特表-13161500IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月31日
【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】オルガノポリシロキサンエマルション組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/06 20060101AFI20151201BHJP
   C08L 83/06 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   C08G77/06
   C08L83/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
【出願番号】特願2014-512433(P2014-512433)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年3月28日
(11)【特許番号】特許第5807716号(P5807716)
(45)【特許公報発行日】2015年11月10日
(31)【優先権主張番号】特願2012-99364(P2012-99364)
(32)【優先日】2012年4月25日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目6番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100114513
【弁理士】
【氏名又は名称】重松 沙織
(74)【代理人】
【識別番号】100120721
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 克成
(74)【代理人】
【識別番号】100124590
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100157831
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 克彦
(72)【発明者】
【氏名】安藤 裕司
【住所又は居所】群馬県安中市松井田町人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電子材料技術研究所内
【テーマコード(参考)】
4J002
4J246
【Fターム(参考)】
4J002CH052
4J002CP051
4J002CP061
4J002DA028
4J002DD017
4J002DE057
4J002DG047
4J002EN136
4J002EV256
4J002FD157
4J002FD312
4J002FD316
4J002HA07
4J246AA03
4J246AB01
4J246BA020
4J246BA02X
4J246BB020
4J246BB021
4J246BB022
4J246BB02X
4J246CA120
4J246CA12U
4J246CA12X
4J246CA240
4J246CA24X
4J246FA071
4J246FA121
4J246FA421
4J246FA521
4J246FB091
4J246FD06
4J246FE27
4J246GA07
4J246GB08
4J246HA45
4J246HA53
(57)【要約】
(A)シラノール基又はオルガノオキシ基含有オルガノポリシロキサン、
(B)式(2)のノニオン性界面活性剤、
2O(EO)a(PO)b3 (2)
(R2はアルキル基又はR4(CO)−、R4はアルキル基、R3はアルキル基又はR5(CO)−、R5はアルキル基。EOはエチレンオキシド基、POはアルキレンオキシド基、a,bは0〜100で、a+b>0。またEO,POの配列はランダムでもブロックでもよい。)
(C)(B)成分以外の界面活性剤、
必要により
(D)重合用触媒、
(E)水
を含有するエマルションを乳化重合して得られるオルガノポリシロキサンエマルション組成物。
本発明によれば、縮合反応性を有するオルガノポリシロキサンを乳化重合するときに重合を阻害することなく、非常に安定なオルガノポリシロキサンエマルション組成物を得ることが可能となる。更に、乳化重合の過程で生じるオクタメチルシクロテトラシロキサンの量を抑えることも可能になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)シラノール基又はオルガノオキシ基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)下記一般式(2)で表されるノニオン性界面活性剤:1〜100質量部、
2O(EO)a(PO)b3 (2)
(式中、R2は炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基、又はR4(CO)−で示される有機基であり、R4は炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。R3は炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基、又はR5(CO)−で示される有機基であり、R5は炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。EOはエチレンオキシド基、POは炭素数3以上のアルキレンオキシド基を表し、a,bは0〜100の数で、a+b>0である。また、EO,POの配列の形式は、ランダムでもブロックでもよい。)
(C)(B)成分以外の界面活性剤:1〜100質量部、
(D)重合用触媒:0〜100質量部、及び
(E)水:1〜100,000質量部
を含有するエマルションを乳化重合することで得られるオルガノポリシロキサンエマルション組成物。
【請求項2】
(A)シラノール基又はオルガノオキシ基を有するオルガノポリシロキサンが、下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項1に記載のオルガノポリシロキサンエマルション組成物。
0O(R12SiO)n0 (1)
(式中、R0は独立に水素原子又は非置換もしくは置換の炭素数1〜20の1価炭化水素基、R1は独立に非置換もしくは置換の炭素数1〜20の1価炭化水素基であり、nはこのオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を20〜100,000mm2/sにするのに相当する数である。)
【請求項3】
(C)成分が、アニオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオルガノポリシロキサンエマルション組成物。
【請求項4】
エマルション組成物中のオルガノポリシロキサンに含まれるオクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量が4,000ppm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンエマルション組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮合反応性のシラノール基又はアルコキシ基等のオルガノオキシ基を有するオルガノポリシロキサンを乳化重合して得られる安定なオルガノポリシロキサンエマルション組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料、ハウスホールド、離型剤などさまざまな分野において、重合度が大きなオルガノポリシロキサンやシリコーン鎖に分岐を有するオルガノポリシロキサンをエマルションとする要求がある。しかし、そのようなオルガノポリシロキサンを直接乳化すると、数ミクロン程度の粒径が限界であるため、乳化重合による製造方法が種々検討されてきた。例えば、環状シロキサンオリゴマーを乳化した状態で強酸あるいは強塩基によって乳化重合を行う方法が知られている(特許文献1,2:特公昭34−2041号公報、特公昭41−13995号公報)。
【0003】
近年、オクタメチルシクロテトラシロキサンが環境負荷物質として懸念されるようになっており、オクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量を抑制したサンプルが求められている。先に示したような特許では、シロキサン中に40,000ppm以上ものオクタメチルシクロテトラシロキサンが含有されていることが知られており、その生成量を抑制する方法の検討が行われている。
【0004】
その方法の一例として、分子鎖末端がシラノール基であり、縮合反応性を有するオルガノポリシロキサンでケイ素原子数20以下の非縮合反応性オルガノシロキサンオリゴマーの含有量が5,000ppm以下のものを40℃以下、重合時間40時間以内で乳化重合を行うものが知られている(特許文献3:特許第3145394号公報)。しかし、エマルションの安定性を高めるために用いている末端にヒドロキシル基を有する構造の一般的なノニオン性界面活性剤がシラノールの縮合を阻害し、40時間乳化重合を行ったとしても、粘度として数百万mm2/sが限界であり、それ以上の重合度にするためには、更に乳化重合時間を延ばさなければならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭34−2041号公報
【特許文献2】特公昭41−13995号公報
【特許文献3】特許第3145394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みなされたものであり、縮合反応性のシラノール基又はアルコキシ基等のオルガノオキシ基を有するオルガノポリシロキサンを乳化重合する時に、従来型のノニオン性界面活性剤のように、重合を阻害することなく目的の重合度が容易に得られ、更に安定性に優れたオルガノポリシロキサンエマルション組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、縮合反応性のシラノール基又はアルコキシ基等のオルガノオキシ基を有するオルガノポリシロキサンを、従来型の末端にヒドロキシル基を有するノニオン性界面活性剤ではなく、末端のヒドロキシル基をアルキル基やアシル基のような有機基で封鎖したノニオン性の界面活性剤を用いて乳化重合することで、重合の阻害が起こらずに、比較的短時間で目的の重合度まで反応が進行し、更に非常に安定なオルガノポリシロキサンエマルション組成物が得られることを見出し、発明を完成するに至った。
【0008】
従って、本発明は、下記に示すオルガノポリシロキサンエマルション組成物を提供する。
〔1〕
(A)シラノール基又はオルガノオキシ基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)下記一般式(2)で表されるノニオン性界面活性剤:1〜100質量部、
2O(EO)a(PO)b3 (2)
(式中、R2は炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基、又はR4(CO)−で示される有機基であり、R4は炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。R3は炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基、又はR5(CO)−で示される有機基であり、R5は炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。EOはエチレンオキシド基、POは炭素数3以上のアルキレンオキシド基を表し、a,bは0〜100の数で、a+b>0である。また、EO,POの配列の形式は、ランダムでもブロックでもよい。)
(C)(B)成分以外の界面活性剤:1〜100質量部、
(D)重合用触媒:0〜100質量部、及び
(E)水:1〜100,000質量部
を含有するエマルションを乳化重合することで得られるオルガノポリシロキサンエマルション組成物。
〔2〕
(A)シラノール基又はオルガノオキシ基を有するオルガノポリシロキサンが、下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサンであることを特徴とする〔1〕に記載のオルガノポリシロキサンエマルション組成物。
0O(R12SiO)n0 (1)
(式中、R0は独立に水素原子又は非置換もしくは置換の炭素数1〜20の1価炭化水素基、R1は独立に非置換もしくは置換の炭素数1〜20の1価炭化水素基であり、nはこのオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を20〜100,000mm2/sにするのに相当する数である。)
〔3〕
(C)成分が、アニオン性界面活性剤であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載のオルガノポリシロキサンエマルション組成物。
〔4〕
エマルション組成物中のオルガノポリシロキサンに含まれるオクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量が4,000ppm以下であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンエマルション組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、縮合反応性を有するオルガノポリシロキサンを乳化重合するときに、従来型の末端にヒドロキシル基を有するノニオン性界面活性剤では重合の阻害が起こっていたが、末端のヒドロキシル基をアルキル基やアシル基のような有機基で封鎖したノニオン性の界面活性剤を利用することで、重合を阻害することなく、非常に安定なオルガノポリシロキサンエマルション組成物を得ることが可能となる。更に、乳化重合の過程で生じるオクタメチルシクロテトラシロキサンの量を抑えることも可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のオルガノポリシロキサンエマルション組成物は、
(A)シラノール基又はオルガノオキシ基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)下記一般式(2)で表されるノニオン性界面活性剤、
2O(EO)a(PO)b3 (2)
(式中、R2は炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基、又はR4(CO)−で示される有機基であり、R4は炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。R3は炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基、又はR5(CO)−で示される有機基であり、R5は炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。EOはエチレンオキシド基、POは炭素数3以上のアルキレンオキシド基を表し、a,bは0〜100の数で、a+b>0である。また、EO,POの配列の形式は、ランダムでもブロックでもよい。)
(C)(B)成分以外の界面活性剤、
(D)重合用触媒(但し、(C)成分に触媒作用があればいれなくてもよい)、及び
(E)水
を含有するエマルションを乳化重合することにより得られる。
【0011】
(A)成分は、縮合反応性のシラノール基又はアルコキシ基等のオルガノオキシ基を有するオルガノポリシロキサンであり、これは酸性条件又は塩基性条件下で縮合反応性を有するものである。
縮合反応性のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−プロポキシ基、t−ブトキシ基、s−ブトキシ基、n−ブトキシ基等が例示できる。
【0012】
縮合反応性のシラノール基又はアルコキシ基等のオルガノオキシ基を有するオルガノポリシロキサンの具体例としては、下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
0O(R12SiO)n0 (1)
(式中、R0は独立に水素原子又は非置換もしくは置換の炭素数1〜20の1価炭化水素基、R1は独立に非置換もしくは置換の炭素数1〜20の1価炭化水素基であり、nはこのオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を20〜100,000mm2/sにするのに相当する数である。)
【0013】
0が水素原子の場合、式(1)のオルガノポリシロキサンの末端は水酸基(シラノール基)であり、R0が1価炭化水素基の場合、式(1)のオルガノポリシロキサンの末端はオルガノオキシ基である。この場合、R0としては、特に1〜10、とりわけ1〜4の1価炭化水素基、特にアルキル基が好ましく、−OR0で示されるオルガノオキシ基としては、上記したものが好ましい。
【0014】
1は独立に非置換もしくは置換の炭素数1〜20、好ましくは1〜10の1価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などや、これらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子や、アミノ基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、エポキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の極性基含有の有機基などで置換したものが例示される。好ましくは、炭素数1〜6の1価炭化水素基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基である。更に好ましくは、全R1の80モル%以上がメチル基である。
【0015】
nは25℃におけるオルガノポリシロキサンの粘度が20〜100,000mm2/sに相当する値である。好ましくは50〜50,000mm2/sであり、特に好ましくは50〜10,000mm2/sである。粘度が20〜100,000mm2/sの範囲内であるとエマルションの安定性がよい。なお、この粘度は、オストワルド粘度計により測定することができる。
【0016】
(A)成分は、分子鎖末端がシラノール基又はアルコキシ基等のオルガノオキシ基で封鎖されたオルガノポリシロキサンであることが好ましく、またその分子構造は直鎖状だけでなく、分岐構造を有するものでもよい。
【0017】
(B)成分は、下記一般式(2)で表されるノニオン性界面活性剤である。
2O(EO)a(PO)b3 (2)
(式中、R2は炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基、又はR4(CO)−で示される有機基であり、R4は炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。R3は炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基、又はR5(CO)−で示される有機基であり、R5は炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。EOはエチレンオキシド基、POは炭素数3以上のプロピレンオキシド基、ブチレンオキシド基等のアルキレンオキシド基を表し、a,bは0〜100の数で、a+b>0である。また、EO,POの配列の形式は、ランダムでもブロックでもよい。)
【0018】
ここで、R2〜R5の炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチル−n−ブチル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ブチル基、1,1−ジメチル−n−プロピル基、n−ヘキシル基、1−メチル−n−ペンチル基、2−メチル−n−ペンチル基、1,1−ジメチル−n−ブチル基、1−エチル−n−ブチル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等が挙げられる。
【0019】
2、R3としては、中でもR2の炭素数が6〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基で、R3の炭素数が1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましく、特に好ましくはR2が炭素数10〜14の直鎖状又は分岐状のアルキル基で、R3が炭素数1〜3の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。あるいは、R2がR4(CO)−で示される有機基であり、R4が炭素数6〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基で、R3の炭素数が1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましく、特に好ましくはR4が炭素数10〜14の直鎖状又は分岐状のアルキル基で、R3が炭素数1〜3の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。
【0020】
EOはエチレンオキシド、POは炭素数3以上のアルキレンオキシドを表し、かかるアルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンチレンオキシド、ヘキシレンオキシド、ヘプチレンオキシド、オクチレンオキシド等の炭素数3〜8のものが挙げられる。a,bは0〜50の数であり、a+b>0である。中でも、そのHLBが4〜18となるようなa,bの値が好ましく、特に好ましくはHLBが7〜17となるようなa,bの値である。特には、aは2〜40、より好ましくは2〜30の値、bは0〜30、より好ましくは0〜20の値が好ましい。また、EO,POの配列の形式はブロックでもランダムでもよい。
【0021】
このような式(2)で表されるノニオン性界面活性剤としては、下記に示すものが例示できる。
1225O(C24O)4CH3(HLB:10.2)
1225O(C24O)22.5CH3(HLB:16.9)
【0022】
(B)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対して1〜100質量部であり、好ましくは2〜25質量部であり、特に好ましくは3〜10質量部である。(B)成分が少なすぎるとO/W型のエマルションを形成しづらくなったり、エマルションの安定性が低下する傾向があったりし、多すぎるとエマルションを使用したときにベースオイルとして使用されているシリコーンの特性が乳化剤によって阻害される可能性がある。
(B)成分は、1種もしくは2種以上使用してもよい。
【0023】
(C)成分の界面活性剤は、(B)成分以外の界面活性剤であって、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、式(2)で表されるノニオン性界面活性剤以外のノニオン性界面活性剤が例示される。
【0024】
具体的に、アニオン性界面活性剤としては、一般式:R6OSO3M又はR6−Ph−OSO3M(R6は炭素数6〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、Phはフェニル基であり、Mは水素原子、金属元素、あるいはアンモニウムイオン又は第4級アンモニウムイオンである。)で示されるものが好ましい。
ここで、炭素数6〜30の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等が挙げられる。また、金属元素としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム塩、トリエタノールアミン塩等のアンモニウムイオン又は第4級アンモニウムイオンなどが挙げられる。
特に好ましくは、R6は炭素数6〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基で、Mは水素原子、又はアルカリ金属元素もしくはアルカリ土類金属元素である。例えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、セチルベンゼンスルホン酸、ミリスチルベンゼンスルホン酸及びその塩等が例示される。
他には、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸等の高級脂肪酸及びその塩や、一般式:R6O(EO)c(PO)dSO3M又はR6−Ph−O(EO)c(PO)dSO3M(R6,M,EO,POは上記と同じ、c,dは0〜100である。)で表されるようなポリオキシエチレンモノアルキルエーテルの硫酸エステル、アルキルナフチルスルホン酸及びその塩等が挙げられる。
【0025】
カチオン性界面活性剤としては、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、デシルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、ジドデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムヒドロキシドのような第4級アンモニウムヒドロキシド及びこれらの塩が例示される。
【0026】
式(2)の界面活性剤を除くノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール等が例示される。中でも、一般式R6O(EO)e(PO)fH(R6は上記と同じ、e,fは0〜100である。但し、e+f>0であり、EOはエチレンオキシド、POはプロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数3以上のアルキレンオキシドを表し、その配列はブロックでもランダムでもよい。)で示されるものが好ましい。特に好ましくは、R6は炭素数6〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基で、e,fは0〜25である。但し、ノニオン性界面活性剤を用いる場合は、縮合が阻害されるため、その量は目的の重合物を得ることを損なわない程度に添加する。
【0027】
(C)成分としては、上述したいずれの界面活性剤を用いてもよいが、特にアニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
また、(C)成分は、1種もしくは2種以上使用してもよい。
【0028】
(C)成分の界面活性剤の使用量は、(A)成分100質量部に対して1〜100質量部であり、好ましくは2〜25質量部であり、特に好ましくは3〜10質量部である。(C)成分が少なすぎるとO/W型のエマルションを形成しづらくなったり、エマルションの安定性が低下する傾向があったりし、多すぎるとエマルションを使用したときにベースオイルとして使用されているシリコーンの特性が乳化剤によって阻害される可能性がある。
【0029】
(D)成分の重合用触媒としては、酸性触媒と塩基性触媒がある。酸性触媒としては、塩酸や硫酸、陽イオン交換樹脂等が例示される。塩基性触媒としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのアルカリ金属の水酸化物、陰イオン交換樹脂等が例示される。但し、配合する(C)成分に触媒としての作用がある場合、例えば−SO3H、−COOH等の官能基を有するものは酸触媒としての作用があり、R4NOH(アンモニウムヒドロキシド)には塩基触媒の作用があるので、これらを(C)成分とする場合には、(D)成分は用いなくてもよい。
【0030】
(D)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対して0〜100質量部であり、好ましくは0〜20質量部であり、配合する場合は0.1質量部以上、特に1質量部以上である。(D)成分が少なすぎると十分に重合が進行しないおそれがあり、多すぎると中和剤を多く添加する必要が生じ、エマルションの安定性が損なわれる可能性がある。
【0031】
(E)水については、(A)成分100質量部に対して、1〜100,000質量部であり、好ましくは1〜1,000質量部であり、特に好ましくは2〜200質量部である。水が少なすぎるとO/W型のエマルションを形成しづらくなる可能性があり、多すぎると触媒の濃度が低下し、重合が十分に進行しなくなる可能性がある。
【0032】
乳化重合する方法としては、(A)成分のオルガノポリシロキサン、(B)成分のノニオン性界面活性剤、(C)成分の界面活性剤、(E)成分の水を、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ホモディスパー、ホモミキサー、コロイドミル、ラインミキサー、万能混合機、ウルトラミキサー、プラネタリーミキサー、コンビミックス等の乳化機を用いて乳化する。その際、(D)成分である重合用触媒は、(A),(B),(C),(E)成分と一緒に乳化しても、(A),(B),(C),(E)成分を乳化した後に添加しても、どちらでもよいが、(C)成分に触媒作用がある場合には、添加しなくてもよい。また、(C)成分に触媒作用がある場合や、乳化工程時に(D)成分を添加した場合は、縮合も同時に進行してしまうため、40℃未満の温度で乳化を行うことが好ましい。40℃以上の温度で乳化を行うと、オクタメチルシクロテトラシロキサンの生成が多くなってしまうおそれがある。そのため、好ましくは15℃未満、特に好ましくは5℃未満の温度で乳化を行うことがよい。
【0033】
また、重合工程は、40℃未満、好ましくは15℃未満、特に好ましくは5℃未満の温度にて、48時間以内、特に20時間以内で行うことが好ましい。40℃以上の温度で、重合を行うとオクタメチルシクロテトラシロキサンの生成が多くなってしまうおそれがある。
なお、本発明において、上記乳化重合により生成したオルガノポリシロキサンは、20時間以内に100万mPa・s以上、好ましくは300万mPa・s以上、特に好ましくは800万mPa・s以上に達する。
【0034】
本発明において、上記乳化重合により生成したオルガノポリシロキサン中のオクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量は、4,000ppm以下とすることができる。なお、オクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量はガスクロマトグラフィー分析により測定できる。
【0035】
また、重合工程を行う前に、重合工程を短縮する目的で酸触媒を添加することや、エマルションの安定性を向上する目的で乳化剤を添加することもできる。
【0036】
目的の重合物が得られるまで重合を行ったら、重合を停止させる。重合を停止させるには、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、アンモニア等のアルカリ性物質や、酢酸、ギ酸、リン酸、塩酸などの酸性物質で中和を行えばよく、pHが4〜8の範囲になるようにすればよい。また、この時に水を添加し、シリコーン濃度を調整することや、エマルションを保存するために防腐剤、防黴剤等を添加することができる。
【0037】
乳化を行う工程や乳化重合を行う工程、あるいは中和を行った後のエマルションに対して、R73SiO(R72SiO)gSiR73のようなオルガノポリシロキサンを添加することで末端がトリオルガノシリル基で封鎖されたオルガノポリシロキサンを得ることや、R73Si(OR81、R72Si(OR82、R71Si(OR83のようなオルガノオキシシランを添加することでシロキサン鎖に分岐単位を導入することや各種官能基を導入することも可能である。
【0038】
上記式中、R7は独立に水素原子又は非置換もしくは置換の炭素数1〜20の1価炭化水素基であり、非置換もしくは置換の1価炭化水素基としては、上述したR1と同様のものが例示できる。R7として、好ましくは、炭素数1〜6の1価炭化水素基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基である。gは0〜100である。
また、R8は独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基である。炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが例示できる。R8として、好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基である。
【実施例】
【0039】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0040】
粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置LA−920(株式会社堀場製作所製)により測定した、体積基準のメジアン径の値である。なお、メジアン径とは粒径分布を累積分布として表したときの累積50%に相当する粒子径である。また、測定に際しては、相対屈折率1.05(ジメチルポリシロキサンの屈折率1.40、水の屈折率1.33)を利用した。
シロキサン粘度は、調製したエマルション300gにイソプロピルアルコール300gを攪拌しながら添加し、析出したジメチルシロキサンのみを105℃で3時間乾燥したものを回転粘度計により測定した25℃における粘度である。
オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)含有量は、調製したエマルション0.1gにテトラデカンを内部標準として20ppm添加したアセトン10mlで抽出(3時間振とう)後、一晩放置した後にアセトン層をガスクロマトグラフィー分析にて定量した値である。
安定性は、100gガラス瓶に調製したエマルションを入れ、50℃で1ヶ月静置させたときの外観を観察し、下記基準により評価した。
○:二層への分離が確認されない
×:二層への分離が確認される
【0041】
[実施例1]
粘度が5,000mm2/sの分子鎖末端がシラノール基であるオルガノポリシロキサン100質量部に、C1225O(C24O)4CH3(HLB:10.2)2.0質量部、C1225O(C24O)22.5CH3(HLB:16.9)6.0質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸4.0質量部及び水6.0質量部をホモディスパーにより乳化させた後、水79.6質量部を添加し、ホモミキサーにより希釈分散させ、0℃にて20時間及び48時間乳化重合を行った。その後、トリエタノールアミン2.4質量部を添加し、中和することでエマルションを得た。結果は表1の通りである。
【0042】
[実施例2]
粘度が5,000mm2/sの分子鎖末端がシラノール基であるオルガノポリシロキサン100質量部に、C1225O(C24O)4CH3(HLB:10.2)1.0質量部、C1225O(C24O)22.5CH3(HLB:16.9)3.0質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸4.0質量部及び水6.0質量部をホモディスパーにより乳化させた後、水84.4質量部を添加し、ホモミキサーにより希釈分散させ、0℃にて20時間及び48時間乳化重合を行った。その後、トリエタノールアミン2.4質量部を添加し、中和することでエマルションを得た。結果は表1の通りである。
【0043】
[比較例1]
粘度が5,000mm2/sの分子鎖末端がシラノール基であるオルガノポリシロキサン100質量部に、ポリオキシエチレン(4モル)ラウリルエーテル2.0質量部、ポリオキシエチレン(23モル)ラウリルエーテル6.0質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸4.0質量部及び水6.0質量部をホモディスパーにより乳化させた後、水79.6質量部を添加し、ホモミキサーにより希釈分散させ、0℃にて20時間及び48時間乳化重合を行った。その後、トリエタノールアミン2.4質量部を添加し、中和することでエマルションを得た。結果は表1の通りである。実施例1と比較して、エマルション中のオルガノポリシロキサンの粘度が低く縮合が阻害されていることがわかる。
【0044】
[比較例2]
粘度が5,000mm2/sの分子鎖末端がシラノール基であるオルガノポリシロキサン100質量部に、ポリオキシエチレン(4モル)ラウリルエーテル1.0質量部、ポリオキシエチレン(23モル)ラウリルエーテル3.0質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸4.0質量部及び水6.0質量部をホモディスパーにより乳化させた後、水84.4質量部を添加し、ホモミキサーにより希釈分散させ、0℃にて20時間及び48時間乳化重合を行った。その後、トリエタノールアミン2.4質量部を添加し、中和することでエマルションを得た。結果は表1の通りである。実施例2と比較して、エマルション中のオルガノポリシロキサンの粘度が低く縮合が阻害されていることがわかる。
【0045】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の組成物は、安定性、使用感に優れているので、化粧料やハウスホールド用品として特に有用であり、例えば、シャンプー、リンス等のヘアケア用品に利用可能である。また、家具や雑貨などの保護材、ゴム製品やプラスチック製品を加工するときに用いる金型用の離型剤、繊維に撥水性や柔軟性の付与を目的とした繊維処理剤としての利用も可能である。
【国際調査報告】