特表-16152368IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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再表2016-152368分散組成物、感光性組成物、カラーフィルタおよびその製造方法、ならびに、固体撮像素子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2016年9月29日
【発行日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】分散組成物、感光性組成物、カラーフィルタおよびその製造方法、ならびに、固体撮像素子
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20171201BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20171201BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20171201BHJP
   G03F 7/027 20060101ALI20171201BHJP
   C08J 3/20 20060101ALI20171201BHJP
   C08F 2/44 20060101ALI20171201BHJP
   C08F 290/06 20060101ALI20171201BHJP
   C08K 9/02 20060101ALI20171201BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   C08L101/00
   G02B5/20 101
   G03F7/004 501
   G03F7/004 504
   G03F7/004 505
   G03F7/027
   C08J3/20 A
   C08F2/44 C
   C08F290/06
   C08K9/02
   H01L27/146 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】71
【出願番号】特願2017-507624(P2017-507624)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年2月25日
(31)【優先権主張番号】特願2015-61217(P2015-61217)
(32)【優先日】2015年3月24日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080159
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 望稔
(74)【代理人】
【識別番号】100090217
【弁理士】
【氏名又は名称】三和 晴子
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】中村 翔一
(72)【発明者】
【氏名】久保田 誠
(72)【発明者】
【氏名】小川 倫弘
【テーマコード(参考)】
2H148
2H225
4F070
4J002
4J011
4J127
4M118
【Fターム(参考)】
2H148BD03
2H148BE03
2H148BE23
2H148BF02
2H148BF12
2H148BF15
2H148BF16
2H148BG11
2H148BH12
2H148BH18
2H148BH20
2H225AC31
2H225AC36
2H225AC74
2H225AC75
2H225AC78
2H225AD06
2H225AM22P
2H225AM26P
2H225AM27P
2H225AM32P
2H225AM62P
2H225AN22P
2H225AN39P
2H225AN51P
2H225AN65P
2H225AN73P
2H225AP10P
2H225BA05P
2H225BA09P
2H225BA10P
2H225BA16P
2H225BA32P
2H225BA35P
2H225CA16
2H225CB06
2H225CC01
2H225CC13
4F070AA32
4F070FA04
4J002BG071
4J002DE136
4J002FB076
4J002FD196
4J002HA03
4J011PA69
4J127AA07
4J127BB021
4J127BB101
4J127BB221
4J127BC021
4J127BD141
4J127BE511
4J127BE51Y
4J127BF121
4J127BF12X
4J127BF471
4J127BF47X
4J127BG171
4J127BG17Y
4J127BG181
4J127BG18Y
4J127BG271
4J127BG27Y
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4J127CC161
4J127FA53
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA10
4M118BA14
4M118CA02
4M118GB03
4M118GB04
4M118GB07
4M118GB11
4M118GC09
4M118GC20
4M118GD04
(57)【要約】
本発明の課題は、重合性化合物などを加えて感光性組成物とした場合に、耐光性およびリソグラフィー性能に優れ、かつ、屈折率の高い白色パターンを形成でき、分散安定性に優れた分散組成物、感光性組成物、カラーフィルタおよびその製造方法、ならびに、固体撮像素子を提供することことにある。本発明の分散組成物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびTi原子を除く少なくとも一種の金属元素を含む被覆材料で、粒子の表面が被覆されてなる無機粒子と、酸価が70mgKOH/g以上である分散剤と、を含有し、上記粒子に含まれる金属元素のうち95atm%以上が、Ti原子であり、上記被覆材料に含まれる上記金属元素のうち80atm%以上が、Zr原子、Sn原子およびNb原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ金属、アルカリ土類金属およびTi原子を除く少なくとも一種の金属元素を含む被覆材料で、粒子の表面が被覆されてなる無機粒子と、
酸価が70mgKOH/g以上である分散剤と、
を含有し、
前記粒子に含まれる金属元素のうち95atm%以上が、Ti原子であり、
前記被覆材料に含まれる前記金属元素のうち80atm%以上が、Zr原子、Sn原子およびNb原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子である、分散組成物。
【請求項2】
前記分散剤の重量平均分子量が、5000〜12500である、請求項1に記載の分散組成物。
【請求項3】
前記分散剤が、下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される構造単位を有する、請求項1または2に記載の分散組成物。
【化1】

一般式(1)〜式(4)において、W、W、WおよびWは、それぞれ独立に、酸素原子またはNHを表す。X、X、X、XおよびXは、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基を表す。Y、Y、YおよびYは、それぞれ独立に、2価の連結基を表す。Z、Z、ZおよびZは、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基を表す。n、m、pおよびqは、それぞれ独立に、1〜500の整数を表す。jおよびkは、それぞれ独立に、2〜8の整数を表す。
一般式(3)中のRは、分岐または直鎖のアルキレン基を表す。
一般式(4)中のRは、水素原子または1価の有機基を表す。
【請求項4】
前記無機粒子の平均一次粒子径が、10〜30nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の分散組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の分散組成物と、重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する、感光性組成物。
【請求項6】
前記感光性組成物により膜厚1μmの硬化膜を形成した際に、前記硬化膜の厚み方向に対する光透過率が、400〜700nmの波長領域全域で90%以上である、請求項5に記載の感光性組成物。
【請求項7】
カラーフィルタ形成用に用いられる、請求項5または6に記載の感光性組成物。
【請求項8】
請求項7に記載のカラーフィルタ形成用の感光性組成物を塗布して塗布層を形成し、前記塗布層を露光し、現像することによりパターンを形成して、硬化膜を得ることを含む、カラーフィルタの製造方法。
【請求項9】
請求項5〜7のいずれか1項に記載の感光性組成物を用いて得られる、カラーフィルタ。
【請求項10】
請求項9に記載のカラーフィルタを備えた、固体撮像素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散組成物、感光性組成物、カラーフィルタおよびその製造方法、ならびに、固体撮像素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、イメージセンサ(CCD,CMOS)の解像度の向上を目的として、イメージセンサの画素数の拡大とともに画素の微細化が進展しているが、その反面、開口部が小さくなり感度低下に繋がっている。そこで、感度の向上を目的に、複数色のカラーフィルタの1色を白(透明)にする場合がある。
カラーフィルタにおいて、このような白色パターン(白色フィルタ画素)を作製する方法としては、例えば、光重合開始剤、重合性化合物、アルカリ可溶性樹脂、及び、無機微粒子などを含有するカラーフィルタ用感光性透明組成物を用いる技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−137564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、イメージセンサのより一層の性能向上に伴って、白色パターン(白色フィルタ画素)の形成時のリソグラフィー性能のより一層の向上が求められると共に、屈折率のより一層の向上が求められている。
このような屈折率の向上を図るために、上記の特許文献1に記載されている無機粒子のうち酸化チタン粒子を用い、これを含む分散組成物が好適に用いられる。しかしながら、本発明者らは、このような分散組成物を含有する感光性組成物を使用した場合、酸化チタン粒子の光触媒作用によって、他の材料がダメージを受けてしまい、感光性組成物により得られる膜の耐光性が低下してしまうことを見出した。
【0005】
また、分散組成物に含まれる無機粒子の分散性が分散剤の種類などによっては不安定となり、分散組成物が増粘してしまうことがある(分散安定性の低下)。さらに、このような分散組成物を含有する感光性組成物を用いて、白色パターン(白色フィルタ画素)を形成した場合、リソグラフィー性能が低下することがある。
【0006】
そこで、本発明は、分散安定性に優れた分散組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、重合性化合物などを加えて感光性組成物とした場合に、耐光性およびリソグラフィー性能に優れ、かつ、屈折率の高い白色パターンを形成できる分散組成物を提供することを課題とする。
さらに、本発明は、感光性組成物、カラーフィルタおよびその製造方法、ならびに、固体撮像素子を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、特定の無機粒子と、特定の分散剤と、を含有する分散組成物を用いることで、所望の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
【0008】
[1]
アルカリ金属、アルカリ土類金属およびTi原子を除く少なくとも一種の金属元素を含む被覆材料で、粒子の表面が被覆されてなる無機粒子と、
酸価が70mgKOH/g以上である分散剤と、
を含有し、
上記粒子に含まれる金属元素のうち95atm%以上が、Ti原子であり、
上記被覆材料に含まれる上記金属元素のうち80atm%以上が、Zr原子、Sn原子およびNb原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子である、分散組成物。
[2]
上記分散剤の重量平均分子量が、5000〜12500である、上記[1]に記載の分散組成物。
[3]
上記分散剤が、後述する一般式(1)〜(4)のいずれかで表される構造単位を有する、上記[1]または[2]に記載の分散組成物。
[4]
上記無機粒子の平均一次粒子径が、10〜30nmである、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の分散組成物。
[5]
上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の分散組成物と、重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する、感光性組成物。
[6]
上記感光性組成物により膜厚1μmの硬化膜を形成した際に、上記硬化膜の厚み方向に対する光透過率が、400〜700nmの波長領域全域で90%以上である、上記[5]に記載の感光性組成物。
[7]
カラーフィルタ形成用に用いられる、上記[5]または[6]に記載の感光性組成物。
[8]
上記[7]に記載のカラーフィルタ形成用の感光性組成物を塗布して塗布層を形成し、上記塗布層を露光し、現像することによりパターンを形成して、硬化膜を得ることを含む、カラーフィルタの製造方法。
[9]
上記[5]〜[7]のいずれか1つに記載の感光性組成物を用いて得られる、カラーフィルタ。
[10]
上記[9]に記載のカラーフィルタを備えた、固体撮像素子。
【発明の効果】
【0009】
以下に示すように、本発明によれば、分散安定性に優れた分散組成物を提供することができる。また、本発明によれば、重合性化合物などを加えて感光性組成物とした場合に、耐光性およびリソグラフィー性能に優れ、かつ、屈折率の高い白色パターンを形成できる分散組成物を提供することができる。
さらに、本発明によれば、上記分散組成物を含有する感光性組成物、カラーフィルタおよびその製造方法、ならびに、固体撮像素子を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の分散組成物、感光性組成物、カラーフィルタおよびその製造方法、固体撮像素子について説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタアクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタアクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”は、アクリロイル及びメタクリロイルを表す。
本明細書中において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本発明における単量体は、オリゴマー及びポリマーと区別され、分子量が2,000以下の化合物をいい、実質的に分子量分布を有さない。
本明細書中において、重合性化合物とは、重合性基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性基とは、重合反応に関与する基をいう。
本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。本明細書において、「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV(Extreme ultraviolet)光)、X線、電子線等を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【0011】
[分散組成物]
本発明の分残組成物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびTi原子を除く少なくとも一種の金属元素を含む被覆材料で、粒子の表面が被覆されてなる無機粒子と、酸価が70mgKOH/g以上である分散剤と、を含有し、上記粒子に含まれる金属元素のうち95atm%以上が、Ti原子であり、上記被覆材料に含まれる上記金属元素のうち80atm%以上が、Zr原子、Sn原子およびNb原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子である。
本明細書において、上記の特徴を有する無機粒子を、単に「特定無機粒子」ともいう。また、上記の特徴を有する分散剤を、単に「特定分散剤」ともいう。
【0012】
本発明の分散組成物を用いることによって、耐光性およびリソグラフィー性能に優れ、かつ、屈折率の高い白色パターン(膜)を形成できる感光性組成物を得ることができる。また、本発明の分散組成物は、分散安定性にも優れる。
その結果、得られた白色パターンを白色カラーフィルタとすることにより、イメージセンサにおける撮像を高品質で行うことができる。
このような効果が得られるメカニズムの詳細は明らかになっていないが、以下の理由によるものと推測される。
【0013】
すなわち、上記の特定無機粒子は、Ti原子を高純度(95atm%以上)で含む粒子の表面が、Zr原子、Sn原子およびNb原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を高純度(80atm%以上)で含む被覆材料により被覆されてなるものである。
このように、特定無機粒子は、Ti原子を含む粒子の表面を被覆して得られたものであることから、Ti原子を含む酸化チタンの光触媒活性を抑制できる。その結果、感光性組成物により形成された膜のダメージが低減されるため、膜の耐光性が優れたものとなると考えられる。
また、屈折率の高い各成分を高純度で含む特定無機粒子を用いることで、得られる膜の屈折率が向上したものと考えられる。
【0014】
さらに、本発明においては、酸価が70mgKOH/g以上という上記の特定分散剤を用いることで、特定粒子の表面に特定分散剤が吸着されやすくなり、得られる分散組成物の分散性安定性が向上したものと考えられる。
このように分散組成物の分散安定性が向上すること、すなわち特定無機粒子の分散安定性が向上することで、特定無機粒子の有する屈折率を向上させるという性質がより良好に発揮される結果、得られる白色パターンが優れた屈折率を備えるものになると推測される。
また、特定分散剤を用いることで、現像性が良好になり、リソグラフィー性能(解像度、現像残渣など)が向上するものと考えられる。
【0015】
<特定無機粒子>
特定無機粒子は、上述したように、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびTi原子を除く少なくとも一種の金属元素を含む被覆材料で、粒子の表面が被覆されてなる無機粒子である。また、上記粒子に含まれる金属元素のうち95atm%以上が、Ti原子である。さらに、上記被覆材料に含まれる上記金属元素のうち80atm%以上が、Zr原子、Sn原子およびNb原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子である。
本明細書では、上記の特徴をもつ粒子を単に「特定粒子」ともいい、上記の特徴をもつ被覆材料を単に「特定被覆材料」ともいう。
特定無機粒子は、特定粒子の表面の少なくとも一部が特定被覆材料で覆われているものであればよく、特定粒子の表面の全体が特定被覆材料で覆われているものであってもよい。
【0016】
特定無機粒子の平均一次粒子径は、10〜30nmであることが好ましく、10〜25nm以下であることがより好ましく、10〜20nm以下であることがさらに好ましい。
特定無機粒子の平均一次粒子径が10nm以上であることで、特定無機粒子同士の凝集を抑制できるので、分散組成物の分散安定性がより向上する。また、30nm以下であることで、透明性がより優れたものとなる傾向にある。
本発明において、特定無機粒子の平均一次粒子径とは、粒子を透過型電子顕微鏡(例えば、日本電子製 JEM-2100F型 電界放射型透過電子顕微鏡に準ずる装置)により観察し、得られた写真から求めることができ、数平均粒子径のことをいう。具体的には、上記装置により粒子の投影面積を求め、そこから円相当径を求めて平均粒径とする。より具体的には、平均粒子径を求めるために100個の粒子について測定した後、最大側10個と最小側10個とを除いた、80個の粒子の粒子径を算術平均することで求められる。
【0017】
特定無機粒子の屈折率は特に制限はないが、得られる膜の屈折率をより優れたものとする観点から、1.8〜2.9であることが好ましく、2.0〜2.9であることがより好ましい。
また、特定無機粒子の形状には特に制限はなく、例えば、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状または不定形状などが挙げられる。
【0018】
特定無機粒子の含有量は、分散組成物の全質量100質量%に対して、3〜50質量%であることが好ましく、3〜40質量%であることがより好ましく、5〜30質量%であることがさらに好ましい。特定無機粒子の含有量が3質量%以上であることで得られる膜の屈折率をより向上でき、特定無機粒子の含有量が50質量%以下であることで分散組成物の分散安定性をより向上できる傾向にある。
特定無機粒子の含有量は、分散組成物の全固形分に対して、50〜95質量%であることが好ましく、60〜92質量%であることがより好ましく、65〜90質量%であることがよりさらに好ましく、70〜90質量%であることが特に好ましい。特定無機粒子の含有量が50質量%以上であることで得られる膜の屈折率をより向上でき、特定無機粒子の含有量が95質量%以下であることで分散組成物の分散安定性をより向上できる傾向にある。
【0019】
特定無機粒子は、後述の特定粒子で説明する表面処理と同様の処理がなされたものであってもよい。
【0020】
(特定粒子)
特定粒子とは、上述したように、これに含まれる金属元素のうち95atm%以上がTi原子である粒子のことをいう。
Ti原子の含有量は、特定粒子に含まれる金属元素の合計100atm%に対して、95atm%以上であり、97atm%以上であることが好ましく、99atm%以上であることが好ましい。また、上限値は、100atm%以下であることが好ましい。
Ti原子の含有量が95atm%以上であることで、得られる白色パターン(膜)の屈折率が向上する。一方、Ti原子の含有量が95atm%未満であると、得られる膜の屈折率が低下してしまう。
【0021】
ここで、特定粒子におけるTi原子の含有量は、蛍光X線分析法による定量分析によって測定される。具体的には、蛍光X線分析装置(例えば、リガク社製の商品名「ZSX primussII」)により特定粒子の測定を行い、検出される全元素の定量測定の結果から、全ての金属元素の合計量を100atm%とし、これに含まれるTi原子の含有量(atm%)を算出することで得られる。
【0022】
特定粒子は、酸化チタン粒子であることが好ましい。酸化チタン粒子としては、アナターゼ型、ルチル型、またはブルッカイト型のいずれの結晶構造であってもよいが、屈折率により優れるという点や、光触媒活性が抑制されて得られる膜の耐光性がより優れたものになるという点から、ルチル型であるものを用いることが好ましい。
【0023】
特定粒子は、Ti原子の含有量が95atm%以上であれば、表面処理されたものであってもよく、例えば、酸化アルミニウム、シリカ、有機基などが表面に導入されたものであってもよい。
上記有機基は、例えば、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などの有機材料を用いて表面処理することにより導入できる。
【0024】
特定粒子には、市販品を用いることができ、例えば、石原産業(株)製TTO−55N、テイカ(株)製MT−150A、堺化学工業(株)製SRD−Mなどを挙げることができる。
【0025】
(特定被覆材料)
特定被覆材料とは、上述したように、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびTi原子を除く少なくとも1種の金属元素を含み、上記特定被覆材料に含まれる上記金属元素のうち80atm%以上が、Zr原子、Sn原子およびNb原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子(以下、「特定原子」ともいう。)である被覆材料のことをいう。
このように、特定被覆材料は、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびTi原子を実質的に含まないものである。実質的に含まないとは、製造時に意図的に添加しないという意味である。
上記特定原子の中でも、高屈折率という観点から、Zr原子を用いることが好ましい。
特定被覆材料は、上記金属元素の酸化物(金属酸化物)や水酸化物を含んでもよい。
【0026】
ここで、本発明において「被覆材料」とは、特定粒子の表面を被覆する際に使用する材料そのものを示すのではなく、特定粒子の表面を被覆した後に、特定粒子の表面に存在する材料(すなわち、被覆膜または被覆層)を示すものである。
【0027】
特定原子の含有量は、特定被覆材料に含まれる金属元素(すなわち、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびTi原子を除く金属元素)の合計100atm%に対して、80atm%以上であり、90atm%以上であることが好ましく、95atm%以上であることがより好ましい。また、上限値は、100atm%以下である。
このように、特定原子の含有量が80atm%以上であることで、得られる膜の屈折率が向上する。一方、特定原子の含有量が80atm%未満であると、得られる膜の屈折率が不十分となる。
【0028】
ここで、特定原子の含有量は、蛍光X線分析法による定量分析によって測定される。具体的には、蛍光X線分析装置(例えば、リガク社製の商品名「ZSX primusII」)により特定無機粒子の測定を行い、検出される全元素の定量測定の結果から、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびTi原子を除く全ての金属元素の合計量を100atm%とし、これに含まれる特定原子の含有量(atm%)を算出することで得られる。
【0029】
特定無機粒子の製造方法(被覆方法)としては、特に限定されず従来公知の製造方法が挙げられ、例えば、特開平5−155748号公報や特開2008−69193号公報に記載の方法を用いることができる。
【0030】
<特定分散剤>
本発明の分散組成物は、特定分散剤を含有する。特定分散剤とは、上述したように70mgKOH/g以上の酸価をもつ分散剤である。
特定分散剤の酸価は、70mgKOH/g以上であり、70〜150mgKOH/gであることが好ましく、75〜130mgKOH/gであることがより好ましく、80〜120mgKOH/gであることがさらに好ましい。
このように特定分散剤の酸価が70mgKOH/g以上であることで、分散組成物の分散性が向上し、かつ、得られる膜のリソグラフィー性能が優れたものとなる。また、特定分散剤の酸価が150mgKOH/g以下であることで、分散組成物の分散性がより向上する傾向にある。
一方、酸価が70mgKOH/g未満であると、分散組成物の分散性、および得られる膜のリソグラフィー性能が低下する。
本発明において、特定分散剤の酸価は、例えば、特定分散剤中における酸基の平均含有量から算出することができる。また、特定分散剤を構成する酸基を含有するモノマー単位の含有量を変化させることで、所望の酸価を有する特定分散剤を得ることができる。
【0031】
上記特定無機粒子に対する特定分散剤の含有割合(特定分散剤/特定無機粒子)は、固形分換算の質量基準で、0.15〜0.40であることが好ましく、0.20〜0.35であることがより好ましい。含有割合が上記範囲内にあることで、分散組成物の分散性および得られる膜の屈折率がより向上する傾向にある。
特定分散剤の含有量(固形分換算量)は、分散組成物の全質量100質量%に対して、0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることが好ましい。含有量が上記範囲内にあることで、分散組成物の分散性および得られる膜の屈折率がより向上する傾向にある。
特定分散剤の含有量(固形分換算量)は、分散組成物の全固形分に対して、5〜50質量%であることが好ましく、8〜40質量%であることがより好ましい。含有量が上記範囲内にあることで、分散組成物の分散性および得られる膜の屈折率がより向上する傾向にある。
【0032】
本発明の特定分散剤の重量平均分子量は、5000〜12500であることが好ましく、6000〜12000であることがより好ましく、7000〜11000であることがさらに好ましい。特定分散剤の重量平均分子量が上記範囲内にあることで、分散組成物の分散安定性がより向上する。
本発明において、各成分の重量平均分子量は、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めた値である。
より具体的には、重量平均分子量の測定は、下記条件で、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて行う。
装置:東ソー社製 HLC−8220GPC
カラム:東ソー社製
TSK−GEL−SUPER HZM−M
TSK−GEL−SUPER HZ4000
TSK−GEL−SUPER HZ3000
TSK−GEL−SUPER HZ2000
カラム温度:40℃
流速:0.35mL/min
検量線:東ソー社製 POLY STYRENE STANDARD
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
【0033】
本発明の特定分散剤としては、高分子分散剤(例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物)、および、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン等の界面活性剤等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
【0034】
表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子としては、例えば、特開平3−112992号公報、特表2003−533455号公報等に記載の末端にリン酸基を有する高分子、特開2002−273191号公報等に記載の末端にスルホン酸基を有する高分子、特開平9−77994号公報等に記載の有機色素の部分骨格や複素環を有する高分子、特開2008−29901号公報等に記載の片末端に水酸基又はアミノ基を有するオリゴマー又はポリマーと酸無水物で変性して製造される高分子などが挙げられる。また、特開2007−277514号公報に記載の高分子末端に2個以上の赤外線遮蔽材表面へのアンカー部位(酸基、塩基性基、有機色素の部分骨格やヘテロ環等)を導入した高分子も分散安定性に優れ好ましい。
【0035】
表面へのアンカー部位を有するグラフト型高分子としては、例えば、特開昭54ー37082号公報、特表平8−507960号公報、特開2009−258668号公報等に記載のポリ(低級アルキレンイミン)とポリエステルの反応生成物、特開平9−169821号公報等に記載のポリアリルアミンとポリエステルの反応生成物、特開2009−203462号公報に記載の塩基性基と酸性基を有する両性分散樹脂、特開平10−339949号、特開2004−37986号公報等に記載のマクロモノマーと、窒素原子モノマーとの共重合体、特開2003−238837号公報、特開2008−9426号公報、特開2008−81732号公報等に記載の有機色素の部分骨格や複素環を有するグラフト型高分子、特開2010−106268号公報等に記載のマクロモノマーと酸基含有モノマーの共重合体等が挙げられる。
【0036】
表面へのアンカー部位を有するグラフト型高分子をラジカル重合で製造する際に用いるマクロモノマーとしては、公知のマクロモノマーを用いることができ、東亜合成(株)製のマクロモノマーAA−6(末端基がメタクリロイル基であるポリメタクリル酸メチル)、AS−6(末端基がメタクリロイル基であるポリスチレン)、AN−6S(末端基がメタクリロイル基であるスチレンとアクリロニトリルの共重合体)、AB−6(末端基がメタクリロイル基であるポリアクリル酸ブチル)、ダイセル化学工業(株)製のプラクセルFM5(メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン5モル当量付加品)、FA10L(アクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン10モル当量付加品)、及び特開平2−272009号公報に記載のポリエステル系マクロモノマー等が挙げられる。これらの中でも、特に柔軟性かつ親溶剤性に優れるポリエステル系マクロモノマーが、分散組成物における無機粒子の分散安定性、この分散組成物を含む感光性組成物により得られる膜が示す現像性の観点から特に好ましく、更に、特開平2−272009号公報に記載のポリエステル系マクロモノマーで表されるポリエステル系マクロモノマーが最も好ましい。
【0037】
表面へのアンカー部位を有するブロック型高分子としては、特開2003−49110号公報、特開2009−52010号公報等に記載のブロック型高分子が好ましい。
【0038】
本発明の特定分散剤としては、例えば、公知の分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
そのような具体例としては、BYKChemie社製のDisperbyk−106、111、140、142、180、EFKA社製のEFKA5220、6230等が挙げられる。
本発明において、特定分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0039】
また、本発明の特定分散剤は、分散組成物の分散安定性および膜を形成したときのリソグラフィー性能をより向上できるという観点から、特開2010−106268号公報に記載の以下に示す樹脂が好ましい。
特に、本発明の特定分散剤は、分散組成物の分散安定性および膜を形成したときのリソグラフィー性能がより一層向上するという観点から、下記一般式(1)〜(4)で表される少なくとも一つの構造単位と、酸基を有する構造単位と、を有することがより好ましい。
【0040】
本発明の特定分散剤は、上記の酸基を有する構造単位を1種または2種以上有してもよい。
特定分散剤における好ましい酸基としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基などがあり、好ましくは、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基のうち少なくとも1種であり、特に好ましいものは、特定無機粒子に対する吸着性が良好で、かつ、その分散性が高いカルボン酸基である。
酸基を有する構造単位を含む場合の含有量は、所望の酸価にするために適宜設定することができるが、特定分散剤の全質量に対して、30〜65質量%であることが好ましく、35〜50質量%であることがより好ましい。
【0041】
下記式(1)〜式(4)で表される構造単位は、特定分散剤の全質量に対して、35〜70質量%で含まれることが好ましく、50〜65質量%で含まれることがより好ましい。含有量が上記範囲内にあることで、分散組成物の分散安定性がより向上する。
【0042】
以下に、本発明において好ましく用いられる特開2010−106268号公報に記載される分散剤について説明する。
好ましい分散剤としては、少なくとも下記の一般式(1)〜式(4)のいずれかで表される構造単位を含むことが好ましく、少なくとも、下記の一般式(1A)、一般式(2A)、一般式(3A)、一般式(3B)、および、一般式(4)のいずれかで表される構造単位を含むことがより好ましく、下記式(1A)で表される構造単位を含むことがさらに好ましい。
【0043】
【化1】
【0044】
一般式(1)〜一般式(4)において、W、W、WおよびWは、それぞれ独立に、酸素原子またはNHを表し、特に酸素原子が好ましい。
一般式(1)〜一般式(4)において、X、X、X、XおよびXは、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基を表す。X、X、X、XおよびXとしては、合成上の制約の観点から、水素原子または炭素数1から12のアルキル基であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましく、メチル基が特に好ましい。
一般式(1)〜一般式(4)において、Y、Y、YおよびYは、それぞれ独立に2価の連結基であり、特に構造上制約されない。Y、Y、YおよびYで表される2価の連結基として、具体的には、下記の(Y−1)〜(Y−21)の連結基などが挙げられる。下記構造のAおよびBはそれぞれ、一般式(1)〜一般式(4)における左末端基、右末端基との結合を意味する。下記に示した構造のうち、合成の簡便性から、(Y−2)、(Y−13)であることがより好ましい。
【0045】
【化2】
【0046】
式(1)〜式(4)において、Z、Z、ZおよびZは、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基であり、特に、構造は限定されないが、具体的には、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオエーテル基、アリールチオエーテル基、ヘテロアリールチオエーテル基、アミノ基などが挙げられる。この中でも、Z、Z、ZおよびZで表される1価の有機基としては、特に分散性向上の観点から、立体反発効果を有することが好ましい。Z〜Zで表される有機基としては、それぞれ独立に、炭素数5〜24のアルキル基または炭素数5〜24のアルコキシ基が好ましく、それぞれ独立に、炭素数5〜24の分岐アルキル基を有するアルコキシ基または炭素数5〜24の環状アルキル基を有するアルコキシ基が好ましい。また、Zで表される有機基としては、炭素数5〜24のアルキル基が好ましく、炭素数5〜24の分岐アルキル基または炭素数5〜24の環状アルキル基がより好ましい。
一般式(1)〜一般式(4)において、n、m、pおよびqは、それぞれ独立に、1〜500の整数を表す。
また、一般式(1)および一般式(2)において、jおよびkは、それぞれ独立に、2〜8の整数を表す。一般式(1)および一般式(2)におけるjおよびkは、分散安定性、分散安定性およびリソグラフィー性能の観点から、4〜6の整数が好ましく、5が最も好ましい。
【0047】
一般式(3)中のRは、分岐または直鎖のアルキレン基を表す。一般式(3)中のRは、炭素数1〜10のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2または3のアルキレン基であることがより好ましい。
一般式(4)中のRは、水素原子または1価の有機基を表し、この1価の有機基としては特に構造上限定はされない。一般式(4)中のRとして好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、およびヘテロアリール基が挙げられ、より好ましくは、水素原子またはアルキル基である。式(4)中のRがアルキル基である場合、このアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の分岐状アルキル基、または炭素数5〜20の環状アルキル基が好ましく、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基がより好ましく、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基が特に好ましい。また、一般式(4)中のRとしては、特定分散剤中に構造の異なるRを2種以上混合して用いてもよい。
【0048】
分散組成物には、1種単独で、または2種以上の構造が異なる特定分散剤を含有することができる。
【0049】
上記一般式(1)で表される構造単位としては、分散安定性およびリソグラフィー性能の観点から、下記一般式(1A)で表される構造単位であることがより好ましい。
また、上記一般式(2)で表される構造単位としては、分散安定性およびリソグラフィー性能の観点から、下記一般式(2A)で表される構造単位であることがより好ましい。
【0050】
【化3】
【0051】
一般式(1A)中、X、Y、Zおよびnは、一般式(1)におけるX、Y、Zおよびnと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(2A)中、X、Y、Zおよびmは、一般式(2)におけるX、Y、Zおよびmと同義であり、好ましい範囲も同様である。
また、上記一般式(3)で表される構造単位としては、分散安定性、リソグラフィー性能の観点から、下記一般式(3A)または下記一般式(3B)で表される構造単位であることが好ましい。
【0052】
【化4】
【0053】
一般式(3A)および一般式(3B)において、X、Y、Zおよびpは、上記一般式(3)におけるX、Y、Zおよびpと同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0054】
特定分散剤としては、上記一般式(1A)で表される構造単位を有するものであることがより好ましい。
【0055】
具体例として、以下に示す化合物が挙げられる。
下記例示化合物中、各構造単位に併記されるx、y、z等のアルファベット(主鎖繰り返し単位に併記されるアルファベット)は、この構造単位の含有量〔質量%:(wt%)と記載〕を指すものであり、x、y、zの比率を適宜調整することで、酸価70以上の分散剤が得られる。なお、各式におけるx、y、zは、互いに、独立するものとし、酸価70以上となるように式毎に適宜その値が調整される。
側鎖の繰り返し部位に併記される数値は、この繰り返し部位の繰り返し数を示す。
【0056】
【化5】
【0057】
【化6】
【0058】
【化7】
【0059】
【化8】
【0060】
【化9】
【0061】
【化10】
【0062】
【化11】
【0063】
【化12】
【0064】
【化13】
【0065】
【化14】
【0066】
【化15】
【0067】
<他の成分>
本発明の分散組成物は、各成分の分散性や溶解性、取扱い性などの観点から、有機溶剤を含有することが好ましい。有機溶剤は、後述する感光性組成物に用いた場合を考慮して、アルカリ可溶性樹脂の溶解性、塗布性、安全性の観点から選択されることが好ましい。
有機溶剤としては、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキル(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル及び2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等、並びに、エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等、並びに、ケトン類として、例えば、アセトン、ジアセトンアルコール、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等、並びに、芳香族炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン等が好適に挙げられる。
これらの有機溶剤の中でも、分散組成物を後述する感光性組成物に適用した際に、アルカリ可溶性樹脂の溶解性、塗布面状などがより良好になるという観点から、エーテル類およびケトン類からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノンおよびシクロペンタノンから選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
【0068】
有機溶剤を含有する場合の含有量は、分散組成物の全質量(100質量%)に対して、30〜95質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましい。
【0069】
[感光性組成物]
本発明の感光性組成物は、上記分散組成物と、重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する。本発明の感光性組成物は、上記分散組成物を含有するので、耐光性およびリソグラフィー性能に優れ、かつ、屈折率の高い白色パターン(膜)を形成できる。
以下、本発明の感光性組成物に含まれる成分および含まれ得る成分について詳述する。
【0070】
<分散組成物>
感光性組成物に含まれる分散組成物の詳細は、上述した通りであるので、その説明を省略する。
感光性組成物に含まれる分散組成物の含有量(固形分)は、感光性組成物の全固形分に対して、50〜95質量%であることが好ましく、60〜90質量%であることがより好ましい。
特定無機粒子の含有量は、感光性組成物の全固形分に対して、30〜75質量%であることが好ましく、40〜70質量%であることがより好ましく、45〜65質量%であることがさらに好ましい。特定無機粒子の含有量が30質量%以上であることで得られる膜の屈折率をより向上でき、特定無機粒子の含有量が75質量%以下であることで、リソグラフィー性能をより向上できる傾向にある。
【0071】
<重合性化合物>
感光性組成物は、重合性化合物を含有する。ここで、重合性化合物は、活性種により重合を引き起こす化合物である。活性種として、ラジカル、酸、塩基などが挙げられる。
ラジカルが活性種である場合には、重合性化合物としては、通常、重合性基として末端エチレン性不飽和結合を有する化合物が使用される。
一方、活性種が、スルホン酸、リン酸、スルフィン酸、カルボン酸、硫酸、硫酸モノエステルなどの酸である場合、重合性化合物としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、テトラヒドロフラニル基などの環状エーテル基、又は、ビニルベンゼン基を有する化合物が使用される。
また、活性種がアミノ化合物などの塩基である場合には、重合性化合物としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、テトラヒドロフラニル基などの環状エーテル基、又は、ビニルベンゼン基を有する化合物が使用される。
重合性化合物は、好ましくは末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、より好ましくは2個以上有する化合物から選ばれることが好ましい。このような化合物群は本発明に関連する産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの多量体などの化学的形態のいずれであってもよい。重合性化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0072】
より具体的には、モノマー及びそのプレポリマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類、並びにこれらの多量体が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類、並びにこれらの多量体である。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等のビニルベンゼン誘導体、ビニルエーテル、アリルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
これらの具体的な化合物としては、特開2009−288705号公報の段落0095〜0108に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
【0073】
また、重合性化合物としては、重合性モノマーとして、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物も好ましい。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレート及びこれらの混合物を挙げることができる。
多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、その他の好ましい重合性化合物として、特開2010−160418、特開2010−129825、特許4364216等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性重合性基を2官能以上有する化合物、カルド樹脂も使用することが可能である。
また、常圧下で100℃以上の沸点を有し、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和基を持つ化合物としては、特開2008−292970号公報の段落0254〜0257に記載の化合物も好適である。
【0074】
上記のほか、下記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーも好適に用いることができる。なお、式中、Tがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がRに結合する。
【0075】
【化16】
【0076】
一般式において、nは0〜14であり、mは1〜8である。一分子内に複数存在するR、T、は、各々同一であっても、異なっていてもよい。
上記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表されるラジカル重合性モノマーの各々において、複数のRの内の少なくとも1つは、−OC(=O)CH=CH2、又は、−OC(=O)C(CH3)=CH2で表される基を表す。
上記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーの具体例としては、特開2007−269779号公報の段落0248〜0251に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、重合性化合物として用いることができる。
【0077】
中でも、重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては KAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD DPHA ;日本化薬株式会社製)、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
【0078】
重合性化合物としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していてもよく、例えば、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類を好適に挙げることができる。酸基を有するエチレン性不飽和化合物類は、多官能アルコールの一部のヒドロキシル基を(メタ)アクリレート化し、残ったヒドロキシル基に酸無水物を付加反応させてカルボキシル基とするなどの方法で得られる。
エチレン性化合物が、上記のように混合物である場合のように未反応のカルボキシル基を有するものであれば、これをそのまま利用することができるが、必要において、上述のエチレン性化合物のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を導入しても良い。この場合、使用される非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。
【0079】
酸基を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M−510、M−520などが挙げられる。
【0080】
これらのモノマーは1種を単独で用いてもよいが、製造上、単一の化合物を用いることは難しいことから、2種以上を混合して用いてもよい。また、必要に応じてモノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mgKOH/gであり、特に好ましくは5〜30mgKOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣るものとなる。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが必須である。
【0081】
また、重合性化合物として、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体を含有することが好ましい。
カプロラクトン構造を有する多官能性単量体としては、その分子内にカプロラクトン構造を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸及びε−カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。なかでも下記式(1)で表されるカプロラクトン構造を有する多官能性単量体が好ましい。
【0082】
【化17】
【0083】
(式中、6個のRは全てが下記式(2)で表される基であるか、又は6個のRのうち1〜5個が下記式(2)で表される基であり、残余が下記式(3)で表される基である。)
【0084】
【化18】
【0085】
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、mは1又は2の数を示し、「*」は結合手であることを示す。)
【0086】
【化19】
【0087】
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、「*」は結合手であることを示す。)
【0088】
このようなカプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20(上記式(1)〜(3)においてm=1、式(2)で表される基の数=2、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−30(同式、m=1、式(2)で表される基の数=3、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−60(同式、m=1、式(2)で表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−120(同式においてm=2、式(2)で表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)等を挙げることができる。
本発明において、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0089】
また、本発明における重合性化合物としては、下記一般式(i)又は(ii)で表される化合物の群から選択される少なくとも1種であることも好ましい。
【0090】
【化20】
【0091】
一般式(i)及び(ii)中、Eは、各々独立に、−((CH2)yCH2O)−、又は−((CH2)yCH(CH3)O)−を表し、yは、各々独立に0〜10の整数を表し、Xは、それぞれ独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、水素原子、又はカルボキシル基を表す。
一般式(i)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は3個又は4個であり、mはそれぞれ独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。但し、各mの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
一般式(ii)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は5個又は6個であり、nはそれぞれ独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。但し、各nの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
【0092】
一般式(i)中、mは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。また、各mの合計は、2〜40の整数が好ましく、2〜16の整数がより好ましく、4〜8の整数が特に好ましい。
一般式(ii)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が特に好ましい。
また、一般式(i)又は一般式(ii)中の−((CH2)yCH2O)−又は−((CH2)yCH(CH3)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
一般式(i)又は(ii)で表される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、一般式(ii)において、6個のX全てがアクリロイル基である形態が好ましい。
また、一般式(i)又は(ii)で表される化合物の重合性化合物中における全含有量としては、20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
【0093】
一般式(i)又は(ii)で表される化合物は、従来公知の工程である、ペンタエリスリト−ル又はジペンタエリスリト−ルにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを開環付加反応により開環骨格を結合する工程と、開環骨格の末端水酸基に、例えば(メタ)アクリロイルクロライドを反応させて(メタ)アクリロイル基を導入する工程と、から合成することができる。各工程は良く知られた工程であり、当業者は容易に一般式(i)又は(ii)で表される化合物を合成することができる。
【0094】
一般式(i)又は(ii)で表される化合物の中でも、ペンタエリスリトール誘導体及び/又はジペンタエリスリトール誘導体がより好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」ともいう。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
【0095】
【化21】
【0096】
【化22】
【0097】
一般式(i)又は(ii)で表される重合性化合物の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬株式会社製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
【0098】
また、重合性化合物としては、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。さらに、重合性化合物として、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、非常に感光スピードに優れた硬化性組成物を得ることができる。
重合性化合物の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、U−4HA、U−6LPA、UA−32P、U−10HA、U−10PA、UA−122P、UA−1100H、UA−7200(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)、UA−9050、UA−9048(BASF社製)などが挙げられる。
【0099】
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、感光性組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、感度の観点では、1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合は2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高める観点では、3官能以上のものがよく、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。さらに、3官能以上のものでエチレンオキサイド鎖長の異なる重合性化合物を併用することが、感光性組成物の現像性を調節することができ、優れたパターン形成が得られるという点で好ましい。また、感光性組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体などの硬質表面との密着性を向上させる観点で特定の構造を選択することもあり得る。
以下、重合性化合物の具体例を挙げるが、これに限定されるものではない。
【0100】
【化23】
【0101】
また、重合性化合物としては、重合性基及びシリル基を有する化合物(以後、シリル化合物とも称する)であってもよい。上記シリル化合物を含む感光性組成物を支持体上に付与(例えば、塗布)したときに、シリル化合物のSi原子と、支持体を構成する成分との相互作用により、感光性組成物と支持体との密着性が向上するものである。
シリル化合物は、支持体との相互作用性、相溶性を向上する観点から、下記一般式(a)で表される化合物(以下、「特定シリル化合物」とも称する)であることが好ましい。
【0102】
【化24】
【0103】
一般式(a)中、Xは、水素原子又は有機基であり、重合性基を1つ以上有しアミノ基を持つ有機基が好ましい。Y1、Y2、及びY3は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリーロキシ基、アミノ基、シリル基、ヘテロ環基、又は水素原子を表し、アルキル基またはアルコキシ基が好ましい。
なお、一般式(a)中、X、Y1、Y2、及びY3は、重合性基(例えば、(メタ)アクリル酸エステル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基など)を有してもよい。
上記シリル化合物としては、例えば、特開2009−242604号公報の段落0056〜0066中における重合性基を有するシリル化合物が挙げられる。
重合性化合物としては、特許第4176717号公報段落0024〜0031(US2005/0261406の段落0027〜0033)に記載のチオ(メタ)アクリレート化合物も使用でき、これらの内容が援用でき、本願明細書に組み込まれる。
【0104】
感光性組成物中における重合性化合物の含有量は、感光性組成物中の全固形分に対して、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましい。
重合性化合物は、1種で使用しても、2種以上を併用して使用してもよい。
【0105】
<光重合開始剤>
感光性組成物は、光重合開始剤を含有することによって感光性が付与されるともに、上記重合性化合物(および後述する任意成分であるアルカリ可溶性樹脂)を含むことによって、感光性組成物により塗布層(塗布膜)を形成した後に、塗布層を露光し、現像することによってパターン形成できる。そして、このようして得られたパターンをカラーフィルタにおける白色(透明)フィルタとすることができる。
光重合開始剤としては特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができ、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、光重合開始剤は、約300〜800nm(330〜500nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
【0106】
光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノンなどが挙げられる。より具体的には、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、特許第4225898号公報に記載のアシルホスフィンオキシド系開始剤も用いることができる。
ヒドロキシアセトフェノン系開始剤としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959,IRGACURE−127(商品名:いずれもチバジャパン社製)を用いることができる。
アミノアセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、及び、IRGACURE−379(商品名:いずれもチバジャパン社製)を用いることができる。
アミノアセトフェノン系開始剤として、365nm又は405nm等の長波光源に吸収波長がマッチングされた特開2009−191179公報に記載の化合物も用いることができる。
アシルホスフィン系開始剤としては市販品であるIRGACURE−819やDAROCUR−TPO(商品名:いずれもチバジャパン社製)を用いることができる。
【0107】
光重合開始剤として、より好ましくはオキシム系化合物が挙げられる。オキシム系開始剤の具体例としては、特開2001−233842号記載の化合物、特開2000−80068号記載の化合物、特開2006−342166号記載の化合物を用いることができる。
光重合開始剤として好適に用いられるオキシム誘導体等のオキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年)pp.202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166号公報の各公報に記載の化合物等が挙げられる。
市販品ではIRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)も好適に用いられる。
光重合開始剤としては、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることもできる。フッ素原子を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2010−262028号公報記載の化合物、特表2014−500852号公報記載の化合物24、36〜40、特開2013−164471号公報記載の化合物(C−3)などが挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれることとする。
また上記記載以外のオキシムエステル化合物として、カルバゾールN位にオキシムが連結した特表2009−519904公報に記載の化合物、ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許7626957号公報に記載の化合物、色素部位にニトロ基が導入された特開2010−15025公報及び米国特許公開2009−292039記載の化合物、国際公開特許2009−131189公報に記載のケトオキシム系化合物、トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許7556910公報に記載の化合物、405nmに吸収極大を有しg線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114公報記載の化合物、などを用いてもよい。
【0108】
また、特開2007−231000公報(対応する米国特許出願公開第2011/0123929号明細書)、及び、特開2007−322744公報に記載される環状オキシム化合物に対しても好適に用いることができる。
他にも、特開2007−269779公報(対応する米国特許出願公開第2010/0104976号明細書)に示される特定置換基を有するオキシム化合物や、特開2009−191061公報(対応する米国特許出願公開第2009/023085号明細書)に示されるチオアリール基を有するオキシム化合物が挙げられる。
特開2012−208494号公報の段落0513(対応する米国特許出願公開第2012/235099号明細書の段落0632)以降の式(OX−1)、(OX−2)又は(OX−3)で表される化合物の説明を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
【0109】
オキシム系重合開始剤としては、TRONLY TR−PBG−304、TRONLY TR−PBG−309、TRONLY TR−PBG−305(常州強力電子新材料有限公司社(CHANGZHOU TRONLY NEW ELECTRONIC MATERIALS CO.,LTD)製)などの市販品が使用できる。また、特開2012−113104号の段落0092から段落0096に記載されている重合開始剤の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。このようなオキシム系重合開始剤を使用することで、硬化感度が高く、現像性が良好な感光性組成物を提供することができる。上記オキシム系重合開始剤は、特開2012−113104の段落0030以降に説明されている化合物である。一般式としては、特開2012−113104の請求項1に記載の一般式(I)で表され、より好ましくは請求項3に記載の一般式(I-A)で表されるものであり、これらの記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
【0110】
以下、好適に用いられるオキシム化合物の具体例としては、特開2009−191061公報の段落0090〜0106(対応する米国特許出願公開第2009/023085号明細書の段落0393)、特開2012−032556号公報段落0054、特開2012−122045号公報の段落0054等の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。(PIox−1)〜(PIox−13)を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0111】
【化25】
【0112】
オキシム化合物は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有するものでることが好ましく、360nm〜480nmの波長領域に吸収波長を有するものであることがより好ましく、365nm及び455nmの吸光度が高いものが特に好ましい。
オキシム化合物は、365nm又は405nmにおけるモル吸光係数が、感度の観点から、3,000〜300,000であることが好ましく、5,000〜300,000であることがより好ましく、10,000〜200,000であることが特に好ましい。
化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いることができるが、具体的には、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spctrophotometer)にて、酢酸エチル溶剤を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
【0113】
光重合開始剤は、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の感光性組成物の全固形分に対する光重合開始剤の含有量は、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.3〜15質量%であることがより好ましく、0.4〜10質量%であることがさらに好ましい。
【0114】
感光性組成物は、光重合開始剤である光ラジカル重合開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。増感剤としては、光重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
感光性組成物に用いられる増感剤としては、例えば、特開2008−32803号公報の段落0101〜0154に記載される化合物が挙げられる。
感光性組成物中における増感剤の含有量は、深部への光吸収効率と開始分解効率の観点から、固形分換算で、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0115】
<アルカリ可溶性樹脂>
本発明の感光性組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリルアミド系樹脂、(メタ)アクリル/(メタ)アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリルアミド系樹脂、(メタ)アクリル/(メタ)アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性を促進する基としては、酸基、アルコール性水酸基、ピロリドン基、アルキレンオキシド基などを挙げることができ、より好ましくは酸基である。
酸基としては、特に制限されないが、例えば、カルボキシル基、活性メチレン基、リン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水基等などが挙げられるが、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものが好ましく、カルボキシル基が特に好ましいものとして挙げられる。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0116】
アルカリ可溶性樹脂の製造には、例えば、公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
【0117】
アルカリ可溶性樹脂として用いられる線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましく、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、ノボラック型樹脂などのアルカリ可溶性フェノール樹脂等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が、アルカリ可溶性樹脂として好適である。(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等、ビニル化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N-ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等、特開平10−300922号公報に記載のN位置換マレイミドモノマーとして、N―フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等を挙げることができる。なお、これらの(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0118】
アルカリ可溶性樹脂は、式(X)で表される繰り返し単位を有するか、または、ガラス転移温度(Tg)が100〜250℃である、アルカリ溶液に可溶性の樹脂を用いることも好ましい。該樹脂を使用することにより、解像度といったリソグラフィー性能がより向上すると共に、形成される硬化膜の屈折率が向上する。
【0119】
【化26】
【0120】
式(X)中、R1は、水素原子又はアルキル基を表す。アルキル基としては、炭素数1〜3個のアルキル基が好ましく、メチル基が好ましい。
1は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜8)、2価の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜12)、−O−、−S−、−SO2−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、又はこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。
2価の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基)としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、又はブチレン基などが挙げられる。
2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
なお、単結合とは、式(X)中のAが、R1と連結する炭素原子に直接連結することを意図する。
以下に、L1の具体例を示すが、L1はこれらに限定されない。なお、*は結合位置を示す。
【0121】
【化27】
【0122】
Aは、置換又は無置換の縮合芳香環基を表す。縮合芳香族基とは、2つ又はそれ以上の芳香環構造を有する基であって、各々の環が2個又はそれ以上の原子を共有する構造の基をいう。ここで、縮合芳香環基とは、縮合芳香族炭化水素基及び縮合芳香族複素環基のいずれも含むものとする。
縮合芳香族炭化水素基としては、例えば、ナフチル基、アセナフチレニル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、クリセニル基、ジベンゾクリセニル基、ベンゾアントリル基、ジベンゾアントリル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペンタセニル基、フルオレニル基、9,9−ジヒドロアントリル基、トリフェニレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、ベンゾ[k]フルオランテニル基などが挙げられる。
縮合芳香族複素環基としては、例えば、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基(3−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基の両者を含む)、アクリジニル基、フェナジニル基、ベンゾフリル基、イソチアゾリル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ピラニル基などが挙げられる。
なかでも、リソグラフィー性能に優れる、及び/又は、得られる膜の屈折率がより優れる点(以後、単に「本発明の効果が優れる点」とも称する)で、カルバゾリル基、ナフチル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、又は、ベンゾトリアゾリル基が好ましく、カルバゾリル基、ナフチル基がより好ましい。
上記Aには、置換基が置換していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオキシ基、アリールチオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、ホスフィノイル基、複素環基、シリルエーテル基、チオール基、スルホンアミド基、アミド基、ウレア基、チオウレア基、カルボキシル基、ウレタン基、ハロゲン原子、ニトロ基、等が挙げられる。
【0123】
アルカリ可溶性樹脂中における式(X)で表される繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、全繰り返し単位に対して、40〜95質量%が好ましく、60〜90質量%がより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、上記式(X)で表される繰り返し単位を含み、アルカリ溶液に可溶であればその構造は特に制限されないが、酸基を有することが好ましい。
酸基としては、特に制限されないが、例えば、カルボキシル基、活性メチレン基、リン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水基等などが挙げられるが、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものが好ましく、カルボキシル基が特に好ましいものとして挙げられる。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0124】
アルカリ可溶性樹脂は、本発明の効果がより優れる点で、式(Y)で表される繰り返し単位をさらに有することが好ましい。
【0125】
【化28】
【0126】
式(Y)中、R2は、水素原子又はアルキル基を表す。アルキル基としては、炭素数1〜3個のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基などが挙げられる。
2は、単結合又は2価の連結基を表す。L2で表される2価の連結基の定義は、L1で表される2価の連結基の定義と同義である。
Bは、酸基を表す。酸基の定義は、上述の通りである。
アルカリ可溶性樹脂中における式(Y)で表される繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、全繰り返し単位に対して、5〜60質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。
【0127】
アルカリ可溶性樹脂は、上記式(X)で表される繰り返し単位及び式(Y)で表される繰り返し単位以外の他の繰り返し単位を有していてもよい。
例えば、本発明の効果がより優れる点で、アルカリ可溶性樹脂は、親水性基(ただし、酸基を除く)を有する繰り返し単位(以後、「親水性繰り返し単位」とも称する)を有することが好ましい。
親水性基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルキレンオキシド基、ピロリドン基、モルホリン基、1,3−ジケトン基、アミノ基、アンモニウム基などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、ヒドロキシ基が好ましい。なお、該親水性基には、上述した酸基は含まれない。
なお、アルキレンオキシド基としては、以下式(W)で表される基が好ましい。なお、*は結合位置を表す。
式(W) *−(A−O)−R
式(W)中、Aはアルキレン基(好ましくは、炭素数2〜3のアルキレン基)を表し、Rは水素原子又はアルキル基(好ましくは、炭素数1〜2のアルキル基)を表し、nは1以上の整数(好ましくは、1〜25の整数)を表す。
ピロリドン基、モルホリン基及び1,3−ジケトン基は、それぞれ以下の基を示す。なお、*は結合位置を表す。
【0128】
【化29】
【0129】
また、アミノ基は、1級、2級、及び3級のアミノ基を含む概念であり、以下式(P)で表される基が好ましい。
式(P) *−N(R)2
式(P)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、または、アルキル基を表す。
【0130】
親水性繰り返し単位としては、本発明の効果がより優れる点で、以下式(Z)で表される繰り返し単位が好ましい。
【0131】
【化30】
【0132】
式(Z)中、R3は、水素原子又はアルキル基を表す。アルキル基の定義は、R1で表されるアルキル基の定義と同義である。
3は、単結合又は2価の連結基を表す。L3で表される2価の連結基の定義は、L1で表される2価の連結基の定義と同義である。
Cは、親水性基(ただし、酸基を除く)を表す。
【0133】
なお、本発明の効果がより優れる点で、親水性繰り返し単位は、SP値(沖津法により算出)が20.2〜35MPa0.5(好ましくは、21〜33MPa0.5)であるモノマー由来の繰り返し単位であることが好ましい。
SP値は、沖津法(沖津俊直著「日本接着学会誌」29(3)(1993))によって算出したものである。
【0134】
アルカリ可溶性樹脂の製造法は特に制限されず、例えば、公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶剤の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
上述した式(X)で表される繰り返し単位を含むアクリル可溶性樹脂を製造するためには、例えば、以下のモノマー(以後、モノマーaとも称する)が使用される。
【0135】
【化31】
【0136】
また、上述した式(Y)で表される繰り返し単位を含むアクリル可溶性樹脂を製造するためには、例えば、以下のモノマー(以後、モノマーbとも称する)が使用される。
【0137】
【化32】
【0138】
上述した式(Z)で表される繰り返し単位を含むアクリル可溶性樹脂を製造するためには、例えば、以下のモノマー(以後、モノマーcとも称する)が使用される。
【0139】
【化33】
【0140】
上記モノマーaとモノマーbとの組み合わせ及び両者の質量比は特に制限されないが、例えば、以下のような組み合わせで、かつ、以下のような量関係のモノマーa及びモノマーbを使用して得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
【0141】
【表1】
【0142】
また、上記モノマーa、モノマーb、及びモノマーcの組み合わせ及び質量比は特に制限されないが、例えば、以下のような組み合わせで、かつ、以下のような量関係のモノマーa、モノマーb、及びモノマーcを使用して得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
【0143】
【表2】
【0144】
アルカリ可溶性樹脂としては、下記一般式(ED)で示される化合物(以下「エーテルダイマー」と称することもある。)を単量体成分として有するアルカリ可溶性樹脂であることも好ましい。
【0145】
【化34】
【0146】
式(ED)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭化水素基を表す。
及びRとしての炭化水素基は、炭素数1〜25の炭化水素基であることが好ましく、更に置換基を有していても良い。
【0147】
これにより、本発明の感光性組成物は、耐熱性とともに透明性にも極めて優れた硬化塗膜を形成しうる。上記エーテルダイマーを示す上記一般式(ED)中、R及びRで表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状又は分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級又は2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。
【0148】
上記エーテルダイマーの具体例としては、例えば、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−アミル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチルシクロヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられる。これらの中でも特に、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。これらエーテルダイマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。上記一般式(ED)で示される化合物由来の構造体は、その他の単量体を共重合させてもよい。
【0149】
また、本発明における感光性組成物の架橋効率を向上させるために、重合性基を有したアルカリ可溶性樹脂を使用してもよい。重合性基を有したアルカリ可溶性樹脂としては、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有したアルカリ可溶性樹脂等が有用である。上述の重合性基を含有するポリマーの例としては、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン株式会社製)、Photomer6173(COOH含有 polyurethane acrylic oligomer. Diamond Shamrock Co.Ltd.,製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)、サイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業株式会社製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー株式会社製)などが挙げられる。これら重合性基を含有するアルカリ可溶性樹脂としては、予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂、カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基及び重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂、OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂、OH基を含むアクリル樹脂とイソシアネートと重合性基を有する化合物を反応させた樹脂、特開2002-229207号公報及び特開2003-335814号公報に記載されるα位又はβ位にハロゲン原子或いはスルホネート基などの脱離基を有するエステル基を側鎖に有する樹脂を塩基性処理を行うことで得られる樹脂などが好ましい。
【0150】
アルカリ可溶性樹脂としては、特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他ノモノマーからなる多元共重合体が好適である。この他、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
【0151】
アルカリ可溶性樹脂としては、特開2008−273934号公報の段落[0015]〜[0023]、特開2008−274299号公報の段落[0015]〜[0025]、特開2008−274234号公報の段落[0015]〜[0018]、特開2009−67939号公報の段落[0012]〜[0019]、特開2009−126824号公報の段落[0014]〜[0021]、特開2009−270009号公報の段落[0014]〜[0021]、特開2009−270010号公報の段落[0018]〜[0025]、特開2011−211179号公報の段落[0071]〜[0077]、特開2011−151164号公報の段落[0062]〜[0081]に記載の化合物を使用してもよい。
【0152】
アルカリ可溶性樹脂の酸価としては好ましくは30mgKOH/g〜200mgKOH/g、より好ましくは50mgKOH/g〜150mgKOH/gであることが好ましく、70〜120mgKOH/gであることが最も好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、2,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000が更に好ましく、7,000〜20,000が最も好ましい。
【0153】
アルカリ可溶性樹脂を含有する場合の含有量としては、感光性組成物の全固形分に対して、0.01〜50質量%が好ましく、0.05〜40質量%がより好ましい。
【0154】
アルカリ可溶性樹脂の具体例として、下記樹脂(E−1)〜(E−8)を挙げるが、本発明は特にこれらに限定されるものではない。各ユニットに示されている数値は、樹脂分子中の各ユニットモル分率を表す。
【0155】
【化35】
【0156】
<他の成分>
(有機溶剤)
本発明の感光性組成物は、塗布性や取り扱い性などを向上する観点から、有機溶剤を含有することが好ましい。有機溶剤は、上述した分散組成物で説明した通りであるので、その説明を省略する。
有機溶剤を含有する場合の含有量は、感光性組成物の全質量(100質量%)に対して、30〜95質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましい。なお、分散組成物に有機溶剤が含まれている場合には、感光性組成物中の有機溶剤の含有量には、分散組成物に由来する有機溶剤の量も含まれるものとする。
【0157】
(密着促進剤(シランカップリング剤))
本発明の感光性組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、いかなる密着促進剤を含有していてもよい。密着促進剤としては、例えば、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、1−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノグリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。他には、特開2008−243945号公報の段落0048に記載の化合物が使用される。
密着促進剤を含有する場合の含有量は、特に制限されないが、通常、感光性組成物の全固形分に対して、10質量%以下、特に0.005〜5質量%であることが好ましい。
【0158】
(紫外線吸収剤)
本発明の感光性組成物は、紫外線吸収剤を含有してもよい。これにより、パターンの形状をより優れた(精細な)とすることができる。
紫外線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、トリアジン系の紫外線吸収剤を使用することができる。これらの具体例としては、特開2012−068418号公報の段落0137〜0142欄(対応するUS2012/0068292の段落0251〜0254欄)の化合物が使用でき、これらの内容が援用でき、本願明細書に組み込まれる。
他にジエチルアミノ−フェニルスルホニル系紫外線吸収剤(大東化学製、商品名:UV−503)なども好適に用いられる。
紫外線吸収剤としては、特開2012−32556号公報の段落0134〜0148に例示される化合物が挙げられる。
【0159】
紫外線吸収剤を含有する場合の含有量は、感光性組成物の全固形分に対して、0.01〜35質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
【0160】
(界面活性剤)
本発明の感光性組成物は、塗布性をより向上させる観点から、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用でき、フッ素系界面活性剤が好ましい。
使用される界面活性剤の種類は特に制限されないが、例えば、特開2012−122045号公報の段落0240〜0244に例示される界面活性剤が挙げられる。より具体的には、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)などが挙げられる。
また、下記式で表される化合物も、本発明のフッ素系界面活性剤として例示される。下記式で表される化合物の重量平均分子量としては、これに限定されないが、例えば、14000であるものを用いることができる。
【0161】
【化36】
【0162】
界面活性剤を含有する場合の含有量は、感光性組成物の全固形分に対して、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.05〜3質量%であることがより好ましい。
【0163】
(その他の成分)
本発明の感光性組成物は、上述した成分以外のその他の成分を含んでいてもよい。具体的には、感光性組成物を用いて得られる膜の特性(耐熱性、機械強度、塗布性、密着性等)を損なわない範囲で、重合禁止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、塩基性化合物などの添加剤を添加してもよい。
【0164】
<感光性組成物の特性など>
本発明の感光性組成物は、透明な組成物であることが好ましく、より具体的には、この感光性組成物により膜厚1μmの硬化膜を形成したとき、この硬化膜の厚み方向に対する光透過率が、400〜700nmの波長領域全域で、90%以上となることが好ましい。
本発明の感光性組成物に関して、上記光透過率が400〜700nmの波長領域全域で90%以上であることは、カラーフィルタに含まれる白色フィルタ画素が、白色フィルタ画素として充分な機能を果たすために好ましい(すなわち、イメージセンサにおける撮像を高感度で行うために必要である)。
なお、上記光透過率は、400〜700nmの波長領域全域で、95%以上であることがより好ましく、99%以上であることがさらに好ましく、100%であることが最も好ましい。
感光性組成物の製造方法は特に限定されず、有機溶剤を含む場合、感光性組成物の各成分を有機溶剤に添加して、混合、攪拌することにより得られる。また、感光性組成物は、各成分を攪拌した後、フィルタ等でろ過してもよい。
【0165】
[カラーフィルタおよびその製造方法]
本発明の感光性組成物は、カラーフィルタ形成用、より具体的には、固体撮像素子のカラーフィルタにおける白色フィルタ画素用として用いられることが好ましい。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法の一例として、固体撮像素子のカラーフィルタの製造方法を示す。
本発明の固体撮像素子のカラーフィルタ(以下、固体撮像素子用カラーフィルタともいう)の製造方法は、既述の感光性組成物を塗布して塗布層(感光性組成物層)を形成し(以下、「感光性組成物層形成工程」ともいう)、塗布層を露光し(以下、「露光工程」ともいう)、現像することによりパターンを形成して、固体撮像素子のカラーフィルタにおける白色フィルタ画素としての硬化膜を得ることを含む。
また、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタは、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法によって製造されたものである。
本発明の固体撮像素子用カラーフィルタは、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法によって製造された透明(白色)パターン(白色フィルタ画素)を少なくとも有していればよい。本発明の固体撮像素子用カラーフィルタの具体的形態としては、例えば、透明パターンと他の着色パターンとを組み合わせた多色のカラーフィルタの形態(例えば、透明パターン、赤色パターン、青色パターン、及び緑色パターンを少なくとも有する4色以上のカラーフィルタ)が好適である。
以下、固体撮像素子用カラーフィルタを単に「カラーフィルタ」ということがある。
<感光性組成物層形成工程>
感光性組成物層形成工程では、支持体上に、本発明の感光性組成物を付与して感光性組成物層を形成する。
本工程に用いうる支持体としては、例えば、基板(例えば、シリコン基板)上にCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)等の撮像素子(受光素子)が設けられた固体撮像素子用基板を用いることができる。
本発明における透明パターンは、固体撮像素子用基板の撮像素子形成面側(おもて面)に形成されてもよいし、撮像素子非形成面側(裏面)に形成されてもよい。
固体撮像素子用基板における各撮像素子間や、固体撮像素子用基板の裏面には、遮光膜が設けられていてもよい。
また、支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止、または、基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
支持体上への本発明の感光性組成物層の付与方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
感光性組成物層の膜厚としては、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜3μmがより好ましく、0.1〜2μmがさらに好ましい。
支持体上に塗布された感光性組成物層の乾燥(プリベーク)は、ホットプレート、オーブン等で50℃〜140℃の温度で10秒〜300秒で行うことができる。
【0166】
<露光工程>
露光工程では、感光性組成物層形成工程において形成された感光性組成物層を、例えば、ステッパー等の露光装置を用い、所定のマスクパターンを有するマスクを介してパターン露光する。
露光に際して用いることができる放射線(光)としては、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を含むものを意味し、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく(特に好ましくはi線)用いられる。照射量(露光量)は50〜1700mJ/cm2が好ましく50〜1000mJ/cm2がより好ましく、75〜500mJ/cm2がさらに好ましい。
【0167】
<現像工程>
次いでアルカリ現像処理を行うことにより、露光工程における光未照射部分の感光性組成物層がアルカリ水溶液に溶出し、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、下地の撮像素子や回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては通常20〜30℃であり、現像時間は従来20〜90秒であった。より残渣を除去するため、近年では120秒〜180秒実施する場合もある。さらには、より残渣除去性を向上するため、現像液を60秒ごとに振り切り、さらに新たに現像液を供給する工程を数回繰り返す場合もある。
【0168】
アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドドキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリアミルアンモニウムヒドロキシド、ジブチルジペンチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。アルカリ現像液のアルカリ濃度及びpHは、適宜調製して用いることができる。アルカリ現像液は、界面活性剤や有機溶剤を添加して用いてもよい。
なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
【0169】
次いで、乾燥を施した後に加熱処理(ポストベーク)を行うことが好ましい。多色のパターンを形成するのであれば、色ごとに工程を順次繰り返して硬化皮膜を製造することができる。これによりカラーフィルタが得られる。
ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、通常100℃〜240℃、好ましくは200℃〜240℃の熱硬化処理を行う。
このポストベーク処理は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
【0170】
なお、本発明の製造方法は、必要に応じ、上記以外の工程として、固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法として公知の工程を有していてもよい。例えば、上述した、感光性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要により、形成された透明パターンを加熱および/または露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
また、本発明に係る感光性組成物を用いる場合、例えば、塗布装置吐出部のノズルや配管部の目詰まりや塗布機内への感光性組成物や無機粒子の付着・沈降・乾燥による汚染等が生じる場合がある。特開平7−128867号公報、特開平7−146562号公報、特開平8−278637号公報、特開2000−273370号公報、特開2006−85140号公報、特開2006−291191号公報、特開2007−2101号公報、特開2007−2102号公報、特開2007−281523号公報などに記載の洗浄液も本発明に係る感光性組成物の洗浄除去として好適に用いることができる。
上記のうち、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート及びアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。
これら溶剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合することが好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20である。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の混合溶剤で、その比率が60/40であることが特に好ましい。なお、汚染物に対する洗浄液の浸透性を向上させるために、洗浄液には前掲の本組成物に関する界面活性剤を添加してもよい。
【0171】
本発明の固体撮像素子用カラーフィルタは、そのカラーフィルタに含まれる白色フィルタ画素が、本発明の感光性組成物を用いて得られているため、優れたパターン形状を有するとともに、高い解像性で、かつ、現像残渣が低減された状態で形成されている。また、カラーフィルタにおける上記白色フィルタ画素は、波長550nmの光に対する屈折率が1.8以上となっていることが好ましい。
本発明の固体撮像素子用カラーフィルタがイメージセンサに搭載されることにより、イメージセンサにおける撮像を、高感度かつ高品質で行うことができる。
本発明の固体撮像素子用カラーフィルタは、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子に好適に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCDやCMOS等に好適である。本発明の固体撮像素子用カラーフィルタは、例えば、CCD又はCMOSを構成する各画素の受光部と、集光するためのマイクロレンズと、の間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
【0172】
固体撮像素子用カラーフィルタにおける着色パターン(着色画素や白色フィルタ画素)の膜厚としては、2.0μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましい。なお、ここで、着色パターン(着色画素)の“着色”とは、透明(白色)を含む概念である。
また、着色パターン(着色画素)のサイズ(パターン幅)としては、2.0μm以下が好ましく、1.7μm以下がより好ましく、1.1μm以下が特に好ましい。本発明の感光性組成物を用いた場合には、リソグラフィー性能が良好であることから、このように小さな着色パターンに用いるのに好適である。
【0173】
[固体撮像素子]
本発明の固体撮像素子は、既述の本発明の固体撮像素子用カラーフィルタを備える。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
【0174】
支持体上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる転送電極を有し、フォトダイオード及び転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面及びフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタを有する構成である。
さらに、デバイス保護膜上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
【実施例】
【0175】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
【0176】
[分散組成物の調製]
<無機粒子Aの製造>
二酸化チタン粒子(テイカ社製MT−150A、ルチル型)970部を水10000部に投入し、攪拌しながら、その中に、硫酸ジルコニウムをZrO2に換算して15%含有する硫酸ジルコニウム水溶液1034部及び塩化アルミニウムをAl23に換算して10%含有する塩化アルミニウム水溶液160部を投入し、25%アンモニア水で中和することにより、二酸化チタン粒子の表面にジルコニウムの水和酸化物及びアルミニウムの水和酸化物を沈着させ、ついで80℃に30分間加熱した後、濾過、洗浄し、その後、150℃で30分間乾燥した。
得られた乾燥物を500℃で3時間焼成した後、乾式メディア攪拌型粉砕機(製品名「乾式アトライタMA1D」、日本コークス社製)で粉砕することによって無機粒子Aを得た。このときメディアは5mmジルコニアビーズ(ニッカトー社製YTZ)を用い、周速5m/sで20分処理を行った。
【0177】
二酸化チタン粒子(テイカ社製MT−150A)および無機粒子Aのそれぞれについて、蛍光X線分析装置(製品名「走査型蛍光X線分析装置 ZSX primusII」、理学社製)により元素分析を行った。
具体的には、二酸化チタン粒子(テイカ社製MT−150A)については、上述した「特定粒子におけるTi原子の含有量」で説明した方法にしたがって、Ti原子の含有量を求めた。その結果、Ti原子の含有量は、上記二酸化チタン粒子に含まれる全ての金属元素の合計100atm%に対して、99atm%であった。
また、無機粒子Aについては、上述した「特定原子の含有量」で説明した方法にしたがって、特定原子(Zr、Sn、Nb)の含有量を求めた。その結果、Zr原子の含有量が80atm%、Sn原子の含有量が0atm%、Nb原子の含有量が0atm%であった。
【0178】
また、上記のようにして得られた無機粒子Aの平均一次粒子径について、上述した「特定無機粒子の平均一次粒子径」で述べた方法と同様にして測定した。
その結果、無機粒子Aの平均一次粒子径は、15nmであった。
【0179】
<無機粒子B〜Kの製造>
上記の無機粒子Aの製造方法において、二酸化チタン粒子の種類と、硫酸ジルコニウム水溶液および塩化アルミニウム水溶液の添加量とを下記第1表に示すように変えた以外は、同様の製造方法を実施して、無機粒子B〜Kを製造した。なお、第1表において、二酸化チタン粒子の添加量は、固形分換算量を表す。
得られた無機粒子B〜Kのそれぞれについて、無機粒子Aと同様の測定方法により、平均一次粒子径、および特定原子(Zr、Sn、Nb)の含有量を求めた。その結果を下記第1表に示す。
第1表における各二酸化チタン粒子の概要は、次の通りである。また、各二酸化チタン粒子について、無機粒子の製造方法で示した二酸化チタン粒子(テイカ社製MT−150A)と同様の測定方法で、Ti原子の含有量を測定した。その結果を括弧内に併せて示す。
・MT−150A(商品名、テイカ社製、ルチル型、Ti原子の含有量:99atm%)
・SRD−M(商品名、堺化学社製、ルチル型、15.2質量%メタノール溶液、Ti原子の含有量:99atm%)
・TTO−55N(商品名、石原産業社製、ルチル型、Ti原子の含有量:99atm%)
・OPTOLAKE6320Z(商品名、日揮触媒化成社製、20.0質量%MEK(メチルエチルケトン)溶液、Ti原子の含有量:93atm%)
【0180】
<無機粒子L(Sn被覆TiO)の合成>
二酸化チタン粒子(テイカ社製MT−150A、ルチル型)970部を水10000部に投入し、攪拌しながら、80℃に加熱した。その中に、SnO2に換算して15%含有する塩化スズエタノール溶液1141部を投入し、80℃で30分間加熱した後、濾過、洗浄し、その後、150℃で30分間乾燥した。
得られた乾燥物を500℃で3時間焼成した後、乾式メディア攪拌型粉砕機(製品名「乾式アトライタMA1D」、日本コークス社製)で粉砕することによって無機粒子Lを得た。このときメディアは5mmジルコニアビーズ(ニッカトー社製YTZ)を用い、周速5m/sで20分処理を行った。
なお、第1表において、二酸化チタン粒子の添加量は、固形分換算量を表す。
得られた無機粒子Lについて、無機粒子Aと同様の測定方法により、平均一次粒子径、および特定原子(Zr、Sn、Nb)の含有量を求めた。その結果を下記第1表に示す。
【0181】
<無機粒子M(Nb被覆TiO)の合成>
二酸化チタン粒子(テイカ社製MT−150A、ルチル型)970部を水10000部に投入し、攪拌しながら、80℃に加熱した。その中に、NbO2に換算して15%含有する硫酸ニオブ水溶液1141部を投入し、80℃で30分間加熱した後、濾過、洗浄し、その後、150℃で30分間乾燥した。
得られた乾燥物を500℃で3時間焼成した後、乾式メディア攪拌型粉砕機(製品名「乾式アトライタMA1D」、日本コークス社製)で粉砕することによって無機粒子Mを得た。このときメディアは5mmジルコニアビーズ(ニッカトー社製YTZ)を用い、周速5m/sで20分処理を行った。
なお、第1表において、二酸化チタン粒子の添加量は、固形分換算量を表す。
得られた無機粒子Mについて、無機粒子Aと同様の測定方法により、平均一次粒子径、および特定原子(Zr、Sn、Nb)の含有量を求めた。その結果を下記第1表に示す。
【0182】
【表3】
【0183】
<分散組成物A−1の調製>
上記無機粒子A、分散剤D−1(下記式D−1参照)および有機溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA))を以下の配合割合で混合した混合液に対して、循環型分散装置(ビーズミル)として寿工業株式会社製のウルトラアペックスミル(商品名)を用いて分散処理を行って、分散組成物A(酸化チタン分散液A)を得た。
(分散組成物A−1の組成)
・無機粒子A: 2.36質量部
・分散剤D−1(30質量%PGMEA溶液): 2.13質量部(固形分0.64部)
・有機溶剤: 5.51質量部
【0184】
<分散組成物A−2〜A−23の調製>
無機粒子および分散剤の種類を第2表に示す組み合わせにした以外は、分散組成物A−1の調製と同様にして、分散組成物A−2〜A−23を得た。各分散組成物の組成の概要を下記第2表に示す。
なお、第2表中における各分散剤(D−1〜D−7)の構造を以下の式に示す。また、各分散剤の酸価および重量平均分子量(上記方法により測定)を第2表に示す。
【0185】
【化37】
【0186】
分散剤D−1〜D−7を表す上記式において、x、y、nは、それぞれ次の通りである。
分散剤D−1:x=27、y=73、n=10、重量平均分子量(Mw)=10000
分散剤D−2:x=19、y=81、n=10、重量平均分子量(Mw)=10000
分散剤D−3:x=13、y=87、n=10、重量平均分子量(Mw)=10000
分散剤D−4:x=27、y=73、n=10、重量平均分子量(Mw)=8000
分散剤D−5:x=27、y=73、n=10、重量平均分子量(Mw)=12000
分散剤D−6:x=27、y=73、n=10、重量平均分子量(Mw)=15000
分散剤D−7:x=38、y=62、n=10、重量平均分子量(Mw)=10000
【0187】
【表4】
【0188】
[感光性組成物の調製]
<感光性組成物C−1の調製>
上記で得られた分散組成物A−1を用いて、以下の組成となるように各成分を混合して感光性組成物C−1を得た。
(感光性組成物C−1の組成)
・有機溶剤(PGMEA): 41.84部
・アルカリ可溶性樹脂(44質量%PGMEA溶液) B−1: 0.18部(固形分0.079部)
・重合性化合物(日本化薬社製 商品名「KAYARAD DPHA」): 2.85部
・界面活性剤(1質量%PGMEA溶液、フッ素系界面活性剤、下記構造参照、重量平均分子量14000): 2.50部(固形分0.025部)
・光重合開始剤(BASF社製 商品名「IRGACURE OXE−01」): 0.60部
・紫外線吸収剤 U−1: 1.20部
・シランカップリング剤 S−1: 0.02部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール): 0.01部
・分散組成物A−1: 50.80部(固形分15.24部)
【0189】
【化38】
【0190】
上記のアルカリ可溶性樹脂B−1、紫外線吸収剤U−1、および、シランカップリング剤S−1の構造は、以下の通りである。なお、B−1の重量平均分子量(Mw)は、5000であった。
【0191】
【化39】
【0192】
<感光性組成物C−2〜C−23の調製>
分散組成物の種類を第3表に示すようにした以外は、感光性組成物C−1の調製と同様にして、感光性組成物C−2〜C−23を得た。各感光性組成物に含まれる分散組成物の種類を下記第3表に示す。
なお、第3表、「被覆材料の濃度」とは、各無機粒子を製造する際において、「二酸化チタン粒子の添加量」および「被覆材料の形成に使用する材料の添加量」の合計に対する、「被覆材料の形成に使用する材料の添加量」が占める割合を指す。具体的には、無機粒子Aにおいては、二酸化チタン粒子の添加量、ZrO2換算量、およびAl23換算量の合計に対する、ZrO2換算量およびAl23換算量の合計が占める割合を指す。
【0193】
<感光性組成物C−24〜C−25の調製>
上記で得られた分散組成物A−4およびA−5を用いて、以下の組成となるように各成分を混合して感光性組成物C−24およびC−25を得た。
・有機溶剤(PGMEA): 38.90部
・アルカリ可溶性樹脂(44質量%PGMEA溶液) B−1: 0.14部(固形分0.062部)
・重合性化合物(日本化薬社製 商品名「KAYARAD DPHA」): 2.20部
・界面活性剤(感光性組成物C−1の調製で用いた界面活性剤と同様): 2.50部(固形分0.025部)
・光重合開始剤(BASF社製 商品名「IRGACURE OXE−01」): 0.60部
・紫外線吸収剤 U−1: 0.60部
・シランカップリング剤 S−1: 0.02部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール):0.01部
・分散組成物A−4またはA−5: 55.03部(固形分16.51部)
【0194】
<感光性組成物C−26の調製>
上記で得られた分散組成物A−5を用いて、以下の組成となるように各成分を混合して感光性組成物C−26を得た。
・有機溶剤(PGMEA): 41.76部
・アルカリ可溶性樹脂(30質量%PGMEA溶液) 上述した例示樹脂48: 0.26部(固形分0.079部)
・重合性化合物(日本化薬社製 商品名「KAYARAD DPHA」): 2.85部
・界面活性剤(感光性組成物C−1の調製で用いた界面活性剤と同様): 2.50部(固形分0.025部)
・光重合開始剤(BASF社製 商品名「IRGACURE OXE−01」): 0.60部
・紫外線吸収剤 U−1: 1.20部
・シランカップリング剤 S−1: 0.02部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール):0.01部
・分散組成物A−5: 50.80部(固形分15.24部)
【0195】
[評価試験]
<分散安定性の評価試験>
上記のようにして作製した各分散組成物を45℃で3日間保存し、保存前後の粘度を粘度計(製品名「RE−85型粘度計」、東機産業社製)を測定し、粘度増加率(増粘率)を算出した。粘度の測定条件は、回転数20rpm、温度を25℃に設定した。得られた増粘率に基づいて、分散安定性の評価を行った。分散安定性の評価は、以下の基準にしたがって評価した。
「5」:増粘率が5%以下。
「4」:増粘率が5%を超えて、7%以下。
「3」:増粘率が7%を超えて、10%以下。
「2」:増粘率が10%を超えて、20%以下。
「1」:増粘率が20%を超えている。
【0196】
<透過率および屈折率の評価試験>
高屈折率ガラス((株)住田光学ガラス社製、SFLD−6[商品名])に、各感光性組成物をスピンコーター(H−360S[商品名]、ミカサ(株)製)で塗布した。次いで、ホットプレ−トを用いて、100℃で2分間プリベークして塗布膜を得た。
得られた塗布膜について、ウシオ電機(株)製の超高圧水銀ランプ(「USH−500BY」(商品名))により1000mJ/cmで露光した。続いて、露光後の塗布膜を、空気雰囲気下のホットプレート上で、200℃で5分加熱して、膜厚1.0μmの硬化膜を得た。
得られた硬化膜について、大塚電子(株)製「MCPD−3000」(商品名)を用い、400nm〜700nmの範囲の光透過率(透過率)を測定した。透過率は、400〜700nmの範囲の最低透過率の値を採用した。試験は各試料につき5回行い、最大値と最小値を除いた3回の結果の平均値を採用した。
なお、このとき同じ硬化膜で、エリプソメータ(大塚電子(株)社製)を用い、室温25℃での波長550nmにおける屈折率を測定した。
【0197】
<耐光性の評価試験>
透過率および屈折率の評価試験で用いた硬化膜について、耐光試験機(スガ試験機(株)製Xenon Weather Meter SX75[商品名])を用いて500万lxhの光を50時間で照射して、耐光性試験を行った。硬化膜の温度(試験装置内温度)は63℃に設定した。試験装置内の相対湿度は50%RHとした。耐光性試験の後、硬化膜の残膜率と透過率の変化量により、以下の基準により耐光性の評価を行った。試験は、同様の条件で作製された硬化膜につき5回行い、最大値と最小値を除いた3回の結果の平均値を採用した。
「5」:残膜率が90%以上であり、透過率の変化量が±5%以下。
「4」:残膜率が90%以上であり、透過率の変化量が±5%を超えている。
「3」:残膜率が85%以上90%未満。
「2」:残膜率が85%未満であり、透過率の変化量が±20%以下。
「1」:残膜率が85%未満であり、透過率の変化量が±20%を超える。
【0198】
<リソグラフィー性能の評価試験>
上記で得られた各感光性組成物をそれぞれ、塗布後の膜厚が1.0μmになるように、下塗り層付き8インチシリコンウェハ上に東京エレクトロン製Act8[商品名]を用いてスピンコート法で塗布し、その後ホットプレート上で、100℃で2分間加熱して硬化膜を得た。
次いで、得られた硬化膜に対し、i線ステッパー露光装置「FPA−3000i5+」(商品名、Canon(株)製)を用い、1.1μm四方のパターンを、マスクを介して露光(露光量50〜1700mJ/cm)した。
次いで、露光後の硬化膜に対し、現像装置(東京エレクトロン製Act8[商品名])を使用し現像性の評価を行った。現像液には水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3%水溶液を用い、23℃で60秒間シャワー現像を行った。その後、純水を用いたスピンシャワーにてリンスを行い、パターンを得た。
得られたパターンを走査型電子顕微鏡(SEM)(S−4800H[商品名]、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、倍率20000倍で観察した。そして、観察された画像に基づき、以下の基準にしたがってリソグラフィー性能を評価した。リソグラフィー性能の評価試験は、各試料につき3回ずつ行い、その結果を総合して判定した。
「5」:パターンがはっきりしており、残渣が無い。
「4」:パターンがはっきりしており、残渣が少ない。
「3」:パターンがややテーパー形状になっているが、残渣は少ない。
「2」:パターンがテーパー形状になっており、残渣が多い。
「1」:パターンができない。
【0199】
[評価結果]
以上の評価試験の結果を第3表にあわせて示す。
【0200】
【表5】

【0201】
上記第3表の評価結果の通り、上述した特定無機粒子(Ti原子の含有量95atm%以上、かつ、特定原子の含有量80atm%以上であるもの)と、上述した特定分散剤(酸価が70mgKOH/g以上)と、を含有する分散組成物(分散組成物A−1〜A-13、A−20〜A−23)を用いると、分散安定性に優れることが示された(実施例1〜20)。
また、このような分散組成物A−1〜A−13、A−20〜A−23のいずれかを含有する感光性組成物C−1〜C−13、C−20〜C−26を用いることで、形成される膜の屈折率、耐光性およびリソグラフィー性能に優れることが示された(実施例1〜20)。
また、実施例7〜9の対比から、分散剤の重量平均分子量が6000〜12000の範囲にあるものを使用することで(実施例7、8)、分散安定性およびリソグラフィー性能をより高レベルで満足できることがわかった。
実施例4、10、11の対比から、無機粒子の平均一次粒子径が15〜30nmの範囲にあることで(実施例4、11)、分散組成物の分散安定性がより優れることが示された。
【0202】
一方、被覆材料における特定原子の含有量が80atm%未満である無機粒子を含有する分散組成物A−14〜A−16を用いると、これを含有する感光性組成物C−14〜C−16により形成される膜の屈折率および耐光性の少なくとも一方が低下することが示された(比較例1〜3)。
また、酸価が70mgKOH/g未満の分散剤を含有する分散組成物A−17を用いると、分散安定性が低下することが示された。また、これを含有する感光性組成物C−17により形成される膜のリソグラフィー性能が低下することが示された(比較例4)。
また、Ti原子の含有量95atm%未満の無機粒子を含有する分散組成物A−18、A−19を用いると、これを含有する感光性組成物C−18、C−19により形成される膜の屈折率が低下することが示された(比較例5、6)。
【国際調査報告】