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特表2025-502750多深度光学デバイスを形成するための方法
<図1>
  • 特表-多深度光学デバイスを形成するための方法 図1
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  • 特表-多深度光学デバイスを形成するための方法 図4A
  • 特表-多深度光学デバイスを形成するための方法 図4B
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】多深度光学デバイスを形成するための方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/18 20060101AFI20250121BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
G02B5/18
G02B27/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538434
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-08-14
(86)【国際出願番号】 US2022080977
(87)【国際公開番号】W WO2023122426
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/265,910
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー ティマーマン タイセン, ラトガー
(72)【発明者】
【氏名】チェン, コアンナン
【テーマコード(参考)】
2H199
2H249
【Fターム(参考)】
2H199CA53
2H199CA66
2H199CA67
2H249AA07
2H249AA13
2H249AA37
2H249AA44
2H249AA60
2H249AA66
(57)【要約】
屈折率が2.0以上の多深度光学デバイス構造を有する光学デバイスおよび光学デバイスを形成する方法が提供される。光学デバイスおよび方法は、第1のマトリックススタック構造および第2のマトリックススタック構造を形成することを含む。隣接する第1のマトリックススタック構造は、第1の深度を有する第1のビアを形成し、隣接する第2のマトリックススタック構造は、第2の深度を有する第2のビアを形成する。第1のビアの第1の深度が第2のビアの第2の深度とは異なることは、ビアがデバイス材料を用いて埋め戻されるときにサブミクロンの多深度光学デバイス構造の形成からもたらされる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にマトリックススタックを配置することであって、前記基板が、少なくとも第1のセクションと第2のセクションとを有する、マトリックススタックを配置することと、
前記マトリックススタック上に第1のパターン化されたハードマスクを形成することであって、前記第1のパターン化されたハードマスクが、前記第1のセクション上に第1のハードマスク構造を有する、第1のパターン化されたハードマスクを形成することと、
第1のマトリックススタック構造を形成するために前記第1のセクションの前記マトリックススタックの露出した第1の部分を除去することであって、前記第1のマトリックススタック構造が第1のビアを画定する、前記第1のセクションの前記マトリックススタックの露出した第1の部分を除去することと、
前記マトリックススタック上に第2のパターン化されたハードマスクを形成することであって、前記第2のパターン化されたハードマスクが前記第2のセクション上に第2のハードマスク構造を有する、第2のパターン化されたハードマスクを形成することと、
第2のマトリックススタック構造を形成するために前記第2のセクションの前記マトリックススタックの露出した第2の部分を除去することであって、前記第2のマトリックススタック構造が第2のビアを画定する、前記第2のセクションの前記マトリックススタックの露出した第2の部分を除去することと、
前記第1のパターン化されたハードマスクと前記第2のパターン化されたハードマスクとを除去することと、
前記第1のセクション上に第1の光学デバイス構造を形成し、前記第2のセクション上に第2の光学デバイス構造を形成することであって、前記第1の光学デバイス構造および前記第2の光学デバイス構造を前記形成することが、前記第1のビアおよび前記第2のビア内にデバイス材料を配置することを含む、第1の光学デバイス構造を形成し、第2の光学デバイス構造を形成することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記デバイス材料が、2.0以上のデバイス屈折率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のマトリックススタック構造および前記第2のマトリックススタック構造が、2.0未満のマトリックススタック屈折率を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記デバイス屈折率と前記マトリックススタック屈折率との間のコントラスト比が、約1.7:1.45から約3.7:1.45である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記マトリックススタックが、第1のマトリックス層、エッチング停止層、および第2のマトリックス層を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のセクションの前記マトリックススタックの露出した第1の部分を前記除去することが、前記エッチング停止層を露出させるために前記第2のマトリックス層を除去することを含み、
前記第2のセクションの前記マトリックススタックの露出した第2の部分を前記除去することが、前記基板を露出させるために、前記第1のマトリックス層、前記エッチング停止層、および前記第2のマトリックス層を除去することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の光学デバイス構造が、前記エッチング停止層から前記第1の光学デバイス構造の第1の上部表面までの第1の深度を有し、
前記第2の光学デバイス構造が、前記基板から前記第2の光学デバイス構造の第2の上部表面までの第2の深度を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
隣接する第1のハードマスク構造が第1のコンタクト孔を画定し、
隣接する第2のハードマスク構造が第2のコンタクト孔を画定する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のビアのうちの少なくとも1つを縮小することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記デバイス材料を平坦化することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記デバイス材料が、シリコンオキシカーバイド(SiOC)、二酸化チタン(TiO)、二酸化ケイ素(SiO)、バナジウム(IV)酸化物(VOx)、酸化アルミニウム(Al)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、二酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、五酸化タンタル(Ta)、窒化ケイ素(Si)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ニオブ(Nb)、スズ酸カドミウム(CdSnO)、または炭窒化ケイ素(SiCN)を含む材料のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
基板上に第1のマトリックス層、エッチング停止層、および第2のマトリックス層のマトリックススタックを配置することであって、前記基板が、少なくとも第1のセクションと第2のセクションとを有する、第1のマトリックス層、エッチング停止層、および第2のマトリックス層のマトリックススタックを配置することと、
前記マトリックススタック上に第1のパターン化されたハードマスクを形成することであって、前記第1のパターン化されたハードマスクが、前記第1のセクション上に第1のハードマスク構造を有する、第1のパターン化されたハードマスクを形成することと、
第1のマトリックススタック構造を形成するために前記第1のセクションの前記第2のマトリックス層の露出した第1の部分を除去することであって、前記第1のマトリックススタック構造が第1のビアを画定する前記第1のセクションの前記第2のマトリックス層の露出した第1の部分を除去することと、
前記マトリックススタック上に第2のパターン化されたハードマスクを形成することであって、前記第2のパターン化されたハードマスクが前記第2のセクション上に第2のハードマスク構造を有する、第2のパターン化されたハードマスクを形成することと、
第2のマトリックススタック構造を形成するために前記第2のマトリックス層の露出した第2の部分、前記エッチング停止層、および前記第2のセクションの前記第1のマトリックス層を除去することであって、前記第2のマトリックススタック構造が第2のビアを画定する、前記第2のマトリックス層の露出した第2の部分、前記エッチング停止層、および前記第2のセクションの前記第1のマトリックス層を除去することと、
前記第1のセクション上に第1の光学デバイス構造を形成し、前記第2のセクション上に第2の光学デバイス構造を形成することであって、前記第1の光学デバイス構造および前記第2の光学デバイス構造を前記形成することが、前記第1のビアおよび前記第2のビア内にデバイス材料を配置することを含む、第1の光学デバイス構造を形成し、第2の光学デバイス構造を形成することと
を含み、
前記第1の光学デバイス構造が、前記エッチング停止層から前記第1の光学デバイス構造の第1の上部表面までの第1の深度を有し、
前記第2の光学デバイス構造が、前記基板から前記第2の光学デバイス構造の第2の上部表面までの第2の深度を有する、方法。
【請求項13】
前記第1のビアのうちの少なくとも1つを縮小することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第1の光学デバイス構造の第1のセクションであって、
第1のマトリックススタック構造が前記第1の光学デバイス構造を画定し、
前記第1のマトリックススタック構造が第1のマトリックス層上に配置された第2のマトリックス層を含み、
前記第1の光学デバイス構造が、前記第1のマトリックス層から前記第1の光学デバイス構造の第1の上部表面までの第1の深度を有する、
第1の光学デバイス構造の第1のセクションと、
第2の光学デバイス構造の第2のセクションであって、
第2のマトリックススタック構造が前記第2の光学デバイス構造を画定し、
前記第2のマトリックススタック構造が、前記第1のマトリックス層と、前記第1のマトリックス層上に配置された前記第2のマトリックス層とを含み、
前記第2の光学デバイス構造が、光学デバイス基板から前記第2の光学デバイス構造の第2の上部表面までの第2の深度を有する、
第2の光学デバイス構造の第2のセクションと
を備える、光学デバイス。
【請求項15】
前記第1の光学デバイス構造および前記第2の光学デバイス構造が、2.0以上のデバイス屈折率を有する、請求項14に記載の光学デバイス。
【請求項16】
前記第1のマトリックススタック構造および前記第2のマトリックススタック構造が、2.0未満のマトリックススタック屈折率を有する、請求項15に記載の光学デバイス。
【請求項17】
前記デバイス屈折率と前記マトリックススタック屈折率との間のコントラスト比が、約1.7:1.45から約3.7:1.45である、請求項16に記載の光学デバイス。
【請求項18】
前記第2のマトリックス層がエッチング停止層上に配置され、前記第2のマトリックススタック構造が前記エッチング停止層をさらに含む、請求項14に記載の光学デバイス。
【請求項19】
前記第1の光学デバイス構造および前記第2の光学デバイス構造が、シリコンオキシカーバイド(SiOC)、二酸化チタン(TiO)、二酸化ケイ素(SiO)、バナジウム(IV)酸化物(VOx)、酸化アルミニウム(Al)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、二酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、五酸化タンタル(Ta)、窒化ケイ素(Si)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ニオブ(Nb)、スズ酸カドミウム(CdSnO)、または炭窒化ケイ素(SiCN)を含む材料のうちの1つまたは複数を含む、請求項15に記載の光学デバイス。
【請求項20】
前記第1のマトリックス層の厚さが約100から約750ナノメートル(nm)であり、前記第2のマトリックス層の厚さが約100から約750nmである、請求項14に記載の光学デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、拡張現実、仮想現実、および複合現実用の光学デバイスに関する。より具体的には、本明細書に記載される実施形態は、屈折率が2.0以上の多深度光学デバイス構造を有する光学デバイスおよび光学デバイスを形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学デバイスは、基板上に形成された光学デバイスの構造を使用して光の伝播を操作するために使用され得る。光学デバイスは、光の設計波長の半分よりも小さい面内寸法を備えた構造の配列を含む。この構造が、局所的な位相不連続(すなわち、光の波長よりも短い距離にわたる位相の急激な変化)を誘発するために、光子を操作することによって光の伝播を変更するために、サブミクロンの限界寸法、たとえばナノサイズの寸法を有する。サブミクロンの限界寸法を有することに加えて、光学デバイスの異なるセクションは、異なる高さを備えた構造を有することが望ましい。また、光学デバイスの性能を向上させるために、構造の屈折率と構造間の区域の屈折率との間に高いコントラスト比を有することも望ましい。
【0003】
しかしながら、高屈折率材料、すなわち屈折率が約2.0より大きい材料からサブミクロンの限界寸法を有する光学デバイスを形成することは困難な場合がある。たとえば、異なる高さの構造を形成するために高屈折率材料の層をエッチングすると、限界寸法が不均一になる可能性がある。したがって、当該技術分野において必要とされているのは、屈折率が2.0以上の多深度光学デバイス構造を有する光学デバイスおよび光学デバイスを形成するための方法である。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、方法が提供される。本方法は、基板上にマトリックススタックを配置することであって、基板が、少なくとも第1のセクションと第2のセクションとを有する、マトリックススタックを配置することと、マトリックススタック上に第1のパターン化されたハードマスクを形成することであって、第1のパターン化されたハードマスクが、第1のセクション上に第1のハードマスク構造を有する、第1のパターン化されたハードマスクを形成することと、第1のマトリックススタック構造を形成するために第1のセクションのマトリックススタックの露出した第1の部分を除去することであって、第1のマトリックススタック構造が第1のビアを画定する、第1のセクションのマトリックススタックの露出した第1の部分を除去することと、マトリックススタック上に第2のパターン化されたハードマスクを形成することであって、第2のパターン化されたハードマスクが第2のセクション上に第2のハードマスク構造を有する、第2のパターン化されたハードマスクを形成することと、第2のマトリックススタック構造を形成するために第2のセクションのマトリックススタックの露出した第2の部分を除去することであって、第2のマトリックススタック構造が第2のビアを画定する、第2のセクションのマトリックススタックの露出した第2の部分を除去することと、第1のパターン化されたハードマスクと第2のパターン化されたハードマスクとを除去することと、第1のセクション上に第1の光学デバイス構造を形成し、第2のセクション上に第2の光学デバイス構造を形成することであって、第1の光学デバイス構造および第2の光学デバイス構造を形成することが、第1のビアおよび第2のビア内にデバイス材料を配置することを含む、第1の光学デバイス構造を形成し、第2の光学デバイス構造を形成することとを含む。
【0005】
別の実施形態では、方法が提供される。本方法は、基板上に第1のマトリックス層、エッチング停止層、および第2のマトリックス層のマトリックススタックを配置することであって、基板が、少なくとも第1のセクションと第2のセクションとを有する、第1のマトリックス層、エッチング停止層、および第2のマトリックス層のマトリックススタックを配置することと、マトリックススタック上に第1のパターン化されたハードマスクを形成することであって、第1のパターン化されたハードマスクが、第1のセクション上に第1のハードマスク構造を有する、第1のパターン化されたハードマスクを形成することと、第1のマトリックススタック構造を形成するために第1のセクションの第2のマトリックス層の露出した第1の部分を除去することであって、第1のマトリックススタック構造が第1のビアを画定する、第1のセクションの第2のマトリックス層の露出した第1の部分を除去することと、マトリックススタック上に第2のパターン化されたハードマスクを形成することであって、第2のパターン化されたハードマスクが第2のセクション上に第2のハードマスク構造を有する、第2のパターン化されたハードマスクを形成することと、第2のマトリックススタック構造を形成するために第2のマトリックス層の露出した第2の部分、エッチング停止層、および第2のセクションの第1のマトリックス層を除去することであって、第2のマトリックススタック構造が第2のビアを画定する、第2のマトリックス層の露出した第2の部分、エッチング停止層、および第2のセクションの第1のマトリックス層を除去することと、第1のセクション上に第1の光学デバイス構造を形成し、第2のセクション上に第2の光学デバイス構造を形成することであって、第1の光学デバイス構造および第2の光学デバイス構造を形成することが、第1のビアおよび第2のビア内にデバイス材料を配置することを含む、第1の光学デバイス構造を形成し、第2の光学デバイス構造を形成することとを含み、第1の光学デバイス構造が、エッチング停止層から第1の光学デバイス構造の第1の上部表面までの第1の深度を有し、第2の光学デバイス構造が、基板から第2の光学デバイス構造の第2の上部表面までの第2の深度を有する。
【0006】
さらに別の実施形態では、光学デバイスが提供される。光学デバイスは、第1の光学デバイス構造の第1のセクションを含み、第1のマトリックススタック構造が第1の光学デバイス構造を画定し、第1のマトリックススタック構造が第1のマトリックス層上に配置された第2のマトリックス層を含み、第1の光学デバイス構造が、第1のマトリックス層から第1の光学デバイス構造の第1の上部表面までの第1の深度を有する。光学デバイスはまた、第2の光学デバイス構造の第2のセクションを含み、第2のマトリックススタック構造が第2の光学デバイス構造を画定し、第2のマトリックススタック構造が第1のマトリックス層と、第1のマトリックス層上に配置された第2のマトリックス層とを含み、第2の光学デバイス構造が、光学デバイス基板から第2の光学デバイス構造の第2の上部表面までの第2の深度を有する。
【0007】
本開示の上述の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することにより行われてよく、実施形態のうちのいくつかは添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は例示的な実施形態のみを示しており、したがって本発明の範囲を制限するものではなく、同様に効果的な他の実施形態も許容し得る点に留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】1つまたは複数の実施形態による、光学デバイスの部分の概略断面図である。
図2】1つまたは複数の実施形態による、光学デバイスを形成する方法の流れ図である。
図3A】1つまたは複数の実施形態による、光学デバイス基板の部分の概略断面図である。
図3B】1つまたは複数の実施形態による、光学デバイス基板の部分の概略断面図である。
図3C】1つまたは複数の実施形態による、光学デバイス基板の部分の概略断面図である。
図3D】1つまたは複数の実施形態による、光学デバイス基板の部分の概略断面図である。
図3E】1つまたは複数の実施形態による、光学デバイス基板の部分の概略断面図である。
図3F】1つまたは複数の実施形態による、光学デバイス基板の部分の概略断面図である。
図3G】1つまたは複数の実施形態による、光学デバイス基板の部分の概略断面図である。
図4A】本明細書に記載の実施形態による、光学デバイスの透視正面図である。
図4B】本明細書に記載の実施形態による、光学デバイスの概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
理解を容易にするために、図面に共通の同一の要素を示すために、可能な限り同一の参照番号が使用されている。1つの実施形態の要素および特徴は、さらに詳述することなしに、他の実施形態に有益に組み込まれてよいことが企図される。
【0010】
本開示の実施形態は、一般に、拡張現実、仮想現実、および複合現実用の光学デバイスに関する。より具体的には、本明細書に記載される実施形態は、屈折率が2.0以上の多深度光学デバイス構造を有する光学デバイスおよび光学デバイスを形成するための方法に関する。
【0011】
図1は、1つまたは複数の実施形態による、光学デバイス基板102の部分100の概略断面図である。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、光学デバイス150は、メタサーフェスなどの平面光学デバイスである。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、光学デバイス150は、拡張導波管コンバイナなどの導波管コンバイナである。部分100は、平面光学デバイスの部分または導波管コンバイナの部分に対応し得る。一例では、部分100は、入力結合格子、中間格子、または出力結合格子の1つまたは複数などの導波管コンバイナの格子に対応する。部分100は、図4Aおよび図4Bに示されるような断面に対応し得る。
【0012】
光学デバイス150は、光学デバイス基板102上に配置された複数の光学デバイス構造109を含む。光学デバイス基板102の部分100の第1のセクション130は、複数の第1の光学デバイス構造109aを含む。光学デバイス基板102の部分100の第2のセクション140は、複数の第2の光学デバイス構造109bを含む。光学デバイス基板102の部分100は第1のセクション130と第2のセクション140とを示しているが、光学デバイス150は光学デバイス構造109の追加のセクションを含み得る。
【0013】
複数の光学デバイス構造109は、深度と限界寸法を有する。より具体的には、第1の光学デバイス構造109aは深度113aおよび限界寸法125aを有し、第2の光学デバイス構造109bは深度113bおよび限界寸法125bを有する。限界寸法125aは、第1の光学デバイス構造109aの幅または直径に対応し、限界寸法125bは、第2の光学デバイス構造109bの幅または直径に対応する。他の実施形態では、限界寸法125aと限界寸法125bは同じである。いくつかの実施形態では、限界寸法125aと限界寸法125bは異なる。限界寸法125aと限界寸法125bは1マイクロメートル(μm)未満である。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得る一実施形態では、限界寸法125aと限界寸法125bは、約100ナノメートル(nm)から約1000nmである。深度113aは、任意選択のエッチング停止層106から第1の光学デバイス構造109aの第1の上部表面110aまでの距離である。深度113bは、基板から第2の光学デバイス構造109bの第2の上部表面110bまでの距離である。深度113aと深度113bは異なる。エッチング停止層106は任意選択の層である。任意選択のエッチング停止層106がない実施形態では、深度113aは第2のマトリックス層104bの厚さに対応する。
【0014】
第1の光学デバイス構造109aは、深度113aと限界寸法125aとの比によって定義される第1のアスペクト比を有し得る。第2の光学デバイス構造109bは、深度113bと限界寸法125bとの比によって定義される第2のアスペクト比を有し得る。第1のアスペクト比と第2のアスペクト比は、約1:10から約1:15など、約1:1.5から約1:20である。第1のアスペクト比と第2のアスペクト比は、互いに異なっていてもよい。
【0015】
複数の光学デバイス構造109はデバイス屈折率を有する。デバイス屈折率は約2.0より大きい。複数の光学デバイス構造109は、これらに限定されないが、シリコン(たとえば、アモルファスシリコン)、炭化ケイ素(SiC)、シリコンオキシカーバイド(SiOC)、二酸化チタン(TiO)、二酸化ケイ素(SiO)、バナジウム(IV)酸化物(VOx)、酸化アルミニウム(Al)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、二酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、五酸化タンタル(Ta)、窒化ケイ素(Si)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ニオブ(Nb)、スズ酸カドミウム(CdSnO)、または炭窒化ケイ素(SiCN)を含む材料のうちの1つまたは複数を含む。
【0016】
光学デバイス150は、複数のマトリックススタック構造123を含む。隣接するマトリックススタック構造123は、その間に配置された光学デバイス構造109を含む。マトリックススタック構造123の各々は、少なくとも、光学デバイス基板102上に配置された第1のマトリックス層104a、第1のマトリックス層104a上に配置された任意選択のエッチング停止層106、および任意選択のエッチング停止層106上に配置された第2のマトリックス層104bを含む。光学デバイス基板102の部分100の第1のセクション130は、複数の第1のマトリックススタック構造123aを含み、光学デバイス基板102の部分100の第2のセクション140は、複数の第2のマトリックススタック構造123bを含む。隣接する第1の光学デバイス構造109aは、その間に配置された第1のマトリックススタック構造123aを含む。隣接する第2の光学デバイス構造109bは、その間に配置された第2のマトリックススタック構造123bを含む。
【0017】
複数の第1の光学デバイス構造109aの各々は、任意選択のエッチング停止層106に接触する底面と、隣接する第1のマトリックススタック構造123aに接触する側面とを含む。第1の光学デバイス構造109aの第1の上部表面110aは、第1のマトリックススタック構造123aの第1の上部表面112aと位置合わせされる。複数の第2の光学デバイス構造109bの各々は、光学デバイス基板102に接触する底面と、隣接する第2のマトリックススタック構造123bに接触する側面とを含む。第2の光学デバイス構造109bの第2の上部表面110bは、第2のマトリックススタック構造123bの第2の上部表面112bと位置合わせされる。深度113aは、第2のマトリックス層104bの厚さに対応して、約100nmから約750nmである。エッチング停止層106を含む実施形態では、深度113bは、第1のマトリックス層104a、任意選択のエッチング停止層106、および第2のマトリックス層104bの合計厚さに対応して、約200nmから約1550nmである。エッチング停止層106がない実施形態では、深度113bは、第1のマトリックス層104aと第2のマトリックス層104bとの合計厚さに対応して、約200nmから約1500nmである。第1のマトリックス層104aの厚さは約100nmから約750nmである。任意選択のエッチング停止層106の厚さは50nm未満である。
【0018】
マトリックススタック構造123は、第1のマトリックス層104a、任意選択のエッチング停止層106、および第2のマトリックス層104bの材料の屈折率の平均に対応するマトリックススタック屈折率を有する。マトリックススタック屈折率は2.0未満、たとえば約1.5未満である。デバイス屈折率とマトリックススタック屈折率との間のコントラスト比は、約1.7:1.45から約3.7:1.45である。任意選択のエッチング停止層106は、光学デバイス基板102と同じ材料または異なる材料を含み得る。任意選択のエッチング停止層106は、第1のマトリックス層104aと同じ材料または異なる材料を含む。任意選択のエッチング停止層106は、第1のマトリックス層104aおよび第2のマトリックス層104bと同じ材料または異なる材料を含む。第2のマトリックス層104bは、第1のマトリックス層104aと同じ材料または異なる材料を含む。
【0019】
第1のマトリックス層104aおよび第2のマトリックス層104bは、これに限定されないが、二酸化ケイ素(SiO)を含む。任意選択のエッチング停止層106は、これらに限定されないが、シリコン(たとえば、アモルファスシリコン)、炭化ケイ素(SiC)、シリコンオキシカーバイド(SiOC)、二酸化チタン(TiO)、二酸化ケイ素(SiO)、バナジウム(IV)酸化物(VOx)、酸化アルミニウム(Al)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、二酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、五酸化タンタル(Ta)、窒化ケイ素(Si)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ニオブ(Nb)、スズ酸カドミウム(CdSnO)、または炭窒化ケイ素(SiCN)を含む材料のうちの1つまたは複数を含む。
【0020】
光学デバイス基板102は、光学デバイス基板102が所望の波長または波長範囲の光を十分に透過することができる限り、任意の適切な材料であってよい。基板の選択は、これらに限定されないが、アモルファス誘電体、非アモルファス誘電体、結晶性誘電体、酸化ケイ素、ポリマ、およびそれらの組合せを含む、任意の適切な材料の基板を含み得る。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態では、光学デバイス基板102は透明材料を含む。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、光学デバイス基板102は、これらに限定されないが、シリコン(Si)、二酸化ケイ素(SiO)、炭化ケイ素(SiC)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、リン化インジウム(InP)、ガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、溶融シリカ、石英、またはサファイアのうちの1つまたは複数を含む。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、光学デバイス基板102は、高屈折率(高RI)ガラスなどの高指数透明材料を含む。
【0021】
図2は、光学デバイス150を形成する方法200の流れ図である。図3A図3Gは、光学デバイス基板102の部分100の概略断面図である。
【0022】
工程202において、図3Aに示されるように、マトリクススタック101は、光学デバイス基板102上に配置される。マトリックススタック101は、第1のマトリックス層104a、任意選択のエッチング停止層106、および第2のマトリックス層104bを含む。第1のマトリックス層104aは、光学デバイス基板102と任意選択のエッチング停止層106の間に配置される。第2のマトリックス層104bは、任意選択のエッチング停止層106上に配置される。第1のマトリックス層104aは、第2のマトリックス層104bと実質的に等しい厚さ、または異なる厚さを有する。
【0023】
工程204において、図3Bに示されるように、第1のパターン化されたハードマスク114がマトリックススタック101上に形成される。第1のパターン化されたハードマスク114は、光学デバイス基板102の第1のセクション130上に形成された第1のハードマスク構造133aを含む。第1のハードマスク構造133aは、第1のパターン化されたハードマスク114の第1のコンタクト孔118aを画定することによって、第1のセクション130のマトリックススタック101の露出した第1の部分115aを形成する。第1のパターン化されたハードマスク114を形成することは、マトリックススタック101上に第1のハードマスク材料を配置することと、第1のハードマスク材料上にフォトレジストを配置することと、第1のハードマスク材料の部分を露出させるためにフォトレジストをパターン化することと、第1のハードマスク構造133aを形成するために第1のハードマスク材料の露出部分を除去することとを含む。第1のハードマスク材料は、これに限定されないが、窒化ケイ素(Si)を含み得る。
【0024】
工程206において、図3Cに示されるように、第1のセクション130のマトリックススタック101の露出した第1の部分115aが除去される。マトリックススタック101の露出した第1の部分115aを除去することにより、第1のマトリックススタック構造123aが形成される。第1のマトリックススタック構造123aは、2つの隣接する第1のマトリックススタック構造123aが、その間に配置された第1のビア121aを有するように第1のビア121aを画定する。第1のマトリックススタック構造123aを形成することは、任意選択のエッチング停止層106を露出させるために第2のマトリックス層104bを除去することを含む。任意選択の工程において、第1のビア121a、第2のビア121b、第1のコンタクト孔118a、または第2のコンタクト孔118bのうちの少なくとも1つが縮小される。
【0025】
工程208において、図3Dに示されるように、第2のパターン化されたハードマスク120がマトリックススタック101上に形成される。第2のパターン化されたハードマスク120は、光学デバイス基板102の第2のセクション140上に形成された第2のハードマスク構造133bを含む。第2のハードマスク構造133bは、第2のパターン化されたハードマスク120の第2のコンタクト孔118bを画定することによって、第2のセクション140のマトリックススタック101の露出した第2の部分115bを形成する。第2のパターン化されたハードマスク120を形成することは、マトリックススタック101上に第2のハードマスク材料を配置することと、第2のハードマスク材料上にフォトレジストを配置することと、第2のハードマスク材料の部分を露出させるためにフォトレジストをパターン化することと、第2のハードマスク構造133bを形成するために第2のハードマスク材料の露出部分を除去することとを含む。第2のハードマスク材料は、これに限定されないが、窒化ケイ素(Si)を含み得る。
【0026】
工程210において、図3Eに示されるように、第2のセクション140のマトリックススタック101の露出した第2の部分115bが除去される。露出した第2の部分115bを除去することにより、第2のマトリックススタック構造123bが形成される。第2のマトリックススタック構造123bは、2つの隣接する第2のマトリックススタック構造123bが、その間に配置された第2のビア121bを有するように第2のビア121bを画定する。第2のマトリックススタック構造123bを形成することは、光学デバイス基板102を露出させるために、第2のマトリックス層104b、任意選択のエッチング停止層106、および第1のマトリックス層104aを除去することを含む。
【0027】
工程212において、図3Fに示されるように、第1のパターン化されたハードマスク114および第2のパターン化されたハードマスク120が除去される。残留フォトレジスト材料も除去される。
【0028】
工程214において、図3Gに示されるように、デバイス材料108は、第1のビア121aおよび第2のビア121b内に配置される。一例では、デバイス材料108は、原子層堆積(ALD)によって配置される。デバイス材料は、シリコンオキシカーバイド(SiOC)、二酸化チタン(TiO)、二酸化ケイ素(SiO)、バナジウム(IV)酸化物(VOx)、酸化アルミニウム(Al)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、二酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、五酸化タンタル(Ta)、窒化ケイ素(Si)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ニオブ(Nb)、スズ酸カドミウム(CdSnO)、または炭窒化ケイ素(SiCN)を含む材料のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0029】
工程216において、図1に示されるように、デバイス材料108が平坦化される。デバイス材料108は、第1の光学デバイス構造109aと第2の光学デバイス構造109bとを形成するために平坦化され、その結果、第1の光学デバイス構造109aの第1の上部表面110aが第1のマトリックススタック構造123aの第1の上部表面112aと位置合わせされ、第2の光学デバイス構造109bの第2の上部表面110bが第2のマトリックススタック構造123bの第2の上部表面112bと位置合わせされる。一例では、デバイス材料108の余分な部分108aは、化学機械平坦化(CMP)を使用して除去され得る。
【0030】
図4Aは、第1の構成の光学デバイス150の透視正面図である。図4Bは、第1の構成の光学デバイス150の概略上面図である。説明した第1の構成および第2の構成の光学デバイス150は、例示的な光学デバイスであることが理解されるべきである。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第1の構成の光学デバイス150は、拡張現実導波管コンバイナなどの導波管コンバイナである。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、第2の構成の光学デバイス150は、メタサーフェスなどの平面光学デバイスである。光学デバイス150は、光学デバイス基板102上に配置された複数の光学デバイス構造109を含む。複数の光学デバイス構造109は、複数の第1の光学デバイス構造109aと、複数の第2の光学デバイス構造109bとを含む。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、光学デバイス構造109の領域は、第1の格子404a、第2の格子404b、および第3の格子404cなどの1つまたは複数の格子404に対応する。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、光学デバイス150は、少なくとも入力結合格子に対応する第1の格子404aと、出力結合格子に対応する第3の格子404cとを含む導波管コンバイナである。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる、本実施形態による導波管コンバイナは、中間格子に対応する第2の格子404bを含む。図4Bは、光学デバイス構造109を正方形または長方形の断面を有するものとして示しているが、光学デバイス構造109の断面は、これらに限定されないが、円形、三角形、楕円形、正多角形、不規則多角形、および/または不規則形状の断面を含む他の形状を有し得る。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、単一の光学デバイス150上の光学デバイス構造109の断面は異なる。
【0031】
要約すると、屈折率が2.0以上の多深度光学デバイス構造を有する光学デバイスおよび光学デバイスを形成するための方法が提供される。光学デバイスおよび方法は、第1のマトリックススタック構造および第2のマトリックススタック構造を形成することを含む。隣接する第1のマトリックススタック構造は、第1の深度を有する第1のビアを形成し、隣接する第2のマトリックススタック構造は、第2の深度を有する第2のビアを形成する。第1のビアの第1の深度が第2のビアの第2の深度とは異なることは、ビアがデバイス材料を用いて埋め戻されるときにサブミクロンの多深度光学デバイス構造の形成からもたらされる。
【0032】
上記は、本開示の実施形態に関するものであるが、本開示の他の実施形態およびさらなる実施形態が、その基本的な範囲から逸脱することなく考案されてよく、その範囲は、以下の請求項によって決定される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4A
図4B
【国際調査報告】