【実施例】
【0131】
以下、本実施形態の実施例に係るズームレンズZLを図面に基づいて説明する。
【0132】
図1、
図3、
図5、
図7、
図9、
図11、
図13は、第1〜第7実施例に係るズームレンズZL{ZL(1)〜ZL(7)}の構成等を示す断面図である。これらの図において、Wで示す上段には広角端状態、Mで示す2番目の段には中間焦点位置状態、Tで示す3番目の段には望遠端状態、SMで示す下段にはマクロ状態におけるズームレンズZL(1)〜ZL(7)の各レンズ群の位置を示しており、それらの間の矢印は、広角端状態(W)から望遠端状態(T)に変倍する際、および望遠端状態(T)からマクロ状態(AM)に移行する際の各レンズ群の光軸に沿った移動方向を示す。なお、第1〜第7実施例の全てにおいて、第4レンズ群G4の少なくとも一部が合焦レンズ群として機能し、第4レンズ群G4の少なくとも一部を光軸方向に移動させて無限遠から近距離物体までの合焦を行う。
【0133】
これらの図において、各レンズ群を符号Gと数字の組み合わせにより、各レンズを符号Lと数字の組み合わせにより、それぞれ表している。この場合において、符号、数字の種類および数が大きくなって煩雑化するのを防止するため、実施例毎にそれぞれ独立して符号と数字の組み合わせを用いてレンズ群等を表している。このため、実施例間で同一の符号と数字の組み合わせが用いられていても、同一の構成であることを意味するものでは無い。
【0134】
以下に表1〜表7を示すが、これらは第1〜第7実施例における各諸元データを示す表である。
【0135】
[レンズ諸元]の表において、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からの光学面の順序を示し、Rは各光学面の曲率半径(曲率中心が像側に位置する面を正の値としている)、Dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔、ndは光学部材の材質のd線に対する屈折率、νdは光学部材の材質のd線を基準とするアッベ数を、それぞれ示す。物面とは物体面のことを示し、曲率半径の「∞」は平面又は開口を、(絞りS)は開口絞りSを、(絞りFP)はフレアカット絞りFPを、それぞれ示す。空気の屈折率nd=1.00000の記載は省略している。レンズ面が非球面である場合には面番号に*印を付して曲率半径Rの欄には近軸曲率半径を示している。
【0136】
[非球面データ]の表には、[レンズ諸元]に示した非球面について、その形状を次式(a)で示す。X(y)は非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離を、Rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)を、κは円錐定数を、Aiは第i次の非球面係数を示す。「E-n」は、「×10
-n」を示す。例えば、1.234E-05=1.234×10
-5である。なお、2次の非球面係数A2は0である。
【0137】
X(y)=(y
2/R)/{1+(1−κ×y
2/R
2)
1/2}+A4×y
4+A6×y
6+A8×y
8+A10×y
10 ・・・(a)
【0138】
[全体諸元]の表にはズームレンズ全体の諸元を示し、fはレンズ全系の焦点距離、FNoはFナンバー、ωは半画角(最大入射角、単位は「°」)、Yは像高を示す。Bf(バックフォーカス)は無限遠合焦時の光軸上でのレンズ最終面から像面Iまでの距離(空気換算長)を示し、TLはレンズ全長で、光軸上でのレンズ最前面からレンズ最終面までの距離にBFを加えた距離を示す。なお、これらの値は、広角端状態(W)、中間焦点距離(M)、望遠端状態(T)、マクロ(SM)の各変倍状態におけるそれぞれについて示している。
【0139】
[可変間隔データ(無限遠合焦状態)]、[可変間隔データ(近接物体合焦状態)]、[可変間隔データ(マクロ状態)]の表は、[レンズ諸元]を示す表において面間隔が「可変」となっている面番号での面間隔(この面番号の面から次の面までの面間隔)を示す。例えば、第1実施例の場合には、面番号3,9,18,20,22での面間隔D3,D9,D18,D20,D22を示す。[可変間隔データ(無限遠合焦状態)]の表では無限遠に合焦させたときにおける広角端状態(W)、中間焦点距離(M)、望遠端状態(T)の各変倍状態における面間隔を、[可変間隔データ(近接物体合焦状態)]の表では近接物体に合焦させたときにおける広角端状態(W)、中間焦点距離(M)、望遠端状態(T)の各変倍状態における面間隔を、それぞれ示す。また、[可変間隔データ(マクロ状態)]の表では、マクロ状態での合焦可能領域における、遠端に合焦させたときおよび近端に合焦させたときでの「可変」となっている面番号での面間隔を示す。なお、[可変間隔データ(近接物体合焦状態)]および[可変間隔データ(マクロ状態)]の表において、物体距離は光軸上での物体からレンズ最前面までの距離を示す。
【0140】
[ズームレンズ群データ]の表においては、第1〜第5レンズ群(もしくは第6レンズ群)における群初面(最も物体側の面)と各群の焦点距離を示す。
【0141】
[条件式対応値]の表には、上記の条件式(1)〜(16)に対応する値を示す。
【0142】
以下、全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径R、面間隔D、その他の長さ等は、特記のない場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。
【0143】
各実施例の収差特性を示す
図2、
図4、
図6、
図8、
図10、
図12、
図14において、FNOはFナンバー、ωは各像高に対する半画角(単位は「°」)をそれぞれ示す。dはd線(λ=587.6nm)、gはg線(λ=435.8nm)、CはC線(λ=656.3nm)、FはF線(λ=486.1nm)における収差をそれぞれ示す。非点収差図において実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示す。
【0144】
ここまでの表の説明は全ての実施例において共通であり、以下での説明を省略する。
【0145】
(第1実施例)
第1実施例について、
図1および
図2並びに表1を用いて説明する。
図1は、本実施形態の第1実施例に係るズームレンズZL(1)のレンズ構成を示す図である。第1実施例に係るズームレンズZL(1)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを図示のように有して構成される。なお、各レンズ群記号に付けている符号(+)もしくは(−)は各レンズ群の屈折力を示す。第3レンズ群G3には、物体側に位置する開口絞りSと、像面側に位置するフレアカット絞りFPとが設けられている。また、第5レンズ群G5より像側で像面Iに近接して、フィルターFLおよびカバーガラスCG(像面Iの保護ガラス)が設けられている。フィルターFLは、ローパスフィルタや赤外線カットフィルタ等から構成される。
【0146】
第1レンズ群G1は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL11と物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL12との接合正レンズから構成される。
【0147】
第2レンズ群G2は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL21と、両凹負レンズL22と、物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL23とから構成される。なお、負メニスカスレンズL21は両面が非球面形状である。
【0148】
第3レンズ群は、両凸正レンズL31と、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL32と、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL33と、両凸の正レンズL34とから構成される。なお、両凸正レンズL31は両面が非球面形状であり、負メニスカスレンズL33および両凸の正レンズL34は一体接合されて接合レンズを形成している。
【0149】
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL41から構成される。なお、この負メニスカスレンズL41は像側の面が非球面形状である。第4レンズ群G4は合焦レンズ群として用いられ、これを光軸方向に移動させて無限遠から近距離物体までの合焦を行う。
【0150】
第5レンズ群G5は、両凸正レンズL51から構成され、この正レンズL51の物体側の面が非球面形状である。
【0151】
図1において、上段の広角端状態W、中段の中間焦点位置状態Mおよび下段の望遠端状態Tの間の矢印が示すように、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第1〜第5レンズ群G1〜G5の全てがそれぞれ光軸方向に移動する。
【0152】
このズームレンズZL(1)においては、第4レンズ群G4を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。
【0153】
このズームレンズZL(1)においては、望遠端状態(T)からマクロ状態(SM)への切換が可能であり、この切換は
図1において矢印で示すように第2レンズ群G2を物体側に移動させて行う。すなわち、第2レンズ群G2が領域変更レンズ群を構成する。これにより、[可変間隔データ(マクロ状態)]の表に示すように、第4レンズ群G4による合焦可能領域(物体距離)が近距離側に移動する。具体的には、望遠端状態(T)では物体距離が無限遠から35mmまでの合焦可能領域であったものが、マクロ状態(SM)では6.374(遠端)〜3.0776(近端)mmまでの合焦可能領域となる。
【0154】
第1実施例を含め、以下の実施例では全て望遠端状態(T)からマクロ状態(SM)への切換を行う構成としているが、本実施形態に係るズームレンズはこれに限られるものではない。すなわち、中間位置ズーム状態(M)からマクロ状態(SM)への切換を行う構成としても良い。また、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3の少なくともいずれかを光軸方向に移動させることによりマクロ状態(SM)への切換を行い、第4レンズ群G4による合焦可能領域を近距離側に移動させるようにしても良い。これらについては以下の実施例の全てについて同様であり、以降における重複記載は省略する。
【0155】
本実施例では第3レンズ群G3が光軸と光軸と垂直な方向の変位成分を有する防振レンズ群を構成し、像面I上の像ブレ補正(防振、手ブレ補正)を行うようになっている。全系の焦点距離をfとし、防振係数(振れ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量の比)をKとした撮影レンズにおいて、角度θの回転ブレを補正するには、像ブレ補正用の防振レンズ群VR(移動レンズ群)を(f×tanθ)/Kだけ光軸と垂直な方向に移動させればよい。以降の実施例においても同様であり、重複記載は省略する。
【0156】
第3レンズ群G3の一部、すなわち、第3レンズ群G3の最も物体側のレンズL31又は、像側の部分レンズ群L32〜L34又は、最も像側のレンズ成分L33,L34を、光軸と直角な方向の成分を持つように移動させることにより、手ブレによって生じる像ブレ補正を行うようにしても良い。以下の実施例に共通のことであり以下における記載は省略するが、第2レンズ群G2又は第4レンズ群G4を、光軸と直角な方向の成分を持つように移動させることにより、手ブレによって生じる像ブレ補正をしても良い。さらには、第1もしくは第5レンズ群G1,G5(さらには第6レンズ群G6)を用いた像ブレ補正を行うようにすることも可能である。
【0157】
本実施例のズームレンズにおいて、望遠端状態における半画角ωtは14.52003°であり、広角端状態における半画角ωwは42.66851°である。
【0158】
以下の表1に、第1実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
【0159】
(表1)第1実施例
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面
1 3.3875 0.0883 1.94595 17.98
2 2.5073 0.3917 1.804 46.6
3 15.3256 D3(可変)
4* 10.4377 0.0883 1.77377 47.18
5* 0.9368 0.5682
6 -2.0103 0.0552 1.6968 55.52
7 11.741 0.0165
8 2.8956 0.182 2.00272 19.32
9 32.9378 D9(可変)
10 ∞ 0.1103 (絞りS)
11* 1.428 0.342 1.7433 49.32
12* -20.4848 0.2482
13 2.0754 0.0662 1.78472 25.64
14 1.178 0.1048
15 2.0894 0.0662 1.84666 23.8
16 1.1635 0.4082 1.59319 67.9
17 -2.2213 0.1324
18 ∞ D18(可変) (絞りFP)
19 11.8729 0.0552 1.58313 59.44
20* 1.4678 D20(可変)
21* 3.9352 0.342 1.7725 49.49
22 -5.2116 D22(可変)
23 ∞ 0.0519 1.5168 63.88
24 ∞ 0.1449
25 ∞ 0.0772 1.5168 63.88
26 ∞ 0.141
像面I ∞
[非球面データ]
面番号 K A4 A6 A8 A10
4 1 -1.0277E-02 -1.3472E-03 1.8041E-03 0.0000E+00
5 1 -3.5627E-02 -3.9762E-02 -2.8089E-03 -1.0271E-01
11 1 -2.2811E-02 2.6608E-03 0.0000E+00 0.0000E+00
12 1 5.4839E-02 1.6759E-03 0.0000E+00 0.0000E+00
20 1 5.4875E-02 -3.4000E-02 -6.0070E-03 0.0000E+00
21 1 1.6561E-02 4.9596E-03 0.0000E+00 0.0000E+00
[全体諸元]
広角端 中間焦点距離 望遠端 マクロ
f 1 1.89786 3.35396 2.28336
FNO 1.85737 2.5538 2.82081 2.74749
ω 42.66851 25.63713 14.52003
Y 0.767 0.904 0.904 0.904
Bf 0.9752 0.8584 0.9272 0.9272
TL 7.0767 6.9849 7.8656 7.8656
[可変間隔データ(無限遠合焦状態)]
広角端 中間焦点距離 望遠端
物体距離 ∞ ∞ ∞
D3 0.0477 0.5288 1.5595
D9 1.9831 0.8163 0.2790
D18 0.2116 0.7499 1.0551
D20 0.5934 0.7659 0.7792
D22 0.6042 0.4874 0.5562
[可変間隔データ(近接物体合焦状態)]
広角端 中間焦点距離 望遠端
物体距離 35 35 35
倍率 -0.02736 -0.05105 -0.08465
D3 0.0477 0.5288 1.5595
D9 1.9831 0.8163 0.2790
D18 0.2127 0.7534 1.0660
D20 0.5923 0.7623 0.7682
D22 0.6042 0.4874 0.5562
[可変間隔データ(マクロ状態)]
遠端 近端
物体距離 6.374 3.0776
倍率 -0.24955 -0.37577
D3 1.0575 1.0575
D9 0.7810 0.7810
D18 1.0452 1.3722
D20 0.7890 0.4620
D22 0.5562 0.5562
[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 5.74405
G2 4 -1.16027
G3 11 1.57546
G4 19 -2.87791
G5 21 2.95058
[条件式対応値]
条件式(1) GD3/ft=0.368
条件式(2) GD2/ft=0.271
条件式(3) f1/ft=1.713
条件式(4) TLt/ft=2.345
条件式(5) (β45w)/(β45t)=0.962
条件式(6) ωt=14.52003°
条件式(7) ωw=42.66851°
条件式(8) (−βSM)=0.376
条件式(9) βSM/βM=4.439
条件式(10) |fSM/fF|=0.403
条件式(11) |fSM|/fw=1.160
条件式(12) |fF|/fw=2.878
条件式(13) (β4w)/(β4t)=0.987
条件式(14) (βFw)/(βFt)=0.987
条件式(15) (ft/fw)/FNw=1.806
条件式(16) FNw=1.857
【0160】
図2(a)、
図2(b)および
図2(c)はそれぞれ、第1実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
【0161】
各諸収差図より、本実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有していることがわかる。
【0162】
(第2実施例)
第2実施例について、
図3および
図4並びに表2を用いて説明する。
図3は、本実施形態の第2実施例に係るズームレンズZL(2)のレンズ構成を示す図である。第2実施例に係るズームレンズZL(2)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを図示のように有して構成される。第3レンズ群G3には、物体側に位置する開口絞りSと、像面側に位置するフレアカット絞りFPとが設けられている。また、第5レンズ群G5より像側で像面Iに近接して、フィルターFLおよびカバーガラスCG(像面Iの保護ガラス)が設けられている。
【0163】
第1レンズ群G1は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL11と物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL12との接合正レンズから構成される。
【0164】
第2レンズ群G2は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL21と、両凹負レンズL22と、物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL23とから構成される。なお、負メニスカスレンズL21は両面が非球面形状である。
【0165】
第3レンズ群は、両凸正レンズL31と、両凸正レンズL32と、両凹負レンズL33と、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL34と、両凸正レンズL35とから構成される。両凸正レンズL31は両面が非球面形状である。両凸正レンズL32と、両凹負レンズL33は一体接合されて接合レンズを形成している。負メニスカスレンズL34および両凸の正レンズL35も一体接合されて接合レンズを形成している。
【0166】
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL41から構成される。なお、この負メニスカスレンズL41は像側の面が非球面形状である。第4レンズ群G4は合焦レンズ群として用いられ、これを光軸方向に移動させて無限遠から近距離物体までの合焦を行う。
【0167】
第5レンズ群G5は、両凸正レンズL51から構成され、この正レンズL51の物体側の面が非球面形状である。
【0168】
図3において、上段の広角端状態W、中段の中間焦点位置状態Mおよび下段の望遠端状態Tの間の矢印が示すように、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第1〜第5レンズ群G1〜G5の全てがそれぞれ光軸方向に移動する。
【0169】
このズームレンズZL(2)においては、第4レンズ群G4を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。
【0170】
このズームレンズZL(2)においては、望遠端状態(T)からマクロ状態(SM)への切換が可能であり、この切換は
図3において矢印で示すように第2レンズ群G2を物体側に移動させて行う。すなわち、第2レンズ群G2が領域変更レンズ群を構成する。これにより、[可変間隔データ(マクロ状態)]の表に示すように、第4レンズ群G4による合焦可能領域が近距離側に移動する。
【0171】
本実施例では第3レンズ群G3が光軸と光軸と垂直な方向の変位成分を有する防振レンズ群を構成し、像面I上の像ブレ補正(防振、手ブレ補正)を行うようになっている。なお、第3レンズ群G3の一部、すなわち、第3レンズ群G3の最も物体側のレンズL31又は、像側の部分レンズ群L32〜L35又は、最も像側のレンズ成分L34,L35を、光軸と直角な方向の成分を持つように移動させることにより、手ブレによって生じる像ブレ補正を行うようにしても良い。
【0172】
本実施例のズームレンズにおいて、望遠端状態における半画角ωtは14.53401°であり、広角端状態における半画角ωwは42.43174°である。
【0173】
以下の表2に、第2実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
【0174】
(表2)第2実施例
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面
1 3.1536 0.0773 1.94595 17.98
2 2.5266 0.4042 1.72916 54.61
3 15.6755 D3(可変)
4* 7.9832 0.0884 1.77377 47.18
5* 0.9378 0.558
6 -2.5161 0.0552 1.72916 54.61
7 6.4431 0.0166
8 2.3071 0.1823 1.94595 17.98
9 8.6129 D9(可変)
10 ∞ 0.221 (絞りS)
11* 1.473 0.3315 1.7433 49.32
12* -9.5313 0.0387
13 1.5629 0.2762 1.497 81.73
14 -25.8147 0.0663 1.6727 32.19
15 1.0285 0.1547
16 3.163 0.0552 1.86074 23.08
17 1.5302 0.2762 1.6968 55.52
18 -2.4035 0
19 ∞ D19(可変) (絞りFP)
20* 51.2989 0.0552 1.58913 61.24
21* 1.7425 D21(可変)
22* 4.2621 0.3315 1.6935 53.22
23 -4.0082 D23(可変)
24 ∞ 0.0519 1.5168 63.88
25 ∞ 0.0898
26 ∞ 0.0773 1.5168 63.88
27 ∞ 0.141
像面I ∞
[非球面データ]
面番号 K A4 A6 A8 A10
4 1 -3.8126E-03 -1.6217E-02 1.5790E-02 -4.8965E-03
5 1 -8.8940E-03 -5.0871E-03 -8.5885E-02 4.4979E-02
11 1 -2.8024E-02 1.2681E-02 4.0042E-03 0.0000E+00
12 1 3.8589E-02 1.8219E-02 0.0000E+00 0.0000E+00
20 1 -5.8686E-02 1.3480E-01 0.0000E+00 0.0000E+00
21 1 1.1002E-02 9.4759E-02 -3.4107E-02 0.0000E+00
22 1 2.5224E-02 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00
[全体諸元]
広角端 中間焦点距離 望遠端 マクロ
f 1 1.87846 3.36895 2.26309
FNO 1.87916 2.80398 2.86889 2.88258
ω 42.43174 25.18874 14.53401
Y 0.767 0.904 0.904 0.904
Bf 1.0628 0.9394 1.0231 1.0231
TL 6.8148 6.7811 7.7414 7.7414
[可変間隔データ(無限遠合焦状態)]
広角端 中間焦点距離 望遠端
物体距離 ∞ ∞ ∞
D3 0.0410 0.4834 1.5573
D9 1.7759 0.6899 0.1669
D19 0.2204 0.7541 1.0519
D21 0.5262 0.7258 0.7537
D23 0.7468 0.6234 0.7071
[可変間隔データ(近接物体合焦状態)]
広角端 中間焦点距離 望遠端
物体距離 35 35 35
倍率 -0.02738 -0.05073 -0.08562
D3 0.0410 0.4834 1.5573
D9 1.7759 0.6899 0.1669
D19 0.2215 0.7578 1.0635
D21 0.5251 0.7221 0.7421
D23 0.7468 0.6234 0.7071
[可変間隔データ(マクロ状態)]
遠端 近端
物体距離 6.1755 3.1721
倍率 -0.25483 -0.37261
D3 1.0553 1.0553
D9 0.6689 0.6689
D19 1.0519 1.3691
D21 0.7537 0.4366
D23 0.7071 0.7071
[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 5.82896
G2 4 -1.16011
G3 11 1.51941
G4 20 -3.06294
G5 22 3.02824
[条件式対応値]
条件式(1) GD3/ft=0.356
条件式(2) GD2/ft=0.267
条件式(3) f1/ft=1.730
条件式(4) TLt/ft=2.298
条件式(5) (β45w)/(β45t)=0.958
条件式(6) ωt=14.53401°
条件式(7) ωw=42.43174°
条件式(8) (−βSM)=0.373
条件式(9) βSM/βM=4.352
条件式(10) |fSM/fF|=0.379
条件式(11) |fSM|/fw=1.160
条件式(12) |fF|/fw=3.063
条件式(13) (β4w)/(β4t)=0.978
条件式(14) (βFw)/(βFt)=0.978
条件式(15) (ft/fw)/FNw=1.793
条件式(16) FNw=1.879
【0175】
図4(a)、
図4(b)および
図4(c)はそれぞれ、第2実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
【0176】
各諸収差図より、本実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有していることがわかる。
【0177】
(第3実施例)
第3実施例について、
図5および
図6並びに表3を用いて説明する。
図5は、本実施形態の第3実施例に係るズームレンズZL(3)のレンズ構成を示す図である。第3実施例に係るズームレンズZL(3)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを図示のように有して構成される。第3レンズ群G3には、物体側に位置する開口絞りSと、像面側に位置するフレアカット絞りFPとが設けられている。また、第5レンズ群G5より像側で像面Iに近接して、フィルターFLおよびカバーガラスCG(像面Iの保護ガラス)が設けられている。
【0178】
第1レンズ群G1は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL11と物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL12との接合正レンズから構成される。
【0179】
第2レンズ群G2は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL21と、両凹負レンズL22と、物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL23とから構成される。なお、負メニスカスレンズL21は両面が非球面形状である。
【0180】
第3レンズ群は、両凸正レンズL31と、両凸正レンズL32と、両凹負レンズL33と、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL34と、両凸正レンズL35とから構成される。両凸正レンズL31は両面が非球面形状である。両凸正レンズL32と、両凹負レンズL33は一体接合されて接合レンズを形成している。負メニスカスレンズL34および両凸の正レンズL35も一体接合されて接合レンズを形成している。
【0181】
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL41から構成される。なお、この負メニスカスレンズL41は両面が非球面形状である。第4レンズ群G4は合焦レンズ群として用いられ、これを光軸方向に移動させて無限遠から近距離物体までの合焦を行う。
【0182】
第5レンズ群G5は、両凸正レンズL51から構成され、この正レンズL51の物体側の面が非球面形状である。
【0183】
図5において、上段の広角端状態W、中段の中間焦点位置状態Mおよび下段の望遠端状態Tの間の矢印が示すように、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第1〜第5レンズ群G1〜G5の全てがそれぞれ光軸方向に移動する。
【0184】
このズームレンズZL(3)においては、第4レンズ群G4を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。
【0185】
このズームレンズZL(3)においては、望遠端状態(T)からマクロ状態(SM)への切換が可能であり、この切換は
図5において矢印で示すように第2レンズ群G2を物体側に移動させて行う。すなわち、第2レンズ群G2が領域変更レンズ群を構成する。これにより、[可変間隔データ(マクロ状態)]の表に示すように、第4レンズ群G4による合焦可能領域が近距離側に移動する。
【0186】
本実施例では第3レンズ群G3が光軸と光軸と垂直な方向の変位成分を有する防振レンズ群を構成し、像面I上の像ブレ補正(防振、手ブレ補正)を行うようになっている。なお、第3レンズ群G3の一部、すなわち、第3レンズ群G3の最も物体側のレンズL31又は、像側の部分レンズ群L32〜L35又は、最も像側のレンズ成分L34,L35を、光軸と直角な方向の成分を持つように移動させることにより、手ブレによって生じる像ブレ補正を行うようにしても良い。
【0187】
本実施例のズームレンズにおいて、望遠端状態における半画角ωtは14.69713°であり、広角端状態における半画角ωwは43.16675°である。
【0188】
以下の表3に、第3実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
【0189】
(表3)第3実施例
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面
1 3.262 0.0773 1.94595 17.98
2 2.6152 0.4004 1.72916 54.61
3 19.259 D3(可変)
4* 9.3069 0.0884 1.77377 47.18
5* 0.954 0.5578
6 -2.573 0.0552 1.72916 54.61
7 8.1048 0.0166
8 2.3225 0.1822 1.94595 17.98
9 7.9296 D9(可変)
10 ∞ 0.2209 (絞りS)
11* 1.4456 0.3313 1.7433 49.32
12* -10.45 0.0387
13 1.5349 0.2761 1.497 81.73
14 -18.3425 0.0663 1.6727 32.19
15 1.0028 0.1546
16 3.2294 0.0552 1.86074 23.08
17 1.5988 0.2761 1.6968 55.52
18 -2.4672 0
19 ∞ D19(可変) (絞りFP)
20* 25.8254 0.0552 1.58913 61.24
21* 1.7391 D21(可変)
22* 3.7316 0.3313 1.6935 53.22
23 -4.7609 D23(可変)
24 ∞ 0.0519 1.5168 63.88
25 ∞ 0.0898
26 ∞ 0.0773 1.5168 63.88
27 ∞ 0.141
像面I ∞
[非球面データ]
面番号 K A4 A6 A8 A10
4 1 -5.2858E-03 -1.7600E-02 1.8250E-02 -5.7364E-03
5 1 -1.2357E-02 -1.8167E-02 -6.4645E-02 2.4629E-02
11 1 -2.8836E-02 1.2255E-02 4.1574E-03 0.0000E+00
12 1 3.7458E-02 1.8284E-02 0.0000E+00 0.0000E+00
20 1 -5.2731E-02 1.4672E-01 0.0000E+00 0.0000E+00
21 1 8.6032E-03 9.3057E-02 -1.9129E-02 0.0000E+00
22 1 2.1390E-02 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00
[全体諸元]
広角端 中間焦点距離 望遠端 マクロ
f 1 1.8914 3.36583 2.24309
FNO 1.88356 2.89577 2.88494 2.88908
ω 43.16675 25.96976 14.69713
Y 0.767 0.904 0.904 0.904
Bf 1.0284 0.9052 1.0419 1.0419
TL 6.8685 6.7817 7.7424 7.7424
[可変間隔データ(無限遠合焦状態)]
広角端 中間焦点距離 望遠端
物体距離 ∞ ∞ ∞
D3 0.0442 0.5122 1.5303
D9 1.8532 0.7122 0.1802
D19 0.2209 0.7684 0.9886
D21 0.5383 0.7000 0.8178
D23 0.7124 0.5893 0.7259
[可変間隔データ(近接物体合焦状態)]
広角端 中間焦点距離 望遠端
物体距離 35 35 35
倍率 -0.02737 -0.05098 -0.08598
D3 0.0442 0.5122 1.5303
D9 1.8532 0.7122 0.1802
D19 0.2221 0.7725 1.0003
D21 0.5372 0.6960 0.8061
D23 0.7124 0.5893 0.7259
[可変間隔データ(マクロ状態)]
遠端 近端
物体距離 6.1947 3.2118
倍率 -0.25471 -0.37427
D3 1.0003 1.0003
D9 0.7102 0.7102
D19 0.9886 1.3057
D21 0.8178 0.5006
D23 0.7259 0.7259
[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 5.79867
G2 4 -1.19283
G3 11 1.5409
G4 20 -3.16791
G5 22 3.06545
[条件式対応値]
条件式(1) GD3/ft=0.356
条件式(2) GD2/ft=0.267
条件式(3) f1/ft=1.723
条件式(4) TLt/ft=2.300
条件式(5) (β45w)/(β45t)=0.954
条件式(6) ωt=14.69713°
条件式(7) ωw=43.16675°
条件式(8) (−βSM)=0.374
条件式(9) βSM/βM=4.353
条件式(10) |fSM/fF|=0.377
条件式(11) |fSM|/fw=1.193
条件式(12) |fF|/fw=3.168
条件式(13) (β4w)/(β4t)=0.947
条件式(14) (βFw)/(βFt)=0.947
条件式(15) (ft/fw)/FNw=1.787
条件式(16) FNw=1.884
【0190】
図6(a)、
図6(b)および
図6(c)はそれぞれ、第3実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
【0191】
各諸収差図より、本実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有していることがわかる。
【0192】
(第4実施例)
第4実施例について、
図7および
図8並びに表4を用いて説明する。
図7は、本実施形態の第4実施例に係るズームレンズZL(4)のレンズ構成を示す図である。第4実施例に係るズームレンズZL(4)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを図示のように有して構成される。第3レンズ群G3には、物体側に位置する開口絞りSと、像面側に位置するフレアカット絞りFPとが設けられている。また、第5レンズ群G5より像側で像面Iに近接して、フィルターFLおよびカバーガラスCG(像面Iの保護ガラス)が設けられている。
【0193】
第1レンズ群G1は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL11と物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL12との接合正レンズから構成される。
【0194】
第2レンズ群G2は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL21と、両凹負レンズL22と、物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL23とから構成される。なお、負メニスカスレンズL21は像側の面が非球面形状である。
【0195】
第3レンズ群は、両凸正レンズL31と、物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL32と、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL33と、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL34と、両凸正レンズL35とから構成される。両凸正レンズL31は両面が非球面形状である。正メニスカスレンズL32と負メニスカスレンズL33は一体接合されて接合レンズを形成している。負メニスカスレンズL34および両凸正レンズL35も一体接合されて接合レンズを形成している。
【0196】
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL41から構成される。なお、この負メニスカスレンズL41は両面が非球面形状である。第4レンズ群G4は合焦レンズ群として用いられ、これを光軸方向に移動させて無限遠から近距離物体までの合焦を行う。
【0197】
第5レンズ群G5は、物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL51から構成され、この正レンズL51の物体側の面が非球面形状である。
【0198】
図7において、上段の広角端状態W、中段の中間焦点位置状態Mおよび下段の望遠端状態Tの間の矢印が示すように、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第1〜第5レンズ群G1〜G5の全てがそれぞれ光光軸方向に移動する。
【0199】
このズームレンズZL(4)においては、第4レンズ群G4を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。
【0200】
このズームレンズZL(4)においては、望遠端状態(T)からマクロ状態(SM)への切換が可能であり、この切換は
図7において矢印で示すように第2レンズ群G2を物体側に移動させて行う。すなわち、第2レンズ群G2が領域変更レンズ群を構成する。これにより、[可変間隔データ(マクロ状態)]の表に示すように、第4レンズ群G4による合焦可能領域が近距離側に移動する。
【0201】
本実施例では第3レンズ群G3が光軸と光軸と垂直な方向の変位成分を有する防振レンズ群を構成し、像面I上の像ブレ補正(防振、手ブレ補正)を行うようになっている。なお、第3レンズ群G3の一部、すなわち、第3レンズ群G3の最も物体側のレンズL31又は、像側の部分レンズ群L32〜L35又は、最も像側のレンズ成分L34,L35を、光軸と直角な方向の成分を持つように移動させることにより、手ブレによって生じる像ブレ補正を行うようにしても良い。
【0202】
本実施例のズームレンズにおいて、望遠端状態における半画角ωtは14.51777°であり、広角端状態における半画角ωwは42.67031°である。
【0203】
以下の表4に、第4実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
【0204】
(表4)第4実施例
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面
1 3.2141 0.0884 1.94595 17.98
2 2.3453 0.4309 1.816 46.59
3 17.3395 D3(可変)
4 16.3087 0.0884 1.7433 49.32
5* 0.9531 0.6022
6 -1.8874 0.0552 1.6968 55.52
7 57.6296 0.0282
8 3.4874 0.1699 2.00272 19.32
9 111.2282 D9(可変)
10 ∞ 0.221 (絞りS)
11* 1.3816 0.3432 1.72903 54.04
12* -7.376 0.0247
13 1.4205 0.2445 1.497 81.73
14 5.5815 0.0442 1.68893 31.16
15 0.9507 0.4486
16 2.2113 0.0442 1.85026 32.35
17 1.1215 0.3315 1.62299 58.12
18 -3.5608 0 (絞りFP)
19 ∞ D19(可変)
20* 5.0681 0.0552 1.73077 40.51
21* 2.0224 D21(可変)
22* 1.7141 0.2669 1.77377 47.18
23 3.557 D23(可変)
24 ∞ 0.0519 1.5168 63.88
25 ∞ 0.0898
26 ∞ 0.0773 1.5168 63.88
27 ∞ 0.141
像面I ∞
[非球面データ]
面番号 K A4 A6 A8 A10
5 1 -2.5859E-02 -5.6063E-02 7.7839E-02 -1.3757E-01
11 1 -4.0586E-02 2.6733E-03 -1.7504E-03 0.0000E+00
12 1 2.9516E-02 6.5358E-03 0.0000E+00 0.0000E+00
20 1 8.3482E-02 -7.8078E-02 0.0000E+00 0.0000E+00
21 1 9.8739E-02 -5.5317E-02 -5.8759E-02 0.0000E+00
22 1 -6.4620E-03 1.4245E-02 -2.3396E-03 0.0000E+00
[全体諸元]
広角端 中間焦点距離 望遠端 マクロ
f 1 1.92696 3.35673 2.08794
FNO 1.88928 2.82255 2.88619 2.87291
ω 42.67031 25.26831 14.51777
Y 0.767 0.904 0.904 0.904
Bf 0.7481 0.7376 0.7312 0.7312
TL 7.1599 6.9821 7.6287 7.6287
[可変間隔データ(無限遠合焦状態)]
広角端 中間焦点距離 望遠端
物体距離 ∞ ∞ ∞
D3 0.0636 0.6770 1.3697
D9 1.9834 0.7169 0.1626
D19 0.0663 0.6972 0.9499
D21 0.8113 0.6662 0.9281
D23 0.4321 0.4216 0.4152
[可変間隔データ(近接物体合焦状態)]
広角端 中間焦点距離 望遠端
物体距離 35 35 35
倍率 -0.02723 -0.05085 -0.08377
D3 0.0636 0.6770 1.3697
D9 1.9834 0.7169 0.1626
D19 0.0680 0.7041 0.9678
D21 0.8096 0.6593 0.9102
D23 0.4321 0.4216 0.4152
[可変間隔データ(マクロ状態)]
遠端 近端
物体距離 6.1525 3.1352
倍率 -0.24709 -0.3630
D3 0.7747 0.7747
D9 0.7576 0.7576
D19 0.9499 1.4499
D21 0.9281 0.4281
D23 0.4152 0.4152
[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 5.105
G2 4 -1.16285
G3 11 1.66345
G4 20 -4.64087
G5 22 4.02186
[条件式対応値]
条件式(1) GD3/ft=0.441
条件式(2) GD2/ft=0.281
条件式(3) f1/ft=1.521
条件式(4) TLt/ft=2.273
条件式(5) (β45w)/(β45t)=0.982
条件式(6) ωt=14.51777°
条件式(7) ωw=42.67031°
条件式(8) (−βSM)=0.363
条件式(9) βSM/βM=4.333
条件式(10) |fSM/fF|=0.251
条件式(11) |fSM|/fw=1.163
条件式(12) |fF|/fw=4.641
条件式(13) (β4w)/(β4t)=0.987
条件式(14) (βFw)/(βFt)=0.987
条件式(15) (ft/fw)/FNw=1.777
条件式(16) FNw=1.889
【0205】
図8(a)、
図8(b)および
図8(c)はそれぞれ、第4実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
【0206】
各諸収差図より、本実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有していることがわかる。
【0207】
(第5実施例)
第5実施例について、
図9および
図10並びに表5を用いて説明する。
図9は、本実施形態の第5実施例に係るズームレンズZL(5)のレンズ構成を示す図である。第5実施例に係るズームレンズZL(5)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを図示のように有して構成される。第3レンズ群G3には、物体側に位置する開口絞りSと、像面側に位置するフレアカット絞りFPとが設けられている。また、第5レンズ群G5より像側で像面Iに近接して、フィルターFLおよびカバーガラスCG(像面Iの保護ガラス)が設けられている。
【0208】
第1レンズ群G1は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL11と物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL12との接合正レンズから構成される。
【0209】
第2レンズ群G2は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL21と、両凹負レンズL22と、物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL23とから構成される。なお、負メニスカスレンズL21は像側の面が非球面形状である。
【0210】
第3レンズ群は、両凸正レンズL31と、物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL32と、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL33と、両凸正レンズL34と、物体側に凹面を有する負メニスカスレンズL35とから構成される。両凸正レンズL31は両面が非球面形状である。正メニスカスレンズL32と負メニスカスレンズL33は一体接合されて接合レンズを形成している。両凸正レンズL34および負メニスカスレンズL35も一体接合されて接合レンズを形成している。
【0211】
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL41から構成される。なお、この負メニスカスレンズL41は両面が非球面形状である。第4レンズ群G4は合焦レンズ群として用いられ、これを光軸方向に移動させて無限遠から近距離物体までの合焦を行う。
【0212】
第5レンズ群G5は、物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL51から構成され、この正レンズL51の物体側の面が非球面形状である。
【0213】
図9において、上段の広角端状態W、中段の中間焦点位置状態Mおよび下段の望遠端状態Tの間の矢印が示すように、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第1〜第5レンズ群G1〜G5の全てがそれぞれ光軸方向に移動する。
【0214】
このズームレンズZL(5)においては、第4レンズ群G4を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。
【0215】
このズームレンズZL(5)においては、望遠端状態(T)からマクロ状態(SM)への切換が可能であり、この切換は
図9において矢印で示すように第2レンズ群G2を物体側に移動させて行う。すなわち、第2レンズ群G2が領域変更レンズ群を構成する。これにより、[可変間隔データ(マクロ状態)]の表に示すように、第4レンズ群G4による合焦可能領域が近距離側に移動する。
【0216】
本実施例では第3レンズ群G3が光軸と光軸と垂直な方向の変位成分を有する防振レンズ群を構成し、像面I上の像ブレ補正(防振、手ブレ補正)を行うようになっている。なお、第3レンズ群G3の一部、すなわち、第3レンズ群G3の最も物体側のレンズL31又は、像側の部分レンズ群L32〜L35又は、最も像側のレンズ成分L34,L35を、光軸と直角な方向の成分を持つように移動させることにより、手ブレによって生じる像ブレ補正を行うようにしても良い。
【0217】
本実施例のズームレンズにおいて、望遠端状態における半画角ωtは14.53401°であり、広角端状態における半画角ωwは42.43174°である。
【0218】
以下の表5に、第5実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
【0219】
(表5)第5実施例
[レンズ諸元]
面番号 R D nd d
物面
1 3.2044 0.0884 1.94595 17.98
2 2.3264 0.4309 1.816 46.59
3 17.16 D3(可変)
4 17.9136 0.0884 1.7433 49.32
5* 0.9625 0.6022
6 -2.2918 0.0552 1.6968 55.52
7 7.6677 0.0282
8 2.6818 0.1699 2.00272 19.32
9 12.6188 D9(可変)
10 ∞ 0.221 (絞りS)
11* 1.3036 0.3432 1.72903 54.04
12* -11.261 0.0247
13 1.3167 0.2445 1.497 81.73
14 4.6476 0.0442 1.68893 31.16
15 0.8709 0.4486
16 2.6037 0.3315 1.62299 58.12
17 -1.1215 0.0442 1.85026 32.35
18 -2.4302 0 (絞りFP)
19 ∞ D19(可変)
20* 4.4199 0.0552 1.73077 40.51
21* 1.9088 D21(可変)
22* 1.9819 0.2669 1.77377 47.18
23 5.137 D23(可変)
24 ∞ 0.0519 1.5168 63.88
25 ∞ 0.0898
26 ∞ 0.0773 1.5168 63.88
27 ∞ 0.141
像面I ∞
[非球面データ]
面番号 K A4 A6 A8 A10
5 1 -1.7791E-02 -4.6675E-02 7.2601E-02 -1.1891E-01
11 1 -3.9866E-02 -2.1355E-03 -4.2878E-03 0.0000E+00
12 1 2.7811E-02 4.4447E-03 0.0000E+00 0.0000E+00
20 1 1.1539E-01 2.3824E-02 0.0000E+00 0.0000E+00
21 1 1.3406E-01 4.4920E-02 -7.4216E-03 0.0000E+00
22 1 -5.6707E-04 8.0669E-03 2.0901E-03 0.0000E+00
[全体諸元]
広角端 中間焦点距離 望遠端 マクロ
f 1 1.92695 3.35671 2.08792
FNO 1.87916 2.80398 2.86889 2.86628
ω 42.43174 25.18874 14.53401
Y 0.767 0.904 0.904 0.904
Bf 0.7850 0.7745 0.7681 0.7681
TL 7.1381 6.9603 7.6069 7.6069
[可変間隔データ(無限遠合焦状態)]
広角端 中間焦点距離 望遠端
物体距離 ∞ ∞ ∞
D3 0.0554 0.6688 1.3615
D9 1.9810 0.7145 0.1602
D19 0.0556 0.6865 0.9392
D21 0.7739 0.6288 0.8907
D23 0.4690 0.4585 0.4521
[可変間隔データ(近接物体合焦状態)]
広角端 中間焦点距離 望遠端
物体距離 35 35 35
倍率 -0.02723 -0.05085 -0.08378
D3 0.0554 0.6688 1.3615
D9 1.9810 0.7145 0.1602
D19 0.0573 0.6934 0.9571
D21 0.7722 0.6220 0.8728
D23 0.4690 0.4585 0.4521
[可変間隔データ(マクロ状態)]
遠端 近端
物体距離 6.1525 3.034
倍率 -0.2471 -0.36856
D3 0.7665 0.7665
D9 0.7552 0.7552
D19 0.9392 1.4692
D21 0.8907 0.3607
D23 0.4521 0.4521
[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 5.10497
G2 4 -1.16284
G3 11 1.66344
G4 20 -4.64084
G5 22 4.02184
[条件式対応値]
条件式(1) GD3/ft=0.441
条件式(2) GD2/ft=0.281
条件式(3) f1/ft=1.521
条件式(4) TLt/ft=2.266
条件式(5) (β45w)/(β45t)=0.982
条件式(6) ωt=14.53401°
条件式(7) ωw=42.43174°
条件式(8) (−βSM)=0.369
条件式(9) βSM/βM=4.399
条件式(10) |fSM/fF|=0.251
条件式(11) |fSM|/fw=1.163
条件式(12) |fF|/fw=4.641
条件式(13) (β4w)/(β4t)=0.987
条件式(14) (βFw)/(βFt)=0.987
条件式(15) (ft/fw)/FNw=1.786
条件式(16) FNw=1.879
【0220】
図10(a)、
図10(b)および
図10(c)はそれぞれ、第5実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
【0221】
各諸収差図より、本実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有していることがわかる。
【0222】
(第6実施例)
第6実施例について、
図11および
図12並びに表6を用いて説明する。
図11は、本実施形態の第6実施例に係るズームレンズZL(6)のレンズ構成を示す図である。第6実施例に係るズームレンズZL(6)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6と、を図示のように有して構成される。第3レンズ群G3には、物体側に位置する開口絞りSと、像面側に位置するフレアカット絞りFPとが設けられている。また、第6レンズ群G6より像側で像面Iに近接して、フィルターFLおよびカバーガラスCG(像面Iの保護ガラス)が設けられている。
【0223】
第1レンズ群G1は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL11と物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL12との接合正レンズから構成される。
【0224】
第2レンズ群G2は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL21と、両凹負レンズL22と、物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL23とから構成される。なお、負メニスカスレンズL21は両面が非球面形状である。
【0225】
第3レンズ群は、両凸正レンズL31と、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL32と、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL33と、両凸の正レンズL34とから構成される。なお、両凸正レンズL31は両面が非球面形状であり、負メニスカスレンズL33および両凸の正レンズL34は一体接合されて接合レンズを形成している。
【0226】
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL41から構成される。なお、この負メニスカスレンズL41は像側の面が非球面形状である。第4レンズ群G4は合焦レンズ群として用いられ、これを光軸方向に移動させて無限遠から近距離物体までの合焦を行う。
【0227】
第5レンズ群G5は、両凸正レンズL51から構成され、この正レンズL51の物体側の面が非球面形状である。
【0228】
第6レンズ群G6は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL61から構成される。
【0229】
図11において、上段の広角端状態W、中段の中間焦点位置状態Mおよび下段の望遠端状態Tの間の矢印が示すように、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第1〜第5レンズ群G1〜G5がそれぞれ光軸方向に移動する。このとき、第6レンズ群G6は固定保持される。
【0230】
このズームレンズZL(6)においては、第4レンズ群G4を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。
【0231】
このズームレンズZL(6)においては、望遠端状態(T)からマクロ状態(SM)への切換が可能であり、この切換は
図11において矢印で示すように第2レンズ群G2を物体側に移動させて行う。すなわち、第2レンズ群G2が領域変更レンズ群を構成する。これにより、[可変間隔データ(マクロ状態)]の表に示すように、第4レンズ群G4による合焦可能領域が近距離側に移動する。
【0232】
本実施例では第3レンズ群G3が光軸と光軸と垂直な方向の変位成分を有する防振レンズ群を構成し、像面I上の像ブレ補正(防振、手ブレ補正)を行うようになっている。なお、第3レンズ群G3の一部、すなわち、第3レンズ群G3の最も物体側のレンズL31又は、像側の部分レンズ群L32〜L34又は、最も像側のレンズ成分L33,L34を、光軸と直角な方向の成分を持つように移動させることにより、手ブレによって生じる像ブレ補正を行うようにしても良い。
【0233】
本実施例のズームレンズにおいて、望遠端状態における半画角ωtは14.53992°であり、広角端状態における半画角ωwは42.67674°である。
【0234】
以下の表6に、第6実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
【0235】
(表6)第6実施例
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面
1 3.2901 0.0882 1.94595 17.98
2 2.6402 0.3916 1.72916 54.61
3 21.1939 D3(可変)
4* 15.4456 0.0882 1.77377 47.18
5* 0.9837 0.5681
6 -2.2701 0.0552 1.6968 55.52
7 7.0401 0.0165
8 2.6497 0.182 2.00272 19.32
9 14.405 D9(可変)
10 ∞ 0.1103 (絞りS)
11* 1.5449 0.342 1.7433 49.32
12* -28.5524 0.2482
13 1.6489 0.0662 1.78472 25.64
14 1.2161 0.1103
15 2.5754 0.0662 1.84666 23.8
16 1.1765 0.4081 1.59319 67.9
17 -2.1185 0.1324
18 ∞ D18(可変)(絞りFP)
19 11.1739 0.0552 1.58313 59.44
20* 1.4562 D20(可変)
21* 4.519 0.342 1.7725 49.49
22 -4.4457 D22(可変)
23 3.356 0.0882 1.62299 58.12
24 2.857 D24(固定)
25 ∞ 0.0518 1.5168 63.88
26 ∞ 0.1448
27 ∞ 0.0772 1.5168 63.88
28 ∞ 0.1412
像面I ∞
[非球面データ]
面番号 K A4 A6 A8 A10
4 1 3.9922E-03 -4.4140E-03 5.9089E-04 0.0000E+00
5 1 -5.8580E-03 -1.7876E-02 4.1541E-02 -7.9696E-02
11 1 -1.4027E-02 8.6442E-03 0.0000E+00 0.0000E+00
12 1 5.7779E-02 7.7172E-03 0.0000E+00 0.0000E+00
20 1 7.6285E-02 -3.2205E-02 -2.3999E-02 0.0000E+00
21 1 2.5897E-02 6.1646E-04 0.0000E+00 0.0000E+00
[全体諸元]
広角端 中間焦点距離 望遠端 マクロ
f 1 1.89724 3.35295 2.24281
FNO 1.84511 2.55007 2.81632 2.81477
ω 42.67674 25.80641 14.53992
Y 0.767 0.904 0.904 0.904
Bf 0.6245 0.4778 0.5543 0.5543
TL 7.0167 6.7970 7.7481 7.7481
[可変間隔データ(無限遠合焦状態)]
広角端 中間焦点距離 望遠端
物体距離 ∞ ∞ ∞
D3 0.0459 0.5102 1.5361
D9 1.9704 0.8173 0.2755
D18 0.2358 0.7660 1.0747
D20 0.5277 0.7500 0.7653
D22 0.2535 0.1168 0.1833
D24 0.3329 0.3329 0.3329
[可変間隔データ(近接物体合焦状態)]
広角端 中間焦点距離 望遠端
物体距離 35 35 35
倍率 -0.02735 -0.05104 -0.08473
D3 0.0459 0.5102 1.5361
D9 1.9704 0.8173 0.2755
D18 0.2651 0.8631 1.3684
D20 0.4984 0.6529 0.4716
D22 0.2535 0.1168 0.1833
D24 0.3329 0.3329 0.3329
[可変間隔データ(マクロ状態)]
遠端 近端
物体距離 6.2367 3.0633
倍率 -0.25391 -0.37824
D3 1.0341 1.0341
D9 0.7775 0.7775
D18 1.0747 1.3919
D20 0.7653 0.4482
D22 0.1833 0.1833
D24 0.3329 0.3329
[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 5.74295
G2 4 -1.16005
G3 11 1.57516
G4 19 -2.87736
G5 21 2.95002
G6 23 -33.09216
[条件式対応値]
条件式(1) GD3/ft=0.410
条件式(2) GD2/ft=0.271
条件式(3) f1/ft=1.713
条件式(4) TLt/ft=2.311
条件式(5) (β45w)/(β45t)=0.952
条件式(6) ωt=14.53992°
条件式(7) ωw=42.67674°
条件式(8) (−βSM)=0.378
条件式(9) βSM/βM=4.464
条件式(10) |fSM/fF|=0.403
条件式(11) |fSM|/fw=1.160
条件式(12) |fF|/fw=2.877
条件式(13) (β4w)/(β4t)=0.988
条件式(14) (βFw)/(βFt)=0.988
条件式(15) (ft/fw)/FNw=1.817
条件式(16) FNw=1.845
【0236】
図12(a)、
図12(b)および
図12(c)はそれぞれ、第6実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
【0237】
各諸収差図より、本実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有していることがわかる。
【0238】
(第7実施例)
第7実施例について、
図13および
図14並びに表7を用いて説明する。
図13は、本実施形態の第7実施例に係るズームレンズZL(7)のレンズ構成を示す図である。第7実施例に係るズームレンズZL(7)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、を図示のように有して構成される。第3レンズ群G3には、物体側に位置する開口絞りSと、像面側に位置するフレアカット絞りFPとが設けられている。また、第5レンズ群G5より像側で像面Iに近接して、フィルターFLおよびカバーガラスCG(像面Iの保護ガラス)が設けられている。
【0239】
第1レンズ群G1は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL11と物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL12との接合正レンズから構成される。
【0240】
第2レンズ群G2は、物体側に凸面を有する負メニスカスレンズL21と、両凹負レンズL22と、物体側に凸面を有する正メニスカスレンズL23とから構成される。負メニスカスレンズL21は両面が非球面形状である。
【0241】
第3レンズ群は、両凸正レンズL31と、両凸正レンズL32と、両凹負レンズL33と、両凸正レンズL34とから構成される。両凸正レンズL32および両凹負レンズL33は一体接合されて接合レンズを形成している。両凸正レンズL31は両面が非球面形状であり、両凸正レンズL34の像側面が非球面形状である。
【0242】
第4レンズ群G4は、両凸の正レンズL41から構成される。この正レンズL41は両面が非球面形状である。第4レンズ群G4は合焦レンズ群として用いられ、これを光軸方向に移動させて無限遠から近距離物体までの合焦を行う。
【0243】
第5レンズ群G5は、両凹負レンズL51から構成され、この負レンズL51の物体側の面が非球面形状である。
【0244】
図13において、上段の広角端状態W、中段の中間焦点位置状態Mおよび下段の望遠端状態Tの間の矢印が示すように、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第1〜第5レンズ群G1〜G5がそれぞれ光軸方向に移動する。
【0245】
このズームレンズZL(7)においては、第4レンズ群G4を像面方向へ移動させることにより、遠距離物体から近距離物体への合焦が行われる。
【0246】
このズームレンズZL(7)においては、望遠端状態(T)からマクロ状態(SM)への切換が可能であり、この切換は
図13において矢印で示すように第2レンズ群G2を物体側に移動させて行う。すなわち、第2レンズ群G2が領域変更レンズ群を構成する。これにより、[可変間隔データ(マクロ状態)]の表に示すように、第4レンズ群G4による合焦可能領域が近距離側に移動する。
【0247】
本実施例では第3レンズ群G3が光軸と光軸と垂直な方向の変位成分を有する防振レンズ群を構成し、像面I上の像ブレ補正(防振、手ブレ補正)を行うようになっている。なお、第3レンズ群G3の一部、すなわち、第3レンズ群G3の最も物体側のレンズL31又は、像側の部分レンズ群L32〜L34又は、最も像側のレンズ成分L33,L34を、光軸と直角な方向の成分を持つように移動させることにより、手ブレによって生じる像ブレ補正を行うようにしても良い。
【0248】
本実施例のズームレンズにおいて、望遠端状態における半画角ωtは12.37580°であり、広角端状態における半画角ωwは43.30179°である。
【0249】
以下の表7に、第7実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
【0250】
(表7)第7実施例
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面
1 3.6173 0.1105 1.94595 17.98
2 2.7628 0.4585 1.755 52.34
3 54.6358 D3(可変)
4* 38.9382 0.0994 1.85135 40.1
5* 1.1252 0.5137
6 -4.2898 0.0773 1.72916 54.61
7 3.8889 0.011
8 2.1649 0.2209 1.94595 17.98
9 9.5995 D9(可変)
10 ∞ 0.0552 (絞りS)
11* 1.1867 0.3701 1.7433 49.32
12* -7.3091 0.1105
13 2.7618 0.2486 1.48749 70.31
14 -2.6936 0.0552 1.80518 25.45
15 1.2031 0.1657
16 3.9463 0.2541 1.62263 58.19
17* -5.2112 0
18 ∞ D18(可変) (絞りFP)
19* 2.0922 0.3038 1.6935 53.22
20* -5.2062 D20(可変)
21* -3.9412 0.0773 1.6968 55.48
22 5.1429 D22(可変)
23 ∞ 0.0519 1.5168 63.88
24 ∞ 0.05
25 ∞ 0.0773 1.5168 63.88
26 ∞ 0.1
像面I ∞
[非球面データ]
面番号 K A4 A6 A8 A10
4 1 1.9047E-03 -3.5909E-03 3.1539E-03 -1.5240E-03
5 -3.5417 3.9833E-01 -3.1316E-01 3.5521E-01 -1.4261E-01
11 1 -1.3066E-02 6.1910E-03 0.0000E+00 0.0000E+00
12 1 9.3778E-02 -3.0825E-02 0.0000E+00 0.0000E+00
17 1 -3.0383E-02 5.5197E-02 5.1720E-01 0.0000E+00
19 1 -5.6503E-02 -1.3308E-01 1.4892E-01 0.0000E+00
20 1 2.2515E-02 -2.5850E-01 1.9342E-01 0.0000E+00
21 1 5.8433E-02 -1.4607E-01 4.5339E-02 0.0000E+00
[全体諸元]
広角端 中間焦点距離 望遠端 マクロ
f 1 1.98851 3.94294 2.24281
FNO 1.86671 2.56554 2.85296 2.85417
ω 43.30179 24.56857 12.3758
Y 0.767 0.904 0.904 0.904
Bf 0.3350 0.7684 1.3951 1.3951
TL 6.3713 6.5362 7.7513 7.7513
[可変間隔データ(無限遠合焦状態)]
広角端 中間焦点距離 望遠端
物体距離 ∞ ∞ ∞
D3 0.0552 0.7859 1.7626
D9 1.8740 0.7295 0.2210
D18 0.4644 0.6498 1.0475
D20 0.5109 0.4708 0.1933
D22 0.2363 0.6697 1.2964
[可変間隔データ(近接物体合焦状態)]
広角端 中間焦点距離 望遠端
物体距離 35 35 35
倍率 -0.02668 -0.05087 -0.0915
D3 0.0552 0.7859 1.7626
D9 1.8740 0.7295 0.2210
D18 0.4644 0.6498 1.0475
D20 0.5986 0.6394 0.5354
D22 0.1486 0.5011 0.9543
[可変間隔データ(マクロ状態)]
遠端 近端
物体距離 5.2579 3.0633
倍率 -0.26856 -0.38137
D3 0.8788 0.8788
D9 1.1047 1.1047
D18 1.0475 1.0475
D20 0.1933 0.4574
D22 1.2964 1.0324
[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 5.54001
G2 4 -1.3232
G3 11 1.96534
G4 19 2.18937
G5 21 -3.19103
[条件式対応値]
条件式(1) GD3/ft=0.305
条件式(2) GD2/ft=0.234
条件式(3) f1/ft=1.405
条件式(4) TLt/ft=1.966
条件式(5) (β45w)/(β45t)=1.067
条件式(6) ωt=12.37580°
条件式(7) ωw=43.30179°
条件式(8) (−βSM)=0.381
条件式(9) βSM/βM=4.168
条件式(10) |fSM/fF|=0.603
条件式(11) |fSM|/fw=1.323
条件式(12) |fF|/fw=2.189
条件式(13) (β4w)/(β4t)=1.374
条件式(14) (βFw)/(βFt)=1.374
条件式(15) (ft/fw)/FNw=2.112
条件式(16) FNw=1.867
【0251】
図14(a)、
図14(b)および
図14(c)はそれぞれ、第7実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。
【0252】
各諸収差図より、本実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有していることがわかる。
【0253】
ここで、上記各実施例は本願発明の一具体例を示しているものであり、本願発明はこれらに限定されるものではない。
【0254】
以下の内容は、本実施形態のズームレンズの光学性能を損なわない範囲で適宜採用することが可能である。
【0255】
本実施形態のズームレンズの実施例として5群もしくは6群構成のものを示したが、本願はこれに限られず、その他の群構成(例えば、7群等)のズームレンズを構成することもできる。具体的には、本実施形態のズームレンズの最も物体側や最も像面側にレンズ又はレンズ群を追加した構成でも構わない。なお、レンズ群とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
【0256】
単独または複数のレンズ群、または部分レンズ群を光軸方向に移動させて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群としても良い。この合焦レンズ群は、オートフォーカスにも適用でき、オートフォーカス用の(超音波モータ等を用いた)モータ駆動にも適している。特に、第4レンズ群の少なくとも一部を合焦レンズ群とするのが好ましい。
【0257】
レンズ群または部分レンズ群を光軸に垂直な方向の変位成分を持つように移動させ、または、光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手ブレによって生じる像ブレを補正する防振レンズ群としても良い。特に、第3レンズ群の少なくとも一部を防振レンズ群とするのが好ましい。
【0258】
レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工および組立調整が容易になり、加工および組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げるので好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないので好ましい。
【0259】
レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれでも構わない。また、レンズ面は回折面としても良く、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプラスチックレンズとしても良い。
【0260】
開口絞りは第3レンズ群の近傍または中に配置されるのが好ましいが、開口絞りとしても部材を設けずに、レンズの枠でその役割を代用しても良い。
【0261】
各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減し、コントラストの高い光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施しても良い。
【0262】
なお、実施形態のズームレンズ(変倍光学系)は、変倍比が2〜10倍程度である。