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再表2016-157403荷電粒子線装置、荷電粒子線装置のアライメント方法、アライメントプログラム、及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2016年10月6日
【発行日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】荷電粒子線装置、荷電粒子線装置のアライメント方法、アライメントプログラム、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/28 20060101AFI20171201BHJP
   H01J 37/22 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   H01J37/28 B
   H01J37/22 502L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
【出願番号】特願2017-508917(P2017-508917)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2015年3月31日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石澤 輝
(72)【発明者】
【氏名】千葉 寛幸
(72)【発明者】
【氏名】高鉾 良浩
(72)【発明者】
【氏名】奈良 大地
【テーマコード(参考)】
5C033
【Fターム(参考)】
5C033UU03
5C033UU06
5C033UU10
(57)【要約】
試料の撮像画像を用いて試料上での観察範囲を設定する荷電粒子線装置において、ユーザーの視野探しに費やす時間を短くする。
試料台の輪郭(S)が例えば円形に構成されている場合、光学像(61)上での試料台像(62)の中心位置を、光学像(61)上での試料台像(62)の輪郭(S)についての複雑で手間がかかる自動画像解析による直接認識によらずに、ユーザーにより光学像(61)上で作成された輪郭(S)に外接する三角形(68)の各頂点(67)の座標から、この三角形(68)の内心を演算することにより、迅速かつ容易に、かつ高精度で取得する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子線を放出する荷電粒子源と、
前記荷電粒子源からの荷電粒子線を試料に照射する荷電粒子光学系と、
試料が載置された試料台が収容される試料室と、
前記試料室内で前記試料台を保持するとともに、試料に対する前記荷電粒子光学系からの荷電粒子線の照射位置及び/又は照射方向を変化させるために、前記試料室内で試料を前記試料台ごと動かすステージと、
荷電粒子線の照射により前記試料台に載置された試料から発生する信号粒子を検出する検出器と、
前記検出器によって検出された信号粒子を基に、荷電粒子線が照射された試料上の観察範囲の観察像を生成する画像処理部と
を備えた荷電粒子線装置であって、
撮像装置によって取得された前記試料台の試料台像を含む撮像画像を表示する画像表示部と、
前記画像表示部に表示された撮像画像上において、試料台像の輪郭上の互いに離間して位置する点を指定することにより、測定基準ポイントを設定入力する操作入力部と、
前記操作入力部の操作で設定入力された複数の測定基準ポイント間の撮像画像上の距離に基づいて、当該撮像画像上における試料台像の大きさを演算する試料台像大きさ演算部と、
前記試料台像大きさ演算部によって算出された試料台像の大きさと、前記試料台の実際の大きさとから、当該撮像画像の撮像倍率を演算する撮像倍率演算部と
を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
【請求項2】
請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
試料が載置された前記試料台の、前記撮像倍率演算部で算出された撮像倍率と同倍率で取得された撮像画像上で、前記荷電粒子線を照射して観察像を取得する当該試料上の観察範囲を視野範囲として設定し、当該視野範囲に該当する試料上の観察範囲の観察像を取得する際、前記撮像倍率演算部で算出された撮像倍率を、荷電粒子線の照射位置に係る前記荷電粒子光学系及び/又は前記ステージのアライメントで使用する
ことを特徴とする荷電粒子線装置。
【請求項3】
請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
前記操作入力部の操作で設定入力される複数の測定基準ポイントは、前記画像表示部に表示された撮像画像中の試料台像の輪郭に外接若しくは内接する多角形の、それぞれ頂点になる
ことを特徴とする荷電粒子線装置。
【請求項4】
請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
測定基準ポイントは、前記画像表示部に撮像画像とともに表示され、互いの伸長方向が異なる複数の直線ガイド線を、前記操作入力部の操作に対応させて前記画像表示部の表示画面上でそれぞれ移動し、各直線ガイド線と撮像画像中の試料台像の輪郭との接点、又は互いの組み合わせが異なる2つの直線ガイド線と撮像画像中の試料台像の輪郭との交点を指定することによって設定入力される
ことを特徴とする荷電粒子線装置。
【請求項5】
請求項4に記載の荷電粒子線装置において、
互いの伸長方向が異なる前記複数の直線ガイド線が、前記画像表示部の表示画面上で平行移動可能な複数の平行移動直線ガイド線である、又は、前記画像表示部の表示画面上で平行移動可能な少なくとも1つの平行移動直線ガイド線と前記画像表示部の表示画面上で傾倒変位可能な残りの傾倒変位直線ガイド線との組み合わせである
ことを特徴とする荷電粒子線装置。
【請求項6】
請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
測定基準ポイントは、試料台像を含む撮像画像が表示された前記画像表示部の表示画面上で、試料台像の輪郭上に前記操作入力部の操作により直接プロットすることによって設定入力される
ことを特徴とする荷電粒子線装置。
【請求項7】
請求項6に記載の荷電粒子線装置において、
試料台像を含む撮像画像が表示された前記画像表示部の表示画面上には、既に設定入力された測定基準ポイントが表示され、一対の測定基準ポイントが設定されると、当該一対の測定基準ポイント間を結ぶ直線を斜辺又は対角線とする直角三角形又は長方形の残りの頂点がガイド表示される
ことを特徴とする荷電粒子線装置。
【請求項8】
撮像装置によって取得された試料の撮像画像上で、荷電粒子線装置によって観察像を取得する当該試料上の観察範囲を視野範囲として設定する視野範囲設定ステップ、
前記荷電粒子線装置によって当該視野範囲に該当する試料上の観察範囲に荷電粒子線を照射して試料の観察像を取得する際、当該視野範囲の設定に用いられた撮像画像の前記撮像装置による撮像倍率を、荷電粒子線の照射位置のアライメントで使用するアライメントステップ
を含む荷電粒子線装置のアライメント方法であって、さらに、
前記撮像装置によって取得された、試料を載置する試料台の試料台像を含む撮像画像を、画像表示部に表示する試料台像表示ステップ、
前記試料台像表示ステップにより前記画像表示部に表示された撮像画像上において、試料台像の輪郭上の互いに離間して位置する点を操作入力部の操作に基づいて指定することにより、測定基準ポイントを設定入力する操作設定ステップ、
前記操作設定ステップにより設定入力された複数の測定基準ポイント間の撮像画像上の距離に基づいて、当該撮像画像上における試料台像の大きさを演算する試料台像大きさ演算ステップ、
前記試料台像大きさ演算ステップによって算出された試料台像の大きさと、前記試料台の実際の大きさとから、当該撮像画像の撮像倍率を演算する撮像倍率演算ステップ
を含むことを特徴とする荷電粒子線装置のアライメント方法。
【請求項9】
請求項8に記載の荷電粒子線装置のアライメント方法において、
前記操作設定ステップでは、前記操作入力部の操作で設定入力される複数の測定基準ポイントは、前記画像表示部に表示された撮像画像中の試料台像の輪郭に外接若しくは内接する多角形の、それぞれ頂点になる
ことを特徴とする荷電粒子線装置のアライメント方法。
【請求項10】
請求項8に記載の荷電粒子線装置のアライメント方法において、
前記操作設定ステップでは、前記画像表示部に撮像画像とともに表示され、互いの伸長方向が異なる複数の直線ガイド線を、前記操作入力部の操作に対応させて前記画像表示部の表示画面上でそれぞれ移動し、各直線ガイド線と撮像画像中の試料台像の輪郭との接点、又は互いの組み合わせが異なる2つの直線ガイド線と撮像画像中の試料台像の輪郭との交点を指定することによって、測定基準ポイントが設定入力される
ことを特徴とする荷電粒子線装置のアライメント方法。
【請求項11】
請求項10に記載の荷電粒子線装置のアライメント方法において、
互いの伸長方向が異なる前記複数の直線ガイド線が、前記画像表示部の表示画面上で平行移動可能な複数の平行移動直線ガイド線である、又は、前記画像表示部の表示画面上で平行移動可能な少なくとも1つの平行移動直線ガイド線と前記画像表示部の表示画面上で傾倒変位可能な残りの傾倒変位直線ガイド線との組み合わせである
ことを特徴とする荷電粒子線装置。
【請求項12】
請求項8に記載の荷電粒子線装置のアライメント方法において、
前記操作設定ステップでは、試料台像を含む撮像画像が表示された前記画像表示部の表示画面上で、試料台像の輪郭上に前記操作入力部の操作により直接プロットすることによって、測定基準ポイントが設定入力される
ことを特徴とする荷電粒子線装置のアライメント方法。
【請求項13】
請求項12に記載の荷電粒子線装置のアライメント方法において、
試料台像を含む撮像画像が表示された前記画像表示部の表示画面上には、既に設定入力された測定基準ポイントが表示され、一対の測定基準ポイントが設定されると、当該一対の測定基準ポイント間を結ぶ直線を斜辺又は対角線とする直角三角形又は長方形の残りの頂点がガイド表示される
ことを特徴とする荷電粒子線装置のアライメント方法。
【請求項14】
コンピュータに、
撮像装置によって取得された、試料を載置する試料台の試料台像を含む撮像画像を、画像表示部に表示する試料台像表示ステップ、
前記試料台像表示ステップにより前記画像表示部に表示された撮像画像上において、試料台像の輪郭上の互いに離間して位置する点を操作入力部の操作に基づいて指定することにより、測定基準ポイントを設定入力する操作設定ステップ、
前記操作設定ステップにより設定入力された複数の測定基準ポイント間の撮像画像上の距離に基づいて、当該撮像画像上における試料台像の大きさを演算する試料台像大きさ演算ステップ、
前記試料台像大きさ演算ステップによって算出された試料台像の大きさと、前記試料台の実際の大きさとから、当該撮像画像の撮像倍率を演算する撮像倍率演算ステップ、
を実行させるための荷電粒子線装置のアライメントプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のアライメントプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走査電子顕微鏡等の荷電粒子線装置に係り、特にその視野探しに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、撮像装置を備えた荷電粒子線装置における視野探しは、撮像装置にて、試料台に載置された試料の撮像画像を取得し、この取得した試料台及び試料の撮像画像内で、視野範囲として、荷電粒子線装置によって電子線を照射して観察する試料上の位置若しくは範囲を選択することによって行われる。荷電粒子線装置では、この選択した視野範囲に係る撮像画像のデータから、試料上の荷電粒子線を照射する観察範囲を設定し、荷電粒子線をこの観察範囲に照射して試料の視野範囲に係る観察像を得るようになっている。
【0003】
この視野探しで、撮像装置による試料台及び試料の撮像画像の取得は、試料が載置された試料台を適宜拡大/縮小して撮像することによって行われ、視野範囲の選択は、表示装置に表示されたこの撮像画像上で、所望の位置及び範囲を指定することによって行われる。そのため、拡大倍率の分からない撮像装置や撮像画像を視野範囲の選択に使用する場合は、その選択された視野範囲から荷電粒子線を照射する試料上の観察範囲を得るため、適宜拡大/縮小して取得された撮像画像の撮像倍率を特定する必要があった。
【0004】
そこで、撮像装置により取得された試料台及び試料の撮像画像の撮像倍率を特定するために、特許文献1に記載の走査電子顕微鏡では、光学撮像装置によって撮像され、表示装置の試料台及び試料の光学像を表示した表示画面中に、光学像中の試料台の大きさを識別するための、光学像中の試料台と同形状からなる試料台認識用の調整ガイドを表示させ、表示画面中でこの調整ガイドの拡大/縮小/移動を行って、表示画面上の試料台の光学像と合致させることで、光学像上での試料台の大きさと中心位置を認識していた。そして、この認識した表示画面上での試料台の光学像の大きさと、予め蓄積されているこの試料台の実際の大きさとの対応から、光学撮像装置により取得された光学像の拡大倍率及びこの光学像上での試料台の中心位置を演算し、荷電粒子線装置による観察の際のアライメントに使用していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−198998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、光学像上での試料台の大きさと中心位置の認識のために、表示装置における光学像の表示画面上で、試料台認識用の調整ガイドの拡大/縮小/移動を行って、光学像上での試料台にこの調整ガイドを合致させるためには、調整ガイドの径(調整ガイドの大きさ)と中心位置との2つのパラメータを調整する必要があった。
【0007】
しかし、光学像撮像装置により取得された光学像上で、試料台の大きさと中心位置を正確に認識するためには、表示装置における光学像の表示画面上で、認識用ガイドの大きさと中心位置という2つのパラメータを片方ずつ相互に調整を繰り返さなければならない、という問題があった。例えば、試料台の大きさを調整しようとすると中心位置がずれてしまい、逆に、中心位置を調整しようとすると試料台の大きさがずれてしまうため、2つのパラメータを片方ずつ相互に何度も調整して追い込んでいく必要があった。
【0008】
また、調整後の試料台認識用の調整ガイドが表示画面上で光学像の試料台と合致しているか否かの確認も、両者の輪郭が全ての範囲で重なって表示されているか否かについてユーザーの目視確認で行われるが、全ての範囲の重畳表示では一方の輪郭が他方の輪郭で隠されてしまうので、その正確な確認は熟練を必要とし、合致の確認精度誤差が生じ易い、という問題もあった。
【0009】
本発明の目的は、試料台の大きさと中心位置の認識時における繰り返し作業を排除し、ユーザー操作の工数を削減して、撮像装置の拡大倍率の特定と試料台の中心位置の認識とを迅速かつ容易に、より高精度に行うことに関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、例えば、撮像装置によって取得された試料台の試料台像を含む撮像画像を表示する画像表示部と、画像表示部に表示された撮像画像上において、試料台像の輪郭上の互いに離間して位置する点を指定することにより、測定基準ポイントを設定入力する操作入力部と、操作入力部の操作で設定入力された複数の測定基準ポイント間の撮像画像上の距離に基づいて、当該撮像画像上における試料台像の大きさを演算する試料台像大きさ演算部と、試料台像大きさ演算部によって算出された試料台像の大きさと、試料台の実際の大きさとから、当該撮像画像の撮像倍率を演算する撮像倍率演算部とを備える荷電粒子線装置に関する。
【0011】
また、本発明は、例えば、撮像装置によって取得された、試料を載置する試料台の試料台像を含む撮像画像を、画像表示部に表示する試料台像表示ステップ、試料台像表示ステップにより画像表示部に表示された撮像画像上において、試料台像の輪郭上の互いに離間して位置する点を操作入力部の操作に基づいて指定することにより、測定基準ポイントを設定入力する操作設定ステップ、操作設定ステップにより設定入力された複数の測定基準ポイント間の撮像画像上の距離に基づいて、当該撮像画像上における試料台像の大きさを演算する試料台像大きさ演算ステップ、試料台像大きさ演算ステップによって算出された試料台像の大きさと、試料台の実際の大きさとから、当該撮像画像の撮像倍率を演算する撮像倍率演算ステップを含む荷電粒子線装置のアライメント方法に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、試料の撮像画像を用いて試料上での観察範囲を設定する荷電粒子線装置において、試料の撮像画像が撮像装置により撮像された際の拡大倍率の特定や試料台の中心位置の認識を、迅速かつ容易に、より高精度に行うことができるようになり、ユーザーの視野探しに費やす時間を削減できる。
【0013】
なお、上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施の形態の説明より明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態に係る荷電粒子線装置としての、走査電子顕微鏡の一実施例の概略構成図である。
図2図1に示した走査電子顕微鏡における、試料台像アライメントから電子ビームの照射による試料観察までの流れを示したフローチャートである。
図3】第1の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスの説明図である。
図4】第2の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスの説明図である。
図5】第3の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスの説明図である。
図6】第4の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスの説明図である。
図7】第5の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスの説明図である。
図8】第6の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスの説明図である。
図9】第7の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスの説明図である。
図10】第7の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスの変形例の説明図である。
図11】第7の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスの変形例の説明図である。
図12】本発明の他の実施の形態に係る荷電粒子線装置としての、走査電子顕微鏡の別実施例の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態の荷電粒子線装置について、図面に基づき説明する。
【0016】
なお、説明に当たっては、荷電粒子線装置としては走査電子顕微鏡を例に説明するが、本発明の荷電粒子線装置は、走査電子顕微鏡に限られることはない。本発明に係る荷電粒子線装置は、撮像装置によって取得された試料の撮像画像上で、荷電粒子線装置によって観察像を取得する当該試料上の観察範囲を視野範囲として設定する一方、荷電粒子線装置によって当該視野範囲に該当する試料上の観察範囲に荷電粒子線を照射して試料の観察像を取得する際、当該視野範囲の設定に用いられた撮像画像の撮像装置による撮像倍率を、荷電粒子線の照射位置のアライメントで使用するものであればよく、例えば、走査イオン顕微鏡や走査透過電子顕微鏡、これらと試料加工装置との複合装置、又はこれらを応用した解析・検査装置等も含まれる。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態に係る荷電粒子線装置としての、走査電子顕微鏡の一実施例の概略構成図である。
【0018】
走査電子顕微鏡1は、鏡筒10と、試料室20を形成する試料室筐体21とが一体化されてなる顕微鏡装置本体2と、鏡筒10内及び試料室20内の排気を行う図示せぬ真空排気手段と、顕微鏡装置各部をそれぞれ制御する制御装置30とを有する。
【0019】
鏡筒10には、荷電粒子線としての電子ビーム3を放出する荷電粒子源を構成する電子銃11と、この電子ビーム3を照射制御する荷電粒子光学系としての電子光学系12とが設けられている。電子ビーム3を照射する際は、鏡筒10内は、真空排気手段によって、真空状態に保たれている。
【0020】
電子光学系12は、電子銃11から放出された電子ビーム3を加速するアノード13と、電子ビーム3を集束するコンデンサレンズ14と、電子ビーム3を走査する偏向器15と、電子光学系12の光軸方向に沿って電子ビーム3のフォーカスを調整する対物レンズ16とを含む。図示の例では、電子ビーム3の照射により試料5から発生する信号粒子(例えば、二次電子や反射電子等)4を検出する検出器17も、鏡筒10に設けられた構成になっている。
【0021】
試料室20は、試料室筐体21に設けられた開閉可能な図示せぬ導入/導出口を介して、試料5が載置された試料台6が収容される構成になっている。試料室20には、この試料台6が保持されるステージ22が設けられている。試料室20は、試料観察の際、真空排気手段によって室内雰囲気が排気され、真空状態に保たれる。
【0022】
ステージ22は、試料台6が着脱自在に取り付けられる被取付部23と、この被取付部23を、試料室20内で、例えば水平面内及び高さ方向に移動させたり、回転、傾斜させて、試料室20内における試料5の位置や向きを試料台6ごと変位させる移動機構24とを備えている。ステージ22は、試料室20内で試料台6を保持し、試料台6に載置された試料5を試料台6ごと変位させて、試料5に対する電子光学系12からの電子ビーム3の照射位置及び/又は照射方向を変化させる。
【0023】
試料台6には、試料5が載置される載置面6Aと、ステージ22及び後述する撮像装置40の取付台41にそれぞれ備えられた被取付部23,44に対する取付部6Bとが形成されている。そして、試料台6は、その載置面6Aに垂直で載置面6Aの中心及び/又は重心を通る試料台6自体の軸線方向に沿って載置面6A及び/又は試料台6自体を眺めた形状(以下では、試料台6の輪郭Sと総称する)が、所定形状を有するように予め構成されている。図示の例では、試料台6は、その輪郭Sが円形に構成されている。なお、試料台6の輪郭Sについては、円形に限られることはないが、例えば円形の他、長方形、平行四辺形、正多角形のような図形に輪郭Sを予め構成しておくことにより、その輪郭Sの重心と中心とが一致し、後述する試料台像アライメントが容易になる。
【0024】
このように構成された顕微鏡装置本体2にあっては、電子銃11から放出された電子ビーム3は、アノード13により制御/加速され、コンデンサレンズ14及び対物レンズ16により集束されて、鏡筒10から、試料室20内のステージ22に取り付けられた試料台6上の試料5に対して照射される。さらに、鏡筒10からの電子ビーム3は、偏向器15によって偏向され、試料5上に照射される電子ビーム3の走査範囲、走査方向、走査速度が調整される。そして、電子ビーム3の照射によって試料5から発生する信号粒子4は、検出器17によって検出される。
【0025】
一方、制御装置30は、ステージ制御部31、信号処理部32、装置制御部33、コンピュータ部34を含み、装置各部をそれぞれ制御する。
【0026】
ステージ制御部31は、装置制御部33から供給される、試料台6が取り付けられた被取付部23の移動、回転、傾斜に係る指示にしたがって、ステージ22の移動機構24の駆動制御を行う。信号処理部32は、検出器17からの検出信号を増幅及びA/D変換し、装置制御部33が制御する電子ビーム3の照射位置と対応付けて画像メモリに記憶し、電子ビーム3の照射範囲の画像データを生成する。
【0027】
装置制御部33は、コンピュータ部34からの、後述する試料台像アライメントによるアライメント情報や、視野範囲等を含む試料5の観察条件にしたがって、電子銃11及び電子光学系12を制御して試料5に照射される電子ビームの制御を行うとともに、試料5が載置された試料台6が取り付けられるステージ22をステージ制御部31を介して制御し、試料室20内における試料5の位置や向きの制御を行う。また、装置制御部33は、コンピュータ部34からの転送指示に基づき、信号処理部32が生成した画像データをコンピュータ部34に転送する。
【0028】
コンピュータ部34は、装置制御部33を介して電子銃11、電子光学系12、ステージ22をはじめとする装置各部の制御を行い、試料5の観察処理や後述する試料台像アライメントを含むアライメントに係り、装置全体の制御を行う。コンピュータ部34は、CPU、メモリ、インターフェース等を備えたコンピュータ本体34Aと、例えばマウス、キーボード、操作パネル等といった操作入力機器34Bと、視野範囲等を含む試料5の観察条件、アライメントを設定するための各種OSD(On Screen Display)画面や、装置制御部33から取得した画像データを基にコンピュータ本体34Aが作成した試料5の観察像等を表示するための表示装置(ディスプレイ)34Cとを備えている。また、コンピュータ部34は、撮像装置40とも通信接続されており、撮像装置40が撮像した撮像学像を、直接、撮像装置40から取得できるようになっている。
【0029】
本実施の形態では、撮像装置40は、走査電子顕微鏡1の顕微鏡装置本体2とは別個に、走査電子顕微鏡1の試料室20に対して外置きされて設けられた構成になっている。撮像装置40は、走査電子顕微鏡1において視野範囲やアライメントの設定で利用される、試料台6及び試料5の撮像画像を撮像する。
【0030】
図示の例では、撮像装置40は、取付台41から立設したスタンド42に、撮像方向を取付台41側に向けて、CCDカメラ43が取付台41と離間させて支持されている。そして、取付台41には、試料台6の載置面6Aを撮像方向に沿って向けた状態で、試料台6の取付部6Bが着脱自在に取り付けられる被取付部44が設けられている。
【0031】
撮像装置40における取付台41は、その被取付部44が、試料台6の取付部6Bが設置されたときに、試料台6自体の軸線方向をCCDカメラ43の光軸方向に一致させることができるように形成されている。図示の例では、取付台41の被取付部44は、ステージ22の被取付部23と同じ形状になっている。そのため、図示の撮像装置40の場合は、取付台41に対して被取付部44が交換可能な構造になっており、例えば走査電子顕微鏡1の機種の違い等よる試料台6の大きさ、形状等の違いに依存せず、同じ撮像装置40を、別の走査電子顕微鏡の視野探しにも使用できるようになっている。なお、取付台41の被取付部44は、交換不可な、所定の走査電子顕微鏡1及び試料台6に対して専用のものであっても、走査電子顕微鏡1及び試料台6の違いに応じて取付調整可能な機構を備えたものであっても構わない。
【0032】
撮像装置40のCCDカメラ101は、試料台6の載置面6Aに貼付する等して載置された試料5の大きさや試料台6自体の大きさの違いにも対応できるように、その撮像倍率が任意に調整可能になっている。これにより、ユーザーは、試料5が載置された試料台6の光学像を適宜撮像倍率で拡大/縮小して撮像できるようになっている。
【0033】
撮像装置40によって撮像された試料台6の光学像や試料5が載置された試料台6の光学像は、撮像装置40と通信接続された走査電子顕微鏡1のコンピュータ部34によって、直接、撮像装置40から取得可能になっている。コンピュータ部34は、この取得した試料台6及び試料5の光学像を、走査電子顕微鏡1の視野探しにおける後述の試料台像アライメントや視野範囲の設定の際に、そのOSD画面上のGUI(Graphical User Interface)として表示装置34Cに表示する。
【0034】
なお、本実施の形態では、撮像装置40の撮像機器に、CCDカメラ43を利用したが、その撮像機器は、CMOSイメージセンサや、さらにはこれら光学的撮像機器以外の撮像機器であってもよい。また、走査電子顕微鏡1のコンピュータ部34と撮像装置40との間は通信接続されている構成としたが、両者間を非接続とし、例えば、ユーザーが、記憶媒体を介して、撮像装置40が撮像した撮像画像をコンピュータ部34に読み込み記憶させる構成としてもよい。
【0035】
次に、走査電子顕微鏡1のコンピュータ部34が、この撮像装置40から取得した試料台6の光学像や試料5が載置された同じ試料台6の光学像に基づいて、光学像上での試料台の大きさと中心位置を認識する試料台像アライメントから、試料5への電子ビーム3の照射による試料観察までの流れについて、図2を参照しながら説明する。
【0036】
図2は、走査電子顕微鏡における、試料台像アライメントから電子ビームの照射による試料観察までの流れを示したフローチャートである。
【0037】
・ステップS10; ユーザーは、走査電子顕微鏡1で試料5の観察を行うに当たって、試料5の観察に使用する試料台6の実際の試料台サイズ、形状等の情報を基本情報として入力する。入力は、走査電子顕微鏡1のコンピュータ部34で、操作入力機器34Bの所定操作に基づき行われる。
【0038】
・ステップS20; ユーザーは、試料5の観察に使用する試料台6を、撮像装置40の取付台41に設置する。ここでは、試料台像アライメントで使用する試料台6の光学像の取得と、試料観察の際に視野範囲の設定で使用する試料5の光学像の取得とを、取付台41に対する1回の試料台6の取り付けで済ませることができるように、試料台像アライメントで使用する試料台6の光学像の取得にも、これから走査電子顕微鏡で観察する試料5が載置された試料台6を用いるものとして説明する。
【0039】
設置は、試料台6の取付部6Bを、撮像装置40に備えられた取付台41の被取付部44に取り付けることによって行われる。この場合では、撮像装置40の取付台41には、ステージ22の被取付部23と同じ形状の被取付部44が、予め取付台41に準備されている。これにより、試料台6は、取付台41上設置される試料台6の載置面6A及び試料5がCCDカメラ43と対向させられ、その試料台6自体の軸線方向がCCDカメラ43の光軸方向に一致した、撮像装置40の決められた撮像位置に保持される。なお、この試料台6の取り付けは、例えばマテリアルハンドリング機器等を使用して、自動で行うことも可能である。
【0040】
・ステップS30; ユーザーは、撮像装置40によって、試料台6全体の試料台像を含む光学像を撮像する。
【0041】
撮像装置40で取得された試料5の光学像上で、荷電粒子線装置により観察像を取得する当該試料上の観察範囲を視野範囲として設定する場合、通常、ユーザーは、視野範囲の設定で利用し易いように、試料台6に載置された試料5のサイズ等に合わせ、試料台6を適宜撮像倍率で拡大/縮小して撮像する。ステップS30では、その際、この視野範囲の設定に用いる光学像上での試料5のサイズや中心位置が不明になるので、ユーザーは、撮像装置40で撮像した光学像内に試料台6全体が納まるようにして、適宜撮像倍率で試料5を撮像する。なお、この撮像した試料台6全体が納まっている光学像と、視野範囲を設定するための試料5の光学像とは、同一のものであっても別々のものであっても構わない。以下では、試料台6全体が納まっている光学像を、試料台像を含む光学像61と称し、光学像中の試料台部分全体を試料台像62と便宜的に称する(図3参照)。
【0042】
・ステップS40; 走査電子顕微鏡1のコンピュータ部34では、コンピュータ本体34Aが、撮像装置40から、試料台像62を含む光学像61を取得する。そして、コンピュータ本体34Aは、試料台像アライメントのOSD画面である試料台像アライメント画面を、表示装置34Cに表示し、このアライメント画面上のGUI(Graphical User Interface)として、撮像装置40から取得した試料台像62を含む光学像62を表示する。
【0043】
・ステップS50; 走査電子顕微鏡1のコンピュータ部34では、コンピュータ本体34Aが、後述する試料台像アライメントシーケンスを行い、撮像装置40から取得した試料台像62を含む光学像61中においての、試料台像62のサイズ(大きさ)と中心座標とを認識し、ステップS10で与えられた試料台6の既知の基本情報と照合することで、この取得した試料台像62を含む光学像61の撮像倍率を算出する。
【0044】
ここで、走査電子顕微鏡1及び撮像装置40の各原点座標(例えば、それぞれの視野中心位置)を、ステージ22の被取付部23の移動等に関しての任意のステージ座標上に配置しておき、撮像装置40で撮像した光学像61の中心を、走査電子顕微鏡1で取得された観察像が表示される表示装置34Cの中心になるように表示すれば、互いの中心座標を揃えることが可能である。
【0045】
すなわち、撮像装置40によって取得された試料台像62を含む光学像61上で、走査電子顕微鏡1によって観察像を取得する試料5上の視野範囲を設定する場合、試料室20内に収容配置されたときの試料台6の中心と同じ位置に、視野範囲を設定するための試料5の光学像61上でも試料台6の中心が位置していることが重要である。走査電子顕微鏡1では、試料室20内で、通常、ステージ22は、被取付部23すなわちこの被取付部23に取り付けられた試料台6の中心を基準にして、試料5を試料台6ごと移動させる。例えば、撮像装置40におけるCCDカメラ43の光軸に一致させた取付台41の、被取付部44に取り付けられた試料台6の中心と、走査電子顕微鏡1における被取付部23に取り付けられた同じ試料台6の中心とが合っていることで、走査電子顕微鏡1のアライメントが容易になる。しかし、試料5の観察像を取得する走査電子顕微鏡1と、その視野範囲を設定するための試料5の光学像を得る撮像装置40との間では、観察像、光学像それぞれの中心がわずかにずれることがある。そこで、試料台像62を含む光学像61においての試料台像62のサイズと中心座標を認識し、試料台像62を含む光学像61の撮像倍率を算出しておくことで、視野範囲を設定するために撮像装置40から取得した光学像61と、その観察像を取得する走査電子顕微鏡1とのアライメントが行える。
【0046】
・ステップS60; ユーザーは、試料台6の取付部6Bをステージ22の被取付部23に取り付けて、試料台6を試料室20内の電子顕微鏡観察位置に導入する。なお、この試料室20内の電子顕微鏡観察位置へ試料台6の導入についても、自動で行うことも可能である。
【0047】
・ステップS70; ユーザーは、試料5上の、電子ビーム3を照射して観察像を取得する任意の観察点若しくは観察範囲を視野範囲として設定するため、撮像装置40による試料5の光学像61をGUIとして含む試料観察用のOSD画面を、コンピュータ部34の表示装置34Cに表示させる。その上で、ユーザーは、この試料観察用画面にGUIとして含まれた試料5の光学像61上で、電子ビーム3を照射して観察像を取得する観察点若しくは観察像を指定し、走査電子顕微鏡1による視野範囲を設定する。その指定及び設定は、操作入力機器34Bからの操作入力に基づき、コンピュータ部34のコンピュータ本体34Aによって行われる。
【0048】
・ステップS80; 走査電子顕微鏡1のコンピュータ部34において、コンピュータ本体34Aが、ステップS50の試料台像アライメントで認識した、試料観察用画面にGUIとして含まれた試料5の光学像上での、試料台像62のサイズと中心座標、試料台像62の撮像倍率を基に、ステップS70で設定した視野範囲の観察像を取得するために装置制御部33に指示する装置各部の制御情報を生成する。装置制御部33は、この装置各部の制御情報に基づいて、移動機構24によるステージ17の被取付部23の移動を制御したり、或いは、電子ビーム3の光軸を制御することによって、ステップS70で設定入力された試料5上の視野範囲と、電子ビーム3が実際に照射される試料5上の観察範囲とを一致させ、この試料5上の視野範囲に電子ビーム3を照射する。
【0049】
・ステップS90; 走査電子顕微鏡1のコンピュータ部34では、装置制御部33を介して転送される、信号処理部32により生成された画像データを基に、コンピュータ本体34Aが、ステップS70で設定入力された試料5上の視野範囲を観察範囲とする試料5の観察像を作成し、表示装置34Cの観察画面上に表示する。
【0050】
次に、ステップS40で試料台像アライメント画面上にGUIとして表示された試料台像62を含む光学像61、この試料台像62を含む光学像61を用いた、ステップS50で述べた試料台像アライメントのシーケンスについて、実施例に基づいて説明する。試料台像アライメントでは、試料室20内に収容配置されたときの試料台6の中心と、視野範囲を設定するための試料5の光学像上における試料台6の中心とを一致させるために必要な、撮像装置40により適宜大きさの撮像倍率で撮像された試料台像62を含む光学像61から、その光学像61上における試料台像62のサイズと中心座標を認識し、その適宜大きさの撮像倍率を算出する。
【0051】
<第1の実施例>
図3は、第1の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスの説明図である。
【0052】
本実施例は、輪郭Sが円形に構成されている試料台6の試料台像62を含む光学像上において、試料台像62のサイズと中心座標を認識し、光学像61の撮像倍率を算出するアライメントシーケンスを模式的に示したものである。
【0053】
図2のステップS40で説明したように、表示装置34Cに表示される試料台像アライメント画面上の所定の画面部分には、GUIとして、撮像装置40から取得した試料台像62を含む光学像61が、その試料台像62部分が現れるようにして表示される。なお、この試料台像62部分の表示は、既知の表示倍率で、撮像装置40から取得した試料台像62を含む光学像61を拡大/縮小した場合の、光学像61中の試料台像62部分を含む部分の表示であってもよい。以下では、説明簡便のため、表示倍率が等倍で、この所定の画面部分からなるGUI画面60には、試料台像62を含む光学像61の全体が表示され、このGUI画面60が光学像61全体に対応するものとして説明する。
【0054】
加えて、図示の例では、このGUI画面60には、光学像61の座標上すなわち撮像装置40のCCDカメラ43の画素座標上で眺めた傾きがそれぞれ異なる既知の3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)が、図3(a)に示すように重畳表示される。したがって、この3本の直線ガイド線65-1,65-2,65-3をGUI画面60上で適宜平行移動させれば、互いに異なる組み合わせの2本の直線ガイド線同士の交点67(67-1,67-2,67-3)を頂点とする複数の相似形の三角形68を、GUI画面60上、すなわち光学像61上で形成することができる。GUI画面60上の3本の直線ガイド線65-1,65-2,65-3それぞれは、ユーザーによるコンピュータ部34の操作入力機器34Bの所定操作によって、所望の直線ガイド線65を選択して、GUI画面60上すなわち光学像61上で、現在位置から所望量だけ平行移動させることができる。
【0055】
本実施例のアライメントシーケンスでは、ユーザーは、試料台像アライメント画面中のGUI画面60上で、操作入力機器34Bを操作して、まず3本の直線ガイド線65-1,65-2,65-3の中の1本の直線ガイド線65-m、例えば直線ガイド線65-1を選択して、GUI画面60上すなわち光学像61上で平行移動させて、図3(b)に示すように試料台像62と接するように、この直線ガイド線65-1をGUI画面60上すなわち光学像61上で移動調整する。
【0056】
続いて、ユーザーは、残りの2本の直線ガイド線65-2,65-3それぞれについても、同様に順次1本ずつ選択して、GUI画面60上すなわち光学像61上で平行移動させて、図3(c),(d)にそれぞれ示すように、直線ガイド線65-2,65-3それぞれを、GUI画面60上すなわち光学像61上で試料台像62と接するように移動調整する。
【0057】
したがって、全ての直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)それぞれについて、GUI画面60上すなわち光学像61上で試料台像62と接するようにユーザーによる移動調整が完了すると、GUI画面60及び光学像61上には、各直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)上には輪郭Sとのそれぞれ接点66(66-1,66-2,66-3)が設けられる。また、各直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)は、試料台像62の円形の輪郭Sに対して接点66(66-1,66-2,66-3)において外接する三角形68の各辺を構成する。
【0058】
そして、ユーザーは、各直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)を用いた、試料台像62の円形の輪郭Sに対して外接する三角形68を、GUI画面60及び光学像61上で作成すると、操作入力機器34Bを操作して、円形の輪郭Sを有する試料台像62の、光学像61上での試料台像62のサイズと中心位置との認識と、光学像61の撮像倍率の算出とを、コンピュータ部34のコンピュータ本体34Aに対して指示する。
【0059】
この指示を受けたコンピュータ本体34Aは、これら光学像61の座標上で眺めた傾きがそれぞれ異なる既知の3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)それぞれの当初の関数式から、ユーザーによる3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)それぞれの光学像61の座標上での平行移動結果を基に、移動調整後の3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)の関数式を算出する。その後、コンピュータ本体34Aは、移動調整後の3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)の中の互いに異なる組み合わせの2本の直線ガイド線同士の、光学像61の座標上での交点67(67-1,67-2,67-3)を演算することにより、試料台像62の円形の輪郭Sに対して外接する三角形68の、光学像61の座標上での各頂点の座標を算出する。そして、コンピュータ本体34Aは、この各頂点の座標をそれぞれ測定基準ポイントとして、これらを基に、光学像61上での試料台像62のサイズと中心位置との認識を行う。この場合、光学像61上での試料台像62の中心位置は、光学像61上での試料台像62の輪郭Sについての複雑で手間がかかる自動画像解析による直接認識によらずに、三角形68の各頂点の座標を測定基準ポイントとして、これら測定基準ポイントから三角形68の内心を演算することにより、迅速かつ容易に、かつ高精度に取得することができる。また、光学像61上での試料台像62のサイズも、試料台像62の中心位置が規定されれば、円形の輪郭Sの径の大きさの取得も簡単に一義的に行えるので、容易に算出できる。
【0060】
さらに、コンピュータ本体34Aは、光学像61上での試料台像62のサイズと、予め図2のステップS10で入力した実際の試料台サイズ、形状等の基本情報とから、撮像装置40から取得したこの試料台像62を含む光学像61の撮像倍率を算出する。
【0061】
このように、本実施例によれば、試料台像62を含む光学像61において、3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)を移動調整して、試料台像62に外接する三角形68の各頂点の座標を、移動調整後の3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)の中の互いに異なる組み合わせの2本の直線ガイド線同士の交点67(67-1,67-2,67-3)で決定でき、測定基準ポイントとしての、三角形68の各頂点となる交点67(67-1,67-2,67-3)それぞれの座標から、単純な計算で自動的に、光学像61上での試料台像62のサイズと中心位置、及び試料台像62を含む光学像61の撮像倍率を高精度かつ迅速に取得することができる。加えて、三角形68の頂点(交点)67(67-1,67-2,67-3)が測定基準ポイントとなるため、その正確な位置を、ユーザーは、直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)それぞれの試料台像62の輪郭Sに対する接点66(66-1,66-2,66-3)の生成を、図3(d)に示すような接触表示により確認できる。
【0062】
この場合、3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)は、図3に示すように、試料台像62の円形の輪郭Sを概ね三分する点となるように、各直線ガイド線65の傾きを定めておくことが好ましい。これにより、ユーザーによらず、円形の輪郭Sをその長さ方向に沿って概ね三分する外接点66(66-1,66-2,66-3)が測定基準ポイントを取得するための基準となるので、より高精度の撮像倍率の取得が可能となる。
【0063】
なお、本実施例では、3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)をそれぞれ個別に、GUI画面60上すなわち光学像61上で試料台像62と接するように移動調整する構成としたが、3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)の中の2本の直線ガイド線65(65-1,65-2)を予めGUI画面60上で交叉させて一体的に平行移動可能に表示し、この2本の直線ガイド線65(65-1,65-2)からなるガイド線対と、残りの1本の直線ガイド線65(65-3)とをそれぞれ個別に、GUI画面60上すなわち光学像61上で試料台像62と接するように移動調整する構成としてもよい。
【0064】
<第2の実施例>
図4は、第2の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスの説明図である。
【0065】
図3に示した第1の実施例では、3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)を移動調整して、測定基準ポイントとなる、試料台像62に外接する三角形68の各頂点の座標を、移動調整後の3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)の中の互いに異なる組み合わせの2本の直線ガイド線同士の交点で決定する構成とした。これに対して、本実施例では、3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)を移動調整して、試料台像62に内接する三角形68の各頂点の座標を測定基準ポイントとし、移動調整後の3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)の中の互いに異なる組み合わせの2本の直線ガイド線同士の交点で決定する構成とした。
【0066】
本実施例では、3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)の移動調整前の、図4(a)に示した当初のGUI画面60については、第1の実施例の図3(a)に示した当初のGUI画面60と同様である。
【0067】
その上で、本実施例では、ユーザーは、試料台像アライメント画面中のGUI画面60上で、操作入力機器34Bを操作して、例えば直線ガイド線65-1を選択して、GUI画面60上すなわち光学像61上で平行移動させて、図4(b)に示すように試料台像62の輪郭Sと2つの交点66-1,66-3で交叉するように、この直線ガイド線65-1をGUI画面60上すなわち光学像61上で移動調整する。
【0068】
続いて、ユーザーは、残りの2本の直線ガイド線65-2,65-3それぞれについても、同様に順次1本ずつ選択して、GUI画面60上すなわち光学像61上で平行移動させて、図4(c),(d)にそれぞれ示すように、直線ガイド線65-2,65-3それぞれを、直線ガイド線65-1で規定される2つの交点66-1,66-3上で直線ガイド線65-1とそれぞれ交叉するように、移動調整する。
【0069】
これにより、3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)の3つの交点67(67-1,67-2,67-3)を頂点とする三角形が同様に規定されるが、図4(d)に示すように、残りの2本の直線ガイド線65-2,65-3の交点67-2が試料台像62の輪郭S上に位置していない場合(換言すれば、交点67-2とは別に、残りの2本の直線ガイド線65-2,65-3それぞれの試料台像62の輪郭Sとの交点66-2,66-2が存在している場合)は、3つの交点67(67-1,67-2,67-3)を測定基準ポイントとして扱わない。このような場合は、図4(e)に示すように、3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)それぞれについて、3つの交点67(67-1,67-2,67-3)それぞれを試料台像62の輪郭S上に位置させるように、ユーザーは3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)それぞれを移動調整する。
【0070】
本実施例によれば、測定基準ポイントとして、試料台像62に内接する三角形68の各頂点の座標を、最終移動調整後の3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)の中の互いに異なる組み合わせの2本の直線ガイド線同士の交点67(67-1,67-2,67-3)で決定することができる。そして、光学像61上での試料台像62の中心位置は、光学像61上での試料台像62の輪郭Sについての複雑で手間がかかる自動画像解析による直接認識によらずに、測定基準ポイントとしての、三角形68の各頂点となる交点67(67-1,67-2,67-3)それぞれの座標からその外心を演算することにより、単純な計算で自動的に、光学像61上での試料台像62のサイズと中心位置、及び試料台像62を含む光学像61の撮像倍率を高精度かつ迅速に取得することができる。加えて、三角形68の頂点(交点)67(67-1,67-2,67-3)が測定基準ポイントとなるため、その正確な位置を、ユーザーは、直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)それぞれの交点66(66-1,66-2,66-3)の、試料台像62の輪郭Sに対する一致を、図4(e)に示すような交点66の消滅により確認できる。
【0071】
この場合、3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)は、図4に示すように、試料台像62の円形の輪郭Sを概ね三分する点となるように、各直線ガイド線65の傾きを定めておくことが好ましい。これにより、ユーザーによらず、円形の輪郭Sをその長さ方向に沿って概ね三分する外接点66(66-1,66-2,66-3)が測定基準ポイントを取得するための基準となるので、より高精度の撮像倍率の取得が可能となる。
【0072】
<第3の実施例>
図5は、第3の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスの説明図である。
【0073】
第1、2の実施例では、3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)にて接点若しくは交点66を指定したが、それ以上の本数の直線ガイド線65で指定させることも可能であることは明らかである。例えば、4つ以上の辺を有する正多角形69の各辺にそれぞれに平行な直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3,65-4)をGUI画面60上に表示し、各直線ガイド線65をそれぞれ移動調整して、試料台像62に外接する正多角形69の各頂点67を、測定基準ポイントとして設定する。
【0074】
図5は、例えば、正方形(正多角形)69の各辺にそれぞれに平行な直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3,65-4)をGUI画面60上に表示し、図3に示した第1の実施例の場合と同様な、図5(a)〜(e)に示す手順で、試料台像62に外接する正方形69の各頂点67を、測定基準ポイントとして設定する実施例を示す。
【0075】
本実施例によれば、試料台像62に外接する正多角形(図5の場合では、正方形)69の各頂点の座標を、移動調整後の複数本の直線ガイド線65(図5の場合では、65-1〜65-4の4本)の中の互いに異なる組み合わせの2本の直線ガイド線同士の交点67(図5の場合では、67-1〜67-4の4つ)で決定することができる。そして、光学像61上での試料台像62の中心位置は、光学像61上での試料台像62の輪郭Sについての複雑で手間がかかる自動画像解析による直接認識によらずに、正多角形(図5の場合では、正方形)69の各頂点となる交点67(図5の場合では、67-1〜67-4の4つ)それぞれの座標を測定基準ポイントとして、これらからその中心(図5の場合では、内心)を演算することにより、単純な計算で自動的に、光学像61上での試料台像62のサイズと中心位置、及び試料台像62を含む光学像61の撮像倍率を高精度かつ迅速に取得することができる。また、本実施例によれば、楕円等の試料台にも対応できる。
【0076】
<第4の実施例>
図6は、第4の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスの説明図である。
【0077】
本実施例では、光学像61上での試料台像62の輪郭Sが長方形になっている。
【0078】
本実施例の場合は、第3の実施例の場合と同様にして、試料台像62に合致する長方形69の各頂点の座標を測定基準ポイントとして、移動調整後の複数本の直線ガイド線65(65-1〜65-4)の中の、互いに異なる組み合わせの2本の直線ガイド線同士の交点67(67-1〜67-4)で決定することができる。そして、光学像61上での試料台像62の中心位置は、光学像61上での試料台像62の輪郭Sについての複雑で手間がかかる自動画像解析による直接認識によらずに、試料台像62の長方形69の各頂点となる交点67(図6の場合では、67-1〜67-4の4つ)それぞれの座標からその中心(図6の場合では、重心)を演算することにより、単純な計算で自動的に、光学像61上での試料台像62のサイズと中心位置、及び試料台像62を含む光学像61の撮像倍率を高精度かつ迅速に取得することができる。本実施例は、特に四角形の試料台について高精度かつ迅速に取得できる。
【0079】
<第5の実施例>
図7は、第5の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスの説明図である。
【0080】
第5の実施例では、第1〜4の実施例の場合とは異なり、これら実施例で用いた直線ガイド線65を使用せず、当初のGUI画面60上に、直線ガイド線65に代えて、操作入力機器34Bの操作によりGUI画面60上を移動自在なポインタ70を表示し、例えば、円形、長方形、平行四辺形、正多角形のような輪郭Sを有する試料台像を含む光学像61上で、ポインタ70をこの輪郭形状S上に移動させてドロップすることにより、直接、これら試料台像62の輪郭上に複数の点を、測定基準ポイントとして設定する。
【0081】
図示のように、光学像61上での試料台像62の輪郭Sが例えば円形になっている光学像61を、撮像装置40から取得した場合、GUI画面60上で各点ごとポインタ70を移動させてドロップすることにより、図7に示すようにその輪郭上の少なくとも3点71(71-1,71-2,71-3)を、測定基準ポイントとして設定する。これにより、光学像61上で、円形の輪郭Sを有する試料台像62に内接する三角形を、GUI画面60上で規定することができる。
【0082】
そして、本実施例によれば、光学像61上での試料台像62の輪郭Sについての複雑で手間がかかる自動画像解析による直接認識によらずに、測定基準ポイントとしての、試料台像62に内接する三角形68の各頂点でもある交点71(71-1,71-2,71-3)それぞれの座標から、その外心を演算することにより、単純な計算で自動的に、光学像61上での試料台像62のサイズと中心位置、及び試料台像62を含む光学像61の撮像倍率を少ない工数で迅速に取得することができる。
【0083】
<第6の実施例>
図8は、第6の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスの説明図である。
【0084】
本実施例では、試料台像62の輪郭Sについて、その径や対角線を、試料台像62を含む光学像61の輪郭上の任意の1点をまずポインタ70によって始点71として指定し、その始点71から延びる線分73の終点72を、ポインタ70を始点71から試料台像62の輪郭上の別の任意の1点までドラッグアンドドロップすることで、その線分73の終点72を、試料台像を含む光学像61上に設定する。
【0085】
ポインタ70をドラッグしている途中では、現在の線分73を斜辺とする直角三角形の残りの2辺、又は現在の線分73を対角線とする長方形の各片からなる直線ガイド線65が、図8(a)に示すように、光学像61上に線分73のドラッグとともに、試料台像を含む光学像61上に表示される。これにより、直線ガイド線65を確認しながら、線分73をドラッグアンドドロップすることで、図(a)に示すように、試料台像62の輪郭Sに係る直径や対角線を、光学像61上に設定することができる。本実施例では、この試料台像62の輪郭Sに係る直径や対角線をドラッグアンドドロップした、線分73の始点71及び終点72が、測定基準ポイントになるため、少ない工数で迅速に撮像倍率を取得できる。
【0086】
<第7の実施例>
図9は、第7の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスの説明図である。
【0087】
図3に示した第1、第2の実施例では、測定基準ポイントとなる、試料台像62に外接又は内接する三角形68の各頂点の座標を、移動調整後の3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)の中の互いに異なる組み合わせの2本の直線ガイド線同士の交点で決定するために、3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)それぞれを平行移動して移動調整する構成としたが、本実施例では、3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)を、平行移動して移動調整する平行移動直線ガイド線65p(65-1,65-3)と傾倒(回動)変位して移動調整する傾倒変位直線ガイド線65r(65-2)とからなる2種類の直線ガイド線65p,65rで構成した。
【0088】
本実施例では、3本の直線ガイド線65-1,65-2,65-3の移動調整前の、図9(a)に示した当初のGUI画面60については、第1の実施例の図3(a)に示した当初のGUI画面60と同様である。
【0089】
その上で、本実施例では、ユーザーは、試料台像アライメント画面中のGUI画面60上で、操作入力機器34Bを操作して、例えば平行移動直線ガイド線65-1(65p)を選択して、GUI画面60上すなわち光学像61上で平行移動させて、図9(b)に示すように、試料台像62の輪郭Sと接点66-1で接するように、GUI画面60上すなわち光学像61上で移動調整する。
【0090】
続いて、ユーザーは、残りの1本の平行移動直線ガイド線65-3(65p)についても、同様に選択して、GUI画面60上すなわち光学像61上で平行移動させて、図9(c)に示すように、試料台像62の輪郭Sと接点66-3で接するように、GUI画面60上すなわち光学像61上で移動調整する。
【0091】
その上で、ユーザーは、残りの1本の傾倒変位直線ガイド線65-2(65r)を選択して、GUI画面60上すなわち光学像61上で傾倒(回動)変位させて、図9(d)に示すように、試料台像62の輪郭Sと接点66-2で接するように、GUI画面60上すなわち光学像61上で移動調整する。
【0092】
ここで、傾倒変位直線ガイド線65-2(65r)の傾倒(回動)変位は、傾倒変位直線ガイド線65-2(65r)と試料台像62の輪郭Sに接点66-1若しくは66-3で接するように移動調整した平行移動直線ガイド線65-1(65p)若しくは65-1(65p)との交点67-1若しくは67-3(図9(c)では表示されていない)の中の、いずれか一方を中心点にして行われる。図示の例では、交点67-1を中心点にして行われる構成としたが、交点67-3を中心点にして行われる構成としてもよい。さらには、傾倒変位直線ガイド線65-2(65r)の移動調整前に、選択交点67-1若しくは67-3のいずれか一方をユーザーが選択し、中心点として設定できるようにしてもよい。
【0093】
また、傾倒変位直線ガイド線65-2(65r)の傾倒(回動)変位の操作方法は、直接、傾倒変位直線ガイド線65-2を傾倒(回動)操作したり、或いは中心点を規定する傾倒変位直線ガイド線65-2(65r)と平行移動直線ガイド線65-1(65p)若しくは65-1(65p)との交差角度θの値を設定入力することにより行われる。
【0094】
これにより、測定基準ポイントとして、試料台像62に外接する三角形68の各頂点の座標を、最終移動調整後の3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)の中の互いに異なる組み合わせの2本の直線ガイド線同士の交点67(67-1,67-2,67-3)で決定することができる。そして、光学像61上での試料台像62の中心位置は、光学像61上での試料台像62の輪郭Sについての複雑で手間がかかる自動画像解析による直接認識によらずに、測定基準ポイントとしての、三角形68の各頂点となる交点67(67-1,67-2,67-3)それぞれの座標からその内心を演算することにより、単純な計算で自動的に、光学像61上での試料台像62のサイズと中心位置、及び試料台像62を含む光学像61の撮像倍率を高精度かつ迅速に取得することができる。加えて、三角形68の頂点(交点)67(67-1,67-2,67-3)が測定基準ポイントとなるため、その正確な位置を、ユーザーは、直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)それぞれの試料台像62の輪郭Sに対する接点66(66-1,66-2,66-3)の生成を、図9(d)に示すような接触表示により確認できる。
【0095】
なお、図9では、平行移動直線ガイド線65-1(65p)及び65-3(65p)を、試料台像62の輪郭Sと接点66-1及び66-3でそれぞれ接するように移動調整してから、傾倒変位直線ガイド線65-2(65r)を移動調整する手順で説明したが、図9(a)に示すように、平行移動直線ガイド線65-1(65p)を試料台像62の輪郭Sと接点66-1で接するように移動調整した後、次に傾倒変位直線ガイド線65-2(65r)を移動調整し、その後、平行移動直線ガイド線65-3(65p)を移動調整しても、図9(d)に示すような、直線ガイド線65-1〜65-3が試料台像62の輪郭Sとそれぞれ接点66-1〜66-3で接する状態を得ることができる。
【0096】
図10及び図11は、図9で示した第7の実施例に係る試料台像アライメントシーケンスのそれぞれ変形例の説明図である。
【0097】
図10に示した変形例においては、3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)を、平行移動して移動調整する平行移動直線ガイド線65p(65-1,65-3)と傾倒(回動)変位して移動調整する傾倒変位直線ガイド線65r(65-2)とからなる2種類の直線ガイド線65p,65rで構成した点は、図9で示した第7の実施例と同じであるが、2本の平行移動直線ガイド線65-1(65p)及び65-3(65p)が直交するように予め設定されている。
【0098】
また、図11に示した変形例においては、3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)を、2種類の直線ガイド線65p,65rで構成した点は、図9で示した第7の実施例と同じであるが、平行移動して移動調整する平行移動直線ガイド線65p(65-1)と傾倒(回動)変位して移動調整する傾倒変位直線ガイド線65r(65-2,65-3)とで、2種類の直線ガイド線65p,65rそれぞれの構成本数が異なっている。
【0099】
なお、本実施例では、傾倒変位直線ガイド線65rの傾倒(回動)変位は、傾倒(回動)変位させる時点での、所定の平行移動直線ガイド線65pとの交点を中心点に自動設定される構成としたが、ユーザの所定操作により中心点を所定の平行移動直線ガイド線65p上の所望の点に移動できるようにすることも可能である。この場合は、図4に示した第2の実施例のように、移動調整した直線ガイド線65-1〜65-3それぞれによって規定される三角形68を試料台像62の輪郭Sに内接させる試料台像アライメントシーケンスであっても適用でき、かつ3本の直線ガイド線65(65-1,65-2,65-3)を平行移動直線ガイド線65pで構成した場合よりも、内接する三角形68の頂点(交点)67(67-1,67-2,67-3)を容易な作業で得ることができる。
【0100】
上述したように、本実施の形態に係る走査電子顕微鏡1は構成されるが、本発明の実施の形態に係る荷電粒子線装置はこれに限るものではなく、様々な実施の形態の変形が含まれる。
【0101】
図12は、本発明の他の実施の形態に係る荷電粒子線装置としての、走査電子顕微鏡の別実施例の概略構成図である。
【0102】
図1に示した走査電子顕微鏡1では、撮像装置40は、顕微鏡装置本体2とは別個に、走査電子顕微鏡1の試料室20に対して外置きされて設けられた構成としたのに対し、本実施の形態に係る走査電子顕微鏡1"では、図12に示すように、撮像装置40は、そのCCDカメラ43の撮像面側を試料室20内に臨ませて、顕微鏡装置本体2に対して一体的に設けられた構成になっている点が異なる。これに伴い、走査電子顕微鏡1"では、試料室20内において、例えば、鏡筒10からの電子ビーム3が照射される観察位置と撮像装置40のCCDカメラ43による撮像装置40とが、試料台6が着脱自在に取り付けられるステージ22の被取付部23に係る水平面内での移動位置が同位置で済むように、電子光学系12の光軸方向とCCDカメラ43の撮像方向とがステージ22の被取付部23に取り付けられた試料台6の載置面6A上で交差可能に、撮像装置40が試料室筐体21に設けられていたり、又は、ステージ22が、電子ビーム3が照射される観察位置とCCDカメラ43による撮像位置との間で、その被取付部23を移動変位させることできる構成になっている。
【0103】
したがって、本実施の形態の走査電子顕微鏡1"によれば、撮像画像の取得と観察画像の取得との間に、試料室筐体21に設けられた開閉可能な試料5の導入/導出口を開放せずに済み、試料観察のために真空状態にされる試料室21内で、視野範囲の設定に使用する光学像や試料台像アライメントのための試料台像62を含む光学像61の取得が可能となり、設定された視野範囲に係る観察像の取得を、試料室21内でそのまま続けて行うことができる。
【0104】
また、本実施の形態の走査電子顕微鏡1,1"では、試料台像アライメント画面における、試料台像62を含む光学像61が表示されるGUI画面60に係る第1〜4の実施例では、図3〜6にそれぞれ示すように、複数本のそれぞれ異なる直線ガイド線65が予め表示されている構成としたが、GUI画面60には直線ガイド線65を当初は表示せず、代わりに、試料台像アライメント画面中に複数本のそれぞれ異なる直線ガイド線65のアイコンを選択可能に表示しておき、ユーザーが所望の直線ガイド線65のアイコンを選択する都度、GUI画面60に選択したアイコンに該当する直線ガイド65が表示される構成とすることも可能である。
【0105】
例えば、試料台像アライメント画面上に、図3に示した直線ガイド線65-1,65-2,65-3それぞれに該当するアイコンと、図5に示した直線ガイド線65-1,65-2それぞれに該当するアイコンとをそれぞれ設けておき、これらの中から、光学像61における試料台像62の輪郭Sに合わせて、ユーザーが使用する所望種類の直線ガイド線65-xのアイコンを選択する構成にすることも可能である。この場合、アイコンの数、すなわち直線ガイド線65の種類は、第1〜4の実施例において示した直線ガイド線65に限定されるものではなく、さらに、多種類の直線ガイド線65のアイコンを設けるようにしてもよい。加えて、この直線ガイド65自体についても、図5を参照して第3の実施例で説明した、複数本の直線ガイド線65を一体化してなる折れ線形状等であってもよく、単なる直線形状に限定されるものでもない。
【0106】
このように、本発明に係る荷電粒子線装置の構成は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施例における具体的な構成は、本発明の理解のためものであり、必ずしも説明した具体的な構成の全てを備えるものに限定されるものではない。例えば、ある実施例の具体的な構成の一部を他の実施例の具体的な構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の具体的な構成に他の実施例の具体的な構成を加えることも可能である。加えて、各実施例の具体的な構成の中の一部については、他の構成を追加・削除・置換をすることが可能である。
【0107】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、コンピュータがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによるソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に保持しておくことができる。
【符号の説明】
【0108】
1,1" 走査電子顕微鏡、 2 顕微鏡装置本体、 3 電子ビーム、
4 信号粒子、 5 試料、 6 試料台、 6A 載置面、
6B 取付部、 S 輪郭形状、 10 鏡筒、 11 電子銃、
12 電子光学系、 13 アノード、 14 コンデンサレンズ、
15 偏向器、 16 対物レンズ、 17 検出器、
20 試料室、 21 試料室筐体、 22 ステージ、
23 被取付部、 24 移動機構、 30 制御装置、
31 ステージ制御部、 32 信号処理部、 33 装置制御部、
34 コンピュータ部、 34A コンピュータ本体、
34B 操作入力機器、 34C 表示装置、 40 撮像装置、
41 取付台、 42 スタンド、 43 CCDカメラ、
44 被取付部、 60 GUI画面、 61 試料台像を含む光学像、
62 試料台像、 65 直線ガイド線、 66 接点、
67 交点、 68 三角形、 69 正方形(正多角形)、
70 ポインタ、 71 始点、 72 終点、
73 線分、
【0109】
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】