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特表2025-505608機械的に作動させられる排出弁をもつ基板容器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-28
(54)【発明の名称】機械的に作動させられる排出弁をもつ基板容器
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20250220BHJP
   F16K 17/196 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
H01L21/68 T
F16K17/196 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546111
(86)(22)【出願日】2023-02-02
(85)【翻訳文提出日】2024-09-19
(86)【国際出願番号】 US2023012219
(87)【国際公開番号】W WO2023150230
(87)【国際公開日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】63/306,307
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フラー, マシュー エー.
(72)【発明者】
【氏名】スミス, マーク ヴイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハー, コルトン ジェー.
【テーマコード(参考)】
3H060
5F131
【Fターム(参考)】
3H060AA02
3H060BB03
3H060CC40
3H060DC05
3H060DD12
3H060EE04
3H060HH20
5F131AA03
5F131AA12
5F131BA01
5F131BA17
5F131BA21
5F131CA12
5F131CA36
5F131DD43
5F131DD67
5F131DD86
5F131GA14
5F131GA15
5F131GA24
5F131GA63
5F131GA83
5F131GA88
5F131GA92
5F131HA29
5F131JA04
5F131JA08
5F131JA12
5F131JA14
5F131JA15
5F131JA20
5F131JA28
5F131JA34
5F131JA35
5F131KA56
(57)【要約】
システムが提供される。システムは、少なくとも2つのパージモジュールを有する基板容器を含む。少なくとも2つのパージモジュールの各パージモジュールは、流量制御デバイスを含む。各パージモジュールの流量制御デバイスは、パージ流体の流出のために作動させられるように構成される。基板容器のパージモジュールの流量制御デバイスを作動させる方法が提供される。方法は、基板容器のパージプロセスを開始することと、基板容器の内部にパージ流体を流すことであって、基板容器が、少なくとも2つのパージモジュールを有し、少なくとも2つのパージモジュールの各パージモジュールが、流量制御デバイスを含み、各パージモジュールの流量制御デバイスが、パージ流体の流出のために作動させられるように構成された、パージ流体を流すことと、パージ流体の流出のために流量制御デバイスを作動させることとを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのパージモジュールを有する基板容器を備え、
前記少なくとも2つのパージモジュールの各パージモジュールが、流量制御デバイスを含み、
各パージモジュールの前記流量制御デバイスが、パージ流体の流出のために作動させられるように構成された、システム。
【請求項2】
前記基板容器が、前面開口一体型ポッド(FOUP)である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記流量制御デバイスを作動させるように構成されたコントローラをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記流量制御デバイスが、チェック弁であり、前記チェック弁は、前記チェック弁が、前記基板容器の外側からの圧力または力によって開けられるように方向付けされた、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記流量制御デバイスのクラッキング圧力が、前記基板容器のドアシールのクラッキング圧力よりも大きい、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも2つのパージモジュールが、4つのパージモジュールを含み、前記システムが、コントローラをさらに含み、
前記コントローラが、前記基板容器内のパージ流体流の所望のパージを維持するために、前記4つのパージモジュールの流量制御デバイスの組み合わせを選択的に作動させるように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムが、コントローラをさらに含み、
クローズドアパージプロセス中に、前記コントローラが、前記基板容器の検知された内圧に基づいて、前記流量制御デバイスを作動させるように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムが、コントローラをさらに含み、
クローズドアパージプロセス中に、前記コントローラが、タイミングに基づいて、前記流量制御デバイスを作動させるように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムが、コントローラをさらに含み、
クローズドアパージプロセス中に、前記コントローラが、前記基板容器の検知された内部相対湿度に基づいて、前記流量制御デバイスを作動させるように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムが、コントローラをさらに含み、
クローズドアパージプロセス中に、前記コントローラが、前記基板容器の検知された内部酸素レベルに基づいて、前記流量制御デバイスを作動させるように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムが、コントローラをさらに含み、
クローズドアパージプロセス中に、前記コントローラが、前記基板容器内の1つまたは複数の揮発性有機化合物の検知された存在に基づいて、前記流量制御デバイスを作動させるように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも2つのパージモジュールの各パージモジュールが、粒子フィルタまたは通気口を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
圧力逃がし弁をさらに備え、
前記圧力逃がし弁は、システム圧力がしきい値以上であるとき、開くように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
基板容器のパージモジュールの流量制御デバイスを作動させる方法であって、
前記基板容器のパージプロセスを開始することと、
前記基板容器の内部にパージ流体を流すことであって、前記基板容器が、少なくとも2つのパージモジュールを有し、前記少なくとも2つのパージモジュールの各パージモジュールが、流量制御デバイスを含み、各パージモジュールの前記流量制御デバイスが、前記パージ流体の流出のために作動させられるように構成された、パージ流体を流すことと、
前記パージ流体の流出のために前記流量制御デバイスを作動させることと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、前面開口一体型ポッド(FOUP)など、基板容器のパージモジュールの流量制御デバイスを作動させることを含む、基板容器のパージプロセス制御を対象とする。
【背景技術】
【0002】
ウエハの形態の基板が、半導体デバイスを形成するために処理され得る。基板は、ガラス、シリコン、または半導体デバイスに好適な任意の他の材料を含み得る。基板は、パネル形状を有し得、パネルは、円形、矩形、または容器中での処理および搬送に好適な任意の他の形状であり得る。ウエハ基板(以下「基板」)は、材料層堆積、ドーピング、エッチング、あるいは特定の基板の材料を化学的にまたは物理的に反応させることを含む、一連のプロセスステップを受ける。基板容器が、基板を格納し、処理中の基板を製造設備内で移送するために使用される。基板容器は、たとえば、FOUPを含み、FOUPは、一般的に、基板を保持するための内部空間を有するシェルと、たとえば、FOUPが処理設備のあちこちに移動され得るように様々なコンベヤおよび他のデバイスとインターフェースするためのプレートとを含む。シェルおよびプレートは、たとえば、溶接、コネクタなどによって互いに固定される。
【0003】
処理中に、気体が、たとえばパージプロセス中に、FOUPに導入され、FOUPから取り除かれなければならず、これにより、FOUPは、気体がFOUPに入るかまたはFOUPを出ることができる1つまたは複数のロケーションを有することを要される。たとえば、基板は、一般に、FOUPを受け取るためのロードポートと、転送ユニットと、フレームまたは「ミニエンバイロメント」と、機器フロントエンドモジュール(EFEM)内で気体流を生成するために使用されるファンフィルタユニットとを含むEFEMを通って、FOUPから処理機器に転送され得る。
【0004】
FOUPが、ロードポートにドッキングさせられたとき、ロードポートのドアは、FOUPのドアとインターフェースし、FOUPのシェルからFOUPのドアを分離する。FOUPのドアが、シェルから分離された(開けられた)とき、EFEMは、EFEM内に収容された転送ユニットが、FOUP内に格納された基板にアクセスすることを可能にする。ファンフィルタユニットによって導入された気体の流れは、EFEM中をEFEMの上部からEFEMの底部に流れる。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、たとえば、半導体製造において使用される基板容器のパージモジュールの1つまたは複数の流量制御デバイスを作動させることを含む、基板容器のパージプロセス制御を対象とする。より詳細には、本開示は、パージングの間にリアルタイムで、タイミングに基づいて、および/または、相対湿度、酸素レベル、内圧、揮発性有機化合物など、基板容器上のまたは基板容器内の検知された環境条件に基づいて、パージモジュールの1つまたは複数の流量制御デバイスを構成し、作動させることを対象とする。
【0006】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、システムは、少なくとも2つのパージモジュールを有する基板容器を含む。少なくとも2つのパージモジュールの各パージモジュールは、流量制御デバイスを含む。各パージモジュールの流量制御デバイスは、パージ流体の流出のために作動させられるように構成される。
【0007】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、基板容器のパージモジュールの流量制御デバイスを作動させる方法は、基板容器のパージプロセスを開始することと、基板容器の内部にパージ流体を流すことであって、基板容器が、少なくとも2つのパージモジュールを有し、少なくとも2つのパージモジュールの各パージモジュールが、流量制御デバイスを含み、各パージモジュールの流量制御デバイスが、パージ流体の流出のために作動させられるように構成された、パージ流体を流すことと、パージ流体の流出のために流量制御デバイスを作動させることとを含む。
【0008】
以下の発明を実施するための形態では、実施形態は、様々な変更および修正が、以下の発明を実施するための形態から当業者に明らかになるので、例示にすぎないものとして説明される。異なる図中での同じ参照番号の使用は、同様のまたは同一のアイテムを指し示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】少なくとも1つの例示的な実施形態による、基板容器の前面斜視図である。
図2】少なくとも1つの例示的な実施形態による、基板容器の分解図である。
図3】少なくとも1つの他の例示的な実施形態による、基板容器の分解図である。
図4】少なくとも1つの例示的な実施形態による、EFEMと相互作用する基板容器の概略図である。
図5A-5B】少なくとも1つの実施形態による、基板容器のパージモジュールを図示する図である。
図5C-5D】少なくとも1つの実施形態による、基板容器のパージモジュールを図示する図である。
図5E-5F】少なくとも1つの実施形態による、基板容器のパージモジュールを図示する図である。
図6A-6B】少なくとも1つの実施形態による、基板容器の別のパージモジュールを図示する図である。
図6C-6D】少なくとも1つの実施形態による、基板容器の別のパージモジュールを図示する図である。
図6E-6F】少なくとも1つの実施形態による、基板容器の別のパージモジュールを図示する図である。
図7A】少なくとも1つの実施形態による、基板容器の底面図を図示する図である。
図7B】少なくとも1つの実施形態による、基板容器の底面図を図示する図である。
図8】少なくとも1つの実施形態による、点線8-8に沿った図7Bの基板容器の断面図である。
図9A】少なくとも1つの実施形態による、図8の一部分の拡大図である。
図9B】少なくとも1つの実施形態による、図8の別の部分の拡大図である。
図10】少なくとも1つの実施形態による、基板容器の底面図を図示する図である。
図11】少なくとも1つの実施形態による、図10の基板容器の前面斜視図である。
図12A】少なくとも1つの実施形態による、パージプロセス中の基板容器の内圧を図示する線図である。
図12B】少なくとも1つの実施形態による、パージプロセス中の基板容器の内圧を図示する別の線図である。
図13】少なくとも1つの例示的な実施形態による、基板容器のパージモジュールの1つまたは複数の流量制御デバイスを作動させるための動作フローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の発明を実施するための形態では、説明の一部を形成する添付の図面に対する参照が行われる。図面において、同様のシンボルは、一般的に、コンテキストが別段に規定しない限り、同様の構成要素を識別する。その上、別段に記載されていない限り、各連続する図面の説明は、現在の例示的な実施形態のより明らかなコンテキストおよびより実質的な説明を提供するために、前の図面のうちの1つまたは複数からの特徴を参照し得る。さらに、発明を実施するための形態において説明される例示的な実施形態、図面、および特許請求の範囲は、限定することを意図されない。本明細書において提示される主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、他の変更が行われ得る。一般に、本明細書において説明され、図面において図示される本開示の態様は、それらのすべてが本明細書において明示的に企図される多種多様な異なる構成において、配列され、置換され、組み合わせられ、切り離され、設計され得ることが容易に理解されよう。
【0011】
本開示は、たとえば、半導体製造において使用される基板容器のパージモジュールの1つまたは複数の流量制御デバイスを作動させることを含む、基板容器のパージプロセス制御を対象とする。より詳細には、本開示は、パージングの間にリアルタイムで、タイミングに基づいて、および/または、相対湿度、酸素レベル、内圧、揮発性有機化合物など、基板容器上のまたは基板容器内の検知された環境条件に基づいて、パージモジュールの1つまたは複数の流量制御デバイスを構成し、作動させることを対象とする。
【0012】
本明細書において定義される、流量制御デバイスの「作動」、あるいは流量制御デバイスを「作動させる」または「作動させること」という用語は、(たとえば、パージ流体の圧力によって、またはパージ流体の圧力を介して流量制御デバイスを受動的に開ける)受動機構以外の(たとえば、アクチュエータなどをもつ)能動機構を使用して、(たとえば、基板容器の内部空間からのパージ流体の流出のために)パージ流体が流量制御デバイスを通過することを可能にするために、流量制御デバイスを開けることを、または流量制御デバイスを開けることの制御を指し得る。流量制御デバイスの「非作動」、あるいは流量制御デバイスを「非作動にする」または「非作動にすること」という用語は、流量制御デバイスがもはや作動させられないように、作動させられた流量制御デバイスについて、能動機構の使用を停止することを、または能動機構の使用を停止することの制御を指し得る。すなわち、「作動させられた」または「非作動にされた」という用語は、流量制御デバイスの状態を指し得、「作動させる」、「作動させること」、「非作動にする」、および「非作動にすること」という用語は、流量制御デバイスの状態を変化させるアクションを指し得る。
【0013】
本明細書において定義される、「流入」という用語は、パージ流体が、たとえば、流量制御デバイスを通ってロードポートから基板容器の内部空間に向かう方向に流れることを指し得る。本明細書において定義される、「流出」という用語は、パージ流体が、たとえば、流量制御デバイスを通って基板容器の内部空間からロードポートに向かう方向に流れることを指し得る。
【0014】
本明細書において定義される、「パージ流体」という用語は、窒素、きれいな乾いた空気(CDA)、極きれいな乾いた空気(xCDA)、容器環境を調整するための気体、または任意の他の好適な流体のうちの1つまたは複数を指し得る。
【0015】
本明細書において定義される、流量制御デバイス(たとえば、チェック弁など)の「クラッキング圧力」という用語は、検出可能な流れを可能にするほど十分に流量制御デバイスを開けるために要される最小上流圧力を指し得る。検出可能な流れは、流体(たとえば、液体、気体など)の少ないが一定の流れが、流量制御デバイスの本体(たとえば、弁体など)を通過し、流量制御デバイスの出口ポートを通って外に出ることを流量制御デバイスが可能にするときのものである。実施形態ではまた、流量制御デバイスのクラッキング圧力は、流体流の第1のサインが存在する入口圧力レベルを指し得る。本明細書において定義される、(たとえば、基板容器の)ドアの、またはドアシールの「クラッキング圧力」という用語は、ドアのシールが機能していない(たとえば、ドアシールが漏洩し始める、またはドアシールからの漏洩が生成される)圧力を指し得る。
【0016】
本明細書において定義される、「環境条件」という用語は、相対湿度(%RH)データ、酸素レベル、温度、圧力(たとえば、絶対圧力など)、気中分子状汚染物質の測定された存在、および/または1つまたは複数の揮発性有機化合物(VOC)の測定された存在のうちの1つまたは複数を指し得る。環境条件は、基板容器上のまたは基板容器内のセンサーによって検出または測定され得、検出されたデータは、容器の内側または外側のコントローラに通信され得る。
【0017】
ウエハの形態の基板が、半導体デバイスを形成するために処理され得ることが諒解されよう。たとえば、FOUPなど、基板容器が、処理中に基板を移送および格納するために使用され得る。少なくとも1つの他の例示的実施形態では、容器は、フォトリソグラフィマスクを含んでいるレチクル容器であり得る。
【0018】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、基板容器をパージするとき(たとえば、開ドアパージ、閉ドアパージなど)、検出された環境条件は、リアルタイムでコントローラに通信され得るか、またはたとえばデータロガーを使用して記憶され得る。センサーおよび/またはデータロガーは、基板容器上に、または基板容器内の基板上に置かれ、様々なロケーション(たとえば、ウエハを受け入れる様々なスロットにおける基板容器の内部の前、後、右、左)における環境条件を把握するように配置され得る。
【0019】
図1は、少なくとも1つの実施形態による、基板容器100の前面斜視図である。
【0020】
図1中に示されているように、基板容器100は、ドア104およびシェル102を含む。ドア104は、シェル102に結合し、囲まれた内部空間を形成する。ドア104は、シェル102の対応する開口部内に機械的にラッチされるかまたは吸引嵌合されることによってシェル102に結合され得るか、あるいは代替的に、ドア104は、シェル102の対応する開口部の上部、底部、またはいずれかの側部のうちの1つにおいて(たとえば、ヒンジを介して)シェル102に結合され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態では、基板容器のドアは、シェルの底部開口部において基板容器のシェルに結合され得る。
【0021】
図2は、少なくとも1つの例示的な実施形態による、基板容器110の分解図である。図2は、ドア111が取り外された(たとえば、開かれた)、基板容器110を図示する。図2中に示されているように、シェル113は、基板が格納され得る、基板容器110の内部空間117を定義する。
【0022】
シェル113は、シェル113に結合されたドア111によって密閉され得る、開口部119を含み得る。基板容器110は、ドア111を移動させる(たとえば、開ける、取り外す)ことによってアクセスされ得る。たとえば、ドア111は、シェル113の開口部119にドア111を嵌合させることによって、シェル113に結合され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態では、ドア111およびシェル113のうちの1つまたは複数は、ドア111の不注意による開放または取り外しを防ぐためのロック機構(図示せず)を含み得る。少なくとも別の例示的な実施形態では、シェル113の開口部は、シェルの底部にあり得る。
【0023】
図2中に示されているように、シェル113は、第1の側壁114、第2の側壁116、後壁118、および上壁120、ならびに底壁122をさらに含み得る。
【0024】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、第1の側壁114は、第2の側壁116に対向し、第2の側壁116に平行であり、上壁120および底壁122によって切り離され得る。第1の側壁114は、左側と呼ばれることがあり、右側116は、右側と呼ばれることがあるが、「左」または「右」の指定は、視点の問題であり、いかなる様式でも限定することを意図されない。
【0025】
上壁120および底壁122は、各々、第1の側壁114と第2の側壁116との間で延びる。少なくとも1つの例示的な実施形態では、上壁120は、第1の側壁114および第2の側壁116によって切り離された底壁122に対向し、底壁122に平行であり得る。底壁122は、前面開口部119に沿って延びる縁部124Aを含む。また、縁部124Aは、シェル113の第1の側壁114と第2の側壁116との間で延びる。第1の側壁114は、前面開口部119に沿って延びる縁部124Bを含む。また、第1の側壁114の縁部124Bは、シェル113の上壁120と底壁122との間で延びる。前縁部124Aおよび124Bは、少なくとも1つの例示的な実施形態では、互いに直交し、前面開口部119を定義する。
【0026】
基板容器110は、シェル113の上壁120上に(「自動化フランジ」とも呼ばれる)機器コネクタ126を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態では、機器コネクタ126は、基板容器110を移動させるための自動化されたアタッチメント(図示せず)を可能にする。自動化されたアタッチメントは、これに限定されないが、基板容器110に接続され得る(「オーバーヘッド転送システム」とも呼ばれる)自動化されたアームを含み得る。たとえば、自動化されたアームは、異なるいくつかの処理機器の間で基板容器110を移動させるために使用され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態では、基板容器110は、ユーザ(たとえば、技術者など)が基板容器110を手動で移動させることを可能にするための1つまたは複数のハンドル(図示せず)を含み得る。
【0027】
基板容器110は、内部空間117に基板を保持するための複数のシェルフ115をさらに含み得る。
【0028】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、内部空間117は、壁114、116、118、120、および/または122の内壁/表面を含む。第2の側壁116の内面上のシェルフ115の部分は、図2において不明瞭であり、それらの部分は、第1の側壁114上のシェルフ115上の部分と同様の構成を有し得る。壁114および116の内面上のシェルフ115は、内部空間117内で基板(図示せず)を協働的に保持するように構成され得る。たとえば、シェルフ115は、スロットを形成および/または定義し得、特有のサイズの基板(たとえば、150mmウエハ、200mmウエハなど)を保持するようにサイズ決定される。
【0029】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、基板容器110のドア111が開いているとき、基板容器110への前面開口部119を通した外部環境(たとえば、気体、粒子、湿度など)の流入を低減するために、パージ流体が、内部空間117に供給され得る。たとえば、供給されたパージ流体は、前面開口部119を通って内部空間117から外に流れ、これにより、任意の気体または物質が前面開口部119を通って内部空間117の内部に流れるのを低減し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態では、ロードポートのドアは、ドア111とインターフェースし、(ドア111を開けるために)シェル113からドア111を分離するように構成される。少なくとも1つの例示的な実施形態では、コントローラは、ドア111を開ける/閉じるように構成される。パージプロセスは、ドアが開けられる前に、ドアが開けられている間に、ドアが閉じられている間に、およびドアが閉じられるときに制御され得る。パージ流体は、窒素など、一般に不活性の気体であり得る。パージ流体はまた、きれいな乾いた空気(CDA)、または極きれいな乾いた空気(xCDA)であり得る。パージ流体は、さらに、基板を調整するために使用される任意の気体、または任意の他の好適な気体であり得る。パージタワー(図示せず)は、パージ流体が、基板容器110中に収容されたウエハのほうへ向けられ、次いで、そのウエハから離れるように向けられ得るような、基板容器110へのパージ流体の流れを促進し得ることが諒解されよう。パージ流体は、容器および容器の内容物を掃除して、残留した湿気、酸素および大気マイクロ汚染物質(AMC)を拾い上げ、出口パージポートまたはドア開口部に向かう微粒子の動きを促し得る。
【0030】
基板容器110の底壁122は、パージモジュールを受け入れるまたは収容するための、および内部空間117にパージ流体を供給するためのパージポート(112A、112B、112C)を含む。たとえば、基板容器110は、第1のパージポート112Aを通して、パージ流体の第1のストリームを、第2のパージポート112Bを通してパージ流体の第2のストリームを、および/または第3のパージポート112Cを通してパージ流体の第3のストリームを供給され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態では、パージポート(112A、112B、112C)のうちの1つまたは複数は、入口パージポートまたは出口パージポートのいずれかとして構成され得る。基板容器110は、第4の入口/出口パージポート(図示せず)を含み得る。本明細書において説明および具陳される実施形態は、4つまたはそれより少ないパージポートに限定されない。すなわち、本明細書において説明および具陳される量は、説明目的でのみ提供され、限定することを意図されない。少なくとも1つの例示的な実施形態では、入口/出口パージポートは、基板容器110の側壁上に配設され得る。
【0031】
シェル113は、外面150を有する。入口/出口パージポート(112A、112B、112Cなど)の各々は、内部空間117から底壁122を通ってシェル113の外面150に延びる。基板容器110は、4つの入口/出口パージポートまたは異なる数の入口/出口パージポートを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態では、基板容器110は、1つまたは複数のパージポートを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態では、基板容器110は、(それぞれ、図5の210および/または240に対応し、図5の210および/または240と流体接続している)1つまたは複数の前パージポートと、(それぞれ、図5の220および/または230に対応し、図5の220および/または230と流体接続している)1つまたは複数の後パージポートとを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態では、前パージポートのうちの1つまたは複数は、基板容器110の外に内部空間117中の気体を放出するための出口パージポートであり得る。
【0032】
パージポート(112A、112B、112C)は、パージ流体(たとえば、窒素)などの流体が基板容器110に流れることを可能にし得る。チェック弁(図示せず、たとえば機械的チェック弁)が、基板容器110の内部空間117から出口パージポート(112A、112B、112C、または第4のパージポート)を通って外への、基板容器110からパージされている気体を含む、流体の流れを促進するために提供され得る。
【0033】
図3は、少なくとも1つの例示的な実施形態による、基板容器121の分解図である。基板容器121は、開放前面123、ドア125、およびシェル127を含む。ウエハ129が、開放前面123を通って水平方向に挿入され、取り除かれ得る。シェル127の内部側面中に形成されたスロット(可視でない)が、ウエハ129を受け入れる。ドア125は、周囲雰囲気から絶縁された内部環境を形成するためにシェル127と係合するためのシールを含み得る。
【0034】
図4は、実施形態による、EFEM148と相互作用する基板容器138の概略図130である。基板容器138は、EFEM148に隣接するロードポート142にドッキングさせられる。基板容器138は、たとえば、FOUP、前面開口出荷ボックス(FOSB)、または多用途キャリア(MAC)など、任意の前面開口基板キャリアであり得る。本明細書において開示される概念の多くは、他の基板容器またはキャリア、より詳しくは、他の前面開口または底面開口基板容器またはキャリアへの適用可能性を有し得ることが当業者によって一般に理解されよう。基板容器138は、機器フックアップ134を含み得る。基板容器110が、EFEM148に取り付けられたとき、基板容器110の前面開口部132は、EFEM148の内部に沿って配置される。
【0035】
使用中に、基板容器138は、ロードポート142にドッキングし得、ロードポート142のドアは、基板容器138のドア(たとえば、図3の125)とインターフェースし、基板容器138のシェルから基板容器138のドアを分離する。基板容器138のドアが、シェルから分離された(開けられた)とき、EFEM148は、EFEM148内に収容されたロボットアームが、基板容器138内に格納された半導体ウエハ140にアクセスすることを可能にする。気体(たとえば窒素、極きれいな乾いた空気など)が、EFEM148内の汚染物質を低減するために、図4中の矢印によって指し示されているように、EFEM148中をEFEM148の上部150からEFEM148の底部144に流れ得る。
【0036】
基板容器138の前面開口部132が、EFEM148のロードポート開口部146とインターフェースして、FOUP-EFEMインターフェースを作り出したとき、EFEM148を通って、およびロードポート開口部146を越えて流れる気体の一部は、容器138の内部136に流れて、基板容器138の微環境内の相対湿度および/または酸素レベルなど、内部環境の増加を一時的に引き起こすことによって基板容器138のパージング能力に潜在的に干渉し得、これは、望ましくないことがある。加えて、すべてのEFEMが、同じ構造を有するとは限らない。EFEMのサイズおよび寸法、ならびにEFEMの内部構造は、製造業者に応じて異なり得る。異なる製造のEFEMの間でのサイズおよび構造のばらつきは、基板容器138が、異なるEFEMとともに利用されるとき、基板容器138のパージ性能の差異を作り出し得る。基板容器138のパージングプロセス中に、パージ流体は、EFEM148から内部空間136への前面開口部132を通る気体の乱流に対処するために、前面開口部132を含む、容器138の内部全体にわたって分散させられ得ることが諒解されよう。(図6および図7中で詳細に説明される)コントローラは、基板容器138が、異なるEFEMからの影響との最適化された環境反応(たとえば、%RH、圧力など)を達成するように、パージ流パラメータ(たとえば、気体流量)を調節するように構成され得る。
【0037】
図5A図5Fは、少なくとも1つの実施形態による、基板容器のパージモジュール(またはパージカートリッジ)210を図示する。図5Aは、パージモジュール210の側面図である。図5Bは、パージモジュール210の断面図である。図5Cは、パージモジュール210の断面斜視図である。図5Dは、パージモジュール210の斜視上面図である。図5Eは、パージモジュール210の斜視底面図である。図5Fは、パージモジュール210の底面図である。パージモジュール210は、基板容器のパージポート中に配設され得ることが諒解されよう。
【0038】
図6A図6Fは、少なくとも1つの実施形態による、基板容器の別のパージモジュール220を図示する。図6Aは、パージモジュール220の側面図である。図6Bは、パージモジュール220の断面図である。図6Cは、パージモジュール220の断面斜視図である。図6Dは、パージモジュール220の斜視上面図である。図6Eは、パージモジュール220の斜視底面図である。図6Fは、パージモジュール220の底面図である。パージモジュール220は、基板容器のパージポート中に配設され得ることが諒解されよう。
【0039】
パージモジュールのいくつかの実施形態は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許5,810,062、米国特許6,187,182、および米国特許7,328,727に記載されていることが諒解されよう。
【0040】
図5B図5F図6B図6F図7A、および図8において、基板容器の高さに沿った方向は、「Z」方向とラベル付けされていることが諒解されよう。基板容器の長さに沿った方向は、「X」方向とラベル付けされている。基板容器の幅に沿った方向は、「Y」方向とラベル付けされている。各パージモジュールは、パージポート中に配設され得、パージモジュール(210、220)は、図2のパージポート(たとえば、112A、112B、112Cなど)中に配設され得ることがさらに諒解されよう。
【0041】
図5A図5Fにおいて、パージモジュール210は、「受動」入口パージモジュールとして構成され得る。すなわち、パージモジュール210の流量制御デバイスは、(たとえば、基板容器に流れるパージ流体の圧力によって、またはその圧力を介して流量制御デバイスを受動的に開ける)受動機構を介して開けられ得る。パージモジュール210は、パージ流体の流れを制御するように構成された流量制御デバイス(212、214、216、218)を含む。実施形態では、流量制御デバイスは、チェック弁、傘状バルブ、ダイヤフラム、またはパージ流体の流れを制御するための任意の他の好適なデバイスであり得る。
【0042】
図5B中に示されている実施形態では、流量制御デバイスは、本体212と、弁部材214および弁部材214のためのシール/シートと、弾性部材(たとえば、ばねなど)216と、ステム218とを含む。実施形態では、弁部材214およびステム218は、プランジャーと呼ばれることがある。本体212は、流量制御デバイスの内部部分を含んでいる外部ケーシングである。弁部材214は、流量制御デバイスを通るパージ流体の流れを調節可能に制限する、本体212内の移動可能な障害物である。弾性部材216は、本体212内に配設され、デフォルトで(上向きの力が、弾性部材216を圧縮するために弁部材214に加えられない場合に、弾性部材216の弾性力のみによって)ある位置(換言すれば、流量制御デバイスの閉位置または封止位置または状態)に弁部材214をシフトするが、弁部材214を再配置するための制御を可能にするように構成される。ステム218は、弾性部材216によって包まれ、弾性部材216内に配設され、弁部材214とともに移動し得る。
【0043】
動作中、パージモジュール210は、受動入口パージモジュールとして構成され得る。パージモジュール210の端面210Aは、基板容器の内部空間に面する。パージモジュール210の端面210Bは、基板容器の外側に面し、ロードポートに面する。弁部材214は、端面210B側に配設される。パージプロセスを開始する前は、パージ流体流(および能動機構からの他の力)はなく、流量制御デバイスは、たとえば、弾性部材216の弾性力により閉位置にある。パージプロセスが開始されたとき、パージ流体は、流され、パージモジュール210を介して基板容器に流れる。パージ流体の流れは、弁部材214に上向きの力を加える。パージ流体の圧力が、パージモジュール210の流量制御デバイスのクラッキング圧力よりも大きいレベルに増加したとき、力は、(ステム218とともに)上向きに移動するように弁部材214を押し、たとえば、ロードポートから基板容器の内部空間に向かう方向に、流量制御デバイスが、(パージ流体が流量制御デバイスを通って流れるのを妨げられる)閉位置から(パージ流体が流量制御デバイスを通って流れ得る)開位置に変わるように、(弾性部材216の弾性力に打ち勝つために)弾性部材216を圧縮する。
【0044】
図6A図6Fにおいて、パージモジュール220は、「受動」出口パージモジュールとして構成され得る。すなわち、パージモジュール220の流量制御デバイスは、(たとえば、基板容器内のパージ流体の圧力によって、またはその圧力を介して流量制御デバイスを受動的に開ける)受動機構を介して開けられ得る。パージモジュール220は、パージ流体の流れを制御するように構成された流量制御デバイス(212、214、216、218)を含む。実施形態では、パージモジュール220の流量制御デバイスは、方向(たとえば、弁部材214が、基板容器の内部空間に面する側に配設/方向付けされるのか、ロードポートに面する側に配設/方向付けされるのか)を除いて、パージモジュール210の流量制御デバイスと同じであり得る。
【0045】
動作中、パージモジュール220は、出口パージモジュールとして構成され得る。パージモジュール220の端面220Aは、基板容器の内部空間に面する。パージモジュール220の端面220Bは、基板容器の外側に面し、ロードポートに面する。弁部材214は、端面220A側に配設される。パージプロセスを開始する前は、パージ流体流(および能動機構からの他の力)はなく、流量制御デバイスは、たとえば、弾性部材216の弾性力により閉位置にある。パージプロセスが開始されたとき、パージ流体は、流され、パージモジュール210を介して基板容器に流れ、基板容器の内圧は増加する。基板容器内のパージ流体の圧力は、弁部材214に加えられる下向きの力を引き起こす。基板容器の内圧が、パージモジュール220の流量制御デバイスのクラッキング圧力よりも大きいレベルに増加したとき、力は、(ステム218とともに)下向きに移動するように弁部材214を押し、たとえば、基板容器の内部空間からロードポートに向かう方向に、流量制御デバイスが、(パージ流体が流量制御デバイスを通って流れるのを妨げられる)閉位置から(パージ流体が流量制御デバイスを通って流れ得る)開位置に変わるように、(弾性部材216の弾性力に打ち勝つように)弾性部材216を圧縮する。
【0046】
図7A図7Bは、少なくとも1つの実施形態による、基板容器の底面図を図示する。図7A中に示されているように、基板容器310は、4つのパージポートを含む。2つのパージポート200は、プラグ接続されている。すなわち、どのパージモジュールも、パージポート200中に配設/収容されず、および/またはパージポート200は、閉じられたカートリッジ(または本体、プラグなど)がプラグ接続され、パージ流体を向けるためには動作不可能である。1つのパージポートは、受動入口パージモジュール210を収容するように構成される。別のパージポートは、受動出口パージモジュール220を収容するように構成される。パージモジュール200の各々は、パージモジュール(210、220)のうちのいずれか1つと同じであり得ることが諒解されよう。基板容器310は、任意の好適な数(たとえば、1つ、2つなど)のプラグ接続されたパージポート200を含むことができることが諒解されよう。図7B中に示されているように、基板容器320は、4つのパージポートを含む。3つのパージポートは、受動入口パージモジュール210を収容するように構成される。1つのパージポートは、受動出口パージモジュール220を収容するように構成される。
【0047】
図8は、少なくとも1つの実施形態による、点線8-8に沿った図7Bの基板容器320の断面図である。図9Aは、少なくとも1つの実施形態による、図8の一部分の拡大図である。図9Bは、少なくとも1つの実施形態による、図8の別の部分の拡大図である。図9A中に示されている拡大部分は、受動出口パージモジュールとして構成されたパージモジュール220を含む。図9B中に示されている拡大部分は、受動入口パージモジュールとして構成されたパージモジュール210を含む。
【0048】
図10は、少なくとも1つの実施形態による、基板容器330の底面図を図示する。図11は、少なくとも1つの実施形態による、(基板容器330のドアを示さない)図10の基板容器330の前面斜視図である。図10および図11中に示されているように、基板容器330は、4つのパージモジュールを含み、各々は、流量制御デバイスを有する。基板容器330は、少なくとも2つのパージモジュール、または任意の他の好適な数のパージモジュールを含むことができることが諒解されよう。
【0049】
図10および図11において、すべてのパージモジュールの流量制御デバイスは、互いに同じように(たとえば、各パージモジュールが、受動入口パージモジュール210として構成されるように)構成および/または方向付けされる。パージポートが、パージ流体のソースに接続されたとき、そのような構成および/または方向は、基板容器のパージプロセス中に(たとえば、基板容器の内部空間に流れる)パージ流体の圧力によって、またはその圧力を介して流量制御デバイスを受動的に開けることを可能にすることができる。パージポートが、パージ流体のソースに接続されないとき、そのような構成および/または方向はまた、弁部材214に対する下向きの力が流量制御デバイスを閉じられたままにすることを基板容器の内圧が引き起こすことができるので、基板容器のパージプロセス中に基板容器内の(たとえば、基板容器の内部空間の外に流れる)パージ流体の圧力によって、またはその圧力を介して流量制御デバイスを受動的に開けることを防ぐことができる。
【0050】
そのような実施形態では、(たとえば、基板容器の内部空間からのパージ流体の流出のために)パージ流体が流量制御デバイスを通過することを可能にするために、流量制御デバイスを開けること、または流量制御デバイスを開けることの制御は、(たとえば、アクチュエータなどをもつ)能動機構を使用して実施され得る。すなわち、流量制御デバイスは、作動機構(図示せず)を介して(基板容器の内部空間からのパージ流体の流出のために開くように)作動させられ得る。パージ流体の流出のために流量制御デバイスを(機械的になど)作動させることは、パージ流体の流入のために他の流量制御デバイスを(機械的になど)作動させることまたは受動的に開けることのいずれかとともに行われ得ることが諒解されよう。実施形態では、作動機構は、流量制御デバイスを作動させるために、アクチュエータ(たとえば、ピンを制御するソレノイド、機械的デバイスなど)を含む。たとえば、アクチュエータは、流量制御デバイスが開かれ得、基板容器の内部空間からのパージ流体が基板容器の外に流れることができる(および、基板容器の内圧が低減する)ように、流量制御デバイスの弁部材214に接触し、上方に押すように、ならびに基板容器の内圧(および弾性部材216の弾性力)に打ち勝つために弁部材214に上向きの力を加えるように制御され得る。実施形態では、作動機構は、基板容器上にあるか、または基板容器の一部であり得る。別の実施形態では、作動機構は、基板容器から切り離されるか、または基板容器とは独立していることがある(たとえば、作動機構は、ロードポートなどの上に配設される)。
【0051】
実施形態では、基板容器330のパージモジュールのうちのいずれか1つは、粒子フィルタまたは通気口を含むことができる。実施形態では、基板容器330は、圧力逃がし弁を含むことができる。圧力逃がし弁は、たとえば、基板容器の内圧が、(たとえば、通常の使用中になど)基板容器のドアシールのクラッキング圧力以上であるときに開くように構成され得る。ドアシールおよび入口方向チェック弁クラッキング圧力は、入口方向チェック弁のうちの少なくとも1つがパージ中に作動させられることなしに、容器がパージ/加圧された場合、危険なまでに高くなり得ることが諒解されよう。そのような場合、圧力逃がし弁は、容器が、圧力を受けて故障しないことを保証するために、システムクラッキング圧力よりも小さい圧力レベルにおいて開くように構成され得る。圧力逃がし弁のクラッキング圧力は、ドアシールのクラッキング圧力よりも低いことがあることも諒解されよう。システム圧力(たとえば、ドアシールおよび入口方向チェック弁クラッキング圧力)が、危険なまでに高い(たとえば、しきい値以上である)場合、圧力逃がし弁は、たとえば、流出用に指定されたパージモジュールが不注意で作動させられなかった場合に開くように構成され得る。実施形態では、基板容器330のパージモジュールの流量制御デバイスのうちの1つまたは複数は、所望のパージを達成するために、同時にまたは順々に作動させられ得る(または非作動にされ得る)。
【0052】
図12Aは、少なくとも1つの実施形態による、パージプロセス中の基板容器の内圧を図示する線図500である。図12Bは、少なくとも1つの実施形態による、パージプロセス中の基板容器の内圧を図示する別の線図550である。線図500は、容器加圧によるドアクラッキングに関する問題を例証する7つのパージング動作を図示することが諒解されよう。点540は、ドアシールのクラッキング圧力を示す。線図500は、パージプロセス(たとえば、クローズドアパージ)中に、容器がドアシールのクラッキング圧力に達するまで、容器が加圧されることを図示する。そのような場合、継続する代わりに、パージは停止されるが、パージ流体がドアの外に漏洩する場合、パージは継続することがある。動作は、再現性を実証するために、7回繰り返される。線図550は、(540と同じ)510に達すると、システムが、ドアシールのクラッキング圧力未満のレベルに圧力を軽減するために、パージポート中のパージモジュールの流量制御デバイスを作動させることによって反応することができることを図示する。そのような場合、パージ流体は、ドアの周りで漏洩する代わりに、(作動させられた流量制御デバイスを収容する)パージポートの中から制御された様式で流出することができる。
【0053】
図12Aおよび図12B中に示されている、垂直座標は、(たとえば、パージプロセス中の)基板容器の内圧を(たとえば、キロパスカルまたはkPa単位で)表す。実施形態では、基板容器は、ウエハまたはレチクルキャリア、たとえば、FOUP、(極端紫外線光(EUV)レチクルポッドなど)ポッドなどであり得る。水平座標は、パージプロセスの時間を(たとえば、秒単位で)表す。
【0054】
パージプロセス(たとえば、クローズドアパージプロセスなど)中に、パージ流体は、パージポート(たとえば、入口パージポート)を介して基板容器の内部空間に流され、基板容器の内圧520は増加している。
【0055】
乾性気体などのパージ流体を用いるパージングは、%RHを低下させるのを助け得ることが諒解されよう。不活性気体が、パージ流体として使用される場合、ドアから不活性気体を漏洩させる代わりに、作動させられたパージモジュールを介して容器の中から不活性気体を排気することは、経済的および安全であり得る。パージ流体として不活性気体を使用することは、酸素を低下させるという付加的な利益を有し得る。基板容器の増加された内部加圧は、酸素回収を拡張するのを助け得ることも諒解されよう。増加された内部加圧は、内圧が周囲に減衰するための時間を延長することがある。酸素回収に関して、(パージ流体として)不活性気体を用いるパージングは、たとえば、ゼロパーツパーミリオン(ppm)または約ゼロパーツパーミリオン(ppm)に容器中の酸素レベルを低下させることができることが諒解されよう。酸素回収は、酸素レベルが、ある規定されたレベル、たとえば、200ppm、10,000ppm、または21%などに上昇する、プロセスと呼ばれることがある。容器中の酸素レベルが低いほど、半導体生産中の回路構成の酸化は起こりにくくなり得る。したがって、一般的に高い(たとえば、1kPaまたは約1kPaから5kPaまたは約5kPaの)クラッキング圧力の(出口パージポートの)排出チェック弁が、基板容器が所望のレベルに加圧することを可能にするために必要とされ得る。対照的に、低い(たとえば、1kPaよりも小さい)クラッキング圧力の排出チェック弁も、パージ流体が、基板容器の内圧が排出チェック弁を開けることにより排出ポート(出口パージポート)を通って受動的に出て行くことを保証するために基板容器をパージするときに望ましいことがある。また、(基板容器の)ドアシールクラッキング圧力を上回る基板容器の内圧は、ドアシールからの漏洩を生成し得る。それゆえ、一般的に、(たとえば、図5Bのパージモジュール220の)受動「出口」チェック弁は、ドアシールクラッキング圧力よりも低いクラッキング圧力を有する必要がある。ドアシールの断面積は、一般的に、パージポートのものよりもはるかに大きいことが諒解されよう。パージポートの受動クラッキング圧力が、ドアシールのものよりも低い場合でも、パージ流体の大部分は、それにもかかわらず、ドアの周りで流れることがある。パージポートクラッキング圧力をゼロまたはほぼゼロに低下させることによってこの難問を「解決」しようとした場合、容器中の酸素は、急速に上昇し得る。
【0056】
一般的な基板容器構成において、基板容器は、3つの入口パージポートおよび1つの出口パージポート、または2つの入口パージポートおよび2つの出口パージポートなどを含むことができる(図7Aおよび7Bを参照)。そのような構成によって、パージプロセス中に、パージ流体は、入口パージポートを通って基板容器に流れ、出口パージポートを通って受動的に排出される。基板容器の内側の内圧は、知られているクラッキング圧力(別名、最小開弁圧、たとえば、4kPaよりも小さい)において出口パージモジュールのチェック弁を開ける。一般的に、ドアシールの低い(たとえば、5kPaまたは約5kPaまたは5kPaよりも大きい)クラッキング圧力により、出口パージモジュールのチェック弁のクラッキング圧力は、パージ流体が、ドアシールを通って排出される前に、出口パージポートを通って排出されることを保証するために、値が対応して低い必要がある。
【0057】
(たとえば、図10および図11中で説明されている)本明細書において開示される実施形態は、パージモジュールのすべての流量制御デバイスのすべてが、(各パージモジュールが受動入口パージモジュール210として構成されるように)互いに同じように構成および/または方向付けされた、基板容器を提供することができる。パージポートが、パージ流体のソースに接続されたとき、そのような構成および/または方向は、基板容器のパージプロセス中に(たとえば、基板容器の内部空間に流れる)パージ流体の圧力によって、またはその圧力を介して流量制御デバイスを受動的に開けることを可能にすることができる。パージポートが、パージ流体のソースに接続されないとき、そのような構成および/または方向はまた、基板容器の内圧が、流量制御デバイスを閉じられたままにするために弁部材214に下向きの力を加えるので、パージプロセス中に基板容器内の(たとえば、基板容器の内部空間の外に流れる)パージ流体の圧力によって、またはその圧力を介して流量制御デバイスを受動的に開けることを防ぐことができる。そのような実施形態では、(たとえば、基板容器の内部空間からのパージ流体の流出のために)パージ流体が流量制御デバイスを通過することを可能にするために、流量制御デバイスを開けること、または流量制御デバイスを開けることの制御は、(たとえば、アクチュエータなどをもつ)能動機構を使用して実施され得る。
【0058】
図12Aに戻ると、図10および図11のパージポート構成によって、流量制御デバイスのうちのいずれか1つは、基板容器のドアシールのクラッキング圧力よりも大きく、および/または一般的な流量制御デバイスのクラッキング圧力よりも大きいクラッキング圧力を有するように構成され得る(たとえば、図6A図6Fの220)。パージプロセス(たとえば、クローズドアパージプロセスなど)中に、パージ流体は、パージ流体のソースに接続されたパージポートを介して基板容器の内部空間に流され、パージモジュールの流量制御デバイスを作動させることなしに、内圧520は、点540においてドアシールクラッキング圧力510に達するまで、増加させられ得る。点540において、パージ流体は、どのアクションも行われない(たとえば、パージモジュールのどの流量制御デバイスも作動させられない)場合、パージプロセス中にドアガスケットを通って外に漏洩し得る。点540において、パージモジュールの流量制御デバイスのうちの1つまたは複数は、作動機構を介して(基板容器の内部空間からのパージ流体の流出のために開くように)作動させられ得る。すなわち、作動させられた流量制御デバイスをもつ各パージモジュールは、パージ流体が、各「出口」パージモジュールの作動させられた流量制御デバイスを介して基板容器の内部空間から放出され得、内圧520が、(パージ流体がドアシールを通って漏洩することなしに)点530においてゼロに達することができるような、「出口」パージモジュールとして機能することができる。点530において、作動させられた流量制御デバイスは、(換言すれば、作動機構によって作動させられることなしに)非作動にされ得、基板容器の内圧および/または流量制御デバイスの弾性部材の弾性力は、基板容器の内部空間からのパージ流体の流出を防ぐために、流量制御デバイスを閉じられたままにすることができる。内圧520は、パージ流体が基板容器に流され続けたとき、再び増加し得る。
【0059】
図12B中に示されているように、図10および図11のパージポート構成によって、パージプロセス(たとえば、クローズドアパージプロセスなど)中に、内圧570は、パージモジュールの流量制御デバイスのうちの1つまたは複数を作動させることおよび非作動にすることによって、ドアクラッキング圧力510未満に(たとえば、第1のしきい値580と第2のしきい値590との間に)維持され得る。たとえば、パージ流体が、パージ流体のソースに接続されたパージポートを介して基板容器の内部空間に流され、パージモジュールの流量制御デバイスを作動させることなしに、内圧が、(ドアクラッキング圧力510以下であることがある)第1のしきい値580に達するように増加したとき、パージモジュールの流量制御デバイスのうちの1つまたは複数は、内圧570が、第2のしきい値590に達するまで減少するように、作動機構を介して(基板容器の内部空間からのパージ流体の流出のために開くように)作動させられ得る。第2のしきい値590に達したとき、パージモジュールの流量制御デバイスのうちの1つまたは複数は、内圧570が、(パージ流体がパージプロセス中に基板容器に流され続けるので)増加するように、(基板容器の内部空間からのパージ流体の流出を防ぐために閉じるように)非作動にされ得る。別の実施形態では、ドアクラッキング圧力510は知られており、したがって、システムは、(ドアクラッキング圧力510に達する前に)第1のしきい値580に達したとき、流量制御デバイスのうちの1つまたは複数を作動させることができることが諒解されよう。実施形態では、内圧570は、しきい値580または590に達する必要がないことも諒解されよう。そのような実施形態では、内圧570は、たとえば、パージモジュールの流量制御デバイスのうちの1つまたは複数を作動させることまたは非作動にすることによって、しきい値580または590の限界の、ある割合内に保たれ得る。実施形態では、コントローラは、連続的にパージ流体の流出流量を制御するために、パージモジュールの流量制御デバイスのうちの1つまたは複数を作動させるように構成され得ることがさらに諒解されよう。
【0060】
図13は、少なくとも1つの例示的な実施形態による、基板容器のパージモジュールの1つまたは複数の流量制御デバイスを作動させるための動作フローチャート600を示す。
【0061】
動作フロー600は、1つまたは複数のブロック610、620、630、640、650、および660によって描かれている1つまたは複数の動作、アクション、または機能を含み得る。個別のブロックとして図示されているが、様々なブロックは、所望の実装形態に応じて、追加のブロックに分割されるか、より少ないブロックに組み合わせられるか、または削除され得る。非限定的な例として、図10および図11中のそれのパージポート構成に対応し、コントローラによって実施される方法600の説明は、本明細書において説明される1つまたは複数の例示的な実施形態に従って、パージプロセスのために基板容器のパージモジュールの1つまたは複数の流量制御デバイスを作動させることに関係する。
【0062】
実施形態では、コントローラは、プロセッサ、メモリ、入出力、および/またはストレージを含むことができることが諒解されよう。コントローラは、1つまたは複数の追加の構成要素を含むことができることを諒解されたい。プロセッサは、メモリおよび/またはストレージに記憶されたプログラミング命令を取り出し、実行することができる。プロセッサはまた、メモリにあるアプリケーションデータを記憶し、取り出すことができる。プロセッサは、単一のプロセッサ、複数のプロセッサ、コプロセッサ、または複数の処理コアを有する単一のプロセッサであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、シングルスレッドプロセッサであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、マルチスレッドプロセッサであり得る。メモリは、一般に、限定はされないが、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、フラッシュ、それらの好適な組み合わせなど、ランダムアクセスメモリの代表的なものとして含まれる。いくつかの実施形態では、メモリは、揮発性メモリであり得る。いくつかの実施形態では、メモリは、不揮発性メモリであり得る。入出力は、ワイヤード接続とワイヤレス接続の両方を含むことができる。
【0063】
処理フロー600は、ブロック610において開始し得る。ブロック610は、互いに同じように基板容器のパージモジュールのすべての流量制御デバイスのすべてを構成および/または方向付けすることを含む、基板容器を準備することを指し得る(図10および図11についての説明を参照)。そのような構成または方向によって、パージモジュールのすべては、(換言すれば、基板容器に流れるパージ流体の圧力によって、またはその圧力を介して流量制御デバイスを受動的に開けることを可能にする)「受動」入口パージモジュールとして構成され得る。ブロック610の後に、ブロック620が続き得る。
【0064】
ブロック620は、コントローラが、パージプロセス(たとえば、クローズドアパージプロセスなど)を開始または始動することを制御することを指し得る。ブロック620の後に、ブロック630が続き得る。
【0065】
ブロック630は、コントローラが、たとえば、パージ流体のソースにパージポートを接続すること/開けることによって基板容器のパージポートのうちの1つまたは複数を介して、基板容器の内部にパージ流体を流すことを制御することを指し得る。パージモジュールのすべては、「受動」入口パージモジュールとして構成されるので、パージ流体は、たとえば、要される/所望の/あらかじめ決定されたパージ流体の流量または流れ容積に基づいて、同時にまたは順々にパージポートのうちのいずれか1つまたは複数を介して基板容器に流され得る。ブロック630の後に、ブロック640が続き得る。
【0066】
ブロック640は、1つまたは複数のセンサーが、リアルタイムでまたはある時間期間中に、基板容器上の、または基板容器の内部中の1つまたは複数の環境条件を検出/検知/測定することを指し得る。1つまたは複数の環境条件は、相対湿度(%RH)、内圧(たとえば、絶対圧力)、酸素レベル、温度、気中分子状汚染物質の測定された存在、1つまたは複数の揮発性有機化合物(VOC)の測定された存在などのうちの1つまたは複数を含み得る。1つまたは複数のセンサーは、基板容器上に、または基板容器の内部空間中に配設されるかまたは搭載され得る。1つまたは複数のセンサーは、パージを供給するシステム内で容器の外部に位置し得ることが諒解されよう。1つまたは複数の環境条件は、1つまたは複数のセンサーからコントローラに通信され得る。別の実施形態では、ブロック640は、コントローラがタイミングを決定することを指し得る。ブロック640の後に、ブロック650が続き得る。
【0067】
ブロック650は、コントローラが、決定された環境条件または決定されたタイミングに基づいて、基板容器のパージモジュールの1つまたは複数の流量制御デバイスを(たとえば、作動機構を制御することを介して)作動させるまたは非作動にすることを制御することを指し得る。
【0068】
たとえば、パージプロセス中に、パージ流体は、基板容器に流され、基板容器の内圧は増加している。コントローラは、(たとえば、基板容器のドアシールのクラッキング圧力未満などに基板容器の内圧を維持するために)基板容器の検知された内圧に基づいて、(たとえば、基板容器の内部空間からのパージ流体の流出または放出のために)1つまたは複数の流量制御デバイスを作動させるか、または(たとえば、基板容器の内部空間からのパージ流体の流出を防ぐために1つまたは複数の流量制御デバイスを閉じるために)1つまたは複数の流量制御デバイスを非作動にするように構成され得る。図12Aおよび図12Bについての説明を参照されたい。
【0069】
別の例では、パージプロセス中に、パージ流体は、基板容器に流され、コントローラは、タイミングに基づいて(たとえば、時間の量に基づいて、あるいは顧客またはアプリケーション固有タイミングであり得るイベントにタイミング調整されて)、(たとえば、基板容器の内部空間からのパージ流体の流出のために)1つまたは複数の流量制御デバイスを作動させるか、または(たとえば、基板容器の内部空間からのパージ流体の流出を防ぐために1つまたは複数の流量制御デバイスを閉じるために)1つまたは複数の流量制御デバイスを非作動にするように構成され得る。
【0070】
また別の例では、パージプロセス中に、パージ流体は、基板容器に流され、コントローラは、基板容器の検知された内部相対湿度、基板容器の検知された内部酸素レベル、および/または基板容器内の1つまたは複数の揮発性有機化合物(VOC)の検知された存在など、検知された環境条件に基づいて、(たとえば、基板容器の内部空間からのパージ流体の流出のために)1つまたは複数の流量制御デバイスを作動させるか、または(たとえば、基板容器の内部空間からのパージ流体の流出を防ぐために1つまたは複数の流量制御デバイスを閉じるために)1つまたは複数の流量制御デバイスを非作動にするように構成され得る。図12Aおよび図12Bについての考察と同様に、検知された環境条件が、たとえば、所望の範囲を超える(または最大許容しきい値を超える)とき、コントローラは、たとえば、環境条件のレベルを低減するために(たとえば、基板容器の内部空間からのパージ流体の流出のために)1つまたは複数の流量制御デバイスを作動させるように構成され得る。検知された環境条件が、たとえば、所望の範囲未満である(または最小許容しきい値未満である)とき、コントローラは、たとえば、環境条件のレベルを増加させるために(たとえば、基板容器の内部空間からのパージ流体の流出を防ぐために1つまたは複数の流量制御デバイスを閉じるために)1つまたは複数の流量制御デバイスを非作動にするように構成され得る。実施形態では、環境条件の所望の範囲は、0%から周囲条件までであり得る。実施形態では、制御は、汚染物質(たとえば、VOCなど)が基板容器に入るのを低減するかまたは防ぐものである。
【0071】
また別の例では、パージプロセス中に、パージ流体は、基板容器に流され、コントローラは、基板容器内のパージ流体流の所望のパージ(たとえば、均一な分散など)を維持するために、同時にまたは順々にパージモジュール(たとえば、4つのパージモジュールのうちのいずれか1つまたは複数)の流量制御デバイスの任意の好適な組み合わせを選択的に作動させ、非作動にし、および/またはその任意の好適な組み合わせにパージ流体のソースを接続する/開くように構成され得る。
【0072】
ブロック650の後に、ブロック660が続き得る。ブロック660は、コントローラが、所望の環境条件が満たされたとき、規定された時間が終了したとき、または規定されたイベントが起こった/終了したときなど、基板容器のパージモジュールの1つまたは複数の流量制御デバイスを非作動にすることを制御することを指し得る。
【0073】
本明細書において開示される実施形態は、パージプロセス中に内圧により受動的に開くための受動出口チェック弁に依存する必要性を低減するかまたはなくすのを助けることができ、改善された酸素制御につながる、たとえば、閉ドアパージプロセス中の基板容器のより高い内部加圧を提供することができ、チェック弁プランジャーがパージプロセス中に閉じるようにする容器の内圧により、改善されたシーリングコンダクタンスを提供することができ、時間に応じて、またはVOC、%RH、基板容器の内側の圧力などの環境条件基準に一致して、パージプロセス中に、開くようにパージモジュールの流量制御デバイスを(たとえば、機械的になど)作動させる、または(どのパージモジュールも容器の内圧により受動的に開けられないので、流量制御デバイスが閉じられるように)パージモジュールの流量制御デバイスを非作動にすることができる。
【0074】
本明細書において開示される実施形態は、開くようにパージモジュールを(たとえば、機械的になど)作動させるために、またはパージモジュールの流量制御デバイスを非作動にするために自動化を使用することができ、センサーを介して基板容器中の環境条件を監視し、基板容器中の内圧、VOC、%RH、AMH、酸素などのレベルを制御するために排出を(たとえば、機械的になど)作動させることができる。本明細書において開示される実施形態は、所望の環境条件を維持するために基板容器の効率的な排気を支援するために、パージモジュールの流量制御デバイスの組み合わせを選択的に作動させるためにおよび/または選択的に非作動にするために自動化を使用することができる。
【0075】
態様:
態様1~19のうちのいずれか1つは、態様20~27のうちのいずれか1つと組み合わせられ得ることを諒解されたい。
【0076】
態様1.少なくとも2つのパージモジュールを有する基板容器を備え、
少なくとも2つのパージモジュールの各パージモジュールが、流量制御デバイスを含み、
各パージモジュールの流量制御デバイスが、パージ流体の流出のために作動させられるように構成された、システム。
【0077】
態様2.基板容器が、前面開口一体型ポッド(FOUP)である、態様1に記載のシステム。
【0078】
態様3.流量制御デバイスを作動させるように構成されたコントローラをさらに備える、態様1または態様2に記載のシステム。
【0079】
態様4.コントローラが、クローズドアパージプロセス中に流量制御デバイスを作動させるように構成された、態様3に記載のシステム。
【0080】
態様5.少なくとも1つのセンサーをさらに備え、
少なくとも1つのセンサーが、少なくとも1つのパラメータを検知するように構成され、
コントローラが、検知された少なくとも1つのパラメータに基づいて、流量制御デバイスを作動させるように構成された、態様3または態様4に記載のシステム。
【0081】
態様6.少なくとも1つのセンサーが、基板容器の内圧を検知するように構成された圧力センサーである、態様5に記載のシステム。
【0082】
態様7.流量制御デバイスが、作動機構を介して作動させられ、作動機構が、コントローラによって制御される、態様3から6のいずれか1つに記載のシステム。
【0083】
態様8.作動機構が、流量制御デバイスを作動させるようにアクチュエータを制御するソレノイドを含む、態様7に記載のシステム。
【0084】
態様9.流量制御デバイスが、チェック弁であり、チェック弁は、チェック弁が、基板容器の外側からの圧力または力によって開けられるように方向付けされた、態様1から8のいずれか1つに記載のシステム。
【0085】
態様10.流量制御デバイスのクラッキング圧力が、基板容器のドアシールのクラッキング圧力よりも大きい、態様1から9のいずれか1つに記載のシステム。
【0086】
態様11.少なくとも2つのパージモジュールが、4つのパージモジュールを含み、システムが、コントローラをさらに含み、
コントローラが、基板容器内のパージ流体流の所望のパージを維持するために、4つのパージモジュールの流量制御デバイスの組み合わせを選択的に作動させるように構成された、態様1から10のいずれか1つに記載のシステム。
【0087】
態様12.システムが、コントローラをさらに含み、
クローズドアパージプロセス中に、コントローラが、基板容器の検知された内圧に基づいて、流量制御デバイスを作動させるように構成された、態様1から11のいずれか1つに記載のシステム。
【0088】
態様13.クローズドアパージプロセス中に、コントローラが、基板容器のドアシールのクラッキング圧力未満に基板容器の内圧を維持するように構成された、態様12に記載のシステム。
【0089】
態様14.システムが、コントローラをさらに含み、
クローズドアパージプロセス中に、コントローラが、タイミングに基づいて、流量制御デバイスを作動させるように構成された、態様1から13のいずれか1つに記載のシステム。
【0090】
態様15.システムが、コントローラをさらに含み、
クローズドアパージプロセス中に、コントローラが、基板容器の検知された内部相対湿度に基づいて、流量制御デバイスを作動させるように構成された、態様1から14のいずれか1つに記載のシステム。
【0091】
態様16.システムが、コントローラをさらに含み、
クローズドアパージプロセス中に、コントローラが、基板容器の検知された内部酸素レベルに基づいて、流量制御デバイスを作動させるように構成された、態様1から15のいずれか1つに記載のシステム。
【0092】
態様17.システムが、コントローラをさらに含み、
クローズドアパージプロセス中に、コントローラが、基板容器内の1つまたは複数の揮発性有機化合物の検知された存在に基づいて、流量制御デバイスを作動させるように構成された、態様1から16のいずれか1つに記載のシステム。
【0093】
態様18.少なくとも2つのパージモジュールの各パージモジュールが、粒子フィルタまたは通気口を含む、態様1から17のいずれか1つに記載のシステム。
【0094】
態様19.圧力逃がし弁をさらに備え、
圧力逃がし弁は、システム圧力がしきい値以上であるとき、開くように構成された、態様1から18のいずれか1つに記載のシステム。
【0095】
態様20.基板容器のパージモジュールの流量制御デバイスを作動させる方法であって、
基板容器のパージプロセスを開始することと、
基板容器の内部にパージ流体を流すことであって、基板容器が、少なくとも2つのパージモジュールを有し、少なくとも2つのパージモジュールの各パージモジュールが、流量制御デバイスを含み、各パージモジュールの流量制御デバイスが、パージ流体の流出のために作動させられるように構成された、パージ流体を流すことと、
パージ流体の流出のために流量制御デバイスを作動させることと
を含む、方法。
【0096】
態様21.少なくとも1つのセンサーを介して少なくとも1つのパラメータを検知することと、
検知された少なくとも1つのパラメータに基づいて、流量制御デバイスを作動させることと
をさらに含む、態様20に記載の方法。
【0097】
態様22.基板容器の内圧を検知することと、
検知された内圧に基づいて、流量制御デバイスを作動させることと
をさらに含む、態様20または態様21に記載の方法。
【0098】
態様23.基板容器のドアシールのクラッキング圧力未満に基板容器の内圧を維持することをさらに含む、態様22に記載の方法。
【0099】
態様24.少なくとも2つのパージモジュールが、4つのパージモジュールを含み、方法が、
基板容器内のパージ流体の所望のパージを維持するために、4つのパージモジュールの流量制御デバイスの組み合わせを選択的に作動させることをさらに含む、態様20から23のいずれか1つに記載の方法。
【0100】
態様25.基板容器の内部酸素レベルを検知することと、
検知された内部酸素レベルに基づいて、流量制御デバイスを作動させることと
をさらに含む、態様20から24のいずれか1つに記載の方法。
【0101】
態様26.基板容器の内部相対湿度を検知することと、
検知された内部相対湿度に基づいて、流量制御デバイスを作動させることと
をさらに含む、態様20から25のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
態様27.タイミングに基づいて、流量制御デバイスを作動させることをさらに含む、態様20から26のいずれか1つに記載の方法。
【0103】
本出願において開示された例は、あらゆる点で、例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本発明の範囲は、上記の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって指し示され、特許請求の範囲と同等の意味および範囲内に入るすべての変更は、特許請求の範囲の中に包含されることを意図される。
【0104】
本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することを意図され、限定することを意図されない。「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」という用語は、明らかに別段に指し示されない限り、複数形をも含む。「備える(comprises)」および/または「備えること(comprising)」という用語は、本明細書において使用されるとき、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、エレメント、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、エレメント、および/または構成要素の存在または追加を排除しない。
【0105】
上記の説明に関して、本開示の範囲から逸脱することなく、細部に、とりわけ、採用される構築材料ならびに部品の形状、サイズ、および配列に関して変更が行われ得ることを理解されたい。本明細書および説明された実施形態は、例示的なものにすぎず、本開示の真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲によって指し示される。
図1
図2
図3
図4
図5A-5B】
図5C-5D】
図5E-5F】
図6A-6B】
図6C-6D】
図6E-6F】
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのパージモジュールを有する基板容器を備え、
前記少なくとも2つのパージモジュールの各パージモジュールが、流量制御デバイスを含み、
各パージモジュールの前記流量制御デバイスが、パージ流体の流出のために作動させられるように構成された、システム。
【請求項2】
前記流量制御デバイスを作動させるように構成されたコントローラをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムが、コントローラをさらに含み、
クローズドアパージプロセス中に、前記コントローラが、前記基板容器内の1つまたは複数の揮発性有機化合物の検知された存在に基づいて、前記流量制御デバイスを作動させるように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
圧力逃がし弁をさらに備え、
前記圧力逃がし弁は、システム圧力がしきい値以上であるとき、開くように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
基板容器のパージモジュールの流量制御デバイスを作動させる方法であって、
前記基板容器のパージプロセスを開始することと、
前記基板容器の内部にパージ流体を流すことであって、前記基板容器が、少なくとも2つのパージモジュールを有し、前記少なくとも2つのパージモジュールの各パージモジュールが、流量制御デバイスを含み、各パージモジュールの前記流量制御デバイスが、前記パージ流体の流出のために作動させられるように構成された、パージ流体を流すことと、
前記パージ流体の流出のために前記流量制御デバイスを作動させることと
を含む、方法。
【国際調査報告】