(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-10-15
(54)【発明の名称】洗浄モジュール内で基板を処理するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20251007BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20251007BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 644C
H01L21/304 644E
H01L21/304 644Z
H01L21/68 A
H01L21/304 621D
H01L21/304 622Q
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025517585
(86)(22)【出願日】2023-09-08
(85)【翻訳文提出日】2025-05-15
(86)【国際出願番号】 US2023032244
(87)【国際公開番号】W WO2024072615
(87)【国際公開日】2024-04-04
(32)【優先日】2022-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2023-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ランガラジャン, ジェーガン
(72)【発明者】
【氏名】ゴルボフスキー, エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ベラスケス, エドウィン
(72)【発明者】
【氏名】ブランク, エイドリアン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ズニガ, スティーブン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ジャガンナタン, バラスブラマニアム シー.
【テーマコード(参考)】
5F057
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F057AA02
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5F157CF90
(57)【要約】
本明細書に記載される実施形態は、概して、電子デバイスの製造時に使用される装置に関し、より詳細には、基板を移送し基板の表面を洗浄するために使用しうる洗浄システム、洗浄システムハードウェア及び関連する方法に関する。一実施形態に従って、洗浄システム内で基板をハンドリングするためのブレードハンドリングアセンブリは、一対の把持ブレードを含む把持アセンブリを含み、当該ブレードは、把持アクチュエータによって基板を自身の末端で保持するよう動作可能である。本アセンブリは、第1の軸を利用して把持アセンブリ及び基板を水平方向の向きと垂直方向の向きとの間で動かすための第1のブレードアクチュエータを含む。本アセンブリは、第2の軸を利用して、垂直方向に配向された把持アセンブリ及び基板を180度移動させ、それにより基板を反対の方向に向かせるための第2のブレードアクチュエータを含む。第1の軸を利用した移動によって、結果的に第1のブレードアクチュエータ及び第2ブレードアクチュエータが回転し、第2の軸を利用した移動によって、結果的に第2のブレードアクチュエータのみが回転する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板洗浄システムであって、
第1の基板洗浄ユニットと、
前記第1の基板洗浄ユニットの間に配置されており、基板を研磨システムから前記第1の基板洗浄ユニットへと移送するよう構成された第1の基板ハンドラと、を備え、
前記第1の基板洗浄ユニットは、
前記第1の基板ハンドラから前記基板を受け取り、水平方向の向きにある前記基板に対して第1の洗浄プロセスを実行するよう構成された第1の洗浄チャンバと、
垂直方向の向きにある前記基板に対して第2の洗浄プロセスを実行するよう構成された第2の洗浄チャンバと、
前記垂直方向の向きにある前記基板に対して第3の洗浄プロセスを実行するよう構成された第3の洗浄チャンバと、
前記水平方向の向きにある前記基板に対して第4の洗浄プロセスを実行するよう構成された第4の洗浄チャンバと、
前記第1の洗浄チャンバから前記第2の洗浄チャンバへと、前記第2の洗浄チャンバから前記第3の洗浄チャンバへと、及び前記第3の洗浄チャンバから前記第4の洗浄チャンバへと前記基板を移送するよう構成された第2の基板ハンドラと、
を備える、基板洗浄システム。
【請求項2】
第2の基板洗浄ユニットをさらに備え、
前記第1の基板洗浄ユニットと前記第2の基板洗浄ユニットはそれぞれ、
前記水平方向の向きにある前記基板に対して第5の洗浄プロセスを実行するよう構成された第5の洗浄チャンバであって、前記第4の洗浄チャンバと前記第5の洗浄チャンバはそれぞれ、統合洗浄及び乾燥モジュールを含む、第5の洗浄チャンバ
をさらに含む、請求項1に記載の基板洗浄システム。
【請求項3】
前記第4の洗浄チャンバに処理ガスを供給するよう構成された第1の供給ガスボックスと、
前記第5の洗浄チャンバに処理ガスを供給するよう構成された第2の供給ガスボックスと、
をさらに含む、請求項2に記載の基板洗浄システム。
【請求項4】
前記第1の基板洗浄ユニットと前記第2の基板洗浄ユニットのそれぞれについて、それぞれの前記第2の基板ハンドラは、それぞれの前記第3の洗浄チャンバから、それぞれの前記第4の洗浄チャンバ及びそれぞれの前記第5の洗浄チャンバのうちの選択された一方へと前記基板を移送するよう構成される、請求項2に記載の基板洗浄システム。
【請求項5】
前記第1の基板洗浄ユニットと前記第2の基板洗浄ユニットのそれぞれについて、前記第4の洗浄チャンバのそれぞれの前記統合洗浄及び乾燥モジュールは、前記第5の洗浄チャンバのそれぞれの前記統合洗浄及び乾燥モジュールより垂直方向に下方に配置される、請求項2に記載の基板洗浄システム。
【請求項6】
前記第2の洗浄チャンバ又は前記第3の洗浄チャンバは、前記第1の洗浄チャンバより垂直方向に下方に配置される、請求項2に記載の基板洗浄システム。
【請求項7】
前記第2の基板ハンドラは、
基板ハンドリング装置をさらに含み、
前記基板ハンドリング装置は、
第1のブレードアセンブリを含み、
前記第1のブレードアセンブリは、
一対の把持ブレードを含む把持アセンブリであって、前記把持ブレードは、把持アクチュエータの使用により基板を自身の末端で保持するよう構成される、把持アセンブリ、
前記把持アセンブリと、保持された前記基板とを第1の軸周りに回転させるための第1のブレードアクチュエータであって、前記第1の軸は、その末端で保持された前記基板の前面に対して実質的に平行である、第1のブレードアクチュエータ、及び
前記把持アセンブリと、前記第1のブレードアクチュエータとを第2の軸周りに回転させるための第2のブレードアクチュエータ
を含む、請求項1に記載の基板洗浄システム。
【請求項8】
前記第1の軸が、前記第1の洗浄チャンバの第1の側面及び前記第4の洗浄チャンバの第1の側面に対して直交して配向されているときの、前記第1の洗浄チャンバの前記第1の側面と、前記第4の洗浄チャンバの前記第1の側面との間の距離は、前記把持アセンブリと前記保持された基板との全長の102%~150%となる、請求項7に記載の基板洗浄システム。
【請求項9】
前記第2の基板ハンドラは、
第1の垂直レール及び第1の垂直アクチュエータを含む第1の垂直アクチュエータアセンブリであって、前記第1のブレードアセンブリは、前記第1の垂直レールの一部分に結合されており、かつ前記第1の垂直アクチュエータによって前記第1の垂直レールに沿って位置決めされるよう構成される、第1の垂直アクチュエータアセンブリと、
水平レール及び第1のレールアクチュエータを含む水平アクチュエータアセンブリであって、前記第1の垂直アクチュエータアセンブリは、前記水平レールの第1の部分に結合されており、かつ前記第1のレールアクチュエータによって前記水平レールに沿って位置決めされるよう構成される、水平アクチュエータアセンブリと、
をさらに含み、
前記第2の基板ハンドラの前記水平アクチュエータアセンブリ並びに前記第1の垂直アクチュエータ及び第2の垂直アクチュエータは、前記基板洗浄システムの外縁に配置されている、請求項7に記載の基板洗浄システム。
【請求項10】
前記第2の基板ハンドラは、
第2のブレードアセンブリをさらに含み、
前記第2のブレードアセンブリは、
一対の把持ブレード及び把持アクチュエータを含む把持アセンブリであって、前記把持ブレードは、前記把持アクチュエータの使用により基板を自身の末端で保持するよう構成される、把持アセンブリと、
第2の垂直レール及び第2の垂直アクチュエータを含む第2の垂直アクチュエータアセンブリであって、前記第2のブレードアセンブリは、前記第2の垂直レールの一部分に結合されており、かつ前記第2の垂直アクチュエータによって前記第2の垂直レールに沿って位置決めされるよう構成される、第2の垂直アクチュエータアセンブリと、
を含み、
前記第2の垂直アクチュエータアセンブリは、前記水平レールの第2の部分に結合されており、かつ第2のレールアクチュエータによって前記水平レールに沿って位置決めされるよう構成される、請求項9に記載の基板洗浄システム。
【請求項11】
基板洗浄システムであって、
水平方向の向きにある基板に対して第1の洗浄プロセスを実行するよう構成された第1の洗浄チャンバと、
垂直方向の向きにある前記基板に対して第2の洗浄プロセスを実行するよう構成された第2の洗浄チャンバと、
前記垂直方向の向きにある前記基板に対して第3の洗浄プロセスを実行するよう構成された第3の洗浄チャンバと、
前記水平方向の向きにある前記基板に対して第4の洗浄プロセスを実行するよう構成された第4の洗浄チャンバと、
前記第1の洗浄チャンバから前記第2の洗浄チャンバへと、前記第2の洗浄チャンバから前記第3の洗浄チャンバへと、及び前記第3の洗浄チャンバから前記第4の洗浄チャンバへと前記基板を移送するよう構成された基板ハンドラと、を備え、
前記第2の洗浄チャンバ又は前記第3の洗浄チャンバは、前記第1の洗浄チャンバより垂直方向に下方に配置される、基板洗浄システム。
【請求項12】
前記水平方向の向きにある前記基板に対して前記第4の洗浄プロセスを実行するよう構成された第5の洗浄チャンバであって、前記第4の洗浄チャンバと前記第5の洗浄チャンバはそれぞれ、統合洗浄及び乾燥モジュールを含む、第5の洗浄チャンバ
をさらに備える、請求項11に記載の基板洗浄システム。
【請求項13】
前記基板ハンドラは、前記第3の洗浄チャンバから、前記第4の洗浄チャンバ又は前記第5の洗浄チャンバの選択された一方へと前記基板を移送するよう構成される、請求項12に記載の基板洗浄システム。
【請求項14】
前記第4の洗浄チャンバは、前記第5の洗浄チャンバより垂直方向に上方に配置されている、請求項12に記載の基板洗浄システム。
【請求項15】
前記基板ハンドラは、
基板ハンドリング装置をさらに含み、
前記基板ハンドリング装置は、
第1のブレードアセンブリを含み、
前記第1のブレードアセンブリは、
一対の把持ブレードを含む把持アセンブリであって、前記把持ブレードは、把持アクチュエータの使用により基板を自身の末端で保持するよう構成される、把持アセンブリ、
前記把持アセンブリと、保持された前記基板とを第1の軸周りに回転させるための第1のブレードアクチュエータであって、前記第1の軸は、その末端で保持された前記基板の前面に対して実質的に平行である、第1のブレードアクチュエータ、及び
前記把持アセンブリと、前記第1のブレードアクチュエータとを第2の軸周りに回転させるための第2のブレードアクチュエータ
を含む、請求項11に記載の基板洗浄システム。
【請求項16】
前記第1の軸が、前記第1の洗浄チャンバの第1の側面及び前記第4の洗浄チャンバの第1の側面に対して直交して配向されているときの、前記第1の洗浄チャンバの前記第1の側面と、前記第4の洗浄チャンバの前記第1の側面との間の距離は、前記把持アセンブリと前記保持された基板との全長の102%~150%となる、請求項11に記載の基板洗浄システム。
【請求項17】
前記基板ハンドラは、
第1の垂直レール及び第1の垂直アクチュエータを含む第1の垂直アクチュエータアセンブリであって、前記第1のブレードアセンブリは、前記第1の垂直レールの一部分に結合されており、かつ前記第1の垂直アクチュエータによって前記第1の垂直レールに沿って位置決めされるよう構成される、第1の垂直アクチュエータアセンブリと、
水平レール及び第1のレールアクチュエータを含む水平アクチュエータアセンブリであって、前記第1の垂直アクチュエータアセンブリは、前記水平レールの第1の部分に結合されており、かつ前記第1のレールアクチュエータによって前記水平レールに沿って位置決めされるよう構成される、水平アクチュエータアセンブリと、
をさらに含み、
前記水平アクチュエータアセンブリ、及び前記第1の垂直アクチュエータは、前記基板洗浄システムの外縁に配置されている、請求項11に記載の基板洗浄システム。
【請求項18】
前記基板ハンドラは、
第2のブレードアセンブリをさらに含み、
前記第2のブレードアセンブリは、
一対の把持ブレード及び把持アクチュエータを含む把持アセンブリであって、前記把持ブレードは、前記把持アクチュエータの使用により基板を自身の末端で保持するよう構成される、把持アセンブリと、
第2の垂直レール及び第2の垂直アクチュエータを含む第2の垂直アクチュエータアセンブリであって、前記第2のブレードアセンブリは、前記第2の垂直レールの一部分に結合されており、かつ前記第2の垂直アクチュエータによって前記第2の垂直レールに沿って位置決めされるよう構成される、第2の垂直アクチュエータアセンブリと、を含み、
前記第2の垂直アクチュエータアセンブリは、前記水平レールの第2の部分に結合されており、かつ第2のレールアクチュエータによって前記水平レールに沿って位置決めされるよう構成される、請求項17に記載の基板洗浄システム。
【請求項19】
前記水平方向の向きにある前記基板に対して前記第4の洗浄プロセスを実行するよう構成された第5の洗浄チャンバであって、前記第4の洗浄チャンバと前記第5の洗浄チャンバはそれぞれ、統合洗浄及び乾燥モジュールを含む、第5の洗浄チャンバと、
前記第4の洗浄チャンバに処理ガスを供給するよう構成された第1の供給ガスボックスと、
前記第5の洗浄チャンバに処理ガスを供給するよう構成された第2の供給ガスボックスと、をさらに備え、
前記第4の洗浄チャンバは、前記第5の洗浄チャンバより垂直方向に上方に配置されている、請求項17に記載の基板洗浄システム。
【請求項20】
前記基板ハンドラは、
第2のブレードアセンブリをさらに含み、
前記第2のブレードアセンブリは、
一対の把持ブレード及び把持アクチュエータを含む把持アセンブリであって、前記把持ブレードは、前記把持アクチュエータの使用により基板を自身の末端で保持するよう構成される、把持アセンブリと、
第2の垂直レール及び第2の垂直アクチュエータを含む第2の垂直アクチュエータアセンブリであって、前記第2のブレードアセンブリは、前記第2の垂直レールの一部分に結合されており、かつ前記第2の垂直アクチュエータによって前記第2の垂直レールに沿って位置決めされるよう構成される、第2の垂直アクチュエータアセンブリと、を含み、
前記第2の垂直アクチュエータアセンブリは、前記水平レールの第2の部分に結合されており、かつ第2のレールアクチュエータによって前記水平レールに沿って位置決めされるよう構成される、請求項19に記載の基板洗浄システム。
【請求項21】
基板ハンドリング装置であって、
第1のブレードアセンブリを備え、
前記第1のブレードアセンブリは、
一対の把持ブレード及び把持アクチュエータを含む把持アセンブリであって、前記把持アクチュエータは、第1の移送プロセスの間前記一対の把持ブレードの間で基板を保持させるよう構成される、把持アセンブリ、
前記把持アセンブリを第1の軸周りに回転させるための第1のブレードアクチュエータ、及び
前記把持アセンブリを第2の軸周りに回転させるよう構成された第2のブレードアクチュエータであって、前記第2の軸は前記基板の前面に対して実質的に平行である、第2のブレードアクチュエータ
を含み、
前記第1のブレードアクチュエータによる前記第1の軸の周りでの回転によって、結果的に前記第2のブレードアクチュエータ及び前記把持アセンブリが回転し、前記第2のブレードアクチュエータによる前記第2の軸の周りでの回転によって、結果的に前記把持アセンブリが回転し、
前記基板ハンドリング装置はさらに、
第1の垂直レール及び第1の垂直アクチュエータを含む第1の垂直アクチュエータアセンブリであって、前記第1のブレードアセンブリは、前記第1の垂直レールの一部分に結合されており、かつ前記第1の垂直アクチュエータによって前記第1の垂直レールに沿って位置決めされるよう構成される、第1の垂直アクチュエータアセンブリと、
水平レール及び第1のレールアクチュエータを含む水平アクチュエータアセンブリであって、前記第1の垂直アクチュエータアセンブリは、前記水平レールの第1の部分に結合されており、かつ前記第1のレールアクチュエータによって前記水平レールに沿って位置決めされるよう構成される、水平アクチュエータアセンブリと、
を備える、基板ハンドリング装置。
【請求項22】
第2のブレードアセンブリであって、
一対の把持ブレード及び把持アクチュエータを含む把持アセンブリであって、前記把持アクチュエータは、第2の移送プロセスの間前記一対の把持ブレードの間で基板を保持させるよう構成される、把持アセンブリ
を含む、第2のブレードアセンブリと、
第2の垂直レール及び第2の垂直アクチュエータを含む第2の垂直アクチュエータアセンブリであって、前記第2のブレードアセンブリは、前記第2の垂直レールの一部分に結合されており、かつ前記第2の垂直アクチュエータによって前記第2の垂直レールに沿って位置決めされるよう構成される、第2の垂直アクチュエータアセンブリと、
を含み、
前記第2の垂直アクチュエータアセンブリは、前記水平レールの第2の部分に結合されており、かつ第2のレールアクチュエータによって前記水平レールに沿って位置決めされるよう構成される、請求項21に記載の基板ハンドリング装置。
【請求項23】
前記第2のブレードアセンブリの前記把持アセンブリは、前記一対の把持ブレードの間で、前記基板を垂直方向の向きで保持するよう構成される、請求項22に記載の基板ハンドリング装置。
【請求項24】
前記第1のブレードアセンブリと前記第2のブレードアセンブリの双方は、それぞれ前記第1のレールアクチュエータ及び前記第2のレールアクチュエータの使用により、前記水平レールに沿って別々に移動可能である、請求項22に記載の基板ハンドリング装置。
【請求項25】
前記第1のブレードアセンブリは、前記基板に対する前記一対の把持ブレードの位置を決定する光学手段をさらに含む、請求項22に記載の基板ハンドリング装置。
【請求項26】
プロセッサと、方法を実行するための命令を有する非一過性のコンピュータ可読媒体と、をさらに備え、前記方法は、
前記第1のブレードアセンブリによって保持された基板を、第1の洗浄モジュールの処理領域から平行移動させることであって、前記第1のブレードアセンブリによって保持された前記基板は、当該基板のデバイス側を上に向けた水平方向の向きで配向されている、平行移動させることと、
前記第1のブレードアセンブリの前記第1のブレードアクチュエータを使用して、前記基板及び前記第1のブレードアセンブリを前記水平方向の向きから垂直方向の向きに回転させることと、
前記第1のブレードアセンブリの前記第2のブレードアクチュエータを使用して、前記基板が前記垂直方向の向きで配置されている間に前記基板及び前記第1のブレードアセンブリを回転させて、前記基板の前記デバイス側を反対の方向に向けさせることと、
垂直方向に配向された前記基板及び前記第1のブレードアセンブリを、第1のレールアクチュエータを使用して前記水平レールに沿って平行移動させて、第2の洗浄モジュールの上方の位置に置くことと、
前記第1の垂直アクチュエータを使用して、前記基板を前記第2の洗浄モジュールの処理領域に挿入することと、
前記第1のレールアクチュエータを使用して、前記水平レールに沿って第3の洗浄モジュールまで、前記第1のブレードアセンブリを平行移動させることと、
前記第2のブレードアセンブリ及び前記第2のレールアクチュエータを使用して、前記第2の洗浄モジュールから前記第3の洗浄モジュールへと前記基板を移送することと、
前記第1のブレードアセンブリ及び前記第1の垂直アクチュエータを使用して、前記第3の洗浄モジュールの処理領域から前記基板を取り出すことと、
前記第1のブレードアセンブリの前記第1のブレードアクチュエータを使用して、前記垂直方向の向きから前記水平方向の向きに、前記基板及び前記第1のブレードアセンブリを回転させることであって、水平方向に配向された前記基板は前記デバイス側を上にして配向されている、回転させることと、
前記第1のレールアクチュエータを使用して、前記基板及び前記第1のブレードアセンブリを第4の洗浄モジュールの処理領域内に挿入することと、
を含む、請求項22に記載の基板ハンドリング装置。
【請求項27】
前記第1のブレードアセンブリの前記第1のブレードアクチュエータは、第1の駆動ギア及び第1のオフセットギアに接続された第1のアクチュエータモータを含み、前記第1のアクチュエータモータは、前記第1の駆動ギアを回転させるよう構成され、これにより、前記第1のオフセットギアが前記第1の軸周りに回転させられ、前記第2のブレードアクチュエータ及び前記第1の把持アセンブリの前記回転を引き起こし、
前記第2のブレードアセンブリの前記第2のブレードアクチュエータは、第2の駆動ギア及び第2のオフセットギアに接続された第2のアクチュエータモータを含み、前記第2のアクチュエータモータは、前記第2の駆動ギアを回転させるよう構成され、これにより、前記第2のオフセットギアが前記第2の軸周りに回転させられ、前記第1の把持アセンブリの回転を引き起こす、請求項21に記載の基板ハンドリング装置。
【請求項28】
前記第2のブレードアクチュエータ及び前記把持アクチュエータの少なくとも一方と関連付けられており、前記第2のオフセットギア内に形成された開口を通る複数の電気ケーブル及び/又は空気圧管
を更に含む、請求項27に記載の基板ハンドリング装置。
【請求項29】
前記基板ハンドリング装置の前記水平アクチュエータアセンブリ並びに前記第1の垂直アクチュエータ及び第2の垂直アクチュエータは、化学機械研磨システム内に配置された洗浄システムの外縁に配置されている、請求項21に記載の基板ハンドリング装置。
【請求項30】
基板ハンドリング装置であって、
一対の把持ブレードを含む把持アセンブリであって、前記ブレードは、把持アクチュエータによって基板を自身の末端で保持するよう動作可能である、把持アセンブリと、
前記把持アセンブリ及び前記基板を第1の軸周りに回転させるための第1のブレードアクチュエータであって、前記第1の軸は、その末端で保持された前記基板の前面に対して実質的に平行である、第1のブレードアクチュエータと、
前記把持アセンブリ及び前記第1のブレードアクチュエータを第2の軸周りに回転させる第2のブレードアクチュエータと、
第1の側面を有する第1の洗浄モジュールと、
第1の側面を有する第2の洗浄モジュールと、
を含み、
前記把持アセンブリは、前記第1の洗浄モジュールの前記第1の側面と、前記第2の洗浄モジュールの前記第1の側面との間に配置されており、
前記第1の軸が、前記第1の洗浄モジュールの前記第1の側面及び前記第2の洗浄モジュールの前記第1の側面に対して直交して配向されているときの、前記第1の洗浄モジュールの前記第1の側面と、前記第2の洗浄モジュールの前記第1の側面との間の距離は、前記把持アセンブリと前記保持された基板との全長の102%~150%となる、
基板ハンドリング装置。
【請求項31】
水平レールと、
前記把持アセンブリを含む第1のブレードアセンブリと、
第1の垂直レール及び第1の垂直アクチュエータを含む第1の垂直アクチュエータアセンブリであって、前記第1のブレードアセンブリは、前記第1の垂直レールの一部分に結合されており、かつ前記第1の垂直アクチュエータによって前記第1の垂直レールに沿って位置決めされるよう構成される、第1の垂直アクチュエータアセンブリと、
第2のブレードアセンブリであって、
一対の把持ブレード及び把持アクチュエータを含む把持アセンブリであって、前記把持アクチュエータは、第2の移送プロセスの間前記一対の把持ブレードの間で基板を保持させるよう構成される、把持アセンブリ
を含む、第2のブレードアセンブリと、
第2の垂直レール及び第2の垂直アクチュエータを含む第2の垂直アクチュエータアセンブリであって、前記第2のブレードアセンブリは、前記第2の垂直レールの一部分に結合されており、かつ前記第2の垂直アクチュエータによって前記第2の垂直レールに沿って位置決めされるよう構成される、第2の垂直アクチュエータアセンブリと、
をさらに備え、
前記第1の垂直アクチュエータアセンブリは、前記水平レールの第1の部分に結合されており、かつ第1のレールアクチュエータによって前記水平レールに沿って位置決めされるよう構成され、
前記第2の垂直アクチュエータアセンブリは、前記水平レールの第2の部分に結合されており、かつ第2のレールアクチュエータによって前記水平レールに沿って位置決めされるよう構成される、請求項30に記載の基板ハンドリング装置。
【請求項32】
前記第2のブレードアセンブリの前記把持アセンブリは、前記一対の把持ブレードの間で、前記基板を垂直方向の向きで保持するよう構成される、請求項31に記載の基板ハンドリング装置。
【請求項33】
前記第1のブレードアセンブリは、前記基板に対する前記一対の把持ブレードの位置を決定する光学手段をさらに含む、請求項32に記載の基板ハンドリング装置。
【請求項34】
前記第1のブレードアセンブリと前記第2のブレードアセンブリの双方は、それぞれ前記第1のレールアクチュエータ及び前記第2のレールアクチュエータの使用により、前記水平レールに沿って別々に移動可能である、請求項31に記載の基板ハンドリング装置。
【請求項35】
前記第1のブレードアセンブリは、第1の駆動ギア及び第1のオフセットギアに接続された第1のアクチュエータモータをさらに含み、前記第1のアクチュエータモータは、前記第1の駆動ギアを回転させるよう構成され、これにより、前記第1のオフセットギアが前記第1の軸周りに回転させられ、前記第2のブレードアクチュエータ及び前記把持アセンブリの前記回転を引き起こし、
前記第2のブレードアクチュエータは、第2の駆動ギア及び第2のオフセットギアに接続された第2のアクチュエータモータを含み、前記第2のアクチュエータモータは、前記第2の駆動ギアを回転させるよう構成され、これにより、前記第2のオフセットギアが前記第2の軸周りに回転させられ、前記把持アセンブリの前記回転を引き起こす、請求項30に記載の基板ハンドリング装置。
【請求項36】
前記第2のブレードアクチュエータ及び前記把持アクチュエータの少なくとも一方と関連付けられており、前記第2のオフセットギア内に形成された開口を通る複数の電気ケーブル及び/又は空気圧管
を更に含む、請求項35に記載の基板ハンドリング装置。
【請求項37】
基板ハンドリング装置であって、
第1のブレードアセンブリを備え、
前記第1のブレードアセンブリは、
一対の把持ブレード及び把持アクチュエータを含む把持アセンブリであって、前記把持アクチュエータは、第1の移送プロセスの間前記一対の把持ブレードの間で基板を保持させるよう構成される、把持アセンブリ、
前記把持アセンブリを第1の軸周りに回転させるための第1のブレードアクチュエータであって、前記把持アセンブリを前記第1の軸周りに回転させることは、前記第1の移送プロセスの間に、水平方向の向きと垂直方向の向きとの間で前記基板を回転させるよう構成される、第1のブレードアクチュエータ、及び
前記把持アセンブリを第2の軸周りに回転させるために構成された第2のブレードアクチュエータであって、前記第2の軸は、前記基板の前面に対して実質的に平行であり、前記把持アセンブリを前記第2の軸周りに回転させることは、前記第1の移送プロセスの間に、前記基板の前記前面を反対の方向に向かせるよう構成される、第2のブレードアクチュエータ
を含み、
前記第1のブレードアクチュエータによる前記第1の軸周りの回転によって、結果的に前記第2のブレードアクチュエータ及び前記把持アセンブリが回転し、前記第2のブレードアクチュエータによる前記第2の軸周りの回転によって、結果的に前記把持アセンブリが回転し、
前記基板ハンドリング装置はさらに、
第1の垂直レール及び第1の垂直アクチュエータを含む第1の垂直アクチュエータアセンブリであって、前記第1のブレードアセンブリは、前記第1の垂直レールの一部分に結合されており、かつ前記第1の垂直アクチュエータによって前記第1の垂直レールに沿って位置決めされるよう構成される、第1の垂直アクチュエータアセンブリと、
第2のブレードアセンブリであって、
一対の把持ブレード及び把持アクチュエータを含む把持アセンブリであって、前記把持アクチュエータは、第2の移送プロセスの間前記一対の把持ブレードの間で基板を保持させるよう構成される、把持アセンブリ
を含む、第2のブレードアセンブリと、
第2の垂直レール及び第2の垂直アクチュエータを含む第2の垂直アクチュエータアセンブリであって、前記第2のブレードアセンブリは、前記第2の垂直レールの一部分に結合されており、かつ前記第2の垂直アクチュエータによって前記第2の垂直レールに沿って位置決めされるよう構成される、第2の垂直アクチュエータアセンブリと、
水平アクチュエータアセンブリであって、
水平レール、
第1の水平レールアクチュエータ、及び
第2の水平レールアクチュエータ
を含む、水平アクチュエータアセンブリと、
を備え、
前記第1の垂直アクチュエータアセンブリは、前記水平レールの第1の部分に結合されており、かつ前記第1の水平レールアクチュエータによって前記水平レールに沿って位置決めされるよう構成され、
前記第2の垂直アクチュエータアセンブリは、前記水平レールの第2の部分に結合されており、かつ前記第2の水平レールアクチュエータによって前記水平レールに沿って位置決めされるよう構成される、
基板ハンドリング装置。
【請求項38】
前記第1のブレードアセンブリは、前記基板に対する前記一対の把持ブレードの位置を決定する光学手段をさらに含む、請求項36に記載の基板ハンドリング装置。
【請求項39】
前記第1のブレードアセンブリと前記第2のブレードアセンブリの双方は、それぞれ前記第1の水平レールアクチュエータ及び前記第2の水平レールアクチュエータを使用して、前記水平レールに沿って別々に移動可能である、請求項36に記載の基板ハンドリング装置。
【請求項40】
前記基板ハンドリング装置の前記水平アクチュエータアセンブリ並びに前記第1の垂直アクチュエータ及び前記第2の垂直アクチュエータは、化学機械研磨システム内に配置された洗浄システムの外縁に配置されている、請求項36に記載の基板ハンドリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される実施形態は、概して、電子デバイスの製造時に使用される装置に関し、より詳細には、基板の表面を洗浄するために使用しうる基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理システムは、化学機械研磨(CMP:chemical mechanical polishing)を実行することができ、この化学機械研磨(CMP)は、高密度集積回路の製造時に、基板上に堆積した材料層を平坦化又は研磨するために一般的に使用される。典型的なCMPプロセスでは、基板はキャリアヘッド内で保持されており、キャリアヘッドが、研磨液の存在下で、回転する研磨パッドに向かって基板の裏側を押し付ける。研磨液と、基板と研磨パッドの相対運動によりもたらされる化学的かつ機械的アクティビティと、の組み合わせによって、研磨パッドと接触している基板の材料層表面にわたって材料が除去される。通常では、1つ以上のCMPプロセスが完了した後に、研磨された基板が、CMP処理システム内での1つ以上のCMP後の(post-CMP)基板処理工程の使用によりさらに処理される。例えば、研磨された基板は、洗浄ユニット内で1つ以上の洗浄処理を使用してさらに処理することができる。様々な洗浄処理が、複数の洗浄ステーション、即ち洗浄チャンバを有する洗浄ユニット内で実行されうる。CMP後の処理が完了すると、CMP処理システムから基板を取り出して、次のデバイス製造システム(リソグラフィ、エッチング、又は堆積システムなど)に送ることが可能である。
【0003】
複数の洗浄チャンバを有する洗浄ユニット内では、様々なチャンバ間で基板を移送するために利用できる空間が限られている。様々な種類のチャンバに基板を挿入し当該チャンバから基板を取り出すために、垂直方向のポジションと水平方向のポジションの間で基板を操作する必要があるときには、空間制限の問題がさらに悪化する。例えば、幾つかの第1の洗浄チャンバは、基板を水平方向の向きで挿入する必要があり、幾つかの第2の洗浄チャンバ(第1の洗浄チャンバ内で洗浄された後に通常出くわすチャンバなど)では、垂直方向の向きが必要である。この後、垂直方向に配向された洗浄チャンバから他の水平方向に配向された洗浄チャンバへと基板を移送するには、基板の向きを水平方向のポジションに戻す必要がある。さらに、基板を水平方向に配置する必要がある各チャンバでは、基板が「デバイス側を上にして(device side up)」配向される必要があり、つまり、半導体デバイスが形成されている側が上を向いている必要がある。筐体(enclosure)を洗浄する際の最大の課題は、洗浄ステーション間で基板が酸化及び粒子状物質に晒されるのを防ぐために、空気に晒される時間を最小に抑えることである。この理由から、チャンバ同士は可能な限りすぐ近くに配置されており、ロボットのような装置が基板を把持して向きを変え他のチャンバに基板を挿入する余地はほとんどない。
【0004】
通常、基板は、研磨装置からCMPツールの洗浄ユニットに入り、第1の洗浄チャンバに挿入されて第1の洗浄チャンバから作用を受ける。その後で、基板は1つ以上の第2の洗浄チャンバへと移動し、次いで、最終洗浄チャンバに移動する。上記プロセスを通じて移動するにつれ基板が徐々に「クリーン(clean)」になるため、第2の洗浄チャンバから最終洗浄チャンバへの最後の移送が最も重要である。というのは、時間及び操作によって、酸化及び汚染のための最大の機会が生み出されるからである。
【0005】
必要とされているものは、洗浄プロセスの所定のステップにおいて基板を2つの回転レベル(two degrees of rotation)の間で操作し、これにより、洗浄筐体の設置面積を縮小し、これに伴って、プロセスの終盤にチャンバ間で基板を移動させるのに必要な時間を短縮することが可能な装置である。一例において、基板が第2の洗浄チャンバから乾燥チャンバに送られる間に、基板上に粒子が堆積しうる。従って、CMP後の洗浄プロセスが、最適なパーティクルフリーの(particle-free)性能を提供しない虞がある。
【0006】
従って、さらに必要とされているものは、最終洗浄チャンバ内での最終乾燥プロセスの改良である。従って、当該技術分野で必要とされているものは、上記の問題を解決するための装置及び方法である。
【発明の概要】
【0007】
本明細書に記載される実施形態は、概して、電子デバイスの製造時に使用される装置に関し、より詳細には、半導体デバイス製造プロセスにおいて、基板の表面を洗浄するために使用しうる洗浄システム及び関連する方法に関する。
【0008】
一実施形態において、基板洗浄ユニットは、水平方向の向きにある基板に対して前洗浄プロセスを実行するよう構成された前洗浄モジュールを含む。本ユニットは、垂直方向の向きにある基板に対して第1の洗浄プロセスを実行するよう構成された第1の洗浄チャンバを含む。本ユニットは、垂直方向の向きにある基板に対して第2の洗浄プロセスを実行するよう構成された第2の洗浄チャンバを含む。本ユニットは、水平方向の向きにある基板に対して洗浄及び乾燥プロセスを実行するよう構成された統合洗浄及び乾燥モジュールを含む。本ユニットは、前洗浄チャンバから第1の洗浄チャンバへと、第1の洗浄チャンバから第2の洗浄チャンバへと、及び第2の洗浄チャンバから統合洗浄及び乾燥モジュールへと基板を移送するよう構成された基板ハンドラを含む。第1の洗浄チャンバ及び第2の洗浄チャンバは、前洗浄モジュールの下方に配置されている。
【0009】
他の実施形態において、基板洗浄システムは、第1の基板洗浄ユニットと、第2の基板洗浄ユニットと、研磨システムから第1の基板洗浄ユニット及び第2の基板洗浄ユニットの一方へと基板を移送するよう構成された第1の基板ハンドラと、を含む。上記ユニットのそれぞれは、第1の基板ハンドラから基板を受け取り、水平方向の向きにある基板に対して前洗浄プロセスを実行するよう構成された前洗浄モジュールを含む。上記ユニットのそれぞれは、垂直方向の向きにある基板に対して第1の洗浄プロセスを実行するよう構成された第1の洗浄チャンバを含む。上記ユニットのそれぞれは、垂直方向の向きにある基板に対して第2の洗浄プロセスを実行するよう構成された第2の洗浄チャンバを含む。上記ユニットのそれぞれは、水平方向の向きにある基板に対して洗浄及び乾燥プロセスを実行するよう構成された統合洗浄及び乾燥モジュールを含む。上記ユニットのそれぞれは、前洗浄モジュールから第1の洗浄チャンバへと、第1の洗浄チャンバから第2の洗浄チャンバへと、及び第2の洗浄チャンバから統合洗浄及び乾燥モジュールへと基板を移送するよう構成された第2の基板ハンドラを含む。第1の洗浄チャンバ及び第2の洗浄チャンバは、前洗浄モジュールの下方に配置されている。
【0010】
さらに別の実施形態において、基板を洗浄する方法は、第1の基板ハンドラを用いて、基板を基板洗浄システム内の前洗浄モジュールへと移送することを含む。本方法は、前洗浄モジュール内で、水平方向の向きにある基板に対して前洗浄プロセスを実行することを含む。本方法は、第2の基板ハンドラを用いて、基板洗浄システム内で前洗浄モジュールから第1の洗浄チャンバへと基板を移送することを含む。本方法は、第1の洗浄チャンバ内で、垂直方向の向きにある基板に対して第1の洗浄プロセスを実行することを含む。本方法は、第2の基板ハンドラを用いて、基板洗浄システム内で第1の洗浄チャンバから第2の洗浄チャンバへと、垂直方向の向きにある基板を移送することを含む。本方法は、第2の洗浄チャンバ内で、垂直方向の向きにある基板に対して第2の洗浄プロセスを実行することを含む。本方法は、第2の基板ハンドラを用いて、基板洗浄システム内で第2の洗浄チャンバから統合洗浄及び乾燥モジュールへと基板を移送することを含む。本方法は、統合洗浄及び乾燥モジュールを用いて、水平方向の向きにある基板に対して洗浄及び乾燥プロセスを実行することを含む。第1の洗浄チャンバ及び第2の洗浄チャンバは、前洗浄モジュールの下方に配置されている。
【0011】
他の実施形態において、基板処理システム内で基板を処理する方法は、第1の洗浄チャンバの処理領域から、第1のブレードアセンブリによって保持された基板を平行移動させることを含み、第1のブレードアセンブリは、第1の垂直運動アクチュエータ及び第1の水平運動アクチュエータに接続されており、第1のブレードアセンブリによって保持された基板は、デバイス側を上にして水平方向の向きで配向されている。本方法は、第1のブレードアセンブリの第1のブレードアクチュエータを使用して、基板及び第1のブレードアセンブリを水平方向の向きから90度回転させて、垂直方向の向きにすることを含む。本方法は、基板が垂直方向の向きで配置され又は配置されている間に、第1のブレードアセンブリの第2のブレードアクチュエータを使用して、基板及び第1のブレードアセンブリを180度回転させて、基板のデバイス側を反対の方向に向かせることを含む。本方法は、第1の水平運動アクチュエータを使用して、垂直方向に配向された基板及び第1のブレードアセンブリを水平方向の軸に沿って平行移動させて、第2の洗浄チャンバの上方の位置に置くことを含む。本方法は、第1の垂直運動アクチュエータを使用して、第2の洗浄チャンバの処理領域に基板を挿入することを含む。本方法は、第1の水平運動アクチュエータを使用して、上記ブレードアセンブリを水平方向の軸に沿って第3の洗浄チャンバまで平行移動させることを含む。本方法は、第2の垂直運動アクチュエータ及び第2の水平運動アクチュエータに接続された第2のブレードアセンブリを使用して、第2の洗浄チャンバから第3の洗浄チャンバへと基板を移送することを含む。本方法は、第1のブレードアセンブリ及び第1の垂直運動アクチュエータを使用して、第3の洗浄チャンバの処理領域から基板を取り出すことを含む。本方法は、上記ブレードアセンブリの第1のブレードアクチュエータを使用して、基板及び第1のブレードアセンブリを垂直方向の向きから90度回転させて、水平方向の向きにすることを含み、ここで、水平方向の向きで配向された基板は、デバイス側を上にして配向されている。本方法は、第1の水平運動アクチュエータを使用して、基板及び第1のブレードアセンブリを第4の洗浄チャンバの処理領域に挿入することを含む。
【0012】
他の実施形態において、基板をハンドリングするためのブレードハンドリングアセンブリは、一対の把持ブレードを含む把持アセンブリを含み、上記ブレードは、把持アクチュエータによって、基板を自身の末端で保持するよう動作可能である。本アセンブリは、第1の軸を利用して把持アセンブリ及び基板を水平方向の向きと垂直方向の向きとの間で動かすための第1のブレードアクチュエータを含む。本アセンブリは、第2の軸を利用して把持アセンブリ及び基板を180度動かし、それにより、基板を反対の方向に向かせるための第2のブレードアクチュエータを含む。第1の軸を利用した移動によって、結果的に把持アクチュエータ及び第2のブレードアクチュエータが回転し、第2の軸を利用した移動によって、把持アクチュエータのみが回転する。
【0013】
他の実施形態において、基板をハンドリングするためのブレードハンドリングアセンブリは、一対の把持ブレードを含む把持アセンブリを含み、上記ブレードは、把持アクチュエータによって、基板を自身の末端で保持するよう動作可能である。本アセンブリは、把持アセンブリ及び基板を、水平方向の向きと垂直方向の向きの間で動かすための第1のブレードアクチュエータを含む。本アセンブリは、把持アセンブリ及び基板を180度移動かし、それにより、基板を反対の方向に向かせるための第2のブレードアクチュエータを含む。本アセンブリは、当該アセンブリの第1の側に配置された第1の洗浄チャンバを含む。本アセンブリは、当該アセンブリの第2の側に配置された第2の洗浄チャンバを含む。上記チャンバ間の水平方向の距離は、水平方向のポジションで配向されたときの把持アセンブリ及び基板の長さの115%~150%となる。
【0014】
本開示の実施形態は、基板ハンドリング装置も含むことができ、基板ハンドリング装置は、第1のブレードアセンブリと、第1の垂直レール及び第1の垂直アクチュエータを含む第1の垂直アクチュエータアセンブリであって、第1のブレードアセンブリは、第1の垂直レールの一部分に結合されており、かつ第1の垂直アクチュエータによって第1の垂直レールに沿って位置決めされるよう構成される、第1の垂直アクチュエータアセンブリと、水平レール及び第1のレールアクチュエータを含む水平アクチュエータアセンブリであって、第1の垂直アクチュエータアセンブリは、水平レールの第1の部分に結合されており、かつ第1のレールアクチュエータによって水平レールに沿って位置決めされるよう構成される、水平アクチュエータアセンブリと、を備える。第1のブレードアセンブリは、一対の把持ブレード及び把持アクチュエータを含む把持アセンブリであって、前記把持アクチュエータは、第1の移送プロセスの間一対の把持ブレードの間で基板を保持させるよう構成される、把持アセンブリ、把持アセンブリを第1の軸周りに回転させるための第1のブレードアクチュエータ、及び把持アセンブリを第2の軸周りに回転させるよう構成された第2のブレードアクチュエータであって、第2の軸は基板の前面に対して実質的に平行である、第2のブレードアクチュエータを含み、第1のブレードアクチュエータによる第1の軸周りの回転によって、結果的に第2のブレードアクチュエータ及び把持アセンブリが回転し、第2のブレードアクチュエータによる第2の軸周りの回転によって、結果的に把持アセンブリが回転する。
【0015】
本開示の実施形態は、基板ハンドリング装置も含むことができ、基板ハンドリング装置は、一対の把持ブレードを含む把持アセンブリであって、ブレードは、把持アクチュエータによって基板を自身の末端で保持するよう動作可能である、把持アセンブリと、把持アセンブリ及び基板を第1の軸周りに回転させるための第1のブレードアクチュエータであって、第1の軸は、その末端で保持された基板の前面に対して実質的に平行である、第1のブレードアクチュエータと、把持アセンブリ及び第1のブレードアクチュエータを第2の軸周りに回転させる第2のブレードアクチュエータと、第1の側面を有する第1の洗浄モジュールと、第1の側面を有する第2の洗浄モジュールと、を含む。把持アセンブリは、第1の洗浄モジュールの第1の側面と第2の洗浄モジュールの第1の側面との間に配置されている。第1の軸が、第1の洗浄モジュールの第1の側面及び第2の洗浄モジュールの第1の側面に対して直交して配向されているときの、第1の洗浄モジュールの第1の側面と、第2の洗浄モジュールの第1の側面との間の距離は、把持アセンブリと保持された基板との全長の102%~150%となる。
【0016】
本開示の実施形態は、基板ハンドリング装置も含むことができ、基板ハンドリング装置は、第1のブレードアセンブリと、第1の垂直レール及び第1の垂直アクチュエータを含む第1の垂直アクチュエータアセンブリであって、第1のブレードアセンブリは、第1の垂直レールの一部分に結合されており、かつ第1の垂直アクチュエータによって第1の垂直レールに沿って位置決めされるよう構成される、第1の垂直アクチュエータアセンブリと、第2のブレードアセンブリと、第2の垂直レール及び第2の垂直アクチュエータを含む第2の垂直アクチュエータアセンブリであって、第2のブレードアセンブリは、第2の垂直レールの一部分に結合されており、かつ第2の垂直アクチュエータによって第2の垂直レールに沿って位置決めされるよう構成される、第2の垂直アクチュエータアセンブリと、水平アクチュエータアセンブリと、を備える。第1のブレードアセンブリは、一対の把持ブレード及び把持アクチュエータを含む把持アセンブリであって、把持アクチュエータは、第1の移送プロセスの間一対の把持ブレードの間で基板を保持させるよう構成される、把持アセンブリ、把持アセンブリを第1の軸周りに回転させるための第1のブレードアクチュエータであって、把持アセンブリを第1の軸周りに回転させることは、第1の移送プロセスの間に、水平方向の向きと垂直方向の向きとの間で基板を回転させるよう構成される、第1のブレードアクチュエータ、及び把持アセンブリを第2の軸周りに回転させるよう構成された第2のブレードアクチュエータであって、第2の軸は基板の前面に対して実質的に平行である、第2のブレードアクチュエータを含み、把持アセンブリを第2の軸周りに回転させることは、第1の移送プロセスの間に、基板の前面を反対の方向に向かせるよう構成され、第1のブレードアクチュエータによる第1の軸周りの回転によって、結果的に第2のブレードアクチュエータ及び把持アセンブリが回転し、第2のブレードアクチュエータによる第2の軸周りの回転によって、結果的に把持アセンブリが回転する。第2のブレードアセンブリは、一対の把持ブレード及び把持アクチュエータを含む把持アセンブリであって、把持アクチュエータは、第2の移送プロセスの間一対の把持ブレードの間で基板を保持させるよう構成される、把持アセンブリを含む。水平アクチュエータアセンブリは、水平レール、第1の水平レールアクチュエータ、及び第2の水平レールアクチュエータを含み、第1の垂直アクチュエータアセンブリは、水平レールの第1の部分に結合されており、かつ第1の水平レールアクチュエータによって水平レールに沿って位置決めされるよう構成され、第2の垂直アクチュエータアセンブリは、水平レールの第2の部分に結合されており、かつ第2の水平レールアクチュエータによって水平レールに沿って位置決めされるよう構成される。
【0017】
本開示の実施形態は、基板洗浄システムも含むことができ、基板洗浄システムは、第1の基板洗浄ユニットと、第1の基板洗浄ユニットの間に配置されており、基板を研磨システムから第1の基板洗浄ユニットへと移送するよう構成された第1の基板ハンドラと、を備える。第1の基板洗浄ユニットは、第1の基板ハンドラから基板を受け取り、水平方向の向きにある基板に対して第1の洗浄プロセスを実行するよう構成された第1の洗浄チャンバと、垂直方向の向きにある基板に対して第2の洗浄プロセスを実行するよう構成された第2の洗浄チャンバと、垂直方向の向きにある基板に対して第3の洗浄プロセスを実行するよう構成された第3の洗浄チャンバと、水平方向の向きにある基板に対して第4の洗浄プロセスを実行するよう構成された第4の洗浄チャンバと、第1の洗浄チャンバから第2の洗浄チャンバへと、第2の洗浄チャンバから第3の洗浄チャンバへと、第3の洗浄チャンバから第4の洗浄チャンバへと基板を移送するよう構成された第2の基板ハンドラと、を含む。
【0018】
本開示の実施形態は、基板洗浄システムも含むことができ、基板洗浄システムは、第1の基板洗浄ユニットと、第2の基板洗浄ユニットと、第1の基板洗浄ユニットと第2の基板洗浄ユニットとの間に配置された第1の基板ハンドラであって、研磨システムから第1の基板洗浄ユニット及び第2の基板洗浄ユニットの一方へと基板を移送するよう構成された第1の基板ハンドラと、を含む。第1の基板洗浄ユニットと第2の基板洗浄ユニットはそれぞれ、第1の基板ハンドラから基板を受け取り、水平方向の向きにある基板に対して第1の洗浄プロセスを実行するよう構成された第1の洗浄モジュールと、垂直方向の向きにある基板に対して第2の洗浄プロセスを実行するよう構成された第2の洗浄モジュールと、垂直方向の向きにある基板に対して第3の洗浄プロセスを実行するよう構成された第3の洗浄モジュールと、水平方向の向きにある基板に対して第4の洗浄プロセスを実行するよう構成された第4の洗浄モジュールと、第1の洗浄モジュールから第2の洗浄モジュールへと、第2の洗浄モジュールから第3の洗浄モジュールへと、第3の洗浄モジュールから第4の洗浄モジュールへと基板を移送するよう構成された第2の基板ハンドラと、を含む。第1の基板洗浄ユニットと第2の基板洗浄ユニットはそれぞれ、垂直方向の向きにある基板に対して第5の洗浄プロセスを実行するよう構成された第5の洗浄モジュールをさらに含むことができ、第5の洗浄プロセスは、第3の洗浄モジュール内で第3の洗浄プロセスを実行することと、第4の洗浄モジュール内で第4の洗浄プロセスを実行することとの間に連続して実行される。
【0019】
本開示の実施形態は、以下のアクティビティの使用により基板を洗浄する方法も含みうる。以下のアクティビティは、第1の基板ハンドラを使用して、基板を基板洗浄システム内の第1の洗浄モジュールへと移送することと、第1の洗浄モジュール内で、第1の向きにある基板に対して第1の洗浄プロセスを実行することと、第2の基板ハンドラを用いて、基板洗浄システム内で第1の洗浄モジュールから第2の洗浄モジュールへと基板を移送することであって、上記基板を移送することは、基板の向きを第1の向きから第2の向きに変更させること含む、基板を移送することと、第2の洗浄モジュール内で、第2の向きにある基板に対して第2の洗浄プロセスを実行することと、第2の基板ハンドラを用いて、基板洗浄システム内で第2の洗浄チャンバから第3の洗浄モジュールへと基板を移送することと、第3の洗浄モジュール内で、第2の向きにある基板に対して第3の洗浄プロセスを実行することと、第2の基板ハンドラを使用して、基板洗浄システム内の第3の洗浄モジュールから第4の洗浄モジュールへと基板を移送することであって、上記移送することは、第2の向きから第1の向きに基板の向きを変更させることを含む、移送することと、次いで、第4の洗浄モジュールを用いて、第1の方向の向きにある基板に対して第4の洗浄プロセスを実行することと、を含み、第2の洗浄モジュール又は第3の洗浄モジュールは、第1の洗浄モジュールより垂直方向に下方に配置される。
【0020】
本開示の実施形態はまた、以下のアクティビティの使用により基板を洗浄する方法も含みうる。以下のアクティビティは、第1の基板ハンドラを使用して、基板を基板洗浄システム内の第1の洗浄モジュールへと移送することと、第1の洗浄モジュール内で、第1の向きにある基板に対して第1の洗浄プロセスを実行することと、第2の基板ハンドラを使用して、基板洗浄システム内で第1の洗浄モジュールから第2の洗浄モジュールへと基板を移送することであって、上記移送することは、第1の軸周りで基板を回転させることを含み、これにより、基板の向きが第1の向きから第2の向きへと変更させられる、移送することと、第1の方向に基板を平行移動することと、第2の洗浄モジュール内で、第2の向きにある基板に対して第2の洗浄プロセスを実行することと、第2の基板ハンドラを使用して、基板洗浄システム内で第2の洗浄チャンバから第3の洗浄モジュールへと、第2の向きにある基板を移送することであって、上記移送することは、第2の方向に基板を平行移動することを含み、第2の方向は第1の方向とは反対である、平行移動することと、第3の洗浄モジュール内で、第2の向きにある基板に対して第3の洗浄プロセスを実行することと、第2の基板ハンドラを使用して、基板洗浄システム内で第3の洗浄モジュールから第4の洗浄モジュールへと基板を移送することであって、上記移送することは、第1の軸周りで基板を回転させることを含み、これにより、基板の向きが第2の向きから第3の向きへと変更させられる、移送することと、次いで、第4の洗浄モジュールを用いて、第1の向きにある基板に対して第4の洗浄プロセスを実行することと、を含む。
【0021】
本開示の実施形態は、以下のアクティビティの使用により基板を洗浄する方法も含みうる。以下のアクティビティは、第1の基板ハンドラを使用して、基板を基板洗浄システム内の第1の洗浄モジュールへと移送することと、第1の洗浄モジュール内で、水平方向の向きにある基板に対して第1の洗浄プロセスを実行することと、第2の基板ハンドラを使用して、基板洗浄システム内で第1の洗浄モジュールから第2の洗浄モジュールへと基板を移送することと、第2の洗浄モジュール内で、垂直方向の向きにある基板に対して第2の洗浄プロセスを実行することと、第2の基板ハンドラを使用して、基板洗浄システム内で第2の洗浄モジュールから第3の洗浄モジュールへと、垂直方向の向きにある基板を移送することと、第3の洗浄モジュール内で、垂直方向の向きにある基板に対して第3の洗浄プロセスを実行することと、第2の基板ハンドラを使用して、基板洗浄システム内で第3の洗浄モジュールから第4の洗浄モジュールへと基板を移送することと、第4の洗浄モジュールを使用して、水平方向の向きにある基板に対して第4の洗浄プロセスを実行することと、を含み、第2の洗浄モジュール又は第3の洗浄モジュールは、第1の洗浄モジュールより垂直方向に下方に配置される。
【0022】
本開示の実施形態は、以下のアクティビティの使用により基板を洗浄する方法も含みうる。以下のアクティビティは、第1の基板ハンドラを使用して、基板を基板洗浄システム内の第1の洗浄モジュールへと移送することと、第1の洗浄モジュール内で、第1の向きにある基板に対して第1の洗浄プロセスを実行することと、第2の基板ハンドラを使用して、基板洗浄システム内で第1の洗浄モジュールから第2の洗浄モジュールへと基板を移送することであって、上記移送することは、第1の軸周りで基板を回転させることを含み、これにより、基板の向きが第1の向きから第2の向きへと変更させられる、移送することと、第1の方向に基板を平行移動することと、第2の洗浄モジュール内で、第2の向きにある基板に対して第2の洗浄プロセスを実行することと、第2の基板ハンドラを使用して、基板洗浄システム内で第2の洗浄チャンバから第3の洗浄モジュールへと、第2の向きにある基板を移送することであって、上記移送することは、第2の方向に基板を平行移動することを含み、第2の方向は第1の方向とは反対である、移送することと、第3の洗浄モジュール内で、第2の向きにある基板に対して第3の洗浄プロセスを実行することと、第2の基板ハンドラを使用して、基板洗浄システム内で第3の洗浄チャンバから第4のモジュールへと基板を移送することであって、上記移送することは、第1の軸周りで基板を回転させることを含み、これにより、基板の向きが第2の向きから第3の向きへと変更させられる、移送することと、第4の洗浄モジュールを用いて、第1の向きにある基板に対して第4の洗浄プロセスを実行することと、を含む。
【0023】
本開示の上述の特徴を詳細に理解しうるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は、添付の図面に例示されている。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることから、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを例示しており、従って、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに注意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A】1つ以上の実施形態に係る、例示的な化学機械研磨(CMP)処理システムの概略的な上面図である。
【
図1B】1つ以上の実施形態に係る、CMP処理システムの概略的な側面図である。
【
図2A】1つ以上の実施形態に係る、CMP処理システム内で利用される第1の洗浄モジュールの一例の斜視図である。
【
図2B】1つ以上の実施形態に係る、
図2Aの第1の洗浄モジュールの断面図である。
【
図2C】1つ以上の実施形態に係る、CMP処理システム内で利用される第2の洗浄モジュールの一例の斜視図である。
【
図2D】1つ以上の実施形態に係る、
図2Cの第2の洗浄モジュールの断面図である。
【
図2E】1つ以上の実施形態に係る、CMP処理システム内で利用される第3の洗浄モジュールの断面図である。
【
図2F】1つ以上の実施形態に係る、CMP処理システム内で利用される第4の洗浄モジュールの断面図である。
【
図2G】1つ以上の実施形態に係る、CMP処理システム内で利用される第5の洗浄モジュールの断面図である。
【
図2H】1つ以上の実施形態に係る、CMP処理システム内で利用される第6の洗浄モジュールの断面図である。
【
図3】1つ以上の実施形態に係る、CMP処理システム内の例示的な洗浄システムの部分、具体的には、幾つかの基板洗浄チャンバを含む筐体の斜視図である。
【
図4】1つ以上の実施形態に係る、
図3と同様の、筐体が省かれた洗浄システムの部分の他の斜視図である。
【
図5】1つ以上の実施形態に係る、
図1Aのファクトリインタフェースの内側から見た例示的な洗浄システムの概略的な正面図である。
【
図6】幾つかの基板洗浄チャンバを含む筐体の一部分の斜視図である。
【
図7】チャンバ間で基板を移動させるための水平アクチュエータ及び垂直アクチュエータの斜視図である。
【
図8】1つ以上の実施形態に係る、第1のブレードアセンブリの上面図である。
【
図9A】1つ以上の実施形態に係る、把持アセンブリの上面図である。
【
図9B】1つ以上の実施形態に係る、把持アセンブリの他の実施形態である。
【
図10】1つ以上の実施形態に係る、第2のブレードアセンブリの側面図である。
【
図11】1つ以上の実施形態に係る、把持アセンブリの他の実施形態である。
【
図12A】1つ以上の実施形態に係る、複数のチャンバを含む洗浄プロセスを通して第1のブレードアセンブリ及び第2のブレードアセンブリにより移動させられる間の基板の進み方を示す。
【
図12B】1つ以上の実施形態に係る、複数のチャンバを含む洗浄プロセスを通して第1のブレードアセンブリ及び第2のブレードアセンブリにより移動させられる間の基板の進み方を示す。
【
図12C】1つ以上の実施形態に係る、複数のチャンバを含む洗浄プロセスを通して第1のブレードアセンブリ及び第2のブレードアセンブリにより移動させられる間の基板の進み方を示す。
【
図12D】1つ以上の実施形態に係る、複数のチャンバを含む洗浄プロセスを通して第1のブレードアセンブリ及び第2のブレードアセンブリにより移動させられる間の基板の進み方を示す。
【
図12E】1つ以上の実施形態に係る、複数のチャンバを含む洗浄プロセスを通して第1のブレードアセンブリ及び第2のブレードアセンブリにより移動させられる間の基板の進み方を示す。
【
図12F】1つ以上の実施形態に係る、複数のチャンバを含む洗浄プロセスを通して第1のブレードアセンブリ及び第2のブレードアセンブリにより移動させられる間の基板の進み方を示す。
【
図12G】1つ以上の実施形態に係る、複数のチャンバを含む洗浄プロセスを通して第1のブレードアセンブリ及び第2のブレードアセンブリにより移動させられる間の基板の進み方を示す。
【
図12H】1つ以上の実施形態に係る、複数のチャンバを含む洗浄プロセスを通して第1のブレードアセンブリ及び第2のブレードアセンブリにより移動させられる間の基板の進み方を示す。
【
図12I】1つ以上の実施形態に係る、複数のチャンバを含む洗浄プロセスを通して第1のブレードアセンブリ及び第2のブレードアセンブリにより移動させられる間の基板の進み方を示す。
【
図12J】1つ以上の実施形態に係る、複数のチャンバを含む洗浄プロセスを通して第1のブレードアセンブリ及び第2のブレードアセンブリにより移動させられる間の基板の進み方を示す。
【
図13A】1つ以上の実施形態に係る、幾つかの基板洗浄チャンバを含む筐体の一部分の斜視図である。
【
図13B】1つ以上の実施形態に係る、幾つかの基板洗浄チャンバを含む筐体の一部分の斜視図である。
【
図13C】1つ以上の実施形態に係る、代替的な化学機械研磨(CMP)処理システム構成の概略的な上面図である。
【
図14A】1つ以上の実施形態に係る、
図1Aに示されたCMP処理システム内で実行可能な基板処理シーケンスを示す。
【
図14B】1つ以上の実施形態に係る、
図1Aに示されたCMP処理システム内で実行可能な基板処理シーケンスを示す。
【
図14C】1つ以上の実施形態に係る、
図1Aに示されたCMP処理システム内で実行可能な基板処理シーケンスを示す。
【
図14D】1つ以上の実施形態に係る、
図1Aに示されたCMP処理システム内で実行可能な基板処理シーケンスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した一実施形態の要素及び特徴は、更なる記載がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうることが想定される。
【0026】
本明細書に記載される実施形態は、概して、電子デバイスの製造時に使用される装置に関し、より詳細には、半導体デバイス製造プロセスにおいて基板の表面を洗浄し、次いで基板の化学機械研磨を行うために使用しうる洗浄システムに関する。
【0027】
図1Aは、1つ以上の実施形態に係る、本明細書に記載の例示的な化学機械研磨(CMP)処理システム100の概略的な上面図である。
図1Bは、1つ以上の実施形態に係る、CMP処理システム100の概略的な側面図である。本明細書で提供される開示では主に、研磨ステーション105といったCMP装置と組み合わせて使用可能な様々な実施形態について述べるが、本構成は、本明細書で提供される開示の範囲に関して限定することを意図するものではない。
【0028】
図では、CMP処理システム100の態様をより明確に示すために、ハウジングの特定の部分及び他の特定の内部及び外部の構成要素が省かれている。ここでは、CMP処理システム100は、ファクトリインタフェース102に接続されている。ファクトリインタフェース102は、1つ以上のローディングステーション102Aを含みうる。ローディングステーション102Aは、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod、前方開口型統一ポッド)又はカセットでありうる。各ローディングステーション102Aは、CMP処理システム100内でのCMP処理ための1つ以上の基板200を含みうる。
【0029】
CMP処理システム100は、研磨ステーション105と、ファクトリインタフェース102の第1の基板ハンドラ103と、第2の基板ハンドラ104を含む洗浄システム106と、を含みうる。第1の基板ハンドラ103は、1つ以上のローディングステーション102Aとの間で基板200を移送するために配置されている。例えば、第1の基板ハンドラ103は、ローディングステーション102Aから、洗浄システム106へと、例えば洗浄装置パススルー(cleaner pass-through)102Bへと基板200を移送し、そこで、基板200が第2の基板ハンドラ104によって取り上げられうる。他の例として、第1の基板ハンドラ103は、洗浄システム106から、例えば洗浄モジュール110又は洗浄装置パススルー102Bから、ローディングステーション102Aへと基板200を移送する。
【0030】
一般に、ローディングステーション102A内に最初に配置された基板200は、その処理表面201に先行する製造プロセスが施されており、例えば、ウェハリング、リソグラフィ、エッチング、及び/又は堆積のプロセスが施されてしまっている。第1の基板ハンドラ103は、基板を処理表面201が上を向いた状態で、ローディングステーション102Aとの間で移送する。
【0031】
第2の基板ハンドラ104は、例えば、洗浄装置ウェットロボットでありうる。第2の基板ハンドラ104は、基板200を処理表面201が上又は下に向いた状態で、研磨ステーション105との間で移送するために配置されている。例えば、第2の基板ハンドラ104は、洗浄装置パススルー102B又は第1の基板ハンドラ103から基板200を受け取り、次いで、基板200を研磨システム105内の移送ステーション105Aへと移送する。他の例として、第2の基板ハンドラ104は、研磨ステーション105内の移送ステーション105Aから基板200を取り出し、次いで、洗浄システム106内の第1の洗浄モジュール107を含む第1の洗浄チャンバへと、基板200を移送する。幾つかの実施形態において、第1の洗浄モジュール107は、水平入力ステーション117(
図2G)又は垂直入力ステーション119(
図2H)と置き換えることが可能であろう。幾つかの実施形態において、第2の基板ハンドラ104は、基板反転機能(例えば、回転ブレードリストアセンブリ)を含むことが可能であり、この基板反転機能によって、基板の向きを、基板の研磨面が上を向いた状態から、基板の研磨面が下を向いた状態へと反転させることが可能となり、又はその逆も然りである。洗浄処理シーケンスの間に基板を反転させるこの能力は、洗浄システム106内で実行される洗浄プロセスが、基板の表側、基板の裏側で実行されること、又は基板の両側で順次実行されることを可能とするために役立ちうる。
【0032】
研磨ステーション105は、複数の研磨ステーション(図示せず)を含みうる基板研磨システムである。研磨ステーション105は、第2の基板ハンドラから受け取った基板200を、1つ以上のCMPプロセスを使用して研磨するために使用される1つ以上の研磨アセンブリを含む。典型的に、上記1つ以上の研磨アセンブリのそれぞれは、研磨プラテン(図示せず)及び研磨ヘッド(図示せず)の使用を含み、研磨プラテンに載置された研磨パッド(図示せず)に対して基板200を付勢するよう構成されている。研磨ステーション105内でCMP処理が施された後の基板200には、残留研磨粒子及び/又は酸性若しくは塩基性化学物質といった液体が残っている虞がある。従って、基板200をローディングステーション102Aに戻す前に基板200を洗浄するために、洗浄システム106が、研磨ステーション105とファクトリインタフェース102との間に配置されている。
【0033】
図1Aに示すように、洗浄システム106は、第2の基板ハンドラ104の両側に互いに平行に配置された2つの洗浄ユニット106A、106Bで構成されうる。洗浄ユニット106A、106Bは、複数の洗浄チャンバを含む。洗浄システム106内に配置された洗浄チャンバは、以下で述べるように、1つ以上の第1の洗浄モジュール、1つ以上の第2の洗浄モジュール、1つ以上の第3の洗浄モジュール、1つ以上の第4の洗浄モジュール、1つ以上の第5の洗浄モジュール、1つ以上の第6の洗浄モジュール及び/又は1つ以上の第7の洗浄モジュールを含みうる。
図3は、洗浄ユニット106Aの上面等角図であり、ここでは、ロボットトンネル104T(
図1A)と洗浄ユニット106B(並びに、他の内部及び外部の構成要素)との間の仕切りが、明瞭化のために省かれている。
図4は、洗浄ユニット106Aの他の上面等角図であり、ここでは、ハウジング(並びに、他の内部及び外部の構成要素)が、明瞭化のために省かれている。
図3、
図4及び
図12A~
図12Jに示される洗浄システム106の構成は、議論を容易にするために、様々な洗浄チャンバ位置に配置された3つの異なるタイプの洗浄モジュールを含む。さらに後述するように、
図13Aは、本明細書に記載の洗浄処理シーケンスにおいて使用可能な、異なるタイプの6つの様々な洗浄モジュールを含みうる構成を示している。
図13Bは、本明細書に記載の洗浄処理シーケンスにおいて使用可能な、異なるタイプの7つの様々な洗浄モジュールを含みうる構成を示している。
図1Aから分かるように、また先に記載したように、洗浄ユニット106Bは、基本的に洗浄ユニット106Aと全く同じである。従って、本明細書における説明及び図中の洗浄ユニット106Aの描写は、推論により洗浄ユニット106Bの説明及び描写としても理解される。しかしながら、本明細書で提供される開示は主に、洗浄ユニット106Aと洗浄ユニット106Bが全く同じである構成を図示し及び開示しているが、洗浄ユニットは、本明細書で提供される開示の範囲から逸脱することなく異なるタイプ及び/又は異なる数の洗浄モジュールを含みうるため、本構成は本明細書で提供される開示の範囲に関して限定することを意図するものではない。
【0034】
洗浄ユニット106A、106Bは、第2の基板ハンドラ104が配置されているロボットトンネル104Tによって分離されうる。幾つかの実施形態において、各洗浄ユニット106A、106Bは、第1の洗浄モジュール107、第3の基板ハンドラ108、第2の洗浄モジュール109、第3の洗浄モジュール110、及び任意選択的に第4の洗浄モジュール115を含む。幾つかの実施形態において、第1の洗浄モジュールは、本明細書で提供される開示の範囲に関して限定する意図はないが、本明細書ではしばしば水平前洗浄モジュール107と呼ばれる。しかしながら、上述したように、第1の洗浄モジュール107は、後続の洗浄プロセスが実行される前に基板の表面が濡れた状態であることを保証しつつ、基板を所望の物理的配向で支持するようそれぞれ概して構成された垂直入力ステーション119(
図2H)又は水平入力ステーション117(
図2G)によって置き換えることが可能であろう。幾つかの実施形態において、第2の洗浄モジュール109は、本明細書で提供される開示の範囲に関して限定する意図はないが、本明細書ではしばしば垂直洗浄モジュール109と呼ばれる。幾つかの実施形態において、第3の洗浄モジュール110は、本明細書で提供される開示の範囲に関して限定する意図はないが、本明細書ではしばしば、統合洗浄及び乾燥(ICD:integrated clean and dry)モジュール110と呼ばれる。幾つかの実施形態において、垂直洗浄モジュール109は、第1の垂直洗浄モジュール109A及び第2の垂直洗浄モジュール109Bとして提供されうる。幾つかの実施形態において、統合洗浄及び乾燥モジュール110は、第1の統合洗浄及び乾燥モジュール110A及び第2の統合洗浄及び乾燥モジュール110Bとして提供されうる。幾つかの実施形態において、
図1Aに示すように、各洗浄ユニット106A、106B内の第3の基板ハンドラ108は、CMP処理システム100の洗浄ユニット106A、106Bの外縁に位置するように、配置されている。本構成では、基板ハンドラ108は、図示された第1の洗浄モジュール、第2の洗浄モジュール及び第3の洗浄モジュールといった洗浄チャンバの外側に配置されており、CMP処理システム100のロボットトンネル104T及び第2の基板ハンドラ104に面した第1の洗浄モジュール、第2の洗浄モジュール及び第3の洗浄モジュールの内側とは反対側にあたる。
【0035】
水平前洗浄モジュール107は、実質的に水平方向の向きで、即ちX-Y平面において、処理表面201が上を向いた状態で配置された基板200を処理するよう構成されている。幾つかの実施形態において、各洗浄ユニット106A、106Bは、実質的に垂直方向の向きで、即ちZ-Y平面において、処理表面201がファクトリインタフェース102の方を向いた状態で配置された基板200を処理するよう構成された2つの垂直洗浄モジュール109A、109Bを含む。
【0036】
上述のように、洗浄システム106の幾つかの実施形態において、水平前洗浄モジュール107は、第2の基板ハンドラ104から、水平前洗浄モジュール107の第1のサイドパネルに形成された第1のドア107Aを通して、研磨済みの基板200を受け取る。第1のドア107Aは、例えば、水平前洗浄モジュール107の外部領域から水平前洗浄モジュール107の内部領域を隔離するよう構成されたスリットバルブでありうる。基板200は、水平前洗浄モジュール107によって、当該水平前洗浄モジュール107内の水平に配置された基板支持面に載置するために、水平方向の向きで受け取られる。次いで、水平前洗浄モジュール107は、第3の基板ハンドラ108(本明細書では第3の基板ハンドリング装置108とも呼ばれることもある)を使用して、基板200に対してバフ研磨プロセスといった前洗浄プロセスを実行し、その後、基板200がそこから移送される。幾つかの実施形態において、バフ研磨プロセスは、水平に配置された基板支持面に載置された基板の表面にわたってバフパッドを動かし(sweep)、基板の表面上に見られるスラリ、傷、及び他の欠陥を除去することを含む。バフパッドは、ポリウレタン、アクリレート、又は他のポリマー材料といった材料を含みうる。
【0037】
図2Aは、本明細書に記載のCMP処理システム100内の洗浄チャンバ内に配置されうる水平前洗浄モジュール107の上面等角図である。
図2Aでは、水平前洗浄モジュール107の内部構成要素をより明確に示すために、点検アクセスパネルが省かれている。おおまかに、水平前洗浄モジュール107は、複数のサイドパネルで形成されたチャンバ210、ベイスン(basin)214、及びリッド216を含み、これらは集合的に処理領域212を画定する。
【0038】
第1のサイドパネル226は、第2の基板ハンドラ104に面する水平前洗浄モジュール107の第1の側面208に形成されており、かつ、第1のドア107A(例えば、
図2A、2Bには示されないスリットバルブ)を含み、第1のドア107Aは、第2の基板ハンドラ104を使用して、基板200を回転可能な真空テーブル230に載置するために使用される開口を選択的に覆うよう構成されている。第2のサイドパネル222は、研磨ステーション105から離れる方向に向いた、水平前洗浄モジュール107の第2の末端204に形成されている。第2のサイドパネル222は、第2のドア107B(例えば、
図2A、2Bには示されないスリットバルブ)を含み、第2のドア107Bは、第3の基板ハンドラ108を使用して、回転可能な真空テーブル230から基板200を取り出すために使用される開口209を選択的に覆うよう構成されている。水平前洗浄モジュール107は、
図1Aに示すように、洗浄ユニット106A、106Bの双方において設定され設置され、従って、CMP処理システム100の両側に、互いに逆向きに配置されうる。
【0039】
水平前洗浄モジュール107は、当該水平前洗浄モジュール107の処理領域212内に配置された、基板200を真空チャックするための回転可能な真空テーブル230と、回転可能な真空テーブル230の径方向外側に配置された環状基板リフト機構270と、回転可能な真空テーブル230の近傍に配置されたパッドコンディショニングステーション280と、回転可能な真空テーブル230の上の第1の位置とパッドコンディショニングステーション280の上の第2の位置との間で可動なパッドキャリア位置決めアーム282と、をさらに含む。回転可能な真空テーブル230、環状基板リフト機構270、パッドコンディショニングステーション280、及びパッドキャリア位置決めアーム282は、それぞれ別々にベイスン214に取り付けられている。
【0040】
図2Bは、
図2Aの水平前洗浄モジュール107内で使用されうるパッドキャリア位置決めアーム282の側面断面図である。
図2Bに示されているように、パッドキャリア位置決めアーム282は、回転可能な真空テーブル230の近傍に配置されている。パッドキャリア位置決めアーム282の遠位端302が、自身の下端でバフパッド306を支持するための垂直方向に可動なパッドキャリアアセンブリ304を含む。パッドキャリアアセンブリ304は、アクチュエータアセンブリ317の使用により、回転可能な真空テーブル230に対して垂直方向に動かされる。パッドキャリア位置決めアーム282の遠位端302はまた、当該パッドキャリア位置決めアーム282を軸c1周りに回転させるよう構成された回転アクチュエータ313を使用して、パッドコンディショニングステーション280(
図2A)の上で位置決めすることも可能である。
【0041】
パッドキャリアアセンブリ304は、バフパッド306を、実質的に重力の方向に位置合わせされた軸c2周りに回転させるためのヘッドモータ308を含む。パッドキャリアアセンブリ304は、シャフト311を介してヘッドモータ308に接続された結合ベース307を含む。幾つかの実施形態において、結合ベース307は、1つ以上のバフパッド306を支持するよう寸法設定されている。一例において、
図2A~
図2Bに示すように、1つのバフパッド306が利用されており、このパッドは、直径が約40mm~150mmであり、同様の洗浄モジュール内で使用される従来のバフパッドよりも大きい。
【0042】
幾つかの実施形態において、バフパッド306は、ポリビニルアルコール(PVA)材料で形成される。PVA材料は親水性であり、水を吸収し保持することが可能である。PVA材料は、濡れると弾力性があり、柔軟で柔らかく、機械的強度及び耐摩耗性を有する。ポロメリック材料又は充填若しくは非充填ポリマー材料といった、バフパッドとして使用される従来の材料と比較して、PVA材料は、基板の以前にCMP研磨された表面の化学的かつ機械的な洗浄のための高いせん断力を提供する。PVA材料で形成されたバフパッド306は、直径が、水平前洗浄モジュール107内で処理される基板の直径よりも小さい。より大きなバフパッドによって、化学機械的洗浄プロセス中のパフォーマンスが向上し、バフ研磨時間が短縮される。結合ベース307は、機械的クランプ機構を使用してバフパッド306のたるみを防止するよう構成された保持機能を含みつつ、大きくて厚い吸水性バフパッド306を支持するよう設計される。
【0043】
水平前洗浄モジュール107内での処理中には、基板が、回転可能な真空テーブル230に、以下のことによって載置され、即ち、第2の基板ハンドラ104を使用して、第1のサイドパネル226に形成された開口を通して基板200を移送し、かつ、リフトピンアセンブリ303内の複数のリフトピン上に基板200を配置することによって、載置される。リフトピンアセンブリ303は、複数のリフトピンを含み、当該複数のリフトピンは、リフトピンアクチュエータ(図示せず)の使用により、基板200を回転可能な真空テーブル230の表面に載置しかつ当該表面から基板200を取り外すことが加納となるように、昇降させることが可能である。次いで、ポンプ319の使用により、基板200と、回転可能な真空テーブル230の表面に形成された開口との間に真空が発生する。次いで、回転するバフパッド306が、ヘッドモータ308及びアクチュエータアセンブリ317の使用により、基板の表面と接触させられる。幾つかの実施形態において、回転可能な真空テーブル230及び基板200はまた、処理中に、回転アクチュエータ327を使用して回転させられる。次いで、回転するバフパッド306は、回転アクチュエータ313を使用して、揺動する円弧状の動きにより、基板200の表面にわたって平行移動させることが可能である。幾つかの実施形態において、回転アクチュエータ313は、360度の完全な回転より小さい角度をカバーする揺動する回転運動で、バフパッド306を回転させることが可能である。回転するバフパッド306が基板200の表面にわたって平行移動する間に、脱イオン水及び/又は1つ以上の第1の洗浄液(例えば、TMAH、PlanarClean(登録商標))といった第1の処理液を、流体源315から基板200の表面に適用することが可能である。洗浄プロセスは、基板表面から残留傷及び研磨粒子を取り除くために効果的である。所望の時間の処理の後に処理が停止され、基板が水平前洗浄モジュール107から、先に挙げたステップを逆の順序で実行することによって取り出される。しかしながら、以下に説明するように、基板は、第3の基板ハンドラ108の部分の使用により、開口209を通じて水平前洗浄モジュール107から有益に取り出される。
【0044】
洗浄システム106の幾つかの代替的な実施形態において、水平入力モジュール117(
図2G)が水平前洗浄モジュール107の代わりに配置され、これにより、水平入力モジュール117は、第2の基板ハンドラ104から研磨済みの基板200を受け取ることが可能である。水平入力モジュール117の筐体は、水平前洗浄モジュール107と同様に構成されており、従って、筐体の第1のサイドパネルに形成された第1のドア107Aと、第2のサイドパネルに形成された第2のドア107Bと、を含む。水平入力モジュール117は、大まかに、複数の支持ピン289を含みうる基板支持アセンブリ288と、処理中に、流体源287から受け取ったリンス流体(例えば、脱イオン水)の流れを基板の露出表面(例えば、上面及び下面)に供給するために配置された1つ以上のリンスノズル286A、286Bと、を含む。水平入力モジュール117は、基板を湿潤状態に保ち、かつ、研磨ステーション105内で研磨された後の基板の表面に残る残留スラリ又は他の残留物を除去するよう構成されている。
【0045】
洗浄システム106の他の代替的な実施形態において、垂直入力モジュール119(
図2H)が水平前洗浄モジュール107の代わりに配置され、これにより、垂直入力モジュール119は、第2の基板ハンドラ104から研磨済みの基板200を受け取ることが可能である。垂直入力モジュール119の筐体は、筐体の第1のサイドパネルに形成された第1のドア107Aと、第2のサイドパネルに形成された第2のドア107Bと、を含む。垂直入力モジュール119は、大まかに、複数の支持フィーチャ(feature)294を含みうる基板支持アセンブリ297と、処理中に、流体源287から受け取ったリンス流体(例えば、脱イオン水)の流れを基板の露出表面(例えば、表側表面及び裏側表面)に供給するために配置された1つ以上のリンスノズル286A、286Bと、を含む。垂直入力モジュール119は、基板を湿潤状態に保ち、かつ、研磨ステーション105内で研磨された後の基板の表面に残る残留スラリ又は他の残留物を除去するよう構成されている。垂直入力モジュール119は、中央のロボット104及び第3の基板ハンドラ108のブレードアセンブリ300(
図7)が、垂直入力モジュール119のそれぞれのサイドから様々な時間に基板200にアクセスできるように、基板支持アセンブリ297に載置された基板200を垂直方向の軸(即ち、Z軸)周りに回転させて、基板200を回転的に配向するよう構成されたアクチュエータも含む。
図2Hに示すように、幾つかの実施形態において、移送プロセスの間に、ロボットブレード298が、ドア(例えば、第2のドア107B)を介して挿入され、基板支持アセンブリ297の一部分に載置された基板の背後で位置決めされる。ロボットブレード298は、基板移送プロセスの間垂直に配向された基板を把持するよう構成されたクランプアセンブリ298A及び保持要素298Bを含む。基板を把持するプロセスは、クランプアセンブリ298A内のアクチュエータ(図示せず)であって、クランプアセンブリ298Aの構成要素と、保持要素298Bとの間で基板の端面が支持し保持しうるように、基板の端面に力を加えるよう構成されたアクチュエータの使用を含みうる。
【0046】
以下で
図6~
図12Kに関連して述べるように、第3の基板ハンドラ108は、洗浄システム106内での様々な洗浄段階において基板200を別個に取り扱うための2つの別個のブレードアセンブリ300、400を含む。従って、第3の基板ハンドラ108による基板200のハンドリングについての説明は、以下でさらに述べるような、基板200をハンドリングする基板ハンドラ108の1つ以上のブレードアセンブリ300、400の動きを指しうると理解されたい。
【0047】
図1A及び
図1Bを参照すると、第3の基板ハンドラ108は、水平前洗浄モジュール107から、当該水平前洗浄モジュール107の第2のサイドパネル222に形成された開口209を覆う第2のドア107Bを介して、基板200を移送する。第2のサイドパネル222は、例えば、第1のサイドパネル226と直交していてよい。基板200は、水平な前洗浄モジュール107から取り出される間依然として水平方向の向きにあり、即ちX-Y平面において配向されている。基板200が水平前洗浄モジュール107から移送された後で、第3の基板ハンドラ108は、洗浄システム106の垂直洗浄モジュール109A、109B内でさらに処理するために、基板200を、垂直方向の向きへと、即ち、Y-Z平面において配向されており処理表面201がファクトリインタフェース102の方を向いた状態へと操作する。例えば、基板200が水平前洗浄モジュール107から移送された後で、第3の基板ハンドラ108は、基板200をY軸回りに90度回転させて垂直方向のポジションに向きを変え、さらに、処理表面201がファクトリインタフェース102の方に向くように基板をZ軸回りに180度回転させることができる。Y軸の回転とZ軸の回転は、連続的に又は期間を重ねて完了することができる。
【0048】
処理表面201がファクトリインタフェース102の方に向くように基板を操作した後で、第3の基板ハンドラ108は、ドア109C(
図1B)を介して基板200を垂直洗浄モジュール109Aに移送する。移送プロセスは、X方向といった少なくとも1つの方向への第3の基板ハンドラ108の移動を含みうる。ドア109Cは、例えばスリットバルブでありうる。各洗浄ユニット106A、106Bは、2つの垂直洗浄モジュール109A、109Bを含みうる。2つの垂直洗浄モジュール109A、109Bは、各洗浄ユニット106A、106B内にリニアに、即ちX方向に配置されうる。2つの垂直洗浄モジュール109A、109Bはまた、各洗浄ユニット106A、106B内で、水平前洗浄モジュール107より実質的に下方に、即ちZ方向に配置されうる。水平前洗浄モジュール107の下方の垂直洗浄モジュール109A、109Bのこのような配置によって、全洗浄システム106の設置面積の縮小がもたらされ、さらに、上記モジュール間の移動時間を短縮してスループットを向上させ、さらに重要なことに、濡れた基板の乾燥能力を下げ、洗浄ステップ間の基板の空気暴露時間を短縮するのに役立ちうる。
【0049】
幾つかの実施形態において、垂直洗浄モジュール109A、109Bは、基板の表面から研磨副生成物を除去するための、接触洗浄システム及び非接触洗浄システムのいずれか又はこれらの組み合わせとすることができ、例えば、スプレーボックス及び/又はスクラバ用ブラシラシボックスでありうる。
【0050】
図2Cは、垂直洗浄モジュール109A、109Bを表す例示的な垂直洗浄モジュール109であって、上述したように洗浄ユニット内で利用しうる垂直洗浄モジュール109の等角図である。ドア109Cを含む垂直洗浄モジュール109のリッド部分は、記述を容易にするために
図2C及び
図2Dから取り除かれている。
図2Cに示す垂直洗浄モジュール109は、スクラバ用ブラシボックスタイプの垂直洗浄機でありうる。例示的な垂直洗浄モジュール109は、第1の支持体525及び第2の支持体530によって支持されたタンク505を含む。垂直洗浄モジュール109は、タンク505内に位置する円筒形ローラ515、520(
図2Dで図示)にそれぞれ接続されたアクチュエータ535を含む。アクチュエータ535はそれぞれ、それぞれの円筒形ローラ515、520を軸A’及びA”周りに回転させるよう適合された、直接駆動(ダイレクトドライブ)サーボモータといった駆動モータを含みうる。各アクチュエータ535は、円筒形ローラ515、520の回転速度を制御するよう適合されたコントローラに接続されている。
【0051】
リンケージ510及びアクチュエータ545は、基板200(
図2Dに図示)の主要面に対する、タンク505内に位置する円筒形ローラ515、520の動きを可能とするよう構成されている。アクチュエータ545は、円筒形ローラ515、520の間に配置された基板に対するリンケージ510の動きを制御するためにコントローラに接続されている。動作時には、第1の支持体525及び第2の支持体530は、ベース540に対して同時に動かされうる。このような動きによって、
図2Cに示すように、第1の円筒形ローラ515と第2の円筒形ローラ520を基板200に対して接近させることができ、又は、基板200の挿入及び/又は垂直洗浄モジュール109からの基板200の取り出しを可能にするために、第1の円筒形ローラ515と第2の円筒形ローラ520とを離すことができる。
【0052】
図2Dは、処理位置にある円筒形ローラ515、520を示す
図2Cの垂直洗浄モジュール109の上面図であり、上記処理位置では、円筒形ローラ515、520は、基板200の主要面に対して閉じられ又は押し付けられている。垂直洗浄モジュール109は、1つ以上の駆動モータ544及び回転装置547も含む。駆動モータ544及び回転装置547のそれぞれはローラ549を含み、ローラ549は、各駆動モータ544及び回転装置547の出力シャフトの末端に配置されており、かつ、基板200を支持し及び/又は基板200に係合して、水平面(即ち、X-Y平面)に対して平行な軸周りの基板200の回転を容易にするよう構成されている。
【0053】
円筒形ローラ515、520のそれぞれは、上に配置された管状カバー528を含みうる。管状カバー528は、基板200を研磨するために利用されるパッド材料で作られた着脱可能なスリーブであってよく、又は基板200を洗浄するよう適合されたブラシ体であってよい。垂直洗浄モジュール109内での処理中に、円筒形ローラ515、520の管状カバー528は、アクチュエータ535によって回転させられている間基板と接触させられ、基板200は、駆動モータ544及び回転装置547の出力シャフトに結合された支持ローラ549の使用により回転させられる。基板200及び円筒形ローラ515、520が、様々なアクチュエータ及びモータによって回転させられている間に、脱イオン水及び/又は1つ以上の第2の洗浄液(例えば、酸含有水溶液又は塩基含有水溶液)といった第2の処理流体が、第2の流体源から基板200の表面に適用される。幾つかの実施形態において、基板の表面に供給される第2の処理流体は、水平前洗浄モジュール107内で基板の表面に供給される第1の処理流体とは異なる組成を有する。各垂直洗浄モジュール109A、109B内の洗浄処理の間、基板200は、処理表面201がファクトリインタフェース102の方を向くように、配置されうる。他の実施形態において、垂直洗浄モジュール109A、109Bは、洗浄プロセス中に処理表面201がファクトリインタフェース102に対して実質的に直交する向きを向く(例えば、X-Z平面に対して平行である)ように、洗浄ユニット106A、106B内で配向されている。他の実施形態において、垂直洗浄モジュール109A、109Bは、洗浄プロセス中に基板200の処理表面201が、X-Z平面に対して平行な角度と、Y-Z平面に対して平行な角度との間の角度がなす方向を向くように、洗浄ユニット106A、106B内で配向されている。
【0054】
一実施形態によれば、円筒形ローラ515、520のそれぞれのための専用のコンディショニング装置560が設けられうる。コンディショニング装置560は、1つ以上の支持部材570によって、タンク505の側壁の近傍に取り付けられている。コンディショニング装置560は、基板の移送プロセス及び/又は基板の研磨若しくは洗浄プロセスを妨げないように、タンク505の中心から離して配置されている。しかしながら、コンディショニング装置560は、第1の支持体525と第2の支持体530とが互いに離れて下方かつ外方に動かされたときには、円筒形ローラ515、520のそれぞれに接触するよう配置されている。一実施形態において、第1の支持体525及び第2の支持体530の移動によって、円筒形ローラ515、520がそれぞれのコンディショニング装置560と接触する。このポジションにおいて、円筒形ローラ515、520とコンディショニング装置560との間の相対運動の間に、各円筒形ローラ515、520上の管状カバー528の処理表面が調整されうる。
【0055】
一実施形態によれば、洗浄ユニット106A、106Bはそれぞれ、2つの垂直洗浄モジュール109A、109Bを介して、2ステップの洗浄洗浄プロセスとして、各基板200を順次処理するよう構成されうる。即ち、基板200が、研磨ステーション105に最も近い垂直洗浄モジュール109A内で洗浄処理に供された後で、第3の基板ハンドラ108が、さらなる洗浄処理のために、ファクトリインタフェース102に最も近い垂直洗浄モジュール109Bへと基板200を移送する。洗浄処理シーケンスの間、基板は、第1の垂直洗浄モジュール109A内で第1の期間の処理の後に、第2の垂直洗浄モジュール109Bへと移送され、次いで、第1の期間と典型的に実質的に同様である第2の期間の間処理される。第1の垂直洗浄モジュール109A内及び第2の垂直洗浄モジュール109B内で実行されるプロセスは、同様の流体化学物質及び機械的処理パラメータ(例えば、円筒形ローラの回転速度及び印加される力)を使用することを含みうる。幾つかの実施形態において、第1の垂直洗浄モジュール109Aは、第1の洗浄モジュール内で第1の洗浄プロセスが実行された後に基板の表面に残っている残留汚染物質(例えば、粒子、研磨粒子、化学残留物など)の大部分を除去するための粗い洗浄ステップを実行するよう適合され、第2の垂直洗浄モジュール109Bは、第1の垂直洗浄モジュール109A内で実行されたプロセスから残ったあらゆる残留汚染物質を除去するよう適合された洗浄プロセスを実行するよう構成される。
【0056】
次いで、第3の基板ハンドラ108は、統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bのうちの利用可能な一方の第1のサイドパネルに形成された第1のドア110C(
図1A及び
図2E)を介して、統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bのうちの利用可能な一方に基板200を移送する。ドア110Cは、例えばスリットバルブでありうる。
図1A~
図1Bに示すように、各洗浄ユニット106A、106Bは、垂直方向に、即ちZ方向に配置された2つの統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bを含みうる。統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bのそれぞれは、基板200に対して洗浄及び乾燥処理を実行する。一例において、統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bは、基板200にリンス処理を施して乾燥させることができる。例えば、統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bは、統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bは、リンス処理及び乾燥処理の間に、洗浄するために脱イオン水を用いて基板200にリンス処理を施す間化学物質を適用することができ、及び/又は、液体の表面張力を調整し、それにより基板200への液体の付着を低減することができる。。他の例において、統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bの少なくとも一方は、基板200のリンス処理及び乾燥処理のみを実行するよう構成される。例えば、統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bは、脱イオン水を用いて基板200にリンス処理を施しながら、マランゴニタイプのプロセスを使用して基板を乾燥させるために表面張力調整流体(例えば、IPA蒸気)も適用することができる。
【0057】
統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bの水平方向の配置によって、洗浄システム106全体の縮小された設置面積を維持しつつ、洗浄及び乾燥処理のための基板200のスループットの増大をもたらすことができる。CMPシステム100内での統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bのこのような配置は、垂直洗浄モジュール109Bと、統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bとの間の移送時間を短縮してスループットを改善し、かつ重要なことに、湿潤基板の乾燥能力を下げ、洗浄ステップ間の基板の空気暴露時間を短縮するのに役立つ。
【0058】
幾つかの構成では、各洗浄ユニット106A、106Bは、単一の統合洗浄及び乾燥モジュール110のみを含みうる。例えば、1つの統合洗浄及び乾燥モジュール110が整備を必要としうる。このような例では、整備を要する統合洗浄及び乾燥モジュール110を、洗浄ユニット106A又は106Bから下ろし及び/又は取り外すことができ、かつ、研磨ステーション105内での基板200に対するCMP処理、及び洗浄ユニット106A又は106B(場合により)内での基板200への後続の洗浄が継続できるように、残りの統合洗浄及び乾燥モジュール110を、洗浄ユニット106A又は106B内に残すことが可能である。
【0059】
図5で分かるように、例えば、洗浄ユニット106B内で1つの統合洗浄及び乾燥モジュール110Aのみが使用される場合には、ファクトリインタフェース102に面する洗浄ユニット106Bの壁に、ドアブランク(door blank)110Eが配置されうる。ドアブランク110Eは、一方の統合洗浄及び乾燥モジュール110Aのみが使用され他方の統合洗浄及び乾燥モジュール110Bが洗浄ユニット106B内に設置されていない場合にも、洗浄ユニット106Bの内部とファクトリインタフェース102との間の隔離を維持することができる。洗浄ユニット106Aが同じやり方で構成されうることが分かるであろう。即ち、洗浄システム106は、2つ、3つ、又は4つの統合洗浄及び乾燥モジュール110とともに稼働しうる。しかしながら、ほとんどの用途については、洗浄システム106は、2つ又は4つの統合洗浄及び乾燥モジュール110とともに稼働することが想定されている。即ち、両洗浄ユニット106A、106Bは、同じ数(1つ又は2つ)の統合洗浄及び乾燥モジュール110とともに稼働しうる。幾つかの実施形態において、洗浄ユニット106A、106Bのそれぞれは、垂直方向に積み重ねられた2つの統合洗浄及び乾燥モジュール110を含む。
【0060】
図2Eは、統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bを表す例示的な統合洗浄及び乾燥モジュール110であって、上述したように、洗浄ユニット106A、106B内で利用しうる統合洗浄及び乾燥モジュール110の概略的な断面図である。統合洗浄及び乾燥モジュール110は、基板200が水平前洗浄モジュール107及び垂直洗浄モジュール109A、109B、最終洗浄モジュール115のうちの1つ以上において洗浄された後で、かつ基板200がファクトリインタフェース102内の第1の基板ハンドラ103によって受け取られる前に、洗浄すべき基板200を受け取ることができる。統合洗浄及び乾燥モジュール110は、基板200からの汚染であって、除去されない場合には、対応する基板200が後続の処理ステップのための清浄度要件を満たさず、廃棄されることに繋がりうる汚染を基板200の除去するために利用されうる。一例において、統合洗浄及び乾燥モジュール110は、基板200の表面に水滴の跡が形成されるのを防止する洗浄及び乾燥プロセスを実行するよう構成される。大まかに、各統合洗浄及び乾燥モジュール110内で実行されるプロセスは、CMPシステム100内で基板に対して実行される洗浄シーケンスにおいて実行される最後の洗浄プロセスである。各統合洗浄及び乾燥モジュール110内で実行されるプロセスは、1つ以上の洗浄ステップを含むことができ、当該1つ以上の洗浄ステップでは、洗浄流体又はリンス流体(例えば、脱イオン水)が基板の上面及び/又は下面に供給され、次いで、乾燥プロセスが基板に対して実行される。乾燥プロセスは、回転可能なアームを使用した、脱イオン水の流れと、不活性ガス混合物を含むIPA蒸気の流れとの別個の連続的な供給を含むことができ、この供給は、基板200の処理側の表面(即ち、
図2Eにおける上面)及び/又は裏面表面にわたって走査される。
【0061】
統合洗浄及び乾燥モジュール110は、基板把持装置603、第1のスイープアーム639、第2のスイープアーム630、第1のノズル機構640、第2のノズル機構641、プレナム680、排気口660、排水口684、及びガス源670を含む。統合洗浄及び乾燥モジュール110は検知装置694をさらに含むことができ、例えば、洗浄プロセスの状態を検出するためのカメラ、又は内部空間695内の基板の位置を検知するための回帰反射型位置検知装置を含みうる。
【0062】
基板把持装置603は、基板200を水平方向の向きで支持し、保持し及び/又は維持するよう構成されている。例えば、基板把持装置603は、垂直方向に配向された回転軸616に対して直交する水平方向の向きで、基板200を支持するよう構成されている。基板把持装置603は、キャッチカップ610及びグリッパアセンブリ620を含む。キャッチカップ610は、第1のキャッチカップ611及び第2のキャッチカップ612を含みうる。第1のキャッチカップ611は、第2のキャッチカップ612に結合されうる。例えば、第1のキャッチカップ611は、1つ以上のボルトを介して第2のキャッチカップ612に結合されうる。第1のキャッチカップ611及び第2のキャッチカップ612のうちの1つ以上は、ねじ付きボルトを収容するよう構成された1つ以上のねじ付き部分を含みうる。
【0063】
キャッチカップ610は、キャッチカップ610の端部に沿ってアレイ状に配置された排水孔662を含むことができ、これにより、基板200、グリッパアセンブリ620、及びキャッチカップ610が駆動モータ622によって回転させられている間に、水分が排水口684に流れ込む。さらに、キャッチカップ610と統合洗浄及び乾燥モジュール110のハウジングとの間にラビリンス664が形成されうる。ラビリンス664は、ラビリンス664を通って内部空間695に水分が逆流するのを少なくとも部分的に制限するよう構成されうる。
【0064】
キャッチカップ610は、環状内面614を有する壁613を含む。環状内面614は、基板把持装置603内の処理空間697を画定する。環状内面614は、中心軸、例えば、基板把持装置603の回転軸616を中心として対称的な、角度が付いた部分を有する。例えば、基板200は、処理空間697内で洗浄されうる。
【0065】
グリッパアセンブリ620は、脱イオン水及び/又は第3の洗浄液が洗浄のために基板200に適用される間、基板200を保持する。グリッパアセンブリ620はまた、プレート619に結合された把持ピン617を含みうる。1つ以上の実施形態において、各把持ピン617は、要素680であって、プレート619がアクチュエータ629の使用によりキャッチカップ610に対して位置決めされるときに、第1のキャッチカップ611のハウジングに接触するよう構成された要素680に結合されうる。要素680と第1のキャッチカップ611の表面との間の接触によって、把持ピン617に並進運動が伝えられる。例えば、第1のキャッチカップ611の環状内面614に接触する要素680に対応して、プレート619及びグリッパアセンブリ620がアクチュエータ629によって+Z方向に動かされたときには、要素680は、第1のキャッチカップ611の環状内面614に接触し、かつ回転する。これに応じて、要素680に結合された把持ピン617に回転及び/又は並進運動が伝えられる。一実施形態において、要素680は、+Z方向におけるグリッパアセンブリ620の移動が止められるまで、回転し続ける。一実施形態において、要素680及び把持ピン617は、+Z方向におけるプレート619の移動が止まった後で、開放位置に配置される。
【0066】
板バネ又は他の適切なバネ設計(図示せず)といったバネ要素が、
図2Bに示すような処理位置に基板200が配置されているときなど、要素680がもはや第1のキャッチカップ611の環状内面614に接触していないことに応じて、把持ピン617を把持位置に移動しながら、要素680を開始位置にさらに戻すことができる。要素680がもはや第1のキャッチカップ611のハウジングに接触していないときには、バネ要素からの付勢力は、要素680が開始位置に戻り把持ピン617が把持位置に戻るように、要素680に対して負荷を掛けることができる。
【0067】
1つ以上の流体が、第1のノズル機構640及び第2のノズル機構641によって、基板200の処理表面201に適用されうる。例えば、第1の流体供給部643は、流体を基板200の処理表面(即ち、
図2Eでは上面)に供給するために配置された第2のノズル機構641に、脱イオン水、不活性ガス及び/又はIPA蒸気を供給することができる。第1のノズル機構640はまた、脱イオン(DI)水及び/又は洗浄化学物質を基板200の処理側に適用することもできる。
【0068】
第1のノズル機構640は、例えば、メガソニックノズル又はジェットノズルを利用する洗浄プロセスといった非接触洗浄プロセスを実行するよう構成された構成要素とすることができ、当該構成要素を含みうる。一例において、第1のノズル機構640は、正弦波又は他のパターンに従って洗浄流体内に波の形態によるメガソニックエネルギーを交互に印加して、メガソニック作動流体を生成するよう構成されたメガソニックアクチュエータといった1つ以上の要素を含む。洗浄流体は、脱イオン水及び/又は洗浄溶剤(即ち、酸性又は塩基性の溶剤)を供給するよう適合された第1の流体源643から供給されうる。例えば、第1のノズル機構640は、約430kHz~5MHz、例えば950kHzのレートで、正弦波パターンによるメガソニックエネルギーを交互に印加して、基板200の表面に供給されるメガソニック作動脱イオン水を生成するよう構成されうる。第1のノズル機構640は、複数の周波数でメガソニックエネルギーを伝達するよう構成され、例えば少なくとも2つの異なる周波数で伝達するよう構成されうる。
【0069】
グリッパアセンブリ620及びキャッチカップ610が回転させられている間、流体が、流体源623に接続されたシャフト624に形成された開口625を介して、基板200の裏面に適用されうる。シャフト624は、脱イオン水、洗浄流体及び/又はガスを基板200の裏面に供給するよう構成された1つ以上の管(図示せず)を含みうる。
【0070】
駆動モータ622は、シャフト624を介してグリッパアセンブリ620に接続されうる。駆動モータ622は、グリッパアセンブリ620及びキャッチカップ610を回転軸616周りに回転させる。さらに、駆動モータは、液圧モータ、空気圧モータ、電気機械モータ、磁気モータのいずれかでありうる。グリッパアセンブリ620と、基板200と、キャッチカップ610とは、一緒に(例えば同時に)回転させられるよう構成されており、これにより、基板200とキャッチカップ610との間の相対速度が実質的に同じになり、基板の表側又は裏側への流体の供給に因り、回転している基板の表面から飛んだ液滴が、キャッチカップ610の内面から跳ね返って基板の表面に落ちる可能性を下がる。
【0071】
リッド602は、壁(例えば、筐体壁)683に形成された開口を覆い、かつ、基板200を統合洗浄及び乾燥モジュール110に挿入し統合洗浄及び乾燥モジュール110から取り出すための、統合洗浄及び乾燥モジュール110の内部空間695へのアクセスを提供することができる。リッド602が閉位置にあるときには、統合洗浄及び乾燥モジュール110の内部空間695は、隔離された環境と呼ぶことができる。例えば、リッド602が閉じられているときには、統合洗浄及び乾燥モジュール110の内部空間695は外部環境から隔離されており、これにより、基板200の洗浄中に生成され及び/又は使用されるヒューム(例えば、IPA蒸気)及び液体が、洗浄プロセス中に統合洗浄及び乾燥モジュール110から逃げない。洗浄プロセス中に使用され及び/又は生成されるあらゆるヒューム及び洗浄流体は、統合洗浄及び乾燥モジュール110から、制御された形で排気口660及び/又は排水口684を介して除去される。空気が、ガス源670によってプレナム680に供給され、統合洗浄及び乾燥モジュール110から排気口660によって排出されうる。さらに、プレナム680及び排気口660は、粒子が基板200の表面に再付着するのを防止するために、統合洗浄及び乾燥モジュール110内の空気の流れを制御するよう構成されうる。統合洗浄及び乾燥モジュール110に供給される気流は、処理中に統合洗浄及び乾燥モジュール110の処理領域内で形成される蒸気(例えば、IPA蒸気)及び/又は浮遊粒子等の除去を確実にするために、所望の圧力及び流量で供給されうる。窒素ガスが統合洗浄及び乾燥モジュール110内に供給される幾つかの実施形態では、システム及びメンテナンスコストを削減しシステムの複雑性を低減するために、システムからHEPAフィルタの使用を無くすことが望ましくありうる。幾つかの実施形態において、ガス源670は、(例えば、大気圧よりも高い)所望の圧力が統合洗浄及び乾燥モジュール110Aの処理領域内で維持されるように、濾過された空気又は他のガスを供給するよう構成される。
【0072】
排水口684は、統合洗浄及び乾燥モジュール110から余分な水分を除去するために利用されうる。一実施形態において、排水口684は、洗浄プロセス中に、統合洗浄及び乾燥モジュール110から余分な洗浄流体を除去する。
【0073】
統合洗浄及び乾燥モジュール110の内部空間695は、キャッチカップ610と壁(例えば、筐体壁)683との間に存在すると定義することができる。基板(例えば、基板200)は、統合洗浄及び乾燥モジュール110にロードされるときには内部空間695に挿入され、統合洗浄及び乾燥モジュール110から取り出されるときには内部空間695から取り出されうる。
【0074】
検知装置694は、統合洗浄及び乾燥モジュール110内の基板200を検出することができる。例えば、検知装置694は、内部空間695内にある基板200を検出することができる。さらに、検知装置694は、基板200がグリッパアセンブリ620によって保持されている間、基板200を検出することができる。検知装置694は、基板200が適切又は不適切にグリッパアセンブリ620内にロードされているときに検出することができる。さらに、検知装置694は、基板200がグリッパアセンブリ620から落ち又は出ているときに検出することができる。検知装置694は、さらに、基板200がいつ統合洗浄及び乾燥モジュール110に挿入されて統合洗浄及び乾燥モジュール110から取り出されたのかを決定することができる。
【0075】
第1のスイープアーム639は、スイープアームシャフト637及びスイープアーム駆動モータ638に接続されている。スイープアームシャフト637とスイープアーム駆動モータ638とが、第1のスイープアーム駆動アセンブリ633を形成する。スイープアーム駆動モータ638は、スイープアームシャフト637に接続することができ、かつ、第1のスイープアーム639の遠位端にある第1のノズル機構640を、基板200の表面に対して平行な円弧状経路で動かすよう構成されうる。第1のスイープアーム639は、第1のノズル機構640に流体を供給するための1つ以上の管を含みうる。第1のスイープアーム駆動アセンブリ633は、第1のノズル機構640によって出される洗浄流体が基板200の表面上に均等に分配されるように、洗浄プロセス中に第1のノズル機構640を基板200の表面の上で移動させるよう構成されている。第1のスイープアーム駆動アセンブリ633はまた、統合洗浄及び乾燥モジュール110のリッドと基板200の表面との間の距離を設定するために、第1のスイープアーム639を垂直方向に動かすよう構成されうる。
【0076】
第2のスイープアーム630は、スイープアームシャフト632及びスイープアーム駆動モータ634に接続されている。スイープアームシャフト632とスイープアーム駆動モータ634とが、第2のスイープアーム駆動アセンブリ636を形成する。スイープアーム駆動モータ634は、第2のスイープアームシャフト636に接続することができ、かつ、第2のスイープアーム630の遠位端にある第2のノズル機構641を、基板200の表面に対して平行な円弧状経路で動かすよう構成されうる。第2のスイープアーム630は、第2のノズル機構641に流体を供給するための1つ以上の管を含みうる。第2のスイープアーム駆動アセンブリ636は、第2のノズル機構641によって出される洗浄流体が基板200の表面上に均等に分配されるように、洗浄プロセス中に基板200の表面の上で第2のノズル機構641を移動させるよう構成されている。第2のスイープアーム駆動アセンブリ636はまた、統合洗浄及び乾燥モジュール110のリッドと基板200の表面との間の距離を設定するために、第2のスイープアーム630を垂直方向に動かすよう構成されうる。
【0077】
幾つかの実施形態において、第1のノズル機構640によって基板200の表面に脱イオン水が供給される間に、第2のノズル機構641は、基板200の表面を乾燥させる「マランゴニ」効果を生じさせるために、基板200の表面にIPA蒸気を供給するよう適合されている。IPA蒸気は、IPA蒸気発生源644及びキャリアガス供給源645を含みうるIPA蒸気供給アセンブリから供給される。IPA蒸気発生源644は、液体IPAを受け取って蒸気に変換するよう構成されたIPA液体気化装置(図示せず)を含むことができ、上記の蒸気は、次いで、キャリアガス供給源645から供給されたキャリアガス(例えば、N2)と混合され、次いで、マランゴニ乾燥プロセス中に基板の表面に供給される。水平方向に配向されるマランゴニ乾燥プロセスの間、スイープアーム639は、第1のノズル機構640を円弧状経路で基板の中央領域から端部領域へと移動させ、基板の中央から端部に向かって外方に移動する脱イオン水の移動境界を形成する。この場合、基板表面に脱イオン水を供給している第1のノズル機構640は、スイープアーム630が第2のノズル機構641を円弧状経路で中央領域から端部領域へと移動させる間、IPA蒸気キャリアガス混合物を基板表面に供給している第2のノズル機構641を先導することになる。
【0078】
スイープアーム630、639、及びそれぞれのノズル機構640、641のポジションは、処理中にノズル機構640、641がそれぞれ回転中の基板200の中心を通過するのを確実にするために、調整することができる。さらに、スイープアーム630、639のポジションと、それぞれのノズル機構640、641のポジションの少なくとも一方は、ノズル機構640、641がそれぞれ基板200の中心以外の基板部分を通過するように、調整することができる。基板200の表面に対するノズル機構640、641のポジションを変えるために、例えば、ノズル機構640若しくは641が、スイープアーム630又は639に対して動かされ、及び/又は、スイープアーム630若しくは639が、スイープアームシャフト632に対して動かされうる。さらに、洗浄プロセスにおいて支援するために、ノズル機構640、641と基板200の表面との間の軸方向の距離が変えられうる。
【0079】
幾つかの実施形態によれば、
図5に示されるように、共有ガス供給モジュール113がロボットトンネル104T(
図1)内に設けられうる。例えば、共有ガス供給モジュール113は、洗浄装置パススルー102Bの上方に設けることができる。共有ガス供給モジュール113は、ロボットトンネル104T内のアクセスパネル(図示せず)を介して、点検され及び/又は再供給されうる。共有ガス供給モジュール113は、洗浄ユニット106A内の統合洗浄及び乾燥モジュール110の1つ及び洗浄ユニット106B内の統合洗浄及び乾燥モジュール110の1つに、ガス(例えばIPA蒸気)を供給するよう構成される。一例において、共有ガス供給モジュール113は、洗浄ユニット106A内の下方の統合洗浄及び乾燥モジュール110A及び洗浄ユニット106B内の下方の統合洗浄及び乾燥モジュール110Aに、ガス(例えば、IPA蒸気)を供給するよう構成される。
【0080】
洗浄システム106はまた、流体及び配管部111も含みうる。例えば、
図1B及び
図5に示すように、流体及び配管部111は、ロボットトンネル104Tより下方の洗浄ユニット106A、106Bの底部に存在しうる。各洗浄ユニット106A、106Bのための流体及び配管部111は、各洗浄ユニット106A、106B内の各個別モジュール107、109、110が必要とする処理液を供給するための液体供給モジュール111A、111B、111C(及び図示されない導管、バルブなど)を含みうる。例えば、水平前洗浄液供給モジュール111Aは、水平前洗浄モジュール107に処理液を供給することができる。同様に、2つの異なる垂直ブラシボックス液体供給モジュール111Bはそれぞれ、垂直洗浄モジュール109A、109Bのそれぞれ1つに処理液を供給することができ、2つの異なる統合洗浄及び乾燥液体供給モジュール111Cはそれぞれ、統合洗浄及び乾燥モジュール110のそれぞれ1つに処理液を供給することができる。
【0081】
幾つかの実施形態において、各液体供給モジュール111A~111Cは、モジュール107、109、110のうちの特定の1つに処理液を供給するための専用の液体供給モジュールでありうる。従って、洗浄ユニット106A、106Bの一方が、(上述したように)1つの統合洗浄及び乾燥モジュール110のみを備えて構成されている場合には、1つの統合洗浄及び乾燥液供給モジュール111Cが、その1つの統合洗浄及び乾燥モジュール110に処理液を供給するための対応する流体配管部111内に設けられうる。
【0082】
各洗浄ユニット106A、106Bのための流体及び配管部111は、例えば統合洗浄及び乾燥モジュール110にガスを供給し又はそこからガスを排出するためのモジュールも含みうる。一実施形態によれば、各洗浄ユニット106A、106Bの流体及び配管システム111は、統合洗浄及び乾燥モジュール110の1つに処理ガスを供給するための統合洗浄及び乾燥直接ガス供給モジュール111Dを含む。例えば、各洗浄ユニット106A、106Bの統合洗浄及び乾燥直接ガス供給モジュール111Dは、それぞれの上方の統合洗浄及び乾燥モジュール110Bに処理ガスを供給する。幾つかの実施形態において、共有ガス供給モジュール113が、必要な処理ガスを1つの統合洗浄及び乾燥モジュール110に供給するため、統合洗浄及び乾燥直接ガス供給モジュールが、対応する流体配管部111から省かれうる。
【0083】
一実施形態によれば、各洗浄ユニット106A、106Bの流体及び配管部111は、統合洗浄及び乾燥モジュール110のそれぞれにN2などの不活性ガスを供給するための、2つの統合洗浄及び乾燥不活性ガス供給モジュール111Fを含む。例えば、統合洗浄及び乾燥不活性ガス供給モジュール111Fは、N2パレットでありうる。各統合洗浄及び乾燥不活性ガス供給モジュール111Fは、1つの特定の統合洗浄及び乾燥モジュール110に不活性ガスを供給するための専用ガス供給モジュールでありうる。従って、洗浄ユニット106A、106Bの一方が(上述のように)1つの統合洗浄及び乾燥モジュール110のみ備えて構成されている場合には、1つの統合洗浄及び乾燥不活性ガス供給モジュール111Fが、その1つの統合洗浄及び乾燥モジュール110に不活性ガスを供給するための対応する流体配管部111内に設けられうる。
【0084】
CMPシステム100の環境は、例えば、温度、湿度、気流、照明などに関して厳密に制御される。このような厳密に制御された環境条件に従って、洗浄システム106は、給気及び排気部112も含みうる。例えば、
図1B及び
図5に示すように、給気及び排気部は、かつロボットトンネル104Tの上方の、洗浄ユニット106A、106Bの上部に存在しうる。各洗浄ユニット106A、106Bのための給気及び排気部112は、空気濾過システム112Aを含みうる。各洗浄ユニット106A、106Bの空気濾過システム112Aは、例えば、特定の用途によって要求される条件に従って、それぞれの洗浄ユニット106A、106Bを通る空気を供給する。例えば、各空気濾過システム112Aは、CMPシステム100の或る領域に濾過された空気を供給するよう構成された高効率微粒子空気(HEPA:high efficiency particulate air)フィルタといったフィルタを含みうる。各空気濾過システム112Aは、それぞれの洗浄ユニット106A、106Bに送られる空気の温度を制御するよう構成されうる。各空気濾過システム112Aはまた、それぞれの洗浄ユニット106A、106Bに送られる空気の湿度を制御するよう構成されうる。各空気濾過システム112Aは、例えばダクトを通じて、それぞれの洗浄ユニット106A、106Bに空気を供給することができる。各洗浄ユニット106A、106Bは、自身のベースに開口(図示せず)を含むことができ、これにより、空気濾過システム112Aによって供給される空気は、洗浄ユニット106A、106Bのベースを流過して、洗浄ユニット106A、106Bから出る。このような構成は、環境的に制御された空気のポジティブフロー(positive flow)が、洗浄ユニット106A、106Bを通って上から下へと維持されるのを保証することができ、このことによって、例えば、洗浄ユニット106A、106B内で基板200をハンドリングする間に基板200及び処理表面201を汚染しうる浮遊粒子が最小に抑えられうる。幾つかの実施形態において、ガス源670が空気濾過システム112Aの一部を形成する。一実施形態において、空気濾過システム112Aは、各洗浄ユニット106A、106B内に配置された統合洗浄及び乾燥モジュール110のそれぞれに、別個の制御された気流を供給するよう構成される。別個に制御された気流は、空気濾過システム112A内の別個のファンユニットを使用して供給することが可能であり、上記別個のファンユニットは、流体ダクト(図示せず)によって、各統合洗浄及び乾燥モジュール110内の各プレナム680に接続されている。空気濾過システム112Aの幾つかの実施形態において、HEPAフィルタが、各洗浄ユニット106A、106B内の様々な洗浄モジュール(例えば、第1の洗浄モジュール107、第2の洗浄モジュール109、第3の洗浄モジュール110等)の上に配置されたファンフィルタユニットの出口に配置されており、これにより、ファンは、処理中に層流状の気流を洗浄ユニット106A、106Bの開放領域に通らせることができる。代替的に、幾つかの実施形態において、HEPAフィルタは、各洗浄ユニット106A、106B内の1つ以上の洗浄モジュール(例えば、第3の洗浄モジュール110)内に配置されており、これにより、流体ダクトを介して洗浄モジュールに接続された空気濾過システム112A内のファンユニットが、処理中に層流状の気流を洗浄モジュールの内部領域に通らせることができる。
【0085】
各洗浄ユニット106A、106Bの給気及び排気部112はまた、排気部112Bも含みうる。排気部112Bは、水平前洗浄モジュール107、垂直洗浄モジュール109A、109B、統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110B、統合洗浄及び乾燥直接ガス供給モジュール111D、及び共有ガス供給モジュール113からの排気をベントするための様々な排気導管を含む。
【0086】
実施形態によれば、排気部112Bは、各洗浄ユニット106A、106Bの水平前洗浄モジュール107及び垂直洗浄モジュール109A、109Bのそれぞれから排気するための複数の別個の排気導管を含みうる。排気部112Bはまた、洗浄ユニット106A、106Bそれぞれの主チャンバ領域からの排気(即ち、空気濾過システム112Aからの戻り空気)をベントするための2つの別個の排気導管も含みうる。排気部112Bは、統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110B及び共有ガス供給モジュール113からの排気をベントするための、1つの別個の共有排気導管をさらに含みうる。幾つかの実施形態において、排気部112Bは、洗浄ユニット106A、106B内の統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bの少なくとも一方に流体を供給するよう適合された共有ガス供給モジュール113と、洗浄ユニット106A、106B内の統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bの少なくとも一方に流体を供給するようそれぞれ適合された補助ガス供給モジュール513のそれぞれと、をベントための別個の共有排気導管をさらに含みうる。排気部112Bは、流体及び配管部111からの排気をベントするための1つの別個の排気導管をさらに含みうる。排気部112Bは、水平前洗浄液体供給モジュール111A、垂直ブラシボックス液体供給モジュール111B、及び統合洗浄及び乾燥液体供給モジュール111Cから排気をベントするための、1つの別個の共有排気導管をさらに含みうる。幾つかの実施形態において、共有ガス供給モジュール113は、各洗浄ユニット106A、106B内の洗浄及び乾燥モジュール110A(例えば、第4の洗浄チャンバ)に、不活性ガス(例えば、窒素(N2)、アルゴン(Ar))及び/又は処理ガス(例えば、IPA)といったガスを供給するために使用される。さらに、本システムの幾つかの実施形態において、直接供給ガスボックスが、個別モジュールにガスを供給するために使用され、例えば、各洗浄ユニット106A、106B内の洗浄及び乾燥モジュール110B(例えば、第5の洗浄チャンバ)のそれぞれは、別個のガス供給ボックスからガスを受け取る。
【0087】
各洗浄ユニット106A、106B内の統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bは、溶剤排気、酸性排気、及びキャビネット排気を別々にベントするための別個の導管を必要としうる。即ち、一実施形態によれば、排気部112Bは、洗浄ユニット106Aの2つの統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bから溶剤排気をベントするための1つの別個の排気導管と、洗浄ユニット106Aの2つの統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bから酸性排気をベントするための1つの別個の排気導管と、洗浄ユニット106Aの2つの統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bのキャビネットからの排気をベントするための、1つの別個の排気導管と、をさらに含みうる。同じように、排気部112Bは、洗浄ユニット106Bの統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bから溶媒排気をベントするための1つの別個の排気導管と、洗浄ユニット106Bの統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bから酸性排気をベントするための1つの別個の排気導管と、洗浄ユニット106Bの統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bのキャビネットから排気をベントするための1つの別個の排気導管と、をさらに含みうる。幾つかの実施形態において、排気部112Bの排気導管のうちの1つ以上は、各統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110B内で実行される処理シーケンスの間の異なる時間に、統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bの処理容積(processing volume)を、2つ以上の排気経路のうちの1つに逃がすよう構成されている。一例において、第1の時間に、排気部112Bに組み込まれたバルブが、可燃性又は有毒なガス又は蒸気を、第1のタイプの排気経路に流すよう構成され(例えば、スクラバに処理された排気(scrubbed exhaust))、第2の時間に、上記バルブは、他のタイプのガス又は蒸気を、第2のタイプの排気経路に流すよう構成される(例えば、スクラバに処理されていない排気(non-scrubbed exhaust))。
【0088】
上述のように、各洗浄ユニット106A、106B内の統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bは、溶剤排気と酸性排気を別々にベントするための別個の導管を必要としうる。従って、各統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bは、溶剤排気又は酸性排気を選択的かつ別々にベントするよう動作する三方弁を含みうる。
【0089】
統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bのキャビネット内への空気の逆流を防止するために、各統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bは、対応するキャビネットからの排気をベントするための適切な導管に通じるPトラップ(図示せず)を含みうる。各Pトラップは、ドレインポートを含むことができる。
【0090】
排気部112Bの様々な導管は、ベントされている最中のそれぞれのモジュールの配置及び製造設備によって要求されるように、洗浄システム106の上側に配置されうる。一実施形態によれば、水平前洗浄モジュール107と、垂直洗浄モジュール109A、109Bと、洗浄ユニット106A、106Bの主チャンバ領域とから排気をベントするための様々な導管が、排気部112Bの、研磨ステーション105に最も近い側に配置されうる。さらに、統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bと、統合洗浄及び乾燥直接ガス供給モジュール111Dと、共有ガス供給モジュール113と、流体及び配管部111とから排気をベントするための様々な導管が、排気部112Bの、ファクトリインタフェース102に最も近い側に配置されうる。
【0091】
図2Fは、1つ以上の実施形態に係る、CMP処理システム内で利用可能な第4の洗浄モジュール115の側面断面図である。第4の洗浄モジュール115は、本明細書では最終洗浄モジュールとも呼ばれ、処理された基板から粒子を除去するための改良された洗浄システム及び方法を含む。様々な実施態様において、第4の洗浄モジュール115内で実行される基板洗浄プロセスは、バフ研磨及び/又はブラシ洗浄(brush scrubbing)、研磨又は洗浄プロセス(例えば、第1の洗浄モジュール及び第2の洗浄モジュールタイプのプロセス)の後に実行され、粒子の再付着は、バフ研磨プロセス及び/又はブラシ洗浄プロセスのいずれかの後に起こりうる。従って、処理されたウエハの歩留まりに悪影響が出ることになる。第4の洗浄モジュール115についての以下の記載では、乾燥させられる前に基板上の残留粒子を除去するよう構成された非接触洗浄方法が説明される。
【0092】
第4の洗浄モジュール115は、基板把持装置703、第1のスイープアーム739、第1のノズル機構740、第2のノズル機構741、プレナム780、排気口760、排水口784、及びガス源770を含む。第4の洗浄モジュール115は、検知装置794をさらに含みうる。
【0093】
基板把持装置703は、基板200を垂直方向の向きで支持し、保持し及び/又は維持するよう構成されている。例えば、基板把持装置703は、水平方向に配向された回転軸716に対して直交する垂直方向の向きで基板200を支持するよう構成される。基板把持装置703は、キャッチカップ710及びグリッパアセンブリ720を含む。キャッチカップ710は、第1のキャッチカップ711及び第2のキャッチカップ712を含みうる。第1のキャッチカップ711は、第2のキャッチカップ712に結合されうる。
【0094】
キャッチカップ710は、キャッチカップ710の端部に沿ってアレイ状に配置された排水孔762を含むことができ、これにより、基板200、グリッパアセンブリ720、及びキャッチカップ710が駆動モータ722によって回転させられている間に、水分が排水口784に流れ込む。さらに、キャッチカップ710と第4の洗浄モジュール115のハウジングとの間にラビリンス764が形成されうる。ラビリンス764は、水分がラビリンス764を通って内部空間795に逆流するのを少なくとも部分的に制限するよう構成されうる。
【0095】
キャッチカップ710は、環状内面714を有する壁713を含む。環状内面714は、基板把持装置703内の処理空間797を画定する。環状内面714は、中心軸、例えば、基板把持装置703の回転軸716を中心として対称的な、角度が付いた部分を有する。例えば、基板200は、処理空間797内で洗浄されうる。
【0096】
グリッパアセンブリ720は、脱イオン水及び/又は第3の洗浄流体が洗浄のために基板200に適用される間、基板200を保持する。グリッパアセンブリ720はまた、プレート719に結合された把持ピン717を含みうる。1つ以上の実施形態において、各把持ピン717は、要素780であって、プレート719がアクチュエータ729の使用によりキャッチカップ710に対して位置決めされるときに、第1のキャッチカップ711のハウジングに接触するよう構成された要素780に結合されうる。要素780と第1のキャッチカップ711の表面との間の接触によって、把持ピン717に並進運動が伝えられる。例えば、第1のキャッチカップ711の環状内面714に接触する要素780に対応して、プレート719及びグリッパアセンブリ720がアクチュエータ729によって+Y方向に動かされたときには、要素780は、第1のキャッチカップ711の環状内面714に接触し、かつ回転する。これに応じて、要素780に結合された把持ピン717に回転及び/又は並進運動が伝えられる。一実施形態において、要素780は、+Y方向におけるグリッパアセンブリ720の移動が止められるまで、回転し続ける。一実施形態において、要素780及び把持ピン717は、+Y方向におけるプレート719の移動が止まった後に、開放位置に配置される。
【0097】
板バネ又は他の適切なバネ設計(図示せず)といったバネ要素は、
図2Fに示すように基板200が処理位置に配置されているときなど、要素780がもはや第1のキャッチカップ711の環状内面714に接触しないことに応じて、把持ピン717を把持位置に移動しながら、要素780を開始位置にさらに戻すことができる。要素780がもはや第1のキャッチカップ711のハウジングに接触していないときには、バネ要素からの付勢力は、要素780が開始位置に戻り把持ピン717が把持位置に戻るように、要素780に対して負荷を掛けることができる。
【0098】
1つ以上の流体が、第1のノズル機構740及び第2のノズル機構741によって、基板200の処理側201に適用されうる。例えば、第1の流体供給部743は、基板200の処理側に流体を供給するために配置された第2のノズル機構741に、脱イオン水を供給することができる。第1のノズル機構740も、基板200の処理側に脱イオン(DI)水及び/又は洗浄化学物質を適用することができる。
【0099】
第1のノズル機構740は、例えば、メガソニックノズル又はジェットノズルを利用する洗浄プロセスといった非接触洗浄プロセスを実行するよう構成された構成要素とすることができ、例えば当該構成要素を含みうる。一例において、第1のノズル機構740は、正弦波又は他のパターンに従って洗浄流体内に波の形態によるメガソニックエネルギーを交互に印加して、メガソニック作動流体を生成するよう構成されたメガソニックアクチュエータといった1つ以上の要素を含む。洗浄液は、脱イオン水及び/又は洗浄液(即ち、酸溶液又は塩基溶液)を供給するよう適合された第1の流体源743から供給されうる。例えば、第1のノズル機構740は、約430kHz~5MHz、例えば950kHzのレートで、正弦波パターンによるメガソニックエネルギーを交互に印加して、基板200の表面に供給されるメガソニック作動脱イオン水を生成するよう構成されうる。第1のノズル機構740は、複数の周波数でメガソニックエネルギーを伝達するよう構成され、例えば少なくとも2つの異なる周波数で伝達するよう構成されうる。
【0100】
グリッパアセンブリ720及びキャッチカップ710が回転させられている間、流体が、流体源723に接続されたシャフト724に形成された開口725を介して、基板200の裏面に適用されうる。シャフト724は、脱イオン水、洗浄流体及び/又はガスを基板200の裏面に供給するよう構成された1つ以上の管(図示せず)を含みうる。
【0101】
駆動モータ722は、シャフト724を介してグリッパアセンブリ720に接続されうる。駆動モータ722は、グリッパアセンブリ720及びキャッチカップ710を回転軸716周りに回転させる。さらに、駆動モータは、液圧モータ、空気圧モータ、電気機械モータ、磁気モータのいずれかでありうる。グリッパアセンブリ720と、基板200と、キャッチカップ710とは、一緒に(例えば同時に)回転させられるよう構成されており、これにより、基板200とキャッチカップ710との間の相対速度が実質的に同じになり、基板の表側又は裏側への流体の供給に因り、回転している基板の表面から飛んだ液滴が、キャッチカップ710の内面から跳ね返って基板の表面に落ちる可能性を下がる。
【0102】
リッド702は、壁(例えば、筐体壁)783に形成された開口を覆い、かつ、垂直方向に配向された基板200を第4の洗浄モジュール115に挿入し第4の洗浄モジュール115から取り出すための、第4の洗浄モジュール115の内部空間795へのアクセスを提供することができる。リッド702が閉位置にあるときには、第4の洗浄モジュール115の内部空間795は、隔離された環境と呼ぶことができる。例えば、リッド702が閉じられたときには、第4の洗浄モジュール115の内部空間795は外部環境から隔離されており、これにより、基板200の洗浄中に生成され及び/又は使用されるヒューム(例えば、酸性又は塩基性の蒸気)及び液体が、洗浄プロセス中に第4の洗浄モジュール115から逃げない。洗浄プロセス中に使用され及び/又は生成されるあらゆるヒューム及び洗浄液は、第4の洗浄モジュール115から、当該モジュールの両端に配置された排気口760及び/又は排水口784を介して、制御された形で除去される。空気が、ガス源770によってプレナム780に供給され、排気口760によって第4の洗浄モジュール115から排出されうる。さらに、プレナム780及び上方の排気口760は、粒子が基板200の表面に再付着するのを防止するために、第4の洗浄モジュール115内の空気の流れを制御するよう構成されうる。第4の洗浄モジュール115に供給される空気流は、処理中に第4の洗浄モジュール115の処理領域内で形成される蒸気及び/又は浮遊粒子等の除去を確実にするために、所望の圧力及び流量で供給されうる。幾つかの実施形態において、ガス源770は、(例えば、大気圧よりも高い)所望の圧力が第4の洗浄モジュール115Aの処理領域内で維持されるように、濾過された空気又は他のガスを供給するよう構成される。
【0103】
第4の洗浄モジュール115の内部空間795は、キャッチカップ710と壁783との間に存在すると定義することができる。基板200は、第4の洗浄モジュール115にロードされるときには内部空間795に挿入され、第4の洗浄モジュール115から取り出されるときには内部空間795から取り出されうる。
【0104】
検知装置794は、第4の洗浄モジュール115内の基板200を検出することができる。例えば、検知装置794は、内部空間795内にある基板200を検出することができる。さらに、検知装置794は、基板200がグリッパアセンブリ720によって保持されている間、基板200を検出することができる。検知装置794は、基板200が適切又は不適切にグリッパアセンブリ720内にロードされているときに検出することができる。さらに、検知装置794は、基板200がグリッパアセンブリ720から落ち又は出ているときに検出することができる。検知装置794はさらに、基板200がいつ第4の洗浄モジュール115に挿入され第4の洗浄モジュール115から取り出されたのかを決定することができる。
【0105】
スイープアーム730は、スイープアームシャフト732及びスイープアーム駆動モータ734に接続されている。スイープアームシャフト732とスイープアーム駆動モータ734とが、第1のスイープアーム駆動アセンブリ736を形成する。スイープアーム駆動モータ738は、スイープアームシャフト732に接続することができ、かつ、第1のスイープアーム730の遠位端にある第1のノズル機構740を、基板200の表面に対して平行な円弧状経路で動かすよう構成されうる。第1のスイープアーム730は、第1のノズル機構740に流体を供給するための1つ以上の管を含みうる。第1のスイープアーム駆動アセンブリ736は、ノズル機構740によって出される洗浄流体が基板200の表面上に均等に分配されるように、洗浄プロセス中に第1のノズル機構740を基板200の表面の上で移動させるよう構成されている。第1のスイープアーム駆動アセンブリ736はまた、第4の洗浄モジュール115のリッドと基板200の表面との間の距離を設定するために、第1のスイープアーム730を垂直方向に動かすよう構成されうる。
【0106】
基板洗浄プロセスは、洗浄流体が基板200の第1の側(表面)及び第2の側(裏面)に適用される間に、キャッチカップ710、グリッパアセンブリ720、及び基板200を同時に回転させることを含む。洗浄流体が適用されている間にキャッチカップ710、グリッパアセンブリ720及び基板200を同時に回転させることは、基板200のいずれかの表面への粒子の再付着を最小に抑え及び/又は排除するのを助ける。例えば、駆動モータ722は、キャッチカップ710、グリッパアセンブリ720及び基板200を回転させるよう構成されうる。基板200は、基板200の表面から流体が除去されるように、約500RPM~約1000RPMの範囲内の速度で回転させられる。さらに、基板200を回転させる速度は、洗浄プロセス中に変えることができる。さらに、ウエハグリッパ710が一旦洗浄位置に配置されると、洗浄サイクルが開始されうる。第1の洗浄流体が、流体源723、シャフト724及び開口725を介して基板200の裏面に適用されうる。さらに、ノズル機構740を介して基板200の前面に第2の流体が適用されうる。スイープアーム駆動モータ734は、ノズル機構740が基板200の前面の上を円弧状経路で動くように、スイープアーム730を動かす。ノズル機構740は、洗浄プロセス中に基板200の前面に洗浄流体を適用するよう構成されうる。流体は、洗浄化学物質及び/又はリンス剤を含みうる。一実施形態において、洗浄流体は、実質的に同時に、又は1つ以上の重複する期間及び重複しない期間中に、基板200の前面及び裏面に適用されうる。洗浄位置にある間、基板200に戻る洗浄流体の飛散が、少なくとも低減され、様々な実施形態では無くなる。洗浄プロセス、ローディングプロセス、及びアンローディングプロセスの少なくとも1つの間、第4の洗浄モジュール115内の気流によって、再循環の発生が緩和され、粒子が基板200の表面に再付着するのが防止される。
【0107】
洗浄システムの構成
1つ以上の洗浄モジュール107、109、110、115、117及び119を含みうる、洗浄システム106内の様々な洗浄チャンバは、モジュール式である。従って、上記モジュール107、109、110、115、117、119は、必要に応じて、例えば、点検及び/又は定期保守、又は特定の用途によって変更することが可能である。
【0108】
図1A~
図1B及び
図5に戻って参照すると、どちらの洗浄ユニット106A、106Bも2つの統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bを備えて構成される実施形態によれば、第3の基板ハンドラ108は、垂直洗浄モジュール109Bから統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bの利用可能な一方に、基板200を移送することができる。即ち、1つの基板200が、統合洗浄及び乾燥110A、110Bの一方において洗浄及び乾燥プロセスに供される間に、第3の基板ハンドラ108は、現在基板200に対して洗浄及び乾燥処理を実行していない他方の統合洗浄及び乾燥110A、110B(総称は、統合洗浄及び乾燥モジュール110)に、基板200を移送することができる。垂直洗浄モジュール109Bから利用可能な統合洗浄及び乾燥110に基板200を移送する間、第3の基板ハンドラ108は、基板200をY軸周りに90度回転させることができ、これにより、基板200の処理表面201は、統合洗浄及び乾燥モジュール110内に配置されたときには上に向き、即ちZ方向に向いている。
【0109】
第1の基板ハンドラ103は、統合洗浄及び乾燥モジュール110の第2のサイドパネルに形成された第2のドア110Dを介して、統合洗浄及び乾燥モジュール110から基板200を移送することができる。統合洗浄及び乾燥モジュール110の第1のサイドパネルと統合洗浄及び乾燥モジュール110の第2のサイドパネルとは、互いに対して平行に、かつ統合洗浄及び乾燥モジュールの両側に存在しうる。ドア110Dは、例えばスリットバルブでありうる。第1の基板ハンドラ103は、統合洗浄及び乾燥モジュール110からローディングステーション102Aのうちの1つへと、基板200を移送することができる。
【0110】
洗浄処理シーケンスの一例において、基板200は、第3の基板ハンドラ108を使用して、水平前洗浄モジュール107と垂直洗浄モジュール109Aとの間、個々の洗浄モジュール109A、109Bの間、及び垂直洗浄モジュール109Bと統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bとの間で移動させられる。様々なモジュール107、109、110、115、117及び119の配置と、基板ハンドラ108のZ方向における実質的なレンジとによって、洗浄の改善がもたらされ、例えば、第3の基板ハンドラ108によって基板200が処理される時間の短縮及び距離の縮小に因って、洗浄の改善がもたらされうる。
【0111】
先に述べ、ここでも記載するように、第3の基板ハンドラ108は、洗浄システム106内での洗浄の様々な段階に基板200を別々に取り扱うための2つの別個のブレードアセンブリを含む。
【0112】
図6は、
図3の他のバージョンであり、基板ハンドラ106Aの他の構成要素の特定及び説明を含む。具体的には、ハンドラは、第1のブレードアセンブリ300及び第2のブレードアセンブリ400を含み、第1のブレードアセンブリ300及び第2のブレードアセンブリ400はそれぞれ、各アセンブリの一対のブレード370が基板200の端面の周囲で開閉するのを可能とするための把持アクチュエータ310、410を有する。
図7で最も良く見えるように、各ブレードアセンブリは、基板ハンドラ筐体内の様々な水平方向及び垂直方向の位置及びポジションにブレードアセンブリ300、400を動かすための、垂直アクチュエータアセンブリ330、430内に配置された垂直アクチュエータ320、420と、水平アクチュエータアセンブリ435とを具備している。
図7~
図8及び
図10に示されるように、各ブレードアセンブリ300、400は、垂直方向(即ち、Z方向)に位置合わせされた垂直レール321、421(例えば、リニアガイド、リニアボールスライドなど)の並進可能な部分に結合されている。各レール321、421は、垂直アクチュエータアセンブリ330、430それぞれの内部に配置されており、上記レール321、421はそれぞれ、それぞれのブレードアセンブリ300、400を水平方向(即ち、X方向)に位置決めするよう適合された水平アクチュエータ437A、437Bの使用により、水平アクチュエータアセンブリ435内の水平レール436(例えば、リニアガイド、リニアボールスライドなど)に沿って移動可能である。幾つかの実施形態において、水平アクチュエータ437A、437B及び垂直アクチュエータ320、420はそれぞれ、システムコントローラ160からのコマンドの使用によりそれぞれの構成要素を駆動し及び位置決めするよう構成されたリニアアクチュエータ又はモータ駆動ボールねじアクチュエータアセンブリを含みうる。
【0113】
図8に示すように、第1のブレードアセンブリ300はまた、水平ポジション(図示のとおり)と垂直ポジションとの間のブレードアセンブリ及び基板の動きを可能にするための第1のブレードアクチュエータモータ350と、第1のブレードアセンブリ及び基板を180度回転させて、垂直に配置された基板200を反対の方向に向けさせるための第2のブレードアクチュエータモータ355と、を具備している。図示されるように、アクチュエータモータ350、355は、ブレードアセンブリが2つの軸A
1、A
2周りに回転することを可能にする。本明細書で示されるように、動作時には、第1のブレードアクチュエータ350は、最初に、軸A
1を利用して水平ポジションから垂直ポジションに基板を動かすよう動作する。その後、第2のアクチュエータモータ355は、軸A
2を利用して基板を180度回転させる。
図8に示すように、軸A
2は、基板200の前面側(例えば、デバイス側)に対して実質的に平行になるように位置合わせされており、軸A
1は、軸A
2に対して実質的に直交するように位置合わせされている。図示される実施形態では、第1の動きによって、第2のアクチュエータモータ355が基板及びブレードアセンブリ300とともに回転させられるが、第2の動き、即ち180度の動きでは、基板及びブレードアセンブリ300のみが回転させられる。
【0114】
幾つかの実施形態において、ブレードアセンブリ300全体が、任意選択的に、第1のブレードアクチュエータと垂直アクチュエータとの間のスライド機構376を使用して、自身の垂直アクチュエータ320から所定の距離「W」に設定されうる。スライド機構により、把持ブレード370が各洗浄チャンバのアクセスドアと適切に位置合わせされることが保証される。実際には、基板は、ブレードアセンブリ300、400を利用して洗浄チャンバ間で操作され、再配置される。
図8では、基板200を保持及び/又は保持するための把持ブレード370も見られる。本明細書の実施形態では、把持ブレードは把持アセンブリ360の一部であり、把持アクチュエータ310によって開閉する。基板200は、ブレード370に挟まれた状態で示されている。基板200は「デバイス面を上(device side up)」にして描かれているが、これは、示されている側(即ち、表側)が半導体デバイスが形成されている面であることを意味している。本開示では、デバイス側は、本明細書では基板の前側又はデバイス側とも呼ばれる基板の前面に形成された半導体ダイの概略図により示されている。第1のブレードアセンブリ300とは異なって、第2のアセンブリ400は、第1の垂直洗浄モジュール109Aから第2の垂直洗浄モジュール109Bへと基板を移送するためにのみ動作し、従って、基板200を把持し及び解放するために、把持アクチュエータ(図示せず)と共に、自身の垂直アクチュエータ420及び水平アクチュエータ430のみ利用する。
【0115】
図9Aは、把持アセンブリ360の特定の実施形態の上面等角図である。明確さのために、カバーは外されている。2つの把持ブレード370が示されており、この2つの把持ブレード370は、把持アクチュエータ310の作動に因り、互い向かって及び互いから離れるように動くよう配置されている。本実施形態では、各ブレード370はブロック382に取り付けられており、各ブロックはレール384に取り付けられている。把持アクチュエータ310が、ブラケット385を使用して、把持アセンブリ360を開位置又は閉位置の間で動かすための運動をブロック382内で引き起こす間、レール384に取り付けられたブロック382は、互いに反対方向に動かされる。
図9Bは、把持される基板200に対する把持ブレード370の位置を視覚的に示す、垂直方向に配向された把持アセンブリ360の側面図である。各ブレード370には「ターゲット(target)」386が設けられている(
図9B)。把持アクチュエータ310が、ブレードをくっ付けるよう及び離すよう動作する間、ターゲットはブレード370とともに移動する。ハウジングには光学センサ388(
図9B)が取り付けられており、上記センサのそれぞれは、対応するターゲット386と位置が合ったときに信号を供給するよう配置されている。光学センサの基本については、当技術分野で良く知られている。
図9Bでは、上側のセンサはターゲットと位置が合っているが、下側のセンサはターゲットの位置合わせから外れている。この配置は、把持アセンブリ360が基板をうまく把持している状況を表している。ブレード370同士が、ブレードの内径が基板200の外径を超えるポイントまで離されており、下側のセンサ388とターゲット386の位置が合っており、かつ上側のターゲットとセンサの位置が合ってない場合には、「開いた(open)」状態が示される。基板200の外径を超えたところでブレード370同士が閉じており、どちらのセンサも自身ターゲットと位置が合っていない場合には、「失敗した(missed)」状態が示される。
【0116】
図10は、第2のブレードアセンブリ400の側面図である。第2のブレードアセンブリ400は、おおまかに、スライド機構476を使用して垂直アクチュエータ420の垂直レール421に取り付けられた把持アセンブリ360を含む。動作時には、第2のブレードアセンブリ400は、垂直レール412の並進可能な部分に結合されており、かつ、垂直アクチュエータ420内に配置されたリニアモータ又はモータ駆動ボールねじといった垂直作動装置(図示せず)の使用により、垂直方向に移動するよう適合されている。第2のブレードアセンブリ400はまた、水平アクチュエータアセンブリ435(
図7)内に見られる水平アクチュエータ437Bの使用により、水平方向に移動するよう適合されている。幾つかの実施形態において、ブレードアセンブリ400全体が、スライド機構476を使用して、自身の垂直アクチュエータ420から所定の距離「W」に設定されうる。スライド機構476により、把持ブレード370は、各第2の洗浄モジュール109A、109Bのアクセスドアと適切に位置合わせされる。実際には、基板は、ブレードアセンブリ300、400の双方を利用して第2の洗浄モジュール間で操作され、再配置される。
図10では、基板200を保持及び/又は保持するための把持ブレード370も見られる。一例において、ブレードアセンブリ400は、
図10に示すように、基板200を垂直方向の向きで保持し維持するよう構成された把持ブレード370を含み、例えば、基板200の前面は、Y-Z平面に対して平行である。本明細書の実施形態では、
図8に関して同じように述べたように、把持ブレードは、把持アセンブリ360の一部であり、把持アクチュエータ310によって開閉する。基板200は、ブレード370の間で当該ブレードの末端によって保持された状態で示されており、かつ、デバイス側が、研磨ステーション105から離れる方向を向いて描かれている。第1のブレードアセンブリ300とは異なって、第2のアセンブリ400は、第1の垂直洗浄モジュール109Aから第2の垂直洗浄モジュール109Bへと基板を移送するためにのみ動作し、従って、幾つかの実施形態では、基板200を配置し把持し解放するために、把持アセンブリ360と共に、自身の垂直アクチュエータ420のみ利用する。幾つかの実施形態において、第2のブレードアセンブリ400は、全体の高さ「H」を有し、全体の高さ「H」は、基板200の端部の最も遠い点から、反対側の第2ブレードアセンブリ400の最も遠い点までの距離として定義される。幾つかの実施形態において、全体の高さHは、第1のブレードアセンブリ300(
図8)の全体の長さ「L」と等しく又はこれより小さくなるよう構成されるが、このことについては、以下でさらに記載する。
【0117】
システムの複雑さを低減し、かつコストを考慮するために、一般的には、把持ブレード370を1つ以上の回転軸周りに回転させる追加の能力を設けずに第2のブレードアセンブリ400を形成することが望ましいが、幾つかのケースでは、この追加の能力を提供するのが望ましいこともある。従って、第3の基板ハンドラ108の幾つかの実施形態において、第2のブレードアセンブリ400は、第1のブレードアセンブリ300に関して本明細書で述べた軸A1及び/又は軸A2と同様の軸といった、1つ以上の軸周りに把持ブレード370を回転させるよう構成された1つ以上のアクチュエータをさらに含む。一例において、第2のブレードアセンブリ400は、洗浄チャンバ間で基板を移送する間基板のデバイス側の向きを変えることが望ましく、この場合には、第2のブレードアセンブリ400は、軸A2周りに基板を回転させるよう適合された第2のアクチュエータモータ355を含む。他の例において、第2のブレードアセンブリ400は、第1のブレードアセンブリ300と同様に構成されており、従って、本明細書に記載の第1のブレードアセンブリ300と同様の動きを行うよう構成されている。
【0118】
図11は、第1のブレードアセンブリ300の代替的な実施形態であり、この第1のブレードアセンブリ300は、第1のハウジング390及び第2のハウジング392を含み、各アクチュエータ310、312、314と関連付けられた配線要素394が包囲され、それにより基板の処理中に汚染物質から護られることを保証する。本構成では、第1のハウジング390はスライド機構376に結合されている。幾つかの実施形態において、配線要素394はそれぞれ、第1のブレードアセンブリ330内の1つ以上の構成要素によって使用される電気ケーブル及び/又は空気圧管を含みうる。ケーブル配線要素394は、第幾つかの開口396を通って第1のハウジング内に入る。そこから、各配線要素は、自身の割り当てられたアクチュエータ310、312、314まで、ボア310C、312Cそれぞれの中心線A1
1、A2
1を含む保護された経路を使用して通され、把持アセンブリ360及び基板200の回転運動を提供している。
図11に示すように、軸A2
1は、基板200の前面側(例えば、デバイス側)に対して実質的に平行になるように位置合わせされており、軸A1
1は、軸A2
1に対して実質的に直交するように位置合わせされている。アクチュエータモータ312及び314はそれぞれ、同心/同軸ギア312A及び314Aそれぞれに結合された出力シャフトを有し、同心/同軸ギア312A及び314Aは、オフセットギア312B及び314Bと相互作用して、当該オフセットギア312B及び314Bに結合された構成要素の回転を引き起こす。
図11に示されるように、アクチュエータ314は、ギア314A(駆動ギア)を回転させるよう構成されており、これにより、ギア314B(オフセットギア)が軸A1
1周りに回転し、かつ、第2のハウジング392、アクチュエータ312、及びブレードアセンブリ393が軸A1
1周りに回転する。アクチュエータ312は、ギア312A(駆動ギア)を回転させるよう構成されており、これにより、ギア312B(オフセットギア)が軸A2
1周りに回転し、かつ、ブレードアセンブリ393が軸A21周りに回転する。幾つかの実施形態において、ブレードアセンブリ393は、本明細書で述べるブレードアセンブリ360と同じ構成要素を含みうる。オフセットギア312B及び314Bは、それぞれ中心線A2
1、A1
1によって表されるギアの回転軸上にある同心/同軸ボア312C及び314Cといった開口を含み、上記開口は、ギア314Bを通って案内される電気配線(例えば、センサワイヤ、及びAC又はDC電源ケーブル)及び/又は空気圧管要素のための経路を提供しつつ、第2のハウジング392及び把持アセンブリ360の回転運動を可能にする。
【0119】
洗浄処理シーケンスの例
図12A~
図12Kは、洗浄処理シーケンス中に使用される様々なタイプの洗浄モジュールを含む複数の洗浄チャンバ内の、ブレードアセンブリ300、400の一連の動き及び複数の基板200の一例を示している。移送シーケンスでは、本明細書に開示される様々な装置及び方法を利用して、CMP処理システム100内で実行される処理シーケンスの間時間及び空間を最も節約する操作を実行する。洗浄処理シーケンス中の各洗浄モジュール内で実行される洗浄プロセスは前述の通りである。本明細書に記載される洗浄処理シーケンスは進行中のプロセスであり、これにより、定常状態の処理中には、基板が典型的に、どの時点においても全ての洗浄モジュールの中に配置されると理解されたい。この理由から、
図12A~
図12Kでは、モジュール内の基板が点線で示されている。
図12Aでは、例えば、基板200は、全てのモジュール内に示されているが、ここで、第1の垂直洗浄モジュール109Aは除く。当該ボックスは、図に示されるように、水平前洗浄モジュール107内に現在示されている基板を受け取るために待機している。ブレードアセンブリの動作をより良く説明するために、垂直洗浄モジュール109Bにある基板を第1の基板200Aと呼び、水平前洗浄モジュール107にある基板を第2の基板200Bと呼ぶ。水平前洗浄モジュール107内の第2の基板200Bは、当該基板に対する研磨工程が実行された後で、
図12A~
図12Kには示されない中央ロボット(例えば、第2の基板ハンドラ104)によって、当該モジュール前部の第1のドア107Aを利用してそこに置かれた。第1のブレードアセンブリ300は、第1の洗浄モジュールの側面のドア107Bを通じて基板200Bを取り出すために、把持ブレード370が開いた状態にあるのが見える。図示されるように、ブレードアセンブリ300は、ドア107Bと垂直方向に位置合わせされており、基板に達するために、水平アクチュエータアセンブリ435内の水平アクチュエータ435Aによってもたらされる水平方向の移動のみを必要とする。
【0120】
特に
図12B~
図12Fを参照すると、例えばモジュール107とモジュール110Bとの間の水平方向の空間は最小に抑えられており、洗浄システムの設置面積を縮小し、かつ第1の垂直アクチュエータアセンブリ330及び従って第1のブレードアセンブリ300の大きな水平移動への必要性が下がる。このように、
図12B~
図12Fに示される動作は、システムの設置面積を縮小するように行われる。さらに、
図12A~
図12Fは、ロボットの動作を明確に図示するために適合された間隔を示している。しかしながら、モジュール107とモジュール110Bとの間の実際の距離は、本明細書でより明確に記載するように、基板を保持するブレードアセンブリ300の全長L(
図8)とほとんど同じであり、又は当該全長Lとほぼ等しい。
【0121】
図12Bでは、基板200Bは、水平アクチュエータ435Aを使用してモジュール107から取り出されており、把持アセンブリの移動方向が矢印202で示されている。基板200Bは、デバイス側を上にして配向されている。
図12Cは、第1のブレードアセンブリ300が、第1のブレードアクチュエータ350の作動に因り、水平の状態からY軸の周りを時計回りの方向に45度回転している。
図12Dでは、第1のブレードアセンブリ300は、第1ブレードアクチュエータ350の継続的な動作に因り、基板200Bを垂直方向のポジションで配向しており、第1のブレードアセンブリは、垂直アクチュエータ320の動作に因り、筐体内で垂直洗浄モジュール109A、109Bの真上の高さまで下げられている。
図12Dでは、基板200Bは、デバイス側が筐体の右側の方を向いていることに注意されたい。
【0122】
図12Eは、基板200Bが第2のブレードアクチュエータ355の動作に因り90度回転して筐体の側面の方を向いている形で配向された、第1のブレードアセンブリ300を示している。
図12Fでは、基板200Bは、第1の垂直洗浄モジュール109A内に下ろされる準備ができている。水平アクチュエータ435Aの働きに因り、ブレードアセンブリ300は水平方向に移動しただけでなく、さらに、第1のブレードアセンブリ300は、第2のブレードアクチュエータ355を使用して、基板を
図12Dの設定から180度回転しており、これにより、基板200Bのデバイス側が筐体の左側の方を向かされており、このことにより、より後の処理シーケンスにおいて、統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bの一方に基板を配置するために必要な動きが最小限に抑えられる。
【0123】
図12Gは、基板200を第1の垂直洗浄モジュール109A内に預けられた後に、第2の垂直洗浄モジュール109Bの上で再位置決めされている第1のブレードアセンブリ300を示し、ここでは、第1の基板200Aは既に洗浄処理を受けている。ブレードアセンブリ300の移動及びポジションは、水平アクチュエータ435A及び垂直アクチュエータ320による移動の結果である。第1のブレードアセンブリ300の移動に加えて、第2のブレードアセンブリ400が、自身の水平アクチュエータ435B及び垂直アクチュエータ420を同時に利用して、第1のブレードアセンブリ300により以前にそこに預けられた第2の基板200Bを取り出す準備として、第1の垂直洗浄モジュール109Aの上方で自身を位置決めしている。
図12Hでは、各ブレードアセンブリ300、400が、自身のそれぞれの垂直アクチュエータを使用して、対応する基板200A、200Bを垂直洗浄モジュール109A、109Bから取り出してしまっている。この時点では、第1の基板200Aは、筐体の左側にある統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bの一方に移送される準備ができている。統合洗浄及び乾燥モジュール110A内にあった基板は処理されてしまっており、第1の基板ハンドラ103を使用して、矢印205で示す動きで、統合洗浄及び乾燥モジュールから取り出されてしまっている。洗浄処理によっては、他のステップよりも時間が掛るステップがあることが理解されるであろう。この理由から、洗浄ユニット106A内には、統合洗浄及び乾燥モジュール内で実行される洗浄及び乾燥ステップを完了するために必要な追加の時間を補うために、2つの統合洗浄及び乾燥モジュールが設けられている。
【0124】
幾つかの構成では、2つの統合洗浄及び乾燥モジュールが洗浄ユニット106A内に設けられており、統合洗浄及び乾燥モジュールの一方、例えば統合洗浄及び乾燥モジュール110Aの中で基板に対して洗浄プロセスを実行し、次いで、統合洗浄及び乾燥モジュール110Bといった第2の統合洗浄及び乾燥モジュール110内で、別個のリンス処理及び乾燥プロセスを実行することが可能となる。一例において、処理シーケンス中に、基板が統合洗浄及び乾燥モジュール110A内で処理された後で、基板は、第1のブレードアセンブリ300によって、さらなる処理のために統合洗浄及び乾燥モジュール110Bに移送され、その後、第1の基板ハンドラ103が、統合洗浄及び乾燥モジュール110Bから基板を取り出す。
【0125】
図12Iは、両基板200A、200Bが筐体の左側に向かって水平方向に動かされている状態を示している。基板200Bの場合、第2のブレードアセンブリ400が、自身の水平アクチュエータ435Bによって、第2の垂直洗浄モジュール109Bの真上の位置までそこに挿入するために動かされてしまっている。基板200Aの場合、第1のブレードアセンブリ300が、自身の水平アクチュエータ435Aによって、統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bに向かって動かされてしまっている。さらに、第1のブレードアクチュエータ350が、把持アセンブリ360と、当該把持アセンブリ360とともに基板200Aとを水平方向のポジションに向かって回転している。
図12Iでは、両基板ともデバイス側が筐体の左側を向いて配置されていることに注意されたい。
図12Jでは、第1の基板200Aは、デバイス側が上にした完全に水平方向のポジションをとっていると仮定されており、第1の基板200Aは、水平アクチュエータ435Aを使用して、矢印204で示す動きで統合洗浄及び乾燥モジュール110Aに挿入されている最中である。同時に、第2の基板200Bは、垂直アクチュエータ420を使用した第2のブレードアセンブリ400の垂直運動により、第2の垂直洗浄モジュール109Bに挿入されてしまっている。さらに
図12Jでは、第1のブレードアセンブリ300が、後続の基板を第2の統合洗浄及び乾燥モジュール110B内に配置する(1サイクルおきにこれを行う)様子が点線で示されており、これにより、各基板は、他のタイプのモジュール内の2倍の長さの間、統合洗浄及び乾燥モジュール内に与えられる。
【0126】
プロセスの初期に2つの異なる軸において、即ち水平前洗浄モジュール107と第1の垂直洗浄モジュール109Aとの間で、基板を操作する第1のブレードアセンブリの能力に因り、第2の垂直洗浄モジュール109Bと統合洗浄及び乾燥モジュール110との間の最も重要な移送を、少ない操作で小さな空きスペースで迅速に行うことが可能であり、基板のデバイス側が既に、統合洗浄及び乾燥モジュール110A内に挿入すべき正しい方向を向いていることを理解することが重要である。これにより、早期の空気乾燥に因るウォータスポット(water spot)による損傷に基板が晒されること、及び基板表面の材料(例えば、金属)の望まれぬ腐食が大幅に低減される。2つの上記洗浄モジュールの間のより現実的な距離は、
図1A~
図1B及び
図8に示されており、これらの図では、水平前洗浄モジュール107及び統合洗浄及び乾燥モジュール110Bといった、第1の洗浄モジュールと第2の洗浄モジュールとの間の距離「D」が、第1のブレードアセンブリ300の全長「L」よりもわずかに大きいだけであることが理解されうる。一実施形態において、第1の洗浄モジュールと第2の洗浄モジュールとの間の距離は、ブレード370の間に配置された基板200を含む第1のブレードアセンブリ300の全長Lの102%~125%、例えば約102%~110%であり、又は約104%~106%でさえある。
図8で示したように、全長Lは、基板200の端部の最も遠い点から、水平前洗浄モジュール107と統合洗浄及び乾燥モジュール110Bなど、隣り合って配置された洗浄モジュールの間に配置された第1ブレードアセンブリ300の、反対側の最も遠い点までの距離として定義される。一例において、全長Lは、300mm基板を移送するよう構成された第1のブレードアセンブリ300の場合、約500mm~550mmである。洗浄ユニット106A、106B内の狭い空間又は領域内で、軸A
1(
図8)周りの回転運動が行われる幾つかの実施形態において、第1のブレードアセンブリ300は、スイープエンベロープ長(sweep envelope length)を有するよう構成することができ、上記スイープエンベロープ長は、全長Lの寸法より大きな僅かなパーセンテージであり、例えば、全長Lの寸法より0%~5%より大きく又は0.5%~3%より大きい。スイープエンベロープ長はおおまかに、基板200の主要面に対して平行でありかつ回転軸(即ち、軸A
1)を含む平面(即ち、
図8のX-Y平面)において投影される、ブレードアセンブリ300の回転する部分のスイープ空間の外側の広がり範囲(outer extents of a swept volume)の長さによって定義される。スイープエンベロープ長を最小に抑えることは、第1のブレードアセンブリ300が、スイープエンベロープ長が測定される平面に対して垂直な方向(例えば、
図8のZ方向)に厚さを有することに因り、第1のブレードアセンブリ300が移送プロセス中に回転ささられている間に(例えば、90度の回転)、第1のブレードアセンブリ300の部分が洗浄ユニット106A、106B内の構成要素と衝突しないことを保証するために役立つ。スイープエンベロープ長が0%より大きい構成では、第1の洗浄モジュールと第2の洗浄モジュールとの間の距離は、ロボットエラー又は較正誤差に因る洗浄ユニット106A、106B内での構成要素との衝突の可能性を下げるために、スイープエンベロープ長のパーセンテージプラス追加のパーセンテージとなるよう構成されうる。一例として、洗浄モジュール間のポジションにある基板を回転させることが有利であり、スイープエンベロープ長が全長Lより3%大きく、かつ、ロボットエラー又は較正誤差に関連する衝突を回避するために望まれる最小間隔が102%である場合には、モジュール間の間隔が全長Lの105%に設定されうる。しかしながら、洗浄ユニット106A、106Bの設置面積を最小に抑えるためには、洗浄ユニット106A、106Bの特定の領域内で、例えば第1の洗浄モジュールと第2の洗浄モジュールとの間などで、ブレードアセンブリが回転するの防ぐことが望ましいこともあり、これにより、モジュール間の間隔が、スイープエンベロープ長より小さい値に設定されうる。
【0127】
図12Kは、1サイクルの終わりにおけるアセンブリのポジションを示している。2つの統合洗浄及び乾燥モジュール110A、110Bのそれぞれは、基板200に対して同時に作用しており、他の基板が、第2の垂直洗浄モジュール109Bによる作用を受けている最中である。その間、第1のブレードアセンブリ300は、他の基板200を第1の垂直洗浄モジュール109A内に預けられるように、水平前洗浄モジュール107から当該基板を取り出す準備ができている。
【0128】
図13Aは、異なる4タイプの洗浄チャンバを含む洗浄ユニット106A、106Bの一部を示しており、洗浄ユニット106A、106Bは、第1の洗浄モジュール107、2つの第2の洗浄モジュール109、2つの第3の洗浄モジュール110、及び第4の洗浄モジュール115を含むよう構成されている。幾つかの実施形態において、第4の洗浄モジュール115は、
図13Aに示すように、垂直方向の向きにある基板を処理するよう構成された構成要素を含む。第4の洗浄モジュール115の使用を含む洗浄システム106内で実行される洗浄処理シーケンスの間、第4の洗浄モジュール115内で実行されるプロセス(例えば、非接触洗浄プロセス)は、第2の洗浄モジュール109内でバフ研磨プロセス及び/又はブラシ洗浄プロセスが実行された後で、かつ、第3の洗浄モジュール110内でリンス処理及び乾燥プロセスが実行される前に実行される。
図13Aに示すように、第4の洗浄モジュール115はまた、第2の洗浄モジュール109と第3の洗浄モジュール110との間に物理的に配置することができ、第1の洗浄モジュール107は、第4の洗浄モジュール115の上に配置することができる。
【0129】
図13Bは、異なる5タイプの洗浄チャンバを含む洗浄ユニット106A、106Bの一部を示しており、洗浄ユニット106A、106Bは、第1の洗浄モジュール107、2つの第2の洗浄モジュール109、2つの第3の洗浄モジュール110、及び第4の洗浄モジュール115、及び第5の洗浄モジュール121を含むよう構成されている。幾つかの実施形態において、第5の洗浄モジュール121は、
図13Bに示すように、垂直方向の向きにある基板を処理するよう構成された構成要素を含む。第5の洗浄モジュール121の使用を含む洗浄システム106内で実行される洗浄処理シーケンスの間、第5の洗浄モジュール121内実行されるプロセス(例えば、垂直蒸気乾燥プロセス)は、第2の洗浄モジュール109内でバフ研磨プロセス及び/又はブラシ洗浄プロセスが実行された後で、第4の洗浄モジュール115内で洗浄プロセスが実行された後で、及び/又は、第3の洗浄モジュール110内で乾燥プロセスが実行される前に実行される。
図13Bに示すように、第5の洗浄モジュール121は、第4の洗浄モジュール115と第3の洗浄モジュール110との間に物理的に配置することができ、第1の洗浄モジュール107は、第4の洗浄モジュール115の上に配置することができる。
【0130】
第5の洗浄モジュール121は、水平方向に配向された第1のスプレーバー(図示せず)であって、第5の洗浄チャンバ121内の支持体上に垂直方向に配向され配置された基板の上及び側方で位置決めされる第1のスプレーバーを含みうる。水平方向に配向された第1のスプレーバーは、第5の洗浄モジュールに結合されたロボット要素(図示せず)によって基板が筐体から持ち上げられている間に、(界面活性剤などの洗浄剤を含む又は含まない)脱イオン水といったリンス液を、垂直方向に配向された基板の主要面に噴霧するよう適合されている。一構成において、リンス液の供給は、基板がロボット要素によって筐体から持ち上げられている間に基板の表面上にメニスカスが形成されるように、行われる。他の構成において、第5の洗浄モジュール121は、脱イオン水槽であって、基板がロボット要素によって筐体から持ち上げられている間に基板の表面にメニスカスが形成されるように基板が浸漬される脱イオン水槽を含む。水平方向に配向された第2のスプレーバー(図示せず)は、水平方向に配向された第1のスプレーバーより垂直方向に上方に配置されうるが、ロボット要素によってチャンバから持ち上げられている間基板を乾燥させるためにマランゴニ効果を利用するために、乾燥蒸気を(例えば、イソプロピルアルコール(IPA)蒸気として)、基板の主要面及びリンス液のメニスカスに方向付けるよう適合されている。ブレードアセンブリ300又は第1の基板ハンドラ103は、次いで、ロボット要素から乾燥した基板を取り出し、次いで、基板をFOUP内の所望の位置に移送することが可能である。
【0131】
図13Cは、1つ以上の実施形態に係る、
図1Aで示されたCMP処理システム100の代替的なバージョンの概略的な上面図である。
図13Cでは、洗浄ユニット106A及び106Bは、当該洗浄ユニットのそれぞれが、異なるタイプの異なる数の洗浄チャンバを含む異なる構成により示されている。一実施形態において、洗浄ユニット106Aは、
図4及び12A~
図12Kに関して図示し述べた構成と同様の洗浄ユニット構成を含んでおり、この洗浄ユニット構成は、大まかに、第1の洗浄モジュール107、2つの第2の洗浄モジュール109、及び2つの第3の洗浄モジュール110を含むよう構成される。しかしながら、他の実施形態において、洗浄ユニット106Aは、
図13Aに関して図示し述べた構成と同様の洗浄ユニット構成を含むことができ、この洗浄ユニット構成は、1つ以上の第1の洗浄モジュール107、2つ以上の第2の洗浄モジュール109、2つ以上の第3の洗浄モジュール110、及び1つ以上の第4の洗浄モジュール115を含むよう構成される。
【0132】
図13Cに示すように、一実施形態において、洗浄ユニット106Bは、洗浄ユニット106Aとは異なって構成されており、1つ以上の第1の洗浄モジュール107、2つ以上の第2の洗浄モジュール109、及び1つ以上の第5の洗浄モジュール121を含んでいるが、洗浄ユニット106Aは、
図4、
図12A~
図12K、又は
図13Aに示すように構成されている。しかしながら、他の実施形態において、洗浄ユニット106Bは、
図13Bに示した構成と同様の洗浄ユニット構成を含むことができ、この洗浄ユニット構成は、1つ以上の第1の洗浄モジュール107、2つ以上の第2の洗浄モジュール109、1つ以上の第3の洗浄モジュール110、1つ以上の第4の洗浄モジュール115、及び1つ以上の第5の洗浄モジュール121を含むよう構成されている。更に別の実施形態において、洗浄ユニット106Bは、1つ以上の第1の洗浄モジュール107、2つ以上の第2の洗浄モジュール109、1つ以上の第4の洗浄モジュール115、及び1つ以上の第5の洗浄モジュール121を含む洗浄ユニット構成を含みうる。さらに別の実施形態において、洗浄ユニット106Bは、1つ以上の第1の洗浄モジュール107、2つ以上の第2の洗浄モジュール109、及び1つ以上の第5の洗浄モジュール121を含む洗浄ユニット構成を含みうる。
【0133】
前述の明細書の説明及び対応する図に記載されているように、実施形態は、洗浄チャンバの筐体を介して基板を移動させるための、空間を節約した装置及び方法を提供し、当該装置及び方法では、各基板が、特に洗浄プロセスの重要な後ろのステップにおいて、縮小された空間及び短縮された空気時間で、2つの回転レベルを介して動かされる。
【0134】
本明細書の実施形態では、第3の基板ハンドラ108を含むCMP処理システム100の動作は、システムコントローラ160(
図1B)によって指示される。一実施形態によれば、システムコントローラ160は、給気及び排気部112内に位置しうる。システムコントローラ160は、メモリ162(例えば、不揮発性メモリ)、及びサポート回路163と共に動作可能なプログラマブル中央処理装置(CPU)161を含む。サポート回路163は、従来CPU161に接続されており、かつ、CMP処理システム100の様々な構成要素に接続されており当該様々な構成要素の制御を容易にするための、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源など、及びこれらの組み合わせを含む。CPU161は、処理チャンバの様々な構成要素及びサブプロセッサを制御するための、プラグラム可能な論理制御装置(PLC:programmable logic controller)といった産業用設定で使用される任意の形態の汎用コンピュータプロセッサの1つである。メモリ162は、CPU161に接続されており、通常は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスクドライブ、ハードディスク、又は任意の他の形態のローカル若しくは遠隔のデジタルストレージといった、1つ以上の容易に利用可能なメモリである。
【0135】
通常、メモリ162は、命令を含む非一過性のコンピュータ可読記憶媒体(例えば、不揮発性メモリ)の形態をとっており、上記の命令は、CPU161によって実行されると、CMP処理システム100の動作を促進させる。メモリ162内の命令は、本開示の方法を実装するプログラムといったプログラム製品の形態をとる。プログラムコードは、幾つかの異なるプログラミング言語のうちの任意の1つに準拠しうる。一例において、本開示は、コンピュータシステムで使用するためのコンピュータ可読記憶媒体に格納されたプログラム製品として実現されうる。プログラム製品のプログラムが、実施形態(本明細書に記載された方法を含む)の機能を定める。
【0136】
例示的な非一過性のコンピュータ可読記憶媒体は、限定するものではないが、(i)情報が永続的に格納される書込み不能な記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブによって読み出し可能なCD-ROMディスクなどのコンピュータ内の読出し専用メモリデバイス、フラッシュメモリ、ROMチップ又は任意の種類のソリッドステート不揮発性半導体メモリ(例えば、SSD(solid state drive))、及び(ii)変更可能な情報が格納される書き込み可能な記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ若しくはハードディスクドライブ内のフロッピーディスク、又は任意の種類のソリッドステートランダムアクセス半導体メモリ)を含む。このようなコンピュータ可読記憶媒体が、本明細書に記載の方法の機能を指示するコンピュータ可読命令を担持するときには、本開示の実施形態となる。他の実施形態では、本明細書に記載の方法又はその一部は、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)又は他の種類のハードウェア実装によって実行される。幾つかの他の実施形態において、本明細書に記載の基板処理及び/又は基板ハンドリング方法は、ソフトウェアルーチン、ASIC、及び/又は他の種類のハードウェア実装の組み合わせによって実行される。1つ以上のシステムコントローラ160は、本明細書に記載される様々なモジュール式研磨システムの1つ又は任意の組み合わせと共に、及び/又はその個々の研磨チャンバと共に使用されうる。
【0137】
システムコントローラ160は、CMP処理システム100内に見られる自動化された構成要素のアクティビティ及び動作パラメータを制御する。おおまかに、処理システムを通る基板の移動の大部分は、本明細書に開示された様々な自動化された装置を使用して、システムコントローラ160により送信されるコマンドを用いて実行される。幾つかの実施形態において、システムコントローラ160は、CMP処理システム100内に見られる1つ以上の構成要素を制御するために使用される汎用コンピュータである。システムコントローラ160は、概して、CPU161、メモリ162、及びサポート回路(又はI/O)を使用して、本明細書に開示された1つ以上の処理シーケンスの制御及び自動化を容易にするよう設計されている。CPU161に命令するために、ソフトウェア命令及びデータは、コード化されてメモリ(例えば、非一過性のコンピュータ可読媒体)に格納されうる。システムコントローラ内の処理ユニットによって可読なプログラム(又はコンピュータ命令)は、処理システム内でどのタスクが実行可能であるかを決定する。例えば、非一過性のコンピュータ可読媒体は、プログラムであって、処理ユニットによって実行されると、本明細書に記載される方法の1つ以上を実行するよう構成されたプログラムを含む。好適には、プログラムは、実行されている様々なプロセスレシピタスク及び様々な洗浄モジュールプロセスレシピステップとともに、基板の移動、支持、及び/又は位置決めの監視、実行、及び制御に関するタスクを実行するためのコードを含む。
【0138】
処理シーケンスの例
図14A~
図14Dは、システムコントローラ160、及びCMP処理システム100内に見られる他のサポート構成要素を使用して、CMP処理システム100内で実行することが可能な4つの異なる基板処理シーケンスの例を示す。
図14A~
図14Dは、
図1Aに示したCMP処理システム内で実行可能な異なる基板処理シーケンスを示すが、このCMP処理システム構成の例は、本明細書で提供される開示の範囲に関して限定することを意図するものではない。
【0139】
図14Aは、第1の基板ハンドラ103、第2の基板ハンドラ104、及び第3の基板ハンドラ108を使用して、各洗浄ユニット106A、106B内で並行して実行することが可能な2つの基板処理シーケンス1400A、1400Bを示している。一実施形態において、基板処理シーケンス1400A及び1400Bは、洗浄システム106の両側で並行して実行される同じ処理シーケンスステップを含む。従って、一例において、
図14Aに示す処理シーケンス1400Aは、経路1401で示すように、第1の基板ハンドラ103がローディングステーション102Aから基板200を取り出し、当該基板を洗浄装置パススルー102B上で位置決めすることから開始される。次いで、第2の基板ハンドラ104が、経路1402で示すように、洗浄装置パススルー102Bから、研磨ステーション105の移送ステーション105Aへと基板200を移送する。基板が研磨ステーション105内の1つ以上の研磨モジュール(図示せず)内で処理された後で、基板は一度再び移送ステーション105A内に置かれる。研磨ステーション105内で実行されるプロセスは、基板の表面上の材料の少なくとも一部分を除去して平坦化するよう構成された1つ以上のCMP研磨プロセスを含みうる。次いで、第2の基板ハンドラ104は、経路1403で示すように、移送ステーション105Aから第1の洗浄モジュール107へと基板200を移送する。しかしながら、第1の洗浄モジュール107が水平入力モジュール117又は垂直入力モジュール119と置き換えられている場合には、第2の基板ハンドラ104は、移送ステーション105Aから、水平入力モジュール117又は垂直入力モジュール119のいずれかに基板200を移送することになる。第1の洗浄モジュール107、水平入力モジュール117又は垂直入力モジュール119において洗浄プロセスが実行された後に、次いで、第3の基板ハンドラ108が、経路1404で示すように、洗浄ユニット106A、106B内の洗浄モジュールを介して基板を移送する。経路1404に沿って実行される基板洗浄処理シーケンスは、例えば、処理経路ステップ1404
1、1404
2、1404
3及び1404
4のうちの1つ以上を含むことができ、これらのステップは、1つ以上の第2の洗浄モジュール109、1つ以上の第3の洗浄モジュール110、及び/又は1つ以上の第4の洗浄モジュール115の間で基板を移送するために、ブレードアセンブリ300及び400の使用を必要とする。一例において、
図12A~
図12Jに関して先に記載したように、経路1404に沿って実行される基板洗浄処理シーケンスは、3つの処理経路ステップ1404
1、1404
2、及び1404
4を含む処理シーケンスを含み、これらのステップは、第1の洗浄モジュール107、2つの第2の洗浄モジュール、及び第3の洗浄モジュール110における洗浄処理の実行を含む。本例では、第1の処理経路ステップ1404
1は、第1のブレードアセンブリ300による、第1の洗浄モジュール107から第1の第2洗浄モジュール109への基板の移送を含み、第2の処理経路ステップ1404
2は、第2のブレードアセンブリ400による、第1の第2洗浄モジュール109から、第2の第2洗浄モジュール109への基板の移送を含み、第4の処理経路ステップ1404
4は、第1のブレードアセンブリ300による、第2の第2洗浄モジュール109から第3の洗浄モジュール110への基板の移送を含む。本例では、第3の処理経路ステップ1404
3が基板処理シーケンスに含まれていない。というのは、本基板処理シーケンスは、第2の洗浄モジュール109内で実行される洗浄プロセスと、第3の洗浄モジュール110内で実行される洗浄プロセスと、の間に通常では洗浄プロセスを実行する第4の洗浄モジュール115の使用を含まないからである。経路1404においてプロセスが実行された後で、第1の基板ハンドラ103は、次いで、経路1405で示すように、第3の洗浄モジュール110から基板200を取り出して、当該基板をローディングステーション102A内に配置する。上述したように、処理シーケンス1400Aが複数の基板で順次実行されている間、処理シーケンス1400Bも同時に、異なる複数の基板に対して順次実行されうる。
【0140】
図14Bは、第1の基板ハンドラ103、第2の基板ハンドラ104、及び第3の基板ハンドラ108を使用して、洗浄ユニット106A、106Bのいずれかにおいて実行することが可能な基板処理シーケンス1410を示す。一実施形態において、基板処理シーケンス1410は、洗浄システム106の両側で並行して実行される。一例において、
図14Bに示す処理シーケンス1410は、経路1411で示すように、第1の基板ハンドラ103が、次の基板に対して洗浄プロセスが実行できるように、ローディングステーション102Aから基板200を取り出し当該基板を第3の洗浄モジュール110内に配置することにより、開始される。基板に対して洗浄プロセスが実行された後で、第1の基板ハンドラ103は、経路1412で示すように、第3の洗浄モジュール110から基板を取り出して、当該基板を洗浄装置パススルー102B上に配置する。次いで、第2の基板ハンドラ104が、経路1413で示すように、洗浄装置パススルー102Bから、研磨ステーション105の移送ステーション105Aへと基板200を移送する。基板が研磨ステーション105内の1つ以上の研磨モジュール(図示せず)内で処理された後で、基板は一度再び移送ステーション105A内に置かれる。次いで、第2の基板ハンドラ104は、経路1414で示すように、移送ステーション105Aから第1の洗浄モジュール107へと基板200を移送する。しかしながら、第1の洗浄モジュール107が水平入力モジュール117又は垂直入力モジュール119と置き換えられている場合には、第2の基板ハンドラ104は、移送ステーション105Aから、水平入力モジュール117又は垂直入力モジュール119のいずれかに基板200を移送することになる。第1の洗浄モジュール107、水平入力モジュール117又は垂直入力モジュール119において洗浄プロセスが実行された後に、次いで、第3の基板ハンドラ108が、経路1415で示すように、洗浄ユニット106A、106B内の洗浄モジュールを介して基板を移送する。先に述べたように、経路1415に沿って実行される基板洗浄処理シーケンスは、例えば、処理経路ステップ1415
1、1415
2、1415
3及び1415
4のうちの1つ以上を含むことができ、これらの処理ステップは、1つ以上の第2の洗浄モジュール109、1つ以上の第3の洗浄モジュール110、及び/又は1つ以上の第4の洗浄モジュール115の間で基板を移送するために、ブレードアセンブリ300及び400の使用を必要とする。経路1415において1つ以上のプロセスが実行された後で、第1の基板ハンドラ103は、次いで、経路1416で示すように、第3の洗浄モジュール110から基板200を取り出して、当該基板をローディングステーション102A内に配置する。上述したように、処理シーケンス1410が洗浄ユニット106A内の複数の基板に対して順次実行されている間、処理シーケンス1410は同時に、洗浄ユニット106B内の異なる複数の基板に対しても順次実行されうる。
【0141】
図14Cは、第1の基板ハンドラ103、第2の基板ハンドラ104、及び第3の基板ハンドラ108を使用して、洗浄ユニット106A、106Bのいずれかにおいて実行することが可能な基板処理シーケンス1420を示す。一実施形態において、
図14Cでは示されないが、基板処理シーケンス1420は、洗浄システム106の両側で並行して実行される。しかしながら、場合によっては、
図14Cに示すように、処理シーケンスは、基板処理シーケンス1420の異なる部分を実行するために、両方の洗浄ユニット106A、106Bを利用することが可能である。従って、一例において、
図14Cに示す処理シーケンス1420は、経路1421で示すように、第1の基板ハンドラ103がローディングステーション102Aから基板200を取り出し、当該基板を洗浄装置パススルー102B上に位置決めすることから開始される。次いで、第2の基板ハンドラ104が、経路1422で示すように、洗浄装置パススルー102Bから、洗浄ユニット106A内の第1の洗浄モジュール107へと、基板を移送する。しかしながら、第1の洗浄モジュール107が水平入力モジュール117又は垂直入力モジュール119と置き換えられている場合には、第2の基板ハンドラ104は、洗浄装置パススルー102Bから、水平入力モジュール117又は垂直入力モジュール119のいずれかに基板200を移送する。第1の洗浄モジュール107、水平入力モジュール117又は垂直入力モジュール119において洗浄プロセスが実行された後に、次いで、第3の基板ハンドラ108が、経路1423で示すように、洗浄ユニット106A、106B内の洗浄モジュールを介して基板を移送する。先に述べたように、経路1423に沿って実行される基板洗浄処理シーケンスは、例えば、処理経路ステップ1423
1、1423
2、1423
3及び1423
4のうちの1つ以上を含むことができ、これらの処理ステップは、1つ以上の第2の洗浄モジュール109、1つ以上の第3の洗浄モジュール110、及び/又は1つ以上の第4の洗浄モジュール115の間で基板を移送するために、ブレードアセンブリ300及び400の使用を必要とする。経路1423において1つ以上のプロセスが実行された後で、第1の基板ハンドラ103は、次いで、経路1424で示すように、第3の洗浄モジュール110から基板200を取り出して、当該基板を、第1の洗浄モジュール107、水平入力モジュール117又は垂直入力モジュール119内に配置する。次いで、第2の基板ハンドラ104は、経路1425で示すように、第1の洗浄モジュール107、水平入力モジュール117又は垂直入力モジュール119から、研磨ステーション105の移送ステーション105Aへと、基板200を移送する。基板が研磨ステーション105内の1つ以上の研磨モジュール(図示せず)内で処理された後で、基板は一度再び移送ステーション105A内に置かれる。次いで、第2の基板ハンドラ104は、経路1426で示すように、移送ステーション105Aから、洗浄ユニット106B内の第1の洗浄モジュール107へと、基板を移送する。第1の洗浄モジュール107、水平入力モジュール117又は垂直入力モジュール119において洗浄プロセスが実行された後に、次いで、第3の基板ハンドラ108が、経路1427で示すように、洗浄ユニット106A、106B内の洗浄モジュールを介して基板を移送する。先に同様に述べたように、経路1427に沿って実行される基板洗浄処理シーケンスは、例えば、処理経路ステップ1427
1、1427
2、1427
3及び1427
4のうちの1つ以上を含むことができ、この処理ステップは、1つ以上の第2の洗浄モジュール109、1つ以上の第3の洗浄モジュール110、及び/又は1つ以上の第4の洗浄モジュール115の間で基板を移送するために、ブレードアセンブリ300及び400の使用を必要とする。経路1427においてプロセスが実行された後で、第1の基板ハンドラ103は、次いで、経路1428で示すように、第3の洗浄モジュール110から基板200を取り出して、当該基板をローディングステーション102A内に配置する。上述したように、処理シーケンス1410が洗浄ユニット106A内の複数の基板に対して順次実行されている間、処理シーケンス1410は同時に、洗浄ユニット106B内の異なる複数の基板に対しても順次実行されうる。
【0142】
図14Dは、第1の基板ハンドラ103、第2の基板ハンドラ104、及び第3の基板ハンドラ108を使用して、洗浄ユニット106A、106Bのいずれかにおいて実行することが可能な基板処理シーケンス1430を示す。一実施形態において、
図14Dでは示されないが、基板処理シーケンス1430は、洗浄システム106の両側で並行して実行される。しかしながら、場合によっては、
図14Dに示すように、処理シーケンスは、基板処理シーケンス1430の異なる部分を実行するために、両方の洗浄ユニット106A、106Bを利用することが可能である。一例において、
図14Dに示す処理シーケンス1430は、経路1431で示すように、第1の基板ハンドラ103がローディングステーション102Aから基板を取り出し、当該基板を第3の洗浄モジュール110内に配置することから開始される。次いで、第3の基板ハンドラ108は、経路1432で示すように、洗浄モジュール106A、106B内の洗浄モジュールを介して、洗浄ユニット106A内の第1の洗浄モジュール107へと、基板を移送する。しかしながら、第1の洗浄モジュール107が水平入力モジュール117又は垂直入力モジュール119と置き換えられている場合には、第3の基板ハンドラ108は、第3の洗浄モジュール110から洗浄モジュールを介して、水平入力モジュール117又は垂直入力モジュール119のいずれかに基板を移送する。次いで、第2の基板ハンドラ104は、経路1433で示すように、第1の洗浄モジュール107、水平入力モジュール117又は垂直入力モジュール119から、研磨ステーション105の移送ステーション105Aへと、基板を移送する。基板が研磨ステーション105内の1つ以上の研磨モジュール(図示せず)内で処理された後で、基板は一度再び移送ステーション105A内に置かれる。次いで、第2の基板ハンドラ104は、経路1434で示すように、移送ステーション105Aから、洗浄ユニット106B内の第1の洗浄モジュール107へと、基板を移送する。第1の洗浄モジュール107、水平入力モジュール117又は垂直入力モジュール119において洗浄プロセスが実行された後に、次いで、第3の基板ハンドラ108が、経路1435で示すように、洗浄ユニット106A、106B内の洗浄モジュールを介して基板を移送する。先に同様に述べたように、経路1435に沿って実行される基板洗浄処理シーケンスは、例えば、処理経路ステップ1435
1、1435
2、1435
3及び1435
4のうちの1つ以上を含むことができ、この処理ステップは、1つ以上の第2の洗浄モジュール109、1つ以上の第3の洗浄モジュール110、及び/又は1つ以上の第4の洗浄モジュール115の間で基板を移送するために、ブレードアセンブリ300及び400の使用を必要とする。経路1435においてプロセスが実行された後で、第1の基板ハンドラ103は、次いで、経路1436で示すように、第3の洗浄モジュール110から基板を取り出して、当該基板をローディングステーション102A内に配置する。
【0143】
本明細書で開示された処理シーケンスのいずれかの幾つかの実施形態において、基板処理シーケンスは、1つ以上の第2の洗浄モジュール109内で洗浄プロセスを実行した後、又は第4の洗浄モジュール115が存在する場合には1つ以上の第4の洗浄モジュール115の後で、第3の洗浄モジュール110内で洗浄プロセスを実行する前に、第5の洗浄モジュール121内で洗浄プロセス(例えば、垂直蒸気乾燥プロセス)を実行することを含みうる。幾つかの他の実施形態において、基板処理シーケンスは、処理シーケンスの最後のステップとして、従って、1つ以上の第2の洗浄モジュール109内で洗浄プロセスを実行した後、又は第4の洗浄モジュール115が存在する場合には1つ以上の第4の洗浄モジュール115の後で、第5の洗浄モジュール121内で洗浄プロセス(例えば、垂直蒸気乾燥プロセス)を実行することを含みうる。
【0144】
以上の記述は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定される。
【国際調査報告】