(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-10-14
(54)【発明の名称】ガス供給パレットアセンブリ、洗浄ユニット及びこれを有する化学機械研磨システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20251006BHJP
【FI】
H01L21/304 648L
H01L21/304 643A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025521278
(86)(22)【出願日】2023-09-11
(85)【翻訳文提出日】2025-06-04
(86)【国際出願番号】 US2023032374
(87)【国際公開番号】W WO2024085975
(87)【国際公開日】2024-04-25
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ベラスケス, エドウィン
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AA96
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
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5F157CF88
5F157CF90
(57)【要約】
本明細書では、モジュール式ガスパレットアセンブリと、これを有する洗浄ユニット及び化学機械研磨機とを開示する。一実施例では、ガスパレットアセンブリは3つの出口と2つ以下の入口とを含む。ガスパレットアセンブリは、第1の取付板に固定された第1及び第2の一次ガス導管を有する。第2の一次ガス導管は2つの分岐部に分割され、それぞれが流量制御を有する。モジュール式ガスパレットアセンブリは、基板クリーナのベースプレート、基板クリーナの基板把持ピン、及び基板クリーナの基板把持ピンによって保持された基板の底部に向けてガスを供給するように構成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスパレットアセンブリであって、
第1の取付板と、
前記第1の取付板に固定された第1の一次ガス導管であって、前記第1の一次ガス導管が、
第1の入口ポート、
第1の常閉バルブ、
前記第1の常閉バルブと前記第1の入口ポートとの間に連結された第1の調整器、
第1の出口ポート、
前記第1の出口ポートに連結された第1のフィルタ、及び
前記第1のフィルタと前記第1の常閉バルブとの間に連結された第1の流量コントローラ
を備える、第1の一次ガス導管と、
前記第1の取付板に固定された第2の一次ガス導管であって、前記第2の一次ガス導管が、
第2の入口ポート、
第2の常閉バルブ、
前記第2の常閉バルブと前記第2の入口ポートとの間に連結された第2の調整器、
第2の出口ポート、
前記第2の出口ポートに連結された第2のフィルタ、
前記第2のフィルタと前記第2の常閉バルブとの間に連結された第2の流量コントローラ
前記第2の調整器と前記第2の常閉バルブとの間に配置されたティーに連結された第3の常閉バルブ、
第3の出口ポート、
前記第3の出口ポートに連結された第3のフィルタ、及び
前記第2のフィルタと前記第2の常閉バルブとの間に連結された第3の流量コントローラ
を備える、第2の一次ガス導管と
を備える、ガスパレットアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の流量コントローラ及び前記第2の流量コントローラが、質量流量コントローラである、請求項1に記載のガスパレットアセンブリ。
【請求項3】
前記第3の流量コントローラが、質量流量コントローラ、ニードルバルブ、調整バルブ、又はオリフィスプレートからなる群から選択される、請求項2に記載のガスパレットアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の取付板が、プラスチック材料から製造される、請求項2に記載のガスパレットアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の取付板が矩形である、請求項1に記載のガスパレットアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の取付板が、前記矩形の第1の取付板の長いエッジに沿って配置された切り欠きを有する、請求項5に記載のガスパレットアセンブリ。
【請求項7】
前記第2の常閉バルブを前記第2の流量コントローラに接続するフィッティングが、前記第1の取付板の切り欠きを通して露出される、請求項2に記載のガスパレットアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の取付板が、ポリマーから製造される、請求項2に記載のガスパレットアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の取付板に連結された第2の取付板と、
前記第2の取付板に固定された第3の一次ガス導管であって、前記第3の一次ガス導管が、
第4の入口ポート、
第4の常閉バルブ、
前記第4の常閉バルブと前記第4の入口ポートとの間に連結された第4の調整器、
第4の出口ポート、
前記第4の出口ポートに連結された第4のフィルタ、及び
前記第4のフィルタと前記第4の常閉バルブとの間に連結された第4の流量コントローラ
を備える、第3の一次ガス導管と、
前記第2の取付板に固定された第4の一次ガス導管であって、前記第4の一次ガス導管が、
第5の入口ポート、
第5の常閉バルブ、
前記第5の常閉バルブと前記第5の入口ポートとの間に連結された第5の調整器、
第5の出口ポート、
前記第5の出口ポートに連結された第5のフィルタ、
前記第5のフィルタと前記第5の常閉バルブとの間に連結された第5の流量コントローラ
前記第5の調整器と前記第5の常閉バルブとの間に配置されたティーに連結された第6の常閉バルブ、
第6の出口ポート、
前記第6の出口ポートに連結された第6のフィルタ、及び
前記第6のフィルタと前記第6の常閉バルブとの間に連結された第6の流量コントローラ
を備える、第4の一次ガス導管と
を更に備える、請求項1に記載のガスパレットアセンブリ。
【請求項10】
前記第2の取付板が、複数のスタンドオフによって、前記第1の取付板の真上に積み重ねられている、請求項9に記載のガスパレットアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の取付板が、矩形であり、前記矩形の第1の取付板の長いエッジに沿って配置された第1の切り欠きを有し、
前記第2の取付板が、矩形であり、前記矩形の第2の取付板の長いエッジに沿って配置された第2の切り欠きを有し、第1の取付板及び第2の取付板が同じサイズを有し、第1の切り欠き及び第2の切り欠きが、一方が他方の上に位置合わせされ、同じサイズを有する、請求項9に記載のガスパレットアセンブリ。
【請求項12】
共通の供給フィッティングに接続され、共通のガス源からガスを受け取るように構成された、前記第1及び第2の入口ポートを有する、請求項1に記載のガスパレットアセンブリと、
第1の洗浄モジュール(FCM)であって、
処理中基板を固定するように構成された把持ピンを有するベースプレート、
前記ベースプレートの上方の位置と前記ベースプレートから離れた位置との間で移動可能な第1のアーム、
前記第1のアーム上に配置された第1のFCM出口ポートであって、第1のFCMガス出口ポートが、前記第1の出口ポートに接続された、第1のFCM出口ポート、
前記第1のアーム上に配置された第2のFCM出口ポートであって、第2のFCMガス出口ポートが、前記第2の出口ポートに接続された、第2のFCM出口ポート、及び
前記ベースプレート内に配置された第3のFCM出口ポートであって、第3のFCMガス出口ポートが、前記第3の出口ポートに接続された、第3のFCM出口ポート
を備える、第1の洗浄モジュール(FCM)と
を備える、基板洗浄ユニット。
【請求項13】
前記ガスパレットアセンブリが、前記第1の洗浄モジュールの真下に配置されている、請求項12に記載の基板洗浄ユニット。
【請求項14】
前記第1の洗浄モジュール上に積み重ねられた第2の洗浄モジュールと、
前記第2の洗浄モジュールに連結された第2のガスパレットアセンブリと
を更に備える、請求項12に記載の基板洗浄ユニット。
【請求項15】
前記第2のガスパレットアセンブリが、
前記第1の取付板に連結された第2の取付板と、
前記第2の取付板に固定された第3の一次ガス導管であって、前記第3の一次ガス導管が、
第4の入口ポート、
前記第4の入口ポートに連結された第4の常閉バルブ、
前記第4の常閉バルブと前記第4の入口ポートとの間に連結された第4の調整器、
前記第2の洗浄モジュールの第1の洗浄モジュール(SMC)ガス出口ポートに連結された第4の出口ポート、
前記第4の出口ポートに連結された第4のフィルタ、及び
前記第4のフィルタと前記第4の常閉バルブとの間に連結された第4の流量コントローラ
を備える、第3の一次ガス導管と、
前記第2の取付板に固定された第4の一次ガス導管であって、前記第4の一次ガス導管が、
第5の入口ポートであって、前記第4及び第5の入口ポートが、共通の供給フィッティングに接続され、前記共通のガス源からガスを受け取るように構成された、第5の入口ポート、
第5の常閉バルブ、
前記第5の常閉バルブと前記第5の入口ポートとの間に連結された第5の調整器、
前記第2の洗浄モジュールの第2のSMCガス出口ポートに連結された第5の出口ポート、
前記第5の出口ポートに連結された第5のフィルタ、
前記第5のフィルタと前記第5の常閉バルブとの間に連結された第5の流量コントローラ、
前記第5の調整器と前記第5の常閉バルブとの間に配置されたティーに連結された第6の常閉バルブ、
前記第2の洗浄モジュールの第3のSMCガス出口ポートに連結された第6の出口ポート、
前記第6の出口ポートに連結された第6のフィルタ、及び
前記第6のフィルタと前記第6の常閉バルブとの間に連結された第6の流量コントローラ
を備える、第4の一次ガス導管と
を更に備える、請求項14に記載の基板洗浄ユニット。
【請求項16】
前記第2の取付板が、前記第1の取付板の真上、及び前記第1及び第2の洗浄モジュールの真下に積み重ねられている、請求項15に記載の基板洗浄ユニット。
【請求項17】
前記第1の取付板が、矩形であり、前記矩形の第1の取付板の長いエッジに沿って配置された第1の切り欠きを有し、
前記第2の取付板が、矩形であり、前記矩形の第2の取付板の長いエッジに沿って配置された第2の切り欠きを有し、第1の取付板及び第2の取付板が同じサイズを有し、第1の切り欠き及び第2の切り欠きが、一方が他方の上に位置合わせされ、同じサイズを有する、請求項16に記載の基板洗浄ユニット。
【請求項18】
第1のガスパレットの下方に配置された排水ますと、
前記第1及び第2の切り欠きの真下、かつ、前記第1及び第2の切り欠きに位置合わせされた、排水ますに配置された流体センサと
を更に備える、請求項17に記載の基板洗浄ユニット。
【請求項19】
基板処理システムであって、
化学機械研磨機と、
基板搬送デバイスと、
前記化学機械研磨機に連結された基板洗浄ユニットと
を備え、前記基板搬送デバイスが、前記化学機械研磨機から前記基板洗浄ユニットまで基板を移動させるように構成され、前記基板洗浄ユニットが、
第1の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤ、
前記第1の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤの真下に配置された第1の複数の積み重ねられたガスパレットであって、前記第1の複数の積み重ねられたガスパレットのそれぞれの1つが、前記第1の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤのそれぞれの1つに連結された、第1の複数の積み重ねられたガスパレット、
前記第1の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤから横方向にオフセットされて配置された、第2の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤ、及び
前記第2の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤの真下に配置された第2の複数の積み重ねられたガスパレットであって、前記第2の複数の積み重ねられたガスパレットのそれぞれの1つが、前記第2の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤのそれぞれの1つに連結された、第2の複数の積み重ねられたガスパレット
を更に備える、基板処理システム。
【請求項20】
前記第1の複数の積み重ねられたガスパレットのガスパレットのそれぞれが、
取付板と、
第1の取付板に固定された第1の一次ガス導管であって、前記第1の一次ガス導管が、
第1の入口ポート、
第1の常閉バルブ、
前記第1の常閉バルブと前記第1の入口ポートとの間に連結された第1の調整器、
前記第1の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤのうちの第1のもののスイングアーム上に位置決めされた第1のガス出口ポートに連結された第1の出口ポート、
前記第1の出口ポートに連結された第1のフィルタ、及び
前記第1のフィルタと前記第1の常閉バルブとの間に連結された第1の流量コントローラ
を備える、第1の一次ガス導管と、
前記第1の取付板に固定された第2の一次ガス導管であって、前記第2の一次ガス導管が、
前記第1の入口ポートに連結された第2の入口ポートであって、前記第1及び第2の入口ポートが、共通の源からのガスを受け取るように構成された、第2の入口ポート、
第2の常閉バルブ、
前記第2の常閉バルブと前記第2の入口ポートとの間に連結された第2の調整器、
前記第1の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤのうちの前記第1のものの前記スイングアーム上に位置決めされた第2のガス出口ポートに連結された、第2の出口ポート、
前記第2の出口ポートに連結された第2のフィルタ、
前記第2のフィルタと前記第2の常閉バルブとの間に連結された第2の流量コントローラ
前記第2の調整器と前記第2の常閉バルブとの間に配置されたティーに連結された第3の常閉バルブ、
前記第1の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤのうちの前記第1のもののベースプレート内に配置された第3のガス出口に連結された、第3の入口ポート、
第3の出口ポートに連結された第3のフィルタ、及び
前記第2のフィルタと前記第2の常閉バルブとの間に連結された第3の流量コントローラ
を備える、第2の一次ガス導管と
を更に備える、請求項19に記載の基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本明細書に記載の実施形態は、概して、電子デバイスの製造に使用される装置に関し、より具体的には、特に化学機械研磨(CMP)システムの後又は一部として、基板の表面を洗浄するために使用され得る基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
[0002]化学機械研磨(CMP)は、基板上に堆積された材料の層を平坦化又は研磨するために、高密度集積回路の製造において一般的に使用される。典型的なCMPプロセスでは、基板はキャリアヘッド内で保持され、キャリアヘッドが、基板の表側を、研磨液の存在下で回転している研磨パッドに向かって押し付ける。研磨液、及び基板と研磨パッドとの相対運動によってもたらされる化学的活動と機械的活動との組み合わせによって、材料が、研磨パッドと接触している基板の材料層表面にわたって除去される。通常、一又は複数のCMPプロセスが完了した後、研磨された基板は、例えばCMPシステムに連結された洗浄ユニットで洗浄される。洗浄ユニットは、様々な洗浄動作を実行するために使用される複数の洗浄ステーション、すなわち洗浄モジュールを含み得る。ポストCMP工程が完了すると、基板をCMPシステムから除去し、次いで、リソグラフィ、エッチング、又は堆積システムといった次のデバイス製造システムに送達することができる。
【0003】
[0003]複数の洗浄モジュールを有する洗浄ユニットでは、様々なモジュール間で基板を搬送するために利用可能なスペースは限られている。洗浄装置が他の処理装置にとってより費用対効果高く利用できる貴重なスペースを占有する場合、FABオペレータの所有コストが高くなるため、スペース制限問題が悪化する。更に、大型の洗浄エンクロージャは、基板が空気に露出される時間を不必要に増加させ、基板の酸化及び粒子汚染の危険性がある。このため、洗浄ユニット内のモジュールは可能な限り密接に配置され、ロボットのようなデバイスが基板をつかみ、向きを変え、別のモジュールに挿入するための余裕はほとんどない。このようにスペースが圧縮されると、ガス制御システム及び洗浄ユニット内の関連経路に利用できるスペースも少なくなり、その結果、ガス供給システムの維持及び保守が困難になり、将来洗浄プロセスが変更された場合に拡張したり交換したりする能力が不足する。
【0004】
[0004]したがって、改良されたガス供給システム及びこれを有する洗浄ユニットが必要となる。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本明細書では、モジュール式ガスパレットアセンブリと、これを有する洗浄ユニット及び化学機械研磨機とを開示する。一実施例では、ガスパレットアセンブリは、第1の取付板に固定された第1及び第2の一次ガス導管を含む。第1の一次ガス導管は、第1の入口ポート、第1の常閉バルブ、第1の常閉バルブと第1の入口ポートとの間に連結された第1の調整器、第1の出口ポート、第1の出口ポートに連結された第1のフィルタ、及び第1のフィルタと第1の常閉バルブとの間に連結された第1の流量コントローラを含む。第2の一次ガス導管は、第2の入口ポート、第2の常閉バルブ、第2の常閉バルブと第2の入口ポートとの間に連結された第2の調整器、第2の出口ポート、第2の出口ポートに連結された第2のフィルタ、第2のフィルタと第2の常閉バルブとの間に連結された第2の流量コントローラ、第2の調整器と第2の常閉バルブとの間に配置されたティーに連結された第3の常閉バルブ、第3の出口ポート、第3の出口ポートに連結された第3のフィルタ、及び第2のフィルタと第2の常閉バルブとの間に連結された第3の流量コントローラを含む。
【0006】
[0006]別の実施例では、上記段落に記載されたパレットアセンブリに同一に構成された第2のパレットアセンブリが、共に垂直に積み重ねられる。
【0007】
[0007]別の実施例では、洗浄ユニットが提供される。洗浄ユニットは、ガスパレットアセンブリ及び第1の洗浄モジュール(FCM)を含む。ガスパレットアセンブリは3つの出口と2つ以下の入口とを有する。ガスパレットアセンブリの出口は、FCMに接続される。FCMは、処理中基板を固定するように構成された把持ピンを有するベースプレート、ベースプレートの上方の位置とベースプレートから離れた位置との間で移動可能な第1のアーム、第1の出口ポートに接続された第1のアーム上に配置された第1のFCM出口ポート、第2の出口ポートにある第1のアーム上に配置された第2のFCM出口ポート、及び第3の出口ポートに接続されたベースプレートに配置された第3のFCM出口ポートを含む。
【0008】
[0008]更に別の実施例では、化学機械研磨機、基板搬送デバイス、及び基板洗浄ユニットを含む基板処理システムが提供される。基板洗浄ユニットは、化学機械研磨機に連結される。基板搬送デバイスは、化学機械研磨機から基板洗浄ユニットに基板を移動させるように構成される。基板洗浄ユニットは、第1の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤ、第1の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤの真下に配置された第1の複数の積み重ねられたガスパレット、第1の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤから横方向にオフセットされて配置された第2の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤ、及び第2の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤの真下に配置された第2の複数の積み重ねられたガスパレットを更に含む。第1の複数の積み重ねられたガスパレットのそれぞれ1つは、第1の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤのそれぞれ1つに連結される。第2の複数の積み重ねられたガスパレットのそれぞれ1つは、第2の複数の積み重ねられた統合クリーナドライヤのそれぞれ1つに連結される。
【0009】
[0009]上述の本開示の特徴を詳細に理解し得るように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は、添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】[0010]統合された洗浄ユニットを有する例示的な化学機械研磨(CMP)システムの概略上面図である。
【
図1B】[0011]統合された洗浄ユニットの底部に配置された複数のガスパレットアセンブリを示す、
図1AのCMPシステムの概略側面図である。
【
図2】[0012]統合された洗浄及び乾燥(ICD)ステーションの一例の側面図である。
【
図3】[0013]
図2のICDステーションを分離するためにガスを供給するように構成された2つのガスパレットアセンブリの概略図である。
【
図4】[0014]ガスパレットアセンブリの上面図である。
【
図5】[0015]積層ガスアセンブリの部分概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0016]理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれ得ると想定される。
【0012】
[0017]本明細書に記載の実施形態は、概して、電子デバイスの製造時に使用される装置に関し、より具体的には、半導体デバイス製造プロセスにおいて基板の化学機械研磨に続く基板の表面を洗浄するために使用され得る洗浄ユニットに関する。洗浄ユニットには、洗浄ユニットの底部領域に積み重ねられたモジュール式ガスパレットアセンブリが含まれる。ガスパレットアセンブリは、洗浄ユニットに容易に交換及び/又は追加することができ、したがって、洗浄ユニットの効率的かつ費用対効果の高い保守及び拡張を可能にする。また、ガスパレットアセンブリを積み重ねて置くことで、洗浄ユニットの他の洗浄モジュールが稼動したまま、1つの洗浄モジュールを保守することができるなど、保守が容易になり、サービス中の工場のスループットへの影響を最小限に抑えることができる。
【0013】
[0018]
図1A及び1Bは、モジュール式ガスパレットアセンブリ124を利用する洗浄ユニット106を有する例示的な化学機械研磨(CMP)システム100の概略上面図及び概略側面図である。モジュール式ガスパレットアセンブリ124は、以下に更に説明するように、洗浄ユニット106に対して容易に除去、交換及び/又は追加することができる。
【0014】
[0019]CMPシステム100は、一又は複数の研磨ステーション105、第1の基板ハンドラ103を有するファクトリインターフェース102、及び第2の基板ハンドラ104を含む洗浄ユニット106を含む。ファクトリインターフェース102は、一又は複数のローディングステーション102Aを含み得る。ローディングステーション102Aは、例えば、FOUP又はカセットであってもよい。各ローディングステーション102Aは、CMPシステム100のCMP用の一又は複数の基板200を含み得る。
【0015】
[0020]第1の基板ハンドラ103は、ローディングステーション102Aのうちの一又は複数との間で基板200を搬送するように位置決めされる。第1の基板ハンドラ103は、基板200をローディングステーション102Aから洗浄ユニット106、例えば、クリーナパススルー102Bに搬送し、ここで基板200を第2の基板ハンドラ104によってピックアップすることができる。別の例として、第1の基板ハンドラ103は、基板200を洗浄ユニット106から、例えば、クリーナパススルー102Bから、ローディングステーション102Aに搬送する。
【0016】
[0021]基板200は、研磨ステーション105での処理の前に、最初にローディングステーション102Aに位置決めされる。第1の基板ハンドラ103は、基板200をクリーナパススルー102Bに搬送する。第1の基板ハンドラ103はまた、研磨された基板200を洗浄ユニット106からローディングステーション102Aに戻す。
【0017】
[0022]第2の基板ハンドラ104は、研磨のために、基板200をクリーナパススルー102Bから研磨ステーション105の搬送ステーション105Aに搬送するように位置決めされる。第2の基板ハンドラ104はまた、研磨ステーション105での研磨後に、基板200を研磨ステーション105の搬送ステーション105Aから洗浄ユニット106に搬送するように動作可能である。一例では、第2の基板ハンドラ104は、研磨ステーション105内の搬送ステーション105Aから研磨された基板200を取り戻し、基板200を洗浄ユニット106内の洗浄モジュールのうちの1つに搬送する。
【0018】
[0023]研磨ステーション105は、複数の研磨ステーション(図示せず)を含み得る化学機械研磨機である。研磨ステーション105は、基板200を研磨するために使用される一又は複数の研磨アセンブリを含む。典型的には、一又は複数の研磨アセンブリのそれぞれは、研磨プラテン(図示せず)及び研磨ヘッド(図示せず)の使用を含み、これは、研磨プラテン上に配置された研磨パッド(図示せず)に対して基板200を促すように構成される。基板200は研磨液の存在下で研磨される。研磨液は研磨剤を含み得る。研磨ステーション105で化学機械研磨を受けた後、研磨液に含まれる酸性又は塩基性の化学物質などの残留研磨粒子及び/又は液体が基板200上に残る場合がある。
【0019】
[0024]
図1Aに示されるように、洗浄ユニット106は、第2の基板ハンドラ104の対向する側に互いに平行に配置された2つの洗浄ユニット106A、106Bで構成され得る。洗浄ユニット106A、106Bは、後述するように、一又は複数の第1の洗浄モジュール、一又は複数の第2の洗浄モジュール、及び一又は複数の第3の洗浄モジュールなどの複数の洗浄モジュールを含む。各ガスパレットアセンブリ124は、洗浄ユニット106A、106Bの洗浄モジュールのそれぞれの1つにガスを供給するように構成される。これにより、他のモジュールを停止することなく、どの洗浄モジュール及び/又はガスパレットアセンブリ124も保守することができ、それにより、保守中でも洗浄ユニット106A、106B内の基板を洗浄することができる。ガスパレットアセンブリ124は、洗浄ユニット106A、106Bのそれぞれの下に積み重ねられて、システム100内のスペースを節約し、基板搬送のための余裕を供給することができる。
【0020】
[0025]洗浄ユニット106Aは、本質的に洗浄ユニット106Bの鏡面複製物である。洗浄ユニット106Aは、複数の洗浄ステーション(すなわち、
図1Aに第1の洗浄モジュール107、第2の洗浄モジュール109、及び第3の洗浄モジュール110として示されるモジュール)と、第3の基板ハンドラ108とを含む。幾つかの実施形態では、第1の洗浄モジュールは、本明細書で提供される開示の範囲に関して限定する意図はないが、本明細書では前洗浄モジュール107と称されることが多い。幾つかの実施形態では、第2の洗浄モジュール109は、本明細書で提供される開示の範囲に関して限定する意図はないが、本明細書では垂直洗浄モジュール109と称されることが多い。幾つかの実施形態では、第3の洗浄モジュール110は、本明細書で提供される開示の範囲に関して限定する意図はないが、本明細書では乾燥(ICD)モジュール110と称されることが多い。幾つかの実施形態では、垂直洗浄モジュール109は、第1の垂直洗浄モジュール109A及び第2の垂直洗浄モジュール109Bとして提供され得る。幾つかの実施形態では、ICDモジュール110は、第1のICDモジュール110A及び第2のICDモジュール110Bとして提供され得る。幾つかの実施形態では、
図1Aに示されるように、洗浄ユニット106A、106Bのそれぞれの内部の第3の基板ハンドラ108は、CMPシステム100の洗浄ユニット106A、106Bの外縁にあるように位置決めされる。この構成では、基板ハンドラ108は、CMPシステム100のロボットトンネル104T及び第2の基板ハンドラ104に面する第1、第2及び第3の洗浄モジュールの内側とは反対側である、第1、第2及び第3の洗浄モジュールの外側に位置決めされる。
【0021】
[0026]前洗浄モジュール107は、実質的に水平な向き、すなわちX-Y平面において、処理面201が上を向いた状態で配置された基板200を処理するように構成される。幾つかの実施形態では、各洗浄ユニット106A、106Bは、実質的に垂直な向き、すなわちZ-Y平面において、処理面201がファクトリインターフェース102を向いた状態で配置された基板200を処理するように構成された2つの垂直洗浄モジュール109A、109Bを含む。
【0022】
[0027]上述のように、前洗浄モジュール107は、前洗浄モジュール107の第1のサイドパネルに形成された第1のドア107Aを介して、第2の基板ハンドラ104から研磨された基板200を受け取る。第1のドア107Aは、例えば、前洗浄モジュール107の内部領域を前洗浄モジュール107の外部領域から分離するように構成されたスリットバルブであってもよい。基板200は、その中の水平に配置された基板支持面上に位置決めするために、前洗浄モジュール107によって水平な向きに受け取られる。前洗浄モジュール107は、次いで、バフ処理などの前洗浄プロセスを基板200上で実行し、その後、第3の基板ハンドラ108(本明細書では、第3の基板ハンドラ108とも称することがある)を使用して基板200がそこから搬送される。幾つかの実施形態では、バフ処理は、水平に配置された基板支持面上に位置決めされた基板の表面にわたってバフパッドで掃引して、スラリ(研磨液など)、傷及び基板の表面に見られるその他の欠陥を除去することを含む。バフパッドは、ポリウレタン、アクリレート、又は他のポリマー材料などの材料を含み得る。
【0023】
[0028]第3の基板ハンドラ108は、前洗浄モジュール107の第2のサイドパネルに形成された開口部を覆う第2のドア107Bを介して、前洗浄モジュール107から基板200を搬送する。第2のドア107Bは、例えばスリットバルブであってもよい。第2のサイドパネルは、例えば第1のサイドパネルと直交していてもよい。基板200は、前洗浄モジュール107から除去されるとき、依然として水平の向き、すなわちX-Y平面に方向付けられる。基板200が前洗浄モジュール107から搬送された後、第3の基板ハンドラ108は、洗浄ユニット106の垂直洗浄モジュール109A、109Bでの更なる処理のために、基板200を垂直な向き、すなわちY-Z平面に方向付けられ、処理面201がファクトリインターフェース102に向く方向に回転させる。例えば、基板200が前洗浄モジュール107から搬送された後、第3の基板ハンドラ108は、基板200をY軸を中心に90度回転させて垂直位置に向きを変え、更に基板をZ軸を中心に180度回転させることにより、処理面201がファクトリインターフェース102を向くようにしてもよい。Y軸回転とZ軸回転とは、連続的に完了してもよいし、重複する時間間隔で完了してもよい。
【0024】
[0029]処理面201がファクトリインターフェース102に向くように基板200を回転させた後、第3の基板ハンドラ108は、ドア109C(
図1Bに示す)を介して基板200を垂直洗浄モジュール109Aに搬送する。搬送プロセスは、X方向などの少なくとも1つの方向への第3の基板ハンドラ108の移動を含み得る。ドア109Cは、例えばスリットバルブであってもよい。各洗浄ユニット106A、106Bは、2つの垂直洗浄モジュール109A、109Bを含み得る。2つの垂直洗浄モジュール109A、109Bは、それぞれの洗浄ユニット106A、106Bに線形に、すなわちX方向に配置され得る。2つの垂直洗浄モジュール109A、109Bは、それぞれの洗浄ユニット106A、106Bにおいて、前洗浄モジュール107の実質的に下方、すなわちZ方向に配置されてもよい。前洗浄モジュール107の下方の垂直洗浄モジュール109A、109Bのかかる配置は、全体的な洗浄ユニット106の設置面積の縮小をもたらし、また、これらのモジュール間の移送時間を短縮してスループットを向上させ、重要なことに、湿った基板の乾燥能力を低減し、洗浄ステップ間の基板の空気曝露時間を短縮するのに役立ち得る。
【0025】
[0030]幾つかの実施形態では、垂直洗浄モジュール109A、109Bは、例えば、スプレーボックス及び/又はスクラバ用ブラシボックスなど、基板の表面から研磨副生成物を除去するための接触洗浄ユニット及び非接触洗浄ユニットのいずれか1つ又は組み合わせである場合がある。
【0026】
[0031]垂直洗浄モジュール109は、基板200の主要面に対して作動可能な円筒形ローラを含む。脱イオン水及び/又は一又は複数の第2の洗浄液などの第2の処理液は、基板200及び円筒形ローラが様々なアクチュエータ及びモータによって回転させられている間に、第2の流体源から基板200の表面に塗布される。幾つかの実施形態では、基板の表面に供給される第2の処理液は、前洗浄モジュール107において基板の表面に供給される第1の処理液とは異なる。各垂直洗浄モジュール109A、109Bでの洗浄処理中、基板200は、処理面201がファクトリインターフェース102に向くように位置決めされ得る。別の実施形態では、垂直洗浄モジュール109A及び109Bは、洗浄プロセス中の処理面201がファクトリインターフェース102に対して実質的に垂直(例えば、X-Z平面に平行)な向きを向くように、洗浄ユニット106A、106B内で方向付けられる。別の実施形態では、垂直洗浄モジュール109A及び109Bは、洗浄プロセス中の基板200の処理面201が、X-Z平面に平行とY-Z平面に平行との間の角度をなす向きを向くように、洗浄ユニット106A、106B内で方向付けられる。
【0027】
[0032]一実施形態によれば、洗浄ユニット106A、106Bはそれぞれ、2つの垂直洗浄モジュール109A、109Bを通して各基板200を2段階洗浄プロセスとして順次処理するように構成され得る。すなわち、基板200が研磨ステーション105に最も近い垂直洗浄モジュール109Aで洗浄処理を受けた後、第3の基板ハンドラ108は、更なる洗浄処理のために、基板200をファクトリインターフェース102に最も近い垂直洗浄モジュール109Bに搬送する。洗浄プロセスシーケンス中、基板は、第1の垂直洗浄モジュール109Aで第1の期間処理された後、第2の垂直洗浄モジュール109Bに搬送され、次いで、第2の期間処理される。これは通常、第1の期間と実質的に同様である。第1の垂直洗浄モジュール109A及び第2の垂直洗浄モジュール109Bで実行されるプロセスは、類似の流体化学的性質及び機械的処理パラメータ(例えば、円筒形ローラ回転速度及び印加力)を使用することを含み得る。幾つかの実施形態では、第1の垂直洗浄モジュール109Aは、第1の洗浄モジュールにおいて第1の洗浄プロセスを実行した後に基板上に残っている残りの汚染物質の大部分を除去するために粗い洗浄ステップを実行するように適合され、第2の垂直洗浄モジュール109Bは、第1の垂直洗浄モジュール109Aにおいて実行されたプロセスから残っている残りの汚染物質を除去するように適合された洗浄プロセスを実行するように構成される。
【0028】
[0033]第3の基板ハンドラ108は、次いで、基板200を、ICDモジュール110A、110Bのうちの利用可能な一方の第1のサイドパネルに形成された第1のドア110C(
図1Aに示す)を介して、ICDモジュール110A、110Bのうちの利用可能な一方に搬送する。ドア110Cは、例えばスリットバルブであってもよい。
図1A~1Bに示されるように、各洗浄ユニット106A、106Bは、垂直方向、すなわちZ方向に配置された2つのICDモジュール110A、110Bを含み得る。ICDモジュール110A、110Bのそれぞれは、基板200の洗浄及び乾燥処理を実行する。例えば、ICDモジュール110A、110Bは、基板200を洗い流し、乾燥させることができる。例えば、ICDモジュール110A、110Bは、基板200を脱イオン水で洗い流しながら、イソプロピルアルコール(IPA)蒸気を適用して、液体の表面張力を調整し、それにより洗浄及び乾燥処理中の基板200への液体の付着を減少させ得る。
【0029】
[0034]ICDモジュール110A、110Bの水平配置は、洗浄ユニット106全体の設置面積の縮小を維持しつつ、洗浄及び乾燥処理のための基板200のスループットを向上させることができる。CMPシステム100におけるICDモジュール110A、110Bのかかる配置は、垂直洗浄モジュール109BとICDモジュール110A、110Bとの間の移送時間を短縮してスループットを向上させ、重要なことに、湿った基板の乾燥能力を低減し、洗浄ステップ間の基板の空気曝露時間を短縮するのに役立つ。
【0030】
[0035]洗浄ユニット106は、2つ、3つ、4つ又はそれ以上のICDモジュール110で動作させることができる。しかし、ほとんどの用途では、洗浄ユニット106は2つ又は4つのICDモジュール110で動作させることが想定される。すなわち、両方の洗浄ユニット106A、106Bは、同じ数(1つ又は2つ)のICDモジュール110で動作させることができる。幾つかの実施形態では、洗浄ユニット106A、106Bのそれぞれは、垂直に積み重ねられた2つのICDモジュール110を含む。ICDモジュール110は一般的に自己完結型であるため、1種類のICDモジュール110を別のものと交換したり、更なるICDモジュール110を後で洗浄ユニット106に追加したりすることができる。
【0031】
[0036]
図2は、ICDモジュール110A、110Bを代表するICDモジュール110の断面図の概略図であり、上述のように洗浄ユニット106A、106Bにおいて利用され得る。ICDモジュール110は、基板200が前洗浄モジュール107及び垂直洗浄モジュール109A、109Bのうちの一又は複数内で洗浄された後、及び基板200がファクトリインターフェース102内の第1の基板ハンドラ103によって受け取られる前に、洗浄される基板200を受け取ることができる。ICDモジュール110は、除去されなければ、対応する基板200が後続の処理ステップの清浄度要件を満たさず、廃棄されることに繋がり得る基板200の汚染を除去するために利用され得る。一実施例では、ICDモジュール110は、基板200の表面に水滴跡が形成されるのを防止する洗浄及び乾燥プロセスを実行するように構成される。一般に、各ICDモジュール110で実行されるプロセスは、CMPシステム100において基板上で実行される洗浄シーケンスにおいて実行される最後の洗浄プロセスである。各ICDモジュール110で実行されるプロセスは、洗浄液又はリンス液(脱イオン水など)を基板の上面及び/又は下面に供給し、次いで、基板上で乾燥プロセスを実行する一又は複数の洗浄ステップを含み得る。
【0032】
[0037]ICDモジュール110は、基板把持デバイス203、掃引アーム230、第1の出口ポート240、第2の出口ポート241、プレナム282、排気260、ドレイン284、及びガス源270を含む。ICDモジュール110は、洗浄プロセスの状態を検出するカメラ、又は内部空間295内の基板の位置を感知する再帰反射位置検知デバイスなどの検知デバイス294を更に含み得る。
【0033】
[0038]基板把持デバイス203は、基板200を水平の向きに支持、保持及び/又は保持するように構成される。例えば、基板把持デバイス203は、垂直方向の回転軸216に垂直な水平の向きで基板200を支持するように構成される。基板把持デバイス203は、キャッチカップ210及び基板把持デバイス203を含む。キャッチカップ210は、シュラウド211及びベースプレート212を含み得る。シュラウド211は、ベースプレート212に連結され得る。例えば、シュラウド211は、一又は複数のボルトを介してベースプレート212に連結され得る。シュラウド211及びベースプレート212のうちの一又は複数は、ねじ付きボルトを受け取るように構成された一又は複数のねじ部を含み得る。
【0034】
[0039]ベースプレート212は、ベースプレート212のエッジに沿ってアレイ状に位置決めされたドレイン孔262を含み得、基板200、基板把持デバイス203、及びキャッチカップ210が駆動モータ222によって回転する間に、流体がドレイン284に流れ込む。更に、キャッチカップ210とICDモジュール110のハウジングとの間にラビリンス264が形成され得る。ラビリンス264は、流体がラビリンス264を通って内部空間295に流れ込むのを少なくとも部分的に制限するように構成され得る。
【0035】
[0040]キャッチカップ210は、環状内面214を有する壁213を含む。環状内面214は、基板把持デバイス203内の処理空間297を画定する。環状内面214は、基板把持デバイス203の中心軸、例えば回転軸216を中心に対称な角度部分を有する。例えば、基板200は、処理空間297内で洗浄され得る。
【0036】
[0041]基板把持デバイス203は、脱イオン水及び/又は第3の洗浄液が洗浄のために基板200に適用される間、基板200を保持する。基板把持デバイス203は、プレート219に連結された把持ピン217も含み得る。一又は複数の実施形態では、各把持ピン217は要素280に連結され得、これは、アクチュエータ229の使用によってプレート219がキャッチカップ210に対して位置決めされたときにシュラウド211のハウジングに接触するように構成される。要素280とシュラウド211の表面214との間の接触は、把持ピン217に並進運動を与える。例えば、要素280がシュラウド211の環状内面214に接触することに応答して、プレート219及び基板把持デバイス203がアクチュエータ229によって+Z方向に移動するとき、要素280はシュラウド211の環状内面214に接触して枢動する。これに応答して、要素280に連結された把持ピン217に枢動及び/又は並進運動が与えられる。一実施形態では、要素280は、基板把持デバイス203の+Z方向への移動が停止するまで枢動し続ける。一実施形態では、要素280及び把持ピン217は、プレート219の+Z方向への移動が停止した後、開位置に位置決めされる。
【0037】
[0042]板ばね又はコイルばねなどのばね要素は、要素280を開始位置に更に戻すことができ、要素280がシュラウド211の環状内面214にもはや接触しないことに応答して、把持ピン217を把持位置に移動させる。ばね要素からのバイアス力は、要素280に負荷をかけ得、その結果、要素280がシュラウド211のハウジングに接触しなくなるとき、要素280は開始位置に戻り、把持ピン217は把持位置に戻る。
【0038】
[0043]一又は複数の流体が、第1の出口ポート240及び第2の出口ポート241によって基板200の処理面201に適用され得る。例えば、第1の流体源243は、基板200の表面に流体を送達するように位置決めされた第2の出口ポート241に脱イオン水及び/又はIPA蒸気を供給することができ、第1の出口ポート240は、基板200の処理側に脱イオン(DI)水を適用することができる。第2の出口ポート241はまた、不活性ガス、窒素又は別の所望のガスなどのガスを、ガスパレットアセンブリ124の接続された1つから供給するように構成される。
【0039】
[0044]第1の出口ポート240は、例えばメガソニックノズルを含んでもよい。第1の出口ポート240は、洗浄流体内に、正弦波又は他のパターンに従った交流で、波の形態のメガソニックエネルギーを印加してメガソニック作動流体を生成するように構成されたメガソニックアクチュエータなどの一又は複数の要素を含み得る。洗浄液は、脱イオン水及び/又は洗浄溶液(すなわち、酸又は塩基溶液)を送達するように適合された第1の流体源243から送達され得る。例えば、第1の出口ポート240は、基板200の表面に供給されるメガソニック作動脱イオン水を生成するために、約430kHz~5MHz、例えば950kHzの速度で正弦波パターンでメガソニックエネルギーを交流で印加するように構成され得る。あるいは、他の周波数が使用され得る。
【0040】
[0045]流体は、基板把持デバイス203及びキャッチカップ210が回転している間に、シャフト224を介して流体源223に連結されているベースプレート219に形成された開口部225を介して、基板200の裏側に適用され得る。シャフト224は、脱イオン水、洗浄液及び/又はガスを基板200の裏側に送達するように構成された一又は複数のチューブ(図示せず)を含み得る。ベースプレート219に形成された開口部225はまた、必要に応じて基板200の下方にガスを供給するためのガスパレットアセンブリ124のうちの1つに連結される。
【0041】
[0046]駆動モータ222は、シャフト224を介して基板把持デバイス203に連結され得る。駆動モータ222は、回転軸216を中心に基板把持デバイス203及びキャッチカップ210を回転させる。更に、駆動モータは、油圧モータ、空気圧モータ、電気機械モータ、及び磁気モータのうちの1つであってもよい。基板把持デバイス203、基板200、及びキャッチカップ210は、基板200とキャッチカップ210との間の相対速度が実質的に同じになるように、一緒に(例えば、同時に)回転するように構成され、基板の表側又は裏側への流体の供給により、回転している基板の表面から飛び出した液滴が、キャッチカップ210の内面から跳ね返って基板の表面に着地する可能性を低減する。
【0042】
[0047]ドア202は、壁(例えば、エンクロージャ壁)283に形成された開口部を覆い、基板200をICDモジュール110から挿入及び除去するために、ICDモジュール110の内部空間295へのアクセスを供給し得る。ドア202が閉位置にあるとき、ICDモジュール110の内部空間295は隔離環境と称され得る。例えば、ドア202が閉じられると、ICDモジュール110の内部空間295は外部環境から分離され、その結果、基板200の洗浄中に発生及び/又は使用されるヒューム(IPA蒸気など)及び液体が洗浄プロセス中にICDモジュール110から漏れない。洗浄プロセス中に使用及び/又は発生したヒューム及び洗浄液は、排気260及び/又はドレイン284を介して、制御された方法でICDモジュール110から除去される。空気はガス源270によってプレナム282に供給され、排気260によってICDモジュール110から排気され得る。更に、プレナム282及び排気260は、粒子が基板200の表面に再付着するのを防止するために、ICDモジュール110内の空気の流れを制御するように構成され得る。ICDモジュール110に供給される空気流は、処理中にICDモジュール110の処理領域内に形成される蒸気(IPA蒸気など)及び/又は浮遊粒子などを確実に除去するために、所望の圧力及び流量で供給され得る。窒素ガスがICDモジュール110に送達される幾つかの実施形態では、システム及びメンテナンスコストを削減してシステムの複雑さを低減するために、システムからHEPAフィルタの使用を排除することが望ましい場合がある。幾つかの実施形態では、ガス源270は、ICDモジュール110Aの処理領域において所望の圧力(例えば、大気圧よりも大きい圧力)が維持されるように、フィルタリングされた空気又は他のガスを供給するように構成される。
【0043】
[0048]ドレイン284は、ICDモジュール110から余分な湿気を除去するために利用され得る。一実施形態では、ドレイン284は洗浄プロセス中にICDモジュール110から余分な洗浄液を除去する。
【0044】
[0049]ICDモジュール110の内部空間295は、キャッチカップ210と壁(エンクロージャ壁など)283との間にあると規定され得る。基板(基板200など)は、ICDモジュール110にロードされるときに内部空間295に挿入され、ICDモジュール110から除去されるときに内部空間295から除去され得る。
【0045】
[0050]検知デバイス294は、ICDモジュール110内の基板200を検出し得る。例えば、検知デバイス294は、内部空間295内の基板200を検出し得る。更に、検知デバイス294は、基板200が基板把持デバイス203によって保持されている間に、基板200を検出し得る。検知デバイス294は、基板200が基板把持デバイス203に適切に又は不適切にロードされたときを検出し得る。更に、検知デバイス294は、基板200が基板把持デバイス203から落下又は落ちたときを検出し得る。検知デバイス294は更に、基板200がICDモジュール110に挿入され、ICDモジュール110から除去されたときを決定し得る。
【0046】
[0051]掃引アーム230は、掃引アームシャフト232及び掃引アーム駆動モータ234に連結される。掃引アームシャフト232及び掃引アーム駆動モータ234は掃引アーム駆動アセンブリ236を形成する。
【0047】
[0052]掃引アーム駆動モータ234は、掃引アームシャフト232に連結され、掃引アーム230の遠位端の出口ポート240、241を、基板200の表面と平行な弓形経路で移動させるように構成され得る。掃引アーム230は、流体を出口ポート240、241に送達するための一又は複数のチューブを含み得る。掃引アーム駆動アセンブリ236は、洗浄プロセス中、出口ポート240、241を基板200の表面上で移動させるように構成され、その結果、出口ポート240、241によって出力される洗浄液が基板200の表面上に均一に分配される。掃引アーム駆動アセンブリ236はまた、掃引アーム230を垂直に移動させて、出口ポート240、241と基板200の表面との間の距離を設定するように構成され得る。
【0048】
[0053]幾つかの実施形態では、第2の出口ポート241は、基板200の表面を乾燥させるための「マランゴニ」効果を生み出すために第1の出口ポート240によって基板200の表面に脱イオン水が供給される間に、基板200の表面にIPA蒸気を供給するように適合される。IPA蒸気は、IPA蒸気発生源244及びキャリアガス供給源245を含み得るIPA蒸気供給アセンブリから供給される。IPA蒸気発生源244は、IPA液体気化デバイス(図示せず)を含むことができ、これは、液体IPAを受け取って蒸気に変換し、次いで、キャリアガス供給源245から供給されるキャリアガス(例えば、N2)と混合され、次いで、マランゴニ乾燥プロセス中に基板の表面に供給されるように構成される。水平方向のマランゴニ乾燥プロセス中、掃引アーム230は、出口ポート240、241を基板の中央領域からエッジ領域まで弓形経路で移動させ、基板の中央からエッジに向かって外側に移動する脱イオン水の移動境界を生み出す。この場合、掃引アーム230が出口ポート240、241を中央領域からエッジ領域へと弓形経路で移動させるので、脱イオン水を基板の表面に供給している第1の出口ポート240は、IPA蒸気キャリア混合ガスを基板の表面に供給している第2の出口ポート241を導くことになる。第1の出口ポート240はまた、不活性ガス、窒素、又は別の所望のガスなどのガスを、ガスパレットアセンブリ124の接続されたものから供給するように構成される。
【0049】
[0054]掃引アーム230及び/又は出口ポート240、241の位置は、処理中に出口ポート240、241が回転している基板200の中心を通過するように調整され得る。更に、掃引アーム230の位置および出口ポート240、241の位置の少なくとも1つは、出口ポート240、241が基板200の中心以外の部分を通過するように調整され得る。例えば、出口ポート240、241を掃引アーム230に対して移動させ、及び/又は掃引アーム230を掃引アームシャフト232に対して移動させて、基板200の表面に対する出口ポート240、241の位置を変動させることができる。更に、出口ポート240、241と基板200の表面との間の軸方向距離は、洗浄プロセスを支援するために変動し得る。掃引アーム駆動モータ234は、洗浄プロセス中、掃引アームシャフト232を移動させ、掃引アーム230及び出口ポート240、241を基板200上に移動させる。
【0050】
[0055]洗浄ユニット106に含まれる様々なモジュール107、109、110はモジュール式である。したがって、モジュール107、109、110は、例えば、保守及び/又は定期メンテナンス、あるいは特定の用途によって、必要に応じて交換することができる。
【0051】
[0056]
図1A~1Bに戻って参照すると、第3の基板ハンドラ108は、基板200を垂直洗浄モジュール109BからICDモジュール110A、110Bのうちの利用可能な一方に搬送し得る。すなわち、1つの基板200がICDモジュール110A、110Bの一方において洗浄及び乾燥プロセスを受けている間に、第3の基板ハンドラ108は、基板200を、現在基板200に対して洗浄及び乾燥処理を実行していないICDモジュール110A、110Bの他方(一般的に、ICDモジュール110)に搬送し得る。垂直洗浄モジュール109Bから利用可能なICDモジュール110への基板200の搬送中、第3の基板ハンドラ108は、ICDモジュール110に位置決めされたときに基板200の処理面201が上向き、すなわちZ方向を向くように、基板200をY軸を中心に90度回転させ得る。
【0052】
[0057]第1の基板ハンドラ103は、ICDモジュール110の第2のサイドパネルに形成された第2のドア110Dを介して、ICDモジュール110から基板200を搬送し得る。ICDモジュール110の第1のサイドパネル及びICDモジュール110の第2のサイドパネルは互いに平行で、ICDモジュールの反対側にあり得る。ドア110Dは、例えばスリットバルブであってもよい。第1の基板ハンドラ103は、基板200をICDモジュール110からローディングステーション102Aのうちの1つに搬送し得る。
【0053】
[0058]洗浄ユニット106は、流体及び配管セクション111も含む。例えば、
図1Bに示されるように、流体及び配管セクション111は、洗浄ユニット106A、106Bの底部及びロボットトンネル104Tの下方に配置される。流体及び配管セクション111は、配管から漏れたり、洗浄ユニット106のモジュールの1つから飛び散ったりする可能性のある流体を集めるための排水ます120を含む。排水ます120は、排水ます120内の流体の存在及び/又はレベルを検出するように構成されたセンサ122を含む。センサ122は、システムコントローラ(図示せず)に連結される。システムコントローラは、排水ます120内の流体の存在及び/又はレベルを示す測定基準に基づいて、警告信号を出力するか、洗浄ユニット106の一又は複数において実行されているプロセスの一又は複数を終了させるか、又は洗浄ユニット106の一又は複数に送られる一又は複数の流体の流れを停止させるように構成される。警告信号は、視覚信号、可聴信号、電子通信(例えば、別のコントローラ、コンピュータシステム、携帯電話、電子メール、テキストメッセージなど)のうちの一又は複数であり得る。
【0054】
[0059]流体及び配管セクション111は、液体供給モジュール(LDM)及びガスパレットアセンブリ124を含む。各洗浄ユニット106A、106Bは、少なくとも1つのLDM及び少なくとも1つのガスパレットアセンブリ124と関連している。
図1Bにおいて、LDM111A、111B、111D及び111D(並びに図示しない導管、バルブなど)は、各洗浄ユニット106A、106B内の各個別モジュール107、109、110によって必要とされるプロセス液体を供給するために供給される。例えば、LDM111Aは前洗浄モジュール107にプロセス液体を供給し得る。同様に、2つの異なるLDM111Bは、それぞれ垂直洗浄モジュール109A、109Bのそれぞれの1つにプロセス液体を供給し得、2つの異なるICD LDM111Cは、それぞれICDモジュール110のそれぞれの1つにプロセス液体を供給し得る。
【0055】
[0060]幾つかの実施形態では、各LDM111A~111Dは、モジュール107、109、110のうちの単一の特定の1つにプロセス液体を供給するための専用の液体供給モジュールであり得る。したがって、洗浄ユニット106A、106Bの一方が(上述のように)単一のICDモジュール110のみで構成される場合、単一のICDモジュール110にプロセス液体を供給するために単一のICD LDM111Cを対応する流体及び配管セクション111に設けることができる。
【0056】
[0061]上述のように、流体及び配管セクション111は、各洗浄ユニット106A、106Bにガスを供給するための少なくとも1つのガスパレットアセンブリ124も含む。例えば、各洗浄ユニット106A、106Bは、少なくとも1つの別個の専用ガスパレットアセンブリ124を含む。
図1Bでは、流体及び配管セクション111は、それぞれ124A、124B、124C、124Dとラベルが付いた4つのガスパレットアセンブリ124を含む。例えば、ガスパレットアセンブリ124AはICDモジュール110Aにプロセスガスを供給し、ガスパレットアセンブリ124Bは他方のICDモジュール110Bにプロセスガスを供給する。洗浄ユニット106A、106Bの各ICDモジュール110は、専用のガスパレットアセンブリ124A、124Bを有するので、洗浄ユニット106A、106B内の他のICDモジュールが動作可能なまま、1つのガスパレットアセンブリ124を保守又は交換することができる。更に、各ガスパレットアセンブリ124はモジュール式であるため、特定のガスパレットアセンブリ124内でレシピ又はプロセスが変更された場合、又は追加のガスパレットアセンブリ124が、単に1つのガスパレットアセンブリ124を別のガスパレットアセンブリ124に交換し、及び/又は一又は複数の追加のガスパレットアセンブリ124を追加することによって追加される場合、追加のガスパレットアセンブリ124又は異なるガスパレットアセンブリ124を追加することができる。
【0057】
[0062]
図3は、
図2のICDステーション110A、110Bを分離するためにガスを供給するように構成された2つのガスパレットアセンブリ124A、124Bの概略図である。ガスパレットアセンブリ124A及びガスパレットアセンブリ124Bは、ガスパレットアセンブリ124Aの出口ポートがICDモジュール110Aに連結され、ガスパレットアセンブリ124Bの出口ポートがICDモジュール110Bに連結されることを除いて同一である。
【0058】
[0063]ガスパレットアセンブリ124Aは、概して、入力ポート302と少なくとも3つの出口ポート(例えば、第1の出口ポート304、第2の出口ポート306、及び第3の出口ポート308)とを含む。ガスパレットアセンブリ124Aの入力ポート302は、ガス源310に直接接続されてもよいし、ガスパレットアセンブリ124Bの入力ポート302、及び/又は他のガスパレットアセンブリ124のうちの一又は複数の他の入力ポートと、ガス源310に並列に連結されてもよい。ガス源310は、不活性ガス、窒素、IPA蒸気、清浄乾燥空気、又は別の所望のガスを供給するように構成される。
【0059】
[0064]第1の出口ポート304は、ICDモジュール110Aのベースプレート219に形成された開口部225に接続されるように構成されていることにより、ガスパレットアセンブリ124Aは、所望のときに基板200の下方にガスを供給することができる。第2の出口ポート306は、第2の出口ポート241に接続されるように構成され、不活性ガス、窒素、IPA蒸気、清浄乾燥空気、又は別の所望のガスなど、基板最終洗浄の一部として基板200の上面201にガスを供給するようにも構成される。第3の出口ポート308は、ガスパレットアセンブリ124Aが把持ピン217を乾燥させるためにガスを供給することができるように、第1の出口ポート240に接続されるように構成され、その結果、その後に処理される基板が、最後の基板洗浄プロセスの後に把持ピン217上に残るスラリ又は他の粒子から交差汚染されないようにする。第1及び第2の出口ポート240、241は、アーム230に取り付けられているため、基板200(及びベースプレート219)上の異なる位置まで回転することができ、また基板200(及びベースプレート219)から離れた位置まで回転することもできる。
【0060】
[0065]ガスパレットアセンブリ124Aは、2つの一次ガス導管320、322を含む。各一次ガス導管320、322は、ティー370を介して入口ポート302に連結される。あるいは、一次ガス導管320、322は、(後に
図4に示されるように)ガス源310に直接接続するための別個の入口ポート302を含み得る。
【0061】
[0066]第1の一次ガス導管320は、圧力調整器360、遮断バルブ330、流量コントローラ332及びフィルタ334を含む。圧力調整器360は、ティー370が存在する場合、ティー370の下流で、遮断バルブ330と入口ポート302との間に配置される。圧力調整器360は、第1の一次ガス導管320に入るガスの圧力を制御するために、手動又は電子的に設定され得る。遮断バルブ330は、圧力調整器360の出力に接続されており、任意の適切な遮断バルブであり得る。一例では、遮断バルブ330は常閉ソレノイドバルブである。
【0062】
[0067]流量コントローラ332は遮断バルブ330とフィルタ334との間に配置される。流量コントローラ332は、質量ガス流量計、ニードルバルブ、比例バルブ、又は他の適切なガス流量コントローラであり得る。
図3に示された例では、流量コントローラ332は質量ガス流量計である。
【0063】
[0068]フィルタ334は、概して、ミクロンサイズのフィルタ又は他の適切なフィルタである。フィルタ334の入口は流量コントローラ332に接続され、フィルタ334の出力は出口ポート304に接続される。
【0064】
[0069]第2の一次ガス導管322は、第2のガス導管322を第1の分岐部324と第2の分岐部326とに分割する、ティーなどのスプリッタ328を含む。第1の分岐部324は、第2の出口ポート306に接続される。第2の分岐部326は、第3の出口ポート308に接続される。第2のガス導管322は、把持ピン217を乾燥させるために第1の出口ポート240を通ってガスが供給されず、同時に最終的な基板洗浄の間に第2の出口ポート241を通って基板200の上面201にガスが供給されないため、分割されることがある。
【0065】
[0070]圧力調整器362は、スプリッタ328と入口ポート302との間に配置される。圧力調整器362は、第2の一次ガス導管322の第1及び第2の分岐部324、326に入るガスの圧力を制御するために、手動又は電子的に設定され得る。
【0066】
[0071]第1の分岐部324は、遮断バルブ340、流量コントローラ336及びフィルタ338を含む。遮断バルブ340は、任意の適切な遮断バルブであり得、一例では、常閉ソレノイドバルブである。
【0067】
[0072]流量コントローラ336は遮断バルブ340とフィルタ338との間に配置される。流量コントローラ336は、質量ガス流量計、ニードルバルブ、比例バルブ、又は他の適切なガス流量コントローラであり得る。
図3に示された例では、流量コントローラ336は質量ガス流量計である。
【0068】
[0073]フィルタ338は、概して、ミクロンサイズのフィルタ又は他の適切なフィルタである。フィルタ338の入口は流量コントローラ336に接続され、フィルタ338の出力は第2の出口ポート306に接続される。
【0069】
[0074]同様に、第2の分岐部326は、遮断バルブ350、流量コントローラ352及びフィルタ354を含む。遮断バルブ350は、任意の適切な遮断バルブであり得、一例では、常閉ソレノイドバルブである。
【0070】
[0075]流量コントローラ352は遮断バルブ340とフィルタ338との間に配置される。流量コントローラ352は、質量流量コントローラ、ニードルバルブ、調整バルブ若しくはオリフィスプレート、又は他の適切なガス流量制御デバイスであり得る。
図3に示された例では、把持ピン217の洗浄に使用されるガスの流れは精密な制御を必要としないため、流量コントローラ352はニードルバルブである。
【0071】
[0076]フィルタ338は、概して、ミクロンサイズのフィルタ又は他の適切なフィルタである。フィルタ338の入口は流量コントローラ352に接続され、フィルタ338の出力は第2の出口ポート306に接続される。
【0072】
[0077]
図4は、ガスパレットアセンブリ124の上面図である。ガスパレットアセンブリ124は、圧力調整器360、362、遮断バルブ330、340、350、及び流量コントローラ332、336、352が取り付けられる取付板402を含む。フィルタ334、338、354は、任意で取付板402に取り付けてもよいし、単にインラインフィルタであってもよい。圧力調整器360、362、遮断バルブ330、340、350、及び流量コントローラ332、336、352のそれぞれは、圧力調整器360、362、遮断バルブ330、340、350、及び流量コントローラ332、336、352を取付板402の上面416の上方に配置するブラケット420を使用して取付板402に取付けられ得る。上記の構成要素を取付板402の上面416の上方に配置することにより、構成要素同士を接続するチューブフィッティングを締めたり緩めたりするのに必要なツールのための余分なスペースがもたらされる。取付板402の上面416の上方に構成要素を配置することで、潜在的な漏れをより容易に検出することもできる。
【0073】
[0078]取付板402は、洗浄ユニット内に存在する流体に対して抵抗性を有するポリマーから製造される。一例では、取付板402は、CPVC又はPVCから製造される。あるいは、取付板402は、洗浄ユニット内に存在する流体による損傷に耐えるようにコーティングされた金属から製造される。
【0074】
[0079]取付板402は、概して矩形であり、2つの短辺404、408及び2つの長辺406、410を含む。概して、入力ポート302は取付板402の第1の側404に配置され、出口ポート304、306、308は取付板402の第2の短辺408に配置される。
図4に示されたガスパレットアセンブリ124の実施例では、第1の一次ガス導管320及び第2の一次ガス導管322はそれぞれ、取付板402の第1の側404に配置された別個の入力ポート302を有する。
【0075】
[0080]長辺410は、切り欠き412を含む。切り欠き412は、概して、排水ます120内の流体を検出するように構成されたセンサ122の上に位置決めされる。切り欠き412のサイズ及び位置により、流体及び配管セクション111からガスパレットアセンブリ124を除去することなく、センサ122をメンテナンスすることができる。
【0076】
[0081]圧力調整器360、362は、概して、取付板402の上面416上に並んで位置決めされる。しかしながら、遮断バルブ330、340、350のうちの一又は複数、及び/又は流量コントローラ332、336、352のうちの一又は複数は、短辺404、408がより小さくなるように、また、ガスパレットアセンブリ124の調整器、バルブ、コントローラ及びフィルタを接続する様々なフィッティングを締め付けるための追加のツールスペースを供給するように、取付板402の上面416上で、長辺406と平行な方向にずらしてもよい。
【0077】
[0082]取付板402の上面416は、複数のスタンドオフ受容孔414を含む。一実施例では、2つのスタンドオフ受容孔414は長辺406に沿って位置付けられ、2つの追加のスタンドオフ受容孔414は反対側の長辺410に沿って位置付けられる。スタンドオフ受容孔414は他の場所に位置付けられてもよい。
図5により良く示されるように、取付板402の底面502はまた、上面416上に存在するスタンドオフ受容孔414と整列するか、又は単数孔である複数のスタンドオフ受容孔414を含む。したがって、スタンドオフ504は、ガスパレットアセンブリ124Aの取付板402の上面416をガスパレットアセンブリ124Bの取付板402の底面502に接続するのに使用され得る。一又は複数の追加のガスパレットアセンブリ124を、スペースが許す限り、追加のスタンドオフ504を使用してガスパレットアセンブリ124B上に積み重ねてもよい。
【0078】
[0083]したがって、本明細書では、洗浄ユニットの底部領域に積み重ねられ得るモジュール式ガスパレットアセンブリが開示される。ガスパレットアセンブリは、洗浄ユニットに容易に交換及び/又は追加することができ、したがって、洗浄ユニットの効率的かつ費用対効果の高い保守及び拡張を可能にする。また、ガスパレットアセンブリを積み重ねて置くことで、洗浄ユニットの他の洗浄モジュールが稼動したまま、1つの洗浄モジュールを保守することができるなど、保守が容易にもなり、サービス中の工場のスループットへの影響を最小限に抑えることができる。
【0079】
[0084]以上の記述は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】