(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2015年4月2日
【発行日】2017年3月9日
(54)【発明の名称】銅薄膜形成組成物
(51)【国際特許分類】
C23C 18/08 20060101AFI20170217BHJP
【FI】
C23C18/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
【出願番号】特願2015-539118(P2015-539118)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2014年9月16日
(31)【優先権主張番号】特願2013-202910(P2013-202910)
(32)【優先日】2013年9月30日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000006644
【氏名又は名称】新日鉄住金化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115118
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 和浩
(74)【代理人】
【識別番号】100107559
【弁理士】
【氏名又は名称】星宮 勝美
(72)【発明者】
【氏名】藤城 光一
(72)【発明者】
【氏名】今野 高志
(72)【発明者】
【氏名】山本 義成
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 敬裕
【テーマコード(参考)】
4K022
【Fターム(参考)】
4K022AA42
4K022BA08
4K022BA31
4K022BA35
4K022DA06
4K022DB01
4K022DB04
4K022DB07
(57)【要約】
(A)ギ酸銅、(B)下記一般式(1)で表されるジアミン化合物、(C)アルキル基を有し、炭素数4〜22である界面活性剤、及び(D)30重量%以上のエチレングリコールを含有する有機溶媒を含有する銅薄膜形成組成物。
【化1】
[式中、R
1〜R
4は独立して、水素原子、置換されていてもよい炭素数2〜40のアルキル基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基又はOH基を示すが、前記OH基の数は0、1、2又は4であり、Xは単結合を示すか、あるいは、−CO−、−O−、−NH−、−NHCO−、もしくは、−(CH
2)n
1−O−(CH
2)n
2−O−(CH
2)n
3−(ここで、n
1,n
2,n
3は独立して0〜4の数を示す)から選ばれる2価の基、又は、炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示す。]
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)〜(D);
(A)ギ酸銅、
(B)下記一般式(1)で表されるジアミン化合物、
【化1】
[式中、R
1〜R
4は独立して、水素原子、置換されていてもよい炭素数2〜40のアルキル基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基又はOH基を示すが、前記OH基の数は0、1、2又は4であり、Xは単結合を示すか、あるいは、−CO−、−O−、−NH−、−NHCO−、もしくは、−(CH
2)n
1−O−(CH
2)n
2−O−(CH
2)n
3−(ここで、n
1,n
2,n
3は独立して0〜4の数を示す)から選ばれる2価の基、又は、炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示す。]
(C)アルキル基を有し、炭素数4〜22である界面活性剤、
及び
(D)30重量%以上のエチレングリコールを含有する有機溶媒
を含有する銅薄膜形成組成物。
【請求項2】
前記(A)成分を5重量%以上75重量%以下の範囲内で含有する請求項1に記載の銅薄膜形成組成物。
【請求項3】
前記(A)成分1モルに対し、前記(B)成分を0.05モル以上3モル以下の範囲内で含有する請求項1に記載の銅薄膜形成組成物。
【請求項4】
前記(C)成分を1重量%以上10重量%以下の範囲内で含有する請求項1に記載の銅薄膜形成組成物。
【請求項5】
前記(D)成分を、30重量%以上70重量%以下の範囲内で含有する請求項1に記載の銅薄膜形成組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅薄膜形成組成物に関し、より詳しくは、例えばインクジェット法によって塗布されるインクとして好適に利用できる銅薄膜形成組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化や薄型化に伴い、金属材料の微細配置技術や薄膜形成技術が検討されている。例えば、微細且つ緻密な電子機器の製造において、平均粒子径が100nm以下である金属ナノ微粒子を溶媒中に分散させた金属ナノインクを調製し、インクジェット印刷法やスクリーン印刷法で微細なパターン形状に塗布形成するプリンテッドエレクトロニクス製造技術の開発が進んでいる。
【0003】
金属微粒子は、バルク金属とは異なり、粒子サイズが小さいためファインパターンへの対応に最適であるだけでなく、粒子サイズが小さくなると融点が下がるなどの特性を示すことから、バルク金属の融点温度未満の低温での処理も期待され、様々な工業材料への利用が有望視されている。
【0004】
金属ナノインクに使用される金属としては、銀微粒子での検討が多くなされているが、銀は高価であり、コスト面で問題があるため、例えば、特許文献1では、銅微粒子を用いた金属ナノ粒子インクが提案されている。
【0005】
また、特許文献2では、金属銅膜の形成に際し、金属銅膜を形成したい部位に、遷移金属等を含む銅系粒子堆積層を形成し、ギ酸ガスの存在下で加熱して銅系粒子堆積部のみに選択的に金属銅膜を形成することが提案されている。
【0006】
特許文献2では、インクジェット印刷法に適用する銅微粒子インキの場合、金属微粒子の平均分散粒子径が500nmを超えるとインクジェットヘッドノズルの目詰まり等が発生するため、安定して印刷するためには平均分散粒子径300nm以下が望ましいとされている。しかしながら、実際は微粒子化が進むことで表面エネルギーが増加して金属微粒子が凝集し易くなる、という技術課題があり、微粒子化するほどインクジェットノズル内での凝集粒子の目詰まりによる吐出エラーを引き起こすことが懸念される。工業的な実用性を考えた場合は、インクジェットヘッドからの吐出安定性が担保される領域は、平均分散粒子径が150nmを下回る程度までの安定分散が求められている。
【0007】
また、金属微粒子含有インキの吐出安定性の課題を解決するために、金属微粒子を含まないギ酸銅による錯体溶液での銅膜形成組成物も提案されている(特許文献3、特許文献4)。しかしながら、ギ酸銅による錯体溶液の安定性や、低温での還元特性については、十分な検討が尽くされているとは言えず、改良の余地が残されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】日本国特開2008−13466号公報
【特許文献2】国際公開WO2011/034016号
【特許文献3】日本国特開2010−242118号公報
【特許文献4】日本国特開2012−112022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、安定性に優れ、比較的低温での熱処理によって導通性が良好な銅薄膜を形成できる銅薄膜形成組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の銅薄膜形成組成物は、下記成分(A)〜(D);(A)ギ酸銅、(B)下記一般式(1)で表されるジアミン化合物、(C)アルキル基を有し、炭素数4〜22である界面活性剤、及び(D)30重量%以上のエチレングリコールを含有する有機溶媒を含有する。
【0011】
【化1】
[式中、R
1〜R
4は独立して、水素原子、置換されていてもよい炭素数2〜40のアルキル基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基又はOH基を示すが、前記OH基の数は0、1、2又は4であり、Xは単結合を示すか、あるいは、−CO−、−O−、−NH−、−NHCO−、もしくは、−(CH
2)n
1−O−(CH
2)n
2−O−(CH
2)n
3−(ここで、n
1,n
2,n
3は独立して0〜4の数を示す)から選ばれる2価の基、又は、炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示す。]
【0012】
本発明の銅薄膜形成組成物は、前記(A)成分を5重量%以上75重量%以下の範囲内で含有するものであってもよい。
【0013】
本発明の銅薄膜形成組成物は、前記(A)成分1モルに対し、前記(B)成分を0.05モル以上3モル以下の範囲内で含有するものであってもよい。
【0014】
本発明の銅薄膜形成組成物は、前記(C)成分を1重量%以上10重量%以下の範囲内で含有するものであってもよい。
【0015】
本発明の銅薄膜形成組成物は、前記(D)成分を、30重量%以上70重量%以下の範囲内で含有するものであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の銅薄膜形成組成物は、インキ化が容易で、安定性に優れ、比較的低温での熱処理によって導通性が良好な銅薄膜を形成できる。従って、本発明の銅薄膜形成組成物は、例えばインクジェット用導電性インクなどの用途に適している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施の形態に係る銅薄膜形成組成物は、下記成分(A)〜(D);
(A)ギ酸銅、
(B)下記一般式(1)で表されるジアミン化合物、
(C)アルキル基を有し、炭素数4〜22である界面活性剤、
及び
(D)30重量%以上のエチレングリコールを含有する有機溶媒
を含有する。
【0018】
【化2】
[式中、R
1〜R
4は独立して、水素原子、置換されていてもよい炭素数2〜40のアルキル基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基又はOH基を示すが、前記OH基の数は0、1、2又は4であり、Xは単結合を示すか、あるいは、−CO−、−O−、−NH−、−NHCO−、もしくは、−(CH
2)n
1−O−(CH
2)n
2−O−(CH
2)n
3−(ここで、n
1,n
2,n
3は独立して0〜4の数を示す)から選ばれる2価の基、又は、炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示す。]
【0019】
(A)成分:
(A)成分は、ギ酸銅である。ここで定義するギ酸銅とは、Cu(HCOO)
2のみならず、その水和物[Cu(HCOO)
2・4H
2O]や、当該水和物における配位水を置換可能とする有機モノアミンが配位したギ酸銅錯体を意味する。本発明の銅薄膜形成組成物中のギ酸銅(又はその水和物)の含有量は、銅薄膜の導通性を良好にする観点から、例えば5重量%以上75重量%以下の範囲内が好ましく、10重量%以上65重量%以下の範囲内がより好ましい。ギ酸銅(又はその水和物)の含有量が5重量%を下回ると、銅薄膜の導通性が十分に得られない可能性があり、75重量%を超えると凝集や沈殿物が生成して均一なインキ化が困難となる場合がある。
【0020】
(B)成分:
(B)成分の一般式(1)で表されるジアミン化合物(以下、「ジアミン化合物」と記すことがある)は、ギ酸銅との錯体を形成するとともに、形成されたアミン錯体の熱分解に伴って生成するギ酸による還元の温度を下げる効果がある。
【0021】
一般式(1)中、R
1〜R
4は、水素原子、置換されていてもよい炭素数2〜40のアルキル基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基又はOH基を示すが、好ましくは、例えば水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数が2〜6のアルキルエーテル基又はOH基を挙げることができ、より好ましくは、例えば水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はR
2〜R
4のうち1つがOH基で置換されているものを挙げることができる。
【0022】
一般式(1)中、Xは、単結合を示すか、あるいは、−CO−、−O−、−NH−、−NHCO−、もしくは、−(CH
2)n
1−O−(CH
2)n
2−O−(CH
2)n
3−(ここで、n
1,n
2,n
3は独立して0〜4の数を示す)から選ばれる2価の基、又は、炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示すが、好ましいXとしては、例えば、上記n
1,n
2,n
3が独立して1〜4の数を示すものを挙げることができ、より具体的には、上記n
1,n
3がそれぞれ1又は2であり、n
2が2ないし4であるものを挙げることができる。
【0023】
一般式(1)で表されるジアミン化合物の好ましい例としては、1,2‐ビス(2‐アミノエトキシ)エタン、1,4-ブタンジオールビス(3‐アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチルエチレンジアミン、ジエチルエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、またこれらのアルキル異性体等を挙げることができる。
【0024】
本発明の銅薄膜形成組成物中のジアミン化合物の含有量は、ジアミン化合物によって銅薄膜の導通性を良好にする観点から、ギ酸銅1モルに対して、例えば0.05モル以上3モル以下の範囲内が好ましく、0.1モル以上2モル以下の範囲内がより好ましい。ジアミン化合物の含有量が0.05モルを下回ると、銅薄膜の導通性が十分に得られない可能性があり、3モルを超えると、銅薄膜に残存して導通性を低下させる可能性があるため好ましくはない。
【0025】
なお、本実施の形態に係る銅薄膜形成組成物には、一般式(1)で表されるジアミン化合物以外のアミン化合物を含有してもよい。一般式(1)で表されるジアミン化合物と組み合わせて使用可能な他のアミン化合物としては、例えばジメチルエタノールアミン、メチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、β―アミノエチルイソプロパノールアミン、ジエチルイソプロパノールアミンなどを挙げることができる。
【0026】
(C)成分:
(C)成分である、アルキル基を有し、炭素数4〜22である界面活性剤は、ギ酸銅とアミンとの錯体を分散させる作用を有している。このような分散作用によって、還元時には、金属銅の微小な核を均一に拡散した状態で生成させることができる。(C)成分の界面活性剤の好ましい例としては、ポリオキシエチレンアルキルアルコール、アセチレングリコール化合物などのノニオン系界面活性剤を挙げることができる。(C)成分の界面活性剤は、低分子量であり、熱処理によって分解・除去され、銅薄膜中に残存しにくい。
【0027】
上記ノニオン系界面活性剤の中でも、特に、アセチレングリコール化合物が好ましい。アセチレングリコール化合物は、ギ酸銅とアミンとの錯体を分散させる強い分散作用を有している。このような分散作用によって、還元時には、金属銅の微小な核を均一に拡散した状態で生成させることができる。また、アセチレングリコール化合物は、低沸点化合物であるため、熱処理によって分解・除去され、銅薄膜中に残存しにくい。このように、アセチレングリコール化合物は、還元処理までは強い分散作用を奏し、熱処理時には容易に分解して除去される。
【0028】
(C)成分としては、市販品を利用することも可能であり、例えば、ニューコール1008(商品名;日本乳化剤社製)、ニューコール2308(商品名;日本乳化剤社製)、サーフィノール(登録商標)104A(エアープロダクツジャパン社製)などを挙げることができる。
【0029】
本発明の銅薄膜形成組成物中の(C)成分の界面活性剤の含有量は、ギ酸銅とジアミン化合物との錯体を分散させ、金属銅の微細で均一な核を生成させることによって、最終的に得られる銅薄膜を緻密にし、その導通性を良好にする観点から、例えば1重量%以上10重量%以下の範囲内が好ましく、1重量%以上5重量%以下の範囲内がより好ましい。(C)成分の界面活性剤の含有量が1重量%を下回ると、分散効果が不十分となって銅薄膜の導通性が十分に得られない可能性があり、10重量%を超えても効果の向上が期待できない。
【0030】
なお、本実施の形態に係る銅薄膜形成組成物には、(C)成分である、アルキル基を有し、炭素数4〜22である界面活性剤以外の界面活性剤を含有してもよい。(C)成分の界面活性剤と組み合わせて使用可能な他の界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニエルフェニルエーテル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどを挙げることができる。
【0031】
(D)成分:
(D)成分の有機溶媒は、(D)成分の全体に対し、エチレングリコールを30重量%以上含有する。エチレングリコールは、水と混和しやすく、ギ酸銅の溶解性に優れており、かつ、低沸点(沸点197.3℃)であるため、熱処理によって容易に分解して銅薄膜中に残存せず、銅薄膜の導通性を良好にすることができる。しかし、(D)成分の有機溶媒中のエチレングリコールの量が30重量%未満では、有機溶媒の分解物が銅薄膜中に残存して電気抵抗を上昇させるため、銅薄膜の導通性が得られなくなる。このような観点から、(D)成分の有機溶媒中のエチレングリコールの含有量は40重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、60重量%以上が望ましい。
【0032】
(D)成分の有機溶媒としては、エチレングリコールとともに、エチレングリコール以外の溶媒も使用することができる。エチレングリコール以外の溶媒としては、例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジール、ブタンジオール、プロパントリオール、ポリエリレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ターピネオール等のアルコール系溶媒、ジヒドロターピニルアセテート、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、メチルメタクリレートなどのエステル系溶媒、アセトン、MEK、MIBKなどのケトン系溶媒を挙げることができる。
【0033】
本発明の銅薄膜形成組成物中の(D)成分の有機溶媒の含有量は、ギ酸銅を溶解してインクとして必要な液状態を維持するため、例えば30重量%以上70重量%以下の範囲内が好ましく、55重量%以上65重量%以下の範囲内がより好ましい。(D)成分の有機溶媒の含有量が30重量%未満であると、還元が不安定となり、銅の金属化が不十分になる傾向となり、70重量%を超えると、導電性が低下する傾向となる。
【0034】
本発明の銅薄膜形成組成物には、必須成分以外に、任意の成分として、例えば、安定剤、増粘剤、ゲル化防止剤、消泡剤、レベリング剤、希釈剤、寸法安定化剤等を含有してもよい。
【0035】
本発明の銅薄膜形成組成物は、所定量の上記必須成分及び必要に応じて任意成分を混合することによって調製できる。
【0036】
本発明の銅薄膜形成組成物の適用は、導電性インクとして、例えばインクジェット法、スクリーン印刷法などの塗布法により基材上に塗布し、塗布膜を形成することによって行われる。その後、塗布膜を、例えば200〜300℃の範囲内の温度で熱処理することによって、導通性に優れた銅薄膜、銅配線層、銅電極層などの導電層を形成できる。
【0037】
本発明の銅薄膜形成組成物は、インク化が容易であり、保存安定性に優れ、比較的低温での熱処理によって導通性が良好な銅薄膜を形成できる。従って、本発明の銅薄膜形成組成物は、例えばインクジェット法、スクリーン印刷法などの塗布方法によって適用される導電性インクとして、各種回路基板や電子部品の製造過程で、例えば配線、電極等の導電層の形成目的で好ましく使用できる。
【実施例】
【0038】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明は実施例に制約されるものではなく、特にことわりのない限り各種の塗工方法、評価方法により特性を得るものである。
【0039】
[インキ化評価]
銅薄膜形成組成物のインキ化評価は目視によって判定した。その区分けとして組成物が均一な組成物として得られた場合は、「可」と判定し、組成物が凝集物や不溶解成分等の沈降物を含み、不均一な組成物として得られた場合は、「不可」と判定した。なお、インキ化評価が「不可」の組成物は、塗布および印刷ができないと判断した。
【0040】
[基板への塗布]
加熱処理後の銅薄膜が1.0μm程度となるようにスピンコーターの回転数×時間を400rpm×10秒に固定して銅薄膜形成組成物を塗工した。その後、VCD(アルバック社製)にて揮発性溶媒を塗布膜中から揮発させた。
【0041】
[加熱(銅薄膜形成方法)]
前述の基板をホットプレート(FischerScientific社製)上に乗せ、窒素気流下で常温から150℃に昇温して15分間保持した後、15分間かけて70℃以下に降温したものは一次導通性評価基板とした。また、前記基板に次いで300℃に追加昇温して15分間保持、15分間かけて70℃以下したものは二次導通性評価基板とした。
【0042】
[導通性評価]
前述の基板の導通性評価は、ロレスタGP MCP−T610(三菱化学アナリテック社製)、ASPプローブを用いて四探針法による体積抵抗率で評価した。評価方法はJISK7194に準拠して行った。
【0043】
実施例及び比較例の銅薄膜形成組成物を作製するために使用した原料とその略号は以下のとおりである。
(A)ギ酸銅
ギ酸銅(1):ギ酸銅(II)四水和物(キシダ化学社製)
【0044】
(B)ジアミン化合物
ジアミン(1):1,2‐ビス(2‐アミノエトキシ)エタン(東京化成工業社製)
ジアミン(2):1,4-ブタンジオールビス(3‐アミノプロピル)エーテル(東京化成工業社製)
ジアミン(3):ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(東京化成工業社製)
ジアミン(4):テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン(東京化成工業社製)
ジアミン(5):ブチルエチレンジアミン(東京化成工業社製)
【0045】
(C)界面活性剤
界面活性剤(1):ポリオキシエチレン(8)オクチルアルコール(ノニオン性界面活性剤、日本乳化剤社製、商品名;ニューコール1008)
界面活性剤(2):ポリオキシエチレン(8)ラウリルアルコール(ノニオン性界面活性剤、日本乳化剤社製、商品名;ニューコール2308)
界面活性剤(3):アセチレングリコール化合物(エアープロダクツジャパン社製、商品名;サーフィノール104A)
(D)有機溶媒
エチレングリコール:関東化学社製、特級
【0046】
[実施例1]
59.1重量部のエチレングリコール、22.4重量部のジアミン(1)、及び17.1重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体1を得た。これに、1.4重量部の界面活性剤(1)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物1を得た。得られた銅薄膜形成組成物1は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物1は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表1に示す。
【0047】
[実施例2]
59.2重量部のエチレングリコール、25.5重量部のジアミン(2)、及び14.1重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体2を得た。これに、1.2重量部の界面活性剤(1)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物2を得た。得られた銅薄膜形成組成物2は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物2は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表1に示す。
【0048】
[実施例3]
59.1重量部のエチレングリコール、22.4重量部のジアミン(1)、及び17.1重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体3を得た。これに、1.4重量部の界面活性剤(2)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物3を得た。得られた銅薄膜形成組成物3は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物3は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表1に示す。
【0049】
[実施例4]
58.7重量部のエチレングリコール、25.2重量部のジアミン(2)、及び13.9重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体4を得た。これに、2.2重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物4を得た。得られた銅薄膜形成組成物4は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物4は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表1に示す。
【0050】
[実施例5]
58.4重量部のエチレングリコール、22.1重量部のジアミン(1)、及び16.8重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体5を得た。これに、2.7重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物5を得た。得られた銅薄膜形成組成物5は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物5は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表1に示す。
【0051】
[実施例6]
35.1重量部のエチレングリコール、23.3重量部のメタノール、22.1重量部のジアミン(1)、及び16.8重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体6を得た。これに、2.7重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物6を得た。得られた銅薄膜形成組成物6は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物6は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表1に示す。
【0052】
[実施例7]
29.2重量部のエチレングリコール、29.2重量部のメタノール、22.1重量部のジアミン(1)、及び16.8重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体7を得た。これに、2.7重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物7を得た。得られた銅薄膜形成組成物7は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物7は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表1に示す。
【0053】
[実施例8]
23.4重量部のエチレングリコール、35.0重量部のメタノール、22.1重量部のジアミン(1)、及び16.8重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体8を得た。これに、2.7重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物8を得た。得られた銅薄膜形成組成物8は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物8は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表1に示す。
【0054】
[実施例9]
35.9重量部のエチレングリコール、34.0重量部のジアミン(1)、及び25.9重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体9を得た。これに、4.2重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物9を得た。得られた銅薄膜形成組成物9は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物9は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表1に示す。
【0055】
[実施例10]
58.4重量部のエチレングリコール、22.1重量部のジアミン(3)、及び16.8重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体10を得た。これに、2.7重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物10を得た。得られた銅薄膜形成組成物10は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物10は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表1に示す。
【0056】
[実施例11]
58.8重量部のエチレングリコール、26.5重量部のジアミン(4)、及び12.7重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体11を得た。これに、2.0重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物11を得た。得られた銅薄膜形成組成物11は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物11は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表1に示す。
【0057】
[実施例12]
58.1重量部のエチレングリコール、19.7重量部のジアミン(5)、及び19.1重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体12を得た。これに、3.1重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物12を得た。得られた銅薄膜形成組成物12は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物12は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表1に示す。
【0058】
比較例1
56.4重量部のエチレングリコール、及び37.6重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体を得た。これに、6.0重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物を得た。得られた銅薄膜形成組成物は青色の液体となったが、均一に溶解しなかったため、目視によるインキ化評価で「不可」と判定した。結果を表2に示す。
【0059】
比較例2
58.1重量部のエチレングリコール、及び38.8重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体を得た。これに、3.1重量部の界面活性剤(1)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物を得た。得られた銅薄膜形成組成物は青色の液体となったが、均一に溶解しなかったため、目視によるインキ化評価で「不可」と判定した。結果を表2に示す。
【0060】
比較例3
17.5重量部のエチレングリコール、40.9重量部のメタノール、22.1重量部のジアミン(1)、及び16.8重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体を得た。これに、2.7重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物を得た。得られた銅薄膜形成組成物は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表2に示す。
【0061】
比較例4
11.7重量部のエチレングリコール、46.7重量部のメタノール、22.1重量部のジアミン(1)、及び16.8重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体を得た。これに、2.7重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物を得た。得られた銅薄膜形成組成物は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表2に示す。
【0062】
比較例5
5.9重量部のエチレングリコール、52.5重量部のメタノール、22.1重量部のジアミン(1)、及び16.8重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体を得た。これに、2.7重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物を得た。得られた銅薄膜形成組成物は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表2に示す。
【0063】
比較例6
58.4重量部のメタノール、22.1重量部のジアミン(1)、及び16.8重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体を得た。これに、2.7重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物を得た。得られた銅薄膜形成組成物は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表2に示す。
【0064】
比較例7
58.4重量部のジエチレングリコール、22.1重量部のジアミン(1)、及び16.8重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体を得た。これに、2.7重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物を得た。得られた銅薄膜形成組成物は青色の液体となったが、均一に溶解しなかったため、目視によるインキ化評価で「不可」と判定した。結果を表2に示す。
【0065】
比較例8
58.4重量部のターピネオール、22.1重量部のジアミン(1)、及び16.8重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体を得た。これに、2.7重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物を得た。得られた銅薄膜形成組成物は青色の液体となったが、均一に溶解しなかったため、目視によるインキ化評価で「不可」と判定した。結果を表2に示す。
【0066】
比較例9
58.4重量部のジヒドロターピニルアセテート、22.1重量部のジアミン(1)、及び16.8重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体を得た。これに、2.7重量部の界面活性剤(3)を添加混合し、1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物を得た。得られた銅薄膜形成組成物は青色の液体となったが、均一に溶解しなかったため、目視によるインキ化評価で「不可」と判定した。結果を表2に示す。
【0067】
比較例10
61.1重量部のエチレングリコール、22.1重量部のジアミン(1)、及び16.8重量部のギ酸銅(1)を45〜50℃で30分間攪拌混合した後、室温に冷却することで銅錯体インク中間体を得た。これを1μmフィルターでろ過することで銅薄膜形成組成物を得た。得られた銅薄膜形成組成物は流動性を有する青色透明の液体となった。また、銅薄膜形成組成物は目視にて均一であり、インキ化評価として、「可」と判定した。結果を表2に示す。
【0068】
以上の結果をまとめて、表1及び2に示す。なお、表1及び2中、「塗布条件」は、10秒当たりのスピンコーターの回転数を示し、「一次導通性」は、一次導通性評価基板の導通性評価の結果を示し、「二次導通性」は、二次導通性評価基板の導通性評価の結果を示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
表1及び表2より、上記成分(A)〜(D)を組み合わせて含有する実施例1〜12の銅薄膜形成組成物では、インキ化が容易であり、かつ銅薄膜の導通性も優れていた。一方、上記成分(A)〜(D)の組み合わせを備えていない比較例1〜10の組成物では、インキ化評価又は導通性のいずれかの特性において実施例に比べ劣っていた。
【0072】
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはない。
【0073】
本国際出願は、2013年9月30日に出願された日本国特許出願2013−202910号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全内容をここに援用する。
【国際調査報告】