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特表2025-502777インナーレチクルポッドカバーおよびベースプレートシッパー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】インナーレチクルポッドカバーおよびベースプレートシッパー
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20250121BHJP
   G03F 1/66 20120101ALI20250121BHJP
【FI】
H01L21/68 T
G03F1/66
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539247
(86)(22)【出願日】2022-12-29
(85)【翻訳文提出日】2024-08-07
(86)【国際出願番号】 US2022054232
(87)【国際公開番号】W WO2023129642
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】63/294,463
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ティーベン, アンソニー マティウス
(72)【発明者】
【氏名】グリン, フィリップ スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】ラシュク, ラス ヴィ.
【テーマコード(参考)】
2H195
5F131
【Fターム(参考)】
2H195BA10
2H195BB30
2H195BE12
2H195CA20
5F131AA10
5F131AA12
5F131BA13
5F131CA09
5F131GA12
5F131GA24
5F131GA32
5F131GA53
5F131GA68
5F131GA69
5F131GA85
5F131GA87
5F131GA92
5F131GA99
(57)【要約】
レチクルポッドのカバーまたはベースプレート用のシッピング容器は、第1の固定機構を含んでいる第1のシェルと、第2の固定機構を含んでいる第2のシェルとを含む。第1のシェルおよび第2のシェルが結合されると、シェルがレチクルポッドのカバーまたはベースプレートを収容できる内部空間を画定し、固定機構は、第1または第2のシェルとの、面内の方向のカバーまたはベースプレートの動きを防止するためにカバーまたはベースプレートと嵌合する。固定機構は、カバーまたはベースプレートと接触する剛性固定機構および弾性固定機構の両方があるようなものであってもよい。カバーまたはベースプレートを保管する方法は、第1のシェルと第2のシェルとの間にカバーまたはベースプレートを置くことと、第1のシェルと第2のシェルとを互いに結合することとを含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レチクルポッドのカバーまたはベースプレート用の容器であって、
複数の第1の固定機構を備える第1のシェルと、
複数の第2の固定機構を備える第2のシェルと
を具備し、
前記第1のシェルおよび前記第2のシェルが一緒に結合されるように構成され、
前記第1のシェルおよび前記第2のシェルが一緒に結合されると、前記第1のシェルおよび前記第2のシェルが内部空間を画定し、前記内部空間が前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートを収容できるように、前記内部空間が大きさを決められ、
前記第1の固定機構が前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートの第1の側に設けられた第1のポッド機構に対応する第1の予め定められた位置のところで前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートと嵌合するように構成され、
前記第2の固定機構が前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートの第2の側に設けられた第2のポッド機構に対応する第2の予め定められた位置のところで前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートと嵌合するように構成され、
前記第1の固定機構が前記第1のポッド機構と嵌合し、前記第2の固定機構が前記第2のポッド機構と嵌合すると、前記嵌合が、前記第1のシェルまたは前記第2のシェルのうちの少なくとも一方との、面内の前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートの動きを制限する、
容器。
【請求項2】
前記第1の固定機構または前記第2の固定機構のうちの少なくとも一方が、弾性材料を各々含む、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記弾性材料がフルオロエラストマーである、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記第1の固定機構または前記第2の固定機構のうちの少なくとも一方が、剛性材料を各々含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の容器。
【請求項5】
前記剛性材料が、前記第1のシェルまたは前記第2のシェルの本体と同じ材料である、請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記容器が前記レチクルポッドの前記カバー用であり、前記第1の予め定められた位置および前記第2の予め定められた位置のうちの少なくともいくつかが、前記レチクルポッドの前記カバーのスルーホールに対応する、請求項1から5のいずれか一項に記載の容器。
【請求項7】
前記容器が前記レチクルポッドの前記ベースプレート用であり、前記第1の予め定められた位置または前記第2の予め定められた位置のうちの少なくとも一方が、前記レチクルポッドの前記ベースプレートのキネマティックカップリング溝に対応する、請求項1から6のいずれか一項に記載の容器。
【請求項8】
前記第1の予め定められた位置および前記第2の予め定められた位置が、前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートの非機能的な場所に対応する、請求項1から6のいずれか一項に記載の容器。
【請求項9】
前記第1のシェルおよび前記第2のシェルが、ポリカーボネートまたはポリオレフィンを各々含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の容器。
【請求項10】
レチクルポッドのカバーまたはベースプレートを保管する方法であって、
容器の第1のシェル内へと前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートを置くことであり、前記第1のシェルが複数の第1の固定機構を含み、前記第1のシェル内へと前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートを置くことが、前記カバーまたは前記ベースプレートの第1の側の第1のポッド機構を前記複数の第1の固定機構と嵌合させることを含む、前記カバーまたは前記ベースプレートを置くことと、
前記容器の第2のシェルを前記容器の前記第1のシェルに結合することであり、前記第2のシェルが第2の嵌合機構を含み、前記容器の前記第2のシェルを前記第1のシェルに結合することが、前記カバーまたは前記ベースプレートの第2の側の第2のポッド機構を前記第2の固定機構と嵌合させることを含む、前記第2のシェルを前記第1のシェルに結合することと
を含み、
前記第1のポッド機構との前記第1の固定機構の前記嵌合および前記第2のポッド機構との前記第2の固定機構の前記嵌合が、前記第1のシェルまたは前記第2のシェルのうちの少なくとも一方との、面内の前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートの動きを制限する、
方法。
【請求項11】
前記第1の固定機構または前記第2の固定機構のうちの少なくとも一方が、弾性材料を各々含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記弾性材料がフルオロエラストマーである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の固定機構または前記第2の固定機構のうちの少なくとも一方が、剛性材料を各々含む、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記剛性材料が、前記第1のシェルまたは前記第2のシェルの本体と同じ材料である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
保管される前記カバーまたは前記ベースプレートが、前記レチクルポッドの前記カバーであり、前記第1の固定機構および前記第2の固定機構のうちの少なくともいくつかが、前記レチクルポッドの前記カバーに形成されたスルーホールと嵌合する、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
保管される前記カバーまたは前記ベースプレートが、前記レチクルポッドの前記ベースプレートであり、前記第1の固定機構および前記第2の固定機構のうちの少なくともいくつかが、前記レチクルポッドの前記ベースプレートのキネマティックカップリング溝と嵌合する、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の固定機構および前記第2の固定機構が、前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートの非機能的な場所と嵌合する、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のシェルおよび前記第2のシェルが、ポリカーボネートまたはポリオレフィンを各々含む、請求項10から17のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、レチクルポッドのインナーポッドとして使用されるカバーおよび/またはベースプレート用のシッピング容器を対象とする。
【0002】
優先権
この開示は、2021年12月29日の出願日を有する米国仮特許出願番号第63/294,463号の優先権を主張し、本明細書中に援用により取り込まれている。
【背景技術】
【0003】
例えば、極紫外(EUV)などのフォトリソグラフィを通して処理されようとしているレチクルは、アウターポッドおよびインナーポッドを含むレチクルポッドに保管され搬送されることがある。インナーポッドは、ベースプレートおよびカバーを含むことができる。
【発明の概要】
【0004】
この開示は、レチクルポッドのインナーポッドとして使用されるカバーおよび/またはベースプレート用のシッピング容器を対象とする。
【0005】
実施形態によるシッピング容器は、カバーおよびベースプレートのユーザへのシッピング中にレチクルインナーポッドのカバーおよび/またはベースプレートを保護できる。これは、カバーおよび/またはベースプレートへの損傷の発生を削減でき、したがって運搬中の利用可能なカバーおよびベースプレートの損失を削減するまたは防止する。実施形態では、シッピング容器は、シッピング空間の与えられた容積でシッピングされ得るカバーおよび/またはベースプレートの数を増加できる。シッピング容器は、カバーおよび/またはベースプレートに対する衝撃の効果を削減しながらカバーおよび/またはベースプレートの両方を堅くしっかりと固定するために対向する堅固で硬い保持点を使用できる。実施形態によるシッピング容器は、カバーおよび/またはベースプレートがカバーおよび/またはベースプレートをさらに改変せずにシッピング容器内にしっかりと固定され得るように、カバーおよび/またはベースプレートのデザインに既に存在する機構と相互に接続するように構成されてもよい。
【0006】
レチクルポッドのカバーまたはベースプレート用の容器は、複数の第1の固定機構を備える第1のシェルと、複数の第2の固定機構を備える第2のシェルとを含む。上記第1のシェルおよび上記第2のシェルが一緒に結合されるように構成される。上記第1のシェルおよび上記第2のシェルが一緒に結合されると、上記第1のシェルおよび上記第2のシェルが内部空間を画定する。上記内部空間が上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートを収容できるように、上記内部空間が大きさを決められる。上記第1の固定機構が、上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートの第1の側に設けられた第1のポッド機構に対応する第1の予め定められた位置のところで上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートと嵌合するように構成される。上記第2の固定機構が、上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートの第2の側に設けられた第2のポッド機構に対応する第2の予め定められた位置のところで上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートと嵌合するように構成される。上記第1の固定機構が上記第1のポッド機構と嵌合し、上記第2の固定機構が上記第2のポッド機構と嵌合すると、上記嵌合が、上記第1のシェルまたは上記第2のシェルのうちの少なくとも一方との、面内の上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートの動きを制限する。
【0007】
ある実施形態では、上記第1の固定機構または上記第2の固定機構のうちの少なくとも一方が、弾性材料を各々含む。ある実施形態では、上記弾性材料が、フルオロエラストマーである。
【0008】
ある実施形態では、上記第1の固定機構または上記第2の固定機構のうちの少なくとも一方が、剛性材料を各々含む。ある実施形態では、上記剛性材料が、上記第1のシェルまたは上記第2のシェルの本体と同じ材料である。
【0009】
ある実施形態では、上記容器が上記レチクルポッドの上記カバー用であり、上記第1の予め定められた位置および上記第2の予め定められた位置のうちの少なくともいくつかが、上記レチクルポッドの上記カバーのスルーホールに対応する。
【0010】
ある実施形態では、上記容器が、上記レチクルポッドの上記ベースプレート用であり、上記第1の予め定められた位置または上記第2の予め定められた位置のうちの少なくとも一方が、上記レチクルポッドの上記ベースプレートのキネマティックカップリング溝に対応する。
【0011】
ある実施形態では、上記第1の予め定められた位置および上記第2の予め定められた位置が、上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートの非機能的な場所に対応する。
【0012】
ある実施形態では、上記第1のシェルおよび上記第2のシェルが、ポリカーボネートまたはポリオレフィンを各々含む。
【0013】
ある実施形態では、レチクルポッドのカバーまたはベースプレートを保管する方法は、容器の第1のシェル内へと上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートを置くことを含む。上記第1のシェルが複数の第1の固定機構を含む。上記第1のシェル内へと上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートを置くことが、上記カバーまたは上記ベースプレートの第1の側の第1のポッド機構を上記複数の第1の固定機構と嵌合させることを含む。上記方法は、上記容器の第2のシェルを上記容器の上記第1のシェルに結合することをさらに含む。上記第2のシェルが第2の嵌合機構を含む。上記容器の第2のシェルを上記第1のシェルに結合することが、上記カバーまたは上記ベースプレートの第2の側の第2のポッド機構を上記第2の固定機構と嵌合させることを含む。上記第1のポッド機構との上記第1の固定機構の上記嵌合および上記第2のポッド機構との上記第2の固定機構の上記嵌合が、上記第1のシェルまたは上記第2のシェルのうちの少なくとも一方との、面内の上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートの動きを制限する。
【0014】
ある実施形態では、上記第1の固定機構または上記第2の固定機構のうちの少なくとも一方が、弾性材料を各々含む。ある実施形態では、上記弾性材料がフルオロエラストマーである。
【0015】
ある実施形態では、上記第1の固定機構または上記第2の固定機構のうちの少なくとも一方が、剛性材料を各々含む。ある実施形態では、上記剛性材料が、上記第1のシェルまたは上記第2のシェルの本体と同じ材料である。
【0016】
ある実施形態では、保管される上記カバーまたは上記ベースプレートが、上記レチクルポッドの上記カバーであり、上記第1の固定機構および上記第2の固定機構のうちの少なくともいくつかが、上記レチクルポッドの上記カバーに形成されたスルーホールと嵌合する。
【0017】
ある実施形態では、保管される上記カバーまたは上記ベースプレートが、上記レチクルポッドの上記ベースプレートであり、上記第1の固定機構および上記第2の固定機構のうちの少なくともいくつかが、上記レチクルポッドの上記ベースプレートのキネマティックカップリング溝と嵌合する。
【0018】
ある実施形態では、上記第1の固定機構および上記第2の固定機構が、上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートの非機能的な場所と嵌合する。
【0019】
ある実施形態では、上記第1のシェルおよび上記第2のシェルが、ポリカーボネートまたはポリオレフィンを各々含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ある実施形態によるレチクルポッドのカバーまたはベースプレート用の容器の図である。
図2A】ある実施形態に従って容器に保管されるレチクルポッドのベースプレートの第1の側の図である。
図2B図2Aのベースプレートの第1の側で使用されるように構成された第1のシェルの図である。
図2C図2Aに示したベースプレートの第2の側の図である。
図2D図2Cのベースプレートの第2の側で使用されるように構成された第2のシェルの図である。
図3A】ある実施形態に従って容器に保管されるレチクルポッドのカバーの第1の側の図である。
図3B図3Aのカバーの第1の側で使用されるように構成された第1のシェルの図である。
図3C図3Aに示したカバーの第2の側の図である。
図3D図3Cのカバーの第2の側で使用されるように構成された第2のシェルの図である。
図4】ある実施形態による方法のフローチャートである。
図5】収納されるレチクルとの容器のコンタクト部の界面の図である。
図6】収納されるレチクルとの容器のコンタクト部の別の界面の図である。
図7】収納されるレチクルとの容器のコンタクト部の別の界面の図である。
図8】収納されるレチクルとの容器のコンタクト部の別の界面の図である。
図9】収納されるレチクルとの容器のコンタクト部の別の界面の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
この開示は、レチクルポッドのインナーポッドとして使用されるカバーおよび/またはベースプレート用のシッピング容器を対象とする。
【0022】
図1は、ある実施形態によるレチクルポッドのカバーまたはベースプレート用の容器を示す。容器100は、第1のシェル102を含み、第1のシェル102上に設けられた複数の第1のコンタクト部104をともなう。容器100はまた、第2のシェル106も含み、第2のシェル106上に設けられた複数の第2のコンタクト部108をともなう。容器100は、レチクルポッドのカバーまたはベースプレート110を収納するために使用されてもよい。
【0023】
容器100は、カバーまたはベースプレート110を収納するように構成される。容器100は、容器100により画定される内部空間にカバーまたはベースプレート110を収容するように構成される。容器100は、中に保管されるカバーまたはベースプレート110の保管および/または運搬のために使用されてもよい。ある実施形態では、容器100に収納されるべきカバーまたはベースプレート110は、レチクルポッドインナーポッドのカバーである。
【0024】
第1のシェル102および第2のシェル106は、それぞれの固定機構を各々含む。固定機構は、各々のシェル102、106に設けられる機構であり、カバーまたはベースプレートが容器100の内側にあるときにカバーまたはベースプレート110と機械的に嵌合するように構成される。カバーまたはベースプレート110との固定機構の機械的な嵌合は、容器100内のある特定の位置にカバーまたはベースプレートを保持し、カバーまたはベースプレート110の動きを制限するまたは防止する。ある実施形態では、固定機構の嵌合は、第1のシェル102および/または第2のシェル106との面内の成分を含め第1のシェル102および/または第2のシェル106に対するカバーまたはベースプレート110の動きを制限するまたは防止する。図1に示した実施形態では、第1のコンタクト部104は、第1のシェル102の固定機構であり、第2のコンタクト部108は、第2のシェル106の固定機構である。固定機構は、容器100内のカバーまたはベースプレートの動きを制限するまたは防止するように、カバーまたはベースプレート110と嵌合できる第1のシェル102および第2のシェル106のいずれかの好適な機構であってもよい。固定機構の非限定的な実施形態が、図5図9に示され、下記に説明される。
【0025】
第1のシェル102は、容器100の一部分を形成する。第1のシェル102は、内部空間を部分的に画定するように構成され、その結果、カバーまたはベースプレート110が、内部空間内に保持されることがある。第1のシェル102は、複数の第1のコンタクト部104を含む。ある実施形態では、第1のシェル102は、ポリマ材料製である。ある実施形態では、第1のシェル102は、ポリカーボネート、ポリオレフィン、またはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)ポリマ製である。第1のシェル102は、カバーまたはベースプレート110が固定機構として容器100内に保管されるときに、カバーまたはベースプレート110に面するように構成された第1のシェル102の側に形成される第1のコンタクト部104を含むことができる。第1のコンタクト部104は、容器100内にカバーまたはベースプレート110を保持するために接触されるべきカバーまたはベースプレート110上の位置に対応する位置の第1のシェル102上に設けられる。第1のコンタクト部104は、カバーまたはベースプレート110上の重要でない位置に対応する位置に設けられてもよい。カバーまたはベースプレート110上の重要でない位置は、保管中または運搬中に偶発的な損傷がカバーまたはベースプレート110を含むレチクルポッドの機能に材料的に悪影響を及ぼさないエリアである。カバーまたはベースプレート110の重要なエリアは、封止表面、高研磨エリア、表面上の眼に見えるメッキのエリア、カバーまたはベースプレート110がレチクルを収納する内部空間内のエリア、等を含むことができる。カバーまたはベースプレート110の重要でないエリアは、カバーまたはベースプレート110のコーナー部および側面、カバーまたはベースプレート110に形成されたスルーホール、安全キャッチホール、キネマティックカップリング(KC)溝、等を含むことができる。
【0026】
第1のコンタクト部104は、第1のシェル102の材料を含むことができる。ある実施形態では、第1のコンタクト部104は、例えば、第1のコンタクト部104がカバーまたはベースプレート110と相互に接続するはずの弾性部品をさらに含むことができる。そのときには、弾性部品は、例えば、1つまたは複数のエラストマーなどのいずれかの好適な弾性材料であってもよい。ある実施形態では、弾性部品は、熱可塑性エラストマーである。ある実施形態では、弾性部品は、フルオロエラストマーである。弾性部品は、架橋結合したポリマ材料で作られてもよい。弾性部品で使用され得る材料の非限定的な例は、FKMまたはViton(商標)などのフッ素ゴムを含む。ある実施形態では、第1のコンタクト部104は、カバーまたはベースプレート110と接触している表面のところに弾性材料または剛性材料のうちの一方で設けられ、第2のコンタクト部108は、カバーまたはベースプレート110と接触している表面のところに弾性材料または剛性材料のうちの他方で設けられる。この実施形態では、カバーまたはベースプレートは、一方の側で剛性材料により、他方の側で弾性材料により接触される。剛性材料は、いずれかの好適な剛性材料であってもよい。ある実施形態では、剛性材料は、第1のシェル102または第2のシェル106として使用された材料と同じである。ある実施形態では、剛性材料は、ポリカーボネート、超高分子量ポリエチレンなどのポリオレフィン、またはABSである。
【0027】
第2のシェル106は、容器100の別の一部分を形成する。第2のシェル106と第1のシェル102とが結合されると、容器100は、カバーまたはベースプレート110を囲むように構成される。第2のシェル106は、剛性材料、例えば、ポリカーボネート、超高分子量ポリエチレンなどのポリオレフィン、またはABS製であってもよい。ある実施形態では、第2のシェル106は、第1のシェル102と同じ材料製である。第2のシェル106および第1のシェル102は、ラッチ、タブ、ヒンジ、スナップフィット機構、磁性表面、等などのいずれかの好適な密封機構またはそれらの組み合わせにより結合されてもよい。図1に示した実施形態では、容器100は、第1のシェル102と第2のシェル106とを互いにしっかりと固定するためヒンジ112およびラッチ114を含む。
【0028】
第2のシェル106は、固定機構として第2のコンタクト部108を含む。カバーまたはベースプレート110の第2の側上の予め定められた接触点に対応するように構成された位置でシェル106上に位置する第2のコンタクト部108は、第1のコンタクト部104により接触される第1の側とは反対である。第2のコンタクト部108は、カバーまたはベースプレート110の第2の側上の重要でない位置に対応するように設置されてもよい。第2のコンタクト部108は、剛性材料を含むことができる。第2のコンタクト部108は、第2のシェル106の材料を含むことができる。第2のコンタクト部108は、第1のコンタクト部104に関して上に説明した弾性構成要素のうちのいずれかなどの弾性構成要素を含むことができる。ある実施形態では、第1のコンタクト部104および第2のコンタクト部108は、一方の側では剛性材料と、反対側では弾性材料とレチクルまたはベースプレート110とが接触するように結合する。ある実施形態では、第1のコンタクト部104および第2のコンタクト部108は、対向する側の各々で剛性材料とレチクルまたはベースプレート110とが接触するように結合する。ある実施形態では、第1のコンタクト部104および第2のコンタクト部108は、対向する側の各々で弾性材料とレチクルまたはベースプレートとが接触するように結合する。
【0029】
ある実施形態では、第2のコンタクト部108のうちの一部またはすべておよび第1のコンタクト部104のうちの一部またはすべては、スルーホール、カバーまたはベースプレート110の周辺部、等などのカバーまたはベースプレート110に形成された共通機構と相互に接続できる。ある実施形態では、第2のコンタクト部108は、容器100が閉じられたときに第1のコンタクト部104の反対側である。ある実施形態では、第1のコンタクト部104と第2のコンタクト部108とは、カバーまたはベースプレート110が容器100内に設置されるときに互いに接触できる。ある実施形態では、第1のコンタクト部104のうちの一部またはすべては、カバーまたはベースプレート110の第1の側上の1セットの機構のコンタクト部であり、第2のコンタクト部のうちの一部またはすべては、カバーまたはベースプレート110の第2の側に設けられた機構の別の第2のセットに接触するように構成される。
【0030】
第1のコンタクト部104と、カバーまたはベースプレート110と、第2のコンタクト部108との間の接触は、カバーまたはベースプレート110が第1のシェル102および第2のシェル106のうちの一方または両方と面内の方向に著しく動かないようにカバーまたはベースプレート110がしっかりと固定されるように容器100内で保持されるようなものである。小さな一時的な動きが、第1のコンタクト部104および/もしくは第2のコンタクト部108の弾性材料の使用に依存して、または容器100およびカバーもしくはベースプレート110の一方もしくは両方に関する部品の損耗もしくは製造許容誤差内の変動に起因して生じることがある。
【0031】
図2Aは、ある実施形態に従って容器内に保管されるレチクルポッドのベースプレートの第1の側を示す。ベースプレート200の第1の側は、ベースプレート200を含むレチクルポッドが組み立てられたときに外に向かって面する側であってもよい。ベースプレート200の第1の側は、安全キャッチホール202、重量削減ポケット204、およびキネマティックカップリング溝などのキネマティックカップリング機構206を含む。安全キャッチホール202、重量削減ポケット204、およびキネマティックカップリング機構206のうちのいずれか、一部またはすべては、下記に論じられ、図2Bに示されるように第1のシェルコンタクト部214によって接触されるベースプレートの第1の側の点として使用されてもよい。反射鏡ゾーン208が、ベースプレート200の第1の側に設けられてもよい。反射鏡ゾーン208は、レチクルの取り扱い中にベースプレートの向きを合わせるために使用されてもよい。
【0032】
図2Bは、図2Aのベースプレートの第1の側で使用されるように構成された第1のシェルを示す。第1のシェル210は、シェル本体212および複数の第1のシェルコンタクト部214を含む。シェル本体212は、ベースプレート200を収納するように内部空間の一部分を画定する。複数の第1のシェルコンタクド214は、第1のシェル210および第2のシェル230を含んでいる容器が組み立てられるときにベースプレート200の第1の側に面するように構成されたシェル本体210の表面上に分散される。第1のシェルコンタクト部214は、図5図9に示され、下記に論じられるようなコンタクト部502、602、702、802、または902のうちのいずれかなどのベースプレート200と接触するためのコンタクト部の任意の好適な構成であってもよい。第1のシェルコンタクト部214は、ベースプレート200の第1の側の安全キャッチホール202、重量削減ポケット204、またはキネマティックカップリング機構206に対応するように設置されてもよい。第1のシェルコンタクト部は、ベースプレート200の第1の側に設けられた反射鏡ゾーン208との接触を避けるように設置されることがある。
【0033】
図2Cは、図2Aに示したベースプレートの第2の側を示す。ベースプレート200の第2の側は、ベースプレート200を含んでいるレチクルポッドがレチクルを収納するために使用されるときに、レチクルに面するように構成されたベースプレート200の側である。ベースプレート200の第2の側は、グリッパポケット220を含む。ベースプレートの第2の側はまた、ベースプレート封止エリア222も含む。ベースプレート封止エリア222は、下記に論じられ、図3A図3Dに示されたカバー300などのカバーが、ベースプレート200およびカバー300を含んでいるレチクルポッドが組み立てられるときにベースプレート200と接触している位置のところにある。第2の側はまた、ベースプレート200の第2の側に設けられたレチクルコンタクト部226同士の間の場所にあるレチクル下空間224も含む。
【0034】
図2Dは、図2Cのベースプレートの第2の側で使用されるように構成された第2のシェルを示す。第2のシェル230は、第2のシェル本体232および第2のシェルコンタクト部234を含む。第2のシェル本体は、ベースプレート200を収納するための内部空間の別の一部分を画定する。第2のシェルコンタクト部234は、図5図9に示され、下記に論じられるようなコンタクト部502、602、702、802、または902のうちのいずれかなどの、ベースプレート200と接触するためのコンタクト部の任意の好適な構成であってもよい。第2のシェルコンタクト部234は、ベースプレート200の第2の側のグリッパポケット220に好ましくは対応するように設置されてもよい。第2のシェルコンタクト部234は、第2のシェルコンタクト部がベースプレート200の第2の側の封止エリア222またはレチクル下空間224と接触しないように設置されてもよい。封止エリア222およびレチクル下空間224は、ベースプレート200の重要な領域と考えられてもよい。これらの領域の重要性は、例えば、レチクルに悪影響を及ぼす高い可能性を有するこのようなエリア内で発生される粒子、または封止エリア222およびレチクル下空間224内の表面の仕上げの視認性のためであり得る。
【0035】
図3Aは、ある実施形態に従って容器に保管されるレチクルポッドのカバーの第1の側を示す。カバー300の第1の側は、カバー300がレチクルポッドを形成するためにベースプレート200などのベースプレートと組み立てられるときにレチクルに面するカバー300の側である。カバー300の第1の側は、フランジ302を含む。カバー300の第1の側は、カバー300を含んでいるレチクルポッドの内部空間の一部分を画定するレチクルレリーフ304をさらに含む。フランジ302はまた、反射鏡領域306も含む。カバー300の第1の側は、シーリングエリア308をさらに含む。カバー封止エリア308は、カバー300を含んでいるレチクルポッドが組み立てられるときにベースプレート200などのベースプレートと接触するように構成されたエリアである。カバー300のカバー封止エリア308は、図2Cに示され、上に説明されたベースプレート封止エリア222に対応することがある。
【0036】
図3Bは、図3Aのカバーの第1の側で使用されるように構成された第1のシェルを示す。第1のシェル310は、第1のシェル本体312および第1のシェルコンタクト部314を含む。第1のシェル本体312は、カバー300を収納するための内部空間の一部分を画定する。複数の第1のシェルコンタクト部314は、第1のシェル310および第2のシェル330を含んでいる容器が組み立てられるときにカバー300の第1の側に面するように構成されたシェル本体310の表面に分散される。第1のシェルコンタクト部314は、反射鏡領域306の外側のフランジ302の部品などのカバー300の第1の側上の位置に対応するように設置されてもよい。第1のシェルコンタクト部314は、カバー300が第1のシェル310内へと置かれるときに第1のシェルコンタクト部がレチクルレリーフ304、反射鏡領域306、またはカバー封止エリア308と接触しないように設置されてもよい。
【0037】
図3Cは、図3Aに示したカバーの第2の側を示す。カバー300の第2の側は、カバー300がレチクルポッド内へと組み立てられるときに、例えば、ベースプレート200と結合されるときに外に向かって面する。カバー300の第2の側は、スルーホール320を含む。スルーホール320は、カバー300内へとその後に据え付けられる機構のための挿入孔であってもよい。カバー300の第2の側は、重量削減カットアウト322をさらに含む。
【0038】
図3Dは、図3Cのカバーの第2の側で使用されるように構成された第2のシェルを示す。第2のシェル330は、第2のシェル本体332および第2のシェルコンタクト部334を含む。第2のシェル本体332は、カバー300を収納するための内部空間の別の一部分を画定した。第2のシェルコンタクト部334は、カバー300が第1のシェル310および第2のシェル330により形成される容器内部に設置されるときにカバー300の第2の側に面するように構成されたシェル本体332の側に設けられる。第2のシェルコンタクト部334は、第2の側カバー300、例えばスルーホール320および/または重量削減カットアウト322の位置に対応する位置のところに設置されてもよい。
【0039】
図4は、ある実施形態による方法のフローチャートを示す。方法400は、容器の第1のシェル内へとレチクルポッドのカバーまたはベースプレートを置くこと402を含む。方法400は、容器の第2のシェルを第1のシェルに結合すること404をさらに含む。方法400はまた、第1および第2のシェルの固定機構の嵌合も含み、カバーまたはベースプレートの動きを制限する406。
【0040】
レチクルポッドのカバーまたはベースプレートは、容器の第1のシェル内へと置かれる402。カバーまたはベースプレートは、第1のシェルを含んでいる容器に対応するように選択されたカバーまたはベースプレートのいずれかであってもよい。カバーまたはベースプレートは、第1のシェルに対応するカバーまたはベースプレートの側が第1のシェルの内部に面するように、および上に説明され、図1に示された第1のコンタクト部104などの第1のシェルの固定機構がカバーまたはベースプレート上の対応する機構と相互に接続するように402のところで容器の第1のシェル内へと置かれてもよい。
【0041】
容器の第2のシェルを第1のシェルに結合すること404。第2のシェルは、いずれかの好適な接続により、例えば、上に説明され、図1に示されたようなラッチ114を使用して、例えば、第1のシェルに第2のシェルをラッチすることよって、404のところで第1のシェルに結合されてもよい。ある実施形態では、第2のシェルは、上に説明され、図1に示されたヒンジ112などの1つまたは複数のヒンジの周りをピボット回転されてもよく、上記ヒンジに、第2のシェルがラッチまたは他のクロージャによって第1のシェルに結合される。404のところで第1のシェルに第2のシェルを結合することは、第1のシェルおよび第2のシェルが402において第1のシェル内へと置かれたカバーまたはベースプレートを収納している内部空間を形成するという結果になる。カバーまたはベースプレートが402のところで第1のシェル内へと置かれることに引き続いて404のところで第1のシェルに第2のシェルを結合することは、上に説明され、図1に示された第2のコンタクト部108などの第2のシェル上の第2の固定機構をレチクルまたはベースプレートの第2の側と嵌合させる。
【0042】
第1のシェルおよび第2のシェルの固定機構の嵌合は、カバーまたはベースプレートの動きを制限する406。406のところで制限される動きは、第1のシェルまたは第2のシェルのうちの少なくとも一方と同一面内である動きである。動きは、カバーまたはベースプレートの予め定められた場所での固定機構とのカバーまたはベースプレートの接触によって制限される。406のところでの嵌合による動きに対する抵抗は、例えばカバーまたはベースプレートを含んでいる容器が落とされた場合の衝撃、衝突、等による動きを制限できる。406のところでの動きの制限は、容器内部でのカバーまたはベースプレートの振動を減少できる。動きの制限は、動きの防止または削減であってもよい。ある実施形態では、カバーまたはベースプレートの動きは、固定機構で使用される材料の柔軟性ならびにカバーまたはベースプレートおよびそれぞれの固定機構の製造許容誤差によって許される程度に制限されることがある。固定機構は、上に特定され、図2A図2C図3A、および図3Cに示されたような場所などの予め定められた場所のところでカバーまたはベースプレートに嵌合されてもよい。
【0043】
図5は、収納されるカバーまたはベースプレートとの容器の接触部の界面を示す。図5の実施形態では、シェル500は、突出部502を含む。弾性チップ504が、突出部502を覆って設けられる。弾性チップ504は、カバーまたはベースプレート508内に形成されるコンタクト機構506と接触する表面を提供する。弾性チップ504は、例えば、突出部502を覆うプレスフィット、弾性チップ504および/もしくは突出部502上に形成された保持機構の界面、オーバーモールディング、接着剤、これらの組み合わせ、等である任意の好適な方法により突出部502に接続されてもよい。弾性チップ504は、例えば、コンタクト機構506の特定のエリアと嵌合するために、コンタクト機構506の形状に対応するように成形されてもよい。
【0044】
図6は、収納されるカバーまたはベースプレートとの容器の接触部の別の界面を示す。図6の実施形態では、シェル600は、剛性チップ604まで延びる突出部602を含み、突出部602にさらに設けられた肩606をともなう。ある実施形態では、突出部602および剛性チップ604は、シェル600と一体的に形成され、シェル600と同じ材料から構成される。剛性チップ604は、カバーまたはベースプレート610のコンタクト機構608と接触する表面を提供する。肩606は、例えば、コンタクト機構608の特定のエリアと嵌合するように、コンタクト機構608の形状に対応するように選択される形状を有することができる。
【0045】
図7は、収納されるカバーまたはベースプレートとの容器の接触部の別の界面を示す。図7に示した実施形態では、第1のシェル700は、第1の弾性チップ704により覆われる第1の突出部702を含む。弾性チップ704は、カバーまたはベースプレート708に形成されたスルーホール706内へと延びる。第2のシェル710は、第2の弾性チップ714により覆われている第2の突出部712を含む。第2の弾性チップ714もまた、スルーホール706内へと延びる。第1の弾性チップ704および第2の弾性チップ714は、スルーホール706内で互いに接触できる。
【0046】
図8は、収納されるカバーまたはベースプレートとの容器の接触部の別の界面を示す。図8に示した実施形態では、シェル800は、突出部802を含む。突出部802は、突出部802に形成されたリセス804を含む。リセス804は、任意の好適な形状を有することができる。ある実施形態では、リセス804は、円柱状であってもよい。ある実施形態では、リセス804は、形状で円錐形または円錐台形である。弾性インサート806が、リセス804内に保持されてもよい。ある実施形態では、弾性インサート806は、リセス804内へのプレスフィットであってもよい。ある実施形態では、弾性インサート806は、嵌合機構、接着剤、等なとの任意の好適な機構により突出部802に結合されてもよい。弾性インサート806は、弾性材料を含む。弾性インサート806は、カバーまたはベースプレート810のコンタクト機構808と接触するように構成される。ある実施形態では、突出部802の一部分はまた、カバーまたはベースプレート810のコンタクト機構808とも接触できる。
【0047】
図9は、収納されるカバーまたはベースプレートとの容器の接触部の別の界面を示す。図9に示した実施形態では、シェル900は、複数のコンタクト部902を提供する。複数のコンタクト部902のすべては、カバーまたはベースプレート906の単一のコンタクト機構904と相互に接続する。コンタクト部902のうちの一部またはすべては、コンタクト部902の各々の端部908のところに弾性材料を含むことができる。端部908のところの弾性材料は、突出部902を覆って付けられてもよい。突出部902は、シェル900と一体的に形成されてもよい。ある実施形態では、突出部902のうちの一部またはすべては、弾性材料が設けられない状態で端部908まで延びることが可能であり、したがって、カバーまたはベースプレート906のコンタクト機構904と相互に接続する表面のところに剛性材料を提供する。
【0048】
態様
態様1~9のいずれかが態様10~18のいずれかと組み合わせられてもよいことが理解される。
【0049】
態様1.レチクルポッドのカバーまたはベースプレート用の容器であって、
複数の第1の固定機構を備える第1のシェルと、
複数の第2の固定機構を備える第2のシェルと
を具備し、
上記第1のシェルおよび上記第2のシェルが一緒に結合されるように構成され、
上記第1のシェルおよび上記第2のシェルが一緒に結合されると、上記第1のシェルおよび上記第2のシェルが内部空間を画定し、上記内部空間が上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートを収容できるように、上記内部空間が大きさを決められ、
上記第1の固定機構が、上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートの第1の側に設けられた第1のポッド機構に対応する第1の予め定められた位置のところで上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートと嵌合するように構成され、
上記第2の固定機構が、上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートの第2の側に設けられた第2のポッド機構に対応する第2の予め定められた位置のところで上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートと嵌合するように構成され、
上記第1の固定機構が上記第1のポッド機構と嵌合し、上記第2の固定機構が上記第2のポッド機構と嵌合すると、上記嵌合が、上記第1のシェルまたは上記第2のシェルのうちの少なくとも一方との、面内の上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートの動きを制限する、
容器。
【0050】
態様2.上記第1の固定機構または上記第2の固定機構のうちの少なくとも一方が、弾性材料を各々含む、態様1に記載の容器。
【0051】
態様3.上記弾性材料がフルオロエラストマーである、態様2に記載の容器。
【0052】
態様4.上記第1の固定機構または上記第2の固定機構のうちの少なくとも一方が、剛性材料を各々含む、態様1から3のいずれか一項に記載の容器。
【0053】
態様5.上記剛性材料が、上記第1のシェルまたは上記第2のシェルの本体と同じ材料である、態様4に記載の容器。
【0054】
態様6.上記容器が上記レチクルポッドの上記カバー用であり、上記第1の予め定められた位置および上記第2の予め定められた位置のうちの少なくともいくつかが、上記レチクルポッドの上記カバーのスルーホールに対応する、態様1から5のいずれか一項に記載の容器。
【0055】
態様7.上記容器が、上記レチクルポッドの上記ベースプレート用であり、上記第1の予め定められた位置または上記第2の予め定められた位置のうちの少なくとも一方が、上記レチクルポッドの上記ベースプレートのキネマティックカップリング溝に対応する、態様1から6のいずれか一項に記載の容器。
【0056】
態様8.上記第1の予め定められた位置および上記第2の予め定められた位置が、上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートの非機能的な場所に対応する、態様1から7のいずれか一項に記載の容器。
【0057】
態様9.上記第1のシェルおよび上記第2のシェルが、ポリカーボネートまたはポリオレフィンを各々含む、態様1から8のいずれか一項に記載の容器。
【0058】
態様10.レチクルポッドのカバーまたはベースプレートを保管する方法であって、
容器の第1のシェル内へと上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートを置くことであり、上記第1のシェルが複数の第1の固定機構を含み、上記第1のシェル内へと上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートを置くことが、上記カバーまたは上記ベースプレートの第1の側上の第1のポッド機構を上記複数の第1の固定機構と嵌合させることを含む、上記カバーまたは上記ベースプレートを置くことと、
上記容器の第2のシェルを上記容器の上記第1のシェルに結合することであり、上記第2のシェルが第2の嵌合機構を含み、上記容器の第2のシェルを上記第1のシェルに結合することが、上記カバーまたは上記ベースプレートの第2の側の第2のポッド機構を上記第2の固定機構と嵌合させることを含む、第2のシェルを第1のシェルに結合することと
を含み、
上記第1のポッド機構との上記第1の固定機構の上記嵌合および上記第2のポッド機構との上記第2の固定機構の上記嵌合が、上記第1のシェルまたは上記第2のシェルのうちの少なくとも一方との、面内の上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートの動きを制限する、
方法。
【0059】
態様11.上記第1の固定機構または上記第2の固定機構のうちの少なくとも一方が、弾性材料を各々含む、態様10に記載の方法。
【0060】
態様12.上記弾性材料がフルオロエラストマーである、態様11に記載の方法。
【0061】
態様13.上記第1の固定機構または上記第2の固定機構のうちの少なくとも一方が、剛性材料を各々含む、態様10から12のいずれか一項に記載の方法。
【0062】
態様14.上記剛性材料が、上記第1のシェルまたは上記第2のシェルの本体と同じ材料である、態様13に記載の方法。
【0063】
態様15.保管される上記カバーまたは上記ベースプレートが、上記レチクルポッドの上記カバーであり、上記第1の固定機構および上記第2の固定機構のうちの少なくともいくつかが、上記レチクルポッドの上記カバーに形成されたスルーホールと嵌合する、態様10から14のいずれか一項に記載の方法。
【0064】
態様16.保管される上記カバーまたは上記ベースプレートが、上記レチクルポッドの上記ベースプレートであり、上記第1の固定機構および上記第2の固定機構のうちの少なくともいくつかが、上記レチクルポッドの上記ベースプレートのキネマティックカップリング溝と嵌合する、態様10から15のいずれか一項に記載の方法。
【0065】
態様17.上記第1の固定機構および上記第2の固定機構が、上記レチクルポッドの上記カバーまたは上記ベースプレートの非機能的な場所と嵌合する、態様10から16のいずれか一項に記載の方法。
【0066】
態様18.上記第1のシェルおよび上記第2のシェルが、ポリカーボネートまたはポリオレフィンを各々含む、態様10から17のいずれか一項に記載の方法。
【0067】
この出願で開示した例は、あらゆる点で実例として考えられるべきであり限定として考えられるべきではない。本発明の範囲は、前述の記載によるよりはむしろ別記の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の等価物の意味および範囲内になるすべての変更は、特許請求の範囲に取り込まれるものである。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-08-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レチクルポッドのカバーまたはベースプレート用の容器であって、
複数の第1の固定機構を備える第1のシェルと、
複数の第2の固定機構を備える第2のシェルと
を具備し、
前記第1のシェルおよび前記第2のシェルが一緒に結合されるように構成され、
前記第1のシェルおよび前記第2のシェルが一緒に結合されると、前記第1のシェルおよび前記第2のシェルが内部空間を画定し、前記内部空間が前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートを収容できるように、前記内部空間が大きさを決められ、
前記第1の固定機構が前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートの第1の側に設けられた第1のポッド機構に対応する第1の予め定められた位置のところで前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートと嵌合するように構成され、
前記第2の固定機構が前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートの第2の側に設けられた第2のポッド機構に対応する第2の予め定められた位置のところで前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートと嵌合するように構成され、
前記第1の固定機構が前記第1のポッド機構と嵌合し、前記第2の固定機構が前記第2のポッド機構と嵌合すると、前記嵌合が、前記第1のシェルまたは前記第2のシェルのうちの少なくとも一方との、面内の前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートの動きを制限する、
容器。
【請求項2】
前記容器が前記レチクルポッドの前記カバー用であり、前記第1の予め定められた位置および前記第2の予め定められた位置のうちの少なくともいくつかが、前記レチクルポッドの前記カバーのスルーホールに対応する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記容器が前記レチクルポッドの前記ベースプレート用であり、前記第1の予め定められた位置または前記第2の予め定められた位置のうちの少なくとも一が、前記レチクルポッドの前記ベースプレートのキネマティックカップリング溝に対応する、請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
前記第1の予め定められた位置および前記第2の予め定められた位置が、前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートの非機能的な場所に対応する、請求項1または2に記載の容器。
【請求項5】
レチクルポッドのカバーまたはベースプレートを保管する方法であって、
容器の第1のシェル内へと前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートを置くことであり、前記第1のシェルが複数の第1の固定機構を含み、前記第1のシェル内へと前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートを置くことが、前記カバーまたは前記ベースプレートの第1の側の第1のポッド機構を前記複数の第1の固定機構と嵌合させることを含む、前記カバーまたは前記ベースプレートを置くことと、
前記容器の第2のシェルを前記容器の前記第1のシェルに結合することであり、前記第2のシェルが第2の嵌合機構を含み、前記容器の前記第2のシェルを前記第1のシェルに結合することが、前記カバーまたは前記ベースプレートの第2の側の第2のポッド機構を第2の固定機構と嵌合させることを含む、前記第2のシェルを前記第1のシェルに結合することと
を含み、
前記第1のポッド機構との前記第1の固定機構の前記嵌合および前記第2のポッド機構との前記第2の固定機構の前記嵌合が、前記第1のシェルまたは前記第2のシェルのうちの少なくとも一方との、面内の前記レチクルポッドの前記カバーまたは前記ベースプレートの動きを制限する、
方法。
【国際調査報告】