(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】機械的に制御された応力工学的な光学システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G03F 9/02 20060101AFI20250117BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20250117BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
G03F9/02 H
G03F7/20 521
H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538355
(86)(22)【出願日】2023-01-02
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 EP2023050030
(87)【国際公開番号】W WO2023131589
(87)【国際公開日】2023-07-13
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(71)【出願人】
【識別番号】507245021
【氏名又は名称】ユニバーシティー オブ ロチェスター
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョービュアー,アベル
(72)【発明者】
【氏名】ジェーコブス,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ジマーマン,リチャード,カール
(72)【発明者】
【氏名】バシリ,アリ
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,トーマス,ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】ガラバダ デウェイジ,アシャン,アリヤワンサ
【テーマコード(参考)】
2H197
4M106
【Fターム(参考)】
2H197AA09
2H197AA12
2H197CA03
2H197CA06
2H197CA09
2H197CA10
2H197CB01
2H197CC05
2H197EA17
2H197EA18
2H197EA19
2H197EA25
2H197EB05
2H197EB22
2H197EB23
2H197JA23
4M106AA01
4M106BA06
4M106CA21
4M106CA39
4M106DB04
4M106DB14
4M106DB16
(57)【要約】
高速で動的な波長板について説明する。本システム及び方法は、プレートの側面に力が加えられたときにプレート内部に発生する応力複屈折を利用する。力は、プレートの側面に沿って対称的に分布している圧電アクチュエータのセットを使用して加えられる。力の大きさは、制御ユニットを使用して制御可能である。発生した応力複屈折は、プレート全体にわたって空間的に変化する。力を慎重に調整することで、力によって決定される任意のリターダンス値を有する波長板にプレートを変換することができる。複屈折を決定するパラメータは力であるため、制御ユニットを使用して、異なる力値の組み合わせをミリ秒未満の速度で適用して、複屈折の値及びプレート内の配向の高速制御を達成することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メトロロジのための光を調整するように構成されたシステムであって、前記システムが、
光学的に透明なプレートと、
応力パターンを前記プレートに生成する力を前記プレートに加えるように構成された1つ以上のアクチュエータと、
前記1つ以上のアクチュエータを前記応力パターンを生成する前記力を加えるように制御して、所望のメトロロジ機能に従って前記プレートを通過する光に特定の偏光を与えるように構成された1つ以上のプロセッサとを備えたシステム。
【請求項2】
前記力が前記プレートに加えられることに応答して、前記プレートが波長板を含む、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記プレートが透明な材料を含み、前記力が前記プレートに加えられて前記応力パターンを生成することに応答して、前記プレートが、前記プレートを通過する前記光を第1の偏光状態から第2の偏光状態に変化させるように構成される、請求項1又は2のシステム。
【請求項4】
前記加えた力が、前記プレートに配向及びリターダンスを誘導する、請求項1から3のいずれか一項のシステム。
【請求項5】
前記配向が、前記1つ以上のアクチュエータにより前記プレートに加えられる力の場所及び/又は分布によって制御される、請求項4のシステム。
【請求項6】
前記リターダンスが、前記1つ以上のアクチュエータにより前記プレートに加えられる力の大きさによって制御される、請求項4又は5のシステム。
【請求項7】
前記プレートがガラス又は結晶を含む、請求項1から6のいずれか一項のシステム。
【請求項8】
前記1つ以上のアクチュエータが圧電性である、請求項1から7のいずれか一項のシステム。
【請求項9】
前記応力パターンが複屈折を含む、請求項1から8のいずれか一項のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上のプロセッサが、前記プレート内部の前記応力パターンが、前記光が前記プレートを通過する前、通過する間、及び/又は通過した後に動的に調整可能となるように前記1つ以上のアクチュエータのそれぞれを個別に制御するように構成される、請求項1から9のいずれか一項のシステム。
【請求項11】
動的調整が、前記プレートの周囲の異なるアクチュエータに異なる力の大きさの組み合わせを適用して、ミリ秒未満の制御速度で前記プレートの複屈折を変化させることを含む、請求項10のシステム。
【請求項12】
動的調整が、前記プレートの周囲の異なるアクチュエータに異なる力の大きさの組み合わせを適用して、ミリ秒未満の制御速度で前記プレートの配向を変化させることを含む、請求項10又は11のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のアクチュエータが前記プレートの1つ以上の縁部上に配置される、請求項1から12のいずれか一項のシステム。
【請求項14】
前記1つ以上のアクチュエータが、前記プレートの1つ以上の縁部の周りに対称的に分布している複数のアクチュエータを含む、請求項1から13のいずれか一項のシステム。
【請求項15】
前記プレート、前記1つ以上のアクチュエータ、及び前記1つ以上のプロセッサが、前記プレートを通過する前記光が、約300ナノメートルから約1.5マイクロメートルに及ぶ波長を有し得るように構成される、請求項1から14のいずれか一項のシステム。
【請求項16】
前記光に特定の偏光を与えることが、メトロロジのための前記プレートを通過する前記光を調整することを含む、請求項1から15のいずれか一項のシステム。
【請求項17】
前記システムが更に偏光子及びセンサを備え、前記センサが、前記光が前記偏光子及び前記プレートを通過した後に、前記センサにより受光された光に基づいてメトロロジ信号を生成するように構成される、請求項1から16のいずれか一項のシステム。
【請求項18】
前記センサがカメラに含まれている、請求項17のシステム。
【請求項19】
前記プレートと前記センサとの間に位置付けられた結像レンズを更に備えた、請求項17又は18のシステム。
【請求項20】
前記メトロロジ信号が、半導体製造プロセスに関連するオーバーレイ信号を含む、請求項17から19のいずれか一項のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2022年1月10日に出願された米国仮特許出願第63/298,006号の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] この記述は、概して機械的に制御された応力工学的な光学システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 例えば集積回路(IC)の製造にリソグラフィ投影装置を使用することができる。パターニングデバイス(例えば、マスク)が、ICの個々の層に対応するパターン(「設計レイアウト」)を含む又は提供することがあり、このパターンは、ターゲット部分をパターニングデバイス上のパターンを介して照射することなどの方法によって、放射感応性材料(「レジスト」)の層でコーティングされた基板(例えば、シリコンウェーハ)上の(例えば、1つ以上のダイを含む)ターゲット部分上に転写することができる。一般に、単一の基板には、リソグラフィ投影装置によるパターンの転写が1つずつ連続して行われる複数の隣接したターゲット部分が含まれる。リソグラフィ投影装置の1つのタイプでは、パターニングデバイス全体のパターンは1つのターゲット部分上に一工程で転写される。そのような装置は一般にステッパと呼ばれている。一般にステップアンドスキャン装置と呼ばれる別の装置では、投影ビームがパターニングデバイスを所定の基準方向(「スキャン」方向)にスキャンする一方、基板をこの基準方向と平行又は逆平行に同期的に移動させる。パターニングデバイス上のパターンの異なる部分が、漸次1つのターゲット部分に転写される。一般に、リソグラフィ投影装置は縮小率M(例えば、4)を有することになるため、基板が移動する速度Fは、投影ビームがパターニングデバイスをスキャンする速度の1/M倍になる。本明細書で説明されるリソグラフィデバイスに関するより多くの情報は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,046,792号から得ることができる。
【0004】
[0004] パターンをパターニングデバイスから基板に転写する前に、基板はプライミング、レジストコーティング、及びソフトベークなどの様々な手順を経ることがある。露光後、基板は露光後ベーク(PEB)、現像、ハードベーク及び転写されたパターンの計測/検査などの他の手順(「露光後手順」)にさらされることがある。この一連の手順は、デバイス、例えばICの個々の層を製造する基礎として用いられる。次に、基板はエッチング、イオン注入(ドーピング)、金属化、酸化、堆積、化学機械研磨などの、そのすべてがデバイスの個々の層を完成させることを目的とする様々なプロセスを経ることがある。デバイスにいくつかの層が必要な場合は、手順全体、又はその変形手順が各層に対して繰り返される。最終的に、デバイスは基板上の各ターゲット部分に存在することになる。これらのデバイスは、次にダイシングやソーイングなどの技術によって互いに分離され、その結果、個々のデバイスをキャリアに取り付けたり、ピンに接続したりすることができる。
【0005】
[0005] したがって、半導体デバイスなどのデバイスの製造は、典型的に複数の製造プロセスを用いて基板(例えば、半導体ウェーハ)を処理して、デバイスの様々なフィーチャ及び多数の層を形成することを含む。そのような層及びフィーチャは通常、例えば堆積、リソグラフィ、エッチ、堆積、化学機械研磨、及びイオン注入を用いて製造及び処理される。多数のデバイスを基板上の複数のダイに製造し、次いで個々のデバイスに分離することがある。このデバイス製造プロセスをパターニングプロセスと見なすことがある。パターニングプロセスは、リソグラフィ装置においてパターニングデバイスを使用してパターニングデバイス上のパターンを基板に転写する、光学リソグラフィ及び/又はナノインプリントリソグラフィなどのパターニングステップを含み、典型的に任意選択的にではあるが、現像装置によるレジスト現像、ベークツールを使用する基板のベーキング、エッチ装置を使用するパターンを用いたエッチング、堆積などの、1つ以上の関連したパターン処理ステップを伴う。
【0006】
[0006] リソグラフィは、ICなどのデバイスの製造の中心工程であり、基板上に形成されたパターンが、マイクロプロセッサ、メモリチップなどのデバイスの機能素子を画定する。フラットパネルディスプレイ、マイクロ電子機械システム(MEMS)及びその他のデバイスの形成にも同様のリソグラフィ技術が用いられる。
【0007】
[0007] 半導体製造プロセスが進歩し続けるにつれて、機能素子の寸法は絶えず小型化されているが、その一方で、1つのデバイス当たりのトランジスタなどの機能素子の数は、一般に「ムーアの法則」と呼ばれる傾向に従って数十年にわたり着実に増加している。現状の技術では、デバイスの層は、深紫外線照明源からの照明を使用して基板上に設計レイアウトを投影するリソグラフィ投影装置を使用して製造され、100nmをかなり下回る、すなわち照明源(例えば、193nmの照明源)からの放射の波長の半分より小さい寸法を有する個別の機能素子が生成される。
【0008】
[0008] リソグラフィ投影装置の従来の解像限界よりも小さい寸法のフィーチャを印刷するこのプロセスは、一般に解像式CD=k1×λ/NAに従う低k1リソグラフィとして知られている。ここで、λは使用される放射の波長(現在、大抵の場合、248nm又は193nm)であり、NAはリソグラフィ投影装置における投影光学系の開口数であり、CDは「クリティカルディメンジョン」、すなわち一般には印刷される最小フィーチャサイズであり、k1は経験的解像度係数である。一般に、k1が小さければ小さいほど、特定の電気的機能性及び性能を達成するために設計者が計画した形状及び寸法に類似するパターンを基板上に再現することはより難しくなる。このような困難を克服するために、リソグラフィ投影装置、設計レイアウト、又はパターニングデバイスに、洗練された微調整ステップが適用される。これらには、限定ではないが、例えばNA及び光学コヒーレンス設定の最適化、カスタマイズされた照明スキーム、位相シフトパターニングデバイスの使用、設計レイアウトにおける光近接効果補正(OPC:optical proximity correction、「光学及びプロセス補正」と呼ばれることもある)、又は一般に「解像度向上技術」(RET:resolution enhancement techniques)と定義される他の方法が含まれる。
【発明の概要】
【0009】
[0009] 本システム及び方法は、力がプレートの側面に加えられたときに(例えば、ガラス又は水晶)プレートの内部に生成される応力複屈折を利用する。力は、プレートの側面に沿って対称的に分布している圧電アクチュエータのセットを使用して加えられる。アクチュエータは電子的に制御される。加えられる力を慎重に調整することによって、プレートは、力により決定される任意のリターダンス値を有する波長板に変換される可能性がある。力が複屈折を決定するため、異なる力値の組み合わせがミリ秒未満の速度で電子的に適用されて、複屈折の値の高速制御、並びにプレート内の高速及び/又は低速軸の配向(プレート自体は静止したまま)を実現し、高速で動的な波長板を作成する可能性がある。
【0010】
[0010] ある実施形態によれば、メトロロジのための光を調整するように構成されたシステムが提供される。このシステムは、光学的に透明なプレートと、プレートに応力パターンを生成する力をプレートに加えるように構成された1つ以上のアクチュエータと、1つ以上のアクチュエータを応力パターンを生成する力を加えるように制御して、所望のメトロロジ機能に従ってプレートを通過する光に特定の偏光を与えるように構成された1つ以上のプロセッサとを備える。
【0011】
[0011] 一部の実施形態では、力がプレートに加えられることに応答して、プレートは波長板を含む。
【0012】
[0012] 一部の実施形態では、プレートは透明材料を含み、力がプレートに加えられて応力パターンを生成することに応答して、プレートは、プレートを通過する光を第1の偏光状態から第2の偏光状態に変化させるように構成される。
【0013】
[0013] 一部の実施形態では、加えた力は、プレートに配向及びリターダンスを誘導する。誘導されたリターダンス及び配向は均一ではない。それぞれはプレート全体にわたって変化する。プレートの中心領域は、リターダンス及び高速軸配向がほぼ均一な関心エリアである。
【0014】
[0014] 一部の実施形態では、配向は、1つ以上のアクチュエータによりプレートに加えられる力の位置及び/又は分布によって制御される。
【0015】
[0015] 一部の実施形態では、リターダンスは、1つ以上のアクチュエータによりプレートに加えられる力の大きさによって制御される。
【0016】
[0016] 一部の実施形態では、プレートはガラス又は結晶を含む。
【0017】
[0017] 一部の実施形態では、1つ以上のアクチュエータは圧電性である。
【0018】
[0018] 一部の実施形態では、応力パターンは複屈折を含む。
【0019】
[0019] 一部の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、光がプレートを通過する前、通過する間、及び/又は通過した後にプレート内部の応力パターンが動的に調整可能であるように、1つ以上のアクチュエータのそれぞれを個別に制御するように構成される。
【0020】
[0020] 一部の実施形態では、動的調整が、プレートの周囲の異なるアクチュエータに異なる力の大きさの組み合わせを適用して、ミリ秒未満の制御速度でプレートの複屈折を変化させることを含む。
【0021】
[0021] 一部の実施形態では、動的調整が、プレートの周囲の異なるアクチュエータに異なる力の大きさの組み合わせを適用して、ミリ秒未満の制御速度でプレートの配向を変化させることを含む。
【0022】
[0022] 一部の実施形態では、1つ以上のアクチュエータはプレートの1つ以上の縁部上に配置される。
【0023】
[0023] 一部の実施形態では、1つ以上のアクチュエータは、プレートの1つ以上の縁部の周りに対称的に分布している複数のアクチュエータを含む。
【0024】
[0024] 一部の実施形態では、プレート、1つ以上のアクチュエータ、及び1つ以上のプロセッサは、プレートを通過する光が約300ナノメートルから約1.5マイクロメートルに及ぶ波長を有し得るように構成される。
【0025】
[0025] 一部の実施形態では、光に特定の偏光を与えることが、メトロロジのためのプレートを通過する光を調整することを含む。
【0026】
[0026] 一部の実施形態では、システムは更に偏光子及びセンサを備え、センサは、光が偏光子及びプレートを通過した後に、センサにより受光された光に基づいてメトロロジ信号を生成するように構成される。
【0027】
[0027] 一部の実施形態では、センサはカメラに含まれている。
【0028】
[0028] 一部の実施形態では、システムは更に、プレートとセンサとの間に位置付けられた結像レンズを備える。
【0029】
[0029] 一部の実施形態では、メトロロジ信号は、半導体製造プロセスに関連するオーバーレイ信号を含む。
【0030】
[0030] 別の実施形態によれば、メトロロジのための光を調整する方法が提供される。この方法は、光学的に透明なプレートに、1つ以上のアクチュエータを使用してプレートに応力パターンを生成する力を加えること、及び1つ以上のプロセッサを使用して、応力パターンを生成する力を加えるように1つ以上のアクチュエータを制御して、所望のメトロロジ機能に従ってプレートを通過する光に特定の偏光を与えることを含む。
【0031】
[0031] 別の実施形態によれば、命令をその上に有する非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令が、コンピュータによって実行されるときに、光学的に透明なプレートに、1つ以上のアクチュエータを使用してプレートに応力パターンを生成する力を加えること、及び1つ以上のプロセッサを使用して、応力パターンを生成する力を加えるように1つ以上のアクチュエータを制御して、所望のメトロロジ機能に従ってプレートを通過する光に特定の偏光を与えることを含む動作を引き起こす非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0032】
[0032] 別の実施形態によれば、半導体製造プロセスの一部としてオーバーレイ測定のための光を調整するように構成されたシステムが提供される。このシステムは、光がプレートを通過する前、通過する間、及び/又は通過した後に、光学プレートの複屈折及び/又は配向を動的に調整するように構成されている。動的調整は、プレートの周囲の異なるアクチュエータに異なる力の大きさの組み合わせを適用して、プレートの複屈折及び/又は配向をミリ秒未満の制御速度で変化させることを含む。システムはプレートを備える。プレートは、透明材料を含み、力が異なるアクチュエータによってプレートに加えられることに応答して、プレートを通過する光を第1の偏光状態から第2の偏光状態に変化させるように構成される。システムは異なるアクチュエータを備える。異なるアクチュエータは、プレートの1つ以上の縁部の周りに対称的に分布している複数の圧電アクチュエータを含む。複数の圧電アクチュエータは、プレートに複屈折及び/又は配向を生成する力を加えるように構成される。システムは、特定の偏光をプレートを通過する光に与えて光を第2の偏光状態に変化させるように、複数のアクチュエータのそれぞれを個別に制御して複屈折及び/又は配向を生成する力を加えるように構成された1つ以上のプロセッサを備える。
【図面の簡単な説明】
【0033】
[0033] 上記の態様及び他の態様及び特徴は、添付の図と併せて以下の特定の実施形態の説明を検討することにより、当業者には明らかとなるであろう。
【0034】
【
図1】[0034] ある実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。
【
図2】[0035] ある実施形態によるリソグラフィセル又はクラスタの実施形態を概略的に示す。
【
図3】[0036] ある実施形態による例示的な検査システムを概略的に示す。
【
図4】[0037] ある実施形態による、例示的な検査システムの追加の詳細を概略的に示す。
【
図5】[0038] ある実施形態による、検査システムの放射照射スポットとメトロロジターゲットとの関係を示す。
【
図6】[0039] ある実施形態による、測定データに基づいて複数の関心変数を導出するプロセスを示す。
【
図7】[0040] ある実施形態による、
図3及び
図4に示すシステムの一部を構成し得る、メトロロジのための光を調整するように構成されたシステムを示す。
【
図8】[0041] ある実施形態による、
図7に示すシステムの別の実施形態を示す。
【
図9】[0042] ある実施形態による、プレートに結合されたアクチュエータにより加えられた力から生じる(応力工学的な光学)プレート内のマッピングされた応力分布及び配向を示す。
【
図10】[0043] ある実施形態による、アクチュエータによってプレートに力が加えられる間の、2つの交差偏光子間の別の(応力工学的な光学)プレートの画像を示す。
【
図11】[0044] ある実施形態による、応力工学的な光学プレートの中心部分(例えば、開口)を通過した後の光の偏光状態を示す。
【
図12】[0045] ある実施形態によるメトロロジのための光を調整する方法を示す。
【
図13】[0046] ある実施形態による、例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【
図14】[0047] ある実施形態による、
図1と同様のリソグラフィ投影装置の概略図である。
【
図15】[0048] ある実施形態による、
図14の装置のより詳細な図である。
【
図16】[0049] ある実施形態による、
図14及び
図15の装置のソースコレクタモジュールのより詳細な図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[0050] 応力工学的な光学系(SEO)は、(通常はガラス)プレートの側面に固定力点を有する固定波長板として存在する。そのようなプレートには、能動制御法は実施されていない。既存の偏光制御システムは、通常、液晶を含んでおり、電子制御可能性により迅速に調整することができる。しかしながら、これらのシステムの応答時間は、結晶の配向が遅いため、数ミリ秒よりも長くなる可能性がある。また、そのようなシステムの偏光状態は、時間の経過とともにドリフトすることが多い。従来の回転偏光子/波長板システムは、例えば偏光角の制御を達成するのが遅い。
【0036】
[0051] 有利には、本システム及び方法は、力がプレートの側面に加えられたときに(ガラス又は結晶)プレートの内部に生成される応力複屈折を利用する。力は、プレートの側面に沿って対称的に分布しているアクチュエータのセットを使用して加えられる。力の大きさは電子的に制御することができる。生成される応力複屈折は、プレート全体にわたって空間的に変化する。力を慎重に調整することによって、プレートは、力によって決定される任意のリターダンス値を有する波長板に変換される可能性がある。力が複屈折を決定するため、異なる力値の組み合わせをミリ秒未満の速度で電子的に適用して、複屈折の値の高速制御、並びに(プレート自体は静止したまま)プレート内の高速及び/又は低速軸の配向を実現し、高速で動的な波長板を作成することができる。
【0037】
[0052] 簡単に説明すると、本明細書の記述は、概して半導体デバイスの製造及びパターン形成プロセスに関する。より具体的には、以下の段落は、半導体製造システム及び/又は関連システムのいくつかのコンポーネントを説明する。本明細書で説明するように、これらのシステム及び方法は、例えば半導体デバイスの製造プロセスにおけるオーバーレイの測定、又はその他の動作に使用されることがある。
【0038】
[0053] 本明細書では、半導体デバイスのオーバーレイの測定及び集積回路(IC)の製造について具体的な言及がなされ得るが、本明細書の説明には、多くの他の可能性のある用途があることが理解されるべきである。例えば、アライメント及び/又はその他のパラメータの測定に使用されることがある。また、磁気ドメインメモリ、液晶ディスプレイパネル、薄膜磁気ヘッドなどの集積光学システム、誘導及び検出パターンの製造に使用されることがある。当業者であれば、このような代替用途の文脈において、本明細書で使用されている「レチクル」、「ウェーハ」又は「ダイ」という用語が、それぞれより一般的な用語である「マスク」、「基板」及び「ターゲット部分」と交換可能とみなされるべきことを理解するであろう。
【0039】
[0054] 本明細書で用いられる「投影光学系」という用語は、例えば屈折光学系、反射光学系、アパーチャ及び反射屈折光学系を含む様々なタイプの光学システムを包含するものと広義に解釈すべきである。また、「投影光学系」という用語は、放射の投影ビームを誘導、整形又は制御するため、これらの設計タイプのいずれかに従って集合的に又は単独で動作するコンポーネントを含むことがある。「投影光学系」という用語は、リソグラフィ投影装置の光路上のどこに配置されていようと、リソグラフィ投影装置内のいかなる光学コンポーネントも含むことがある。投影光学系は、放射源からの放射がパターニングデバイスを通過する前にこの放射を整形、調整及び/又は投影するための光学コンポーネント、及び/又は、放射がパターニングデバイスを通過した後にこの放射を整形、調整及び/又は投影するための光学コンポーネントを含むことがある。一般に、投影光学系には放射源及びパターニングデバイスは含まれない。
【0040】
[0055]
図1はリソグラフィ装置LAの実施形態を概略的に示している。装置は、放射ビームB(例えばUV放射、DUV放射、又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに結合された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WT(例えば、WTa、WTb又はその両方)と、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つ以上のダイを備え、フィールドと呼ばれることも多い)ターゲット部分C上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSとを備える。投影システムは基準フレームRFに支持される。図示されるように、装置は、(例えば、透過型マスクを用いる)透過型である。代替的に、装置は、(例えば、プログラマブルミラーアレイを用いる、又は反射型マスクを用いる)反射型である場合がある。
【0041】
[0056] イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合には別体である場合がある。そのような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を構成するとはみなされず、放射ビームは、例えば適当な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを備えるビームデリバリシステムBDを用いて放射源SOからイルミネータILへと受け渡される。放射源が例えば水銀ランプである場合などの他の場合には、放射源は装置の不可欠の部分である場合がある。放射源SO及びイルミネータILは、必要とされる場合はビームデリバリシステムBDと合わせて放射システムと呼ばれることがある。
【0042】
[0057] イルミネータILは、ビームの強度分布を変化させることがある。イルミネータは、強度分布がイルミネータILの瞳面内の環状領域内で非ゼロとなるように、放射ビームの半径範囲を制限するように配置されることがある。付加的又は代替的に、イルミネータILは、瞳面内における複数の等間隔のセクタ内で強度分布が非ゼロとなるように、瞳面内のビームの分布を制限するように動作可能である場合がある。イルミネータILの瞳面内の放射ビームの強度分布は照明モードと呼ばれることがある。
【0043】
[0058] イルミネータILは、ビームの(角度/空間)強度分布を調整するように構成されたアジャスタADを備えることがある。一般には、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調整することができる。イルミネータILは、ビームの角度分布を変化させるように動作可能である場合がある。例えば、イルミネータは、強度分布が非ゼロである瞳面内のセクタの数及び角度範囲を変化させるように動作可能である場合がある。イルミネータの瞳面内のビームの強度分布を調整することによって、様々な照明モードが達成されることがある。例えば、イルミネータILの瞳面内の強度分布の半径範囲及び角度範囲を制限することによって、強度分布は、例えば、双極、四極又は六極分布などの多極分布を有することがある。所望の照明モードが、例えば、その照明モードを提供する光学部品をイルミネータILに挿入することによって、又は空間光変調器を使用することによって得られることがある。
【0044】
[0059] イルミネータILは、ビームの偏光を変更するように動作可能である場合があり、アジャスタADを用いて偏光を調整するように動作可能である場合がある。イルミネータILの瞳面を横切る放射ビームの偏光状態は、偏光モードと呼ばれることがある。様々な偏光モードを用いることで、基板W上に形成される像により大きなコントラストがもたらされることがある。放射ビームは非偏光である場合がある。代替的に、イルミネータは、放射ビームを直線的に偏光させるように配置されることがある。放射ビームの偏光方向は、イルミネータILの瞳面にわたって変化することがある。放射の偏光方向は、イルミネータILの瞳面内の異なる領域で異なる場合がある。放射の偏光状態は、照明モードに依存して選ばれることがある。多極照明モードの場合、放射ビームの各極の偏光は、イルミネータILの瞳面におけるその極の位置ベクトルに概ね垂直である場合がある。例えば、双極照明モードの場合、放射は、双極の2つの対向するセクタを二等分する線に実質的に垂直な方向に直線的に偏光されることがある。放射ビームは、X偏光状態及びY偏光状態と呼ばれ得る、2つの異なる直交方向のうちの一方に偏光されることがある。四極照明モードでは、各極のセクタ内の放射は、そのセクタを二等分する線に実質的に垂直な方向に直線的に偏光されることがある。この偏光モードはXY偏光と呼ばれることがある。同様に、六極照明モードでは、各極のセクタ内の放射は、そのセクタを二等分する線に実質的に垂直な方向に直線的に偏光されることがある。この偏光モードは、TE偏光と呼ばれることがある。
【0045】
[0060] また、イルミネータILは一般に、インテグレータIN及びコンデンサCOなどのその他の各種コンポーネントを備える。照明システムは、放射を誘導、整形、又は制御するための、屈折、反射、磁気、電磁、静電又は他の種類の光学コンポーネントなどの各種の光学コンポーネント、又はこれらの任意の組み合わせを備えることがある。
【0046】
[0061] こうして、イルミネータは、ビーム断面に所望の均一性及び強度分布を有する、調節された放射ビームBを供給する。
【0047】
[0062] 支持構造MTは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、及び、例えばパターニングデバイスが真空環境に保持されているか否かなどのその他の条件に応じた方法でパターニングデバイスを支持する。支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電又はその他のクランプ技術を用いることがある。支持構造は、例えば、必要に応じて固定される又は移動可能であり得るフレーム又はテーブルである場合がある。支持構造は、パターニングデバイスが、例えば投影システムに対して所望の位置にあることを保証することがある。本明細書における「レチクル」又は「マスク」という用語のいかなる使用も、より一般的な用語「パターニングデバイス」と同義と見なされることがある。
【0048】
[0063] 本明細書で使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを付与するのに使用し得るいかなるデバイスをも指すものと広く解釈されるべきである。ある実施形態において、パターニングデバイスは、基板のターゲット部分にパターンを生成するために、放射ビームの断面にパターンを付与するのに使用し得る任意のデバイスである。例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、放射ビームに与えられるパターンが、基板のターゲット部分に所望されるパターンと厳密には一致しないことがあることに留意されたい。一般には、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのデバイスのターゲット部分に生成されるデバイスにおける特定の機能層に対応することになる。
【0049】
[0064] パターニングデバイスは透過型又は反射型である場合がある。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィの分野では周知であり、バイナリマスク、レベンソン型位相シフトマスク、及びハーフトーン型位相シフトマスク、更に各種のハイブリッド型マスクが含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型のミラーのマトリックス配置であって、各ミラーが入射してくる放射ビームを様々な方向に反射するように個別に傾斜可能であるものが採用される。これらの傾斜ミラーは、ミラーマトリックスで反射される放射ビームにパターンを付与する。
【0050】
[0065] 本明細書で使用される「投影システム」という用語は、屈折光学系、反射光学系、反射屈折光学系、磁気光学系、電磁光学系及び静電光学系、又はこれらの任意の組み合わせを含むものであり、使用される露光放射に関して又は液浸液の使用又は真空の使用などの他の要因に関して適切とされるいかなるタイプの投影システムをも包含するものと広く解釈されるべきである。本明細書における「投影レンズ」なる用語の使用はいずれも、より一般的な用語である「投影システム」と同義であるとみなされることがある。
【0051】
[0066] 投影システムPSは、複数の光学(例えば、レンズ)素子を備えることがあり、収差(フィールド全体の瞳面にわたる位相変化)を補正するために光学素子の1つ以上を調整するように構成された調整機構を更に備えることがある。これを達成するために、調整機構は、投影システムPS内の1つ以上の光学(例えば、レンズ)素子を1つ以上の異なる方法で操作するように動作可能である場合がある。投影システムは、その光軸がz方向に延びる座標系を有することがある。調整機構は、1つ以上の光学素子を変位させること、1つ以上の光学素子を傾けること、及び/又は1つ以上の光学素子を変形させることの任意の組み合わせを行うように動作可能である場合がある。光学素子の変位は、任意の方向(x、y、z、又はこれらの組み合わせ)である場合がある。光学素子の傾斜は、典型的には、x及び/又はy方向に軸周りに回転することによって光軸に垂直な平面外となるが、非回転対称の非球面光学素子に関してはz軸周りの回転が用いられることがある。光学素子の変形は、低周波形状(例えば、非点収差)、及び/又は高周波形状(例えば、自由形式の非球面)を含むことがある。光学素子の変形は、例えば1つ以上のアクチュエータを使用して光学素子の1つ以上の側面に力を及ぼすことによって、及び/又は1つ以上の加熱素子を使用して光学素子の1つ以上の選択された領域を加熱することによって行われることがある。一般的に、アポダイゼーション(瞳面の透過率変化)を補正するために投影システムPSを調整することが可能でない場合がある。投影システムPSの透過マップは、リソグラフィ装置LAのためのパターニングデバイス(例えば、マスク)MAを設計する際に用いられることがある。計算機リソグラフィ技術を用いて、少なくとも部分的にアポダイゼーションを補正するようにパターニングデバイスMAを設計することがある。
【0052】
[0067] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれより多くのテーブル(例えば、2つ以上の基板テーブルWTa、WTb、2つ以上のパターニングデバイステーブル、基板テーブルWTa及び、例えば測定及び/又は洗浄を促進することに特化した基板を含まない投影システム下方にあるテーブルWTbなど)を有するタイプである場合がある。このような「マルチステージ」マシンでは、追加のテーブルは並行して使用されることがあるか、又は1つ以上のテーブルで準備工程を実行しながら他の1つ以上のテーブルが露光に使用されることがある。例えば、アライメントセンサASを用いたアライメント測定、及び/又はレベルセンサLSを用いたレベル(高さ、傾斜など)測定が行われることがある。
【0053】
[0068] また、リソグラフィ装置は、基板の少なくとも一部が、例えば水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆われて投影システムと基板の間の空間を満たすようなタイプである場合がある。液浸液が、例えばパターニングデバイスと投影システムの間のリソグラフィ装置内の他の空間に適用されることもある。投影システムの開口数を増大させるための液浸技術が本分野においてよく知られている。本明細書で使用される「液浸」という用語は、基板などの構造体が液体に浸されなければならないことを意味するのではなく、液体が投影システムと基板の間に露光中に位置することを意味するにすぎない。
【0054】
[0069] リソグラフィ装置の動作において、放射ビームが照明システムILによって調節され供給される。放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MTに保持されるパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイスMAを横切った放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分C上に集束させる。第2のポジショナPWと位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、2次元エンコーダ又は静電容量センサ)を用いて、例えば放射ビームBのパスに様々なターゲット部分Cを位置決めするように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(
図1には明示せず)とは、放射ビームBのパスに対してパターニングデバイスMAを、例えばマスクライブラリからの機械的な取り出し後、又はスキャン中に、正確に位置決めするのに使用することができる。一般に支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの一部を構成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現されることがある。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を構成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現されることがある。ステッパの場合(スキャナとは異なり)、支持構造MTは、ショートストロークアクチュエータのみに接続されることがある、又は固定されることがある。パターニングデバイスMAと基板Wとは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いて位置合わせされることがある。図に示す基板アライメントマークは専用のターゲット部分を占拠しているが、ターゲット部分間のスペースに位置することがある(これらはスクライブラインアライメントマークとして知られている)。同様に、パターニングデバイスMA上に2つ以上のダイが設けられる状況では、パターニングデバイスアライメントマークはダイ間に位置することがある。
【0055】
[0070] 図示された装置は、次のモードのうち少なくとも1つのモードで使用されることがある。ステップモードにおいて、放射ビームに付与されたパターンが1回でターゲット部分Cに投影される間、支持構造MT及び基板テーブルWTは実質的に静止状態に保たれる(すなわち単一静的露光)。そして基板テーブルWTは、異なるターゲット部分Cを露光できるようにX方向及び/又はY方向に移動する。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズは単一静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズを制限する。スキャンモードにおいて、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分C上に投影される間、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期してスキャンされる(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)特性及び像反転特性によって決定されることがある。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズは単一動的露光でのターゲット部分の(非スキャン方向の)幅を制限するのに対して、スキャン運動の長さはターゲット部分の(スキャン方向の)高さを決定する。別のモードにおいて、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持しながら実質的に静止状態に保たれ、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分C上に投影される間、基板テーブルWTは移動又はスキャンされる。このモードでは、一般にパルス放射源が用いられ、プログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの毎回の移動後、又はスキャン中の連続放射パルス間に必要に応じて更新される。この動作モードは、上述のタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0056】
[0071] また、上記の使用モードの組み合わせ及び/又は変形例又は全く異なる使用モードが用いられることもある。
【0057】
[0072] 本明細書で言及される基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)又はメトロロジツールもしくは検査ツールで処理されることがある。適用可能な場合、本明細書の開示内容は、これら及びその他の基板処理ツールに適用されることがある。更に、基板は、例えば多層ICを生成するために、2回以上処理されることがあり、したがって本明細書で使用される基板という用語は、すでに複数の処理された層を含む基板を指すこともある。
【0058】
[0073] リソグラフィに関して本明細書で使用される「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)又は深紫外線(DUV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm又は126nmの波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、5~20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆる種類の電磁放射、更にはイオンビームや電子ビームなどの粒子ビームを包含する。
【0059】
[0074] パターニングデバイス上の、又はパターニングデバイスにより提供される様々なパターンが、異なるプロセスウィンドウ、すなわち、パターンが規格内で生成されることになる処理変数の空間を有することがある。潜在的な系統的欠陥に関連するパターン規格の例としては、ネッキング、ラインプルバック、細線化、CD、エッジ配置、オーバーラップ、レジストトップロス、レジストアンダーカット及び/又はブリッジングのチェックが挙げられる。パターニングデバイス又はそのあるエリア上のパターンのプロセスウィンドウは、個々のパターンそれぞれのプロセスウィンドウをマージ(例えば、オーバーラップ)することによって得られることがある。一群のパターンのプロセスウィンドウの境界には、いくつかの個々のパターンのプロセスウィンドウの境界が含まれる。換言すれば、これらの個々のパターンは、一群のパターンのプロセスウィンドウを制限する。
【0060】
[0075]
図2に示すように、リソグラフィ装置LAは、リソセル又はクラスタと呼ばれることもあるリソグラフィックセルLCの一部を構成することがあり、これは露光前及び露光後プロセスを基板に行う装置も含む。従来、これらは、1つ以上のレジスト層を堆積させる1つ以上のスピンコータSC、露光されたレジストを現像するための1つ以上のデベロッパ、1つ以上の冷却プレートCH及び/又は1つ以上のベークプレートBKを含む。基板ハンドラ又はロボットROは、入出力ポートI/O1、I/O2から1つ以上の基板を取り出し、それらを異なるプロセス装置間で移動させ、それらをリソグラフィ装置のローディングベイLBに引き渡す。これらの装置は、多くの場合トラックと総称され、トラック制御ユニットTCUの制御下にある。これはそれ自体が監視制御システムSCSによって制御され、また、リソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置を制御する。こうして、スループット及び処理効率を最大化するために、様々な装置を動作させることができる。
【0061】
[0076] リソグラフィ装置により露光される基板が正確にかつ一貫して露光されるように、及び/又は少なくとも1つのパターン転写ステップ(例えば、光リソグラフィステップ)を含むパターニングプロセス(例えば、デバイス製造プロセス)の一部をモニタするために、基板又はその他のオブジェクトを検査して、アライメント、オーバーレイ(例えば、重なり合う層の構造間、又は同じ層内の、例えばダブルパターニングプロセスによってその層に別々に設けられた構造間についてのものであり得る)、線幅、クリティカルディメンジョン(CD)、フォーカスオフセット、材料特性などの1つ以上の特性を測定又は決定することが望ましい。したがって、リソセルLCが配置される製造施設は、典型的にはリソセルで処理された基板W(
図1)の一部又はすべて、又はリソセル内の他のオブジェクトを測定するメトロロジシステムも含む。メトロロジシステムは、リソセルLCの一部である場合があり、例えば(アライメントセンサAS(
図1)などの)リソグラフィ装置LAの一部である場合がある。
【0062】
[0077] 測定される1つ以上のパラメータは、例えば、アライメント、パターン形成された基板の内部又は上に形成された連続する層間のオーバーレイ、例えばパターン形成された基板の内部又は上に形成されたフィーチャのクリティカルディメンジョン(CD)(例えば、クリティカルライン幅)、光リソグラフィステップのフォーカス又はフォーカス誤差、光リソグラフィステップのドーズ又はドーズ誤差、光リソグラフィステップの光学収差などを含むことがある。この測定は、基板上に設けられた専用のメトロロジターゲットに対して行われることが多い。この測定は、レジストの現像後でエッチングの前、エッチング後、堆積後、及び/又はそれ以外のときに行うことができる。
【0063】
[0078] パターニングプロセスで形成された構造の測定を行うための、走査電子顕微鏡、画像ベースの測定ツール及び/又は様々な専門ツールの使用を含む様々な技術が存在する。以上で考察したように、高速かつ非侵襲的な形態の専門メトロロジツールは、放射ビームを基板表面上のターゲットに向け、散乱した(回折/反射した)ビームの特性を測定するものである。基板で散乱した放射の1つ以上の特性を評価することによって、基板の1つ以上の特性を決定することができる。伝統的に、これは回折ベースのメトロロジと呼ばれることがある。この回折ベースのメトロロジの1つの適用例はオーバーレイの測定である。例えばアライメントは、回折スペクトルの各部分を比較する(例えば、周期格子の回折スペクトルにおける異なる回折次数を比較する)ことによって測定することができる。
【0064】
[0079] このように、デバイス製造プロセス(例えば、パターニングプロセスやリソグラフィプロセス)において、基板又は他のオブジェクトが、プロセス中又はプロセス後に様々なタイプの測定を受けることがある。測定は、特定の基板に欠陥があるかどうかを判定することがあり、プロセス及びプロセスで使用される装置の調整(例えば、基板上の2つの層を位置合わせすること、又はパターニングデバイスを基板に位置合わせすること)を確立することがあり、プロセス及び装置の性能を測定することがあり、又はその他の目的のためである場合がある。測定の例としては、光学イメージング(例えば、光学顕微鏡)、非イメージング光学測定(例えば、ASMLのYieldStarメトロロジツール、ASMLのSMASHメトロロジシステムなどの回折に基づく測定)、機械的測定(例えば、スタイラスを用いたプロファイリング、原子間力顕微鏡(AFM))、及び/又は非光学イメージング(例えば、走査電子顕微鏡(SEM))が挙げられる。SMASH(SMart Alignment Sensor Hybrid)システムは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,961,116号に記載されており、アライメントマーカの2つの重なり合う相対回転した像を生成し、像のフーリエ変換が干渉させられる瞳面内における強度を検出し、干渉された次数の強度変化として現れる2つの像の回折次数間の位相差から位置情報を抽出する自己参照干渉計を採用している。
【0065】
[0080] メトロロジ結果は、監視制御システムSCSに直接又は間接的に提供されることがある。誤差が検出される場合、後続の基板の露光に対して(特にバッチの1つ以上の他の基板を更に露光できるほどすぐにかつ迅速に検査を行うことができる場合)、及び/又は露光された基板の後続の露光に対して調整が行われることがある。また、既に露光された基板が、歩留まりを向上するように剥離及び再加工されるか、又は廃棄されることがあり、それによって、欠陥があると分かっている基板に対して更なる処理を行うことが回避される。基板の一部のターゲット部分にのみ欠陥がある場合には、仕様を満たすこれらの部分にのみ更なる露光が行われることがある。その他の製造プロセスの調整も考えられる。
【0066】
[0081] メトロロジシステムが、基板構造の1つ以上の特性、具体的には、異なる基板構造の1つ以上の特性がどのように変化するか、又は同じ基板構造の異なる層が層ごとにどのように変化するかを判定するのに使用されることがある。メトロロジシステムは、リソグラフィ装置LA又はリソセルLCに組み込まれることがあるか、又はスタンドアロンデバイスである場合がある。
【0067】
[0082] メトロロジを可能にするために、多くの場合、1つ以上のターゲットが基板上に特別に設けられる。ターゲットには、例えば、アライメントマーク及び/又は他のターゲットが含まれることがある。通常、ターゲットは特別に設計され、周期的な構造を含むことがある。例えば、基板上のターゲットは、1つ以上の1D周期構造(例えば、格子などの幾何学的フィーチャ)を含むことがあり、1つ以上の1D周期構造は、現像後に周期的な構造的フィーチャが実線のレジストラインで形成されるように印刷される。別の例として、ターゲットは、1つ以上の2D周期構造(例えば、格子)を含むことがあり、1つ以上の2D周期構造は、現像後に1つ以上の周期構造がレジスト内の実線のレジストピラー又はビアで形成されるように印刷される。バー、ピラー、又はビアは、代替的に基板(例えば、基板上の1つ以上の層)にエッチングされることがある。
【0068】
[0083] 一部の実施形態では、パターン形成プロセスの関心パラメータの1つはオーバーレイである。オーバーレイは、暗視野スキャトロメトリを用いて測定することができ、この方法では、回折のゼロ次(鏡面反射に対応)が遮断され、より高い次数のみが処理される。暗視野メトロロジの例は、PCT特許出願公開第WO2009/078708号及び第WO2009/106279号に見ることができ、これらは参照により本明細書にその全体が組み込まれる。この技術の更なる開発は、米国特許出願公開第US2011-0027704号、第US2011-0043791号及び第US2012-0242970号に記載されており、これらは参照により本明細書にその全体が組み込まれる。回折次数の暗視野検出を使用する回折ベースのオーバーレイによって、より小さなターゲットでのオーバーレイ測定が可能になる。これらのターゲットは、照明スポットよりも小さい可能性があり、基板上のデバイス製品構造によって囲まれることがある。ある実施形態では、1回の放射捕捉で複数のターゲットを測定することができる。
【0069】
[0084]
図3は、オーバーレイを決定し、及び/又は他のメトロロジ動作を実行するのに使用され得る例示的な検査システム10を示している。これは、基板W(例えば、一般的にはオーバーレイターゲットを備え得る)に放射を投影あるいは照射する放射源2を備える。方向転換された放射はスペクトロメータ検出器4などのセンサ及び/又は他のセンサに渡され、センサは、例えば、
図3の左側のグラフに示すように、鏡面反射及び/又は回折された放射のスペクトル(波長の関数としての強度)を測定する。センサは、例えば反射された放射の特性を示すオーバーレイデータを伝達するオーバーレイ信号を生成することがある。このデータから、検出されたスペクトルを生じさせる構造又はプロファイルは、
図3に一般化された例が示されている1つ以上のプロセッサPROによって、又は他の動作によって再構築されることがある。
【0070】
[0085]
図4は、
図3に示す検査システム10の更なる可能な詳細を示している。
図4に示すように、放射源2により放出された放射は、レンズシステム12を使用してコリメートされ、干渉フィルタ13及び偏光子17を透過し、部分反射面16によって反射され、高い開口数(NA)(例えば、少なくとも0.9又は少なくとも0.95)を有する対物レンズ15を介して基板W上のスポットSに集束される。浸漬検査装置(水などの比較的屈折率の高い流体を使用する)は、1を超える開口数を有することがある。
【0071】
[0086]
図1のリソグラフィ装置LAと同様に、1つ以上の基板テーブル(
図4には示さず)が、測定動作中に基板Wを保持するために設けられることがある。1つ以上の基板テーブルは、
図1の基板テーブルWT(a又はb)と形が同様又は同一である場合がある。検査システム10がリソグラフィ装置と統合されている例では、それらは同じ基板テーブルである場合がある。粗動及び微動ポジショナが設けられ、測定光学系に対して基板を正確に位置決めするように構成されることがある。さまざまなセンサ及びアクチュエータを設けて、例えば、構造の関心対象のターゲット部分(例えば、オーバーレイターゲット)の位置を取得し、それを対物レンズの下の位置に持ってくる。通常、構造のターゲット部分に対して、基板W全体のさまざまな場所で多くの測定が行われることになる。基板サポートは、X及びY方向に移動してさまざまなターゲットを取得し、Z方向に移動して光学系の焦点に対するターゲット部分の所望の場所を取得することができる。例えば、実際には光学系が(典型的にはX及びY方向であるが、おそらくZ方向にも)実質的に静止しており、基板が移動する場合に、まるで対物レンズが基板に対するさまざまな場所に運ばれているかのように動作を考え説明するのが便利である。基板と光学系の相対位置が正しい場合、原理的にはどちらが動いているか、両方が動いているか、又は光学系の一部の組み合わせが動いているかは問題ではない。光学系の残りの部分は静止しており、基板は(例えば、X及びY方向だけでなく、任意選択でZ及び/又は傾斜方向にも)移動している。
【0072】
[0087] 次に、基板Wにより方向転換された放射は、スペクトルを検出させるために、部分反射面16を通過して検出器18に入る。検出器18は、逆投影焦点面11に(すなわち、レンズ15の焦点距離に)位置することがある、又は面11は、補助光学系(図示せず)で検出器18上に再結像されることがある。検出器は、基板ターゲット30の二次元角散乱スペクトルを測定できるように、二次元検出器である場合がある。検出器18は、例えば、CCD又はCMOSセンサのアレイである場合があり、例えば、フレーム当たり40ミリ秒の積分時間を使用することがある。
図4に示す検出器18は、例えば、
図3に示す検出器4と同様及び/又は同じである場合がある。
【0073】
[0088] 基準ビームを使用して、例えば、入射放射の強度を測定することがある。これを行うために、放射ビームが部分反射面16に入射するときに、その一部は、基準ミラー14に向かう基準ビームとして部分反射面16を透過する。次いで、基準ビームは、同じ検出器18の異なる部分に、又は代替的に異なる検出器(図示せず)に投影される。
【0074】
[0089] 関心波長を選択するために、1つ以上の干渉フィルタ13が利用可能である。干渉フィルタは、さまざまなフィルタのセットを備えるのではなく調整可能である場合がある。干渉フィルタの代わりに格子を使用することがある。開口絞り又は空間光変調器(図示せず)を照明経路に設けて、放射のターゲットへの入射角の範囲を制御することがある。
【0075】
[0090] 検出器18は、方向転換された放射の強度を、単一波長(又は狭波長範囲)で、複数の波長で別々に、又は波長範囲にわたって積分して測定する、及び/又は他の方法で測定することがある。検出器18は、横方向の磁気偏光放射及び横方向の電気偏光放射の強度、及び/又は横方向の磁気偏光放射と横方向の電気偏光放射との間の位相差を別々に測定することがある。
【0076】
[0091] 基板W上のターゲット30は、現像後にバーが実線のレジストラインで形成されるように印刷される1D格子である場合がある。ターゲット30は、現像後、格子がレジスト中の固体レジストピラー又はビアで形成されるように印刷される2D格子である場合がある。バー、ピラー又はビアは、基板内又は基板上(例えば、基板上の1つ以上の層内)にエッチングされることがある。(例えばバー、ピラー又はビアの)パターンは、パターニングプロセスの処理の変化(リソグラフ投影装置(特に投影システムPS)の光学収差、焦点変化、線量変化など)に敏感であり、印刷された格子の変化として現れることがある。したがって、印刷された格子の測定データは、格子を再構築するのに使用されることがある。線幅及び/又は形状などの1-D格子の1つ以上のパラメータ、又はピラー又はビアの幅又は長さ又は形状などの2-D格子の1つ以上のパラメータを、印刷ステップ及び/又は他の検査プロセスの知識から、プロセッサPROにより実行される再構成プロセスに入力することがある。
【0077】
[0092] 再構成によるパラメータの測定に加えて、角度分解スキャトロメトリは、製品及び/又はレジストパターンのフィーチャの非対称性の測定に役立つ。非対称性測定の特定の用途は、オーバーレイの測定であり、ターゲット30は別のセットに重ねられた1セットの周期的フィーチャを含む。
図3又は
図4の機器を使用した非対称測定の概念は、例えば、米国特許出願公開第US2006-066855号に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれている。ターゲットの回折スペクトルにおける回折次数の位置はターゲットの周期性によって決定されるが、回折スペクトルの非対称性はターゲットを構成する個々のフィーチャの非対称性を示す。検出器18が画像センサであり得る
図4のシステムでは、そのような回折次数の非対称性は、検出器18により記録される瞳像の非対称性として直接現れる。この非対称性は、プロセッサPROを使用したデジタル画像処理によって測定でき、例えば、オーバーレイの既知の値に対して較正することができる。
【0078】
[0093]
図5は、典型的なターゲット30の平面図と、
図4の装置における照明スポットSの範囲を示している。周囲の構造からの干渉がない回折スペクトルを得るために、一部の実施形態では、ターゲット30は、照明スポットSの幅(例えば、直径)よりも大きい周期構造(例えば、格子)である場合がある。スポットSの幅は、ターゲットの幅と長さよりも小さい場合がある。ターゲットは照明によって「アンダーフィル」されることがあり、回折信号は、ターゲット自体の外側の製品フィーチャなどからの信号を実質的に含まない場合がある。照明装置2、12、13、17(
図4)は、レンズ15の後焦点面にわたって均一な強度の照明を提供するように構成されることがある。代替的に、例えば、照明経路にアパーチャを含めることにより、照明は、オンアクシス又はオフアクシス方向に制限されることがある。
【0079】
[0094]
図6は、メトロロジを使用して得られた測定データに基づいて、ターゲット30の関心のある1つ以上の変数の値を決定する例示的なプロセスを概略的に示している。検出器18により検出された放射は、ターゲット30の測定放射分布608を提供する。所与のターゲット30について、例えば、数値的マクスウェルソルバ(numerical Maxwell solver)610を使用して、パラメータ化モデル606から放射分布612を計算/シミュレートすることができる。パラメータ化モデル606は、ターゲット30を構成するとともにターゲット30に関連付けられた種々の材料の例示的な層を示す。パラメータ化モデル606は、変化及び導出し得る検討中のターゲット部分のフィーチャ及び層についての変数の1つ以上を含むことがある。
図6に示すように、変数の1つ以上は、1つ以上の層の厚さt、1つ以上のフィーチャの幅w(例えばCD)、1つ以上のフィーチャの高さh、及び/又は1つ以上のフィーチャの側壁角度αを含むことがある。図示されていないが、変数の1つ以上は更に、限定ではないが、層の1つ以上の屈折率(例えば、実屈折率又は複素屈折率、屈折率テンソルなど)、1つ以上の層の消光係数(extinction coefficient)、1つ以上の層の吸収、現像中のレジスト損失、1つ以上のフィーチャのフッティング(footing)、及び/又は1つ以上のフィーチャのラインエッジラフネスを含むことがある。変数の初期値は、測定中のターゲットの期待値である場合がある。次いで、612において、測定放射分布608を計算放射分布612と比較して、これら2つの間の差を特定する。差がある場合、パラメータ化モデル606の変数の1つ以上の値を変化させ、新たな計算放射分布612を計算し、測定放射分布608と比較し、測定放射分布608と計算放射分布612とが十分に一致するまでこれを行うことがある。その時点で、パラメータ化モデル606の変数の値は、実際のターゲット30のジオメトリと良好又は最良の一致を提供する。ある実施形態では、測定放射分布608と計算放射分布612との間の差が公差閾値内にある場合、一致は十分である。
【0080】
[0095]
図7は、メトロロジのための光などの放射を調整するように構成されたシステム700を示している。システム700は、例えば、
図3及び
図4に関して上で説明したシステム10の一部を構成することがある。システム700は、例えば、システム10のサブシステムである場合がある。一部の実施形態では、システム700の1つ以上のコンポーネントは、システム10の1つ以上のコンポーネントと同様及び/又は同じである場合がある。一部の実施形態では、システム700の1つ以上のコンポーネントは、システム10の1つ以上のコンポーネントに取って代わる、それと一緒に使用される、及び/あるいはそれを増強することがある。
【0081】
[0096] システム700は、光学的に透明なプレート702、1つ以上のアクチュエータ704、1つ以上のプロセッサPRO、及び/又はその他のコンポーネントを備える。プレート702、アクチュエータ704、プロセッサPRO、及び/又はその他のコンポーネントは、本明細書で説明するように、全体で機械的に制御された応力工学的な光学波長板を構成し、高速でアクティブな偏光制御を実現する。システム700は、プレート702の側面に力が加えられたときに(例えば、ガラス又は結晶、及び/又はその他の透明な)プレート702の内部に発生する応力複屈折を利用する。力は、プレート702の側面に沿って分布しているアクチュエータ704を使用して加えられる。力の大きさは、プロセッサPROを使用して制御することができる。説明した(例えば、高速かつ動的な)偏光制御によって、パターン形成された基板における不要な非対称性(例えば、側壁角度の変化、床の傾きなど)に対する感度を最小限に抑え、オーバーレイメトロロジに関連するフィーチャに対する感度を最大化することで、(一例として)オーバーレイ測定に良好な精度及び/又は堅牢性が可能になる。一部の実施形態では、システム700は、従来の回転波長板及び/又は他のデバイスに取って代わるように構成されることがあり、偏光配向がミリ秒未満に変化するシステム(例えば、
図4に示すシステム10)の速度を向上させることがある。
【0082】
[0097] プロセッサPROは、コンピューティングシステムCSに含まれることがあり、(例えば、
図13に関連して以下で説明するように)コンピュータ又は機械可読命令MRIに基づいて動作することがある。システム700の1つ以上のコンポーネントは、
図7に示すように相互に、及び/又は
図3及び4に示すシステム10の1つ以上のコンポーネントと双方向通信することがある。通信は、個別のコンポーネント間で電子信号を送信すること、個別のコンポーネント間でデータを送信すること、個別のコンポーネント間で値を送信すること、及び/又はその他の通信によって行われることがある。システム700のコンポーネントは、有線で、又はインターネット、もしくはローカルエリアネットワーク、セルラーネットワーク、もしくはパーソナルエリアネットワーク、内部組織ネットワーク、及び/もしくはその他のネットワークなどのさまざまな他のネットワークと組み合わせたインターネットなどのネットワークを介して無線で通信することがある。
【0083】
[0098] 一部の実施形態では、
図8に示すように、システム700はまた、偏光子800、結像レンズ802、センサ804、及び/又は他のコンポーネントを備える。センサ804は、光808が偏光子800及びプレート702を通過した後にセンサ804により受光されたことに基づいてメトロロジ信号を生成するように構成される。一部の実施形態では、センサ804は、カメラ及び/又は他のデバイスに含まれる。一部の実施形態では、センサ804は、
図3に示す検出器4及び/又は
図4に示す検出器18と同じ又は同様である。
図8に示すように、結像レンズ802は、プレート702とセンサ804の間に位置付けられることがある。一部の実施形態では、結像レンズ802は、
図4に示し、上で説明したレンズ又はレンズシステムの1つと同じ又は同様である(ただし、その追加の例である場合がある)。一部の実施形態では、偏光子800は、
図4に示す偏光子17と同じ又は同様である(ただし、その追加の例である場合がある)。
【0084】
[0099]
図7に戻ると、プレート702は光学的に透明な材料を含む。プレート702は、応力光学係数を有する任意の透明材料から形成されることがある。応力光学係数は、プレート702内の応力と複屈折の比によって定義される。複屈折は材料の光学特性である。材料は、光の偏光及び伝播方向に依存する屈折率を有する。複屈折は、本明細書で説明されるように、(例えば、アクチュエータ704によって)応力誘導される可能性がある。一部の実施形態では、プレート702は、これらの特性を示すガラス、結晶、及び/又は他の光学的に透明な材料を含む。
【0085】
[00100] プレート702は、(例えば、
図7に示すような)円形の断面形状、正方形、長方形、及び/又はその他の断面形状を有することがある。プレート702は、特定の厚さ及び/又はその他の特性を有することがある。プレート702の形状及び/又は寸法は、例えば、プレート702に使用される材料、プレート702が使用される用途(例えば、オーバーレイの測定)、プレート702の光学的挙動要件、プレート702の取り扱い要件、及び/又はその他の要因に基づいて、ユーザによって決定されることがある。
【0086】
[00101] プレート702に1つ以上の力が加えられると、プレート702内に応力パターンが生成されることがある。応力パターンは、(例えば、上記のように)複屈折を含む、及び/あるいは複屈折と関連している。1つ以上の応力が加えられることに応答して、プレート702は、プレート702を通過する光を第1の偏光状態から第2の偏光状態に変化させるように構成される。一部の実施形態では、プレート702は、1つ以上のアクチュエータ704、及び1つ以上のプロセッサPROとともに、プレート702を通過する光の波長が約300ナノメートルから約1.5マイクロメートルの範囲になり得るように構成され、プレート702は、そのような光を第1の偏光状態から第2の偏光状態に変化させるように構成される。例えば、第1の偏光状態は垂直である場合がある。第2の偏光状態は水平である場合がある。プレート702を通過する光の透過波長範囲は、プレート702に使用される材料と、複屈折によって生成されプレート702で動的に制御され得る大きな開口に依存するため、従来のシステムに比べて大きい。開口は、例えば10mmを超える可能性がある。波長範囲が大きいほど、機器の設計がより柔軟になり、多くの波長で測定を実行できるようになり、最終的な精度が向上する。
【0087】
[00102] 1つ以上のアクチュエータ704は、プレート702に力を加えて応力パターンを生成する、及び/又はプレート702内に複屈折を引き起こすように構成される。アクチュエータ704は、プレート702の1つ以上の縁部に配置される。アクチュエータは、接着剤、クリップ、クランプ、ネジ、カラー、及び/又は他の機構によってプレート702の1つ以上の縁部に結合されることがある。一部の実施形態では、アクチュエータはプレート702に結合されているが、実際にプレート702に取り付けられているわけではない。代わりに、アクチュエータ704は、プレート702の縁部との接触を維持する拘束力(「プリロード」)によってプレート702と接触した状態に保持される。一部の実施形態では、アクチュエータ704は、プレート702の1つ以上の縁部の周りに対称的に分布している複数のアクチュエータを含む。
図7では、8つの異なるアクチュエータ704が、プレート702の縁部(例えば、
図7ではプレート702には1つの縁部のみがある)の周りに対称的に分布している。これは限定を意図したものではない。アクチュエータ704のその他の数量及び配置も考えられる。
【0088】
[00103] アクチュエータ704は、電子的に制御されるように構成されている。個々のアクチュエータ704は、電気信号を機械的変位又は応力に変換するように構成されている。機械的変位は、プレート702内に応力を誘導する力をプレート702に加えるように構成される。アクチュエータ704はそれぞれ、高精度の加力機構を備える。個々のアクチュエータ704は、小さな機械的変位を高速(例えば、1ミリ秒未満)で制御することができる。
【0089】
[00104] 一部の実施形態では、アクチュエータ704の1つ以上は圧電式である。圧電アクチュエータは、圧電効果に基づいて動作する。圧電効果とは、電荷に応じて機械的応力を生成する一部の材料の能力である。圧電アクチュエータ704は、電気信号(又は一般に電気エネルギー)を機械的変位に変換するように構成されている。電気信号は、例えばプロセッサPRO又はコンピュータシステムCSによって送信されることがある。アクチュエータ704の例は、ThorlabsモデルPA4HKW又はPAシリーズの他のモデルである場合がある。
【0090】
[00105] 力がプレート702に加えられることに応答して、プレート702は、例えば波長板を含む。波長板は、波長板を通過する光の偏光状態を変化させるように構成される。例えば、偏光状態は、上述のように第1の状態から第2の状態に変化することがある。アクチュエータ704により加えられる力は、プレート702に配向及びリターダンスを誘導する。配向は、アクチュエータ704によりプレート702に加えられる力の位置及び/又は分布によって制御される。リターダンスは、アクチュエータ704によりプレート702に加えられる力の大きさによって制御される。リターダンスは、例えば、プレート702を通過する光の2つの偏光方向間の光学位相シフトの差を含む。誘導されるリターダンス及び配向は均一ではない。それぞれはプレート全体にわたって変化する。プレートの中心領域は、リターダンス及び高速軸配向がほぼ均一である関心エリアである。
【0091】
[00106] 1つ以上のプロセッサPROは、アクチュエータ704を制御するように構成されている。プロセッサPROは、プレート702を通過する光に特定の偏光を与えるための応力パターンを生成する力を加えるようにアクチュエータ704を制御するように構成されている。これは、所望のメトロロジ機能に従って行われることがある。所望のメトロロジ機能は、例えばオーバーレイ及び/又はその他のパラメータの測定である場合がある。力は、所望のメトロロジ機能に従って、プレートを通過する光に特定の偏光を与えるための応力パターンを生成するように構成されている。光に特定の偏光を与えることは、メトロロジのためのプレートを通過する光を調整することを含む。
【0092】
[00107] 1つ以上のプロセッサPROは、光がプレート702を通過する前、通過する間、及び/又は通過した後に、プレート702内の応力パターンが動的に調整可能となるように1つ以上のアクチュエータ704のそれぞれを個別に制御するように構成される。一部の実施形態では、動的調整は、プレート702の周囲の異なるアクチュエータ704に異なる力の大きさの組み合わせを適用して、ミリ秒未満の制御速度でプレート702の複屈折を変化させることを含む。一部の実施形態では、動的調整は、プレート702の周囲の異なるアクチュエータ704に異なる力の大きさの組み合わせを適用して、ミリ秒未満の制御速度でプレート702の配向を変化させることを含む。
【0093】
[00108] 発生した応力複屈折は、プレート702全体にわたって空間的に変化する。アクチュエータ704により加えられる力を正確に制御及び調整することによって、プレート702の中心領域及び/又は他の領域を、力により決定される任意のリターダンス値を有する波長板に変換することができる。複屈折を決定するパラメータは力であるため、プロセッサPROを使用して、異なる力値の組み合わせをミリ秒未満の速度で適用して、複屈折の値と配向の高速制御を達成することができる。システム700は、ミリ秒未満の速度でリターダンス及び配向を任意に制御する。したがって、プレート702は高速で動的な波長板として機能する。
【0094】
[00109] 配向は、例えば高速軸配向である場合がある。上記の応力分布により、プレート702のガラス材料は複屈折材料として作用し、異なる偏光状態に異なる屈折率がもたらされる。低速軸/高速軸は、より高い/より低い屈折率を呈する偏光状態の振動方向である。
【0095】
[00110]
図9から
図11は、上記のシステム700のさまざまな側面を示している。
【0096】
[00111]
図9は、プレート904に結合されたアクチュエータ(例えば、アクチュエータ704など)により加えられた力から生じるプレート904内のマッピングされた応力パターン900及び配向902を示している。プレート904は、上記のプレート702と同様及び/又は同じである場合がある。この例では、アクチュエータは見えていない。しかしながら、アクチュエータのおおよその場所906は、応力パターン900から明らかである。応力パターン900は、差応力の等高線908を示す。応力パターン900は、アクチュエータにより加えられた力によって引き起こされる(例えば、上記のような)複屈折を含む、及び/又は複屈折と関連している。生成された応力複屈折は、プレート904全体にわたって空間的に変化する。1つ以上の応力がアクチュエータにより加えられたことに応答して、プレート904は、プレート904を通過する光を第1の偏光状態から第2の偏光状態に変化させるように構成される。一部の実施形態では、プレート904を通過する光の波長は約300ナノメートルから約1.5マイクロメートルの範囲である可能性があり、プレート904は、そのような光を第1の偏光状態から第2の偏光状態に変化させるように構成されている。応力パターン900により形成される開口910(
図9に示すその場所はおおよその場所であり、限定するものではない)も示されている。開口は、例えば10mmを超える可能性がある。開口910のエリアは、複屈折がゆっくりと変化するエリア(例えば、プレート904の中心に向かう応力パターン900によって示される)に対応する。
【0097】
[00112] 配向902は、低速軸の配向である。上記のように、アクチュエータによってプレート904に力が加えられると、プレート904は波長板を形成する。波長板は、プレート904を通過する光波の2つの垂直偏光成分間の位相を、プレート904を通過した後に異なる成分間に位相差が生じるようにシフトするように構成される。プレート904に入る光については、プレート904の光軸に沿って進む成分は1つの速度で進むが、垂直軸に沿って進む成分は異なる速度で進む。プレート904の低速軸は、プレート904の光軸に垂直である。配向902は、複屈折によって生じるプレート904の周囲の低速軸の個々の部分912の配向を示す。プレート904の複屈折が、低速/高速軸の配向と同様に、断面全体にわたって点ごとに変化することに留意されたい。均一な波長板として機能する関心領域は、(図示され本明細書に説明するように)中心領域である。
【0098】
[00113]
図10は、アクチュエータ(例えば、上記のアクチュエータ704)によってプレート1003に力が加えられている間に、2つの交差偏光子の間にあるプレート1003(例えば、それぞれ
図7及び
図9に示すプレート702又は904と同様及び/又は同じ)の画像1001を示している。
図10の画像1001の色の変化は、アクチュエータからの力によりプレート1003に生じる変化する応力に対応する。この例では、アクチュエータはここでも見えない。しかし、アクチュエータの場所に対応する場所1005は明らかである。画像中央の暗く変化しない色で示すように、開口が形成されていることに留意されたい。また、
図10(及び
図9)に示すパターンが、本明細書で説明するように動的に調整可能であり、パターンを1ミリ秒未満の時間間隔で変更できることにも留意されたい。
【0099】
[00114]
図11は、ある実施形態による、応力工学的な光学プレート(例えば、他の図に示すプレート702、904、1003など)の中心部分(例えば、開口)を通過した後の光の偏光状態を示している。この例では、光は、プレートにより与えられた特定の配向、波長、パワー、楕円度、及び/又は他の特性を有する。上記のように、一部の実施形態では、プレートに加えられる力の動的調整は、プレートの周囲の異なるアクチュエータに異なる力の大きさの組み合わせを適用して、ミリ秒未満の制御速度でプレートの複屈折を変化させることを含む。一部の実施形態では、動的調整は、プレートの周囲の異なるアクチュエータに異なる力の大きさの組み合わせを適用して、ミリ秒未満の制御速度でプレートの配向を変化させることを含む。この制御は、プレートを通過する光が
図11に示すような特定の特性を有するように構成される可能性がある。
図11が楕円偏光状態を示すことに留意されたい。しかしながら、その代わりに、楕円状態の特殊な状態である完全に円形の又は完全に線形の状態である可能性がある。
【0100】
[00115]
図12は、メトロロジのための光を調整する方法1200を示している。一部の実施形態では、メトロロジのための光を調整することは、半導体デバイスの製造プロセスの一部として実行される。一部の実施形態では、方法1200の1つ以上の動作は、例えば、
図7に示すシステム700、及び/もしくは
図3及び4に示すシステム10、コンピュータシステム(例えば、
図7及び13に示され、以下で説明される)でもしくはそれらによって、並びに/又は他のシステムでもしくは他のシステムによって実施されることがある。一部の実施形態では、方法1200は、力を光学的に透明なプレートに加えること(動作1202)、所望のメトロロジ機能に従ってプレートを通過する光に特定の偏光を与えるための応力パターンを生成する力の印加を制御すること(動作1204)を含む。方法1200は、オーバーレイ測定の文脈で説明されているが、これは限定を意図するものではない。方法1200は、一般的に複数のさまざまなプロセスに適用されることがある。
【0101】
[00116] 以下に提示する方法1200の動作は、説明のためのものであることが意図される。一部の実施形態では、方法1200は、記載しない1つ以上の追加の動作によって、及び/又は考察する動作の1つ以上によらずに達成されることがある。例えば、一部の実施形態では、方法1200は、半導体デバイス製造プロセスの調整を決定することを含む追加の動作を含むことがある。また、方法1200の動作が
図12に示され後述される順序は、限定を意図するものではない。
【0102】
[00117] 一部の実施形態では、方法1200の1つ以上の部分は、1つ以上の処理デバイス(例えば、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態機械、及び/又は情報を電子的に処理するための他の機構)において実施される及び/又はそれによって制御されることがある。1つ以上の処理デバイスは、電子記憶媒体に電子的に記憶された命令に応答して方法1200の動作の一部又はすべてを実行する1つ以上のデバイスを含むことがある。1つ以上の処理デバイスは、方法1200の動作の1つ以上を実行するように特別に設計されるように(例えば、
図13に関する以下の考察を参照)ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを通じて構成された1つ以上のデバイスを含むことがある。
【0103】
[00118] 動作1202において、1つ以上のアクチュエータを使用して光学的に透明なプレートに力が加えられて、プレートに応力パターンが生成される。応力パターンは複屈折を含む。プレートは透明な材料を含む。例えば、プレートはガラス又は結晶を含む。力がプレートに加えられて応力パターンを生成することに応答して、プレートは、プレートを通過する光を第1の偏光状態から第2の偏光状態に変化させるように構成される。一部の実施形態では、プレートは、1つ以上のアクチュエータ、及び1つ以上のプロセッサとともに、プレートを通過する光の波長が約300ナノメートルから約1.5マイクロメートルの範囲になり得るように構成される。プレートは、上記のプレート702と同様及び/又は同じである場合がある。
【0104】
[00119] 1つ以上のアクチュエータは、プレートの1つ以上の縁部に配置される。一部の実施形態では、1つ以上のアクチュエータは、プレートの1つ以上の縁部の周りに対称的に分布している複数のアクチュエータを含む。一部の実施形態では、1つ以上のアクチュエータは圧電性である。アクチュエータは、例えば、上でも説明したアクチュエータ704と同じ及び/又は同様である場合がある。
【0105】
[00120] 一部の実施形態では、力がプレートに加えられることに応答して、プレートは、例えば波長板を含む。アクチュエータにより加えられる力は、プレートに配向及びリターダンスを誘導する。配向は、1つ以上のアクチュエータによりプレートに加えられる力の場所及び/又は分布によって制御される。リターダンスは、1つ以上のアクチュエータによりプレートに加えられる力の大きさによって制御される。誘導されるリターダンス及び配向は均一ではない。それぞれは、プレート全体にわたって変化する。プレートの中心領域は、リターダンス及び高速軸の配向がほぼ均一である関心エリアである。
【0106】
[00121] 動作1204において、上記のプロセッサPROと同様及び/又は同じ1つ以上のプロセッサが使用されて、1つ以上のアクチュエータが力を加えるように制御することがある。力は、所望のメトロロジ機能に従って、プレートを通過する光に特定の偏光を与えるための応力パターンを生成するように構成される。光に特定の偏光を与えることは、メトロロジのためにプレートを通過する光を調整することを含む。所望のメトロロジ機能は、例えばオーバーレイ測定である場合がある。1つ以上のプロセッサは、光がプレートを通過する前、通過する間、及び/又は通過した後に、プレート内の応力パターンが動的に調整可能であるように、1つ以上のアクチュエータのそれぞれを個別に制御するように構成される。一部の実施形態では、動的調整は、プレートの周囲の異なるアクチュエータに異なる力の大きさの組み合わせを適用して、ミリ秒未満の制御速度でプレートの複屈折を変化させることを含む。一部の実施形態では、動的調整は、プレートの周囲の異なるアクチュエータに異なる力の大きさの組み合わせを適用して、ミリ秒未満の制御速度でプレートの配向を変化させることを含む。
【0107】
[00122] 一部の実施形態では、方法1200はまた、パターン形成された基板内のターゲット(例えば、
図3及び
図4に示すターゲット30)に放射を照射することを含む。放射は、光及び/又はその他の放射を含む。ターゲットは、回折信号を提供できるパターン形成された基板内の1つ以上の構造を含むことがある。ターゲットは、例えば、半導体デバイス構造内の基板の層に含まれることがある。一部の実施形態では、フィーチャは、1D又は2Dフィーチャなどの幾何学的フィーチャ、及び/又はその他の幾何学的フィーチャを含む。いくつかの非限定的な例として、フィーチャは、格子、ライン、エッジ、一連の微細なピッチのライン及び/もしくはエッジ、並びに/又は他のフィーチャを含むことがある。
【0108】
[00123] 放射は、目標波長及び/もしくは波長範囲、目標強度、並びに/又は他の特性を有することがある。目標波長及び/又は波長範囲、目標強度などは、ユーザによって入力及び/又は選択される、システム(例えば
図3及び4に示すシステム10、及び/又は
図7に示すシステム700)によって前のオーバーレイ測定に基づいて決定される、及び/又はその他の方法で決定されることがある。一部の実施形態では、放射は光及び/又は他の放射を含む。一部の実施形態では、光は、可視光、赤外光、近赤外光、及び/又はその他の光を含む。一部の実施形態では、放射は、干渉法に適した任意の放射である場合がある。
【0109】
[00124] 放射は、放射源(例えば、
図3及び4に示し、上で説明したプロジェクタ2)によって生成されることがある。一部の実施形態では、放射は、放射源によってターゲット、ターゲットのサブ部分(例えば、全体よりも小さいもの)、複数のターゲット上に、及び/又は他の方法で基板上に向けられることがある。一部の実施形態では、放射は、放射源によって時変的にターゲット上に向けられることがある。例えば、放射は、ターゲットの異なる部分が異なる時間に照射されるように、(例えば、ターゲットを放射の下に移動することによって)ターゲットにわたってラスタ化されることがある。別の例として、放射の特性(例えば、波長、強度など)が変化する場合がある。これにより、解析用の時変データエンベロープ、又はウィンドウが作成されることがある。データエンベロープは、ターゲットの個々のサブ部分の解析、ターゲットの一部分と別の部分及び/もしくは他のターゲット(例えば、他の層内)との比較、並びに/又は他の解析を促進することがある。
【0110】
[00125] 一部の実施形態では、方法1200は、ターゲットからの反射放射を検出することを含む。反射放射を検出することは、ターゲットの1つ以上の幾何学的フィーチャからの反射放射の1つ以上の位相及び/又は振幅(強度)シフトを検出することを含む。1つ以上の位相及び/又は振幅シフトは、ターゲットの1つ以上の寸法に対応する。例えば、ターゲットの一方の側からの反射放射の位相及び/又は振幅は、ターゲットのもう一方の側からの反射放射の位相及び/又は振幅に対して異なる。
【0111】
[00126] ターゲットからの反射放射の1つ以上の位相及び/又は振幅(強度)シフトを検出することは、ターゲットの様々な部分に対応する局所位相シフト(例えば、局所位相デルタ)及び/又は振幅変動を測定することを含む。例えば、ターゲットの特定のエリアからの反射放射は、特定の位相及び/又は振幅を有する正弦波形を含むことがある。ターゲットの異なるエリア(又は異なる層のターゲット)からの反射放射も、正弦波形を含むが、異なる位相及び/又は振幅を有する正弦波形を含むことがある。検出した反射放射はまた、異なる回折次数の反射放射の位相及び/又は振幅差を測定することを含む。1つ以上の局所位相及び/又は振幅シフトを検出することは、例えばヒルベルト変換、及び/又はその他の技法を用いて実行されることがある。干渉法及び/又はその他の動作が、異なる回折次数の反射放射の位相及び/又は振幅差を測定するのに使用されることがある。
【0112】
[00127] 一部の実施形態では、方法1200は、検出したターゲットからの反射放射に基づいてメトロロジ信号を生成することを含む。メトロロジ信号は、光が偏光子(例えば、
図4及び
図8参照)及びプレートを通過した後に、センサ(
図14の検出器18、
図8のカメラ、及び/又は他のセンサなど)によって、センサが受光した光に基づいて生成される。メトロロジ信号は、ターゲットに関する測定情報を含む。例えば、メトロロジ信号は、オーバーレイ測定情報を含むオーバーレイ信号、及び/又は他のメトロロジ信号である場合がある。測定情報(例えば、オーバーレイ値及び/又は他の情報)は、干渉法の原理及び/又は他の原理を用いて決定されることがある。
【0113】
[00128] メトロロジ信号は、ターゲットから反射された放射を表す、及び/あるいはそれに対応する電子信号を含む。メトロロジ信号は、例えば、ターゲットに関連付けられたオーバーレイ値、及び/又は他の情報を示すことがある。メトロロジ信号を生成することは、反射放射を感知し、感知した反射放射を電子信号に変換することを含む。一部の実施形態では、メトロロジ信号を生成することは、ターゲットの異なるエリア及び/又は異なる幾何学的形状、及び/又は複数のターゲットからの反射放射の異なる部分を感知すること、及び反射放射の異なる部分を組み合わせてメトロロジ信号を形成することを含む。この感知及び変換は、
図3、
図4、及び
図7に示す検出器4、検出器18、及び/又はプロセッサPRO、
図8に示すカメラと同様の及び/又は同じコンポーネント、及び/又は他のコンポーネントによって実行されることがある。
【0114】
[00129] 一部の実施形態では、メトロロジ信号を生成することは、ターゲットの寸法及び/又は場所を直接測定することを含むことがある。例えば、ターゲットの寸法及び/又は場所の直接測定は、スキャトロメータ及び/又は他のシステムを用いて行われることがある。一部の実施形態では、直接寸法及び/又は位置測定は、本明細書に記載の局所位相及び/又は振幅シフトと組み合わせて、及び/又はその代わりに使用されて、オーバーレイ及び/又は他のパラメータを決定することがある。例えば、さまざまなターゲットについてのスキャトロメータシステムからの出力(例えば、相対的)寸法及び/又は場所測定は、プロセッサPRO(
図3、4、7)及び/又は他のシステムコンポーネントに提供されることがあり、スキャトロメータシステムからの出力寸法測定に少なくとも部分的に基づいてメトロロジ信号が生成されることがある。
【0115】
[00130] 一部の実施形態では、方法1200は、半導体デバイス製造プロセスの調整を決定することを含む。一部の実施形態では、方法1200は、1つ以上の半導体デバイス製造プロセスパラメータを決定することを含む。1つ以上の半導体デバイス製造プロセスパラメータは、1つ以上の検出された位相及び/又は振幅変動、メトロロジ信号により示されるオーバーレイ値、スキャトロメータシステムにより決定される寸法、及び/又は他の同様のシステム、及び/又は他の情報に基づいて決定されることがある。1つ以上のパラメータには、放射(オーバーレイを決定するのに使用される放射)のパラメータ、オーバーレイ値、半導体デバイス構造の層上のアライメント検査位置、ターゲットを横切る放射ビームの軌道、及び/又は他のパラメータが含まれることがある。一部の実施形態では、プロセスパラメータは、ステージ位置、マスク設計、メトロロジターゲット設計、半導体デバイス設計、(レジストの露光などに使用される)放射の強度、(レジストの露光などに使用される)放射の入射角、(レジストの露光などに使用される)放射の波長、瞳孔のサイズ及び/又は形状、レジスト材料、及び/又はその他のパラメータを含むように広く解釈することができる。
【0116】
[00131] 一部の実施形態では、方法1200は、1つ以上の決定した半導体デバイス製造プロセスパラメータに基づいてプロセス調整を決定すること、決定した調整に基づいて半導体デバイス製造装置を調整すること、及び/又は他の動作を含む。例えば、決定したオーバーレイがプロセス公差の範囲内にない場合、1つ以上の製造プロセスによって公差外のオーバーレイが生じることがあり、1つ以上の製造プロセスのプロセスパラメータがドリフト及び/あるいは変化しているので、プロセスはもはや許容できるデバイスを製造しない(例えば、オーバーレイ測定値が、許容性に関する閾値を超えることがある)。1つ以上の新しい又は調整されたプロセスパラメータは、オーバーレイの決定に基づいて決定されることがある。新しい又は調整されたプロセスパラメータは、製造プロセスに再度許容できるデバイスを製造させるように構成されることがある。例えば、新しい又は調整されたプロセスパラメータにより、以前には許容されなかったオーバーレイ値が許容範囲内に戻るように調整されることがある。新しい又は調整されたプロセスパラメータは、所定のプロセスの既存のパラメータと比較されることがある。差がある場合、その差は、例えば、デバイスを製造するのに使用される装置の調整を決定するのに使用されることがある(例えば、方法1200の一部として決定されたパラメータ「x」の新しい又は調整されたバージョンと一致するようにパラメータ「x」を増加/減少/変化させる必要がある)。一部の実施形態では、方法1200は、(例えば、決定したプロセスパラメータに基づいて)装置を電子的に調整することを含むことがある。装置を電子的に調整することは、例えば、装置の変更をもたらす電子信号、及び/又は他の通信を装置に送信することを含むことがある。電子的調整は、例えば装置の設定を変更すること、及び/又は他の調整を含むことがある。
【0117】
[00132]
図13は、本明細書に記載の動作の1つ以上に使用し得る例示的なコンピュータシステムCSの図である。コンピュータシステムCSは、
図7に示し、上で説明したコンピュータシステムと同じ又は同様である場合がある。コンピュータシステムCSは、情報を通信するためのバスBS又はその他の通信機構と、
図7に示し、上で説明したプロセッサと同様の及び/又は同じ、情報を処理するためにバスBSと結合されたプロセッサPRO(又は複数のプロセッサ)とを備える。コンピュータシステムCSはまた、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的ストレージデバイスなどの、バスBSに結合されたプロセッサPROにより実行される情報及び命令を記憶するためのメインメモリMMを備える。メインメモリMMはまた、プロセッサPROによる命令の実行中に、一時変数又は他の中間情報を記憶するのに使用されることがある。コンピュータシステムCSは更に、バスBSに結合されたプロセッサPROのための静的情報及び命令を記憶するための読み出し専用メモリ(ROM)ROM又は他の静的ストレージデバイスを備える。情報及び命令を記憶するための、磁気ディスク又は光ディスクなどの、ストレージデバイスSDが設けられ、バスBSに結合される。
【0118】
[00133] コンピュータシステムCSは、情報をコンピュータユーザに表示するための、陰極線管(CRT)又はフラットパネル又はタッチパネルディスプレイなどの、ディスプレイDSにバスBSを介して結合されることがある。英数字及び他のキーを含む、入力デバイスIDが、情報及びコマンド選択をプロセッサPROに通信するためにバスBSに結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、プロセッサPROに方向情報及びコマンド選択を通信するため、及びディスプレイDS上でカーソルの移動を制御するための、マウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなどのカーソル制御部CCである。この入力デバイスは、典型的には、2つの軸、すなわち第1の軸(例えば、x)及び第2の軸(例えば、y)において、デバイスがある面内で位置を特定することを可能にする2つの自由度を有する。タッチパネル(スクリーン)ディスプレイがまた、入力デバイスとして使用されることがある。
【0119】
[00134] 一部の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の動作の部分は、プロセッサPROがメインメモリMMに含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行することに応答して、コンピュータシステムCSによって行われることがある。そのような命令は、ストレージデバイスSDなどの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリMMに読み込まれることがある。メインメモリMMに含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサPROに本明細書に記載のプロセスステップ(動作)を行わせる。メインメモリMMに含まれる命令のシーケンスを実行するために、多重処理装置の1つ以上のプロセッサが使用されることもある。一部の実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令と組み合わせて、配線回路が使用されることがある。したがって、本明細書における説明は、ハードウェア回路及びソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
【0120】
[00135] 本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」又は「機械可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサPROに命令を提供することに関与するあらゆる媒体を指す。そのような媒体は、限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含む多くの形態をとることがある。不揮発性媒体は、例えば、ストレージデバイスSDなどの光又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリMMなどの動的メモリを含む。伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線及び光ファイバ(バスBSを含むワイヤを含む)を含む。伝送媒体はまた、無線周波(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるものなどの、音波又は光波の形態をとる可能性がある。コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD-ROM、DVD、他の任意の光媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有した他の任意の物理媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM、他の任意のメモリチップ又はカートリッジである可能性がある。非一時的コンピュータ可読媒体は、命令を記録することができる。命令は、コンピュータによって実行されると、本明細書に記載の動作の何れかを実施することができる。一時的コンピュータ可読媒体は、例えば、搬送波又は他の伝搬する電磁信号を含む可能性がある。
【0121】
[00136] 1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを、実行のためにプロセッサPROに運ぶことに、様々な形態のコンピュータ可読媒体が関わることがある。例えば、命令は初めに、遠隔コンピュータの磁気ディスクにある場合がある。遠隔コンピュータは、命令をその動的メモリにロードし、モデムを使用して電話回線を介して命令を送信することができる。コンピュータシステムCSに対してローカルなモデムが、電話回線でデータを受信し、赤外線送信機を使用してデータを赤外線信号に変換することができる。バスBSに結合された赤外線検出器が、赤外線信号で搬送されたデータを受信し、そのデータをバスBSにのせることができる。バスBSは、データをメインメモリMMに搬送し、そこからプロセッサPROが、命令の取り出し及び実行を行う。メインメモリMMにより受信された命令は、任意選択でプロセッサPROによる実行の前又は後に、ストレージデバイスSDに記憶されることがある。
【0122】
[00137] コンピュータシステムCSはまた、バスBSに結合された通信インターフェースCIを備えることがある。通信インターフェースCIは、ローカルネットワークLANに接続されるネットワークリンクNDLに結合する双方向データ通信を提供する。例えば、通信インターフェースCIは、対応する電話回線のタイプへのデータ通信接続を提供するデジタル総合サービス網(ISDN)カード又はモデムである場合がある。別の例として、通信インターフェースCIは、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードである場合がある。ワイヤレスリンクが実装されることもある。そのような実装形態において、通信インターフェースCIは、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気、電磁、又は光信号の送受信を行う。
【0123】
[00138] ネットワークリンクNDLは、典型的には1つ以上のネットワークを通して、他のデータデバイスにデータ通信を行う。例えば、ネットワークリンクNDLは、ローカルネットワークLANを通したホストコンピュータHCへの接続を提供することがある。これは、ワールドワイドパケットデータ通信ネットワーク(現在、一般に「インターネット」INTと呼ばれる)を通して提供されるデータ通信サービスを含む可能性がある。ローカルネットワークLAN(インターネット)は、デジタルデータストリームを搬送する電気、電磁又は光信号を使用することがある。コンピュータシステムCSに対するデジタルデータの搬送を行う、様々なネットワークを通る信号並びにネットワークデータリンクNDL上の信号及び通信インターフェースCIを通る信号は、情報を輸送する搬送波の例示的な形態である。
【0124】
[00139] コンピュータシステムCSは、ネットワーク、ネットワークデータリンクNDL、及び通信インターフェースCIを通して、メッセージを送信し、プログラムコードを含むデータを受信することができる。インターネットの例では、ホストコンピュータHCは、インターネットINT、ネットワークデータリンクNDL、ローカルネットワークLAN、及び通信インターフェースCIを通して、アプリケーションプログラムの要求コードを送信することがある。そのようなダウンロードされた1つのアプリケーションは、例えば、本明細書に記載の方法のすべて又は一部を提供することがある。受信されるコードは、受信されたときにプロセッサPROによって実行される、及び/又は後の実行のためにストレージデバイスSDもしくは他の不揮発性ストレージに記憶されることがある。このようにコンピュータシステムCSは、搬送波の形でアプリケーションコードを取得することがある。
【0125】
[00140]
図14は、本明細書に記載の技法と併せて使用し得る
図1に示す装置と同様及び/又は同じ例示的なリソグラフィ投影装置を概略的に示している。装置1000は、放射ビームBを調整するための照明システムILを備える。この特定の事例では、照明システムはまた、放射源SOと、パターニングデバイスMA(例えば、レクチル)を保持するパターニングデバイスホルダが設けられ、パターニングデバイスを正確に位置決めする第1のポジショナPM(第1の位置センサPS1と関連して機能する)に接続された第1のオブジェクトテーブル(例えば、パターニングデバイステーブル)MTと、基板W(例えば、レジストコートシリコンウェーハ)を保持する基板ホルダが設けられ、基板を正確に位置決めする第2のポジショナPW(第2の位置センサPS2と関連して機能する)に接続された第2のオブジェクトテーブル(基板テーブル)WTと、パターニングデバイスMAの照射された部分を基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)に結像する投影システム(「レンズ」)PS(例えば、屈折、反射又は反射屈折光学システム)とを備える。
【0126】
[00141] 本明細書に示すように、装置は透過型である(すなわち、透過パターニングデバイスを有する)。しかしながら、一般に装置は、例えば反射型である(反射パターニングデバイスを有する)場合がある。装置は、従来のマスクと異なるタイプのパターニングデバイスを採用することがあり、例にはプログラマブルミラーアレイ又はLCDマトリックスが含まれる。
【0127】
[00142] 放射源SO(例えば、水銀ランプ又はエキシマレーザ、LPP(レーザ生成プラズマ)EUV源)は放射ビームを生成する。このビームは、直接、又は例えばビームエキスパンダExなどの調整手段を横断した後に、照明システム(イルミネータ)ILに供給される。イルミネータILは、ビームの強度分布の外径及び/又は内径範囲(それぞれ一般にσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を設定するための調整手段を備えることがある。また、イルミネータILは一般に、インテグレータ及びコンデンサなどの種々の他のコンポーネントを備えることになる。このように、パターニングデバイスMAに衝突するビームBは、所望の均一性及び強度分布をその断面に有する。
【0128】
[00143]
図14に関して、放射源SOがリソグラフィ投影装置のハウジング内にあり得る(放射源SOが、例えば水銀ランプである場合によくあるように)が、リソグラフィ投影装置から離れ、放射源SOが生成する放射ビームは(例えば、適切な誘導ミラーを用いて)装置に導かれることがあり、この後者のシナリオは、放射源SOがエキシマレーザ(例えば、KrF、ArF又はF
2レーザ発振に基づく)である場合によくあることに留意されたい。
【0129】
[00144] ビームBはその後、パターニングデバイステーブルMTに保持されるパターニングデバイスMAによって遮られる。パターニングデバイスMAを横断した後、ビームBはレンズを通過し、レンズはビームBを基板Wのターゲット部分Cに集束させる。第2の位置決め手段(及び干渉計測手段)を用いて、基板テーブルWTを正確に移動させて、例えばビームBのパスに異なるターゲット部分Cを位置決めすることができる。同様に、第1の位置決め手段は、例えば、パターニングデバイスライブラリからパターニングデバイスMAを機械的に取り出した後に、又はスキャン中に、ビームBのパスに関してパターニングデバイスMAを正確に位置決めするのに使用される可能性がある。一般に、オブジェクトテーブルMT、WTの移動は、明示されていないロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現されることになる。しかしながら、(ステップアンドスキャンツールとは対照的な)ステッパの場合、パターニングデバイステーブルMTは単にショートストロークアクチュエータに接続されることがあるか、又は固定されることがある。
【0130】
[00145] 図示されたツール(
図1に示したツールと同様又は同じ)は、2つの異なるモードで使用される可能性がある。ステップモードでは、パターニングデバイステーブルMTは基本的に静止した状態に保たれ、パターニングデバイスの像全体が、ターゲット部分C上に1回の動作(すなわち、単一「フラッシュ」)で投影される。次いで、基板テーブルWTは、異なるターゲット部分CをビームBで照射できるように、x及び/又はy方向にシフトされる。スキャンモードでは、基本的に同じシナリオが当てはまるが、所与のターゲット部分Cは単一「フラッシュ」で露光されない。その代わりに、パターニングデバイステーブルMTは、速度vで所定の方向(いわゆる「スキャン方向」、例えばy方向)に移動可能であり、その結果、投影ビームBにパターニングデバイスの像をスキャンさせ、それと同時に、基板テーブルWTは同時に速度V=Mvで同じ又は逆の方向に移動する。ここで、MはレンズPLの倍率である(典型的にはM=1/4又は1/5)。このように、解像度に関して妥協する必要なく、比較的大きなターゲット部分Cを露光することができる。
【0131】
[00146]
図15は、ソースコレクタモジュールSO、照明システムIL、及び投影システムPSを備えた装置1000をより詳細に示している。ソースコレクタモジュールSOは、ソースコレクタモジュールSOの閉鎖構造220内で真空環境が維持され得るように構築及び構成される。EUV放射放出プラズマ210は、放電生成プラズマ源によって形成されることがある。EUV放射は、ガス又は蒸気、例えば、電磁スペクトルのEUV範囲内の放射を放出するために、高温プラズマ210が作られるXeガス、Li蒸気又はSn蒸気によって生成されることがある。プラズマ210は、例えば、少なくとも部分的にイオン化されたプラズマを生じさせる放電によって作られる。例えばXe、Li、Sn蒸気又は任意のその他の適切なガスもしくは蒸気の10Paの分圧が、放射の効率的生成に必要とされることがある。ある実施形態では、励起スズ(Sn)のプラズマが、EUV放射を生成するために提供される。
【0132】
[00147] プラズマ210により放出された放射は、ソースチャンバ211から、ソースチャンバ211の開口部内又はその後ろに位置する任意選択的なガスバリア又は汚染トラップ230(汚染バリア又はフォイルトラップと呼ばれることもある)を介して、コレクタチャンバ212内へと受け渡される。汚染トラップ230はチャネル構造を備えることがある。汚染トラップ230はまた、ガスバリア、又はガスバリアとチャネル構造の組み合わせを備えることがある。本明細書に更に示される汚染トラップ230は、少なくともチャネル構造を備える。
【0133】
[00148] ソースチャンバ211は、いわゆる斜入射型コレクタであり得る放射コレクタCOを備えることがある。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側251及び下流放射コレクタ側252を有する。コレクタCOを横断する放射は、格子スペクトルフィルタ240で反射して、線「O」で示された光軸に沿った仮想光源点IFに集束させることができる。仮想光源点IFは、一般的に中間焦点と呼ばれ、ソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが、閉鎖構造220の開口部221に又はその近くに位置するように構成される。仮想光源点IFは放射放出プラズマ210の像である。
【0134】
[00149] 続いて放射は、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21の所望の角度分布、及びパターニングデバイスMAにおいて放射強度の所望の均一性を提供するように構成されたファセットフィールドミラーデバイス22及びファセット瞳ミラーデバイス24を備え得る照明システムILを横断する。支持構造MTにより保持されたパターニングデバイスMAにおける放射ビーム21の反射時に、パターン付きビーム26が形成され、パターン付きビーム26は、投影システムPSによって反射要素28、330を介して、基板テーブルWTにより保持された基板W上に結像される。
【0135】
[00150] 一般に、図示されているよりも多くの要素が、照明光学系ユニットIL及び投影システムPS内に存在する場合がある。格子スペクトルフィルタ240は、リソグラフィ装置のタイプに応じて任意選択的に存在する場合がある。更に、図に示されるミラーよりも多くのミラーが存在する場合があり、例えば、
図15に示されるよりも1~6個の追加の反射要素が投影システムPSに存在する場合がある。
【0136】
[00151]
図15に示すコレクタ光学系COは、コレクタ(又はコレクタミラー)の単なる一例として、斜入射型リフレクタ253、254及び255を備えた入れ子型コレクタとして描かれている。斜入射型リフレクタ253、254及び255は、光軸Oに関して軸対称に配置され、このタイプのコレクタ光学系COは、DPP源と呼ばれることが多い、放電生成プラズマ源と組み合わせて使用されることがある。
【0137】
[00152] 代替的に、ソースコレクタモジュールSOは、
図16に示すようにLPP放射システムの一部である場合がある。レーザLAが、キセノン(Xe)、スズ(Sn)又はリチウム(Li)などの燃料にレーザエネルギーを付与するように構成され、電子温度が数十eVの高度にイオン化されたプラズマ210を生成する。これらのイオンの脱励起及び再結合中に生成されたエネルギー放射は、プラズマから放出され、近法線入射コレクタ系COによって収集され、密閉構造220の開口部221に集束される。
【0138】
[00153] 実施形態は更に、次の条項を用いて説明されることがある。
1.メトロロジのための光を調整するように構成されたシステムであって、システムが、光学的に透明なプレートと、応力パターンをプレートに生成する力をプレートに加えるように構成された1つ以上のアクチュエータと、応力パターンを生成する力を加える1つ以上のアクチュエータを制御して、所望のメトロロジ機能に従ってプレートを通過する光に特定の偏光を与えるように構成された1つ以上のプロセッサとを備えたシステム。
2.力がプレートに加えられることに応答して、プレートが波長板を含む、条項1のシステム。
3.プレートが透明な材料を含み、力がプレートに加えられて応力パターンを生成することに応答して、プレートが、プレートを通過する光を第1の偏光状態から第2の偏光状態に変化させるように構成される、条項1又は2のシステム。
4.加えた力が、プレートに配向及びリターダンスを誘導する、条項1から3のいずれか一項のシステム。
5.配向が、1つ以上のアクチュエータによりプレートに加えられる力の場所及び/又は分布によって制御される、条項1から4のいずれか一項のシステム。
6.リターダンスが、1つ以上のアクチュエータによりプレートに加えられる力の大きさによって制御される、条項1から5のいずれか一項のシステム。
7.プレートがガラス又は結晶を含む、条項1から6のいずれか一項のシステム。
8.1つ以上のアクチュエータが圧電性である、条項1から7のいずれか一項のシステム。
9.応力パターンが複屈折を含む、条項1から8のいずれか一項のシステム。
10.1つ以上のプロセッサが、プレート内部の応力パターンが、光がプレートを通過する前、通過する間、及び/又は通過した後に動的に調整可能となるように、1つ以上のアクチュエータのそれぞれを個別に制御するように構成される、条項1から9のいずれか一項のシステム。
11.動的調整が、プレートの周囲の異なるアクチュエータに異なる力の大きさの組み合わせを適用して、ミリ秒未満の制御速度でプレートの複屈折を変化させることを含む、条項1から10のいずれか一項のシステム。
12.動的調整が、プレートの周囲の異なるアクチュエータに異なる力の大きさの組み合わせを適用して、ミリ秒未満の制御速度でプレートの配向を変化させることを含む、条項1から11のいずれか一項のシステム。
13.1つ以上のアクチュエータがプレートの1つ以上の縁部上に配置される、条項1から12のいずれか一項のシステム。
14.1つ以上のアクチュエータが、プレートの1つ以上の縁部の周りに対称的に分布している複数のアクチュエータを含む、条項1から13のいずれか一項のシステム。
15.プレート、1つ以上のアクチュエータ、及び1つ以上のプロセッサが、プレートを通過する光が、約300ナノメートルから約1.5マイクロメートルに及ぶ波長を有し得るように構成される、条項1から14のいずれか一項のシステム。
16.光に特定の偏光を与えることが、メトロロジのためのプレートを通過する光を調整することを含む、条項1から15のいずれか一項のシステム。
17.システムが更に偏光子及びセンサを備え、センサが、光が偏光子及びプレートを通過した後に、センサにより受光された光に基づいてメトロロジ信号を生成するように構成される、条項1から16のいずれか一項のシステム。
18.センサがカメラに含まれている、条項1から17のいずれか一項のシステム。
19.プレートとセンサとの間に位置付けられた結像レンズを更に備えた、条項1から18のいずれか一項のシステム。
20.メトロロジ信号が、半導体製造プロセスに関連するオーバーレイ信号を含む、条項1から19のいずれか一項のシステム。
21.メトロロジのための光を調整する方法であって、方法が、光学的に透明なプレートに、1つ以上のアクチュエータを使用してプレートに応力パターンを生成する力を加えること、及び1つ以上のプロセッサを使用して、応力パターンを生成する力を加えるように1つ以上のアクチュエータを制御して、所望のメトロロジ機能に従ってプレートを通過する光に特定の偏光を与えることを含む方法。
22.力がプレートに加えられることに応答して、プレートが波長板を含む、条項21の方法。
23.プレートが透明な材料を含み、力がプレートに加えられて応力パターンを生成することに応答して、プレートが、プレートを通過する光を第1の偏光状態から第2の偏光状態に変化させるように構成される、条項21又は22の方法。
24.加えた力が、プレートに配向及びリターダンスを誘導する、条項21から23のいずれか一項の方法。
25.配向が、1つ以上のアクチュエータによりプレートに加えられる力の場所及び/又は分布によって制御される、条項21から24のいずれか一項の方法。
26.リターダンスが、1つ以上のアクチュエータによりプレートに加えられる力の大きさによって制御される、条項21から25のいずれか一項の方法。
27.プレートがガラス又は結晶を含む、条項21から26のいずれか一項の方法。
28.1つ以上のアクチュエータが圧電性である、条項21から27のいずれか一項の方法。
29.応力パターンが複屈折を含む、条項21から28のいずれか一項の方法。
30.1つ以上のプロセッサが、プレート内部の応力パターンが、光がプレートを通過する前、通過する間、及び/又は通過した後に動的に調整可能となるように、1つ以上のアクチュエータのそれぞれを個別に制御するように構成される、条項21から29のいずれか一項の方法。
31.動的調整が、プレートの周囲の異なるアクチュエータに異なる力の大きさの組み合わせを適用して、ミリ秒未満の制御速度でプレートの複屈折を変化させることを含む、条項21から30のいずれか一項の方法。
32.動的調整が、プレートの周囲の異なるアクチュエータに異なる力の大きさの組み合わせを適用して、ミリ秒未満の制御速度でプレートの配向を変化させることを含む、条項21から31のいずれか一項の方法。
33.1つ以上のアクチュエータがプレートの1つ以上の縁部上に配置される、条項21から32のいずれか一項の方法。
34.1つ以上のアクチュエータが、プレートの1つ以上の縁部の周りに対称的に分布している複数のアクチュエータを含む、条項21から33のいずれか一項の方法。
35.プレート、1つ以上のアクチュエータ、及び1つ以上のプロセッサが、プレートを通過する光が、約300ナノメートルから約1.5マイクロメートルに及ぶ波長を有し得るように構成される、条項21から34のいずれか一項の方法。
36.光に特定の偏光を与えることが、メトロロジのためのプレートを通過する光を調整することを含む、条項21から35のいずれか一項の方法。
37.方法が更に、センサを使用して、光が偏光子及びプレートを通過した後に、センサにより受光された光に基づいてメトロロジ信号を生成することを含む、条項21から36のいずれか一項の方法。
38.センサがカメラに含まれている、条項21から37のいずれか一項の方法。
39.プレートとセンサとの間に位置付けられた結像レンズに光を通過させることを更に含む、条項21から38のいずれか一項の方法。
40.メトロロジ信号が、半導体製造プロセスに関連するオーバーレイ信号を含む、条項21から39のいずれか一項の方法。
41.命令をその上に有する非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令が、コンピュータによって実行されるときに、光学的に透明なプレートに、1つ以上のアクチュエータを使用してプレートに応力パターンを生成する力を加えること、及び1つ以上のプロセッサを使用して、応力パターンを生成する力を加えるように1つ以上のアクチュエータを制御して、所望のメトロロジ機能に従ってプレートを通過する光に特定の偏光を与えることを含む動作を引き起こす非一時的コンピュータ可読媒体。
42.力がプレートに加えられることに応答して、プレートが波長板を含む、条項41の媒体。
43.プレートが透明な材料を含み、力がプレートに加えられて応力パターンを生成することに応答して、プレートが、プレートを通過する光を第1の偏光状態から第2の偏光状態に変化させるように構成される、条項41又は42の媒体。
44.加えた力が、プレートに配向及びリターダンスを誘導する、条項41から43のいずれか一項の媒体。
45.配向が、1つ以上のアクチュエータによりプレートに加えられる力の場所及び/又は分布によって制御される、条項41から44のいずれか一項の媒体。
46.リターダンスが、1つ以上のアクチュエータによりプレートに加えられる力の大きさによって制御される、条項41から45のいずれか一項の媒体。
47.プレートがガラス又は結晶を含む、条項41から46のいずれか一項の媒体。
48.1つ以上のアクチュエータが圧電性である、条項41から47のいずれか一項の媒体。
49.応力パターンが複屈折を含む、条項41から48のいずれか一項の媒体。
50.1つ以上のプロセッサが、プレート内部の応力パターンが、光がプレートを通過する前、通過する間、及び/又は通過した後に動的に調整可能となるように、1つ以上のアクチュエータのそれぞれを個別に制御するように命令によって構成される、条項41から49のいずれか一項の媒体。
51.動的調整が、プレートの周囲の異なるアクチュエータに異なる力の大きさの組み合わせを適用して、ミリ秒未満の制御速度でプレートの複屈折を変化させることを含む、条項41から50のいずれか一項の媒体。
52.動的調整が、プレートの周囲の異なるアクチュエータに異なる力の大きさの組み合わせを適用して、ミリ秒未満の制御速度でプレートの配向を変化させることを含む、条項41から51のいずれか一項の媒体。
53.1つ以上のアクチュエータがプレートの1つ以上の縁部上に配置される、条項41から52のいずれか一項の媒体。
54.1つ以上のアクチュエータが、プレートの1つ以上の縁部の周りに対称的に分布している複数のアクチュエータを含む、条項41から53のいずれか一項の媒体。
55.プレート、1つ以上のアクチュエータ、及び1つ以上のプロセッサが、プレートを通過する光が、約300ナノメートルから約1.5マイクロメートルに及ぶ波長を有し得るように構成される、条項41から54のいずれか一項の媒体。
56.光に特定の偏光を与えることが、メトロロジのためのプレートを通過する光を調整することを含む、条項41から55のいずれか一項の媒体。
57.命令が更に、センサを使用して、光が偏光子及びプレートを通過した後に、センサにより受光された光に基づいてメトロロジ信号を生成することを含む動作を引き起こす、条項41から56のいずれか一項の媒体。
58.センサがカメラに含まれている、条項41から57のいずれか一項の媒体。
59.光がまたプレートとセンサとの間に位置付けられた結像レンズを通過する、条項41から58のいずれか一項の媒体。
60.メトロロジ信号が、半導体製造プロセスに関連するオーバーレイ信号を含む、条項41から59のいずれか一項の媒体。
61.半導体製造プロセスの一部としてオーバーレイ測定のための光を調整するように構成されたシステムであって、システムが、光がプレートを通過する前、通過する間、及び/又は通過した後に、光学プレートの複屈折及び/又は配向を動的に調整するように構成され、動的調整が、プレートの周囲の異なるアクチュエータに異なる力の大きさの組み合わせを適用して、プレートの複屈折及び/又は配向をミリ秒未満の制御速度で変化させることを含み、システムが、プレートであって、透明材料を含み、力が異なるアクチュエータによってプレートに加えられることに応答して、プレートを通過する光を第1の偏光状態から第2の偏光状態に変化させるように構成されたプレートと、異なるアクチュエータであって、プレートの1つ以上の縁部の周りに対称的に分布しており、プレートに複屈折及び/又は配向を生成する力を加えるように構成された複数の圧電アクチュエータを含む異なるアクチュエータと、特定の偏光をプレートを通過する光に与えて光を第2の偏光状態に変化させるように、複数のアクチュエータのそれぞれを個別に制御して複屈折及び/又は配向を生成する力を加えるように構成された1つ以上のプロセッサとを備えるシステム。
62.力がプレートに加えられることに応答して、プレートが配向及びリターダンスによって特徴付けられる、条項61のシステム。
63.配向が、複数のアクチュエータにより波長板に加えられる力の場所及び/又は分布によって制御され、リターダンスが、複数のアクチュエータにより波長板に加えられる力の大きさによって制御される、条項61又は62のシステム。
64.プレート、複数のアクチュエータ、及び1つ以上のプロセッサが、プレートを通過する光が、約300ナノメートルから約1.5マイクロメートルに及ぶ波長を有し得るように構成される、条項61から63のいずれか一項のシステム。
65.システムが更に偏光子及びセンサを備え、センサが、光が偏光子及びプレートを通過した後に、センサにより受光された光に基づいてメトロロジ信号を生成するように構成され、メトロロジ信号が、半導体製造プロセスに関連するオーバーレイ信号を含む、条項61から64のいずれか一項のシステム。
【0139】
[00154] 本明細書に開示される概念は、サブ波長フィーチャを結像するための任意の一般的な結像システムと関連付けられることがあり、特にますます短い波長を生成することが可能な新たな結像技術とともに有用である場合がある。既に使用されている新たな技術には、EUV(極端紫外線)、ArFレーザを用いて193nm波長を、更にはフッ素レーザを用いて157nm波長を生成することが可能なDUVリソグラフィがある。また、EUVリソグラフィは、20~5nmの範囲内の波長を、この範囲内の光子を生成するために、シンクロトロンを使用することによって、又は高エネルギー電子を材料(固体又はプラズマの何れか)に衝突させることによって生成することが可能である。
【0140】
[00155] 本明細書に開示される概念は、シリコンウェーハなどの基板上への結像に使用し得るが、開示された概念が任意のタイプのリソグラフィ結像システム、例えば、シリコンウェーハ以外の基板上への結像に使用されるものと併用し得ることが理解されるものとする。加えて、開示された要素の組み合わせ及び小組み合わせは別個の実施形態を構成することがある。
【0141】
[00156] 上記の記載は、説明のためのものであり、限定するものではないことが意図される。したがって、当業者には、以下に記載される請求項の範囲から逸脱することなく、説明したように、変更が行われ得ることが明らかとなるだろう。
【国際調査報告】