再表2013-157604IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月24日
【発行日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】樹脂組成物、2液型ラミネート接着剤、積層フィルム及び太陽電池のバックシート
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/42 20060101AFI20151124BHJP
   C08G 18/58 20060101ALI20151124BHJP
   C08G 18/40 20060101ALI20151124BHJP
   C08G 18/44 20060101ALI20151124BHJP
   C09J 175/06 20060101ALI20151124BHJP
   C09J 163/00 20060101ALI20151124BHJP
   C09J 169/00 20060101ALI20151124BHJP
   B32B 27/40 20060101ALI20151124BHJP
   B32B 27/36 20060101ALI20151124BHJP
   H01L 31/042 20140101ALI20151124BHJP
   H01M 14/00 20060101ALN20151124BHJP
【FI】
   C08G18/42 Z
   C08G18/58
   C08G18/40
   C08G18/44 Z
   C09J175/06
   C09J163/00
   C09J169/00
   B32B27/40
   B32B27/36 102
   H01L31/04 R
   H01M14/00 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
【出願番号】特願2013-539032(P2013-539032)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年4月18日
(11)【特許番号】特許第5413704号(P5413704)
(45)【特許公報発行日】2014年2月12日
(31)【優先権主張番号】特願2012-95546(P2012-95546)
(32)【優先日】2012年4月19日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124970
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 通洋
(72)【発明者】
【氏名】海野 晃生
(72)【発明者】
【氏名】宇野 誠一
(72)【発明者】
【氏名】穂積 正巳
(72)【発明者】
【氏名】秋田 康二
(72)【発明者】
【氏名】戸田 哲也
【テーマコード(参考)】
4F100
4J034
4J040
5F151
5H032
【Fターム(参考)】
4F100AB33B
4F100AK03B
4F100AK17B
4F100AK41A
4F100AK41B
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4F100AL05A
4F100CA02A
4F100CB02A
4F100GB41
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4F100JL00
4F100JL11
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4J034BA07
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4J034HA01
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4J034HC03
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4J034HC17
4J034HC22
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4J034RA08
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4J040EC062
4J040EF111
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4J040EL021
4J040EL022
4J040JA02
4J040JA09
4J040JB02
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4J040NA08
4J040NA19
5F151JA05
5F151JA06
5H032AA06
5H032CC01
5H032EE01
5H032EE04
5H032EE05
5H032EE12
5H032HH00
5H032HH01
(57)【要約】
硬化後の塗膜強度が強く、接着強度が高く、耐湿熱性試験において、接着強度が劣化しないという経時安定性に優れ、しかも、ラミネート加工後の外観にも優れる樹脂組成物、該樹脂組成物を含有してなる2液型ラミネート用接着剤、該接着剤からなる層を有する積層フィルム及び太陽電池のバックシートを提供する。分子内に分岐構造を有し、重量平均分子量が1万〜10万の範囲であり、かつ、分子量分布が5.0以上であるポリエステルポリウレタンポリオール、分子内に分岐構造を有し、重量平均分子量が1万〜5万の範囲であり、かつ、分子量分布が5.0未満であるポリエステルポリオール、数平均分子量が3百〜5千の範囲である水酸基含有エポキシ樹脂、数平均分子量が3百〜3千の範囲である水酸基含有ポリカーボネート樹脂及びポリイソシアネートを含有する樹脂組成物。前記組成物を含有する2液型ラミネート用接着剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)分子内に分岐構造を有し、重量平均分子量(Mw)が10,000〜100,000の範囲であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が5.0以上であるポリエステルポリウレタンポリオール(A)、及び、
(2)分子内に分岐構造を有し、重量平均分子量(Mw)が10,000〜50,000の範囲であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が5.0未満であるポリエステルポリオール(B)を必須成分とすることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)が、多塩基酸(E)と、多価アルコール(F)と、3官能以上のポリイソシアネート化合物(G2)とを必須の成分として反応させて得られるものである請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)が、ジイソシアネート化合物(G1)と3官能以上のポリイソシアネート化合物(G2)とを、両者の質量比[(G1)/(G2)]が50/50〜5/95となる範囲で含有するポリイソシアネート(G)を必須の成分として反応させて得られるポリエステルポリウレタンポリオールである請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)の水酸基価が、5〜30mgKOH/gの範囲である請求項3記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記多塩基酸(E)が、炭素原子数が8以上の脂肪族二塩基酸10〜30モル%と芳香族二塩基酸50〜90モル%とを含む二塩基酸成分であり、前記多価アルコール(F)が、炭素原子数が5以上の脂肪族多価アルコール40〜100モル%を含むことを必須とする請求項2記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)が、3官能以上のポリイソシアネート化合物(G2)を必須の成分として反応させて得られるものである請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記ポリエステルポリオール(B)が、炭素原子数8以上の脂肪族二塩基酸10〜30モル%と芳香族二塩基酸50〜90モル%とを含む二塩基酸成分と、炭素原子数5以上の脂肪族ポリオール40〜100モル%からなるポリエステルポリオールである請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記ポリエステルポリオール(B)の水酸基価が、5〜30mgKOH/gの範囲である請求項6記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記(A)成分及び前記(B)成分に加え、(3)数平均分子量(Mn)が300〜5,000の範囲である水酸基含有エポキシ樹脂(C)を含む請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記(A)成分、前記(B)成分、及び前記(C)成分に加え、更に(4)数平均分子量(Mn)が300〜3,000の範囲である水酸基含有ポリカーボネート樹脂(D)を含有する請求項9記載の樹脂組成物。
【請求項11】
前記(A)成分及び前記(B)成分に加え、更に、硬化剤として(5)ポリイソシアネート(E)を含有する請求項9又は10記載の樹脂組成物。
【請求項12】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)、前記ポリエステルポリオール(B)、前記エポキシ樹脂(C)及び前記ポリカーボネート樹脂(D)に含まれる水酸基の合計モル数[OH]と、前記ポリイソシアネート化合物(E)に含まれるイソシアネート基のモル数[NCO]との比[OH]/[NCO]が1/1〜1/2の範囲である請求項11記載の樹脂組成物。
【請求項13】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)と前記ポリエステルポリオール(B)との合計100質量部に対し、前記エポキシ樹脂(C)を5〜20質量部の範囲で含有し、かつ、前記ポリカーボネート樹脂(D)を5〜20質量部の範囲で含有する請求項10記載の樹脂組成物。
【請求項14】
請求項11記載の樹脂組成物を含有する2液型ラミネート用接着剤。
【請求項15】
ポリエステルフィルム、フッ素フィルム、ポリオレフィンフィルム、金属箔からなる群から選ばれる1種類以上のフィルムと、請求項14記載の接着剤からなる接着層とを有する積層フィルム。
【請求項16】
請求項14記載の接着剤からなる接着層を有する太陽電池のバックシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿熱条件下での基材接着性に優れる樹脂組成物、2液型ラミネート用接着剤、積層フィルム及び太陽電池のバックシート
【背景技術】
【0002】
近年、クリーンエネルギーの代表として太陽光発電が注目されている。太陽電池モジュールの最背面に設置されるバックシートは、セルや配線などの発電機構を外部環境から保護して絶縁性を保つための部材であり、各種の機能性フィルムを接着剤で貼り合せた積層体で成る。このようなバックシートに用いられる接着剤には、ポリエステルフィルムやポリフッ化ビニルフィルム等の異なる特徴を有する種々のフィルムに対する高い接着性や、露天環境下でも長期的に接着性を維持するための耐湿熱性が高いレベルで要求される。
【0003】
このようなバックシート用接着剤として、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール及びビスフェノール型エポキシ樹脂からなる主剤と、硬化剤を含有するポリウレタン系接着剤が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4416047号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記ポリウレタン系接着剤は、硬化後の塗膜強度が弱く、また、耐湿熱性試験において、接着強度が劣化するという経時安定性に問題点があり、しかも、ラミネート加工後の外観が悪い、という問題点もあった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、硬化後の塗膜強度が強く、接着強度が高く、耐湿熱性試験において、接着強度が劣化しないという経時安定性に優れ、しかも、ラミネート加工後の外観にも優れる樹脂組成物、該樹脂組成物を含有してなる2液型ラミネート用接着剤、該接着剤からなる層を有する積層フィルム及び太陽電池のバックシートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは課題を解決するために鋭意研究した結果、(1)分子内に分岐構造を有し、重量平均分子量(Mw)が10,000〜100,000の範囲であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が5.0以上であるポリエステルポリウレタンポリオール(A)、(2)分子内に分岐構造を有し、重量平均分子量(Mw)が10,000〜50,000の範囲であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が5.0未満であるポリエステルポリオール(B)を必須とする成分を主剤として用い、また、更にこれに必要に応じて(3)数平均分子量(Mn)が300〜5,000の範囲である水酸基含有エポキシ樹脂(C)、(4)数平均分子量(Mn)が300〜3,000の範囲である水酸基含有ポリカーボネート樹脂(D)を配合してなる主剤成分と、その硬化剤として(5)ポリイソシアネート(E)を用いた2液硬化型の樹脂組成物を用いることにより、硬化後の塗膜強度が強く、接着強度が高く、耐湿熱性試験において、接着強度が劣化しないという経時安定性に優れ、しかも、ラミネート加工後の外観にも優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、(1)分子内に分岐構造を有し、重量平均分子量(Mw)が10,000〜100,000の範囲であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が5.0以上であるポリエステルポリウレタンポリオール(A)、及び、
(2)分子内に分岐構造を有し、重量平均分子量(Mw)が10,000〜50,000の範囲であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が5.0未満であるポリエステルポリオール(B)を必須成分とすることを特徴とする樹脂組成物に関する。
【0009】
本発明は、更に、前記(A)成分及び前記(B)成分に加え、更に、硬化剤として(5)ポリイソシアネート(E)を含有する2液型ラミネート用接着剤に関する。
【0010】
本発明は、更に、ポリエステルフィルム、フッ素フィルム、ポリオレフィンフィルム、金属箔からなる群から選ばれる1種類以上のフィルムと、2液型ラミネート用接着剤からなる接着層とを有する積層フィルムに関する。
【0011】
本発明は、更に、2液型ラミネート用接着剤からなる接着層を有する太陽電池のバックシート
【発明の効果】
【0012】
本発明の樹脂組成物及び該樹脂組成物を含有する2液型ラミネート用接着剤は、硬化後の塗膜強度が強く、接着強度が高く、耐湿熱性試験において、接着強度が劣化しないという経時安定性に優れ、しかも、ラミネート加工後の外観にも優れるので、積層フィルム及び太陽電池のバックシートの接着剤として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の樹脂組成物は、(1)分子内に分岐構造を有し、重量平均分子量(Mw)が10,000〜100,000の範囲であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が5.0以上であるポリエステルポリウレタンポリオール(A)を必須の成分として含有する。
【0014】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)が分子内に分岐構造を有することにより、最終硬化物が架橋密度の高いものとなるため、湿熱条件下であっても膨潤せず、高い接着性を維持することができる。
【0015】
また、前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)の重量平均分子量(Mw)は、10,000〜100,000の範囲である。重量平均分子量(Mw)が前記範囲内にあることにより、硬化物が高い強度を示すものとなり、初期の接着強度に優れる樹脂組成物となる。また、樹脂組成物が塗工に適した粘度のものとなる。前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)の重量平均分子量(Mw)が10,000未満の場合には、初期の接着強度が低下する傾向にあり、粘度が低いため均一に塗工しにくい樹脂組成物となる。
一方、前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)の重量平均分子量(Mw)が100,000を超える場合には、粘度が高くなる傾向にあるために塗工し難い樹脂組成物となる。そのようなポリエステルポリウレタンポリオール(A)の重量平均分子量(Mw)は、初期の接着強度が高く、かつ、湿熱条件下での基材接着性にも優れる樹脂組成物が得られる点で、重量平均分子量(Mw)は12,000〜90,000の範囲であることが好ましい。
【0016】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、5.0以上である。分子量分布(Mw/Mn)が前記範囲内にあることにより、低分子量成分に起因した基材との密着性が向上する効果と、高分子量成分に起因した硬化物が高強度となる効果が同時に発揮されるため、湿熱条件下での基材接着性に優れ、初期の接着強度が高い樹脂組成物となる。分子量分布(Mw/Mn)が5.0未満の場合には、ラミネート加工後の外観に劣る傾向にある。ポリエステルポリウレタンポリオール(A)の分子量分布は、湿熱条件下での基材接着性により優れる樹脂組成物が得られる点で、5〜25の範囲であることが好ましく、5〜15の範囲であることがより好ましい。
【0017】
また、前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)の数平均分子量(Mn)は、湿熱条件下での基材接着性に優れ、塗工に適した粘度の樹脂組成物となる点で、3,000〜20,000の範囲であることが好ましく、5,000〜10,000の範囲であることがより好ましい。
【0018】
なお、本願発明において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、下記条件のゲルパーミアーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
【0019】
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSK−GUARDCOLUMN SuperHZ−L +東ソー株式会社製 TSK−GEL SuperHZM−M×4
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC−8020modelII 測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
【0020】
また、前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)の水酸基価は、湿熱条件下での基材接着性に優れる点で、5〜30mgKOH/gの範囲であることが好ましく、7〜15mgKOH/gの範囲であることがより好ましい。前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)の水酸基価が30mgKOH/gよりも大きい場合、耐湿熱接着性が劣る傾向にあり、前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)の水酸基価が5mgKOH/gよりも小さい場合、硬化剤との反応率が低下し、接着性が劣る傾向にある。
【0021】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)は、例えば、多塩基酸(E)と、多価アルコール(F)と、ポリイソシアネート(G)を反応させることにより得られる。この場合、ポリエステルポリウレタンポリオール(A)の分子内に分岐構造を導入するために、多塩基酸(E)、多価アルコール(F)及びポリイソシアネート(G)のいずれか一種類以上の原料成分に3官能以上の化合物を用いる。
【0022】
前記多塩基酸(E)は、二塩基酸(E1)と3官能以上の多塩基酸(E2)とが挙げられる。
【0023】
前記二塩基酸(E1)としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカンニ酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、イコサン二酸の如き脂肪族二塩基酸;テトラヒドロフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸の如き脂肪族不飽和二塩基酸及びその無水物;テトラヒドロフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸の如き脂肪族不飽和二塩基酸及びその無水物;フタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸の如き芳香族二塩基酸及びその無水物などが挙げられる。
【0024】
前記3官能以上の多塩基酸(E2)としては、例えば、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸の如き脂肪族三塩基酸;トリメリット酸、無水トリメリット酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸の如き芳香族三塩基酸及びその無水物などが挙げられる。
【0025】
ここで、前記3官能以上の多塩基酸(E2)を用いることにより、本願発明のポリエスエルポリウレタンポリオール(A)の分子内に分岐構造を導入することができる。
【0026】
これら多塩基酸(E)はそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。中でも、湿熱条件下での基材接着性に優れ、かつ、塗工に適した粘度の樹脂組成物が得られる点で、脂肪族多塩基酸と、芳香族多塩基酸とを併用することが好ましく、その場合、全多塩基酸成分中に占める脂肪族多塩基酸の含有量が10〜30モル%の範囲で、芳香族多塩基酸50〜90モル%の範囲であることが好ましい。また、湿熱条件下での基材接着性により優れる樹脂組成物となる点で、前記脂肪族多塩基酸は、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカンニ酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、イコサン二酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸の如き炭素原子数が6〜20の範囲である脂肪族多塩基酸が好ましく、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸の如き炭素原子数が8〜13の範囲である脂肪族多塩基酸がより好ましい。
【0027】
また、前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)の分子量や粘度を調整する目的で、前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)の原料として、メタン酸、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、安息香酸の如きモノカルボン酸を用いることもできる。
【0028】
前記多価アルコール(F)は、ジオール(F1)と、3官能以上のポリオール(F2)が挙げられる。
【0029】
前記ジオール(F1)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2,2−トリメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの如き脂肪族ジオール;ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールの如きエーテルグリコール;前記脂肪族ジオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルの如き環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルジオール;前記脂肪族ジオールと、ε−カプロラクトン等の種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール;ビスフェノールA、ビスフェノールFの如きビスフェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールFの如きビスフェノールにエチレンオキサイド、プロプレンオキサイド等を付加して得られるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物、などが挙げられる。
【0030】
前記3官能以上のポリオール(F2)としては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールの如き脂肪族ポリオール;前記脂肪族ポリオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルの如き環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール;前記脂肪族ポリオールと、ε−カプロラクトンの如きラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール、などが挙げられる。
【0031】
前記3官能以上のポリオール(F2)を用いることにより、本願発明のポリエスエルポリウレタンポリオール(A)の分子内に分岐構造を導入することができる。
【0032】
これら多価アルコール(F)は、それぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。塗工性に優れる樹脂組成物となる点で、全多価アルコール成分中に占める前記脂肪族多価アルコールの含有量が40モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましい。また、湿熱条件下での基材接着性がより優れる樹脂組成物が得られる点で、前記脂肪族多価アルコールが、炭素原子数が5以上の脂肪族多価アルコールが好ましく、前記脂肪族ジオールがより好ましい。
【0033】
前記ポリイソシアネート(G)は、ジイソシアネート化合物(G1)と、3官能以上のポリイソシアネート化合物(G2)とが挙げられる。
【0034】
前記ジイソシアネート化合物(G1)としては、例えば、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートの如き脂環族ジイソシアネート;1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート、などが挙げられる。
【0035】
前記3官能以上のポリイソシアネート化合物(G2)は、例えば、分子内にウレタン結合部位を有するアダクト型ポリイソシアネート化合物や、分子内にイソシアヌレート環構造を有するヌレート型ポリイソシアネート化合物が挙げられる。
【0036】
前記分子内にウレタン結合部位を有するアダクト型ポリイソシアネート化合物は、例えば、ジイソシアネート化合物と多価アルコールとを反応させて得られる。該反応で用いるジイソシアネート化合物は、例えば、前記ジイソシアネート化合物(G1)として例示した各種のジイソシアネート化合物が挙げられ、これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。また、該反応で用いるポリオール化合物は、前記多価アルコール(F)として例示した各種のポリオール化合物や、多価アルコールと多塩基酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることもできる。
【0037】
前記分子内に分子内にイソシアヌレート環構造を有するヌレート型ポリイソシアネート化合物は、例えば、ジイソシアネート化合物とモノアルコールおよび/又はジオールとを反応させて得られる。該反応で用いるジイソシアネート化合物は、例えば、前記ジイソシアネート化合物として例示した各種のジイソシアネート化合物が挙げられ、これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用することもできる。また、該反応で用いるモノアルコールとしては、例えば、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール、n−トリデカノール、n−テトラデカノール、n−ペンタデカノール、n−ヘプタデカノール、n−オクタデカノール、n−ノナデカノール、エイコサノール、5−エチル−2−ノナノール、トリメチルノニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、3,9−ジエチル−6−トリデカノール、2−イソヘプチルイソウンデカノール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノールなどが挙げられ、ジオールとしては前記多価アルコール(F)で例示した脂肪族ジオールなどが挙げられる。これらのモノアルコールやジオールは、それぞれ単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることもできる。
【0038】
ここで、前記3官能以上のポリイソシアネート化合物(G2)を用いることにより、本願発明のポリエスエルポリウレタンポリオール(A)の分子内に分岐構造を導入することができる。
【0039】
これらポリイソシアネート(G)は、それぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。中でも、湿熱条件下での接着強度に優れる樹脂組成物が得られる点で、前記3官能以上のポリイソシアネート化合物(G2)が好ましく、ヌレート型ポリイソシアネート化合物がより好ましい。また、樹脂組成物を塗工に適した粘度に調節することが容易となる点で、前記ジイソシアネート化合物(G1)と、前記3官能以上のポリイソシアネート化合物(G2)とを併用することが好ましい。この場合、湿熱条件下での基材接着性に優れ、かつ、塗工に適した粘度を示す樹脂組成物となる点で、両者の質量比[(G1)/(G2)]が50/50〜5/95の範囲であることが好ましく、40/60〜10/90の範囲であることがより好ましく、30/70〜15/85の範囲であることが特に好ましい。
【0040】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)を製造する際に用いる3官能以上の成分は、前記多塩基酸(E2)、前記ポリオール(F2)及び前記ポリイソシアネート化合物(G2)のいずれでも良いが、前述の通り、湿熱条件下での接着強度に優れる樹脂組成物が得られる点、及び前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)をより短時間で簡便に製造できる点で、ポリイソシアネート化合物(G2)を用いることが好ましい。
【0041】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)を製造する方法としては、例えば、前記多塩基酸(E)と、前記多価アルコール(F)とを、エステル化触媒の存在下、150〜270℃の温度範囲で反応させてポリエステルポリオールを得た後、該ポリエステルポリオールと前記ポリイソシアネート(G)とを、ウレタン化触媒の存在下、50〜100℃の温度範囲で反応させる方法などが挙げられる。
【0042】
また、本発明の樹脂組成物は、(2)分子内に分岐構造を有し、重量平均分子量(Mw)が10,000〜50,000の範囲であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が5.0以下であるポリエステルポリオール(B)を必須の成分として含有する。
【0043】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)が分子内に分岐構造を有することにより、最終硬化物が架橋密度の高いものとなるため、湿熱条件下であっても膨潤せず、高い接着性を維持することができる。
【0044】
前記ポリエステルポリオール(B)は、その分子内に分岐構造を有することにより、特に、ラミネート接着剤に用いた場合に、初期の接着性と耐湿熱接着性の向上に寄与するものである。
【0045】
また、前記ポリエステルポリオール(B)の重量平均分子量(Mw)は、10,000〜50,000の範囲である。重量平均分子量(Mw)が前記範囲内にあることにより、硬化物が高い強度を示すものとなり、初期の接着強度に優れる樹脂組成物となる。また、樹脂組成物が塗工に適した粘度のものとなる。前記ポリエステルポリオール(B)の重量平均分子量(Mw)が10,000未満の場合には、初期の接着強度が低下する傾向にあり、粘度が低いため均一に塗工しにくい樹脂組成物となる。一方、前記ポリエステルポリオール(B)の重量平均分子量(Mw)が50,000を超える場合には、粘度が高くなる傾向にあるために塗工し難い樹脂組成物となる。そのようなポリエステルポリオール(B)の重量平均分子量(Mw)は、初期の接着強度が高く、かつ、湿熱条件下での基材接着性にも優れる樹脂組成物が得られる点で、重量平均分子量(Mw)は12,000〜40,000の範囲であることが好ましい。
【0046】
前記ポリエステルポリオール(B)の分子量分布(Mw/Mn)は、5.0以下である。分子量分布(Mw/Mn)が前記範囲内とすることにより、2液型ラミネート用接着剤として用いた場合に、ラミネート加工後の外観に優れるという効果が発揮される。前記ポリエステルポリオール(B)の分子量分布(Mw/Mn)が6.0を越える場合には、2液型ラミネート用接着剤として用いた場合に、初期接着性が低下する傾向にある。前記ポリエステルポリオール(B)の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜5.0の範囲であることが好ましく、2.0〜4.0の範囲であることがより好ましい。
【0047】
また、前記ポリエステルポリオール(B)の数平均分子量(Mn)は、湿熱条件下での基材接着性に優れ、塗工に適した粘度の樹脂組成物となる点で、3,000〜20,000の範囲であることが好ましく、5,000〜10,000の範囲であることがより好ましい。
【0048】
また、前記ポリエステルポリオール(B)の水酸基価は、湿熱条件下での基材接着性に優れる点で、5〜30mgKOH/gの範囲であることが好ましく、7〜15mgKOH/gの範囲であることがより好ましい。
【0049】
前記ポリエステルポリオール(B)は、例えば、多塩基酸(E)と、多価アルコール(F)とを反応させることにより得られる。この場合、ポリエステルポリオール(A)の分子内に分岐構造を導入するために、多塩基酸(E)及び多価アルコール(F)のいずれか一種類以上の原料成分に3官能以上の化合物を用いる。
【0050】
前記ポリエステルポリオール(B)の反応原料となる多塩基酸(E)及び多価アルコール(F)は、前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)の反応原料と同様の材料を用いることができる。
【0051】
前記ポリエステルポリオール(B)を製造する方法としては、例えば、前記多塩基酸(E)と、前記多価アルコール(F)とを、エステル化触媒の存在下、150〜270℃の温度範囲で反応させる方法などが挙げられる。
【0052】
本発明の樹脂組成物は、したポリエステルポリウレタンポリオール(A)及びポリエステルポリオール(B)を2液硬化型組成物における必須の主剤成分として含むものであるが、更に、数平均分子量(Mn)が300〜5,000の範囲である水酸基含有エポキシ樹脂(C)を含有することが、一般に接着性の低いPVF(ポリフッ化ビニル)フィルムやPVDF(ポリフッ化ビニリデン)フィルム等のフッ素系基材に対しても、高い接着性を発現することができる点から好ましい。前記エポキシ樹脂(C)の数平均分子量(Mn)が300未満の場合には、十分な接着強度が得られず、数平均分子量(Mn)が5,000を超える場合には、本発明の樹脂組成物への溶解性が低下する。中でも、本発明の樹脂組成物への溶解性及び湿熱条件下での基材接着性により優れる点で、数平均分子量(Mn)が400〜2,000の範囲であるものがより好ましい。
【0053】
前記水酸基含有エポキシ樹脂(C)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の如きビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂の如きビフェニル型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、などが挙げられる。これらの水酸基含有エポキシ樹脂は、それぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。これらの中でも、湿熱条件下での基材接着性及び初期の接着強度に優れる樹脂組成物が得られる点で、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
【0054】
本発明の樹脂組成物は、した各成分に加え、更に、数平均分子量(Mn)が300〜3,000の範囲である水酸基含有ポリカーボネート樹脂(D)を含有することが、湿熱条件下での基材接着性に優れる樹脂組成物となる点から好ましい。数平均分子量(Mn)が300未満の場合には、十分な接着強度が得られず、数平均分子量(Mn)が3,000を超える場合には本発明の樹脂組成物への溶解性が低下する。中でも、本発明の樹脂組成物への溶解性及び湿熱条件下での基材接着性により優れる点で、数平均分子量(Mn)が400〜2,000の範囲であるものがより好ましい。
【0055】
前記水酸基含有ポリカーボネート樹脂(D)は、より硬化性に優れる樹脂組成物となる点で、水酸基価が20〜300mgKOH/gの範囲であることが好ましく、40〜250mgKOH/gの範囲であることがより好ましい。また、湿熱条件下での基材接着性に優れる点で、ポリカーボネートジオールであることが好ましい。
【0056】
前記水酸基含有ポリカーボネート樹脂(D)は、例えば、多価アルコールとカルボニル化剤とを重縮合反応させる方法により製造することができる。
【0057】
前記水酸基含有ポリカーボネート樹脂(C)の製造で用いる多価アルコールとしては、例えば、前記多価アルコール(F)として例示した各種の多価アルコールが挙げられる。
多価アルコールは、それぞれ単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることもできる。
【0058】
前記水酸基含有ポリカーボネート樹脂(C)の製造で用いるカルボニル化剤は、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等を挙げることができる。
これらは、それぞれ単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることもできる。
【0059】
本発明の樹脂組成物は、前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)と、前記ポリエステルポリオール(B)と、前記水酸基含有エポキシ樹脂(C)と、前記水酸基含有ポリカーボネート樹脂(D)とを、前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)と前記ポリエステルポリオール(B)の合計100質量部に対し、前記水酸基含有エポキシ樹脂(C)が5〜20質量部の範囲となり、かつ、前記水酸基含有ポリカーボネート樹脂(D)が5〜20質量部の範囲となる割合で含有することにより、種々の基材に対する接着性に優れ、湿熱条件下であっても高い基材接着性を維持できる樹脂組成物となる。
【0060】
また、本発明の樹脂組成物中の前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)と、前記ポリエステルポリオール(B)との配合割合は、質量比で、10:50〜90:10の範囲が好ましく、20:80〜50:50の範囲が特に好ましい。
【0061】
本発明の樹脂組成物は、硬化剤成分として前記ポリイソシアネート(E)を用いることが好ましい。該ポリイソシアネート(E)は、例えば、前記ポリイソシアネート(G)として列記した種々のポリイソシアネートが挙げられる。これらポリイソシアネート(E)は、一種類を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることもできる。
【0062】
これらポリイソシアネート(E)の中でも、接着剤塗膜が黄変し難い点では、前記脂肪族ジイソシアネート化合物が好ましい。また、湿熱条件下での基材密着性に優れる点では、前記ヌレート型ポリイソシアネート化合物が好ましい。
【0063】
本願発明の樹脂組成物は、前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)と、前記ポリエステルポリオール(B)と、前記水酸基含有エポキシ樹脂(C)と、前記水酸基含有ポリカーボネート樹脂(D)と、ポリイソシアネート(E)とを必須の成分として含有する。本発明では、前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)、前記ポリエステルポリオール(B)、前記水酸基含有エポキシ樹脂(C)及び前記水酸基含有ポリカーボネート樹脂(D)に含まれる水酸基の合計モル数[OH]と、前記ポリイソシアネート化合物(E)に含まれるイソシアネート基のモル数[NCO]との比[OH]/[NCO]を1/1〜1/2の範囲、より好ましくは1/1.05〜1/1.5の範囲とすることにより、硬化性に優れる樹脂組成物となる。
【0064】
本願発明の樹脂組成物は、更に、各種の溶剤を含有していても良い。前記溶剤は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトンの如きケトン系化合物;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソランの如き環状エーテル系化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルの如きエステル系化合物;トルエン、キシレンの如き芳香族系化合物;カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルの如きアルコール系化合物、などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で使用することも、二種類以上を併用して使用することもできる。
【0065】
本発明の樹脂組成物は、更に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シリコン系添加剤、フッ素系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、帯電防止剤、防曇剤等の各種添加剤を含有しても良い。
【0066】
本願発明の樹脂組成物は、種々のプラスチックフィルムを接着する為の2液型ラミネート用接着剤として好適に用いることができる。
【0067】
前記種々のプラスチックフィルムは、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリビニルアルコール、ABS樹脂、ノルボルネン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等からなるフィルムが挙げられる。本願発明の2液型ラミネート用接着剤は、各種フィルムの中でも特に接着が難しいポリフッ化ビニル樹脂やポリフッ化ビニリデン樹脂からなるフィルムに対しても高い接着性を示す。
【0068】
前記各種フィルム同士を接着する際、本願発明の2液型ラミネート用接着剤の使用量は、2〜10g/m2の範囲であることが好ましい。
【0069】
本願発明の2液型ラミネート用接着剤を用い、複数のフィルムを接着して得られる積層フィルムは、湿熱条件下でも高い接着性を有し、フィルム同士が剥がれ難い特徴がある。
従って、本願発明の2液型ラミネート用接着剤は、屋外等の厳しい環境下で用いる積層フィルム用途に好適に用いることができ、このような用途としては、例えば、太陽電池のバックシートを製造する際の接着剤などが挙げられる。
【実施例】
【0070】
以下、本発明を具体的な合成例、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の例において、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ表わす。
【0071】
尚、本願実施例では、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、下記条件のゲルパーミアーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
【0072】
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSK−GUARDCOLUMN SuperHZ−L +東ソー株式会社製 TSK−GEL SuperHZM−M×4
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC−8020modelII 測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
【0073】
(合成例1−1)〔ポリエステルポリウレタンポリオール(A1)の合成〕
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、ネオペンチルグリコール1131部、イソフタル酸737部、無水フタル酸342部、セバシン酸534部、無水トリメリット酸20部及び有機チタン化合物1.3部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら230〜250℃に加熱しエステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下となったところで反応を停止し、100℃まで冷却後、酢酸エチルで固形分80%に希釈した。次いで、ヘキサメチレンジイソシアヌレートのイソシアヌレート変性体(スミジュール N−3300;住化バイエルウレタン株式会社製)124部、ヘキサメチレンジイソシアネート25部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら70〜80℃に加熱しウレタン化反応を行った。イソシアネート含有率0.3%以下となったところで反応を停止し、数平均分子量が5,700、重量平均分子量が35,000で、水酸基価が10のポリエステルポリウレタンポリオールを得た。これを酢酸エチルで希釈して得られた固形分62%の樹脂溶液をポリエステルポリウレタンポリオール(A1)とする。
【0074】
(合成例1−2)〔ポリエステルポリウレタンポリオール(A2)の合成〕
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、ネオペンチルグリコール1155部、イソフタル酸755部、無水フタル酸325部、セバシン酸507部、無水トリメリット酸20部及び有機チタン化合物1.3部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら230〜250℃に加熱しエステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下となったところで反応を停止し、100℃まで冷却後、酢酸エチルで固形分80%に希釈した。次いで、ヘキサメチレンジイソシアヌレートのイソシアヌレート変性体(スミジュール N−3300;住化バイエルウレタン株式会社製)247部、ヘキサメチレンジイソシアネート40部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら70〜80℃に加熱しウレタン化反応を行った。イソシアネート含有率0.3%以下となったところで反応を停止し、数平均分子量が7800、重量平均分子量が88000で、水酸基価が12のポリエステルポリウレタンポリオールを得た。これを酢酸エチルで希釈して得られた固形分62%の樹脂溶液をポリエステルポリウレタンポリオール(A2)とする。
【0075】
(合成例1−3)〔ポリエステルポリウレタンポリオール(A3)の合成〕
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、ネオペンチルグリコール1144部、イソフタル酸753部、無水フタル酸464部、セバシン酸373部、無水トリメリット酸19部及び有機チタン化合物1.3部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら230〜250℃に加熱しエステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下となったところで反応を停止し、100℃まで冷却後、酢酸エチルで固形分80%に希釈した。次いで、ヘキサメチレンジイソシアヌレートのイソシアヌレート変性体(スミジュール N−3300;住化バイエルウレタン株式会社製)132部、ヘキサメチレンジイソシアネート13部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら70〜80℃に加熱しウレタン化反応を行った。イソシアネート含有率0.3%以下となったところで反応を停止し、数平均分子量が5000、重量平均分子量が51000で、水酸基価が17のポリエステルポリウレタンポリオールを得た。これを酢酸エチルで希釈して得られた固形分62%の樹脂溶液をポリエステルポリウレタンポリオール(A3)とする。
【0076】
(合成例1−4)〔ポリエステルポリウレタンポリオール(A4)の合成〕
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、ネオペンチルグリコール941部、1,6−ヘキサンジオール201部、イソフタル酸757部、無水フタル酸301部、アジピン酸68部、セバシン酸470部、無水トリメリット酸19部及び有機チタン化合物1.3部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら230〜250℃に加熱しエステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下となったところで反応を停止し、100℃まで冷却後、酢酸エチルで固形分80%に希釈した。次いで、ヘキサメチレンジイソシアヌレートのイソシアヌレート変性体(スミジュール N−3300;住化バイエルウレタン株式会社製)132部、ヘキサメチレンジイソシアネート13部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら70〜80℃に加熱しウレタン化反応を行った。イソシアネート含有率0.3%以下となったところで反応を停止し、数平均分子量が5500、重量平均分子量が32000で、水酸基価が11のポリエステルポリウレタンポリオールを得た。これを酢酸エチルで希釈して得られた固形分62%の樹脂溶液をポリエステルポリウレタンポリオール(A4)とする。
【0077】
(合成例2−1)〔ポリエステルポリオール(B1)の合成〕
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、ネオペンチルグリコール828部、イソフタル酸588部、無水フタル酸274部、セバシン酸407部、無水トリメリット酸15部及び有機チタン化合物1.0部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら230〜250℃に加熱しエステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下となったところで反応を停止し、数平均分子量が6700、重量平均分子量が22000で、水酸基価が12のポリエステルポリオールを得た。これを酢酸エチルで希釈して得られた固形分62%の樹脂溶液をポリエステルポリオール(B1)とする。
【0078】
(合成例2−2)〔ポリエステルポリオール(B2)の合成〕
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、ネオペンチルグリコール1114部、イソフタル酸717部、無水フタル酸456部、セバシン酸407部、無水トリメリット酸19部及び有機チタン化合物1.0部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら230〜250℃に加熱しエステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下となったところで反応を停止し、数平均分子量が6200、重量平均分子量が23000で、水酸基価が15のポリエステルポリオールを得た。これを酢酸エチルで希釈して得られた固形分62%の樹脂溶液をポリエステルポリオール(B2)とする。
【0079】
(合成例2−3)〔ポリエステルポリオール(B3)の合成〕
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、ネオペンチルグリコール985部、1,6−ヘキサンジオール70部、イソフタル酸600部、テレフタル酸144部、無水フタル酸349部、アジピン酸25部、セバシン酸514部、無水トリメリット酸19部及び有機チタン化合物1.3部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら230〜250℃に加熱しエステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下となったところで反応を停止し、数平均分子量が6000、重量平均分子量が20000で、水酸基価が13のポリエステルポリオールを得た。これを酢酸エチルで希釈して得られた固形分62%の樹脂溶液をポリエステルポリオール(B3)とする。
【0080】
(比較合成例1−1)〔ポリエステルポリウレタンポリオール(a1)の合成〕
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、ネオペンチルグリコール1130部、イソフタル酸759部、無水フタル酸342部、セバシン酸534部及び有機チタン化合物1.2部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら230〜250℃に加熱しエステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下となったところで反応を停止し、100℃まで冷却後、酢酸エチルで固形分80%に希釈した。次いで、ヘキサメチレンジイソシアネート108部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら70〜80℃に加熱しウレタン化反応を行った。イソシアネート含有率0.3%以下となったところで反応を停止し、数平均分子量が10000、重量平均分子量が22000で、水酸基価が9のポリエステルポリウレタンポリオールを得た。これを酢酸エチルで希釈して得られた固形分62%の樹脂溶液をポリエステルポリウレタンポリオール(a1)とする。
【0081】
(比較合成例1−2)〔ポリエステルポリウレタンポリオール(a2)の合成〕
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、ネオペンチルグリコール1210部、イソフタル酸679部、無水フタル酸346部、アジピン酸539部、無水トリメリット酸20部及び有機チタン化合物1.2部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら230〜250℃に加熱しエステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下となったところで反応を停止し、100℃まで冷却後、酢酸エチルで固形分80%に希釈した。次いで、ヘキサメチレンジイソシアヌレートのイソシアヌレート変性体(スミジュール N−3300;住化バイエルウレタン株式会社製)132部、ヘキサメチレンジイソシアネート25部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら70〜80℃に加熱しウレタン化反応を行った。イソシアネート含有率0.3%以下となったところで反応を停止し、数平均分子量が5500、重量平均分子量が32000で、水酸基価が12のポリエステルポリウレタンポリオールを得た。これを酢酸エチルで希釈して得られた固形分62%の樹脂溶液をポリエステルポリウレタンポリオール(a2)とする。
【0082】
(比較合成例2−1)〔ポリエステルポリオール(b1)の合成〕
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、ネオペンチルグリコール1088部、イソフタル酸727部、無水フタル酸336部、セバシン酸524部、無水トリメリット酸19部及び有機チタン化合物1.2部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら230〜250℃に加熱しエステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下となったところで反応を停止し、数平均分子量が2300、重量平均分子量が5000で、水酸基価が50のポリエステルポリオールを得た。これを酢酸エチルで希釈して得られた固形分62%の樹脂溶液をポリエステルポリオール(b1)とする。
【0083】
(比較合成例2−2)〔ポリエステルポリオール(b1)の合成〕
攪拌棒、温度センサー、精留管を有するフラスコに、ネオペンチルグリコール1105部、イソフタル酸898部、無水フタル酸421部、アジピン酸272部、無水トリメリット酸19部及び有機チタン化合物1.2部を仕込み、乾燥窒素をフラスコ内にフローさせ攪拌しながら230〜250℃に加熱しエステル化反応を行った。酸価が1.0mgKOH/g以下となったところで反応を停止し、数平均分子量が7200、重量平均分子量が21000で、水酸基価が15のポリエステルポリオールを得た。これを酢酸エチルで希釈して得られた固形分62%の樹脂溶液をポリエステルポリオール(b2)とする。
【0084】
本発明の実施例及び比較例で用いたエポキシ樹脂(C)を以下に示す。
・エポキシ樹脂(C1):数平均分子量(Mn)470、エポキシ当量245g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「エピクロン860」)・エポキシ樹脂(C2):数平均分子量(Mn)900、エポキシ当量475g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製「JER1001」)
【0085】
本発明の実施例及び比較例で用いたポリカーボネート樹脂(D)を以下に示す。
・ポリカーボネートポリオール(D1):数平均分子量(Mn)1,000、水酸基価10mgKOH/gのポリカーボネートジオール(旭化成社製「デュラノールT5651」)
【0086】
本発明の実施例及び比較例で用いたポリイソシアネート(E)を以下に示す。
・ポリイソシアネート(E1):ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート変性体(住友バイエルウレタン社製「スミジュールN3300」)
【0087】
(実施例1)
前記製造例1−1で得たポリエステルポリウレタンポリオール(A1)溶液10部、前記製造例2−1で得たポリエステルポリオール(B1)溶液90部、前記エポキシ樹脂(C1)10部、前記ポリカーボネートポリオール(C1)10部及び前記ポリイソシアネート(D1)10部を混合して樹脂組成物を得、下記の要領で評価サンプルを作成し、以下に示す方法で評価を行った。結果を表1に示す。
【0088】
(評価サンプルの作成)
125μm厚のPETフィルム(東レ株式会社製「X10S」)を基材とし、実施例1で得た樹脂組成物を、溶剤乾燥後の固形分の質量が5〜6g/m2の範囲となるように塗装した後、25μm厚のフッ素フィルム(旭硝子株式会社製「アフレックス25PW」)を貼合して積層フィルムを得た。これを、50℃で72時間エージングして、評価サンプルを得た。
【0089】
(評価1):外観 前記方法で作成した評価サンプルについて、フッ素フィルム側よりラミネート外観を目視評価した。
○:フィルム表面が平滑 △:フィルム表面に若干のクレーターが存在 ×:フィルム表面に多数のクレーター(凹み)が存在
【0090】
(評価2):湿熱条件下での接着力の測定 前記方法で作成した評価サンプルについて、引っ張り試験機(SHIMADZU社製「AGS500NG」)を用い、剥離速度スピード300mm/min、強度N/15mmの条件下でT型剥離試験を行い、その強度を接着力として評価した。評価サンプルの初期の接着力と、121℃、湿度100%環境下で25時間、50時間、75時間暴露した後のサンプルの接着力を測定した。
【0091】
(評価3):耐湿熱性の評価 前記評価2で測定した評価サンプルの初期の接着力と、121℃、湿度100%環境下で75時間暴露した後のサンプルの接着力とを比較し、暴露後の接着力が初期の接着力の60%以上であったものを○、40%以上60%未満であったものを△、40%未満であったものを×として評価した。
【0092】
(実施例2〜14)
樹脂組成物の配合を表1〜2に示したように変更した以外は、実施例1と同様にして評価サンプルを作成し、評価した。評価結果を表1〜2に示した。
【0093】
(比較例1〜10) 樹脂組成物の配合を表3〜4に示したように変更した以外は、実施例1と同様にして評価サンプルを作成し、評価した。評価結果を表3〜4に示した。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【表3】
【表4】

【手続補正書】
【提出日】2013年8月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)分子内に分岐構造を有し、重量平均分子量(Mw)が10,000〜100,000の範囲であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が5.0以上であるポリエステルポリウレタンポリオール(A)、
(2)分子内に分岐構造を有し、重量平均分子量(Mw)が10,000〜50,000の範囲であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が5.0未満であるポリエステルポリオール(B)、
(3)数平均分子量(Mn)が300〜5,000の範囲である水酸基含有エポキシ樹脂(C)、
及びポリイソシアネート(E)を含有することを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)が、多塩基酸(E)と、多価アルコール(F)と、3官能以上のポリイソシアネート化合物(G2)とを必須の成分として反応させて得られるものである請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)が、ジイソシアネート化合物(G1)と3官能以上のポリイソシアネート化合物(G2)とを、両者の質量比[(G1)/(G2)]が50/50〜5/95となる範囲で含有するポリイソシアネート(G)を必須の成分として反応させて得られるポリエステルポリウレタンポリオールである請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)の水酸基価が、5〜30mgKOH/gの範囲である請求項3記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記多塩基酸(E)が、炭素原子数が8以上の脂肪族二塩基酸10〜30モル%と芳香族二塩基酸50〜90モル%とを含む二塩基酸成分であり、前記多価アルコール(F)が、炭素原子数が5以上の脂肪族多価アルコール40〜100モル%を含むことを必須とする請求項2記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)が、3官能以上のポリイソシアネート化合物(G2)を必須の成分として反応させて得られるものである請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記ポリエステルポリオール(B)が、炭素原子数8以上の脂肪族二塩基酸10〜30モル%と芳香族二塩基酸50〜90モル%とを含む二塩基酸成分と、炭素原子数5以上の脂肪族ポリオール40〜100モル%からなるポリエステルポリオールである請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記ポリエステルポリオール(B)の水酸基価が、5〜30mgKOH/gの範囲である請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、及び前記(E)成分に加え、更に(4)数平均分子量(Mn)が300〜3,000の範囲である水酸基含有ポリカーボネート樹脂(D)を含有する請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)、前記ポリエステルポリオール(B)、前記エポキシ樹脂(C)及び前記ポリカーボネート樹脂(D)に含まれる水酸基の合計モル数[OH]と、前記ポリイソシアネート化合物(E)に含まれるイソシアネート基のモル数[NCO]との比[OH]/[NCO]が1/1〜1/2の範囲である請求項9記載の樹脂組成物。
【請求項11】
前記ポリエステルポリウレタンポリオール(A)と前記ポリエステルポリオール(B)との合計100質量部に対し、前記エポキシ樹脂(C)を5〜20質量部の範囲で含有し、かつ、前記ポリカーボネート樹脂(D)を5〜20質量部の範囲で含有する請求項9記載の樹脂組成物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1つに記載の樹脂組成物を含有する2液型ラミネート用接着剤。
【請求項13】
ポリエステルフィルム、フッ素フィルム、ポリオレフィンフィルム、金属箔からなる群から選ばれる1種類以上のフィルムと、請求項12記載の接着剤からなる接着層とを有する積層フィルム。
【請求項14】
請求項12記載の接着剤からなる接着層を有する太陽電池のバックシート。
【国際調査報告】

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