(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】リソグラフィ装置用アセンブリ
(51)【国際特許分類】
G03F 1/62 20120101AFI20250130BHJP
G03F 7/20 20060101ALN20250130BHJP
【FI】
G03F1/62
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541647
(86)(22)【出願日】2023-01-26
(85)【翻訳文提出日】2024-09-02
(86)【国際出願番号】 EP2023051894
(87)【国際公開番号】W WO2023148075
(87)【国際公開日】2023-08-10
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ファン デ ゴール,ティム,ウィレム,ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ガルトシェク,エルンスト
(72)【発明者】
【氏名】ヤクニン,アンドレイ,ミクハイロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ,アブラハム,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーミューレン,ポール,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ハウエリング,ゾマー,シルベスター
(72)【発明者】
【氏名】ハイマンス,ルーカス,クリスティアーン,ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ニキペロフ,アンドレイ
【テーマコード(参考)】
2H195
2H197
【Fターム(参考)】
2H195BA10
2H195BC35
2H195CA20
2H197BA23
2H197FA01
2H197GA01
2H197GA09
2H197GA20
2H197HA03
(57)【要約】
リソグラフィ装置用アセンブリであって、i)加熱ガスの提供、ii)放射加熱、iii)抵抗加熱、及びiv)誘導加熱の1つ若しくは組み合わせによって、並びに/又は、およそ91nmからおよそ590nmの波長を有する光でペリクルメンブレンを照射することによって、ペリクルメンブレンを加熱するように構成される、アセンブリが記載されている。また、ペリクルメンブレンの動作寿命を延ばす方法であって、ペリクルメンブレンの少なくとも一部の加熱を行うための、i)加熱ガスを提供すること、ii)放射加熱、iii)抵抗加熱、及びiv)誘導加熱の1つ若しくは組み合わせによって、並びに/又は、およそ91nmからおよそ590nmの波長を有する光でペリクルメンブレンを照射することによって、EUVによって照射された際にペリクルメンブレンの少なくとも一部を加熱することを含む、方法も記載されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ装置用アセンブリであって、i)加熱ガスの提供、ii)放射加熱、iii)抵抗加熱、及びiv)誘導加熱の1つ若しくは組み合わせによってペリクルメンブレンを加熱することにより、並びに/又は、およそ91nmからおよそ590nmの波長を有する光でペリクルメンブレンを照射することにより、前記ペリクルメンブレンから吸着された水素を脱着するように構成される、アセンブリ。
【請求項2】
前記アセンブリは、使用の際に放射ビームが通過するペリクルメンブレンのエリアを囲むペリクルメンブレンのエリアに、加熱ガスを提供するように位置付けられた少なくとも1つのガス注入ユニットを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも1つのガス注入ユニットは、レチクルマスキング(ReMa)ブレイド上に位置付けられ、任意選択で前記ReMaブレイドの最先端から10mm以下、好ましくは1mm以下に位置付けられる、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのガス注入ユニットは、前記ReMaブレイドから熱的に絶縁される、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのガス注入ユニットは、焼結された金属を含み、及び/又は、前記少なくとも1つのガス注入ユニットは、ディフューザを含む、請求項2~4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記少なくとも1つのガス注入ユニットは、加熱器及び/又はシャワーヘッドを含む、請求項2~5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記加熱ガスは水素ガスを含み、任意選択で前記加熱ガスは、約500℃から約1200℃、任意選択で約600℃から約1000℃の温度にある、請求項1~6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記加熱ガスは、およそ10Pa以上の圧力で、及び/又は、1m/sよりも大きい、好ましくはおよそ10m/s以上、好ましくはおよそ20m/s以上の速度で提供される、請求項1~7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記アセンブリは、少なくとも1つのレチクルマスキング(ReMa)ブレイド上に提供された少なくとも1つの放射加熱器を含み、任意選択で前記少なくとも1つの放射加熱器は、前記少なくとも1つのReMaブレイドから熱的に絶縁される、請求項1~8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記放射加熱器は、前記放射加熱器のスペクトルが前記ペリクルメンブレンの最大吸収スペクトルと重なるように選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの放射加熱器は、使用の際にレチクルによってウェーハに向けて反射されるIR放射の量を管理するように構成され、任意選択で前記少なくとも1つの放射加熱器は、放出された熱放射を前記ペリクルメンブレンに向けて誘導するように構成された1つ以上のガイドを含み、任意選択で前記1つ以上のガイドは、任意選択で、かすめ入射(AOI<45度)での前記加熱器の前記放射について、高い(R>0.5)反射率を有する金属フィンの形態である、請求項9~10のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記アセンブリは、電気接触部と、ペリクルメンブレンの平面において前記ペリクルメンブレンに電流を通すように構成された電源と、を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記電気接触部は、前記ペリクルメンブレンを1つ以上のセクタに分割するように構成され、前記セクタの少なくとも1つは、使用の際に放射ビームで露光される前記ペリクルメンブレンのエリアを囲むエリアに対応し、前記アセンブリは、使用の際に放射ビームで露光される前記ペリクルメンブレンのエリアを囲むエリアに対応する前記少なくとも1つのセクタに、電流を通すように更に構成され、任意選択で前記アセンブリは、EUVパルスに同期したAC、DC又は電圧パルスを提供するように構成され、任意選択で前記電圧の振幅は、およそ100Vに制限される、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記アセンブリは、エッチングイオンを少なくとも部分的に追放するために、前記ペリクルメンブレン上で、およそ1Vからおよそ100Vの範囲内の全体バイアスを提供するように構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記アセンブリは、少なくとも1つのレチクルマスキング(ReMa)ブレイド上に提供され、前記ペリクルメンブレン内で電流を誘起して前記ペリクルメンブレンの加熱を行うように構成された、AC電流で給電される少なくとも1つのコイル及び/又はアンテナを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記アセンブリは、ペリルメンブレンを、およそ600℃からおよそ1200℃の温度に加熱するように構成される、請求項1~15のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記アセンブリは、使用の際にEUV放射ビームが通過するペリクルメンブレンのエリアに隣接するエリアにおいて、前記ペリクルメンブレンに熱負荷を提供するように構成され、前記EUV照射ペリクルエリアから離れた前記ペリクル領域に熱負荷を制限するように構成され、及び/又は、前記アセンブリは、使用の際にEUV放射によって照射されるエリアの周りのおよそ1~3cmのペリクルメンブレンの部分を、およそ600℃からおよそ1200℃の温度に加熱するように構成され、使用の際にEUV放射によって照射されるエリアの周りのおよそ1~3cmを超えた前記ペリクルメンブレンの部分を、およそ500℃以下の温度、好ましくは周囲温度に加熱するように構成される、請求項1~16のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記アセンブリは、前記ペリクルメンブレンを、およそ91nmからおよそ590nmの範囲内の光の2つ以上の異なる波長で照射するように構成される、請求項1~17のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記アセンブリは、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光を提供するように構成された2つ以上の光源であって、任意選択でランプ、レーザ又はプラズマ源から選択される2つ以上の光源を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記アセンブリは、使用の際にEUV放射ビームが通過するペリクルメンブレンのエリアに隣接するエリアにおいて、前記ペリクルメンブレンを照射するように構成される、請求項1~19のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記アセンブリは、前記ペリクルメンブレンにわたって、およそ91nmからおよそ590nmの波長の前記光をスキャンするように構成される、請求項1~20のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記アセンブリは、請求項23~29のいずれか一項に係る光源を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項23】
UVランプ及びかすめ入射光学要素を含む光源であって、名目上の使用の際に光が前記UVランプからターゲットエリアへ伝送される光路を含み、前記かすめ入射光学要素は、前記UVランプから前記ターゲットエリアへの粒子の直接経路をブロックするように、前記UVランプとターゲットエリアとの間に配設される、光源。
【請求項24】
前記光源は、前記UVランプと前記ターゲットエリアとの間に焦点を提供するように構成された複数のかすめ入射光学要素を含む、請求項23に記載の光源。
【請求項25】
かすめ光学要素間にアパーチャが提供される、請求項23又は24に記載の光源。
【請求項26】
前記光源は、前記アパーチャの前記UVランプが位置付けられている側に、前記アパーチャの前記ターゲットエリアが位置付けられている側とは異なる圧力を提供するように構成される、請求項25に記載の光源。
【請求項27】
前記光源は、前記光路が実質的に垂直に配置され、その結果、前記UVランプによって放出された粒子が重力により抑制されるように構成される、請求項23~26のいずれか一項に記載の光源。
【請求項28】
前記かすめ入射光学要素は、前記UVランプによって生成された前記光を整形するように構成される、請求項23~27のいずれか一項に記載の光源。
【請求項29】
前記かすめ入射光学要素の少なくとも一部には、水素において安定した保護層が提供され、任意選択で前記保護層は、ルテニウムを含む、請求項23~28のいずれか一項に記載の光源。
【請求項30】
ペリクルメンブレンの動作寿命を延ばす方法であって、EUVによって照射された際に、ペリクルメンブレンの少なくとも一部の加熱を行うための、i)加熱ガスを提供すること、ii)放射加熱、iii)抵抗加熱、及びiv)誘導加熱の1つ若しくは組み合わせによってペリクルメンブレンの前記少なくとも一部を加熱することにより、並びに/又は、およそ91nmからおよそ590nmの波長を有する光で前記ペリクルメンブレンを照射することにより、前記ペリクルメンブレンから吸着された水素を脱着することを含む、方法。
【請求項31】
前記方法は、レチクルマスキング(ReMa)ブレイド上に位置付けられた少なくとも1つのガス注入ユニットを介して、加熱ガスを提供することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記方法は、少なくとも1つのガス注入ユニットによって前記ガスを加熱することを含む、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
前記方法は、約500℃から約1200℃、任意選択で約600℃から約1000℃の温度で加熱ガスを提供すること、並びに/又は、およそ10Pa以上の圧力で、及び/若しくは1m/sよりも大きい、好ましくはおよそ10m/s以上、好ましくはおよそ20m/s以上の速度で加熱ガスを提供することを含む、請求項30~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記方法は、ペリクルメンブレンをおよそ600℃からおよそ1200℃の温度に加熱することを含み、好ましくは、加熱することは、使用の際にEUV放射によって照射される前記エリアの周りの約1~3cmの前記ペリクルメンブレンの部分を主な対象とする、請求項30~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記方法は、およそ91nmからおよそ590nmの範囲内の光の2つ以上の異なる波長で前記ペリクルメンブレンを照射することを含む、請求項30~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記方法は、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光を提供するようにランプ、レーザ又はプラズマ源を動作させることを含む、請求項30~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記方法は、使用の際にEUV放射ビームが通過するペリクルメンブレンの前記エリアに隣接する前記エリアにおいて、前記ペリクルメンブレンを照射することを含む、請求項30~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記方法は、前記ペリクルメンブレンにわたって、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光をスキャンすることを含む、請求項30~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記方法は、請求項40~43のいずれか一項に記載の方法に従ってUV光を生成することを含む、請求項30~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
UV光を生成する方法であって、UVランプでUV光を生成すること、少なくとも1つのかすめ光学要素を使用して、前記UV光をターゲットエリアに誘導すること、及び、前記UVランプによって生成された粒子をブロックし、前記粒子が前記ターゲットエリアに達することを防ぐことを含む、方法。
【請求項41】
前記方法は、前記UV光を焦点で合焦させること、及び、任意選択で前記焦点の周りにアパーチャを提供することを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記方法は、前記UVランプと前記ターゲットエリアとの間に差圧を提供することを更に含む、請求項40又は41に記載の方法。
【請求項43】
前記方法は、前記UV光を所望の形状又はパターンに整形することを更に含む、請求項40~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
請求項1~21のいずれか一項に記載のアセンブリ、又は請求項22~29のいずれか一項に記載の光源を含む、リソグラフィ装置。
【請求項45】
リソグラフィ装置用レチクルマスキング(ReMa)ブレイドであって、前記ブレイドの使用の際にレチクルに対向する側に配設され、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光を生成するように構成された少なくとも1つの加熱器又は光源を含み、任意選択で前記光源は、請求項22~29のいずれか一項に記載の光源である、レチクルマスキング(ReMa)ブレイド。
【請求項46】
リソグラフィプロセス又は装置における、請求項1~21のいずれか一項に記載のアセンブリ、請求項22~29のいずれか一項に記載の光源、請求項30~43のいずれか一項に記載の方法、請求項44に記載のリソグラフィ装置、又は請求項45に記載のレチクルマスキング(ReMa)ブレイドの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[00001] 本出願は、2022年2月3日に出願された欧州出願第22154980.1号、及び2022年2月24日に出願された欧州出願第22158451.9号の優先権を主張するものであり、両出願はその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[00002] 本発明は、リソグラフィ装置用アセンブリ、ペリクルメンブレンの動作寿命を延ばす方法、リソグラフィ装置、ReMaブレイド、及び、リソグラフィ方法又は装置における当該アセンブリ、方法、ReMaブレイド又はリソグラフィ装置の使用に関する。
【0003】
[00003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上に付与するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイス(例えばマスク)から、基板上に提供された放射感応性材料(レジスト)層にパターンを投影してもよい。
【0004】
[00004] パターンを基板上に投影するためにリソグラフィ装置によって使用される放射の波長は、その基板上に形成することのできるフィーチャの最小寸法を決定する。(例えば193nmの波長を有する電磁放射を使用し得る)従来のリソグラフィ装置よりも小さなフィーチャを基板上に形成するためには、4~20nmの範囲内の波長を有する電磁放射であるEUV放射を使用するリソグラフィ装置が用いられ得る。
【0005】
[00005] リソグラフィ装置は、パターニングデバイス(例えばマスク又はレチクル)を含む。放射は、パターニングデバイスを通して提供されるか、又はパターニングデバイスから反射されて、基板上に像を形成する。パターニングデバイスを浮遊粒子及び他の形態の汚染から保護するために、ペリクルとも称されるメンブレンアセンブリが提供され得る。パターニングデバイスの表面上の汚染は、基板の製造不良を引き起こす場合がある。
【0006】
[00006] ペリクルは、パターニングデバイス以外の光学コンポーネントを保護するためにも提供され得る。ペリクルは、リソグラフィ装置の相互に密封された領域の間にリソグラフィ放射のための通路を提供するためにも使用され得る。ペリクルは、スペクトル純度フィルタのようなフィルタとして、又はリソグラフィ装置の動的ガスロックの一部としても使用され得る。
【0007】
[00007] EUV放射ビームの光路内にペリクルが存在することによって、ペリクルは高いEUV透過率を有する必要がある。高いEUV透過率は、ペリクルを通る入射放射の割合を大きくすることができ、ペリクルによって吸収されるEUV放射の量を低減することによって、ペリクルの動作温度を低下させることができる。透過率はペリクルの厚みに少なくとも部分的に依存するため、リソグラフィ装置内の時として敵対的な環境に耐えるのに十分なほど確実に強いままでありながら、可能な限り薄いペリクルを提供することが望ましい。炭素は高い融点を有し、したがって現在可能なものよりも高いソースパワーに耐えることができる可能性を有しているため、炭素ベースのペリクルメンブレンが提案されている。
【0008】
[00008] リソグラフィ装置内のペリクルメンブレンの重要な役割に鑑み、ペリクルメンブレンの損傷を防止、低減又は排除することによって、ペリクルメンブレンの寿命を向上させることが望ましい。
【0009】
[00009] 本発明は、上記で特定された問題の少なくとも一部に対処することを目的として開発された。
【発明の概要】
【0010】
[00010] 本発明の第1の態様によれば、リソグラフィ装置用アセンブリであって、i)加熱ガスの提供、ii)放射加熱、iii)抵抗加熱、及びiv)誘導加熱の1つ若しくは組み合わせによってペリクルメンブレンを加熱することにより、並びに/又は、およそ91nmからおよそ590nmの波長を有する光でペリクルメンブレンを照射することにより、ペリクルメンブレンから吸着された水素を脱着するように構成される、アセンブリが提供される。
【0011】
[00011] 使用の際、ペリクルメンブレンは、リソグラフィ装置内で使用されるEUV放射などの放射の直接光路内に存在する。ペリクルメンブレンを溶かすことなく、より高いソースパワーを提供することを可能にする炭素の高い融点を考慮して、炭素ナノチューブがペリクルメンブレンを形成するための好適な材料として提案されている。本発明は、炭素ナノチューブベースのペリクルメンブレンのような炭素ベースのペリクルメンブレンを、リソグラフィ装置内に存在しEUVによってイオン化された水素によるエッチングから保護するための、特定のものではあるが排他的ではない用途を有する。
【0012】
[00012] EUVリソグラフィ装置における炭素エッチングのメカニズムは、2要素プロセスであることが分かっている。特に、水素イオン(例えばH+、H2
+、H3
+)及び水素ラジカルH*の両方が、炭素をエッチングするために必要となる。化学的理論に縛られることを望むものではないが、ナノチューブにおける炭素-炭素結合は、高エネルギー水素イオンによって破壊され得ると考えられる。破壊された結合は、溶解又は吸着された水素ラジカルによって不動態化され得る。不動態化が起こらない場合は、結合を回復することが可能である。炭素ナノチューブベースのペリクルメンブレンを加熱することによって、吸着された水素の量が低減され、それによって不動態化が起こる速度が低減されると考えられる。このことにより、今度は、炭化水素として放出されることを介して炭素がペリクルからエッチングされる速度が低減される。ペリクルメンブレンを加熱することは、関連するリソグラフィプロセスで使用される放射ビームでの露光によって提供される任意の加熱効果に加えて、リソグラフィ装置の水素プラズマ環境内におけるペリクルメンブレンからの炭素のエッチングを抑制することが分かっている。本開示は、吸着された水素の量を低減し、それによってエッチングの速度を低減するようにペリクルメンブレンに熱エネルギーを提供するために、個別に又は組み合わせて使用され得る幾つかの異なる方法を提供する。同様に、UV光の光子のような十分に高いエネルギーを有する光子は、吸着された水素とペリクルメンブレンの炭素との間の結合を破壊することが可能である。そのため、ペリクルメンブレンを必ずしも加熱することなく吸着された水素を除去することができる。このことは、リソグラフィ装置内、特にレチクルの近接領域に追加の熱源を導入することを回避するという利点を有する。装置内にもたらされる熱を回避又は低減することによって、加熱による結像及びオーバーレイ性能への負の影響を低減又は除去することができる。吸着された水素ラジカルの結合エネルギーは、他の水素ラジカルの近さに応じて変化する。典型的には、結合エネルギーは約0.7eVから約2.1eVの範囲内にある。そのため、およそ590nmよりも短い波長を有する光子であれば、吸着された水素を脱着するのに十分なエネルギーを有する。更に、光は水素ガスをイオン化しないことが望ましく、したがって、好ましくは水素ガスのイオン化エネルギーを下回る。そのため、光の波長は、好ましくはおよそ91nm(13.6eV)を超える。本明細書に記載された最も短い波長(91nm)においてさえも、およそ13.5nmの波長を有する遥かに高エネルギーのEUV光子による直接の損傷が観測されていないため、ペリクルメンブレンが直接損傷を受けることはない。
【0013】
[00013] 炭素ナノチューブは、単層又は多層であり得る。ペリクルメンブレンは、単層ナノチューブ、多層ナノチューブ、又はそれらの組み合わせを含み得る。好ましくは、ペリクルメンブレンは単層ナノチューブを含む。
【0014】
[00014] ナノチューブの直径は、約1nmから約100nmにまで及び得る。好ましくは、ナノチューブの直径は約5nmから約25nmにまで及ぶ。ナノチューブの直径は、好ましくは透過電子顕微鏡法によって測定される。その他の測定技術も使用され得ることが理解されよう。
【0015】
[00015] アセンブリは、使用の際に放射ビームが通過するペリクルメンブレンのエリアを囲むペリクルメンブレンのエリアに加熱ガスを提供するように位置付けられた、少なくとも1つのガス注入ユニットを含み得る。
【0016】
[00016] 拡散によって、放射ビームを囲むプラズマは、放射ビーム自体が通過するエリアよりも大きいエリアにおいてペリクルメンブレンに入射する。使用の際に放射ビームが通過するエリアが、水素の吸着ひいてはエッチングの速度を低減又は防止するのに十分なほど高い温度を実現し得る一方で、当該エリアを囲むエリアが十分に高い温度を実現するとは限らない。これは、ペリクルメンブレンの面内熱伝導率が極めて低いためである。そのため、本開示は、使用の際に放射ビームが追加するペリクルメンブレンのエリアよりも大きいペリクルメンブレンのエリアに、追加の熱エネルギーを提供する手段を提供する。使用の際にEUV放射ビームによって照射されるエリアを囲むエリアに追加の熱エネルギーを提供することによって、使用の際に放射ビームによって照射されるエリアを囲むエリアにおけるペリクルメンブレンのエッチングを防止又は低減することができる。これは、実施形態では、加熱ガスをペリクルメンブレン上に誘導することによって実現することができる。
【0017】
[00017] 少なくとも1つのガス注入ユニットが、レチクルマスキング(ReMa)ブレイド上に位置付けられ得る。ReMaブレイドは当該分野において周知であり、ペリクルを介してレチクルに達する放射ビームを制御するように役立つ。ReMaブレイドは、パターン付与されたエリア全体のうちの選択された部分を露光させ、また、レチクルアライメントターゲットを選択的にブロックすることによって、それらがウェーハ上にプリントされないようにする。ReMaブレイドは可動であり、したがってReMaブレイド上に少なくとも1つのガス注入ユニットを提供することによって、該ガス注入ユニットはペリクルメンブレンに対して移動させられるため、ペリクルメンブレンの異なる部分を加熱するために使用することができる。そのため、固定された注入ポートとは異なり、放射ビームの周りのエリアを容易に加熱することができる。少なくとも1つのガス注入ユニットは、ReMaブレイドの最先端から10mm以下、好ましくは1mm以下に位置付けられ得る。このようにして、高温ガスジェットが、レチクルに入射しレチクルから反射されるEUVビームのすぐ近辺に提供される。
【0018】
[00018] 少なくとも1つのガス注入ユニットは、ReMaブレイドから熱的に絶縁され得る。ReMaブレイドを能動的に加熱することは不必要であり望ましくないため、関連するReMaブレイド上の少なくとも1つのガス注入ユニットの加熱効果を緩和することが望ましい。使用の際、ReMaブレイドは、周期的又は連続的にReMaブレイドに入射するEUVビームの吸収に対応する熱負荷を相殺するように、能動的に冷却される。ReMaブレイドと高温ガス注入ユニットとの間に熱絶縁を追加することによって、ReMa冷却ハードウェアを最小限の変化で保つことができる。
【0019】
[00019] 少なくとも1つのガス注入ユニットは、焼結された金属を含み得る。
【0020】
[00020] 少なくとも1つのガス注入ユニットは、ディフューザを含み得る。ディフューザは、ペリクルメンブレン上での加熱ガスのより均一な分布を提供し、また、デリケートなペリクルメンブレンを損傷させ得る高速ジェットの可能性を低減する。
【0021】
[00021] 少なくとも1つのガス注入ユニットは、加熱器を含み得る。加熱器は、気体を周囲温度から所望の温度に加熱するように構成され得るか、或いは、既に周囲温度を超えて加熱された気体の温度を維持又は上昇させるように構成され得る。
【0022】
[00022] 少なくとも1つのガス注入ユニットは、シャワーヘッドを含み得る。シャワーヘッドは、複数の画定されたチャネルを含んでもよく、該チャネルを介してガスのジェットを提供することができる。そのため、シャワーヘッドは、そこから提供されるガスが複数の離散流の形態にあるのに対して、ディフューザは、あまり明確に画定されていない離散流を含む概ね均一の流れを提供するという点において、ディフューザとは異なる場合がある。
【0023】
[00023] 加熱ガスは水素を含み得る。加熱ガスは、95体積%以上、96体積%以上、97体積%以上、98体積%以上、又は99体積%以上の水素を含み得る。
【0024】
[00024] 加熱ガスは、約500℃から約1200℃、任意選択で約600℃から約1000℃の温度で提供され得る。そのため、本開示に係る装置は、ペリクルメンブレンの表面から水素ガスを脱着させるのに十分な温度で加熱ガスを提供するように構成され得る。
【0025】
[00025] 加熱ガスは、およそ10Pa以上の圧力で、及び/又は、1m/sよりも大きい、好ましくはおよそ10m/s以上、好ましくはおよそ20m/s以上の速度で提供され得る。ほとんどのリソグラフィ装置においては、ペリクルメンブレンの表面にわたる水素ガスの流れが存在するため、加熱ガスが、その熱エネルギーをあまりに早急に反らされることなくペリクルに伝えることができるように、加熱ガスの速度が、ペリクルメンブレンの表面にわたる水素の流れよりも速いことが好ましい。
【0026】
[00026] アセンブリは、少なくとも1つのレチクルマスキング(ReMa)ブレイド上に提供された少なくとも1つの放射加熱器を含み得る。少なくとも1つの放射加熱器は、少なくとも1つのReMaブレイドから熱的に絶縁され得る。少なくとも1つの加熱器は、EUVビームによって照射されるペリクルエリアに重なる領域において、ペリクルに熱負荷を提供するように構成され得る。少なくとも1つの加熱器は、1W/cm2超(例えば2~4W/cm2)のEUVによって照射されるエリアの周りの1~3cm以内の領域において、ペリクルに熱負荷を提供するように構成することができ、及び/又は、少なくとも1つの加熱器は、EUV照射領域から1~3cm以上離れたペリクル領域に1W/cm2未満の熱負荷を提供するように構成され得る。熱負荷は、ペリクルの対流及び放射性質を考慮した所望の温度に達するように調整される。そのため、使用の際にEUV放射ビームによって照射されるペリクルメンブレンのエリアを囲むエリアに、より高い熱負荷を提供することによって、当該エリアは水素プラズマによるエッチングを防止又は低減する温度に加熱される。追加的に、エッチングの影響を最も受けるエリアの外側のエリアに、より低い熱負荷を提供することによって、ペリクルメンブレン上の全体の熱負荷が管理され、既存の冷却メカニズムを使用することも尚可能であり、そのことによってリソグラフィ装置の他のコンポーネントを修正する必要を回避できる。
【0027】
[00027] 放射加熱器は、放射加熱器の放出スペクトルが、ペリクルメンブレンの最大吸収スペクトルと重なるように選択され得る。このようにして、放射加熱器からペリクルメンブレンへの熱エネルギーの最適な移転が行われる。
【0028】
[00028] 少なくとも1つの放射加熱器は、使用の際にレチクルによってウェーハに向けて反射されるIR放射の量を管理するように構成され得る。少なくとも1つの放射加熱器は、放出された熱放射をペリクルメンブレンに向けて誘導するように構成された、1つ以上のガイドを含み得る。1つ以上のガイドは、例えば45度未満の入射角のかすめ入射での加熱器の放射について、高い反射率(すなわち、0.5より大きいか又は0.5に等しい反射率)を任意選択で有する、金属フィンの形態とすることができる。加熱の必要のないコンポーネントに熱エネルギーを不必要に提供することを避けるために、放射加熱器は方向性を有することが望ましい。フィンの形態のような形でガイドを提供することにより、ウェーハに送られるEUVビームの方向におけるレチクルからのIR放射の反射も低減される。フィンは、1~5ミクロンの放射について、0.5よりも大きい、0.75よりも大きい、又は0.9よりも大きい、好ましいかすめ入射反射率を有する金属を含み得る。放射加熱器の方向性は、EUVによって照射されるペリクルエリアに隣接する領域に、加熱器から最大の熱負荷を提供するように構成することもできる。
【0029】
[00029] アセンブリは、電気接触部と、ペリクルメンブレンの平面において電流をペリクルメンブレンに通すように構成された電源とを含み得る。炭素ベースのペリクル、特に炭素ナノチューブベースのペリクルは導電性であり、使用の際に、1V~100Vの範囲内のペリクルにわたる電圧が十分な加熱を可能にし、レチクルミニ環境と両立可能である。ペリクルを加熱するために、EUVパルスに同期したDC、AC又はパルス電圧を使用することができる。EUVプラズマからの陽イオンの流束又はエネルギーを低減し、したがって炭素エッチングを更に低減するために、アセンブリは、ペリクルに+1Vから+100Vの範囲内の正のバイアスを提供するように構成され得る。
【0030】
[00030] メンブレンの平面において、メンブレンに電流を通すことによって、メンブレンの加熱を引き起こすことが可能である。加熱の程度は、提供される電力の量を制御することによって制御することができる。より高い電流は、より大きな加熱をもたらす。
【0031】
[00031] 電気接触部は、ペリクルメンブレンを1つ以上のセクタに分割するように構成することができ、セクタの少なくとも1つが、使用の際に放射ビームで露光されるペリクルメンブレンのエリアを囲むエリアに対応し、アセンブリは、使用の際に放射ビームで露光されるペリクルメンブレンのエリアを囲むエリアに対応する少なくとも1つのセクタに、電流を流すように更に構成される。アセンブリは、EUVパルスに同期したAC、DC又は電圧パルスを提供するように構成され得る。レチクルミニ環境におけるスパッタリングを制限又は防止するために、電圧の振幅は、およそ100Vに制限され得る。
【0032】
[00032] エッチングイオンを少なくとも部分的に追放するために、アセンブリは、ペリクルメンブレン上で、およそ1Vからおよそ100Vの範囲内の全体バイアスを提供するように構成され得る。エッチングは2要素プロセスであると考えられるため、電気バイアスを提供することによって、少なくとも一部の荷電イオンをペリクルメンブレンから追放し、それによってペリクルメンブレンのエッチングを防止又は低減することができる。
【0033】
[00033] 拡散された水素プラズマで露光されたが、放射ビームによって加熱されていないペリクルメンブレンのエリアのみを加熱すればよいため、アセンブリは、そのようなエリアに選択的に電流を流すように構成することができる。これにより、必要な全体の電力が低減され、関連するリソグラフィ装置全体に追加される合計熱エネルギーも低減される。
【0034】
[00034] アセンブリは、少なくとも1つのレチクルマスキング(ReMa)ブレイド上に提供され、ペリクルメンブレン内で電流を誘起してペリクルメンブレンの加熱を行うように構成された、少なくとも1つのコイル及び/又は少なくとも1つのアンテナを含み得る。
【0035】
[00035] 電流の誘起は、ペリクルメンブレンの加熱を行うためにも使用することができる。これは、時間とともに変化する電場を生成するコイル及び/又はアンテナを提供することによって実現することができる。コイル及び/又はアンテナは、AC電流によって給電することができる。これにより、ワイヤレスで加熱を行うことができ、また、プラズマ環境に影響し得る電圧差を提供しない。誘導加熱器によるペリクルへの熱負荷プロファイルは局所化され、EUVによって照射されたペリクルと重なり、且つ/又は隣接する場合がある。このことは、関連するレチクルの加熱に関連する問題を低減するという利点を有する。
【0036】
[00036] ペリクルメンブレンを加熱及び/又は照射するための異なる選択肢は、個別に又は組み合わせて提供され得ることが理解されよう。そのため、アセンブリは、そのような選択肢の1つ、2つ、3つ又はそれ以上を含むことができ、すべての組み合わせが明示的に考慮及び開示されている。
【0037】
[00037] アセンブリは、ペリクルメンブレンの少なくとも一部を、およそ600℃からおよそ1200℃の温度に加熱するように構成され得る。そのような温度は、水素プラズマによる炭素のペリクルメンブレンからのエッチングを低減又は除去することが分かっている。
【0038】
[00038] アセンブリは、使用の際にEUV放射ビームが通過するペリクルメンブレンのエリアに隣接するエリアにおいて、ペリクルメンブレンに熱負荷を提供し、EUV照射ペリクルエリアから離れたペリクル領域に熱負荷を制限するように構成され得る。追加的に又は代替的に、アセンブリは、使用の際にEUV放射によって照射されるエリアの周りのおよそ1~3cmのペリクルメンブレンの部分を、およそ600℃からおよそ1200℃の温度に加熱し、使用の際にEUV放射によって照射されるエリアの周りのおよそ1~3cmを超えるペリクルメンブレンの部分を、およそ500℃以下の温度、好ましくは周囲温度にまで加熱するように構成され得る。周囲温度とは、追加の加熱が提供されなかった場合に、ペリクルメンブレンの特定のエリアが達するであろう温度を意味する。
【0039】
[00039] アセンブリは、およそ91nmからおよそ590nmの範囲内の光の2つ以上の波長でペリクルメンブレンを照射するように構成され得る。水素ラジカルの結合エネルギーは、他の水素ラジカルの近さに依存しているため、異なる波長の光でペリクルメンブレンを照射することは、吸着された水素の除去によってペリクルメンブレンの寿命を尚伸ばしつつ、メンブレンに印加された熱負荷を更に低減する役割を果たす。
【0040】
[00040] アセンブリは、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光を提供するように構成された2つ以上の光源を含み得る。任意選択で光源は、ランプ、レーザ又はプラズマ源から選択される。光源は、必要とされる光の所望の波長に応じて、また、レーザ源が好ましい場合のように、光を集中したエリアに提供する必要があるかどうか、或いは、ランプ又はプラズマ源が望ましい場合のように、光をより広いエリアにわたって提供する必要があるかどうか、に応じて選択され得る。
【0041】
[00041] アセンブリは、使用の際にEUV放射ビームが通過するペリクルメンブレンのエリアに隣接するエリアにおいて、ペリクルメンブレンを照射するように構成され得る。使用の際にEUV放射ビームが通過するエリアは、吸着された水素を脱着するのに十分なほど高い温度まで加熱されるため、そこから水素を脱着する必要がない場合がある。勿論、アセンブリは必要に応じて、ペリクルメンブレンの表面上の任意の場所から、吸着された水素を除去するように構成及び使用できることが理解されよう。
【0042】
[00042] アセンブリは、ペリクルメンブレンにわたって、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光をスキャンするように構成することができる。ペリクルメンブレンにわたって光をスキャンすることによって、必ずしも一度に全表面を照射する必要なく、表面上の任意の場所から吸着された水素を除去することができる。
【0043】
[00043] アセンブリは、本開示の第6の態様に係る光源を含み得る。
【0044】
[00044] 本発明の第2の態様によれば、ペリクルメンブレンの動作寿命を延ばす方法であって、ペリクルメンブレンの少なくとも一部の加熱を行うための、i)加熱ガスを提供すること、ii)放射加熱、iii)抵抗加熱、及びiv)誘導加熱の1つ若しくは組み合わせによりペリクルメンブレンの少なくとも一部を加熱することによって、並びに/又は、およそ91nmからおよそ590nmの波長を有する光でペリクルを照射することによって、吸着された水素をペリクルから脱着することを含む、方法が提供される。好ましくは、ペリクルのそのような一部は、EUVによって照射されるペリクルエリアに隣接している。
【0045】
[00045] 本開示の第1の態様と同様に、ペリクルメンブレンを加熱する又は特定の波長の範囲内の光で照射することは、そこからの原子及び分子水素ガスの脱着をもたらし、それにより今度は炭素がペリクルメンブレンからエッチングされる速度を低減する。
【0046】
[00046] 方法は、レチクルマスキング(ReMa)ブレイド上に位置付けられた少なくとも1つのガス注入ユニットを介して、加熱ガスを提供することを含み得る。
【0047】
[00047] 方法は、少なくとも1つのガス注入ユニットを使用して、ガスを加熱することを含み得る。
【0048】
[00048] 方法は、約500℃から約1200℃、任意選択で約600℃から約800℃の温度で加熱ガスを提供すること、並びに/又は、およそ10Pa以上の圧力で、及び/若しくは1m/sよりも大きい、好ましくはおよそ10m/s以上、好ましくはおよそ20m/s以上の速度で、加熱ガスを提供することを含み得る。
【0049】
[00049] 方法は、ペリクルメンブレンをおよそ600℃からおよそ1200℃の温度に加熱することを含み得る。好ましくは、加熱することは、使用の際にEUV放射によって照射されるエリアの周りの約1~3cmのペリクルメンブレンの部分を主な対象とする。
【0050】
[00050] 本開示の第2の態様に係る方法は、本明細書に記載されるような加熱器の動作のいずれも含むことができることが理解されよう。例えば、方法は、ペリクルメンブレンの平面において電流を提供し、その抵抗加熱を行うことを含み得る。代替的に又は追加的に、方法は、本明細書に記載されるような1つ以上の加熱器を含み得る。
【0051】
[00051] 方法は、およそ91nmからおよそ590nmの範囲内の光の2つ以上の異なる波長でペリクルメンブレンを照射することを含み得る。
【0052】
[00052] 方法は、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光を提供するようにランプ、レーザ又はプラズマ源を動作させることを含み得る。
【0053】
[00053] 方法は、使用の際にEUV放射ビームが通過するペリクルメンブレンのエリアに隣接するエリアにおいて、ペリクルメンブレンを照射することを含み得る。
【0054】
[00054] 方法は、ペリクルメンブレンにわたって、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光をスキャンすることを含む。
【0055】
[00055] 方法は、本開示の第7の態様の方法に従ってUV光を生成することを含む。
【0056】
[00056] 本開示の第3の態様によれば、本発明の第1の態様に係るアセンブリ、又は本開示の第6の態様に係る光源を含むリソグラフィ装置が提供される。
【0057】
[00057] 本開示の第4の態様によれば、リソグラフィ装置用レチクルマスキング(ReMa)ブレイドであって、ブレイドの使用の際にレチクルに対向する側に配設され、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光を生成するように構成された、少なくとも1つの加熱器及び/又は光源を含み、任意選択で光源は、本開示の第6の態様に係る光源である、レチクルマスキング(ReMa)ブレイドが提供される。加熱器は、本明細書に記載された任意の加熱器又は加熱手段であり得る。そのため、これは本明細書に記載された放射、誘導、抵抗又は他の加熱手段を含む。同様に、光源は、本明細書に記載された任意の光源であり得る。
【0058】
[00058] 本開示の第5の態様によれば、リソグラフプロセス又は装置における、本開示の第1の態様に係るアセンブリ、本開示の第6の態様に係る光源、本開示の第2の態様に係る方法、本開示の第7の態様に係る方法、又は本開示の第3の態様に係るリソグラフィ装置、又は本開示の第4の態様に係るReMaブレイドの使用が提供される。
【0059】
[00059] 本開示の第6の態様によれば、UVランプ及びかすめ入射光学要素を含む光源であって、名目上の使用の際に光がUVランプからターゲットエリアへ伝送される光路を含み、かすめ入射光学要素は、UVランプからターゲットエリアへの粒子の直接経路をブロックするように、UVランプとターゲットエリアとの間に配設される、光源が提供される。
【0060】
[00060] UV光は、ガラスを含む様々な材料によって吸収されるため、UV光がリソグラフィ装置内で使用される場合、又は、実際にはUV光の使用を必要とし粒子汚染にも感応する任意の他の装置内で使用される場合は、UV光をデバイス内で生成する必要がある。UVランプは、UV光を発生させるために電気放電を使用するため、大量の微粒子を生成する。電気放電は、次いで装置の残りを汚染し得る微粒子を発生させる場合がある。本開示は、UVランプからの微粒子の直接経路をブロックしながらUV光を所望の場所に伝送するために、少なくとも1つのかすめ入射光学要素を使用することによって、この問題に対処する。このようにして、UVライトをインシチュで生成することができ、生成された粒子が、UV光が必要な場所と同じところに到達することを防ぐ。
【0061】
[00061] 光源は、UVランプとターゲットエリアとの間に焦点を提供するように構成された複数のかすめ入射光学要素を含み得る。
【0062】
[00062] 複数の光学要素を使用することは、第1の光学要素から跳ね返る可能性がある微粒子を更に抑制するため、複数の光学要素を使用することによって、更なる汚染物質の低減を実現することができる。換言すれば、追加の光学要素は、汚染物質が生成される場所と、それらが回りくどい問題を引き起こす場所との間に任意の経路を作成することができるため、粒子が光路の終わりに達する確率がより低くなる。複数の光学要素は、ヴォルター式望遠鏡のような構成、又は追加の焦点を有する二重の楕円であってもよい。
【0063】
[00063] かすめ光学要素間にアパーチャが提供され得る。アパーチャの存在により、汚染物質が光源を通過する可能性を更に低減することができ、また、アパーチャにわたって差圧を確立することもできる。
【0064】
[00064] 光源は、アパーチャのUVランプが位置付けられている側に、アパーチャのターゲットエリアが位置付けられている側とは異なる圧力を提供するように構成され得る。
【0065】
[00065] UV側の圧力は、アパーチャのもう一方の側よりも高くすることができ、これはUV光の生成に有利である。代替的に、UV側のより低い圧力は、ガス流を介して追加の粒子抑制を提供し、これはUVランプで生成された粒子を遅延又は停止させる。実施形態においては、差圧の方向が反転可能であるように、異なるポンプレジームが使用され得る。
【0066】
[00066] 光源は、光路が実質的に垂直に配置され、その結果、UVランプによって放出された粒子が重力により抑制されるように構成され得る。
【0067】
[00067] 生成された粒子が重力の力に反して移動する必要があるように光源を配向することによって、粒子の更なる抑制を実現することができる。
【0068】
[00068] かすめ入射光学要素は、UVランプによって生成された光を整形するように構成され得る。線やスポットのような任意の形状が提供され得る。
【0069】
[00069] かすめ入射光学要素の少なくとも一部には、水素において安定した保護層が提供され、任意選択で保護層は、ルテニウムを含む。
【0070】
[00070] 本開示の第7の態様によれば、UV光を生成する方法であって、UVランプでUV光を生成すること、少なくとも1つのかすめ光学要素を使用して、UVライトをターゲットエリアに誘導すること、及び、UVランプによって生成された粒子をブロックして、ターゲットエリアに達することを防ぐことを含む、方法が提供される。
【0071】
[00071] 粒子をブロックすることによって、微粒子汚染に感応な装置内でUV光を利用することができる。
【0072】
[00072] 方法は、UV光を焦点で合焦させること、及び、任意選択で焦点の周りにアパーチャを提供することを更に含み得る。焦点及び光学アパーチャを提供することによって、微粒子汚染が装置を通過する可能性を更に低減することができる。
【0073】
[00073] 方法は、UVランプとターゲットエリアとの間に差圧を提供することを含み得る。圧力は、UVランプ側でより高くすることができ、又はターゲットエリア側でより高くすることができる。
【0074】
[00074] 方法は、UV光を所望の形状又はパターンに整形することを含み得る。
【0075】
[00075] 1つの実施形態について記載した特徴は、別の実施形態について記載した任意の特徴と組み合わせることができ、本明細書ではそのような組み合わせのすべてが明示的に考慮及び開示されていることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0076】
[00076] ここで、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図面を参照しながら、本発明の実施形態が単なる例示として説明される。
【
図1】[00077] 本開示の一実施形態に係るリソグラフィ装置を示す。
【
図2】[00078] 放射ビーム、ReMaブレイドの対、ペリクルメンブレン、及びレチクルの概略図である。
【
図3】[00079] 本開示の一実施形態に係るアセンブリの断面及び上面図を示す。
【
図4】[00080] 本開示に係るガス注入ユニットを切った断面を示す。
【
図5】[00081] 本開示に係るガス注入ユニットを切った断面を示す。
【
図6】[00082] 本開示の一実施形態に係るアセンブリを示す。
【
図7】[00083] 本開示の一実施形態に係る、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光を提供することができる光源を含むアセンブリを示す。
【
図8】[00084] 本開示の第6の態様に係る光源を示す。
【
図9】[00085] 本開示の第6の態様に係る光源を示す。
【0077】
[00086] 本発明の特徴及び利点は、全体を通して同様の参照符号が対応する要素を識別する図面と併せて考慮されたとき、以下に述べる詳細な説明からより明らかになるであろう。図面中、同様の参照番号は概して、同一の要素、機能的に類似の要素、及び/又は構造的に類似の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0078】
[00087]
図1は、本発明に係るペリクル15(メンブレンアセンブリとも称される)を含むリソグラフィシステムを示す。リソグラフィシステムは、放射源SOとリソグラフィ装置LAとを含む。放射源SOは、極端紫外線(EUV)放射ビームBを生成するように構成される。リソグラフィ装置LAは、照明システムLAと、パターニングデバイスMA(例えばマスク)を支持するように構成されたサポート構造MTと、投影システムPSと、基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTとを含む。照明システムILは、放射ビームBがパターニングデバイスMAに入射する前に、放射ビームBを調整するように構成されている。投影システムは、(今やマスクMAによってパターン付与された)放射ビームBを基板W上に投影するように構成されている。基板Wは、以前に形成されたパターンを含み得る。この場合、リソグラフィ装置は、パターン付与された放射ビームBを、基板W上に以前に形成されたパターンWと位置合わせする。この実施形態において、ペリクル15は放射経路内に図示され、パターニングデバイスMAを保護している。ペリクル15は、任意の必要な位置に位置付けることができ、リソグラフィ装置内のミラーのうちのいずれかを保護するために使用され得ることが理解されよう。
【0079】
[00088] 放射源SO、照明システムIL及び投影システムPSは、すべて外部環境から隔離することができるように構築及び配置することができる。大気圧を下回る圧力での気体(例えば水素)が放射源SO内に提供され得る。真空が照明システムIL及び/又は投影システムPS内に提供され得る。大気圧をはるかに下回る圧力での少量の気体(例えば水素)が照明システムIL及び/又は投影システムPS内に提供され得る。
【0080】
[00089]
図1に示した放射源SOは、レーザ生成プラズマ(LPP)源と称される場合があるタイプのものである。例えばCO
2レーザであり得るレーザは、燃料放出器から提供されるスズ(Sn)などの燃料内に、レーザビームを介してエネルギーを堆積させるように配置される。下記の記述ではスズに言及しているが、任意の適切な燃料が使用可能である。燃料は、例えば液体の形態であってよいが、例えば金属又は合金とすることができる。燃料放出器は、プラズマ形成領域に向けた軌道に沿って、例えば液滴の形態でスズを誘導するように構成された、ノズルを備えることができる。レーザビームは、プラズマ形成領域においてスズ上に入射する。レーザエネルギーのスズ内への蓄積は、プラズマ形成領域においてプラズマを作成する。EUV放射を含む放射は、プラズマのイオンの脱励起及び再結合の間に、プラズマから放出される。
【0081】
[00090] EUV放射は、近法線入射放射コレクタ(時折、より一般的には、法線入射放射コレクタと呼ばれる)によって収集及び合焦される。コレクタは、EUV放射(例えば、13.5nmなどの所望の波長を有するEUV放射)を反射するように配置された、多層構造を有することができる。コレクタは、2つの楕円焦点を有する楕円構成を有することができる。下記で考察するように、第1の焦点はプラズマ形成領域にあり、第2の焦点は中間焦点にあるものとすることができる。
【0082】
[00091] レーザシステムは、放射源SOから分離することができる。この場合、レーザビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダ、及び/又は他の光学系を備える、ビームデリバリシステム(図示せず)の助けによって、レーザシステムから放射源SOへと渡すことができる。レーザシステム及び放射源SOは一体となって、放射システムとみなすことができる。
【0083】
[00092] コレクタによって反射された放射は、放射ビームBを形成する。放射ビームBは、照明システムILのための仮想放射源として作用するプラズマ形成領域の像を形成するために、ある地点において合焦される。放射ビームBが合焦される地点は、中間焦点と称される場合がある。放射源SOは、中間焦点が放射源の閉鎖構造内の開口に、又は開口の近くに位置付けられるように配置される。
【0084】
[00093] 放射ビームBは、放射源SOから照明システムIL内を通過し、照明システムILは、放射ビームを調整するように構成される。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11を含み得る。ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11は一体となって、放射ビームBに所望の断面形状及び所望の角度分布を与える。放射ビームBは照明システムILから渡され、サポート構造MTによって保持されるパターニングデバイスMA上に入射する。パターニングデバイスMAは、放射ビームBを反射し、放射ビームBにパターン付与する。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11に加えて、又はこれらの代わりに、他のミラー又はデバイスを含み得る。
【0085】
[00094] パターニングデバイスMAから反射された後、パターン付与された放射ビームBは、投影システムPSに入射する。投影システムは、基板テーブルWTによって保持された基板W上に放射ビームBを投影するように構成された、複数のミラー13、14を備え得る。投影システムPSは、放射ビームに縮小係数を適用し、パターニングデバイスMAにおける対応するフィーチャよりも小さいフィーチャの像を形成することができる。例えば4の縮小係数を適用することができる。投影システムPSは、
図1では2つのミラー13、14を有しているが、投影システムは任意の数のミラー(例えば6個のミラー)を含み得る。
【0086】
[00095]
図1に示した放射源SOは、図示されていないコンポーネントを含み得る。例えば、放射源内にスペクトルフィルタが提供され得る。スペクトルフィルタは、EUV放射を実質的に透過し得るが、赤外放射のような他の波長の放射を実質的にブロックし得る。
【0087】
[00096] 一実施形態において、メンブレンアセンブリ15は、EUVリソグラフィ用のパターニングデバイスMAのためのペリクルである。本発明のメンブレンアセンブリ15は、動的ガスロックのため、ペリクルのため、又は別の用途のために使用され得る。一実施形態において、メンブレンアセンブリ15は、入射するEUV放射の少なくとも90%を透過するように構成された少なくとも1つのメンブレン層から形成されたメンブレンを備える。最大限のEUV透過及び結像性能への最小限の影響を保証するために、メンブレンは境界でのみ支持されることが好ましい。
【0088】
[00097] パターニングデバイスMAが保護されずに放置されると、汚染によりパターニングデバイスMAを洗浄又は廃棄しなければならない場合がある。パターニングデバイスMAを洗浄することは貴重な製造時間を妨げ、パターニングデバイスMAを廃棄するのは費用がかかる。パターニングデバイスMAを交換することも、貴重な製造時間を妨げる。
【0089】
[00098]
図2は、レチクル100を保護するために提供されたペリクルメンブレン110上への流束によって示される、EUV放射円錐Bの周りのイオン及びラジカル分布の主だったスキームを示す。図示される通り、EUV放射ビームの幅W-EUVは、イオンの範囲の幅W-ionよりも狭く、そしてイオンの範囲の幅W-ionは、システム内のラジカルの範囲の幅W-radよりも狭い。そのため、ペリクルメンブレン110の比較的小さいエリアのみがEUV放射ビームBで露光され、ペリクルメンブレン110のより広いエリアは、リソグラフィ装置内で生成されたイオン流束及びラジカル流束で露光される。このようにして、EUV放射ビームBによって照射されたエリアのみが、吸着された原子及び分子水素を脱着するのに十分なほど高い温度に加熱され、それによって低減された速度のエッチングを受ける。更に、ラジカルが最近傍の壁では0.1未満の再結合速度を有する一方、イオンはおよそ1の再結合速度を有するため、ペリクル110とReMaブレイド120、130との間の狭いスリットにおいて、ラジカルの抑制はより少ない。
【0090】
[00099]
図3は、本開示の一実施形態に係るアセンブリの断面及び上面図を示す。レチクル100には、ペリクルメンブレン110が提供される。ReMaブレイド120、130には、加熱器210、220が提供される。加熱器210、220は同じタイプの加熱器であってもよいし、異なっていてもよい。図示された実施形態において、加熱器210、220の少なくとも1つはガス注入ユニットである。他の実施形態において、加熱器210、220の少なくとも1つは放射加熱器である。他の実施形態において、加熱器210、220の少なくとも1つは誘導加熱器である。加熱器210、220は、ReMaブレイドの使用の際にレチクルに対向する面に提供される。使用の際に放射ビームBが通過する場所に近いエリアにおいて、加熱器210、220がReMaブレイドの縁部の近くに位置付けられることで、加熱器は、使用の際に放射ビームがペリクルメンブレンを通過する場所を囲むエリアにおいて、ペリクルメンブレン110を加熱することができる。加熱器は、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光を提供するように構成された1つ以上の光源によって交換又は補足することができる。これは、水素イオン及びラジカルが主に存在する場所であるため、本開示によりもたらされる改善がない場合、最大のエッチングが起こり得る場所でもある。図示された実施形態において、ガス供給ライン211、212、221、222が提供され、これらは加熱器210、220にガスを供給する。ガスは既に加熱されていてもよく、或いは、加熱器210、220は、ガスがペリクルメンブレン110に提供される前に、ガスを加熱するように構成されてもよい。放射加熱器又は誘導加熱器の場合のように、加熱器210、220が電気接続を必要とする場合には、電気接続が、図示されたガスライン211、212、221、222と同様の方法で提供され得る。
【0091】
[00100]
図4は、本開示に係るReMaブレイド230の一実施形態を示す。熱絶縁を提供する断熱層231がReMaブレイドの本体上に提供され、使用の際にReMaブレイド150が加熱される量を低減する。ガス供給チャネル232が提供され、該ガス供給チャネル232は、シャワーヘッドの形態の加熱要素233と流体連結している。したがって、ガスは、ガス供給チャネル232から、ガスが加熱される加熱要素233を通って通過することができる。ガスは、加熱器233内の離散経路を通過する。焼結された金属から形成され得る光ディフューザ234が、ペリクルメンブレンに均一な流れ分布を提供し、加熱ガスの高速ジェットを回避するために提供される。追加的に、熱伝導媒体(例えば焼結された金属)に基づくディフューザは、熱交換を向上させ、加熱器の所与の温度について、より高温のガスをペリクルに誘導することができる。
【0092】
[00101]
図5は、
図4の実施形態と同様だが、加熱要素233とディフューザ234の相対位置が入れ替わった実施形態を示す。ディフューザ234は、加熱要素233の両方の面に提供することもできるし、いずれの面にも提供しないことも可能であるということが理解されよう。加熱要素233は、そこを通過するガスを加熱するように構成されたディフューザの形態とすることもでき、必ずしもシャワーヘッド要素が提供されなければいけないというわけではない。同様に、ディフューザは、熱交換器として作用することができる。
【0093】
[00102]
図6は、放射加熱器240、250を含む本開示の一実施形態を示す。EUV放射ビーム270は、レチクル100に入射し、レチクル100から反射され、レチクル100はペリクルメンブレン110によって保護される。放射加熱器240、250はReMaブレイド120、130と一体化され、使用の際に放射ビームB、270が通過するペリクルメンブレンのエリアを囲むエリア111、112に熱を提供する。ReMaブレイド120、130への熱負荷を低減するために、熱絶縁241がReMaブレイド120、130間に提供される。放射要素242は、数ミリメートル離れたペリクルメンブレン110に向けてIR放射を放射する。任意選択のIR反射フィン244は、リソグラフィ装置のNAにおけるレチクルによるIR260の反射を防止又は制限し、ウェーハの熱負荷を低減するようにIR放射を誘導する。
【0094】
[00103]
図7は、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光を提供し、ペリクルメンブレン110の少なくとも一部を照射するように構成された光源310を含む、本開示の一実施形態を示す。
【0095】
[00104]
図8は、本開示に係る光源の一実施形態を示す。光源は、UV光を生成するように構成されたUVランプ311を含む。光源は、ミラーなどの複数のかすめ入射光学要素312も含む。UVランプ311によって生成されたUV光は、光路313に沿って移動し、光学要素312によってターゲットエリアに移動させられる。UVランプ311によって生成される粒子は、経路314に沿って渡り、該経路314で粒子はターゲットエリアまで移動しないようにブロックされる。粒子は、光学要素312によって又は粒子の経路内に位置付けられた別個のブロック要素によってブロックされる。
【0096】
[00105]
図9は、光学要素の2つのセットを含む光源の別の実施形態を示す。UV光は、焦点315に合焦される。任意選択のアパーチャ316が焦点315の周りに提供される。焦点及び任意選択のアパーチャ316の存在によって、UVランプにより生成された粒子が光学要素から跳ね返ることによって装置にまで達する可能性がより低くなる。光路に沿って移動していない粒子は、アパーチャ316によってブロックされる。
【0097】
[00106] 本発明の様々な態様が提供され得るか、又は組み合わされ得ることが理解されよう。例えば、2つ以上の異なる熱源を含む実施形態を提供することができ、熱源のどのような組み合わせも明示的に考察されている。更に、ペリクルメンブレンに吸着された水素を除去するための光源の使用及び加熱も明示的に考察されている。光源及び加熱のすべての組み合わせが考慮されている。
【0098】
[00107] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には、例えば集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造のような、他の用途もあることを理解されたい。本明細書で言及されている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(典型的にはレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、計測ツール及び/又は検査ツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、上述の及びその他の基板処理ツールに適用することができる。更に、基板は例えば多層ICを生成するために複数回処理することができ、したがって、本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0099】
[00108] 本発明の特定の実施形態が上に記載されているが、本発明の実施形態は、記載されている以外の方法で実施され得ることが理解されるであろう。
【0100】
[00109] 上記の記載は限定的なものではなく、例示的なものとして意図されている。したがって、以下に記載の特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような発明に修正を加えることができるということが、当業者にとっては明らかであろう。
【0101】
[00110] 要約すると、本開示は、ペリクルメンブレンから吸着された水素を除去することによってペリクルメンブレン、特に炭素ペリクルメンブレンの動作寿命を延ばすための装置及び方法を提供する。加熱及び特定の波長域内の光を用いた照射の1つ又は組み合わせによって、除去を実現することができる。炭素ペリクルメンブレンの寿命を延ばすために炭素ペリクルから吸着された水素を除去することの重要性はこれまでに実現されたことがなく、本開示は、吸着された水素の除去の利点を達成するための、組み合わせて使用され得る異なる選択肢を提供する。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0100】
[00109] 要約すると、本開示は、ペリクルメンブレンから吸着された水素を除去することによってペリクルメンブレン、特に炭素ペリクルメンブレンの動作寿命を延ばすための装置及び方法を提供する。加熱及び特定の波長域内の光を用いた照射の1つ又は組み合わせによって、除去を実現することができる。炭素ペリクルメンブレンの寿命を延ばすために炭素ペリクルから吸着された水素を除去することの重要性はこれまでに実現されたことがなく、本開示は、吸着された水素の除去の利点を達成するための、組み合わせて使用され得る異なる選択肢を提供する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0101】
[00110] 上記の記載は限定的なものではなく、例示的なものとして意図されている。したがって、以下に記載の特許請求の範囲及び条項の範囲から逸脱することなく、記載されたような発明に修正を加えることができるということが、当業者にとっては明らかであろう。
1.リソグラフィ装置用アセンブリであって、i)加熱ガスの提供、ii)放射加熱、iii)抵抗加熱、及びiv)誘導加熱の1つ若しくは組み合わせによってペリクルメンブレンを加熱することにより、並びに/又は、およそ91nmからおよそ590nmの波長を有する光でペリクルメンブレンを照射することにより、ペリクルメンブレンから吸着された水素を脱着するように構成される、アセンブリ。
2.アセンブリは、使用の際に放射ビームが通過するペリクルメンブレンのエリアを囲むペリクルメンブレンのエリアに、加熱ガスを提供するように位置付けられた少なくとも1つのガス注入ユニットを含む、条項1に記載のアセンブリ。
3.少なくとも1つのガス注入ユニットは、レチクルマスキング(ReMa)ブレイド上に位置付けられ、任意選択でReMaブレイドの最先端から10mm以下、好ましくは1mm以下に位置付けられる、条項2に記載のアセンブリ。
4.少なくとも1つのガス注入ユニットは、ReMaブレイドから熱的に絶縁される、条項3に記載のアセンブリ。
5.少なくとも1つのガス注入ユニットは、焼結された金属を含み、及び/又は、少なくとも1つのガス注入ユニットは、ディフューザを含む、条項2~4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
6.少なくとも1つのガス注入ユニットは、加熱器及び/又はシャワーヘッドを含む、条項2~5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
7.加熱ガスは水素ガスを含み、任意選択で加熱ガスは、約500℃から約1200℃、任意選択で約600℃から約1000℃の温度にある、条項1~6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
8.加熱ガスは、およそ10Pa以上の圧力で、及び/又は、1m/sよりも大きい、好ましくはおよそ10m/s以上、好ましくはおよそ20m/s以上の速度で提供される、条項1~7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
9.アセンブリは、少なくとも1つのレチクルマスキング(ReMa)ブレイド上に提供された少なくとも1つの放射加熱器を含み、任意選択で少なくとも1つの放射加熱器は、少なくとも1つのReMaブレイドから熱的に絶縁される、条項1~8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
10.放射加熱器は、放射加熱器のスペクトルがペリクルメンブレンの最大吸収スペクトルと重なるように選択される、条項1~9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
11.少なくとも1つの放射加熱器は、使用の際にレチクルによってウェーハに向けて反射されるIR放射の量を管理するように構成され、任意選択で少なくとも1つの放射加熱器は、放出された熱放射をペリクルメンブレンに向けて誘導するように構成された1つ以上のガイドを含み、任意選択で1つ以上のガイドは、任意選択で、かすめ入射(AOI<45度)での加熱器の放射について、高い(R>0.5)反射率を有する金属フィンの形態である、条項9~10のいずれか一項に記載のアセンブリ。
12.アセンブリは、電気接触部と、ペリクルメンブレンの平面においてペリクルメンブレンに電流を通すように構成された電源と、を含む、条項1~11のいずれか一項に記載のアセンブリ。
13.電気接触部は、ペリクルメンブレンを1つ以上のセクタに分割するように構成され、セクタの少なくとも1つは、使用の際に放射ビームで露光されるペリクルメンブレンのエリアを囲むエリアに対応し、アセンブリは、使用の際に放射ビームで露光されるペリクルメンブレンのエリアを囲むエリアに対応する少なくとも1つのセクタに、電流を通すように更に構成され、任意選択でアセンブリは、EUVパルスに同期したAC、DC又は電圧パルスを提供するように構成され、任意選択で電圧の振幅は、およそ100Vに制限される、条項12に記載のアセンブリ。
14.アセンブリは、エッチングイオンを少なくとも部分的に追放するために、ペリクルメンブレン上で、およそ1Vからおよそ100Vの範囲内の全体バイアスを提供するように構成される、条項1~13のいずれか一項に記載のアセンブリ。
15.アセンブリは、少なくとも1つのレチクルマスキング(ReMa)ブレイド上に提供され、ペリクルメンブレン内で電流を誘起してペリクルメンブレンの加熱を行うように構成された、AC電流で給電される少なくとも1つのコイル及び/又はアンテナを含む、条項1~14のいずれか一項に記載のアセンブリ。
16.アセンブリは、ペリルメンブレンを、およそ600℃からおよそ1200℃の温度に加熱するように構成される、条項1~15のいずれか一項に記載のアセンブリ。
17.アセンブリは、使用の際にEUV放射ビームが通過するペリクルメンブレンのエリアに隣接するエリアにおいて、ペリクルメンブレンに熱負荷を提供するように構成され、EUV照射ペリクルエリアから離れたペリクル領域に熱負荷を制限するように構成され、及び/又は、アセンブリは、使用の際にEUV放射によって照射されるエリアの周りのおよそ1~3cmのペリクルメンブレンの部分を、およそ600℃からおよそ1200℃の温度に加熱するように構成され、使用の際にEUV放射によって照射されるエリアの周りのおよそ1~3cmを超えたペリクルメンブレンの部分を、およそ500℃以下の温度、好ましくは周囲温度に加熱するように構成される、条項1~16のいずれか一項に記載のアセンブリ。
18.アセンブリは、ペリクルメンブレンを、およそ91nmからおよそ590nmの範囲内の光の2つ以上の異なる波長で照射するように構成される、条項1~17のいずれか一項に記載のアセンブリ。
19.アセンブリは、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光を提供するように構成された2つ以上の光源であって、任意選択でランプ、レーザ又はプラズマ源から選択される2つ以上の光源を含む、条項1~18のいずれか一項に記載のアセンブリ。
20.アセンブリは、使用の際にEUV放射ビームが通過するペリクルメンブレンのエリアに隣接するエリアにおいて、ペリクルメンブレンを照射するように構成される、条項1~19のいずれか一項に記載のアセンブリ。
21.アセンブリは、ペリクルメンブレンにわたって、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光をスキャンするように構成される、条項1~20のいずれか一項に記載のアセンブリ。
22.アセンブリは、条項23~29のいずれか一項に係る光源を含む、条項1~21のいずれか一項に記載のアセンブリ。
23.UVランプ及びかすめ入射光学要素を含む光源であって、名目上の使用の際に光がUVランプからターゲットエリアへ伝送される光路を含み、かすめ入射光学要素は、UVランプからターゲットエリアへの粒子の直接経路をブロックするように、UVランプとターゲットエリアとの間に配設される、光源。
24.光源は、UVランプとターゲットエリアとの間に焦点を提供するように構成された複数のかすめ入射光学要素を含む、条項23に記載の光源。
25.かすめ光学要素間にアパーチャが提供される、条項23又は24に記載の光源。
26.光源は、アパーチャのUVランプが位置付けられている側に、アパーチャのターゲットエリアが位置付けられている側とは異なる圧力を提供するように構成される、条項25に記載の光源。
27.光源は、光路が実質的に垂直に配置され、その結果、UVランプによって放出された粒子が重力により抑制されるように構成される、条項23~26のいずれか一項に記載の光源。
28.かすめ入射光学要素は、UVランプによって生成された光を整形するように構成される、条項23~27のいずれか一項に記載の光源。
29.かすめ入射光学要素の少なくとも一部には、水素において安定した保護層が提供され、任意選択で保護層は、ルテニウムを含む、条項23~28のいずれか一項に記載の光源。
30.ペリクルメンブレンの動作寿命を延ばす方法であって、EUVによって照射された際に、ペリクルメンブレンの少なくとも一部の加熱を行うための、i)加熱ガスを提供すること、ii)放射加熱、iii)抵抗加熱、及びiv)誘導加熱の1つ若しくは組み合わせによってペリクルメンブレンの少なくとも一部を加熱することにより、並びに/又は、およそ91nmからおよそ590nmの波長を有する光でペリクルメンブレンを照射することにより、ペリクルメンブレンから吸着された水素を脱着することを含む、方法。
31.方法は、レチクルマスキング(ReMa)ブレイド上に位置付けられた少なくとも1つのガス注入ユニットを介して、加熱ガスを提供することを含む、条項30に記載の方法。
32.方法は、少なくとも1つのガス注入ユニットによってガスを加熱することを含む、条項30又は31に記載の方法。
33.方法は、約500℃から約1200℃、任意選択で約600℃から約1000℃の温度で加熱ガスを提供すること、並びに/又は、およそ10Pa以上の圧力で、及び/若しくは1m/sよりも大きい、好ましくはおよそ10m/s以上、好ましくはおよそ20m/s以上の速度で加熱ガスを提供することを含む、条項30~32のいずれか一項に記載の方法。
34.方法は、ペリクルメンブレンをおよそ600℃からおよそ1200℃の温度に加熱することを含み、好ましくは、加熱することは、使用の際にEUV放射によって照射されるエリアの周りの約1~3cmのペリクルメンブレンの部分を主な対象とする、条項30~33のいずれか一項に記載の方法。
35.方法は、およそ91nmからおよそ590nmの範囲内の光の2つ以上の異なる波長でペリクルメンブレンを照射することを含む、条項30~34のいずれか一項に記載の方法。
36.方法は、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光を提供するようにランプ、レーザ又はプラズマ源を動作させることを含む、条項30~35のいずれか一項に記載の方法。
37.方法は、使用の際にEUV放射ビームが通過するペリクルメンブレンのエリアに隣接するエリアにおいて、ペリクルメンブレンを照射することを含む、条項30~36のいずれか一項に記載の方法。
38.方法は、ペリクルメンブレンにわたって、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光をスキャンすることを含む、条項30~37のいずれか一項に記載の方法。
39.方法は、条項40~43のいずれか一項に記載の方法に従ってUV光を生成することを含む、条項30~38のいずれか一項に記載の方法。
40.UV光を生成する方法であって、UVランプでUV光を生成すること、少なくとも1つのかすめ光学要素を使用して、UV光をターゲットエリアに誘導すること、及び、UVランプによって生成された粒子をブロックし、粒子がターゲットエリアに達することを防ぐことを含む、方法。
41.方法は、UV光を焦点で合焦させること、及び、任意選択で焦点の周りにアパーチャを提供することを含む、条項40に記載の方法。
42.方法は、UVランプとターゲットエリアとの間に差圧を提供することを更に含む、条項40又は41に記載の方法。
43.方法は、UV光を所望の形状又はパターンに整形することを更に含む、条項40~42のいずれか一項に記載の方法。
44.条項1~21のいずれか一項に記載のアセンブリ、又は条項22~29のいずれか一項に記載の光源を含む、リソグラフィ装置。
45.リソグラフィ装置用レチクルマスキング(ReMa)ブレイドであって、ブレイドの使用の際にレチクルに対向する側に配設され、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光を生成するように構成された少なくとも1つの加熱器又は光源を含み、任意選択で光源は、条項22~29のいずれか一項に記載の光源である、レチクルマスキング(ReMa)ブレイド。
46.リソグラフィプロセス又は装置における、条項1~21のいずれか一項に記載のアセンブリ、条項22~29のいずれか一項に記載の光源、条項30~43のいずれか一項に記載の方法、条項44に記載のリソグラフィ装置、又は条項45に記載のレチクルマスキング(ReMa)ブレイドの使用。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ装置用アセンブリであって、i)加熱ガスの提供、ii)放射加熱、iii)抵抗加熱、及びiv)誘導加熱の1つ若しくは組み合わせによってペリクルメンブレンを加熱することにより、並びに/又は、およそ91nmからおよそ590nmの波長を有する光でペリクルメンブレンを照射することにより、前記ペリクルメンブレンから吸着された水素を脱着するように構成される、アセンブリ。
【請求項2】
前記アセンブリは、使用の際に放射ビームが通過するペリクルメンブレンのエリアを囲むペリクルメンブレンのエリアに、加熱ガスを提供するように位置付けられた少なくとも1つのガス注入ユニットを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも1つのガス注入ユニットは、レチクルマスキング(ReMa)ブレイド上に位置付けられ、任意選択で前記ReMaブレイドの最先端から10mm以下、好ましくは1mm以下に位置付けられる、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのガス注入ユニットは、前記ReMaブレイドから熱的に絶縁される、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記アセンブリは、少なくとも1つのレチクルマスキング(ReMa)ブレイド上に提供された少なくとも1つの放射加熱器を含み、任意選択で前記少なくとも1つの放射加熱器は、前記少なくとも1つのReMaブレイドから熱的に絶縁される、請求項1~
4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記アセンブリは、電気接触部と、ペリクルメンブレンの平面において前記ペリクルメンブレンに電流を通すように構成された電源と、を含む、請求項1~
4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記アセンブリは、ペリルメンブレンを、およそ600℃からおよそ1200℃の温度に加熱するように構成される、請求項1~
4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記アセンブリは、使用の際にEUV放射ビームが通過するペリクルメンブレンのエリアに隣接するエリアにおいて、前記ペリクルメンブレンに熱負荷を提供するように構成され、前記EUV照射ペリクルエリアから離れた前記ペリクル領域に熱負荷を制限するように構成され、及び/又は、前記アセンブリは、使用の際にEUV放射によって照射されるエリアの周りのおよそ1~3cmのペリクルメンブレンの部分を、およそ600℃からおよそ1200℃の温度に加熱するように構成され、使用の際にEUV放射によって照射されるエリアの周りのおよそ1~3cmを超えた前記ペリクルメンブレンの部分を、およそ500℃以下の温度、好ましくは周囲温度に加熱するように構成される、請求項1~
4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記アセンブリは、前記ペリクルメンブレンを、およそ91nmからおよそ590nmの範囲内の光の2つ以上の異なる波長で照射するように構成される、請求項1~
4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記アセンブリは、使用の際にEUV放射ビームが通過するペリクルメンブレンのエリアに隣接するエリアにおいて、前記ペリクルメンブレンを照射するように構成される、請求項1~
4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記アセンブリは、前記ペリクルメンブレンにわたって、およそ91nmからおよそ590nmの波長の前記光をスキャンするように構成される、請求項1~
4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項12】
ペリクルメンブレンの動作寿命を延ばす方法であって、EUVによって照射された際に、ペリクルメンブレンの少なくとも一部の加熱を行うための、i)加熱ガスを提供すること、ii)放射加熱、iii)抵抗加熱、及びiv)誘導加熱の1つ若しくは組み合わせによってペリクルメンブレンの前記少なくとも一部を加熱することにより、並びに/又は、およそ91nmからおよそ590nmの波長を有する光で前記ペリクルメンブレンを照射することにより、前記ペリクルメンブレンから吸着された水素を脱着することを含む、方法。
【請求項13】
前記方法は、レチクルマスキング(ReMa)ブレイド上に位置付けられた少なくとも1つのガス注入ユニットを介して、加熱ガスを提供することを含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~
4のいずれか一項に記載のアセンブ
リを含む、リソグラフィ装置。
【請求項15】
リソグラフィ装置用レチクルマスキング(ReMa)ブレイドであって、前記ブレイドの使用の際にレチクルに対向する側に配設され、およそ91nmからおよそ590nmの波長の光を生成するように構成された少なくとも1つの加熱器又は光源を含
む、レチクルマスキング(ReMa)ブレイド。
【国際調査報告】