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特表2025-503376サンプルマップを生成する方法、コンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】サンプルマップを生成する方法、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/22 20060101AFI20250128BHJP
   H01J 37/28 20060101ALI20250128BHJP
   G03F 9/00 20060101ALI20250128BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
H01J37/22 502H
H01J37/28 B
G03F9/00 H
H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529779
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-07-18
(86)【国際出願番号】 EP2022082359
(87)【国際公開番号】W WO2023110284
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/361,395
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ツー-チャオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,テ-シェン
【テーマコード(参考)】
2H197
4M106
5C101
【Fターム(参考)】
2H197EB03
2H197EB16
2H197EB18
2H197EB24
2H197HA03
2H197JA17
4M106AA01
4M106BA02
4M106CA39
4M106CA50
4M106DB05
4M106DH03
4M106DH33
4M106DJ20
5C101AA03
5C101EE48
5C101FF02
5C101FF27
5C101HH11
5C101HH21
5C101HH27
5C101HH36
5C101HH40
5C101HH53
5C101JJ02
5C101KK06
(57)【要約】
サンプルマップを生成し、及びサンプルを処理する方法が開示される。ある構成では、方法は、サンプル上の複数のフィールド領域の各々における第1のマークの位置を測定することを含む。第1のモデルは、第1のマークの測定された位置にフィットされる。フィットされた第1のモデルは、フィールド領域の位置を表す。方法は、1つのフィールド領域又は複数のフィールド領域の各々における複数の第2のマークの位置を測定することを含む。第2のモデルは、第2のマークの測定された位置にフィットされる。フィットされた第2のモデルは、各フィールド領域の形状を表す。フィットされた第1及び第2のモデルを使用してサンプルマップが出力される。
【選択図】 図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルマップを生成する方法であって、
フィールド領域を有するサンプルを取得することと、
複数の前記フィールド領域の各々における第1のマークの位置を測定することと、
前記第1のマークの前記測定された位置に第1のモデルをフィットさせることであって、前記フィットされた第1のモデルは、前記フィールド領域の位置を表す、フィットさせることと、
1つのフィールド領域又は複数のフィールド領域の各々における複数の第2のマークの位置を測定することと、
前記第2のマークの前記測定された位置に第2のモデルをフィットさせることであって、前記フィットされた第2のモデルは、各フィールド領域の形状を表す、フィットさせることと、
前記フィットされた第1及び第2のモデルを使用してサンプルマップを出力することと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1及び第2のモデルの何れか又は両方は、非線形幾何学的形状を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のマークの前記位置の前記測定は、前記フィットされた第1のモデルによって表される前記フィールド領域の前記位置を使用して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のモデルは、フィールド領域の行及びフィールド領域の列を有するアレイで前記フィールド領域の前記位置を表し、前記行の少なくとも1つは、非線形であり、及び/又は前記列の少なくとも1つは、非線形である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のモデルは、各フィールド領域の形状を、前記形状の境界の少なくとも一部が非線形であるように表す、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のモデルは、各非線形行及び/又は非線形列をそれぞれの非線形方程式で表す、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のモデルは、境界の各非線形部分をそれぞれの非線形方程式で表す、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
各非線形方程式は、多項式を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記多項式の次数は、両端値を含めて3~5の範囲である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のマークの前記位置は、前記サンプル上の共通の基準位置に対して測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
各フィールド領域における前記第2のマークの前記位置は、前記フィールド領域に固有の基準点に対して測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
各フィールド領域は、リソグラフィプロセス中に前記サンプルのそれぞれの露光によって処理される領域に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のマークは、3~10個のフィールド領域の各々で測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
5~20個の第2のマークの前記位置は、前記1つのフィールド領域又は前記複数のフィールド領域の各々で測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータプログラムであって、前記プログラムがコンピュータによって実行されると、以下のステップ:
サンプル上の複数のフィールド領域の各々における第1のマークの測定された位置を表すデータを受信することと、
前記第1のマークの前記測定された位置に第1のモデルをフィットさせることであって、前記フィットされた第1のモデルは、前記フィールド領域の位置を表す、フィットさせることと、
1つのフィールド領域又は複数のフィールド領域の各々における複数の第2のマークの測定された位置を表すデータを受信することと、
前記第2のマークの前記測定された位置に第2のモデルをフィットさせることであって、前記フィットされた第2のモデルは、各フィールド領域の形状を表す、フィットさせることと、
前記フィットされた第1及び第2のモデルを使用してサンプルマップを出力することと
を前記コンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年12月15日に出願され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第63/361,395号の優先権を主張するものである。
【0002】
[0002] 本明細書で開示される実施形態は、例えば、パターン中の欠陥を識別するための評価プロセスで使用するためのサンプルマップの生成に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 半導体集積回路(IC)チップを製造する際、例えば光学効果及び偶発的粒子の結果として、望ましくないパターン欠陥が製作プロセス中に基板(即ちウェーハ)又はマスク上で不可避的に生じ、それにより歩留まりが低下する。従って、望ましくないパターン欠陥の程度をモニタリングすることは、ICチップの製造で重要なプロセスである。より一般的には、基板又は他の物体/材料の表面の検査及び/又は測定は、その製造中及び/又は製造後の重要なプロセスである。
【0004】
[0004] 荷電粒子ビームによるパターン検査装置は、サンプルと呼ばれ得る物体を検査するために、例えばパターン欠陥を検出するために使用されている。これらの装置は、一般的に、走査電子顕微鏡(SEM)などの電子顕微鏡法技術を使用する。SEMでは、比較的高いエネルギーの電子の一次電子ビームが、比較的低い着地エネルギーでサンプル上に着地するために、最終減速ステップでターゲットにされる。電子ビームは、サンプル上にプロービングスポットとして集束される。プロービングスポットにおける材料構造と、電子ビームからの着地電子との相互作用により、二次電子、後方散乱電子又はオージェ電子などの信号電子が表面から放出される。信号電子は、サンプルの材料構造から放出され得る。サンプル表面にわたり、プロービングスポットとして一次電子ビームを走査することにより、サンプルの表面にわたって信号電子を放出させることができる。サンプル表面からのこれらの放出された信号電子を収集することにより、パターン検査装置は、サンプルの表面の材料構造の特徴を表す画像を取得し得る。
【0005】
[0005] パターンは、複数のフィールド領域に配置され得る。更に、各フィールド領域は、複数のダイ領域を含み得る。一般的に、フィールド領域の少なくとも一部は、名目上矩形であり、行及び列の規則的なアレイに配置される。パターニングプロセスの不完全性により、フィールド領域の形状及び位置におけるずれが生じる。フィールド領域(及びその中のダイ領域)の形状及び位置を予測するために、アライメントマークが測定及び使用され得る。このようなマップの不正確性は、評価されるサンプル中の関心のあるフィーチャを特定することをより困難にすることにより、サンプル評価方法のスループットを低下させる可能性がある。
【0006】
[0006] サンプル評価方法のスループットを向上させる一般的必要性がある。
【発明の概要】
【0007】
[0007] 本開示の目的は、サンプル評価方法のスループットの向上を支援する実施形態を提供することである。
【0008】
[0008] 開示される実施形態の一態様によれば、サンプルマップを生成する方法であって、フィールド領域を有するサンプルを取得することと、複数のフィールド領域の各々における第1のマークの位置を測定することと、第1のマークの測定された位置に第1のモデルをフィットさせることであって、フィットされた第1のモデルは、フィールド領域の位置を表す、フィットさせることと、1つのフィールド領域又は複数のフィールド領域の各々における複数の第2のマークの位置を測定することと、第2のマークの測定された位置に第2のモデルをフィットさせることであって、フィットされた第2のモデルは、各フィールド領域の形状を表す、フィットさせることと、フィットされた第1及び第2のモデル(複数の第2のモデル)を使用してサンプルマップを出力することとを含む方法が提供される。
【0009】
[0009] 開示される実施形態の一態様によれば、サンプルマップを生成する方法であって、サンプルマップは、サンプル上のフィールド領域の位置及び形状に関する情報を含み、方法は、フィールド領域を有するサンプルを提供することと、フィールド領域の各々を露光させるために使用されるリソグラフィ装置から露光補正データを受信することと、露光補正データを使用してサンプルマップを生成することとを含む、方法が提供される。
【0010】
[0010] 開示される実施形態の一態様によれば、コンピュータプログラムであって、プログラムがコンピュータによって実行されると、以下のステップ:サンプル上の複数のフィールド領域の各々における第1のマークの測定された位置を表すデータを受信することと、第1のマークの測定された位置に第1のモデルをフィットさせることであって、フィットされた第1のモデルは、フィールド領域の位置を表す、フィットさせることと、1つのフィールド領域又は複数のフィールド領域の各々における複数の第2のマークの測定された位置を表すデータを受信することと、第2のマークの測定された位置に第2のモデルをフィットさせることであって、フィットされた第2のモデルは、各フィールド領域の形状を表す、フィットさせることと、フィットされた第1及び第2のモデル(複数の第2のモデル)を使用してサンプルマップを出力することとをコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0011】
[0011] 開示される実施形態の一態様によれば、コンピュータプログラムであって、プログラムがコンピュータによって実行されると、以下のステップ:サンプル上のフィールド領域を露光させるために使用されるリソグラフィ装置から露光補正データを受信することと、露光補正データを使用して、サンプル上のフィールド領域の位置及び形状に関する情報を含むサンプルマップを生成することとをコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0012】
[0012] 開示される実施形態の一態様によれば、フィールド領域を有するサンプルを保持するように構成されたサンプルホルダと、1つ又は複数の電子ビームをサンプル上に投射し、及びサンプルから放出された信号電子を検出するように構成された電子ビームシステムと、コントローラであって、電子ビームシステムに、複数のフィールド領域の各々における第1のマークの位置を測定させることと、第1のマークの測定された位置に第1のモデルをフィットさせることであって、フィットされた第1のモデルは、フィールド領域の位置を表す、フィットさせることと、電子ビームシステムに、1つのフィールド領域又は複数のフィールド領域の各々における複数の第2のマークの位置を測定させることと、第2のマークの測定された位置に第2のモデルをフィットさせることであって、フィットされた第2のモデルは、各フィールド領域の形状を表す、フィットさせることと、フィットされた第1及び第2のモデル(複数の第2のモデル)を使用してサンプルマップを出力することとを行うように構成されたコントローラとを含む荷電粒子ビーム検査システムが提供される。
【0013】
[0013] 開示される実施形態の一態様によれば、フィールド領域を有するサンプルを保持するように構成されたサンプルホルダと、1つ又は複数の電子ビームをサンプル上に投射し、及びサンプルから放出された信号電子を検出するように構成された電子ビームシステムと、コントローラであって、サンプル上のフィールド領域を露光させるために使用されるリソグラフィ装置から露光補正データを受信することと、露光補正データを使用して、サンプル上のフィールド領域の位置及び形状に関する情報を含むサンプルマップを生成することとを行うように構成されたコントローラとを含む荷電粒子ビーム検査システムが提供される。
【0014】
[0014] 本開示の上記及び他の態様は、添付の図面と併せた例示的な実施形態の説明からより明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】[0015]例示的な荷電粒子ビーム検査システムを示す概略図である。
図2】[0016]例示的なシングルビーム電子ビームシステムの概略図である。
図3】[0017]例示的なマルチビーム電子ビームシステムの概略図である。
図4】[0018]更なる例示的なマルチビーム電子ビームシステムの概略図である。
図5】[0019]集光レンズアレイを含む例示的なマルチビーム電子ビームシステムの概略図である。
図6】[0020]ビームセパレータを含む例示的な電子ビームシステムの概略図である。
図7】[0021]いくつかの実施形態による、荷電粒子評価システムの対物レンズアレイの概略断面図である。
図8】[0022]図7の対物レンズアレイの修正形態の下面図である。
図9】[0023]実際のサンプルマップ及び生成されたサンプルマップと共にサンプルを描写し、生成されたサンプルマップは、完全な矩形グリッドのグリッドポイント上に位置決めされた矩形フィールド領域に基づく。
図10】[0024]図9の配置における実際のフィールド領域例及び生成されたフィールド領域例を描写する。
図11】[0025]実際のサンプルマップ及び生成されたサンプルマップと共にサンプルを描写し、生成されたサンプルマップは、非線形幾何学的形状を表すことができるモデルに基づく。
図12】[0026]図11の配置における実際のフィールド領域例及び生成されたフィールド領域例を描写する。
図13】[0027]サンプル上の第1のマークの位置を測定すること(左側)及びフィールド領域の位置を表すために、測定された位置に第1のモデルをフィットさせること(右側)を描写する。
図14】[0028]フィールド領域における第2のマークの位置を測定すること(左側)及びフィールド領域の形状を表すために、測定された位置に第2のモデルをフィットさせること(右側)を描写する。
図15】[0029]リソグラフィ装置からの露光補正データを用いたサンプルマップの生成を描写する。
図16】[0030]図15で生成されたサンプルマップの微調整を描写し、図16(左側)は、複数の基準マークの位置の測定を示し、図16(右側)は、図16(左側)で測定された基準マークに基づく、図15の生成されたサンプルマップに対する線形補正の適用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0031] これらの概略図は、以下で説明されるコンポーネントを示す。しかし、図に描写されるコンポーネントは、原寸に比例していない。
【0017】
[0032] ここで、例示的な実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。以下の説明は、添付の図面を参照し、別段の表示がない限り、異なる図面における同一の番号は、同一又は類似の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明に記載される実装形態は、本発明と一致するすべての実装形態を表すわけではない。代替的に、それらの実装形態は、添付の請求項に記述されるように、実施形態に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例である。
【0018】
[0033] デバイスの物理的サイズを減少させる、電子デバイスの計算能力の向上は、ICチップ上のトランジスタ、キャパシタ、ダイオードなどの回路コンポーネントの実装密度を大幅に増加させることによって達成することができる。これは、更に小さい構造の作製を可能にする分解能の向上によって可能にされてきた。例えば、親指の爪の大きさであり、2019年以前に利用可能なスマートフォンのICチップは、20億を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタのサイズは、人間の毛髪の1/1000未満である。従って、半導体IC製造が、数百の個々のステップを有する、複雑で時間のかかるプロセスであることは、驚くべきことではない。1つのステップのエラーであっても、最終製品の機能に劇的に影響を与え得る。1つのみの「致命的欠陥」がデバイスの故障を生じさせ得る。製造プロセスの目標は、プロセスの全体的な歩留まりを向上させることである。例えば、50のステップを有するプロセス(ここで、ステップは、ウェーハ上に形成される層の数を示し得る)に関して75%の歩留まりを得るために、個々のステップは、99.4%を超える歩留まりを有しなければならない。個々のそれぞれのステップが95%の歩留まりを有した場合、全体的なプロセス歩留まりは、7%と低い。
【0019】
[0034] ICチップ製造設備では、高いプロセス歩留まりが望ましい一方、1時間当たりに処理される基板の数と定義される高い基板(即ちウェーハ)スループットを維持することも必須である。高いプロセス歩留まり及び高い基板スループットは、欠陥の存在による影響を受け得る。これは、欠陥を調査するためにオペレータの介入が必要な場合に特に当てはまる。従って、検査デバイス(走査電子顕微鏡(「SEM」)など)によるマイクロスケール及びナノスケール欠陥の高スループット検出及び識別は、高い歩留まり及び低いコストを維持するために必須である。
【0020】
[0035] SEMは、走査デバイス及び検出器装置を含む。走査デバイスは、一次電子を発生させるための電子源を含む照明装置と、一次電子の1つ又は複数の集束ビームで基板などのサンプルを走査するための投影装置とを含む。共に、少なくとも照明装置又は照明システム及び投影装置又は投影システムは、合わせて電子光学システム又は装置と呼ばれ得る。一次電子は、サンプルと相互作用し、二次電子を発生させる。検出装置は、SEMがサンプルの走査エリアの画像を生成できるように、サンプルが走査されるとき、サンプルからの二次電子を捕捉する。高スループットの検査のために、検査装置の一部は、一次電子の複数の集束ビーム、即ちマルチビームを使用する。マルチビームの成分ビームは、サブビーム又はビームレットと呼ばれ得る。マルチビームは、サンプルの異なる部分を同時に走査することができる。従って、マルチビーム検査装置は、単一ビーム検査装置よりもはるかに高速でサンプルを検査することができる。
【0021】
[0036] 既知のマルチビーム検査装置の実装形態を以下に説明する。
【0022】
[0037] 説明及び図面は、電子光学システムを対象とするが、実施形態は、本開示を特定の荷電粒子に限定するために使用されないことが理解される。従って、本明細書全体を通して、電子への言及は、より一般的に荷電粒子への言及であると見なすことができ、荷電粒子は、必ずしも電子ではない。
【0023】
[0038] ここで、荷電粒子ビーム評価システム又は単に評価システムとも呼ばれ得る例示的な荷電粒子ビーム検査システム100を示す概略図である図1を参照する。図1の荷電粒子ビーム検査システム100は、メインチャンバ10、装填ロックチャンバ20、電子ビームシステム40、機器フロントエンドモジュール(EFEM)30及びコントローラ50を含む。電子ビームシステム40は、メインチャンバ10内に位置する。
【0024】
[0039] EFEM30は、第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bを含む。EFEM30は、追加的な1つ又は複数の装填ポートを含み得る。第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bは、例えば、基板(例えば、半導体基板若しくは他の材料でできている基板)又は検査対象のサンプル(以降では、基板、ウェーハ及びサンプルは、まとめて「サンプル」と呼ばれる)を収容する基板前面開口式一体型ポッド(FOUP)を受け取り得る。EFEM30内の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、サンプルを装填ロックチャンバ20に運ぶ。
【0025】
[0040] 装填ロックチャンバ20は、サンプルの周囲の気体を取り除くために使用される。これは、周囲環境の圧力より低い局所気体圧力である真空を生じさせる。装填ロックチャンバ20は、装填ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続され得、装填ロック真空ポンプシステムは、装填ロックチャンバ20内の気体粒子を取り除く。装填ロック真空ポンプシステムの動作により、装填ロックチャンバが、大気圧を下回る第1の圧力に達することが可能になる。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)が装填ロックチャンバ20からメインチャンバ10にサンプルを運ぶ。メインチャンバ10は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続される。メインチャンバ真空ポンプシステムは、サンプルの周囲の圧力が、第1の圧力を下回る第2の圧力に達するように、メインチャンバ10内の気体粒子を取り除く。第2の圧力に達した後、サンプルは、電子ビームシステム40に運ばれ、サンプルは、電子ビームシステム40によって検査され得る。電子ビームシステム40は、単一ビーム電子光学装置又はマルチビーム電子光学装置を含み得る。
【0026】
[0041] コントローラ50は、電子ビームシステム40に電子的に接続される。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査装置100を制御するように構成されたプロセッサ(コンピュータなど)であり得る。コントローラ50は、様々な信号及び画像処理機能を実行するように構成された処理回路も含み得る。図1では、コントローラ50は、メインチャンバ10、装填ロックチャンバ20及びEFEM30を含む構造の外部のものとして示されているが、コントローラ50は、構造の一部であり得ることが理解される。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査装置のコンポーネント要素の1つの内部に位置し得るか、又はコントローラ50は、コンポーネント要素の少なくとも2つに分散され得る。本開示は、電子ビームシステムを収納するメインチャンバ10の例を提供するが、本開示の態様は、広い意味では、電子ビームシステムを収納するチャンバに限定されないことに留意されたい。むしろ、前述の原理は、第2の圧力下で動作する装置の他のデバイス及び他の配置にも適用できることが理解される。
【0027】
[0042] ここで、図1の例示的な荷電粒子ビーム検査システム100の一部として提供され得る例示的なシングルビーム電子ビームシステム40の概略図である図2を参照する。電子ビームシステム40は、検査されるサンプル208を保持するために電動ステージ209によって支持されたサンプルホルダ207を含む。電子ビームシステム40は、電子源201を含む。電子ビームシステム40は、ガンアパーチャ122、ビーム制限アパーチャ125、集光レンズ126、コラムアパーチャ135、対物レンズアセンブリ132a~132d及び電子検出器144を更に含む。いくつかの実施形態における対物レンズアセンブリ132a~132dは、磁極片132a、制御電極132b、偏向器132c及び励磁コイル132dを含む修正型スインギング対物減速浸漬レンズ(SORIL)であり得る。制御電極132bは、電子ビームの通過のためにその中に形成されたアパーチャを有する。制御電極132bは、対向面72を形成する。
【0028】
[0043] 撮像プロセスでは、電子源201から出る電子ビームは、ガンアパーチャ122、ビーム制限アパーチャ125、集光レンズ126を通過し、修正型SORILレンズによってプローブスポット内に集束され、次にサンプル208の表面に衝突し得る。プローブスポットは、偏向器132c又はSORILレンズ内の他の偏向器によってサンプル208の表面全体にわたって走査され得る。サンプル表面から出た二次電子は、サンプル208上の関心エリアの画像を形成するために電子検出器144によって収集され得る。
【0029】
[0044] 電子光学システム41の集光及び照射光学システムは、電磁四重極電子レンズを含み得るか又はそれで補完され得る。例えば、図2に示すように、電子ビームシステム40は、第1の四重極レンズ148及び第2の四重極レンズ158を含み得る。いくつかの実施形態では、四重極レンズは、電子ビームを制御するために使用される。例えば、第1の四重極レンズ148は、ビーム電流を調節するように制御され得、第2の四重極レンズ158は、ビームスポットサイズ及びビーム形状を調節するように制御され得る。
【0030】
[0045] ここで、図1の例示的な荷電粒子ビーム検査システム100の一部として提供され得る、マルチビーム電子光学システム41を含む例示的な電子ビームシステム40を示す概略図である図3を参照する。電子ビームシステム40は、電子源201及び投影装置230を含む。電子ビームシステム40は、電動ステージ209及びサンプルホルダ207を更に含む。電子源201及び投影装置230は、併せて電子光学システム41又は電子光学コラムと呼ばれる。サンプルホルダ207は、検査のためのサンプル208(例えば、基板又はマスク)を保持するように電動ステージ209によって支持される。マルチビーム電子光学システム41は、検出器240(例えば、電子検出デバイス)を更に含む。
【0031】
[0046] 電子源201は、カソード(図示せず)及び抽出器又はアノード(図示せず)を含み得る。動作中、電子源201は、一次電子として電子をカソードから放出するように構成される。一次電子は、抽出器及び/又はアノードによって抽出又は加速されて、一次電子ビーム202を形成する。
【0032】
[0047] 投影装置230は、一次電子ビーム202を複数のサブビーム211、212、213に変換し、各サブビームをサンプル208上に導くように構成される。簡潔にするために3つのサブビームが示されているが、何十、何百、何千又は何十万ものサブビームが存在し得る。サブビームは、ビームレットと呼ばれ得る。
【0033】
[0048] コントローラ50は、電子放射源201、検出器240、投影装置230及び電動ステージ209など、図1の荷電粒子ビーム検査装置100の様々な部分に接続され得る。コントローラ50は、様々な画像及び信号処理機能を行い得る。コントローラ50は、荷電粒子マルチビーム装置を含む荷電粒子ビーム検査装置の動作を制御するための様々な制御信号を生成することもできる。
【0034】
[0049] 投影装置230は、検査のためにサブビーム211、212及び213をサンプル208上に集束するように構成され得、サンプル208の表面上に3つのプローブスポット221、222及び223を形成し得る。投影装置230は、サンプル208の表面のセクション内の個々の走査エリアにわたってプローブスポット221、222及び223を走査するために、一次サブビーム211、212及び213を偏向させるように構成され得る。サンプル208上のプローブスポット221、222及び223上への一次サブビーム211、212及び213の入射に応答して、信号粒子と呼ばれ得る二次電子及び後方散乱電子を含む電子がサンプル208から生成される。二次電子は、通常、50eV以下の電子エネルギーを有する。実際の二次電子は、5eV未満のエネルギーを有し得るが、50eV未満の任意のエネルギーは、通常、二次電子で取り扱われる。後方散乱電子は、通常、0eVと一次サブビーム211、212、213の着地エネルギーとの間の電子エネルギーを有する。50eV未満のエネルギーを有する検出された電子は、通常、二次電子として取り扱われるため、実際の後方散乱電子のある割合が二次電子として計数される。
【0035】
[0050] 検出器240は、二次電子及び/又は後方散乱電子などの信号粒子を検出し、対応する信号を生成するように構成され、これらの信号は、例えば、サンプル208の対応する走査エリアの画像を構築するために、信号処理システム280に送られる。検出器240は、投影装置230に組み込まれ得る。
【0036】
[0051] 信号処理システム280は、画像を形成するために検出器240からの信号を処理するように構成された回路(図示せず)を含み得る。信号処理システム280は、他に画像処理システムと呼ばれ得る。信号処理システムは、電子ビームシステム40のコンポーネント、例えば検出器240内に組み込まれ得る(図3に示すように)。しかし、信号処理システム280は、検査装置100又は電子ビームシステム40の任意の数のコンポーネント内に例えば投影装置230又はコントローラ50の一部として組み込まれ得る。信号処理システム280は、画像取得器(図示せず)及びストレージデバイス(図示せず)を含み得る。例えば、信号処理システムは、プロセッサ、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類のモバイルコンピューティングデバイスなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。画像取得器は、コントローラの処理機能の少なくとも一部を含み得る。従って、画像取得器は、少なくとも1つ又は複数のプロセッサを含み得る。画像取得器は、数ある中でも特に、導電体、光ファイバケーブル、ポータブル記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、ワイヤレスネットワーク、ワイヤレス無線機又はこれらの組み合わせなど、信号通信を可能にする検出器240に通信可能に結合され得る。画像取得器は、検出器240から信号を受信し、信号に含まれるデータを処理し、そこから画像を構築することができる。従って、画像取得器は、サンプル208の画像を取得することができる。画像取得器は、輪郭の生成及び取得画像へのインジケータの重畳などの様々な後処理機能を行うこともできる。画像取得器は、取得画像の明度及びコントラストなどの調整を行うように構成され得る。ストレージは、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他のタイプのコンピュータ可読メモリなどの記憶媒体であり得る。ストレージは、画像取得器と結合され得、走査された生の画像データをオリジナルの画像として保存するか、又は後処理された画像を保存するために使用され得る。
【0037】
[0052] 信号処理システム280は、検出された二次電子の分布を得るために、測定回路(例えば、アナログ-デジタル変換器)を含み得る。検出時間窓の間に収集された電子分布データは、サンプル表面に入射した一次サブビーム211、212及び213の各々の対応する走査パスデータと組み合わせて、検査中のサンプル構造の画像を再構築するために使用することができる。再構築された画像は、サンプル208の内部又は外部の構造の様々なフィーチャを明らかにするために使用することができる。従って、再構築された画像は、サンプルに存在し得るいかなる欠陥も明らかにするために使用することができる。信号処理システム280の上記の機能は、コントローラ50内で実行されるか、又は都合に応じて信号処理システム280とコントローラ50との間で共有され得る。
【0038】
[0053] コントローラ50は、サンプル208の検査中にサンプル208を移動させるように電動ステージ209を制御することができる。コントローラ50は、電動ステージ209が、少なくともサンプルの検査中、好ましくは継続的に例えば一定の速度である方向にサンプル208を移動させることを可能にし得、これは、ある種の走査と呼ばれ得る。コントローラ50は、電動ステージ209が、様々なパラメータに依存するサンプル208の移動の速度を変えるように、電動ステージ209の移動を制御することができる。例えば、コントローラ50は、少なくともステージの組み合わされたステップ/スキャン方法に関する限り、例えば本明細書に援用される2021年5月3日に出願された欧州特許出願公開第A21171877.0号で開示されるように、走査プロセスの検査ステップ及び/又は走査プロセスの走査の特徴に応じてステージ速度(その方向を含む)を制御し得る。
【0039】
[0054] 上記で説明された電子ビームシステム40及び荷電粒子ビーム検査装置100などの既知のマルチビームシステムは、参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2020118784号、米国特許出願公開第20200203116号、米国特許出願公開第2019/0259570号及び米国特許出願公開第2019/0259564号に開示されている。
【0040】
[0055] 電子ビームシステム40は、サンプル208を照射することにより、サンプル上の蓄積電荷を規制するための投影アセンブリを含み得る。
【0041】
[0056] ここで、図1の例示的な荷電粒子ビーム検査システム100の一部として提供され得る例示的な電子ビームシステム40を示す概略図である図4を参照する。図3で上記に例示したように、いくつかの実施形態では、電子ビームシステム40は、電子ビームシステム40の主電子光軸にアライメントされた検出器240を含む。代替的に、検出器240は、図4に示すように、異なる軸にアライメントされ得る。
【0042】
[0057] 上記で説明した特徴と同じ特徴は、同じ参照符号を付される。簡潔さのために、このような特徴は、図4を参照して詳細に説明されない。例えば、電子源201、一次電子ビーム202、サブビーム211、212及び213、投影装置230、プローブスポット221、222、223、コントローラ50、サンプル208、サンプルホルダ207、電動ステージ209及び検出器240は、上記で説明したようなものであり得る。
【0043】
[0058] 電子源201、ガンアパーチャプレート271、集光レンズ210及びソース変換ユニット220は、電子ビームシステム40の一部を形成する照明装置のコンポーネントである。ガンアパーチャプレート271は、動作時、一次電子ビーム202の最外殻電子を遮断してクーロン効果を低減するように構成される。ガンアパーチャプレート271は、クーロンアパーチャアレイと呼ばれ得る。クーロン効果は、一次サブビーム211、212、213のプローブスポット221、222及び223の各々のサイズを拡大し、その結果、検査分解能を低下させる可能性がある。ガンアパーチャプレート271は、ソース変換ユニット220の前にも、一次サブビーム(図示せず)を生成するための複数の開口を含む場合があり、クーロンアパーチャアレイと呼ばれ得る。
【0044】
[0059] 集光レンズ210は、一次電子ビーム202を集束(又はコリメート)するように構成される。ソース変換ユニット220の一例では、ソース変換ユニット220は、像形成素子アレイ、収差補償器アレイ、ビーム制限アパーチャアレイ及び事前屈曲マイクロ偏向器アレイを含み得る。事前屈曲マイクロ偏向器アレイは、例えば、任意選択的なものであり得、クーロンアパーチャアレイから生じたサブビームが例えばビーム制限アパーチャアレイ、像形成素子アレイ及び/又は収差補償器アレイ上にほぼ垂直に入射することを集光レンズが保証しない実施形態において存在し得る。
【0045】
[0060] 電子ビームシステム40は、検出器240に関連した二次投影装置255を含み得る。一次投影装置230は、対物レンズとして機能し得る、磁性を有し得る集光レンズ231のアレイを含み得る。ビームセパレータ233及び偏向走査ユニット232は、一次投影装置230の内部に位置決めされ得る。ビームセパレータ233は、ウィーンフィルタを含み得る。検出器240は、複数の検出器素子405(例えば、検出器アレイの形態)を含み得る。
【0046】
[0061] 一次ビームを生成するために使用されるコンポーネントは、電子ビームシステム40の一次電子光軸204にアライメントされ得る。これらのコンポーネントには、電子源201、ガンアパーチャプレート271、集光レンズ210、ソース変換ユニット220、ビームセパレータ233、偏向走査ユニット232及び一次投影装置230が含まれ得る。二次投影装置255及びそれに関連した検出器アレイ240は、電子ビームシステム40の二次電子光軸251にアライメントされ得る。
【0047】
[0062] いくつかの実施形態では、二次電子は、3つの二次電子ビーム261、262及び263で伝播する。その後、二次投影装置255は、二次電子ビーム261、262及び263の経路を検出器240の複数の検出器素子405上に集束させる。
【0048】
[0063] 検出器素子405は、二次電子ビーム261、262及び263を検出することができる。二次電子ビームが検出器素子405に入射すると、素子は、対応する強度信号出力(図示せず)を生成し得る。いくつかの実施形態では、検出器素子は、捕捉電極であり得る。出力は、画像処理システムに誘導され得る。
【0049】
[0064] 図5は、いくつかの実施形態による電子光学コラム41を含む電子ビームシステム40を概略的に描写する。電子光学コラム41は、図1の例示的な荷電粒子ビームシステム100の一部として提供され得る電子ビームシステム40の一部を形成し得る。図解を簡易にするために、レンズアレイは、本明細書では楕円形のアレイによって概略的に描写される。各楕円形状は、レンズアレイ内のレンズの1つを表す。楕円形状は、光学レンズで多くの場合に採用される両凸形状の類推により、レンズを表すために慣例的に使用される。しかし、本明細書で論述されるような荷電粒子配置に関連して、レンズアレイは、通常、静電的に動作するため、両凸形状を採用するいかなる物理的素子も必要としなくてよいことを理解されたい。以下に述べるように、レンズアレイは、代わりに、アパーチャを有する複数のプレートを含み得る。アパーチャを有する各プレートは、電極と呼ばれ得る。電極は、マルチビームのサブビームのサブビーム経路に沿って直列に設けられ得る。
【0050】
[0065] 電子源201は、電子を、集光レンズ231のアレイ(他に集光レンズアレイと呼ばれる)に向かって誘導する。電子源201は、望ましくは、輝度と全放出電流との間の良好な妥協点を有する高輝度の熱電界放出器である。何十、何百又は何千もの集光レンズ231が存在し得る。集光レンズ231は、多電極レンズを含み得、欧州特許出願公開第1602121A1号に基づく構造を有し得、この文献は、特に電子ビームを複数のサブビームに分割するためのレンズアレイ(このアレイは、サブビーム毎に1つのレンズを提供する)の開示に関して参照により本明細書に組み込まれる。集光レンズ231のアレイは、電極として機能する少なくとも2つ、好ましくは3つのプレートの形態を取り得、各プレートのアパーチャは、互いに位置合わせされ、サブビームの位置に対応する。プレートの少なくとも2つは、所望のレンズ効果を実現するために、動作中に異なる電位に維持される。集光レンズアレイのプレート間には、例えばセラミック又はガラスなどの絶縁材で製作される電気的絶縁プレートがあり、サブビーム毎に1つ又は複数のアパーチャを有する。プレートの1つ又は複数の代替配置は、それぞれが自らの電極を有するアパーチャであって、それぞれその周囲の周りに電極のアレイを有するか又は共通の電極を有するアパーチャの群として配置されるアパーチャを特徴とし得る。
【0051】
[0066] ある配置では、集光レンズ231のアレイは、3つのプレートアレイから形成され、これらのプレートアレイでは、荷電粒子は、各レンズに入るときと、各レンズを出るときとで同じエネルギーを有し、この配置は、アインツェルレンズと呼ばれ得る。従って、分散は、アインツェルレンズ自体の内部(レンズの入口電極と出口電極との間)でのみ生じ、それによりオフアクシス色収差が制限される。集光レンズの厚さが薄い場合、例えば数mmである場合、そのような収差の影響は、小さいか又は無視できる。
【0052】
[0067] アレイ内の各集光レンズは、電子を、それぞれの中間焦点233で集束されるそれぞれのサブビーム211、212、213内に導く。コリメータ又はコリメータのアレイは、それぞれの中間焦点233上で動作するように位置決めされ得る。コリメータは、中間焦点233に設けられる偏向器235の形態を取り得る。偏向器235は、主光線(ビーム軸とも呼ばれ得る)がサンプル208にほぼ垂直に(即ちサンプルの公称表面に対してほぼ90°で)入射することを確実にするために、効果的な量だけそれぞれのビームレット211、212、213を曲げるように構成される。
【0053】
[0068] 偏向器235の下(即ち電子源201のダウンビーム側又は電子源201からより遠く)には、各サブビーム211、212、213の制御レンズ251を含む制御レンズアレイ250が存在する。制御レンズアレイ250は、例えば、好ましくは電極と接触する絶縁プレートを有する、電極間のそれぞれの電位源に接触する2つ以上、好ましくは少なくとも3つのプレート電極アレイを含み得る。プレート電極アレイの各々は、制御電極と呼ばれ得る。制御レンズアレイ250の機能は、ビームの縮小率に関してビーム開角度を最適化すること及び/又は対物レンズ234に送達されるビームエネルギーを制御することであり、対物レンズ234の各々は、それぞれのサブビーム211、212、213をサンプル208上に導く。
【0054】
[0069] 任意選択的に、走査偏向器260のアレイは、制御レンズアレイ250と、対物レンズ234のアレイ(対物レンズアレイ)との間に設けられる。走査偏向器260のアレイは、サブビーム211、212、213毎に1つの走査偏向器261を含む。各走査偏向器は、それぞれのサブビーム211、212、213をサンプル208全体にわたって一方向又は二方向に走査するように、サブビームを一方向又は二方向に偏向させるように構成される。
【0055】
[0070] 検出器の検出器モジュール240は、サンプル208から放射された信号電子/粒子を検出するために対物レンズ234とサンプル208との間に設けられる。このような検出器モジュール240の例示的な構成が以下に説明される。検出器は、対物レンズアレイ又は更に制御レンズアレイの一次ビーム経路に沿ったアップビーム側に検出器素子を追加的又は代替的に有し得ることに留意されたい。
【0056】
[0071] 図5の配置の変形形態では、集光レンズ231のアレイを省略することができる。サブビームは、例えば、ビーム制限アパーチャのアレイを画定するビームリミッタを使用してビームから導出することができる。ビームは、制御レンズアレイ250に当たると、サブビームに分離し得る。サブビームは、制御レンズアレイ250への入射時にほぼ平行である。マルチビームのサブビームは、マルチビーム配置と呼ばれ得るパターンで配置され得る。パターンは、グリッドを形成し得る。グリッドは、六角形、直線、菱形又は正方形であり得る。コリメータ(図示せず)は、制御レンズアレイ250のアップビーム側に設けられ得る。
【0057】
[0072] 図5の配置の変形形態(図示せず)では、コリメータは、マクロコリメータを含み得る。マクロコリメータは、ビームがマルチビームに分割される前に電子源201からのビームに作用する。マクロコリメータは、ビームから導出されたサブビームの各サブビームのビーム軸がサンプル208にほぼ垂直に(即ちサンプル208の公称表面に対してほぼ90°で)入射することを確実にするために、効果的な量だけビームのそれぞれの部分を曲げる。マクロコリメータは、磁気レンズ及び/又は静電レンズを含む。別の配置(図示せず)では、マクロコリメータは、上側ビーム制限器のダウンビーム側に設けられるコリメータ素子アレイによって部分的又は全体的に置換され得る。
【0058】
[0073] 図5の配置の変形形態(図示せず)では、マクロ走査偏向器は、サブビームにサンプル208全体にわたって走査させるために設けられ得る。マクロ走査偏向器は、ビームのそれぞれの部分を偏向させて、サブビームにサンプル208全体にわたって走査させる。いくつかの実施形態では、マクロ走査偏向器は、例えば、8極以上を有するマクロマルチ極偏向器を含む。偏向は、ビームから導出されたサブビームに一方向(例えば、X軸などの単一軸と平行な)又は二方向(例えば、X軸及びY軸などの2つの非平行軸に対して)でサンプル208全体にわたって走査させるような偏向である。マクロ走査偏向器は、ビームの異なる個々の部分に作用するようにそれぞれ構成された偏向器素子のアレイを含むのではなく、ビームのすべてに対してマクロ的に作用する。マクロ走査偏向器は、マクロコリメータと制御レンズアレイ250との間に設けられ得る。別の配置(図示せず)では、マクロ走査偏向器は、例えば、各サブビームの走査偏向器として走査偏向器アレイによって部分的又は完全に置換され得る。他の配置(図示せず)では、マクロ走査偏向器と走査偏向器アレイとの両方が設けられ得、同期して動作し得る。
【0059】
[0074] いくつかの実施形態では、電子光学コラム41は、上側ビーム制限器を更に含む。上側ビーム制限器は、ビーム制限アパーチャのアレイを画定する。上側ビーム制限器は、上側ビーム制限アパーチャアレイ又はアップビーム側ビーム制限アパーチャアレイと呼ばれ得る。上側ビーム制限器は、複数のアパーチャを有するプレート(板状体であり得る)を含み得る。上側ビーム制限器は、電子源201によって発射された荷電粒子のビームからサブビームを形成する。サブビームの形成に寄与するもの以外のビームの部分は、ダウンビーム側のサブビームと干渉しないように、上側ビーム制限器によって阻止(例えば、吸収)され得る。上側ビーム制限器は、サブビーム画定アパーチャアレイと呼ばれ得る。
【0060】
[0075] いくつかの実施形態では、対物レンズアレイアセンブリ(対物レンズ234を含むユニットである)は、ビーム整形制限器を更に含む。ビーム整形制限器は、ビーム制限アパーチャのアレイを画定する。ビーム整形制限器は、下側ビーム制限器、下側ビーム制限アパーチャアレイ又は最終ビーム制限アパーチャアレイと呼ばれ得る。ビーム整形制限器は、複数のアパーチャを有するプレート(板状体であり得る)を含み得る。ビーム整形制限器は、制御レンズアレイ250の少なくとも1つの電極(任意選択的にすべて電極)からダウンビーム側にあり得る。いくつかの実施形態では、ビーム整形制限器は、対物レンズアレイの少なくとも1つの電極(任意選択的にすべて電極)からダウンビーム側にある。一配置では、ビーム整形制限器は、対物レンズアレイの電極と構造的に一体化され得る。望ましくは、ビーム整形制限器は、低静電界強度の領域内に位置決めされる。ビーム制限アパーチャと対物レンズアレイとのアライメントは、対応する対物レンズからのサブビームの一部がビーム制限アパーチャを通過し、サンプル208に衝突し得るように行われ、その結果、ビーム整形制限器に入射するサブビームの選択された部分のみがビーム制限アパーチャを通過する。
【0061】
[0076] 本明細書で説明される対物レンズアレイアセンブリの何れも検出器240を更に含み得る。検出器は、サンプル208から放射された電子を検出する。検出された電子は、サンプル208から放出される二次電子及び/又は後方散乱電子などの信号粒子を含む、SEMによって検出される電子の任意のものを含み得る。検出器240の例示的な構造は、図7及び図8を参照して以下でより詳細に説明される。
【0062】
[0077] 図6は、いくつかの実施形態による電子光学コラム41を含む電子ビームシステム40を概略的に描写する。上記で説明した特徴と同じ特徴は、同じ参照符号を付される。簡潔さのために、このような特徴は、図6を参照して詳細に説明されない。例えば、電子源201、集光レンズ231、マクロコリメータ270、対物レンズアレイ241及びサンプル208は、上記で説明したようなものであり得る。
【0063】
[0078] 上記で説明したように、いくつかの実施形態では、検出器240は、対物レンズアレイ241とサンプル208との間にある。検出器240は、サンプル208に面し得る。代替的に、図6に示すように、いくつかの実施形態では、複数の対物レンズを含む対物レンズアレイ241は、検出器240とサンプル208との間にある。
【0064】
[0079] いくつかの実施形態では、偏向器アレイ95は、検出器240と対物レンズアレイ241との間にある。いくつかの実施形態では、偏向器アレイ95は、ウィーンフィルタアレイを含むため、ビーム分離器と呼ばれ得る。偏向器アレイ95は、サンプル208に投射された荷電粒子と、サンプル208から検出器240に向かう二次電子とを分離するための磁場を提供するように構成される。
【0065】
[0080] いくつかの実施形態では、検出器240は、荷電粒子のエネルギーを参照することにより、即ちバンドギャップに依存して信号粒子を検出するように構成される。このような検出器240は、間接電流検出器と呼ばれ得る。サンプル208から放出された二次電子は、電極間の電場からエネルギーを得る。二次電子は、検出器240に到達すると、十分なエネルギーを有する。異なる配置では、検出器240は、ウィーンフィルタに対して一次ビーム経路に沿ってアップビーム側に位置決めされるビーム間の例えば蛍光ストリップのシンチレータアレイであり得る。ウィーンフィルタアレイ(一次ビーム経路に対して直角な磁気ストリップ及び静電気ストリップの)を通過する一次ビームは、ウィーンフィルタアレイのほぼ平行なアップビーム側及びダウンビーム側に経路を有する一方、サンプルからの信号電子は、シンチレータアレイ方向に向かってウィーンフィルタアレイによって導かれる。生成された光子は、光子輸送ユニット(例えば、光ファイバのアレイ)を介して、光子の検出に応じて検出信号を生成するリモート光検出器に導かれる。
【0066】
[0081] 対物レンズアレイ241は、アパーチャアレイが画定される少なくとも2つの電極を含み得る。換言すれば、対物レンズアレイは、複数の穴又はアパーチャを有する少なくとも2つの電極を含む。図7は、それぞれのアパーチャアレイ245、246を有する例示的な対物レンズアレイ241の一部である電極242、243を示す。電極内の各アパーチャの位置は、別の電極内の対応するアパーチャの位置に対応する。対応するアパーチャは、使用時、マルチビーム内の同じビーム、サブビーム又は一群のビーム対して作用する。換言すれば、少なくとも2つの電極内の対応するアパーチャは、サブビーム経路、即ちサブビーム経路220の1つと位置合わせされ、及びそれに沿って配置される。従って、電極は、それぞれのサブビーム211、212、213がその中を伝播するアパーチャをそれぞれ備える。
【0067】
[0082] 対物レンズアレイ241は、図7に示すように2つの電極若しくは3つの電極を含み得るか又はより多くの電極(図示せず)を有し得る。2つの電極のみを有する対物レンズアレイ241では、より多くの電極を有する対物レンズアレイ241よりも収差が小さくてよい。3電極対物レンズでは、電極間の電位差をより大きくすることができるため、より強力なレンズが可能になる。追加的な電極(即ち3つ以上の電極)により、例えば入射ビームに加えて二次電子も集束させるために、電子の軌道を制御する際の更なる自由度がもたらされる。アインツェルレンズにわたる2電極レンズの利点は、入ってくるビームのエネルギーが、出ていくビームと必ずしも同じではないことである。そのような2電極レンズアレイに関する電位差は、それが加速又は減速レンズアレイの何れかとして機能することを有利に可能にする。
【0068】
[0083] 対物レンズアレイ241の隣接する電極は、サブビーム経路に沿って互いに離間される。絶縁構造が以下に述べるように配置され得る、隣接する電極間の距離は、対物レンズアレイの対物レンズより大きい。
【0069】
[0084] 好ましくは、対物レンズアレイ241内に設けられる電極のそれぞれは、プレートである。電極は、他に平坦シートとして記述され得る。好ましくは、電極のそれぞれは、平坦である。換言すれば、電極のそれぞれは、好ましくは、プレートの形態の薄い平坦プレートとして提供される。当然のことながら、電極は、平坦である必要はない。例えば、電極は、高静電界に起因する力に起因して撓み得る。既知の製作方法が使用され得るため、平坦電極は、電極の製造をより容易にすることから、平坦電極を提供することが好ましい。平坦電極はまた、様々な電極間のアパーチャのより正確なアライメントを提供し得るため、好ましい場合がある。
【0070】
[0085] 対物レンズアレイ241は、10を超える倍率、望ましくは50~100以上の範囲の倍率だけ荷電粒子ビームを縮小するように構成され得る。
【0071】
[0086] 検出器240は、サンプル208から放出された信号粒子、即ち二次荷電粒子及び/又は後方散乱荷電粒子を検出するために設けられる。検出器240は、対物レンズ234とサンプル208との間に位置決めされる。信号粒子の方向に応じて、検出器は、検出信号を生成する。検出器240は、他に検出器アレイ又はセンサアレイと呼ばれ得、用語「検出器」及び「センサ」は、本出願全体にわたって交換可能に使用される。
【0072】
[0087] 電子光学システム41の電子光学デバイスが提供され得る。電子光学デバイスは、電子ビームをサンプル208に向かって投射するように構成される。電子光学デバイスは、対物レンズアレイ241を含み得る。電子光学デバイスは、検出器240を含み得る。対物レンズのアレイ(即ち対物レンズアレイ241)は、検出器(即ち検出器240)のアレイに対応し得、及び/又はビーム(即ちサブビーム)の任意のビームに対応し得る。
【0073】
[0088] 例示的な検出器240が以下に説明される。しかし、検出器240の任意の参照は、必要に応じて単一の検出器(即ち少なくとも1つの検出器)又は複数の検出器であり得る。検出器240は、検出器素子405(例えば、捕捉電極などのセンサ素子)を含み得る。検出器240は、任意の適切なタイプの検出器を含み得る。例えば、電子電荷を例えば直接検出するための捕捉用電極、シンチレータ又はPIN素子が使用され得る。検出器240は、直接電流検出器又は間接電流検出器であり得る。検出器240は、図8に関して以下に説明されるような検出器であり得る。
【0074】
[0089] 検出器240は、対物レンズアレイ241とサンプル208との間に位置決めされ得る。検出器240は、サンプル208に近接するように構成される。検出器240は、サンプル208に非常に近接し得る。代替的に、検出器240からサンプル208まで大きい間隙が存在し得る。検出器240は、サンプル208に面するようにデバイス内に位置決めされ得る。代替的に、検出器240は、検出器ではない電子光学デバイスの一部がサンプル208に面するように電子光学システム41内の他の箇所に位置決めされ得る。
【0075】
[0090] 図8は、それぞれビームアパーチャ406を取り囲む複数の検出器素子405が設けられる基板404を含む検出器240の底面図である。ビームアパーチャ406は、基板404をエッチングすることによって形成され得る。図8に示される配置では、ビームアパーチャ406は、六角形最密アレイで配置される。ビームアパーチャ406は、例えば、矩形又は菱形アレイで異なって配置することもできる。図8の六角形配置のビーム装置は、正方形ビーム配置より密に詰め込まれ得る。検出器素子405は、矩形アレイ又は六角形アレイで配置され得る。ビームアパーチャは、基板404に向かうサブビームのマルチビーム配置に対応し得る。
【0076】
[0091] 捕捉電極405は、検出器モジュール240の一番下、即ちサンプルの最も近くに表面を形成する。シリコン基板404の捕捉電極405と本体との間に論理層が設けられる。論理層は、増幅器、例えばトランスインピーダンス増幅器、アナログ/デジタル変換器及び読み出し論理を含み得る。いくつかの実施形態では、捕捉電極405毎に1つの増幅器及び1つのアナログ/デジタル変換器が存在する。これらの素子を特徴とする回路は、アパーチャに関連付けられたセルと呼ばれる単位エリア内に含まれ得る。検出器モジュ―ル240は、それぞれアパーチャに関連付けられたいくつかのセルを有し得る。基板内又は基板上には、論理層に接続される配線層であって、各セルの論理層を例えば電力線、制御線及びデータ線を介して外部に接続する配線層がある。上記で説明された集積化検出器モジュール240は、二次電子捕捉が一連の着地エネルギーに関して最適化され得るため、調整可能着地エネルギーを有するシステムと共に使用されると特に有利である。アレイの形態の検出器モジュールは、最下電極アレイだけでなく、他の電極アレイにも一体化され得る。このような検出器モジュールは、例えば、対物レンズの最ダウンビーム側表面の上方における、シンチレータ又は半導体検出器、例えばPIN検出器である検出器を特徴とし得る。このような検出器モジュールは、電流検出器を含む検出器モジュールと同様の回路アーキテクチャを特徴とし得る。対物レンズに一体化される検出器モジュールの更なる詳細及び代替配置は、少なくとも検出器モジュールの詳細に関する限り、参照により本明細書に援用される欧州特許出願公開第20184160.8号及び欧州特許出願公開第20217152.6号に見出され得る。
【0077】
[0092] 検出器は、複数の部分、具体的には複数の検出部分を備え得る。複数の部分を含む検出器は、サブビーム211、212、213の1つに関連付けられ得る。従って、1つの検出器240の複数の部分は、一次ビーム(他にサブビーム211、212、213と呼ばれ得る)の1つに関連してサンプル208から放射された信号粒子を検出するように構成され得る。換言すれば、複数の部分を含む検出器は、対物レンズアセンブリの電極の少なくとも1つの電極内のアパーチャの1つに関連付けられ得る。より具体的には、複数の部分を含む検出器405は、単一のアパーチャ406の周囲に配置され得、これは、このような検出器の一例を提供する。述べられたように、検出器モジュールからの検出信号は、画像を生成するために使用される。複数の検出部分により、検出信号は、データセットとして又は検出画像内で処理され得る様々な検出信号からの成分を含む。
【0078】
[0093] いくつかの実施形態では、対物レンズアレイ241は、それ自体が交換可能モジュールであるか、又は制御レンズアレイ及び/又は検出器アレイなどの他の素子と組み合わせた交換可能モジュールであるかの何れかである。交換可能モジュールは、現場で交換可能であり得、即ちフィールドエンジニアによって新しいモジュールと交換され得る。いくつかの実施形態では、複数の交換可能モジュールは、システム内に含まれ、従って電子ビームシステムを開けることなく動作可能位置と動作不能位置との間で交換され得る。
【0079】
[0094] いくつかの実施形態では、サブビーム内の1つ又は複数の収差を低減する1つ又は複数の収差補正器が提供される。中間焦点(又は中間像面)において又はそれに直接隣接して位置決めされる収差補正器は、電子源201を補正して、電子源201が異なるビームに関して異なる位置にあるように見えるようにする偏向器を含み得る。補正器は、各サブビームと、対応する対物レンズとの間の良好なアライメントを妨げる、放射源に起因するマクロ収差を補正するために使用され得る。収差補正器は、適切なコラムアライメントを妨げる収差を補正し得る。収差補正器は、欧州特許出願公開第2702595A1号に開示されたCMOSベースの個別のプログラム可能な偏向器又は欧州特許出願公開第2715768A2号に開示された複数の偏向器のアレイであり得、両方の特許文献内のビームレットマニュピレータの説明は、参照により本明細書に援用される。収差補正器は、像面湾曲、焦点誤差及び非点収差の1つ又は複数を低減し得る。
【0080】
[0095] 本開示の実施形態に適合する検査方法を行うために、様々な異なるシステムアーキテクチャを使用することができる。例えば、電子ビームシステムは、シングルビームシステムであり得るか若しくは複数のシングルビームコラムを含み得るか、又は複数のマルチビームコラムを含み得る。コラムは、上記の実施形態又は態様の何れかで説明された電子光学コラム41を含み得る。複数のコラム(又はマルチコラムシステム)として、本デバイスは、合計で2~100個以上のコラムに達し得るアレイで配置され得る。電子ビームシステムは、図2~8の何れかに関して説明され、図2~8の何れかに描写されるような例の形式を取り得る。
【0081】
[0096] 本明細書の導入部で述べたように、サンプル評価方法は、サンプル中の望ましくないパターン欠陥の程度を評価するために使用され得る。このような方法は、サンプル上の関心のあるフィーチャを特定することと、それらのフィーチャをサンプル上の他の場所又はデータベース内のそれぞれの基準バージョンと比較することとを伴い得る。異なるダイ領域におけるフィーチャの測定画像の比較を伴う評価方法は、ダイツーダイ(D2D)プロセスと呼ばれ得る。ダイ領域内のフィーチャの測定画像とデータベース内の基準画像との比較を伴う評価方法は、ダイツーデータベース(D2DB)プロセスと呼ばれ得る。
【0082】
[0097] いくつかの配置では、(例えば、D2DB又はD2Dのための)アライメントは、フィールド領域及びフィールド領域内のダイ領域の場所に関する情報を提供するサンプルマップを使用して行われ得る。サンプルマップは、サンプル評価方法を行うデバイスとは別のメトロロジツール(例えば、荷電粒子ビームを使用しない光学メトロロジツール)からインポートされ得る。代替的に、サンプルマップは、ダイの基準マークの位置を測定し、及び測定した位置を使用してサンプルマップを生成することによって生成され得る。このようなマップは、一般的に、フィールド領域が矩形であり、規則的な矩形グリッドのグリッドポイント上に配置されると仮定して生成される。ダイ領域も一般的に矩形であり、より小さいピッチの規則的な矩形グリッドのグリッドポイント上に配置される。基準マークは、グリッドの位置及びピッチを決定するために測定される。例えば、ダイ領域のそれぞれの角の位置を識別する基準マーク(ダイコーナマークと呼ばれ得る)が設けられ得る。それぞれが接続されたダイ領域の群を含むフィールド領域が画定され得る。各フィールド領域は、例えば、2×3アレイのダイ領域を含み得る。
【0083】
[0098] 生成されたサンプルマップと実際のサンプルマップとの間のずれは、評価方法中、関心のあるフィーチャが予想される位置に正確に存在しないことをもたらし得る。このため、評価方法は、一般的に、関心のあるフィーチャの正確な位置を特定するためのサーチ手順を必要とする。サーチ手順は、ローカルアライメントポイント(LAP)などの選択されたダイマークをサーチすることを含み得る。選択された各ダイマークに関連するサーチ領域は、それぞれのダイマークが他のダイマークと一緒にサーチ領域内に位置しない程度の大きさである必要がある。サーチ領域のサイズを大きくすることにより、望ましくないことに、サーチ領域のサーチに必要な時間の長さが増す。サーチ領域のサイズを大きくすることにより、サーチ領域に2つ以上の関連するダイマーク(例えば、LAP)が含まれるリスクが高まる可能性もあり、これにより正しくないダイマークに基づいてアライメントが行われるリスクが存在し得る。
【0084】
[0099] 実際には、サンプル上のダイの露光は、ダイ領域及びフィールド領域が、完全な矩形ではなく、規則的な矩形グリッドのグリッドポイント上を正確に中心としないようなものである。これらの影響は、露光を行うために使用されるリソグラフィ装置の制限により生じるだけでなく、リソグラフィ装置自体がプロセス誘起オーバーレイドリフトを最小化するための補正を適用するために生じる。これらの補正には、フィールド間補正及びフィールド内補正の両方が含まれる。フィールド間補正は、ウェーハグリッド補正と呼ばれ得る。フィールド内補正は、フィールドグリッド補正と呼ばれ得る。露光中に適用された補正に関する情報は、露光補正データ(下記を参照されたい)として出力され得る。
【0085】
[0100] フィールド間補正は、サンプル上のフィールド領域の位置を補正するために適用される。サンプルのディストーションにより、位置の補正が必要とされる場合がある。様々なプロセスステップにより、サンプルのディストーションが生じる場合がある。ディストーションは、化学機械研磨及び/又は熱アニールによって生じる場合がある。ディストーションは、ウェーハ上の機械的ストレスによるサンプルの全体的な形状の変化によって生じる場合があり、及び/又は異なるサポート間でのウェーハの移動によって生じる場合がある。このようなディストーションを補償するために、リソグラフィ装置によってフィールド間補正が適用される。フィールド間補正は、3次~5次フィッティングに基づく(例えば、3次~5次多項式に基づく)補正など、より高次の補正を伴い得る。リソグラフィ装置は、フィールド領域の補正された位置(フィールド間補正の適用後)に従ってフィールド領域を露光する。
【0086】
[0101] フィールド内補正は、各フィールド形状を補正するために適用される。露光中、画像の設定、レンズの加熱及びレチクルステージのドリフトなどの様々な要因により、フィールド形状が変形し得る。一般的に、フィールド形状の変形を表すために3次~5次のフィッティングが適用される。リソグラフィ装置は、補正を考慮しながら、各フィールド領域が露光されることを保証するようにレンズ又はレチクルステージを調整し得る。走査及び/又はリソグラフィ装置の露光スリットの制約により、フィールド内補正の一部は、露光中に無視される。
【0087】
[0102] 実際に生じるフィールド領域の位置及び/又は形状の複雑な非線形偏差は、ダイ領域及びフィールド領域が矩形要素の規則的アレイにあるという単純なモデルに基づいて生成されたサンプルマップにおいて、関連するダイマーク(例えば、LAP)の位置と、それらの予想される位置との間に大きい不整合をもたらし得る。大きい位置の不整合は、評価方法におけるスループット及び信頼性を低下させる。不整合は、サンプルが測定に利用可能になる前にオフラインセットアップ手順(ウェーハレスオフラインレシピセットアップと呼ばれ得る)を行うことが望まれる場合に特に問題となる。不整合とは、サンプルが利用可能になった場合に一連の手動レシピ調節が行われる必要があることを意味し、これは、オフラインセットアップ手順の有用性を低下させる。
【0088】
[0103] 以下に説明する実施形態は、上記で説明した課題の1つ又は複数に少なくとも部分的に対処することを目的とする。
【0089】
[0104] 図9及び図11は、サンプル208上にパターンを画定するためにリソグラフィ装置によって処理されたサンプル208を描写する。サンプル208は、複数のダイ領域502(図示せず)及び複数のフィールド領域504で処理される。各ダイ領域502は、例えば、リソグラフィプロセスによって画定されたパターン内のそれぞれのダイに対応し得る。各フィールド領域504は、リソグラフィプロセス中にサンプル208のそれぞれの露光によって処理される領域に対応し得る。各フィールド領域504は、複数のダイ領域502を含むか又はそれらで構成される。図14を参照して後述する例では、各フィールド領域504は、2×3アレイのダイ領域502を含む。
【0090】
[0105] 上述したように、様々な要因により、フィールド領域504の位置及び形状を表す実際のサンプルマップが公称サンプルマップと大きく異なるように、フィールド領域504の位置及び形状が歪められる結果となる。フィールド領域504の実際のサンプルマップの概略的な例は、図9及び図11で510とラベル付けされた実線グリッドによって描写されている。グリッドの実線は、フィールド領域504の境界を表す。各フィールド領域504は、複数のダイ領域502を含むが、それらは図示されていない。
【0091】
[0106] 上述したように、フィールド領域のサンプルマップは、ダイ領域における基準マークの測定に基づいて生成することができる。そのような生成されたサンプルマップの例は、図9及び図11で520とラベル付けされた破線グリッドによって描写されている。
【0092】
[0107] 図9は、フィールド領域504が矩形であり、規則的な矩形アレイのグリッドポイント上に位置決めされていると仮定してサンプルマップが生成された場合を描写する。図10は、図9のフィールド領域504の例示的な1つを描写し、510とラベル付けされた実線境界は、フィールド領域504の実際の位置及び形状を表し、520とラベル付けされた破線境界は、生成されたサンプルマップに従ったフィールド領域504の位置及び形状を表す。このようにサンプルマップが生成されると、フィールド領域504の実際の位置及び形状と、生成されたサンプルマップによって予測されるフィールド領域504の位置及び形状との間に大きい不整合があることが分かる。図10に示すように、後続のアライメントプロセスでは、選択されたダイマーク(例えば、LAP)をサーチするためのサーチ領域515は、ダイマークを確実に捕捉するために比較的大きくする必要がある。これは、生成されたマップに従ったダイマークの予測位置512がダイマークの実際の位置522から比較的離れているためである。
【0093】
[0108] 図11は、本開示の方法を用いてサンプルマップが生成された場合を描写する。これらの方法は、サンプル208上のフィールド領域504のより複雑な配置を可能にし、それにより生成されたサンプルマップと現実との間のより近い整合が可能となる。図12は、図11のフィールド領域504の例示的な1つを描写し、510とラベル付けされた実線境界は、フィールド領域504の実際の位置及び形状を表し、520とラベル付けされた破線境界は、生成されたサンプルマップに従ったフィールド領域504の位置及び形状を表す。図9及び図10に示された状況と比較して、生成されたサンプルマップは、図11及び図12の配置で現実にはるかに近い整合を提供することが分かる。その結果、アライメントに使用されるダイマークを依然として確実に捕捉しながら、サーチ領域515をはるかに小さくすることができる。
【0094】
[0109] 図13及び図14を参照して、上記の機能を実現する方法例を以下に説明する。本方法は、サンプルマップを生成する。サンプルマップは、フィールド領域の位置及び形状を定義する。本方法は、図1を参照して上述したような荷電粒子検査システムによって行われ得る。荷電粒子検査システムは、電子ビームシステム40を含み得る。電子ビームシステム40は、1つ又は複数の電子ビームをサンプル208上に投射し、サンプル208の表面に関する情報(表面の材料構造の特徴を表す画像など)を取得するために、サンプル208から放出された信号電子を検出する。電子ビームシステム40は、図2~8を参照して上述した形式の何れか又は他の形式を取り得る。
【0095】
[0110] 上記のようなリソグラフィプロセスによって処理されたサンプル208が提供される。サンプル208は、ダイ領域502(例えば、ダイ)を含む。ダイ領域502は、複数のフィールド領域504(例えば、フィールド)間に分布している。各フィールド領域504は、複数のダイ領域502を含む。
【0096】
[0111] 図13(左側部分)に概略的に描写されているように、本方法は、複数のフィールド領域504の各々で第1のマーク532の位置を測定することを更に含む。第1のマークの位置は、サンプル208の幾何学的中心(例えば、ウェーハの中心)など、サンプル208上の共通の基準位置に対して測定され得る。第1のマーク532は、十字形として概略的に描写され、サンプル208上のフィールド領域504の公称(非変形)配置に対して示されている。
【0097】
[0112] 本方法は、第1のマーク532の測定された位置に第1のモデルをフィットさせることを更に含む。フィットされた第1のモデルは、フィールド領域504の位置を表す。表された位置は、図13(右側部分)に概略的に示されている。
【0098】
[0113] 図14(左側部分)に概略的に描写されているように、本方法は、1つのフィールド領域504又は複数のフィールド領域504の各々における複数の第2のマーク534の位置を測定することを更に含む。各フィールド領域504における第2のマークの位置は、そのフィールド領域504の幾何学的中心に対してなど、そのフィールド領域504に固有の基準点に対して測定され得る。
【0099】
[0114] 本方法は、第2のマーク534の測定された位置に第2のモデルをフィットさせることを更に含む。フィットされた第2のモデルは、各フィールド領域504の形状を表す。フィールド領域504の1つの表された形状の一例が図14(右側部分)に示されている。第2のマーク534は、複数のフィールド領域504で測定され得る。第2のモデルのフィッティングは、複数の異なるフィールド領域504の形状を、それらの中の第2のマークを用いて個別に決定することを含み得る。従って、異なるフィールド領域504は、異なる形状を有すると決定され得る。例えば、いくつかの実施形態では、第2のマークは、3~10個のフィールド領域504の各々、任意選択的に3~6個のフィールド領域504の各々、任意選択的に3~4個のフィールド領域504の各々で測定される。これらのフィールド領域504の各々で測定される第2のマークの数は、5~20の範囲、任意選択的に8~18の範囲、任意選択的に10~15の範囲であり得る。測定された第2のマークは、これらのフィールド領域504の形状を個別に決定するために使用され得る。決定された形状の平均が決定され、近似としてマップ内の全てのフィールド領域504に適用され得る。この場合、第2のモデルは、フィールド領域504の形状が全て互いに同じであるとして表すことができる。他の実施形態では、フィットされた第2のモデルは、異なるフィールド領域504について異なる形状を表す。
【0100】
[0115] 本方法は、フィットされた第1及び第2のモデルを使用してサンプルマップを出力することを更に含む。従って、サンプルマップを提供するために、フィットされた第1のモデルによって提供されるフィールド領域504の位置の表現は、フィットされた第2のモデル(複数の第2のモデル)によって提供されるフィールド領域504の形状の表現と組み合わされる。
【0101】
[0116] 第1及び第2のモデルの何れか又は両方は、非線形幾何学的形状を表すように構成される。従って、図9及び図10を参照して上述した、ダイ領域502及びフィールド領域504が矩形であり、規則的な矩形グリッドのグリッドポイント上に配置されていると仮定してマップが生成された状況とは対照的に、第1のモデル及び/又は第2のモデルは、より大きい自由度が与えられ、それにより生成されたサンプルマップと現実との間のよりよい整合が可能となる。
【0102】
[0117] いくつかの実施形態では、第1のモデルは、フィールド領域504の行及びフィールド領域504の列を有するアレイでフィールド領域504の位置を表すように構成される。行の少なくとも1つが非線形であり、及び/又は列の少なくとも1つが非線形である。非線形の行では、行内のフィールド領域504は、非線形の行線に沿ってアライメントされる。行線は、行内のフィールド領域504の幾何学的中心を通過する線として定義され得る。行線533の例が図13(右側部分)に概略的に示されている。同様に、非線形の列では、列内のフィールド領域504は、非線形である列線(図示せず)に沿ってアライメントされる。行線と列線との交点は、フィールド領域504の幾何学的中心の位置など、アレイ内のフィールド領域504の位置を定義することができる。行線及び/又は列線が非線形であることを許容するのに十分な自由度を第1のモデルに与えることにより、第1のモデルがフィールド領域504の位置を記述することができる精度が向上する。
【0103】
[0118] 第1のモデルを定義するために、様々な数学的構造が使用され得る。一例では、第1のモデルは、行線及び列線を定義する複数の方程式を含む。従って、第1のモデルは、各非線形行及び/又は非線形列をそれぞれの非線形方程式で表すことができる。いくつかの実施形態では、方程式は、2以上の次数の多項式である。任意選択的に、多項式の次数は、両端値を含めて3~5の範囲である。これは、フィッティングの精度とサンプリングのスループットとの間で良好なバランスを提供することが分かっている。多項式f(x)の一般式は、以下の通りであり、式中、次数は、kの最大値であり、これに関して、対応する係数aの非ゼロ値が存在する。
【数1】
【0104】
[0119] 各方程式の係数(例えば、上記の多項式例におけるaの値)は、方程式が表す線の正確な形状及び位置を定義する。各第1のマークは、第1のマークが位置するフィールド領域504に対する既知の位置を有する。従って、第1のマークの測定された位置に対する第1のモデルのフィッティングは、生成されたサンプルマップにおいて、フィールド領域504が、それらの中の第1のマークがそれぞれの測定された位置に対して平均して可能な限り近くなるように位置決めされることをもたらす方程式の係数を決定することによって行うことができる。スプライン表現などの他の曲線表現が可能である。
【0105】
[0120] 同様の考察が第2のモデルに適用される。第2のモデルは、図14(右側部分)に例示されるように、各フィールド領域504の形状を、形状の境界の少なくとも一部が非線形であるように表すように構成され得る。第2のモデルは、境界の各非線形部分をそれぞれの非線形方程式で表すことができる。非線形方程式は、2以上の次数(任意選択的に、両端値を含めて3~5の範囲)の多項式を含む、第1のモデルに関して上記で説明した形式の何れかを取り得る。
【0106】
[0121] いくつかの実施形態では、第2のマークの位置の測定は、フィットされた第1のモデルによって表されるフィールド領域504の位置を使用して行われる。フィットされた第1のモデルによって提供されるフィールド領域の位置の改善されたマップにより、第2のマークの特定を容易にすることができ、それにより第2のマークの位置の測定の速度及び/又は信頼性が向上する。
【0107】
[0122] 図15及び図16は、図11~14を参照して上記で説明した方法と組み合わせて又はその代わりに使用することができる更なる方法を概略的に描写する。本方法は、この場合にもやはり、破線グリッド520によって概略的に示されるように、フィールド領域の位置及び形状を表すサンプルマップを生成することを含む。サンプル208は、上述の構成の何れかにおけるフィールド領域504及びダイ領域502を含み得る。本方法は、リソグラフィプロセスにおいて、各フィールド領域504を露光させるために使用されるリソグラフィ装置から露光補正データ540を受信することを更に含む。本方法は、露光補正データ540を使用してサンプルマップを生成することを含む。
【0108】
[0123] 上記のように、リソグラフィ装置は、一般的に、サンプル上のダイ領域の位置及び/又は形状に対して様々な複雑な(非線形)補正を適用する。露光補正データ540は、これらの補正に関する情報を含み、それによりフィールド領域504の予想される位置及び形状に関する情報を提供する。露光補正データは、上述のフィールド間補正及びフィールド内補正の何れか及び/又はフィールド領域504の位置及び/又は形状に影響を与える任意の他の補正に関する情報を含み得る。露光補正データ540は、(上述の図9及び図10に例示されるように)フィールド領域504が矩形であり、規則的な矩形アレイのグリッドポイント上に位置決めされると仮定する代替方法よりも現実に近いサンプルマップ(図15(右側部分)に例示されるような)を生成することを可能にする。フィールド領域504の位置及び/又は形状は、図11~14を参照して上記で説明した方法の何れかで定義され得る。フィールド領域502の位置は、フィールド領域の行及びフィールド領域の列を有するアレイで定義され得、行の少なくとも1つが非線形であり、及び/又は列の少なくとも1つが非線形である。フィールド領域505の定義された形状は、非線形部分を有する境界を含み得る。
【0109】
[0124] いくつかの実施形態では、図16に例示されるように、本方法は、補正されたサンプルマップ(図16の右側部分に示されるグリッド521によって表される)を取得するために、受信した露光補正データ(図16の左側部分のグリッド520によって表される)を使用して生成されたサンプルマップに対して補正を適用することを更に含む。このような補正は、例えば、サンプル208のプロセスドリフト又は反りにより必要とされる場合がある。欠陥を評価するために生成されたサンプルマップを使用する評価装置で使用される空間測定システムと比較して、リソグラフィ装置で使用される空間測定システム間で差異も存在し得る。いくつかの実施形態では、本方法は、サンプル208上の複数の基準マーク536の位置を測定することと、測定された位置を使用して補正されたサンプルマップを生成することとを含む。補正されたサンプルマップは、生成されたサンプルマップ内の基準マークの位置と、サンプル208上の基準マークの実際の位置との間の平均差を最小化するようなものであり得る。図16の右側部分の半径方向内側に向けられた矢印は、補正を概略的に描写し、この例では、補正は、基準マークの測定された位置に対する整合の改善を実現するために、グリッドの一般的な半径方向の縮小を含む。
【0110】
[0125] いくつかの実施形態では、補正されたマップは、基準マークの測定された位置に対する整合の改善を実現するために、露光補正データを使用して生成されたサンプルマップを線形に調節することによって生成される。線形調節は、例えば、生成されたサンプルマップの幾何学的形状(例えば、アスペクト比)を変更することなく、生成されたサンプルマップのサイズを増大又は縮小させることを含み得る。基準マーク536の数は、比較的自由に選択することができる。いくつかの実施形態では、6~10個の基準マーク536を使用した線形モデルが良好な性能を提供することが分かっている。代替的に、より高次の補正を適用することも可能であるが、本発明者らは、この特定のタイプの補正のための線形調節が多くの状況で満足のいく性能を提供することを発見した。これは、グリッドの複雑な非線形ディストーションに関する情報が、受信した露光補正データに基づいて生成された最初のサンプルマップで既に提供されているためである。
【0111】
[0126] いくつかの実施形態では、補正されたマップに関する情報は、フィードバックとしてリソグラフィ装置に提供される。これにより、リソグラフィプロセスにおける誤差を低減するように後続のリソグラフィプロセスを適合させることが可能となる。例えば、オフセットがドリフトしていることを補正されたサンプルマップが示す場合、これは、リソグラフィプロセスにおける不安定性に関する情報を提供し得る。いくつかの実施形態では、リソグラフィ装置は、補正されたサンプルマップに基づいて、リソグラフィ装置の性能を向上させるようにプロセスパラメータを適合させる。適合は、将来、生成されたサンプルマップに対する補正の必要性を低減し得る。従って、上記の技術の何れかを使用して、補正されたサンプルマップを生成することと、生成された補正されたマップを使用して、後続のサンプルに対して行われるリソグラフィプロセスを適合させることとを含む、サンプルを処理する方法が提供され得る。
【0112】
[0127] いくつかの実施形態では、上記の方法の何れかに従ってサンプルマップを生成することを含む評価方法が提供される。評価方法は、1つ又は複数の関心のあるフィーチャを特定するために、生成されたサンプルマップを使用してサンプル208を検査することを含む。評価方法は、関心のある1つ又は複数のフィーチャが欠陥を含む程度を評価することを含み得る。これは、関心のあるフィーチャの画像をサンプル上の他の場所、他のサンプル上又はデータベース内の基準画像と比較することによって達成され得る。
【0113】
[0128] いくつかの実施形態では、検査は、1つ又は複数の荷電粒子(例えば、電子)ビームをサンプル208上に誘導し、及びサンプル208から放出された1つ又は複数の荷電粒子(例えば、電子)を検出することによって行われる。検査は、図1~8を参照して上記で説明した電子光学配置の何れか又は荷電粒子ビームを使用してサンプルを検査するための任意の他の適切な配置を使用し得る。検査は、電磁放射に基づく光学技術などの他の技術を使用しても行われ得る。
【0114】
[0129] 上側及び下側、アップ及びダウン、上及び下の参照は、サンプル208に衝突する電子ビーム又はマルチビームの(常にではないが、典型的には垂直な)アップビーム及びダウンビーム方向に対して平行な方向を指すとして理解されるべきである。従って、アップビーム及びダウンビームの参照は、いかなる現在の重力場とも無関係に、ビーム経路に対する方向を参照するように意図される。
【0115】
[0130] 本明細書で説明される実施形態は、ビーム経路又はマルチビーム経路に沿ってアレイ内に配置された一連のアパーチャアレイ又は電子光学素子の形態を取り得る。このような電子光学素子は、静電的であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、ビーム制限アパーチャアレイからサンプルの前のサブビーム経路内の最終電子光学素子までのすべての電子光学素子は、静電的であり得、及び/又はアパーチャアレイ若しくはプレートアレイの形態であり得る。いくつかの配置では、電子光学素子の1つ又は複数は、微小電子機械システム(MEMS)として(即ちMEMS製造技術を使用することによって)製造される。電子光学素子は、磁性素子及び静電気素子を有し得る。例えば、複合アレイレンズは、磁気レンズ内に上側及び下側極プレートによってマルチビーム経路を包含し、マルチビーム経路に沿って配置されたマクロ磁気レンズを特徴とし得る。極プレート内には、マルチビームのビーム経路のアパーチャのアレイが存在し得る。電極は、複合レンズアレイの電磁場を制御及び最適化するために極プレートの上、下又はその間に存在し得る。
【0116】
[0131] 本開示による評価ツール又は評価システムは、サンプルの定性的評価(例えば、合格/不合格)を行う装置、サンプルの定量的(例えば、フィーチャのサイズ)測定を行う装置又はサンプルのマップの画像を生成する装置を含み得る。評価ツール又はシステムの例は、検査ツール(例えば、欠陥を識別するための)、精査ツール(例えば、欠陥を分類するための)及び計測学ツール又は検査ツール、精査ツール若しくは計測学ツール(例えば、マクロ検査ツール)に関連付けられた評価機能の任意の合成を行うことができるツールである。
【0117】
[0132] 荷電粒子ビームをある方法で操作するために制御可能である部品又は部品若しくは素子のシステムの参照は、荷電粒子ビームを上述の方法で操作するために部品を制御するようにコントローラ、又は制御システム、又は制御ユニットを構成することと、荷電粒子ビームをこの方法で操作するように部品を制御するために他のコントローラ又はデバイス(例えば、電圧源)を任意選択的に使用することとを含む。例えば、電圧源は、コントローラ、又は制御システム、又は制御ユニットの制御下で電位を部品に印加するために、1つ又は複数の部品、例えば制御レンズアレイ250及び対物レンズアレイ241の電極に電気的に接続され得る。ステージなどの活性化可能部品は、部品の活性化を制御するために、1つ又は複数のコントローラ、制御システム又は制御ユニットを使用することによって活性化し、従ってビーム経路などの他の部品に対して移動するように制御可能であり得る。
【0118】
[0133] コントローラ、又は制御システム、又は制御ユニットによって提供される機能は、コンピュータ実装され得る。素子の任意の好適な組み合わせは、例えば、CPU、RAM、SSD、マザーボード、ネットワーク接続、ファームウェア、ソフトウェア及び/又は必要とされるコンピューティング操作が行われることを可能にする当技術分野で知られている他の素子を含む必要な機能を提供するために使用され得る。必要なコンピューティング操作は、1つ又は複数のコンピュータプログラムによって定義され得る。1つ又は複数のコンピュータプログラムは、コンピュータ可読命令を格納する媒体、任意選択的に非一時的媒体の形態で提供され得る。媒体は、コンピュータプログラムとして言及され得る。コンピュータ可読命令がコンピュータによって読み込まれると、コンピュータは、必要とされる方法ステップを行う。コンピュータは、内蔵ユニットで又はネットワークを介して互いに接続される複数の異なるコンピュータを有する分散コンピューティングシステムで構成される。
【0119】
[0134] 用語「サブビーム」及び「ビームレット」は、本明細書では互換的に使用され、両方とも親放射ビームを分割又は分離することによって親放射ビームから導出された任意の放射ビームを包含するものと理解される。用語「マニピュレータ」は、レンズ又は偏向器など、サブビーム又はビームレットの経路に影響を与える任意の素子を包含するように使用される。ビーム経路又はサブビーム経路に沿ってアライメントされる素子の参照は、それぞれの素子がビーム経路又はサブビーム経路に沿って位置決めされることを意味するものと理解される。光学システムの参照は、電子光学システムを意味するものと理解される。
【0120】
[0135] 本開示の方法は、1つ又は複数のコンピュータを含むコンピュータシステムによって行われ得る。本開示の実施形態を実施するために使用されるコンピュータは、汎用CPU、グラフィック処理ユニット(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)又は他の専用プロセッサを含む1つ又は複数のプロセッサを含み得る。上記で論述されたように、いくつかの場合、特定のタイプのプロセッサは、低減された費用及び/又は増加した処理速度の観点で利点を提供し得、本開示の実施形態の方法は、特定のプロセッサタイプの使用に適合され得る。本開示の方法のいくつかのステップは、並列処理能力のあるプロセッサ、例えばGPU上に実装されやすい並行処理に関与する。
【0121】
[0136] 本明細書で使用される用語「画像」は、値の任意のアレイを指すように意図され、各値は、ある場所のサンプルに関係し、アレイ内の値の配置は、サンプリングされた場所の空間的配置に対応する。画像は、単一の層又は複数の層を含み得る。複数の層の画像の場合、チャネルとも呼ばれ得る各層は、いくつかの場所の異なるサンプルを表す。用語「画素」は、アレイの単一の値又は複数の層の画像の場合、単一の場所に対応する値の群を指すように意図される。
【0122】
[0137] 本開示の実施形態を実施するために使用されるコンピュータは、物理的又は仮想的であり得る。本開示の実施形態を実施するために使用されるコンピュータは、サーバ、クライアント又はワークステーションであり得る。本開示の実施形態を実施するために使用される複数のコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)を介して分散され、相互接続され得る。本開示の実施形態の方法の結果は、ユーザに表示され得るか、又は任意の好適なストレージ媒体内に蓄積され得る。本開示は、本発明の方法を実行するための命令を格納する非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体内に具体化され得る。本開示は、1つ又は複数のプロセッサと、本発明の方法を実行するための命令を格納するメモリ又はストレージとを含むコンピュータシステム内に具体化され得る。
【0123】
[0138] 本開示の種々の態様は、以下の番号付き条項に定義される。
1.サンプルマップを生成する方法であって、
フィールド領域を有するサンプルを取得することと、
複数のフィールド領域の各々における第1のマークの位置を測定することと、
第1のマークの測定された位置に第1のモデルをフィットさせることであって、フィットされた第1のモデルは、フィールド領域の位置を表す、フィットさせることと、
1つのフィールド領域又は複数のフィールド領域の各々における複数の第2のマークの位置を測定することと、
第2のマークの測定された位置に第2のモデルをフィットさせることであって、フィットされた第2のモデルは、各フィールド領域の形状を表す、フィットさせることと、
フィットされた第1及び第2のモデルを使用してサンプルマップを出力することと
を含む方法。
2.第1及び第2のモデルの何れか又は両方は、非線形幾何学的形状を表すように構成される、条項1に記載の方法。
3.第2のマークの位置の測定は、フィットされた第1のモデルによって表されるフィールド領域の位置を使用して行われる、条項1又は2に記載の方法。
4.第1のモデルは、フィールド領域の行及びフィールド領域の列を有するアレイでフィールド領域の位置を表すように構成され、行の少なくとも1つは、非線形であり、及び/又は列の少なくとも1つは、非線形である、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
5.第2のモデルは、各フィールド領域の形状を、形状の境界の少なくとも一部が非線形であるように表すように構成される、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
6.第1のモデルは、各非線形行及び/又は非線形列をそれぞれの非線形方程式で表す、条項4に記載の方法。
7.第2のモデルは、境界の各非線形部分をそれぞれの非線形方程式で表す、条項5に記載の方法。
8.各非線形方程式は、多項式を含む、条項6又は7に記載の方法。
9.多項式の次数は、両端値を含めて3~5の範囲である、条項8に記載の方法。
10.第1のマークの位置は、サンプル上の共通の基準位置に対して測定される、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
11.各フィールド領域における第2のマークの位置は、そのフィールド領域に固有の基準点に対して測定される、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
12.各フィールド領域は、リソグラフィプロセス中にサンプルのそれぞれの露光によって処理される領域に対応する、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
13.第2のマークは、3~10個のフィールド領域の各々で測定される、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
14.5~20個の第2のマークの位置は、1つのフィールド領域又は複数のフィールド領域の各々で測定される、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
15.サンプルマップを生成する方法であって、サンプルマップは、サンプル上のフィールド領域の位置及び形状に関する情報を含み、方法は、
フィールド領域を有するサンプルを提供することと、
フィールド領域の各々を露光させるために使用されるリソグラフィ装置から露光補正データを受信することと、
露光補正データを使用してサンプルマップを生成することと
を含む、方法。
16.サンプルマップは、フィールド領域の行及びフィールド領域の列を有するアレイでフィールド領域の位置を定義し、行の少なくとも1つは、非線形であり、及び/又は列の少なくとも1つは、非線形である、条項15に記載の方法。
17.サンプルマップは、非線形部分を有する境界を含むフィールド領域の形状を定義する、条項16に記載の方法。
18.サンプル上の複数の基準マークの位置を測定することと、測定された位置を使用して補正されたサンプルマップを生成することとを更に含む、条項15~17の何れか一項に記載の方法。
19.補正されたサンプルマップは、露光補正データを用いて生成されたサンプルマップを線形調節することによって生成される、条項18に記載の方法。
20.後続のリソグラフィプロセスがリソグラフィプロセスにおける誤差を低減するように適合されることを可能にするために、補正されたサンプルマップに関する情報をリソグラフィ装置に提供することを更に含む、条項18又は19に記載の方法。
21.コンピュータプログラムであって、プログラムがコンピュータによって実行されると、以下のステップ:
サンプル上の複数のフィールド領域の各々における第1のマークの測定された位置を表すデータを受信することと、
第1のマークの測定された位置に第1のモデルをフィットさせることであって、フィットされた第1のモデルは、フィールド領域の位置を表す、フィットさせることと、
1つのフィールド領域又は複数のフィールド領域の各々における複数の第2のマークの測定された位置を表すデータを受信することと、
第2のマークの測定された位置に第2のモデルをフィットさせることであって、フィットされた第2のモデルは、各フィールド領域の形状を表す、フィットさせることと、
フィットされた第1及び第2のモデルを使用してサンプルマップを出力することと
をコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
22.第1及び第2のモデルの何れか又は両方は、非線形幾何学的形状を表すように構成される、条項21に記載のコンピュータプログラム。
23.第2のマークの位置の測定は、フィットされた第1のモデルによって表されるフィールド領域の位置を使用して行われる、条項21又は22に記載のコンピュータプログラム。
24.第1のモデルは、フィールド領域の行及びフィールド領域の列を有するアレイでフィールド領域の位置を表すように構成され、行の少なくとも1つは、非線形であり、及び/又は列の少なくとも1つは、非線形である、条項21~23の何れか一項に記載のコンピュータプログラム。
25.第2のモデルは、各フィールド領域の形状を、形状の境界の少なくとも一部が非線形であるように表すように構成される、条項21~24の何れか一項に記載のコンピュータプログラム。
26.第1のモデルは、各非線形行及び/又は非線形列をそれぞれの非線形方程式で表す、条項24に記載のコンピュータプログラム。
27.第2のモデルは、境界の各非線形部分をそれぞれの非線形方程式で表す、条項25に記載のコンピュータプログラム。
28.各非線形方程式は、多項式を含む、条項26又は27に記載のコンピュータプログラム。
29.多項式の次数は、両端値を含めて3~5の範囲である、条項28に記載のコンピュータプログラム。
30.第1のマークの測定された位置は、サンプル上の共通の基準位置に対して測定された位置を表す、条項21~29の何れか一項に記載のコンピュータプログラム。
31.各フィールド領域における第2のマークの測定された位置は、そのフィールド領域に固有の基準点に対して測定された位置を表す、条項21~30の何れか一項に記載のコンピュータプログラム。
32.各フィールド領域は、リソグラフィプロセス中にサンプルのそれぞれの露光によって処理される領域に対応する、条項21~31の何れか一項に記載のコンピュータプログラム。
33.第2のマークの測定された位置を表す受信データは、3~10個のフィールド領域の各々における、第2のマークの測定された位置を含む、条項21~32の何れか一項に記載のコンピュータプログラム。
34.第2のマークの測定された位置を表す受信データは、1つのフィールド領域又は複数のフィールド領域の各々で測定された5~20個の第2のマークの位置を含む、条項21~33の何れか一項に記載のコンピュータプログラム。
35.コンピュータプログラムであって、プログラムがコンピュータによって実行されると、以下のステップ:
サンプル上のフィールド領域を露光させるために使用されるリソグラフィ装置から露光補正データを受信することと、
露光補正データを使用して、サンプル上のフィールド領域の位置及び形状に関する情報を含むサンプルマップを生成することと
をコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
36.サンプルマップは、フィールド領域の行及びフィールド領域の列を有するアレイでフィールド領域の位置を定義し、行の少なくとも1つは、非線形であり、及び/又は列の少なくとも1つは、非線形である、条項35に記載のコンピュータプログラム。
37.サンプルマップは、非線形部分を有する境界を含むフィールド領域の形状を定義する、条項36に記載のコンピュータプログラム。
38.プログラムがコンピュータによって実行されると、サンプル上の複数の基準マークの測定された位置を表すデータを受信し、測定された位置を使用して補正されたサンプルマップを生成することをコンピュータに行わせる命令を更に含む、条項35~37の何れか一項に記載のコンピュータプログラム。
39.補正されたサンプルマップは、露光補正データを用いて生成されたサンプルマップを線形調節することによって生成される、条項38に記載のコンピュータプログラム。
40.プログラムがコンピュータによって実行されると、後続のリソグラフィプロセスがリソグラフィプロセスにおける誤差を低減するように適合されることを可能にするために、補正されたサンプルマップに関する情報をリソグラフィ装置に提供することをコンピュータに行わせる命令を更に含む、条項38又は39に記載のコンピュータプログラム。
41.フィールド領域を有するサンプルを保持するように構成されたサンプルホルダと、
1つ又は複数の電子ビームをサンプル上に投射し、及びサンプルから放出された信号電子を検出するように構成された電子ビームシステムと、
コントローラであって、
電子ビームシステムに、複数のフィールド領域の各々における第1のマークの位置を測定させることと、
第1のマークの測定された位置に第1のモデルをフィットさせることであって、フィットされた第1のモデルは、フィールド領域の位置を表す、フィットさせることと、
電子ビームシステムに、1つのフィールド領域又は複数のフィールド領域の各々における複数の第2のマークの位置を測定させることと、
第2のマークの測定された位置に第2のモデルをフィットさせることであって、フィットされた第2のモデルは、各フィールド領域の形状を表す、フィットさせることと、
フィットされた第1及び第2のモデルを使用してサンプルマップを出力することと
を行うように構成されたコントローラと
を含む荷電粒子ビーム検査システム。
42.第1及び第2のモデルの何れか又は両方は、非線形幾何学的形状を表すように構成される、条項41に記載のシステム。
43.コントローラは、電子ビームシステムに、フィットされた第1のモデルによって表されるフィールド領域の位置を使用して、第2のマークの位置を測定させるように構成される、条項41又は42に記載のシステム。
44.第1のモデルは、フィールド領域の行及びフィールド領域の列を有するアレイでフィールド領域の位置を表すように構成され、行の少なくとも1つは、非線形であり、及び/又は列の少なくとも1つは、非線形である、条項41~43の何れか一項に記載のシステム。
45.第2のモデルは、各フィールド領域の形状を、形状の境界の少なくとも一部が非線形であるように表すように構成される、条項41~44の何れか一項に記載のシステム。
46.第1のモデルは、各非線形行及び/又は非線形列をそれぞれの非線形方程式で表す、条項44に記載のシステム。
47.第2のモデルは、境界の各非線形部分をそれぞれの非線形方程式で表す、条項45に記載のシステム。
48.各非線形方程式は、多項式を含む、条項46又は47に記載のシステム。
49.多項式の次数は、両端値を含めて3~5の範囲である、条項48に記載のシステム。
50.コントローラは、電子ビームシステムに、サンプル上の共通の基準位置に対して第1のマークの位置を測定させるように構成される、条項41~49の何れか一項に記載のシステム。
51.コントローラは、電子ビームシステムに、各フィールド領域における第2のマークの位置を、そのフィールド領域に固有の基準点に対して測定させるように構成される、条項41~50の何れか一項に記載のシステム。
52.各フィールド領域は、リソグラフィプロセス中にサンプルのそれぞれの露光によって処理される領域に対応する、条項41~51の何れか一項に記載のシステム。
53.コントローラは、電子ビームシステムに、3~10個のフィールド領域の各々で第2のマークを測定させるように構成される、条項41~52の何れか一項に記載のシステム。
54.コントローラは、電子ビームシステムに、1つのフィールド領域又は複数のフィールド領域の各々で5~20個の第2のマークの位置を測定させるように構成される、条項41~53の何れか一項に記載のシステム。
55.フィールド領域を有するサンプルを保持するように構成されたサンプルホルダと、
1つ又は複数の電子ビームをサンプル上に投射し、及びサンプルから放出された信号電子を検出するように構成された電子ビームシステムと、
コントローラであって、
サンプル上のフィールド領域を露光させるために使用されるリソグラフィ装置から露光補正データを受信することと、
露光補正データを使用して、サンプル上のフィールド領域の位置及び形状に関する情報を含むサンプルマップを生成することと
を行うように構成されたコントローラと
を含む荷電粒子ビーム検査システム。
56.サンプルマップは、フィールド領域の行及びフィールド領域の列を有するアレイでフィールド領域の位置を定義し、行の少なくとも1つは、非線形であり、及び/又は列の少なくとも1つは、非線形である、条項55に記載のシステム。
57.サンプルマップは、非線形部分を有する境界を含むフィールド領域の形状を定義する、条項56に記載のシステム。
58.コントローラは、電子ビームシステムに、サンプル上の複数の基準マークの位置を測定させ、測定された位置を使用して補正されたサンプルマップを生成させるように構成される、条項55~57の何れか一項に記載のシステム。
59.コントローラは、露光補正データを用いて生成されたサンプルマップを線形調節することによって補正されたサンプルマップを生成するように構成される、条項58に記載のシステム。
60.コントローラは、後続のリソグラフィプロセスがリソグラフィプロセスにおける誤差を低減するように適合されることを可能にするために、補正されたサンプルマップに関する情報をリソグラフィ装置に提供するように構成される、条項58又は59に記載のシステム。
61.サンプルを処理する方法であって、
条項18~20の何れか一項に記載の方法を用いて補正されたサンプルマップを生成することと、
生成された補正サンプルマップを使用して、後続のサンプルに対して行われるリソグラフィプロセスを適合させることと
を含む方法。
62.評価方法であって、
条項1~20の何れか一項に記載の方法を用いてサンプルマップを生成することと、
関心のある1つ又は複数のフィーチャを特定するために、生成されたサンプルマップを使用してサンプルを検査することと
を含む評価方法。
63.検査は、1つ又は複数の荷電粒子ビームをサンプル上に誘導することと、サンプルから放出された1つ又は複数の荷電粒子を検出することとによって行われる、条項62に記載の方法。
【0124】
[0139] 様々な例に関連付けて本開示の実施形態が説明されてきたが、本明細書に開示される仕様及び実施を考慮することから、本開示と一致する他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。本明細書及び例は、単なる例示と見なされることが意図される。
図1
図2
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【国際調査報告】