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特表2025-505290フォトニック集積回路をテストするための装置、テストカードおよび方法、ならびにフォトニック集積回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】フォトニック集積回路をテストするための装置、テストカードおよび方法、ならびにフォトニック集積回路
(51)【国際特許分類】
   G01M 11/00 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
G01M11/00 T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024548385
(86)(22)【出願日】2023-02-08
(85)【翻訳文提出日】2024-10-11
(86)【国際出願番号】 EP2023053095
(87)【国際公開番号】W WO2023156271
(87)【国際公開日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】102022103611.1
(32)【優先日】2022-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503263355
【氏名又は名称】カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】ツヴィッケル ハイナー
(72)【発明者】
【氏名】リヒター シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ハルター トビアス
【テーマコード(参考)】
2G086
【Fターム(参考)】
2G086EE03
2G086EE04
2G086EE12
(57)【要約】
フォトニック集積回路をテストするための装置およびテストカード、対応するシステム、ならびにフォトニック集積回路が提供される。この場合、テストカード(24)は、光学ユニット(20)によって、テストされるフォトニック集積回路(22)上に結像される(imaged)。このようにして、複数の異なる場所におけるフォトニック集積回路(22)の並列照射が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)をテストするための装置であって、
複数の光ポート(25、61)を有するテストカード(24;24A~24E)のためのレセプタクルと、
テストされるフォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)に前記テストカード(24;24A~24E)を結像する(imaging)ための光学ユニット(11;20;20A)と
を備える、装置。
【請求項2】
光入口(25)を有するさらなるテストカード(24;24A~24E)のためのレセプタクルをさらに備え、前記光学ユニット(11;20;20A)は、テストカード(24;24A~24E)から前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)へと光を通過させ、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)からさらなる前記テストカード(24;24A~24E)へと光を通過させるように構成されているスプリッタ要素(50)を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スプリッタ要素(50)は、偏光ビームスプリッタを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記レセプタクルから前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)への光路内のスキャナデバイス(21)をさらに備える、請求項1~3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)をテストするためのテストカード(10;24;24A~24E)であって、テストを目的として照射されることになる前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)の場所に対応するように配置構成されている、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)を照射するための複数の光出口(25、61)を備える、テストカード(10;24;24A~24E)。
【請求項6】
少なくとも1つの光ファイバ(30)を介して前記光出口(25、61)に接続されている光源(26)をさらに備える、請求項5に記載のテストカード(10;24;24A~24E)。
【請求項7】
前記光出口(25、61)は、前記少なくとも1つの光ファイバ(30)の端部に対応する、請求項6に記載のテストカード(10;24;24A~24E)。
【請求項8】
前記テストカード(10;24;24A~24E)は、フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)を備える、請求項5または6に記載のテストカード(10;24;24A~24E)。
【請求項9】
前記テストカードは、電気光学回路基板を備える、請求項5~8のいずれかに記載のテストカード(10;24;24A~24E)。
【請求項10】
前記光出口(25、61)は、偏光光を出力するように構成されている、請求項5~9のいずれかに記載のテストカード(10;24;24A~24E)。
【請求項11】
前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)のテスト中に光を放出する、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)の発光場所に対応するように配置構成されている、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)からの光を受信するための複数の光入口(25、61)をさらに備える、請求項5~10のいずれかに記載のテストカード。
【請求項12】
フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)をテストするためのテストカード(10;24;24A~24E)であって、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)のテスト中に光を放出する、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)の発光場所に対応するように配置構成されている、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)からの光を受信するための複数の光入口(25、61)を備える、テストカード(10;24;24A~24E)。
【請求項13】
フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)をテストするためのシステムであって、請求項1~4のいずれかに記載の装置と、請求項5~12のいずれかに記載のテストカード(10;24;24A~24E)とを備え、前記テストカードは、レセプタクル内に受け入れられる、システム。
【請求項14】
前記装置は、請求項2に従って具現化され、前記システムは、請求項11に記載のテストカード(10;24;24A~24E)を備え、前記テストカードは、さらなる前記レセプタクル内に受け入れられる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
回路基板をさらに備え、前記回路基板は、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)と接触するように構成されており、
前記回路基板の表面と前記回路基板の裏面との間に延在し、前記裏面に隣接して位置付けられている前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)の電気インターフェースに接触するように構成されている少なくとも1つの導電体トラックを備える、請求項13および14のいずれかに記載のシステム。
【請求項16】
フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)であって、第1の偏光を有する光を入力結合するための入力結合要素(41;70)、および、前記第1の偏光とは異なる第2の偏光を有する光を出力結合するための出力結合要素(41;47)を有するテスト構造を備え、前記入力結合要素および前記出力結合要素は、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)に光学的に接続されている、フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)。
【請求項17】
一方における前記入力結合要素(41;70)および前記出力結合要素、ならびに、他方における前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)の間のソーイングライン(46)をさらに備える、請求項16に記載のフォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)。
【請求項18】
前記入力結合要素および前記出力結合要素は、共通の要素(47)として形成される、請求項16および17のいずれかに記載のフォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)。
【請求項19】
光学的に導波路と短絡される、位置整合を目的とした少なくとも1つの組み合わせ入力/出力結合要素をさらに備える、請求項16~18のいずれかに記載のフォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)。
【請求項20】
フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)であって、光学的に導波路と短絡される、位置整合を目的とした少なくとも1つの組み合わせ入力/出力結合要素を備える、フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)。
【請求項21】
請求項1~4のいずれかに記載の装置を使用してフォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)をテストするための方法であって、
請求項5~12のいずれかに記載のテストカード(10;24;24A~24E)をレセプタクルに挿入することと、
前記テストカード(10;24;24A-24E)を位置整合させることと、
前記テストカード(10;24;24A~24E)を用いることによって前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)をテストすることと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、あらゆる目的のために参照によりその全体が組み込まれる、「Apparatuses,test cards and methods for testing photonic integrated circuits,and photonic integrated circuits」と題する2023年2月16日に出願されたドイツ特許出願第102022103611.1号の優先権を主張する。
【0002】
本出願は、フォトニック集積回路(PIC)をテストするための装置、テストカードおよび方法、ならびにそのようなテスト向けに構成されているフォトニック集積回路に関する。
【背景技術】
【0003】
フォトニック集積回路(photonic integrated circuits)においては、電子集積回路の場合と同様に、複数の受動および/または能動光学および光電子構成要素が、例えば、半導体ウェハなどの共通基板上に組み付けられて、複雑な光回路が形成されている。この場合、例えば、フィルタまたは結合器などの従来の光学構成要素は、よりコンパクトな集積光学構成要素に置き換えることができる。フォトニック集積回路の様々な構成要素は、フォトニック集積回路内で導波路を介して互いに接続される。そのようなフォトニック集積回路は、インターネット上のデータトラフィックの大幅な増大に伴って、とりわけ近年より関心が集まるようになってきている。これは、ここでは十分な帯域幅を有し、効率的に動作する信号処理回路が必要とされるためである。電気通信およびデータ伝送用途とは別に、フォトニック集積回路はまた、例えば、センサ技術などの他の用途およびライフサイエンスにおける用途向けにも関心を寄せられている。
【0004】
そのようなフォトニック集積回路の生産工程は、従来の電子集積回路または微小電気機械システム(MEMS)の生産工程に類似する。しかしながら、これらの従来の技術とは対照的に、フォトニック集積回路では、生産工程中またはその後にそのような回路を効率的にチェックするために使用することができるテスト方法は、少数しか存在しない。
【0005】
フォトニック集積回路、特にその中に位置する導波構造をテストするためには、光をフォトニック集積回路の導波構造内に結合し、フォトニック集積回路から、特に導波構造から、またはその両方から光を検出することが必要である。
【0006】
そのようなフォトニック集積回路をテストするための1つの従来の方法は、テストされるフォトニック集積回路上に位置整合および位置付けされている光導波ファイバ、すなわち、光ファイバまたは他の誘電体光導波路を使用することである。これらの光導波ファイバを用いることによって、テストされるフォトニック集積回路は、対応する入力結合点において照射され、フォトニック集積回路から出た光は、収集され、その後、評価される。これは、1μm未満の範囲内の非常に高い位置付け正確度を要求し、これは、位置付けを目的として比較的長い時間を必要とし、したがって、多数のアイテムについては限られた範囲のみにしか適さない。
【0007】
この問題を解決するために、本出願人によって出願されたDE102017101626A1は、走査デバイスを用いることによって光ビームがテストされる回路上へと方向付けられる、フォトニック集積回路をテストするための装置を提供する。これは、光導波ファイバの複雑な位置付けの必要性をなくす。しかしながら、このとき、可動の、対応して精密な走査ミラーが必要とされる。
【発明の概要】
【0008】
したがって、フォトニック集積回路を効率的にテストするためのさらなる可能性が必要とされている。
【0009】
請求項1による装置、請求項5または12によるテストカード、請求項13によるシステム、請求項15または19によるフォトニック集積回路、および、請求項20による方法が提供される。従属請求項が、さらなる実施形態を定義する。
【0010】
一態様によれば、フォトニック集積回路をテストするための装置であって、
複数の光ポートを有するテストカードのためのレセプタクルと、
テストされるフォトニック集積回路にテストカードを結像する(imaging)ための光学ユニットと
を備える、装置が提供される。
【0011】
光学ユニットを用いることによって、テストカードから出る光を、1つまたは複数のフォトニック集積回路の対応する照射される点に結像する(imaged)ことができ、結果として、フォトニック集積回路を、テストを目的として複数の点において照射することができる。逆に、対応する様式で、フォトニック集積回路からの光を受信することができる。そのような光学ユニットは、それ自体既知である様式で、例えば、顕微鏡光学ユニットとして具現化することができる。光学ユニットは、縮小または拡大結像(imaging)を行うことができる。したがって、テストカードは、このとき、テストされるフォトニック集積回路よりも大きくまたは小さく(スケーリング)することができる。光ポートは、光入口もしくは光出口、またはそのような機能とすることができる。
【0012】
装置は、光入口を有するさらなるテストカードのためのレセプタクルをさらに備えることができ、光学ユニットは、テストカードからフォトニック集積回路へと光を通過させ、フォトニック集積回路からさらなるテストカードへと光を通過させるように構成されているスプリッタ要素を備える。
【0013】
これに関連して、別個のテストカードを照射および検出に使用することが可能である。
【0014】
スプリッタ要素は、偏光ビームスプリッタを含むことができる。これによって、照射光ビームと検出光ビームとが相対的に少ない損失で分離されることが可能である。
【0015】
装置は、レセプタクルからフォトニック集積回路への光路内のスキャナデバイスをさらに備えることができる。これを用いることによって、例えば、ウェハ上の複数のフォトニック集積回路を連続的に走査することができる。
【0016】
さらなる態様によれば、フォトニック集積回路をテストするためのテストカードであって、テストを目的として照射されることになるフォトニック集積回路の場所に対応するように配置構成されている、フォトニック集積回路を照射するための複数の光出口を備える、テストカードが提供される。
【0017】
そのようなテストカードおよび上記で言及した装置によれば、それぞれのフォトニック集積回路のテストを単純な様式で可能にすることができる。
【0018】
テストカードは、少なくとも1つの光ファイバを介して光出口に接続されている光源をさらに備えることができる。これに関連して、テストされるフォトニック集積回路は、光源からの光によって照射することができる。この場合、「光源」という用語はまた、それぞれ割り当てられた光ファイバによってそれぞれ割り当てられた光出口に接続される、例えば、発光ダイオードなどの複数の個々の光源を有する構成も包含する。
【0019】
1つの変形形態において、光出口は、少なくとも1つの光ファイバの端部に対応することができる。このとき、端部は、アタッチメント光学ユニット(attachment optical unit)になお接続することができる。
【0020】
別の変形形態において、テストカードは、フォトニック集積回路を備える。これに関連して、テストを目的とした様々な構成要素を統合することが可能である。
【0021】
付加的にまたは代替的に、テストカードは、電気光学回路基板を備えることができる。このように、実施態様の様々な可能性が存在する。
【0022】
光出口は、例えば、格子結合器としての実施形態によって、偏光光を出力するように構成することができる。このとき、そのようなテストカードは、特に、偏光ビームスプリッタを使用する上述したとともに使用することができる。
【0023】
テストカードは、フォトニック集積回路のテスト中に光を放出する、フォトニック集積回路の発光場所に対応するように配置構成されている、フォトニック集積回路からの光を受信するための複数の光入口をさらに備えることができる。このとき、そのようなテストカードは、照射と検出の両方の目的に使用することができる。
【0024】
さらなる態様によれば、フォトニック集積回路をテストするためのテストカードであって、フォトニック集積回路のテスト中に光を放出する、フォトニック集積回路の発光場所に対応するように配置構成されている、フォトニック集積回路からの光を受信するための複数の光入口をさらに備える、テストカードが提供される。そのようなテストカードは、特に、スプリッタ要素を有する上述した装置内のさらなるテストカードとして使用することができる。
【0025】
さらなる態様によれば、フォトニック集積回路をテストするためのシステムであって、上述したような装置と、上述したようなテストカードとを備え、上記テストカードは、レセプタクル内に受け入れられる、システムが提供される。
【0026】
システムは、回路基板をさらに備えることができ、回路基板は、フォトニック集積回路と接触するように構成されており、
回路基板の表面と回路基板の裏面との間に延在し、裏面に隣接して位置付けられているフォトニック集積回路の電気インターフェースに接触するように構成されている少なくとも1つの導電体トラックを備える。
【0027】
これに関連して、テストされるフォトニック集積回路の電気的接触を付加的に行うことができる。
【0028】
回路基板は、電気光学回路基板とすることができ、これは、電気光学回路基板の表面と電気光学回路基板の裏面との間に延在し、裏面に隣接して位置付けられているフォトニック集積回路の光インターフェースに接触するように構成されている少なくとも1つの光ビーム経路を付加的に備える。
【0029】
さらなる態様によれば、フォトニック集積回路であって、第1の偏光を有する光を入力結合するための入力結合要素、および、第1の偏光とは異なる第2の偏光を有する光を出力結合するための出力結合要素を有するテスト構造を備え、入力結合要素および出力結合要素は、フォトニック集積回路に光学的に接続されている、フォトニック集積回路が提供される。そのようなフォトニック集積回路は、偏光ビームスプリッタを使用する上述したような装置によってテストすることができる。
【0030】
フォトニック集積回路は、一方における入力結合要素および出力結合要素、ならびに、他方におけるフォトニック集積回路の間のソーイングラインをさらに備えることができる。テスト後、次いで、ソーイングラインに沿って分離を実施することができ、その結果、エッジ結合器が生じ得、次いで、フォトニック集積回路を、その使用のために供給することができる。
【0031】
入力結合要素および出力結合要素は、共通の要素として形成することができる。これは、空間が節約されることを可能にする。
【0032】
フォトニック集積回路は、光学的に導波路と短絡される、位置整合を目的とした少なくとも1つの組み合わせ入力/出力結合要素(combined input/output coupling element)をさらに備えることができる。
【0033】
これはまた、上記で言及したテスト構造とは独立して可能でもあり、結果、さらなる態様によれば、フォトニック集積回路であって、光学的に導波路と短絡される、位置整合を目的とした少なくとも1つの組み合わせ入力/出力結合要素をさらに備える、フォトニック集積回路が提供される。そのような短絡入力/出力結合要素は、上述したシステムにおけるテストカードの位置整合を容易にすることを可能にする。
【0034】
さらなる態様によれば、上述した装置を使用してフォトニック集積回路をテストするための方法であって、
上述したテストカードをレセプタクルに挿入することと、
テストカードを(例えば、短絡入力/出力結合要素を用いて)位置整合させることと、
テストカードを用いることによって、すなわち、テストカードを用いて照射し、テストカードまたはさらなるテストカードを用いることによってフォトニック集積回路から出る光を検出することによって、フォトニック集積回路をテストすることと
を含む、方法が提供される。
【0035】
ここで、添付の図面を参照して、様々な例示的実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】1つの例示的な実施形態によるシステムのブロック図である。
図2】1つの例示的な実施形態によるシステムの図である。
図3A】異なる例示的な実施形態によるテストカードを示す図である。
図3B】異なる例示的な実施形態によるテストカードを示す図である。
図4A】いくつかの例示的な実施形態による、偏光に基づく分離を明らかにするための図である。
図4B図4Aの修正を示す図である。
図5】1つの例示的な実施形態によるシステムを示す図である。
図6】さらなる例示的な実施形態によるシステムを示す図である。
図7】フォトニック集積回路のいくつかの例示的な実施形態の場合のテスト構造の提供を明らかにする図である。
図8】フォトニック集積回路のいくつかの例示的な実施形態の場合の位置整合構造の提供を明らかにする図である。
図9】上述したシステムを使用してフォトニック集積回路をテストするための方法を示すためのフロー図である。
図10】1つの例示的な実施形態による、追加の電気光学回路基板を有するさらなるシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
様々な例示的な実施形態が、下記に詳細に説明される。これらの例示的な実施形態は、例示のみのために提供されており、限定として解釈されるべきではない。
【0038】
複数の異なる例示的な実施形態の特徴(例えば、構成要素、方法ステップ、要素など)は、これが明示的に指示されていない場合であっても、互いに組み合わせることができる。例示的な実施形態のうちの1つについて記載されている変形、修正および詳細はまた、他の例示的な実施形態にも適用可能であり、したがって、繰り返し説明されない。明示的に図解および説明されている特徴に加えて、他の特徴、特に、フォトニック集積回路をテストするための従来の装置および対応するフォトニック集積回路の特徴も、提供することができる。そのような従来の特徴は、明示的に説明されない。
【0039】
図1は、1つの例示的な実施形態によるフォトニック集積回路12をテストするためのシステムを示す。図1のシステムは、光学ユニット11と、テストされるフォトニック集積回路12と協調されるテストカード10とを備える。光学ユニット11は、テストカード10をフォトニック集積回路12上に結像する(images)。この場合、テストカード10は、矢印13によって指示されている、光出口、光入口、または両方、すなわち、光ポートを備える。これらは、光学ユニット11によってフォトニック集積回路12上に結像され(imaged)、結果、後者は、テストカード10の光出口に対応する点において照射され、および/または、テストカード10は、対応して、同じく矢印14によって指示されているような、照射に応答してフォトニック集積回路12によって放出される光を、光入口において受信する。言い換えれば、テストカード10およびフォトニック集積回路12は、光学ユニット11の対物面および割り当てられた像面内に配置される。この場合、対応するマウント15または他のレセプタクルを、テストカード10のために提供することができる。レセプタクルは、テストカード10の精密な配置を可能にするために、例えば、マイクロメートルねじゲージ、圧電素子などによって、位置整合可能であり得る。そのようなレセプタクルを提供することによって、あるタイプのテストされるフォトニック集積回路のための対応するテストカードを、各事例において図1のシステムに挿入することができる。他の例示的な実施形態において、テストカードはレセプタクル内に固定的に(交換不可能に)設置される。この場合、1つのタイプのフォトニック集積回路のみがテストされ得る。
【0040】
ここで、テストカード10は、特に、複数の場所にある複数の光出口を備えることができ、結果、フォトニック集積回路12は、複数の点において同時に照射することができる。逆に、フォトニック集積回路12の複数の点からの光も、様々な光入口において同時に受信され、その後、対応して評価され得る。結果として、光学ユニット11およびテストカード10の寸法決定に従って、フォトニック集積回路12上の対応するサイズの領域の同時テストが可能である。例として、テストカード10が対応するサイズであり、光学ユニット11が対応して寸法決定される場合、フォトニック集積回路12全体を並列にテストすることができ、または、ウェハ上に配置された複数のフォトニック集積回路を並列にテストすることもできる。しかしながら、フォトニック集積回路12はまた、例えば、ウェハ上にともに配置された同一タイプの複数の部分領域、例えば、複数のフォトニック集積回路を連続的にテストすることができるように、可動とすることもでき、例えば、試料ステージ上に配置することもできる。
【0041】
このとき、評価自体は、任意の従来の様式で実行することができる。ここで、後続の図面を参照して、図1のシステムなどのシステムの実施態様詳細を説明する。
【0042】
図2は、さらなる例示的な実施形態によるシステムを示す。図2のシステムは、測定ユニット28と、顕微鏡20と、可動試料ステージ210とを備える。テストされるフォトニック集積回路22を有するウェハ29が、試料ステージ210上に配置される。測定ユニット28は、図1を参照してすでに論じたテストカード10に対応することができ、当該テストカードのように、対応するマウント内に配置することができるテストカード24を備える。テストカード24は、光出口および光入口の例として、複数の入力/出力結合要素25を備える。テストカード24の構造の例は、図3Aおよび図3Bを参照して下記にさらにより詳細に説明する。さらに、測定ユニット28は、光源27と、検出器26とを備える。光源27は、入力/出力結合要素25の出力結合要素に接続されており、結果、対応する出力結合要素においてテストカード24によって光が放出される。検出器26は、入力/出力結合要素25の入力結合要素に接続されており、フォトニック集積回路22から出る光を受信する。
【0043】
この目的のために、顕微鏡20は、対応する顕微鏡光学ユニットを用いることによって、テストカード24、特にその入力/出力結合要素25を、フォトニック集積回路22の対応する入力/出力結合要素25上に結像する(images)。フォトニック集積回路22の入力/出力結合要素23は、例えば、従来から特にテストを目的としてフォトニック集積回路において使用されている格子結合器または他の入力/出力結合要素とすることができる。それらはまた、ここでは特にフォトニック集積回路22のテストに使用される入力/出力結合要素23とすることもでき、一方、フォトニック集積回路22の後の通常動作において、他の入力/出力結合要素は、光を入力結合および出力結合するために使用される。
【0044】
このように、入力/出力結合要素25の中からの複数の出力結合要素から、光をフォトニック集積回路の対応する入力結合要素23に同時に提供することができ、出力結合要素23からフォトニック集積回路によって、それに応答して、対応して放出される光を受信することができ、検出器26を用いることによって評価することができる。この場合、検出器26は、任意のタイプの検出器およびそれに結合されている評価回路を表すと考えられるものとする。評価は、例えば、受信光ビームの存在もしくは受信光ビームの強度に従って行うことができるか、または、フォトニック集積回路22を通じた光の伝播経路に沿った擾乱の位置特定を可能にする光時間領域反射測定法もしくは光周波数領域反射測定法などのより複雑な測定方法を含むこともできる。
【0045】
任意選択的に、顕微鏡20は、導入部において引用したDE102017101626A1に記載の走査ユニットと同様の走査ユニット21を含むことができる。これに関連して、例えば、顕微鏡20を用いることによる結像の正確な位置整合を行うことができ、すなわち、入力/出力結合要素25を、入力/出力結合要素23と合致させることができる。可動ステージ210を動かすことおよび/または走査ユニット21を使用することによって、このとき、例えば、ウェハ29上の複数のフォトニック集積回路22を連続的にテストすることが可能である。
【0046】
いくつかの例示的な実施形態において、テストカード24は、フォトニック集積回路22と同じサイズである。他の実施形態において、テストカードは、フォトニック集積回路22よりも大きくもしくは小さく、フォトニック集積回路22に対してスケーリングすることができ、顕微鏡20は、このとき、対応する拡大または縮小結像を保証する。例えば、テストカード24のより大きい具現化の結果として、より多くの構造空間が利用可能であり、スケーリングの結果として製造公差をより大きくすることが許容され、したがって、テストカード24を、顕微鏡20を用いることによって対応して縮小した様式でフォトニック集積回路22上に結像する(imaged)ことができるため、テストカード24の生産を容易にすることができる。さらに他の例示的な実施形態において、テストカード24はまた、顕微鏡20のような光学ユニットの歪みを補償するために、湾曲のようなトポロジを有することもできる。最終的に、フォトニック集積回路22の所望の照射が行われ、および/または、フォトニック集積回路からの光が検出されるように、入力/出力結合要素25が入力/出力結合要素23上に結像され(imaged)、または、その逆が行われる、テストカード24および顕微鏡20の任意の実施形態が可能である。
【0047】
ここで、テストカード24の様々な実施形態を、図3Aおよび図3Bを参照して説明する。
【0048】
図3Aは、光ファイバ30を用いることによって構築されるテストカード24Aを示す。テストカード24A上の光ファイバ30のファイバ端は、図2の入力/出力結合要素25を構成する。このように入力/出力結合要素25を形成するために、小型化アタッチメント光学ユニットを付加的にファイバ端に適用することができる。
【0049】
顕微鏡20から外方に面する側において、このとき、任意のファイバ結合測定システムを接続することができ、検出器26がその一例である。図3Aの場合、例えば、セラミック、硬質金属または適切なプラスチックなどの対応する材料におけるV字状の窪みまたはフェルールを用いることによって、ファイバ端の高い位置付け正確度および安定性を達成することができる。ファイバは、行または二次元マトリックスに配置構成することができる。
【0050】
図3Bは、それ自体フォトニック集積回路または電気光学回路基板として構築することができるテストカード24Bを示す。電気光学回路基板は、例えば、DE102018108283A1に記載されている。フォトニック集積回路として具現化される場合、光ファイバ30は、格子結合器またはエッジ結合器を用いることによって接続することができる。図3Aの例示的な実施形態においては、その後、さらなる測定システムを接続することができる。そのような格子結合器またはエッジ結合器は、特に、テストカード24Bの、試料から外方に面する側に配置することができる。顕微鏡20に、したがって、試料22に面する入力/出力結合要素25も、同様に、格子結合器またはエッジ結合器として実現することができる。同様にして、テストカード24Bが電気光学回路基板として具現化される場合、光ファイバ30は、プリズムまたはエッジ結合器によって接続することができる。試料側結合要素25はまた、プリズムまたはエッジ結合器によって実現することもできる。
【0051】
図3Bの場合、光源、検出器、変調器および分光計などのさらなる機能も、フォトニック集積回路または電気光学回路基板として実現されるテストカード24B内に実現することができ、結果、測定システムの一部または全体が、テストカード24B自体の中に実現される。言い換えれば、検出器26および/または光源27はまた、光ファイバ30による結合を必要とすることなく、テストカード24B内に直接的に実現することもできる。
【0052】
上述した例示的な実施形態の場合、フォトニック集積回路に入射する光は、フォトニック集積回路から出る光から空間的に分離されて、したがって、照射と測定との間の分離が達成される。言い換えれば、光は、光が受信されるものとは異なる入力/出力結合要素において、テストカード24によって放出される。付加的にまたは代替的に、偏光に基づく分離を実施することができる。これは、図4図6を参照して説明する。
【0053】
フォトニック集積回路の場合、偏光感受性は、概して、対応する方向において位置整合された格子結合器を用いることによって獲得することができる。図4Aは、対応する例を示す。
【0054】
図4Aは、導波路を介して入力結合格子43および出力結合格子41に接続されている、テストされるフォトニック集積回路40(DUT、被テストデバイス)を示す。入力結合格子43および出力結合格子41は、フォトニック集積回路をテストするためにのみ使用される特定のテスト構造とすることができる。そのような構造は、フォトニック集積回路40が上に形成され、テスト後に、例えばソーイングライン46に沿って部分的に分離することができるウェハ上に配置することができる。このとき、フォトニック集積回路40の2つのエッジ結合器が、ソーイングラインにおいて導波路の縁部に生じる。この場合、出力結合に使用される格子結合器41と比較すると、光の入力結合に使用される格子結合器43は、格子が直交方向に位置整合しており、結果、格子結合器43は、矢印45に従う偏向を有する光を入力結合し、一方、格子結合器41は、矢印46に従う偏光を有する、すなわち、入力結合される光の偏光に垂直な偏光を有する光を出力結合する。矢印42および44は、光が格子結合器42からフォトニック集積回路40へと、および、フォトニック集積回路40から格子結合器41へとどのように誘導されるかを象徴する。
【0055】
図4Bに示すように、別個の格子結合器41、43の代わりに、二重偏光格子結合器(dual polarization grating coupler)47を使用することもできる。それ以外では、図4B図4Aに対応する。したがって、図4Bの場合、図4Aの場合のように、2つの別個のエッジ結合器が、同様にソーイングライン46において利用可能である。すなわち、このとき、光は縁部において入力結合および出力結合され得る。
【0056】
図5は、図4Aおよび図4Bを参照して説明したような偏光感受性入力および出力結合を有するフォトニック集積回路22を使用する1つの例示的な実施形態によるシステムを示す。図5は、対応する偏光分離が顕微鏡内で実現されるシステムを示す。図5のシステムは、この場合、図4Aおよび図4Bを参照して説明したように、少なくともテストを目的として入力結合および出力結合に対して別個の偏光を使用する、フォトニック集積回路22をテストするための第1のテストカード24C、第2のテストカード24Dおよび顕微鏡20Aを備える、すなわち、対応するテスト構造を備える。テストカード24Cは、光源26からの光を伝送する役割を果たし、テストカード24Dは、光を受信し、検出器27を用いることによって検出する役割を果たす。テストカード24Cから出る光は、対応する偏光を有する偏光ビームスプリッタ50を、フォトニック集積回路22へと通過し、次いで、図4Aの入力結合格子43などの入力結合格子によって入力結合される。対照的に、フォトニック集積回路22から出る光は、偏光ビームスプリッタ50を通じてテストカード24Dへと方向付けられ、そこで分析される。偏光ビームスプリッタ50を別にすれば、顕微鏡20Aは、図2の顕微鏡20に対応する。偏光光を使用せず、単純なビームスプリッタを使用するソリューションと比較すると、このとき、より大きい割合の光が検出器27へと通過し、評価され得る。
【0057】
偏光分離ならびに別個のテストカードの使用および異なる偏光の使用を別にすれば、図5の例示的な実施形態は、図2のものに対応し、他の詳細は、図2を参照して論じたように実施され得る。テストカード24C、24Dは各々、図3Aおよび図3Bを参照して論じたように実施することができ、この場合、図示されている例示的な実施形態においては、光を放出するための構成要素(例えば、光出口)のみがテストカード24C内に実施され、光を受信するための構成要素(例えば、光入口)のみがテストカード24D内に実施される。他の例示的な実施形態において、2つのテストカード24C、24Dのうちの一方または両方のテストカード24C、24Dが、光を放出するための構成要素を備え、光を受信するための構成要素も備えることができる。
【0058】
図6は、代替的なシステムを示す。ここで、顕微鏡20は、図2の顕微鏡20に対応し、特に、図5の顕微鏡20Aとは対照的に、偏光ビームスプリッタを備えない。図6のシステムは、テストカード24Eをさらに備える。テストカード24Eは、光の入力結合と出力結合の両方が行われる、入力/出力結合要素61などの入力/出力結合要素を備える。これらの入力/出力結合要素61は、このとき、偏光ビームスプリッタ60を介して光源27と検出器26の両方に接続される。したがって、ここで、ビーム分割は、図5の場合のように顕微鏡20内で行われるのではなく、テストカード24E内でまたはその下流で行われる。
【0059】
すでに言及したように、複数のテストされるフォトニック集積回路をウェハ上に提供することができる。それに接続されている結合格子は、ともに近くに配置することができる。一例が、図7に示されている。図7は、図示のように対応する導波路を介して3つの二重偏光格子結合器70a~70cに接続されている、4つのテストされるフォトニック集積回路40A~40Cを有する。この場合、二重偏光格子結合器70a~70cは、図4Bの二重偏光格子結合器47に対応する。図4Aによる別個の入力結合格子結合器および出力結合格子結合器を有する同様の構成も可能である。
【0060】
図7に示すように、二重偏光格子結合器70a~70cは、ともに近くに配置されている。このように、全体的に、対応するウェハ上の比較的小さいチップ面積のみが、結合器Aのために必要とされ、このとき、対応するテストカードは、光が上記結合器70a~70c上に放射され、それらから光が受信されるように具現化される。図4Aおよび図4Bを参照して説明したように、ソーイングライン46に沿って切断した後、2つのエッジ結合器が、その後、各事例において、フォトニック集積回路40A~40Cの各々に対して利用可能になる。1つの光入力および1つの光出力(二重偏光格子結合器としての組み合わせにおけるか、または、別個の格子結合器によるもののいずれか)が、図4Aおよび図4Bならびにまた図7において各テストされるフォトニック集積回路について示されているが、他の実施形態においては、2つ以上の入力結合要素および/または2つ以上の出力結合要素が、1つ、複数またはすべてのテストされるフォトニック集積回路に割り当てられることも可能である。
【0061】
すでに簡潔に説明したように、テストを目的として、それぞれのテストカード(例えば、図2の24)または複数のテストカード(例えば、図5の24C、24D)は、それぞれテストされるフォトニック集積回路(例えば、22)が、正しい場所において照射され、光が正しい場所から収集されるように、正しく位置整合されなければならない。この位置整合を容易にするために、いくつかの例示的な実施形態において、光学位置整合マーカを使用することができる。複数のテストされるフォトニック集積回路を有する、テストされるウェハまたはチップ80の対応する例示的な実施形態が、図8に示されている。図8において、4つの二重偏光格子結合器81A~81Dが提供され、これらは、それぞれの導波路によってそれら自体と短絡され、すなわち、入射光が、偏光を改変されて再び直接的に放出される。これは、対応して、図5および図6のシステムを使用してテストすることができる、すなわち、結合器81A~81Dに割り当てられた点において図6のテストカード24Eまたは図5のテストカード24Cから出る光が、図6のテストカード24Eまたは図5のテストカード24Dの対応する点(その事例においては同一の点)において受信されるか否かをテストすることが可能である。この場合、2つの結合要素81A~81Dが、二次元配置構成に対して必要とされ、3つの結合要素が、三次元配置構成に対して必要とされ、例えば、図8に示すように、4つの結合要素など、より多くの結合要素を提供することも可能である。
【0062】
上述したシステムの様々な変形例が可能である。
【0063】
偏光に基づいて分離する代わりに、他の例示的な実施形態において、偏光スプリッタの代わりにサーキュレータが使用される場合、伝播方向、入射光または受信光による分離を行うこともできる。
【0064】
その上、半透鏡または折り畳み可能ミラーを、従来のように顕微鏡20および20A内に設けることができ、このミラーは、フォトニック集積回路からの光をカメラ上へと方向付け、したがって、外観像を可能にする。
【0065】
図9は、上述したシステムを使用してフォトニック集積回路をテストするための方法を示すためのフロー図を示す。
【0066】
ステップ90において、図1のテストカード10、図2のテストカード24または論じられているテストカード24A~24Eのうちの1つなどのテストカードが、顕微鏡20、20Aなどの対応する装置に挿入される。必要に応じて、ステップ91において、その後、テストカードは、例えば、図8の結合要素81A~81Dを使用して方向付けられ、位置整合される。その後、それぞれのフォトニック集積回路は、中に放射される光によってテストされ、それに応答して、装置を参照してすでに説明したように、光が測定される。
【0067】
図10は、1つの例示的な実施形態による、追加の電気光学回路基板を有するさらなるシステムのブロック図を示す。
【0068】
フォトニック集積回路の光学的接触に加えて、電気的接触を提供するために、電気光学回路基板(EOCB)を、フォトニック集積回路(PIC)に隣接して配置することができる。そのような電気光学回路基板は、例えば、文献DE102018108283A1に記載されている。
【0069】
電気光学回路基板は、電気光学回路基板の表面と電気光学回路基板の裏面との間に延在し、裏面に隣接して位置付けられているフォトニック集積回路の電気インターフェースに接触するように構成されている少なくとも1つの導電体トラックを備えることができ、電気光学回路基板の表面と電気光学回路基板の裏面との間に延在し、裏面に隣接して位置付けられているフォトニック集積回路の光インターフェースに接触するように構成されている少なくとも1つの光ビーム経路をさらに備えることができる。
【0070】
図10に見てとれるように、電気光学回路基板は、フォトニック集積回路上に配置することができ、結果、矢印16によって指示されるように、電気信号と光信号の両方を電気光学回路基板によって電気光学回路基板とフォトニック集積回路との間で通すことができる。この場合、光学ユニット11は、テストカード10を電気光学回路基板上に結像し(images)、結果、電気光学回路基板は、矢印14によって指示されるように、テストカード10の光出口に対応する点において照射され、光信号をフォトニック集積回路に通す。対応して、電気光学回路基板は、照射に応答してフォトニック集積回路12によって放出される光を受信することができ、同じく矢印14によって指示されているように、光学ユニット11またはテストカード15に光を通すことができる。結果として、電気光学回路基板は、光信号をテストカード15とフォトニック集積回路12との間で通し、付加的に、フォトニック集積回路の電気的接触を提供する。
【0071】
さらなる例示的な実施形態において、電気光学回路基板、または代替的に純粋に電気的な回路基板はまた、光学ユニット11に関してフォトニック集積回路の反対側に配置することもできる。結果として、フォトニック集積回路は、フォトニック集積回路の、光学ユニット11に面する側で純粋に光学的に接触され得、付加的に、フォトニック集積回路の、光学ユニット11から外方に面する側から純粋に電気的に接触され得る。この場合、フォトニック集積回路の電気的および光学的接触は、文献DE102018108283A1に記載のように行うことができる。
【0072】
電気光学回路基板を使用することによって、フォトニック集積回路を特に単純に接触させることが可能である。例として、電気光学回路基板の裏面のトポロジを、フォトニック集積回路のトポロジに適合させることができる。これは、少なくとも1つの光ビーム経路によって形成される光結合点の横方向の配置構成が、フォトニック集積回路の光インターフェースのトポロジに適合されることを意味する。フォトニック集積回路の集積密度が高い場合、これは、電気光学回路基板の裏面の隣接する結合点間の平均距離が、例えば、マイクロメートルの範囲内など、比較的小さいことを意味し得る。特に、裏面の結合点間の平均距離は、電気光学回路基板の表面の結合点間の平均距離よりも小さくすることができる。テストカードを光結合点に従って電気光学回路基板上へと結像する(image)ために比較的低い位置付け正確度のみが必要とされるため、これによって、自動的に、電気光学回路基板の表面の結合点を介してフォトニック集積回路との光学的接触を、特に信頼可能に生成することを可能にすることができる。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)をテストするための装置であって、
複数の光ポート(25、61)を有するテストカード(24;24A~24E)のためのレセプタクルと、
テストされるフォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)に前記テストカード(24;24A~24E)を結像する(imaging)ための光学ユニット(11;20;20A)と
を備える、装置。
【請求項2】
光入口(25)を有するさらなるテストカード(24;24A~24E)のためのレセプタクルをさらに備え、前記光学ユニット(11;20;20A)は、テストカード(24;24A~24E)から前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)へと光を通過させ、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)からさらなる前記テストカード(24;24A~24E)へと光を通過させるように構成されているスプリッタ要素(50)を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スプリッタ要素(50)は、偏光ビームスプリッタを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記レセプタクルから前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)への光路内のスキャナデバイス(21)をさらに備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項5】
フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)をテストするためのテストカード(10;24;24A~24E)であって、テストを目的として照射されることになる前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)の場所に対応するように配置構成されている、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)を照射するための複数の光出口(25、61)を備える、テストカード(10;24;24A~24E)。
【請求項6】
少なくとも1つの光ファイバ(30)を介して前記光出口(25、61)に接続されている光源(26)をさらに備える、請求項5に記載のテストカード(10;24;24A~24E)。
【請求項7】
前記光出口(25、61)は、前記少なくとも1つの光ファイバ(30)の端部に対応する、請求項6に記載のテストカード(10;24;24A~24E)。
【請求項8】
前記テストカード(10;24;24A~24E)は、フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)を備える、請求項5または6に記載のテストカード(10;24;24A~24E)。
【請求項9】
前記テストカードは、電気光学回路基板を備える、請求項5または6に記載のテストカード(10;24;24A~24E)。
【請求項10】
前記光出口(25、61)は、偏光光を出力するように構成されている、請求項5または6に記載のテストカード(10;24;24A~24E)。
【請求項11】
前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)のテスト中に光を放出する、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)の発光場所に対応するように配置構成されている、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)からの光を受信するための複数の光入口(25、61)をさらに備える、請求項5または6に記載のテストカード。
【請求項12】
フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)をテストするためのテストカード(10;24;24A~24E)であって、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)のテスト中に光を放出する、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)の発光場所に対応するように配置構成されている、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)からの光を受信するための複数の光入口(25、61)を備える、テストカード(10;24;24A~24E)。
【請求項13】
フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)をテストするためのシステムであって、請求項1または2に記載の装置と、請求項5、6、7、または12に記載のテストカード(10;24;24A~24E)とを備え、前記テストカードは、レセプタクル内に受け入れられる、システム。
【請求項14】
前記装置は、請求項2に従って具現化され、前記システムは、請求項11に記載のテストカード(10;24;24A~24E)を備え、前記テストカードは、さらなる前記レセプタクル内に受け入れられる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
回路基板をさらに備え、前記回路基板は、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)と接触するように構成されており、
前記回路基板の表面と前記回路基板の裏面との間に延在し、前記裏面に隣接して位置付けられている前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)の電気インターフェースに接触するように構成されている少なくとも1つの導電体トラックを備える、請求項13記載のシステム。
【請求項16】
フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)であって、第1の偏光を有する光を入力結合するための入力結合要素(41;70)、および、前記第1の偏光とは異なる第2の偏光を有する光を出力結合するための出力結合要素(41;47)を有するテスト構造を備え、前記入力結合要素および前記出力結合要素は、前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)に光学的に接続されている、フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)。
【請求項17】
一方における前記入力結合要素(41;70)および前記出力結合要素、ならびに、他方における前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)の間のソーイングライン(46)をさらに備える、請求項16に記載のフォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)。
【請求項18】
前記入力結合要素および前記出力結合要素は、共通の要素(47)として形成される、請求項16および17のいずれかに記載のフォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)。
【請求項19】
光学的に導波路と短絡される、位置整合を目的とした少なくとも1つの組み合わせ入力/出力結合要素をさらに備える、請求項16または17に記載のフォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)。
【請求項20】
フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)であって、光学的に導波路と短絡される、位置整合を目的とした少なくとも1つの組み合わせ入力/出力結合要素を備える、フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)。
【請求項21】
請求項1または2に記載の装置を使用してフォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)をテストするための方法であって、
請求項5、6、7、または12に記載のテストカード(10;24;24A~24E)をレセプタクルに挿入することと、
前記テストカード(10;24;24A-24E)を位置整合させることと、
前記テストカード(10;24;24A~24E)を用いることによって前記フォトニック集積回路(12;22;40;40A~40C)をテストすることと
を含む、方法。
【国際調査報告】