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特表2025-523413プラズマ動作中のステーション電圧の変調
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-23
(54)【発明の名称】プラズマ動作中のステーション電圧の変調
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20250715BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20250715BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20250715BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H05H1/46 M
H01L21/302 101B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024572333
(86)(22)【出願日】2023-06-14
(85)【翻訳文提出日】2025-02-07
(86)【国際出願番号】 US2023025284
(87)【国際公開番号】W WO2023244653
(87)【国際公開日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】63/366,525
(32)【優先日】2022-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
3.SIGFOX
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレンチ・デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】崎山 幸紀
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA03
2G084AA04
2G084AA05
2G084CC12
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD23
2G084DD24
2G084DD38
2G084DD55
2G084FF15
5F004BA04
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB28
5F004BD04
5F004CA03
5F004CA06
5F004CA08
5F045AA08
5F045AA15
5F045DP03
5F045EF05
5F045EH14
5F045EH20
5F045EK07
(57)【要約】
【解決手段】本明細書の様々な実施形態は、プラズマ動作中のステーション電圧の変調のためのシステム、装置、および方法に関する。いくつかの実施形態では、システムは、プロセスチャンバと、プロセスチャンバの電力供給されない電極に動作可能に結合された少なくとも1つの可変リアクタンス要素と、コントローラと、を備える。いくつかの実施形態では、コントローラは、1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数のターゲット電圧を決定するように構成される。コントローラは、1つまたは複数のターゲット電圧に基づいて、少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値を決定するように構成され得る。コントローラは、少なくとも1つの可変リアクタンス要素が決定された値を有することを引き起こすことであって、少なくとも1つの可変リアクタンス要素が決定された値を有することを引き起こすことが、プロセスチャンバの1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数の電圧が1つまたは複数のターゲット電圧のほうへ移動することを引き起こす、少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことを行うように構成され得る。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
プラズマベース動作を含む半導体製作プロセスを実施するために構成されたプロセスチャンバと、
前記プロセスチャンバの電力供給されない電極に動作可能に結合された少なくとも1つの可変リアクタンス要素と、
コントローラと、
を備えるシステムであって、前記コントローラは、
前記プラズマベース動作の実施中にまたはそれより前に、前記プロセスチャンバの1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数のターゲット電圧を決定することと、
前記1つまたは複数のターゲット電圧に少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値を決定することと、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことであって、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことが、前記プロセスチャンバの前記1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数の電圧が前記1つまたは複数のターゲット電圧のほうへ移動することを引き起こす、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことと、
を行うように構成された、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記プロセスチャンバの前記電力供給されない電極は、前記プロセスチャンバのシャワーヘッドを備え、少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、前記シャワーヘッドに電気的に接続されるか、またはシャワーヘッド中に配設される、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、
前記プロセスチャンバの前記電力供給されない電極は、前記プロセスチャンバのペデスタルであり、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、前記プロセスチャンバのペデスタルに電気的に接続されるか、または前記プロセスチャンバのペデスタル中に配設される、システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記プロセスチャンバの前記1つまたは複数の構成要素に関連する前記1つまたは複数の電圧が前記1つまたは複数のターゲット電圧のほうへ移動することを引き起こすことは、前記プロセスチャンバ内の寄生プラズマの可能性を低減する、システム。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記1つまたは複数のターゲット電圧のうちの少なくとも1つは、前記プロセスチャンバの電力供給されないシャワーヘッドに関連する電圧である、システム。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記半導体製作プロセスを受けるウエハを支持するように構成されたペデスタルをさらに備え、前記1つまたは複数のターゲット電圧のうちの少なくとも1つは、前記ウエハの静止位置に近接したロケーションにおける電圧である、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことは、前記ウエハの前記静止位置に近接した前記ロケーションにおける前記電圧が、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことより前の前記ロケーションにおける電圧よりも実質的に低くなることを引き起こす、システム。
【請求項8】
請求項6に記載のシステムであって、
前記ペデスタルに動作可能に結合された無線周波数(RF)生成器をさらに備える、システム。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、可変キャパシタを備える、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、前記可変キャパシタに動作可能に結合されたステッパーモーターをさらに備え、前記コントローラは、前記ステッパーモーターを作動させることによって、前記可変キャパシタが前記決定された値を有することを引き起こすように構成された、システム。
【請求項11】
請求項9に記載のシステムであって、
前記可変キャパシタの前記値は、前記電力供給されない電極に関連するインダクタンスに基づいて決定される、システム。
【請求項12】
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、可変インダクタを備える、システム。
【請求項13】
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、異なる周波数について異なるリアクタンスを提供するように構成されたネットワークを備える、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、
前記異なる周波数は、DC、複数のRF駆動周波数、1つまたは複数のRF駆動周波数の複数の高調波、またはそれらの任意の組合せを含む、システム。
【請求項15】
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、交換可能なハードウェア要素を備える、システム。
【請求項16】
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記プラズマ動作は、プラズマベースエッチ動作またはプラズマベース堆積動作である、システム。
【請求項17】
プロセスチャンバの電圧を変調するための方法であって、前記方法は、
プロセスチャンバ内のプラズマベース動作の実施中にまたはそれより前に、前記プロセスチャンバの1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数のターゲット電圧を決定することであって、前記プロセスチャンバは、電力供給されない電極を備える、1つまたは複数のターゲット電圧の決定と、
前記電力供給されない電極に動作可能に結合された少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値を決定することと、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことであって、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことが、前記プロセスチャンバの前記1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数の電圧が前記1つまたは複数のターゲット電圧のほうへ移動することを引き起こす、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことと、
を含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素の前記値を決定することは、前記1つまたは複数の構成要素に関連する前記1つまたは複数の電圧が前記1つまたは複数のターゲット電圧の所定の範囲内にあることを引き起こす、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素の前記値を識別するために、前記1つまたは複数のターゲット電圧をルックアップテーブルへのキー値として利用することを含む、方法。
【請求項19】
請求項17または18に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素の前記値を決定することは、前記プロセスチャンバの少なくとも一部分の回路モデルに基づき、前記回路モデルは、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素を含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記回路モデルは、前記プロセスチャンバ中に形成されたプラズマに関連する1つまたは複数の回路要素を備える、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、
前記プラズマに関連する前記1つまたは複数の回路要素は、プラズマ抵抗を表す抵抗器と、プラズマシースに関連するキャパシタンスを表すキャパシタと、を備える、方法。
【請求項22】
請求項19に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、可変キャパシタを備え、前記回路モデルは、前記電力供給されない電極のインダクタンスを表すインダクタに直列に結合された前記可変キャパシタを備える、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、
前記可変キャパシタの値は、前記可変キャパシタに関連するインピーダンスが、前記電力供給されない電極の前記インダクタンスを表す前記インダクタに関連するインピーダンスを実質的に相殺することを引き起こす値として決定される、方法。
【請求項24】
請求項17または18に記載の方法であって、
前記電力供給されない電極は、前記プロセスチャンバのペデスタルを備える、方法。
【請求項25】
請求項17または18に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、可変インダクタを備える、方法。
【請求項26】
請求項17または18に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素の前記値は、光センサーからキャプチャされた光データに基づいて決定されたプラズマ特性に少なくとも部分的に基づいて決定される、方法。
【請求項27】
請求項17または18に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素の前記値は、前記プロセスチャンバの1つまたは複数の領域、RF電力送出システム、またはそれらの任意の組合せ内で測定された(1つまたは複数)RF信号の電力、電圧、電流、および/または位相測定値に基づいて決定されたプラズマ特性に少なくとも部分的に基づいて決定される、方法。
【請求項28】
請求項17または18に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素の前記値は、電力供給される電極、または前記電力供給されない電極のうちの1つまたは複数上で測定されたDCバイアス信号に基づいて決定されたプラズマ特性に少なくとも部分的に基づいて決定される、方法。
【請求項29】
請求項17または18に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素の前記値は、前記プロセスチャンバにおける電気的プラズマ診断に基づいて決定されたプラズマ特性に少なくとも部分的に基づいて決定される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による援用
本出願の一部として、PCT願書様式が、本明細書と同時に提出される。同時に提出されたPCT願書様式において識別されるように、本出願が利益または優先権を主張する各出願は、その全体が参照により、およびすべての目的のために本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)、原子層堆積(ALD)、原子層エッチング(ALE)など、プラズマベース動作が、しばしば、2つの電極を含むプラズマリアクタ中で行われ、2つの電極は、それらの電極間の領域中でプラズマを持続させるように構成される。プラズマは、RF信号が、2つの電極のうちの電力供給される電極に提供されるとき、点火および/または持続され得る。
【0003】
本明細書で提供される背景技術の説明は、本開示のコンテキストを全般的に提示することを目的としている。現在名前が挙げられている発明者の研究は、この背景技術セクションにおいて説明されるその研究の範囲で、出願時に従来技術と別途見なされない可能性のある説明の態様と同様に、本開示に対する従来技術として明示的にも暗示的にも認められるものではない。
【発明の概要】
【0004】
プラズマ動作中のステーション電圧の変調のためのシステム、装置、および方法が、本明細書で開示される。
【0005】
いくつかの実施形態では、システムが提供される。本システムは、プラズマベース動作を含む半導体製作プロセスを実施するために構成されたプロセスチャンバと、プロセスチャンバの電力供給されない電極に動作可能に結合された少なくとも1つの可変リアクタンス要素(variable reactance element)と、コントローラと、を備え得る。コントローラは、プラズマベース動作の実施中にまたはそれより前に、プロセスチャンバの1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数のターゲット電圧を決定するように構成され得る。コントローラは、1つまたは複数のターゲット電圧に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値を決定するように構成され得る。コントローラは、少なくとも1つの可変リアクタンス要素が決定された値を有することを引き起こすことであって、少なくとも1つの可変リアクタンス要素が決定された値を有することを引き起こすことが、プロセスチャンバの1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数の電圧が1つまたは複数のターゲット電圧のほうへ移動することを引き起こす、少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことを行うように構成され得る。
【0006】
いくつかの例では、プロセスチャンバの電力供給されない電極は、プロセスチャンバのシャワーヘッドを備え、少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、シャワーヘッドに電気的に接続されるか、またはシャワーヘッド中に配設される。
【0007】
いくつかの例では、プロセスチャンバの電力供給されない電極は、プロセスチャンバのペデスタルであり、少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、プロセスチャンバのペデスタルに電気的に接続されるか、またはプロセスチャンバのペデスタル中に配設される。
【0008】
いくつかの例では、プロセスチャンバの1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数の電圧が1つまたは複数のターゲット電圧のほうへ移動することを引き起こすことは、プロセスチャンバ内の寄生プラズマの可能性を低減する。
【0009】
いくつかの例では、1つまたは複数のターゲット電圧のうちの少なくとも1つが、プロセスチャンバの電力供給されないシャワーヘッドに関連する電圧である。
【0010】
いくつかの例では、本システムは、半導体製作プロセスを受けるウエハを支持するように構成されたペデスタルをさらに備え、1つまたは複数のターゲット電圧のうちの少なくとも1つが、ウエハの静止位置に近接したロケーションにおける電圧である。いくつかの例では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素が決定された値を有することを引き起こすことは、ウエハの静止位置に近接したロケーションにおける電圧が、少なくとも1つのリアクタンス要素が決定された値を有することを引き起こすことより前の上記ロケーションにおける電圧よりも実質的に低くなることを引き起こす。いくつかの例では、本システムは、ペデスタルに動作可能に結合された無線周波数(RF)生成器をさらに備える。
【0011】
いくつかの例では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、可変キャパシタを備える。いくつかの例では、本システムは、可変キャパシタに動作可能に結合されたステッパーモーターをさらに備え、コントローラは、ステッパーモーターを作動させることによって、可変キャパシタが決定された値を有することを引き起こすように構成される。いくつかの例では、可変キャパシタの値は、電力供給されない電極に関連するインダクタンスに基づいて決定される。
【0012】
いくつかの例では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、可変インダクタを備える。
【0013】
いくつかの例では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、異なる周波数について異なるリアクタンスを提供するように構成されたネットワークを備える。いくつかの例では、異なる周波数は、DC、複数のRF駆動周波数、1つまたは複数のRF駆動周波数の複数の高調波、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0014】
いくつかの例では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、交換可能なハードウェア要素を備える。
【0015】
いくつかの例では、プラズマ動作は、プラズマベースエッチ動作またはプラズマベース堆積動作である。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法が提供される。本方法は、プロセスチャンバ内のプラズマベース動作の実施中にまたはそれより前に、プロセスチャンバの1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数のターゲット電圧を決定することであって、プロセスチャンバが、電力供給されない電極を備える、1つまたは複数のターゲット電圧の決定を含み得る。本方法は、電力供給されない電極に動作可能に結合された少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値を決定することを含み得る。本方法は、少なくとも1つの可変リアクタンス要素が決定された値を有することを引き起こすことであって、少なくとも1つの可変リアクタンス要素が決定された値を有することを引き起こすことが、プロセスチャンバの1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数の電圧が1つまたは複数のターゲット電圧のほうへ移動することを引き起こす、少なくとも1つの可変リアクタンス要素が決定された値を有することを引き起こすことを含み得る。
【0017】
いくつかの例では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値を決定することは、1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数の電圧が1つまたは複数のターゲット電圧の所定の範囲内にあることを引き起こす、少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値を識別するために、1つまたは複数のターゲット電圧をルックアップテーブルへのキー値として利用することを含む。
【0018】
いくつかの例では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値を決定することは、プロセスチャンバの少なくとも一部分の回路モデルに基づき、回路モデルは、少なくとも1つの可変リアクタンス要素を含む。いくつかの例では、回路モデルは、プロセスチャンバ中に形成されたプラズマに関連する1つまたは複数の回路要素を備える。いくつかの例では、プラズマに関連する1つまたは複数の回路要素は、プラズマ抵抗を表す抵抗器と、プラズマシースに関連するキャパシタンスを表すキャパシタと、を備える。いくつかの例では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、可変キャパシタを備え、回路モデルは、電力供給されない電極のインダクタンスを表すインダクタに直列に結合された可変キャパシタを備える。いくつかの例では、可変キャパシタの値は、可変キャパシタに関連するインピーダンスが、電力供給されない電極のインダクタンスを表すインダクタに関連するインピーダンスを実質的に相殺することを引き起こす値として決定される。
【0019】
いくつかの例では、電力供給されない電極は、プロセスチャンバのペデスタルを備える。
【0020】
いくつかの例では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、可変インダクタを備える。
【0021】
いくつかの例では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値は、光センサーからキャプチャされた光データに基づいて決定されたプラズマ特性に少なくとも部分的に基づいて決定される。
【0022】
いくつかの例では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値は、プロセスチャンバの1つまたは複数の領域またはRF電力送出システム内で測定された(1つまたは複数)RF信号の電力、電圧、電流、および/または位相測定値に基づいて決定されたプラズマ特性に少なくとも部分的に基づいて決定される。
【0023】
いくつかの例では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値は、電力供給される電極、または電力供給されない電極のうちの1つまたは複数上で測定されたDCバイアス信号に基づいて決定されたプラズマ特性に少なくとも部分的に基づいて決定される。
【0024】
いくつかの例では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値は、プロセスチャンバにおける電気的プラズマ診断に基づいて決定されたプラズマ特性に少なくとも部分的に基づいて決定される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】いくつかの実施形態による、例示的な装置の概略図である。
【0026】
図2】いくつかの実施形態による、プラズマ動作のために構成された装置の構成要素を等価回路要素として表す概略図である。
【0027】
図3】いくつかの実施形態による、ステーションの電圧を変調するための可変反応性要素の使用を示す概略図である。
【0028】
図4A】いくつかの実施形態による、電圧への例示的な可変キャパシタの影響を示すプロットである。
図4B】いくつかの実施形態による、電圧への例示的な可変キャパシタの影響を示すプロットである。
【0029】
図5】いくつかの実施形態による、可変反応性要素を使用して電圧を変調するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【0030】
図6】本明細書で説明されるいくつかの実施形態を実装するために採用され得る例示的なコンピュータシステムを提示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
専門用語
以下の用語が、本明細書全体にわたって使用される。
【0032】
「半導体ウエハ」、「ウエハ」、「基板」、「ウエハ基板」および「部分的に製作された集積回路」という用語は、互換的に使用され得る。当業者は、「部分的に製作された集積回路」という用語が、半導体ウエハ上での集積回路製作の多くの段階のいずれか中の半導体ウエハを指すことができることを理解する。半導体デバイス産業において使用されるウエハまたは基板は、一般に、200mm、または300mm、または450mmの直径を有する。半導体ウエハのほかに、開示される実施形態を利用し得る他のワークピースは、プリント回路板、磁気記録媒体、磁気記録センサー、ミラー、光学要素、ディスプレイデバイス、またはピクセル化されたディスプレイデバイスのための背面などの構成要素、フラットパネルディスプレイ、微小機械デバイスなど、様々な物品を含む。ワークピースは、様々な形状、サイズ、および材料のものであり得る。
【0033】
本明細書で使用される「半導体デバイス製作動作」は、半導体デバイスの製作中に実施される動作である。一般に、全体的な製作プロセスは、複数の半導体デバイス製作動作を含み、その各々が、プラズマリアクタ、電気めっきセル、化学機械平坦化ツール、ウェットエッチツールなど、それ自体の半導体製作ツールにおいて実施される。半導体デバイス製作動作のカテゴリーは、エッチプロセスおよび平坦化プロセスなど、除去プロセス(subtractive process)と、堆積プロセス(たとえば、物理気相堆積、化学気相堆積、原子層堆積、電気化学堆積、無電解堆積)など、材料付加プロセス(additive process)と、を含む。エッチプロセスのコンテキストでは、基板エッチプロセスは、マスク層をエッチングするプロセスを含むか、あるいは、より一般的には、基板表面上に前に堆積された、および/または別様に基板表面上に存在する、材料の任意の層をエッチングするプロセスを含む。そのようなエッチプロセスは、基板中の層のスタックをエッチングし得る。
【0034】
「製造機器」は、製造プロセスが行われる機器を指す。製造機器は、しばしば、処理中にワークピースがその中に存在する、処理チャンバを有する。一般に、使用されているとき、製造機器は、1つまたは複数の半導体デバイス製作動作を実施する。半導体デバイス製作のための製造機器の例は、電気めっきセル、物理気相堆積リアクタ、化学気相堆積リアクタ、および原子層堆積リアクタなど、堆積リアクタと、ドライエッチリアクタ(たとえば、化学的および/または物理的エッチリアクタ)、ウェットエッチリアクタ、およびアッシャなど、除去プロセスリアクタと、を含む。
プラズマ動作中のステーション電圧の変調
【0035】
プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)、原子層堆積(ALD)、原子層エッチング(ALE)など、プラズマベース動作が、しばしば、2つの電極を含むプラズマリアクタ中で行われ、2つの電極は、それらの電極間の領域中でプラズマを持続させるように構成される。プラズマは、RF信号が、2つの電極のうちの電力供給される電極に提供されるとき、点火および/または持続され得る。プラズマリアクタの壁に取り付けられた、2つの電極のうちの電力供給されない電極が、比較的低いRF周波数において効果的にDC接地され得る。しかしながら、より高いRF周波数において、電力供給されない電極は、プラズマリアクタの壁に対して電圧を生じさせ得る。この電圧は、2つの電極間の領域以外のリアクタの領域中で寄生プラズマを引き起こすことなど、リアクタ内のプラズマへの有害な影響を有し得る。プラズマへの有害な影響は、たとえば、堆積層における不均一性、エッチングされた層における不均一性など、半導体製作動作のための予測不可能なおよび/または不利な条件を生じ得る。
【0036】
プラズマ動作の実施中におよび/またはそれより前にプロセスチャンバのステーションの様々な領域において電圧を変調するための技法が、本明細書で開示される。いくつかの実装形態では、各々がステーションの構成要素に関連する、1つまたは複数のターゲット電圧が、決定される。ターゲット電圧が決定され得るステーションの例示的な構成要素は、ステーションのシャワーヘッド(たとえば、ターゲット電圧は、シャワーヘッドの両端間の電圧である)、ステーションのペデスタル(たとえば、ターゲット電圧は、処理中にウエハが存在するペデスタルの上部または上側表面に近接した領域におけるものである)などを含む。いくつかの実装形態では、1つまたは複数の可変リアクタンス要素が、ステーションの電圧を1つまたは複数のターゲット電圧のほうへ駆動する値に調整され得る。ターゲット電圧は、レシピにおいて(たとえば、レシピの特定のステップまたは部分について)指定され得る。例として、ペデスタルの上側表面に近接した領域についてのターゲット電圧は、ペデスタルの下の寄生プラズマを最小限に抑える値であり得る。
【0037】
1つまたは複数の可変リアクタンス要素が、プロセスステーションの電力供給されない電極に動作可能に結合され得ることに留意されたい。たとえば、RF信号が、電力供給される電極として働くペデスタルに提供される事例では、1つまたは複数の可変リアクタンス要素は、電力供給されない電極として働くシャワーヘッドに動作可能に結合され得る。別の例として、シャワーヘッドが、電力供給される電極である事例では、1つまたは複数の可変リアクタンス要素は、ペデスタルに動作可能に結合され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、電圧を1つまたは複数のターゲット電圧のほうへ駆動することになる1つまたは複数の可変リアクタンス要素の値が、ルックアップテーブルを使用して決定され得る。たとえば、1つまたは複数のターゲット電圧は、ルックアップテーブルへのキーとして提供され得、可変リアクタンス要素の値は、電圧を、1つまたは複数のターゲット電圧に近づくかまたは実質的に一致するように駆動する可能性があるように、ルックアップテーブルの値から識別される。いくつかの実装形態では、1つまたは複数の可変リアクタンス要素の値は、ステーション中のプラズマのほぼリアルタイムのまたは優勢なプラズマ特性に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。いくつかの実装形態では、プラズマ特性は、たとえば、ステーション内のプラズマの画像をキャプチャするように配置された光センサーからの光データに基づき得る。いくつかの実装形態では、プラズマ特性は、プロセスチャンバ装置に関連する、またはプロセスチャンバ装置内の領域において(または複数の領域において)測定された1つまたは複数のRF信号の電力、電圧、電流、および/または位相測定値に基づいて決定され得る。いくつかの実装形態では、プラズマ特性は、電力供給される電極および/または電力供給されない電極上で測定されたDCバイアス信号に基づいて決定され得る。いくつかの実装形態では、プラズマ特性は、プロセスチャンバ中で実行される電気的プラズマ診断に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、プラズマ特性は、上記で説明された技法のうちの1つまたは複数の組合せに基づいて決定され得ることに留意されたい。
【0039】
プラズマ動作を実施するために使用されるレシピが、プラズマを生成または維持するために利用されるRF信号、プロセスガス、流量、圧力、温度など、様々なプロセス条件を制約し得ることを理解されたい。これらのプロセス条件は、ステーションの様々な領域における電圧に影響を及ぼし得る。たとえば、図2および図3に関して以下でより詳細に説明されるように、プラズマ特性は、シャワーヘッドの両端間のおよび/またはペデスタルに近接した電圧に影響を及ぼし得、プラズマ特性は、プロセス条件によって駆動される。したがって、本明細書で説明される技法は、他のプロセス条件が特定のレシピステップについて設定された後に電圧を変調するために利用され得る。言い換えれば、電圧を変調するためのステーションの電力供給されない電極に関連する可変リアクタンス要素の使用は、プロセス条件が設定された後に調整され得る追加変数を導入し得る。
【0040】
図1は、基板処理装置100として示される製作ツールを示す。装置100は、任意の数のプロセスを利用して半導体基板上にまたはそれにわたって膜を堆積させるために構成され得る。たとえば、装置100は、特に、PECVD、ALD、またはALEを実施するために適応され得る。
【0041】
図1の処理装置100は、真空ポンプ118によって真空下で維持され得る内部体積中に単一の基板ホルダー108(たとえば、ペデスタル)をもつプロセスチャンバの単一のプロセスステーション102を採用し得る。プロセスチャンバに流体的に結合された、シャワーヘッド106およびガス送出システム101が、たとえば、膜前駆体、ならびにキャリアおよび/またはパージおよび/またはプロセスガス、2次反応物などの送出を許可し得る。
【0042】
図1では、ガス送出システム101は、シャワーヘッド106への送出のためにプロセスガスをブレンドおよび/または調節するための混合容器104を含む。1つまたは複数の混合容器入口弁120が、混合容器104へのプロセスガスの導入を制御し得る。特定の反応物が、気化、およびプロセスチャンバのプロセスステーション102への後続の送出より前に、液体形態で蓄えられ得る。図1の実装形態は、混合容器104に供給されることになる液体反応物を気化させるための気化ポイント103を含む。いくつかの実装形態では、気化ポイント103は、加熱された液体注入モジュールを含み得る。いくつかの他の実装形態では、気化ポイント103は、加熱された気化器を含み得る。また他の実装形態では、気化ポイント103は、プロセスステーションから除去され得る。いくつかの実装形態では、気化ポイント103の上流の液体流量コントローラが、気化およびプロセスステーション102への送出のために液体の質量流量を制御するために提供され得る。
【0043】
シャワーヘッド106は、プロセスガスおよび/または反応物(たとえば、膜前駆体)をプロセスステーションにおける基板112のほうへ分配するように動作し得、その流れは、シャワーヘッドから上流の1つまたは複数の弁(たとえば、弁120、120A、105)によって制御され得る。図1に示されている実装形態では、基板112は、シャワーヘッド106の下に位置するものとして示されており、ペデスタル108上に載っている状態で示されている。シャワーヘッド106は、任意の好適な形状を含み得、プロセスガスを基板112に分配するための、任意の好適な数および配置のポートを含み得る。2つまたはそれ以上のステーションを伴ういくつかの実装形態では、ガス送出システム101は、第2のステーションへのガス流を禁止しながら1つのステーションへのガス流を許可するように各ステーションへのプロセスガスおよび/または反応物の流れを独立して制御することができる、シャワーヘッドからの上流の弁または他の流量制御構造を含む。さらに、ガス送出システム101は、マルチステーション装置における各ステーションに送出されたプロセスガスおよび/または反応物を、異なるステーションに提供されたガス組成が異なるように、たとえば、ガス成分の分圧がステーション間で同時に変動し得るように、独立して制御するように構成され得る。
【0044】
図1の実装形態では、ガス体積107が、シャワーヘッド106の下に位置するものとして示されている。いくつかの実装形態では、ペデスタル108は、基板112をガス体積107に露出するために、および/またはガス体積107のサイズを変動させるために、上げられるかまたは下げられ得る。ペデスタル108と、シャワーヘッド106と、の間の分離は、「ギャップ」と呼ばれることがある。随意に、ペデスタル108は、ガス体積107内のプロセス圧力、反応物濃度などを変調するために、堆積プロセスの部分中に下げられ、および/または上げられ得る。シャワーヘッド106およびペデスタル108は、電力をプラズマ生成器に結合するためにRF信号生成器114および整合ネットワーク116に電気的に結合されるものとして示されている。したがって、シャワーヘッド106は、無線周波数電力をプロセスステーション102に結合するための電極として機能し得る。RF信号生成器114および整合ネットワーク116は、ラジカル種、イオン、および電子の所望の組成を有するプラズマを形成するように動作し得る、任意の好適なRF電力レベルにおいて動作され得る。さらに、RF信号生成器114は、(たとえば、約2MHzよりも小さい)低周波成分ならびに(たとえば、約2MHzよりも大きい)高周波成分など、2つ以上の周波数成分を有するRF電力を提供し得る。いくつかの実装形態では、プラズマ点火および維持条件が、入力/出力制御命令のシーケンスを介して制御命令を提供し得るシステムコントローラ中の適切なハードウェアおよび/または適切な機械可読命令により制御される。
【0045】
図1に関して上記で説明されたように、プロセスステーションが、シャワーヘッドおよびペデスタルを含み得、それらの各々は、電極と考えられ得る。上記で説明されたように、RF信号が、ペデスタルなど、電極のうちの1つに適用され得る。そのような例では、シャワーヘッドは、電力供給されない電極と考えられ得る。シャワーヘッドは、インダクタンスを有すると考えられ得、これは、本明細書では概してLshdと呼ばれる。シャワーヘッドインダクタンスは、概して、10nH~50nHの範囲内にあり得る。シャワーヘッドインダクタンスにより、シャワーヘッドに関連するインピーダンス(本明細書では概してZshdと呼ばれる)は、Zshd=jωLshdである。比較的低いRF周波数において、シャワーヘッドインダクタンスの影響は、シャワーヘッドに関連するインピーダンスへの無視できる影響を有し得る。したがって、シャワーヘッドの両端間の電圧も無視できることがある。言い換えれば、比較的低いRF周波数において、シャワーヘッドは、効果的にDC接地され、それにより、チャンバと同じ電位を有し得る。しかしながら、より高いRF周波数(たとえば、20MHz超、30MHz超、40MHz超など)において、シャワーヘッドに関連するインピーダンスは、増加し、それにより、チャンバに対するシャワーヘッドの両端間の電圧(本明細書では概してVshdと呼ばれる)の対応する増加を引き起こし得る。RF信号がシャワーヘッドに適用された場合、ペデスタルは、電力供給されない電極と考えられ得ることを理解されたい。シャワーヘッドが、電力供給されない電極である事例において、より高いRF周波数においてシャワーヘッドの両端間で生じる電圧に関して上記で説明されたことと同様に、ペデスタルが、電力供給されない電極である事例において、ペデスタルの両端間で電圧が生じ得る。
【0046】
ペデスタル、シャワーヘッド、および、ペデスタルと、シャワーヘッドと、の間で持続されるプラズマを含む、リアクタの構成要素は、抵抗器、インダクタ、および/またはキャパシタの等価回路として表され得る。特に、等価回路は、直列RLC回路であり得る。ペデスタルが、電力供給される電極である事例では、RLC回路は、ペデスタル供給ハードウェアを表すインダクタ、ペデスタルと、シャワーヘッドと、の間で持続されるプラズマを表す直列のキャパシタおよび抵抗器、ならびに、シャワーヘッドを表すインダクタ、に電気的に結合された、RF信号生成器を含み得る。上記で説明されたように、シャワーヘッドの両端間の電圧(VShd)が、ペデスタルに適用されるRF信号の特性によって影響を及ぼされ得る。処理を受ける基板が配置された、ペデスタルの表面に対応する、ペデスタルの上部分における電圧(本明細書では概してVpedと呼ばれる)も、RF信号の特性によって影響を及ぼされ得る。その上、回路要素が直列に結合されるので、シャワーヘッドの両端間の電圧(VShd)も、ペデスタルの上部分における電圧(Vped)に影響を与え得る。したがって、(たとえば、シャワーヘッドのインダクタンスによる)シャワーヘッドの両端間の望ましくない電圧が、ペデスタルの表面における望ましくない電圧変化を引き起こし得、これは、リアクタ内のプラズマ条件の望ましくない変化を引き起こし得る。たとえば、リアクタ中の様々な構成要素の両端間のそのような望ましくない電圧変化は、寄生プラズマを引き起こし得る。さらなる特定の例として、そのような寄生プラズマは、シャワーヘッドと、壁と、の間のプラズマ、ペデスタルの一部分の下のプラズマなどを含み得る。その上、そのような望ましくない電圧変化は、不均一な堆積、不均一なエッチングなど、リアクタ内で処理を受けるウエハへの望ましくない製作影響を生じ得る。電力供給される電極が、シャワーヘッドであり、電力供給されない電極が、ペデスタルである、実施形態では、RF信号生成器が、シャワーヘッドを表すインダクタに電気的に結合され得ることを理解されたい。
【0047】
図2は、いくつかの実施形態による、等価回路要素として表される、電力供給される電極としてペデスタルを利用するリアクタの構成要素を示す概略図を示す。図示のように、RF生成器202が、電流源204によって表される。図1に関して上記で説明されたように、RF信号生成器202は、低い周波数(たとえば、約2MHz)および/または高い周波数(たとえば、2MHz超)を含む1つまたは複数の周波数においてRF信号を提供するように構成され得る。RF信号生成器202は、ペデスタル206に電気的に結合される。ペデスタルのステムが、インダクタ208(Lpedと呼ばれる)によって表される。図2に示されているように、ペデスタル206の上部分における電圧は、本明細書では概してVpedと呼ばれる。存在するとき、プラズマ210が、ペデスタル206と、シャワーヘッド216と、の間で持続される。プラズマ210は、直列のキャパシタ212(本明細書では概してCplasmaと呼ばれる)および抵抗器214(本明細書では概してRplasmaと呼ばれる)によって表され得る。概して、Rplasmaは、プラズマスラブ抵抗を表し、Cplasmaは、プラズマシースキャパシタンスを表す。シャワーヘッド216は、(従来の設定の場合のように)リアクタの壁に固定されたとき、インダクタ220(本明細書ではLShdと呼ばれる)によって表され、インダクタ220は、接地(すなわち、ステーション壁)に結合される。この構成は、「接地されたシャワーヘッド構成」と呼ばれることがある。シャワーヘッドの両端間の電圧VShdは、図2に示されているように、接地されないインダクタ220のノードにおける電圧に対応する。
【0048】
いくつかの実装形態では、可変リアクタンス要素が、ステーションに関連する1つまたは複数の電圧を変調するために使用され得る。可変リアクタンス要素の例は、可変キャパシタと、可変インダクタと、異なるリアクタンス要素を通して異なる周波数のための異なるリアクタンスを提供することによって異なる周波数における(たとえば、DC、RF駆動周波数における高調波、および/または複数のRF駆動周波数における)異なる挙動を可能にすることができるネットワークと、を含む。いくつかの実施形態では、可変リアクタンス要素は、ステーションの電力供給されない電極に動作可能に結合され得る。たとえば、ペデスタルが、ステーションの電力供給される電極である事例では、可変リアクタンス要素は、シャワーヘッドに動作可能に結合され得る。別の例として、シャワーヘッドが、電力供給される電極である事例では、可変リアクタンス要素は、ペデスタルに動作可能に結合され得る。
【0049】
(たとえば、図2に示され、図2に関して上記で説明されたような)様々なステーション構成要素または領域を表す回路要素は、概して、直列に結合されるので、可変リアクタンス要素を変動させることは、ステーション全体にわたる電圧を変調し得る。たとえば、可変リアクタンス要素のリアクタンスを変動させることは、ペデスタルに関連する電圧(たとえば、図2に示され、図2に関して上記で説明されたような、Vped)および/またはシャワーヘッドの両端間の電圧(たとえば、図2に示され、図2に関して上記で説明されたような、Vshd)の変化を引き起こし得る。
【0050】
図3は、いくつかの実装形態による、図2のリアクタの構成要素を示し、シャワーヘッド(すなわち、図2のリアクタの電力供給されない電極)に動作可能に結合された可変リアクタンス要素を含む、概略図を示す。図示のように、可変キャパシタ302が、シャワーヘッド216に動作可能に結合される。可変キャパシタ302を調整することによって、シャワーヘッド216の両端間の電圧(Vshd)およびペデスタルに関連する電圧(Vped)は、変化させられるか、または変調され得る。
【0051】
上記で説明されたように、可変リアクタンス要素の変調は、ステーションに関連する1つまたは複数の電圧についての電圧変化を引き起こし得る。1つまたは複数の電圧は、シャワーヘッドの両端間の電圧、(たとえば、処理中にウエハが存在する)ペデスタルの上側または上部分における電圧などを含み得る。電圧変化は、可変リアクタンス要素が、シャワーヘッドに動作可能に結合される(たとえば、ペデスタルが、電力供給される電極である場合)のであろうと、または、可変リアクタンス要素が、ペデスタルに動作可能に結合される(たとえば、シャワーヘッドが、電力供給される電極である場合)のであろうと、起こり得ることに留意されたい。
【0052】
1つまたは複数の電圧の変化は、ステーション中に存在するプラズマの特性に依存し得ることに留意されたい。たとえば、図2および図3に示され、図2および図3に関して上記で説明されたように、プラズマは、直列の抵抗器(Rplasma)およびキャパシタ(Cplasma)によって表され得る。この例を続けると、プラズマの特性は、プラズマを表す抵抗および/またはキャパシタンスについての値に影響を及ぼし得る。プラズマを表す抵抗および/またはキャパシタンスの値は、1つまたは複数の電圧の変化に影響を及ぼし得る。いくつかの実装形態では、Cplasmaの値は、約200pFから約1200pFに及び得、これは、約0.25ミリメートル~約1.5ミリメートルのプラズマシース厚さに対応し得る。いくつかの実装形態では、ステーションの特定の領域における電圧が、プラズマに関連する抵抗(Rplasma)に少なくとも部分的に依存する範囲内で変調され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、より大きい電圧変化が、より高いプラズマ抵抗(たとえば、約9オームよりも大きい、約10オームよりも大きい、約15オームよりも大きいなど)に対して比較的より低いプラズマ抵抗(たとえば、約0.5オーム、約1オーム、約1.5オーム、約2オームなど)で、可能であり得る。
【0053】
図4Aは、ステーションのシャワーヘッドに動作可能に結合された可変キャパシタの変動するリアクタンスに応答するペデスタルにおける電圧変化(Vped)の輪郭プロットを示す。図示のように、ペデスタル電圧は、(任意の電圧単位を使用して)約20から100の範囲にわたって変動されることが可能であり得る。図4Aの輪郭プロットは、1オームの固定プラズマ抵抗を仮定して、および(y軸上に示されているような)様々なプラズマキャパシタンスについて、生成された。x軸は、可変シャワーヘッドキャパシタンスの変動する値を示す。所与のプラズマキャパシタンス(たとえば、1200pF)について、ペデスタル電圧は、100pFから500pFまでシャワーヘッドキャパシタを調整することによって、動的電圧範囲にわたって変動され得ることに留意されたい。
【0054】
図4Bは、シャワーヘッドに動作可能に結合された可変キャパシタの変動するリアクタンスに応答するシャワーヘッドにおける電圧変化(Vshd)の輪郭プロットを示す。言い換えれば、図4Aおよび図4Bは、両方とも、可変シャワーヘッドキャパシタのリアクタンスを変動させるが、ステーションの異なる領域(すなわち、図4A中のペデスタル、および図4B中のシャワーヘッド)における電圧の変化を示す。図4Aに関して上記で説明されたことと同様に、図4Aの輪郭プロットは、1オームの固定プラズマ抵抗を仮定して、および(y軸上に示されているような)様々なプラズマキャパシタンスについて、生成された。x軸は、可変シャワーヘッドキャパシタンスの変動する値を示す。所与のプラズマキャパシタンス(たとえば、1200pF)について、シャワーヘッド電圧は、100pFから500pFまでシャワーヘッドキャパシタを調整することによって、動的電圧範囲にわたって変動され得ることに留意されたい。
【0055】
いくつかの実装形態では、プラズマ動作の実施中におよび/またはそれより前に、プラズマ動作が実施されているかまたは実施されることになる、ステーションの構成要素に関連する1つまたは複数のターゲット電圧が、決定される。1つまたは複数のターゲット電圧は、ステーションのペデスタル(たとえば、処理中にウエハが存在する、ペデスタルの上部分)、ステーションのシャワーヘッドなどに関連し得る。プラズマ動作は、プラズマベースエッチ動作またはプラズマベース堆積動作であり得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のターゲット電圧は、ステーションにおいて実装されるべきレシピにおいて示されるターゲット電圧に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のターゲット電圧のうちのターゲット電圧は、たとえば、目標が、シャワーヘッドの両端間の電圧を最小限に抑えることである場合、0ボルト、または別の最小電圧であり得る。いくつかの場合には、ターゲット電圧は、複数の周波数、たとえば、複数のRF駆動周波数、複数のRF駆動周波数の高調波、DCなどにおいて、特定の構成要素について指定され得る。いくつかの実装形態では、特定の構成要素についてのターゲット電圧は、(たとえば、プラズマ動作の実施中に)ほぼリアルタイムのまたは優勢なプラズマ特性の推定値に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、ほぼリアルタイムのまたは優勢なプラズマ特性は、ステーションに向けられたビューポートをもつ光センサー(たとえば、1つまたは複数のカメラデバイス)を使用して推定または決定され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、ステーションの構成要素に関連する少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値が、1つまたは複数のターゲット電圧に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、可変リアクタンス要素は、可変インダクタおよび/または可変キャパシタであり得る。いくつかの実装形態では、可変リアクタンス要素は、リアクタンス要素のネットワーク(たとえば、複数のリアクタンス要素)であり得、したがって、たとえば、異なる周波数において、そのネットワークの異なるノードを選択することによって、異なるリアクタンスが選択され得る。いくつかの実装形態では、可変リアクタンス要素は、現場で容易に交換され得る固定ハードウェア要素であり得る。そのような固定ハードウェア要素は、比較的低コストであり、および/または容易に交換される、キャパシタ、インダクタなどを含み得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、ステーションの特定の構成要素に関連し得る。この構成要素は、ステーションの電力供給されない電極に対応し得る。たとえば、図3に関して上記で説明されたように、ペデスタルが、電力供給される電極である事例では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、シャワーヘッドに動作可能に結合され得る。別の例として、シャワーヘッドが、電力供給される電極である事例では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、ペデスタルに動作可能に結合され得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値は、ルックアップテーブルを使用して決定され得る。たとえば、1つまたは複数のターゲット電圧は、優勢な電圧値に対して1つまたは複数のターゲット電圧により近い電圧をもたらすことになる少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値を決定するために、ルックアップテーブルへのキーとして使用され得る。いくつかの場合には、特定の構成要素に関連する電圧を、その構成要素に関連するターゲット電圧に実質的に一致するように駆動することが可能であり得ることに留意されたい。たとえば、電圧は、構成要素に関連するターゲット電圧の所定の範囲(たとえば、+/-1%、+/-5%、+/-10%など)内にあり得る。他の場合には、特定の構成要素に関連する電圧を、その構成要素に関連する優勢な電圧に対してターゲット電圧により近くなるように駆動することのみが可能であり得る。その上、複数のターゲット電圧(たとえば、シャワーヘッドについてのターゲット電圧およびペデスタルについてのターゲット電圧)が利用される事例では、少なくとも1つの可変リアクタンス要素を調整することによって複数のターゲット電圧に一致することが可能でないことがあることに留意されたい。そのような場合、複数の電圧の値を最適化する少なくとも1つのリアクタンス要素の値が、選択され得る。追加または代替として、1つまたは複数のターゲット電圧のサブセットに優先度を付ける少なくとも1つのリアクタンス要素の値が、選択され得る。例として、ターゲット電圧が、ペデスタル電圧と、シャワーヘッド電圧と、を含む事例では、優先される構成要素電圧の電圧を、他方の構成要素電圧についてあまり考慮せずに、対応するターゲット電圧のほうへ駆動するために、少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値を決定することにおいて、一方または他方が優先され得る。
【0059】
少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値を決定した後に、少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、決定された値を有するように調整または作動され得る。たとえば、少なくとも1つの可変リアクタンス要素が、決定された値を有することを引き起こすために、ステッパーモーターが利用され得る。さらなる特定の例として、ステッパーモーターは、決定されたリアクタンス値を達成するように可変キャパシタのプレートを回転し得る。別の例として、少なくとも1つの可変リアクタンス要素が、可変インダクタを含む事例では、ソレノイド内のソリッドコアが、ターゲットインダクタンスを達成するように(たとえば、ステッパーモーターを使用して)移動または配置され得る。
【0060】
図5は、プラズマ動作が実施されているかまたは実施されることになる、ステーションに関連する電圧を変調するように可変リアクタンス要素を調整するための例示的なプロセス500のフローチャートである。いくつかの実装形態では、プロセス500のブロックは、ステーションまたはステーションに関連するプロセスチャンバに関連する、コントローラまたはプロセッサによって実施され得る。いくつかの実施形態では、プロセス500のブロックは、図5に示されているもの以外の順序で実施され得る。いくつかの実装形態では、プロセス500の2つまたはそれ以上のブロックは、実質的に並列に実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス500の1つまたは複数のブロックは、省略され得る。
【0061】
プロセス500は、502において、プラズマ動作の実施中にまたはそれより前に、プラズマ動作が実施されているかまたは実施されることになる、ステーションの構成要素に関連する1つまたは複数のターゲット電圧を決定することによって開始することができる。プラズマ動作は、プラズマベースエッチ動作またはプラズマベース堆積動作であり得る。1つまたは複数の電圧は、ステーションのシャワーヘッド、ステーションのペデスタル(たとえば、処理中にウエハが存在する、ペデスタルの上部分)などに関連し得る。1つまたは複数のターゲット電圧は、ステーションにおいて実装されているかまたは実装されるべきであるレシピに基づいて決定され得る。たとえば、そのレシピは、1つまたは複数のターゲット電圧を指定し得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のターゲット電圧は、(たとえば、プラズマ動作の実施中の)ステーション内のプラズマの優勢なプラズマ特性の決定に基づき得る。優勢なプラズマ特性は、ステーション内のまたはステーションの領域内のプラズマ均一性またはプラズマ重心(centroid)ロケーションを示し得る。いくつかの実施形態では、プラズマ特性は、ステーションの1つまたは複数の光センサー(たとえば、カメラセンサー)から取得された光データに基づいて決定され得る。いくつかの実装形態では、1つまたは複数のターゲット電圧は、プラズマ特性を所望のまたは最適なプラズマ特性のほうへ修正するように決定され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのターゲット電圧は、0、または別様の最小電圧値であり得る。たとえば、ステーションの電力供給されない電極に関連するターゲット電圧は、特定の周波数において0であると決定され得、したがって、電力供給されない電極は、ターゲット電圧が達成されたときにDC接地されると考えられ得る。
【0062】
504において、プロセス500は、1つまたは複数のターゲット電圧に少なくとも部分的に基づいて、ステーションの構成要素に関連する少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値を決定することができる。たとえば、上記で説明されたように、プロセス500は、ステーションの構成要素の電圧を1つまたは複数のターゲット電圧のほうへ駆動するのに適した少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値を識別するために、1つまたは複数のターゲット電圧をルックアップテーブルへのキーとして使用することができる。いくつかの実装形態では、少なくとも1つのリアクタンス要素の値は、複数の構成要素に関連する複数のターゲット電圧を考慮することによって決定され得る。追加または代替として、いくつかの実装形態では、少なくとも1つのリアクタンス要素の値は、ステーションの単一の構成要素に関連するあるターゲット電圧に優先度を付けることによって決定され得る。上記で説明されたように、少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、異なる周波数について選択的に調整され得る可変キャパシタ、可変インダクタ、および/または可変リアクタンスネットワークを含み得る。少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、ステーションの電力供給されない電極に関連し得る。
【0063】
506において、プロセス500は、少なくとも1つの可変リアクタンス要素が決定された値を有することを引き起こし、それにより、ステーションの構成要素に関連する1つまたは複数の電圧が1つまたは複数のターゲット電圧のほうへ移動することを引き起こすことができる。たとえば、プロセス500は、ステッパーモーターが、可変キャパシタのターゲットリアクタンスを達成するように可変キャパシタのプレートを作動させることを引き起こすことができる。別の例として、プロセス500は、可変インダクタのターゲットリアクタンスを達成するようにソレノイド内のコアを作動させることができる。
【0064】
いくつかの実装形態では、プロセス500のブロックが、複数回にわたってループされ得ることに留意されたい。たとえば、プロセス500は、レシピの各ステップ中にまたはそれより前に実施され得る。別の例として、プロセス500は、特定のプロセス条件が、(たとえば、レシピにおいて指定されるように)実装された後に、実施されて、他のプロセス条件がロックまたは固定された後に、プロセスのさらなる変調を実施することを、すなわち、様々な構成要素の電圧を変調することによって、行い得る。
開示される計算実施形態のためのコンテキスト
【0065】
本明細書で開示されるいくつかの実施形態は、プラズマ動作中に電圧を変調するための計算システムに関する。
【0066】
様々なコンピュータアーキテクチャのいずれかを有する多くのタイプのコンピューティングシステムが、本明細書で説明されるアルゴリズムを実装するための開示されるシステムとして採用され得る。たとえば、システムは、特定用途向け集積回路(ASIC)またはプログラマブル論理デバイス(たとえば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))など、1つまたは複数の汎用プロセッサまたは特別に設計されたプロセッサ上で実行するソフトウェア構成要素を含み得る。さらに、システムは、単一のデバイス上に実装されるか、または複数のデバイスにわたって分散され得る。計算要素の機能は、互いにマージされるか、または複数のサブモジュールにさらに分割され得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、適切にプログラムされたシステム上での本明細書で説明される技法の生成または実行中に実行されるコードが、(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワーク機器などの)コンピュータデバイスを作るためのいくつかの命令を含む、(光ディスク、フラッシュ記憶デバイス、モバイルハードディスクなどの)不揮発性記憶媒体に記憶され得るソフトウェア要素の形態で具現され得る。
【0068】
あるレベルにおいて、ソフトウェア要素は、プログラマー/開発者によって準備されるコマンドのセットとして実装される。しかしながら、コンピュータハードウェアによって実行され得るモジュールソフトウェアは、ハードウェアプロセッサ中に設計される、特定の機械語命令セットから選択される「機械コード」、または「ネイティブ命令」を使用してメモリにコミットされる、実行可能コードである。機械語命令セット、またはネイティブ命令セットは、(1つまたは複数の)ハードウェアプロセッサに知られており、本質的にそれの中に構築される。これは、システムおよびアプリケーションソフトウェアがハードウェアプロセッサと通信するための、「言語」である。各ネイティブ命令は、処理アーキテクチャによって認識された、および、算術機能、アドレス指定機能、または制御機能のための特定のレジスタと、特定のメモリロケーションまたはオフセットと、オペランドを解釈するために使用される特定のアドレス指定モードと、を指定することができる、個別コードである。連続的に、または制御フロー命令によって別様に指示されるように実行される、これらの単純なネイティブ命令を組み合わせることによって、より複雑な動作が構築される。
【0069】
実行可能ソフトウェア命令と、ハードウェアプロセッサと、の間の相互関係は、構造的である。言い換えれば、命令は、それ自体、一連のシンボルまたは数値である。それらは、本質的にいかなる情報をも伝達しない。命令に意味を与えるのは、シンボル/数値を解釈するように意図的に事前構成されたプロセッサである。
【0070】
本明細書で使用される方法および技法は、単一のロケーションにおける単一の機械上で、単一のロケーションにおける複数の機械上で、または複数のロケーションにおける複数の機械上で実行するように構成され得る。複数の機械が採用されるとき、個々の機械は、それらの特定のタスクのために適合され得る。たとえば、コードの大きいブロックおよび/または有意な処理容量を必要とする動作が、大きいおよび/または固定の機械上で実装され得る。
【0071】
さらに、いくつかの実施形態は、様々なコンピュータ実装動作を実施するためのプログラム命令および/または(データ構造を含む)データを含む、有形および/または非一時的コンピュータ可読媒体あるいはコンピュータプログラム製品に関する。コンピュータ可読媒体の例は、限定はしないが、半導体メモリデバイスと、相変化デバイスと、ディスクドライブ、磁気テープなどの磁気媒体と、CDなどの光媒体と、磁気光学媒体と、読取り専用メモリデバイス(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)など、プログラム命令を記憶および実施するように特別に構成されたハードウェアデバイスと、を含む。コンピュータ可読媒体は、エンドユーザによって直接制御され得るか、または、その媒体は、エンドユーザによって間接的に制御され得る。直接制御される媒体の例は、ユーザ設備に位置する媒体、および/または他のエンティティと共有されない媒体を含む。間接的に制御される媒体の例は、外部ネットワークを介して、および/または、「クラウド」など、共有リソースを提供するサービスを介して、ユーザにとって間接的にアクセス可能である、媒体を含む。プログラム命令の例は、コンパイラによって作り出されるような機械コードと、インタープリタを使用してコンピュータによって実行され得るより高いレベルのコードを含んでいるファイルの両方を含む。
【0072】
様々な実施形態では、開示される方法および装置において採用されるデータまたは情報は、電子フォーマットにおいて提供される。そのようなデータまたは情報は、計算において使用される様々な係数などを含み得る。本明細書で使用される、電子フォーマットにおいて提供されるデータまたは他の情報は、機械への記憶および機械間の送信のために利用可能である。従来、電子フォーマットにおけるデータは、デジタル的に提供され、ビットおよび/またはバイトとして、様々なデータ構造、リスト、データベースなどに記憶され得る。データは、電子的に、光学的になど、具現され得る。
【0073】
システムソフトウェアが、一般に、コンピュータハードウェアおよび関連するメモリとインターフェースする。いくつかの実施形態では、システムソフトウェアは、オペレーティングシステムソフトウェアおよび/またはファームウェア、ならびにシステムにインストールされた任意のミドルウェアおよびドライバを含む。システムソフトウェアは、コンピュータの基本的な非タスク固有機能を提供する。対照的に、モジュールおよび他のアプリケーションソフトウェアが、特定のタスクを達成するために使用される。モジュールについての各ネイティブ命令が、メモリデバイスに記憶され、数値によって表される。
【0074】
図6は、本開示のいくつかの実施形態を実装する際に使用するのに好適なコンピューティングデバイス600の一例のブロック図である。たとえば、デバイス600は、本明細書で開示される画像分析論理の一部または全部の機能を実装するのに好適であり得る。
【0075】
コンピューティングデバイス600は、以下のデバイス、すなわち、メモリ604、1つまたは複数の中央処理ユニット(CPU)606、1つまたは複数のグラフィックス処理ユニット(GPU)608、通信インターフェース1010、入出力(I/O)ポート612、入出力構成要素614、電源616、および1つまたは複数の提示構成要素618(たとえば、(1つまたは複数の)ディスプレイ)を直接または間接的に結合する、バス602を含み得る。CPU606およびGPU608に加えて、コンピューティングデバイス600は、限定はしないが、画像信号プロセッサ(ISP)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、FPGAなど、図6に示されていない追加の論理デバイスを含み得る。
【0076】
図6の様々なブロックは、線により、バス602を介して接続されるように示されているが、これは、限定するものではなく、明快のためのものにすぎない。たとえば、いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイスなど、提示構成要素618は、I/O構成要素614(たとえば、ディスプレイがタッチスクリーンである場合)と考えられ得る。別の例として、CPU606および/またはGPU608は、メモリを含み得る(たとえば、メモリ604は、GPU608、CPU606、および/または他の構成要素のメモリに加えての、記憶デバイスを表し得る)。言い換えれば、図6のコンピューティングデバイスは、例示にすぎない。「ワークステーション」、「サーバ」、「ラップトップ」、「デスクトップ」、「タブレット」、「クライアントデバイス」、「モバイルデバイス」、「ハンドヘルドデバイス」、「電子制御ユニット(ECU)」、「仮想現実システム」、および/あるいは他のデバイスまたはシステムタイプのようなカテゴリー間の区別は、すべてが、図6のコンピューティングデバイスの範囲内で企図されるので、行われない。
【0077】
バス602は、アドレスバス、データバス、制御バス、またはそれらの組合せなど、1つまたは複数のバスを表し得る。バス1002は、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、拡張業界標準アーキテクチャ(EISA)バス、ビデオエレクトロニクス規格協会(VESA)バス、周辺構成要素相互接続(PCI)バス、周辺構成要素相互接続エクスプレス(PCIe)バス、および/または別のタイプのバスなど、1つまたは複数のバスタイプを含み得る。
【0078】
メモリ604は、様々なコンピュータ可読媒体のいずれかを含み得る。コンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイス600によってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。コンピュータ可読媒体は、揮発性および不揮発性媒体と、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体の両方を含み得る。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および/または通信媒体を備え得る。
【0079】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および/または他のデータタイプなど、情報の記憶のための任意の方法または技術において実装された、揮発性および不揮発性媒体ならびに/またはリムーバブルおよび非リムーバブル媒体の両方を含み得る。たとえば、メモリ1004は、(たとえば、オペレーティングシステムなど、(1つまたは複数の)プログラムおよび/または(1つまたは複数の)プログラム要素を表す)コンピュータ可読命令を記憶し得る。コンピュータ記憶媒体は、限定はしないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気記憶デバイス、あるいは、所望の情報を記憶するために使用され得、コンピューティングデバイス1000によってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含み得る。本明細書で使用されるコンピュータ記憶媒体は、それ自体、信号を備えない。
【0080】
通信媒体は、搬送波などの変調されたデータ信号または他のトランスポート機構において、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および/または他のデータタイプを具現し得、任意の情報配信媒体を含む。「変調されたデータ信号」という用語は、信号中の情報を符号化するような様式で設定または変更されるそれの特性のうちの1つまたは複数を有する信号を指し得る。限定ではなく例として、通信媒体は、ワイヤードネットワークまたは直接ワイヤード接続など、ワイヤード媒体と、音響、RF、赤外線および他のワイヤレス媒体など、ワイヤレス媒体と、を含み得る。上記のいずれかの組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0081】
(1つまたは複数の)CPU606は、コンピューティングデバイス600の1つまたは複数の構成要素を、本明細書で説明される方法および/またはプロセスのうちの1つまたは複数を実施するように制御するために、コンピュータ可読命令を実行するように構成され得る。(1つまたは複数の)CPU606は、各々、多数のソフトウェアスレッドを同時に扱うことが可能である1つまたは複数のコア(たとえば、1つ、2つ、4つ、8つ、28個、72個など)を含み得る。(1つまたは複数の)CPU606は、任意のタイプのプロセッサを含み得、実装されるコンピューティングデバイス600のタイプに応じて異なるタイプのプロセッサ(たとえば、モバイルデバイスの場合、より少数のコアをもつプロセッサ、およびサーバの場合、より多くのコアをもつプロセッサ)を含み得る。たとえば、コンピューティングデバイス600のタイプに応じて、プロセッサは、縮小命令セットコンピューティング(RISC)を使用して実装されるARMプロセッサ、または複合命令セットコンピューティング(CISC)を使用して実装されるx86プロセッサであり得る。コンピューティングデバイス600は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または数値演算コプロセッサ(math co-processor)などの補助コプロセッサに加えて、1つまたは複数のCPU606を含み得る。
【0082】
(1つまたは複数の)GPU608は、グラフィックス(たとえば、3Dグラフィックス)をレンダリングするためにコンピューティングデバイス600によって使用され得る。(1つまたは複数の)GPU608は、多くのソフトウェアスレッドを同時に扱うことが可能であるコアを多く(たとえば、数十、数百、または数千個)含み得る。(1つまたは複数の)GPU608は、レンダリングコマンド(たとえば、ホストインターフェースを介して受信された(1つまたは複数の)CPU606からのレンダリングコマンド)に応答して、出力画像のためのピクセルデータを生成し得る。(1つまたは複数の)GPU608は、ピクセルデータを記憶するための、ディスプレイメモリなど、グラフィックスメモリを含み得る。ディスプレイメモリは、メモリ604の一部として含まれ得る。(1つまたは複数の)GPU608は、(たとえば、リンクを介して)並列に動作する2つまたはそれ以上のGPUを含み得る。組み合わせられたとき、各GPU608は、出力画像の異なる部分のためのまたは異なる出力画像のためのピクセルデータを生成することができる(たとえば、第1の画像のための第1のGPUおよび第2の画像のための第2のGPU)。各GPUは、それ自体のメモリを含むことができるか、または他のGPUとメモリを共有することができる。
【0083】
コンピューティングデバイス600が、(1つまたは複数の)GPU608を含まない例では、(1つまたは複数の)CPU606は、グラフィックスをレンダリングするために使用され得る。
【0084】
通信インターフェース610は、コンピューティングデバイス600が、ワイヤードおよび/またはワイヤレス通信を含む、電子通信ネットワークを介して他のコンピューティングデバイスと通信することを可能にする、1つまたは複数の受信機、送信機、および/またはトランシーバを含み得る。通信インターフェース610は、ワイヤレスネットワーク(たとえば、Wi-Fi、Z-Wave、Bluetooth、Bluetooth LE、ZigBeeなど)、ワイヤードネットワーク(たとえば、イーサネット上で通信する)、低電力ワイドエリアネットワーク(たとえば、LoRaWAN、SigFoxなど)、および/またはインターネットなど、いくつかの異なるネットワークのいずれか上での通信を可能にするための構成要素および機能を含み得る。
【0085】
I/Oポート612は、コンピューティングデバイス600が、そのうちのいくつかがコンピューティングデバイス600に組み込まれ(たとえば、統合され)得る、I/O構成要素614、(1つまたは複数の)提示構成要素618、および/または他の構成要素を含む、他のデバイスに論理的に結合されることを可能にし得る。例示的なI/O構成要素614は、マイクロフォン、マウス、キーボード、ジョイスティック、トラックパッド、サテライトディッシュ、スキャナ、プリンタ、ワイヤレスデバイスなどを含む。I/O構成要素614は、ユーザによって生成されたエアジェスチャー、ボイス、または他の生理学的入力を処理するナチュラルユーザインターフェース(NUI)を提供し得る。いくつかの事例では、入力は、さらなる処理のために適切なネットワーク要素に送信され得る。NUIは、音声認識、スタイラス認識、顔認識、生体認識、スクリーン上のジェスチャー認識とスクリーンに隣接するジェスチャー認識の両方、エアジェスチャー、頭部および視線追跡、ならびにコンピューティングデバイス600のディスプレイに関連する(以下でより詳細に説明される)タッチ認識の、任意の組合せを実装し得る。コンピューティングデバイス600は、ジェスチャー検出および認識のための、立体視カメラシステム、赤外線カメラシステム、RGBカメラシステム、タッチスクリーン技術、およびこれらの組合せなど、深度カメラを含み得る。さらに、コンピューティングデバイス600は、動きの検出を可能にする加速度計またはジャイロスコープを(たとえば、慣性測定ユニット(IMU)の一部として)含み得る。いくつかの例では、加速度計またはジャイロスコープの出力は、没入型拡張現実または仮想現実をレンダリングするためにコンピューティングデバイス600によって使用され得る。
【0086】
電源616は、ハードワイヤード電源、バッテリー電源、またはそれらの組合せを含み得る。電源616は、コンピューティングデバイス600の構成要素が動作することを可能にするためにコンピューティングデバイス600に電力を提供し得る。
【0087】
(1つまたは複数の)提示構成要素618は、ディスプレイ(たとえば、モニタ、タッチスクリーン、テレビジョンスクリーン、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、他のディスプレイタイプ、またはそれらの組合せ)、スピーカー、および/または他の提示構成要素を含み得る。(1つまたは複数の)提示構成要素618は、他の構成要素(たとえば、(1つまたは複数の)GPU608、(1つまたは複数の)CPU606など)からデータを受信し、そのデータを(たとえば、画像、ビデオ、音などとして)出力し得る。
【0088】
本開示は、個人情報端末または他のハンドヘルドデバイスなど、コンピュータまたは他の機械によって実行されている、プログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータコードまたは機械使用可能命令の一般的なコンテキストにおいて説明され得る。概して、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含むプログラムモジュールは、特定のタスクを実施するかまたは特定の抽象データタイプを実装する、コードを指す。本開示は、ハンドヘルドデバイス、コンシューマーエレクトロニクス、汎用コンピュータ、より専門コンピューティングデバイスなどを含む、様々なシステム構成において実践され得る。本開示はまた、通信ネットワークを通してリンクされるリモート処理デバイスによってタスクが実施される、分散コンピューティング環境において実践され得る。
結論
【0089】
説明では、提示された実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載された。開示された実施形態は、これらの具体的な詳細の一部または全部なしに実践され得る。他の事例では、よく知られているプロセス動作は、開示された実施形態を不必要に不明瞭にしないために、詳細に説明されなかった。開示された実施形態は、特定の実施形態に関して説明されたが、特定の実施形態は、開示された実施形態を限定するものではないことを理解されよう。
【0090】
別段に示されていない限り、本明細書で開示される方法動作およびデバイス特徴は、当技術分野の技能内にある、計測学、半導体デバイス製作技術、ソフトウェア設計およびプログラミング、ならびに統計学において通常使用される技法および装置を伴う。
【0091】
本明細書で別段に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に含まれる用語を含む様々な科学辞書が、よく知られており、当業者にとって利用可能である。本明細書で説明されるものと同様のまたは等価な任意の方法および材料が、本明細書で開示される実施形態の実践またはテストにおいて用いられるが、いくつかの方法および材料が、説明される。
【0092】
数値範囲は、範囲を定義する数を含む。本明細書全体にわたって与えられるあらゆる最大数値限定は、あらゆるより低い数値限定を、そのようなより低い数値限定が本明細書で明確に書かれたかのように、含むものとする。本明細書全体にわたって与えられるあらゆる最小数値限定は、あらゆるより高い数値限定を、そのようなより高い数値限定が本明細書で明確に書かれたかのように、含むことになる。本明細書全体にわたって与えられるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るあらゆるより狭い数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明確に書かれたかのように、含むことになる。
【0093】
本明細書で提供される見出しは、本開示を限定するものではない。
【0094】
本明細書で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、コンテキストが別段に明確に示さない限り、複数形を含む。本明細書で使用される「または」という用語は、別段に示されていない限り、非排他的なまたはを指す。
【0095】
プロセッサ、メモリ、命令、ルーチン、モデル、または他の構成要素を含む様々な計算要素は、1つまたは複数のタスクを実施する「ように構成された」として説明または主張され得る。そのようなコンテキストでは、「ように構成された」という句は、構成要素が、動作中に1つまたは複数のタスクを実施する構造(たとえば、記憶された命令、回路など)を含むことを示すことによって、構造を暗示するために使用される。したがって、ユニット/回路/構成要素は、指定された構成要素は、必ずしも現在動作可能であるとは限らない(たとえば、オンでない)ときでも、タスクを実施するように構成されると言われることがある。
【0096】
「ように構成された」という言い回しとともに使用される構成要素は、ハードウェア、たとえば、回路、動作を実装するために実行可能なプログラム命令を記憶するメモリなどを指し得る。さらに、「ように構成された」は、(1つまたは複数の)具陳されたタスクを実施することが可能である様式で動作するためにソフトウェアおよび/またはファームウェア(たとえば、ソフトウェアを実行するFPGAまたは汎用プロセッサ)によって操作される一般的な構造(たとえば、一般的な回路)を指すことができる。さらに、「ように構成された」は、(1つまたは複数の)具陳されたタスクを実施するためのコンピュータ実行可能命令を記憶する1つまたは複数のメモリまたはメモリ要素を指すことができる。そのようなメモリ要素は、処理論理を有するコンピュータチップ上のメモリを含み得る。いくつかのコンテキストでは、「ように構成された」はまた、1つまたは複数のタスクを実装または実施するために適応されたデバイス(たとえば、集積回路)を製作するように製造プロセス(たとえば、半導体製作設備)を適応させることを含み得る。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2025-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムであって、
プラズマベース動作を含む半導体製作プロセスを実施するために構成されたプロセスチャンバと、
前記プロセスチャンバの電力供給されない電極に動作可能に結合された少なくとも1つの可変リアクタンス要素と、
コントローラと、
を備える基板処理システムであって、前記コントローラは、
前記プラズマベース動作の実施中にまたはそれより前に、前記プロセスチャンバの1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数のターゲット電圧を決定することと、
前記1つまたは複数のターゲット電圧に少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値を決定することと、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことであって、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことが、前記プロセスチャンバの前記1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数の電圧が前記1つまたは複数のターゲット電圧のほうへ移動することを引き起こす、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことと、
を行うように構成された、基板処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記プロセスチャンバの前記電力供給されない電極は、前記プロセスチャンバのシャワーヘッドを備え、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、前記シャワーヘッドに電気的に接続されるか、またはシャワーヘッド中に配設される、基板処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記プロセスチャンバの前記電力供給されない電極は、前記プロセスチャンバのペデスタルであり、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、前記プロセスチャンバの前記ペデスタルに電気的に接続されるか、または前記プロセスチャンバのペデスタル中に配設される、基板処理システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の基板処理システムであって、
前記プロセスチャンバの前記1つまたは複数の構成要素に関連する前記1つまたは複数の電圧が前記1つまたは複数のターゲット電圧のほうへ移動することを引き起こすことは、前記プロセスチャンバ内の寄生プラズマの可能性を低減する、基板処理システム。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の基板処理システムであって、
前記1つまたは複数のターゲット電圧のうちの少なくとも1つは、前記プロセスチャンバの電力供給されないシャワーヘッドに関連する電圧である、基板処理システム。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載の基板処理システムであって、
前記半導体製作プロセスを受けるウエハを支持するように構成されたペデスタルをさらに備え、前記1つまたは複数のターゲット電圧のうちの少なくとも1つは、前記ウエハの静止位置に近接したロケーションにおける電圧である、基板処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の基板処理システムであって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことは、前記ウエハの前記静止位置に近接した前記ロケーションにおける前記電圧が、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことより前の前記ロケーションにおける電圧よりも実質的に低くなることを引き起こす、基板処理システム。
【請求項8】
請求項6に記載の基板処理システムであって、
前記ペデスタルに動作可能に結合された無線周波数(RF)生成器をさらに備える、基板処理システム。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか一項に記載の基板処理システムであって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、可変キャパシタを備える、基板処理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の基板処理システムであって、前記可変キャパシタに動作可能に結合されたステッパーモーターをさらに備え、前記コントローラは、前記ステッパーモーターを作動させることによって、前記可変キャパシタが前記決定された値を有することを引き起こすように構成された、基板処理システム。
【請求項11】
請求項9に記載の基板処理システムであって、
前記可変キャパシタの前記値は、前記電力供給されない電極に関連するインダクタンスに基づいて決定される、基板処理システム。
【請求項12】
請求項1から3のいずれか一項に記載の基板処理システムであって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、可変インダクタを備える、基板処理システム。
【請求項13】
請求項1から3のいずれか一項に記載の基板処理システムであって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、異なる周波数について異なるリアクタンスを提供するように構成されたネットワークを備える、基板処理システム。
【請求項14】
請求項13に記載の基板処理システムであって、
前記異なる周波数は、DC、複数のRF駆動周波数、1つまたは複数のRF駆動周波数の複数の高調波、またはそれらの任意の組合せを含む、基板処理システム。
【請求項15】
請求項1から3のいずれか一項に記載の基板処理システムであって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、交換可能なハードウェア要素を備える、基板処理システム。
【請求項16】
請求項1から3のいずれか一項に記載の基板処理システムであって、
前記プラズマ動作は、プラズマベースエッチ動作またはプラズマベース堆積動作である、基板処理システム。
【請求項17】
プロセスチャンバの電圧を変調するための方法であって、前記方法は、
プロセスチャンバ内のプラズマベース動作の実施中にまたはそれより前に、前記プロセスチャンバの1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数のターゲット電圧を決定することであって、前記プロセスチャンバは、電力供給されない電極を備える、1つまたは複数のターゲット電圧の決定と、
前記電力供給されない電極に動作可能に結合された少なくとも1つの可変リアクタンス要素の値を決定することと、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことであって、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことが、前記プロセスチャンバの前記1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数の電圧が前記1つまたは複数のターゲット電圧のほうへ移動することを引き起こす、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素が前記決定された値を有することを引き起こすことと、
を含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素の前記値を決定することは、前記1つまたは複数の構成要素に関連する前記1つまたは複数の電圧が前記1つまたは複数のターゲット電圧の所定の範囲内にあることを引き起こす、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素の前記値を識別するために、前記1つまたは複数のターゲット電圧をルックアップテーブルへのキー値として利用することを含む、方法。
【請求項19】
請求項17または18に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素の前記値を決定することは、前記プロセスチャンバの少なくとも一部分の回路モデルに基づき、前記回路モデルは、前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素を含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記回路モデルは、前記プロセスチャンバ中に形成されたプラズマに関連する1つまたは複数の回路要素を備える、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、
前記プラズマに関連する前記1つまたは複数の回路要素は、プラズマ抵抗を表す抵抗器と、プラズマシースに関連するキャパシタンスを表すキャパシタと、を備える、方法。
【請求項22】
請求項19に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、可変キャパシタを備え、前記回路モデルは、前記電力供給されない電極のインダクタンスを表すインダクタに直列に結合された前記可変キャパシタを備える、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、
前記可変キャパシタの値は、前記可変キャパシタに関連するインピーダンスが、前記電力供給されない電極の前記インダクタンスを表す前記インダクタに関連するインピーダンスを実質的に相殺することを引き起こす値として決定される、方法。
【請求項24】
請求項17または18に記載の方法であって、
前記電力供給されない電極は、前記プロセスチャンバのペデスタルを備える、方法。
【請求項25】
請求項17または18に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素は、可変インダクタを備える、方法。
【請求項26】
請求項17または18に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素の前記値は、光センサーからキャプチャされた光データに基づいて決定されたプラズマ特性に少なくとも部分的に基づいて決定される、方法。
【請求項27】
請求項17または18に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素の前記値は、前記プロセスチャンバの1つまたは複数の領域、RF電力送出システム、またはそれらの任意の組合せ内で測定された(1つまたは複数)RF信号の電力、電圧、電流、および/または位相測定値に基づいて決定されたプラズマ特性に少なくとも部分的に基づいて決定される、方法。
【請求項28】
請求項17または18に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素の前記値は、電力供給される電極、または前記電力供給されない電極のうちの1つまたは複数上で測定されたDCバイアス信号に基づいて決定されたプラズマ特性に少なくとも部分的に基づいて決定される、方法。
【請求項29】
請求項17または18に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの可変リアクタンス要素の前記値は、前記プロセスチャンバにおける電気的プラズマ診断に基づいて決定されたプラズマ特性に少なくとも部分的に基づいて決定される、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
図4Bは、シャワーヘッドに動作可能に結合された可変キャパシタの変動するリアクタンスに応答するシャワーヘッドにおける電圧変化(Vshd)の輪郭プロットを示す。言い換えれば、図4Aおよび図4Bは、両方とも、可変シャワーヘッドキャパシタのリアクタンスを変動させるが、ステーションの異なる領域(すなわち、図4A中のペデスタル、および図4B中のシャワーヘッド)における電圧の変化を示す。図4Aに関して上記で説明されたことと同様に、図4Bの輪郭プロットは、1オームの固定プラズマ抵抗を仮定して、および(y軸上に示されているような)様々なプラズマキャパシタンスについて、生成された。x軸は、可変シャワーヘッドキャパシタンスの変動する値を示す。所与のプラズマキャパシタンス(たとえば、1200pF)について、シャワーヘッド電圧は、100pFから500pFまでシャワーヘッドキャパシタを調整することによって、動的電圧範囲にわたって変動され得ることに留意されたい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
コンピューティングデバイス600は、以下のデバイス、すなわち、メモリ604、1つまたは複数の中央処理ユニット(CPU)606、1つまたは複数のグラフィックス処理ユニット(GPU)608、通信インターフェース610、入出力(I/O)ポート612、入出力構成要素614、電源616、および1つまたは複数の提示構成要素618(たとえば、(1つまたは複数の)ディスプレイ)を直接または間接的に結合する、バス602を含み得る。CPU606およびGPU608に加えて、コンピューティングデバイス600は、限定はしないが、画像信号プロセッサ(ISP)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、FPGAなど、図6に示されていない追加の論理デバイスを含み得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
バス602は、アドレスバス、データバス、制御バス、またはそれらの組合せなど、1つまたは複数のバスを表し得る。バス602は、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、拡張業界標準アーキテクチャ(EISA)バス、ビデオエレクトロニクス規格協会(VESA)バス、周辺構成要素相互接続(PCI)バス、周辺構成要素相互接続エクスプレス(PCIe)バス、および/または別のタイプのバスなど、1つまたは複数のバスタイプを含み得る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および/または他のデータタイプなど、情報の記憶のための任意の方法または技術において実装された、揮発性および不揮発性媒体ならびに/またはリムーバブルおよび非リムーバブル媒体の両方を含み得る。たとえば、メモリ604は、(たとえば、オペレーティングシステムなど、(1つまたは複数の)プログラムおよび/または(1つまたは複数の)プログラム要素を表す)コンピュータ可読命令を記憶し得る。コンピュータ記憶媒体は、限定はしないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気記憶デバイス、あるいは、所望の情報を記憶するために使用され得、コンピューティングデバイス600によってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含み得る。本明細書で使用されるコンピュータ記憶媒体は、それ自体、信号を備えない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6
【国際調査報告】