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特表2025-501823単一カメラによるテンプレートマーク検出方法およびテンプレート位置補正方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】単一カメラによるテンプレートマーク検出方法およびテンプレート位置補正方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/13 20170101AFI20250117BHJP
   G06T 7/33 20170101ALI20250117BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20250117BHJP
【FI】
G06T7/13
G06T7/33
G06T7/60 200G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579756
(86)(22)【出願日】2022-12-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 CN2022142311
(87)【国際公開番号】W WO2024130762
(87)【国際公開日】2024-06-27
(31)【優先権主張番号】202211651503.6
(32)【優先日】2022-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510232360
【氏名又は名称】中国科学院光電技術研究所
【氏名又は名称原語表記】The Institute of Optics and Electronics, The Chinese Academy of Sciences
【住所又は居所原語表記】P.O.Box 350, Shuangliu, Chengdu, Sichuan 610209, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】羅先剛
(72)【発明者】
【氏名】李成文利
(72)【発明者】
【氏名】劉明剛
(72)【発明者】
【氏名】閻剣
(72)【発明者】
【氏名】王長涛
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA06
5L096BA05
5L096CA02
5L096DA02
5L096EA43
5L096FA03
5L096FA06
5L096FA10
5L096FA24
5L096FA67
5L096GA55
5L096MA03
(57)【要約】
本開示は、単一カメラによるテンプレートマーク検出方法およびテンプレート位置補正方法を提供する。下記のステップを含む。ステップS1:単一カメラによりテンプレートにおけるマークに対して画像取得を行い、前処理により二値化画像を得る。ステップS2:二値化画像に対してエッジジャギーコーナー検出を行い、エッジジャギーコーナー集合を得る。ステップS3:二値化画像に対してエッジ検出、直線検出を順に行い、粗検出エッジ線分集合を得る。ステップS4:粗検出エッジ線分集合をチェックし、判断して共線的線分を残し、粗検出共線的線分集合を得る。ステップS5:エッジジャギーコーナー集合をチェックして、粗検出共線的線分集合における線分と点、線共線性判定を行い、精確検出点、線集合を得る。ステップS6:精確検出点、線集合に対して直線フィッティングを行い、そしてアークタンジェント関数により各直線の傾斜角度を算出し、マークの検出を終わらせる。さらに、テンプレートの位置に対して補正を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一カメラによりテンプレートにおけるマークに対して画像取得を行い、前処理により二値化画像を得るステップS1と、
前記二値化画像に対してエッジジャギーコーナー検出を行い、エッジジャギーコーナー集合を得るステップS2と、
前記二値化画像に対してエッジ検出、直線検出を順に行い、粗検出エッジ線分集合を得るステップS3と、
前記粗検出エッジ線分集合をチェックし、判断して共線的線分を残し、粗検出共線的線分集合を得るステップS4と、
前記エッジジャギーコーナー集合をチェックして、前記粗検出共線的線分集合における線分と点、線共線性判定を行い、精確検出点、線集合を得るステップS5と、
前記精確検出点、線集合に対して直線フィッティングを行い、そしてアークタンジェント関数により各前記直線の傾斜角度を算出し、前記マークの検出を終わらせるステップS6と、を含む。
ことを特徴とする単一カメラによるテンプレートマーク検出方法。
【請求項2】
前記ステップS1は、
単一カメラによりテンプレートにおけるマークに対して画像取得を行い、初期画像を得るステップS11と、
前記初期画像をグレースケール画像に変換してフィルタリングを行うステップS12と、
前記ステップS12で得た画像に対して二値化処理を行い、二値化画像を得るステップS13と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の単一カメラによるテンプレートマーク検出方法。
【請求項3】
前記ステップS2は、前記二値化画像における画素点に対してShi-Tomasiコーナー応答関数による検出を行い、エッジジャギーコーナー集合を得ることを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の単一カメラによるテンプレートマーク検出方法。
【請求項4】
前記ステップS3は、
前記二値化画像に対してCannyエッジ検出を行い、エッジパターンを得るステップと、
前記エッジパターンに基づいて累積確率的ハフ変換により前記マークにおける複数のエッジ線分を得、前記複数のエッジ線分からなる前記粗検出エッジ線分集合を得るステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の単一カメラによるテンプレートマーク検出方法。
【請求項5】
前記ステップS4は、
前記粗検出エッジ線分集合から2本の線分を任意に選択し、4つの端点を得るステップS41と、
前記4つの端点で構成される四角形の面積を算出し、そのうちの1本の線分の傾き、1本の線分の2つの端点と他の1本の線分の2つの端点とがそれぞれ結んでなした線分の傾きを算出するステップS42と、
四角形の面積が第1所定閾値未満でありかつ前記傾きの差がいずれも第2所定閾値未満である場合、前記2本の線分が共線的であると判断するステップS43と、
前記粗検出エッジ線分集合をチェックし、そのうちの共線的線分を残し、粗検出共線的線分集合を得るステップS44と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の単一カメラによるテンプレートマーク検出方法。
【請求項6】
前記ステップS5は、
前記エッジジャギーコーナー集合から1つのコーナーを任意に選択し、前記コーナーと前記粗検出共線的線分集合における線分とがそれぞれ三角形を構成するステップS51と、
前記三角形の面積を算出するステップS52と、
前記三角形の面積が第3所定閾値未満である場合、前記コーナーと前記線分とは点、線が共線的であると判断するステップS53と、
前記エッジジャギーコーナー集合をチェックして、点、線が共線的であるコーナーと線分を統合して精確検出点、線集合を得るステップS54と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の単一カメラによるテンプレートマーク検出方法。
【請求項7】
前記ステップS5は、前記精確検出点、線集合における同じ共線的線分を特定し、そのうちの任意の1本を残し、重複のその他の線分を除去するステップS55をさらに含む
ことを特徴とする請求項6に記載の単一カメラによるテンプレートマーク検出方法。
【請求項8】
前記ステップS6は、
前記精確検出点、線集合における点、線が共線的であるコーナーと相応の線分の2つの端点とに対して直線フィッティングを行い、直線の方程式を得るステップS61と、
前記直線の方程式に基づいてアークタンジェント関数を利用して各前記直線の傾斜角度を算出するステップS62と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の単一カメラによるテンプレートマーク検出方法。
【請求項9】
前記テンプレートにおけるマークは、「米」字形、「十」字形のうちの1種を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の単一カメラによるテンプレートマーク検出方法。
【請求項10】
単一カメラによりテンプレートにおけるマークに対して画像取得を行い、前処理により二値化画像を得るステップS1と、
前記二値化画像に対してエッジジャギーコーナー検出を行い、エッジジャギーコーナー集合を得るステップS2と、
前記二値化画像に対してエッジ検出、直線検出を順に行い、粗検出エッジ線分集合を得るステップS3と、
前記粗検出エッジ線分集合をチェックし、判断して共線的線分を残し、粗検出共線的線分集合を得るステップS4と、
前記エッジジャギーコーナー集合をチェックして、前記粗検出共線的線分集合における線分と点、線共線性判定を行い、精確検出点、線集合を得るステップS5と、
前記精確検出点、線集合に対して直線フィッティングを行い、そしてアークタンジェント関数により各前記直線の傾斜角度を算出するステップS6と、
各前記直線の傾斜角度と標準角度との差に基づいて、前記テンプレートの位置に対して補正を行うステップS7と、を含む
ことを特徴とする単一カメラに基づくテンプレート位置補正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学的検出技術の分野に属し、具体的に、単一カメラによるテンプレートマーク検出方法およびテンプレート位置補正方法に関する。
【0002】
(関係出願の相互参照)
本開示は、2022年12月21日に提出された、出願番号が202211651503.6である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本開示に参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
ロボットによりテンプレートを搬送する過程において位置の補正が必要であり、一般的に、2つのPSD(Position Sensitive Detector)を使用して光学的補正を行いまたは2つのカメラを使用して画像補正を行うが、テンプレート吸盤の上方および下方のスペースが限られている場合、PSDおよびカメラを取り付けるためのスペースが十分ではない。光学的方法により位置マークに対して直線検出を行うとき、一つの直線は傾きが一定であり、傾きを修正することが困難であるため、直線検出により得たマークの傾きの精度が低い。また、グレースケール画像では隣接する画素点の画素値は差が比較的小さいため、グレースケール画像のコーナー検出により得られるコーナーの数が比較的少なく、得られるコーナーを利用してマークの位置情報を確定することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の問題に対して、本開示は、従来の方法における、検出装置の取付が制限され、得られるマークの傾斜角度の精度が低いなどの技術的課題を解決する単一カメラによるテンプレートマーク検出方法およびテンプレート位置補正方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一局面は、単一カメラによるテンプレートマーク検出方法を提供する。単一カメラによるテンプレートマーク検出方法は、単一カメラによりテンプレートにおけるマークに対して画像取得を行い、前処理により二値化画像を得るステップS1と、二値化画像に対してエッジジャギーコーナー検出を行い、エッジジャギーコーナー集合を得るステップS2と、二値化画像に対してエッジ検出、直線検出を順に行い、粗検出エッジ線分集合を得るステップS3と、粗検出エッジ線分集合をチェックし、判断して共線的線分を残し、粗検出共線的線分集合を得るステップS4と、エッジジャギーコーナー集合をチェックして、粗検出共線的線分集合における線分と点、線共線性判定を行い、精確検出点、線集合を得るステップS5と、精確検出点、線集合に対して直線フィッティングを行い、そしてアークタンジェント関数により各直線の傾斜角度を算出し、マークの検出を終わらせるステップS6と、を含む。
【0006】
さらに、ステップS1は、単一カメラによりテンプレートにおけるマークに対して画像取得を行い、初期画像を得るステップS11と、初期画像をグレースケール画像に変換してフィルタリングを行うステップS12と、ステップS12で得た画像に対して二値化処理を行い、二値化画像を得るステップS13と、を含む。
【0007】
さらに、ステップS2は、二値化画像における画素点に対してShi-Tomasiコーナー応答関数による検出を行い、エッジジャギーコーナー集合を得ることを含む。
【0008】
さらに、ステップS3は、二値化画像に対してCannyエッジ検出を行い、エッジパターンを得るステップと、エッジパターンに基づいて累積確率的ハフ変換によりマークにおける複数のエッジ線分を得、複数のエッジ線分からなる粗検出エッジ線分集合を得るステップと、を含む。
【0009】
さらに、ステップS4は、粗検出エッジ線分集合から2本の線分を任意に選択し、4つの端点を得るステップS41と、4つの端点で構成される四角形の面積を算出し、そのうちの1本の線分の傾き、1本の線分の2つの端点と他の1本の線分の2つの端点とがそれぞれ結んでなした線分の傾きを算出するステップS42と、四角形の面積が第1所定閾値未満でありかつ傾きの差がいずれも第2所定閾値未満である場合、2本の線分が共線的であると判断するステップS43と、粗検出エッジ線分集合をチェックし、そのうちの共線的線分を残し、粗検出共線的線分集合を得るステップS44と、を含む。
【0010】
さらに、ステップS5は、エッジジャギーコーナー集合から1つのコーナーを任意に選択し、コーナーと粗検出共線的線分集合における線分とがそれぞれ三角形を構成するステップS51と、三角形の面積を算出するステップS52と、三角形の面積が第3所定閾値未満である場合、コーナーと線分とは点、線が共線的であると判断するステップS53と、エッジジャギーコーナー集合をチェックして、点、線が共線的であるコーナーと線分を統合して精確検出点、線集合を得るステップS54と、を含む。
【0011】
さらに、ステップS5は、精確検出点、線集合における同じ共線的線分を特定し、そのうちの任意の1本を残し、重複のその他の線分を除去するステップS55をさらに含む。
【0012】
さらに、ステップS6は、精確検出点、線集合における点、線が共線的であるコーナーと相応の線分の2つの端点とに対して直線フィッティングを行い、直線の方程式を得るステップS61と、直線の方程式に基づいてアークタンジェント関数を利用して各直線の傾斜角度を算出するステップS62と、を含む。
【0013】
さらに、テンプレートにおけるマークは、「米」字形、「十」字形のうちの1種を含む。
【0014】
本開示の他の局面は、単一カメラに基づくテンプレート位置補正方法を提供する。単一カメラに基づくテンプレート位置補正方法は、単一カメラによりテンプレートにおけるマークに対して画像取得を行い、前処理により二値化画像を得るステップS1と、二値化画像に対してエッジジャギーコーナー検出を行い、エッジジャギーコーナー集合を得るステップS2と、二値化画像に対してエッジ検出、直線検出を順に行い、粗検出エッジ線分集合を得るステップS3と、粗検出エッジ線分集合をチェックし、判断して共線的線分を残し、粗検出共線的線分集合を得るステップS4と、エッジジャギーコーナー集合をチェックして、粗検出共線的線分集合における線分と点、線共線性判定を行い、精確検出点、線集合を得るステップS5と、精確検出点、線集合に対して直線フィッティングを行い、そしてアークタンジェント関数により各直線の傾斜角度を算出するステップS6と、各直線の傾斜角度と標準角度との差に基づいて、テンプレートの位置に対して補正を行うステップS7と、を含む。
【発明の効果】
【0015】
本開示に係る単一カメラによるテンプレートマーク検出方法およびテンプレート位置補正方法は、単一カメラを使用して画像取得を行うため、ステーションのスペースへの使用が減少し、検出装置の取付が制限される問題を解決できる。さらに、画像の二値化を利用してより多くかつ精確なエッジコーナーを得、さらにテンプレートマークの連通部分の両側の共線的直線を利用し、直線フィッティングを行ってより精確な直線の傾斜角度を得、マークの精確な位置情報を確定することにより、テンプレートマークに対する高精度の検出を実現し、該検出方法で得られたマークの位置情報に基づいてテンプレートの位置の補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の実施例による単一カメラによるテンプレートマーク検出方法の模式的フローチャートである。
図2】本開示の実施例による検出方法に使用する装置のステーションの模式的構成図である。
図3】本開示の実施例による、マーク画像に対してフィルタリングを行ったあとのパターンの模式図である。
図4】本開示の実施例による、グレースケール画像に対して二値化処理を行ったあとのパターンの模式図である。
図5】本開示の実施例による、二値化画像に対してエッジジャギーコーナー検出を行った結果の模式図である。
図6】本開示の実施例による、二値化画像に対してエッジ検出、直線検出を行った結果の模式図である
図7】本開示の実施例による、共線性判定を行うときの夾角を示す模式図である。
図8】本開示の実施例による、精確検出点、線集合に対して直線フィッティングを行った結果の模式図である。
図9】本開示の実施例による、単一カメラに基づくテンプレートマーク検出の処理の模式的フローチャートである。
図10】本開示の実施例1による、5回のテンプレート配置のそれぞれに関する二値化処理結果の模式図である。
図11】本開示の実施例1による、5回のテンプレート配置のそれぞれに関する二値化画像に対するエッジジャギーコーナー検出の結果の模式図である。
図12】本開示の実施例1による、5回のテンプレート配置のそれぞれに関する二値化画像に対するエッジ検出、直線検出の結果の模式図である。
図13】本開示の実施例1による、5回のテンプレート配置のそれぞれに関する精確検出点、線集合に対する直線フィッティングの結果の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の目的、技術案および利点をより明瞭にするため、以下、具体的な実施例を用いて図面を参照しながら、本開示をさらに詳細に説明する。
【0018】
ここで使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものにすぎず、本開示を限定するものではない。ここで使用される、「含む」、「含んでなる」などの用語は、該当する特徴、ステップ、操作および部材の少なくとも一つの存在を表すものであるが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、操作または部材が存在したり、添加されたりすることを排除するのではない。
【0019】
本開示の実施例において方向指向が記載される場合、該方向指向は、ある特定の姿勢での各部材の相対的位置関係、運動状況などを示すものにすぎず、該特定の姿勢が変化すると、該方向指向もそれに応じて変化する。
【0020】
明細書および特許請求の範囲に使用される、「第1」、「第2」、「第3」などの序数は、相応の部品を修飾するためのものであり、該当部品が序数を有することを意味したり、ある部品と他の部品の順序、製造方法における順序を表すものではない。これらの序数は、名前が同じである部品を明確に区別するためのものにすぎない。
【0021】
本開示は、単一カメラによるテンプレートマーク検出方法を提供する。図1に示すように、単一カメラによるテンプレートマーク検出方法は、下記のステップを含む。ステップS1:単一カメラによりテンプレートにおけるマークに対して画像取得を行い、前処理により二値化画像を得る。ステップS2:二値化画像に対してエッジジャギーコーナー検出を行い、エッジジャギーコーナー集合を得る。ステップS3:二値化画像に対してエッジ検出、直線検出を順に行い、粗検出エッジ線分集合を得る。ステップS4:粗検出エッジ線分集合をチェックし、判断して共線的線分を残し、粗検出共線的線分集合を得る。ステップS5:エッジジャギーコーナー集合をチェックして、粗検出共線的線分集合における線分と点、線共線性判定を行い、精確検出点、線集合を得る。ステップS6:精確検出点、線集合に対して直線フィッティングを行い、そしてアークタンジェント関数により各直線の傾斜角度を算出し、マークの検出を終わらせる。
【0022】
該検出方法に使用する装置のステーションの模式図は、図2である。前記装置は、光源とレンズ群とCCDカメラとを備え、仕事過程が下記の通りである。ロボットによりテンプレートをCCDカメラの下方のテンプレートステーションに搬送し、光源からの光がレンズ群を経由してテンプレートにおけるマークに到着し、マーク情報を持つ反射光がさらにレンズ群を経由してCCDカメラに到着し、そして、CCDカメラで収集した画像を処理する。本方法は、単一のCCDカメラを使用して画像取得を行うため、ステーションのスペースへの使用が減少し、検出装置の取付が制限される問題を解決できる。テンプレートステーションの四周に挟持用四角形溝が設けられているため、四角形溝におけるテンプレートの回動範囲が0.5°以下であり、移動範囲が±0.5mm以下であり、この範囲であれば、該単一のCCDカメラにより取得した画像マークの位置特定の精度が高くなり、後の位置補正後のテンプレートの位置精度もそれに応じて高くなる。
【0023】
具体的に、まず、取得した画像に対して前処理、二値化を行い、二値化後の画像にエッジジャギーが生じ、この特徴を利用すれば、コーナー検出時により多くかつ精確なエッジジャギーコーナーを得ることができる。そして、エッジジャギーコーナー検出と直線検出を並行して行い(ステップS2およびステップS3の実行は、同時であってもよく同時でなくてもよく、実行の順序が限定されない)、得た粗検出エッジ線分に対して共線検出を行い、共線的線分を2本以上残し、粗検出共線的線分集合を得る。そして、エッジジャギーコーナー集合をチェックして、粗検出共線的線分集合において点、線共線性判定を行い、共線的エッジジャギーコーナーを残し、精確検出点、線集合を得る。さらに、精確検出点、線集合に対して直線フィッティングおよび逆三角関数演算を行って、より精確な直線の傾斜角度を得る。上記の処理プロセスによれば、テンプレートマークに対する高精度の検出を実現できる。すなわち、本開示は、画像の二値化を利用してより多くかつ精確なエッジコーナーを得、さらにテンプレートマークの連通部分の両側の共線的直線を使用し、直線フィッティングを行ってより精確な直線の傾斜角度を得、マークのより精確な位置情報を得ることができる。
【0024】
上記の実施例において、ステップS1は、下記のステップを含む。ステップS11:単一カメラによりテンプレートにおけるマークに対して画像取得を行い、初期画像を得る。ステップS12:初期画像をグレースケール画像に変換してフィルタリングを行う。ステップS13:ステップS12で得た画像に対して二値化処理を行い、二値化画像を得る。
【0025】
CCDカメラによりテンプレートにおけるマークに対して画像取得を行い、初期画像を得る。該初期画像をグレースケール画像に変換してフィルタリングを行い、フィルタリングブロックのサイズが可変であり、その結果が図3に示されている(「米」字形マークで例示する)。ここでフィルタリングを行う原因として、画像のエッジがノイズの干渉を非常に受けやすいので、エッジ情報の誤検出を防止するには、画像に対してフィルタリングを行ってノイズを除去する必要がある。フィルタリングの目的は、テクスチャが比較的弱い非エッジ領域を平滑化してより精確なエッジを得るためである。
【0026】
そして、グレースケール画像におけるすべての画素点をチェックし、このグレースケール画像の画素中央値を算出し、画素中央値に基づいてすべての画素値に対して二値化を行う。例えば、中央値より小さい画素値を255にし、中央値より大きい画素値を0にする。無論、他の値にしてもよいが、選択される2つの値の差を、画像と空白領域とを区別できるほど十分大きくすればよい。一般的に、画像の二値化(Image Binarization)とは、画像上の画素点のグレースケール値を0または255にすることである。結果が図4に示されており、図面から分かるように、二値化処理後のアライメントマークパターンエッジに、図4における丸印で示した複数のジャギーが形成される。
【0027】
上記の実施例において、ステップS2は、二値化画像における画素点に対してShi-Tomasiコーナー応答関数による検出を行い、エッジジャギーコーナー集合を得ることを含む。
【0028】
二値化画像に対してエッジジャギーコーナー検出を行い、画像Shi-Tomasiコーナー検出データを得、画像のエッジジャギーコーナー集合{sp,sp,sp,…sp}を得、エッジジャギーコーナー検出の結果が図5に示されている。十分な点を得るため、Shi-Tomasiコーナー応答関数における質量係数をできるだけ小さくする。
【0029】
上記の実施例において、ステップS3は、二値化画像に対してCannyエッジ検出を行い、エッジパターンを得るステップと、エッジパターンに基づいて累積確率的ハフ変換によりマークにおける複数のエッジ線分を得、複数のエッジ線分からなる粗検出エッジ線分集合を得るステップと、を含む。
【0030】
二値化画像に対して一般的なCannyエッジ検出アルゴリズムによりエッジ検出を行い、Cannyエッジ検出アルゴリズムにおける具体的な数値の選択原理として、エッジを取得する過程において、いくつかの弱いエッジが取得され、これらの弱いエッジは、実画像によるものもあれば、ノイズによるものもあり、ノイズによる弱いエッジを除去する必要がある。現在エッジの画素の勾配と2つの閾値との関係に基づいて現在エッジの属性を判断し、現在エッジの画素の勾配が第2エッジ閾値以上である場合、現在エッジの画素を強いエッジとマークし、すなわち、該エッジが実画像によるものである。現在エッジの画素の勾配が第2エッジ閾値と第1エッジ閾値との間の値である場合、現在エッジの画素を弱いエッジとマークする(この段階まだ残す)。現在エッジの画素の勾配が第1エッジ閾値以下である場合、現在エッジを棄却する。上記の処理により弱いエッジを得たあと、弱いエッジが強いエッジと接続されているか否かを判断することにより、該弱いエッジが実画像によるものであるかノイズによるものであるかを確定する。弱いエッジが強いエッジと接続されている場合、該弱いエッジが実画像によるものである。弱いエッジが強いエッジと接続されていない場合、該弱いエッジがノイズによるものである。第1エッジ閾値および第2エッジ閾値の具体的な値は、必要に応じて選択することができる。
【0031】
Cannyエッジ検出後の画像に対して一般的な累積確率的ハフ変換により直線検出を行い、Cannyエッジ検出により得たエッジパターン(該エッジパターンが曲線部分を有する場合がある)に基づいて、画像マークにおけるエッジ線分を得る。直線検出後、粗検出エッジ線分集合{d,d,d,…d}を得、粗検出エッジ線分の検出結果が図6に示されている。図6における四角形に囲まれた部分から分かるように、累積確率的ハフ変換の後、同一の位置から複数本のエッジ線分を検出することがある。
【0032】
上記の実施例において、ステップS4は、下記のステップを含む。ステップS41:粗検出エッジ線分集合から2本の線分を任意に選択し、4つの端点を得る。ステップS42:4つの端点で構成される四角形の面積を算出し、そのうちの1本の線分の傾き、1本の線分の2つの端点と他の1本の線分の2つの端点とがそれぞれ結んでなした線分の傾きを算出する。ステップS43:四角形の面積が第1所定閾値未満でありかつ傾きの差がいずれも第2所定閾値未満である場合、2本の線分が共線的であると判断する。ステップS44:粗検出エッジ線分集合をチェックし、そのうちの共線的線分を残し、粗検出共線的線分集合を得る。
【0033】
得た粗検出エッジ線分集合{d,d,d,…d}において線分のチェックを行い、共線的線分を統合し、ここでの統合は粗検出共線的線分集合に統合することを意味し、ここで共線的線分に対する重複除去を行わなく、粗検出共線的線分集合{cl,cl2,cl3,…cl}を得、すなわち、該粗検出共線的線分集合における各元素がいずれも共線的集合である。
【0034】
共線性を判断するには多くの方法があり、以下、本開示に係る共線性判定の過程を説明する。粗検出エッジ線分集合{d,d,d,…d}から2本の線分を任意に選択し、2本の線分の端点がそれぞれ(P1,)および(P3,)であり、共線性の判定条件をΨおよびΨとし、2つの条件がすべて満たされた場合共線的であると判断される。
【0035】
Ψは、4つの端点で構成される四角形の面積が第1所定閾値未満であるか否かを判断する。本開示では、ヘロンの公式を利用して、三角形の3辺の長さに基づいて三角形の面積を直接求める。四角形の面積が2つの三角形の面積の和に等しく、下記の式(1)を参照する。
【0036】
が三角形Pの面積を表し、hが三角形Pの半周長を表し、Lpipjが点Pと点P点とを結ぶ線分の長さを表し、Sが三角形Pの面積を表し、hが三角形Pの半周長を表し、ηが第1所定閾値であり、例えば、η=400。h、hおよびLpipjの計算式が下記の式(2)および式(3)を参照する。

【0037】
Ψは、1本の線分の傾き、1本の線分の2つの端点と他の1本の線分の2つの端点とがそれぞれ結んでなした線分の傾きの差が第2所定閾値未満であるか否かを判断する。説明便宜の上、本開示では傾きを、線分とx軸のなす角に変換して示す。アークタンジェント関数により、傾きを、端点Pおよび端点Pが位置する直線とx軸のなす角θ、端点P1および端点Pが位置する直線とx軸のなす角θ、端点Pおよび端点Pが位置する直線とx軸のなす角θに変換することができる。図7を参照できる。傾斜角がすべて弧度法で表され、下記の式(4)を参照する。
【0038】
例えば、第2所定閾値δ=0.16、傾斜角θ、θおよびθの計算式が下記の式(5)を参照する。
【0039】
上記の実施例において、ステップS5は、下記のステップを含む。ステップS51:エッジジャギーコーナー集合から1つのコーナーを任意に選択し、コーナーと粗検出共線的線分集合における線分とがそれぞれ三角形を構成する。ステップS52:三角形の面積を算出する。ステップS53:三角形の面積が第3所定閾値未満である場合、コーナーと線分とは点、線が共線的であると判断する。ステップS54:エッジジャギーコーナー集合をチェックして、点、線が共線的であるコーナーと線分を統合して精確検出点、線集合を得る。
【0040】
エッジジャギーコーナー集合をチェックして、粗検出共線的線分集合において点、線共線性判定を行い、共線的なコーナーと線分を同一の粗検出共線的線分集合に統合し、精確検出点、線集合
を得る。
【0041】
点、線共線性判定の条件がΨである。Ψは、コーナーspと粗検出共線的線分集合における線分の2つの端点(P,P)とにより形成される三角形の面積が第3所定閾値未満であるか否かを判断する。例えば、第3所定閾値η=300、Ψの計算方法は、Ψにおける三角形の面積の計算式と同じである。
【0042】
上記の実施例において、ステップS5は、下記のステップをさらに含む。ステップS55:精確検出点、線集合における同じ共線的線分を特定し、そのうちの任意の1本を残し、重複のその他の線分を除去する。
【0043】
このとき、精確検出点、線集合における同じ共線的線分における重複の線分を除去し、各組の同じ共線的線分のうちの1本のみを残す。図6における四角形に囲まれた部分に示すように、同一の位置に、互いの距離がとても近い線分が複数本存在することがあり、これらの線分同士、またはこれらの線分と他の線分に対してステップS54の共線性判定を行ったあと、傾きが同じである2本の線分が得られることがありかつこの2本の線分がいずれもステップS4において粗検出共線的線分集合に保存され、重複の余計データを除去するため、このステップにおいて線分の和集合を求める演算により、同一の粗検出共線的線分を含む線分グループにおける重複の粗検出線分を除去する。
【0044】
上記の実施例に基づいて、ステップS6は、下記のステップを含む。ステップS61:精確検出点、線集合における点、線が共線的であるコーナーと相応の線分の2つの端点とに対して直線フィッティングを行い、直線の方程式を得る。ステップS62:直線の方程式に基づいてアークタンジェント関数を利用して各直線の傾斜角度を算出する。
精確検出点、線集合における点、線が共線的であるコーナーと相応の線分とに対して直線フィッティングを行い、例えば最小二乗法を利用して直線フィッティングを行う。1本の線分がその2つの端点で表されることができるので、精確検出点、線集合におけるすべての点の個数をNとする場合、方程式が下記の式(6)となり、精確検出点、線のフィッティング結果は、図8に示すように、y=ax+bの形の直線の方程式が得られ、アークタンジェント関数の演算を行って精確な直線傾斜角度βを得、式(7)を参照する。
【0045】
上記の技術案において、検出方法の検出偏差を計算することができる。ステップS8は、下記のステップを含む。ステップS81:各直線の標準偏差角度と偏差角度との減算により、各直線の検出誤差を得る。ステップS82:検出誤差の平均を求めることによりテンプレート搬送の偏向誤差を得る。ステップS83:複数の標準偏差角度に対応する偏向誤差に対して平均値および標準偏差を求めることにより、この方法の検出精度の偏差を推算することができる。
【0046】
ロボットによりテンプレートを配置するとき、テンプレートにおけるマークを標準位置から所定角度ずれるようにし、ずれた該角度を標準偏差角度とし、各直線の傾斜角度と標準角度との減算により各直線の偏差角度を得、したがって、検出誤差=標準偏差角度-直線の偏差角度であり、検出誤差の平均を求めることにより偏向誤差を得る。複数の標準偏差角度に対応する偏向誤差に対して平均値および標準偏差を求めることにより、この方法の検出偏差を推算することができる。


が偏向誤差であり、mが各画像の精確検出点、線集合の個数であり、
が標準偏差角度としてのロボットの回動角度であり、
が各直線の傾斜角度と標準角度との減算により得る直線の偏差角度である。
【0047】
上記の実施例において、テンプレートにおけるマークは、「米」字形、「十」字形のうちの1種を含む。
【0048】
本開示に係る検出方法は、「米」字形マークだけでなく、「十」字形マークにも適用できる。交差する直線で構成されかつ曲線がないマークであれば、本開示に係る検出方法を利用してテンプレートマーク検出を行うことができる。
【0049】
本開示は、単一カメラに基づくテンプレート位置補正方法をさらに提供する。単一カメラに基づくテンプレート位置補正方法は、下記のステップを含む。ステップS1:単一カメラによりテンプレートにおけるマークに対して画像取得を行い、前処理により二値化画像を得る。ステップS2:二値化画像に対してエッジジャギーコーナー検出を行い、エッジジャギーコーナー集合を得る。ステップS3:二値化画像に対してエッジ検出、直線検出を順に行い、粗検出エッジ線分集合を得る。ステップS4:粗検出エッジ線分集合をチェックし、判断して共線的線分を残し、粗検出共線的線分集合を得る。ステップS5:エッジジャギーコーナー集合をチェックして、粗検出共線的線分集合における線分と点、線共線性判定を行い、精確検出点、線集合を得る。ステップS6:精確検出点、線集合に対して直線フィッティングを行い、そしてアークタンジェント関数により各直線の傾斜角度を算出する。ステップS7:各直線の傾斜角度と標準角度との差に基づいて、テンプレートの位置に対して補正を行う。
【0050】
上記のマーク検出方法のステップS1~ステップS6を利用し、さらに、マーク検出により得た傾斜角度と標準角度との差に基づいて、テンプレートの位置に対してより精確な補正を行う。
【0051】
本開示は、アライメントマークの特徴に基づいて、連通部分の両側の共線的直線を利用すればより精確な傾きを得ることができ、グレースケール画像のコーナー検出により得たコーナー情報が比較的少なく、二値化後の画像にエッジジャギーが生じ、この特徴を利用すれば、コーナー検出時により多くかつ精確なエッジコーナーを得ることができる。本開示では、2線とエッジジャギーコーナーとによりテンプレート搬送位置の偏向誤差検出を行い、誤差検出の精度が比較的高い。
【0052】
以下、具体的な実施形態を用いて本開示をさらに説明する。下記の実施例において、単一カメラによるテンプレートマーク検出方法およびテンプレート位置補正方法を具体的に説明する。ただし、下記の実施例は、本開示を例示するためのものにすぎず、本開示の範囲を限定するものではない。
【0053】
図9に示すように、本開示に係る単一カメラによるテンプレートマーク検出方法およびテンプレート位置補正方法は、順番に実行される下記のステップを含む。
【0054】
ステップ1:単一のCCDカメラにより画像取得を行い、原画像(初期画像)を得、取得した原画像をグレースケール画像に変換し、フィルタリングおよび二値化を行い、二値化画像を得る。これは上記のステップS1に相当する。
【0055】
ステップ2:二値化画像に対してエッジジャギーコーナー検出を行い、画像のコーナー検出データを得、画像のエッジジャギーコーナー集合{sp,sp,sp,…sp}を得る。これは上記のステップS2に相当する。
【0056】
ステップ3:二値化画像に対してエッジ検出を行い、エッジ検出後の画像に対して直線検出を行い、粗検出エッジ線分集合{d,d,d,…d}を得る。これは、上記のステップS3に相当する。
【0057】
ステップ4:粗検出エッジ線分集合{d,d,d,…d}において線分のチェックを行い、共線的線分を粗検出共線的線分集合に統合し、粗検出共線的線分集合{cl,cl2,cl3,…cl}を得る。これは上記のステップS4に相当する。
【0058】
ステップ5:エッジジャギーコーナー集合をチェックして、粗検出共線的線分集合において点、線共線性判定を行い、共線的なコーナーと線分を同一の粗検出共線的線分集合に統合し、精確検出点、線集合
を得る。これは上記のステップS5に相当する。
【0059】
ステップ6:精確検出点、線集合に対して直線フィッティングおよび逆三角関数演算を行って、テンプレートマークにおける各直線のより精確な傾斜角度を得る。これは上記のステップS6に相当する。
【0060】
ステップ7:各直線の傾斜角度と標準角度との差に基づいて、テンプレートの位置に対して補正を行う。これは上記のステップS7に相当する。
【0061】
上記のステップ1~ステップ7に基づいて、以下、具体的な一実施例を提供する。
【0062】
実施例1
本実施例による単一カメラによるテンプレートマーク検出方法の実施ステップは、下記の通りである。
【0063】
ステップ11:テンプレートにおけるマークが「米」字形であり、5回配置し、テンプレートのパターンマークに対して5回の検出を行い、単一のCCDカメラにより取得した初期画像をグレースケール画像に変換してBlurフィルタリングを行い、フィルタリングブロックのサイズが可変である。本実施例では、5×5画素のものでフィルタリングを行う。また、3×3画素、7×7画素のフィルタリングブロックも試したが、結果として、この場合、検出したマークの直線の傾斜角度の精度が低下したが、比較的精確なマークの直線の傾斜角度を得ることができる。
【0064】
ステップ12:画像におけるすべての画素点をチェックし、このグレースケール画像の画素中央値を算出し、画素中央値に基づいてすべての画素値に対して二値化を行い、二値化画像を得る。本実施例では、中央値より小さい画素値を255にし、中央値より大きい画素値を0にする(opencvで0が黒、255が白である)。結果が図10に示されている。図10における(a)~(e)は5回のテンプレート配置後の二値化処理結果にそれぞれ対応する。図10から分かるように、二値化処理後のアライメントマークパターンに複数のジャギーが形成されている。
【0065】
ステップ13:二値化画像に対してエッジジャギーコーナー検出を行い、画像に対するShi-Tomasiコーナー検出のデータを得、エッジジャギーコーナー集合{sp,sp,sp,…sp}を得、エッジジャギーコーナー検出の結果が図11に示されている。図11における(a)~(e)は5回のテンプレート配置後のエッジジャギーコーナー検出結果にそれぞれ対応する。十分な点を得るため、Shi-Tomasiコーナー検出アルゴリズムにおける質量係数をできるだけ小さくする。本実施例では、質量係数を0.01にし、コーナーの間の最小ユークリッド距離を20にし、これが、最後に残すコーナーの間の最小距離が20画素であることを意味する。導関数自己相関行列を計算するときに指定された隣域範囲が3である。図11から分かるように、Shi-Tomasiコーナー検出により座標系で傾斜した直線上のコーナーを検出することができない。
【0066】
ステップ14:二値化画像に対してCannyエッジ検出を行う。本実施例では、「米」字形には曲線や異形状の突起がなく、パターンが簡単できれいであるため、選択した第1エッジ閾値が1であり、第2エッジ閾値が10である。比較的小さい閾値によれば、より多くのエッジ情報を取得できる。Cannyエッジ検出後の画像に対して累積確率的ハフ変換を行う。本実施例では、選択した共線閾値が80であり、すなわち、極座標系で、一点で交わる曲線の数が80を超えると、これらの80本以上の曲線に対応するデカルト座標系でのエッジ点が共線的であると判断され、これらの共線的エッジ点が合わせてエッジ直線を形成する。また、データが多すぎるのを避けるため、エッジ直線の長さの最小値を50にし、この長さ未満の線分が残されなく表示されない。2つの点の結びを許すユークリッド距離(直線距離)を10画素にする。粗検出エッジ線分集合{d,d,d,…d}を得、粗検出エッジ線分の検出結果が図12に示されている。図12における(a)~(e)は5回のテンプレート配置後のCannyエッジ検出、直線検出の結果にそれぞれ対応する。
【0067】
ステップ15:得た粗検出エッジ線分集合{d,d,d,…d}において線分のチェックを行い、共線的線分を粗検出共線的線分集合に統合し、粗検出共線的線分集合{cl,cl2,cl3,…cl}を得る。
【0068】
粗検出エッジ線分集合{d,d,d,…d}から2本の線分を任意に選択し、2本の線分の端点がそれぞれ(P1,)および(P3,)であり、共線性の判定条件をΨおよびΨとし、2つの条件がすべて満たされた場合共線的であると判断する。Ψは、4つの端点で構成される四角形の面積が第1所定閾値未満であるか否かを判断する。本実施例では、ヘロンの公式を利用して、三角形の3辺の長さに基づいて三角形の面積を直接求める。Ψは、1本の線分の傾き、1本の線分の2つの端点と他の1本の線分の2つの端点とがそれぞれ結んでなした線分の傾きの差が第2所定閾値未満であるか否かを判断する。本実施例では、第1所定閾値η=400、第2所定閾値δ=0.16である。
【0069】
ステップ16:エッジジャギーコーナー集合をチェックして、粗検出共線的線分集合において点、線共線性判定を行い、共線的なコーナーと線分を同一の粗検出共線的線分集合に統合し、精確検出点、線集合
を得る。点、線共線性判定の条件がΨである。Ψはコーナーspと粗検出共線的線分集合における線分の2つの端点(P,P)とにより形成される三角形の面積が第3所定閾値未満であるか否かを判断する。本実施例では、第3所定閾値η=300、Ψの計算方法は、Ψにおける三角形の面積の計算式と同じである。
【0070】
ステップ17:精確検出点、線集合における点、線が共線的であるコーナーと相応の線分とに対して直線フィッティングを行い、例えば最小二乗法を利用して直線フィッティングを行う。精確検出点、線のフィッティング結果が図13に示されており、図13における(a)~(e)が5回の配置後の直線フィッティング結果にそれぞれ対応し、各画像からそれぞれy=ax+bの形の直線の方程式が複数得られ、アークタンジェント関数の演算により精確な直線傾斜角度βを得る。
【0071】
ステップ18:該ステップは、上記の検出方法に存在する検出偏差を検証する。検出した各直線の傾斜角度と標準角度(テンプレートの配置後の所望角度)との減算により、直線の偏差角度を得、テンプレートの配置後の実際の位置の各直線の傾斜角度と標準角度(テンプレートの配置後の所望角度)との減算により標準偏差角度を得、したがって、検出誤差=標準偏差角度-直線の偏差角度、検出誤差の平均を求めることにより偏向誤差を得る。複数の標準偏差角度に対応する偏向誤差に対して平均値および標準偏差を求めることにより、この方法の検出偏差を推算することができる。検出誤差および偏向誤差は、表1に示されている。表1から分かるように、検出誤差の平均値が偏向誤差である。
【表1】
【0072】
検出された複数の偏向誤差に対して平均値および標準偏差を求めることにより、この方法の検出偏差を推算することができる。表2に示すように、この方法の検出偏差が[-0.00381±0.01259]であるため、テンプレート搬送の精度要求を満たしている。
【表2】
【0073】
上記の方法によりテンプレートマークの各直線の傾斜角度を得たあと、該マークの、標準角度からずれた角度に基づいて、テンプレートに対して角度の補正を行ってテンプレートマークを所望の配置位置に位置させ、これによって、テンプレートが所望の配置位置に配置されることができる。
【0074】
上記のように、本開示は、取得した画像をグレースケール画像に変換してBlurフィルタリングおよび二値化を行い、そして、エッジジャギーコーナー検出と直線検出を並行して行い、得た粗検出線分に対して共線検出を行い、共線的線分を2本以上残し、粗検出共線的線分集合を得、そして、コーナーデータをチェックし、粗検出共線的線分集合において点、線共線性判定を行い、共線的コーナーを統合し、精確検出点、線集合を得、そして、各精確検出点、線集合に対して直線フィッティングおよび逆三角関数演算を行って、より精確な直線の傾斜角度を得、各直線の傾斜角度と標準角度との差に基づいて、テンプレートの位置に対して高精度の補正を行う。
【0075】
上記の具体的な実施例は、本開示の目的、技術案および有益な効果をさらに詳しく説明した。上記は、本開示の具体的な実施例にすぎず、本開示を限定するものではない。本開示の精神および原理から逸脱しない限り、行った如何なる変更、均等置換、改良なども本開示の保護範囲内に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】