(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-01
(54)【発明の名称】デジタルリソグラフィシステムにおけるピクセルの間の選択可能な位相シフトについて光源波長を制御すること
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20250624BHJP
【FI】
G03F7/20 501
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024569330
(86)(22)【出願日】2023-05-19
(85)【翻訳文提出日】2025-01-17
(86)【国際出願番号】 US2023023018
(87)【国際公開番号】W WO2023229951
(87)【国際公開日】2023-11-30
(32)【優先日】2022-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】レイディグ, トーマス エル.
(72)【発明者】
【氏名】ベンチャー, クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン, ファン ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ホレルバッハ, ウーウェ
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA22
2H197CA02
2H197CA03
2H197CA07
2H197CA13
2H197CC05
2H197DA04
2H197DB03
(57)【要約】
デジタルリソグラフィシステムは、反射光について直角方向を維持しながら、マイクロミラーにおける傾斜誤差を補償するように、光源の波長を調整し得る。隣り合うピクセルは、それらのそれぞれの光線の間の光路差によって決定された位相シフトを有し得る。この位相シフトは、光路差に基づいて光源において、対応する波長を生成することによって任意の値になるようにあらかじめ選択され得る。所望の位相シフトに対応する特定の波長を生成するために、光源は、選択された位相シフトの波長をブラケットする波長を有する複数の光コンポーネントを生じ得る。これらのコンポーネントの強さは、次いで、基板上での選択された位相シフトに近似する効果を生じるように個々に制御され得る。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルリソグラフィプロセス中に基板の上に第1の光線を向けるように構成された第1の空間的光変調器ピクセルと、
前記デジタルリソグラフィプロセス中に前記基板の上に第2の光線を向けるように構成された第2の空間的光変調器ピクセルと、
前記第1の光線を生成するように構成された光源であって、前記第1の光線が、
あらかじめ選択された位相シフトよりも大きい第1の位相シフトを生成する、第1の波長を有する第1のコンポーネントと、
前記あらかじめ選択された位相シフトよりも小さい第2の位相シフトを生成する、第2の波長を有する第2のコンポーネントと
を備える複数のコンポーネントを備える、光源と、
前記あらかじめ選択された位相シフトに近似する、前記基板上での効果を生成するように前記複数のコンポーネントの強さを制御するように構成されたコントローラと
を備える、デジタルリソグラフィシステム。
【請求項2】
前記第2の空間的光変調器ピクセルが、デジタルマイクロミラーデバイスにおける空間的光変調器ピクセルのアレイ中で前記第1の空間的光変調器ピクセルに隣り合う、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の空間的光変調器ピクセルが、前記基板の上に光を反射するオン位置と、前記基板から離れるように光を反射するオフ位置との間で調整するマイクロミラーを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記光源はまた、前記第2の光線を生成するように構成され、それにより、前記第1の光線および前記第2の光線が、前記光源から発生する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の光線が、異なる光源から生成され、前記コントローラが、前記第1の空間的光変調器ピクセルにおける傾斜誤差とは異なる、前記第2の空間的光変調器ピクセルにおける傾斜誤差を補正するために、前記第2の光線中のコンポーネントの強さを制御するようにさらに構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記光源が、レーザダイオードの複数のグループを備え、レーザダイオードの前記複数のグループの第1のサブセットが、およそ前記第1の波長を出力するように構成され、レーザダイオードの前記複数のグループの第2のサブセットが、およそ前記第2の波長を出力するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記光源が、均一な第1の光線を生成するために、前記第1のコンポーネントを前記第2のコンポーネントと混合する均質化ロッドを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数のコンポーネントが、前記第1のコンポーネントおよび前記第2のコンポーネントに加えて複数の追加のコンポーネントを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
デジタルリソグラフィシステムにおけるピクセルの間の位相シフトを調整する方法であって、前記方法は、
第1の空間的光変調器ピクセルの上に第1の光線を投影することであって、
前記第1の空間的光変調器ピクセルが、デジタルリソグラフィプロセス中に基板の上に前記第1の光線を向け、前記第1の光線が、
あらかじめ選択された位相シフトよりも大きい第1の位相シフトを生成する、第1の波長を有する第1のコンポーネントと、
前記あらかじめ選択された位相シフトよりも小さい第2の位相シフトを生成する、第2の波長を有する第2のコンポーネントと
を備える複数のコンポーネントを備える、第1の光線を投影することと、
第2の空間的光変調器ピクセルの上に第2の光線を投影することであって、前記第2の空間的光変調器ピクセルが、前記デジタルリソグラフィプロセス中に前記基板の上に前記第2の光線を向ける、第2の光線を投影することと、
前記あらかじめ選択された位相シフトに近似する、前記基板上での効果を生成するように前記複数のコンポーネントの強さを制御することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記第1の波長が、前記あらかじめ選択された位相シフトよりもおよそ20°大きい第1の位相シフトを生成する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の波長が、前記あらかじめ選択された位相シフトよりもおよそ10°小さい第2の位相シフトを生成する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記あらかじめ選択された位相シフトが、0°と359°との間の位相シフトであるように選択可能である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のコンポーネントの前記強さを制御することは、前記あらかじめ選択された位相シフトからの前記第1の位相シフトと前記第2の位相シフトとの間の偏差の線形結合における前記複数のコンポーネントの各々についての重みを、前記線形結合がおよそゼロになるように計算することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記線形結合における前記重みが、前記複数のコンポーネントの前記強さに対応する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記あらかじめ選択された位相シフトに近似することが、前記あらかじめ選択された位相シフトに対応する単一の波長を使用すると前記基板上に存在するであろう光強度のパターンに近似する、前記基板上での光強度のパターンを生成する、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の位相シフトが、前記第1の波長、および前記第1の光線と前記第2の光線との間の光路差から計算される、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の空間的光変調器ピクセルが、デジタルマイクロミラーデバイスにおける空間的光変調器ピクセルのアレイ中で前記第1の空間的光変調器ピクセルに隣り合い、前記第2の光線も、前記第1のコンポーネントおよび前記第2のコンポーネントを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
デジタルリソグラフィシステムにおけるピクセルの間の位相シフトを調整または選択する方法であって、前記方法は、
第1の空間的光変調器ピクセルの上に第1の光線を投影することであって、前記第1の空間的光変調器ピクセルが、デジタルリソグラフィプロセス中に基板の上に前記第1の光線を向ける、第1の光線を投影することと、
第2の空間的光変調器ピクセルの上に第2の光線を投影することであって、前記第2の空間的光変調器ピクセルが、前記デジタルリソグラフィプロセス中に前記基板の上に前記第2の光線を向け、前記第2の空間的光変調器ピクセルが、空間的光変調器ピクセルのアレイ中で前記第1の空間的光変調器ピクセルに隣り合う、第2の光線を投影することと、
前記基板上に前記第1の光線と前記第2の光線との間のあらかじめ選択された位相シフトを生じるために、前記第1の光線と前記第2の光線との間の光路差に基づいて前記第1の光線の波長および/または前記第2の光線の波長を制御することと
を含む、方法。
【請求項19】
前記第1の光線の前記波長を制御することが、異なる波長を有する光を生成する異なるレーザダイオードの間で切り替えることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の光線の前記波長を制御することが、光源の温度を制御すること、前記光源のキャビティを機械的に変えること、または前記光源の前記キャビティを電子音響的に変えることによって前記第1の光線の前記波長を変化させることを含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、「CONTROLLING LIGHT SOURCE WAVELENGTHS FOR SELECTABLE PHASE SHIFTS BETWEEN PIXELS IN DIGITAL LITHOGRAPHY SYSTEMS」と題する、2022年5月23日に出願された、米国非仮特許出願第17/750,751号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、概して、デジタルリソグラフィシステムにおけるピクセルの間のあらかじめ選択された位相シフトを生成する方法を説明する。より詳細には、本開示は、リソグラフィプロセス中に基板上でのあらかじめ選択された位相シフトの効果を生成するかまたはその効果に近似するように光源の波長出力を制御することを説明する。
【背景技術】
【0003】
光ビームに対して空間的変動変調を施すために、空間的光変調器がしばしば使用される。空間的光変調器の例であるデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)は、デジタルリソグラフィを含む様々な適用例において反射デジタル光スイッチとして使用される。デジタルリソグラフィの場合、DMDは、概して、メモリ、光源および光学素子など、他の画像処理構成要素と組み合わせられ、処理されている基板上の感光性材料の上に所望のパターンを投影するために使用される。
【0004】
DMDは、概して、矩形アレイ中に配置された数十万個の微視的ミラー(「マイクロミラー」)を含む。各マイクロミラーは、表示されるべき画像の単一のピクセルに対応し、ヒンジを中心として様々な角度に傾けられ得る。マイクロミラーの傾斜角に応じて、マイクロミラーは、「オン」または「オフ」状態にある。オン状態において、光は、DMDからレンズに反射され、最終的に、ピクセルは、基板の上に明るく投影される。オフ状態において、光は、光ダンプなど、他の場所に向けられ、投影されたピクセルは、暗く現れる。
【0005】
DMDの隣り合うマイクロミラーの間の位相シフトは、投影された画像の解像度および焦点深度に影響を及ぼす。概して、DMDの隣り合うマイクロミラーの間の位相シフトは、0度である。隣り合うマイクロミラーの間の0度位相シフトを有するDMDは、ブレーズドDMDとして知られている。ブレーズドDMDは、良好な解像度および焦点深度を呈するが、デバイス寸法が小さくなるにつれて、改善された解像度およびより良い焦点深度が、とりわけ線間隔について必要とされる。マスクベースリソグラフィにおいて、ハード位相シフトマスクが、極めて狭い暗線をプリントするために使用されてきた。しかしながら、ハード位相シフトマスクには、設計のトポロジーによる限界がある。
【0006】
これにより、画像解像度および焦点深度を増加させる改善された空間的光変調器、およびそれの使用のためのデジタルリソグラフィ方法に対するニーズが当技術分野において存在する。
【発明の概要】
【0007】
いくつかの実施形態では、デジタルリソグラフィシステムは、デジタルリソグラフィプロセス中に基板の上に第1の光線を向けるように構成された第1の空間的光変調器ピクセルと、デジタルリソグラフィプロセス中に基板の上に第2の光線を向けるように構成された第2の空間的光変調器ピクセルと、第1の光線を生成するように構成された光源とを含み得る。第1の光線は、あらかじめ選択された位相シフトよりも大きい第1の位相シフトを生成する、第1の波長を有する第1のコンポーネントと、あらかじめ選択された位相シフトよりも小さい第2の位相シフトを生成する、第2の波長を有する第2のコンポーネントとを含む複数のコンポーネントを含み得る。デジタルリソグラフィシステムは、あらかじめ選択された位相シフトに近似する、基板上での効果を生成するように複数のコンポーネントの強さを制御するように構成されたコントローラを含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、デジタルリソグラフィシステムにおけるピクセルの間の位相シフトを調整する方法は、第1の空間的光変調器ピクセルの上に第1の光線を投影することを含み得る。第1の空間的光変調器ピクセルは、デジタルリソグラフィプロセス中に基板の上に第1の光線を向け得る。第1の光線は、あらかじめ選択された位相シフトよりも大きい第1の位相シフトを生成する、第1の波長を有する第1のコンポーネントと、あらかじめ選択された位相シフトよりも小さい第2の位相シフトを生成する、第2の波長を有する第2のコンポーネントとを含む複数のコンポーネントを含み得る。方法は、第2の空間的光変調器ピクセルの上に第2の光線を投影することをも含み得る。第2の空間的光変調器ピクセルは、デジタルリソグラフィプロセス中に基板の上に第2の光線を向け得る。方法は、あらかじめ選択された位相シフトに近似する、基板上での効果を生成するように複数のコンポーネントの強さを制御することをも含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、デジタルリソグラフィシステムにおけるピクセルの間の位相シフトを調整または選択する方法は、第1の空間的光変調器ピクセルの上に第1の光線を投影することを含み得る。第1の空間的光変調器ピクセルは、デジタルリソグラフィプロセス中に基板の上に第1の光線を向け得る。方法は、第2の空間的光変調器ピクセルの上に第2の光線を投影することをも含み得る。第2の空間的光変調器ピクセルは、デジタルリソグラフィプロセス中に基板の上に第2の光線を向け得る。第2の空間的光変調器ピクセルは、空間的光変調器ピクセルのアレイ中で第1の空間的光変調器ピクセルに隣り合い得る。方法は、基板上に第1の光線と第2の光線との間のあらかじめ選択された位相シフトを生じるために、第1の光線と第2の光線との間の光路差に基づいて第1の光線の波長および/または第2の光線の波長を制御することを追加として含み得る。
【0010】
任意の実施形態では、以下の特徴のいずれかおよびすべてが、任意の組合せで、限定なしに実装され得る。第2の空間的光変調器ピクセルは、デジタルマイクロミラーデバイスにおける空間的光変調器ピクセルのアレイ中で第1の空間的光変調器ピクセルに隣り合い得る。第1の空間的光変調器ピクセルは、基板の上に光を反射するオン位置と、基板から離れるように光を反射するオフ位置との間で調整するマイクロミラーを含み得る。光源はまた、第2の光線を生成するように構成され得、それにより、第1の光線および第2の光線が、光源から発生する。第2の光線は、異なる光源から生成され得、コントローラは、第1の空間的光変調器ピクセルにおける傾斜誤差とは異なる、第2の空間的光変調器ピクセルにおける傾斜誤差を補正するために、第2の光線中のコンポーネントの強さを制御するようにさらに構成され得る。光源は、レーザダイオードの複数のグループを含み得る。レーザダイオードの複数のグループの第1のサブセットは、およそ第1の波長を出力するように構成され得、レーザダイオードの複数のグループの第2のサブセットは、およそ第2の波長を出力するように構成され得る。光源は、均一な第1の光線を生成するために、第1のコンポーネントを第2のコンポーネントと混合する均質化ロッドを含み得る。複数のコンポーネントは、第1のコンポーネントおよび第2のコンポーネントに加えて複数の追加のコンポーネントを含み得る。第1の波長は、あらかじめ選択された位相シフトよりもおよそ20°大きい第1の位相シフトを生成し得る。第2の波長は、あらかじめ選択された位相シフトよりもおよそ10°小さい第2の位相シフトを生成し得る。あらかじめ選択された位相シフトは、0°と359°との間の位相シフトであるように選択可能であり得る。複数のコンポーネントの強さを制御することは、あらかじめ選択された位相シフトからの第1の位相シフトと第2の位相シフトとの間の偏差の線形結合における複数のコンポーネントの各々についての重みを、線形結合がおよそゼロになるように計算することを含み得る。線形結合における重みは、複数のコンポーネントの強さに対応し得る。あらかじめ選択された位相シフトに近似することは、あらかじめ選択された位相シフトに対応する単一の波長を使用すると基板上に存在するであろう光強度のパターンに近似する、基板上での光強度のパターンを生成し得る。第1の位相シフトは、第1の波長、および第1の光線と第2の光線との間の光路差から計算され得る。第2の空間的光変調器ピクセルは、デジタルマイクロミラーデバイスにおける空間的光変調器ピクセルのアレイ中で第1の空間的光変調器ピクセルに隣り合い得、第2の光線も、第1のコンポーネントおよび第2のコンポーネントを含み得る。第1の光線の波長を制御することは、異なる波長を有する光を生成する異なるレーザダイオードの間で切り替えることを含み得る。第1の光線の波長を制御することは、光源の温度を制御すること、光源のキャビティを機械的に変えること、または光源のキャビティを電子音響的に変えることによって第1の光線の波長を変化させることを含み得る。
【0011】
様々な実施形態の性質および利点のさらなる理解は、本明細書の残りの部分および図面を参照することによって実現され得、図面において、同様の参照番号が、同様の構成要素を指すためにいくつかの図面全体にわたって使用される。いくつかの事例では、複数の同様の構成要素のうちの1つを示すために、サブラベルが参照番号に関連付けられる。既存のサブラベルへの指定なしに参照番号への参照が行われるとき、すべてのそのような複数の同様の構成要素を指すことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】いくつかの実施形態による、デジタルリソグラフィのためのシステムの斜視図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、システムの画像投影システムの斜視概略図を図示する図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を図示する図である。
【
図4A】いくつかの実施形態による、基板のほうへ光線を向ける隣り合うマイクロミラーのペアを図示する図である。
【
図4B】いくつかの実施形態による、傾斜角が理想的な傾斜角とは異なる、隣り合うマイクロミラーを図示する図である。
【
図4C】いくつかの実施形態による、傾斜角の変動が、光線の角度を変化させることによってどのように対処され得るかを図示する図である。
【
図5】いくつかの実施形態による、2つの隣り合うマイクロミラーの間の光路差(OPD)が基板上の位相シフトをどのようにもたらし得るかを図示する図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、デジタルリソグラフィシステムにおけるピクセルの間の位相シフトを調整するためのシステムを図示する図である。
【
図7】いくつかの実施形態による、デジタルリソグラフィシステムにおけるピクセルの間の位相シフトを調整または選択するための方法のフローチャートを図示する図である。
【
図8】いくつかの実施形態による、リソグラフィシステムにおいて使用され得る光源を図示する図である。
【
図9】いくつかの実施形態による、あらかじめ選択された波長をブラケットする複数の波長を有する光線を使用するためのシステムを図示する図である。
【
図10】いくつかの実施形態による、あらかじめ選択された位相シフトをブラケットする複数の光コンポーネントをもつ光線を使用することの効果のグラフを図示する図である。
【
図11】いくつかの実施形態による、複数のコンポーネントが、任意のあらかじめ選択された波長に近似し、その波長に同調するためにどのように使用され得るかを示すグラフを図示する図である。
【
図12】いくつかの実施形態による、デジタルリソグラフィシステムにおけるピクセルの間の位相シフトを選択または調整する方法のフローチャートを図示する図である。
【
図13】様々な実施形態が実装され得る、例示的なコンピュータシステムを図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、いくつかの実施形態による、デジタルリソグラフィのためのシステム100の斜視図である。システム100は、ベースフレーム110、スラブ120、1つまたは複数のステージ130(2つが例として示されている)、および/または処理装置160を含み得る。ベースフレーム110は、製造施設のフロア上に載っており、スラブ120を支持し得る。受動空気アイソレータ112が、ベースフレーム110とスラブ120との間に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、スラブ120は、花こう岩のモノリシック片を含み得、1つまたは複数のステージ130は、スラブ120上に配設され得る。基板140が、1つまたは複数のステージ130の各々によって支持され得る。複数の孔(図示せず)が、複数のリフトピン(図示せず)がそれを通って延在することを可能にするために、1つまたは複数のステージ130中に形成され得る。リフトピンは、1つまたは複数の移送ロボット(図示せず)などから基板140を受け取るために伸長位置に上昇し得る。1つまたは複数の移送ロボットは、1つまたは複数のステージ130から基板140をロードおよびアンロードするために使用され得る。
【0014】
基板140は、たとえば、ガラスから作られ、フラットパネルディスプレイの一部として使用され得る。いくつかの実施形態では、基板140は、他の材料から作られ得る。いくつかの実施形態では、基板140は、その上に形成されたフォトレジスト層を有し得る。フォトレジストは、放射線に反応し得、ポジティブフォトレジストまたはネガティブフォトレジストを含み得、これは、パターンがフォトレジストに書き込まれた後、放射線に曝露されたフォトレジストの部分が、それぞれ、フォトレジストに塗布されたフォトレジスト現像剤に対して可溶性または不溶性であり得ることを意味する。フォトレジストの化学組成が、フォトレジストが、ポジティブフォトレジストになるのかネガティブフォトレジストになるのかを決定し得る。たとえば、フォトレジストは、ジアゾナフトキノン、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メチルグルタルイミド)、および/またはSU-8のうちの少なくとも1つを含み得る。このようにして、パターンが、電子回路を形成するために、基板140の表面上に作成され得る。
【0015】
システム100は、支持体122のペア、およびトラック124のペアをさらに含み得る。支持体122のペアは、スラブ120上に配設され得、スラブ120および支持体122のペアは、材料の単一片として形成され得る。トラック124のペアは、支持体122のペアによって支持され得、1つまたは複数のステージ130は、X方向においてトラック124に沿って移動可能であり得る。いくつかの実施形態では、トラック124のペアは、並列磁気チャネルのペアを含み得る。示されているように、トラック124のペアの各トラック124は、線形であり得る。いくつかの実施形態では、トラック124は、非線形の形状を有し得る。エンコーダ126が、コントローラ(図示せず)にロケーション情報を提供するために、1つまたは複数のステージ130の各々に結合され得る。
【0016】
処理装置160は、支持体162および/または処理ユニット164を含み得る。支持体162は、スラブ120上に配設され得、1つまたは複数のステージ130が処理ユニット164の下を通過するための開口166を含み得る。処理ユニット164は、支持体162によって支持され得る。いくつかの実施形態では、処理ユニット164は、フォトリソグラフィプロセスにおいてフォトレジストを曝露するように構成されたパターンジェネレータを含み得る。いくつかの実施形態では、パターンジェネレータは、マスクレスリソグラフィプロセスを実施するように構成され得る。処理ユニット164は、(
図2に示されている)複数の画像投影装置を含み得る。いくつかの実施形態では、処理ユニット164は、レーザダイオードなど、複数の光源を含み得る。各画像投影装置は、ケース165中に配設され得る。処理装置160は、マスクレスダイレクトパターニングを実施するために使用され得る。
【0017】
動作中に、1つまたは複数のステージ130のうちの1つは、
図1に示されているローディング位置から処理位置にX方向に移動し得る。処理位置は、ステージ130が処理ユニット164の下を通過するときの、ステージ130の1つまたは複数の位置を指し得る。動作中に、1つまたは複数のステージ130は、ローディング位置から処理位置にトラック124のペアに沿って移動可能であり得る複数の空気軸受(図示せず)によって持ち上げられ得る。複数の垂直ガイド空気軸受(図示せず)が、ステージ130の移動を安定させるために、1つまたは複数のステージ130の各々に結合され、各支持体122の内壁128に隣り合って位置決めされ得る。1つまたは複数のステージ130の各々は、基板140を処理し、および/またはインデックス付けするために、トラック150に沿って移動することによって、Y方向にも移動可能であり得る。1つまたは複数のステージ130の各々は、独立した動作が可能であり得、一方向において基板140を走査し、他方向においてステップし得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のステージ130のうちの1つが、基板140を走査しているとき、1つまたは複数のステージ130のうちの別のものは、曝露された基板をアンロードしており、曝露されるべき次の基板をロードしていることがある。
【0018】
計測システムが、複数の画像投影装置の各々が、フォトレジストで覆われた基板に書き込まれているパターンを正確に置くことができるように、リアルタイムで1つまたは複数のステージ130の各々のXおよびY横方向位置座標を測定し得る。計測システムはまた、垂直またはZ軸についての1つまたは複数のステージ130の各々の角度位置のリアルタイム測定を提供し得る。角度位置測定は、サーボ機構によるスキャニング中に角度位置を一定に保持するために使用され得るか、または角度位置測定は、
図2において以下で示されるように、画像投影装置290によって基板140に書き込まれているパターンの位置に補正を適用するために使用され得る。これらの技法は、任意の組合せで、限定なしに使用され得る。
【0019】
図2は、いくつかの実施形態による、システム100の画像投影システム270の斜視概略図を図示する。画像投影システムは、空間的光変調器、焦点センサおよび/またはカメラ、ならびに投影レンズを含み得る。
図2に示されているように、画像投影システム270は、光源272、開孔274、レンズ276、フラストレーテッドプリズムアセンブリ288、1つまたは複数のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)280(1つが示されている)、光ダンプ282、焦点センサおよびカメラ284、ならびに/または投影レンズ286を含み得る。フラストレーテッドプリズムアセンブリ288、DMD280、焦点センサおよびカメラ284、ならびに投影レンズ286は、画像投影装置290の一部であり得る。いくつかの実施形態では、光源272は、発光ダイオード(LED)またはレーザを含み得、光源272は、あらかじめ決定された、または調整可能な波長を有する光を生じることが可能であり得る。たとえば、あらかじめ決定された波長は、約450nm未満など、青色または近紫外(UV)域中にあり得る。フラストレーテッドプリズムアセンブリ288は、複数の反射面を含み得る。一実施形態では、投影レンズ286は、6倍または10倍対物レンズを含み得る。1つまたは複数のDMD以外の空間的光変調器を含み得る、画像投影システムの他の実施形態は、その特定の空間的光変調器のためにシステムにおいて必要に応じて、より少ないまたはより多い構成要素を含み得る。
【0020】
本開示は、空間的光変調器の例としてDMDを指し得る。しかしながら、他の空間的光変調器も、本開示において企図される。他の空間的光変調器は、限定はしないが、液晶ディスプレイ(LCD)および強誘電液晶ディスプレイ(FLCoS)などの液晶のアレイ、ならびに微視的発光デバイス(マイクロLED)のアレイを含み得る。各空間的光変調器は、空間的光変調器ピクセルのパターンが、選択されたレベルの減衰を提供するために光線を変調し得るように、「オン」と「オフ」との間で切替え可能である空間的光変調器ピクセルのアレイを含み得る。動作中、空間的光変調器ピクセルは、各ピクセルが、明るくなる、暗くなるおよび/または減衰させられるように制御可能であり得る。
【0021】
図2に示されている画像投影システム270の動作中に、青色域中の波長など、あらかじめ決定された、または調整可能な波長を有する光線273が、光源272によって生じ得る。光線273は、フラストレーテッドプリズムアセンブリ288によってDMD280に反射され得る。
図3に示されているように、DMDは複数のマイクロミラーを含み得、マイクロミラーの数は、投影されるべきピクセルの数に対応し得る。複数のマイクロミラーは、個々に制御可能であり得、複数のマイクロミラーの各マイクロミラーは、コントローラ(図示せず)によってDMD280に提供されたマスクデータに基づいて、オン位置またはオフ位置にあり得る。光線273がDMD280のマイクロミラーに達したとき、オン位置にあるマイクロミラーは、投影レンズ286に光線273を反射し、換言すれば、複数の書込みビームを形成し得る。投影レンズ286は、次いで、基板140の表面に書込みビームを投影し得る。オフ位置にあるマイクロミラーは、基板140の表面の代わりに光ダンプ282または別のロケーションに光線273を反射し得る。
【0022】
図3は、いくつかの実施形態による、DMD380を図示する。DMD380は、上記で説明された画像投影装置290およびシステム100において使用され得る。DMD380は、DMDを利用する任意の他のシステムまたはデバイスにおいても有用であり得る。DMD380は、マイクロミラーアレイ383中に配置された、マイクロミラー381として示されている、複数の空間的光変調器ピクセルを含み得る。DMD380は、空間的光変調器として使用され得、マイクロミラー381は、様々な角度に傾けられ、反射の後に、オンビームが、画像投影装置290の中心に狙いを定められ、照明システムにおいて作成された画像が、投影システムにおいてセンタリングされるように、DMD380上での照明ビームの反射角を調整するために使用され得る。1つの例では、各マイクロミラー381の安定位置は、マイクロミラー381の表面に関しておよそ±1.0度の誤差を伴ってプラスまたはマイナス約12度であり得る。たとえば、第1の傾斜位置389は、プラス12±1.0度に対応し得、第2の傾斜位置391は、マイナス12.0±1.0度に対応し得る。
【0023】
マイクロミラー381のエッジ385は、X軸およびY軸など、直交軸に沿って配置され得る。これらの軸は、フラストレーテッドプリズムアセンブリ288によって導入された90度フォールドを考慮に入れた後の、基板140またはステージ座標系を基準とする同様の軸と一致し得る。しかしながら、マイクロミラー381上のヒンジ387は、マイクロミラー381の対向する隅角上に置かれ、マイクロミラー381が、X軸およびY軸に対して45度の軸上で枢動することを引き起こし得る。上記で論じられたように、これらのマイクロミラー381は、マイクロミラーの傾斜の角度を変動させることによって、オン位置とオフ位置との間で切り替えられ得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、ヒンジ387は、マイクロミラー381の各々のX軸およびY軸に対して45度の軸上でマイクロミラー381の各々を傾けるように対角線方向に配向され得る。他の実施形態では、ヒンジ387は、マイクロミラー381の各々のエッジ385に平行な軸上でマイクロミラー381の各々を傾けるために、マイクロミラー381の各々のエッジ385に平行に配向され得る。1つの例では、ヒンジ387のすべては、対角線方向に配向され得る。別の例では、ヒンジ387のすべては、マイクロミラー381の各々のエッジ385に平行に配向され得る。また別の例では、ヒンジ387の第1の部分は、対角線方向に配向され得、ヒンジ387の第2の部分は、マイクロミラー381の各々のエッジ385に平行に配向され得る。
【0025】
従来のブレーズドDMDにおいて、隣り合うマイクロミラーの間の位相シフトは、0度であり得る。従来の0度位相シフトは、ごくわずかなキャンセルをもたらし得る。しかしながら、DMD380の隣り合うマイクロミラー381、たとえば、第1のマイクロミラー381aと第2のマイクロミラー381bとの間の位相シフトは、約180度に等しいか、または約180度であり得る。この構成は、アンチブレーズドDMDと呼ばれる。隣り合う空間的光変調器ピクセル、たとえば、第1のマイクロミラー381aと第2のマイクロミラー381bとの間の位相シフトが、180度であるとき、隣り合うマイクロミラー381の間の厳密な、またはほぼ厳密なキャンセルがあり、隣り合うピクセルの間の対称的なブライトニングがある。1つの例では、隣り合うマイクロミラー381の各ペアは、180度位相シフトを有する。
【0026】
図4Aは、いくつかの実施形態による、基板のほうへ光線を向ける隣り合うマイクロミラーのペアを図示する。この例では、第1のマイクロミラー402および第2のマイクロミラー404は、デジタルリソグラフィプロセス中に基板451のほうへ光を向けるために「オン」位置において構成され得る。第1のマイクロミラー402の角度424は、+12.0°など、理想的な位置にあり得る。第2のマイクロミラー404の角度426は、第1のマイクロミラー402の角度424と同じであり得る。隣り合うマイクロミラー402、404のこれらの2つの角度424、426が、理想的な値に等しいとき、マイクロミラー402、404から反射された光線は、基板451に対して90°の角度で基板451の上に直接的に反射され得る。たとえば、光源から投影された第1の光線406は、直角に基板451の上に第1のマイクロミラー402から反射され得る。同様に、第2の光線408も、直角に基板451の上に第2のマイクロミラー404から反射され得る。光線が、直角に基板451に当たったとき、これは、基板451上の垂直特徴および正確なレイアウトをもたらす。
【0027】
光線が、基板451の上に直角に向けられることを保証することに加えて、別の重要な考慮事項は、任意の2つの隣り合うマイクロミラーの間の光路差(OPD)420である。
図4に図示されているように、第1の光線406と第2の光線408との間のOPD420は、これらの光線が進む合計距離の差異を表す。特に、マイクロミラー402、404の各々と基板451との間の距離は同じであると仮定され得る。しかしながら、光線406、408を生成する光源からの距離は、第2のマイクロミラーが、第1のマイクロミラーよりも光源から遠くに離れているので、異なる。この差異は、OPD420によって表され、このOPD420は、基板451上での第1の光線406と第2の光線408との間の位相シフトをもたらす。
【0028】
図5は、いくつかの実施形態による、2つの隣り合うマイクロミラーの間のOPD506が基板上の位相シフトをどのようにもたらし得るかを図示する。光線の波表現502は、波長504を有する正弦波形として表される。OPD506は、
図4Aにおいて第2の光線408が進む追加の距離を表す。第1の光線406および第2の光線408は、第1の光線406が第1のマイクロミラー402から反射されたとき、同相であると仮定すると、位相シフト508は、波長504でOPD506を除算したときの余りを識別することによって決定され得る。各波長504は、(無視され得る)フル360°位相シフトを表し、余りは、それゆえ、基板451の表面上での第1の光線406と第2の光線408との間の位相シフトを表す。以下でより詳細に説明されるように、正確に予測または選択され得る位相シフトは、リソグラフィプロセスにおけるいくつかの利益を与え得る。
【0029】
図4Bは、いくつかの実施形態による、傾斜角が理想的な傾斜角とは異なる、隣り合うマイクロミラーを図示する。
図4Aは、「オン」位置において動作して精密な12.0°の角度で傾き、傾斜角424、426を呈する、マイクロミラーを図示するが、すべての製造されるDMDアレイが、これほど精密であるとは限らない。一般的に、製造されたDMDアレイにおける傾斜角の精度は、1.0°ほど変動し得る。十分に高い正確度(たとえば、12.0°±0.06°)をもつ製造されたDMDアレイを識別するために、製造されたDMDアレイのバッチが、製造されたDMDアレイのうちのいずれが、実際に、より厳しい製造許容差内に入るかを識別するために、分析される必要があり得る。これは、製造されたDMDアレイが、極めて精密なミラー傾斜を必要とするリソグラフィプロセスのために使用され得る、歩留まりを大幅に減少させる。
【0030】
図4Bは、理想的でない傾斜角440、442を有するマイクロミラー402、404の結果を図示する。光源の位置が、変更されないままであると仮定すると、光線406、408は、光線406、408がもはや基板451に直角でないように、マイクロミラー402、404から反射され得る。これは、光線406、408が、ある角度で基板451上のフォトレジスト層に侵入するので、角度付き側壁をもたらし得る。追加として、基板451上の層が、無視できない厚さを有するので、光線406、408が基板451に当たる水平ロケーションは、最上層の深さによって変動し得る。それゆえ、マイクロミラー402、404の傾斜角440、442の誤差は、反射光線406、408が、もはや基板451と直角でないことを引き起こし、基板451上にプリントされたパターンの誤差を引き起こし得る。
【0031】
2つの隣り合うマイクロミラー402、404の間のピッチ422は、製造されたDMDアレイのバッチ内で、またはそのバッチの間で比較的一定にとどまり得ることに留意されたい。ピッチ422は、アレイ中のマイクロミラーの間の距離の変動を最小限に抑えるために、製造中に厳しく制御され得る。
【0032】
図4Cは、いくつかの実施形態による、傾斜角440、442の変動が、光線406、408の角度を変化させることによってどのように対処され得るかを図示する。マイクロミラー402、404の傾斜角440、442の変動が、反射光線406、408がもはや基板451と直角でないことを引き起こすとき、光線406、408がマイクロミラー402、404のほうへ投影される角度が、補償するように調整され得る。たとえば、光源の位置が、マイクロミラー402、404の位置に対して変化させられ得る。光源の位置を変化させることは、光線406、408がマイクロミラー402、404から反射されるので、結果として、光線406、408の入射角を変化させ得る。
図4Cに図示されているように、この位置は、光線406、408が再び基板451に直角になるように、光線406、408が反射されるまで、調整され得る。
【0033】
光源が光線406、408を投影する位置または角度を変化させることは、光線406、408が基板451に直角であることを再び引き起こし得るが、これは、OPDが光線406、408の間で変化することをも引き起こし得る。たとえば、
図4C中のOPD444は、
図4Aおよび
図4B中のOPD420に対して短縮されている。上記で説明されたように、および
図5に図示されているように、OPD444を変化させることは、基板451上での光線406、408の間の位相シフト508に直接的に影響を及ぼし得る。
【0034】
異なる位相シフトが、リソグラフィプロセス中に異なる目的のために望まれ得る。たとえば、隣り合うマイクロミラーの間の180°位相シフトは、2つのマイクロミラーの間の境界線におけるヌルを作成し得る。これは、線プラス空間ピッチが解像度向上のために2つの隣り合うマイクロミラーの間のピッチに等しい、極めて高密度の線空間パターンをリソグラフィパターンが作成することを可能にする。別の例では、隣り合うマイクロミラーの間の0°位相シフトは、境界におけるパターンを補強し得る。他のパターン設計は、90°、270°、および/または任意の他の度の位相シフトなど、選択可能な位相シフトを使用することから恩恵を受け得る。それゆえ、光源ロケーションまたは傾斜角誤差を補償するために、選択された位相シフトを維持することが望ましいことがあるだけでなく、特定の設計のニーズに基づいて任意の位相シフトを選択することも望ましいことがある。
【0035】
この技術的問題を克服するために、本明細書で説明される実施形態は、所望の位相シフトを選択または調整するために、様々な技法を使用して光線406、408の波長を調整し得る。3つの変数、すなわち、マイクロミラー402、404の間のピッチ422、OPD444の長さ、および光線406、408の波長が、位相シフトに影響を及ぼし得る。ピッチ422は、比較的一定であると仮定され得、OPD444は、直角な光線を維持するために変動し得るので、いくつかの実施形態は、あらかじめ選択された位相シフトを達成するか、またはその位相シフトに微同調するように光線406、408の波長を調整し得る。
図5に図示されているように、所与のOPD506について波長504を調整することは、予測および計算され得るようなやり方で位相シフト508を調整する。
【0036】
図6は、いくつかの実施形態による、デジタルリソグラフィシステムにおけるピクセルの間の位相シフトを調整するためのシステム600を図示する。システム600は、単に区別の目的で第1のマイクロミラー402および第2のマイクロミラー404と呼ばれる、
図6に図示されているマイクロミラーのペアを含む、マイクロミラーのアレイを含み得る。上記で説明されたように、これらのマイクロミラー402、404は、フォトレジスト層など、基板451上の層上にパターンをプリントするために、基板451のほうへ光源602からの光を向けるために、「オン」位置(たとえば、およそ12°)に配向され得る。
【0037】
システムは、光源602を含み得る。光源602は、あらかじめ選択された周波数において光を生成するように構成された1つまたは複数のレーザダイオードまたは他の光源を含み得る。上記で説明されたように、ODP444に基づいて位相シフトを設定または調整するために、光源602は、動作中に光の波長を調整するように構成され得る。そのような調整は、光源におけるレーザダイオードの異なる色を異なる時間において動作可能であるように選択することによって行われ得る。いくつかの実施形態は、波長が増加/減少することを引き起こすように光源602の温度を調整することによって、波長に対する調整を行い得る。いくつかの実施形態は、異なる周波数における波長を生成するために、光源602の代わりに代用され得る複数の光源を含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態は、コントローラ604を含み得る。例として、以下で説明される
図13は、リソグラフィシステムの一部として光源602を動作させるためのコントローラとして使用され得るコンピュータシステムを含む。たとえば、コントローラ604は、1つまたは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを、マイクロプロセッサ/マイクロコントローラが、光源602の周波数、動作、タイミングなどを制御する動作を実施することを引き起こす命令を記憶する1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体とともに含み得る。
【0039】
単一の光源602のみが
図6に図示されていることに留意されたい。この図示は、例として提供されるにすぎず、限定するものではない。光源602は、複数のレーザダイオードまたは他の光源から構成され得る。アレイ中の他のマイクロミラーのために光を生成するための他の光源も存在し得る。さらに、光源602は、第1の光線406および/または第2の光線408として反射される光を生成することを担い得る。たとえば、第1の光線406および第2の光線408は、限定はしないが、同じ光源602から、または異なる光源から発生し得る。
【0040】
図7は、いくつかの実施形態による、デジタルリソグラフィシステムにおけるピクセルの間の位相シフトを調整または選択するための方法のフローチャート700を図示する。方法は、第1の空間的光変調器ピクセルの上に第1の光線を投影することを含み得る(702)。上記で説明されたように、第1の空間的光変調器ピクセルは、デジタルマイクロミラーを含み得る。第1の空間的光変調器ピクセルは、デジタルリソグラフィプロセス中に基板の上に第1の光線を向け得る。方法は、第2の空間的光変調器ピクセルの上に第2の光線を投影することをも含み得る(704)。第2の空間的光変調器ピクセルは、デジタルマイクロミラーまたは他の同様のデバイスをも含み得、同様に、デジタルリソグラフィプロセス中に基板の上に第2の光線を向け得る。第1および第2の空間的光変調器ピクセルは、ピクセルのアレイ中で互いに隣り合って位置決めされ得る。第1および第2の光線は、同じ光源から、あるいは位相ロックされたレーザダイオードまたはレーザダイオードアレイなど、異なる光源から発生し得る。
【0041】
この方法は、基板上の第1の光線と第2の光線との間の位相シフトを設定または調整するために使用され得る。たとえば、「あらかじめ選択された位相シフト」に言及するとき、これは、これらの特定のマイクロミラーの間の、特定のリソグラフィプロセスのために特に選択された位相シフトを指す。これは、単に、傾斜誤差に基づくOPDをもたらす波長において光をマイクロミラーを使用して生成すること、および得られた位相シフトでプロセスを実行することとは対照的であり得る。代わりに、あらかじめ選択された位相シフトは、プロセスのために決定され得、光源からの光の波長は、あらかじめ選択された位相シフトを生成するために調整または選択され得る。
【0042】
それゆえ、方法は、第1の光線と第2の光線との間の光路差に基づいて、第1の光線の波長および第2の光線の波長を制御する(706)ことをさらに含み得る。波長は、基板上での第1の光線と第2の光線との間のあらかじめ選択された位相シフトを生じるために、選択または調整され得る。波長は、
図5に関して上記で説明されたように、OPDに基づいて選択され得る。上記で説明されたように、光源は、光源によって生成される光の波長が調整可能であるように構成され得る。この調整は、異なる光源をアクティブ化すること、光源の動作を調整すること、光源の温度を調整すること、レーザ源のキャビティ長を機械的に調整すること、光源のキャビティを電子音響的に変えること、リソグラフィシステムへの代替の光源をアクティブ化または代用すること、および/あるいは所望の位相シフトを生成するように光の波長を調整または選択する任意の他の方法によって行われ得る。たとえば、複数のレーザダイオードの第1のサブセットは、180°の位相シフトを引き起こす波長を生成するように構成され得る。複数のレーザダイオードの第2のサブセットは、0°の位相シフトを引き起こす波長を生成するように構成され得、レーザダイオードの別のサブセットは、270°などの別の波長を生成するように構成され得る。これらのサブセットは、あらかじめ選択された波長に基づいてアクティブ化され得る。
【0043】
図7に図示されている具体的なステップは、様々な実施形態による、デジタルリソグラフィシステムにおけるピクセルの間の位相シフトを調整または選択する特定の方法を提供することを諒解されたい。ステップの他のシーケンスも、代替実施形態に従って実施され得る。たとえば、代替実施形態は、上記で概説されたステップを異なる順序で実施し得る。その上、
図7に図示されている個々のステップは、個々のステップに適するように様々なシーケンスで実施され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定の適用例に応じて、追加のステップが追加または削除され得る。多くの変形形態、変更形態、および代替形態も、本開示の範囲内に入る。
【0044】
次に、リソグラフィプロセスにおいて使用される光源の有効波長を調整する1つの特定の方法が説明される。この方法は、異なる周波数を有する複数の光源を使用することと、基板上での位相シフトの効果を生成するようにこれらの光源の強度を調整することとを伴う。
【0045】
図8は、いくつかの実施形態による、リソグラフィシステムにおいて使用され得る光源800を図示する。この光源800は、例として提供されるにすぎず、限定するものではない。レーザダイオードまたは他の同様の機器の異なるグルーピングおよび構成を有する他の光源が、その場所において使用され得る。この光源800は、レーザモジュール802を含み得る。レーザモジュール802は、複数のレーザダイオードを含み得る。いくつかの実施形態では、レーザダイオードは、グループに分割され得、グループは、対応する駆動回路構成によって駆動される複数のマッチドレーザダイオードを含み得る。グループの各々は、同様の波長を有する複数のレーザダイオードでポピュレートされ得る。
図8は、単に明快のために簡略化された例として、各々が4つのレーザダイオードからなる4つのグループを図示することに留意されたい。楕円によって指し示されるように、任意の数のレーザダイオードおよびグループが、限定されずに使用され得る。
【0046】
以下で説明される実施形態について、グループのうちのいくつかは、あらかじめ選択された波長よりも短い波長において光を発するように構成されたレーザダイオードを含み得、グループのうちのいくつかは、あらかじめ選択された波長よりも長い波長において光を発するように構成されたレーザダイオードを含み得る。たとえば、第1のグループ808は、第1の駆動回路構成806によって駆動され、より高い波長において光を生成するように構成され得、第2のグループ838は、第2の駆動回路構成833によって駆動され、より低い波長において光を生成するように構成され得る。
【0047】
システムは、レーザダイオードの様々なグループの強度を制御するように構成されたコントローラ804を含み得る。たとえば、コントローラ804は、
図13において以下で説明されるマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、および/またはコンピュータシステムを使用して実装され得る。コントローラ804は、第1のグループ808の強度が第2のグループ838の強度よりも高くなること、またはその逆を引き起こし得る。コントローラ804は、以下で詳細に説明されるように、レーザモジュール802中の各グループについて適切な強度を計算し得る。
【0048】
レーザモジュール802における各レーザダイオードは、対応する光ファイバ814に結合され得る。これらの光ファイバは、一緒に束ねられ、アレイ中のマイクロミラーの上に投影され得る均一な照明ビームに光をスクランブルする均質化ロッド816または他の形態の光パイプの中に狙いを定められ得る。それゆえ、上記で説明された「光線」の各々は、異なる波長において光を生成する異なる光レーザダイオードグループからの複数のコンポーネントを含み得る。たとえば、第1の光コンポーネントは、ある波長においてレーザダイオードの第1のグループ808によって生成され得、第2の光コンポーネントは、別の波長においてレーザダイオードの第2のグループ838によって生成され得る。均質化ロッド816の出力は、上記で説明されたように、1つまたは複数の光線として向けられた光818であり得る。たとえば、光818は、
図4A~
図4C中の、および本開示の他の場所における第1の光線と第2の光線の両方の源であり得る。
【0049】
図9は、いくつかの実施形態による、あらかじめ選択された波長をブラケットする複数の波長を有する光線を使用するためのシステム900を図示する。システム900は、光源911が、少なくとも2つの異なるコンポーネントを有する第1の光線406を生成するように構成され得ることを除いて、上記で説明されたシステムと同様である。たとえば、第1のコンポーネントが、あらかじめ選択された波長よりも高い波長において光を出力するレーザダイオードを使用して生成され得、ここで、あらかじめ選択された波長は、基板451上での第1の光線406と第2の光線408との間の所望の位相シフトに対応する。同様に、第2のコンポーネントが、あらかじめ選択された波長よりも低い波長において光を出力するレーザダイオードを使用して生成され得る。代替的に、第1のコンポーネントおよび第2のコンポーネントは、あらかじめ選択された位相シフトに対するそれらの対応する位相シフトに基づいて特徴づけられ得る。第1のコンポーネントは、あらかじめ選択された位相シフトよりも大きい位相シフトを生成し得、第2のコンポーネントは、あらかじめ選択された位相シフトよりも小さい位相シフトを生成し得る。これらの2つのコンポーネント902、904は、第1の光線406を形成するために、一緒に混合され得る。上記で説明されたように、光源911は、第2のマイクロミラー404の上に投影される第2の光線408をも生成し得るが、これは、
図9において明示的に示されていない。代替的に、第2の光源(図示せず)が、第2の光線408を生成し得る。
【0050】
光源911は、第1のコンポーネント902の強度および第2のコンポーネント904の強度を制御する、上記で説明されたコントローラを含み得る。あらかじめ選択された波長または位相シフトよりも高いおよび低い波長または位相シフトによって、基板上でのあらかじめ選択された波長または位相シフトをブラケットすることによって、あらかじめ選択された位相シフトの効果は、基板上の2つのコンポーネントの結合された光強度によって近似され得ることが発見された。さらに、第1のコンポーネント902と第2のコンポーネント904との間の相対強度を調整することによって、有効位相シフトは、位相シフトの重み付き結合を使用して、第1のコンポーネント902の位相シフトと第2のコンポーネント904の位相シフトとの間で同調または調整され得る。
【0051】
図10は、いくつかの実施形態による、あらかじめ選択された位相シフトをブラケットする複数の光コンポーネントをもつ光線を使用することの効果のグラフ1000を図示する。この例では、あらかじめ選択された位相シフトは、0°として選択される。これは、特定のマイクロミラーアレイのOPDに基づいて計算され得るあらかじめ選択された波長に対応する。それゆえ、あらかじめ選択された位相シフトおよびあらかじめ選択された波長は、それらが互いから容易に導出されるので、互換的に使用され得る。曲線1008は、基板の表面上での光の強度を図示する。グラフ1000の垂直軸は、任意の単位の正規化スケールを使用して基板上での光の強度を表す。グラフ1000の水平軸は、ミクロン(μm)単位で基板上のロケーションを表す。0μmロケーションは、アレイ中で隣り合い得る第1のマイクロミラーと第2のマイクロミラーとの間の中心位置に対応する。これらの2つのマイクロミラーの間のピッチは、グラフ1000中の曲線上のピークにおおよそ対応する、およそ1.26μmであり得る。グラフ1000の結果は、およそ-3μmのデフォーカスレベルに基づく。
【0052】
光源が、0°位相シフトに対応するあらかじめ選択された波長について容易に入手できないことがあるので、あらかじめ選択された位相シフトよりも大きい、およびあらかじめ選択された位相シフトよりも小さい位相シフトを有する第1のコンポーネントおよび第2のコンポーネントが、同時に使用され得る。この例では、曲線1004に対応する第1のコンポーネントは、0°位相シフトよりもおよそ10°小さい位相シフト(たとえば、350°)を生成する波長を表し、曲線1002に対応する第2のコンポーネントは、0°位相シフトよりもおよそ20°大きい位相シフトを生成する波長を表す。これらの曲線は、個々に、あらかじめ選択された0°位相シフトを生成するあらかじめ選択された波長に対応する曲線1008とは異なることに留意されたい。
【0053】
しかしながら、第1のコンポーネントおよび第2のコンポーネントが、マイクロミラーから反射される光線を形成するために結合されたとき、基板上での全体的な光強度は、あらかじめ選択された波長のあらかじめ選択された位相シフトの効果に近似するようにされ得る。たとえば、2つのコンポーネントは、線形結合で結合され得、ここで、各コンポーネントに割り当てられる重みは、あらかじめ選択された位相シフトに対するそれらの対応する位相シフトの差異に対応する。この実装形態では、各コンポーネントに割り当てられる重みは、およそゼロに等しい2つのコンポーネントの線形結合を作る。たとえば、あらかじめ選択された0°位相シフトに対して-10°の位相シフトを有するコンポーネントは、2/3を乗算され得、あらかじめ選択された0°位相シフトに対して+20°の位相シフトを有するコンポーネントは、1/3を乗算され得、それにより、これらのコンポーネントの線形結合は、ゼロにおよそ等しくなる。これらの重みは、次いで、各コンポーネントの輝度または強度を制御するために使用され得る。たとえば、-10°位相シフトを有するコンポーネントの強度は、+20°位相シフトを有するコンポーネントの強度のおよそ2倍であり得る。各コンポーネントの強度は、上記で説明されたコントローラによって動作中に動的に制御され得る。
【0054】
各コンポーネントの強度が制御されたときの2つのコンポーネントの結合が、グラフ1000中に曲線1006として示されている。結合されたコンポーネントについての曲線1006は、あらかじめ選択された波長の理想的な位相シフトに対応する曲線1008に極めて密に近似することに留意されたい。これは、第1のコンポーネントおよび第2のコンポーネントの効果が、これらのコンポーネントの強度を制御することによって基板上でのあらかじめ選択された位相シフトまたは波長の効果に近似するためにどのように使用され得るかを図示する。
【0055】
図11は、いくつかの実施形態による、複数のコンポーネントが、任意のあらかじめ選択された波長に近似し、その波長に同調するためにどのように使用され得るかを示すグラフを図示する。0°および180°が、例示の位相シフトとして上記で説明されたが、これらの実施形態は、様々なデフォーカスレベルにおいてアレイ中の任意の2つのマイクロミラーの間の任意の位相シフトを生成するために容易に使用され得る。例として、グラフ1100は、+3μmデフォーカス長において0°位相シフトに近似することを図示し、グラフ1102は、0μmデフォーカス長において180°位相シフトに近似することを図示し、グラフ1106は、+3μmデフォーカス長において90°位相シフトに近似することを図示し、グラフ1108は、0μmデフォーカス長において280°位相シフトに近似することを図示する。これらのグラフは、任意の位相シフトが、これらの技法を使用してどのように近似され得るかを図示する。
【0056】
これらの例では、あらかじめ選択された位相シフトまたはあらかじめ選択された波長をブラケットする位相シフトまたは波長は、より高い位相シフトが、あらかじめ選択された位相シフトよりもおよそ20°大きく、より低い位相シフトが、あらかじめ選択された位相シフトよりもおよそ10°小さくなるように選択された。あらかじめ選択された位相シフトのこの特定のブラケティングは、あらかじめ選択された位相シフトの効果に密に近似することが示されたが、すべての実施形態が、これらの特定の値を使用する必要があるとは限らない。たとえば、他の実施形態は、およそ5°とおよそ10°との間でより大きい、およそ10°とおよそ15°との間でより大きい、およそ15°とおよそ20°との間でより大きい、およそ20°とおよそ25°との間でより大きい、およそ25°とおよそ30°との間でより大きいなどである、第1のコンポーネントについての位相シフト値を使用し得る。同様に、他の実施形態は、およそ5°とおよそ10°との間でより小さい、およそ10°とおよそ15°との間でより小さい、およそ15°とおよそ20°との間でより小さい、およそ20°とおよそ25°との間でより小さい、およそ25°とおよそ30°との間でより小さいなどである、第2のコンポーネントについての位相シフト値を使用し得る。これらの異なる範囲の各々は、限定されずに異なる組合せにおいて使用され得、リソグラフィシステムの特定のリソグラフィパターン、レーザダイオードタイプ、フォトレジスト材料、および/または他の特性に応じて異なる利点を有する。
【0057】
上記で説明されたシステムは、全体として、DMDのためにレーザダイオードにおける波長の同じ混合物を使用し得る。これは、システムが、各DMDのミラー傾斜角の平均誤差を補正することを可能にする。しかしながら、いくつかの実施形態は、DMDアレイ自体の個々のマイクロミラー傾斜誤差を追加として補正し得る。たとえば、個々の波長は混合し、入射角は、各個々のマイクロミラーの傾斜誤差に基づいて、DMDにわたって調整され得る。これらの実施形態は、マイクロミラー傾斜角の局所的な変動を補償するために、光源、強さ、および光の角度を変動させ得る。
【0058】
上記で説明された例は、例として光線の2つのコンポーネントのみを図示する。しかしながら、他の実施形態は、光線の3つ以上のコンポーネントを使用し得る。たとえば、あらかじめ選択された位相シフトは、あらかじめ決定された位相シフトよりも大きい、および/またはあらかじめ決定された位相シフトよりも小さい位相シフトを有する3つ、4つ、5つなどのコンポーネントによってブラケットされ得る。これらのコンポーネントの各々の相対的な輝度は、上記で説明された光コンポーネントの重み付き結合を使用して決定され得る。特に、強度に対応する重みは、あらかじめ選択された位相シフトからの位相シフト偏差の重み付き結合がおよそゼロになるように計算され得る。
【0059】
図12は、いくつかの実施形態による、デジタルリソグラフィシステムにおけるピクセルの間の位相シフトを選択または調整する方法のフローチャート1200を図示する。方法は、第1の空間的光変調器ピクセルの上に第1の光線を投影することを含み得る(1202)。上記で説明されたように、第1の空間的光変調器ピクセルは、デジタルマイクロミラーを含み得る。第1の空間的光変調器ピクセルは、デジタルリソグラフィプロセス中に基板の上に第1の光線を向け得る。方法は、第2の空間的光変調器ピクセルの上に第2の光線を投影することをも含み得る(1204)。第2の空間的光変調器ピクセルは、デジタルマイクロミラーまたは他の同様のデバイスをも含み得、同様に、デジタルリソグラフィプロセス中に基板の上に第2の光線を向け得る。第1および第2の空間的光変調器ピクセルは、ピクセルのアレイ中で互いに隣り合って位置決めされ得る。第1および第2の光線は、同じ光源から、あるいはレーザダイオードまたはレーザダイオードアレイなど、異なる光源から発生し得る。
【0060】
第1の光線は、あらかじめ選択された位相シフトよりも大きい第1の位相シフトを生成する、第1の波長を有する第1のコンポーネントを含む複数のコンポーネントを含み得る。同様に、複数のコンポーネントは、あらかじめ選択された位相シフトよりも小さい第2の位相シフトを生成する、第2の波長を有する第2のコンポーネントをも含み得る。あらかじめ選択された位相シフトは、基板の上に2つのマイクロミラーによって反射された光線の間の所望の位相シフトに対応し得る。上記で説明されたように、第1の光線中の複数のコンポーネントは、上記で説明された2つの特定のコンポーネントに加えて他のコンポーネントをも含み得る。第1の光線を生成する同じ光源が、第2の光線をも生成し得、それゆえ、第2の光線も、これらのコンポーネントを含み得る。
【0061】
方法は、あらかじめ選択された位相シフトに近似する、基板上での効果を生成するように複数のコンポーネントの強さを制御する(1206)ことをさらに含み得る。各コンポーネントの強さは、あらかじめ選択された位相シフトからの対応する位相シフトの偏差の線形結合に基づいて制御され得る。重み付き結合においてこれらの位相シフト偏差の各々に適用される重みは、線形結合がおよそゼロになるように計算され得る。重み付き結合は、光線中の任意の数のコンポーネントを含み得る。あらかじめ選択された位相シフトに近似することは、あらかじめ選択された位相シフトに対応する単一の波長を使用すると存在するであろう光強度のパターンに近似する、基板上での光強度のパターンを生成し得る。
【0062】
図12に図示されている具体的なステップは、様々な実施形態による、デジタルリソグラフィシステムにおけるピクセルの間の位相シフトを選択または調整する特定の方法を提供することを諒解されたい。ステップの他のシーケンスも、代替実施形態に従って実施され得る。たとえば、代替実施形態は、上記で概説されたステップを異なる順序で実施し得る。その上、
図12に図示されている個々のステップは、個々のステップに適するように様々なシーケンスで実施され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定の適用例に応じて、追加のステップが追加または削除され得る。多くの変形形態、変更形態、および代替形態も、本開示の範囲内に入る。
【0063】
本明細書で説明される方法の各々は、コンピュータシステムによって実装され得る。これらの方法の各ステップは、コンピュータシステムによって自動的に実行され得、および/またはユーザに関与する入力/出力とともに提供され得る。たとえば、ユーザは、方法における各ステップのための入力を提供し得、これらの入力の各々は、そのような入力を要求する特定の出力に応答したものであり得、ここにおいて、出力は、コンピュータシステムによって生成される。各入力は、対応する要求する出力に応答して受信され得る。さらに、入力は、ユーザから受信される、データストリームとして別のコンピュータシステムから受信される、メモリロケーションから取り出される、ネットワークを介して取り出される、ウェブサービスから要求される、などであり得る。同様に、出力は、ユーザに提供される、データストリームとして別のコンピュータシステムに提供される、メモリロケーションに保存される、ネットワークを介して送られる、ウェブサービスに提供される、などであり得る。要するに、本明細書で説明される方法の各ステップは、コンピュータシステムによって実施され得、コンピュータシステムへのおよびコンピュータシステムからの任意の数の入力、出力、および/または要求を伴い得、これは、ユーザを伴うことも伴わないこともある。ユーザを伴わないステップは、人間介入なしのコンピュータシステムによって自動的に実施されると言われ得る。それゆえ、本開示に照らして、本明細書で説明される各方法の各ステップは、ユーザへのおよびユーザからの入力および出力を含むように変えられ得るか、または任意の決定がプロセッサによって行われる人間介入なしのコンピュータシステムによって自動的に行われ得ることが、理解されよう。さらに、本明細書で説明される方法の各々のいくつかの実施形態は、有形ソフトウェア製品を形成するために、有形、非一時的ストレージ媒体に記憶された命令のセットとして実装され得る。
【0064】
図13は、様々な実施形態が実装され得る、例示的なコンピュータシステム1300を図示する。システム1300は、上記で説明されたコンピュータシステムまたはコントローラのいずれかを実装するために使用され得る。たとえば、システム1300は、上記で説明されたリソグラフィプロセス中にマイクロミラーの上に投影され、基板の上に反射される光のコンポーネントの強さを制御するコントローラを実装するために使用され得る。図に示されているように、コンピュータシステム1300は、バスサブシステム1302を介していくつかの周辺サブシステムと通信する処理ユニット1304を含む。これらの周辺サブシステムは、処理加速ユニット1306と、I/Oサブシステム1308と、ストレージサブシステム1318と、通信サブシステム1324とを含み得る。ストレージサブシステム1318は、有形コンピュータ可読ストレージ媒体1322とシステムメモリ1310とを含む。
【0065】
バスサブシステム1302は、コンピュータシステム1300の様々な構成要素およびサブシステムに、意図されるように互いと通信させるための機構を提供する。バスサブシステム1302は単一のバスとして概略的に示されているが、バスサブシステムの代替実施形態は複数のバスを利用し得る。バスサブシステム1302は、メモリバスまたはメモリコントローラと、周辺バスと、様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用するローカルバスとを含む、いくつかのタイプのバス構造のいずれかであり得る。たとえば、そのようなアーキテクチャは、業界標準アーキテクチャ(ISA)バスと、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バスと、拡張ISA(EISA)バスと、ビデオエレクトロニクス規格協会(VESA)ローカルバスと、IEEE P1386.1規格に合わせて製造されたメザニンバスとして実装され得る周辺構成要素相互接続(PCI)バスとを含み得る。
【0066】
1つまたは複数の集積回路(たとえば、従来のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ)として実装され得る、処理ユニット1304は、コンピュータシステム1300の動作を制御する。1つまたは複数のプロセッサが、処理ユニット1304中に含まれ得る。これらのプロセッサは、シングルコアプロセッサまたはマルチコアプロセッサを含み得る。いくつかの実施形態では、処理ユニット1304は、1つまたは複数の独立した処理ユニット1332および/または1334として実装され、各処理ユニット中にシングルまたはマルチコアプロセッサが含まれ得る。他の実施形態では、処理ユニット1304は、2つのデュアルコアプロセッサを単一のチップに統合することによって形成されたクワッドコア処理ユニットとしても実装され得る。
【0067】
様々な実施形態では、処理ユニット1304は、プログラムコードに応答して様々なプログラムを実行することができ、複数の同時に実行するプログラムまたはプロセスを維持することができる。所与の時間において、実行されるべきプログラムコードの一部または全部が、プロセッサ1304中に、および/またはストレージサブシステム1318中に常駐し得る。好適なプログラミングを通して、プロセッサ1304は、上記で説明された様々な機能性を提供することができる。コンピュータシステム1300は、デジタル信号プロセッサ(DSP)、専用プロセッサなどを含むことができる、処理加速ユニット1306を追加として含み得る。
【0068】
I/Oサブシステム1308は、ユーザインターフェース入力デバイスとユーザインターフェース出力デバイスとを含み得る。ユーザインターフェース入力デバイスは、キーボード、マウスまたはトラックボールなどのポインティングデバイス、ディスプレイに組み込まれたタッチパッドまたはタッチスクリーン、スクロールホイール、クリックホイール、ダイヤル、ボタン、スイッチ、キーパッド、音声コマンド認識システムをもつオーディオ入力デバイス、マイクロフォン、および他のタイプの入力デバイスを含み得る。ユーザインターフェース入力デバイスは、たとえば、ユーザが、ジェスチャーおよび話されたコマンドを使用するナチュラルユーザインターフェースを通して、Microsoft Xbox(登録商標)360ゲームコントローラなど、入力デバイスを制御し、その入力デバイスと対話することを可能にする、Microsoft Kinect(登録商標)動きセンサなどの動き検知および/またはジェスチャー認識デバイスを含み得る。ユーザインターフェース入力デバイスは、ユーザからの目の活動(たとえば、写真を撮るおよび/またはメニュー選択を行う間の「まばたき」)を検出し、目のジェスチャーを入力デバイス(たとえば、Google Glass(登録商標))への入力として変換する、Google Glass(登録商標)まばたき検出器など、目ジェスチャー認識デバイスをも含み得る。追加として、ユーザインターフェース入力デバイスは、ユーザが音声コマンドを通して、音声認識システム(たとえば、Siri(登録商標)ナビゲータ)と対話することを可能にする、音声認識検知デバイスを含み得る。
【0069】
ユーザインターフェース入力デバイスは、限定はしないが、3次元(3D)マウス、ジョイスティックまたはポインティングスティック、ゲームパッドおよびグラフィックタブレット、ならびに、スピーカーなどのオーディオ/視覚デバイス、デジタルカメラ、デジタルカムコーダ、携帯用メディアプレーヤ、ウェブカム、画像スキャナ、指紋スキャナ、バーコードリーダー3Dスキャナ、3Dプリンタ、レーザ測距器、ならびに視線追跡デバイスをも含み得る。追加として、ユーザインターフェース入力デバイスは、たとえば、コンピュータ断層撮影、磁気共鳴撮像、陽電子放出断層撮影、医療超音波検査デバイスなど、医療撮像入力デバイスを含み得る。ユーザインターフェース入力デバイスは、たとえば、MIDIキーボード、デジタル楽器など、オーディオ入力デバイスをも含み得る。
【0070】
ユーザインターフェース出力デバイスは、ディスプレイサブシステム、インジケータライト、またはオーディオ出力デバイスなどの非視覚ディスプレイなどを含み得る。ディスプレイサブシステムは、カソードレイチューブ(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)またはプラズマディスプレイを使用するものなどのフラットパネルデバイス、投影デバイス、タッチスクリーンなどであり得る。一般に、「出力デバイス」という用語の使用は、コンピュータシステム1300からユーザまたは他のコンピュータに情報を出力するための、すべての考えられるタイプのデバイスおよび機構を含むものとする。たとえば、ユーザインターフェース出力デバイスは、限定はしないが、モニタ、プリンタ、スピーカー、ヘッドフォン、自動車ナビゲーションシステム、プロッタ、音声出力デバイス、およびモデムなど、テキスト、グラフィックス、およびオーディオ/ビデオ情報を視覚的に伝達する、様々なディスプレイデバイスを含み得る。
【0071】
コンピュータシステム1300は、システムメモリ1310内に現在置かれているものとして示されているソフトウェア要素を備える、ストレージサブシステム1318を備え得る。システムメモリ1310は、処理ユニット1304上でロード可能および実行可能であるプログラム命令、ならびにこれらのプログラムの実行中に生成されるデータを記憶し得る。
【0072】
コンピュータシステム1300の構成およびタイプに応じて、システムメモリ1310は、(ランダムアクセスメモリ(RAM)などの)揮発性および/または(読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリなどの)不揮発性であり得る。RAMは、一般的に、処理ユニット1304にとって直ちにアクセス可能である、ならびに/または処理ユニット1304によって現在動作および実行されている、データおよび/またはプログラムモジュールを含んでいる。いくつかの実装形態では、システムメモリ1310は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)またはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など、複数の異なるタイプのメモリを含み得る。いくつかの実装形態では、起動中など、コンピュータシステム1300内の要素間で情報を移送するのを助ける基本ルーチンを含んでいる、基本入出力システム(BIOS)が、一般的に、ROMに記憶され得る。限定ではなく例として、システムメモリ1310はまた、クライアントアプリケーション、ウェブブラウザ、中間ティアアプリケーション、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)などを含み得る、アプリケーションプログラム1312と、プログラムデータ1314と、オペレーティングシステム1316とを図示している。例として、オペレーティングシステム1316は、様々なバージョンのMicrosoft Windows(登録商標)、Apple Macintosh(登録商標)、および/またはLinuxオペレーティングシステム、(限定はしないが、様々なGNU/Linuxオペレーティングシステム、Google Chrome(登録商標)OSなどを含む)様々な市販のUNIX(登録商標)またはUNIXのようなオペレーティングシステム、ならびに/あるいはiOS、Windows(登録商標)Phone、Android(登録商標)OS、BlackBerry(登録商標)10 OS、およびPalm(登録商標)OSオペレーティングシステムなどのモバイルオペレーティングシステムを含み得る。
【0073】
ストレージサブシステム1318はまた、いくつかの実施形態の機能性を提供する基本プログラミングおよびデータ構築物を記憶するための、有形コンピュータ可読ストレージ媒体を提供し得る。プロセッサによって実行されたとき、上記で説明された機能性を提供する、ソフトウェア(プログラム、コードモジュール、命令)は、ストレージサブシステム1318に記憶され得る。これらのソフトウェアモジュールまたは命令は、処理ユニット1304によって実行され得る。ストレージサブシステム1318は、いくつかの実施形態に従って使用されるデータを記憶するためのリポジトリをも提供し得る。
【0074】
ストレージサブシステム1300は、コンピュータ可読ストレージ媒体リーダー1320をも含み得、このコンピュータ可読ストレージ媒体リーダー1320は、コンピュータ可読ストレージ媒体1322にさらに接続され得る。システムメモリ1310とともに、および随意に、システムメモリ1310と組み合わせて、コンピュータ可読ストレージ媒体1322は、リモート、ローカル、固定、および/またはリムーバブルストレージデバイスに加えて、コンピュータ可読情報を一時的におよび/またはより永続的に含んでいる、記憶する、伝送する、および取り出すための、ストレージ媒体を包括的に表し得る。
【0075】
コードまたはコードの部分を含んでいるコンピュータ可読ストレージ媒体1322はまた、限定はしないが、情報のストレージおよび/または伝送のための任意の方法または技術において実装された、揮発性および不揮発性、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体など、ストレージ媒体および通信媒体を含む、任意の適切な媒体を含むことができる。これは、RAM、ROM、電子的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、または他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイスなど、有形コンピュータ可読ストレージ媒体、あるいは他の有形コンピュータ可読媒体を含むことができる。これは、データ信号、データ伝送、または所望の情報を伝送するために使用され得、コンピューティングシステム1300によってアクセスされ得る、任意の他の媒体など、非有形コンピュータ可読媒体をも含むことができる。
【0076】
例として、コンピュータ可読ストレージ媒体1322は、非リムーバブル不揮発性磁気媒体から読み取るかまたは非リムーバブル不揮発性磁気媒体に書き込むハードディスクドライブ、リムーバブル不揮発性磁気ディスクから読み取るかまたはリムーバブル不揮発性磁気ディスクに書き込む磁気ディスクドライブ、ならびに、CD ROM、DVD、およびBlu-Ray(登録商標)ディスク、または他の光媒体など、リムーバブル不揮発性光ディスクから読み取るかまたはリムーバブル不揮発性光ディスクに書き込む光ディスクドライブを含み得る。コンピュータ可読ストレージ媒体1322は、限定はしないが、Zip(登録商標)ドライブ、フラッシュメモリカード、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ、セキュアデジタル(SD)カード、DVDディスク、デジタルビデオテープなどを含み得る。コンピュータ可読ストレージ媒体1322は、フラッシュメモリベース固体ドライブ(SSD)、企業フラッシュドライブ、固体ROMなど、不揮発性メモリに基づくSSD、固体RAM、ダイナミックRAM、スタティックRAM、DRAMベースSSD、磁気抵抗RAM(MRAM)SSDなど、揮発性メモリに基づくSSD、およびDRAMベースSSDとフラッシュメモリベースSSDとの組合せを使用するハイブリッドSSDをも含み得る。ディスクドライブおよびそれらの関連するコンピュータ可読媒体は、コンピュータシステム1300のための、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および他のデータの、不揮発性ストレージを提供し得る。
【0077】
通信サブシステム1324は、他のコンピュータシステムおよびネットワークへのインターフェースを提供する。通信サブシステム1324は、コンピュータシステム1300からの他のシステムからデータを受信するための、およびコンピュータシステム1300からの他のシステムにデータを伝送するための、インターフェースとして働く。たとえば、通信サブシステム1324は、コンピュータシステム1300がインターネットを介して1つまたは複数のデバイスに接続することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、通信サブシステム1324は、(たとえば、セルラー電話技術、3G、4G、またはEDGE(グローバル進化型高速データレート)などの高度データネットワーク技術、WiFi(IEEE802.11ファミリー規格)、または他のモバイル通信技術、またはそれらの任意の組合せを使用する)ワイヤレス音声および/またはデータネットワークにアクセスするための高周波(RF)トランシーバ構成要素、全地球測位システム(GPS)受信機構成要素、ならびに/あるいは他の構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、通信サブシステム1324は、ワイヤレスインターフェースに加えてまたはワイヤレスインターフェースの代わりにワイヤードネットワーク接続性(たとえば、イーサネット)を提供することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、通信サブシステム1324はまた、コンピュータシステム1300を使用し得る1人または複数のユーザのために、構造化されたおよび/または構造化されていないデータフィード1326、イベントストリーム1328、イベント更新1330などの形態で、入力通信を受信し得る。
【0079】
例として、通信サブシステム1324は、1つまたは複数のサードパーティ情報源からのTwitter(登録商標)フィード、Facebook(登録商標)更新、Rich Site Summary(RSS)フィードなどのウェブフィード、および/またはリアルタイム更新など、データフィード1326をソーシャルネットワークおよび/または他の通信サービスのユーザからリアルタイムで受信するように構成され得る。
【0080】
追加として、通信サブシステム1324はまた、連続データストリームの形態のデータを受信するように構成され得、そのデータは、リアルタイムイベントのイベントストリーム1328、および/またはイベント更新1330を含み得、それらは、本質的に明示的終わりなしに連続または無限であり得る。連続データを生成するアプリケーションの例は、たとえば、センサデータアプリケーション、金融ティッカー、ネットワーク性能測定ツール(たとえばネットワーク監視およびトラフィック管理アプリケーション)、クリックストリーム分析ツール、自動車交通監視などを含み得る。
【0081】
通信サブシステム1324はまた、コンピュータシステム1300に結合された1つまたは複数のストリーミングデータ源コンピュータと通信していることがある1つまたは複数のデータベースに、構造化されたおよび/または構造化されていないデータフィード1326、イベントストリーム1328、イベント更新1330などを出力するように構成され得る。
【0082】
コンピュータシステム1300は、ハンドヘルド携帯用デバイス(たとえば、iPhone(登録商標)セルラーフォン、iPad(登録商標)コンピューティングタブレット、PDA)、ウェアラブルデバイス(たとえば、Google Glass(登録商標)ヘッドマウントディスプレイ)、PC、ワークステーション、メインフレーム、キオスク、サーバラック、または任意の他のデータ処理システムを含む、様々なタイプのうちの1つであり得る。
【0083】
コンピュータおよびネットワークの絶え間なく変化する性質により、図に示されているコンピュータシステム1300の説明は、特定の例としてのものにすぎない。図に示されているシステムよりも多いまたは少ない構成要素を有する多くの他の構成が可能である。たとえば、カスタマイズされたハードウェアも使用され得、および/あるいは特定の要素が、ハードウェア、ファームウェア、(アプレットを含む)ソフトウェア、または組合せで実装され得る。さらに、ネットワーク入出力デバイスなど、他のコンピューティングデバイスへの接続が、採用され得る。本明細書で提供される開示および教示に基づいて、様々な実施形態を実装するための他のやり方および/または方法が、明らかであるべきである。
【0084】
本明細書で使用される、「約(about)」または「およそ(approximately)」または「実質的に(substantially)」という用語は、本明細書に照らして当業者によって予想されるであろう範囲内にあると解釈され得る。
【0085】
上記の説明では、説明の目的で、様々な実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載された。ただし、いくつかの実施形態がこれらの具体的な詳細のうちのいくつかなしに実践され得ることは明らかであろう。他の事例では、よく知られている構造およびデバイスが、ブロック図の形態で示されている。
【0086】
上記の説明は、例示的な実施形態を提供するにすぎず、本開示の範囲、適用可能性、または構成を限定するものではない。むしろ、様々な実施形態の上記の説明は、少なくとも1つの実施形態を実装するための可能な開示を提供する。添付の特許請求の範囲に記載のいくつかの実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更が要素の機能および配置において行われ得ることを理解されたい。
【0087】
実施形態の完全な理解を提供するために、上記の説明において具体的な詳細が与えられた。ただし、実施形態がこれらの具体的な詳細なしに実践され得ることを理解されよう。たとえば、回路、システム、ネットワーク、プロセス、および他の構成要素は、不要な詳細で実施形態を不明瞭にしないために、ブロック図の形態の構成要素として示されていることがある。他の事例では、よく知られている回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技法が、実施形態を不明瞭にすることを回避するために、不要な詳細なしに示されていることがある。
【0088】
また、個々の実施形態は、フローチャート、流れ図、データフロー図、構造図、またはブロック図として示されている、プロセスとして説明されていることがあることに留意されたい。フローチャートは動作を連続したプロセスとして説明していることがあるが、動作の多くは、並列にまた同時に実施され得る。加えて、動作の順序は並べ替えられ得る。プロセスは、その動作が完了したとき終了するが、図中に含まれない追加のステップを有し得る。プロセスは、方法、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラムなどに対応し得る。プロセスが関数に対応するとき、その終了は、呼出し関数またはメイン関数への関数のリターンに対応することができる。
【0089】
「コンピュータ可読媒体」という用語は、限定はしないが、携帯用または固定ストレージデバイス、光ストレージデバイス、ワイヤレスチャネル、ならびに命令および/またはデータを記憶するか、含んでいるか、または搬送することが可能な様々な他の媒体を含む。コードセグメントまたは機械実行可能命令は、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、あるいは命令、データ構造、またはプログラム文の任意の組合せを表し得る。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、またはメモリコンテンツを渡すおよび/または受信することによって別のコードセグメントまたはハードウェア回路に結合され得る。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージパッシング、トークンパッシング、ネットワーク伝送などを含む任意の好適な手段を介して、渡されるか、フォワーディングされるか、または伝送され得る。
【0090】
さらに、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組合せによって実装され得る。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアまたはマイクロコードで実装されるとき、必要なタスクを実施するためのプログラムコードまたはコードセグメントは、機械可読媒体に記憶され得る。プロセッサは、必要なタスクを実施し得る。
【0091】
上記の明細書では、特徴が、その特定の実施形態を参照しながら説明されたが、すべての実施形態がそれに限定されるとは限らないことを認識されたい。いくつかの実施形態の様々な特徴および態様が、個々にまたは共に使用され得る。さらに、実施形態は、本明細書のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で説明されるもの以外の、任意の数の環境および適用例において利用され得る。したがって、本明細書および図面は、限定的ではなく例示的なものと見なされるべきである。
【0092】
追加として、例示の目的で、方法が、特定の順序で説明された。代替の実施形態では、方法は、説明されたものとは異なる順序で実施され得ることを諒解されたい。また、上記で説明された方法は、ハードウェア構成要素によって実施され得るか、あるいは、汎用もしくは専用プロセッサまたは命令によりプログラムされた論理回路など、機械にその方法を実施させるために使用され得る、機械実行可能命令のシーケンスで具現され得ることを諒解されたい。これらの機械実行可能命令は、CD-ROMまたは他のタイプの光ディスク、フロッピーディスケット、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気または光学カード、フラッシュメモリ、あるいは電子命令を記憶するのに好適な他のタイプの機械可読媒体など、1つまたは複数の機械可読媒体に記憶され得る。代替的に、方法は、ハードウェアとソフトウェアとの組合せによって実施され得る。
【国際調査報告】