特表-13161896IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月31日
【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】薬剤徐放担体
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/42 20060101AFI20151201BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20151201BHJP
   A61K 38/22 20060101ALI20151201BHJP
   A61K 47/34 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   A61K47/42
   A61K47/36
   A61K37/24
   A61K47/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】38
【出願番号】特願2014-512660(P2014-512660)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年4月24日
(31)【優先権主張番号】特願2012-100024(P2012-100024)
(32)【優先日】2012年4月25日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596165589
【氏名又は名称】学校法人 聖マリアンナ医科大学
(71)【出願人】
【識別番号】501167644
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業生物資源研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100078732
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 保
(74)【代理人】
【識別番号】100119666
【弁理士】
【氏名又は名称】平澤 賢一
(72)【発明者】
【氏名】小林 一稔
(72)【発明者】
【氏名】須藤 邦宏
(72)【発明者】
【氏名】角 直祐
(72)【発明者】
【氏名】井上 肇
(72)【発明者】
【氏名】玉田 靖
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
【Fターム(参考)】
4C076AA71
4C076BB31
4C076CC19
4C076DD26
4C076EE26
4C076EE30
4C076EE37
4C076EE41
4C076FF31
4C076FF68
4C084AA02
4C084AA03
4C084DB52
4C084DB53
4C084DB54
4C084DB55
4C084MA32
4C084MA63
4C084NA10
4C084NA12
4C084ZA892
(57)【要約】
薬剤徐放率が高く、薬剤徐放速度を制御でき、強度が高く取扱が容易であり、さらに生体親和性が高いため肌に優しく、かつ保水性が高く、薬剤を効率的に保持しうる、シルクフィブロイン多孔質体を用いた薬剤徐放担体を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シルクフィブロイン多孔質体を用いた薬剤徐放担体。
【請求項2】
前記シルクフィブロイン多孔質体が、水溶性高分子で処理されたものである請求項1に記載の薬剤徐放担体。
【請求項3】
前記水溶性高分子が、多糖類及びポリアミノ酸から選ばれる少なくとも一種を含む材料である請求項2に記載の薬剤徐放担体。
【請求項4】
前記多糖類が、ヘパリン及びコンドロイチン硫酸から選ばれる少なくとも一種を含む請求項3に記載の薬剤徐放担体。
【請求項5】
担持させる薬剤が、成長因子を含む請求項1〜4のいずれかに記載の薬剤徐放担体。
【請求項6】
前記成長因子が、線維芽細胞成長因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、及び上皮成長因子(EGF)から選ばれる少なくとも一種である請求項5に記載の薬剤徐放担体。
【請求項7】
前記多孔質体の引張り強度が、0.1〜400kPaである請求項1〜6のいずれかに記載の薬剤徐放担体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤徐放担体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者への薬剤の投与方法としては、経口投与が知られている。しかし、胃腸障害などの副作用や、肝臓をバイパスできず、最初に通過する代謝を回避できないこと、あるいは、治療濃度と毒性濃度間が狭い領域の薬剤の投与制御が困難であることなどの欠点を有している。
【0003】
これを解決する手段として、経皮適用製剤として薬剤を使用することが試みられている。経皮適用製剤は、薬効成分を安定的に長時間にわたって経皮吸収させるために、薬理学的な活性を有する活性物質を使って皮膚に浸透させるのを制御する。前記活性物質としては、表面活性剤または他の浸透剤を用いることも考えられる。しかし、こうした活性物質の多くは、実際に皮膚組織を損傷し、また好ましくない副作用を生じる可能性がある。
【0004】
その他、ハップ剤のように、油剤等の基材中に薬剤を混練し、徐放速度を制御している被覆材もあるが、保水性、吸水性が低く、患部が蒸れることで、皮膚に影響があることや、滲出液のある創傷面への適用が難しいといった問題があった。
【0005】
薬剤の徐放性を制御する他の方法としては、薬効成分を合成高分子、天然高分子のゲル、又は多孔質体などの薬剤担体に保持させることで、薬剤の経皮浸透を制御する方法が提案されている(特許文献1及び2)。
【0006】
また、担体が分解することで徐放性を有する徐放担体も提案されている(特許文献3〜5)。一方、シルクは、天然高分子の中でも生体親和性が高く、従来から縫合糸などに使用されており、安全性が高いことで知られている。シルクは、セリシン、フィブロインタンパクから形成されており、様々な加工方法が提案されており、例えば、シルクフィブロインを用いたハイドロゲルが提案されている(特許文献6)。
【0007】
【特許文献1】特開平8−175981号公報
【特許文献2】特表2007−520614号公報
【特許文献3】特開平5−43453号公報
【特許文献4】特開平9−192211号公報
【特許文献5】特開平2004−123576号公報
【特許文献6】特許第3412014号公報
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図2】実施例2で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図3】実施例3で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図4】実施例4で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図5】実施例5で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図6】実施例6で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図7】実施例7で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図8】実施例8で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図9】実施例9で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図10】実施例10で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図11】実施例11で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図12】実施例12で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図13】実施例13で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図14】実施例14で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図15】実施例15で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図16】実施例16で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図17】実施例17で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図18】実施例18で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図19】実施例19で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図20】実施例20で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図21】実施例21で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図22】実施例22で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図23】実施例23で製造される多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図24】実施例28における平面培養していた線維芽細胞培養ディッシュにシルクフィブロイン多孔質体を静置した様子を示す図である。
図25】実施例28におけるシルクフィブロイン多孔質体の表面に線維芽細胞を播種し、細胞を2週間培養した後の様子を示す図である。
図26】実施例28におけるゼラチンスポンジに線維芽細胞を播種し、細胞を2週間培養した後の様子を示す図である。
図27】実施例28における癒着性試験結果を示す画像である。
図28】実施例29〜32の徐放率を示す図である。
図29】実施例33の血小板由来成長因子(PDGF)の培養液への徐放率を示す図である。
図30】実施例34の塩基性線維芽細胞成長因子(b−FGF)の培養液への徐放率を示す図である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1及び2に記載されているような合成高分子を薬剤担体とすると、皮膚への親和性が低く、また保水性が低いこと、徐放速度の制御が難しく、徐放効率が低いなどの問題があった。また、天然高分子を薬剤担体とすると、皮膚への親和性が高い点で利点はあるものの、強度が低いといった問題があった。そのため、天然高分子では、架橋剤による架橋体や、強度補強材の使用やガーゼ等で包むことで、強度を確保する必要があった。しかし、強度を確保するために架橋剤を使用した場合、残存する架橋剤が皮膚へ悪影響を与えるという懸念がある。また、強度補強材を使用した場合には、構造が複雑になることや、剥がす際に薬剤担体の一部が皮膚に残ってしまう懸念がある。さらに、ガーゼなどで覆うことで強度を確保する場合には、皮膚に接するのはガーゼなどの従来型の被覆材であり、生体親和性の高く、保水性の高いゲルや多孔質体が皮膚に接触していないために、十分な効果を発揮できない問題があった。
【0010】
特許文献3〜5に記載されているような徐放担体は、体外では担体が分解され難く、皮膚などへの適用が難しいという問題があった。また、特許文献6に記載されているようなハイドロゲルを薬剤除法担体として適用する場合、薬剤徐放速度を制御できないという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、薬剤徐放率が高く、薬剤徐放速度を制御でき、強度が高く取扱が容易であり、さらに生体親和性が高いため肌に優しく、かつ保水性が高く、薬剤を効率的に保持しうる薬剤徐放担体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の発明により当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は、以下の通りである。
【0013】
1.シルクフィブロイン多孔質体を用いた薬剤徐放担体。
2.前記シルクフィブロイン多孔質体が水溶性高分子で処理されたものである前記1に記載の薬剤徐放担体。
3.前記水溶性高分子が、多糖類及びポリアミノ酸から選ばれる少なくとも一種を含む材料である前記2に記載の薬剤徐放担体。
4.前記多糖類が、ヘパリン及びコンドロイチン硫酸から選ばれる少なくとも一種を含む前記3に記載の薬剤徐放担体。
5.担持させる薬剤が、成長因子を含む前記1〜4のいずれかに記載の薬剤徐放担体。
6.前記成長因子が、線維芽細胞成長因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、及び上皮成長因子(EGF)から選ばれる少なくとも一種である前記5に記載の薬剤徐放担体。
7.前記多孔質体の引張り強度が、0.1〜400kPaである前記1〜6のいずれかに記載の薬剤徐放担体。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、薬剤徐放率が高く、薬剤徐放速度を制御でき、強度が高く取扱が容易であり、さらに生体親和性が高いため肌に優しく、かつ保水性が高く、薬剤を効率的に保持しうる薬剤徐放担体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
〔薬剤徐放担体〕
本発明の薬剤徐放担体は、シルクフィブロイン多孔質体を用いることを特徴とする。
ここで、シルクフィブロイン多孔質体とは、シルクフィブロインを含む、好ましくは、1〜300μmの平均細孔径を有する多孔質体をいう。
【0016】
本発明の薬剤徐放担体を構成するシルクフィブロイン多孔質体は、優れた徐放性を有しており、処理を施さずにそのまま使用することもできるが、徐放速度を制御するため表面処理をして使用することが好ましい。表面処理方法としては、特に限定されないが、γ線や電子線、プラズマ処理などの物理的処理が挙げられる。
また、オゾン、塩酸などの酸化剤処理;水酸化ナトリウム水溶液などによるアルカリ処理;アルデヒド基やエポキシ基などの反応性基を有する試薬を使用した化学修飾処理;水溶性高分子や低分子材料を用いた処理などが挙げられる。これらの中でも、シルクフィブロイン多孔質体の性質を保つために、マイルドな条件で処理できる方法が望ましく、水溶性高分子で処理することが好ましい。
【0017】
前記水溶性高分子としては、生体への安全性が高い材料が好ましく、具体的には、多糖類やポリアミノ酸が好ましい。多糖類としては、デンプン、セルロース、キチン、キトサン、アガロース、カラギーナン、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ペクチンなどが好ましく挙げられる。また、これら多糖類を化学修飾した、カルボキシメチルセルロースなども使用できる。
また、ポリアミノ酸としては、ポリリジン、ポリアルギン酸、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸などが好ましく挙げられる。本発明においては、これらの多糖類やポリアミノ酸を単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
【0018】
本発明においては、表面処理等を施したシルクフィブロイン多孔質体を用いることにより、高い薬剤徐放率を維持しつつ、徐放速度を容易に制御することが可能となる。また、水溶性高分子として前記の多糖類又はポリアミノ酸などの濃度が高い材料を用いることで、より早い徐放速度を有する薬剤徐放担体が得られる。
これらの多糖類又はポリアミノ酸は、例えば水、緩衝液、生理食塩水などに溶解させて用いることが好ましく、その場合の濃度は、0.05〜50U/mlが好ましく、0.1〜45U/mlであることがより好ましく、0.2〜35U/mlであることがさらに好ましい。濃度が前記範囲内であると、濃度が高くなるにつれて、より早い徐放速度が効率的に得られる。また、該濃度を調整することで徐放速度の制御も容易に可能となる。
【0019】
シルクフィブロイン多孔質体の引張り強度は、0.1kPa〜400kPaであることが好ましい。0.1kPa以上であれば、十分な強度があり、薬剤徐放担体として取扱いが容易になり、薬剤徐放担体の皮膚への残りが少なくなる。一方、400kPa以下であれば、皮膚への密着性が保たれる。以上の観点から、引張り強度は1kPa〜300kPaであることがより好ましく、5kPa〜200kPaであることがさらに好ましい。
【0020】
本発明の薬剤徐放担体は、吸水した水分を保持する保水率が高いことが好ましい。保水率が高いことで、吸収した滲出液が流出しにくくなる。より具体的には、下記の方法で算出される保水率が85〜100%であることが好ましい。保水率が85%以上であれば、滲出液は保持されて、流れ出すことはない。以上の点から、シルクフィブロイン多孔質体の保水率は、87〜100%がより好ましく、90〜100%がより好ましい。
(保水率の算出方法)
保水率は次のように算出して得られる値である。多孔質体を60×30×20mmに成形して測定試料とし、純水中に十分浸漬した試料の重さを測定する(Wc)。これを再度純水中に十分浸漬し、表面を純水で濡らしたガラス製の平板(松浪ガラス製MSAコートマイクロスライドガラス、76×52mm)を45度傾けて設置し、その上に一番広い面(60×30mm面)を下にして長尺方向を上下になるように載せて、10分間静置する。その後、試料の重さを測定し(Wd)、試料の重さ(Wc)及び(Wd)を用いて下記の式で算出された値を保水率とする。
保水率(%)=100−(Wc−Wd)×100/(Wc)
【0021】
多孔質体の吸水速度は0.1〜1000μl/sであることが好ましく、1〜100μl/sであることがより好ましく、さらに好ましくは20〜30μl/sである。吸水速度が0.1μl/s以上であれば、滲出液を速やかに吸収できるので、薬剤徐放担体の外に漏らすことが少ない。吸水速度が1000μl/s以下であれば、薬剤徐放担体が滲出液を過剰に吸収するのを防ぎ、接触部の湿潤状態を保つことができる。
また、蒸発速度は0.01〜0.2g/m2/sであることが好ましく、0.03〜0.15g/m2/sであることがより好ましく、さらに好ましくは0.06〜0.1g/m2/sである。蒸発速度が0.01以上であれば、薬剤徐放担体が継続的に滲出液を吸収できる状態に保つことができる。一方、蒸発速度が0.2g/m2/s以下であれば、本発明の薬剤徐放担体を効率的に湿潤状態に保つことができる。ここで、吸水速度及び蒸発速度は以下のようにして得られる値である。多孔質層の吸水速度及び蒸発速度が前記範囲内であると、優れた本発明の効果が得られる。
【0022】
(吸水速度の算出方法)
シルクフィブロイン多孔質体に純水を100μl滴下し、吸収されるまでの時間を測定した。吸水速度は、測定した時間を用いて、下記の式より算出した値である。測定は5回行い、その平均値を吸水速度とした。
吸水速度(μl/s)=純水滴下量/吸水に要した時間
【0023】
本発明の薬剤徐放担体の形状に制限はなく、所望に応じて適宜選択すればよく、使用しやすさの観点からシート状であることが好ましい。また、その大きさは任意に設定することができ、シートの厚さは、薬剤の投与量に応じて任意の厚さを設定することができる。
【0024】
本発明の薬剤徐放担体に含ませることのできる薬剤は、特に限定されるものではなく、例えば、動物体内において、特定の細胞の増殖や分化を促進する内因性のタンパク質、すなわち、上皮成長因子(EGF)、インスリン様成長因子(IGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF)、神経成長因子(NGF)、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(b−FGF)や酸性線維芽細胞成長因子(a−FGF)などの線維芽細胞成長因子(FGF)、肝細胞成長因子(HGF)などの成長因子のほか、塩酸ジフェンヒドラジン、クロルフェニラミン、ジフェニルイミダゾールなどの抗ヒスタミン剤;ハイドロコーチゾン、プレドニゾロン、パラメタゾン、ベクロメタゾンプロピオナート、フルメタゾン、ベータメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、デキサイタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニドアセテート、プロピオン酸クロベタゾールなどのコルチコステロイド類;アセトアミノフェン、メフェナム酸、フルフェナミン酸、インドメタシン、ジクロフェナック、アルクロフェナック、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、イブプロフェン、フルルビブロフェン、サリチル酸、サリチル酸メチル、L−メントール、カンファーなどの鎮痛消炎剤;ペニシリン、オキシテトラサイクリン、硫酸フラジオマイシン、エリスロマイシン、クロラムフェニコール、セファレキシン、テトラサイクリンなどの抗生物質;ビタミンA、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、オクトチアミン、リボフラビン酪酸エステルなどのビタミン剤;ベンゾカイン、リドカイン、アミノ安息香酸エチルなどの麻酔剤などが好ましく挙げられる。これらの薬剤は、単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。
【0025】
また、前記の薬剤に加えて、必要に応じて、吸収助剤、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N,N−ジエチル−m−トリアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヒアルロン酸、サリチル酸、クロタミトン、ジエチルセバケート、ラウリルアルコール、ジメチルスルホキシド、デシメチルスルホキシドなどを配合することができる。これらの吸収助剤を配合することにより、皮膚自身による障壁膜に対して薬剤吸収を促進するとともに、血液中への浸透を促進する機能を薬剤に付与することができる。
【0026】
前記薬剤の添加量としては、選択する薬剤により適宜決定されるものであるが、目安としては、薬剤徐放担体に対して約1μg〜300mg/12cm2(厚さ2mm)の薬剤が吸収されるように添加される。
前記の薬剤は、シルクフィブロイン多孔質体に含浸もしくは塗布することで、保持させることができる。また、これらの薬剤は1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0027】
前記薬剤の配合において、溶媒を用いることができる。ここで用いられる溶媒としては、人体に有害でないものであり、かつ用いる薬剤に対して化学的に不活性なものであることが好ましく、使用する薬剤を溶解または分散できるものであれば特に規定はない。具体的には、水、多価アルコールを単独で、又は2種以上を組み合わせた混合系の溶媒を用いることができる。人体への安全性の観点からは水が最も好ましい。多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビットなどが好ましく挙げられる。
また、薬剤を溶剤に溶解する上においての溶解性を向上させるために、水溶性ポリマーを加えることができる。水溶性ポリマーとしては、例えば、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、トラガントゴム、デンプン類、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムなどが好ましく挙げられる。
【0028】
本発明の薬剤徐放担体は、前記のようにシート状であることが好ましく、その使用形態としては、例えばシート状のシルクフィブロイン多孔質体を、ドレッシングフィルムや、包帯、粘着テープなどで固定する形態が好ましく挙げられる。ドレッシングフィルムなどを使用することで、シルクフィブロイン多孔質体に圧力が加わる場合や、接触した場合に、体液への接触や漏出などを防ぐことができ、湿潤療法に適した環境を提供することができる。また、消化管内や体内での薬剤徐放担体としても使用できる。
【0029】
薬剤徐放担体から薬剤を徐放させるには、該薬剤徐放担体、すなわちシルクフィブロイン多孔質体を湿潤状態としておくことが好ましい。滲出液のある創傷面で湿潤療法を行うような場合には、滲出液を介して、徐放された薬剤を患部へ浸透させることができる。滲出液のない場合には、生理食塩水などにより、湿潤状態にして使用することができる。
【0030】
〔シルクフィブロイン多孔質体の製造方法〕
次に、シルクフィブロイン多孔質体の製造方法について説明する。
本発明で用いられるシルクフィブロイン多孔質体は、例えば、シルクフィブロイン水溶液に特定の添加剤を加えて、該水溶液を凍結させ、次いで融解させることにより製造することができる。
ここで用いられるシルクフィブロインは、家蚕、野蚕、天蚕などの蚕から産生されるものであればいずれでもよく、その製造方法も特に制限されるものではない。シルクフィブロインは溶解性が悪く、直接水には溶解することが困難である。シルクフィブロイン水溶液を得るには、公知のいかなる手法を用いてもよいが、高濃度の臭化リチウム水溶液にシルクフィブロインを溶解後、透析による脱塩、風乾による濃縮を経る手法が簡便であり好ましい。
【0031】
シルクフィブロイン多孔質体の製造方法において、シルクフィブロインの濃度は、後述する添加剤等を添加したシルクフィブロイン水溶液中で0.1〜40質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1.0〜12質量%であることがさらに好ましい。この範囲内に設定することで、十分な強度を持った多孔質体を効率的に製造することができる。
【0032】
前記添加剤としては、例えば、有機溶媒、脂肪族カルボン酸、アミノ酸などが好ましく挙げられる。添加剤としては、特に制限はないが、水溶性のものが好ましく、水への溶解度が高いものがより好ましい。また、シルクフィブロイン多孔質体の製造において用いられる脂肪族カルボン酸としては、pKaが、5.0以下のものが好ましく、3.0〜5.0のものがより好ましく、3.5〜5.0のものがさらに好ましい。
【0033】
前記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノール、グリセロール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ピリジン、アセトニトリル、アセトンなどが好ましく挙げられる。これらの有機溶媒は、単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
前記脂肪族カルボン酸としては、例えば、炭素数1〜6の飽和又は不飽和のモノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸を好ましく用いることができ、より具体的には、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、乳酸、アクリル酸、2−ブテン酸、3−ブテン酸などが好ましく挙げられる。これらの脂肪族カルボン酸は、単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0034】
前記アミノ酸としては、例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、メチオニンなどのモノアミノカルボン酸;アスパラギン酸、グルタミン酸などのモノアミノジカルボン酸(酸性アミノ酸)などの脂肪族アミノ酸;フェニルアラニンなどの芳香族アミノ酸;ヒドロキシプロリンなどの複素環を有するアミノ酸などが好ましく挙げられ、なかでも形状の調整が容易な観点から、酸性アミノ酸や、ヒドロキシプロリン、セリン、スレオニンなどのオキシアミノ酸が好ましい。同様な観点から、酸性アミノ酸の中でもモノアミノカルボン酸がより好ましく、アスパラギン酸やグルタミン酸が特に好ましく、オキシアミノ酸の中でもヒドロキシプロリンが好ましい。これらのアミノ酸は、いずれか1種を単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
なお、アミノ酸には、L型とD型の光学異性体があるが、L型とD型を用いた場合に、得られるシルクフィブロイン多孔質体の構造や機械特性に違いが見られないため、どちらのアミノ酸を用いてもよい。
【0035】
シルクフィブロイン水溶液中の添加剤の含有量は、シルクフィブロイン水溶液の全量に対して、0.1〜18質量%であることが好ましく、0.1〜5.0質量%であることがより好ましく、0.2〜4.0質量%であることがさらに好ましい。この範囲内に設定することで、十分な強度を持ったシルクフィブロイン多孔質体を製造することができる。また、18.0質量%以下であれば、シルクフィブロイン水溶液に前記添加剤を添加したシルクフィブロイン水溶液を静置する際、該水溶液がゲル化しにくく、安定して良質なシルクフィブロイン多孔質体が得られる。
【0036】
次に、前記添加剤が加えられたシルクフィブロイン水溶液を型あるいは容器に流し込み、低温恒温槽中に入れて凍結させ、次いで融解する工程を経て、シルクフィブロイン多孔質体を製造する。凍結温度は、添加剤を含有させたシルクフィブロイン水溶液が凍結する温度であれば特に制限されないが、−10〜−30℃程度が好ましい。また、凍結時間は、十分に凍結し、かつ凍結状態を一定時間保持できるよう、所定の凍結温度で4時間以上であることが好ましい。
なお、凍結の方法としては、シルクフィブロイン水溶液を一気に凍結温度まで下げて凍結してもよいが、一旦、−5℃程度に2時間程度保持して過冷却状態とし、その後、凍結温度まで下げて凍結することが、力学的強度の高いシルクフィブロイン多孔質体を得る上で好ましい。−5℃から凍結温度までにかける時間を調整することで、シルクフィブロイン多孔質体の構造や強度をある程度制御することが可能である。
【0037】
その後、凍結したシルクフィブロイン水溶液を、融解することによってシルクフィブロイン多孔質体が得られる。融解の方法は特に制限はないが、自然融解のほか、恒温槽内に保持する方法などが好ましく挙げられる。
【0038】
得られたシルクフィブロイン多孔質体には前記の添加剤が含まれる。用途に応じて、添加剤を除去する必要がある場合には、適当な方法でシルクフィブロイン多孔質体から添加剤を除去すればよい。例えば、シルクフィブロイン多孔質体を、純水中に浸漬して、添加剤を除去する方法が最も簡便な方法として挙げられる。あるいは、シルクフィブロイン多孔質体を凍結乾燥することによって、添加剤と水分を同時に除去することも可能である。
【0039】
このシルクフィブロイン多孔質体は、該多孔質体作製時の型や容器を適宜選択することにより、シート状、ブロック状、管状、球状など、目的に応じた形状とすることができる。本発明においては、前記のようにシート状であることが好ましい。
型や容器としては、シルクフィブロイン水溶液が流出しない形状・形態のものであれば制限はなく、その素材としては、鉄、ステンレス、アルミニウム、金、銀、銅などの熱伝導率が高い素材を用いることが、均一な構造のシルクフィブロイン多孔質体を得る観点から好ましい。また、型や容器の壁の厚さは、その機能と凍結の際の膨張などによる変形などを防止する観点から、0.5mm以上であることが好ましく、取り扱いが容易で、冷却効率的な観点から、1〜3mmであることがより好ましい。
【0040】
また、ここで用いられる型や容器は、その内側のシルクフィブロイン水溶液と接する内壁面に、シート層を設けることができる。これにより、シルクフィブロイン多孔質体の表面にフィルム層を配置することができる。すなわち、多孔質層とフィルム層とを有するシルクフィブロイン多孔質体を得ることができる。ここで、多孔質層は、多数の細孔が存在するスポンジ状の多孔質構造を有する層であり、フィルム層は細孔を実質的に有さない層である。
【0041】
型や容器の内壁面に設けるシート層の特性により、フィルム層の構造や厚さを制御することができる。
シート層に用いるシートとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)やテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などのフッ素樹脂からなるシート、あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)などからなる離型処理されたシートなどが好ましく挙げられる。これらのシートを用いた場合、細孔が少なく平滑なフィルム層を得ることができる。また、フィルム層を設けたくない場合は、ろ紙などといった表面が粗いシートを設けることもできる。これらのシートの採用については、シルクフィブロイン多孔質体の用途に応じて、適宜選択すればよい。また、シートは、熱伝導を阻害しにくい厚さ1mm以下のものを用いることが好ましい。
【0042】
シルクフィブロイン多孔質体は、前記の融解する工程に次いで、切削工程を経て得られる。本発明の体外用薬剤徐放担体として好適なシート形状において、多孔質層のみからなる多孔質体とする場合には、容器の材質を選択するほかに、フィルム層を切除することで、表面構造を選択することができる。これにより、多孔質層のみからなる多孔質体からなるシートを得ることができる。具体的には、例えば、テフロン(登録商標)シートなどのシートをその内壁面に設けたブロック状の型あるいは容器を用い、該型あるいは容器から取り出してから、側面の四面のフィルム層を取り除き、多孔質層の部分を切削することで得られる。また、一面のみにテフロン(登録商標)シートなどのシートをその内壁面に設け、その他の面の内壁面にろ紙を設けた型あるいは容器を用い、一面のみにフィルム層を有する多孔質体を得ることもできる。
【0043】
前記のシート層を設けることにより、シルクフィブロイン多孔質体が前記のフィルム層を有する場合、細孔を経由して液状の薬剤が移動する速度、及び蒸発や拡散する速度が遅くなるため、液透過性が低くなる。よって、フィルム層を有するシルクフィブロイン多孔質体の使用の態様としては、皮膚に多孔質層が接し、皮膚とは反対側の対向面にフィルム層を有する態様が好ましく挙げられる。このような体外用薬剤徐放担体を使用すると、液状の薬剤を効率よく保持することができ、該薬剤の蒸発や拡散を抑える効果があるためである。
なお、フィルム層の細孔の数は制御することができ、必要に応じて少量の細孔を有するフィルム層とすることもできる。また、フィルム層は、細孔が極めて少ないために、多孔質層に比べて表面が平滑となる。そのため、該フィルム層を皮膚側として使用し、液透過性を制御することで薬剤の徐放速度を制御することもできる。
【0044】
このように、本発明の薬剤徐放担体は、その製造方法によって多孔質層のみからなる構成、多孔質層とフィルム層とを有する構成、また該フィルム層が様々な性状を有することで、様々な構成を有するシルクフィブロイン多孔質体が得られるので、多様な用途に容易に対応することが可能である。
【実施例】
【0045】
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【0046】
実施例1
(シルクフィブロイン水溶液の調製)
シルクフィブロイン水溶液は、シルクフィブロイン粉末(KBセーレン社製、商品名:「フィブロインIM」)を9M臭化リチウム水溶液に溶解し、遠心分離で不溶物を除去した後、超純水に対して透析を繰り返すことによって得た。得られたシルクフィブロイン水溶液を透析チューブ中で風乾し濃縮した。この濃縮液に添加剤として蟻酸水溶液を添加し、シルクフィブロイン濃度が5質量%、蟻酸濃度が2質量%であるシルクフィブロイン水溶液を調製した。
(シルクフィブロイン多孔質体の製造)
このシルクフィブロイン水溶液をアルミニウム板で作製した型(内側サイズ;80mm×40mm×4mm)に流し込み、低温恒温槽(EYELA社製、NCB−3300)に入れて凍結保存した。
(凍結条件)
凍結は、予め低温恒温槽を−5℃に冷却しておいて、該低温恒温槽中にシルクフィブロイン水溶液を入れた型を投入して2時間保持し、その後−20℃に冷却後、そのままの温度で5時間保持した。
凍結した試料を自然解凍で室温に戻してから、型から取り出し、超純水に浸漬し、超純水を1日2回、3日間交換することによって、使用した蟻酸を除去した。
【0047】
(力学特性の測定方法)
得られたシルクフィブロイン多孔質体の力学的特性を、INSTRON社製マイクロテスター5548型を用いて評価した。作製したシルクフィブロイン多孔質体から40mm×4mm×4mmの試験片を切り出し、この試験片を2mm/minの条件で引っ張った際の最大破断強度(引張り強度)と最大ひずみ(伸び)を測定した。また、強度とひずみをグラフ化した時の傾きから弾性率を求めた。その結果を第1表に示す。なお、測定結果は、作製した多孔質体から5点の試験片を作製し、さらに異なる日に作製した多孔質体から5点の試験片を切り出し、それら10点について測定を行った平均値を示した。
【0048】
また、得られたシルクフィブロイン多孔質体の構造を、走査型電子顕微鏡を用いて観察した。走査型電子顕微鏡は、Philips社製XL30−FEGを使用して、低真空無蒸着モード、加速電圧10kVで測定を行った。なお、シルクフィブロイン多孔質体の構造は、多孔質体の表面ではなく、多孔質体を切断して露出させた内部を観察した。得られた多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。
【0049】
実施例2〜23
実施例1において、蟻酸に代えて、それぞれ表1に記載される添加剤を用いたこと以外は実施例1同様にして、シルクフィブロイン多孔質体を得た。また、実施例10〜12においては、添加剤の濃度を1質量%とした(表2参照)。得られたシルクフィブロイン多孔質体の力学的特性、保水率、及び吸水速度の評価結果を表1及び表2に示す。また、得られた多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡写真を、それぞれ図2〜23に示す。保水率、及び吸水速度は、前述のようにして測定した値である。
【0050】
比較例1
市販のポリウレタンスポンジ(住友スリーエム社製)を用い、測定用サンプル(60mm×30mm×20mm)に切り出し、保水率を測定し、その結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
図1から、実施例1で得られたシルクフィブロイン多孔質体を構成する多孔質層は、比較的薄い壁と数十μmの細孔を有しており、図2〜23から、各々実施例2〜23で得られたシルクフィブロイン多孔質体についても、実施例1で得られた多孔質体と同じ構造を有していることが確認された。
表1の結果から、実施例1〜23で得られたシルクフィブロイン多孔質体の保水率は97%〜99%と高い範囲にあり、比較例1のものと比べて高く、吸収した滲出液が流出しにくく、保持する性能を有することが確認された。また、表2の結果から、実施例1〜23で得られたシルクフィブロイン多孔質体の吸水速度は20〜40(μL/s)の範囲にあり、比較例1のものと比べて小さく、滲出液を薬剤徐放担体の外に漏らすことが少なく、滲出液を過剰に吸収するのを防ぎ、接触部の湿潤状態を保つ性能を有することが確認された。
【0054】
実施例24〜26
シルクフィブロイン多孔質体の安全性に関する非臨床試験の一環として、ヒトパッチ試験(皮膚感作性パッチ試験)を行った。このヒトパッチ試験(皮膚感作性パッチ試験)は、シルクフィブロイン多孔質体の人体皮膚に対する、刺激性、あるいはアレルギー性の接触皮膚炎を誘起するかどうかを判断するものである。
【0055】
実施例24〜26で用いるシルクフィブロイン多孔質体は、実施例1において、アルミニウム板で作製した型の内側サイズを264mm×205mm×1mmとし、添加剤を蟻酸から各々アスパラギン酸(実施例12と同じ)、乳酸(実施例6と同じ)、及びコハク酸(実施例5と同じ)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして得られたシルクフィブロイン多孔質体とした。これらのシルクフィブロイン多孔質体シートを試験に供するために、10mm×10mm×1mm厚に切断し、各々実施例25〜27のパッチとした。
【0056】
ヒトパッチ試験(皮膚感作性パッチ試験)は、試験開始時において、健康な18歳から65歳の日本人女性50名を対象に行った。前記のサイズのパッチを、20mm×20mmの低刺激性テープで背中に固定し、各々のパッチは最低15mm離して固定した。また、比較のために、10mm×10mmの綿の不織布を、20mm×20mmの低刺激性テープで固定した。固定したパッチを、添付から48時間後に取り除き、皮膚反応を観察した。さらに、同じ場所にパッチを貼付し、48時間後の観察を行った。合計9回の貼付と観察を繰り返した。また、その2週間後に、同じ場所にパッチを貼って観察することを48時間置きに4回繰り返した。
その結果、試験途中で、実施例24及び25において、二人の被験者が一度ずつ非常に軽度な紅斑を示したが、試験中に紅斑も消失する結果となり、シート状のシルクフィブロイン多孔質体は、非常に低刺激性であり、アレルギー感作性もないことが分かった。
また、実施例26においては、試験途中で、一人の被験者が一度非常に軽度な紅斑を示したが、試験中に紅斑も消失する結果となり、シート状のシルクフィブロイン多孔質体は、非常に低刺激性であり、アレルギー感作性もないことが分かった。
【0057】
実施例27
アルミニウム板で作製した型のサイズを130mm×80mm×12mm(内側サイズ)としたこと以外、実施例6と同様にして、シルクフィブロイン多孔質体を製造した。
シルクフィブロイン多孔質体の安全性に関する非臨床試験の一環として、皮膚一次刺激性試験及び皮膚感作性試験を行った。なお、本試験は、「申請資料の信頼性の基準」(薬事法施行規則第43号)を基準として、「医療用具の製造(輸入)承認申請に必要な生物学的安全性試験の基本的考え方について」(2003年2月13日付医薬審発第0213001号)と、「生物学的安全性試験の基本的考え方に関する参考資料について」(2003年3月19日付医療機器審査No.36)に従い行った。
【0058】
(皮膚一次刺激性試験)
前記のようにして得られたシルクフィブロイン多孔質体を5mm×5mm×5mmのサイズに切り出して試験片とした(多孔質層のみからなるフィブロイン多孔質体)。
次に、シルクフィブロイン多孔質体の生理食塩液抽出液及びゴマ油液抽出物をウサギに塗布し、局所刺激性(組織障害及び炎症誘起性)の有無について検討した。具体的には、前記の試験片に生理食塩液又はゴマ油を加え、オートクレーブ内で120℃、1時間の条件で抽出し、各試験液とした。また、抽出溶媒(生理食塩液又はゴマ油液)のみを同様な条件で処理し、対象液とした。投与は、1溶媒あたり雄ウサギ6匹を用い、1匹につき、試験液及び対象液をそれぞれ背部の無傷皮膚、擦過傷皮膚に0.5mLずつ投与した。
生理食塩水液抽出による試験液では、6例中3例で投与後1時間からごく軽度または軽微な紅斑が認められた。この紅斑は対象液である生理食塩液でもみられ、対象液と同等であった。なお、一次刺激性指数は0.3であり、「無視できる程度の刺激性」と判断された。
ゴマ油液による抽出液では、6例中4例で投与後1時間からごく軽度な紅斑が認められた。この紅斑は対象液であるゴマ油液でもみられ、対象液と同等であった。なお、一次刺激性指数は0.1であり、「無視できる程度の刺激性」と判断された。
【0059】
(皮膚感作性試験)
Maximization Test法により、本実施例27により製造されたシルクフィブロイン多孔質体のメタノール抽出液について、雄性モルモット10匹を用いて、モルモット皮膚に対する感作性の有無を検討した。
皮膚感作性試験前に、適切な抽出溶媒を決めるために、アセトンとメタノールを用いて抽出率を算出した。その結果、アセトンよりもメタノールの方が高い抽出率を示したために、皮膚感作性試験に用いる抽出溶媒をメタノールとした。
本実施例27により製造されたシルクフィブロイン多孔質体から切り出された前記試験片に、メタノール10mLを加え、室温で恒温浸とう培養機を用いて抽出した。抽出は24時間以上行った。対照群として、オリーブ油で感作する陰性対照群、及び1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼンで感作する陽性対照群を設けた。各対照群の動物数はそれぞれ5匹とした。
試験液投与群及び陰性対照群とも、抽出液の6.25、12.5、25、50、及び100質量%液、ならびにアセトンで惹起した結果、惹起後24、48及び72時間のいずれの観察時期においても皮膚反応は見られなかった。
一方、陽性対照群では、0.1質量%の1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼンの惹起により、5例全例で惹起後、24,48及び72時間後に明らかな陽性反応が認められた。
この試験結果から、本実施例27により製造されたシルクフィブロイン多孔質体には、皮膚感作性を示す物質は存在しないと判断された。
このように、本実施例27により製造されたシルクフィブロイン多孔質体は、「無視できる程度の皮膚刺激性」と「皮膚感作性を示す物質は存在しない」ことにより、安全性が高く、本発明の薬剤徐放担体として好適に使用できることが確認された。
【0060】
実施例28
シルクフィブロイン多孔質体の細胞に対する有害性の無いことを確認するために、あらかじめ平面培養していた線維芽細胞培養ディッシュに実施例2で得られたシルクフィブロイン多孔質体を静置した。シルクフィブロイン多孔質体自身またはシルクフィブロイン多孔質体から溶出する成分が細胞に対して毒性がある場合、シルクフィブロイン多孔質体を中心とした線維芽細胞の脱離、もしくは培養された細胞全体の脱落が生じるはずである。しかしながら、図24に示されるように、シルクフィブロイン多孔質体の表面自身に細胞毒性を持つことが無く、静置されたシルクフィブロイン多孔質体の周囲にまで細胞が遊走、接近し、阻止円を作る様な現象は認められなかった。なお、図24中の上部(濃色部分)がシルクフィブロイン多孔質体側である。
【0061】
毒性の無いことを確認した上で、次にシルクフィブロイン多孔質体の表面に線維芽細胞を播種し、常法に従って細胞を2週間培養した。シルクフィブロイン多孔質体の表面に播種された線維芽細胞は、一定期間後にディッシュまで遊走し、ディッシュ表面が線維芽細胞で培養されたことを確認してから、シルクフィブロイン多孔質体を取り出して組織染色を行った。
先の検討の様に毒性を持たないシルクフィブロイン多孔質体は、細胞親和性に優れ、該シルクフィブロイン多孔質体の細孔中やその表面に細胞が遊走・伸展・増殖することが予想されたが、図25に示されるように、該シルクフィブロイン多孔質体の表面には線維芽細胞の接着とそれに伴う増殖、多孔質体の孔中への遊走と増殖は認められなかった。図25中、色の濃い部分が線維芽細胞である。
【0062】
そこで、シルクフィブロイン多孔質体と同等の空隙率を持つブタコラーゲンから精製して得た止血材料であるゼラチンスポンジ(アステラス製薬(株)製、スポンゼル)に対しても同様の比較実験を行った。その結果、図26に示されるように、細胞親和性は極めて高く、空隙内に細胞が遊走伸展して、増殖していた。この場合、ゼラチンスポンジは創傷面の止血、欠損部位への充填には用いることはできるが、その細胞接着性から創傷部周囲との癒着を避けることができないことが分かった。
【0063】
一方、シルクフィブロイン多孔質体は細胞毒性が無く、同時に組織親和性に富んでいるにも拘らず細胞接着性に乏しいために、周囲組織との相互作用を持つこと無く損傷部位の組織修復に伴った周囲健常組織との相互作用(癒着)を防止できる。このことから、シルクフィブロイン多孔質体は優れた癒着防止材としての機能をも果たすことが分かる。なお、ゼラチンフィルムと称される癒着防止フィルムが市販されているが、該ゼラチンフィルムは細胞接着性が高いため、ゼラチンフィルム自身が介在して両側組織を癒着に導いてしまう。
【0064】
これらの結果を踏まえ、マウス皮下に、本発明で用いられるシルクフィブロイン多孔質体をシルクスポンジディスク化したものを植埋し、異物ならびに癒着性試験について検討した。図27に示されるように、本発明で用いられるシルクフィブロイン多孔質体は、動物実験において、植埋部位の片側側への接着を認めるが、両側粘膜への接着(癒着)を認めず、優れた癒着防止効果を示した。
【0065】
さらに、シルクフィブロイン多孔質体を用いた薬剤徐放担体からの薬剤徐放性を検討した。
実施例29
シルクフィブロイン多孔質体の濃度を3質量%とし、ギ酸を酢酸にかえた以外は、実施例1と同様に作製したシルクフィブロイン多孔質体(直径1mm、厚さ2mmの円筒形サンプル)をリン酸緩衝食塩水(PBS)中に約1時間浸漬し、25℃の室温で風乾した。その後、該リン酸緩衝食塩水(PBS)に500ngの上皮成長因子(EGF)(和光純薬工業(株)製)を含む水溶液をシルクフィブロイン多孔質体に含浸させ飽和させた。なお、シルクフィブロイン多孔質体片に500ngの成長因子を含むように調整した。該シルクフィブロイン多孔質体を、12穴培養プレート(日本ベクトンディキンソン(株)製)に、成長因子が含浸したシルクフィブロイン多孔質体を静置し、ダルベッコ改変イーグル(DME)培地((株)ギブコ製)を1mL添加し、湿度環境(条件:37℃、95%以上、5%CO2)で静置した。24、48、96時間後に経時的に培地を採取し、以降測定まで−80℃で保管した。
【0066】
上皮成長因子(EGF)の測定は以下のようにして行った。
ヒトEGF測定EIAキット(R&D(株))を用いた。すなわち、抗EGF抗体固定化96穴マイクロプレートに、得られた培地を0.1mL添加し、2時間37℃で反応させた。その後、界面活性剤を含有したリン酸緩衝食塩水(PBS)を用いて各穴を5回洗浄した後に、ペルオキシダーゼ標識抗EGF二次抗体を添加し、室温で1時間反応させた。同様に5回洗浄した後に、発色試薬を添加し室温で20分間反応させた。反応停止薬を添加すると共に得られた発色を、マイクロプレートリーダーを用いて450nmで測定した。同様に作成した検量線より、徐放量(W1)を算出した。得られた徐放量(W1)を用いて下記の式から算出した上皮成長因子(EGF)の徐放率の結果を図28に示した。
(EGF徐放率(%))=(培養液中のEGF徐放量(W1))/500ng×100
【0067】
実施例30
実施例29において、予め0.3U/mLのヘパリン(持田製薬(株)製)のリン酸緩衝食塩水(PBS)水溶液中に約1時間浸漬後、25℃の室温において風乾して使用した以外は、実施例29と同様にしてシルクフィブロイン多孔質体を作製した。得られたシルクフィブロイン多孔質体について、実施例29と同様にして評価を行った。その結果を図28に示す。
【0068】
実施例31
ヘパリン濃度を3U/mLにかえた以外は、実施例30と同様にしてシルクフィブロイン多孔質体を作製し、評価を行った。その結果を図28に示す。
【0069】
実施例32
ヘパリン濃度を30U/mLにかえた以外は、実施例30と同様にしてシルクフィブロイン多孔質体を作製し、評価を行った。その結果を図28に示す。
図28に示されるように、実施例29〜32の結果から、予めヘパリンのリン酸緩衝食塩水(PBS)水溶液によりシルクフィブロイン多孔質体を表面処理した場合、ヘパリンの濃度に依存して、上皮成長因子(EGF)の徐放速度(徐放時間)を制御できたことが確認された。より具体的には、ヘパリンの濃度が高くなるほど、若干頭打ちとなる傾向は見られるものの、徐放速度(徐放時間)は早くなる傾向があることが確認された。また、徐放率は98%以上であった。
【0070】
実施例33
実施例29において、予め30U/mLのヘパリン(持田製薬(株)製)のリン酸緩衝食塩水(PBS)水溶液中に約1時間浸漬後、25℃の室温において風乾して使用した以外は、実施例29と同様にしてシルクフィブロイン多孔質体を作製した。得られたシルクフィブロイン多孔質体(直径1mm、厚さ2mmの円筒形サンプル)に、リン酸緩衝食塩水(PBS)中に500ngの血小板由来成長因子(PDGF)(Sigma/Aldrich Japan(株)製)を含む水溶液を含浸させ飽和させた。なお、シルクフィブロイン多孔質体片に500ngの成長因子を含むように調整した。該シルクフィブロイン多孔質体を、12穴培養プレート(日本ベクトンディキンソン(株)製)に、成長因子が含浸したフィブロイン多孔質体を静置し、ダルベッコ改変イーグル(DME)培地((株)ギブコ製)を1mL添加し、湿度環境(条件:37℃、95%以上、5%CO2)で静置した。6、12、48、96時間後に経時的に培地を採取し、以降、測定まで−80℃で保管した。
【0071】
血小板由来成長因子(PDGF)の測定は以下のようにして行った。
ヒトPDGF−BB測定EIAキット(R&D(株)製)を用いた。すなわち、抗PDGF抗体固定化96穴マイクロプレートに、得られた培地を0.1mL添加し、2時間37℃で反応させた。その後界面活性剤を含有したリン酸緩衝食塩水(PBS)を用いて各穴を5回洗浄した後に、ペルオキシダーゼ標識抗PDGF二次抗体を添加し、室温で1時間反応させた。同様に5回洗浄した後に、発色試薬を添加し室温で20分間反応させた。反応停止薬を添加すると共に得られた発色を、マイクロプレートリーダーを用いて450nmで測定した。同様に作成した検量線より、PDGF徐放量(W2)を算出した。下記の式から算出した徐放率の結果を、血小板由来成長因子(PDGF)の培養液への徐放率として図29に示した。
(PDGF徐放率(%))=(培養液中のPDGF徐放量(W2))/500ng×100
96時間後までに90.6%の血小板由来成長因子(PDGF)の徐放率があり、4日間に渡って血小板由来成長因子(PDGF)の放出が認められた。
【0072】
実施例34
実施例29において、予め3U/mLのヘパリン(持田製薬(株)製)のリン酸緩衝食塩水(PBS)水溶液中に約1時間浸漬後、25℃の室温で風乾して使用した以外は、実施例29と同様にしてシルクフィブロイン多孔質体を作製した。得られたシルクフィブロイン多孔質体(直径1mm、厚さ2mmの円筒形サンプル)に、リン酸緩衝食塩水(PBS)中に500ngの塩基性線維芽細胞成長因子(b−FGF)(科研製薬(株)製)を含む水溶液を含浸させ飽和させた。なお、シルクフィブロイン多孔質体片に500ngの成長因子を含むように調整した。該シルクフィブロイン多孔質体を、12穴培養プレート(日本ベクトンディキンソン(株)製)に、成長因子が含浸したフィブロイン多孔質体を静置し、ダルベッコ改変イーグル(DME)培地((株)ギブコ製)を1mL添加し、湿度環境(条件:37℃、95%以上、5%CO2)で静置した。96時間後に経時的に培地を採取し、以降、測定まで−80℃で保管した。
【0073】
塩基性線維芽細胞成長因子(b−FGF)の測定は以下のようにして行った。
ヒトb−FGF測定EIAキット(R&D(株)製)を用いた。すなわち、抗b−FGF抗体固定化96穴マイクロプレートに、得られた培地を0.1mL添加し、2時間37℃で反応させた。その後界面活性剤を含有したリン酸緩衝食塩水(PBS)を用いて各穴を5回洗浄した後に、ペルオキシダーゼ標識抗b−FGF二次抗体を添加し、室温で1時間反応させた。同様に5回洗浄した後に、発色試薬を添加し室温で20分間反応させた。反応停止薬を添加すると共に得られた発色を、マイクロプレートリーダーを用いて450nmで測定した。同様に作成した検量線より、b−FGF徐放量(W3)を算出した。下記の式から算出した徐放率の結果を、塩基性線維芽細胞成長因子(b−FGF)の培養液への徐放率として図30に示した。
(b−FGF徐放率(%))=(培養液中のb−FGF徐放量(W3))/500ng×100
96時間後に塩基性線維芽細胞成長因子(b−FGF)の徐放量が約75%になり、高い徐放率を示した。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明によれば、薬剤徐放率が高く、薬剤徐放速度を制御でき、強度が高く取扱が容易であり、さらに生体親和性が高いため肌に優しく、かつ保水性が高く、薬剤を効率的に保持しうる薬剤徐放担体を提供することができる。
図30
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【国際調査報告】