(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-10-15
(54)【発明の名称】調節可能な台座
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20251007BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20251007BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20251007BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20251007BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20251007BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/302 101G
H01L21/68 N
C23C16/458
C23C16/44 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025519679
(86)(22)【出願日】2023-09-27
(85)【翻訳文提出日】2025-06-03
(86)【国際出願番号】 US2023033791
(87)【国際公開番号】W WO2024076479
(87)【国際公開日】2024-04-11
(32)【優先日】2022-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リンド・ギャリー・ビー.
(72)【発明者】
【氏名】コー・レオナード
(72)【発明者】
【氏名】エイブ・アンドリュー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】グラバル・ヴィナヤカラディー
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030CA04
4K030EA06
4K030EA11
4K030FA03
4K030FA10
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4K030HA01
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5F131JA24
5F131JA35
5F131KA23
(57)【要約】
【解決手段】基板に対しバルク堆積を実施するように構成された基板処理システム用の台座アセンブリは、上昇および降下されるように構成される。台座アセンブリは、ステム部と、ステム部上に設けられたベースプレート部と、ポンピングリングアセンブリとを含む。ベースプレート部は基板を支持するように構成される。ポンピングリングアセンブリはベースプレート部の周囲に設けられ、下側ポンピングリングと、下側ポンピングリングの上方に設けられた上側ポンピングリングとを含む。ポンピングリングアセンブリは、ポンピングリングアセンブリの半径方向外側の環状容積が台座アセンブリのベースプレート部の下方に画定される容積からポンピングリングアセンブリによって分離されるように、環状容積を画定するように構成される。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対してバルク堆積を実施するように構成された基板処理システム用の台座アセンブリであって、
前記台座アセンブリは上昇および下降されるように構成され、
前記台座アセンブリは、
ステム部と、
前記ステム部上に設けられたベースプレート部であって、前記基板を支持するように構成されたベースプレート部と、
前記ベースプレート部の周囲に設けられたポンピングリングアセンブリと、を有し、
前記ポンピングリングアセンブリは、(i)下側ポンピングリングと、(ii)前記下側ポンピングリングの上方に設けられた上側ポンピングリングと、を含み、
前記ポンピングリングアセンブリは、前記ポンピングリングアセンブリの半径方向外側の環状容積が前記台座アセンブリの前記ベースプレート部の下方に画定される容積から前記ポンピングリングアセンブリによって分離されるように、前記環状容積を画定するように構成される、台座アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の台座アセンブリであって、
前記台座アセンブリが上昇位置にあるときに前記ベースプレート部上に支持されるように構成されたカバーリングをさらに有し、
前記カバーリングは、前記基板が前記ベースプレート部上に配置されたときに前記基板の外側エッジに重なり、かつその上方に延在するように構成された内側エッジを含む、台座アセンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載の台座アセンブリであって、前記上側ポンピングリングは前記台座アセンブリが下降位置にあるときに前記カバーリングを支持するように構成される、台座アセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載の台座アセンブリであって、
前記上側ポンピングリングは半径方向内向きに延在するレッジを含み、
前記カバーリングは前記レッジ上に支持される、台座アセンブリ。
【請求項5】
請求項4に記載の台座アセンブリであって、
前記上側ポンピングリングは前記レッジ内に画定された内側環状凹部を含み、
前記カバーリングは前記内側環状凹部内で支持される、台座アセンブリ。
【請求項6】
請求項3に記載の台座アセンブリであって、前記基板の前記外側エッジと前記カバーリングの前記内側エッジとの下方において前記ベースプレート部と前記カバーリングとの間に画定される裏側パージ容積をさらに含む、台座アセンブリ。
【請求項7】
請求項6に記載の台座アセンブリであって、
前記裏側パージ容積内において前記ベースプレート部の上面に画定された複数の穴をさらに有し、
前記複数の穴は前記裏側パージ容積にパージガスを供給するように構成される、台座アセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載の台座アセンブリであって、
前記上側ポンピングリング内に画定された複数の穴をさらに有し、
前記複数の穴は、反応物質が前記ベースプレート部の上方の堆積容積から前記ベースプレート部の下方に画定される前記容積へと流れることを可能にするように構成される、台座アセンブリ。
【請求項9】
請求項8に記載の台座アセンブリであって、
前記上側ポンピングリングと前記下側ポンピングリングとの間に画定されたギャップをさらに含み、
前記ギャップは、反応物質が前記下側ポンピングリングの下方から前記下側ポンピングリングアセンブリの半径方向外側の前記環状容積へと半径方向外向きに流れることを可能にするように構成される、台座アセンブリ。
【請求項10】
請求項9に記載の台座アセンブリであって、前記下側ポンピングリングは概して「C」字型である、台座アセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載の台座アセンブリであって、前記下側ポンピングリングは、環状本体部と、前記環状本体部の上端と下端とから半径方向外向きに延在する脚部とを含む、台座アセンブリ。
【請求項12】
処理チャンバアセンブリであって、請求項1に記載の台座アセンブリを含む、処理チャンバアセンブリ。
【請求項13】
請求項12に記載の処理チャンバアセンブリであって、
前記ベースプレート部の下方の前記容積を画定する第1のセクションをさらに有し、
前記ポンピングリングアセンブリの半径方向外側の前記環状容積は、前記第1のセクションの内面と前記下側ポンピングリングの外面との間に画定される、処理チャンバアセンブリ。
【請求項14】
請求項13に記載の処理チャンバアセンブリであって、
前記第1のセクション上に設けられた上部プレートをさらに有し、
前記上部プレートは前記ベースプレート部の上方の堆積容積を画定する、処理チャンバアセンブリ。
【請求項15】
請求項14に記載の処理チャンバアセンブリであって、前記下側ポンピングリングは前記上部プレートの下面に取り付けられている、処理チャンバアセンブリ。
【請求項16】
基板に対してバルク堆積を実施するように構成された基板処理システム用の基板支持体であって、
前記基板を支持するように構成されたベースプレート部と、
前記ベースプレート部の周囲に設けられたポンピングリングアセンブリであって、前記ポンピングリングアセンブリの半径方向外側の環状容積が前記基板支持体の前記ベースプレート部の下方に画定される容積から前記ポンピングリングアセンブリによって分離されるように、前記環状容積を画定するように構成されるポンピングリングアセンブリと、を有する基板支持体。
【請求項17】
請求項16に記載の基板支持体であって、前記ポンピングリングアセンブリは、(i)下側ポンピングリングと、(ii)前記下側ポンピングリングの上方に設けられた上側ポンピングリングと、を含む、基板支持体。
【請求項18】
請求項17に記載の基板支持体であって、
前記ベースプレート部は外向きの段差を含み、
前記基板支持体は前記外向きの段差上に支持されるように構成されたカバーリングをさらに有する、基板支持体。
【請求項19】
請求項18に記載の基板支持体であって、
前記基板支持体は上昇および下降されるように構成され、
前記カバーリングは(i)前記基板支持体が上昇位置にあるときに前記外向きの段差上に支持され、(ii)前記基板支持体が下降位置にあるときに前記上側ポンピングリング上に支持されるように構成される、基板支持体。
【請求項20】
請求項17に記載の基板支持体であって、
前記上側ポンピングリングは複数の穴を有し、
前記複数の穴は、反応物質が前記ベースプレート部の上方の堆積容積から前記ベースプレート部の下方に画定される前記容積へと流れることを可能にするように構成され、
前記下側ポンピングリングと前記上側ポンピングリングとの間に画定されるギャップは、反応物質が前記上側ポンピングリングの下方から前記ポンピングリングアセンブリの半径方向外側の前記環状容積へと流れることを可能にするように構成される、基板支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2022年10月6日に出願された米国仮特許出願63/413,837号の利益を主張する。上記で参照されている出願は、その全体の開示が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板処理システム用の台座の設計に関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術の欄において説明される範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
基板処理ツールは、一般に、半導体ウエハなどの基板に対して堆積、エッチング、およびその他の処理を実施するための複数のステーションを有する。基板に対し実施され得るプロセスの例には、化学気相堆積(CVD)プロセス、化学強化プラズマ気相堆積(CEPVD)プロセス、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)プロセス、スパッタリング物理気相堆積(PVD)プロセス、原子層堆積(ALD)、およびプラズマ強化ALD(PEALD)が含まれる。基板に対して実施され得るプロセスのさらなる例には、エッチングプロセス(例えば、化学エッチング、プラズマエッチング、反応性イオンエッチングなど)およびクリーニングプロセスが含まれる。
【0005】
処理中、基板は処理チャンバ内で静電チャック(ESC)または台座などの基板支持体の上に置かれる。処理チャンバ内にはプロセスガスが導入され、いくつかの例においては、処理チャンバ内でプラズマが打たれる。プロセスガスは、シャワーヘッドなどのガス分配装置を使用して導入される。
【発明の概要】
【0006】
基板に対してバルク堆積を実施するように構成された基板処理システム用の台座アセンブリは、上昇および降下されるように構成される。台座アセンブリは、ステム部と、ステム部上に設けられたベースプレート部と、ポンピングリングアセンブリとを含む。ベースプレート部は基板を支持するように構成される。ポンピングリングアセンブリはベースプレート部の周囲に設けられ、下側ポンピングリングと、下側ポンピングリングの上方に設けられた上側ポンピングリングとを含む。ポンピングリングアセンブリは、ポンピングリングアセンブリの半径方向外側の環状容積が台座アセンブリのベースプレート部の下方に画定される容積からポンピングリングアセンブリによって分離されるように、環状容積を画定するように構成される。
【0007】
別の特徴では、台座アセンブリは、台座アセンブリが上昇位置にあるときにベースプレート部上に支持されるように構成されたカバーリングをさらに含み、カバーリングは、基板がベースプレート部上に配置されたときに基板の外側エッジに重なり、かつその上方に延在するように構成された内側エッジを含む。上側ポンピングリングは台座アセンブリが下降位置にあるときにカバーリングを支持するように構成される。上側ポンピングリングは半径方向内向きに延在するレッジを含み、カバーリングはレッジ上に支持される。上側ポンピングリングはレッジ内に画定された内側環状凹部を含み、カバーリングは内側環状凹部内で支持される。
【0008】
別の特徴では、台座アセンブリは、基板の外側エッジとカバーリングの内側エッジとの下方においてベースプレート部とカバーリングとの間に画定される裏側パージ容積をさらに含む。台座アセンブリは、裏側パージ容積内においてベースプレート部の上面に画定された複数の穴をさらに含む。複数の穴は裏側パージ容積にパージガスを供給するように構成される。台座アセンブリは、上側ポンピングリング内に画定された複数の穴をさらに含む。複数の穴は、反応物質がベースプレート部の上方の堆積容積からベースプレート部の下方に画定される容積へと流れることを可能にするように構成される。
【0009】
別の特徴では、台座アセンブリは上側ポンピングリングと下側ポンピングリングとの間に画定されたギャップを含む。ギャップは、反応物質が下側ポンピングリングの下方からポンピングリングアセンブリの半径方向外側の環状容積へと半径方向外向きに流れることを可能にするように構成される。下側ポンピングリングは概して「C」字型である。下側ポンピングリングは、環状本体部と、環状本体部の上端と下端とから半径方向外向きに延在する脚部とを含む。
【0010】
別の特徴では、処理チャンバアセンブリが台座アセンブリを含む。処理チャンバアセンブリは、ベースプレート部の下方の容積を画定する第1のセクションをさらに含む。ポンピングリングアセンブリの半径方向外側の環状容積は、第1のセクションの内面と下側ポンピングリングの外面との間に画定される。処理チャンバアセンブリは、第1のセクション上に設けられた上部プレートをさらに含む。上部プレートはベースプレート部の上方の堆積容積を画定する。下側ポンピングリングは上部プレートの下面に取り付けられている。
【0011】
基板に対してバルク堆積を行うように構成された基板処理システム用の基板支持体は、ベースプレート部とポンピングリングアセンブリとを含む。ベースプレート部は基板を支持するように構成される。ポンピングリングアセンブリはベースプレート部の周囲に設けられる。ポンピングリングアセンブリは、ポンピングリングアセンブリの半径方向外側の環状容積が基板支持体のベースプレート部の下方に画定される容積からポンピングリングアセンブリによって分離されるように、環状容積を画定するように構成される。
【0012】
別の特徴では、ポンピングリングアセンブリは、下側ポンピングリングと、下側ポンピングリングの上方に設けられた上側ポンピングリングと、を含む。ベースプレート部は外向きの段差を含む。基板支持体は、外向きの段差上に支持されるように構成されたカバーリングをさらに含む。基板支持体は上昇および下降されるように構成されている。カバーリングは、基板支持体が上昇位置にあるときに外向きのステップ上に支持され、基板支持体が下降位置にあるときに上側ポンピングリング上に支持されるように構成される。上側ポンピングリングは、反応物質がベースプレート部の上方の堆積容積からベースプレート部の下方に画定された容積へと流れることを可能にするように構成される複数の穴を含む。下側ポンピングリングと上側ポンピングリングとの間に画定されたギャップは、反応物質が上側ポンピングリングの下方からポンピングリングアセンブリの半径方向外側の環状容積へと流れることを可能にするように構成される。
【0013】
本開示のさらなる適用範囲は、発明の詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。発明の詳細な説明および具体的な例は説明に用いることのみを意図しており、本開示の範囲を制限することは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示は発明の詳細な説明および添付の図面により、より完全に理解されるであろう。
【0015】
【
図1】
図1は、本開示に係る例示的なカバーリングを有する基板処理システムの機能ブロック図である。
【0016】
【
図2】
図2は、本開示に係る例示的な処理チャンバと、シャワーヘッドと、基板支持体とを示す。
【0017】
【
図3A】
図3Aは、本開示に係る台座アセンブリを含む処理チャンバアセンブリを示す。
【0018】
【
図3B】
図3Bは、本開示に係る台座アセンブリの周囲に配置された例示的なポンピングリングを示す。
【0019】
【
図3C】
図3Cは、本開示に係る台座アセンブリのベースプレート部の周囲の例示的な裏側パージ容積を示す。
【0020】
図面において、参照符号は類似および/または同一の要素を特定するために再使用される場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
基板処理ツールは1つまたは複数のプロセスモジュールまたはチャンバを有する。例えば、マルチステーションモジュール(例えば、クワッドステーションモジュール(QSM))は、基板に対して堆積、エッチング、およびその他の処理を実施するための複数のステーションを有する。それぞれのステーションでは、異なるプロセスが実施され得る。対照的に、シングルステーションモジュールは単一のステーションのみを有する。
【0022】
いくつかの例では、マルチステーションモジュールの第1のステーションで核形成プロセス(例えば、原子層堆積(ALD)の核形成ステップ)が実施される一方、マルチステーションモジュールのその他のステーションではバルクフィル/堆積ステップが実施される。チャンバの最適な寸法と形状および/またはプロセスパラメータは、それぞれのステップで異なり得る。例えば、核形成ステップに最適なチャンバ圧力および温度は、バルク堆積ステップに最適なチャンバ圧力および温度よりも低くなり得る。しかし、マルチステーションモジュール内のステーションは同じ処理チャンバを共有しているため、処理チャンバの条件が核形成ステップにもバルク堆積ステップにも最適ではない場合がある。
【0023】
本開示に係るプロセスモジュールは、ALDプロセスのバルク堆積ステップに最適化された構成要素を有する。例えば、プロセスモジュールは核形成ステップとは独立にバルク堆積ステップを実施するために構成されたシングルステーションモジュールである。核形成ステップは、プロセスモジュールに移送されるより前に、異なるモジュールまたはツールにおいて実施されてもよい。その結果、核形成ステップとバルク堆積ステップとを、それぞれ最適なプロセス条件で実施できる。バルク堆積について説明したが、本開示の原理はその他のタイプの堆積にも適用され得る。
【0024】
プロセスモジュールは、基板支持体(例えば、1つまたは複数の加熱ゾーンを備えた台座)と、キャリアリングまたはカバーリングと、台座の周囲に配置された1つまたは複数のポンピングリングとを有する。1つまたは複数のポンピングリングは、下側ポンピングリングと上側ポンピングリングとを含んでもよい。カバーリングは基板の外側エッジの上方に延在し、かつ基板の外側エッジに重なり、基板の外側エッジ上への堆積を減らす。例えば、台座とカバーリングとの間の、基板の外側エッジの周囲のギャップに、不活性ガスが供給される。カバーリングの外側エッジは上側ポンピングリングの内側エッジ上に張り出している。その結果、台座が基板の移送のために下降された場合に、カバーリングは上側ポンピングリング上に支持される。反対に、台座が上昇された場合には、台座の外側エッジがカバーリングを支持する。
【0025】
図1を参照すると、本開示に係る、処理チャンバ104を有する基板処理システム100の一例が示されている。以下でより詳細に説明するように、処理チャンバ104は、複数のセクションまたは部品(例えば、個別に機械加工された処理チャンバのセクション)のアセンブリで構成される。処理チャンバ104は、パージ中にポンピングの均一性を向上させるように構成されている。
【0026】
シャワーヘッド108は、処理チャンバ104の上面内または一部に配置される。基板112は処理中、基板支持体116(例えば、CVDおよび/またはALD堆積用に構成された台座)に配置される。例えば、基板112に対してはALDプロセスのバルク堆積が実施される。
【0027】
ガス送達システム120は、バルブ124-1、124-2・・・、および124ーN(まとめてバルブ124)とマスフローコントローラ126-1、126-2・・・、および126-N(まとめてMFC126)とに接続されたガス源122-1、122-2・・・、および122-N(まとめてガス源122)を含む。MFC126は、ガス源122から、ガスが混合されるマニホールド128へのガスの流れを制御する。マニホールド128の出力は、マニホールド136に供給される。マニホールド136の出力は、シャワーヘッド108(例えば、以下でより詳しく説明するように、マルチインジェクタ、マルチゾーンシャワーヘッド)に入力される。マニホールド128および136が図示されているものの、単一のマニホールドを用いてもよい。
【0028】
いくつかの例では、基板支持体116の温度は抵抗ヒータ144を使用して制御されてもよい。いくつかの例では、抵抗ヒータ144を異なる加熱ゾーンに配置することで、基板支持体116のそれぞれの加熱ゾーンにおいて温度を独立して制御できる。基板支持体116は、冷却剤チャネル146を含んでもよい。冷却剤チャネル146には、流体ストレージ148およびポンプ150から冷却流体が供給される。圧力を測定するために、圧力センサ152、154が、それぞれ、マニホールド128またはマニホールド136の中に配置されてもよい。バルブ156とポンプ158とは、処理チャンバ104から反応物質を排出(すなわち、パージ)するため、および/または処理チャンバ104内の圧力を制御するために使用されてもよい。
【0029】
コントローラ160は、シャワーヘッド108により提供されるドーズ量を制御するドーズコントローラ162を有する。コントローラ160は、ガス送達システム120からのガス送達も制御する。コントローラ160は、バルブ156とポンプ158とを用いて、処理チャンバ内の圧力および/または反応物のパージを制御する。コントローラ160は、温度フィードバック(例えば、基板支持体内のセンサ(図示しない)および/または冷却剤の温度を測定するセンサ(図示しない)からのフィードバック)に基づいて基板支持体116と基板112との温度を制御する。
【0030】
堆積プロセスを実施するように構成されると説明されているものの、基板処理システム100はエッチングプロセスを実施するように構成されてもよい。いくつかの例では、基板処理システム100は基板112に対して堆積プロセスと同じ処理チャンバ104内でエッチングを実施するように構成されてもよい。したがって、基板処理システム100はRF電力を生成して下部電極(例えば、図示されているように、基板支持体116のベースプレート)と上部電極(例えば、シャワーヘッド108)とのうち一方に供給するように構成されたRF生成システム164(例えば、電圧源や電流源など)を有してもよい。下部電極と上部電極とのうち他方はDC接地、AC接地、または非接地であってもよい。
【0031】
単なる例にすぎないが、RF生成システム164は、処理チャンバ104内でプラズマを生成して基板112をエッチングするために整合および分配ネットワーク168によって供給されるRF電圧を生成するように構成された、RF生成器166を有してもよい。他の一例では、プラズマは誘導的に、または遠隔で生成されてもよい。例示を目的として示すとおり、RF生成システム164は容量結合プラズマ(CCP)システムに対応している。しかし、本開示の原理は、単なる例にすぎないが、トランス結合プラズマ(TCP)システム、CCPカソードシステム、遠隔マイクロ波プラズマ生成/送達システムなど、その他の適切なシステムによっても実装され得る。
【0032】
基板支持体116は、カバーリング170を有する。いくつかの例では、カバーリング170の内側エッジは基板112の外側エッジに重なる。いくつかの例では、基板支持体116は基板112を処理チャンバ104内に移送するために下降される。例えば、基板112は、基板支持体116が下降された場合に露出するリフトピン(
図1には図示なし)上に移送される。以下でより詳細に説明するように、基板支持体116が下降されると、カバーリング170はポンピングリングなどの構造上に支持され得る。次に基板支持体116は上昇され、基板112およびカバーリング170と係合する。
【0033】
いくつかの例では、処理チャンバ104は、処理チャンバ104の底面に位置づけられた1つまたは複数のパージポート180(例えば、底部パージポート)を使用してパージされる。例えば、バルブ156とポンプ158とは、処理チャンバ104を通って下向きに、かつパージポート180の外へと選択的に反応物質をパージするように制御される。以下でより詳細に説明するように、本開示に係る処理チャンバ104と基板支持体116とは、処理チャンバ104内に画定されるパージ容積の対称性を向上させ、ポンピングフローの均一かつ環状の分布を促進するように構成される。
【0034】
図2は、本開示に係る基板支持体(すなわち、台座)204を有する例示的な処理チャンバ200を示している。いくつかの例では、処理チャンバ200は複数のパーツのアセンブリで構成される。一例では、処理チャンバ200はシングルステーションモジュールのステーションに対応する。処理チャンバ200は、異なる処理チャンバで実施される核形成ステップに続き、シャワーヘッド206から反応物質を供給して基板208に対しバルク堆積ステップを実施するように構成される。例えば、核形成ステップに続いて、基板208は、処理チャンバ200内に配置された基板支持体(すなわち、台座)212に移送される。
【0035】
一例では、基板208は、台座204が下降位置にあるときに、処理チャンバ200の側壁にあるスロットまたはその他の開口214を通って移送される。台座204が下降位置にあるとき、リフトピン216は台座204の上面の上方に延在し、基板208はリフトピン216の上に載置される(例えば、移送ロボットを使用して)。次に、
図2に示すように、台座204が上昇されて基板208を上昇位置へと持ち上げて支持する。換言すると、リフトピン216は静的(すなわち、固定)リフトピンであり、上昇および下降しない。それに代わり、基板208の配置のために台座204が上昇および下降する。
【0036】
処理チャンバ200と、シャワーヘッド206と、台座204とのそれぞれは、シャワーヘッド206と台座204との間に画定された堆積ゾーン218における方位角的な非対称性を最小化するように構成される。例えば、堆積ゾーン218はシャワーヘッド206の下側の基板に面したフェースプレート220と、処理チャンバ200の環状の内面222と、台座204との間に画定される対称的な環状容積である。さらに、フェースプレート220と台座204との間のギャップは、堆積ゾーン218内でのプロセスガスの流れと分布の均一性を維持するために最小化される。
【0037】
シャワーヘッド206は、ベースまたはヘッド部226とステム部228とを有する。ステム部228は、処理チャンバ200の上側の壁(例えば、蓋230)を通過して延在し、ヘッド部226に接続する。例えば、ヘッド部226はフェースプレート220と、バックプレート232と、フェースプレート220とバックプレート232との間に設けられた中間プレート234とを有する。この例では、フェースプレート220は処理チャンバ200の上面として機能する。
【0038】
フェースプレート220と、バックプレート232と、中間プレート234とは、ヘッド部226内の少なくとも3つの流路と各プレナム238とを画定し、半径方向における調整可能性とプロセス構成可能性を提供する。例えば、1つまたは複数のプレナム238-1がフェースプレート220の上面に画定され、プレナム238-2が中間プレート234の上面に画定され、プレナム238-3がバックプレート232の上面に画定され、プレナム238-4がフェースプレート220内でプレナム238-1の半径方向外側に画定される。プレナム238-1、238-2、238-3、および238-4は、まとめてプレナム238と呼ばれる。
【0039】
図示されているように、第1の流路(実線/矢印で示す)240は、ステム228を通じて、フェースプレート220の中央ゾーン242内に画定された対応するプレナムへとガスを供給する。第2の流路(点線/矢印で示す)244は、ステム228を通じて、フェースプレート220の半径方向または中間ゾーン246内に画定された対応するプレナムへとガスを供給する。第3の流路(破線/矢印で示す)248は、ステム228を通じて、フェースプレート220の外側またはエッジゾーン250内に画定された対応するプレナムへとガスを供給する。単なる例示に過ぎないが、第1の流路240はステム228を通り、中央入口252-1を介して中央ゾーン242にガスを供給し、第2の流路244はバックプレート232と中間プレート234とを通り、中間入口252-2を介して中間ゾーン246にガスを供給し、第3の流路248はバックプレート232と中間プレート234とを通り、エッジ入口252-3を介してエッジゾーン250にガスを供給する。
【0040】
フェースプレート220は、プレナム238から処理チャンバ200内の堆積ゾーン218へと延在する複数の穴254を含む。例えば、第1の流路240内のガスは中央ゾーン242の穴254を通じて流れ、第2の流路244内のガスは中間ゾーン246の穴254を通じて流れ、第3の流路248内のガスはエッジゾーン250の穴254を通じて流れる。
【0041】
中央ゾーン242と、中間ゾーン246と、エッジゾーン250とに供給されるガスは、基板208の対応する領域に供給される特定の反応物質(すなわち、ガス)を追加または削除するように独立して制御できる。例えば、バルク堆積を実施するために堆積ゾーン218に供給されるガス混合物は、例えばアルゴン(Ar)、分子性水素(H2)、六フッ化タングステン(WF6)、分子性窒素(N2)などの、さまざまな反応性および非反応性のガスを含み得る。別の例では、例えばジボラン(C2H6)、シラン(SiH4)など、別のガスおよびガス混合物が供給され得る。各ゾーン242、246、250に供給されるそれぞれのガスの量は、(例えば、ガス制御システム120のようなガス制御システムの個別に制御可能な構成要素を使用して)、基板208の異なる位置での堆積速度および膜の特性を調整するために制御可能である。換言すると、それぞれのゾーンに供給される各ガスの量は、独立して制御可能である。
【0042】
図2に示されるように、第3の流路248を介してエッジゾーン250に供給されるガスは、フェースプレート220の最も外側の穴260のみに供給される。換言すると、第3の流路248は、中央ゾーン242および中間ゾーン246にはガスを供給しない。例えば、穴260はフェースプレート220のエッジゾーン250内に画定されたプレナム238-3およびプレナム238-4と流体連通するが、中央ゾーン242および中間ゾーン246内に画定されたプレナム238-1とは流体連通しない。一例として、エッジゾーン250内のプレナム238-4は、中央ゾーン242および中間ゾーン246内のプレナム238-1から分離されている。
【0043】
反対に、プレナム238-1は中央ゾーン242と中間ゾーン246との両方に画定された単一のプレナムに対応する場合がある。その結果、第1の流路240と第2の流路244との両方を介して供給されたガスは同じプレナム238-1に供給される。第1の流路240と第2の流路244とを通じて供給されるガスは、プレナム238-1内で混合され、穴254を通って流れる。
【0044】
図示されているように、処理チャンバ200は第1のセクション(例えば、上側セクション)264と、第2のセクション(例えば、下側セクション)268と、第3のセクション(例えば、底部プレート)272とで構成されるアセンブリである。例えば、第1のセクション264と、第2のセクション268と、第3のセクション272とは、独立して機械加工され、互いにろう付けされて処理チャンバ200を構成するアルミニウム製セクションである。処理チャンバ200は、シャワーヘッド206と蓋230とに係合して堆積ゾーン218を画定するように構成された第4のセクション(例えば、上部プレートまたはセクション)276を含んでもよい。
【0045】
本開示に係る台座204は、カバーリング280を支持するように構成される。カバーリング280は、基板208の外側エッジ上に延在し、かつ基板208の外側エッジに重なる/基板208の外側エッジを覆う内側エッジまたは縁部を含む。このように、カバーリング280は基板208の外側エッジ上への堆積を減らす。台座204が下降されると、カバーリング280は、以下で
図3Aにおいて詳細に示すように、上側ポンピングリング(
図2には図示なし)の内側エッジなどのレッジ282上に支持される。
【0046】
図3Aは、本開示に係る台座または台座アセンブリ304を含む処理チャンバアセンブリ300を示している。いくつかの例では、本開示により詳細に示される、処理チャンバアセンブリ300は、第1のセクション308-1、第2のセクション308-2、第3のセクション308-3(まとめてセクション308と呼ばれる)などの複数のセクションから構成される。図示を簡潔にするため、
図2に示されている一部の詳細(例えば、シャワーヘッド206、リフトピン216など)は
図3Aから省略されている。セクション308内に画定された、さまざまなマニホールドと、プレナムまたは内部容積と、チャネルとは、破線で示されている。3つのセクション(例えば、独立して機械加工され、互いにろう付けされている)として図示されているものの、別の例では、アセンブリ300は3つのセクションよりも少ないまたは多いセクションから構成され得る、および/または異なる作成方法で形成され得る(例えば、積層造形)。第4のセクション310または上部プレート(例えば、第4のセクション276に対応する)は、第1のセクション308-1上に設けられてもよい。
【0047】
第1のセクション308-1は、台座アセンブリ304の周囲の、中間部312-1と上部312-2と(下部312-3とともに、まとめて第1の容積312と呼ばれる)を含む概して環状のプレナムまたは容積を画定する。例えば、中間部312-1は、台座アセンブリ304のベースプレート部320の下方で台座アセンブリ304のステム部318を囲む。中間部312-1の直径は、ベースプレート部320の直径と概して同一である(または、図示されているように、ベースプレート部320の直径よりわずかに大きい)。上部312-2はベースプレート部320を囲んでいる。上部312-2は、階段状の構成を有してもよい。換言すると、図示されているように、上部312-2の外径はベースプレート部320に対して1倍以上、半径方向外向きに突き出している。上部312-2は、第1のマニホールドまたはマニホールディングの1段階目として機能する。
【0048】
第1のセクション308-1は、第1の容積312へのアクセスを提供する1つまたは複数のスロット322-1および322-2(まとめてスロット322と呼ばれる)を含んでもよい。例えば、スロット322-1は上記のように、台座アセンブリ304上へと移送される基板のためのアクセスを提供する。一方、スロット322-2は第1の容積312、台座アセンブリ304などへの視覚的なアクセスを可能にするのぞき窓として機能してもよい。
【0049】
第2のセクション308-2は、第1の容積312の下部312-3、環状の第2の容積324、環状の第3の容積328などの複数のプレナムまたは容積を画定する。下部312-3と第2の容積324とは、第2のセクション308-2の上面に画定される。例えば、下部312-3は中間部312-1と連続しており、ステム部318を囲む。第2の容積324は、下部312-3の半径方向外側に位置づけられる。第2の容積324は、第2のマニホールドまたはマニホールディングの2段階目として機能する。一方、第3の容積328は第2のセクション308-2の下面に画定される。例えば、第3の容積328は概して「L」字型の断面を有する。第3の容積328は、第3のマニホールドまたはマニホールディングの3段階目として機能する。
【0050】
いくつかの例では、ステム部318の周囲に、パージプレート330(例えば、環状またはディスク状のプレート)が下部312-3に設けられる。パージプレート330は、第1の容積312を、第2のセクション308-2と第3のセクション308-3とを通って延在する底部パージポート332から分離する。パージプレート330は、複数の穴または環状スロット334を含む。一方、第3の容積328は第3のセクション308-3を通る主ポンピングポート336と流体連通している。
【0051】
第1の容積312の上部312-2と、第2の容積324と、第3の容積328とは、それぞれ、マニホールディングの1段階目、2段階目、3段階目に対応しており、アセンブリ300の第1、第2、および第3のセクション304を通る内部ポンピング通路を提供する。上部312-2と第2の容積324との間、第2の容積324との第3の容積328との間などに延在し、これらを流体連結するさまざまなチャネル340は、円形のパターンで配置されてもよい。チャネル340は、円形のパターンで配置されてもよい。例えば、チャネル340は第1のセクション308-1と第2のセクション308-2とに形成された複数の穴を含む。
【0052】
第1の容積312の上部312-2と、第2の容積324と、第3の容積328と、第2のチャネル340とは、反応物質を台座アセンブリ304の上方の堆積容積344から主ポンピングポート336へと排出するための第1の流路342を提供する内部ポンピング通路を画定する。例えば、図示されているように、第1の流路342は第1の容積312の下部312-1と、台座アセンブリ304のベースプレート部320との半径方向外側に位置づけられている。第1の流路342を画定する構成要素は、ポンピングの均一性と対称性を向上させて台座アセンブリ304への裏側堆積を減らすように構成される。一方、底部パージポート332は、所望により、第1の容積312から出る追加の流路348を介した、第1の容積312から出る追加のポンピング/パージのフローを提供する。
【0053】
本開示に係る台座アセンブリ304は、カバーリング352を支持する。例えば、ベースプレート部320の上面は、カバーリング352を支持するように構成された外向きの段差354を有する。カバーリング352は、台座アセンブリ304上に置かれた基板360の外側エッジ上に延在し、かつ基板360の外側エッジに重なる/基板360の外側エッジを覆う、内側縁部またはエッジ356を含む。カバーリング352の内側エッジ356は基板360の外側エッジへの堆積を減らす。
【0054】
台座アセンブリ304は、ベースプレート部320の外縁の周囲に設けられる下側ポンピングリング364-1と、上側ポンピングリング364-2と(まとめてポンピングリングアセンブリまたはポンピングリング364と呼ぶ)を含む。例えば、ポンピングリング364は環状である。ポンピングリング364は、第1の容積312の上部312-2を中間部312-1から分離する。ポンピングリング364は、第1の流路342を介した、堆積容積344から上部312-2への反応物質のフローを調整するように構成される。その結果、主ポンピングポート336が上記のように堆積容積344を排気するように作動しているとき、反応物質はポンピングリング364を通って、次に、第2の容積324と第3の容積328とを通って、上部312-2へと引き込まれる。
【0055】
図3Aに示され、
図3Bにさらに詳細に示されるように、上側ポンピングリング364-2は上部プレート310の底面に(例えば、上部プレート310と第1のセクション308-1との間に)取り付けられている。例えば、上側ポンピングリング364-2は上部プレート310に、ねじなどの締結具によって取り付けられている。上側ポンピングリング364-2は、カバーリング352の外側エッジの下方に設けられたレッジ(例えば、半径方向内側に延在する段差または突起)368を含む。その結果、ベースプレート部320への、またはベースプレート部320からの基板360の移送を容易にするために台座アセンブリ304が下降されると、カバーリング352はレッジ368上に支持される。例えば、レッジ368は、カバーリング352を支持するように構成された環状の内側凹部372を画定してもよい。
【0056】
図3Bに示されるように、レッジ368は複数の開口または穴376を含む。穴376は、レッジ368の周辺を囲んで配置される。穴376は、反応物質が、上側ポンピングリング364-2の上方(すなわち、堆積容積344)から、上側ポンピングリング364-2を通って、上側ポンピングリング364の下方(すなわち、第1の容積312)へと流れることを可能にする。
【0057】
一方、下側ポンピングリング364-1は、第1の容積312の上部312-2内で第1のセクション308-1の上面に取り付けられる。例えば、下側ポンピングリング364-1は概して「C」字型であり、半径方向内側の垂直部(例えば、環状本体部)378と、本体部378の上端および下端から半径方向外側に延在する水平脚部380とを含む。第1の容積312の上部312-2は、下側ポンピングリング364-1の外面と第1のセクション308-1の内面との間に画定される。
【0058】
下側ポンピングリング364-1の上面と上側ポンピングリング364-2の下面との間には、流路またはギャップ382(例えば、水平ギャップ)が画定される。ギャップ382は、反応物質がポンピングリング364の間を半径方向外側に、上部312-2へと流れることを可能にする。
【0059】
引き続き
図3Aおよび
図3Bを参照しながら
図3Cを参照すると、環状の裏側パージ容積またはギャップ384が、ベースプレート部320の外面386とカバーリング352の内面388との間に画定されている。パージ容積384の内部では外向きの段差354の一部に複数の穴390が円周方向に設けられている。穴390は、基板360の外側エッジとカバーリング352の内側エッジ356との下方において裏側パージ容積384内に位置づけられている。
【0060】
穴390を介して裏側パージ容積384にガス(例えば、アルゴンなどの、パージガスまたは不活性ガス)が供給される。例えば、ガスは(
図3Bに示されるように)ベースプレート部320内に画定された1つまたは複数のプレナム392へと供給され、プレナム392から、穴390を通って、裏側パージ容積384へと供給されてもよい。このように裏側パージ容積384へと供給されたガスは、裏側パージ容積384を加圧し、反応物質が基板360の外側エッジとカバーリング352との間を流れることを防止する。その結果、裏側への堆積が減少する。
【0061】
さらに、基板360の最も外側のエッジ(例えば、最も外側の1mm、ベベル領域など)での表面への堆積(すなわち、上面への体積)は、減少する、またはなくなる。典型的には、基板ハンドリング構成要素は移送中、基板360の最も外側のエッジに接する。基板360のエッジでの基板ハンドリング構成要素と堆積材料との接触により、堆積材料の粒子が剥がれ落ち得る。したがって、裏側パージ容積384にパージガスを供給することにより、基板360の最も外側のエッジおよび/またはベベルへの堆積を防止し、粒子の発生の可能性を減らすことができる。
【0062】
上記の説明は本質的に例示的にすぎず、本開示、その応用または使用について限定することは意図していない。本開示の広範な教示はさまざまな形態で実装可能である。よって、本願は特定の例を含んではいるが、図面、明細書および以下の特許請求の範囲を検討することでその他の変形例も明らかになるであろうことから、本開示の真の対象範囲はそれらに限定されるものではない。方法における1つ以上の工程は、本開示の原理を変更することなく異なる順序で(または同時に)実施されてよいことが理解されるべきである。さらに、実施形態の各々は、特定の特徴を有するものとして記載されているが、本開示の任意の実施形態に関して記載された特徴の内の任意の1または複数の特徴を、他の実施形態のいずれかに実装できる、および/または、組み合わせが明確に記載されていないとしても、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることができる。換言すると、上述の実施形態は互いに排他的ではなく、1または複数の実施形態を互いに置き換えることは本開示の範囲内にある。
【0063】
要素の間(例えば、モジュールの間、回路要素の間、半導体層の間)の空間的関係性および機能的関係性は、「接続される」、「係合される」、「結合される」、「隣接する」、「隣に」、「の上に」、「上方に」、「下方に」、および、「設けられる」など、さまざまな用語を用いて記載されている。上記の開示に第1および第2の要素が記載されている場合には、「直接」と明確に記載されていない限り、その関係性は第1および第2の要素の間にその他の介在する要素が存在しない直接的な関係性であってもよいが、1つまたは複数の介在する要素が(空間的にも、機能的にも)第1および第2の要素の間に存在する非直接的な関係性であってもよい。本明細書において、A、B、およびCのうち少なくとも1つとの表現は、非排他的論理和ORを用いて、論理和(AまたはBまたはC)を意味するものとして解釈されるものであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」を意味するものとして解釈されるものではない。
【0064】
いくつかの実装形態においては、コントローラはシステムの一部であり、そのシステムは上述の例の一部であってもよい。このようなシステムは、1つもしくは複数の処理ツール、1つもしくは複数のチャンバ、1つもしくは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガスフローシステムなど)などの、半導体処理機器を含んでもよい。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステムの動作を制御するための電子機器と一体化されていてもよい。この電子機器を、1つまたは複数のシステムの各種構成要素または副構成要素を制御し得る「コントローラ」と呼んでもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、本明細書に開示された、処理ガスの送達、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)生成器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体送達設定、位置および動作設定、ツールへのウエハの搬入出、ならびに、特定のシステムに接続または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックへのウエハの搬入出等のいずれかのプロセスを制御するようにプログラムされていてもよい。
【0065】
大まかに言えば、コントローラは、例えば、命令を受信し、命令を出し、操作を制御し、クリーニング操作を可能とし、エンドポイント計測等を可能にする各種集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、特定用途向け集積回路(ASICs)として定義されたチップ、および/またはプログラム命令(例えばソフトウェア)を実行する1つもしくは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、さまざまな個別設定(またはプログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であって、半導体ウエハ上もしくは半導体ウエハ用に、またはシステムに対して特定のプロセスを実行する動作パラメータを定めるものであってもよい。操作パラメータは、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハのダイの製造の際の1つまたは複数の処理工程を達成するためにプロセスエンジニアによって定められるレシピの一部であってよい。
【0066】
コントローラは、いくつかの実装形態において、システムと一体化された、システムに結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続されたコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されていてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内、または、ウエハ処理の遠隔アクセスを可能とする製造工場のホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。このコンピュータは、システムへの遠隔アクセスを可能とすることで、製造操作の現在の進行を監視し、過去の製造操作の履歴を検証し、複数の製造操作から傾向または性能基準を検証することで、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理工程を設定し、または新しいプロセスを開始できる。いくつかの例では、遠隔コンピュータ(例えばサーバ)が、ローカルネットワークまたはインターネットを含み得るネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供できる。遠隔コンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能とするユーザインターフェースを含んでもよく、パラメータおよび/または設定は次に遠隔コンピュータからシステムに伝達される。いくつかの例では、コントローラは、1つまたは複数の操作中に行われる各処理工程のパラメータを定めたデータの形式で命令を受信する。なお、このパラメータは行われるプロセスの種類や、コントローラがインターフェース接続または制御するように構成されているツールの種類に特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述の通り、コントローラは、互いにネットワーク接続されて、本明細書に記載のプロセスや制御等の共通の目的に向かって働く1つまたは複数の別個のコントローラを含めること等により、分散されてもよい。そのような目的のために分散されたコントローラの例としては、チャンバ上のプロセスを制御するために組み合わされて、遠隔配置(例えばプラットフォームレベルで、または遠隔コンピュータの一部として)された1つまたは複数の集積回路と通信する、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路が挙げられる。
【0067】
限定しないが、例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、クリーンチャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、および半導体ウエハの製造および/または生産に関連づけられるかまたは使用され得る他の任意の半導体処理システムを含んでもよい。
【0068】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体に配置されたツール、メインコンピュータ、他のコントローラ、またはウエハのコンテナをツール位置および/または半導体製造工場内のロードポート内外に運ぶ材料搬送に使用されるツールのうちの、1つまたは複数と通信してもよい。
【国際調査報告】