(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-12
(54)【発明の名称】ペリクルクリーニングシステム
(51)【国際特許分類】
G03F 1/82 20120101AFI20250204BHJP
B08B 7/02 20060101ALI20250204BHJP
G03F 1/62 20120101ALN20250204BHJP
【FI】
G03F1/82
B08B7/02
G03F1/62
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540542
(86)(22)【出願日】2023-01-05
(85)【翻訳文提出日】2024-08-27
(86)【国際出願番号】 EP2023050198
(87)【国際公開番号】W WO2023143887
(87)【国際公開日】2023-08-03
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】テ スライテ,エドウィン
(72)【発明者】
【氏名】クライン,アレクサンダー,ルードウィク
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーミューレン,ポール,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ,アブラハム,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】グリシン,イリヤ
【テーマコード(参考)】
2H195
3B116
【Fターム(参考)】
2H195BA10
2H195BC32
2H195BC36
2H195BD08
2H195BD13
2H195BD17
2H195BD34
2H195BD35
2H195CA22
3B116AA46
3B116AB01
3B116BC01
3B116BC05
(57)【要約】
ペリクル、レチクル、ウェーハ、又は別のリソグラフィコンポーネント等、リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントをクリーニングするためのクリーニングシステムは、コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、及び/又は、コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時にコンポーネントの領域を照射するよう構成された少なくとも1つの放射放出器を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントをクリーニングするためのクリーニングシステムであって、
前記コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、及び/又は、
前記コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、
使用時に前記コンポーネントの領域を照射するよう構成された少なくとも1つの放射放出器を備える、クリーニングシステム。
【請求項2】
リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントの構造的完全性を試験するためのシステムであって、
前記コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、使用時に前記コンポーネントの領域を照射するよう構成された少なくとも1つの放射放出器を備える、システム。
【請求項3】
前記コンポーネントはペリクルである、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンポーネントを保持するように構成されたホルダを更に備える、請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの放射放出器は、前記コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、使用時に前記コンポーネントの領域を照射するよう構成されたヒータを含む、請求項1から4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記ヒータはレーザである、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ヒータによって与えられる放射は300GHzから4300THzの周波数を有する、請求項5又は6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ヒータによって与えられる放射は1mWから200Wの平均電力を有する、請求項5から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ヒータによって与えられる放射はパルス状である、請求項5から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記放射は1Hzから1MHzのパルス周波数を有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記放射の各パルスは1fsから10μsの持続時間を有する、請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ホルダは、前記コンポーネントからクリーニングされる汚染物質が前記重力下で前記コンポーネントの付近から除去されるように位置決めされている、請求項4から11のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
前記ヒータは複数の放射ビームを与えるように構成されている、請求項5から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記ヒータは、前記複数の放射ビームのうち1つ以上を発生させるため複数のヒータを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ヒータは、前記複数の放射ビームのうち1つ以上を発生させるため1つ以上のビーム分割及び/又は方向転換光学系を含む、請求項13又は14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ホルダは複数のホルダのうち1つであり、
前記ヒータは、使用時に複数のコンポーネントの各々の領域を加熱するように構成され、前記複数のコンポーネントの各々は前記複数のホルダのうち1つに保持されている、請求項4に従属する請求項5から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
使用時に前記複数の放射ビームのうち異なるものがそれぞれ前記複数のコンポーネントのうち異なるものに入射するように構成されている、請求項13から15のいずれか一項に従属する請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ヒータは、前記複数のコンポーネントのうち異なるものを異なる波長によって加熱するように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの放射放出器は、前記コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時に前記コンポーネントの領域をイオンで照射するよう構成されたイオン源を含む、請求項1から18のいずれかに記載のシステム。
【請求項20】
前記イオン源は、前記コンポーネントの第2の側に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時に前記コンポーネントの第1の側の領域をイオンで照射するよう構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記イオン源は、前記コンポーネントの第1の側に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時に前記コンポーネントの前記第1の側の領域をイオンで照射するよう構成されている、請求項19又は20に記載のシステム。
【請求項22】
前記少なくとも1つの放射放出器は、
前記コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、使用時に前記コンポーネントの領域を加熱するよう構成されたヒータと、
前記コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時に前記コンポーネントの領域をイオンで照射するよう構成されたイオン源と、
を含む、請求項1から21のいずれかに記載のシステム。
【請求項23】
筐体を更に備え、前記放射放出器及び前記ホルダは前記筐体内に収容されている、請求項3から22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記筐体はロードロックチャンバを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
真空ポンプを更に備える、請求項23又は24に記載のシステム。
【請求項26】
汚染物質を除去するためガス排出部を更に備える、請求項1から25のいずれかに記載のシステム。
【請求項27】
前記放射放出器によって放出された放射を測定するためのメトロロジを更に備える、請求項1から26のいずれかに記載のシステム。
【請求項28】
前記コンポーネント上の又は前記コンポーネントから除去された汚染を測定するためのメトロロジを更に備える、請求項1から27のいずれかに記載のシステム。
【請求項29】
前記放射のスリット幅を第1のスリット幅と第2のスリット幅との間に調整するためアジャスタを備える、請求項1から28のいずれかに記載のシステム。
【請求項30】
リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントをクリーニングする方法であって、
前記コンポーネントに熱機械振動を誘発するため、及び/又は、
前記コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、
前記コンポーネントの領域を照射することを含む、方法。
【請求項31】
リソグラフィ処理に関連するコンポーネントの前記構造的完全性を試験する方法であって、前記コンポーネントに熱機械振動を誘発するため前記コンポーネントの領域を照射することを含む、方法。
【請求項32】
前記コンポーネントの前記領域を照射することは、前記コンポーネントに熱機械振動を誘発するため前記コンポーネントの前記領域を加熱することを含む、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
加熱することはパルスヒータの1つ以上のパルスを提供することを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記コンポーネントの前記領域を加熱することは20秒から1時間までの時間にわたって実行される、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
放射によって前記コンポーネントを加熱することは、20秒から1時間まで前記コンポーネントの第2の領域を加熱することを更に含む、請求項32、33、又は34に記載の方法。
【請求項36】
前記コンポーネントの領域を照射することは、前記コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため前記コンポーネントの前記領域をイオンで照射することを含む、請求項30から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記コンポーネントの領域を照射することは、前記コンポーネントの第2の側に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため前記コンポーネントの第1の側の領域をイオンで照射することを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記コンポーネントの領域を照射することは、前記コンポーネントの第1の側に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため前記コンポーネントの前記第1の側の領域をイオン源で照射することを含む、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項39】
前記方法は、
第1のスリット幅を有する放射で前記コンポーネントを照射することと、
第2のスリット幅を有する放射で第2のコンポーネントを照射することと、
を含む、請求項30から38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
前記方法は、
第1のスリット幅を有する放射で前記コンポーネントを照射することによって、前記コンポーネントの前記構造的完全性を試験することと、
前記放射の前記スリット幅を前記第1のスリット幅から第2のスリット幅に狭くすることと、
前記第2のスリット幅を有する放射で前記コンポーネントを照射することによって、前記コンポーネントをクリーニングすることと、
を含む、請求項30から38のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
請求項30から40のいずれかに記載の方法を実行するように請求項1から29のいずれかに記載のシステムを制御するよう構成されたコントローラ。
【請求項42】
請求項30から40のいずれかに記載の方法に従ってクリーニング又は試験が行われるコンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
[0001] 本出願は、2022年1月25日に出願された欧州特許出願22153208.8号、2022年7月8日に出願された欧州特許出願22183953.3号、及び、2002年8月4日に出願された欧州特許出願22188666.6号の優先権を主張する。これらの出願は援用により全体が本願に含まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントを洗浄するためのクリーニングシステムと、放射を用いてコンポーネントに熱機械振動を引き起す及び/又はコンポーネント上に存在する汚染のスパッタリングを誘発する方法と、に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造に使用可能である。リソグラフィ装置は、例えばパターニングデバイス(例えば、レチクルとも呼ばれるマスク)からのパターンを、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層に投影することができる。
【0004】
[0004] 基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用することができる。この放射の波長は、基板上に形成可能なフィーチャの最小サイズを決定する。4~20nmの範囲内、例えば6.7nm又は13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置は、例えば193nmの波長を有する放射を使用するリソグラフィ装置よりも小さいフィーチャを基板上に形成するのに使用することができる。
【0005】
[0005] パターニングデバイスは通常、ペリクルによって保護される。ペリクルは、リソグラフィ放射に対して実質的に透明な薄い膜を含む。ペリクルは、粒子(及びその他の汚染物質)がパターニングデバイス上に落ちること又は他の手法でパターニングデバイスを汚染することを防止する。長期間の使用によって、例えばペリクル及び/又はリソグラフィ装置によりパターン形成される基板のようなリソグラフィ装置のコンポーネント上に、粒子(パターニングデバイスを汚染することが防止される)が蓄積する。(例えば)ペリクル上に粒子が蓄積すると、基板上に生成されるパターンに欠陥が生じる可能性がある。
【0006】
[0006] いくつかのリソグラフィ装置では、基板テーブル上に基板の複数のウェーハが一度に搭載され、単一のパターニングデバイスによってパターン形成される。そのようなリソグラフィ装置では、レチクルレベルで単一の欠陥があると、基板の各ウェーハに生成されるパターンに、対応する欠陥が生じる恐れがある。
【0007】
[0007] また、汚染物質は、リソグラフィ装置の他のコンポーネント上に蓄積して、同様の又は他の手段によってウェーハ上に生成されるパターンに欠陥を引き起こす場合がある。
【0008】
[0008] リソグラフィ装置で使用する前に、ペリクルは構造的完全性について試験を行うことができる。試験は、ペリクルの膜の各側に周囲圧力の比較的小さい差を与えることを含み得る。圧力はペリクルの変形を誘発し得る。変形は静的変形である、すなわち、圧力が加えられている時間中はほぼ一定である可能性がある。ペリクルの構造的完全性が必要レベルよりも低い場合、ペリクルは破損する恐れがある。このように変形を誘発することでは、ペリクルの全表面にわたって同様にペリクルの構造的完全性を試験することはできない可能性がある。その結果、構造的完全性の試験に合格したペリクルがリソグラフィ装置の使用中に破損することがあり、そのため、意図した通りにリソグラフィ装置を使用できない時間期間が生じる恐れがある。
【0009】
[0009] 本開示で記載されている技法の1つの目的は、本明細書で述べられている問題の1つ以上を回避又は軽減することである。
【発明の概要】
【0010】
[00010] 本明細書に記載されている例において、リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントをクリーニングするためのクリーニングシステムは、コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、及び/又はコンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時にコンポーネントの領域を照射するよう構成された少なくとも1つの放射放出器を備える。有利には、クリーニングシステムはコンポーネントのクリーニングを可能とすることができる。
【0011】
[00011] 本明細書に記載されている別の例において、リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントの構造的完全性を試験するためのシステムは、コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、使用時にコンポーネントの領域を照射するよう構成された少なくとも1つの放射放出器を備える。有利には、コンポーネントの構造的完全性の試験は、コンポーネントの最大抗張力を示すことができる。試験は破壊試験とすればよい。有利には、試験によって、欠陥のあるコンポーネントの使用がもたらす負の結果を回避できる。
【0012】
[00012] コンポーネントは、リソグラフィ装置、リソグラフィツール、又はメトロロジツールで用いるために構成されたコンポーネントとすればよい。コンポーネントは、リソグラフィ装置によってパターン形成されるように構成された基板、又はリソグラフィ装置によってすでにパターン形成された基板とすればよい。また、コンポーネントは、例えばレチクルポッド又はペリクルポッドのような、リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントを格納及び/又は移送するためのコンポーネントであってもよい。リソグラフィ装置及び/又はリソグラフィプロセスは、DUV又はEUV放射を用い得る。例えばコンポーネントは、レチクル、ペリクル、レチクルクランプ、又はペリクルフレームとすることができる。コンポーネントは有限の熱膨張係数を有し得る。
【0013】
[00013] 少なくとも1つの放射放出器はヒータであってもよく(すなわち、放射放出器はコンポーネントを加熱する熱又は放射を放出し得る)、及び/又は、少なくとも1つの放射放出器はイオンを放出してもよい(すなわち、コンポーネントは放射放出器からのイオンで照射され得る)。汚染物質は、スパッタリングによってコンポーネントから完全に除去されない場合がある。スパッタリングによって、結合力(汚染物質をコンポーネントに結合している)の強度を低下させることができる。
【0014】
[00014] コンポーネントはペリクルであってもよい。有利には、クリーニングシステムは、リソグラフィ装置によってパターン形成されたウェーハの欠陥を最小限に抑えるようにペリクルのクリーニングを可能とする。
【0015】
[00015] システムは、コンポーネントを保持するように構成されたホルダを更に備えることができる。有利には、ホルダは、ヒータに対して固定位置にコンポーネントを固定することで、ヒータにより加熱されるコンポーネントの領域が一貫して同じ領域であることを保証できる。
【0016】
[00016] 少なくとも1つの放射放出器は、コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、使用時にコンポーネントの領域を照射するよう構成されたヒータを含み得る。
【0017】
[00017] ヒータは電磁放射源であってもよい。ヒータはレーザであってもよい。有利には、これにより、容易に入手できる安価な装置を用いて(例えばEUV光を用いることなく)コンポーネントのクリーニングが可能となり得る。これは次いで、ウェーハにパターン形成するためのリソグラフィ装置の可用性を最大化することができる。
【0018】
[00018] ヒータによって与えられる放射は、300GHz~4300THzの周波数を有し得る。有利には、このような周波数の光の大部分がコンポーネントで吸収されることにより、熱機械振動の振幅を増大させ、クリーニング効果を向上させることができる。
【0019】
[00019] ヒータによって与えられる放射は、1mW~200Wの平均電力を有し得る。周期的な加熱では、平均電力は、コンポーネントが加熱されていないときからコンポーネントが加熱されているときまでの寄与分を含み得る。言い換えると、ヒータが熱を加えている間のヒータの電力は平均電力よりも高い可能性がある。
【0020】
[00020] ヒータによって与えられる放射はパルス状とすればよい。言い換えると、ヒータは周期的にコンポーネントの領域を加熱することができる。例えばヒータは、パルスレーザ等のパルス放射源を含み得る。
【0021】
[00021] 放射は1Hz~1MHzのパルス周波数を有し得る。
【0022】
[00022] 放射の各パルスは1fs~10μsの持続時間を有し得る。有利には、このような放射特性は、コンポーネントをクリーニングするための熱機械振動を誘発するために最適なものとすればよい。
【0023】
[00023] ホルダは、コンポーネントからクリーニングされる汚染物質が重力下でコンポーネント付近から除去されるように位置決めすればよい。有利には、これにより、除去された汚染物質が除去後にコンポーネント(及び/又は他のコンポーネント)を再び汚染するのを防止することができる。
【0024】
[00024] ヒータは複数の放射ビームを与えるように構成され得る。これにより、1つ以上のコンポーネントをいっそう効率的にクリーニングするため、単一のコンポーネントの複数の領域を同時に加熱することができる(及び/又は、複数のコンポーネントを加熱することができる)。
【0025】
[00025] ヒータは、複数の放射ビームのうち1つ以上を発生させるため複数のヒータを含み得る。
【0026】
[00026] ヒータは、複数の放射ビームのうち1つ以上を発生させるため1つ以上のビーム分割及び/又は方向転換光学系を含み得る。例えばホルダは、ヒータとビーム方向転換光学系(例えばミラー)との間にコンポーネントを保持するように構成され、単一の放射源によってコンポーネントの2つの側を加熱することを可能とする。
【0027】
[00027] ホルダは、複数のホルダのうち1つとすればよい。ヒータは、使用時に複数のコンポーネントの各々の領域を周期的に加熱するように構成され、複数のコンポーネントの各々は複数のホルダのうち1つに保持され得る。これにより、複数のコンポーネントを一度にクリーニングすることが可能となる。これは、バッチクリーニングプロセスにおいて特に有利であり得る。
【0028】
[00028] システムは、使用時に複数の放射ビームのうち異なるものがそれぞれ複数のコンポーネントのうち異なるものに入射するように構成され得る。
【0029】
[00029] ヒータは、複数のコンポーネントのうち異なるものを異なる波長で加熱するように構成され得る。これにより、異なる波長を吸収する異なるタイプのコンポーネントを一度にクリーニングすることが可能となる。
【0030】
[00030] 少なくとも1つの放射放出器は、コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時にコンポーネントの領域にイオンを誘導するよう構成されたイオン源を含み得る。有利には、イオンは、クリーニング効果を引き起こす、及び/又は他の放射放出器(例えばヒータ)によって与えられるクリーニング効果を向上させることができる。イオンは例えば、汚染物質をコンポーネントに結合している結合力を低減することで、(他の場合にはヒータによって除去されない)汚染物質をヒータによって除去することを可能とする。
【0031】
[00031] イオンは希ガス元素のイオンとすればよい。例えばイオンは、アルゴン陽イオン、ヘリウム陽イオン、及び/又はネオン陽イオンとすればよい。
【0032】
[00032] イオン源は、コンポーネントの第2の側に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時にコンポーネントの第1の側の領域にイオンを誘導するよう構成され得る。
【0033】
[00033] イオン源は、コンポーネントの第1の側に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時にコンポーネントの第1の側の領域にイオンを誘導するよう構成され得る。
【0034】
[00034] 少なくとも1つの放射放出器は、コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、使用時にコンポーネントの領域を加熱するよう構成されたヒータと、コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時にコンポーネントの領域をイオンで照射するよう構成されたイオン源と、を含み得る。
【0035】
[00035] システムは更に筐体を備え、ヒータ及びホルダは筐体内に収容されていてもよい。
【0036】
[00036] 筐体はロードロックチャンバを含み得る。
【0037】
[00037] システムは更に真空ポンプを備え得る。あるいはシステムは、筐体内に窒素又は水素雰囲気を生成するため窒素又は水素源を備え得る。
【0038】
[00038] システムは更に、汚染物質を除去するためガス排出部を備え得る。
【0039】
[00039] システムは更に、放射放出器によって放出された放射を測定するためのメトロロジを備え得る。
【0040】
[00040] システムは更に、コンポーネント上の又はコンポーネントから除去された汚染を測定するためのメトロロジを備え得る。このようなメトロロジを用いて、例えばドーズ制御のためのフィードバックを与えることができ、また、不必要なクリーニングを回避することによってクリーニング時間を最適化することができる。
【0041】
[00041] システムは更に、放射のスリット幅を第1のスリット幅と第2のスリット幅との間に調整するためアジャスタを備え得る。例えば、システムを用いてコンポーネントをクリーニングすることができ、システムを用いてコンポーネントの構造的完全性を試験することができる。クリーニング及び試験は任意の順序で実行すればよい。有利には、方法は、欠陥についてスクリーニングされた欠点のないコンポーネントを提供できる。例えば、システムを用いてコンポーネントをクリーニングし、同じシステムを用いて第2のコンポーネントの構造的完全性を試験することができる。有利には、方法は、コンポーネントのクリーニング及び試験を行うことができる。言い換えると、システムを異なる目的のために使用できる。有利には、システムは、コンポーネントの構造的完全性を試験した後に、同じコンポーネント又は別のコンポーネントをクリーニングすることを可能とする。有利には、システムをこのように用いることにより、欠陥のあるコンポーネントをより早く除去できるので、欠陥のあるコンポーネントをスクリーングする前に全てのコンポーネントをクリーニングする場合に比べ、リソースを節約することができる。
【0042】
[00042] 本明細書に記載されている例において、リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントをクリーニングする方法は、コンポーネントに熱機械振動を誘発するため、及び/又は、コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、コンポーネントの領域を照射することを含む。
【0043】
[00043] 本明細書に記載されている別の例において、リソグラフィ処理に関連するコンポーネントの構造的完全性を試験する方法は、コンポーネントに熱機械振動を誘発するためコンポーネントの領域を照射することを含む。
【0044】
[00044] コンポーネントの領域を照射することは、コンポーネントに熱機械振動を誘発するためコンポーネントの領域を加熱することを含み得る。
【0045】
[00045] 加熱することは、パルスヒータの1つ以上のパルスを提供することを含み得る。言い換えると、コンポーネントの領域は周期的に加熱され得る。
【0046】
[00046] コンポーネントの領域を周期的に加熱することは、20秒~1時間の時間にわたって実行され得る。有利には、コンポーネントから汚染物質が除去されることを保証するため、20秒が充分な長さであり得る。
【0047】
[00047] 方法は更に、ヒータによってコンポーネントの第2の領域を加熱することを含み得る。放射によってコンポーネントを加熱することは、20秒~1時間までコンポーネントの第2の領域を周期的に加熱することを更に含み得る。有利には、コンポーネントの第2の領域を加熱することによって、コンポーネントの全ての領域が、(クリーニング効果が最良である)照射されている領域の外であったことが保証され、従って、全ての領域を適切にクリーニングすることができる。
【0048】
[00048] コンポーネントの領域を照射することは、コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するためコンポーネントの領域にイオンを誘導することを含み得る。
【0049】
[00049] コンポーネントの領域を照射することは、コンポーネントの第2の側に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するためコンポーネントの第1の側の領域にイオンを誘導することを含み得る。
【0050】
[00050] コンポーネントの領域を照射することは、コンポーネントの第2の側に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するためコンポーネントの第1の側の領域にイオンを誘導することを含み得る。
【0051】
[00051] コンポーネントの領域を照射することは、コンポーネントに熱機械振動を誘発するためコンポーネントの領域を加熱することと、コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するためコンポーネントの領域をイオンで照射することと、を含み得る。
【0052】
[00052] 方法は、第1のスリット幅を有する放射でコンポーネントを照射することと、第2のスリット幅を有する放射で第2のコンポーネントを照射することと、を含み得る。コンポーネント及び第2のコンポーネントは同一であってもよい。あるいは、第1及び第2のコンポーネントは異なるものであってもよい。
【0053】
[00053] 方法は、第1のスリット幅を有する放射でコンポーネントを照射することによってコンポーネントの構造的完全性を試験することと、放射のスリット幅を第1のスリット幅から第2のスリット幅に狭くすることと、第2のスリット幅を有する放射でコンポーネントを照射することによってコンポーネントをクリーニングすることと、を含み得る。
【0054】
[00054] 本明細書に記載されている別の例において、コントローラは、第2の例の方法を実行するように第1の例のシステムを制御するよう構成されている。
【0055】
[00055] 本明細書に記載されている別の例では、第2の例の方法に従ってコンポーネントがクリーニングされる。有利には、本明細書に開示されている方法に従ってクリーニングされるコンポーネントはクリーナとすればよい。コンポーネントがペリクルである例では、本明細書に開示されている方法に従ってクリーニングされるペリクルの膜は他の場合よりも高い張力を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0056】
[00056] 本発明の実施形態を、添付の概略図を参照して、単なる例示として以下に説明する。
【0057】
【
図1】リソグラフィ装置及び放射源を備えるリソグラフィシステムを示す。
【
図2】リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントをクリーニングするための例示的なクリーニングツールを示す。
【
図3A】リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントをクリーニングするためのクリーニングツールの代替的な例示の構成を示す。
【
図3B】リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントをクリーニングするためのクリーニングツールの代替的な例示の構成を示す。
【
図3C】リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントをクリーニングするためのクリーニングツールの代替的な例示の構成を示す。
【
図5】リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントをクリーニングするためのクリーニングツールのクリーニング性能を示すグラフである。
【
図6A】コンポーネントの照射領域内でのクリーニングツールのクリーニング性能を示すグラフである。
【
図6A】コンポーネントの照射領域外でのクリーニングツールのクリーニング性能を示すグラフである。
【
図8】
図7のクリーニングツールの別の例示的なコンポーネントを示す。
【
図9A】クリーニングされているリソグラフィプロセスに関連するコンポーネントの第1の概略図を示す。
【
図9B】クリーニングされているリソグラフィプロセスに関連するコンポーネントの第2の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
[00057]
図1は、放射源SO及びリソグラフィ装置LAを備えたリソグラフィシステムを示している。放射源SOは、EUV放射ビームBを生成し、このEUV放射ビームBをリソグラフィ装置LAに供給するように構成される。リソグラフィ装置LAは、照明システムILと、パターニングデバイスMA(例えば、レチクルとも呼ばれるマスク)を支持するように構成された支持構造MTと、投影システムPSと、基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTとを備える。
【0059】
[00058] 照明システムILは、EUV放射ビームBがパターニングデバイスMAに入射する前にEUV放射ビームBを調節するように構成される。そのため、照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11を備えることができる。ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11は共に、EUV放射ビームBに所望の断面形状と所望の強度分布とを与える。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11に加えて又はこれらの代わりに、他のミラー又はデバイスを備えることができる。
【0060】
[00059] このように調節された後、EUV放射ビームBはパターニングデバイスMAと相互作用する。この相互作用の結果、パターン付きEUV放射ビームB’が生成される。投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’を基板Wに投影するように構成される。この目的のため、投影システムPSは、基板テーブルWTにより保持された基板Wにパターン付きEUV放射ビームB’を投影するように構成された複数のミラー13、14を備えることができる。投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’に縮小係数を適用し、これによってパターニングデバイスMAにおける対応するフィーチャよりも小さいフィーチャの像を形成することができる。例えば、4又は8の縮小係数を適用することができる。投影システムPSは、
図1では2つのミラー13、14のみを有するものとして示されているが、投影システムPSは様々な数のミラー(例えば6個又は8個のミラー)を備えることができる。
【0061】
[00060] 基板Wは、前もって形成されたパターンを含むことができる。このような場合、リソグラフィ装置LAは、パターン付きEUV放射ビームB’により形成された像を、基板W上に前もって形成されたパターンと位置合わせする。
【0062】
[00061] 相対真空、すなわち大気圧を大きく下回る圧力の少量のガス(例えば水素)を、放射源SO、照明システムIL、及び/又は投影システムPS内に供給することができる。
【0063】
[00062] 放射源SOは、レーザ生成プラズマ(LPP)源、放電生成プラズマ(DPP)源、自由電子レーザ(FEL)、又はEUV放射を生成できる他の任意の放射源とすればよい。
【0064】
[00063] パターニングデバイスMAの表面上に、汚染物質(例えばリソグラフィ装置LA内に存在する粒子又は蒸気)が蓄積する可能性がある。パターニングデバイスMA上に汚染物質が蓄積すると、パターニングデバイスMAのパターンに欠陥が生じ、パターン付きEUV放射ビームB’のパターンの欠陥を引き起こし、その結果として基板W上に生成されるパターンに欠陥が生じ得る。基板テーブルWT上に複数の基板Wが一度に搭載され、順次露光されることがある。従って、パターニングデバイスMAの単一の欠陥(例えば汚染物質の蓄積に起因する)は、基板W上に生成されるパターンに複数の欠陥を招く可能性がある。
【0065】
[00064] パターニングデバイスMA上の汚染物質の蓄積を軽減するため、リソグラフィ装置LSはペリクル15を備えることができる。ペリクル15は、パターニングデバイスMAに隣接するか又はパターニングデバイスMAから短い距離に位置決めして、これが存在しなければパターニングデバイスMAを汚染した(また、パターン付きEUV放射ビームB’によって形成されるパターンに欠陥を引き起こした)はずである汚染物質が、ペリクル15の表面上に蓄積することを可能とする。例えば、例示的なリソグラフィ装置LAでは、ペリクル15はパターニングデバイスMAの下向き側に、すなわち支持構造MTとは反対の側に位置決めされる。ペリクル15は、汚染物質がパターニングデバイスMA上に蓄積するのを防止し、従って、それに伴う欠陥を軽減することができる。
【0066】
[00065] ペリクル15は、膜と境界を含むことができる。膜は、代替的にフィルムと呼ばれることもあり、EUV放射に対して実質的に透明であり得る。すなわち、EUV放射ビームB、B’からの比較的少量のエネルギがペリクル15によって吸収されながら、EUV放射ビームB、B’はペリクル15を通過することができる。あくまでも例として、ペリクル15は、シリコーン(Si)又はカーボンナノチューブを含み得る。ペリクル15は、開放型(すなわち、膜はメッシュであり、ガスに対して透過性である)、又は閉鎖型(すなわち、膜は境界の各エッジ間に連続表面を与え、ガスに対して不透過性である)とすることができる。ペリクル15は更に、例えば金属層のような、高い放射率を有する金属の1つ以上の層を含み得る。金属層を含むペリクル15は、(リソグラフィシステムLAにおける使用中に)他のものよりも低い温度を維持できる。製造ステップ中に、膜の表面が張力のかかった状態に保たれるように膜を境界に固定することができる。あるいは、膜と境界は単一の均質材料を含み得る。ペリクル15は、例えばペリクル15と共に用いられると予想される放射ビームB、B’の波長に応じた又はこの波長に対して最適化された異なる手法で又は異なる材料から構築することができる。
【0067】
[00066] ペリクル15は、パターニングデバイスMA又は支持構造MTに着脱可能に搭載され得る。例示的なリソグラフィ装置LAでは、ペリクル15は、ペリクルフレーム16を用いることによってパターニングデバイスMAに着脱可能に搭載されている。ペリクル15を着脱可能に搭載すると、ペリクル15を必要に応じて除去及び/又は交換することができる。
【0068】
[00067] ペリクル15が適切な位置に固定されている場合、EUV放射ビームBは、(パターニングデバイスMAによって)パターン付与される前にペリクル15を通過し、パターン付きEUV放射ビームB’は、(パターニングデバイスMAにより)パターン付与された後にペリクルを通過する。
【0069】
[00068] 長期間の使用によって、ペリクル15の表面上に、典型的にはパターニングデバイスMAとは反対側の表面上に、粒子が蓄積する可能性がある。ペリクル15は、パターニングデバイスMAに隣接しているか又はパターニングデバイスMAから短い距離にある(すなわち、リソグラフィ装置LAのフィールド面の外にある)ので、ペリクル15上に蓄積している汚染物質は、EUV放射ビームB、B’の焦点外にあり得る。従って、ペリクル15上の汚染物質のこの蓄積は、(パターニングデバイスMA上に蓄積した同様レベルの汚染物質によって生じる欠陥に比べて)パターン付きEUV放射ビームB’の欠陥を低減させることができる。これは、基板W上に生成されるパターンにおける欠陥の(数及び/又は大きさの)低減につながる可能性がある。
【0070】
[00069] 更に長期間の使用によって、汚染物質がペリクル15の表面上に更に蓄積し、パターン付きEUV放射ビームB’及び基板W上に生成されるパターンに許容できない欠陥を生じることがある。また、ペリクルが製造中に汚染され、ペリクルの初期使用の前にクリーニングが必要となる場合がある。
【0071】
[00070] 追加的に又は代替的に、汚染物質がリソグラフィ装置LAの他のコンポーネントの表面上に蓄積する可能性がある。例えば、基板Wが放射ビームB’によってパターン形成される前及び/又はパターン形成された後、基板Wの表面上に汚染物質が蓄積し得る。基板Wがパターン形成される前に(汚染物質で)汚染された場合、基板Wの表面上の領域が汚染物質で覆い隠され、パターン付きEUV放射ビームB’に正しく露光されないことがある。
【0072】
[00071] 別の例として、汚染物質がパターニングデバイスMA(すなわちレチクル)の表面上に蓄積することがある。このような蓄積は、リソグラフィ装置LAがペリクル15を備えているか否かには関係なく発生し得る。例えば、リソグラフィ装置(LA)にパターニングデバイスMAが搭載される前、リソグラフィ装置LAにペリクル15が搭載される前、及び/又はリソグラフィ装置LAにパターニングデバイスMA及びペリクル15の双方が搭載された後に、汚染物質が蓄積し得る。パターニングデバイスの表面上に蓄積した汚染物質は、上記と同様に、基板W上に生成されるパターンに欠陥を引き起こす可能性がある。
【0073】
[00072] 別の例として、汚染物質がペリクルフレーム16の表面上に蓄積することがある。ペリクルフレーム16は、汚染物質をペリクル15上へ(又は、ペリクル15の交換後に別のペリクル上へ)移動させ、これにより、上記と同様に欠陥を引き起こす可能性がある。
【0074】
[00073] 別の例として、レチクル及び/又はペリクルを操作、格納、及び/又は移送するために構成されたデバイスの表面上に、汚染物質が蓄積することがある。このようなデバイスをレチクルポッドと呼ぶことがある。汚染されたレチクルポッドは、レチクルポッドによって操作、格納、又は移送されるペリクルを汚染し、これにより、上記と同様に欠陥を引き起こす可能性がある。
【0075】
[00074] リソグラフィツールは、放射を用いて基板にパターン形成するように構成されたツールである。メトロロジツールは、リソグラフィ装置又はリソグラフィ装置によってパターン形成された基板の特徴を測定するように構成されたツールである。言い換えると、リソグラフィツール又はメトロロジツールは、リソグラフィプロセスに関連するツールとして記述され得る。有害な汚染物質蓄積の別の例として、リソグラフィツール及び/又はメトロロジツールが汚染されることがある。汚染物質は、(リソグラフィ又はメトロロジ)ツールの性能の欠陥を引き起こし、及び/又はツールと共に用いられるリソグラフィ装置もしくは基板を汚染する可能性がある。
【0076】
[00075] 言い換えると、汚染物質は、リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントの表面上に蓄積し得る。リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントは、リソグラフィ装置LA、リソグラフィツール、メトロロジツール、及び/又はレチクルポッドのコンポーネントを含み得る。リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントは、リソグラフィ装置によってパターン形成されるように構成された基板、又はリソグラフィ装置によってすでにパターン形成された基板を含み得る。例示的なコンポーネントには、レチクル、ペリクル、レチクルクランプ、及びペリクルフレームが含まれる。ここまで説明したリソグラフィ装置LAはEUV放射を用いるものとして記載されているが、リソグラフィ装置LA又はリソグラフィプロセスはDUV放射を用いてもよい。
【0077】
[00076] 一例において、リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントをクリーニングするためのクリーニングツールは、ヒータを含む。コンポーネントをクリーニングするために使用している間、ヒータは、コンポーネントに熱機械振動を引き起こすためコンポーネントの領域を加熱する放射を提供する。コンポーネントの熱機械振動は、コンポーネントの表面から汚染物質を除去/解放し、これによって洗浄効果を発生させる。
【0078】
[00077] ヒータは放射源であってもよい。放射(コンポーネントの領域を加熱する)は周期的であってもよい。ヒータは、任意の適切な形態をとり、コンポーネントヒータと呼ぶことができる。例えば、ヒータはレーザであり、放射はレーザ光である。代替的な例として、ヒータはリソグラフィ装置であり、レーザ光又は生成されたリソグラフィ放射(例えば、EUV放射B、B’、又はDUVリソグラフィシステムのDUV放射)がコンポーネントを加熱する。本明細書で用いられる場合、放射という用語は電磁放射を表す。
【0079】
[00078] コンポーネント(すなわち、クリーニングツールによってクリーニングされるリソグラフィプロセスに関連するコンポーネント)は、リソグラフィ装置LA、リソグラフィツール、又はメトロロジツールのコンポーネントとすればよい。コンポーネントは、リソグラフィ装置によってパターン形成されるように構成された基板、又はリソグラフィ装置によってすでにパターン形成された基板とすればよい。装置クリーニングツールによってクリーニングされ得るリソグラフィ装置LAの例示的なコンポーネントには、レチクル(作製デバイスMA等)、レチクルクランプ、ペリクル(ペリクル15等)、又はペリクルフレームが含まれる。クリーニング動作の例示的な方法(以下で検討する)に従って、放射を充分に吸収すると共に有限の熱膨張係数を有する任意のコンポーネントをクリーニングすることができる。
【0080】
[00079]
図2は、ヒータ220を含む例示的なクリーニングツール200を示す。クリーニングツール200は更にマウント210を含む。ヒータ220はレーザとすればよい。コンポーネント201は、マウント210に着脱可能に搭載されている。コンポーネント201は、ヒータ220が与える放射230によって加熱される。クリーニングツール200は、代替的にクリーニングシステムと呼ぶことができる。
【0081】
[00080] 例示的なクリーニングツール200において、マウント210はクランプ212、214を含む。クリーニングツール200はマウント210を含むものとして図示されているが、マウント210はクリーニングツール200の不可欠な特徴ではない。マウント210は、コンポーネント201の領域がヒータ220により一貫して加熱されるように、ヒータ220に対して固定位置でコンポーネント201を有利に保持することができる。言い換えると、マウント210は、ヒータ220に対するコンポーネント201の相対的な移動を防止し、これによってヒータ220はコンポーネント201の意図した領域を加熱する。マウント210は、より大きいコンポーネント又は固定されたコンポーネントをクリーニングするように構成されたクリーニングツールでは必要ない場合がある。追加的に又は代替的に、他の固定手段を提供してもよい。例えば、コンポーネント201は、他の手段を用いてヒータ220に対して固定され得る。一例として、クリーニングツール200は、コンポーネント201に又はコンポーネント201に対して固定された別の構造にクリーニングツール200(及びヒータ220)を固定するクランプを含み得る。例えば、クリーニングツール200をリソグラフィ装置LAに固定して、クリーニングツール200がリソグラフィ装置LAのコンポーネントをクリーニングすることを可能とする。追加的に又は代替的に、マウント210は、マウント210上にコンポーネント201を安定して載置できるように構成され得る。例えばマウント210は、マウント210上にコンポーネント201が置かれ、重力によって適所に保持され得るように構成することができる。
【0082】
[00081] 上記で検討したように、クリーニングツールによってクリーニングされるコンポーネント201は、リソグラフィプロセスに関連する任意のコンポーネントとすればよい。
図2及び対応する説明において、コンポーネント201はペリクルである。しかしながら、ペリクル201はリソグラフィプロセスに関連するコンポーネントの一例であり、クリーニングツール200はペリクルのクリーニングのみに限定されないことは理解されよう。同様に、
図2及び対応する説明において、放射230はパルス状である(すなわち、周期的な加熱を提供する)。放射230の周期的な態様は例示であり、不可欠な特徴でないことは理解されよう。
【0083】
[00082] ペリクル201は、ペリクル15と同様か又は同一とすることができる。ペリクル201は、以前に汚染物質(例えば粒子及び/又は蒸気)で汚染されており、クリーニングを必要とする可能性がある。以下の文章では、クリーニングツール200、ヒータ220、及びマウント210を、それぞれ、ペリクルクリーニングツール200、ペリクルヒータ220、及びペリクルマウント210と呼ぶことができる。
【0084】
[00083] 動作中、放射230はペリクル201の領域に熱エネルギを提供する。ペリクル201を照射する放射230をパルス状にすることによって(すなわち、ペリクル201を照射することと照射しないことを繰り返すことによって)、ペリクル201は急速に加熱及び冷却し、有限の熱膨張率のためにペリクル201に熱機械振動が誘発される。熱機械振動は、ペリクル201の表面から粒子を(場合によっては他の汚染物質も)解放するために充分なエネルギと運動量を与える。粒子を解放するためのエネルギと運動量は、代替的に、ペリクル201及び汚染物質の加速及びそれらに加えられた力と見なすことができる。ペリクル201のいくつかのタイプでは、放射230の1又は複数のパルスに対する露光が長すぎると、例えば変形、酸化、及び/又は機械的疲労に起因して、ペリクル201が損傷する恐れがある。ペリクル201の変形は代替的に、しわと呼ぶことがある。いくつかの例では、放射230の特性(例えば、(パルス状)放射230がペリクル201を照射する持続時間)を限定して、ペリクル201が損傷しないことを保証できる。ペリクル201の損傷は修復可能又は可逆的であり得る。
【0085】
[00084] 上述のように、ペリクルヒータ220はレーザとすればよい。レーザは、ポンプ源、利得媒体、及び1つ以上のミラー(図示せず)を含み得る。レーザは狭帯域レーザとすればよい。本明細書において、(ペリクルヒータ220が提供する放射230の)波長に言及した場合、これは、ペリクルヒータ220が狭帯域レーザである例では単一の波長を表し得る。
【0086】
[00085] ペリクルヒータ220は、ペリクルヒータ筐体222を含む、及び/又は電源224によって電力を供給することができる。
【0087】
[00086] ペリクルヒータ220は、パルス式とするか、又は放射230のサイクルを急速に変化させる他の機構を備えることができる。ペリクルヒータ220がレーザである例では、レーザはパルスレーザとすればよい。実験結果(以下で更に検討する)は、約1Hz~1MHzのパルスレート及び約1fs~10μsの照射周期が適切であり得ることを示している。ペリクル201のいくつかのタイプでは、10kHzのパルスレート及び/又は10,000nsの照射周期が好適であり得る。
【0088】
[00087] 放射230の特徴をペリクル201の特徴に適合させることができる。例えば放射230を、ペリクル201の膜の固有モードに空間的に適合させると共に、この固有モードに対応する固有周波数に時間的に適合させることができる。言い換えると、放射230は、クリーニング効果の向上のため、ペリクル201の通常モードの共振周波数を有利に利用するように適合させることができる。
【0089】
[00088] 放射230の特性(例えばパワー、波長、及び/又は周波数)は、クリーニングされているペリクル201が、クリーニング効果を発生させるペリクル201の熱機械振動を誘発するのに充分なエネルギを吸収し、かつ、ペリクル201に損傷を与えるほど多くのエネルギを吸収しないことを保証するように選択され得る。例えば、放射230の特性は、ペリクル201が放射の1パルス当たり1000K未満加熱されることを保証するように選択され得る。一例として、いくつかのペリクルは、IRスペクトル(300GHz~4300THz)で提供されるエネルギの大部分を吸収することが知られている。従って、そのようなペリクルでは、ペリクルによる放射230の吸収を最大限にするため、放射230がIRスペクトルに対応する波長を有することが好ましい場合がある。あるいは、他の手段を用いて構築されたペリクル201を照射するために、可視スペクトル(400THz~790THz)又はUVスペクトル(750THz~30PHz)に対応する波長が有益であり得る。より一般的には、放射がコンポーネント201によって充分に吸収されてクリーニング効果を発生させるならば、任意の波長の放射230を用いることができる。例えば、最大で1mmまでの波長を用いればよい。
【0090】
[00089] 追加的に又は代替的に、放射230の特性は、ペリクル201に誘発される熱機械振動の加速度を増大又は最適化させるように選択され得る。言い換えると、誘発される熱機械振動は、ペリクル201を通って伝わる1つ以上の機械波によって特徴付けられ、放射230の特性は、1つ以上の機械波の加速度(すなわち加速度の振幅)を増大又は最適化させるように選択され得る。有利には、加速度の増大はクリーニング効果を向上させることができる。例えば、放射230の(1つ以上の次元の)スリット幅を小さくすると、1つ以上の機械波の波長を短くすることができる。コンポーネント201において1つ以上の機械波の速度が一定であると仮定すると、波長が短くなれば周波数が増加し、従って1つ以上の機械波の加速度が増大し得る。このような加速度の増大は、放射230のパルス内強度を低下させる及び/又は時間平均強度を低下させる可能性がある。
【0091】
[00090] 放射230のパワーを大きくする(例えば200W)と、例えば、使用されている放射230の波長では吸収性が低いペリクル201に、より多くのエネルギを与えることができる。反対の例として、放射230からのエネルギの大部分を吸収するペリクル201では、より小さいパワーの放射230で充分である可能性がある。例えば、IRスペクトルからの放射230の大部分を吸収するペリクル201では、1mWのパワーのIR放射230でペリクル201を照射すれば充分であり得る。
【0092】
[00091] 同様に、放射230のパワーはパルスレートとパルス長に依存し得る。例えば、低いパルスレート及び/又は短いパルス長では、放射230は他の場合よりも短い時間ペリクル201を照射する。従って放射230は、低いパルスレート及び/又は短いパルス長が用いられる場合は大きいパワーを必要とし得る(逆も同様である)。低いパルスレート及び/又は短いパルス長は、(他の場合よりも)高い周波数の熱機械振動を発生させ、これによって(他の場合よりも)クリーニング効果の向上を達成できる。代替案として、放射は、連続的(すなわち連続レーザからのもの)又は単一パルス(すなわちパルスレーザの単一パルス)であってもよい。言い換えると、放射230はペリクル201の領域を一度だけ加熱してもよい。
【0093】
[00092] 放射230は、単一の一貫したパルスレート及び/又はパルス長を持たない場合がある。例えば、パルスレートを第1の値とするが、(徐々に又は瞬時に)第2の値に変化させることができる。代替的なパルスパターンを用いてもよい。
【0094】
[00093] 放射230はビームとすればよく、ある形状又はプロファイルを備えることができる。例えば、放射230により照射されるペリクル201の領域は、円形、方形、矩形、三日月形、又は他のものと同様の形状を有し得る。放射230のビームのパワー及び/又は形状は、最適なクリーニング効果を提供するため、ペリクル201の材料のバルク波伝搬速度に対応するように選択すればよい。一例として、放射230は、半径が1mm未満の円形プロファイルを有し得る。代替的な例として、放射230は、寸法が1mm未満の細い矩形(すなわち「スリット」)のプロファイルを有し得る。このようなスリットは、いくつかの材料では最適であり得る。代替的な例として、他の形状では、メニスカス(すなわち三日月形)のプロファイルを有するビームが最適であり得る。
【0095】
[00094] 放射230は、任意の角度でペリクル201に入射し得る。ペリクル201からの放射230の反射を最小限に抑える(従って、より大きい吸収を達成する)ため、約0度の入射角(すなわち、放射230とペリクル201の表面から垂直に延出する線との角度)を用いることができる。あるいは入射角は、放射の所望の吸収を得るように、又は、例えばペリクルクリーニングツール200のレイアウトのような他の検討事項を考慮に入れて、選択され得る。
【0096】
[00095] 実験結果によって、照射領域(すなわち放射230で照射される領域)の外側のペリクル201の領域は、照射される領域よりも顕著にクリーニングされ得ることが示されている。言い換えると、汚染物質を含む領域が照射された場合よりも、汚染物質を含む領域以外の領域が照射された場合に、ペリクル201から多くの汚染物質が除去され得る。従って、ツール200は、ペリクル201上で(放射230によって)照射される領域を調整するための手段を備えることができる。例えばペリクルヒータ220は、ペリクルヒータ220の位置又は角度を変えることでペリクル201の異なる領域を照射するため、アクチュエータを含み得る。追加的に又は代替的に、ペリクルマウント210(又は任意の追加的もしくは代替的な固定手段)は、(例えばクランプ212、214を上昇又は下降させることで)ペリクル201の位置を変えることによって照射されるペリクル201の領域を変えるため、アクチュエータを含み得る。追加的に又は代替的に、ペリクルヒータ220とマウント210との間に1つ以上のビーム位置決めデバイス(ミラー、レンズ等)を提供して放射230を誘導してもよい。
【0097】
[00096] 放射230は、ペリクル201によって全てが吸収されないことがある。ペリクルクリーニングツール200は、例えばビームダンプ(図示せず)のような、放射230の安全な分散又は吸収のための手段を備えることができる。ビームダンプは、放射230がペリクル201を照射した後にビームダンプに入射するような位置に提供すればよい。
【0098】
[00097] 例えばミラーのような1つ以上の光学部品を用いて、ペリクル201の照射の前又は後に放射230を方向転換させてもよい。例えばミラーは、ペリクル201の照射後に放射230をビームダンプへ誘導することができる。
【0099】
[00098] ペリクルクリーニングツール200は、ペリクル201の照射の前又は後に放射230の強度を測定するためのメトロロジを含み得る。例えばペリクルクリーニングツール200は、ペリクル201の照射の前及び後に放射230の強度を測定することにより、ペリクル201が受けた放射230のドーズを計算することができる。ペリクル201の照射前の放射230の強度は、ペリクルヒータ220の既知の又は測定された特徴に基づいて推定され得る。ペリクル201の照射後の放射230の強度を測定するためのメトロロジは、ビームダンプ内に又はビームダンプと共に提供することができる。
【0100】
[00099] ペリクルマウント210は、ペリクルヒータ220によって照射される位置にペリクル201を着脱可能に固定することを可能とするための付属品を含み得る。例えば、ペリクルマウント210は1つ以上のクランプ212、214を含むことができる。1つ以上のクランプ212、214は、ペリクル201の反対側の固定位置に、例えばペリクル201の上側と下側に提供され得る。有利には、ペリクルクリーニングツール201内のペリクル201の位置に関する公差は、リソグラフィ装置LA内のペリクル15の位置の公差よりもゆるい。あるいはペリクルマウント210は、当業者に既知である、例えばペリクルフレーム16に提供されるものと実質的に同じハードウェア及び固定方法を使用することができる。
【0101】
[000100] ペリクル201は、ペリクル201の一方側が放射230で照射されるようにペリクルマウント210に着脱可能に固定することができる。放射230で照射されるペリクル201の側は、膜のどちらの側(又は、膜上の金属コーティングの側)であってもよい。ペリクルヒータ230で照射される膜の側は、汚染物質が蓄積した(ペリクル201の)側であっても、あるいは汚染物質が蓄積した側とは反対側であってもよい。
【0102】
[000101] ペリクルクリーニングツール200は、ペリクルマウント210及びペリクルヒータ220が提供される筐体226を含み得る。筐体226は、ペリクルクリーニングツール200に密閉環境を提供し得る。筐体226は、全ての例示的な実施例で筐体が存在するわけではないことを示すため、破線で示されている。すなわち、ツール200は別のシステム内に収容され、専用の筐体を含まない場合がある。
【0103】
[000102] ペリクルクリーニングツール200は、例えば真空ポンプ(図示せず)のような、筐体226内に低い周囲圧力を与えるためのコンポーネントを含み得る。例えば超高真空(UHC)のような低い周囲圧力は、ペリクル201からの汚染物質の除去に有利に寄与し、また、(ペリクル201から汚染物質を除去した後)ペリクル201の近くの領域からの汚染物質の除去に寄与し得る。代替的に又は追加的に、ペリクルクリーニングツール200は、例えば窒素又は水素のような特定のガスが濃縮された内部環境(すなわち筐体の内部)を与えるためのコンポーネント(図示せず)を含み得る。内部環境が窒素で濃縮されると、(例えば酸化に起因する)ペリクル201の損傷の防止、及び/又は、放射230による加熱後にペリクル201が冷却する速度の増大(これは、生成される熱機械振動の振幅を増大させ得る)を助けることができる。
【0104】
[000103] 筐体226は、ペリクルクリーニングツール200にアクセスするために開かれるハッチ(図示せず)又は他のものを含むことができ、これにより、例えば、ペリクルマウント210への(又はペリクルマウント210からの)ペリクル201の搭載(又は除去)を可能とする。代替的に又は追加的に、筐体226は、アクセスを与えるため筺体に着脱可能に固定され得るパネルを含むことができる。ハッチ(又はパネル)は、閉じられた場合、筐体226内に気密(すなわち耐真空)シールを提供できる。
【0105】
[000104] 筐体226は、2つのハッチを有するチャンバ(すなわちロードロックチャンバ)を含むことができ、筐体の内部環境を損なうことなく筐体に対するペリクル201の挿入又は除去を行うことを可能とする。チャンバは、筐体226の内部環境及び外部環境とは別に内部環境を規定(及び密閉)し得る。(2つのハッチのうち)第1のハッチは外部空気に対して開き、第2のハッチは筐体の内部空気に対して開き得る。ロードロックは、2つのハッチの双方が同時に開くことを防止できる。ペリクル201をロードするためには、第1のハッチを開き、ペリクル201をチャンバ内に配置すればよい。第1のハッチを閉じ、チャンバの内部環境を筐体226の内部環境と均等化する(又はほぼ均等化する)ことができる。例えば、周囲圧力を筐体226内の圧力の近くまで下げること、及び/又は窒素濃度を筐体226の内部環境内の窒素濃度の近くまで上げることができる。均等化の後、第2のハッチを開き、ペリクル201をチャンバからペリクルマウント210へ移動させればよい。筐体226からペリクル201を除去するためには、逆のプロセスを行えばよい。
【0106】
[000105] 筐体226は、一度ペリクル201から汚染物質が解放されたら汚染物質を内部環境から除去するためのシステムを備えることができる。例えば、ガスインレットは、汚染物質を筐体226の内部環境から除去するため排出部の方へ誘導できる。
【0107】
[000106] 筐体226は、ペリクル201の挿入、又は(筐体もしくはロードロックチャンバからの)除去、又は(ペリクルマウント210に対する)搭載もしくは取り外しを助けるためのコンポーネントを備えることができる。例えば筐体226は、ロボットアーム(図示せず)を備え得る。代替的に又は追加的に、ペリクルマウント210自体を可動として、筐体内の位置からロードロックチャンバ内の位置へ移動させることができる。例えば、ペリクルマウント210をレール又は制御システム上に設けて、筐体206内の第1の位置(ここでペリクル201を放射230により照射できる)から、ロードロックチャンバ内の第2の位置(ロードロックチャンバの第1のハッチが開いている場合にここでペリクル201をペリクルマウント210から除去できる)へ、レールに沿ってペリクルマウント210を移動させることができる。
【0108】
[000107] ペリクルクリーニングツール200は、ペリクル201の汚染を測定するためのコンポーネントを含むことができる。このコンポーネントは例えば、カメラ、又はレーザを含むメトロロジである(ペリクルヒータ220がレーザすなわちペリクル加熱レーザ又は追加のレーザである例で)。ペリクル201の汚染を測定するためのコンポーネントは、汚染を1度以上測定し得る。例えば、ペリクル201の汚染をクリーニングの前に1度測定して、クリーニングが必要であるか否か、又はクリーニングをどのくらいの時間続けるべきか(すなわち、どのくらいの時間、放射230がペリクル201を照射するべきか)を示すことができる。追加的に又は代替的に、ペリクル201の汚染を連続的に(又は一定の間隔で)測定して、ペリクル201のクリーニングを継続するべきか否かの指示を与えてもよい。ペリクル201の汚染の測定値は、ペリクル201の様々な領域における汚染の測定値とすることができ、放射230がどこでペリクル201を照射するべきかを示す指示を与え得る。
【0109】
[000108] リソグラフィ装置LAは、インシチュ(in-situ)クリーニングを可能とするためペリクルクリーニングツール200を含むことができる。例えばメトロロジツールのような、リソグラフィで用いられる他のツール又はコンポーネントも、ペリクルクリーニングツール200を含み得る。
【0110】
[000109] ペリクルクリーニングツール200は、ペリクル201の製造中に、例えば境界に対する膜の固定の前又は後に使用され得る。放射230はペリクル201の膜を照射することができる。ペリクルのクリーニングに加えて、ツール200は、膜の表面張力を有利に増大させ得る。
【0111】
[000110]
図3Aから
図3Dは、それぞれペリクルクリーニングツール300a、300b、300c、300dの例を示す。これらの各々は、ペリクルクリーニングツール200と実質的に同じコンポーネントを含む(すなわち、放射330はペリクルヒータ320によって提供され、ペリクル301はペリクルマウント310に着脱可能に固定されると共に放射330で照射される)。本明細書に記載されている図において、同様の又は対応する要素には同様の又は対応する参照番号が与えられている。
【0112】
[000111]
図3Aは、ペリクル301を含むペリクルクリーニングツール300aを示す。ペリクル301は、ペリクルマウント310に保持され、実質的に水平の位置に位置合わせされている。放射330は、(重力に対して)ペリクル301よりも垂直方向に上方の位置にあるペリクルヒータ320から照射され、ペリクル301を加熱する。ペリクル301は、より高度に汚染されたペリクル301の側又はより高度に汚染されると予想されるペリクル301の側(すなわち、リソグラフィ装置LA内の所定位置に配置された場合にパターニングデバイスMAとは反対側になるペリクル301の側)が、下方(すなわち入射放射330とは反対側)を向くように配置され得る。有利には、重力によって、ペリクル301から汚染物質を解放すること及び/又は解放された汚染物質をペリクル301に近接した領域から除去することを促進できる。
【0113】
[000112]
図3Bは、ペリクルクリーニングツール200と実質的に同じコンポーネントを有し、1つ以上のミラー341、342を更に含むペリクルクリーニングツール300bを示す。ペリクル301を照射する放射330の一部はペリクル301によって吸収されず、ペリクル301を通過した後、減衰した放射332はペリクル301から離れる方へ伝搬する。1つ以上のミラー341、342は、減衰した放射332を反射及び方向転換して、再びペリクル301の方へ照射する。減衰した放射332は、放射330により照射された面とは反対側のペリクル301の面でペリクル301を照射し得る。減衰した放射332は、放射330により照射された領域に対向する領域でペリクル301を照射し得る。あるいは、減衰した放射332は、放射330により照射された領域に対向する領域とは異なる領域でペリクル301を照射し得る。有利には、1つ以上のミラー341、342は、単一のペリクルヒータ320によってペリクル301を(単一の領域又は複数の領域で)複数回照射することを可能とする。従ってこれは、ペリクル301により吸収されるエネルギを増大させ、誘発される熱機械振動の周波数又は振幅を増大させることができる。
【0114】
[000113]
図3Cは、2つのペリクルヒータ320a、320bを含むペリクルクリーニングツール300cを示す。ペリクルヒータ320a、320bは、ペリクル301を照射する放射330a、330bを提供する。放射330a、330は、ペリクル301を2つのポイントで又は単一のポイントで照射する。(ペリクルクリーニングツール300cの例では)放射330a、330bはペリクルヒータ320a、320bにより提供されるが、ビーム分割光学系及び単一のペリクルヒータを用いることによって2つ以上の放射ビーム330a、330bを提供してもよいことは理解されよう。
【0115】
[000114]
図3Dは、ペリクルヒータ320、複数のペリクルマウント310a、310b、310c(まとめて310と称する)、及び複数のペリクル301a、301b、301c(まとめて301と称する)を含むペリクルクリーニングツール300dを示す。ペリクルヒータ320は、ペリクル301aを照射する放射330を提供する。ペリクル301を照射する放射330の一部はペリクル301aによって吸収されず、ペリクル301aを通過した後、減衰した放射332はペリクル302aを照射する。減衰した放射332の一部はペリクル301bによって吸収されず、ペリクル301bを通過した後、第2の減衰した放射334はペリクル301cを照射する。このように、単一のペリクルヒータ320を用いて複数のペリクル301をクリーニングすることができる。複数のペリクル301はそれぞれ異なるタイプであり(すなわち異なる材料から構築され)、好ましくは第1の照射されたペリクル301aによって吸収される放射330の波長が、好ましくは他のペリクル301b、301cによって吸収される放射332、334の波長とは異なるようにすることができる。ペリクルマウント310は、ペリクルマウント310が位置を移動して、(ペリクルマウント310に保持された)ペリクル301を照射する順序を変えることを可能とするための機構を備え得る。
【0116】
[000115] 当業者には明らかであろうが、例示的なペリクルクリーニングツール330a、300b、300c、300dの任意の組み合わせを検討することができる。例えば、単一のペリクル301を実質的に水平方向に位置合わせするようにペリクルマウント310に搭載し、複数のペリクルヒータ320からの放射330で照射してもよい(すなわち、例示的なペリクルクリーニングツール300a、300cを組み合わせてもよい)。更に、ミラー341、342を提供して減衰した放射332を反射し、ペリクル301の第2の側を照射してもよい。
【0117】
[000116] 再び
図2を参照すると、ペリクルクリーニングツール200の使用方法は、(クリーニングツール200がペリクルマウント210を含む例において)ペリクルマウント210にペリクル201を搭載することを含む。
【0118】
[000117] 上記のように、リソグラフィ装置(リソグラフィ装置LA等)はペリクルクリーニングツール200を含み得る。そのようなリソグラフィ装置では、ペリクル201はすでに固定位置にある場合がある(例えば、ペリクルフレーム16等のペリクルフレームを用いて固定されており、ペリクルマウント210に対する固定を必要としない)。
【0119】
[000118] ペリクルクリーニングツール200の使用方法は、ペリクルヒータ230からの放射220によってペリクル201を加熱して熱機械振動を誘発することを含む。ペリクルヒータ230がレーザである例では、レーザ光でペリクル201を照射することによって熱機械振動を誘発する。ペリクル201は周期的に加熱され得る、すなわちペリクルヒータはパルス式であり得る。熱機械振動は、ペリクル201の表面から粒子を解放するために充分なエネルギと運動量を提供できる。言い換えると、ペリクル201をクリーニングすることができる。
【0120】
[000119] 上記のように、ペリクルクリーニングツール200は、低い周囲圧力が提供されている筐体226を(また、任意選択的にロードロックも)含み得る。ペリクル201は、ペリクルヒータ220による照射の前に、筐体226(又はロードロック)内で、ペリクルクランプ210又は他のもの(例えばロードロック内の一時的な位置)に、着脱可能に固定できる。次いで、筐体226(又はロードロック)内の周囲圧力を低減させることができる。また、誘発された熱機械振動によって生じるクリーニング効果に加えて、周囲圧力の低減もペリクルから汚染物質を除去することを可能とする。
【0121】
[000120] クリーニング効果は、照射領域(すなわち放射230で照射される領域)の近くのペリクル201の領域の方が大きい場合がある。言い換えると、汚染物質の大部分は、照射されていない領域でペリクル201の表面から除去され得る。従って放射230は、ペリクル201の様々な領域を、順次(ペリクルヒータ220、ペリクルマウント210の移動、又は他の光学系の使用によって)、又は同時に(2つ以上のペリクルヒータ220又は光学系の使用によって)、照射することができる。熱機械振動の振幅は、照射領域から更に離れたペリクルの領域では小さくなる(また、そのためクリーニング効果が低減する)場合がある。
【0122】
[000121] 方法は更に、ペリクル201の追加領域を照射することを含み得る。例えば、ペリクルヒータ220に対するペリクル201の位置を変更する、及び/又は、放射230がペリクル201の異なる領域を照射するようにペリクルヒータ220を調整することができる。
【0123】
[000122] ペリクルクリーニングツール200の使用方法は更に、複数の波長の放射230でペリクル201を(同時に又は順次)照射することを含み得る。例えば、ペリクル201を最初に第1の波長の放射230で照射して第1のタイプの汚染を除去し、次いでペリクル201を第2の波長の放射230で照射して第2のタイプの汚染を除去することができる。複数の波長の放射230は、単一のペリクルヒータ220の特性を調整することによって提供され得るか、あるいは、複数のペリクルヒータ220をペリクルクリーニングツール200に提供し、各ペリクルヒータ220が異なる波長の放射230を与えることによって提供され得る。
【0124】
[000123]
図4は、概念上の領域411~419が図示されている例示的なペリクル401を示す。領域411~419は単に表現上のものであり、ペリクル401自体の表面上にはマーキングされないことがある。ペリクル401は、ペリクルクリーニングツール200によってクリーニングされるペリクル201とすればよい。説明の目的のため、クリーニングの前にペリクル401は領域411~419の各々において均一な汚染レベルで汚染されていると見なす。
【0125】
[000124] 最初に、ペリクル401の中央領域415を(放射230で)照射することができる。放射230は第1の熱機械振動を誘発し得る。第1の熱機械振動はクリーニング効果を提供することができる。照射領域(すなわち中央領域415)のクリーニング効果は、他の領域411~419のクリーニング効果よりも小さい可能性がある。この後(又はこれと同時に)、例えば領域411のような第2の領域を照射して、第2の熱機械振動を誘発することができる。第2の熱機械振動は追加のクリーニング効果を提供できる。例えば第2の熱機械振動は、第1の熱機械振動によって生じた中央領域415のものよりも顕著なクリーニングを発生させ得る。
【0126】
[000125] ペリクル401の全ての領域を(放射230で)照射するわけではない場合がある。例えば、領域411を最初に照射することができる。次いでペリクルヒータ220を移動させて、領域413、417、及び419を順番に照射することができる。このように、ペリクル401の各領域を熱機械振動によってクリーニングするが、いくつかの領域(例えば中央領域415又はエッジ領域414)は、いくつかの照射領域から生じる熱機械振動によってクリーニングされる。しかしながら、照射される領域の数及びそれらの照射の順序は特定の用途に応じて変動し得ることは認められよう。照射領域の各々が同じヒータによって順番に照射される例では、放射及び/又はヒータはペリクル401全体をスキャンするものとして記載することができる。
【0127】
[000126] ペリクルクリーニングツール200及びペリクルクリーニングの方法は、特定のタイプのペリクル201(又はコンポーネント又はコンポーネントのタイプ)のために較正することができる(すなわち、放射230の特性及びペリクルクリーニングツール200の他の態様を最適化できる)。例えば、放射230のビームの波長/周波数、複数のパルスの周波数、各パルスの照射時間長、及び/又は形状/プロファイルを最適化することができる。また、較正は、汚染物質を除去するための(ペリクルクリーニングツール200による)クリーニング効果に必要な最小時間長、又は、それを超えるとペリクル201が損傷する恐れのある最大時間長(又は温度)を与えることができる。
【0128】
[000127] 較正は実験データを使用することができる。例えば、複数のペリクルを汚染させる。汚染は同様のレベルとし、1つ以上の人工汚染物質を用いることができる。例示的な人工汚染物質には、ホウ化ジルコニウム(ZrB2)又は二酸化ケイ素(SiO2)が含まれる。2つ以上の人工汚染物質を用いて各ペリクル201を汚染させ、伝導性汚染と非伝導性汚染の双方を提供してもよい。ペリクルクリーニングツール200を用いて汚染ペリクルをクリーニングすることができる。汚染ペリクルの各々をクリーニングする際、例えば放射230の周波数のようなペリクルクリーニングツール200の1つ以上の特性を変動させることができる。クリーニングの前後の汚染ペリクルの汚染を比較することにより、変動させた特性の関数として、ペリクルクリーニングツール200により得られたクリーニング効果を測定できる。
【0129】
[000128] 較正は、しわが発生するまでペリクル201を放射230で照射することを含み得る。いくつかのペリクルでは、最小時間長は20sであり、最大時間長は1時間以上であることが明らかになっている。
【0130】
[000129] 較正中に収集された実験データは、予測モデルに対する入力として使用できる。予測モデルを用いて、実験データの収集に用いた1つ以上のペリクルと同様にペリクル201をクリーニングするためのペリクルクリーニングツール200を較正することができる。あるいは、ペリクル201が実験データの収集に用いたペリクルのいずれにも似ていない場合であっても、予測モデルを用いて、ペリクル201をクリーニングするためのペリクルクリーニングツール200を較正することができる。言い換えると、実験データを用いて、以前クリーニングされていないペリクル201(又はペリクル201のタイプ)のためのペリクルクリーニングツール200の最適な特性を外挿及び予測することができる。
【0131】
[000130] 表1は、ペリクルクリーニングツール200の較正において試験された例示的な特性セットを示す。表1に示されている条件を試験するために使用したペリクルクリーニングツール200は、200Wの最大パワーを有する赤外線(IR)レーザを含むものであった。
【0132】
【0133】
[000131] 表2は、表1に示した条件に対応するクリーニング結果を示す。これらの結果において試験されたペリクル201は、金属シリサイドフィルムから構築され、試験の前に人工汚染物質(ZrB2)で汚染させた。「PRD全体」は、ペリクル201の全ての領域で除去された、直径が1μmよりも大きい全ての生成汚染物質の百分率と数を示す。PRD及び生成汚染物質は、ペリクル生成プロセスで生じた汚染、言い換えると、人工的に導入されたのではない汚染物質を表す。「ZrB2全体」、「ZrB2非露光及びZrB2露光」は、それぞれ、ペリクル201の全ての領域、非照射領域、及び照射領域で除去された、直径が1μmよりも大きい人工汚染物質の百分率と数を示す。全ての汚染物質が球形であるわけではない。非球形の汚染物質では、直径(ここで用いる場合)は、非球形の汚染物質と同じ体積又は断面積を有するはずである球形の直径を表す。
【0134】
【0135】
[000132] 表2は、試験を行ったパラメータのうち、試験番号3で使用したパラメータが、最良のクリーニングが得られたパラメータであったことを示す。
【0136】
[000133]
図5は、ペリクルクリーニングツール200を用いたクリーニングの前後で、試験3において使用したペリクル201上に存在する汚染物質の数を、汚染物質のサイズの関数として示す例示的なグラフを示す。また、クリーニング率(すなわち、クリーニングによって除去された汚染物質の割合)も示されている。
図5は、大きい汚染物質では特にクリーニングが有効であることを示している。
【0137】
[000134]
図6Aは、照射領域からのデータに限定したグラフ(
図5に示されているグラフと同様)を示す。
【0138】
[000135]
図6Bは、照射領域外からのデータに限定したグラフ(
図5に示されているグラフと同様)を示す。
【0139】
[000136]
図6A及び
図6Bは共に、ペリクルクリーニングツール200のクリーニング効果が、照射領域外ではいっそう有効であることを示す。
【0140】
[000137] ペリクルクリーニングツール200(及び、場合によってはペリクルクリーニングツールを含む他の装置)は、コンピュータシステムによって制御され得る。例えばコンピュータシステムは、リソグラフィ装置LAにおける使用中にペリクル16の汚染を監視できる。コンピュータシステムは、ペリクル16の汚染が許容できないレベルに到達したときを識別し、ペリクル16をペリクルクリーニングツール200へ移送することができる。別の例として、コンピュータは、ペリクルクリーニングツール200内のペリクル201の汚染を監視し、これに応じてペリクルヒータ220を調整できる。ペリクル201は、第1及び第2の汚染領域を有し得る。コンピュータは、これら2つの汚染領域を識別し、第1の汚染領域の近くのペリクル201の領域を照射するようにペリクルクリーニングツール200を制御することができる。コンピュータは、第1の汚染領域の汚染レベルを監視し、第1の領域がクリーニングされていると判定したら、ペリクル201の第2の汚染領域の近くの領域が放射230で照射されるようにペリクルクリーニングツール200を調整することができる。次いでペリクルクリーニングツール200は、第2の汚染領域がクリーニングされているとコンピュータが判定するまで、ペリクル201の第2の汚染領域の近くの領域の照射を継続できる。
【0141】
[000138]
図7及び
図8は、上述した原理及び技法に従ってペリクル702をクリーニングするための例示的な構成700の概略図を示す。
図7で最も良く見られるように、構成700は、レーザビームをレーザコリメータ706に提供するレーザ704を含む。レーザコリメータ706は、コリメートレーザビーム708を筐体710に提供する。筐体710は、レーザビーム708がペリクル702に入射する前にこれを更に調節するための光学コンポーネントを含み得る。筐体710は更に、以下で説明する構成700のコンポーネントの1つ以上の他のものを収容し得る。レーザビーム708は、ペリクル702を収容している容器714から光学ボックス710を分離する窓712を通過する。容器714は真空容器であってもよい。窓712は容器714に搭載することができ、任意の適切な手段を用いて搭載され得る。例えば窓712は、ボルトを用いて容器714に搭載することができる。有利には、動作中の既存の容器714は、窓712を搭載するのに適したねじ穴をすでに含み、構成700を既存のツール及び装置に対する改造に適したものとすることができる。筐体710は、これも任意の適切な手段を用いて窓に搭載することができる。筐体710は別個に窓712に搭載され得る。
【0142】
[000139] ペリクル702を通過するレーザビーム708の部分は、ビームダンプ716に入射することができる。例えばパイロメータとすることができる熱放射センサ718が、ペリクル702から放出された熱放射を検出するように配置されている。熱放射センサ718を用いた熱放射の検出は、プロセス制御を可能とすることができる。例えば、ペリクル702から放出された熱放射に応じて、システムにより与えられるレーザ放射のパワー、持続時間、周波数等を調整できる。光センサ720(例えばカメラ)は、熱センサ718とレーザビーム708との位置合わせを可能とするため、レーザビーム708が存在するペリクル702の表面を撮像するように構成されている。
【0143】
[000140] レーザインターロック安全機構722は、例えばロードロック724を用いたペリクルのスワップ中に、レーザビーム708を自動的に遮断するため提供することができる。
【0144】
[000141]
図8は、構成700の例示的なコンポーネントを更に詳しく示す。
図8から、第2のビームダンプ722がレーザビーム708の反射部分724を受けるように配置されていることが分かる。第2のビームダンプ722は筐体710内に収容することができる。
【0145】
[000142] イルミネータ726(例えば1つ以上のLED)を設けて、光センサ720(
図8では見えない)のためにペリクル702を照明することができる。
【0146】
[000143] 上記で検討したように、リソグラフィプロセスに関連するコンポーネント(ペリクル以外)をクリーニングツールでクリーニングすることができる。別のコンポーネント(すなわち、クリーニングされるコンポーネント以外のコンポーネント)が、コンポーネントのクリーニングを可能とするためクリーニングツールを備えてもよい。一例として、レチクル背面検査ツール(すなわち、パターニングデバイスMA等のパターニングデバイスの背面を検査するためのツール)が、パターニングデバイスをクリーニングするためのクリーニングツールを備えることができる。追加的に又は代替的に、パターニングデバイスMAを取り扱うためのデバイスにクリーニングツールを備えてもよい。
【0147】
[000144] 別の例として、レチクル交換デバイス(すなわち、パターニングデバイスを取り扱うためのデバイス)にクリーニングツールを備えて、パターニングデバイスMA及び/又は支持構造MTの一部のクリーニングを可能としてもよい。
【0148】
[000145] 別の例として、ウェーハ取扱システムにクリーニングツールを備えて、ウェーハ(すなわち基板W)のクリーニングを可能としてもよい
【0149】
[000146] 別の例として、クリーニングツールをリソグラフィ装置LAと一体化して、リソグラフィ装置LA内でコンポーネントのクリーニングを可能としてもよい。例えばリソグラフィ装置LAは、EUV放射ビームBに露光される基板Wの領域を制御するための1つ以上の部材を備え得る。このような部材をクリーニングツールによってクリーニングしてもよい。追加的に又は代替的に、ガスアウトレットは、汚染物質の蓄積を防止するため、レチクル及び/又はペリクルの表面にガスを誘導することができる。このようなガスアウトレットをクリーニングツールによってクリーニングしてもよい。
【0150】
[000147] 再び
図2を参照すると、ヒータ220に対する追加又は代替として、クリーニングシステム200はイオン源を含むことができる。イオン源は、イオンビームスパッタリングと呼ばれる、
図9A及び
図9Bに関連して以下で記載されるクリーニング効果を提供できる。イオン源によって与えられるクリーニング効果は、ヒータ220によって与えられるクリーニング効果の代替として実施され得る。あるいは、イオン源によって与えられるクリーニング効果は、ヒータ220によって与えられるクリーニング効果に加えて実施され得る。ヒータ220及びイオン源を用いてクリーニング効果を与える例では、ヒータ220及びイオン源は任意の順序で使用することができる。例えば、イオン源を(コンポーネント201をクリーニングするため)最初に使用し、ヒータ220を2番目に使用すればよい。イオンビームスパッタリングは、汚染物質をコンポーネント201に結合している結合力の強度を低減させることにより、その後のクリーニング(例えばヒータ220によって行われるクリーニング)の効果を増大することができる。別の利点として、クリーニング技法の組み合わせ(例えば、熱機械振動を生じるための加熱とスパッタリングを誘発するためのイオンの放射)を用いることにより、1つのクリーニング技法が引き起こす不注意による損傷を軽減する及び/又は全体的に回避することができる。例えば、ペリクルは、熱機械振動(上述した加熱により生じる)によって損傷する可能性がある。最初にイオンビームスパッタリングを用いて(汚染物質をペリクルに結合している)結合力を低減することにより、その後の熱機械振動の効果を向上させることができる。従って、所与のクリーニング効果を達成するために必要な加熱が少なくて済み、加熱のみを用いてクリーニングを行う場合に比べ、ペリクルの損傷を軽減する(又は損傷する可能性を低下させる)ことができる。
【0151】
[000148]
図9Aは、クリーニングされている、リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントの第1の概略図を示す。
図9Aは、汚染物質930で汚染されている、リソグラフィプロセス910に関連するコンポーネントを含むシステム901を示す。コンポーネント920にイオン910が入射する。
【0152】
[000149] イオン910は希ガス元素のイオンとすればよい。有利には、希ガス元素のイオンは、イオン910とコンポーネント920との間の化学反応を低減する(又は全体的に回避する)ことができる。例えばイオン910は、アルゴン陽イオン、すなわちイオン化によって1つ以上の電子を「失った」アルゴン原子とすればよい。あるいはイオン910は、ヘリウム陽イオン又はネオン陽イオンとすればよい。有利には、ヘリウム陽イオン又はネオン陽イオンは、アルゴン陽イオンに比べて原子の直径(又は半径)が小さく、側方散乱の可能性が低下する。言い換えると、ヘリウム陽イオン又はネオン陽イオンを用いることにより、他のイオンを用いる場合に比べて、(コンポーネント920に対する)有害な損傷をいっそう制御すると共に抑えることができ、注入リスクを軽減できる。イオン910は複数のイオンのうち1つであり得る。
【0153】
[000150] イオン910はイオン源によって提供することができる。例えばイオン源は、イオンミリングで用いられるようなイオン銃とすればよい。あるいはイオン源は、当技術において既知である適切なイオン源とすればよい。あくまでも例として、イオン源は、Kratos Analyticalによって製造されたマルチモードガスクラスタイオン源とすることができる。
【0154】
[000151] コンポーネント920は、(上記で検討したように)リソグラフィプロセスに関連する任意のコンポーネントとすればよい。一例として、コンポーネント920はペリクルとすればよい。コンポーネント920は第1の側921と第2の側922を有する。コンポーネントは原子923等の原子で作られている。
図9Aは、簡略化した原子の配置を有するコンポーネント920(及び汚染物質930)を示すが、これは単なる例示であり、
図9A(及び後述する
図9B)に示されている方法は、より複雑な原子の配置を有するコンポーネントに適用され得ることは認められよう。
【0155】
[000152] コンポーネント920の第2の側922は汚染物質930で汚染されている。汚染物質930は原子931等の原子で作られている。結合力が、コンポーネント920に近接した汚染物質930の原子(原子932等)を、コンポーネント920の原子に結合する。結合力は、例えばファンデルワールス力に起因するものであり得る。
【0156】
[000153] イオン910は、矢印912によって示される方向でコンポーネント920の第1の側921の方へ誘導される。言い換えると、イオン910はコンポーネント920の第1の表面921を照射する。イオンは、コンポーネント920の一部を通って進むことができる。イオン910の中間位置914(及び対応する方向)が示され、イオン910がコンポーネント920の第1の側921の表面の原子の間を通って進むことを示している。
【0157】
[000154] イオン910は、第1の衝突941(星印で示されている)でコンポーネント920の第1の原子924と衝突する。第1の衝突941において、イオン910と第1の原子924との間で運動量交換が発生し、結果として第1の原子924が運動量を得る。第1の原子924は、第1の原子924の元の位置から(例えば、結晶構造に配置された原子では格子サイトから)移動するのに充分な運動量を得る。このような第1の原子924の移動を、第1の原子924が「はじき出される」と言うことができる。言い換えると、イオン910は、衝突カスケードとも呼ばれるカスケードを引き起こす。
【0158】
[000155] 第1の原子924は、第2の衝突942でコンポーネント920の第2の原子925と衝突する。第1の衝突941と同様、第2の衝突942でも、第1の原子924と第2の原子925との間で運動量交換があり、結果として第2の原子925が運動量を得る。第2の原子925は、第2の原子925の元の位置から移動するのに充分な運動量を得る。
【0159】
[000156] (コンポーネント920の)第2の原子925は、第3の衝突943で汚染物質930の原子936と衝突する。第3の衝突943において、第2の原子925と汚染物質930の原子936との間で運動量交換が発生する。汚染物質930の原子936は、原子936の元の位置から、(コンポーネント920の第2の表面922から離れた位置へ)移動するのに充分な運動量を得る。その結果、原子936(及び汚染物質930)をコンポーネント920の第2の表面922に引き付ける結合力は低減する。
【0160】
[000157] 汚染物質930をスパッタリングすることができる。言い換えると、結合力の低減に起因して、汚染物質930をコンポーネント920の第2の側922から解放することができる。他の例では、汚染物質930は解放されず、コンポーネント920の第2の側922上に留まるが、(イオンビームスパッタリングなしの場合に比べて/イオンビームスパッタリング前に比べて)結合力の強度は低減し得る。汚染物質930がスパッタリングによって解放されない例では、その後、他のクリーニング方法を用いて、例えば上述のように熱を加えることによって、汚染物質930を除去することができる。
【0161】
[000158]
図9Aの例は、3回の衝突(すなわち、第1の衝突941、第2の衝突942、及び第3の衝突943)のカスケードを示すが、汚染物質930の原子を含む衝突(衝突943等)の前に任意の数の衝突が可能であることは認められよう。いくつかの例では、イオン910は、コンポーネント920を真っすぐに(すなわち、コンポーネント920の原子と衝突することなく)進み、イオン910自体が、汚染物質930の原子(原子936等)と衝突することがある。
【0162】
[000159] また、イオン910は、任意の適切な角度を用いて(第1の表面921の)任意の適切な領域でコンポーネントの第1の表面921と相互作用できることは認められよう。例えば、イオン910の方向912は第1の表面921に対して垂直であり、(例えば汚染物質930によって)汚染されている第2の表面921の領域とは反対側の第1の表面921の領域へ誘導され得る。代替的な例として、イオン910の方向912は第1の表面921に対して代替的な角度であり(すなわち垂直ではない)、汚染されている第2の表面921の領域の方へイオン910が誘導されるように、第1の表面921の領域へ誘導される。言い換えると、イオン910の方向912及びイオンが入射する第1の表面921の領域は、イオン910(及びイオン910によって生じるカスケード)が汚染されている第2の表面921の領域へ誘導されるように選択すればよい。
【0163】
[000160]
図9Aは単一のイオン910を示すが、所望のクリーニング効果(すなわち、それがスパッタリングによる汚染物質930の除去であるか、又は、汚染物質930をコンポーネント920の第2の側922に結合している結合力の低減であるかに関わらず)を達成するために、任意の適切な数のイオン910を使用できることは認められよう。同様に、イオン910の特性は、所望のクリーニング効果を達成するように選択され得る。例えば、各イオン910のエネルギ及び/又は全てのイオン910により与えられる総ドーズ/電流は、所望のクリーニング効果を達成するように選択され得る。各イオン910には、約0.1keV~10keVのエネルギが適切なエネルギであり得る。約1nA~1mAの電流が適切な総電流であり得る。イオン910の特性は、コンポーネント920内で原子のカスケードを引き起こすのに充分なエネルギを与えるよう選択され得る。イオン910の特性は、コンポーネント920の損傷を防止するように選択され得る。例えば、イオン910の特性は、コンポーネント920内の原子のカスケードが、コンポーネント920の損傷を軽減及び/又は回避するのに適したサイズである(すなわち、適切な数の原子がはじき出される)ことを保証するように選択され得る。イオン910の特性が適切に選択されていない場合に発生し得る損傷の例には、コンポーネント920の表面に凹凸が付くこと、コンポーネント920が薄くなること、及び/又はコンポーネント920の構造が劣化することが含まれる。このような損傷はコンポーネント920の性能に影響を及ぼし得る。コンポーネント920がペリクルである例では、損傷は撮像の主要性能指標(key performance indicator)に悪影響を及ぼす恐れがある。各イオン910のエネルギは、各イオン910がコンポーネント920内の単一の原子をはじき出すのに充分なエネルギを有することを保証するように選択され得る。
【0164】
[000161] コンポーネント920の第1の側921は、1つ以上の領域にイオン910を照射することができる。例えば、(コンポーネント920の第2の側922の)領域が汚染されていると識別され、第1の側921の対応する領域をイオン910で照射することで、第2の側922の領域でクリーニング効果を達成できる。汚染領域は、例えば光学装置及び/又は技法のような、当技術分野において既知である任意の適切な装置及び/又は技法を用いて識別され得る。追加的に又は代替的に、第1の側921の対応する領域を順番に照射することによって、第2の側922の複数の領域をクリーニングすることも可能である。このようにして、第2の側922の全表面をクリーニングすることができる。言い換えると、イオン910(及び/又はイオン源)は、ヒータを参照して上述したのと同様に、コンポーネント920をスキャンすることができる。これをラスタスキャンと呼ぶことができる。
【0165】
[000162] コンポーネント920は任意の熱膨張係数を有し得る。言い換えると、コンポーネント920の熱膨張係数は、イオン照射によるクリーニングに影響を及ぼさない可能性がある。
【0166】
[000163]
図9Bは、クリーニングされている、リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントの第2の概略図を示す。
図9Bは、汚染物質930で汚染されている、リソグラフィプロセス910に関連するコンポーネントを含むシステム902を示す。システム902の様々な態様(コンポーネント920及び汚染物質930を含む)は、システム901と実質的に同じであり、同様の番号が付けられている。イオン950はコンポーネント920を照射している。
【0167】
[000164] 方向及び開始位置を除いて、イオン950はイオン910と実質的に同じとすればよい。
【0168】
[000165] イオン950は、矢印952によって示される方向でコンポーネント922の第2の側922(すなわち汚染物質930で汚染されている側)の方へ誘導される。言い換えると、イオン950はコンポーネント920の第2の表面922を照射する。イオン950の方向952は、システム901に関して検討された垂直角よりも小さい角度とすることができる(コンポーネント920の第2の側922が規定する面に対して測定される)。言い換えると、角度は斜め角とすればよい。コンポーネント920と比較した汚染物質930の相対的な厚さのため、イオン950は、汚染物質930を通って進む(又は汚染物質930を通り抜けるカスケードを引き起こす)ことができない場合がある。従ってこの角度は、コンポーネント920と接触している汚染物質930の領域(原子932、938が占める領域等)が、(汚染物質930自体で遮られずに)イオン950で照射されるのを保証することができる充分に小さい角度とすればよい。(
図9Aに関して上記で検討された)イオン950の特性と同様、イオン950の特性は、所望のクリーニング効果を達成するように及び/又はコンポーネント920の損傷を防止するように選択され得る。
【0169】
[000166] イオン950は、衝突961(星印で示されている)で汚染物質930の原子938と衝突する。第1の衝突961において、イオン950と原子938との間で運動量交換が発生し、結果として原子938が運動量を得てはじき出される。その結果、原子938(及び汚染物質930)をコンポーネント920の第2の表面922に引き付ける結合力は低減する。
【0170】
[000167] システム901と同様、システム902でも、汚染物質930をスパッタリングすること及び/又は結合力の強度を低減することができる。
【0171】
[000168] イオン950の特性は、最適なクリーニング効果を与えるように及び/又はコンポーネント920の損傷を最小限に抑えるように選択され得る。例えばイオン950のエネルギは、単一の衝突の発生を保証するように(すなわち、汚染物質930の単一の原子がはじき出されるように)選択され得る。
【0172】
[000169] 第1の側及び第2の側で汚染されているコンポーネントでは、
図9Aに示されている第1の側及び
図9Bで示されている第2の側をクリーニングする単一のイオン源を用いて、コンポーネントをクリーニングすればよい。あるいは、1回目は
図9Aで示されている第1の側でコンポーネントをクリーニングし、コンポーネント及び/又はイオン源を配置し直して、2回目は
図9Aに示されている第2の側でコンポーネントをクリーニングすればよい。同様に、
図9Bに示されている方法を用いてコンポーネントを2回クリーニングしてもよい。
【0173】
[000170] コンポーネント201のクリーニングに関してクリーニングツール200を上述したが、クリーニングツール200を用いてコンポーネントの構造的完全性を試験することも可能である。従って、クリーニングツール200は試験ツール200としても記載され得る。試験ツール200によって試験されるコンポーネントは、ペリクル又はリソグラフィプロセスに関連する他の任意のコンポーネントとすることができる。例えばツール200を用いて、例えばペリクルの膜の最大抗張力を試験することができる。コンポーネント201の構造的完全性を試験するために使用される場合、試験ツール200は、コンポーネント201をクリーニングするために使用される場合と同一の又は同様の手法で使用され得る。
【0174】
[000171] コンポーネント201の構造的完全性を試験するために使用される場合、構造的完全性が必要な値(すなわち構造的完全性閾値)未満であると、(放射230が与える熱によって引き起こされる)熱機械振動がコンポーネント201を破損させる可能性がある。一例として、ペリクルの膜は、ペリクルが必要な構造的完全性を持たない場合に破損し得る。このように試験を行うことによって、構造的完全性が必要な値未満であるコンポーネント(すなわち欠陥のあるコンポーネント)をスクリーニングすることができる。有利には、このような試験は、欠陥のあるコンポーネントの識別を可能とする。その結果、このような試験により、欠陥のあるコンポーネントが例えばリソグラフィ装置に設置されることを回避し、これによりダウンタイム期間を回避することができる。コンポーネント201がペリクルである例では、このようにペリクルを試験すること(それにより、欠陥のあるペリクルをリソグラフィ装置で使用するのを防止すること)は、欠陥のあるペリクルがリソグラフィ装置内の所定位置に配置されている間に破損した場合、レチクルを損傷することを防止する。
【0175】
[000172] 熱機械振動(及び対応する1つ以上の機械波)は、コンポーネント201の表面全体に伝わることができる。例えば1つ以上の機械波は、従来技術の方法を用いた場合には試験されなかったはずの膜のコーナでペリクルの構造的完全性を試験することができる。有利には、試験ツール200を用いて、他の場合には識別されなかったはずの欠陥のあるコンポーネントをスクリーニングすることができる。特に、従来技術の試験方法はコーナ部でペリクルをクランプする必要があり、結果としてコーナ部を適切に試験することができないことがある。また、従来技術の試験方法を用いてペリクルを試験する場合、ペリクルフレームが、膜全体が充分に変形することを妨げる可能性がある。例えば、ペリクルフレームの近くの領域は、膜の他の領域と同程度まで変形しないことがある。その結果、従来技術の試験方法は、ペリクルフレームの近くの領域を適切に試験することができない恐れがある。現在記載されている技法は、コーナ部及び/又はペリクルフレームに近い部分を含めて、ペリクル全体にわたる構造的完全性の試験を可能とする。特に、現在記載されている技法は、コーナ部をクランプすることなく構造的完全性の試験を可能とする。
【0176】
[000173] コンポーネント201の構造的完全性の試験に用いられる放射230は、コンポーネント201のクリーニングに用いられる放射と実質的に同じ特性を有し得る。追加的に又は代替的に、(試験に用いられる)放射の特性は、コンポーネント201に誘発される1つ以上の機械波の速度振幅を増大又は最適化するように選択され得る。速度振幅を増大させると、1つ以上の機械波により引き起こされる応力振幅が増大する。一例として、試験に用いられる放射は、クリーニングに用いられる放射のスリット幅よりも狭いスリット幅を有する。狭いスリット幅は、短い波長、高い周波数、従って高い最大速度振幅の波を生成することができる。応力振幅は最大速度振幅に対応するので、(クリーニング向けのツールの使用に比べて)スリット幅を小さくすると、応力振幅を増大させることができる。
【0177】
[000174] 追加的に又は代替的に、コンポーネント201の構造的完全性の試験に用いられる放射230は、増大させたパルスエネルギ又はスポットサイズを有し得る。このような放射230は、ツールによって吸収される熱のパワーを増大させ得るので、コンポーネント201の信頼性を試験するには有用であり得る。
【0178】
[000175] クリーニングツール200は、ツールを試験ツールとして使用するように構成するため追加的な又は代替的なコンポーネントを備えることができる。例えばツール200は、追加的な又は代替的な光学要素を備え得る。
【0179】
[000176] いくつかの例では、ツール200は、第1のスリット幅を有する放射230及び第2のスリット幅を有する放射230を与えるように動作させることができる。例えばツール200は、第1のスリット幅を有する放射230で第1のコンポーネントを加熱することによって第1のコンポーネントをクリーニングすることができる。次いでツールは、第2のスリット幅を有する放射でコンポーネント(第1のコンポーネント又は第2のコンポーネント)を加熱することによって、このコンポーネントをクリーニングすることができる。第2のスリット幅は、第1のスリット幅と同じであるか、第1のスリット幅よりも狭いか、又は広いことがある。
【0180】
[000177] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。考えられる他の用途は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。
【0181】
[000178] 本明細書ではリソグラフィ装置に関連して本発明の実施形態について具体的な言及がなされているが、本発明の実施形態は他の装置に使用することもできる。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジ装置、又はウェーハ(あるいはその他の基板)もしくはマスク(あるいはその他のパターニングデバイス)などのオブジェクトを測定又は処理する任意の装置の一部を形成してよい。これらの装置は一般にリソグラフィツールと呼ばれることがある。このようなリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を使用することができる。
【0182】
[000179] 文脈上許される場合、本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせにおいて実装することができる。本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサにより読み取られて実行され得る、機械可読媒体に記憶された命令として実装することも可能である。機械可読媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)により読み取り可能な形態で情報を記憶又は伝送するための任意の機構を含むことができる。例えば機械可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外信号、デジタル信号など)、及び他のものを含むことができる。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、特定のアクションを実行するものとして本明細書で説明されることがある。しかしながら、そのような説明は単に便宜上のものであり、そのようなアクションは実際には、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行するコンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又は他のデバイスから生じ、実行する際、アクチュエータ又は他のデバイスが物質世界と相互作用し得ることを理解すべきである。
【0183】
[000180] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることは理解されよう。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。それ故、下記に示す特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントをクリーニングするためのクリーニングシステムであって、
前記コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、及び/又は、
前記コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、
使用時に前記コンポーネントの領域を照射するよう構成された少なくとも1つの放射放出器を備える、クリーニングシステム。
【請求項2】
リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントの構造的完全性を試験するためのシステムであって、
前記コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、使用時に前記コンポーネントの領域を照射するよう構成された少なくとも1つの放射放出器を備える、システム。
【請求項3】
前記コンポーネントを保持するように構成されたホルダを更に備える、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの放射放出器は、前記コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、使用時に前記コンポーネントの領域を照射するよう構成されたヒータを含む、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項5】
前記ヒータはレーザである、請求項
4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ヒータによって与えられる放射はパルス状である、請求項
4に記載のシステム。
【請求項7】
前記放射は1Hzから1MHzのパルス周波数を有する、請求項
6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ヒータは複数の放射ビームを与えるように構成されている、請求項
4に記載のシステム。
【請求項9】
前記ヒータは、前記複数の放射ビームのうち1つ以上を発生させるため1つ以上のビーム分割及び/又は方向転換光学系を含む、請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ヒータは、使用時に複数のコンポーネントの各々の領域を加熱するように構成され、前記複数のコンポーネントの各々
は複数のホルダのうち1つに保持されている
、請求項
4に記載のシステム。
【請求項11】
前記ヒータは、前記複数のコンポーネントのうち異なるものを異なる波長によって加熱するように構成されている、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの放射放出器は、前記コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時に前記コンポーネントの領域をイオンで照射するよう構成されたイオン源を含む、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項13】
前記イオン源は、前記コンポーネントの第2の側に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時に前記コンポーネントの第1の側の領域をイオンで照射するよう構成されている、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの放射放出器は、
前記コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、使用時に前記コンポーネントの領域を加熱するよう構成されたヒータと、
前記コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時に前記コンポーネントの領域をイオンで照射するよう構成されたイオン源と、
を含む、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項15】
前記放射のスリット幅を第1のスリット幅と第2のスリット幅との間に調整するためアジャスタを備える、請求項1
又は2に記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0183
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0183】
[000180] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることは理解されよう。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。それ故、下記に示す特許請求の範囲及び条項から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。
[条項1]
リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントをクリーニングするためのクリーニングシステムであって、
前記コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、及び/又は、
前記コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、
使用時に前記コンポーネントの領域を照射するよう構成された少なくとも1つの放射放出器を備える、クリーニングシステム。
[条項2]
リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントの構造的完全性を試験するためのシステムであって、
前記コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、使用時に前記コンポーネントの領域を照射するよう構成された少なくとも1つの放射放出器を備える、システム。
[条項3]
前記コンポーネントはペリクルである、条項1又は2に記載のシステム。
[条項4]
前記コンポーネントを保持するように構成されたホルダを更に備える、条項1から3のいずれかに記載のシステム。
[条項5]
前記少なくとも1つの放射放出器は、前記コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、使用時に前記コンポーネントの領域を照射するよう構成されたヒータを含む、条項1から4のいずれかに記載のシステム。
[条項6]
前記ヒータはレーザである、条項5に記載のシステム。
[条項7]
前記ヒータによって与えられる放射は300GHzから4300THzの周波数を有する、条項5又は6に記載のシステム。
[条項8]
前記ヒータによって与えられる放射は1mWから200Wの平均電力を有する、条項5から7のいずれか一項に記載のシステム。
[条項9]
前記ヒータによって与えられる放射はパルス状である、条項5から8のいずれか一項に記載のシステム。
[条項10]
前記放射は1Hzから1MHzのパルス周波数を有する、条項9に記載のシステム。
[条項11]
前記放射の各パルスは1fsから10μsの持続時間を有する、条項9又は10に記載のシステム。
[条項12]
前記ホルダは、前記コンポーネントからクリーニングされる汚染物質が前記重力下で前記コンポーネントの付近から除去されるように位置決めされている、条項4から11のいずれかに記載のシステム。
[条項13]
前記ヒータは複数の放射ビームを与えるように構成されている、条項5から12のいずれか一項に記載のシステム。
[条項14]
前記ヒータは、前記複数の放射ビームのうち1つ以上を発生させるため複数のヒータを含む、条項13に記載のシステム。
[条項15]
前記ヒータは、前記複数の放射ビームのうち1つ以上を発生させるため1つ以上のビーム分割及び/又は方向転換光学系を含む、条項13又は14に記載のシステム。
[条項16]
前記ホルダは複数のホルダのうち1つであり、
前記ヒータは、使用時に複数のコンポーネントの各々の領域を加熱するように構成され、前記複数のコンポーネントの各々は前記複数のホルダのうち1つに保持されている、条項4に従属する条項5から15のいずれか一項に記載のシステム。
[条項17]
使用時に前記複数の放射ビームのうち異なるものがそれぞれ前記複数のコンポーネントのうち異なるものに入射するように構成されている、条項13から15のいずれか一項に従属する条項16に記載のシステム。
[条項18]
前記ヒータは、前記複数のコンポーネントのうち異なるものを異なる波長によって加熱するように構成されている、条項16に記載のシステム。
[条項19]
前記少なくとも1つの放射放出器は、前記コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時に前記コンポーネントの領域をイオンで照射するよう構成されたイオン源を含む、条項1から18のいずれかに記載のシステム。
[条項20]
前記イオン源は、前記コンポーネントの第2の側に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時に前記コンポーネントの第1の側の領域をイオンで照射するよう構成されている、条項19に記載のシステム。
[条項21]
前記イオン源は、前記コンポーネントの第1の側に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時に前記コンポーネントの前記第1の側の領域をイオンで照射するよう構成されている、条項19又は20に記載のシステム。
[条項22]
前記少なくとも1つの放射放出器は、
前記コンポーネントに熱機械振動を引き起こすため、使用時に前記コンポーネントの領域を加熱するよう構成されたヒータと、
前記コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、使用時に前記コンポーネントの領域をイオンで照射するよう構成されたイオン源と、
を含む、条項1から21のいずれかに記載のシステム。
[条項23]
筐体を更に備え、前記放射放出器及び前記ホルダは前記筐体内に収容されている、条項3から22のいずれか一項に記載のシステム。
[条項24]
前記筐体はロードロックチャンバを含む、条項23に記載のシステム。
[条項25]
真空ポンプを更に備える、条項23又は24に記載のシステム。
[条項26]
汚染物質を除去するためガス排出部を更に備える、条項1から25のいずれかに記載のシステム。
[条項27]
前記放射放出器によって放出された放射を測定するためのメトロロジを更に備える、条項1から26のいずれかに記載のシステム。
[条項28]
前記コンポーネント上の又は前記コンポーネントから除去された汚染を測定するためのメトロロジを更に備える、条項1から27のいずれかに記載のシステム。
[条項29]
前記放射のスリット幅を第1のスリット幅と第2のスリット幅との間に調整するためアジャスタを備える、条項1から28のいずれかに記載のシステム。
[条項30]
リソグラフィプロセスに関連するコンポーネントをクリーニングする方法であって、
前記コンポーネントに熱機械振動を誘発するため、及び/又は、
前記コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため、
前記コンポーネントの領域を照射することを含む、方法。
[条項31]
リソグラフィ処理に関連するコンポーネントの前記構造的完全性を試験する方法であって、前記コンポーネントに熱機械振動を誘発するため前記コンポーネントの領域を照射することを含む、方法。
[条項32]
前記コンポーネントの前記領域を照射することは、前記コンポーネントに熱機械振動を誘発するため前記コンポーネントの前記領域を加熱することを含む、条項30又は31に記載の方法。
[条項33]
加熱することはパルスヒータの1つ以上のパルスを提供することを含む、条項32に記載の方法。
[条項34]
前記コンポーネントの前記領域を加熱することは20秒から1時間までの時間にわたって実行される、条項32又は33に記載の方法。
[条項35]
放射によって前記コンポーネントを加熱することは、20秒から1時間まで前記コンポーネントの第2の領域を加熱することを更に含む、条項32、33、又は34に記載の方法。
[条項36]
前記コンポーネントの領域を照射することは、前記コンポーネント上に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため前記コンポーネントの前記領域をイオンで照射することを含む、条項30から35のいずれか一項に記載の方法。
[条項37]
前記コンポーネントの領域を照射することは、前記コンポーネントの第2の側に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため前記コンポーネントの第1の側の領域をイオンで照射することを含む、条項36に記載の方法。
[条項38]
前記コンポーネントの領域を照射することは、前記コンポーネントの第1の側に存在する汚染物質のスパッタリングを誘発するため前記コンポーネントの前記第1の側の領域をイオン源で照射することを含む、条項36又は37に記載の方法。
[条項39]
前記方法は、
第1のスリット幅を有する放射で前記コンポーネントを照射することと、
第2のスリット幅を有する放射で第2のコンポーネントを照射することと、
を含む、条項30から38のいずれかに記載の方法。
[条項40]
前記方法は、
第1のスリット幅を有する放射で前記コンポーネントを照射することによって、前記コンポーネントの前記構造的完全性を試験することと、
前記放射の前記スリット幅を前記第1のスリット幅から第2のスリット幅に狭くすることと、
前記第2のスリット幅を有する放射で前記コンポーネントを照射することによって、前記コンポーネントをクリーニングすることと、
を含む、条項30から38のいずれかに記載の方法。
[条項41]
条項30から40のいずれかに記載の方法を実行するように条項1から29のいずれかに記載のシステムを制御するよう構成されたコントローラ。
[条項42]
条項30から40のいずれかに記載の方法に従ってクリーニング又は試験が行われるコンポーネント。
【国際調査報告】