(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】ゼオライト吸着剤を使用してGeH4を貯蔵するための貯蔵及び送出容器
(51)【国際特許分類】
F17C 11/00 20060101AFI20250117BHJP
C01B 39/02 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
F17C11/00 A
C01B39/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542284
(86)(22)【出願日】2023-01-06
(85)【翻訳文提出日】2024-09-13
(86)【国際出願番号】 US2023010322
(87)【国際公開番号】W WO2023141024
(87)【国際公開日】2023-07-27
(32)【優先日】2022-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バイル、オレグ
【テーマコード(参考)】
3E172
4G073
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA09
3E172AB16
3E172BA01
3E172BB04
3E172FA10
4G073CZ50
4G073FB30
4G073UA06
4G073UB11
(57)【要約】
ゼオライトイミダゾレート骨格を含む固体吸着媒体に対してゲルマン(GeH4)が収着関係で保持されている容器から試薬気体としてゲルマンを選択的に分配するための貯蔵及び分配システム、並びに関連する方法が記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器からゲルマンを分配する方法であって、
前記容器が、ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤及びその吸着剤上に吸着されたゲルマンを収容する、内部容積を備え、
前記方法は、
少なくとも15分の分配期間にわたって、少なくとも250標準立方センチメートル毎分(容器容積1リットル当たり)の分配速度で、前記容器からゲルマンを分配すること
を含む、方法。
【請求項2】
少なくとも15分の分配期間にわたって、少なくとも500標準立方センチメートル毎分(容器容積1リットル当たり)の分配速度で、前記容器からゲルマンを分配することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも60分の分配期間にわたって、少なくとも500標準立方センチメートル毎分(容器容積1リットル当たり)の分配速度で、前記容器からゲルマンを分配することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
吸着剤1リットル当たり少なくとも100グラムのゲルマンを分配することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
吸着剤1リットル当たり少なくとも200グラムのゲルマンを分配することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
吸着剤1リットル当たり少なくとも300グラムのゲルマンを分配することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
分配された気体が、少なくとも95%のゲルマンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記容器が、760Torr(101.3kPa)未満の内部圧力を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ゼオライトイミダゾレート骨格が、イミダゾレートリンカーによって連結された四面体配位亜鉛原子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ゼオライトイミダゾレート骨格が、亜鉛ジメチルイミダゾレートである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ゲルマンを、50Torr(6.7kPa)未満の送出圧力で送出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
吸着剤を収容する貯蔵容器であって、
ゼオライトイミダゾレート骨格(ZIF)の吸着剤と、
ZIF吸着剤の少なくとも一部分上に吸着されゲルマンと、を備え、
前記貯蔵容器からゲルマンを分配するために使用される、貯蔵容器。
【請求項13】
前記貯蔵容器が、吸着剤1リットル当たり少なくとも100グラム(g/L)のゲルマンの貯蔵容量を有する、請求項12に記載の貯蔵容器。
【請求項14】
前記貯蔵容器が、少なくとも200g/Lの貯蔵容量を有する、請求項12に記載の貯蔵容器。
【請求項15】
前記貯蔵容器が、少なくとも300g/Lの貯蔵容量を有する、請求項12に記載の貯蔵容器。
【請求項16】
前記ゲルマンの分解が、周囲温度で貯蔵された365日の期間にわたって吸着されたゲルマンの2%量未満である、請求項12に記載の貯蔵容器。
【請求項17】
前記ゲルマンの分解が、周囲温度で貯蔵された365日の期間にわたって吸着されたゲルマンの0.5%量未満である、請求項12に記載の貯蔵容器。
【請求項18】
前記ゲルマンの分解が、周囲温度で貯蔵された365日の期間にわたって吸着されたゲルマンの0.1%量未満である、請求項12に記載の貯蔵容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に、ゼオライトイミダゾレート骨格を含む固体吸着媒体に対してゲルマン(GeH4)が収着関係で保持されている容器から試薬気体としてゲルマンを選択的に分配するための、分配及び分配システム、並びに関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高純度気体(「試薬気体」)の形態の原料は、半導体材料(例えば、ウエハ)及びマイクロ電子デバイスを製造するために必要とされる。気体状原料は、とりわけ、イオン注入、エピタキシャル成長、プラズマエッチング、反応性イオンエッチング、メタライゼーション、物理蒸着、化学蒸着、原子層堆積、プラズマ堆積、フォトリソグラフィ、洗浄、及びドーピングを含むプロセスに必要とされる。
【0003】
高純度試薬気体の一例は、堆積技術、イオン注入、及びエピタキシャル成長において用いられるゲルマン(GeH4)である。これらのプロセスで使用するために、ゲルマンは、実質的に純粋な形態で、安全で信頼できる供給源からプロセスに供給されるべきである。
【0004】
ゲルマンは、不安定でありかつ自発的な発熱分解を生じやすいことが知られている水素化物化合物である。好適で安全な条件下でゲルマンを貯蔵、取り扱い、及び供給するために、様々な貯蔵システムが、窒素、水素、又はヘリウムなどの不活性安定化気体と組み合わせて、安定化気体中20パーセント(%)、10%、又は5%のゲルマン(体積基準)という低いゲルマン濃度で、希釈された形態でゲルマンを貯蔵する。安定化気体は、ゲルマンを希釈し、分解のリスクを低減する。しかし、希釈されたゲルマン(安定化気体と組み合わされて)は、特に高流量の濃縮ゲルマンを必要とする特定のタイプの堆積プロセスに使用するにあたり、より濃縮された形態の気体状ゲルマンと比較して、著しく有用性が低い。
【0005】
他の貯蔵システムでは、希釈されていないゲルマンは、固体吸着材料を収容する容器内に、すなわち「吸着剤ベースの」貯蔵システム内に、吸着された形態で貯蔵され得る。これらのシステムは、貯蔵容器の内部に保持された多孔質吸着材料を含み、ゲルマンガスは吸着材料上に吸着された状態で貯蔵される。
【0006】
試薬気体としてのゲルマンの特定の使用に関して、ゲルマンを貯蔵及び送出するためのシステムのさらなる特徴は、高流量(例えば、標準立方センチメートル毎分又は「sccm」として特徴付けられる)で、持続的な長い送出期間にわたって、濃縮ゲルマン(すなわち、実質的に希釈されていない)を送出する能力である。濃縮ゲルマンの高流量送出は、速い脱着速度、吸着剤表面における気体状ゲルマンのより低い(他の吸着剤と比較して)吸着エネルギー、及び吸着剤の内部から貯蔵容器の気相への脱着気体の迅速な送達のための速い拡散動態を必要とする。長い送出期間にわたって試薬気体の高流量送出を持続するために、貯蔵システムはまた、高い送出可能貯蔵容量で試薬気体の十分な貯蔵容量を示す必要があり、これは、多量(パーセンテージ)の貯蔵された試薬気体が吸着剤から除去され、貯蔵容器から送出され得ることを意味する。更に、容器及び吸着剤は、吸着気体の高流量分配中に吸着剤の冷却を低減するために、容器の外部表面から吸着剤に熱エネルギーを伝導するのに足りる高い熱伝導率を有する必要がある。
【0007】
貯蔵容器内のより多量の送出可能ゲルマン(より高い「送出可能気体容量」)は、特に高流量送出用途において、貯蔵容器が交換と交換の間のより長い期間使用できるようになることから、貯蔵容器を使用するプロセスの効率を向上させる。貯蔵容器の交換が少なくなると、装置の停止時間(ダウンタイム)が短縮され、運転効率が向上する。更に、貯蔵容器内部で未使用のまま、すなわち無駄に残される高価な気体状原料の量を減らすこともできる。
【発明の概要】
【0008】
本出願人は、他の吸着剤の流量及び送出期間と比較できる組み合わせよりも長い連続的送出期間にわたって、吸着状態で貯蔵された濃縮気体状ゲルマンの高流量送出を提供できるものが、ゼオライト吸着剤であることを明らかにした。
【0009】
本明細書の貯蔵システムは、貯蔵容器内に、ある量の濃縮ゲルマンを収容する。また、貯蔵容器は、ゲルマンの少なくとも一部分を吸着剤の表面に吸着した状態で、ゼオライトイミダゾレート骨格(ZIF)の吸着剤を収容する。
【0010】
本出願人によって明らかにされたように、濃縮ゲルマンを貯蔵するためのゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤は、有用かつ有利な性能特性を有する。1つの有用な性能特性は、持続的な時間(送出期間)にわたって、高流量の貯蔵された濃縮ゲルマンを送出する能力である。例示的なシステムは、貯蔵容器の容積2.2リットル当たり、少なくとも30分間、少なくとも250標準立方センチメートル/分のゲルマンの流量を供給するのに有用である。
【0011】
一態様において、以下は、容器からゲルマンを分配する方法を記載している。容器は、ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤及びその吸着剤上に吸着されたゲルマンを収容する、内部容積を備える。記載された方法は、少なくとも15分の分配期間にわたって、少なくとも250標準立方センチメートル毎分(容器容積1リットル当たり)の分配速度で容器からゲルマンを分配することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2A】本明細書の例示的な貯蔵システムの性能データを示す。
【
図2B】本明細書の例示的な貯蔵システムの性能データを示す。
【
図3】本明細書の例示的な貯蔵システムの性能データを示す。
【
図4】本明細書の例示的な貯蔵システムの性能データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書は、ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤を収容する容器内にゲルマンを貯蔵することを伴い、ゲルマンが吸着剤に吸着されている、新規で進歩性のあるシステム、並びに当該貯蔵システムを使用してゲルマンを貯蔵、取り扱い、送出する新規で進歩性のある方法に関する。
【0014】
貯蔵システムは、内部にゼオライトイミダゾレート骨格(ZIF)吸着材料を収容する、容器を含む。吸着材料は、貯蔵容器内部にゲルマンを収容して貯蔵するのに効果的であり、特に持続的な時間にわたって高流量で、貯蔵容器からゲルマンを効果的に送出するのに効果的である。ゲルマンは、ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤上に吸着され、容器内部で気体として存在し、ゲルマンの一部分はゼオライトイミダゾレート骨格によって吸着され、別の部分は気体状形態であり、又は吸着された部分と平衡状態にある凝縮形態と気体状形態とである。
【0015】
容器内部(interior vessel)のゼオライトイミダゾレート骨格吸着材料の量は、ゲルマンに対するそのような材料の体積吸着容量(吸着剤1リットルに吸着されるゲルマンの質量)に応じて変わり得る。容積容量が高くなったゼオライトイミダゾレート骨格材料では、必要とされる吸着材料が少なくなる。これに対応して、貯蔵容器は、容器の内部容積よりも少ない体積の吸着剤を収容し得る。吸着材料は、容器の内部容積の99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、又はそれ未満を充たすことができる。
【0016】
容器内部での圧力は、大気圧未満、つまり約760Torr(101.3kPa)(絶対圧)未満であってもよい。容器の保管中、又はゲルマンを分配するための容器の使用中、容器の内部での圧力は、760Torr(101.3kPa)未満、例えば、700Torr(93.3kPa)未満、600Torr(80.0kPa)未満、400Torr(53.3kPa)未満、200Torr(26.6kPa)未満、100Torr(13.3kPa)未満、50Torr(6.7kPa)未満、又は20Torr(2.7kPa)未満であってもよい。
【0017】
容器内に貯蔵されたゲルマンは濃縮されており、つまり、不活性安定化気体によって実質的に希釈されていない。容器内に貯蔵された気体は、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%又は99%(体積%)のゲルマンである。ゲルマンは、不活性安定化気体(例えば、アルゴン、窒素、ヘリウム)と組み合わせて貯蔵する必要がなく、容器は、50%、40%、30%、20%、10%、5%、又は1%(容器内の総気体に基づく体積%)未満の任意の非ゲルマンガス、例えば安定化気体を収容し得る。
【0018】
例示的な貯蔵システムによれば、ゼオライトイミダゾレート骨格(「ZIF」)の吸着剤は、大気圧未満でゲルマン(GeH4)を貯蔵するように、またゲルマンを半導体処理装置に分配するように適合された、貯蔵容器に含まれる。本出願人は、吸着剤としてのゼオライトイミダゾレート骨格の使用が、ゲルマンの有用な又は好ましい貯蔵能力及び送出能力を可能にすることができることを明らかにし、これには、例えば、高流量の、貯蔵された濃縮ゲルマンを持続的な送出期間にわたって送出する能力、例えば、2.2リットルの容器容積当たり、少なくとも30分の送出期間にわたって、少なくとも250sccm(0.42Pa・m3/sec)のゲルマンの流量を送出する能力が含まれた。
【0019】
この性能は、1リットルの貯蔵容器容積に調整して、貯蔵容器容積1リットル当たり少なくとも15分にわたって250sccm(0.42Pa・m3/sec)のゲルマンを送出することに等しい。より大容積であり、それに対応してより多くの量のゼオイト吸着剤を収容する貯蔵容器は、より長い送出期間にわたって同流量のゲルマンを送出すること(すなわち、2倍の容積の吸着剤が、2倍の長さの送出期間にわたって同流量を生じさせる)、又は同じ送出期間にわたってより多くの流量のゲルマンを送出すること(すなわち、2倍の容積の吸着剤が、同じ送出期間にわたって2倍の流量を送出することができる)などが可能である。例えば、対応して、より多くの量の吸着剤を収容する50リットルの容器は、250sccm(0.42Pa・m3/sec)の流量のゲルマンを682分にわたって送出することができ、又は500sccm(0.85Pa・m3/sec)の流量を341分にわたって送出することができる。
【0020】
「高流量」におけるような「流量」という用語は、特定の温度及び圧力における1分当たりの気体の容積(標準立方センチメートル毎分、sccm)での、気体の流量の尺度を指す。本明細書によれば、これらの標準条件は、摂氏0度(0℃)の温度及び760Torr(101.3kPa)の圧力である。
【0021】
容器から送出されるゲルマンの代替基準で説明する場合、吸着剤としてのゼオライトイミダゾレート骨格の使用は、望ましい多量(重量基準)のゲルマンが高流量で、また半導体処理のための典型的な動作温度(例えば、22℃)で送出されることを可能にし得る。好ましい貯蔵システムは、貯蔵容器容積2.2リットル当たり、200sccm(0.34Pa・m3/sec)の流量で少なくとも78グラムのゲルマンを送出することができる。この性能は、1リットルの貯蔵容器容積に調整して、1リットルの貯蔵容器から200sccm(0.34Pa・m3/sec)の流量で35グラムのゲルマンを送出することに等しい。
【0022】
「四水素化ゲルマニウム」又は「ゲルマノメタン(germanomethane)」とも呼ばれる、化学式GeH4を有する化合物であるゲルマンは、半導体産業において使用される公知の試薬気体である。
【0023】
本明細書によれば、ゲルマンは、ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤上に吸着した状態で、ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤を収容する容器内に貯蔵される。貯蔵システムは、ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤を収容する容器を含む吸着剤ベースの貯蔵システムとして知られるタイプのものである。ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤は、炭素系吸着媒体、ポリマー吸着媒体、シリカなどの他の公知のタイプの吸着媒体とは組成が異なることが知られている。
【0024】
ゼオライトイミダゾレート骨格は、金属有機骨格(MOF)の一種であり、半導体処理における使用のための試薬気体の貯蔵及び送出を含む、特定の試薬気体を貯蔵するための吸着剤として有用であることが知られている。ゼオライトイミダゾレート骨格は、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、又は亜鉛(Zn)などの四面体配位遷移金属を含む金属有機骨格であり、イミダゾレートリンカーによって連結され、イミダゾレートリンカーは、特定のZIF組成内で、又はZIF構造の単一の遷移金属原子に対して同じであっても異なっていてもよい。ZIF構造は、イミダゾレート単位を通して連結された4配位遷移金属を含み、四面体トポロジーに基づく拡張骨格が生じる。ZIFは、ゼオライト及び他の無機微孔質酸化物材料に見られるものと同等の構造トポロジーを形成すると言われている。
【0025】
ゼオライトイミダゾレート骨格は、他の物理的及び化学的特性の中でもとりわけ、骨格の特定の遷移金属(例えば、鉄、コバルト、銅、又は亜鉛)、リンカーの化学(例えば、イミダゾレート単位の化学置換基)、ZIFの細孔径、ZIFの表面積、ZIFの細孔容積、を含む特徴によって特徴付けられる。数十(少なくとも105)の固有のZIF種又は構造が知られており、各々が、遷移金属の種類と、骨格を構成するリンカーの種類とに基づいて、異なる化学構造を有する。各トポロジーは、一意のZIF指定、例えば、ZIF-1からZIF-105までを使用して識別される。多数の既知のZIF種の特定の化学組成及び関連する特性を含むZIFの説明については、Phan et al.,”Synthesis,Structure,and Carbon Dioxide Capture Properties of Zeolitic Imidazolate Frameworks,”Accounts of Chemical Research,2010,43(1),pp 58-67(Received April 6,2009)を参照されたい。
【0026】
ZIFの細孔径は、吸着剤としてのZIFの性能に影響を及ぼし得る。例示的なZIFは、約0.2~13オングストローム(0.02~1.3nm)、例えば2~12オングストローム(0.2~1.2nm)又は3~10オングストローム(0.3~1nm)の範囲の細孔径を有し得る。細孔径は、ZIF結晶の表面を通過する最大球の直径を指す。本明細書の容器内で吸着剤として使用するために、ZIFは、所望の貯蔵性能をもたらすのに有効な任意の細孔径を有し得る。
【0027】
濃縮ゲルマンガスを容器内で吸着し、ゲルマンガスを大気圧未満で容器内に貯蔵するために、説明したような容器内で有用であることが分かっているZIFの一例は、「ZIF-8」と呼ばれ、これは亜鉛ジメチルイミダゾレート(zinc dimethylimidazolate)(別名「亜鉛(ジメチルイミダゾレート)2」)である。このゼオライトイミダゾレート骨格は、3.4オングストローム(3.4nm)の細孔径を有すると報告されている。他のMOFの中でもとりわけ、ZIF-8を記載している米国特許第9138720号を参照されたい。
【0028】
本明細書に記載されるようなゲルマンを貯蔵するための容器内に収容される場合、ゼオライトイミダゾレート骨格は、顆粒(粒子)、モノリス、又はその他などの任意の有用な形態であり得る。様々な例示的実施形態について、好ましいゼオライトイミダゾレート骨格は、比較的小さな開口部を備えるシリンダーなどの容器に容易に入れる(例えば、注ぐ)ことができる、粒子の形態であってもよい。更に、他の形態のゼオライトイミダゾレート骨格もまた、モノリス吸着剤若しくはブロック吸着剤、ロッド、又は空間充填多面体吸着剤を含む、異なる製品設計に有用な又は好ましい場合がある。
【0029】
有用な又は好ましいZIFは、貯蔵される濃縮ゲルマンに有用な貯蔵特性及び送出特性をもたらすことができる。これらの特性としては、濃縮ゲルマンの、持続的な時間量にわたる高流量が挙げられる。他の有用な貯蔵特性としては、濃縮ゲルマンの有用な貯蔵容量、濃縮ゲルマンの有用な送出容量、及び好ましくは、貯蔵された濃縮ゲルマンの比較的少量(又は低速)の分解が挙げられ得る。
【0030】
例示的な貯蔵システムにおいて、吸着剤としてのゼオライトイミダゾレート骨格を使用して、貯蔵された濃縮ゲルマンを持続的な送出期間にわたって高流量で送出すること、例えば、2.2リットルの内部容積を有する容器から、少なくとも30分の送出期間にわたって、少なくとも50sccm(0.085Pa・m3/sec)の流量の濃縮ゲルマンを送出することができる。より大きな内部容積を有する貯蔵容器を使用して、より多量の吸着剤を収容することができ、より多くの流量の濃縮ゲルマンを同様の時間にわたって送出するのを可能にすることができ、又は同等の流量の濃縮ゲルマン(例えば、少なくとも50sccm(0.085Pa・m3/sec)の濃縮ゲルマン)をより長い時間、例えば40分、50分、又は60分にわたって送出するのを可能にすることができる。
【0031】
高流量の濃縮ゲルマンを持続的な送出期間にわたって送出することに加えて、ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤によって吸着された濃縮ゲルマンの貯蔵のための、記載された有用な又は好ましい貯蔵システムの例は、ゲルマンの有用な貯蔵容量、例えば、吸着剤1リットル当たり少なくとも100グラム(g/L)、又は好ましくは200g/L、又はより好ましくは300g/L超の、ゲルマン貯蔵容量を示すことができる。
【0032】
例示的な貯蔵システムはまた、濃縮ゲルマンの有用な又は有利な分配可能容量、例えば、少なくとも80%、90%、95%、又は99%の分配可能容量を示すことができ、つまり、貯蔵容器は、容器内部に貯蔵されたゲルマンの総量の少なくとも80%、90%、95%、又は99%を分配することができる。例示的な貯蔵システムは、50Torr(6.7kPa)、20Torr(2.7kPa)、10Torr(1.3kPa)、5Torr(0.67kPa)、3Torr(0.40kPa)、1Torr(0.13kPa)、又は0.5Torr(0.067kPa)の低い圧力でゲルマンを分配することができる。
【0033】
更にまた、濃縮ゲルマンは、ZIF吸着剤上に貯蔵された場合に好ましいレベルの安定性を示すことができる。ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤を収容する貯蔵容器内に貯蔵されたゲルマンの有用な又は好ましいシステムの例は、貯蔵されたゲルマンの貯蔵中に、有用な又は比較的少量のゲルマン分解を示し得る。例えば、記載の貯蔵容器内に貯蔵されたゲルマンは、周囲温度で365日の期間にわたって、総初期吸着ゲルマン容量に基づいて、1%未満、又は好ましくは0.1%未満、又はより好ましくは0.01%未満の分解を受け得る。
【0034】
例示的な容器内部では、容器が貯蔵容器からゲルマンを分配するために使用される温度(22℃など)において、収容されたゲルマンは、ゼオライトイミダゾレート骨格上に吸着されたゲルマンと平衡状態にある凝縮形態又は気体形態(すなわち、気体状ゲルマンとして)である部分を含む形態であり得る。容器及びゲルマンの温度は、容器が使用中にさらされ得る温度の範囲内(例えば、約0~約50℃の範囲の温度)であり得る。この範囲は、「周囲温度」又は室温環境における制御された貯蔵及び使用中に容器が保持される典型的な温度である動作温度を含み、これは、概ね、約20~約26℃の範囲の温度を含むと理解される。
【0035】
容器が試薬気体を送出するために使用される温度では、気体状ゲルマンは、大気圧未満の圧力、すなわち、約1気圧(760torr(101.3kPa))(絶対圧)未満の圧力であり得る。容器の内部圧力は、使用中にこの範囲内であり得、容器が最大量のゲルマンを収容するとき、すなわち容器がゲルマンで「充たされている」ときに最も高くなり得る。使用中、ゲルマンが容器から徐々に除去されるにつれて、内部容器圧力は徐々に低下し、700Torr(93.3kPa)、600Torr(80kPa)、400Torr(53.3kPa)、200Torr(26.7kPa)、100Torr(13.3kPa)、50Torr(6.6kPa)、20Torr(2.7kPa)、10Torr(1.3kPa)、5Torr(0.67kPa)、3Torr(0.40kPa)、1Torr(0.13kPa)、又は0.5Torr(0.067kPa)未満の圧力に達し得る。
【0036】
記載の貯蔵システムの容器は、容器内部に存在する唯一の種類の吸着媒体としてゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤を収容してもよく、又は必要に応じて、別の種類の吸着媒体と組み合わせてゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤を収容してもよい。特定の本発明で好ましい実施形態において、容器内に収容される吸着媒体は、実質的に(例えば、少なくとも50%、80%、90%、95%、若しくは97%)又は完全に、本明細書に記載のゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤であってもよく、他の種類の吸着媒体は必要とされず、容器内部から除かれてもよい。換言すれば、容器の内部に収容される吸着剤の総量は、ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤、特に本明細書に記載される全般的な及び特定の種類のゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤を含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなってもよい。
【0037】
本明細書によれば、特定の材料又は材料の組み合わせから本質的になる組成は、特定の材料及びせいぜいわずかな量の任意の他の材料、例えば、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、又は0.05重量%以下の任意の他の材料を含有する組成である。例えば、ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤から本質的になる吸着剤を収容する容器内部の記載は、ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤と、容器内部における吸着媒体の総重量に基づいて、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、又は0.05重量%以下の任意の他の種類の吸着媒体と、を収容する内部を有する容器を指す。
【0038】
試薬気体を貯蔵するための容器構造の様々な例は、本明細書による適合によって、吸着剤としてゼオライトイミダゾレート骨格を使用して、ゲルマンを貯蔵するのに有用であり得る。例示的な容器としては、容器内部を画定する剛性円筒形側壁と、円筒の端部にある出口(又は「ポート」)と、を備える円筒形容器(「円筒」)が挙げられる。容器側壁は、金属から、又は別の剛性の、例えば強化された材料から作製することができ、容器の内部に試薬気体を収容するために推奨される所望の最大圧力を確実に超える圧力レベルに耐えるように設計される。
【0039】
図1は、記載されるような流体供給システム(又は「気体貯蔵システム」若しくは単に「貯蔵システム」)の例を示し、ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤が、ゲルマンの貯蔵及び送出のために配置されている。図示されるように、流体供給パッケージ10は、容器12を備え、容器12は、円筒壁14と、ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤18が配置されている容器12の内部容積16を閉じる床と、を備える。容器12は、その上端部分においてキャップ20に接合されており、キャップ20は、外周部分が平坦なものであって、上側表面において上方に延びるボス28を取り囲むものであってもよい。キャップ20は、流体分配アセンブリの、対応させてねじ込まれる下側部分26を受け入れる、ねじ式開口部を中央に有する。
【0040】
バルブヘッド22は、手動で操作されるハンドホイール30の向き又はバルブヘッド22に連結された空気圧操作されるアクチベータ30の向きを変えるなど、任意の好適な操作によって、開位置と閉位置との間で移動可能である。流体分配システムは、ハンドホイール30の操作によってバルブが開かれたときに流体供給システムから気体状ゲルマンを分配するための出口ポート24を備える。
【0041】
容器12の内部容積16内のゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤18は、本明細書に開示されるような任意の好適な種類のものであってもよく、例えば、粉末、微粒子、ペレット、ビーズ、モノリス、タブレット、又は他の適切な形態の吸着剤を含んでもよい。ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤は、ゲルマンに対する収着親和性を有し、容器内部でのゲルマンの貯蔵及び分配を可能にする。分配は、バルブヘッド22を開いて、吸着剤上に吸着された形で貯蔵されたゲルマンの脱着と、容器から流体分配アセンブリを通って出口ポート24及び関連する流れ回路(図示せず)へのゲルマンの放出と、に用立てることによって実施することができ、出口ポート24における圧力が、圧力による流体供給パッケージからのゲルマンの脱着及び放出をもたらす。例えば、分配アセンブリは、そのような圧力による脱着及び分配のために、容器内の圧力よりも低い圧力、例えば、流れ回路によって流体供給パッケージに連結される下流ツールに適切な大気圧未満で、流れ回路に連結されてもよい。任意選択的に、分配は、吸着剤18の加熱に関連してバルブヘッド22を開いて、流体供給パッケージから放出するための熱による流体の脱着を生じさせることを含んでもよい。
【0042】
容器12の内部容積16から流体を最初に放出した後、出口ポート24を通して容器内にゲルマンを流すことによって、吸着剤上に貯蔵するためのゲルマンを流体供給パッケージ10に充填することができ、それによって、流体供給パッケージからの流体の充填及び分配の二重の機能を果たす。あるいは、バルブヘッド22には、容器への充填のための別個の流体導入ポートと、導入された流体を有する吸着剤の装填とが提供され得る。
【0043】
容器内のゲルマンは、任意の好適な圧力条件で、好ましくは大気圧未満又は低い大気圧未満で貯蔵されてもよく、それによって、高圧気体シリンダーなどの流体供給パッケージとの関連で流体供給パッケージの安全性を高める。
【実施例】
【0044】
実施例1
図2Aは、記載のような貯蔵システムからゲルマンを送出するプロセスのグラフである。グラフは、ZIF-8吸着剤(ZIF-8 MOF押出物)で充たされた2.2リットルの容積を有する貯蔵容器からゲルマン(およそ100%の濃度)が送出される期間を示す。2.2リットル容器内のZIF-8吸着剤は、443Torr(59.1kPa)~75Torr(10.0kPa)のシリンダー圧力で流したとき、およそ44分にわたって、制御された522sccm(0.88Pa・m
3/sec)の流量を持続し、およそ76グラムのゲルマンを送出した。容器が75Torr(10.0kPa)に達した後にこの流れを継続したが、流量は522sccm(0.88Pa・m
3/sec)未満であった。追加の約25グラムのゲルマンを、75Torr(10.0kPa)から20Torr(2.7kPa)まで、次第に低くなる速度で送出することができる。試験シリンダーの開始圧力が443Torr(59.1kPa)より高い場合、522sccm(0.88Pa・m
3/sec)での追加の流量持続時間を実現することができる。例えば、540Torr(72.0kPa)の圧力で開始することによって、追加の18グラムのGeH
4を送出することができる。
【0045】
図2Bは、この実施例1の貯蔵容器の条件及び性能を示す表である。937グラムの乾燥ZIF-8吸着剤を、2.2リットルの内部容積を有する高圧シリンダーに添加した。合計118グラムのゲルマンが、443Torr(59.1kPa)の平衡圧力まで吸着された。貯蔵容器は、522sccm(0.88Pa・m
3/sec)での持続的流量の持続時間を決定するための、流量試験のために使用された。流量を44分間持続することができ、78グラムのGeH
4をこの実験の条件下で送出することができる。より高い送出可能量は、より高い開始圧力かつ平衡により近い流量条件で実現することができる。平衡での540Torr(72.0kPa)~75Torr(10.0kPa)の圧力からの送出可能容量は101グラムであると算出された。この計算は、
図3の等温線からのデータを使用して行った。
【0046】
実施例2
図3は、送出圧力に対して、大気圧未満の、記載の貯蔵容器内のZIF-8上のゲルマンの吸着(1グラムのZIF-8当たりのゲルマンのグラム数)を示す表である。このデータの線が直線状であることは、容器内に収容されているゲルマンを高いパーセンテージで送出可能であることを示す。加えて、圧力と吸着との間の線形関係は、炭素充填シリンダーの場合のより複雑な関係とは対照的に、ZiF-8充填シリンダーが使用のために接続されたときのZiF-8充填シリンダー内の貯蔵GeH
4量の容易な決定を可能にする。
【0047】
図4は、長期間の貯蔵にわたってZIF-8上に貯蔵されたゲルマンの水素含有量を示す。
以下の表は、さまざまな圧力にて、記載された貯蔵システムにおいてある量のZIF-8によって保持されたゲルマンの量を示す。また、システムから送出され得る量、及びシステムの送出可能容量も記載される。
【0048】
【0049】
この実施例について、貯蔵容器、ゲルマン、並びにパッケージング条件及び試験条件に関連する特徴は、以下の通りである。
容器に充填されたときのゲルマンの初期水素含有量:10ppmV(体積百万分率)未満、
貯蔵容器の総容積:0.5リットル、
貯蔵容器内のZIFの量(質量):140グラム、
ZIFの表面積:1500~1600m2/g窒素BET表面積、
ZIFの形状及び形態:押出物、直径1~3mm、長さ1~5cm、
充填のための貯蔵容器及び吸着剤の温度:GeH4を、温度制御されたエンクロージャ内で、21℃で充填した。
【0050】
充填前の容器及びZIF処理:ZIF-8を、常に10ppm未満のO2及び2ppm未満のH2Oレベルのグローブボックス雰囲気中で貯蔵した。グローブボックス内で貯蔵容器にZIF-8を装填し、空気不純物が材料上に吸着するのを防止した。ZIF-8入り貯蔵容器を、24時間ポンピングしながら150℃で加熱して、水を含む吸着された空気不純物を除去した。
【0051】
図3において、ZIF-8上へのGeH
4の吸着を重量測定により決定した。ZIF-8の正味量は、試験シリンダーを装填し排気した後に測定した。GeH
4を最初に充填した後と、安定した目標圧力に達する量のGeH
4を抜き取ったとき毎とで、重量変化を測定した。圧力は、キャパシタンスマノメーター(MKSモデル722「Baratron」)で測定した。
【0052】
図4は、送出されたゲルマン試料のH
2濃度を数日の貯蔵期間にわたって定期的に測定するために使用される技術及び装置の詳細である。
貯蔵条件(温度):温度制御されたエンクロージャ内で21℃。
【0053】
送出されたゲルマン中のH2を測定するためのガスクロマトグラフィー技術:Gow-Mac Series 580 GC試験装置、Hayesep多孔質ポリマーカラム、並びに50℃ 35cm3/分の温度及び流量を使用する、熱伝導率検出器(thermal conductivity detector、TCD)を備えたガスクロマトグラフ。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器からゲルマンを分配する方法であって、
前記容器が、ゼオライトイミダゾレート骨格の吸着剤及びその吸着剤上に吸着されたゲルマンを収容する、内部容積を備え、
前記方法は、
少なくとも15分の分配期間にわたって、少なくとも250標準立方センチメートル毎分(容器容積1リットル当たり)の分配速度で、前記容器からゲルマンを分配すること
を含む、方法。
【請求項2】
少なくとも15分の分配期間にわたって、少なくとも500標準立方センチメートル毎分(容器容積1リットル当たり)の分配速度で、前記容器からゲルマンを分配することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも60分の分配期間にわたって、少なくとも500標準立方センチメートル毎分(容器容積1リットル当たり)の分配速度で、前記容器からゲルマンを分配することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
吸着剤1リットル当たり少なくとも100グラムのゲルマンを分配することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
吸着剤1リットル当たり少なくとも200グラムのゲルマンを分配することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
吸着剤を収容する貯蔵容器であって、
ゼオライトイミダゾレート骨格(ZIF)の吸着剤と、
ZIF吸着剤の少なくとも一部分上に吸着されゲルマンと、を備え、
前記貯蔵容器からゲルマンを分配するために使用される、貯蔵容器。
【請求項7】
前記貯蔵容器が、吸着剤1リットル当たり少なくとも100グラム(g/L)のゲルマンの貯蔵容量を有する、請求項
6に記載の貯蔵容器。
【請求項8】
前記貯蔵容器が、少なくとも200g/Lの貯蔵容量を有する、請求項
6に記載の貯蔵容器。
【請求項9】
前記貯蔵容器が、少なくとも300g/Lの貯蔵容量を有する、請求項
6に記載の貯蔵容器。
【請求項10】
前記ゲルマンの分解が、周囲温度で貯蔵された365日の期間にわたって吸着されたゲルマンの2%量未満である、請求項
6に記載の貯蔵容器。
【国際調査報告】