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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年8月31日
【発行日】2018年12月13日
(54)【発明の名称】自動分析装置および洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20181116BHJP
【FI】
   G01N35/10 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
【出願番号】特願2018-501092(P2018-501092)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年1月31日
(31)【優先権主張番号】特願2016-33090(P2016-33090)
(32)【優先日】2016年2月24日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村松 由規
(72)【発明者】
【氏名】安居 晃啓
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 慶弘
(72)【発明者】
【氏名】有賀 洋一
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058ED31
2G058FB06
2G058FB07
2G058FB15
2G058FB24
(57)【要約】
洗浄槽113,108,106が、洗浄水供給機構123から供給された洗浄水を洗浄槽113,108,106内に吐出する洗浄水吐出口203と、洗浄水吐出口203から吐出された洗浄水の軌道上に配置され、圧縮空気供給機構124から供給された圧縮空気を洗浄槽113,108,106内に挿入されたサンプルプローブ111bまたは試薬プローブ120に向かって吐出させる圧縮空気吐出口204とを有している。これにより、洗浄槽を大型にすることなく、かつプローブ外壁表面を汚染することなくプローブの外壁表面の残存洗浄水を除去することができる信頼性の高い自動分析装置および分プローブの洗浄方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応容器内で化学反応させた反応液を測定して成分分析を行う自動分析装置であって、
試料または試薬を吸引し、反応容器に吐出するプローブと、
前記プローブを洗浄する洗浄槽と、
前記プローブを洗浄するための洗浄水を前記洗浄槽に供給する洗浄水供給部と、
圧縮空気を前記洗浄槽に供給する圧縮空気供給部と、
前記プローブ、前記洗浄水供給部および前記圧縮空気供給部を制御するコントローラとを備え、
前記洗浄槽は、前記洗浄水供給部から供給された洗浄水を前記洗浄槽内に吐出する洗浄水吐出口と、前記洗浄水吐出口から吐出された洗浄水の軌道上に配置され、前記圧縮空気供給部から供給された圧縮空気を前記洗浄槽内に挿入された前記プローブに向かって吐出させる圧縮空気吐出口とを有する
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動分析装置において、
前記洗浄槽では、前記プローブの洗浄と伴に前記洗浄水によって前記圧縮空気吐出口の洗浄が行われる
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項2に記載の自動分析装置において、
前記洗浄水吐出口は、前記圧縮空気吐出口の斜め下方に配置されており、前記洗浄水吐出口より斜め上方向へ吐出された前記洗浄水により前記圧縮空気吐出口が洗浄される
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項3に記載の自動分析装置において、
前記洗浄槽は、前記洗浄水吐出口より吐出された前記洗浄水を前記プローブまで導くために、前記洗浄水吐出口の上部側面側に側壁が設けられている
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
請求項4に記載の自動分析装置において、
前記洗浄槽の前記側壁は、前記プローブが挿入される位置の前記洗浄水吐出口とは反対側の間隔が広まっている
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
請求項4に記載の自動分析装置において、
前記側壁は、前記洗浄水の吐出向き同じ方向に形成されたエッジを有し、
このエッジは、前記洗浄水吐出口の前記プローブに近い側に形成されている
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
請求項4に記載の自動分析装置において、
前記洗浄槽は、その上面側に、前記プローブが挿入される位置を示すための目印を有する
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項8】
請求項1に記載の自動分析装置において、
前記コントローラは、前記プローブの洗浄後に、前記プローブを上昇させる際に前記圧縮空気を吐出させるよう前記圧縮空気供給部を制御する
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項9】
請求項8に記載の自動分析装置において、
前記コントローラは、前記圧縮空気を吐出させた後に、前記プローブ内より液体を吐出させる
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項10】
請求項9に記載の自動分析装置において、
前記コントローラは、前記プローブ内より液体を吐出させる動作を停止した後に、前記圧縮空気を吐出させる動作を停止させるよう前記圧縮空気供給部を制御する
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項11】
請求項1に記載の自動分析装置において、
前記圧縮空気吐出口は前記プローブが回転可能な位置に位置付けた際に、前記圧縮空気が前記プローブの先端に吹きかかるように配置されている
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項12】
請求項1に記載の自動分析装置において、
前記コントローラは、前記プローブの洗浄後の上昇の前に、前記プローブを追下降させ、この追下降中に前記圧縮空気の吐出量を徐々に増やすよう、前記プローブおよび前記圧縮空気供給部を制御する
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項13】
反応容器内で化学反応させた反応液の吸光度を測定して成分分析を行う自動分析装置での試料または試薬を吸引し、反応容器に吐出するプローブの洗浄方法であって、
前記自動分析装置は、前記プローブと、前記プローブを洗浄する洗浄槽と、前記プローブを洗浄するための洗浄水を前記洗浄槽に供給する洗浄水供給部と、圧縮空気を前記洗浄槽に供給する圧縮空気供給部と、前記プローブ、前記洗浄水供給部および前記圧縮空気供給部を制御するコントローラとを備え、前記洗浄槽は、前記洗浄水供給部から供給された洗浄水を前記洗浄槽内に吐出する洗浄水吐出口と、前記洗浄水吐出口から吐出された洗浄水の軌道上に配置され、前記圧縮空気供給部から供給された圧縮空気を前記洗浄槽内に挿入された前記プローブに向かって吐出させる圧縮空気吐出口とを有し、
前記試料または前記試薬を前記反応容器に吐出した後の前記プローブを前記洗浄槽に移送する移送工程と、
前記プローブに前記洗浄水供給部から供給された洗浄水を前記洗浄水吐出口から吐出する洗浄工程と、を有し、
この洗浄工程では、前記プローブの洗浄と伴に前記洗浄水によって前記圧縮空気吐出口の洗浄が行われる
ことを特徴とする洗浄方法。
【請求項14】
請求項13に記載の洗浄方法において、
前記洗浄工程では、前記プローブの洗浄後に、前記プローブを上昇させる際に前記圧縮空気を前記プローブに向けて吐出させる
ことを特徴とする洗浄方法。
【請求項15】
請求項14に記載の自動分析装置において、
前記洗浄工程では、前記圧縮空気を吐出させた後に、前記プローブ内より液体を吐出させる
ことを特徴とする洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試薬、血液や尿などの液体試料を分析する自動分析装置およびプローブの洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄水を外部へ飛散させること無く短時間でノズルを乾燥させることができ、高スループットで高精度な評価を行うことを目的として、特許文献1には、ノズル用洗浄槽、圧縮空気を供給するためのコンプレッサ、洗浄水を供給するための洗浄水供給機構、を備え、洗浄槽は、ノズルが洗浄のためにアクセスするための上部開放口と、洗浄水をドレインするための下部開放口と、ノズルに洗浄水を噴き付けるための洗浄水噴出口と、ノズルに残留した残存洗浄水を除去するための圧縮空気噴出口を備えた自動分析装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−134142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動分析装置には、用途に応じて様々な装置が存在し、それらの一つに生化学自動分析装置がある。生化学自動分析装置は、血清や尿などの生体試料(以下、「試料」という。)と試薬とをプローブ等のピペッティング機構により反応容器に分注し、反応容器内で反応する際に生じる色調や濁りの変化を分光光度計等の測光ユニットを用いて光学的に測定することにより、試料の成分を分析する。そのため、自動分析装置では、試薬あるいは被検体試料の吸引吐出後に洗浄水によりプローブの内壁および外壁の洗浄を行う洗浄槽が備えられている。
【0005】
従来の自動分析装置では、洗浄槽で分注したプローブの内壁および外壁を洗浄することでプローブを繰り返し使用している。しかし、洗浄後のプローブ外壁表面には洗浄水が残存していることがある。この残存洗浄水が次分注の試料や試薬の濃度を薄めて、分析精度を落としてしまう恐れがあった。従来はプローブの外壁表面に残存した洗浄水を持ち込んだことによる試料や試薬などの濃度変化が測定結果へ与える影響がわずかであったため、プローブの外壁表面に残存した洗浄水を除去せずにそのまま使用していた。
【0006】
近年、分注の微量化が進んできたため、洗浄水を持ち込んだことによる試料や試薬などの濃度変化が測定結果へ与える影響が大きくなってきた。また、同一容器からの吸引とプローブの洗浄を例えば数百回にわたり繰り返す様な装置であれば測定結果への影響が顕著に表れることになる。
【0007】
そこで、プローブ外壁表面に残存した洗浄水を除去する方法が提案されており、例えば上述した特許文献1に記載したような技術がある。
【0008】
特許文献1に記載の装置構成では、圧縮空気を吐出する空気口に洗浄水や試料、試薬が付着するのを防ぐため、空気口を洗浄部より上方かつプローブに対しても距離を確保して設置する必要がある。
【0009】
しかし、空気口を洗浄部より上方に、かつプローブに対して距離を確保して設置すると、洗浄槽の大型化を招く、との問題がある。また、飛沫化試料・試薬等が空気口を汚染した場合、圧縮空気の吐出で汚染物を飛散らせ、プローブ外壁表面を汚染する可能性が否定できない、との問題がある。
【0010】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、洗浄槽を大型にすることなく、かつプローブ外壁表面を汚染することなくプローブの外壁表面の残存洗浄水を除去することができる信頼性の高い自動分析装置およびプローブの洗浄方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、反応容器内で化学反応させた反応液を測定して成分分析を行う自動分析装置であって、試料または試薬を吸引し、反応容器に吐出するプローブと、前記プローブを洗浄する洗浄槽と、前記プローブを洗浄するための洗浄水を前記洗浄槽に供給する洗浄水供給部と、圧縮空気を前記洗浄槽に供給する圧縮空気供給部と、前記プローブ、前記洗浄水供給部および前記圧縮空気供給部を制御するコントローラとを備え、前記洗浄槽は、前記洗浄水供給部から供給された洗浄水を前記洗浄槽内に吐出する洗浄水吐出口と、前記洗浄水吐出口から吐出された洗浄水の軌道上に配置され、前記圧縮空気供給部から供給された圧縮空気を前記洗浄槽内に挿入された前記プローブに向かって吐出させる圧縮空気吐出口とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、洗浄槽を大型化にすることなく、かつプローブ外壁表面を汚染することなくプローブ外壁表面の残存洗浄水を除去することができ、信頼性の高い自動分析装置を実現することができる。前述以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の自動分析装置の概略構成図である。
図2】本発明の一実施形態による洗浄槽の上面図である。
図3】本発明の一実施形態による洗浄槽の断面図である。
図4】本発明の一実施形態による洗浄槽を右側面から見たときの断面図である。
図5】本発明の自動分析装置の洗浄槽の一例を示す図である。
図6】本発明の自動分析装置の洗浄槽の他の一例を示す図である。
図7】本発明の自動分析装置の洗浄槽の更に他の一例を示す図である。
図8】本発明の自動分析装置における洗浄水吐出口から洗浄水が吐出される際の模式図である。
図9】自動分析装置において、圧縮空気口から吐出された残水により試薬プローブが汚染される仕組みの流れを説明する図である。
図10】圧縮空気口から吐出された残水により試薬プローブが汚染される仕組みの流れを説明する図である。
図11】圧縮空気口から吐出された残水により試薬プローブが汚染される仕組みの流れを説明する図である。
図12】圧縮空気口から吐出された残水により試薬プローブが汚染される仕組みの流れを説明する図である。
図13】本発明の自動分析装置における試薬プローブの洗浄動作のタイムチャートである。
図14】本発明の自動分析装置における圧縮空気口から吐出された残水を除去する仕組みの流れを説明する図である。
図15】圧縮空気口から吐出された残水を除去する仕組みの流れを説明する図である。
図16】圧縮空気口から吐出された残水を除去する仕組みの流れを説明する図である。
図17】圧縮空気口から吐出された残水を除去する仕組みの流れを説明する図である。
図18】圧縮空気口から吐出された残水を除去する仕組みの流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の自動分析装置およびプローブの洗浄方法の実施形態を、図1乃至図18を用いて説明する。まず図1を用いて自動分析装置全体の概略について説明する。図1に、本実施例に係る自動分析装置100の全体構成を示す。
【0015】
図1に示すように、自動分析装置100は、反応容器102内で化学反応させた反応液を測定して成分分析を行うための装置であり、反応ディスク101、通常洗浄機構103、分光光度計104、撹拌機構105、洗浄槽106、第1試薬分注機構107、第2試薬分注機構107a、洗浄槽108、試薬ディスク109、試料分注機構111,111a、洗浄槽113、試料搬送機構117、コントローラ118等により概略構成されている。
【0016】
反応ディスク101には、反応容器102が円周状に並んでいる。反応容器102は試料と試薬とを混合させた混合液を収容するための容器であり、反応ディスク101上に複数並べられている。反応ディスク101の近くには、試料容器115を搭載したサンプルラック116を搬送する試料搬送機構117が配置されている。
【0017】
反応ディスク101と試料搬送機構117との間には、回転および上下動可能な試料分注機構111,111aが配置されており、各々サンプルプローブ111bを備えている。サンプルプローブ111bには各々試料用シリンジ122が接続されている。サンプルプローブ111bは回転軸を中心に円弧を描きながら水平移動し、上下移動して試料容器115から反応容器102への試料分注を行う。
【0018】
試薬ディスク109は、その中に試薬を収容した試薬ボトル110や洗剤ボトル112等を複数個円周上に載置可能となっている保管庫である。試薬ディスク109は保冷されている。
【0019】
反応ディスク101と試薬ディスク109の間には回転および上下動が可能な第1試薬分注機構107、第2試薬分注機構107aが設置されており、それぞれ試薬プローブ120を備えている。試薬プローブ120は、試薬分注機構107または試薬分注機構107aにより、上下および水平移動が行われる。試薬プローブ120には各々試薬用シリンジ121が接続されている。この試薬用シリンジ121により、試薬プローブ120を介して試薬ボトル110、洗剤ボトル112、希釈液ボトル、前処理用試薬ボトル等から吸引した試薬、洗剤、希釈液、前処理用試薬等を反応容器102に分注する。
【0020】
反応ディスク101の周囲には、反応容器102内部を洗浄する通常洗浄機構103、反応容器102内の混合液を通過した測定用の光の吸光度を測定するための分光光度計104、および反応容器102へ分注した試料と試薬とを混合する撹拌機構105等が配置されている。
【0021】
また、第1試薬分注機構107や第2試薬分注機構107aの動作範囲上に試薬プローブ120用の洗浄槽108が、試料分注機構111,111aの動作範囲上にサンプルプローブ111b用の洗浄槽113が、撹拌機構105の動作範囲上に撹拌機構105用の洗浄槽106がそれぞれ配置されている。
【0022】
各洗浄槽113,108,106は、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105を洗浄するための洗浄水を各洗浄槽に供給するための洗浄水供給機構(洗浄水供給部)123(洗浄槽113や洗浄槽108に接続される分については図示の都合上、図示を省略する)と、圧縮空気を各洗浄槽に供給するための圧縮空気供給機構(圧縮空気供給部)124(洗浄槽113や洗浄槽108に接続される分については図示の都合上、図示を省略する)とを備えており、各機構はコントローラ118に接続され、その動作がコントローラ118により制御される。
【0023】
コントローラ118は、コンピュータ等から構成され、自動分析装置内の上述した各機構の動作を制御するとともに、血液や尿等の液体試料中の所定の成分の濃度を求める演算処理を行う。
【0024】
以上が自動分析装置の一般的な構成である。
【0025】
上述のような自動分析装置による検査試料の分析処理は、一般的に以下の順に従い実行される。
【0026】
まず、試料搬送機構117によって反応ディスク101近くに搬送されたサンプルラック116の上に載置された試料容器115内の試料を、試料分注機構111,111aのサンプルプローブ111bにより反応ディスク101上の反応容器102へと分注する。次に、分析に使用する試薬を、試薬ディスク109上の試薬ボトル110から第1試薬分注機構107または第2試薬分注機構107aにより先に試料を分注した反応容器102に対して分注する。続いて、撹拌機構105で反応容器102内の試料と試薬との混合液の撹拌を行う。
【0027】
その後、光源から発生させた光を混合液の入った反応容器102を透過させ、透過光の光度を分光光度計104により測定する。分光光度計104により測定された光度を、A/Dコンバータおよびインターフェイスを介してコントローラ118に送信する。そしてコントローラ118によって演算を行い、血液や尿等の液体試料中の所定の成分の濃度を求め、結果を表示部(図示省略)等に表示させる。
【0028】
次に洗浄槽の構成について、試薬プローブ120の洗浄用の洗浄槽108を例に挙げて図2以降を参照して説明する。サンプルプローブ111b用の洗浄槽113および撹拌機構105用の洗浄槽106は、洗浄槽108と概略同じ構成であるため、詳細は省略する。図2は本発明の一実施形態による洗浄槽108の上面図、図3は洗浄槽108の断面図であり、図4は洗浄槽108の正面より右側面から見た断面図である。
【0029】
図2および図3に示すように、本実施例における洗浄槽108は、その上部に試薬プローブ120が洗浄のためにアクセスできるように上部開口部201を備え、下部には洗浄水をドレイン出来るように下部開口部202を備えた構造をしている。
【0030】
また、洗浄槽108の試薬プローブ120がアクセスする位置の斜め下方側には、アクセスした試薬プローブ120に向けて洗浄水を吐出するための洗浄水吐出口203を備えている。この洗浄水吐出口203は洗浄水供給機構123に接続されている。
【0031】
洗浄水供給機構123は、ポンプやシリンジ等の送液が可能な一般的な構成とすることができる。
【0032】
洗浄水吐出口203の上部側面には壁205が設けられている。壁205は、洗浄水吐出口203から吐出された洗浄水が壁205に接触しながら試薬プローブ120に向けて流れるように配置されており、下方にある洗浄水吐出口203から吐出された洗浄水を試薬プローブ120の上方側まで確実に導くことが出来るようになっている。
【0033】
洗浄水吐出口203より吐出された洗浄水の流路(軌道)上には、試薬プローブ120の外壁表面に残存した洗浄水を除去するために、圧縮空気供給機構124から供給される圧縮空気を試薬プローブ120に向けて吐出する圧縮空気吐出口204が備えられている。この圧縮空気吐出口204は、洗浄水吐出口203から見て斜め上方の壁205に設けられた開口であり、洗浄水吐出口203より斜め上方向へ吐出された洗浄水により洗浄されるようになっている。圧縮空気吐出口204は、圧縮空気供給機構124に接続されている。
【0034】
圧縮空気供給機構124は、ポンプやコンプレッサ等の空気を送ることが可能な一般的な構成とすることができ、本実施形態では、空気の送風量を数段階に分けて制御することができるようになっている。
【0035】
図4に示すように、吐出口の中心軸602は、圧縮空気吐出口204から吐出された圧縮空気が圧縮空気の流れ601の様に下方にスムーズに排出されるように、斜め下向きになるよう配置されている。圧縮空気を下方のスムーズに排出させることで両側の圧縮空気吐出口204から吐出された圧縮空気が試薬プローブ120に吹きかかった際に試薬プローブ120の外壁表面の残水を巻き上げることを防ぐ構造となっている。また、圧縮空気吐出口204は、試薬プローブ120を回転可能な位置である最も上昇した位置に位置付けた際に、両側の圧縮空気吐出口204から吐出された圧縮空気が試薬プローブ120の先端に吹きかかるように配置することが望ましい。なお、図2図3で示されるように、図中右側の端はプローブ通過用の切り欠きがあり、この切り欠きを介して洗浄槽108内への回転移動または洗浄槽108内からの回転移動ができるように洗浄槽108は構成されている。
【0036】
図2および図3に戻り、洗浄水吐出口203から吐出された洗浄水の流路を作るために、上述した壁205には、エッジ207および穴208が形成されている。エッジ207は、洗浄水の吐出向きと並行に加工され、洗浄水吐出口203の試薬プローブ120の洗浄時にアクセスする位置に近い側に形成されている。穴208は、試薬プローブ120が洗浄時にアクセスする位置の洗浄水吐出口203とは反対側に形成されており、試薬プローブ120の上方まで導いた洗浄水を下方に落とすために上部開口部201の幅が広がった部分である。
【0037】
また、洗浄槽108の上面側には、試薬プローブ120の洗浄時にアクセスする位置や圧縮空気吐出口204との位置調整を簡易化するための目印206が形成されている。
【0038】
洗浄水吐出口203の上部側面の壁205の形状による洗浄水の流れについて図5図6および図7を用いて説明する。
【0039】
図5は洗浄槽の洗浄水の流れをつくる壁に、洗浄水の吐出向きと並行に加工されたエッジ207と、上方まで導いた洗浄水を下方に落とすために上部開口部201の幅を広げた穴208とを備えた場合の洗浄水の流れを表した図である。図6は本実施形態の洗浄槽の他の一例を示す図であり、壁がエッジ207および穴208を備えていない場合の洗浄水の流れを表した図である。図7も本実施形態の洗浄槽の他の一例を示す図であり、壁が穴208のみを備えた場合の洗浄水の流れを表した図である。
【0040】
図5に示すように、幅を大きくした穴208とエッジ207とを備えた壁を有する洗浄槽501の場合、洗浄水吐出口203から吐出された洗浄水の一部が、プローブまたは撹拌機構の上方に到達する前にエッジ207に到達する。そのため、エッジ207部分から洗浄水が壁側に広がり、下方へ流れ落ちる。そのため、この下方向への流れによって、洗浄水吐出口203から吐出された洗浄水全体が大きな弧を描かずに、洗浄水の流れ502方向に流れる。このため、プローブまたは撹拌機構の先端側まで洗浄水が当たり、十分な洗浄効果を得ることが出来る。また、洗浄後の洗浄水は、穴208の部分まで到達するとその位置より落下し始め、上部開口部201の端面まで到達することなく、下部開口部202へ導かれる。よって上部開口部201の端面にあたった洗浄水が飛散する危険性が非常に低く、そのため、洗浄水が洗浄槽外に飛び散る可能性もなく、清浄度の高い洗浄槽となる。
【0041】
これに対し、図6に示すように、上述したエッジ207および幅を広げた穴208を設けない洗浄槽301の場合、洗浄槽301下方にある洗浄水吐出口203から吐出された洗浄水は、エッジ207がないため、壁に接触しながら洗浄水の流れ302方向に流れ、穴208がないために上部開口部201の端面まで到達する。図6に示す洗浄槽301では、図5に示す洗浄槽501に比べてプローブや撹拌機構の洗浄できる範囲は少ないものの、十分な洗浄を行うことができる。
【0042】
また、図7に示すように、幅を大きくした穴208のみを備えた洗浄槽401の場合、洗浄槽401下方にある洗浄水吐出口203から吐出された洗浄水は上方まで到達後、壁が無くなると下方へ落下し、下部開口部202にドレインされる。また、洗浄槽401下方の壁を流れる洗浄水は横方向に流れるため、洗浄槽401上方で大きな弧を描いて洗浄水の流れ402方向に流れる。そのため、図7に示す洗浄槽401でも、図5に示す洗浄槽501に比べてプローブや撹拌機構の洗浄できる範囲は少ないものの、十分な洗浄を行うことができ、また図6に示す洗浄槽301に比べて、清浄度の高い洗浄槽となる。
【0043】
次に、洗浄水吐出口203から洗浄水が吐出される際の様子について図8を用いて説明する。図8は洗浄水吐出口203から洗浄水が吐出された際の模式図である。
【0044】
図8に示すように、試薬を反応容器102に吐出した後の試薬プローブ120を洗浄する場合、最初に、洗浄槽108に試薬プローブ120を移動させる(移送工程)。次に適切な洗浄範囲を確保するため、洗浄槽108内で試薬プローブ120の下降動作を行い、試薬プローブ120の内壁と外壁の洗浄を行う(洗浄工程)。
【0045】
この洗浄工程において、試薬プローブ120の内壁洗浄は、図示しないポンプによって試薬プローブ120内部を通水し、試薬プローブ120内の流水を吐出することで行う。また、試薬プローブ120の外壁洗浄は、洗浄水供給機構123内にある給水タンクに保持された洗浄水を洗浄槽108内の洗浄水吐出口203より試薬プローブ120の外壁に向けて斜め上方向側へ洗浄水の軌道701のように吐出させることで行う。洗浄後の洗浄水は、下部開口部202から排出される。
【0046】
この外壁洗浄時に、試薬プローブ120の外壁表面に洗浄水が残存する場合がある。この試薬プローブ120の外壁表面に残存した洗浄水を除去しないと、次分注時に試薬へ持ち込まれることになる。そのため、プローブ外壁面に向け、圧縮空気吐出口204より圧縮空気を吐出させることで試薬プローブ120に残存した洗浄水を取り除くことが行われている。
【0047】
ここで、圧縮空気吐出口204が汚染されていた場合、吐出した圧縮空気によって圧縮空気吐出口204に付着した汚染水が洗浄後の試薬プローブ120に飛び散り、洗浄後の試薬プローブ120を汚染してしまうことが起こりうる。
【0048】
しかし、本実施形態の洗浄槽108では、洗浄水吐出口203より吐出された洗浄水の軌道701内に圧縮空気吐出口204が配置されている。このため、試薬プローブ120の洗浄と伴に圧縮空気吐出口204の洗浄が行われる。このように試薬プローブ120の洗浄と伴に圧縮空気吐出口204の洗浄を行うことで、圧縮空気吐出時には圧縮空気吐出口204が汚染されていない状態を保つことができる。
【0049】
ここで、圧縮空気吐出口204を洗浄水によるプローブまたは撹拌機構の洗浄と伴に洗浄を行うことによって、以下のような課題が生じうる。以下、図9乃至図18を用いてその課題およびその解決方法について説明する。まず、生じうる課題について図9乃至図12を用いて説明する。図9乃至図12は、圧縮空気吐出口204から吐出された残水により試薬プローブが汚染される仕組みを説明する図である。
【0050】
図9に示すように、まず圧縮空気吐出口204が洗浄水801により洗浄される。洗浄後、図10に示すように、圧縮空気吐出口204には洗浄水の残水802や膜803ができる可能性がある。次に試薬プローブ120の洗浄範囲をすべて乾燥させるために、洗浄槽108内で追下降を行う。この試薬プローブ120の追下降終了後、試薬プローブ120に向かい圧縮空気を圧縮空気吐出口204より吐出する。このとき、図11に示すように、圧縮空気吐出口204から吐出された圧縮空気と一緒に圧縮空気吐出口204に付着した残水802や膜803の水が試薬プローブ120へ飛び、試薬プローブ120は汚染される可能性がある。その後、図12に示すように、試薬プローブ120の外壁表面が汚染されたまま上昇し、試薬ディスク109へと移動を開始する。結果として次の試薬を吸引する際に、次の試薬を薄めてしまうことになる。
【0051】
この対策として、図13に示した試薬プローブの洗浄動作タイムチャートに基づいた制御をコントローラ118に格納されたプログラムに従って、コントローラ118からの指令により実行する。以下、図13を用いて試薬プローブ120、試薬プローブの内壁洗浄901、試薬プローブの外壁洗浄902、圧縮空気供給機構124、試薬用シリンジ121の動作について説明する。
【0052】
図13において、時間aにて、試薬プローブ120の外壁洗浄902を行うため、洗浄槽180内の洗浄水吐出口203より洗浄水が吐出される。続いて時間bにて、試薬プローブ120を洗浄槽108内に侵入させ、適切な洗浄範囲を確保するために下降を行う。これと同時に試薬プローブ120の内壁洗浄901を行うために、ポンプによって試薬プローブ120内の流水を吐出する。次に、時間cにて、試薬プローブ120の外壁洗浄902を行うための洗浄水の吐出を停止する。
【0053】
次に、時間dにて、洗浄範囲をすべて乾燥させるために洗浄槽108内で試薬プローブ120の追下降を行い、時間eにて、試薬プローブ120に向かい圧縮空気吐出口204から圧縮空気を吐出させる。圧縮空気吐出開始時は微量の圧縮空気の吐出を行い、徐々に吐出量を増していくよう圧縮空気供給機構124を制御する。
【0054】
次に、時間fにて、試薬プローブの内壁洗浄901を行うためのポンプによる流水を停止させる。その後、時間gにて試薬プローブ120を回転可能な位置に向かって上昇させる。この際も、コントローラ118は、圧縮空気を試薬プローブ120に向けて吐出させる。
【0055】
次に、時間hにて、次分注の準備のために、試薬プローブ120に接続された試薬用シリンジ121により試薬プローブ120内の液体の吐出動作を開始する。
【0056】
次に、時間iにて、試薬プローブ120の上昇が終了する。その後、試薬用シリンジ121による次分注の準備のための吐出動作終了後、試薬プローブ120は試薬ディスク109へと移動を開始し、圧縮空気の吐出を停止させる。
【0057】
以上のような動作により、圧縮空気吐出口204から吐出された残水802や膜803の水を試薬プローブ120の表面からも除去することができる。以下、図14乃至図18を用いて圧縮空気吐出口204から吐出された残水802や膜803が除去される仕組みについて説明する。図14乃至図18は圧縮空気吐出口204から吐出された残水802や膜803の水が除去される仕組みを説明する図である。
【0058】
まず、上述した図9に示すように、圧縮空気吐出口204についても、試薬プローブ120の洗浄と伴に洗浄水により洗浄される。洗浄後、上述した図10に示すように、圧縮空気吐出口204には洗浄水801の残水802や膜803ができる可能性がある。
【0059】
次に試薬プローブ120の洗浄範囲をすべて乾燥させるために、洗浄槽108内で追下降を行う(図13の時間d)。
【0060】
この試薬プローブ120の追下降開始後から試薬プローブ120が最下点に到達する前に、試薬プローブ120に向かう圧縮空気が圧縮空気吐出口204より吐出される(図13の時間e)。この際の圧縮空気の吐出量は、上述のように吐出開始時は微量とし、徐々に吐出量を増加させる。このとき、圧縮空気吐出口204から吐出された圧縮空気と一緒に圧縮空気吐出口204に付着した残水802や膜803の水が試薬プローブ120へ飛ぶことがあり、試薬プローブ120は汚染される可能性がある(図11)。しかし、最下点へ到達する前での圧縮空気の吐出量は吐出開始時より徐々に増加されることにより、圧縮空気吐出時に試薬プローブ120に付着させた残水802や膜803の水は微量の圧縮空気により試薬プローブ120の上方側へは運ばれることなく試薬プローブ120の先端側に付着し、試薬プローブ120の追下降動作により洗浄槽下方へ運ばれる(図14)。
【0061】
試薬プローブ120が最下点へ到達した後、圧縮空気の吐出量を増やし(図13の時間g)、試薬プローブ120の上昇動作を開始し、洗浄槽108から取り出して次の試薬の分注のための回転を行うことができる位置まで上昇させる。
【0062】
この試薬プローブ120の上昇中にも圧縮空気の吐出が行われ、残存洗浄水の除去が行われる。この時、圧縮空気吐出口204は斜め下方に向けて圧縮空気を吐出するよう配置されていること、および追下降を行ったため、図15に示すように、試薬プローブ120の洗浄範囲より上方側から試薬プローブ120の先端に向けて残水をそぎ落とすように圧縮空気が吐出される。この状態のまま、試薬プローブ120は上昇するため、図16に示すように、洗浄範囲についた洗浄水の残水は試薬プローブ120の先端に集まる。
【0063】
次に、試薬プローブ120が回転可能な位置までの上昇動作中に、次分注の準備のために試薬プローブ120に接続された試薬用シリンジ121により試薬プローブ120内の液体の吐出動作が行われる。このとき、図17に示すように、吐出された試薬プローブ120内の液体により、圧縮空気により試薬プローブ120の先端へ集められた洗浄水の残水は一緒に洗浄槽108下方の下部開口部202へ導かれる。
【0064】
これらの動作により、圧縮空気の吐出時に付着した残水802や膜803の水を圧縮空気により除去することが可能になる(図18)。
【0065】
また、従来のように、圧縮空気の送風量を調整せずに試薬プローブ120に対して吹きつけて外壁表面に残存した水を飛ばす乾燥方法では、洗浄槽の下部に空気の吸引口や吸引機構を設けるなどして、空気の流れを作れば問題ないが、吐出された圧縮空気の流れが十分でないと、圧縮空気によるプローブ外壁表面の残水を除去する際に一緒に残存洗浄水を飛散させてしまい、最悪の場合は試料評価の精度に影響を与える恐れがある。
【0066】
しかし、本実施形態の自動分析装置における洗浄動作によれば、少量の風量で残水802や膜803の水の除去を行うため、吸引口や吸引機構を設ける必要がなく、圧縮空気による乾燥機構を実装することができる。
【0067】
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0068】
上述した本発明の自動分析装置および洗浄方法の実施形態では、洗浄槽113,108,106が、洗浄水供給機構123から供給された洗浄水を洗浄槽113,108,106内に吐出する洗浄水吐出口203と、洗浄水吐出口203から吐出された洗浄水の軌道上に配置され、圧縮空気供給機構124から供給された圧縮空気を洗浄槽113,108,106内に挿入されたサンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105に向かって吐出させる圧縮空気吐出口204とを有している。
【0069】
このため、吐出した圧縮空気によって圧縮空気吐出口204に付着した汚染水が洗浄後のサンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105に飛び散り、洗浄後のサンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105が汚染されることを防止することができ、洗浄槽を大型にすることなく、かつプローブ外壁表面を汚染することなくプローブ外壁表面の洗浄水の残水を除去することができる。従って、次回の分注・撹拌に洗浄水が持ち越されることを従来に比べて減らすことができ、試料評価の精度に影響を与えることなく、分析精度の高い、すなわち信頼性の高い自動分析装置を提供することができる。
【0070】
また、洗浄槽113,108,106では、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105の洗浄と伴に洗浄水によって圧縮空気吐出口204の洗浄が行われるため、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105の洗浄と伴に圧縮空気吐出口204の洗浄が行われ、圧縮空気吐出時には常に圧縮空気吐出口204が汚染されていない状態を保つことができ、より信頼性の高い洗浄を行うことができる。
【0071】
更に、洗浄水吐出口203は、圧縮空気吐出口204の斜め下方に配置されており、洗浄水吐出口203より斜め上方向へ吐出された洗浄水により圧縮空気吐出口204が洗浄されることで、洗浄水吐出口203から吐出される洗浄水の軌跡を放物線上に広く確保することができ、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105の洗浄範囲をより広げることができ、より効率的な洗浄を行うことができる。
【0072】
また、洗浄槽113,108,106は、洗浄水吐出口203より吐出された洗浄水をサンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105まで導くために、洗浄水吐出口203の上部側面側に壁(側壁)205が設けられていることにより、洗浄水がより正確かつ再現性高くサンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105にあたるため、洗浄効果をより高めることができる。
【0073】
更に、洗浄槽113,108,106の壁205は、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105が挿入される位置の洗浄水吐出口203とは反対側の間隔が広まっている穴208が形成されていることで、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105を洗浄した後の洗浄水を確実に下部開口部202へ導くことができ、洗浄槽113,108,106周りの清浄度のより高い自動分析装置が得られる。
【0074】
また、壁205は、洗浄水の吐出向きと同じ方向に形成されたエッジ207を有し、このエッジ207は、洗浄水吐出口203のサンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105に近い側に形成されていることにより、洗浄水吐出口203より吐出された洗浄水をより広げることができ、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105の洗浄範囲を広げることができる。よってより効率的な洗浄を行うことができる。
【0075】
更に、洗浄槽113,108,106は、その上面側に、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105が挿入される位置を示すための目印206を有することで、メンテナンスなどの際に、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105や圧縮空気吐出口204との位置調整を簡易化することができ、より正確な洗浄を行うことができる。
【0076】
また、コントローラ118は、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105の洗浄後に、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105を上昇させる際に圧縮空気を吐出させるよう圧縮空気供給機構124を制御することで、圧縮空気吐出口204に残存し、圧縮空気の吐出時にサンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105に付着した残水802や膜803の水を除去することができ、より信頼性の高い分析を行うことができるようになる。
【0077】
更に、コントローラ118は、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120に付いた洗浄水の残水を圧縮空気によりサンプルプローブ111b,試薬プローブ120の先端に集め、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120内より液体を吐出させることにより、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120の外壁表面の残水を飛ばすほどの圧縮空気量を必要とせずに残水を除去することができる。よって圧縮空気の吐出と同時に残存洗浄水を飛散させてしまい、試料評価の精度に影響を与えることを確実に回避することができ、分析精度の更なる向上を図ることが可能となる。
【0078】
更に、両側の圧縮空気吐出口204から吐出された圧縮空気がサンプルプローブ111b,試薬プローブ120の回転可能な位置においてサンプルプローブ111b,試薬プローブ120の先端に吹きかかるように圧縮空気吐出口204が配置されていることによって、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120内より吐出させた液体がサンプルプローブ111b,試薬プローブ120の外壁表面に回り込み残存することを防ぎ、より信頼性の高い分析を行うことができるようになる。なお、外壁表面に液体が回り込み残存することをより効果的に抑制するために、試薬プローブ120内より液体を吐出させる動作を停止した後に、圧縮空気を吐出させる動作を停止させることが望ましい。
【0079】
また、上述したように洗浄槽内に吐出された圧縮空気を吸引する吸引機構を設ける必要もなく、圧縮空気量もサンプルプローブ111b,試薬プローブ120の外壁表面の残水を飛ばすほどの圧縮空気量を必要としないため、洗浄槽の簡易可、部品点数の削減、圧縮空気供給機構の小型化が実現でき、必要最低限の圧縮空気量でサンプルプローブ111b,試薬プローブ120の外壁表面の残水を除去することができる。
【0080】
更に、コントローラ118は、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105の洗浄後の上昇の前に、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105を追下降させ、この追下降中に圧縮空気の吐出量を徐々に増やすよう、サンプルプローブ111b,試薬プローブ120および圧縮空気供給機構124を制御することで、圧縮空気吐出口204に残存する残水802や膜803を上部開口部201側へ導くことなくサンプルプローブ111b,試薬プローブ120または撹拌機構105に付着させたり、そのまま下部開口部202に導くことができる。このため、その後の上昇動作時に圧縮空気等によって付着した残水を除去することができ、洗浄槽113,108,106外へ洗浄水が飛散することをより確実に防止することができる。
【0081】
なお、本発明は上記の実施形態に限られず、種々の変形、応用が可能なものである。上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。
【0082】
例えば、圧縮空気の吐出は毎サイクル行う必要はなく、測定する項目によって圧縮空気の吐出の有無を変更することができる。例えば、試薬プローブ120等の洗浄を優先したい項目には圧縮空気吐出動作や乾燥範囲を確保する動作を行わずに洗浄時間を長くする。反対に、水に敏感な項目を測定する場合には圧縮空気の吐出動作を行うことで、項目に対する装置の信頼性を確保することができる。また、圧縮空気の吐出を必要としない動作の場合に圧縮空気の吐出を行わないことにより、圧縮空気供給機構124への負荷を低減することが出来る。
【0083】
また、圧縮空気吐出口204を試薬プローブ120の洗浄位置に備えた場合として示したが、本発明はこれに限定されない。洗浄水吐出口203より吐出された洗浄水の軌道701内に圧縮空気吐出口204を備えることで本発明の効果は得られる。
【0084】
更に、試薬プローブ120の洗浄を例として示したが、本発明はこれに限定されない。サンプルプローブ111bや撹拌機構105であっても本発明の効果は得られる。特に、本発明は、試薬プローブ120等と同様に、プローブ形状を有しており、液体に浸漬させた状態で吸引および吐出動作を繰り返すことで液体を撹拌させるプロープ形態の撹拌機構の洗浄に対しても適用することが望ましい。
【符号の説明】
【0085】
10…試薬ボトル
100…自動分析装置
101…反応ディスク
102…反応容器
103…通常洗浄機構
104…分光光度計
105…撹拌機構
106…洗浄槽(撹拌機構用)
107…第1試薬分注機構
107a…第2試薬分注機構
108…洗浄槽(試薬分注機構用)
109…試薬ディスク
110…試薬ボトル
111…試料分注機構
111a…試料分注機構
111b…サンプルプローブ
112…洗剤ボトル
113…洗浄槽(試料分注機構用)
115…試料容器
116…サンプルラック
117…試料搬送機構
118…コントローラ
120…試薬プローブ
121…試薬用シリンジ
122…試料用シリンジ
123…洗浄水供給機構(洗浄水供給部)
124…圧縮空気供給機構(圧縮空気供給部)
180…洗浄槽
201…上部開口部
202…下部開口部
203…洗浄水吐出口
204…圧縮空気吐出口
205…壁
206…目印
207…エッジ
208…穴
301,401,501…洗浄槽
302,402,502…洗浄水の流れ
601…圧縮空気の流れ
602…吐出口の中心軸
701…洗浄水の軌道
801…洗浄水
802…圧縮空気吐出口の残水
803…圧縮空気吐出口の膜
901…内壁洗浄
902…外壁洗浄
1001…圧縮空気吐出口の残水
1002…圧縮空気吐出口の膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】