(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】モデルに基づくパージガス流
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20250117BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20250117BHJP
C23C 16/52 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/31 E
H01L21/302 101G
C23C16/52
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524649
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 US2022036969
(87)【国際公開番号】W WO2023132863
(87)【国際公開日】2023-07-13
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】モラディアン, アラ
(72)【発明者】
【氏名】パーンデー, ビスワス クマール
(72)【発明者】
【氏名】ワシントン, ローリー ディ.
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ミャオ-チュン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA06
4K030AA11
4K030BA29
4K030EA03
4K030GA06
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5F004BA19
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5F045GB16
5F045GB17
(57)【要約】
本明細書における実施形態は、半導体基板を処理する方法を提供する。本明細書において説明される方法は、処理チャンバの第1の幾何学的ハードウェア構成に対応する第1の入力を受け取ることと、処理チャンバの第1のプロセスレシピに対応する第2の入力を受け取ることと、第1の入力および第2の入力に基づいて、処理チャンバのための第1のパージガス流量を決定することと、第1のセンサを介して処理チャンバの堆積特性を測定することと、第1の入力、第2の入力、および測定された堆積特性に基づいて、第1のパージガス流量とは異なる第2のパージガス流量を決定することと、堆積プロセスの間、第2のパージガス流量でパージガスを流すこととを含むことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を処理する方法であって、
処理チャンバの第1のハードウェア構成に対応する第1の入力を受け取ることと、
前記処理チャンバの第1のプロセスレシピに対応する第2の入力を受け取ることと、
前記処理チャンバの中で第1のパージガス流量で前記第1のプロセスレシピを使用して第1の堆積プロセスを実行することと、
第1のセンサを介して前記第1の堆積プロセスの堆積特性を測定することと、
前記第1の入力、前記第2の入力、および前記測定された堆積特性に基づいて、前記第1のパージガス流量とは異なる第2のパージガス流量を決定することと、
前記第2のパージガス流量で第2の堆積プロセスを実行することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のセンサが、高温計を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のセンサが、光分光計またはカメラを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記処理チャンバの中に1つまたは複数の第2のセンサをさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のハードウェア構成が、非通気ライナもしくは通気ライナ、円形予熱リングもしくは楕円形予熱リング、および/または前記予熱リングと重なり合っている基板支持体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のパージガス流量を前記決定することが、機械学習モデルによって達成され、前記機械学習モデルが、前記測定された堆積特性を所望の堆積特性と比較し、前記測定された堆積特性と前記所望の堆積特性との差に基づいて、前記第2のパージガス流量を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のパージガス流量を前記決定することが、ユーザ入力に基づいてデータベースを参照することによって達成される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のプロセスレシピが、前記第2のパージガス流量を含むように更新される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のパージガス流量、または前記第1のパージガス流量と前記第2のパージガス流量との差が、オペレータのために表示される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記測定された堆積特性が、厚さ、質量分率、透過度、透明度、放射率、またはこれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記測定された堆積特性が、前記処理チャンバの中の基板、基板支持体の裏側、または下部ウインドウの測定された堆積特性である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のセンサを介して前記処理チャンバの前記堆積特性を測定することが、前記堆積プロセス全体を通して2回以上生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記パージガスが、フローモジュールパージガス、スリットパージガス、回転パージガス、またはライナパージガスである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
処理チャンバの第1のハードウェア構成に対応する第1の入力を受け取ることと、
前記処理チャンバの第1のプロセスレシピに対応する第2の入力を受け取ることと、
前記処理チャンバの中で第1のパージガス流量で前記第1のプロセスレシピを使用して第1の堆積プロセスを実行することと、
第1のセンサを介して第1の場所において前記第1の堆積プロセスの堆積特性を測定することと、
前記第1の入力、前記第2の入力、および前記測定された堆積特性に基づいて、前記第1のパージガス流量とは異なる第2のパージガス流量を決定することと、
前記処理チャンバの中で前記第2のパージガス流量を使用して第2の堆積プロセスを実行することと、
前記第1のセンサを介して前記第1の場所において前記第2の堆積プロセスの前記堆積特性を測定することと、
前記測定された堆積特性の変化に基づいて、前記第2のパージガス流量とは異なる第3のパージガス流量を決定することと
を含む、方法。
【請求項15】
前記測定された堆積特性が、膜の厚さを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記測定された堆積特性が、前記処理チャンバの中の基板、基板支持体の裏側、または下部ウインドウの測定された堆積特性である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令を有し、前記命令は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
処理チャンバの第1のハードウェア構成に対応する第1の入力を受け取ることと、
前記処理チャンバの第1のプロセスレシピに対応する第2の入力を受け取ることと、
前記処理チャンバの中で第1のパージガス流量で前記第1のプロセスレシピを使用して第1の堆積プロセスを実行することと、
第1のセンサを介して前記第1の堆積プロセスの堆積特性を測定することと、
前記第1の入力、前記第2の入力、および前記測定された堆積特性に基づいて、前記第1のパージガス流量とは異なる第2のパージガス流量を決定することと、
前記第2のパージガス流量で第2の堆積プロセスを実行することと
を行わせる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記前駆体ガスが、ジクロロシラン(DCS)およびトリクロロシラン(TCS)のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記前駆体ガスが、ジシラン(DS)を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記パージガスが、ライナパージガスである、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、半導体基板を処理するための方法に関し、特に、基板上への半導体膜材料の堆積、改質、または除去に関する。詳細には、本開示は、処理チャンバの中のパージガス流を決定するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板は、集積デバイスおよびマイクロデバイスの製造を含む、多種多様な用途のために処理される。基板を処理する1つの方法は、半導体材料または導電性材料などの材料を基板の上部表面に堆積させることを含む。基板上への半導体材料の堆積、改質、または除去は、主として、基板の表面全体に渡るパージガスおよびプロセスガスの流れに依存する。堆積動作の間、不活性ガスなどのプロセスガスおよびパージガスが、エピタキシャル(EPI)チャンバなどの処理チャンバに同時に流入する。パージガスの1つの目的は、プロセスガスが基板を越えてハード中に展開して処理チャンバの領域に到達し、チャンバ表面に望ましくない膜の層が堆積する可能性を低減することである。望ましくない膜の層は、回避可能な保守の増加、および総合スループットのその後の減少をもたらす。例えば、これらの散発的で、望ましくない堆積は、基板支持体の裏側のコーティング、光学的に透明な表面のコーティング、ならびに/またはライナ間、もしくは処理キットの内側の持上げ回転機構の周りのコーティングおよび/もしくは凝縮をもたらすことがあり、延いては粒子問題およびプロセス変動をもたらすことになり得る。パージガスがないか、またはパージガスフローが少なすぎる場合、基板を移送している間に、排気されない前駆体または処理粒子が空気に露出されると、追加粒子問題も生じ得る。
【0003】
パージガスの流量が少なすぎると、パージガスは、プロセスガスが処理チャンバのこれらの洗浄が困難な領域に到達する可能性を十分に低減せず、上記の問題を防止しない。しかしながらパージガスの流量が多すぎると、パージガスはプロセスガスを薄くして、プロセスガスを追い出し、堆積プロセスを遅くし、スループットを小さくし、堆積プロセスの間、潜在的に基板全体に渡って非均一性を作り出してプロセス変動をもたらし得る。
【0004】
したがって、処理チャンバ中へのパージガス流量を改善する方法が必要である。
【発明の概要】
【0005】
1つの実施形態では、半導体基板を処理するための方法が提供される。方法は、処理チャンバの第1の幾何学的ハードウェア構成に対応する第1の入力を受け取ることと、処理チャンバの第1のプロセスレシピに対応する第2の入力を受け取ることと、処理チャンバの中で第1のパージガス流量で第1のプロセスレシピを使用して第1の堆積プロセスを実行することと、第1のセンサを介して第1の堆積プロセスの堆積特性を測定することと、第1の入力、第2の入力、および測定された堆積特性に基づいて、第1のパージガス流量とは異なる第2のパージガス流量を決定することと、第2のパージガス流量で第2の堆積プロセスを実行することとを含む。
【0006】
別の実施形態では、方法が提供される。方法は、処理チャンバの第1のハードウェア構成に対応する第1の入力を受け取ることと、処理チャンバの第1のプロセスレシピに対応する第2の入力を受け取ることと、処理チャンバの中で第1のパージガス流量で第1のプロセスレシピを使用して第1の堆積プロセスを実行することと、第1のセンサを介して第1の場所において第1の堆積プロセスの堆積特性を測定することと、第1の入力、第2の入力、および測定された堆積特性に基づいて、第1のパージガス流量とは異なる第2のパージガス流量を決定することと、処理チャンバの中で第2のパージガス流量を使用して第2の堆積プロセスを実行することと、第1のセンサを介して第1の場所において第2の堆積プロセスの堆積特性を測定することと、測定された堆積特性の変化に基づいて、第2のパージガス流量とは異なる第3のパージガス流量を決定することとを含む。
【0007】
さらに別の実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。非一時的コンピュータ可読媒体は、命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、処理チャンバの第1の幾何学的ハードウェア構成に対応する第1の入力を受け取ることと、処理チャンバの第1のプロセスレシピに対応する第2の入力を受け取ることと、処理チャンバの中で第1のパージガス流量で第1のプロセスレシピを使用して第1の堆積プロセスを実行することと、第1のセンサを介して第1の堆積プロセスの堆積特性を測定することと、第1の入力、第2の入力、および測定された堆積特性に基づいて、第1のパージガス流量とは異なる第2のパージガス流量を決定することと、第2のパージガス流量で第2の堆積プロセスを実行することとを行わせる。
【0008】
本開示の上述した特徴を詳細に理解することができる方法において、上記に簡単に要約した、本開示のより詳細な説明は、実施形態を参照することによって得ることができ、それらの実施形態のうちのいくつかは、添付の図面に例示されている。しかしながら、添付の図面は、例示的実施形態を例示したものにすぎず、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容することができ、したがって範囲を制限するものとみなすべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本開示の様々な実施形態を実施するために使用することができる処理チャンバの概略断面図である。
【
図1B】時計回り方向に90度回転された、
図1Aの処理チャンバの概略断面図である。
【
図2】本開示の実施形態による、パージガス流量を調整する方法を示す図である。
【
図3A】異なるハードウェア構成および異なるパージガス流量の両方の関数としての、処理チャンバの中の下部ウインドウの測定された堆積特性のグラフ比較を示す図である。
【
図3B】異なるハードウェア構成および異なるパージガス流量の両方の関数としての、処理チャンバの中の下部ウインドウの測定された堆積特性のグラフ比較を示す図である。
【
図3C】異なるハードウェア構成および異なるパージガス流量の両方の関数としての、処理チャンバの中の基板上の測定された堆積特性のグラフ比較を示す図である。
【
図3D】異なるハードウェア構成および異なるパージガス流量の両方の関数としての、処理チャンバの中の基板支持体の裏側の測定された堆積特性のグラフ比較を示す図である。
【
図3E】
図3A~
図3Dのグラフによる、異なるハードウェア構成および異なるパージガス流量の両方の関数としての、チャンバの中の基板支持体の裏側、基板、およびウインドウの一部の測定された堆積特性の比較表を示す図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態によるコントローラの概略図である。
【
図5】本開示の実施形態による処理システムを示す図である。
【
図6】本開示の様々な実施形態を実施するために使用することができる別の処理チャンバの概略断面図である。
【
図7】本開示の様々な実施形態を実施するために使用することができるさらに別の処理チャンバの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするために、可能である場合、同一の参照符号を使用して、図に共通の同一の要素を指す。1つの実施形態の要素および特徴は、さらなる記載なしに他の実施形態に有利に組み込むことができることが想定されている。
【0011】
本開示は、処理チャンバをパージするための方法に関する。本明細書において提供される方法は、スループットおよび堆積均一性を増すことができ、総合生産停止時間を短縮し、ならびに、洗浄継続期間を短くすることができる。
【0012】
一定のパージガス流量の代わりに、本開示の実施形態は、幾何学的ハードウェア構成およびプロセスレシピの変化に対して調整することができる可変パージガス流量を提供する。本明細書において使用されているように、「プロセスレシピ」という語句は、所定の動作を半導体ウエハなどの基板に対して実行するための有限数のプロセス条件を意味している。本開示の実施形態によれば、パージガス流量の調整は、基板に対するプロセスガスを実質的に薄くすることはないが、プロセスガスが基板を越えてハード中に展開して処理チャンバの領域に到達し、望ましくない膜の層が堆積する可能性を首尾よく小さくする。延いてはより少ない回数の回避可能な保守(以下、より短い時間の生産停止時間)が実行され、スループットの増加が達成される。さらに、堆積動作中、または堆積動作に先だってパージガス流量を調整することにより、本明細書において説明される方法は、中心-エッジ(C-E)堆積反応均一性などの総合プロセス均一性を改善することができる。
【0013】
図1Aは、本開示における様々な考察事項を実施するために使用することができる処理チャンバ100の概略断面図である。
図1Bは、
図1Aの処理チャンバの略平面図である。処理チャンバ100は、基板102などの基板上でエピタキシャル膜を成長させるために利用される。基板102は、例えばシリコンから形成された300mmウエハであってもよい。しかしながら他の基板が企図されている。処理チャンバ100はエピタキシャル(EPI)チャンバであるが、ラピッドサーマルプロセッシング(RTP)チャンバまたはエッチチャンバなどの他のチャンバも企図されている(
図6および
図7を参照されたい)。
【0014】
処理チャンバ100は、上部本体156、上部本体156の下方に配置された下部本体148、および上部本体156と下部本体148との間に配置されたフローモジュール112を含む。任意選択で、上部本体156および/または下部本体148の中に冷却チャネルを配置することができる。集合的に、上部本体156、フローモジュール112、および下部本体148はチャンバ本体を形成している。いくつかの実施形態では、チャンバ本体は、アルミニウムまたはステンレス鋼などのプロセス耐性材料で構築することができる。チャンバ本体内には、基板支持体106、上部ウインドウ108、下部ウインドウ110、複数の上部ランプ141、および複数の下部ランプ143が配置されている。いくつかの実施形態では、上部ウインドウ108および/または下部ウインドウ110は透明な石英を含む。基板支持体106は上部ウインドウ108と下部ウインドウ110との間に配置されている。いくつかの実施形態では、基板支持体106は、高熱抵抗(例えばブラック石英もしくはアルミニウム窒化物)を有する材料、または炭化ケイ素などのシリコン材料で覆われたセラミックもしくは黒鉛材料から形成されている。基板支持体106は、化学気相堆積(CVD)プロセスの高温環境などの高温環境に耐えることができる任意の材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、基板支持体106は環状リングである。他の実施形態では、基板支持体106は、堆積プロセスの間、望ましくない堆積から基板の底面を保護する円板/プレート様形状である。動作中、処理チャンバ100は、基板102の頂面150全体に渡って前駆体の流れを作り出す。
【0015】
複数の上部ランプ141は上部ウインドウ108と蓋154との間に配置されている。これらの複数の上部ランプ141は上部ランプアセンブリ147を形成している。蓋154は、蓋154の中に配置された、処理チャンバ100内の温度を測定するための複数のセンサ153を含む。複数の下部ランプ143は下部ウインドウ110と床152との間に配置されている。これらの複数の下部ランプ143は下部ランプアセンブリ145を形成している。いくつかの実施形態では、上部ランプアセンブリ147および/または下部ランプアセンブリ145は、基板支持体106から約3セントメートル(cm)以下に配置することができ、例えば基板支持体106の上方約2cm以下に配置することができる。いくつかの実施形態では、ランプ141および/または143は、基板支持体106から3cmより離れて配置することができる。ランプ141および/または143は、基板支持体106の上方および/または下方に配置することができる。いくつかの実施形態では、冷却チャネル146は、下部ランプアセンブリ145および/または上部ランプアセンブリ147を冷却するためのヒートシンクとして作用している。
【0016】
処理量136は上部ウインドウ108と下部ウインドウ110との間に形成されている。処理量136は、その中に配置された基板支持体106を包含している。基板102は、処理の間、基板支持体106の頂面に配置される。処理チャンバ100内の動作圧力は、入口ポート180を介してプロセスガスを導入する前に、準大気圧圧力まで低くすることができる。任意選択のエッジリング125は基板支持体106を取り囲んでいる。エッジリング125は基板支持体106の一部であってもよく、または基板支持体106と接触していてもよい。いくつかの実施形態では、基板102はエッジリング125の頂面に配置される。処理チャンバ100は予熱リング133をさらに含む。予熱リング133は、基板支持体106が処理位置にある間、基板支持体106の周囲に配置されるように構成されている。いくつかの実施形態では、予熱リング133と基板支持体106との間の間隙188が最小化されるように、重なり合った基板支持体が利用されている。重なり合いは、基板支持体106に結合された追加基板支持体構成要素によって達成することができる。間隙188は約0mmから約5mmまでにすることができ、例えば約0.5mmから約4.5mmまでなど、約1mmから約4mmまでなど、約2mmから約3mmまでなどにすることができる。いくつかの実施形態では、間隙188は非一様または非対称であってもよい(例えば基板支持体が楕円などの非一様または非対称である場合)。いくつかの実施形態では、
図1Aに示されているように、予熱リング133は、予熱リング133の外部表面または下部表面がライナ163の内部表面または上部表面に結合されるように、フローモジュール112の内部表面に配置されたライナ163に結合されている。いくつかの実施形態では、予熱リング133は実質的に「L」字形であってもよい。いくつかの実施形態では、
図3Aに示されているように、1つまたは複数の排気出口116にある環状予熱リング133の中に「間隙」が存在している。
【0017】
基板支持体106はシャフト118に取り付けられている。シャフトは運動アセンブリ121に接続されている。運動アセンブリ121は、処理量136内のシャフト118および/または基板支持体106の動きおよび/または調整を提供する1つまたは複数のアクチュエータおよび/または調整デバイスを含む。運動アセンブリ121は、シャフト118および/または基板支持体106を処理チャンバ100の縦軸Aの周りで回転させる回転アクチュエータ122を含む。いくつかの実施形態では、ロータアクチュエータ122は、約4ヘルツ(Hz)以上などの約2Hz以上の回転スピンレートで基板102を回転させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、ロータアクチュエータ122は、約0.5Hz以下などの約1Hz以下の回転スピンレートで基板102を回転させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、運動アセンブリ121は、基板支持体106をz方向に持ち上げる、および下げるための垂直アクチュエータ124をさらに含む。運動アセンブリは、基板支持体106の平面配向を調整するために使用される傾斜調整デバイス126、ならびに処理量136内におけるシャフト118および基板支持体106の左右の位置を調整するために使用される横方向調整デバイス128を含む。いくつかの実施形態では、基板支持体106は静止していてもよい。他の実施形態では、基板支持体106は縦軸(例えばx軸)の周りで回転することができる。
【0018】
基板支持体106は、その中に配置されたリフトピン孔107をさらに含むことができる。リフトピン孔107は、それぞれ堆積プロセスが実行される前、または実行された後のいずれかで、基板102を基板支持体106に置き、および/または基板102を基板支持体106から持ち上げるためのリフトピン132に適応するようにサイズ化されている。リフトピン132は、基板支持体106が処理位置から移送位置へ下げられると、リフトピンストップ134に寄り掛かることができる。
【0019】
フローモジュール112は、複数のプロセスガス入口114、複数のフローモジュールパージガス入口164、および1つまたは複数の排気ガス出口116を含む。1つまたは複数の冷却チャネル146は、複数のプロセスガス入口114の下方に配置されている。
図1Aに示されているように、1つの冷却チャネル146は、複数のプロセスガス入口114の下方およびスリットバルブ135の上方に示されており、また、別の冷却チャネル146は、複数のフローモジュールパージガス入口164の下方に示されている。冷却チャネル146は環状であってもよい。スリットパージガスは、スリットバルブ135中のスリット入口(図示せず)から流れて、1つまたは複数の排気ガス出口116またはスリットバルブ135中のスリット出口(図示せず)のいずれかから流出することができる。さらに、ライナ163中の孔またはスリットは、ガス出口116へのガスの排気を許容することができる。スリット入口およびスリット出口の位置は、選択される構成に応じて切り換えることができることが企図されている。いくつかの実施形態では、回転パージガスは、シャフト118の周りの処理チャンバ100の底部の回転入口(図示せず)から流れて、1つまたは複数の排気ガス出口116から流出することができる。いくつかの実施形態では、異なるパージガスの各々は、1つまたは複数のガス出口116に到達する前に、ライナ163中のスリットまたは孔などの排気通気口によって排気することができる。
【0020】
ライナ163はフローモジュール112の内部表面に配置され、堆積プロセス中に使用される反応性ガスからフローモジュール112を保護している。ライナパージガスは、ライナ163とチャンバ本体との間を流れて、1つまたは複数の排気ガス出口116から流出することができる。フローモジュールパージガス、スリットパージガス、回転パージガス、および/またはライナパージガスは、ヘリウム、水素、窒素、およびアルゴンのうちの1つまたは複数などの不活性ガスであってもよい。フローモジュールパージガス、スリットパージガス、回転パージガス、および/またはライナパージガスは、堆積した膜またはパージされる洗浄領域の選択性に影響を及ぼすためのエッチャントをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、ライナ163は上部ライナおよび下部ライナに分割され、下部ライナは、その内部表面に沿って形成された、通気された下部ライナを形成するための孔を有しており、それによりチャンバの下部部分内のガスを排気ポンプ157などの排気に直接通気することができる。通気された下部ライナは、約5個から約20個の穴など、約1個から約30個までの孔を有することができ、各孔は、約3mmから約4mmまでなど、約1mmから約6mmまでであってもよい。フローモジュールパージガス、スリットパージガス、ライナパージガス、および回転パージガスの目的は、局所正圧力を作り出して、各パージガスが流れる領域における前駆体ガスおよび/またはプロセスガス濃度の増加を防止し、ならびに、堆積動作などの処理動作中および処理動作間の両方におけるチャンバ洗浄の維持を促進することである。いくつかの実施形態では、フローモジュールパージガス流量およびスリットパージガス流量は、基板上のプロセス条件に対してより優勢に影響を及ぼすことができる。本明細書において使用されているように、「パージガス」は、複数のフローモジュールパージガス入口164から流れるフローモジュールパージガス、スリットパージガス、ライナパージガス、および回転パージガスのうちの任意の1つまたは組合せを意味することができる。本明細書において使用されているように、「パージガス流量」、および「第1のパージガス流量」または「第2のパージガス流量」などの「パージガス流量」の変化は、フローモジュールパージガス流量、スリットパージガス流量、ライナパージガス流量、および回転パージガス流量のうちの任意の1つまたは組合せを意味することができる。
【0021】
プロセスガス入口114は、ガスが基板102の頂面150に対して平行に流れるように配置されており、一方、フローモジュールパージガス入口164は、パージガスが基板支持体106の真下を流れるように配置されている。プロセスガス入口114はプロセスガス源151に流体的に接続されている。フローモジュールパージガス入口164はパージガス源162に流体的に接続されている。いくつかの実施形態では、パージガス源162は、
図1Aに仮想線で示されているように、シャフト118のベース部分で入口に流体的に接続されている。1つまたは複数の排気ガス出口116は排気ポンプ157に流体的に接続されている。プロセスガス源151およびパージガス源162の各々は、1つまたは複数の前駆体またはプロセスガスを処理量136中に供給するように構成することができる。前駆体ガスおよび/またはプロセスガスは、ジクロロシラン(DCS)、トリクロロシラン(TCS)、またはジシラン(DS)、トリシランおよびテトラシランなどのより高次数のシラン、ならびにトリメチルアルミニウム(TMA)およびオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)などの金属-有機前駆体のうちの1つまたは複数を含むことができる。しかしながら他のガスも企図されている。
図1Aに示されているように、コントローラ120は処理チャンバ100と通信しており、本明細書において説明されているプロセスなどのプロセスを制御するために使用されている。
【0022】
処理チャンバ100は、スリットバルブ135を介して基板102を受け取るように構成されている。スリットバルブ135は、中に移送ロボットを有する移送チャンバに結合することができる。スリットバルブ135により、開口を介して処理チャンバ100の処理量136の中に基板102をロードし、処理量136から基板102を除去することができる(例えば移送ロボットのロボットエンドエフェクタを使用して)。ドア(図示せず)は開口(図示せず)を閉じて密閉し、それにより処理チャンバ100の外側の周囲条件と無関係に処理量136の環境を制御することができる。
【0023】
複数のプロセスガス入口144および複数のフローモジュールパージガス入口164などの様々なガス入口は、速度、密度、または組成物などのガスパラメータが変化する個別のガスフローまたは複数のガスフローを提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、
図1Bに示されているように、1つまたは複数の排気出口116は、交差フロー構成において、複数のプロセスガス入口114および複数のフローモジュールパージガス入口164から180度で配置されている。交差フロー構成では、スリットバルブ135は、時計回り方向に90度で配置することができ(
図1Bに示されているように)、あるいは1つまたは複数の排気出口116から反時計回り方向に90度で配置することができる。いくつかの実施形態では、スリットバルブ135は入口の下方に配置することができる(例えばスリットバルブ135は、入口場所から0度で配置することができる)。処理チャンバ100は、任意選択の交差フローガスを提供するための追加ガス入口(図示せず)をさらに含むことができ、それは堆積均一性のチューニングを容易にする。
図1Bに示されているように、追加ガス入口はスリットバルブ135から180度で配置されている。しかしながら追加ガス入口およびスリットバルブ135は互いに一致させることができることが企図されている(例えば処理チャンバ100の同じ側に配置される)。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の排気出口116は、回転構成において、スリットバルブ135から180度で配置され、ならびに複数のプロセスガス入口114および複数のフローモジュールパージガス入口164から反時計回り方向に270度で配置される。この回転構成では、基板102が反時計回り方向に回転させられると、ガス流は、1つまたは複数の排気出口116を介して排気される前に、処理チャンバ100の内部の周りで少なくとも270度一掃される。しかしながら1つまたは複数の排気出口116、追加ガス入口、複数のプロセスガス入口114、スリットバルブ135、および複数のフローモジュールパージガス入口164は、互いに対して様々な任意選択の場所に配置することができる。いくつかの例では、出口ポート190は、X-Y平面で入口ポート180と同じ高さである。
【0024】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、パージガス流量を調整する方法200である。動作210で、コントローラ120が第1の入力を受け取る。第1の入力はユーザが入力することができ、あるいはコントローラ120が記憶している情報のライブラリまたはデータベースから選択することができる。第1の入力は処理チャンバ100の第1の幾何学的ハードウェア構成に対応している。いくつかの実施形態では、第1の幾何学的ハードウェア構成は、フロータイプ、予熱リング位置、基板支持体位置、入口場所、スリットバルブおよび出口場所、非通気または通気ライナ、円形または楕円形予熱リング、重なり合った基板支持体、ドームまたはライナ交換、ならびに処理チャンバ内の任意の他の新しいハードウェアまたは交換されたハードウェアのうちの1つまたは複数を含む。第1の入力の第1の幾何学的ハードウェア構成は、1つまたは複数のハードウェア構成要素の寿命および/または現在の老朽化を考慮することができる。例えば新しく交換されたハードウェア構成要素は、前のハードウェア構成要素と同一であっても、摩耗および初期機械加工交差のレベルが異なっているため、必要なパージガス流量が変化している可能性がある。いくつかの例では、第1の入力は、チャンバハードウェア、または寸法などのハードウェア特性に関連する値のライブラリまたはデータベースを参照することができる。
【0025】
動作220で、コントローラ120が第2の入力を受け取る。第2の入力はユーザが入力することができるか、あるいはメモリに記憶されている情報のライブラリまたはデータベースからコントローラ120が選択し、参照することができる。第2の入力は処理チャンバの第1のプロセスレシピに対応している。いくつかの実施形態では、第1のプロセスレシピは、チャンバ温度、チャンバ圧力、パージガス流量、プロセスガス流量、基板支持体回転速度、基板支持体垂直位置、継続期間、および/またはガス組成物などの少なくとも1つのプロセス条件を含む。
【0026】
動作230で、第1のパージガス流量を決定するために第1の入力および第2の入力が使用される。1つの例では、レシピ毎のパージガス流量は「デフォルト」設定を含み、パージガス流量、タイミング、および/または組成物は「デフォルト」設定と関連付けられている。デフォルトパージガス設定は実験によって決定することができ、メモリまたはデータベースに記憶して、所望のハードウェア構成および/またはレシピが選択される際に呼び出すことができる。別の例では、第1のパージガス流量は、先行する研究室データのライブラリまたはカタログから、第1の入力および第2の入力に基づいて流量を選択する機械学習(ML)モデル404によって決定される。例えばMLモデル404は第1のパージガス流量を決定し、決定された値をユーザに表示するか、またはMLモデル404は第1のパージガス流量を決定し、決定された値と一致するように、パージガス流量を自動的に調整する。
【0027】
動作240で、1つまたは複数の第1のセンサを使用して、基板または他のチャンバ部品の第1の堆積特性が測定される。いくつかの実施形態では、第1の堆積特性は、厚さ、色、質量分率、総合範囲、C-E変化、透過度、透明度、反射率、粗さ、および/または放射率であってもよい。1つまたは複数の第1のセンサは、単一または多重カラー高温計、広帯域幅光分光計、光反射率計、カメラ、サーマルカメラ、物理的センサフィードバックのための別のデバイス、またはこれらの任意の組合せを含むことができる。1つまたは複数の第1のセンサは、1つまたは複数の第1のセンサが所望のターゲット領域までの直接視線を有するように、下部ウインドウ110および上部ウインドウ108の外側である。例えば1つまたは複数の光分光計および/または1つまたは複数のサーマルカメラは、より厚い堆積が期待される複数の場所における下部ウインドウ110にねらいを定めることができるか、または下部ウインドウ110を介してねらいを定めることができ、および/または1つまたは複数の高温計は、基板支持体106の背面で下部ウインドウ110を介してねらいを定めることができる。1つの例では、1つまたは複数の光分光計からの信号は、透過度の損失と相関させることができるか、またはコーティングの展開を示す下部ウインドウ110の部分の閉塞の増加と相関させることができる。1つまたは複数のカメラからの画像のイン・サイチュ画像解析も、同様に、下部ウインドウ110のコーティングの展開と相関させることができる。1つまたは複数の第1のセンサからの計測学データ(例えば物理的センサフィードバック)は、教師ありまたは教師なし自己学習のためにMLモデル404または他のニューラルネットワークによって使用されてパージガス流量を調整し、堆積均一性および増加したスループットなどの改善された、および/または所望の処理結果を達成することができる。例えばパージガス流量は、予知された裏側コーティングを、測定された裏側コーティングと比較し、チャンバ部品に対する過剰堆積を修正した後、または基板上の不均等な/望ましくない堆積を修正した後に、MLモデルによって調整することができる。
【0028】
動作250で、第2のパージガス流量を決定するために第1の入力、第2の入力、および測定された堆積特性が使用される。いくつかの実施形態では、第2のパージガス流量は機械学習(ML)モデル404によって決定される(例えばMLモデル404は第1のパージガス流量を決定し、決定された値をユーザに表示するか、またはMLモデル404は第1のパージガス流量を決定し、決定された値と一致するように、パージガス流量を自動的に調整する)。第2のパージガス流量は第1のパージガス流量とは異なっていてもよく、第2のパージガス流量と第1のパージガス流量との差は、測定された堆積特性に全面的または部分的に基づくことができる。既に考察したように、第1のパージガス流量および第2のパージガス流量は、フローモジュールパージガス、スリットパージガス、回転パージガス、および/またはライナパージガスを意味することができる。
【0029】
MLモデル404(
図4に示されている)は、このモデルが複数のパージガス変数に対して構成され、これらの変数に基づいて単一の修正を行うように構成される点でとりわけ有利である。従来のシステムでは、回転パージなどの1つの変数に対する変更は、他のチャンバの場所では意図しない結果を有し、新しい問題を生成する可能性がある。このような従来のシステムは、プロセス条件の第1の変更が、チャンバの中の別の場所では意図しない結果をもたらす可能性があり、そのためにプロセス条件の第2の変更が余儀なくされる可能性があり、この第2の変更はさらに第3の変更を余儀なくすることになり得る、等々の点で、オペレータに構成を「追跡させる」傾向がある。しかしながら、MLモデル404は、これらの変更を見越すことを学ぶことができ、必要な調整を実行してこの追跡問題を排除することができる。さらに、MLモデル404は、処理チャンバの「デジタルツイン」を含むことができるか、または処理チャンバの「デジタルツイン」と対話することができることが企図されている。デジタルツインは、動作210の第1の入力に従って構成される。MLモデル404によって示唆されるリビジョンに基づいてデジタルツインに対する流体力学シミュレーションを実行し、デジタルツイン内、逆に言えば実際の処理チャンバ内の流体流の影響を決定することができる。
【0030】
デジタルツインを使用することにより、パージ流量などの改善された、および/または最適プロセス条件を決定するための物理的処理チャンバに対する「試行錯誤」または「追跡」を排除する。デジタルツインおよび/またはMLモデル404は、物理的処理チャンバの中の1つまたは複数のセンサからのフィードックに基づいて更新することができ、それにより結果を改善することができることが企図されている。このようなフィードバックは、いずれも正確なデジタルツインモデルを保証する点で価値がある。さらに、このようなフィードバックは、入力値からのハードウェア構成要素の仕様逸脱のため、デジタルツインの更新を容易にする。例えばハードウェア構成要素の物理的寸法は、物理的チャンバ内における反復処理のために変化することがあり、したがってデジタルツインモデルは、物理的モデルを正確に反映することができない。物理的チャンバ内のセンサによって提供されるフィードバックにより、デジタルツインからの逸脱を識別することができ(例えば、物理的チャンバセンサが下部ウインドウに形成する堆積を依然として示しているとき、デジタルツインパージガスレシピは、下部ウインドウで堆積が生じていないことを示すことがあるため)、したがってMLモデル404はこれらの逸脱を考慮するように「学習」し、更新されたプロセスレシピパラメータを提供することによって物理的チャンバ処理を改善することができる。
【0031】
任意選択で、動作240~250は、堆積特性の複数の測定値を比較することができるように反復される。いくつかの実施形態では、測定された堆積特性をパージガス流量の関数として比較するために、コントラスト曲線解析を作成することができる。いくつかの実施形態では、動作240~250は、堆積プロセスなどの処理の間、1回または複数回反復され、パージガス流量は、MLモデル404または手動のいずれかによって実時間で調整される。
【0032】
図3A~
図3Eに示されているように、異なるハードウェア構成、プロセスレシピおよび/またはパージガス流量に対する測定された堆積特性のグラフ比較を作成することができる。
図3A~
図3Eでは、堆積特性を異なるハードウェア構成およびパージガス流量の関数として比較するために、プロセスレシピは一定に維持された。例示されているように、物理的構成要素の小さい変化が堆積特性の大きい相違をもたらすことができる。しかしながら本開示のMLモデル404は、これらの変化を考慮して、望ましくない場所における望ましくない堆積を少なくすることができる。
【0033】
図3A~
図3Bは、異なるハードウェア構成(グラフ上のバーを参照されたい)ならびに異なるパージガス流量(x軸ラベルを参照されたい)の両方の関数としての、処理チャンバの中の下部ウインドウに対する測定された堆積のグラフ比較である。ハードウェア構成A(左側のバー、HWC-A)は第1の予熱リングを含み、ハードウェア構成B(右側のバー、HWC-B)は第2の予熱リングを含む。いくつかの実施形態では、第1の予熱リングおよび/または第2の予熱リングは対称であっても非対称であってもよい。本明細書において使用されているように、対称および非対称は均一性または非均一性を意味することができる。
図3Aから分かるように、ハードウェア構成Aは、パージガス流量毎にハードウェア構成Bに対して比較された、薄くなった測定された堆積を示している。したがって
図3Aの場合、パージガス流量を調整することは、堆積が望ましくない処理チャンバの下部ウインドウの測定される堆積を薄くするために、パージガス流量を増すことを含むことができる。明らかに、異なるハードウェア構成は、同じプロセスレシピを使用する場合、多かれ少なかれ表面構成要素に対する堆積をもたらす結果となる。しかしながら本開示の態様は、これらの相違を考慮して、望ましくない結果を少なくすることができる。
【0034】
図3B~
図3Dでは、ハードウェア構成A~Gは、それぞれ第1、第2、第3、第4、および第5の予熱リングおよび、それぞれ第1、第2、第3、第4、および第5のライナを含む。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、第4、および第5の予熱リングのうちの1つまたは複数は対称であっても非対称であってもよく、第1、第2、第3、第4、および第5のライナのうちの1つまたは複数は通気されたライナであってもよい。
図3Bから分かるように、ハードウェア構成Bは、一般に、すべてのパージガス流量に対して、下部ウインドウにおける堆積の増加をもたらしている。一方、ハードウェア構成C、D、およびEは各々、異なるパージガス流量に対して、他の2つよりも厚い相対的堆積を示している。さらに、パージガス流量が増加すると、測定された堆積は、すべてのハードウェア構成に対してさらに薄くなっている。したがって
図3Bの場合、パージガス流量の調整は、堆積が望ましくない処理チャンバの下部ウインドウの測定された堆積を薄くするために、利用される処理チャンバのハードウェア構成に応じてパージガス流量を減少させるか、または増加させるかのいずれかを含むことができる。したがって異なるレシピ条件と相まった異なるハードウェア構成は、堆積が望ましくない処理チャンバの中の下部ウインドウの容認不可能に厚い堆積特性を回避するために、異なるパージガス流量を示す。容認不可能に厚い堆積特性を回避するために示されたこの特定のパージガス流量は、下部ウインドウに対するパージガス流量の下部閾値である。容認不可能に厚い堆積特性は、薄膜適用プロセスの所望の精度および薄膜自体の適用に依存する。例えば石英の透明度の約5%を超える低減、および/または基板の放射率の約0.1%を超える変化は容認不可能とみなすことができる。
【0035】
図3Cは、異なるハードウェア構成(グラフ上のバーを参照されたい)ならびに異なるパージガス流量(x軸ラベルを参照されたい)の両方の関数としての、処理チャンバの中の基板上の測定された堆積のグラフ比較である。
図3Cから分かるように、異なるハードウェア構成は各々、異なるパージガス流量に対して、他のハードウェア構成よりも厚い、または薄い堆積を示している。さらに、パージガス流量が増加すると、測定された堆積が薄くなっている。したがって
図3Cの場合、パージガス流量を調整することは、堆積が望ましい処理チャンバの中の基板上の測定される堆積を増加させるために、パージガス流量を減少させることを含むことができる。したがって、異なるレシピ条件と相まった異なるハードウェア構成は、堆積が望ましい処理チャンバの中の基板上の容認不可能に薄い堆積を回避するために、異なる量のスリットパージガス流を要求する。容認不可能に薄い堆積を回避するために要求されるこの特定の量のパージガス流量は、許容可能なパージガス流量の上部閾値である。容認不可能に薄い堆積特性は、薄膜適用プロセスの所望の精度および薄膜自体の適用に依存する。例えば基板上の堆積の約5%を超える低減は容認不可能とみなすことができる。
【0036】
処理チャンバの中の基板上の容認不可能に薄い堆積は、堆積均一性に関する実質的な問題を同じく含み得る。基板上の堆積均一性に関する実質的な問題は、薄膜適用プロセスの所望の精度に依存する。例えば基板上の約1%を超える非均一性は容認不可能とみなすことができる。
【0037】
図3Dは、異なるハードウェア構成(グラフ上のバーを参照されたい)ならびに異なるパージガス流量(x軸ラベルを参照されたい)の両方の関数としての、処理チャンバの中の基板支持体の裏側の測定された堆積のグラフ比較である。
図3Dから分かるように、ハードウェア構成Bは、パージガス流量毎に他のハードウェア構成と比較すると、高くなった、すなわち増加した測定された堆積を示しており、増加したパージガス流量は、一般に、すべてのハードウェア構成に対して薄い堆積をもたらしている。一方、ハードウェア構成C、DおよびEは各々、異なるパージガス流量に対して、他の2つよりも厚い相対的堆積を示している。したがって
図3Dの場合、パージガス流量を調整することは、堆積が望ましくない処理チャンバの中の基板の裏側の容認不可能に厚い堆積を回避するために、測定される堆積を薄くするためのパージガス流量を増加させることを含むことができる。容認不可能に厚い堆積を回避するために要求されるこの特定のパージガス流量は、基板支持体の裏側に対する必要なパージガス流量の同じく下部閾値である。異なるチャンバ部品またはチャンバ部品の異なる部分に対する必要なパージガス流量の下部閾値が複数である場合、必要なパージガス流量の最も低い、または最も小さい下部閾値を、処理チャンバのパージガス流量の総合下部閾値として選択することができる。他の実施形態では、説明されている異なるパージガスタイプおよびパージガス源の各々は、各々が、個別に決定されたパージガス流量を有することができる。
【0038】
図3Eは、
図3A~
図3Dのグラフによる、チャンバの中の基板支持体の裏側、基板および下部ウインドウの測定された堆積特性の比較表である。プロセスレシピは、ハードウェア構成毎に一定に維持された。
図3Eから分かるように、パージガス流量の増加は、基板、基板支持体の裏側および下部ウインドウの堆積特性の減少をもたらす。処理時間を短くし、基板上の堆積均一性を増し、チャンバの総合スループットを増すためには、基板上の堆積特性を改善することが有利である。しかしながら、洗浄時間および回避可能な保守を減少させ、チャンバの総合スループットを増加させるためには、基板支持体の裏側および下部ウインドウの堆積特性を少なくすることが同じく有利である。この矛盾はパージガス流量に影響を及ぼす(例えばパージガス流量を増加させると、基板上の堆積が同じく増加し(有利)、他のチャンバ部品上の堆積が増加する(不利))。
【0039】
例えば
図3Eでは、基板に対する堆積特性値は、ガスの総量に対するDCSの質量分率比を介して示されている。いくつかの例では、基板に対する堆積特性のための下部閾値は0.50であってもよく、基板支持体の裏側およびウインドウの部分に対する上部閾値堆積特性値は0.05であってもよい。これは、ハードウェア構成BおよびDの場合、パージ流量は、基板支持体の裏側および下部ウインドウに対する上部閾値堆積特性値未満を維持して、基板支持体の裏側および下部ウインドウ上の容認不可能な量の堆積を防止するために、少なくとも毎分18標準リットル(slm)であるべきことを意味することになる。同様に、ハードウェア構成BおよびDの場合、パージ流量は、基板に対する下部閾値堆積特性値より上を維持し、基板上の十分に多くの量の堆積を保持するために、18slmを超えるべきではない。したがってこの例では、18slmのパージ流量は、ハードウェア構成BおよびDのための許容可能な値であり、プロセスレシピは、両方のハードウェア構成と共に利用されることになる。
【0040】
上で説明した方法で測定された堆積特性から、処理チャンバ部品コーティングの確率の感度を見出すことができる。処理チャンバ部品コーティングの確率の感度は、処理チャンバ部品と近接している前駆体ガスまたはプロセスガスの濃度の測度であり、本明細書において開示されている物理的センサフィードバックなどの多くの物理的センサフィードバックによって示すことができる。
【0041】
考察されているように、コントローラ120は、ハードウェア構成、プロセスレシピ、および知られている堆積特性または測定された堆積特性の履歴モデルおよびシミュレートされたモデル上で訓練されるMLモデル404を含む。本明細書において説明されているセンサのうちのいずれかなどを介した計測学測定によって堆積特性を決定すると、訓練されたMLモデルは、シミュレートされたモデルを決定してパージガス流量を調整し、任意選択で、調整されたパージガス流量を実行させる。任意の中間値またはモデルに対して、MLモデル404は、回帰解析または補間解析を使用することができ、あるいは表示することができることが企図されている。
【0042】
いくつかの実施形態では、MLモデル404は、調整されたパージガス流量を生成するためのより大きいシステムまたはプロセスの構成要素である。これらの実施形態では、MLモデル404によって生成されるシミュレートされたモデルの一部またはすべてが利用される。いくつかの実施形態では、修正されたシミュレートモデルが、知られているプロセスレシピ、知られているハードウェア構成、および/または処理チャンバの知られている堆積特性もしくは測定された堆積特性に基づくテーブルルックアップによって選択される。これらの実施形態では、テーブルルックアップは、シミュレートされたモデルを決定して、知られているハードウェア構成、プロセスレシピおよび/または堆積特性に対する処理チャンバのパージガス流量を調整するように構成されたシミュレートモデルのライブラリから選択する。
【0043】
特定の実施形態によれば、MLモデル404は教師ありまたは教師なし機械学習であってもよい。いくつかの実施形態では、MLモデル404は、入力、例えばハードウェア構成、初期プロセスレシピなどのプロセスレシピ、および/または処理チャンバ100などのツールによって処理される基板102などの基板、または下部ウインドウ110もしくは基板支持体106の裏側などの他のチャンバ部品の計測学データ(例えば、測定された堆積特性)を受け取ることができる、ニューラルネットワーク、深層学習ニューラルネットワーク、k-平均分類子、ランダムフォレストウォーク等々などの分類子である。
【0044】
図4は、本開示のいくつかの実施形態によるコントローラの概略図を描写したものである。
図4に示されているようにコントローラ120は、ハードウェア構成データを含む設計データ408を受け取り、パージガス流量予測406を生成する。設計データ408は、処理チャンバのプロセス条件に関する情報を含むプロセスレシピデータ412を含むことができるか、またはこのようなプロセスレシピデータ412を伴うことができる。例えば動作210の間、MLモデルに設計データ408を提供することができ、動作220の間、MLモデルにプロセスレシピデータ412を提供することができる。提供されたデータを分類すると、MLモデル404は、処理チャンバ100などのツール432に提供されるパージガス流量予測406を生成する。MLモデル404は、さらに、本明細書において説明されている1つまたは複数のセンサなどの計測学ツールによって生成される計測学データ(例えば堆積特性)416を受け取る。いくつかの実施形態では、計測学ツールは2つ以上の計測学ツールを含むことができ、および/または複数の堆積特性を測定することができる。いくつかの実施形態では、計測学ツールは、基板を処理している間、1つまたは複数の堆積特性を実時間で測定する。測定された堆積特性データを分類すると、MLモデル404は、処理チャンバ100などのツール432に提供されるさらなるパージガス流量予測406を生成する。いくつかの実施形態では、MLモデル404は、さらなるパージガス流量予測406と一致するように、パージガス流量を自動的に調整することなどによって、基板を処理している間、パージガス流量予測406をツール432に実時間で提供する。
【0045】
コントローラ120は、MLモデル404を訓練するためのML訓練構成要素420をさらに含む。ML訓練構成要素420は、履歴データ424、シミュレートされたデータ428、または両方を受け取って、MLモデル404を訓練することができる。履歴データ424およびシミュレートされたデータ428は、ハードウェア構成データ、プロセスレシピデータ、および/または堆積特性データなどの計測学データを含むことができる。この文脈では、シミュレートされたデータ428は、ハードウェア構成、プロセスレシピ条件および計測学データの間の知られている相関、または発見された相関に基づいて、予測された堆積特性のシミュレートされたモデルであってもよい。履歴データ424は、前の処理チャンバからの履歴ハードウェア構成および/またはプロセスレシピデータ、ならびに/あるいは既に測定されている基板および/または下部ウインドウもしくは基板支持体裏側などの他のチャンバ部品からの計測学データ(例えば堆積特性データ)を含むことができる。いくつかの実施形態では、MLモデル404はオフラインで訓練されるか、または処理が施される前のある時点、例えば動作210および220に先だって訓練される。いくつかの実施形態では、訓練は、動作210~250の間などの処理中に生じてもよい。
【0046】
ML訓練構成要素420は、履歴データ424および/またはシミュレートされたデータ428を使用してMLモデル404を訓練する。訓練されると、MLモデル404は、上で説明したデータを受け取って、処理チャンバ100などのツール432に提供されるパージガス流量予測406を生成することができる。MLモデル404は、試験された異なるプロセスレシピおよびハードウェア構成に関する記録および/または情報を継続して記憶および更新することができ、データを履歴データ424の中に保存することができる。ML訓練構成要素420はMLモデル404の正確さを常に増す。
【0047】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による処理システム500を描写したものである。処理システム500は特定の実施形態によるコントローラ120の例であり、上で説明したコントローラ120の代わりに使用することができる。
図5は、本明細書において説明されている実施形態システムを運用して、本明細書において説明されている流れ図および方法に従って実施形態を実施することができる例示的処理システム500を描写している。処理システム500は、データバス516に接続された中央処理装置(CPU)502を含む。CPU502は、例えばメモリ508またはストレージ510に記憶されているコンピュータ実行可能命令を処理し、例えば
図1A~
図3Eに関して本明細書において説明されているシステムの実施形態上で、本明細書において説明されている方法の実施形態を処理システム500に実行させるように構成されている。CPU502は、単一のCPU、複数のCPU、複数の処理コアを有する単一のCPU、およびコンピュータ実行可能命令を実行することができる他の形態の処理アーキテクチャの代表として含まれている。
【0048】
処理システム500は、入力/出力(I/O)デバイス(複数可)512およびインターフェース504をさらに含み、インターフェース504により、処理システム500は、例えばキーボード、ディスプレイ、マウスデバイス、ペン入力、および処理システム500と対話することができる他のデバイスなどの入力/出力デバイス512とインターフェースすることができる。処理システム500は、物理的接続および無線接続を介して外部I/Oデバイス(例えば外部ディスプレイデバイス)と接続することができることに留意されたい。
【0049】
処理システム500は、処理システムに外部ネットワーク514へのアクセスを提供し、それにより外部計算デバイスへのアクセスを提供するネットワーク514インターフェースをさらに含む。処理システム500はメモリ508をさらに含み、メモリ508は、この例では、本明細書において説明されている動作を実行するための受取り構成要素518、生成構成要素520、制御構成要素522、測定構成要素524、および決定構成要素526を含む。
図5には、簡潔にするために単一のメモリ508として示されているが、メモリ508に記憶される様々な態様は、処理システム500から遠隔の、但しすべて、バス516などの内部データ接続を介してCPU502によるアクセスが可能なメモリを含む異なる物理的メモリに記憶することができることに留意されたい。
【0050】
ストレージ510は、本明細書において説明されている動作を実行するためのハードウェア構成設計データ528、プロセスレシピデータ530、堆積特性データ532、機械学習(ML)モデルデータ534、ML訓練データ536、パージガス流量データ538、および調整されたパージガス流量データ540をさらに含む。当業者には認識されるように、ストレージ510には他のデータおよび態様を含めることができる。メモリ508の場合と同様に、
図5には、簡潔にするために単一のストレージ510が描写されているが、ストレージ510に記憶される様々な態様は、すべてが、バス516などの内部データ接続、またはネットワークインターフェース506などの外部接続を介してCPU502にアクセスすることができる異なる物理的ストレージに記憶することができる。当業者は、処理システム500の1つまたは複数の要素は、遠隔で配置して、ネットワーク514を介してアクセスすることができることを認識するであろう。
【0051】
図6は、いくつかの実施形態に使用することができる別の処理チャンバ600の概略断面図である。処理チャンバ600はRTPチャンバであってもよい。いくつかの実施形態では、処理チャンバ600は、
図6に示されているように交差フロー構成でセットアップされており、それにより出口640は入口620から180度をなしている。処理チャンバ600の上部本体644に結合されている透明な上部ウインドウ645の上方に複数のランプ650が位置している。いくつかの実施形態では、上部本体は不透明材料(例えばアルミニウムまたは鋼)で形成されている。基板602は、処理チャンバ600の処理量610の中のチルプレート624の上方の環状基板支持体604の上に位置している。環状基板支持体は、支持体シリンダ625の上に位置しているエッジリング615の上に位置している。支持体シリンダ625は、環状基板支持体604を回転させるように構成されている。いくつかの実施形態では、パージガスは処理チャンバ600の床601から流れることができる。チルプレート624の基板側に複数のリフレクタ608が結合されている。いくつかの実施形態では、処理チャンバ600の下部本体654に固定部材655が結合されている。固定部材655は環状部材であってもよい。
【0052】
図7は、いくつかの実施形態に使用することができるさらに別の処理チャンバ700の概略断面図である。処理チャンバ700は、処理チャンバ700の処理量720の内側に位置しているシャワーヘッド710を含む。基板支持体ペデスタル730は、処理の間、基板702を支持するように構成されている。いくつかの実施形態では、誘導ヒータコイル740は基板支持体ペデスタル730内に収納されている。環状パージガス入口750は、処理チャンバ700の床704で基板支持体シャフト735を半径方向に取り囲んでいる。基板支持体シャフト735は基板支持体ペデスタル730を支持するように構成されている。いくつかの実施形態では、基板支持体シャフト735は、基板支持体ペデスタルおよび/または基板を回転させるように構成されている。いくつかの実施形態では、パージガス入口750からのパージガスは、排気通気を介して処理チャンバ700全体に渡って360度排気することができる。
【0053】
上で説明した方法はMLプラットフォームに統合することができ、それにより、チャンバに流入するパージガス流量を調整するために、第1のハードウェア構成に対応する第1の入力、第1のプロセスレシピに対応する第2の入力、および1つまたは複数の測定された堆積特性を使用することができることが企図されている。上で言及したように、パージガス流量が過剰に多い場合、希釈のために基板全体に渡る総前駆体ガス濃度または総プロセスガス濃度が減じられることになる。延いては半導体材料の成長速度に悪影響が及ぼされることになり(例えば遅くなる)、過剰パージガスが浪費され、プロセスに悪影響を及ぼすことになる。あるいはパージガス流量が過度に少ない場合、洗浄が困難な場所にプロセスガスまたは前駆体ガスが入り込み、基板以外の処理チャンバの部品の上に望ましくない層が堆積する可能性がある。
【0054】
本開示の態様は、本明細書において説明されている処理チャンバなどの物理的処理チャンバのデジタル複製の使用を企図している。デジタル複製は、メモリに記憶された、物理的処理チャンバに対応するデジタルシミュレーションである。デジタル複製は、実際の物理的チャンバの物理的寸法、材料、等々などの物理的特性を反映する。デジタル複製は、物理的チャンバ内の動作の予知を容易にする。1つまたは複数の規則、アルゴリズム、物理学モデル、流体流モデル、等々を使用して、デジタル複製を使用する物理的チャンバの動作がシミュレートされる。デジタル複製は、デジタル複製のアルゴリズムに入力されたプロセス条件の数学的および物理学的理解に基づいて、物理的チャンバ内の堆積特性などのデータを予知することができる。例えばデジタル複製は、物理的チャンバ中へのプロセスガス流量およびパージガス流量の値に基づいて、基板(物理的チャンバ内)の裏側の堆積特性を予知することができる。いくつかの実施形態では、デジタル複製は、予知された複数のまったく異なる計測学出力を作成することができる。例えばデジタル複製は、物理的チャンバの流体流量(例えばパージガス流量およびプロセスガス流量)を示すデータを受け取り、単一の解よりも多い解を数学的に計算するか、または計測学データを出力する。デジタル複製処理チャンバは、許容可能範囲外であるか、さもなければデジタル複製のソフトウェアの規則を侵害する、予知された出力計測学データを自動的に排除することができる。いくつかの実施形態では、デジタル複製処理チャンバは、機械学習モデルと連携して働く。この構成は、フィジックスインフォームド機械学習モデル(PIMLM)またはフィジックスインフォームドニューラルネットワーク(PINN)として知られている。
【0055】
機械学習モデルを利用して、アルゴリズム、規則、またはデジタル複製によって出力される他の結果を更新し、デジタル複製シミュレーションの正確さを洗練、および/または増すことができる。さらに、機械学習モデルは、追加または代替えとして、物理的チャンバ内で所望の結果を達成するためのハードウェア構成および/またはプロセス条件を推奨することも可能である。機械学習モデルは、デジタル複製と連携して動作して、物理的チャンバ内における改善された処理を提供することができる。例えば、機械学習モデルは、デジタル複製と連携して、ハードウェア構成、プロセスレシピ、等々が変化した場合に、所望のプロセス条件(例えば堆積特性)を達成するための出力を提供することができる。他の有利な効果も企図されている。
【0056】
以上の説明は、すべての当業者による、本明細書において説明されている様々な実施形態の実施を可能にするために提供されている。本明細書において考察されている例は、特許請求の範囲に示されている範囲、適用性、または実施形態を制限するものではない。当業者には、これらの実施形態に対する様々な変更が容易に明らかであり、本明細書において定義されている一般的な原理は他の実施形態に適用することができる。例えば本開示の範囲を逸脱することなく、考察されている要素の機能および配置に変更を加えることができる。様々な例は、適切である場合、様々な手順または構成要素を省略し、置換し、あるいは追加することができる。例えば説明されている方法は、説明されている順序とは異なる順序で実行することができ、様々なステップを追加し、省略し、または組み合わせることができる。また、いくつかの例に関連して説明されている特徴は、いくつかの他の例において組み合わせることができる。例えば、装置を実装することができるか、または方法は、本明細書において示されている任意の数の態様を使用して実施することができる。加えて、本開示の範囲には、本明細書において示されている本開示の様々な態様に加えて、あるいはそれら以外の他の構造、機能性、または構造と機能性を使用して実施されるこのような装置または方法を包含することが意図されている。本明細書において開示されている本開示の任意の態様は、特許請求の範囲の1つまたは複数の要素によって具体化することができることを理解されたい。
【0057】
本明細書において開示されている方法は、方法を達成するための1つまたは複数の動作またはアクションを含む。方法動作および/またはアクションは、特許請求の範囲を逸脱することなく、互いに交換することができる。言い換えると、動作またはアクションの特定の順序が明記されていない限り、特定の動作および/またはアクションの順序および/または使用は、特許請求の範囲を逸脱することなく変更することができる。さらに、対応する機能を実行することができる任意の適切な手段によって、上で説明した方法の様々な動作を実行することができる。この手段は、様々なハードウェアおよび/もしくはソフトウェア構成要素(複数可)、ならびに/またはこれらに限定されないが、回路、特定用途向け集積回路(ASIC)もしくはプロセッサを含むモジュールを含むことができる。通常、図に例示されている動作が存在する場合、これらの動作は、同様の番号が振られた対応するカウンターパート手段-プラス-機能構成要素を有することができる。
【0058】
以上は、本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本範囲を逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態を工夫することができ、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定される。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を処理する方法であって
、
処理チャンバの第1のプロセスレシピに対応する第
1の入力を受け取ることと、
前記第1の入力および前記処理チャンバのハードウェア構成に基づいて、第1のパージガス流量を決定することと、
前記処理チャンバの中で
前記第1のパージガス流量で前記第1のプロセスレシピを使用して第1の堆積プロセスを実行することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の
パージガス流量が、
前記処理チャンバに対応するモデルを使用してさらに決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1のセンサを介して前記第1の堆積プロセスの堆積特性を測定することと、
前記第1の入力、前記処理チャンバの前記ハードウェア構成および測定された前記堆積特性に基づいて、前記第1のパージガス流量とは異なる第2のパージガス流量を決定することと、
前記第2のパージガス流量で第2の堆積プロセスを実行することと
を
さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記
第1のセンサが光分光計、カメラまたは高温計を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前
記ハードウェア構成が、非通気ライナもしくは通気ライナ、円形予熱リングもしくは楕円形予熱リング、および/または前記予熱リングと重なり合っている基板支持体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のパージガス流量を前記決定することが、機械学習モデルによって達成され、前記機械学習モデルが、前記測定された堆積特性を所望の堆積特性と比較し、前記測定された堆積特性と前記所望の堆積特性との差に基づいて、前記第2のパージガス流量を提供する、請求項
3に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のパージガス流量を前記決定することが、ユーザ入力に基づいてデータベースを参照することによって達成される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のプロセスレシピが、前記第2のパージガス流量を含むように更新される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記
機械学習モデルが、前記処理チャンバの前記ハードウェア構成に従って構成されるデジタルツインモデルを含み、流体力学シミュレーションが、前記機械学習モデルによって示唆されるリビジョンに基づく前記デジタルツインモデル上で実行される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記測定された堆積特性が、厚さ、質量分率、透過度、透明度、放射率、またはこれらの任意の組合せを含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項11】
前記測定された堆積特性が、前記処理チャンバの中の基板、基板支持体の裏側、または下部ウインドウの測定された堆積特性である、請求項
3に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のセンサを介して前記処理チャンバの前記堆積特性を測定することが、前記
第1の堆積プロセス全体を通して2回以上生じる、請求項
3に記載の方法。
【請求項13】
前記パージガスが、フローモジュールパージガス、スリットパージガス、回転パージガス、またはライナパージガスである、請求項
3に記載の方法。
【請求項14】
処理チャンバの第1のハードウェア構成に対応する第1の入力を受け取ることと、
前記処理チャンバの第1のプロセスレシピに対応する第2の入力を受け取ることと、
前記処理チャンバの中で第1のパージガス流量で前記第1のプロセスレシピを使用して第1の堆積プロセスを実行することと、
第1のセンサを介して第1の場所において前記第1の堆積プロセスの堆積特性を測定することと、
前記第1の入力、前記第2の入力、および測定された
前記堆積特性に基づいて、前記第1のパージガス流量とは異なる第2のパージガス流量を決定することと、
前記処理チャンバの中で前記第2のパージガス流量を使用して第2の堆積プロセスを実行することと、
前記第1のセンサを介して前記第1の場所において前記第2の堆積プロセス
の堆積特性を測定することと、
前記測定された堆積特性の変化に基づいて、前記第2のパージガス流量とは異なる第3のパージガス流量を決定することと
を含む、方法。
【請求項15】
前記測定された堆積特性が、膜の厚さを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記測定された堆積特性が、前記処理チャンバの中の基板、基板支持体の裏側、または下部ウインドウの測定された堆積特性である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令を有し、前記命令は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに
、
処理チャンバの第1のプロセスレシピに対応する第
1の入力を受け取ることと、
前記第1の入力および前記処理チャンバのハードウェア構成に基づいて、第1のパージガス流量を決定することと、
前記処理チャンバの中で
前記第1のパージガス流量で前記第1のプロセスレシピを使用して第1の堆積プロセスを実行すること
と
を行わせる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記
第1のパージガス流量が、
前記処理チャンバに対応するモデルを使用してさらに決定される、請求項17に記載の
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
第1のセンサを介して前記第1の堆積プロセスの堆積特性を測定することと、
前記第1の入力、前記処理チャンバの前記ハードウェア構成および測定された前記堆積特性に基づいて、前記第1のパージガス流量とは異なる第2のパージガス流量を決定することと、
前記第2のパージガス流量で第2の堆積プロセスを実行することと
を
さらに含む、請求項17に記載の
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記パージガスが、ライナパージガスである、請求項17に記載の
非一時的コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】