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特表2025-501589投影ユニット、高さを監視する方法、および投影ユニットを含むリソグラフィシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-22
(54)【発明の名称】投影ユニット、高さを監視する方法、および投影ユニットを含むリソグラフィシステム
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/207 20060101AFI20250115BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20250115BHJP
【FI】
G03F7/207 H
G01B11/02 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538033
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-08-21
(86)【国際出願番号】 EP2022084431
(87)【国際公開番号】W WO2023117393
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】21217562.4
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】カンブル、アーメット、ブラーク
(72)【発明者】
【氏名】ゼイプ、フェリー
(72)【発明者】
【氏名】タッカー、トゥーニス、ヴィレム
(72)【発明者】
【氏名】デンダス、ピーター、フェルナンド、ウィリアム、ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ゲッセル、アーブラハム、フランシスクス、ヒューベルテュス
【テーマコード(参考)】
2F065
2H197
【Fターム(参考)】
2F065AA24
2F065BB01
2F065CC17
2F065DD03
2F065FF09
2F065GG04
2F065HH06
2F065HH12
2F065JJ03
2F065JJ08
2F065JJ26
2F065LL02
2F065LL41
2F065QQ31
2H197AA05
2H197DA09
2H197DB11
2H197EA05
2H197EA06
2H197EA15
2H197EA17
2H197GA01
2H197GA05
2H197HA03
2H197HA04
2H197HA05
2H197HA10
(57)【要約】
【解決手段】本開示は、レベルセンサ用の投影ユニットであって、光源からの放射を受け取るように構成された第1入射口と、第1出射口とを有する第1ライトパイプと、第1ライトパイプからの放射を受け取るように構成された第2入射口と、第2出射口とを有する第2ライトパイプとを備える投影ユニットを提供する。本ユニットは、第2出射口からの放射を受け取り、所定の強度および放射照度の分布を有する放射を出力するように構成されたレンズ装置を備えてもよい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レベルセンサ用の投影ユニットであって、
光源からの放射を受け取るように構成された第1入射口と、第1出射口とを有する第1ライトパイプと、
前記第1ライトパイプからの放射を受け取るように構成された第2入射口と、第2出射口とを有する第2ライトパイプと、
を備える投影ユニット。
【請求項2】
前記第2出射口から放射を受け取り、所定の強度および放射照度の分布を有する放射を出力するように構成されたレンズ装置を備える、請求項1に記載の投影ユニット。
【請求項3】
前記レンズ装置は、前記第2出射口に位置する一方の側に焦点を有する、請求項2に記載の投影ユニット。
【請求項4】
前記第1ライトパイプは、テーパ状の壁を有し、前記第1入射口の幅および高さは、前記第1出射口の幅および高さを超える、請求項1から3のいずれかに記載の投影ユニット。
【請求項5】
前記第1ライトパイプは、その長手方向軸に沿って対称である、請求項1から4のいずれかに記載の投影ユニット。
【請求項6】
前記第2ライトパイプは、テーパ状の壁を有し、前記第2出射口の幅および高さは、前記第2入射口の幅および高さを超える、請求項1から5のいずれかに記載の投影ユニット。
【請求項7】
前記第2ライトパイプは、その長手方向軸に沿って非対称である、請求項1から6のいずれかに記載の投影ユニット。
【請求項8】
前記第2入射口の幅と高さの比は1:1.5から1:14の範囲であり、および/または、前記第2出射口の幅と高さの比は1:1の範囲である、請求項7に記載の投影ユニット。
【請求項9】
レンズ装置から出る放射によって照射されるレンズシステムの反対側に配置された格子を備え、前記格子は、格子ユニットのアレイを備え、各格子ユニットには放射をフィルタリングするための所定のサイズの複数のスリットが設けられている、請求項1から8のいずれかに記載の投影ユニット。
【請求項10】
前記格子ユニットは長方形であり、前記スリットは各格子ユニットの側面に対して斜めに配置されている、請求項9に記載の投影ユニット。
【請求項11】
投影格子から出る放射を受け取るように配置されたイメージ増強装置を備え、前記投影格子から出る放射はアスペクト比を有し、前記イメージ増強装置は前記アスペクト比を増大するように構成されている、請求項9または10に記載の投影ユニット。
【請求項12】
前記投影格子から出る放射は、幅と高さのアスペクト比が少なくとも1:1.5であり、前記イメージ増強装置は、前記アスペクト比を少なくとも1:2に増大するように構成されている、請求項11に記載の投影ユニット。
【請求項13】
放射を生成する光源を含む光モジュールと、
前記光モジュールからの放射を受け取り、放射を前記第1ライトパイプに転送するように構成されたライトガイドと、
を備える請求項1から12のいずれかに記載の投影ユニット。
【請求項14】
前記ライトガイドは、単一のマルチモードファイバである、請求項13に記載の投影ユニット。
【請求項15】
基板の高さを測定するためのレベルセンサを備えたリソグラフィシステムであって、
前記レベルセンサは、請求項1に記載の投影ユニットを備える、リソグラフィシステム。
【請求項16】
投影ユニットを有するレベルセンサを使用して基板の高さを監視する方法であって、
放射を第1ライトパイプに向けるステップと、
第2ライトパイプを使用して前記第1ライトパイプから出る放射を受け取るステップと、
を含む方法。
【請求項17】
レンズシステムを使用して前記第2ライトパイプから出る放射を受け取るステップを含み、前記レンズシステムは、所定の強度および放射照度の分布を持つ放射を出力するように構成されている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1から14のいずれかに記載の投影ユニットを備える計測アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、2021年12月23日に出願された欧州特許出願第21217562.4号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、投影ユニット、高さを監視する方法、および投影ユニットを備えたリソグラフィシステムに関する。投影ユニットは、レベルセンサに使用したり、他の種類の計測アセンブリに適用したりすることができる。レベルセンサは、例えば、リソグラフィ装置内のウェハ、基板、またはレチクルの表面の高さを測定するのに適している。
【背景技術】
【0003】
リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上に与えるよう構成される機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイス(例えばレチクルまたはマスク)のパターンを基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層に投影させ得る。
【0004】
半導体製造プロセスが進歩し続けるにつれて、回路素子の寸法は継続的に縮小されてきたが、デバイスあたりのトランジスタなどの機能素子の量は、一般に「ムーアの法則」と呼ばれるトレンドに従って、数十年にわたって着実に増加している。ムーアの法則に遅れずについていくために、半導体業界はますます微細化するフィーチャの作成を可能にする技術を追い求めている。基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用する場合がある。この放射の波長によって、基板上にパターン化されるフィーチャの最小サイズが決まる。現在使用されている一般的な波長は、365nm(i線)、248nm(KrF)、193nm(ArF)および13.5nm(EUV)である。4nm-20nmの範囲内、例えば6.7nmまたは13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射を用いるリソグラフィ装置は、例えば波長193nmの放射を用いるリソグラフィ装置より小さなフィーチャを基板上に形成するために用いられ得る。
【0005】
このような短波長では、リソグラフィ装置内でのパターニングデバイスおよび/または基板の正確な位置決めが不可欠である。
【0006】
US20070159700号は、鏡面を検査するための装置を開示しており、光源と、光源からの光を収集するためのコレクタ光学系と、コレクタ光学系からの光を伝送するための均質化光学系であって、コレクタ光学系の下流に第1マイクロレンズアレイを有する均質化光学系と、第1マイクロレンズアレイの下流の第2マイクロレンズアレイと、均質化光学系からの光を鏡面上に伝送するためのフーリエ光学系と、を備える。この装置には、光ファイバ・バンドルの出射面によって形成された光源10が含まれる。他の点状光源も考えられる。光は、反射器を備えたフラッシュランプによって生成され、光ファイバ・バンドルに結合される。
【0007】
US20070052953号は、コヒーレント光源とともに使用できる照明システムを開示している。このシステムには、コヒーレントレーザビームによって照射される拡散器が含まれる。このような照明システムの1つでは、拡散器の表面が均質化ロッドの入口に結像される。拡散器表面のフーリエ変換面はシステム瞳に結像され、均質化ロッドの出口はシステムフィールドに結像される。このようなシステムでは、拡散器からの散乱分布によってシステム瞳内の光分布が決定される。画像内のスペックル変調は、画像センサの積分時間中に拡散器を回転させることによって最小限に抑えられる。1つ以上の第2光学素子には、均質化装置から出る光を収集するように構成された1つ以上の光学素子も含まれる場合がある。
【0008】
US20170219934号は、基板上に画像を投影するためのコンパクトな装置を提供することを開示している。一実施形態では、画像投影装置は、第1の取り付けプレートに結合されたライトパイプ、および、第2の取り付けプレートに結合された、フラストレート(frustrated)プリズムアセンブリ、1つ以上のデジタルマイクロミラーデバイス、1つ以上のビームスプリッタ、および1つ以上の投影光学系を含む。第1および第2の取り付けプレートは同一平面上にあるため、画像投影装置はコンパクトであり、複数の画像投影装置を有するシステム内で位置合わせすることができる。
【0009】
US20140152991号は、ウェハの上面に照射される光を生成する光源、光源からウェハに伝搬する入射光の経路に設けられ、単一の第1スリットを有する投影部、ウェハから反射される光の経路に設けられ、単一の第2スリットを有する検出部、および検出部の第2スリットに入射する反射光を検出する検出器を含む露光装置のレベルセンサを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の文献に開示されているシステムおよびセンサは一般にうまく機能するが、改善、簡素化、効率化、設備投資または運用コストの削減を求める動きが常にある。たとえば、現在の投影ユニットは、通常、光伝送効率が比較的低く、部品が多く、関連コストが高い。
【0011】
本発明の少なくとも1つの態様の少なくとも1つの実施形態の目的は、従来技術の上記の欠点の少なくとも1つを解消するか、少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示は、レベルセンサ用の投影ユニットであって、
光源からの放射を受け取るように構成された第1入射口と、第1出射口とを有する第1ライトパイプと、
第1ライトパイプからの放射を受け取るように構成された第2入射口と、第2出射口とを有する第2ライトパイプと、
を備える投影ユニットを提供する。
【0013】
一実施形態では、投影ユニットは、第2出射口から放射を受け取り、所定の強度および放射照度の分布を有する放射を出力するように構成されたレンズ装置を備える。
【0014】
一実施形態では、レンズ装置は、第2出射口に位置する一方の側に焦点を有する。
【0015】
一実施形態では、第1ライトパイプは、テーパ状の壁を有し、第1入射口の幅および高さは、第1出射口の幅および高さを超える。
【0016】
一実施形態では、第1ライトパイプは、その長手方向軸に沿って対称である。
【0017】
一実施形態では、第2ライトパイプは先細りの壁を有し、第2出射口の幅および高さは第2入射口の幅および高さを超える。
【0018】
一実施形態では、第2ライトパイプは、その長手方向軸に沿って非対称である。
【0019】
一実施形態では、第2入射口の幅と高さの比は1:1.5から1:14の範囲であり、および/または、第2出射口の幅と高さの比は1:1の範囲である。
【0020】
一実施形態では、レンズ装置から出る放射によって照射されるレンズシステムの反対側に配置された格子を備え、格子は、格子ユニットのアレイを備え、各格子ユニットには放射をフィルタリングするための所定のサイズの複数のスリットが設けられている。
【0021】
一実施形態では、格子ユニットは長方形であり、スリットは各格子ユニットの側面に対して斜めに配置されている。
【0022】
一実施形態では、投影格子から出る放射を受け取るように配置されたイメージ増強装置を備え、投影格子から出る放射はアスペクト比を有し、イメージ増強装置はアスペクト比を増大するように構成されている。
【0023】
一実施形態では、投影格子から出る放射は、幅と高さのアスペクト比が少なくとも1:1.5であり、イメージ増強装置は、アスペクト比を少なくとも1:2に増大するように構成されている。
【0024】
一実施形態では、投影ユニットは、放射を生成する光源を含む光モジュールと、光モジュールからの放射を受け取り、放射を第1ライトパイプに転送するように構成されたライトガイドと、を備える。
【0025】
一実施形態では、ライトガイドは単一のマルチモードファイバである。
【0026】
別の態様によれば、本開示は、基板の高さを測定するためのレベルセンサを含むリソグラフィシステムを提供し、レベルセンサは、上述の投影ユニットを備える。
【0027】
さらに別の態様によれば、本開示は、上述の投影ユニットを含む計測アセンブリを提供する。
【0028】
別の態様によれば、本開示は、投影ユニットを有するレベルセンサを使用して基板の高さを監視する方法を提供する。この方法は、第1ライトパイプに放射を向けるステップと、第1ライトパイプから出る放射を第2ライトパイプを使用して受け取るステップとを含む。
【0029】
一実施形態では、この方法は、レンズシステムを使用して第2ライトパイプから出る放射を受け取るステップを含み、レンズシステムは、所定の強度および放射照度の分布を有する放射を出力するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明の実施の形態は、例示のみを目的として、以下の模式的な添付図面を参照しながら説明される。
図1】リソグラフィ装置および放射源を備えるリソグラフィシステムの一例を示す図である。
図2A図1のリソグラフィ装置に適した例示的なレベルセンサを概略的に示す図である。
図2B】例示的なレベルセンサの概略図である。
図3図2のレベルセンサに適した、本開示による投影ユニットの実施形態の概略図である。
図4】本開示による投影ユニットの一部の実施形態の透視図である。
図5】本開示による投影ユニットのレンズシステムの実施形態の概略側面図である。
図6】本開示による投影ユニットの投影格子の実施形態の概略正面図である。
図7A】本開示による投影ユニットの実施形態の概略側面図である。
図7B】本開示による投影ユニットのイメージ増強装置の実施形態の概略側面図である。
図7C】本開示による投影ユニット用のイメージ増強装置の別の実施形態の概略側面図である。
図8A-8C】本開示の投影ユニットの各素子から放射される放射の放射照度分布(上段)および強度分布(下段)の例示的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、放射源SOと、リソグラフィ装置LAとを備えるリソグラフィシステムを示す。放射源SOは、(EUV)放射ビームBを生成し、EUV放射ビームBをリソグラフィ装置LAに供給するように構成される。リソグラフィ装置LAは、照明システムIL、パターニングデバイスMA(例えばマスク)を支持するよう構成されるサポート構造MT、投影システムPS及び基板を支持するよう構成される基板テーブルWTを備える。
【0032】
照明システムILは、EUV放射ビームBがパターニングデバイスMAに入射する前にEUV放射ビームBを調整するように構成されている。さらに、照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10およびファセット瞳ミラーデバイス11を含み得る。ファセットフィールドミラーデバイス10およびファセット瞳ミラーデバイス11は共に、所望の断面形状および所望の強度分布を有するEUV放射ビームBを提供する。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10およびファセット瞳ミラーデバイス11に加えて、またはその代わりに、他のミラーまたはデバイスを含んでもよい。
【0033】
このように調整された後、EUV放射ビームBはパターニングデバイスMAと相互作用する。この相互作用の結果、パターン化されたEUV放射ビームB’が生成される。投影システムPSは、パターン化されたEUV放射ビームB’を基板W上に投影するように構成されている。その目的のために、投影システムPSは、パターン化されたEUV放射ビームB’を基板テーブルWTによって保持される基板W上に投影するように構成された複数のミラー13、14を備えることができる。投影システムPSは、パターン化されたEUV放射ビームB’に縮小係数を適用することができ、これにより、パターニングデバイスMA上の対応するフィーチャよりも小さいフィーチャを有する画像を形成することができる。例えば、4または8の縮小係数が適用され得る。投影システムPSは、図1では2つのミラー13、14のみを有するように示されているが、投影システムPSは、異なる数のミラー(例えば、6つまたは8つのミラー)を含んでもよい。
【0034】
基板Wは、以前に形成されたパターンを含み得る。この場合、リソグラフィ装置LAは、パターン化されたEUV放射ビームB’によって形成される画像を、基板W上に以前に形成されたパターンと位置合わせする。
【0035】
相対真空、すなわち大気圧よりかなり低い圧力の少量のガス(例えば水素)が、放射源SO、照明システムIL、および/または投影システムPS内に提供され得る。
【0036】
図1に示す放射源SOは、例えば、レーザ生成プラズマ(LPP)源とも称される種類のものである。例えばCOレーザを含むレーザシステム1は、例えば燃料放出器3から供給されるスズ(Sn)などの燃料にエネルギーをレーザビーム2を介して蓄積させるよう構成される。 スズが以下の記載にて言及されるが、任意の適切な燃料が用いられてよい。燃料は、例えば液状であってもよく、例えば金属または合金であってもよい。燃料放出器3は、例えば液滴の形態でスズをプラズマ形成領域4に向かう軌道に沿って案内するノズルを備えてもよい。レーザビーム2はプラズマ形成領域4にてスズに入射する。スズへのレーザエネルギーの蓄積は、プラズマ形成領域4にプラズマ7を形成する。EUV放射を含む放射は、電子とプラズマのイオンの脱励起および再結合中に、プラズマ7から放出される。
【0037】
プラズマからのEUV放射は、コレクタ5により収集および集光される。コレクタ5は、例えば、略垂直入射放射コレクタ5(より一般的には垂直入射放射コレクタと呼ばれることもある)を備える。コレクタ5は、EUV放射(例えば13.5nmなどの所望の波長を有するEUV放射)を反射させるよう構成される多層ミラー構造を有してもよい。コレクタ5は、二つの焦点を有する楕円体の構造を有してもよい。以下に説明されるように、焦点のうち第1焦点はプラズマ形成領域4に位置してもよく、焦点のうち第2焦点は中間焦点6に位置してもよい。
【0038】
レーザシステム1は、放射源SOから空間的に分離されてもよい。この場合、レーザビーム2は、例えば適切な方向付けミラーおよび/またはビームエキスパンダおよび/または他の光学系を備えるビーム搬送システム(不図示)の助けにより、レーザシステム1から放射源SOに向けて通過してもよい。レーザシステム1、放射源SOおよびビーム搬送システムは、ともに放射システムであるとみなされてもよい。
【0039】
コレクタ5により反射される放射は、EUV放射ビームBを形成する。EUV放射ビームBは、中間焦点6で集束され、プラズマ形成領域4に存在するプラズマの中間焦点6での画像を形成する。中間焦点6における画像は、照明システムILの仮想放射源として機能する。放射源SOは、中間焦点6が放射源SOの包囲構造9の開口8またはその近傍に位置するように構成される。
【0040】
図1は、放射源SOをレーザ生成プラズマ(LPP)源として示しているが、放電生成プラズマ(DPP)源または自由電子レーザ(FEL)などの任意の適切な放射源を使用してEUV放射を生成することができる。
【0041】
以下では、レベルセンサLSは、図1のリソグラフィ装置LA内のウェハWを参照して一般的に説明されているが、レベルセンサLSは、EUV、DUV(深紫外線)、またはUV(紫外線)放射に基づくリソグラフィ装置を含むがこれらに限定されない、任意のリソグラフィ装置内の任意の基板の表面の高さを測定するのに等しく適していることに留意されたい。
【0042】
図2Aは、ウェハWの高さを測定するためのレベルセンサLSの一般的な例を示す。リソグラフィ装置LAに統合され得るトポグラフィ測定システム、レベルセンサまたは高さセンサは、通常、基板(ウェハWなど)の上面のトポグラフィを測定するように配置される。基板のトポグラフィのマップは、高さマップとも称され、基板の高さを基板上の位置の関数として示すこれらの測定から生成され得る。この高さマップはその後、基板上の適正合焦位置でパターニングデバイスの空間像を提供するべく、基板へのパターンの転写の際に基板の位置を補正するために用いられ得る。この文脈において、「高さ」とは、基板に対して概して面外の寸法(Z軸とも称される)を指すことが理解されるであろう。典型的には、レベル又は高さセンサは(自身の光学系に対して)固定された場所で測定を実施し、基板とレベル又は高さセンサの光学系との間の相対移動が基板全体の各場所での高さ測定をもたらす。
【0043】
レベル又は高さセンサLSの一例が図2Aに概略的に示されている。同図は動作の原理のみを図示している。この例において、レベルセンサは、投影ユニットLSP及び検出ユニットLSDを含む光学系を備えている。投影ユニットLSPは、投影ユニットLSPの投影格子PGRによって付与される放射ビームLSBを提供する放射源LSOを備えている。放射源LSOは、例えば、スーパコンティニューム光源のような狭帯域又は広帯域放射源、偏光又は非偏光レーザビームのような偏光又は非偏光、パルス又は連続であってもよい。放射源LSOは、複数のLEDなど、異なる色又は波長範囲を有する複数の放射源を含んでいてもよい。レベルセンサLSの放射源LSOは、可視放射に限定されず、追加的又は代替的にはUV及び/又はIR放射並びに基板の表面からの反射に適した任意の範囲の波長を包含し得る。
【0044】
投影格子PGRは、周期的に変化する強度を有する放射ビームBE1をもたらす周期構造を備える周期的格子を備え得る。PGRを通過する放射は、周期的に変化する強度を有する放射ビームBE1をもたらす。図2Aを参照されたい。使用中、周期的に変化する強度を有する放射ビームBE1は、入射基板表面に垂直な軸(図2AのZ軸)に対する入射角ANGで、例えば基板W上の測定位置MLOに向けられる。角度ANGは0度から90度の間であり、通常は70度から80度の間である。測定位置MLOで、パターン形成された放射ビームBE1は、基板Wによって反射され(矢印BE2によって示される)、検出ユニットLSDに向けられる。
【0045】
測定位置MLOにおける高さレベルを判定するために、レベルセンサは更に、検出格子DGRと、検出器DETと、検出器DETの出力信号を処理する処理ユニット(図示しない)とを備える検出システムを備えている。検出格子DGRは投影格子PGRと同一であってもよい。検出器DETは、受光した光を示す、例えば、光検出器のように受光した光の強度を示す、又はカメラのように受光した強度の空間的分布を表す、検出器出力信号を生成する。検出器DETは1つ以上の検出器タイプの任意の組み合わせを備えていてもよい。
【0046】
三角測量技術によって、測定位置MLOにおける高さレベルを判定することができる。検出された高さレベルは、典型的には検出器DETによって測定された信号強度に関係しており、その信号強度は、とりわけ投影格子PGRの設計及び(斜め)入射角ANGに応じて決まる周期性を有する。
【0047】
図2Bを参照すると、依然として一般的なレベルで、レベルセンサLSは、光源LSOから出た放射を照明光学系IOに導くためのライトガイドLGを含み得る。照明光学系は、放射照度分布および強度分布を含む放射の形状および構造を変更し得る。放射は、投影格子PGRに向かって進む。投影ユニットLSP及び/又は検出ユニットLSDは、投影格子PGRと検出格子DGRとの間のパターン形成された放射ビームの経路に沿って、レンズ及び/又はミラーなど、更なる光学素子を含んでいてもよい。図2Bに概略的に示すように、レベルセンサLSの投影側は、投影光学系POを備える。レベルセンサLSの検出側は、検出光学系DOを備える。投影光学系および/または検出光学系は、光を誘導して方向付けるため、投影器LSPおよび検出器LSDを任意の位置に配置できる。この位置は、基板Wから比較的離れているため、レベルセンサLSと投影システムLSの内部または外部の素子または投影システムLSに関連する素子との間の干渉を最小限に抑えることができる。
【0048】
レベルセンサの一実施形態においては、検出格子DGRは省略されてもよく、検出器DETは検出格子DGRがある位置に設置されてもよい。このような構成により、投影格子PGRから出て基板の表面で反射された放射線の像をより直接的に検出することができる。
【0049】
基板Wの表面を効果的にカバーするために、レベルセンサLSは、測定ビームBE1のアレイを基板Wの表面上に投影し、それによってより大きな測定範囲をカバーする測定領域MLO又はスポットのアレイを生成するように構成されていてもよい。
【0050】
一般的なタイプの様々な高さセンサが、例えば、参照により組み込まれる米国特許第7265364号明細書及び米国特許第7646471号明細書に開示されている。可視又は赤外放射の代わりにUV放射を用いた高さセンサが、参照により組み込まれる米国特許出願公開第2010233600A1号明細書に開示されている。参照により組み込まれる国際公開第2016102127A1には、多素子検出器を用いて、検出格子を必要とせずに、格子像の位置を検出及び認識する小型の高さセンサが記載されている。
【0051】
図3および図4A図4Cを参照すると、投影器LSPの実施形態は、ライトガイドLGからの放射を受けるように構成された第1入射口52と、放射を出力するための第1出射口54とを有する第1ライトパイプ50を備える。投影器は、第2入射口58を有する第2ライトパイプ56を備える。第2入射口は、第1ライトパイプ50からの放射を受けるように構成される。第2ライトパイプは、放射を出力するための第2出射口60を備える。
【0052】
投影ユニットLSPは、放射を生成するための光源を含む光モジュールLSOを備えてもよい。光モジュールからの放射を受け取って第1ライトパイプ50に放射を転送するために、ライトガイドLGが設けられてもよい。実用的な実施形態では、ライトガイドLGは、単一のマルチモードファイバであってもよい。単一のファイバは、実質的に円形の断面を有してもよい。あるいは、単一のファイバは、例えば正方形、半円、長方形など、実質的に任意の他の適切な形状の断面を有してもよい。追加の詳細については、図8A図8Cおよび以下の関連する説明を参照されたい。
【0053】
投影ユニットLSPは、レンズまたはレンズ装置70を備えてもよい。レンズ装置は、第2出射口60から出力される放射を受け、所定の強度および放射照度の分布を有する放射を出力するように構成することができる。
【0054】
一実施形態では、レンズ装置70は、レンズ装置の第1の側に第1焦点を有し、第1焦点は実質的に第2出射口60に位置する。ここで、第2出射口にとは、第1焦点が実質的に第2ライトパイプの第2出射口60の平面に位置することを意味する。ここでレンズ70は、フーリエレンズと呼ばれることがある。
【0055】
一実施形態では、投影器LSPは、イメージ増強装置72を備えてもよい。イメージ増強装置72は、投影格子70から出る放射を受け取るように配置されてもよい。投影格子70から出る放射は、放射ビームの幅と高さの比率を意味する特定のアスペクト比を有してもよい。イメージ増強装置は、前記比率を高めるように構成されてもよい。
【0056】
図3および4Aを参照すると、第1ライトパイプ50は、テーパ壁を有してもよい。ここで、第1入射口52の幅および高さは、第1出射口54の幅および高さよりも大きい。第1入射口52および/または第1出射口54は、実質的に長方形であってもよい。実際の実施形態では、第1入射口および/または第1出射口は、実質的に正方形である。
【0057】
ライトパイプは、光源からターゲットまで高効率で光を収集、誘導、再分配するロッドである。再分配された光は、均一な放射照度を有する。ライトパイプは、液晶ディスプレイのバックライトユニット、照明、自動車のダッシュボードなど、多くの光学システムで使用されている。ライトパイプは金属製で中空とすることができ、金属の反射率を利用して光を反射し、ビームをパイプ内で移動させる。ライトパイプは、誘電体で作ることもでき、全反射(TIR)を使用してパイプの壁で光を反射することもできる。パイプが中空でもガラス充填でも、ライトパイプの作用は同じである。違いは光の損失である。誘電体で作られたライトパイプでは、全反射は無損失である。一方、金属製のライトパイプは反射のたびに光の損失があり、Rが金属の反射係数である場合、透過フラックスFは次のようになる。
【数1】
【0058】
誘電体ライトパイプでは反射回数が少ないため、誘電体ライトパイプの透過フラックスは金属製ライトパイプよりも高くなる。さらに、ミラーは紫外線に耐えるために接着剤や高価なパッケージングに関するソリューションを必要とするが、これは一枚のガラスで作られたライトパイプには不要である。
【0059】
入射ビームがファイバLGを通して送られると、第1パイプに入射する光の強度は均一になる。その後、ライトパイプは放射照度分布を均一化する。第1および/または第2ライトパイプから出る放射は、実質的に均一な放射照度分布になる。
【0060】
図4Bは、光学系IOの詳細を示しており、第1ライトパイプ50と第2ライトパイプ56の接続の例を示している。第1と第2ライトパイプ間の距離、つまり第1出射口と第2の入射口間の距離は、たとえば0~50cmの範囲で変化する。第2ライトパイプは、テーパ壁を有してもよい。この場合、第2出射口の幅と高さは、第2入射口の幅と高さを超える。言い換えると、第2ライトパイプは、第2入射口のより小さな断面積から第2出射口のより広い断面積へとテーパ状になっている。
【0061】
一実施形態では、第2ライトパイプ56は、その長手方向軸に沿って非対称であってもよい。図4Bを参照。例えば、第2入射口58は縦方向(longitudinal)であってもよい。第2ライトパイプは、第2入射口58が直立(長辺が上を向いている)または平ら(図4Bに示すように、長辺が水平に配置されている)となるように配置されてもよい。
【0062】
実用的な実施形態では、第2入射口58の辺は、1:1.5から1:14の範囲、例えば約1:3から1:6の比率を有してもよい。前記比率は、幅対高さ、または高さ対幅に関係してもよい。実用的な実施形態では、第2入射口は、その長辺が実質的に垂直になるように配置される。第2出射口は、幅対高さの比率が1:0.8から1:1.2の範囲であってもよい。好ましい実施形態では、第2出射口は正方形であり、その幅対高さは1:1である。第2ライトパイプのテーパは、入射口高さと出射口高さの比(すなわち、第2入射口の高さと第2出射口の高さ)によって決定され、この比は、約1:2から1:7の範囲であってもよい。この点については、図4Cを参照のこと。
【0063】
第1ライトパイプ50は、4つの側壁80、82、84を有していてもよい(図4A)。第1ライトパイプ50は、その長手方向軸に沿って対称であってもよい。第2ライトパイプ56は、4つの側壁90、92、94、96を有していてもよい(図4C)。第2ライトパイプ56は、その長手方向軸に沿って対称または非対称であってもよい。
【0064】
実際の実施形態では、第1ライトパイプおよび/または第2ライトパイプは、ガラスなどの透過性材料で作られていてもよい。あるいは、第1ライトパイプおよび/または第2ライトパイプは、反射側壁を備えていてもよい。ここで、各ライトパイプの入射口と出射口、および壁の間の内部容積は実質的にオープンである。
【0065】
テーパライトパイプ、つまり非平行側壁を持つライトパイプの場合、θout=θin/τである。ここで、θoutは入射放射(各ライトパイプの入射口に入る放射)の角度、θinは各ライトパイプから出る放射の角度、τ=D/dは、各ライトパイプの出射口表面積Dと入射口表面積dの比である。結果として、各ライトパイプの入射口から出射口までの面積の変化は、開口数NAの変化をもたらす。NAの変化は表面積の変化に比例する。したがって、第1ライトパイプはNAを減少させ、第2ライトパイプはNAを増加させる。
【0066】
テーパを追加することで、より高い入射NAを使用できるため、放射照度の均一性が向上し、出射NAは十分に低いため、レンズにかかる負担が抑えられ、ターゲットの要件を満たすことができる。
【0067】
原理的には、単一のライトパイプで同じ結果を達成できる。しかしながら、第1ライトパイプ(NA減少)と第2ライトパイプ(NA増大)を組み合わせると、ライトパイプアセンブリの全体の長さを制限できる。単一のライトパイプでは、実際にはライトパイプが比較的長くなり、たとえば長さが数メートルを超える場合がある。第1ライトパイプ50と第2ライトパイプ56のアセンブリは、実際には合計長さが1メートルを超えない場合がある。
【0068】
ターゲットy’上の照明スポットのサイズは事前に決定されている。第2ライトパイプからの出射(outcoming)NA(NAout)によって、フーリエレンズ70のオブジェクトフィールドが決定される。実際の実施形態では、フーリエレンズ70のオブジェクトフィールド角度は10°未満に制限される。したがって、レンズは近軸領域(paraxial regime)に留まり、レンズの設計が容易になり、近軸近似による誤差は0.5%未満になる。これは、NAoutが固定されていることを意味する。これら2つのパラメータが固定されている場合、レンズ70の焦点距離は次のようになる。
【数2】
【0069】
第2ライトパイプの出射面はレンズ70の瞳の位置であり、ターゲット(格子PGR上)のNA(これは与えられる(NAtargetは0.03程度))と上記で計算された焦点距離が分かっているため、第2ライトパイプの前面幅wは次のようになる。
【数3】
【0070】
ライトパイプの放射照度分布は、フーリエレンズ70と対称強度分布のシステムによってターゲット上の強度分布に変換されるため、第2ライトパイプの出力での放射照度分布は対称であることを意味する。したがって、パイプの出力側は、実際の実施形態では、パイプの出口での放射照度形状を決定するものであるため、正方形である。したがって、w=wである。
【0071】
第1および第2ライトパイプの入射NA(NAin)を次のように導く。
【数4】
ここで、τは各ライトパイプのテーパである。
【0072】
第1ライトパイプの場合、NAinがソースNAを超えるため、実施形態では、ファイバLGと第1ライトパイプの間に結合光学系が追加される。次に、第1ライトパイプの入力側幅をd=D/τとして導き出すこともできる。
【0073】
第1ライトパイプの入力側の高さは、ライトパイプから出る強度分布を形成し、したがってターゲットでの放射照度分布を形成する。ターゲット、つまり格子PGRは非対称である可能性があるため、光源分布が対称で、高さと幅の比率が照明スポットサイズと同じである場合、少なくとも第2ライトパイプの入力側も非対称になる可能性がある。その場合:
【数5】
ここで、x’とy’はそれぞれターゲットサイズ(格子PGR)の幅と高さである。
【0074】
ライトパイプの長さは、他の幾何学的パラメータを考慮して、ライトパイプの出力での放射照度分布の均一化が最適になるように選択される。
【0075】
図5を参照すると、レンズ装置70は、1つ以上のレンズ100、102、104を含むことができる。一実施形態では、レンズ装置は、単一のレンズ、または3つのレンズなどの限られた数のレンズを含むことができる。第1の側106では、レンズ装置70は第1焦点を有する。第1焦点は、好ましい実施形態では、第2ライトパイプの第2出射口60に実質的に位置するか、またはその平面内に配置される。反対側108では、レンズ装置は、実質的に平行な放射線を有する放射を出力する。レンズ装置70の出力は、格子PGRに向けられ得る。
【0076】
図6を参照すると、格子PGRはレンズ装置70の一方の側108に配置され得る。格子PGRは、レンズ装置70から出る放射によって照射されるように配置される。格子PGRは、格子ユニット112のアレイ110を含み得る。各格子ユニットには、複数の()多数の)スリット114が設けられ得る。スリットは、放射をフィルタリングするために所定のサイズを有し得る。格子ユニット112は長方形であり得る。スリットは、各格子ユニット112の側面116に対して斜めに配置され得る。実際の実施形態では、スリット114は、各格子ユニット112の側面116に対して角度qで配置され得る。前記角度は、0度から90度の間であり、例えば、約10度または20度である。
【0077】
図7Aを参照すると、本開示のシステムは、イメージ増強器(image multiplier)72を備え得る。イメージ増強装置72は、第2ライトパイプ、格子PGRおよび/またはレンズ70によって提供されるイメージ120を増強し、増強イメージ(image multiplier)122を提供するように構成され得る。図7Aは、特定の形状、強度および放射照度(図8Bを参照)を有するイメージ118が第2ライトパイプ56に入り、イメージ120として出射する様子を示す。
【0078】
イメージ増強器72は、例えば、プリズム132、134などの1つ以上の反射装置を備えたビームスプリッタ130を備え得る。図3を参照。図7Bは、ビームスプリッタ130および複数のプリズム132が統合されたイメージ増強器72の実施形態を示す。イメージ120は、その長さに沿って複数回増強され得る。例えば、イメージ120は、3倍または4倍に増強される。ビーム スプリッタ130には、部分的に反射する内面136が含まれる。面136は、イメージ120を部分的に透過し、イメージをそれぞれのプリズムに向けて部分的に反射する。
【0079】
ビームスプリッタごとの分割比は、P=P×1/Nと表される。ここで、Pは入射光の放射パワー、Pはn番目の分割イメージのパワー、Nはイメージ複製の総数である。前記パワーは、各複製で同じであることが好ましい。言い換えれば、Φが分割される最初の全光束、Nが達成したい分割数、Φ、Φ、・・・、Φが結果として得られる増強イメージの各スポットの光束である場合、次のようになる。
【数6】
【0080】
画像がN倍増強される例では、投影ユニットにはN-1個のビームスプリッタが含まれる。k番目のビームスプリッタの透過率Tは次のようになる。
【数7】
【0081】
例として、N=3の場合(図3および図7Aを参照)、最初のビームスプリッタの透過率は約33.3%で、2番目のビームスプリッタの透過率は50%である。
【0082】
別の実施形態では(図7Cを参照)、イメージ増強装置にはBowen-Walraven型イメージスライサが含まれる。スライサは、例えば、第1ミラー140と第1ミラーに平行に配置された第2ミラー142とを備える。放射は前記ミラー間で反射され、反射された放射の一部はターゲット、すなわち格子PGRに向けられる。
【0083】
実用的な実施形態では、第2ライトパイプ56または格子PGRから出る放射のイメージ120は、幅と高さのアスペクト比が少なくとも1:1.5、または少なくとも1:2、例えば約1:3から1:6の範囲である。イメージ増強器72は、前記比率を増大するように構成されてもよい。イメージ増強器は、少なくとも1:2のアスペクト比をもたらしてもよい。イメージ増強器は、イメージ120を少なくとも2回コピーして、アスペクト比を少なくとも2倍にしてもよい。実際には、結果として得られるアスペクト比は1:8を超え、例えば約1:9から1:15であってもよい。イメージ増強器72により、より短いメインライトパイプ56を使用できるようになる。
【0084】
実用的な実施形態では、投影ユニットがビームスプリッタ72を含む場合、メインライトパイプ56は約40cm以下、例えば約20~35cmの長さを有することができる。ここで、長さは、第2入射口58と第2出射口60との間の距離を示す。第1ライトパイプ50は、メインライトパイプ56よりも短くてもよい。例えば、第1ライトパイプ50は約20cm以下、例えば約10~15cmの長さを有することができる。ここで、長さは、第1入射口52と第1出射口54との間の距離を示す。
【0085】
第1および第2ライトパイプの長さに応じて、放射は、前記パイプ内で1回以上反射し得る。実用的な実施形態では、放射の一部は複数回反射するが、放射の別の部分は反射せずにまっすぐに進むか、または1回だけ反射し得る。その結果、放射照度および強度の分布が変化する。放射照度(またはフラックス密度)は放射測定の用語であり、単位面積あたりの表面が受ける放射フラックスとして定義される。SI系では、W/m(平方メートルあたりのワット数)の単位で定められる。強度、または光強度という用語は、放射照度と同じ単位を有する。ただし、同じ量ではない。強度は、ビームに垂直な領域を通過するエネルギーの量として定義され、放射照度は、特定の方向にある特定の表面に到達するエネルギーの量を指す。
【0086】
図8Aから図8Cは、本開示のデバイスおよび方法の実際の実施形態の放射照度(上段)と強度(下段)の両方の分布の例を示す。ここで、初めは、放射照度および強度の分布は、実質的に円形である(光源LSOによって生成され、(オプションの)ライトガイドLGによって伝送されるので)。図8Aの図を参照。本開示のシステムのライトガイドは、単純な単一の円形の放射伝送ファイバであってもよいことに留意されたい。このシステムは、ビームを所定の形状に形成するための複雑なマルチファイバライトガイドの必要性を排除する。
【0087】
ライトパイプは、放射の形状および分布を変換する。図8Bは、第1ライトパイプおよび第2ライトパイプの出力の図式的な例を示す。第1ライトパイプは、強度分布が依然として実質的に円形である一方で、放射照度分布を実質的に正方形に変更する。第2ライトパイプは、その非対称形状のため、強度分布を実質的に楕円形に変更しながら、放射照度分布を正方形に保つ。図8Cに示すように、レンズ72は、その後、強度分布が円形である一方で、放射照度分布を実質的に楕円形に変更する。
【0088】
例として、フーリエレンズの入射瞳として、上記で計算された長さDは、第2ライトパイプの出射面の高さである。パイプの出射面は対称であるため、Dは出射面の高さと幅を固定する。例示的な実施形態では、x方向にオーバーフィルして、放射照度が格子PGR全体にわたって均一になるように決定する。高さと幅の比率は、レンズ70のフーリエ平面、たとえばy'/x'=4で固定できる。したがって、結果としてd=3dになる。したがって、第2ライトパイプの出射NAは固定できる。つまり、テーパを固定すると、上記の式に従ってパイプに結合される光のNAも固定される。テーパがパイプの長さに比べて高すぎると、混合が損なわれ、放射照度分布に万華鏡のようなイメージが現れ始める。実用的な実施形態では、均一な放射照度分布を提供する最も低いテーパが選択される。前記テーパーは約3倍である。
【0089】
実用的な実施形態では、第2ライトパイプのパラメータは、パイプの長さが約40cm、入射面の幅が約0.30~0.40mm、高さが約1.2~2mm、出射面の幅と高さが約3~6mm、入射NAが約0.3~0.5、出射NAが約0.1~0.3である。
【0090】
比較的少数で単純なコンポーネントを使用することで、本開示のシステムおよび方法により、放射照度分布と強度分布の両方を、所定の形状、形態、およびレベルに従って形成できる。コンポーネントの数が限られているため、放射の吸収が最小限に抑えられる。このシステムでは、市販の単一のマルチモード ファイバーをライトガイドとして使用できる。したがって、本発明のシステムは、複雑なビーム成形マルチファイバ構造を不要にする。
【0091】
本発明は、照明光学系(IO)の再設計を提供し、それに応じてライトガイド(LG)を簡素化する。開示されたシステムでは、MOによる放射照度分布の均一化は不要である。その結果、コンポーネントの数を減らすことができる(例えば、コンポーネントを12個から5個に減らすことができる)。LGファイバ・バンドルは、単一のLGファイバに置き換えることができる。コンポーネントの数とそれに伴うコストが削減され、伝送効率が向上する。カップリングパイプ(第1ライトパイプ)は、LGとメインライトパイプ(第2ライトパイプ)との間の開口数(NA)を拡大し、これは、放射照度分布を均一化し、光の強度分布を整形して、正しいアスペクト比(高さ対幅比)で均一な照明を提供する。フーリエレンズは、ターゲットで必要なNAに一致するように機能し、入射ビームの強度分布をターゲット上の放射照度分布に変換し、入射放射照度分布をターゲット面上の強度分布に変換する。投影格子は、ターゲット面内に配置される。
【0092】
本開示の投影ユニットは、放射照度の均一性を実現する。光は、IOモジュールに供給される光の強度分布の均一性を保証する単純なマルチモードファイバによって、簡素化されたライトガイドからIOモジュールに供給される。
【0093】
本開示の投影ユニットおよび方法は、従来のシステムよりも少ない、より単純な要素を使用して、空間および角度空間の両方で、光源から投影格子PGRまでの均一な照明を実現する。その結果、ユニットは比較的手頃な価格になる。投影ユニットは、投影格子の形状に合わせて、均一で対称的な強度分布と均一で非対称な放射照度分布を実現できる。
【0094】
当業者であればこれらの他の適用に際して、本明細書における「ウェハ」あるいは「ダイ」という用語がそれぞれ「基板」あるいは「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義であるとみなされると理解することができるであろう。ここで言及される基板は、露光前または露光後においてトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光後のレジストを現像するツール)、計測ユニット、及び/または検査ユニットにより処理されてもよい。適用可能であれば、本明細書の開示はこのまたは他の基板処理ツールにも適用され得る。また、基板は例えば多層ICを製造するために複数回処理されてもよく、その場合には本明細書における「基板」という用語は既に処理されている多数の処理層を含む基板をも意味する。
【0095】
本明細書では、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用について特に言及されているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置は他の用途を有し得ることを理解されたい。その他の用途としては、集積光学システム、磁区メモリ用の誘導および検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造が挙げられる。
【0096】
本明細書では、リソグラフィ装置に関連して本発明の実施形態を具体的に参照することができるが、本発明の実施形態は他の装置でも使用することができる。本発明の実施形態は、マスク検査装置、計測装置、あるいはウェハ(または他の基板)またはマスク(または他のパターニングデバイス)などの物体を測定または処理する任意の装置の一部を形成することができる。これらの装置は一般にリソグラフィツールと呼ばれることがある。このようなリソグラフィツールは、真空条件または周囲(非真空)条件を使用する場合がある。
【0097】
上記では、光リソグラフィの文脈における本発明の実施形態の使用について具体的に言及してきたが、文脈が許す限り、本発明は光リソグラフィに限定されず、例えばインプリントリソグラフィなどの他の用途にも使用できることが理解されるであろう。
【0098】
本発明の特定の実施の形態を上述してきたが、本発明は記載と異なる態様で実施されてもよいことが理解されよう。上述の記載は例示を意図しており、限定を意図していない。したがって、当業者であれば、以下に記述される請求項の範囲を逸脱しない範囲で、上述した発明に対する変形がなされてもよいことが理解されよう。本発明の他の態様は、以下の番号の付いた項に記載されている。
【0099】
(項)
1.レベルセンサ用の投影ユニットであって、
光源からの放射を受け取るように構成された第1入射口と、第1出射口とを有する第1ライトパイプと、
前記第1ライトパイプからの放射を受け取るように構成された第2入射口と、第2出射口とを有する第2ライトパイプと、
を備える投影ユニット。
2.前記第2出射口から放射を受け取り、所定の強度および放射照度の分布を有する放射を出力するように構成されたレンズ装置を備える、項1に記載の投影ユニット。
3.前記レンズ装置は、前記第2出射口に位置する一方の側に焦点を有する、項2に記載の投影ユニット。
4.前記第1ライトパイプは、テーパ状の壁を有し、前記第1入射口の幅および高さは、前記第1出射口の幅および高さを超える、項1から3のいずれかに記載の投影ユニット。
5.前記第1ライトパイプは、その長手方向軸に沿って対称である、項1から4のいずれかに記載の投影ユニット。
6.前記第2ライトパイプは、テーパ状の壁を有し、前記第2出射口の幅および高さは、前記第2入射口の幅および高さを超える、項1から5のいずれかに記載の投影ユニット。
7.前記第2ライトパイプは、その長手方向軸に沿って非対称である、項1から6のいずれかに記載の投影ユニット。
8.前記第2入射口の幅と高さの比は1:1.5から1:14の範囲であり、および/または、前記第2出射口の幅と高さの比は1:1の範囲である、項7に記載の投影ユニット。
9.レンズ装置から出る放射によって照射されるレンズシステムの反対側に配置された格子を備え、前記格子は、格子ユニットのアレイを備え、各格子ユニットには放射をフィルタリングするための所定のサイズの複数のスリットが設けられている、項1から8のいずれかに記載の投影ユニット。
10.前記格子ユニットは長方形であり、前記スリットは各格子ユニットの側面に対して斜めに配置されている、項9に記載の投影ユニット。
11.投影格子から出る放射を受け取るように配置されたイメージ増強装置を備え、前記投影格子から出る放射はアスペクト比を有し、前記イメージ増強装置は前記アスペクト比を増大するように構成されている、項9または10に記載の投影ユニット。
12.前記投影格子から出る放射は、幅と高さのアスペクト比が少なくとも1:1.5であり、前記イメージ増強装置は、前記アスペクト比を少なくとも1:2に増大するように構成されている、項11に記載の投影ユニット。
13.放射を生成する光源を含む光モジュールと、
前記光モジュールからの放射を受け取り、放射を前記第1ライトパイプに転送するように構成されたライトガイドと、
を備える項1から12のいずれかに記載の投影ユニット。
14.前記ライトガイドは、単一のマルチモードファイバである、項13に記載の投影ユニット。
15.基板の高さを測定するためのレベルセンサを備えたリソグラフィシステムであって、
前記レベルセンサは、項1に記載の投影ユニットを備える、リソグラフィシステム。
16.投影ユニットを有するレベルセンサを使用して基板の高さを監視する方法であって、
放射を第1ライトパイプに向けるステップと、
第2ライトパイプを使用して前記第1ライトパイプから出る放射を受け取るステップと、
を含む方法。
17.レンズシステムを使用して前記第2ライトパイプから出る放射を受け取るステップを含み、前記レンズシステムは、所定の強度および放射照度の分布を持つ放射を出力するように構成されている、項16に記載の方法。
18.項1から14のいずれかに記載の投影ユニットを備える計測アセンブリ。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
【手続補正書】
【提出日】2024-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レベルセンサ用の投影ユニットであって、
光源からの放射を受け取るように構成された第1入射口と、第1出射口とを有する第1ライトパイプと、
前記第1ライトパイプからの放射を受け取るように構成された第2入射口と、第2出射口とを有する第2ライトパイプと、
前記第2出射口から放射を受け取り、所定の強度および放射照度の分布を有する放射を出力するように構成されたレンズシステムと、
前記レンズシステムから出る放射によって照射される前記レンズシステムの反対側に配置された格子であって、格子は格子ユニットのアレイを備え、各格子ユニットには放射をフィルタリングするための所定のサイズの複数のスリットが設けられている、格子と、
前記格子から出る放射を受け取るように配置されたイメージ増強装置であって、前記格子から出る放射はアスペクト比を有し、イメージ増強装置は前記アスペクト比を増大するように構成されている、イメージ増強装置と、
を備える投影ユニット。
【請求項2】
前記レンズシステムは、前記第2出射口に位置する一方の側に焦点を有する、請求項に記載の投影ユニット。
【請求項3】
前記第1ライトパイプは、テーパ状の壁を有し、前記第1入射口の幅および高さは、前記第1出射口の幅および高さを超える、請求項1に記載の投影ユニット。
【請求項4】
前記第1ライトパイプは、その長手方向軸に沿って対称である、請求項1に記載の投影ユニット。
【請求項5】
前記第2ライトパイプは、テーパ状の壁を有し、前記第2出射口の幅および高さは、前記第2入射口の幅および高さを超える、請求項1に記載の投影ユニット。
【請求項6】
前記格子ユニットは長方形であり、前記スリットは各格子ユニットの側面に対して斜めに配置されている、請求項に記載の投影ユニット。
【請求項7】
記格子から出る放射は、幅と高さのアスペクト比が少なくとも1:1.5であり、前記イメージ増強装置は、前記アスペクト比を少なくとも1:2に増大するように構成されている、請求項に記載の投影ユニット。
【請求項8】
放射を生成する光源を含む光モジュールと、
前記光モジュールからの放射を受け取り、放射を前記第1ライトパイプに転送するように構成されたライトガイドと、
を備える請求項1に記載の投影ユニット。
【請求項9】
前記ライトガイドは、単一のマルチモードファイバである、請求項に記載の投影ユニット。
【請求項10】
基板の高さを測定するためのレベルセンサを備えたリソグラフィシステムであって、
前記レベルセンサは、請求項1から9のいずれかに記載の投影ユニットを備える、リソグラフィシステム。
【請求項11】
投影ユニットを有するレベルセンサを使用して基板の高さを監視する方法であって、
放射を第1ライトパイプに向けるステップと、
第2ライトパイプを使用して前記第1ライトパイプから出る放射を受け取るステップと、
を含む方法。
【請求項12】
レンズシステムを使用して前記第2ライトパイプから出る放射を受け取るステップを含み、前記レンズシステムは、所定の強度および放射照度の分布を持つ放射を出力するように構成されている、請求項11に記載の方法。
【国際調査報告】