する。放射に対して露光されたレジストの部分と、露光されていない部分の間には、非常に小さい屈折率の差しかない。更に、全ての検査装置が、潜像の有用な測定を行うための十分な感度を有している訳ではない。このため、露光された基板に対して実行される慣習的に最初のステップであり、レジストの露光済部分および未露光部分の間のコントラストを高める、露光後のベークステップ(PEB)後に測定が行われてもよい。この段階では、レジストにおける像が半潜像と表されてもよい。現像されたレジスト像(この時点では、レジストの露光済部分または未露光部分が除去されている)の測定を行うことも、エッチング等のパターン転写ステップ後に測定を行うことも可能である。後者の可能性は、欠陥のある基板の再処理の可能性を制限するが、例えば、プロセス制御の目的のための有用な情報を依然として提供しうる。
【0042】
図3は、スキャトロメータSM1の一実施形態を示す。これは、基板6上に放射を投影する広帯域(白光)放射プロジェクタ2を備える。反射された放射は、鏡面反射放射のスペクトル10を測定(すなわち、波長の関数としての強度の測定)するスペクトロメータ検出器4に渡される。このデータから、検出されたスペクトルの基になった構造またはプロファイルが、例えば、RCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)および非線形回帰や、図3の下部に示されるようなシミュレーションされたスペクトルのライブラリとの比較によって、処理ユニットPUによって再構成されてもよい。概して、再構成のためには、構造のおおよその形態が既知であり、いくつかのパラメータが構造を形成するプロセスの知識から想定され、少数の構造のパラメータのみがスキャトロメトリデータから決定されるために残る。このようなスキャトロメータは、法線入射スキャトロメータまたは斜め入射スキャトロメータとして構成されてもよい。
【0043】
スキャトロメータSM2の他の実施形態が、図4に示される。このデバイスでは、放射ソース2によって放出される放射が、レンズシステム12を使用して干渉フィルタ13およびポラライザ17を通じて集められ、部分的反射表面16によって反射され、望ましくは少なくとも0.9または0.95の高い開口数(NA)を有する顕微鏡対物レンズ15を介して基板W上に集められる。液浸スキャトロメータは、1を超える開口数を有するレンズを有してもよい。そして、反射された放射は、部分的反射表面16を透過して、散乱スペクトルを検出させるために検出器18に入る。検出器は、レンズ15の焦点距離にある後方投影瞳面11内に配置されてもよい。但し、瞳面は、代わりに、補助光学素子(不図示)によって検出器18上に再イメージングされてもよい。瞳面は、放射の径方向位置が入射角を定め、角位置が放射の方位角を定める面である。検出器は、基板ターゲットの二次元の角散乱スペクトル(すなわち、散乱角の関数としての強度の測定)が測定されうるように、望ましくは二次元検出器である。検出器18は、例えば、CCDまたはCMOSセンサのアレイでもよいし、例えば、フレーム当たり40ミリ秒の積分時間を有してもよい。
【0044】
例えば、入射する放射の強度を測定するために、リファレンスビームがしばしば使用される。これを行うために、放射ビームが部分的反射表面16上に入射する時、その一部がリファレンスミラー14に向かうリファレンスビームとして表面を透過される。そして、リファレンスビームは、同じ検出器18の異なる部分上に投影される。
【0045】
一または複数の干渉フィルタ13が、例えば405~790nm、またはより低い200~300nm等の範囲における興味のある波長を選択するために利用可能である。干渉フィルタは、異なるフィルタのセットを備える代わりに、調整可能でもよい。一または複数の干渉フィルタに代えてまたは加えて、格子が使用されうる。
【0046】
検出器18は、単一の波長(または、狭い波長範囲)で、散乱された放射の強度を測定してもよいし、複数の波長で別々に強度を測定してもよいし、波長範囲に亘って積分された強度を測定してもよい。更に、検出器は、TM(Transverse Magnetic)およびTE(Transverse Electric)偏光放射の強度および/またはTMおよびTE偏光放射の間の位相差を、別々に測定してもよい。
【0047】
大きいエタンデュを与えて複数の波長の混合を許容するような広帯域放射ソース2(すなわち、広範囲の放射周波数または波長(従って、色)を有するもの)を使用することも可能である。広帯域における複数の波長のそれぞれは、望ましくは、δλの帯域幅および少なくとも2δλ(すなわち、波長帯域幅の二倍)の間隔を有する。いくつかの放射の「ソース」は、例えば、ファイバ束を使用して分けられた、拡張された放射ソースの異なる部分でもよい。このように、角度分解散乱スペクトルは、複数の波長で並行的に測定されてもよい。2Dスペクトルより多くの情報を含む3Dスペクトル(波長および二つの異なる角度)が測定されてもよい。これは、より多くの情報が測定されることを可能にし、計測プロセスロバストネスを高める。これは、その全体が参照によって本書に援用される、米国特許出願公報US2006-0066855号においてより詳細に記述されている。
【0048】
ターゲットによって方向が変えられる前後におけるビームの一または複数の特性を比較することによって、基板の一または複数の特性が判定されてもよい。これは、例えば、方向が変えられたビームを基板のモデルを使用して演算された理論上の方向が変えられたビームと比較し、測定および演算された方向が変えられたビームの間の最良のフィットを与えるモデルを探索することによって、行われてもよい。典型的に、パラメータ化された汎用モデルが使用され、最良のマッチが得られるまでモデルのパラメータ(例えば、パターンの幅、高さおよび側壁角度)が変えられる。
【0049】
二つの主なタイプのスキャトロメータが使用される。分光スキャトロメータは、広帯域放射ビームを基板上に向け、特定の狭い角度範囲内に散乱された放射のスペクトル(波長の関数としての強度)を測定する。角度分解スキャトロメータは、単色の放射ビームを使用し、角度の関数としての散乱された放射の強度(または、強度比および楕円偏光構造の場合における位相差)を測定する。あるいは、異なる波長の測定信号が別々に測定され、分析ステージで組み合わされてもよい。偏光放射は、同じ基板から複数のスペクトルを生成するために使用されてもよい。
【0050】
基板の一または複数のパラメータを判定するために、基板のモデルから生成された理論上のスペクトルと、方向が変えられたビームによって生成された、波長(分光スキャトロメータ)または角度(角度分解スキャトロメータ)の関数としての測定されたスペクトルの間で、最良のマッチが典型的に見つかる。最良のマッチを見つけるために、組み合わされてもよい様々な方法がある。例えば、第1の方法は、第1スペクトルを演算するためにモデルパラメータの第1セットが使用され、測定されたスペクトルとの比較が行われる反復探索法である。そして、モデルパラメータの第2セットが選択され、第2スペクトルが演算され、第2スペクトルが測定されたスペクトルと比較される。これらのステップは、最良にマッチするスペクトルを与えるパラメータのセットを見つけることを目標に繰り返される。典型的に、比較からの情報は、後続のパラメータのセットの選択をガイドするために使用される。このプロセスは、反復探索技術として既知である。最良のマッチを与えるパラメータのセットを有するモデルは、測定された基板の最良の記述であると解釈される。
【0051】
第2の方法は、各スペクトルがモデルパラメータの特定のセットに対応する、スペクトルのライブラリを作成することである。典型的に、モデルパラメータのセットは、基板特性の可能性のある変動の全てまたはほとんど全てをカバーするように選ばれる。測定されたスペクトルは、ライブラリにおけるスペクトルと比較される。反復探索法と同様に、最良のマッチを与えるスペクトルに対応するパラメータのセットを有するモデルは、測定された基板の最良の記述であると解釈される。このライブラリ探索技術において、より正確に最良のパラメータのセットを判定するために、補間技術が使用されてもよい。
【0052】
いずれの方法でも、正確なマッチを可能にするために、演算されたスペクトルにおける十分なデータポイント(波長および/または角度)、典型的に、各スペクトルについて80と800またはそれ以上の間のデータポイントが使用されるべきである。反復法を使用して、各パラメータ値についての各反復は、80以上のデータポイントでの演算を伴う。これには、正しいプロファイルパラメータを取得するために必要な反復の数が乗算される。このように、多くの演算が必要とされうる。実際には、これは、精度および処理のスピードの間の妥協に繋がる。ライブラリアプローチでは、精度およびライブラリをセットアップするために必要な時間の間に同様の妥協が存在する。
【0053】
前述されたスキャトロメータのいずれにおいても、基板W上のターゲットは、現像後に固体のレジストの線のバーが形成されるようにプリントされた格子でもよい。バーは、代わりに、基板内にエッチングされてもよい。ターゲットパターンは、興味のあるパラメータにおける変動が、プリントされるターゲットにおける変動として顕在化するように、リソグラフィ投影装置等におけるフォーカス、ドーズ、オーバーレイ、色収差等の興味のあるパラメータに対する感度を持つように選ばれる。例えば、ターゲットパターンは、リソグラフィ投影装置(特に、投影システムPL)における色収差および照明対称性に対する感度を持ってもよく、このような収差の存在はプリントされるターゲットパターンにおける変動として顕在化する。このように、プリントされたターゲットパターンのスキャトロメトリデータは、ターゲットパターンを再構成するために使用される。プリンティングステップおよび/または他のスキャトロメトリプロセスの知識から、線幅および形状等のターゲットパターンのパラメータは、処理ユニットPUによって実行される再構成プロセスに対して入力されてもよい。ターゲットにおける線は、米国特許第7,466,413において記述されているような、格子の線を一緒に定める近またはサブ解像度フィーチャを含むサブユニットによって構成されてもよい。
【0054】
スキャトロメータの実施形態がここで記述されたが、一実施形態では他のタイプの計測装置が使用されてもよい。例えば、その全体が参照によって本書に援用される米国特許第8,797,554において記述されているようなダークフィールド計測装置が使用されてもよい。更に、これらの他のタイプの計測装置は、スキャトロメトリと全く異なる技術を使用してもよい。
【0055】
ここで記述されるようなターゲットは、例えば、「Yieldstar」スタンドアロンまたは統合計測ツールにおける使用のためにデザインされたオーバーレイターゲットでもよいし、および/または典型的に「TwinScan」リソグラフィシステムと共に使用されるようなアライメントターゲットでもよい。「Yieldstar」および「TwinScan」は、いずれもオランダ・フェルトホーフェンのASMLから利用可能である。
【0056】
概して、このようなシステムとの使用のための計測ターゲットは、当該ウェーハ上にイメージングされるべき特定のマイクロ電子デバイスについてのデザイン仕様を満足する寸法で、ウェーハ上にプリントされるべきである。先端プロセスノードにおけるプロセスがリソグラフィデバイスのイメージング解像度の限界に近づくにつれて、デザインルールおよびプロセス互換性要求が、適切なターゲットの選択に対してストレスをかけている。ターゲット自体が進歩するにつれて、位相シフトマスクおよび光近接効果補正等の解像度向上技術の使用をしばしば必要とし、プロセスデザインルール内でのターゲットのプリント可能性が不確実になっていく。結果として、提案されるマークは、プリント可能性および検出可能性の両方の見地からの有効性を確認するために、テストの対象になってもよい。商業的な環境では、良好なオーバーレイマーク検出可能性が、低い総測定不確定性および短い移動-取得-移動の時間(遅い取得は生産ラインについての総スループットに悪影響を及ぼすため)の組合せであると解釈されてもよい。現代のマイクロ回折に基づくオーバーレイターゲット(μDBO)は、ウェーハ監視のコンテキストにおいて使用されるような40x160μm2のターゲットと比較される、本来的により低い検出信号を提供する一方側で10μmのオーダーでもよい。
【0057】
加えて、上記の基準を満足するマークが選択されると、フィルム厚さ変動、様々なエッチングバイアス、およびエッチングおよび/または研磨プロセスに起因するジオメトリ非対称性等のプロセス変動に対して、検出可能性が変化する可能性がある。このため、様々なプロセス変動に対する低い検出可能性変動および低いオーバーレイ/アライメント変動を有するターゲットを選択することが有用でありうる。同様に、イメージングされるべきマイクロ電子デバイスを生成するために使用される特定の装置のフィンガープリント(例えば、レンズ収差を含むプリンティング特性)は、概して、ターゲットマークのイメージングおよび生産に影響を及ぼす。このように、いくつかのパターンは多かれ少なかれ特定のリソグラフィフィンガープリントの影響を受けるため、マークがフィンガープリントの影響に対する耐性を有することを担保することが有用でありうる。
【0058】
図5は、従来の基板上に形成される複合計測ターゲットを示す。複合ターゲットは、計測装置の照明ビームによって形成される測定スポット31内に近接配置される四つの格子32、33、34、35を備える。このため、四つのターゲットは、全て同時に照明され、同時にセンサ4、18上にイメージングされる。オーバーレイ測定のための一例では、格子32、33、34、35自体が、基板W上に形成される半導体デバイスの異なる層においてパターニングされる格子を重ねることによって形成される複合格子である。格子32、33、34、35は、複合格子の異なる部分が形成される層の間のオーバーレイの測定を容易にするために、異なるバイアスが加えられたオーバーレイオフセットを有してもよい。格子32、33、34、35は、入ってくる放射をXおよびY方向に回折するように、それらの方向が図示されるように異なってもよい。一つの例では、格子32および34が、それぞれ+d、-dのバイアスを有するX方向格子である。これは、格子32が重なって配置されるコンポーネントを有し、それらの両方が公称位置に正確にプリントされた場合に、コンポーネントの一方が他方に対して距離dだけオフセットされることを意味する。格子34は、完璧にプリントされた場合に、第1格子等とは反対の方向にdのオフセットが存在するように配置されたコンポーネントを有する。格子33および35は、それぞれ+d、-dのオフセットを有するY方向格子でもよい。四つの格子が例示されたが、他の実施形態は、所望の精度を得るために、より大きいマトリックスを含んでもよい。例えば、九つの複合格子の3x3アレイは、-4d、-3d、-2d、-d、0、+d、+2d、+3d、+4dのバイアスを有してもよい。これらの格子の別々のイメージは、センサ4、18によって捕捉されるイメージにおいて特定されうる。
【0059】
アライメントセンサの一例は、マスクおよび基板の相対位置を判定するために使用される透過型イメージセンサである。マスクは、マスクマークを備える。マスクマークのイメージは、基板テーブルに配置される透過型イメージセンサ(TIS)上に、投影システムによって放射ビームを使用して形成される。透過型イメージセンサ(TIS)は、透過型および反射型(または、吸収型)エレメント(例えば、クロムの層における透過型パターン)を有する格子構造を備える。イメージが格子構造にフォーカスおよびアラインされている時、透過型エレメントはイメージに対応する。格子構造の後ろで放射の強度を測定するように構成される検出器(フォトダイオード等)は、格子構造の後ろに配置される。
【0060】
イメージが構造にフォーカスおよびアラインされている場合、全ての放射が構造を通過し、検出器での最大強度をもたらす。イメージが格子構造にフォーカスされていない場合または構造にアラインされていない場合、放射の一部が反射型(または、吸収型)エレメントに当たり、構造の後ろの検出器によって測定される強度が低くなる。
【0061】
マスクおよび基板ステージの間のいくつかの相対位置では、測定された強度が最大になる位置を見つけるために、マスクマークおよび格子を通過した放射の強度が検出器によって測定される。この相対位置は、透過型イメージセンサ(TIS)の構造にフォーカスおよびアラインされているマスクマークに対応する。代替的な実施形態も可能である。例えば、マスクテーブルを基板テーブルにアラインするために、マスクテーブル上またはマスクテーブル上の基準部上にマークが提供されてもよい。また、投影システムを認定するために、いくつかのマークは、マスク上またはマスクテーブル上に存在してもよいし、いくつかの基準部は、マスクテーブル上に存在してもよい。これは、例えば、格子構造および検出器を使用し、測定された位置の間の距離をマスク上のいくつかのマークの距離と比較して、マスク上のいくつかのマスクマークのイメージの位置を一つずつ測定することによって、投影システムの倍率を判定することによって行われてもよい。また、いくつかの格子構造は、基板テーブルに対するマスクの回転を判定するために、基板テーブル上に存在してもよい。
【0062】
使用されてもよい他のタイプのアライメントセンサは、アライメントマークの位置を測定する回折アライメントセンサである。アライメント中、アライメントマークは、放射のアライメントビームで照明される。放射のアライメントビームは、アライメントマークによって、+1、-1、+2および-2等のいくつかの回折次数に回折される。光学エレメントを使用して、アライメントマークのイメージをリファレンスプレート上に形成するために、対応する回折次数の各セット(例えば、+1および-1)が使用される。リファレンスプレートは、測定されるべき対応する回折次数の各セットについてのリファレンス格子を備える。各リファレンス格子の後ろには、リファレンス格子を通過するイメージにおける放射の強度を測定するために、別々の検出器が設けられる。アライメントマークをリファレンスプレートに対して動かすことによって、一または複数のイメージについての最高の強度を有する位置(アラインされた位置を与える)が見つかる。
【0063】
検出器に到達する「零次回折次数」における放射(例えば、測定されているパラメータに関する信号情報を含まない、スポットミラーのエッジから散乱される放射、表面粗さから散乱される放射(ランダム散乱)、ターゲットエッジから散乱される放射等)は、センサのダイナミックレンジを制限する。ウェーハ品質(WQ)は、これらの構造の存在の結果として変動し、結果として顕著に低減されうる。ウェーハ品質は、基準マークによって生成される信号に対する、実際のアライメント信号強度の尺度(比率)である。
【0064】
パフォーマンスを向上させるために、いくつかのイメージの強度が測定され、放射のアライメントビームが複数の色から成る。
【0065】
他のタイプのアライメントセンサは、例えば、その全体が参照によって本書に援用される欧州特許EP1372040において詳細に説明されている自己参照型センサである。
【0066】
ウェーハ上の層の数が増加するにつれて、ウェーハ表面に亘る材料厚さ変動が累積しうる。つまり、ウェーハのいくつかの部分または場所について、他の場所におけるより厚い一または複数の層を有する部分が存在しうる。これは、ダイに亘って異なる厚さを有する単一の層、またはそれぞれがダイに亘って変動する厚さを有して積層されるいくつかの層に起因しうる。厚さにおける変化は、システムの表面上へのフォーカス能力が影響される程に、十分に大きくなりうる。より厚い部分は負のz方向にデフォーカスされうる一方で、より薄い部分は正のz方向にデフォーカスされうる。
【0067】
概して、ウェーハ品質は、ウェーハ上の構造の複数の層の存在によって低減される。アライメントマークは、概して、ウェーハのベース層上にあるため、堆積される後続の層によって部分的または完全に覆われる。このように、層の間の屈折率における変化等のために、層を通過するアライメント光および部分的に界面で反射されるアライメント光の相互作用によってもたらされる干渉が生じうる。同様に、表面粗さ、材料タイプ、および他の考慮事項が、アライメントシステムによって取得される信号の強度に影響を及ぼしうる。
【0068】
いくつかのアプリケーションでは、関連するアライメントマークがベース層より上方の層上にあってもよく、アライメントマークの最上セットがウェーハ上のいくつかの層のいずれかの上に配置されてもよい。
【0069】
発明者は、ウェーハ品質をモニタすることが、ウェーハの表面上のフィルム厚さに関する情報を提供できることを見出した。特に、信号強度および/または回折効率とウェーハ上の構造の厚さの間で相関が判定され、この相関は後続の層のイメージングについてのフォーカスを補正するために使用されうる。ウェーハ品質または信号強度は、アライメントシステム測定のレスポンスを特徴付けるために使用されうる一つのKPI(Key Performance Indicator)を構成するが、原理的には他のKPIが使用されてもよい。
【0070】
一実施形態に係る方法では、例えば、ウェーハ毎の複数の点に亘るμDBO測定を使用して、複数の層が積層されるウェーハについて生のフォーカスデータが収集される。典型的なアプリケーションでは、数十(例えば、40)点がウェーハ毎に測定されてもよく、各点は一または複数のアライメント波長および一または複数のアライメント偏光を使用して測定されてもよい。与えられたアライメント波長および偏光について、図6に示されるように、μDBO測定およびウェーハ品質を相関させる関数をフィットさせることが可能である。関数は、例示されるように2D1次多項式関数でもよいが、より高い次数の関数が適宜使用されうる。
【0071】
実施形態では、複数の波長および/または偏光が組合せで使用されてもよい。例えば、ウェーハのエッジ部分は、ウェーハの中央部分と異なるアライメントシステム波長で測定されてもよい。
【0072】
μDBOデータは、ウェーハの表面上の位置に対してマッピングされうる。先に判定された相関を使用して、ウェーハ品質データがフォーカスを補正するために使用され、パフォーマンスの改善された均一性が実現されうる。
【0073】
ウェーハ品質データを生成する際、フィールド内高さデータが考慮されるステップを含めることが有用でありうる。ウェーハの表面上に、いくつかの実質的に同じダイが、製造プロセス中に典型的に生成される。各ダイは、その内部においてある程度の高さ変動を有しうるが、この変動はダイ間で一様に繰り返されるはずである。そこで、各イメージングフィールドについて、表面高さ変動が存在するが、この変動はフィールドに亘って一貫している。
【0074】
図7に例示されるように、システム100を使用するμDBO測定を使用して、生のフォーカスデータ102が収集される。そして、滑らかなフィールド間データ104を生成するために、フィールド内データ103が生データから除去される。そして、滑らかなフィールド間データは、後続の層のイメージングにおける使用のために、フォーカス予測マップを修正するために使用される。つまり、後続の層についてのフォーカスレシピを生成するために使用される通常レベリングおよびウェーハ品質データ106が、滑らかなフィールド間データと共に取得される情報の追加によって修正され、デルタフォーカス予測108が生成される。
【0075】
図8は、一実施形態に係るフォーカス補正を統合した生産プロセスを例示する。フォトリソグラフィシステム110は、従来のイメージングプロセスにおけるものと同様のレベリングおよびウェーハ品質情報を取得する。以上で例示されたようなフォーカスマッピングは、デルタフォーカス予測108を生成するために適用される。そして、デルタフォーカス予測108は、後続の層についてのイメージングプロセスに対する補正として使用されてもよく、システムはフォーカスが補正されたウェーハ112を生成する。一実施形態では、デルタフォーカス予測が、前述されたようなウェーハ品質データのみに基づいて行われてもよいし、追加的に測定されたレベルセンサデータとの組合せにおいて行われてもよい。
【0076】
一実施形態では、デルタフォーカスマップが、より直接的に生成されてもよい。このアプローチでは、第1のより低い層(例えば、最下層でもよい)についてのレベリングマップが生成または取得される。原理的に、この層は、上に層が積層される任意の層でよく、厳密に最下層である必要はない。概して、アライメントマークも含むスタックにおける最上層は、ベースライン高さマップを生成するために使用されるものである。典型的なアプリケーションでは、より低いレベルが覆われると、当該層の測定結果を取得することが難しくなりうるが、高さマップが先のステップで生成されている場合、後のステージでの使用のために記憶されてもよいし、利用可能とされてもよい。このベースライン測定は、例えば、レベルセンサを使用して行われてもよいが、エアゲージを含む任意の高さマッピングセンサを使用して生成されてもよい。第2のより高い層(例えば、最上層でもよい)についてのレベリングマップは、同様に生成される。概して、第2層は、直接的または間接的に、第1層の上にある任意の層でもよい。最上層は、一般的に、最も容易に測定される層であるが、原理的には他の層が第2層として使用されうる。マップの間の差は、前述された方法によって生成されたものと同じくフィードフォワード的に使用されうるデルタフォーカスマップである。
【0077】
ここで議論されるコントラストは、光学像(aerial image)については、イメージログスロープ(ILS)および/または規格化イメージログスロープ(NILS)を含み、レジストについては、ドーズ感度および/または露光寛容度を含む。
【0078】
ここで使用される用語「最適化する」、「最適化すること」および「最適化」は、リソグラフィの結果および/またはプロセスが、より望ましい特性(基板上へのデザインレイアウトの投影のより高い精度、より大きいプロセスウィンドウ等)を有するように、リソグラフィプロセスパラメータを調整することを意味する。
【0079】
本発明の一実施形態は、ここで開示されるような方法を記述する機械可読命令の一または複数のシーケンスを含むコンピュータプログラムの形態を取ってもよいし、このようなコンピュータプログラムが記憶されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気または光学ディスク)の形態を取ってもよい。更に、機械可読命令は、二以上のコンピュータプログラムにおいて実現されてもよい。二以上のコンピュータプログラムは、一または複数の異なるメモリおよび/またはデータ記憶媒体上に記憶されてもよい。
【0080】
このコンピュータプログラムは、例えば、図1のイメージング装置および/または図2の制御ユニットLACUの内外に含まれてもよい。例えば、図1および2に示されるタイプの既存の装置が既に生産中および/または使用中である場合、一実施形態は、ここで記述されるような方法を装置のプロセッサに実行させるためにアップデートされたコンピュータプログラム製品の提供によって実装されうる。
【0081】
ここで記述される任意のコントローラは、一または複数のコンピュータプログラムが、リソグラフィ装置の少なくとも一つのコンポーネント内に配置される一または複数のコンピュータプロセッサによって読み出される時に、単独または組合せで動作可能である。コントローラは、単独または組合せで、信号を受信、処理、および送信するための適切な任意の構成を有してもよい。一または複数のプロセッサは、少なくとも一つのコントローラと通信するように構成される。例えば、各コントローラは、前述された方法のための機械可読命令を含むコンピュータプログラムを実行するための一または複数のプロセッサを含んでもよい。コントローラは、このようなコンピュータプログラムを記憶するためのデータ記憶媒体、および/または、このような媒体を受け取るためのハードウェアを含んでもよい。このように、コントローラは、一または複数のコンピュータプログラムの機械可読命令に応じて動作してもよい。
【0082】
実施形態の使用についての具体的な参照が、放射を使用するリソグラフィの文脈においてなされたかもしれないが、本発明の一実施形態は、インプリントリソグラフィ等の他のアプリケーションにおいて使用されてもよく、文脈が許容する場合は放射を使用するリソグラフィに限定されないと理解される。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスにおけるトポグラフィが、基板上に生成されるパターンを定める。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジストの層内に押し付けられてもよく、電磁放射、熱、圧力、またはそれらの組合せを適用することによってレジストが硬化される。パターニングデバイスは、レジストが硬化された後に、パターンが残されたレジストから外される。
【0083】
更に、本テキストにおいて、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用についての具体的な参照がなされたかもしれないが、ここで記述されるリソグラフィ装置は他のアプリケーションを有してもよいと理解されるべきである。他のアプリケーションは、集積光学システム、磁気ドメインメモリのためのガイダンスおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造を含む。このような代替的なアプリケーションの文脈において、ここでの用語「ウェーハ」または「ダイ」の使用は、それぞれ、より一般的な用語「基板」または「ターゲット部分」と同義であると解釈されてもよいと当業者は理解する。ここで参照される基板は、露光の前または後において、例えば、トラック(典型的に、基板に対してレジストの層を適用し、露光されたレジストを現像するツール)、計測ツールおよび/または検査ツールにおいて処理されてもよい。適用可能な場合、ここでの本開示は、このような他の基板処理ツールに対して適用されてもよい。更に、例えば、複数層のICを形成するために、基板は複数回に亘って処理されてもよく、ここで使用される用語「基板」は、複数の処理された層を既に含む基板を表してもよい。
【0084】
ここで記述されるパターニングデバイスは、リソグラフィパターニングデバイスと表されてもよい。このように、用語「リソグラフィパターニングデバイス」は、リソグラフィ装置における使用にとって適切なパターニングデバイスを意味するものと解釈されてもよい。
【0085】
ここで使用される用語「放射」および「ビーム」は、紫外(UV)放射(例えば、約365、355、248、193、157または126nmの波長を有するもの)、極端紫外(EUV)放射(例えば、5-20nmの範囲における波長を有するもの)、およびイオンビームまたは電子ビーム等の粒子ビームを含む、全てのタイプの電磁放射を包含する。
【0086】
文脈が許容する場合、用語「レンズ」は、屈折型、反射型、磁気型、電磁気型および静電気型の光学コンポーネントを含む、様々なタイプの光学コンポーネントのそれぞれまたは組合せを表してもよい。
【0087】
記述される実施形態、および明細書における「実施形態」「例」等への参照は、記述される実施形態が特定の特徴、構造、または特質を含んでもよいが、全ての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、または特質を含まなくてもよいということを表す。更に、このような言い回しは、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。更に、特定の特徴、構造、または特質が一実施形態に関して記述される場合、このような特徴、構造、または特質を他の実施形態に関して有効にすることは、明示的に記述されるか否かによらず、当業者の知識の範囲内であると理解される。
【0088】
以上の記述は、非限定的な例示を目的としている。従って、以下で提示される請求項の範囲から逸脱することなく、記述されたような本発明に対して変更が加えられてもよいことは、当業者にとって明らかである。例えば、一または複数の実施形態の一または複数の側面は、適切な場合、一または複数の他の実施形態の一または複数の側面と組み合わされてもよいし、それらで代替されてもよい。従って、このような適合および変更は、ここで提示される教示およびガイダンスに基づいて、開示される実施形態の均等物の意味および範囲内であることが意図されている。ここでの表現または用語は、例による記述を目的としており本発明を限定するものではないと理解され、本明細書の用語または表現は教示およびガイダンスの下で当業者によって解釈される。本発明の幅および範囲は、前述された例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきでなく、以下の請求項およびそれらの均等物のみに従って定められるべきである。本発明の他の側面は、以下の番号が付された項目におけるように提示される。
項目1:
その上に存在する複数の層を有する基板上のフォーカス偏差を補償する方法であって、
フォトリソグラフィ装置のアライメントセンサを使用して、前記基板上の複数のアライメントマークのそれぞれについてのKPI(Key Performance Indicator)データを取得することと、
前記KPIデータおよび前記基板上の位置についてのフォーカスオフセットデータの間の相関を判定することと、
前記相関および前記KPIデータを使用して、前記基板についてのフォーカス予測マップを生成することと、
を備える方法。
項目2:
前記基板上の位置は、前記複数のアライメントマークの位置に対応する、項目1に記載の方法。
項目3:
前記基板上の位置は、前記基板についてのフォーカスモデルによって定められる位置に対応する、項目1に記載の方法。
項目4:
前記KPIデータは、信号強度データである、項目1に記載の方法。
項目5:
前記相関は、プロセスおよび層に依存する、項目1に記載の方法。
項目6:
前記相関は、数学的関数として表現される、項目1に記載の方法。
項目7:
前記相関は、1次2D多項式関数として表現される、項目6に記載の方法。
項目8:
前記相関を判定することの前に、滑らかなフィールド間フォーカスデータを生成するために、前記KPIデータからフィールド内フォーカスデータの少なくとも一部を除去することを更に備え、
前記相関および前記KPIデータを使用することは、前記滑らかなフィールド間フォーカスデータを使用することを備える、
項目1に記載の方法。
項目9:
前記KPIデータは、前記複数のアライメントマークのそれぞれについて、アライメントセンサ放射の複数の波長を使用して取得される、項目1に記載の方法。
項目10:
前記生成することは、前記基板から測定されるレベルセンサデータを使用することを更に備える、項目1に記載の方法。
項目11:
前記基板の後続の層のイメージングプロセスについてフォーカスを調整するために、前記フォーカス予測マップを使用することを更に備える、項目1に記載の方法。
項目12:
その上に存在する複数の層を有する基板上のフォーカス偏差を補償する方法であって、
前記複数の層の第1層についての第1層高さマップを取得することと、
前記複数の層の前記第1層の上にある第2層についての第2層高さマップを、レベルセンサを使用して測定することと、
前記基板についてのデルタ高さマップを取得するために、前記第1層高さマップを前記第2層高さマップから減算することと、
前記基板についてのフォーカス予測マップを生成するために、前記デルタ高さマップを使用することと、
を備える方法。
項目13:
前記第1層高さマップを取得することは、前記第1層について記憶された高さマップデータを読み出すことを備える、項目12に記載の方法。
項目14:
前記第1層高さマップは、レベルセンサを使用して取得される、項目12に記載の方法。
項目15:
前記第1層は、アライメントまたはオーバーレイ計測マークを含む最上層であり、
前記第2層は、後続の露光オペレーションにおいて露光される層である、
項目12に記載の方法。
項目16:
前記基板の後続の層のイメージングプロセスについてフォーカスを調整するために、前記フォーカス予測マップを使用することを更に備える、項目12に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その上に存在する複数の層を有する基板上のフォーカス偏差を補償する方法であって、
フォトリソグラフィ装置のアライメントセンサを使用して、前記基板上の複数のアライメントマークのそれぞれについてのKPI(Key Performance Indicator)データを取得することと、
前記KPIデータおよび前記基板上の位置についてのフォーカスオフセットデータの間の相関を判定することと、
前記相関および前記KPIデータを使用して、前記基板についてのフォーカス予測マップを生成することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記基板上の位置は、前記複数のアライメントマークの位置に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板上の位置は、前記基板についてのフォーカスモデルによって定められる位置に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記KPIデータは、信号強度データである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記相関は、プロセスおよび層に依存する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記相関は、数学的関数として表現される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記相関は、1次2D多項式関数として表現される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記相関を判定することの前に、滑らかなフィールド間フォーカスデータを生成するために、前記KPIデータからフィールド内フォーカスデータの少なくとも一部を除去することを更に備え、
前記相関および前記KPIデータを使用することは、前記滑らかなフィールド間フォーカスデータを使用することを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記KPIデータは、前記複数のアライメントマークのそれぞれについて、アライメントセンサ放射の複数の波長を使用して取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記生成することは、前記基板から測定されるレベルセンサデータを使用することを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基板の後続の層のイメージングプロセスについてフォーカスを調整するために、前記フォーカス予測マップを使用することを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
その上に存在する複数の層を有する基板上のフォーカス偏差を補償する方法であって、
前記複数の層の第1層についての第1層高さマップを取得することと、
前記複数の層の前記第1層の上にある第2層についての第2層高さマップを、レベルセンサを使用して測定することと、
前記基板についてのデルタ高さマップを取得するために、前記第1層高さマップを前記第2層高さマップから減算することと、
前記基板についてのフォーカス予測マップを生成するために、前記デルタ高さマップを使用することと、
を備える方法。
【請求項13】
前記第1層高さマップを取得することは、前記第1層について記憶された高さマップデータを読み出すことを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1層は、アライメントまたはオーバーレイ計測マークを含む最上層であり、
前記第2層は、後続の露光オペレーションにおいて露光される層である、
請求項12に記載の方法。
【請求項15】
フォーカスを調整するために、前記フォーカス予測マップを使用することを更に備える、請求項12に記載の方法。
【国際調査報告】