(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-17
(54)【発明の名称】リソグラフィ装置で使用するためのシステム
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20250109BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G03F7/20 501
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537044
(86)(22)【出願日】2022-12-21
(85)【翻訳文提出日】2024-08-13
(86)【国際出願番号】 EP2022087216
(87)【国際公開番号】W WO2023134989
(87)【国際公開日】2023-07-20
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ラベッツスキ,ドズミトリ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デン アッカー,エメリカス,アントゥーン,テオドルス
(72)【発明者】
【氏名】デ ホーフ,ジュースト
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ジャンション
(72)【発明者】
【氏名】ド ヴリース,ショールド,フランス
(72)【発明者】
【氏名】ハザリ,サイド アーキブ
【テーマコード(参考)】
2H197
5F131
【Fターム(参考)】
2H197AA05
2H197BA11
2H197CA06
2H197CA08
2H197CA10
2H197CB16
2H197CC16
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2H197CD13
2H197CD43
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2H197GA03
2H197GA04
2H197GA17
2H197GA18
2H197GA20
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2H197HA05
2H197HA10
5F131AA02
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5F131EB82
5F131KB12
(57)【要約】
リソグラフィ装置で使用するためのシステムは、基板テーブルと、別のデバイスと、少なくとも1つの変形可能なパーティションとを備える。基板テーブル(例えばウェーハステージ)は基板を支持するように配置される。システムは、デバイスの表面が基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するように第1の構成で構成可能である。少なくとも1つの変形可能なパーティションは、(a)システムが第1の構成にあるときに基板テーブルからデバイスの表面に向かって部分的に延在するか、又は(b)システムが第1の構成にあるときに基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面から基板テーブルに向かって部分的に延在する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ装置のためのシステムであって、
基板を支持するように配置された基板テーブルと、
デバイスであって、前記システムが、前記デバイスの表面が前記基板及び前記基板テーブルに対向し且つ隣接するように第1の構成で構成可能である、デバイスと、
(a)前記システムが前記第1の構成にあるときに前記基板テーブルから前記デバイスの前記表面に向かって部分的に延在するか、又は(b)前記システムが前記第1の構成にあるときに前記基板及び前記基板テーブルに対向し且つ隣接する前記デバイスの前記表面から前記基板テーブルに向かって部分的に延在する、少なくとも1つの変形可能なパーティション(38,46)と、を備えており、
前記少なくとも1つの変形可能なパーティションは、前記システムが前記第1の構成にあるときに前記デバイスと前記基板テーブルとの間の隙間を低減するためのものである、システム。
【請求項2】
前記デバイスは、開口を通して、前記基板テーブルによって支持された基板上に、パターン付き放射ビームを投影するように構成された投影システムを備える、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記デバイスは更に、前記開口から延在し前記システムが前記第1の構成にあるときに前記基板及び前記基板テーブルに対向し且つ隣接する前記デバイスの前記表面を少なくとも部分的に定義する1つ以上のコンポーネントを備える、請求項2のシステム。
【請求項4】
少なくとも1つの変形可能なパーティションが、前記基板テーブルから、前記システムが前記第1の構成にあるときに前記基板及び前記基板テーブルに対向し且つ隣接する前記デバイスの前記表面に向かって、部分的に延在する、請求項1から3のいずれかのシステム。
【請求項5】
前記基板テーブルから前記システムが前記第1の構成にあるときに前記基板及び前記基板テーブルに対向し且つ隣接する前記デバイスの前記表面に向かって部分的に延在する前記少なくとも1つの変形可能なパーティションは、前記基板テーブルのうち前記基板を支持するための領域の外周周りに部分的にのみ延在する、請求項4のシステム。
【請求項6】
前記基板テーブルと前記デバイスとの相対位置を制御するように構成されたスキャン機構を更に備える、請求項1から5のいずれかのシステム。
【請求項7】
少なくとも1つの変形可能なパーティションが、前記基板テーブルに向かって、前記システムが前記第1の構成にあるときに前記基板及び前記基板テーブルに対向し且つ隣接する前記デバイスの表面から、部分的に延在する、請求項1から6のいずれかのシステム。
【請求項8】
前記基板テーブルに向かって前記システムが前記第1の構成にあるときに前記基板及び前記基板テーブルに対向し且つ隣接する前記デバイスの前記表面から部分的に延在する前記少なくとも1つの変形可能なパーティションは、露光領域の前記近傍で投影システムから延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションを備える、請求項7のシステム。
【請求項9】
露光領域の前記近傍で前記投影システムから延在する前記少なくとも1つの変形可能なパーティションは、概ね非スキャン方向に沿って延在する、請求項6に直接的又は非直接的に従属するときの請求項8のシステム。
【請求項10】
前記基板テーブルに向かって前記システムが前記第1の構成にあるときに前記基板及び前記基板テーブルに対向し且つ隣接する前記デバイスの前記表面から部分的に延在する前記少なくとも1つの変形可能なパーティションは、干渉測定システムの一部として使用されるミラーに隣接する表面から延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションを備える、請求項7から9のいずれか一項のシステム。
【請求項11】
干渉測定システムの一部として使用されるミラーに隣接する表面から延在する前記少なくとも1つの変形可能なパーティションは、概ねスキャン方向に沿って延在する、請求項6に直接的又は非直接的に従属するときの請求項10のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの変形可能なパーティションのうち少なくとも1つは弾性変形可能である、請求項1から11のいずれかのシステム。
【請求項13】
前記弾性変形可能なパーティションは、少なくとも前記基板の平面に平行な方向に範囲の構成要素を有する、又は、
前記弾性変形可能なパーティションは、前記基板の前記平面に概ね垂直な方向に弾性変形可能である、又は、
前記少なくとも1つの変形可能なパーティションのうち少なとも1つは、その近位端と遠位端との間に壊れやすい部分を備える、請求項12のシステム。
【請求項14】
基板を支持するように配置された基板テーブルであって、
本体と、
前記本体の表面上に設けられたクランプであって、前記基板を支持するように及び前記基板を前記クランプに締着するように動作可能なクランプと、
前記表面から実質的に前記クランプの外周周りに延在するパーティションと、
前記表面のうち前記パーティション内にある一部に設けられた少なくとも1つのガスアウトレットと、
を備える基板テーブル。
【請求項15】
請求項1から13のうち一項に記載のシステム又は請求項14に記載の基板テーブルを備えるリソグラフィ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は2022年1月13日に提出された欧州出願第22151287.4号及び2022年7月29日に提出された欧州出願第22187859.8の優先権を主張するものであり、同出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、リソグラフィ装置で使用するためのシステムに関する。概して、このシステムは、リソグラフィ装置で使用するための基板テーブル(例えばウェーハステージ)を備え得る。リソグラフィ装置は、極端紫外線(EUV)リソグラフィ装置であり得る。システムは更に、使用時に基板テーブルに隣接し且つ対向して位置決めされる別のデバイスを備え得る。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造に使用可能である。リソグラフィ装置は、例えばパターニングデバイス(例えばマスク)からのパターンを、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層に投影することができる。
【0004】
[0004] 基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用することができる。この放射の波長は、基板上に形成可能なフィーチャの最小サイズを決定する。4~20nmの範囲内、例えば6.7nm又は13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置は、例えば193nmの波長を有する放射を使用するリソグラフィ装置よりも小さいフィーチャを基板上に形成するのに使用することができる。
【0005】
[0005] 本明細書において確認されるか否かに関わらず、既知のリソグラフィ装置と関連する1つ以上の課題に少なくとも部分的に対処するのが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本開示の第1の態様によれば、基板を支持するように配置された基板テーブルと、デバイスであって、システムが、そのデバイスの表面が基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するように第1の構成で構成可能であるデバイスと、(a)システムが第1の構成にあるときに、基板テーブルからデバイスの表面に向かって部分的に延在するか、又は(b)システムが第1の構成にあるときに、基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面から基板テーブルに向かって部分的に延在する、少なくとも1つの変形可能なパーティションと、を備えるシステムが提供される。
【0007】
[0007] 第1の態様によるシステムは、リソグラフィ装置の一部を形成し得る。
【0008】
[0008] デバイスは、基板テーブルによって支持された基板上にパターン付き放射ビームを投影するように構成された投影システムを備え得る。デバイスは更に熱シールドを備えていてもよい。そのような投影システム及び熱シールドは、投影システムがパターン付き放射ビームを基板テーブルによって支持された基板上に投影している間、基板テーブルに対向する表面を定義し得る。
【0009】
[0009] あるいは、デバイスは、パターン付き放射への基板の露光前に基板テーブル(例えばウェーハステージ)によって支持された基板(例えばレジストコートされたシリコンウェーハ)の測定を実施するために使用される、リソグラフィ装置の部品を備え得る。
【0010】
[00010] システムは、デバイスの表面が基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するように第1の構成で構成可能である。システムの構成は、基板テーブルをデバイスに対して移動させることによって変更され得る。いくつかの実施形態においては、システムはリソグラフィ装置の一部を形成してもよく、基板テーブルは、リソグラフィ装置内で、少なくとも(a)(例えば投影システムに近接した)露光場所、及び(b)(例えば1つ以上の測定システムに近接した)測定場所に位置決め可能である。そのようなリソグラフィ装置内では、システムは、基板テーブルが露光場所にあるときは第1の構成にあり、基板テーブルが測定場所にあるときは第2の構成にある(又はその逆)と考えられ得る。
【0011】
[00011] 第1の態様によるシステムは、次に述べるように有利である。
【0012】
[00012] 使用時、基板テーブル(例えばリソグラフィ装置のウェーハステージ)は、基板の少なくとも一部が(デバイスの)概ね平行な表面に対向するように位置決めされ得る。例えば、投影システムが基板テーブルによって支持された基板上にパターン付き放射ビームを投影している間、基板テーブルは、基板の一部が投影システムからパターン付き放射を受けるように位置決めされる。基板の残りの部分は概ね平行な表面に対向し、この表面は例えば熱シールドを備え得る。
【0013】
[00013] 以下で更に述べるように、基板のいくつかの部品と周囲の装置との間の隙間を低減すること(例えば、基板の特定の部品へ又は基板の特定の部品から通過する粒子及び/又は放射の量を低減すること)は有益であり得る。このために、基板テーブル(又は基板)と対向表面との間の距離を低減することは有益であろう。しかしながら、基板又は基板テーブルが対向表面に接触することは望ましくないので、達成可能な最小距離には限界がある。さらに、地震などの場合にそのような接触を防止して基板、基板テーブル、又は対向表面への損傷を防止するために、いくらかの公差が許容され得る。
【0014】
[00014] 有利なことには、第1の態様によるシステムの少なくとも1つの変形可能なパーティションは更に、基板のいくつかの部品と周囲の装置との間の隙間を低減する。少なくとも1つの変形可能なパーティションは、(その近位端の)第1の部材から(その遠位端の)第2の部材に向かって、部分的に延在する。第1及び第2の部材は、(a)基板テーブル、又は(b)基板テーブルに対向するデバイスの表面である。(例えば地震の場合に)第1及び第2の部材が互いに向かって移動すると、第2の部材は、変形可能なパーティションの遠位端に接触して、それを変形させ得る。少なくとも1つのパーティションは変形可能であるので、有利なことには、そのような接触は、基板又は使用時にそれに対向する表面(例えば熱シールド)のいずれにも損傷をもたらさないであろう。したがって、有利なことには、第1の態様によるシステムは、損傷のリスクを制限しながら、基板テーブル(又は基板)と隣接する表面との間の物理的隙間が低減されることを可能にする。
【0015】
[00015] 概して、少なくとも1つの変形可能なパーティションは、保護することが望まれる物体が配設される部材から延在し得る。例えば、少なくとも1つの変形可能なパーティションが基板を保護することが望まれる実施形態については、少なくとも1つの変形可能なパーティションは基板テーブルから延在し得る。同様に、少なくとも1つの変形可能なパーティションが基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスに配設される何かを保護することが望まれる実施形態については、少なくとも1つの変形可能なパーティションはそのデバイスから延在し得る。
【0016】
[00016] デバイスは、開口を通して、基板テーブルによって支持された基板上に、パターン付き放射ビームを投影するように構成された投影システムを備え得る。
【0017】
[00017] そのような投影システムは、投影システムが基板テーブルによって支持された基板上にパターン付き放射ビームを投影している間、基板テーブルに対向し得る。
【0018】
[00018] デバイスは更に、開口から延在しシステムが第1の構成にあるときに基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面を少なくとも部分的に定義する1つ以上のコンポーネントを備え得る。
【0019】
[00019] 前述のコンポーネントは、以下のうちいずれか又は全てを備え得る。投影システムの本体又はハウジングであってそこに開口が定義されたもの、熱シールド、干渉測定システムの一部として使用されるミラー、及び/又はガス流の一部をそのようなミラーから遠ざかるように誘導するように構成されたスポイラ。
【0020】
[00020] 少なくとも1つの変形可能なパーティションが、基板テーブルから、システムが第1の構成にあるときに基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面に向かって、部分的に延在し得る。
【0021】
[00021] 基板テーブルに対向する表面は、熱シールドを備えていてもよく、又は少なくとも部分的に熱シールドによって形成されていてもよい。
【0022】
[00022] 有利なことには、基板テーブルから(例えば基板のリソグラフィ露光中に)基板テーブルに対向する表面へ部分的に延在する変形可能なパーティションは、基板テーブルのうち基板を支持する部分及び基板テーブルの周囲部分と周囲環境との間にバリアを提供する。変形可能なパーティションは、基板テーブルから延在するので、基板テーブルによって支持された基板に対して固定位置に留まる。
【0023】
[00023] リソグラフィ装置では、ウェーハ欠陥の発生を低減するために、基板に入射する粒子の数を低減することが望ましい。基板テーブルから使用中(例えば基板のリソグラフィ露光中)に基板テーブルに対向する表面に向かって部分的に延在する変形可能なパーティションは、基板が配設される領域への周囲環境からの粒子の進入を更に低減するように作用する。
【0024】
[00024] 基板テーブルから使用時(例えば投影システムが基板テーブルによって支持された基板上にパターン付き放射ビームを投影している間)に基板テーブルに対向する表面に向かって部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションが、少なくとも基板の平面に垂直な方向に範囲の構成要素を有することは、理解されよう。
【0025】
[00025] 原理上は、基板テーブルから基板テーブルに対向する表面に向かって部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、基板を支持するための領域の外周(又は周囲)周りの実質的に全体に延在し得る。これは、基板テーブルのうち基板を支持する部分及び基板テーブルの周囲部分と周囲環境との間の分離を最大化するであろう。
【0026】
[00026] 基板テーブルからシステムが第1の構成にあるときに基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面に向かって部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、基板テーブルのうち基板を支持するための領域の外周周りに部分的にのみ延在していてもよい。
【0027】
[00027] 例えば、いくつかの実施形態においては、基板テーブルから使用時に基板テーブルに対向する表面に向かって部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、基板テーブルのうち基板を支持するための概ね長方形の領域の2つの向き合った表面に沿って延在する。
【0028】
[00028] 有利なことには、このような構成は、レーザビームの見通し線が、周囲環境から基板テーブルのうち基板を支持する部分に隣接する基板テーブルの一部へ通過することを可能にする。そのようなレーザビームは、例えば、基準フレームに対する基板テーブルの位置(例えば高さ)を測定するための干渉測定システムの一部として使用され得る。
【0029】
[00029] リソグラフィ装置は更に、基板テーブルとデバイスとの相対位置を制御するように構成されたスキャン機構を備え得る。
【0030】
[00030] 例えば、リソグラフィ装置はリソグラフィスキャナであってもよい。投影システムは、パターン付き放射ビームを露光領域又は露光スリット上に投影するように動作可能であってもよい。露光領域は、像面内の細長い(直線状又は曲線状のいずれかの)領域であり得る。スキャン機構は、基板テーブルによって支持された基板が概ね像面内に位置するように基板テーブルを位置決めするように構成され得る。スキャン機構は更に、露光領域を通して基板のターゲット領域をスキャンするように基板テーブルを移動させるように構成され得る。
【0031】
[00031] 少なくとも1つの変形可能なパーティションが、基板テーブルに向かって、システムが第1の構成にあるときに基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面から、部分的に延在し得る。
【0032】
[00032] 有利なことには、基板テーブルに向かって(例えば基板の露光中に)基板テーブルに対向する表面から部分的に延在する変形可能なパーティションは、露光領域(スリットとしても知られる)と装置又はシステムの周囲部分との間にバリアを提供することができる。変形可能なパーティションは、使用時に基板テーブルに対向する表面から延在するので、デバイス(例えば投影システム及びそれに接続された任意の他の装置)に対して固定位置に留まる。
【0033】
[00033] 以下で更に述べるように、(a)露光領域に隣接する容積から周囲環境に出ていく粒子の数を低減すること、及び/又は(b)露光領域の外側で基板に入射する投影システムからの放射の量を低減することが望ましい場合がある。基板テーブルに向かって、使用中(例えば基板の露光中)に基板テーブルに対向するデバイスの表面から部分的に延在する変形可能なパーティションは、これを達成することができる。
【0034】
[00034] 基板テーブルに向かって使用時(例えば投影システムが基板テーブルによって支持された基板上にパターン付き放射ビームを投影している間)に基板テーブルに対向する表面から部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションが、少なくとも基板の平面に垂直な方向に範囲の構成要素を有することは、理解されよう。
【0035】
[00035] 基板テーブルに向かって基板テーブルに対向する表面から部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、露光領域の外周周りの実質的に全体に延在し得る。あるいは、基板テーブルに向かって基板テーブルに対向する表面から部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、露光領域の外周周りに部分的にのみ延在し得る。
【0036】
[00036] 基板テーブルに向かってシステムが第1の構成にあるときに基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面から部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、露光領域の近傍で投影システムから延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションを備え得る。
【0037】
[00037] 露光領域の近傍で投影システムから延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、概ね非スキャン方向に沿って延在し得る。
【0038】
[00038] 基板テーブルに向かってシステムが第1の構成にあるときに基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面から部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、干渉測定システムの一部として使用されるミラーに隣接する表面から延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションを備え得る。
【0039】
[00039] 干渉測定システムの一部として使用されるミラーに隣接する表面から延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、概ねスキャン方向に沿って延在し得る。
【0040】
[00040] 少なくとも1つの変形可能なパーティションのうち少なくとも1つは弾性変形可能であり得る。
【0041】
[00041] 有利なことには、そのような弾性変形可能なパーティションは、その遠位端が(例えば地震の際に)別の物体に接触すると公称位置から変形することができ、変形を引き起こす物体が除去されると公称位置に戻ることができる。
【0042】
[00042] 前述の弾性変形可能なパーティションは、少なくとも基板の平面に平行な方向に範囲の構成要素を有し得る。
【0043】
[00043] すなわち、基板の平面に対して単に垂直に延在するのではなく、弾性変形可能なパーティションは、基板の平面に対して斜角で延在してもよい。基板の平面に概ね垂直な物体からの力が加わると、そのような弾性変形可能なパーティションは、側方に屈曲し得る。
【0044】
[00044] 前述の弾性変形可能なパーティションは、基板の平面に概ね垂直な方向に弾性変形可能であり得る。
【0045】
[00045] 例えば、基板の平面に垂直な方向では、弾性変形可能なパーティションは、概ねばねの形態であってもよい。基板の平面に概ね垂直な物体からの力が加わると、そのような弾性変形可能なパーティションは、その方向に圧縮し得る。
【0046】
[00046] 少なくとも1つの変形可能なパーティションのうち少なくとも1つは、その近位端と遠位端との間に壊れやすい部分を備え得る。
【0047】
[00047] 有利なことには、そのような壊れやすい部分は、変形可能なパーティションが、その遠位端が(例えば地震の際に)別の物体に接触すると、壊れることを可能にする。そのような変形可能なパーティションは、永久的に変形可能であると説明され得る。
【0048】
[00048] 本開示の第2の態様によれば、本開示の第1の態様のシステムにおいて使用するための基板テーブルが提供される。
【0049】
[00049] 本開示の第3の態様によれば、本開示の第1の態様のシステムにおいて使用するためのデバイスが提供される。
【0050】
[00050] 本発明の第4の態様によれば、基板を支持するように配置された基板テーブルが提供され、その基板テーブルは、基板テーブルから延在し基板テーブルによって支持されたときに少なくとも基板の平面に垂直な方向に範囲の構成要素を有する少なくとも1つの変形可能なパーティションを備える。
【0051】
[00051] 第4の態様による基板テーブルは、第1の態様によるシステムの一部を形成し得る。
【0052】
[00052] 使用時には、基板テーブルは別のデバイスに対して、そのデバイスの表面が基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するように位置決め可能であり得る。そのような構成にあるとき、少なくとも1つの変形可能なパーティションは、基板テーブルからデバイスの表面に向かって部分的に延在し得る。
【0053】
[00053] 有利なことには、第4の態様による基板テーブルの少なくとも1つの変形可能なパーティションは、基板と周囲の装置との間の隙間を更に低減することができる。基板テーブルが、使用時に基板テーブルに隣接する別のデバイスに向かって移動すると(例えば地震の場合)、その別のデバイスは、変形可能なパーティションの遠位端に接触して、それを変形させ得る。少なくとも1つのパーティションは変形可能であるので、有利なことには、そのような接触は、基板又は使用時にそれに対向する表面(例えば熱シールド)のいずれにも損傷をもたらさないであろう。したがって、有利なことには、第4の態様による基板テーブルは、損傷のリスクを制限しながら、基板テーブル(又は基板)と隣接する表面との間の物理的隙間が低減されることを可能にする。
【0054】
[00054] 有利なことには、1つ又は複数の変形可能なパーティションは、基板テーブルのうち基板を支持する部分及び基板テーブルの周囲部分と周囲環境との間にバリアを提供することができる。変形可能なパーティションは、基板テーブルから延在するので、基板テーブルによって支持された基板に対して固定位置に留まる。
【0055】
[00055] リソグラフィ装置では、ウェーハ欠陥の発生を低減するために、基板に入射する粒子の数を低減することが望ましい。基板テーブルから使用中(例えば基板のリソグラフィ露光中)に基板テーブルに対向する表面に向かって部分的に延在する変形可能なパーティションは、基板が配設される領域への周囲環境からの粒子の進入を更に低減するように作用する。
【0056】
[00056] 原理上は、少なくとも1つの変形可能なパーティションは、基板を支持するための領域の外周(又は周囲)周りの実質的に全体に延在し得る。これは、基板テーブルのうち基板を支持する部分及び基板テーブルの周囲部分と周囲環境との間の分離を最大化するであろう。
【0057】
[00057] 基板テーブルから延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、基板テーブルのうち基板を支持するための領域の外周周りに部分的にのみ延在してもよい。
【0058】
[00058] 例えば、いくつかの実施形態においては、基板テーブルから延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、基板テーブルのうち基板を支持するための概ね長方形の領域の2つの向き合った表面に沿って延在してもよい。
【0059】
[00059] 有利なことには、このような構成は、レーザビームの見通し線が、周囲環境から基板テーブルのうち基板を支持する部分に隣接する基板テーブルの一部へ通過することを可能にする。そのようなレーザビームは、例えば、基準フレームに対する基板テーブルの位置(例えば高さ)を測定するための干渉測定システムの一部として使用され得る。
【0060】
[00060] 少なくとも1つの変形可能なパーティションのうち少なくとも1つは弾性変形可能であり得る。
【0061】
[00061] 有利なことには、そのような弾性変形可能なパーティションは、その遠位端が(例えば地震の際に)別の物体に接触すると公称位置から変形することができ、変形を引き起こす物体が除去されると公称位置に戻ることができる。
【0062】
[00062] 前述の弾性変形可能なパーティションは、基板テーブルによって支持されたときに少なくとも基板の平面に平行な方向に範囲の構成要素を有し得る。
【0063】
[00063] すなわち、基板の平面に対して単に垂直に延在するのではなく、弾性変形可能なパーティションは、基板の平面に対して斜角で延在してもよい。基板の平面に概ね垂直な物体からの力が加わると、そのような弾性変形可能なパーティションは、側方に屈曲し得る。
【0064】
[00064] 前述の弾性変形可能なパーティションは、基板テーブルによって支持されたときに基板の平面に概ね垂直な方向に弾性変形可能であり得る。
【0065】
[00065] 例えば、基板の平面に垂直な方向では、弾性変形可能なパーティションは、概ねばねの形態であってもよい。基板の平面に概ね垂直な物体からの力が加わると、そのような弾性変形可能なパーティションは、その方向に圧縮し得る。
【0066】
[00066] 少なくとも1つの変形可能なパーティションのうち少なとも1つは、その近位端と遠位端との間に壊れやすい部分を備え得る。
【0067】
[00067] 有利なことには、そのような壊れやすい部分は、変形可能なパーティションが、その遠位端が(例えば地震の際に)別の物体に接触すると、壊れることを可能にする。そのような変形可能なパーティションは、永久的に変形可能であると説明され得る。
【0068】
[00068] 本発明者らは、露光中の基板の保護を最大化するためには、以下の方法が最も効果的であることを見出した。(a)基板と隣接本体(例えば熱シールド)との間の圧力を増加させること、(b)基板と隣接本体(例えば熱シールド)との間のガス速度を増加させること、及び(c)基板と隣接本体(例えば熱シールド)との間の隙間を減少させること。この洞察は、次に述べるように、本開示の第5の態様及び本開示の第6の態様によって利用される。
【0069】
[00069] 本開示の第5の態様によれば、基板を支持するように構成された基板テーブルが提供され、その基板テーブルは、本体と、本体の表面上に設けられたクランプであって、基板を支持するように及び基板をクランプに締着するように動作可能なクランプと、表面から実質的にクランプの外周周りに延在するパーティションと、表面のうちパーティション内にある一部に設けられた少なくとも1つのガスアウトレットとを備える。
【0070】
[00070] 本開示の第5の態様による基板テーブルは、次に述べるように有利である。
【0071】
[00071] 使用時には、基板テーブルは別のデバイスに対して、そのデバイスの表面が基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するように位置決め可能であり得る。そのような構成にあるとき、少なくとも1つのパーティションは、基板テーブルからデバイスの表面に向かって部分的に延在して、基板テーブルのうちパーティションの内側の部分とその別のデバイスとの間にミニ環境を作り出し得る。
【0072】
[00072] 本開示の第5の態様による基板テーブルは、使用時に、リソグラフィ装置の一部を形成し得る。基板テーブルは、代替的には、ウェーハステージ又はウェーハチャックと称され得る。
【0073】
[00073] 使用時、基板テーブル(例えばリソグラフィ装置のウェーハステージ)は、基板の少なくとも一部が(デバイスの)概ね平行な表面に対向するように位置決めされ得る。例えば、投影システムが基板テーブルによって支持された基板上にパターン付き放射ビームを投影している間、基板テーブルは、基板の一部が投影システムからパターン付き放射を受けるように位置決めされる。基板の残りの部分は概ね平行な表面に対向し、この表面は例えば熱シールドを備え得る。
【0074】
[00074] 一般に、基板へ通過し基板に入射する粒子の量は、低減するのが望ましい。例えば、基板に入射する粒子は、リソグラフィ装置の歩留まり損失をもたらし得る。
【0075】
[00075] 有利なことには、表面から実質的にクランプの外周周りに延在するパーティションは、(例えば、別の物体又はデバイスが基板に隣接し平行な基板テーブルに近接しているときに)基板の近傍のパーティション内にミニ環境を定義する。表面のうちパーティション内にある一部には少なくとも1つのガスアウトレットが設けられるので、そのガスアウトレットが、このミニ環境にガスが提供されることを可能にする。有利なことには、使用時に、少なくとも1つのガスアウトレットから基板テーブルの近傍においてガス流が供給されて、基板から遠ざかるように粒子を移動させ得ると共に、基板テーブルによって支持された基板への粒子の入射を低減し得る。パーティションは、ミニ環境内への所与のガス流の分、ミニ環境内の圧力が増加されることを可能にする。加えて、パーティション、及びそれによって定義されるミニ環境は、基板上に粒子が入射するリスクを増加させることなく、基板と隣接物体(例えば熱シールド)との間の隙間が増加されることを可能にすることができる。
【0076】
[00076] 上記で説明したように、本開示の第5の態様による基板テーブルを用いると、基板の近傍においてより少ないガス流で、及び基板と隣接物体(例えば熱シールド)との間の隙間の増大に起因してより大きな容積で、同じ圧力に達することができる。有利なことには、これは、より均一な圧力をもたらして、局所的な圧力ピークの量を低減し、チタン脆化のリスクを低下させる。
【0077】
[00077] 特に、表面から実質的にクランプの外周周りに延在するパーティションと、表面のうちパーティション内にある一部に設けられた少なくとも1つのガスアウトレットとの組み合わせは、パーティションによって定義されるミニ環境内の圧力が(基板を保護するために)増加されることを可能にし、その一方で、中に基板テーブルが配設されるコンパートメントの残りの部分は比較的低い圧力のままであることができる。これは、いくつかの理由で有益である。第一に、これは、基板テーブルの近傍、例えば中に基板テーブルが配設されるコンパートメント(ウェーハステージコンパートメントと称され得る)における高電圧コンポーネントのパッシェン放電のリスクを低下させる。第二に、ウェーハステージコンパートメントのバルクの圧力がより低いことは、基板テーブルが移動しているときの圧力変動がより小さいことを意味し、その結果、(干渉)ウェーハステージ位置決め測定に対する擾乱がより少なくなる。第三に、基板テーブルコンパートメント全体の高圧を維持するために過剰な水素ガスを注入する必要がない。これは、必要とされる(水素)ガスの量を低減させて、装置をよりエネルギ効率的にし、(水素減少によって)より低コストにし、ポンプ能力に対する要求をより低くする。
【0078】
[00078] パーティションによって形成されるミニ環境の別の利点は、基板の近傍において、所与の圧力レベルが、(水素)ガスの有意に少ない流量注入で達成できることである。ひいては、その結果、このガス流からクランプの機能性への擾乱が少なくなる。例えば、これはクランプ及び本体及びクランプの弛緩機能性の熱調節を補助することができる。
【0079】
[00079] 本開示の第5の態様による基板テーブルの別の利点は、基板への放射熱伝達が低減され、これが基板の熱管理をより容易にするということである。
【0080】
[00080] 本開示の第5の態様による基板テーブルのもう1つの利点は、パーティションが粒子シールドとしても機能するということである。例えば、パーティションは、基板テーブルコンパートメントにおいてガス流によって遮断されないような高速で発生された粒子を反射して、そのような粒子をウェーハから遠ざけておくことができる、物理的バリアとして機能することができる。
【0081】
[00081] パーティションと、パーティションがそこから延在する表面との間には、少なくとも1つの隙間が設けられ得る。
【0082】
[00082] このような配置は、ガス流が、ミニ環境を離れてミニ環境の底部に向かう(すなわち、本体の表面に隣接する)ことを可能にする。このような配置は、ガス流が本体に向かって下方に誘導されることを促進し、基板のための追加の保護を提供するので、有利である。
【0083】
[00083] パーティションは、1つ以上の壁と、本体の表面から1つ以上の壁まで延在する複数の離間した脚部、バール、又は突出部とを備え得る。
【0084】
[00084] 有利なことには、脚部、バール、又は突出部の間の空間が、パーティションと、パーティションがそこから延在する表面との間に、1つ以上の隙間を提供する。
【0085】
[00085] 本体の表面から延在するパーティションが、少なくとも基板の平面に垂直な方向に範囲の構成要素を有することは、理解されよう。
【0086】
[00086] 本体の表面から延在するパーティションは、基板の平面に垂直な方向に延在し得る。
【0087】
[00087] 基板の平面に垂直な方向の、本体の表面からのパーティションの高さは、基板の平面に垂直な方向の、クランプによって支持された基板の高さ未満であり得る。
【0088】
[00088] すなわち、使用時に、基板の遠位(又は上部)表面はパーティションよりも高い。そのような配置では、使用時に基板テーブルに隣接する物体(例えば熱シールド)が(例えば地震の場合に)基板テーブルに向かって移動すると、その物体はパーティションよりもむしろ基板に接触し得る。有利なことには、そのような接触は、パーティション又は使用時にそれに対向する他の物体(例えば熱シールド)に損傷をもたらさないであろう。
【0089】
[00089] 少なくとも1つのガスアウトレットから提供されるガスは、バックフィルガスと称され得る。
【0090】
[00090] バックフィルガスは、本体とクランプとの間(例えば支持バール間)の空間に提供されてもよい。バックフィルガスは、クランプと基板との間(例えば支持バール間)の空間に提供されてもよい。
【0091】
[00091] 少なくとも1つのガスアウトレットのうち少なくとも1つは、クランプの近傍に設けられ得る。例えば、少なくとも1つのガスアウトレットのうち少なくとも1つは、本体とクランプとの間に設けられてもよい。追加的又は代替的には、少なくとも1つのガスアウトレットのうち少なくとも1つは、パーティションとクランプとの間に、クランプに近接して設けられてもよい。
【0092】
[00092] 少なくとも1つのガスアウトレットは、ガス流をクランプの周りのリングに誘導するように配置されてもよく、それによってガス流はクランプから遠ざかるように誘導される。
【0093】
[00093] そのような配置は、バックフィルガス流シールドと称され得る。使用時に、ガス(例えば水素ガス)流は、基板(ウェーハ)の周りのリングに注入され得、それによってガス流は、基板から遠ざかる方向に向かい、ひいては粒子を基板から遠ざかる方向に移動させる。したがって、このガス流は、クランプ及び基板の周りにシールドを形成する。
【0094】
[00094] 基板テーブルは更に、少なくとも1つのガスアウトレットにガスを供給するように動作可能なガス供給源を備え得る。
【0095】
[00095] 本開示の第6の態様によれば、本開示の第5の態様による基板テーブルと、デバイスとを備えるシステムが提供され、システムは、デバイスの表面が基板テーブル及びそれによって支持された基板に対向し且つ隣接するように第1の構成で構成可能である。
【0096】
[00096] デバイスは、基板テーブルによって支持された基板上にパターン付き放射ビームを投影するように構成された投影システムを備え得る。デバイスは更に熱シールドを備えていてもよい。そのような投影システム及び熱シールドは、投影システムがパターン付き放射ビームを基板テーブルによって支持された基板上に投影している間、基板テーブルに対向する表面を定義し得る。
【0097】
[00097] あるいは、デバイスは、パターン付き放射への基板の露光前に基板テーブル(例えばウェーハステージ)によって支持された基板(例えばレジストコートされたシリコンウェーハ)の測定を実施するために使用される、リソグラフィ装置の部品を備え得る。
【0098】
[00098] システムは、デバイスの表面が基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するように第1の構成で構成可能である。システムの構成は、基板テーブルをデバイスに対して移動させることによって変更され得る。いくつかの実施形態においては、システムはリソグラフィ装置の一部を形成してもよく、基板テーブルは、リソグラフィ装置内で、少なくとも(a)(例えば投影システムに近接した)露光場所、及び(b)(例えば1つ以上の測定システムに近接した)測定場所に位置決め可能である。そのようなリソグラフィ装置内では、システムは、基板テーブルが露光場所にあるときは第1の構成にあり、基板テーブルが測定場所にあるときは第2の構成にある(又はその逆)と考えられ得る。
【0099】
[00099] デバイスは、開口を通して、基板テーブルによって支持された基板上に、パターン付き放射ビームを投影するように構成された投影システムを備え得る。
【0100】
[000100] そのような投影システムは、投影システムが基板テーブルによって支持された基板上にパターン付き放射ビームを投影している間、基板テーブルに対向し得る。
【0101】
[000101] デバイスは更に、開口から延在しシステムが第1の構成にあるときに基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面を少なくとも部分的に定義する1つ以上のコンポーネントを備え得る。
【0102】
[000102] 前述のコンポーネントは、以下のうちいずれか又は全てを備え得る。投影システムの本体又はハウジングであってそこに開口が定義されたもの、熱シールド、干渉測定システムの一部として使用されるミラー、及び/又はガス流の一部をそのようなミラーから遠ざかるように誘導するように構成されたスポイラ。
【0103】
[000103] システムは更に、基板テーブルとデバイスとの相対位置を制御するように構成されたスキャン機構を備え得る。
【0104】
[000104] 例えば、リソグラフィ装置はリソグラフィスキャナであってもよい。投影システムは、パターン付き放射ビームを露光領域又は露光スリット上に投影するように動作可能であってもよい。露光領域は、像面内の細長い(直線状又は曲線状のいずれかの)領域であり得る。スキャン機構は、基板テーブルによって支持された基板が概ね像面内に位置するように基板テーブルを位置決めするように構成され得る。スキャン機構は更に、露光領域を通して基板のターゲット領域をスキャンするように基板テーブルを移動させるように構成され得る。
【0105】
[000105] 本開示の第6の態様によれば、本開示の第1の態様によるシステム、本開示の第4の態様による基板テーブル、本開示の第5の態様による基板テーブル、又は本開示の第6の態様によるシステムを備えるリソグラフィ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0106】
[000106] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
【0107】
【
図1】リソグラフィ装置と放射源とを備えるリソグラフィシステムを示す。
【
図2A】
図1に示されるリソグラフィ装置のうち、基板テーブル(及び基板)の近傍の一部を、投影システムの一部を含め、リソグラフィ装置のスキャン方向(y方向)を含む平面における断面で概略的に示す。
【
図2B】
図1に示されるリソグラフィ装置のうち、基板テーブル(及び基板)の近傍の一部を、投影システムの一部を含め、リソグラフィ装置の非スキャン方向(x方向)を含む平面における断面で概略的に示す。
【
図3】(基板を支持する)基板テーブルと、基板テーブル及び基板に対向し且つ隣接する概ね平行なバリアとの断片を示す。
【
図4】
図3に示されるのと同じ基板テーブル、基板、及びバリアの断片を示し、加えて、基板テーブルからバリアの表面に向かって部分的に延在する変形可能なパーティションを示す。
【
図5A】基板テーブルから対向表面に向かって部分的に延在する、
図4に示されるタイプの変形可能なパーティションの、第1の例示的な実施形態を示す。
【
図5B】基板テーブルから対向表面に向かって部分的に延在する、
図4に示されるタイプの変形可能なパーティションの、第1の例示的な実施形態を示す。
【
図6A】基板テーブルから対向表面に向かって部分的に延在する、
図4に示されるタイプの変形可能なパーティションの、第2の例示的な実施形態を示す。
【
図6B】基板テーブルから対向表面に向かって部分的に延在する、
図4に示されるタイプの変形可能なパーティションの、第2の例示的な実施形態を示す。
【
図7A】基板テーブルから対向表面に向かって部分的に延在する、
図4に示されるタイプの変形可能なパーティションの第1の例示的な実施形態を示す。
【
図7B】基板テーブルから対向表面に向かって部分的に延在する、
図4に示されるタイプの変形可能なパーティションの第1の例示的な実施形態を示す。
【
図8】(基板を支持する)基板テーブルと、基板テーブル及び基板に対向し且つ隣接する概ね平行なバリアの一部との断片を示す。
【
図9】
図8に示されるのと同じ基板テーブル、基板、及びバリアの断片を示し、加えて、表面から基板テーブルに向かって部分的に延在する変形可能なパーティションを示す。
【
図10A】基板テーブルに向かって表面から部分的に延在する、干渉測定システムの一部として使用されるミラーに隣接した、
図9に示されるタイプの変形可能なパーティションの第1の例示的な実施形態を示す。
【
図10B】基板テーブルに向かって表面から部分的に延在する、干渉測定システムの一部として使用されるミラーに隣接した、
図9に示されるタイプの変形可能なパーティションの第1の例示的な実施形態を示す。
【
図11A】基板テーブルに向かって表面から部分的に延在する、干渉測定システムの一部として使用されるミラーに隣接した、
図9に示されるタイプの変形可能なパーティションの第2の例示的な実施形態を示す。
【
図11B】基板テーブルに向かって表面から部分的に延在する、干渉測定システムの一部として使用されるミラーに隣接した、
図9に示されるタイプの変形可能なパーティションの第2の例示的な実施形態を示す。
【
図12A】基板テーブルに向かって表面から部分的に延在する、干渉測定システムの一部として使用されるミラーに隣接した、
図9に示されるタイプの変形可能なパーティションの第3の例示的な実施形態を示す。
【
図12B】基板テーブルに向かって表面から部分的に延在する、干渉測定システムの一部として使用されるミラーに隣接した、
図9に示されるタイプの変形可能なパーティションの第3の例示的な実施形態を示す。
【
図13】(基板を支持する)基板テーブルと、基板テーブル及び基板に対向し且つ隣接する概ね平行なバリアの一部との断片を示す。
【
図14】
図8に示されるのと同じ基板テーブル、基板、及びバリアの断面を示し、加えて、各々が投影システムのハウジングから基板テーブルに向かって部分的に延在する2つの変形可能なパーティションを示す。
【
図15A】露光領域の近傍において基板テーブルに向かって投影システムから部分的に延在する、
図14に示されるタイプの変形可能なパーティションの第1の例示的な実施形態を示す。
【
図15B】露光領域の近傍において基板テーブルに向かって投影システムから部分的に延在する、
図14に示されるタイプの変形可能なパーティションの第1の例示的な実施形態を示す。
【
図16A】露光領域の近傍において基板テーブルに向かって投影システムから部分的に延在する、
図14に示されるタイプの変形可能なパーティションの第2の例示的な実施形態を示す。
【
図16B】露光領域の近傍において基板テーブルに向かって投影システムから部分的に延在する、
図14に示されるタイプの変形可能なパーティションの第2の例示的な実施形態を示す。
【
図17A】露光領域の近傍において基板テーブルに向かって投影システムから部分的に延在する、
図14に示されるタイプの変形可能なパーティションの第3の例示的な実施形態を示す。
【
図17B】露光領域の近傍において基板テーブルに向かって投影システムから部分的に延在する、
図14に示されるタイプの変形可能なパーティションの第3の例示的な実施形態を示す。
【
図18A】基板テーブルによって支持された基板が熱シールドなどのデバイスに隣接し且つ対向するような構成の、本開示の一実施形態による基板テーブルの正確な縮尺ではない断面図を示す。
【
図20】
図19Cに示されるパーティション及び本体の拡大側面図を示す。
【
図21】
図19Aから
図20に示される基板テーブルのパーティションの存在に起因して基板の近傍で達成される圧力増加のシミュレーションを、基板の高さに対するパーティションの高さの関数として示す。
【発明を実施するための形態】
【0108】
[000107]
図1は、放射源SO及びリソグラフィ装置LAを備えたリソグラフィシステムを示している。放射源SOは、EUV放射ビームBを生成し、このEUV放射ビームBをリソグラフィ装置LAに供給するように構成される。リソグラフィ装置LAは、照明システムILと、パターニングデバイスMA(例えばマスク)を支持するように構成された支持構造MTと、投影システムPSと、基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTとを備える。
【0109】
[000108] 照明システムILは、EUV放射ビームBがパターニングデバイスMAに入射する前にEUV放射ビームBを調節するように構成される。そのため、照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11を備えることができる。ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11は共に、EUV放射ビームBに所望の断面形状と所望の強度分布とを与える。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11に加えて又はこれらの代わりに、他のミラー又はデバイスを備えることができる。
【0110】
[000109] このように調節された後、EUV放射ビームBはパターニングデバイスMAと相互作用する。この相互作用の結果、パターン付きEUV放射ビームB’が生成される。投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’を基板Wに投影するように構成される。この目的のため、投影システムPSは、基板テーブルWTにより保持された基板Wにパターン付きEUV放射ビームB’を投影するように構成された複数のミラー13、14を備えることができる。投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’に縮小係数を適用し、これによってパターニングデバイスMAにおける対応するフィーチャよりも小さいフィーチャの像を形成することができる。例えば、4又は8の縮小係数を適用することができる。投影システムPSは、
図1では2つのミラー13、14のみを有するものとして示されているが、投影システムPSは様々な数のミラー(例えば6個又は8個のミラー)を備えることができる。
【0111】
[000110] 基板Wは、前もって形成されたパターンを含むことができる。このような場合、リソグラフィ装置LAは、パターン付きEUV放射ビームB’により形成された像を、基板W上に前もって形成されたパターンと位置合わせする。
【0112】
[000111] 相対真空、すなわち大気圧を大きく下回る圧力の少量のガス(例えば水素)を、放射源SO、照明システムIL、及び/又は投影システムPS内に供給することができる。
【0113】
[000112]
図1に示されている放射源SOは例えば、レーザ生成プラズマ(LPP)放射源と呼ぶことがあるタイプである。例えばCO
2レーザを含み得るレーザシステム1は、レーザビーム2を介して、例えば燃料放出器3から与えられるスズ(Sn)のような燃料にエネルギを堆積するよう配置されている。以下の記載ではスズに言及するが、任意の適切な燃料を使用すればよい。燃料は、例えば液体の形態とすることや、例えば金属又は合金とすることが可能である。燃料放出器3は、例えば小滴の形態のスズを、プラズマ形成領域4へ向かう軌道に沿って誘導するよう構成されたノズルを備えることができる。レーザビーム2は、プラズマ形成領域4においてスズに入射する。レーザエネルギのスズへの堆積は、プラズマ形成領域4においてスズプラズマ7を生成する。プラズマイオンによる電子の脱励起及び再結合の間に、プラズマ7からEUV放射を含む放射が放出される。
【0114】
[000113] プラズマからのEUV放射は、コレクタ5によって収集され集束される。コレクタ5は、例えば近法線入射放射コレクタ5を含む(より一般的に法線入射放射コレクタと呼ばれることもある)。コレクタ5は、EUV放射(例えば、13.5nm等の所望の波長を有するEUV放射)を反射するように配置された多層ミラー構造を有し得る。コレクタ5は、2つの焦点を有する楕円構成を有し得る。焦点のうち第1のものはプラズマ形成領域4にあり、焦点のうち第2のものは中間焦点6にあり得る。これについては以下で検討する。
【0115】
[000114] レーザシステム1は、放射源SOから空間的に分離してもよい。これが当てはまる場合、レーザビーム2は、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダ及び/又は他の光学系を含むビームデリバリシステム(図示せず)によって、レーザシステム1から放射源SOへ渡すことができる。レーザシステム1、放射源SO、及びビームデリバリシステムは、共に放射システムと見なすことができる。
【0116】
[000115] コレクタ5によって反射された放射は、EUV放射ビームBを形成する。EUV放射ビームBは、中間焦点6で集束されて、プラズマ形成領域4に存在するプラズマの中間焦点6での像を形成する。中間焦点6の像は、照明システムILの仮想放射源として作用する。放射源SOは、中間焦点6が放射源SOの閉鎖構造9の開口8に又は開口8の近くに位置付けられるように配置されている。
【0117】
[000116]
図1は放射源SOをレーザ生成プラズマ(LPP)放射源として図示しているが、放電生成プラズマ(DPP)放射源又は自由電子レーザ(FEL)等のいずれかの適切な放射源を用いてEUV放射を発生させればよい。
【0118】
[000117] 投影システムPSは、絶縁されたフレームに接続される。例えば、絶縁されたフレーム(メトロフレームと称され得る)はベースフレームによって支持されてもよく、ベースフレームは、外部の影響(ベースフレームの振動など)から実質的に絶縁されるように、地面に支持されてもよい。この絶縁は、絶縁されたフレームをベースフレーム上に支持する音響制振マウントの使用によって達成されてもよい。音響制振マウントは、ベースフレームによって及び/又は絶縁されたフレーム自体によって導入される振動を絶縁するように能動的に制御され得る。
【0119】
[000118] 支持構造MTは、絶縁されたフレームに、第1の位置決めデバイスを介して、移動可能に装着される。第1の位置決めデバイスは、パターニングデバイスMAを移動させるため並びに絶縁されたフレーム(及びフレームに接続された投影システムPS)に対して正確に位置決めするために使用され得る。基板テーブルWTは、絶縁されたフレームに、第2の位置決めデバイスを介して、移動可能に装着される。第2の位置決めデバイスは、基板Wを移動させるため並びに絶縁されたフレーム(及びそこに接続された投影システムPS)に対して正確に位置決めするために使用され得る。
【0120】
[000119] 投影システムPSは、内部及び開口を定義する本体又はハウジングを有する。2つのミラー13,14はその内部内に配設され、投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’を、開口を通して、基板テーブルWTによって支持された基板W上に投影するように構成及び配置される。
【0121】
[000120] 投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’を基板Wに投影するように構成される。特に、投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’を投影システムPSの像面内の露光領域(又は照明領域)上に投影するように構成される。露光領域と放射ビームB’とは、(一般に基板Wの表面と一致する)この像面内では、概して同じ形状及びサイズである。
【0122】
[000121] 使用時には、基板Wの複数の異なるターゲット領域(1つ以上のダイに相当し得る)は、(ターゲット領域のうちどれが像面の露光領域内に配設されるかを変更するように)露光と露光との間に基板テーブルWTを投影システムPSに対して移動させることによって、順次露光され得る。加えて、そのような各露光はスキャン露光であってもよく、その際に基板テーブルWTは投影システムPSに対してスキャン方向で移動し、それによって、露光されているターゲット領域は、露光領域を通ってスキャン方向に移動又はスキャンする。この機能性を達成するために、リソグラフィ装置LAには、基板テーブルWTを投影システムPSに対して移動させるためのアクチュエータが設けられている。これらのアクチュエータは、基板テーブルWTと投影システムPSとの相対位置を制御するように構成されたスキャン機構を形成するものと考えられ得る。そのような実施形態については、リソグラフィ装置LAは、リソグラフィスキャナとも称され得る。スキャン機構は、基板テーブルによって支持された基板が概ね像面内に位置するように基板テーブルを位置決めするように構成され得る。スキャン機構は更に、露光領域を通して基板のターゲット領域をスキャンするように基板テーブルを移動させるように構成され得る。
【0123】
[000122] リソグラフィスキャナにおいて、投影システムPSの像面内の露光領域は細長く、そして、(一般に基板Wの表面と一致する)この像面内では、放射ビームB’は概して、放射の(直線状又は曲線状のいずれかの)細長いバンドである。投影システムPSの本体の開口(これを通ってパターン付きEUV放射ビームB’が基板W上に投影される)は、概ね同様の形状を有していてもよく、露光領域及び放射のバンドよりもわずかに大きくてもよい。放射システムPSの像面内の細長い露光領域又は放射の細長いバンドは、スリット又は露光スリットと称され得る。
【0124】
[000123] 一般に、スキャンリソグラフィ装置LAでは、露光領域は細長く、長い寸法と短い寸法とを有する。短い方の寸法は支持構造MTのスキャン方向と一致していてもよく、長い方の寸法は支持構造MTの非スキャン方向と一致していてもよい。露光領域は、湾曲状又は直線状であり得る。以下及び添付の図面では、リソグラフィ装置LAの非スキャン方向はx方向と称され又は標識され、リソグラフィ装置LAのスキャン方向はy方向と称され又は標識される。露光領域に垂直な方向はz方向と称され又は標識される。露光領域の長い方の寸法(x方向)は
図1の平面に対して垂直であり、露光領域の(y方向の)短い方の寸法は
図1の平面内にある。
【0125】
[000124] 像面の露光領域内の各点は、一般に、放射の円錐を受けることになる(すなわち、ある範囲の入射角を有する放射ビームを受けることになる)。したがって、開口に近接して、投影システムPSの本体の内部は、(パターン付きEUV放射ビームB’の光軸に垂直な両方向で)開口に向かって内向きにテーパ状になっていてもよい。開口部に近接したハウジングのこのテーパ状部分は、概ね漏斗形状であるものとして説明されてもよく、漏斗部と称され得る。
【0126】
[000125]
図1に示されるリソグラフィ装置LAのうち、基板テーブルWT(及び基板W)の近傍の一部を、次に、概略的な
図2A及び
図2Bを参照して説明する。
【0127】
[000126]
図2A及び
図2Bは、基板Wを支持するための基板テーブルWTと投影システムPSの一部とを備えるシステム20を示す。
図2Aは、スキャン方向(y方向)を含む平面におけるシステム20の断面を示す。
図2Bは、非スキャン方向(x方向)を含む平面におけるシステム20の断面を示す。
【0128】
[000127] システム20は、
図1に概略的に示されるリソグラフィ装置LAの一部を形成する。
図2A及び
図2Bは、投影システムの本体又はハウジングのうち内部21及び開口22を定義する一部を示す(開口22に近接した内部21のテーパ状の部分のみが示されている)。開口22の範囲は、スキャン方向(
図2Aを参照)よりも非スキャン方向(
図2Bを参照)における方が大きいことに留意されたい。
【0129】
[000128] システム20は更に、開口を通って投影システムPSの内部から遠ざかるガス流を提供するように配置されたガスロックを備えている。このガス流は、矢印23によって概略的に示され、ガスが投影システムの本体又はハウジングの内壁のアパーチャを通って内部21に導かれることを示している。ガス流23は、例えば水素又は窒素など、任意の適当なガスを備え得る。アパーチャは、ガス流23を概ね開口22に向かって誘導するように配置されている。そうすることによって、ガスロックは、投影システムPSの内部を汚染物質の進入から保護する。例えば、ミラー13,14に衝突するそのような汚染物質を防止することができ、これはひいては、投影システムPSの光学性能を改善する。
【0130】
[000129] システム20は更に、基板テーブルWT(及びそれによって支持された任意の基板W)に概ね平行な表面27を定義するバリア26を備える。バリア26は、投影システムのうち開口22に近接した一部を囲み、そこから遠ざかるように延在している。バリア26は、投影システムPSの本体もしくはハウジングの一部を形成するか又は本体もしくはハウジングの延伸部であると考えられてもよい。
【0131】
[000130] バリア26は複数の異なるコンポーネントから形成され得ることが理解されよう。
【0132】
[000131] 例えば、バリア26は、(例えば
図2Aに示される断面内に)基板テーブル熱シールドを備えていてもよく、その基板テーブル熱シールドは、特定の温度に維持することが望ましいであろう基板テーブルWT(及びそれによって支持された任意の基板W)を装置の他の部品(例えばリソグラフィ装置LAの他の部品)から少なくとも部分的に熱的に絶縁するように配置され得る。そのような基板テーブル熱シールドは、水冷プレートを備えていてもよい。
【0133】
[000132] 追加的又は代替的には、バリア26は、バリア26及び/又は投影システムPSに対する(又は、同等に、バリア26及び投影システムPSが取り付けられた、絶縁されたフレームに対する)基板テーブルWTの位置を測定するように配置された測定システムの一部として使用され得る1つ以上のミラー28(
図2Bを参照)を備えるか又は組み込んでいてもよい。使用時には、1つ以上の干渉計ビーム30が、例えばバリア26及び投影システムPSが取り付けられた、絶縁されたフレームから、基板テーブルに向けて放出され得る。干渉ビーム30は、基板テーブルWTからミラー28に向かって反射される。干渉ビーム30は、ミラー28から反射され、基板テーブルWTの平面に概ね垂直な方向(z方向と称され得る)でバリア26及び/又は投影システムPSに対する(又は、同等に、バリア26及び投影システムPSが取り付けられた、絶縁されたフレームに対する)基板テーブルWTの位置を判定するように動作可能な干渉デバイスに戻るように伝搬する。そのような干渉デバイスは位置センサとも称され得る。
【0134】
[000133] バリア26は、例えばアクセスハッチ又はドアなど、投影システムPSの内部21へのアクセスを提供するために移動又は除去されることができる追加のコンポーネントを備えていてもよい。
【0135】
[000134] EUVリソグラフィ装置内では、例えば放射ビームB’からのEUV放射が存在する場合に、装置のいくつかの部品が汚染に曝され得る。基板レベルの装置の部品は、特にそのような汚染の影響を受けやすい。EUV放射が基板Wを照明するとき、汚染物が基板Wから放出され得る。これらの汚染物は、ガス流23によって、システム20の他の部品へと輸送され得る。ミラー28の汚染は、基板テーブルWTの(バリア26に対する)z位置を判定することができる精度の低下を引き起こし得る、並びに/又はミラー28の洗浄及び/もしくは交換を必要とし得るものであり、回避することが望ましい。
【0136】
[000135]
図2Bに概略的に示されるように、システム20は更に、バリアの一部を形成する、開口22とミラー28との間に配設されたスポイラ32を備える。スポイラ32は、ガス流23の一部をミラー28から遠ざかるように、例えばミラー28を迂回する領域34内に誘導するように構成されている。有利なことには、これは、ミラー28上に堆積される汚染物の濃度を低減することができる。
【0137】
[000136] 本開示のいくつかの実施形態は更に、(a)基板テーブルWTから使用時(例えば、投影システムPSがパターン付き放射ビームB’を基板テーブルWTによって支持された基板W上に投影している間)に基板テーブルWTに対向する表面27に向かって部分的に延在するか、又は(b)使用時(例えば、投影システムPSがパターン付き放射ビームB’を基板テーブルWTによって支持された基板W上に投影している間)に基板テーブルWTに対向する表面27から基板テーブルWTに向かって部分的に延在する、少なくとも1つの変形可能なパーティションを備える。
【0138】
[000137] 使用時に、投影システムPSがパターン付き放射ビームB’を基板テーブルWTによって支持された基板W上に投影している間、基板テーブルWTは、基板の一部が投影システムPSから(開口22を通して)パターン付き放射B’を受けるように位置決めされる。基板Wの残りの部分は、概ね平行な表面27に対向し、この表面は例えば熱シールドを備え得る。
【0139】
[000138] 以下で更に述べるように、基板Wのいくつかの部品と周囲の装置との間の隙間を低減すること(例えば、基板Wの特定の部品へ又は基板の特定の部品から通過する粒子及び/又は放射の量を低減すること)が有益であり得る。このために、基板テーブルWT(又は基板W)と対向表面27との間の距離は、低減することが有益であろう。しかしながら、基板W又は基板テーブルWTが対向表面27に接触することは望ましくないので、達成可能な最小距離には限界がある。さらに、地震などの場合にそのような接触を防止して基板W、基板テーブルWT、又は対向表面27への損傷を防止するために、いくらかの公差が許容され得る。
【0140】
[000139] 有利なことには、本開示によるリソグラフィ装置の少なくとも1つの変形可能なパーティションは、基板Wのいくつかの部品と周囲の装置との間の隙間を更に低減する。少なくとも1つの変形可能なパーティションは、(その近位端の)第1の部材から(その遠位端の)第2の部材に向かって、部分的に延在する。第1及び第2の部材は、(a)基板テーブルWT、又は(b)使用時に基板テーブルWTに対向する表面27である。(例えば地震の場合に)第1及び第2の部材が互いに向かって移動すると、第2の部材は、変形可能なパーティションの遠位端に接触して、それを変形させ得る。少なくとも1つのパーティションは変形可能であるので、有利なことには、そのような接触は、基板テーブルWT又は使用時にそれに対向する表面27(例えば熱シールド)のいずれにも損傷をもたらさないであろう。したがって、有利なことには、本開示によるリソグラフィ装置は、損傷のリスクを制限しながら、基板テーブルWT(又は基板W)と隣接する表面27との間の物理的隙間が低減されることを可能にする。
【0141】
[000140] そのような変形可能なパーティションのいくつかの例示的な実施形態が、更に以下で
図3から
図17Bを参照して説明される。
【0142】
[000141] 本開示のいくつかの実施形態においては、次に
図3から
図7Bを参照して述べるように、少なくとも1つの変形可能なパーティションは、基板テーブルWTから、使用時、投影システムPSがパターン付き放射ビームB’を基板テーブルWTによって支持された基板W上に投影している間に基板テーブルWTに対向する表面27に向かって、部分的に延在する。
【0143】
[000142] 上記で説明されたように、基板テーブルWTに対向する表面27は、熱シールドを備えていてもよく、又は少なくとも部分的に熱シールドによって形成されていてもよい。
【0144】
[000143]
図3は、(基板Wを支持する)基板テーブルと、変形可能なパーティションを有さない概ね平行なバリア26との断片を示す。
図3には、周囲環境から放出された粒子の潜在的な軌道36も示されている。
図3に概略的に表されるように、これらの軌道36は、周囲環境からのそのような粒子がバリア26から跳ね返って基板Wに入射する可能性があることを示す。これは、印刷エラーを生じさせ得ると共に、その結果、集積回路に欠陥をもたらし得るので、望ましくない。
【0145】
[000144]
図4は、
図3に示されるのと同じ基板テーブルWT、基板W、及びバリア26の断片を示す。加えて、
図4は、基板テーブルWTから表面27に向かって部分的に延在する変形可能なパーティション38を示す。
図4には、周囲環境から放出された粒子の潜在的な軌道36も示されている。
図3と
図4との比較から分かるように、変形可能なパーティション38がない場合に基板Wに到達するであろう潜在的な軌道36(
図3を参照)のうちいくつかは、変形可能なパーティション38によって遮断される(
図4を参照)。
【0146】
[000145] 有利なことには、基板テーブルWTから表面27へ部分的に延在する変形可能なパーティション38は、基板テーブルWTのうち基板Wを支持する部分及び基板テーブルWTの周囲部分と周囲環境との間にバリアを提供する。変形可能なパーティション38は、基板テーブルWTから延在するので、基板テーブルWTによって支持された基板Wに対して固定位置に留まる。
【0147】
[000146] ウェーハ欠陥の発生を低減するために、基板Wに入射する粒子の数を低減することが望ましい。変形可能なパーティション38は、基板Wが配設される領域への周囲環境からの粒子の進入を更に低減するように作用する。
【0148】
[000147] 基板テーブルWTから使用時に基板テーブルWTに対向する表面27へ部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティション38が、少なくとも基板Wの平面に垂直な方向(すなわちz方向)に範囲の構成要素を有することは、理解されよう。
【0149】
[000148] 原理上は、基板テーブルWTから基板テーブルに対向する表面27に向かって部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティション38は、基板Wを支持するための領域の外周(又は周囲)周りの実質的に全体に延在し得る。これは、基板テーブルWTのうち基板Wを支持する部分及び基板テーブルWTの周囲部分と周囲環境との間の分離を最大化するであろう。
【0150】
[000149] しかしながら、いくつかの実施形態においては、基板テーブルWTから基板テーブルに対向する表面27へ部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティション38は、基板テーブルWTのうち使用時に基板Wを支持する領域の外周周りに部分的にのみ延在する。
【0151】
[000150] 例えば、いくつかの実施形態においては、基板テーブルWTから基板テーブルWTに対向する表面27へ部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティション38は、基板テーブルWTのうち基板Wを支持するための概ね長方形の領域の2つの向き合った表面に沿って延在する。
【0152】
[000151] 有利なことには、このような構成は、レーザビーム30の見通し線が、周囲環境から基板テーブルWTのうち基板Wを支持する部分に隣接する基板テーブルWTの一部へ通過することを可能にする。
図2Bを参照して上記で述べたように、そのようなレーザビーム30は、例えば、基準フレームに対する基板テーブルWTの位置(例えば高さ又はz位置)を測定するための干渉測定システムの一部として使用され得る。
【0153】
[000152] 例えば、上記の
図2A及び
図2Bに示されるようなシステム20の配置では、システム20は、基板テーブルWTのうち基板Wを支持するための概ね長方形の領域の2つの対向する表面の一方に沿って概ね非スキャン方向(x方向)に各々が延在する、2つの変形可能なパーティション38を備えていてもよい。
【0154】
[000153] いくつかの実施形態においては、少なくとも1つの変形可能なパーティション38は、次に
図5Aから
図6Bを参照して述べるように、弾性変形可能であり得る。
【0155】
[000154] 基板テーブルWTから対向表面27に向かって部分的に延在する変形可能なパーティション38の第1の例示的な実施形態においては、変形可能なパーティション38は、少なくとも基板Wの平面に平行な方向に範囲の構成要素を有する弾性変形可能なパーティション38aである。そのような弾性変形可能なパーティション38aが、
図5A及び
図5Bに示されている。
【0156】
[000155]
図5Aは、
図4に示されるのと同じ基板テーブルWT、基板W、及びバリア26の断片を示し、弾性変形可能なパーティション38aは公称位置に配設されている。
図5Bは、
図5Aのように配置を示すが、基板テーブルWT及びバリア26が共に移動されており、それによってバリア26が、公称位置に配設された弾性変形可能なパーティション38aに接触して力を及ぼす。
【0157】
[000156] 基板Wの平面に対して単に垂直に(すなわちz方向のみに)延在するのではなく、弾性変形可能なパーティション38aは、基板Wの平面に対して斜角で延在する。
図5Bに見られるように、基板Wの平面に概ね垂直な(すなわち概ねz方向の)物体(例えばバリア26)からの力が加わると、そのような弾性変形可能なパーティション38aは、自身又はバリア26を損傷することなく、側方に屈曲することができる。
【0158】
[000157] 基板テーブルWTから対向表面27に向かって部分的に延在する変形可能なパーティション38の第2の例示的な実施形態においては、変形可能なパーティション38は、基板Wの平面に概ね垂直な方向(すなわちz方向)に弾性変形可能な、弾性変形可能なパーティション38bである。そのような弾性変形可能なパーティション38bが、
図6A及び
図6Bに示されている。
【0159】
[000158]
図6Aは、
図4に示されるのと同じ基板テーブルWT、基板W、及びバリア26の断片を示し、弾性変形可能なパーティション38bは公称位置に配設されている。
図6Bは、
図6Aのように配置を示すが、基板テーブルWT及びバリア26が共に移動されており、それによってバリア26が、公称位置に配設された弾性変形可能なパーティション38bに接触して力を及ぼす。
【0160】
[000159] 基板Wの平面に垂直な方向では、この実施形態の弾性変形可能なパーティション38bは、概ねばねの形態である。基板Wの平面に概ね垂直な(すなわち概ねz方向の)物体(例えばバリア26)からの力が加わると、そのような弾性変形可能なパーティション38bは、その方向に圧縮し得る。
【0161】
[000160] 有利なことには、このような弾性変形可能なパーティション38a,38bは、その遠位端が(例えば地震の際に)別の物体26に接触すると公称位置から変形することができ、変形を引き起こす物体が除去されると公称位置に戻ることができる。
【0162】
[000161] いくつかの実施形態においては、少なくとも1つの変形可能なパーティション38は、次に
図7Aから
図7Bを参照して述べるように、その近位端と遠位端との間に壊れやすい部分を備え得る。
【0163】
[000162] 基板テーブルWTから対向表面27に向かって部分的に延在する変形可能なパーティション38cの第3の例示的な実施形態においては、変形可能なパーティション38cは、その近位端と遠位端との間に壊れやすい部分を備える。そのような変形可能なパーティション38cが、
図7A及び
図7Bに示されている。
【0164】
[000163]
図7Aは、
図4に示されるのと同じ基板テーブルWT、基板W、及びバリア26の断片を示し、弾性変形可能なパーティション38cは公称位置に配設されている。変形可能なパーティション38cの近位端42と変形可能なパーティション38cの遠位端44との間には、壊れやすい部分40が設けられている。
【0165】
[000164]
図7Bは、
図7Aの配置を示すが、基板テーブルWT及びバリア26が共に移動されており、それによってバリア26が、公称位置に配設された変形可能なパーティション38cに接触して力を及ぼしている。
【0166】
[000165] 有利なことには、そのような壊れやすい部分40は、変形可能なパーティション38cが、その遠位端44が(例えば地震の際に)別の物体に接触すると、壊れることを可能にする。そのような変形可能なパーティション38cは、永久的に変形可能であると説明され得る。
【0167】
[000166] 本開示のいくつかの実施形態においては、次に
図8から
図17Bを参照して述べるように、少なくとも1つの変形可能なパーティションは、基板テーブルWTに向かって、使用時、投影システムPSがパターン付き放射ビームB’を基板テーブルWTによって支持された基板W上に投影している間に基板テーブルWTに対向する表面27から、部分的に延在する。
【0168】
[000167] 基板テーブルWTに向かって基板テーブルWTに対向する表面27から部分的に延在する変形可能なパーティションは、露光領域の外周周りの実質的に全体に延在し得る。あるいは、基板テーブルWTに向かって基板テーブルWTに対向する表面27から部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、露光領域の外周周りに部分的にのみ延在し得る。
【0169】
[000168]
図8は、(基板Wを支持する)基板テーブルWTと、変形可能なパーティションを有さない概ね平行なバリアの一部との断片を示す。特に、バリアは、バリア26及び/又は投影システムPSに対する(又は、同等に、バリア26及び投影システムPSが取り付けられた、絶縁されたフレームに対する)基板テーブルWTのz位置を測定するように配置された測定システムの一部として使用され得るミラー28(
図2Bを参照)を備える。バリアは更に、バリアの一部を形成する、開口22とミラー28との間に配置されたスポイラ32を備える。
【0170】
[000169]
図9は、
図8に示されるのと同じ基板テーブルWT、基板W、及びバリア26の断片を示す。加えて、
図9は、表面27から基板テーブルWTに向かって部分的に延在する変形可能なパーティション46を示す。
【0171】
[000170] 特に、変形可能なパーティション46は、干渉測定システムの一部として使用されるミラー28に隣接するスポイラ32の表面27から延在する。この実施形態においては、変形可能なパーティション46は、概ねスキャン方向(すなわちy方向)に沿って延在する。
【0172】
[000171] 有利なことには、変形可能なパーティション46は基板テーブルWTに向かって基板Wの露光中に基板テーブルWTに対向する表面27から部分的に延在するので、変形可能なパーティション46は、露光領域(スリットとしても知られる)と装置の周囲部分との間にバリアを提供することができる。変形可能なパーティション46は、使用時に基板テーブルWTに対向する表面27から延在するので、投影システムPS及びそれに接続された任意の他の装置に対して固定位置に留まる。
【0173】
[000172] 露光領域に隣接する容積から周囲環境に出ていく粒子の数を低減することが望ましい場合がある。例えば、EUV放射が基板Wを照明するとき、汚染物が基板Wから放出され得る。これらの汚染物は、ガス流23(
図2A及び
図2Bを参照)によって、システム20の他の部品へと輸送され得る。ミラー28の汚染は、基板テーブルWTの(バリア26に対する)z位置を判定することができる精度の低下を引き起こし得る、並びに/又はミラー28の洗浄及び/もしくは交換を必要とし得るものであり、回避することが望ましい。基板テーブルWTへ、基板の露光中に基板テーブルWTに対向する表面27から部分的に延在する変形可能なパーティション46は、これを達成することができる。
【0174】
[000173] 基板テーブルWTに向かって投影システムPSがパターン付き放射ビームを基板テーブルWTによって支持された基板W上に投影している間に基板テーブルWTに対向する表面27から部分的に延在する変形可能なパーティション46が、少なくとも基板Wの平面に垂直な方向(すなわちz方向)に範囲の構成要素を有することは、理解されよう。
【0175】
[000174] いくつかの実施形態においては、少なくとも1つの変形可能なパーティション46は、次に
図10Aから
図11Bを参照して述べるように、弾性変形可能であり得る。
【0176】
[000175] 基板テーブルWTに向かって干渉測定システムの一部として使用されるミラー28に隣接する表面27から部分的に延在する変形可能なパーティション46の第1の例示的な実施形態においては、変形可能なパーティション46は、少なくとも基板Wの平面に平行な方向に範囲の構成要素を有する弾性変形可能なパーティション46aである。そのような弾性変形可能なパーティション46aが、
図10A及び
図10Bに示されている。
【0177】
[000176]
図10Aは、
図9に示されるのと同じ基板テーブルWT、基板W、及びバリア26の断片を示し、弾性変形可能なパーティション46aは公称位置に配設されている。
図10Bは、
図10Aのように配置を示すが、基板テーブルWT及びバリア26が共に移動されており、それによって基板W及び/又は基板テーブルWTが弾性変形可能なパーティション46aに接触して力を及ぼす。
【0178】
[000177] 基板Wの平面に対して単に垂直に(すなわちz方向のみに)延在するのではなく、弾性変形可能なパーティション46aは、基板Wの平面に対して斜角で延在する。
図10Bに見られるように、基板Wの平面に概ね垂直な(すなわち概ねz方向の)物体(例えば基板W及び/又は基板テーブルWT)からの力が加わると、そのような弾性変形可能なパーティション46aは、自身又はバリア26又は基板テーブルWTを損傷することなく、側方に屈曲することができる。
【0179】
[000178] 基板テーブルWTに向かって干渉測定システムの一部として使用されるミラー28に隣接する表面27から部分的に延在する変形可能なパーティション46の第2の例示的な実施形態においては、変形可能なパーティション46は、基板Wの平面に概ね垂直な方向(すなわちz方向)に弾性変形可能な、弾性変形可能なパーティション46bである。そのような弾性変形可能なパーティション46bが、
図11A及び
図11Bに示されている。
【0180】
[000179]
図11Aは、
図4に示されるのと同じ基板テーブルWT、基板W、及びバリア26の断片を示し、弾性変形可能なパーティション46bは公称位置に配設されている。
図11Bは、
図11Aのように配置を示すが、基板テーブルWT及びバリア26が共に移動されており、それによって基板W及び/又は基板テーブルWTが弾性変形可能なパーティション46bに接触して力を及ぼす。
【0181】
[000180] 基板Wの平面に垂直な方向では、この実施形態の弾性変形可能なパーティション46bは、概ねばねの形態である。基板Wの平面に概ね垂直な(すなわち概ねz方向の)物体(例えば基板W及び/又は基板テーブルWT)からの力が加わると、そのような弾性変形可能なパーティション46bは、その方向に圧縮し得る。
【0182】
[000181] 有利なことには、このような弾性変形可能なパーティション46a,46bは、その遠位端が(例えば地震の際に)別の物体26に接触すると公称位置から変形することができ、変形を引き起こす物体が除去されると公称位置に戻ることができる。
【0183】
[000182] いくつかの実施形態においては、少なくとも1つの変形可能なパーティション46は、次に
図12Aから
図12Bを参照して述べるように、その近位端と遠位端との間に壊れやすい部分を備え得る。
【0184】
[000183] 基板テーブルWTに向かって干渉測定システムの一部として使用されるミラー28に隣接する表面27から部分的に延在する変形可能なパーティション46の第3の例示的な実施形態においては、変形可能なパーティション46cは、その近位端と遠位端との間に壊れやすい部分を備える。そのような変形可能なパーティション46cが、
図12A及び
図12Bに示されている。
【0185】
[000184]
図12Aは、
図9に示されるのと同じ基板テーブルWT、基板W、及びバリア26の断片を示し、変形可能なパーティション46cは公称位置に配設されている。変形可能なパーティション46cの近位端50と変形可能なパーティション46cの遠位端52との間には、壊れやすい部分48が設けられている。
【0186】
[000185]
図12Bは、
図12Aのように配置を示すが、基板テーブルWT及びバリア26が共に移動されており、それによって基板W及び/又は基板テーブルWTが変形可能なパーティション46cに接触して力を及ぼしている。
【0187】
[000186] 有利なことには、そのような壊れやすい部分40は、変形可能なパーティション46cが、その遠位端44が(例えば地震の際に)別の物体に接触すると、壊れることを可能にする。そのような変形可能なパーティション46cは、永久的に変形可能であると説明され得る。
【0188】
[000187]
図13は、(基板Wを支持する)基板テーブルWTと、開口22に近接しているが変形可能なパーティションを有さない投影システムハウジングの一部との断片を示す。
【0189】
[000188]
図14は、
図13に示されるのと同じ基板テーブルWTと、基板Wと、開口22に近接した投影システムハウジングの下側部分との断片を示す。加えて、
図14は、各々がハウジング又は投影システムから基板テーブルWTに向かって部分的に延在する、2つの変形可能なパーティション54を示す。
【0190】
[000189] 特に、変形可能なパーティション54は、開口22に近接した投影システムハウジングの下側部分から延在すると共にその延伸部を形成する。変形可能なパーティション54は、露光領域の近傍で投影システムから延在する。この実施形態においては、変形可能なパーティション54は、各々が、概ね非スキャン方向(すなわちx方向)に沿って延在する。
【0191】
[000190] 有利なことには、変形可能なパーティション54は基板テーブルWTに向かって基板Wの露光中に基板テーブルWTに対向する表面から部分的に延在するので、変形可能なパーティション54は、露光領域(スリットとしても知られる)と装置の周囲部分との間にバリアを提供することができる。変形可能なパーティション54は、使用時に基板テーブルWTに対向する表面から延在するので、投影システムPS及びそれに接続された任意の他の装置に対して固定位置に留まる。
【0192】
[000191] 露光領域に隣接する容積から周囲環境に出ていく粒子の数を低減することが望ましい場合がある。例えば、EUV放射が基板Wを照明するとき、汚染物が基板Wから放出され得る。これらの汚染物は、ガス流23(
図2A及び
図2Bを参照)によって、システム20の他の部品へと輸送され得る。基板Wの他の部品の汚染は、ウェーハ欠陥を引き起こし得るものであり、回避することが望ましい。追加的又は代替的には、露光領域の外側で基板Wに入射する投影システムPSからの放射の量を低減することが望ましい場合がある。基板テーブルWTへ、基板の露光中に基板テーブルWTに対向する表面27から部分的に延在する変形可能なパーティション54は、これを達成することができる。
【0193】
[000192] 基板テーブルWTに向かって投影システムPSがパターン付き放射ビームを基板テーブルWTによって支持された基板W上に投影している間に基板テーブルWTに対向する表面から部分的に延在する変形可能なパーティション54が、少なくとも基板Wの平面に垂直な方向(すなわちz方向)に範囲の構成要素を有することは、理解されよう。
【0194】
[000193] いくつかの実施形態においては、少なくとも1つの変形可能なパーティション54は、次に
図15Aから
図16Bを参照して述べるように、弾性変形可能であり得る。
【0195】
[000194] 露光領域の近傍で投影システムから延在する変形可能なパーティション54の第1の例示的な実施形態においては、変形可能なパーティション54は、少なくとも基板Wの平面に平行な方向に範囲の構成要素を有する弾性変形可能なパーティション54aである。そのような弾性変形可能なパーティション54aが、
図15A及び
図15Bに示されている。
【0196】
[000195]
図15Aは、
図14に示されるのと同じ基板テーブルWT、基板W、及び投影システムPSの下部の断片を示し、弾性変形可能なパーティション54aは公称位置に配設されている。
図15Bは、
図15Aのように配置を示すが、基板テーブルWT及びバリア26が共に移動されており、それによって基板W及び/又は基板テーブルWTが弾性変形可能なパーティション54aに接触して力を及ぼす。
【0197】
[000196] 基板Wの平面に対して単に垂直に(すなわちz方向のみに)延在するのではなく、弾性変形可能なパーティション54aは、基板Wの平面に対して斜角で延在する。
図15Bに見られるように、基板Wの平面に概ね垂直な(すなわち概ねz方向の)物体(例えば基板W及び/又は基板テーブルWT)からの力が加わると、そのような弾性変形可能なパーティション54aは、自身又はバリア26又は基板テーブルWTを損傷することなく、側方に屈曲することができる。
【0198】
[000197] 露光領域の近傍で投影システムから延在する変形可能なパーティション54の第2の例示的な実施形態においては、変形可能なパーティション54は、基板Wの平面に概ね垂直な方向(すなわちz方向)に弾性変形可能な、弾性変形可能なパーティション54bである。そのような弾性変形可能なパーティション54bが、
図16A及び
図16Bに示されている。
【0199】
[000198]
図16Aは、
図14に示されるのと同じ基板テーブルWT、基板W、及び投影システムPSの下部の断片を示し、弾性変形可能なパーティション54bは公称位置に配設されている。
図16Bは、
図16Aのように配置を示すが、基板テーブルWT及びバリア26が共に移動されており、それによって基板W及び/又は基板テーブルWTが弾性変形可能なパーティション54bに接触して力を及ぼす。
【0200】
[000199] 基板Wの平面に垂直な方向では、この実施形態の弾性変形可能なパーティション54bは、概ねばねの形態である。基板Wの平面に概ね垂直な(すなわち概ねz方向の)物体(例えば基板W及び/又は基板テーブルWT)からの力が加わると、そのような弾性変形可能なパーティション54bは、その方向に圧縮し得る。
【0201】
[000200] 有利なことには、このような弾性変形可能なパーティション54a,54bは、その遠位端が(例えば地震の際に)別の物体26に接触すると公称位置から変形することができ、変形を引き起こす物体が除去されると公称位置に戻ることができる。
【0202】
[000201] いくつかの実施形態においては、少なくとも1つの変形可能なパーティション54は、次に
図17Aから
図17Bを参照して述べるように、その近位端と遠位端との間に壊れやすい部分を備え得る。
【0203】
[000202] 露光領域の近傍で投影システムから延在する変形可能なパーティション54の第3の例示的な実施形態においては、変形可能なパーティション54cは、その近位端と遠位端との間に壊れやすい部分を備える。そのような変形可能なパーティション54cが、
図17A及び
図17Bに示されている。
【0204】
[000203]
図17Aは、
図14に示されるのと同じ基板テーブルWT、基板W、及びバリア26(投影システムの下部)の断片を示し、変形可能なパーティション54cは公称位置に配設されている。変形可能なパーティション54cの近位端58と変形可能なパーティション54cの遠位端60との間には、壊れやすい部分56が設けられている。
【0205】
[000204]
図17Bは、
図17Aのように配置を示すが、基板テーブルWT及びバリア26が共に移動されており、それによって基板W及び/又は基板テーブルWTが変形可能なパーティション54cに接触して力を及ぼしている。
【0206】
[000205] 有利なことには、そのような壊れやすい部分56は、変形可能なパーティション54cが、その遠位端60が(例えば地震の際に)別の物体に接触すると、壊れることを可能にする。そのような変形可能なパーティション54cは、永久的に変形可能であると説明され得る。
【0207】
[000206] 上記では変形可能なパーティション38,46,54の種々の実施形態が別々に説明されてきたが、他の実施形態がこれらの変形可能なパーティション38,46,54の任意の組み合わせを備えることは理解されよう。
【0208】
[000207]
図4から
図7Bに示され上記で説明された基板テーブルWTは、使用時に基板テーブルWT及び基板Wに対向し且つ隣接する表面27を有するバリア26も参照して図示及び説明されている。本開示のいくつかの実施形態は、概ね
図4から
図7Bに示され上記で説明された基板テーブルWTの形態の基板テーブルWTから延在する変形可能なパーティション38を有する基板テーブルWTのみに関する。
【0209】
[000208] 本発明者らは、放射ビームBへの露光中の基板Wの保護を最大化するためには、以下の方法が最も効果的であることを見出した。(a)基板Wと隣接本体(例えば熱シールド)との間の圧力を増加させること、(b)基板Wと隣接本体(例えば熱シールド)との間のガス速度を増加させること、及び(c)基板Wと隣接本体(例えば熱シールド)との間の隙間を減少させること。この洞察は、次に述べるように、本開示のいくつかの実施形態によって利用される。
【0210】
[000209] 次に、基板Wを支持するように配置された基板テーブル70の一実施形態を、
図18Aから
図21を参照して説明する。
図18Aは、基板テーブル70によって支持された基板が熱シールド72などのデバイスに隣接し対向するような構成の、基板テーブル70の断面図を示す。
図18Bは、
図18Aに示される基板テーブル70の平面図である。
【0211】
[000210] 基板テーブル70は、本体74と、クランプ76と、パーティション78とを備える。本体74には、当該技術分野において知られているように、干渉位置決めデバイス(図示しない)と共に使用するための反射面が設けられ得る。本体74はミラーブロックとも称され得る。クランプ76は、本体74の表面80に設けられる。使用時には、クランプ76は、基板Wを支持するように、及び基板Wをクランプ76に締着するように(すなわち、クランプ力を提供するように)動作可能である。クランプ76は、電磁クランプを備えていてもよい。
【0212】
[000211] パーティション78は、本体74の表面80から延在する。
図18Bに最もよく見られるように、パーティション78は、実質的にクランプ76の外周周りに延在する。
【0213】
[000212] 基板テーブル70は更に、表面80のうちパーティション78内にある一部に設けられた少なくとも1つのガスアウトレットを備える。この実施形態においては、少なくとも1つのガスアウトレットは、それによって送出されるガスが、
図18Aで矢印82によって示されるように、クランプ76と表面80との間の界面から遠ざかるように流れるように配設される。例えば、少なくとも1つのガスアウトレットは、クランプ76と本体74との間に設けられてもよい。あるいは、少なくとも1つのガスアウトレットは、クランプ76とパーティション78との間に、クランプ76に近接して設けられてもよい。
【0214】
[000213] 少なくとも1つのガスアウトレットから提供されるガス82は、バックフィルガスと称され得る。バックフィルガスは、本体74とクランプ76との間(例えば支持バール間)の空間に提供されてもよい。追加的又は代替的には、バックフィルガスは、クランプ76と基板Wとの間(例えば支持バール間)の空間に提供されてもよい。
【0215】
[000214] 少なくとも1つのガスアウトレットは、ガス流82をクランプ76の周りのリングに誘導するように配置されてもよく、それによってガス流82はクランプ76から遠ざかるように誘導される。
【0216】
[000215] そのような配置は、バックフィルガス流シールドと称され得る。使用時に、ガス(例えば水素ガス)流82は、基板Wの周りのリングに注入され得、それによってガス流82は、基板Wから遠ざかる方向に向かい、ひいては粒子を基板Wから遠ざかる方向に移動させる。したがって、このガス流82は、クランプ76及び基板Wの周りにシールドを形成する。
【0217】
[000216] 基板テーブル70は更に、少なくとも1つのガスアウトレットにガスを供給するように動作可能なガス供給源を備え得る。あるいは、少なくとも1つのガスアウトレットにガスを供給するように動作可能であり得る、(リソグラフィ装置LAの一部を形成し得る)別個のガス供給源が、基板テーブル70に接続されてもよい。
【0218】
[000217] 使用時には、基板テーブル70は別のデバイス72に対して、そのデバイス72の表面が基板W及び基板テーブル70に対向し且つ隣接するように位置決め可能であり得る。そのような構成にあるとき、パーティション78は、基板テーブル70からデバイス72の表面に向かって部分的に延在して、基板テーブル70のうちパーティション78の内側の部分とその別のデバイス72との間にミニ環境を作り出す。
【0219】
[000218] 基板テーブル70は、使用時に、
図1に示されるタイプのリソグラフィ装置LAの一部を形成し得る(例えば、
図1に示される基板テーブルWTとして使用され得る)ことが理解されよう。基板テーブル70は、代替的には、ウェーハステージと称され得る。
【0220】
[000219] 使用時、基板テーブル70(例えばリソグラフィ装置のウェーハステージ)は、基板の少なくとも一部が(熱シールドなどのデバイス72の)概ね平行な表面に対向するように位置決めされ得る。例えば、投影システムPSがパターン付き放射ビームB’を基板テーブル70によって支持された基板W上に投影している間、基板テーブル70は、基板Wの一部が投影システムPSからパターン付き放射B’を受けるように位置決めされる。基板Wの残りの部分は、デバイス72の概ね平行な表面に対向し、この表面は例えば熱シールドを備え得る。
【0221】
[000220] 一般に、基板Wへ通過し基板Wに入射する粒子の量は、低減するのが望ましい。例えば、基板Wに入射する粒子は、リソグラフィ装置LAの歩留まり損失をもたらし得る。
【0222】
[000221] 有利なことには、本体74の表面80から実質的にクランプ76の外周周りに延在するパーティション78は、(例えば、別の物体72又はデバイスが基板Wに隣接し平行な基板テーブル70に近接しているときに)基板Wの近傍のパーティション78内にミニ環境を定義する。表面80のうちパーティション78内にある一部には少なくとも1つのガスアウトレットが設けられるので、そのガスアウトレットが、このミニ環境にガス82が提供されることを可能にする。有利なことには、使用時に、少なくとも1つのガスアウトレットから基板テーブル70の近傍においてガス流82が供給されて、基板テーブル70から遠ざかるように粒子を移動させ得ると共に、基板テーブルによって支持された基板Wへの粒子の入射を低減し得る。パーティション78は、(パーティション78が設けられない配置と比較して)ミニ環境内への所与のガス流82の分、ミニ環境内の圧力が増加されることを可能にする。加えて、パーティション78、及びそれによって定義されるミニ環境は、基板W上に粒子が入射するリスクを増加させることなく、基板Wと隣接物体72(例えば熱シールド)との間の隙間84が増加されることを可能にすることができる。
【0223】
[000222]
図18A及び
図18Bにおいては、実施形態の理解を助けるために、新たな基板テーブル70のいくつかの部品の寸法が誇張されている。
図19Aから
図19Cは、同じ基板テーブル70をより現実的な寸法で示す。
図19Aは、本体74、クランプ76、及び基板W(すなわち、パーティション78なしの基板テーブル70)を示す。
図19Bは、パーティション78基板テーブル70を示す。そして、
図19Cは、基板テーブル70とパーティション78とを一緒に示す。
【0224】
[000223]
図19B及び
図19Cから分かるように、パーティション78は、概ね正方形のフレームを合わせて形成する4つの壁88を備える。
【0225】
[000224]
図18Aに示される断面に見られるように、パーティション78と、パーティションがそこから延在する本体74の表面80との間には、少なくとも1つの隙間86が設けられる。このような隙間86は、図の縮尺のために、
図19B及び
図19Cには示されていない。しかしながら、
図20は、パーティション78の壁88のうちの1つと本体74との拡大図を側面図で示しており、ここでは隙間86が視認できる。この実施形態においては、パーティション78は、4つの壁88と、本体74の表面80から1つ以上の壁88まで延在する複数の離間した脚部、バール、又は突出部90とを備えている。有利なことには、脚部、バール、又は突出部90の間の空間が、パーティション78と、パーティションがそこから延在する表面80との間に、1つ以上の隙間86を提供する。
【0226】
[000225] 本体74とパーティション78との間に隙間86があるこのような配置は、ガス流82が、ミニ環境を離れてミニ環境の底部に向かう(すなわち、本体74の表面80に隣接する)ことを可能にする。このような配置は、ガス流82が本体74に向かって下方に誘導されることを促進し、基板Wのための追加の保護を提供するので、有利である。
【0227】
[000226] 本体74の表面80から延在するパーティション78が、少なくとも基板Wの平面に垂直な方向に範囲の構成要素を有することは、理解されよう。図に示される実施形態においては、パーティション78は、基板Wの平面に垂直な方向に延在している。
【0228】
[000227] 基板Wの平面に垂直な方向の、本体74の表面80からのパーティション78の高さ92は、基板の平面に垂直な方向の、クランプ78によって支持された基板Wの高さ94以下であり得る。
【0229】
[000228] すなわち、使用時に、基板Wの遠位(又は上部)表面はパーティション78よりも高くなり得る。そのような配置では、使用時に基板テーブル70に隣接する物体72(例えば熱シールド)が(例えば地震の場合に)基板テーブル70に向かって移動すると、その物体72はパーティション78よりもむしろ基板Wに接触し得る。有利なことには、そのような接触は、パーティション78又は使用時にそれに対向する他の物体72(例えば熱シールド)に損傷をもたらさないであろう。
【0230】
[000229] 上記で説明したように、新たな基板テーブル70を用いると、基板Wの近傍においてより少ないガス流で、及び基板Wと隣接物体72(例えば熱シールド)との間の隙間の増大に起因してより大きな容積で、同じ圧力に達することができる。有利なことには、これは、より均一な圧力をもたらして、局所的な圧力ピークの量を低減し、チタン脆化のリスクを低下させる。
【0231】
[000230] 特に、(a)本体74の表面80から実質的にクランプ76の外周周りに延在するパーティション78と、(b)表面80のうちパーティション78内にある一部に設けられた少なくとも1つのガスアウトレットとの組み合わせは、パーティション78によって定義されたミニ環境内の圧力が(基板Wを保護するために)増加されることを可能にし、その一方で、中に基板テーブル70が配設されるコンパートメントの残りの部分は比較的低い圧力のままであることができる。これは、いくつかの理由で有益である。第一に、これは、基板テーブル70の近傍、例えば中に基板テーブル70が配設されるコンパートメント(ウェーハステージコンパートメントと称され得る)における高電圧コンポーネントのパッシェン放電のリスクを低下させる。第二に、基板テーブルコンパートメントのバルクの圧力がより低いことは、基板テーブル70が移動しているときの圧力変動がより小さいことを意味し、その結果、(干渉)基板テーブル70位置決め測定に対する擾乱がより少なくなる。第三に、基板テーブルコンパートメント全体の高圧を維持するために過剰な水素ガスを注入する必要がない。これは、必要とされる(水素)ガスの量を低減させて、装置をよりエネルギ効率的にし、(水素減少によって)より低コストにし、ポンプ能力に対する要求をより低くする。
【0232】
[000231] パーティション78によって形成されるミニ環境の別の利点は、基板Wの近傍において、所与の圧力レベルが、(水素)ガスの有意に少ない流量注入で達成できることである。ひいては、その結果、このガス流82からクランプ76の機能性への擾乱が少なくなる。例えば、これはクランプ76及び本体80及びクランプ76の弛緩機能性の熱調節を補助することができる。
【0233】
[000232] 基板テーブル70の別の利点は、基板Wへの放射熱伝達が低減され、これが基板Wの熱管理をより容易にするということである。
【0234】
[000233] 基板テーブル70のもう1つの利点は、パーティション78が粒子シールドとしても機能するということである。例えば、パーティション78は、基板テーブルコンパートメントにおいてガス流82によって遮断されないような高速で発生された粒子を反射して、そのような粒子を基板Wから遠ざけておくことができる、物理的バリアとして機能することができる。
【0235】
[000234]
図21は、基板テーブル70のパーティション78の存在に起因して基板Wの近傍で達成される圧力増加を、基板Wの高さ94に対するパーティションの高さ92の関数として示す。
図21に示される結果は、(a)基板Wの平面に垂直な方向の、クランプ78によって支持された基板Wの高さ94が8mmであり、(b)基板Wと隣接物体72(例えば熱シールド)との間の隙間84が6mmである、と仮定したシミュレーションの結果である。
【0236】
[000235]
図21からは、基板Wの平面に垂直な方向の、本体74の表面80からのパーティション78の高さ92が、基板Wの高さ94と同じであれば、25%の圧力増大が達成されることがわかる。やはり
図21からわかるように、機械の損傷の安全性の理由又は他の理由でパーティション78の高さ92が基板Wの高さ94未満である場合、パーティション76は、依然として圧力の有意な増加を提供することができる。
【0237】
[000236] 先の試験は、基板Wに入射する粒子の数が基板Wの近傍の圧力にほぼ反比例し、したがって、基板Wの近傍の圧力の倍増によって、基板Wに入射する粒子の数はおよそ半分になることを示している。パーティションによって達成され得るような1.25倍の圧力増加は、基板W当たりの粒子の1.25倍の改善に相当する。
【0238】
[000237] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。考えられる他の用途は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。
【0239】
[000238] 本明細書ではリソグラフィ装置に関連して本発明の実施形態について具体的な言及がなされているが、本発明の実施形態は他の装置に使用することもできる。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジ装置、又はウェーハ(あるいはその他の基板)もしくはマスク(あるいはその他のパターニングデバイス)などのオブジェクトを測定又は処理する任意の装置の一部を形成してよい。これらの装置は一般にリソグラフィツールと呼ばれることがある。このようなリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を使用することができる。
【0240】
[000239] 以上では光学リソグラフィと関連して本発明の実施形態の使用に特に言及しているが、本発明は、例えばインプリントリソグラフィなど、その他の適用例において使用されてもよく、文脈が許す限り、光学リソグラフィに限定されないことが理解されるであろう。
【0241】
[000240] 文脈上許される場合、本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせにおいて実装することができる。本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサにより読み取られて実行され得る、機械可読媒体に記憶された命令として実装することも可能である。機械可読媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)により読み取り可能な形態で情報を記憶又は伝送するための任意の機構を含むことができる。例えば機械可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外信号、デジタル信号など)、及び他のものを含むことができる。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、特定のアクションを実行するものとして本明細書で説明されることがある。しかしながら、そのような説明は単に便宜上のものであり、そのようなアクションは実際には、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行するコンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又は他のデバイスから生じ、実行する際、アクチュエータ又は他のデバイスが物質世界と相互作用し得ることを理解すべきである。
【0242】
[000241] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることは理解されよう。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。それ故、下記に示す条項及び特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。
【0243】
[000242] 条項
1.基板を支持するように配置された基板テーブルと、
デバイスであって、システムが、デバイスの表面が基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するように第1の構成で構成可能である、デバイスと、
(a)システムが第1の構成にあるときに基板テーブルからデバイスの表面に向かって部分的に延在するか、又は(b)システムが第1の構成にあるときに基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面から基板テーブルに向かって部分的に延在する、少なくとも1つの変形可能なパーティションと、
を備えるシステム。
2.デバイスは、開口を通して、基板テーブルによって支持された基板上に、パターン付き放射ビームを投影するように構成された投影システムを備える、条項1のシステム。
3.デバイスは更に、開口から延在しシステムが第1の構成にあるときに基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面を少なくとも部分的に定義する1つ以上のコンポーネントを備える、条項2のシステム。
4.少なくとも1つの変形可能なパーティションが、基板テーブルから、システムが第1の構成にあるときに基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面に向かって、部分的に延在する、いずれかの先行する条項のシステム。
5.基板テーブルからシステムが第1の構成にあるときに基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面に向かって部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、基板テーブルのうち基板を支持するための領域の外周周りに部分的にのみ延在する、条項4のシステム。
6.基板テーブルとデバイスとの相対位置を制御するように構成されたスキャン機構を更に備える、いずれかの先行する条項のシステム。
7.少なくとも1つの変形可能なパーティションが、基板テーブルに向かって、システムが第1の構成にあるときに基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面から、部分的に延在する、いずれかの先行する条項のシステム。
8.基板テーブルに向かってシステムが第1の構成にあるときに基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面から部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、露光領域の近傍で投影システムから延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションを備える、条項7のシステム。
9.露光領域の近傍で投影システムから延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、概ね非スキャン方向に沿って延在する、条項6に直接的又は非直接的に従属するときの条項8のシステム。
10.基板テーブルに向かってシステムが第1の構成にあるときに基板及び基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面から部分的に延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、干渉測定システムの一部として使用されるミラーに隣接する表面から延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションを備える、条項7から9のいずれか一項のシステム。
11.干渉測定システムの一部として使用されるミラーに隣接する表面から延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、概ねスキャン方向に沿って延在する、条項6に直接的又は非直接的に従属するときの条項10のシステム。
12.少なくとも1つの変形可能なパーティションのうち少なくとも1つは弾性変形可能である、いずれかの先行する条項のシステム。
13.前述の弾性変形可能なパーティションは、少なくとも基板の平面に平行な方向に範囲の構成要素を有する、条項12のシステム。
14.前述の弾性変形可能なパーティションは、基板の平面に概ね垂直な方向に弾性変形可能である、条項12のシステム。
15.少なくとも1つの変形可能なパーティションのうち少なくとも1つは、その近位端と遠位端との間に壊れやすい部分を備える、いずれかの先行する条項のシステム。
16.いずれかの先行する条項のシステムで使用するための基板テーブル。
17.条項1から15のいずれか一項のシステムで使用するためのデバイス。
18.基板を支持するように配置された基板テーブルであって、基板テーブルから延在し基板テーブルによって支持されたときに少なくとも基板の平面に垂直な方向に範囲の構成要素を有する少なくとも1つの変形可能なパーティションを備える、基板テーブル。
19.基板テーブルから延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションは、基板テーブルのうち基板を支持する領域の外周周りに部分的にのみ延在する、条項18の基板テーブル。
20.少なくとも1つの変形可能なパーティションのうち少なくとも1つは弾性変形可能である、条項18又は条項19の基板テーブル。
21.前述の弾性変形可能なパーティションは、基板テーブルによって支持されたときに少なくとも基板の平面に平行な方向に範囲の構成要素を有する、条項20の基板テーブル。
22.前述の弾性変形可能なパーティションは、基板テーブルによって支持されたときに基板の平面に概ね垂直な方向に弾性変形可能である、条項20の基板テーブル。
23.少なくとも1つの変形可能なパーティションのうち少なくとも1つは、その近位端と遠位端との間に壊れやすい部分を備える、条項18から22のいずれか一項の基板テーブル。
24.基板を支持するように配置された基板テーブルであって、
本体と、
本体の表面上に設けられたクランプであって、基板を支持するように及び基板をクランプに締着するように動作可能なクランプと、
表面から実質的にクランプの外周周りに延在するパーティションと、
表面のうちパーティション内にある一部に設けられた少なくとも1つのガスアウトレットと、
を備える基板テーブル。
25.パーティションと、パーティションがそこから延在する表面との間には、少なくとも1つの隙間が設けられる、条項24の基板テーブル。
26.パーティションは、1つ以上の壁と、本体の表面から1つ以上の壁まで延在する複数の離間した脚部、バール、又は突出部とを備える、条項24又は条項25の基板テーブル。
27.本体の表面から延在するパーティションは、基板の平面に垂直な方向に延在する、条項24から26のいずれか一項の基板テーブル。
28.基板の平面に垂直な方向の、本体の表面からのパーティションの高さは、基板の平面に垂直な方向の、クランプによって支持された基板の高さ未満である、条項24から27のいずれか一項の基板テーブル。
29.少なくとも1つのガスアウトレットのうち少なくとも1つは、クランプの近傍に設けられる、条項24から28のいずれか一項の基板テーブル。
30.少なくとも1つのガスアウトレットは、ガス流をクランプの周りのリングに誘導するように配置され、それによってガス流はクランプから遠ざかるように誘導される、条項24から29のいずれか一項の基板テーブル。
31.少なくとも1つのガスアウトレットにガスを供給するように動作可能なガス供給源を更に備える、条項24から30のいずれか一項の基板テーブル。
32.条項24から31のいずれか一項の基板テーブルと、
デバイスであって、システムが、デバイスの表面が基板テーブル及びそれによって支持された基板に対向し且つ隣接するように第1の構成で構成可能である、デバイスと、
を備えるシステム。
33.デバイスは、開口を通して、基板テーブルによって支持された基板上に、パターン付き放射ビームを投影するように構成された投影システムを備える、条項32のシステム。
34.デバイスは更に、開口から延在しシステムが第1の構成にあるときに基板テーブルに対向し且つ隣接するデバイスの表面を少なくとも部分的に定義する1つ以上のコンポーネントを備える、条項33のシステム。
35.基板テーブルとデバイスとの相対位置を制御するように構成されたスキャン機構を更に備える、条項32から34のいずれか一項のシステム。
36.条項1から15のいずれか一項に記載のシステム、条項18から23のいずれか一項に記載の基板テーブル、条項24から31のいずれか一項に記載の基板テーブル、又は条項32から35のいずれか一項に記載のシステムを備えるリソグラフィ装置。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ装置のためのシステムであって、
基板を支持するように配置された基板テーブルと、
デバイスであって、前記システムが、前記デバイスの表面が前記基板及び前記基板テーブルに対向し且つ隣接するように第1の構成で構成可能である、デバイスと、
(a)前記システムが前記第1の構成にあるときに前記基板テーブルから前記デバイスの前記表面に向かって部分的に延在するか、又は(b)前記システムが前記第1の構成にあるときに前記基板及び前記基板テーブルに対向し且つ隣接する前記デバイスの前記表面から前記基板テーブルに向かって部分的に延在する、少なくとも1つの変形可能なパーティショ
ンと、を備えており、
前記少なくとも1つの変形可能なパーティションは、前記システムが前記第1の構成にあるときに前記デバイスと前記基板テーブルとの間の隙間を低減するためのものである、システム。
【請求項2】
前記デバイスは、開口を通して、前記基板テーブルによって支持された基板上に、パターン付き放射ビームを投影するように構成された投影システムを備える、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記デバイスは更に、前記開口から延在し前記システムが前記第1の構成にあるときに前記基板及び前記基板テーブルに対向し且つ隣接する前記デバイスの前記表面を少なくとも部分的に定義する1つ以上のコンポーネントを備える、請求項2のシステム。
【請求項4】
少なくとも1つの変形可能なパーティションが、前記基板テーブルから、前記システムが前記第1の構成にあるときに前記基板及び前記基板テーブルに対向し且つ隣接する前記デバイスの前記表面に向かって、部分的に延在する、請求項1から3のいずれかのシステム。
【請求項5】
前記基板テーブルから前記システムが前記第1の構成にあるときに前記基板及び前記基板テーブルに対向し且つ隣接する前記デバイスの前記表面に向かって部分的に延在する前記少なくとも1つの変形可能なパーティションは、前記基板テーブルのうち前記基板を支持するための領域の外周周りに部分的にのみ延在する、請求項4のシステム。
【請求項6】
前記基板テーブルと前記デバイスとの相対位置を制御するように構成されたスキャン機構を更に備える、請求項
1のシステム。
【請求項7】
少なくとも1つの変形可能なパーティションが、前記基板テーブルに向かって、前記システムが前記第1の構成にあるときに前記基板及び前記基板テーブルに対向し且つ隣接する前記デバイスの表面から、部分的に延在する、請求項1から
3,6のいずれかのシステム。
【請求項8】
前記基板テーブルに向かって前記システムが前記第1の構成にあるときに前記基板及び前記基板テーブルに対向し且つ隣接する前記デバイスの前記表面から部分的に延在する前記少なくとも1つの変形可能なパーティションは、露光領域の前記近傍で投影システムから延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションを備える、請求項7のシステム。
【請求項9】
露光領域の前記近傍で前記投影システムから延在する前記少なくとも1つの変形可能なパーティションは、概ね非スキャン方向に沿って延在する、請求項6に直接的又は非直接的に従属するときの請求項8のシステム。
【請求項10】
前記基板テーブルに向かって前記システムが前記第1の構成にあるときに前記基板及び前記基板テーブルに対向し且つ隣接する前記デバイスの前記表面から部分的に延在する前記少なくとも1つの変形可能なパーティションは、干渉測定システムの一部として使用されるミラーに隣接する表面から延在する少なくとも1つの変形可能なパーティションを備える、請求項
7のシステム。
【請求項11】
干渉測定システムの一部として使用されるミラーに隣接する表面から延在する前記少なくとも1つの変形可能なパーティションは、概ねスキャン方向に沿って延在する、請求項6に直接的又は非直接的に従属するときの請求項10のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの変形可能なパーティションのうち少なくとも1つは弾性変形可能である、請求項1から
3のいずれかのシステム。
【請求項13】
前記弾性変形可能なパーティションは、少なくとも前記基板の平面に平行な方向に範囲の構成要素を有する、又は、
前記弾性変形可能なパーティションは、前記基板の前記平面に概ね垂直な方向に弾性変形可能である、又は、
前記少なくとも1つの変形可能なパーティションのうち少なとも1つは、その近位端と遠位端との間に壊れやすい部分を備える、請求項12のシステム。
【請求項14】
基板を支持するように配置された基板テーブルであって、
本体と、
前記本体の表面上に設けられたクランプであって、前記基板を支持するように及び前記基板を前記クランプに締着するように動作可能なクランプと、
前記表面から実質的に前記クランプの外周周りに延在するパーティションと、
前記表面のうち前記パーティション内にある一部に設けられた少なくとも1つのガスアウトレットと、
を備える基板テーブル。
【請求項15】
請求項1から
3のうち一項に記載のシステム又は請求項14に記載の基板テーブルを備えるリソグラフィ装置。
【国際調査報告】